1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
硫酸アンモニア増産及配給統制法案
臨時農村負債處理法案
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委員氏名
委員長 公爵 鷹司信輔君
副委員長 伯爵 後藤一藏君
子爵 高橋是賢君
男爵 松田正之君
男爵 園田武彦君
菊池恭三君
稻畑勝太郎君
野村茂久馬君
岩崎清行君
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昭和十三年三月二十日(日曜日)午後二時三十七分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303716X00119380320&spkNum=0
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001・鷹司信輔
○委員長(公爵鷹司信輔君) ソレデハ委員
會ヲ開會致シマス、先ヅ初メニ政府委員ヨ
リ本案ノ御說明ヲ願ヒタイト存ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303716X00119380320&spkNum=1
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002・助川啓四郎
○政府委員(助川啓四郞君) 硫酸「アンモ
ラティ增產及配給統制法案ノ立案ノ趣旨ニ
付キマシテハ、本會議ニ於テ大臣カラ申述
ベタ通リデアリマスガ、玆ニハ其ノ內容ニ
付キマシテ、御說明申上ゲタイト存ジマス、
我ガ國ニ於ケル硫酸「アンモニア」ノ消費ハ極
メテ著シク增加ノ趨勢ニアリマシテ、最近
ニ於テハ年々二十餘萬「トン」ノ增加ヲ示シ其
ノ一箇年消費額ハ約一億五千萬圓ニ上リ、
販賣肥料總消費額ノ約三分ノ一ヲ占メテ居ル
ノデアリマス、而モ斯クノ如キ消費增加ノ
趨勢ハ、今後ニ於キマシテモ相當ノ年數繼
續スルモノト考ヘネバナラナイノデアリマ
ス、然ルニ硫酸「アンモニア」ノ國內生產ヲ見
マスルニ、年々相當增大致シテ居リマスガ、
遺憾ナガラ需要ノ增加ニ應ズルコトヲ得マ
セヌノデ、每年海外ヨリ二十萬「トン」內外
ノ輸入ヲ要スルノデアリマシテ、「トン」當
リ百圓ト致シマシテモ約二千萬圓ノ海外支
拂ヲ餘儀ナクセラレテ居ル實情デアリマス、
從ッテ將來ニ於ケル消費額ノ增加ニ應ジ得
ベキ十分ナル數量ノ供給ヲ確保致シ、又有
事ノ際ニ於ケル軍需資材ヘノ轉換ノ餘力ヲ
モ保有セシメマスヤウ、速カニ且適確ニ硫酸
「アンモニア」生產ノ擴充ヲ圖リマスルコト
ハ誠ニ緊要ト考フルノデアリマス、仍テ本
法實施行後五箇年間ニ硫酸「アンモニア」製
造設備ノ新設又ハ增設ヲ致シマスモノニ對
シ、其ノ設備ヲ以テ營ム硫酸「アンモニア」
製造事業ニ付、事業開始ノ年ヨリ五箇年間
所得稅、營業收益稅及地方稅ヲ免除シ、又
右事業ニ要スル器具機械ノ輸入稅ヲ免除シ
更ニ右事業ハ土地收用法ニ依リ土地ヲ使用
又ハ收用シ得ル事業トシテ、同法ヲ適用シ、
又資金調達ノ便宜ヲ得シムル爲、右事業ヲ
行フ株式會社ニハ、株金全額拂込前ノ增資
ヲ認メ、及ビ社債發行限度ヲ拂込株金額ノ
二倍トスル等ノ保護助成ヲ與フルコトト致
シマスト共ニ、必要ニ應ジ日本硫安株式會
社又ハ硫酸「アンモニア」製造業者ニ對シ、製
造設備ノ新設增設及改良ヲ命ジ得ルコトト
シ、右命令ニ依リ損失ヲ生ジタル時ハ、政
府ハ之ヲ補償スルコトト致シタノデアリマ
ス、次ニ配給統制ノ問題ニ付キマシテハ、硫
酸「アンモニア」ノ肥料中ニ於ケル重要性ニ
鑑ミ、其ノ配給統制機構ヲ確立致シマスコ
トガ極メテ緊要デアリマスノデ、日本硫安
株式會社ナル特殊會社ヲ設立セシメ、硫酸
「アンモニア」配給統制事業ヲ完全ニ遂行セ
シムルト共ニ、民間ニ於ケル增產ノ進捗狀
況ニ照シ、必要アル場合ニ於テハ硫酸「ア
ンモニア」ノ製造、其ノ他供給確立上必要
ナル事業ヲモ行ハシムルコトト致シタノデ
アリマス、本會社ノ資本金ハ差當リ一千萬
圓ト致シマスガ、資本ノ增加及社債ノ募集
ニ付商法ノ特例ヲ設ケテ、資金調達ノ便宜
ヲ與ヘ、特ニ社債ニ付キマシテハ、其ノ元
利ノ支拂ヲ政府ニ於テ保證スルコトヲ得ル
コトト致シマシタ、又本會社ノ特殊ナル重
要性ニ鑑ミ、上述ノ如キ保護特典ヲ與ヘマ
スト共ニ、適當ナル指導監督ヲ行フコトヲ
必要ト認メマシテ、業務執行上重要ナル事
項ハ政府ノ認可ヲ受ケシメ、又其ノ利益配
當ヲ制限シ、更ニ業務ニ關シ監督上必要ナ
ル命令ヲ爲スコト等ノ規定ヲ設ケマシテ、
以テ本會社ノ運營ニ遺憾無キヲ期シタ次第
デアリマス、更ニ硫酸「アンモニア」製造業
者等ハ其ノ製造又ハ取扱ニ係ル硫酸p)
モニア」ヲ本會社ニ對シ賣渡スベキ旨ノ規
定ヲ設ケマシタガ、此ノ事ハ現ニ臨時肥料
配給統制法第一條第三項ノ規定ニ依リ、命
令ヲ出シテ居リマスモノヲ取入レタノデア
リマス、尙日本硫安株式會社ノ設立ニ付キ
マシテハ、現在ノ硫安販賣株式會社ガ一定
ノ手續ヲ經テ、之ヲ日本硫安株式會社トナ
スコトヲ得ルコトト致シテ居リマス、以上
本案ノ大體ヲ御說明申上ゲマシタガ、何卒
御審議ノ上御可決アラムコトヲ希望致シマ
ス、臨時農村負債處理法案ノ提出理由ニ付
キマシテハ、大體本會議ニ於テ申上ゲタ通
リデアリマシテ、其ノ趣旨ハ今次支那事變
ニ際シマシテ、多數ノ應召者ヲ出シ、而モ
戰死傷者モ少クナイ農山漁村ニ於テ、戰死
傷者遺家族ニ付其ノ經濟更生ヲ圖ル爲ニ、大
體從來ノ農村負債整理制度ノ例ニ準ジツヽ、
尙相當擴充セル新制度ニ依リ、此ノ際急速
ニ負債整理ヲ爲サシムルノ途ヲ開カムト
スルコトニアルノデアリマスガ、以下本法
案ノ內容ノ主ナルモノニ付、二三御說明ヲ
申上ゲタイト存ジマス、第一點ハ未ダ負債
整理組合ノ設立ヲ見ルニ至ラナイ農山漁村
ニ於キマシテモ、戰死傷者遺家族ノ負債整
理ヲ爲サシムル途ヲ開クコトトシタノデア
リマス、卽チ從來ノ制度ニ依リマスト、負
債整理ヲ致シマス爲ニハ、原則トシテ負債
整理組合ヲ設立シナケレバナラナイノデア
リマスガ、負債整理組合設立ノ實情ニ徵シ
マシテ、全國ノ農山漁村ニ普ク組合ノ設立
ヲ見ルニ至リマス迄ニハ、尙若干ノ時日ヲ
要スルモノト認メラレマスルシ、一方戰死
傷者遺家族ノ負債整理ニ付キマシテハ、
急速ニ之ヲ行フ必要ガアリマスノデ、
是等戰死傷者遺家族ノ負債整理ニ付テ
ハ、必ズシモ負債整理組合ノ設立ヲ
要シナイコトト致シタノデアリマス、第二
點ハ道府縣ニ臨時負債處理委員會ヲ設置
シ、從來ノ制度ニ依ル市町村負債整理委員
會ニ代ッテ、債務ノ條件緩和ノ斡旋等ヲ爲サ
シムルコトシタノデアリマス、卽チ之ニ
付キマシテモ負債整理組合ト同樣、市町村
負債整理委員會設置ノ現況ニ鑑ミマシテ、
全國ニ其ノ設置ノ普及ヲ見ル迄ニハ、尙若
干ノ時日ト經費ヲ要スルモノト認メラレマ
スノデ、道府縣單位ノ負債處理委員會ヲ設
クルコトトシ、更ニ此ノ委員會ヲシテ、其
ノ機能ヲ十分發揮セシムル爲、若干ノ權能
ヲ與フルコトト致シタノデアリマス、第三
點ハ、本法ニ依リマシテ負債處理計畫ノ
樹立セラレマシタ戰死傷者遺家族ニ對シテ
ハ、市町村、產業組合中央金庫及融資銀行
ヨリ負債處理ノ爲必要ナル資金ノ特別融通
ヲ爲サシムルコトト致シタノデアリマスガ、
其ノ融通ニ依ッテ市町村、產業組合中央金庫
及融資銀行ノ受ケタル損失ニ付キマシテ
ハ、之ニ對シ損失補償ヲ致スコトトシタノ
デアリマス、而シテ其ノ補償ノ割合ヲ從來
ノ制度ニ依ル割合ノソレ〓〓二倍ニ引上グ
ルコトト致シタノデアリマスガ、是ハ從來
ノ制度ニ於キマシテモ、農山漁村ノ實情ニ
鑑ミ、相當ノ損失補償ヲ爲シ來ッタノデアリ
マスガ、戰死傷者遺家族ハ一層經濟的彈力
ニ乏シイモノト認メラレマスノデ、其ノ補
償ノ割合ヲ引上ゲ、以テ資金融通ノ圓滑ヲ
圖ルコトト致シタノデアリマス、以上本法
案ニ依ル負債處理制度ノ從來ノ制度ト異ナ
ル主ナル點ニ付御說明申上ゲタノデアリマ
スガ、何卒御審議ノ上速カニ御可決アラム
コトヲ希望致ス次第デアリマス、今囘提案
致シマシタ硫酸「アンモニア」增產及配給統
制法案ニ付、御審議ヲ願フニ當リマシテ、肥
料界ノ現狀ヲ申上ゲテ、御審議ノ御參考ニ
供シタイト思ヒマス、御承知ノ如ク、我ガ
國ノ農業經營方法ハ、我ガ國ノ國情カラ致
シマシテ、今後益〓集約的トナルコトハ必至
ノ勢デアリマシテ、肥料ノ消費高ガ年々增
加シテ居ルノハ、誠ニ故ナキニアラズト思
フノデアリマス、左樣致シマシテ、販賣肥
料ノ消費額ハ、昭和十一年度ニ於テハ帝國
全體デ約四億五千萬圓ノ巨額ニ上ッテ居リ
マシテ、其ノ內容ヲ檢討シテ見マスルニ、
二ツノ特徵ヲ持ッテ居ルコトヲ見逃スコト
ハ出來ナイノデアリマス、其ノ一ツハ販賣
肥料ノ性質ガ漸次有機質カラ無機質ヘ轉換
シツヽアルコトデアリマシテ、其ノ最モ顯
著ナ例ハ大豆粕ノ消費額ガ減少シテ、硫酸
「アンモニア」石灰窒素ノ消費額ガ增大シタ
ノデアリマス、硫酸「アンモニア」ノ消費額
ガ急增致シマシタノハ、窒素肥料需要ノ自
然增ノ外ニ、今申上ゲタヤウニ大豆粕カラ
硫安ヘノ轉換ガ加ッタ結果ト見ラレルノデ
アリマス、次ニハ販賣肥料消費總額中窒素
肥料ガ金額ニ於テ七八割ヲ占メテ居ルコト
デアリマシテ、是ハ我ガ國ノ農業生產ニハ
肥料ノ中デモ窒素肥料ヲ最モ多量ニ必要ト
スル事實ヲ示シテ居ルモノト思フノデアリ
やく、此ノ重要肥料ノ需給關係ニ付キマシ
テ其ノ〓要ヲ申上ゲタイト存ジマス、第
ニハ硫安デアリマスガ、昭和十一年ノ統計
ニ依リマスト、國內ノ販賣肥料總消費額ハ
約四億五千萬圓デアリマシテ、其ノ中硫安ハ
約一億五千萬圓、總消費額ノ三分ノ一ヲ占
メテ居ルノデアリマス、販賣肥料中最モ重
要ナ地位ニアルノデアリマスルカラ、之ガ需
給關係竝價格如何ハ硫安自體ノ問題トシテ
重要デアルバカリデナク、他ノ肥料ニ及ス影
響モ輕視出來ナイノデアリマス、而シテ硫安
ノ需要ハ昭和九年肥料年度ニハ、肥料年度
ハ御承知ノ通リ八月一日カラ翌年ノ七月三
十一日迄デアリマスガ、昭和九肥料年度ニ
ハ約百十七萬二千「トン」、昭和十肥料年度
ニ約百三十五萬九千「トン」、昭和十一肥料
年度ニ約百六十四萬五千「トン」ト云フヤウ
ニ、年々增加ノ趨勢ニアリマシテ、未ダ停
止スル所ヲ知ラナイノデアリマス、之ニ對
シ生產モ年々增加シテ居リマスガ、未ダ自
給自足ノ域ニ至ラナイデ、年々相當數量ノ
輸入ヲ見ツヽアリマス、本肥料年度ニ於ケ
ル需給關係ハ、消費見込額ガ百八九十萬
「トン」バカリニ對シ、國內生產見込額ガ大
體百四五十萬「トン」、之ニ滿洲カラ入ル數
量十八九萬「トン」ヲ加ヘマシテモ、約二十
萬「トン」ノ外安ヲ輸入セナケレバナラナイ
次第デアリマス、右二十萬「トン」ノ中、旣
ニ其ノ過半ハ輸入濟デ、殘リニ付キマシテ
モ其ノ輸入ハ豫定通リ進捗シ得ル見込デア
リマス、硫安ニ付キマシテハ供給ニ支障ヲ
來スヤウナ心配ガナイ狀況ニアル次第デア
リマス、次ニ石灰窒素デアリマスガ、石灰
窒素ハ最モ經濟的ナ窒素肥料トシテ最近漸
ク消費者ノ認識ガ高マリ、需要ガ增加シツ
アルノデアリマス、其ノ國內總消費額ハ
昭和十肥料年度ニ於キマシテ約二十萬「ト
ン」、昭和十一肥料年度ニ於キマシテ約二
十五萬「トン」ニ達シマシタガ、本肥料年
度ニ於キマシテハ供給額ガ著シク增加致シ
マシテ、約三十八萬「トン」餘ニ上ル見込デ
アリマシテ、翌年ヘノ繰越額ヲ相當見積リ
マシテモ、三十萬「トン」餘ノ供給力ガアリ
マスカラ、尙一層其ノ普及奬勵ニ努メタイ
ト考ヘテ居ルノデアリマス、次ニ過燐酸石
灰デアリマスガ、過燐酸石灰ノ原料デアル燐
礦石ハ、御承知ノ通リニ需要總額ノ大部分
ガ海外カラノ輸入ニ俟タナケレバナラナイ
實情ニアルノデアリマス、左樣致シマシ
テ、過燐酸石灰ノ工場裸生產費ノ約八割ハ
燐礦石ト硫化礦ノ原料費デアルト云フ事情
カラ致シマシテ、是等ノ原料問題ガ極メテ
重要ナノデアリマシテ、昨年來爲替關係、
船賃關係等ノ爲ニ燐礦石ノ價格ガ急騰致
シ、又硫化鑛ノ價格モ亦非常ニ暴騰致シマ
シテ、過燐酸ノ市價ガ〓騰致シタ次第デア
リマス、本年ニ於ケル燐礦石ノ輸入ニ付キ
マシテハ、爲替等ノ事情ニ依リ稍〓窮屈トナ
ル關係上、輸入業者ノ間ニ於テ又過燐酸製
造業者ノ間ニ於キマシテ、燐礦石ノ入手ニ
當リ無益ノ競爭ヲ致シマスコトハ、肥料ノ
配給上甚ダ遺憾ナコトデアリマスノデ、輸
入業者ヲシテ「プール」ヲ組織セシメテ、統
制アル買付ヲ爲サシムルコトト致シタノデ
アリマス、又過燐酸製造業者ニ對シテハ、
自治的ニ內外產燐礦ノ割當ヲ決定セシメタ
次第デアリマス、昭和十三年度ニ於ケル過
燐酸石灰ノ供給ハ、大體ニ於キマシテ昭和
十一年程度ノ數量トナル見込デアリマス、
昭和十二年ニ比シマスレバ、稍〓減少致シマ
スノデ、合理的ニ消費ノ調整ヲ圖リマスヤ
ウ措置致シテ居ル次第デアリマス、次ニ加
里鹽デアリマスガ、加里鹽ノ國內生產ハ歐
米ノ如キ加里礦ノ資源ナキ爲ニ、副產物ト
シテ一箇年千「トン」內外ヲ產スルニ過ギナ
イノデアリマス、殆ド全部ハ輸入ニ俟タナ
ケレバナラナイ次第デアリマス、加里鹽ノ
供給ハ右ノ如キ事情デアリマスガ、其ノ需
要ハ最近ニ至リマシテ著シク增加致シマシ
テ、昭和十一年ニハ十五六萬「トン」、昭和
十二年ニハ二十四五萬「トン」ノ輸入ヲ見タ
ノデアリマス、由來我ガ國ニ於ケル加里ノ
給源ハ販賣肥料ニ依ルモノヨリ、自給肥
料、特ニ堆厩肥及草木灰ニ依ルモノガ數倍
多イト云フ事情デアリマシテ、自給肥料ノ
增產ニ依リマシテ加里ノ供給ヲ增加スル可
能性ノアルコトニ付テハ、十分留意ヲ要ス
ルノデアリマス、左樣致シマシテ昭和十三
年ノ加里鹽ノ輸入ニ付キマシテハ、爲替等
ノ事情ニ依リ稍〓窮屈トナル關係上、其ノ供
給ハ大體ニ於テ昭和十一年程度トナル見込
デアリマスガ、格別大ナル支障ヲ生ゼザル
モノト觀測シテ居ルノデアリマス、次ニ植
物油粕類デアリマスガ、植物油粕中ノ大
宗デアル大豆油粕ハココ數年來年々其ノ
輸入額ヲ減ジテ居リマシテ、昨年ノ輸入高
ハ約六十萬「トン」デアルノデアリマス、棉
實油粕ハ約八萬「トン」程度主トシテ上海方
面カラ輸入セラレテ居リマシタガ、今囘ノ
中支地方ノ戰亂ノ爲輸入ガ殆ド杜絕シテ居
ルノデアリマス、菜種油粕ハ約二萬「トン」
程度上海方面カラ輸入セラレテ居リマシタ
ガ、是モ亦棉實油粕ト同ジ運命ニ置カレテ
居ルノデアリマス、英領印度カラ入ルモノ
一萬「トン」見當ニ付テハ、輸入關係ハ以前
ト變リガナイノデアリマス、以上最近ノ肥
料事情ニ付キマシテ其ノ大要ヲ申上ゲマシ
テ、御參考ニ供シタ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303716X00119380320&spkNum=2
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003・鷹司信輔
○委員長(公爵鷹司信輔君) ソレデハ此ノ
兩案ニ關スル參考資料デモ御望ミノ方ガゴ
ザイマシタラ、御申出ヲ願ヒマス·····今
直チニゴザイマセヌヤウデシタラ、又其ノ
都度御申出ヲ願ヒマス、本日ハ此ノ程度デ
散會致シマシテ、明後日十時カラ開會致シ
マス、デハ是デ散會致シマス
午後二時三分散會
出席者左ノ如シ
委員長公爵鷹司信輔君
副委員長伯爵後藤一藏君
委員
子爵高橋是賢君
男爵松田正之君
菊池恭三君
稻畑勝太郞君
政府委員
農林參與官助川啓四郞君
農林書記官寺田省一君
商工省統制局長黑田鴻五君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007303716X00119380320&spkNum=3
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