1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
恩給金庫法案（政府提出）
恩給法中改正法律案（政府提出）
庶民金庫法案（政府提出）
無盡業法中改正法律案（政府提出）
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會議
昭和十三年二月十七日（木曜日）午前十時二十八分開議
出席委員左の如し
委員長 前田房之助君
理事 坂東幸太郎君 理事 最上政三君
理事 江藤源九郎君 理事 小笠原八十美君
松田正一君 川合直次君
釘本衞雄君 村瀬武男君
小高長三郎君 坪山徳彌君
曾和義弌君 伊豆富人君
塚本重藏君 松本治一郎君
今井新造君
出席政府委員左の如し
内閣恩給局長 高木三郎君
法制局長官 船田中君
法制局參事官 樋貝詮三君
大藏政務次官 太田正孝君
大藏省銀行局長 入間野武雄君
陸軍參與官 比佐昌平君
海軍參與官 岸田正記君
本日の會議に上りたる議案左の如し
恩給金庫法案（政府提出）
恩給法中改正法律案（政府提出）
庶民金庫法案（政府提出）
無盡業法中改正法律案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=0
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001・前田房之助
○前田委員長 是ヨリ開會致シマス、恩給
金庫法案、恩給法中改正法律案、庶民金庫
法案、無盡業法中改正法律案ヲ議題ト致シ
やっ、先ヅ恩給金庫法案、恩給法中改正法
律案ニ付キマシテ、政府ヨリ提案趣旨ノ說
明ガアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=1
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002・船田中
○船田政府委員 恩給金庫法案及ビ恩給法
中改正法律案ニ付キマシテハ、先般本議場
ニ於テ一應御說明申上ゲタノデアリマスガ、
更ニ其要旨ヲ申上ゲタイト存ジマス
恩給金庫法案ニ付キマシテハ、既ニ第七十
議會ニ於テ當院ノ御審議ヲ經タモノト殆ド同
一內容ヲ有スルモノデアリマス、隨テ成ベク
說明ヲ簡略ニシテ、足ラザル所ハ御質問ニ
應ジテ御說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、恩
給年金擔保金融ノ問題ニ付キマシテハ、大
正十二年現行恩給法制定以前ヨリ、兎角ノ
論議ガ交サレテ居タモノデアリマス、卽
チ明治四十三年恩給年金ノ支給事務ガ、大
藏省ヨリ遞信省へ移管セラレ、郵便局ヲ通
ジテ支拂ハルヽヤウニナリマシテカラ、支
給廳デアル遞信省ニ於テモ、屢〓受給者ト金
融業者間ノ紛爭ヲ耳ニシ、實際支給事務ヲ
取扱フ立場ヨリ、何トカ方策ヲ立テネバナ
ラヌコトヲ痛感サセラレテ居ッタノデアリ
マシテ、代理受領ノ形式ヲ以テスル金融關
係ヲ調査シタルコトモ一再デナカッタノデ
アリマス、故ニ大正十二年恩給法制定ノ際
こい、之ニ對スル方策ハ主管廳タル恩給局
ニ於テ、種々考慮セラレタノデアリマスガ、
政府部內ニ於テモ中々議論ガ多カッタノデ
アリマス、當時ニ於テハ恩給年金ヲ擔保ニ
供スルト云フコトハ、法ノ禁ズル所デアリ
マシテ、以テノ外ノコトデアルトシテ居ッタ
ノデアリマスカラ、違反者ニ對シテ制裁ヲ
加ヘルガ宜シイト云フヤウナ議論モ相當
有力デアリマシテ、現ニ恩給法ト同時ニ制
定セラレマシタ宮內省恩給令ノ如キハ、
種ノ制裁規定ヲ加ヘテ居ルノデアリマス、
併ナガラ政府ハ此ノ問題ハ兎ニ角尙ホ考究
スル餘地モアルデアラウト云フコトデ、
應從來通リ擔保禁止ノ規定ヲ置イタ儘法律
案ヲ提出シタノデアリマスガ、當時衆議院
ニ於テハ「速ニ恩給ヲ擔保トスル金融ニ付適
當ナル方策ヲ講ズベシ」ト云フ意味ノ附帶
決議ヲセラレタノデアリマス、大正十二年
ニ新恩給法ヲ施行スルニ當リマシテハ、總
テ新恩給證書ヲ發行シ、且ツ出來得ル限リ
本人直接ニ之ヲ渡スト云フ方針デ、種々手
段ヲ盡シマシタ結果、大部分ノ擔保關係ヲ
一掃スルコトガ出來タノデアリマスガ、之
ニ代ルベキ金融機關ノ設置ナキ爲メ、其後
依然トシテ金融業者ニ依ル擔保金融ガ行ハ
レ、其弊害モ亦一層甚シクナッタ感ガアルノ
デアリマス、卽チ恩給年金ヲ擔保トスル金
融ガ、漸次惡質ニナッテ參リマシテ、借リル
方モ貸ス方モ惡德ヲ重ネル傾向ガアリ、甚
シキニ至ッテハ詐欺的行爲ヲ爲ス者サヘ現
ハルヽニ至ッタノデアリマス、二三ノ例ヲ申
上ゲマスト、恩給證書ヲ擔保トシテ金ヲ借リ
タ後、幾許モナク支給停止ヲ申請シテ金融
業者ヲ脅カシ、追貸シヲ求メテ、應ジナケ
レバ證書亡失ヲ申立テヽ再度證書ノ交付
ヲ申請スルト云フヤウナ借手ノ惡辣ナモノ
モアリ、擔保トシテ交付ヲ受ケタ恩給證書
ヲ同業者ニ轉賣シテ、證書ハ轉々シテ所在
ガ判明セズ、ソレガ爲ニ元本ハ返濟シタノ
ニ拘ハラズ證書ハ一生涯返ッテ來ナイ、是ガ
爲メ僅カ三四年分ノ融通ヲ受ケテ、三十年
モ恩給ヲ受取ラナイト云フヤウナ、貸手ノ
惡辣ナル事例モ少クナカッタノデアリマス
政府ニ於テハ是等ノ實情カラ考ヘマシテ、
速カニ何等カノ方策ヲ執ルノ必要アリトナ
シマシテ、昭和八年恩給法中ノ一部改正案
ヲ議會ニ提出スルニ當リマシテ、特殊ノ金
融機關ヲ作リ、此機關ニ對シテノミ擔保金
融ヲ認メ、從來ノ弊害ヲ一掃スルト云フ方
針ヲ決定シタノデアリマスガ、偶〓議會ニ
於テモ此ノ狀態ヲ認メラレマシテ、衆議院
ニ於テ當該法律案可決ノ際ニ「速ニ適當ナル
方法ヲ講ゼラレタシ」トノ希望條件ヲ村セラ
レタノデアリマス、爾來政府當局ハ銳意準
備ヲ致シテ居ッタノデアリマスガ、金融關
係政治關係等ノ原因ニ依リマシテ提案ノ
機會ガナク、漸ク第七十議會ニ提案致シタ
ノデアリマスガ、御承知ノ通リ委員會ノ審
議半バニシテ不幸議會ノ解散ニ遭遇シ、玆
ニ再ビ本案ノ御審議ヲ乞フニ至ッタ次第デ
アリマス
恩給金庫ノ內容ニ付キマシテハ、旣ニ御
手許ニ差上ゲマシタ恩給金庫設立要綱ニ依
リ、御了承ヲ得テ居ルコトト思フノデアリ
マスガ、金庫設立ノ眼目ハ
恩給金庫ガ經營上立行ク程度ニ於テ
成ルベク低イ金利ヲ以テ廣ク受給者ニ
貸付ヲ爲ヌコト
二、一面ニ於テ受給者ヲシテ經濟的ノ壓
迫ヨリ免ガレシムルト共ニ他面受給者
タルノ體面ヲ保タシメ恩給年金給與ノ
本旨ヲ維持セントスルコト
以上ノ二點デアリマスガ、尙ホ恩給金庫
ハ此擔保貸付ノ外、擔保トシテデハナク單
純ナル代理受領ヲモ行ヒ、委託ガアレバ恩
給年金受給ニ關スル各種ノ手續等ヲ受給者
ニ代ッテ行ヒ、受給者ノ手數ヲ省キ、利便ヲ計
ル積リデアリマス、此仕事ハ一見輕微ノヤ
ウデアリマスガ、例ヘバ每支給期ニ於ケル
給與金ノ請求、隔年ニ行ハレル受給權調査
ノ爲ニスル戶籍謄本若クハ抄本ノ提出等、
交通不便ノ地ニ在住スル受給者乃至婦女子
ガ大多數デアル扶助料權者等ノ爲メ、少カ
ラザル利便ヲ與フルコトト考ヘルノデアリ
マス、又業務ノ一項目トシテ裁定前ノ貸付
ヲ行ハシムル豫定デアリマスガ、今囘ノ事
變ニ於ケル犠牲者ハ相當ニ多數ニ上ル見込
デアリマシテ、旣ニ戰死者ノミデ二万ヲ超
過スル狀況デアリマス、是等ノ犠牲者ニ對
スル恩給扶助料ノ裁定ニ付テハ、當局ニ於
テモ出來得ル限リ迅速ニ處理スル積リデア
リマスガ、ヤハリ相當ノ日子ヲ要スルカト
思フノデアリマス、故ニ正式裁定ヲ經テ給
與ヲ受クルニ至ル迄ノ間ニ於ケル生活費ヲ
必要トスル場合ニ於テハ、一定ノ制限ノ下
ニ僅少ノ手數料ヲ徵シ、恩給金庫ガ前拂ヲ
爲ス制度ヲ設ケントスルノデアリマス
更ニ現在恩給扶助料等ハ三月每ニ給與セ
ラレ、年金ハ半年每ニ給セラレルノデアリ
マスガ、都市居住者ニ取ッテハ、三月拂ト云
フコトハ甚ダ不利デアリマス、此三箇月間
ニ支拂フベキ金ヲ一度ニ受取ル爲メ、或ハ
使ヒ過ギ、或ハ不足トナリ、爲ニ擔保金融
ヲ餘儀ナクサレルヤウナ事例モ少クナイト
思フノデアリマス、故ニ是等ニ對シテハ受
給者ノ希望ニ基キ、僅少ノ手數料ヲ徵シ、
金庫ガ立替拂又ハ分割拂ヲ爲スノ制度ヲ行
ハシメタイト思ヒマス
此外附帶的ノ事業トシテ、醫療其他受給
者ノ福利增進ニ關スル施設ヲモ試ミタラ如
何カト存ジマス、尤モ此附帶的事業ハ金庫
ノ餘剩資力ノ如何ニ關係ガアリマスノデ、
直チニ實行ハ困難カト存ジマスガ、成ベク
速ニ行ハシメタイト思ヒマス
以上ニ述ベク所ニ依リ〓ネ御了解ヲ得タ
コトト存ジマスガ、恩給金庫ノ業務ハ主ト
シテ恩給年金受給者ノ福利增進ニ貢獻セント
スルモノデアリマシテ、其目的ハ公益的デ
アリ、金庫自體ハ何等營利ノ觀念ヲ含ンデ
居リマセヌ、隨テ單ニ擔保金融ノミヲ目的
トスル機關トハ、本質相容レザルモノデア
リ、又對象ヲ異ニスル庶民金庫、產業組合
トモ全ク別個ノ意義ヲ有スル特殊ノ機關ナ
ルコトヲ附加ヘテ申上ゲテ置キマス
恩給金庫ノ資本金ハ三千万圓トシ、初年度
ニ於テハ五分ノ一ヲ拂込マシメ、爾後必要
ニ應ジ拂込ヲ爲サシムル豫定デアリマス、
全額拂込ト致シマセヌノハ、金庫ハ恩給債
劵ノ發行權ヲ有シテ居マスノデ、債劵ノ發
行又ハ借入金ニ依リ、資金ヲ運轉スル方ガ
金利ガ安ク、隨テ貸村利率モ低クスルコト
ガ出來ルカト思フノデアリマス、要スルニ
出資ハ金庫ノ財的基礎ヲ確立スル程度ニ止
メテ宜シイカト存ジマス、又出資ハ出來得
ル限リ事業ノ本質ニ理解アル方面ヨリ之ヲ
求メ、比較的低利ニ致シタイト存ジマスガ、
拂込ノ義務ヲ負ハシムル關係上、出資ニ對
シ剩餘金配當ヲ相當ニ致サネバナラヌカト
考ヘラレマス、尤モ政府ノ出資ニ對シテハ、
當分配當ノ免除ヲ受ケルコトト致シタイト
存ジマス、次ニ金庫ガ確實性ヲ有スルト云
フニトハ金庫ノ信用ヲ增大シ、隨テ金利ノ
安イ金ヲ求メ得ラレ、其結果又受給者ニ安
イ金ヲ貸付ケ得ル譯デアリマスカラ、基礎
ノ確立ト云フコトガ一番大切デアルト存ジ
マく、國家ハ金庫ニ對シ特別ノ監督ヲ致ス
積リデアリマス、卽チ内閣總理大臣ト大藏
大臣トガ監督ヲ致シ、特ニ監督官ヲ設ケ業
務及ビ會計ヲ監督シ、以テ金庫ノ基礎ヲ安
固ナラシムルト共ニ、公益ニ副ハシメント
スルノデアリマス、金庫ノ役員ハ理事長、
理事、監事等ヲ置クコトハ、產業組合中央
金庫等他ノ諸金庫ト同樣デアリマスガ、其
他ニ評議員二十人以內ヲ置クコトニ致シテ
居リマス、此評議員ハ業務經營ニ關スル重
要事項ニ付、理事長ノ諮問ニ應ジ意見ヲ述
ベ又進ンデ意見ヲ述ベルコトガ出來ルヤ
ウニナッテ居リマスガ、會社ニ於ケル株主總
會ニモ該當スルヤウナ組織ニ致シタイト考
ヘテ居リマス、隨テ公平ナ立場デ利用者ノ
利益モ、恩給年金ノ本質モ、又出資ノ安固
ヲモ考ヘ、且ツハ之ヲ保護スル目的ニ適フ
ヤウナ方々ヲ選任シタイ希望デアリマス
尙ホ恩給年金等ハ公法上ノ給與デアリマ
シテ、特別ノ性質ヲ有シテ居リマスカラ、
ソレ等ノ關係ヲ明カニスル爲メ法案第四章
ニ特別手續ヲ規定致シテアリマス
終リニ恩給金庫ノ設立ノ爲メ設立委員ヲ
設ケ、之ヲシテ定款ノ作成ヲ初メ諸般ノ設
立行爲ヲ爲サシメタル上、之ヲ恩給金庫ニ
引繼ガシムル豫定デアリマス、金庫ハ時局
ニ鑑ミマシテ一日モ早ク成立セシムル必要
ガアリマスノデ、可及的設立準備ヲ取急ギ、
本年七月初メヨリ事業ヲ開始セシムル豫定
デアリマス
次ニ恩給法中改正法律案ニ付御說明申上
ゲマス、第一ハ只今御說明申上ゲマシタ恩
給金庫法案ト關聯シ、恩給法第十一條第一
項ニ規定スル擔保禁止ヲ、恩給金庫ニ限リ
解除スルト共ニ、從來ノ恩給擔保金融ニ伴
フ弊害ヲ除去スル爲メ、法規ニ違反シテ恩
給金庫以外ニ擔保ニ供シタル場合ハ、恩給
ノ支給ヲ差止メントスルノデアリマス、此
ノ點ニ付キマシテハ、恩給金庫法案ヲ御說
明致シマシタ際詳細申上ゲタ所デアリマス
ガ、恩給擔保金融ガ段々惡質トナッテ參ル傾
向ガアリ、借方ニモ甚シキ惡德ヲ行フ者ガ
絕エナイ狀態デアリマシテ、恩給年金受給
者ノ品性ノ點ヨリモ、洵ニ嘆ハシキ次第デ
アルト考ヘルノデアリマス、旣ニ恩給金庫
ヲ創設シタル以上、敢テ違反シタルコトヲ
知リナガラ、之ヲ擔保ニ供スルガ如キハ、
嚴ニ戒メザルベカラザル事柄カト考ヘルノ
デアリマス、現ニ宮內省恩給令ノ如キモ、
違反者ニ對シテハ恩給ノ支給ヲ差止メル旨
ノ規定ガアルノデアリマスカラ、今囘ノ改
正ニ當リマシテ同樣制裁規定ヲ加ヘタノデ
アリマス、此制裁規定ハ一面ニ於テ受給者
ノ惡德ヲ矯メルト共ニ、他面恩給金庫ノ基
礎ヲ確立セシムルノ效果ガアルノデアリマ
ス、卽チ折角國家ガ特ニ金融機關ヲ作ッテ、
受給者ノ爲メ已ムヲ得ザル場合ノ擔保金融
ノ途ヲ開イテモ、尙ホ從來通リ一般金融業
者ノ脫法的金融ヲ默認スルコトニナリマス
レバ、金融業者ハ自己ニ利益ナル部分ノミ
ノ金融ヲ行ヒ、老年者、弱體者、遺族孤兒
等、金融業者側ヨリ見レバ不利益ナル部類
ニ屬スルモノノミ恩給金庫ニ集ルコトトナ
リマシテ、到底立行カナイノデアリマス、
仍テ恩給年金本來ノ性質論及ビ金庫ノ基礎
維持ノ兩面ヨリ、第二項ノ規定ヲ入レタノ
デアリマス、尙ホ序ニ申加ヘマスガ、恩給法
中ニ規定アル支給ノ停止ト、恩給ノ停止ト
ハ性質ガ違フノデアリマシテ、恩給ノ停止
ト云フノハ、其ノ停止期間ニ屬スル部分ハ
全然恩給ヲ與ヘナイノデ、他日停止條件ガ
ナクナリマシテモ、停止期間中ノ恩給ハ追
給シナイノデアリマスガ、支給ノ停止又ハ
差止ト云フノハ、現實ニ金ヲ給與シナイデ
留保スルダケデアリマスカラ、後デ差止原
因ガナクナレバ、差止ラレタ期間ノ分モ本
人ニ渡ス立前デアリマス
第二ニ本改正案中最モ重要ナル點ハ增加
恩給、傷病年金及遺族扶助料ノ增額デアリ
マス、先ヅ增加恩給及ビ傷病年金ノ增額ニ
付申上マスト、別表第二號表及ビ第三號表
ヲ改正致シマシテ相當ノ增額ヲ行ヒ、傷痍
軍人ノ優遇ノ實ヲ擧ゲントスルモノデアリ
マスガ、改正ノ要點ハ
增加恩給ハ成ルベク下ニ厚クスル趣
旨ニ依リ將官ニ對シテハ全ク增額セズ
佐官以下ニ對シ症狀ノ輕重ニ從ヒ適當
ノ增額ヲ行フ、卽チ佐官ノ階級ニ於テ
ハ第三項以上ノ高症者ニ對シテノミ增
額シ、尉官以下ハ各項ニ亙リ增額ヲ行
フモ第三項以上ノ高症者ニ厚カラシム
增加恩給ヲ給スベキ不具癈疾ノ程度
ヲ特別項ノ外第一項乃至第七項トシ〓
ネ從來ノ傷病年金第一款程度ノ症狀ヲ
第七項トス
傷病年金ヲ給スベキ傷病ノ程度ヲ第
一款症乃至第四款症ニ分ツコト從來ト變
リナキモ、從來ノ第二款症乃至第四款
症程度ノ症狀ヲ第一款症乃至第三款症
ニ繰上ゲ且ツ其給額ヲ增加シ增加恩給
受給者トノ給額ノ懸隔ヲ少ナカラシムル
ト共ニ從來ノ傷病賜金第一目及ビ第二
目程度ノ症狀ヲ第四款症ニ繰上グ
一、傷病賜金ハ從來ノ第三目乃至第六目
ヲ其金額ヲ變更セズシテ第一目乃至第
四目ニ繰上グルノ外變更ナシ
以上ノ如ク增加恩給及ビ傷病年金ノ增額
ハ、現行法ノ增加恩給ト傷病年金、傷病年
金ト傷病賜金トノ關係ヲナダラカニスル目
的ヲ以テ立案シ、之ニ加フルニ上ニ薄ク下
ニ厚ク、及ビ高症者優遇ト云フコトヲ眼目
ト致シタノデアリマス、遺族扶助料ニ付テ
ハ、最モ優遇ヲ必要トスルモノデアリマシ
テ、其增額率ハ從來其比ヲ見ザル程ノ高率
デアリマス、卽チ從來第七十五條第一一項ノ
受給權者死亡後五年間三割加給ノ制ヲ廢シ
現在ノ扶助料年額ニ對シ
一、戰死者準戰死者遺族ニ對シテハ第五
號表ニ依ル率ヲ乗ジタル金額
二、普通公務死者遺族ニハ前號ノ金額ノ
十分ノ八ニ相當スル金額
三、增加恩給受給者遺族ニハ第一號ノ金
額ノ十分ノ六ニ相當スル金額
ヲ給シ、更ニ遺族ノ生活實情ニ卽セシムル
爲メ遺族ノ員數ニ應スル加給制度ヲ創設シ
第五號表ニ依リ算出シタル金額ニ、更ニ是
亦下ニ厚キ主義ヲ採ル第八號表ノ區分ニ依
リ、一定ノ率ヲ乘ジタル金額ヲ加給スルコ
トト致シタノデアリマス、故ニ一例ヲ云ヘ
バ陸軍二等兵ノ戰死者遺族扶助料ハ、現在
年額百五十圓デアリマスガ、改正法ニ依リ
マスト家族二人ノ場合ハ年額二百七十圓、
三人ノ場合ハ三百三十八圓、四人ノ場合ハ
三百六十五圓、五人以上ノ場合ハ三百九十
二圓トナリ、現行額ニ對シ最高十六割一分
ノ增率トナルノデアリマス、尙ホ家族加給
ノ基礎トナルベキ遺族ノ意義ニ付キ疑義ヲ
生ズルコトヲ惧レ、第七十五條中ニ之ニ關
スル規定ヲ置キマシタ
次ニ第十六條、第二十四條、第五十九條、
第六十二條等ハ學校名ノ變更ノ爲メ文字的
整理ヲ致シタノデアリマス、又第二十四條
ニ新ニ加ヘマシタ第五號ハ、行政權移讓後
在滿學校組合待遇職員ヲモ恩給法上ノ待遇
職員トシテ取扱フノ趣旨デアリマス、第四
十六條ノ二第一項及ビ第六十六條第一項中
「一年」ヲ「三年」ト改メマシタノハ、現行法
ニ於テハ傷病年金及ビ傷病賜金ハ、下士官以
下ノ軍人ニ付テハ、退職後一年內ニ公務ニ基
因シテ兵役ヲ免除セラレルコトヲ要件ト致
シテ居リマスノデ、往々此恩典ニ洩レルモ
ノガアリマスノデ、之ヲ退職後三年內ニ改
メタノデアリマス、第五十九條ノ二ヲ改メ
マシタノハ恩給ノ算出スル基礎トナル俸給
ニ關シ、現行法デハ不備ナ部分ガアリマス
ノデ、序ニ之ヲ改メントスルノデアリマス、
第六十五條第一項ニ新ニ加ヘマシタ但書
ハ、從來增加恩給ヲ給セラルベキ程度ニ達
シタル軍人ニシテ、其儘現役ニ在職致シマ
シテ十數年乃至二三十年モ經過シタル後
ニ退職致シマスト、其增加恩給ハ、退職當
時ノ階等ニ依ル額ヲ給セラルヽコトトナリ
マシテ、負傷又ハ罹病後直チニ退職シタル
者トノ間ニ、甚シキ不權衡ヲ生ズル實例ガ
アリマシタノデ、之ヲ改正シ、負傷又ハ罹
病後五年以内ニ退職セザル者ハ、負傷又ハ
罹病後五年ヲ經過シタル日ニ於ケル階等ニ
應ズル增加恩給ヲ給シ、以テ給與ノ公平ヲ
保タントスルモノデアリマス、第六十五條
ノ二第一項ニ新ニ但書ヲ加ヘマシタガ、是
ハ本改正案ニ依リマスト、增加恩給第七項
ノ額ハ、傷病年金第一款ノ額ヨリ少額デア
リマシテ、若シ傷病年金第一款症ニ該當ス
ル者ガ、普通恩給ヲ併給セラルヽ場合ニ於
テハ、增加恩給第七項症ニ該當スル者ガ普
通恩給ヲ併給セラルヽ場合ヨリ、多額ヲ給
セラルヽコトトナリマスノデ、其ノ矛盾ヲ
避クル爲メノ規定デアリマス、第六十六條ノ
二ヲ新ニ加ヘマシタノハ、下士官以下ノ軍
人ガ、傷病賜金ヲ受クベキ程度ノ傷痍ヲ受
ケ、又ハ疾病ニ罹リ、一旦傷病賜金ヲ受ケ
タル後、爾後重症ニ陷リ、再審査ノ結果、
增加恩給又ハ傷病年金ヲ給セラルヽ場合ニ
於キマシテハ、傷病賜金ヲ受ケズシテ、直
チニ增加恩給又ハ傷病年金ヲ受ケタル者ト
ノ權衡上、一定ノ條件ノ下ニ曩ニ受ケタル
傷病賜金ヲ返還セシムル方ガ、給與ノ公平
ヲ保ツ所以デアルト存ジ、此規定ヲ置イタ
ノデアリマス、第九十一條第一項ノ改正ハ、
滿洲國ニ於ケル帝國ノ行政權移讓ニ伴フ字
句修正デアリマス、尙ホ附則中ニ、第七十
議會ニ提案シタル事項デアリマスガ、二ツ
ノ新タナル條項ヲ規定致シテ居リマス、其
一ツハ大正十二年ノ恩給法施行マデハ、軍
人ハ現役ニ居ル間ニ入籍シ兵籍簿ニ登錄サ
レタ妻デナイト、扶助料權ガナカッタノデア
リマスガ、大正十二年恩給法制定ノ際、兵
籍簿ノ登錄ハ、扶助料請求ノ要件トシナイ
コトニナッタノデアリマス、又父母、祖父母
モ同樣、現役ニ在ル間ニ同ジ家ニ居ナクテ
モ、公務員死亡ノ當時、同一戶籍內ニ居レ
バ宜イト云フコトニナッタノデアリマス、併
シ是等ノ規定ハ、當時不遡及ノ原則ヲ採ッ
タノデ、大正十二年恩給法改正以後ノモノ
ノミ適用セラレタノデアリマス、併ナガラ
戰鬪又ハ戰鬪ニ準ズベキ公務ニ仆レタル者
ノ遺族乃至增加恩給受給者ノ遺族ニ付キマ
シテハ、甚ダ氣ノ毒ナ事情ニアル者ガ多イ
ノデアリマスカラ、是等ノ者ニハ將來現行
法ト同樣ニ取扱フト云フ趣旨ノ改正デアリ
マス、今一ツノ新ラシキ條項ハ北海道廳森
林監守デアリマス、是ハ大正十二年恩給法
改正當時待遇職員トシテ、存在シテ居ッタナ
ラバ、當然其在職年ハ恩給法上ノ在職年ト
ナルノデアリマスガ、恩給法改正當時ハ名
ガ變ッテ居リマシタノデ、遡及適用ガナカッ
タノデアリマスガ、實質的ニ見テ北海道廳
森林監守ハ、恩給法上ノ他ノ待遇職員ト何
等區別スルノ理由ナク、是ガ在職年ヲ除外
スルノハ非常ニ同情ニ堪ヘマセヌカラ、今
囘一定ノ條件ノ下ニ將來ニ向ッテ其在職年
ヲ恩給法上ノ在職年ト見テヤルト云フ意味
ノ改正ヲ行ハントスルノデアリマス
以上改正ノ要點ヲ〓略申上ゲタノデアリ
マスガ、增加恩給及ビ扶助料ノ改正增額ハ、
昭和十三年四月一日カラ之ヲ行フコトトシ、
尙ホ若干ノ經過規定ヲ附則トシテ附加へタ
ノデアリマス、其他ノ事項ニ付キマシテハ、
御質問ニ應ジ御答致シタイト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=2
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003・前田房之助
○前田委員長 續イテ庶民金庫法案及ビ無
盡業法中改正法律案ニ付テ、政府委員ヨリ
提案趣旨ノ說明ガアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=3
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004・太田正孝
○太田政府委員 本委員會ニ付託セラレマ
シタル庶民金庫法案及ビ無盡業法中改正法
律案ニ付、御說明申上ゲマス
先ヅ庶民金庫法案ニ付キテ其〓略ヲ御說
明致シマス
庶民金庫ノ目的ニ付キマシテハ、本會議
ニ於テ御說明申上ゲマシタ通リ、旣設金融
機關等ニ依リマシテハ、十分ナル金融ニ惠
マレ得ナカッタ階級、就中中小產業者及ビ勤
勞所得者等ニ對シマシテ、對人信用ニ依ル
小口金融ノ圓滑ヲ圖リ、以テ其生活ノ安定
ニ資セントスルニアルノデアリマス、此ノ
目的ヲ達成センガ爲ニ、本金庫ハ純然タル
非營利ノ特殊法人ト致シ、資本金一千万圓
ハ、其金額ヲ政府出資トシ、剩餘金ノ配當
ハ之ヲ行ハヌコトト致シタノデアリマス、
本金庫ノ貸付資金ハ、庶民債劵ノ發行ニ依ッ
テ、之ヲ調達セシムルコトニ致シタノデアリ
マスルガ、其發行限度ハ拂込資本金ノ十倍
トシ、預金部其他ニ於テ之ヲ引受ケマシテ、
之ニ依リ資金ヲ低利ナラシムルコトニ努ム
ル方針デアリマス
次ニ本金庫ノ業務ハ、小口信用貸付ニ重
點ヲ置キマスルコトハ申ス迄モナイ所デア
リマスルガ、尙ホ他ノ金融機關ガ本金庫ト
同樣ノ貸付ヲ行フ場合、該金融機關ニ對シ、
其貸付資金ヲ融通シタリ、又ハ其貸付ニ付損
失補償ヲ行フコト、本金庫ト取引ヲ有スル
者ノ預金ヲ受入ルヽコト及ビ以上ノ業務ニ
附隨スル業務ニ限定致シマシテ、專ラ庶民
金融ヲ圓滑ナラシムルコトニ努力セシムル
コトト致シタノデアリマス、本金庫ノ主タ
ル事務所ハ之ヲ東京ニ置ク豫定デアリマス
ルガ、其ノ業務ヲ出來得ル限リ速ニ普及徹
底セシムル爲メ、差當リ大阪ニ支所ヲ、又、
必要ニ應ジ各所ニ出張所ヲ設置スルノ外、
銀行、無盡會社、市街地信用組合ニモ、其
業務ノ一部ヲ代理セシムルコトト致シタノ
デアリマス、政府ハ本金庫ノ使命ノ重大性
ニ顧ミマシテ、之ニ對スル監督ニハ特ニ周
到ヲ期シマスルト共ニ、資本金ノ全額出資、
租稅ノ減免、補助金ノ交付等助成ノ方途ヲ
モ講ジテ居ル次第デアリマス
次ニ無盡業法中改正法律案ニ付テ御說明
申上ゲマス
本改正案ハ大體本會議ニ於テ御說明申上
ゲマシタ通リ、無盡會社ノ信用ノ向上ヲ
圖リ、且ツ益〓、其ノ機能ヲ發揮セシムルコ
トヲ目標ト致シタモノデアリマシテ、是ガ
爲メ現行無盡業法中、無盡會社ノ最低資本
金三万圓ヲ十万圓ニ、拂込金額一万五千圓
ヲ五万圓ニ引上ゲ、合併手續ノ簡易化ヲ
圖リ、又給付金限度貸付ノ總額ニ對スル法
定制限ヲ廢シ、之ニ代フルニ擔保又ハ保證
ニ關スル規定ヲ設クル等ノ改正ヲ行ハント
スルモノデアリマス、尙ホ是等ノ改正ニ伴
ヒマシテ猶豫期間其他ノ經過規定ヲ設クル
コトト致シタ次第デアリマス、何卒十分御
審議ノ上御贊成アランコトヲ御願致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=4
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005・前田房之助
○前田委員長 此際政府ニ對シ參考資料ヲ
要求ノ方ハ、一ツ御要求願ヒタイト存ジマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=5
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006・坂東幸太郎
○坂東委員 恩給ノ再交付ニ關スル勅令竝
ニ閣令ノ全文、再交付ヲ要求シタ人員數竝
ニ其金額、及ビ再交付ヲシテシマッタ各人
名竝ニ其各別ノ金額、ソレカラ現在軍人後
援會竝ニ其他ノ一般金融業者ノ、其金融シ
テ居ル金額、竝ニ大部分保險ヲ付ケテ居リ
マセウガ、其保險ヲ付ケテ居ル保險ノ金額、
ソレダケヲ各〓御願致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=6
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007・江藤源九郎
○江藤委員 若干參考資料ヲ御願シタイト
思ヒマスガ、是ハ書類ヲ以テ提出致シタイ
ト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=7
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008・前田房之助
○前田委員長 承知致シマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=8
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009・最上政三
○最上委員 私ハ二點ダケ政府ニ參考資料
ヲ要求シタイト思ヒマス、第一點ハ日〓、
日露、日獨、滿洲事件及ビ今囘ノ事件ニ對
スル戰死者ノ一時賜金、其內容ハ尉官級以
下デアリマス、私ノ知リタイト云フノハ特
ニ下士、兵デアリマスカラ、其點御諒承ノ
上デ御願シマス、一時賜金ト申シマシテモ
吾々通例一時賜金ト申シマスルト、全部ヲ
包含シテ解釋スルノデアリマス、隨テ實際
ハ其中ニハ特別賜金、又俸給令ニ依ル所ノ
死亡賜金、埋葬料、又各師團及ビ聯隊ニ於
テ支給サレル幾許カノ金ガアルノデアリマ
セウカラ、ソレガ若シ總括シテ居ルナラバ
總括シテ居ルト言ッテ、其內容ヲ一々內譯ヲ
願ヒタイノデアリマス、隨テ是ハ各戰役ノ
デアッテ、多少其時期又勳功ノ程度如何ニ依ッ
テ違フデアリマセウカラ、一、二、三位ニ之
ヲ平均ニシテ載クトカ、又滿洲事件ノ如キ
ハ十年後ニ於テハ特別賜金ガ非常ニ少ナイ
ノデアリマス、隨テサウ云フヤウナコトモ
アルデアリマセウカラ、ソレ等ヲ明細ニ分
ルヤウニ調査シテ御報告願ヒタイノデアリ
マス
第二ハ現在庶民金融トシテ大藏省ニ於
テ認メテ居ル既設ノ施設、例ヘテ申シマ
スレバ產業組合中央金庫デアルトカ、農村
負債整理組合ト云フヤウナ各種ノ機關ノ種
類竝ニ其設立月日或ハ資本金額等モ附加ヘ
テ大要デス、マア吾々ガ解釋スルノト大藏
當局ノ解釋スルノト、庶民金融ノ施設ノ解
釋ハ違フデアリマセウガ、大藏當局ハドウ
云フヤウナ施設ヲ、現在庶民金融トシテ見
テ居ルカト云フコトヲ種類及ビ其大要ニ付
テ御報〓ヲ願ヒタイノデアリマス、私ノ參
考資料ハ以上二點デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=9
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010・塚本重藏
○塚本委員 ソレニ一寸關聯シテ······、只
今御要求ニナリマシタ資料ノ外ニ、特ニ質
屋ノ中、公益質屋ト一般民間ノ質屋トノコ
トヲモ調査シテ附加ヘテ戴キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=10
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011・曾和義弌
○曾根委員 私ノ要求シマスノハ、或ハ坂
東君ノ要求シタ中ニアルト思ヒマスガ、若
シナケレバ御願シタイ、昭和十年末現在ニ
於テ代理受領人員ガ五万四千二百八十九
人代理受領年金額ガ一千八百七十一万圓
デアリマス、是ハ最高ドレ位ノ人以下デア
ルカ、大體ニ於テドレ位ノ金額以下ノ恩給
ヲ貰フ人ガ多イノカ、ソレヲ承リタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=11
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012・坂東幸太郎
○坂東委員 一寸附加ヘマスガ、現在ノ恩
給受給者ノ人員、金額、ソレハ無論出マセウ
ケレドモ、卽チ恩給局長裁定ノ分ト然ラザ
ル分ト、竝ニ地方費ノ分及ビ市町村ノ分、
其人員ト金額、ソレカラ今一ツハ此恩給ノ
擔保ノ解釋ニ付テ大審院ノ判例ガアッタ、卽
チ擔保ハ無效デアルト云フ判例、竝ニ擔保
ニ供スルト云フコトハ詐欺ノ手段デアル所
ノ借リタ方ガ犯罪ニナッタ判例モアルヤウ
デス、其判決ノ全文ヲ御願シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=12
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013・前田房之助
○前田委員長 外ニアリマセヌデスカ-
ソレデハ御諮リ致シマスガ、恩給法中改正
法律案、恩給金庫法案、之ヲ一括シテ先ヅ
質疑ヲ行ヒ、大體ノ質疑ガ終ッタ後ニ庶民
金庫法案、無盡業法中改正法律案ヲ一括シ
テ質疑ヲ行フ、斯ウ云フ風ニ審議ヲ進メタ
イト思ヒマスガ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=13
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014・前田房之助
○前田委員長 御異議ナシト認メマス、ソ
レデハ本日ハ是ニテ散會致シマス、次會ハ
公報ヲ以テ御通知申上ゲマス
午前十一時六分散會
〔參照〕
江藤委員要求ノ參考資料
恩給又ハ動章年金ヲ擔保トシテ義濟
會及軍人後援會ヨリ金融ヲ受ケ居ル者
ノ人員及金額
二、恩給又ハ動章年金ヲ擔保トシテ義濟
會及軍人後援會以外ノ金融機關ヨリ金
融ヲ受ケ居ル者ノ人員及金額ノ見込數
(代理受領ノ關係ニテ調査スル事ヲ得
ベシ)
三、義濟會、軍人後援會及金融ヲナス主
ナル組合ノ利率
四、左ノ區分ニ依ル最近一箇年ノ受恩給
調査
1一般公務員(軍人ヲ除ク)ノ受恩給
人員及金額
2軍人(傷痍軍人ヲ除ク)ノ受恩給人
員及金額
3傷痍軍人ノ受恩給人員及金額
4一般公務員ノ遺族扶助料受給者人
員及金額
5戰傷公病死者(軍人)ノ遺族扶助料
受給者人員及金額
五、特殊銀行ノ不動產擔保ニ依ル金融利率
六、恩給金庫役員ノ俸給年額
七、最近ニ於ケル目症者人員(各目別)及
第一款症者ノ人員數
八、昭和九年四月一日以前ノ無償傷痍軍
人ニシテ目症該當者ニ對シ軍人傷痍記
章ヲ授與シタル員數
九、昭和九年四月一日以前ノ無償傷痍將
校ニシテ款症該當ノ故ヲ以テ軍人傷痍
記章ヲ授與シタル員數
一〇、第一項症ヨリ第四款症ニ至ル兵ノ
受クル增加恩給額ノ比率(新舊對照)
二、增加恩給及傷病年金年額ノ階等比
率(新舊對照)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007310156X00219380217&spkNum=14
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