1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
商法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)
商法中改正法律施行法案(政府提出、貴族院送付)
有限會社法案(政府提出、貴族院送付)
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會議
昭和十三年三月七日(月曜日)午前十時二十分開議
出席委員左の如し
委員長 野村嘉六君
理事 仲井間宗一君 理事 宮崎一君
理事 石坂繁君 理事 木村作次郎君
一松定吉君 内藤正剛君
池田清秋君 田村秀吉君
原玉重君 山本粂吉君
江原三郎君 金澤正雄君
松木弘君 中野治介君
佐竹晴記君 菊地養之輔君
田川大吉郎君
出席政府委員左の如し
司法省民事局長 大森洪太君
本日の會議に上りたる議案左の如し
商法中改正法律案(政府提出、貴族院送付)
商法中改正法律施行法案(政府提出、貴族院送付)
有限會社法案(政府提出、貴族院送付)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=0
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001・野村嘉六
○野村委員長 是カラ開會致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=1
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002・大森洪太
○大森政府委員 此機會ニ前囘ニ提案ヲ致
シマシタ商法中改正法律案ト、今囘提出ヲ致
シマスル案トノ相違ニ付テ、一言申述ブル
コトノ御許ヲ得タイト存ズルノデアリマス、
大臣ヨリ申述ベマシタ通リ、甚シキ變更ハ
固ヨリナイノデアリマス、前囘提案ノ分ト
ノ相違ノ點ヲ順次申述べテ參リマスルト、
先ヅ第二百四條デアリマス、其第一項ノ但
書ニ前囘ノ提案ノ分ニハ「但シ定款ヲ以テ
其ノ讓渡ノ禁止又ハ制限ヲ定ムルコトヲ妨
ゲズ」トナッテ居リマシタ、ソレヲ前囘此委
員會ノ多數ノ御意向ト拜承致シタノデアリ
マスガ、「禁止又ハ」ト云フ文字ヲ削ッテ、丁
度此度提案ノ原案ノヤウニ「其ノ讓渡ノ制
限ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ」ト、斯樣ニシタ
方ガ宜イト云フオ話デアリマシタ、其御意向
ニ從ヒマシテ、本案デハ「其ノ讓渡ノ制限
ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ」ト云フコトニ致シ
タノデアリマス、卽チ當委員會ニ於ケル多
數ノ御意向ヲ尊重致シタ次第デアリマス、
是ハ御承知ノ通リニ、現行法ノ第百四十九
條ニ於キマシテ「株式ハ定款ニ別段ノ定メ
ナキトキハ會社ノ承諾ナクシテ之ヲ他人ニ
讓渡スコトヲ得」トアルノデアリマス、此
現行法ノ解釋トシテハ種々アリマセウガ、
私共ト致シマシテハ、此解釋ト致シマシテ
讓渡ノ制限モ出來ルシ、又禁止モ出來ルモ
ノダト考ヘテ居リマス、又實際ニ其解釋ガ
多ク行ハレテ居ルヤウニ存ズルノデアリマ
ス、ソレデ前年提出致シマシタ原案ニ於キ
マシテモ、此點ニ付テハ現行法ノ第百四十
九條ト異ナル積リハナカッタノデアリマス、
デアリマスルカラ解釋次第ニ依ルコトデア
リマスルガ、之ヲ制限ト云フ文字ダケニ致
シマシテモ、結局現行法ノ下ニ行ハレテ居
ル解釋通リニナルノデアルカラ、特ニ禁止
ト云フヤウナ文字ヲ用フルコトヲ避ケタ方
ガ宜イダラウ、斯ウ云フ御意向デアッタノデ
アリマス、其御意向ノ趣旨ニ從ヒマシテ、
只今申述ベタヤウニ改メテ之ヲ今囘ノ原案
ニ致シタ次第デアリマス、ソレト全ク同趣
旨デアリマシテ、第百七十五條第二項ノ第
五號、ソレカラ第百八十八條ノ第二項第六
號又第二百二十五條第一項ノ第六號、是
等總テ「株式ノ讓渡ノ禁止若ハ制限」トアリ
マシタノヲ「株式ノ讓渡ノ制限」ト改メ、卽
チ御意向ニ從ッテ之ヲ今囘ノ原案ニ致シタ
ノデアリマス、ソレカラ第百九十八條デア
リマス、前年提出ヲ致シマシタ原案ニ依リ
マスルト「發起人ニ非ズシテ株式申込證、
目論見書、株式募集ノ廣告其ノ他株式募集
ニ關スル文書ニ自己ノ氏名及會社ノ設立ヲ
贊助スル旨ノ記載ヲ爲スコトヲ承諾シタル
者ハ發起人ト同一ノ責任ヲ負フ」トアッタノ
デアリマス、所ガ昨年此點ハ貴族院ニ修正
ガアリマシテ、卽チ「承諾シタル者ハ」ト云
ファミ「自己ヲ發起人ナリト誤認シテ株式
ノ申込ヲ爲シタル者ニ對シ」是ダケノ文句
ヲ入レルコトニ相成ッタノデアリマス、ソレ
デ今囘ノ提案ニハ此貴族院ノ修正通リ之ヲ
原案ト致シマシテ、御覽ノ通リノ第百九十
八條ニナッタ次第デアリマス、次ニ第三百十
九條デアリマス、是ハ昨年提案ノ原案ニ依
リマスルト「社債權者集會ハ本法ニ別段ノ
定アル場合ヲ除クノ外」云々トナッテ居リマ
シタ、ソレヲ貴族院デヤハリ修正ガアリマ
シテ「社債權者集會ハ本法ニ規定アル場合ヲ
除クノ外」ト云フコトニナッタノデアリマス、
最初ノ原案モヤハリ趣旨ハ左樣デアッタノ
デアリマシテ、文字ノ變更ニ依ッテ內容ガ變
ル譯デハアリセヌケレドモ、此修正ノ方ガ
明確デアラウト思ヒマシテ、其貴族院ノ修
正ノ趣旨ニ應ジマシテ、其通リヲ原案ト致
シマシタ、隨テ御覽ノ通リノ第三百十九條
ニ相成ッタ次第デアリマス、次ニ第三百八十
條第二項デアリマス、是ハ資本減少ノ無效
ノ訴ヲ提起シ得ル資格者卽チ此訴ノ原〓ヲ
限定シタ規定デアリマス、昨年提案ノ原案
ニ〓算人ト破產管財人トヲ加ヘタノデアリ
マス、是ハ別ニ昨年貴族院デ問題ニナッタ
譯デモアリマセヌシ、此委員會デ此點ニ
付テ言及セラレタコトモナカッタノデアリ
マスルガ、他ノ同種ノ條文トノ權衡ヲ考
ヘマシテ、ヤハリ此二者ヲ加ヘルコトヲ適
當ト致シマシテ、是ハ吾々ノ方デ改正ヲ致
シタ譯デアリマス、卽チ此點ハ昨年提出
ノ原案ヨリモ二人ダケ資格者ガ殖エテ居
ル譯デアリマス、其次ガ第四百四十二條ノ
第一項デアリマス、此第四百四十二條ノ第
一項ニ引イテアリマス第一一百四十四條ノ下
ニ、第三百二十一條第二項ト云フモノヲ加
ヘタノデアリマシテ、是ハ昨年ヤハリ此
點ガ貴族院ノ修正ニナッタノデアリマス、サ
ウシテ此點ハ昨年當委員會ニ於テモ問題ガ
ナカッタヤウニ承知ヲ致シテ居ルノデアリ
マス、卽チ貴族院修正ノモノヲ原案トシテ
今囘提出致シタ譯デアリマス、他ノ二點ハ
罰則ノ關係デアリマシテ、第四百九十三條、
第四百九十四條ノ各第一項デ昨年提案ノ原
案ニ依リマスルト「賄賂ヲ收受シ」トアリマ
シタノヲ「不正ノ請託ヲ受ケ、財產上ノ利益
ヲ收受シ」ト改メマシテ、又「他人ニ賄賂
ヲ供與セシメ」云々ト云フ規定ガアリマシ
タガ、ソレヲ削除致シマシタ、ソレカラ同
ジ條文ノ各第二項ニ賄賂トアルノヲ「前項
ノ利益」ト改メタノデアリマス、是ハ貴族
院ノヤハリ修正デアリマシテ、其修正ニ從ヒ
マシテ今囘ハソレヲ原案ニ致シタ譯デアリ
マス、其次ニハ第四百九十五號賄賂ト云フ
文字ヲ利益ニ改メマシタ、是亦昨年貴族院
ノ修正ガアッタ所デアリマシテ、其修正通リ
ヲ今囘ノ原案ニ致シタノデアリマス、昨年
提案ノ原案ト、今囘提案ノ原案トノ相違ノ
點ハソレダケデアリマス
此序デニ今一點申述ルコトヲ御許シ願ヒ
タイノデアリマスガ、昨年當委員會ニ於キ
マシテ、小商人ノ範圍、資格ノ問題ニ付テ
種々ノ御意見ガアッタノデアリマス、其結果
多數ノ御意向ト致シマシテ、小商人ノ意義
ヲ施行法中ニ明ニシタ方ガ宜イダラウ、詰
リ御承知ノ通リニ現行法デハ小商人ニ付テ
ノ規定ハ商法ノ第八條ニアリマスガ、ソレ
ヲ承ケテ施行法ガ小商人ノ意義範圍ヲ勅令
デ以テ定メルヤウニ、委任ヲシテ居ル譯デ
アリマス、卽チ小商人ノ問題ハ商法カラ施
行法ヘ、施行法カラ勅令ニ亙ッテ居ル次第デ
アリマスガ、是ハ煩瑣ニ過ギル、寧ロ施行
法デ明確ニシテ置イタ方ガ宜イダラウト云
フコトガ、多數ノ御意向ノヤウデアリマシ
タノデ、右多數ノ御意向ヲ尊重致シマシテ
今囘ハ商法中改正法律施行法案ノ第三條
二、其點ヲ明規致シマシタ、隨テ勅令ニ讓
ルコトナシニ、施行法自身デソレヲ明確ニ
シタノデアリマス、是卽チ先程來申述ベマ
スル通リニ、昨年ノ此委員會ニ於キマスル
御意向ヲ尊重シタ次第デアリマス、是ダケ
一應申述ベテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=2
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003・野村嘉六
○野村委員長 內藤君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=3
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004・内藤正剛
○内藤委員 過日本會議デ大要ノ點ニ付テ
質問ヲ致シテ居リマシテ、政府カラソレ〓
御答辯ガアッタノデアリマス、此委員會デ
重ネテ同一事項ヲ質問シヨウトハ思ッテ
居リマセヌケレドモ、唯此際政府ノ御所見
ヲ、特ニ御伺シタイ點ガ大問題トシテアル
ノデアリマス、此間ノ御提案理由竝ニ本委
員會ニ於ケル政府委員ノ御方ノ本案ニ對ス
ル說明ト致シマシテ、特ニ商法中會社法ニ付
テハ、全力ヲ御傾ケニナッタカノヤウニ伺ヘ
ルノデアリマス、所ガ過日、本會議竝ニ委
員會ニ於ケル御說明ト、非常ニ變ッテ居リマ
スル點ヲ、他ノ法規デ私共ハ見出シタノデ
アリマス、ソレハ一昨々日デアリマシタカ、
鐵道省所管ダト思ハレルノデアリマスガ、
交通事業統制ニ關スル政府ノ說明、竝ニ其
案ト商法トノ關係デ、非常ナ矛盾ガアルノ
デアリマス、ソコデ私ハ總括質問トシテ、
政府ノ意圖ガ何處ニアルカト云フコトヲ疑
問ニ致シテ居ルノデアリマス、卽チ本法案
ニ於テ今囘出マシタ如ク、取締役ハ株主デ
ナクトモ宜イ、有能ナ人ヲ株式會社ノ重役
トシテ迎ヘル今日ノ實情ニ於テ、重役中他
ヨリ株式ノ借入ヲ爲シ、本當ノ株主デナイ
者ガ重役ニナッテ居ル例ガアル、ソレナラバ
進ンデ取締役ハ株式ノ所有者デナクテモ宜
イノデハナイカト云フコトデ、此會社法ニ
取入レタト御說明ニナッテ居ル、所ガ交通事
業統制法案ヲ見マスルト、株主債權者又ハ
事業ノ管理者ト云フヤウナコトニナッテ、特
ニ取締役ニ付テハヤハリ資格ガ制限サレテ
居ルノデアリマス、此點ニ對シテハ法案作
成ノ時ニ司法省ト他ノ所管省トノ間ニ於テ、
御打合セガアッタモノデセウカ、ナイモノ
デセウカ、若シ御打合セガアッタモノト致シ
マスナラバ、何故ニアノ法案ト此法案トニ區
別ヲ爲サッタノデスカ、此根本的觀念ヲ承リタ
イト思ヒマス、實ハナゼサウ云フコトヲ申上ゲ
マスカト云フト、其法文ノ中ニハ、商法ノ規定ニ
準據スルトアルノデス、商法ノ規定ニ準據
スルト云フコトヲ交通事業統制法案ニ書イ
テ置イテ、商法ノ規定ヲ引ッ張ッテ置キナガ
ラ、商法ニハ取締役ハ株主デナクテモ宜イ、
片一方ノ方デハ必ズ株主タルコトヲ條件ト
スル、サウシテ債權者又ハ事業ノ管理者、
斯ウ云フコトデアル、デアリマスト、特例
トシテハ從來ト變ッテ居ルノハ、株主ニ取締
役ガ限ッテ居ルニ拘ラズ、ソレヲ擴張シテ債
權者デモ事業ノ管理ガ出來ルト云フコトニ
擴張サレタト云フコトハ、一大改革デアル
ト思ヒマスガ、併シ特ニ限定シテ商法デハ
ソレ以上ニ入ッテ居ル、ドウモ此點ガ不可解
デアリマス、ナゼ私ガ左樣ナコトヲ質問ス
ルカト云フコトニ付テハ、特ニ政府ニ御答
辯ノ資料トシテ申上ゲテ置クノデスガ、御
考ニナラナケレバナラヌ、此商法ノ施行ニ付
テハ、曩ニ政府ノ說明ニ依レバ、施行ヲ一箇
年ノ後ニヤルト云フ御話デアリマス、交通
事業統制法案ハ恐ラクハ兩院ヲ通過シマス
レバ、四月一日カラノ施行デナイカト思フ、
サウスルト片一方ノ方デハ早ク施行サレテ、
片一方ノ方デハ法律ノ施行期間ガ一箇年違
フト云フコトニナッテ居ル、此點ニ喰違ヒガ
起ッテ來ルノデハナイカ、簡單ニ言ヘバ政府
當局ノ間ニ-或ハ司法省、鐵道省ト分レマ
スガ、其間ニ於テ不統一ガアル、大臣ノ說
明ガ個々ニ分レテ居ル、大キク見レバ政府
ニハ確乎タル信念ガナイ、昨日ハ是ナリト
シテ、今ハ非ナリトシ、又今ハ是ナリトス
ルコトヲ明日ハ非トスルト云フコトモアリ
マセウケレドモ、僅カ數日ノ間、而モ私ガ
本會議ノ議場デ可ナリ大キナ質問ヲ致シマ
シタ、其質問デ政府ノ御當局ガ御答辯ニナッ
ク、僅カ數日ニテ斯ノ如キ兩法ノ間ニ矛盾
シタモノヲ提案サレルト云フコトハ、私ハ
面白クナイ現象ダト思フノデス、大キナ聲
ヲ揚ゲレバ、非常ナ大キナ問題ニモ擴ガル
コトガ出來ルト思ヒマスガ、今一點ダケ一
寸質問致シテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=4
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005・大森洪太
○大森政府委員 只今ノ御質問ノ御趣旨
ハ、商法ノミニ關スル問題デハナイヤウデア
リマスルカラ、私カラ御答ヲ致シマスルノハ
如何カトモ存ズルノデアリマスルケレドモ、
專ラ商法上ノ見地ニ關スル限リニ於テ、御
答ヲ致シテ見タイト存ズルノデアリマス、
御承知ノ通リニ此商法中改正法律案ハ、公
布後ヤハリ一年位ハ、實施準備ノ期間トシテ
存シテ置カナケレバナラナイト存ズルノデ
アリマス、隨テ其實施準備期間中ハ、現行商
法ガ支配スルモノト御承知ヲ願ヒタイノデ
アリマス、サウシテ陸上交通事業調整法案
ニ付テ司法省ガ相談ヲ受ケタカ、ドウカト
云フ御質問デアリマシタガ、此立案ニ付キ
マシテハ事務當局トシテ私共モ、協議ニ與ツ
タノデアリマス、尙ホ商法ト陸上交通事業
調整法トノ間ニハ、首尾一貫シナイ所ガア
ルト云フ御指摘ノ點ハ、思フニ同法案ノ第
七條ノ問題デハナイカト拜察スルノデアリ
マく、此第七條ニ付キマシテハ私共モ十分
ニ心得テ居リマセヌケレドモ、聞キマシタ程
度ニ依リマスト、北海道ナリ、其他ノ公共
團體ガ陸上交通事業ヲ經營スル會社ノ株主
トナリ、若クハ債權者トナリ、又ハ會社ニ
事業ノ管理ヲ委託シタル場合、卽チ是等ノ
公共團體ガ其仕事ヲ預ケルト云ッタヤウナ
場合デアリマシテ、サウ云フ場合ニ是等ノ
長官ガ自分ノ指名スル吏員ヲシテ、商法ニ
定メタル選任方法ニ依リ、其會社ノ取締役
又ハ監査役タラシムルコトガ出來ル、サウ
云フ道ヲ拓イタモノデアリマシテ、隨テ是
等ノモノガ其吏員タル資格ニ於テ、同時ニ
會社ノ取締役又ハ監査役ニナルノデハナイ
カト存ズルノデアリマス、隨テ第二項ニ、前
項ノ規定ニ依ッテ會社ノ取締役又ハ監査役
ト爲リタル者、吏員タル身分ヲ失ッタナラ
バ、當然取締役又ハ監査役ノ職ヲ失フト云
フコトヲ明ニシテ居ルヤウニ思フノデアリ
ママ、尤モ第七條ニ付テ私ノ申述ベマシタ
コトガ、間違ッテ居ルカモ存ジナイノデアリ
マス、是ハ鐵道省ナリ、內務省カラ十分ニ
御說明ガアルコトト存ズルノデアリマスケ
レドモ、私ノ諒解シマスル範圍內ニ於キ
マシテハ、斯樣ナ特殊ノ場合ノ特殊ノ規定
デアリマシテ、商法ニ對スル全ク特殊ノ規
定デアリマス、卽チ特別法デアルト考ヘテ
居ルノデアリマス、而シテ斯樣ナ特別ノ規
定ヲ爲サナケレバナラヌ理由ハ、思フニ此
點ニ十分ニ存スルノデアラウト思フノデア
リマス、デアリマスカラ商法上以外ノ問題
デアリマシテ、此法案特殊ノ必要カラ生ジ
タル特殊ノ規定デハナイカト考ヘテ居ルヤ
ウナ次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=5
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006・内藤正剛
○内藤委員 然ラバ此點ニ對スル當局ノ御
所見ヲ伺ヒタイノデアリマス、只今ノ御說
明ニ依レバ、交通事業統制法案ハ特殊ノ目
的ヲ持チ、特殊ノ場合ニ出來ルノデアルト
云フ御話デアリマス、併ナガラ事業其モノ
ノ統制ハ、成程政府委員ノ御答辯ノ如ク特
殊ノ關係ヲ持ツデセウガ、併シ取締自體ハ
商法法規ニ支配サレルノデアリマス、事業
ハ特殊ノ目的デアリマスガ、取締ハ普通ノ
營利會社タルコトヲ免レマセヌカラ、ヤハ
リ商法法規ノ支配ヲ受ケルノデアリマス、
故ニ商法ノ規定ニ準據スルト云フコトノ法
文ガ、炳トシテ存スル譯デアリマス、ソコ
デ私ハ伺フノデアリマス、既ニ目的ハ特別
ノ法規ノ支配ヲ受ケルトシテモ、業務自體
ノ普通ノ事務ハ、商法法規ニ從フト云フコ
トデアリマスカラ、司法省ハ此法案ノ立案
ニ付テ、色々商法ニハ罰則ノ規定モアリマ
スカラ、御相談ヲ受ケラレタト存ズルノデ
アリマス、官吏タル身分ヲ有スルガ爲ニ、
特殊法規ダカラ株式會社ノ取締役ヲ兼ネテ
モ宜イト云フコトハ、法律ニ依ルノダカラ
差支ヘナイト云フノデアリマスガ、若シ此
人ガ商法法規ノ違反デ科料トカ色々ナモノ
ガナイトモ言ヘマセヌガ、是ハ罰則ノ支配
ヲ受ケルト思ヒマス、知ルト知ラザルトニ
拘ラズ、自己ノ意思ニ基カズ、ソレハ服務
規律上差支ヘナイトノ御意見デセウカ、ソ
レナラ官吏ハ重役ニナルコトガ出來ルノデ
スカラ、他人ノ行爲ニ依ッテ官吏ガ身分ヲ失
フト云フコトノ現象ガ、ナイトモ限ラナイ
ト思ヒマス、ドウ御考ヘデアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=6
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007・大森洪太
○大森政府委員 陸上交通事業調整法第七
條ニ依リマシテ、是等ノ吏員ガ取締役、監
査役ニナリマシタ場合、商法上ノ制裁ガ是
等ニ課セラレルカドウカト云フ御質問ノ御
趣旨ノヤウデアリマス、私ハ此罰則關係ニ
付テハ甚ダオ恥ヅカシイノデアリマシテ、
能ク承知ヲ致シテ居リマセヌ、隨テ間違ッテ
居リマスルナラバ、後ニ他ノ政府委員カラ
訂正ヲ願ヒタイト思フノデアリマスガ、私
ハ商法上ノ制裁ハ、ヤハリ課セラレルモノ
ト考ヘテ居ル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=7
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008・内藤正剛
○内藤委員 只今政府ヨリ明確ナ御答辯ヲ
受ケマシタガ、刑事處分ハ別ト致シマシテ
モ、商法上ノ其他ノ問題デアッテモ、他人ノ
行爲デ處分ヲ受ケルト云フコトハ、官ノ威
信ニモ關係スルノデ、洵ニ不都合ナコトト
思フノデス、寧ロ私ガ先程一番初メニ申上
ゲ、竝ニ本會議デモ申上ゲタヤウニ、退職
官吏デスラモ今日事業會社ノ重役トナルノ
ニ、或ル一定ノ年限ヲ經タ後デナケレバナ
ラヌト云フ氣持ガアル際デアリマスルカラ、
特別ニ此點ニ付テハ、御考慮ニナッテハ如何カ
ト思ヒマスガ、併シ是ハ所管事務ガ違ヒマ
スカラ、其點ハ此處デ議論スル必要ハアリ
マセヌ、續イテ伺ッテ置キタイノハ、合併ニ
關スル問題デアリマス、合併ノ所デ申上ゲ
タラ宜イト思ヒマスルケレドモ、大體質問
トシテ申上ゲマス、現行商法竝ニ改正案ニ
於テモ、合併ハ强要サレテ居リマセヌ、然ル
ニ交通事業調整法案ニ依レバ、合併ハ强要
スルカノ如ク、セザルカノヤウニナッテ居リ
マス、是ハ特殊ノ法規ダカラ構ハヌト云フ
御意見デセウガ、ナゼソレヲ聽キマスカト
云フト、法ノ解釋ニ關スル根本問題デアリ
、マス、後カラ施行サレル法律ハ、前ノ法律
ヲ變更スルト云フノガ、法ノ原則デス、所
ガ交通事業調整法ト云フモノヲ、程ナク施
行シマスレバ、商法ハ後カラ施行サレルコ
トニナル、ソコデ商法ト云フモノモ交通事
業調整法ト云フモノモ、ヤハリ法律タルニ
變リハナイ、サウスルト新法ト舊法ト矛盾
シタ場合ニ於テハ、何處マデモヤハリ新法
ガ働イテ行クトフ云フコトニナリマスルト、
今申上ゲタヤウニ、若シ交通事業調整法ト
云フモノニ、アヽ云フ規定ガアリマシテモ、
商法ノ方デハ合併ヲ强要シナイ、片一方ハ
强要スルヤウニナル、サウスルト之ヲ制限
スルコトニナル、其點ニ對スル兩者ノ解釋
ニ付テ伺ッテ見タイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=8
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009・大森洪太
○大森政府委員 現行商法ニ於キマシテモ、
亦今囘御審議ヲ願ッテ居リマスル此改正案
ニ於キマシテモ、御示シノ通リニ合併ハ決
シテ强制ヲシテ居ナイノデアリマス、會社
ノ相互ノ協議ニ依リマシテ合併ヲ致シマス
ルコトハ御指摘ノ通リデアリマス、ソレカ
ラ尙ホ今囘提出ニナッテ居リマスル交通事
業調整法ニ於キマシテハ、合併ハヤハリ强
制ヲシテ居ナイヤウニ存ズルノデアリマス、
ソレハ第二條ノ第二項デアリマスルガ、其中
ニ「前項第一號ノ事項ノ實施ヲ勸〓シ」云々
トナッテ居リマス、卽チ合併ナリ設立ナリニ付
キマシテハ、實施ノ勸告ニ止メテ居ルヤウ
ニ存ズルノデアリマス、卽チ第二條第一項
ニ列記シテアリマスル事柄ノ中デ、第一號
ト第一號以外ノ事項トヲ、別ノ扱ニシテ居
ルヤウニ私共ハ心得テ居ルノデアリマス、
ソレカラヤハリ同法案ノ第三條ニ於キマシ
テモ、其趣旨ガ明ニナッテ居ルヤウニ思ッテ
居ルノデアリマシテ、勸告ノ程度ノコトハ
致シマセウケレドモ、合併ヲ强制スル趣旨
デハナイト考ヘテ居ルノデアリマス、然ラ
バ合併ノ勸〓モ如何デアルカ、斯ウ云フコ
トニ相成リマセウガ、是ハ陸上交通事業調
整法ノ特殊ノ必要カラ、出來テ來タノデハ
ナイカト存ズルノデアリマシテ、ソレ等ノ
必要ニ付キマシテハ、內務省ナリ鐵道省ノ
當局ガ、適當ノ機會ニ御說明ヲ申上ゲルコ
トカト存ズルノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=9
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010・内藤正剛
○内藤委員 只今御說明デアリマシタガ、
勸〓ト申シマシテモ御承知ノ通リ陸上交通
事業ト云フモノハ、主務大臣ノ認可ガナケ
レバ、殆ド仕事ガ出來ナイヤウニナッテ居リ
マス、デアリマスカラ强要シナイデモ、勸〓
ノ程度デアッテモ、條文ヲ見ルト「命令ヲ以テ」
云々ト云フ規定ガアリマシテ、命令ヲ以テ
働キ掛ケルコトモ出來マスシ、ソレ〓〓事
業ノ制限ヲ受ケルコトニナリマスカラ、嫌
デモ應デモ、法文ノ體裁ハ强制規定デナイ
デモ、强制サレルト同ジ結果ニナルノデア
リマス、唯法文ノ體裁上カラ摩擦相剋ヲ避
ケル爲ニ、斯ノ如キ文章ヲ用ヒタニ過ギナ
イノデアリマシテ、其實質ハ强制スルニ非
ズンバ、此法文ノ效果ヲ達スルコトハ出來
ナクナッテ居ルノデアリマス、デアリマスカ
ラ、ヤハリ强制合併ノ規定デアルヤウニ見
エルノデアリマス、ソコデ先程伺ッタコトニ
付テ御答辯ガナカッタノデスガ、此法律ガ施
行サレテモ、商法ノ施行ガ一年モ遲レマスト
同ジヤウニ施行期ガ來マセヌカラ、此法律ノ
一部ハ商法ノ規定ニ依ッテ制限スルコトガ
出來マスカ、斯ウ云フコトニ對スル御說明
ガナカッタノデスガ··発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=10
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011・大森洪太
○大森政府委員 陸上交通事業調整法ニ於
キマスル會社ノ合併、是ハ私共ハ事實上
實施ノ勸告ニ止マルモノデアリマシテ、强
制合併ニ立チ及ブベキモノデナイト存ジテ
居リマス、而シテ此法律ハ只今御示シノ通
リ、思フニ公布ト同時、又ハ公布ト間近イ
間ニ實施トナリマシテ、又吾々ノ商法中改
正法律案ハ、公布ノ一年後ニ實施ヲサレルコ
トニナルト思ヒマス、卽チ御指摘ノ通リ此兩
法案ガ法律ニナリマシテモ、實施ノ時期ガ
違ヒマス、ソレガ爲ニ此商法中改正法律案
ノ法律ニ依ッテ制限ヲ受ケ又ハ變更ヲ受ケ
ル、左樣ナコトハ毛頭モナイト存ジテ居ル
ノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=11
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012・内藤正剛
○内藤委員 先程ノ御說明中、曩ニ貴族院
デ修正サレタモノハ貴族院ノ意見ヲ聽キ、
又衆議院ニ於テ議論ガアッテ、相當傾聽ニ値
スルモノハ之ヲ取入レタ、斯ウ云フ御說明ガ
アリ、又株式ノ讓渡ノ點ニ付テ、讓渡ノ禁
止ハイケナイト云フ議論ガアッタノデ、制限
ト云フ文字ヲ使ッタト云フヤウニ、親切丁寧
ナ御說明ガアリマシテ、何處マデモ政府當
局トシテハ院議ヲ尊重シ、若クハ院議ニ至ラ
ザルモノデモ、院ノ空氣ハ相當尊重シタ趣
旨デアルト云フコトノ御說明ガアリマシタ、
洵ニ私共ハ此點ヲ有難ク思フノデアリマス
ガ、果シテ然リト致シマスナラバ、衆議院
ニ於テ昨年御提案ノ際ニ、相當議論ガアリ
マシタ所ノ他ノ法文ニ付キマシテハ、何故御
取入レガナカッタノデアリマセウカ、是ハ指
摘致シテモ宜シイノデスガ、若シ昨年本委
員會ニ於テ議論ノ焦點トナリマシタ問題ヲ、
院議尊重ノ意味カラ此委員會ニ於テ修正ヲ
致シマスナラバ、政府ハ喜ンデ御迎ニナル
ト思フノデアリマスガ、此點ニ對スル根本
精神ヲ伺ヒタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=12
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013・大森洪太
○大森政府委員 昨年商法中改正法律案ノ
衆議院ノ特別委員會ニ於ケル種々ノ御論議
ハ、私共終始之ヲ拜聽シテ居ッタノデアリマ
ス、御承知ノヤウナ事情デ委員會ハ終了ス
ルニ至リマセヌデシタケレドモ、委員會ニ
於ケル多數ノ御意向ト思ハレマスルモノハ、
今囘ノ案ニ於テハソレヲ尊重シテ、取入レテ
居ルノデアリマス、ソレハ只今御指摘ニナ
リマシタ株式ノ讓渡ノ禁止又ハ制限ト云フ
ノヲ、株式ノ讓渡ノ制限ト云フ文字ニ改メ
マシタ點、卽チ第二百四條第一項デアリマ
ス、ソレカラ之ニ牽聯致シマシテ同樣ノ問
題ガ、第百七十五條第二項ノ第五號、第百
八十八條ノ第二項第六號、ソレカラ第二百
二十五條第一項第六號デアリマス、ソレカ
ラ今一ツ御承知ノ通リニ、此前多數ノ御意
向ト承リマシタノハ、小商人ノ意義範圍ノ
問題デアリマシテ、卽チ現行法ハ小商人ノ
取扱方ニ付テ、商法ノ第八條ニ規定ガアリ
マス、ソレヲ承ケテ施行法中ニ規定ガアリ
マシテ、勅令ニ是等ノ範圍ヲ定メルコトヲ
委ネテ居ルノデアリマス、ソレニ對シテ是
ハ勅令ニ委ネナイデモ、施行法中ニ法律デ
ハッキリト書イテシマッタ方ガ宜イ、斯ウ云
フ御意向ガアリマシタ、其御意向ニ從ヒマ
シテ今囘ノ案ニ於キマシテハ、施行法ニソ
レヲ明確ニ致シマシタ、卽チ今囘御審議ヲ
願ッテ居リマスル商法中改正法律施行法案ノ
第三條デアリマス、卽チ此案ニ於キマシテ
ハ、勅令ニ是等ヲ讓ルコトナシニ、施行法
中ニ法律ノ規定トシテ之ヲ定メタ次第デア
リマス、其他ノ點ニ付キマシテハ、貴族院
ノ修正ノ箇所ニ付テ種々ノ問題ガアッタコト
ハ、承知ヲ致シテ居リマスルガ、其以外ニ
多數ノ御意向トシテ纏マルト云フ程度ニ立
至ッタモノハ、ナカッタヤウニ記憶ヲスルノ
デアリマス、少クトモ私共ノ拜承致シマシ
タ範圍內ニ於キマシテハ、是等ノ點ハ多數
ノ御意向デアルト存ジマシタガ爲ニ、ソレ
ヲ尊重致シマシテ、原案トシテ提出ヲシタ
次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=13
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014・内藤正剛
○内藤委員 說明ハ大要旨ク盡キテ居ルヤ
ウデアリマスガ、ソレナラバ私一ツ重複ヲ
避ケテ指摘シマスガ、商法改正案ノ四百
九十二條ニ、懲役及ビ罰金ガ併科主義ニナッ
テ居ル、昨年ノ當委員會ニ於キマシテハ、
此併科主義ハイカナイ、又ハト云フコトニ
シナケレバイケナイデハナイカ、現行刑法
ノ中ノ贓物ニ關スル罪ノ中ニ、懲役竝ニ罰
金ト云フ併科主義ガアル、刑法中唯一ツ之
ヲ存スル、而モ之ヲ存スルノハ相當歷史的
ニ意義ガアル、舊刑法ノ下ニ於テハ懲役、
罰金或ハ監視ト云フヤウナ附加刑ノヤウナ
モノガアリマシタケレドモ、是ハ宜クナイ
ト云フノデ、現行刑法ノ時ニ改メラレ、贓
物ニ關スル罪ハ特殊ノ理由ガアルカラ、是
ハ懲役及ビ罰金ヲ併科スル併科主義ヲ採ラ
レタノデアルガ、昨年ノ本委員會デハ此併
科主義ハイケナイカラ、ドウシテモ刑ヲ科
スルナラバ、善イ惡イハ別トシテ、古ク非
難ノアッタ併科主義ハ御止メニナッタラドウ
デセウカト云フコトヲ、當時院議ニハ纏ラ
ナカッタト思ヒマスガ、大體ニ於テ御諒解ニ
ナッタコトト思ヒマス、何故空氣ガサウナッ
テ居ルノニ、此規定ニ付テハ其空氣ヲ察知
スルコトナク、其儘御提出ニナッタカ、其深
キ理由ヲ承リタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=14
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015・大森洪太
○大森政府委員 只今御指摘ノ罰則關係ノ
條文デアリマスガ、實ハ私ハ罰則ノコトハ
精シクナイノデアリマシテ、他ノ政府委員
カラ說明ヲシテ貰フ積リデアリマス、隨テ
第四百九十二條ニ言及シナカッタコトハ、慥
ニ申譯ガナイノデアリマス、此併科ガ惡イ
ト云フ御意見ガ一方ニアリマシタコトハ、
私モ確ニ拜聽シテ居ルノデアリマス、何ガ
故ニ其御議論ニ拘ラズ、昨年通リノ原案ニ
致シタカト云フコトニ付キマシテハ、他ノ
政府委員ガ參リマシテ十分ニ申上ゲタイト
存ズルノデアリマス、唯私カラ極メテ簡單
ニ申述ベテ置キマスルガ、此懲役及ビ罰金
ノ併科ニ付キマシテハ、御承知ノ通リニ少
數デハアリマスケレドモ、他ニ例モアリマス
ルシ、ノミナラズ將來斯樣ナ場合ニ併科主義
ヲ採ルト云フコトハ、今日ノ傾向トシテ是認
スベキ所デハナイカト思フノデアリマス、總
テノ場合ニ併科ヲ以テ進マフト云フノデハ
勿論ナイノデアリマシテ、必要ナ場合ニ併
科主義ヲ採用スルト云フコトハ、今日ノ刑
事立法ノ或ハ趨勢ト申シテモ宜クハナイカ
ト思フノデアリマス、ノミナラズ此會社關係
ノ罰則デアリマスト、是等ノ罪ハ其弊害ノ
及ブ所ガ非常ニ廣イノデアリマス、詰リ罪
ノ量ガ大キク、之ニ因リマシテ被害ヲ受ケ
ル範圍ガ洵ニ大デアリマス、左樣ナ關係カ
ラ致シマシテ、之ヲ金刑ノミデ制裁ヲ付ケ
ルト云フコトハ、或ハ不十分デアラウカト
モ思ハレルノデアリマス、左樣ナ關係カラ
第四百九十二條ニ付キマシテハ、併科主義
ヲ以テ臨ムコトヲ相當ト考ヘマシテ此點ニ
付キマシテハ昨年ノ原案通リ、今囘ノ原案
ニ致シタ次第デアリマス、尙ホ只今此點ニ
付テ申述ベマシタ私ノ御說明ハ勿論不十分
デアリマス、他ノ機會ニ他ノ政府委員ガ參
リマシテ、十分ニ申述ベタイト存ズルノデ
アリマス、左樣御諒承ヲ願ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=15
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016・内藤正剛
○内藤委員 モウ一ツ指摘致シタイト思ヒ
マーク慥カ同ジヤウナ趣旨デアリマスガ、
第四百九十七條ニ「株金拂込ノ責任ヲ免ルル
目的ヲ以テ他人又ハ假設人ノ名義ヲ用ヒテ
株式ヲ引受ケ若ハ讓受ケタル者」云々トアル
ノデスガ、之ニ對シテ懲役又ハ罰金刑ヲ科
スルト云フヤウナコトハ、不穩當デハナイ
デセウカ、固ヨリ文字ニ書イテアル通リノ
株金ノ拂込ノ責任ヲ免レル目的ヲ以テ、他
人名義ヲ使用シタリ、假設人ノ名義-是
ハ尤モ他人デハアリマセヌケレドモ、他人
名義ヲ使用シタル者ト同一結果ノ場合ニ於
テハ、是ハ文書不實記載ヲ罰スルト同ジヤ
ウナ趣旨ニ於テ罰セラレルコトモ、已ムヲ
得マセヌケレドモ、承諾ヲ得タ場合ニ於テ
モ、ヤハリ是ガ引掛ルノデハナイカト云フ
疑義ヲ生ズルノデアリマス、ソコデ今第二
百一條第二項ノ規定ト併セテ見レバ、第二
百一條第二項ノ規定ニハ「他人ト通ジテ其
ノ名義ヲ以テ株式ヲ引受ケ又ハ讓受ケタル
者ハ其ノ他人ト連帶シテ株金ノ拂込ヲ爲ス
義務ヲ負フ」斯ウ云フコトニナッテ、從來ヨ
リ結構ナ法規ガ出來テ居ル、此規定ト之ヲ
對照致シマスナラバ、四百九十七條ノ中ニ
モ承諾ヲ得ク他人ハ差支ナイヂヤナイカ、
此時ニ於ケル昨年ノ御說明ハ、承諾ヲ得テ
モ得ナクテモ、他人ノ名義ヲ用ヒタ者ハ、
二百一條ノ規定デ拂込ノ義務ガアルト同時
ニ、四百九十七條ノ適用モ亦免レナイノダ
ト云フ風ノ御說明ニ伺ハレテ、可ナリ議論
ガアッタノデアリマス、此時ニ於テ政府當局
ニ私共ガ質シマシタ時、承諾ヲ得ザルト云
フ文字ヲ入レルニアラズンバ、用語上不穩
當ナリト云フコトヲ申上ゲタノデアリマス
ガ、何故ニ本法案御提出ニ際シテ-先程
申上ゲタノヨリハ、前ノ法文ハ非常ニ强カッ
タガ、此空氣ヲ御酌ミ入レニナラナイデ御
提出ニナリマシタカ、其理由ヲ承リタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=16
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017・大森洪太
○大森政府委員 昨年ノ此委員會ニ於キマ
シテ、私共ノ拜承致シマシタ點ハ、第二百
一條ニ於テ右實體的ノ責任ヲ科シテ居ルニ
モ拘ラズ、第四百九十七條ニ於テ更ニソレ
ヲ罰シテ居ルノハ、ドウ云フ譯デアルカ、
之ヲ要スルニ第二百一條ガアレバ足リルノ
デアル、第四百九十七條ハ寧ロ削除スベキ
モノデハナイカ、斯ウ云フ御意向ノアッタコ
トハ、確ニ拜承致シテ居ルノデアリマス、
之ニ付キマシテモ罰則問題デアリマスカラ、
他ノ政府委員カラ他ノ機會ニ申述べタイト
存ズルノデアリマスルガ、第二百一條ノ場
合ハ民事實體法規トシテ、是等ガ連帶責任
ヲ科スルコトハ、固ヨリデアリマスルケレ
ドモ、斯樣ナ場合ハ實ハ立證ガ甚ダ困難デ
アリマシテ、斯樣ナ事ノ起ラナイヤウニス
ルコトハ、最モ望マシイノデアリマス、デ
アリマスルカラ、斯樣ナ事ガ明確ニナリマ
シタ場合ニ、之ニ民事上ノ責任ヲ科スルト
共ニ、是等ヲ豫防スル、防遏スル趣旨ニ於
キマシテ、第四百九十七條ノ罰則モ、ヤハ
リ存置スル方ガ宜カラウト云フノデ、昨年
ノ原案通リ之ヲ置イテ居ル次第デアリマス、
尙ホ第四百九十七條ノ文字ノ變更ノ點ニ付
キマシテハ、何レ他ノ政府委員ガ參リマセ
ウカラ、其機會ニ併セテ申述べタ方ガ、便
利デハナイカト存ズルノデアリマス、左樣
御諒承ヲ願ヒタイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=17
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018・内藤正剛
○内藤委員 他ノ政府委員ヨリ伺ハナケレ
バナラヌ、若クハ他ノ政府委員ニアラズン
バ私ノ質疑ニ對スル答辯ノ完璧ヲ期シ難イ
トノ旨ノ點ニ付テハ、質問ヲ保留致シマス、
續イテ只今ノ政府委員、殊ニ大森氏ニ於テ
說明ノ出來ル點ヲ、一二尙ホ同ッテ置キマス、
會社ノ有ユル場合ニ於キマスル大キナ意思
決定ハ、株主總會ニ依ルヤウデアリマス、
株主總會ノ決議ト云フモノハ、非常ニ重大
ナモノデアルコトハ、申ス迄モナイコトデ
アリマス、ソコデ株主總會ノ大體ノ根本方
針ヲ伺フノデアリマスガ、大體株主總會デハ、
會社ノ解散モ出來マセウシ、色々デスガ、總
會ニハ先ヅ三ツノ場合ガ豫想出來ルト思ヒ
マス、一番初メハ會社設立ニ關スル總會、ソ
レカラ設立後ニ於キマシテハ、定時若クハ
臨時總會、臨時總會ニ於テハ有ユル重大ナ
事ヲ處シマス、時間ヲ取リマスカラ一々其
內容ヲ申上ゲマセヌ、今申上ゲマシタ三ツ
ノ場合ニ於テ、政府當局ノ御考デハ何レノ
總會ヲ重ク見ラレマセウカ、設立ニ關スル
一番初メノ總會ヲ重ク見ラレマセウカ、或
ハ二次的以後ニ於テ起ル定時總會、若クハ
臨時總會ノ如キ、サウ云フ場合ヲ重ク見ラ
レマセウカ、何レノ總會ヲ重ク見ルカト云
フコトヲ、先ヅ第一ニ伺ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=18
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019・大森洪太
○大森政府委員 只今御質問ノ御趣旨ニ依
リマスト、創立總會重キカ、或ハ會社成
立後ノ總會重キカ、其會社成立後ノ中デ
モ、通常總會重キカ、臨時總會重キカ、斯
ウ云フ御趣旨ニ拜聽シタノデアリマスガ、
是ハ比較的ノ問題デアリマシテ、御答スル
ノハ極メテ困難ニ存ズルノデアリマス、御
承知ノ通リ普通決議デ足リル事項ト、特別
決議ヲ要スル事項ト、此二ツヲ較ベマス
ト、後者ノ方ガ重要デアリマスコトハ、固
ヨリ申上ゲル迄モナイノデアリマス、其點
ヲ除キマスト、三者卽チ創立總會、ソレカ
ラ通常總會、臨時總會何レガ重イカト云フ
コトハ、別ニナイノデアリマス、現行商法
竝ニ此案ニ付キマシテモ、ソレ等ノ間ニ決
シテ差等ヲ設ケテ居ナイト存ズルノデアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=19
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020・内藤正剛
○内藤委員 果シテ然ラバ特別決議ヲ要ス
ベキ其場合ハ、重キモノアリトノ御囘答デア
リマス、特別決議ヲ要スベキ其場合ハ、商法
上ソレ〓〓規定致シテ居リマス、定款ノ變
更ノ如キハ、特別決議ヲ要スル第一次ノ中
ニ入ッテ居ルヤウニ思ヒマス、然ルニ先程ノ
政府ノ御說明ニ依レバ、定款ノ變更ヲ認メ
ラレタル所ノ第一次ノ創立總會ト言ヒマス
カ、設立總會ト言ヒマスカ、其第一次ノ總
會ニ當ッテ定款ノ變更ヲ許シ、設立ノ廢止ヲ
許ス如キ重大ナル事項デアルニ拘ラズ、此
時ニハ株主總會ノ通知シ得ベキ事項ノ中
ニ、之ヲ入レナクテモ宜イ、第二次的以後
ノ場合ニ於キマシテハ、總會招集目的ノ中
ニ通知ヲシナケレバナラヌ、定款ニ斯樣ニ
規定サレテ居リマスルガ、私甚ダ不思議デ
アル、通常ノ場合ニ於テ定款變更ハ特別決
議ヲ要シ、總會ノ目的ノ中ニ通知スベキ事
項トシテアルニ拘ラズ、設立總會ノ此重大
ナ、今呱々ノ聲ヲ擧ゲントシテ居ル其重
大ナ場合ニ於テ、斯樣ニ通知ヲシナク
テモ宜イト云フコトニ致シマシタナラ
バ、其弊ヤ推シテ知ルベキモノガアラ
ウト思フノデアリマス、過日本會議ニ於
テ申上ゲマシタ如ク、會社ノ目論見書ニ
ハ、一例ヲ取ッテ言ヘバ呉服屋ヲスル「デパ
ート」ノヤウナモノヲスルノダト言ヒナガ
ラ、資本ガ寄ッテ來タカラト云フノデ、今度
別ニ種目ヲ變ヘルノダト言ッテ、定款變更ヲ
スルコトハ、是ハ先程ノ政府ノ御說明カラ
言ヘバ自由デアル、呉服屋ト漁業商トハマ
ルデ違フガ、是モ出來ルヤウニナリマス、
斯ノ如キ重大ナ場合ニ於テモ、通知ヲシナ
イデモ宜イ、行カナケレバ何等ノ意思無ク
シテドウナルカ分ラナイ、委任狀ヲ送ッタリ
致シタ時ニモ、是ハ會社ノ設立ガ遂行出來
ルノダ、設立ノ遂行ニハ間違ヒナイデセウ、
併ナガラ事業ガ違ッテシマフ、斯ウ云フヤウ
ナ事柄ガ起ッテモ、ソレハ株主ガサウ云フヤ
ウナ事柄ハ關知シナイト云フヤウナ、不可
思議ナ現象ヲ生ゼナイトモ言ヘヌノデアリ
マスガ、何故ニ政府ハサウ云フ風ニ、二者
ノ間ニ一番初メノコトヲ特ニ重大視シナカッ
タノデアリマスカ、是ハ頗ル大キナ問題ニ
ナリマス、若シ之ヲ惡用スル者ガアルナラ
バ、全然或ル他ノ目的ヲ以テ設立スルカノ
如ク裝ッテ、サウシテ初メテノ總會ノ時ニ、
違ッタ目的ノ爲ニ會社ノ事業ヲ遂行スルヤ
ウナコトニ、定款ヲ變更シテ平然タルモノ
ナシトモ限リマセヌ、斯ウ云フコトハヤハ
リ弊害ヲ除去スル爲ニ、萬全ヲ期セナケレ
バナラヌ、法ハ一旦拵ヘタナラバ、急ニ無
暗ニ變ヘラレルモノデハアリマセヌカラ、
私ハ思ヒヲ其處マデ致サレタノニ顧ミテ、
ソンナコトハ萬々アルマイト云フ意味カラ、
私ハ此法文ガ出來タノデハナカラウカト思
ヒマスガ、私ハ裏ノ裏マデ考ヘテ見マシテ、
實ニ戰慄スベキ狀態ヲ玆ニ申上ゲテ、政府
ノ特ニ愼重ナル御答辯ヲ煩ハスノデアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=20
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021・大森洪太
○大森政府委員 只今御示ニナリマシタノ
ハ、思フニ此案ノ第百八十七條第二項ノ點
デハナイカト拜察スルノデアリマス(內藤
委員「其通リ」ト呼フ)此點ニ付キマシテハ、
私共モ相當考慮ヲ致シタノデアリマシテ、
不用意ニ之ヲ設ケタ次第デハナイノデアリ
ママ、御承知ノ通リニ此第二項ハ、此案デ
新設ニ係ルモノデアリマス、併シ現行法ノ
下ニ於テドウデアルカト云フト、御承知ノ通
リニ現行法ノ下ニ於テモ、決シテ斯樣ナ通
知ハ致シテ居ナイヤウデアリマス、創立ノ
總會デアリマスルカラ、其創立ノ總會ノ通知
ニ際シテ、是ハ設立ノ廢止ヲモ爲スコトア
ルベシ、或ハ定款ノ廢止變更ヲ爲スコトア
ルベシト云フコトヲ、若シ是ガ豫測出來マ
スルナラバ、ソレ等ノ通知モ致シマセウケレ
ドモ、豫想ハ出來ナイ場合ガ多々アルデア
ラウト思フノデアリマス、又創立ノ總會ニ
當リマシテ、是等ノコトヲモ併セテ通知ヲス
ルト云フコトハ、蓋シ事實ニ於テ不可能デ
アラウト思フノデアリマス、御承知ノ通リ
實際ノ運用ニ於キマシテハ、今日デハ斯樣
ナ通知ヲ致シテ居ナイノデスガ、而モ尙且ツ
定款ノ變更ヲシ、廢止ノ決議ヲモ致シテ居
ルヤウデアリマス、デアリマスルカラ是等
ノ實際上ノ見地ニ基キマシテ、其事實ヲ重
ジマシテ、之ヲ法文ニ致シタダケデアリマ
シテ、第百八十七條ノ第二項ノ新設ニ依リ
マシテ、現行法ニ於ケル運用狀態ヲ變更ス
ルト云フ積リハ、ナカッタノデアリマス、ソ
レヲ唯明確ニスル爲ニ、玆ニ特ニ規定ヲ置
イタニ過ギナイノデアリマス、然ラバ今御
指摘ニナリマシタヤウナ弊害ガ、起リハシ
ナイカ、斯ウ云フ御尋ノヤウニ拜承ヲ致シ
マシタガ、規定ガ斯樣ニナッテ居リマスル
ナラバ、創立總會ニ於テ通知ヲ受ケマスル
ナラバ、事ニ依ルト定款ノ變更ノ問題ニ及
ブカモ知レナイ、設立廢止ノ問題ニ及ブカ
モ知レナイト云フコトヲ、此株式引受人ニ
於テモ考ヘルデアリマセウ、又左樣ナ非常ナ
變更ニナリマシタ場合ニ、果シテ引受人多
數ノ意向デ、ソレガ容易ニ可決出來ルヤ否
ヤト云フコトモ、是ハ考ヘテ宜カラウト思
フノデアリマス、之ヲ要スルニ此第百八十
七條第二項ハ、新設ノ規定デハアリマスル
ケレドモ、現行法運用ノ狀態ノ變更スルモ
ノデハナイノデアリマシテ、念ノ爲ニ之ヲ
明ニシタニ過ギナイノデアリマス、又是カ
ラ生ズル弊害ト云フコトニ付キマシテモ、
豫想出來ナクハアリマセヌケレドモ、併シ
ソレガ爲ニ非常ナ非難ヲ受ケルヤウナ事例
ガ、發生スルトモ思ハレナイノデアリマス、
尙ホ斯樣ナ規定ヲ置キマシタガ爲ニ、私共
ノ方デ、會社成立後ノ總會ト創立總會トヲ
比ベテ、創立總會ノ方ガ低イモノデアル、
簡單ナモノデアルト云フヤウニ、考ヘテ居ッ
タ次第デハナイノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=21
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022・内藤正剛
○内藤委員 是以上ハ定款ノ問題ヲ繰返シ
タ所デ、オ互ニ主張ヲ讓ラヌコトニナルト
思ヒマスルガ、私共過去ニ於ケル民間側
ノ、遭遇致シマシタ幾多ノ事例カラ申シマ
スルト、何時ノ間ニヤラ定款ガ變ッテ居ッテ、
非常ニ馬鹿ヲ見マシタ例ガ多イノデアリマ
ス、私共過去三十年ノ間辯護士ト致シマシ
テ、取扱ッタ世ノ中ノ裏カラ見マスルト、斯
ウ云フコトノ爲ニ、又再ビ折角良イ法律ガ
出來ルノニ、裏ヲ潜ル人ガ出ナイトモ限ラ
又、或ハヒドイ人ハヤルノデハナイカト云
フコトヲ惧レマスルノデ、先程ノ質疑ヲ致
シタ譯デアリマス、會社成立後ニ於テ何時
ノ間ニカ定款ガ變ッテシマッテ居ル、固ヨリ
政府委員ノ御答辯ハ、通常ノ狀態ニ於テノ
定款ノ變更、或ハ事業ヲ擴張シ、若クハ新
設スル等、舊來ノ定款ニ定メタル目的以外
ノモノガ附加スルト云フ場合ダケヲ、御承知
デアルト思フノデス、私ノ言フノハ何時ノ
間ニカ初メ出來夕所ノ定款ト異ナルヤウナ
定款ノ下ニ、今日マデ幾多ノ害毒ヲ流シタ
所ノ實例ヲ見テ居リマスルカラ、若シ空漠
トシテ定款變更ヲ通知ナクシテ、初メニ許
スガ如キコトガアリマスナラバ、アナタノ
仰シヤルヤウニ、株主ガ暇ガアッテ、一々御
親切ニ出テ行キナサル方バカリアレバ、斯
ウ云フコトモ起ラヌデセウ、ケレドモ株主
總會ト云フモノハ、株式ノ議決權ノ個數ニ
依リマスルカラ、サウ致シマスレバ、ソレ
ハ假令規定ノ中ニハ少數株主權ノ行使モ認
メテ居リマスモノノ、或ハ此新法ニ依ッテ
ハ、一番初メノ時ニ引受人ガ現物出資シタ
時ニ、色々意見ノ相違ガアレバ、ソレハ止メ
ルコトモ出來ルト云フヤウナ新シイ法文モ
出來テ居リマスケレドモ、ソレデハ折角或
ル目的ノ爲ニ株式ヲ引受ケタ者ガ非常ナ迷
惑ヲ來スヤウナコトガアリハシマスマイ
カ、自分ノ自ラ爲シタ行爲、自ラ意思表現
ヲ致シマシタ事項ニ基キマシテ、或ハ損害
ヲ受ケ-損害ヲ受ケルト致シマシテモ、
ソレガ豫期シ得ルヤウナ事柄デ受ケルノナ
ラ宜イケレドモ、自分ノ思ハザル事柄ニ依ッ
テ、ヒドイコトヲ受ケルコトガナイトモ限
リマセヌノデ、今ノ質疑ヲ致シマシタ譯デ
アリマス、是以上ハオ互ニ議論シテモ始マ
リマセヌカラ、此程度デ止メテ置キマス、
ソレカラ尙ホ此際ニ、逐條ノ時ニ又詳シク伺
ヒマスケレドモ、株式ノ讓渡ノ點ニ付テ、
制限ト云フ文字ヲ以テ此度ハヤッタノダト
云フコトデ、先程御說明ガアッタヤウデア
リマス、是モ其條文ノ所ヘ行キマシタ時ニ
ハ、又更ニ質疑ヲ致スコトニ致シマスガ、
定款ヲ以テ株式ノ讓渡ヲ制限スルコトガ出
來ル、定款ノ變更ハ特別決議ヲ以テ相當ノ
方法ヲセラレルデセウガ、伺ヒタイノハ讓
渡ノ禁止ノ點デアリマス、是ハ此間ノ議會
デモヤカマシイ問題ニナリマシタガ、斯ウ
云フ讓渡禁止ト云フコトハ差支ナイモノデ
セウカ、無論權利義務ニ關スル事柄ハ、法
律ニ依ルニアラズンバ何人モ憲法ノ保障ニ
依ッテ取上ゲラレルコトハナイト云フコト
ニナッテ居リマスガ、之ヲ定款ノ規定ニ依ッ
テ、所有權ノ讓渡ヲ禁止スルト云フコト
ハ、穩カデナイト思ヒマスガ、是ハ現行法
ト同ジヤウニシタラ宜イノヂヤアリマスマ
イカ、此點ヲ一ツ承リタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=22
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023・大森洪太
○大森政府委員 多少議論ニ亙ルヤウデ甚
ダ恐縮デアリマスガ、御承知ノ現行法ノ第
百四十九條ニハ「株式ハ定款ニ別段ノ定ナ
キトキハ會社ノ承諾ナクシテ之ヲ他人ニ讓
渡スコトヲ得」トアルノデアリマス、卽チ此
文字ダケカラ考ヘテ見マスルト、定款ニ別
段ノ定ナキトキハ爲シ得ル、其定ト云フノ
ハ會社ノ承諾ヲ要スト云フ點ニ限ルノデア
ル、卽チ定款デ讓渡ノ制限ト云フコトハ出
來ルケレドモ、禁止ト云フコトハ出來ナイ
ノダト云フヤウニ、文字上ハ讀メマスル
ケレドモ、解釋トシテハ寧ロ左樣ナ制限モ
勿論出來ルノミナラズ、進ンデ絕對的ニ禁
止スルコトモ可能デアル、定款デ定メルナ
ラバ禁止モ亦可ナリ、斯樣ニ解釋セラレテ
居ルヤウニ存ズルノデアリマス、勿論是ガ
公ニ定マック解釋ト云フ譯デハアリマセヌ
カラ、決シテ私ハ玆ニ固執スル譯デハナイ
ノデアリマスケレドモ、先ヅ大體左樣ニ解
釋サレテ居ルヤウニ、私承知ヲ致スノデア
リマス、ソコデ昨年ノ問題デアリマスルガ、
御承知ノ通リニ、現行法ノ第百四十九條通
リニスレバ宜イヂヤナイカ、現行法ノ第百
四十九條ノ解釋トシテ、左樣ニ廣イ解釋ガ
行ハレルナラバ、ソレ亦可ナリデアリマス、
兎ニ角文字トシテ現行法第百四十九條ヲ逸
脫スルヤウナモノハ、避ケタ方ガ宜イヂヤ
ナイカ、斯ウ云フ多數ノ御意向ノヤウニ吾々
ハ拜聽シタノデアリマス、極メテ御尤ナル
御見解ト存ジタノデアリマス、隨テ本案ノ
第二百四條ヲ「其ノ讓渡ノ制限ヲ定ムルコト
ヲ妨ゲズ」ト、其御趣旨ニ從ッテ斯ク變ヘタ
ノデアリマス、此結果此讓渡ノ制限ト云フ
文字ノ中ニ、絕對的ノ禁止ヲ含ムカ否ヤト
云フコトハ、依然解釋上ノ問題トシテ殘サ
レテ居ル問題デアリマス、ソレデアリマス
カラ、今日現行法ノ下ニ於ケル解釋ガ、而
モ多數ノ解釋トシテソレガ適當デアルト言
ハレルナラバ、此讓渡ノ制限ノ中ニ禁止モ
含ミマセウケレドモ、是ハ解釋ノ問題デア
リマシテ、要スルニ二百四條ハ現行法ノ文
字ト同樣ノ趣旨ヲ現ハシタニ過ギナイト云
フコトヲ、茲デ申述ベテ置ク次第デアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=23
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024・内藤正剛
○内藤委員 モウ一點ダケ御伺シマス、〓
算ノ方デスガ、四百三十六條ノ特別〓算ニ
關スル裁判所ノ干與ガ出來ル範圍ハ、或ハ
四百二十何條デシタカ、普通〓算ノ場合ニ
モ踏込ンデ宜イモノト伺ッテ置イテ宜シイ
デセウカ、普通〓算ノ場合ニハ入ラヌ、特
別〓算ノ場合ニノミ限ッテ、四百三十六條ガ
働キ掛ケルト云フヤウニ伺ッテ宜シイノデ
セウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=24
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025・大森洪太
○大森政府委員 全ク御意見ノ通リデアル
ト存ズルノデアリマス、卽チ普通〓算ノ場
合ニモ、裁判所ノ監督ト云フコトハアリマ
スケレドモ、普通〓算ノ條文デ列記シテ居
リマスガ如ク、其監督ノ範圍ガ極メテ狹イ
ノデアリマス、特別〓算ニナリマスト、其
監督ノ目的ガ非常ニ擴マルノデアリマシテ、
御指摘ノ第四百三十六條ノ如キハ、其一ツ
ノ例デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=25
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026・内藤正剛
○内藤委員 此間私ハ本會議デ指摘シマシ
タガ、大東土地會社ノ如キハ甚ダ酷イ、事
件ノコトヲ申シテハ相濟ミマセヌガ、ソレ
ハ四百二十五條ノ問題ガ起ッテ來ルノデス、
是ハ會社ガ〓算行爲ヲ致シマス時ニハ、殘
餘財產ガアレバ、定款ニ依ッテ定ムル所ノ
株主ニ拂込ミタル株金額ニ應ジテ株主ニ戾
スト云フノハ、現行法モ解釋ハ變リハアリ
マセヌガ、ソコデ拂込ミタル株主ト云フノ
ハ何ヲ指ス、1四、二囘、三囘、四囘ト拂
込ミタル株主ハ、ソレ〓〓違フノデス、
人ガ終ヒマデ拂込ム場合ハ差支アリマセヌ
ガ、拂込ミタル各株ノ株主ガ、ソレ〓〓主
體ヲ異ニスル場合、卽チ拂込ミタル株主ガ
甲タル場合、乙タル場合、丙タル場合ガア
ルノデス、之ニ對スル司法省ノ解釋ヲ伺ッテ
置キタイ、私ガ特ニ申上ゲテ置クノハ、改
正案ガ出來上ッテ結構デアリマセウガ、第
一囘ニ假ニ甲ガ拂込ヲ爲シ、第二囘以後ニ
於テハ拂込ナクシテ濟ンダ、所ガ途中ニ〓
算ガ起リ、〓算ヲ支障ナシニヤッタ所ガ、偶、と
借錢ガ-アルカナイカ知ラヌガ、出來タ
ト云フノデ、拂込ヲ徵スルコトニナッタ、
拂込ヲ徵シテ〓算ヲシタカト云フト、〓算
ハシナイデ、外ノ方ニ使ッテシマッテ、拂
ヘナイカラ、第一囘ニ配當シタ人ニ對シ
テ配當金ノ拂戾シヲ請求スル、其前ノ場合
ニ-間違フトイケナイカラ、特ニハッキ
リシテ置キマスガ、初メ拂込ガアッテ、後
ニ殘餘財產ノ分配ヲ爲シ、殘餘財產分配
後ニ幾分ノ借錢ガアリマス爲ニ拂込ヲ請
求シタ、所ガ拂込ノ其當時ニ於ケル株主
ガ拂込ヲ致シマセヌカラ、之ヲ失權手續
ニシタ、或ハ一錢、二錢、五錢位ノ金デ以
テ株式ノ競落ヲシテシマッタ、サウシテ一番
初メ配當ヲ受ケタ人ニ皆金ヲ吐出サセテ、
終ヒニ競落ノ時ニハ半分以上ノ株ヲ持ッテ
シマッタ、假ニ茲ニ十五万ノ株ガアルナラ
バ、八万モ九万モ持ッテシマッタ、サウシテ
今度ハオ前ハ配當ヲ受ケタ金ヲ吐出セト
言ッテ居ル、サウスルト、今度ハ若シ拂込ミ
タル株金額ノ割合ニ應ジテ云々ノ解釋如何
ニ依ッテハ、一番終ヒニ一錢五錢ノ株ヲ八万
株モ買ッタ奴ハ丸キリ儲ケル、サウ云フ者ヲ
商法デ取締ル方法ガナイ、ソレデ私共ハ此
弊害モ除去シタイ、法律ノ上ニハナンボノ
訴訟ヲ起サネバナラヌト云フ規則ハアリマ
セヌケレドモ、併ナガラ自ラ〓算ニハ限度
ガアリマス、五十万圓ノ負債ナラ五十万圓
ノ金ヲ集メタラ宜イヂヤアリマセヌカ、然
ルニ數百万圓ノ金ヲ出セト言フ、現ニソレ
デ訴訟ガ起ッテ居テ、サウシテ金ヲ拂フ人ダ
ケハ拂ハセテシマフ、サウシテアトノ人ハ
〓算ニナンボト云フ報酬ノ制限ガアリマセ
ヌカラ、幾ラトッテモ仕樣ガアリマセヌ、裁
判所ハ之ニ關與シナイ、苟クモ司法省アタ
リガ法律ヲ何處マデモ改正サレテ、少シデ
モ弊害ヲ少クシヨウト御考ニナルナラバ、
今ノ御考ハ結構ダト思フ、四百三十六條ノ
如キ特別〓算ノ場合ニ於キマシテハ結構ダ
ト思フ、若シ此規定ノ活用ガ普通〓算ノ場
合ニ於テモ出來ルト云フナラバ、洵ニ仕合
セダト思フ、今ノ私ノ申上ゲマシタ大東土地
會社ノ如キハ一ツノ惡例デアル、今度モ少
數株主權ノ行使ガ出來ルト云ッテモ、ヤハリ
〓算ハ必要ヂヤナイカ、斯ウ云フヤウニ今
間ニ合ハヌト致シマシテモ、特別〓算ト同
ジヤウナ働キガ出來ルト云フナラバ、將來
幾多ノ斯ノ如キ〓算事務ニ付テノ不都合ノ
場合ガ、生ゼヌト云フコトハ私ハ言ヘヌト
思フ、ソコデ特別〓算ノ場合ニ於ケル解釋
上、法文ハ斯ウアラウトモ、普通〓算ニ於
テモ、ヤハリ特別〓算ト同ジヤウニ、申出
ガアレバ是ガ出來ルトカ何トカ云フ解釋デ
モスルト云フ御考方ガアリマセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=26
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027・大森洪太
○大森政府委員 御尤ナ御質問ト拜承シタ
ノデアリマス、御指摘ニナリマシタ具體的
ノ事案ニ付キマシテハ、殊ニソレガ現ニ訴
訟中ノモノダサウデアリマスカラ、私共ヨ
リソレガドウデアルト云フヤウナコトノ御
答ノ出來ナイコトハ、御諒承願ヒタイノデ
アリマス、御尋ニナリマシタ點ハ、今日ノ
普通〓算ニ於テ裁判所ノ監督ノ程度ガ少イ
ヂヤナイカ、モット之ヲ廣クシタ方ガ宜イ
ヂヤナイカト云フ御趣旨ニ、拜聽シタノデ
アリマスケレドモ、是ハ確ニ御尤ダト存ズ
ルノデアリマス、今日〓算ニ付キマシテハ
幾多ノ弊害ヲ生ジテ居リマスコトハ、是ハ
全ク御同感デアリマス、左樣ナ點カラ致シ
マシテ、今日普通〓算ダケニ之ヲ任シテ置
クノハイケナイ、是ガ現行法ノ重大ナル缺
陷デアリマシテ、隨テ特別〓算ト云フ一ツ
ノ嚴重ナル〓算手續ヲ、規定シタ次第デア
リマス、詰リ會社ガ解散ニナリマスル場合、
功成リ名遂ゲテ解散ヲスル場合モアリマセ
ウケシドモ、ソレヨリモ寧ロ多クノ場合
ハ、蹉跌ヲ生ジ行詰ッテ、要スルニ會社ヲ經
營スル人ガ實質上經營ノ資格ガナクッテ、解
散スル場合ガ多イノデアリマスカラ、其實
質上ノ無資格者ヲ〓算ノ衝ニ當ラシメルト
云フコトハ、餘リ望マシイ結果ガ期待出來
ナイノデアリマス、卽チ通常ノ場合ニ、裁
判所ガ必要以上ニ立入ルコトハ差控フベキ
デアリマスカラ、是ハ普通ノ〓算デ宜シイ
ノデアリマス、併シ其〓算ニ多少ノ支障ヲ
來シマスナラバ、是ガ多數ノ債權者又ハ株
主ニ非常ナ迷惑ヲ及ボスコトハ、只今御指
摘ノ通リデアリマス、ソコデ特別〓算ト云
フ制度ヲ設ケテ、裁判所ノ監督ノ權限ヲ殖
ヤスト云フコトガ、極メテ宜カラウト思ッタ
ノデアリマス、吾々ハ全ク今仰セニナリマ
シタ所ト、憂ヲ同ジウスルノデ、特別〓算
ノ規定ヲ設ケタ次第デアリマス、又拂込ニ
付テノ問題デアリマスガ、是ハ現行法ニ於
キマシテモ、又此案ニ於キマシテモ同樣デ
アリマシテ、此拂戾ヲ決シマスル當時ノ株
主ニ拂戾スノデ、隨テ若シソレガソレ以前
ニ失權ニナッテ居リマスルナラバ、失權ニ
ナッテ居リマスルモノハ此配當ニ與カレナ
イ、斯樣ニ存ズル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=27
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028・内藤正剛
○内藤委員 マダ澤山アリマスケレドモ、
一人デヤッテモイケナイカラ、他ノ方ニ讓リ
マシテ、私ノ質問ハ多少保留サレテ居ルト
云フコトダケハ、御含ミヲ願ッテ置キタイト
思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=28
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029・野村嘉六
○野村委員長 仲井間君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=29
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030・仲井間宗一
○仲井間委員 モウ僅カシカ時間ガアリマ
セヌカラ、明日ニ致シマセウ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=30
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031・野村嘉六
○野村委員長 山本君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=31
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032・山本粂吉
○山本委員 質問ノ通〓ハシテアリマスガ、
一般質問ハアリマセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=32
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033・野村嘉六
○野村委員長 江原君ドウデスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=33
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034・江原三郎
○江原委員 私モ一般質問ヨリ逐條デ伺ヒ
タイコトガ多イカラ、今日デナイ方ガ宜シ
ウゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=34
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035・山本粂吉
○山本委員 議事進行ニ付テ一寸申上ゲマ
スガ、此前ノ委員會ノヤリ方、又貴族院ノ
樣子カラ見テモ、商法制定ノ可否如何ト云
フヤウナ大問題ニナレバ、一般質問デモ大問
題ニナリマセウガ、今內藤君ガ質問サレタ
ヤウナ程度ダト、結局是モ逐條審議ト同ジ
コトデアリマスカラ、皆サンノ御意嚮モ恐
ラクサウデハナカラウカト思ヒマスノデ、
一般質問ハ止メテ、次會カラハ初カラ節ナ
リ章ナリニ切ッテ、進行シテ行ッタ方ガ早イ
ヤウニ思ヒマス、此前ハサウ云フヤウニシ
タノデ、進行ガ早クテ僅カ五日間デ、ア
云フ議論ガ纏ッタノデアリマスカラ、サウ云
フ風ニシテハ如何デセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=35
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036・内藤正剛
○内藤委員 ソレニ關聯シテ申上ゲマスガ、
斯ウ云フコトモ一ツ委員長ニ於テ御考慮願
ヒタイ、山本君ノ御說ハ洵ニ結構デアルガ、
中ニハ他ノ委員會ト掛持チヲサレテ居ッテ、
此委員會ニ缺席サレテ居ル場合、初ノ方ヲ
聞キタイト云フコトニナルト、逆戾リニナ
ルガ、ソコニ何カ便法ヲ御考ニナラヌト、
議事ノ進行ガ圓滿ニ出來ヌコトニナルカラ、
山本君ノ御說ノ如クニシテ、其場合質問者
ガ公務ノ爲メ居合セザル場合ハ、特ニ委員
長ノ考慮ニ依ッテ、逆戾リヲ許スヤウニシテ
ハドウデアリマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=36
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037・山本粂吉
○山本委員 重複セザル限リト云フコトニ
御願シタイ
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=37
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038・野村嘉六
○野村委員長 ソレデハ是カラノ審議方法
ハ、總則カラ逐次質疑ニ移ルコトニ致シマ
ス、本日ハ是ニテ散會、明日ハ午前十時カ
ラ會議ヲ開キマス
午前十一時五十分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007311639X00419380307&spkNum=38
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