1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
付託議案(追加)
健康保險法中改正法律案
—————————————————————
昭和十四年三月二十三日(木曜日)午後一時三十八分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=0
-
001・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) 開會ヲ致シマ
ス、三法案ニ關スル御質問ハナイト認メマ
シテ打切リマス、是ヨリ討議ニ移リタイト
思ヒマスルガ、討議カラ採決ニ進ミマスル
ガ、議題ハ一括致シマシテ上程ヲ致シタイト
思ヒマス、御異議ハゴザイマセヌデスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=1
-
002・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) 異議ナイモノ
ト見マシテ、三法案一括致シマシテ議題ト致
シマス、先ヅ最初、原案ニ對シマシテ御反
對若シクハ修正ノ御意見ニ付キマシテノ御
開陳ヲ願ヒタイト思ヒマス······ゴザイマセ
ヌケレバ、然ラザル方面ノ御意見ヲ承リタ
イト思ヒマス、通〓ガゴザイマシテ、園田
男爵ニ御許ヲシタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=2
-
003・園田武彦
○男爵園田武彥君 私ハ職員健康保險法案
ニ對シテ贊成ノ意ヲ表シマスニ當リマシテ、
所信ヲ披瀝致シ且政府ニ對シ注意ヲ促シ、
併セテ希望ノ一端ヲ申述ベタイト存ズル次
第デアリマス、本案ハ曩ニ提出成立ヲ見マシ
タル健康保險法案竝ニ國民健康保險法案ト
相俟ッテ、社會立法中最モ重大ナル法案デア
ルノデアリマス、之ガ目的トセラレマス所ハ
前二法案ノ趣旨ト同樣、國民生活ノ安定ト
其ノ健康ニ重點ヲ置カレ、延イテハ國民體
位ノ向上ヲモ圖ラムトスルニアリマシテ、
事變下ニ於テ此ノ法案ノ提出ハ最モ有意義
ノモノト認メルノデアリマス、併シナガラ
本法案自體ノ內容ニ付テ檢討致シマスレバ、
其ノ目的ノ達成上、又之ガ實施上ニ付テ十
分滿足シ難キ點ト共ニ遺憾ノ點ナシトセザ
ルモノモアルノデアリマスルガ、政府モ此
ノ點ヲ認メラレマシテ、漸進的ニ之ガ改善
ヲ行フ旨ヲ約セラレタノデアリマス、私ハ
政府ノ意ノアル所ヲ諒トスベキモノト信ズ
ル者デアリマス、唯玆ニ希望セントスルコ
トハ、國民ノ體位ト其ノ保健ノ點デアリマ
シテ、破壞ニ先ダチ建設ヲ必要トスル如ク、
健康ヲ害シタル爲ニ於テ、之ガ手當ヲ施ス
コトヲ考フル前ニ、先ヅ政府ハ國民ノ健康
ト之ガ體位ノ向上ニ資スベキ總テノ施設等
ニ萬全ヲ期サルベキデアリマス、卽チ我ガ
國民ノ體位ガ低下ノ一途ヲ辿リツヽアル現
狀ニ鑑ミ、其ノ根本對策ト其ノ原因ヲ探究
スルコトハ極メテ急務ト信ズル者デアリマ
ス、政府ハ此ノ點ニ付テ深甚ノ考慮ヲ拂ハ
V、且最善ノ努力アラムコトヲ要望致ス者
デアリマス、斯クシテ健全ナル精神ハ健全
ナル身體ニ宿ルト云フ諺ノ如ク、是ガ國力
增進ノ一大原動力トナリ、延イテハ國防上
又生產力擴充トモナリ、銃後ノ護リヲ益〓
固カラシメ、以テ東亞新秩序ノ建設ト其ノ國
策ノ遂行ヲ達成セシムルヤウ、政府ハ最善
ノ指導精神ヲ以テ御努力セラレムコトヲ希
望致ス次第デアリマス、私ハ本案政府提出
ノ原案ニ贊成ノ意ヲ表スル者デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=3
-
004・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) 富小路子爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=4
-
005・富小路隆直
○子爵富小路隆直君 先ヅ第一ニ職員健康
保險法案、之ニ付テ述ベマス、私ハ本案ニ
贊成スルニ當リマシテ一言申述ベタイト思
ヒマス、第一ニ、小人數ヲ使用スル商業的
企業ニ使用セラレル者ノ保護ニ付テデアリ
マス、本法ニ於テハ「常時十人未滿」トナッテ居
ルノデアリマスガ、原案ニ於テハ五人未滿
デアッタノデアリマス、社會ノ實際ニ徵シマ
スルニ、最モ保護ヲ必要トスルノハ三人五
人ト云フ小人數ノ者デアルノデアリマシテ、
健康保險法トノ權衡上、又經濟的負擔力ノ
點カラ考ヘテモ、少クトモ常時五人以上ヲ
使用スル事業ノ事務所ニ使用セラルヽ者ハ
强制被保險者トスルコトガ極メテ適切デア
ルト思フノデアリマス、第二ニ、本法ノ適
用カラ除外サレテ居リマスル官公吏、雇傭
員〓職員中、共濟組合等ノ制度ノ保護ヲ
受ケテ居ナイ者ガ多數アリマシテ、是亦保
護ノ必要ノ切實ナルモノガアルノデアリマ
ス、政府ニ於カレテモ其ノ必要ヲ十分ニ認
識シテ居ラルヽノデアリマスカラ、本法ト
同時ニ適切ナル施設ヲ講ゼラレムコトヲ切
望致シマス、次ニ、療養ノ給付期間ノ延長ノ
問題デアリマスガ、結核ノ如キハ斯クノ如キ
短期デハ到底療養ノ目的ヲ達スルコトハ不可
能デアルト思フノデアリマス、從ヒマシテ
此ノ點ニ關シテモ十分ニ御考慮ヲ煩ハシタ
イノデアリマス、又第一條第二項ニ所謂世帶
員ニ對スル醫療給付ヲ速カニ實行シテ貰ヒ
タイノデアリマス、之ヲ要スルニ本案ハ
其ノ他ニモ不備ノ點多ク、各方面ノ期待ニ
背馳スル所尠クナイト思フノデアリマスガ、
會期切迫ノ折柄デモアルシ、無キニ優ルノ
意味ニ於テ贊成スル者デアリマス、政府ハ
適當ノ機會ニ於テ善處セラレムコトヲ切ニ
望ム次第デアリマス、次ニ、船員保險ニ付
テ申述ベタイト思ヒマス、私ハ又本案ニ贊
成ヲスルモノデアリマス、而シテ此ノ際以
下少シク申述ベマス、海員諸君ガ、外國貿
易ノ爲ニ或ハ又國際收支ノ觀點カラ或ハ又
資源開發、將又國防上、國家ノ爲ニ常ニ如
何ニ貢獻シテ居ラルヽカト云フコトハ今更
申述ベル迄モナイノデアリマシテ、更ニ今
囘ノ事變ニ於テ、其ノ本來ノ使命ニ於テ、
又彈雨ノ間ニ身ヲ挺シテ敵前上陸ニ於テ軍
ノ作戰ニ協力シ、非常ナル犠牲ヲ出シテ居
ラルヽノデアリマスガ、又漁船乘組員ガ中
支作戰等ニ於テ軍ノ重要ナル任務ニ從ヒ、
實ニ淚グマシキ働キヲシテ居ラルヽノデア
リマシテ誠ニ感謝ニナイ次第デアリマス、
本案ハ海員諸君多年ノ要望スル所デアリマ
シテ、關係當局ノ久シキニ亙ル御奮鬪ノ結
果、漸クニシテ茲ニ成案ヲ得タ次第デアリ
マシテ誠ニ御同慶ニ堪ヘザル所デアリマス
ガ、固ヨリ最初ヨリ其ノ完璧ヲ期スルコト
ハ無理デアリマスガ、未ダ盡サザルモノア
リ遺憾ノ點尠クナイノデアリマス、以下所
見ヲ開陳致シ當局ニ要望スル所アリタイト
思ヒマス、先ヅ第一ニ漁船乘組員ニ付テデ
アリマス、母船式漁業ニ從事スル母船船員
以外ノ漁船乘組員ハ、第十七條第一項第三
號ノ勅令ヲ以テ之ヲ本法中ヨリ除外セラレ
タイ、而シテ漁船乘組員ニ對シテハ其ノ特
殊性ヲ考慮シ、本法ト別個ノ法律又ハ共濟
組合等ノ制度ヲ樹立スルノ必要ガアルト信
ズルノデアリマス、仍テ政府ハ速カニ是ガ
關係者ノ間ニ於テ協議立案シテ、次ノ議會
ニ提案セラレタイノデアリマス、第二ニ、
養老年金開始ノ年齡ヲ五十歲トシタノハ早
過ギルノデハナイカト云フ虞ガアリマス、
優秀ナル船員ヲ成ルベク長ク勤務セシムル
コトハ極メテ望マシイコトデアリマスルガ、
年金ヲ貰ッタカラト言ッテ直チニ罷メテシマ
フト云フヤウナコトガアッテハ甚ダ遺憾ニ
堪ヘナイノデアリマシテ、本法ノ如ク五十
歲トスルコトハ、其ノ點ハ𣏌憂ニ屬スルカ
存ジマセヌガ、甚ダ疑ヲ存スルノデアリマ
シテ、又一面ニ徒ラニ早老ノ風習ヲ誘致ス
ル虞モアリマスノデ、政府ハ宜シク將來ノ
實績ニ鑑ミテ必要アラバ適當ニ考慮セラレ
ムコトヲ希望シテ已マナイ次第デアリマス、
第三ニ、政府ハ船員ノ特殊性ト云フコトニ
付テ縷々御話ニナッタノデアリマスガ、成ル
程海上生活ヲシテ居ルト段々陸上ノ事情ニ
疎クナッテ、一旦船員ヲ罷メルト誠ニ悲慘ナ
結果ニ終ルモノガ少クナイト云フノガ現狀
デアリマス、我ガ國ニ於キマシテハ、海運
國策上、從來ハ主トシテ物的補助ニ力ヲ注
イデ居ッタノデアリマスガ、今後ハ人的方
面ノ擴充ト云フコトガ極メテ必要デアルノ
デアリマス、從ッテ多クノ優秀ナル船員ヲ成
ルベク長ク勤務セシメムガ爲ニハ、其ノ將
來ノ生活ヲ保障シ、安定セシムルコトハ當
然ノコトデアッテ、斯クアッテコソ、彼等ヲ
シテ安心シテ長ク其ノ職ニ留マラシムルコ
トガ出來ルト思フノデアリマス、是レ今囘
特ニ船員ニ付テ年金制度ヲ行ハレタ所以デ
アルト思フノデアリマス、然ルニ其ノ內容
ヲ見マスルニ甚ダ貧弱ニシテ、實ニ不徹底
ト言ハザルヲ得ナイノデアリマス、當局ノ
本案ニ對スル熱意ノ足ラザルヤヲ疑フモノ
デアリマシテ誠ニ遺憾ニ存ズルノデアリマ
ス、長期給付ニ對スル國庫負擔金ノ如キ其
ノ一例デアリマシテ、甚ダ少額ニ過グルト
思フノデアリマス、成ル程今日ノ如ク多額
ノ國費ヲ要スル時ニ、餘リニ國家ニ負擔ヲ
掛ケルコトモ如何カト思ヒマスガ、海運國
策上、此ノ保險ニ對シテ相當ノ金ヲ出スコ
トハ、或ハ海員ノ特殊性ト云フコトニ考ヘ、陸
上ニ見ラレザル其ノ勞苦ニ酬ユルノ意味ニ於
テモ、寧ロ當然ノコトデハナイカト思ハレルノ
デアリマシテ、殊ニ其ノ負擔ノ方法ノ如キモ、給
付ヲスル場合ニ初メテ負擔スルノデアリマス
カラ、國庫ノ現實ノ負擔ハ相當先ノコト
ニナルデアリマス、從ッテサウ無理トハ考ヘ
ラレナイノデアリマス、斯樣ニ考ヘマスト、
政府ハ直チニ關係各省間ノ協議ヲ_メメ、
其ノ海運國策上ノ重要性ニ鑑ミ本法ヲ改正
スルト共ニ、國庫負擔金ヲ三分ノ一以上ニ
增額シテ給付ノ內容ヲ充實スル等、速カニ
善處セラレムコトヲ切望スル次第デアリマ
ス、最後ニ私ハ本案ニ贊成スルモノデアリ
マスガ、決シテ之ヲ滿足シテ爲スモノデナ
イコトハ前述ノ通リデアリマス、是レ以上
審議ヲ繼續スル時ハ、或ハ審議未了ニ終ル
ノ虞ガアリ、斯クテハ船員諸君多年ノ要望
デアル所ノ本法ハ不成立ニ終ルノデアリマ
シテ、私ノ本意トスル所デナイノデアリマ
ス、是亦無イヨリハ宜イトノ意味ニ於テ贊
意ヲ表スル所以デアリマス、次ニ健康保險
法中改正法律案ニ付テ申述べマス、私ハ本
改正案ニ對シテモ贊意ヲ表スルモノデアリ
きく、而シテ其ノ改正ニ付キマシテハ、此
ノ程度ヲ以テ滿足スルモノニ非ズ、更ニ被
保險者ノ範圍及ビ醫療給付ノ內容ノ擴充强
化ノ如キ最モ緊切ナルモノガアルノデアリ
さく、未ダ遺憾ノ點尠カラザルモ、會期切
迫ノ折柄審議未了トナルノ虞ガアリマスカ
ラ、今暫ク此ノ程度ヲ以テ贊意ヲ表シテ置
クモノデアリマス、尙將來ノ改正ニ對シマ
シテハ、各種保險法ノ特殊性ニ考ヘラレマ
シテ、其ノ必要限度ニ止メテ其ノ均衡ヲ失
スルコトノナキヤウ、特ニ御留意アラムコ
トヲ切望スル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=5
-
006・園田武彦
○男爵園田武彥君 私ハ船員健康保險法案
ニ贊成ノ意ヲ表スルモノデアリマス、本案
ハ我ガ海運國策ト其ノ業者ニ取リ極メテ重
大性ヲ持ツ法案デアリ、多年ニ亙リ海運界
竝ニ船員ニ依リ要望シ來ッタモノデアリマ
ス、殊ニ今事變下ニ於テ本法案ノ成立ヲ希
望スル聲ハ、全國ヲ通ジテ熱烈ナルモノガ
アルノデアリマス、此ノ意味ニ於キマシテ
本案提出ハ寧ロ遲キニ失シタル感ガアルノ
デアリマス、更ニ本法ノ實施ニ依リ船員ノ
生活ノ安定ト、其ノ保健上ヨリ且又後顧ノ
憂ナカラシムルヲ得ル點ハ、各〓其ノ處ヲ得
セシメテ其ノ職ニ安ンゼシムルモノデアリ
マシテ、現政府ノ民心一新ヲ圖ル指導精神
ハ此ノ點ニアルト存ズルノデアリマス、而
シテ平沼總理大臣ハ屢〓此ノ點ニ付テ聲明サ
レタ所デアリマス、其ノ故ニ其ノ現レノ一
端ト之ヲ認メ得ルノデアリマス、四面海ヲ
以テ環ラス我ガ國ハ、海運國策ハ極メテ重
大性ヲ持ツコトハ敢テ言ヲ要セザルコトデ
アリマシテ、國防上又貿易ノ發展、延イテ
ハ生產力擴充等ニ資スルコトガ大ナルモノ
ガアルノデアリマシテ、殊ニ事變下ニ於キ
マシテ更ニ躍進ヲ遂ゲ行ク上ニ於テハ、物
心兩方面ニ待ツコト大ナルモノガアルト信
ズルモノデアリマス、卽チ優秀船ノ保持ト
共ニ、優秀ナル船員ヲ必要トスルノデアリ
マスガ故ニ、其ノ海員ガ多年要望シ來リマ
シタル本案ハ、速カニ其ノ成立ヲ必要ト信
ズルモノデアリマス、以上ノ理由ヲ以チマ
シテ本案、政府提出原案ニ贊成ノ意ヲ表ス
ルモノデアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=6
-
007・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) 他ニ御意見ハ
ゴザイマセヌカ、他ニ御意見ガナケレバ採
決ヲ致シタイト考ヘマス、三法案ニ付キマ
シテ御異議ガザイマセヌケレバ、原案通リ決
シテ御異議ゴザイマセヌデスカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=7
-
008・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) 全員御異議ナ
イモノト認メマス、可決スルコトニ決定ヲ
致シマス、引續キマシテ付託サレテ居リマ
スル一法案、民族優生保護法案、此ノ審議
ニ入リタイト思ヒマス、御質問モゴザイマ
スレバ··此ノ際委員長ヨリ委員ト致シ
マシテ大臣ニ伺ヒタイ、此ノ法案ニ關シマ
シテ、厚生大臣トシテ將來ニ處スル御意圖
ニ關聯致シマスルコトヲ一應承ッテ置キタ
イト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=8
-
009・廣瀬久忠
○國務大臣(廣瀨久忠君) 只今議題トナッテ
居リマス衆議院カラ出テ居リマス法律案
ニ對シテハ、政府トシテハ贊成致シ兼ネル
ノデアリマス、併シ政府トシテハ現在優生
問題ニ付キマシテハ昨年來色々〓究致シテ
居リマス、本年度ノ豫算ニ於キマシテモ調
査費ヲ取リマシテ、現ニ各方面ノ此ノ問題
ニ關スル權威者ノ御集リヲ願ッテ審議ヲ進
メツヽアリマスルノヲ尙一段ト强化シテ、
十分ニ調査シテソレデ決定致シタイト思ッテ
居リマス、從ヒマシテ現在此處ニ出テ居リ
マス所ノ法律案ニ對シテハ贊成ヲ致シ兼ネ
ル譯デアリマス、優生ニ關スル實際上ノ調
査ノ模樣等ニ付キマシテハ、御許ヲ得マシ
テ政府委員カラ申上ゲタイト思ヒマス、技
師ガ居リマスカラ懇談ニシテ戴キタイノデ
スガ···発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=9
-
010・大森佳一
○委員長(男爵大森佳一君) ソレヂヤ此ノ
次ノ機會ニ願ヒマス、今日ハ是デ散會ヲ致
シマシテ、次ノ開會ハ彙報ヲ以テ御通報ヲ
致シタイト思ヒマス、今日ハ是デ散會ヲ致
シマスルガ、此ノ時ニ當リマシテ申上ゲマ
ス、三法案ニ付テノ可決決定ハ直チニ取敢
ズ議長ノ方ニ報告ヲ致シマス、多分明日ノ
本會議ニ上程サレルコトト存ジマスルガ、
委員會ノ審議模樣ニ付キマシテハ、努メテ
委員長ヨリ詳シク報告ヲ致シタイト思ヒマ
スルガ、御論議ノ內容ガ隨分深ク廣ク亙ッテ
居リマスノデ、到底私ノロデハナカノ〓正
シク詳シク申述ベルコトガ困難カト思ヒマ
スルガ、成ルベク御意思ノアル所ハ映シタ
イト思ッテ居リマス、併シ多分御不滿ヲ買フ
コトダラウト思ヒマスガ、此ノ點ハ惡シカ
ラズ御了承ヲ願ヒタイト思ヒマス、連日三
法案ニ關シマシテ御熱心ノ御論議敬服ニ堪
ヘナイト存ジマス、御苦勞樣デゴザイマシ
タコトヲ私ヨリ感謝ヲ致シマス次第デアリ
そう、委員長甚ダ行屆キマセヌデアリマシ
タコトハ御許ヲ願ヒタイト思ヒマス、次ノ
開會ハ彙報デ御知ラセヲ致シマス
午後二時三分散會
出席者左ノ如シ
委員長男爵大森佳一君
副委員長子爵實吉純郞君
委員
公爵鷹司信輔君
侯爵蜂須賀正氏君
伯爵堀田正恒君
子爵松平保男君
子爵富小路隆直君
織田萬君
小原直君
河井彌八君
男爵小池正晁君
河原田稼吉君
下村宏君
男爵園田武彥君
若尾璋八君
濱口儀兵衞君
松岡潤吉君
國務大臣
厚生大臣廣瀨久忠君
政府委員
保險院總務局長佐藤基君
保險院社會保險局長〓水玄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401784X00719390323&spkNum=10
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。