1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十四年二月二十三日（木曜日）午前十時九分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=0
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001・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) ソレデハ只今
ヨリ人事調停法案ニ關シマシテ審議ヲ進メ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=1
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002・前田勇
○男爵前田勇君 一二點司法當局ニ御尋ネ
致シマス、此ノ法案ノ提出サレマシタ理由
ガ、家事審判所ノ出來ルノガ遲レルシ、此
ノ事變關係デ銃後ノ問題ガ多イカラ、此ノ
法案ヲ出シタト云フ御話デゴザイマシタ、
其ノ點ハ能ク分リマシテゴザイマスルガ、
斯ウ云フ場合ニ、此ノ法案ヲ家事審判所ノ
出來スマ前ニ御出シニナルト云フ御急ギニ
ナッタ理由ガ、何カソコニ司法當局ノ感激サ
レタモノガアルノヂヤナイカト考ヘルノデ
ゴザイマス、サウ云フコトガ、銃後ニ於テ
問題ガ起ルト云フコトガ、戰地ニ在リマス
所ノ將兵ニ自然ト耳ニ入ッテ行ケバ、士氣ニ
大ナル影響ヲ及スコトト考ヘマス、斯ウ云
フコトハ恩給法ノ改正ナリ、或ハ厚生省ノ
方面ノ社會事業ト云ヒマスカ、援護事業或
ハ在〓軍人會トカ婦人會トカ、サウ云フ〓
化〓體ヲ使ッテ、司法當局ノ手ニ廻ラヌ前ニ
解決ヲシテ置イタナラバ、非常ニ好都合デ
アルト考ヘルノデアリマスルガ、ソレハ此
處デ御尋致シマセヌトシテ、司法當局ノ此
ノ立案ヲ御急ギニナリマシタ感激ヲ受ケラ
レマシタ事件ガアルト私ハ想像シマス、其
ノ事件ノ多カッタモノ、或ハ特ニ斯ウ云フヒ
ドカッタモノト云フヤウナコトニ付テ、個々
ノ具體的ノ事例ヲ腹藏ナク御示ヲ願ヒタイ
ト考ヘルノデアリマス、モウ一點御尋ネ致
シマス、只今申上ゲマシタヤウナコトハ、
サウ云フヤウナ緊急ヲ要スルト云フヤウナ
事柄ハ、現下ノ我ガ國ノ思想混亂ガ一ツノ
動機ニナッテ居ルト考へルノデアリマス、例
ヘバ個人主義、自由主義、共產主義、サウ
云フヤウナモノノ思想混亂ノ影響ガ相當ニ
入ッテ來テ居ルト考ヘルノデアリマス、第二
條ニハ「道義ニ本ヅキ溫情ヲ以テ」ト云フコ
トガアリマスケレドモ、此ノ道德或ハ社會
通念ト云フヤウナモノハ、其ノ時勢ノ思想
ノ波ニ依テ相當變化ヲ起スモノト考ヘルノ
デアリマス、併シ我ガ國ハ萬古不易ノ國體
ヲ持ッテ居リマスノデアリマシテ、其ノ國體
ノ根源ニナリマス所ノ道德ノ根本ハ、矢張リ
萬古不易デナクテヤナラヌト思フノデアリ
そく、如何ニ思想ガ混亂シテモ、又元ニ戾
シテ、萬古不易ノ國體精神ニ戾ラナケレバ
ナラヌ、國體精神ノ根源ハ矢張リ忠孝一致
ニアリマス、其ノ忠孝一致ノ基調ヲナスモ
ノハ家族ノ精神ニアルト考ヘルノデアリマ
ス、ソコデ斯ウ云フ爭ヲ起シマスコトニ付
テ、調停委員トシテ第九條ニ其ノ選任ノ方
法ガ書イテアリマスガ、調停委員ガ只今サ
ウ云フ思想ヲ持ッテ居ルト私ハ申スノデハアリ
マセヌケレドモ、今一般ガサウ云フ混亂狀
態ニ陷リ、殊ニ最高學府ノ〓授邊アタリニ於
テモ、サウ云フ思想ヲ持ッテ司直ノ手ニ掛ツ
タト云フ人ガアリマスノデ、萬一サウ云フ
誤ッタ考ガ調停委員ノ中ニアリマスト、次デ
我ガ國ノ家族精神ヲ破壞シ、ソレガ延イテ
國家ノ道德ノ根本迄破壞スルニ立到ルノデ
ハナイカト云フコトヲ憂ヘテ居ルノデアリ
マイ、又一方カラ考ヘマスト、此ノ法案バ
カリデハアリマセヌ、總テノ調停ノ法案モ
デアリマスルガ、義務ヲ履行スル、或ハ責
任ヲ果スト云フ所ノ精神ハ、近頃我ガ國民ニ
於テ多少缺ケテ居ル點ガアルコトヲ日々見
ルノデアリマス、紛爭ヲ起シマスコトハ、
必ズ義務ヲ履行セナカッタトカ、責任ヲ果サ
ナカッタト云フヤウナコトガ大部分トナッテ
起ッテ來ルト考ヘマス、ソレガ調停サレル
ト、一方ニハ義務ヲ履行セヌデモ調停裁判
ニ掛レバソレデ濟ムヂヤナイカト云フ觀念
ヲ起シテ來ハセヌカ、義務ノ履行ノ觀念或
ハ責任ヲ果スト云フ所ノ觀念ノ稀薄ニナルト云
フ虞ハナカラウカ、サウ云フ稀薄ニナルト
云フコトナニリマスト、ソレガ延イテ矢張
リ國體ノ道德ノ根本デアル忠孝一致ノ精神
ニモ影響ヲ及シテ來ルト、斯ウ云フ風ニ考
ヘルノデアリマス、デアリマスルカラ此ノ
法案ノ一番大事ナ所ハ調停委員ノ選任ニア
ルト思ヒマス、此ノ第九條ニ示サレテアリ
マスルコトハ能ク分ルノデアリマスルケレ
ドモ、其ノ邊ニ付キマシテ如何ニ司法當局
デハ御考ニナッテオイデニナリマスカ、此ノ
二點ニ付テ司法當局ノ御考ヲ承リタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=2
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003・大森洪太
○政府委員(大森洪太君) 便宜上先ヅ第二
點カラ御答ヘ致シタイト存ジマス、只今御
指摘ニナリマシタ通リニ、我ガ國ニハ世界
ニ冠絕致シマシタ古來ノ美風ガアルノデア
リマシテ、此ノ美風ヲ何處迄モ維持シテ行
キマスルコトハ、社會如何ナル方面ニアリ
マスルヲ問ハズ、萬人ノ責務ト心得ベキコ
トト存ズルノデアリマス、殊ニ人事調停ニ
關スル限リニ於キマシテハ、專ラ此ノ淳風
美俗ニ則ッテソレニ依ッテ事ヲ處理スベキモ
ノト確ク信ジテ居ル次第デアリマス、只今
モ御示ニナリマシタ通リ、我ガ國ニ於キマ
シテハ不幸ニシテ過去十餘年ノ間、相當忌
マハシキ風潮ガ諸方面ニ荒ンデ居リマシタ
コトハ、誠ニ殘念ノ至リデアリマス、併シ
此ノ家族主義ノ關スル限リニ於キマシテハ、
今日マダ決シテ其ノ根柢ハ弛ンデ居ナイト
存ズルノデアリマス、併シ今ニシテ强キ決
心ヲ固メマシテ、サウシテ在來ノ美風ヲ更
ニ發揚スル努力ヲ要スルモノト思フノデア
リマシテ、人事調停法案ノ立案ヲ致シマシ
タ趣旨モ此ノ點ニアルト存ズル次第デアリ
さく、サウシテ只今御示ニナリマシタ通リ
ニ、調停委員ヲ專ラ嚴選シナケレバナラナ
イト云フコトハ誠ニ御說ノ通リデアリマシ
テ、屢〓申述ベマシタ通リニ、在來旣ニ行ツ
テ居リマスル四種類ノ調停ニ付キマシテ
モ、旣ニ調停委員ノ適否ニ付キマシテ相當
ノ非難ガアッタノデアリマス、詰リ私共ト致
シマシテハ苦汁ヲ相當嘗メテ居ル譯デアリ
マス、此ノ經驗ニ照ラシマシテ、人事調停
ニ於キマシテハ專ラ此ノ人選ニ最善ノ努力
ヲ致シタイト存ジテ居リマス、御注意ハ誠
ニ多ト存ズル次第デアリマシテ、努メテ御
趣旨ニ副ヒタイト存ジテ居リマス、第一點
デアリマスルガ、恐縮デアリマスルガ委員
長ノ御許ヲ得マシテ速記ヲ省略シテ御答ヘ
致シタイト思ヒマスルガ、如何デゴザイマ
スカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=3
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004・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 速記ヲ止メテ
下サイ
〔速記中止〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=4
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005・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 速記ヲ始メ
テ、前田男爵発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=5
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006・前田勇
○男爵前田勇君 モウ一點單簡デスカ
ラ······、第一條ノ問題デゴザイマスガ、前ニ
岩田委員カラモ御質問ガアリマシテ、私ハ
岩田委員ノ御說ノ通リダト之ヲ解釋スルノ
デアリマス、民事局長アタリノ法文ノ御解
釋ガ、其ノ通リニ一般ノ國民ガ、法律ノ文
句ヲ知ラヌ者ガ讀ンデサウ云フヤウニ解釋
スルカト私ハ思フノデアリマス、私ハ唯普
通ノ文ヲ讀ム其ノ文章ノ意味カラ考ヘマス
ト云フト、「其ノ他」ト云フノハ上ノコトニ關
係ナイヤウニ考ヘルノデアリマス、併シサ
ウ云フコトハ議論ニテリマスカラ····此
ノ家族親族間ノ爭、其ノ他家庭一般ニ關ス
んじゃ、是ハ總テ紛爭ハ家庭ヲ基準トシテ起
ルト思ヒマスカラ、家庭ニ關セザル紛爭ハ
ナイト思ヒマス、サウシマスト云フト紛爭ハ
總テ家庭ニ關スル事件ニナリマス、其ノ中
カラ現存ノ四ツノ調停法案ノアリマスモノ
ヲ差引イタノガ、此ノ人事調停法ニ掛ルモ
ノト解釋シテハ如何ナノモノデアリマセウ
カ、此ノ點発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=6
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007・大森洪太
○政府委員(大森洪太君) 御說ノ通リノヤ
ウニナラウト存ジマスルガ、家族親族間ノ紛
爭ノ問題ニ付キマシテハ、法文ノ用例上ノ
問題デアリマシテ種々論議モアリマセウ、
唯私共ノ考ヘマシタ所ハ、此ノ人事調停ノ
制度ハ今度新シク開クノデアリマスカラ、
先ヅ家庭事件ヲ中心トシテ、ソレニ總テノ
精力ヲ集注致シマシテ、サウシテ其ノ實行
ノ成績ニ依リマシテ、若シ擴張スベキモノ
ガアルナラバ之ヲ擴張シテ行キタイ、漸進
主義ヲ執リタイト云フ積リデアリマス、デ
アリマスカラ、今日ノ積リデハ家族親族ノ
爭ニ致シマシテモ、家庭的ノ爭デナケレバ
之ニ取入レナイ積リデ居ルノデアリマス、
デアリマスカラ、假令骨肉間ノ爭デアリマ
シテモ、純粹ノ金錢上ノ問題、卽チ人事關
係ト關聯ノナイモノナラバ、此ノ人事調
停ニハ入ラナイ積リデ居ルノデアリマス、
是モ色々實ハ考ヘタノデアリマス、擴張ヲ
最初カラ致サウカトモ思ッタノデアリマス
ルケレドモ、先ヅ擴張ヲ後ノ問題ニシテ
行ッタ方ガ宜クハナイカト思ッタ次第デア
リマス、ト申シマスノハ、親子兄弟ノ間
デアリマスルナラバ、假令』金錢上ノ問題デ
アッテモ斯樣ナ圓滿ナ解決ノ途ヲ開クト云フコ
トハ結構デアラウトハ思ヒマスケレドモ、
之ヲ親族ニ擴張致シマスルト、今日ハ六親
等內ノ血族迄延ビル譯デアリマスカラ、相
當人情ノ關係ガ稀薄ナモノモアリ得ル譯デ
アリマス、デアリマスカラ兎ニ角目下ノ所、
家庭事件ヲ中心トシテ進マウヂヤナイカ、
斯樣ニ考ヘタヤウナ次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=7
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008・前田勇
○男爵前田勇君 質問ハ終リマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=8
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009・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 別ニ御質問ハ
ゴザイマセヌカ、御質問モナイヤウデゴザ
イマスカラ、人事調停法ハ此ノ儘ニ致シテ
置キマシテ、非訟事件手續法中改正法律案
ニ付テ政府ノ御說明ヲ煩ハシタイト存ジマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=9
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010・大森洪太
○政府委員(大森洪太君) 是カラ御審議ヲ
願ヒマスル非訟事件手續法中改正法律案ニ
付キマシテ大體ノ御說明ヲ申上ゲタイト存
ズルノデアリマス、本案ハ御覽ノ通リニ大
變厖大ナモノデアリマシテ、而セ種々ナ規
定ガ錯雜ヲシテ居リマスカラ、誠ニ御審議
ヲ願ヒマスルニモ恐縮ニ存ズル次第デアリ
やっ、併シ是ハ專ラ昨年御協贊ヲ願ヒマシ
タ商法中改正法律案ノ施行ニ伴ヒマス其ノ
必要的手續規定ヲ輯錄シタニ過ギナイノデ
アリマス、御承知ノ商法中改正法律案ハ誠
ニ劃期的ノ大法典デアリマシテ、私共立案
ニ關係ヲシテ居リマスル際ニモ、固ヨリ其
ノ重要性ヲ痛感シテ居ッタソデアリマスル
ガ、之ガ御協賛ヲ經マシテ公布ニナリマシ
テ、其ノ後之ニ關聯シマスル諸般ノ手續法
規ヲ整理致シマシタ其ノ際ニ、更ニ如何ニ
商法中改正法律ガ重要ナモノデアッタカト云
フコトヲ再ビ泌々ト感ジタ次第デアリマス、
卽チ商法中改正法律、特ニ其ノ會社編ニ於
キマシテ、在來ノ會社法規ハ殆ド面目ヲ
新シタノデアリマシテ、誠ニ周到綿密ナ改
正デアッタモノデアリマス、併シ御承知ノ通
リ商法中改正法律ノ規定ハ専ラ實體的法規
デアリマスルカラ、固ヨリ之ニ對應致シマ
シテ其ノ手續法規ヲ整理致サナケレバナラ
ナイノデアリマシテ、卽チ非訟事件手續法
中改正法律案ガ其ノ一端トシテ現レテ參ッタ
ノデアリマス、實ハ此ノ非訟事件手續法ニ致
シマシテモ、根本的改正デアリマスルナラ
バ、法規ノ體裁ヲ一新致シマシテ相當樂ニ
規定ガ出來タノデアリマセウ、併シ今回ノ
商法中改正法ノ施行ニ伴ヒマスル此ノ部分
ノ改正ハ、實ハ非訟事件手續法中ノ一部ノ
改正ニ過ギナイノデアリマスルカラ、規定
ノ方法等モ、ドウシテモ在來ノ方針ニ從ハ
ナケレバナリマセヌシ、條文ノ順序モ其ノ
變更ヲ少ク致シマスル必要上、何條ノ二ト
カ何條ノ三ト云フ工合ニ嵌メ込ンデ行カナケ
レバナラナカッタモノデアリマスルカラ、私
共トシテサウ云フコトヲ申上ゲルコトハ出
來マセヌケレドモ、"實ハ餘リ面白クナイ仕
事デアリマシテ、極メテ苦勞ノ多イ勞作デ
アリマシタ、唯商法中改正法律ノ施行ニ伴
ヒマスル必要手續ヲ落トシマスルト大變デ
アリマスルカラ、ソレニ實ハ苦心ヲ致シテ
居リマシタ、他日非訟事件手續法ガ根本的
ニ修正セラレマスルナラバ、規定ノ方法モ
モット體裁ガ良ク出來ルカト存ズルノデアリ
マスルケレドモ、今日ノ程度ニ於テハ右申シ
マシタヤウナ事情デアリマスルカラ、在來
ノ規定ノ方法ニ拘束サレルト云ヲ點ガアッタ
ノデアリマス
〔副委員長男爵渡邊修二君委員長席ニ
著ク〕
ソコデ此ノ目次ヲ先ヅ御覽ヲ願ヒタイノデ
アリマス、非訟事件手續法中デ改正ニナリ
マシタノハ第三編ノ商事非訟事件デアリマ
ス、其ノ第一章ハ會社及ヒ競賣ニ關スル事
件デアリマス、御承知ノ通リ在來此ノ章ガ
アッタノデアリマス、然ルニ會社法規ニ於キ
マシテ、其ノ設立ナリ又其ノ存立中ノ場合
ニ關シマシテ種々ノ新規定ガ出來マシタ、
デスカラ此ノ新規定ニ對應ス手續規定トシ
テ、新規定ヲ必要トスルコトニナリマシタ、
デアリマスルカラ此ノ第一章ニ付キマシテ
、も從來ノ規定ニ多クノ補足ヲ加ヘタト御
ハ
承知ヲ願ヒタイノデアリマス、第二章ハ社
債ニ關スル事件デアリマス、御承知ノ通リ
現行商法ニ於キマシテモ社債ニ關スル規定
ハアリマシタケレドモ、是ハ極メテ貧弱デ
アリマシテ、今囘ノ商法中改正法律ニ於キ
マシテ非常ニ之ヲ改メマシタ、結リ重大ナ
變更ヲ加ヘタノデアリマス、デアリマスル
ガ爲ニ、之ニ對スル手續規定ヲ多ク必要ト
スルコトニナリマシテ、此ノ第二章ハ全ク
新設ノ規定デアリマス、在來少シモナカッタ
所ニ多クノ規定ヲ設ケタノデアリマス、第三
章ノ會社ノ整理ニ關スル事件デアリマスルガ、
是亦御承知ノ通リ全部新設ノ規定デアリマ
ス、會社ノ整理ニ關スル規定ヲ商法中改正法
律ニ設ケマシタノハ、此ノ商法中改正法律ノ改
正ノ一ツノ重大ナル部分デアリマス、詰リ
在來會社ノ整理ニ付テ全ク法律上ノ規定ガ
ナカッタノデアリマシテ、之ニ相當重要ナル制
度ヲ新タニ設ケタ次第デアリマス、其ノ商
法中改正法律ノ會社ノ整理ニ關スル規定ニ
伴ヒマシテ、第三章ハ一團トシテ新設ノ規
定デアリマス、第四章會社ノ〓算ニ關スル
事件デアリマスルガ、是ハ現行非訟事件手
續法ニ於キマシテハ第二章トシテ揭ゲラレ
テ居リマシテ、是ハ在來アッダ規定デアリマ
ス、併シ此ノ會社ノ〓算ニ付キマシテモ、商
法中改正法律ハ重大ナル變更ヲ加ヘタノデ
アリマシテ、御承知ノ特別〓算ト云フ一ツ
ノ新シイ制度ヲ〓算中ニ設ケマシタ、デア
リマスルカラ特別〓算ニ關スル限リニ於キ
マシテハ、此非訟事件手續法中ノ改正法律
モ全ク新規ノ規定デアリマス、此ノ特別〓
算ニ關スルモノノ外デモ、詰リ普通〓算デ
モ、商中改正法律ノ規定バ大分綿密トナリ
マシタカラ、ソレニ從ッテ若干殖エタモノモ
アリマス、之ヲ要スルニ普通〓算デモ相當
殖エテ居リマスルシ、特別〓算デハ全ク新
シイモノデアリマスルカラ、之ニ關スルモ
ノハ全部殖エテ居ル次第デアリマス、第五
章商業登記ニ付キマシテモ種々ノ改正又ハ
追加ガアルフデアリマスルガ、是等ハ在來
アッタモノデアリマシテ、在來アッタモノニ
繼ギ足シタニ過ギナイノデアリマスルガ、
特ニ此ノ第八節ノ有限會社ノ登記ハ全ク新
シイモノデアリマス、御承知ノ昨年御協贊
ヲ願ヒマシタ有限會社法ニ依リマシテ、新
シク有限會社ナル特殊ノ法人ガ出來タノデ
アリマスルカラ、之ニ對應スル登記手續ガ
全ク新シイト云フ次第デアリマス、サウシ
テ非訟事件手續法中改正法律ハ商法中改
正法律、有限會社ト共ニ、若シ此ノ法案ガ
幸ニシテ御協贊ガ願ヘマスルナラバ、昭和
十五年ノ一月一日カラ一齊ニ施行シタイト
存ジテ居リマス、ト申シマスルノハ、今日
商法中改正法律及有限會社法ガ公布ニナッテ
居リマスルケレドモ、之ニ關スル手續法卽
チ非訟事件手續法中改正法律案等ガ實施サ
レナケレバ、商法中改正法律モ有限會社法
モ動カナイ譯デアリマス、デアリマスルカ
ラ此ノ法案等ガ幸ニ御協贊ヲ願ヘマスルナ
ラバ、今年ノ四月一日カラデモ施行ガ出來
ル筈デアリマスガ、併シ銀行會社ナリ當業
者カラノ强キ希望ト致シマシテ、年ノ眞中
カラ施行サレテハ大變迷惑デアルカラ、冀ク
バ一月一日カラ施行ヲシテ貰ヒタイト斯ウ
云フノデアリマシテ、此ノ希望ハ御尤デア
ルト思ヒマシテ、今後ノ最初ノ機會、卽チ
昭和十五年一月一日カラ實施シタイト考へ
テ居ル次第デアリマス、右申シマシタヤウ
ニ、此ノ法案ハ大變厖大ナ法案デアリマス
ルケレドモ、專ラ商法中改正法律ノ施行ニ
伴フモノデアリマシテ、其ノ以外ニ一步モ
出テ居ナイノデアリマス、唯一點直接關係
ハナイノデアリマスルケレドモ、實質的ニ
一ツノ改正ヲ試ミマシタ、ソレハ最後ノ部
分デアリマシテ、順序ガ〓倒致シマスルケ
レドモ、是ハ必ズシモ商法中改正法律ノ施
行ニハ伴ハナイモノデアリマスルカラ、此
ノ點ダケ豫メ先ヅ御諒解ヲ得テ置キタイト
存ズルノデアリマス、ソレハ最後ノ條文デ
アリマシテ、此ノ印刷物ノ第四十六頁ニア
リマスルガ、第二百八條ノ二ト云フ規定デ
アリマス、「第二百八條ノ二、裁判所ハ相當
ト認ムルトキハ當事者ノ陳述ヲ聽カズシテ
過料ノ裁判ヲ爲スコトヲ得、當事者及ヒ檢
事ハ前項ノ裁判ノ〓知ヲ受ケタル日ヨリ
週間內ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得前項ノ
裁判ハ異議ノ申立ニ依リテ其ノ效力ヲ失フ、
異議ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ當事者
ノ陳述ヲ聽キタル上更ニ裁判ヲ爲スヘシ」此
ノ規定デアリマス、御承知ノ通リニ此ノ過
料ノ裁判ニ付テノ規定ハ、固ヨリ現行非訟
事件手續法ニモアルノデアリマシテ、其ノ
規定ニ依リマスト過料ノ裁判ヲ爲スニ當リ
マシテハ、必ズ當事者ノ陳述ヲ聽カナケレ
バナラナイト云フコトニナッテ居ルノデアリ
マス、過料ハ刑罰デハアリマセヌケレドモ、
固ヨリ一種ノ制裁デアリマスルカラ、當事
者ノ陳述ヲ聽カナイテ制裁ヲ科スルコトハ
宜シクナイト云フ趣旨カラ來タ規定デアリ
マセウ、デスカラ此ノ規定ノ趣旨ニ付テハ
結構デアラウト思フノデアリマス、然ルニ
在來ノ取扱ノ例ニ徵シマスルト、此ノ規定
ハ必ズシモ望マシキモノデハナイノデアリ
マス、卽チ例ヘバ會社ニ過料ヲ科スルト云
フ場合ニ、必ズ當事者ガ陳述シタ上デナケ
レバ裁判ガ出來ナイトナッテ居リマスル
カラ、其ノ會社ノ當事者卽チ社長、之ヲ先
ヅ喚ブコトニナルノデアリマス、會社ニ依
リマシテハ總裁、頭取ニ當リマス、處ガ斯
ウ云フ總裁ナリ頭取ナリ社長ナリガ呼出シ
ヲ掛ケラレテ誠ニ迷惑スルノデアリマス、
ビックリ致スノデアリマス、デアリマスカラ
必ズシモ聽カナイデソレデ裁判ガ出來ルナ
ラバソレデモ宜クハナイカト云フノガ、此
ノ第二百八條ノ二ヲ設ケタ趣旨デアリマシ
テ、御承知ノ刑事事件ニ於テスラ略式手續
ト云フノガアリマス、デスカラ此ノ過料ニ
付テモ略式ノ手續ヲ認メタラドウデアラウ
カト云フコトガ、商法中改正法律審議ノ際
ニモ問題ニナリマシタ、ト申シマスノハ、
此ノ商法中改正法律ニ於キマシテ過料ノ事
件ガ殖エマシタカラ、斯樣ニ殖エレバドウ
シテモ略式ノ手續ヲ開クコトガ便利デハナ
イカト云フコトニナッタノデアリマス、略式
ノ手續ヲ開クコトハ結構デアリマスル
ケレドモ、之ガ爲ニ過料ヲ受ケル方ノ權益
ヲ害シテハイケマセヌカラ、其ノ點モ十分
考慮ヲシナケレバナラナイノデアリマス、
デアリマスルカラ、第一項ニ略式ノ、卽チ當
事者ノ陳述ヲ聽カナイデモ過料ノ裁判ガ出
來ルト云フコトヲ決メマスルト共ニ、第二
項ニ於キマシテ當事者ナリ檢事ナリハ其ノ
略式ノ裁判ノ告知ヲ受ケタ日ヨリ一週間內
ニ異議ノ申立ヲスルコトガ出來ルト云フコ
トニ致シマシテ、其ノ異議ガアレバ略式ノ裁
判ハ當然效力ヲ失フコトニシタノデアリマ
スサウシテ第三項ニ於キマシテ異議ノ申
立ガアッタナラバ裁判所ハ改メテ當事者ノ
陳述ヲ聽イテ、略式デテイ本當ノ過料ノ裁
判ヲシナケレバナラナイト云フコトニ致シ
マシタ、サウスルト會社側デモ何等不利益
ハアリマセヌ、兎ニ角呼出シヲ受ケルト云
フ「シヨック」ヲ受ケル其ノコトガ助カル譯
デアリマス、大變便利デハナイカト思フノ
デアリマス、是ダケガ、商法中改正法律ノ
立案ノ際ニアッタ問題デハアリマスケレド
モ、直接關係ノテイコトデアリマスルカラ
特ニ申添ヘテ置ク次第デアリマス、」一々箇
箇ノ條文ニ亙ッテ參リマシテモ甚ダ煩雜デ
アリマスルカラ、如何致シマセウカ、今日
ハ第一章トカ第二章トカ云フノデ大體ノコ
トヲ申上ゲテ進ンデ參リマセウカ、皆樣ノ
御意嚮ニ依リマシテ······大分煩雜デスカ
ラ說明ノ仕方ヲ御〓ヲ願ヒタイト思ヒマス
ガ 。発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=10
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011・渡邊修二
○副委員長(男爵渡邊修二君) 御諮ヲ致シ
マス、只今政府委員ヨリ說明ノ方法ニ付テ
御相談ガアリマシタガ、各一章每ニ、章
二章位ヲ纏メテ御說明ヲ願ヒマシテ、ソレ
ニ付テ質疑ヲ致シマシテ、又濟ミマシテカ
ラ全體ニ付テ後ナリ或ハ初メナリ御質疑ヲ
ナサルヤウニ致シタラ如何デセウカ······御
異議ナイト認メマス、ソレデハサウ云フ風
ニ御願ヒ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=11
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012・大森洪太
○政府委員(大森洪太君) 只今ノ御指圖ニ
依リマシテ先ヅ第一章ニ付テ簡單ニ御說明
申上ゲタイト存ジマス、第一章ノ最初ノ第
三十七條、是ハ唯條文ノ整理ヲ致シタダケ
デアリマス、實質ニ變更ハゴザイマセヌ、
詰リ新シイ條文ガ中ニ加ッタモノデアリマ
スルカラ、其ノ不必要ナルモノヲ除イテ、
必要ナモノヲ殘シタト云フダケデアリマス、
第七十一條ノ三第一項、第百十六條、是モ
實ハ形式上ノ改正ダケデアリマス、ト申シ
マスルノハ御承知ノ「及、竝」ノ使ヒ方ガ今日
ノ例トハ違ッテ居リマス、サウシテ此ノ度改
正ニテリマシタ部分ニ、新シイ例ニ從ヒマ
シテ規定ヲ致シマシタモノガアリマスカ
ラ、殘リノ部分ハ之ヲ改メル必要ガアリマ
シテ、體裁ヲ揃ヘタト云フダケノ問題デア
リマス、實質ニ何等變更ハゴザイマセヌ、
第百二十六條ハ今日モアル規定デアリマシ
テ、會社ノ設立竝ニ存立中ノ諸般ノ問題ニ
付テノ管轄ヲ定メタ規定デアリマス、此ノ
中ニ在來ノモノヲ存置致ス必要ガアルモノ
アリ、又之ニ新タニ加フルモノガ出來テ來タ
ノデアリマス、簡單ニ拾ッテ參リマセウ、第
一項デアリマスルガ、商法第五十八條ハ御
承知ノ解散命令ノ問題デアリマシテ、是一
今日モアリマスノデ、唯條文ノ數ヲ書キ變
ヘタダケデアリマス、次ノ第百七十三條第
-덕第二項、是モ今日アル規定デアリマ
シテ、發起設立ノ場合ニ於ケル設立經過ノ
調査ノ爲ノ檢査役ノ選任ノ問題デアリマ
ス、第百七十八條ハ全ク新シイ規定デアリ
マシテ、御承知ノ株金ノ拂込銀行及拂込
信託會社、之ヲ變更致シマシタリハ其ノ
拂込金ノ保管替ヲ致シマス場合ノ規定デ
アリマス、第百八十一條第一項ハ、是ハ
在來アリマシタ規定デ、募集設立ニ於ケル
設立經過ノ調査ニ關スル問題デアリマス、
第二百十四條第一項但書、是ハ全ク新シイ
規定デアリマシテ、裁判所ノ許可ヲ得テ競
賣ニ依ラズシテ株式ノ處分ガ出來ルト云ス
規定デアリマス、第二百三十七條第二項ハ、
在來カラアル規定デアリマス、小數株主ノ
總會招集ニ關スル規定デアリマス、第二百
五十八條第二項ハ是ハ新シイ規定デアリマ
ス、取締役缺員ノ場合ノ職務代行者選任ニ
關スル規定デアリマス、第二百七十二條モ
新設ノモノデアリマス、急迫ナル場合ニ於
ケル職務代行者選任ニ關スル問題デアリマ
ス、第二百九十一條ノ第二項、是ハ在來カ
ラアルノデアリマシテ、建設利息ノ定メニ
付テノ認可ノ問題デアリマス、第二百九十
四條モ在來カラアルノデアリマス、少數株
主ノ檢査役選任ノ申請ニ關スル問題デアリ
そく、ソレカラ第三百五十三條第一項デア
リマスガ、是ハ新設デアリマス、所謂ノ危
險視スベキ增資ニ付檢査役ノ選任ヲシナケ
レバテラナイト云フ規定デアリマス、「第三
百七十四條第二項モ新設デアリマシテ、增
資無效ノ判決ガ確定シマシタ場合ノ善後措
置ニ關スル規定デアリマス、次ハ其ノ準用
規定トナッテ居リマス、例ヘバ解散命令ノ規
定ハ有限會社法ニモ準用サレテ居ルノデア
リマス、又ソン等ノ中デ或種ノモノハ外國
會社ニモ亦株式合資會社ニモ準用サレテ居
ルノデアリマス、次ニ第百五十三條第二項
デアリマスガ、是ハ御承知ノ合資會社ノ有
限責任社員ノ所謂檢査權ニ關スル規定デア
リマシテ、是ハ在來既ニアル所デアリマス、
有限會社法ノ第八候第一項但書、是ハ御承
知ノ有限會社法ニ於キマシテハ、社員ガ五十
人以內デアルコトハ原則デアリマスルガ、裁
判所ノ許可ヲ得テ之ヲ增スコトガ出來ルト
云フ場合ノ規定デアリマス、第四十五條ソ
レカラ第六十七條第三項、是ハ少數社員ノ
檢査役ノ選任ノ請求及組織變更ヲ致シマシ
テ、其ノ結果株式會社ニナル場合ノ許可ノ
規定デアリマス、是等ノ事件ハ會社本店ノ
所在地ノ地方裁判所ノ管轄ニ屬スルト云フ
コトヲ定メタノデアリマシテ、要スルニ在
來アリマスルモノノ條文ノ整理デ、之ヲ改
メマシタモノ、新シイモノ、之ニ加ヘタモ
ノ、是等ガ第一項ニナルノデアリマス、第
二項ハ全ク新設ノモノデアリマシテ、商法
第百十一條第三項、是ハ合併無效ノ判決ガ
確定シマシタ場合ノ善後措置デアリマス、
第二項、第一項ト分ケマシタノハ、第一審
ノ受訴裁判所ノ管轄ト云フコトニナッテ居
リマスカラ、單純ニ會社ノ本店ノ所在ノ
地方裁判所ト云フコトニハ參ラナイノデア
リマス、第三項ノ商法第四百八十四條ト云
フノハ、是ハ在來アリマシタ支店閉鎖ニ關
スル問題デアリマス、「其ノ準用規定」ト云フ
ノハ、是ハ有限會社法ニ出來タノデアリマ
シテ、有限會社法ノ第七十六條ガソレデア
リマス、其ノ次ノ有限會社法第六十條第二
項ハ、有限會社ト株式會社トガ合併致シマ
シテ、殘リマスル會社ガ株式會社トナル場
合ノ許可ニ付テノ問題デアリマス、末項ハ
在來ノ通リノ規定デアリマス、商法中改正
法律ニ依ッテ條文ノ順序ガ變リマシタカラ、
其ノ順序ヲ變ヘタダケデ、商法第五百二十
七條第一項ハ、商事賣買ニ付テノ競賣ノ問
題、第七百五十七條ハ御承知ノ海商ノ船舶
所有者ガ運送品ヲ競賣スル場合ノ規定デア
リマス、第百七十二條第二項デアリマスガ、
「取締役又ハ株主」ト云フノヲ「申請人」ニ改メ
マシタノハ、商法中改正法律ノ第百八十一條
第二項デ發起人ガ加リマシテ、又有限會社
法ノ第四十五條ニ依リマシテ、社員ガ加ッタ
カラデアリマス、ソレカラ第百二十九條第
一項、是ハ條文ノ整理ダケノ問題デアリマ
ス、次ノ第百二十九條ノ二ノ改正モ條文ノ
整理デアリマス、次ノ第百二十九條ノ三ハ、
條文ノ整理ト新シク加ッタモノトガアルノ
デアリマス、卽チ商法ノ第百二十四條ヲ第
百七十三條第一項ニ改メマシタコトト、又第
百九十八條ヲ第二百九十四條第一項ニ改メ
マシタコトト、是ハ唯條文ノ整理デアリマ
ス、而シテ第百八十一條第一項、第三百五
十三條第一項、之ヲ加ヘマシタノハ新シイ
問題デアリマス、卽チ第百八十一條第一項
ハ募集設立ノ場合ノ檢査役ノ選任ノ規定
デアリマス、第三百五十三條第一項ハ、所
謂危險視セラルベキ增資ノ場合ノ檢査役選
任ノ規定デアリマシテ、先程申述べマシタ
通リニ第百二十六條ニ管轄ガ定ッテ居リマス
ル其ノ事件ノ手續ヲ、是カラ順々ニ規定シ
タモノデアリマス、尙甚ダ恐縮デアリマス
ルガ、先程第百二十六條第一項ノ中デ其ノ
準用規定ノ四番目ノ第百八十一條第一
項ヲ、在來アル規定ダト申シマシタノハ間
違デアリマシタ、是ハ商法中改正法律ニ依
ル新設ノ規定デアリマシテ、募集設立ノ場
合ノ設立經過ノ調査ノ規定デアリマス、右
訂正ノ御許ヲ願ヒタイト思ヒマス、第百三
十條ハ條文ノ整理デアリマス、第百三十一
條第一項、是モ條文ノ整理ニ過ギナイノデ
アリマス、第百三十二條ノ二デアリマスガ、
之ニ引イテアリマス商法ノ條文ハ拂込銀行
ナリ信託會社ヲ變更スル、又ハ拂込金ノ保
管替ヲスル場合デアリマシテ、括弧内ノ準用
條文ハ增資ノ場合ノ同樣ノ規定デアリマス、
是等ノ許可ノ申請ノ手續ヲ茲ニ規定ヲ致シ
タノデアリマス、第百三十二條ノ三デアリ
マスガ、玆ニ引用シテアリマス商法ノ條文
ハ株式ヲ競賣スルニ當リマシテ、競賣以外
ノ方法ヲ裁判所ノ許可ニ依ッテ定メルコト
ノ出來ル規定デアリマス
〔委員長伯爵二荒芳德君委員長席ニ復
ス〕
括弧ノ中ニ準用シテ居リマスノハ、減資ノ
場合ノ端株ノ處分、合併ノ場合ノ株式併合
ノ際ニ於ケル端株ノ處分ノ規定デアリマス、
卽チソレ等ノ場合ニ於ケル裁判所ノ許可申
請ニ付テノ手續規定ヲ茲ニ設ケタ次第デア
リマス、次ハ第百三十二條ノ四デアリマシ
テ、玆ニ引用ニナッテ居リマスル商法ノ條文
ハ、取締役缺員ノ場合ノ職務代行者選任ニ
關スル規定デアリマシテ、括弧內ニ準用ニ
ナッテ居リマスノハ、監査役ニ付テノ問題デ
アリマス、卽チソレ等ノ選任ノ裁判ノ申請
ヲスル手續及其ノ裁判手續ヲ本條ニ置イタ
ノデアリマス、第二項ニ於キマシテ非訟事
件手續法中ノ條文ヲ準用シテ居リマスガ、
其ノ第百二十九條ノ三ガ報酬ニ關スル規定、
第百二十九條ノ四ハ卽時抗告ニ關スル規
定デアリマス、第百三十二條ハ、理由ヲ附
シタル決定ヲ以テ裁判ヲシナケレバナラヌ
ト云フ規定、及ビ申請ヲ許シタ裁判ニ付キ
マシテハ不服ノ申立ヲ許サナイト云フ規定
デアリマス、是等ヲ此ノ手續ニ準用致シタ
次第デアリマス、第百三十二條ノ五デアリ
マスルガ、玆ニ引用ニナッテ居リマスル商
法ノ第二百七十一條第一項但書ハ、民事訴
訟法上ノ假處分ニ依リマシテ設ケラレマシ
タ職務代行者ガ、常務以外ノ行爲ヲ爲スニ
付テノ許可ヲ得ナケレバナラナイト云フ規定
デアリマシテ、括弧ノ中ニナッテ居リマス準
用條文ハ、非訟事件手續法上ノ假處分トシ
テ選任セラレテ居リマスル代行者ノ、常務以
外ノ行爲ヲ爲スニ付テノ許可ヲ得ナケレバ
ナラナイト云フ規定デアリマス、卽チ本條
ハ是等ノ許可ノ申請ニ付テノ手續及裁判ニ
付テノ規定デアリマス、第百三十二條ノ六
デアリマスルガ、第一項ニ準用ニナッテ居リ
マスル非訟事件手續法ノ規定、第百二十九
條ノ四ハ先程申シマシタ卽時抗〓ニ關スル
規定、第百三十二條ノ第一項ハ理由ヲ附シ
タル決定ヲ以テ裁判ヲシナケレバナラナイ
ト云フ規定デ、第百三十二條ノ四ノ第一項
ト云フノハ、取締役、監査役ノ陳述ヲ聽カ
ナケレバナラナイト云フ規定デアリマシ
テ、是等ノ手續ハ卽チ商法第二百七十二
條是ハ非訟事件ノ假處分トシテノ職務代
行者ヲ選任スル場合ノ規定デアリマス、其
ノ括弧內ハ之ヲ監査役ニ準用シタ規定デア
リマシテ、卽チ是等ノ選任ナリ、其ノ取消
ナリ、變更ナリノ裁判ニ付テ、只今申シマ
シタ第百二十九條ノ四等ノ規定ヲ準用シタ
規定デアリマス、第二項ハ假處分ニ關スル
民事訴訟法ノ規定、其ノ性質ノ許サナイモ
ノヲ除ク外、此ノ裁判ニ準用スルト云フノ
デアリマシテ、卽チ事實ノ疏明、保證等ノ
規定ヲ玆ニ特ッテ來ヨウトシタ趣旨デアリ
やっ、第百三十三條デアリマスガ、第百三
十三條ノ劈頭ニ準用ニナッテ居リマスル非
訟事件手續法中ノ規定ノ第百三十二條ノ二
ト云フノハ、事實ノ疏明、申請者ガ何人デ
アルカ、或ハ裁判手續ガ斯樣ナモノデアル
ト云フ趣旨ノ規定デアリマス、ソレ等ノ規
定ハ商法第二百九十一條第二項、卽チ建設
利息ノ定款ノ定メノ認可ニ準用セラレルノ
デアリマス、其ノ中ノ準用規定ハ、增資ノ
場合ニ建設利息ノ定メノ認可ヲ更ニ延長ス。
ルト云フ規定デアリマス、卽チソレ等ノ認可ノ
手續ニ付キマシテハ、第百三十二條ノ二ノ規
定通リニヤルト云フ趣旨ヲ明カニシタノデ
アリマス、第百三十三條ノ二デアリマスガ、玆ニ
引用ニナッテ居リマスル商法第三百七十四條
第二項ト申シマスノハ、增資無效ノ判決ガ確
定シタ場合ノ善後處置ニ關スル規定デアリ
マス、其ノ規定ニ依ル申請ハ、增資無效ノ
判決ガ確定シタ日カラ六箇月內ニ之ヲシナ
ケレバナラナイト致シマシテ、第二項デ審
問ハ前項ノ期間ヲ經過シタ後デナケレバ始
メテハイケナイト云フコトニシマシタノ
ハ)增資ノ申請ガ多ク起リマシタナラバ、
之ヲ一括シテ卽チ併合審理、併合裁判ヲ爲
サシメル所ノ規定デアリマス、第四項、第
五項ハ公〓ノ問題ノ規定デアリマス、第百
三十三條ノ三デアリマスガ、右申シマシタ
裁判ハ、是ハ總株主ニ對シテ效力ヲ生ジナ
ケレバナリマセヌカラ、其ノコトヲ明カニ
シマシタ、第二項ハ手續ニ付テ非訟事件手
續法ノ規定ヲ準用シタノデアリマス、第百
二十九條ノ第一項ハ、理由ヲ附シタル決定
デ裁判ヲスルコト、第百二十九條ノ二ハ
取締役、監査役ノ陳述ヲ聽カナケレバナラ
ナイト云フコトデアリマス、第百二十九條
ノ四ハ、卽時抗〓ガ出來ルト云フノデアリ
マシテ、第百三十二條ノ五ノ第三項ハ、執
行停止ノ爲ノ規定デアリマス、第百三十四
條ハ、茲ニ引用ニナッテ居リマスル商法第五
十八條第一項、第二項ノ裁判ノ問題デアリ
マシテ、是ハ御承知ノ解散命令ニ關スル規
定デアリマス、此ノ裁判ハ玆ニ劈頭ニ準用
ニナッテ居リマスル第百二十九條ノ第一項
ノ規定ニ依ルベシト云フノデアリマシテ、
ソレハ、理由ヲ附シタル決定ヲ以テ裁判ヲス
ベシト云フ規定デアリマス、第百三十五條
第一項ノ改正デアリマスガ、是ハ解散命令
ノ申請者デアリマス、其ノ申請者ニ、改正
法律ニ依リマシテ利害關係人ガ殖エマシタ
カラ之ヲ入レタノデアリマス、尙第百三十
五條ノ第二項ヲ削ッタノデアリマス、在來ハ
國庫ノ負擔ト云フ趣旨デ進ンデ居リマシ
タ、卽チ此ノ裁判ノ費用ノ問題デアリマス
ガ、今囘ハ利害關係人ガ入リマシタガ爲、
總テ國庫ノ負擔トスルノハ甚ダ妥當ヲ缺
クノデアリマシテ、總則ノ第二十六條、第
二十八條ニ依リマシテ、適當ニ負擔者ヲ決
メルコトガ出來ルノデアリマスカラ、總則
ノ規定ヲ其ノ儘持ッテ行ケバ宜イノデアリ
さく、謂ハバ現行法ノ第百三十五條ノ第二
項ガ特例デアッタノデアリマス、其ノ特例ヲ
止メタ方ガ宜イト云フコトニナッタカラソ
レヲ削ッタニ過ギナイノデアリマス、第百三
十五條ノ二ノ規定デアリマス、玆ニ準用ニ
ナッテ居リマスル第百三十三條ノ一、第四項
及第五項ノ規定デアリマスガ、是ハ公〓ノ
規定デアリマス、ソレハ御承知ノ通リニ商
法第五十八條第一項、第二項ノ解散命令ノ
申請ハ利害關係人モ之ヲ爲スコトニナリマ
シタカラ、ドウシテモ公〓ノ手續ヲ茲ニ擴
ゲル必要ヲ生ジタノデアリマス、第百三十
五條ノ三デアリマス、是ハ內容ハ現行法ニ
モアルノデアリマスガ、併シ條文ガ斯樣ニ
錯雜ニナリマシタカラ、此ノ分ダケヲ玆ニ
揭ゲタノデアリマス、內容ニ毫モ變更ハナ
イノデアリマス、次ニ第百三十五條ノ四デ
アリマシテ、是ハ新シイ規定デアリマス、
商法第五十八條第三項ニ依リマシテ會社ニ
解散命令ヲ發シマス場合ニ、管理人ヲ選任
シタリ又ハ會社財產ノ保全ニ必要ナル處分
ヲ爲スコトガ出來ルト云フコトニナッテ居
リマス、ソレニ對應シタ手續規定デアリマ
シテ、多ク不在者ノ財產管理人ニ付テノ規
定ヲ茲ニ持ッテ來タノデアリマス、第百三十
五條ノ五デアリマス、商法第五十九條ニ依
リマシテ新シク出來マシタ解散命令ニ付テ
ノ擔保請求ニ付テノ問題デアリマス、其ノ
擔保ニ關シテ、民事訴訟法ノ擔保ニ關スル
規定ヲ玆ニ準用シタノデアリマス、第百三
十五條ノ六、是ハ現在アリマスル規定デ何
等變更アリマセヌ、唯條文ノ順序ガ變リマ
シテ、現在第百三十五條ノ四ニナッテ居リマ
スノガ六ニナッタダケデアリマス、第百三十
五條ノ七ハ、新設ノ規定デアリマシテ、合
併無效ノ判決ニ關スル規定デアリマス、商
法中改正法律ニ之ニ當ル法定ガ出來マシタ
カラ、手續規定ヲ玆ニ持ッテ來タニ過ギナイ
ノデアリマス、第百三十五條ノ八モ同樣デア
リマス、玆ニ準用ニナッテ居リマスル最初二、
三ノ條文ハ、非訴事件手續法中ノ規定デア
リマス、理由ヲ附シタル決定ヲ以テ卽時
抗〓ガ出來ル、或ハ執行停止ニ關スル規定
デアリマス、ソレ等ノ規定ハ、茲ニ引用ニ
ナッテ居リマスル商法ノ第百十一條第三項、
卽チ合併無效ノ判決ガ確定シタ場合、括弧
中ニ準用ニナッテ居リマスノハ、合資會社ナ
リ株式會社ナリ是ガ準用ニナルト云フ譯デ
アリマス、其ノ場合ノ裁判ニ付テ、前申上
ゲマシタヤウナ非訟事件手續法中ノ規定ガ
準用サレルト云フ規定デアリマス、第百三
十五條ノ九ハ、在來申シマシタ中デ或種ノ
必要ナルモノガ株式合資會社ニ準用セラレ
マシタリ、又有限會社ニ準用サレマシタリ、
外國會社ニ準用サレマシタリスル場合、ソ
レニ付テノ必要規定デアリマス、第百三十
五條ノ十ハ、是亦商法ニ新設サレタモノデ
アリマシテ、合名會社ノ社員ヲ退社セシム
ル場合ニ付テノ規定デアリマス、準用ニナッ
テ居リマスルノハ、合資會社ニ付テ、又
株式合資會社ニ付テノ問題デアリマス、ソ
レ等ニ關スル手續規定デアリマシテ、第二
項ノ準用ニ係ル第百二十九條第一項ハ、先
程申シマシタ通リニ理由ヲ付シタル決定ヲ
以テ裁判ヲスルト云フコト、第百二十九條
ノ四ハ、卽時抗告ニ關スル規定デアリマス、
第百三十五條ノ十一ハ、御承知ノ有限會社
ノ社員ハ五十人以內デアルコトヲ原則トシ
マスルケレドモ、場合ニ依リマシテ裁判所
ノ認可ヲ受ケテソレ以上ニスルト云フ場合
ノ手續規定デアリマス、第百三十五條ノ十
二ハ、有限會社ト株式會社トノ合併ヲ致シ
マシテ、サウシテ殘リマスル會社ガ株式會
社デアルト云フ場合ニハ、認可ノ申請ヲ必
要トシテ居リマス、其ノ手續規定デアリマ
ス、第百三十五條ノ十三ハ、前條ト同趣旨
ノ規定デアリマシテ、有限會社ガ組織ヲ變
更致シマシテ株式會社トナリマスルノニハ
認可ヲ必要トスル、其ノ手續規定デアリマ
ス、第百三十五條ノ十四ハ矢張リ準用デ手
續ヲ決メテ居ルノデアリマシテ、是ハ理由
ヲ付シタル決定ヲ以テ裁判ヲスベシト云フ
コト、及ビ申請ヲ許ス裁判ニハ不服申立ガ
出來ナイト云フコトデアリマス、甚ダ錯雜
シタコトデ恐縮デアリマスルガ、要スルニ
第一章ハ會社ノ設立及ビ其ノ存立中ニ付テ
ノ諸般ノ事件ノ管轄及手續ノ內容ヲ規定シ
タモノデアリマシテ、在來ノモノハ其ノ儘
之ヲ存置致シマシタガ、商法中ノ條文ガ變
リマシタカラ、其ノ數ヲ矢張リ改メマシタ
コトト、新シイモノヲ大分加ヘマシタコト、
其ノ二點ノ改正デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=12
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013・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 只今ヨリ政府
委員ノ御說明ニ對シテ御質疑ガゴザイマス
レバ御許ヲ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=13
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014・山岡萬之助
○山岡萬之助君 此ノ第一章ニ關シマスル
コトニ付キマジテハ、只今ノ御說明ニ依リ
マシテ、在來ノ規定ヲ、商法竝ニ有限會社
ノ規定ノ必要ナル事項ヲ補綴致サレサコト
ト諒承致シマスノデ、別ニ其ノ事項自體ニ
付キマシテハ問題モナイヤウニ私ハ思ヒマ
スガ、唯此ノ規定ノ形ノ上ニ於テ、百二十
六條ノ中ニハ「其準用規定」ト斯ウ云フ風ニ
書カレテアリマスガ、後ノ方ヘ參リマスト
云フト、括弧ヲシマシテ、サウシテ條文ヲ
示シテ「準用スル場合」ト云フ風ニ明カニ書
カレテアリマスガ、前ノ方ハ全然條文ヲ示
サズニ準用規定ト斯ウ云フヤウニサレテ居
リマスガ、是ハドウ云フ關係デ左樣ニナッテ
居リマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=14
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015・大森洪太
○政府委員(大森洪太君) 御尤ノ御質問デ
アリマシテ、實ハ私共モ立案ノ際ニ苦心ヲ
致シタノデアリマシタガ、御指摘ニナリマ
シタ第百二十六條ハ管轄ニ關スル問題デア
リマシテ、此ノ場合ニ準用規定ヲ一々深切
ニ入レテ居リマスルト大變錯雜ニナリマス
ルカラ、管轄ヲ定メル規定ダケハ一ツ御勘
辨ヲ願ヒタイ、斯ウ云フ譯デ包括的ニ準用
規定ト致シマシタ、其ノ他ノ場合ハ努メテ
條文ヲ拾ヒマシテ明確ヲ期シマシタ、例へ
テ申シマスルト、後ニ御審議ヲ願フ問題デ
アリマスルガ、第二章ノ劈頭ノ改正部分、
卽チ第百三十五條ノ十五デアリマス、是モ
管轄ヲ定メル部分デアリマスルカラ、是ハ
唯「其準用規定」ト云フノデ一ツ御勘辨ヲ願
ヒタイト云フ趣旨デ書イタノデアリマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=15
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016・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 別ニ御質問モ
ゴザイマセヌデスカ······色々本改正法律案
ハ御〓究ノ必要モアルカト思ヒマスガ、只今
差當リ御質疑ガナケレバ、今日ハ是デ閉ヂ
マシテ、更ニ御〓究ノ上質疑ヲ續行スルコ
トニ致シタラ如何デゴザイマセウカ······御
異議ナイモノト認メマス、ソレデハ今日ハ
是デ散會ヲ致シマス
午前十一時十九分散會
出席者左ノ如シ
委員長伯爵二荒芳德君
副委員長男爵渡邊修二君
委員
侯爵德川賴貞君
侯爵中山輔親君
子爵曾我祐邦君
子爵加藤泰通君
子爵米田國臣君
建部遯吾君
男爵前田勇君
男爵山根健男君
山岡萬之助君
藤沼庄平君
岩田宙造君
田中德兵衞君
大澤德太郞君
政府委員
司法省民事局長大森洪太。君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007401860X00319390223&spkNum=16
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