1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十四年三月十三日（月曜日）午前十時六分開議
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議事日程 第二十二號
昭和十四年三月十三日
午前十時開議
第一 臨時軍事費豫算追加案（臨第一號） 會議（委員長報告）
第二 商法を引用する條文の整理に關する法律案（政府提出） 第一讀會
第三 臨時資金調整法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第四 産金法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第五 昭和十四年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債發行に關する法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第六 作業會計法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第七 兌換銀行券整理法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第八 農業再保險特別會計法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第九 海軍工廠資金會計法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第十 名古屋帝國大學創設に伴ふ帝國大學特別會計及官立大學特別會計の關渉に關する法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第十一 森林法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第十二 林業種苗法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第十三 短期現役小學校教員俸給費國庫負擔法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第十四 昭和十二年度歳入歳出總決算、昭和十二年度各特別會計歳入歳出決算報告 會議（委員長報告）
第十五 昭和十二年度國有財産増減總計算書報告 會議（委員長報告）
━━━━━━━━━━━━━発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
去ル十日委員會ニ於テ當選シタル正副委員
長ノ氏名左ノ如シ
鑛業法中改正法律案特別委員會
委員長子爵秋田重季君
副委員長男爵伊藤一郞君
國境取締法案特別委員會
委員長山川端夫君
副委員長男爵井田磐楠君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債發行ニ關スル法律案可決報告書
作業會計法中改正法律案可決報告書
兌換銀行劵整理法中改正法律案可決報告
書
農業再保險特別會計法案可決報〓書
海軍工廠資金會計法中改正法律案可決報
告書
請願委員會特別報告第六號
同日政府ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法律
案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十四囘帝
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
厚生省所管事務政府委員
保險院書記官川村秀文君
一昨十一日委員會ニ於テ當選シタル正副委
員長ノ氏名左ノ如シ
保險業法改正法律案特別委員會
委員長伯爵樺山愛輔君
副委員長男爵矢吹省三君
靑年學校〓育費國庫補助法案特別委員會
委員長侯爵德川義親君
副委員長子爵〓岡長言君
臺灣米穀移出管理特別會計法案特別委員
會
委員長侯爵大隈信常君
副委員長伯爵黑木三次君
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)可決報
〓書
森林法中改正法律案可決報告書
林業種苗法案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
臨時資金調整法中改正法律案
產金法中改正法律案
同日衆議院ヨリ本院ノ送付ニ係ル左ノ政府
提出案ハ同院ニ於テ之ヲ可決シ奏上セル旨
ノ通牒ヲ受領セリ
滿洲國ニ於ケル領事官ノ裁判ノ廢止ニ關
スル法律案
借地借家臨時處理法中改正法律案
公證人法中改正法律案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十四囘帝
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
內務省所管事務政府委員
內務書記官生悅住求馬君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、臨時軍事費豫算
追加案、臨第一號、會議、委員長報告、委
員長渡邊子爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
一臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)
右衆議院ヨリ受領シタル案ヲ審査シ衆議
院議決案ノ通可決スヘキモノナリト議決
セリ依テ及報〓候也
昭和十四年三月十一日
委員長子爵渡邊千冬
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵渡邊千冬君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=2
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003・渡邊千冬
○子爵渡邊千冬君 只今議題トナリマシタ
臨時軍事費豫算追加案ニ付キマシテ、委員
會ニ於ケル審査ノ經過竝ニ結果ヲ御報告申
上ゲマス、臨時軍事費豫算追加案ハ支那事
變ノ推移ニ伴フ必要ナル經費ヲ追加シタモ
ノデアリマシテ、其ノ金額ハ歲入歲出共ニ
四十六億五百萬圓デアリマス、歲出豫算
ノ內譯ハ陸軍臨時軍事費ガ三十一億四千三
百萬圓、海軍臨時軍事費ガ八億千二百萬
圓豫備費六億五千萬圓トナッテ居ルノデ
アリマシテ、其ノ中陸軍臨時軍事費ハ
作戰兵力ノ維持ニ要スル諸經費、作戰資材
ノ整備、在支作戰鐵道ノ管理ニ要スル經
費、靖國神社臨時大祭供進金、及ビ今後ノ
駐兵等ニ伴フ兵營建築費等ニ關スルモノデ
アリマス、尙海軍臨時軍事費ハ、支那方面
派遣艦船、航空隊、陸戰隊、特設部隊等ノ維
持ニ要スル經費、派遣艦船、捕獲艦船等ノ
應急修理費、占據地區ニ於ケル兵營病合ノ
急速施設費、防備、通信、工作、燃料生產、
補給等、各種施設ノ急速整備ニ要スル經
費、航空機搭乘員ノ急速養成費等ニ關スル
モノデアリマス、右歳出ノ財源ハ大部分ハ
公債ニ依ルコトトナッテ居ルノデアリマシ
テ、此ノ金額ハ三十九億二千四百餘萬圓デ
アリマス、公債金以外ニ於テハ、一般會計ヨ
リハ昭和十三年、十四年兩年度ニ亙ル增稅等
ニ依ル增收額ノ繰入金、特別會計ヨリハ通信
事業、帝國鐵道及各外地特別會計ヨリノ繰
入金、其ノ他軍事費獻納金、物品拂下代等
ノ雜收入等ノ合計六億八千九十餘萬圓ヲ計
上シ、之ガ財源ト致シテ居ル次第デアリマ
ス、以上ガ只今上程セラレテ居リマス臨時
軍事費豫算追加ノ大要デアリマス、右豫算
案審議ノ爲、豫算委員會ハ三月十日、十一日
ノ兩日ニ亙リ之ヲ開催シタノデアリマシテ、
必要ニ應ジ祕密會ヲモ開イテ十分檢討ヲ重ネ
タノデアリマス、玆ニ委員會ニ現レマシタ
質疑應答中重要ナル事項ヲ御報告致シマス、
先ヅ第一ハ生產力擴充計畫ニ付テデアリマス、
是ハ祕密會ヲ開イテ十四年度ノ物資動員計
畫ノ大要ヲ聽取致シタノデアリマスルガ、
之ニ關聯致シテ生產力擴充計畫ガ論議セラ
レタノデアリマス、此ノ際訂正致シテ置キ
タイト存ジマスコトガアリマス、過日本議
場ニ於キマシテ十四年度ノ本豫算ノ審議ノ
御報告ヲ申上ゲマス際、十四年度ノ物資動
員計畫ヲ聽取致シタヤウニ申上ゲマシタノ
ハ私ノ誤リデアリマシテ、ソレハ十三年度
ノ物資動員計畫デアッタノデアリマスカラ、
左樣御了承ヲ願ヒタイト存ジマス、生產力
ノ擴充ハ平時ヨリ之ガ實行ニ著手シ置クベ
キモノデアッテ、事變ガ始ッテカラ俄ニ騒ギ
立テルガ如キハ遲キニ失スルデハナイカ、
生產力擴充ノ理想トシテハ原料ノ自給自足
迄行カネバナラヌ、之ガ爲ニハ科學及技術
ノ一段ノ進步ヲ前提トシナケレバナラナイ
ノデアッテ、科學的ノ〓究ヲ充實シ、及ビ其ノ
〓究ノ產業化ヲ促進スルコトガ最モ必要ナ
コトデアル、此ノ科學的動員ヲ徹底的ニ行
フニアラザレバ、所謂生產力ノ擴充モ机上
ニ於テ徒ニ數字ヲ集積シ、又之ヲ配分スル
ニ終ル虞ガアルト思フ、今日ノ如ク輸入原
料ニ依存スルコト多ク、又國際通商上障碍
ノ危險性ノアルコトカラ考ヘテモ、原料ノ
自給ハ一日モ速カニ其ノ實現ヲ圖ラナケレ
バナラテイノデアッテ、科學的動員ハ戰時政
策中ニ於テモ重要ナル地位ヲ占メサセネバ
ナラナイモノデアル、從ッテ此ノ際科學總動
員テ徴底的ニ行フ爲ニハ、行政機構ヲ改メ、
經費ヲ增加スル必要ガアルト思フ、又生產
力擴充計畫ハ日滿支ヲ通ズル計畫デアッテ、
其ノ間ニ統一ガナクテハナラナイ、滿洲、
支那ニ於ケル開發ノ計畫ニ付テモ、多クノ資
材勞力ヲ本邦ヨリ提供スル必要ガアルト思
フガ、資材勞力共ニ不足勝ノ今日、此ノ計畫
ニ果シテ實現性ヲ期待シテ宜シイノデアルカ
等ノ質問ガアッタノデアリマス、之ニ對シマシ
テ政府カラハ、生產力擴充計畫ヲ戰時ニナッ
タ今日ニ於テ始メタノデハ遲キニ失スルノ譏
リハアルガ、我ガ國ノ現狀ニ照シ、事變中ト
雖モ敢テ之ガ遂行ヲ期セネバナラヌト考ヘ
萬難ヲ排シテ此ノ實現ヲ圖リツヽアル次第
デアッテ、本年ノ物動計畫中ニモ、此ノ計畫
遂行ノ爲ニ必要ナル資材ヲ確保スルヤウ考
案中デアル、又生產力擴充計畫ノ立案ニ當ッ
テハ、科學的〓究ノ進步及之ガ產業化ヲ豫
期シテ居ル次第デアッテ、之ガ實行ニ當ッテ
ハ獨リ官廳側ノミナラズ、民間ノ協力ヲモ
求メ、又官民ノ科學〓究ノ結果ヲ十分採
リ入レテ遺憾ナキヲ期セネバナラスト思
フ、尙最近內閣ニ科學審議會ヲ設置シ、主
トシ不足資源ニ關スル〓究ヲ促進ルコト
トシ、企畫院ニモ明年度ヨリ新タニ科學
部ヲ設置スルコトトナッテ居ル、又資材勞力
ノ不足ノ今日、本計畫ノ遂行ハ容易デハナ
イガ、之ガ立案ニ當テハ物資、資金技術、
勞働力等ニ亙リ詳細ナル檢討ヲ加ヘタ結果、
實現ノ可能性アリトノ確信ヲ得ルニ至ッタモ
ノデアル、併シ之ガ實行ニハ多大ノ困難ヲ
伴フコトハ已ムヲ得ザル所デアッテ、官民一
致萬難ヲ排シテ之ガ遂行ヲ圖ラネバナラヌ
ト考ヘルト云フ答辯ガアックノデアリマス、
次ニ本臨時軍事費支出ニ伴ヒ公債發行ガ非
常ニ巨額ニ上ルガ、是ガ消化ニ付、心配ハ
ナイカトノ質問ニ對シマシテハ、政府ハ
公債ノ消化ハ今ノ所、順調ニ行ハレテ居ル、
殊ニ本年ニ入ッテカラハ發行ヲ超エテ消化
サレテ居ル有樣デアル、併シ將來トモ多額
ノ公債ガ出ルコトデアルカラ、之ガ消化ニ
付テハ十分ノ考慮ヲ拂フ積リデアルト云フ
答辯ガアッタノデアリマス、第三ハ、臨時軍
事費ハ何時カラ何時迄ノ經費ヲ計上シテア
ルノデアルカト云フ質問ニ對シマシテ、政
府ハ、本年二月ヨリ〓ネ一箇年間ノ所要ヲ
計上シタモノデアルトノ答辯ガアリマシタ、
又、次ニ、一委員ヨリシテ、左ノ重要ナル
質問ガアリマシタ、此ノ臨時軍事費豫算ナ
ルモノハ、其ノ金額ガ巨大ナルニモ拘ラズ、
一般會計トノ分界ハ外部ニ於テハ明白デナ
〃、之ヲ例フレバ、臨時軍事費ハ一般會計
ニ對シテ豫備費ノ如キ關係ヲ持ッテ居ルヤウ
ニモ考ヘラレル、然ルニ臨時軍事費ハ豫備
金ノ如ク每年議會ノ承認ヲ要求スル必要モ
ナイ、又臨時軍事費ノ大部分ハ會計檢査院
ニ於テ之ヲ檢査スル權能ヲ持ッテ居ラナイ、
而モ一般財政、經濟上ニ及ス影響ニ至ッテ
ハ、非常ニ重大ナルモノガアルニモ拘ラズ、
議會ノ審議權ハ非常ニ局限セラレテ居ル、
斯カル特色ノアルモノデアルガ、我々ハ唯、
一ニ政府及軍部ヲ信賴シテ臨時軍事費ヲ協
贊スルノデアル、卽チ我々ハ此ノ臨時軍事
費ノ豫算ヲ實行スル上ニ於テ、政府ノ責任
ハ誠ニ重大ナルモノガアルト考ヘル、政府
ハ其ノ施行ニ當リテハ、最善ノ努力ヲ盡シ、
最大ノ注意ヲ拂ヒ、細心ノ思慮ヲ廻ラサレ
ムコトヲ望ム、且又動品ノ購買等ニ當リテ
千、愼ンデ濫費ノ弊害ノナキヤウ致サレタ
イト云フ希望的ノ質問ガアツタノデアリマ
ス、之ニ對シ政府ハ、此ノ豫算ノ使用ヲ誤
ル時ハ、其ノ影響ハ重大又深刻ナルモノガ
アルカラ、適正ヲ期スル爲ニハ十分用
意ト覺悟ガアル、又濫費ヲ戒メ、節約
ヲ致スコトニハ十分注意ヲ怠ラナイ積
リデアッテ、購買價格等ニ付テモ、陸海軍
トモソレ〓〓監督機關ガアッテ監督致シ、
〓究モ致シテ居ルト云フ答辯ガアッタノデ
アリマス、尙過般ノ張鼓峰事件ノ經費
ハ何レノ部分カラ出シタノデアルカ、之ニ
要シタル經費ノ總額ハ如何程ニ上ッテ居ルカ
トノ質問ガアッタノデアリマスガ、政府ハ、
右ハ臨時軍事費デ賄ッタノデアル、而シテ
其ノ經費ハ此ノ分ダケ切離シテ扱ッテ居ナ
イ爲、判明シナイト云フ答辯ガアッタノデ
アリマス、尙又我ガ國ノ石油資源ノ不足ニ
鑑ミ、燃料問題ノ對策如何トノ實情ニ卽ス
ル熱心ナル質問ニ對シマシテハ、海軍ハ固
ヨリ石油ノ大ナル消費者デアリ、陸軍モ航
空機ノ增强ト機械化部隊ノ發達ニ伴ヒ)石
油ハ戰爭ノ能否ニ重大ナル關係ヲ持ツ、政
府ハ埋藏資源ノ開發、人造石油ノ製造等ニ
十分力ヲ致シ、昭和十四年度ノ豫算ニモ之
ガ〓究機關ノ擴充竝ニ貯油量ノ增加ニ伴フ
經費ヲ計上致シテ居ルト』ノ答辯ガアッタノ
デアリマス、右ノ外、支那民衆ノ救濟厚生
ニ關シ、民衆ノ心ヲ把握スル爲ニハ、支那
ニ大イニ社會事業ヲ起サネバナラヌトノ同
情アル意見ニ對シ、平沼首相ハ、質問者ト
感ヲ同ジウスル、支那ノ政權ト力ヲ協セ、
之ヲ援助シ、社會事業ニ力ヲ致ス旨ヲ答へ
ラレマシタ、又陸相ヨリモ、宣撫班ガ同仁
會等ノ協力ヲ得テ、窮民ヲ救濟シ又職業
ヲ與フルコトニ努力シテ居ル旨ノ答辯ガア
リマシタ、最後ニ、本豫算トハ直接ノ關係
ハナイノデアリマスガ、豫算總會ニ於ケル
委員ノ御發言ニシテ此ノ際御報告ヲ致シテ
置クコトガ最モ至當ナリト存ジマス事項ガ
アリマスノデアリマス、一委員ヨリシテ、
政府提出ノ議案ヲ愼重ニ審議致スコトハ
貴族院竝ニ衆議院ノ當然ノ責務デアリマス
以上ハ、政府ニ於テモ兩院ニ對シ均シク愼
重ニ睿議ヲ致ス機會ヲ與ヘラルルコトハ
又當然ノ事デアルト信ズル、然ルニ從來動
モスレバ政府ノ提案ガ遲レル爲ニ、會期ノ
切迫ニ際シテ衆議院ヨリ重要法案ガ送付セ
ラレル場合ガ尠クナイ、ソレハ今期議會ニ
於テモ亦同樣デアル、固ヨリ內閣更迭ノ爲
餘儀ナク遲レタト云フ事情モ察セラレルノ
デハアルガ、會期中ニ十分ナル審議ガ出來
ナイト云フ憾ヲ持タナケレバナラナイコト
ハ甚ダ遺憾デアル、何卒政府ニ於テハ相當
ノ努力アッテ、議案ガ成ルベク速カニ貴族院
ニ送付セラレルヤウ致シタイ、尙曩ニ設ケ
ラレタ議會制度審議會ニ於テハ、全會一致
ヲ以テ法律案ノ提出ノ速カナルベキコトヲ
決定致シテ居ルト云フコトモ承ッテ居ル、是
等ノ點ニ付總理大臣ノ御所見ヲ承リタイト
ノ質問ガアッタノデアリマス、之ニ對シ平沼
總理大臣ヨリ、左樣ナ事實ハ從來モアッタヤ
ウデアリ、今囘モ內閣更迭ノ結果遲延致シ
テ居ルコトヲ認メル、併シ諸法案等成ルベ
ク早ク貴族院ニ送付セラレルヤウ努力致シ、
希望セラレタル點ニ付テハ將來政府ハ十分
考慮ヲ致シテ、之ニ副フヤウニ致シタイト
答辯セラレタノデアリマス、委員會ニ於ケ
ル質疑應答ノ大要ハ左ノ如クデアリマシテ、
斯クシテ討論ニ入ッタノデアリマスガ、本臨
新軍事費豫算追加ハ、時局柄緊切ナル經費
デアルガ故ニ贊成ヲ致ス旨ノ發言ガアリマ
シテ、採決ノ結果、全會一致ヲ以テ可決ト相
成ッタノデアリマス、右御報告ヲ申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴義君) 別ニ御質疑モナ
イヤウデゴザイマスルカラ、是ヨリ討論ニ
移リマス、通〓順ニ依リマシテ發言ヲ御許
シ致シマス、建部遯吾君
〔建部遯吾君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=4
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005・建部遯吾
○建部遯吾君 今ヲ距ルコト十八年、「アメ
リカ」カラ「サンガー」ト申ス婦人ガ來朝致シ
マシテ、日本國民ニ產兒制限ヲ奬メマシタ、
其ノ際之ニ隨喜雷同致シマシタ相當知名ノ
人士ガ、我ガ國ニ可ナリノ數アッタノデアリ
さゝ、然ルニソレ等ノ人々ハ、今日ニ於テ
ハ人的資源云々ノ主張ニ、殆ド全然無條件
ノ轉向ヲ致シマシタ、大正十一年ノ秋十月、
「ムッソリーニ」內閣ガ成立致シマシタル際、
我ガ評論壇ニ於キマシテハ、斯カル反動內
閣ハ其ノ繼續僅ニ三箇月ヲ「出デマイト云
フ、而モ都下ノ大新聞ノ一ツニ於テ其ノ意
見てるから開幕誌『創業者』
リマシタ、
七年ノ後ノ今月今日、未ダ天地間ニ現レザ
ルト云フガ如キ、一種ノ滑稽現象モアッタ
ノデアリマス、是ハ前者ノ例ハ操持ノナキ
ノ致ス所、後者ノ例ハ豫言ノ資格ノナイト
云フコトノ致ス所デアリマスガ、是皆伸ビ
縮ミ常ナラザル「ゴム」ノ尺度ヲ以テ、物ノ長
短ヲ測定セムトスルノ過デアリマス、我ガ平
沼内閣總理大臣ハシ其ノ操持ト云ヒ、其ノ
生
經綸个云ヒ、後世且數十年ニ亙ツテ、一以テ
之ヲ定スタ人士デアリマス、國本社ノ如キ
ハ濁流ニ處シテ〓キ波ヲ揚ゲ、天下靡然ト
シテ之ニ嚮フ、誠ニ堂々タル經歷ノ持主デ
アラレルノデアリマス、所謂其ノ德ヲ恒ニ
シ、平沼內閣ハ私ハ一ツノ恒德內閣デアル
ト敢テ名ツケヨウト思フノデアリマス、私
ガ此ノ上程サレツヽアリマス所ノ臨時軍事
費豫算ニ贊成ノ意ヲ表スルハ、卽チ之ガ爲
デアルノデアリマス、是ヨリ少シク其ノ理
由ニ付テ述ベテ見タイト存ジマス、神武天
皇都ヲ橿原ニ定メ給ヒシ其ノ時ノ詔勅、改
メテ此ノ壇上ヨリ捧讀ヲ致スコトモ、却テ
禮ヲ缺クノ嫌ヒガアリマスルケレドモ、敢
テ其ノ重要·······固ヨリ全部重要デアリマス
ガ、其ノ一部分ヲ拜讀スルコトヲ許サレマ
スルナラバ、「恭シク寶位ニ臨ミ以テ元元ヲ
鎭ム、上ハ則チ乾靈國ヲ授ケ給ヒシノ德ニ
答ヘ、下ハ則チ皇孫正ヲ養フノ心ヲ弘メ、
然ル後六合ヲ兼ネテ以テ都ヲ開キ、八紘ヲ
掩ヒテ字ト爲サンコト亦可ナラズヤ」ト、斯
樣ニ拜讀致スノデアリマス、又畏クモ明治
天皇、明治元年三月十四日、明日ガ卽チ三
月十四日デアルノデアリマス、五箇條ノ御
誓文ノ第四箇條ニ「舊來ノ陋習ヲ破リ天地
ノ公道ニ基クヘシ」、更ニ明治二十三年十月
三十日ノ詔ニハ「之ヲ古今ニ通シテ謬ラス
之ヲ中外ニ施シテ悖ラス」ト仰セラレテ居
ルノデアリマス、尙垂仁天皇二十五年春三
月ノ、日ヲ換算致シマスレバ十日ニ相成リ
マスルガ、畏クモ伊勢大神宮、伊勢ニ御鎭
座ノ件ニ「神風ノ伊勢國ハ常世之浪重浪歸ス
ル國ナリ、傍國可怜國ナリ、是ノ國ニ居ラ
ムト欲リス」ト畏クモ天照大神、倭姫命ニ
御誨ヘニナッタト云フ記事ガ正史ニ儼トシテ
殘ッテ居ルノデアリマス、是等ノ思召ヲ篤
ト及バズナガラ拜誦シ服膺ヲ致シマスル
ト、如何ニ我ガ天祖天孫、皇祖皇宗以來、
我ガ國ノ神ノ大御謨、卽チ皇謨ガ如何ニ宏
大ニシテ雄偉ナルモノガアリマシタカ、實
ニ之ヲ想像スルダニ畏キ感ジガ致サルヽノ
デアリマス、悠遠ノ古ニ遡リマシテハ、天
祖ガ此ノ國ヲ授ケ給フタ、更ニ無窮ノ將來
ノ遠キニ及ンデ考ヲ致シマスレパ、十世、
百世、千萬世ノ後ニ至リマスル迄、「スメミ
マ」卽チ皇孫デアラセラルヽ方ハ、必ズ正シ
キヲ養フノ心ヲ弘メナケレバイカヌ、乾靈
國ヲ授クルノ德ニ答へ、皇孫正シキヲ養フ
ノ心ヲ弘メルト云フ、此ノ絕對重要ナル條
件ノ下ニ於テコソ、然ル後六合ヲ兼ネテ以
テ都ヲ開キ八紘ヲ掩ヒテ字ト爲スト云フ仰
セデアルカト、神武天皇ノ詔ヲ拜承致ス次
第デアリマス、抑〓此ノ正シキヲ養ヒ、又正
シキヲ養フノ心ヲ弘ムト仰セラレルノハ
人心ヨリ以テ經綸ニ及ブ所以デアリマシテ、
卽チ天地ノ公道ヲ全ウスルコトデアルノデ
アリマス、天地ノ公道ヲ全ウスルト云フコ
トデアリマスレバ、明治天皇ノ仰セラルヽ
如ク、古今ニ通ジテ謬ラズ中外ニ施シテ悖
ラザルハ是レ當然至極ノ事理デアルノデ
アル、是ニ於テ六合ハ兼ネザラムト欲スルモ
自ラ兼ネ、八紘ハ〓ハザラムト欲スルモ自ラ
掩フト云フ結果、成績ニ至ラザルヲ得ヌノデ
アリマス、然ルニ淺薄ナル東西ノ論者濫ニ
平和ヲ口ニス、平和ヲ口ニスルヤ宜シ、併シ
ナガラ平和ハ果デアル、平和主義論ハ空論デ
アル、列國ガ皆天地ノ公道ニ依ルナラバ、其ノ
人、其ノ民ガ皆能ク正シキヲ養ヒマスルナラ
バ、平和ハ之ヲ避ケムト欲スルモ自ラ至ルニ
相違ナイノデアル、詔勅ヲ拜シマシテ我々ノ
猛然トシテ、否寧ロ肅然トシテ、自ラ正サム
ト欲スルコトハ、皇孫スラ正シキヲ御養ヒ
遊バス、況ヤ尠々タル臣民ガ正シキヲ養ハ
ズシテ、單リ國ヲ後スル能ハザルノミナ
ラズ、何ヲ以テ世ニ立ツコトガ出來ルデ
アリマセウカ、平沼總理大臣ハ實ニ正シ
キヲ養フノ人デアラセラレマス、殊ニ
上ノ御德ヲ仰ギ奉ル所ノ臣下デアラセラル
ルノデアリマス、平沼内閣ハ敢テ私ハ正シ
キヲ養フノ內閣、養正內閣ト名ツクルノ
僣越ヲ敢テシタイト思フノデアリマス、以
テ其ノ德ヲ恆ニシ、以テ其ノ心ヲ一ニスル、
私ハ平沼內閣ガ必ズヤ爲スアルニ足ルコト
ヲ信ズル者デアリマス、是ガ私ノ本案ニ贊
成スル理由ノ一ツデアリマス、偖隴ヲ得
テ蜀ヲ望ムノ類デアリマスガ、內閣諸大臣
ハ能ク眼ヲ高處大處ニ御著ケニナルデアリ
マセウカ、更ニ天ヲ相手トシテ人ヲ相手ニ
セズト云フ、近キ過去ノ我ガ國ガ產出セル
大哲人ノ言葉、之ヲ平生ノ抱負トナサルデ
アリマセウカ、世界ノ動向、世界ノ所謂大
勢大ナル動向卽チ大勢ハ西洋人モ亦知ラ
ザル者ガ大多數デアリマス、大イナル勢ハ
卽チ大イナル理デアリマス、卽チ宇宙大法
則ノ現レデアルノデアリマス、世界人間ノ
大勢ハ三轉シ卽チ三進スルノデアリマス、
三度變轉致シマスルガ、其ノ變轉タルヤ進
步デアリマス、之ヲ或ハ下ヨリシテ中、中
ヨリシテ上ト、斯樣ニ名ツケテモ宜シイ、
番號ヲ打ッテ第一期、第二期、第三期ト名ツ
クルモ宜シク、又內容カラ申シマシテ、未
開ヨリ半開ヘ、半開ヨリ開明ヘト申シテモ
宜シイノデアリマス、之ヲ具體的內容カラ
申シマスレバ、思想方面ニハ模倣獨斷ヨリ
懷疑煩悶ヲ經テ窮理批判ニ進ミ、社會思想
ノ方面ニハ物質本位ヨリ個人本位ヲ經テ社
會國家本位ニ進ミ、政治思想ノ方面ニハ官
本ヨリ民本ヲ經テ國本ニ進ム、大體斯樣ナ
ル確然不動ノ、天地自然ノ法則ガ人間界、
殊ニ社會界ニ於テアルノデアリマス、近頃
西洋ノ一角ニ全體主義ト云フモノガ、實一
今世紀ノ第三年ニ「オーストリア」ノ某學者
ガ唱へ出シタト傳へラレマスガ、ソレ等ノ
コトハ誠ニ閑事、物好キノドウデモ宜イコ
トト致シマシテ、彼ノ全體主義ト稱スルモ
ノハ、下ヨリシテ中、中ヨリシテ上ニ至ル、
其ノ中間ノ過渡ニ生ズルモノデアリマシテ、
卽チ上ノ未ダ熟セザルモノト申サナケレバ
ナリマセヌ、而シテ之ヲ各國ノ實際ニ見マ
スルト、「ドイツ」、「イタリー」ハ將ニ其ノ
上ナルモノヲ得ムトシテ未ダ頗ル未熟デア
ル、疵ダラケデアッタノデアリマスガ、今
ヤ日ニ就リ月ニ將ムノ〓ヲ以テ年々其ノ面
目ヲ進步セシメツヽアリマス、「イギリス」
「フランス」ハ誠ニ氣ノ毒ナル次第デアリマ
スルガ、其ノ中ナルモノニ耽溺シテ居リマス、
殊ニ惜シムベキハ、物ノ方面ガ進ンデ心ノ
方面ガ之ニ伴ヒマセヌト云フト、煩悶懊惱、
夜トナク晝トナク、彼等ノ心ヲ責メツヽア
ルノデアリマス、「ロシア」ハ今尙其ノ下ナ
ルモノニ溺沒シテ居ルト云フノデ、是ハ評
論ノ限リデアリマセヌ、我ガ皇國ニ至リマ
シテハ肇國ノ初メヨリ、業ニ旣ニ其ノ上ナル
モノヲ得テ居ルノデアリマス、是レ卽チ國
體ノ精華デアルノデアリマス、古典ニ齊一
變セバ魯ニ至ラム、魯一變セバ道ニ至ラム
ト云フ言葉ガアリマスガ、今日ニ於キマシ
テ、彼ノ「ドイツ」、「イタリー」ガ我ガ皇國
ト事ヲ共ニ致シツヽアリマスコトハ、是ハ
事理ノ自然ニシテ且必然ナルコトト見ル、
其ノ根柢ハ右ノ理由ニ存スルノデアリマス、
尙私ハ斯樣ニ率直ニ評論敍述ハ致シマシタ
ガ、e
我々ノ親シク交ッテ居リマス所ノ列國
ノ凋落スル次第々々ニ趨キ行ク所ノ勢ヲ
見マシテ、誠ニ深甚ナル同情ヲ寄セル者ノ
一人デアリマス、デアリマスレバコソ、玆
ニ聊カ彼等ノ眞相ヲ剔抉致シマシテ、之ヲ
照スニ我ガ皇道ノ光ヲ以テシテ、以テ其ノ
暗イ陰ヲ破リ出シ、苦言ヲ列國ノ人士、殊
ニ列國ノ正人賢士ニ呈セムト試ミル者デア
リマス、凡ソ外交乃至宣傳ト雖モガ、養正
ノ規正下ニ於テ、機宜ヲ制スルノ範圍ニ止
メルベキモノデアリマシテ、是ガ卽チ皇道
ノ本旨デアルト、私ハ不肖ナガラ固ク信ズ
ル者デアリマス、然ルニ試ミニ西洋列國ノ
歷史、其ノ歷史ニ於ケル汚點ニシテ後世識
者ノ指摘ヲ免カレザル、而モ近ク起ッタ
事柄數箇條ヲ述べテ見マスレバ、國際聯盟
ガ其ノ一ツデアリマス、是ニハ最モ大切ナ
ル道德的要素ガ缺ケテ居リマス、「ワシン
トン」會議ガ其ノ二ツデアリマス、九箇條
約特ニ支那事變ノ對處策トシテノ「ブリ
ユッセル」會議ガ其ノ三デアリマス、蔣政權
ニ對シテ彼ヲ私利ノ爲ニ頤デ使フ、頤使ス
ルト云フノガ其ノ四ツデアリマス、一 、
イン」事變ニ對シ、「チエッコ」併合事件ニ對
シ、手ヲ飜セバ雲トナリ、手ヲ飜セバ雨ト
ナル、翻覆外交、一名曲乘外交ガ其ノ五デ
アリマス、香港、緬甸、「インド」支那、「イ
ンド」、是等ノ地學上ノ固有名詞ハ殆ド一ト
シテ列國ノ正人賢士ニ遺サレタル囘顧ト反
省ト、改過遷善トヲ要求スル所ノ記念塔ニ
アラザルハナイノデアリマス、彼ノ南米、彼
ノ南洋、是等ノ過去或ハ二世紀、或ハ一世
紀ニ於ケル變遷ヲ看來タリマスルト云フ
ト、若シ世界列國ノ正人賢士ト雖モガ、改
メズ遷ラズト云フコトニ止マリマスルナラ
バ大「スペイン」ノ運命ト云フモノガ又明
日、各國ノ運命トシテ至ラザルトハ何人ガ
之ヲ保證出來ルデアリマセウカ、加之列國
ト云フモノハ早ク旣ニ衰へル勢、衰勢ヲ呈
シテ居ルノデアリマス、過去ヲ囘憶スル時
潛バート於テ良心ノ苦痛ト云ヲモノノ伴フ、-是ハ
あさり§2.
頗ル困難ナルコトデアルト申サレルヤウナ
事實ガ、世界各國ニ於テナイノデアリマセ
ウカ、西洋文明ハ燦然タルモノデアリマス
ガ、今日ニ於キマシテハ其ノ宗〓モ、其ノ
科學モ、共ニ徹底ヲ缺イテ居ルノデアリマ
ス、加之風俗ノ堕落頽廢ト云フコトガ、次
第次第ニ高マリツヽアリマス、是等ノ總結
果ト致シマシテ、具體的ニ現レツヽアリマ
スルノガ人口減衰ノ大現象デアリマス、是ハ
明カニ社會病症ト云フベキモノデアリマシ
テ、最近四十年間ニ於テ人口一千ニ付テノ
自然增加率、「イタリー」ハ一二·二カラ九·四
ニ低下シ、「ドイツ」ハ一五·五カラ七·一ニ低
下シ、北米合衆國ハ一四·四ヨリ六·一ニ
「イギリス」本國ハ一一·〇ヨリ三·二ニ、「フ
ランス」ニ至リマシテハ四十年前ノ一·二カ
ラ今日ハ「マイナス」〇·四ト迄墮落シテ居
ルノデアリマス、之ニ對比致シマシテ我ガ
國ハ昭和十一年ノ自然增加ガ內地ハ一二·
四、帝國全體トシテモ一一·二ヲ示シテ居
ル、實ニ白人ノ所謂强國ノ社會ニアリマシ
テ、人口減衰ノ急潮ハ澎湃トシテ岸ヲ洗ヒ
巖ヲ嚙ミツヽアルト云フコトハ、區々タル
是ダケノ數字ヲ以テモ十分察知出來ルノデ
アリマス、併シナガラ列國ニモ亦大イニ人
無キニアラズ、否大イニ人ガ有ルノデアル、
而シテ人ニハ又道ト云フモノガアルノデア
リマス、「ローマ」法王ニハ格別ノ人ガアリ
マセズトモ、二千年前ノ靑年宗〓家全
ス·キリスト」ハ凛々トシテ今日ニ光ツテ居
リマス、西洋進步ノ最大ノ先鋒トモ言フベ
キ「ムッソリーニ」君、「ヒットラー」君ハ「ド
イツ」、「イタリー」ニ生レテ居ル、是ハ事
新シク申ス迄モアリマセヌガ、彼ノ士君子
道トモ云フベキ堂々タル一個ノ道德、個
ノ風俗ハ、是ハ英國ノ產物デアリマス、正
シキヲ履ンデ恐ルル母レ、ト、之ヲ一世ノ
主義トシタ「ジョン·ブライト」ノ六日間
ハ國事ニ鞠躬シテ、第七日目ニハ田舍ノ農
翁ト村落ノ寺院ニ於テ、田舍牧師ノ說〓ヲ
聽ク、「グラッドストン」彼等ハ英國ノ產物デ
アリマス、幼少ノ時ニハ正直、中頃ニハ國
ヲ建テ、晩年ニハ恬淡ノ生活ヲ營ンダ「ワ
シントン」、世界ニ於テ動モスレバ他國ヲ植
民地化セムトスル、奴隷化セムトスル此ノ
風潮ガ跋扈致シテ居リマス現代、若シク
ハ近キ過去ニ於キマシテ、率先シテ自國ノ
奴隷制度ノ廢止ヲ唱ヘマシタ所ノ「リンコ
ルン」、其ノ國ノ民衆ガ滔々タル產兒制限
ノ罪惡ノ病症ニ沈マムトシツヽアル時ニ、
我ガ一億ノ國民諸君ハ、今ヤ民族的自
殺ノ大罪ヲ犯シツヽアルト絕叫シテ、其ノ
國ヲ警告セル「セオドル·ルーズヴェル
トレ是等ハ皆、北米合衆國ノ產物デアル
ノデアリマス、自由ハ罪惡ノ溫床デアルト死
ニ臨ンデ絕叫シタ「マダム·ロオラン」、百十
年前ノ昔、過去ニアリマシテ、一切ノ個人主
義ハ沒落スルモノナリト大豫言ヲ與ヘテ、
國民竝ニ世界ヲ導キマシタ所ノ「オーギュス
ト·コント」、是等ハ皆「フランス」ノ產物デ
アルノデアリマス、然ルニ當該國民ト云フ
モノハ多ク之ヲ忘レマス、自國過去ノ偉人
ヲ忘レ、其ノ豫言ヲ反古ニスル所ノ國民ハ、
人カラ之ヲ見、敵國カラ之ヲ見マスレバ、
誠ニ與シ易キ國民ト見エル譯デアリマスル
ガ併シ大慈大悲ノ天カラ見マスルト云フ
ト、彼等ハ實ニ憐レムベキ赤子デアルノデ
アリマス、此ノ點ニ付キマシテ我ガ國モ動
モスレバ極メテ一小部分カモ知レマセヌガ、
此ノ弊ナキニアラズデアリマス、凡ソ世界
各國右ノ如キ英傑偉人、我ハ是ト相提携致
シマスルナラバ、皆以テ皇道ヲ實現スル所
ノ一方ノ雄ト任ズベキ者デアルノデアリマ
シテ、此ノ手續、此ノ手段ニ依ッテ翼贊ノ功
ヲ成スベキモノデアリマス、今日我ガ國ガ
支那事變ニ於テ行ヒ、且施シツヽアル所ハ
正ニ之ニ外ナラヌノデアリマス、其ノ志ヲ
共ニシ、其ノ道ヲ同ジウシ、其ノ德ヲ一ニ
シテ居リマス所ノ世界ノ正人賢士ト事ヲ謀
リ功ヲ建テ、以テ世界人間ノ進運ヲ致ス
ト云フ、是コソハ卽チ六合ヲ兼ネ八紘ヲ掩フ
所以デアリマス、是レ卽チ皇化ヲ世界ニ及
ス所以デアリマス、是レ卽チ大義ヲ四海ニ
布ク所以デアリマス、是レ實ニ天地ノ公道
ヲ行フ其ノ事デアリマス、是レ皇謨卽チ國
是國是卽チ皇謨ヲ現成スル所以デアルノ
デアリマス、此ノ事ハ固ヨリ明々又白々デ
アリマシテ、然ルニ動モスレバ之ヲ指斥シ、
動モスレバ之ヲ排斥シ、動モスレバ之ヲ擯
斥シテ至ラザルコトナキハ、直チニ是レ個
人本位、自個擴張、權利自由ト云フヤウナ
痼疾、半開思想其ノモノヽ行詰リデアルノ
デアリマス、我ガ國ガ、又我々ガ西洋ノ勢
力ノ東方ヲ壓スル、西勢東壓ヲ排シテ居リ
マスコトハ、西ヲ惡ムガ爲メデハナイ、唯
半開カラ來ル所ノ暗闇ヲ排斥スルノデアリ
マイ、東ヲ揭ゲテ西ノ來リ侵スコトヲ排擊
致シマスノハ、特ニ身最屓デ東ヲ誇ルノデ
ハナイ、東ヲ揚ゲルニアラズシテ卽チ光ヲ
揚ゲルコトニ外ナラヌノデアリマス、光ハ
東ヨリスト云フコトハ西洋人モ口癖ニ申
スコトデアリマスガ、私ハ玆ニ一問ヲ發シ
タイ、西洋人ハ能ク暗闇ハ西ヨリスト云フ
コトヲ認メ、且之ヲ首肯スルヤ否ヤ、我ガ
平沼內閣ハ恆德内閣デアラセラレル、私ハ
是等ノ點ニ於テ必ズ能ク成ス所アラレルヲ
信ズル者デアリマス、是レ私ガ本案ニ贊成
スルノ第二理由デアリマス、更ニ第三點
總理大臣以下內閣閣僚、政府ノ方々ハ皆一
致シテ長期建設ト云フコトヲ仰セラレル、
併シナガラ非常時デアルト云フコトヲ以テ
內政ヲ閑却セラルヽコトガ萬一アリトセバ
是ハ甚ダ理由ノナイコトト申サナケレバナ
ラヌ、長期建設ニ既ニ入ッテ居リナガラ、尙
爲スベキコトヲ爲サズト致シマスレバ、卽
チ是ハ永久爲サザルト云フコトニナリマセ
ヌデセウカ、斯樣ナコトヲ想像シテ平沼內
閣ニ對スルト云フコトハ實ニ想像スルダ
ケデモ禮ヲ失スルコトト私ハ自ラ責メザル
ヲ得ヌノデアリマス、明治四十一年十月十
三日、明治天皇ノ詔書ノ御言葉ノ中ニ、「戰
後日尙淺ク庶政益〓、更張ヲ要ス」、改革トカ改
新トカ云フコトハ少シク新シクテ、マダ餘
リ好クナイ香モ致スト感ズル人ガアリマス
ナラバ、此ノ庶政更張ト云フ此ノ御言葉ヲ、
更ニ拳々服膺シタラ如何ナモノデアリマセ
ウカ、誠ニ一例ヲ擧グルコトヲ許サレマス
ナラバ、此ノ議會ニ於キマシテ、此ノ議場
ニ於キマシテ阪谷男爵ガ、天地ノ公道ト云
フガ如キ言葉ハ今ノ靑年乃至成入ト雖モ
ガドウモ能ク分ラヌコトデアル、老練ニシ
テ經驗ニ富ンデ居ラレル阪谷男爵ガ斯樣ニ
仰セラレタ、若シ果シテ是ガ事實デアル
ト致シマスレバ、是レ抑、〓誰誰責ゾヤ、誰
ノ過ゾヤ、而シテ〓育ハ行ハレタリ、〓
政ハ立テリト申スコトガ出來マセウカ、學
問トハ何ゾヤト云フ此ノ疑問ヲ解決セズシ
テ何ノ學問ガアリマスルカ、〓育ノ淵源明
カナラズシテ何ノ〓育ガアリマセウカ、
國體ノ精華ヲ仰ガズシテ何ノ國體明徴ガア
リマセウカ、昨年ノ初夏ノ頃、荒木文部大
臣ハ新タニ共ノ椅子ニ御就キニナリマシタ
ガ、其ノ時ニ嘗テ陸軍大臣ノ椅子ニ御就キ
ニナッタ時ニ較ベテ、大臣ノ前後左右ノ風物
光景ハ、大臣ニ如何ノ感ヲ與ヘタデアリマ
スカハ、若シ私ガ特ニ親交ヲ賜ッテ居ル身分
デアリマスルナラバ、伺ッテ見タイヤウナ氣
ガセヌデモナイノデアリマス、凡ソ人格ン
認識ガ最モ不黴底ナルハ、我ガ〓育竝ニ
政ノ各部門ニ於キマシテ、何レノ方面ニア
ルト申スベキデアリマセウカ、人ト云フモ
ノハ久シク隷屬ノ地位ニ立チ、甚ダシキハ
奴隷ノ境遇ニ永ク立チマスト云フト、久シ
ウシテ遂ニ自主ノ心ヲ失フモノデアリマス、
自主ノ心ヲ失フテ居ル者ガ萬一〓育ニ當リ
マスト雖モ、ソレハ、能クスル處奴隷〓育ニ
止マルノハ、自然且必然デアリマセウ、漫
ニ支那ガ植民地化シタト云フコトヲ笑フコ
ト勿レ、我ガ國ノ精神生活ニ於テモ、植民
地化的現象ガ若干浸潤シ來リツヽアルト云
フ事實ガ毛頭ナイナラバ、我々ハ誠ニ雙手
ヲ擧ゲテ萬歲ヲ叫バザルヲ得ヌノデアリマ
ス、然ラバ其ノ他ドンナ事ガアラウカ、私
ハ政治ノ方面ニ付テ枚擧主義ヲ執ル位ノコ
トデ、總テヲ述ベルコトハ出來マセヌガ、
例ヘバ地方自治改革ト云フ大事業モアリマ
セウ、法律殊ニ民法ノ修理完成竝ニ司法行
政ノ更張ト云フコトモアリマセウ、議會制
度ノ根本考究ト云フコトモアリマセウ、外
政當事者ノ養成方竝ニ簡拔法ヲ刷新スルト
云フ問題モアリマセウ、國防國交一元論ノ
根本考察ト云フ問題モアリマセウ、文武合
體精神及ビソレニ對應スル所ノ制度ノ徹底
及完成ト云フ問題モアリマセウ、是等ハ申
ス迄モナク皆內政更張ノ內ニ入ルベキ頗ル
肝要ナル事項デアルノデアリマス、明治三
十七年七月十一日、東京帝國大學卒業式ニ、
畏クモ三伏ノ炎暑ヲ冒シテセ
北ノ路三代三色
幸ヲ賜リマシタ、
岡扱松井直吉ヲ御前近ク御召シニナリマシテ、
御沙汰書ヲ天下一般ノ〓育當事者竝ニ〓育
行政當事者ニ賜リマシタ、畏多ウゴザイマ
スルガ玆ニ奉讀致シマス、「軍國多事ノ際ト
雖モ〓育ノ事ハ忽ニスヘカラス其局ニ當ル
者克ク勵精セヨ」、軍事ノ忽忙ナルガ爲ニ文
政ヲ閑却スルト云フコトハヤッテハイケマ
セヌ、外政ノ基礎ガ內政ニ在ルト云フコト
ヲ忘レテハイケマセヌ、內政更張ハ政治ノ
銃後奉公其ノ事デアルト私ハ敢テ申シタイ
ノデアリマス、仄カニ承リマスルト、此ノ
頃東京ノ市會議員竝ニ府會議員百有餘ノ諸
君ガ、相議ッテ道和會ト云フ團體ヲ設ケ、智
恩報德ノ修行精進ヲナサムトスル、市會、
府會ノ歷史ヤ其ノ他ニ付テハ、私ガ本議場
ニ於キマシテ最モ僅カ存ジテ居ル者デアル
ト確信致シマスルガ故ニ、ソレ等ニハ一言
モ觸レマセヌガ、蓋シ或方面ノ闇雲ト云フ
モノハ、是カラ去ルベキデアラウト思ヒマ
スルノデ、誠ニ是ハ是等ノ人土ニ對シテハ
深甚ナル敬意ヲ表シ、社會風〓ノ爲ニ雙手
ヲ擧ゲテ喜ブベキコトデアルト存ズルノデ
アリマス、又仄カニ承リマスレバ、平沼內
閣總理大臣ニハ、遠カラズ御禊道場ト云フ
モノヲ村山貯水池畔ニ御建テニナルデアラ
ウカト云フヤウナ、是ハ所謂京童ノ傳へ、
新聞ガ申スダケデアリマスルノデ、之ヲ確
カニ左樣ト申スノデハアリマセヌケレドモ、
假ニ若シモ是ガ事實デアルトシマスルナラ
バ、其ノ期セラレルヽ所、其ノ將來ニ成シ
遂ゲラルヽ所ハ實ニ仰ギ見ルベキモノガア
ルデアラウト存ジマス、併シ是ハ何ト申シ
テ宜シイカ、私事トハ申サレマセヌガ、兎
ニ角公ノ事其ノ事デハナイ、假ニ私事ト
云フコトヲ、此ノ所デ假ニ御許シヲ願フコ
トガ出來マスルナラバ、私事ニ於テスラ斯
クノ如ク百年ノ長計ニ御著手ニナル、ソレ
ダケノ餘裕ヲ御持チデアリマスルナラバ、公
事ノ方面、內政更張ト云フ方面ニハ重要ナル
御施設、大イナル御努力ヲ遊バスコトハ、是
レ固ヨリ當然ト考ヘマス、是レアルガ故ニ、
私ハ平沼內閣ハ決シテ內政更張ヲ閑却遊バサ
レナイト云フコトヲ確信致ス者デアリマス、朞
月ニシテ、而シテ庶政一新、面目ヲ一新スル
デアラウト云フヤウニ考ヘタイ、我々ガ今
ヨリ九箇月ノ後ニ、再ビ帝國議會ニ於テ總
理大臣竝ニ內閣諸大臣ニ拜晤致シマスル場
合ニ於キマシテハ是等ノ事ガ蓋シ大部分
事實トナッテ現レテ居ルコトデアラウト確
信致ス者デアルノデアリマス、是ガ私ガ本
豫算案ニ贊成スル理由ノ第三デアリマス
次ニ是モ私ノ甚ダ不得手ノ方面デアリマス
ルガ、豫算ト云フモノニ對シテ、數字ヲ偏
重シ、其ノ實施活用ノ內容ト云フモノヲ、
稍〓輕ク視ルノデハナイカト云フ一ツノ癖ガ
我ガ國ノ政界、官界ニアルノデハナイカト
云フ此ノ感ジデアリマス、併シナガラ數字
ハ同一デアリマシテモ、政務ヲ實施スルト
云フ點ニ於テノ其ノ活用內容、是ニハ優レ
ルト劣レルト、實ニ千種又萬別デアルト申
サナケレバナラヌ、或軍人デアリマスル
ガ、ソレガ或調査審議機關ヲ評シテ申シマ
シタ、是ハ天下ニ公ニシテ居ル所ノ印刷物デ
申シテ居ルノデアリマス、是ハ前科者ノ寄
リ合デアルト、言葉ハ固ヨリ氣違ヒニ近イ
モノデアリマス、言フ者ニモ罪無シデハナ
1、罪ガアルケレドモ、聞ク者ハ幾分自ラ
警ムルニ足ルコトデアルト思ヒマス、平沼
内閣總理大臣ハ其ノ德ヲ恆ニシ、殊ニ精忠
ノ念ヲ以テ鞠躬盡瘁スベク奉仕ヲ遊バサレ
ル所ノ、畏多クモ至尊陛下ノ股肱デアラ
セラレル、私ハ平沼總理大臣竝ニ平沼內閣
ガ、豫算ヲ活用スルニ於テ斷ジテ其ノ內
容ヲ誤マラレザルト云フコトヲ確信致ス者
デアリマス、是レ四十六億ト云フ大豫算ニ
對シ、何等其ノ數字ニ對シテ、威壓ヲ蒙ル
ノ感モナク、絕對ニ此ノ大豫算ニ對シテ贊
成ノ意ヲ表スル其ノ理由ノ第四デアリマス、
玆ニ聊カ結末ヲ加ヘルコトヲ御許シ願ヒマ
ス、明治三十六年十月五日、對露同志會ノ
全國大會ガ東京歌舞伎座ニ開カレマシタ、
其ノ時ニ先公爵近衞篤麿君ハ已ニ宿痾膏肓
ニ入リテアラレマシタ、病床カラ特ニ覺書
ヲ寄セラレマシタル其ノ書中ニ斯樣ノ句ガ
アリマス、「余ハ不幸ニシテ今春以來大患
ニ罹リ今日尙不諸君ト共ニ邦家ノ爲ニ盡力
シ能ハザルモ、而モ病床寤寐、現今ノ時局
ニ對シ、從ラニ苟且姑息ニ流レテ其ノ解決
ヲ誤ルガ如キコトナカラムコトヲ憂慮シツ
ツアルモノナリ」、此ノ精忠日月ヲ貫クトデ
モ申シタイヤウナ訓ヲ遺サレマシテ、ソレ
ヨリ八十六日ノ後、三十七年正月元旦ニ遂ニ
薨去サレマシタ、年四十一一、今ノ公爵近衞文
麿君ハ其ノ時ニ年、甫メテ十四、偖、是ヨリ
四十日ニシテ我々五千萬皇國ノ臣民ハ、畏
クモ征露宣戰ノ大詔ヲ拜シタ次第デアリマ
ス、日月匁々三十三年、昭和十二年六月四
日ニ近衞公爵ハ大命ヲ畏ミテ內閣ヲ組織サ
レマシタ、越エテ一箇月經チマスルト支那
事變ト云フモノガ突發致シタ、併シ支那事
變ハ是レ天ノ數デアリマス、有史以來國運
發展ノ大イナル第八段ガ此ノ支那事變ニ依ツ
テ幕ガ切ッテ落サレタノデアリマス、楠正
成ハ七生滅賊ヲ誓ウタノデアリマス、近衞
先公爵ハ此ノ內閣ノ成立、此ノ支那事變ノ突
發ヲ以テ再ビ生レ復ッテ來ラレタト申シテ宜
シイノデアリマス、克ク忠ニ克ク孝ナラザル
ベカラザル「爾臣民」ト、明治天皇ハ御呼
掛ケ下サイマシタ、我々臣民共ノ第一人者、
齒正ニ壯デアリマス所ノ近衛文麿公爵ハ、
一天萬乘至尊陛下ノ內閣總理大臣デアリ、
一億ノ我々御民ノ首相其ノ人デアラレタノ
デアリマシタ、次デ同心一體ノ恆德重厚ナ
ル平沼總理大臣ガ之ヲ承ケラレマシタ、其
ノ內閣ニハ近衞無任所大臣ト云フ方ガ列セ
ラレルノヲ見ルノデアリマス、若シモ世ノ中ニ
政治的英斷ト云フモノガアリマスルナラバ、
斯クノ如キガ卽チ平沼內閣ノ劈頭、否平沼內
閣ノ組織誕生ノ厥ノ初ニ於ケル一大英斷ト
頌揚スベキ重大ナル善政デアルノデアリマス、
對外的、對事變的重大意義ハ固ヨリ論无シ、
更ニ其ノ道德的重大意義、所謂忠孝一門ニ萃
リ、天下ニ矜式シ、萬世ニ昭耀スル、斯クノ如キ
美事ヲ政治ヲ通シテ成シ遂ゲラレタノガ、
我ガ平沼內閣總理大臣デアラルヽノデアリ
マス、尤モ法律論議モ世ノ中ニ出マシタガ、
是モ亦必ズシモ無用デナイト言フダケニ止
メテ置キマス、今ヤ平沼内閣ハ總理大臣
ノ其ノ德ヲ恆ニセラルヽト、殊ニ又各大臣
ガ感激シテ相許シ、或人々ハ內閣ヲ去ラ、
或人々ハ新タニ內閣ニ入ル、何レモ是レ感
激相許セル者ニ非ザルハナシ、功名誰カ
復論ゼムト云フ意氣ト、總理大臣ト各大臣
トノ此ノ高尙ナル思想ト、此ノ熱烈ナル
意氣トヲ以テ、新タニ我ガ帝國議會ノ明鏡
相照スガ如キ協賛ヲ擁シテ、上下一致シテ
益〓正シキヲ養フノ心ヲ弘メ、將ニ經綸實
現ノ新段階ニ勇進適往セムトシツヽアルノ
デアリマス、其ノ公ニ奉ズルニ於テ鞠躬身
ヲ致サルヽト云フコトハ、知ルベクモアリ、
亦期スベキデアルノデアリマス、最後ニ聖
戰第一線ヲ初トシ、私ハ百將萬軍ノ盡忠至
誠ニ對シ、深甚絕大ノ感謝ヲ捧ゲマシテ
更ニ恭シク皇運ノ無窮ヲ祈リ奉リ、謹ンデ
國運ノ隆昌ヲ祝シ、以テ私ノ贊成演說ヲ結
ブコトニ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 岩倉男爵
〔男爵岩倉道倶君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=6
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007・岩倉道倶
○男爵岩倉道倶君 私ハ本豫算ヨリ遙カニ
多額ノ此ノ陸海軍ノ臨時軍事費ノ協賛ヲ致
シマスニ付テ、一言簡單ニ贊成ノ趣旨ヲ申
述ベタイト思ヒマス、昔カラ富國强兵、富
ンダ國ハ兵ガ强イ、是ハ聞キ慣レタ話デア
リマスガ、非常ニ含蓄ノ深イ言葉デアルト
私ハ思ヒマス、所謂士農工商ノ子弟ガ陸海
軍ノ兵士トナリマシテ、戰線ニ於テ所謂一
死ヲ鴻毛ノ輕キニ比シ、所謂安ンジテ君國
ノ爲ニ殉ズル、是ハ我ガ國ノ世界ニ冠タル
美風デアリマス、動モスレバ此ノ時局ノ重
大ナル爲ニ物事ガ行過ギル傾向ガゴザイマ
ス、或田舍デハ、「ラヂオ」ハ戰況「ニュースL
ノ外聽イチヤイカヌト云フヤウナ極端ナ所
モアリマス、斯クノ如キ所謂焦燥氣分デハ、
迚モ長期抗戰ハ私ハムツカシイト思ヒマス、
ソレデ所謂前線ノ兵士ノ安ンジテ君國ニ殉
ズル爲ニハ、矢張リ我ガ家庭ト云フカ、後
方ノ我ガ國內ト云フモノガ所謂民業安堵、
家計裕カト云フコトガ不可分ノ問題デアル
ト思ヒマス、デ私ハ、此ノ大豫算ヲ實行サ
レルニ當リマシテ、富國强兵ト云フコトヲ
政府ノ當路者ハ十分念頭ニ置カレマシテ、
出來ルダケ士農工商ノ生產ヲ安堵ヲセシメ
ルト云フ深キ心遣ヒヲ以テ、此ノ豫算ヲ實
行シテ戴キタイト切ニ希望スルノデアリマ
ス、是ハ近イ例ヲ申上ゲマスト、今カラ十
數年前、露國ト張作霖時代ノ滿洲ト、戰端
ヲ哈爾賓北方ニ於テ開キマシタコトガゴザ
イマス、其ノ時ニ「ロシア」デハ、戰線ノ兵
士ノ給與ヲ豐カニシナイト、所謂軍紀ニ關
スルト云フノデ、有ラユル物資ヲ戰線ニ集
中致シマシタ、戰線ノ兵士カラハ故〓ニ對
シ、我々ハ戰ニ來テ居ルケレドモ、每日
「バター」ヲ舐メテ居ル、每日牛肉ヲ食ッテ居
ル、防寒具モ十分デアルト、所謂安心ノ爲
ニ故〓ニ通信ヲ致シマシタ、然ルニ故〓カ
ラ之ニ對シテドンナ返事ガ來マシタカ、戰
爭位詰ラヌモノハナイ、我々ハ一月以上
「パン」ヲ食ックコトハナイ、「バター」ノ如
キハ臭ヒモ嗅イダコトハナイ、殆ド動物ノ
飼料ニ等シイヤウナ食物ヲ與ヘラレテ、辛
ウジテ命ヲ繫イデ居ルト云フヤウナ、戰爭
ニ對スル非常ナル不平ト不滿ノ手紙ガ戰線
ノ兵士ニ來タノデアリマス、ソレガ爲ニ非
常ニ戰線ガ動搖シマシテ、將ニ崩レカケム
トシマシタ時ニ、其ノ當時支那ニ無カッタ爆
擊機ヲ「ロシア」ガ急遽呼ビマシテ、張作霖ノ
軍ヲ爆擊シマシテ、僅カニ戰局ヲ收メタト
云フ極ク近イ實例ガアリマス、私ハ先程極
端ナル「ラヂオ」ノ例ヲ申上ゲマシタガ、ソ
レニ類シタ事ガ間々澤山アルト思ヒマス
ノデ、ドウカ民業安堵、戰線モ大事デアル
ト共ニ、之ガ源泉デアリ源デアル民業ノ安
堵ト云フコトニ付キマシテ、十分ニ御考慮
ヲ拂ハレマシテ、此ノ豫算ヲ御實行ニナラ
ムコトヲ切ニ希望スル次第デアリマス、今
一ツハ所調陸海軍ノ充實、是ハ所謂武士ノ
兩刀デアッテ、手利キノ武士ガ優レタ刀ヲ
差シテ居リマスト、容易ニ敵ガ馬鹿ニシナ
イノミナラズ所謂平和ノ裡ニ問題ヲ解決
シ得ルノデアリマス、我ガ國ハ陸海軍ガ優
レタル、優秀ナル、世界ニ冠タル素質ヲ持ツ
テ御イデニナルコトハ、國民ト共ニ非常ニ
喜ブ所デアリマス、是ト同時ニ、此ノ有力
ナル陸海軍ヲ背景トシマシテ、政治外交ニ
於テ有力ニ御活動ニナッテ、有終ノ美ヲ濟シ
テ戴キタイ、支那事變ハ戰爭デハアリマセ
ヌガ、我ガ國ト「ロシア」トハ締盟國デアリ
マス、然ルニ拘ラズ、兩國ノ間ニ協調サレ
テ居リマシタ漁業ノ問題ノ如キモ、此ノ十
五日ニハ不法ナ競賣ヲ將ニ施行セムトシテ
居ルノデアリマス、新聞、輿論ハ非常ニ之
ヲ重大視シテ、喧々囂々ノ聲ヲ上ゲテ居リ
マス、是ハ儼然タル基本條約ガ「ポーツマ
ス」條約ニ依ッテ結バレテ居リマスノデ、區々
タル手續法ニ依ッテ此ノ目的ヲ阻害スル如
キハ、所謂締盟國間ニアルベカラザルコト
デアリマス、併シナガラ露國ノ不當ナル進
出ノ爲ニ、壓迫ノ爲ニ、今ヤ日本ハ今年ニ
限ッテ、之ガ對抗ノ爲ニ、所謂三哩以外ノ公
海デアリマス沖取ノ漁業ヲ特ニ强化致シマ
シテ、每年百七十艘シカ行カナイ所謂機械
ノ附イタ獨行船ト云フモノヲ、農林省ハ本
年ニ限ッテ百三十艘增加サレマシテ、三百艘
ノ所謂大船隊ヲ以テ北洋ノ沖取ニ進出セム
トシテ居ルノデアリマス、恐ラクハ是ハ
「ロシア」ノ漁場ノ前ニ行ッテ網ヲ張リマシ
テ、「ロシア」ノ漁場ニ行クベキ魚ヲ三哩先
デ取ルト云フ計畫ト私ハ思ヒマス、併シ斯
クノ如キコトハ今日ノ情勢已ムヲ得ナイ牽
制ノ政策デアリマスガ、元來鮭、鱒ト云フ
モノハ眞水ヲ慕ッテ河ニ入ッテ魚ヲ生ムノデ
アリマス、河ニ入ッテ魚ヲ生ムベキ魚ヲ、河
ニ入ラサナイデ外デ獲リマスト云フコト
ハ、繁殖保護ノ上ニ於テハ甚ダ遺憾ナコト
ナノデアリマス、極端ニ之ヲヤリマスレバ
日本ノ魚ト、「ロシヤ」ノ魚ト區別シテアル
譯デアリマセヌカラ、極端ニ斯ウ云フコト
ヲ繼續致シマスレバ、所謂北洋ノ魚ト云フモ
ノハ十年ヲ出デズシテ無クナルダラウト
思ヒマス、斯クノ如キコトハ鮭鱒ニ取ッテ
ハ誠ニ無慈悲ナ政策デアリマシテ、是ガ外
交上ノ交涉ニ依リマシテ、圓滿ニ解決シマ
スナラバ所謂北洋ノ魚ノ問題ハ百年ヲ繼
續シテ日露兩國トモ永久的ニ產業トシテ成
立シ得ルモノト思ヒマス、今ヤ此ノ臨時軍
事費ノ中ニハ、恐ラクハ北洋ノ警備費ト云
フモノガ相當含マレテ居ルト思ヒマス、私
ハ三月十五日ノ競賣ヲ目ノ前ニ見マシテ、
外交當局ノ御努力ニ依リマシテ、「ロシア」
ト圓滿ナル解決ニ達シマシテ、若シモ北洋
警備費ノ一部ガ要ラナクナルヤウナコトガ
アレバ、非常ニ私ハ結構ダト思ヒマス、其
ノ意味ニ於テ私ハ今日ハ重大ナル追加豫算
計上ノ日ト思ヒマシテ、此ノ點ハ外務大臣
ノ御奮闘ヲ冀ヒマシテ、本豫算ヲ協贊スル
次第デゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=7
-
008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ニテ討論ヲ終
リマシタ、是ヨリ採決ヲ致シマス、御異議
ガナケレバ本案全部ヲ問題ニ供シマス、本
豫算案ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ願ヒマス
〔總員起立〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=8
-
009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 總員起立、全會
一致ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=9
-
010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 議事ノ都合ニ依
リマシテ一時休憩ヲ致シマス、午後ハ一時
半ヨリ開會致シマス
午前十一時三十三分休憩
午後一時四十三分開議発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=10
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011・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 休憩前ニ引
續キハ午後ノ會議ヲ開キマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=11
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012・井上匡四郎
○子爵井上匡四郞君 動議ヲ提出致シマス、
日露漁業問題ニ付テ外務大臣ニ對シ、此ノ
際緊急質問ヲ致シタイト思ヒマス、特ニ御
贊成ヲ願ヒタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=12
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013・兒玉秀雄
○伯爵兒玉秀雄君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=13
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014・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 井上子爵ヨ
リ、此ノ際緊急質疑ヲ致シタイトノ動議ガ
提出セラレマシタ、井上子爵ニ緊急質疑ヲ
許スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=14
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015・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、井上子爵
〔子爵井上匡四郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=15
-
016・井上匡四郎
○子爵井上匡四郞君 私ハ玆ニ政府ニ對
シ、緊急質疑ヲ致サムト欲スル者デアリマ
ス、卽チ日露漁業問題ニ付テ政府ノ所信ヲ
伺ヒタイト考ヘルノデアリマス、御承知ノ
如ク漁區ノ競賣ハ「ソ」聯政府ノ〓示ニ依リマ
スト云フト、明後十五日ニ擧行セラルヽコ
トニナッテ居ルノデアリマス、日本側ニ於キ
マシテハ、此ノ競賣ニ應ゼザルコトニ決定
致シテ居リマス、蓋シ此ノ事タルヤ單ナル
北洋ニ於ケル漁業ト云フ簡單ナル經濟問題
ニ止マリマセヌデ、之ニ伴ブ重大ナル政治
的ノ意義ガ包含サレテ居リマスルノデ、私
ハ此ノ演壇ニ起ッテ敢テ政府ニ其ノ所信ヲ
質問セムトスル所以デアリマス、先ヅ質問
ニ入リマス前ニ、北洋ニ於ケル我ガ漁業權
ヲ繞ル歷史ニ付テ、出來ルダケ簡單ニ御說
明申シテ見タイト考ヘマス、古イ歷史ハ慶
長四年松前藩万蝦夷地支配ノ覇權ヲ握ルニ始
マリマシテ、二百餘年間我ガ祖先ノ北洋ノ
風雪怒濤ヲ蹴ッテ、北方開拓、北洋ノ我ガ權
益ノ基礎ヲ築イタ事實ヲ顧ミマスレバ、今
日ノ北洋漁業權ハ過去二世紀ニ亙ル我ガ旣
得權益デアルコトハ、史上ニ燦トシテ明カ
ナル事實デアリマス、而シテ是ガ「ロシア」
トノ間ニ條約トシテ確認セラレマシタノハ、
實ニ日露戰爭ノ結果トシテ、明治三十八年
締結セラレマシタ「ポーツマス」條約第十一
條ニ據ルノデアリマス、此ノ第十一條ハ下
ノ如クデアリマス、「露西亞國ハ日本海、「オ
コーツク」海、及「ベーリング」海ニ面スル露
西亞領地ノ沿岸ニ於ケル漁業權ヲ日本國民
ニ供センガ爲メ日本國ト協定ヲ爲スヘキコ
トヲ約ス」、而シテ明治三十八年ヨリ四十
年ニ亙リマシテ、許可制ニ依リマシテ
此ノ北洋漁業ハ行ハレテ居ッタノデアリ
さく、明治四十年此ノ「ポーツマス」條
約ニ基キマシテ、日露漁業協約ガ締結セ
ラレテ、其ノ有效期限ハ十二箇年トシテ、
大正六年滿了トナッタノデアリマス、然
ルニ其ノ當時「ロシア」側ニ相手トスベキ政
府ガ未ダ存在シテ居リマセヌデシタ爲ニ、
大正七年、八年、九年、十年、十一年、此
ノ期間ニ於キマシテハ、日本政府ハ所謂事
務管理ノ形式ヲ以テ漁業ヲ繼續シテ居ッタ
ノデアリマス、大正十二年ニ至リマシテ「ウ
ラジオ」ニ赤衞軍ガ現レマシテ、是ト一箇年
ノ暫定協約ヲ取極メマシテ、大正十三年モ
同樣ノ形式デ出漁ヲ致シテ居ッタノデアリ
さく、大正十四年ニ至リマシテ、日「ソ」基
本條約ガ締結セラレマシタ、是レ所謂芳澤
「カラハン」條約又ハ北京條約ト稱スルモノ
デアリマス、此ノ第二條ニ「ボーツマス」條約
ノ效力ヲ確認セシメタノデアリマス、而シ
テ漁業ハ依然同樣ノ形式卽チ許可制度ニ依ッ
テ遂行セラレテ居リマシタ、而シテ昭和三
年日「ソ」漁業條約ガ締結セラルヽニ至ッタノ
デアリマス、此ノ昭和三年迄ノ北洋ニ於ケ
ル日「ソ」間ノ漁區ノ數ノ比率ハ、一貫致シ
マシテ、日本側ガ優ニ八割以上、「ロシア」
側後ニ「ソ」聯邦側ガ二割以下ヲ繼續シテ
居ッタノデアリマス、玆ニ特ニ注意ヲ要シ
マス事項ハ、明治四十年締結ノ日露漁業協
約昭和三年締結ノ日「ソ」漁業條約、此ノ
何レモガ其ノ主義ニ於キマシテ、其ノ待遇
ハ日「ソ」人ノ間ニ同樣ニスルト云フ主義ガ
一貫シテ居ルノデアリマス、又我々ノ注意
ヲ要スル點ハ、昭和三年締結ノ日ソ漁業條
約デアリマス、此ノ時ヨリ「ソ」聯ノ國營企
業ガ進出スルニ至リマシタ、而シテ同候約
ニ依リマシテ二百萬「プード」ハ競賣ニ付セ
ズ、國營企業ノ漁區トシテ優先的ニ取得ス
ルト云フコトデアリマス、此ノ二百萬「プー
ド」ノ漁區ト云フノハ、二百萬「プード」ヲ
漁獲シ得ル漁區ト云フ意味デアリマス、又
此ノ當時ヨリ「ソ」聯ニ於キマシテハ總テノ
企業ガ國營デアルニ拘ラズ、此ノ北洋漁業
ニ於テノミ數箇ノ個人ノ企業ヲ容認致シマ
シテ、此ノ少數ノ「ソヴィエト」個人ト日本
人トノ間ニ漁區ノ競賣ヲスルト云フ規定ヲ
致シタノデアリマス、然ルニ此ノ個人ト申
シマスモノハ、總テガ「ソヴィエト」政府ノ
傀儡デアリマスル爲ニ、如何ナル高キ競賣
ニ對シ入札ヲ致シマシテモ、其ノ金ハ「ソ
ヴィエト」國家ニ又還ッテ來ルノデアリマ
スルカラ、サウ云フ個人ト日本ノ企業
家トガ競走スルト云フコトハ到底不可能
ノコトデアルノデアリマス、果セル哉昭和
三年以降ハ彼我ノ比率ガ急ニ變更致シマシ
テ、新條約實施後第一年、卽チ昭和四年ニ
ハ日本側ガ五五·二「パルセント」、「ソ」聯側
ガ四四·八「パルセント」ト云フヤウナ變化ヲ
呈シテ來タノデアリマス、而シテ此ノ關係
ハ逐年日本側ノ漁區遞減ノ一途ヲ迪ッテ參ッ
タノデアリマス、斯ウ云フ情勢デアリマシ
タカラ、昭和六年時ノ廣田駐「ソ」大使ト
「ソ」聯政府トノ折衝ニ依リマシテ、昭和七年
八月所謂廣田「カラハン」協定ガ成立致シマ
シタ、之ヲ安定漁區ト稱スルノデアリマス、
此ノ協定ニ依リマシテ日本人ノ租借漁區ノ
大部分ガ······二百八十一一漁區デアリマス··
日「ソ」漁業條約ノ滿了迄競賣ニ付セズ經營
シ得ルト云フコトニナッタノデアリマス、
卽チ昭和七年ニ於キマシテハ日本ノ現有漁
區三百九十二ノ中、旣ニ安定セル漁區、卽
チ特別契約漁區、是ハ罐詰ヲ製造スル工場
ヲ持ッタ漁區デアリマシテ、之ヲ特別契約
漁區ト稱スルノデアリマス、是ガ四十四、
及ビ五箇年間期限借受漁區八、合計五十二
ヲ除キ、三百四十漁區ニ對シマシテ二百八
十二漁區ガ條約期限內卽チ向後五箇年間競
賣ニ付スルコトナク事業ヲ繼續シ得ルト云
フコトニナリマシテ、卽チ現有漁區ノ約八
割强ガ安定スルコトニナリマシタ爲ニ、年々
紛爭ヲ續ケテ來タ競賣問題モ稍〓一時平靜
ニ歸シタ感ガアッタノトデアリマス、併シ此ノ
廣田「カラハン」協定ニ注意スベキ點ハ、此ノ
協定ニ於テ日本側ハ安定漁區ヲ得マシタニ
對シマシテ、「ソ」聯側ハ三百萬「プード」ノ
國營漁區ヲ優先的ニ取得スルト云フコトヲ
規定致シタノデアリマス、卽チ日本側ノ安
定漁區ト三百萬「プード」ト云フモノガ、交
換條件トシテ此ノ協定ノ中ニ記載セラレテ
居ルノデアリマス、而シテ前ニ述ベマシタ
日「ソ」漁業條約ハ、昭和三年五月二十八日
ニ效力ヲ發生致シマシテ、有效期間ガ八箇
年デ、昭和十一年五月二十八日ヲ以テ滿了
トナリマス、而シテ期限滿了ノ際、修正改
訂ノ必要ナイ場合ニ於キマシテハ、同條約
ハ其ノ儘引續キ十二箇年效力ヲ延長スルコ
トガ規定シテアルノデアリマス、然ルニ同
條約ノ實施後日「ソ」雙方共ニ不都合ヲ感ジ
マシタ爲ニ、兩者會議ノ上改訂交涉ヲ行フ
コトニナリマシタ、此ノ交涉ハ種々ノ難關
ガアリマシテ、期限內ニ決定ヲ見ルコトガ
出來マセヌデ、從ッテ同條約ハ昭和十一年末
日迄延期シ、交涉ヲ解決セムト致シタノデ
アリマス、此ノ交涉ノ中樞ヲ流レテ居リマ
ス所ノ主張ヲ檢討致シマスルト、日本側ハ漁
業條約改訂ノ必要ガ、漁區ノ理由ナキ侵蝕
迫害ヲ防止セムトスルニ對シマシテ、「ソ」
聯側ハ日本人ノ所有漁區ヲ奪還セムトスル
意圖ヲ示シマシテ、主張ハ根本的ニ對立シ
タノデアリマス、併シ其ノ後第一囘暫定協
定ガ成立シ、引續キ交渉ヲ續ケマシテ、其
ノ結果ハ昭和十一年十月二日遂ニ妥協點ニ
達シマシテ妥協案文ヲ得マシタ、卽チ是ガ
酒匂「ガスロブスキー」協定ト稱スルモノデ
アルノデアリマス、此ノ協定ハ日本側トシ
テハ必ズシモ滿足シ得ルモノデハナカッタノ
デアリマスガ、互讓妥協ノ精神ニ依ッテ決定
ヲ見タノデアリマス、而シテ昭和十一年十
一月二十日ヲ期シ正式調印スルコトニナッテ
居ッタノデアリマスガ、其ノ前日、卽チ昭和
十一年十一月十九日、突如「ソ」聯側ガ國內
手續未了ト云フロ實ヲ以テ調印ヲ拒否致シ
マシテ、今日迄是ガ調印ニ至ラズ、今日紛
糾ノ因ヲ成シタノデアリマス、是ハ當時「ソ」
聯側ガ日本ト「ドイツ」トノ間ニ、防共協定ガ
締結セラレマシタコトヲ知リマシテ、之ヲ口實
ト致シマシタコトハ明瞭ナル事實デアルノデ
アリマス、而シテ日本ノ漁業權ヲ「ソ」聯側カラ
侵蝕致シマスルニハ、安定漁區ト云フモノガ彼
等ニ對シ如何ニ障碍デアルカト云フコトハ
彼等モ能ク之ヲ承知シテ居リマス故ニ、改
訂交涉ノ不成立ニ終リマシタ場合、安定漁
區ヲ含メタ現行條約暫定延長ヲ三囘モ繰返
シテ居ルノデアリマス、昨年ノ暫定取極交渉ニ
於キマシテ、今囘ハ「ソ」聯側ハ從來ノ日本人
ノ經營シテ居リマシタ漁區四十箇所ヲ、軍
事上ノ理由ニ依リ閉鎖スルト申シ來ッタノデ
アリマス、勿論此ノ閉鎖ヲ命ズル四十漁區
ハ日本人ノ漁區ノ中ノ最モ優秀ナルモノ
デアルト云フコトハ申ス迄モナイノデアリ
やく、之ニ對シ我ガ國ヨリハ四十漁區ノ
部ニ付「ソ」聯側ノ要望ヲ考慮シマシテ、代漁
區ヲ以テ我慢スルト云フ妥協案ヲ提出致シ
タノデアリマスルガ、是ハ「ソ」聯側ノ應ズ
ル所トナラナカッタノデアリマス、而シテ昨
年末「ソ」聯側ハ僅カ三漁區ノ閉鎖ヲ撤廢致シ
マシテ、六漁區ニ對シ代漁區ノ意味デ「ソ」聯
側ノ漁區六箇所ヲ競賣ニ出シマシテ讓步案
ヲ提出シタト稱シテ居ルノデアリマス、併
シ一度開設シマシタ漁區ヲ、斯クノ如キ理
由ナキ理由ニ依リマシテ閉鎖スルト云フコ
トハ、明カニ漁業條約ノ規定ニ反スルノミ
ナラズ、現實ニ漁業活動範圍ヲ狭メル結果
デアリマシテ、明カニ不法デアルノデアリ
そう、次ニ又昨年ノ暫定取極締結ノ條件ノ
一ツトシマシテ、日本人ガ昭和七年廣田「カ
ラハン」協定締結以來、引續キ經營シテ來
テ居リマシタ所ノ所謂安定漁區ヲ、今年ハ
總テ競賣ニ付スルト云フコトヲ主張シテ參ッ
タノデアリマス、此ノ安定漁區ハ二百七十
九箇所ヲ算シマシテ、邦人漁區ノ大部分ヲ
占ムルモノデアリマス、「ソ」聯側ハ廣田「カ
ラハン」協定ガ旣ニ失效シタコト等ヲ其ノ
主張ノ主ナル理由トシテ居ルノデアリマス
ルガ、元來廣田「カラハン」協定ハ漁業問題
ニ於ケル日「ソ」間紛爭ヲ解決スル爲、實情
ニ卽シタ方法トシテ締結セラレ、兩國國交
關係ニモ寄與シタコトガ少クナイノデアリ
マス、而シテ右協定期間滿了後モ昭和十一
年-度、十二年-度、兩度ノ暫定取極ニ際シマ
シテハ、右協定ニ依ル漁區ノ借區契約ガ其
ノ儘延長サレテ居ッタノデアリマス、尙又右
協定ノ中ニハ邦人漁區ノ安定ヲ認メル規定
ト對立致シマシテ、前ニ申シマシタヤウニ
「ソ」聯側ノ國營企業ノ爲、三百「プード」ニ
相當スル漁區ノ增加保留ヲ規定シテ居ッタ
ノデアリマス、デ此ノ兩者ガ相關聯致シテ
居ッタ、サウデアリマスカラ邦人ガ此ノ安定
漁區ヲ手放ス場合ニ於キマシテハ、「ソ」聯
側ハ此ノ國營企業ノ三百萬「プード」ヲ吐キ
出サナケレバナラナイコトハ當然デアルノ
デアリマス、然ルニ「ソ」聯側ハ旣ニ日本人
ノ安定漁區ヲ競賣ニ付スル旨公〓致シマシ
タ、一方ニ於キマシテ國營企業ノ漁區其ノ
モノハ「ソヴィエト」側ノ勝手デアルト云フ
主張ヲ固執シテ居ルノデアリマス、暫定取
極ニ於テ現狀維持ハ認メラレルコトノ當然
ナコトハ申ス迄モアリマセヌ、又「ソ」聯
ノ主張スル競賣ナルモノハ、前ニ申シマシ
タ如ク「ソ」聯內ノ制度事情ニ於テ其ノ儘行
ハルヽモノデアリマスルカラ、漁區ノ全部ガ
競賣ニ於テ「ソ」聯側ノ手ニ競落スルト云フ
コトハ又覺悟シナケレバナラヌコトデアル
ノデアリマス、斯カル競賣ノ提議ト云フモ
ノハ甚ダシク不當、不法ナ提議デアリマス、
又國營企業三百萬「プード」ヲ經營スルコト
ガ勝手ダトノ議論ノ不當ナルコトハ申ス迄
モナイコトデアリマス、尙又暫定取極トハ
別ニ、本漁業條約交渉ハ依然繼續セラレル
建前デアルノデアリマスルガ、前ニ申シマ
シタ如ク暫定取極締結ヲ困難ナラシメル提
議ヲ致シマシテ、漁業條約期間滿了前ニ、
同條約ノ有效期間ヲ延長セシムベキ暫定取
極ノ成立ヲ不可能ナラシムルコトハ、告〓
「ポーツマス」條約ノ規定、將又漁業條約ノ
規定ニモ反スル次第デアルコトハ申ス迄モ
ナイノデアリマス、昨年末日本側カラ「ソ」
聯ニ對シマシテ、今後ノ處置ハ如何ニスル心
構デアルカト云フコトヲ問ヒマシタ時ニ、
「ソ」聯ハ來年、卽チ今年デアリマスガ、來
年ニ入ッテ交涉ヲ繼續スル用意ガアルト云フ
コトヲ答ヘテ居ルノデアリマス、日本側ハ
此ノ言ヲ了承致シマシテ、本年ニ入ッテカラ
最短期間內ニ協定ガ成立スルコトヲ要望ス
ルト共ニ、此ノ交涉中ハ「ソ」聯側ハ現狀ヲ變
更スル如キ處置ヲ執ラヌモノト了解スル旨
ヲ昨年申入レテアルノデアリマス、例年十
二月末ニ公示サレル競賣漁區ノ公示ハ行ヒ
マセズ、「ソ」聯側モ交涉繼續中現狀維持ヲ
守ッタモノト日本側ハ信ジテ居ッタノデアリ
マス、然ルニ本年一月三日西參事官「ミロー
ノフ」極東部長ノ會談ニ於キマシテ、突
如「ミローノフ」ハ近ク本年度入札漁區ノ公
示ヲ行フ豫定デアルト云フコトヲ申出タノ
デアリマス、デ日本側ハ「ソ」聯ノ一方的不法
行爲ヲ糺彈致シマシタガ、「ソ」聯側ハ更ニ
二月ニ競賣ヲ行フト言ヒナガラ、一月十五
日ニ至リマシテ「ソ」聯側ニ來ル三月十五日、
卽チ明後日、極東漁業廳ニ於テ二百九十三
漁區ノ競賣ヲ行フ旨ヲ公示致シタノデアリ
さく、斯クノ如クシテ事態ハ急轉直下、現
狀ヲ呈スルニ至ッタノデアリマス、デ前ニ述
ベマシタ如ク本年「ソ」聯側ノ執ラムトスル
處置ハ、實ニ「ポーツマス」條約ヲ無視シ、日
「ソ」基本條約ヲ無視シ、日「ソ」漁業條約ヲ
無視シタ、實ニ暴戾極マル所爲デアルノデ
アリマス、此ノ漁業問題ト云フコトヲ他ノ
方面カラ見マスト云フト、今日ハ此ノ北洋
漁業問題ハ、北海道及東北ノ同胞ニ對シマ
シテハ、一年間ノ豫定サレタ年中行事ノ中
ノ重要ナルモノノ一ツデアルノデアリマス、
北洋漁業ニ從事スル者ハ一年二萬人ヲ下ラ
ナイノデアリマス、而シテ三四箇月ノ間北
洋ノ怒濤ト鬪ヒマシテ、少クトモ二三百圓
ノ金ヲ持ッテ歸ルノデアリマス、或者ハ親子、
孫迄モ、一家擧ッテ此ノ事業ニ從事スル者モ
アリマス、又多クハ一家ノ壯丁ガ夏季ノ間
激烈ナ勞働ニ服シマシテ、一家族ノ一年ノ
資ヲ作ルノデアリマス、北洋漁業ハ實ニ彼
等ノ生活ノ中ニ深ク喰入ッタ年中行事ノ一
ツデアルノデアリマス、若シ是ガ多少トモ
蹉跌ヲ來スヤウナコトガアリマスナラバ、
東北、北海道ニ多大ナル社會問題ヲ惹起ス
ベキ重大ナ性質ヲ帶ビ、單ナル營利事業デ
ハナイノデアリマス、由來「スラヴ」民族ハ
朴訥粗野ノ性格ヲ有シ、又同時ニ眞理ノ探
究ニ邁進スル性格ヲ有シ、又藝術的天才ニ
ハ豐カニ惠マレタ國民デアルノデアリマス、
古キ「ロシア」ハ世界文化ノ爲ニ貢獻シタ跡
モ少クナイノデアリマス、先ヅ科學ノ方面
ヲ見マスト云フト、「メンデレェフ」ノ元素
配列論ノ如キ、其ノ當時ニ於テ旣ニ今日ノ
理論科學ノ眞髓ニ觸レテ居ルノデアリマス、
近世ニ至リマシテハ「ハブロフ」ノ條件反射
論モ、生理學ノ上ニ新シイ光ヲ投ジテ居ル
ノデアリマス、其ノ他音樂、繪畫ニ對シテ
ハ此處ニ申スニ及ビマセヌ、併シ文化方面
ニ於ケル「スラヴ」民族ノ最モ卓越シタル方面
ハ文學デアルト考ヘラレマス、「プシューキン」、
「ツルゲネーフ」、「ドストエブスキー」、近
クハ「トルストイ」、「ゴルキー」ノ如キ、彼
等ノ思想ハ彼等ノ著書ヲ通シマシテ、日本
初メ各國ノ思想ノ上ニ影響シタ所ガ少クナ
イト考ヘルノデアリマス、併シ此ノ朴訥粗
野ナ性格ト一方非常ニ感傷的ナ性格ト、之
ニ加フルニ帝國「ロシア」ノ長イ間ノ惡政ノ
爲ニ、腐敗糜爛シテ居ッタ此ノ土壤ガ、恰モ
「レーニン」、、「トロツキー」及多クノ「ユダヤ」
系ノ指導者ニ依リマシテ、同ジク「ユダヤ」
系ノ「マルクス」ノ唱道致シマシタ共產主義
ヲ植付クルノニ都合ノ好イ溫床トナッタノ
デアリマス、西「ヨーロッパ」ノ所謂自由主
義、「デモクラシー」國家ニ於キマシテハ
其ノ自由ナル思想ハ政治ノ範圍ニ止ッテ居
ルノデアリマス、彼等ハ各〓各自ノ國家ノ歷
史、宗〓ニ依リマシテ傳統的、遺傳的或ハ
無意識的ニ、思想上ノ强イ掣肘ヲ受ケテ居
リマスガ故ニ、彼等ノ思想ハ決シテ完全ニ
自由ニハ成リ得ナイノデアリマス、此ノ好例
ト致シマシテ佛國ノ文豪「アンドレ·ヂー
ド」ノ「ソ」聯ノ紀行及「ソ」聯紀行ノ再修正
ト云フ二册ニ於テ明カナル如ク、是ハ「ヂー
ド」自身ガ、「ヂード」自身ノ自由主義ガ、無
意識ノ裡ニ矢張リ强キ掣肘ヲ受ケテ居ッタト
云フコトヲ、自覺セザリシ所ノ不明ヲ物語
ルモノデアルトモ言ヒ得ルダラウト考ヘル
ノデアリマス、然ルニ「ソヴイエト」國家ハ、
共產主義ヲ以テ政治ノ主義トナシタルト同
時ニ、之ヲ以テ亦道德、宗〓ノ主義ト致シ
タノデアリマス、仍テ彼等ニハ其ノ主義遂
行ノ爲ニハ何等之ヲ遮ルモノモナイ、故
彼等ノ國家ニハ我々ガ考ヘルヤウナ信義ノ
觀念ト云フヤウナモノハ存在致シマセヌ、
又存在スル必要ヲ認メテイノデアリマス、
恰モ日本ガ今日支那ト事ヲ構ヘ、國內ノ物
心兩力ガ稍〓衰退セルヤノ見當ヲ見誤リマシ
テ、又今囘ノ不法行爲ヲ以テ國內人心離反
ヲ塗糊スル內政手段ニ之ヲ利用シ、他方ニ
於テハ支那及其ノ他諸國ニ對スル好意ノ
「ゼスチユア」ニ利用セムトシツヽアルコト
ハ「ユダヤ」系ノ政治家ノ工作トシテハ能ク窺
ヒ得ルノデアリマス、又此ノ思想ノ流ハ、
今日「ソヴイエト」ノ内政ニ於キマシテハ
主義遂行ノ爲、肅正ノ名ノ下ニ、權威者ハ
私利私慾ニ驅ラレマシテ、其ノ朋友同輩ノ
間ニ、所謂血ヲ以テ血ヲ洗フヤウナ殘忍ナ
ル政治ガ行ハレツヽアルノデアリマス、又
此ノ思想ノ流ガ他ニ對シマシテハ、今囘ノ
漁業問題及北樺太ニ於ケル石油、石炭ノ權
益ニ對スル不法行爲トシテ現出シツヽアル
ノデアリマス、故ニ是ハ單ナル表面上ノ行
爲トシテノミ之ヲ見ルコトハ出來ナイノデ
アリマシテ、深キ思想上ノ根柢ヲ有スル問
題トシテ之ヲ取扱ハナケレバナラヌト考ヘ
ルノデアリマス、「ソ」聯ノ中心ヲ成ス「ユダ
ヤ」系ノ者ノ共產思想ニ依ル世界制覇、同
ジク「ユダヤ」系ノ金融業者ノ金融資本ニ依
ル世界制覇トハ、其ノ働ク場面コソ違ヒマ
スガ、又一抹ノ關聯ヲ見出シ得ルヤノ感ガ
致スノデアリマス、此ノ兩者ハ今世界ノ癌
デアルノデアリマス、斯ク觀ジ來リマスト
云フト、斯クノ如キ思想ハ假令隣邦デアッテ
モ、此ノ存在ヲ許スコトガ出來ナイノデア
リマス、「ソヴイエト」政府ハ或ハ此ノ北洋
漁業問題ト云ヒ、又北樺太ニ於ケル石油石
炭ノ問題ト云ヒ、是ハ日本ノ邊境ニ於ケル
#問題デアリマシテ、日本ハ之ニ對シテ最後
迄爭フヤウナ決心ハ持ッテ居ラナイノデハ
ナイカトノ觀念ヲ持ッテ居ルカモ知レマセ
ヌガ、是ハ日本國民ノ性格ヲ理解セザル甚
ダシキ誤謬デアルト考ヘルノデアリマス、
日本國民ノ血ノ中ヲ流レテ居リマス最モ崇
高ナル觀念デアル崇祖敬神ノ念ハ、又同時ニ
其ノ祖先ニ對スル深キ責任感ヲ喚ビ起スモ
ノデアリマス、北洋漁業權ト云ヒ、北樺太
ノ石油、石炭ノ利權ト云ヒ、唯偶然ニ日本
ノ領有ニ歸シタモノデハナイノデアリマス、
是ハ我ガ祖先ノ數萬ノ尊キ、〓キ血ヲ以テ、
不十分ナガラ償ヒ得タル遺產デアルノデア
リマス、吾人ハ之ヲ守リ、之ヲ子孫ニ傳ヘ
ル義務ト責任ヲ深ク感ズルノデアリマス、
從ッテ之ガ爲ニハ我々ハ如何ナル犧牲ヲモ
辭スルコトヲ許サレナイノデアリマス、此ノ
結果ハ或ハ重大ナル事態ヲ招來スルコトガ
アルヤモ知レマセヌガ、敢テ是ハ辭スル所
デハナイノデアリマス、私ハ此ノ場合深ク
「ソ」聯當局ノ深甚ナル猛省ヲ促シタイト考
ヘルノデアリマス、北洋問題ハ單ナル經濟
問題デハナイノデアリマス、是ハ重大ナル
政治上、外交上、思想上ノ問題デアリマス
ト同時ニ、東北、北海道ニ對シマシテハ重
大ナル社會問題デアルノデアリマス、我々
ハ之ニ對シテ最モ强キ決心ヲ持タムト考ヘ
ル者デアリマス、之ニ對シテ政府ノ御所見
ヲ承リタイト思ヒマス(拍手)
〔國務大臣有田八郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=16
-
017・有田八郎
○國務大臣(有田八郞君) 只今ノ井上子爵
カラノ御質問ニ答辯致シマス、北洋ニ於ケ
ル漁業權ノ本質、漁業條約交涉ノ經緯等ニ
付キマシテ、又「ソ」聯邦ノ理不盡ナ態度等
ニ付キマシテハ、只今子爵ガ御述ニナッタ通
リデアリマス、今囘ノ交涉ハ昨年ノ秋カラ
開始セラレマシテ、政府ハ今日迄冷靜ナル
態度ト非常ナル忍耐ヲ以テ交涉ニ當ッテ來
タノデアリマシテ、競賣ヲ明後日ニ控ヘテ
居ル今日ニ於キマシテモ、政府ハ同樣ノ態
度ヲ以チマシテ問題ノ處理ニ當リ、交涉ヲ
妥結ニ導クヤウニ最善ノ努力ヲ試ミツヽア
ル次第デアリマス、若シ「ソヴィエト」側
於キマシテ日本ノ此ノ道理アル要求ヲ無視
致シマシテ、交涉ヲ妥結ニ至ラシメズ、殊
ニ一方的ニ競賣ヲ斷行スル等、理不盡ナ態
度ヲ執ルヤウナコトガアリマスレバ、是 日
リ生ズル結果ニ付キマシテハ「ソ」聯邦ニ於
テ重大ナル責任ヲ執ルベキモノデアルト云
フコトハ言フヲ俟タナイノデアリマス、萬
一ノ場合ニ付キマシテハ政府トシテモ斷乎
タル決意ヲ以テ、此ノ權益擁護ノ爲ニ、最
モ有效ニシテ且適切ナル措置ヲ講ズル覺悟
デアリマス(拍手)発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=17
-
018・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第二、
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法律案、
政府提出、第一讀會、司法省政府委員
〔議長伯爵松平賴壽君議長席ニ著ク〕
〔左ノ提出文及法律案ハ朗讀ヲ經
サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下
之ニ倣フ〕
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法
律案
右
勅旨ヲ奉ジ帝國議會ニ提出ス
昭和十四年三月十日
內閣總理大臣男爵平沼騏一郞
司法大臣兼鹽野季彥
遞信大臣
商工大臣兼八田嘉明
拓務大臣
小原 久臣有田八郞
厚生大臣廣瀨久忠
大藏大臣石渡莊太郞
農林大臣櫻內幸雄
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法
律案
第一條本法ハ商法ノ改正及有限會社法
ノ制定ニ伴ヒ他ノ法律中從前ノ商法ノ
規定ヲ準用スル條文等ノ整理ヲ行フヲ
目的トシ各法律ノ配列ハ題名ヲ附セラ
ルルモノニ付テハ「アイウエオ」順ニ依
リ、題名ヲ附セラレザルモノニ付テハ
制定ノ年次ニ依ル
第二條家畜保險法中左ノ通改正ス
第三十三條商法第六百三十六條、第
六百三十七條、第六百三十八條第二
項、第六百三十九條、第六百四十條、
第六百四十三條乃至第六百四十六
條、第六百四十九條第一項、第六百
五十八條、第六百六十二條及第六百
六十三條ノ規定ハ本法ニ依ル家畜保
險ニ之ヲ準用ス
第四十七條第二項ヲ削リ同條ニ左ノ二
項ヲ加フ
組合員ハ總會ニ於テ決議ニ對シ異議
ヲ述ベタルトキ又ハ正當ノ理由ナク
シテ總會ニ出席スルコトヲ拒マレタ
ルトキニ限リ又組合員ガ總會ニ出席
セザル場合ニ於テハ自己ニ對スル總會
ノ招集ノ手續ガ法令又ハ定款ノ規定
ニ違反スルコトヲ理由トスルトキニ
限リ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
商法第八十八條、第百五條第三項、
第百九條及第二百五十條ノ規定ハ前
二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第九十五條商法第六百三十六條、第
六百四十三條、第六百五十八條、第
六百六十二條及第六百六十三條ノ規
定ハ本法ニ依ル家畜再保險ニ之ヲ準
用ス
第三條簡易生命保險法中左ノ通改正ス
第二十二條中「商法第三百九十九條及
第四百二十九條」ヲ「商法第六百四十三
條及第六百七十八條」ニューハ
第三十四條第一項中「商法第三百九十
九條、第四百一條、第四百六條、第四
百十七條、第四百二十八條、第四百二
十八條ノ四、第四百二十九條及第四百
三十二條ノ二」ラ「商法第六百四十三條、
第六百四十七條、第六百五十二條、第
六百六十三條、第六百七十四條、第六
百七十七條、第六百七十八條及第六百
八十二條」ニ、同條第二項中「商法第四
百二十八條」ヲ「商法第六百七十四條」
ニ、同條第三項中「商法第四百二十九
條」ヲ「商法第六百七十八條」コンスタ
第四條北支那開發株式會社法中左ノ通
改正ス
第十五條第三項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第五條漁船保險法中左ノ通改正ス
第二十八條第二項中「商法第三百八十
六條乃至第三百九十五條、第三百九十
七條、第三百九十九條乃至第四百條、
第四百三條第一項、第四百十二條、第
四百十三條、第四百十五條乃至第四百
十七條、第六百七十一條第一號乃至第
三號、第六百七十二條第一項、第六百
七十四條第一項第二項及第六百七十五
條乃至第六百七十九條」ヲ「商法第六百
三十一條乃至第六百四十條、第六百四
十二條乃至第六百四十六條、第六百四
十九條第一項、第六百五十八條、第六
百五十九條、第六百六十一條乃至第六
百六十三條、第八百三十三條第一號乃
至第三號、第八百三十四條第一項、第
八百三十六條第一項第二項及第八百三
十七條乃至第八百四十一條」ニ、同項
但書中「第六百七十二條第一項」ヲ「第
八百三十四條第一項」ニ、「第六百七
十四條第一項」ヲ「第八百三十六條第一
項」ニ改ム
第三十四條第四項中「商法第四百十五
條及第四百十六條」ヲ「商法第六百六十
一條及第六百六十二條」ニ改ム
第三十六條中「商法第三百九十一條、第
三百九十二條、第三百九十九條、第四
百條、第四百十二條及第四百十七條」ヲ
「商法第六百三十六條、第六百三十七
條、第六百四十三條、第六百四十六條、
第六百五十八條及第六百六十三條」ニ
改ム
第六條銀行法中左ノ通改正ス
第十五條中「商法第七十八條第二項」ヲ
「商法第百條第一項」ニ改ム
第十六條中「商法第七十八條第二項但
書」ヲ「商法第百條第一項但書」ニ、「商
法第二百二十條ノ二但書」ヲ「商法第三
百七十七條第一項但書」ニ改ム
第七條航空法中左ノ通改正ス
第二條第三號中「株式會社」ノ下ニ「及
有限會社」ヲ加フ
第八條國家總動員法中左ノ通改正ス
第十二條中「商法第二百條」ヲ「商法第
二百九十七條」ニ改メ「又ハ資本ノ增
加」及「又ハ第二百十條」ヲ削ル
第九條自動車製造事業法中左ノ通改正
ス
第十條第一項中「商法第二百條ノ規定
ニ依ル制限」ヲ「商法ニ規定スル制限」
三六人
第十條商業組合法中左ノ通改正ス
第三條ノ六第三項中「商法第三百八十
三條ノ二第二項及第三百八十三條ノ
三」ヲ「商法第六百二十七條第二項及第
六百二十八條」ニ改ム
第三條ノ九中「商法第三百七十五條乃
至第三百七十八條及第二一百八十一條乃
至第三百八十三條」ヲ「商法第六百十六
條乃至第六百十九條及第六百二十四條
乃至第六百二十六條」ニ改ム
第十一條商事非訟事件印紙法中左ノ通
改正ス
第一條中「商法」ノ下ニ「及有限會社法」
フックハ
第十二條人造石油製造事業法中左ノ通
改正ス
第十二條第一項中「商法第二百條ノ規
定ニ依ル制限」ヲ「商法ニ規定スル制
限」ニセルノ
第十三條船員法中左ノ通改正ス
第五十五條第六號中「商法第五百六十
一條」ヲ「商法第七百八條」ニ、同條第七
號中「商法第五百六十二條第一項」ヲ
「商法第七百九條第一項」ニ、同條第八
號中「商法第五百六十三條」ヲ「商法第
七百十條」ニ、同條第九號中「商法第五
百六十四條」ヲ「商法第七百十一條」ニ
改ム
第十四條船舶法中左ノ通改正ス
第一條第一項第三號中「株式會社」ノ下
ニ「及ヒ有限會社」ヲ加フ
第三十五條中「商法第五編」ヲ「商法第
四編」ニ改ム
第十五條臺灣拓殖株式會社法中左ノ通
改正ス
第七條第二項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第十六條擔保附社債信託法中左ノ通改
正ス
第十五條第一項中「商法第八十八條、第
八十九條、第九十六條第二項、第百條、
第二百二十六條第二項、第二百二十八
條第二項又ハ第二百三十二條」ヲ「商法
第百二十二條、第百三十二條第二項、
第百三十八條、第四百十七條第二項、
第四百二十六條第二項、其ノ準用規定、
有限會社法第七十二條第二項又ハ第七
十四條第二項」ニ、同條第二項中「商法
第二百二十八條第二項」ヲ「商法第四百
二十六條第二項(同法第四百五十八條
第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及有
限會社法第七十四條第二項」ニ改ム
第三十四條第一項中「商法第二百四條
ノ三第一項」ヲ「商法第三百五條第一項」
デビズ
第三十九條中「商法第二百六條」ヲ商
法第三百七條及其ノ準用規定」ニ、商
法第二百七條」ヲ「商法第三百八條及其
ノ準用規定」ニ改ム
第四十條第一項中「商法第百七十三條」
ヲ「商法第三百十七條」ニ改メ同項第一
號中「第七號、」ヲ削ル
第四十四條第二項及第四十五條第二項
中「商法第百七十一條第二項」ヲ「商法
第二百六十三條第二項」ニ改ム
第五十一條中「商法第百五十六條」ヲ
「商法第二百三十二條第一項乃至第三
項」二枚入り
第五十二條第二項中「商法第百六十一
條第二項乃至第四項」ヲ「商法第二百三
十九條第二項乃至第四項」ニ改ム
第五十五條第二項中「商法第百五十六
條第一項及第二項」ヲ「商法第二百三十
二條第一項及第二項」ニ改ム
第七十三條中「商法第二百七十七條」
ヲ「商法第五百十五條」ニ改ム
第百十九條ノ二第二項中「商法第二百
四條ノ三第三項」ヲ「商法第三百五條第
四項」ニ改ム
第十七條帝國燃料興業株式會社法中左
ノ通改正ス
第十三條第二項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第十八條抵當證劵法中左ノ通改正ス
第十五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
手形法第十三條第一項ノ規定ハ前項
ノ裏書ニ之ヲ準用ス尙其ノ裏書ニハ被
裏書人ノ氏名又ハ商號、裏書人ノ住所
及裏書ノ年月日ヲ記載スルコトヲ要ス
第四十條中「商法第二百七十八條第
二項、第二百七十九條、第二百八十
修第四百三十七條、第四百三十
八條、第四百四十條、第四百四十一
條第四百五十九條、第四百六十三
條第四百六十四條(第一項但書ヲ
除ク)第四百八十三條、第四百八十
八條ノ四、第四百九十五條」ヲ「商法
第五百十六條第二項、第五百十七條、
第五百十八條、手形法第七條、第十
五條第一項、第十六條乃至第十八條、
第三十九條第一項、第五十條、第六
十九條」ニ改ム
第十九條電氣事業法中左ノ通改正ス
第十九條第一項中「商法第二百條ノ規
定ニ依ル制限」ヲ「商法ニ規定スル制
限」ニ改ム
第二十條東北興業株式會社法中左ノ通
改正ス
第十一條第二項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第二十一條東洋拓殖株式會社法中左ノ
通改正ス
第二十三條第二項中「商法第百九十九
條及第二百條ノ二」ヲ「商法第二百九十
六條及第二百九十八條」ニ改ム
第二十二條取引所法中左ノ通改正ス
第十一條第三項中「商法第二百六十一
條」ヲ「商法第四百八十六條乃至第四百
九十七條、商法中改正法律施行法第一
條ニ於テ謂フ舊法第二百六十一條」ニ
改メ同項中「同年法律第百一號、」ノ下
ニ「有限會社法第七十七條乃至第八十
四條、」ヲ、同條第四項中「株式會社」ノ
下ニ「又ハ有限會社」ヲ加フ
第二十三條中支那振興株式會社法中左
ノ通改正ス
第十三條第三項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第二十四條日本勸業銀行法中左ノ通改
正ス
第三十四條第二項中「商法第百九十九
條及第二百條ノ一」ヲ「商法第一百九十
六條及第二百九十八條」ニ改ム
第三十五條ノ二第三項中「商號及商法
第百七十三條第二號、第四號乃至第六
號ニ揭ケタル事項」ヲ「商法第三百一條
第二項第一號及第三號乃至第五號ニ揭
ケタル事項竝債劵ノ番號」ニ、同條第
四項中「商法第二百四條ノ三第一項」ヲ
「商法第三百五條第一項」ニ、「商法第百
七十三條第四號乃至第六號」ヲ「商法第
三百一條第二項第三號乃至第五號」ニ
改ム
第三十五條ノ三中「商法第二百三條第
二項第一號乃至第三號」ヲ「商法第三百
一條第二項第一號乃至第五號、第七號
及第八號」ニ改ム
第二十五條日本興業銀行法中左ノ通改
正ス
第十二條ノ二第一項中「商法第二百條」
ヲ「商法第二百九十七條第一項第二項」
コンス
第十三條ノ二第三項中「商號及商法第
百七十三條第二號、第四號乃至第六號
ニ揭ケタル事項」ヲ「商法第三百一條第
二項第一號及第三號乃至第五號ニ揭ケ
タル事項竝ニ債劵ノ番號」ニ、同條第四項
中「商法第二百四條ノ三第一項」ヲ「商法
第三百五條第一項」ニ、「商法第百七十
三條第四號乃至第六號」ヲ「商法第三百
一條第二項第三號乃至第五號」ニ改ム
第十三條ノ三中「商法第二百三條第二
項第一號乃至第三號」ヲ「商法第三百一
條第二項第一號乃至第五號、第七號及
第八號」ニ改ム
第十四條ノ二第一項中「商法第百九十
九條及第二百條ノ一」ヲ「商法第二百九
十六條及第二百九十八條」ニ改ム
第二十六條日本產金振興株式會社法中
左ノ通改正ス
第十四條第二項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第二十七條日本製鐵株式會社法中左ノ
通改正ス
第十條及第十二條中「商法第二百十二
條ノ二ノ決議」ヲ「商法第三百四十八條
第二號ニ揭グル事項ノ決議」ニ改ム
第二十八條農業倉庫業法中左ノ通改正
ス
第七條ノ二第二項中「商法第三百八十
三條ノ二第二項及第三百八十三條ノ
三」ヲ「商法第六百二十七條第二項及
第六百二十八條」ニ改ム
第十一條中「第三百七十五條乃至第三
百七十八條及第三百八十一條乃至第三
百八十三條」ラ「第六百十六條乃至第六
百十九條及第六百二十四條乃至第六百
二十六條」ニ改ム
第十二條中「商法第三百七十六條」ヲ
「商法第六百十七條」ニ改ム
第二十九條農業保險法中左ノ通改正ス
第三十五條第一項中「商法第三百九十
七條、第三百九十九條、第四百條、第
四百三條第一項及第四百十七條」ヲ「商
法第六百四十二條、第六百四十三條、
第六百四十六條、第六百四十九條第一
項及第六百六十三條」ニ、同條第二項
竝ニ第三十六條第二項及第四項中商
法第四百十七條」ヲ「商法第六百六十三
條」二段六.
第四十五條第二項ヲ削リ同條ニ左ノ二
項ヲ加フ
組合員ハ總會ニ於テ決議ニ對シ異議
ヲ述ベタルトキ又ハ正當ノ理由ナク
シテ總會ニ出席スルコトヲ拒マレタ
ルトキニ限リ又組合員ガ總會ニ出席
セザル場合ニ於テハ自己ニ對スル總
會ノ招集ノ手續ガ法令又ハ定款ノ規
定ニ違反スルコトヲ理由トスルトキ
ニ限リ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
商法第八十八條、第百五條第三項、
第百九條及第二百五十條ノ規定ハ前
二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十九條第二項中「商法第四百十七
條」ヲ「商法第六百六十三條」三段六.
第七十八條第二項中「商法第三百九十
一條」ヲ「商法第六百三十六條」ニ、同條
第三項中「商法第三百九十七條、第三百
九十九條、第四百條及第四百十七條」
ヲ「商法第六百四十二條、第六百四十
三條、第六百四十六條及第六百六十三
條」ニ改ム
第三十條農工銀行法中左ノ通改正ス
第二十六條第三項中「商法第百九十九
條及第二百條ノ一」ヲ「商法第二百九十
六條及第二百九十八條」ニ改ム
第二十六條ノ二第三項中「商號及商法
第百七十三條第二號、第四號乃至第六
號ニ揭ケタル事項」ヲ「商法第三百一條
第二項第一號及第三號乃至第五號ニ揭
ケタル事項竝債劵ノ番號」ニ、同條第四
項中「商法第二百四條ノ三第一項」ヲ
「商法第三百五條第一項」ニ、「商法第百
七十三條第四號乃至第六號」ヲ「商法第
三百一條第二項第三號乃至第五號」ニ
改ム
第二十六條ノ三中「商法第二百三條第
二項第一號乃至第三號」ヲ「商法第三百
一條第二項第一號乃至第五號、第七號
及第八號」ニ改ム
第三十一條破產法中左ノ通改正ス
第二百七條中「商法第九十二條」ヲ「商
法第百二十六條」ニ改ム
第三十二條北海道拓殖銀行法中左ノ通
改正ス
第十二條第三項中「商法第百九十九條
及第二百條ノ二」ヲ「商法第二百九十六
條及第二百九十八條」ニ改ム
第十二條ノ二第三項中「商號及商法第
百七十三條第二號、第四號乃至第六號
ニ揭ケタル事項」ヲ「商法第三百一條第
二項第一號及第三號乃至第五號ニ揭ケ
タル事項竝ニ債劵ノ番號」ニ、同條第
四項中「商法第二百四條ノ三第一項」ヲ
「商法第三百五條第一項」ニ、「商法第百
七十三條第四號乃至第六號」ヲ「商法第
三百一條第二項第三號乃至第五號」ニ
改ム
第十二條ノ三中「商法第二百三條第二
項第一號乃至第三號」ヲ「商法第三百一
條第二項第一號乃至第五號、第七號及
第八號」ニ改ム
第三十三條牧野法中左ノ通改正ス
第二十條第二項ヲ削リ同條ニ左ノ二項
ヲ加フ
組合員ハ總會ニ於テ決議ニ對シ異議
ヲ述ベタルトキ又ハ正當ノ理由ナク
シテ總會ニ出席スルコトヲ拒マレタ
ルトキニ限リ又組合員ガ總會ニ出席
セザル場合ニ於テハ自己ニ對スル總
會ノ招集ノ手續ガ法令又ハ定款ノ規
定ニ違反スルコトヲ理由トスルトキ
ニ限リ前項ノ訴ヲ提起スルコトヲ
得
商法第八十八條、第百五條第三項、
第百九條及第二百五十條ノ規定ハ前
二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十四條無盡業法中左ノ通改正ス
第二十一條ノ二中「商法第七十八條第
二項」ヲ「商法第百條第一項」ニ改ム
第二十一條ノ三中「商法第七十八條第
二項但書」ヲ「商法第百條第一項但書」
ニ、「商法第二百二十條ノ二但書」ヲ
「商法第三百七十七條第一項但書」ニ改
ム
第三十五條硫酸アンモニア增產及配給
統制法中左ノ通改正ス
第十九條第二項中「商法第二百九條」ヲ
「商法第三百四十三條」ニ改ム
第三十六條臨時資金調整法中左ノ通改
正ス
第九條第一項中「商法第二百條ノ規定
ニ依ル制限」ヲ「商法ニ規定スル制限」
二次大
第十五條中「第五條、」ヲ削リ同條ニ左
ノ一項ヲ加フ
商法第二百九十六條乃至第二百九十
八條ノ規定ハ貯蓄債劵ニハ之ヲ適用
セズ
第三十七條大正十年法律第八十號中左
ノ通改正ス
第三條中「商法第七十八修第一一項」ヲ
「商法第百條第一項」ニ改ム
第四條中「商法第七十八條第二項但書」
ヲ「商法第百條第一項但書」ニ、「商法第
二百二十條ノ二但書」ヲ「商法第三百七
十七條第一項但書」ニ改ム
第三十八條大正十四年法律第五十二號
中左ノ通改正ス
第一項中「株式會社」ノ下ニ「及有限會
社」ヲ加フ
第三十九條昭和七年法律第十六號中左
ノ通改正ス
第一項中「商法第二十六條第二項ノ規
定」ヲ「商法第三十四條第一項及第二百
八十五條ノ規定竝ニ其ノ準用規定」ニ
改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
商法中改正法律施行法ニ依リ同法第一條
ニ於テ謂フ舊法ヲ適用スベキ場合ニ付テ
ハ從前ノ規定ハ仍其ノ效力ヲ有ス
〔政府委員倉元要一君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=18
-
019・倉元要一
○政府委員(倉元要一君) 只今議題トナリ
マシタ商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル
法律案ニ付キマシテ、其ノ提案ノ理由ヲ御
說明申上ゲマス、去ル第七十三囘帝國議會
ニ於テ御協賛ヲ得マシタ商法中改正法律及
有限會社法ニ付キマシテハ)目下銳意其ノ
施行ノ準備ヲ進メテ居ル次第デアリマスガ、
他ノ法律中現行商法ノ規定ヲ引用シテ居リ
マス條文等ニ付キマシテ、ソレ〓〓之ヲ改
正法ノ規定ニ置換ヘル等、條文ノ整理ヲス
ル必要ガアルノデアリマス、本案ハ專ラ右
ノ趣旨ヲ以テ第二條以下ニ揭ゲテアリマス
各法律ニ付必要已ムヲ得ザル限度ノ整理ヲ
致サウトスルモノデアリマス、尙詳細ノ點
ニ付キマシテハ他ノ機會ニ御說明ヲ申上ゲ
ル積リデアリマスガ、何卒御審議ノ上、本
案ニ對シ速カニ御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ
切望致ス次第デゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=19
-
020・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法律案
ハ、關聯スル所ガアリマスルガ故ニ、人事
調停法案外二件ノ特別委員ニ併託セラレム
コトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=20
-
021・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=22
-
023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=23
-
024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 此ノ際日程ノ順
序ヲ變更致シマシテ日程第五ヨリ第九ニ移
リタイト存ジマス、御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=24
-
025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=25
-
026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第五、昭和
十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公
債發行ニ關スル法律案、日程第六、作業會
計法中改正法律案、日程第七、兌換銀行劵
整理法中改正法律案、日程第八、農業再保險
特別會計法案、日程第九、海軍工廠資金會
計法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
ノ續、委員長報〓、是等ノ五案ヲ一括シテ
議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=26
-
027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議テイト認
メマス、委員長高橋子爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル爲公債發行ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
作業會計法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
兌換銀行劵整理法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
農業再保險特別會計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
海軍工廠資金會計法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十日
委員長子傳高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵高橋是賢君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=27
-
028・高橋是賢
○子爵高橋是賢君 只今議題トナリマシタ
ル昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債發行ニ關スル法律案外四件ノ法律
案ニ付キマシテ、特別委員會ノ審議ノ模樣
及其ノ結果ヲ御報告申上ゲタイト存ジマス、
本特別委員會ハ去ル二月二十一日正副委員
長ノ互選ヲ行ヒ、引續キ會議ヲ開キ、政府
當局ヨリ各法案ニ付其ノ提出理由ノ說明ヲ
聽取致シ、質疑ニ入リマシテ三月十日迄連
日會議ヲ重ネ、大藏大臣ニ二囘、農林大臣
ニ一囘ノ御出席ヲ煩ハシ、其ノ間或ハ速記
ヲ止メ、或ハ祕密會ヲ要求致シテ、各法案
ニ付キマシテ愼重審議ヲ遂ゲタノデゴザイ
マンク。先ヅ昭和十四年度一般會計歲出ノ財
源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律案ニ付
テ申述べマス、一般會計ニ於ケル昭和十四
年度ノ歲入ハ前年度剩餘金ヲ充當シテ、尙
八億九百十餘萬圓ノ不足ヲ生ズルノデ、之
ヲ補塡スル爲ニ現行ノ公債法ニ依ル震災善
後公債及道路公債ノ分ヲ差引キタル七億
九千五百八十萬圓ノ公債發行ノ權能ヲ政府
ニ與フルノデアリマス、此ノ法案ソレ自體
ハ誠ニ簡單デアリマスガ、我ガ財政經濟ノ
上ニ甚ダ重要ナル役割ヲ致シマスル問題デ
アリマスルノデ、之ガ審議ニ際シマシテハ、委員
諸君ヨリ種々ナル方面ノ參考資料ヲ御要求
ガアリ、ソレニ依ッテ色々ノ觀點カラ、有ラユ
ル角度カラ考察シテノ頗ル多岐ニ亙ル質疑
應答ガ行ハレタノデアリマス、是ハ要スルニ近
年國債ガ激增シ、又將來ニ於テモ累增ノ
傾向アル所ノ此ノ公債ノ消化ハドウデアラ
ウカト云フコトヲ心配サルヽ爲ニ、頗ル眞
摯且熱心ナル質問ガ爲サレタノデアリマス、
是ハ昭和十四年度總豫算ニ竝行シテ議サル
ベキモノト思ッテ居リマスガ、總豫算ハ旣ニ
貴衆兩院ニ於テ論議ヲ盡サレ、旣ニ可決ト
相成ッタ次第デアリマスルノデ、極ク簡單ニ
本委員會ニ於ケル質問應答ノ模樣ヲ申上ゲ
テ、詳細ハ速記錄ニ依ッテ御承知ヲ願フコト
ト致シマス、質疑ノ大體ヲ申上ゲマスレバ、
先ヅ金利問題、高利債借替問題、國債ノ民
衆化問題、公債發行ノ方法及物價問題等デ
ゴザイマシタ、政府ハ低金利ノ徹底ヲ意圖
セラレルガ、其ノ目標ハ何處ニ置カレルカ、
又中央ト地方トノ金利ノ平準、及ビ不均衡
ヲ是正スル御考ハナイカト云フ御質問ニ對
シマシテ、政府ハ金利ノ目標ハ先ヅ三分五
厘ヲ基準トシテ居ル、又中央ニ於ケル金利
ト地方ニ於ケルモノトハ必ズシモ一樣ニハ
考ヘテ居ラヌガ、成ルベク金利ノ水準ノ幅
ヲ狹バメテ、餘リ多クノ開キノナイヤウニ、
各地金融業者及銀行業者等ノ間ニ懇談會ヲ
設ケテ、適當ニ協議セシムルヤウ指導ヲシテ
居ル次第デアルト云フ御答辯デアリマシ
タ、次ニ高利公債問題、一委員ヨリ現存スル高
利公債ヲ低利ニ借替ヘル時ハ、其ノ利拂ニ於
テ幾分ナリトモ一般會計ノ不足ヲ補フコト
ニナルト思フガ、政府ハ其ノ考アリヤト云
フ問ニ對シマシテ、政府ハ高利公債ノ整理
ハ成ルベク早イ機會ニ於テスルコトハ勿論
望ム所デアルガ、何分ニモ一方ニ於テ巨額
ノ公債ヲ次々ニ發行シツヽアル今日ノ情勢
ニ於キマシテハ、其ノ時期ニ非ズト考ヘテ
居ルト云フ御答デアリマシタ、第三ニハ國
債ノ民衆化問題デアリマス、委員諸氏ヨリ、
政府ノ公債ヲ一般國民ニ廣ク持タシムルヤ
ウニシテハドウデアラウカ、サウ云フ御考
ハナイカト云フコトヲ、「アメリカ」或ハ
佛國ノ例ヲ擧ゲテ御尋ガアッタノデアリマ
スカ、之ニ對シテ政府ハ公債ノ消化ニ付テ
ハ、銳意努力ヲ爲シ、成ルベク廣ク個人ニモ
持タセルヤウニ各方面ニ向ッテ勸誘モシ、
又郵便局窓口ヨリ公債ノ賣出ヲ行ッテ居ルノ
デアル、第四ニハ公債發行ノ方法ニ付テノ
御質問デアリマシタ、委員諸君ヨリ熱心ナ
ル質問ガアリマシテ、卽チ從來政府ガヤッテ
居ラルヽ國債發行ノ方法ト云フモノハ、何
トナク手緩イヤウニ思ハレル、政府ハモット
積極的ニ公債募集ヲ大衆化スル爲ニ、各方
面ニ亙リ專門家卽チ銀行業者或ハ證劵業者
ト云フヤウナモノヲ動員シテ、廣ク公債ノ
頒布ヲ圖ル考ハナイカト云フ御質問デアリ
マシタ、之ニ對シテ政府ハ國債ノ消化ニ關シ
テハ極力意ヲ注イデ出來ルダケ個人々々ニ
直接所有セシムルヤウ努力致シ、郵便局窓
口ノ賣出等モヤッテ居ル、又一面ニハ貯蓄ノ
奬勵ヲ爲シテ居ルガ、何分ニモ我ガ國民ノ現
狀ニ於テハ、「フランス」ヤ「アメリカ」ノヤ
ウニ、進ンデ自ラ公債ニ應募スルト云フ習慣
ガ養ハレテ居ラヌカラ、直接大衆ニ持タセル
コトハナカ〓〓容易ナ業デハナイ、併シナ
ガラ一面ニ於テ郵便貯金其ノ他貯蓄銀行等
ノ夥シキ預金ノ增加ヲ示シテ居ルガ、其ノ
大部分ハ預金部ヲ通ジテ公債ノ消化ニ向ケ
ラレテ居ルノデアルカラ、國民個々ノ公債
所有高ハ少額デアリ、又其ノ人員モ少數デ
アルガ、結局頂金部ヲ通ジテ民衆ガ國債ヲ
所有シテ居ル形トナッテ居ルノデアル、併シ
ナガラ公債頒布ノ理想卽チ大衆ニ直接所有
セシムルヤウニスルト云フ爲ニハ、其ノ方
法手段等ニ付テ色々考へラルベキコトガマ
ダ殘ッテ居ルト思フカラ、尙十分〓究ヲシテ、
出來得ルモノハ實行ニ移シタイト考ヘテ居
ルトノ答辯デアリマシタ、尙之ニ關聯致シ
マシテ、公債ノ發行手數料問題等ニ付、二
三質疑應答ガアリマシタガ、是ハ省略致シ
やく、最後ニハ物價問題デアリマス、物價
問題ニ付テ委員諸君ヨリ國債ノ累增ニ依リ
紙幣ノ發行ノ增加ハ免レヌコトト思フガ、
從ッテ此ノ紙幣ノ急激ナル膨脹ハ軈テ物價
ノ騰貴ヲ誘發スルト思フガ、政府ノ所見如
何ト質サレタノデアリマス、之ニ對シテ大
藏大臣ハ、戰時經濟ノ膨脹ノ結果、國債ノ
發行額ガ累增スレバ、ソレニ連レテ紙幣ガ
增シテ來ル、從ッテ物價ノ騰貴ヲ促スト云フ
コトハ誠ニ免レザル現象デアルガ、玆ニ於
テカ政府ハ種々方法ヲ講ジテ公債ガダブ付
カヌヤウニ其ノ消化ニ努力シテ居ルノデ、
今日ノ所デハ公債ノ消化ハ順調デアル、從ッ
テ紙幣增加ノ方面ヨリ來ル所ノ物價騰貴ハ
マダ起ッテ來テ居ラヌト考ヘテ居ル、併シナ
ガラ他面ニ於テ物資需給ノ關係カラ招來ス
ル所ノ物價騰貴ニ對シテハ、商工省ニ於テ
或ハ中央物價委員會ニ於テ種々ナル對策ヲ
考究シテ、出來ルダケ之ヲ抑制スルノ對策
ヲ講ジテ居ル次第デアル、卽チ物品ノ思惑
ヲ抑制シ、又金融方面ヨリモ是等ノ思惑ノ
爲ノ融資ヲスルコトヲ制限スル等ノ手段ヲ
執ッテ居ル、又現今ノ戰時財政ニ於テハ勢ヒ
紙幣ノ增加シ來ルコトハ免レヌノデ、之ガ
爲ニ物價ノ騰貴ヲ來スヤウナコトガアッテ
ハ、戰時經濟全般ノ運用ニモ支障ヲ來スコ
トト思フカラ、政府ハ一面ニ於テ增稅ヲナ
シ、他面ニ於テハ貯蓄ノ奬勵ヲシテ、努メ
テ購買力ノ削減ヲバ圖ッテ居ル次第デアル
トノ答辯デゴザイマシタ、次ニ作業會計法
中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、是ハ海
軍火藥廠ノ運轉資金ガ現在二百萬圓トナッテ
居ルノヲ、近年同作業所ニ於ケル製造施設
ノ擴張ニ伴ヒ、事業ノ分量モ著シク增大シ
テ來マシタノデ、從來ノ運轉資本デハ作業
遂行上多大ノ困難ヲ來シマスルニ依リ、此
ノ際前述ノ法定額ヲ四百萬圓ニ增額セムト
スルノデアリマス、右ニ關シテハ一二ノ質
問應答ガアリマシタガ、政府ノ說明ヲ諒ト
サシマシタ、次ニ兌換銀行劵整理法中改正
法律案ニ付テ申上ゲマス、是ハ昭和二年ニ
制定サレマシタル法律ニ依リマシテ、明治
十八年頃カラ發行ニ係ル所ノ古イ紙幣ヲ整
理致シ、本年三月末日ヲ以テ一應整理ガ完
了スルコトトナッテ居リマシテ、其ノ結果約
四千萬圓餘ノ利得ニナリマスルガ、是ハ悉
ク國債償還ノ基金ニ充當スルコトニ定メラ
レテ居リマスルガ、政府ハ我ガ財政ノ現狀
ニ鑑ミ右ノ繰入ヲ廢止致シマシテ、之ヲ一
般會計歲出ノ財源ニ使用スルコトヲ適當ト
認メテ、本法案ヲ提出シタトノ御說明デア
リマシタ、委員ヨリ二三質問ノ末、政府ノ
說明ヲ諒ト致シマシタ、次ニハ農業再保險
特別會計法案ニ付テ御報告申上ゲマス、本
法案ハ昭和十三年四月公布セラレマシタル
農業保險法ニ依リマスレバ、農業保險組合
聯合會及政府ハ農業保險ノ再保險事業ヲ行
フコトトナッテ居ルノデアリマス、卽チ農業保
險組合聯合會ハ農業保險組合ノ經營スル農業
災害ニ付テ、元受保險ニ對シテ步合再保險ヲ行
ヒ、政府ハ其ノ組合聯合會ノ經營スル再保險
中、異常炭害ニ對スル部分ニ付更ニ再保險
ヲ爲スコトトナッテ居ルノデアリマス、本事
業ニ關スル政府ノ歲入歲出ハ、他ノ政府經
營ノ保險事業ト同樣ニ之ヲ一般會計ヨリ切
放シ、特別會計ヲ設置シテ經理スルノヲ最
モ適當ト認ムルノデアルト云フ御說明デア
リマシタ、此ノ法案ハ普通ノ保險トハ違ッタ
形ヲ取ッテ居リマスルノデ、多數ノ委員諸君
ヨリ其ノ內容ニ關スル多クノ質問應答ガ行
ハレタノデアリマスルガ、之ガ詳細ヲ申述
ベマスルコトハ頗ル込入ッテ居リ且時間モ
掛カルコトト思ヒマスルノデ、此處ニハ各
委員諸君ノ質疑應答ヲ綜合的ニ且極メテ要
約致シマシテ御報告申上ゲ、詳細ハ速記錄
ニ依ッテ御了承ヲ願フコトト致シタイト存
ジマス、先ヅ保險金及保險料率ニ付テノ質
問ガゴザイマシタ、政府ハ保險金ハ地方ト
作物トニ依ッテ異ルガ、米ニ付テハ一段當
リ平均二十圓、桑ニ付テモ二十圓、又麥
ニ付テハ十圓トナッテ居ル、地域ニ依ッテ
ハ最高水稻ニハ四十圓迄ヲ認ムルノデア
ル、サウシテ聯合會ハ其ノ七割ヲ再保險ス
ルト云フコトニナル、尙小作ノ場合ニハ地
主ト小作ト半々ト相成ル譯デアル、又保險
料率ハ平均三·七八「パーセント」デアリマシ
テ、其ノ內組合聯合會ガ二·三一「パーセン
ト」政府ガ一·四七「パーセント」ヲ取ルコ
トニナッテ居ル、委員ヨリ保險組合ト保險聯
合會ト政府ト、此ノ三段ニナッテ居ルガ、其
ノ各〓ノ危險率ノ分擔ハドウ云フ風ニナルノ
カ、又ソレ等ノ計算ノ基礎ハ何處ニアルノ
カト云フ御質問ニ對シマシテ、政府ハ、本
法案ニ依ル事業ノ目的ハ農家ガ當然得ベ
カリシ收穫ヲ、或災害ノ爲ニ一部又ハ全部
ヲ失フタ時ニ、農家ガ現金デ支出シタモノ、
卽チ種代デアルトカ、或ハ肥料代デアルト
云フヤウナモノヲ塡補救濟スル程度ノ目標
ヲ置イテアルノデアル、デソレハ過去十七
年間ニ亙ル各地域ノ災害ヲ統計的ニ積算ヲ
致シテ、其ノ結果ヲ十七箇年ニ除シタル平
均ノ被害率ヲ算出致シ、之ニ偏差ト申シマ
スルカ、卽チ或安全率ヲ加算シタルモノヲ、
其ノ地域ノ普通被害率ト致シマシテ、其ノ
被リタル所ノ災害ガ此ノ率ヲ超エザルモノ
ハ普通災害ト致シテ、全部組合聯合會ニ於テ
支辨スルコトト致シ、若シ資金等ノ不足ガ
アッタ場合ニハ聯合會ノ責任ニ於テ他ヨリ
借入レテ處辨ヲセシメルノデアル、其ノ率
ヲ超エク所ノ大災害ガ發生シタル時ニ初メ
テ政府ガ發動シテ、本法ノ特別會計ヨリ普
通災害率ヲ超エクル部分ニ付支拂ヲ爲スコ
トトナルノデアルト云フ御答辯デアリマシ
ク、尙政府ハ初年度ニ於テハ百四十一組合
ヲ作リ、次ニ四十七組合ヲ加へルト云フ風
ニシマシテ、先ヅ五箇年位シタナラバ四千
町步ノ保險ガ出來、大體自立ノ經營ガ出來ル
コトト思フ、ソレ迄ハ附加保險料ニ相當スル
モノヲ一般會計カラ補助ヲスル建前ニナッテ
居ルノダト云フコトデアリマシタ、又特ニ
農林大臣ノ御出席ヲ要求致シマシテ、保險
政策問題ニ付テ質問ガゴザイマシタ、ソレ
ハ政府ニ於テ色々官營保險ヲ爲サッテ居ラ
レルガ、又本議會ニモ保險法案ガ新ラシク
出ルヤウデアルガ、是ハ各省ガ別々ニ經營
ヲサレテ、其ノ監督ハ又商工省ガヤッテ居ラ
ルヽト云フ工合ニ區々ニナッテ居ルヤウデ
アルガ、今迄ノ所ハ是デ宜シイデ、アリマセ
ウガ、保險業モモウ段々成績ヲ擧ゲ發展ヲ
シテ來ルニ依ッテ、之ヲ一ツノ機構ノ下ニ、卽
チ保險省トカ、保險院トカト云フヤウナモ
ノノ下ニ統括シテ、ソコヘ總テノ專門家ヲ
集メテ、各部門ノ保險行政ヲ掌ラシメルト
云フコトニシタナラバ、事務上ニモ非常ニ
便宜デモアリ、調査ニモ便宜デアリ、又國
ノ費用モ幾分節約セラルヽコトト思フノデ
アルガ、政府ノ御考ハドウカト云フ質問ニ
對シ、農林大臣ハ此ノ事ニ關シテハ數年
前ヨリ考慮ヲシテ居リ、折角調査ヲ進メタ
ノデアルガ、是ガ中絕致シテ居ッテ、マ
ダ十分ナ調査ガ出來テ居リマセヌノ
デ、從ッテ結論ニ到達スル迄ニ至ッテハ居リ
マセヌ、併シ今囘モ此ノ方面ノ調査ハ極力
進メテ居リマスルノデ、諸般ノ調査ガ完了
シタル上ニ於テ如何ニ統制スベキヤ、如何
ニ取扱ッタラ宜シイカト云フコトニ付テ篤ト
考慮ヲ遂ゲタイト云フ御答辯デアリマシタ、
最後ニ海軍工廠資金會計法中改正法律案、
之ニ付テ申上ゲマス、本改正案ハ海軍工廠
資金ノ現在ノ法定額ハ二千萬圓デアリマシ
テ、昭和八年ニ臨時補足金トシテ三千萬圓、
合計五千萬圓トナッテ居リマスルガ、此ノ臨
時補足金トシテ受ケタ所ノ三千萬圓ハ殆ド
目下固定シテ居ル狀態デアリマスルノデ、
實際運用資金ト致シマシテハ、固有ノ二千
萬圓デアリマスルガ、段々ト工廠ノ事業ガ
增大致シマシテ、法定ノ資金グケデハ到底
遂行シ得ザル次第トナッタ爲ニ、今囘三千萬
圓ノ增額ヲ必要トスルト云フ御說明ガアリ
マシタ、二三ノ委員カラ資金ノ囘轉數、或
ハ二千萬圓ヲ限度トシテ臨時軍事費カラ物
品ヲ振替ヘル件ナドニ付テ質疑應答ガ行ハ
レマスタガ、是等ハ速記錄ヲ御覽ヲ願フコ
トト致シマス、大體以上申述ベマシタヤウ
ナ質問應答ヲ終リマシテ討論ニ入リマシタ、
一委員ヨリ、戰時財政ノ下ニ於キマシテハ、
公債ノ增發ハ誠ニ己ムヲ得ヌコトト思ヒマ
スルガ、唯我々ノ心配スル所ハ是等多額ノ
公債ガ、果シテ國民貯蓄ノ增加ト均衡ヲ保ッ
テ行クカドウカ、卽チ順調ニ且、大シタル
無理ガナク消化シテ行クカドウカト云フ點
デアリマス、併シナガラ此ノ委員會ニ於テ
政府カラ示サレタル數字ヲ見、又當局大臣
ヨリノ詳細ナル御說明ニ依リマシテ、我々
ハ左程心配セヌデモ宜イト云フコトガ稍〓明
瞭トナリマシテ、誠ニ心强ク感ズル次第デ
アリマス、併シナガラ公債ノ大衆化ニ付テ
ハ、政府ハ國債發行ノ方法手段等ニ關シテ
篤ト御考慮ヲ願ヒ、將來一層ノ御努力ヲ拂
ハレムコトヲ希望スルト云フ希望ヲ述ベラ
レマシテ、此ノ五法案ニ對シ贊成ノ御意見
ノ開陳ガゴザイマシタ、採決ニ入リマシタ
處全會一致ヲ以チマシテ、昭和十四年度
一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ
關スル法律案外四件ハ可決ト相成リマシタ、
誠ニ御聽取ニクカッタコトト存ジマスガ、私
ノ御報告ハ之ヲ以テ終リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=28
-
029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ五案ノ採決ヲ致シマス、五案ノ第二讀
會ヲ開クコトニ御異議ガゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=29
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030・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナシト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=30
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031・西大路吉光
○子爵西大路言光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=31
-
032・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=32
-
033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ガゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=33
-
034・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=34
-
035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 五案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、五案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ガゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴喜君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=36
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037・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=37
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038・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=38
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039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ガゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=39
-
040・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=40
-
041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 五案ノ第三讀會
ヲ開キマス、五案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ガゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=41
-
042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=42
-
043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御諮リヲ致シマ
ス、日程ヲ變更致シマシテ、第三第四ヲ順
次議題ト致シタイト存ジマス、御異議ガゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=43
-
044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、日程第三、臨時資金調整法中改正
法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、
石渡大藏大臣
臨時資金調整法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時資金調整法中改正法律案
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第四條第二項第二號ヲ削リ第三號ヲ第二
號トス
第四條ノ二命令ノ定ムル限度ヲ超ユル
事業設備ノ新設、擴張又ハ改良ヲ爲サ
ントスル者ハ之ニ付政府ノ許可ヲ受ク
ベシ但シ命令ノ定ムル者及左ノ各號ノ
一ニ該當スル資金ニ依ル場合ハ此ノ限
ニ在ラズ
-金融機關ヨリノ借入金
二他人ヲシテ引受又ハ募集ノ取扱ヲ
爲サシメタル社債ノ收入金
三本法ニ依リ設立又ハ資本增加ニ付
認可ヲ受ケタル場合ノ會社ノ第一囘
拂込株金又ハ出資金
四本法ニ依リ拂込又ハ募集ニ付許可
又ハ認可ヲ受ケタル場合ノ會社ノ拂
込株金又ハ社債收入金
第五條中「第二條」ノ下ニ「、第四條」ヲ加
フ
第六條第一項中「五億圓」ヲ「十億圓」ニ改
メ同條第四項ヲ左ノ如ク改ム
政府ハ日本興業銀行ノ發行スル債劵ニ
付命令ノ定ムル所ニ依リ額面金額十億
圓ヲ限リ其ノ元本ノ償還及利息ノ支拂
ヲ保證スルコトヲ得
第十二條中「第四條」ノ下ニ「、第四條ノ
二」ヲ加フ
第十三條中「二億圓」ヲ「五億圓」ニ改ム
第十六條ニ左ノ一號ヲ加フ
五事業設備ノ新設、擴張又ハ改良ニ
關スル事項
第十六條ノ二政府ハ第四條ノ二ノ規定
ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ又ハ第四
候第四條ノ二、第八條若ハ第九條ノ
規定ニ依ル認可若ハ許可ニ附シタル條
件ニ違反シテ事業設備ノ新設、擴張又
ハ改良ヲ爲シタル者ニ對シ其ノ中止ヲ
命ズルコトヲ得
第十七條第二號中「、設備ノ新設、擴張若
ハ改良」ヲ削リ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
三第四條ノ二ノ規定ニ違反シ許可ヲ
受ケズシテ又ハ第四條、第四條ノ二、
第八條若ハ第九條ノ規定ニ依ル認可
若ハ許可ニ附シタル條件ニ違反シテ
事業設備ノ新設、擴張又ハ改良ヲ爲
シタル者
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣石渡莊太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=44
-
045・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題トナ
リマシタ臨時資金調整法中改正法律案提出
ノ理由ヲ說明致シマス、現下ノ情勢ニ鑑ミ、
軍備ノ充實、經濟建設ヲ必要トスルノデア
リマスガ、之ガ爲ニ多額ノ物資ト資金トヲ
要スルモノト豫想致サレマスルノデ、此ノ
際國內ノ物資ト資金ヲ更ニ此ノ目的ニ向ッ
テ集中スル必要ガアルト存ジマス、之ガ爲
事業設備ノ新設擴張又ハ改良ニ關シマシテ、
許可ヲ受クベキモノノ範園ヲ擴張シマシテ、
個人、會社以外ノ法人ニモ及スコトト致シ
タイト考ヘルノデアリマス、又生產力擴充
等、時局ニ緊要ナル產業資金ノ需要增加ノ
趨勢ニ對處スル爲、公債財源ノ發行限度竝
ニ其ノ元利金ノ支拂ニ付、政府ニ於テ保證
シ得ル限度ヲ、ソレ〓〓五億圓ヨリ十億圓
ニ擴張シ、又政府撒布資金ノ吸收ヲ圖ル爲、
貯蓄債劵ノ發行限度二億圓ヲ五億圓ニ擴張
スル等ノ改正ヲ加ヘマシテ、本法制定ノ效
果ヲ更ニ一層擴充致シタイト考へ、茲ニ本
法律案ヲ提出致シタ次第デゴザイマス、何
卒御審議ノ上御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希
望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=45
-
046・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
臨時資金調整法中改正法律案ハ、關聯スル
所ガゴザイマスルガ故ニ、昭和十四年度一
般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關
スル法律案外二件ノ特別委員ニ併託セラレ
ムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=46
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047・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=47
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048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=48
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049・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ガナイト
認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=49
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050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第四、產金
法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、石渡大藏大臣
產金法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
產金法中改正法律案
產金法中左ノ通改正ス
第十一條ノ二政府ハ必要アリト認ムル
トキハ左ニ揭グル物ヲ所有スル者ニ對
シ命令ノ定ムル所ニ依リ之ガ處分ニ關
シ禁止若ハ制限ヲ爲シ又ハ之ヲ政府若
ハ政府ノ指定スル者ニ賣却スベキコト
ヲ命ズルコトヲ得
一金地金
二金ノ合金ニシテ命令ノ定ムル種類
ノモノ
三金ヲ主タル材料トスル物ニシテ命
令ノ定ムル種類ノモノ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ金貨幣
ヲ所有スル者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ
依リ之ガ處分ニ關シ禁止若ハ制限ヲ爲
シ又ハ之ヲ鑄潰シ依リテ得タル金地金
ヲ政府若ハ政府ノ指定スル者ニ賣却ス
ベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十一條ノ三前條ノ規定ニ依リテ政府
ノ爲ス金地金、金ノ合金又ハ金ヲ主タ
ル材料トスル物ノ買入ハ金資金ノ運用
ニ屬スルモノトス
第十一條ノ四第十一條ノ二ノ規定ニ依
リ政府又ハ政府ノ指定スル者ニ賣却ス
ベキコトヲ命ジタル場合ノ賣却價額ハ
金地金ニ在リテハ其ノ物ノ中ニ含マル
ル金ノ純量ニ付第一條第一項ノ規定ニ
依リ政府ガ金地金ヲ買上グル場合ノ買
上價格ニ依リ算出シタル金額トシ金ノ
合金又ハ金ヲ主タル材料トスル物ニ在
リテハ金委員會ノ定ムル所ニ依ル
第十一條ノ五第十一條ノ二第一項第三
號ノ規定ニ依リ金ヲ主タル材料トスル
物ヲ政府又ハ政府ノ指定スル者ニ賣
却スベキコトヲ命ジタル場合ニ於テ其
ノ物ガ美術品骨董品工藝品其ノ他ノ物
ニシテ鑄潰スルコトヲ適當トセザルモ
ノナルトキハ其ノ物ヲ所有スル者ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受ケ
之ヲ賣却セザルコトヲ得
第十四條中「又ハ第十一條」ヲ「、第十一條
又ハ第十一條ノ二」ニ改ム
第十九條中「當該金地金」ノ下ニ「、金ノ合
金金ヲ主タル材料トスル物」ヲ加ヘ同
條ニ左ノ二號ヲ加フ
五第十一條ノ二ノ規定ニ依ル禁止又
ハ制限ニ違反シタル者
六第十一條ノ二ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シテ金地金、金ノ合金又ハ金ヲ
主タル材料トスル物ヲ政府又ハ政府
ノ指定スル者ニ賣却セザル者
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
外國爲替管理法第四條第一項第一號中
「金地金、」ヲ削リ同法第五條第三項中「金
地金」ヲ「外國通貨」ニ改ム
〔國務大臣石渡莊太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=50
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051・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題トナ
リマシタ產金法中改正法律案ニ付テ提出ノ
理由ヲ說明致シマス、金ノ集中ヲ圖リ、以
テ本邦ノ對外決濟力ノ充實ニ資シマスルコ
トハ、我ガ國現下ノ國際收支ノ狀況ニ顧ミ
極メテ必要デアルト存ジマス、去ル七十一
議會ニ於テ協贊ヲ得マシタ產金法ノ施行以
來諸般ノ施設ヲ講ジマシテ、極力產金ノ
增加ヲ圖ルト共ニ、或ハ金使用規則ヲ制定
シ、國內ニ於ケル金ノ消費節減ヲ圖リ、或
ハ國民ノ協力ヲ得マシテ、民間所在金ノ集
中ニ努メテ參ツタノデアリマスガ、今後ニ
於ケル時局ノ推移ニ顧ミマスレバ、此ノ
際民間所在金ノ集中ハ更ニ之ヲ徹底スルノ
必要ガアルト考ヘルノデゴザイマス、勿論
民間所在金ノ集中ハ一ニ國民ノ愛國心ノ發
露ニ俟ツモノデアリマスルガ、之ガ徹底ヲ期
スル爲ニハ必要ナル場合、金地金ハ勿論、
金ヲ主タル材料トスル物等ヲ所有スル者ニ
對シマシテ、之ガ處分ニ付テ禁止、制限又
ハ之ヲ政府若シクハ日本銀行其ノ他政府ノ
指定スル者ニ賣却スベキコトヲ命ジ得ル旨
ノ法制ヲ整ヘテ置クコトガ必要デアルト考
ヘマシテ、本法律案ヲ提出致シタ次第デゴ
ザイマス、何卒御審議ノ上協贊ヲ與ヘラレ
ムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=51
-
052・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
產金法中改正法律案ハ、重要ナル法案デア
リマスルガ故ニ、此ノ特別委員ノ數ヲ十八
名トシ、其ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議
ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=52
-
053・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=53
-
054・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=54
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055・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
產金法中改正法律案特別委員
公爵德川圀順君侯爵小村捷治君
伯爵副島道正君子爵井上匡四郞君
子爵大河內正敏君子爵大河內輝耕君
三井〓一郞君岡喜七郞君
男爵赤松範一君男爵橋元正輝君
男爵水谷川忠麿君土方久徵君
內藤久寛君金子元三郞君
長野忠次君松本勝太郞君
金岡又左衞門君大西虎之介君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=55
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056・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十、名古
屋帝國大學創設ニ伴フ帝國大學特別會計及
官立大學特別會計ノ關涉ニ關スル法律案、
政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委
員長報〓、委員長後藤伯爵
名古屋帝國大學創設ニ伴フ帝國大學特
別會計及官立大學特別會計ノ關涉ニ關
スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月九日
委員長伯爵後藤藏
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵後藤一藏君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=56
-
057・後藤一藏
○伯爵後藤一藏君 只今議題ト相成リマシ
タ名古屋帝國大學創設ニ伴フ帝國大學特別
會計及官立大學特別會計ノ關涉ニ關スル法
律案ノ特別委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓
申上ゲマス、本法案ハ、昭和十四年度カラ名
古屋帝國大學ガ創設セラレマシテ、醫學部、
理工學部ノ二學部ヲ置キ、醫學部ハ現在ノ
名古屋醫科大學ヲ移替致ス關係上、官立大
學特別會計ニ包含サレテ居リマスル名古屋
醫科大學ニ屬スル資金等ヲ帝國大學特別會
計ニ移スト云フノガ其ノ內容デゴザイマス、
特別委員會ハ三囘開催致シ、第一囘ノ委員
會ニ於テ、政府ヨリ內容及提案理由ノ說明
ガゴザイマシタガ、是ハ省略致シ質疑ノ二
三ヲ申上ゲタイト存ジマス、名古屋帝國大
學創設後ノ歲入歲出豫算ハ如何トノ問ニ對
シマシテ、文部省所管ニ於テ創設費、主ト
シテ設備費四百萬圓、大藏省所管ニ於テ營繕
費五百萬圓、合計九百萬圓デアッテ、昭和十
四年乃至十九年度ニ於テ完成スルノデアル
ガ、此ノ金額ハ地元ニ於テ寄附スルトノ答
デゴザイマシタ、此ノ名古屋帝國大學創設
ノ爲、地元カラ九百萬圓ヲ寄附スルガ如キ
コトハ、學校ノ創設ヲ希望スル地方カラ資
金ヲ寄附スル競爭運動等ノ弊ヲ生ジハセヌ
カト云フ問ニ對シマシテ、何分國費多端ナ
ル折柄デアルノデ、同ジ狀態デアルト、勢
ヒ地元ノ寄附金ガ相當アル所ニ、此ノ種ノ
學校ガ創設サレルト云フヤウナ傾向ガナイ
デモナイガ、政府トシテハ、寄附金ノ高ニ
依ッテ創設ノ場所ヲ考ヘルト云フノデハナ
イ、或一定ノ方針ノ下ニ學校ヲ創設スル場
所ヲ考ヘテ、其ノ上デ寄附金ノ有無ト云フ
コトヲ第二段トシテ考へル場合ガ多イノデ
アルトノ答デゴザイマシタ、生徒ヲ募集シ
テ授業ヲ始メルノハ何年カラカトノ問ニ對
シマシテ、醫學部ニ於テハ、現在ノ醫科大
學ノ學生ガ十四年度ヨリ直チニ綜合大學ノ
學生ニナルノデアルガ、理工學部ノ學生ハ、
十五年度ヨリ募集シタイト考ヘテ居ルトノ
答デゴザイマシタ、其ノ他醫科ノ志望學生
ガ少イノデ、文科カラモ希望者ヲ採用スルコ
トニ關シ、又此ノ新設ノ大學〓育ニ對シテ
人格ノ陶冶、精神ノ訓練等ニ大イニ力ヲ致
サレタイトノ希望、及ビ之ニ對スル質問ガ
ゴザイマシタケレドモ、詳シイコトハ速記
錄ニ讓リ、省略ヲ致シタイト存ジマス、質
疑ガ終リマシテ討論ニ入リマシタ、一委員
ヨリ、此ノ名古屋帝國大學ハ立派ニ出來上
ル以上、之ニ付テ特色ノアル大學ニシテ戴
キタイ、現今ハ醫科ヲ本體トシテ、理工科
ヲ段々ト充實シテ行クトノ御話デアルガ、
將來ハ農科ヲモ之ニ加ヘ、中京綜合大學ト
シテ特色ノアルヤウニ致サレタイトノ希望
意見ノ開陳ガアリマシタ、討論終結シ、直
チニ採決ヲ致シマシタ結果、全會一致原案
ヲ可決致シマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=57
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058・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=58
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059・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=59
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060・西大路吉光
○子爵西大路言光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=60
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061・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=61
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062・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=62
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063・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=63
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064・松平頼壽
○議長(信爵松平頼喜君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=64
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065・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=65
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066・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=66
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067・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=67
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068・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=68
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069・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=69
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070・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=70
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071・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=71
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072・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十一、森
林法中改正法律案、日程第十二、林業種苗
法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ
續委員長報告、是等ノ兩案ヲ一括シテ議
題トスルコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=72
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073・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長川村伯爵
森林法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十一日
委員長伯爵川村鐵太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
林業種苗法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十一日
委員長伯爵川村鐵太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵川村鐵太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=73
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074・川村鐵太郎
○伯爵川村鐵太郞君 只今日程ニ上リマシ
タル森林法中改正法律案及林業種苗法案ノ
二案ヲ束ネテ特別委員會ノ經過及結果ヲ御
報告申上ゲマス、先ヅ最初ニ、簡單ニ此ノ
兩案ノ內容ヲ申上ゲテ見マスルト、森林法
ハ制定以來殆ド三十年モ經チマシテ、中ニ
ハ時勢ノ進運ニ副ハナイモノガアルニ至リ
マシタノミナラズ、今次事變勃發ニ伴ヒマ
シテ木材ノ需要急激ニ增加シ、爲ニ內地民
有林ハ到ル處濫伐ノ傾向著シク、其ノ結果
動モスレバ木材供給ノ確保ヲ害シ、又ハ治
山ノ基礎ヲ危クスルニ至リマシタル爲ニ、
森林法ニ改正ヲ加ヘ過伐、早伐ニ對スル
抑制ヲ圖リ、木材資源ノ强化、培養ニ資ス
ルト共ニ、森林施業ノ合理化ニ依リマシテ、
戰時經濟ノ態勢ニ順應セムコトヲ期シテ本
案ヲ提出セラレタモノデアリマス、尙林
業種苗法案ハ森林造成ノ基本タルベキ極メ
テ重要ナ法案デアリマシテ、林業用種苗ノ
生產配付ヲ適正ナラシムルト同時ニ、母樹
ノ指定、採取方法ノ改善、種苗ノ配付區域
ノ設定、其ノ他種苗業者ノ取締等ニ關スル
制度ヲ設ケテ、林業經營ノ安定ヲ圖ル爲ニ
制定セラレタ法律デアリマス、委員會ハ去
ヌル三月二日正副委員長ノ選擧ヲ終リマシ
テ、各委員カラ幾多ノ參考資料ヲ政府ニ要
求セラレマシテ、引續キ六日、八日、十日
ト三日ヲ質疑ニ費シマシテ、三月十日ニ質
疑ガ全部終了致シマシタノデ、十一日ハ討
論ニ入リマシテ、色々本案贊成ノ意見ノ開
陳モアリマシテ、採決ニ入リマシタ處、何等
異論モナク、兩案共異議ナク原案通リ可決
決定致シマシタ次第デアリマス、是ヨリ質疑
內容ヲ一通リ、其ノ主ナルモノノ要點ヲ擧
ゲテ申上ゲテ見タイト思ヒマス、森林行政
ノ統一スルノ要ハナキカト云フ質問ニ對シ
マシテ、農林大臣ヨリ內地、北海道、樺太
等ノ森林ノ監督官廳ハソレ〓〓異ッテ居ル
ガ、其ノ間緊密ナル連絡ヲ執リ、一定ノ方
針ヲ以テ行政上遺憾ナキヲ期シツヽアリト
ノ答辯ガアリマシタ、次ニ木材殊ニ「パルプ」
需給ノ關係如何ト云フ質問ニ對シマシテ、
「パルプ」資材ニ關シテハ昭和十七年ニ於テ
滿洲國ヨリ一部輸入スルコトニ依リ、內地
ニ於ケル製紙竝ニ人絹用「パルプ」ヲ大體自
給自足スルコトガ出來ル、其ノ計畫ヲ樹立
シ、目下著々之ガ資材ノ增產ヲ實行中デア
ルト云フコトデアリマシタ、ソレカラ其ノ
他ノ木材ノ關係トシマシテハ、大體其ノ需
要ハ增加スルモノト認メラレルガ、間伐ノ
厲行及林道ノ普及ニ伴ヒマシテ、未利用林
ノ開發ニ依ル生產增加ヲ以テ、之ヲ充足シ
得ルト云フ答辯ガアリマシタ、木材需給ノ
情勢ニ鑑ミ、大造林國策ヲ樹立實行スルノ
要ナキヤト云フ質問ニ對シマシテ、造林ノ
振興ハ法制、經濟、精神ノ方面ヨリ行ハナ
ケレバナラヌ、卽チ一ハ今囘ノ森林法ノ改
正ニ依リ、二ハ造林助成ノ擴充ニ依リ、第
三ハ造林思想ノ徹底的普及ニ依リ、大イニ
造林ノ振興ヲ圖リタイト思フ、斯ウ云フ御
答辯デアリマシタ、森林組合ノ人的配置ノ
完成ニ關スル質問ニ對シマシテ、一年三百
組合ヲ結成セシメ、十箇年計畫ヲ以テ三千
組合ヲ成立セシムル豫定デアル、其ノ間ニ
甲種農林學校程度以上ノ卒業生、其ノ他林
業地ノ森林管理者中ヨリ適任者ニシテ相當
實務ニ經驗アル者ヲ選ビ、每年相當ノ員數
ヲ森林組合ニ配置スル豫定デアルト云フ御
答辯デアリマシタ、森林火災保險ノ普及ト
森林金融關係ノ相對性ニ關スル質問ニ對シ
マシテ、森林組合ノ强化ヲ圖リ、施業、管
理ノ不安ヲ一掃スルト共ニ、火災保險ノ危
險率ガ十分ニ確定シ次第、森林國營火災保
險ヲ考ヘテ居ル次第デアル、殊ニ二十年生
以上ノ森林ニ對シテハ其ノ意嚮デアルト云
フ御話デアリマシタ、森林ニ對スル相續稅
及地方稅輕減又ハ撤廢問題ニ付キマシテハ、
ソレ〓〓考究ヲ重ネ、又後者ノ如キハ改正
ノ餘地ガアルト云フ御答辯ガアリマシタ、
林道網ノ擴充要望ニ付キマシテハ、次年度
以降ニ於テ一層擴充ニ付十分ナル努力ヲス
ルト云フ御答辯デアリマシタ、尙此ノ外ニ
森林特別會計設置ノ問題、森林金融機關ノ
設置、森林擔保問題、林業者ニ對スル經濟
的苦痛ノ輕滅、施業案ノ簡易化ト其ノ彈力
性輸出林產工業品ニ對スル原料供給對策
ニ付キマシテハ、各委員カラ政府委員ニ質
ス等ソレ〓〓質疑ガアリマシタ、次ニ林業
種苗法案ノ質疑應答ヲ申上ゲマス、內地及
北海道ヲ一貫シタル種苗ノ取締ヲ圖ル要ナ
キカト云フ御質問ニ對シテ、種苗法ハ北海
道ニモ同時ニ施行セラレルモノニシテ、種苗
ノ取締ニ付キマシテハ十分ノ連繫ヲ圖リ遺
憾ナキコトヲ期スルト云フ御答辯ガアリマ
シタ、其ノ他種苗業者ノ連絡協調ニ依リ、
種苗ノ適切ナル配給ヲ圖ル方法ニ付テハ十
分考慮スルト云フコトデアリマシタ、其ノ
他兩案ヲ通ジテ詳細ナルコトハ速記錄ニ依
リ御了承アラムコトヲ望ミマス、而シテ三
月十一日討論ニ入リ各委員ヨリ熱心ナル贊
成意見ノ陳述ガアリマシタ後、兩案ヲ束ネ
テ採決ヲ行ヒマシタ處、兩案トモ全會一致
ヲ以テ原案通リ可決決定致シマシタ、私ノ
委員會ノ報告ハ之ヲ以テ終リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=74
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075・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=75
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076・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=76
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077・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=77
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078・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=78
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079・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=79
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080・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=80
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081・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=81
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082・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=82
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083・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=83
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084・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=84
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085・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=85
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086・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=86
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087・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第三讀會
ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=87
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088・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=88
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089・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十三、短
期現役小學校〓員俸給費國庫負擔法中改正
法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
ノ續、委員長報〓、委員長後藤伯爵
短期現役小學校〓員俸給費國庫負擔法
中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月九日
委員長伯爵後藤藏
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵後藤一藏君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=89
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090・後藤一藏
○伯爵後藤一藏君 只今議題ト相成リマシ
タ短期現役小學校〓員俸給費國庫負擔法中
改正法律案ノ委員會ニ於ケル經過竝ニ結果
ヲ御報告申上ゲマス、本改正法律案ノ提出
理由ハ、過日本會議ニ於キマシテ、又改正
内容ニ付キマシテハ委員會ニ於キマシテ、
何レモ文部大臣ヨリ御說明ガアッタノデゴ
ザイマス、其ノ內容ハ速記錄ニ依ッテ御承
知ヲ願ヒタイト存ジマスルノデ、之ヲ省略
致シタイト存ジマス、今質疑應答ノ二三ヲ
申上ゲマスルト、小學〓員ノ俸給ヲ全額國
庫ニ於テ負擔スルト云フコトハ、餘程前カ
ラノ問題デ現在ニ於テモ、〓育審議會アタ
リデ御審議ニナッテ居ルト思フガ、當局ノ御
考ハ如何トノ問ニ對シ、小學校〓員ノ身分
ヲ相當ニ保障スル爲ニハ、全額ヲ國庫負擔
トスルガ最モ宜イト云フコトハ定說デア
ル、併シ國家財政其ノ他ノ均衡上、直チ
ニ此ノヤウナ方面ニ向ッテ實施ハ困難デア
ルトノ答デゴザイマシタ、又小學〓員ガ
二箇年ノ長期ニ亙リ兵役ニ服スルコトト
ナルガ、之ニ對シ〓員ノ補充ハ如何ニスル
カトノ質問ニ對シ、政府ハ、十四、十五ノ
兩年度ニ於テ、各府縣ニ於テ師範學校第二
部ノ生徒ヲ增募セシムルノ計畫ヲ立テシメ
テ居ルノデ、〓員ノ不足ヲ補充スル方針ヲ
執ッテ居ル、併シ此ノ增募ノ爲ニ學級ヲ增加
シタ府縣ニ對シテハ、其ノ經費トシテ國庫
ヨリ補助スルコトト致シ、十四年度通常豫
算ニ此ノ爲ノ臨時補助費ヲ計上致シテ居ル
トノ答辯ガゴザイマシタ、次ハ本案ニ依レ
バ、俸給ノ國庫負擔ヲ師範學校卒業者ノミ
ニ限定サレテ居ルガ、廣ク帝國大學其ノ他
ノ學校卒業者ニシテ、小學〓育ニ從事スル
者ニモ此ノ制度ヲ及シテハ如何トノ質問ニ
對シテ、政府ハ其ノ沿革及師範學校〓育重
要性特殊性及師範學校ニ人材ヲ招致スル必
要カラ、斯カル取扱ヲ爲スノデアルトノ答
ガゴザイマシタ、其ノ他質疑應答ガゴザイ
マシタケレドモ、是ハ速記錄ニ依ッテ御承知
ヲ願ヒタイト思ヒマス、斯クシテ審議ノ上
討論ニ入リマシタガ、委員ヨリ別段意見ノ
開陳モナク、本案ハ全會一致、原案通リ可
決致シタ次第デゴザイマス、右御報告申上
ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=90
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091・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議テシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=91
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092・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=92
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093・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=93
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094・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=94
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095・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議テシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=95
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096・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=96
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097・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ナケレバ全部ヲ問題ニ
供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リデ
御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=97
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098・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=98
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099・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=99
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100・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=100
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101・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=101
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102・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=102
-
103・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴサイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=103
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104・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=104
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105・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四、昭
和十二年度歲入歲出總決算、昭和十二年度
各特別會計歲入歳出決算報〓、日程第十五、
昭和十二年度國有財產增減總計算書報〓、
會議、委員長報告、是等ノ二案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=105
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106・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長周布男爵
昭和十二年度歲入歲出總決算竝昭和十二
年度各特別會計歲入歲出決算及既往年度
檢査未確定金額ノ檢査確定シタルモノヲ
審査シ
第一
昭和十二年度歲入歲出總決算歲入經
常部第六款雜收入第十一一項雜入中農
林省ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道資本勘定歲出
第一款鐵道建設改良及自動車線設備
費第一項鐵道建設費中鐵道省ノ支出
ニ係ル件、第二項鐵道改良費中鐵道
省ノ支出ニ係ル件
同上用品勘定歲出第一款用品及工作
費第一項用品及工作費中鐵道省ノ支
出ニ係ル件
同上收益勘定歲出第一款作業費第一
項事業費中鐵道省ノ支出ニ係ル件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲出臨
時部大藏省所管第一款營繕費第六項
專賣局淀橋工場移轉新營費中營繕管
財局ノ支出ニ係ル件、第七項專賣局
所屬工場新營費中營繕管財局ノ支出
ニ係ル件
右ハ政府ノ措置適切ナラザルモノト認ム
第二
昭和十二年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中輪島
稅務署ノ收入ニ至ラサリシ件、西稅務
署、幸橋外三稅務署、神田橋稅務署、
横濱稅務署、日本橋稅務署、一宮稅務
署、堺稅務署、神田橋稅務署、浦和
外一稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ九
件、堺稅務署ノ徵收過ニ係ル件、第
二項地租中輪島稅務署ノ收入ニ至ラ
サリシ件、第三項營業收益稅中輪島
税務署ノ收入ニ至ラサリシ件、第四
項資本利子稅中輪島稅務署ノ收入ニ
至ラサリシ件、第五項法人資本稅中
輪島稅務署ノ收入ニ至ラサリシ件、
第六項相續稅中輪島稅務署ノ收入ニ
至ラサリシ件、下京稅務署ノ徵收不
足ニ係ル件、第六款雜收入第一項免
許及手數料中輪島稅務署ノ收入ニ至
ラサリシ件、第十二項雜入中高知縣
ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件
昭和十二年度歲入歲出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得稅第一項臨時利
得稅中輪島稅務署ノ收入ニ至ラサリ
シ件
昭和十二年度歲入歲出總決算歲出經
常部司法省所管第三款刑務費第三項
收容費中大阪刑務所ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出
決算海軍省所管海軍工廠資金歲出第
一款材料物品費第一項材料物品費中
佐世保海軍工廠ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算文部省所管帝國大學歲出臨時部第
六款大阪帝國大學第二項工學部機械
工學實驗室其他震災復舊及新營費中
大阪帝國大學ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算農林省所管米穀需給調節歲出第一
款米穀需給調節費第三項事業費中農
林省米穀局ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算遞信省所管通信事業用品勘定歲出
第一款通信事業用品及工作費第二項
用品及工作費中遞信省經理局ノ支出
ニ係ル件
同上業務勘定歲出第一款通信業務費
第二項業務費中東京都市遞信局ノ支
出ニ係ル件、遞信省經理局ノ支出ニ
係ル件、第三項諸拂戾及補塡金中貯
金局ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道資本勘定歲出
第一款鐵道建設改良及自動車線設備
費第一項鐵道建設費中鐵道省ノ支出
ニ係ル件、第二項鐵道改良費中鐵道
省ノ支出ニ係ル件
同上用品勘定歲出第一款用品及工作
費第一項用品及工作費中鐵道省ノ支
出ニ係ル件
同上收益勘定歲入第一款作業收入第
一項運輸收入中鐵道省ニ於テ徵收ニ
至ラサリシ件、第二項雜收入中鐵道
省ノ徵收ニ係ル件、歲出第一款作業
費第一項事業費中鐵道省ノ支出ニ係
ルモノ二件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租税第一項所得稅中惠山鎭稅
務署ノ徵收不足ニ係ル件、歲入臨時
部第九款北支事件特別稅第一項所得
特別稅中惠山鎭稅務署ノ徵收不足ニ
係ル件、歲出經常部第二十款營林署
第二項事業費中城津營林署ノ支出ニ
係ル件、第二十八款諸支出金第一項
諸支出金中朝鮮總督府ノ支出ニ係ル
件、歲出臨時部第八款鐵道建設及改
良費第一項建設費中朝鮮總督府鐵道
局ノ支出ニ係ル件、第十三款土地改
良事業費第二項助成費中朝鮮總督府
ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管臺灣總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中高雄州、
臺北州ノ徵收不足ニ係ルモノ二件、
第三項營業稅中臺北州ノ徵收不足ニ
係ル件、歲入臨時部第七款臨時利得
稅第一項臨時利得稅中高雄州ノ徵收
不足ニ係ル件、第十款北支事件特別
稅第一項所得特別稅中臺北州ノ徵收
不足ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算厚生省所管健康保險歲入第一款健
康保險收入第一項保險料收入中兵庫
縣ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件、第三
項雜收入中兵庫縣ニ於テ歲入ニ編入
スヘキ件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算厚生省所管郵便年金歲出第一款郵
便年金費第四項諸支出金中簡易保險
局ノ支出ニ係ル件
昭和八年度歲入歲出總決算歲入經常
部第一款租稅第一項所得稅中四谷稅
務署、西宮稅務署、上京稅務署ノ徵
收不足ニ係ルモノ三件
昭和九年度歲入歲出總決算歲入經常
部第一款租稅第一項所得稅中藤澤稅
務署、四谷外三稅務署、西宮稅務署ノ
徵收不足ニ係ルモノ三件、板橋稅務署、
幸橋稅務署ノ徵收過ニ係ルモノ二件
昭和十年度歲入歳出總決算歲入經常
部第一款租稅第一項所得稅中幸橋
外一稅務署、西稅務署、名古屋北稅務
署、淀川稅務署、上京稅務署、南稅
務署、松戶稅務署、名古屋南稅務署、
四谷稅務署、淀川稅務署ノ徵收不足
ニ係ルモノ十件、龜戶稅務署、小松
稅務署、米子稅務署、淀川稅務署、伊
那稅務署ノ徵收過ニ係ルモノ五件、第
三項營業收益稅中淀川稅務署、松戶
稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ二件、龜
戶稅務署、小松稅務署、米子稅務署、
淀川稅務署、伊那稅務署ノ徵收過ニ
係ルモノ五件
昭和十年度歲入歲出總決算歲入臨時
部第十款臨時利得稅第一項臨時利得
稅中淀川稅務署ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十年度各特別會計歲入歲出決算
拓務省所管樺太廳歲入經常部第一款
租稅第三項營業收益稅中樺太廳豐榮
支廳ノ徵收過ニ係ル件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲入
經常部第一款租稅第一項所得稅中京
橋稅務署ノ收入ニ至ラサリシ件、西
稅務署、品川外三稅務署、淀橋稅務
署、一宮稅務署、板橋稅務署、南稅
務署、藤澤稅務署、西稅務署、小樽
外一稅務署、淀橋稅務署、伏見稅務
署ノ徴收不足ニ係ルモノ十一件、日
本橋稅務署ノ徵收過ニ係ル件、第三
項營業收益稅中伏見稅務署ノ徵收不
足ニ係ル件、日本橋稅務署ノ徵收過
ニ係ル件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得税第一項臨時利
得稅中伏見稅務署ノ徵收不足ニ係ル
件、日本橋稅務署ノ徵收過ニ係ル件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲出臨
時部內務省所管第五十一款災害費第
六項秋田縣災害土木費補助中秋田縣
ノ支出ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出
決算內務省所管健康保險歲出第一款
健康保險事業費第三項保險給付費中
警視廳江東健康保險出張所ノ支出ニ
係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出決
算遞信省所管通信事業用品勘定歲出
第一款通信事業用品及工作費第二項
用品及工作費中遞信省經理局ノ支出
ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歳出決
算鐵道省所管帝國鐵道收益勘定歲出
第一款作業費第一項事業費中鐵道省
ノ支出ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第二項所得稅中元山稅務
署ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件、元山
稅務署、京城稅務署ノ徵收不足ニ係
ルモノ二件、歲入臨時部第三款臨時
利得稅第一項臨時利得稅中元山稅務
署ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管樺太廳歲入經常部第一
款租稅第三項營業收益稅中樺太廳豐
榮支廳ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管南洋廳歲入經常部第二
款官業及官有財產收入第四項燐鑛拂
下代中南洋廳ノ徵收ニ係ル件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第三
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ及報告候也
昭和十四年二月二十八日
委員長男爵周布兼道
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十二年度國有財產增減總計算書ヲ審
査シ
第
旭川營林區署ニ於テ收入未濟ニ係ル
國有林木ノ管理其ノ宜シキヲ得サル
件
臺灣總督府營林所ノ徵收ニ係ル隨意
契約ヲ以テ木材ノ賣拂ヒヲ爲シタル
件
臺灣總督府ノ徵收ニ係ル臺中州豐原
郡內埔庄所在官有地ノ貸付ニ係ル件
樺太廳大泊林務署ニ於テ歲入ニ編入
スヘキ皆岸國有林內立木ノ不法伐採
ニ係ル件
官有物中名古屋鐵道局ニ於テ〓水港
驛構內岸壁寄省用炭置場ノ隣接地ヲ
營業炭置場トシテ無料使用セシメタ
ル件
(既往年度)
朝鮮軍經理部ノ徵收ニ係ル京城府本
町二丁目所在國有土地ノ賣拂ヒニ當
リ措置其ノ宜シキヲ得サル件
北海道廳ノ徵收ニ係ル北海道水產試
驗場所屬汽船ノ賣拂ヒニ當リ措置其
ノ宜シキヲ得サル件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第二
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ及報〓候也
昭和十四年二月二十八日
委員長男爵周布兼道
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔男爵周布兼道君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=106
-
107・周布兼道
○男爵周布〓道君 只今上程サレマシタ昭
和十二年度歲入歲出總決算、昭和十二年度
各特別會計歲入歲出決算竝ニ昭和十二年度
國有財產增減總計算書ニ付キマシテ、委員
會ニ於ケル議事ノ經過竝ニ結果ニ付テ御報
告申上ゲマス、本會議ニ於キマシテ政府ヨ
リ別段ノ御說明モゴザイマセヌデシタノ
デ、此ノ際數字ニ付キマシテ簡單ニ申上ゲ
タイト存ジマス、昭和十二年度歲入歲出總決
算ハ、歲入ノ收入濟額經常部ニ於キマシテ
十九億四千五百九十九萬八千三百五十一圓
七十三錢八厘、臨時部ニ於キマシテ九億六
千八百四十七萬二千百四十圓十四錢五厘、
合計二十九億千四百四十七萬四百九十一圓
八十八錢三厘、之ニ對シマシテ歲出ノ支出濟
額ハ經常部ニ於キマシテ十四億九百二十五
萬五百九十二圓四十二錢五厘、臨時部ニ於
キマシテ十二億九千九百九十萬六千八百九
十圓九十一錢一厘、合計二十七億九百十五
萬七千四百八十三圓三十三錢六厘トナリマ
シテ、歲入ノ收入濟額ト歲出ノ支出濟額ト
ノ差引額二億五百三十一萬三千八圓五十四
錢七厘ノ剩餘ヲ生ジタノデアリマスルガ、
是ハ會計法第二十六條ニ依リマシテ、昭和
十三年度ノ歲入ニ繰入レタノデアリマス、
其ノ外特別會計ハ本決算ニ於キマシテ、其
ノ數三十八會計アリマスガ、其ノ金額ハ頗
ル煩雜ニ亙リマスルノデ、玆ニ省略致シマ
ス、次ニ國有財產增減總計算書ニ付テ申上ゲ
マイ、昭和十二年度ニ於テ增加致シマシタ
國有財產ハ、一般會計ニ於キマシテ四億一
千四百七十七萬四千四百三十圓九十七錢七
厘、特別會計ニ於キマシテ五億二千三十六
萬三千三百六十六圓四十九錢九厘、合計九
億三千五百十三萬七千七百九十七圓四十七
錢六厘デアリマス、減少致シマシタ國有財
產ハハ一般會計ニ於キマシテ一億六千八百
七十二萬一千百七十一圓八十五錢四厘、
特別會計ニ於キマシテ一一億五千九百四十二
萬三千三十三圓八十錢八厘、合計四億二
千八百十四萬四千二百五圓六十六錢二厘ト
ナリマシテ、結局差引增加額五億六百九十
九萬三千五百九十一圓八十一錢四厘トナル
ノデアリマス本委員會ハ第一囘ヲ去ル一
月二十一日ニ開會致シマシテ、分科審査ノ權
衡ヲ計リマス爲、分科擔當所管省ノ變更ヲ
致シマシタ、二月七日ニ第二囘ノ委員會ヲ
開キマシテ、決算、國有財產ニ對シ大藏大
臣ヨリ大體ニ亙ル說明ガアリ、之ニ對シ委
員ハ質疑ヲ盡サレタル後、先例ニ依リマシ
テ、決算ノ審査方針、分科ノ審査期限、竝
ニ審査豫定日等ヲ決議致シ、之ガ審査ヲ各
分科ニ、又國有財產ニ關シテハ小委員會ニ、
各〓付託致シタノデアリマス、分科會、
小委員會ニ於テハ、各所管ノ部ニ付、數囘
ノ會議ヲ開カレマシテ、愼重ナル審査ヲ盡
サレ、而シテ二月二十三日、各分科會及小
委員會ハ決議ヲ致サレマシタ、二月二十八
日ニ第三囘ノ委員會ヲ開キマシテ、各分科
主査竝ニ小委員會ノ委員長ヨリ詳細ナル報
告ガアリマシタ、各分科ヲ通ジ議決セラレ
マシタモノハ、政府ノ措置適切ナラザルモ
ノト認ムルモノ七件、政府ニ對シ將來ノ注
意ヲ促スベキモノト認ムルモノ百八件、其
ノ他ハ全部異議ナシト云フコトデアリマ
シタ、又小委員會ニ於テハ政府ニ對シ將來
ノ注意ヲ促スベキモノト認ムルモノ七件、
其ノ他ハ全部異議ナシト決定セラレタノデ
ゴザイマス、各分科主査竝小委員會委員長
ノ報告アリマシタル後ニ、尙政府ニ對シ質
疑ヲ重ネマシテ十分ナル審査ヲ盡シ、採決
致シマシタル結果、全會一致分科竝小委員會
議決報告通リ可決致シタノデゴザイマス、
次ニ委員會竝分科會、小委員會ヲ通ジ問題
トナリマシタル中ヨリ、二三其ノ〓要ヲ申。
上ゲマスルト、第一ニ米穀需給調節特別會
計ニ巨額ナル損失ヲ有シテ居ルガ、之ガ塡
補策トシテ米穀證劵ノ發行ニ限度ヲ設ケテ
ハ如何ト云フニ對シ、當局ハ本會計ノ損失
ノ整理ヲ如何ニスルカト云フ問題デアル
ガ、是ハ政府トシテハ損失ノ爲ノ證劵ノ借
換發行ハ出來ルダケ避ケタイ、且現在ノ本
會計ノ損失ヲ今直グ整理スルト云フコトハ
考ヘテ居ラヌ、又市場ニ於ケル證劵發行ノ
限度ヲ如何ナル程度ニスルカト云フ問題
ハ、本會計ノ機能ヲ發揮スル爲ニ必要ナル
證劵ノ發行限度、證劵ノ市場ニ於ケル消
化及ビ是等ノ公債ノ消化ニ及ス關係等ヲ
考慮シテ決メネバナラヌコトト考ヘル、只
今トシテハ出來ルダケ本會計ノ損失ハ少
クスル、損失ヲ塡補スル爲ノ證劵ノ發
行ハ、之ヲ出來ル限リ抑ヘテ行キタイト考
ヘテ居ルトノ答辯ガアリマシタ、次ニ官
吏ノ賞與問題ニ關シ、賞與ノ支出ハ各均衡
ヲ計ル爲、之ヲ豫算ニ計上シテハ如何、又
賞與規定ヲ勅令デ定メテハ如何トノ質疑ニ
對シ、政府當局ヨリ、之ヲ豫算ニ計上スル
ニ付テハ種々〓究スベキ事項ガアリ、又各
省間ノ權衡ノ問題モアリ、今直チニ來年度
ヨリ豫算ニ組入レルコトハ困難デアル、又
賞與規定ヲ勅令デ定メルコトニ付テモ、十
分〓究スルトノ答辯ガアリマシタ、次ニ鐵
道共濟組合給與金ノ問題デアリマスガ、是
ハ鐵道共濟組合ガ國策ニ順應シテ、所持ノ
公債ヲ低金利ノ國債ニ替ヘマシタ爲ニ、其
ノ資本運用上利廻ガ減少シ、責任準備金ノ
不足ヲ生ズル事態ニ立至リマシタノデ、其
ノ不足塡補ノ方法トシテ、給與金增額ノ案
ヲ立テマシテ、十二年度豫算ニ於テ百二萬
圓ノ給與金增額ノ豫算ヲ作リマシタ、其ノ
豫算ハ兩院ノ審査ヲ經マシテ決定致シマシ
タガ、其ノ給與金增額ノ爲ノ勅令ガ發布ニ
至リマセヌノデ、已ムヲ得ズ增額ヲ思ヒ切
リ醵出金ノ名目ヲ以テ六十一萬圓餘ヲ醵
出致シマシテ、共濟組合ノ責任準備金ノ塡
補ニ用ヒタノデアリマス、是ハ檢査報告ニ
於テ批難サレタル問題デアリマシテ、事件
ハ一時限リノモノデナク、政府ノ低金利政
策ガ續ク限リ、每年斯カルコトヲ繰リ返ス
コトハ甚ダ妥當ヲ缺クヲ以テ、是ガ取扱ヲ
將來如何スルカト云フニ對シ、鐵道大臣ヨ
リ本件ノ政府補給金ニ關シテハ、其ノ性質
ニ鑑ミ大藏省トモ協議シ、直チニ組合ノ經
理運營ニ關シ、改善方〓究ヲ加フルト共ニ、
補給金支出ニ關スル勅令ニ改正ヲ加ヘル等、
速カニ善處致シタイト思フトノ答辯ガアリ
マシタ、次ニ國有財產ニ關シマシテ、北海
道國有未開地處分法ノ問題、鐵道省所管國
有財產ノ減價償却ノ問題、作業會計等ニ於
ケル國有財產價格遞減ノ基準トナルベキ耐
用年限統一ノ問題、國有財產整理資金ノ間
題國有財產處分ノ評價問題、其ノ他ニ付
種々質疑ガアリ、政府當局ヨリソレ〓〓詳
細ナル答辯ガアリマシタ、以上ノ外種々ナ
ル質疑應答ガアリマシタガ、詳細ハ速記錄
ニ讓ルコトニ致シマシテ、玆ニ省略致シタ
イト存ジマス、右ヲ以テ御報告ヲ終リト致
シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=107
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108・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四、日
程第十五、二件トモ決算委員長ノ報告通リ
デ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=108
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109・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=109
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110・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 次會ノ議事日程
ハ決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、
本日ハ是ニテ散會致シマス
午後三時四十一分散會
貴族院議事速記錄第二十一號正誤
頁段行誤正
二五三三四-五大西虎之助大西虎之介
君君
貴族院議事速記錄第二十一號中二六四頁一段二
六行目ノ左ノ一行ヲ削除ス
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02219390313&spkNum=110
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