1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十四年三月十七日(金曜日)午前十時十分開議
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議事日程 第二十四號
昭和十四年三月十七日
午前十時開議
第一 昭和十四年度歳入歳出總豫算追加案(第一號) 會議(委員長報告)
第二 昭和十四年度各特別會計歳入歳出豫算追加案(特第一號) 會議(委員長報告)
第三 豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件(追第二號) 會議(委員長報告)
第四 輕金屬製造事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 昭和十三年法律第六十四號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 朝鮮銀行券及臺灣銀行券の保證發行限度の臨時擴張に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 昭和十三年法律第二十三號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 昭和十二年法律第八十四號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 昭和十四年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債追加發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十 昭和七年法律第一號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十一 支那事變に關する特別賜金として交付する爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十二 昭和十三年法律第八十七號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十三 地方學事通則中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十四 青年學校令に依り就學せしめらるべき者の就業時間に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十五 司法保護事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十六 國際電氣通信株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十七 船員保險法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十八 帝國鑛業開發株式會社法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十九 大正九年法律第五十三號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二十 鑛業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十一 青年學校教育費國庫補助法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
一昨十五日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆
議院ニ通知セリ
明治四十五年法律第二十三號中改正法律
案
地方鐵道法中改正法律案
軌道法中改正法律案
同日本院ニ於テ採擇スルコトヲ議決シタル
寺院等ニ無償ニテ貸付シアル國有財產ノ處
分ニ關スル法律案成立ニ關スル請願外十件
ノ請願ハ各〓意見書ヲ附シ卽日之ヲ政府ニ
送付セリ
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
昭和十四年度歲入歲出總豫算追加案第
一號)、昭和十四年度各特別會計歲入歲出
豫算追加案(特第一號)、豫算外國庫ノ負
擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件可決
報告書
靑年學校〓育費國庫補助法案可決報〓書
請願文書表(第八囘報〓)
昨十六日委員會ニ於テ選シタル正副委員
長ノ氏名左ノ如シ
恩給法中改正法律案特別委員會
委員長公爵岩倉具榮君
副委員長子爵立花種忠君
職員健康保險法案特別委員會
委員長男爵大森佳一君
副委員長子爵實吉純郞君
酪農業調整法案特別委員會
委員長子爵米津政賢君
副委員長男爵周布兼道君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
北海道拓殖銀行法中改正法律案可決報〓
書
金資金特別會計法中改正法律案可決報〓
書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
輕金屬製造事業法案
昭和十三年法律第六十四號中改正法律案
朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證發行限度
ノ臨時擴張ニ關スル法律案
昭和十三年法律第二十三號中改正法律案
昭和十二年法律第八十四號中改正法律案
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債追加發行ニ關スル法律案
昭和七年法律第一號中改正法律案
支那事變ニ關スル特別賜金トシテ交付ス
ル爲公債發行ニ關スル法律案
昭和十三年法律第八十七號中改正法律案
地方學事通則中改正法律案
靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ者
ノ就業時間ニ關スル法律案
司法保護事業法案
國際電氣通信株式會社法中改正法律案
船員保險法案
帝國鑛業開發株式會社法案
大正九年法律第五十三號中改正法律案
同日衆議院ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
民族優生保護法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵杯平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、昭和十四年度歲
入歲出總豫算追加案、第一號、日程第二、
昭和十四年度各特別會計歲入歲出豫算追加
案、特第一號、日程第三、豫算外國庫ノ負
擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件、追第
二號、會議、委員長報告、是等ノ三案ヲ一
括シテ議題ト爲スコトニ御異議ガゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長渡邊子爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ做フ〕
一昭和十四年度歲入歲出總豫算追加案
(第一號)
一昭和十四年度各特別會計歲入歲出豫算
追加案(特第一號)
一豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲
スヲ要スル件(追第二號)
右衆議院ヨリ受領シタル各案ヲ審査シ總
テ衆議院議決案ノ通可決スヘキモノナリ
ト議決セリ依テ及報〓候也
昭和十四年三月十五日
委員長子爵渡邊千冬
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵渡邊千冬君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=3
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004・渡邊千冬
○子爵渡邊千冬君 只今議題トナリマシタ
豫算案二件、豫算外契約一件ニ關スル委員
會ニ於ケル審査ノ經過竝結果ヲ御報告申上
ゲマス、詳細ハ既ニ配付ニナリマシタ速記
錄ニ讓リマシテ、要點ノミヲ申上ゲタイト
存ジマス、本件ハ大體ニ於キマシテ曩ニ成
立致シマシタ臨時軍事費豫算追加臨第一號
ニ直接関聯ヲ有スルモノ、及ビ陸海軍ノ國
防費ニ關スルモノデアリマス、昭和十四年
度歲入歲出總豫算追加第一號ハ歲入歲出共
ニ九億千五十餘萬圓デアリマシテ、之ガ歲
入豫算ノ內譯ハ普通歲入ニ於テ支那事變
特別稅法及臨時利得稅法ノ改正ニ依ル增加
等一億八千二百四十餘萬圓、公債金ニ於テ
滿洲事件公債及歲入補塡公債合計七億二千
八百餘萬圓トナッテ居リマス、次ニ歲出豫算
中ノ主ナルモノハ、大藏省關係ニ於キマシ
テ支那事變特別稅法ノ改正ニ依リ增加スベ
キ租稅收入等ノ臨時軍·事費特別會計ヘノ繰
入一億八千三百二十餘萬圓、支那事變特別
稅法等ノ改正ニ伴フ徵稅費、支那事變公債
其ノ他公債發行額增加ニ伴フ利子等、五千
五百七十餘萬圓、陸軍省關係ノ兵備改善ニ
要スル經費ノ增加四千七百五十萬餘圓、內
地航空防空兵力充備ニ要スル經費ノ增加七
千五百四十餘萬圓、在滿地上兵力ノ充實ニ
要スル經費二億八千九百二十餘萬圓、在滿
航空防空兵力充備ニ要スル經費七千九百八
十餘萬圓等、合計四億九千八百七十餘萬圓
竝ニ海軍省關係ノ艦艇製造費追加六千十餘
萬圓、水陸〓備費ノ追加四千八百九十萬餘
圓航空隊設備費ノ追加五千六百六十餘萬
圓等、合計一億七千二百八十萬餘圓デアリ
マス、次ニ昭和十四年度各特別會計歲入歲
出豫算追加特第一號ハ、各外地ニ於テ內地
ニ順應シテ行ハムトスル臨時的增稅等ニ依
ル歲入ノ增加及ビ之ニ伴フ徵稅費、臨時軍
事費特別會計ヘノ繰入增加竝ニ陸海軍ノ作
業會計等ニ於ケル作業費增加ニ基クモノ等
デアリマス、又豫算外ノ國庫ノ負擔トナル
ベキ契約ニ關スル件追第二號ハ、陸海軍ノ
軍備充足上ノ便宜ヲ得ムトスルモノ等ノ
趣旨ニ基クモノデアリマス、以上ガ只今
上程セラレテ居リマス三案ノ大要デアリ
さく、右三案審議ノ爲、三月十五日豫算
委員會ヲ開催致シマシテ檢討ヲ致シタ
ノデアリマス、本豫算案ノ委員會ニ於テ
當然問題トナリマシタノハ陸海軍ノ新
軍備計畫ノ內容デアリマス、此ノ點ニ付テ
ハ祕密會ニ於テ陸海軍當局ヨリ種々說明ラ
承ッタノデアリマス、其ノ說明ニ依リマシテ
我々ハ我ガ國ノ前途益〓多難ナルコトヲ一層
痛切ニ感ジタノデアリマシテ、此ノ間ニ處
シテ政府ガ苟モ誤リナカラムコトヲ希望シ
テ已マナイ次第デアリマス、尙右ノ外委員
會ニ於テ質疑應答ノアリマシタ點ヲ二三申
述ベマス、其ノ一ハ、皇軍占據地域及租界
ニ於ケル治安狀況デアリマス、政府ハ占據
地域ニ於テハ治安第一主義ヲ持シ、主要地
域ニハ軍隊ヲ駐屯セシムルト共ニ、新政權
ノ軍警機關其ノ他民衆ノ自衞組織ヲモ利用
セムトスル方針デアリ、又各機關ノ連絡協
調ニ付テハ十分意ヲ用ヒテ居ルトノコトデ
アリマシタ、尙又上海租界ニ於ケル治安ニ
關シテハ、工部局トモ折衝ヲ重ネ、改善ニ努
力シテ居ル旨ノ答辯ガアッタフデアリマス、
其ノ二ハ生產力擴充計畫ニ關スルモノデア
リマス、生產力擴充計畫ニ於テ軍需品以外
ノモノニ對シテ考慮ガ足リナイノデハナイ
カト云フ質問ガアリマシタガ、之ニ對シテ
ハ國防ニ重點ヲ置カザルヲ得ナイ現狀トシ
テ已ムヲ得ザル所デハアルガ、其ノ他ノ方
面ニモ出來得ル限リノ考慮ヲ拂フ考デアル
トノ答辯ガアリマシタ、其ノ三ハ、國民精
神總動員ニ關スルモノデアリマス、國民精
神總動員ガ具體的ナル目標ヲ缺イテ居ル、
國民ヲシテ犠牲ヲ忍バシムル爲ニハ、何時
迄如何ナル犠牲ヲ負擔スレバ宜イカ、將來
ハ如何ニナルカニ付テ、十分ニ國民ニ知ラ
シメル必要ガアルデハナイカト云フ意味ノ
質問デアリマス、政府ハ、現狀ニ於テ何時
如何ナル負擔ノ輕減ヲ爲シ得ルヤヲ言明シ
得ナイケレドモ、生產力擴充ノ進捗ニ連レ
テ、漸ヲ逐フテ餘裕ヲ生ズルニ至ルデアラ
ウ、又國民ヲシテ將來ニ對スル希望ヲ持タ
シムルコトガ必要デアルトノ點ハ同感デア
ルトノ答辯ガアリマシタ、尙又豫算審議上
ノ手續ノ問題ニ付テ本豫算、追加豫算等ニ
亙リ、互ニ關聯アル事項ノ豫算ガバラ〓〓
ニ提出セラレルコトハ豫算案ヲ統一的ニ審
議スル上ニ於テ支障ガアルカラ、出來得ル限
リ斯カルコトヲ避ケラレタキコト、及ビ追
加豫算ノ提出時期ガ遲延スルコトモ審議上
支障ヲ來スノデ、此ノ點ニ付テモ政府ニ於
テ一層ノ努力アリタキ旨ノ希望ガアリマシ
タ、政府ニ於テモ諸般ノ事柄ト牽聯ノ事項
ニ關シテハ、調査審議ヲ愼重ニ致ス必要ア
ルモノガアリ、又急速ヲ要スルモノモアリ
やく、從ッテ御指摘ノヤウナコトガアッタコ
トヲ認メルケレドモ、今後ハ御希望ニ副フ
ヤウ十分努力スル旨ノ言明ガアッタノデア
リマス、委員會ニ於ケル質疑應答ノ大體ハ以
上ノ如クデアリマシタ、斯クシテ討論ニ入ッ
タノデアリマスガ、本案贊成ノ旨ノ發言ガ
アリ、採決ノ結果滿場一致可決ト相成ッタノ
デアリマス、右御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御質疑モナ
イヤウデゴザイマスルカラ、是ヨリ討論ニ
移リマス、次田大三郞君
〔次田大三郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=5
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006・次田大三郎
○次田大三郞君 私ハ只今議題ト相成ッテ
居リマスル昭和十四年度總豫算追加案外二
件ニ對シテ贊成ノ意見ヲ申述ベヨウト存ズ
ルノデアリマス、此ノ昭和十四年度ノ總豫
算追加案ヲ檢討致シマスルト、歲出追加總
額九億一千餘萬圓ノ中デ、滿洲事件費ノ追
加ガ約三億七千萬圓アリマス、次ニ海軍ノ
國防充實ニ要スル經費ノ追加ガ一億六千五
百餘萬圓アルノデアリマスルガ、是ハ實ハ昭
和十四年度ヨリ昭和十九年-度ニ亙リマシテ、
國防充實ニ關スル繼續費ノ追加ガ出テ居リ
マス、其ノ追加額總計十六億九千四百餘萬
圓ノ一部ガ玆ニ頭ヲ出シテ居ルノデアリマ
シテ、本案ノ重點ハ正ニ此ノ約十七億圓ノ
繼續費ノ追加ヲ認ムルカ認メザルカト云フ
コトニアルト考ヘルノデアリマス、囘顧致
シマスレバ最近數年ノ間ニ於テ、我ガ日本
國民ハ誠ニ貴重ナル經驗ヲ二度迄モ致シテ
居ルノデアリマス、其ノ一ツハ昭和七八年
ノ冬、滿洲事件ガ起リマスルト歐米諸國ハ
擧ッテ我ガ國ニ反對ヲ致シ、中ニモ某國ノ如
キハ將ニ實力ヲ以テ我ガ國ノ前ニ立塞ガラ
ムト致シタノデアリマス、併シナガラ當時
我ガ海軍ノ威力ハ克ク右某國ヲ威壓シテ、
其ノ企テヲ未發ノ中ニ打挫クコトガ出來マ
シタコトハ、私共ノ記憶ニ尙新タナル所デ
アリマス、今一ツハ今次ノ日支事件ニ於キ
マシテ、事件勃發ノ當初ヨリ今日ニ至ル迄
ノ間、某々ノ諸國ハ蔣政權ヲ援助致シマシ
テ、百方我ガ國ノ爲ス所ニ妨害ヲ加ヘテ居
リマス、私共ヲシ切齒扼腕、憤慨又憤慨セ
シメテ居ルノデアリマス、併シナガラ其ノ
爲ス所ハ今日迄ノ所、或ハ蔣政權ニ武器ヲ
供給スルトカ、或ハ金ヲ貸ストカ、或ハ自
國權益ノ擁護ニ藉ロシテ、種々嫌ガラセナ
申出ヲ我ガ國ニ對シテ致シマスルト云フ程
度ニ止ッテ居リマスルノハ、是ニハ色々譯ガ
アルコトデアリマセウガ、我ガ海軍ガ確ッカ
リト西太平洋ノ制海權ヲ把握シテ微動ダモ
シナイ、其ノ實力ガ某々國ノ是レ以上ノ妄
動ヲ抑付ケテ居ルト云フコトハ、何トシテ
モ大イナル理由ノ一ツデアルト云フコトハ
爭フベカラザル、我々ガ今眼ノ前ニ見テ居
ル所ノ専實ナノデアリマス、是ハ卽チ孫子
ニ所謂百戰百勝ハ善ノ善ナルモノニ非ズ、
戰ハズニ人ノ兵ヲ決スルハ卽チ善ノ善ナ
ルモノナリト云フ、之ニ該當スルモノデア
リマシテ、此ノ點私共國民ハ大イニ意ヲ强
ウスルト同時ニ、願クハ將來如何ナル場合
ニアッテモ斯クノ如クデアリタイト云フコ
トヲ、深ク念願スル者デアリマス、反對ニ
之ヲ某々國ノ側ヨリ申シマスレバ、彼等ハ
最近數年ノ間ニ於テ、二度迄モ戰ハズシテ
屈シタノデアリマス、戰ハズシテ敗レタノ
デアリマス、玆ニ於テ彼等ハ〓忙トシテ厖
大ナル海軍擴張、空軍擴張ヲ計畫致シマシ
テ、莫大ナ費用ヲ投ジテ既ニ之ニ著手シテ
居ルノデアリマス、新聞通信ノ傳フル所ニ
依リマスルト、或ハ一箇月ニ何隻カノ新艦
艇ヲ進水セシムルトカ、或ハ一年ニ何千臺
カノ航空機ヲ新タニ建造スルトカ申シテ居
ルノデアリマス、之ニ對スル我ガ海軍ノ對
策ハドウデアルカト云フコトハ、私共國民
ノ至大ノ關心事デナケレバナラナイノデア
リマス、ガ只今問題トナッテ居リマスル此ノ
海軍關係ノ繼續費ノ追加約十七億圓ハ、卽
チ此ノ對策ヲ具體化セムトスルモノデア
リマス、私共ハ此ノ事變下ニ於テ軍機保
持ノ必要カラシテ、遺憾ナガラ建造艦船ノ
隻數、噸數、或ハ航空機ノ臺數等ニ付テ詳
細ナル說明ヲ聽取スルコトガ出來ナカッタノ
デアリマス、從ッテ大體ノ數字カラ判斷ヲ致ス
一外ハナイノデアリマシテ、果シテ此ノ御要求
ノ金額ヲ以テ某々國ノ建造セムトスル世界
海軍史上空前ノ大海軍ニ對シマシテ、依然ト
シテ西太平洋上戰ハズシテ勝ツノ地步ヲ占メ
得ルヤ否ヤト云フコトニ付テハ、多少ノ懸
念ナキ能ハザル次第デアリマス、併シナガ
ラ海軍大臣ハ此ノ繼續費ノ追加案ガ成立致
シマスルナラバ、我ガ海上ノ防備ハ安全デ
アル、何レノ國ヨリモ脅威ヲ受クルコトガ
ナイト言明セラレタノデアリマスルカラ、私
共ハ此ノ言明ニ信賴シテ、玆ニ本案ヲ贊成
セムトスルモノデアリマス、唯此ノ際一言
申シ添ヘテ置キタイコトハ、此ノ新建造ノ
艦艇、航空機ヲ運用スル人ノ養成訓練ニ關
スル問題デアリマス、此ノ點ニ付キマシテ
モ我ガ海軍ハ實ニ立派ナ傳統ヲ持ッテ居ル
コトハ世間周知ノ事實デアリマス、私大正
十三四年ノ頃、茨城縣廳ニ奉職致シテ居リ
マシテ、親シク霞ケ浦航空隊ノ訓練ノ狀況
ヲ見ルノ機會ヲ持ッタノデアリマスガ、其ノ
訓練タルヤ實ニ眞劍ト申シマスカ、悲壯ト
申シマスカ、非常ナ猛訓練デアリマシテ、
從ッテ又犧牲者ガ續々ト出ルト云フ狀況デ
アッタノデアリマツ、今次事變ニ當リマシ
テ、殊ニ事變ノ初頭ニ於キマシテ、我ガ海
軍航空隊ガ赫々タル偉功ヲ立テラレマシタ
コトハ、決シテ偶然ナ事デナイ、又一朝一
タニシテ出來上ッタモノデモアリマセヌ、實
ニ其ノ頃カラノ火ノ出ル如キ猛訓練ノ結果
ニ外ナラヌノデアリマス、私共ハ今ニ於テ
當年ヲ囘顧致シマシテ、海軍當局ノ見識ト
努力ニ對シテ絕大ナル敬意ヲ表セザルヲ得
ナイノデアリマス、此ノ訓練ヲ重ンズル海
軍ノ傳統ハ、之ヲ何處迄モ持チ續ケテ、更
ニ其ノ上ニ一段ノ努力ヲ加ヘテ戴キタイト
云フノガ、私共衷心カラノ希望デアルノデ
アリマス、是ガアッテ初メテ新建造ノ艦艇、
航空機ガ物ヲ言フノデアリマス、繰返シテ
申シマスレバ、私共ハ海軍大臣ノ言明ニ信
賴シテ、御要求通リノ國防充實豫算案ニ協
贊セムトスル者デアリマス、物的要素ハ先
ヅ是デ出來上ッタ譯デアリマス、併シナガ
ラ之ヲ運用シ活用スベキ所謂銃後ノ人ヲ造
ルト云フコトハ更ニヨリ大イナル問題デ
アルノデアリマス、願クハ此ノ上共我ガ海
軍ノ傳統ノ上ニ立ッテ、益〓此ノ點ニ努力ヲ致
サレムコトヲ切ニ希望スル次第デアリマス、
右海軍ノ豫算ニ付テ申述ベマシタ所ハ、其
ノ儘移シテ滿洲事件費ノ追加案ニ付テモ述
ベ得ルト考ヘマス、重複ヲ避ケマシテ要領
ノミヲ簡單ニ申シマスレバ、某國ノ虎視耽
耽タル意圖ハ蔽フベカラザルモノガアルニ
モ拘ラズ、敢テ大イニ動カザル所以ノモノ
ハ、我ガ在滿陸軍ノ威力ノ然ラシムル所デ
アリマス、今日ノ國際情勢ノ推移ニ稽ヘマ
シテ、我ガ滿洲軍ヲ更ニ强化シテ、萬一ニ
備フルノ必要ノアルコトハ何人モ異存ノナ
イ所デアルト信ズル次第デアリマス、以上
ノ理由ニ依リマシテ、私ハ問題三案ニ對シ
テ贊成ノ意ヲ表スル者デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=6
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007・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ニテ討論ハ終
リマシタ、是ヨリ採決ヲ致シマス、御異議
ガナケレバ三案全部ヲ問題ニ供シマス、各
豫算案ニ同意ノ諸君ノ起立ヲ願ヒマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=7
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008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 全會一致ト認メ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第四、輕金
屬製造事業法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、八田商工大臣
〔左ノ送付文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ倣フ〕
輕金屬製造事業法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
輕金屬製造事業法案
輕金屬製造事業法
第一條本法ハ國防ノ整備及產業ノ發達
ヲ期スル爲本邦ニ於ケル輕金屬製造事
業ノ確立ヲ圖ルコトヲ目的トス
第二條本法ニ於テ輕金屬製造事業ト稱
スルハアルミニウム、アルミナ又ハマ
グネシウムノ製造ヲ爲ス事業ヲ謂フ
第三條輕金屬製造事業ヲ營マントスル
者ハ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ
以テ定ムル輕金屬製造事業ニ付テハ此
ノ限ニ在ラズ
本法ニ定ムルモノノ外前項ノ許可ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條前條ノ許可ヲ受クルコトヲ得べ
キ者ハ帝國法令ニ依リ設立シタル株式
會社ニシテ其ノ株主ノ半數以上、取締
役ノ半數以上、資本ノ半額以上及議決
權ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國法令ニ
依リ設立シタル法人ニ屬スルモノニ限
ル
前項ノ法人ハ其ノ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノナルコト
ヲ要ス
前條ノ許可ヲ受ケタル者前二項ノ規定
ニ該當セザルニ至リタルトキハ許可ハ
其ノ效力ヲ失フ
第五條第三條ノ許可ヲ受ケタル會社(輕
金屬製造會社)ハ政府ノ指定スル期間
內ニ其ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
輕金屬製造會社前二項ノ期間內ニ其ノ
事業ヲ開始セザルトキハ第三條ノ許可
ハ其ノ效力ヲ失フ
第六條輕金屬製造會社其ノ設備ヲ增設
シ又ハ變更セントスルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第七條輕金屬製造會社政府ノ認可ヲ受
ケ本法施行後五年以内ニ於テ政府ノ指
定スル期間內ニ命令ノ定ムル規模以上
ノ設備ヲ新設シ又ハ增設シタルトキハ
設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ五年間其
ノ新設シ又ハ增設シタル設備ヲ以テ營
ム輕金屬製造事業ニ付所得稅及營業收
益稅ヲ免除ス
前項ノ輕金屬製造會社其ノ設備完成前
其ノ一部ヲ以テ輕金屬製造事業ヲ營ム
場合ニ於テモ其ノ事業ニ付所得稅及營
業收益稅ヲ免除ス但シ前項ノ規定ニ依
ル期間內ニ設備ヲ完成セザルトキハ此
ノ限ニ在ラズ
第八條北海道、府縣及市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所
得稅及營業收益稅ヲ免除セラレタル輕
金屬製造會社ニハ其ノ免除セラレタル
事業ニ對シ課稅スルコトヲ得ズ但シ特
別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九條第七條ノ規定ニ依リ所得稅及營
業收益稅ノ免除ヲ受クベキ事業ヲ繼續
スル者又ハ其ノ事業ヲ繼續スルモノト
認ムベキ事實アル者ハ前事業者ガ第七
條ノ規定ニ依ル所得稅及營業收益稅免
除期間內ニ在ルトキハ其ノ期間ヲ承繼
ス
第十條輕金屬製造會社其ノ事業ノ爲必
要ナル器具又ハ機械ヲ政府ノ認可ヲ受
ケ輸入スルトキハ本法施行ノ日ヨリ五
年間命令ノ定ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免
除ス
第十一條輕金屬製造會社ノ營ム輕金屬
製造事業ハ土地收用法第二條ノ土地ヲ
收用又ハ使用スルコトヲ得ル事業トシ
同法ヲ適用ス
第十二條輕金屬製造會社ハ事業擴張ノ
場合ニ於テ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事業
ニ屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲株金全
額拂込前ト雖モ其ノ資本ヲ增加スルコ
トヲ得
第十三條輕金屬製造會社ハ政府ノ認可
ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費用ニ
充ツル爲商法ニ規定スル制限ヲ超エテ
社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總
額ハ拂込ミクル株金額ノ二倍ヲ超ユル
コトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル財產ガ拂込ミタル株金額ニ滿ケザル
トキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬
スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ
特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必要
ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十四條輕金屬製造會社其ノ事業ノ全
部又ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止
セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依
リ政府ノ許可ヲ受クベシ
輕金屬製造會社ノ合併又ハ解散ノ決議
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ
受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十五條輕金屬製造會社ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ニ之ヲ
屆出ヅベシ之ヲ變更セントスルトキ亦
同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ專業計畫
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十六條政府ハ輕金屬製造會社ニ對シ
業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
政府ハ輕金屬製造會社ニ對シ業務及會
計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又
ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ輕金屬製造會社ノ事務
所、營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所
ニ臨檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿
書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコト
ヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス
證票ヲ携帶セシムベシ
第十七條政府公益上必要アリト認ムル
トキハ輕金屬製造會社ニ對シアルミニ
ウム、アルミナ又ハマグネシウムノ製
造又ハ販賣ニ關シアルミニウム、アル
ミナ又ハマグネシウムノ需給ノ圓滑又
ハ價格ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
第十八條政府軍事上其ノ他公益上必要
アリト認ムルトキハ輕金屬製造會社ニ
對シ其ノ設備ノ擴張若ハ改良又ハ製造
方法ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十九條政府軍事上必要アリト認ムル
トキハ輕金屬製造會社ニ對シ命令ヲ以
テ定ムルアルミニウム、アルミナ若ハ
マグネシウムノ原料若ハ其ノ製造ニ必
要ナル材料ノ貯藏又ハアルミニウム、
アルミナ若ハマグネシウムノ製造ニ關
スル特殊事項ノ〓究ヲ命ズルコトヲ得
第二十條第十八條又ハ前條ノ規定ニ依
リ爲シタル命令ニ因リ生ジタル損失ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十一條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ政府ノ指定スル原料又ハ製造方法ニ
依ルアルミニウム、アルミナ又ハマグ
ネシウムノ製造ニ關スル〓究又ハ試驗
ヲ爲ス者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ奬
勵金ヲ交付スルコトヲ得
第二十二條政府アルミニウム、アルミ
ナ又ハマグネシウムノ需給ノ圓滑及價
格ノ公正ヲ圖ル爲必要アリト認ムルト
キハ勅令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ適當
ト認ムル會社ニ對シ左ノ各號ニ揭グル
事業ノ全部又ハ一部ヲ行フベキコトヲ
命ズルコトヲ得
-アルミニウム又ハマグネシウムノ
買入、販賣、輸出、輸入、移出及移入
二アルミニウム、アルミナ又ハマグ
ネシウムノ原料及其ノ製造ニ必要ナ
ル材料ノ買入、販賣、輸出、輸入、
移出及移入
三其ノ他アルミニウム、アルミナ又
ハマグネシウムノ需給ノ圓滑及價格
ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル事業
第二十三條前條ノ規定ニ依ル命令ヲ受、
クルコトヲ得ベキ會社ハ帝國法令ニ依
リ設立シタル株式會社ニシテ其ノ株式
ヲ記名式トシ株主ノ全部ガ政府、公共
團體、帝國臣民又ハ帝國法令ニ依リ設
立シタル法人ニ屬シ且其ノ資本ノ三分
ノ二以上及議決權ノ三分ノ二以上ガ二
以上ノ輕金屬製造會社ニ屬スルモノニ
限ル
前項ノ法人ハ其ノ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノナルコト
マヨナ
前條ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者前
二項ノ規定ニ該當セザルニ至リタルト
キハ政府ハ其ノ命令ヲ取消スコトヲ得
第二十四條第二十二條ノ規定ニ依ル命
令ヲ受ケタル會社(受命會社)其ノ命ゼ
ラレタル事業以外ノ事業ヲ行ハントス
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ
許可ヲ受クベシ
第二十五條政府ハアルミニウム又ハマ
グネシウムノ製造、輸入又ハ移入ヲ業
トスル者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ製造、輸入又ハ移入ニ係ルアルミ
ニウム又ハマグネシウムヲ受命會社ニ
賣渡スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十六條受命會社ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケタル價格ニ依
ルニ非ザレバアルミニウム又ハマグネ
シウムノ買入、販賣、輸出、輸入、移
出又ハ移入ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十七條受命會社ノ取締役及監査役
ノ選任及解任、定款ノ變更、利益金ノ
處分、社債ノ募集、合併竝ニ解散ノ決
議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十八條受命會社借入金ヲ爲サント
スルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府
ノ許可ヲ受クベシ
第二十九條受命會社ハ其ノ命ゼラレタ
ル事業ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ業務
規程ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ
變更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ業務規程
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第三十條受命會社ハ其ノ命ゼラレタル
事業ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ事業計
畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變
更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ事業計畫
ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第三十一條政府ハ受命會社ニ對シ其ノ
命ゼラレタル事業ノ業務及財產ノ狀況
ニ關シ報〓ヲ爲サシムルコトヲ得
政府ハ受命會社ニ對シ其ノ命ゼラレタ
ル事業ノ業務及會計ニ關シ監督上必要
ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當
該官吏ヲシテ受命會社ノ事務所、營業
所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ其ノ命
ゼラレタル事業ニ關シ業務若ハ財產ノ
狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査
セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其
ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第三十二條政府軍事上其ノ他公益上必
要アリト認ムルトキハ受命會社ニ對シ
販賣先及販賣數量ノ指定其ノ他アルミ
ニウム又ハマグネシウムノ配給ニ關シ
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十三條政府ハ輕金屬製造會社及受
命會社ヲ除クノ外アルミニウム、ア
ルミナ又ハマグネシウムノ製造、輸
入又ハ移入ヲ爲ス者ニ對シ命令ノ定
ムル所ニ依リ業務又ハ設備ノ狀況ニ關
シ必要ナル事項ヲ屆出デシムルコトヲ
得
第三十四條政府第三條ノ許可、第六條
ノ許可、第十七條ノ命令、第十八條ノ
規定ニ依ル命令、第二十條ノ規定ニ依
ル補償金額ノ決定又ハ第二十二條ノ規
定ニ依ル命令ヲ爲サントスルトキハ勅
令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外輕
金屬製造事業委員會ノ議ヲ經ベシ
輕金屬製造事業委員會ニ關スル規程ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十五條輕金屬製造會社本法若ハ本
法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ
爲ス處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行
爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ其ノ業務ヲ
停止シ若ハ制限シ、第三條ノ許可ヲ取
消シ又ハ取締役若ハ其ノ職務ヲ行フ監
査役ノ解任ヲ爲スコトヲ得
受命會社本法若ハ本法ニ基キテ發スル
命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シ
又ハ公益ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキ
ハ政府ハ第二十二條ノ規定ニ依ル命令
ヲ取消シ又ハ取締役若ハ其ノ職務ヲ行
フ監査役ノ解任ヲ爲スコトヲ得
第三十六條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三條ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケ
ズシテ輕金屬製造事業ヲ營ミタル者
二第二十二條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シタル者
第三十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第六條ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケ
ズシテ設備ヲ增設シ又ハ變更シタル
者
二第十四條第一項ノ規定ニ違反シ許
可ヲ受ケズシテ事業ノ全部又ハ一部
ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタル者
三第十五條第一項ノ規定ニ違反シテ
事業計畫ノ屆出ヲ爲サズ又ハ屆出デ
タル事業計畫ヲ實施セザル者
四第十五條第二項ノ規定ニ依ル變更
命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシ
テ之ヲ實施シタル者
五第十七條乃至第十九條、第二十五
條又ハ第三十二條ノ規定ニ依ル命令
ニ違反シタル者
六第二十四條ノ規定ニ違反シ許可ヲ
受ケズシテ其ノ命ゼラレタル事業以
外ノ事業ヲ行ヒタル者
七第二十六條ノ規定ニ違反シ認可ヲ
受ケタル價格ニ依ラズシテアルミニ
ウム又ハマグネシウムノ買入、販賣、
輸出、輸入、移出又ハ移入ヲ爲シタ
ル者
八第二十八條ノ規定ニ違反シ許可ヲ
受ケズシテ借入金ヲ爲シタル者
九第二十九條第一項ノ規定ニ依リ認
可ヲ受ケタル業務規程ニ依ラズシテ
業務ヲ行ヒタル者
十第二十九條第二項ノ規定ニ依ル變
更命令ニ違反シ業務規程ヲ變更セズ
シテ之ヲ實施シタル者
十一第三十條第一項ノ規定ニ依リ認
可ヲ受ケタル事業計畫ニ依ラズシテ
事業ヲ行ヒタル者
十二第三十條第二項ノ規定ニ依ル變
更命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズ
シテ之ヲ實施シタル者
第三十八條第十六條第二項又ハ第三十
一條第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分
ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處
ス
第三十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第十六條第一項又ハ第三十一條第
一項ノ規定ニ依ル報告ヲ爲サズ又ハ
虚僞ノ報告ヲ爲シタル者
二第十六條第三項又ハ第三十一條第
三項ノ規定ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ
質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ
陳述ヲ爲シタル者
第四十條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リタ
ル者本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得シ
タル個人又ハ法人ノ業務上ノ祕密ヲ漏
洩シ又ハ竊用シタルトキハ一年以下ノ
懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十一條營業者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ業務ニ關シ第三十六條乃至第三十
八條又ハ第三十九條第一號ノ違反行爲
ヲ爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザ
ルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ
得ズ
第四十二條第三十六條乃至第三十八條
及第三十九條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ
法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ
法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年
者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代
理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年
者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條第三十三條ノ規定ニ依ル屆
出ヲ怠リ又ハ不正ノ屆出ヲ爲シタル者
ハ百圓以下ノ過料ニ處ス
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百
八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ第三條ノ規定ニ依リ許
可ヲ受クベキ輕金屬製造事業ヲ營ム者ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ
之ヲ同條ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
前項ノ者ニシテ本法施行ノ際現ニ第六條
ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ設備ノ增設
又ハ變更ノ工事中ニ在ルモノハ命令ノ定
ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ之ヲ同條
ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
第三條ノ規定ニ依リ許可ヲ受クベキ輕
金屬製造事業ヲ營ム爲本法施行ノ際現ニ
其ノ設備ノ建設工事中ニ在ル者ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ本法施行ノ日ヨリ之ヲ同
條ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
前二項ノ規定ニ該當スル者ノ當該設備ニ
關シテハ第七條及第八條ノ規定ハ之ヲ適
用セズ
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=9
-
010・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今上程ニナリ
マシタ輕金屬製造事業法案ニ付キマシテ提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、輕金屬卽チ
「アルミニウム」及「マグネシウム」ハ共ニ「ジ
ユラルミン」等輕合金ノ材料トシ致シマシ
テ、航空機ノ製造ニ缺クベカラザル資材デ
アリマシテ、國防ノ整理上極メテ緊要ナル
コトハ申ス迄モアリマセヌ、且「アルミニ
ウム」及「マグネシウム」ハ各種ノ機械、器
具、裝置ノ材料トシテ、或ハ又銅其ノ他ノ金
屬ノ代用トシテ、單ニ國防上ノミナラズ諸般
ノ產業ノ振興上ニモ重要ナル物資デアリマ
シテ、今後ノ國防整備ト相俟チマシテ、「ア
ルミニウム」及「マグネシウム」ニ對スル需
要ハ將來益〓〓增加スベキ趨勢ニアルノデア
リマス、然ルニ我ガ國ノ輕金屬製造事業ハ、
極メテ最近ニ至ッテ漸ク發達致シタモノデ
アリマスルノデ、現在ノ生產能力ニ於キマ
シテハ、到底需要ヲ充足シ得ルニ至リマセ
又、年々海外ヨリ相當多量ノ輸入ヲ餘儀ナ
クサレテ居ル次第デアリマス、又單ニ生產
數量ガ不足デアリマスルノミデナク、生產
技術乃至ハ生產品ノ品質ノ點ニ付キマシテ
〓、歐米諸國ノ同種事業ニ比シマシテ遜色
ガアリ、國防工業トシテ遺憾ノアル點モ少
クナイノデアリマス、曩ニ現內閣ニ於テ決
定致シマシタ生產力擴充計畫ニ於キマシテ
干、「アルミニウム」及「マグネシウム」ハ共
ニ重要ナル生產力擴充目標ノ物資ト致シマ
シテ採上ゲラレ、之ガ飛躍的擴充ヲ期スル
コトト相成ッテ居リマスルノデアリマスル
ガ、此ノ際我ガ國ノ輕金屬製造事業ヲ急速
ニ發展セシメ、之ヲ確立シテ、單ニ國內ノ
需要ヲ充スニ止ラズ、戰時ニ於ケル軍需資
材ヘノ轉換ヲ考慮致シマシテ、平時ニ於テ
モ相當ノ輸出餘力ヲ有スル程度ニ迄到達致
シマシテ、且其ノ生產技術ヲ極力向上進步
セシメ、歐米ニ於ケル輕金屬製造專業ニ遜
色ナカラシムルニ至ラシムルコトハ、刻下
喫緊ノ要務デアルト存ズルノデアリマス、
之ガ爲ニハ輕金屬製造事業ニ對シマシテ、
各種ノ保護助成ヲ與ヘマスルト共ニ、適切
ナル奬勵策ヲ講ジテ、生產力ノ擴充ヲ極力
促進シ、且必要ナル指導監督ヲ加ヘテ、其ノ
生產技術及經營ヲ改善向上セシメ、併セテ
「アルミニウム」又ハ「マグネシウム」ノ需給
ノ圓滑竝ニ價格ノ適正ヲ圖リマスルガ爲ニ、
必要ニ應ジテ其ノ全製造事業者ヲ中心トス
ル特殊會社ヲシマシテ、「アルミニウム」又
ハ「マグネシウム」ノ共同販賣乃至配給統制
ヲ行ハシメ、之ニ依ッテ同時ニ海外ノ同種事
業ニ對シ、我ガ國ノ事業ノ存立ヲ確保セシ
ムルノ要ガアル次第デアリマス、以上ガ本
法案提案ノ大體ノ理由デアリマス、何卒御
審議ノ上御協賛アラムコトヲ御願ヒ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=10
-
011・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今ノ議題トナリマシ
タ輕金屬製造事業法案ハ、重要ナル法案デ
アリマスルガ故ニ、此ノ特別委員ノ數ヲ十
八名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任ス
ルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=11
-
012・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=12
-
013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=13
-
014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ指名ヲ書記官ヲシテ朗
讀致サセマス氏
〔丸龜書記官朗讀〕
輕金屬製造事業法案特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵山內豐景君
伯爵橋本實斐君子爵井上匡四郞君
子爵大河內正敏君子爵保科正昭君
眞野文二君男爵伊藤一郞君
男爵松田正之君男爵肝付兼英君
加藤敬三郞君長岡隆一郞君
根津嘉一郞君磯貝浩君
松本勝太郞君小野耕一君
大西虎之介君氏家〓吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=14
-
015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴喜君) 日程第五、昭和
十三年法律第六十四號中改正法律案、日程
第六、朝鮮銀行券及臺灣銀行劵ノ保證發行
限度ノ臨時擴張ニ關スル法律案、日程第
七、昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案日程第八、昭和十二年法律第八十四號
中改正法律案、日程第九、昭和十四年度一
般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債追加發行
ニ關スル法律案、日程第十、昭和七年法律
第一號中改正法律案、日程第十一、支那事
變ニ關スル特別賜金トシテ交付スル爲公債
發行ニ關スル法律案、日程第十二、昭和十
三年法律第八十七號中改正法律案、以上政
府提出、衆議院送付、第一讀會、是等ノ法
律案ヲ一括シテ議題トナスコトニ御異議ガ
ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=15
-
016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、石渡大藏大臣
昭和十三年法律第六十四號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年法律第六十四號中改正法律
案
昭和十三年法律第六十四號中左ノ通改正
ス
「十七億圓」ヲ「二十二億圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和十三年法律第六十四號ハ兌換銀行
劵ノ保證發行限度ノ臨時擴張ニ關スル
法律ナリ
朝鮮銀行劵及豪灣銀行劵ノ保證發行限
度ノ臨時擴張ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證發行限
度ノ臨時擴張ニ關スル法律案
朝鮮銀行法第二十二條第二項中一億圓ト
アルハ當分ノ內之ヲ一億六千萬圓ト
ス
臺灣銀行法第九條第二項中五千萬圓トア
ルハ當分ノ內之ヲ八千萬圓トス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ支那事變終了後一年內ニ之ヲ廢止
スルモノトス
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
昭和十三年法律第二十三號中左ノ通改正
ス
第一條關東局、朝鮮總督府、臺灣總督
府及樺太廳ノ各特別會計ニ於ケル所得
税法人資本税、清涼飮料稅、砂糖消
費稅、取引所稅、出港稅、印紙稅又ハ
臨時利得稅ノ昭和十三年度以降ノ增徵
ニ因ル增收額及利益配當稅、公債及社
債利子稅、通行稅、入場稅、特別入場
稅物品稅、建築稅、遊興飮食稅又ハ
遊興稅ノ創設ニ因ル收入額中勅令ノ定
ムル金額ハ每年度豫算ノ定ムル所ニ依
リ之ヲ當該特別會計ヨリ臨時軍事費特
別會計ニ繰入ルベシ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和十三年法律第二十三號ハ關東局、
朝鮮總督府、臺灣總督府及樺太廳ノ各
特別會計ニ於ケル租稅收入ノ一部ニ相
當スル金額等ヲ臨時軍事費特別會計ニ
繰入ルルコトニ關スル法律ナリ
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
昭和十二年法律第八十四號中左ノ通改正
ス
「六十四億七千六百二十萬圓」ヲ「百四億
三十萬圓三六人
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和十二年法律第八十四號ハ支那事變
ニ關スル臨時軍事費支辨ノ爲公債發行
ニ關スル法律ナリ
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル爲公債追加發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル爲公債追加發行ニ關スル法律案
政府ハ昭和十四年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル爲他ノ法律ニ依リ起債シ得ル金
額ノ外三億六千三百三十萬圓ヲ限リ公債
ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル公債ノ發行價格差減額
ヲ補塡スル爲必要アル場合ニ於テハ前項
ノ制限以外ニ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ
爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和七年法律第一號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和七年法律第一號中改正法律案
昭和七年法律第一號中左ノ通改正ス
「十三億八千五百萬圓」ヲ「十七億三千二
百六十萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和七年法律第一號ハ滿洲事件ニ關スル
經費支辨ノ爲公債發行ニ關スル法律ナリ
支那事變ニ關スル特別賜金トシテ交付
スル爲公債發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯時松平賴壽殿
支那事變ニ關スル特別賜金トシテ交付
スル爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ支那事變ニ關スル特別賜金トシテ
交付スル爲之ニ必要ナル額ヲ限度トシ公
債ヲ發行スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十三年法律第八十七號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年法律第八十七號中改正法律
案
昭和十三年法律第八十七號中左ノ通改
正ス
「納稅ノ擔保」ヲ「政府ニ對スル保證金其
ノ他ノ擔保」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十三年五月三十一日以前募集シタル
外國債ニハ改正規定ヲ適用セズ
參照
昭和十三年法律第八十七號ハ本邦内ニ
於テ募集シタル外國債ノ待遇ニ關スル
法律ナリ
〔國務大臣石渡莊太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=16
-
017・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題トナ
リマシタ昭和十三年法律第六十四號中改正
法律案外七件提出ノ理由ヲ說明致シマス
先ヅ兌換銀行劵ノ保證限度ノ臨時擴張ニ關
スル法律中改正法律案ニ付テ說明ヲ致シマ
ス、本法律案ハ支那事變ノ進展ニ伴ヒマシ
テ、兌換銀行劵ノ發行高ノ尙增加ヲ來サム
トスル趨勢ニ對處スル爲、先ニ臨時ニ擴張
シマシタ兌換銀行劵ノ保證發行限度ヲ更ニ
五億圓擴張シテ、之ヲ二十二億圓ト致サム
トスルモノデゴザイマス、昨年四月兌換銀
行劵ノ保證發行限度ノ臨時擴張ニ關スル法
律ガ施行セラレタノデアリマスガ、其ノ後
ニ於ケル經過ヲ見マスルノニ、事變ノ進展
ト共ニ一般經濟取引ノ膨脹ニ依リマシテ、
兌換銀行劵ノ發行高モ增加ヲ來シテ居ルノ
デゴザイマスルガ、昨年七月日本銀行ノ正
貨準備ヨリ三億圓ヲ割キ、新タニ外國爲替
基金ヲ設定致シタ結果トシテ、右臨時擴張
ノ效果ハ、同金額ダケ減殺サレタ關係モア
リマシテ、昨年十一月以降ニハ屢〓制限外發
行ヲ見ルニ至ッタノデアリマス、而シテ今後
ニ於キマシテモ、事變ニ關聯シテ諸般ノ經
濟活動ハ依然トシテ伸張ヲ續ケ、之ニ伴ヒ
マシテ兌換銀行劵ノ發行高モ更ニ增加スル
モノト考ヘラレマスノデ、此ノ際保證發行
限度ヲ臨時ニ相當擴張スルヲ適當ト認メマ
シテ、本案ヲ提出致シタ次第デアリマス、
次ニ朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證銀行限
度ノ臨時擴張ニ關スル法律案ニ付テ說明致
シマス、朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證
發行限度ハ曩ニ昭和十二年九月之ヲソ
レゾレ一億圓及五千萬圓ニ擴張致シタノ
デアリマスガ、其ノ後支那事變ノ進展
ニ依リ朝鮮及臺灣ニ於ケル一般經濟取引
ハ、急激ナル增大ヲ來シ、之ニ伴ッテ朝
鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ發行高ハ顯著
ナル增加ヲ示スニ至ッタノデアリマス、而シ
テ今後ニ於テモ支那事變ニ關聯シテ、朝鮮
及臺灣ニ於ケル通貨ノ需要量ハ更ニ增大
シ、延イテハ朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ發
行高モ、一層增加ヲ來スモノト認メラレル
ノデアリマシテ。0兩銀行劵ノ保證發行限度
ヲ現在ノ儘ニ致シテ置キマス時ハ、朝鮮及
臺灣ニ於テ經濟取引上必要トセラレル通貨
ヲ圓滑ニ供給致シマスル上ニ、支障ヲ生ズ
ルコトナキヲ保シ難イノデアリマス、斯樣
ナ次第デアリマスノデ、今囘支那事變ニ關
聯スル臨時的措置トシテ、朝鮮銀行劵及臺
灣銀行劵ノ保證發行限度ヲ、ソレ〓〓六千
萬圓及三千萬圓擴張スルヲ適當ト認メマシ
テ本法律案ヲ提出致シタノデアリマス、
次ニ昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案ニ付テ說明致シマス、今囘一般會計ニ於
キマシテ、臨時軍事費ノ一部ニ充ツル爲、
〓涼飮料稅、砂糖消費稅、印紙稅、臨時利
得稅、利益配當稅、公債及社債利子稅及物
品稅ヲ增徵スルト共ニ、物品稅ノ課稅範圍
ヲ擴張シ、建築稅及遊興飮食稅ヲ創設スル
コトト致シマシテ、目下衆議院ニ於テ審議
中デアリマスガ、關東、朝鮮、臺灣及樺太
ニ於キマシテモ、內地ニ於ケルト同趣旨ノ
下ニ、〓ネ右ニ準ジ同種ノ租稅ノ增徵又ハ
課稅範圍ノ擴張ヲ爲スト共ニ、新稅ヲ創設
スルコトニ致シマシテ、其ノ收入額ノ一部
ニ相當スル金額ヲ、每年度豫算ノ定ムル所
ニ依リ、外地特別會計カラ臨時軍事費特別
會計ニ繰入ルヽコトト致シマシタノデゴザ
イマスルガ、之ガ會計上ノ處理ニ關シマシ
テ、昭和十三年法律第二十三號中改正ヲ必
要ト致シマスルノデ、本法律案ヲ提出致シ
マシタ次第デゴザイマス、次ニ昭和十二年
法律第八十四號中改正法律案ニ付テ說明致
シマス、支那事變ニ關スル經費ニ付キマシ
テハ、第七十一囘、第七十二囘及第七十三
囘ノ各帝國議會ノ協贊ヲ經マシテ、其ノ財
源ニ充ツル爲ノ公債發行ヲ爲シ得ル權能ヲ
得テ居ルノデアリマスガ、事態ノ推移ニ伴
ヒマシテ、更ニ臨時軍事費ノ追加ヲ必要ト
致シマスル處、其ノ所要財源中六億八千九
十餘萬圓ニ付キマシテハ、一般會計及各特
別會計ヨリノ繰入金等ヲ以テ充當シ、三十
九億二千四百餘萬圓ニ付キマシテハ、之ヲ
公債財源ニ依ルコトト致シマスル爲、昭和
十二年法律第八十四號中ノ公債發行限度ヲ
增額シ、百四億三千萬圓トスル必要ガアリ
マスルノデ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第
デゴザイマス、次ニ昭和十四年度一般會計
歲出ノ財源ニ充ツル爲公債追加發行ニ關ス
ル法律案ニ付テ說明致シマス、昭和十四年
度歲入歲出總豫算ニ伴フ一般會計歲入不
足ノ補塡ニ付キマシテハ、之ニ關スル法律
案ヲ今期議會ニ提出シテアルノデアリマス
ガ、今囘別途提出致シマシタ同年度歲入歲
出總豫算追加第一號ニ計上セル經費ノ、所
要財源總額九億千五十餘萬圓ヨリ、增稅其
ノ他ノ普通歲入ヲ以テ充當スベキ分一億八
千二百四十餘萬圓ト滿洲事件ニ關スル經
費支辨ノ爲ノ公債法ニ依ル公債金ヲ以テ充
當スベキ分三億六千四百七十餘萬圓トヲ差
引キマシタ殘額、三億六千三百二十餘萬圓
ニ付キマシテハ、公債ニ依ルコトト致シテ
居リマスノデ、本法律案ヲ提出致シタ次第
デゴザイマス、次ニ昭和七年法律第一號中
改正法律案ニ付テ說明致シマス、昭和十四
年度ニ於キマシテ滿洲事件ニ關スル經費ト
シテ必要ナル金額三億六千九百十餘萬圓ヨ
リ普通歲入ヲ以テ支辨スベキ豫定ノ金額
四百三十餘萬圓ヲ差引キマシタル殘餘ノ、
三億六千四百七十餘萬圓ニ付キマシテハ、
從來ノ如ク之ヲ公債財源ニ依ルコトト致シ
マシタノデアリマスルガ、昭和十二年度ニ
於ケル滿洲事件費ニシテ、公債財源ニ依
ルコトト豫定致シテ居リマシタ分ノ中、決
算上不用ト相成ッタ金額等ガ千七百十餘萬
圓アリマスル爲、之ヲ差引キマシテ、三億
四千七百六十餘萬圓ヲ、現行ノ昭和七年法
律第一號ニ依リ、公債發行限度ヲ增加スル
必要ガアリマスノデ、本法律案ヲ提出致シ
マシタ次第デゴザイマス、次ニ支那事變ニ
關スル特別賜金トシテ交付スル爲公債發行
ニ關スル法律案ニ付テ說明致シマス、支
那事變ニ關スル勤務ニ從事シ、之ガ爲死歿
致シマシタル陸海軍軍人軍屬等ノ遺族ニ對
シマシテ、賜與致サレマスル特別賜金ニ
付キマシテハ、昭和十三年八月以降當該
豫算ヲ以テ大藏省預金部又ハ日本銀行ヨリ
公債ヲ買上ゲマシテ、之ヲ交付スルコトト
致シテ參リマシタガ、右ハ寧ロ交付公債發
行ノ方法ニ依ルノヲ適當ト認メマシタル
處之ガ爲ニハ公債發行ニ關スル法律ノ制
定ヲ必要ト致シマスルノデ、本法律案ヲ提
出致シマシタ次第デゴザイマス、最後ニ昭
和十三年法律第八十七號中改正法律案ニ付
テ說明致シマス、本邦內ニ於テ募集シタル
外國債ニ關シマシテハ、昭和十三年法律第
八十七號ニ依リ、命令ヲ以テ定メタル一定
ノ外國債ニ付キマシテ、租稅ノ賦課又ハ納
稅ノ擔保ニ關シテノミ、國債ト同樣ノ待遇
ヲ與ヘテ居リマスルガ、更ニ其ノ範圍ヲ擴
張致シマシテ、政府ニ對スル保證金其ノ他
ノ擔保ノ總テノ場合ニ關シマシテモ亦、爾
今國債ト同樣ノ待遇ヲ與フルコトトスル爲、
該法律中改正ヲ爲スノ必要ガアリマスル
ノデ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第デゴ
ザイマス、以上八件ニ付キマシテハ、何卒
御審議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘラレムコトヲ
希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=17
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018・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
昭和十三年法律第六十四號中改正法律案外
七件ハ、關聯スル所ガアリマスルガ故ニ、昭和
十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公
債發行ニ關スル法律案外六件ノ特別委員ニ
併託セラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=18
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019・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=19
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020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十三、地
方學事通則中改正法律案、日程第十四、靑
年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ者ノ就
業時間ニ關スル法律案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會、是等ノ二案ヲ一括シテ議題
トスルニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=22
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023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、荒木文部大臣
地方學事通則中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
地方學事通則中改正法律案
地方學事通則中左ノ通改正ス
第五條中「兒童〓育事務」ヲ「兒童生徒〓
育事務」ゴル人
第九條中「郡」ヲ削ル
第十條中「郡制」ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ
者ノ就業時間ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ
者ノ就業時間ニ關スル法律案
工場法、鑛業法ニ基キテ發スル命令又ハ
商店法中就業時間數ノ制限ニ關スル規定
ヲ靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ
者ニシテ十六歲未滿ノモノニ付適用スル
場合ニ於テハ其ノ者ガ履修スベキ義務課
程タル一日ノ〓授及訓練時間ハ之ヲ就業
時間ト看做ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣男爵荒木貞夫君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=23
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024・荒木貞夫
○國務大臣(男爵荒木貞夫君) 只今議題ト
ナリマシタ地方學事通則中改正法律案提出
ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、靑年學校〓育
ノ義務制ノ實施ニ當リマシテハ市町村ノ
狀況ニ依リ、靑年學校生徒ノ〓育事務ヲ他
ノ市町村等ニ委託シ得ル途ヲ開クノ必要ガ
アリマスルコトト、尙此ノ機會ニ字句ノ整
理ヲモ併セ行ハムガ爲、同法中二三ノ改正
ヲ爲サムトスルモノデアリマス、何卒宜シ
ク御審議アラムコトヲ切望致シマス
〔國務大臣廣瀨久忠君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=24
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025・廣瀬久忠
○國務大臣(廣瀨久忠君) 只今議題トナリ
マシタ靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベ
キ者ノ就業時間ニ關スル法律案ニ付キマシテ
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、靑年學校ノ
義務制ハ昭和十四年度ヨリ實施セラレル豫
定デアリマス、從ヒマシテ工場、鑛山、商店
等ニ働ク者モ靑年學校ニ就學セシメラルヽ
コトト相成ルノデアリマス、現在工場、鑛
山又ハ商店ニ働イテ居リマスル十六歲未滿
ノ者ニ付キマシテハ、既ニ工場法、鑛業法
ニ基ク命令又ハ商店法ニ於テ就業時間ノ制
限ヲ設ケ、年少者ニ對シ特別ノ保護ヲ圖ッテ
居ルノデアリマス、然ルニ是等ノ者ニ付テ
國家ガ靑年學校ノ就學ヲ義務トシテ命ズル
場合ニ於キマシテ、其ノ者ノ就業時間ニ對
シ新タニ制限ヲ設ケナイト致シマスレバ
勢ヒ是等ノ年少者ハソレ〓〓ノ法令ニ於テ
許サレテ居リマスル最長時間ノ勞働ニ加フ
ルニ、更ニ今同ノ靑年學校義務制ニ依ル〓育
ヲ受クルコトトナルノデアリマシテ、其ノ
結果ハ明カニ年少者ニ心身ノ負擔ヲ加重セ
シムルノデアリマス、ソレ故ニ一面ニ於キ
マシテ靑年學校ヲ義務制ト致シマス所以ハ、
社會ノ實務ニ從事スル靑年ノ〓育ヲ一段ト
徹底セシムルコトガ、今日ノ我ガ國情ニ鑑
ミ極メテ緊要ナコトト考ヘラレタカラデア
リマス、而シテ之ガ〓育ノ效果ヲ擧ゲマス
爲ニハ、就學セシメラルベキ是等ノ者ニ對
シマシテ、適當ナル保護ヲ與フルノ必要ガ
アルノデアリマス、以上ノヤウナ趣旨カラ
靑年學校令ニ依リ就學セシメラルベキ者ノ
就業時間ニ新タニ制限ヲ加ヘル必要ヲ認メ、
玆ニ本法案ヲ提出致シタ次第デアリマス、
以上ハ本法案ノ〓要デアリマスガ、何卒愼
重御審議ノ上、御協賛アラムコトヲ御願ヒ
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=25
-
026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御質疑ガナケレ
バ、兩案ハ之ヲ靑年學校〓育費國庫補助法
案ノ特別委員ニ併託致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=26
-
027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十五、司
法保護事業法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、鹽野司法大臣
司法保護事業法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
司法保護事業法案
司法保護事業法
第一條本法ニ於テ司法保護事業トハ左
ニ揭グル者ノ保護ヲ爲ス事業及右事業
ニ關シ指導、聯絡又ハ助成ヲ爲ス事業
ヲ謂フ
ー訴追ヲ必要トセザル爲公訴ヲ提起
セズトセラレタル者
二刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ受ケタル者
三刑ノ執行停止中ノ者
四刑ノ執行ノ免除ヲ得タル者
五假出獄中ノ者
六刑ノ執行ヲ終リタル者
七少年法ニ依リ保護處分ヲ受ケタル
者
第二條前條ノ保護ニ於テハ本人ガ更ニ
罪ヲ犯スノ危險ヲ防止シ之ヲシテ進ン
デ臣民ノ本分ヲ恪守セシムル爲性格ノ
陶冶、生業ノ助成其ノ他適當ノ處置ヲ
以テ本人ヲ輔導スルモノトス
保護ノ種類及方法ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第三條司法保護事業ヲ經營セントスル
者ハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ廢
止セントスルトキ亦同ジ
第四條、主務大臣ハ司法保護事業ヲ經營
スル者ニ對シ監督上必要アル場合ニ於
テハ其ノ事業ニ關スル報〓ヲ徵シ、實
況ヲ調査シ又ハ事業ノ經營ニ關シ指示
ヲ爲スコトヲ得
第五條主務大臣ハ司法保護事業ヲ經營
スル者ニ對シ司法保護事業ニ關スル事
項ノ調査ヲ委囑スルコトヲ得
第六條司法保護事業ヲ經營スル者其ノ
事業ノ經營ニ必要ナル資金ヲ得ル爲寄
附金ヲ募集セントスルトキハ主務大臣
又ハ地方長官ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ規定ニ依リ寄附金ヲ募集シタル
者(其ノ承繼者ヲ含ム)ハ其ノ收支ヲ寄
附金募集ノ許可ヲ受ケタル官廳ニ報〓
天ぷ)
前項ニ揭グル者其ノ寄附金又ハ之ニ依
リテ得タル財產ヲ處分セントスルトキ
ハ寄附金募集ノ許可ヲ受ケタル官廳ノ
許可ヲ受クベシ
第七條司法保護事業ヲ經營スル者本法
ニ違反シ、公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞
アリ又ハ著シク不當ノ行爲アリタルト
キハ主務大臣ハ司法保護事業委員會ノ
意見ヲ聽キ其ノ者ニ對シ第三條ノ認可
ヲ取消シ又ハ事業ノ經營ヲ制限スルコ
トヲ得司法保護事業ヲ經營スル者ガ法
人ナル場合ニ於テ理事其ノ他ノ業務ヲ
執行スル役員ニ著シク不當ノ行爲アリ
タルトキ亦同ジ
司法保護事業委員會ニ關スル規程ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條政府ハ司法保護事業ヲ經營スル
者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ奬勵金ヲ
交付スルコトヲ得
第九條道府縣、市町村其ノ他ノ公共團
體ハ司法保護事業ノ用ニ供スル土地建
物ニ對シテ租稅其ノ他ノ公課ヲ課スル
コトヲ得ズ但シ有料ニテ之ヲ使用セシ
ムル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十條第一條ニ揭グル者ノ保護ヲ爲サ
シムル爲別ニ司法保護委員ヲ置ク
司法保護委員ニ關スル規程ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十一條司法保護事業ヲ經營スル者左
ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ五百圓以
下ノ罰金ニ處ス
-第六條第一項ノ規定ニ依ル許可ヲ
受ケズシテ寄附金ヲ募集シタルトキ
二第六條第二項ノ規定ニ依ル報告ヲ
爲サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタルト
キ
三第六條第三項ノ規定ニ依ル許可ヲ
受ケズ又ハ其ノ許可ニ反シテ寄附金
又ハ之ニ依リ得タル財產ヲ處分シタ
ルトキ
四第七條ノ規定ニ依ル取消又ハ制限
ニ違反シテ司法保護事業ヲ經營シタ
ルトキ
第十二條司法保護事業ヲ經營スル者ハ
其ノ代理人、戶主、家族、雇人其ノ他
ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法ニ違反
シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ
故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十三條司法保護事業ヲ經營スル者ニ
適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルト
キハ理事其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行ス
ル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナル
トキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ司法保護事業ヲ經營ス
ル者ニシテ命令ノ定ムル所ニ依リ屆出ヲ
爲シタルモノハ第三條ノ規定ニ依ル認可
ヲ受ケタル者ト看做ス
第六條第一項ノ規定ハ司法保護事業ヲ經
營スル者ニシテ本法施行前寄附金ノ募集
ニ付行政官廳ノ許可ヲ受ケタルモノニ對
シテハ其ノ許可ニ基キ本法施行ノ際現ニ
募集中ノ寄附金ニ付之ヲ適用セズ
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=27
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028・塩野季彦
○國務大巨(鹽野季彥君) 只今議題トナリ
マシタ司法保護事業法案ニ付キマシテ御說
明申上ゲマス、近年ノ犯罪現象ヲ見マスル
ニ、再犯者ノ數ハ年ヲ逐フテ增加ノ傾向ヲ
示シテ居ルノデアリマシテ、之ヲ長期戰下
ニ於ケル犯罪ノ推移ト併セ考ヘマスル時ハ、
誠ニ憂慮ニ堪ヘザルモノガアリマス、平時
ニ於キマシテモ、安寧秩序ハ國運ノ發展、
國民ノ福社ノ基礎デアリマスガ、今日國ヲ
擧ゲテ新東亞建設ノ大業ニ邁進シテ居リマ
スル時、銃後ニ於ケル治安ヲ確保スルコト
ハ最モ緊要ナル時務ニ屬スルノデアリマシ
テ、之ガ爲ニハ罪ヲ犯シタル者ヲ保護善導
シテ、其ノ再犯ニ陷ルノ危險ヲ防止スルト
共ニ、進ンデ忠良ナル臣民ノ道ニ復歸セシ
メ、國民トシテ應分ノ御奉公ヲ爲サシムル
ヤウ、之ヲ輔導援護スルコトガ肝要デアリ
さく、御承知ノ如ク國家ノ經營スル司法保
護施設ト致シマシテハ、思想犯ニ付テハ思
想犯保護觀察法ニ基キ保護觀察所ガ設置セ
ラレ、少年ニ付テハ少年法ニ基キ少年審判
所及矯正院ガ設置セラレテ、何レモ相當ノ
實績ヲ擧ゲテ居ルノデアリマスガ、是等ノ
國家機關ガ保護活動ヲ爲スニ當リマシテハ
民間ニ於テ經營セラルヽ司法保護專業ノ協
力ニ俟ツ所ガ多イノデアリマス、而シテ思
想犯及少年ヲ除ク一般ノ犯罪者ノ保護ニ付
テハ、保護觀察所、少年審判所及矯正院ニ
比スベキ國家施設ガナイノデアリマスカラ、
殆ド全ク民間ノ事業經營者ノ保護活動ニ依
存シテ居ルノ實情デアリマス、現在民間ノ
保護事業經營者ノ數ハ一千二百ヲ超ユルノ
デアリマスガ、其ノ機構ハ少數ノ者ヲ除イ
テハ〓ネ脆弱デアリマスノミナラズ、其ノ
保護活動ノ內容ニ付キマシテモ、從來殆ド
各經營者ノ任意ニ委セラレテ居リマシタ關
係カラ、其ノ熱意ニ於キマシテハ誠ニ推重
スベキモノガアルニ拘ラズ、其ノ方法ニ於
テハ今尙改善ノ餘地ヲ存スルト認ムベキモ
ノモ少クナイノデアリマス、尙又司法保護
ノ對象トナルベキモノハ每年數十萬ニモ達
スルノデアリマシテ、民間ニ於ケル保護事
業經營者ノミノ努力ヲ以テシテハ、能ク當
面ノ必要ニ對應シ得ナイ事情ニアリマスル
バカリデナク、是等多數ノ保護對象者ノ中
ニハ、保護事業經營者以外ノ民間有識者ノ
輔導援護ニ依ッテ、更生復活セシメ得ルモノ
ガ少クナイノデアリマス、右ニ申述ベマシ
タ理由ニ依リマシテ、政府ハ一面司法保護
事業ヲ經營スル者ニ對スル助成ノ方途ヲ講
ジ、適當ナル指導監督ヲ加ヘテ、其ノ機能
ヲ一層有效適正ニ發揮セシムルト共ニ、他
面ニ於テハ新タニ司法保護委員ノ制度ヲ設
ヶ、民間ノ有識者ニ司法保護委員ヲ委囑シ
テ保護活動ヲ爲サシムル爲、玆ニ司法保護
事業法ヲ制定スルノ必要ヲ認メタ次第デアリ
きく、本法案ニ關スル詳細ハ委員會ニ於テ
御說明申上ゲル機會ガアラウト思フノデア
リマスルガ、何卒愼重御審議ノ上、御協賛
ヲ與ヘラレムコトヲ切望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=28
-
029・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
司法保護事業法案ハ、關聯スル所ガゴザイ
マス故ニ、人事調停法外三件ノ特別委員ニ
併託セラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=29
-
030・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=30
-
031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=31
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032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=32
-
033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十六、國
際電氣通信株式會社法中改正法律案、政府
提出、衆議院送付、第一讀會、鹽野遞信大
臣
國際電氣通信株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字ハ衆議院ノ修正ナリ)
國際電氣通信株式會社法中改正法律案
國際電氣通信株式會社法中左ノ通改正ス
第一條中「其ノ附屬設備」ノ下ニ「(國內電
氣通信ニ共用セラルル通信ケーブル設備
及其ノ附屬設備ヲ含ム)」ヲ加フ
第二條國際電氣通信株式會社ハ前條ニ
定ムルモノノ外政府ノ命令ニ依リ又ハ
其ノ認可ヲ受ケ左ノ事業ヲ營ムコトヲ
得
一外國ニ於ケル電氣通信事業ノ經營
二外國ニ於ケル電氣通信ノ設備及其
ノ附屬設備ノ貸付
三電氣通信ノ設備及其ノ附屬設備ノ
建設及保守ノ請負
四電氣通信ノ用品ノ製造及販賣
五前四號ニ揭クル事業ニ對スル投資
第三條及第四條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ
改ム
第五條國際電氣通信株式會社ノ株式ハ
記名式トス
國際電氣通信株式會社ノ株主ハ政府、
公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシ
テ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員
ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決
權ノ過半數カ外國人若ハ外國法人ニ屬
セサルモノタルコトヲ要ス
勅令ノ定ムル法人ニシテ特ニ政府ノ許
可ヲ受ケタルモノハ前項ノ規定ニ拘ラ
ス國際電氣通信株式會社ノ株主ト爲ル
コトヲ得
第六條政府ハ國際電氣通信株式會社ニ
對シ其ノ資本ノ半額ヲ限リ出資スルコ
トヲ得
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ
株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ
得
政府ハ國ノ所有ニ屬スル第一條ニ揭ク
ル設備及其ノ設備ヲ爲ス爲購入シタル
土地ヲ以テ出資ノ目的ト爲スコトヲ得
第六條ノ二前條ノ規定ニ依リ政府ニ於
テ引受ケタル株式ノ拂込金ハ通信事業
特別會計ノ資本勘定ノ歲出トス
通信事業特別會計ニ屬スル財產ノ出資
ニ因リ政府ノ取得シタル株式ハ同特別
會計ノ資本所屬物件トス
第八條政府ハ國際電氣通信株式會社ノ
設備ヲ使用シタルトキハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ該設備使用ニ對シ國際電氣通
信株式會社ニ交付金ヲ交付ス
第八條ノ二國際電氣通信株式會社ハ商
法ニ規定スル制限ヲ超エテ社債ヲ募集
スルコトヲ得但シ社債ノ總額ハ拂込ミ
タル株金額ノ三倍ヲ超ユルコトヲ得ス
社債ヲ募集スル場合ニ於ケル株主總會
ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ當ル株主出
席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲
スコトヲ得
第八條ノ三政府ハ社債ノ元本ノ償還及
利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ得
前項ノ保證ニ因ル政府ノ支出金ハ通信
事業特別會計ノ業務勘定ノ歲出トス
第十二條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ、「電氣
通信ノ設備若ハ其ノ附屬設備」ヲ「第一
條ニ揭クル設備」ニ改ム
第十二條ノ二政府ハ公益上必要アリト
認ムルトキハ國際電氣通信株式會社ニ
對シ電氣通信ノ技術ノ〓究ニ關シ必要
ナル事項ヲ命スルコトヲ得
第十二條ノ三國際電氣通信株式會社ハ
命令ノ定ムル技術者ヲ選任シ技術ニ關
スル事項ヲ擔任セシムヘシ
政府ハ前項ノ技術者カ其ノ職務ヲ怠リ
又ハ其ノ職務ヲ行フニ當リ不當ナル行
爲ヲ爲シタルトキハ其ノ解任ヲ命スル
コトヲ得
第十二條ノ四國際電氣通信株式會社社
債ヲ募集セムトスルトキ又ハ借入金ヲ
爲サムトスルトキハ政府ノ認可ヲ受ク
ヘシ
第十二條ノ五國際電氣通信株式會社事
業計晝ヲ設定シ又ハ變更セムトスルト
キハ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第十三條取締役及監査役ノ選任及解
任定款ノ變更、利益金ノ處分、合併
竝解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ
非サレハ其ノ效力ヲ生セス
政府ハ國際電氣通信株式會社ノ決議又
ハ取締役若ハ監査役ノ行爲カ法令、法
令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ
又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決
議ヲ取消シ又ハ取締役若ハ監査役ヲ解
任スルコトヲ得
第十三條ノ二國際電氣通信株式會社ヲ監督
スル官廳ノ官吏タリシ者ハ退職後五年間ハ
政府ノ認可ヲ受クルニ非サレハ國際電氣通
信株式會社ノ取締役及監査役ト爲ルコトヲ
得ス
第十四條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ改ム
第十四條ノ二政府ハ國際電氣通信株式
會社監理官ヲ置キ國際電氣通信株式會
社ノ業務ヲ監視セシム
第十四條ノ三國際電氣通信株式會社監
理官ハ何時ニテモ國際電氣通信株式會
社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢
査スルコトヲ得
國際電氣通信株式會社監理官必要ト認
ムルトキハ何時ニテモ國際電氣通信株
式會社ニ命シ業務ニ關スル諸般ノ計算
及狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
國際電氣通信株式會社監理官ハ株主總
會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳
述スルコトヲ得
第十四條ノ四國際電氣通信株式會社ハ
每營業期ニ於ケル配當シ得ヘキ利益金
額カ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ達ス
ル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利益ノ
配當ヲ爲スコトヲ要セス
第十四條ノ五國際電氣通信株式會社勅
令ノ定ムル營業期及爾後ノ每營業期ニ
於ケル配當シ得ヘキ利益金額カ政府以
()
外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込金額ニ對
シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場合ニ
於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對
シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配當ヲ
爲サムトスルトキハ其ノ超過スル利益
金額ハ利益配當カ總株式ニ付拂込ミタ
ル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達スル迄政
府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込金額及
政府ノ所有スル株式ノ拂込金額ニ對シ一
ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スヘシ
國際電氣通信株式會社前項ノ規定ニ依
リ利益ノ配當ヲ爲ス場合ニ於テ昭和十
四年三月三十一日以前ニ於テ發行シタ
ル政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對ス
ル利益配當金カ其ノ拂込株金額ニ對シ
年百分ノ七ノ割合ニ達セサルトキハ勅
令ノ定ムル營業期及爾後十年間ヲ限リ
政府ノ所有スル株式ニ對スル配當ニ充
ツヘキ利益金ヲ以テ之ニ達スル迄該株
式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ得但シ
昭和十四年四月一日以後ニ於テ拂込ミ
タル株金額ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス
第十四條ノ六國際電氣通信株式會社ニ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ昭和十五年一
月一日ヨリ十年間其ノ通信ケーブル設
備ヲ以テ營ム事業ニ付所得稅及營業收
益稅ヲ免除ス
第十四條ノ七北海道、府縣及市町村其
ノ他之ニ準スヘキモノハ前條ノ規定ニ
依リ所得稅及營業收益稅ヲ免除セラレ
タル國際電氣通信株式會社ノ事業ニ對
シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ス但シ特別
ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場
合ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條ノ八國際電氣通信株式會社左
ノ事項ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ
其ノ登錄稅ノ額ハ左ノ額トス
一第六條第三項ニ規定スル出資ニ因
ル資本ノ增加
增資拂込株金額ノ千分ノ一
二第六條第三項ニ規定スル出資ニ基
ク不動產ニ關スル權利ノ取得
不動產ノ價格ノ千分ノ三
第十四條ノ九電信線電話線建設條例ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ國際電氣通信株
式會社カ第一條ニ揭クル設備ノ建設及
保守ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
國際電氣通信株式會社カ本法若ハ本法
ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲
ス處分ニ違反シタルトキハ取締役又ハ
其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ百圓以上五千
圓以下ノ過料ニ處ス
第十六條ノ二本法ヲ朝鮮、臺灣又ハ樺
太ニ施行スル場合ニ於テ必要アルトキハ
勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ爲スコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府國際電氣通信株式會社法第六條第三
項ノ規定ニ依リ出資ヲ爲サントスルトキ
ハ出資ノ目的タル財產ノ價格及之ニ對シ
テ與フル株式ノ數ニ付政府出資財產評價
委員會ノ議ヲ經ベシ
政府出資財產評價委員會ニ關スル規程ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府ハ一般會計ニ屬スル國際電氣通信株
式會社ノ株式ヲ有償ニテ通信事業特別會
計ニ保管換ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ保管換ヲ爲ス株式ノ對
價タル支出金ハ通信事業特別會計ノ資本
勘定ノ歲出トシ其ノ株式ハ同特別會計ノ
資本所屬物件トス
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=33
-
034・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 只今議題トナリ
マシタ國際電氣通信株式會社法中改正法律
案ノ提案理由ニ付テ御說明申上ゲマス、現
下內外ノ諸情勢竝ニ東亞ニ於ケル電氣通信
ノ現狀ニ鑑ミマスルニ、日滿支三國ノ國
防、政治、經濟及文化ノ緊密ナル互助連繫ヲ
確保スルニ必要ナル東亞電氣通信網ヲ整備
致シマスコトハ東亞ノ新秩序確立上、不
可缺且喫緊ノ一要目デアリマス、從ヒマシ
テ日滿支三國ノ主要都市ヲ連絡スル安固ニ
シテ堅牢ナル「通信ケーブル」ノ急速ナル整備
ヲ企圖スルコトガ肝要デアリマシテ、之ガ
爲ニハ我ガ國ノ適當ナル民間機關ヲシテ、
滿洲及支那ノ各通信事業經營機關ト緊密ナ
ル連繫ヲ保チツヽ其ノ整備ニ當ラシムル
方策ヲ採ルコトガ必要デアリマス、卽チ政
府ハ我ガ國通信政策其ノ他諸般ノ事情ヨリ
見マシテ、現在對外電氣通信設備ノ建設保
守、外國ニ於ケル無線設備ノ貸付及工事ノ
請負等ヲ目的トシテ居リマスル國際電氣通
信株式會社ヲシテ、本整備ニ協力セシムル
コトガ最モ適當デアルト考ヘマシテ、今囘
同會社ノ事業目的ヲ擴張致シマスルト同時
ニ、事業ノ圓滿適正ナル遂行ヲ期スル爲、
一面會社ニ對スル政府ノ保護ヲ厚ウシ、他
面政府ノ監督權ヲ强化スル等ノ必要ヲ認メ
マシテ、本改正法律案ヲ提出シタ次第デア
リマス、何卒御審議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘ
ラレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=34
-
035・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
國際電氣通信株式會社法中改正法律案ハ、
重要ナル法案デアリマスルガ故ニ、其ノ特
別委員ノ數ヲ十八名トシ、其ノ指名ヲ議長
ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=35
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036・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
國際電氣通信株式會社法中改正法律案特
別委員
公爵一條實孝君侯爵池田宣政君
侯爵久我通顯君伯爵兒玉秀雄君
男爵坂本俊篤君子爵松平忠壽君
子爵舟橋〓賢君子爵入江爲常君
男爵淺田良逸君今井田〓德君
男爵飯田精太郞君倉知鐵吉君
遠藤柳作君小坂順造君
稻畑勝太郞君鈴木幸作君
水野甚次郞君上野喜左衞門君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=38
-
039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十七、船
員保險法案、政府提出、衆議院送付、第
讀會、廣瀨厚生大臣
船員保險法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
船員保險法案
船員保險法
第一章總則
第一條船員保險ニ於テハ被保險者又ハ
被保險者タリシ者ノ疾病、負傷、老齡、
癈疾、脫退又ハ死亡ニ關シ保險給付ヲ
爲スモノトス
第二條船員保險ハ政府之ヲ管掌ス
第三條本法ニ於テ報酬ト稱スルハ船員
ガ職務執行ノ對償トシテ船舶所有者ヨ
リ受クル給料及之ニ準ズベキモノヲ謂
フ
給料ニ準ズベキモノノ範圍及評價ニ關
シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條報酬ノ額ニ基キ保險料又ハ保險
給付ノ額ヲ定ムル場合ニ於テハ標準報
酬ニ依リ之ヲ算定ス
標準報酬ニ關スル事項ハ勅令ヲ以テ之
ファン
第五條保險料其ノ他本法ニ依ル徴收金
ヲ徵收シ又ハ其ノ還付ヲ受クル權利及
療養費、傷病手當金、癈疾手當金又ハ
死亡手當金ヲ受クル權利ハ一年ヲ經過
シタルトキ、養老年金、癈疾年金、脫
退手當金又ハ第三十六條、第三十七條、
第四十二條若ハ第四十九條ノ規定ニ依
ル一時金ヲ受クル權利ハ五年ヲ經過シ
タルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第六條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命
令ニ規定スル期間ノ計算ニ付テハ本法
ニ別段ノ規定アルモノヲ除クノ外民法
ノ期間ノ計算ニ關スル規定ヲ準用ス
第七條船員保險ニ關スル書類ニハ印紙
稅ヲ課セズ
第八條行政官廳又ハ保險給付ヲ受クベ
キ者ハ被保險者又ハ被保險者タリシ者
ノ戶籍ニ關シ戶籍事務ヲ管掌スル者又
ハ其ノ代理者ニ對シ無償ニテ證明ヲ求
ムルコトヲ得
第九條行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者ヲシ
テ其ノ雇傭スル者ノ異動及報酬ニ關シ
報告ヲ爲サシメ、文書ヲ提示セシメ其
ノ他船員保險ノ施行ニ必要ナル事務ヲ
行ハシムルコトヲ得
第十條本法又ハ本法ニ基キテ發スル命
令中船舶所有者トアルハ船舶共有ノ場
合ニ在リテハ船舶管理人、船舶貸借ノ
場合ニ在リテハ船舶借入人トス
第十一條船舶ガ滅失又ハ沈沒シタル際
現ニ其ノ船舶ニ乘組ム被保險者又ハ其
ノ船舶ニ乘組中被保險者ノ資格ヲ喪失
シ引續キ船舶內ニ在ル者ガ滅失又ハ沈
沒ノ日ヨリ三月間其ノ生死分明ナラザ
ルトキハ本法ノ適用ニ付テハ其ノ期間
滿了ノ日ニ死亡シタルモノト推定ス
船舶ノ存否ガ一月間分明ナラザルトキ
ハ船舶ハ滅失シタルモノト推定ス
第一項ノ規定ハ被保險者又ハ船舶ニ乘
組中被保險者ノ資格ヲ喪失シ引續キ船
舶內ニ在ル者ガ船舶航行中行方不明ト
爲リタル場合ニ於テ三月間生死分明ナ
ラザルトキニ之ヲ準用ス
第十二條保險料ヲ滯納スル者アルトキ
ハ行政官廳ハ期限ヲ指定シテ之ヲ督促
スベシ
前項ノ規定ニ依リ督促ヲ爲シタル場合
ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ督促手
數料及延滯金ヲ徵收ス
第一項ノ規定ニ依ル督促ヲ受ケタル者
其ノ指定ノ期限迄ニ保險料其ノ他本法
ニ依ル徵收金ヲ納付セザルトキハ行政
官廳ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ處
分シ又ハ滯納者若ハ其ノ者ノ財產ノ在
ル市町村ニ對シ之ガ處分ヲ請求スルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依リ市町村ニ對シ處分ノ
請求ヲ爲シタルトキハ市町村ハ市町村
稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於
テハ行政官廳ハ徵收金額ノ百分ノ四ニ
相當スル金額ヲ當該市町村ニ交付スベ
シ
第十三條保險料其ノ他本法ニ依ル徵收
金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之
ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ他ノ公
課ニ先ツモノトス
第十四條保險料其ノ他本法ニ依ル徵收
金ニ關スル書類ノ送達ニ付テハ國稅徵
收法第四條ノ七及第四條ノ八ノ規定ヲ
準用ス
第十五條國、北海道、府縣、市町村其
ノ他之ニ準ズベキモノノ所有ニ屬スル
船舶ニ乘組ム船員ニ關シテハ本法ノ適
用ニ付勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
第十六條本法中町村トアルハ町村制ヲ
施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキ
モノトス
第二章被保險者
第十七條船員法第一條ニ規定スル帝國
臣民タル船員ニシテ本法施行地ニ船籍
港ヲ定ムル船舶ニ乘組ムモノハ船員保
險ノ被保險者トス但シ左ニ揭グル者ハ
此ノ限ニ在ラズ
-船舶所有者ニ雇傭セラレザル者
二官吏又ハ待遇官吏(俸給給料ヲ受
ケザル者ヲ除ク)
三前二號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以テ
指定スル者
第十八條被保險者ハ船舶ニ乘組ミタル
日、前條各號ノ規定ニ該當セザルニ至
リタル日又ハ日本ノ國籍ヲ取得シタル
日ヨリ其ノ資格ヲ取得ス
第十九條被保險者ハ死亡シタル日、船(
舶ニ乘組マザルニ至リタル日、第十七
條各號ノ規定ノ一ニ該當スルニ至リタ
ル日又ハ日本ノ國籍ヲ失ヒタル日ノ翌
日ヨリ其ノ資格ヲ喪失ス但シ其ノ事實
アリタル日ニ更ニ前條ノ規定ニ該當ス
ルニ至リタルトキハ其ノ日ヨリ其ノ資
格ヲ喪失ス
第二十條十年以上十五年未滿被保險者
タリシ者ガ被保險者タラザルニ至リタ
ル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
繼續シテ被保險者ト爲ルコトヲ得但シ
其ノ者ガ日本ノ國籍ヲ失ヒタルトキハ
此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依ル被保險者ニ對シテハ
老齡又ハ脫退ニ關スル保險給付ニ限リ
之ヲ爲スモノトス
第二十一條前條ノ規定ニ依ル被保險
者ハ第十七條ノ規定ニ依ル被保險者タ
リシ期間ト前條ノ規定ニ依ル被保險者
タリシ期間トヲ合算シテ十五年ニ達シ
タルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事由
ニ該當スルニ至リタルトキハ其ノ資格
ヲ喪失ス
第十九條ノ規定ハ前條ノ規定ニ依ル被
保險者死亡シタル場合及日本ノ國籍ヲ
失ヒタル場合ニ之ヲ準用ス
第三章保險給付
第一節總則
第二十二條被保險者タリシ期間ハ被保
險者ノ資格ヲ取得シタル月ヨリ之ヲ起
算シ其ノ資格ヲ喪失シタル月ノ前月ヲ
以テ終ル但シ十六日以後ニ於テ被保險
者ノ資格ヲ取得シタルトキハ其ノ月ハ
半月トシテ之ヲ計算ス
十六日以後ニ於テ被保險者ノ資格ヲ喪
失シタルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ其
ノ月ハ半月トシテ之ヲ被保險者タリシ
期間ニ加算ス
被保險者ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ其
ノ資格ヲ取得シタル者ニ對シテ保險給
付ヲ爲ス場合ニ於テハ前後ノ被保險者
タリシ期間ハ之ヲ合算ス但シ脫退手當
金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ於テハ其ノ
計算ノ基礎ト爲リタル期間ハ之ヲ合算
セズ
前項但書ノ規定ハ第四十九條ノ規定ニ
依リ差額ノ支給ヲ受ケタル場合ニ之ヲ
準用ス
第二十三條第三十六條、第三十七條若
ハ第四十二條ノ規定ニ依ル一時金又ハ
死亡手當金ヲ受クベキ遺族ノ範圍及順
位ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條養老年金及癈疾年金ノ支給
ハ之ヲ支給スベキ事由ノ生ジタル月ノ
翌月ヨリ之ヲ始メ權利消滅ノ月ヲ以テ
終ル
第二十五條政府ハ事故ガ第三者ノ行爲
ニ因リテ生ジタル場合ニ於テ保險給付
ヲ爲シタルトキハ其ノ給付ノ價額ノ限
度ニ於テ保險給付ヲ受クベキ者ガ第三
者ニ對シテ有スル損害賠償請求ノ權利
ヲ取得ス
第二十六條保險給付トシテ支給ヲ受ケ
タル金品ヲ標準トシテ租稅其ノ他ノ公
課ヲ課セズ但シ養老年金ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
第二十七條保險給付ヲ受クル權利ハ之
ヲ讓渡シ又ハ差押フルコトヲ得ズ
第二節療養ノ給付又傷病手當
金
第二十八條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ノ疾病又ハ負傷ニ關シテハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ療養ノ給付ヲ爲ス但シ
被保險者ノ資格喪失前ノ疾病又ハ負傷
ニ因リ發シタル疾病ヲ除クノ外被保險
者ノ資格喪失後ニ發シタル疾病又ハ負
傷ニ關シテハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ報酬年額千八百圓ヲ超ユ
ル船舶職員、被保險者ノ資格喪失當時
報酬年額千八百圓ヲ超ユル船舶職員タ
リシ者及勅令ヲ以テ指定スル者ノ疾病
又ハ負傷ニハ之ヲ適用セズ
第一項ノ場合ニ於テ療養上必要アリト
認ムルトキハ被保險者又ハ被保險者タ
リシ者ヲ診療所ニ收容スルコトヲ得
第二十九條療養ノ給付ヲ爲スコト困難
ナル場合又ハ被保險者若ハ被保險者タ
リシ者ノ申請アリタル場合ニ於テハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ療養ノ給付ニ代ヘ
テ療養費ヲ支給スルコトヲ得
第三十條被保險者タリシ者左ノ各號ノ
一ニ該當スル場合ニ於テ療養ノ爲勞務
ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ期間
傷病手當金トシテ一日ニ付被保險者ノ
資格喪失當時ノ報酬日額ノ百分ノ六十
ニ相當スル金額ヲ支給ス
-療養ノ給付ヲ受クルトキ
二船員法第十七條又ハ第二十九條ノ
規定ニ依リ船舶所有者ヨリ疾病又ハ
負傷ニ關シ扶助ヲ受クルトキ
第二十八條第二項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
第三十一條診療所ニ收容シタル被保險
者タリシ者ニ對シテ支給スベキ傷病手
當金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ減額
スルコトヲ得
第三十二條療養ノ給付及傷病手當金ノ
支給ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ
發シタル疾病ニ付其ノ保險給付ヲ始メ
タル日ヨリ起算シ六月ヲ經過シタルト
キハ之ヲ爲サズ
主務大臣ノ指定スル疾病ニ關シテハ命
令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ
尙六月以內繼續シテ療養ノ給付及傷病
手當金ノ支給ヲ爲スコトヲ得但シ其ノ
保險給付ヲ始メタル日前勅令ノ定ムル
期間引續キ被保險者タリシ者ニ限ル
傷病手當金ハ其ノ支給期間ヲ經過セザ
ルトキト雖モ療養ノ給付ヲ爲シ得ル期
間ヲ經過スルニ至リタルトキハ之ヲ支
給セズ
第三十三條船員法第十七條又ハ第二十
九條ノ規定ニ依リ船舶所有者ヨリ扶助
又ハ手當ノ支給ヲ受クル被保險者又ハ
被保險者タリシ者ノ疾病又ハ負傷ニ關
シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ受ク
ルコトヲ得ベキ期間經過後療養ノ給付
又ハ傷病手當金ノ支給ヲ開始ス
第三節養老年金
第三十四條十五年以上被保險者タリシ
者ガ其ノ資格ヲ喪失シタル後五十歲ヲ
超エタルトキ又ハ五十歲ヲ超エ其ノ資
格ヲ喪失シタルトキハ其ノ者ノ死亡ニ
至ル迄養老年金ヲ支給ス
第三十五條養老年金ノ額ハ被保險者タ
リシ期間十五年以上十六年未滿ニ對シ
被保險者タリシ全期間ノ平均報酬年額
ノ百分ノ二十五ニ相當スル金額トシ被
保險者タリシ期間十五年以上一年ヲ增
ス每ニ其ノ一年ニ對シ被保險者タリシ
全期間ノ平均報酬年額ノ百分ノ一ニ相
當スル金額ヲ加ヘタル金額トスー
被保險者タリシ期間四十年ヲ超ユル者
ニ支給スベキ養老年金ノ額ハ之ヲ被保
險者タリシ期間四十年トシテ計算ス
第三十六條養老年金ノ支給ヲ受クル者
ガ死亡シタル場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケ
タル養老年金ノ總額ガ養老年金ノ五年
分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ
差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第三十七條十五年以上被保險者タリシ
者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナク
シテ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ
支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年
金ノ五年分ニ相當スル金額ヲ一時金ト
シテ其ノ遺族ニ支給ス
第三十八條傷病手當金又ハ船員法第十
七條若ハ第二十九條ノ規定ニ依リ船舶
所有者ヨリ手當ノ支給ヲ受クル者ニハ
命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ受クルコト
ヲ得ベキ期間養老年金ノ支給ヲ停止ス
第三十九條養老年金ノ支給ヲ受クル者
被保險者ト爲リタルトキハ其ノ月ヨリ
養老年金ノ支給ヲ停止ス
前項ノ規定ニ依リ養老年金ノ支給ヲ停
止セラレタル被保險者ガ其ノ資格ヲ喪
失シタル場合ニ於テハ前後ノ被保險者
タリシ期間ヲ合算シテ養老年金ノ額ヲ
改定ス
前項ノ規定ニ依リ養老年金ノ額ヲ改定
スル場合ニ於テ其ノ額ガ從前ノ養老年
金ノ額ヨリ少キトキハ從前ノ養老年金
ノ額ヲ以テ改定養老年金ノ額トス
第四節癈疾年金及癈疾手當金
第四十條被保險者ノ資格喪失前六年間
ニ三年以上被保險者タリシ者ノ資格喪
失前ニ發シタル疾病又ハ負傷及之ニ因
リ發シタル疾病ガ勅令ノ定ムル期間內
ニ治癒シタル場合又ハ治癒セザルモ其
ノ期間ヲ經過シタル場合ニ於テ勅令ノ
定ムル程度ノ癈疾ノ狀態ニ在ル者ニハ
其ノ程度ニ應ジ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄
癈疾年金ヲ支給シ又ハ一時金トシテ癈
疾手當金ヲ支給ス
第四十一條癈疾年金ノ額ハ被保險者タ
リシ全期間ノ平均報酬年額ノ百分ノ二
十五ニ相當スル金額トシ被保險者タリ
シ期間十五年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ
一年ニ對シ被保險者タリシ全期間ノ平
均報酬年額ノ百分ノ一ニ相當スル金額
ヲ加ヘタル金額トス
第三十五條第二項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
癈疾手當金ノ額ハ被保險者タリシ全期
間ノ平均報酬月額ノ七月分ニ相當スル
金額トス
第四十二條癈疾年金ノ支給ヲ受クル者
ガ死亡シタル場合ニ於テハ左ノ區別ニ
依ル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支
給ス
一被保險者タリシ期間ガ十五年未滿
ナル場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル
癈疾年金ノ總額ガ被保險者ノ資格喪
失ノ際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリ
シ脫退手當金及被保險者タリシ全期
間ノ平均報酬月額ノ七月分ノ合算額
(被保險者タリシ全期間ノ平均報酬
月額ノ十三月分ヲ超ユルトキハ十三
月分ニ止ム)ニ相當スル金額ニ滿タ
ザルトキハ其ノ差額
二被保險者タリシ期間ガ十五年以上
ナル場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル
癈疾年金ノ總額ガ癈疾年金ノ五年分
ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其
ノ差額
第四十三條養老年金及癈疾年金ヲ受ク
ル權利ヲ有スル者ニハ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ一ヲ支給ス
第四十四條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ガ廢疾年金ヲ受クル程度ノ癈疾
ノ狀態ニ該當セザルニ至リタルトキハ
爾後癈疾年金ヲ支給セズ
第四十五條養老年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ニハ癈疾手當金ヲ支給セズ
第五節脫退手當金
第四十六條三年以上十五年未滿被保險
者タリシ者ガ死亡シタルトキ又ハ其ノ
資格ヲ喪失シタル後更ニ被保險者ト爲
ルコトナクシテ一年六月ヲ經過シタル
トキハ脫退手當金ヲ支給ス但シ其ノ者
ガ癈疾手當金ヲ受クル權利ヲ有スルト
キハ一年六月ヲ經過セザル場合ト雖モ
之ヲ支給ス
第四十七條脫退手當金ノ額ハ左ノ區別
ニ依ル但シ癈疾手當金ノ支給ヲ受クル
者ニ支給スベキ額ハ癈疾手當金ノ額ト
合算シテ被保險者タリシ全期間ノ平均
報酬月額ノ十三月分ニ相當スル金額ヲ
超ユルコトヲ得ズ
-被保險者タリシ期間三年以上四年
未滿ナル者ニ對シテハ被保險者タリ
シ全期間ノ平均報酬月額ノ一月半分
ニ相當スル金額
二被保險者タリシ期間四年以上九年
未滿ナル者ニ對シテハ其ノ期間三年
以上一年ヲ增ス每ニ前號ノ金額ニ被
保險者タリシ全期間ノ平均報酬月額
ノ半月分ニ相當スル金額ヲ加ヘタル
金額
三被保險者タリシ期間九年以上ナル
者ニ對シテハ其ノ期間八年以上一年
ヲ增ス每ニ前號ノ規定ニ依リ其ノ期
間八年以上九年未滿ノ者ノ支給ヲ受
クベキ金額ニ被保險者タリシ全期間
ノ平均報酬月額ノ一月分ニ相當スル
金額ヲ加ヘタル金額
第四十八條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ニハ脫退手當金ヲ支給セズ
第四十九條癈疾年金ヲ受クル權利ヲ有
スル者ガ第四十四條ノ規定ニ依リ癈疾
年金ノ支給ヲ受ケザルニ至リタル場合
ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル癈疾年金ノ
總額ガ其ノ者ガ被保險者ノ資格ヲ喪失
シタル際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリ
シ脫退手當金ノ額ニ滿タザルトキハ其
ノ差額ヲ支給ス
第六節死亡手當金
第五十條左ノ各號ノ一ニ該當スル場合
ニ於テ被保險者又ハ被保險者タリシ者
ガ三年以上被保險者タリシトキハ其ノ
遺族ニ對シ被保險者タリシ全期間ノ平
均報酬月額ノ三月分ニ相當スル死亡手
當金ヲ支給ス但シ其ノ金額ガ百圓ニ滿
タザルトキハ之ヲ百圓トス
一被保險者ガ死亡シタルトキ
二被保險者タリシ者ガ其ノ資格喪失
後三月以內ニ死亡シタルトキ
三被保險者タリシ者ニシテ療養ノ給
付ヲ受クルモノガ死亡シタルトキ
第七節保險給付ノ制限
第五十一條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ガ自己ノ故意ノ犯罪行爲ニ因リ又
ハ故意ニ事故ヲ生ゼシメタルトキハ療
養ノ給付又ハ傷病手當金、癈疾年金、
癈疾手當金若ハ死亡手當金ノ支給ヲ爲
サズ
第三十六條、第三十七條若ハ第四十二
條ノ規定ニ依ル一時金又ハ死亡手當金
ノ支給ヲ受クベキ者ガ被保險者又ハ被
保險者タリシ者ヲ故意ニ死ニ致シタル
トキハ其ノ者ニ對シテハ支給ヲ爲サズ
此ノ場合ニ於テ後順位者アルトキハ其
ノ者ニ支給ヲ爲ス
第五十二條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ガ鬪爭、泥醉若ハ著シキ不行跡ニ
因リ、故意ニ危害豫防ニ關スル業務上
ノ監督者ノ指揮ニ從ハザルニ因リ又ハ
正當ノ理由ナクシテ療養ニ關スル指揮
ニ從ハザルニ因リ事故ヲ生ゼシメタル
トキハ傷病手當金、癈疾年金又ハ癈疾
手當金ノ全部又ハ一部ヲ支給セザルコ
トヲ得
第五十三條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ガ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ
於テハ其ノ期間療養ノ給付又ハ傷病手
當金ノ支給ヲ爲サズ但シ命令ヲ以テ定
ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
-陸海軍ニ徵集又ハ召集セラレタル
トキ
二本法施行地外ニ在ルトキ
三船舶內ニ在ルトキ
四矯正院其ノ他之ニ準ズベキモノニ
入院セシメラレタルトキ
五監獄、留置場又ハ勞役場ニ拘禁又
ハ留置セラレタルトキ
六健康保險又ハ職員健康保險ニ於テ
之ニ相當スル保險給付ヲ受クルトキ
他ノ法令ニ依リ國又ハ公共團體ノ負擔
ニ於テ診療所ニ收容セラレタル者ニ對
シテハ療養ノ給付ヲ爲サズ
第三十一條ノ規定ハ前項ニ揭グル者ニ
之ヲ準用ス
第五十四條正當ノ理由ナクシテ療養ニ
關スル指揮ニ從ハザル者ニ對シテハ傷
病手當金ノ一部ヲ支給セザルコトヲ得
第五十五條詐欺其ノ他不正ノ行爲ニ依
リ保險給付ヲ受ケ又ハ受ケントシタル
者ニ對シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ期
間ヲ定メ保險給付ノ全部又ハ一部ヲ爲
サザルコトヲ得
第五十六條療養ノ給付又ハ傷病手當金
若ハ癈疾年金ノ支給ヲ受クル者ニ付必
要アリト認ムルトキハ診斷ヲ行フコト
ヲ得
正當ノ理由ナクシテ前項ノ診斷ヲ受ケ
ザル者ニ對シテハ療養ノ給付ノ全部若
ハ一部又ハ傷病手當金、癈疾年金若ハ
癈疾手當金ノ全部若ハ一部ノ支給ヲ爲
サザルコトヲ得
第五十七條養老年金又ハ癈疾年金ヲ受
クル者ニ付必要アリト認ムルトキハ其
ノ身分關係ノ異動及癈疾狀態ノ繼續ノ
有無ニ關シ其ノ者ヲシテ必要ナル書類
ヲ提出セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ書類ヲ提出セザル者
ニ對シテハ養老年金又ハ癈疾年金ノ支
給ヲ一時差止ムルコトヲ得
第四章費用ノ負擔
第五十八條國庫ハ療養ノ給付及傷病手
當金ヲ除クノ外保險給付ニ要スル費用
ノ五分ノ一ヲ負擔ス
國庫ハ前項ニ規定スル費用ノ外每年度
豫算ノ範圍內ニ於テ船員保險事業ノ事
務ノ執行ニ要スル費用ヲ負擔ス
第五十九條政府ハ船員保險事業ニ要ス
ル費用ニ充ツル爲保險料ヲ徵收ス
保險料ノ算定ニ關スル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第六十條被保險者及被保險者ヲ雇傭ス
ル船舶所有者ハ各保險料額ノ二分ノ
ヲ負擔ス但シ第二十條ノ規定ニ依ル被
保險者ハ其ノ全額ヲ負擔ス
第六十一條船舶所有者ハ其ノ雇傭スル
被保險者ノ負擔スベキ保險料ヲ納付ス
ル義務ヲ負フ但シ第二十條ノ規定ニ依
ル被保險者ノ負擔スル保險料ニ付テハ
此ノ限ニ在ラズ
第六十二條船舶所有者ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ前條ノ規定ニ依リ納付スベキ
保險料ヲ被保險者ニ支拂フベキ報酬ヨ
リ控除スルコトヲ得
第五章審査ノ請求、訴願及訴訟
第六十三條保險給付ニ關スル決定ニ不
服アル者ハ第一次船員保險審査會ニ審
査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アルトキハ
第二次船員保險審査會ニ審査ヲ請求シ
其ノ決定ニ不服アルトキハ通常裁判所
ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第六十四條保險料其ノ他本法ニ依ル徵
收金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又ハ第十二
條ノ規定ニ依ル處分ニ不服アル者ハ主
務大臣ニ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴
スルコトヲ得
第六十五條保險料其ノ他本法ニ依ル徵
收金ノ賦課又ハ徵收ノ處分ニ關シ訴願
ノ提起アリタルトキハ主務大臣ハ第二
次船員保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ
爲スベシ
第六十六條本法ニ規定スルモノノ外船
員保險審査會ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十七條審査ノ請求、訴ノ提起又ハ
訴願若ハ行政訴訟ノ提起ハ處分ノ通知
又ハ決定書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三
十日以內ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ
於テ審査ノ請求ニ付テハ訴願法第八條
第三項ノ規定ヲ、訴ノ提起ニ付テハ民
事訴訟法第百五十八條第二項及第百五
十九條ノ規定ヲ準用ス
第六章罰則
第六十八條第九條ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シ報〓ヲ爲サズ、虛僞ノ報告ヲ爲
シ又ハ文書ノ提示ヲ爲サザル者ハ百圓
以下ノ罰金ニ處ス
第六十九條船舶所有者ハ其ノ代理人、
戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從
業者ガ其ノ業務ニ關シ前條ノ違反行爲
ヲ爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザ
ルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ
得ズ
第七十條第六十八條ノ罰則ハ其ノ者ガ
法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ
法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年
者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代
理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年
者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
第七章雜則
第七十一條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施行
スル場合ニ於テ必要ナル規定ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第七十二條關東州船員令ニ依ル船員タ
リシ者ガ被保險者ト爲リタル場合又ハ
被保險者タリシ者ガ關東州船員令ニ依
ル船員ト爲リタル場合ノ保險給付ニ關
シテハ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ保險給付及費用ノ負擔
ニ關スル規定竝ニ其ノ他ノ規定ニ付各別
ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
勅令ヲ以テ指定スル日前十五年間ニ於テ
第十七條ノ規定ニ依ル被保險者ト爲ルベ
キ資格ヲ有スル船員トシテ五年以上船舶
ニ乘組ミタル者ガ四十五歲ヲ超エ被保險
者ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テ同日前
十五年間ニ於テ船舶ニ乘組ミタル期間ト
被保險者タリシ期間トヲ合算シ十五年以
上ニ達スルモ十五年以上被保險者タリシ
者ニ非ザルトキハ其ノ者ニ對スル脫退手
當金ノ支給條件及其ノ額ニ付テハ第四十
六條及第四十七條ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ
以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
〔國務大臣廣瀨久忠君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=39
-
040・廣瀬久忠
○國務大臣(廣瀨久忠君) 只今議題トナリ
マシタ船員保險法案ノ提出ノ理由ヲ說明致
シマス、抑〓海運業ハ產業ノ發展、資源ノ開
發貿易ノ隆昌、國際收支ノ改善等ノ諸點
ヨリ觀察シマシテ、我ガ國力ノ伸張上重要
ナル地位ヲ占ムルバカリデナク、一朝有事
ニ際シマシテハ四面環海ノ我ガ國ニ於テ
ハ、重大ナル軍事的任務ニ服スルモノデア
リマシテ、之ヲ國防上ノ見地ヨリ致シマシ
テモ、其ノ重要性ガ一層認識セラレルノデ
アリマス、海運業ノ發展ヲ期スル爲ニハ重
要航路ノ開拓、優秀船舶ノ保持ヲ必要トス
ルコト勿論デアリマスガ、更ニ之ガ運行ノ
衝ニ當ルベキ船員ニ優秀ナル者ヲ得テ、永
ク安ンジテ其ノ職務ニ精勵セシムルコトガ
最モ緊要デアルト確信スル次第デアリマス、
然ルニ船員生活ノ實際ニ就テ見マスルニ、
其ノ不自由ナル海上生活ニ因ル精神上又
ハ經濟上ノ苦痛及退職後ニ於ケル生活不安
等、陸上勤務者ニ見ルコトノ出來ナイ幾
多ノ不利不便ヲ伴フコトヲ免レナイノデア
リマス、從ッテ動モスレバ陸上勤務ノ職業
ニ轉向セムトスル傾向ヲ示シテ居ルノデア
リマス、斯クノ如キ現象ハ我ガ國海運業ノ
隆昌ヲ期スル上ニ於テ誠ニ遺憾ニ堪ヘナイ
所デアリマシテ、斯カル見地ヨリ致シマシ
テ、以上述ベマシタ如キ船員生活ニ於ケル不
安ヲ除去スルニ必要ナル國家的保護施設ノ
整備ヲ圖リ、以テ船員ヲシテ其ノ職務ニ專
念セシムルヤウニ致シマスルコトハ、海運
政策上ヨリ見マシテモ、將又現下ノ時局ニ
鑑ミマシテモ、誠ニ急務デアルト言ハナケ
レバナラナイノデアリマス、以上ノ理由ニ
依リマシテ、今囘政府ハ船員ノ老後ニ於ケ
ル生活ノ安定ヲ圖リ、優秀ナル船員ヲシテ
安ンジテ永ク其ノ職務ニ從事セシメ、併セ
テ其ノ疾病傷痍竝ニ癈疾ニ對スル保護ヲナ
ス爲、船員保險法案ヲ立案シタ次第デアリ
マス、何卒御審議ノ上、速カニ御協賛アラ
ムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=40
-
041・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
船員保險法案ハ、關聯スル所ガゴザイマス
ルガ故ニ、職員健康保險法案ノ特別委員ニ
併託セラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=41
-
042・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=42
-
043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=43
-
044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=44
-
045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴嘉君) 日程第十八、帝
國鑛業開發株式會社法案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會、八田商工大臣
帝國鑛業開発株式會社法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字ハ衆議院ノ修正ナリ)
帝國鑛業開發株式會社法案
帝國鑛業開發株式會社法
第一章總則
第一條帝國鑛業開發株式會社ハ重要鑛
物(金鑛及砂金ヲ除ク以下之ニ同ジ)ノ
資源ノ開發ヲ促進シ其ノ增產ヲ圖ル爲
必要ナル事業ヲ營ムコトヲ目的トスル
株式會社トス
第二條帝國鑛業開發株式會社ハ其ノ本
店ヲ東京市ニ置ク
帝國鑛業開發株式會社ハ政府ノ認可ヲ
受ケ支店又ハ出張所ヲ設クルコトヲ得
第三條帝國鑛業開發株式會社ノ資本ハ
三千萬圓トシ內千五百萬圓ハ政府ノ出
資トス
帝國鑛業開發株式會社·ハ政府ノ認可ヲ
受ケ其ノ資本ヲ增加スルコトヲ得
第四條帝國鑛業開發株式會社ノ株式ハ
記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民
又ハ帝國法人ニ限リ之ヲ所有スルコト
ヲ得
第五條帝國鑛業開發株式會社ノ存立期
間ハ設立登記ノ日ヨリ三十年トス但シ政
府ノ認可ヲ受ケ之ヲ延長スルコトヲ得
第六條帝國鑛業開發株式會社ニ非ザル
モノハ帝國鑛業開發株式會社又ハ之ニ
類似ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコト
ヲ得ズ
第二章役員
第七條帝國鑛業開發株式會社ニ社長副
社長各一人、理事三人以上及監事二人
以上ヲ置ク
第八條社長ハ帝國鑛業開發株式會社ヲ
代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ
行フ
副社長及理事ハ社長ヲ補助シ帝國鑛業
開發株式會社ノ業務ヲ分掌ス
監事ハ帝國鑛業開發株式會社ノ業務ヲ
監査ス
第九條社長及副社長ハ政府之ヲ命ジ其
ノ任期ヲ四年トス
理事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ二倍
ノ候補者ヲ選擧シ政府其ノ中ヨリ之ヲ
命ジ其ノ任期ヲ三年トス
監事ハ株主中ヨリ株主總會ニ於テ之ヲ
選任シ其ノ任期ヲ二年トス
鑛業ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ其ノ
職ヲ退キタル後五年間帝國鑛業開發株式會
社ノ役員ト爲ルコトヲ得ズ但シ主務大臣ニ
於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ此ノ限
ニ在ラズ
第十條社長、副社長及理事ハ他ノ職務又
ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ
認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三章營業
第十一條帝國鑛業開發株式會社ハ左ノ
事業ヲ營ムモノトス
-重要鑛物ヲ目的トスル鑛業(砂鑛
業ヲ含ム以下之ニ同ジ)
二重要鑛物ニ關スル鑛床ノ調査
三重要鑛物ヲ目的トスル鑛業ニ對ス
ル技術ニ關スル指導
四重要鑛物ノ賣買又ハ其ノ幹旋
五重要鑛物ヲ目的トスル鑛業又ハ製
鍊業ノ爲必要ナル器具、機械、材料
又ハ設備ノ賣買
六重要鑛物ヲ目的トスル鑛業又ハ製
鍊業ニ對スル資金ノ融通又ハ投資
帝國鑛業開發株式會社ハ政府ノ認可ヲ
受ケ前項ノ事業ノ外本會社ノ目的達成
上必要ナル諸事業ヲ營ムコトヲ得
第十二條日本興業銀行ハ前條第一項第
六號ノ事業ニ關シ帝國鑛業開發株式會
社ノ業務ノ一部ヲ代理スルコトヲ得
帝國鑛業開發株式會社日本興業銀行ヲ
シテ業務ノ一部ヲ代理セシメントスル
トキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第四章鑛業開發債券
第十三條帝國鑛業開發株式會社ハ拂込
ミタル株金額ノ五倍ヲ限リ鑛業開發債
劵ヲ發行スルコトヲ得
鑛業開發債劵ヲ發行スル場合ニ於ケル
株主總會ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ當
ル株主出席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以
テ之ヲ爲スコトヲ得
第十四條鑛業開發債劵ヲ發行セントス
ル場合ニ於テハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十五條政府ハ鑛業開發債劵ノ元本ノ
償還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ
得
第十六條鑛業開發債劵ハ無記名式トス
但シ應募者又ハ所有者ノ請求ニ因リ記
名式ト爲スコトヲ得
第十七條鑛業開發債劵ノ所有者ハ帝國
鑛業開發株式會社ノ財產ニ付他ノ債權
者ニ先チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル
權利ヲ有ス
第十八條帝國鑛業開發株式會社ハ社債
借換ノ爲一時第十三條ノ制限ニ依ラ
ズ鑛業開發債劵ヲ發行スルコトヲ得此
ノ場合ニ於テハ發行後一月以內ニ其ノ
社債總額ニ相當スル舊鑛業開發債劵ヲ
償還スベシ
第五章準備金
第十九條帝國鑛業開發株式會社ハ每營
業年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補
フ爲利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立テ
且利益配當ノ平均ヲ得シムル爲利益金
額ノ百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第六章監督及助成
第二十條政府ハ帝國鑛業開發株式會社
ノ業務ヲ監督ス
第二十一條帝國鑛業開發株式會社借入
金ヲ爲サントスルトキハ政府ノ認可ヲ
受クベシ
第二十二條定款ノ變更、利益金ノ處分、
合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十三條帝國鑛業開發株式會社ハ每
營業年度ノ事業計晝ヲ定メ政府ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第二十四條政府ハ帝國鑛業開發株式會
社ノ業務ニ關シ監督上又ハ重要鑛物ノ
增產上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ重要鑛物ノ增產上必
要ナル命令ヲ爲シタルトキハ政府ハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生ジタル
損失ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十五條政府ハ帝國鑛業開發株式會
社監理官ヲ置キ帝國鑛業開發株式會社
ノ業務ヲ監視セシム
第二十六條帝國鑛業開發株式會社監理
官ハ何時ニテモ帝國鑛業開發株式會社
ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査
スルコトヲ得
帝國鑛業開發株式會社監理官必要ト認
ムルトキハ何時ニテモ帝國鑛業開發株
式會社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算
及狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
帝國鑛業開發株式會社監理官ハ株主總
會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳
述スルコトヲ得
第二十七條政府帝國鑛業開發株式會社
ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ
基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ
公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ
取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十八條帝國鑛業開發株式會社ハ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對
シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
第二十九條帝國鑛業開發株式會社ノ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割
合ニ達セザルトキハ政府ハ初營業年度
及爾後五年間ヲ限リ之ニ達セシムベキ
金額ヲ補給スベシ但シ其ノ額ハ初營業
年度ヲ除キ每營業年度ニ於テハ政府以
外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株
金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ニ相當ス
ル額竝ニ當該營業年度ニ於テ支拂ヒタ
ル鑛業開發債券及借入金ノ利息額ノ合
計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ
割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ハ先
ヅ之ヲ前項ノ規定ニ依ル補給金ノ償還
ニ充ツベシ
初營業年度及爾後五年間ニ於ケル配當
シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所
有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ
年百分ノ六ノ割合ヲ超過スルトキハ其
ノ二分ノ一ヲ配當準備ノ爲別ニ積立ツ
ベシ
第二項ノ規定ニ依リ補給金ヲ償還シ尙
殘餘アリタルトキハ之ヲ前項ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超過シタル當該營業年度ノ利益金ト看
做ス
前二項ノ規定ニ依ル積立金ハ後營業年
度ニ於ケル第一項ノ規定ニ依ル補給金
ノ計算ニ付テハ之ヲ配當シ得ベキ利益
金ト看做ス
第三十條帝國鑛業開發株式會社ノ每營
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額
ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合
ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ
所有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割合
ヲ超エ利益配當ヲ爲サントスルトキハ
其ノ超過スル利益金額ハ利谷配當ガ總
株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均一
ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有
スル株式ノ拂込ミタル株金額及政府ノ
所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對
シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベ
シ
第三十一條帝國鑛業開發株式會社ニハ
命令ノ定ムル所ニ依リ開業ノ年及其ノ
翌年ヨリ十年間其ノ事業ニ付所得稅及
營業收益稅ヲ免除ス
第三十二條北海道、府縣及市町村其ノ
他之ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依
リ所得稅及營業收益稅ヲ免除セラレタ
ル期間帝國鑛業開發株式會社ノ事業ニ
對シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特
別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第七章罰則
第三十三條帝國鑛業開發株式會社左ノ
各號ノ一ニ該當スルトキハ社長又ハ社
長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ
五千圓以下ノ過料ニ處ス副社長又ハ理
事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ
理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
一本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ
於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第十一條ノ規定ニ依ラズシテ業務
ヲ營ミタルトキ
三第十三條ノ規定ニ違反シ鑛業開發
債劵ヲ發行シタルトキ
四第十八條ノ規定ニ違反シ鑛業開發
債劵ノ償還ヲ爲サザルトキ
五第二十四條ノ規定ニ基キテ爲シタ
ル命令ニ違反シタルトキ
第三十四條帝國鑛業開發株式會社ノ社
長、副社長又ハ理事第十條ノ規定ニ違
反シタルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第三十五條第六條ノ規定ニ違反シタル
者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第三十六條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前三條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
第三十七條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十八條政府ハ設立委員ヲ命ジ帝國
鑛業開發株式會社ノ設立ニ關スル一切
ノ事務ヲ處理セシム
第三十九條設立委員ハ定款ヲ作成シ政
府ノ認可ヲ受クベシ
第四十條前條ノ認可アリタルトキハ設
立委員ハ株式總數ヨリ政府ニ割當ツベ
キ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付株
主ヲ募集スベシ
第四十一條株式申込證ニハ定款認可ノ
年月日竝ニ商法第百二十六條第二項第
二號、第四號及第五號ニ規定スル事項
ヲ記載スベシ
第四十二條設立委員株主ノ募集ヲ終リ
タルトキハ株式申込證ヲ政府ニ提出シ
其ノ檢査ヲ受クベシ
第四十三條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂
込ヲ爲サシムベシ
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ
遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第四十四條創立總會ニ於テハ第九條ノ
規定ニ準ジ理事候補者ノ選擧及監事ノ
選任ヲ行フベシ
第四十五條創立總會終結シタルトキハ
設立委員ハ其ノ事務ヲ帝國鑛業開發株
式會社社長ニ引渡スベシ
第四十六條本法施行ノ際帝國鑛業開發
株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ商
號ト爲ス會社ハ本法施行後六月以內ニ
其ノ商號ヲ變更スルコトヲ要ス
第三十五條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
前項ニ揭グル者ニ適用セズ
第四十七條登錄稅法第六條第一項第十
一號中「又ハ產金振興債劵」ヲ「、產金振
興債劵又ハ鑛業開發債劵」三四人
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=45
-
046・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今議題トナリ
マシタ帝國鑛業開發株式會社法案ノ提案理
由ヲ御說明申上ゲマス、銅、鉛、亞鉛、錫等ヲ
初メ各種ノ所謂重要鑛物ハ玆ニ事新ラシク
申上ゲル迄モナク、國防上竝ニ產業上ノ基
礎的資材デアリマシテ、從ッテ之ガ供給ヲ確
保スルコトハ、國防上竝ニ產業上極メテ重
要デル事柄デアルノデアリマス、飜ッテ我ガ
國ニ於ケル是等重要鑛物ノ需給狀態ニ付テ
見マスルニ、今次ノ支那事變發生以來、其
ノ需要ノ增加ハ特ニ著シキモノガアリ、是
等重要鑛物ノ國內生產ノ增加ハ能ク之ニ追
隨シ得ザルノ實情ニアルノデアリマス、政
府ニ於キマシテハ諸般ノ情勢ニ鑑ミ、昨年
第七十三囘帝國議會ノ御協賛ヲ經マシテ、
重要鑛物增產法ヲ制定施行シ、之ヲ樞軸ト
致シマシテ重要鑛物ノ增產促進ニ關スル種
種ノ方策ヲ實施シテ居ル次第デアリマス
ガ、何分ニモ之ガ需要ノ增加ハ極メテ急激
ナルモノデアリマシテ、斯カル實情ニ卽應
シ、併セテ長期建設ノ將來ニ備ヘムガ爲ニ
ハ、更ニ新タナル增產達成ノ方策ヲ樹立シ、
速カニ之ヲ實施シテ、是等重要鑛物供給ノ
增加ニ努ムルコトガ不可缺ノ要務デアルト
認メラレルノデアリマス、而シテ是等重要
鑛物ノ增產實現ノ方策ト致シマシテハ色々
考ヘ得ラレルノデアリマスガ、先ヅ第一ニ
本邦ニ於ケル是等鑛物資源ノ賦存狀態ヨリ
見マシテ、所謂休眠區鑛區ノ積極的開發ヲ
促進致シマスルト共ニ、低品位ノ鑛石ノ活
用ヲ實現致シマスコトガ、有效且緊要ナル
事柄デアルト存ズルノデアリマス、今日各
鑛山ニ於キマシテハ、極力其ノ生產力ノ擴
充ニ努メツヽアルノデアリマシテ、此ノ方
面カラ大イニ增產ヲ期待シテ居ルノデアリ
マスルガ、是ト同時ニ其ノ數ニ於テ極メテ
多數ニ上ッテ居リマスル所謂休眠鑛區ノ活
動ヲ促シ、又多量ニ埋藏セラレテ居リマス
ル低品位鑛石ノ利用ヲ圖リマスコトハ、我
ガ國ノ實情ト致シマシテハ、何ト致シマシ
テモ之ヲ實施シナケレバナラヌコトデアル
ト考ヘルノデアリマス、文今後是等ノ不足
重要鑛物ノ增產ヲ確保致シテ參リマスル爲
ニ、鑛物ノ生產上缺クベカラザル具體的
ナル探鑛、試錐等ノ鑛床調査ニ關スル事項
ニ付キマシテ、十分力ヲ致スコトガ絕對ニ
必要デアルト存ジマス、卽チ國家ノ施設ニ
竝行シテ探鑛、調査等ヲ汎ク行ッテ、以テ國内
鑛物資源ノ遺憾ナキ利用ニ資スルコトガ緊
要デアルト存ズルノデアリマス、以上ノ外當
面ノ是等重要鑛物ノ飛躍的ノ需要增加ニ對
處致シマシテ、生產ノ增加ヲ圏ッテ參リマス
ル爲ニハ鑛石ノ取引條件等ニ一層ノ公明
化ヲ期シ、或ハ鑛物增產計畫ノ遂行上必要
ナル資金ノ調達ニ便宜ヲ圖リ、其ノ他特ニ
中小鑛山ニ於ケル作業能率ノ向上ニ努ムル
等ノ事柄ヲ實現致サナケレバナラヌト考へ
ルノデアリマス、併シナガラ是等ノ事業ハ、
其ノ性質上何レモ公正ナル國家的ノ機關ニ
依ッテ經營セラレルコトガ必要デアルノデ
アリマシテ、之ヲ單ナル民間ノ企業ニ期待ス
ルコトハ不可能デアルト思料セラレルノデア
リマス、是レ玆ニ新クニ法律ニ依リ、半官半
民ノ特殊會社タル帝國鑛業開發株式會社ヲ
設立シテ、是等ノ事業ニ當ラシメムトスル
所以デアリマス、卽チ本會社ノ設立ハ、現
在及將來ノ時局ニ於キマシテ、最モ緊要ナ
九個、鉛亞鉛、錫其ノ他ノ所謂非鐵金屬
ノ增產達成上、必要缺グベカラザル事柄デ
アルト信ズルモノデアリマス、何卒御審議
ノ上御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=46
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047・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題ニナリマシタ
帝國鑛業開發株式會社法案ハ關聯スル所
ガゴザイマスルガ故ニ、輕金屬製造事業法
案ノ特別委員ニ併託セラレムコトノ動議ヲ
提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=47
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048・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=48
-
049・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=49
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050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=50
-
051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十九、大
正九年法律第五十三號中改正法律案、政府
提出、衆議院送付、第一讀會、八田拓務大臣
大正九年法律第五十三號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
大正九年法律第五十三號中改正法律案
大正九年法律第五十三號中左ノ通改正ス
第二條第九號ヲ第十號トシ同條第八號ノ
次ニ左ノ一號ヲ加フ
九國境河川ニ跨ル橋梁、水力發電設
備其ノ他ノ設備ニシテ朝鮮總督ノ定
ムルモノノ建設又ハ修繕ニ要スル材
料竝ニ其ノ設備ニ裝置スル器具、機械
及其ノ部分品、附屬品但シ朝鮮總督
ノ指定シタルモノニ限ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
大正九年法律第五十三號ハ關稅法關稅
定率法及保稅倉庫法等ノ朝鮮ニ於ケル
特例ニ關スル法律ナリ
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=51
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052・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今上程ニナリ
マシタ、大正九年法律第五十三號、關稅法、
關稅定率法、保稅倉庫法及假置場法等ノ朝
鮮ニ於ケル特例ニ關スル法律中改正法律案
ニ付御說明申上ゲマス、滿洲國ノ建國以來、
同國內ノ治安ハ漸次確保セラルヽニ至リ
マシタガ、之ニ伴ヒ日滿陸接國境ヲ經由ス
ル交通ノ利便ヲ圖リ、日滿陸接國境地帶ニ
於ケル資源ヲ開發シ、以テ日滿兩國ノ經濟
提携ヲ一層强化スルノ緊要ナルコトハ、今
更申上ゲル迄モナイ次第デアリマス、此ノ
見地ニ基キマシテ、日滿國境河川タル鴨綠
江及圖們江ニ於キマシテハ、日滿兩國ノ協
力ニ依リ、目下各地ニ橋梁ノ架設其ノ他ノ
工事ヲ進メツヽアル次第デアリマス、然ル
ニ是等ノ設備ハ其ノ性質上、國境河川ニ
跨ッテ構築セラレマス關係上、之ガ構築材料
等ニ付複雜ナル輸出入ノ關係ヲ生ズル次第
デアリマスガ、是等設備ノ構築ノ趣旨等ニ
鑑ミマシテ、之ガ構築材料等ニ對スル輸入
稅ヲ免除スルヲ必要ト認メマシテ、本案ヲ
提出致シマシタ次第デアリマス、何卒宜シ
ク御審議ノ上速カニ御協贊アラムコトヲ希
望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=52
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053・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題ニナリマシタ
大正九年法律第五十三號中改正法律案ハ
是亦關聯致シマスルガ故ニ、朝鮮事業公債
法中改正法律案外一件ノ特別委員ニ併託セ
ラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=53
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054・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=54
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055・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=55
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056・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=56
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057・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二十、鑛
業法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報告、委員長秋田子
爵
鑛業法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十四日
委員長子爵秋田重季
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵秋田重季君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=57
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058・秋田重季
○子爵秋田重季君 只今議題ニ上リマシタ
鑛業法中改正法律案ノ委員會ノ經過竝ニ結
果ヲ御報告申上ゲマス、委員會ハ去ル十日、
十一日、十四日ノ三日間ニ亙リマシテ開會
ヲ致シマシタ、先ヅ當局カラ改正案ノ趣旨
ニ付キマシテ說明ガアリマシタ、其ノ內容
ハ過日本會議ニ於ケル大臣ノ說明ト同樣デ
アリマシタガ、要スル所今囘ノ改正案ハ、
從來ノ鑛業法中ニ鑛害ノ賠償ノ條項ヲ新タ
ニ十六箇條ト附則ノ一章ガ設ケラレルモノ
デアリマス、其ノ條項ノ內容ハ、一般鑛物
ノ鑛害ニ關スル條項二箇條、石炭採掘ノ場
合ノ鑛害ニ關スルモノ四箇條、賠償規定ニ
關スルモノ四箇條、爭議調停ニ關スルモノ
三箇條、其ノ他二箇條トナッテ居リマス、
ソレニ附則トカラナッテ居ルノデアリマシ
テ、以上ノ條項ガ鑛業法ニ挿入サレルノデ
アリマス、委員會ノ質疑應答ハ多岐ニ亙ッテ
爲サレタノデアリマスルガ、茲ニハ其
ノ主ナルモノヲ御紹介申上ゲマシテ、他ハ
速記錄ヲ御覽願ヒタイト存ジマス、御了承
ヲ願ヒマス、先ヅ第一ニ根本的ノ問題ノ質
問ガアリマシテ、本法案ノ制定ノ趣旨、卽
チ言換ヘレバ本法案ヲ制定シナケレバ、鑛
害賠償ノ請求ハスルコトガ出來ナイノデア
ルカト云フ問ニ對シマシテ、今日迄、實際
上ニハ賠償ノ支拂ヲシテ來タガ、法律上鑛
業權者ニ賠償ノ義務アリヤ否ヤト云フ問題
ハ、鑛害ノ大部分ハ民法ノ所謂不法行爲ニ該
當シナイ、卽チ違法性或ハ故意過失トハ異ッ
テ居ルカラデアリマス、仍テ此ノ際特別法
ヲ制定シテ、賠償ノ義務ヲ立法的ニ明確ニセ
ムトスルノデアリマスト云フ答デアリマス、
第二ニハ、產業經營ニ伴フ損害ノ發生ハ、
獨リ鑛業ニ限ラズシテ、現ニ化學工業等ニ
於テモ著シキモノガアルガ、鑛業ノミニ賠
償規定ヲ認ムルノハ如何ト云フ問ニ對シマ
シテ、鑛業ハ元來地下作業ヲ主體トスルモ
ノナルヲ以テ、鑛害ハ鑛業ニ必然的ニ伴フ
宿命ヲ有スルモノト言ヒ得ルノデアル、如
何ニ豫防方法ヲ講ズルモ、其ノ發生ヲ免レ
ザル部分ガ少クナイノデアル、而シテ一般
工業ヨリ其ノ程度竝ニ範圍ニ於テ比較ニハ
ナラナイノデアル、一般工業ニ關シテハ
鑛業法ノ一部トシテ考慮セラレルノデアル、
故ニ同樣ノ責任ヲ認ムベキヤ否ヤハ、其ノ
實情ニ卽シテ別箇ニ考究スベキ問題デアル
ト思フト云フ答辯デアリマシタ、次ニ條文
ノ附則ニ關スル質問デアリマス、過去ノ損
害ニ付テモ、改メテ賠償ヲ爲サシムルハ行
過ギテハ居ナイカト云フ質問ニ對シマシテ、
從來長年ニ亙ル賠償ノ慣行ニ對シテ、法的
秩序ヲ與フルコトトシタノデアルガ、今日
迄何等ノ法制ナキ爲ニ、此ノ慣行ニ反シテ
全然賠償ヲ爲サズ、又爲シタリトスルモ僅
カ名バカリノ賠償デアッタモノニ對シテ、其
ノ義務ヲ認メルノハ決シテ不當デハナイト
思フ、尙此ノ賠償ハ損害發生當時ノ鑛業權
者ニ限ラレテ居ルカラ、大多數ノモノハ旣
ニ相當賠償ヲシテ居ルカラ、此ノ問題ハ極
ク小範圍デアルト考へルト云フ答デアリマ
シタ、次ハ供託金ハ鑛山每ニ決定スルモノ
ノヤウデアリマスガ、如何ナル方法デ決定
スルヤ、之ニ對シマシテ、鑛山ノ地形、地
目、採掘方法及可採數量ヲ調査シ、其ノ可
採炭量ヲ掘採シ終ル迄ニ生ズベキ損害總額
ヲ算定シ、之ヲ可採炭量ニテ除シ、瓲當供
託金額ヲ決定スル方針デアルト云フ答デア
リマシタ、次ニハ本法案ノ運用ハ、結局調
停委員會ノ人選如何ニアリト思料スルガ、
當局ノ用意如何ト云フ質問ニ對シマシテハ、
本法案ニ於テハ他ノ立法例ト異リ、特ニ第
七十四條ノ十三ニ於テ「調停委員ハ特別ノ知
識經驗ヲ有シ公正ナル調停ヲ爲スニ適スル
者、」斯ウ云フ中ヨリ之ヲ選任スル旨ラ明カ
ニシテアルノデアル、實際ノ運用ニ當ッテハ
本件ノ複雜性ニ鑑ミ、特ニ其ノ人選如何ニ
關シテハ愼重ナル考慮ヲ拂フコトト致シタ
イト云フ答辯デアリマス、ソレカラモウ一
ツハ一般ニ關スル問題デアリマスルガ、重
要ト存ジマシテ茲ニ御紹介ヲ申上ゲマス、
商工省ニ於テハ種々ノ商品ニ對シ積極的ニ
其ノ値上リヲ取締ツヽアルニ拘ラズ、石炭
ノ如キ重要物資ニ對シテハ何故ニ取締ヲナ
サザルカト云フ質問ニ對シマシテ、戰時體
制下ニ於ケル國民經濟ノ圓滑ナル運行ヲ圖
リ、一般產業ノ生產力擴充ヲ確保セムガ爲
三ハ、其ノ原動力タル石炭ノ價格ヲ引下
ゲルコトハ喫緊ノ要務デアルト認メマシ
テ、昭和十三年九月一日、昭和石炭株式會
社ニ對シ命令ヲ發シテ、炭種別標準
價格ノ瓲當一圓五十錢乃至九十錢ノ引下、
二、消費地ニ於ケル標準販賣價格ノ決
定、三、前二者ノ種類別公表ヲ實行セシ
メ、同時ニ昭和石炭株式會社以外ノ者ニ對
シテハ、之ニ準ゼシムルコトトシタノデア
ル、小賣價格ニ對シテハ中央物價委員會ノ
答申ニ基イテ、最高販賣價格ヲ設置シテ
炭價ノ騰勢ヲ抑止シタノデアル、斯ウ云フ
答辯デアリマシタ、其ノ他ハ溫泉場ノ湧出
ニ減少ヲ來シタル場合ノ損害、或ハ國家ガ
鑛業權者タル場合ニ供託ノ義務ナキコトニ
關スル等ノ質疑ガアリマシタガ、省略致シ
マス、以上ヲ以チマシテ質疑ヲ終リマシテ
討論ニ入リマシタ、一委員ヨリ調停ニ關シ、
此ノ問題ハ特ニ技術的ノ權威ヲ要スルノデ
アルカラ、特ニ人選ノ甚ダ困難ナルコトヲ
指摘セラレ、愼重ナル考慮ヲ拂ハレタイト
ノ希望ヲ申サレテ、贊成ノ意見ヲ開陳サレ
タノデアリマス、又他ノ二三ノ委員ヨリモ
同樣ノ希望ガアリ贊意ヲ表サレマシタ、討
論ヲ終リマシテ採決ニ入リマシタ、採決ノ
結果全會一致可決ニ確定致シマシタ、以上
御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=58
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059・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=59
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060・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=60
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061・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=61
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062・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=62
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063・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=63
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064・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=64
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065・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴喜君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題ニ
供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リデ
御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=65
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066・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=66
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067・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=67
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068・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=68
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069・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=69
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070・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=70
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071・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=71
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072・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=72
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073・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二十一、
靑年學校〓育費國庫補助法案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、
委員長侯爵德川義親君
靑年學校〓育費國庫補助法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十五日
委員長侯爵德川義親
貴族院議長伯爵松平賴壽君
〔侯爵德川義親君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=73
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074・徳川義親
○侯爵德川義親君 靑年學校〓育費國庫補
助法案ノ特別委員會ノ經過及結果ヲ御報告
致シマス、本法案ハ靑年學校ノ〓育ヲ義務
ト致シマスルニ付キマシテ、其ノ發達ヲ助
成スルト共ニ、一方ニハ地方財政ノ負擔ヲ
輕減スル爲ニ、國庫ヨリ靑年學校ノ〓員俸
給ニ對シテ、市町村ニ補助ヲナサムトスル
モノデアリマス、靑年學校ノ義務制ハ、十二
歲ヨリ十九歳迄ノ靑年男子ニ致シマシテ、
現ニ小學校、中學校、實業學校ニ在學シテ
居ラナイ者ハ、靑年學校ニ就學セシムル義
務アリト致スモノデアリマス、之ガ實施ハ
昭和十四年度小學校ヲ出ヅル者カラ始メマ
シテ、昭和二十年迄ニ完成セムトスルモノ
デアリマス、本年度新タニ增加セムトスル
靑年學校ノ生徒ハ約十萬六千人デゴザイマ
シテ、之ニ伴ヒマシテ〓員ガ增加致スノデ
ゴザイマスカラ、從來ノ〓員ト合セマシテ
其ノ俸給ノ約三割、總金額ニ致シマシテ四
百三十萬圓ヲ國庫ヨリ補助セムトスルモノ
デゴザイマス、本法案ニハ關係ハゴザイマ
セヌケレドモ、此ノ外ニハ就學奬勵費十萬
圓〓員養成施設ニ對シテ三十萬圓ノ補助
ヲ計上致シテ居リマス、而シテ此ノ補助額
ト云フモノハ、來年度カラ就學靑年ノ增加
ト共ニ、補助額モ次第ニ增加セシムト云フ
ノデゴザイマス、此ノ法案ノ直接ノ審議ハ
極メテ簡單デゴザイマシタケレドモ、此ノ
法案ノ提出ヲ必要ナラシメマシタ靑年學校
ノ義務制ニ對シテ、多ク疑義ガアッタノデ
質問ガ多カッタノデゴザイマス、其ノ主ナ
ルモノヲ二三申上ゲマスルト、第一ニ、靑
年〓育ノ義務制ハ劃期的ノ〓育刷新デアッ
テ、國民ニ重大ナル關係ガアル、國民ニ就學
ノ義務ヲ負ハシムル上ニ、更ニ經濟上ノ負
擔ヲナサシムルモノデアルカラ、是ハ勅
令ノ規定ニ依ラズシテ法律ヲ以テ規定ス
ルノガ至當デナイデアラウカ、立法協
贊ノ手續ヲ以テスルノガ國民ニ眞ニ徹底
セシムルモノデハナイカト云フ質問ガ
ゴザイマシタ、第二ハ、義務制ガ定メラ
レマシテモ、出席率ガ惡ケレバ何ノ效果
モナイ、之ニ對シテ政府ハ適當ナル對策ア
リヤ否ヤ、第三ハ、唯サヘ〓員不足ノ場合
ニ、專任〓員ヲ得ルト云フコトハ非常ニ困
難デアル、従ッテ小學校ノ〓員ヲ以テ兼任セ
シムルノデアルガ、此ノ爲ニ〓員ノ過勞ニ
ナッテ滿足ナ〓育ガ出來ナイ虞ガナイダラ
ウカ、第四ハ市町村ハ多ク財政困難ヲ極
メテ居リマス今日、此ノ補助金ヲ他ノ土木
費ノ如キモノニ流用スル虞ハナイノデアラ
ウカ、之ヲ防グ爲ニ特別會計トスル方ガ宜
シイノデハナイカト云フノデゴザイマス、
第五ニハ、政府當局ノ說明ニ依リマスト
就學靑年ノ增加ト共ニ補助金額ノ增加モス
ルト云フノデアルケレドモ、國庫ノ都合
デハ減額サレルコトモ亦考ヘラレルノデア
ル、故ニ此ノ補助法ヲ速カニ負擔法ト致シ
マシテ、俸給ノ三割ナリ五割ナリヲ、國庫
ノ負擔ト爲シテ既定歲出ト爲ス方ガ宜シイ
ノデハナイカト云フ質問デゴザイマス、此
ノ質問ハ同時ニ又各委員ノ希望デモアッタ
ノデゴザイマスガ、以上ノ質問ニ對シマシ
テ政府當局ノ答辯ハ、必ズシモ滿足スベキ
モノデハナカッタノデアリマスケレドモ、併
シ此ノ法案ト致シマシテハ、差當リ必要ナ
モノデゴザイマスカラ、此ノ審議ノ結果、本
案ハ異議ナク可決致シタノデゴザイマス、
以上ヲ御報告致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=74
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075・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=75
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076・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴膏君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=76
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077・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=77
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078・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=78
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079・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=79
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080・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴嘉君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=80
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081・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=81
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082・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=82
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083・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=83
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084・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=84
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085・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=85
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086・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=86
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087・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=87
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088・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=88
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089・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 次會ノ議事日程
ハ、決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、
本日ハ是ニテ〓會致シマス
午前十一時四十三分散會
貴族院議專速記錄第十五號正誤
頁段行誤正
一五四-七改定ス改正ス
貴族院議事速記錄第二十二號正誤
頁段行誤正
二八二一八行〓
二七九三六「サンガ三箇月
ー」熱
〃〃二七後世且公生活
〃〃二八定メタ貫イタ
二八〇一등敬スル經スル
〃三四上ノ神ノ
是ハ頗ル
〃四三四-三五困難ナル道義觀念
コトデアノ衰弱
ル
二八一四三誠試験
大學總長文部大臣
二八二二三-四事務取扱久保田讓
松井直吉
二八三一一一八去ラセ去ラズ、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02419390317&spkNum=89
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