1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十四年三月十九日(日曜日)午前十時二十二分開議
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議事日程 第二十五號
昭和十四年三月十九日
午前十時開議
第一 映畫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 著作權に關する仲介業務に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 船舶建造融資補給及損失補償法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 海運組合法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 造船事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 米穀配給統制法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 工業組合法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 北海道拓殖銀行法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 金資金特別會計法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 國境取締法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 軍用資源祕密保護法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 保險業法改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十三 臺灣事業公債法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十四 商法を引用する條文の整理に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十五 酪農業調整法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十六 民族優生保護法案(衆議院提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔佐藤書記官朗讀〕
一昨十七日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府
提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆
議院ニ通知セリ
昭和十四年度歲入歲出總豫算追加案第
赤坂
昭和十四年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第二號)
鑛業法中改正法律案
靑年學校〓育費國庫補助法案
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
國境取締法案可決報告書
軍用資源祕密保護法案可決報告書
保險業法改正法律案可決報告書
臺灣事業公債法中改正法律案可決報〓書
恩給法中改正法律案可決報〓書
酪農業調整法案可決報告書
請願委員會特別報告第七號
昨十八日委員會ニ於テ當選シタル正副委員
長ノ氏名左ノ如シ
輕金屬製造事業法案特別委員會
委員長伯爵橋本實斐君
副委員長眞野文二君
國際電氣通信株式會社法中改正法律案特
別委員會
委員長伯爵兒玉秀雄君
副委員長男爵淺田良逸君
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法律
案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
映畫法案
著作權ニ關スル仲介業務ニ關スル法律案
船舶建造融資補給及損失補償法案
海運組合法案
造船事業法案
米穀配給統制法案
工業組合法中改正法律案
同日議員ヨリ左ノ質問主意書ヲ提出六リ依
テ卽日之ヲ政府ニ轉送セリ
度量衡制度改正ニ關スル質問主意書公
爵島津忠重君外三十一名提出)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、映畫法案、日程
第二、著作權ニ關スル仲介業務ニ關スル法
律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、
是等ノ二案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、木戶內務大臣
〔左ノ送付文及法案ハ朗讀ヲ經サ
ルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下之
ニ做フ〕
映畫法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
映畫法案
映畫法
第一條本法ハ國民文化ノ進展ニ資スル
爲映畫ノ質的向上ヲ促シ映畫事業ノ健
全ナル發達ヲ圖ルコトヲ目的トス
第二條映畫ノ製作又ハ映畫ノ配給ノ業
ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
前項ニ規定スル映畫製作業及映畫配給
業ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條前條第一項ノ許可ヲ受ケタル者
死亡シタル場合ニ於テ其ノ業ヲ相續ニ
因リテ承繼シタル者ハ之ヲ同項ノ許可
ヲ受ケタル者ト看做ス
第四條主務大臣ハ第二條第一項ノ許可
ヲ受ケ映畫ノ製作ノ業ヲ爲ス者(映畫製
作業者)又ハ同項ノ許可ヲ受ケ映畫ノ配
給ノ業ヲ爲ス者(映畫配給業者)本法若
ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基
キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ又ハ其
ノ業務ニ關シ公益ヲ害スル行爲ヲ爲シ
タルトキハ其ノ業務ノ停止若ハ制限又
ハ其ノ許可ヲ取消ヲ爲スコトヲ得
第五條映畫製作業者ノ映畫ノ製作ニ關
シ業トシテ主務大臣ノ指定スル種類ノ
業務ニ從事セントスル者ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ登錄ヲ受クベシ但シ十四歲
未滿ノ者ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條主務大臣ハ前條ノ登錄ヲ受ケタ
ル者其ノ品位ヲ失墜スベキ行爲ヲ爲シ
タルトキ其ノ他同條ノ規定ニ依ル當該
種類ノ業務ニ從事スルヲ適當ナラズト
認メタルトキハ其ノ業務ノ停止又ハ其
ノ登錄ノ取消ヲ爲スコトヲ得
第七條映畫製作業者ハ命令ヲ以テ定ム
ル場合ヲ除クノ外第五條ノ規定ニ依ル
登錄ヲ受ケザル者ヲ同條ノ規定ニ依ル
當該種類ノ業務ニ從事セシムルコトヲ
得ズ前條ノ規定ニ依ル業務停止中ノ者
ニ付亦同ジ
第八條行政官廳ハ危害豫防、衞生共ノ
他公益保護上必要アリト認ムルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ映畫製作業者ニ
對シ映畫ノ製作ノ現業ニ從事スル者ノ
就業其ノ他映畫ノ製作ニ關シ制限ヲ爲
スコトヲ得
第九條映畫製作業者主務大臣ノ指定ス
ル種類ノ映畫ヲ製作セントスルトキハ
撮影開始前命令ノ定ムル事項ヲ主務大
臣ニ屆出ヅベシ屆出ヲ爲シタル事項ノ
主タル部分ヲ變更シタルトキ亦同ジ
主務大臣ハ公安又ハ風俗上必要アリト
認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ屆出ヲ
爲シタル事項ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十條主務大臣ハ特ニ國民文化ノ向上
ニ資スルモノアリト認ムル映畫ニ付選
奬ヲ爲スコトヲ得
第十一條主務大臣ハ公益上特ニ保存ノ
必要アリト認ムルトキハ映畫ヲ指定シ
其ノ所有者ニ對シ複寫ノ爲一時其ノ提
出ヲ命ズルコトヲ得
第十二條主務大臣ハ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ映畫配給
業者ニ對シ外國映畫ノ配給ニ關シ其ノ
種類又ハ數量ノ制限ヲ爲スコトヲ得
第十三條映畫ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
行政官廳ノ檢閱ヲ受ケ合格シタルモノ
ニ非ザレバ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
主務大臣ハ特別ノ事情アル場合ニ於テ
ハ前項ノ檢閱ニ合格シタル映畫ノ輸出
ノ制限又ハ禁止ヲ爲スコトヲ得
第十四條映畫ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
行政官廳ノ檢閱ヲ受ケ合格シタルモノ
ニ非ザレバ公衆ノ觀覽ニ供スル爲之ヲ
上映スルコトヲ得ズ
前條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ
準用ス
第十五條主務大臣ハ命令ヲ以テ映畫興
行者ニ對シ國民〓育上有益ナル特定種
類ノ映畫ノ上映ヲ爲サシムルコトヲ得
行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特定
ノ映畫興行者ニ對シ啓發宣傳上必要ナ
ル映畫ヲ交付シ期間ヲ指定シテ其ノ土
映ヲ爲サシムルコトヲ得
第十六條主務大臣ハ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ映畫興行
者ニ對シ外國映畫ノ上映ニ關シ其ノ種
類又ハ數量ノ制限ヲ爲スコトヲ得
第十七條行政官廳ハ危害豫防、衞生、
〓育其ノ他公益保護上必要アリト認ム
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ映畫興
行者其ノ他映畫ノ上映ヲ爲ス者ニ對シ
興行時間、映寫方法、入場者ノ範圍其
ノ他映畫ノ上映ニ關シ制限ヲ爲スコト
ヲ得
第十八條主務大臣ハ公益上特ニ必要ア
リト認ムルトキハ映畫製作業者、映畫
配給業者又ハ映畫興行者ニ對シ製作ス
ベキ映畫ノ種類若ハ數量ノ制限、映畫
ノ配給ノ調整、設備ノ改良又ハ不正競
爭ノ防止ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズル
コトヲ得
第十九條本法施行ニ關スル重要事項ニ
付主務大臣ノ諮問ニ應ズル爲映畫委員
會ヲ置ク
映畫委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二十條行政官廳ハ當該官吏ヲシテ映
晝ヲ製作シ又ハ上映スル場所ニ臨檢セ
シムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ
身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
行政官廳ハ映畫製作業者、映畫配給業
者又ハ映畫興行者ニ對シ其ノ業務ニ關
スル事項ニ付報〓ヲ命ズルコトヲ得
第二十一條第二條第一項ノ規定ニ依ル
許可ヲ受ケズシテ映畫ノ製作又ハ映畫
ノ配給ノ業ヲ爲シタル者ハ六月以下ノ
懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十二條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第四條ノ規定ニ依ル停止又ハ制限
ニ違反シタル者
二第八條、第十二條、第十六條又ハ
第十七條ノ規定ニ依ル制限ニ違反シ
タル者
三第十三條第一項ノ規定ニ違反シ又
ハ同條第二項ノ規定ニ依ル制限若ハ
禁止ニ違反シテ映畫ヲ輸出シ又ハ輸
出セントシタル者
四第十四條第一項ノ規定ニ違反シ又
ハ同條第二項ノ規定ニ依ル制限若ハ
禁止ニ違反シタル者
五第十五條又ハ第十八條ノ規定ニ依
ル命令ニ違反シタル者
六第二十條第一項ノ規定ニ依ル臨檢
ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ同條第
二項ノ規定ニ依ル報告ヲ爲サズ若ハ
虚僞ノ報〓ヲ爲シタル者
第二十三條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-第五條ノ規定ニ依ル登錄ヲ受ケズ
シテ業トシテ同條ノ規定ニ依ル當該
種類ノ業務ニ從事シタル者
二第六條ノ規定ニ依ル停止ニ違反シ
タル者な
三第七條ノ規定ニ違反シタル者
四第九條第一項ノ規定ニ依ル屆出ヲ
爲サズシテ映畫ノ撮影ヲ開始シタル者
五第十一條ノ規定ニ依ル命令ニ違反
シタル者
第二十四條映畫ノ製作若ハ映畫ノ配給
ノ業ヲ爲ス者又ハ映畫興行者其ノ他映
畫ノ上映ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從事者ガ
其ノ業務ニ關シ第二十一條、第二十二
條第一號乃至第五號若ハ第六號後段又
ハ前條第三號乃至第五號ノ違反行爲ヲ
爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ
故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十五條第二十一條、第二十二條第
一號乃至第五號及第六號後段竝ニ第二
十三條第三號乃至第五號ノ罰則ハ其ノ
者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ
他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未
成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法
定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ
成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者
ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十六條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ第二條ニ規定スル映畫
ノ製作若ハ映畫ノ配給ノ業ヲ爲ス者又ハ
其ノ業ヲ承繼シタル者ハ本法施行ノ日ヨ
リ一年ヲ限リ同條第一項ノ規定ニ拘ラズ
引續キ其ノ業ヲ爲スコトヲ得
前項ノ者前項ノ期間內ニ第二條第一項ノ
許可ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ
對スル許可又ハ不許可ノ處分ノ日迄亦前
項ニ同ジ
前二項ノ規定ニ依リ其ノ業ヲ爲ス者ハ之ヲ第
二條第一項ノ許可ヲ受ケタル者ト看做ス
本法施行ノ際現ニ業トシテ第五條ノ規定
ニ依ル當該種類ノ業務ニ從事スル者ハ本
法施行ノ日ヨリ六月ヲ限リ同條ノ登錄ヲ
受ケズシテ引續キ業トシテ其ノ業務ニ從
事スルコトヲ得
第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
著作權ニ關スル仲介業務ニ關スル法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
著作權ニ關スル仲介業務ニ關スル法律
案
第一條本法ニ於テ著作權ニ關スル伸介
業務ト稱スルハ著作物ノ出版、翻譯、興
行、放送、映畫化、寫調其ノ他ノ方法
ニ依ル利用ニ關スル契約ニ付著作權者
ノ爲ニ代理又ハ媒介ヲ業トシテ爲スヲ
謂フ
著作權ノ移轉ヲ受ケ他人ノ爲ニ一定ノ
目的ニ從ヒ著作物ヲ管理スルノ行爲ヲ
業トシテ爲スハ之ヲ著作權ニ關スル仲
介業務ト看做ス
前二項ノ著作物ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之
ヲチノ人
第二條著作權ニ關スル仲介業務ヲ爲サ
ントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ業
務ノ範圍及業務執行ノ方法ヲ定メ主務
大臣ノ許可ヲ受クベシ
第三條前條ノ許可ヲ受ケタル者(以下仲
介人ト稱ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ著
作物使用料規程ヲ定メ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦
同ジ
前項ノ認可ノ申請アリタルトキハ主務
大臣ハ其ノ要領ヲ公〓ス
出版ヲ業トスル者ノ組織スル團體、興
行ヲ業トスル者ノ組織スル團體其ノ他
命令ヲ以テ定ムル者ハ前項ノ要領ニ付
公〓ノ日ヨリ一月以內ニ主務大臣ニ意
見ヲ具申スルコトヲ得
主務大臣第一項ノ認可ヲ爲サントスル
トキハ公〓ノ日ヨリ一月ヲ經過シタル
後著作權審査會ニ諮問スベシ前項ノ規
定ニ依リ意見ノ具申アリタルトキハ著
作權審査會ニ之ヲ提出スルコトヲ要ス
第四條仲介人ハ義務ノ範圍又ハ業務執
行ノ方法ヲ變更セントスルトキハ主務
大臣ノ許可ヲ受クベシ
第五條仲介人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
業務報告書及會計報告書ヲ主務大臣ニ
提出スベシ
第六條主務大臣ハ何時ニテモ仲介人ヲ
シテ其ノ業務ニ關スル報〓ヲ爲サシメ
又ハ其ノ帳簿書類ヲ提出セシムルコト
ヲ得
第七條主務大臣ハ何時ニテモ當該官吏
ヲシテ仲介人ノ事務所其ノ他ノ場所ニ
臨檢シ其ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査セ
シムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ
身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第八條主務大臣ハ仲介人ノ業務又ハ財
產ノ狀況ニ依リ必要ト認ムルトキハ業
務執行ノ方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他必要
ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第九條仲介人本法若ハ本法ニ基キテ發
スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違
反シタルトキ又ハ其ノ業務ニ關シ公益
ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキハ主務大
臣ハ第二條ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ業
務ヲ停止シ若ハ制限スルコトヲ得
第十條第二條ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケ
ズシテ著作權ニ關スル仲介業務ヲ爲シ
タル者ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條仲介人左ノ各號ノ一ニ該當ス
ルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二條又ハ第四條ノ規定ニ依リ許
可ヲ受ケタル業務ノ範圍ヲ超エ業務
ヲ爲シタルトキ
二第九條ノ規定ニ依ル業務ノ停止又
ハ制限ニ違反シタルトキ
第十二條仲介人左ノ各號ノ一ニ該當ス
ルトキハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二條又ハ第四條ノ規定ニ依リ許
可ヲ受ケタル業務ノ執行方法ニ依ラ
ズシテ業務ヲ爲シタルトキ
二第三條第一項ノ規定ニ依リ認可ヲ
受ケタル著作物使用料規程ニ依ラズ
シテ業務ヲ爲シタルトキ
三第五條ノ規定ニ依ル業務報告書若
ハ會計報告書ヲ提出セズ又ハ之ニ虚
僞ノ記載ヲ爲シタルトキ
四第六條ノ規定ニ依ル報告ヲ爲サズ
若ハ虚僞ノ報告ヲ爲シ又ハ帳簿書類
ヲ提出セザルトキ
五第八條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
タルトキ
第十三條第七條ノ規定ニ依ル臨檢檢査
ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百
圓以下ノ罰金ニ處ス
第十四條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第十條乃
至第十二條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキ
ハ其ノ法人又ハ人ハ自己ノ指揮ニ出デ
ザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコト
ヲ得ズ
第十五條第十條乃至第十二條ノ罰則ハ
其ノ者ガ法人ナルトキハ理事其ノ他ノ
法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年
者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代
理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年
者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ著作權ニ關スル仲介業
務ヲ爲ス者又ハ其ノ業務ヲ承繼シタル者
ハ本法施行ノ日ヨリ三月ヲ限リ第二條ノ
規定ニ拘ラズ其ノ業務ヲ爲スコトヲ得
前項ニ揭グル者前項ノ期間內ニ第二條ノ
許可ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ
對スル許可又ハ不許可ノ處分ノ且迄亦前
項ニ同ジ
〔國務大臣侯爵木戶幸一君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=3
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004・木戸幸一
○國務大臣(侯爵木戸幸一君) 只今議題ト
ナリマシタ映畫法案ニ付キマシテ、提案ノ
理由ヲ御說明申上ゲマス、我ガ國ニ映畫ガ
き
初メテ輸入サレマシテカラ四十年ノ日時ヲ
經過シテ居リマスガ、其ノ間映畫ノ普及發
達ハ誠ニ著シキモノガアリマシテ、國民娛
樂トシテ最モ重要ナル地位ヲ占ムルニ至リ
マシタノミナラズ、最近ニ於キマシテハ〓
化宣傳、報道等ノ方面ニ於テモ、次第ニ
顯著ナル機能ヲ發揮シ、更ニ進ンデ國民藝
術トシテ新タナル分野ヲ開拓セムトスル機
運ニアルノデアリマシテ、映畫ノ有スル國
家的任務ハ愈〓重大トナッテ來タノデアリマ
ス、然ルニ從來我ガ國ノ映畫ニ對スル政策
ハ、遺憾ナガラ〓ネ消極的範圍ヲ出デナイ
有樣デアリマシテ、之ヲ積極的ニ利用、助
長スル方策ニ缺ケテ居リマシタ爲、我ガ國
ノ映畫事業ニハ、其ノ製作、配給、上映ノ
各部門ニ亙ッテ幾多改善ヲ要スベキモノガ
アリマスルシ、又映畫ノ內容ニ付キマシテ
モ、相當考慮ヲ要スベキモノガ少クナイ狀
況デアリマシテ、映畫ヲ通ジ國民文化ノ進
展ヲ期スルガ爲ニハ、速カニ是等ノ點ニ付
テ適切ナル方策ヲ講ズルコトヲ必要トスル
次第デアリマス、斯樣ナ實情ニ鑑ミ、既ラ
數年前ヨリ屢〓各方面カラ政府ニ對シ、急速
ニ映畫國策ヲ樹立實行スベキコトヲ要望セ
ラレ、又貴衆兩院ニ於キマシテモ、其ノ趣
旨ノ建議、請願等ガアッタノデアリマシテ、
內務省ニ於キマシテハ、豫テヨリ文部省、
厚生省ト協議ヲ重ネマシタ結果、玆ニ本案
ヲ提出スルニ至ッタ次第デアリマス、本案ノ
內容中主ナル事項ヲ申上ゲマスレバ、先ヅ
映畫製作業及映畫配給業ノ濫立ヲ防止シ、
其ノ內容ノ充實ヲ圖ル爲、之ヲ許可事業ト
シ、映畫ノ質的向上ヲ期スル爲、映畫製作
從事者ノ登錄制度ヲ實施シ、危害豫防、衞
生〓育、其ノ他公益保護ノ必要ヨリ、映畫
ノ製作又ハ上映ニ付制限ヲ爲シ、國民文化
ノ向上ニ資スル映畫ノ出現ヲ促ス爲、選奬
ノ制度ヲ設ケ、外國映畫ノ及ス影響ヲ是正
スル爲、其ノ配給竝ニ上映ニ付制限ヲ爲シ、
國民〓育又ハ啓發宣傳ノ目的ヲ達スル爲、
映畫ノ上映ヲ命ジ、公益上ノ必要ニ依リ映
畫製作數量ノ制限、映畫配給ノ調整等ニ關
スル必要ナル命令ヲ發シ得ルコトトシ、又
本法施行ニ關スル重要事項ニ關スル諮問機
關トシテ、映畫委員會ヲ設置スルコトト致シマ
スル等、映畫ノ質的向上ヲ促シ、映畫事業ノ
健全ナル發達ヲ圖リ、以テ國民文化ノ進展ニ
資スル爲、必要ト認メラレマスル事項ヲ規定
致シクノデアリマスガ、尙詳細ノ點ニ關シマ
シテハ、委員會ニ於テ御說明申上ゲタイト
存ジマス、何卒十分御審議ノ上、本案ニ對シ
速カニ御協賛アラムコトヲ切望スル次第デ
アリマス、次ニ著作權ニ關スル仲介業務ニ關
スル法律案ノ提案理由ヲ御說明申上ゲマス
文化ノ發達竝ニ普及ヲ期スル爲ニハ、著作
者ノ權利ヲ尊重スルト共ニ、又著作物ノ利
用ヲ圓滑ナラシメナケレバナラヌノデアリ
マスガ、從來我ガ國ニ於キマシテハ、著作
者ノ權利ヲ尊重スルノ觀念ハ未ダ尙十分ナ
ラズ、又海外ノ著作物ヲ利用スル上ニモ、
地理的關係等ニ因リマシテ、常ニ不便ヲ感
ジテ居ルノ實情デアリマス、政府ハ此ノ實
情ニ鑑ミマシテ、著作物利用ニ關スル堅實
ナル仲介機關ノ發達ヲ促シ、以テ著作者ノ
利益ヲ擁護スルト共ニ、著作物利用ノ簡易
化ヲ圖ルノ必要アリト認メ、本案ヲ提出ス
ルコトニ致シタ次第デアリマス、法案ノ趣
旨ハ、著作權ニ關スル仲介業務ニ許可制度ヲ
設ケ、其ノ業務ノ執行ニ對シ適正ナル監督
ヲ加ヘムトスルニ在ルノデアリマス、何卒
御容議ノ上御協賛アラムコトヲ切望致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=4
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005・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
映畫法案外一件ハ、重要ナル法案デアリマ
スルガ故ニ、此ノ特別委員ノ數ヲ十五名ト
シ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動
議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=5
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006・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=6
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007・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=7
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008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマ
ス
〔丸龜書記官朗讀〕
映畫法案外一件特別委員
公爵岩倉具榮君侯爵德川義親君
侯爵久我通顯君伯爵二荒芳德君
關屋貞三郞君子爵野村益三君
子爵今城定政君子爵三島通陽君
男爵紀俊秀君男爵關義壽君
男爵加藤成之君赤池濃君
次田大三郞君松本學君
大澤德太郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第三、船舶
建造融資補給及損失補償法案、日程第四、
海運組合法案、日程第五、造船事業法案、
政府提出、衆議院送付、第一讀會、是等ノ
三案ハ之ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、鹽野遞信大臣
船舶建造融資補給及損失補償法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
船舶建造融資補給及損失補償法案
船舶建造融資補給及損失補償法
第一條政府ハ海運業ノ振興ヲ圖ル爲必
要アリト認ムルトキハ帆舶建造資金ノ
融通ヲ爲ス金融機關ニ對シ補給金ヲ支
給シ且融通ニ因リテ受ケタル損失ヲ補
償スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ支給スベキ補給
金ノ總額ガ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金
額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ爲スコ
トヲ要ス
第二條前條ノ契約ヲ爲スコトヲ得ル期
間ハ昭和十四年度以降十年度間トス
第三條第一條ノ船舶建造資金及金融機
關ノ範圍、補給金支給ノ限度竝ニ船舶
建造資金ノ融通ヲ受クルコトヲ得ベキ
者ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條政府ハ第一條ノ契約ヲ爲サント
スルトキハ金融機關ヲシテ船舶建造資
金ノ融通ニ付左ノ各號ニ依ラシムルコ
トヲ要ス
融通資金ノ償還方法ハ十五年以內
ノ年賦償還ニ依ルコト但シ其ノ期間
內ニ於テ二年以內ノ据置期間ヲ定メ
得ルコト
二融通資金ニ依リテ建造セラルル船
舶ニ第一順位フ抵當權ヲ設定スルコ
ト但シ船舶建造中ニ在リテハ之ニ代
ヘテ一時他ノ船舶其ノ他ノ物件ヲ擔
保ト爲シ得ルコト
三資金融通ノ限度ハ建造セラルル船
舶ノ擔保價格ヲ超エザルコト但シ政
府ノ認可ヲ受ケ其ノ擔保不足分ニ付
他ノ船舶其ノ他ノ物件ヲ擔保ト爲シ
タルトキハ此ノ限ニ在ラザルコト
四船舶ノ擔保價格ハ當該船舶ノ價格
ノ三分ノ二又ハ保險金額ノ五分ノ四
ノ中其ノ低キモノニ依ルコト
五貸付利率ハ勅令ノ定ムル率ニ依ル
コト
第五條第一條ノ契約ニ基ク政府ノ損失
補償ハ金融機關ガ融通ニ因リテ受ケタ
ル損失ノ百分ノ七十トス
前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ政府之ヲ
定ム
第一項ノ損失及其ノ額ハ船舶融資損失
審査會之ヲ決定ス
船舶融資損失審査會ニ關スル規程ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條金融機關ハ損失補償ヲ受ケタル
後ト雖モ其ノ債權ヲ保有シ且之ヲ取立
ツルコトヲ要ス
金融機關ハ前項ノ取立ニ依リテ得タル
金額ヨリ債權行使ノ爲要シタル費用ヲ
控除シ其ノ殘額ノ百分ノ七十ニ相當ス
ル金額ヲ政府ニ納付スベシ
第七條第一條ノ契約ニ基キ政府ガ金融
機關ニ對シテ支拂フベキ損失補償金ハ
國債證劵ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ得
第八條政府ハ前條ノ規定ニ依リ交付ス
ル爲必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發行
スルコトヲ得
第九條本法ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲ定ム
第十條金融機關ガ本法又ハ第一條ノ契
約ニ違反シタルトキハ政府ハ融通資金
ノ全部若ハ一部ニ付補給ヲ爲サズ、損
失ノ全部若ハ一部ニ付補償ヲ爲サズ又
ハ補給金若ハ補償金ノ全部若ハ一部ノ
返還ヲ命ズルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
海運組合法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
海運組合法案
海運組合法
第一條本法ニ於テ海運業トハ左ニ揭グ
ル事業ヲ謂フ
船舶ニ依リ人又ハ物ヲ運送スル事
業
二船舶ノ貸渡(期間傭船ヲ含ム)ヲ爲
ス事業
三船舶ニ依ル人若ハ物ノ運送ニ關ス
ル仲立業又ハ船舶ノ貸渡(期間傭船
ヲ含ム)若ハ賣買ニ關スル仲立業
前項ノ船舶ニハ官廳又ハ公署ノ所有ニ
屬スル船舶、漁船其ノ他勅令ヲ以テ定
ムル船舶ヲ包含セズ
第二條海運業者ハ其ノ事業ノ健全ナル
發達ヲ圖ル爲海運組合ヲ設立スルコト
ヲ得
海運組合ハ法人トス
第三條海運組合ノ組合員タルコトヲ得
ル海運業者ハ內地ニ住所又ハ本店若ハ
主タル事務所ヲ有スル者トス
海運組合ハ前項ノ規定ニ拘ラズ政府ノ
認可ヲ受ケ外地ニ住所又ハ本店若ハ主
タル事務所ヲ有スル海運業者ヲ組合員
ト爲スコトヲ得
第四條海運組合ハ左ノ事業ヲ行フコト
ヲ得
一組合員ノ事業ノ爲ニスル共同施設
二組合員間ニ於ケル事業ノ統制
三組合員間ニ於ケル事業ニ關スル紛
爭ノ解決ノ斡旋
四組合員ノ事業ニ關スル證明及鑑定
五組合員ノ事業ニ關スル指導、〓究
及調査
六前各號ニ揭グルモノノ外組合ノ目
的ヲ達スルニ必要ナル事業
海運組合ハ營利ヲ目的トシテ其ノ事業
ヲ行フコトヲ得ズ
第五條海運組合ハ定款ノ定ムル所ニ依
リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ分賦シ過怠
金ヲ課スルコトヲ得
第六條海運組合ヲ設立セントスルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合ノ組
合員タルベキ資格ヲ有スル者ノ三分ノ
二以上ヲ以テ創立總會ヲ開キ定款其ノ
他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ政
府ノ認可ヲ受クベシ
組合ノ設立ニ付組合員タルベキ資格ヲ
有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得ル
コト能ハザル場合ト雖モ特別ノ事由ア
ルトキハ政府ノ認可ヲ受ケ創立總會ヲ
開クコトヲ得
第七條創立總會ニ於ケル議決及役員ノ
選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同
意ヲ以テ之ヲ爲ス
第八條設立同意者ハ創立總會ニ於テ代
理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得
前項ノ代理人ハ設立同意者タルコトヲ
要ス但シ法人タル設立同意者ハ其ノ業
務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人
ト爲スコトヲ得
第九條海運業ノ統制ヲ圖ル爲特ニ必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ハ豫メ組合員タルベキ資格ヲ
定メ其ノ資格ヲ有スル者ニ對シ海運組
合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ海運組合ノ設立ヲ命
ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依
リ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル
事項ヲ定メ役員ヲ選任シ政府ノ指定ス
ル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ創立總會ニ於ケル議決及役員ノ
選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ
以テ之ヲ爲ス
第十條前條第二項ノ規定ニ依ル認可申
請アリタル場合ニ於テ定款其ノ他必要
ナル事項ニシテ著シク不相當ト認ムル
モノアルトキハ政府ハ之ニ變更ヲ加ヘ
テ認可ヲ爲スコトヲ得
前條第二項ノ規定ニ依ル認可申請ナキ
トキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ
關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十一條海運組合ハ設立ノ認可アリタ
ル時又ハ前條第二項ノ規定ニ依リ定款
ノ作成アリタル時成立ス
第十二條第九條第一項又ハ第十條第二
項ノ規定ニ依ル海運組合成立シタルト
キハ組合員タルベキ資格ヲ有スル者ハ
其ノ組合ノ組合員トス
第十三條政府第十條第二項ノ規定ニ依
リ定款ヲ作成シタルトキハ海運組合ノ
理事及監事ヲ命ズ
前項ノ理事ハ遲滯ナク組合員總會ヲ招
集スベシ
前項ノ總會ニ於テハ組合設立當時ノ收
支豫算及經費ノ分賦收入方法ヲ議決ス
ベシ
第十四條政府ハ海運業ノ統制ヲ圖ル爲
必要アリト認ムルトキハ命令フ定ムル
所ニ依リ組合員ニ非ズシテ組合員タル
資格ヲ有スル者ヲシテ海運組合ノ組合
員タラシムルコトヲ得
第十五條海運組合ノ定款ニハ左ノ事項
ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四組合員タル資格ニ關スル規定
五組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
六役員ニ關スル規定
七事業ノ執行ニ關スル規定
八會議ニ關スル規定
九組合員ノ權利義務及經費ノ分擔ニ
關スル規定
十會計及財產ニ關スル規定
十一存立ノ期間又ハ解散ノ事由ヲ定
メタルトキハ其ノ期間又ハ事由
第十六條海運組合ニハ理事及監事ヲ置
タベシ
理事及監事ノ選任及解任ハ政府ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
理事ハ組合ノ業務ニ付組合ヲ代表ス
監事ハ組合ノ業務ヲ監査ス
理事ト監事トハ相兼ヌルコトヲ得ズ
組合ト理事ト利益相反スル事項ニ付テ
ハ監事組合ヲ代表ス
理事缺ケタルトキハ監事其ノ職務ヲ行
フ但シ其ノ期間ハ三月ヲ超ユルコトヲ
得ズ
理事ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ政府ハ
假理事ヲ選任シ理事ノ職務ヲ行ハシム
ルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定
ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第十七條左ニ揭グル事項ハ總會ノ議決
ヲ經ベシ
一定款ノ變更
二收支豫算及經費ノ分賦收入方法
三業務報告及收支決算ノ承認
四第二十條第一項ノ規程ノ制定及變
更
五海運組合聯合會ノ設立、加入及脫
退
六解散
前項第一號、第四號及第六號ニ揭グル
事項ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非
ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十八條組合員ハ總會ニ於テ各一個ノ
議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依
リ一人ニ付二個以上ノ議決權ヲ有セシ
ムルコトヲ得
第十九條總會ノ議決ハ定款ノ定ムル所
ニ依リ出席シタル組合員ノ議決權ノ過
半數ヲ以テ之ヲ爲ス但シ第十七條第一
項第一號、第二號及第四號乃至第六號
ニ揭グル事項ノ議決ハ總組合員ノ半數
以上ニシテ議決權總數ノ半數以上ニ當
ル組合員出席シ其ノ議決權ノ三分ノ二
以上ノ多數ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十條海運組合ハ組合員間ニ於ケル
事業ノ統制ヲ行フ場合ニ於テハ之ニ關
スル規程ヲ定ムベシ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ海運組
合ニ對シ前項ノ規程ノ變更ヲ命ズルコ
トヲ得
第二十一條海運業ノ經營ニ關スル弊害
ヲ豫防シ若ハ矯正スル爲又ハ其ノ健全
ナル發達ヲ圖ル爲必要アリト認ムルト
キハ政府ハ海運組合ニ對シ必要ナル事
業ヲ行フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十二條海運業ノ經營ニ關スル弊害
ヲ豫防シ若ハ矯正スル爲又ハ其ノ健全
ナル發達ヲ圖ル爲必要アリト認ムルト
キハ政府ハ海運組合ノ組合員ニ對シ又
ハ組合員及組合員ニ非ザルモ組合員タ
ル資格ヲ有スル者ニ對シ其ノ組合ノ統
制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三條政府ハ必要アリト認ムルト
キハ海運組合ニ對シ業務ニ關スル報告
ヲ爲サシメ、業務執行又ハ財產ノ狀況
ヲ檢査シ、定款、收支豫算又ハ經費ノ
分賦收入方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督
上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲ス
コトヲ得
第二十四條海運組合ノ事業ノ繼續ヲ困
難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行爲ガ
法令、定款若ハ政府ノ命令ニ違反シタ
ルトキ若ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞
アリト認ムルトキハ政府ハ左ノ處分ヲ
爲スコトヲ得
-總會ノ決議ノ取消
二役員ノ解任
三事業ノ停止
四解散
第二十五條海運組合ハ左ノ事由ニ因リ
テ解散ス
一存立ノ期間ノ滿了其ノ他定款ニ定
メタル事由ノ發生
二總會ノ決議
三破產
四政府ノ解散命令
第二十六條海運組合ハ其ノ共同ノ目的
ヲ達スル爲海運組合聯合會ヲ設立スル
コトヲ得
海運組合聯合會ハ他ノ海運組合聯合會
又ハ海運組合ト其ノ共同ノ目的ヲ達ス
ル爲更ニ海運組合聯合會ヲ設立スルコ
トヲ得
海運組合聯合會ハ法人トス
第二十七條海運組合聯合會ヲ設立セン
トスルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ會
員タルベキ資格ヲ有スル組合又ハ聯合
會ノ中會員タラントスル者ニ於テ選任
シタル創立委員ヲ以テ、第二十九條ニ
於テ準用スル第九條第一項ノ規定ニ依
リ海運組合聯合會ノ設立ヲ命ゼラレタ
ルトキハ其。組合及聯合會ニ於テ選任
シタル創立委員ヲ以テ命令ノ定ムル所
ニ依リ創立委員會ヲ開キ定款其ノ他必
要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ政府ノ
認可ヲ受クベシ
第二十八條創立委員會ニ於ケル議決及
役員ノ選任ハ創立委員總數ノ三分ノ二
以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第八條ノ規定ハ創立委員ニ付之ヲ準用
ス
第二十九條ニ於テ準用スル第九條第一
項ノ規定ニ依ル海運組合聯合會ニ付テ
ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ創立委員會ニ
於ケル議決及役員ノ選任ハ出席シタル
創立委員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ
之ヲ爲ス
第二十九條第四條、第五條、第九條第
一項及第十條乃至第二十五條ノ規定ハ
海運組合聯合會ニ付之ヲ準用ス
第三十條海運組合及海運組合聯合會ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコト
フルガ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第三十一條海運組合及海運組合聯合會
ノ〓算ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十二條海運組合及海運組合聯合會
ニハ所得稅及營業收益稅ヲ課セズ
第三十三條民法第五十一條第二項、第
五十二條第二項、第五十四條、第五十
五條、第五十九條第三號第四號、第六
十條乃至第六十四條及第六十六條ノ規
定ハ海運組合及海運組合聯合會ニ付之
ヲ準用ス但シ民法第六十二條中五日ト
アルハ之ヲ十日トス
第三十四條第二十二條ノ規定ニ依ル政
府ノ命令ニ違反シタル者ハ二千圓以下
ノ罰金ニ處ス
海運業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、
雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ
前項ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ自己
ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰
ヲ免ルルコトヲ得ズ
第三十五條前條ノ罰則ハ海運業者ガ法
人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法
人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者
又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理
人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者
ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十六條海運組合又ハ海運組合聯合
會ノ理事、監事又ハ〓算人其ノ職務ニ
關シ賄賂ヲ收受シ要求シ又ハ約束シタ
ルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不
正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サ
ザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
〓ス
本條ノ罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
第三十七條前條第一項ニ揭グル者ニ賄
賂ヲ交付シ、提供シ又ハ約束シタル者
ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰
金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第三十八條左ノ場合ニ於テハ海運組合
又ハ海運組合聯合會ノ理事又ハ監事ヲ
五百圓以下ノ過料ニ處ス
官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ
爲シ又、ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
二本法ニ依リ政府ノ徵スル報告ヲ爲
サズ又ハ檢査ヲ拒ミ其ノ他政府ノ命
令又ハ處分ニ從ハザルトキ
三本法ニ依ル總會ノ招集ヲ怠リタル
トキ
四本法ニ依リ備置クベキ書類ヲ備置
カザルトキ又ハ其ノ書類ニ記載スベ
キ事項ヲ記載セザルトキ
第三十九條第三十條及第三十一條ノ規
定ニ基キテ發スル勅令ニ於テハ之ニ違
反シタル者ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
ル規定ヲ設クルコトヲ得
第四十條非訟事件手續法第二百六條乃
至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ
付之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
登錄稅法第十九條第七號中「又ハ肥料製
造業組合」ノ上ニ「、海運組合、海運組合聯
合會」ヲ、「又ハ重要肥料業統制法」ノ上
ニ「、海運組合法」ヲ加フ
造船事業法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
造船事業法案
造船事業法
第一條本法ニ於テ造船事業トハ命令ノ
定ムル設備ヲ備フル者ノ爲ス船舶ノ製
造又ハ修繕ノ事業ヲ謂フ
前項ノ事業ヲ營ム者ノ爲ス船體、船舶
用機關若ハ艤裝品又ハ其ノ部分品若ハ
附屬品ノ製造又ハ修繕ハ之ヲ其ノ事業
ノ一部ト看做ス
第二條造船事業ヲ營マントスル者ハ政
府ノ許可ヲ受クベシ
第三條前條ノ許可ヲ受クルコトヲ得ベ
キ者ハ帝國法令ニ依リ設立シタル株式
會社又ハ有限會社ニシテ其ノ株主又ハ
社員ノ半數以上、取締役ノ半數以上、資
本ノ半額以上及議決權ノ過半數ガ帝國
臣民又ハ帝國法令ニ依リ設立シタル法
人ニ屬スルモノニ限ル
前項ノ法人ハ其ノ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本ノ
半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人
又ハ外國法人ニ屬セザルモノナルコト
マヨハ
前條ノ許可ヲ受ケタル者前二項ノ規定
ニ該當セザルニ至リタルトキハ許可ハ
其ノ效力ヲ失フ
第四條第二條ノ許可ヲ受ケタル會社(以
下造船會社ト稱ス)ハ政府ノ指定スル
期間內ニ其ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ
限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコト
ヲ得
造船會社前二項ノ期間內ニ其ノ事業ヲ
開始セザルトキハ第二條ノ許可ハ其ノ
效力ヲ失フ
第五條造船會社其ノ事業ノ全部又ハ一
部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止セントス
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ
許可ヲ受クベシ
造船會社ノ合併又ハ解散ノ決議ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第六條造船事業ハ土地收用法第二條ノ
土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得ル事
業トシ同法ヲ適用ス
第七條造船會社ハ其ノ事業ニ屬スル設
備ノ償却ニ充ツル爲勅令ノ定ムル所ニ
依リ每決算期ノ利益ノ一部ヲ積立ツベ
シ
第八條株式會社タル造船會社ハ政府ノ
認可ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費
用ニ充ツル爲商法ニ規定スル制限ヲ超
エテ社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債
ノ總額ハ拂込ミタル株金額ノ二倍ヲ超
ユルコトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存ス
ル純財產額ガ拂込ミタル株金額ニ滿タ
ザルトキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
舊社債償還ノ爲ニスル社債ノ募集ニ付
テハ其ノ舊社債ノ額ハ社債ノ總額中ニ
之ヲ算入セズ此ノ場合ニ於テハ拂込ノ
期日、若シ數囘ニ分チテ拂込ヲ爲サシ
ムルトキハ第一囘拂込ノ期日ヨリ六月
以內ニ舊社債ヲ償還スルコトヲ要ス
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付
テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬
スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ
特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必要
ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九條造船會社本邦ニ於テ未ダ製造セ
ラレタルコトナキ船體、船舶用機關若
ハ艤裝品又ハ其ノ部分品若ハ附屬品ノ
製造ヲ爲ス場合ニ於テハ政府ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ豫算ノ範圍內ニ於テ之
ニ奬勵金ヲ交付スルコトヲ得
第十條政府ハ造船會社ニ對シ命令ノ定
ムル所ニ依リ船體、船舶用機關若ハ艤
裝品又ハ其ノ部分品若ハ附屬品ニハ本
邦ニ於テ製造セラレタル物ヲ使用スベ
キコトヲ命ズルコトヲ得
第十一條政府ハ造船事業ノ維持ヲ圖ル
爲必要アリト認ムルトキハ船舶ノ製造
ヲ爲ス造船會社又ハ船舶ノ製造ノ注文
ヲ爲ス者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
豫算ノ範圍內ニ於テ助成金ヲ交付スル
コトヲ得
第十二條政府ハ船體、船舶用機關若ハ
艤裝品又ハ其ノ部分品若ハ附屬品ニ付
其ノ規格ヲ定ムルコトヲ得船舶及船舶
用材料ニ付亦同ジ
造船會社ハ前項ノ規定ニ依リ規格ヲ定
メタルモノニ付テハ命令ノ定ムル場合
ヲ除クノ外規格ニ適合スルモノニ非ザ
レバ之ヲ製造シ又ハ船舶ニ使用スルコ
トヲ得ズ
第十三條政府ハ造船會社ニ對シ其ノ製
造セントスル船舶ニ付命令ノ定ムル推
進性能試驗ヲ受クベキコトヲ命ズルコ
トヲ得
第十四條政府ハ公益上必要アリト認ム
ルトキハ造船會社ニ對シ船舶、船體、
船舶用機關若ハ艤裝品又ハ其ノ部分品
若ハ附屬品ニ付製造若ハ販賣ノ價格又
ハ修繕料ノ變更ヲ命ジ又ハ此等ノ物ノ
供給ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコト
ヲ得
第十五條政府ハ公益上必要アリト認ム
ルトキハ造船會社ニ對シ左ノ各號ニ揭
グル事項ヲ命ズルコトヲ得
一設備ノ新設、增設又ハ改良
二政府ノ指定スル船舶、船體、船舶
用機關若ハ艤裝品又ハ其ノ部分品若
ハ附屬品ノ製造又ハ修繕
三船舶ニ關スル特殊事項ノ〓究又ハ
特殊設備ノ施設
前項ノ命令ニ因リ生ジタル損失ハ勅令
ノ定ムル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
賛ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十六條政府ハ第十二條第一項ノ規格
ノ決定、第十四條若ハ前條第一項第一
號ノ命令又ハ前條第二項ノ補償金額ノ
決定ヲ爲サントスルトキハ勅令ニ別段
ノ規定アル場合ヲ除クノ外造船事業委
員會ノ議ヲ經ベシ
造船事業委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第十七條造船會社ハ其ノ事業ノ改良發
達ヲ圖ル爲造船組合ヲ設立スルコトヲ
得
造船組合ハ法人トス
第十八條造船組合ハ左ノ事業ヲ行フコ
トヲ得
一組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ取得、
保有及供給竝ニ組合員ノ事業ノ爲ニ
スル共同施設
二組合員間ニ於ケル事業ノ統制
三組合員ノ事業ニ關スル指導、〓究
及調査
四前各號ニ揭グルモノノ外組合ノ目
的ヲ達スルニ必要ナル事業
造船組合ハ營利ヲ目的トシテ其ノ事業
ヲ行フコトヲ得ズ
第十九條造船組合ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ分賦シ過
怠金ヲ課スルコトヲ得
第二十條造船組合ヲ設立セントスルト
キハ豫メ地區ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ
組合員タルベキ資格ヲ有スル者ノ三分
ノ二以上ヲ以テ創立總會ヲ開キ定款其
ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ
政府ノ認可ヲ受クベシ
組合ノ設立ニ付組合員タルベキ資格ヲ
有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得ル
コト能ハザル場合ト雖モ特別ノ事由ア
ルトキハ政府ノ認可ヲ受ケ創立總會ヲ
開クコトヲ得
造船組合ハ第一項ノ認可アリタル時成
立ス
第二十一條造船組合ノ定款ニハ左ノ事
項ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五組合員タル資格ニ關スル規定
六組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
七役員ニ關スル規定
八專業ノ執行ニ關スル規定
九會議ニ關スル規定
十組合員ノ出資及責任ニ關スル規定
十一組合員ノ權利義務及經費ノ分擔
ニ關スル規定
十二會計及財產ニ關スル規定
十三存立ノ期間又ハ解散ノ事由ヲ定
メタルトキハ其ノ期間又ハ事由
第二十二條造船組合ニハ理事及監事ヲ
置クベシ
理事ハ組合ノ業務ニ付組合ヲ代表ス
監事ハ組合ノ業務ヲ監査ス
理事ト監事トハ相兼ヌルコトヲ得ズ
組合ト理事ト利益相反スル事項ニ付テ
ハ監事組合ヲ代表ス
理事缺ケタルトキハ監事其ノ職務ヲ行
フ但シ其ノ期間ハ三月ヲ超ユルコトヲ
得ズ
理事ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ政府ハ
假理事ヲ選任シ理事ノ職務ヲ行ハシム
ルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定
ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第二十三條左ニ揭グル事項ハ總會ノ議
決ヲ經ベシ
-定款ノ變更
二收支豫算及經費ノ分賦收入方法
三業務報告及收入決算ノ承認
四第二十八條第一項ノ規程ノ制定及
變更
五造船組合聯合會ノ設立、加入及脫
退
六役員ノ選任及解任
七合併及解散
前項第一號、第四號、第六號及第七號
ニ揭グル事項ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十四條組合員ハ總會ニ於テ各一個
ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ
依リ一人ニ付二個以上ノ議決權ヲ有セ
シムルコトヲ得
第二十五條總會ノ議決ハ定款ノ定ムル
所ニ依リ出席シタル組合員ノ議決權ノ
過半數ヲ以テ之ヲ爲ス但シ第二十三條
第一項第一號、第二號、第四號、第五號
及第七號ニ揭グル事項ノ議決ハ總組合
員ノ半數以上ニシテ議決權總數ノ半數
以上ニ當ル組合員出席シ其ノ議決權ノ
三分ノ二以上ノ多數ヲ以テ之ヲ爲スコ
トヲ要ス
第二十六條組合員ハ出資一口以上ヲ有
天ぷり
組合員ノ有スベキ出資口數ハ五十口ヲ
超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アル
トキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ增加
スルコトヲ得
第二十七條組合員ノ責任ハ第十九條ノ
規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ
限度トス
造船組合ハ定款ニ依リ組合財產ヲ以テ
其ノ債務ヲ完濟スルコト能ハザル場合
ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ出資ノ外一
定ノ金額ヲ限度トシテ組合ノ債權者ニ
對シ責任ヲ負擔スルモノト爲スコトヲ
得
第二十八條造船組合ハ組合員間ニ於ケ
ル事業ノ統制ヲ行フ場合ニ於テハ之ニ
關スル規程ヲ定ムベシ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ造船組
合ニ對シ前項ノ規程ノ變更ヲ命ズルコ
トヲ得
第二十九條造船事業ノ健全ナル發達ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ政府ハ
造船組合ニ對シ必要ナル事業ヲ行フベ
キコトヲ命ズルコトヲ得
第三十條造船事業ノ健全ナル發達ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ政府ハ造
船組合ノ組合員ニ對シ其ノ組合ノ統制
ニ從フベキコトヲ命ジ又ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ組合員ニ非ズシテ組合員タ
ル資格ヲ有スル者ヲシテ其ノ組合ノ組
合員タラシムルコトヲ得
第三十一條政府ハ必要アリト認ムルト
キハ造船組合ニ對シ定款、收支豫算又
ハ經費ノ分賦收入方法ノ變更ヲ命ズル
コトヲ得
第三十二條造船組合ノ事業ノ繼續ヲ困
難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行爲ガ
法令、定款若ハ政府ノ命令ニ違反シタ
ルトキ若ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞
アリト認ムルトキハ政府ハ左ノ處分ヲ
爲スコトヲ得
一總會ノ決議ノ取消
二役員ノ解任
三事業ノ停止
四解散
第三十三條造船組合ハ左ノ事由ニ因リ
テ解散ス
一存立ノ期間ノ滿了其ノ他定款ニ定
メタル事由ノ發生
二總會ノ決議
三合併
四破產
五政府ノ解散命令
第三十四條造船組合ハ其ノ共同ノ目的
ヲ達スル爲造船組合聯合會ヲ設立スル
コトヲ得
造船組合聯合會ハ他ノ造船組合聯合會
又ハ造船組合ト其ノ共同ノ目的ヲ達ス
ル爲更ニ造船組合聯合會ヲ設立スルコ
トヲ得
造船組合聯合會ハ法人トス
第三十五條造船組合聯合會ヲ設立セン
トスルトキハ會員タルベキ資格ヲ有ス
ル組合又ハ聯合會ノ中會員タラントス
ル者ニ於テ選任シタル創立委員ヲ以テ
創立委員會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル
事項ヲ定メ役員ヲ選任シ政府ノ認可ヲ
受クベシ
第三十六條第十八條、第十九條、第二
十條第三項、第二十一條乃至第三十三
條ノ規定ハ造船組合聯合會ニ付之ヲ準
用ス
第三十七條造船組合及造船組合聯合會
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコ
トヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第三十八條造船組合及造船組合聯合會
ニハ所得稅及營業收益稅ヲ課セズ
第三十九條民法第五十一條第二項、第
五十二條第二項、第五十四條、第五十五
條つ第五十九條第三號第四號、第六十
條乃至第六十四條及第六十六條ノ規定
ハ造船組合及造船組合聯合會ニ付之ヲ
準用ス
第四十條本法ニ規定スルモノノ外造船
組合及造船組合聯合會ニ關シ必要ナル
事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十一條政府ハ造船會社、造船組合
又ハ造船組合聯合會ヲシテ業務及財產ノ
狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシムルコトヲ得
政府ハ造船會社、造船組合又ハ造船組
合聯合會ニ對シ業務及會計ニ關シ監督
上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲ス
コトヲ得
第四十二條本法ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ船舶、船舶用機關又ハ艤裝品ノ製造
又ハ修繕ヲ爲ス事業ニシテ第一條ノ造
船事業ニ屬セザルモノニ付之ヲ準用ス
第四十三條第二條ノ規定ニ違反シ許可
ヲ受ケズシテ造船事業ヲ營ミタル者ハ
五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十四條造船會社左ノ各號ノ一ニ該
當スルトキハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一第五條第一項ノ規定ニ違反シ事業
ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタルトキ
二第十條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ
本邦ニ於テ製造セラレタルニ非ザル
物ヲ使用シタルトキ
三第十二條第二項ノ規定ニ遠反シ規
格ニ適合セザルモノヲ製造シ又ハ船
舶ニ使用シタルトキ
四第十四條又ハ第十五條第一項ノ規
定ニ依ル命令ニ違反シタルトキ
五第三十條ノ規定ニ依ル命令ニ違反
シ組合ノ結制ニ從ハザルトキ
第四十五條造船會社左ノ各號ノ一ニ該
當スルトキハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第四十一條第一項ノ規定ニ依ル報
〓ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ報〓ヲ爲シタ
ルトキ
二第四十一條第二項ノ規定ニ依ル命
令又ハ處分ニ違反シタルトキ
第四十六條造船事業ヲ營ム者ハ其ノ代
理人、戶主、家族、雇人其ノ他ノ從業
者ガ其ノ業務ニ關シ第四十三條乃至前
條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ自己ノ
指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ
免ルルコトヲ得ズ
第四十七條第四十三條乃至第四十五條
ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、
取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル
役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルト
キハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ
營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有ス
ル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十八條造船組合又ハ造船組合聯合
會ノ理事、監事又ハ〓算人其ノ職務ニ
關シ賄賂ヲ收受シ、要求シ又ハ約束シ
タルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ
不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲
サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
本條ノ罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
第四十九條前條第一項ニ揭グル者ニ對
シ賄賂ヲ交付シ、提供シ又ハ約束シタ
ル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下
ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第五十條造船會社左ノ各號ノ一ニ該當
スルトキハ取締役又ハ其ノ職務ヲ行フ
監査役ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
ー第七條ノ規定ニ違反シ準備金ノ積
立ヲ爲サズ又ハ之ヲ同條ニ規定スル
以外ノ目的ニ使用シタルトキ
二第八條ノ規定ニ違反シ社債ヲ募集
シ又ハ舊社債ノ償還ヲ爲サザルトキ
第五十一條左ノ場合ニ於テハ造船組合
又ハ造船組合聯合會ノ理事又ハ監事ヲ
五百圓以下ノ過料ニ處ス
-官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ
爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
二本法ニ依リ政府ノ徵スル報〓ヲ爲
サズ又ハ本法ニ依ル政府ノ命令若ハ
處分ニ從ハザルトキ
三本法ニ依ル總會ノ招集ヲ怠リタル
トキ
四本法ニ依リ備置クベキ書類ヲ備置
カザルトキ又ハ其ノ書類ニ記載スベ
キ事項ヲ記載セザルトキ
第五十二條第三十七條及第四十條ノ規
定ニ基キテ發スル勅令ニ於テハ之ニ違
反シタル者ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
ル規定ヲ設クルコトヲ得
第五十三條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ第五十條乃至
前條ノ過料ニ付之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム但
シ第三條中有限會社ニ關スル規定ハ有限
會社法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ際現ニ造船事業ヲ營ム者又ハ
其ノ事業ヲ承繼シタル者ハ本法施行ノ日
ヨリ一年ヲ限リ第二條ノ規定ニ拘ラズ其
ノ事業ヲ營ムコトヲ得
前項ニ揭グル者前項ノ期間內ニ第二條ノ
許可ヲ申請シタル場合ニ於テ其ノ申請ニ
對シ許可又ハ不許可ノ處分ノ日迄亦前項
ニ同ジ
登錄稅法第十九條第七號中「貿易組合中
央會」ノ下ニ「、造船組合、造船組合聯合
會」ヲ、「貿易組合法」ノ下ニ「、造船事業
法」ヲ加フ
〔國務大臣鹽野季彥君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=10
-
011・塩野季彦
○國務大臣(鹽野季彥君) 只今議題トナリ
マシタ船舶建造融資補給及損失補償法案、
海運組合法案及造船事業法案ニ付提案ノ
理由ヲ御說明申上ゲマス、我ガ國海運竝
ニ造船事業ガ經濟上ニ於キマシテモ、將又
國防上ニ於キマシテモ、極メテ重要ナル使
命ヲ有シ、其ノ消長ガ國運ノ隆替ニ至大ノ
關係ヲ有スルコトハ、玆ニ申上グル迄モナ
イ所デアリマス、政府ハ夙ニ此ノ點ニ留意
致シマシテ、之ガ振興ニ努メ來ッタノデアリ
マスガ、幸ニシテ斯業ハ逐年著シキ進步發
達ヲ遂ゲ、今ヤ我ガ國ハ名實共ニ世界ニ於
ケル有數ノ海運國タル地位ヲ確立致シテ居
ル次第デアリマス、然ルニ今次事變ニ伴フ
内外諸情勢ノ推移ニ鑑ミマスル時ハ、我ガ國
運ノ進展ニ順應シテ、更ニ益〓斯業ノ充實强
化ヲ圖ルノ緊要ナルヲ痛感スルノデアリマ
ス、卽チ速カニ優秀ニシテ低廉ナル船舶ノ
建造ヲ促進シテ、我ガ航權ノ仲張ヲ圖ラシ
ムルト共ニ、海上交通運輸ヲ適正ニ調整シ、
諸般ノ產業政策遂行上遺憾ナキヲ期セシム
ルノ必要ガアルノデアリマス、之ガ爲先ヅ
船舶ノ建造ニ關シ、低利ニシテ且潤澤ナル
資金ヲ供給シテ、優秀船舶ノ擴充ヲ圖ルト
共ニ、海運業者ヲシテ鞏固ニシテ規律アル
組合機構ヲ整備セシメ、事變下ニ於ケル業
界ノ指導竝ニ絲制ニ協力セシムルト共ニ、
更ニ其ノ團結力ニ依リ濶達ナル對外發展ヲ
遂ゲシムルヤウ努メシメ、他面ニハ造船事
業ニ付キマシテ適切ナル保護監督ヲ加ヘテ、
事業經營ノ基礎ヲ强靱ナラシメ、能フ限リ
優秀ナル經濟船ヲ低廉ニ供給セシムルヤウ
指導スルコトハ、極メテ緊要デアルト思料
セラルヽノデアリマス、仍テ是等ノ方策ノ
實現ヲ期スル爲、玆ニ是等ノ三法案ヲ提出
シタ次第デアリマス、何卒御審議ノ上速カ
ニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=11
-
012・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
船舶建造融資補給及損失補償法案外二件
ハ、是亦重要ナル法案デアリマスルガ故ニ、
此ノ特別委員ノ數ヲ十八名トシ、其ノ指名
ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=12
-
013・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=13
-
014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=14
-
015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
船舶建造融資補給及損失補償法案外二件
特別委員
公爵山縣有道君侯爵小村捷治君
伯爵後藤一藏君子爵秋元春朝君
子爵米田國臣君子爵秋田重季君
大橋八郞君男爵井上〓純君
男爵大藏公望君男爵深尾隆太郞君
橋本圭三郞君坂野鉄次郞君
堀啓次郞君石川三郞君
橋本辰二郞君岩田宙造君
松岡潤吉君村田省藏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=15
-
016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第六、米穀
配給統制法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、櫻內農林大臣
米穀配給統制法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
米穀配給統制法案
米穀配給統制法
第一條米穀ノ買入若ハ賣渡又ハ其ノ代
理若ハ媒介ノ業務ヲ行ハントスル者ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受
クベシ但シ勅令ヲ以テ定ムル者ハ此ノ
限ニ在ラズ
第二條前條ノ許可ヲ受ケタル者命令ノ
定ムル所ニ依リ正當ノ事由ナクシテ業
務ヲ開始セザルトキ又ハ其ノ業務ヲ休
止シタルトキハ政府ハ其ノ許可ヲ取消
スコトヲ得
第三條政府第一條ノ許可ヲ受ケタル者
ノ行爲ガ本法若ハ本法ニ基キテ發スル
命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シ
又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト
認ムルトキハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其
ノ業務ヲ制限シ若ハ停止スルコトヲ得
〓特ニ必要アル場合
第四條政府ハ。米穀ノ買入若ハ賣渡又
ハ其ノ代理若ハ媒介ヲ爲ス者ニ對シ
〓勅令ノ定ムル所ニ依リニ關スル
〓米穀ノ配給統制上必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
政府必要ト認ムルトキハ何時ニテモ第
一條ノ許可ヲ受ケタル者ニ對シ其ノ業
務ニ關スル諸般ノ報〓ヲ命ジ又ハ其ノ
帳簿物件ヲ檢査スルコトヲ得
第五條米穀市場ハ日本米穀株式會社ニ
限リ之ヲ開設スルコトヲ得
日本米穀株式會社米穀市場ヲ開設セン
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市
場每ニ政府ノ認可ヲ受クベシ
何人ト雖モ米穀市場ニ類似ノ施設ヲ爲
シ又ハ其ノ施設ニ依リ取引ヲ爲スコト
ショッ、
第六條米穀市場ノ賣買取引ハ差金ノ授
受ニ依リ其ノ決濟ヲ爲スコトヲ得ズ但
シ履行期ニ於ケル決濟ニシテ勅令ヲ以
テ定ムルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
日本米穀株式會社ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ米穀市場ノ賣買取引ニ付證據金ヲ
納メシメ又ハ手數料ヲ徴收スルコトヲ
得
米穀市場ノ賣買取引ノ方法其ノ他賣買
取引ニ開シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第七條米穀市場ノ賣買取引ノ價格ハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ米穀統制法第二條
ノ最低價格及最高價格ニ準據シテ定ム
ル價格ノ範圍ヲ超ユルコトヲ得ズ
第八條米穀市場ノ賣買取引ハ其ノ市場
ノ市場員ニ限リ之ヲ爲スコトヲ得但シ
命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ此ノ限
ニ在ラズ
市場員タラントスル者ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ政府フ免許ヲ受クベシ
第九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ前
條第二項ノ免許ヲ受クルコトヲ得ズ但
シ勅令ヲ以テ定ムル者ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
帝國臣民又ハ帝國法令ニ依リ設立
シタル法人ニ非ザル者
二破產者ニシテ復權ヲ得ザルモノ
三禁錮以上ノ刑ニ處セラレ其ノ執行
ヲ終リ又バ執行ヲ受クルコトナキニ
至リタル後三年ヲ經過スルニ至ル迄
ノ者
四米穀市場ノ市場員ニシテ除名セラ
レ除名ノ日ヨリ三年ヲ經過セザルモ
五第二十條ノ規定ニ依リ免許ヲ取消
サレ取消ノ日ヨリ三年ヲ經過セザル
者
六營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ
有セザル未成年者又バ禁治產者ニシ
テ其ノ法定代理人ガ前各號ノ一ニ該
當スルモノ
七法人ニシテ其ノ業務ヲ執行スル役
員中第一號乃至第五號ノ一ニ該當ス
ル者アルモノ
第十條米穀市場ノ市場員前條第一號乃
至第四號、第六號若ハ第七號ニ該當ス
ルニ至リタルトキ又ハ日本米穀株式會
社ノ役員ト爲リタルトキハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ免許ハ其ノ效力ヲ失フ
政府ハ不正ノ手段ニ依リ第八條第二項
ノ免許ヲ受ケタル者アルコトヲ發見シ
タルトキハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第十一條本法ニ規定スルモノノ外市場
員ノ資格其ノ他市場員ニ關シ必要ナル
事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條市場員ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ日本米穀株式會社ニ身元保證金ヲ納
付スベシ
第十三條日本米穀株式會社ハ米穀市場
ノ秩序ヲ保持スル爲定款ノ定ムル所ニ
依リ市場員ノ業務ヲ停止シ、千圓以内
ノ過怠金ヲ課シ又ハ政府ノ認可ヲ受ケ
市場員ヲ除名スルコトヲ得
第十四條市場員ハ業務ヲ廢止シタル後
ト雖モ米穀市場ノ賣買取引ノ結了及監
督ノ目的ノ範圍內ニ於テハ取引結了後
二週間ヲ經過スル迄仍業務ヲ廢止セザ
ルモノト看做ス
市場員死亡シ若ハ解散シ又ハ其ノ免許
ガ取消サレ若ハ效力ヲ失ヒタル場合ニ
於テハ米穀市場ノ賣買取引ノ結了ニ至
ル迄亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テ市場員ノ行爲ヲ爲
ス者ナキトキハ日本米穀株式會社ハ定
款ノ定ムル所ニ依リ他人ヲシテ其ノ行
爲ヲ爲サシムルコトヲ得
第十五條市場員ハ其ノ米穀市場ニ依ラ
ズシテ米穀ノ賣買取引ヲ爲スコトヲ得
ズ但シ勅令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ
此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ場合ニ於ケル米穀ノ賣買取
引ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
マルチノ
第十六條市場員ハ委託ヲ受ケタル米穀
市場ノ賣買取引ニ付米穀市場ニ於テ其
ノ賣付、買付又ハ受渡ヲ爲サズシテ之
ヲ爲シタルト同一又ハ類似ノ計算ヲ以
テ委託者ニ對シ其ノ決濟ヲ爲スコトヲ
得ズ
前項ノ規定ニ違反シタル市場員ハ日本
米穀株式會社定款ノ定ムル所ニ依リ之
ニ二週間以上業務停止ヲ命ジ又ハ之ヲ
除名スベシ
第十七條日本米穀株式會社ハ政府ノ認
可ヲ受ケ米穀市場ノ賣買取引ノ違約ヨ
リ生ズル損害ニ付賠償ノ責ニ任ズルコ
トヲ得
日本米穀株式會社前項ノ規定ニ依リ損
害ヲ賠償シタルトキハ違約者ニ對シ其
ノ賠償シタル金額及之ニ要シタル費用
ニ付求償權ヲ有ス
第十八條日本米穀株式會社ハ證據金及
身元保證金ニ付他ノ債權者ニ對シ優先
權ヲ有ス
市場員ニ對シ米穀市場ノ賣買取引ノ委
託ヲ爲シタル者ハ委託契約ニ基キテ生
ズル債權ニ關シ其ノ市場員ノ身元保證
金ニ付他ノ債權者ニ對シ優先權ヲ有ス
第一項ノ優先權ハ前項ノ優先權ニ對シ
優先ノ效力ヲ有ス
第十九條政府ハ市場員ニ對シ米穀市場
ノ賣買取引ニ關シ米穀ノ配給統制上必
要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
政府必要ト認ムルトキハ何時ニテモ市
場員ニ對シ業務ニ關スル諸般ノ報告ヲ
命ジ又ハ市場員ノ帳簿物件ヲ檢査スル
コトヲ得
第二十條政府市場員ノ行爲ガ本法若ハ
本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キ
テ爲ス處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若
ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ
免許ヲ取消シ又ハ其ノ業務ヲ制限シ若
ハ停止スルコトヲ得
第二十一條日本米穀株式會社ハ米穀ノ
配給ノ統制ヲ圖ル爲必要ナル事業ヲ營
ムコトヲ目的トスル株式會社トス
第二十二條日本米穀株式會社ノ資本ハ
三千萬圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之
ヲ增加スルコトヲ得
第二十三條日本米穀株式會社ノ株式ハ
記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民
又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業
務ヲ執行スル役員ノ半數以上又ハ資本
ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國
人又ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ
之ヲ所有スルコトヲ得
第二十四條政府ハ千五百萬圓ヲ限リ日
本米穀株式會社ニ出資スベシ
前項ノ規定ニ依ル出資拂込金ハ米穀需
給調節特別會計ノ歲出トシ該出資ニ因
リ政府ノ取得シタル株式ハ同特別會計
ノ所屬物件トス
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ
株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ
得
第二十五條日本米穀株式會社ニ非ザル
モノハ日本米穀株式會社又ハ之ニ類似
ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得
ズ
第二十六條日本米穀株式會社ニ役員ト
シテ理事長副理事長各一人、理事五人
以上及監事三人以上ヲ置ク
理事長ハ日本米穀株式會社ヲ代表シ其
ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ
職務ヲ行フ
副理事長及理事ハ理事長ヲ輔佐シ定款
ノ定ムル所ニ依リ日本米穀株式會社ノ
業務ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
監事ハ日本米穀株式會社ノ業務ヲ監査
ス
第二十七條理事長及副理事長ハ政府之
ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ政府
ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ四
年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ
任期ヲ三年トス
日本米穀株式會社ヲ監督スル官廳ノ官吏タ
リシ者ハ其ノ職ヲ退キタル後五箇年間日
本米穀株式會社ノ役員ト爲ルコトヲ得ズ但
シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタル
トキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十八條理事長、副理事長及業務ヲ
分掌スル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從
事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受
ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十九條日本米穀株式會社ハ左ノ事
業ヲ營ムモノトス
-米穀市場ノ開設
二政府ノ委託ニ依ル米穀ノ買入又ハ
賣渡
三前二號ノ事業ニ附帶スル事業
四其ノ他本會社ノ目的達成上必要ナ
ル事業
日本米穀株式會社ハ前項ノ事業ノ外命
令ノ定ムル所ニ依リ米穀市場ノ開設ニ
附帶シ麥、大豆其ノ他ノ雜穀又ハ肥料
ヲ賣買取引スル市場ヲ開設スルコトヲ
得
前項ノ麥、大豆其ノ他ノ雜穀又ハ肥料
ヲ賣買取引スル市場ニ於テハ其ノ賣貫
取引ニ付差金ノ授受ニ依リ決濟ヲ爲ス
コトヲ得ズ
前又
日本米穀株式會社第一項第三號若ハ第
四號又ハ第二項ノ事業ヲ營マントスル
トキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
日本米穀株式會社ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其
ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ廢止シ又ハ体
止スルコトヲ得ズ
第三十條日本米穀株式會社ノ役員又ハ
使用人ハ勅令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ米
穀市場ノ賣買取引ヲ爲シ又ハ其ノ委託
ヲ爲スコトヲ得ズ
日本米穀株式會社ノ役員又ハ使用人ハ
市場員トノ間ニ資金ノ供與、損益ノ分
配其ノ他市場員ノ業務ニ付特別ノ利害
關係ヲ有スルコトヲ得ズ
第三十一條政府ハ日本米穀株式會社ノ
業務ヲ監督ス
第三十二條定款ノ變更、利益金ノ處分、
社債ノ募集、合併及解散ノ決議ハ政府
ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ
生ゼズ
第三十三條政府ハ日本米穀株式會社監
理官ヲ置キ日本米穀株式會社ノ業務ヲ
監視セシム
日本米穀株式會社監理官ハ何時ニテモ
日本米穀株式會社ノ金庫、帳簿及諸般
ノ文書物件ヲ檢査スルコトヲ得
日本米穀株式會社監理官必要ト認ムル
トキハ何時ニテモ日本米穀株式會社ニ
命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ
報告セシムルコトヲ得
日本米穀株式會社監理官ハ株主總會其
ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述ス
ルコトヲ得
第三十四條日本米穀株式會社ハ每營業
年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ
政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ
達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利
益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
日本米穀株式會社ノ每營業年度ニ於ケ
ル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ
者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額
ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場
合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式
ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配
當ヲ爲サントスルトキハ其ノ超過スル
利益金額ハ利益配當ガ總株式ニ付拂込
ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達ス
ル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額及政府ノ所有スル株式
ノ拂込ミタル株金額ニ對シ一ト四トノ
割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
第三十五條政府ハ日本米穀株式會社ニ
對シ米穀ノ配給統制上必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
政府ハ日本米穀株式會社ニ對シ其ノ
業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲サシ
メ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル
命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十六條政府ハ日本米穀株式會社ノ
決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基
キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公
益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムル
トキハ決議ノ取消シ、役員ノ解任又ハ
事業ノ停止若ハ禁止ヲ爲スコトヲ得
第三十七條米穀市場ニ類似ノ施設ヲ爲
シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千圓
以下ノ罰金ニ處ス
第三十八條米穀市場ニ類似ノ施設ニ依
リ取引ヲ爲シタル者ハ一年以下ノ懲役
又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十九條第三十條第一項ノ規定ニ違
反シタル者又ハ同條第二項ノ規定ニ違
反シ市場員トノ間ニ特別ノ利害關係ヲ
生ズルコトヲ目的トスル行爲ヲ爲シタ
ル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條第一條ノ規定ニ違反シ許可ヲ
受ケズシテ米穀ノ買入若ハ賣渡又ハ其
ノ代理若ハ媒介ノ業務ヲ行ヒタル者ハ
三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十一條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
-第三條ノ規定ニ依ル制限又ハ停止
ノ處分ニ違反シタル者
二第四條第一項又ハ第十九條第一項
ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第四十二條第四條第二項又ハ第十九條
第二項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ
又ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金
正版人
第四十三條日本米穀株式會社ノ役員又
ハ使用人米穀市場ノ賣買取引又ハ政府
ノ委託ニ依ル米穀ノ買入若ハ賣渡ニ關
スル職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ
要求シ若ハ約束シタルトキハ一年以下
ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因
テ不正フ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ
爲サザルトキハ三年以下ノ懲役又ハ五
千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價格ヲ追
徵ス
第四十四條前條第一項ニ掲グル者ニ賄
賂ヲ交付シ又ハ之ヲ提供シ若ハ約束シ
タル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以
下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ
得
第四十五條米穀市場ニ於ケル相場ノ變
動ヲ圖ル目的ヲ以テ虚僞ノ風說ヲ流布
シ、僞計ヲ用ヒ又ハ暴行若ハ脅迫ヲ爲
シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千圓
以下ノ罰金ニ處ス
第四十六條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰
金ニ處ス
一米穀市場ニ於ケル相場ヲ僞リテ公
示シタル者
二公示若ハ頒布ノ目的ヲ以テ虛僞ノ
相場ヲ記載シタル文書ヲ作戒シ又ハ
之ヲ頒布シタル者
第四十七條米穀市場ニ依ラズシテ米穀
市場ノ相場ニ依リ差金ノ投受ヲ目的ト
スル行爲ヲ爲シタル者ハ一年以下ノ懲
役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス但シ刑
法第百八十六條ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
第四十八條米穀ノ買入若ハ賣渡又ハ其
ノ代理若ハ媒介ノ業務ヲ行フ者ハ其ノ
代理人、戶主、家族、同居者、雇人其
ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第四十
條又ハ第四十一條ノ違反行爲ヲ爲シク
ルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免カルルコトヲ得ズ
第四十九條第四十條及第四十一條ノ罰
則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取
締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役
員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキ
ハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營
業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル
未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五十條日本米穀株式會社左ノ各號ノ
一ニ該當スルトキハ理事長又ハ理事長
ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副理事長ヲ
五千圓以下ノ過料ニ處ス副理事長又ハ
理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副理事長
又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第二十九條第一項又ハ第二項ノ規
定ニ依ラズシテ業務ヲ營ミタルトキ
三第三十五條ノ規定ニ依ル命令又ハ
處分ニ違反シタルトキ
日本米穀株式會社ノ理事長、副理事長
又ハ理事第二十八條ノ規定ニ違反シタ
ルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第五十一條第二十五條ノ規定ニ違反シ
タル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第五十二條非訟事件手續法第二百六條
乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料
ニ之ヲ準用ス
附則
第五十三條本法施行ノ期日ハ各規定ニ
付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十四條政府ハ設立委員ヲ命ジ日本
米穀株式會社ノ設立ニ關スル一切ノ事
務ヲ處理セシム
設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ
受ケタル後株式總數ヨリ政府ニ割當ツ
ベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ村
命令ノ定ムル所ニ依リ株主ヲ募集スベ
シ
株式申込證ニハ定款認可ノ年月日竝ニ
商法第百二十六條第二項第二號、第四
號及第五號ニ規定スル事項ヲ記載スベ
シ
設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキ
ハ株式申込證ヲ政府ニ提出シ其ノ檢査
ヲ受クベシ
設立委員ハ前項ノ檢査ヲ受ケタル後遲
滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲サシ
之<
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ
遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
創立總會ニ於テハ第二十七條ノ規定ニ
準ジ理事及監事ノ選任ヲ行フベシ
創立總會終結シタルトキハ設立委員ハ
其ノ事務ヲ日本米穀株式會社理事長ニ
引渡スベシ
第五十五條取引所法ハ米穀ニ關シテハ
之ヲ適用セズ
前項ノ規定施行前米穀ノ賣買取引ヲ爲
ス取引所ニ於テ爲シタル米穀ノ賣買取
引ニ付テハ仍從前ノ例ニ依リ其ノ取引
ヲ結了スルコトヲ得
第一項ノ規定施行前米穀ニ關スル行爲
ニシテ取引所法ノ罰則ヲ適用スベカリ
シモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第五十六條日本米穀株式會社ハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケ米穀
ヲ賣買取引スル取引所又ハ正米市場開
設者ガ本法公布ノ際現ニ所有スル土地、
建物其ノ他ノ設備ヲ其ノ申込ニ應ジ買
取ルモノトス
日本米穀株式會社ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ認可ヲ受ケ本法公布ノ際現
ニ存スル米穀ヲ賣買取引スル取引所ノ
使用人及取引員ニシテ前條ノ規定施行
ノ日迄引續キ其ノ業務ニ從事スルモノ
ニ關シ必要ナル措置ヲ爲スモノトス
政府前二項ノ認可ヲ爲サントスルトキ
ハ米穀取引事業審議委員會ノ議ヲ經ル
コトヲ要ス
米穀取引事業審議委員會ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十七條日本米穀株式會社前條第一
項ニ規定スル買取ニ基ク不動產ニ關ス
ル權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ
於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格
ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依リ算
出シタル登錄稅ノ額ガ本法ニ依リ算出
シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ稅額ニ
依ル
北海道、府縣及市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ日本米穀株式會社ニ對シ前
條第一項ニ規定スル買取ニ基ク不動產
ニ關スル權利ノ取得ニ關シ地方稅ヲ課
スルコトヲ得ズ
第五十八條第二十五條ノ規定施行ノ際
現ニ日本米穀株式會社又ハ之ニ類似ノ
名稱ヲ以テ商號ト爲ス會社ハ同條ノ規
定施行後六月以內ニ其ノ商號ヲ變更ス
ルコトヲ要ス
第五十一條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
前項ニ揭グル者ニ適用セズ
昭和十四年四月一日現ニ第一條
第五十九條第一條ノ規定施行ノ際現ニ
同條ノ許可ヲ受クベキ米穀ノ買入若ハ
賣渡又ハ其ノ代理若ハ媒介ノ業務ヲ行
フ者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ同條ノ規
定施行ノ日ヨリ之ヲ同條ノ許可ヲ受ケ
タル者ト看做ス
第六十條取引所稅法中第二十一條ノ次
ニ左ノ一條ヲ加フ
第二十一條ノ二日本米穀株式會社ノ
米穀市場ニ於ケル賣買取引ニシテ差
金ノ授受ニ依リテ決濟ヲ爲シ得ルモノ
ニ付テハ命令ヲ以テ定ムル賣買取引
ヲ除クノ外日本米穀株式會社及其ノ
米穀市場ヲ取引所、其ノ市場員ヲ取引
員ト看做シ本法中取引稅ニ關スル規
定ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ第五條
第一項ノ規定ニ拘ラス賣買各約定金高
ニ對シ萬分ノ一·二五ノ稅率ニ依ル
米穀配給給制法第十六條ノ規定ニ違
反シタル行爲アリタルトキハ第十七
條ノ例ニ依ル
日本米穀株式會社ノ米穀市場ニ於ケ
ル賣買取引ニシテ第一項ニ規定スル
賣買取引ニ該當セサルモノニ付差金
ノ授受ニ依リテ決濟ヲ爲シタルトキ
ハ第十七條ノ二ノ例ニ依ル
〔國務大臣櫻內幸雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=16
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017・櫻内幸雄
○國務大臣(櫻內幸雄君) 只今議題トナリ
マシタ米穀配給統制法案ニ付テ、提出理由
ヲ御說明致シマス、申上グル迄モナク米ハ
我ガ國民ノ主要食糧デアリマジテ、此ノ米
穀ノ生產及供給ヲ確保シ、且其ノ價格ノ適
正ヲ期シマスコトハ最モ必要ナルコトデア
リマスガ、特ニ現下ノ時局ニ鑑ミ、長期持
久ノ事變下ニ於テ、國民ヲシテ主要食糧ニ
毫モ不安ナカラシメマスコトハ、卽チ各般
ニ亙ル國家活動ノ基礎ヲ固ウスル所以デア
リマスト共ニ、出征將士ヲシテ後顧ノ憂ナ
カラシメ、且銃後國民ノ生活安定上絕對ニ
必要ナル事柄デアリマス、固ヨリ政府ト致
シマシテハ米穀ノ生產、維持、需給ノ均衡ニ
付キマシテハ最善ノ努力ヲ拂ヒ、又米價ノ
適正ニ付キマシテモ、米穀統制法ノ運用等
ニ依リ、萬遺憾ナキヲ期シテ居ル次第デア
リマス、幸ヒ事變勃發以來一年有半ヲ經タ
ル今日、國民ハ食糧ニ聊カノ不安モナク、
一途長期建設ニ邁進スルコトヲ得マスルハ、
一ニ國土ノ恩惠デアリマスト共ニ、我ガ農
山漁村ノ大ナル努力ニ依ルモノデアリマシ
テ、誠ニ感謝ニ堪ヘヌ所デアリマス、併シ
ナガラ若シ萬一天候其ノ他ノ關係ヨリ、現
在ノ米穀事情ニ急激ナ變動ヲ來スガ如キ事
情ノ起リマシタ場合ヲ想像致シマスナラバ、
今日ニ於テ豫メ之ニ對應スル爲、適切ナル
方策ヲ講ジテ置キマスコトハ、極メテ肝要
ノ事ト確信スルノデアリマス、從ヒマシテ
政府ニ於テハ此ノ問題ノ重要性ニ鑑ミマシ
テ、本年以降ニ於ケル米穀ノ生產ニ關シテ、
一面ニ於テ必要ナル增產計畫ヲ考慮致シテ
居ルノデアリマスガ、殊ニ配給ノ問題ニ關
シマシテハ米穀需給ノ圓滑、價格ノ適正
ヲ圖ル上ニ於テ、米穀配給統制ノ必要アリ
ト認ムルノデアリマス、卽テ平戰時ヲ通ジ、
特ニ戰時經濟下ニ於テ、米穀ノ需給ノ調整
及價格政策ノ萬全ヲ期シ、一朝米穀事情ノ
急激ナル變動ニ際會致シマシタ場合ニ於テ
モ、國民生活ニ脅威ヲ與フルガ如キコトヲ
絕對ニナキヤウ、豫メ十分ナル整備ヲ致シ
テ置クコトノ必要ヲ痛感スルノデアリマス、
然ルニ現在ノ米穀取引事情ヲ見マスルニ、
配給機構ニ遺憾ノ點ガ少クナイノデアリマ
シテ、殊ニ現在ノ米穀取引所ニ於キマシテ
ハ極メテ自由ナル投機取引ヲ行ヒツヽア
リマス關係上、米穀事情其ノ他經濟事情ノ
變化ニ依リマシテハ、假需要ノ誘發、價格
ノ激動等、米穀ノ圓滑ナル配給、適正ナル
價格ノ維持ニ重大ナル支障ヲ來シ、米穀政
策ノ徹底ヲ期シ難キ事態ノ生ズル虞ナシト
シナイノデアリマス、依ッテ以上ノ事情ヲ綜
合シテ考ヘマスル時、此ノ際速カニ取引
機構ノ改革ヲ致シマシテ、投機取引ヲ抑制
シ、實需ニ基ク正米取引ヲ原則トスル機構
ニ改メルト共ニ、是ト竝行シテ米穀ノ取扱
ヲ爲ス者ノ許可制度ヲ實施スル等、米穀配
給機構ニ必要ナル體制ヲ整ヘルコトガ焦眉
ノ急務ト存ズルノデアリマス、卽チ右ノ趣
旨ニ基キマシテ、此ノ度本法案ヲ制定致シ
マシタ次第デアリマスガ、今本案ノ主ナル
內容ニ付テ申上ゲマスレバ、第一ハ米穀ノ
需給ヲ統合シ、之ガ適正ナル價格ヲ構成ス
ル爲ニ、從來ノ米穀取引所ヲ廢止シ、新タ
ニ日本米穀株式會社ヲ設立シ、全國必要ナ
ル場所ニ正米取引ヲ主トスル市場ヲ開設セ
シメ、一定ノ規準ノ下ニ取引ヲ爲サシムル
コトデアリマス、第二ハ米穀ノ取扱業者ノ
安定ヲ圖リ、且必要アル場合政府ノ配給統
制ニ協力セシムル爲、新タニ是等ノ者ニ對
シ許可制ヲ設クルコトデアリマス、第三ハ、
政府ハ必要アル場合ニ於テ、米穀ノ取扱業
者ニ對シ賣買讓渡使用等ニ關シ、米穀ノ配
給統制上必要ナル命令ヲ爲シ得ルコトト致
シタノデアリマス、以上ハ本法案提出理由
ノ〓略デアリマス、何卒愼重御審議ノ上御
協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=17
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018・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 質疑ノ通〓ガゴ
ザイマス、御許シ致シマス、子爵大河內輝
耕君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=18
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019・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 最初ノハ簡單デゴザ
イマスカラ、此ノ席カラ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=19
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020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 宜シウゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=20
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021・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 此ノ年度ニ於キマシ
テ、農林省ニ於テハ米穀ノ增產ヲ圖ラルヽ
ト云フコトニ承ッテ居リマスガ、ソレハドウ
云フ御計畫デゴザイマセウカ、大體デ宜ジ
ウゴザイマスカラ、內地、朝鮮、臺灣ニ付
テ簡單ニ御說明ヲ願ヒタイ
〔國務大臣櫻內幸雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=21
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022・櫻内幸雄
○國務大臣(櫻內幸雄君) 御答ヘ致シマ
ス、本年度增產計畫ハ內地ニ於キマシテ四
百萬石增產致シタイト思ヒマス、朝鮮ニ於
テハ從來七十萬石ノ增產ヲ御願ヒシテ居ル
ノデアリマスガ、更ニ五十萬石ヲ追加致シ
テ增產ヲシテ戴キタイト思ッテ居リマス、臺
灣ニハ既定計畫ノ以外、此ノ度更ニ五十萬
石增產ヲシテ戴キタイト、斯樣ニ考ヘテ居
ル次第デアリマス
〔子爵大河內輝耕君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=22
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023・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 只今農林大臣ヨリノ
御答ニ依リマスルト云フト、增產計畫ヲサ
レルト云フコトデアリマス、是ハ今日ノ時
局ニ取ッテ當然ノ政策ト存ジマス、唯私ガ不
思議ニ堪ヘナイノハ、或地方ニ於キマシテ
之ニ反對スル政策ガ執ラレツヽアルコト、
農民ノ收入ガ減レバ、外ノ條件ガ同ジダト
スレバ玆ニ必ズ減產ガ來ルコトハ當然、ツ
レデ增產ヲサセヨウトスレバ壓力ヲ加ヘル
コトトナル、ドウモサウ云フ建前ニナラウ
ト思フ、此ノ點ハ外ノ委員會ニ於キマシ
テ·····私ハ特ニ此處デ申上タイノハドウカ
此ノ問題ハ此ノ議場デ質問ヲスルノモ時ヲ
得マセヌ、外ニ委員會モ開會中ノコトデア
リマスカラ、ドウカ此ノ增產トノ關係ニ付
キマシテ十分我々ガ納得ガ行クヤウニ御審
査ヲ願ヒタイト此處デ希望致シマス
次ニ伺ヒタイコトハ取引所ノ關係、取引
所ガ之ガ爲ニ非常ナ損害ヲ受ケヤシナイカ
ト云フコトヲ憂ヒラレテ、ソレデ段々實際
ノ狀況ヲ見マスト云フト、是ガドウ云フコ
トニナリマスルカ、取引所ハ之ニ依ッテ米穀
ヲ取扱フコトガ出來ナイ所モ出來ルシ、又
解散モシナケレバナラヌコトモアル、ソレ
ニ對スル賠償金ガ取レナイト云フコトニナ
リマス、サウ云フコトニナリマスト、餘程
是ハヒドイ打擊ヲ受ケヨウト思ヒマスガ、
其ノ點如何デアリマセウカ、或ハ取引所ノ
資產ノ狀態ナドデ十分ニう少クモ假令帳簿
價格ノ上トハ云ヘ、株金ノ額面ヲ「カヴアー」
スルコトガ出來ルト云フヤウナコトデア
レバ、今度新シイ會社ニ對シテ優先ノ拂
込ヲスルコトガ出來ル權利ヲ持ッテ居リマ
スノデスカラ、餘程損失ヲ輕減サレヨウ、
或ハ場合ニ依ッテ損失ナシニ濟ムヤウナ場
合モアラウカト存ジマスガ、其ノ邊ノ關係
六如何デアリマセウカ、取引所ノ一ツ一ツ
ニ付テ伺フノモ如何デアリマスガ、東京ト
大阪ノ取引所ノ狀態ニ付キマシテ、ドウ云
フ風ナ狀態ニナリマスカ、ソレヲ例トシテ
大體ノ御說明ヲ願ヒタイ、次ニ伺ヒタイノ
ハ產業組合ノ建前デアリマス、之ガ市場員
ニナッテ居リマス爲ニ、一部ニ於テ非常ナ脅
威ヲ感ジテ居ルコトハ事實デアリマス、此
ノ點ハ私ハ素人デ一向分リマセヌ、ドウカ
一般ニ安心ガ出來マスルヤウニ、決シテ是
ガ斯ウ云フ建前ニナッテ居ツテモ、外ノ者ハ
安心シテ可ナリト云フコトヲ一ツ御說明願
ヒタイ、卽チ市場員ニナッテ居ッテモ、商人
ノ側ニ於テハ安心シテ其ノ業務ニ從事スル
コトガ出來ル、サウ云フ建前デアルト云フ
コトヲ伺ヘバ宜イ、是ハ決シテ農林省ノ政
策ダトカ希望ダトカ云フコトヲ伺フノデハ
ナイ、法ノ建前ヲ伺フノデアリマスカラ、
其ノ御積リデ御答ヲ願ヒタイ、尙伺ヒタイ
コトモアリマスガ、ソレヲ伺ッタ上ニ致シマ
ス
〔國務大臣櫻內幸雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=23
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024・櫻内幸雄
○國務大臣(櫻内幸雄君) 大河內子爵ノ御
質疑ニ對シテ御答へ致シマス、本案施行ノ
結果ハ、取引所ガ廢止セラルヽノデアルガ、
取引所ガ非常ノ損害ヲ被ルノデハナイカ、斯
樣ナ御話デアリマス、固ヨリ取引所ノ內容等
ニ付キマシテ一樣ニハ參ラナイノデアリマス
ケレドモ、只今御話ノ東京米穀取引所竝ニ
大阪ノ例ニ付テ申述ベヨト云ラ御話デアリ
マスカラ、之ヲ申上ゲタイト思セマス、東京
ノ米穀取引所ノ拂込金ハ、十三年度ニ於テ
五百三十七萬五千圓程デアリマス、此ノ以
外ニ負債勘定ト致シマシテハ、積立金其ノ
他ガ多少ゴザイマス、併シナガラ其ノ資產
ノ合計ハ帳簿價格ニ依リマスルト云フト、
九百萬圓ヲ越シテ居リマス、其ノ中デ有價
證劵ガ二百八十餘萬圓、銀行信託預金等ガ
約百五十萬圓、不動產ガ二百二十何萬圓、
其ノ他ノ財產ガ二百四十六萬圓程アルコト
ニナッテ居リマス、デ是等ノ中、有價證劵、
銀行信託預金等ハ當然金トナルノデアリマ
スルガ故ニ、若シ整理セラレル場合ニ於テ
ハ、是ハ直チニ株主ニ配當セラレルコトト
相成リマス、從ヒマシテ是等ノ金ハ直チニ
今囘ノ米穀會社ノ拂込金ニ代ハルコトモ出
來ルノデアリマス、不動產ニ付キマシテハ、
建物其ノ他ニ付キマシテハ、適正テ價格ニ
依リマシテ新會社ガ引受ケルコトニナルノ
デアリマシテ、其ノ價格ノ評定ハソレ〓
各方面カラ出ラレタ委員會ノ決定ニ依ッテ
公平ニ定メラレルノデアリマシテ、是亦相
當ヲ價格ニ相成ルト思ヒマス、從ヒマシテ
此ノ取引所ガ非常ナ損害ヲ被ッテドウ斯ウ
ト云フ風ナ事態ハ起サナイト思ヒマス、現
在市場ニアリマス此ノ會社ノ株劵ノ、株式
ノ市價ト雖モ、恐ラク是ハ下ルコトナタシ
テ、相當ナル市價以上ノ金ガ株主ニ分配サ
レルカ、若シクハ本會社ノ株劵ガ分配サル
ルコトト相成ルト考ヘテ居リマス、大阪ハ
拂込資本金ガ四百七十五萬圓デアリマシテ、
ソレニ對シテ其ノ外ニ固ヨリ積立金、其ノ
他ノ負債勘定ガアリマスガ、資產ノ方ハ不
動產万三百五十八萬九千圓程アリマシテ、
有價證劵ガ百三十三萬圓、銀行信託預金ガ
百六十八萬圓、其ノ他ガ百五十九萬圓程デ
アリマス、是亦相當ナル會社ノ內容デアリ
マシテ、少シモ私ハ不安ガナイノデアリマ
シテ、東京米穀取引所ト同ジヤウナ結果ニ
相成ラウト考ヘマス、其ノ他各所ノ取引所
ニ付テ見マシテモ、平素カラ政府監督ノ下
ニアリマス結果ト致シマシテ、營業成績ノ
十分デナイモノニ付キマシテモ、尙相當ナ
ル財產ヲ所有シテ居リマシテ、是ガ本法案
決定施行ノ際ニ、株主ガ非常ナル損害ヲ被
ルトカト云フヤウナコトハ毫末モナイト、
斯樣ニ考ヘテ居リマス、恐ラク現在ノ株式
市場ニ於ケル市價ヨリハ多少ナリトモ、多
少ハ分リマセヌガ、多クナルノデハナカラ
ウカト想像シテ居ルヤウナ譯デゴザイマス、
ソレカラ產業組合ガ市場員トナル結果、米
穀取引所ガ不安ヲ懷イテ居ルヤウデアル
ガ、此ノ點ニ付テドウデアルカト云フ御質
疑デアッタト思ヒマス、御承知ノ通リ產業組
合ノ販賣組合ハ、農村各個々ノ米ノ委託ヲ
受ケテ市場ニ販賣スル任務ヲ持ッテ居ルフ
デアリマス、卽チ一人々々デ所有スル米ヲ
賣ルコトヲ致サズシテ、各村ニ於テ有志ノ
者ガ此ノ組合員ニナリマシテ、其ノ米ヲ纒
メテ賣ルト、其ノ販賣組合ガ委託ヲ受ケテ
賣ルト云フコトニナッテ居ルノデアリマシ
テ、今日現在日本ノ生產額ノ相當ノ數量ヲ
此ノ組合ニ於テ取扱ッテ居リマス、而シテ此
ノ販賣組合ハ市中ニ於テモ賣ッテ居リマス
ガ、同時ニ市場ノ方ニモ賣リ、又米穀取扱
業者ニモ販賣致シテ居ルノデアリマス、デ
今日ハ取引所ノ所員、取引仲買人若シクハ
米穀市場員ニハナッテ居リマセヌケレドモ、
此ノ方面ニモ或數量ヲ賣ッテ居ルノデアリ
マス、卽チ仲買人及取扱業者ノ手ヲ經テ市
場ニ賣リ得ルノデアリマス、從ヒマシテ此
ノ度此ノ機構ヲ改正シテ組織ヲ改メマシタ
結果、是ガ市場員ニナリマシテモ、從來仲
買人若シクハ米穀取扱商人ノ手ヲ經テ賣ッ
タフト何等違フ所ハナイノデアッテ、唯一人
ノ仲介業者ガ減ッテ、直接ニ其ノ市場ニ於テ
賣リ得ルト云フダケノ違ガアルノデアリマ
ス、從ヒマシテ多少農民ト致シマシテハ之
ニ依ッテ便利ヲ得ルコトハ當然デアリマ
ス、デ此ノ打擊ガ米穀取扱業者ニ如何ナ
ル程度ニ於テ與ヘルカ、斯ウ云フコトニ
付キマシテ世間議論ヲ致ス人ガアリマス
ガ、私共之ニ付キマシテハ左樣ナル影響ハ
ナイト考ヘマス、何故ナラバ從來ハ取引所
ト云フモノト、正米市場ト二ツノ市場デ取
扱ッテ居リマシタノヲ、此ノ度ハ一ツノ市場
ニ併セマス、卽チ市場ガ單一化スル譯デア
リマス、サウシテ從來取引所ニ於テ、〓算
市場ニ於テ取引シテ居ッタモノモ、此ノ市場
ニ於テ寶米ヲ賣買スルコトニナリマスガ故
ニ、此ノ點ニ付キマシテハ大イニ此ノ市場性
ト云フモノガ擴大サレルノデアリマス、殊
ニ荷受或ハ其ノ他ニ付キマシテ、此ノ會社
ガ市場員ニ對シテ非常ニ便益ヲ與ヘルヤウ
ナ方法ヲ講ジテアリマスガ故ニ、勢ヒ此ノ
市場ニ集中スル米ガ多數ニ上ッテ參リマス、
況ヤ若シ臺灣米ヲ取扱ヒマストカ、朝鮮米
ヲ取扱ヒマスコトニナリマスレバ、是等ノ
米モ亦市場ニ集ッテ來マシテ、是等ノ米穀取
扱業者ノ手ヲ煩ハスコトニナルノデアリマ
スカラ、數量ハ殖エテ參リマス、殊ニ現在
ノ米穀取扱業者ノ諸君ハ、產業組合ノ販賣
組合ガ全國ニ於テ取扱ッテ居ル數量ノ數倍
ト云フモノノ多額ヲ、各地方カラ集メル機
構ヲ御持チニナッテ居ルノデアリマシテ、其
ノ機構ハ少シモ變ハラナイノデアリマスガ
故ニ、矢張リ從來通リ集荷サレルノデアリ
マシテ、少シモ不便ガナイト思ヒマス、要
シマスルノニ、此ノ市場ガ出來マシテ雙方
兩々相俟ッテ參リマスルナラバ、恐ラク却テ
成績ニハ好イヤウナ結果ヲ持チ來タラスノ
デハナカラウカ、斯樣ニ考ヘテ居ルヤウナ
次第デアリマス、一應御答ヘ致シマス
〔子爵大河內輝耕君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=24
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025・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 產業組合ガ重大デア
ルト云フコトハ何人モ認メル所デアリマス、
殊ニ又產業組合ガナケレバ農民ノ利益ヲ保
護ハ出來ナイ、公正ナ價格デ販賣ガ出來ヲ
イト云フコトハ是ハ何人モ認メル所デゴザ
イマス、併シナガラ此ノ特權ヲ產業組合ガ
濫用致シマシテ、外ノヤラナクテモ宜イヤ
ウナ所ヘ入リ込ンデ來ルト云フコトニナレ
バ、是ハドウシテモ防止致サナケレバナラ
ナイ、ドウモ此ノ市場員ニナリマスト云フ
コトニ付テハ私ハ多大ノ疑ヲ持ツテ居ル、之
ニ付キマシテハ何トカ善處サレル必要ガア
リハシナイカ、勿論櫻內大臣ノ御方針ハ總
親和ト云フコトヲ能ク承知シテ居ル、御在
職中ハ變ナコトハナイダラウト云フコトハ
考ヘテ居リマス、併シドンナ當局ガ又舞込
ンデ來ナイトモ限ラヌ、サウ云フ場合ニ斯
ウ云フ建前ニシテ置クコトニナレバ、結局
米穀商ト云フ者ハジリノ〓地位ヲ失ッテ來
テ、無クナッテシマフ、私ハ何モ米穀商ノ保護
ヲ言ッテ居ル譯デハアリマセヌケレドモ、米
穀商ト云フモノハ配給ノ一ツノ貯水池デア
ル、是ガアリマセヌケレバ圓滿ナル配給ガ
出來ナイ、直チニ生產者カラ直接ニ消費者
ガ買ッタラ宜イヂヤナイカト云フ議論ガ能
クアリマスケレドモ、是ハ矢張リ水道ニ貯
水池ガ必要ナノト同ジコトデアル、ドウシ
テモ貯水池ヲ安全ニシテ置キマセヌト洪水
ニナッタリ、斷水ニナッタリ致シマス、官業
ノ配給ガウマク行カナイノハソレデアル、
ドウシテモ立派ナ貯水池ガナケレバイケマ
セヌガ、只今ノ此ノ法ノ建前デハ、ソレ
ハ運用宜シキヲ得レバ無論宜シウゴザイ
マセウ、宜シウゴザイマセウガ市場員ニ
入ッテ居ルト云フコトニナリマスト云フ
ト、ソコノ點ハ濫用スレバ、米穀商ナント
云フ者ハ何モ立ッテ行カナイ、片方ハ特權
ヲ持ッテ振廻シテ掛カル、稅モ何モナイ、
一方ハ重イ稅ヲ背負ッテ居ル、稅ハ何處迄
加重サレルカ分ラナイ、ソレヲ素手デ鬪
ヘト言ッテモ出來ルモノデナイ、結局只今ノ
配給機關ト云フモノハ滅茶々々ニ壞サレル
ト云フコトニ最後ハナル、ドウモサウ言ハ
ザルヲ得ナイ、ソレト產業組合ノ問題ハ是
バカリデハゴザイマスマイ、色々ナコトモ
ゴザイマセウ、ソレデ私ハ此處デ農林大臣、
商工大臣ニ御質問ヲ致シタイ、寧ロ斯ウ云
フヤウナ場合ハ、斯ウ云フコトヲ言ッテ居
ル人ガアル、產業組合ハ產業組合デ宜シイ
ガ、米穀商ノ方ハ米穀商ノ方デ一ツノ組合
ヲ作ッタラドウカ、サウシテ兩々手ヲ
相携ヘテ公正ナリト信ズル所ノ價格ニ
佐つ、產業組合ガ商業組合ニ讓渡シ、サウ
シテ其ノ商業組合ガ市場員ニナルナリ、或
ハ問屋ニ賣ルナリシタナラバ、ソレデ兩方
行キハシナイカ、一方ハ農民ノ保護ニナリ、
一方ハ商人ノ保護ニナル、サウシテ無論總
親和デ行ク、又萬一對立シタヤウナ場合モ
何方モ、兩方トモ團結デスカラ、片方ガ壓
迫ヲ受ケルト云フコトハナイ、特權モ兩方
同ジヤウニシテ置イタラ宜イト云フヤウナ
コトヲ言ハレテ居ル御方モアル、兎ニ角此
ノ問題ニ付キマシテハ、事極メテ愼重ナ調
査ヲ要スルノデゴザイマスカラ、何等カ御
解決ノ途ガナケレバナルマイト思フ、此ノ
點ニ付キマシテ農林大臣ト商工大臣ニ、ド
ウ云フ風ナ善後策ヲ執ラルヽカ御意見ヲ伺
ヒタイ
〔國務大臣櫻內幸雄君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=25
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026・櫻内幸雄
○國務大臣(櫻内幸雄君) 販賣組合ガ市
場員ニナルコトニ付キマシテ、御心配デア
ルヤウニ伺フノデアリマスガ、見方ニ依リ
マシテ色々ナ議論モ立タウト考ヘマス、併
シ今御話ノ如ク販賣組合ガ市場員ニナリマ
シテモ、ソレハ普通ノ市場員トハ異リマシ
テ、販賣組合ノ市場員ハ賣リ一方デアッテ、
買フコトハ市場ニ於テ出來ナイノデアリマ
ス、卽チ特別ナル取扱ヲ致シテ居ルノデア
リマス、又米穀小賣商組合、商業組合、斯ウ
云フ方々ガ市場員ニナラレマシタ場合ニハ
是ハ買ヒ一方デアリマス、卽チ消費者ノ方
ニ直接當ル方ハ買ヒ一方、生產者カラ持出
ス方ハ賣リ一方デアリマス、而シテ米穀取
扱業者ハ其ノ間ニ於テ賣ルコトモ買フコト
モ自由ニ操作ガ出來ルノデアリマス、デ
一見致シマスレバ玆ニ大キナ生產者ガアッテ
市場ヘ持ッテ來ル、又買フ方ハ聯合シテ買
フ、此ノ二ツダケデ宜イヂヤナイカト云フ
議論モ相當起ルノデアリマス、併シナガラ
實際問題トシテハ是ハ單純ニハ參リマセヌ、
如何ナル場合ニ於テモ仲介ト云フモノガ成
立ツノデアリマス、ドウ云フ商賣、ドウ云
フ工業、ドウ云フ事業ニ於キマシテモ中間
ノ商人ガアリマシテ、調節スル役目ヲ勤メ
テ居ルモノデアリマス、卽チ賣手ト買手ト
ノ間ニ立ッテ、面モ從來全國ノ移動米ノ七割
モ八割モ取扱ッテ居ッタ米穀取扱業者ガ、今
迄ノ消化機構卽チ米ヲ集メル機構竝ニ連絡
關係、之ヲ利用致シマシテ、サウシテ自分
デモ米ヲ集メル力ヲ持ッテ居リ、又自分モ米
ヲ賣捌ク力ヲ持ッテ居ル、而シテ販賣組合、
商業組合、其ノ間ニ立チマシテ市場ノ調節
ヲ圖ルト云フコトニ相成リマスルノデ、私
ハ玆ニ此ノ三ツガ抱合ッテ、眞ニ立派ナ市場
ガ成立ツモノト考ヘルノデアリマス、今最後
ニ御話ノ、米穀取扱業者ガ商業組合ヲ拵ヘ
テ之ニ加入シタラ一番宜イデハナイカト云
フ御話デアリマスガ、誠ニ御尤デアリマ
ス、恐ラクサウ云フコトモ起ルデアリマセ
ウ、今日卸賣商同業組合トカ、色々ナ組合ガ
出來テ居リマス、斯ウ云フ組合ノ人ガ、卸賣
業者ノ組合ヲ拵ヘテ加入スルト云フコトモ
有リ得ルト思ヒマス、要スルニ賣ト買トバ
カリデハ、世ノ中ノコトハナカ〓〓成立タ
ヌモノデアリマシテ、其ノ中ニ仲介ヲ爲ス
ノガ卽チ商人ノ本務デアリマシテ、此ノ三
ツノモノヲ纒メテ相互ニ協力シ調和ヲシテ、
市場ノ發展ヲ致シ、以テ此ノ米穀政策ニ協
力ヲ煩ハシタイト思フノガ本案ノ趣旨デゴ
ザイマス、一應御答辯申上ゲマス
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=26
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027・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今ノ大河内子
爵ノ御尋ニ付キマシテ、商工省トシテノ意
見ヲ申上ゲタイト存ジマス、卽チ米穀商ト
產業組合ノ團體トノ市場員タル關係ニ於キ
マシテ、色々ノ不便ガ起ルノデハナイカト
云フコトニ付テ御尋デアリマスガ、此ノ點
ニ付キマシテハ只今農林大臣ヨリ縷々御答
ガアリマシタ通リデアリマス、御話ノ如ク生
產者團體ノ一部ガ市場員トナルヤウナコト
ニ付キマシテ、或場合ニハ全然米穀商ニ影響
スル所ナシト云フコトハ、必シモ斷言出來
ナイト云フコトガ有リ得ルカモ知レヌト云
フ御說ニ付キマシテ、私ハ能ク其ノ點ヲ拜
聽致ス次第デアリマスルガ、此ノ點ニ付キ
マシテハ只今モ農林大臣ヨリ御述ニナリマ
シタル通リ、此ノ法案ノ條項ニ依リマシテ、
相當取扱ノ數量等ニ付キマシテモ、或制限
等モ行ヒ得ルノデアリマシテ、此ノ兩者ノ
間ニ出來ルダケ摩擦ノナイヤウニ、萬全ノ
策ヲ講ジタイト考ヘテ居ル次第デアリマス、
其ノ他ノ點ニ付キマシテハ全ク農林大臣ヨ
リ御答ノアリマシタル通リデアリマシテ、
私モ總テ是等ノ團體ガソレ〓〓相協調致シ
マシテ、各〓其ノ本分ニ付テ、其ノ效果ヲ發
揮致シマスルト共ニ、我ガ國ノ米穀統制ノ
問題ニ付キマシテ、十分ナル協調ヲ惜マナ
イモノデアルト信ジテ居ルノデアリマス、
御尋ノ中ニ、米穀業者ヲシテ組合ノ方法ニ
依ッテ、今後米穀ノ統制ニ對シテ之ヲ活動サ
セルト云フコトニ付テハ、ドウ考ヘテ居ルカ
ト云フヤウナ意味ノ御尋ガアッタノデアリマ
スルガ、申上ゲル迄モナク此ノ法案ハ米穀
ノ配給統制ヲ目標ト致シテ居リ、其ノ取扱
ヲ米穀市場ニ主トシテ集中致シテ居ルノデ
アリマスガ、一方ニ於キマシテハ米穀取扱
業者ニ許可制ヲ實施致シマスルノデ、必要
ニ應ジマシテハ之ニ又統制命令ヲナスコト
ニガ出來ルヤウナ次第デアルコトハ御承知ノ
通リデアリマス、併シナガラ此ノ法案竝ニ
米穀會社ダケデ此ノ配給統制ノ目的ヲ完全
ニ遂行スルト云フコトハ、ナカ〓〓ムツカニ
シイト考ヘルノデアリマス、申上ゲル迄モ
ナク旣ニ發動サレテ居リマスル所ノ米穀統
制法、或ハ又米穀自治管理法ト云フヤウナ
モノニ付キマシテ、十分之ガ運用ヲ期シマ
スルト共ニ、一方ニ於キマシテハ只今御指
摘ニナリマシタル米穀取扱業者ノ團體、卽
チ組合ノ組織ニ依リマシテ之ガ運用ノ完璧
ヲ期スルコトガ、誠ニ必要デアルト考ヘル
ノデアリマス、御承知ノ通リ既ニ商工省ニ
於キマシテハ、米穀業者ヲシテ組合ヲ結成
セシメラレマシテ、今日其ノ數ハ約五百ニ
上ッテ居ルノデアリマス、今後此ノ點ニ付キ
マシテハ一層組合組織化ヲ强化、擴充致シ
マシテ、全國ニ亙リマシテ米穀商ノ團體組
織化ヲ强化致シマスルト共ニ、其ノ運用ニ
依リマシテ本法ノ完璧ヲ期シタイト考ヘテ
居ル次第デアリマス、一應此ノ點ヲ御答へ
申上ゲマス
〔子爵大河內輝耕君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=27
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028・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 兩大臣ノ御說明ニ依
リマシテ、政府フ御意見ノアル所ハ能ク分
リマシタ、至ッテ穩健ナ御意見デアルト存ジ
そく、相剋摩擦ヲ避ケラレテ、穩健ナ方法
ヲ以テ之ヲ運用シテ行カウ、斯ウ云フコト
ナンデス、私誤解ガアルトイケマセヌカラ
申上ゲテ置キマスガ、私ガ申上ゲタノハ私
ノ確信デハゴザイマセヌ、確信デハゴザイ
マセヌガ、生產組合ガ市場へ進出スルコト
ハ良クナイカラ、是ハ商業組合ノ方へ讓ッタ
ラ宜カラウ、併シ兩組合ハ能ク協調シテ、
サウシテ農民ノ利益モ十分ニ保護スルヤウ
ナ方法ヲ執ッタラ宜カラウ、斯ウ云フコトヲ
申シテ居ル、併シソレニ付テハ御答ハ要求
致シマセヌ、唯伺ヒタイノハ、斯ウ云フコ
トヲ世間デ伺ッテ居ル、只今御答ガナカッタ
カラ御尋ネ致スノデスガ、議會デモ濟ミ
マスト、委員會デモ出來テ、其ノ問題ヲ十
分根本的ニ審議サレルト云フコトヲ承ッテ
居ル、サウ云フコトデアルカドウカト云フ
コトト、又サウ云フ場合ニ付キマシテハ、
其ノ人選ノ如キハ最モ公平ナ方法ヲ要スル、
此ノ點ニ付テハ十分ニ御配慮ヲ願ヒタイ、
サウ云フ御腹案デモアッタラ御、示シヲ願ヒ
タイ、今ノ問題ハ農林大臣カラ御答へ下スッ
テモ、商工大臣カラ御答へ下スッテモ、ドチ
ラデモ宜シウゴザイマス、次ニ農林大臣ニ
伺ヒタイノハ、誠ニ農林大臣ノ御考ハ穩當
デアッテ、サウナケレバナラナイ、併シ是ガ
產業組合ノ當事者ニ徹底シテ居ルカト云フ
ト、徹底シテ居ラナイ、或產業組合ノ首腦者
ノ如キハ、產業組合ハ社會ノ基礎ニナルノダ
ト云フヤウナコトヲ、此ノ間「ラヂオ」デ放送
シテ居ル、是レナドハ產業組合デ全國ヲ支
配シヨウト云フ考ナノデアル、飛ンデモナイ
間違デアル、產業組合ハ產業組合トシテ强化
シナケレバナラヌ、基礎ハ固クナケレバナラヌ、
勿論ノコトデアル、併シ社會ノ基礎ニナル
ナドハ餘計ナコトデアル、經濟團體トシテ
其ノ本分ラ全ウシテ居レバソレデ宜イ話デ
アル、斯ウ云フ風ナ考ガアルト云フコトハ、
誠ニ農林大臣ノ今ノ御考ガ徹底シナイ結果
ナノデアル、ソレデ一朝ニシテ之ヲ變ヘル
ト云フコトモムヅカシイデハアリマセウガ、
是ガ病源ノ一ツデアル以上、多少產業組合
ノ人事ノ上ニ對シテ、農林大臣ガ一考ヲ要
セラレル必要ガアリハシナイカ、此ノ尊重
スベキ產業組合ガ、何故ニ反產運動ナドヲ
惹キ起シタカト云フコトハ、人其ノ人ヲ得
ザル爲デアル、此ノ點ニ付テ農林大臣ハド
ウ云フ風ニ御考ニナルカ、產業組合ノ健全
ナル發達ト、又社會ニ於ケル相剋摩擦ヲ避
ケルノ目的ヲ以テ、私ハ質問致スノデアリ
マス
〔國務大臣櫻內幸雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=28
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029・櫻内幸雄
○國務大臣(櫻內幸雄君) 御質問ノ第一點
ハ、產業組合竝ニ米穀取扱業者其ノ他ノ關
係ニ付テ、根本的ニ此ノ問題ヲ解決スル爲
ニ、委員會デモ組織シテヤル考ガアルカド
ウデアルカト云フ御話デアリマシタガ、此
ノ問題ニ付キマシテハ、世間ニ於テ產業組
合ノ發達助成ヲ叫バレル聲、或ハ反產運動
ノ種々ナル聲モ聞キマスノデ、此ノ點
モ考究ヲ致サナケレバナリマセヌケレドモ、
是ト同時ニ中小農業者、中小商工業者、是
等ノ人々ヲ相一貫シテ、其ノ生活ノ安定或
ハ其ノ隆昌ヲ圖リ、若シ摩擦相剋ノ如キコ
トガアレバ、之ヲ排除致サナケレバナラヌ
ト云フコトハ、今日十分注意致サナケレバ
ナラヌ問題デアリマスガ故ニ、此ノ見地
ニ立チマシテ、調査會ヲ設ケマシテ其ノ問
題ノ根本的解決ニ對シテ盡力ヲ致シタイト
云フ考ハ持ッテ居リマス、併シマダ具體的ニ
話合ガ濟ンデ居リマセヌノデ、此ノ席ニ於
テ斯ウ云フ風ナ組織ニ依ッテ進ムト云フコト
ヲ申上ゲルコトノ出來ナイノヲ遺憾ト致シ
てい、次ニ產業組合ガ殆ド國家ヲ指導スル
ガ如キ立場ノヤウナコトヲ世間ニ放言ヲシ
テ居ルガ、其ノ產業組合ヲ管理スル人ノ人
事ニ付テ相當ナ監督ヲ致スベキ筈デアルガ、
農林大臣ハ其ノ點ニ付テ何ト考ヘルカ、斯
樣ナ御話デアリマス、御承知ノ通リ日本ノ
產業組合ハ最早四十年ノ長キニ亙ッデ農村
ノ爲ニ非常ニ努力致シテ居リマシテ、相當
貢獻ヲ致シテ居ルノデアリマス、私ハ衷心
カラ其ノ圓滿穩健ナル發達ヲ希望致ス一人
デアリマス、併シナガラ若シ此ノ產業組合
ノ本旨ヲ離レテ、或ハ政治問題或ハ其ノ他
ノ問題ニ足ヲ踏ミ入レテ、以テ本旨ヲ誤ル
ガ如キコトガアリマシテハ、是ハ容易ナラ
ザルコトデアリマスルガ故ニ、此ノ點ニ付
キマシテハ十分ニ注意ヲ致ス考デアリマス、
又其ノ人事ノ問題ニ付キマシテモ、私ハ出
來ル限リ公正ナル立場ニ於テ其ノ指導ヲ致
シテ行キタイ、斯樣ニ信ジテ居ル次第デア
リマスカラシテ、之ヲ御諒承ヲ御願ヒ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=29
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030・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 簡單デゴザイマスカ
ラ、此ノ席カラ·発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=30
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031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 宜シウゴザイマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=31
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032・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 誠ニ穩健ナ御意見デ、
此ノムヅカシイ問題ガ總親和ヲ標榜セラレ
ル所ノ平沼內閣、穩健ナ思想ヲ有セラレル
櫻内農林大臣竝ニ八田商工大臣ノ手ニ依ッ
テ解決サレタナラバ、國家ニ貢獻スル所多
大ナルモノデアラウト存ジマス、只今ノ御
答辯ニ依リマシテ大體ノ御希望ハ分リマシ
ク、尙制度其ノ他ニ付テ申上ゲタイコトモ
ゴザイマスガ、私ノ質問ハ是デ止メテ置キ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=32
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033・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
米穀配給統制法案ハ、特ニ重要ナル法案デ
アリマスガ故ニ、此ノ特別委員ノ數ヲ二十
五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任ス
ルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=33
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034・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔丸龜書記官朗讀〕
米穀配給統制法案特別委員
公爵島津忠承君侯爵前田利爲君
侯爵佐竹義春君伯爵酒井忠正君
子爵梅小路定行君子爵米津政賢君
子爵伊東二郞丸君子爵鍋島直繩君
子爵織田信恒君松村眞一郞君
賀屋興宣君內田重成君
伊澤多喜男君塚本〓治君
男爵中島久萬吉君男爵岩倉道倶君
男爵東〓安君男爵矢吹省三君
男爵稻田昌植君倉知鐵吉君
有賀光豐君瀧川儀作君
小林嘉平治君絲原武太郞君
山上岩二君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第七、工業
組合法中改正法律案、政府提出、衆議院送
付、第一讀會、八田商工大臣
工業組合法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十四年三月十八日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
工業組合法中改正法律案
工業組合法中左ノ通改正ス
第八條ノ四第八條ノ規定ニ依リ組合ノ
定ムル制限ニ從フベキコトノ命令アリ
タル場合ニ於テ特ニ必要アリト認ムル
トキハ其ノ命令ノ效力ヲ有スル期間ヲ
限リ當該工業組合ノ地區內ニ於テ新ニ
當該工業ヲ營マントスル者及當該工業
ニ屬スル設備ノ擴張ヲ爲サントスル者
ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳
ノ許可ヲ受ケシムルコトヲ得
第二十條ノ三行政官廳監督上特ニ必要
アリト認ムルトキハ第三條第一項第一
號ノ事業經營ニ對スル制限ヲ行フ工業
組合ノ理事又ハ監事ノ選任又ハ解任ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選任セラレタル理事
又ハ監事ノ解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其フ效力ヲ生ゼズ
第二十八條ニ左ノ一項ヲ加フ
特別ノ事情アル場合ニ於テハ行政官廳
ハ第三條第一項第一號ノ事業經營ニ對
スル制限ヲ行フ工業組合ノ定款又ハ第六
條ノ二ノ規程ノ變更ヲ爲スコトヲ得
第三十三條中「第三十八條ノ規定」ヲ「第
八條ノ四ノ規定及第三十八條ノ規定」ニ
改ム
第三十三條ノ二工業小組合ハ小工業者
ヲ以テ之ヲ組織シ組合員ノ共同ノ利益
增進ヲ圖ルヲ以テ目的トシ組合員ノ工
業ニ開スル共同設備ノ設置、組合員ノ
工業ニ必要ナル物ノ供給、組合員ノ爲
ノ註文ヲ引受及組合員ノ製品ノ販賣ヲ
爲スモノトス
前項ノ小工業者ノ範圍ニ關シ必要ナル
事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
工業小組合ハ法人トス
工業小組合ハ第一項ノ事業ノ外組合員
ノ營業ニ關スル指導、〓究、調査其ノ
他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
ヲ爲スコトヲ得
工業小組合ハ其ノ名稱中ニ工業小組合
ナル文字ヲ用フベシ
第三十三條ノ三工業小組合ノ組合員ノ
總數ハ十人ヲ超ニザルヲ以テ例トス
第三十三條ノ四工業小組合ヲ設立セン
トスルトキハ組合員タラントスル者全
員設立者ト爲リ定款其ノ他必要ナル事
項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
工業小組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ總會ニ於テ之ヲ選任ス但
シ組合設立當時ノ理事及監事ハ定款ヲ
以テ之ヲ定ムベシ
第三十三條ノ五組合員タル資格ヲ有ス
ル者ハ組合員ノ四分ノ三以上ノ同意ヲ
得テ工業小組合ニ加入スルコトヲ得
第三十三條ノ六工業小組合ハ當該工業
ニ關スル工業組合ノ組合員タルコトヲ
得
小工業者工業小組合ノ組合員ト爲リタ
ルトキハ當該工業ニ關スル工業組合ノ
組合員タルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情
アル場合ニ於テ行政官廳ノ認可ヲ受ケ
タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
行政官廳必要ト認ムルトキハ工業小組
合ニ對シ當該工業ニ關スル工業組合ニ
加入スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタルトキハ
當該工業小組合ハ當該工業組合ノ組合
員トス
第三十三條ノ七工業小組合ノ定款ニハ
左ノ事項ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三事務所
四組合員タル資格ニ關スル規定及組
合員ノ總數
五組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
六出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
七剩餘金ノ處分及損失分擔ニ關スル
規定
八準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
九組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十事業及其ノ執行ニ關スル規定
十一役員ニ關スル規定
十二會議ニ關スル規定
十三會計ニ關スル規定
十四存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定
メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第三十三條ノ八工業小組合ハ出資ノ第
一囘ノ拂込アリタル後二週間以內ニ各
事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲
スハン
登記スベキ事項左ノ如シ
一前條第一號乃至第三號、第六號及
第十四號ニ揭ゲタル事項
二出資ノ總口數及拂込ミタル出資ノ
總額
三設立認可ノ年月日
四理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭ゲタル事項中ニ變更ヲ生ジタ
ルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ但シ前項
第二項ニ揭ゲタル事項ニ付テハ每事業
年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後
一月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
第三十三條ノ九工業小組合ニハ營業收
益稅ヲ課セズ
第三十三條ノ十第四條第二項、第九條、
第十五條ノ二、第十七條第一項、第十
八條、第十九條、第二十一條(但書ヲ
除夕)、第二十四條、第二十八條第一項、
第二十八條ノ二、第三十四條乃至第三
十七條及第三十九條乃至第四十一條、
民法第四十五條第二項第三項、第四十
八條、第五十條及第六十六條、非訟事
件手續法第百三十八條、第百三十八條
ノ三、第百四十一條乃至第百五十一條
ノ六、第百五十四條乃至第百五十八條、
第百六十五條、第百七十五條、第百七
十六條及第百七十八條竝ニ產業組合法
第五條、第十一條第一項、第十二條、
第十八條乃至第二十一條、第二十四
條第二十六條乃至第三十四條、第三
十四條ノ二第一項、第三十五條、第三
十六條、第三十九條乃至第四十一條、
第四十三條乃至第四十六條、第四十八
條、第四十八條ノ二、第五十一條乃至
第五十七條、第六十條、第六十條ノ二、
第六十二條(第一項第三號及第四號ヲ
除ク)、第六十三條第一項、第六十五條、
第六十九條乃至第七十三條ノ三、第七
十四條第一項、第七十四條ノ二第一項、
第七十五條、第九十六條、第九十七條
及第百四條ノ規定ハ工業小組合ニ付之
ヲ準用ス但シ產業組合法中地方長官又
ハ監督官廳トアルハ之ヲ行政官廳トス
第三十八條但書申「民法第四十五條第三
項及第四十八條第一項中一週間トアル
ハ之ヲ二週間トシ」及「主務大臣、」ヲ削
ル
第四十條中「第四條第二項(第三十三條ノ
規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ「第
四條第二項(第三十三條及第三十三條ノ
十ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ニ
改ム
第四十二條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
-第八條ノ規定(第三十三條ノ規定ニ
依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル行政
官廳ノ命令ニ違反シタル者
二販賣ノ目的ヲ以テ前號ノ犯罪ニ係
ル工產品ナルコトヲ知リテ其ノ交付
ヲ受ケタル者
三第八條ノ四ノ規定ニ依ル行政官廳
ノ命令ニ偉反シ許可ヲ受ケズシテ當
該工業ヲ營ミ又ハ設備ノ擴張ヲ爲シ
タル者
前項第一號又ハ第二號ノ場合ニ於テハ
犯人ノ所有シ又ハ所持スル工產品ヲ沒
收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部
ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價
額ヲ追徵スルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
登錄稅法第十九條第七號、印紙稅汁第四
條第一項第十一號竝ニ商工組合中央金庫
法第一條第一項、第七條第一項、第二十
八條第一項第六號及第二十九條第一項第
三號中「工業組合聯合會、」ノ下ニ「工業
小組合、」ヲ加フ
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=37
-
038・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 工業組合法申改
正法律案提出ノ理由ヲ簡單ニ御說明申上ゲ
じ ん、工業組合ノ制度ハ大正十四年創設以
來漸次發達ヲ遂ゲテ參ッタノデアリマスガ、
支那事變勃發以來、物資ノ配給機關トシテ
締制經濟上ノ重要ナル地步ヲ占メマシタル
コト、竝ニ物資締制ニ伴フ中小工業ノ休
業、失業對策ニ基ク集團的轉業ノ機關トシ
テ利用セラレテ居リマスルコト等ニ鑑ミマ
シテ、今囘本法ノ一部改正ヲ致シタイト考
ヘルノデアリマス、今其ノ改正ノ主要ナル
點ヲ擧ゲマスレバ、第一ニハ工業組合制度
ハ中小工業ノ維持振興ノ爲立案セラレテ居
リマスル關係上、所謂統制組合トシテノ任
務ヲ十分ニ發揮スルコトガ出來マスヤウニ
ナッテ居リマセヌノデ、現非常時局下ニ於キ
マシテ、迅速且公正ニ物資ノ配給ヲ爲シ得
ルヤウニ、組合ニ對スル指導竝ニ監督ノ規
定ヲ整備致シマシタルコト、第二ニハ、共
同經營デアリマスル事業ニ關シマシテハ
從來小規模ノ業者ノ爲ニ工業組合制度ノ利
用ハ兎角不徹底デアリマシタノデ、是等小
規模ノ事業者ノ爲ニ別ニ一個ノ共同經營的
ナル組合制度ヲ創設致シマシタルコト、第
三ニハ、生產統制ヲ徹底セシムルガ爲、統
制命令ヲ發動致シマシタル場合、必要ガア
レバ事業ノ新設又ハ增設ニ付許可制度ヲ採
リ得ル途ヲ開キマシタルコト等デアリマス、
尙詳細ハ委員會等ニ於テ申上ゲルコトニ致
シタイト存ジマス、何卒御審議ノ上速カニ
御協賛アラムコトヲ御願ヒ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=38
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039・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシ
タ工業組合法中改正法律案ハ、關聯致シマス
ル所ガアリマスル故ニ、輕金屬製造事業法
案外一件ノ特別委員ニ併託セラレムコトノ
動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=39
-
040・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=40
-
041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=41
-
042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=42
-
043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴義君) 日程第八、北海
道拓殖銀行法中改正法律案、日程第九、金
資金特別會計法中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報〓、
是等ノ二案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=43
-
044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長高橋子爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
北海道拓殖銀行法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十六日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
金資金特別會計法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十六日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵高橋是賢君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=44
-
045・高橋是賢
○子爵高橋是賢君 只今議題トナリマシタ
北海道拓殖銀行法中改正法律案及金資金特
別會計法中改正法律案ノ、特別委員會ニ於
ケル審議ノ經過竝ニ結果ニ付テ御報告申上
ゲマス、是等ノ二法案ハ去ル三月九日本委員
會ニ併託サレマシテ、ツレメ〓政府當局ヨ
リ說明ヲ聽取致シ、三月十六日迄愼重審議
ヲ盡シタノデアリマス、先ヅ北海道拓殖銀
行法中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、北海
道拓殖銀行ハ明治三十二年北海道開發ノ爲
ニ創設セラレマシタ銀行デアリマシテ、資
本ハ其ノ當時三百萬圓デアリマシタガ、後
三囘ニ五ッテ增資ヲ行ハレ、現今デハ二千萬
圓ノ資本デアリマシテ
〔副議長候爵佐佐木行忠君議長席ニ著
之
其ノ中拂込ガ一千二百五十萬圓トナッテ居
ルノデアリマス、今囘此ノ改正法案ニ依ッテ
八條ノ三ト云フモノヲ改正サレルノデアリ
マスガ、ソレハ北海道及樺太ニ於ケル農業、
工業竝ニ鑛業ノ非常ナル近年ノ長足ノ發達
ニ卽應スル爲ニ、從來短期貸村高ヲ、長期
貸付金ノ總額ヲ超ユルコトヲ禁止シテアリ
マシタノヲ、此ノ改正法案ニ依ッテ撤廢サ
レル結果トナルノデアリマス、次ニ質問應
答ノ〓略ヲ搔イ摘ンデ申上ゲマス、委員ヨ
リ資本金ガ過少ノヤウニ思ハレルガ、政府
ハ之ヲ增資スル意思ハナイカト云フ質問デ
アリマシタ、政府ハ、北海道拓殖銀行ハ資
本ノ十五倍ノ債劵ヲ發行シ得ルノデアルカ
ラ、增資ノコトハ今考ヘテ居ラヌト云フ御
答辯デアリマシタ、尙委員ヨリ此ノ改正ニ
依ッテ興業銀行ナドト競合ヒガ起ルヤウナ
コトハナイデアラウカト云フ御質問デアリ
マシタ、政府ハ、興業銀行デハ大キナ事業ノ
融資ヲ目標トシテ居ル、從ッテ北海道拓殖
銀行デハソレ以下ノモノノ融資ヲスルノガ
妥當デアル、依ッテサウ競合ヒヲ起スヤウナ
憂ハナイト思フ、ソレカラ或委員ヨリ、手
形貸付等ガ殖エル場合ニ拂込ヲ取ルノデア
ルカト云フ質問ガアリマシタ、政府ハ本法
ハ第十二條ニ拓殖債劵發行高ハ不動產銀行
業務ニ對スル貸出ヲ超ユルコトヲ得ズト云
フ制限ヲ附ケテ居ルノデスカラ、今囘ノ制
限撤廢ニ依リ、普通銀行業務ニ對スル貸出
ニ向ケラレヌモノハ、從ッテ短期貸付ノ方ノ
資金ト云フモノハ主トシテ同行ノ預金ニ俟
ツヨリ外ハナイト思ヒマス、故ニ普通銀行
業務ヲ大イニヤリタイト思ッテモ、茲ニ消
極的ノ制限ガアル譯デアルト云フ御答辯デ
アリマシタ、ソシカラ或委員カラ、北海道
ノ地方的景氣ハドンナ工合デアルカト云フ
質問デアリマシタ、是ハ政府ハ、同地方ハ
ココ二三年來豐作ガ續イテ、農家一般ニ非
常ニ好調子デアル、又時局以來各方面ノ產
業ガ勃興シテ、中小商工業モ殷賑ヲ持續シ
テ居ルヤウデアル、北海道及樺太ニ於ケル
全銀行ノ預金高ヲ見ルト、昭和八年ニ三億
餘萬圓デアッタモノガ、昭和十年ニハ三億六
千餘萬圓トナリ、昨年ノ九月ニ至ッテ四億七
千五百餘萬圓ヲ算スルヤウナ工合ニ相當累
增シテ居ル、又道内ノ普通銀行ヲ壓迫スル
ヤウナコトハナイカ、又地方諸銀行トノ利
子ノ開キハドウ云フ工合ダト云フ質問ガア
リマシタ、之ニ答ヘテ政府ハ、普通銀行ヲ
壓迫シ、之ニ迷惑ヲ掛ケルコトハ萬ナイト
思フ、北海道殖產銀行ナドノ預金ヲ見テモ、
十三年十月ニ約八千八百餘萬圓デアッテ、拓
殖銀行ノ預金ノ增加率ト殆ド相似寄ッテ居
ルヤウナ譯デ、決シテ惡影響ヲ與ヘテ居ル
ヤウナコトハナイト云フ答辯デアリマシ
タ、ソレカラ金利等ニ付テハ、銀行ト信用
組合等ヲ包含シタ金融懇談會ニ於テ、十分協
定セシムルヤウニ指導シテ居ル、只今ノ貸
出ノ性質、金高等ニ付テハ政府ニ於テ十分
ナル監督ヲシテ、萬不都合ノナイヤウニ注
意ヲ怠ラヌ積リデアルト云フ答辯ガアリマ
シタ、ソレカラ此ノ案ニ付キマシテハ、衆
議院ノ附帶決議ガ附イテ居リマシタ、此ノ
附帶決議ヲ讀ンデ見マス、「本法案ハ北海
道拓殖銀行ノ特異性ヲ消失セシムルノ虞ア
リ、依テ政府ハ本行創設ノ趣旨ニ鑑ミ、不
動產金融ニ一層ノ力ヲ傾注スベク、嚴重ニ
監督指導シ萬遺憾ナキヲ期スベシ」ト云フノ
デアリマス、之ニ付テ政府ハ釋明ヲサレマ
シタガ、此ノ衆議院ノ決議デハ當該銀行ノ
本來ノ使命ヲ閑却セザル樣深甚ノ注意ヲ以
テ監督指導スル考デアルト云フ御說明デア
リマシタ、此ノ事ヲ附加ヘテ私ノ報〓ヲ終
リマス、尙詳細ハ速記錄ニ依ッテ御了承ヲ
御願ヒ致シマス、次ニ金資金特別會計法中
改正法律案ニ付テ申上ゲマス、本特別會計
法ニ依リ現在ハ金、國債、產金振興債劵、
又ハ總額二千五百萬圓ヲ限リ日本產金振興
株式會社株式ニ運用シ得ルコトトナッテ居
リマスルノヲ、時局ニ鑑ミマシテ、此ノ運
用ノ範圍ヲ一層擴大シ、以テ國債收支ノ改
善及產金ノ增加等ニ資スル等、此ノ資金ノ
適切ナル運用ヲ期スルモノデアリマス、
而シテ同會計法ニ依レバ必要ナル費途ニ資
金ヲ使用セムトスル場合ニハ、其ノ金額ヲ
一般會計ニ繰入レ、更ニ一般會計ノ歲出ト
シテ該金額ヲ支出スルト云フコトニナッテ
居ルノヲ、今囘ノ改正ニ依リ他ノ特別會計
ノ歲入ニモ繰入レ得ルコトトナリ、又勅令
ノ定ムルモノニモ運用シ得ルコトトナッタ
次第デアリマス、是ヨリ委員會ニ於ケル本
法律案ニ付テノ經過竝結果ヲ御報〓致シマ
ス、本委員會ハ數囘ニ亙リ愼重審議ヲ爲シ、
委員諸氏ヨリ多クノ質疑應答ガ行ハレマシ
タガ、詳細ハ速記錄ニ依ッテ御諒承ヲ願フ
コトト致シマシテ、玆ニ質問應答ノ二三ニ
付テ簡單ニ申上ゲテ見タイト思ヒマス、委
員ヨリ本法ノ運用範圍ガ頗ル廣汎ニ亙ルガ、
勅令ノ定ムルモノトハ如何ナルモノヲ意味
スルノカト云フ質疑ガゴザイマシタ、デ政
府ハ勅令ノ定ムルモノト云フノハ、一ニ銀、
二ニ日本銀行ニ對スル在外指定預金、三ニ
日本產金振興株式會社ニ對スル貸付、五ニ
預金部ニ對スル預金等ヲ豫定シテ居ルノダ
ト云フ御返事ガゴザイマシタ、尙委員ヨリ
勅令ノ定ムルモノト云フ中ニ銀ト云フコト
ガアルガ、是カラ政府ハ銀ヲ買上ゲル方針
デアルカト云フ御質問ガアリマシタ、政府ハ
之ニ答ヘテ、今日直チニ銀ダケヲ買上ゲル
ト云フノデハナイ、銀ハ金ト一〓ニ產出セ
ラレ、政府ノ買上地金ニモ金銀混合ノモノガ
多イガ故ニ、銀ヲ買フト云フコトハ產金奬
勵ノ一助トモナリ、又國際貸借ノ上ニ金ト
一緒ニ使用サレテ居ルノデアルカラ、將來
必要ヲ生ジタル場合ニハ、此ノ資金ヲ運用
シ得ルヤウニ、豫メ之ヲ規定シテ置イタノデ
アルト云フ御答デゴザイマシタ、尙其ノ他
多ク有益ナル質問應答ガゴザイマシタガ、
是等ハ速記錄ニ讓リマス、斯クシテ質問ヲ
終リ、別ニ討論モナク、採決ノ結果全會一
致原案通リ可決サレタノデアリマス、右
簡單ナガラ御報告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=45
-
046・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ
第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=46
-
047・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
モノト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=47
-
048・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=48
-
049・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=49
-
050・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=50
-
051・佐佐木行忠
○副議長(候爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=51
-
052・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ
問題ニ供シマス、兩案全部、委員長報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=52
-
053・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナシ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=53
-
054・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=54
-
055・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=55
-
056・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=56
-
057・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=57
-
058・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐住木行忠君) 兩案ノ第三
讀會ヲ開キマス、兩案全部、二讀會ノ決議
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=58
-
059・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=59
-
060・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第十、
國境取締法案、日程第十一、軍用資源祕密
保護法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會ノ續、委員長報告、是等ノ兩案ヲ一括シ
テ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=60
-
061・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長山川君
國境取締法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十七日
委員長山川端夫
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
軍用資源祕密保護法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十七日
委員長山川端夫
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(山川端夫君演壇ニ登ル)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=61
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062・山川端夫
○山川端夫君 只今上程サレマシタ國境取
締法案及軍用資源祕密保護法案ニ付キマシ
テ、特別委員會ニ於ケル審議ノ經過及結果
ヲ御報告申上ゲマス、委員會ハ去ル十三日
ニ第一囘ノ會合ヲ開キマシテ、前後五囘ニ
亙リ愼重審議ヲ致シタノデアリマス、其ノ
間政府ノ要求ニ依リマシテ、速記ヲ停止ス
ルコト數囘、祕密會ヲ開イタコトガ三囘ニ
及ンダノデアリマス、委員會ニ於ケル審議
ノ順序ニ從ヒマシテ、先ヅ軍用資源祕密保
護法案ニ付テ申上ゲタイト思ヒマス、此ノ
法案ノ提出ノ理由ハ、本議場ニ於テ陸軍大
臣カラ御說明ガアリマシタカラ、茲ニハ繰
返シマセヌガ、此ノ法案ノ立法ノ趣意ヲ明
カニスル爲ニ、委員會ニ於テ政府當局ノ說
明セラレタ主ナ點ヲ申上ゲタイト思フノデ
アリマス、卽チ第一ニハ、本法案ノ保護ス
ル對象ハ國防上祕密ヲ要スル數多キ資源ノ
中デ、軍用ニ供シ又ハ軍用ニ供スベキモノ
ノ中カラ、特ニ軍ニ取ッテ重要ナル資源ノ範
圍ニ限定シテ居ルト云フコトデアリマス、
第二ニハ、取締ルベキ範圍ハ本法中ニ具體
的ニ列擧シテ、又取締モ努メテ其ノ範圍ヲ
局限シマシテ、行キ過ギヲ防グト云フコト
デアリマス、而シテ政府ハ委員會ニ於キマ
シテ本法實施ノ爲ニ必要ナル勅令及命令事
項ノ要綱ヲ詳シク示シタノデアリマス、第
三ニハ、祕密トナスベキ事柄ハ、大體昭和
十三年度以降ノモノニ限ルト云フコトデア
リマス、第四ニハ、取締ノ爲ニ商取引、行
政上ノ措置、學術ノ〓究等ニ出來ルダケ支
障ヲ來サナイヤウニ、特ニ考慮シテ居ルト
云フコトデアリマス、第五ハ、祕密ハ外國
ニ漏泄スルノヲ除グノヲ本旨ト致シマシテ、
祕密保護上差支ナイ限リハ日本人ニ話ヲシ、
又ハ祕密ヲ交付スルコトハ取締ラナイ趣意
ヲ以テ立案シテ居ルト云フコトデアリマス、
本案ハ其ノ目的カラ申シマシテモ、其ノ內
容カラ見テモ極メテ重要ナルモノガアルノ
デアリマスカラ、質問ハ多岐ニ亙ッテ熱心
ニ行ハレタノデアリマス、竝ニハ其ノ主ナル
モノヲ二三申上ゲマシテ、他ハ速記錄ニ讓
リタイト考ヘテ居リマス、本法案自體ニ付
キマシテハ、委員會ニ於テハ何レモ其ノ必
要ヲ認メマシテ、寧ロ其ノ制定ノ遲キヲ感
ズルト云フ意嚮デアリマシタガ、本法案ノ
運用ニ付キマシテハ種々ノ質問ガアッタノ
デアリマス、第一ハ本法案運用ニ付キマ
シテ關係各省間ニ如何ナル連絡ヲ取ルヤト
云フ問題デアリマス、之ニ對シマシテハ軍
用資源祕密ノ指定、重要設備ノ祕匿ノ爲ノ
措置等ニ付キマシテハ、陸海軍省ガ中心ト
ナリマシテ、豫メ各省ト協議シテ緊密ナ連
絡ヲ取ル、又取締ニ付テハ內務省ガ主トナッ
テ陸海軍省ト連絡シテ之ニ當リ、憲兵モ之
ニ携ルノデアリマスガ、警察官ト憲兵トノ
間ニハ十分ニ連絡ヲ取ルコトニ注意スル、
要スルニ取締ノ上ニ於テ、本法ノ目的ヲ能
ク達成スルコトニ努ムルト共ニ、他面行過
ギヲ防止シ、且取締上苛酷ニ流ルヽコトナ
キヤウニ致シテ、人ヲ見テ「スパイ」ナリト云
フヤウナ感ジヲ起サセナイヤウニ努ムルト
云フ御答デアッタノデアリマス、第二ニハ、
警察ノ取締ノ上カラ見マシテ、上ノ命ズル
所ガ必ズシモ下ニ徹底シナイ、ソレデ兎角
取締ガ杓子定規ニ流ルヽ弊ガアルト云フコ
トカラ、今日ノ經濟組織ガ今ノ現狀ニ卽シ
ナイ、又本法施行ノ上ニモ十分デハナイト云
フコトデ、政府ハ此ノ際警察機構ヲ再檢討
スル用意アリヤ否カト云フ質疑デアリマス、
政府ノ答辯ハ、本法施行ニ關シマシテハ、
警察官ノ取締振ニ付テ、十分訓示シテ萬遺
憾ナキヲ期スル、而シテ警察機構ノ改善ニ
付キマシテハ篤ト〓究ヲ加ヘテ、時勢ニ應
ジテ其ノ機構ノ活用ヲ圖ルコトニ努メタイ
ト云フコトデアリマス、第三ニハ二三ノ
委員カラノ質疑デアリマスガ、其ノ要領ハ、
本法ノ趣旨ハ徒ニ罪人ヲ作ルノデハナク、本法
ノ目的トスル所ヲ達成スルノニアルノデ、本法ハ
國防上軍ノ祕密ニ關スルト云フコトデ、之ガ取
締ニ當ル者モ動モスレバ苛細ニ流レ、又國
民モ徒ニ恐怖心ニ驅ラレテ、其ノ極或ハ國
民相互ノ間ニ猜疑心ヲ起スノ虞ナシトハシ
ナイ、仍テ本法施行ニ當リマシテハ、豫メ國
民一般ニ本法ノ精神及內容ヲ十分能ク知ラ
シメ、又指導取締ノ任ニ當ル者ニ對シマシ
テモ、同樣出來ルダケ之ヲ周知セシメテ、
適正ナル措置ヲ執ル必要ガアルノデ、政府
ノ考ハ如何ト云フコトデアリマス、政府ハ
之ニ全然同感ノ意ヲ表シマシテ、取締ニ當
ル官吏ニ對シマシテハ勿論、廣ク一般國民
ニ周知セシムルコトハ極メテ必要ナリト認
ムルカラ、有ラユル手段ヲ講ジテ之ガ徹底
ニ努ムル考デアルト云フ御答デアリマシ
ク、次ニ防諜關係、防諜訓練或ハ一般ノ防
諜團ノ指導方法等ニ付キマシテモ色々質問
ガアリマシテ、ソレ〓〓詳細ナル御答ガ
アッタノデアリマス、更ニ本法ノ各條文ニ付
テ詳細ナ又有益ナ質疑ガアリマシタガ、此
ノ質疑ニ依ッテ明カニナッタ點ハ、本法ハ知
ラザル者ハ罰シナイ、過失ヲ罪シナイト云
フコトデアリマス、此ノ外ニ條文ノ解釋、
內容等ニ付テノ應答ハ速記錄ニ讓リタイト
考ヘテ居リマス、次ニ國境取締法、此ノ法
案ハ我ガ國境取締規定ノ不備ニ乘ジマシテ、
帝國ノ利益ニ背反スル行動ヲ爲サムトスル
者ガ少クナイノデアリマス、今日ノ國際情
勢上、國境ノ出入取締ニ遺憾ナキヲ期スル
爲ニ提案サレタモノデアリマス、本法案ニ
對スル質疑ハ多クハ速記ヲ停止シ、又ハ祕
密會ニ於テ爲サレタノデアリマス、公開ノ
席上ニ於テ行ハレタ質疑ノ主ナルモノハ、
國境ニ沿フテ設ケラルベキ出入制限地帶內
ニ於ケル住民ノ取扱ニ關スル件、又最近數
年間ニ於ケル越境人員等ニ關スルコトデア
リマシタガ、是等ハ總テ速記錄ニ付テ御承
知ヲ願ヒタイノデアリマス、斯クテ質疑ヲ
終リマシテ、討論ニ入リマシタガ、討論ニ
於キマシテハ數名ノ委員カラ贊意ヲ表スル
ト共ニ希望ヲ開陳セラレタノデアリマス、
其ノ希望ハ何レモ本法運用上ノ注意ニ關ス
ルコトデアリマシテ、大體左ノ通リ要約ス
ルコトガ出來ルト考ヘテ居リマス、ーハハ
本法ニ依ル取締ノ責ニ當ル者、殊ニ內務當
局ガ取締實施ノ上ニ宜シキヲ失ッテ、國民ノ
間ニ萬一猜疑心ヲ起スヤウナコトガアレバ、
却テ國力ヲ弱メルト云フコトニナルノデア
ルカラ、嚴ニ過チナキヤウ注意サレタイコ
ト、二ハ本法實施ノ結果、國民經濟上ノ發
展及生產力ノ擴充ニ支障ヲ及スコトナキヤ
ウ特ニ留意セラレタイコト、三ハ本法ノ精
神及內容ヲ取締ノ任ニ當ル者、及ビ一般國
民ニ徹底セシメルノ措置ヲ執ラレテ、國民
總親和ノ精神ヲ以テ官民一致、和ヤカニ本
法ノ實行ヲ期スベキコトト云フノデアリマ
ス、委員會ハ討論ヲ終リマシテ採決ニ入
リ滿場一致異議ナク兩案ヲ可決致シタノ
デアリマス、右御報告ヲ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=62
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063・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ
第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=63
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064・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=64
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065・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=65
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066・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=66
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067・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=67
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068・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=68
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069・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ
問題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報告
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=69
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070・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=70
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071・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=71
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072・植村家治
○子舞植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=72
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073・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=73
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074・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=74
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075・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第三
讀會ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=75
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076・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=76
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077・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第十
二保險業法改正法律案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會ノ續、委員長報〓、委員
長樺山伯爵
保險業法改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十七日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵樺山愛輔君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=77
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078・樺山愛輔
○伯爵樺山愛輔君 只今議題ト相成リマシ
タ保險業法改正法律案ノ委員會ニ於ケル審
議ノ經過竝ニ結果ニ付テ御報〓ヲ申上ゲマ
ス、委員會ハ去ル十一日ヨリ五囘ニ亙ッテ開
會ヲ致サレマシテ、愼重ニ審議ヲ遂ゲマシ
タル結果、三月十七日、全會一致本案ヲ可
決致シマシタ、本案ノ提出ノ理由等ニ付キ
マシテハ、過日本議場ニ於キマシテ商工大
臣カラ說明セラレタ所デアリマス、要スル
ニ今囘ノ改正ノ目的ハ、第一ニ、商法ノ改正
ニ伴ヒ、本法中大凡二百條ニモ及ブ商法ノ
準用規定其ノ他ニ付キマシテ
〔議長伯爵松平賴壽君議長席ニ復ス〕
改正商法ト調和ヲ保ツ爲ノ改正ヲ加ヘヨウ
ト致シマシタコト、第二ニ、現行保險業法ハ
明治三十三年ノ制定ニ係リ、制定以來既ニ
四十年ヲ經過致シマシタ爲、現下ノ諸事情
ニ徵シ不備ノ點少カラザルニ鑑ミマシテ、
監督指導ノ方策ヲ整備シヨウト致シマシタ
コトデアリマス、其ノ內容ノ主ナルモノト
致シマシテハ、第ニ監督命令ニ關スル規
定ヲ整備シ、又事業ノ統制協定ニ關スル規
定ヲ設ケマシタコト、第二ニ業績不良ノ會
社ニ對シマシテ、事業ノ管理、合併、又ハ契
約ノ移轉ヲ爲スベキコトヲ勸〓シ、或ハ命
令シ得ル旨ノ規定ヲ設ケマシタコト、其ノ
他株式會社ノ相互化、株式會社ト相互會社
トノ合併、保險計理人等ノ制度ヲ設ケ、又
財產ノ評價ニ關スル規定ヲ整備致シマシタ
コト等デアリマス、是等諸規定ノ適正ナル運
用ニ依リマシテ、我ガ國ノ民營保險事業ノ一
層ノ向上ヲ促シ、國民生活ノ安定竝ニ國家產
業經濟ノ發展ニ貢獻スルニ遺憾ナキヲ期セ
シメタイト云フノガ本改正案ノ趣旨トスル
所デアリマス、次ニ委員會ニ於ケル質疑應答
ノ主ナルモノヲ申上ゲマス、先ヅ第一ニハ、
保險國營ニ關スル問題デアリマス、一委員
ヨリ、近時保險國營ニ關スル論議ガ相當行
ハレテ居ルヤウデアルガ、本案ヲ審議スル
前提トシテ、此ノ點ニ對スル政府ノ考ハド
ウデアルカト云フ質問ニ對シ、政府ハ保險
國營ニ付テハ種々ノ論點カラ之ヲ主張スル
者ガアルガ、其ノ主ナルモノハ現在ノ民營
保險事業ノ有スル諸種ノ不備缺點ノ改善策
トシテ之ヲ論ズルモノデアッテ、是等ノ點ニ
付テハ今囘ノ改正ニ依ッテ監督指導ノ方策
ガ整備セラレル結果、改善シ得ルモノト考
ヘル、從ッテ此ノ問題ハ極メテ重大ナル問題
デアルカラ、尙〓究スル必要ハアルモノト
考ヘルガ、目下ノ所國營ニ移スコトハ考ヘ
テ居ナイト云フ答辯ガアッタノデアリマス、
第二、保險會社ノ新設ニ關スル問題デアリ
マス、二三ノ委員ヨリ政府ハ保險會社ノ新
設許可ニ付テ如何ナル考ヲ持ッテ居ルカト
ノ質問ニ對シ、政府ハ現在保險會社ノ數ハ
決シテ少クナイノミナラズ、會社間ニ於ケ
ル競爭ハ相當激シク、是ガ諸種ノ弊害ノ原
因ヲ成シテ居ルヤウナ關係モ考ヘラレル、
又火災保險會社ニアッテハ大正十二年ノ關
東大震災ノ際、政府ヨリ受ケタル助成金ニ
對シ、納付金支拂ノ負擔ヲ負ッテ居ルモノモ
少クナイノデアルガ、是等ノ點ヲ考慮シテ、
保險會社ノ新設許可ニ付テハ近年特ニ愼重
ノ方針ヲ執ッテ居ル、併シ特殊ノ意義ヲ有ス
ル新種保險ニ付テハ、保險制度ヲ一層整備
シ、國民ノ利益ヲ增進スル爲、進ンデ之ヲ
許可スル考デアルトノ答辯デアッタノデア
リマス、第三ハ、事業ノ統制協定ニ關スル
問題デアリマス、二三ノ委員ヨリソレ〓
本法案ノ第十一條ニ、事業ニ關スル統制協
定ノ規定ガアルガ、從來當業者間ニ行ハレ
テ居ル協定ノ實情ハドウデアルカ、又本條
ニ依ッテ果シテ從來ノ競爭ノ弊ヲ防止スルコ
トガ出來ルノデアルカ、更ニ本條ニハ「保險
會社ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ事業ニ關
シ統制協定ヲ爲シタルトキハ」云々トアッテ、
如何ナルコトモ命令ヲ以テ定メ得ルヤウニ
モ見エルガ、此ノ命令ノ內容ハドノヤウナ
モノデアルカト云フ質問ニ對シ、政府ハ、
現在營業者間ニハ種々ノ協定ガ行ハレテ居
ルガ、其ノ中ニハ必ズシモ十分ノ實效ヲ擧
ゲテ居ナイモノモアルヤウニ認メラレル、
併シナガラ今囘ノ改正ニ依ッテ是等ノ協定
ニ一定ノ公法的ノ效果ガ賦與セラレ、又其
ノ他ノ點ニ於テモ監督ノ規定ガ整備シタノ
デアルカラ、今後ハ大イニ此ノ規定ノ運用
ニ期待シ得ルモノガアルト信ズル、又本條
ノ統制協定ハ不當ノ競爭ヲ防止シ、事業ノ
健全ナル發達ヲ圖ルコトヲ目的トスルモノ
デアッテ、ソレ以上ノ意味ヲ持ツモノデハナ
イト云フ答辯ガアッタノデアリマス、第四ニ
ハ、不良會社整理ノ問題デアリマス、一委
員ヨリ、保險會社、特ニ生命保險會社中ニ
ハ相當業績不良ノ會社ガアルヤウデアルガ、
是等ハ本法ノ運用ニ依ッテ急速ニ之ヲ整理
シ、保險契約者ノ利益ヲ保護スルコトガ必
要デハナイカ、又之ニ關聯シテ、生命保險
會社ノ監督ニ遺憾ナキヲ期スル爲、特殊會
社等ノ例ニ倣ッテ生命保險會社ニ監理官ノ
制度ヲ設クル考ハナイカトノ質問ニ對シテ、
政府ハ現在保險會社中ニハ、保險金ノ支拂
ニ支障ヲ持ツヤウナモノハ一社モナイケレ
ドモ、經濟界ノ變動其ノ他ノ事情ニ依ッテ、
場合ニ依リ業績不良ノ會社ヲ生ズルヲ免レ
ナカッタコトハ過去ノ經驗ノ示ス所デアル、
仍テ今囘ノ改正案ニ於テハ、斯カル場合ニ
急速ニ有效適切ナル手段ヲ執リ得ルヤウ必
要ナル規定ヲ設ケタノデアルガ、之ニ付テ
モ極力現在ノ保險契約者ニ不安、動搖ヲ與
フルコトナク、其ノ契約ヲ維持シナガラ、
整備ヲ行フコトガ必要デアルト考ヘル、從ッ
テ本法ノ規定ノ運用ニ依リ、急激ニ多數ノ
會社ヲ整理シ保險契約者ニ不安、動搖ヲ來
サシムルヤウナコトハ考ヘテ居ナイ、叉監
理官ノ制度ニ付テハ、目下ノ所之ヲ置ク考
ハ持ッテ居ナイガ、尙將來〓究スルコトトシ
タイトノ答辯ガアッタノデアリマス、以上ノ
外、保險會社ノ資本金又ハ基金ノ額、再保
險ノ問題等ニ付キマシテ重要ナル質疑應答
ガアッタノデゴザイマスガ、是等ハ速記錄ニ
依ッテ御了承ヲ願ヒタイト存ジマス、最後ニ
本案ノ內容ニ付キマシテ逐條ノ說明ヲ聽
キ、協議ヲ重ネタノデアリマス、其ノ主ナ
ルモノニ付テ申上ゲマスルト、第十九條以
下ニ規定スル組織變更、卽チ株式會社ノ相
互化ノ場合ニ於テ、組織變更ノ方法、其ノ
他重要ナル事項ヲ株主總會ノ決議ニ依ッテ
定メルモノトシテ居ルガ、之ニ依ッテ保險契
約者ノ利益ガ害セラルヽ虞ハナイカトノ質
問ニ對シマシテ、政府ハ、組織變更ニ付テ
ハ、株主ノ外保險契約者ノ同意ヲ要スルモ
ノトシテ居ルノミナラズ、其ノ效力發生要
件タル主務大臣ノ認可ニ際シテハ、十分ニ
保險契約者ノ利害ヲ考慮シテ、之ガ可否ヲ
決スルモノデアルカラ、決シテ御懸念ニハ
及バナイトノ答辯デアッタフデアリマス、次
ニ第百八條ニ列擧スル保險會社ノ解散事由
ノ中ニ、會社ノ破產、其ノ他保險契約ノ效
力ヲ中斷シ、保險團體ヲ分散セシムルヤウ
ナモノハ、保險ノ性質上不適當デハナイカ
トノ質問ニ對シマシテ、政府ハ、保險會社
ノ解散ノ場合等ニ際シ、保險契約ノ效力ヲ
極力維持シ、保險團體ヲ存續セシメテ行ク
コトヲ必要トセラルヽ御意見ニハ全ク同感
デアル、今囘ノ改正案ニ於テ、會社ノ管理、
契約ノ移轉命令等ノ制度ヲ設ケタノモ、全タ
此ノ趣旨ニ出ヅルニ外ナラナイノデアッテ、
此ノ方針ノ下ニ運用ヲ行フ考デアルトノ答
辯デアッタノデアリマス、其ノ他各條項ニ亙
リ質疑應答ガアッテ、討論ニ入リ、二委員ヨ
リ此ノ改正ノ眼目デアル監督、指導、協定
等ノ實行ニ付適切ナル希望ヲ述ベラレタ後、
滿場一致、保險業法改正法律案ハ可決致サレ
タノデアリマス、玆ニ御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=78
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079・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=79
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080・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=80
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081・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=81
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082・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=82
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083・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=83
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084・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=84
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085・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案ノ全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=85
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086・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=86
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087・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=87
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088・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=88
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089・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=89
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090・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=90
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091・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=91
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092・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=92
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093・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十三、臺
灣事業公債法中改正法律案、政府提出、衆
議院送付、第一讀會ノ續、委員長堀田伯爵
臺灣事業公債法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十七日
委員長伯爵堀田正恒
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵堀田正恒君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=93
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094・堀田正恒
○伯爵堀田正恒君 只今議題トナリマシタ
臺灣事業公債法中改正法律案ハ、朝鮮事業
公債法中改正法律案ノ委員ニ併託ニナリマ
シテ、本案ニ付キマシテノ委員會ハ前後三
囘開會致シマシタ、只今經過竝ニ結果ヲ御
報告申上ゲマス、本案ハ臺灣總督府特別會
計ニ於キマシテハ、昭和十四年度以降ノ繼續
費トシテ計上シマシタ中部港築港工事費千
五百萬圓竝ニ昭和十四年度豫算ニ計上致シ
マシタ鐵道改良費三百四十萬圓、合計千八
百四十萬圓ノ財源ヲ公債ニ依ル必要ガアル
爲現行臺灣事業公債法ニ依ル起債法定現
在額一億五千四百六十萬圓ヲ一億七千二百
九十萬圓ニ增加改定セムトスルモノデアリ
そうく政府ヨリ提案ノ理由竝ニ公債支辨事
業ノ内容ニ付詳細ナル說明ヲ聽取致シマシ
テ、質疑ニ入リマシタ、質疑ノ主テルモノ
ヲ御紹介申上ゲマス、今囘ノ中部港築港ノ
計畫ハ極メテ時宜ニ適シタモノデアルガ、
其ノ規模ニ付テハ臺灣ノ產業交通、將來ノ
躍進ヲ考慮シ、今少シ計畫ヲ大キクスル必
要ガアルデハナイカト云フ御質問ニ對シマ
シテ、中部港築港ノ總計畫ハ總工費約二千
七百萬圓、完成ノ曉ハ一萬「トン」級汽船二
十一隻ヲ收容シ、又岸壁荒役能力百五十萬
「トン」、相當大規模ノ港灣計畫デアルカ、
現下各般ノ情勢、財政關係等ヲ考慮シテ、
便宜之ヲ第一期ト第二期ニ分チ、今回先ヅ
第一期トシテ本港フ使用開始ヲ目標ニ實施
セムトスルモノデアル、斯ウ云フ答辯デゴ
ザイマシタ、第一ニ築港ノ位置ヲ梧棲ニ選
定シタ理由竝ニ中部港ニ關聯スル發電計
畫、鐵道計畫等ハドウナッテ居ルノデアルカ
ト云フ御質問デゴザイマシタ、此ノ位置選
定ニ付テハ技術的ニモ經濟的ニモ十分愼重
ニ調査〓究ヲ遂ゲタ結果、梧棲ヲ最モ適當
トスル結論ニ達シタモノデアッテ、本港ノ背
後地帶ハ臺灣ノ工業化、生產力擴充ニ必須
條件ヲ具備シテ居ルノデアル、電力ハ附近
ノ未開發水力電源五十萬「キロ」ヲ有シ、極
メテ容易且安價ニ發電シ得ルノデアル、尙
鐵道計畫ニ付テモ築港計畫ニ卽應シテ別途
提案ノ見込デアルト云フ御答辯デゴザイマ
シタ、尙臺灣ノ港灣、鐵道等ニ付テ詳細ナ
ル質問應答ガゴザイマシタガ、速記錄ニ讓
リマス、討論ニ入リマシテ一委員ヨリ、交
通施設ノ設備ハ統治上極メテ重要デアッテ、
今囘ノ中部港築港計畫ハ極メテ時宜ニ適シ
タルモノト信ズル、寧ロ今少シ規模ヲ大キ
ク此ノ際計畫ヲ實施サレテモ宜イデハナイ
カト云フ意見ヲ述べラレテ、本案ニ贊成サ
レマシタ、他ニ御意見モナク採決ニ入リマ
シテ、全會一致可決スベキモノト決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=94
-
095・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=95
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096・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=96
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097・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=97
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098・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=98
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099・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=99
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100・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=100
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101・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部問題ニ
供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リデ
御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=101
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102・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=102
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103・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=103
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104・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=104
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105・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議テシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=105
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106・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=106
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107・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=107
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108・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=108
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109・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四、商
法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法律案、
政府提出、第一讀會ノ續、委員長報〓、委
員長二荒伯爵
商法ヲ引用スル條文ノ整理ニ關スル法
律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十八日
委員長伯爵二荒芳德
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵二荒芳德君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=109
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110・二荒芳徳
○伯爵二荒芳德君 商法ヲ引用スル條文ノ
整理ニ關スル法律案ノ委員會ノ經過竝ニ結
果ヲ申上ゲマス、本委員會ハ十五日、十八
日ノ兩日ニ亙リマシテ開キマシタ、此ノ法
律案ハ七十三囘議會ニ於キマシテ、商法ノ
相續編竝ニ會社編全體ニ亙リマシテ改正ガ
ゴザイマシタノト、又商行爲以下ノ諸規定
ニ種々變更ガゴザイマシタ、從ッテ是等ノ變
更ノ結果商法ヲ引用致シテ居リマス三十八
ノ法律案ノ條文ノ置替ヘガ主ニナッテ居ル
ノデアリマス、又有限會社法ノ制定ニ伴ヒ
マシテ、必要ナル改正ヲ要スル結果ト致シ
マシテ、此ノ法律案ガ出テ居ルノデアリマ
ス、斯カル簡單ナ法律案デアリマスカラ質
疑モ別ニゴザイマセヌデアリマシタシ、更
ニ討議ニ移リマシタガ別ニ發言者モゴザイ
マセヌデシタ、而シテ採決ノ結果全會一致
ヲ以チマシテ本法律案ハ可決スベキモノト
決定致シタノデアリマス、右御報〓致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=110
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111・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ發言モナケ
レバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二讀
會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=111
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112・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=112
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113・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=113
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114・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=114
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115・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=115
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116・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=116
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117・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス御異議ガナケレバ全部ヲ問題ニ
供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リガ
御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=117
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118・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=118
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119・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=119
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120・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=120
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121・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=121
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122・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=122
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123・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、二讀會ノ決議通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=123
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124・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=124
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125・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十五、酪
農業調整法案、政府提出、衆議院送付、第
一讀會ノ續、委員長報〓、委員長米津子爵
酪農業調整法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十四年三月十七日
委員長子爵米津政賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵米津政賢君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=125
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126・米津政賢
○子爵米津政賢君 上程サレマシタ酪農業
調整法案ノ特別委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御
報告申上ゲマス、委員會ハ去ル十六日ノ午
前及十七日午前午後ニ亙リマシテ開會致シ
マシタガ、先ヅ法案ノ要旨ヲ申上ゲマス、
我ガ國ノ農業ハ古來米作ト養蠶ヲ主ト致シ
マシテ、無畜農業ガ本體デゴザイマシタ、
ソレニ次デハ家畜ヲ農家ノ副業トシテ飼フ
ヤウナ時代ガゴザイマシタガ、近代ニ於キ
マシテハ、家畜ハ農業經營ノ中デ缺クベカ
ラザル要素トシテ有畜農業ノ經營ト云フコ
トニ進化致シタノデゴザイマス、從ヒマシ
テ其ノ家畜ガ乳牛デゴザイマス場合ニハ、
多量ノ乳ガ生產サレマシテ、現ニ價格ニ於
テ三千七百萬圓ノ生產ガゴザイマシテ、是
ハ精乳トシテ、又煉乳、粉乳、「バター」ノ
如キ加工品トシテ、又菓子原料トシテ內地
ノ消費ガ莫大デアリマスノミナラズ、海外
ノ市場モ獲得致シマシテ、現ニ數百萬圓ノ
輸出ヲ致シテ居ルノデゴザイマス、併シ此
ノ生產、販賣、加工ノ過程ヲ顧ミテ見マス
ルト、生產業者ト、販賣業者ト、製造業者
トノ間ノ關係ガ非常ニ錯綜シテ居リマス爲
ニ、需給ノ圓滑、取引ノ公正ト云フ點ニ於
キマシテ遺憾トスベキ點ガ少クナク、將來
ノ酪農業ノ發展上障碍ト目セラレル點モ少
クナイノデゴザイマス、ソレ故ニ此ノ度本
案ヲ制定致シマスコトニ依ッテ、先ヅ生產擴
充ノ方針ニ副ッテ乳牛ヲ增產致シマスト共
ニ、各業者ニ團體ヲ整備シ、又創設致シマシ
テ、是等ノ團體ノ自己統制力ヲ强化スルノミ
ナラズ、一方ニハ許可制ニ依リマシテ、製
造業、取引ト云フ方面ヲ合理化シマス、併
シナガラ其ノ何レノ方面ニモ弊害ニ亙ラナ
イ爲ニ、豫メ中央及地方ニ官民兩者ヲ以テ
組織セラレマスル酪農協議會ヲ作リマシ
テ、之ニ依リマシテ酪農業ト云フモノヲ全
部一ツノ組織ト看做シマシテ、各業者ノ總
親和、共榮ノ實績ヲ擧ゲテ行カウト云フノ
ガ法案ノ要旨ナノデゴザイマス、誠ニ此ノ
法案ノ趣旨通リニ參リマシタナラバ、根本
的ニハ農業經營ヲ非常ニ鞏固ニ致シマシテ、
サウシテ銃後ノ農村ノ農民生活ヲ安定ニス
ルコトモ出來ヨウシ、又牛乳ガ增產普及致シ
マスレバ、國民體位ノ向上ニモ役立ツデア
ラウシ、又海外ノ輸出ガ增加致シマスレ
バ、國際貸借上ニモ好マシイ結果ヲ持ッテ
來ルノデゴザイマス、斯ウ云フ風ニ各方面
ニ重要ナ意義ヲ持ッテ居リマスルガ故ニ、委
員會ニ於キマシテハサウ云フ角度カラ種々
法案ノ內容ヲ檢討致シタノデゴザイマスガ、
此處ニハ一々質疑應答ヲ御紹介ハ申上ゲマ
セヌデ、總テ速記錄ニ於テ御承知願ヒタイト
存ジマス、討論ニ入リマシテモ各委員何等
御異議ナク、採決ノ結果ハ全會一致ヲ以テ
可決スベキモノト決定致シマシタ次第デゴ
ザイマス、右御報〓申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=126
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127・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=127
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128・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
조 五発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=128
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129・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=129
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130・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=130
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131・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=131
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132・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=132
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133・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=133
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134・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=134
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135・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=135
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136・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=136
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137・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=137
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138・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=138
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139・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=139
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140・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=140
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141・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔丸龜書記官朗讀〕
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
臨時資金調整法中改正法律案可決報〓書
產金法中改正法律案可決報〓書
日本產金振興株式會社法中改正法律案可
決報告書
國債整理基金特別會計法中改正法律案可
決報〓書
明治三十九年法律第三十四號中改正法律
案可決報告書
明治四十二年法律第九號中改正法律案可
決報告書
昭和十三年法律第六十四號中改正法律案
可決報〓書
朝鮮銀行劵及臺灣銀行劵ノ保證發行限度
ノ臨時擴張ニ關スル法律案可決報〓書
昭和十三年法律第二十三號中改正法律案
可決報〓書
昭和十一年法律第八十四號中改正法律案
可決報〓書
昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債追加發行ニ關スル法律案可決報
告書
昭和七年法律第一號中改正法律案可決報
告書
支那事變ニ關スル特別賜金トシテ交付ス
ル爲公債發行ニ關スル法律案可決報〓書
昭和十三年法律第八十七號中改正法律案
可決報告書
大正九年法律第五十三號中改正法律案可
決報告書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=141
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142・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 只今報告致サセ
マシタ法案ノ中、昭和十二年法律第八十四號
中改正法律案ヲ此ノ際議事日程ニ追加シテ、
第一讀會ノ續ヲ開クコトニ致シタイト存ジ
マス、御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=142
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143・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長高橋子爵
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十四年三月十九日
委員長子爵高橋是賢
貴族院議長伯爵松平賴壽殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=143
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144・高橋是賢
○子爵高橋是賢君 只今議題トナリマシタ
ル昭和十二年法律第八十四號中改正法律案
ハ昭和十四年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲公債發行ニ關スル法律案ノ特別委員會
ニ併託サレマシタノデ、私ヨリ其ノ審議ノ
模樣及結果ヲ御報告申上ゲマス、本案ハ本
月十七日付託ニナリマシタ、十八日委員會
ニ於キマシテ政府當局ヨリ詳細ナル說明ヲ
承リマシタガ、本案ノ內容ハ、卽チ支那事
變ニ關スル臨時軍事費支辨ノ爲ニ昭和十二
年法律第八十四號ニ依リ從來起債シ得ル全
額ノ外更ニ三十九億二千四百十萬圓ヲ限リ
公債ノ發行限度ヲ增加スル爲改正ヲ必要ト
スルノデアリマス、本件ハ政府ノ御希望ニ依
リマシテ非常ナ緊急ヲ要スルモノト認メマ
シテ、本日何等ノ意見モナク委員會ハ可決
致シマシタ、以上ノ次第デアリマスノデ、
緊急ノ上程ヲ願ツタ次第デゴザイマス、以上
簡單デゴザイマスガ、御報告ヲ終リト致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=144
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145・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=145
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146・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=146
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147・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=147
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148・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=148
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149・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=149
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150・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=150
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151・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問題
ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=151
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152・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=152
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153・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=153
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154・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=154
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155・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=155
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156・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=156
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157・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=157
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158・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=158
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159・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十六、民
族優生保護法案、衆議院提出、第一讀會
民族優生保護法案
右本院提出案及送付候也
昭和十四年三月十六日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
民族優生保護法
第一條本法ハ我カ民族ノ優秀ナル素質
ヲ保護シ惡質遺傳ヲ防遏スルヲ以テ目
的トス
第二條前條ノ目的ヲ達スル爲精神薄弱
者癲癇者、精神乖離症者、躁鬱病者、
ハンチントン氏舞踏病者、强度ナル病
的人格者、遺傳性盲者、聾者又ハ强度
ナル身體的畸形者ニシテ此等劣等ナル
素質ヲ遺傳スル虞顯著ナルモノニ對シ
斷種ノ手術ヲ行フモノトス
第三條本法ニ於テ斷種ト稱スルハ精子
又ハ卵ノ輸精管又ハ輸卵管ヲ通過スル
コトヲ不可能ナラシムル手術ヲ謂フ
第四條斷種ハ本人ノ申請ニ基キ又ハ左
ノ各號ニ揭クル者ノ申請アリタル場合
ニ限リ之ヲ行フコトヲ得
-戶主
二法定代理人又ハ保佐人
三官公立ノ精神病院、刑務所、矯正
院又ハ〓護院ノ長
第五條前條ノ申請ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ之ヲ地方長官ニ爲スコトヲ要ス
第六條第四條第一號及第三號ニ揭クル
者ノ申請ニハ本人ノ同意ヲ要ス但シ本
人無能力者ナルトキハ其ノ配偶者、法
定代理人又ハ保佐人ノ同意ヲ以テ足ル
第七條斷種ノ適否ヲ診定スル爲優生診
定委員會ヲ置ク
優生診定委員會ニ關スル組織及權限ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條優生診定委員ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ厚生大臣之ヲ任命又ハ囑託ス
第九條地方長官斷種ノ申請ヲ受ケタル
トキハ速ニ之ヲ優生診定委員會ノ議ニ
付スヘシ
第十條優生診定委員會ハ前條ノ付議ヲ
受ケタル日ヨリ六月以內ニ斷種ノ適否
ニ關スル診定ヲ爲シ之ヲ厚生大臣ニ具
申スヘシ
優生診定委員會ハ前項診定ノ爲必要ア
ルトキハ本人ノ出頭ヲ命スルコトヲ得
第十一條厚生大臣斷種ヲ適當トスル旨
ノ具申ヲ受ケタルトキハ一月以內ニ斷
種ノ手術ヲ爲サシムヘシ但シ特ニ必要
アル場合ハ相當期間之ヲ延期スルコト
ヲ得
前項ノ手術ハ厚生大臣ノ指定シタル場
所ニ於テ任命セラレタル醫師之ヲ行フ
第十二條斷種ノ手術ヲ爲シタル醫師ハ
其ノ手術後三十日以內ニ命令ノ定ムル
所ニ依リ手術ノ結果及手術後ノ經過ヲ
厚生大臣及優生診定委員會ニ報告スル
コトヲ要ス
第十三條斷種ニ關與シタル者ハ斷種ヲ
受ケタル者ノ住所、氏名及斷種ノ狀況
ニ付祕密ヲ守ル義務ヲ有ス
第十四條故ナク前條ノ義務ニ違反シタ
ル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下
ノ罰金ニ處ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=159
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160・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
民族優生保護法案ハ、職員健康保險法案外
一件ニ關聯致シマスル故ニ、同特別委員ニ
併託サレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=160
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161・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=161
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162・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=162
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163・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=163
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164・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 次會ハ明二十日
午後二時ヨリ開會致シマス、議事日程ハ決
定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日
ハ是ニテ散會致シマス
午後零時三十四分散會
貴族院議事速記錄第二十四號正
誤
頁段行誤正
三二三一三指名氏名発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007403242X02519390319&spkNum=164
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