1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十五年三月十二日（火曜日）午前十時十八分開議
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議事日程 第十九號
昭和十五年三月十二日
午前十時開議
第一 商工組合中央金庫法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第二 政府出資特別會計法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第三 陸軍航空工廠資金特別會計法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第四 金資金特別會計法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第五 昭和十三年法律第二十三號中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會
第六 外國爲替管理法中改正法律案（政府提出） 第一讀會の續（委員長報告）
第七 神宮關係特別都市計畫法案（政府提出） 第一讀會の續（委員長報告）
第八 都市計畫法中改正法律案（政府提出） 第一讀會の續（委員長報告）
第九 昭和十三年度歳入歳出總決算、昭和十三年度各特別會計歳入歳出決算報告 會議（委員長報告）
第十 昭和十三年度國有財産増減總計算書報告 會議（委員長報告）
第十一 大間港修築速成の請願 會議
第十二 北海道厚岸郡厚岸町大字床潭村に船入澗築設の請願 會議
第十三 北海道苫小牧工業港築設の請願 會議
第十四 青森縣八戸市、東北本線沼宮内驛間に鐵道敷設の請願 會議
第十五 渡良瀬川上流改修の請願 會議
第十六 豫定線伊東、下田間鐵道速成の請願 會議
第十七 釜石線鐵道速成の請願 會議
第十八 岩手縣釜石市に防浪建築築設の請願 會議
第十九 石狩工業港築設に關する請願 會議
第二十 省營自動車沼宮内線を花輪線平館驛に延長の請願 會議
第二十一 矢島線羽後矢島、雄勝鐵道梺の兩驛間鐵道敷設の請願 會議
第二十二 五能線深浦、艫作の兩驛間に簡易停車場設置に關する請願 會議
第二十三 瀬棚線瀬棚、岩内線岩内の兩驛間鐵道敷設の請願 會議
第二十四 山形縣最上の國營開墾に關する請願 會議
第二十五 岩手縣紫波郡志和村に盛岡區裁判所出張所設置の請願 會議
第二十六 南極地域の日本帝國領土權確保宣言の請願 會議
第二十七 能生漁港修築促進の請願 會議
第二十八 北海道岩内區裁判所廳舍改築の請願 會議
第二十九 靜岡縣榛原郡下川根村に登記所設置の請願 會議
第三十 北海道虻田郡倶知安町に區裁判所設置の請願 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
去ル九日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領
セリ
商工組合中央金庫法中改正法律案
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十五囘帝
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
商工省所管事務政府委員
燃料局事務官酒井喜四君
厚生省所管事務政府委員
厚生書記官床次德二君
昨十一日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
神宮關係特別都市計畫法案可決報〓書
都市計畫法中改正法律案可決報〓書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
政府出資特別會計法案
陸軍航空工廠資金特別會計法案
金資金特別會計法中改正法律案
昭和十三年法律第二十三號中改正法律案発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、商工組合中央金
庫法中改正法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、藤原商工大臣
〔左ノ送付文及法律案ハ朗讀ヲ經
サルモ參照ノタメ玆ニ載錄ス以下
之ニ倣フ〕
商工組合中央金庫法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十五年三月九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
商工組合中央金庫法中改正法律案
商工組合中央金庫法中左ノ通改正ス
第十四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ依リ登記スベキ事項ハ本法ニ別
段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ事實
ノ生ジタル後主タル事務所ノ所在地ニ
於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地
ニ於テハ三週間以內ニ之ヲ登記スベシ
第二十三條中「第百四十一條乃至第百五
十一條ノ六」ヲ「第百四十二條乃至百五十
一條ノ六」ニ改メ同條但書中「民法第四十
五條第三項及第四十八條第一項中一週間
トアルハ之ヲ二週間トシ」ヲ削ル
第二十八條第一項第一號中「定期償還又
ハ月賦償還貸付」ヲ「定期償還貸付」ニ、同
項第一一中中「年賦償還又ハ半年賦償還貸
付」ヲ「年賦償還、半年賦償還又ハ月賦償
還貸付」ニ改メ同項ニ左ノ一號ヲ加フ
八所屬組合又ハ所屬聯合會ノ爲ニ其
ノ出資拂込金ノ受入又ハ其ノ配當金
ノ支拂ノ取扱ヲ爲スコト
同條第三項中「年賦償還又ハ半年賦償還
貸付」ヲ「年賦償還、半年賦償還又ハ月賦
償還貸付」ニ、「商工債劵發行額」ヲ「商工
債劵(割引ノ方法ヲ以テ發行シタルモノ
ヲ除ク)ノ發行額」ニ改ム
第二十八條ノ二前條第三項ノ規定ハ商
工組合中央金庫ガ政府資金ノ融通ヲ爲
ス場合ニハ之ヲ適用セズ
商工組合中央金庫ガ政府資金以外ノ資
金ノ融通ヲ爲ス場合ニ於テハ政府資金
ノ融通ノ額及之ヲ爲ス爲發行スル商工
債劵ノ額ハ前條第三項ノ制限ノ計算上
之ヲ算入セズ
第三十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
商工債劵ハ割引ノ方法ヲ以テ之ヲ發行
スルコトヲ得
第五十四條削除
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ登記事由ノ生ジタル場合ニ
於テハ其ノ登記ノ期間ハ仍從前ノ例ニ依
ル
〔國務大臣藤原銀次郞君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=2
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003・藤原銀次郎
○國務大臣(藤原銀次郞君) 商工組合中央
金庫法中改正法律案提出ノ理由ヲ簡單ニ說
明致シマス、商工組合中央金庫ハ、昭和十
一年末設立致サレマシテヨリ、商工關係組
合ノ金融難緩和ノ爲相當貢獻致シテ參リマ
シタガ、支那事變ニ基ク經濟統制ノ强化ニ
伴ヒマシテ、中小商工業者ノ組織化ヲ促進
致シマス爲ニモ、將又物資ノ配給統制等ニ
依ル休失業者ノ轉業ヲ促進致シマス爲ニ
モ、商工關係組合ニ對スル金融ヲ圓滑ナラシ
ムル必要ガ、最近特ニ增大致シテ參リマシ
タノデ、商工組合中央金庫ノ業務ヲ之ニ適
應セシメル爲、今囘本法ノ一部改正ヲ致シ
タイト存ジマス、今改正ノ主要ナル點ヲ擧
ゲマスレバ、第一ニ、貸付期限五年ヲ超ユ
ル長期ノ割賦貸付ニ關スル制限ヲ緩和致シ
マシテ、政府資金ノ融通ヲ爲ス場合ニハ
其ノ制限規定ヲ適用セザルコトトシ、長期
資金ノ融通ヲ圓滑ナラシメムト致シマシタ
ルコト、第二ニ、組合ノ短期運轉資金ノ需
要モ頓ニ增大致シマシタノデ、金庫ノ短期
資金ノ手當ヲ容易ナラシムル爲、商工債劵
ノ割引發行ヲ認ムルコトト致シマシタルコ
ト、第三ニ、金庫ノ所屬組合又ハ所屬聯合
會ノ爲ニ、其ノ出資拂込金ノ受入又ハ其ノ
配當金ノ支拂ノ取扱ヲ、金庫ノ業務トシテ
爲シ得ル途ヲ拓キ、金庫ト組合トノ關係ヲ
一層密接ナラシメムト致シマシタルコト等
デアリマス、尙詳細ハ委員會ニ於テ申上グ
ルコトト致シタイト存ジマス、何卒御審議
ノ上速カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御質疑ガナケレ
が、本案ハ之ヲ輸出資金及輸出品製造資金
融通損失補償法案ノ特別委員ニ併託致シマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、政府
出資特別會計法案、日程第三、陸軍航空工廠
資金特別會計法案、日程第四、金資金特別
會計法中改正法律案、日程第五、昭和十三
年法律第二十三號中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、是等ノ四案ヲ一括
シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、木村大藏政務次官
政府出資特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十五年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
政府出資特別會計法案
政府出資特別會計法
第一條政府ノ出資ニ關スル會計ハ之ヲ
特別トシ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充
ツ
他ノ法律ニ別段ノ定アル出資及勅令ヲ
以テ定ムル出資ハ前項ノ規定ニ拘ラズ
之ヲ他ノ特別會計ノ所屬トス
第二條本會計ニ於テハ出資ニ對スル配
當金、出資ノ囘收金、公債募集金、借
入金、一般會計ヨリノ受入金及附屬雜
收入ヲ以テ其ノ歲入トシ出資ノ拂込
金公債及借入金ノ償還金及利子、
時借入金ノ利子、他ノ會計ヘノ繰入
金事務取扱費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其
ノ歲出トス
第三條他ノ會計所屬ノ物件ヲ本會計ニ
屬スル出資ノ目的ト爲ス場合ニ於テハ
當該物件ヲ本會計ノ所屬ニ移スベシ
前項ノ規定ニ依リ本會計ノ所屬ト爲リ
タル物件ニ付テハ特ニ無償ト爲シタル
場合ヲ除クノ外其ノ價額ニ相當スル金
額ヲ豫算ノ定ムル所ニ依リ本會計ヨリ
當該會計ニ繰入ルベシ
第四條他ノ特別會計所屬ノ出資ヲ本會
計ノ所屬ニ移シタルトキハ其ノ出資ノ
拂込金ニ相當スル金額ヲ豫算ノ定ムル
所ニ依リ本會計ヨリ當該會計ニ繰入ル
ベシ
第五條本會計ニ於テ出資ノ拂込金及前
二條ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支辨スル爲
必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔ニ
於テ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコ
トヲ得
第六條本會計ニ於テ公債及借入金ノ償
還金及利子、一時借入金ノ利子、事務
取扱費其ノ他ノ諸費ヲ支辨スル爲必要
ナル財源ハ出資ニ對スル配當金、出資
ノ囘收金及附屬雜收入ヲ以テ之ニ充テ
尙必要アルトキハ一般會計ヨリ受入金
ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ受入レタル金額ニ付
テハ後日本會計ヨリ同額ヲ一般會計ニ
繰入ルベシ
第七條本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジ
タルトキハ之ヲ翌年度ノ歲入ニ繰入ル
ベシ
第八條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕
アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ル
ベシ
第九條本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足
アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借
入金ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使用
スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替
金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十一條本會計ノ每年度歲出豫算ニ於
ケル支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使
用スルコトヲ得
第十二條本會計ノ收入支出ニ關スル規
程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
第十三條本法ハ昭和十五年度ヨリ之ヲ
施行ス
第十四條本法施行ノ際現ニ一般會計ニ
屬スル政府ノ出資ハ之ヲ本會計ノ所屬
ニ移シ其ノ出資ノ拂込金ニ相當スル金
額ハ漸次之ヲ本會計ヨリ一般會計ニ繰
入ルベシ
第十五條前條ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支
辨スル爲必要アルトキハ政府ハ第五條
ノ規定ニ依ルノ外本會計ノ負擔ニ於テ
公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ
得
第十六條北支那開發株式會社法第四十
五條中「一般會計」ヲ「政府出資特別會
한一〇人
第十七條中支那振興株式會社法第三十
九條中「一般會計」ヲ「政府出資特別會
計」三段、
第十八條昭和十四年法律第八十三號附
則第四項中「一般會計」ヲ「政府出資特
別會計」三菱八
陸軍航空工廠資金特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十五年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
陸軍航空工廠資金特別會計法案
陸軍航空工廠資金特別會計法
第一條陸軍航空兵器製造修理ノ工廠ニ
於ケル材料物品準備保有ノ資本トシテ
陸軍航空工廠資金ヲ置キ其ノ歲入歲出
ハ一般會計ト區分シ特別會計ヲ設置ス
第二條陸軍航空工廠資金ハ五百萬圓ト
シ一般會計ヨリ繰入ルルモノトス
第三條本會計ニ屬スル材料物品ヲ使用
スルトキハ陸軍省所管經費ヲ以テ之ヲ
購入スベシ
第四條陸軍航空兵器製造修理ノ工廠ノ
事業ニ使用シタル材料〓殘材殘屑、航
空兵器ノ取外シ物品及航空兵器ノ廢品
ニシテ更ニ材料トシテ使用シ得ベキモ
ノハ本會計ノ材料ニ組入ルルコトヲ得
第五條每會計年度ニ於テ陸軍航空工廠
資金ノ受拂決算上過剩ヲ生ズルトキハ
其ノ過剩金ハ之ヲ同年度一般ノ歲入ニ
繰入ルベシ
第六條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第七條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十五年度ヨリ之ヲ施行ス
金資金特別會計法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十五年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
金資金特別會計法中改正法律案
金資金特別會計法中左ノ通改正ス
第三條第一項中「五千萬圓」ヲ「二億圓」ニ
改メ「產金ノ增加」ノ下ニ「及金ノ集中」ヲ
加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十五年三月十一日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
昭和十三年法律第二十三號中左ノ通改正
ス
第一條中「所得稅、」ノ下ニ「營業收益稅、
ヲ、「法人資本稅、」ノ下ニ「酒造稅、」ヲ、
「臨時利得稅」ノ下ニ「及關東局及樺太廳
ノ各特別會計ニ於ケル外貨債特別稅、揮
發油稅又ハ資本利子稅」ヲ加ヘ「增收額
及」ヲ「增收額竝ニ關東局、朝鮮總督府、
臺灣總督府及樺太廳ノ各特別會計ニ於ケ
ル特別法人稅、配當稅」、ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
參照
昭和十三年法律第二十三號ハ關東局、
朝鮮總督府、臺灣總督府及樺太廳ノ各
特別會計ニ於ケル租稅收入ノ一部ニ相
當スル金額等ヲ臨時軍事費特別會計ニ
繰入ルルコトニ關スル法律ナリ
〔政府委員木村正義君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=6
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007・木村正義
○政府委員(木村正義君) 只今議題トナリ
マシタ政府出資特別會計法案外三件ニ付キ
マシテ、其ノ提案ノ理由ヲ說明致シマス、
先ヅ政府出資特別會計法案ニ付テ申上ゲマ
ス、特殊會社法等ニ基ク政府ノ出資ハ近年
頓ニ增加致シマシテ、其ノ出資拂込額ハ相
當巨額ニ上ッテ居リマスル處、此ノ際其ノ性
質等ヨリ見マシテ、特段ノ定メニ依リ他ノ
特別會計ノ所屬ト致シマスルモノヲ除キ、
之ニ關スル歲入歲出ハ他ノ會計ト區分經理
スルヲ適當ト認メルノデアリマスガ、之ガ
爲ニハ特別會計ヲ設置スルノ必要ガアリマ
スルノデ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第
デアリマス、次ニ陸軍航空工廠資金特別會
計法案ニ付テ申上ゲマス、陸軍航空兵器製
造修理ノ工廠ニ於キマシテ、陸軍航空兵器
ノ製造修理ノ事業ヲ經營致シマスルニ必要
ナル材料物品ヲ準備保有致シマスル爲、其
ノ資本トシテ新タニ陸軍航空工廠資金ヲ置
クコトトシタノデアリマスガ、右ニ關スル
歲入歲出ハ之ヲ一般會計ト區分シ、特別ニ
經理ヲスルヲ適當ト認メマスル處、之ガ爲
ニハ特別會計ヲ設置スルノ必要ガアリマス
ノデ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第デア
リマス、次ニ金資金特別會計法中改正法律
案ニ付テ說明致シマス、現下ノ時局ニ顧ミ
マスルニ、產金ノ增加及金ノ集中ヲ圖リ、
以テ國際收支ノ改善ニ努ムルハ喫緊ノ要務
ナリト存ジマスル處、之ガ爲ニハ金資金ヲ
使用シ得ル金額ノ限度ヲ擴張スルト共ニ、
金資金ヲ使用シ得ル費途ノ範圍ヲ擴張致シ
マス必要ガアリマスルノデ、本法律案ヲ
提出致シマシタ次第デアリマス、最後ニ昭
和十三年法律第二十三號中改正法律案ニ付
テ說明致シマス、現行ノ昭和十三年法律第
二十三號第一條ノ規定ニ依リマシテ、關東
局、朝鮮總督府、臺灣總督府及構太廳ノ各
特別會計ヨリ、其ノ租稅收入ノ一部ニ相當
スル金額ヲ臨時軍事費特別會計ニ繰入ルヽ
コトニ相成ッテ居リマスモノノ外ニ、今回新
タニ關東局及構太廳ノ各特別會計ニ於ケル
營業收益稅、酒造稅、外貨借特別稅、揮發
油稅又ハ資本利子稅ノ昭和十五年度以降ノ
增徵ニ因ル增收額ノ一部ニ相當スル金額ヲ、
又朝鮮總督府、臺灣總督府及構太廳ノ各特
別會計ニ於ケル特別法人稅又ハ配當稅ノ創
設ニ因ル收入額ノ一部ニ相當スル金額ヲ、
每年度豫算ノ定ムル所ニ依リ臨時軍事費特
別會計ニ繰入ルヽコトニ致シマシタル處、
之ガ會計上ノ處理ニ關シマシテ、昭和十三
年法律第二十三號中改正ヲ必要ト致シマス
ルノデ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第デ
アリマス、以上說明致シマシタ各種法律案
ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ上速カニ御
協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=7
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008・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
政府出資特別會計法案外三件ハ、關聯スル
所ガアリマスルガ爲ニ、昭和十五年度一般
會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關ス
ル法律案外九件ノ特別委員ニ併託セラレム
コトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=8
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009・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=10
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011・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=11
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012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第六、外國
爲替管理法中改正法律案、政府提出、第
讀會ノ續、委員長報告、委員長前田侯爵
〔左ノ報〓書ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ做フ〕
外國爲替管理法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十五年三月八日
委員長侯爵前田利爲
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔侯爵前田利爲君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=12
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013・前田利爲
○侯爵前田利爲君 只今上程セラレマシタ
ル外國爲替管理法中改正法律案ノ委員會ノ
審議ノ〓要、竝ニ其ノ結果ニ付キマシテ御
報告申上ゲマス、本法案ハ去ル三月六日委
員會付託トナリマシテ、委員會ハ翌三月七
日竝ニ八日ノ兩日ニ亙リマシテ開會ヲ致シ
マシタ、先ヅ最初ニ一應政府當局ヨリ本法
案ノ提出理由ノ說明ヲ聽取シ、次イデ質疑
應答ニ入ッタノデアリマス、改正ノ要點ハ、
之ヲ簡單ニ申上ゲマスルト、外國爲替管理
法中ニ新タニ通貨ノ輸入、及ビ外國通貨ノ
輸出及輸入ニ關スル規定ヲ加ヘマシテ、命
令ノ定ムル所ニ依リ輸入又ハ輸出ヲ禁止シ
若シクハ制限スルコトヲ得ルモノトスルニ
アルノデアリマス、本法案ノ提出理由ニ付
政府當局ノ御說明ニ依リマスルト、第一ニ、
通貨ノ輸入ニ付キマシテハ、曩ニ三月六日
本議場ニ於キマシテ大藏大臣ヨリ御說明ノ
ゴザイマシタル如ク、近時海外ニ於テ本邦
銀行劵ノ相場ガ下落致シマシタル結果、輸
出代金ノ決濟又ハ貿易外受取勘定ノ本邦向
送金等ノ爲ニ、海外カラ安價ナル本邦銀行
劵ヲ送付又ハ携帶スル者ガ增加ヲシ、本邦
ノ外貨資金ノ獲得保全上憂慮スベキ事態ヲ
生ジマシタノデ、政府ニ於テハ昨年七月一
日以降、外國爲替管理法ニ基ク大藏省令ニ
依リマシテ、本邦銀行劵ノ輸入ヲ許可事項
ト致シマシタル處、共ノ法的根據ニ付キマ
シテ疑義ヲ挾ム向キガアリマス爲ニ、取締
上支障ヲ來ス惧ガアルトノ趣デ、之ニ關ス
ル明文ヲ新タニ設ケムトスルモノデアリマ
ス、第二ニ、外國通貨ノ輸入ニ付キマシテハ、
將來外國通貨ヲ本邦銀行劵同樣取締ル必要
ヲ生ズル場合ヲ顧慮シマシテ、豫メ右ニ關
スル規定ヲ設ケ置クヲ適當ト認ムルト云フ
コトデアル、又第三ニ、外國通貨ノ輸出ニ
付キマシテハ、現行法ニモ第一條第三號ニ
「外國ニ對スル送金ニシテ前二項ニ何含スル
方法ニ依ラサルモノ」ト云フ規定ガアリマス
ルノデ、之ニ基キ省令ヲ以テ取締ヲ致シテ
居ッタノデアリマスルガ、此ノ機會ニ於テ同
條第二號中ニ明文ヲ設ケテ法規ノ整備ヲ圖
ル趣旨デアルト云フ御說明デアリマシタ、
次ニ委員會ニ於キマスル委員ト政府委員ト
ノ間ノ質疑應答中ノ主ナルモノヲ申上ゲマ
ス、第一ニ、本邦銀行劵ノ輸入制限措置ニ
付キ法律上ノ根據ニ疑義ガアルト云フガ、
ドウ云フコトデアルカト云フ質問ニ對シマ
シテ、本邦銀行劵ハ證劵デアルカラシテ、外
國爲替管理法第一條第十號ノ「證劵ノ輸入」
ト云フ條項ニ根據ヲ求メテ、其ノ輸入ヲ許
可事項トシタノデアリマスルガ、本邦銀行
劵ガ同法上ノ證劵デアルト云フ點ニ付テ
疑義ヲ挾ム向キガアルトノ御答辯デアリマ
シタ、第二ニ、外國通貨ノ輸入ハ多々益〓〓
辨ズル今日ノ狀況ニ於テ、特ニ法文ヲ以テ
之ガ輸入ヲ禁止シ又ハ制限ヲ規定スルト云
フコトハ、其ノ必要ガナイヤウニ思ハレル
ガドウカト云フ質問ニ對シマシテハ、目下
ノ情勢デハ、外國通貨ノ輸入ヲ制限スル必
要ハ毫モ之ヲ認メナイノデアルケレドモ、
將來他ノ國ノ通貨ガ暴落スル等ノ原因ニ依
リマシテ、其ノ輸入ヲ制限スル必要ヲ生ズ
ル場合ヲ顧慮シテ、豫メ根據法規ヲ設ケテ
置クノガ適當デアルト思フト云フ御答辯デ
アリマシタ、第三ニ、通貨ノ中ニハ銀行劵、
紙幣及ビ硬貨等ガ包含セラレ居ルガ、其ノ
硬貨ノ輸入ヲモ制限スル必要ガアルノデア
ルカト云フ趣旨ノ御質問ニ對シマシテハ、
硬貨ノ輸入ヲ制限又ハ禁止スル考ハ今ノ所
ナイト云フ御答辯デアリマシタ、第四ニ、
今囘ノ改正ニ依リマシテ通貨ノ輸入ニ關シ
明文ヲ設ケタ曉ニ於テ、將來本邦銀行劵ノ
密輸入ヲ取締ルノニ十全ヲ期スルコトガ出
來ルノデアルカドウカト云フコトノ御質問
ニ對シマシテハ、從來ニ於テモ密輸入ノ防
止ニ付テハ各種ノ措置ヲ講ジテ居ルノデア
リマスガ、今囘ノ改正ニ依ッテ其ノ法的根據
モ明確ニナル次第デアルカラシテ、今後ノ
不正行爲防止上、十分ナル成果ヲ期待シ
得ルト思フト云フ御答辯デアリマシタ、
其ノ他數字上又ハ若干ノ質疑應答ガゴザ
イマシタガ、煩ヲ避ケマス爲ニ省略ヲ致
シマス、詳細ニ付キマシテハ速記錄ニ依
リ御覽ヲ御願ヒ致シマス、斯クテ討論ニ
入リマシテ、本法案ハ簡單ナル改正法案
トハ云ヒナガラ、各般ノ情勢上極メテ必
要ナルモノデアッテ、寧ロ其ノ提出時期ノ遲
カッタヤウナ感ジサヘスル程デアルト云フ
贊成意見ノ御開陳ガアリ、次イデ採決ノ結
果全會一致ヲ以テ原案通リ可決スベキモ
ノナリト議決ヲ見タ次第デアリマス、右御
報〓ヲ申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=13
-
014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=15
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016・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=16
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017・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=17
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018・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=18
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019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=19
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020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報〓通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=20
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021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=21
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022・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=22
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023・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=23
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024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=24
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025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=25
-
026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=26
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027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=27
-
028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第七、神宮
關係特別都市計畫法案、日程第八、都市計
畫法中改正法律案、政府提出、第一讀會ノ
續委員長報告、是等ノ二案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=28
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029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長曾我子爵
神宮關係特別都市計畫法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十五年三月十一日
委員長子爵曾我祐邦
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
都市計畫法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十五年三月十一日
委員長子爵曾我祐邦
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵曾我祐邦君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=29
-
030・曾我祐邦
○子爵會我祐邦君 只今議題トナリマシタ
神宮關係特別都市計畫法案及都市計畫法中
改正案ノ委員會ノ經過及ビ結果ヲ御報告申
上ゲマス、此ノ二案ヲ一括シテ御報告申上
ゲマスルコトハ、却テ說明ヲ混亂セシメマ
スルモノゴザイマスルカラ、先ニ神宮關係ノ
方カラ御說明ヲ申上ゲマス、委員會ハ去ル
七日、八日、十一日午前午後ト三日間開會
致シマシテ、而シテ政府ノ提案ノ理由其ノ
他ヲ詳シク說明ヲ承リマシタ、神宮關係ノ
法案ニ付キマシテ、其ノ提出ノ理由ト云フ
モノノ〓略ヲ御說明申上ゲマス、此ノ法案
ハ神宮ニ關スル施設ヲ整備シテ、以テ神
宮ノ尊嚴ヲ保持シ、皇國精神ノ昂揚ニ努メ
マスルコトハ、國體ノ本義ニ照シテ極メテ
緊要ナルコトハ申ス迄モナイコトデゴザイ
やっく、之ニ關シテハ曩ニ貴衆兩院ヨリ建議
セラレタル次第モゴザイマスシ、又政府ニ
於キマシテモ神宮施設調査會ト云フモノヲ
設ケ、昭和十二年ヨリ十四年ニ亙リ愼重審
議〓究ノ結果、其ノ答申ヲ更ニ都市計畫中
央委員會ニ諮問致シマシテ、其ノ答申ニ基
イテ今囘提案セラレタルモノデゴザイマス、
政府提出ノ此ノ法案ノ細カイ說明ニ付キマ
シテハ、曩ニ內務大臣カラ本議場ニ於キマシ
テ細カク御說明ニナッテ居リマスカラ、ソレ
ハ私ハ繰返スコトヲ避ケマスガ、此ノ法律
案ノ前提ト申スベキ所ノ、神宮ニ關スル施
設ト云フコトハドウ云フモノデアルカト云
フコトヲ、一通リ御說明申上ゲルコトハ全
ク無用ノコトデナイト存ジマスカラ、暫ク
御〓聽ヲ煩シタイト思フノデゴザイマス、
神宮ノ施設ト云フモノニ付キマシテハ、曩
ニ建議案ニモアリマシタ通リ、又國體ノ源
泉ニ觸レテ居ル所ノ重大ナルモノデゴザイ
マシテ、宮域ノ尊嚴ヲヨリ以上高メルト云
フコトハ、我々臣子ノ何人モ願フ所デアリ
マシテ、特ニ光輝アル紀元二千六百年ヲ迎
ヘル今日ニ於テハ、一日モ忽セニナスベキ
モノデハナイト思フノデアリマス、實ハ却
テ遲キニ過ギタルコトヲ痛感スルモノデゴ
ザイマス、其ノ施設ノ大要ヲ一言ロニシテ申
上ゲマスレバ、一、字治橋外ノ廣場ニ接ス
ル所ノ民家ヲ買收シテ宮域ノ擴張ヲ爲スコ
ト、宇治橋前面ノ民有ノ山林地帶ヲ買收シ宮
域ノ擴張ヲスルコト、五十鈴川右岸宮域ノ擴
張整備、又五十鈴川ノ流域ノ整備、〓淨化、
水ヲ綺麗ニスル意味デアリマス、洪水ノ防
禦宮域内ノ民有地買收竝ニ貸下地囘收、
水源砂防工事、五十鈴川下流改修工事、二、
外宮ノ宮域ニ關スル施設、外宮ノ宮域前面
ノ擴張整備、外宮宮域東側地域ノ擴張整備、
三、建設物ノ整備、勅使館ノ新設、祭主官
舍ノ移轉改築、神宮司廳ノ移轉改築、神宮
文庫ノ擴充、神宮徵古館、農業館ノ整備、
神宮皇學館ノ擴充等、四、鐵道軌道ノ整理
ニ關スル施設デゴザイマスガ、山田驛ノ移
轉是ハ現在ノ位置ヨリモ五百「メートル」
バカリ後方ニ退カシメルト云フコトデゴザ
イマス、參宮急行電車終點ノ移轉、參宮急
行伊勢線終端驛ノ移轉等其ノ他二三ゴザイ
マス、五、道路ニ關スル施設、新シク出來
マス所ノ山田驛ヨリ外宮ノ前ニ至ル廣キ道
路ノ新設デゴザイマス、外宮ヨリ內宮ニ通
ズル所ノ徒步道路ノ新設、神社港ト外宮參
道トノ連絡新道其ノ他一一三、六、上下水ニ
關スル施設、外宮關係ノ防火ノ施設デゴザ
イマストカ、離宮ノ御豫定地ニ給水スル所
ノ施設、又字治町下水ヲ完成スルト云フコ
ト等デゴザイマス、以上ノ工費ハ約三千萬
圓ト認メラレテ居ルノデゴザイマス、國庫
財政ノ關係ヲ考慮致シマシテ、急ヲ要スル
モノヲ選ビ、工費約一千八百三十萬圓ヲ第
一期ノ事業トセラレ、昭和十五年ヨリ十
箇年デ仕事ヲナシ終ラウト云フ御計畫デゴ
ザイマス、委員會ニ於キマスル所ノ主ナル
質問應答ニ付テ申上ゲマス、此ノ質問
ノ主ナルモノヲ拾ッテ見マスト、「ジングウ」
ト申上ゲルノガ本當ノ發音デアルカ、「シン
グウ」ト申上ゲルノガ正シイノデアルカト
云フ御質問ニ對シマシテハ、今日迄ハ總テ
ノ場合「ジングウ」ト申上ゲルト云フ御返答
デゴザイマシタ、又伊勢ノ大廟ト云フヤウ
ナ言葉ヲ時々使フ人ガゴザイマスルガ、大
廟ト云フコトヲ申上ゲルコトハ不敬ニナル
ノデハナイカ、又是ハ差支ナイモノデアル
カト云フ御質問ニ對シマシテハ、大廟ノ
「廟」ト云フ字ニハ色々ノ意義ガ含マレテ居
ルヤウデアッテ、昔ハ斯ク申上ゲタコトモア
ルヤウデアルガ、今日ハ神宮ト申上ゲルコ
トニナッテ居ル、總テ「ジングウ」タルト「シ
ングウ」タルト云フヤウナコトノ混亂ハ、
之ヲ以テ「ジングウ」ト云フコトデ總テ發音
スルコトガ正シイ、且又斯クナケレバナラ
ヌコトダト云フ御返答デゴザイマシタ、又
本案ノ中ニ「行政官廳」ト云フ字ガアルガ、
ドウ云フコトヲ意味スルノデアルカ、是一
內務大臣ノ外ニ廣ク知事其ノ他ヲ含ンデ居
ルガ、實際ハ只今ノ所ハ內務大臣ガ直接執
行スル考トノ御答辯デゴザイマシタ、又關
係公共團體ニ負擔セシムル費用ノ割合、及
ビ其ノ額ハドノ位カト云フ御質問ニ對シマ
シテハ、未ダ確定ハシテ居ラナイガ、從來國
ニ於テ助成シ來ッタ所ノ事業ノ補助率等ヲ
斟酌シテ、適當ナ負擔ノ割合ヲ勅令ヲ以テ
規定セムトスルノデアル、今ノ所、公共團
體ニ負擔セシムル金額ハ、大體縣ト市ト云
フモノヲ合セテ約二百五十萬圓程度ノモノ
ノヤウニ思ハレル、又第五條ノ土地區劃整
理ニ依ッテ、土地ノ所有者ハ所有地ノ一割ダ
ケハ當然無償デ提供セシムルアウニナッテ
居ルガ、其ノ犧牲ハ少シ强過ギハシナイカ
トノ問ニ對シ、一割ハ無償デアリマスルケレ
ドモ、整理ノ結果ト致シマシテ生ミ出サレ
マスルモノハ、道路ノ擴張又ハ廣場等ノ新
設ナドノ結果、土地ノ利用及土地ノ地位ガ
騰ッタリ何カスル爲、土地所有者ハ不利益ト
云フモノヲ蒙ルコトハナカラウト云フ御答
辯デゴザイマシタ、又其ノ他苟モ神宮ノ御
膝元ニ於テサウ云フヤウナコトガアル場合
ニ於テ、人民ノ一人ナリトモ非常ニ不滿ヲ
感ジ、不平ヲ漏スコトノナイヤウニ、吳々モ
注意シロト云フヤウナ御注意モゴザイマシ
タ又神宮關係施設事業ハ、第一期第二期
ト分レテ居ルガ、其ノ分ケタ理由、及ビ第
二期ノ事業ト云フモノハ何時實施スルモノ
デアルカ、ト云フ御問ニ對シマシテハ、第
一期第二期ト云フモノハ政府ノ財政ノ都合
カラ分カタレタモノデアリマスノデ、第二
期事業ハ、或ハ都合ガ出來レバ第一期ノ間
ニ喰ヒ込ンデ、重ッテ仕事ヲスルコトガ出來
ルカモ知レズ、又ハ直チニ第一期ニ引續イ
テ成ルベク早ク實施スル積リデアルト云フ
御答辯デゴザイマシタ、又本事業ノ實施ニ
當ッテハ勤勞奉仕ヲ爲サシメルコトノ考ア
リヤト云フ御間ニ對シマシテハ、此ノ勤勞
奉仕ト云フコトニ付キマシテハ、最近誠ニ
喜バシイ非常ナ意義ノアル結果ヲ見マスル
ノデ、是ハ先ニ於テ此ノ善イ先例ニ倣ウテ考
ヘヨウト思フト云フヤウナ御返答デアリマ
シタ、其ノ他施設事業ノ內容ニ付テ、種々
御質問ガゴザイマシテ、當局カラハ詳細ナ
ル所ノ御說明ガゴザイマシタ、又法律案ニ
付キマシテモ、其ノ他二三質疑應答ガゴザ
イマシタ、斯クテ委員會ハ討論ニ入リマシ
テ、事業ノ實施ニ當ッテハ有ラユル方面ノ權
威者ヲ集メテ其ノ意見ヲ徵シ遺憾ナキヲ期
セヨ、周圍ノ建築物ノ如キニシロ、或ハ道
路ノ上ニ現レル街路樹ノ植エ方ニシロ、此
ノ土地特有ノ神宮ニ相應ハシイモノニスル
ヤウナ風ニシロ、ト云フヤウナ意味ノ御注
意デアリマシタ、又殊ニ只今申上ゲタト同
ジ意味デゴザイマスルガ、國民精神ヲ表現
スルコトニ於テ殊ニ注意シロト云フコト、
又事業ノ性質ニ鑑ミ、此ノ神聖ナ事業ニ當
ル者ノ心得ト云フモノハ、普通ノ事業ト違ッ
テ特ニ緊張シ、神聖ナル氣持ヲ以テ働カナ
ケレバナラヌカラ、ソレ等ノコトニハ尙更
一層ノ注意ヲ拂ヘト云フ御注意デアリマシ
タ家屋ノ移轉等ニ關シテハ、第四條、第五
條ノ運用ニ當ッテ特ニ留意セヨ、又地元字治
山田市ノ風紀ト云フモノハ、非常ニ思ハシ
クナイ喜バシタナイコトヲ我々ハ面ノアタ
リ見テ居ルノデアル、此ノ風紀振肅ニ努メ
ラレムコトヲ希望スルト云フ意見ノ開陳ガ
ゴザイマシタ、第一期モ長過ギルヤウナ氣
ガスルカラ、成ルベク斯ウ云フコトハ、我々
國民ハ一日モ早ク、一朝ノ十年モ詰メルコ
トガ出來レバ之ヲ詰メ、第二期ノ專業モ一
〓ニ出來レバ一緒ニスルト云フヤウナ氣持
ヲ以テ其ノ實施ヲセラレムコトヲ要望スル
ト云フ御意見ガゴザイマシタ、各委員ニ於
テ贊成意見ノ陳述ノ後ニ採決ニ入リマシテ、
全會一致本案ヲ可決スベキモノト決定致シ
マシタ、以上神宮ニ關係シマスル所ノ委員
會ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓·甲上ゲマス
引續キマシテ都市計畫法中改正法律案ニ付
テ申上ゲマス、此ノ政府提案ノ理由ニ付キ
マシテハ、神宮關係ト等シク本議場ノ內務
大臣ノ御說明ニ依リ之ヲ省略致シタイト思
フノデゴザイマス、此ノ法律案ハ、條文カ
ラ申シマスルト非常ニ少イモノデゴザイマ
スルガ、唯此ノ防空ト云フ字ヲ此ノ中ニ入
レタノデゴザイマス、詰リ敵ノ飛行機ノ來
襲ニ依ル所ノ禍害ヲ防止又ハ輕減スル爲
二、防空ト云フ字ヲ入レタノデゴザイマス、
之ニ對スル種々ノ御質問ガゴザイマシタ、
都市防衞ノ完璧ヲ期スル爲ニ、十分ナル對
策ヲ確立シテ貰ヒタイト云フ意味ノ强イ御
希望ガ述ベラレタノデゴザイマス、又今度
新シク入レラレマシタ綠地ニ付キマシテ、
其ノ定義ハ如何、ドウ云フモノヲ綠地ト云
フノデアルカ、又其ノ應用、利用等ニ付テ
細カイ御質問ガゴザイマシタ、ソレニ對シ
マスル答ト致シマシテハ、綠地ハ自然ノ儘
ニ置カレテ居ル土地ノ一部ト云フヤウナ意
味ニ解釋ヲサレテ、不斷ハ學校ノ運動場デ
アルトカ、市民ノ散步、其ノ他公園的ノ用
途ニ類スルモノニ之ヲ使ヒタイ、所謂厚生施
設ニ使ハムトスルコトモアルト云フコトデ
ゴザイマシタ、特ニ都市民ノ體位ノ向上ト
都市ノ防衞等ヲ目的トスル所ノ公共施設デ
アル旨ノ御答辯ガゴザイマシタ、尙當局ヨ
リハ歐米ノ大都市ニ於キマスル所ノ綠地施
設ノ大イニ充實シテ居ル現狀ニ付テ、圖面
ノ上ニ細カク御說明ガゴザイマシタ、世界
各國ノ大都市ニ於キマシテハ、自分ノ都市
ノ周リニ大イナル綠地ヲ持ッテ居ラナイモ
ノハナイノデアリマス、此ノ世界各國ノ施
設ニ比ベテ、日本ノヲ見マスト驚クベキモ
ノデ、東京ノ附近ニハ何ニモナイ、殊ニ大
阪附近ニ至ツテハ何ニモゴザイマセヌ、之
ヲ「ベルリン」「パリー」「ニュヨーク」「シカ
ゴ」等ニ比ベマスト、實ニ御話ニナラナイ
程ノ我ガ國ハ貧弱サデゴザイマス、併シナ
ガラ綠地ノ有シマス所ノ防空施設上ノ任
務、又國民保健ノ上ノ使命ニ付キマシテハ、
大イニ我々ハ考ヘナケレバナラヌコトデア
ルカラ、將來ハ此ノ點ニ十分ノ努力ヲ要ス
ルト云フ御希望デゴザイマシタ防空施設
ノ內容ニ付テハドウ云フモノガ出來テ居ル
カ、我ガ國ノ都市ノ狀態ヨリシテ考ヘマス
ルト、我ガ國ノ建築物ハ悉ク火ニ弱イ所ノ
建築物デアリマスルカラ、第一ノ目的トシ
テハ、ドウシテモ燃エナイヤウナ家ヲ造ラ
ナケレバナラヌ、ト云フコトガ政府ノ盛ニ
言ハレル所デゴザイマス、燃エナイ所ノ都
市ヲ造ルコトガ第一デアルガ、尙道路、公
園廣場、水利、水利ト申シマスルコトハ、
何カ一朝非常ノ事ガゴザイマスト今日ノガ
ス」、電氣、水道ト云フモノハ瞬間ニ於テ用
ヲ爲サナイコトニナルト思ハレルノデゴザ
イマス、「ガス」、電氣ノ不足ハマダ忍ブコ
トガ出來マス、併シナガラ飮ミ水ガ一滴モ
ナイト云フコトハ、之ヲ東京デ申シマスレ
バ、六百萬市民ノ苦痛ト云フモノハ一通リ
デハナイノデアリマス、サウ云フヤウナコ
トニ付テドウ云フコトガ考ヘラレテ居ルカ
ト云フ御質問デゴザイマシタ、又次ニ都市
計畫上ノ防空施設ハ、積極的ノ防空カ或ハ
消極的ノ防空カト云フ御質問ニ對シマシテ
ハ、言ヒ換ヘマスレバ、防空ト云フ字ハ色々
ナ廣イ意味ヲ持ッテ居ルノデアリマス、敵ノ
飛行機ノ襲撃ヲ避ケルト云フコトハ消極的
ナ防空デゴザイマス、敵ノ飛行機ノ來ルノ
ヲ近ヅケナイデ之ヲ攻擊シテ彼等ヲ擊退ス
ルコトハ、是ハ積極的ノ防空デゴザイマス、
其ノ意味ニ於キマシテ、消極的防空カ積極
的防空カト云フコトニ付キマシテ、又防空
ノ施設ノ整備充實ニ付テハ軍ト連絡ヲ取ッテ
其ノ諒解ノ下ニヤッテ居ルカト云フ御質問
デゴザイマシタ、答ハ、積極防空ハ軍ノ所
管ニ歸スル所デアリマスルカラ、是ハ姑ク
申シマセヌガ、都市計畫上ノ防空ト云フモノ
ハ、消極防空ノ施設ノ整備擴充ヲ目的トシ
テ居リ、又防空施設ノ實施ニ當ッテハ特ニ軍
ト連絡ヲ取ッテ居ル旨ノ御答辯デゴザイマシ
タ、之ニ關聯シテ、消極的防空旆設トシテ避難
所ノ充實ガ緊要ノコトト思フガ如何、現ニ最
近外國カラ來マス所ノ「ロンドン」「パリ」其ノ
他ノ新聞ヲ見マスト、直チニ避難民ガ敵機來
襲ノ報ニ依ッテ地ノ下ノ穴ニ遁ゲ込ム所ノ寫
眞ヤ活動ヲ見ルノデゴザイマス、サウ云フヤウ
ナ設備ガ果シテ日本ニ出來テ居ルカ、是一
ドウスルカト云フ御質問デゴザイマシタ、
此ノ問ニ對シマシテハ、無論サウ云フコト
ハ考ヘテ居ルガ、取敢ズ地下防護ノ家ト申
シマセウカ、地下ニ特別ノ防護室ヲ拵ヘテ、
サウシテソレヲ廣ク使ハセルヤウニシタイ
モノデアル、例ヘバ大キナ「ビルヂング」デア
ルトカ、或ハ「デパート」ノ如キモノハ地
下室ノ健全ナモノヲ造ッテ、若シ何カアレバ
ソコニ入レルヤウニスルトカ、又更ニ地下
道ノ整備等モ必要デアル、前ニ申上ゲマシ
タヤウニ、有事ノ秋ニ方ッテハ水ノ設備ニ對
シテハ何處迄進ンデ居ルカト云フ問ニ對シ
マシテハ、貯水槽ノ設備、是ハ東京ニ於テ
數十箇所出來テ居ルサウデゴザイマスガ、
貯水槽ノ設備、又井戶ノ增設、保存等ヲ圖ッ
テ遺憾ナキヲ期スル積リデアル、法中ニ現
レテ居リマス所ノ墳墓ト云フ字ガゴザイマ
スガ、之ヲ土地區割整理ノ地區へ强制編入
スルコトハ、都市計畫法上ニ特別ノ規定ヲ
設ケル必要ハナイデハナイカ、寧ロ耕地整
理法ノ改正ニ依ルベキモノデハナイカト云
フ問ニ對シマシテハ、土地區劃整理ノ施行
ニ當リマシテハ、其ノ地區ヘ編入スル問題
デアルガ爲ニ、都市計畫法中ニ特別規定ヲ
設ケタ次第デアルト云フ御答辯デゴザイマ
シタ、次ニ都市ニ於ケル糞尿處理ノ問題ヲ
ドウ考ヘルカ、是ハ委員外一議員ヨリノ部
外發言デゴザイマシタ、東京市ノ狀態ヲ縷々
御述ニナリマシテ、都市計畫ト此ノ問題
ト云フモノハ、將來都市ノ發展ト共ニ人口
ノ增加ニ從ッテ此ノ問題ノ惱ミニ直面スル
コトハ、申ス迄モナイコトデアル、此ノ問
題ハ都市計書者ト云フ者ハ常ニ頭ノ中ニ入
レテ〓究シナケレバナラヌ問題デアルト云
ス、誠ニ適當ナル又時宜ニ適シタ御質問デ
ゴザイマシタ、之ニ對シマシテ、都市計畫
ト致シマシテハ、其ノ對策ハ今是レト云フ
對策ハ持ッテ居リマセヌガ、東京市ノ努力、
又其ノ他下水施設ノ改良ナド致シマシテ、
出來ルダケソレニ對スル所ノ惱ミヲ去ルヤ
ウニ致シタイト云フ御答辯デゴザイマシ
タ、斯ウシテ此ノ委員會ハ討論ニ入リマシ
テ、東京ニハ綠地ガ少イ、ソレダカラ特ニ
增設ニ努力セヨト云フ强イ御意見ノ發表、
殊ニ時局ニ鑑ミテ防空施設ノ急速ナル實現
ニ考慮ヲ拂ヘト云フ御注意、又墳墓地ノ强
制編入ハ將來善處セヨト云フ御希望等ガア
リマシテ、斯クシテ討論ヲ終リマシテ採決
ニ入リ、滿場一致原案ヲ可決スベキモノト
致シテ決定致シマシタ、之ヲ以テ二案ノ御
報告ヲ終リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=30
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031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=31
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032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=32
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033・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=33
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034・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリレ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=38
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039・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=39
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040・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=40
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041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=41
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042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=42
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043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第三讀會
ヲ開キマス、兩案全部、第一讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
＼〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=43
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044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=44
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045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第九、昭和
十三年度歲入歲出總決算、昭和十三年度各
特別會計歲入歲出決算報〓、日程第十、昭
和十三年度國有財產增減總計算書報〓、會
議委員長報〓、是等ノ二件ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=45
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046・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長千田男爵
昭和十三年度歲入歲出總決算竝昭和十三
年度各特別會計歲入歲出決算及既往年度
檢査未確定金額ノ檢査確定シタルモノヲ
審査シ
第
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出臨
時部內務省所管第二款治水事業費第
二項河川費中內務省東京土木出張所
ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管印刷局歲出第一款印刷
局作業費第二項事業費中內閣印刷局
ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道資本勘定歲出
第一款鐵道建設改良及自動車線設備
費第一項鐵道建設費中鐵道省ノ支出
ニ係ル件、第二項鐵道改良費中鐵道
省ノ支出ニ係ル件
同上用品勘定歲出第一款用品及工作
費第一項用品及工作費中鐵道省ノ支
出ニ係ル件
同上收益勘定歲出第一款作業費第一
項事業費中鐵道省ノ支出ニ係ル件
右ハ政府ノ措置適切ナラザルモノト認ム
第二
昭和十三年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中東稅
務署、西稅務署、西稅務署ノ徵收不
足ニ係ルモノ三件、第六款雜收入第
十二項雜入中東京工業試驗所ニ於テ
歲入ニ編入スヘキ件、農林省ノ收入
未濟ニ係ル件、農林省ニ於テ歲入ニ
編入スヘキ件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出經
常部陸軍省所管第二款軍事費第一項
俸給中大阪第四師團經理部ノ支出ニ
係ル件、第二項廳費及修繕費中大阪
第四師團經理部ノ支出ニ係ル件、第
三項雜給及雜費中大阪第四師團經理
部ノ支出ニ係ル件、第五項兵器及馬
匹費中大阪第四師團經理部ノ支出ニ
係ル件、第六項演習費中大阪第四師
團經理部ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歳出總決算歲出經
常部文部省所管第三款氣象臺第二項
事務費中中央氣象臺ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出經
常部商工省所管第一款商工本省第二
項事務費中本項外二項及二款二項竝
歲出臨時部第一款貿易振興費第二項
事務費外十六款十七項ニ於テ商工省
外三箇所ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出臨
時部內務省所管第二款治水事業費第
二項河川費中內務省名古屋土木出張
所ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出臨
時部海軍省所管第三款航空隊設備費
第一項航空隊設備費中佐世保海軍經
理部ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出臨
時部農林省所管第四十一一款災害費第
二項關東地方其他各地農作物水害應
急施設費中農林省ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲出臨
時部商工省所管第三十三款應召中小
商業者營業援護施設費第三項補助費
中商工省ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管專賣局歲出第一款專賣
局作業費第二項事業費中東京地方專
賣局ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管關東局歲出經常部第十
四款諸支出金第一項諸支出金中關東
遞信官署遞信局ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算陸軍省所管陸軍造兵廠歲出第一款
陸軍造兵廠作業費第二項事業費中陸
軍造兵廠名古屋、小倉兩工廠ノ支出
ニ係ル件、陸軍造兵廠小倉工廠ノ支
出ニ係ル件第三項材料素品費中陸軍
造兵廠名古屋工廠ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算文部省所管帝國大學歲出經常部第
一款東京帝國大學第二項校費中東京
帝國大學ノ支出ニ係ル件、歲出臨時
部第一款東京帝國大學第五項設備費
中東京帝國大學ノ支出ニ係ル件、第
三款東北帝國大學第七項工學部金屬
工學〓室其他震災復舊費中東北帝國
大學ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算農林省所管米穀需給調節歲出第一
款米穀需給調節費第三項事業費中農
林省米穀局ノ支出ニ係ルモノ二件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算遞信省所管通信事業用品勘定歲出
第一款通信事業用品及工作費第二項
用品及工作費中遞信省經理局ノ支出
ニ係ル件、仙臺外二遞信局ノ支出ニ
係ル件
同上業務勘定歲出第一款通信業務費
第三項諸拂戾及補塡金中貯金局ノ支
出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道用品勘定歲出
第一款用品及工作費第一項用品及工
作費中鐵道省ノ支出ニ係ルモノ二件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第一項
所得稅中大邱稅務署、京城稅務署ノ
徵收不足ニ係ルモノ二件、、釜山稅務
署ノ徵收過ニ係ル件、第四款雜收入
第三項懲罰及沒收金中平城覆審法院
ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管臺灣總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中臺北州ノ
徵收不足ニ係ル件、第四款雜收入第二
項懲罰及沒收金中臺灣總督府ニ於テ
歲入ニ編入スヘキ件、歲入臨時部第六
款臨時利得稅第一項臨時利得稅中臺
北州ノ徵收不足ニ係ル件、臺灣官設鐵
道用品資金歲出第一款用品及工作費
第一項用品及工作費中臺灣總督府交
通局鐵道部ノ支出ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管南洋廳歲入經常部第一
款租稅第二項法人營業稅中南洋廳ノ
徵收過ニ係ル件
昭和九年度歲入歳出總決算歲入經常
部第一款租稅第一項所得稅中南稅務
署ノ徵收不足ニ係ル件
昭和九年度歲入歳出總決算歲出經常
部遞信省所管第五款年金及恩給第二
項恩給中貯金局ノ支出ニ係ル件
昭和十年度歲入歲出總決算歲入經常
部第一款租稅第一項所得稅中水道橋
稅務署、南稅務署ノ徵收不足ニ係ル
モノ二件、第四項資本利子稅中南稅
務署ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十年度各特別會計歲入歳出決算
拓務省所管臺灣總督府歲入經常部第
一款租稅第二項所得稅中花蓮港廳ノ
徵收不足ニ係ル件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中南稅
務署、南稅務署、富山稅務署、南稅
務署、名古屋南稅務署、神戶稅務署ノ
徵收不足ニ係ルモノ六件、金澤稅務
署ノ徵收過ニ係ル件、第三項營業收
益稅中南稅務署、南稅務署、神戶稅務
署ノ徵收不足ニ係ルモノ三件
昭和十一年度歲入歲出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得稅第一項臨時利
得稅中名古屋南稅務署、神戶稅務署
ノ徵收不足ニ係ルモノ一一件、金澤稅
務署ノ徵收過ニ係ル件
昭和十一年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第十二項關稅中仁川稅關
ノ徵收ニ係ル件
昭和十二年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中飯田
稅務署、南稅務署、南稅務署、淀川
稅務署、東稅務署、東稅務署、四谷
稅務署、上京稅務署、四谷稅務署、
神田橋稅務署、新潟稅務署、名古屋
南稅務署、靜岡稅務署、松戶稅務署、
下京稅務署、沼津稅務署、厩橋稅務
署ノ徵收不足ニ係ルモノ十七件、福
岡稅務署、南稅務署、南稅務署、兵
庫稅務署ノ徵收過ニ係ルモノ四件、第
三項營業收益稅中飯田橋稅務署、南
稅務署、淀川稅務署、東稅務署、新
潟稅務署、下京稅務署ノ徵收不足ニ
係ルモノ六件、南稅務署、兵庫稅務
署ノ徵收過ニ係ルモノ一一件、第六項
相續稅中松山稅務署、千葉稅務署ノ
徵收ニ係ルモノ二件
昭和十二年度歲入歳出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得稅第一項臨時利
得稅中南稅務署、下京稅務署ノ徵收
不足ニ係ルモノ二件、淀川稅務署、
南稅務署、兵庫稅務署ノ徵收過ニ係
ルモノ三件
昭和十二年度歲入歲出總決算歲出臨
時部陸軍省所管第二款國防充備費第
二項兵器其他整備費中陸軍被服本廠
ノ支出ニ係ル件、第十四款滿洲事件
費第一項滿洲事件費中臨時陸軍東京
經理部ノ支出ニ係ル件、第十六款兵
備改善費第一項兵備改善費中陸軍被
服本廠ノ支出ニ係ル件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中北靑稅務
署ノ徴收不足ニ係ル件、歲入臨時部
第九款北支事件特別稅第一項所得特
別稅中北靑稅務署ノ徵收不足ニ係ル
件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管臺灣總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中臺北州ノ
徵收不足ニ係ル件、第三項營業稅中
臺北州ノ徵收過ニ係ル件、歳入臨時部
第七款臨時利得稅第一項臨時利得稅
中臺北州ノ徵收不足ニ係ルモノ二件
昭和十二年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管樺太廳歲入經常部第一
款租稅第二項所得稅中樺太廳豐榮支
廳ノ徵收不足ニ係ル件、第三項營業
收益稅中樺太廳豐榮支廳ノ徵收不足
ニ係ル件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第三
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ及報〓候也
昭和十五年三月四日
委員長男爵千田嘉平
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年度國有財產增減總計算書ヲ審
査シ
第
朝鮮總督府鐵道局ノ徵收ニ係ル營業
倉庫ノ經營委任ニ係ル件
官有物中鐵道省ニ於テ大阪市北區天
神橋筋四丁目所在鐵道用地ノ管理其
ノ宜シキヲ得サル件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第二
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ及報〓候也
昭和十五年三月四日
委員長男爵千田嘉平
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔男爵千田嘉平君演壇ニ登ル〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=46
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047・千田嘉平
○男爵千田嘉平君 只今上程サレマシタ昭
和十三年度ノ歲入歲出總決算、昭和十三年
度各特別會計歲入歲出決算竝ニ昭和十三年
度ノ國有財產增減總計算書ニ付キマシテ、
委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス、
本會議ニ於キマシテ政府カラ別段ノ御說明
モゴザイマセヌノデ、此ノ際數字ニ付キマ
シテ簡單ニ申上ゲタイト存ジマス、昭和十
三年度ノ歲入歲出總決算ニ於キマシテ、歲
入ノ決算額ハ、經常部ニ屬スルモノガ二十
三億三千百餘萬圓、臨時部ニ屬スルモノガ
十二億六千三百餘萬圓、合計致シマスト三
十五億九千四百餘萬圓デアリマス、之ニ致
シマシテ歲出ノ決算額ハ經常部ニ於キマ
シテ十五億九千九百餘萬圓、臨時部ニ於キマ
シテ十六億八千八百餘萬圓、合計三十二億
八千八百餘萬圓デアリマシテ、歲入歲出差
引三億六百餘萬圓ノ剩餘ヲ生ズル計算デア
リマス、然ルニ此ノ金額ヨリ昭和十四年度
ニ繰越シマシタル歲出ノ財源ニ充ツベキ金
額一億二千五百萬圓ヲ差引キマスト、結局
昭和十三年度ニ於ケル一般會計ノ純剩餘金
ハ一億八千百餘萬圓デアリマス、此ノ剩餘
金ハ、昭和十二年度剩餘金使用殘額ヲ含ンデ
居リマシテ、昭和十三年度ニ新タニ生ジマシ
タル剩餘金ハ九千七百餘萬圓デアリマス、
此ノ外ニ特別會計ノ數ハ三十八會計デアリ
マイ、此ノ決算ノ金額ハ、一々申述ベマス
ルコトハ煩雜ニ亙リマスルカラ、決算書ニ
依ッテ御承知ヲ戴キマシテ、玆ニ申上ゲルコ
トヲ省略致シタイト思ヒマス、次ニ國有財
產ノ增減總計算書ニ付テ申上ゲマス、昭和
十三年度中ニ於キマシテ增加致シマシタル
國有財產ノ總額ハ一般會計ニ於テ十九億
一千四百餘萬圓、特別會計ニ於テ五億四千
七百餘萬圓、合計二十四億六千二百餘萬圓
デアリマス、又減少致シマシタル國有財產
ノ總額ハ、一般會計ニ於テ十五億五千五百
餘萬圓、特別會計ニ於テ二億千五百餘萬圓、
合計十七億七千餘萬圓デアリマス、此ノ增
加ト減少トヲ差引致シマスルト、結局昭和
十三年度ニ於キマシテノ國有財產ハ、六億
九千百餘萬圓ノ增加ト相成リマシタノデゴ
ザイマス、從ッテ昭和十三年度末ニ於キマ
スル國有財產ノ總額ハ、百二十六億二千七
百餘萬圓トナリマス、此ノ增減ノ理由ニ付
キマシテ、煩雜ニ亙リマスルカラ此處デハ
申上ゲマセヌ、決算委員會ハ二月ノ十四日
第一囘ノ開會ヲ致シマシテ、政府カラ一般
ノ說明ヲ聽取リマシタル後、先例ニ依リマ
シテ、決算ノ審査方針、分科ノ審査期限、
審査ノ順序等ヲ決議致シマシテ、之ガ審査ヲ
各分科ニ付託致シマシタ、國有財產增減書
ハ、先例ニ依リマシテ小委員ヲ選ビマシテ、
小委員會ニ付託ヲ致シマシタ、分科會竝ニ
小委員會ハ種々質疑應答ニ愼重ナル審査ヲ
盡サレマシテ、去ル二月ノ二十九日ニ小委
員會ノ委員長カラ、又三月一日ニ各分科ノ
主査カラ、審査ノ報〓書ヲ提出セラレマシ
ク、第二囘ノ決算委員會ハ去ル四日ニ開會
ヲ致シ、先ヅ各分科ノ主査竝ニ小委員會ノ
委員長ヨリ詳細ナル報〓ガゴザイマシテ、
全部報告通リ決定ヲ致シマシタ、只今御手
許ニ〓ッテ居リマスル報告書ヲ提出致シマシ
タノデゴザイマス、是ヨリ審査ノ結果ヲ申
上ゲマスレバ、政府ノ措置適切ナラザルモ
ノト議決致シマシタモノガ六件ゴザイマス、
卽チ第一ハ昭和十三年度印刷局作業會計
ノ歲出ニ於テ、內閣印刷局共濟組合ニ對シ
テ四萬四千四百五圓六十三錢ノ補助金ヲ支
出シタル件デアリマス、批難ノ要旨ハ、同
共濟組合ニ對スル政府ノ給與金ニ付テハ
明治四十二年勅令第二十二號及大正九年勅
令第八十號ニ於テ、一定限度ノ給與率ヲ定
メテ居リマスニ拘ラズ、右金額ヲ給與致シ
マシタコトハ、假令豫算ガアツタトシテモ、
右勅令所定ノ限度ヲ超ユル給與トナルカラ
不當ダト云フノデアリマス、政府ノ辯明ハ、
右勅令所定ノ給與率ハ、政府ノ恆久經常的
ニ負擔支出スル率ヲ定メタモノデアッテ、臨
時特別ノ必要ノ場合ニ於テハ、豫算ガアレ
バ本件ノ如キ措置ヲ妨グルモノデハナイ、
尤モ將來ニ向ッテハ總テノ場合ニ付テ給與
ヲ適正ナラシムベキ關係勅令發布ノ見込デ
アルト申シテ居ルノデアリマス、而シテ此
ノ勅令ハ、去ル二月二十八日ノ官報ヲ以チ
マシテ勅令第七十號ガ公布セラレテ居リマ
ス、第二ハ、東京土木出張所ニ於テ、其ノ直轄
施行ニ係ル多摩川維持工事ノ外ニ、民間受益
者ヲシテ工事費所要金額ヲ提供セシメマシテ、
所謂豫算外ノ浚渫埋立工事ヲ施行致シタノデ
アリマス、檢査院ハ、斯クノ如キハ歲入歲出ヲ
混同スルノ結果ヲ招來シ、豫算ノ制ヲ紊リ
タルモノデアルト批難シテ居ルノデアリマ
ス、本件ニ付キマシテハ政府ノ辯明ニモ
アル通リ、多分ニ疑ヲ存シナガラ多年慣行
セラレテ來タト云フ處ニ、誠ニ無理カラヌ
事情ガ多分ニ存スルノデアリマス、又之ニ
依リ官民共ニ受クル所ノ利益ト云フモノハ
實ニ多大デアリマスノデ、多少ノ疑問ハア
ルトシテモ、此ノ程度ノコトハ或ハ是認セ
ラルベキモノデアルカモ知レナイガ)苟モ
會計法上ノ疑義ノ存スルモノナル以上ハ
政府ハ此ノ際速カニ是等ノ疑義ヲ一掃スベ
ク、適切ナル方途ヲ講ゼラレテ、其ノ明朗化
ヲ圖ラルヽノ措置ニ出デラルヽコトガ穩當
デアルト思フノデアリマス、又斯クアラム、コ
トヲ切ニ希望スル次第デアリマス、第三ハ帝
國鐵道特別會計ノ歲出ニ於テ、國有鐵道共
濟組合ニ對シテ百一萬八千二百七十圓ノ補
助金ヲ支出シタル件デアリマス、本件ハ先
ニ第一トシテ申上ゲマシタ內閣印刷局ノ共
濟組合、之ニ對スル政府ノ補助金支出ト內容
モ殆ド同樣デアリマスシ、其ノ措置ニ對シ
マシテモ殆ド同樣デゴザイマス、以上六件
ノ外ニ、政府ニ對シマシテ將來ノ注意ヲ促
スベキモノト認ムルモノガ百八件ゴザイマ
ス、其ノ主ナルモノハ租稅ノ徵收不足竝
ニ租稅ノ徵收過デアリマシテ、其ノ他ハ物
件ノ收納又ハ購入、補助金ノ交付ト云フヤ
ウナコトニ關スルモノデゴザイマス、其ノ
他ニ付キマシテハ全部異議ナシト云フコト
ニ相成リマシタ決算委員會、分科會ニ通
ジテノ質疑應答ノ內容ヲ報告致シマスコト
ハ煩雜ニ互リマスカラ省略致シマシテ、
詳細ハ速記錄ニ依ッテ御承知願ヒタイト存
ジマス、次ニ國有財產ノ增減總計算書ニ付
キマシテハ、國有財產ノ數量、價格、範圍
竝ニ其ノ算定ノ方法、增減ノ事由、雜種財
產トシテ處分シ得ベキ財產ノ狀況、國有財
產ノ整理等ニ付キマシテハ、小委員會ニ於
テ種々質疑應答ヲ重ネ、愼重ニ審査ノ上デ
全部承認ヲ致サレタノデゴザイマスガ、其
ノ中デ一點御報告申上ゲマスレバ、鐵道省
所管國有財產等ノ減價償却ノ問題ニ關聯シ
マシテ、國有財產ヲ資本的ニ見タ場合ニ於
テノ收益率ヲ明確ナラシムルヤウ、決算報
〓ノ方法ヲ改ムル必要ガアルト認ムルガ如
何ト云フ質疑ガゴザイマシタ、之ニ對シ政
府ハ本問題ニ付テハ政府トシテモ夙ニ〓
究ヲ重ネテ居ルデアリマスガ、何分ニモ
相當ノ日數ト經費ヲ要スルコトデアリ、モ
ウ暫ク藉スニ時日ヲ以テシテ戴イテ、篤
ト御趣旨ヲ體シテ〓究ヲ致シテ參リタイト
ノ答辯ガゴザイマシタ、次イデ國有財產ノ
得有沽賣及利用ニ關スル會計檢査院ノ批難
事項ニ付テ審査致シマシタ結果、政府ニ對
シテ將來ノ注意ヲ促スベキモノト議決セラ
レマシタモノガ二件ゴザイマス、其ノ一ハ
鐵道省ニ於キマシテ、城東線天滿驛附近鐵
道用地ニ關シ管理其ノ宜シキヲ得ナカッタ
ト云フ件ト、其ノ二ハ朝鮮總督府鐵道局ニ
於キマシテ、倉庫ノ使用料ノ徵收ニ關シ措
置其ノ宜シキヲ得ナカッタ件デゴザイマシ
テ、是ハ國庫ニ損失ヲ及シタモノデゴザイ
マス、其ノ他ハ異議ナシト議決セラレマシ
タ、尙詳シイコトハ速記錄ニ依ッテ御承知ヲ
願フコトニ致シマス、是ニテ報〓ヲ終リマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=47
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048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ採決ヲ致シマス、二件共、決算委員
長ノ報告通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=48
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049・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=49
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050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十一ヨリ
日程第三十迄ノ請願、會議
〔左ノ意見書案ハ朗讀ヲ經サルモ
參照ノタメ茲ニ載錄ス以下之ニ倣
己
意見書案
大間港修築速成ノ件
靑森縣下北郡大奥村長佐々木吉三郞
外二名呈出
右ノ請願ハ靑森縣大間港ハ目下重要港灣
トシテ國費補助ノ下ニ修築中ナルモ同港
ハ津輕海峽ニ面スル要津ニシテ大間鐵道
完成ノ曉ニハ內地、北海道問ノ連絡ニ新
生面ヲ開クノミナラス日鮮滿ノ連絡上亦
貢獻スル所大ナルニ依リ速ニ國費ヲ以テ
之カ修築工事ヲ施行セラレタシトノ旨趣
ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキ
モノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ
依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
北海道厚岸郡厚岸町大字床潭村ニ船入
澗築設ノ件
北海道厚岸郡厚岸町長齋藤齋市呈出
右ノ請願ハ北海道厚岸郡厚岸町大字床潭
村ハ厚岸港外灣口ニ位シ沖合漁場ノ根據
地トシテ近時漁船ノ出入增加シ從テ重要
水產物ノ販出高相當量ニ達スルニ拘ラス沿
岸廣茫海邊遠淺ナル爲一朝暴風ニ際會セ
ハ漁船ノ碇繫避難ニ由テク不便不利甚シ
キニ依リ速ニ船入澗ヲ築設シ以テ地方產
業ノ發展ニ資セラレタシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
北海道苫小牧工業港築設ノ件
北海道勇拂郡苫小牧町長八卷耕三外
十九名呈出
右ノ請願ハ政府ハ北海道ニ工業港ノ建設
ヲ企圖セラルヤニ仄聞スルモ北海道勇拌
郡苫小牧町ハ交通、地勢、原料資材等各
種條件ヲ具備シ之カ建設ノ最適地ナルヲ
以テ速ニ同町ニ工業港ヲ築設シ工業ノ振
興、生產力ノ擴充ニ資セラレタシトノ旨
趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘ
キモノト議決致候因テ議院法第六十五條
ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
靑森縣八戶市、東北本線沼宮内驛間ニ
鐵道敷設ノ件
岩手縣岩手郡沼宮內町長柴田兵一郞
外十五名呈出
右ノ請願ハ靑森縣八戶市ヨリ同縣三戶郡
及岩手縣九戶郡ヲ經テ東北本線沼宮內驛
ニ達スル鐵道ヲ敷設スルハ東北振興ノ根
幹的施設トシテ第二期擴張計畫ノ實施ヲ
見ムトスル八戶港ノ發展ト相俟テ沿線地
方ニ於ケル農、林鑛產資源ノ開發竝運
輸交通上貢獻スル所多大ナルニ依リ速ニ
之カ實現ヲ圖ラレタシトノ旨趣ニシテ貴
族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議
決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册
及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
渡良瀨川上流改修ノ件
群馬縣桐生市長關口義慶二外七名呈
出
右ノ請願ハ栃木縣足尾連山ニ源ヲ發スル
渡良瀨川ハ曩ニ下流部ノ改修ヲ見タルモ
上流地方ニ於テハ今尙足尾銅山ノ煙害ニ
因ル水源地帶ノ荒廢ニ累セラレ土砂崩壞
流下シテ河床ヲ高メ且河幅ヲ擴大シタル
結果水害ノ慘禍相踵キ之カ爲沿岸住民ノ
困窮甚大ナルニ依リ速ニ栃木縣足利郡毛
野村、群馬縣山田郡大間々町間ノ改修工
事ヲ實施セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族
院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決
致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及
送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
豫定線伊東、下田間鐵道速成ノ件
靜岡縣賀茂郡下田町長澤村久右衛門
外二十二名呈出
右ノ請願ハ豫定線伊東、下田間鐵道ノ敷
設ハ啻ニ沿線地方ニ於ケル豐富ナル鑛產
資源ノ開發上資スル所多大ナルノミナラ
ス軍事竝觀光上寄與スル所亦尠カラサル
ニ依リ昭和十五年度以降ニ於テ之ヲ速成
セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意
ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ
議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
釜石線鐵道速成ノ件
岩手縣釜石市大字釜石第三地割八十
番地平民公吏小野寺有一外三百八十
八名呈出
右ノ請願ハ未成線釜石線鐵道ノ速成ハ沿
線地方ニ於ケル豐富ナル農、林產資源ノ
開發上資スル所多大ナルノミナラス釜石
港ト相俟テ運輸交通竝東北地方ノ產業振
興上寄與スル所尠カラサルニ依リ之カ工
事年度ヲ短縮シ速ニ其ノ完通ヲ期セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體
ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
岩手縣釜石市ニ防浪建築築設ノ件
岩手縣釜石市大字釜石第三地割八十
番地平民公吏小野寺有一外三百八十
五名呈出
右ノ請願ハ岩手縣釜石市ハ東北地方三陸
一帶ニ於ケル產業經濟ノ中心地ナルニ拘
ラス古來週期的ニ襲來スル津浪ノ爲激甚
ナル慘禍ヲ蒙リ同市ノ發展ハ阻害サルル
コト多大ナルニ依リ之カ對策トシテ市街
ニ面スル海岸要部一帶ニ防浪建築ヲ築設
スルタメ請願者記載ノ如ク補助助成セラ
レタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大
體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院
法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
石狩工業港築設ニ關スル件
北海道札幌市長三澤寛一外七十八名
呈出
右ノ請願ハ北海道石狩町ハ日本海ニ面シ
水陸交通至便ナルノミナラス豐富ナル石
狩炭田及石狩平野ヲ擁シ地勢上工業港及
工業地域ノ築設及發展ニ最好適ノ地點ナ
ルニ依リ速ニ政府ハ同町ニ工業港ヲ築設
シ以テ地方產業ノ發展ニ資セラレタシト
ノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇
スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十
五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
省營自動車沼宮内線ヲ花輪線平館驛ニ
延長ノ件
岩手縣岩手郡平館村長猪川傳次郞外
三名呈出
右ノ請願ハ東北本線沼宮內、花輪線平館
ノ兩驛間道路ハ岩手縣北部ニ於ケル樞要
路線ニシテ附近ニ豐富ナル農、賣林
鑛產資源ヲ有シ逐年交通繁劇トナリ省營
自動車運輸ノ所要切ナルニ依リ沼宮內線
ヲ平館驛迄延長セラレタシトノ旨趣ニシ
テ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ
別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
矢島線羽後矢島、雄勝鐵道梺ノ兩驛間
鐵道敷設ノ件
秋田縣雄勝郡仙道村長高橋初藏外二
十六名呈出
右ノ請願ハ矢島線羽後矢島驛ヨリ雄勝鐵
道梺驛ニ至ル鐵道ヲ敷設スルハ沿線地方
ニ於ケル豐富ナル林、鑛產資源ノ開發上
貢獻スル所多大ナルニ依リ速ニ之カ實現
ヲ圖リ以テ東北地方ノ振興ニ資セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
五能線深浦、艫作ノ兩驛間ニ簡易停車
場設置ニ關スル件
靑森縣西津輕郡深浦町長嶌川勉呈出
右ノ請願ハ靑森縣西津輕郡深浦町大字橫
磯ハ五能線深浦驛ト艫作驛間九粁ノ中間
ニ位スルノミナラス兩驛間ノ道路不良ニ
シテ其ノ發展竝兒童ノ通學上不利不便少
カラサルニ依リ速ニ中間驛又ハ停留場ヲ
設置セラレタク尙新設ニ要スル土地建物
等所要經費ハ地元町ニ於テ一部負擔スヘ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
瀨棚線瀨棚、岩內線岩內ノ兩驛間鐵道
敷設ノ件
北海道岩內郡岩内町長淺野目浦吉外
九名呈出
右ノ請願ハ瀨棚線瀨棚驛ヨリ壽都ヲ經テ
岩內線岩内驛ニ至ル鐵道ヲ敷設スルハ沿
線地方ニ於ケル豐富ナル海產及農、林
鑛產ノ資源開發上裨益スル所大ナルノミ
ナラス運輸交通竝國防上亦須要ナルニ依
リ速ニ之カ實現ヲ圖リ以テ地方產業ノ伸
展ニ資セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院
ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致
候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送
付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
山形縣最上ノ國營開墾ニ關スル件
山形縣最上郡新庄町十日町十九番地
平民公吏高橋善助外一萬百八名呈出
右ノ請願ハ山形縣北部地方ハ廣大ナル未
開原野ヲ有シ且開發ニ天惠的地形ヲ占ム
ルニ依リ速ニ國營ニテ泉田川上流ニ貯水
池ヲ設置スルト共ニ新庄町外六箇村ニ亙
リ三千町步ノ開墾事業ヲ實施シ以テ現下
喫緊ノ要務タル食糧確保ニ寄與セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
岩手縣紫波郡志和村ニ盛岡區裁判所出
張所設置ノ件
岩手縣紫波郡志和村長北條詔美外一
名呈出
右ノ請願ハ岩手縣紫波郡志和、水分及不
動ノ三村ハ近時產業ノ發達ニ伴ヒ登記件
數增加セルニ拘ラス今尙盛岡區裁判所日
詰出張所ノ管轄ニ屬シ住民ノ不便少カラ
サルニ依リ之等三箇村ヲ管轄區域トスル
盛岡區裁判所出張所ヲ志和村大字上平澤
字川原田ニ設置セラレタシトノ旨趣ニシ
テ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ
別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
南極地域ノ日本帝國領土權確保宣言ノ
件
横濱市港北區菊名町七番地ノ一平民
白瀨〓外二名呈出
右ノ請願ハ明治四十五年一月日本南極探
檢隊ノ先占セル請願者記載ノ南極地域ハ
旣ニ米國バード少將ヨリ日本先占地域ト
シテ確認セラレ且二十有餘年ノ歲月モ
經過セルニ依リ皇紀二千六百年ヲ記念シ
右地域ヲ日本帝國領土トシテ速ニ宣言セ
ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ
大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議
院法第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
能生漁港修築促進ノ件
新潟縣西頸城郡能生町長高鳥順作外
二名呈出
右ノ請願ハ新潟縣西頸城郡能生漁港ハ曩
ニ漁船避難港トシテ修築セラレタルモ其
ノ施設今尙十分ナラサルハ甚遺憾ナルニ
依リ速ニ請願者所案ノ如ク國庫補助、縣
費支辨ニテ同港ノ修築ヲ圖リ以テ裏日本
漁業ノ發展ニ資セラレタシトノ旨趣ニシ
テ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ
別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
北海道岩內區裁判所廳舍改築ノ件
北海道岩内郡岩內町長淺野目浦吉呈
出
右ノ請願ハ北海道岩内郡岩內町ニ在ル岩
內區裁判所ノ廳舍ハ建築後旣ニ五十年ヲ
經過シ爲ニ腐朽甚シク之カ補修モ困難ナ
ルヲ以テ風雪ノ危險尠カラス且同町ノ發
展ニ相應セサルハ遺憾ナルニ依リ速ニ之
ヲ改築セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院
ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致
候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送
付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿
意見書案
靜岡縣榛原郡下川根村ニ登記所設置ノ
件
靜岡縣榛原郡下川根村長半田瀧藏外
二十七名呈出
右ノ請願ハ靜岡縣榛原郡下川根村、志太
郡伊久身村大字身成、笹間渡及笹間村大
字笹間下ハ各其ノ管轄登記所トノ距離遠
ク住民ノ不利不便尠カラサルハ遺憾ナル
ニ依リ經濟狀態ニ於テ相互ニ緊密ナル關
係ヲ有シ從テ旣屬三登記所ニ關聯セル登
記事件多キ之等隣接地域ヲ管轄區域トス
ル登記所ヲ下川根村地内ニ設置セラレタ
シトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ
採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第
六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣米內光政殿
意見書案
北海道虻田郡倶知安町ニ區裁判所設置
ノ件
北海道虻田郡倶知安町長西田健次呈出
右ノ請願ハ北海道虻田郡倶知安町ハ後志
支廳ノ所在地ニシテ交通ノ要衝ニ當リ附
近一帶ト共ニ近時長足ノ發展ヲ爲シ戶口
激增シ生產力之ニ伴ヒタルニ拘ラス管轄
區裁判所トノ距離遠ク住民ノ不利不便尠
カラサルニ依リ同郡倶知安町、東倶知安、
喜茂別、留壽都、眞狩別、狩太ノ諸村及磯
谷郡南尻別村一部卽チ倶知安警察署管內
ヲ管轄區域トスル區裁判所ヲ倶知安町ニ
設置セラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ
願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候
因テ議院法第六十五條ニ依リ別冊及送付
候也
昭和十五年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣米內光政殿発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=50
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051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是等ノ請願ハ、
請願委員長ノ報告通リ採擇スルコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=51
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052・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、次會ノ議事日程ハ決定次第彙報ヲ
以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニテ散會
致シマス
午前十一時二十一分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007503242X01919400312&spkNum=52
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