1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十六年二月二十四日(月曜日)午前十時十分開議
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議事日程 第十八號
昭和十六年二月二十四日
午前十時開議
第一 人造石油製造事業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 帝國燃料興業株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 帝國石油株式會社法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 農地開發法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 木材統制法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 樺太開發株式會社法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續
第七 重要機械製造事業法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 工作機械製造事業法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 日本製鐵株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 貸家組合法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 住宅營團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 醫療保護法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十三 國民勞務手帳法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十四 勞働者年金保險法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十五 恩給法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十六 義務教育費國庫負擔法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十七 小學校令の改正に伴ふ恩給法等の規定の整理に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十八 外國爲替管理法改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十九 不動産融資及損失補償法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十 臨時資金調整法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十一 兌換銀行券條例の臨時特例に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十二 朝鮮銀行法及臺灣銀行法の臨時特例に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十三 朝鮮銀行法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十四 臺灣銀行法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十五 産業組合中央金庫特別融通及損失補償法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十六 輸出補償法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十七 東亞海運株式會社法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二十八 大正十二年法律第五十二號中改正法律案(衆議院提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
去ル二十一日可決シタル左ノ政府提出案ハ
卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議院ニ通
知セリ
國家總動員法中改正法律案
昭和十二年法律第九十二號中改正法律
案
衆議院議員ノ任期延長ニ關スル法律案
府縣會議員、市町村會議員等ノ任期延長
ニ關スル法律案
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
關東局、臺灣總督府、樺太廳及南洋廳ノ
各特別會計ニ於ケル簡易生命保險及郵便
年金ノ事務ノ取扱ニ關スル經費等ニ關ス
ル法律案可決報〓書
木炭需給調節特別會計法中改正法律案可
決報告書
外國爲替管理法改正法律案可決報告書
不動產融資及損失補償法中改正法律案可
決報告書
臨時資金調整法中改正法律案可決報告
書
兌換銀行劵條例ノ臨時特例ニ關スル法律
案可決報告書
朝鮮銀行法及臺灣銀行法ノ臨時特例ニ關
スル法律案可決報告書
朝鮮銀行法中改正法律案可決報〓書
臺灣銀行法中改正法律案可決報〓書
產業組合中央金庫特別融通及損失補償法
中改正法律案可決報告書
輸出補償法中改正法律案可決報〓書
東亞海運株式會社法案可決報告書
請願委員會特別報告第一一號
一昨二十二日委員會ニ於テ當選シタル正副
委員長ノ氏名左ノ如シ
治安維持法改正法律案特別委員會
委員長伯爵兒玉秀雄君
副委員長男爵渡邊修二君
國民貯蓄組合法案特別委員會
委員長伯爵堀田正恒君
副委員長男爵松平外與麿君
委員會等ノ整理等ニ關スル法律案特別委
員會
委員長公爵岩倉具榮君
副委員長男傳大森佳一君
蠶絲業統制法案特別委員會
委員長子爵八條隆正君
副委員長男爵稻田昌植君
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和十五年度歲入歳出總豫算追加案第
二號)
昭和十五年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第二號)
昭和十五年度歲入歲出總豫算追加案第
三號)
昭和十五年度特別會計歲入歲出豫算追加
案(特第三號)
昭和十六年度歲入歲出總豫算追加案(第
5개
昭和十六年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第一號)
臨時陸軍材料資金豫算追加案(臨材第一
號
人造石油製造事業法中改正法律案
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
帝國石油株式會社法案
農地開發法案
木材統制法案
同日衆議院ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
大正十二年法律第五十二號中改正法律案
同日衆議院ヨリ本院ノ送付ニ係ル左ノ政府
提出案ハ同院ニ於テ之ヲ可決シ奏上セル旨
ノ通牒ヲ受領セリ
陸軍軍法會議法中改正法律案
海軍軍法會議法中改正法律案
民法中改正法律案
非訟事件手續法中改正法律案
戶籍法中改正法律案
民事訴訟法中改正法律案
陪審法中改正法律案
大正二年法律第九號中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、本日、豫算委員赤池濃君ヨ
リ、病氣ニ付委員辭任ノ申出ガゴザイマシ
タ、許可ヲ致シテ御異存ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、就キマシテハ第二部ニ於テ、其ノ
補關選擧ヲ行ハレムコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第一、人造
石油製造事業法中改正法律案、日程第二、
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案、日
程第三、帝國石油株式會社法案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、是等ノ三案ヲ一括シ
テ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、小島商工次官
〔左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
人造石油製造事業法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
人造石油製造事業法中改正法律案
人造石油製造事業法中左ノ通改正ス
第九條人造石油製造會社其ノ製造シタ
ル人造石油ヲ販賣セントスルトキハ政
府ノ定ムル價格ニ依ルベシ但シ特別ノ
事情ニ依リ政府ノ許可ヲ受ケタル場合
ハ之ト異リタル價格ニ依ルコトヲ得
前項本文ノ價格ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ生產費及相當利益ヲ參酌シテ之ヲ定
ム
第十條削除
第十六條第一項中「販賣價格ノ變更其ノ
他」ヲ削リ同條第二項中「製造方法ノ改
善」ノ下ニ「其ノ他生產ニ關シ必要ナル
事項」ヲ加フ
第十八條中「其ノ所有スル」ヲ「其ノ製造
シタル」ニ、「時價ヲ標準トシテ」ヲ「第九
條第一項ノ價格ニ依リ」二四、
第十九條削除
第二十二條人造石油製造會社左ノ各號
ノ一ニ該當スルトキハ其ノ取締役又ハ
其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ三千圓以下ノ
罰金ニ處ス
-第九條第一項ノ規定ニ違反シ同條
同項ノ價格ニ依ラズシテ人造石油ヲ
販賣シタルトキ
二第十六條又ハ第十七條ノ規定ニ依
ル命令ニ違反シタルトキ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ人造石油製造會社ノ製造シ
タル人造石油ニ係ル奬勵金及其ノ返還金
竝ニ本法施行前ニ交付シタル奬勵金ノ返
還金ニ付テハ第九條及第十條ノ改正規定
ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ依ル
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院修正)
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
帝國燃料興業株式會社法中左ノ通改正ス
第十條第二項中「株主中ヨリ株主總會ニ
於テ二倍ノ候補者ヲ選擧シ政府其ノ中ヨ
リ之ヲ命ジ」ヲ「株主總會ニ於テ之ヲ選任
シ政府ノ認可ヲ受クルモノトシ」ニ改メ
リ同條第三
同條第三項中「株主中ヨリ」ヲ削ル
項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
石油事業ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ其ノ職ヲ退キ
タル後五年間帝國燃料興業株式會社ノ役員ト爲ルコトヲ
得ズ但シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ
此ノ限ニ在ラズ
第十三條第一項中「三倍」ヲ「五倍」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ理事ノ職ニ在ル者ノ在
職ニ付テハ第十條第二項ノ改正規定ニ拘
ラズ、仍從前ノ例ニ依ル
帝國石油株式會社法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字ハ衆議院ノ修正ナリ)
帝國石油株式會社法案
帝國石油株式會社法
第一章總則
第一條帝國石油株式會社ハ石油資源ノ
開發ヲ促進シ石油事業ノ振興ヲ圖ル爲
必要ナル事業ヲ營ムコトヲ目的トスル
株式會社トス
第二條帝國石油株式會社ノ資本ハ一億
圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加
スルコトヲ得
第三條政府ハ五千萬圓ヲ限リ帝國石油
株式會社ニ出資スベシ
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ
株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコト
ヲ得
第四條帝國石油株式會社ノ株金ノ第一
囘拂込金額ハ株金ノ五分ノ一迄下ルコ
トヲ得
第五條畜國石油株式會社ノ株式ハ記名
式トシ政府、公共團體、帝國臣民又ハ
帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ
執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額
以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若ハ
外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之ヲ所
有スルコトヲ得
第六條帝國石油株式會社ニ非ザルモノ
ハ帝國石油株式會社又ハ之ニ類似ノ名
稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得ズ
第二章役員
第七條帝國石油株式會社ニ總裁副總裁
各一人、理事三人以上及監事二人以上
ヲ置ク
第八條總裁ハ帝國石油株式會社ヲ代表
シ其ノ業務ヲ總理ス
副總裁ハ總裁事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ總裁缺員ノトキハ其ノ職務ヲ
行フ
副總裁及理事ハ總裁ヲ補助シ帝國石油
株式會社ノ業務ヲ分掌ス
監事ハ帝國石油株式會社ノ業務ヲ監査
ス
第九條總裁及副總裁ハ政府之ヲ命ジ其
ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ政府
ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ四
年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ
任期ヲ三年トス
石油事業ヲ監督スル宮廳ノ官吏タリシ者ハ其ノ職ヲ退キ
タル後五年間帝國石油株式會社ノ役員ト爲ルコトヲ得ズ
但シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ此ノ
限ニ現ラズ
第十條總裁、副總裁及理事ハ他ノ職務
又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政
府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
第三章營業
第十一條帝國石油株式會社ハ左ノ事業
ヲ營ムモノトス
一石油資源ノ調査又ハ開發
二石油ノ賣買
三石油資源ノ開發事業ニ對スル資金
ノ融通又ハ投資
四前各號ノ事業ニ附帶スル事業
帝國石油株式會社ハ政府ノ認可ヲ受ケ
前項ノ事業ノ外本會社ノ目的達成上必
要ナル諸事業ヲ營ムコトヲ得
第四章帝國石油債劵
第十二條帝國石油株式會社ハ拂込ミタ
ル株金額ノ三倍ヲ限リ帝國石油債劵ヲ
發行スルコトヲ得
帝國石油債劵ヲ發行スル場合ニ於テハ
商法第三百四十三條ニ定ムル決議ニ依
ルコトヲ要セズ
第十三條帝國石油債劵ヲ發行セントス
ル場合ニ於テハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十四條政府ハ帝國石油債劵ノ元本ノ
償還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ
得
第十五條帝國石油債劵ノ所有者ハ帝國
石油株式會社ノ財產ニ付他ノ債權者ニ
先チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利
シンガム
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第五章準備金
第十六條帝國石油株式會社ハ每營業年
度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ爲
利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立テ且利
益配當ノ平均ヲ得シムル爲利益金額ノ
百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第六章監.管及助成
第十七條政府ハ帝國石油株式會社ノ業
務ヲ監督ス
第十八條帝國石油株式會社〓入金ヲ爲
サントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベ
シ
第十九條定款ノ變更、利益金ノ處分、
合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十條帝國石油株式會社ハ每營業年
度ノ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受ク
ベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第二十一條政府ハ帝國石油株式會社ノ
業務ニ關シ監督上又ハ石油事業ノ振興
上其ノ他公益上必要ナル命令ヲ爲スコ
トヲ得
第二十二條政府ハ帝國石油株式會社ノ
業務ニ關シ軍事上必要ナル命令ヲ爲ス
コトヲ得
第二十三條政府ハ帝國石油株式會社監
理官ヲ置キ帝國石油株式會社ノ業務ヲ
監視セシム
第二十四條帝國石油株式會社監理官ハ
何時ニテモ帝國石油株式會社ノ金庫、
帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査スルコト
ヲ得
帝國石油株式會社監理官必要アリト認
ムルトキハ何時ニテモ帝國石油株式會
社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀
況ヲ報告セシムルコトヲ得
帝國石油株式會社監理官ハ株主總會其
ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述ス
ルコトヲ得
第二十五條政府ハ帝國石油株式會社ノ
決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基
キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公
益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取
消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十六條帝國石油株式會社ハ每營業
年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ
政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ
り
達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利
益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
第二十七條帝國石油株式會社ノ每營業
年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ
政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ニ
達セザルトキ(利益金額ナキトキ及缺
損ヲ生ジタルトキヲ含ム)ハ政府ハ第
十營業年度迄之ニ達セシムベキ金額ヲ
補給スベシ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ
割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ハ先
ヅ之ヲ前項ノ規定ニ依ル補給金ノ償還
ニ充ツベシ
第十營業年度迄每營業年度ニ於ケル配
當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ
所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對
シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スルトキハ
其ノ二分ノ一ヲ配當準備ノ爲別ニ積立
ツベシ
第二項ノ規定ニ依リ補給金ヲ償還シ尙
殘餘アリタルトキハ之ヲ前項ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超過シタル當該營業年度ノ利益金ト看
做ス
前二項ノ規定ニ依ル積立金ハ後營業年
度ニ於ケル第一項ノ規定ニ依ル補給金
ノ計算ニ付テハ之ヲ配當シ得ベキ利益
金ト看做ス
第二十八條帝國石油株式會社ノ每營業
年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ
政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所
有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超エ利益配當ヲ爲サントスルトキハ其
ノ超過スル利益金額ハ利益配當ガ總株
式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ
割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有ス
ル株式ノ拂込ミタル株金額及政府ノ所
有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ
一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
第二十九條帝國石油株式會社ニハ命令
ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ年及其ノ
翌年ヨリ十年間其ノ事業ニ付所得ニ對
スル法人稅及營業税ヲ免除ス
帝國石油株式會社ノ所得又ハ純益ガ各
事業年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ十
ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル
トキハ其ノ超過額ニ相當スル所得又ハ
純益ニ付テハ前項ノ規定ヲ適用セズ但
シ本法施行ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間
ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ資本金額ノ計算方法ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十一條ノ規定ニ依ル資金ノ融通又ハ
投資ヨリ生ズル帝國石油株式會社ノ甲
種ノ配當利子所得ニシテ第一項ニ規定
スル法人稅及營業稅ノ免除期間內ニ生
ジタルモノニハ命令ノ定ムル所ニ依リ
分類所得稅ヲ課セズ
第三十條北海道、府縣及市町村其ノ他
之ニ準ズベキモノハ前條ノ期間帝國石
油株式會社ニハ前條第二項ノ規定ニ依
リ賦課セラレタル營業稅ノ附加稅ヲ除
クノ外其ノ事業ニ對シ地方稅ヲ課スル
コトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ政府
ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第七章罰則
第三十一條帝國石油株式會社左ノ各號
ノ一ニ該當スルトキハ總裁又ハ總裁ノ
職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副總裁ヲ五千
圓以下ノ過料ニ處ス副總裁又ハ理事ノ
分掌業務ニ係ルトキハ副總裁又ハ理事
ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ
於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第十一條ノ規定ニ依ラズシテ業務
ヲ營ミタルトキ
三第十二條第一項ノ規定ニ違反シ帝
國石油債劵ヲ發行シタルトキ
四第二十一條又ハ第二十二條ノ規定
ニ依ル命令ニ違反シタルトキ
第三十二條帝國石油株式會社ノ總裁、
副總裁又ハ理事第十條ノ規定ニ違反シ
タルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第三十三條第六條ノ規定ニ違反シタル
者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第三十四條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十五條昭和十五年七月二十四日設
立セラレタル帝國石油資源開發株式會
社(以下帝國石油資源開發株式會社ト
稱ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ商法第三
百四十三條ニ定ムル株主總會ノ決議ヲ
以テ帝國石油株式會社ト爲ルコトヲ得
帝國石油資源開發株式會社前項ノ決議
ヲ爲シタルトキハ政府ノ認可ヲ受クベ
シ
第三十六條前條ノ認可ヲ爲シタルトキ
ハ政府ハ設立委員ヲ命ジ帝國石油資源
開發株式會社ヲ帝國石油株式會社ト爲
ス爲ニ必要ナル事務ヲ處理セシム
前項ノ設立委員ノ中少クトモ二人ハ帝
國石油資源開發株式會社ノ取締役ノ中
ヨリ之ヲ命ズルコトヲ要ス
設立委員ノ任命アリタル後ハ帝國石油
資源開發株式會社ノ取締役ハ政府ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ會社ノ常務ニ屬
セザル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第三十七條設立委員ハ定款ヲ作成シ政
府ノ認可ヲ受クベシ
第三十八條前條ノ認可アリタルトキハ
設立委員ハ總株式ヨリ帝國石油資源開
發株式會社ノ株式ニ引當テラルベキ株
式及政府ニ割當ツベキ株式ヲ控除シタ
ル殘餘ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第三十九條株式申込證ニハ商法第百七
十五條第二項第二號及第四號乃至第七
號ニ規定スル事項ノ外定款認可ノ年月
日ヲ記載スベシ
第四十條設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リ
タルトキハ株式申込證ヲ政府ニ提出シ
其ノ檢査ヲ受クベシ
第四十一條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各新株ニ付第一囘ノ
拂込ヲ爲サシムベシ
第四十二條前條ノ拂込アリタルトキハ
設立委員ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集ス
ベシ
第四十三條創立總會ニ於テハ第九條ノ
規定ニ準ジ理事及監事ノ選任ヲ行フベ
第四十四條創立總會終結シタルトキハ
設立委員ハ其ノ事務ヲ帝國石油株式會
社總裁ニ引渡スベシ
第四十五條帝國石油株式會社ノ成立ニ
因リ帝國石油資源開發株式會社ハ之ニ
吸收セラルルモノトシ帝國石油資源開
發株式會社ノ權利義務ハ帝國石油株式
會社ニ於テ之ヲ承繼ス
第四十六條前條ノ規定ニ依リ帝國石油
資源開發株式會社ガ帝國石油株式會社
ト爲リタルトキハ法人稅法、營業稅法
及臨時利得稅法ノ適用ニ關シテハ帝國
石油資源開發株式會社ハ之ヲ合併ニ因
リテ消滅シタル法人ト看做シ帝國石油
株式會社ハ之ヲ合併ニ因リテ設立シタ
ル法人ト看做ス
帝國石油株式會社ガ設立ノ登記ヲ受ク
ルトキハ其ノ拂込株金額中帝國石油資
源開發株式會社ノ拂込株金額ニ相當ス
ル部分ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第四十七條一第三十五條乃至前條ニ規定
スルモノヲ除クノ外帝國石油資源開發
株式會社ガ帝國石油株式會社ト爲ル場
合ニ於テ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第四十八條第三十五條第一項ノ決議ナ
キ場合又ハ其ノ決議ガ效力ヲ生ゼザル
場合ニ於テ帝國石油株式會社ノ設立ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
第四十九條本法施行ノ際現ニ帝國石油
株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ商
號ト爲ス會社ハ本法施行後六月以内ニ
其ノ商號ヲ變更スルコトヲ要ス
第三十三條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
前項ニ揭グル者ニ適用セズ
第五十條登錄稅法第六條第一項第十一
號中「燃料興業債劵、」ノ下ニ「帝國石油
債劵、」ヲ加フ
〔政府委員小島新一君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=5
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006・小島新一
○政府委員(小島新一君) 只今議題トナリ
マシタ人造石油製造事業法中改正法律案、
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案、及
帝國石油株式會社法案ノ三案ニ付キマシテ、
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、先ヅ人造
石油ニ關スル兩法案ニ付テ申上ゲマスルガ、
人造石油製造事業ハ、我ガ國液體燃料需給
ノ實情ニ鑑ミマシテ、今後一段ノ强化擴充
ヲ要スルモノデアリマシテ、是ガ振興及ビ
助長ニ對處スル爲、人造石油ニ關スル兩法
中一部改正ヲ致シタイノデアリマス、卽チ
人造石油製造事業法ニ付キマシテハ、人造石
油ノ生產ガ今後大量且多種類トナルコトヲ
考慮シマシテ、現行ノ奬勵金交付制度ヲ廢
止シ、適正價格ヲ公定シ、石油共販株式會
社ヲシテ一括購入セシメ、從來各社別ニ交
付致シテ居リマシタ奬勵金ハ、之ヲ石油共
販株式會社ニ一括交付シ、石油價格ノ昂騰
ヲ避ケタイト考ヘタノデアリマス、次ニ人
造石油製品ハ、今後品種竝ニ數量ニ付軍民
ノ需要ト合致セシムル必要ガアリマス爲、
生產ノ調整ヲ爲シ得ルヤウ規定セムトスル
モノデアリマス、帝國燃料興業株式會社法
ニ付キマシテハ、人造石油製造事業ノ强化ニ
對應シ、資金ノ調達ヲ圓滑ナラシムル爲、取
敢ズ同社ノ社債發行限度ヲ五倍ニ擴大シ、
之ニ備ヘムトスルモノデアリマス、次ニ帝
國石油株式會社法案ニ付テ御說明ヲ申上ゲ
さく、申ス迄モナク石油ハ產業上竝ニ國防
上極メテ重要ナル資源デアリマシテ、其ノ
自給ヲ確保致シマスコトハ、現下ノ時局ニ
鑑ミ、我ガ國最大ノ急務デアルト信ズルノ
デアリマス、此ノ目的ノ爲、政府ニ於キマ
シテハ、内外石油資源ノ開發ヲ圖ルト共ニ、
人造石油事業ノ振興ヲ策シ、又代用燃料ノ
使用ヲ普及セシメ、燃料ノ合理的利用ヲ講
ジ、更ニ石油業ノ經營ノ合理化ヲ圖ル等、
各般ノ施策、施設ヲ實施致シマシテ、自給
確保ノ萬全ヲ期シツヽアルノデアリマス
就中石油資源ノ開發ハ、石油問題解決ノ最
モ基本的對策デアルト思料スルノデアリマ
シテ、國內油田ニ付キマシテハ、曩ニ石油
資源開發法ヲ施行致シマシテ、從來實施シ
テ參リマシタ石油試掘奬勵制度ヲ擴大强化
シ、國內石油資源ノ合理的開發ヲ圖ルト共
ニ、海外石油資源ニ付テモ助成金ヲ交付シ、
其ノ事業ヲ助成シテ居ル有樣デアリマス、
斯クノ如ク石油資源ノ開發促進ニ關シマシ
テハ、政府ニ於キマシテモ各般ノ施設ヲ講
ジ來ッテ居ルノデアリマスルガ、石油資源開
發事業ハ)其ノ事業ノ性質上相當困難ヲ伴
フモノデアリ、之ヲ積極的ニ遂行致シマス
ルノニハ非常ニ多額ノ資金、資材優秀ナ
ル技術ヲ必要トスルノデアリマス、仍テ政
府ニ於キマシテハ、此ノ際石油資源ノ積極
的開發ヲ促進スル爲、玆ニ半官半民ノ資本
組織ニ依ル資本金一億圓ノ特殊會社ヲ設立
セシメ、之ニ對シ五千萬圓ヲ出資スルト共ニ、
配當補給、社債ノ元利支拂保證、租稅ノ免
除等特別ノ保護助成ヲ與ヘ、適當ナル指導
監督ノ下ニ、石油資源開發其ノ他ノ事業ヲ
經營セシムルコトトシマシテ、帝國石油株
式會社法ヲ制定スルコトニ致シマシタ次第
デアリマス、以上ガ石油ニ關スル三法律案
ヲ提出致シマシタ理由ノ骨子デアリマス、
何率御審議ノ上御協賛ヲ賜ハラムコトヲ希
望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=6
-
007・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ人
造石油製造事業法中改正法律案外二件ハ、
此ノ特別委員ノ數ヲ十八名トシ、其ノ委員
ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=7
-
008・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=8
-
009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=9
-
010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
人造石油製造事業法中改正法律案外二件
特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵西〓從德君
伯爵柳澤保承君子爵河瀨眞君
子爵安藤信昭君子爵綾小路護君
柴田善三郞君男爵岩倉道倶君
男爵渡邊汀君男爵宮原旭君
橋本圭三郞君倉知鐵吉君
竹內可吉君內藤久寛君
松本勝太郞君出光佐三君
飯塚知信君野田六左衞門君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=10
-
011・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第四、農地
開發法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會石黑農林大臣
農地開發法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
農地開發法案
農地開發法
第一條本法ハ食糧自給ノ强化ヲ圖ル爲
農地ノ造成及改良ヲ促進スルヲ以テ目
的トス
第二條政府ハ農地ノ造成又ハ改良ヲ行
フ者ニ對シ勅令ノ定ムル所ニ依リ每年
度豫算ノ範圍內ニ於テ助成金ヲ交付ス
ルコトヲ得
第三條勅令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ
主務大臣ハ前條ノ助成金ノ交付ヲ受ク
ル者ニ對シ助成金ノ交付ヲ停止若ハ廢
止シ又ハ助成金ノ全部若ハ一部ノ返還
ヲ命ズルコトヲ得
助成金ノ返還ニ付テハ公共團體ニ對ス
ルモノヲ除クノ外國稅滯納處分ノ例ニ
依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但シ先取特
權ノ順位ハ國稅ニ次グモノトス
第四條農地開發營團ハ重要農產物ノ增
產ヲ圖ル爲必要ナル農地ノ開發ニ關ス
ル事業ヲ營ムコトヲ目的トスル法人ト
ス
第五條農地開發營團ハ主タル事務所ヲ
東京市ニ置ク
農地開發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコ
トヲ得
第六條農地開發營團ノ資本金ハ三千萬
圓トシ之ヲ三十萬口ニ分チ一口ノ出資
金額ヲ百圓トス但シ資本金ハ主務大臣
ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第七條農地開發營團ノ出資者ハ政府、
公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシ
テ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役
員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議
決權ノ過半數ガ外國人若ハ外國法人ニ
屬セザルモノタルコトヲ要ス
第八條農地開發營團ハ出資ニ對シ出資
證劵ヲ發行ス
出資證劵ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ
以テ定ム
第九條政府ハ千五百萬圓ヲ限リ農地開
發營團ニ出資スルコトヲ得
政府ノ引受ケタル出資ノ出資金拂込ハ
其ノ他ノ出資ノ出資金拂込ト之ヲ異ニ
スルコトヲ得
第十條農地開發營團ノ出資者ノ責任ハ
其ノ出資額ヲ限度トス
出資者ハ農地開發營團ニ拂込ムベキ出
資額ニ付相殺ヲ以テ之ニ對抗スルコト
ショウー
第十一條出資者ハ農地開發營國ノ承認
ヲ經テ其ノ持分ヲ讓渡スコトヲ得
第十二條拂込ヲ怠リタル出資者ニ對シ
農地開發營團ガ一月以上ノ相當ノ期間
ヲ定メ拂込ノ請求ヲ爲シタルニ拘ラズ
出資者ガ拂込ヲ爲サザルトキハ農地開
發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ出
資者ノ持分ヲ處分スルコトヲ得
農地開發營團ハ持分ノ處分ニ依リテ得
タル金額ヨリ滯納金額及定款ヲ以テ定
メタル違約金ノ額ヲ控除シタル金額ヲ
從前ノ出資者ニ拂戾スコトヲ要ス
持分ノ處分ニ依リテ得タル金額ガ滯納
金額ニ滿タザル場合ニ於テハ農地開發
營團ハ從前ノ出資者ニ對シ不足額ノ辨
濟ヲ請求スルコトヲ得
前三項ノ規定ハ農地開發營團ガ損害賠
償及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ請求
ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
出資者ガ第一項ノ期間內ニ拂込ヲ爲サ
ザルトキハ農地開發營圍ハ其ノ出資者
ニ對シ二週間內ニ出資證劵ヲ農地開發
營團ニ提出スベキ旨ヲ通知スルコトヲ
要ス此ノ場合ニ於テ提出ナキ出資證劵
ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ農地開發營團ハ遲
滯ナク失效シタル出資證劵ノ番號竝ニ
其ノ出資者ノ氏名及住所ヲ公告スルコ
トヲ要ス
第十三條農地開發營國ハ定款ヲ以テ左
ノ事項ヲ規定スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額、出資及資產ニ關スル事
項
五.役員及會議ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
農地開發債劵ノ發行ニ關スル事項
八七會計ニ關スル事項
九公〓ノ方法
定款ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ變更
スルコトヲ得
第十四條農地開發營團ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第十五條農地開發營圍ニ付解散ヲ必要
トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ
處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定
ム
第十六條農地開發營團ニ非ザル者ハ農
地開發營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
フルコトヲ得ズ
第十七條民法第四十四條、第五十條、
第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件
手續法第三十五條第一項ノ規定ハ農地
開發營團ニ之ヲ準用ス
第十八條農地開發營國ニ理事長副理事
長各一人、理事五人以上及監事三人以〓
上ヲ置ク
第十九條理事長ハ農地開發營團ヲ代表
シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ
職務ヲ行フ
副理事長及理事ハ理事長ヲ輔佐シ定款
ノ定ムル所ニ依リ農地開發營團ノ業務
ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
監事ハ農地開發營團ノ業務ヲ監査ス
第二十條理事長、副理事長、理事及監
事ハ主務大臣之ヲ命ジ理事長及副理事
長ノ任期ハ四年、理事ノ任期ハ三年、
監事ノ任期ハ二年トス
第二十一條理事長、副理事長及業務ヲ
分掌スル理事ハ他ノ職業ニ從事スルコ
トヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタ
ルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十二條農地開發營團ニ評議員若干
人ヲ置キ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ事業經營ニ關スル重要事項ニ
付理事長ノ諮問ニ應ジ必要アルトキハ
之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二年ト
ス
第二十三條農地開發營團ハ左ノ事業ヲ
營ムモノトス
-農地ノ造成及改良ニ關スル事業
二前號ノ事業ニ附帶スル事業
三其ノ他農地開發營團ノ目的達成上
必要ナル事業
農地開發營團前項第二號又ハ第三號ノ
事業ヲ營マントスルトキハ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第二十四條農地開發營團ハ拂込資本金
額ノ五倍ヲ限リ農地開發債劵ヲ發行ス
ルコトヲ得
第二十五條農地開發債劵ハ額面金額五
十圓以上トシ無記名利札附トス但シ應
募者又ハ所有者ノ請求ニ依リ記名式ト
爲スコトヲ得
第二十六條農地開發營團ハ農地開發債
劵借換ノ爲一時第二十四條ノ制限ニ依
ラズ農地開發債劵ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ農地開發債劵ヲ發行
シタルトキハ發行後一月內ニ其ノ發行
額面金額ニ相當スル舊農地開發債劵ヲ
償還スベシ
第二十七條農地開發債劵ヲ發行セント
スルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二十八條政府ハ農地開發債劵ノ元利
支拂ヲ保證スルコトヲ得
第二十九條農地開發債劵ノ消滅時效ハ
元金ニ在リテハ十五年、利子ニ在リテ
ハ五年ヲ以テ完成ス
第三十條農地開發債劵ノ所有者ハ農地
開發營團ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先チ
テ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ有
ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第三十一條所得稅法及有價證劵移轉稅
法中國債以外ノ公債ニ關スル規定ハ農
地開發債劵ニ之ヲ準用ス
第三十二條第二十四條乃至前條ニ規定
スルモノノ外農地開發債劵ニ關シ必要
ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十三條農地開發營團ノ事業年度ハ
四月ヨリ翌年三月迄トス
第三十四條農地開發營團ハ設立ノ時及
每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借
對照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共
ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第三十五條利益金ノ處分ハ主務大臣ノ
認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生
セズ
第三十六條農地開發營團ハ其ノ資本金
ノ四分ノ一ニ達スル迄ハ每事業年度ニ
於テ準備金トシテ利益金ノ百分ノ八以
上ヲ積立ツベシ
前項ノ準備金ハ勅令ヲ以テ定ムル場合
ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第三十七條農地開發營團ハ拂込ミタル
出資金額ニ對シ勅令ヲ以テ定ムル割合
ヲ超エテ利益金ノ配當ヲ爲スコトヲ得
ズ
農地開發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
政府ノ出資ニ對シ利益金ノ配當ヲ減額
シ又ハ之ヲ爲サザルコトヲ得
第三十八條農地開發營團ハ主務大臣之
ヲ監督ス
第三十九條主務大臣ハ農地開發營國ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲
サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナ
ル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十條主務大臣ハ農地開發營團監理
官ヲ置キ農地開發營團ノ業務ヲ監視セ
シム
農地開發營團監理官ハ何時ニテモ農地
開發營團ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査ス
ルコトヲ得
農地開發營團監理官ハ必要アリト認ム
ルトキハ何時ニテモ農地開發營團ニ命
ジテ業務及財產ノ狀況ヲ報告セシムル
コトヲ得
農地開發營團監理官ハ農地開發營團ノ
諸般ノ會議ニ出席シテ意見ヲ陳述スル
コトヲ得
第四十一條理事長、副理事長、理事又
ハ監事ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命
令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲ヲ爲
シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ解任スル
コトヲ得
第四十二條農地開發營團ニハ命令ノ定
ムル所ニ依リ本法施行ノ年及其ノ翌年
ヨリ十年間其ノ事業ニ付所得ニ對スル
法人稅及營業稅ヲ免除ス
農地開發營團ノ所得又ハ純益ガ各事業
年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ十ノ割
合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユルトキ
ハ其ノ超過額ニ相當スル所得又ハ純益
ニ付テハ前項ノ規定ヲ適用セズ但シ本
法施行ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間ハ此
ノ限ニ在ラズ
前項ノ資本金額ノ計算方法ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十三條道府縣、市町村其ノ他之ニ
準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所得
ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除セラレ
タル期間農地開發營團ニハ前條第二項
ノ規定ニ依リ賦課セラレタル營業稅ノ
附加稅ヲ除クノ外地方稅ヲ課スルコト
ヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ主務大臣
ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノハ農地開發營團ガ其ノ事業ノ爲ニス
ル不動產取得ニ對シテハ地方稅ヲ課ス
ルコトヲ得ズ
第四十四條土地ノ農業上ノ利用ヲ增進
スル目的ヲ以テ農地開發營團ガ主務大
臣ノ定ムル區域及計畫ニ依リ行フ左ノ
各號ノ一ニ該當スル事業(以下農地開
發事業ト稱ス)ハ第四十五條乃至第六
十一條ノ定ムル所ニ依ル
一耕地整理法第一條第一號ノ耕地整
理トシテ行フコトヲ得ル事業
二他人ノ所有ニ係ル農地ノ改良ヲ目
的トスル農業水利施設ノ新設、廢止
又ハ變更
第四十五條主務大臣前條ノ區域及計畫
ヲ定メントスルトキハ農林計畫委員會
及道府縣農地委員會ノ議ヲ經ベシ
主務大臣前條ノ區域及計畫ヲ定メタル
トキハ之ヲ農地開發營團ニ通知スベシ
第四十六條農地開發營〓ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ豫メ農地開發事業ノ施行地
區及實施計畫ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ
第四十四條第二號ノ事業ニ付前項ノ認
可ノ申請アリタルトキハ主務大臣ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ告示シ二十
日以上ノ相當ノ期間ヲ定メ其ノ期間內
實施計畫書ノ寫ヲ施行地區內ノ土地ノ所
有者及利害關係人ノ縱覽ニ供スベシ
前項ノ土地ノ所有者又ハ利害關係人實
施計畫書ニ記載セラレタル事項ニ關シ
異議アルトキハ前項ニ揭グル期間內ニ
主務大臣ニ之ヲ申出ヅルコトヲ得
主務大臣異議ヲ正當ト認ムルトキハ當
該事項ニ付變更ヲ加ヘテ認可ヲ爲スコ
トヲ得
主務大臣第四十四條第二號ノ事業ニ付
認可ヲ爲シタルトキハ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ旨ヲ〓示ス
第四十七條御料地、國有地及官ノ用ニ
供スル土地其ノ他勅令ヲ以テ定ムル土
地ハ農地開發事業ノ施行地區ニ之ヲ編
入スルコトヲ得ズ但シ勅令ヲ以テ定ム
ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十八條耕地整理施行地又ハ普通水
利組合(水利組合法第九條第二項ノ場
合ニ於ケル水害豫防組合ヲ含ム)若ハ
北海道土功組合ノ區域内ノ土地ハ農地
開發事業ノ施行地區ニ之ヲ編入スルコ
トヲ得ズ但シ勅令ヲ以テ定ムル場合ハ
此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十九條農地開發事業施行ノ準備ノ
爲必要アルトキハ農地開發營團ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ職員ヲシテ他人
ノ土地ニ立入リ測量又ハ檢査ヲ爲シ障
客物ヲ移轉又ハ除却セシムルコトヲ得
但シ之ニ因リテ生ジタル損害ハ之ヲ補
償スベシ
前項ノ規定ハ主務大臣農地開發事業ニ
關スル調査ヲ爲ス爲必要アル場合ニ之
ヲ準用ス
第五十條左ノ各號ノ一ニ該當スル土地
ハ農地開發營團之ヲ收用スルコトヲ得
農地ノ造成ニ供スル未墾地
前號ノ未墾地附近ノ土地ニシテ當
該未墾地ト併セテ耕地整理ヲ施行ス
ルヲ必要トスル土地
左ノ各號ノ一ニ該當スル土地ハ農地開
發營團之ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
一前項ニ揭グル土地ノ開發ノ爲必要
ナル土地
二前號ニ揭グルモノヲ除クノ外農業
水利施設ノ新設、廢止及變更ノ爲必
要ナル土地
前二項ノ規定ニ依ル收用又ハ使用ニ關
シテハ土地收用法ヲ適用ス
第一項第二號ノ規定ニ依リ收用シタル
土地ノ管理及處分ニ關シテハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第五十一條前條第二項及第三項ノ規定
ハ水ノ使用ニ關スル權利、土地ニ定著
スル物件又ハ土地ニ屬スル土石砂礫ノ
收用又ハ使用ニ之ヲ準用ス
第五十二條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ豫算ノ範圍內ニ於テ農地開發營團ニ
對シ農地開發事業ノ施行ニ要スル費用
ヲ補助スルコトヲ得
第五十三條主務大臣ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ第四十四條第二號ノ農地開發事
業ニ因リ利益ヲ受ケタル者ニ對シ現ニ
受クル利益ノ限度ニ於テ其ノ事業ノ施行
ニ要シタル費用ノ一部ヲ農地開發營團
ニ支拂フベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令ヲ受ケタル者之ニ異議アル
トキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣
ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第五十四條前條ノ規定ニ依リ費用ノ支
拂ヲ命ゼラレタル者其ノ支拂ノ義務ヲ
履行セザルトキハ市町村ハ農地開發營
團ノ請求ニ因リ市町村稅ノ例ニ依リ之
ヲ處分ス
前項ノ場合ニ於テハ農地開發營團ハ其
ノ徵收金額ノ百分ノ四ニ相當スル金額
ヲ市町村ニ交付スベシ
第五十五條農地開發事業ノ施行地區內
ノ土地若ハ土地ニ定著スル物件ノ所才
者其ノ他之ニ關シ權利ヲ有スル者又ハ
漁業權者若ハ入漁權者其ノ他此等ノ權
利ニ關シ權利ヲ有スル者ガ農地開發事
業ノ施行ニ因リテ受クル損害ハ農地開
發營團之ヲ補償スベシ
前項ノ補償金ニ付協議調ハザルトキ又
ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ主務
大臣ノ裁定ヲ求ムベシ
前項ノ決定ニ對シ不服アル者ハ其ノ決
定書ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ三月內ニ
通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第四十九條ノ規定ニ依
ル損害ノ補償ニ之ヲ準用ス
耕地整理法第二十五條、第二十五條ノ
二及第二十七條ノ二第二項ノ規定ハ第
一項及第四十九條ノ規定ニ依ル損害ノ
補償ニ之ヲ準用ス
第五十六條農地開發事業ノ施行地區ニ
付漁業權又ハ入漁權アル場合及第四十
四條第二號ノ事業ヲ施行スル場合ニ於
テハ農地開發營團ハ前條第一項ノ規定
ニ依ル損害ノ補償ヲ爲シタル後ニ非ザ
レバ其ノ工事ニ著手スルコトヲ得ズ但
シ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ハ此ノ
限ニ在ラズ
-損害ノ補償ヲ受クベキ權利者ノ同
意ヲ得タルトキ
二前條第二項ノ規定ニ依ル裁定アリ
タル金額ヲ供託シタルトキ
第五十七條農地開發營團農地開發事業
ノ工事ヲ竣功シタルトキハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ主務大臣ニ竣功認可ヲ申請
スペシ
第五十八條第五十條第一項第二號ノ規
定ニ依リ收用シタル土地ヲ除クノ外第
四十四條第一號ノ農地開發事業ニ因リ
造成セラレタル農地ニシテ農地開發營
團ノ所有ニ係ルモノニ付農地調整法第
四條ノ自作農創設維持ノ事業ヲ行フ者
ノ申出アルトキハ農地開發營團ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ之ヲ其ノ事業者ニ讓
渡スコトヲ要ス
前項ノ場合ヲ除クノ外前項ニ揭グル農
地ノ管理及處分ニ關シテハ勅令ノ定ム
ル所ニ依ル
第五十九條農地開發事業ノ施行ニ因リ
生ジタル道路、堤塘、溝渠、溜池等ハ
農地開發營團勅令ノ定ムル所ニ依リ道
府縣、市町村、水利組合其ノ他勅令ヲ
以テ定ムル者ニ之ヲ引渡スベシ
前項ノ場合ニ於テハ道府縣、市町村、
水利組合其ノ他勅令ヲ以テ定ムル者ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ニ揭グル設
備ノ引渡ヲ受ケ之ヲ維持管理スベシ
第六十條耕地整理法第六條、第十八條
乃至第二十一條、第二十二條第二項第
三項、第二十三條、第二十四條及第二
十七條ノ規定ハ刺令ノ定ムル所ニ依リ
第四十四條第二號ノ農地開發事業ニ之
ヲ準用ス
第六十一條本法ニ定ムルモノヲ除クノ
外農地開發事業ニ付必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十二條農地開發營圍ノ理事長、副
理事長、理事、監事又ハ使用人其ノ職
務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求シ
若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役
又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因テ不正
ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザ
ルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以
下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第六十三條前條第一項ニ揭グル者ニ賄
賂ヲ交付シ又ハ之ヲ提供シ若ハ約束シ
タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以
下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ
得
第六十四條農地開發營團本法若ハ本法
ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲
ス處分ニ違反シタルトキハ理事長又ハ
理事長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副理
事長ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス副理事
長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副
理事長又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦
同ジ
第六十五條農地開發營團ノ理事長、副
理事長又ハ業務ヲ分掌スル理事第二十
一條ノ規定ニ違反シ他ノ職業ニ從事シ
タルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第六十六條第十六條ノ規定ニ違反シ農
地開發營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
ヒタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第六十七條主務大臣ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ本法ニ依ル職權ノ一部ヲ地方長
官ニ委任スルコトヲ得
附則
第六十八條本法施行ノ期日ハ各規定ニ
付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十九條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
農地開發營國ノ設立ニ關スル事務ヲ處
理セシム
第七十條設立委員ハ定款ヲ作成シ主務
大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ
出資者ヲ募集スベシ
第七十一條設立委員ハ出資者ノ募集ヲ
終リタルトキハ出資申込書ヲ主務大臣
ニ提出シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ認可ヲ受ケタルトキハ設立委員
ハ遲滯ナク出資第一囘ノ拂込ヲ爲サシ
ムルコトヲ要ス
第七十二條出資第一囘ノ拂込完了シタ
ルトキハ出資者ノ總會ヲ招集スベシ
前項ノ總會終結シタルトキハ設立委員
ハ遲滯ナク其ノ事務ヲ農地開發營團理
事長ニ引渡スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタルト
キハ理事長、副理事長、理事及監事ノ
全員ハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設
立ノ登記ヲ爲スベシ
農地開發營團ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因
リテ成立ス
第七十三條本法ニ規定スルモノノ外農
地開發營國ノ設立ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十四條開墾助成法ハ昭和十七年三
月三十一日限リ之ヲ廢止ス但シ同日以
前ニ同法ニ依ル助成金交付ノ指令ヲ受
ケタル者ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第七十五條登錄稅法中第五條ヲ左ノ如
ノチハ
第五條農地開發營團カ農地開發債劵
ニ付登記ヲ受クルトキハ左ノ區別ニ
從ヒ登錄稅ヲ納ムヘシ
一農地開發債劵又ハ其ノ第二囘以
後ノ拂込
每囘拂込金額千分ノ二
二登記事項ノ變更、消滅又ハ廢止
每一件金十圓
從タル事務所ノ所在地ニ於テ前項
各號ノ登記ヲ受クルトキハ每一件
金二圓ノ登錄稅ヲ納ムヘシ
第七十六條登錄稅法第十九條第七號中
「產業組合」ノ上ニ「農地開發營團、」ヲ、
「產業組合法」ノ上ニ「農地開發法、」ヲ加
ヘ同條第十六號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
十六ノ二農地開發營團カ農地開發
事業ノ爲ニスル土地ノ權利ノ取得
又ハ所有權ノ保存ノ登記
第七十七條印紙稅法第五條第五號ヲ左
ノ如ク改ム
四ノ二小切手
五農地開發營團ノ發スル出資證劵
〔國務大臣石黑忠篤君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=11
-
012・石黒忠篤
○國務大臣(石黑忠篤君) 只今議題トナリ
マシタ農地開發法案提出ノ理由ヲ御說明申
上ゲマス、我ガ國現下ノ諸情勢ニ鑑ミマシ
テ、主要食糧等ノ自給强化方策ヲ確立實行
致シマスコトハ、焦眉ノ急務デアルト信ズル
ノデアリマス、而シテ之ガ實行ニ當リマシ
テハ、長期ニ亙ル日滿支ヲ通ズル綜合的ノ
需給計畫ニ基キマシテ、將來ノ人口增加ニ
伴フ需要ノ增加ニ對處致シマスルノミナラ
ズ、國民經濟ノ圓滑ナル運營ニ必要ナル貯
藏ヲモナシ得ルガ如クニ、各地域ニ於キマ
シテソレ〓〓計畫的增產ヲ圖ルコトガ、最
モ肝要デアルト存ズルノデゴザイマスガ、
內地ニ於キマシテハ、外國等ニ依存スル程
度ヲ可及的少カラシメル方針ノ下ニ、極力
增產ヲ行ヒマシテ、主要食糧等ノ自給强化
ヲ期スルコトガ、喫緊ノ要務デアルト確信
スルノデゴザイマス、仍テ其ノ具體策ニ付
キマシテ、ソレ〓〓考究致シマスルト共ニ、
他方農林計畫委員會等ノ意見ヲモ徵シマシ
タ結果、主要食糧等ノ需給事情ト增產可能ノ
程度トヲ考慮致シマシテ、之ガ增產計畫ヲ
樹立致シタノデゴザイマス、此ノ計畫ヲ達
成スル爲ニハ其ノ重點ヲ耕地ノ擴張及ビ
改良ニ置クコトト致シマシテ、極力農地開
發ニ關スル事業ヲ促進スルノ必要ヲ認メマ
シテ、特殊ノ法人タル農地開發營團ヲ設立
致シ、國家ノ監督ノ下ニ農地ノ造成及改良
事業ヲ計畫的ニ遂行セシムルト共ニ、開墾
其ノ他農地開發ニ關シマスル從來ノ助或施
設ヲモ擴充强化スルコトガ、極メテ肝要デ
アルト考ヘマシテ、玆ニ本法案ヲ提出致シ
マシタ次第デアリマス、何卒御審議ノ上速
カニ御協賛アラムコトヲ御願ヒ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=12
-
013・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
農地開發法案ハ、昭和十二年法律第九十號
中改正法律案ノ特別委員ニ併託セラレムコ
トノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=13
-
014・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=14
-
015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=15
-
016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=16
-
017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第五、木材
統制法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會石黑農林大臣
木材統制法案
右政府提出案本院ニ於テ修正議決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(小字及-ハ衆議院ノ修正ナリ)
木材統制法案
木材統制法
第一條本法ハ木材(薪炭ノ用ニ供セラ
ルルモノヲ除ク以下同ジ)ノ生產ヲ確
保シ其ノ需給ノ圓滑及價格ノ公正ヲ圖
ルコトヲ目的トス
第二條行政官廳木材ノ需給調整上必要
アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ立木ノ所有者ニ對シ價格ヲ指定シ
其ノ所有スル立木ヲ地方木材株式會社
(第十七條第四項ノ場合ニ於ケケ日本
木材株式會社ヲ含ム)ニ賣渡スベキコ
トヲ命ズルコトヲ得
第三條行政官廳木材ノ需給調整上必要
アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ木材ノ生產、販賣、移入又ハ輸入
ヲ業トスル者ニ對シ樹種又ハ材種ヲ指
定シ其ノ生產、販賣、移入又ハ輸入ニ
係ル木材ヲ日本木材株式會社又ハ地方
木材株式會社ニ賣渡シ又ハ販賣ノ委託
ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四條行政官廳木材ノ需給調整上必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ木材ヲ使用又ハ消費スル者ニ對シ
木材ノ樹種又ハ材種ヲ指定シテ其ノ使
用又ハ消費スル木材ノ數量、用途其ノ
他ノ事項ニ付制限又ハ禁止ヲ爲スコト
ヲ得
第五條行政官廳木材ノ需給調整上必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ製材業者ニ對シ其ノ行フ製材ニ關
シ材種其ノ他ノ事項ヲ指示スルコトヲ
得
第六條主務大臣必要アリト認ムルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ木材ノ買入若
ハ賣渡又ハ其ノ代理若ハ媒介ノ業務、
製材業又ハ木材ヲ原料若ハ材料トシテ
使用スル業務ヲ行ハントスル者ニ對シ
行政官廳ノ許可ヲ受クベキコトヲ命ズ
ルコトヲ得
第七條行政官廳ハ前條ノ許可ヲ受ケタ
者ノ行爲ガ本法若ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違
反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞ア
リト認ムルトキハ其ノ許可可ヲ取消シ又
ハ其ノ業務ヲ制限シ若ハ停止スルコト
ヲ得
第八條行政官廳必要アリト認ムルトキ
ハ木材ノ生產、販賣、移入又ハ輸入ヲ
業トスル者其ノ他命令ヲ以テ定ムル者
ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報
告ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物
件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第九條日本木材株式會社ハ木材ノ需給
ノ圓滑及價格ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル
事業ヲ營ムコトヲ目的トスル株式會社
トス
第十條日本木材株式會社ノ資本ハ五千
萬圓トス但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之
ヲ增加スルコトヲ得
第十一條日本木材株式會社ノ株式ハ記
名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又
ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務
ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半
額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若
ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之ヲ
所有スルコトヲ得
第十二條日本木材株式會社ニ非ザルモ
ノハ日本木材株式會社又ハ之ニ類似ノ
名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得ズ
第十三條日本木材株式會社ニ役員トシ
テ社長副社長各一人、理事三人以上及
監事二人以上ヲ置ク
第十四條社長ハ日本木材株式會社ヲ代
表シ其ノ業務ヲ總理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ
行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定
ムル所ニ依リ日本木材株式會社ノ業務
ヲ分掌ス
監事ハ日本木材株式會社ノ業務ヲ監査
ス
第十五條社長及副社長ハ主務大臣之ヲ
命ジ其ノ任期ヲ四年トス
理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ主務
大臣ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期
ヲ三年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ
任期ヲ二年トス
木材事業ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ其ノ職ヲ退キ
タル後五年間日本木材株式會社ノ役員ト爲ルコトヲ得ズ
但シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ此ノ
限ニ在ラズ
第十六條社長、副社長及理事ハ他ノ職
務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ
主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ
限ニ在ラズ
第十七條日本木材株式會社ハ左ノ事業
ヲ營ムモノトス
-木材ノ移入及移出
二移入木材及輸入木材ノ買入及賣渡
三移出木材及輸出木材ノ買入及賣渡
四地方木材株式會社ニ對スル資金ノ
融通又ハ投資
五地方木材株式會社ニ對スル木材ノ
生產ニ必要ナル資材ノ配給
六前各號ノ事業ニ附帶スル事業
七前各號ノ外會社ノ目的達成上必要
ナル事業
日本木材株式會社前項、第六號又ハ第七
號ニ揭グル事業ヲ營マントスルトキハ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
日本木材株式會社ハ其ノ目的達成上必
要アリト認ムルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケ地方木材株式會社ノ所有ニ係ル
木材ノ買入及賣渡ヲ爲スコトヲ得
日本木材株式會社ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ
第三十四條第二項ニ揭グル事業ヲ營ム
コトヲ得
第十八條日本木材株式會社ハ地方木材
株式會社以外ノ株式會社ニシテ木材ヲ
生產、販賣、使用又ハ消費スルモノニ
對シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ資金ノ融通
又ハ投資ヲ爲スコトヲ得
第十九條日本木材株式會社ハ販賣ノ目
的ヲ以テ買入ルル者ニ木材ヲ賣渡スト
キハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ
認可ヲ受ケ其ノ木材ノ販賣ニ關シ必要
ナル事項ヲ指示スルコトヲ得
主務大臣ハ木材ノ配給ノ圓滑又ハ價格
ノ公正ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムル
トキハ日本木材株式會社ヨリ販賣ノ目
的ヲ以テ木材ヲ買入ルル者ニ對シ前項
ノ指示ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第二十條日本木材株式會社ハ商法第二
百九十七條ノ規定ニ依ル制限ヲ超エテ
社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總
額ハ拂込ミタル株金額ノ三倍ヲ超ユル
コトヲ得ズ
社債ヲ募集スル場合ニ於テハ商法第三
百四十三條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ
要セズ
第二十一條日本木材株式會社社債ヲ募
集セントスル場合ニ於テハ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第二十二條日本木材株式會社ノ社債權
者ハ同會社ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先
チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ
有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第二十三條日本木材株式會社ハ每營業
年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ
爲利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立ツベ
シっ
第二十四條主務大臣ハ日本木材株式會
社ノ業務ヲ監督ス
第二十五條日本木材株式會社借入金ヲ
爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ
第二十六條日本木材株式會社ノ定款ノ
變更、利益金ノ處分、合併及解散ノ決
議ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレ
バ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十七條日本木材株式會社ハ每營業
年度ノ事業計畫ヲ定メ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦
同ジ
第二十八條主務大臣ハ日本木材株式會
社ニ對シ木材ノ需給調整上必要ナル事
業ヲ行フベキコトヲ命ジ其ノ他業務ニ
關シ公益上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ
得
第二十九條主務大臣ハ日本木材株式會
社ノ業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
第三十條主務大臣ハ日本木材株式會社
監理官ヲ置キ日本木材株式會社ノ業務
ヲ監視セシム
第三十一條日本木材株式會社監理官ハ
何時ニテモ日本木材株式會社ノ帳簿書
類金庫其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコト
ヲ得
日本木材株式會社監理官必要アリト認
ムルトキハ何時ニテモ日本木材株式會
社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀
況ヲ報告セシムルコトヲ得
日本木材株式會社監理官ハ株主總會其
ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述ス
ルコトヲ得
第三十二條主務大臣ハ日本木材株式會
社ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令
ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又
ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認
ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員
ヲ解任スルコトヲ得
第三十三條日本木材株式會社ノ每營業
年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ
割合ニ達セザルトキハ政府ハ初營業年
度及爾後五年間ヲ限リ之ニ達セシムベ
キ金額ヲ補給スベシ但シ其ノ額ハ拂込
ミタル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合
ニ相當スル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ拂込ミタル株金額ニ對シ年百分
ノ四ノ割合ヲ超過スルトキハ其ノ超過
額ハ先ヅ之ヲ前項ノ規定ニ依ル補給金
ノ償還ニ充ツベシ
初營業年度及爾後五年間ニ於ケル配當
シ得ベキ利益金額ガ拂込ミタル株金額
ニ對シ年百分ノ四ノ割合ヲ超過スルト
キハ其ノ二分ノ一ヲ配當準備ノ爲別ニ
積立ツベシ
第二項ノ規定ニ依リ補給金ヲ償還シ尙
殘餘アリタルトキハ之ヲ前項ノ拂込ミ
タル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ヲ
超過シタル當該營業年度ノ利益金ト看
做ス
前二項ノ規定ニ依ル積立金ハ後營業年
度ニ於ケル第一項ノ規定ニ依ル補給金
ノ計算ニ付テハ之ヲ配當シ得ベキ利益
金ト看做ス
第三十四條地方木材株式會社ハ地方的
ニ木材ノ生產竝ニ其ノ需給ノ圓滑及價
格ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル事業ヲ行フ
コトヲ目的トスル株式會社トス
地方木材株式會社ハ左ノ事業ヲ營ムモ
ノトス
一立木ノ買入及伐採
二木材ノ生產
三木材ノ買入及賣渡竝ニ販賣ノ受託
四前各號ノ事業ニ附帶スル事業
五前各號ノ外會社ノ目的達成上必要
ナル事業
地方木材株式會社前項第四號又ハ第五
號ニ揭グル事業ヲ營マントスルトキハ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
本法ニ依リ設立シタル地方木材株式會
社ニ非ザレバ其ノ商號中ニ地方木材株
式會社ナルコトヲ示スベキ文字ヲ用フ
ルコトヲ得ズ
地方木材株式會社ノ社長及副社長ハ株主總會ニ於テ之ヲ
選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ四年
トス
第十三條、第十四條、第十五條第二項乃
第十一條、第十三條乃至第十六條、第
至第四項、第十六條
十九條、第二十條第二項、第二十一條
乃至第二十九條及第三十二條ノ規定ハ
地方木材株式會社ニ之ヲ準用ス
地方木材株式會社ノ商號及資本ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
六
第三十五條第十九條第二項(前條第五
項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定
ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ一年以下
ノ徵役又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十六條第二條、第三條又ハ第二十
六
八條(第三十四條第五項ニ於テ準用ス
ル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十七條第四條又ハ第五條ノ規定ニ
依ル處分ニ違反シタル者ハ三千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十八條第六條ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
-第八條ノ規定ニ依ル報〓ヲ爲サズ
又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタル者
二第八條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、
妨ゲ又ハ忌避シタル者
第四十條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其
ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第三十五條
乃至第三十八條又ハ前條第一號ノ違反
行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ人
ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其
ノ處罰ヲ免カルルコトヲ得ズ
第四十一條第三十五條乃至第三十八條
及第三十九條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ
法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他法
人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者
又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理
人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者
ト同一ク能力ヲ有スル未成年者ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十二條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ニ處スルコトヲ得ズ
第四十三條日本木材株式會社又ハ地方
木材株式會社左ノ各號ノ一ニ該當スル
トキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ
代理スル副社長ヲ五千圓以下ノ過料ニ
處ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ル
トキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ處スル
コト亦同ジ
-本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第十七條第一項又ハ第三十四條第
二項ノ規定ニ依ラズシテ業務ヲ營ミ
タルトキ
三第二十條第一項ノ規定ニ違反シ社
債ヲ募集シタルトキ
六
四第二十九條(第三十四條第五項ニ
=
於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ
依ル命令ニ違反シタルトキ
第四十四條日本木材株式會社又ハ地方
木材株式會社ノ社長、副社長又ハ理事
六
第十六條(第三十四條第五項ニ於テ準
用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シタ
ルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第四十五條第十二條又ハ第三十四條第
四項ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下
ノ過料ニ處ス
附則
第四十六條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十七條主務大臣ノ指定スル株式會
社(以下指定會社ト稱ス)ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ商法第三百四十三條ニ定ムル
株主總會ノ決議ヲ以テ日本木材株式會
社下爲ルコトヲ得
指定會社前項ノ決議ヲ爲シタルトキハ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十八條主務大臣前條ノ認可ヲ爲シ
タルトキハ設立委員ヲ命ジ指定會社ヲ
日本木材株式會社ト爲ス爲ニ必要ナル
事務ヲ處理セシム
前項ノ設立委員ノ中少クトモ二人ハ指
定會社ノ取締役中ヨリ之ヲ命ズルコト
ヲル 人
設立委員ノ任命アリタル後ハ指定會社
ノ取締役ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ
非ザレバ會社ノ常務ニ屬セザル行爲ヲ
爲スコトヲ得ズ
第四十九條設立委員ハ定款ヲ作成シ主
務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第五十條前條ノ認可アリクルトキハ設
立委員ハ總株式ヨリ指定會社ノ株式ニ
引當テラルベキ株式ヲ控除シタル殘餘
ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第五十一條株式申込證ニハ商法第百七
十五條第二項第二號及第四號乃至第七
號ニ規定スル事項ノ外定款認可ノ年月
日ヲ記載スベシ
第五十二條設立委員ハ株主ノ募集ヲ終
リタルトキハ株式申込證ヲ主務大臣ニ
提出シ其ノ檢査ヲ受クベシ
第五十三條設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受
ケタル後遲滯ナク各新株ニ付第一囘ノ
拂込ヲ爲サシムベシ
第五十四條前條ノ拂込アリタルトキハ
設立委員ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集ス
ベシ
第五十五條創立總會ニ於テハ第十五條
ノ規定ニ準ジ理事及監事ノ選任ヲ行フ
ベシ
第五十六條創立總會終結シタルトキハ
設立委員ハ其ノ事務ヲ日本木材株式會
社社長ニ引渡スベシ
第五十七條日本木材株式會社ノ成立ニ
因リ指定會社ハ之ニ吸收セラルルモノ
トシ指定會社ノ權利義務ハ日本木材株
式會社ニ於テ之ヲ承継ス
第五十八條前條ノ規定ニ依リ指定會社
ガ日本木材株式會社ト爲リタルトキハ
法人稅法、營業稅法及臨時利得稅法ノ
適用ニ關シテハ指定會社ハ之ヲ合併ニ
因リテ消滅シタル法人ト看做シ日本木
材株式會社ハ之ヲ合併ニ因リテ設立シ
タル法人ト看做ス
日本木材株式會社ガ設立ノ登記ヲ受ク
ルトキハ其ノ拂込株金額中指定會社ノ
拂込株金額ニ相當スル部分ニ付テハ登
錄稅ヲ課セズ
第五十九條.商法第百六十七條、第百八
十一條及第百八十五條ノ規定ハ日本木
材株式會社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第六十條第四十七條乃至前條ニ規定ス
ルモノヲ除クノ外指定會社ガ日本木材
株式會社ト爲ル場合ニ於テ必要ナル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一條第四十七條第一項ノ決議ナ
キ場合又ハ其ノ決議ガ效力ヲ生ゼザル
場合ニ於テ日本木材株式會社ノ設立ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
第六十二條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
地方木材株式會社ノ設立ニ關スル事務
ヲ處理セシム
設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ認
可ヲ受ケタル後株主ヲ募集スベシ
創立總會ニ於テハ第十五條及第三十四條ノ規定ニ準ジ社
長、副社長、理事及監事ノ選任ヲ行フベシ
第五十一條乃至第五十四條、第五十六條
第五十一條乃至第五十六條及第五十九
條ノ規定ハ地方木材株式會社ノ設立ニ
關シ之ヲ準用ス
第六十三條本法施行ノ際現ニ日本木材
株式會社若ハ之ニ類似ノ名稱又ハ地方
木材株式會社ナルコトヲ示スベキ文字
ヲ以テ商號ト爲ス會社ハ本法施行後六
月以內ニ其ノ商號ヲ變更スルコトヲ要
ス
第十二條及第三十四條第四項ノ規定ハ
前項ノ期間內之ヲ同項ニ揭グル者ニ適
用セズ
〔國務大臣石黑忠篤君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=17
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018・石黒忠篤
○國務大臣(石黑忠篤君) 只今議題トナリ
マシタ木材統制法案ノ提出理由ノ御說明ヲ
申上ゲマス、木材ハ各種ノ軍用材、石炭其
ノ他ノ鑛物資源開發ノ爲ニシマスル所ノ坑
木、「パルプ」用材、交通通信用材、一般建
築及包裝用材ト致シマシテ、國防上及ビ生
產力擴充上、又國民生活上重要缺クベカラ
ザル物資デゴザイマスルガ、時局ノ進展、
生產力ノ擴充ニ伴ヒマシテ、特殊用途ニ供
セラレルモノノ增加ガ著シクアリマシテ、
最近ニ於キマスル國內ノ需要ハ、事變前ニ
比較致シマシテ正ニ倍加致シマスルヤウニ
相成リマシタト共ニ、用途モ益〓廣汎ニナッテ
參ッテ居ルノデアリマス、又大陸ノ建設ニ伴
ヒマシテ、圓域ニ輸出セラレルモノガ頗ル
增加ヲ致シマシテ、著シイ狀況ヲ呈シテ居
ルノデアリマス、然ルニ木材ノ供給ニ於キ
マシテハ、事變以來外國材ノ輸入ヲ致スコ
トガ困難ニナリマスト共ニ、國產材ハ主ト
シテ內地ニ於キマシテ相當ノ生產增加ヲ見
テ居リマスルガ、國內森林資源ノ狀況、勞
力ノ不足、生產資材ノ配給ノ不十分等ニ依
リマシテ、今後ハ寧ロ漸減ヲ免レザルノ狀
況ニアルト考ヘラレルノデアリマス、從ヒ
マシテ此ノ儘ニ放置ヲ致シマスルト云フト、
今後木材需給ノ不均衡ヲ生ズルノ虞ガアリ
マスルノデ、政府ニ於キマシテハ木材全
般ニ對シマシテ生產、配給及ビ消費ニ關シ
マスル綜合的需給計畫ヲ設定致シマスルト
共ニ、之ガ實施ヲ確實ニ致シマスルガ爲ニ、
木材ノ生產ヲ確保致シ、其ノ集荷配給ノ機
構ヲ整備致シマシテ、木材ノ配給ヲ適正且
計畫的ナラシメ、殊ニ時局下緊急ノ用途ニ
對シマシテ、其ノ供給ニ萬全ヲ期シマスト
共ニ、其ノ價格ノ公正ヲ圖ル爲必要ナル方
策ヲ講ズルノ要緊切ナルモノガアルト考ヘ
ルノデアリマス、此ノ趣旨ニ基キマシテ、
此ノ度木材統制法ノ制定ヲ致サムトスル次
第デゴザイマス、本案ノ內容ノ骨子ト致シ
マス所ハ、第一ニ、新タニ中央及地方ニ特
殊會社ヲ設置致シマシテ、木材ノ生產ヲ確
保致シマスト共ニ、强力且公正ナル集荷配
給ヲ行ハシメマスルコト、第二ニハ、必要
ニ應ジマシテ木材ノ賣買、取引業、製材業等
ニ付キマシテ、許可制度ヲ執リ得ルコトト
致シマシテ、木材ニ關シマスル生產配給機
構ノ一層ノ整備ト、其ノ運營ノ適正合理化
ヲ圖ルコト、第三ニ、木材ノ需給調整ノ萬
全ヲ期シマスル爲ニ、行政官廳ハ木材ノ製
材、使用、消費等ニ關シマシテ、必要ナル
措置ヲ爲シ得ルコトニ致シタ次第デゴザイ
マス、何卒御審議ノ上ニ速カニ御協賛アラ
ムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=18
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019・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
木材統制法案ノ特別委員ハ、此ノ數ヲ十八
名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スル
ノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=19
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020・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=20
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021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=21
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022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、書記官ヲシテ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
木材統制法案特別委員
侯爵德川義親君侯爵中山輔親君
伯爵德川宗敬君子爵北條雋八君
子爵土岐章君子爵本多忠晃君
平塚廣義君岡喜七郞君
男爵山中秀二郞君男爵矢吹省三君
長世吉君男爵北島貴孝君
竹下豐次君佐々木八十八君
米原章三君大谷五平君
秋田三一君柴田兵一郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=22
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023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第六、樺太
開發株式會社法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、別ニ御發言モナケレバ、本
案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第二讀會ヲ開
クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=23
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024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイ認メ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=24
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025・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=25
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027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=27
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028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=28
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029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=29
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030・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=30
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031・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=31
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032・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=32
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033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=33
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034・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第七、重要
機械製造事業法案、日程第八、工作機械製
造事業法中改正法律案、日程第九、日本製
鐵株式會社法中改正法律案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會ノ續、委員長報〓、是等
ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異議
ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長二荒伯爵
〔左ノ報告ハ朗讀ヲ經サルモ參照
ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ倣フ〕
重要機械製造事業法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長伯爵二荒芳德
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
工作機械製造事業法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長伯爵二荒芳德
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
日本製鐵株式會社法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長伯爵二荒芳德
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵二荒芳德君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=38
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039・二荒芳徳
○伯爵二荒芳德君 只今議題トナリマシタ
重要機械製造事業法案、工作機械製造事業
法中改正法律案竝ニ日本製鐵株式會社法中
改正法律案ニ付キマシテ、委員會ノ經過竝
ニ結果ヲ御報告致シタイト存ジマス、委員
會ニ於キマシテハ、是等ノ三案ヲ一括致シ
マシテ、四日間ニ亙リマシテ、或ハ速記ヲ
止メ、或ハ祕密會ヲ開キマシテ審議ヲ致シ
タノデアリマス、特ニ是等ノ法案ノ審議ノ
基礎トナリマス生產力擴充ノ進行狀況、又
機械類ノ歐米ヨリノ輸入セラレマス處ノ狀
浞又現在及將來ニ亙ル鐵鋼需給ノ狀況、
又我ガ國鐵鋼政策ノ進ムベキ方向等ニ付キ
マシテ、熱心ニ聽取檢討ヲ致シタノデアリ
マン、以下是等ノ法案ノ要點ト、委員會ニ
於キマシテ交サレマシタ質疑應答ノ中デ、
主ナモノヲ御報告申上ゲタイト存ジマス、
先ヅ重要機械製造事業法案ハ、機械工業ノ
國防上竝ニ產業上ノ重要性ニ鑑ミマシテ、
今尙海外ニ依存シテ居ル重要機械ノ國產化
ヲ速カニ完成スルト共ニ、一般ニ重要機械
ノ製造技術ノ向上ヲ圖リマシテ、世界ノ最
高水準ニ迄之ヲ引上ゲタイト云フコトヲ目
的トシテ居ルモノデアリマス、其ノ要點ニ
付キマシテハ、重要機械製造事業ニ對シテ
許可制度ヲ採リマシテ、適當ナル指導監督
ヲ致シマシテ、其ノ經營ヲ合理的ナ基礎ニ
置キマシテ、堅實ナル發達ヲ圖ラウトスル
所以デゴザイマス、又更ニ事業確立上困難
ヲ伴ヒマス所ノ特殊ノ機械工業ニ付キマシ
テハ、所得稅、營業稅等ノ免除、又輸入稅
ノ免除、其ノ他各種ノ奬勵助成ノ方策ヲ講
ジタコトデゴザイマス、更ニ許可事業者其
ノ他ニ對シマシテ、機械工業ノ質的向上ヲ
圖リマス爲、例ヘバ技術上ノ協力、設備ノ
相互利用ナドノ措置ヲ講ジ得ル規定ガ設ケ
テゴザイマス、此ノ法案ニ對シマス主ナ質
疑ト致シマシテハ、政府ノ許可ヲ受ケテ行
フベキ諸條項ガアルガ、其ノ政府ト申スモ
ノハ如何ナル主務官廳ヲ指スノカト云フ問
題デゴザイマシタ、此ノ點ニ付キマシテハ、
主トシテ商工省デゴザイマスガ、或ハ電氣事
業等ニ於キマシテハ遞信大臣モ之ニ協議ヲ
致シマスデゴザイマセウシ、又特殊ノモノ
ニ對シテハ、軍部大臣之ニ關與スルト云フ
答辯デゴザイマシタガ、此ノ主務官廳ガ二
三ニ亙ルト云フコトニ付キマシテ、實際ニ
監督指導ノ上ニ手違ヒガ起ルコトハナイカ
ト云フ質問ガアリマシタ、此ノ點ニ付キマ
シテ、政府ハ十分ニ斯カル手違ヒノナイヤ
ウニ考慮致スト云フコトデゴザイマシタ、
又技術ノ公開ニ關シマシテ、其ノ對價ヲド
ウシテ評價スルノカト云フコト、又其ノ公
開ニ關スル規定ヲ濫用スルヤウナ場合ハ、
却テ技術上ノ進步ヲ阻止スル虞ハナイカ、
政府ノ運用ノ方針如何ニ依ッテハ其ノ結果
ヲ起スベキ虞ガアルト云フコトニ付キマシ
テ質問ガゴザイマシタ、之ニ對シマシテ政
府ノ答辯ハ、對價ノ評價ニ付キマシテハ徒
ニ一方的ニ致サナイデ、個々別々ノ場合ニ
付十分具體的ノ事情ヲ聽取シ考慮致シマシ
テ行ハナケレバナリマセヌガ、折角幾多ノ
精神的物質的ノ犠牲ヲ拂ッタ技術上ノ進步
ニ對シマシテハ、深甚ナ注意ヲ拂ッテ、運用
ヲ愼重ニ行ッテ參ルト云フ御返事デゴザイ
マシタ、更ニ本法案ニ關聯致シマシテ、償
却ノ高度化ヲ容易ナラシメルヤウ關係ノ法
規ヲ改正スル意思ハナイカト云フ御質問ガ
ゴザイマシタガ政府ニ於キマシテモ、其ノ
必要ヲ認メマシテ此ノ點ニ付テ目下〓究ヲ
進メテ居ルト云フ答辯デゴザイマシタ、又
政府ハ試驗、〓究ヲ奬勵スル爲ニ、奬勵金、
補償金等ノ如キ金錢的報奬ノ外ニ、特別
方法ヲ執ル意思ハナイカト云フ質問ガゴ
ザイマシタ、例ヘバ外國等ニ於キマシ
テハ、特ニ良イ〓究ヲ致シ又試驗ノ結
果良イ成績ヲ擧ゲマシタモノニ付キマシ
テハ、其ノ會社ノ指導權等ヲ與ヘルト云
フヤウナ例ガアルト云フコトヲ引用セラ
レマシテ、斯ウ云フ方向ニ付テノ質問ガゴ
ザイマシタノデアリマス、政府ハ之ニ對シ
マシテ、特別ノ報奬制度ヲ實施スル爲ニ目
下各方面ニ亙ッテ調査〓究ヲ致シテ居ルト云
フ答辯デゴザイマシタ、次ニ工作機械製造
事業法中改正法律案デゴザイマスガ、其ノ
提案ノ理由ハ、現行法實施以來旣ニ二年半
ヲ經過致シマシテ、其ノ間時局ノ進展ト共
ニ、業界ノ實情モ當時ヨリハ餘程違ッテ參
リマシタ關係カラ、現行法ヲ改正致シマシ
テ、斯業ノ實情ニ卽應スルト共ニ、現下ノ
國家的要求ニ適合セシメヨウトスルノガ目
的デゴザイマス、其ノ改正ノ要點ハ大體次
ノ二點デゴザイマシテ、第一點ハ、工作機
械製造事業ノ許可ヲ受クベキ限度ヲ撤廢致
シマシテ、總テノ工作機械製造事業ニ付テ
許可制ヲ擴ゲマシテ、中小規模ノ工場デアッ
テモ、技術ノ優秀ナルモノニ對シマシテハ
本法ヲ適用致シマシテ、適當ナル指導監督
ヲ加ヘマシテ、我ガ國ノ工作機械工業ハ總
テ本法ノ下ニ一元的ニ統制ヲ致シマシテ、
其ノ整備發展ヲ圖ラムトスルモノデアルノ
デアリマス、第二ノ點ハ、重要機械製造事業
法案中、技術ノ向上、經營ノ合理化ヲ促進
スル爲ノ規定ハ、工作機械製造事業ニ付テ
モ之ヲ設ケタコトデゴザイマス、本改正法
律案ニ關スル質疑應答ノ中ノ重要ナルモノ
ヲ二三申上ゲマスレバ先ヅ本改正ニ依リ
マシテ工作機械製造事業ハ全部許可制トナ
ルノデアリマスガ、許可ヲ受ケラレナイ小
サイ工場等ハ如何ニスルカト云フ質問ガゴ
ザイマシタ、之ニ對シマシテ政府カラハ、
許可ヲ受ケルコトノ出來ナイ工場モ、附則
第二項ノ規定ニ依リマシテ一定ノ期間、ソ
レハ大體五年トスルト云フコトデゴザイマ
シタガ、此ノ期間内ハ從來ノ事業ノ範圍內
ニ於テ事業ヲ繼續スルコトガ出來ルヤウニ
ナッテ居ルサウデアリマス、又其ノ間ニ技術
ノ指導ヲ致シマシテ、出來ルダケ許可ヲ受
ケラレルヤウニ之ヲ向上誘導ヲセシメマシ
テ、萬一技術ノ向上シナイモノハ、部分品
ノ下請工場トシマシテ之ヲ活用セシムル考
デアルト云フ答辯デゴザイマシタ、又工作
機械ノ規格、製作機種ノ分野、機械類ノ分
野ヲ出來ルダケ速カニ決定スルヤウニ、又
其ノ實情ニ卽シテ製造事業者ノ創意ヲ····
創意ト申シマスノハ新シイ者デアリマス、
創意ヲ喪失セシメナイヤウニ十分ニ指導シ
テ貰ヒタイト云フ意見ガ、繰返シテ委員カ
ラ力說セラレタノデアリマスガ、政府モ其
ノ點ニ付キマシテハ十分ノ注意ヲ拂ヒマシ
テ、至急決定ヲ進メテ行ク者デアルト云フ
答辯デゴザイマシタ、次ニ日本製鐵株式會
社法中改正法律案ニ關スル、審議ノ經過ヲ御
報〓致シタイト存ジマスガ、本案ハ現在及
將來ノ世界情勢ニ對應致シマシテ、國防上
又產業上遺憾ノナイコトヲ期シマス爲ニ、日
滿支ヲ通ジテ一貫セル方針ニ基キ、鐵鋼生產
力ノ大擴充ヲ行フコトニ依リマシテ、一 日
モ速カニ東亞共榮圈內ニ於ケル自主的鐵鋼
業ノ確立ヲ圖ラムトスルモノデアリマシ
テ、我ガ國製鐵業界ノ指導勢力タル日本製
鐵株式會社ヲシテ率先シテ之ガ解決ノ推進
力ニサセヨウト云フ意圖ノ下ニ提案サレタ
モノデアリマシテ、高度國防國家體制ニ卽
應スベキ一ツノ緊急法案デアルノデアリマ
ス、其ノ改正ノ要旨ハ次ノ三點デゴザイマ
シテ、第一ニハ前述ノ日滿支ヲ通ジテ
一貫セル方針ノ下ニ鐵鋼政策ノ完遂ヲ期ス
ル爲ニ、日滿支各地ノ主要鐵鋼業者相互
間ノ關係ヲ益〓緊密ニスル其ノ趣旨ヲ以テ、
日本掣鐵株式會社ノ株主ニ關スル資、格要件
ニ關シテ特例ヲ設ケマシテ、外國法人ニモ
同社ノ株式ヲ解放シ得ルヤウニ規定致シタ
ノデゴザイマス、第二ニハ今後ノ生產擴充
計畫ノ遺憾ナキ遂行ヲ期シマス爲ニ、日本
製鐵株式會社ノ資金調達ヲ容易ナラシム
ルノ趣旨ヲ以チマシテ、昨今他ノ國策會
社ニ屢〓見ラレマス所ノ社債發行限度ニ關ス
ル商法ノ規定ニ特例ヲ設ケマシテ、拂込株
金額ノ三倍迄社債ヲ募集シ得ルコトニ致シ
タノデゴザイマス、第三ノ點ニ於キマシテ
ハ日本製鐵株式會社ノ社債權者ハ、同會
社ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先ダチマシテ自
己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ認メテ居ル
ノデアリマス、是ハ社債權者ヲ保護致シマ
シテ、同社ノ資金調達ヲ容易ナラシムル爲
ニ作リマシタモノデアリマス、所謂全般擔
保「ゼネラル·モーゲージ」ノ規定ヲ設ケマシ
タ此デゴザイマス、以上ノ三點ガ本案ノ改
正ノ要旨デゴザイマスガ、委員會ニ於キマ
シテハ次ノヤウナ質問ガゴザイマシタ、今
囘ノ改正法律ノ第五條ノ二ノ規定ニ依リマ
スレバ、社債発行ノ限度ハ拂込ヲ致シマシ
タ株金額ノ三倍トナッテ居ルガ、將來ノ生
產擴充計畫、原料等ノ大量貯藏等ノコトヲ
考ヘマスレバ、右ノ限度ハ低キニ過ギテ居
ラナイカト云フ質問デゴザイマシタ、是ハ
委員カラ外國ノ例ナドヲ引カレマシテ、原
料ノ大貯藏ノ會社ト云フモノガナケレバナ
ラヌト云フコトヲ言ハレマシタノデアリマ
スガ、政府ハ答辯致シマシテ、差當リノ資
金計畫ハ增資、借入金ヲモ考慮ニ入レテ居ツ
テ、社債ノ發行ノ限度ハ右ノ程度、卽チ株
金額ノ三倍ノ程度デ足ルト云フ見込デア
ル但シ將來ノ大擴末計畫等ヲ實行スル際
ニハ、資金ノ上カラモ支障ヲ來スコトノナイ
ヤウニ、有ラユル方面ニ付テ更ニ······業界
ニ諮リマシテ、右ノ目的達成ニ必要ナル特
別ノ組織ヲモ考慮セシメルデアラウト云フ
コトデアリマシタ、業界ノ整理統合ノ問題
ニ關シマシテモ、右ノ組織ヲシテ政府ト
十分連絡ヲ保ッテ具體案ヲ〓究シテ實行
セシメル積リデアルト云フコトデゴザイ
マシタ、次ニ鐵鋼價格ニ關シマシテ、生產
力ノ增强ヲ促ス爲ニ、政策的ニ特別ノ考慮
ヲナス必要ハナイカト云フ質問ニ對シマシ
テハ、鐵鋼ノ價格ニ關シテハ、各方面ニ對
スル影響ガ極メテ大キイカラ愼重ニ對處シ
ナケレバナラヌ、之ガ爲ニ生產力ノ減退ヲ
來サヌヤウニ、關係方面ト協力シテ善處ス
ルコトト致シタイト云フ答デアリマシタ、
尙他ノ委員カラ、鐵ノ價格ニ付テ低物價
政策ヲ採リ、之ヲ低イ限度ニ止メルト云
フコトハ宜イケレドモ、併シ鐵白身ノ價格
ト云フモノハ鐵鋼業ニ大ナル影響ヲ與ヘル
モノデハナイ、縱シ價格ガ高クテモ、其ノ
製造ガ精密ノ度ヲ高ムルニ從ヒマシテ、之ヲ
補フコトガ出來ルノデアルカラ、餘リ低イ
價格ト云フコトニ執著スルコトハ不可デハ
ナイカト云フ質問モゴザイマシタ、之ニ對
シテ政府ハ其ノ點ハ十分ニ承リ置クト云フ
答辯デゴザイマシタ、又高度國防國家ト云
フモノハ自給自足デナケレバナラナイ、之
ニ對シテハ關稅ノ問題ガ最モ重要デアル、
良キ生產物ガ出來テモ、關稅ノ壘壁ガ低イ
トキニハ、外國カラノ輸入ニ依ッテ屢〓、興リ
カケタ產業ト云フモノガ壓迫サレテシマッ
テ、成立ヲシナイト云フコトガアルカラ、
高イ關稅ノ壘壁ト云フモノハ必要デアルト
思フト云フ熱烈ナル御議論ガゴザイマシ
タ之ニ對シマシテモ政府ハ十分傾聽ヲ致
シテ、其ノ說ヲ承リ置クト云フコトデゴザ
イマシタ、以上ガ本特別委員會ノ經過デゴ
ザイマシテ、御報告ヲ致シタ次第デアリマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=39
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040・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=40
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041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=41
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042・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=42
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043・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=43
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044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=44
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045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=45
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046・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=46
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047・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=47
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048・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=48
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049・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=49
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050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=50
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051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=51
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052・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=52
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053・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=53
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054・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十、貸家
組合法案、日程第十一、住宅營團法案、日
程第十二、醫療保護法案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會ノ續、委員長報〓、是等
ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異議
ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=54
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055・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長立見子爵
貸家組合法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長子爵立見豐丸
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
住宅營團法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長子爵立見豐丸
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
醫療保護法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長子爵立見豐丸
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵立見豐丸君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=55
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056・立見豐丸
○子爵立見豐丸君 只今議題トナリマシタ
貸家組合法案外二件ニ付キマシテ、特別委
員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス
委員會ニ於キマシテハ住宅問題竝ニ醫療
保護ノ問題ガ現下喫緊ノ重要問題デアルト
云フコトニ鑑ミマシテ、委員各位竝ニ政府
當局、何レモ熱心ニ質疑應答ヲセラレタノ
デゴザイマスガ、只今之ヲ綜合致シマシテ
其ノ大略ヲ申上ゲタイト存ジマス、先ヅ貸
家組合法案竝ニ住宅營團法案兩案ニ共通ス
ル事項ト致シマシテ、住宅ノ建設上時局下
最モ問題デアル建築用資材ノ供給ノ確保ノ
問題ニ付キマシテハ、特ニ企畫院及ビ商工
省ノ當局カラ、住宅對策ガ軍需ノ充足及ビ
生產力ノ擴充上、又國民生活ノ確保上最モ
緊要ナル問題デアルコトニ鑑ミマシテ、物
資動員計畫上特別ノ措置ヲ講ズル等、是ガ
供給ノ確保ヲ圖ルコトト致シタイト云フ說
明ガゴザイマシタ、又建築技能者ノ拂底ニ
對シマシテハ、其ノ養成施設ヲ講ジ、之ガ
充足ヲ圖ル爲十分努力スルト云フコトデゴ
ザイマス、次ニ住宅政策上ノ根本問題ト致
シマシテ、工場ノ分散、工業立地ニ關シマ
シテハ、內務當局カラ、國土計畫及ビ地方
計畫ノ樹立ニ當リマシテ是等ノ點ヲ十分ニ
考慮スルコトニナッテ居ルト云フ說明ガゴ
ザイマシタ、更ニ集團住宅ノ建設ニ付キマ
シテハ、特ニ時局ニ鑑ミマシテ防空上又衞生
上十分ナル考慮ヲ拂フト云フコトデゴザイ
やく、次ニ貸家組合法案ニ關シマシテ、其
ノ第四條ノ事業命令及ビ第五條ノ統制命令
ノ運用ニ付キマシテハ、濫リニ之ヲ發動シ
ナイヤウ十分注意致シマスト同時ニ、地方
長官ガ其ノ命令ヲ爲ス場合ニハ厚生大臣
ノ認可ヲ受ケルコトヲ要スルモノト致シマ
シテ、運用ノ公正妥當ヲ期スルト云フコト
デゴザイマス、住宅營團法案ニ關シマシテ
ハ現下ノ深刻ナル住宅難ヲ急速ニ打開ス
ル爲ニハ、特別ノ機構ヲ設ケテ、計畫的且大
量ニ住宅ノ供給ヲ行フコトガ必要デアリ、
而モ其ノ特別機構ハ收益ノ關係上民間ノ投
資ヲ期待シ得ナイカラ、政府ノ出資ニ依ル
國策的機構ノ設立ガ必要デアルト云フ說明ガ
ゴザイマシタ、又住宅營團ノ事業計畫ニ關
シマシテ、住宅政策上自己住宅ヲ所有セシメ
ル方針ヲ執ルト云フコトガ、家族制度ノ維持、
資源ノ愛護、住宅經營、經濟ノ安全等、諸
般ノ點カラ見マシテ適當デアルカラ、分讓ノ
方式ヲ原則ト致シタト云フコトデゴザイマ
ス、其ノ他住宅營圍ノ監督ノ方針ニ付キマシ
テ、營團ノ創意ヲ十分ニ發揮セシムルコト
ヲ目標トシテ、些末ナ點ニ無益ナ干涉ヲ行
ハナイヤウニ、大綱的ナ監督ヲ行ッテ行クト
云フコトデゴザイマス、次ニ醫療保護法ハ、
母子保護法及救護法等ニゴザイマス醫療ノ
諸案ヲ一纏メニシタモノデゴザイマシテ、
本法ノ事業者ニ付キマシテハ、市町村及ビ
恩賜叶〓濟生會ハ當然其ノ事業者トナリ、
道府縣、醫師會及齒科醫師會、其ノ他公益法
人及ビ一個人モ、ソレ〓〓事業者トナルコ
トガ出來ルヤウニチッテ居ルノデアリマス
ルシ、尙醫科大學ノ附屬病院ノコトニ付キ
マシテハ、文部當局ト能ク協議ノ上決定ス
ルト云フコトデゴザイマス、又醫療施設及
附帶專業ニ付キマシテハ、成ルベク事業者
ニ之ヲ經營セシメマスルト共ニ、必要アル
トキハ車業者ニ之ガ經營ヲ命ジ、又ハ事業
者相互ノ協定ニ依ッテ之ヲ讓リ渡スコトガ
出來ルヤウニナッテ居リマス、又附帶事業ノ
種類ハ、居宅看護、患者慰安等、所謂病院
社會事業ト稱セラレルモノダサウデゴザイ
マシ、次ニ醫療資材ガ不足シ、是ガ騰貴ス
ルト云フ現況ニ鑑ミマシテ、本法ノ運用ニ
當リマシテハ醫師會等關係方面ト連絡ヲ
密ニ致シマシテ、醫師竝ニ受診者兩方面ニ
不滿ノナイヤウ善處致シタイト云フコトデ
ゴザイマス、尙本法ニ於テハ事業者ニ對ス
ル國稅免除ノ規定ハゴザイマセヌガ、社會
事業ノ特殊性ニ鑑ミテ、之ヲ考慮スル考ハ
ナイカト云フ質問ニ對シマシテハ、十分〓
究ノ上適當ナル措置ヲ講ジタイト云フ答辯
ガゴザイマシタ、又本法ノ施行ニ關聯致シ
マシテ、醫師ノ分布及ビ養成ニ關シテ十分
ナ留意ヲ拂ハレタイト云フ意見ニ對シマシ
テハ、今後出來得ル限リノ努力ヲスルト云
フ御返事ガゴザイマシタ、大體以上ノヤウ
ナ經過ヲ以チマシテ質疑ヲ終リ、討論ニ移
リマシタガ、一議員カラ原案贊成ノ旨ノ發
言ガアリマシテ、採決ノ結果、三案共原案通
リ可決スベキモノナリト全會一致ヲ以テ決
メタ次第デゴザイマス、之ヲ以テ報〓ヲ終
リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=56
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057・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽吾コ) 別ニ御發言モナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=57
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058・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=58
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059・西大路吉光
○子爵西大略吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=59
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060・植村家治
○子爵植対家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=60
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061・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=61
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062・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=62
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063・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ全部ヲ問
題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=63
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064・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=64
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065・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=65
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066・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=66
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067・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=67
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068・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=68
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069・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=69
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070・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=70
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071・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十三、國
民勞務手帳法案、日程第十四、勞働者年金
保險法案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會ノ續、委員長報告、是等ノ兩案ヲ一括シ
テ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=71
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072・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長公爵島津忠承君
國民勞務手帳法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
勞働者年金保險法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月十九日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔公爵鳥津忠承君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=72
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073・島津忠承
○公爵島津忠承君 只今議題ト相成リマシ
タ國民勞務手帳法案竝ニ勞働者年金保險法
案ノ特別委員會ニ於ケル經過ノ大要竝ニ其
ノ結果ヲ御報告申上ゲマス、兩案ニ對スル
特別委月會ハ、前後四囘ニ亙リ開會致シマ
シテ、各委員ハ熱心ニ且愼重ニ審議ヲ致サ
レタノデアリマス、最初ニ政府當局ノ說明
ヲ求メマシテ、次イデ全般的問題ヨリ更ニ
逐條ニ亙ッテ種々質疑應答ガ交サレタノデ
アリマス、先ヅ最初ニ國民勞務手帳法案ヨ
リ御報告ヲ申上ゲマス、本法案ノ〓要ニ付
簡單ニ申上ゲマスト、本法案ノ適用ヲ受ケ
ル者ノ範圍ハ、原則トシテ工場、鑛山及土木
建築、交通運輸、貨物取扱、通信等ノ事業ニ使
用サレル技術者及勞務者ノ總テヲ對象トシ
テ居ルノデアリマス、是等ノ者ハ總テ政府
ノ發行スル國民勞務手帳ヲ所持スルコトヲ
要スルモノデアリマシテ、此ノ手帳ニハ氏
名、年齡、住所、職業ノ種類、經歷、技術
程度、賃銀等ヲ記載セラルヽノデアリマス、
而シテ本法ノ適用ヲ受ケル技術者及勞務者
ハ、國民勞務手帳ノ提出ヲ以テ其ノ使用及
就業ノ要件トシ、使用者ハ從業者ノ提出シ
タ國民勞務手帳ヲ、其ノ使用期間中保管シ、
其ノ使用セザルニ至リマシタトキハ、遲滯
ナク之ヲ本人ニ返還スルノデアリマスガ、
但シ命令ヲ以テ定メル場合、例ヘバ移動防
止ニ特ニ必要トスル事業ニ於テハ技術者
又ハ勞務者ガ自己ノ都合ニ依リ退職スルヤ
ウナ場合ニハ、使用者ハ此ノ手帳ヲ一定期
間返還シナイコトガ出來ルノデアリマス、
併シナガラ國民勞務手帳ハ、從業者ノ爲ニ
ハ就業ノ要件トナル重要ナモノデアリマス
故ニ、使用者ニ於テ不當ニ其ノ返還ニ應ジ
ナイコトニ依ッテ就業ヲ妨ゲラルヽコトノナ
イヤウ、此ノ返還ニ關シ、行政官廳ニ於テ
十分ノ監督ヲ爲スコトニナッテ居リ、又從業
者ハ手帳ノ返還ニ關シ異議アルトキハ、國
民職業指導所長ニ其ノ旨申立ツルコトヲ得
ルノデアリマス、以上ハ本法案ノ大要デア
リマスガ、次ニ質疑應答ノ主ナルモノ二三
ヲ御報告申上ゲマス、質問ノ第一ハ、本法
ノ實施ニ當リ使用者ガ不當ニ手帳ノ返還ヲ
シナイ場合、從業者ノ就職ニ差支へルコト
ハナイカトノ質問デアリマス、之ニ對シマ
シテ政府ハ、使用者ガ手帳ヲ返還シナイコ
トヲ得ル場合ハ命令ヲ以テ明確ニ規定シ、
萬一使用者ガ不當ニ手帳ヲ返還シナイ場合
ニ於テハ、從業者ハ異議ノ申立ヲ爲シ、審
査ヲ受ケルコトガ出來ルノデアリマス、國
民職業指違所長ノ裁定ニ依リ手帳ヲ返還ス
ベキモノト認メタトキハ、使用者ニ對シ返
還ヲ命ズル外、必要ノ場合ハ國民勞務手帳
ニ代ル證明書ヲ發行シテ、其ノ就業ニ差支
ナイヤウニスル旨ノ答辯ガアリマシタ、質
問ノ第二ハ、本法ノ施行ニ依リ國民職業指
導所ノ所長ハ勞務手帳ノ返還等ニ關シ、裁
定其他直接其ノ衝ニ當ルモノデアルガ、現在
ノ指導所ノ數及指導所長ノ地位ハドウデア
ルカトノ質問ニ對シマシテ、政府ハ、現在ノ
指導所ノ數ハ三百七十八、其ノ中百七十箇
所ノ所長ハ高等官待遇ノ主事、他ハ判任官
待遇ノ主事補ガ之ニ當ルトノ答辯デアリマ
シタ、之ニ關シ一委員ヨリ、政府ハ本法ノ
實施ニ關シ、特ニ其ノ直接衝ニ當ル指導所
長ノ人選ニ關シ、十分愼重ニサレタイトノ
希望ガアリマシテ、政府ニ於テモ全ク同感
デアリ、十分愼重ヲ期スル旨ノ答辯ガアリ
マシタ、質問ノ第三ハ、本法第五條ノ但書
「命令ノ定ムル場合」トアルハ如何ナルモノヲ
指スカトノ質問ニ對シマシテ、政府ハ第一
條ニ揭ゲテアル事業ノ中、特ニ勞務者ノ移
動ヲ防止シナケレバナラナイ現在移動防止
令ノ適用ノアル軍需工業竝ニ生產力擴充等
時局ニ最モ必要ナル事業ヲ厚生大臣ガ指定
シ、是等ノ事業ニ從事スル者ガ、自己ノ勝
手ニ退職セムトスル場合、其ノ手帳ノ返還
ヲナサズ留置ガ出來ルコトニナルノデアル、
但シ移動防止令デ重要テ事業ニ雇入レノ認
可ヲ受ケタ者ニ雇ハレル者、其ノ他已ムヲ
得ザル事由ニ依ッテ他ニ轉ズル場合ニハ、
手帳ノ留置ハ出來ナイヤウ規定スル考デ、
其ノ留置シ得ル場合ヲ極ク限定シ、且明白
ニ規定スル考デアルトノ答辯デアリマタ、
質問ノ第四ハ)本法ト國家總動員法第六條
ノ規定ニ基ク從業者移動防止令トニ關スル
質問デアリマス、之ニ對シマシテ政府ハ、
勞働者ノ移動防止ニ付、其ノ移動ノ防止ト
云フコトノ實體ハ移動防止令、總動員法中
ノ規定ニ依ッテ定メラルベキモノデアッテ移
動ヲ防止スル方法トシテ、卽チ其ノ運用ガ
此ノ手帳ニ依ッテ手續的ニ確カメラレルノ
デアリマス、國民勞務手帳ノ制度ハ、單エ
勞働者ノ移動防止ヲ目的トシタモノデハナ
ク平戰兩時ヲ通ジ、勞務ノ配置狀況ヲ明カ
三ソ、勞務行政及勞務管理ノ基確ヲ確立ス
ル根本的制度デアッテ、之ニ基キ移動防止、
賃金規制、失業對策其ノ他各種ノ勞務對策
ガ講ゼラレルノデアル、例ヘバ今後行ハル
ベキ勞働者年金保險制度ニ於テモ是迄勞務
者ニ關シ其ノ過去ノ經歷ヲ公ニ證明スルヤ
ウナ制度ハ、從來一ツモナイノデアッテ、勞
務行政ト云フモノノ完璧ヲ期スル爲ニハ
勞務者ノ身上ト云フモノガ明確ニ分ッテ居
ナケレバナラナイノデアル、其ノ意味ニ於
テ勞務手帳制度ソレ自體ダケデ、我ガ國ノ
勞務行政ノ基礎ガ玆ニ確立スルト考ヘルト
ノ答辯デアリマシシタ、斯クシテ質問ヲ終
リマシテ對論ニ移リマシタ處、一委員ヨリ
本法案ハ目下我ガ國ノ當面セル時局下ノミ
ナラズ、平戰兩時ニ亙リ勞務行政ヲ行フ上
ニ其ノ基礎ヲ成ス重要ナモノデアッテ、極メ
テ適切ナモノト考ヘルガ、唯本法ノ實施ニ
當リ、其ノ運用ヲ誤レバ必要以上ニ勞務者
ヲ拘束スルコトトナル惧ガナイデモナイノ
デアッテ、又此ノ實施ニ當ッテハ直接其ノ衝
ニ當ル者ノ指導〓養ニ十分考慮セラレタイ
希望ヲ以テ、本案ニ贊成スル旨ヲ述ベラレ、
更ニ一委員ヨリハ、本法ノ運用ニ當ッテハ、
濫リニ法律ノミヲ以テ人ヲ律スルコトナク、
能ク人心ノ機微ヲ察シテ法ノ運營ニ當ラナ
ケレバ、却テ立法ノ大目的ヲ失フコトニナ
リアス故ニ、當局ニ於カレマシテハ十分ニ
此ノ間ノ事情ヲ諒察サレ、運用上十分ノ注
意ヲ願ヒタイ旨希望シ、贊成スルトノ發言
ガアリマシテ、次イデ採決ニ入リ、本案ハ
全會一致ヲ以テ、可決ニ相成ッタモノデアリ
やっく、次ニ勞働者年金保險法案ニ付御報〓
申上ゲマス、本法案ハ、老齢、癈疾又ハ死
亡ガ勞働者ニ取ッテ生活上ノ脅威デアルニ鑑
ミマシテ、年金保險ノ制度ニ依リ、其ノ生活ヲ
保障シ、生產力擴充ノ基本タル勞働力ノ保善
增强ヲ圖リ、產業能率ノ增進ヲ期シ、以テ高
度國防國家體制ノ確立ニ貢獻セムトスルモ
ノデアリマシテ、以下法案ノ內容ニ付キマシテ
極ク簡單ニ其ノ〓略ヲ申述べタイト思ヒマ
ス、本法ニ於キマシテハ、被保險者ノ老齡、
癈疾、死亡又ハ脫退ニ際シマシテ保險給付ヲ
爲スモノデアリマス、卽チ被保險者タリシ期
間二十年以上ノモノガ、老齡デ退職スル場
合ハ終身養老年金ヲ、又不慮ノ災厄デ癈疾ト
ナリマシタ場合ハ、其ノ程度ニ應ジ、或ハ
一時金ヲ或ハ終身癈疾年金ヲ支給シ、又死
亡ノ際ハ其ノ遺族ニ一定期間遺族年金ヲ支
給スルモノデアリマス、尙又養老年金ヲ受
ケ得ル資格取得前ニ脫退シタト云フ場合ニ
ハ、其ノ被保險者デアッタ期間ニ應ジテ脫退
手當金ヲ〓給スルコトニナッテ居ルノデア
リマス、但シ被保險者デアッテ鑛山ニ於テ常
時坑內作業ニ從事スル勞務者ニ付キマシテ
ハ、其ノ勞働事情ノ特殊性ニ鑑ミ、保險給
付ノ條件ヲ十五年トシ、更ニ特別ノ場合ニ
ハ十二年デ、年金取得ノ資格ガ與ヘラレル
コトニナッテ居リマス、本保險ノ保險料ハ、
被保險者ト事業主トニ於テ折半負擔スルモ
ノデアリマシテ、被保險者ノ範圍ハ、健康
保險ノ强制被保険者ト同一デアリマスガ、
常時十人未滿ノ勞働者ヲ使用スル工場等ニ
使用セラレル者、及女子勞働者ハ之ヲ除外
サレテ居ルノデアリマス、尙本保險ハ多額
ノ積立金ヲ管理運用スル點ニ鑑ミ、其ノ保險
者ハ基礎ノ最モ鞏固デアル政府トシ、又本
保險ハ長期保險デアル關係上、國庫ハ每年
度豫算ノ範圍內ニ於テ本保險ノ事務執行ニ
要スル費用ヲ負擔シ、更ニ保険給付ノ一部
ヲモ負擔シマシテ、事業主及勞務者ノ負擔
ノ輕減ヲ圖ルノデアリマス、以上ガ本法ノ
大要デアリマス、次ニ委員會ニ於ケル質疑
ノ主ナルモノニ付テ御報告申上ゲマス、質
問ノ第一ハ政府ハ工業的企業ノ勞働者ノ
ミナラズ、農業、商業等ノ使用人其ノ他所謂
精神的勞務者等ニモ、將來養老年金ノ制度
ヲ創設スル考ハナイカトノ質問ニ對シマシ
テ、政府ハ、時局ニ鑑ミ工場、鑛山等今日
非常ニ急ヲ要スル方面ヨリ先ツ始メルコト
トシタノデアリ、商業、農業其ノ他ノ方面
ニ付テハ將來十分〓究スル旨、ノ答辯ガアリ
マシタ、質問ノ第二ハ、本制度ハ健康保險
法又ハ船員保險法ヲ改正シ、是ト合シテ同
一ノ一ツノ制度トスルコトハ出來ナイカト
云フ質問ニ對シマシテ、政府ヨリ、健康保
險トハ女子勞務者ノ强制被保險者ヨリノ除
外、保險者ノ限定等、事情ヲ異ニスルモノ
ガアルノデ、是ト同一立法トスルコトハ困
難デアリ、又船員保險法ハ船員法ト關聯シ
テ規定サレテ居ル關係上、本制度ノ如ク一
般勞働者ニ關スル制度ト合シテ同一ノ法制
ノ中デ立法スルコトハ適當デナイト考ヘル
トノ答辯デアリマシタ、質問ノ第三ハ、被
保險者及事業主ハ保險料ノ負擔ニ堪ヘ得ル
ヤトノ質問ニ對シマシテ、本保險ノ保險料
ハ、一般被保險者ニ關シテハ賃金ノ約百
分ノ三程度ヲ、被保險者及事業主ガソレ
ゾレ負擔スルモノデアリ、一般ノ事業主カ
ラ言ヘバ、生產費ノ約千分ノ三位ニ當ルニ
過ギナイ程度ノモノデアリマスカラ、此ノ
程度ノ負擔ハ左ノミ困難ナモノデハナイト
考ヘラレル旨ノ答辯デアリマシタ、質問ノ
第四ハ、現ニ老齡ニ達シテ居ル者ハ實質上
養老年金ノ恩典ヲ受ケ得ナイデハナイカト
ノ質問ニ對シマシテ、政府ハ是等ノ人々
ニ付テハ過去ノ〓業年數、賃金等ノ狀況ノ
不明ナルコト、又勞働者ヲシテ過去ノ分ノ
保險料ヲ一時ニ拂込マシムルコトノ困難ナ
ルコト等ノ實情ヨリ、全部ノ關係ニ於テ本
制度ヲ遡及的ニ適用スルコトハ不可能デア
ルガ、是等ノ人々ニ於テモ、癈疾給付及脫
退給付ノ制度ハ一般ノモノト異ル所ナク其
ノ適用ガアルコトハ勿論、特ニ脫退手當金
ノ支給ニ關シテハ、過去ノ勤續年數等ヲ
參酌シ、其ノ支給條件ヲ緩和シ且支給
額ノ增加ヲ圖ッテ居ル旨ノ答辯デアリマ
シタ、質問第五ハ、本制度ト退職積立金
及退職手當法トノ關係如何トノ質問デア
リマス、之ニ對シマシテ、退職積立金
及退職手當法ニ依ル手當ハ、退職時ニ於ケ
ル勞働者ノ經濟生活ヲ一時的ニ保護スルコ
トヲ目的トスルモノデアッテ、謂ハバ失業對
策施設ノ性質ヲ有スルモノデアリ、本制度
トハ其ノ目的及效果ヲ著シク異ニスルモノ
デアル、又本制度ノ脫退手當金ハ、養老年
金ノ支給ヲ受ケ得ナイ者ニ對シ、從來本人
ノ掛ケタ保險料ヲ掛ケ捨テニサセナイ趣旨
ノモノデアッテ、退職手當法ノ退職手當トハ
全ク其ノ性質ヲ異ニシテ居ルモノデアル
併シナガラ退職積立金及退職手當法ノ中、
勞働者ノ醵出ニ係ル退職積立金ノ部分ハ、
全ク貯蓄的ノ性質ノモノデアリ、又本制度
モ貯蓄的分子ヲ含ンデ居ル制度デアッテ、此
ノ點兩者稍〓、重複スル感ガアリマスノデ、勞
働者ノ負擔及事業主ノ事務手續上ノ負擔ノ
輕減ヲ考慮シテ、勞働者ノ同意ヲ得テ其ノ
積立ヲナサヾルコトガ出來ルヤウニ致シテ
居ルトノ答辯デアリマシタ、此ノ外積立金
ノ運用方法、遺族年金支給ヲ十年トナシタ
理由、其ノ外色々ノ質問ガアリマシタノ
デアリマスガ、詳細ハ速記錄ニ依リ御承知
ヲ願ヒタイト存ジマス、質問ヲ終リマシテ、
討論ニ入リマシタ處二名ノ委員ヨリソレ
ゾレ現下ノ時局ニ鑑ミ、本制度ノ實施ハ生
產力ノ活キタ原動力タル勞働者ニ對シテ、
精神的方面ヨリ見テモ少カラザル好影響ヲ
與ヘルモノデアッテ、出來得ル限リ速カニ之
ヲ實施スルノ要ガアル、本制度ノ趣旨ニ鑑
ミ、福社施設ハ大イニ之ヲ活用シ、又積立
金ノ運用ニ付テハ十分留意スルヤウ希望
シ、本案ニ贊成スル旨述ベラレマシテ、次イ
デ採決ノ結果、本法案ハ原案通リ全會一致
ヲ以テ可決ニ相成ッタ次第デアリマス、以上
御報〓ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=73
-
074・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=74
-
075・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=75
-
076・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=76
-
077・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=77
-
078・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=78
-
079・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=79
-
080・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報〓通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=80
-
081・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=81
-
082・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=82
-
083・植村家治
○子爵植村家治君 賛成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=83
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084・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=84
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085・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=85
-
086・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 兩案ノ第三讀會
ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=86
-
087・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=87
-
088・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十五、恩
給法中改正法律案、日程第十六、義務〓育
費國庫負擔法中改正法律案、日程第十七、
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定ノ整
理ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會ノ續、委員長報告、是等ノ三案ヲ
一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイ
マセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=88
-
089・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長鷹司公爵
恩給法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月十九日
委員長公爵鷹司信輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月十九日
委員長公爵鷹司信輔
貴族院議長伯爵松平賴壽段
小學校令ノ改正ニ伴フ恩給法等ノ規定
ノ整理ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月十九日
委員長公爵鷹司信輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔公爵鷹司信輔君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=89
-
090・鷹司信輔
○公爵鷹司信輔君 只今議題ト相成リマシタ
恩給法中改正法律案、義務〓育費國庫負擔
法中改正法律案、小學校令ノ改正ニ伴フ恩
給法等ノ規定ノ整理ニ關スル法律案、此ノ
三件ハ、第一讀會ノ初頭ニ於キマシテ、政
府當局ヨリ御說明ガアリマシタカラ、此處
デ詳述スルコトハ省略致シマスガ、大體ノ
趣旨ヲ申上ゲテ置キマス、支那事變ヲ契機
ト致シマシテ、陸海軍デハ下士官以下ノ軍
人ニ對シ、傷病年金ヤ傷病賜金ヲ給スル程
度ノ傷病ノ中デモ、兵役ヲ免ゼヌ者ヲ生ジ
マシタノデ、是等ノ軍人ニ對シ、傷病年金
又ハ傷病賜金ヲ給スル場合ニ、兵役ヲ免ゼ
ラレタコトヲ條件トスル現行法ノ特別ノ條
件ヲ削除シ、又事實上ノ婚姻關係ニアル遺
族ノ扶助料權ヲ喪失セシムル場合ニハ、恩
給審査會ニ諮問セズ、裁定官廳單獨ニ之ヲ
喪失セシムルコトガ出來ルヤウニ致シマシ
ク、更ニ小學校令ヲ國民學校令ニ改正シテ、
昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ實施セラレマ
スノデ、前述諸法案中ノ現行小學校令ノ規
定ヲ引用シテ居ル條文等ニ對シ、ソレ〓
之ヲ改正法ノ規定ニ置キ換ヘル等ノ條文、
又陸軍兵長及副看守長ノ制度ノ制定、後備
役及女監取締ノ廢止ニ伴フ諸規定ノ整備ニ
アルノデゴザイマス、此ノ改正案ノ委員會
ハ二月十八日及二月十九日ノ二日ニ亙リ
開會致シ、先ヅ正副委員長ノ互選ヲナシ、
引續イテ審議ニ移リ、種々質問應答ガアリ
マシタガ、例ヘバ恩給額ハ最近異常ノ增加
ヲ見セテ居ルガ、之ニ對シテ政府ハ如何ナ
ル考ガアルカト云フニ對シマシテ、政府ニ
於キマシテハ、常ニ此ノ事ニハ考慮シテ居
ル、例ヘバ昭和八年ニ普通恩給最短年限ノ
延長、若年者及高額所得者ノ恩給ノ一部停
止、恩給國庫納金ノ增率等ノ規定ヲ設ケマ
シテ、其ノ後又昭和十五年ニハ若年者及高
額所得者ノ恩給ノ停止率ヲ增加シ、或ハ種
種ノ加算ヲ整理致シマシテ、國庫負擔ノ輕
減ヲ企圖シテ居ルト云フ答デゴザイマシタ、
一委員曰ク、又一部停止ヲ行ッテ居ルガ其ノ
狀況ハ如何ト云フ質問ニ對シマシテ、政府
ハ、若年者ノ恩給ノ一部停止ハ、之ニ該當
スル者ハ主トシテ陸海軍ノ下士官兵デアル
ノデ、急激ナ實施ハ困難デアルノデ、改正
法實施當時ニアリマシテハ、其ノ當時在職
シテ居ル者ニハ之ヲ適用セズ、改正法施行後
ニ新タニ就職スル者ニノミ適用スルコトニ
シタ、又高額所得者デ恩給ノ一部停止ヲ受
ケテ居ル者ハ、本年デハ約二千五百人アリ
マシテ、停止額ハ大體百萬圓位デアルト云
フ答デアリマシタ、尙是等ノ外、國民學校
ト云フモノハドウ云フ制度デアルカ、其ノ
他色々ナ質問ガゴザイマシタガ、是ハ速記
錄ニ讓ッテ御了承ヲ願ヒタイト存ジマス、質
問ガ終リマシテ、討論ニ入リマシテカラ、
原案ニ贊成ノ旨ヲ述ベル一、委員ガゴザイマ
シテ、異存ナク全會一致ヲ以テ原案通リ可
決スルコトニ決定致シマシタ、以上ヲ以テ
簡單ナガラ御報告ヲ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=90
-
091・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=91
-
092・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=92
-
093・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=93
-
094・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=94
-
095・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=95
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096・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=96
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097・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ナケレバ、全部ヲ問題
ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=97
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098・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=98
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099・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=99
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100・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=100
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101・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=101
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102・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽壽) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=102
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103・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=103
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104・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=104
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105・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十八、外
國爲替管理法改正法律案、日程第十九、不
動產融資及損失補償法中改正法律案、日程
第二十、臨時資金調整法中改正法律案、日
程第二十一、兌換銀行劵條例ノ臨時特例ニ
關スル法律案、日程第二十二、朝鮮銀行法
及臺灣銀行法ノ臨時特例ニ關スル法律案、
日程第二十三、朝鮮銀行法中改正法律案、
日程第二十四、臺灣銀行法中改正法律案、
日程第二十五、產業組合中央金庫特別融通
及損失補償法中改正法律案、日程第二十
六、輸出補償法中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、
是等ノ九案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=105
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106・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長深尾男爵
外國爲替管理法改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
不動產融資及損失補償法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時資金調整法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
兌換銀行劵條例ノ臨時特例ニ關スル法
律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮銀行法及臺灣銀行法ノ臨時特例ニ
關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮銀行法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臺灣銀行法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
產業組合中央金庫特別融通及損失補償
法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
輸出補償法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長男爵深尾隆太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=106
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107・深尾隆太郎
○男爵深尾隆太郞君 只今上程ト相成リマ
シタ外國爲替管理法改正法律案外八案ニ付
テ委員會ニ於テ聽キ取リマシタ政府ノ說明
ノ大要ト、之ニ對スル質疑應答ノ〓略竝ニ
其ノ審議ノ結果ヲ御報告申上ゲマス、第一、
外國爲替管理法改正法律案、說明、本法案
ハ最近ノ國際情勢ニ於キマシテ列國ハ其
ノ國防計畫ニ依リ、經濟力ノ充實ニ對シ懸
命ノ努力ヲ致シテ居リマス、其ノ一端トシ
テ爲替管理ニ徹底的ナル方策ヲ執ルニ至リ
マシタノニ對應シテ、我ガ國現行法ノ不備
ノ點ヲ補充〓備シ之ヲ强化セムトスルモノ
デアリマス、而シテ今囘補强セラレマシタ
主ナル點ヲ綜合シテ申上ゲマスルト、外國
居住者、本邦ニ居住スル外國人、外國系本
邦法人等ノ、本邦內ニ於ケル財產ニ關スル取
引、爲替銀行ヲ通ゼザル對外決濟ノ爲ノ取
引等ヲ禁止又ハ制限スルコト、外國居住者
ニ對スル、又ハ其ノ爲ニスル債權ノ取立、
取立依賴、若シクハ其ノ引受ヲ禁止又ハ制限
スルコト、在外財產又ハ外貨資產等ニ關シ
統制ヲ加へ得ルコト、外國トノ決濟又ハ外
國間ノ決濟ニ關シ、其ノ方法、條件、其ノ他
必要ナル事項ヲ命ジ得ルコト、其ノ他爲替管
理上必要ナル帳簿ノ備付ヲ命ジ、又ハ本法
ニ基ク命令違反事件ニ關シ、訊問、搜査、
若シクハ差押權ヲ賦與スル規定及罰則ノ規
定等ノ制定デアリマス、之ニ對スル質疑應
答、問、本法ニ在ル外國人ニ對シ、本邦內ニ
於テ財產ノ取得、處分、預金ノ引出シ、又
ハ貸金ノ囘收等ヲ制限又ハ禁止スルコトハ
外國ヨリ報復ヲ受クル虞ナキヤ、答斯ク
ノ如キ法令ハ既ニ外國ニモ多々アリ、現在
英國ノ爲替管理令ニ依リ我ガ磅資金ハ隨分
不自由ヲ體驗シテ居ル有樣デアル、併シナ
ガラ我ガ國ニ於テハ本條項ハ輕々ニ發動ヲ
避ケ、今後他ノ國ニ於テ、我ガ國ノ其ノ國
ニ在ル財產ニ付テ大イナル壓迫ヲナスヤウ
ナ場合ニハ、此ノ立法ニ依リテ當方ニ於テ
モ報復ヲナシ得ルコトヲ示シ、以テ最惡ノ
場合ニ陷ルコトヲ未然ニ防止セムトスル考
ヘデアル、問、在外財產又ハ外貨資產ノ處分
一付、政府ノ命令ニ從フ爲損失ヲ蒙ル場合
ハ補償セラルヽヤ、答別途提出豫算中、
外國爲替損失補償金トシテ五億圓ヲ豫算外
國庫ノ負擔トシテ計上シアリ、之ニ依ッテ補
償ヲナス積リデアル、間爲替銀行ヲ通ゼ
ザル對外取引決濟ニ付テ禁止、制限ノ項目
ガアルガ、內外各地ニ營業所ヲ有シテ居ル
者ガ、其ノ社內ニ於テ決濟スルモノニ對シ
テハ如何、答、社内決濟ノ一々ニ對シ之ヲ
許可事項トスルコトハ、徒ニ事務ヲ繁多ニ
スルノミデアルカラ、實際ニ當ッテハ、是
等ノ大商社、汽船會社、保險會社ノ如キニ
對シテ、便宜包括許可ノ如キ廣キ範圍ニテ
決メル考デアル、問、政府ハ帳簿ノ備付ヲ
命ズルトアルガ如何ナルモノカ、答本條
ニテ企圖スル所ハ、先ヅ外國人商社ニ於テ
日本語ニテ記入ノ帳簿ヲ備付ケシムル程度
ノモノデアッテ、日本商社ニ對シテハ特別ノ
帳簿ヲ備付ケシムル考ハナイ、問、政府ハ
外國爲替取引ヲ統一、一元化スルコトヲ企
圖セラレテ居ルト聞クガ、從來數箇ノ爲替
取引銀行ハ、各〓別箇ノ領域ヲ有シテ營業シ
テ來ッタモノデアル、之ヲ一元化スレバ其
ノ妙味ヲ失フコトトナラヌカ、答各銀
行ガ貿易業者又ハ外國ニ於ケル取引關係先
ニ付テモ別々ノ系統ヲ有シ居ル點ハ、十
分尊重活用スベキコトト思フ、併シナガ
ラ昨今ノ逼迫セル情勢ニ依ッテ、追々樣子ガ
變ッテ來ル節モアルコト故、雙方睨ミ合
セ、從來ノ利點ヲ失ハズシテ新常勢ニ對應
スルヤウ考ヘタイ、間、罰則中ニ、本法ニ
基キ發スル命令ニ依リテ爲ス處分ニ附シ
タル條件中ニ違反スルトキハ處罰セラル
ルコトトナリ居ルガ、右條件ト稱スルモノ
ハ隨分細カイ各種ノ點ガアルト思フ、其ノ
違反デ重罰ヲ科セラルヽコトデハ當事者ハ
不安デアルト思フ、答御尤モノ次第デア
ル、當事者ガ條件ノ違反カ否カニ惑フコト
ナキヤウ條件ヲ明瞭ニスル考ヘデアル、問、
國防保安法第十六條ニ「外國ニ利益ヲ與フ
ル目的ヲ以テ犯シタル左ニ揭グル罪ニ關ス
ル事件ニモ適用ス」トアリ、其ノ中ニ外國
爲替管理法モ記サレテアル、外國貿易ナル
モノハ元來自他共ニ益スルモノデアルカラ、
外國ニモ利益ヲ與フルモノデアルコトハ當
然デアル、ソレ故ニ卒然此ノ條文ヲ讀ムト
キハ、貿易業者ガ圖ラズ爲替管理法ニ違反
シタル際ニハ此ノ保安法ノ嚴罰ガ適用セラ
ルヽヤニモ考ヘラレ、貿易業者ガ不安ヲ感
ズルコトニナッテハ影響スル所大ナリト思
フ、當局ノ所見如何、答、保安法ニ於ケル此ノ
項ハ敵性國家ノ國內惑亂ノ謀略行爲、之ヲ大
別スレバ思想謀略、宣傳謀略、破壞謀略、經
濟謀略デアル、之ヲ防グ爲ニ定メラレタモノ
デアル、而シテ「外國ニ利益ヲ與フル目的ヲ
以テ」ト明記シテアル、卽チ左樣ナ動機ニ依
リ違反ト云フ罪ヲ犯シタトキニ限ラレテ居
ルノデアル、決シテ善良ナル貿易業者ニ脅
威ヲ與フル虞ハナイコトト信ズル、此ノ外
祕密會ニ於テ數多ノ質疑應答ガアリマシタ、
第二、不動產融資及損失補償法中改正法律
案、本法案ハ現下經濟界ノ情勢ニ鑑ミ、金
融ノ圓滑ヲ計ル爲ニ融資銀行ガ不動產ヲ擔
保トスル資金融通ノ期限ヲ延長セムトスル
モノデアリマシテ、融通ヲ爲スコトハ現行
法ニ於テ其ノ施行ノ日ヨリ九年トアルヲ十
二年ニ、融通ノ期限ハ同ジク十八年トアル
とヲ二十一年ニ各〓三箇年ヲ延長スルモノデア
リマス、之ニ對スル質疑、問、今日ニ於テ
ハ大體整理ノ付キ得ルモノハ整理セラレ、
利用者モ少イヤウデアルカラ、此ノ上更ニ
延長ノ要ハナイノデハナイカ、答是ハ議
論ノアル點デ、御意見ト反對ニ、立法當時
ノ趣旨ニモアル通リ本邦ノ銀行ハ不動產金
融ニ放資スル場合ガ多イ實情ニ鑑ミ、寧ロ
恆久法トシタ方ガ宜イノデハナイカトモ考
ヘラレル、尙〓究ノ餘地ガアル故ニ、今囘
ハ取敢ズ三箇年延長トシタモノデアル、又
今日ハ御指摘ノ通リ利用者ハ少イノデアル
ガ、此ノ法ノアル爲、地方人心安定ヲ得テ
居リ、之ヲ廢スルコトハ不安ヲ釀ス虞ナシ
トシナイ、尙又今日利用者ノ少イノハ數
年來農村好景氣ニ依リ續々償還ガ行ハレテ
居ル爲デアリ、現狀ニテ見ル時ハ、最早必
要ナシトモ感ゼラレルガ、又必要トスル場
合モ生ジ來ルトモ思ハレル、其ノ他デアリ
マス、第三、臨時資金調製法中改正法律
案、本法ハ現下ノ情勢ニ於テ生產擴充資金
其ノ他時局ニ必要ナル資金ノ供給ヲ圓滑ナ
ラシムルト、一方國民貯蓄ノ增强ヲ圖ルノ
要益〓緊切ナル爲ニ、資金充實ニ付キマ
シテ、日本興業銀行ニ對シ、現行規定ノ制
限外債劵發行高十億圓ヲ二十億圓ニ改メ、
貯蓄增强ニ付テハ、日本勸業銀行ニ對シ現
行ノ收入金五億圓ニ達スル迄、貯蓄債劵ヲ
發行シ得ル規定ヲ十億圓ト改ムルモノデ
アリマス、質疑、問、十億及ビ五億增加ス
ル根據如何、答、現在政府保證ノ興業債劵發
行餘力ハ二億餘圓デ、昨年同行ノ發行高
ハ五億圓見當デアリマシタカラ、本年明
年モ略〓、同樣ト見テ十億圓ヲ適當ト考ヘ
ル、貯蓄債劵ハ現在餘力七千五百萬圓デ、
最近一箇年間一億五千萬圓乃至一億七千萬
圓ノ賣行デアル、五億圓增ハ玆兩三年ヲ見
當トシタモノデアル、尙一方ニハ昨年制定
ノ報國債劵ガアルノデ、是ト睨ミ合セテ發
行スル考デアル、間、政府ニ於テ戰時金融
會社設立ノ計畫ガアルトノ噂ガアルガ如何、
答現在其ノ考ハナイ、興業銀行ヲ中心ト
シテ金融力擴充ヲ圖ル積リデアル、又別ニ
勸業銀行、北海道拓殖銀行法ノ改正法律案
ヲ提出シテアルガ、之ニ依ッテ勸業銀行モ
財團融資ニ、興業銀行ニ加勢ヲスルコトト
ナル、問、新聞ニ依レバ興業銀行ヲ中心ト
スル證劵投資會社ガ出來ルヤウデアルガ、
其ノ目途トスル所ハ何デアルカ、答現在
計畫ノ投資會社案ハ政府ニ關係ナク、全ク民
間ノ要望ニ依リ盛リ上ッタ計畫デ、興業銀行
ガ產婆役ヲ勤メテ居ルモノデ、事業金融ヲ
圓滑ニスルノガ根本デアル、現下我ガ國ニ
於ケル生產擴充資金ノ半バハ株式ノ形デ投
資サレテ居ルモノデアルカラ、株式價格ノ
安定ハ生產擴充ニ絕對必要ナモノデアッテ、
決シテ株式界ノ問題ノミデハナイ、問、本
法ノ目的ハ生產擴充ニ資スル次第デアルガ、
其ノ資金ヲ以テ行ハルヽ生產擴充ノ事業ガ、
科學的〓究ヲ怠リ、平面的ニ工場ヲ擴張、
機械ヲ增設スルノミデ、非能率的デアリ、
徒ニ資金ヲ浪費シテ居ル嫌ヒノアル實例ガ
多イ、此ノ點ニ關シ大藏省ハ各關係官衙ト
十分ノ連絡ヲ保ッテ、資金擴充ノ認可ニ際
シ、資金ヲ有效ニ働カシムルヤウ指導的注
意ヲナス要アリト思フ如何、答御同感デ
アル、關係各省ト緊密ノ連絡ヲ取ッテ資本
ノ浪費的使用ヲ防グ考デアル、第四、兌換
銀行劵條例ノ臨時特例ニ關スル法律案、本
法ハ現下ノ兌換劵發行狀況ノ推移ニ鑑ミ、
臨時ニ兌換劵ノ正貨準備發行ト保證發行ト
ノ區分ヲ停止スルト共ニ、兌換銀行劵ノ發
行限度ハ大藏大臣ノ定ムルコト、竝ニ兌換
銀行劵ノ種類ハ兌換銀行劵條例第三條ニ規
定スルモノノ外、大藏大臣ニテ定ムルコト
トシタルモノデアリマス、現行法ニ於キマ
シテハ、金銀貨及ビ地金銀ヲ準備トセル準
備發行ト、ソレ以外ニ於テ十億圓ヲ限リ政
府發行ノ公債證書、大藏證劵、其ノ他確實
ナル證劵、又ハ商業手形ヲ保證トスル保證
發行トノ區分ガアリマシタガ、今日ニ於キ
マシテハ、我ガ國ノ通貨ハ所謂管理通貨ノ
實體トナリマシタノデ、日本銀行ニ於テ保
有スル金銀ガ、通貨價値維持ニ對スル關係
ハ極メテ稀薄トナッタ次第デアリマスノデ、
寧ロ此ノ區分ヲ廢シテ管理通貨ノ體制ヲ整
フルコトガ適當デアルノデアリマス、尙本
法ハ支那事變終了後一年內ニ之ヲ廢止スル
モノデアリマス、質疑、間本法案ニ於テ
準備發行ト保證發行トノ區分ガ廢止セラレ、
又日本銀行ガ正貨ヲ保有スルコトガ必ズシ
モ兌換劵價値ヲ維持スルニ必要ナラザル次
第デアレバ、是迄ノ準備デアル正貨ハ金資
金特別會計ニ繰入レ、爲替資金ニ充ツルコ
トガ然ルベキデハナイカ、答、本法ニ依ッテ直
チニ日本銀行保有金ノ處分ト關聯スル次第
デハナイガ、今後事態ノ推移ニ依リ、御說
ノ如ク之ヲ活用スル途ヲ考フルベキコトト
考ヘル、問發行限度ヲ大藏大臣ニ於テ定
ムルコトトナリ居ルガ、其ノ目標ハ何處ニ
置クヤ、答通貨健全性ヲ維持スル限度ト
經濟取引ヲ圓滑ナラシムル必要程度ト、二
ツノ境界線ガ考ヘラレル、之ヲ睨ミ合セ愼
重ニ考慮シ、日本銀行及ビ民間ノ意見ヲモ
參酌シテ定メル積リデアル、問、大藏大臣
ガ兌換劵ノ種類ヲ定メルトアルガ、現行ノ
一圓劵ヨリ二百圓劵ニ至ル七種ノ兌換劵ヲ
制定シテアルガ、ソレ以外ニ如何ナル劵ヲ
考ヘテ居ルカ、答、只今ノ處考ヘテ居ラヌ、
今後ノ事態ニ應ズル爲ニ餘地ヲ存シテ置ク
積リデアル、問、今日我ガ國ノ通貨ハ政府
說明ノ通リ管理通貨ノ實體ヲ備フルモノ
デアレバ、有名無實ナル兌換劵ノ稱呼ヲ廢
スルヤウ、根本的ニ兌換銀行劵制度ヲ改正ス
ルヲ適當ナリト考フル如何、答、御尤ノ御說
ニテ、兌換銀行劵制度ニ付テハ目下愼重考究
中デアル、今囘ノ分ハ臨時的措置トシテ考ヘ
タモノデアル、第五、朝鮮銀行法及臺灣銀行
法ノ臨時特例ニ關スル法律案、是ハ前申シ
マシタ日本銀行ノ兌換劵條例ノ特例ト同樣
ニ、發劵銀行デアル朝鮮、臺灣兩銀行ノ銀行
劵發行ニ關シ、支拂準備發行ト保證發行トノ
區分ヲ停止シ、其ノ發行限度ヲ大藏大臣ノ定
ムル所トシ、又發行ニ對スル保證物件中ニ、
日本銀行ニ對スル預金ヲ加ヘ、徒ニ兌換劵ヲ
發行保證トシテ死藏スルコトヨリ解放スルコ
トトシクモノデアリマス、本法モ支那事變
終了後一年內ニ廢止スルモノデアリマス、
質疑、問、朝鮮銀行劵、臺灣銀行劵モ、日
本銀行兌換劵ニ統一スベシトノ論ハ、久シ
キ以前ヨリ一部ニ唱ヘラレテ居ルモノデア
ルガ、先刻ノ答辯ニ依レバ、兌換銀行劵制度
ヲ根本的ニ〓究中トノコトデアルガ、此ノ
統一案モ〓究中ナノデアルカ、答、此ノ論ハ
理論トシテハ考ヘラレルコトデアルガ、現在
政府ノ見ル所デハ、兩銀行劵共其ノ流通地
域ニ於テ各、特色ヲ有スル通貨デアル故、日
本銀行劵ノ〓究ヲナス場合ニモ、朝鮮、臺
灣兩銀行劵ハ、現在ノ儘ヲ適當ナリト考ヘ
テ居ル、第六、朝鮮銀行法中改正法律案、
第七、臺灣銀行法中改正法律案、便宜一括
シテ申上ゲマス、兩銀行共事業ノ發展ニ伴
ヒ利益金ノ增加スル趨勢ニ鑑ミ、朝鮮銀行
ニ付テハ利益金納付制度ヲ改正シ、納付金
ノ增加ヲ圖リ、臺灣銀行ニ付テハ此ノ制度
ヲ新設シテ納付セシムルコトトスルモノデ
アリマス、質疑、問、本法ニテ制定ノ兩銀
行ノ利益金、納付率ト、現行日本銀行ノ納
付率トノ間ニ、差等ガアルノハ何故デアル
カ、又臺灣銀行ハ先年政府ヨリ多大ノ援助
ヲ受ケタ次第デアルカラ、今囘送付金制度
ニ付テハ、此ノ邊ノ斟酌アリテ然ルベシト
思フガ如何、答納付金制度ハ發行權ニ對
スル利益ヲ納ムルヲ主眼トナスモノデ、日
本銀行ノ利益ハ大部分之ニ依ルモノデアリ、
朝鮮、臺灣兩銀行ハ、普通銀行業務ヲ營ミ、
是ヨリ生ズル利益モアリ、又其ノ基礎ニ付
テノ差モアルコト故、差當リ現案ヲ適當ト
考ヘル、又臺灣銀行援助ノ點ニ付キマシテ
ハ、政府援助ノ結果、今後利益ノ增大ヲ見
ルニ至ッタ次第デアレバ、援助ノ報償ハ納
付金增加ノ形デ現レ來ルモノト見テ宜シカ
ラムト考ヘル、第八、產業組合中央金庫特
別融通及損失補償法中改正法律案、本法案
ハ昭和七年ノ不況ニ際シ、農家ニ對スル貸
付金固定ヲ救濟セムガ爲ニ、產業組合中央
金庫特別融通及損失補償法ヲ制定シテ、金
融ノ疏通ヲ圖ッタ、其ノ際融資ヲナスハ本法
施行ノ日ヨリ九年トシ、共ノ融通ノ期間ハ
十八年ト定メタモノヲ、現時事變下ニ於テ
尙金融ノ圓滑ヲ圖ル要アル爲、九年ヲ十二
年ニ、十八年ヲ二十一年ニ各〓三箇年延長ヲ
ナシ、又特別融通ノ損失審査會ヲ整理統合
スル爲ニ寒査會ノ改定ヲナシタモノデアリ
さく、本案ニ對シテハ質疑ハアリマセヌデ
シタ、第九、輸出補償法中改正法律案、本
法案ハ國際通商情勢ノ變化ニ對處シ、輸出
補償ノ保險的機能ヲ擴充シ、輸出業者ヲ危
險ヨリ保護シ、其ノ精極的進出ヲ促シ、輸
出貿易ノ仲張ニ資セムコトヲ期スルモノデ、
其ノ改正ノ要點ハ政府損失補償ノ限度ヲ
百分ノ八十ヨリ百分ノ九十ニ引上グルコト、
現行ノ甲種、是ハ百分ノ八十補償、乙種是
ハ百分ノ七十補償、ノ兩制度ノ區別ヲ廢シ、
保險的機能ヲ擴充スルコトデアリマス、本法
ニ關シマシテハ輸出業者ニ於テ大ナル關心
ヲ有スル所デアリマス、ソレデ今日ノ情勢
ニ於テ豫想セラルヽ有ラユル事故ノ場合ヲ、
詳細ニ例示シテ質問ガアリマシタ、之ニ對
シテ答辯ガアリマシタガ、之ヲ總括シテ申
上ゲマス、甲種、乙種ノ區別ノ廢止、又現行
乙種補償ノ百分ノ七十ガ九十トナル點ガ、
條文ニ明カニ見エナイノハ如何トノ點ニ對
シテ、今囘改正ノ條文ニ依リ、自働的ニ其ノ
結果トナルコトノ說明ガアリ、例示セラレ
マシタ種々ノ事故、危難、故障等ニ依ル損
失ニ對シテハ、輸出手形取組以後決濟迄ニ
生ジタル損失ハ、本法ニ依リテ補償セラレ、
手形取組以前ノ損失ニ對シテハ、別途提案ノ
豫算外國庫負擔ニ屬スル貿易振興施設費五
千萬圓ニ依リ補償スル、手形取組前爲替銀行
ト爲替先約締結後ノ事故ニ依ル爲替差損、
竝ニ手形決濟後資金凍結等ニ依ル損失ハ、同
ジク豫算外國庫負擔ニ屬スル外國爲替損失
補償金五億圓中ヨリ補償スル等、輸出業者
ヲシテ安心シテ今日ノ危險多キ時勢ニ於テ
モ輸出擴張ニ邁進ヲ期スルニ足ル滿足ナル
說明ヲ與ヘラレマシタ、斯タ致シマシテ質疑
ヲ終リ、各案ヲ一括シテ討論ニ入リ、一 六六
員ヨリ、玆ニ審議セラレタル外國爲替管理法
改正法律案外八案ハ、何レモ現下ノ情勢ニ
於テ緊要ノ法案ト認ムルニ依リ、各案共可
決スベキモノナリトノ意見ノ陳述ガアリ、
採決ノ結果、全員一致ヲ以テ各案共政府原
案ノ通リ可決スベキモノナリト議決相成リ
マシタ、以上デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=107
-
108・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ九案ノ採決ヲ致シマス、九案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=108
-
109・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=109
-
110・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=110
-
111・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=111
-
112・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=112
-
113・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=113
-
114・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 九案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、九案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=114
-
115・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=115
-
116・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=116
-
117・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=117
-
118・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=118
-
119・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=119
-
120・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 九案ノ第三讀會
ヲ開キマス、九案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=120
-
121・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=121
-
122・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二十七、
東亞海運株式會社法案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會ノ續、委員長報告、委員長
子爵松平忠壽君
東亞海運株式會社法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十六年二月二十一日
委員長子爵松平忠壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵松平忠壽君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=122
-
123・松平忠壽
○子爵松平忠壽君 只今議題トナリマシタ
東亞海運株式會社法案ノ委員會ノ經過竝ニ
結果ヲ御報告申上ゲマス、本法律案ノ要旨
ハ、我ガ國ノ對支海運經營ノ擴充强化ヲ圖
リ、支那ニ於ケル本邦航權ヲ確立スル爲、
曩ニ暫定的措置トシテ設立セシメマシタ東
亞海運株式會社ヲ改組擴大シ、諸種ノ特權
ヲ附與スルト共ニ、一層政府ノ指導監督ヲ强
化致シマシテ、眞ニ國策會社タルノ機能ヲ
發揮セシメムトスルノニアルノデアリマス、
卽チ本法ニ依ル會社ハ、差當リ資本金一億
圓トシ、將來必要ニ應ジテ適當ナル政府出
資ヲモ爲スコトトシ、又社債ノ發行、利益
配當ノ補給、民間株ニ對スル優先配當等ノ
特權ヲ認ムル等、適當ナル保護助長ヲ加へ
ルト共ニ、一方社長副社長ハ政府ニ於テ之
ヲ任命シ、理事ノ選任、定款ノ變更、其ノ
他重要事項ニ付テハ政府ノ認可ヲ受ケシメ、
或ハ必要ナル命令ヲ發スル等、監督指導ヲ行
フコトニナッテ居リマス、本委員會ハ二十日
及二十一日ノ二日間ニ亙リマシテ、愼重ナル
審査ヲ盡シマシタ、其ノ間委員諸君ハ終始頗
ル熱心ニ質疑ヲナシ、又前後三囘ニ亙リ祕密
會ヲ開イテ政府ノ說明ヲ聽取シタノデアリ
マス、次ニ質疑應答ノ主ナルモノニ付テ申上
ゲマス、其ノ第一ハ、東亞海運株式會社ノ經
營スル航路ト平行スル航路ノ統合ノ問題デ
アリマス、現在大連汽船株式會社及朝鮮郵船
株式會社ハ、ソレ〓〓對支關係航路ヲ經
營シテ居リマスノデ、支那ヲ中心トスル
本邦海運ノ國策的運營ヲ目途トスル本會社
ノ設立ニ當リマシテハ、是非共是等ノ航路
ヲ統合シ、眞ニ擧國的態勢ヲ整備スルノ必
要ガアル、之ヲ統合セズシテハ、本會社設
立ノ意義ハ半減スルガ如何トノ問ニ對シテ、
關係政府委員ヨリ、現在ノ航路ハソレ〓〓
外地ノ特殊需要ニ基イテ施設セラレテ居ル
ㄱローカル·ライン」デアルカラ、遽ニ之ヲ
東亞海運ニ統合スルコトハ種々ノ事情ニ依ッ
テ困難デアル、併シ將來ハ情勢ノ推移ニ應
ジテ考慮スルトノ答辯ガアリマシタ、次ヘ
暫定的措置デハアルガ、現在旣ニ對支航路
ヲ經營スル東亞海運株式會社ガアル之ヲ
此ノ際特ニ特殊會社トシナケレバナラヌ理
由ハ何處ニ在ルカトノ問ニ對シテ、對支海
運經營ヲ擴充〓備シ、支那ヲ中心トスル本
邦航權ヲ確立スル爲ニハ、更ニ船腹ヲ擴充
シ、水陸萠設ヲ整備スル必要ガアルガ、之
ニ要スル資金ハ、暫定會社ノ獨力デ調達ス
ルコトハ困難デアルバカリデナク、場合ニ
依リ採算ヲ無視セル國策的運營ヲ行ハシム
ル爲ニモ、是非適當ナ保護ト監督ヲ强化ス
ルコトガ必要デアルカラ之ヲ特殊法人ト爲
スノデアルトノ答辯ガアリマシタ、又政府
ハ、木會社ニ支那資本ヲ參加セシムルノ意
思ナキヤ、支那經濟開發上、支那資本ノ導
入ハ必須ノコトト認メラルヽガ、政府ノ見
解如何トノ問ニ對シテ、本法第六條第二項
ノ運用ニ依リ、可及的ニ之ヲ利用スルヤウ
ニ努メルトノ答辯ガアリマシタ、次ニ對支
海運經營强化ノ爲ニハ、水陸施設ノ擴充强
化ヲ極メテ重要ト認メルガ、之ニ對スル政
府ノ見解如何トノ問ニ對シテ、全ク同感デ
アッテ、大イニ之ガ整備ニ努メルトノ答辯ガ
アリマシタ、更ニ一委員ヨリ、政府ハ本議
會ニ帝都高速度交通營團法案ヲ提出シタガ、
等シク國策的運營ヲ目的トスル本會社ハ、
何ガ故ニ營圍ト稱セザルカトノ問ニ對シ、
本會社ハ事業會社デアッテ、之ヲ營團ト爲ス
ノ意思ハナイトノ答辯ガアリマシタ、又暫
定會社ガ東亞海運株式會社トナル場合ニ、
之ニ引當テラルヽ株式ハ幾何デアルカ、暫
定會社ノ財產ハ評價スルカトノ問ニ對シ、
此ノ場合ニハ暫定會社ノ財產ノ評價ハナサ
ズ、其ノ所有スル株式ト、額面及ビ拂込金
額ヲ同ジクスル本會社ノ株式ヲ引當テルト
ノ答辯ガアリマシタ、尙本法案ニ關聯シ、
南方海運對策ノ問題、或ハ造船、海員等、
海運全般ニ亙リ、其ノ他種々ノ質疑ガアッタ
ノデアリマスガ、詳細ハ速記錄ニ依リ御覽
ヲ願ヒタイト存ジマス、委員會ハ質疑ヲ終
リマシテ、直チニ討論ニ入リマシタガ、
委員ヨリ、外地關係ノ平行航路ハ是非共將
來統合スベキコトヲ强調セラレテ、本法案
ニ贊成スルノ意見ヲ述ベラレ、又他ノ一委
員ヨリ、贊成意見ノ開陳ガアリマシテ、採
決ノ結果、全會一致ヲ以テ原案通リ可決スベ
キモノト決定致シマシタ、尙一言附加ヘマ
スガ、只今申上ゲマシタ原案トハ、衆議院
ノ修正送付案デアリマシテ、法案中、第十
條ノ第二項トシテ「東亞海運株式會社ヲ監
督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ退職後五年間
ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ東亞海運
株式會社ノ役員トナルコトヲ得ズ」ト衆
議院ニ於テハ修正追加シテ居ルノデアリマ
ス、之ニ對シ政府トシテハ、貴族院ニ於テ
衆議院ノ同修正送付案ヲ御可決ニナリマス
ナラバ、政府モ同意ヲ表スルトノコトデア
リマシタ、以上簡單ナガラ御報告ヲ申上ゲ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=123
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124・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=124
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125・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=125
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126・西大路吉光
○子爵西大路吉光君. 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=126
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127・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=127
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128・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=128
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129・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=129
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130・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、"御異議ガナケレバ、本案全部
ヲ問題ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報
〓通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=130
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131・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=131
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132・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=132
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133・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=133
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134・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=134
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135・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=135
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136・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=136
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137・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=137
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138・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二十八、
大正十二年法律第五十二號中改正法律案、
衆議院提出、第一讀會
大正十二年法律第五十二號中改正法律
案
右本院提出案及送付候也
昭和十六年二月二十二日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
大正十二年法律第五十二號中左ノ通改正
ス
第一項中「昭和十六年十一一月三十一日迄」
ヲ「昭和十九年十二月三十一日迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=138
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139・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ特別委員
ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
大正十二年法律第五十二號中改正法律案
特別委員
侯爵西〓吉之助君子爵秋月種英君
子爵保科正昭君木場貞長君
男爵辻太郞君田所美治君
菊池恭三君麻生益良君
栗林德一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=139
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140・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴喜君) 是ニテ本日ノ日
程ハ全部議了致シマシタ、次會ノ議事日程
ハ、決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ及ビマス、
本日ハ是ニテ散會致シマス
午後零時十三分散會
貴族院議事速記錄第十七號正誤
一九五頁三段二六行ノ第八十二條ハ第十二條ノ
誤ニ付訂正
二〇九頁三段五行目及一○行目ノ昭和十六年二
月二十一日ノ十一字ヲ削リ三四行ノ奉ヲ表ニ訂
正ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007603242X01819410224&spkNum=140
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