1. 会議録本文
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000・会議録情報
會議
昭和十六年二月十五日（土曜日）午後一時四十八分開議
出席委員左の如し
委員長 菊池良一君
理事 伊東岩男君
阿部茂夫君 石井徳久次君
大島寅吉君 駒井重次君
清水徳太郎君 田中源君
高畠龜太郎君 本田彌市郎君
三木武夫君 山本芳治君
出席政府委員左の如し
大藏省銀行局長 相田岩夫君
大藏書記官 坂口芳久君
大藏書記官 山際正道君
國民貯蓄獎勵局次長 栗原修君
商工省振興部長 堀義臣君
本日の會議に上りたる議案左の如し
國民貯蓄組合法案（政府提出）
國民更生金庫法案（政府提出）
日本勸業銀行法中改正法律案（政府提出）
北海道拓殖銀行法中改正法律案（政府提出）
農工銀行法中改正法律案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=0
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001・菊池良一
○菊池委員長 是ヨリ委員會ヲ開會致シマ
ス、只今大藏大臣及ビ大藏次官ノ御二人ノ
方ガ、丁度豫算總會ニオイデニナルノダサ
ウデ、今ノ所コチラヘ御見エニナラヌコト
ニナツテ居リマス、ソレデ國民貯蓄奬勵局
次長栗原政府委員ニ、此ノ提案ノ理由ヲ說
明シテ戴クコトニ致シマス、卽チ國民貯蓄
組合法案、國民更生金庫法案、日本勸業銀
行法中改正法律案、北海道拓殖銀行法中改
正法律案、農工銀行法中改正法律案、此ノ
五案ヲ一括シテ提案ノ理由ヲ伺フコトニ致
シマス-栗原政府委員発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=1
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002・栗原修
○栗原政府委員 當委員會ニ付託ニ相成リ
マシタ國民貯蓄組合法案外四件ニ付キマシ
テ、提出ノ理由ヲ說明致シマス、先ヅ國民
貯蓄組合法案ニ付テ申上ゲマス
政府ニ於キマシテハ戰時ニ於ケル財政經
濟ノ圓滑ナル運行ヲ圖ル爲メ、國民貯蓄ノ
奬勵ニ力ヲ致シテ參ツタノデアリマスガ、
國民ノ貯蓄心ヲ涵養シ、貯蓄ノ一般的向上
ヲ圖ル爲ニハ、貯蓄組合ノ發達ニ俟ツモノ
特ニ大ナルモノアリト認メ、銳意是ガ普及
ト充實ニ努メ來ツタノデアリマス、其ノ結
果昨年九月末現在ノ內地ニ於ケル組合數ハ
五十一万五千、組合員數ハ三千四百餘万人、
貯蓄現在額ハ十五億二千七百餘万圓ニ上ツ
テ居ルノデアリマス、併シナガラ現下時局
ノ推移ニ伴ヒ、貯蓄獎勵徹底ノ要益〓緊切
ノ度ヲ加ヘツツアル今日ニ於キマシテハ、
國民貯蓄組合ヲ一層整備充實セシメ、之ヲ
シテ國民貯蓄奬勵運動ノ核心タラシムルコ
トヲ緊要ト存ジ、本法律案ヲ提出シタ次第
デアリマス
本法律案ノ骨子ニ付テ申シマスレバ、之
ヲ大別シテ國民貯蓄組合ノ機構ニ關スル規
定指導監督ニ關スル規定及ビ保護助長ニ
關スル規定ノ三ニ分ツコトガ出來ルノデア
リマス、第一ニ國民貯蓄組合ノ機構ニ付キ
マシテハ、現在存スル貯蓄組合ノ實狀ニ卽
シ、其ノ形態ヲ整備スルコトトシタノデア
リマス、第二ハ指導監督ノ規定ト致シマシ
テハ、先ヅ國民貯蓄組合ノ幹旋ヲ爲ス貯蓄
ノ方法ヲ定メ、又組合規約其ノ他重要ナル
事項ニ付キ屆出ノ義務ヲ課シ、又報告ノ徵
取、實地檢査、代表者ノ改任其ノ他監督上、
必要ナル命令ヲ爲シ得ル旨ヲ定メタノデア
リマス、第三ニ保護助長ニ關シマシテハ、
國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ル貯蓄ニ付キ甲種
ノ配當利子所得ニ對スル分類所得稅ヲ免除
スルコトト致シマシタ、卽チ元本三千圓ヲ超
エザル銀行預金、又ハ金錢信託ノ利子、又
ハ利益竝ニ額面金額三千圓ヲ超エザル國債
ノ利子ニ付キ一定ノ條件ノ下ニ免稅ノ途ヲ
拓イタノデアリマス、銀行貯蓄預金、產業組
合貯金等ノ利子所得ニ付キマシテハ、現行
所得稅法ニ於キマシテモ、元本三千圓以下
ノモノハ、非課稅トナツテ居ルノデアリマ
スガ、此ノ外更ニ國民貯蓄組合ノ幹旋ニ依
ル貯蓄ニシテ、元本五千圓ヲ超エザルモノ
ハ一定ノ條件ノ下ニ分類所得稅ヲ免除ス
ルコトニ致シタノデアリマス
次ニ貯蓄銀行以外ノ銀行ハ、貯蓄銀行法
ニ依リ、複利ノ方法ニ依ル預金、竝ニ据置
預金ノ受入ヲ禁止セラレテ居ルノデアリマ
スガ、國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ル場合ニ限
リ是等ノ預金ヲモ取扱ヒ得ルヤウ規定致
シタノデアリマス、次ニ國民貯蓄組合ニ對シ
マシテハ、補助金又ハ奬勵金ヲ交付シ得ル
コトヲ規定シ、別途追加豫算ニ所要經費ヲ
計上致シタ次第デアリマス、尙ホ政府ト致シ
マシテハ、本法案通過ノ曉ニ於テ、其ノ適切
ナル運用ニ依リ、所期ノ目的達成ニ努ムル
ト共ニ、之ヲ根幹トシテ益〓貯蓄奬勵運動
ノ强化ニ、萬全ヲ期セントスル次第デアリ
マス
次ニ國民更生金庫法案ニ付キマシテ、其
ノ大略ヲ說明致シマス、國民更生金庫ノ目
的ニ付キマシテハ、本會議ニ於キマシテ
御說明申上ゲマシタ通リ、時局ノ要請ニ應
ジテ、轉業又ハ廢業ヲナサントスル中小商
工業者等ノ爲ニ、其ノ資產ノ處分及ビ負債
ノ整理ヲ促進シ是等轉廢業者ノ轉業又ハ轉
職ヲ容易ナラシメントスルニ在ルノデアリ
そう、此ノ目的ヲ達成致シマス爲ニ、本金
庫ハ其ノ組織ヲ非營利ノ特殊法人トシ、其
ノ資本金二千万圓中、千九百万圓ヲ政府出
資ト致シタノデアリマス
本金庫ノ主タル業務ハ、轉廢業者ノ爲ニ
スル資產ノ管理、又ハ處分ノ引受竝ニ處分ヲ
委託セラレタ資產ヲ擔保、又ハ見返リトス
ル資金ノ融通デアリマスガ、資產ノ處分ヲ引
受クル場合ノ價額ハ、一應營業ヲ繼續スルモ
ノトシテ評價シタルモノニ依ラシムル方針
デアリマシテ、斯クノ如ク轉廢業者ニ有利ナ
ル資產ノ換價ハ、既設機關ヲ以テシテハ爲シ
得ナカツタトコロデアリ、此ノ點コソ本金庫
ノ特色ヲ爲スモノデアリマス、尙ホ本金庫ニ
於テハ、其ノ他轉廢業者ノ爲ニスル債務ノ引
受、又ハ債務ノ保證ヲ爲スコトヲ得、更ニ必要
ガアレバ、主務大臣ノ認可ヲ受ケ、右以外ノ
業務ヲ行ヒ得ルコトト致シタノデアリマス、
又本金庫ノ事業資金ハ更生債劵ノ發行ニ
依リ調達セシムルコトトシ、其ノ發行限度ハ
拂込資本金ノ十倍マデト致シタノデアリマス
次ニ本金庫ノ主タル事務所、卽チ本所
ハ之ヲ東京市ニ、支所ハ差當リ之ヲ大阪
市ニ置キ、東京、大阪以外ノ全國各道府縣
廳所在地ニハ出張所ヲ設置スル豫定デア
リマシテ、其ノ業務ヲ迅速ニ處理セシメ、
轉廢業者ノ便益ニ資セシメントスルノデア
リマスガ、更ニ銀行其ノ他ノ法人ニモ、業
務ノ一部ヲ代理セシムルコトト致シ、本金
庫ノ機能ノ發揮ニ付キ遺憾ナキヲ期セシメ
ントスル次第デアリマス、斯クノ如ク本金
庫ハ、特殊ノ使命ヲ有スルモノナルニ顧ミ
マシテ、政府ハ之ニ對スル監督ニ付キ、特
ニ周到ヲ期シマスルト共ニ、前ニ申述ベマ
シタ政府出資ノ外、租稅ノ減免、損失ノ補償、
補助金ノ交付等、各種助成ノ方途ヲ講ジテ
居ル次第デアリマス、以上ガ國民更生金庫
法案ノ〓略デアリマスガ、昨年十二月一應
ノ暫定的措置トシテ、民法ニ基キ設立セラ
レマシタ財團法人國民更生金庫ハ、本法案
ニ基ク特別法人タル國民更生金庫設立ノ曉
ニハ直チニ解散シ、新ナル國民更生金庫ニ
對シマシテ、其ノ業務ヲ引繼グ豫定デアリ
マス
次ニ日本勸業銀行法中改正法律案、北海
道拓殖銀行法中改正法律案及ビ農工銀行法
中改正法律案ノ三件ヲ一括シテ說明致シマス
日本勸業銀行法及ビ農工銀行法ハ明治二
十九年、又北海道拓殖銀行法ハ、明治三十
二年ノ制定ニ係ルモノデアリマスガ、是等
ノ法律ハ其ノ制定ノ當初是等ノ銀行ノ業務
ニ對シマシテ、相當嚴重ナル制限ヲ設ケ、
其ノ堅實ナル發達ヲ期スルコトト致シタノ
デアリマス、然ルニ創立後ニ於キマスル是
等銀行ノ業況ハ、極メテ順調デアリマシテ、
其ノ信用モ加ハツテ參リマシタ爲メ、法律
ニ依ル制限ハ漸次嚴ニ失スル嫌ガアルニ至
リマシタノデ、明治三十一年旣ニ日本勸業
銀行法ノ改正ヲ行ヒマシテヨリ、今日マデ
屢〓改正ヲ行ヒ、以テ時勢ノ進運ニ卽應セ
シメテ參ツタノデアリマス、然ルニ今次事
變ノ進展ニ伴ヒマシテ、此等ノ銀行ノ擔當
スベキ任務ハ一層ノ重要性ヲ加フルニ至
ツタノデアリマシテ、斯ル情勢ニ對處シ、
是等銀行ノ機能ヲ擴充スルガ爲ニハ、更に
法律ノ改正ヲ行ヒ、是等不動產銀行ノ業務ニ
對スル、法律上ノ制限ヲ緩和スルノ必要ヲ
認ムルニ至ツタノデアリマス、卽チ今囘改
正ヲ行ハントスル主要ナル點ヲ、日本勸業
銀行ノ場合ニ付テ御說明致シマスナラバ、
第一ハ貸付ノ擔保トナシ得ルモノノ範圍ヲ
擴張シマシテ、財團一般ニ及ボシ、又漁船
等ヲ新タニ加フルコトト致シタノデアリマ
ス、第二ハ貸付ノ方法及ビ期間ニ關スル制
限ヲ緩和シテ、山林抵當貸付ノ定期償還貸
付期間ヲ、二十箇年マデ伸張シ得ルモノト
シ、年賦金ニ付テハ元利均等ナルコトヲ要
スル旨ノ規定ヲ削除シ、十人以上連帶貸付
ノ制度ヲ五人以上ヲ以テ足ルコトトシ、
財團抵當貸付ニ付キ、財團設定前ノ資金ノ
融通ヲ認メ、及ビ農林又ハ水產ニ關スル事
業ヲ營ム特殊法人ニ對スル手形ノ割引、又
ハ當座貸越ヲ認ムルコトト致シタノデアリ
やく、第三ニハ市街地貸付、及ビ預リ金ニ
關スル制限ヲ緩和致シマシタ、第四ニハ有
價證劵投資ノ範圍ヲ、擴張致シタノデアリ
マイ、第五ニハ賣出債劵ニ關スル登記手續
ノ簡易化ヲ圖ツタノデアリマス
以上ハ日本勸業銀行法ニ付テ、御說明致
シタノデアリマスガ、農工銀行法及ビ北海
道拓殖銀行法ニ付キマシテモ、之ニ準ジテ
改正ヲ爲サントスルノデアリマス、以上申
述ベマシタ各法律案ニ付キマシテハ、何卒
御審議ノ上、御贊成アランコトヲ希望致シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=2
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003・菊池良一
○菊池委員長 是カラ質疑ニ入リマスガ、
何カ資料ノ御要求ハアリマセヌカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=3
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004・伊東岩男
○伊東委員 資料ヲ要求致シマス
一最近三箇年ノ業種別失業者調
二、最近三箇年ノ業種別轉業先調
三、企業合同ニ依ル失業者調
四、七·七禁令ニ依ル失業者調
五、日米開戰ノ場合ニ於ケル失業者豫想
調
六、各府縣別形態別企業合同調
七、轉業資金貸付內譯調
八、國民更生金庫法ニ關聯スル政府豫算
ノ內譯
九、轉業及ビ失業ニ關聯スル政府豫算ノ
內譯
是ダケノ資料ノ御提出ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=4
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005・菊池良一
○菊池委員長 政府ノ方ニ其ノ要求ヲ致シ
マス-是カラ便宜上國民貯蓄組合法案ト
國民更生金庫法案ノ二案ヲ、一括シテ質疑
ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=5
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006・阿部茂夫
○阿部委員 私ノ御伺ヒ致シタイ問題ハ、
極メテ常識的ナ問題デ、成ベク理論的ナ問
題ヲ外シテ御伺ヒ致シタイト思ヒマスカラ、
其ノ意味デ御答辯ヲ願ヒタイト思ヒマス、
尙ホ數字等ニ關シマシテハ、只今同僚議員
カラノ發言ニ依リマシテ、不日參考資料ガ
手ニ入ルト思ヒマスカラ、ソレハ細カク御
說明ガナクテモ宜イト思ヒマス、第一點ハ
時局ノ影響ヲ受ケテ、大體今日マデ中小商
工業者ニシテ轉業若シクハ廢業、或ハ失業
致シマシタ總數ノ、是ハ想定デ宜シウゴザ
イマスガ、大體ドレ位ニナツテ居ル御見込
デアルカ、御說明ヲ願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=6
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007・堀義臣
○堀政府委員 只今ノ御質問ニ御答ヘ申上
ゲマス、實ハ時局ノ影響ヲ受ケマシテ、ド
レダケ失業シタカ、或ハ轉業シタカト云フ
調査ガ、甚ダ不備デアリマシテ、其ノ大體
ノ見當モドノ位ト云フコトハ、最近ノ所立
テ兼ネテ居リマス、私ノ方デ調査シテ居リ
マスモノハ、昨年ノ二月頃マデノ調査ガ參
ツテ居リマスダケデ、其ノ後外交轉換ヲ契機
ト致シマシテ、非常ニ失業問題ガ喧シクナ
リマシテ以來ドウ云フ風ニナツテ居ルカト
云フコトハ、計數的ニハ只今私ハ承知シテ居
リマセヌ、唯大體ノ見透シト致シマシテハ、
中小商工業者デ轉失業ノ已ムナキニ至ツタ
ト云フモノハマダ、餘リ多クハナイモノト
云フヤウニ考ヘテ居リマス、但シドノ位ト
云フ見透シハ、今申上ゲ兼ネマス、先程ノ
御質問ニモ關聯致シマシテ、出來ルダケノ
調査ヲ致シマシテ、後刻御答ヘ致シタイト
思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=7
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008・阿部茂夫
○阿部委員 ソレデハ後程又御示シヲ願フ
ト致シマシテ、モウ昨年來カラ、本年ニ掛
ケテ、中小商工業者ノ轉廢業ニ關スル對策
ヲドウスルカ、斯ウ云フ問題ニ村キマシテ
ハ、中央ト地方トヲ問ハズ凡ユル新聞雜
誌、若クハ座談會等々ニ於テ、是ガ對策ヲ論
議サレ、其ノ具體案ヲ說明サレタ記事ヲ、
私共ハ見タノデアリマスガ、大體之ヲ分ケ
マスト轉業若クハ廢業、失業者救濟、或ハ
更生ニ關シマシテハ是ガ指導訓練ヲシマ
シテ、產業人トシテノ再編成ヲシテ送リ出
ス、斯フ云フヤウナ考ヘ方ト、モウ一ツハ
全然現在マデノ業カラ離レテ或ハ歸農スル、
或ハ其ノ他ノ業ニ向フ、モウ一ツハ斯
ウシタ時局カラ轉廢業ノ已ムヲ得ザルニ至
ツタ人達ヲ、大陸方面ニ進出サセル手
ハナイカ、斯ウ云フ議論ヲサレ、或ハ又寧
ロサウ云フ人達ヲ轉業ニシテモ廢業ニシ
テモ、差當リ重要ナ問題ハ現在ノ始末、
或ハ過去ノ負債ノ整理等々ニ關シマシテ、
所謂今日モ提案ニナツテ居リマス更生金庫
ノ如キ金融ヲ付ケルコトニ依ツテ、之ヲ一
時救濟シヨウ、大體斯ウ云フヤウナ三ツ乃
至四ツノ方法ニ依ツテ明示サレテ居リマス
ガ、其ノ都度商工省ノ役人等モ出マシテ、
意見ヲ開陳サレテ居リマスコトヲ、私共伺
ツタノデアリマスガ、未ダ其ノ轉廢業者ニ
對スル救濟、若クハ更生ノ具體的方法ヲ、
此ノ方法ニ依ツテヤルノダ、是ガ一番妥當
ナ而モ實現性ノアル方法デアル、斯ウ云フ
ヤウナコトガ遺憾ナガラ明示サレテナイデ、
今日マデハ一個ノ學者若シクハ〓究家ノ私
案ノ發表、若シクハ考ヘ方ニ過ギナイデ、
サウシタ對策ガ遺憾ナガラ示サレテナイノ
デアリマスガ、此ノ際御差支ヘナケレバ、
斯ウ云フ問題ニ對シテ、ドノ方法ニ依ツテ
ヤルノカ、或ハ綜合的ニ之ヲヤルノカ、若
シクハ其ノ他ニ何カ適當ナル救濟、若シク
ハ更生ノ方法ヲ御考ヘニナツテ居ルカ、此
ノ點ヲ御說明願ヒタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=8
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009・堀義臣
○堀政府委員 轉業問題ニ付キマシテ、商
工省ト致シマシテハ、中小商工業者ガ不必
要ニ轉業、失業ノ已ムナキニ至ルコトノナ
イヤウニスルコトガ、最モ適切デアルト
云フコトヲ、先ヅ考ヘテ居リマス、其ノ
爲ニハ中小商工業ノ維持ト云フ問題ト、ソ
レカラ一方特ニ工業方面ノ問題デアリマス
ガ、日本ノ生產力ノ維持擴充ト云フ問題ト、
兩方睨合セマシテ、對策ヲ立テル必要ガア
ルト云フ考ヘ方ヲ致シテ居リマス、其ノ具
體的ノ方策ト致シマシテハ、工業ニ付キマ
シテハ例ヘバ鐵工業デアリマストカ、機械
工業デアリマスト云フヤウニ、各工業每ニ
ソレ〓〓大工業者モ、中小工業者モ、一貫致
シマシタ事業ノ整理方針ヲ立テマシテ、之
ヲ工業組合聯合會、工業組合ト云フヤウナ
業者ノ團體、ソレカラ地方廳ノモノト連絡
致シマシテ、段々末端ニ及ボシマシテ實行
スル、商業者ノ方ニ於キマシテモ、物資ガ
最モ配給ガ圓滑適正ニ參リマスヤウナ機構
ヲ考ヘルト云フコトニ致シマシテ、中小ノ
商工業者ガ、ソレ〓〓其ノ存在理由ヲ出
來ルダケ發揮シ得ルヤウナ途ヲ考ヘテ行ク
ト云フコトヲ必要ト考ヘテ居リマス、サウ
致シマシテモ、ドウシテモ尙且ツ相當ノ轉
廢業者ガ出ルコトハ、是ハ已ムヲ得ナイト
考ヘテ居リマスガ、先ヅ轉廢業ト云フコト
ガ、不必要ニ、或ハ不自然ニ起ラナイヤウ
ニ出來ルダケ中小商工業者ト云フモノノ經
濟上ニ於ケル特性ヲ利用致シマシテ、大キ
ナ工業組織、或ハ商業組織ノ中ニ吸收シ得
ルモノハ吸收シテ行クト云フ考ヘヲ執ツテ
居リマス、尙ホ已ムヲ得ズ轉業、失業致シ
マス者ニ付キマシテハ、ソレハ只今御話ノ通
リ、各方面ニ對スル轉業及ビ財產上ノ援助
ト云フヤウナ、諸般ノ方策ヲ綜合的ニ實行
スルコトニナツテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=9
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010・阿部茂夫
○阿部委員 大體御說明ノ筋ハ諒解出來ル
ノデアリマスガ、尙ホハツキリ出來ナイ問
題ハ、多ク今マデ論議サレテ居リマスル人
達ノ言葉ヲ引用致シマシテモ、只今御說明
ノアリマシタヤウナコトハ隨分言ハレテ
居ルノデアリマス、唯併シ直接中小商工ノ
業ニ携ツテ居リマス者ノ立場カラ申シマス
ト、今日ノ時局ノ影響ニ依ツテ轉失業ノ狀
態ニ進マントスル者、或ハ轉失業ノ已ムヲ
得ザル狀態ニ行カントスル者、或ハ轉廢業
ノ已ムヲ得ザルニ至ツタ者、斯ウ云フ三段
階ヲ區別シテ、之ヲ救濟更生等ノ問題ニ關
聯シマスル時ニ、勿論商工省ダケノ對策デ、
是ガ萬全ヲ期スルコトノ出來ナイコトハ、
私モ承知デアリマスガ、厚生省等ノ案ヲ見
マシテモ、單ナル呼掛ケデアリマシテ、ド
ウシテ此ノ時局ノサウシタ波カラ來ル影
響ヲ防グコトガ出來ルカ、更生スルコトガ
出來ルカ、斯ウ云フ具體的ナ問題ニ對シテ
ノ御說明ガナイ爲ニ、業者ハ非常ナ困憊ト焦
躁ノ感ニ驅ラレテ居ルノデアリマス、リュ
デ只今モ御說明ガアリマシタガ、不必要ノ
轉失業者ヲ出サナイ、サウシテ出タ所ノ者、
或ハ出ントスルヤウナ者ハ、之ヲ大會社若
シクハ大工場方面ニ吸收スル途ヲ執ルト云
フヤウナ、御說明ガアリマシタガ、之ニ吸
收スル方法ハ、恐ラクハ私ノ私見ヲ以テ致
シマシテモ、現在ノ中小商工業者ノ轉廢業
ノ形カラ、直チニ工場ヘモ、或ハ大商店ヘ
モ、大會社ヘモ之ヲ吸收スル譯ニイキマス
テイ隨テソレハ吸收スルトシマスルナラ
バ、所謂產業人トシテノ再編成ヲシ、再訓
練ヲ施シテ救濟スルノデアルカ、或ハ救濟
スベキ地位ニアルベキ產業團體カ、或ハ產
業「クラス」ガ一ツノ組織、機能ト云フモノノ
再編成、若シクハ改編等ヲ行ツテ、サウ云
フ人達ヲ吸收スルヤウナ方法ニ、之ヲ御考
ヘニナルノカ、或ハ其ノ他ノ方法ニ依ツテ
之ヲ吸收シテ行キ、或ハ救濟スルヤウナ考
ヘデ居ルノカ、モウ少シ具體的ニ御說明ガ
願ヒタイト思フノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=10
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011・堀義臣
○堀政府委員 先程吸收ト云フ言葉ヲ使ヒ
(
マシテ、言葉ガ足リマセヌ爲ニ、私ノ申上
ゲル意味ガ、一寸御分リニクカツタヤウニ思
ヒマス、恐縮ニ存ジマス、私ガ先程使ヒマ
シタ吸收ト云フ意味ハ、中小工業-主ト
シテ工業ノ問題デゴザイマスガ、中小工業
ト云フモノヲ、唯其ノ儘ニシテ置イタノデ
ハ到底立行カナイ、之ヲ大工業ト一貫シタ
組織ト申シマスカ、一貫シタ工業力トシテ
考ヘマシテ、日本ノ生產力ノ維持擴充ト云
フ點ニ於テ、役立チ得ルモノハ、役立ツヤ
ウナ立場ヲ與ヘテ行クト云フ意味デ、調、〓、
バ其ノ組織ノ中ニ吸收シテ行クト云フ意味
デ、先程ハ吸收ト云フ言葉ヲ使ヒマシタノ
デス、其ノ方法ヲ具體的ニ申シマスレバ、
例ヘバ下請工業ト云フヤウナモノヲ整理致
シマシテ、只今下請工業ト云フモノガ大變ニ亂
雜ニナツテ居リマス、ト申シマスコトハ、所
謂親工場ト下請工場トノ關係ガ、經常的ニ
ナツテ居リマセヌノデ、親子ノ關係ガ始終
變ツテ居ル、親工場ト下請工場トノ關係ガ
始終變ツテ居ルト云フコトニナツテ居リマシ
テ、是デハ大變面白クナイト存ジマスルノ
デ、今後ハ大體下請工場ト親工場トノ關係
ヲ、經常的ナモノトスル、下請工場ヲ指定
致シマシテ、親工場ハ特定ノ下請工場ニダ
ケ仕事ヲ出スト云フ經常的ナ關係ヲ作リマ
シテ、仕事ヲ與ヘルノミデナク、親工場ハ
下請工場ノ經營、技術等ニ付キマシテモ
責任ヲ以テ指導シテ行クト云フヤウナ、有
機的ナ關係ヲ作リマシテ、サウシテ中小ノ
工業ガ立行クヤウナ途ヲ考ヘテヤル、斯樣
ナ意味ニ於キマシテ、私ハ先程吸收ト云フ
コトヲ申上ゲタノデアリマス、唯只今ノ
御質問ニアリマスル愈、私ガ今申上ゲマシ
タヤウナ方法ニ依リマシテモ、尙且ツ轉廢
業ノ餘儀ナキニ至ツタ者ヲ、大工場ナドニ
持ツテ行クニ付テ、ドウスルカト云フ御質
問ト考ヘマスガ、ソレニ付キマシテハ、厚
生省ノ方デ考ヘテ居リマスル國民勤勞訓練
所デアリマストカ、或ハ職業指導所等ニ於
キマシテ、新シイ職場ニ就クニ必要ナダケ
ノ訓練ヲ致シマシテ、ソレヲ成ベク本人ノ
前職、或ハ健康ト云フヤウナ點ヲ考ヘマシ
テ、本人ニ適合シタ方面ニ持ツテ行クト云
フ方針デ、新シイ仕事ニ就カセルト云フコ
トニナルノデアラウト考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=11
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012・阿部茂夫
○阿部委員 今ノ御說明デハ、工業部門ノ
方ノ御說明デアリマシタガ、モウ一ツ御伺
ヒ致シタイノハ、然ラバ大工場ト下請工場
トノ關聯ハ、有機的、全體的、統一的ニヤ
ラレルト云フ意味ニ於テ、不請ノ方ニ對ス
ル指導及ビ是ガ運營、訓練等ヲ大工場ガヤ
ツテヤリ、サウシテ運營ヲ有機的ニ一元化
シテ行クト云フ御說明デアツタヤウデアリ
マスガ、申上ゲルマデモナク、下請工場ノ
今日ノ現段階ニ於ケル中小工業者ガ持ツテ
居リマスル機能、設備、之ヲ運營致シマ
ス所ノ、何ト言ヒマスカ一ツノ能力ト言ヒ
マスカ、サウ云フ點ヲ綜合シタ結果ヲ、時
時專門家ノ言葉ヲ通シテ伺フフデアリマス
ガ、私共ハ世界優秀ナ中小工業者ノ階級ダ
ト思ツテ居リマシタ日本ノ生產力、機械力
ト云フモノガ、其ノ點ニ到達致シテナイノ
デアリマス、斯ウ云フコトガ最近數箇年ノ
經驗ニ於テ明瞭ニナツタ、其ノ理由ガ何處
ニアルカト申シマスト、一ツハ設備ガ不完
全デアル、モウ一ツハ技術ガマダ熟練シテ
ナイ、モウ一ツハ高度ノ國防國家等ニ必要
ナル物ノ生產ニ對スル高度ノ機械ガナイ、精
密機械ガ〓ケテ居ル等々ノ問題ガ、サウシタ
結果ヲ招來シタ理由ダト云フコトヲ、私共
伺ヒマス時ニ、如何ニ有機的、統一的ニ親
工場ガ之ヲ指導シテ行クトシマシテモ、下請
工場ト言ヒマシテモ、段階ガ多數アリマシ
テ、第一段、第二段、第三段、第四段、甚シイ
ノハ五段位マデ出來テ居ルト、私ハ思フノ
デアリマスガ、サウ云フ末梢マデヤハリ指
導シ、末梢マデ運營等ヲ監督シテ行クト云
フ爲ニハドウシテモ今ノ業者ノ組織ヲシ變
ヘト例ヘバ今日ノ流行言葉デアリマスル
企業ノ合同ト言ヒマスルカ、アア云フ一ツ
ノ方法ニ依ツテ、今ノ組織ヲ再編成シテ、
設備ヲ改善シテ行ク、技術ヲ練磨シテ行ク、
ソレガ爲ニハ一面ニ於テ資本デアル、一面
ニ於テ物デアル、斯ウ云フ關係等々ガ玆ニ
殘ツテ參リマセヌ時ニハ、如何ニ理論的、
計畫的ニ考ヘマシテモ、其ノ實ガ擧ラナイ
ノデハナイカ、殊ニ一般的ニ申シマスト、
時局ノ影響ヲ受ケテ、每日貧困化シテ行ク
資材ノ問題等々ヲ考ヘマスト、加速度的ニ
轉失業ノ已ムヲ得ザル結果ヲ招來スルノデ
ハナカラウカ、斯ウ云フ者ヲ更生サセ救濟
シテ行クト云フ爲ニ、工業部門ダケニ於キ
マシテモ、單ナル親工場ト下請工場トノ此
ノ關係ニ於テ申サレマスガ、ソレハ一面ニ
於テ、軍需工場等ノ場合ニ於キマシテハ、或
ル程度マデ御說ノヤウナ結果ガ得ラレルト
思ヒマスガ、今日全國ニ於ケル最モ困ツテ
居リマスル狀態ハ、寧ロ所謂平和產業方面、
或ハ舊來ニ於ケル多少ノ裝飾、贅澤、斯ウ
云フヤウナ方面ノ業ニ從事シテ居リマスル
中小以下ノ業者ガ、逼迫シテ居リマスノハ
御承知デアラウト思ヒマスガ、斯ウ云フ方
面ニ付キマシテハ、今御說ノヤウナ、單ナ
ル大工場ト小工場トニ於ケル有機的ナ關聯
ニ於テ、之ヲ救濟シ更生サセルト云フヤウ
ナ考ヘ方デハ、覺束ナイノデハナカラウカ、
寧ロ私ハ平和產業ニ於ケル轉失業ノ救濟ヲ
ドウスルカト云フコトハ、國家全面的ノ立
場カラ、殊ニ戰時下ノ立場カラ考ヘマシテ、
之ヲ如何ニスルカト云フコトガ、相當重大
性ヲ國內ニ持ツノデハナイカ、此ノ方面等
ノ問題ガ、果シテ今御說ノヤウナコトニ於
テナシ得ラレルカ、之ニハ私見ヲ以テシマ
スナラバ、ドウシテモ所謂組織ト云フモノ
ヲ、再編成シナケレバイカナイト思フノデ
スガ、其ノ點ハ商工當局ニ於カレマシテ
モ組織替、卽チ生產ノ部面ニ對スル再
編成ニ依ツテ、之ヲ救濟スル等ノ方法、方
針等ヲ何カ御考ヘニナツテ居ラレルカ、ソレ
トモ現在アリマス工業組合ト云フモノヲ强
化シテ、之ニ依ツテ全體的ニ所謂相互扶助
ノ形、卽チ自己更生ノ形ニ於テ、此ノ非常
時局ヲ乘切ラセルト云フ御考ヘデアルカ、
其ノ點アタリヲ御說明願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=12
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013・堀義臣
○堀政府委員 下請工場ノ下請關係ノ整理
ニ依リマシテ、中小工業ノ維持ヲ圖ルト云
フコトヲ申シマシタノハ、御話ノ通リ是ハ
謂ハバ形式的ナ問題デゴザイマス、實質的
ノ方面ニ付キマシテハ、只今御話ノ通リ日
本ノ中小工業ト云フモノハ、マダ〓〓色々
ナ點デ缺ケル點ガ多イノデゴザイマシテ、
之ヲ實質的ニ力ノアルモノニスルト云フ必
要ハ、商工省トシテ十分ニ痛感シテ居ル次
第デゴザイマス、其ノ方法ト致シマシテ、
從來トモ成ベク企業單位ヲ引上ゲルコトニ
依ツテ、御話ノヤウナ缺陷ヲ、極力少クシ
タイト云フコトヲ先ヅ考ヘマシテ、企業ノ
合同ト云フヤウナコトヲ進メテ參ツテ居ル
ノデアリマス、デ合同シタ場合ニ、其ノ設
備ノ改善ト云フヤウナ要ガアリマスル場
合ニ、補助ヲ致シマスルトカ、或ハ技術指
導ノ爲ニ、指導所ト云フモノヲ諸方ニ置キ
マスルトカ、或ハ講習會ヲ開クトカ、色々
ナ方法ヲ執リマシテ、實際的ニ中小工業ノ
實力ヲ增シテ行クト云フコトハ、考ヘテ參
ツテ居ルノデアリマス、又平和產業ニ從事
シテ居ツタ者ガ、時局ノ影響ヲ受ケマシ
テ、仕事ガ出來ナクナルト云フ例モ多クア
リマスルノデ、斯樣ナモノハ出來ルダケ時
局柄必要トサレテ居ル方面ニ振向ケル、例
ヘバ代用品ノ工業デアリマストカ、或ハ輸
出產業デアリマストカ、又軍需方面デアリ
マストカ、從來從事シテ居リマシタ業態ニ、
成ベク似通ツタモノデ、時局產業トシテ今
後立行クモノニ振向ケテ行クト云フヤウナ
コトモ、從來ハヤツテ參ツテ居ルノデアリ
マス、唯何ト申シマシテモ、最近ノ情勢デ
ゴザイマスノデ、新シク時局產業ニ變ルト
云フコトモ、中々難カシイノデゴザイマシ
テ、全部ガサウ云フ風ニ變ルト云フコトハ
出來マセヌカラ、此ノ時局產業ニ轉換サセ
ルト云フ方策モ、今後ズツト繼續シテ執ツ
テ行キタイト考ヘテ居リマス、ソコデ此ノ
中小工業ヲ再編成スルカト云フ御話デゴザ
イマスルガ、是ハ實ハ業態ニ依ツテ違ヒマ
スルノデ、私實ハ餘リ細目ヲ存ジマセヌノ
デ具體的ニハ申シ兼ネマスルガ、事業ニ依
リマシテ企業ノ合同ヲ、將來一層勸奬シテ
參リマスルモノモゴザイマスルシ、サウデ
ナク大體工業組合トカ、或ハ工業小組合ト
云フヤウナモノニ纒メテ、組合員ノ共助施
設ヲ擴充スルコトニ依ツテ、仕事ヲ進メサ
セルト云フモノモゴザイマス、再編成及ビ
共同施設、此ノ兩方策ヲ執リマシテ、事業
ノ强化ヲ圖ラセル積リデアリマス、是マデ
モ工業小組合、或ハ有限會社ノ組織ハ勸奬
シテ居リマシテ、色々補助ヲシテ居リマシ
タコトハ御承知ノ通リデスガ、是ハ今後モ
ヤハリ繼續シテ參ル考ヘデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=13
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014・阿部茂夫
○阿部委員 其ノ企業合同ノ問題デアリマ
スガ、是ハ一般ノ末梢的ナ部分マデ、大分
最近ハ考ヘガ及ビマシテ、此ノ方法デヤラ
ネバナラヌ、斯ウ云フヤウニ考ヘテ參ツテ
居ルヤウデアリマスガ、其ノ企業合同ニ關
スル考ヘ方ニ、二ツノ理解ヲ業者達ハ持ツ
テ居ルヤウデアリマス、一ツハ整理統合シ
テ企業合同ヲヤルノダ、整理統合ニ依ツテ
企業合同ヲスル場合ニハ、當然現在ノ內輪
ニ於ケル相當ナ數ノ失業者ヲ出スト云フコ
トハ已ムヲ得ヌ、又當然サウ云フ結果ガ來
ルコトヲ豫想シテヤルノダ、斯ウ云フヤウ
ニ理解致シテ、ソレニ對スル一種ノ喜ビト、
一種ノ悲劇ヲ感ジテ居リマスル者ト、サウ
デナイ、企業合同ハ自分達ノ自己更生ニ依
ツテ、共存共榮ヲ主體トシテ合同ヲ進メル
ノダ、斯ウ云フヤウナ理解ヲ持ツテ居リマ
スル者トガアルノデアリマスガ、商工省ト
致シマシテハ、今ノ企業合同ハ單ナル法制
上ノ問題ヲ除イテ、理念トシテドウ云フヤ
ウニ之ヲ理解シタラ宜イノデセウカ、御說
明願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=14
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015・堀義臣
○堀政府委員 只今御指摘ノ二ツノ觀念ガ
アルコトハ、私共モ左樣ニ考ヘテ居リマ
ス、商工省ト致シマシテ、企業合同ヲ勸奬
致シマスル場合モ、兩方ノ場合ガアルト考
ヘテ居リマス、例ヘバ商業者ガ企業合同ヲ
スルヤウナ場合ニ於キマシテハ、必ズシモ
整理統合ヲシテ、轉失業ヲ出スダケガ眼目
デハナイノデアリマシテ、業者ノ團結ニ依
リマシテ、例ヘバ冗費ノ節約ヲスルト云フ
風ナコトモ出來マスシ、御話ノ共存共榮ヲ
主眼トスル企業合同ノ場合モアルト考ヘテ
居リマス、是ハ兩方ノ場合ガアルト考ヘテ
居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=15
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016・阿部茂夫
○阿部委員 此ノ際私ハ適切ナ例デアルカ
ドウカハ能ク分リマセヌガ、一般ノ工業部
面竝ニ商業部面ニ於ケル、中小以下ノ轉失
業ノ狀態ニアル者ヲ、救濟更生スルト云フ
立場カラ考ヘマシテ、色々ト御說明ガアリ
マシタノデアリマスガ、此ノ形ニ於テト云フ
ノハ、此ノ狀態ニ於テ救ヘナイカ、再編成
トカ、再組織トカ、或ハ企業ノ合同ト云フ
ヤウナ結果ニ行カナイデ、此ノ形ニ於テ救
ヘナイカ、斯ウ云フ點モ私考ヘタコトガア
ルノデアリマスガ、結局轉廢業ニ追込マレル
原因ガ、全部ガ全部時局ノ影響ダト云フノミ
二、私ハ解セラレナイ、寧ロ時局ノ影響ガ六
ノモノデアルナラバ、後ノ三トカ四ト云フモ
ノハ、人爲的ナ、所謂新體制下ニ於ケル經
(
濟政策ノ不完備ガ、私ハサウシタ轉廢業ノ
已ムヲ得ザル狀態ニ追込ンデ居ルノデハナ
イカ、斯ウ云フヤウナ點モ、併セテ此ノ際
考慮ヲシナケレバ、全面的ナ救濟ト云フコ
トニハ及バナイト云フヤウニモ考ヘタノデ
スガ、其ノ點ニ對シテ、是ハ一ツノ例デア
リマスガ、多クノ國策會社、若クハ續出シ
テ參リマスル統制會社デアリマスガ、此ノ
統制會社ニ對シテ、將來此ノ儘ニ各種目ニ
於ケル統制會社ヲ、强化發展ナサシメル御
意思デ居ラレルノカ、或ハ是モ適當ナル時
機ニ於テ收組改編シテ、時局產業ノ强化ニ
適應スルヤウナ組織替へヲスル御考ヘデ居
ルノカ、ソレヲ一ツ御伺ヒ致シタイ、ト申
シマスノハ例ヘバ「スクラップ」ノ統制會社
デアリマスガ、今東京及ビ關西方面ニ、其ノ下
ニ故銅商業組合ト云フモノガアリマス、此ノ故
銅商業組合等モ、東京方面ノ例ヲ申シマスル
ナラバ、先祖代々カラヤツテ居リマス店ト
云フモノハ、選別スル技能ヲ持ツテ居リマ
スル主人、若クハ番頭、小僧ノ數モ大體決
ツテ居ル、サウシテ此ノ業ニ關係スル限リ、
直チニ素人ガ入ツテヤルト云フ危險性モナ
ケレバ、又他カラ直チニ侵入サレルト云フ
危險性モナイ、モウ一ツハ「スクラップ」ソ
レ自身ニ於キマシテモ、關西ニ於テ何ヘト
ン」、關東ニ於テ何「トン」ト、統制會社ノ最
後ノ帳面ニ於ケル計數ニ於テハ、每月多少
ノ變化ガアリマシテモ、略、、想定ノ付ク數量
ガ出ルノデアリマス、斯ウ云フモノヲ取扱
フノニ統制會社ガアリ、其ノ下ニ代理店ガ
アリ、其ノ下ニ指定商ガアル、サウシテ其
ノ下ニ商業組合ガアル、其ノ商業組合ノ中
ニ一部ト二部トノ兩制ガアル、サウシテ其
ノ外ニ尙ホ末梢的ナ部分ガアル、斯ウ云フ
ヤウナ狀態デ、ソレカラ一千五百「トン」ナ
ラ一千五百「トン」ト云フモノヲ一箇月ニ集
メルト致シマシテモ、斯ウシタ統制會社ガ
出來ザル前ニハ、或ハ代理店トカ、指定商
ガ出來ザル前ニ於テハ、何レニシマシテモ東
京方面ニ於ケル四、五百軒ノ此ノ故銅商ト
云フモノガ、ソレニ依ツテ安全ニ生活ヲ維
持シテ參リ、又其ノ下ニ居リマスル數千ノ
番頭及ビ小僧ト云フモノガ、又安心シテ生
活シテ居ツタ、然ルニ最近ハ統制會社ガ出
來マシテ、其ノ統制會社ノ下ニ代理店ガア
ル、指定商ガアルト云フヤウナ結果、先祖
代々カラ暖簾ヲ持ツテ居ツテ、故銅ヲ集メ
テ居ル商業者ガ、統制會社ガ出來ザル前ト出
來タ後ニ於テハ、數字ガ逆ニナリマシテ、
統制前ニ於テハ約八割マデヲ集荷致シテ居
リマシタモノガ、今日デハソレガ約二割五
六分ニナツテ、後ノ七割乃至七割五分ト云
フモノハ、其ノ統制會社ノ下ニ於ケル代理
店、若クハ指定商及ビ「リンク」ノモノ、サ
ウ云フヤウナ方面ニ取ラレテ、結局四百乃至
四百五十軒ノ故銅集荷業者ガ、立ドコロニ
失業ノ狀態ニ入ツテ居ル、斯ウ云フヤウナ
コト等ヲ、仔細ニ數字的ニ見マスルト單ナ
ル時局ノ影響ト云フ言葉ダケデハ解釋出來
ナイデ、組織ノ編成替ヘガ適切デナカツタ
ト云フ結果カラ來タ、所謂人爲的ナ轉廢業ヲ
惹起シツツアルト云フ例ハ決シテ珍ラシク
ナイノデアリマス、斯ウ云フヤウナ問題等
ヲ考ヘマシテ、商工當局ニ於テハ、此ノ統
制會社ト云フ今日ノ組織機構ガ正シイモノ
デアツテ、之ヲ强化スルト云フ方針ヲ持ツ
テ居ラレルノカ、或ハヤツテ見タガ、ココ
一年ナリ一年半ノ經驗ニ於テ、色々ナ問題
ガ生ズルノデ、之ヲ將來ニ向ツテ改組、若
クハ改廢スル御考ヘデアルノカ、或ハサウ云
フ統制會社ガアリマシテモ、故銅ノミナラ
ズ、其ノ他ノ統制會社デモ、私ガ申上ゲル
ヤウナ結果ハ商工省ニ於テ報告ヲ聽イテ居
ナイト云フコトデアリマスカ、斯ウ云フ點
ヲ一ツ御說明願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=16
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017・堀義臣
○堀政府委員 各種ノ統制會社ガ出來マシ
タ爲ニ、業者ガ迷惑シテ居ルト云フ御話ハ、
私共モ時折聞イテ居リマス、只今例ニ御擧
ゲニナリマシタ問題ニ付テハ、具體的ニ私
ハ承知致シマセヌガ、統制會社ト云フモノ
ノ作リ方ガ適切デナイ爲ニ、業界ノ方ガ困
ルコトガアルト云フコトハ、商工省ニ於テ
モ承知シテ居リマス、唯時局ノ影響ト申シ
マスカ、重要物資ニ付キマシテ、其ノ配給
或ハ囘收ト云フコトニ付キマシテ、唯業者
ノナスガ儘ニ任セテ置イタノデハイカヌト
云フ事情ガ、段々殖エテ參リマスノデ、其
ノ爲ニハ今後モ必要ニ應ジマシテ、統制會
社ト云フモノモ作ラザルヲ得ナイノデハナ
イカト考ヘテ居リマス、物ヲ配給統制致シ
マス場合ニ、新シク會社ヲ作ルカ、或ハ旣
存ノ商業組合ト云フヤウナモノヲ利用致シ
マスカ、是ハ其ノ時々ノ問題デゴザイマス
カラ、ヤハリ必要ニ應ジテハ、統制會社ト
云フモノガ、今後モ出來ルコトニナルデア
ラウト考ヘテ居リマス、唯其ノ作リ方ニ付
キマシテハ從來トモ相當氣ヲ付ケテハ居
ルノデゴザイマス、企業ノ整理合同ト云フ
コトニ付キマシテモ、ドウモ劃一的ニ、機
械的ニ實行サレテ困ルト云フ御話モアリマ
シタノデ、決シテソンナコトノナイヤウニ
ト云フ意味ノ通牒ヲ、地方廳ニ出シマシテ、
出來ルダケ實情ニ卽シテ、企業ノ合同ト云
フヤウナコトモ實行スルヤウニ、是マデモ
注意致シテ居リマスガ、統制會社ト云フヤ
ウナモノヲ作リマス際ニ於キマシテモ、新
シク組織ガ出來タ爲ニ、從來其ノ關係ノ仕
事ヲシテ居ツタ人ガ、突然トシテ困ツテ來
ルト云フコトノナイヤウニハ、十分注意ス
ル考ヘデ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=17
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018・阿部茂夫
○阿部委員 此ノ點ハ多少見解ノ相違ニナ
ルカト、私ハ思フノデアリマスガ、要スルニ
問題ハ、轉廢業者ヲドウシテ更生シテ行ク
カト云フ一點ニ歸着スルト思フ、今囘提案サ
レテ居リマス更生金庫デアリマスガ、此ノ更
生金庫ノ目標ガ、時局ノ影響カラ受ケル產業
ノ轉廢業者ヲ、之ニ依ツテ更生ナサシメル、
サウ云フ爲ニ融通資金トシテ、更生金庫ガ
設立サレルノダト云フヤウナ御趣旨ノ、御
說明ガアリマシタガ、私ハ是モ一ツノ方法
デアリマスルガ、先程大藏當局カラノ御說
明ガアリマシタヤウニ、此ノ更生金庫ガ設
立サレマシテモ、是ダケニ於テ現在ノ不安
ナル中小商工業ノ轉廢業者ヲ更生スベキ、
最モ有力ナル方法ダトハ考ヘラレナイノデ
アリマス、ナゼナラバ、私共ハ過去ニ於テ
經驗致シマシタ昭和七年カラ八年ニ於ケル
非常ナ不況時代ニ、中小商工業者ノ救濟ノ
爲ニ、地方府縣ノ補償ノ下ニ於ケル、無擔
保融資ト云フモノガ設立サレタ、是モ最初
ノ觸レ出シハ相當大デアリマシタケレドモ、
結果ニ於テハ大シテ中小商工業者ノ救濟ノ
方法ニナラナカツタ、次ニハ保證協會ノ下
ニ於ケル無擔保ノ融資ト云フモノニ依ツ
テ、中小商工業者ノ產業ヲ更生シヨウト云
フ段取リニナツタ、ソレカラ續イテ商工中
央金庫、或ハ最近ニ於ケル庶民金庫等々デ、
其ノ目標ト性質ハ異ツテ居リマスケレド
モ、其ノ時局々々カラ生ズル產業戰線カラ落
伍シ、落伍セントスル者ヲ更生シ救濟シヨ
ウ、或ハソレ等ニ從事致シテ居ル人達ノ生
活ヲ擁護セントスル爲ノ資金ニ、斯ウ云フ
一ツノ便法ガ設ケラレタト云フコトハ共
通シタ考ヘ方ダト思フノデアリマス、今日
マデサウシタ四種ニ亙ツテヤツテ居リマス
ガ、其ノ實績ヲ率直ニ見ルト、ソレニ依ツ
テ更生シタト云フ數ハ極メテ微々タルモ
ノデアツテ、其ノ責任者ノ報告ハ、唯貸付
ハシタケレドモ、損失ハ比較的「パーセン
テージ」ガ低カツタ、割合ニ好イ結果ヲ得タ
ト云フ報告デアツテ、其ノ本來ノ目的デア
ル產業人ガ、ソレニ依ツテ更生シ、ソレニ依
ツテ救濟サレタ、新シイ出發ガ出來タト云
フ爲ニ、是等ノ金ガ相當役立ツタト云フ報
〓ハ、極メテ少イノデアリマス、ソレハド
ウ云フ所ニ原因致シテ居ルカト申シマスト、
勿論運營其ノ宜シキヲ得ナカツタト云フコ
トハ、申スマデモナイコトデアリマス、申
込ンデ借リ出スマデニハ、長キハ數箇月掛
ツタ例モアリマス、最近ハ非常ニソレガ敏
速ニナツタ、ソレデモ數週間モ日子ヲ費シ
テ居リマス、而モサウシタ際物的ナ金ガ、
適切ナル時期ニ貸シテ戴ケナカツタト云フ
コトト、其ノ要求ガ切ナル要求デ、正直ニ
申出テモ、ソレニ對シテ帶ニハ短カシ襷ニ
ハ長シト云フヤウナ關係ノ金シカ融通サレ
ナイ爲ニ、負債ノ整理ニシマシテモ、或ハ轉
失業ノ場合ノ資金ニシマシテモ、ソレニ依
ツテ更生スルダケノ有力ナル資金デハナカーテハ又生レントスル轉廢業者ノ更生ニハ、極
ツタト云フコトガ、結果ニ於テ好イ成績ヲ
得ナカツタト云フヤウナ過去ノ實例カラ
見マシテ、今度ノ更生金庫モ大體一一千万圓
デ、ソレノ十倍ノ資金ガ運用サレルト云フ
ヤウナ結果ニナツテ居リマスガ、數字カラ
見ルト、相當量ト私ハ考ヘマスケレドモ、
此ノ轉失業ニ向ツテ驀進シツツアル現在ノ
中小商工業者ノ數字ハ、他日御示シ下サル
ト思ヒマスカラ申上ゲマセヌガ、私ノ調
査ニ依リマスト、中々少イ數字デハナイト
考ヘテ居ルノデアリマス、斯ウ云フ數字ノ
モノヲ、資金ノ融通ニ依ツテ更生シヨウ
トシテモ、果シテ效果ヲ得ラレルカドウ
カ、昨年開業シマシタ更生金庫デハ、損ヲ
見込ンデ貸スノダト云フ御話モ伺ツタノデ
アリマスガ、ソレハサウ云フ結果モ豫想サ
レマス、併シ損ヲ見込ンデ貸スト云フガ、
金庫ノ方ガ損ヲシテモ、其ノ金ガ他ノ形
ニ於テ現ハレル時ニ於テハ、國家全體カラ
見、產業全體カラ見テ、私ハ有意義ニ使
ハレタト想像サレルノデスガ、金庫ノ方
モ損ヲスル、借リタ個人モソレヲ何ノ爲ニ
使ツタカ分ラナイト云フコトデハ、全體
ノ產業ノ上ニ、極メテ遺憾ナ結果ヲ招來
スルノデハナイカ、サウ云ラ觀點カラ
見マシテ、今度ノ更生金庫ガ設立サレテ、
一番裾ハドノ程度ニ、或ハ上ハドノ程度ニ
オヤリニナルカ、私マダ能ク承知シマセヌ
ガ、果シテ是ダケデ宜イノカ、是デ救濟シ、
或ハ更生スル所ノ自信ガ、ハツキリオアリ
ニナツテ、此ノ案ガ作ラレタカドウカ、勿
論將來ノ見透シナリ、計畫ヲ御立テニナツ
テヤラレタコトト思ヒマスケレドモ、サウ
シタ過去ノ實例カラ見マスト、此ノ形ニ於
メテ短イノデハナカラウカ、帶ニモ襷ニモ
私ハ短イモノデハナカラウカト思フガ、斯
ウ云フ點ニ對シテ、モウ少シ政府當局ニ於
テモ考慮ノ餘地ガナイカ、斯ウ云フ點ヲ、
モウ一ツ御說明願ヒタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=18
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019・相田岩夫
○相田政府委員 只今ノ御質問、洵ニ御尤
モト存ジマス、從來ノ轉業資金ノ貸出等ニ
付キマシテ、或ハ所期ノ效果ヲ擧ゲ得ナカ
ツタデハナイカト云フ御批判デゴザイマス
ガ、今マデノ金融ノ考ヘ方ト致シマシテハ、
結局轉業ノ場合ニ於キマシテモ、轉業後ノ
新シイ業務ニ付キマシテ、收支採算ノ可能
デアルカドウカト云フ所ニ着目ヲ致シマシ
テ、貸出ヲ致スノデアリマシテ、其ノ場合
ニ危險ヲ伴フノデアルカラ、損失ヲ補償ス
ルト云フコトニ致シテ來タノデアリマス、
此ノ國民更生金庫ニ於キマシテハ、其ノ設
立ノ趣旨ガ、轉廢業計畫ヲ圓滑ニ促進遂行
セシムルコトガ出來ルヤウニ旣ニ御說明モ
申上ゲマシタ通リ、舊業務ノ用ニ供セラレ
テ居リマシタ資產ヲ、一應營業ヲ繼續スル
モノトシテノ評價ニ依ツテ、其ノ處分ヲ引受
ケ、之ヲ見返リトシテ資金ヲ貸付ケルト云
フ方法ヲ執ルノデゴザイマスカラ、從來ノ
ヤリ方ト違ヒマシテ、御案ジニナツテ居ラ
レマシタ點モ、一層圓滑ニ所期ノ目的ヲ達
シ得ルヤウニ、此ノ金庫ノ事業ヲ行ツテ行
クコトガ出來ルノデハナイカト考ヘテ居リ
マス、隨テ此ノ金庫ノ業務ニ付キマシテハ、
處分ヲ引受ケマス資產以外ニ、更ニ擔保ヲ
取ツタリ、保證人ヲ立テシメルヤウナコト
モゴザイマセヌシ、又引受評價額ト、實際
處分價格トニ差額ヲ生ジマシタ場合、ト申
シマスノハ損失ニ不足ヲ生ジマシタ場合ニ
於キマシテモ、之ヲ債務者ニ追求スルヤウ
ナコトヲ致シマセヌデ、其ノ損失ハ政府デ
之ヲ補償スルト云フ建前モ執ツテ居リマス
シ、從來ノヤリ方トハ、其ノ根本ノ考ヘ方
ニ於キマシテ、可ナリ違ツタ所ガアリマス
ノデ、國民更生金庫ハ、必ズヤ時局ノ要請
ニ應ジテ、轉廢業ヲ必要トスルモノニ對シ
マシテハ其ノ轉廢業ノ計畫ノ實行促進ニ
貢獻シ得ルモノト考ヘテ居ル次第デゴザイ
やく、御說ノ趣旨ニモ鑑ミマシテ、尙ホ此
ノ運營上十分ニ注意致シテ行キタイト存ジ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=19
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020・阿部茂夫
○阿部委員 其ノ點ニ對シテモウ一點伺ヒ
タイト思フノデスガ、此ノ運營上ノ問題デ
更生金庫ノ金ヲ使用スル場合ト、庶民金庫
ノ金ヲ使用スル場合ト、勿論商工金庫トカ、
若シクハ各銀行ニ於ケル持チ金ノ產業資金
トノ關係ハ、可ナリ明瞭デ分ルノデスガ、
庶民金庫ト更生金庫トノ利用ニ對スル利用
者側ノ〓念上ノ、ハツキリシタ區別ト云フ
ヤウナモノハ、法制的ニ何カ明確ニサレル
ノデスカ、ソレトモ利用シタイ方ヲ利用シ
テモ宜イト云フヤウナ考ヘデ居ラレルノデ
スカ、其ノ點御說明願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=20
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021・相田岩夫
○相田政府委員 法制的ニ區別スルト云フ
コトハゴザイマセヌガ、只今モ申上ゲマシ
タヤウニ、此ノ國民更生金庫ハ舊業務用
ノ資產ヲ、一應營業ヲ繼續スルモノトシテ
ノ評價額ニ依ツテ、其ノ處分ヲ引受ケ、處
分ガ實際ニ行ハレルマデノ間、之ヲ見返リ
トシテ資金ヲ融通スルト云フ方法ニ依ルノ
デアリマスルカラシテ、融通シ得ベキ金額
ガ、比較的豐富ニナル譯デアリマス、旣設
ノ金融機關ニ於キマシテ、資金ヲ貸出シマ
スノハ、庶民金庫ノ場合ト雖モ、尙ホ將來
ノ其ノ債務者ノ事業ノ如何ト云フコトヲ主
眼ト致シマシテ、將來其ノ人ガ新シイ事業
ノ經營ニ依ツテ、其ノ債務ヲ償還シ得ルカ
ドウカト云フ點ニ、重點ヲ置クノ·コンクラン
マシテ、此ノ國民更生金庫ハ、將來其ノ人
ガ新シイ事業デ旨ク行ツテ、此ノ債務ヲ償
還シ得ルデアラウカト云フヤウナコトニハ
拘ラズニ貸出ヲスル、サウ云フ點ニ於キマ
シテ國民更生金庫ハ、從來ノ金融機關トハ
非常ニ性質ガ違ツテ居ルト申スコトガ出來
ルト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=21
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022・阿部茂夫
○阿部委員 是ハ質問デハアリマセヌ、此
ノ際若シ御〓示ガ願ヘルナラ幸ヒダト思フ
ノデアリマス、ソレハ戰時下ノ銃後國民ト
シテ、貯蓄精神ノ奬勵、貯蓄心ノ涵養ノ必
要ナコトハ、是ハモウ當然ナコトデ、何等私
共ガ疑義ヲ挿ム餘地ハナイノデアリマス
隨テ國民ガ總掛リニナツテ貯蓄シタ其ノ資
金ガ、何レノ方向ニ使ハレルカ、率直ニ申
シマスト經濟觀念ト言ヒマスカ、經濟思
想ノ高度ナ人達ハ、現在ノ貯金ノ實質及ビ
ソレノ使用ノ方法、又何ガ故ニ隣組ト言ハ
ズ、町會ト言ハズ、或ハ組合ト言ハズ貯蓄ノ奬
勵ヲ大掛リニナツテヤラレテ居ルカト云フ
眞相ハ、十二分ニ理解サレテ居ルノデアラ
ウト思ヒマスガ、比較的ニ經濟知識ノ低イ
階層ニ於キマシテハ、動モスルト數字ノ〓
念カラ、一ツ錯覺ヲ起シテ居ルノデナカラ
ウカト云フコトヲ、私ハ時々ノ場合ニ於テ
實感ヲスルノデアリマス、ト申シマスノハ
今日ノ戰爭ガ、一大消費戰デアルト云フ實
相ヲ理解シナイデ、尙且戰爭ニ依ツテ個人
經濟ガ裕福ニナル、戰爭ニ依ツテ國家ノ財
政ガ樂ニナル、戰爭ト云フモノハ金ガ出來
ルモノデアル、國家ノ富ガ出來ルモノデア
ル、モツト他ノ言葉デ申シマスト、第一次
歐洲大戰當時ニ於ケル國內ノ通貨ノ動キト
云フモノト、今日ノ日支事變ニ於ケル通貨
ノ動キト云フモノト、個人所得ノ數量ト云
フモノト同一ノ「ライン」ニ於テ考ヘルト云フ
コトガ、可ナリ下ノ方ノ經濟知識ノ比較的乏
シイ人達ノ間ニハアルノデアリマス、サウ
云フコトデ動モシマスルト、數日前ニ東京
ノ新聞ヲ賑ハシマシタガ、朝カラ劇場ノ周
圍ニ殺到スル、或ハ溫泉場ニ行ツテモ宿ガ
ナイ、二等汽車ハ滿員デ乘レナイト云フヤ
ウナ、社會的ナ病根ヲ藏シタ一ツノ考ヘ方
ノ誤リガ起ツテ居ルノデハナイカト云フコ
トヲ、私ハ實感ヲスルノデアリマス、併シ
ナガラドウモ私如キ經濟知識ノ不確實ナモ
ノニアリマシテハ、非常時下ニ於ケル經濟戰
ト云フモノノ實相ヲ、彼等ニ十二分ニ說明シ
得ル言葉ノ持合セガナイノデアリマス、斯ウ
云フコトガ動モシマスレバ、サウシタ社會惡
ヲ釀成スル原因ダト知リツツ、言ハントシ
テ言ヒ得ズ、示サントシテ示シ得ザル憾ミ
ガアルノデアリマス、斯ウ云フ點ヲ何トカ
良イ考ヘヲ以テ、此ノ階層ノ人達ニ、此ノ
經濟ノ實相ヲ知ラシメ、サウシテ自肅ノ精
神ヲ自ラ涵養セシメルト云フヤウナコトニ、
貯金奬勵ト併行シテ隣組ナリ、或ハ常會ナ
リサウ云フ方面、サウ云フ人達ヲ通シテ、
之ヲ理解セシメル方法ガナイカドウカ、或
ハ私ノ斯ウ云フヤウチ實感ガ間違ツテ居レ
バ、ソレハ幸ヒデアルト思フノデスガ、御
說明ヲ願ヘレバ幸甚ダト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=22
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023・栗原修
○栗原政府委員 貯蓄ノ奬勵ニ付キマシテ
或ハ十分ニ徹底シナイノデハナイカト云フ
ヤウナ點ニ付キマシテ、申上ゲタイト思ヒ
マイク御話ノアリマシタヤウニ、貯蓄ノ奬
勵ヲ致シマシテ、貯蓄ノ必要性ヲ十分ニ認
識致サセマス爲ニハ、講演會デアルトカ、
或ハ文書等ニ依リマシテ、凡ユル方面ニ
向ツテ其ノ趣旨ノ徹底ニ努メテ居ルノデゴ
ザイマス、隨ヒマシテ御話ノアリマシタ、
隣組、町內會ト云フ如キ下部組織ニ至ルマ
デ、貯蓄ノ必要性竝ニ貯蓄ノ精神ヲ十分ニ
昂揚シナケレバナラヌト云フコトハ、夙
痛感致シテ居ルノデアリマシテ、段々ニ徹
底シテ參ツテ居ルト考へテ居ルノデゴザイ
マイ、國民貯蓄奬勵局ノ行ヒマシタ講演
等ニ致シマシテモ、非常ニ多數ノ囘數
ヲ重ネテ、殆ド津々浦々ニ亙リマシテ、時
局ノ認識ヲ深カムル爲ニ、努力致シテ居
ルヤウナ狀況デゴザイマス、然ルニ歐洲戰
爭ノ時ノヤウナ狀態ガ、一部ニアルヤウデ
アルト云フ御話デゴザイマシタガ、時局ノ
影響ニ依リマシテ、急激ニ所得ノ增加致シ
タ階級、或ハ階層ト申シマスカ、サウ云フ
部分ガアルノハ事實デアリマシテ、貯蓄ノ
奬勵、消費ノ節約ノ趣旨ヲ徹底致シマス爲
ニ、先ヅ第一ニ此ノ方面ニ着目致シマシテ、
此ノ方面ノ貯蓄勵行ノ指導ニ努力致シタノ
デアリマス、今日ニ於キマシテハ事變ノ勃
發當時ニ比較致シマスト、サウ云フ傾向ハ
段々ニ薄ライデ來テ居ルノデハナイカト考
ヘテ居ルノデアリマス、現下ノ經濟戰ノ實
相ヲ、國民ニ十分ニ知ラシムルコトノ必要ニ
付キマシテハ、洵ニ御同感デアリマシテ、
此ノ點ニ付キマシテモ凡ユル努力ヲ拂ツテ
居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=23
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024・阿部茂夫
○阿部委員 最後ニ一ツノ御尋ネヲ致シタ
イノデアリマス、是ハ商工當局カラ御答辯
ヲ願ヒタイ、先程來ノ御答ヘニ依リマシテ、
商工當局ガ御考ヘニナツテ居リマス轉廢業
者ニ對スル方法等ハく略〓理解致シタノデ
アリマスガ、尙ホ御伺ヒ致シタイト思フ要
點ハ、具體的ナ方策、對策ガ商工省ニ於テ
今日マデ立テラレテ居ルカドウカト云フ問
題デ、多少是ハ厚生省ニモ關係ガアルノデ
アリマスガ、私ノ御答ヘヲ願ハント欲スル
問題ハ、現在マダ轉廢業ニ至ラヌケレド、
將來時局ノ波ニ押サレテ、相當打撃ヲ蒙ム
ルモノ等ヲ、如何ニシテ救濟スルカ或ハ更
生スルカト云フ此ノ具體案、モウ一ツハ中
小商業ノ方面等ニ於キマシテハ、之ヲドウ
引繰リ返シマシテ、物資缺乏其ノ他ノ關係
カラ、數ノ整理統合ガ必然デアル此ノ人達
ヲ整理統合シテ、一ツノ組織ノ再編成ヲ致
シマス際ニ生ズル轉廢業者ヲ、ドノ方法ニ依
ツテ救濟若クハ更生スルカ、第三點ハ既ニ
時局ノ影響カラ轉廢業、若クハ失業ノ群ニ
落チテ居ルモノ等ヲ、ドノ方法ニ依ツテ更
生若クハ救濟スルカ、此ノ三點ニ付テ具體
的ナ方法ガアレバ、御示シヲ願ヒタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=24
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025・堀義臣
○堀政府委員 第一點ノ現在轉廢業ヲシテ
居ナイ、ソコマデ行ツテ居ラナイケレドモ
將來打撃ヲ蒙ムルコトガ必然デアルモノニ
對シテ、ドウスルカト云フ點ニ付テ、先ヅ
御答ヘ申上ゲマス、是ハ先程モ一寸申上ゲ
マシタヤウニ、工業方面ニ付キマシテハ、
業種別ニ事業ノ整理要綱ト云フモノヲ立テ
マシテ、ソレヲ段々末端ノ組合ニ及ボシテ
參リマシテ、實行スルト云フ考ヘ方ヲ致シ
テ居リマス、之ヲ實行致シマスル場合ハ、
已ムヲ得ズ相當ノ轉廢業者ヲ出サザルヲ得
ナイト思ヒマス、ソレ等ノモノ、及ビソレ
カラ第二ノ御質問ノ中小商工業者ニシテ、
今後ノ事業ノ整理統合ニ依ツテ、轉廢業ノ
已ムナキニ至ルモノ、是ハ具體的ニドウ云
フ商賣ヲシテ居ツタ人ヲ、ドノ方面ニ向ケ
ルカト云フコトマデハ、マダ何等決ツテ居
リマセヌ、唯先程申シマシタヤウニ、職業
指導所、勤勞訓練所等ノ活躍ニ依リマシテ、
出來ルダケ適當ナ方面ニ振向ケテ行クト云
フコトニ致サザルヲ得ナイト考ヘテ居リマ
ス、ソレデ中小工業ニ對スル整備要綱ニ當
ルヤウナモノヲ、中小商業ニ付テモ、出來
ルダケ決メテ參リタイト思ヒマシテ、是ハ
只今〓究ヲ致シテ居ルヤウナ譯デアリマス、
ソレカラ第三ノ御質問ハ、旣ニ失業シテシ
マツタ者ヲドウスルカト云フ御話デゴザイ
マスルガ、是ハヤハリ職業指導所等ト重要
產業方面ト連絡ヲ執リマシテ、是等ノ人ヲ
收容スル途ヲ講ズル外ナイノデハナカラウ
カト考ヘテ居リマス、是モ具體的ノ方策ト
云フモノハ、マダ決定シテ居リマセヌ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=25
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026・阿部茂夫
○阿部委員 私ノ質問ハ是デ終リマシタ、
尙ホ大臣ガオ見エニナリマシタラ、一點御
伺ヒ致シタイト思ヒマスカラ、御願ヒ致シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=26
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027・菊池良一
○菊池委員長 伊東君此ノ次ニシマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=27
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028・伊東岩男
○伊東委員 資料ヲ要求シテ居リマスノデ、
資料ガ參リマシテカラ、此ノ次ニ質問致シ
タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=28
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029・菊池良一
○菊池委員長 ソレデハ本日ハ此ノ程度デ
散會致スコトニ致シマシテ、次會ハ明後日
ノ午前十時カラデアリマスガ、是ハ速記ノ
關係又部屋ノ關係デ、明後日午前中ダケノ
豫定デゴザイマスカラ、午前中ニ質疑ヲ致
シテ戴キタイト思ヒマス、本日ハ是ニテ散
會致シマス
午後三時十二分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007611041X00219410215&spkNum=29
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