1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十六年十一月十九日(水曜日)午後三時三十六分開議
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議事日程 第四號
昭和十六年十一月十九日
午後三時三十分開議
第一 酒税等の増徴等に關する法律案(政府提出、議院送付) 第一讀會
第二 昭和十二年法律第八十四號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 昭和十三年法律第二十三號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
昨十八日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提
出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議
院ニ通知セリ
臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)
同日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案
ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付セリ
防空法中改正法律案
同日本院ニ於テ承諾スルコトヲ議決シタル
左ノ政府提出案ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付セ
昭和十六年勅令第九百二十三號
臨時郵便取締令
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十七囘帝
昭和十六年十一月二十日
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
政府委員
情報局情報官堀公一君
大藏省所管事務政府委員
大藏書記官池田·勇人君
本日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和十六年度歲入歲出總豫算追加案第
(株)
昭和十六年度各特別會計歲入歳出豫算追
加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第一號)
酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案
昭和十二年法律第八十四號中改正法律案
昭和十三年法律第二十三號中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、日程第一、酒稅等ノ增徵等
ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、賀屋大藏大臣
〔左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ〕
酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案
第一條酒稅法中左ノ通改正ス
第二十七條各酒類ニ課スベキ酒稅及其ノ稅率左ノ如シ
一〓酒造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分二十度ヲ超ユル一
度每ニ五圓五十錢ヲ加フ
庫出稅一石ニ付五十五圓
二合成〓酒造石稅一石ニ付四十八圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分二十度ヲ超ユル一
度每ニ五圓七十錢ヲ加,
庫出稅一石ニ付五十五圓
三濁酒造石稅一石ニ付四十五圓
庫出稅一石ニ付十五圓
四白酒造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分二十度ヲ超ユル一
度每ニ六圓ヲ加フ
庫出稅一石ニ付六十五圓
五味淋造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十八度ヲ超ユルト
キハアルコール分二十八度ヲ超ユ
ル一度每ニ四圓四十錢ヲ加フ
庫出稅一石ニ付六十五圓
六燒酎
第一種アルコール分四十五度ヲ超エザルモノ
甲連續式蒸餾機ニ依リ製造シタルモノ
造石稅一石ニ付四十八圓
アルコール分三十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分三十度ヲ超ユル一
度每ニ三圓八十錢ヲ加フ
庫出稅一石ニ付五十五圓
乙其ノ他ノモノ
造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分三十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分三十度ヲ超ユル一
度每ニ三圓七十錢ヲ加フ
庫出稅一石ニ付五十五圓
第二種アルコール分四十五度ヲ超ユルモノ
造石稅一石ニ付
二百十五圓ニアルコール分四十五
度ヲ超ユル一度每ニ六圓ヲ加ヘタ
ル金額
庫出稅付五十五圓
村付付八十七圓八十錢
九八七雜果麥實酒酒酒石石石石五十圓
信用卡
造石稅ニ付五十圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキ
ハアルコール分二十度ヲ超ユル一
度每ニ六圓ヲ加フ
庫出稅一石ニ付七十圓
第二十七條ノ二命令ヲ以テ定ムル〓酒、味淋、果實酒及雜酒ノ酒類庫出稅ニ付テ
ハ命令ヲ以テ定ムル價格ニ左ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ前條ノ規定ニ依ル
酒類庫出稅額ニ加算ス
-〓酒、味淋及果實酒百分ノ二十
二雜酒百分ノ三十
第三十五條第一項及第二項中「(濁酒ヲ除ク)」ヲ削リ同條第一項及第三項中「石數」ノ
下ニ「(第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ數量及價格)」ヲ
加フ
第五十一條第二項及第六十四條第三項中「酒類造石稅」ノ下ニ「及酒類庫出稅」ヲ加フ
第六十八條第二項中「第一一十七條ノ稅率ニ依リ」ヲ「第二十七條及第二十七條ノ二ノ
規定ニ依リ」ニ改ム
第八十三條第一項第二號中「二十圓」ヲ「四十圓」ニ改ム
第八十四條第一項中「二圓十錢」ヲ「三圓二十錢」ニ、「百一圓」ヲ「百六十一圓」ニ、三
圓八十錢」ヲ「四圓八十錢」ニ改ム
第二條〓涼飮料稅法中左ノ通改正ス
第二條中「八圓五十錢」ヲ「十二圓」ニ、「二十圓」ヲ「三十圓」ニ、「六圓」ヲ「十一圓」ニ
改ム
第三條砂糖消費稅法中左ノ通改正ス
第一條中「糖水」ノ下ニ「(廿蔗又ハ甜菜ヲ原料トシテ製造シタル糖汁ヲ含ム)」ヲ加フ
第三條消費稅ノ稅率左ノ如シ
砂糖
第一種·分蜜セサル砂糖
甲樽入黑糖及樽入白下糖但シ黑糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタ
ルモノ竝ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク
百斤ニ付五圓
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付七圓三十錢
第二種其ノ他ノ砂糖但シ氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
甲蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ
百斤ニ付八圓
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付十二圓
第三種氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ
甲氷砂糖百斤ニ付十五圓
消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ
砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リ
テハ百斤ニ付二圓
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付十六圓
消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ
砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リ
テハ百斤ニ付四圓
二糖蜜
第一種氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル糖蜜
百斤ニ付八圓
第二種其ノ他ノ糖蜜百斤ニ付四圓五十錢
三糖水百斤ニ付十圓
第四條物品稅法中左ノ通改正ス
第一條第一項第一種第十四號中「トランク」ノ下ニ「類竝ニ行李」ヲ、同種第十八號中
「玩具」ノ下ニ「、遊戯具、搖籃及乳母車類」ラ加ヘ同種第十五號中「靴及」ヲ削ル
同種ニ左ノ如ク加フ
三十二庭木竝ニ庭園用ノ石材及石工品
三十三簾釣燈籠及提灯類
三十四鐵瓶竝ニ茶道及香道用具
三十五扇子及團扇
三十六花輪及花束類
三十七釣用具類
丙類
三十八靴
三十九事務用器具
同項第二種第十七號中「受信用眞空管、」ノ下ニ「マイクロホン、」ヲ、同種第二十三號
中「紅茶、」ノ下ニ「烏龍茶、包種茶、」ヲ加フ
同種ニ左ノ如ク加フ
二十五煙火類
二十六薰物及線香類
二十七大理石及之ヲ原料トスル擬石竝ニ陶磁器製クイル
丙類
二十八電球類
二十九携行用ノ電燈、同ケース及電池
三十魔法瓶、水筒類及同部分品
三十一計算機
三十二タイプライター、同部分品及附屬品
三十三輪轉謄寫機及同附屬品
三十四金錢登錄機
三十五タイムスタンプ及同附屬品
三十六ミシン及ミシン用針
三十七板硝子
三十八紙及セロファン
三十九齒磨
四十綠茶
四十一調味料
同項第三種ニ左ノ一號ヲ加フ
三サッカリン
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該當スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類及乙類若ハ
甲類及丙類又ハ甲類、乙類及丙類ニ該當スルモノハ之ヲ甲類トシ乙類及丙類ニ該
當スルモノハ之ヲ乙類トス
第二條物品稅ノ稅率左ノ如シ
第一種
甲類物品ノ價格百分ノ五十
乙類物品ノ價格百分ノ二十
第五條ノ規定ニ依ル場合ニ在リテハ百分ノ三十
丙類物品ノ價格百分ノ十
第二種
甲類物品ノ價格百分ノ五十
乙類物品ノ價格百分ノ二十
丙類物品ノ價格百分ノ十
第三種
燐寸千本ニ付五錢
二飴葡萄糖及麥芽糖
イ麥芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴
百斤ニ付二圓五十錢
ロ其ノ他ノ飴竝ニ葡萄糖及麥芽糖
百斤ニ付三圓
三サッカリン一瓩ニ付十圓
第五條第一碩第十六號ニ揭グル物品ガ入札其ノ他競爭ノ方法ニ依リ賣買セラルル
場合(强制競賣又ハ之ニ準ズベキ場合ヲ除ク)ハ其ノ札元又ハ之ニ準ズベキ者ガ小
賣業者トシテ當該物品ヲ販賣スルモノト看做ス
第六條中「又ハ嗜好飮料」ヲ「、嗜好飮料、薰物類、線香類、齒磨又ハ調味料」ニ改ム
第五條遊興飮食稅法中左ノ通改正ス
第一條中「及飮食」ヲ「、飮食及宿泊」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場所以外ノ場所ニ於テ飮食スル場合ニ於テ其ノ飮食物ガ料理店又ハ旅館ヨ
リ供給ヲ受クルモノナルトキハ其ノ飮食ハ之ヲ料理店又ハ旅館ニ於ケル飮食ト看
做ス
第二條遊興飮食稅ノ稅率左ノ如シ
一藝妓ノ花代料金ノ百分ノ百
二藝妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ(以下其ノ他ノ花代ト
稱ス)料金ノ百分ノ五十
三藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他
ノ花代ヲ除ク料金ノ百分ノ三十
四命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他ノ
花代ヲ除ク料金ノ百分ノ三十
五前各號以外ノ遊興飮食ノ料金
イ一人一囘三圓ニ滿タザルモノ料金ノ百分ノ二十
ロ一人一囘三圓以上ノモノ料金ノ百分ノ三十
六旅館ニ於ケル宿泊ノ料金
イ一人一泊十圓ニ滿タザルモノ料金ノ百分ノ二十
ロ一人一泊十圓以上ノモノ料金ノ百分ノ三十
前項ノ遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ハ前條ニ規定スル場所ノ經營者ガ遊興、飮食又ハ
宿泊ヲ爲シタル者ヨリ其ノ遊興、飮食又ハ宿泊ニ付領收スベキ金額ヲ謂フ
遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條遊興飮食ノ料金ガ一人一囘一圓五十錢ニ滿タザル場合及旅館ニ於ケル宿泊
ノ料金ガ一人一泊五圓ニ滿タザル場合ニハ遊興飮食稅ヲ課セズ但シ左ニ揭グル遊
興飮食ノ料金ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一藝妓ノ花代
二其ノ他ノ花代
三藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金
四命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飮食ノ料金
第三條ノ二前二條ノ一人一囘ノ遊興飮食ノ料金及一人一泊ノ宿泊ノ料金ノ計算ニ
關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條及第七條中「遊興飮食料金」ヲ「遊興飮食又ハ宿泊ノ料金」ニ改ム
第六條通行稅法中左ノ通改正ス
第二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
乘車船區間四十粁以下ナルトキ
一等三十錢
二等十五錢
乘車船區間八十粁以下ナルトキ
等五十錢
二等二十五錢
三等五錢
乘車船區間百二十粁以下ナルトキ
一等一圓五十錢
二等七十五錢
三等十五錢
乘車船區間百六十粁以下ナルトキ
一等三圓
二等一圓五十錢
三等三十錢
乘車船區間三百粁以下ナルトキ
等五圓
一 等二圓五十錢
三等五十錢
乘車船區間五百粁以下ナルトキ
一等七圓
二等三圓五十錢
三等七十錢
乘車船區間五百粁ヲ超ユルトキ
一等十圓
二等五圓
三等一回
同條第五項ヲ左ノ如ク改ム
貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
等貸切運賃ノ百分ノ二十
二等貸切運賃ノ百分ノ十五
三等貸切運賃ノ百分ノ十
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
急行車船又ハ寢臺車船ニ乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ前條ノ規定ニ依ル
ノ外左ノ稅率ニ依リ通行稅ヲ課ス
等急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ三十
二等急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ二十
三等急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ十
第四條中「三等乘客」ノ下ニ「及定期乘車船ノ契約ニ依ル三等乘客」ヲ加フ
第八條中「又ハ急行料金」ヲ「、急行料金又ハ寢臺料金」ニ改ム
第七條入場稅法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一囘五十錢未滿ナルトキ入場料ノ百分ノ二十
入場料ガ一人一囘一圓未滿ナルトキ入場料ノ百分ノ三十
入場料ガ一人一囘三圓未滿ナルトキ入場料ノ百分ノ四十
入場料ガ一人一囘五圓未滿ナルトキ入場料ノ百分ノ六十
入場料ガ一人一囘五圓以上ナルトキ入場料ノ百分ノ八十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルトキ入場料ノ百分ノ四十
第二種ノ場所
撞球場、スケート場入場料ノ百分ノ二十
麻雀場入場料ノ百分ノ三十
舞踏場、ゴルフ場入場料ノ百分ノ五十
第十條第一項ヲ左ノ如ク改ム
特別入場稅ノ稅率左ノ如シ
特別入場料ガ一人一囘一圓未滿ナルトキ特別入場料ノ百分ノ二十
特別入場料ガ一人一囘一圓以上ナルトキ特別入場料ノ百分ノ三十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルトキ
特別入場料ノ百分ノ三十
第八條建築稅法中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ三號ヲ加フ
四旅館ノ用ニ供スル家屋
五撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ供スル家屋
六倶樂部、會館其ノ他名稱ノ何タルヲ問ハズ會〓其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ
親睦ヲ圖リ又ハ其ノ慰安若ハ娛樂ノ用ニ供スル家屋
第四條中「百分ノ十」ヲ「百分ノ二十」ニ改ム
第九條骨牌稅法中左ノ通改正ス
第四條中「五圓」ヲ「十圓」ニ、「七十錢」ヲ「一圓五十錢」ニ改ム
第十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第六號中「三錢」ヲ「五錢」ニ、「十錢」ヲ「二十錢」ニ、「三十錢」ヲ「六十
錢」ニ、「六十錢」ヲ「一圓二十錢」ニ、「九十錢」ヲ「一圓八十錢」ニ、「一圓五十錢」ヲ
三圓」ニ、「三圓」ヲ「六圓」ニ改ム
第十一條地方分與稅法中左ノ通改正ス
第二條第二項及第六條第一項中「百分ノ五十」ヲ「百分ノ十五·一八」ニ改ム
第四十七條ニ左ノ一項ヲ加フ
第二條第二項中百分ノ十五·一八トアルハ昭和十六年度ニ於テハ百分ノ二十九·三
五トス
第四十八條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第六條第一項中百分ノ十五·一八トアルハ昭和十七年度分ニ付テハ百分ノ五十、昭
和十八年度分ニ付テハ百分ノ二十九·三五トス
附則
第一條本法ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第六條ノ規定施行ノ期日ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條酒類ノ製造者又ハ販賣業者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ
於テ各種類ヲ通ジ合計五石以上ノ酒類ヲ所持スル場合及其ノ所持スル酒類ガ合計五
石ニ滿タザルモ酒稅法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ガ合
計一石以上ナル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看
做シ其ノ所持スル酒類ニ對シ酒類庫出稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於
テ其ノ酒類ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ濁酒ニ付テハ一石ニ付十五圓ノ割
合ニ依リ算出シタル金額、其ノ他ノ酒類ニ付テハ酒稅法第二十七條ノ改正稅率ニ依
リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ
命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス但シ同法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ
以テ定ムル酒類ニ付テハ同條ニ規定スル價格ニ同條ニ規定スル割合ヲ乘ジテ算出シ
タル金額ヲ本文ノ規定ニ依リ算出シタル酒類庫出稅額ニ加算シタルモノヲ以テ其ノ
稅額トス
東京府小笠原島及伊豆七島ニ於テ製造シタル〓酒及燒酎ニ付前項ノ規定ヲ適用スル
場合ニ於テハ一石ニ付二十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第一項ノ製造者又ハ販賣業者ハ其ノ所持スル酒類ノ種類每ニ數量、價格及貯藏ノ場
所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申〓スベシ
第三條本法施行ノ際製造場ニ現存スル酒類ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ
酒稅法第三十八條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ酒類庫出稅ヲ徵收ス此ノ場合
ニ於テハ前條第一項後段及第二項ニ規定スル稅額ヲ以テ其ノ稅額トス
第四條本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ五石以上ノ第二種ノ〓涼飮料
ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ
〓涼飮料稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ〓涼飮料ヲ製造場外ニ
移出シタルモノト看做シ一石ニ付十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ其ノ稅額トシ
命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ〓涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持スル〓涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後
一月以內ニ政府ニ申〓スベシ
第五條改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製
造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)糖蜜又ハ糖水ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取
ラルルモノニ付テハ砂糖消費稅法第十二條ノ規定ニ拘ラズ砂糖消費税ヲ徵收ス此ノ
場合ニ於テハ同法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出
シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタル第三種
ノ砂糖ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ改正後ノ砂糖消費稅法
第三條ニ規定スル氷砂糖ノ稅率百斤ニ付二圓ハ之ヲ百斤ニ付四圓トシ其ノ他ノモノ
ノ稅率百斤ニ付四圓ハ之ヲ百斤ニ付六圓トス
第六條本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合
計一萬斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ガ本法施行ノ日
ニ於テ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂精消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ
砂糖消費稅法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタ
ル金額トノ差額(第三種ノ砂糖ニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付二圓五十錢、其ノ他ノ
モノハ百斤ニ付三圓五十錢ノ割合ニ依リ算出シタル金額)ヲ以テ其ノ稅額トシ命令
ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、數
量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申告スベシ
第七條本法施行前ヨリ引續キ物品稅法第一條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコト
ト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第二種ノ物品若ハサッカリンノ製
造ヲ爲ス者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ニ於
テ物品稅法第十五條ノ規定ニ依リ申告シタルモノト看做ス
第八條改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品又ハ飴、葡萄糖、麥芽糖若ハ
サッカリンノ製造者又ハ販賣者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於
テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、
其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場今ニ於テハ本法施行ノ日
ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物
品稅ヲ徴收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラ
レタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品名每
ニ價格二千圓以上ノモノ
二飴葡萄糖又ハ麥芽糖ニシテ合計一萬斤以上ノモノ
三三十瓩以上ノサッカリン
前項ノ製造者又ハ販賣者ハ同項第一號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格及貯
藏ノ場所、第二號ノ物品又ハサッカリンニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本
法施行後一月以內ニ政府ニ申告スベシ
第九條改正後ノ建築稅法第一條第四號乃至第六號及第四條ノ規定ハ本法施行後竣成
スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建
築價額一萬圓未滿ノモノニ關シ同法第三條第一項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合
ニ於テハ前ノ建築價額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ其
ノ建築稅額ヨリ控除ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建
築價額一萬圓以上ノモノニ關シ同法第三條ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テ
ハ從前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築稅額ノ二倍ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨ
リ控除ス
建築稅法第三條ノ規定ハ改正後ノ同法第一條第四號乃至第六號ニ揭グル家屋ノ新築
ガ本法施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第十條本法施行ノ際骨牌ノ製造、又ハ販賣ヲ爲ス者ノ所持ニ係ル骨牌ニハ製造又ハ販
賣ヲ爲ス者ニ於テ骨牌稅法第四條ノ改正規定ニ依ル稅額ト從前ノ規定ニ依ル稅額ト
ノ差額ニ相當スル印紙ヲ增貼スベシ
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕民購買力ノ吸收、消費ノ抑制ヲ圖ルノ必要発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=2
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003・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題ト相成ガアルノデアリマス、而シテ其ノ必要性ハ
リマシタ酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案ニ今後益、增加スルモノト認メラルヽノデアリ
付キマシテマス政府ト致シマシテハ將來ニ於ケル
其ノ〓要ヲ說明致シタイト存
ジマス、現下ノ緊迫セル諸情勢ノ下ニ於キ財政需用ノ增加、國民經濟及國民生活ニ及
マシテ、支那事變ヲ完遂シ、東亞共榮圈ノスベキ影響等ニ付キマシテ十分ノ考究ヲ遂
確立ヲ圖ル爲ニハ、臨時軍事費ヲ始メ戰時ゲ、稅制ノ全般ニ亙ル增稅計畫ヲ樹立致シ
體制强化ノ爲ノ經費ノ增加ハ、避クルコトマシテ之ヲ實行スベク銳意調査ヲ進メテ
ヲ得ナイ狀態ニアルノデアリマシテ、此ノ參ッタノデアリマスルガ、全般ノ計畫ノ樹立
際不急不用ノ經費ニ付徹底的ノ節約ヲ加ヘニハ尙相當ノ檢討ヲ要シマスルシ、又一面
マシテモ尙我ガ國歲出ノ總額ガ今後相當臨時議會ノ會期等ノコトヲモ併セ考ヘマシ
膨脹致スベキ運命ニアリマスルコトハ免レテ此ノ際早急ニ實施ヲ要スル購買力ノ吸
難イ所デアリマス、一面最近ニ於ケル經濟諸收消費ノ節約ヲ圖リマスルト共ニ、差當
情勢ニ照シテ考ヘマスレバ、此ノ際極力國リ增加スベキ臨時軍事費ノ財源ノ一部ニ充
テマスル爲、玆ニ間接稅ヲ中心トスル增稅
案ヲ今囘ノ臨時議會ニ提出スルコトト致シ
タ次第デアリマス、直接稅ノ增徵等ニ付キ
マシテハ、次ノ通常議會ニ提案ヲ致ス考ヘデ
居リマス、今次增稅案ノ作成ニ當リマシテ
ハ一面國民精神ノ緊張、生活態樣ノ刷新
ヲ圖ル一助ニ致シマスルト同時ニ、負擔力
ノ關係ヲモ考慮致シマシテ、奢侈的消費ニ
對シテハ可及的高率ノ課稅ヲ致シマスルト
共ニ、國民生活上此ノ際トシテハ比較的不
急ト認メラルヽ方面ノ消費ニ對スル其ノ課
稅ニ付、或程度稅率ヲヲ上ゲ、又ハ課稅
ノ範圍ヲ擴張スルト云フ方針ヲ採用致シタ
ノデアリマス、尙間接稅ノ課稅ノ對象トナ
ル課稅物件ニ付キマシテハ)今次ノ增稅ノ
金額ニ相當スルダケ價格ノ引上ゲヲ行ヒマ
スルコトハ、間接稅ノ性質、增徵ノ目的等
ニ照シマシテ之ヲ容認ヲ致シタイト考ヘテ
居ルノデアリマス、次ニ今囘ノ增稅案ノ內
容ノ〓略ヲ申上ゲマス、先ヅ酒稅ニ付キマ
シンニー、總稅額ニ於テ大體五割程度ノ增徵
ヲ致スコトニ致シタノデアリマス、酒類ノ
中デ消費高ノ最モ多イ〓酒ニ付テ申上ゲマ
スレバ、現在一石ニ付造石稅四十五圓、庫
出稅二十五圓、合計七十圓ノ稅デアリマス
ルガ、今囘ハ庫出稅ヲ三十圓上ゲテ造石稅
ト合シテ百圓ト相成ルノデアリマス、其ノ
他ノ酒ノ類ニ付キマシテモ、〓酒トノ權衡
ヲモ考ヘマシテ、主トシテ庫出稅ニ付キマ
シテ、ソレ〓〓適當ト認ムル稅率ヲ引上グ
ルコトト致シテ居ルノデアリマス、次ニ〓
涼飮料稅ニ付キマシテハ總稅額ニ於テ五
割程度ノ增徵ト致シ、各種別ニ付キマスル
增徵ノ割合ハ、第一種玉「ラムネ」ニ輕ク、第
三種「ソーダ」水等ニ重ク致シテアリマス、
次ニ砂糖消費稅ニ付キマシテハ、他ノ消費税
ニ比較致シマシテ增徵ノ程度ヲ最モ輕ク致シマ
シテ、總稅額ニ於テ大體二割程度ノ增徵ヲ
行フコトト相成ッテ居リマス、次ニ物品稅ニ
付テ申シマスレバ、物品稅ノ中、第一種及
第二種ハ、奢侈的性質ヲ有スル物品デアリマ
ス、又國民生活上比較的不急ト認メラレテ
居ル物品デアリマスルノデ、旁〓其ノ消費ガ
負擔力ヲモ示スト考ヘラレルノデアリマス
ルカラ、是等ノ物品ニ付キマシテハ、今次ノ
增稅ノ趣旨等ニ顧ミマシテ奢侈的性質ガ
特ニ濃厚デアルト思ハレマスル甲類ノ物品
ニ付キマシテハ現行稅率ガ百分ノ二十デア
リマスルノヲ、百分ノ五十ニ引上ゲ、其ノ他
ノ物品卽チ乙類ニ付キマシテハ、現行稅率
百分ノ十ヲ原則トシテ百分ノ二十ニ引上グ
ルト云フコトニ相成ッテ居ルノデアリマ
ス、尙又現行ノ課稅最低限ハ之ヲ相當程
度迄引下ゲマスルト共ニ、誤稅目的ノ物品ノ
範圍ヲ擴張ヲ致シテ居ルノデアリマス、而
シテ新タニ課稅スル物品ノ大部分ハ之ヲ丙
類ニ入レマシテ、百分ノ十ノ稅率ヲ課ス
ルコトト相成ッテ居リマス、物品稅中第三
種ニ付キマシテハ砂糖トノ權衡ヲ考慮致
シマシテ、飴類ニ付キマシテハ一一割程度ノ
增徵デアリマス、又新タニ「サッカリン」ニ
對シマシテ一「キログラム」十圓ノ稅率ヲ以
テ課稅スルコトト致シテ居ルノデアリマス、
次ニ遊興飮食稅ニ付キマシテハ、今次增稅
ノ趣旨ニモ顧ミマシテ最モ大幅ノ增稅ヲ致
シマシタ、卽チ其ノ最高稅率ガ現在百分ノ
三十デアリマスルモノヲ百分ノ百ニ上ゲ
マシテ、其ノ他ノ稅率ニ付キマシテモ相當
ノ引上ヲ行ヒマス、同時ニ課稅最低限ノ撤
廢ヲ致スモノアリ、又ハ最低限ノ引下ヲ行
ツテ居ルノデアリマス、尙新タニ食事代ヲ
除キ五圓以上ノ宿泊料ニ對シマシテモ課稅
ヲ致スコトニ致シタノデアリマス、以上ノ
增徵ニ依リマシテ、遊興飮食稅ハ總稅額ニ
於テ大體二十五割程度ノ增加ト相成ル見込
デアリマス次ニ入場稅ニ付キマシテモ
此ノ際相當大幅ノ增徵ヲ行フコトト致シ、
現行稅率百分ノ十乃至百分ノ三十デアリマ
スルノヲ、百分ノ二十乃至百分ノ八十ニ引
上グル案デアリマス、通行稅ニ付キマシテ
ハ、他ノ租稅ノ增徵トノ權衡ヲ考ヘマシテ
相當ノ增徵ノ案ニ相成ッテ居リマスルガ、
一等及二等ニ於キマシテハ其ノ引上割合ヲ
特ニ多ク致シマシテ、又新タニ寢臺料金ニ
對シテモ課稅スルコトト相成ッテ居リマス、次
ニ建築稅ニ付キマシテハ、課稅ノ範圍ヲ擴張
致シマシテ、旅館、倶樂部等ノ建築物ニモ
課稅ヲスルコトト致シ、現行稅率百分ノ十
ヲ百分ノ二十ニ引上グル案ト致シテアリマ
ス、骨牌稅ニ付キマシテハ十割程度ノ增
徵デアリマス物品切手ニ對シマシテモ印
紙稅トシテ此ノ際十割程度ノ增徵ヲ致ス案
ト相成ッテ居リマス、以上今囘ノ增稅ニ依リ
マスレバ、平年度ニ於テ約六億三千萬圓ノ
增收ト相成リマス、昭和十六年度ニ於キマ
シテハ、年度ノ途中カラ實行致シマスルノ
デ、約一億七千萬圓ノ國庫收入ノ增加ト相
成ル見込デアリマス、昭和十六年度ノ增收
見込額ニ相當シマスル金額ハ、今議會ニ提
出シ御協賛ヲ經マシタ臨時軍事費追加豫算
ノ財源ノ一部ト致シマシテ、一般會計ヨリ
同特別會計ニ繰入ルヽ案ト相成ッテ居リマ
ス次ニ地方分與稅法中改正ハ入場稅及
遊興飮食稅ノ增徵ニ伴フ配付稅分與割合ノ
改訂ニ關スルモノデアリマス、地方分與稅法
ニ依リマスレバ、入場稅及遊興飮食稅ノ徵
收額ノ各〓、額額ヲ、地方分與稅分與金特別會
計ニ繰入レマシテ地方團體ニ分與スルコ
トト相成ッテ居ルノデアリマスルガ、今囘ノ
入場稅及遊興飮食稅ニ付キマスル增稅ハ、
右ニ申上ゲマシタル如ク、其ノ趣旨ガ臨時
軍事費ノ財源ト致スコトデアルノデアリマ
スルノデ、此ノ兩稅ノ配付稅總額ヲ從前ト
同ジ額ニ致シテ變動ヲ來サシメヌ爲ニハ
其ノ分與ノ割合ヲ引下グル必要ガアルノデ
アリマスノデ、其ノ割合ノ改訂ヲ加へムト
スルモノデアリマス、以上酒稅等ノ增徵等
ニ關スル法律案ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ
說明申上ゲタ次第デアリマス、何卒御審議
ノ上速カニ協贊ヲ與ヘラレムコトヲ希望致
シマフ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=3
-
004・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案ノ特別委員
ノ數ヲ二十七名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議
長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=4
-
005・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=6
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007・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔近藤書記官朗讀〕
酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律案特別委員
公爵山縣有道君侯爵大隈信常君
侯爵中御門經恭君伯爵林博太郞君
子爵八條隆正君子爵西尾忠方君
子爵裏松友光君子爵松平康春君
子爵綾小路護君安井英二君
石渡莊太郞君男爵小畑大太郞君
柴田善三郞君堀切善次郞君
吉野信次君男爵伊江朝助君
男爵中村謙一君男爵松平外與麿君
男爵中御門經民君坂野鐵次郞君
三浦新七君西野元君
竹下豐次君結城安次君
野村德七君磯野庸幸君
橋本辰二郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=7
-
008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、昭和
十二年法律第八十四號中改正法律案、日程
第三、昭和十三年法律第二十三一號中改正法
律案、政府提出、衆議院送付、是等ノ二案
ヲ一括シテ議題トナシ、第一讀會ヲ開クコ
トニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、賀屋大藏大臣
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議院
法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
昭和十二年法律第八十四號中左ノ通改正
ス
「百九十億四千九百萬圓」ヲ「三百二十六
億千九百萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和十二年法律第八十四號ハ支那事變
ニ關スル臨時軍事費支辨ノ爲公債發行
ニ關スル法律ナリ
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十三年法律第二十三號中改正法律
案
昭和十三年法律第二十三號中左ノ通改正
ス
第一條中「增收額」ノ下ニ「、朝鮮總督府、
臺灣總督府及樺太廳ノ各特別會計ニ於ケ
ル酒稅又ハ骨牌稅ノ昭和十六年度以降ノ
增徵ニ因ル增收額」ヲ加フ
第二條朝鮮總督府及臺灣總督府ノ各特
別會計ニ於ケル昭和十三年及同十六年
ノ煙草定價改正ニ因ル昭和十三年度以
降又ハ同十六年度以降ノ專賣收入增加
額中勅令ノ定ムル金額ハ每年度豫算ノ
定ムル所ニ依リ之ヲ當該特別會計ヨリ
臨時軍事費特別會計ニ繰入ルベシ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
參照
昭和十三年法律第二十三號ハ關東局、
朝鮮總督府、臺灣總督府及樺太廳ノ各
特別會計ニ於ケル租稅收入ノ一部ニ相
當スル金額等ヲ臨時軍事費特別會計ニ
繰入ルルコトニ關スル法律ナリ
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=9
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010・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ昭和十二年法律第八十四號中改正法
律案外一件ニ付キマシテ、其ノ提出ノ理由
ヲ說明致シマス、先ヅ昭和十二年法律第八
十四號中改正法律案ニ付御說明申上ゲマス、
臨時軍事費ニ付キマシテハ第七十二囘乃
至第七十六囘ノ各帝國議會ノ協賛ヲ經マシ
テ、其ノ財源ニ充ツル爲ノ公債發行ヲ爲シ
得ル權能ヲ得テ居ルノデアリマスルガ、事
態ノ推移ニ伴ヒマシテ更ニ三十八億圓ノ
臨時軍事費ノ追加計上ヲ必要ト致シマスル
處其ノ所要財源ノ中ニ於キマシテ二億
二千九百九十餘萬圓ニ付キマシテハ般
會計及各特別會計ヨリノ繰入金等ヲ以テ充
當スルコトガ出來マスルガ差引三十五億
七千餘萬圓ニ付キマシテハ今日ノ場合之
ヲ公債財源ニ依ルコトト致シマスル爲、昭
和十二年法律第八十四號中公債ノ發行限度
ヲ增加スルノ必要ガアリマス、仍テ本法律
案ヲ提出致シタ次第デアリマス、次ニ昭和
十三年法律第二十三號中改正法律案ニ付キ
マシテ說明致シマス、昭和十三年法律第二
十三號ノ規定ニ依リマシテ、關東局、朝鮮總
督府、臺灣總督府及樺太廳ノ各特別會計ヨ
リ、其ノ租稅收入又ハ煙草專賣ノ收入ノ一
部ヲ、臨時軍事費特別會計ニ繰入ルヽコト
ニ相成ッテ居リマスルガ、今囘新タニ朝鮮總
督府及臺灣總督府竝ニ樺太廳ノ各特別會計
ニ於キマスル酒稅又ハ骨牌稅ノ昭和十六年
度以降ノ增徵ニ依ル增收額、臺灣總督府特
別會計ニ於ケル遊興飮食稅ノ創設ニ依ル收
入額、竝ニ朝鮮總督府及臺灣總督府ノ各特
別會計ニ於ケル今囘ノ煙草定價改正ニ依ル
專賣收入增加額ノ一部ヲ、每年度豫算ノ定
ムル所ニ依リ、臨時軍事費特別會計ニ繰入
右ノ中デ遊興〓
ルヽコトニ致シマシタル處、
飮食稅ノ分ニ付キマシテハ現行法ノ規定
ニ依リマシテ、之ガ繰入ハ可能デアリマス
ルガ、其ノ他ノ分ニ付キマシテハ繰入ノ規
定ガアリマセヌノデ、ソレヲ可能ト致シマ
スル爲ニ、右法律中改正法律案ヲ提出致シ
マシタ次第デアリマス、以上二件ノ法律案
ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ上速カニ協
贊ヲ與ヘラレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=10
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011・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
昭和十二年法律第八十四號中改正法律案外
一件ノ特別委員ノ數ヲ十五名トシ、其ノ委
員ノ指名ヲ議長ニ一任スルコトノ動議ヲ提
出致ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=11
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012・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=12
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013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=13
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014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
昭和十二年法律第八十四號中改正法律案
外一件特別委員
公爵島津忠承君侯爵大炊御門經輝君
伯爵橋本實斐君子爵加藤泰通君
子爵波多野二郞君姊崎正治君
下條康麿君男爵高崎弓彥君
男爵大藏公望君長世吉君
男爵西酉乙君唐澤俊樹君
土方久徵君大澤德太郞君
岩田三史君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
本日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和九年法律第二十九號中改正法律案
臺灣米穀移出管理特別會計法ノ特例ニ關
スル法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=15
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016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 此ノ際議事日程
ニ追加シテ、昭和九年法律第二十九號中改
正法律案、臺灣米穀移出管理特別會計法ノ
特例ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送
付是等ノ二案ヲ一括シテ議題トナシ、第
一讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=16
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017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、賀屋大藏大臣
昭和九年法律第二十九號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和九年法律第二十九號中改正法律案
昭和九年法律第二十九號中左ノ通改正ス
附則第二項中「五億五千萬圓」ヲ「十二億
五千萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
參照
昭和九年法律第二十九號ハ米穀需給調
節特別會計法中改正法律ナリ
臺灣米穀移出管理特別會計法ノ特例ニ
關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臺灣米穀移出管理特別會計法ノ特例ニ
關スル法律案
第一條臺灣總督府ニ於テ米穀ノ配給上
ノ必要ニ基キ米穀及米穀以外ノ食糧農
產物竝ニ其ノ加工品ノ買入及賣渡ヲ爲
ス場合ニ於テハ其ノ買入及賣渡ニ關ス
ル一切ノ歲入歲出ハ臺灣米穀移出管理
特別會計ニ屬セシム
臺灣米穀移出管理特別會計法第四條及
第五條中米穀トアルハ米穀及米穀以外
ノ食糧農產物竝ニ其ノ加工品トス
第二條移出又ハ輸出ヲ目的トシテ臺灣
米穀移出管理特別會計ニ屬スル米穀ノ
賣渡ヲ爲シタル場合ニ於テ當該米穀ニ
付臺灣總督府特別會計ヨリ生產ヲ確保
スル爲ノ奬勵金ノ支出アリタルモノナ
ルトキハ當該奬勵金ニ相當スル金額ハ
豫算ノ範圍內ニ於テ之ヲ臺灣米穀移出
管理特別會計ヨリ臺灣總督府特別會計
ニ繰入ルルコトヲ得
「第三條政府ハ當分ノ內千五百萬圓ヲ限
リ臺灣米穀移出管理特別會計法第三條
但書ノ金額ヲ超エテ借入ヲ爲スコトラ
得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=17
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018・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ昭和九年法律第二十九號中改正法律
案外一件ニ付キマシテ、其ノ提出ノ理由
ヲ說明致シマス、先ヅ昭和九年法律第二十
九號中改正法律案ニ付申上ゲマス、現下ノ
米穀事情ニ顧ミ、米穀管理制度ヲ一層擴充
スルコトト致シマス關係上、米穀需給調節
特別會計ニ於ケル米穀ノ買入數量モ、必然
的ニ增加スルノ狀況ニアリマスル處、同特
別會計ニ於ケル現行ノ米穀證劵及借入金ノ
最高限度額ハ十四億圓デアリマスルガ、之
ヲ以テ致シマシテハ、同特別會計ノ運營ガ著
シク困難トナル虞ガアルノデアリマス、仍
テ同特別會計ノ負擔ニ屬スル證劵及借入金
ノ最高限度額ヲ、米穀需給調節特別會計法
第四條ノ三ニ定メテ居リマスル八億五千萬
圓ノ外、十二億五千萬圓迄、必要ニ應ジテ增
額ナシ得ルコトトスルノ必要ガアリマスルノ
デ、本法律案ヲ提出致シマシタ次第デアリ
ひと、次ニ臺灣米穀移出管理特別會計法ノ
特例ニ關スル法律案提出ノ理由ヲ申上ゲマ
ス、臺灣ニ於ケル現下ノ食糧事情ニ顧ミマ
シテ臺灣總督府ニ於キマシテ、應急措置
トシテ米穀ノ配給上必要アリト認メマスル
トキハ米穀及米穀以外ノ食糧農產物竝ニ
其ノ加工品ノ買入及賣渡ヲ爲スコトト致シ
マスル關係上、是等ノ買入及賣渡ニ關シマ
スル一切ノ歳入歲出ハ、之ヲ臺灣米穀移出
管理特別會計ノ所屬トスル必要ガアリマス
ルノト、又今囘米穀對策トシマシテ、臺灣
總督府特別會計ニ於テ米穀ノ生產ヲ確保ス
ル爲ノ奬勵金ヲ支出スルコトト致シマスル
ガ、臺灣總督府特別會計ノ財政狀況ニ顧ミ
マシテ移出又ハ輸出ヲ目的ト致シマシテ
賣渡シタ分ニ對シマスル〓勵金ニ相當スル
所ノ金額ハ、豫算ノ範圍內ニ於テ、臺灣米穀
移出管理特別會計カラ臺灣總督府特別會計
ニ繰入ヲ致スコトガ適當ト認メラレマス、
又臺灣ニ於ケル前述ノ應急措置ニ依リマシ
テ米穀等ノ買入數量ノ增加ヲ來シマスル
等ノ關係上、臺灣米穀移出管理特別會計ノ
運營ヲ圓滑ナラシメマス爲ニ、當分ノ內千
五百萬圓ヲ限リマシテ、現行ノ借入限度法
定額ノ二千五百萬圓ヲ超エテ借入ヲ爲シ得
ルコトト致ス必要ガアリマスルノデ、本法
律案ヲ提出致シタ次第デアリマス、以上二
件ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ
上速カニ協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希望致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=18
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019・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上程セラレ
マシタル昭和九年法律第二十九號中改正法
律案外一件ノ特別委員ノ數ヲ十八名トシ、
其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ
提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=19
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020・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=20
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021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=21
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022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
昭和九年法律第二十九號中改正法律案外
一件特別委員
公爵二條弼基君侯爵中山輔親君
伯爵黑木三次君子爵植村家治君
子爵織田信恒君子爵土岐章君
後藤文夫君內田重成君
男爵中川良長君男爵岩村一木君
男爵坊城俊賢君宮田光雄君
有賀光豊君赤池濃君
丸山鶴吉君松本勝太郞君
飯塚知信君上野喜左衞門君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=22
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023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 尙衆議院ヨリ議
案ノ送付アル見込デゴザイマスルカラ、午
後五時迄体憩ヲ致シマス
午後四時九分休憩
午後五時三十六分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=23
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024・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
本日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
產業設備營團法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=24
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025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ休憩前ニ
引續キマシテ會議ヲ開キマス、此ノ際議事
日程ニ追加シテ、產業設備營團法案ノ第一
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=25
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026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岸商工大臣
產業設備營團法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十六年十一月十九日
衆議院議長小山松壽
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
產業設備營團法案
產業設備營團法
第一章總則
第一條產業設備營國ハ戰時(戰爭ニ準
ズベキ事變ノ場合ヲ含ム)ニ際シ軍需
產業、生產擴充計畫產業其ノ他ノ國家
緊要產業ノ設備ニシテ事業者ニ於テ建
設又ハ維持スルコト著シク困難ナルモ
ノヲ施設シ竝ニ產業設備(之ニ充ツベ
キ機械及器具ヲ含ム)ニシテ未完成又
ハ遊休ノ狀態ニ在ルモノ(以下未動遊
休設備ト稱ス)ノ活用ヲ圖ルコトヲ目
的トス
產業設備營團ハ法人トス
第二條產業設備營團ハ主タル事務所ヲ
東京市ニ置ク
產業設備營團ハ政府ノ認可ヲ受ケ必要
ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコトヲ
得
第三條產業設備營圍ノ資本金ハ二億圓
トス
第四條政府ハ二億圓ヲ產業設備營團ニ
出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ之ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲ定ム
第五條產業設備營園ハ定款ヲ以テ左ノ
事項ヲ規定スベシ
ー目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
七六業務及其ノ執行ニ關スル事項
產業設備債劵ノ發行ニ關スル事項
八會計ニ關スル事項
九公〓ノ方法
定款ハ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ變更スル
コトヲ得
第六條產業設備營團ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第七條產業設備營團ニハ所得稅、法人
稅及營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ產業設備營團ノ事業又ハ第
十七條第一項第一號若ハ第三號ノ業務
ノ爲ニスル建物ノ建設若ハ取得若ハ土
地ノ取得ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコ
トヲ得ズ但シ產業設備營團ノ事業ニ對
シテハ特別ノ事情ニ基キ內務大臣及大
藏大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限
ニ在ラズ
第八條產業設備營團ガ第十七條第一項
第一號又ハ第三號ノ業務ノ爲ニスル不
動產ニ關スル權利ノ取得又ハ所有權ノ保
存ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登
錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ千分ノ一トス
第九條產業設備營團ニ付解散ヲ必要ト
スル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處
置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第十條產業設備營團ニ非ザル者ハ產業
設備營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フ
ルコトヲ得ズ
第十一條民法第四十四條、第五十條、
第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件
手續法第三十五條第一項ノ規定ハ產業
設備營團ニ之ヲ準用ス
第二章役員
第十二條產業設備營團ニ總裁副總裁各
一ヘ、理事五人以上及監事二人以上ヲ
置ク
總裁ハ產業設備營團ヲ代表シ其ノ業務
ヲ總理ス
副總裁ハ定款ノ定ムル所ニ依リ產業設
備營團ヲ代表シ總裁ヲ輔佐シテ產業設
備營團ノ業務ヲ掌理ス
副總裁ハ總裁事故アルトキハ其ノ職務ヲ代
理シ總裁缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ產業設備
營團ヲ代表シ總裁及副總裁ヲ輔佐シテ
產業設備營團ノ業務ヲ掌理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ總裁及副
總裁共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代
理シ總裁及副總裁共ニ缺員ノトキハ其
ノ職務ヲ行フ
監事ハ產業設備營團ノ業務ヲ監査ス
第十三條總裁、副總裁、理事及監事ハ
政府之ヲ命ズ
總裁、副總裁及理事ノ任期ハ四年、監事
ノ任期ハ二年トス
第十四條總裁、副總裁及理事ハ定款ノ
定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業務ニ
關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ
爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコ
トヲ得
第十五條總裁、副總裁及理事ハ他ノ職業
ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可
ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條產業設備營團ニ評議昌若干人
ヲ置キ政府之ヲ命ズ
評議員ハ業務經營ニ關スル重要ナル事
項ニ付總裁ノ諮問ニ應ジ必要アルトキ
ハ之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二年ト
ス
第三章業務
第十七條產業設備營團ハ左ノ業務ヲ行
フ
一國家緊要產業ノ設備ニシテ事業者
ニ於テ建設又ハ維持スルコト著シク
困難ナルモノノ建設又ハ買受
二前號ノ規定ニ依リ取得シタル設備
ノ貸付、出資及賣渡
三未動遊体設備ノ賣買及保有
四未動遊休設備ノ活用ニ關スル斡旋
五前各號ノ業務ニ附帶スル事業
產業設備營團ハ政府ノ認可ヲ受ケ前項
ニ揭グル業務以外ノ業務ヲ行フコトヲ
得
第十八條產業設備營團ハ其ノ建設スル
國家緊要產業ノ設備ノ用ニ充ツル爲必
要ナル土地又ハ土地ニ關スル所有權以
外ノ權利ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル收用又ハ使用ニ關シ
テハ土地收用法ヲ適用ス
第一項ノ規定ニ依リ收用又ハ使用シ
タル土地又ハ土地ニ關スル所有權以外
ノ權利ノ處分及管理ニ關シ必要ナル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十九條產業設備營團ハ第十七條第一
項第一號又ハ第三號ノ規定ニ依リ買受
ケタル設備ノ代價ニ付テハ國債證劵ヲ
以テ之ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲ定ム
第二十條政府ハ產業設備營團ガ第十七
條第一項第一號又ハ第三號ノ規定ニ依
リ設備ヲ買受ケタル場合ニ於テ之ヲ賣
渡シタル者ニ對シ其ノ代價トシテ受ケ
タル金錢又ハ國債證劵ノ處分ニ關シ必
要ナル指示ヲ爲スコトヲ得
第四章產業設備債劵
第二十一條產業設備營團ハ拂込資本金
額ノ五倍ヲ限リ產業設備債劵ヲ發行ス
ルコトヲ得
第二十二條產業設備債券ハ額面金額五
十圓以上トシ無記名利札附トス但シ應
募者又ハ所有者ノ請求ニ依リ記名ト爲
スコトヲ得
產業設備債劵ハ割引ノ方法ヲ以テ之ヲ
發行スルコトヲ得
第二十三條產業設備營團ハ產業設備債
劵借換ノ爲一時第二十一條ノ制限ニ依
ラズ產業設備債劵ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ產業設備債劵ヲ發行
シタルトキハ發行後一月以內ニ其ノ發
行額面金額ニ相當スル舊產業設備債劵
ヲ償還スベシ
第二十四條政府ハ產業設備債券ノ元本
ノ償還及利息ノ支拂ヲ保證スルコトヲ
得
第二十五條產業設備債劵ハ賣出ノ方法
ヲ以テ之ヲ發行スルコトヲ得
第二十六條產業設備營團ニ於テ產業設
備債劵ヲ發行セントスルトキハ政府ノ
認可ヲ受クベシ
第二十七條產業設備債券ノ消滅時效ハ
元本ニ在リテハ十五年、利息ニ在リテ
ハ五年ヲ以テ完成ス
第二十八條產業設備債劵ノ所有者ハ產
業設備營團ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先
チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ
有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
メ行使ヲ妨グルコトナシ
第二十九條所得稅法及有價證券移轉稅
法中國債以外ノ公債ニ關スル規定ハ產
業設備債劵ニ之ヲ準用ス
第三十條本章ニ規定スルモノヲ除クノ
外產業設備債劵ニ關シ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五章會計
第三十一條產業設備營團ノ事業年度ハ
每年四月ヨリ翌年三月迄トス
第三十二條產業設備營團ハ左ノ方法ニ
依ルノ外業務上ノ餘裕金ヲ運用スルコ
トヲ得ズ
-國債、地方債又ハ政府ノ認可ヲ受
ケタル有價證劵ノ取得ヲ爲スコト
二大藏省預金部若ハ銀行ヘノ預金又
ハ郵便貯金ト爲スコト
第三十三條產業設備營團ハ設立ノ時及
每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借
對照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共
ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第六章監督及補助
第三十四條產業設備營團ハ政府之ヲ監
督ス
第三十五條產業設備營圍ハ政府ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ剩餘金ノ處分ヲ爲
スコトヲ得ズ
第三十六條產業設備營團ハ業務開始ノ
際業務ノ方法ヲ定メ政府ノ認可ヲ受ク
ベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
產業設備營國ハ每事業年度ノ初ニ於テ
事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ
之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第三十七條政府ハ產業設備營團ニ對シ
業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシ
メ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十八條役員ガ法令、定款若ハ政府
ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲
ヲ爲シタルトキハ政府ハ之ヲ解任スル
コトヲ得
第三十九條政府ハ產業設備營團ニ對シ
第十七條ニ規定スル業務ニ因リテ受ケ
タル損失ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコト
ヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ交付スベキ補償
金ノ總額ガ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金
額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ爲スコ
トヲ要ス
第一項ノ損失ヲ決定スル基準ハ政府之
ヲ定ム
第四十條前條第一項ノ損失及其ノ額ハ
產業設備營團損失審査會之ヲ決定ス
產業設備營團損失審査會ノ組織及權限
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七章罰則
第四十一條左ノ場合ニ於テハ產業設備
營團ノ總裁、副總裁、理事又ハ監事ヲ
千圓以下ノ過料ニ處ス
本法ニ依リ政府ノ認可ヲ受クベキ
場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ營ミタル
トキ
三第二十一條又ハ第二十三條第二項
ノ規定ニ違反シ產業設備債劵ノ發行
ヲ爲シ又ハ償還ヲ爲サザルトキ
四第三十二條ノ規定ニ違反シ業務上
ノ餘裕金ヲ運用シタルトキ
五政府ノ監督上ノ命令又ハ處分ニ違
反シタルトキ
第四十二條左ノ場合ニ於テハ產業設備
營團ノ總裁、副總裁、理事又ハ監事ヲ
五百圓以下ノ過料ニ處ズ
本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令
ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ
不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第三十三條ノ規定ニ違反シ書類ヲ
備置カザルトキ、其ノ書類ニ記載ス
ベキ事項ヲ記載セズ又ハ不正ノ記載
ヲ爲シタルトキ
第四十三條第十條ノ規定ニ違反シ產業
設備營園又ハ之ニ類似スル名稱ラ用ヒ
タル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第四十四條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十五條政府ハ設立委員ヲ命ジ產業
設備營團ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セ
シム
第四十六條設立委員ハ定款ヲ作成シ政
府ノ認可ヲ受クベシ
第四十七條定款ニ付政府ノ認可アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク出資ノ第
一囘ノ拂込ヲ禀請スベシ
第四十八條出資ノ第一囘ノ拂込アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務
ヲ產業設備營國總裁ニ引繼グベシ
總裁前項ノ事務ノ引繼ヲ受ケタルトキ
ハ總裁、副總裁、理事及監事ノ全員ハ
設立ノ登記ヲ爲スベシ
產業設備營團ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因
リテ成立ス
第四十九條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「住宅營團、」ノ〓三〓
「產業設備營國、ラ、「住宅營團法、」ノ
下ニ「產業設備營團法、」ヲ加フ
第五十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號ノ四ノ次ニ左ノ一號ヲ加
フ
六ノ五產業設備營圍ノ業務ニ關ス
ル證書帳簿及產業設備債劵
第五十一條有價證劵移轉稅法中左ノ通
改正ス
第十條ニ左ノ一號ヲ加フ
九產業設備營團法第十九條ノ規定
ニ依ル國債證劵ノ移轉
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=26
-
027・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 產業設備營國法案
ノ提案理由ヲ御說明致シマス、最近ニ於ケ
ル時局ノ緊迫化ハ、軍需產業、生產擴充計
畫產業其ノ他國家緊要產業ノ急速且大規模
ナル增產ヲ要請スル所切ナルモノガアルノ
デアリマス、然ルニ是等ノ事業ノ中ニハ
當該事業ノ將來ニ對スル不安等ノ事由ニ依
リマシテ、其ノ設備ノ建設又ハ維持ヲ一般
事業者ニ期待スルコト著シク困難ナルモノ
モ尠クナイノデアリマシテ、此ノ種ノ設備
ニ付キマシテハ國家トシテ新タニ積極的
ナル施設ヲ講ズルコトガ刻下ノ急務ナリト
考フルノデアリマス、又近時著シク過大ト
ナリマシタ未動遊休設備ハ戰時經濟ノ運
營ニ幾多ノ好マシカラザル影響ヲ及シツヽ
アルノデアリマシテ、現有設備ノ高度ノ利
用ト我ガ國經濟總力發揮ノ見地ニ立ッテ、此
ノ際是等設備ノ中、苟モ活用シ得ベキモノ
ハ餘ス所ナク之ヲ活用シ、整理スルモ差
支ナキモノハ之ヲ整理シテ再生活用ノ途ヲ
圖リ、又將來ノ生產擴充上緊要ナル設備ハ、
之ガ維持ニ必要ナル措置ヲ講ジ、以テ所謂
重點主義生產ノ果敢ナル實行ヲ可能ナラシ
ムルト共ニ、低物價政策ノ確保ニ資スルコ
トガ肝要ナリト存ズル次第デアリマス、仍
テ右ニ申述ベマシタル二ツノ重要目的ヲ達
成スル爲ノ母體機關タル重要使命ヲ擔當ズ
ベキモノトシテ全額政府出資ニ係ル產業
設備營團ヲ設立シ、右營團ヲシテ國家緊要
產業ノ設備ノ建設、貸與、出資、未動遊休
設備ノ賣買保有等ノ業務ヲ行ハシメムトス
ル次第デアリマス、何卒御寒議ノ上御協賛
ヲ與ヘラレムコトヲ御願ヒ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=27
-
028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 質疑ノ通告ガゴ
ザイマス、御許ヲシマス、子爵大河內輝耕
君
〔子爵大河內輝耕君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=28
-
029・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 誠ニ遲クナリマシタ
時ニ御迷惑デ恐縮ニ存ジマス、事ガ非常ニ
重大ナコトデゴザイマスカラ、僅カノ時間
ヲ拜借願ヒタイ、私ハ此ノ法案ニ對シマシ
テ三點ニ付テ質問ヲ致シタイ、一ツハ此
ノ議案ハ何時頃是ハ提出ニ決ッタノカ、ドウ
シテ突然トシテコンナモノガ上ッタノカト
云フコトヲ伺ヒタイ、是ハ十月二十四日
以後デナケレバナラナイ、、玆ニ情報局ノ發
表ガゴザイマスカラ、之ヲ讀ミマス、十月
二十四日ノ情報局發表「本日ノ定例閣議ニ
於テ臨時議會召集ヲ奏請スルコトガ決定サ
レタ、召集日ハ來ル十一月十五日、會期ハ五
日間デアル、臨時議會召集奏請ノ理由ハ、
特ニ時局ニ關シ緊急ヲ要スル追加豫算案竝
ニ法律案ノ協賛ヲ求メルニアッテ、尙此ノ機
會ニ國策遂行ニ關スル現内閣ノ確乎タル決
意ヲ披瀝シ、帝國議會ヲ通ジテ國民ノ理解
ト協力ヲ求メ、愈〓、學國一致ノ實ヲ擧ゲルコ
トヲ圖ル所存デアル、政府提出議案ハ特ニ
緊急已ムヲ得ザルモノニ限定シ、卽チ追加
豫算案トシテハ軍事費及米穀增產臨時對策
ニ必收ナルモノトシ、法律案トシテハ購買
力吸收ヲ目的トスル增稅案竝ニ右米穀對策
ニ伴フ法律案トスルコトニ決定シタ、尙過
日公布セラレタ緊急勅令ノ事後承諾案二件
モ此ノ臨時議會ニ提出セラレル」、斯ウ云フ
ヤウニ明確ニ何ヲ出スト云フコトガ分ッテ
居ル、ドウシテ是ハ十月二十五日以後ニコ
ンナモノガ突然ニ起ッテ來タノカ、斯ウ云フ
案ガ、果シテ前內閣ガ提出スル見込デアッタ
ノヲ止メタノカ、止メテ抛ッテ置イタノカ
或ハ現内閣ガ急ニコンナコトヲ思ヒ立ッテヤ
リ出シタノカ、サウシテ之ガ一遍發表ニ
ナッタ後カラ斯ウ云フ風ニ變ッテ來タノカ、此
ノ事情ヲ詳細ニ伺ヒタイ、ソレカラ第二點ハ、
此ノ遊休設備ノ買收ハ時價デヤルト云フコト
ニ承ッテ居ル、時價ト言ヒマスト、私ハ少シ疑ナキ
ヲ得ナイ、此ノ前ニ鐵ヤ銅ヲ買收シマス際
三、ヽ是ハ潰シ値デ買フンダト云フ斯ウ云
フ御話ダッタ、ソレハ私ハ少シ無理ダト思
ス、門ニシロ、鐵瓶ニシロ、洗面器ニシロ
兎ニ角使ハレテ居ルモノデアル是ハドウ
モ時價デテク、潰シ値デ買フト云フコトハ
少シ無理ダ、處ガ是ハ時價デ買フ、遊休設
備玆ニ書イテアリマスヤウニ、ドウニモ
斯ウニモナラナクナッテシマッタ設備、未動
設備トシテハ將來完成ノ豫測ノ付カナイモ
ノヲ稱シ、ト斯ウ云フ風ニアル、近キ將來
ニ完成スルコトノ確實ナ建設中ノ設備ハ一
切除外シテアル、ソレナラ見込ノナイ設備
デアル、是ハ時價デ御買ヒニナルト云フノ
ハ少シク其ノ意ヲ得ナイ、將來何時用ヒル
ノカ分ラナイヤウナノハ、是コソ潰シ値デ
買ッテ宜イ、其ノ點ガ如何デスカ伺ヒタイ、
ソレカラ又承ル所ニ依ルト、ドウニモ斯ウ
ニモナラナイ設備ト云フノガ、二十五億カ
アルサウデス、シッカリシタ計數ハ分リマセ
ヌガ、私ノ承リマシタ所デハ約二十五億、
ソレヲスッカリ買フト云フナラマダ分ッテ居
リマスガ、其ノ中デ一部ダケ引拔イテ、確
カ維持シテ持ッテ行ケルモノガ三億圓、廢棄
サレルモノガ二億六千萬圓、再生ニ使フモ
ノガ二億六千萬圓、斯ウ云フ風ニ分ケテ、
是ダケハ買フノダト云フ御話、是ハ新聞ニ
書イテアリマス、併シ商相發表トアル、近
頃ノ新聞ハサウ無茶ヲ書キマセヌカラ本當
ダラウト思フ、併シ是ハ伺ヒ違ヒカモ知レ
マセヌ、兎ニ角買フト云フコトハ事實デア
ル、假リニ一部ヲ買フコトガ事實ダトスレ
バ、ドウ云フ譯デ之ヲ御分ケニナツタカ、
是ハ餘程ハツキリシタコトガナケレバナラ
ヌ、買ハレル人ハ宜イカモ知レマセヌ、時價
デ買ハレテ誠ニホクノ〓モノデアリマスケ
レドモ、買ハレナイ者ニナツテ見タナラバ、
是ハ持テ餘シモノデアル是ハ餘程公平ナ
區分ガナケレバ、非常ナ不公平ナ結果ヲ生
ジテ、ソコニトンデモナイ事態ヲ生ジナイ
トモ限ラナイ、是ハ餘程危イコトデス、是
ハ具體的ニドウ云フ標準ガアルノカト云フ
コトヲ伺ヒタイ、若シ又出來マスコトナラ、
主ニ斯ウ云フモノヲ買フノダ、何處ノ會社
ノドレヲ買フノダト云フ主ナモノガ分ッテ居ツ
タナラバ、ソレモ併セテ伺ヒタイ
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=29
-
030・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 大河內子爵ノ御質
問ニ對シマシテ御答ヲ致シマス、本法案ヲ
提案スルニ至リマシタ事情、特ニ臨時議會
召集ニ關シテ情報局ガ發表シマシク其ノ發
表內容ト對照シテ、本案ヲ提案スルニ至ツ
タ詳細ナル事情ト云フモノラ御質問デアリ
マシタ、本法案ヲ提案スルニ至リマシタ理
由ハ、先程申述ベマシタガ如ク、現在我ガ
國ノ直面シテ居リマスル國內外ノ緊迫セル
情勢ニ基キマシテ、一面ニ於キマシテハ國
防上、又國民生活上必要トスル所ノ物ヲ、
必要數量ハ必ズ生產スルコトヲ要スルト云
フ事情ガ極メテ緊切デアルコトハ、御承知
ノ通リデアリマス、然ルニ一方、色々ナ事情
カラ、其ノ必要ナ物資ヲ急速ニ生產スルト
云フコトガ困難ナル事情ニ、我ガ經濟界ノ
事情ガアリ、又同時ニ、今後起リ得ベキ色
色ナ事情ヲ考ヘテ見マスルト云フト、新タ
ニ物ヲ生產シテ參リマスノミナラズ、從來
我ガ國ニ於テ生產サレテ、色々ナ形ニ於テ
保有サレテ居ル所ノ、蓄積サレテ居ル所ノ、
物資ヲモ總動員シテ、是ガ再生活用ヲ圖ル
必要モ、近時極メテ緊切デアル事柄モ、御
承知ノ通リデアラウト思ヒマス、斯ウ云フ
事情カラ、ドウシテモ是等ノ二ツノ目的ヲ
達成スル爲ニハ、然ルベキ國家ノ積極的施
設ヲ必要トスルト云フ事柄ハ、此ノ內閣ガ
出來マシテカラ、私共ノ痛感シテ居ル所デ
アリマシテ、之ニ對スル積極的ノ施設ヲ如
何致スベキカト云フコトハ豫テ考究致シ
テ居ッタノデアリマス、丁度臨時議會ガ召集
サレルト云フコトガ發表サレマシタ當時ニ
於キマシテハ、マダ我々ガ確定案ニ到達致
シテ居ラナカッタノデアリマス、併シナガラ
御承知ノ通リ、其處ニ發表サレテアリマス
モノ以外ニ於キマシテモ、刻下ノ狀態カラ
緊急ダト思ハレル所ノ二、三ノ豫算其ノ他法
案ニ付テ追加サレテ居リマス事柄ハ既ニ御
承知ノ通リデアリマス、サウ云フ意味ニ於
キマシテ、本案ガ最モ緊急ヲ要スルモノト
シテ、本議會ニ提案サレタ次第デアリマス、
第二ノ、未動遊休設備ノ買上ニ關シテ、其ノ
價格ノ問題ニ付キマシテハ政府ニ於キマ
シテハ法律ヲ施行致シマスル上ニ於キマシ
テ、評價委員等ノ協力ニ依リマシテ、是等
ノ設備ヲ營團ヲシテ買上ゲサスベキ値段ノ
基準ヲ察議決定セシムル考ヘデアリマシテ、
必ズシモ時價デ之ヲ買フト云フ考ヘデハナイ
ノデアリマス、先程申シマシタ如ク一面ニ
於キマシテハ、此ノ未動遊休施設ノ存在ガ
旣存ノ產業經營ノ上ニ惡影響ガアルノミナ
ラズ、一面ニ於キマシテハ國家非常ノ時
ニ際シテ是等ノ未動遊休施設ヲ更ニ再生活
用スルノ途ヲ開クト云フ、國家的目的カラ
之ヲ動員スル考ヘデアリマシテ、單ニ從來ノ
事業救濟ニ堕スルト云フコトノナイヤウニ
是ハ施行スル考ヘデアリマス、第三ニ、未動
遊休施設ノ中、本營團ガ取扱フ所ノモノハ
其ノ一部デアルト云フ事柄ハ、私共モサウ
考ヘテ居リマス、今日我ガ國ノ各種產業ニ
存在シテ居リマスル未動遊休施設ノ中、是
ハ勿論產業ノ種別ニ依ッテ違ヒマスガ、相當
ノ部分ハ、業者自ラ若シクハ業者ノ團體ニ
之ヲ保有セシムルコトガ適當デアルモノモ
アルト思ヒマス、此ノ營團ニ於テ取扱フ所
ノモノハ、今申述ベマシタヤウニ、緊急ノ
必要カラ業者又ハ業者ノ團體ニ保有セシム
ルコトガ適當デナイ、斯ウ云フ國家ノ積極
的施設ニ依ッテ之ヲ肩替リスルコトガ適切
デアル、斯ウ思ハレルモノニ付キマシテ、
此ノ營團ガ取扱フト云フコトヲ御承知願ヒ
タイト思ヒマス、右御答へ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=30
-
031・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 餘リオウルサイヤウ
デスガ、モウ一應伺ヒタイ、外ノ法律案モ
出シタト仰シヤルケレドモ、外ノ法律案デ、
例ヘバ兵役法トカ云フモノトハマルデ性質
ガ違フ、斯ウ云フヤウナ經濟法案デアツテ、
何時カラヤラナケレバナラナイト云フモノ
デモナシ、準備シテ置イテ、サウシテコン
ナ短イ議會デナク來年度······來年度デハナ
イ、此ノ次ノ通常議會ニ御出シニナツテモ、
決シテ政府トシテハ間ニ合ハナイコトハナ
カラウ、サウシテサウ云フヤウニ緊急ノモ
ノナラバ、此ノ情報局ノ發表、組閣當時ニ
決ラナケレバナラナイモノト思ッテ居ル、外
カラ他動的ニ來タモノデハナイ、其ノ點ガ
私ハ甚ダ不滿デアリマス、不滿ト申シテハ
失禮デアリマスガ、能ク理解シ兼ネルノデ
アリマス、ソレカラ次ニ時價デ買フト仰シ
ヤルガ、ソレハ潰シ値デ買フノカ何デ買フ
ノカ、其ノ具體的ノ標準ヲ仰シヤラナケレ
バ分リマセヌ時價デナケレバ何デ買フノ
カ、具體的ニ標準ヲ御示シニナラナケレバ
分ラナイソレカラ是ダケハ必要ダカラト
仰シヤルガ、其ノ必要カ必要デナイカト云
フコトハ、如何ナル具體的標準デ見ルノカx
國家デ買フ必要ノナイモノハ抛ッテ置イテ
宜イカ、ドウモ同ジヤウナモノヤ、同ジ機
械ガアッテ、ドレガ必要カ必要デナイカト云
フコトヲ見ルノハ、モウ少シ具體的ノ標準
ガナケレバ分リマセヌ
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=31
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032・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 御答ヲ申上ゲマス、
本件ガ非常ニ緊急ナモノデアルト云フ事柄
ハ私ノ說明ガ大河內子爵ニ遺憾ナガラ徹
底シナカッタヤウデゴザイマスガ、私ガ先程
來申上ゲマス通リ、現下ノ情勢カラ觀マシ
テ、是ハ我ガ國ノ國內ニ蓄積シテアル所ノ
物的、活用サレテ居ラナイ資材ト云フモノ
ヲ、再生活用スルノ要ハ非常ニ急イデヤ
ラナケレバナラヌコトダト思ヒマス、又今
後ノ國際情勢ノ推移ヲ頭ニ置キマス時ニ於
キマシテハ是ハ一日モ忽セニスルコトハ
出來ナイト思ヒマス、尙又申上ゲル迄モナ
ク軍事豫算ノ非常ナ增大ハ、一面ニ於キマ
シテ民需ノ方面ノ生產ノ率モ增大セネバナ
ラヌ情勢デアリマス、重點主義ヲ强化セネ
ミバナラヌ必要ガ愈〓緊急トナッテ來テ居リマ
ス關係上、此ノ未動遊休施設ノ再生活用ヲ圖
ル事柄ハ、我ガ戰時經濟遂行上、最モ緊急
ヲ要スル使命ダト私ハ信ジテ居ルノデアリ
マス、政府ハ斯樣ナ考ヘヘカラ本法案ヲ提案致
シマシタ次第デアリマス、次ニ資產評價ノ
標準デアリマスガ、是ハ各種ノ未動遊休施
設ニ依リマシテノ一々ニ付キマシテ實
具體的ニドウスルノカト云フ事柄ハ相當ム
ヅカシイ問題デアリマス、ノミナラズ未動
遊体施設ト一ト口ニ申シマスケレドモ、其
ノ中ニハ「スクラップ」トシテ利用スルノガ
適當デアリ、又「スクラップ」トシテ利用スベ
キヤウナ部分モアリマス、併シサウデハナク
シテ、未動遊休施設トシテ或程度迄保有シテ
行カナケレバナラナイ······將來ノコトヲ考
ヘテ保有シテ置カナケレバナラヌヤウナモノ
モアリマスシ、或ハ之ニ多少ノ手ヲ加ヘル
カ、其ノ他ノ方法ニ依ッテ他ニ轉用シ活用シ
得ルヤウナモノモアリマス、從ヒマシテ總
テノモノヲ一様ナ評價標準デ以テ決定スル
譯ニハ參ラナイト思ヒマス從ヒマシテ先
程申シマシタヤウニ、評價委員ヲ設ケテ之
ガ評價ノ基準ヲ定メテ參リタイト思ヒマス、
時價デイカナイカラ、ソレデハ總テ「スク
ラップ」同樣ナ値段デ買フカ、斯ウ云フ問題
ニ付キマシテハ、「スクラップ」トスル外ハ
ナイト云フヤウナモノニ付キマシテハ、「ス
クラップ」ノ値段デ買フヤウナモノモアラウ
ト思ヒマス、又機械設備ノ中デ、相當良イ
モノデアッテ、將來ノ爲ニ保有シテ置カナケ
レバナラヌト云フヤウナモノ、又ハ外ノ方
面ニ十分活用ノ出來ルト云フヤウナモノニ
付キマシテハ相當ナ値段ニ於テ買フ、此
ノ評價ノ標準ハ今申シマシタヤウナ事柄
ヲ參酌シテ適切ニ決メテ參リタイ、斯ウ考
ヘテ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=32
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033・大河内輝耕
○子爵大河內輝耕君 少シマダ實ハ不明ナ
點ガ多イノデスガ、サウ云フ細カイコトハ
此處デヤッテ居リマスノモ、恐縮デゴザイマ
スカラ、此ノ點ハ又他ノ機會ニ讓リマシテ
私ハ是デ止メテ置キマスガ、唯政府ニ御願
ヒシテ置クノハ、斯ウ云フヤウナモノハド
ウ云フ所ニ眼ヲ著ケテ居ルノカト云フコト
ガ非常ニ重要ナ問題デアリマス、モウ少シ
委員會ニ於キマシテ、何處ノ設備ハドレダ
ケデ買フノカト云フ具體的ナ材料ヲ、出來
ル限リ提示サレルコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=33
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034・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
產業設備營團法案ノ特別委員ノ數ヲ十八名
トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ
動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=34
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035・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
產業設備營團法案特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵井上三郞君
伯爵兒玉秀雄君子爵大河內正敏君
子爵保科正昭君子爵高橋是賢君
藤原銀次郞君塚本〓治君
男爵伊藤一郞君男爵安場保健君
男爵宮原旭君竹內可吉君
太田耕造君稻畑勝太郞君
岩田宙造君中山太一君
上野松次郞君中野敏雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本日ノ議事ハ是
ニテ終リマス、明二十日ハ會期終了日デア
リマスノデ、委員會ヨリ報〓書ノ提出ガア
ルト存ジマスルカラ、午後ニ至リ急ニ本會議
ヲ開ク必要ガ生ズルカト存ジマス、其ノ際
議事日程ハ院內ニ於テ配付スルコトニ致
シマス、午後二時迄ニ御登院ヲ願ヒマス、
本日ハ是ニテ散會致シマス
午後五時五十九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007703242X00419411119&spkNum=38
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