1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十七年二月二日(月曜日)午前十時三十五分開議
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議事日程 第七號
昭和十七年二月二日
午前十時開議
第一 請願委員長報告
第二 南方開發金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 兵器等製造事業特別助成法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 郵便法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 郵便貯金法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 鐵道敷設法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 地方鐵道補助法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 國民更生金庫法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 帝國石油株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付)第一讀會
第十 重要物資管理營團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十一 帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十二 帝國燃料興業株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十三 大東亞戰爭の呼稱を定めたるに伴ふ各法律中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十四 商船に於ける國旗取扱規則竝船員服裝規則制定の請願 會議
第十五 船舶職員試驗期日に關する請願 會議
第十六 船員養成機關の整備改善に關する請願 會議
第十七 港灣重要設備を國營と爲すの請願 會議
第十八 奧羽本線横手、羽越本線羽後本莊の兩驛間を豫定線に編入し横莊鐵道未成區間速成の請願 會議
第十九 滋賀縣蒲生郡日野、八幡の兩町間に省營自動車運輸開始の請願 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔石橋書記官朗讀〕
去月三十日委員長ヨリ豫算委員橋本辰二郞
君ヲ第二分科擔當委員ニ選定シタル旨ノ報
告書ヲ提出セリ
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
請願委員會特別報告第一號
去月三十一日委員長ヨリ豫算委員第二分科
擔當委員橋本辰二郞君ヲ第六分科兼務委員
ニ選定シタル旨ノ報告書ヲ提出セリ
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
南方開發金庫法案
兵器等製造事業特別助成法案
郵便法中改正法律案
郵便貯金法中改正法律案
鐵道敷設法中改正法律案
地方鐵道補助法中改正法律案
國民更生金庫法中改正法律案
帝國石油株式會社法中改正法律案
重要物資管理營團法案
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第七十九囘帝
國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受
領セリ
政府委員
興亞院部長宇佐美珍彥君
同日昭和十五年法律第六十九號中改正法律
案特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長
ノ氏名左ノ如シ
委員長子爵秋元春朝君
副委員長男爵東〓安君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、兒玉謙次君、公務旅行ニ付
二十七日間、請暇ノ申出ガゴザイマシタ、
許可ヲ致シテ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=3
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004・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第一、請願
委員長報告、委員長堀田伯爵
〔伯爵堀田正恒君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=4
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005・堀田正恒
○伯爵堀田正恒君 請願委員會ノ第一囘御
報〓ヲ申上ゲマス、正副委員長ノ互選ハ去ル
一月二十一日ニ之ヲ行ヒマシタ、請願委員
會ハ二囘開會致シマシテ、第一囘ハ一月二
十一日正副委員長互選後引續キ開會致シ、
第二囘ハ一月三十日開會致シマシタ、而シ
テ第一囘委員會ニ於キマシテハ、分科ノ決
定竝ニ分科擔當委員ノ選定、審査方針、委
員會竝ニ分科會ノ開會日時等ノ決定ヲ致シ
マシタガ、詳細ハ速記錄ニ依リマシテ御了
承ヲ願ヒタイノデアリマス、分科會ニ於キマ
シテハ正副主査ノ互選ハ各分科共一月二十
二日ニ行ヒマシタ、分科會ノ開會數ハ一囘
デゴザイマシテ、一月二十六日ニ第三分科
會ヲ開會致シマシタ、請願文書表報告ハ二
囘デアリシマテ、第一囘報〓ハ一月二十一
日ニ、第二囘報〓ハ一月二十八日デアリマ
ス、請願委員會特別報告ハ一囘デゴザイマ
シテ、一月三十日ニ其ノ報〓書ヲ提出致シ
マシタ、請願書受理件數ハ三十四件、此ノ
請願連署人數ハ七千二百六十五名デゴザイ
マス、右ノ請願三十四件中、請願文書表ニ
揭載セルモノハ二十五件、請願文書表ニ未
揭載ノモノガ九件デゴザイマス、愼重審査
ノ結果、議院ノ會議ニ付スベシトスルモノ
六件デゴザイマス、以上ハ昭和十七年一月
三十一日迄ノ御報告デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、南方
開發金庫法案、政府提出、衆議院送付、第
一讀會、賀屋大藏大臣
左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
南方開發金庫法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
南方開發金庫法案
南方開發金庫法
第一章總則
第一條南方開發金庫ハ南方地域ニ於ケ
ル資源ノ開發及利用ニ必要ナル資金ヲ
供給シ併セテ通貨及金融ノ調整ヲ圖ル
ヲ目的トス
南方開發金庫ハ法人トス
第二條南方開發金庫ハ主タル事務所ヲ
東京市ニ置ク
南方開發金庫ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
必要ノ地ニ從タル事務所ヲ置クコトヲ
得
第三條南方開發金庫ハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケ銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル法
人ヲシテ業務ノ一部ヲ取扱ハシムルコ
トヲ得
第四條南方開發金庫ノ資本金ハ一億圓
トス但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ增
加スルコトヲ得
第五條政府ハ一億圓ヲ南方開發金庫ニ
出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ之ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲ定ム
第六條政府ハ其ノ持分ノ一部ヲ讓渡ス
コトヲ得
前項ノ場合ニ於テ讓渡ニ關シ必要ナル
事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條出資ノ第一囘ノ拂込金額ハ出資
金額ノ十分ノ一ヲ下ラザル額トシ第二
囘以後ノ出資ノ拂込ノ時期及金額ハ南
方開發金庫主務大臣ノ認可ヲ受ケテ之
つたい
第八條南方開發金庫ハ定款ヲ以テ左ノ
事項ヲ規定スベシ
一目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七債劵ノ發行ニ關スル事項
八會計ニ關スル事項
九公〓ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第九條南方開發金庫ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第十條南方開發金庫ニハ當分ノ內所得
稅法人稅及營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ當分ノ內南方開發金庫ノ事
業ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ得
ズ但シ特別ノ事情ニ基キ內務大臣及大
藏大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限
ニ在ラズ
第十一條南方開發金庫ニ付解散ヲ必要
トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ
處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定
ム
第十二條南方開發金庫ニ非ザル者ハ南
方開發金庫又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
フルコトヲ得ズ
第二章職員
第十三條南方開發金庫ニ役員トシテ總
裁副總裁各一人、理事三人以上及監事
二人以上ヲ置ク
第十四條總裁ハ南方開發金庫ヲ代表シ
其ノ業務ヲ總理ス
副總裁ハ定款ノ定ムル所ニ依リ南方開
發金庫ヲ代表シ總裁ヲ輔佐シテ南方開
發金庫ノ業務ヲ掌理シ總裁事故アルト
キハ其ノ職務ヲ代理シ總裁缺員ノトキ
ハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ南方開發
金庫ヲ代表シ總裁及副總裁ヲ輔佐シテ
南方開發金庫ノ業務ヲ掌理シ總裁及副
總裁共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代
理シ總裁及副總裁共ニ缺員ノトキハ其
ノ職務ヲ行フ
監事ハ南方開發金庫ノ業務ヲ監査ス
第十五條總裁及副總裁ハ勅裁ヲ經テ政
府之ヲ命ズ
理事及監事ハ主務大臣之ヲ命ズ
總裁、副總裁、理事及監事ノ任期ハ二
年トス
第十六條總裁、副總裁及理事ハ定款ノ
定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業務ニ
關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ
爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコ
トヲ得
第十七條總裁、副總裁及理事ハ他ノ職
業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣
ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十八條南方開發金庫ノ職員ハ之ヲ法
令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
第三條ノ場合ニ於テ當該業務ニ從事ス
ル銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル法人ノ
職員ニ付亦前項ニ同ジ
前二項ノ職員ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第三章業務
第十九條南方開發金庫ハ資源ノ開發及
利用ノ爲必要ナル融資又ハ投資ヲ爲ス
ノ外左ノ業務ヲ行フ
-預リ金
二地金銀ノ賣買
三通貨ノ交換
四爲替ノ賣買
南方開發金庫ハ前項ノ業務ニ附帶スル
業務ヲ行フコトヲ得
第二十條南方開發金庫ハ主務大臣ノ認
可ヲ受ケ前條ノ業務ノ外南方開發金庫
ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フコト
ヲ得
第四章債劵
第二十一條南方開發金庫ハ拂込出資金
額ノ十倍ヲ限リ債劵ヲ發行スルコトヲ
得
第二十二條南方開發金庫ハ債劵借換ノ
爲一時前條ノ制限ニ依ラズ債劵ヲ發行
スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ債券ヲ發行シタルト
キハ發行後一月以內ニ其ノ發行額面金
額ニ相當スル舊債劵ヲ償還スベシ
第二十三條南方開發金庫ニ於テ債劵ヲ
發行セントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
第二十四條政府ハ債劵ノ元本ノ償還及
利息ノ支拂ヲ保證スルコトヲ得
第二十五條債劵ノ消滅時效ハ元本ニ在
リテハ十五年、利息ニ在リテハ五年ヲ
以テ完成ス
第二十六條債劵ノ所有者ハ南方開發金
庫ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先チテ自己
ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權
ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第二十七條所得稅法及有價證劵移轉稅
法中國債以外ノ公債ニ關スル規定ハ債
劵ニ之ヲ準用ス
第二十八條本章ニ規定スルモノヲ除ク
ノ外債劵ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第五章會計
第二十九條南方開發金庫ノ事業年度ハ
四月ヨリ翌年三月迄トス
第三十條南方開發金庫ハ設立ノ時及每
事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借對
照表及損益計算書ヲ作成シ主務大臣ノ
承認ヲ受クベシ
第六章監督及補助
第三十一條南方開發金庫ハ主務大臣之
ヲ監督ス
第三十二條南方開發金庫借入金ヲ爲サ
ントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ベシ
第三十三條南方開發金庫剩餘金ノ處分
ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
第三十四條南方開發金庫ハ業務開始ノ
際業務ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ之ニ重大ナル變更ヲ加ヘント
スルトキ亦同ジ
南方開發金庫ハ每事業年度ノ初ニ於テ
事業計畫及收支豫算ヲ定メ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ之ニ重大ナル變更ヲ加
ヘントスルトキ亦同ジ
第三十五條主務大臣ハ南方開發金庫ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲
サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要
ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第三十六條役員ガ法令、定款若ハ主務
大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル
行爲ヲ爲シタルトキハ總裁及副總裁ニ
付テハ政府、理事及監事ニ付テハ主務
大臣之ヲ解任スルコトヲ得
第三十七條政府ハ南方開發金庫ニ對シ
第十九條第一項ニ規定スル融資又ハ投
資ニ因リテ受ケタル損失ヲ補償スルノ
契約ヲ爲スコトヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ交付スベキ補償
金ノ總額ガ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金
額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ爲スコ
トヲ要ス
第一項ノ損失ヲ決定スル基準ハ大藏大
臣之ヲ定ム
第三十八條前條第一項ノ損失及其ノ額
ハ特別融通損失審査會之ヲ決定ス
第七章罰則
第三十九條左ノ場合ニ於テハ南方開發
金庫ノ總裁、副總裁、理事又ハ監事ヲ
千圓以下ノ過料ニ處ス
-本法ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザル
トキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒタル
トキ
三第二十一條又ハ第二十一一條第二項
ノ規定ニ違反シ債劵ノ發行ヲ爲シ又
ハ償還ヲ爲サザルトキ
四主務大臣ノ監督上ノ命令又ハ處分
ニ違反シタルトキ
第四十條=左ノ場合ニ於テハ南方開發金
庫ノ總裁、副總裁、理事又ハ監事ヲ五
百圓以下ノ過料ニ處ス
-本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令
ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ
不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第三十條ノ規定ニ依ル書類ヲ作成
セザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ
事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲
シタルトキ又ハ其ノ書類ニ付主務大
臣ノ承認ヲ受ケザルトキ
第四十一條第十二條ノ規定ニ違反シ南
方開發金庫又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
ヒタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第四十二條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十三條政府ハ設立委員ヲ命ジ南方
開發金庫ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セ
シム
第四十四條設立委員ハ定款ヲ作成シ主
務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ
遲滯ナク出資ノ第一囘ノ拂込ヲ政府ニ
禀請スベシ
第四十五條出資ノ第一囘ノ拂込アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務
ヲ南方開發金庫總裁ニ引渡スベシ
總裁前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタルトキ
ハ總裁、副總裁、理事及監事ノ全員ハ設
立ノ登記ヲ爲スベシ
南方開發金庫ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因
リテ成立ス
第四十六條南方開發金庫ノ初事業年度
ハ第二十九條ノ規定ニ拘ラズ成立ノ日
ヨリ昭和十八年三月迄トス
第四十七條本法ニ規定スルモノヲ除ク
ノ外南方開發金庫ノ設立ニ關シ必要ナ
ル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十八條政府ハ南方開發金庫ニ對シ
貸付ヲ爲スコトヲ得
前項ノ貸付ニ關スル歲入歲出ハ臨時軍
事費特別會計ニ屬セシム
第四十九條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「庶民金庫」ノ上ニ「南
方開發金庫、〓、「庶民金庫法」ノ上ニ
「南方開發金庫法、」ヲ、同條第十八號
中「庶民金庫」ノ上ニ「南方開發金庫、ㄴ
ヲ加フ
第五十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號ノ二ノ次ニ左ノ一號ヲ加
フ
六ノ二ノ二南方開發金庫ノ發スル
債劵
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=6
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007・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題ト相成
リマシタ南方開發金庫法案提案ノ理由ヲ說
明致シマス、大東亞戰爭ニ際シマシテ、帝
國ノ對南方經濟政策ノ根本方針ハ、重要資
源ノ需要ヲ充足シテ當面ノ戰爭遂行ニ遺憾
ナカラシムルコトヲ主眼ト致シ、併セテ大
東亞共榮圈ノ自給自足體制ヲ確立セムトス
ルコトニ存シマスルコトハ申ス迄モナイ所
デアリマス、從ヒマシテ作戰ニ伴ヒ、南方
ニ於ケル豐富ナル資源ノ開發利用ヲ、效率
的ニ且重點的ニ促進致シマスルコトハ極メ
テ肝要ナノデアリマシテ、之ガ爲必要ナル
資金ヲ圓滑ニ供給スルノ途ヲ開キ置クノ要
アルコト亦言ヲ俟タヌノデアリマス、而シ
テ南方諸地域ニ於キマシテハ、現ニ作戰遂
行中デアリ、軍票ヲ使用致シテ居ルノデア
リマス、他面ニ於キマシテ、本邦ト南方諸
地域トノ間ニ於キマシテハ、尙早ニ確定的
ナル爲替比率ヲ建ツル如キハ困難デモア
リ、又不適當ト認メラレマスルノデ、當分
ノ間ハ本邦ト南方諸地域トノ間ニ、特殊ノ
場合ヲ除キ資金ノ移動ヲ認メナイコトヲ適
當ト考ヘルノデアリマス、從ヒマシテ資源
ノ利用及開發ニ所要ノ資金ヲ調達供給致シ
マスルニ付キマシテモ、斯クノ如キ特殊ノ
狀況ニ應ジ格別ノ工夫ヲ凝ラスノ要ガアル
ノデアリマス、仍テ政府ハ南方開發金
庫ヲ設置致シ、同金庫ヲシテ斯カル狀
況ノ下ニ於テ必要ナル資金ノ圓滑ナル供
給ニ遺憾ナキヲ期スルコトヲ適當ト認
〓
メタノデアリマス、又日本側金融機關ガ、
各地ニ於テ業務ヲ開始致シマスル場合ニ於
キマシテモ、差向キハ資金ノ調達ガ困難ナ
ル場合モ豫想セラレマスルシ、貸付等ニ付
キマシテモ、必ズシモ普通銀行ノ業務ニ適
セザル長期固定的ナルモノガ相當所要トナ
リマスコトハ明白デアルノデアリマスルノ
デ、此ノ種ノ貸付等ハ、南方開發金庫
ヲシテ行ハシムルコトガ最モ適當ト認メラ
レルノデアリマス、次ニ情勢ノ推移ニ應ジ、
現地通貨ト軍票トノ交換、現地ニ於ケル預
金ノ受入等ヲ行ヒ、以テ通貨ノ調整ニ資シ
マスルコトハ固ヨリ、南方各地域相互間、或
ハ本邦ト南方地域間ニ於ケル爲替取引ガ行
ハレル事態ニ於キマシテハ、一般爲替銀行
ノ爲替尻調整ノ作用ノ如キハ、差當リ本金
庫ニ之ヲ行ハシムルコトガ必要デアル場合
ガ豫想セラルヽノデアリマス、又南方開發
金庫ハ、現地ニ於テ借入金ヲ爲シ、或ハ主
トシテ現地ニ於キマシテ債劵ヲ發行スル等
ノ方法ニ依リ、現地資金ノ潤澤ナル調達ヲ
圖ルコトガ必要デアルト認メラレルノデア
リマス、之ヲ要スルニ南方開發金庫ヲ設置
致シマスルコトハ、南方地域ノ今後ノ如何
ナル情勢ノ變化ニモ對應シ得ル如ク、同金
庫ヲ以テ帝國ノ通貨金融對策運營ノ原動力
タル中樞機關タラシムルノ配意ニ出デテ居
ルモノデアリマス、此ノ意味合ニ於キマシ
テモ、南方開發金庫ノ業務ハ成ルベク廣範
圍ニ亙リ得ルヤウ致シテ置クノヲ適當ト認
ムルノデアリマス、尙南方開發金庫ハ、右
申上ゲマシタル如キ機關デアリマスルノデ、
差當リ政府ガ全額之ニ出資スルコトト致シ
マシタ、又政府ハ必要ナル援助ヲ與フルコ
トヲ適當ト認メテ居ルノデアリマスルガ、
將來ノ情勢ノ推移ニ應ジ、民間ヨリノ出資
ヲモ入レ得ル仕組ミト致シテ居ルノデアリマ
ス何卒御審議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラ
レムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=7
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008・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
南方開發金庫法案ハ、之ヲ二十五名ノ特別
委員ニ付託セラレムコトノ動議ヲ提出致シ
マス、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ
動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=8
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009・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=10
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011・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔石橋書記官朗讀〕
南方開發金庫法案特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵中山輔親君
侯爵池田宣政君伯爵兒玉秀雄君
子爵保科正昭君子爵岡部長景君
子爵松平忠壽君子爵河瀨眞君
子爵三島通陽君水野鍊太郞君
有田八郞君藤原銀次郞君
塚本〓治君男爵周布兼道君
白根竹介君男爵益田太郞君
男爵深尾隆太郞君男爵西西乙君
倉知鐵吉君富田健治君
野村德七君平沼亮三君
中山太一君出光佐三君
古莊健次郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=11
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012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第三、兵器
等製造事業特別助成法案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會、木村陸軍次官
兵器等製造事業特別助成法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
兵器等製造事。業特別助成法案
兵器等製造事業特別助成法
第一條本法ハ兵器等ノ生產力ノ確保ヲ
圖ル爲其ノ製造事業ニ對シ特別ノ保護
助成ヲ爲スヲ以テ目的トス
第二條本法ニ於テ兵器等ト稱スルハ兵
器、艦船、此等ノ部品其ノ他軍事上特
ニ必要ナル物資ニシテ勅令ヲ以テ定ム
ルモノヲ謂ヒ兵器等製造事業者ト稱ス
ルハ兵器等ノ生產及修理ノ事業ヲ營ム
者ヲ謂フ
第三條政府ハ兵器等ノ生產力ヲ確保ス
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ兵器等製造事業者ニ對シ
兵器等製造設備ヲ無償ニテ貸付シ當該
設備ニ依ル事業ノ經營ヲ命ズルコトヲ
得
第四條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ兵
器等製造事業者ニ對シ前條ノ規定ニ依リ
テ當該事業者ニ貸付スベキ設備ノ建設
ヲ命ズルコトヲ得此ノ場合ニ於テ設備
ノ建設ニ要スル費用ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ國庫ノ負擔トス
第五條政府ハ兵器等ノ生產力ヲ確保ス
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ兵器等製造事業者ニ對シ
一定ノ期間內ニ政府ニ於テ買上グベキ
コトヲ條件トシテ必要ナル設備ノ新設、
擴張又ハ改良ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル設備ノ買上ヲ爲ス場
合ニ於テ事業ノ經營上當該設備ト一體
不可離ノ關係ヲ有スト認ムベキ他ノ重
要ナル設備アルトキハ政府ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ併セテ之ヲ買上グルコト
ヲ得
第六條第三條ノ規定ニ依リ兵器等製造
事業者ニ貸付シタル政府所有ノ設備ニ
付當該事業者ノ申請アルトキハ政府ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ拂下グルコ
トヲ得
第七條政府ハ兵器等ノ生產力ヲ確保ス
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ兵器等製造事業者ニ對シ
其ノ事業ニ屬スル重要ナル設備ヲ指定
シ之ニ付一定ノ期間內ニ償却ヲ爲スベ
キコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ償却ニ付テハ所得稅、法人稅其
ノ他ノ租稅ノ課稅標準ノ計算ニ關シ命
令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第一項ノ償却ニ係ル設備ニ依リ生產又
ハ修理シタル兵器等ニ付政府ノ支拂フ
ベキ代金ハ當該償却ヲ斟酌シテ之ヲ定
ムルモノトス
第八條第三條又ハ第五條第一項ノ規定
ニ依ル命令ニ係ル設備ハ兵器等製造事
業者之ヲ政府ノ指定スル用途以外ノ用
途ニ供スルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ
定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第五條第一項又ハ前條第一項ノ規定ニ
依ル命令ニ係ル設備ニ付テハ兵器等製
造事業者ハ政府ノ許可ヲ受クルニ非ザ
レバ讓渡其ノ他ノ處分ヲ爲スコトヲ得
ズ
第九條政府ハ兵器等ノ生產ノ技術又ハ
設備ノ維持培養ヲ圖ル爲特ニ必要アリ
ト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ
兵器等製造事業者ニ對シ兵器等ノ生產
又ハ修理ヲ命ズルコトヲ得
第十條政府ハ軍事上必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ兵器等製
造事業者ニ對シ必要ナル設備、工具、
ジグ、檢査具若ハ圖面ノ保有ヲ命ジ、
原料若ハ材料ノ取得及保有ヲ命ジ又ハ
政府ニ屬スル此等ノ物ノ保管ヲ命ズル
コトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ前項ノ
規定ニ依リ保有ヲ命ジタル物ニ付之ガ
更新ヲ命ズルコトヲ得
前二項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタ
ル損失ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ政府之
ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十一條本法又ハ本法ニ基キテ發スル
命令ニ依ル兵器等製造事業者ノ權利義
務ハ事業ト共ニ其ノ承繼人ニ移轉ス
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依
リ爲シタル手續其ノ他ノ行爲ハ前項ノ
承繼人ニ對シテモ亦其ノ效力ヲ有ス
第十二條政府ハ必要アリト認ムルトキ
ハ兵器等製造事業者ニ對シ業務及財產
ノ狀況ニ關シ報告ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ當該官
吏ヲシテ兵器等製造事業者ノ事務所、
營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨
檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿書類
其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票
ヲ携帶セシムベシ
第十三條政府ハ第三條、第五條第一項
又ハ第七條第一項ノ規定ニ依ル命令ヲ
受ケタル兵器等製造事業者(以下受命
事業者ト稱ス)ニ對シ其ノ命令ニ係ル
事業ノ業務及會計ニ關シ監督上必要ナ
ル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十四條受命事業者タル法人ニシテ勅
令ヲ以テ定ムルモノノ役員ノ選任及解
任竝ニ其ノ目的變更ノ決議ハ政府ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
受命事業者タル法人ニシテ勅令ヲ以テ
定ムルモノ本法若ハ本法ニ基キテ發ス
ル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反
シタルトキハ政府ハ其ノ役員ヲ解任ス
ルコトヲ得
第十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三千圓以下ノ罰金ニ處ス
一第八條第一項又ハ第二項ノ規定ニ
違反シタル者
二第十條第一項又ハ第二項ノ規定ニ
依ル命令ニ違反シタル者
第十六條第十三條ノ規定ニ依ル命令又
ハ處分ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰
金ニ處ス
第十七條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第十二條第一項ノ規定ニ依ル報〓
ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタル
者
二同條第二項ノ規定ニ依ル當該官吏
ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ
又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若
ハ處僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第十八條兵器等製造事業者ハ其ノ代理
人戶主、家族、同居者、雇人共ノ他ノ
從業者ガ其ノ業務ニ關シ第十五條、
第十六條又ハ前條第一號ノ違反行爲ヲ
爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザル
ノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得
ズ
第十九條第十五條、第十六條及第十七
條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルト
キハ理事、取締役其ノ他法人ノ業務ヲ
執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產
者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適
用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能
力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ
在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔政府委員木村兵太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=12
-
013・木村兵太郎
○政府委員(木村兵太郞君) 只今議題ト相
成リマシタ兵器等製造事業特別助成法案ニ
付テ、提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、大
東亞戰爭遂行ノ爲ニ必要トスル多量ニシテ
而モ精强ナル兵器、艦船等ノ供給ニ遺憾ナ
カラシムル爲ニハ、是等ノ生產力ヲ極度ニ
擴充增强シ、其ノ能力ヲ發揚スルコトノ緊
要デアルコトハ、今更申上ゲル迄モナイ所
デアリマス、而シテ其ノ大キナ部分ハ、之
ヲ民間ノ事業ニ期待シテ居ルノデアリマス、
然ルニ兵器、艦船等ノ生產ノ爲ニハ、巨大
ニシテ而モ他ニ轉換シ難イ設備ヲ必要トス
ルノミナラズ、一方國ノ必要トスル兵器、
艦船等ノ數量品目タルヤ、一ニ國防ノ計畫
ニ依ッテ決定セラルヽモノデアリ、而モ戰時
ト平時トニ於テ著シイ懸隔ガアリマス爲ニ、
事業トシテノ見透シハ著シク困難デアリ、
民間事業トシテノ成立ニ關シテ、單ニ企業
者ノミノ創意ニ依ッテハ到底解決シ得ナイ
モノヲ其ノ間ニ包藏スルノデアリマス、而
シテ之ガ爲ニハ延イテハ刻下ノ急ニ卽應ス
ベキ生產力ノ擴充增强ニサヘ、動トモスレ
バ澁滯ヲ來ス虞ナシトシナイノデアリマス、
固ヨリ旣ニ國家總動員法ニ基ク勅令ナリ、
或ハ各種ノ事業法等ナリガ施行セラレテ居
ルノデアリマスガ、先ニ述べマシタ兵器等
製造事業ノ特殊性ニ鑑ミマシテ、是等ニ依
リテハ解決シ得ナイ事項ガ多々存スルノデ
アリマス、玆ニ於キマシテ、國防國家トシ
テ必要ナル兵器等ノ生產力ヲ增强確保スル
爲ニ、戰時ト平時トヲ問ハズ、一貫シタ觀
點ニ立ッテ必要トスル個々ノ事業ニ付特別ノ
助成ヲ爲シ、企業者ヲシテ安ンジテ其ノ創
意ヲ最高度ニ發揚セシムルノ措置ヲ講ズル
コトガ急務デアリマス、本法案ハ此ノ目的
ヲ達スルコトヲ期シタモノデゴザイマス、
何卒御審議ノ上速カニ御協贊アラムコトヲ
希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=13
-
014・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
兵器等製造事業特別助成法案ハ、特別委員
ノ數ヲ十八名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長
ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=14
-
015・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=15
-
016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴義君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=16
-
017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔佐藤書記官朗讀〕
兵器等製造事業特別助成法案特別委員
公爵德川家正君侯爵西〓從德君
伯爵山本〓君子爵大河內正敏君
子爵米田國臣君子爵高橋是賢君
男爵向山均君男爵赤松範一君
川村竹治君男爵宮原旭君
坂野鉄次郞君唐澤俊樹君
太田耕造君稻畑勝太郞君
安宅彌吉君野村茂久馬君
松本勝太郞君齋藤万壽雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=17
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018・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第四、郵便
法中改正法律案、日程第五、郵便貯金法中改
正法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、
是等ノ二案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御
異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=18
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019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、寺島遞信大臣
郵便法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
郵便法中改正法律案
郵便法中左ノ通改正ス
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
第一種書狀
第二種郵便葉書
第三種每月一囘以上刊行
スル定期刊行物
書籍、印刷物、業
務用書類寫眞
第四種書畫圖商品
ノ見本及雛形、博
物學上ノ標本
第五種農產物種子
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
郵便貯金法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
郵便貯金法中改正法律案
郵便貯金法中左ノ通改正ス
第三條第一項中「三千圓」ヲ「五千圓」ニ改
ム
第七條中「郵便切手」ノ下ニ、「郵便貯金切
手」ヲ加フ
第七條ノ二郵便貯金切手ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ政府之ヲ發行ス
郵便貯金切手ニハ命令ノ定ムル所ニ依
リ割增金ヲ附スルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
通常郵便物ノ種類及料金ハ左ノ如シ但
シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ料金ヲ低
減スルコトヲ得
重量二十グラム又ハ五錢
其ノ端數每ニ
(通常葉書二錢
往復葉書五四錢錢
封緘葉書
重量百グラム又ハ其錢
ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ四錢
其ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ錢
其ノ端數每ニ
〔國務大臣寺島健君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=19
-
020・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 只今議題トナリマ
シタ郵便法中改正法律案及郵便貯金法中改
正法律案ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ御說明
申上ゲマス、先ヅ郵便法中改正法律案ニ付キ
マシテハ、大東亞戰爭完遂ノ爲ニ、戰時財政
ノ强化ヲ期スル戰時國家ノ要請ニ應ヘマス
ルト共ニ、併セテ通信事業運營上ノ調整ヲ
モ行ヒマス爲ニ、各種通信料金ノ引上ヲ爲
サムトスルモノデアリマスガ、郵便料金ニ
付キマシテハ、書狀及封緘葉書等ノ基本的
料金ハ法律ニ規定セラレテ居リマスルノ
デ、之ガ改正ノ爲本案ヲ提出致シタ次第
デアリマス、今囘行ヒマスル郵便料金ノ引
上ノ結果ハ、國民ニ對シマシテ多少ノ負擔
ヲ增スコトトナリマスガ、最モ普遍的ニ利
用セラレテ居リマス通常葉書及往復葉書ノ
料金引上ハ之ヲ行ハナイコトトシ、國民ニ
與ヘル影響ヲ可及的少ナカラシムルヤウ致
シテ居ル次第デアリマス、次ニ郵便貯金法
中改正法律案ニ付テ申上ゲマス、戰時下
財政政策ノ圓滑ナル運行ヲ期スル上ニ於キ
マシテ、郵便貯金ハ國民大衆ノ貯蓄機關ト
シテ最モ重要ナ地步ヲ占メテ居リマス關係
上之ガ機能ノ發揚ニ付キマシテハ一段ト
努力ヲ致シテ參ッタノデアリマス、幸ニシ
テ郵便貯金ハ良好ナ成績ヲ擧ゲテ居ルノデ
アリマスガ、現下ノ情勢ハ今後益〓國民貯蓄
ノ增强ヲ必要トシ、從ッテ郵便貯金ニ課セ
ラレタル使命モ亦愈〓重大トナッテ參リマス
ルノデ、之ニ對應スル爲、郵便貯金ノ一人
ノ貯金制限額三千圓ヲ五千圓ニ引上ゲ、國
民ニ新タナル貯蓄ノ目標ヲ與ヘマスルト共
ニ、別ニ郵便貯金切手ヲ發行シ、抽籤ニ依ッ
テ之ニ割增金ヲ付ケル制度ヲ創設致シマシ
テ、國民大衆ニ貯蓄ニ依ル希望ト趣味ヲ與
ヘ、大イニ貯蓄心ヲ振起セシメテ貯蓄ノ增
嵩ヲ圖リタイト存ズル次第デゴザイマス、
戰爭ノ長期化ニ伴ヒマシテ、國民貯蓄ノ奬
勵ハ一層之ヲ徹底强化スルノ必要ヲ痛感セ
ラレルノデアリマス、何卒御審議ノ上速カ
ニ御協賛アラムコトヲ希望スル次第デアリ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=20
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021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御質疑ガナケレ
バ、兩案ノ特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
郵便法中改正法律案外一件特別委員
公爵二條弼基君子爵〓岡長言君
子爵仙石久英君男爵神山嘉瑞君
田所美治君堀啓次郞君
中島德太郞君片倉兼太郞君
永瀨寅吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=21
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022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第六、鐵道
敷設法中改正法律案、日程第七、地方鐵道
補助法中改正法律案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=22
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023・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、八田鐵道大臣
鐵道敷設法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
鐵道敷設法中改正法律案
鐵道敷設法中左ノ通改正ス
別表第百二十九號中「福山」ヲ「大島」ニ改
ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
地方鐵道補助法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴、族院議長伯爵松平賴壽殿
地方鐵道補助法中改正法律案
地方鐵道補助法中左ノ通改正ス
附則第二項中「昭和十七年四月一日」ヲ
「昭和二十二年四月一日」ニ改ム
附則
本法ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
〔國務大臣八田嘉明君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=23
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024・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今議題トナリ
マシタ鐵道敷設法中改正法律案ノ提案ノ理
由ヲ御說明申上ゲマス、今囘ノ改正ハ、鐵道
敷設法別表第百二十九號ニ揭ゲラレテ居リ
マスル豫定鐵道線路、卽チ渡島國上磯ヨリ
木古內ヲ經テ江差ニ至ル鐵道、及ビ木古內
ヨリ分岐シテ福山ニ至ル鐵道ノ終點福山ヲ
大島迄延長セムトスルモノデアリマス、本
線路ノ沿道地域ハ、時局下最モ緊要ナル鐵
鋼ノ生產ニ必要ナル滿俺鑛ノ豐富ナル埋藏
地帶デアリマスノデ、此處ニ鐵道ヲ敷設シ
テ之ガ開發ニ資シ、鐵鋼ノ增產ニ寄與スル
ト共ニ、地方ノ一般交通、產業ノ開發ニモ
貢獻セムトスルモノデアリマシテ、昭和十
七年度ヨリ工事ニ著手シタイト考ヘテ居リ
マス、然ルニ本區間ハ鐵道敷設法別表ニ揭
ゲテアリマセヌカラ、之ヲ豫定鐵道線路ト
シテ追加スル必要ガアリマスノデ、玆ニ本
案ヲ提出致シマシタ次第デアリマス、次ニ
地方鐵道補助法中改正法律案ノ提案理由ヲ
御說明申上ゲマス、地方鐵道ニ對シマシテ
ハ、其ノ運營ヲ確保シ效用ヲ增進致シマシ
テ、國有鐵道ト一體トナッテ交通運輸ノ使命
ヲ遂行致シマスルヤウ、豫テヨリ助長指導
致シテ參ッテ居ルノデアリマス、現行補助制
度ハ斯カル方策ノ一トシテ漸次效果ヲ擧ゲ
テ參ッテ居リマスルガ、現下ノ情勢ニ鑑ミマ
シテ、此ノ補助制度ヲ通ジテ更ニ積極的ニ
指導シ、助長ヲ必要トスル鐵道ハ尙今日相
當多イノデアリマス、然ルニ現行補助法第
一條ノ規定ニ依ル補助金ハ、昭和十七年四
月一日以後ノ期間ニ付キマシテハ、之ヲ交
付スルコトヲ得ナイコトニナッテ居リマス
ルノデ、今囘法律ヲ改正致シマシテ年限ヲ
延長セムトスル次第デアリマス、以上二案
ニ付何卒御審議ノ上速カニ御協賛アラムコ
トヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=24
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025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御質疑ガナケレ
バ、兩案ハ之ヲ郵便法中改正法律案外一件
ノ特別委員ニ付託致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=25
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026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第八、國民
更生金庫法中改正法律案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會、岸商工大臣
國民更生金庫法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子良〓
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民更生金庫法中改正法律案
國民更生金庫法中左ノ通改正ス
第五條ノ二國民更生金庫ノ資本金ヲ三
千萬圓增加シ政府之ヲ出資ス
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ規
定ニ依ル政府ノ出資ニ之ヲ準用ス
第十九條中「十倍」ヲ「十五倍」ニ改ム
第三十七條第三項中「大藏大臣」ヲ「主務
大臣大藏大臣ニ協議シテ」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=26
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027・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題トナリマ
シタ國民更生金庫法中改正法律案ノ提案理
由ヲ御說明申上ゲマス、中小商工業ノ再編
成ニ付キマシテハ、豫テヨリ重點主義ニ依
ル生產增强、物資配給ノ圓滑適正化ヲ目途
トシ、併セテ緊要產業部門ニ於ケル勞務ノ
充足ニ資スル方針ノ下ニ、企業ノ整理統合
ヲ實施シテ參ッタノデアリマス、此ノ企業
ノ整理統合ニ伴ッテ生ジマスル轉廢業者ニ
對シマシテハ、國民更生金庫ノ設置、同業
者ノ共助金ニ對スル國庫補助、其ノ他國民
職業指導所及國民勤勞訓練所ノ設置等、諸
般ノ施設ヲ講ジテ居ル次第デアリマス、就
中國民更生金庫ハ、政府ノ轉廢業施設中其
ノ中心トナルモノデアリマシテ、轉廢業者
ノ資產及負債ノ整理ヲ促進シ、其ノ更生ヲ
圖ルコトヲ目的トスルモノデアリマシテ、
今後諸般ノ情勢カラ致シマシテ、急速ニ企
業ノ整理統合ヲ實施致サネバナリマセヌ關
係上、其ノ利用ハ急增スルモノト豫想セラ
ルヽノデアリマス、從ヒマシテ國民更生金
庫ノ現在ノ資本金等ヲ以テシテハ、到底利
用者ノ需要ニ應ズルコトハ困難デアリマス
ノデ、今囘其ノ資本金ヲ增加スルト共ニ、
更生債劵ノ發行限度ヲ擴張シテ其ノ資金ノ
充實ヲ圖ラムトスル次第デアリマス、國民
更生金庫ハ、從來大藏省ノ所管デアリマシ
タノヲ先般商工省ノ所管ニ移スコトトナリ
マシタノデ、之ニ伴ヒマシテ本法中主管大
臣ニ關スル規定ヲ改正セムトスルモノデア
リマス、何卒御審議ノ上御協賛ヲ與ヘラレ
ムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=27
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028・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
國民更生金庫法中改正法律案ノ特別委員ノ
數ヲ二十五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長
ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=28
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029・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=29
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030・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=30
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031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔近藤書記官朗讀〕
國民更生金庫法中改正法律案特別委員
公爵鷹司信輔君侯爵嵯峨實勝君
侯爵蜂須賀正氏君伯爵溝口直亮君
子爵曾我祐邦君子爵加藤泰通君
子爵裏松友光君子爵梅園篤彥君
子爵舟橋〓賢君男爵東久世秀雄君
松村眞一郞君後藤文夫君
下條康麿君勝田主計君
小倉正恒君男爵伊藤文吉君
男爵八代五郞造君男爵倉富鈞君
竹下豐次君土方久徵君
米山梅吉君瀧川儀作君
岩田宙造君秋田三一君
仲村〓榮君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=31
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032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第九、帝國
石油株式會社法中改正法律案、日程第十、
重要物資管理營團法案、日程第十一、帝國
鑛業開發株式會社法中改正法律案、日程第
十二、帝國燃料興業株式會社法中改正法律
案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、是
等ノ四案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=32
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033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岸商工大臣
帝國石油株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國石油株式會社法中改正法律案
帝國石油株式會社法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
帝國石油株式會社ノ資本ノ內五千萬圓
ハ政府ノ出資トス但シ前條但書ノ場合
ニ於テハ政府ノ出資ハ五千萬圓ヲ超ユ
ルコトヲ得
第七條中「總裁副總裁各一人」ヲ「總裁一
人副總裁二人」ニ改ム
第八條第二項中「副總裁ハ」ノ下ニ「定款
ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第十二條第一項中「三倍」ヲ「五倍」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
重要物資管理營團法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
重要物資管理營團法案
重要物資管理營團法
第一章總則
第一條重要物資管理營團ハ戰時ニ際シ
重要物資ノ貯藏ヲ確保及增强シ竝ニ貯
藏重要物資ノ利用ヲ有效且適正ナラシ
ムルコトヲ目的トス
重要物資管理營團ハ法人トス
本法ノ重要物資ノ範圍ハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第二條重要物資管理營團ハ主タル事務
所ヲ東京市ニ置ク
重要物資管理營團ハ政府ノ認可ヲ受ケ
必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコ
トヲ得
第三條重要物資管理營團ノ資本金ハ二
千萬圓トス
第四條政府ハ二千萬圓ヲ重要物資管理
營團ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ之ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ファンス
第五條重要物資管理營團ハ定款ヲ以テ
左ノ事項ヲ規定スベシ
一目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七會計ニ關スル事項
八公告ノ方法
定款ハ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ變更スル
コトヲ得
第六條重要物資管理營團ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第七條重要物資管理營團ニハ所得稅、
法人稅及營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ重要物資管理營團ノ事業ニ
對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但
シ特別ノ事情ニ基キ內務大臣及大藏大
臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在
ラズ
第八條重要物資管理營團ニ付解散ヲ必
要トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ
處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第九條重要物資管理營團ニ非ザル者ハ
重要物資管理營團又ハ之ニ類似スル名
稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十條民法第四十四條、第五十條、第
五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件手
續法第三十五條第一項ノ規定ハ重要物
資管理營團ニ之ヲ準用ス
第二章役員
第十一條重要物資管理營團ニ理事長副
理事長各一人、理事三人以上及監事二
人以上ヲ置ク
理事長ハ重要物資管理營團ヲ代表シ其
ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要
物資管理營團ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シ
テ重要物資管理營團ノ業務ヲ掌理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ
職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要物資
管理營團ヲ代表シ理事長及副理事長ヲ
輔佐シテ重要物資管理營團ノ業務ヲ掌
理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長及
副理事長共ニ事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ缺員ノ
トキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ重要物資管理營團ノ業務ヲ監査
ス
第十二條理事長、副理事長、理事及監
事ハ政府之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、
監事ノ任期ハ二年トス
第十三條理事長、副理事長及理事ハ定
款ノ定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業
務ニ關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行
爲ヲ爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任ス
ルコトヲ得
第十四條理事長、副理事長及理事ハ他
ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政府
ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十五條重要物資管理營團ニ評議員若
干人ヲ置キ政府之ヲ命ズ
評議員ハ業務經營ニ關スル重要ナル事
項ニ付理事長ノ諮問ニ應ジ必要アルト
キハ之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二年ト
ス
第三章業務
第十六條重要物資管理營團ハ左ノ業務
ヲ行フ
一重要物資ノ保有
二重要物資ノ買入、輸入及賣渡
三其ノ他重要物資管理營團ノ目的達
成上必要ナル事業
重要物資管理營團ハ前項第一號及第二
號ノ業務ニ付テハ政府ノ定ムル計畫ニ
依リテ之ヲ行フベシ
重要物資管理營團第一項第三號ノ業務
ヲ行ハントスルトキハ政府ノ認可ヲ受
クベシ
第十七條重要物資管理營團必要アリト
認ムルトキハ業務ニ關シ重要物資ヲ所
有又ハ保管スル者ニ對シ其ノ所有又ハ
保管ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシムルコ
トヲ得
重要物資管理營團必要アリト認ムルト
キハ政府ノ認可ヲ受ケ役員又ハ使用人
ヲシテ前項ニ揭グル者ノ業務ニ關スル
帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムル
コトヲ得
重要物資管理營團前項ノ規定ニ依リ役
員又ハ使用人ヲシテ檢査セシムル場合
ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル認可アリタ
ルコトヲ證スル書面及其ノ身分ヲ示ス
證票ヲ携帶セシムベシ
第十八條重要物資管理營團ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケ物資ノ
生產輸出、輸入、販賣又ハ保管ヲ業ト
スル者ニ對シ重要物資管理營團ノ所有
スル重要物資ノ保管ヲ爲サシムルコト
ヲ得
前項ノ場合ニ於テ保管ニ要シタル費用
ハ重要物資管理營團ノ負擔トス
第四章會計
第十九條重要物資管理營團ノ事業年度
ハ每年四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十條重要物資管理營團ハ設立ノ時
及每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸
借對照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト
共ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第五章監督
第二十一條重要物資管理營團ハ政府之
ヲ監督ス
第二十二條重要物資管理營團ハ政府ノ
認可ヲ受クルニ非ザレバ剩餘金ノ處分
ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十三條重要物資管理營團ハ業務開
始ノ際業務ノ方法ヲ定メ政府ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同
第二十四條政府ハ重要物資管理營團ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲
サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要
ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第二十五條役員ガ法令、定款若ハ政府
ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲
ヲ爲シタルトキハ政府ハ之ヲ解任スル
コトヲ得
第六章罰則
第二十六條重要物資管理營圍ノ理事
長、副理事長、理事、監事又ハ使用人
其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ
要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ
黴役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因テ
不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲
サザルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千
圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ズ
第二十七條前條第一項ニ揭グル者ニ賄
賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二
年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ
處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第二十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一第十七條第一項ノ規定ニ依ル報告
ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタル
者
二第十七條第二項ノ規定ニ依ル檢査
ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三正當ノ事由ナクシテ第十八條第一
項ノ規定ニ依ル保管ヲ爲サザル者
第二十九條人又ハ法人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ人又ハ法人ノ業務ニ關シ前條第一
號又ハ第三號ノ違反行爲ヲ爲シタルト
キハ其ノ人又ハ法人ハ自己ノ指揮ニ出
デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコ
トヲ得ズ
第三十條第二十八條第一號及第三號ノ
罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、
取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル
役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルト
キハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ
營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有ス
ル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十一條左ノ場合ニ於テハ重要物資
管理營團ノ理事長、副理事長、理事又
ハ監事ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
-本法ニ依リ政府ノ認可ヲ受クベキ
場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ營ミタル
トキ
三第十六條第二項ノ規定ニ違反シ政
府ノ定ムル計畫ニ依ラズシテ業務ヲ
行ヒタルトキ
四政府ノ監督上ノ命令又ハ處分ニ違
反シタルトキ
第三十二條左ノ場合ニ於テハ重要物資
管理營團ノ理事長、副理事長、理事又
ハ監事ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
一本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令
ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ
不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第二十條ノ規定ニ違反シ書類ヲ備
置カザルトキ又ハ其ノ書類ニ記載ス
ベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載
ヲ爲シタルトキ
第三十三條第九條ノ規定ニ違反シ重要
物資管理營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ
用ヒタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第三十四條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十五條政府ハ設立委員ヲ命ジ重要
物資管理營團ノ設立ニ關スル事務ヲ處
理セシム
第三十六條設立委員ハ定款ヲ作成シ政
府ノ認可ヲ受クベシ
第三十七條定款ニ付政府ノ認可アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク出資ノ第
一囘ノ拂込ヲ禀請スベシ
第三十八條出資ノ第一囘ノ拂込アリタ
ルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務
ヲ重要物資管理營團理事長ニ引繼グベ
シ
理事長前項ノ事務ノ引繼ヲ受ケタルト
キハ理事長、副理事長、理事及監事ノ
全員ハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
重要物資管理營團ハ設立ノ登記ヲ爲ス
ニ因リテ成立ス
第三十九條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「產業設備營團、」ノ
下ニ「重要物資管理營團、」ヲ、「產業設
備營團法、」ノ下ニ「重要物資管理營團
法、」ヲ加フ
第四十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號ノ五ノ次ニ左ノ一號ヲ加
フ
六ノ六重要物資管理營團ノ重要物資
管理營團法第十六條第一項第一號及
第二號ノ業務ニ關スル證書帳簿
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
帝國鑛業開發株式會社法中左ノ通改正ス
第三條第二項中「增加スルコトヲ得」ノ下
ニ「此ノ場合ニ於テハ政府ハ千五百萬圓
ヲ超エテ出資スルコトヲ得」ヲ加フ
第二十九條第一項ヲ左ノ如ク改ム
帝國鑛業開發株式會社ノ每營業年度ニ
於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以
外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株
金額ニ對シ第五營業年度迄ニ在リテハ
年百分ノ四、第六營業年度以降ニ在リ
テハ年百分ノ六ノ割合ニ達セザルトキ
ハ政府ハ第二十一營業年度迄之ニ達セ
シムベキ金額ヲ補給スベシ但シ其ノ額
ハ第六營業年度以降每營業年度ニ於テ
ハ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込
ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合
ニ相當スル額竝ニ當該營業年度ニ於テ
支拂ヒタル鑛業開發債劵及借入金ノ利
息額ノ合計額ヲ超ユルコトヲ得ズ
同條第三項中「初營業年度及爾後五年間」
ヲ「第二十一營業年度迄每營業年度」ニ改
ム
第三十六條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十七年一月三十一日
衆議院議長田子一民
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
帝國燃料興業株式會社法中左ノ通改正
ス
第二條第二項中「增加スルコトヲ得」ノ下
ニ「此ノ場合ニ於テハ政府ハ五千萬圓ヲ
超エテ出資スルコトヲ得」ヲ加フ
第三條削除
第三十條第一項但書中「及當該營業年度
ニ於テ支拂ヒタル燃料興業債劵ノ利息
額」ヲ「竝ニ當該營業年度ニ於テ支拂ヒタ
ル燃料興業債劵及借入金ノ利息額」ニ改
ム
第三十七條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=33
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034・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題ト相成リ
マシタ帝國石油株式會社法中改正法律案外
三件ノ提案理由ヲ順次御說明申上ゲマス、
先ヅ帝國石油株式會社法中改正法律案ニ付
テ申上ゲマス、石油ノ供給ヲ確保致シマスル
コトガ我ガ國最大ノ急務デアリマスルコト
ハ玆ニ申上ゲル迄モアリマセヌ、帝國石油
株式會社ハ、此ノ目的達成ノ爲、內外石油
資源ノ開發促進上必要ナル事業ヲ經營スル
コトヲ目的ト致シマシテ、昨年設立ヲ見タ
ノデアリマスルガ、今次大東亞戰爭ノ勃發
ニ伴ヒマシテ、南方油田ノ開發經營ハ刻下
ノ急務ト相成リマシタノデ、政府ニ於キマ
シテハ、此ノ情勢ニ鑑ミ國內ニ於ケル主要
石油鑛業者ヲ帝國石油株式會社ニ統合セシ
メ、以テ石油鑛業ノ一元化ヲ斷行シ、南方
進出ノ體制ヲ整備セシムルコトト致シマシ
テ、之ニ對應致シマシテ本會社ノ機構ヲ擴
充整備致シマスルト共ニ、其ノ資金調達ノ
圓滑化ヲ圖ルコトガ必要トナッタノデアリ
マス、仍テ副總裁一人ヲ二人ニ增員致シマ
スルト共ニ、政府出資ノ限度ヲ撤廢致シマ
シテ、且帝國石油債劵ノ發行限度ヲ擴張シ、
以テ是等ノ必要ニ備ヘムト致シタ次第デア
リマス、次ニ重要物資管理營團法案ニ付テ
申上ゲマス、御承知ノ通リ我ガ國ニ於キマ
シテハ、從前物資動員計畫ノ實施ニ關聯致
シマシテ、將來ノ需要ニ備ヘ、機會アル每
ニ特別輸入、繰上輸入等ノ措置ヲ講ジ、所
謂海外ヨリノ早期輸入ヲ極力實施シテ參ッ
タノデアリマス、現ニ國內ニハ尙相當多量
ニ是等輸入品ヲ保有致シテ居ル實狀ニ在リ
マスル外、尙重要物資ノ一般國內在庫ニ致
シマシテモ、未ダ相當大量ニ貯藏セラレテ
居ルノデアリマスルガ、併シ我ガ國當面ノ
情勢ニ於キマシテ、是等重要物資ノ國內在
庫ニ付テ其ノ的確ナル管理運營ヲ講ジ得ル
方策ヲ整へ、進ンデ在庫ノ增强措置ヲ講ジ
マスルコトハ、今後ニ於ケル南方ヨリノ取
得物資ノ高度利用ヲ圖リマスルコトト共
ニ、本邦經濟今後ノ運營上最モ緊要ナル方
策ト認メラレルノデアリマス、又戰時下ニ
於キマシテハ、生產、配給又ハ運輸等ニ不
時ノ障碍ヲ生ジ、之ガ爲ニ物資ノ供給ガ著
シク不圓滑トナリ、或ハ戰局ノ推移ニ依リ
一時ニ非常ニ多量ノ物資ヲ要スル等、不測
ノ事態發生ノ虞モ考へ得ラレマスルノデ、工
業用各種原材料、生活必需品、防空用資材
等ノ各般ニ亙リ、是等ヲ綜合シテ地域別分
散保管ノ計畫ヲ運用シテ參リマスルコトガ
時局下特ニ肝要ト考ヘラルヽノデアリマス、
是等ノ事業ハ、高度ノ國家的性格ヲ備へ、
且之ガ綜合運營ヲ必要トスル關係上、何レ
モ既存ノ民間機關ニ之ヲ期待スルコトハ不
適當デアリマスルノデ、玆ニ國家ニ代ッテ
强力ニ其ノ使命遂行ニ當ラシムル爲ニ、全
額政府出資ニ依ル重要物資管理營團ヲ創設
シ、重要物資ノ保有買入、輸入、賣渡等ノ
業務ヲ行ハシメムトスル次第デアリマス、
次ニ帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
ニ付テ御說明ヲ致シマス、大東亞戰爭ノ勃
發ニ伴ヒマシテ、國內ニ於ケル金屬資源開
發ノ必要性ハ愈〓增大シテ參リマシタノデ、
其ノ開發ノ國策機關タル帝國鑛業開發株式
會社ノ事業モ、此ノ際一段ト擴充スル必要
ヲ見ルニ至ッタノデアリマス、斯カル情勢ニ
鑑ミマシテ、現在本會社ノ資本金三千萬圓
中、政府出資額ハ其ノ半額タル千五百萬圓ニ
限定セラレテ居リマスルノヲ、今後同社ガ
增資ヲ行ヒマスル場合ニハ、右ノ千五百萬
圓ノ制限ヲ超エテ政府ハ出資ヲ爲シ得ルコ
トトシ、併セテ民間所有株ニ對スル配當補
給ノ限度ヲ、現在ノ年百分ノ四カラ年百分
ノ六ニ引上ゲ、且其ノ支給期間ヲ第二十一
營業年度迄延長スルコトト致シマシテ、兩
兩相俟ッテ同會社ノ資金調達ヲ容易ナラシ
メ、以テ重要鑛物增產ノ使命ヲ達成セシメ
ムトスル次第デアリマス、最後ニ帝國燃料興
業株式會社法中改正法律案ノ提案理由ヲ御
說明申上ゲマス、今次大東亞戰爭ニ依リマシ
テ、我ガ國ハ豐富ナル南方石油資源ヲ獲得
シ得ル情勢ト相成ッタノデアリマスルガ、之ニ
依ッテ國內ニ於ケル人造石油事業ノ重要性
ハ聊カト雖モ減ズルコトハナイノデアリマ
ス、寧ロ今後益〓、其ノ振興ニ努力ヲ傾注セ
ネバナラヌコトト考ヘテ居ル次第デアリマ
ス、而シテ人造石油事業ヲ振興致シマスル
爲ニハ、其ノ事業ノ性質上、資金ノ調達ニ
特別ノ措置ヲ講ジナケレバナラナイノデア
リマシテ、政府ハ帝國燃料興業株式會社ヲ
シテ之ニ當ラシメテ參ッタノデアリマスル
ガ、今後ニ於ケル人造石油事業ノ擴充計畫
ニ對應致シマシテ、本會社ガ增資ヲ行ヒマ
スル場合ニハ、政府ハ現在ノ出資額タル五
千萬圓ヲ超エテ出資ヲ爲シ得ルコトト致シ
マスルト共ニ、同社ニ對スル配當補給金ノ
範圍ヲ擴張セムトスル次第デアリマス、以
上ガ帝國石油株式會社法中改正法律案外三
件ヲ提出致シマシタ理由デアリマス、何卒
愼重御審議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレム
コトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=34
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035・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
帝國石油株式會社法中改正法律案外三件
ハ、南方開發金庫法案ノ特別委員ニ併託セ
ラレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=35
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036・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=36
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037・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=38
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039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十三、大
東亞戰爭ノ呼稱ヲ定メタルニ伴フ各法律中
改正法律案、政府提出、第一讀會ノ續、委
員長報告、委員長溝口伯爵
大東亞戰爭ノ呼稱ヲ定メタルニ伴フ各
法律中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年一月二十九日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵溝口直亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=39
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040・溝口直亮
○伯爵溝口直亮君 只今議題トナリマシタ
ル案ノ委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報告致シ
ママ、本委員會ハ去ル一月二十九日午前十
一時ヨリ開會致シマシタ、第一囘ヲ開キマ
シテ、政府ノ說明ヲ聽キ、質疑應答ノ後、
政府原案通リ可決致シマシタ、只今ヨリ質
疑應答其ノ他ニ付テ必要ナルコトヲ御報〓
申上ゲマス、政府ノ說明ハ、大體ニ於テ本
議場ニ於テ法制局長官ガ說明サレマシタコ
トト大差ナイコトデゴザイマスカラシテ、
是ハ略シマシテ、政府ノ本法律案提出ニ付
テノ意ノアル所ヲ、本議場ニ於ケル說明及
委員會ニ於ケル說明ヲ通ジマシテ簡單ニ申
上ゲタイト存ジマス、政府ハ去ル十二月十
二日ノ閣議ニ於キマシテ今次ノ戰爭ノ稱呼
ヲ定メマシタ、ソレハ今次ノ對米英戰爭、
及ビ今後情勢ノ推移ニ伴ヒ生起スルコトア
ルベキ戰爭ハ、支那事變ヲモ含メ大東亞戰
爭ト呼稱スルト云フコトニ決定致シマシタ、
爾後支那事變ニ關シ旣ニ發布セラレテ居リ
マシタル所ノ法律ハ、本大東亞戰爭ニ事實
ニ於テ適用致シテ居リマシタ、尙此ノコト
ハ、前臨時議會卽チ第七十八議會ニ於テ、政
府ヨリ言明致シマシタ次第デゴザイマス、
從ヒマシテ本法律案ハ實際上ニ於テハ何等
新ラシイコトハゴザイマセヌデ、唯事務的
ニ便宜上作リマシタ法律デアル、之ヲ法律
的ノ語ヲ以テ申上ゲマスレバ、本法律ハ創設
的ノ意義ヲ有スルモノデナク寧ロ宣明的意
義ヲ有スルニ過ギナイト云フ、大體ノ御說
明デゴザイマス、次ニ質疑應答ニ移リマシ
テ、主ナルモノヲ申上ゲマス、尙詳細ニ付
キマシテハ、今後速記錄ガ配付セラレマス
コトト存ジマスカラ、ソレニ付テ御覽ヲ願
ヒタイト存ジマス、第一ハ、大東亞戰爭ト云
フノハ是ハ地域的ニ謂フノカ何ヲ言フノカ
ト云フ御質問ニ對シマシテ、政府ハ、大東亞
戰爭トハ大東亞建設ノ爲ノ戰爭ト云フ意味
デ名ヲ付ケタノデアッテ、地域的ノ意味ハ一
ツモ含ンデ居ナイ、從ッテ或ハ南洋ニ行キ、或
ハ「アメリカ」ノ方へ行キ、若シクハ「インド」
ヘ出ルカ何處へ出ルカ、戰略的ノ將來ノ動
キト云フモノハ全然分ラナイ、地域的ニ於
テハ、何等是等大東亞ト云フコトハ拘束ス
ルベキモノデナク、目的ニ依ッテ名ヲ付ケタ
モノデアル、之ヲ明カニスルト云フ御說明
デゴザイマス、次ニ施行期日ノ問題ニナリ
マシテ、施行期日ハ十二月八日ニ遡ルノガ
適當デナイカト云フ一委員ヨリノ御質問ニ
對シマシテ、政府ハ、元來此ノ支那事變ト
大東亞戰爭ト云フノハ、引續キデ不可分ノ
モノデアルカラシテ、必ズシモ十二月八日
ヲ限界トスル必要ハナイト思フ、本法律ニ
於テ施行ノ期日ヲ「勅令ヲ以テ之ヲ定ム」ト
シタ理由ハ、事實上支那事變ニ關スル法律
中ニ、大東亞戰爭ニ適用スル必要ノナイモ
ノガアル、斯クノ如キモノハ、最後ニゴザ
イマス所ノ「勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲シタ
ル場合ヲ除クノ外」ト云フ文句ニ依ッテ、勅
令ニ於テ之ヲ除外スル積リデアル、從ッテ其
ノ除外ノ勅令ヲ出シタ其ノ時ト肩ヲ併ベテ
本法律ヲ施行スル積リデアルト云フ御說明
デゴザイマス、其ノ他蔣政權······支那事變
ト云フノハ矢張リ戰爭ニ含マレルノカドウ
カト云フヤウナ御質問ニ付キマシテ、蔣政
權ト日本トノ間ノ關係ハ戰爭デハナイ、是
ハ飽ク迄事變デアル、所謂地方政權ニ對ス
ル討伐ノヤウナモノデアッテ、是ハ戰爭デハ
ナイ、併シナガラ支那領域内ニ於ケル軍事
行爲ト云フモノハ、戰爭ト事變トノ限界ヲ
確實ニ分ケルト云フコトハ非常ニ困難デア
ルカラ、之ヲ大東亞戰爭ノ一部ト看做スト
云フコトハ至當ノコトト考ヘルト云フ御說
明デゴザイマス、次ニ本法律ノ適用ハ既往
ニ遡ルカト云フヤウナ御質問ニ對シマシテ、
政府ハ、別ニ既往ニ遡ルト云フ考ハ持ッテ居
ナイ、併シ例ヘバ論功行賞ニ關シマシテハ、
昭和十五年四月二十八日迄ハ總テ支那事變
トシテ行フガ、ソレ以後ノハ大東亞戰爭ト
云フ名ニ於テ取扱フ積リデアル、又目下、
何等確定ノコトデハナイガ大東亞戰爭ノ記
念章ト云フヤウナモノヲ作ル議ガアル、斯
クノ如キ場合ニハ、前ノ支那事變モ引括メ
テ總テ之ヲ授與スルト云フコトヲ〓究中デ
アル、其ノ他政府ハ、尙種々ナル質問ニ對
シマシテ、飽ク迄本改正ハ實質的ノモノデ
ナク便宜上之ヲ行ッタモノデアッテ、何等實
質ニ於テハ今迄ノ法律ト變ッタ所ハナイト
云フコトヲ再三御說明ニナリマシタ、斯ク
ノ如クシテ質疑應答モ濟ミマシテ討論ニ入
リ、何等發言モナク、續イテ採決ニ移リマ
シテ、全會一致ヲ以チマシテ政府原案ヲ可
決致シマシタ、右御報〓申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=40
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041・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=41
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042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=42
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043・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=43
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044・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=44
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045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=45
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046・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=46
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047・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、本案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=47
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048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=48
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049・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=49
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050・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=50
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051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=51
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052・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=52
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053・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=53
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054・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=54
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055・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十四ヨリ
日程第十九迄ノ請願、會議
左ノ意見書案ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
意見書案
商船ニ於ケル國旗取扱規則竝船員服裝
規則制定ノ件
名古屋市港區熱田新田東組字根走九
十九番地平民稻垣諭治郞呈出
右ノ請願ハ商船ハ海軍ノ補助機關タルノ
ミナラス國家ノ延長トシテ海外廣ク活躍
シツツアルニ拘ラス國籍ヲ表現スヘキ國
旗ノ取扱竝船員ノ階級ヲ表示スヘキ服裝
ノ制度未定マラサル爲國威ノ宣揚、船務
ノ遂行上支障少カラサルモノアルハ甚遺
憾ナルニ依リ速ニ商船ニ於ケル國旗取扱
規則竝船員服裝規則ヲ制定シ沿海區域以
上ノ船舶ニ適用セラレタシトノ旨趣ニシ
テ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノ
ト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ
別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿
意見書案
船舶職員試驗期日ニ關スル件
名古屋市港區熱田新田東組字根走九
十九番地平民稻垣諭治郞呈出
右ノ請願ハ船舶職員試驗ハ從來門司、大
阪、東京、函館ニ於テ各、年四囘施行セラ
レタル定期試驗ヲ改メ年一囘ノ臨時試驗
トナリタルモ斯クテハ受驗期日ノ不明且
受驗資格ノ制限ト相俟テ航行船舶ノ乘組
員ハ之カ期日ヲ豫知スルコトヲ得サルノ
結果トナリ受驗準備上甚遺憾ナルニ依リ
船舶職員試驗ハ定期日ニ之ヲ施行スルヤ
ウ圖ラレタシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願
意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議決致候因
テ議院法第六十五條ニ依リ別册及送付候
也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿
意見書案
船員養成機關ノ整備改善ニ關スル件
名古屋市港區熱田新田東組字根走九
十九番地平民稻垣諭治郞呈出
右ノ請願ハ船員養成ノ完璧ヲ期スルハ現
下喫緊ノ要務ナルニ拘ラス之カ養成機關
ハ多種多樣ニシテ統制ヲ缺キ內容亦充實
セサルモノアルハ海事發展上甚遺憾ナル
ニ依リ速ニ之等機關ノ統制ト〓育ノ實用
化ヲ圖ルト共ニ〓員優遇ノ途ヲ講セラレ
タシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體
ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別冊及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣東條英機殿
意見書案
港灣重要設備ヲ國營ト爲スノ件
名古屋市港區熱田新田東組字根走九
十九番地平民稻垣諭治郞呈出
右ノ請願ハ我國主要港ニ於ケル重要設備
ニシテ未國營トナラサルモノアルカ爲船舶
ノ投錨、繫留ニ當リ往往港務官吏ト設備管
理者間ニ意見ノ相違ヲ來シ剩ヘ設備管理
者多數ニシテ之カ統制ヲ缺キ港務遂行上
支障少カラサルモノアルハ甚遺憾ナルニ
依リ港灣重要設備ハ可及的速ニ國營ト爲
シ之カ統制ヲ圖ラレタシトノ旨趣ニシテ
貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト
議決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別
册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿
意見書案
奧羽本線橫手、羽越本線羽後本莊ノ兩
驛間ヲ豫定線ニ編入シ橫莊鐵道未成區
間速成ノ件
秋田縣平鹿郡横手町羽黑末町八番地
公吏片野復次郞外九百八名呈出
右ノ請願ハ秋田縣橫莊鐵道ノ完通ハ橫黑
線釜石線ト相俟テ東西兩洋ヲ連絡シ經
濟上竝軍事上緊要ナルニ拘ラス同鐵道ハ
曩ニ營業線ノ一部ヲ政府ニ移管シ且老
方、前〓間ノ未成區間存スル爲其ノ機能
ヲ發揮シ得サルモノアルニ依リ奧羽本線
橫手、羽越本線羽後本莊ノ兩驛間ヲ豫定
線ニ編入スルト共ニ政府ハ速ニ該未成區
間ノ敷設ヲ爲シ以テ地方產業ノ開發、輸送
能率ノ增進等ニ資セラレタシトノ旨趣ニ
シテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモ
ノト議決致候因テ議院法第六十五條ニ依
リ別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿
意見書案
滋賀縣蒲生郡日野、八幡ノ兩町間ニ省
營自動車運輸開始ノ件
滋賀縣蒲生郡八幡町長岡田正芳外十
九名呈出
右ノ請願ハ滋賀縣蒲生郡日野町ヨリ同郡
北比都佐、朝日野、櫻川、平田、馬淵、
金田ノ諸村ヲ經テ八幡町ニ至ル道路ハ湖
東平野ノ中央ヲ貫通シ沿道一帶ニハ稠密
ナル人口ト豐富ナル農、林鑛產ノ物資
ヲ擁シ人馬ノ往來頻繁ナルノミナラス近
時路面橋梁等ノ改良完成セルニ拘ラス未
交通機關ノ見ルヘキモノナキハ產業竝運
輸交通上甚遺憾ナルニ依リ速ニ之カ區間
ニ省營自動車ノ運輸ヲ開始セラレタシト
ノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇
スヘキモノト議決致候因テ議院法第六十
五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=55
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056・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是等ノ請願ハ、
請願委員長ノ報告通リ採擇スルコトニ御異
議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=56
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057・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、次會ノ議事日程ハ、決定次第彙報
ヲ以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニテ散
會致シマス
午前十一時三十一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X00719420202&spkNum=57
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