1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十七年二月十二日(木曜日)午前十時十一分開議
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議事日程 第十二號
昭和十七年二月十二日
午前十時開議
第一 南方開發金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第二 國民更生金庫法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第三 帝國石油株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第四 重要物資管理營團法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 帝國燃料興業株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 米穀需給調節特別會計法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 木炭需給調節特別會計据置運轉資本臨時補足に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 食糧管理法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十 國民體力法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 國民醫療法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 健康保險法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十三 國民健康保險法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十四 戰時災害保護法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十五 日本銀行法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十六 戰時金融金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十七 臨時資金調整法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會の續(委員長報告)
第十八 昭和十五年度歳入歳出總決算、昭和十五年度各特別會計歳入歳出決算報告 會議(委員長報告)
第十九 昭和十五年度國有財産増減總計算書報告 會議(委員長報告)
第二十 帆布の増配竝地質改善に關する請願 會議
第二十一 五能線深浦、艫作の兩驛間に簡易停車場設置に關する請願 會議
第二十二 矢島線羽後矢島、奧羽本線湯澤の兩驛間鐵道敷設の請願 會議
第二十三 宮城縣志津川附近より石卷に至る間を鐵道豫定線に編入の請願 會議
第二十四 能登鐵道買收竝豫定線三明、能登三井間鐵道速成の請願 會議
第二十五 豫定線穴水、飯田間鐵道速成の請願 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報〓ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
一昨十日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セ
リ
日本銀行法案可決報〓書
戰時金融金庫法案可決報告書
臨時資金調整法中改正法律案可決報〓
書
米穀需給調節特別會計法中改正法律案可
決報告書
木炭需給調節特別會計据置運轉資本臨時
補足ニ關スル法律案可決報告書
食糧管理法案可決報告書
同日衆議院ヨリ本院ノ送付ニ係ル左ノ政府
提出案ハ同院ニ於テ之ヲ可決シ奏上セル旨
ノ通牒ヲ受領セリ
兵役法及共通法中改正法律案
退役將校ノ豫備役復歸ニ關スル法律案
陸軍刑法中改正法律案
陸軍軍法會議法中改正法律案
海軍刑法中改正法律案
海軍軍法會議法中改正法律案
船舶保護法中改正法律案
獸醫師法第二條ノ臨時特例ニ關スル法律
案
明治四十五年法律第二十一號中改正法律
案
恩給法中改正法律案
國家總動員法第十八條ノ規定ニ依ル法人
等ヲシテ行政官廳ノ職權ヲ行ハシムルコ
トニ關スル法律案
北支那開發株式會社法中改正法律案
中支那振興株式會社法中改正法律案
大東亞戰爭ノ呼稱ヲ定メタルニ伴フ各法
律中改正法律案
日本勸業銀行法中改正法律案
農工銀行法中改正法律案
北海道拓殖銀行法中改正法律案
國民貯蓄組合法中改正法律案
稅務代理士法案
社債等登錄法案
會計法戰時特例案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、議事ノ都合ニ依リ日程ノ順
序ヲ變更シ、日程第二ヲ後ニ廻シ、日程第
南方開發金庫法案、日程第三、帝國石
油株式會社法中改正法律案、日程第四、重
要物資管理營團法案、日程第五、帝國鑛業
開發株式會社法中改正法律案、日程第六、帝
國燃料興業株式會社法中改正法律案、政府
提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長
報〓、是等五案ヲ一括シテ議題ト爲スコト
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長兒玉伯爵
左ノ報〓ハ朗讀ヲ經サルモ參照
ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
南方開發金庫法案
右可決スヘキモノト議決セリ依テ及報〓
候也
昭和十七年二月九日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國石油株式會社法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月九日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
重要物資管理營團法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月九日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月九日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
帝國燃料興業株式會社法申改正法律案
右可決スベキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月九日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵兒玉秀雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=3
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004・兒玉秀雄
○伯爵兒玉秀雄君 只今議題トナリマシタ
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案外四
件ノ委員會ハ、七囘開會致シマシタ、其ノ經
過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス、先ヅ帝國
鑛業開發株式會社法中改正法律案ニ付キマ
シテ申上ゲマスガ、同社ハ三千萬圓ノ資本
ヲ以チマシテ設立セラレマシタル半官半民
ノ國策會社デアリマシテ、非鐵金屬ノ開發
ニ當ッテ來タノデアリマスルガ、時局ノ進展
ニ伴ヒマシテ、軍需資源トシテ非鐵金屬ノ
重要性ハ更ニ一段ノ增加ヲ來タシタノデア
リマス、從ヒマシテ其ノ事業擴充ノ必要ニ
應ズル爲ニ、政府出資ノ限度ヲ廢止シ、政
府ニ於キマシテモ新株引受ノ道ヲ拓キ、且
配當補給金ノ限度ヲ六分ニ引上ゲ、其ノ年
限ヲ十年ニ延長セムトシタモノデアリマス、
本案ニ付キマシテハ大體次ノヤウナ質疑
應答ガアッタノデアリマス、立法論ト致シ
マシテハ、先ヅ資本ノ增加ニ關シマスル改
定ヲ行ヒ、然ル後ニ本法ノ如キ便宜的ノ規
定ヲ設クルガ適當デナイカト云フ質問ニ對
シテ、政府ハ、誠ニ御尤モナル御議論デア
リマスルガ、增資額ノ決定及其ノ時期ニ關
シマシテ、時局ニ對應シテ適當ニ處理スル
必要ガアリマスルガ爲ニ、便宜上本法ノヤ
ウナ方法ヲ執ッタ次第デアリマス、尙同會
社使用ノ資金ハ、旣ニ一億圓ニ達セムトス
ルノ狀況デアリマスノデ、經營上此ノ際增
資ヲスルコトガ必要デアルト云フ說明デア
リマス、次ニ南方ニ於キマシテ豐富ナル鑛
山ガ開發セラレマセムトスル今日ニ於キマ
シテハ、特ニ內地ニ於ケル貧鑛ノ開發ヲ奬
勵スルノ必要ガナイデハナイカト云フ間ニ
對シマシテ、國內地下資源ノ確保上ヨリ致
シマスルモ、又鑛山技術ノ進步ヲ促ス點ヨ
リ致シマスルモ、更ニ又銅ノ如キ、鑛物ノ
種類ニ依リマシテハ南方ニ大ナル期待ヲ繫
ケ得ナイモノガアリマスルノデ、旁〓内地ニ
於ケル貧鑛開發モ之ヲ輕視スルコトガ出來
ナイト云フ說明デアリマシタ、次ニ南方鑛
業開發ノ方針ニ關シマシテハ、鑛山統制會
統制ノ下ニ、我ガ鑛業家ノ技術上ノ優秀ナ
ル技能ヲ十分ニ活用セシメ、又「プール」制
ヲ適用致シマシテ、全般ノ經營ニ關シ最善
ノ努力ヲセムトスル積リデアル、又政府ノ
補給金ハ配當補給ノ程度ニ止ムルモノデア
ルカト云フ質問ニ對シマシテハ、政府ハ、
第二十四條ノ規定ヲ活用致シマシテ、積極
的ニ援助ヲ爲スノ方針デアルトノ御答辯デ
アリマシタ、其ノ他買鑛ノ檢査、本法ト重
要物資管理營團トノ關係ニ付キマシテ、質
疑應答ガ重ネラレタノデアリマス、次ニ帝
國石油株式會社法中改正法律案及帝國燃料
興業株式會社法中改正法律案ノ二案ヲ、
括シテ御報〓申上ゲタイト思ヒマス、帝國
石油株式會社ハ資本金一億圓デアリマシテ、
政府出資ハ其ノ半額ニ限定セラレテ居ルノ
デアリマス、又帝國石油債劵ノ發行限度ハ、
拂込株金額ノ三倍ト定メラレテ居ルノデア
リマス、御承知ノ通リニ、南方油田ノ開發ノ
重大任務ヲ遂行致シマスル爲ニハ、現在程
度ノ資金調達ヲ以テシテハ不十分デアリマ
スルノデ、政府ノ出資限度ノ撤廢ヲ致シマ
シテ、債劵發行限度ヲ、三倍ヨリ五倍ニ擴
張セムトスルモノデアリマス、尙ソレト同時
ニ副總裁ヲ二人ニ增員ヲ致シマシテ、其ノ
一人ヲ南方ニ駐在セシムルト云フ改正案デ
アリマス、次ニ帝國燃料興業株式會社ハ人
造石油業ノ振興ヲ助力シテ參ッタノデアリ
マスルガ、南方石油資源ノ獲得ガ出來マシ
テモ、人造石油ノ重要性ハ毫モ減退スルモ
ノデハナイノデアリマス、ソレ故ニ本會社
ニ對シマスル政府出資五千萬圓ノ限度ヲ撤
廢致シマシテ、同時ニ配當補給金ヲ擴張シ
テ資金吸收ヲ便ニシ、本事業ノ振興ヲ促進
セムトスルモノデアリマス、兩案ニ關シマ
シテハ、次ノ如キ質問應答ガ重ネラレタノ
デアリマス、南方ノ石油ハ自給自足ノ域ニ
達シ得ルノデアルカト云フ質問ニ對シマシ
テ、政府ハ、戰前ノ產額一千萬「トン」ハ本邦
ノ需要額ニ適應スル數量デアリマスルガ、
石油將來ノ需要モ增加スルデアラウシ、又
石油ノ種類ニ依リマシテハ其ノ用途ガ一樣
デナイノデアリマスルカラ、將來內地ニ於
テ、油田ノ開發、人造石油ノ奬勵ハ、益〓其ノ
必要ヲ感ズル次第デアリマス、ソレデアリ
マスルカラ、綜合的ニ石油政策ヲ確立致シ
マシテ、萬全ヲ期スル次第デアルノデアリ
マス、世間デハ往々大量ノ石油ガ直グ樣ニ
デモ供給セラルヽガ如キ考ヲ持タルヽ方ガ
アリマスルガ、是ハ輸送等種々ノ關係上期
待シ難イ點ガアルノデアリマス、但シ大東
亞戰爭ノ完遂ニハ毫末モ不安ヲ感ズルガ如
キコトハ絕對ニナイト云フ確言ヲセラレテ
居ル次第デアリマス、次ニ石油ノ處理方法
ノ形體ニ關シマシテハ、政府ハ內地ニ於キ
マスル採油及販賣機關ハ之ヲ統合致シマス
ルガ、製油事業ハ、南方石油ノ實情ニ鑑ミマ
シテ愼重ニ考慮スル必要ガアリマス、尙南
方石油ノ採取方ニ付キマシテハ、本會社ヲ
シテ進出セシムルコトヲ可トスルト云フ意
向ヲ漏ラサレテ居リマス、其ノ他液體燃料
〓究ノ統一、技術員ノ養成、代用燃料ノ普
及、燃料〓究所ノ充實、對米石油戰ニ關ス
ル對策等ニ關スル事項ニ關シテモ質問ガ
アッタノデアリマス、更ニ人造石油ノ奬勵方
法ニ付キマシテ、補助金政策ヲ廢シマシテ、
原價計算ニ基イテ全部ニ亙リ「プール」制ヲ
以テ之ニ代ヘ、買上價格ハ約二割方引上ゲ
テ、之ヲ奬勵スル方針デアルト政府ハ言明
サレテ居ルノデアリマス、次ニ重要物資管
理法ニ付テ御說明申上ゲマス、本法制定ノ理
由ハ、戰時下ニ於キマシテ生產、配給及運
輸等ニ不時ノ障碍ヲ生ジ、其ノ供給ノ不圓
滑ヲ來タス惧ガアリマスルノデ、工業用ノ
各種ノ原料、生活必需品、防空用資材ヲ
綜合致シマシテ、地域別分散保管ヲ爲スノ
必要ヲ感ジテ參ッタノデアリマス、カルガ故
ニ國家ニ代ッテ强力ニ其ノ使命ヲ遂行セシ
ムルガ爲ニ、資本二千萬圓、全額政府出資
ト致シマシテ本營團ヲ創設シテ、重要物資
ノ保有、賣買、輸入等ノ業務ヲ營マシムコ
トニ致シタノデアリマス、次ニ質疑ノ主ナ
ルモノヲ申上ゲタイト思ヒマス、營團ノ經
營方針ニ關スル質問ニ關シマシテ、政府ハ
次ノ如ク說明サレテ居リマス、資本金ノ利
子ヲ以テ營團ノ事務費ニ當テマス、融通資
金ハ短期借入金ヲ以テ之ヲ支辨シ、其ノ損
失ハ政府之ヲ補償シ、是ガ爲ニ政府ハ六千
餘萬圓ノ豫算外國庫負擔トナルベキ契約ヲ
爲シ得ルコトニ致シテ居ルノデアリマス、
又營團ハ物資統制令ニ基キマシテ、物動計
畫上用途未確定ノ物資ヲ保留シ置キマシテ、
不時ノ必要ニ應ゼムトスルモノデアリマス、
原則ト致シマシテハ、營團自己ノ所有ノ物
資ト致シマシテ、現存ノ倉庫ヲ利用シテ之
ヲ保有スルノデアリマスルガ、例外ノ場合
ニ於キマシテハ他人ヲシテ保有セシムル場
合モアルノデアリマス、此ノ場合ニ於キマ
シテモ、經費ハ全部營團ノ負擔ト致スト云
フコトデアリマス、又營團ガ物資ノ買上ゲ
ヲナス場合ニ於キマシテハ、物資統制令ニ
基ク命令ニ依リマシテ是ガ强制買上ヲナス
場合ト、營團自身ガ政府ノ認可ヲ得マシテ
引渡ヲ受クル場合トノ兩樣ガアリマス、而
シテ買入ノ場合ニ於キマシテハ、公定價格
ニ準ジテ之ヲ買入レ、同一價格ヲ以テ之ヲ
賣渡シ、其ノ間手數料等ヲ取ルノデナク、
是ガ損失ハ補給金ヲ以テ之ヲ塡補スルトノ
答辯デアリマス、又本法ハ內地ニ施行セラ
ルヽノガ原則デアリマスガ、實行上海外ニ
及ブ場合モ豫想セラレルノデアリマス、而シ
テ內地ニ於テ南方ノ物資ヲ買入ルヽ場合ニ
於キマシテハ、現地ニ於テ臨時軍事費ヲ以
テ之ヲ買入レ、營團ハ其ノ物資ヲ買取ル次
第トナルトノ答辯デアリマシタ、次ニ經濟
界ノ急激ノ變動ニ際シマシテ、物價ノ激變
ニ對スル營團ノ方針如何トノ質問ニ對シマ
シテ、假令戰況ニ變化ヲ生ジマスルコトガ
アリマシテモ自、由經濟時代トハ異ナリ、强
力ナル統制經濟ノ下ニ於テハ、物價ノ平調
ヲ維持スルコトハ左程困難トハ思ヒマセヌ
ガ、萬一之ガ爲ニ生ズル損失ハ、之ヲ營團
ニ於テ補償シ得ルコトトナッテ居ルノデアリ
マス、次ニ營團ニ於キマシテ物資ヲ保有ス
ルノ結果、民間ノ需要ヲ壓迫スルノ虞ハナ
イカトノ問ニ對シマシテ、營團ハ物動計畫
ニ基キ、計畫的ニ保有スルモノデアリマス
ルカラ、民需ヲ壓迫スルノ虞ガナイノデア
リマス、唯其ノ量ノミナラズ、之ヲ保有
スル時ノ選定ニ關シテハ、十分ナ注意ヲ
加ヘテ、其ノ弊ニ陷ラザルヤウ運用ニ注意
ヲスベシト明言セラレテ居リマス、其ノ他
本營團ノ資本金ノ額竝ニ其ノ費途、債劵發
行ヲ認メザル理由、公務員ノ規定ヲ適用セ
ザルノ理由等ニ付テ質疑應答ガ重ネラレマ
シタ、最後ニ南方開發金庫ニ對シテ御說明
ヲ申上ゲタイト思ヒマス、南方開發金庫ハ
南方地域ノ今後ノ如何ナル情勢ノ變化ニ對
應致シテモ、帝國ノ通貨、金融對策ノ運營ノ
原動力デアリマスル中樞機關タラシメムト
スル所ノモノデアリマス、此ノ意味ニ於キ
マシテ、本金庫ノ業務ハ廣汎ニ亙ッテ居リマ
シテ、重要資源ノ開發及ビ其ノ利用ニ必要ナ
ル資金ノ融通、通貨及金融ノ調整ニ資セシ
メムトスル働キヲ爲サシメテ居ルノジアリ
マス、而シテ差當リ政府ハ資本金一億圓全
部之ヲ出資シ、之ニ必要ナル援助ヲ與フル
コトトシ、尙將來ノ推移ニ應ジマシテハ、
民間ノ出資ヲモ組入レ得ルノ機構デアリマス、
本案ハ御承知ノ通リ、南方經濟活動ノ根幹
ヲ成スモノデアリマスルガ故ニ、種々重要
ナル質疑應答ガアッタノデアリマス、其ノ主
ナルモノヲ申上ゲテ見タイト思ヒマス、「タ
イレ國ヲ本金庫ノ施行區域外ニ置イタル理
由ハ如何デアルカ、尙「タイ」國經濟援助ニ關
スル件ハ如何デアルカト云フ質問ニ對シマシ
テ、政府ハ、本法ハ軍票ノ流通ヲ主眼ト致
シテ居リマスル占領地ニ限ッテ適用スル方針
デアリマシテ、將來事態ノ推移ニ從ヒマシ
テ、之ヲ「タイ」國及佛印ニモ擴張シ得ベキコ
トヲ豫想シテ居ル旨ノ答辯ガアリマシタ、
而シテ開戰ニ伴ヒマシテ、「タイ」國ノ財政經
濟上ニ急激ノ變動ヲ與ヘタルコトハ事實デ
アリマス、併シナガラ之ガ救濟ノ方法ハ、
別ニ之ヲ考慮スル必要ガアリト答辯サレテ
居リマス、南方ノ重要資源ノ中デ、我ガ帝
國ノ生產品ト競爭ノ立場ニ在ル最モ主ナル
モノハ砂糖デアリマス、非常時ニ於キマシ
テハ、少クトモ相當量ノ砂糖ヲ內地ニ確保
スルノ必要ガアリマス、故ニ採算上有利デ
アリマセヌトシマスルモ、臺灣及內地ノ糖
業ハ之ヲ奬勵スルノ必要ガアリト思フガ、
政府ノ意見ハ如何ト云フ質問ニ對シマシテ、
政府ハ、戰時下ニ於キマシテハ計畫生產
ヲ決定スルコトハ困難デアルガ、生存ニ必
要ナル物資ヲ、帝國ヲ中核トシ自給自足ノ
策ヲ樹ツルハ當然デアリマス、從ッテ臺灣等
ノ砂糖ヲ奬勵スルノ要アルハ論ヲ俟タザル
所デアリマス、從ッテ米作ニ替ヘル如キ考ハ
毫末モアリマセヌ、南方ニ於ケル砂糖對策
ニ付テハ愼重ニ考究スル積リデアルトノ答
辯ガアリマシタ、次ニ共榮圈內ニハ種々ノ
形體ヲ有スル地域ガ存在シテ居ル、之ヲ統
轄スルガ爲ニ、外務省ハ之ガ組織ヲ變更シ、
歐米外交ヲ掌ル歐米省ト東亞省トニ二分シ
東亞省ニ於キマシテハ拓務行政ト外交事務
トヲ統合セシメテ一元的ノ行政機關ヲ設置
スルノ必要アリト考フ、政府ノ所見如何ト
ノ問ニ對シマシテ、政府ハ、軍政下ニ於キ
マシテハ、第一ニ戰爭完遂ニ邁進スルノ要
ガアリマス、行政機構ハ第二段ニ之ヲ考フ
ルガ至當ト思フノデアリマス、從ッテ中央行
政組織ニ付キマシテハ未ダ何等決定シテ居
ラナイノデアリマス、併シ政府ト致シマシ
テハ、總動員的體制ニ依ル新ラシキ構想ノ
下ニ新機關ノ組織ヲ希望シツヽアルノデア
リマスルガ、只今ノ所ニ於キマシテハ、施行
機關ヨリハ寧ロ諮問的機關ヲ先ヅ設置シタ
キ考ヲ持ッテ居ルノデアリマス、又南方
經濟開發ニ關シマスル爲ニ新ラシク特殊會
社ヲ創設スルコトニ關シテハ、今日ニ於テ
ハ其ノ考ヲ持ッテ居ラヌト明言サレテ居
リマス、尙本金庫以外ニ於キマシテ、
中央金融機關ハ之ヲ設ケナイ、又新タニ銀
行ノ進出ヲモ認メナイ、唯現ニ各地ニ營業
ヲシテ居ル銀行ト連絡ヲシテ金融ノ圓滑ヲ
圖ル積リデアルノデアリマスルガ、奈何ニ
セム、旣存ノ本邦銀行ノ活動ハ未ダ十分デ
アリマセヌ、ソレ故ニ英米ノ財力ヲ排除シ、
之ニ代ルベキ有力ナル金融機關ノ必要ヲ認
メタノデアリマス、是レ今囘本金庫ノ設置
ヲ見ルニ至リマシタル理由ノ一ツデアルト
云フコトデアリマス、次ニ南方ニ對スル爲
替相場ハ速カニ之ヲ定ムル必要ガアルトノ
問ニ對シマシテ、軍政下ニ於キマシテハ、
普通經濟行爲ノ行ハレ難イノハ當然デアリ
マスルガ、今後經濟活動ヲ盛ンナラシメム
ガ爲ニハ、經濟的爲替相場ト海上輸送ノ充
實トガ何ヨリモ大切デアリマス、從ヒマシ
テ政府ハ、今後ノ推移ニ照シ、機ヲ逸スルコ
トナク、成ルベク速カニ爲替相場ヲ定メタ
キ意嚮デアルト漏ラサレテ居リマス、次ニ
南方ニ於キマスル企業ノ許否ノ方法ニ付キ
マシテハ、中央ニ於テハ企畫院ニ於テ之ヲ
定メ、重要ナル問題ハ之ヲ聯絡會議ニ諮リ、
現地軍司令官ニ之ヲ指令スルノ筋道ヲ執ル
ノデアリマス、從ヒマシテ本金庫ノ資金融
通ノ方法モ同樣ノ取扱ニ依ルモノデアリマ
ス、次ニ通貨問題ニ關シマシテ、軍政下ニ
於キマシテハ現地通貨表示ノ軍票ヲ使用シ
テ居リマス、而シテ將來經濟上ノ進展ニ伴
ヒマシテ、種々施策ヲ必要トスルノデハア
リマスルガ、政府ハ如何ナル場合ニ於キマ
シテモ、圓ヲ基準トスル所ノ方針ハ之ヲ堅
持スル積リデアルトノ答辯デアリマシタ、
次ニ華僑對策ニ關シテ、從來華僑ハ英米經
濟ニ依存シテ其ノ勢力ヲ擴大シテ來タノデ
アリマスルガ、今ヤ此ノ財的關係ハ絕タレ
タノデアリマス、此ノ情勢ノ下ニ於キマシ
テハ、華僑自身ノ力ニ基キ我ガ方ニ協力ス
ルヤウ工作スル必要ヲ感ジテ居ルトノコト
デアリマス、南方開發ニ當ルベキ人ノ選擇
及指導ニ付キマシテハ、國防經濟ニ深キ理
解ヲ有シ、南方ニ經驗アル人ヲ優先的ニ活
動セシメルノ方針デアリマスルガ、同時ニ
其ノ足ラザル方面ニ於キマシテハ、官民、
殊ニ產業界ト協議ヲ盡シマシテ適當ナル者
ヲシテ之ガ經營ニ當ラシムルノ方針デアリ
マス、又滿洲ニ對シマシテ拓殖移民ヲ必要
トスルガ如ク、南方ニ對シテハ訓練シタル
中小商工業者ノ進出ヲセシムルノ考ハナキ
ヤトノ問ニ對シマシテ、政府ハ、單リ中小
商業工業ニ限ラズ、廣ク適材ヲ養成シテ之
ヲ南方ニ配置セムトスルノ計畫デアルト答
辯サレテ居リマス、次ニ南方經營ニ關シマ
シテハ、日滿支ヲ中核トシテ計畫ヲ立テル
事柄ハ誠ニ至當デアル、徒ニ產業上ノ適地
主義ニ偏スルハ不可デハナイカトノ質問ニ
對シマシテ、政府ハ全然同感ノ意ヲ表セラ
レテ居リマス、又時局ニ對シマスル國民ノ
自覺ハ十分ニ之ヲ認ムルガ、國際情勢ヲ周
知スベキ報道ニ缺クル點ガアリトノ質問ニ
對シ、尙斯クノ如キ今日ノ情勢デハ眞ニ國
民ノ總力ヲ糾合スルコトハ難キコトデハナ
イカトノ質問ニ對シマシテ、現下外國ニ於
テ情報ヲ得ルコトハ頗ル難事ノ次第デアリ
マスルガ、報道ノ不十分ナル點ニ付キマシ
テハ十分注意ヲ加フベシトノ政府ノ言明デ
アリマス、其ノ他本案ニ付キマシテ、文化
政策、鹽ノ問題、金庫幹部ノ人選其ノ他金
庫ノ運營ニ關スル等、重要ナル質問應答ガ
アリマシタガ、是ハ玆ニ之ヲ省クコトニ致
シマス、斯クテ五案ノ質疑ヲ終了致シマシ
タ、仍テ先ヅ帝國鑛業開發株式會社法中改
正法律案、帝國石油株式會社法中改正法律
案、帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
及重要物資管理營團法案ノ四案ニ付討論ニ
入リマシテ、採決ノ結果、全會一致可決ト決
定セラレタノデアリマス、次ニ南方開發金
庫ノ討論ニ移リマシタ、一委員ヨリ、今囘
ノ大東亞戰爭ニ付キマシテハ、我ガ國未曾有
ノ大業デアリマシテ、之ガ戰果ヲ全ウシ、
大東亞共榮圈ヲ確立スルコトハ一日モ忽ニ
スルコトガ出來ナイト思フノデアリマス、
之ガ爲、軍官民ノ緊密ナル一致協力ヲ必要
トスルコトハ申ス迄モナイコトデアリマス、
ソレ故ニ戰爭ノ進展ニ伴ヒマシテ、速カニ
政治、經濟、文化ノ綜合的施策ニ付キマシ
テ、中央ニ强力ナル機關ヲ設クルヤウ政府
ニ對シテ希望ヲ申述ベタイト思フノデアリ
マス、ト述ベラレタノデアリマス、又一委
員ヨリハ原案贊成ノ意見ノ開陳ガアリマシ
テ、採決ノ結果、全會一致原案ハ可決セラ
レタノデアリマス、次イテ希望決議ノ採決
ヲ致シマシタル處、是レ亦全會一致可決セ
ラレタノデアリマス、仍テ希望決議ヲ朗讀
致シマス
希望決議
大東亞戰爭ノ赫々タル戰果ノ進展ニ伴ヒ
共榮圈ノ基礎ヲ確立センガ爲政府ハ速ニ
政治經濟文化ノ綜合的施策ニ對シ强力ナ
ル中樞機關ヲ設置セラレンコトヲ望ム
報〓ヲ終ルニ當リマシテ、本委員會ヲ通ジ
マシテ言明セラレマシタル政府ノ南方經濟
處理ニ關スル方針ノ大要ヲ申添ヘルコト
ハ、必ズシモ無益デナイト信ズルノデアリ
マス、暫ク御〓聽ヲ汚シタイト思ヒマス、
卽チ政府ノ根本方針ハ、重要資源ヲ充足シ
戰爭遂行ニ遺憾ナカラシムルコトヲ主眼ト
シ、更ニ大東亞自給自足ノ體制ヲ確立セム
トスル二ツニアルノデアリマス、而シテ占領
地域ニ對シマスル當面ノ施策ト致シマシテ
ハ、資源ノ獲得、敵性國家ニ對スル物資流
出ノ阻止、現地自活ノ確保、在來企業ノ我
ガ方ヘノ協力誘導、此ノ四點ニ存スルノデア
リマス、而シテ資源開發ノ方法ノ大綱ハ中
央ニ於テ之ヲ決定シ、其ノ物資ハ總テ物資
動員計畫ニ組入レ、一元的ニ處理スルノデ
アリマス、石油、鑛物、農林產物等ノ開發
ニ付キマシテハ、新タナル組織ニ依ラズ、
經濟能力アル企業者ノ熱意ト創意ニ待ツコ
トト致シ、現地ニ於ケル邦人企業者及ビ我
ガ方ニ協力ノ誠意アル企業者ヲモ活用スル
方針デアリマス、通貨ニ付キマシテハ、差
當リ現地通貨表示ノ軍票ヲ使用シ、逐次現
地通貨ト軍票トノ機能ヲ調整スルノ方針ヲ
執リ、而シテ資金ノ移動ハ之ヲ認メズ、主
トシテ現地ニ於キマシテハ南方開發金庫ヲ
シテ融通セシムルノ方針デアリマス、次ヘ
軍政下ニ於テ物資ノ交易ハ、差當リ政府ノ
會計ニ於テ輸入及輸出ヲ掌ル次第デアリマ
スガ、實際ノ運營ニ付テハ民間商社ノ活動
ニ待ツコトトシ、又現地ニ於キマスル集荷配
給ニ付キマシテハ、現地ノ商社及華僑等
ヲ極力活用スルノ方針デアリマス、南方物
資ノ輸送ニ付キマシテハ、軍部ノ統制ノ下、
船腹ヲ最モ有效ニ活用スルコトトシ、叉
般人ノ渡航ハ差當リ之ヲ差止メマスガ、情
勢ノ進展ニ伴ヒマシテ、嚴選ノ上、再渡航
竝ニ必要ナル進出ヲ認ムルノ方針デアルト
說明セラレテ居ルノデアリマス、要シマス
ルニ、現時ノ段階ニ於キマシテハ武力戰ニ
勝チ貫クト云フコトハ最大唯一ノ眼目デア
リマス、此ノ目的達成ノ爲ニ對南經濟方針
ノ大綱ガ定メラレ、此ノ大綱ニ基キマシテ
諸般ノ施設ガ計畫サレツヽアルト云フ事柄
ヲ認識スル次第デアリマス、此ノ意味ニ於
キマシテ委員會ハ愼重ニ審議ヲ進メタノデ
アリマス、我々ハ當ニ此ノ根本方針ニ準據
致シマシテ大東亞共榮圈ノ建設ニ全力ヲ傾
注スベキコトヲ痛感スル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、五案ノ採決ヲ致シマス、五案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=6
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007・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=7
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008・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=8
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009・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=9
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010・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=10
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011・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 五案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、五案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=11
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012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=12
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013・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=13
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014・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=14
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015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=15
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016・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=16
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017・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 五案ノ第三讀會
ヲ開キマス、五案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=17
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018・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=18
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019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二、國民
更生金庫法中改正法律案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、委員
長溝口伯爵
國民更生金庫法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月六日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵溝口直亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=19
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020・溝口直亮
○伯爵溝口直亮君 只今議題ニ上リマシタ
案ノ特別委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報告申
上ゲマス、本委員會ハ二月二日ヨリ二月六
日ニ亙リマシテ二囘開會致シマシテ、政府
原案ヲ可決致シマシタ、只今委員會ニ於ケ
ル政府ノ說明竝ニ質疑應答ノ大要ヲ申述ベ
マス、委員會ノ劈頭ニ於キマシテ政府委員
ヨリ提出ノ理由ノ御說明ガゴザイマシタ
ガ、是ハ殆ド本議場ニ於ケル大藏大臣ノ御
說明ト大差ゴザイマセヌカラ是ハ略シマス、
要スルニ本案ノ骨子ハ二點ゴザイマス、
點ハ、資金ヲ充實スル爲ニ資本金ヲ三千萬
圓增スノト更生債劵ヲ資本金ノ十倍ヨリ
十五倍ニ增スト云フコトガ一ツ、尙一點ハ、
只今迄大藏省ノ所管ニナッテ居リマシタノ
ヲ商工省ノ所管ニ移シマシタニ付キマシテ、
大藏大臣ニ商工大臣ガ協議ヲスルト云フ規
定ヲ設ケマシタコト、此ノ二點デゴザイマ
ス、次ニ質疑應答ニ關スル一部ヲ申上ゲマ
ス、尙詳シイコトハ旣ニ出テ居リマス速記
錄ニ付テ御承知ヲ願ヒタイト存ジマス、第
一ノ質問ハ、只今迄ノ更生金庫ノ業績ハド
ウデアッタカト云フコトデアリマシテ、此ノ
質問ニ對シテ政府ノ答辯ハ、只今迄扱ヒマ
シタ件數ガ二千九百件、引受金額ハ九百二
十萬圓、貸付金額ガ八百二十四萬圓、此ノ
取扱ヒマシタ件數ノ中デ一番多數ニ上リマ
スノハ、米穀販賣業者ノ轉廢業ニ關スル問
題デゴザイマスガ、貸付金額ノ多イノハ、
寧ロ旅客自動車運輸業、是ガ最大ニナッテ居
リマス、尙之ニ應ジテ取扱フ主ナルコトハ、
地方長官ノ指導斡旋ニ依ル計畫的集團的ノ
轉廢業者ヲ對象トシテ、個々ノ轉廢業者ニ
對シテハ、他ノ方法ニ依ッテヤッテ此ノ更生
金庫デハ對象トシナイト云フコトデアリマ
シタ、次ノ御質問ハ、中小商工業者ノ轉廢
業ノ主ナル目的ハ何デアルカト云フコトデ
アリマスガ、此ノ質問ニ對シテ政府ヨリ、
是ハ主ナル目的ハ二ツデアリ、一ツハ勞働
力ノ供出、尙一ツハ中小商工業者ソレ自身
ノ機構ノ合理化ニ依ル能率ノ增進、竝ニ總
テノ闇トカ、サウ云フ事ノ廢棄ヲ目的トス
ルモノデアルト云フコトデアリマシタ、次
ノ御質問ハ、更生金庫ノ資金融通ノ手續ガ
煩雜デ、而モ非常ニ遲レテ、ソレガ爲ニ目
的ヲ達シナイヤウナコトガアルヤウニ聞イ
テ居ルガ、ソレニ付テ政府ノ所見ハドウデ
アルカト云フ御質問ニ對シマシテ、政府ハ
此ノ手續ニ於テ一番時間ヲ取ルノハ資產ノ
評價デアル、之ニ付テハ十分時間ヲ短縮シ
且手續ヲ簡易ニシテヤル積リデアルガ、而
モ是ハ相當時間ヲ取ルモノデアルカラシテ、
目下ノ所デハ一時的ノ金融ヲ圖ッテソレデ
一時ヲ凌グト云フコトノ出來ルヤウニ、諸
般ノ準備ヲ進メツヽアルト云フ御答デゴザ
イマシタ、ソレカラ次ニ、資產評價ニ付テ
負債ノ限度ニ付テノ御質問ガゴザイマ
シタ、之ニ付テ政府ハ、之ニ依ッテ更生金
庫ノ肩替リヲスル負債ト云フモノハ、
資產ノ評價ト見比ベテ其ノ限度ニ於テスル
モノデアル、而モ其ノ資產評價ノ方ハ、資
產評價ト、モウ一ツハ現ニ利益ノアル其ノ
利益ヲ一割ニ還元シテ、ソレヲ十年分ニ積
算シテ、ソレト實際ノ資產評價ト雙方ヲ見
比ベテ多イ方ヲ取ルカラシテ、餘程多額ノ
負債デナケレバ、此ノ程度ニ於テ十分處理
シ得ルモノト考ヘルト云フ御答デゴザイマ
シタ、次ニ本金庫ヲ大藏省ヨリ商工省ニ移
管シタ理由ハドウデアルカ、實際ニ於テ對
象トナルベキ主ナ商業者ノ中ニハ、農林
省遞信省、鐵道省、其ノ他各省ノ所管
ニ屬スルモノガアル、然ラバ之ヲ特ニ商工
省ニ移管スル必要ハナイデハナイカト云フ
御質問ニ對シマシテ、政府ヨリシテ、只今
迄是等ニ關スル總括的ノ事務ハ商工省ノ所
管ニ致シテ居リマシタノデ、特ニ資產評價
ニ關スル中央地方ノ委員會ニ依ッテ從前ヨ
リ其ノ總括的事務ハ商工省デ所管シテ居リ
マシタカラシテ、商工省へ之ヲ移管スル方
ガ寧ロ事務上ニ於テ便利デアルト云フ御答
デゴザイマシタ、最後ニ一委員ヨリシテ、
政府ハ一ツノ法律ヲ出サレルトソレヲ改變
スルコトヲ非常ニ御嫌ヒナル嫌ヒガアル、
併シ今日ノヤウナ情勢ニ於テハ、總テノ狀
況ハ刻々變ルモノデアルシ、而モ急速ニ總
テノコトヲ處理セラレル以上ハ、多少ソコ
ニハ狀況ノ變化及ビ手拔カリガナイトモ言
ヘナイ、ソレ故ニ政府トシテハ能ク民間ノ
意見モ御採リ入レニナッテ、改ムベキ所ハ
速カニ改メラレテ、實情ニ卽スルヤウニサ
レタ方ガ宜イノデハナイカト云フ御質問ニ
對シマシテ、政府ハ誠ニ御尤ナコトデ、決
シテ過ヲ改ムルニ憚ルモノデハナイ、之一
付テハ御意見通リ政府トシテモ左樣ナコト
ハ躊躇セズニ實行スル積リデアルト云フ御
答辯デアリマシタ、次ニ祕密會ニ入リマシ
テ、主トシテ轉廢業者及ビ之ニ關聯スル諸
般ノ數字上ノ諸問題ニ付テノ應答ガゴザイ
マシタ、之ヲ以テ質疑應答ヲ終リマシテ、
討論ニ入リマシタガ、御發議モゴザイマセ
ヌデ、續イテ採決ニ移リマシテ、全會一致
政府原案ヲ可決致シマシタ、右御報告申上
ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、本案ノ第
二讀會ヲ開クロトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=22
-
023・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=23
-
024・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=24
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025・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=25
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026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=26
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027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、本案全部、委員長報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=27
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028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=28
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029・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=29
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030・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=30
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031・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=31
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032・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=32
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033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本案ノ第三讀會
ヲ開キマス、本案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=33
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034・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第七、米穀
需給調節特別會計法中改正法律案、日程第
八、木炭需給調節特別會計据置運轉資本臨
時補足ニ關スル法律案、日程第九、食糧管
理法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
ノ續、委員長報告、是等ノ三案ヲ一括シテ
議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=35
-
036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長酒井伯爵
米穀需給調節特別會計法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵酒井忠正
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
木炭需給調節特別會計据置運轉資本臨
時補足ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵酒井忠正
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
食糧管理法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵酒井忠正
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵酒井忠正君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=36
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037・酒井忠正
○伯爵酒井忠正君 只今議題トナリマシタ
米穀需給調節特別會計法中改正法律案外二
件ニ付キマシテ、特別委員會ノ審議ノ經過
竝ニ結果ヲ御報告申上ゲマス、委員會ハ去
ル二月五日ヨリ四日間ニ亙リマシテ開會ヲ
致シタノデアリマシテ、政府ノ說明ヲ聽取
致シ、質問應答ヲ重ネマシテ、愼重審議ヲ
盡シタノデアリマス、先ヅ法案ノ內容ヲ簡
單ニ申上ゲマスレバ、〓糧管理法案ノ要旨
ハ、第一ニ、主要〓糧ノ國家管理ヲ强化ス
ルコトデアリマス、第二ニハ、主要食糧ノ
配給機構ヲ整備致シテ中央地方ニ〓糧營團
ヲ創設致シマシテ、綜合配給ニ關スル事業ヲ
擔當セシムルコトデアリマス、第三ハ、此
ノ〓糧營團ニ非常時用食糧ノ貯藏ヲ實施セ
シムルコトデアリマス、此ノ三點ガ本案ノ
主ナル骨子トナツテ居ルノデアリマス、中
央〓糧營團ノ資本金ハ一億圓デアリマシテ、
政府ハ五千萬圓ヲ限ッテ出資ヲ致スノデア
リマス、而シテ拂込資本金額ノ五倍ヲ限ッテ
食糧營團債劵ヲ發行シ得ルノデアリマス、
地方營團ハ、地方ノ實情ニ應ジマシテ資本
金ガ決定サレルコトニナッテ居リマス、尙食
糧營團ニ於テ取扱ヒマスル主要食糧ハ、米
麥、甘藷、馬鈴薯又ハ是等ノ加工品等デア
ルノデアリマス、次ニ米穀需給調節特別會
計法中改正法律案ニ付キマシテ申上ゲマス
ガ、本案ハ米穀等ニ關シマスル諸法律ヲ整
備致シテ、食糧管理法ヲ制定致スニ伴ヒマ
シテ、從來ノ米穀需給調節特別會計法ノ名
稱ヲ變更致シ、ソレト共ニ之ニ關聯致シマ
シテ國債整理基金特別會計法ニ所要ノ改正
ヲ加ヘムトスルモノデアリマス、次ニ木炭
需給調節特別會計据置運轉資本臨時補足ニ
關シマスル法律案ニ付テ申シマスト、木炭
需給ノ現狀ニ鑑ミマシテ、其ノ需給ノ圓滑
ヲ期シマスル爲ニ、常時相當多量ノ木炭ヲ貯
藏致ス必要ガアリマスル關係上、本會計ノ
据置運轉資金百萬圓ニ不足ヲ生ジマスル場
合ニ於キマシテハ、九百萬圓ヲ限ッテ臨時補
足シ得ルコトニ致シテ、本會計ノ圓滑ナル
運營ヲ圖ラムトスルノガ本案ノ骨子デアリ
マス、右三案ニ付キマシテ委員諸君ヨリ質
疑ガアッタノデアリマスルガ、其ノ質疑應答
ノ大要ヲ申述ベタイト存ジマス、第一ハ東
亞共榮圈ニ於ケル食糧ノ生產交流ノ問題デ
アリマス、戰果ノ擴張ニ伴ヒテマシテ、豐富ナ
ル南方ノ食糧資源ガ我ガ把握下ニ入リマシ
タ結果、南方諸地域トノ關聯ニ於テ我ガ國
食糧政策ヲ如何ニ調整スルカ、又我ガ國ノ農
業政策ノ根本方針ヲ如何ニ樹テルカ、殊ニ
農村人口ノ保有ノ問題、開拓民ノ政策等ニ
付キマシテ論議ガ致サレタノデアリマス、是
等ハ何レモ現下重大ノ間題デアリマスルガ、
之ニ對シマシテ、政府ハ大體次ノヤウナ答
辯ヲ致サレタノデアリマス、卽チ我ガ國ノ
農村ハ單ニ食糧ヲ作ルト云フ使命ヲ持ッテ
居ルバカリデナク、大和民族ノ源泉タル人
的資源ノ涵養地デアルト云フ重大ナル責務
ヲ持ッテ居ル、從ッテ立派ナル日本農民ヲ育
成致スト共ニ、農村人口ノ確保ハ飽ク迄モ
之ヲ堅持致サナケレバナラナイ、ソレガ爲
ニハ農村ノ生產ニ對シテ經濟上引合フヤウ
ニ致シテ、農村經濟ヲ守リ立ツル所ノ諸方
策ヲ樹テ、又一面ニ於キマシテハ重工業等
ヘノ勞力ノ流出ヲ防ギ、自由ノ轉業ノ制限
ヲ致シテ、基本的人口ハ必ラズ之ヲ保有セ
ムトスルコトニ努メル、又更ニ精神的修鍊
ノ機關ヲ活用致シ、或ハ文化施設、保健ノ
方面ニモ留意スル等、物心兩方面ヨリ必要
ナル施策ヲ講ズル考デアル、又主要〓糧ニ
關シマシテ、此ノ主要〓糧ハ海ヲ隔テタ遠
隔ノ地ニ依存スルト云フガ如キコトハ避ク
ベキコトデアッテ、何處迄モ內外地ヲ通ズル
日本帝國內ニ於テ自給自足スルト云フコト
ヲ基礎ト致シテ、東亞共榮圈內ノ〓糧政策
ヲ樹立セネバナラナイト言明致サレタノデ
アリマス、尙他ノ農作物ニ付キマシテハ、
適地適作主義ヲ以テ進ム方針デアル、滿洲
開拓民ニ付キマシテハ、內地農村ニ適正規
模農家ヲ設定シテ、健全ナル農民人口ノ一
定數ヲ保有致ス上カラ致シマシテモ、滿洲
ヘノ分村ト云フコトハ缺クベカラザル條件
デアリマスノデ、既定ノ國策トシテ飽ク迄
モ是ガ遂行ヲ期スル考ヘデアル、而シテ南
方ニ對シマシテ、技術知識ニ重キヲ置キマ
シテ、指導者ヲ送ッテ指導ニ當ラシメル所
ノ方針デアル、大量ノ移民ヲ南ニ送ルト
云フヤウナコトハ考ヘテ居ラナイト云フ答
辯デアッタノデアリマス、又最近ノ食糧事情等
ニ關シマシテ、祕密會ニ於キマシテ詳細ニ甘
數字的ニ亙ッテ說明ガアッタノデアリマスル
ガ、是ハ玆ニ御報〓申上ゲル自由ヲ持タナ
イコトヲ遺憾ニ存ズルノデアリマス、現下
ノ輸送關係、又資材關係ニ於テ逼迫致シテ
居ルニモ拘リマセズ、或ハ緊急〓糧對策、
或ハ〓糧豫備貯藏等ノ實施ニ依リマシテ、
食糧ノ確保ニ付テハ何等不安ガナイト云フ
力强イ言明ガアッタコトヲ申上ゲテ置キマ
又、次ニ食糧管理法ニ依ル政府ノ米麥買入
又ハ賣渡價格ノ決定方法ニ關スル問題デア
リマス、特ニ買入ノ決定方法ニ付キマシテ
ハ、少クトモ生產費ヲ償ヒ、且生產農民ノ
勞苦ニ酬ユルダケノ價格ニシナケレバナラ
ヌノデアッテ、從來米穀統制法ニ於テ最低價
格ヲ決定シタ場合ノ如ク、中庸生產費ヲ基
礎トシテ定メルト云フ譯ニハ行カナイ、若シ
中庸生產費ヲ押サヘルト云フコトニナレバ
米作ノ維持ハ到底困難デアルシ、サレバト
言ッテ之ヲ最高生產費デ押サヘルト云フコト
ニナレバ高クナル、此ノ決定ハドウ云フ風
ニスル積デアルカト云フ質問ガアッタノデ
アリマス、之ニ對シマシテ政府ハ、從來ノ
生產費及家計費ノ調査ニ所要ノ改善ヲ致シ
マシテ、之ニ物價其ノ他ノ經濟事情ヲ參酌
致シテ決定ヲ致シ、特ニ買入價格ニ付キマ
シテハ、生產費ニ投下資本ノ利子ヲ加ヘ、
更ニ經營上ノ利潤ヲモ考慮致シテ、米麥ノ
生產維持ノ見地カラ適正價格ヲ決定スル考
デアル、但シ買入賣渡價格ニ付キマシテハ、
適當ノ基準方法ガ決定致サレル迄ハ差當リ
從來ノ例ニ依ッテ價格ヲ決定スル方針デア
ルト云フ答辯デアッタノデアリマス、次ニ食
糧營團ニ付テノ質問デアリマス、今囘設立
セラレムト致シマスル所ノ食糧營團ハ、營
利制ヲ脫却シタ所ノ公共的配給機關デアル
カラシテ、從來國策會社等ニ往々見ルガ如
キ非能率化、或ハ官僚化ヲ矯正致シテ、民
意ニ副フヤウニナサナケレバナラナイ、其
ノ爲ニハ政府ノ監督ヲ十分ニ徹底セシメ
テ、營團ノ役職員ノ責任ヲ明カニシ、或人
配給費用ノ嵩ミ、或ハ一般消費者ニ不利不便
ヲ與ヘルト云フコトノナイヤウニシテ貰ヒタ
イ、之ニ對スル政府ノ所見ハ如何ト云フ質
問ガアッタノデアリマス、政府ハ、營團ノ內
部ニ〓養訓練ノ方途モ講ジ、役職員ニ民間
ノ經驗者ヲモ加フルト共ニ、監督ヲ嚴正ニ
シテ其ノ運營ヲ適切ナラシムルヤウニ努メ
ルト云フコトデアリマシタ、〃次ニ木炭ノ增
產配給ニ關スル問題デアリマス、內
地ニ於ケル森林資源ハ、木材、木炭等
ノ增產ノ爲相當濫伐ノ傾向ガアルノデ、
今後ハ臺灣等ニ於テ木炭ヲ增產致シテ、
之ヲ內地ニ移入スルヤウニ致シテハド
ウデアルカト云フ質問ニ對シマシテ、政府
ハ臺灣ニ於ケル木炭ノ增產ニ關シテハ、
夙ニ計畫ヲ樹立致シテ居ル、本年度ニ於キ
マシテモ約二萬「トン」ノ木炭ヲ內地ニ移入
スル豫定デアッタガ、船腹不足ノ爲ニ豫定通
リノ入荷ヲ見ルコトハ困難デアルト云フ答
辯デアリマシタ、又現在木炭ノ產地ニハ相
當木炭ノ滯貨ガアルガ、之ニ對スル方策ハ
ドウデアルカト云フ質疑ニ對シマシテ、政
府ヨリ、木炭ノ山元カラ驛又ハ港迄ノ運搬ニ
付キマシテハ、學生、靑年團等ノ搬出、勤
勞奉仕施設ノ活用、或ハ「ガソリン」ノ特別
配給等ヲ行ツテ極力搬出ニ努メテ居ルノデ
アル、又產地カラ消費地ニ對スル輸送ニ付
キマシテハ、鐵道、遞信兩省ニ於テ優先的
ニ輸送ヲ圖ッテ居ルト云フコトデアリマシ
タ、次ニ農業團體統制ノ問題デアリマス、
農業團體ノ統制ニ關シマシテハ、屢〓、農林大
臣ノ言明モアリマシタコトデ、其ノ法案ハ
本議會ニ必ズ提案セラレルモノト豫想セラ
レテ居ッタニモ拘ラズ、其ノ提案ヲ見ナカッ
タ理由ハドウデアルカト云フ質問ニ對シマ
シテ、政府ハ、今議會ニ於ケル提出議案ハ
緒戰目的遂行ニ當ッテ迅速解決ヲ要スルモノ
ノミニ限定スルコトニナッタ爲ニ、其ノ提出
ハ之ヲ見合セタノデアル、併シ出來ルダケ
近イ機會ニ之ガ實現ヲ圖ル考デアルト云フ
言明ガアッタノデアリマス、又此ノ案ノ不提
出ハ內務省ニ反對ガアッタ爲デアルト云フ
ヤウナ風ニ一部傳ヘラレテ居ルガ、サウ云
フ事實ハアルノカト云フ問ニ對シマシテ、
內務次官ヨリ、兩省ノ間デ意見ノ交換ヲ進
メテ居ルノデアッテ、不提出ニ相成ッタコト
ハ、其ノ間ニ意見ノ扞格ニ依ッタ譯デハナイ
ノデアルト云フ辯明ガアッタノデアリマス、
此ノ外或ハ非常時用食糧ノ貯藏ノ問題ニ付
テ、或ハ魚類、甘諸等ノ配給ニ關シマシテ、
其ノ統制ヲ合理的ナラシムル方針ニ付テ熱
心ナル質疑モアリマシタ、更ニ農業保險制
度ノ改正ニ關スル問題、或ハ水產ノ統制、
食糧增產對策トシテノ技術指導、種苗ノ確
保、自給肥料ノ增產、內外地食糧行政ノ一
元化等ニ關シマシテノ重要ナル質疑應答ガ
アッタノデアリマス、詳シクハ速記錄ニ讓リ
タイト思ヒマス、委員會ハ十日ニ質疑ヲ終
了致シマシテ、直チニ討論ニ入ッタノデアリ
マス、討論ニ際シマシテ各委員ヨリ御陳述
ガアッタノデアリマス、我ガ國食糧ノ確保
ハ、長期戰態勢ノ整備ニ對シテハ最大緊要
事デアッテ、殊ニ米麥等ノ需給ヲ適正ナラシ
メルコトハ喫緊ノ急務デアルカラシテ、政
府ハ本案提出ノ趣旨ニ從ッテ、國民ヲシテ毫
モ〓糧不安ノ感ヲ抱カシメザルヤウ最善ノ
努力ヲ盡サレタイ、又國內農村ニアッテハ、
質ニ量ニ優秀ナル人口ヲ確保シテ、農村態
勢ヲ整ヘマスルト共ニ、政府ハ東亞共榮圈
指導ノ立場ニ立ッテ、其ノ人口食糧問題ノ解
決ニ努力ヲ致サレタイ、又此ノ法案成立ノ上
ハ、立法ノ趣旨ヲ能ク徹底セシメテ、農民
ヲシテ徒ニ萎縮セシメザルヤウ考慮サレタ
イ、ト云フヤウナ希望的意見ガ述ベラレ、
何レモ原案贊成ノ趣旨ヲ陳述致サレタノデ
アリマス、農林大臣モ、委員諸君ノ御希望
ノ趣旨ニ副フヤウ十分考慮スル旨ノ言明ガ
アッタノデアリマス、斯クテ採決ニ入リマシ
テ三案ノ採決ヲ致シ、全會一致可決スベキ
モノト決定致シタ次第デアリマス、以上御
報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=37
-
038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=38
-
039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=39
-
040・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=40
-
041・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=41
-
042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=42
-
043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=43
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044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報〓通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=44
-
045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=45
-
046・植村家治
○子爵植村家治君 直チニ各案ノ第三讀會
ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=46
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047・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=47
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048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 植村子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=48
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049・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=49
-
050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=50
-
051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=51
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052・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十、國民
體力法中改正法律案、日程第十一、國民醫
療法案、日程第十二、健康保險法中改正法
律案、日程第十三、國民健康保險法中改正
法律案、日程第十四、戰時災害保護法案、
政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委
員長報〓、是等ノ五案ヲ一括シテ議題ト爲
スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=52
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053・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 異議ナイト認メ
マン、委員長公爵島津忠承君
國民體力法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民醫療法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
健康保險法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民健康保險法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
戰時災害保護法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十日
委員長公爵島津忠承
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔公爵島津忠承君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=53
-
054・島津忠承
○公爵島津忠承君 只今議題ト相成リマシ
タ國民體力法中改正法律案外四件ノ特別委
員會ニ於ケル經過竝ニ結果ヲ御報告申上ゲ
マス、委員會ハ去ル五日開會致シマシテ、
正副委員長ノ互選ニ引續キ會議ヲ開キマシ
テ、最初ニ付託議案五案ニ付キマシテ、厚
生大臣ヨリ其ノ提案ノ理由ニ付詳細說明ガ
アリマシテ、次イデ各案ノ寮議ニ移ッタノデ
アリマス、先ヅ國民體力法中改正法律案ニ
付審議ノ經過ヲ御報〓申上ゲマス、國民體
力法ハ昭和十五年ニ制定セラレマシテ、
十五年度ニ於テ十七歲以上十九歲迄ノ男子
二百萬人、十六年度ニ於テ十五歲以上十九
歲迄ノ男子三百七十萬人ニ對シ、體力ノ檢
査ヲ行ッテ來タノデアリマスガ、現下ノ情勢
ニ鑑ミ、銃後ノ豫備的兵力竝ニ勞力ノ根本
的確保ヲ圖ル必要ガアリマシテ、之ガ對策
トシテ本法ヲ改正シ、體力管理ヲ一層徹底
セシメ、二十歲以上ノ男子ニ對シテモ體力
ノ管理ヲ實施シ、其ノ他體力檢査ノ方法、
內容、體力手帳ノ內容等ニ十分ノ改善ヲ加
ヘ、益〓、延延セムトスル結核ノ豫防對策ヲ徹
底スルト共ニ、一般虚弱者ニ對シテモ積極
的ニ體力ノ增强鍊成ヲ爲サムトスルモノデ
アリマス、以下質疑應答ノ主ナルモノヲ御
報〓申上ゲマス、質問ノ第一ハ、從來ノ體
力檢査ノ方法ニ付テハ尙不十分ノ點ガアル
ト思フガ、單ニ被管理者ノ範圍ヲ擴張スル
ヨリハ、寧ロ檢査ノ內容ヲ充實整備スルコ
トガ先決問題デハナイカトノ質問デアリマ
ス、之ニ對シ政府ハ、昭和十七年度ニ於テ
ハ追加豫算約三百萬圓ヲ計上シ、其ノ半額
以上ハ從來ノ被管理者ニ對スル檢査ノ內容
充實ニ當テル豫定デアッテ、之ニ併セテ被管
理者ノ範圍ノ擴張ヲ考慮シタ次第デアルトノ
答辯デアリマス、質問ノ第一一ハ、本法第二條ニ
依リ檢査ヲ受クル人數ハドノ位デアルカト
ノ質問ニ對シマシテ、政府ハ、附則ニ依リ更
ニ範圍ヲ限定シ、當分ノ內男子ノミトシ、其
ノ數ハ約七百二十萬人位ニナルト考ヘルト
ノ答辯デアリマス、質問ノ第三ハ、第四條第
一項ノ但書ノ命令ノ内容ニ付テデアリマス
ガ、之ニ對シ、體力檢査ガ徴兵檢査ノ施行期
日ニ接近シテ行ハレル場合ニ於テ、徵兵檢
査トノ重複ヲ避ケル爲、此ノ場合ノ體力檢
査ニ限リ之ヲ省略スベキ旨命令ヲ以テ定メ
ル豫定デアルトノ答辯デアリマシタ、次ニ
國民體力法ノ改正及ビ國民醫療法ハ、國民
ノ體力ノ向上及ビ醫療ノ普及ヲ目的トシタ
モノト思ハレルノデアルガ、是等ノ法案ヲ
審議スルニ際シ、國民保健ニ關スル政府ノ
根本國策ニ付テ厚生大臣ヨリ承リタイトノ
質問デアリマス、之ニ對シ厚生大臣ヨリ詳
細ナル御答辯ガアッタノデアリマスガ、玆ニ
其ノ大要ヲ申上ゲマス、大東亞戰爭ヲ完遂
シ、大東亞共榮圈ヲ確立スルト云フ爲ニハ、
國內ニアル豫備兵力、人的戰力ヲ十分ニ充
實スルト同時ニ、生產力擴充ト云フ重要業
務ニ對スル勞務ヲ確保スルト云フ、此ノ二
ツガ喫緊ノ要務ト考ヘルノデアッテ、此ノ二
ツノ目的ヲ達成スル爲ニ、先ヅ國民體力ノ
向上ヲ圖ルコトガ必要デアルト考ヘルノデ
アリマス、體力向上ノ爲ノ國民體力法ガ、
過去二年間實施セラレテ來タノデアリマス
ガ、之ヲ更ニ徹底シ、所期ノ目的ヲ達成シナ
ケレバナラナイノデアリマシテ、從來體力檢
査ハ年一囘デアリ、其ノ結果ヲ體力手帳ニ
記錄シテ來タノデアリマスガ、今囘之ヲ改正
シ、生レルト同時ニ其ノ出生當時ノ身體ノ
狀態ヲ體力手帳ノ第一頁ニ記載シ、爾後體
力檢査ノミニ限ラズ、學校工場等ニ於テノ
身體檢査ノ成績モ之ニ悉ク記入シテ、體力
手帳ヲ當人ノ健康履歷書ト云フヤウナモノ
ニシテ、之ニ依リ體力管理ノ完璧ヲ期シタ
イト考ヘルノデアル、今囘ノ改正ニ依リ、
體力檢査ハ出生ト同時ニ行ヒ、其ノ調ベハ
體力手帳ノ第一頁ニ記錄サレルノデアリマ
スガ、胎兒ノ時カラ、否其ノ子供ヲ預カル
母ノ體カラ强健ニシタイト云フ考カラ、姙
婦屆出制度ヲ設ケ、今日三十數萬ノ年々ノ
胎兒損失ヲ防グト共ニ、胎兒ノ時カラノ履
歷ヲ調べ、男子デアリマスルナラバ、二十
五歲迄ノ間ニ於テ健康履歷書ヲ完成シタイ
ト考ヘルノデアリマス、之ニ依リマシテ、
健康ノ者ニハ更ニ剛健ナル精神ト强靱ナル
肉體トヲ修鍊サセ、耐兵役者タラシメ、或
ハ時局的適任者トシテ、立派ニ働ケルヤウ
ナ身體ニシタイト考ヘルノデアリマス、又
虚弱者ニハ衣〓住其ノ他ノ指導措置ニ依リ
速カニ健康者ケラシメルヤウニ仕向ケナケ
レバナラナイノデアッテ、其ノ役割ハ保健所
ニ擔當セシメタイト考ヘ、從ッテ保健所網ヲ
擴充强化スルコトニ努メタイト考ヘルノデ
アリマス、又病者若シクハ當人ハ病者デア
ルト自覺シナイ者等ニモ、早期ニ之ヲ處理
治療セシメルコトガ必要デアリマス、之ガ
爲ニハ現在ノ醫療ノ內容ヲ向上セシメ、積
極的ニ適正ナ治療ヲ行ハナケレバナラナイ
ノデアッテ、國民醫療法案ヲ提出シタ次第デ
アリマス、以上ガ厚生大臣ノ答辯ノ要旨デ
アリマス、次ニ國民醫療法案ニ付テ御報〓
申上ゲマス、國民醫療法案ハ、現行醫師法
或ハ齒科醫師法ヲ、何レモ本法案中ニ統合
規定シ、其ノ內容ニ付若干ノ改正ヲ行フト
共ニ、新タニ必要ナル事項ヲ規定シ、又日
本醫療團ヲ設立セムトスルノガ其ノ骨子デ
アリマス、日本醫療團ノ目的ハ、結核ノ撲
滅ト無醫地域ノ解消トヲ目標トシマシテ、
更ニ併セテ醫療內容ノ向上ヲ圖ラムトスル
モノデアリマス、日本醫療團ハ其ノ目的ヲ
達成スル爲、先ヅ結核療養所十萬床ヲ目標
トシ、新タニ八萬床ヲ全國必要ナル地ニ急
速ニ新設シテ、之ガ經營ニ當ルト共ニ、無
醫地域ニ對シテハ其ノ急速ナル解消ヲ目
指シテ、診療所及ビ地方綜合病院ヲ新設
シ之ヲ經營スルト共ニ、旣存ノ醫療機關ヲ
モ或程度本團ノ經營ニ移シ、中央、地方ヲ
通ジタ最少限度ノ醫療組織體系ヲ整備セム
トスルモノデアリマス、質問ノ第一ハ六大
都市ニ於テハ市民ノ爲ニ社會事業的病院ヲ
經營シテ居ルノデアルガ、之ヲ日本醫療團
ニ將來統合スル考デアルカ、又市ノ經營ス
ル結核療養所ハ之ヲ統合スル考デアルカト
ノ質問ニ對シマシテ、自治體ノ厚生事業ハ
將來益〓育成助長セネバナラナイト考ヘル、
ソレ故ニ市ノ經營スル社會事業的病院ニ付
テハ、之ヲ日本醫療團ニ統合セシメザル所
存デアリマス、結核ニ付テハ、大體從來結
核豫防法ノ施行ニ依リマシテ、公立病院ヲ
原則トシテ指導シテ居ルノデアリマシテ、
現下ノ實情ガ結核ヲ速カニ豫防撲滅スル必
要ガアリマスノデ、日本醫療團ノ設立ニ依
リマシテ、是等公立ノ結核療養所ハ成ルベ
ク速カニ醫療團ニ統合セシメテ、一ツノ方
針ノ下ニ結核ノ撲滅ヲ圖リタイト考ヘマス
トノ答辯デアリマシタ、更ニ又濟生會、結
核豫防會、日本赤十字社等ノ療養所ハ、之
ヲ日本醫療團ニ統合スル考デアルカトノ質
問ニ對シマシテ、政府ハ公共團體ノ經營ス
ル結核療養所ハ、現在厚生大臣ノ命令ニ基
イテ設置セラレテ居ルノデアリマシテ、此
ノ建設費及ビ經常費ニ對シテハソレ〓〓補
助ヲナシテ居ルノデアリマスガ、醫療團ガ
設立サレタ後ニ於テハ、旣存ノ公共團體ノ
經營スル療養所ニ對シテ引續キ從來通リノ
國庫補助等ノ途ヲ講ズルコトハ、形ノ上カ
ラ行キマシテモ困難トナルコトデアリマシ
テ、本質ガ斯クノ如キ旣存ノ療養所ハ、寧
ロ新設サレル醫療團ニ統合シテ、一體ト
ナッテ目的ヲ達成スルコトガ適當ト考ヘル
ノデアリマス、濟生會等ノ病院、療養所等
ハ特殊ノ目的スルモノデアリ、之ヲ日本醫
療團ニハ統合スル考ハナイトノ答辯デアリ
マシタ、次ハ日本醫療團ニ於テ近イ將來ニ
十萬床ノ療養所ガ出來ルノデアルガ、此ノ十
萬床ニ惠者ヲ收容スル方法ニ付テハ如何ニ
スルカ、結核豫防法ハ此ノ機會ニ改正スル
意思ハナイカ、又軍事保護院關係ノ除役者
ノ療養所ト醫療團ノ療養所トノ關係ニ付テ
ノ質問デアリマス、之ニ對シマシテ當局ハ、
將來醫療團ノ療養所ニ收容スル患者ハ、其
ノ生活困難ナル者ニ對シテハ無料若シクハ
其ノ程度ニ應ジテ輕イ費用ノ診療ヲスルコ
トトシタイ、結核ノ爲ニ收容セラレタコト
ニ依ッテ其ノ家族ガ生活ニ困ラヌヤウニシ
ナケレバナラナイノデ、理想的ニ申スナラ
バ、結核豫防法ヲ改正シマシテ、其ノ收容
サレタニ依ッテ生ズル家族ノ生活ニ對シテ
ハ扶助ノ方法ヲ講ジナケレバナラナイト考
ヘルノデアリマスガ、只今ノ所デハ、醫療
保護法乃至ハ救護法ニ依ッテ極ク僅カナガ
ラモ途ヲ開イテ居ル狀態デアリマス、結核
豫防法ノ改正ニ付キマシテハ、一昨年來國
民體力審議會ニ於テ審議サレ、今年ノ初メ
ニ大臣ニ對シテ答申ガ爲サレタノデアリマ
スガ、豫防法全般ニ亙ル改正ハ今議會ニ提
案スルニ至ラナカッタノデアリマス、豫防
法改正ニ關スル答申ニ付キマシテハ、引續
キ之ヲ法制化スルコトニ努メタイトノ答辯
デアリマス、又軍事保護院ノ除役者ヲ收容
スル療養所ト、日本醫療團ヲシテ設立セシ
メル療養所トハ、其ノ間ニ密接ナ關係ガア
リマシテ、其ノ療養ノ方法指導等ニ付テ、
一ハ厚生省ノ直營スル所デアリ、一ハ厚生
省ノ指導監督ニ屬スルモノデアッテ、其ノ
間密接ナル連絡ヲ執ッテ行キタイト考ヘル、
現在此ノ療養所ハ病床ガ足リナイ狀況デ
アッテ、明年度ノ豫算ニモ相當數ノ增設ニ
關スル費用ヲ計上シテ居ルヤウナ狀況デ
アッテ、當分ノ間此ノ除役軍人ノ療養所ハ
存續スル考デアリ、大體將來ノ見透シノ付
イタ時ニ於テ日本醫療團ノ經營スル療養所
トノ關係ヲハッキリ定メタイト考ヘルトノ
答辯デアリマシタ、此ノ外結核ノ對策、其
ノ豫防、早期發見、治療方法等ニ付種々質
疑應答ガ重ネラレタノデアリマスガ、是等
詳細ハ速記錄ニ依ッテ御覽ヲ願ヒタイト存
ジマス、次ニ健康保險法中改正法律案及
國民健康保險法中改正法律案ニ付テ御報
告申上ゲマス、此ノ兩改正ニ依リマシテ、
勤勞者及其ノ家族ヲ對象トシテハ健康保
險制度ヲ普及シ、農山漁村民其ノ他一般
國民ヲ對象トシテハ國民健康保險制度ヲ
普及强化シ、以テ國民ノ大部分ヲ保險制
度ノ恩澤ニ均霑セシムルト共ニ、社會保
險ニ於ケル醫療其ノ他ノ給付內容ノ向上充
實ヲ圖ラムトスルモノデアリマス、質問
ノ第一ハ、健康保險組合ヲ將來トモ發達助
長サセル考デアルカトノ質問ニ對シマシテ、
工場鑛山等ニ於テ健康保險組合ガ設置セラ
レ健康保險ノ運營ニ當ルコトハ、政府管掌
ノ場合ヨリ一層良好ノ行屆イタ運營ヲナス
モノト考ヘル、將來トモ一層其ノ健全ナル
發達ニ努メタイトノ答辯デアリマシタ、次
ハ診療報酬等ニ付テハ、從來醫師會ト契約
シテ定メテ居ルヤウデアルガ、今後醫師會
トノ關係ハ如何ニスルカトノ質問ニ對シマ
シテ、從來ハ一般保險醫ノ診療費ニ付テハ
大日本醫師會トノ契約ニ依ッテ定メ、他ノ官
公立病院等トハ個々ニ契約ヲシタノデアリ
マスガ、本改正案ガ通過後ハ、厚生大臣ニ
於テ其ノ額ヲ定メルコトトナルノデ,アリマ
スガ、之ヲ定メルニ付テハ、醫師會ニ諮問シ
テ其ノ意見ヲ徵シテ之ヲ定メタイト思フ、
之ニ依ッテ醫師會トハ圓滑ニ事務ヲ運用シテ
行ケルト考ヘルトノ答辯デアリマス、次ノ
質問ハ、國民健康保險組合ニ赤字ノ出テ居
ル組合ガアルガ、之ガ對策ニ付テノ質問デ
アリマス、之ニ對シマシテ政府ハ、之ガ對
策ニ付テハ醫療內容ニ付テ先ヅ濫診〓療ニ
陷ルコトナキヤウ、保險醫竝ニ被保險者ヲ
指導シ或程度ノ規正ヲ加ヘルコトトシ、之
ニ依リ大部分ハ補塡ノ見込ハ立ツト考ヘル
トノ答辯デアリマシタ、更ニ濫診濫療ノ事
實ナキ眞ノ赤字ノ出ル組合ニ付テハ如何ニ
スルカトノ質問ニ對シマシテ、是迄ハ組合
ヲ普及スルコトガ急務デアッタ爲、組合ノ內
容ニ付十分ニ指導シ得ナカッタ憾ミガアリ
マスガ、本年ノ擴張ニ依リ組合ヲ增加スル
コトハ、略〓其ノ目的ヲ達スルノデアリマス
カラ、進ンデ內容ニ付視察檢討ヲ行ヒタイ
ト思フ、尙保險料ノ增率、年度末ニ於ケル
特別補助等ニ依リ財政ノ立直シニ努メタイ
上海)又廣ク產業組合等ヲシテ代行セシ
ムル途ヲ開イタコトハ、國民健康保險組合
ニ無理ヲナサシメナイコトニ役立ツト考ヘ
ルトノ答辯デアリマシタ、最後ニ戰時災害
保護法案ニ付テ御報〓申上ゲマス、本法案
ハ戰時災害ニ因リ危害ヲ受ケタ者、竝ニ其
ノ家族及遺族ニシテ帝國臣民タル者ヲ應急
的又ハ一定期間保護スルト共ニ、戰時災害
ニ因リ身體財產ニ危害ヲ受ケタ場合ニ給與
金ヲ支給スルコトヲ目的トスルモノデアリ
マス、質問ノ第一ハ、救助ニ關シ防空法ト
ノ關係及食料品ノ給與ニ關シ農林省トノ關
係如何トノ質問デアリマス、之ニ對シマシ
テ政府ハ、救助ニ於ケル收容施設ノ供與ト
ハ、罹災者ノ一時避難所及假設住宅ノ設置
デアリマシテ、防空ノ爲ノ避難所デハナイ
ノデアリマス、又食料品ノ給與ニ付テハ、
農林省ト連絡シ、食糧營團等ノ活動ニ依リ
遺憾チキヲ期シテ居ル、又防空法ニ依ル救
護ノ措置ト、本法ノ救助ニ於ケル醫療及助
產ノ關係ハ內務省ト連絡シ、又第七條ニ依
リ醫師ヲ從事セシメル等ノ方法ニ依リ、遺
憾ナキヲ期シテ居ルトノ答辯デアリマシテ、
第二ノ質問ハ、第七條ノ勅令ヲ以テ定ムル
者トハ何デアルカ、又第九條ノ施設及物資
ヲ保管セシムル者トハ何ヲ指スノデアルカ
トノ質問ニ對シマシテ、第七條ノ勅令ヲ以
テ定ムル者トハ、醫療關係者及建築關係技
能者ヲ豫定シテ居リ、又第九條ノ施設トハ、
旅館、料理屋、飮食店、病院等デアリマシ
テ、物資ヲ保管セシメル者トハ、食糧營團、
重要物資管理營團等ニ依ル保管ノミデハ足
ラナイ場合、地方長官ニ於テ必要トスル物
資ノ製造、販賣、保管ヲ業トスル者等ヲ指
スノデアリマストノ答辯デアリマシタ、第
三ノ質問ハ、第十八條第一項ノ勅令ヲ以テ
定ムル期間トハドノ位デアルカトノ質問ニ
對シマシテ、政府ハ、危害ヲ受ケタトキヨ
リ十年トスル積リデアルトノ答辯デアリマ
シタ、尙此ノ外種々重要ナル質疑應答ガ交
ハサレタノデアリマスガ、詳細ハ速記錄ニ
依リ御了承ヲ願ヒタイト存ジマス、五案ノ
質疑應答ヲ終リマシテ、討論ニ移リマ
シテ、先ヅ國民體力法中改正法律案及國
民醫療法案ヲ議題ト致シマシタ處、數名ノ
委員ヨリ發言ガアリマシテ、ソレ〓〓一二
ノ希望ヲ述ベラレテ兩案ニ贊成ノ意ヲ表サ
レタノデアリマス、此處ニ其ノ大要ヲ纏メ
テ申上ゲタイト思ヒマス、此ノ度新タニ計
畫サレタ醫療團ノ仕組ハ、醫療體系ノ上ニ
畫期的ノ大變革ヲ齎スモノデアッテ、其
ノ實施運用スル上ニ周到ナル注意ヲ願ヒ
タイノデアル、又結核ノ撲滅ト云フ事柄ハ
此ノ醫療團ノ目的ノ一ツデアッテ、其ノ計畫
ノ實施ニ際シ、地方民ト長イ間情誼ト信賴
トヲ持ッテ居ル所ノ地方當局ト、十分ナル理
解ト連絡ヲ保タレムコトヲ希望スル、又從
來關係ノ深カッタ政府、府縣、市町村等ノ醫
療方面ノ仕事ガ醫療團ノ方ニ大部分移ルヤ
ウナ結果、是等ニ從來携ッテ居タ人々ノ此ノ
結核撲滅ニ對スル熱意ガ少クナラナイヤ
ウ、一層强イ熱意ヲ以テ此ノ撲滅ニ當ラレ
ルヤウ御指導ヲ願ヒタイ、又醫療團經營ノ
病院其ノ他醫療機關ガ民衆ニ接スル場合ニ
ハ親切ヲ旨トシ、所謂官僚的ニナラヌヤウ
當局ノ御指導ヲ希望スルモノデアル、國民
體力法ニ付テハ、體力檢査ノ統一適正ト云
フコトガ極メテ必要デアッテ、此ノ檢査ノ總
括的ノ結果ニ依ッテ國策ヲ立テラレナケレ
バナラナイノデアリマスカラ、當局ニ於テ
ハ一日モ早ク保健所ノ擴充ヲ圖ラレ、而モ
其處ニ最モ訓練サレタ所長ヲ配置シテ、ソ
レヲ中心トシテ檢査ノ統一適正竝ニ其ノ適
切ナル指示ヲ與ヘラレルト云フコトニ御努
力ヲ願ヒタイノデアリマス、次ハ兩案ハ我
ガ國ノ。現下ノ時勢ニ卽應シテ誠ニ適切ナル
モノト考ヘルガ、就中醫療法案ハ〓期的法
律案ト謂フベキモノデアル、茲ニ書期的ト
云フノハ、必ズシモ機構トカ組織トカ外形
的ノコトヲ言フノデハナク、寧ロ是ガ取上
ゲラレタ其ノ取扱ヒ方ノ精神ニ付テ申スノ
デアリマス、卽チ從來保健衞生ト云フコト
ハ、之ヲ取扱フ事務當局ト致シマシテハ熱
心ニ當ッテ居マシタノデアリマスガ、政治界
ニ於テハ寧ロ從タル地位トシカ認メラレナ
カッタノデアリマス、保健衞生ハ醫師ダケニ
委セテ置カズ、社會モ亦關心ヲ持チ、寧ロ
國民總テガ醫ノ心ヲ持タナケレバナラナイ
ト云フ、斯ウ云フ趨勢ノ下ニ此ノ法案ガ生
レテ來タト云フ所ニ畫期的意味ガアルト考
ヘルノデアリマス、如何ナル法案ト雖モ、
其ノ運用如何ト云フコトガ非常ニ重大ナコ
トデアルガ、殊ニ此ノ醫療法ノ實施乃至運
用ニハ强大ナル權力ガ働クモノデアリ、且
ソレハ可ナリ立入ッタ統制ガ醫界ニ加ヘラ
レルモノデアリマス、凡ソ統制ノ要諦ハ、
徒ニ締制ノ爲ノ統制デアッテハナラナイノ
デアリマス、特ニ醫界ニ對スル統制ニ依リ
マシテ、良イ眞面目ナ醫者ガ抑ヘラレ、又
惡イ狡イ者ガ統制ノ名ニ隱レテ恣意ヲ逞シ
ウセヌヤウ、萬全ノ御注意ヲ願ヒタイノデ
アル、ソレ故ニ當局ニ於テハ、本案ガ立案
サレ、又是ガ通過竝ニ成立ニ一方ナラヌ努
力ヲ拂ハレマシタ其ノ御努力以上ノ努力
ヲ、特ニ此ノ運用竝ニ實施ニ付テ拂ッテ戴キ
タイコトヲ切望スル次第デアリマス、大體
以上ノヤウナ希望ヲ述ベラレ、各委員ハ兩
案ニ贊成ノ旨ヲ述ベラレマシテ、採決ノ結
果、兩案ハ全會一致ヲ以テ原案通リ可決セ
ラレタノデアリマス、次ニ健康保險法中改
正法律案、國民健康保險法中改正法律案、
戰時災害保護法案ニ付キマシテハ何等ノ發
言モナク、採決ニ移リ全會一致ヲ以テ三案
共何レモ原案通リ可決セラレタ次第デアリ
マーハ、以上御報告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=54
-
055・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、五案ノ採決ヲ致シマス、五案ノ第二
讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=55
-
056・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=56
-
057・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=57
-
058・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=58
-
059・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=59
-
060・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=60
-
061・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 五案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、五案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=61
-
062・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=62
-
063・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=63
-
064・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=64
-
065・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=65
-
066・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=66
-
067・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 五案ノ第三讀會
ヲ開キマス、五案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=67
-
068・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、是ニテ休憩ヲ致シマス、午後一時
ヨリ開會致シマス
午前十一時五十一分休憩
午後一時二十三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=68
-
069・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報〓ヲ致サ
セマス
〔高山書記官朗讀〕
本日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案
ハ直チニ裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議院
ニ通知セリ
南方開發金庫法案
國民更生金庫法中改正法律案
帝國石油株式會社法中改正法律案
重要物資管理營團法案
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
帝國燃料興業株式會社法中改正法律案
米穀需給調節特別會計法中改正法律案
木炭需給調節特別會計据置運轉資本臨時
補足ニ關スル法律案
食糧管理法案
國民體力法中改正法律案
國民醫療法案
健康保險法中改正法律案
國民健康保險法中改正法律案
戰時災害保護法案
本日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
所得稅法中改正法律案可決報〓書
法人稅法中改正法律案可決報告書
所得稅法人稅內外地關涉法中改正法律案
可決報告書
相續稅法中改正法律案可決報〓書
織物消費稅法中改正法律案可決報告書
物品稅法中改正法律案可決報告書
電氣瓦斯稅法案可決報告書
廣〓稅法案可決報〓書
馬券稅法案可決報〓書
印紙稅法中改正法律案可決報〓書
臨時利得稅法中改正法律案可決報〓書
特別法人稅法中改正法律案可決報〓書
營業稅法中改正法律案可決報告書
臨時租稅措置法中改正法律案可決報〓書
國庫出納金端數計算法中改正法律案可決
報告書
戰時災害國稅減免法案可決報告書
所得稅等ノ日滿二重課稅防止ニ關スル法
律案可決報告書
地方分與稅法中改正法律案可決報〓書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=69
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070・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 是ヨリ休憩
前ニ引續キ會議ヲ開キマス、日程第十五、
日本銀行法案、日程第十六、戰時金融金庫
法案、日程第十七、臨時資金調整法中改正
法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會
ノ續、委員長報告、是等ノ三案ヲ一括シテ議
題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=70
-
071・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長溝口伯爵
日本銀行法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
戰時金融金庫法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時資金調整法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵溝日直亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=71
-
072・溝口直亮
○伯爵溝口直亮君 只今議題ニ供セラレマ
シタ日本銀行法案外二案ノ特別委員會ニ於
キマスル經過竝ニ結果ヲ御報告致シマス、
此ノ三案ハ本月六日ヨリ九日ニ亙リ、三囘
委員會ヲ開會致シマシテ、何レモ政府原案
ヲ可決致シマシタ、是ヨリ各案ニ付キマシ
テ逐次委員會ノ模樣ヲ申述べタイト存ジマ
ス、先ヅ最初ニ日本銀行法案、本法案ノ改
正ノ主點ハ三ツゴザイマス、第一ハ、日本
銀行ニ今ノ日本銀行ヨリモモット公的ノ性
質ヲ附與スルコト、第二ハ、日本銀行ノ業
務ヲ擴張致シマシデ投資其ノ他ニ付テ今迄
ヨリモ多イ權能ヲ與ヘマス、第三ハ、兌換
制度ヲ改正致シマシテ所謂金本位ヲ離脫ス
ルト云フ此ノ三點ニゴザイマス、次ニ質問
應答ノ中ノ主ナルモノヲ申上ゲマス、可ナ
リ日本銀行法案ニ付テハ質問應答等ハ多分
ニゴザイマシタ、只今此處デ全般ニ亙ッテ申
上ゲルコトハ省キマシテ、ドウゾ速記錄ニ
付テ御承知ヲ願ヒタイト存ジマス、質問ノ
第一ハ、日本銀行ノ性質ニ付テ、是ハ性質
ハドウデアルカト云フ間ニ對シマシテ、政
府ハ民法ニ規定スル所ノ社團若シクハ財團
法人デモナケレバ、又商法ニ規定スル會社
デモナイ
〔議長伯爵松平賴壽君議長席ニ著ク〕
所謂一種ノ特殊法人デアル、併シナガラ本
法ノ第一條、第二條ニ規定スル所ハ、全然
公的ノ性質デアルケレドモ、其ノ公的ノ性
質ト云フノハ一般的ノ性質ヲ言フノデアッ
テ、個々ノ行爲ニ付テハ商行爲ガ含ンデ居
ル、卽チ其ノ行爲ニ付テハ商人ト看做スベ
キモノデアッテ、從ッテ商法ノ規定ヲ適用サ
レルモノデアルト云フ御答デゴザイマシ
タ、其ノ次ニ問題トナリマシタノハ、日本
銀行ノ資本金ガ今回增シマシテ一億ニナリ
マシタガ、是ハ東亞共榮圈ノ中樞ノ銀行ト
シテハ、餘リニ小サイモノデナイカト云
フ質問ニ對シマシテ、政府ハ、今迄ノ各國
ノ中央銀行其ノ他ノ總テ模樣ヲ見テモ敢テ
小サイトハ思ハナイ、是デ大體ニ於テ差支
ナイモノダト云フ御答デゴザイマス、ソレ
カラ最モ問題ニナリマシタノハ、金兌換制度
卽チ金本位ヲ離脫スルト云フロドニ付テノ
御質問ガ、各種ノ方面カラ色々ナル形式ヲ
以テ質疑應答ガ行ハレマシタガ、ソレハ
一々申上ゲマセヌデ、寧ロ大藏大臣ガ本間
題ニ付テ言明サレタ所ヲ綜合シテ申上ゲタ
方ガ、却テ御了解ニ都合ガ好イカト在ジマ
ス、從ヒマシテサウ云フ點カラ申上ゲタイ
ト存ジマス、大藏大臣ハ、金本位ト云フモ
ノヲ實際ニ於テ離脫シタノハ、旣ニ遠イ十
年モ昔ノ昭和七年ノ時ニ金ノ價格ヲ改定シ
タ時カラシテ、實際ノ圓ト金ト云フモノハ、
貨幣法其ノ他ニ於テ規定スルガ如キ兌換劵
ノ性質トハ實際ハ變ッテ來テ居ルノダ、唯是
ハ、今囘ニ於テ之ヲ明カニシタノハ色々理
由ガアルコトデアル、元來今ノ考カラ申シ
マスト、貨幣ト云フモノガ金ノミト直接關
聯ヲシテ行クト云フノハ、寧ロ古イ考デア
ル、今ノ所カラ言ヘバ國ノ持ッテ居ル總力ト
比較スベキモノデアツテ、國ノ信用ト云フ
モノガ基礎ニチルノデアル、從ッテ金ト云フ
モノノ重要性ハ敢テ昔ト變ラナイ、卽チ金
ハ一ツノ賣買スベキ物トシテノ性質ハ變
ラナイガ、併シ是ノミヲ以テ貨幣ノ價値ヲ
決メルト云フコトハ適當トハ思ヘナイ、ゾ
コデ此ノ日本銀行法ヲ改正シタノニハ主ナ
所ニハ三ツ理由ガアル、第一ハ、元來ノ日
本銀行條例ト云フモノハモウ既ニ非常ニ長
イ年月ヲ經テ居ルモノデ、其ノ規定其ノ他
ニ於テハドウシテモ現時ノ要求ニ合ハナイ
モノガアルシ、法文等ニ於テモ整理シナク
チヤナラナイモノガアルカラシテ、此ノ際
改正スルノガ至當デアル、ソレカラ第二ニ
ハ、此ノ度東亞共榮圈、是等ノ經濟ノ中心
トナッテ日本ガ働カナケレバナラヌガ、此ノ
共榮圈中ニハ、マダ金本位ト云フコトヲ、
固執スルト云フカ若シタハ國民ノ中ニ其ノ
思想ガ浸潤シテ居テ容易ニ拔ケ切レナイモ
ノガアル、之ヲ是正スル爲ニハ、日本ニ於
テ明カニ之ヲ示シテ、ソレニ依ッテソレ等ノ
國民ヲ指導シテ行ク必要ガアルノデアル、
ソレカラ其ノ次ニハ、此ノ度ノ大東亞戰爭
ト云フモノハ屢〓政府ニ於テ申シタ通リニ、
長期ニ亙ルモノデアルカラシテ、戰爭ノ歸
結ガ付イテカラ本改正ヲ行フト云フコトハ
時期ヲ失スル虞ガアル、是等ノ點ニ於テ、
今日尙東亞共榮圈ノ範圍若シクハ其ノ機
構總テガ決ラナイ裡ニ於テモ、先ヅ是ハ
確定シテ置カナクチヤナラヌ、改正シナケ
レバナラナイ法律ノ一ツデアルト云フユ
ト、ソレカラ次ニ、制限外發行ニ付キマシ
テ種々御問答ガゴザイマシタ、或人ハ、此
ノ金本位離脫、卽チ今囘ノ銀行劵ニ付テ次
ノヤウナ𣏌憂ヲ持ッデ居ル、卽チ必要ガアッ
タナラバ幾ラデモ紙幣ヲ出シテソレデ決濟
ヲスル、サウシタナラバ自然ニ「インフレ」
モ起ラウシ、國ノ財政經濟總テノ機構ニ於
テ色々不都合ナ事ガ起リハシナイカト云フ
杞憂ヲ持ッデ居ル人ガ世間ニハアル、是等ニ
付テ政府ノ所見ハドウデアルカト云フヤウ
ナ御質問ニ對シマシテ、大藏大臣ハ、元來
是ハ餘程、根本ノ方策トシテハ、國ノ持ッテ
居ル所ノ總テノ資材ソレカラ勞力其ノ他ノ
モノト、需要トヲ睨ミ合シテヤッテ行ク、卽
チ物動計畫ニ於テ今日實施シテ居ルガ如キ
事柄ニ依ッテ、ソレヲ合シテ行クコトニ依ッ
テ、此ノ戰時ノ根本方策ト云フモノガ決ル
モノデアルソレニ、政府ニ於テ非常ニ奬
勵シテ居ル所ノ國民貯蓄ノ奬勵、卽チ出タ
所ノ通貨ヲ吸收スル、是等ノ二ツノコトガ
間違ナク行ッタナラバ、假令一時通貨ガ膨脹
シヨウガ、又多クノ國債社債ト云フモノガ
發行サレヤウトモ、決シテ「インフレ」ニナル
虞ハナシ、又將來ノ財政經濟其ノ他ノ諸點
ニ於テ破綻ヲ生ズル虞ハナイト思フ、要ス
ルニ國民トシテハ、何處迄モ此ノ貯蓄ヲ實
行シ、ソレニ依ッテ總テノ餘ッテ居ル通貨ヲ
吸收シテ有用ナ方面ニ向ケ、一方ニ於テハ
需要トソレカラ資材及勞力ノ現有量トヲ睨
ミ合シテ、ソレデヤッテ行ッタナラバ、決シ
テ間達ハナイコトト思フト云フ御答デゴザ
イマシタ、其ノ他支那及滿洲ニ於ケル產業
資金ノ問題、ソレカラ支那内地ニ於ケル通
貨ノ問題、ソレカラ爲替決濟ノコト、ソレ
カラ佛印、日「タイ」間ニ於ケル貿易ノ件、南
方諸邦トノ爲替決濟ノ件ニ付テ質問應答ガ
ゴザイマシタガ、大部分ハ筆記ヲ省略致シ
マシタノガゴザイマスノデ、其ノ點ニ付テハ
此處デ申上ゲラレマセヌ、尙日本銀行法ニ
關スル法律上ノ見解ニ付テ色々詳シイ御質
問ガゴザイマシタ、政府ヨリソレ〓〓答解
ガゴザイマシタガ、是モ速記錄ニ讓リタイ
ト存ジマス、斯クノ如クシテ日本銀行法ハ
質問ヲ終リマシテ、討論ニ入リマシタ處ガ、
一委員ヨリシテ次ノヤウナ修正意見ガ出マ
シタ、卽チ「第三十二條第五項ニ左ノ但書ヲ
加ブ」、其ノ但書ハ「但シ第二項第六號ノ金
地金(金貨ヲ含ム)ハ當分ノ內純金ノ量目二
百九十ミリグラムニ付一圓ノ割合ヲ以テ評
價スベシ」、之ニ付テ發議者ハ、金本位離脫
ト云フコトバ分ッテ居ルガ、唯圓ト言ッタ所
デドウモ標準ガ付カナイカラ、何カ標準ヲ
置キタイト思フ、ソレニ對シテ大藏當局ハ
金ノ買上値段ト云フモノハ當分ノ內元ノ儘
ニ据置ク積リデアルト云フ言明ヲサレタカ
ラシテ、此ノ言明ニ依ッテ此ノ但書ヲ加へ、
圓ノ凡ソ此ノ位ダト云フ標準ヲ決メタ方ガ
宜イト云フ御考デ、此ノ修正意見ヲ出サレ
マシタ、處ガ之ニ御贊成者ガゴザイマセヌ
デ、動議ハ成立致シマセヌデゴザイマシ
タ、次イデ採決ニ入リマシテ、別ニ異論ナ
ク政府原案通リ滿場一致デ可決致シマシタ、
次ニ戰時金融金庫法案ニ付テ申上ゲマス、
戰時金融金庫ハ、只今迄戰時必要ナル融資
ニ付テハ命令融資ヲ以テ興業銀行カラ資金
ヲ貸出シテ居リマシタガ、ソレハ個々ノ場
合ニ付テノ問題デアッテ、之ヲ一般的ニ戰時
必要ナル金融、卽チ工業ノ充實、或ハ未動
遊休設備ノ利用トカ、ソレカラ總テノ點ニ
於テ一般的ニ政府ノ保證スル金融機關ガ必
要デアルト云フノデ設ケラレタモノデゴザ
イマス、之ニ付テ質疑應答ノ矢張リ大要ヲ
申上ゲマスト、ドウモ此ノ金庫ノ貸出スモ
ノハ所謂惡質ノ貸付ガ多クナルノデハナイ
カト云フ御問ニ對シマシテ、政府ハ、ソレ
ハ勿論此ノ金庫ノ目的ト致シマシテ比較的
危險率ノ多イモノニ貸出スノハ當リ前デ
アルガ、戰時必要ナルモノデ、之ヲ實
行スルモノニハ、決シテ惡質ト云フ名
前ヲ附ケルノニモ及バナイト思フ、ソレカ
ラ此ノ本金庫ト產業設備營團及命令融資ノ
兩者トノ關係ニ付テモ二三質疑應答ガアリ
マシタ、ソレカラ次ニ、戰時金融金庫法ト
云フ名デアッテ、其ノ第一條ニ於テ「戰時ニ
際シ」ト云フガ、今迄ノ法律ニ於テ戰時ニ際
シト云フ場合ニハ、戰爭ガ濟ンダナラバ此
ノ法律ト云フモノハ施行シナイト云フ風ナ
コトニナッテ居ルノダガ、此ノ金庫ト云フ
モノハ、假令戰爭ガ濟ンデモ直グソレヲ止
メタナラバドウニモナルマイト思フガ、政
府ノ所見ハドウデアルカト云フ質問ニ對シ
テ、政府ハ御尤デ、其ノ通リデアル、戰爭
終結スルモ卽時本金庫ハ解散スルト云フ考
デハナイ、善後ノ措置ヲシナケレバナラズ、
尙ソレカラ續ケナクチヤナラナイ仕事モア
ル、ガ併シ戰爭ガ濟ンダナラバ、新タニ融
資ヲスルトカ、新タニ仕事ヲスルトカ云フ
ヤウナコトハシナイケレドモ、今迄ヤッタ仕
事ノ善後措置、若シクハ其ノ片ヲ付ケルコ
ト、ソレ等ニ付テハ尙戰爭ガ濟ンデモ本法
ガ働クト思フ、尙戰後ノ經營其ノ他ニ於テ
色々本金庫ノ如キモノノ必要ヲ感ズルノハ
勿論デアルガ、是ハ又別ニ新タナ立法ヲス
ルカ、若シクハ本法ヲ改正シテ別ノ手段ヲ
講ズル必要ガアラウト思フト云フ御答デゴ
ザイマシタ、次ニ臨時資金調整法中改正法
律案、是ノ大體ノコトヲ申上ゲマスト、此
ノ改正ノ主點ハ色々ゴザイマスガ、最モ主
ナコトヲ申上ゲマスト、興業債劵ノ發行限
度ヲ二十億圓ヨリ五十億圓ニ擴張スルコト
ガ一ツ、ソレカラ商工債劵ノ發行限度ヲ擴
張シ、五千萬圓ヲ限リテ超過發行ヲスルコ
トガ出來ルヤウニシタコトガ一ツ、ソレカ
ラ貯蓄債劵ノ發行限度ヲ十億圓ヨリ二十億
圓ニ、報國債劵ノ發行限度ヲ五億圓ヨリ十
五億圓ニ擴張スルコトガ一ツ、ソレカラ貯
蓄債券ノ劵面金額ガ二十圓以下デアルノヲ
三十圓以下ニ引下ゲ、又報國債劵ノ抽籤ヲ
每年一囘以上行フコトヽアル制限ヲ撤廢シ
ク、其ノ他チヨイ〓〓シタコトハゴザイマ
スガ、今申上ゲタ點ガ主ナルモノデゴザイ
マス、之ニ付テ政府カラ詳シイ其ノ理由ノ
御說明ガゴザイマシタガ、要スルニ現行ノ
規定ニ依リマス金額デハ足リナイカラシテ、
ドウシテモ是ダケ引上ゲナケレバ將來ノ需
要ニ應ズルコトガ出來ナイト云フノガ、主
ナル理由デゴザイマス、之ニ付キマシテノ
質疑應答ノ主ナルモノヲ申上ゲマスト、第
一、國債ガ今度本議會デ定メラレマシタ
額デモ可ナリ莫大ナ額ニ上ッテ居ル、其ノ上
ニ必要ナル社債其ノ他ガ隨分出ナクチヤナ
ラナイガ、是等ノ償還ニ付テハ御懸念ハナ
イダラウカト云フ御質問ニ對シマシテ、大
藏大臣ヨリ、只今デハモウ公債モ社債モ總
テ戰爭遂行ノ爲ニ必要ナル資金ト云フモノ
ハ同一ニ看做シテ居ル、ソレデ物動計畫ニ
依ッテ資金計畫ヲ樹テヽ、之ニ必要ナル金ハ
決シテ日本銀行劵ヲ增發スルコトニ依ラナ
クッテモ十分調達ガ出來ル見込デアリ、是ガ
爲ニハサッキ日本銀行法デ申上ゲタ通リニ
國民貯蓄奬勵ガ最モ必要デアル、公債、社
債等ノ調達ニ付テハ決シテ御心配ハナイト
云フ御答デゴザイマシタ、其ノ他尙二三質
問應答ガゴザイマシタガ、是ハ速記錄ニ付
テ御覽ヲ願ヒタイト存ジマス、以上ノ質問
應答ガ濟ミマシタ後ニ、戰時金融金庫法案
竝ニ臨時資金調整法中改正法律案、此ノ二
案ヲ一括シテ議題ニ供シマシテ、討論ニ移
リマシタ處、是亦御發言ガゴザイマセヌ、
次イデ採決ニ移リマシテ、二案トモ滿場一
致ヲ以テ政府原案ヲ可決承認ヲ致シマシ
タ、右御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=72
-
073・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言ガナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=73
-
074・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=74
-
075・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=75
-
076・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=76
-
077・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=77
-
078・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=78
-
079・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問
題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報告通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=79
-
080・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=80
-
081・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=81
-
082・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=82
-
083・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=83
-
084・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=84
-
085・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=85
-
086・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=86
-
087・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十八、昭
和十五年度歲入歲出總決算、昭和十五年度
各特別會計歲入歲出決算報〓、日程第十
九、昭和十五年度國有財產增減總計算書報
〓、會議、委員長報告、是等ノ二件ヲ一括
シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=87
-
088・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、決算委員長小畑男爵
昭和十五年度歲入歲出總決算竝昭和十五
年度各特別會計歲入歲出決算及既往年度
檢査未確定金額ノ檢査確定シタルモノヲ
審査シ
第
昭和十五年度歲入歲出總決算歲出臨
時部農林省所管第十一款災害其他施
設費第三項助成費中農林省ノ支出ニ
係ル件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算遞信省所管通信事業業務勘定歲出
第一款通信業務費第三項諸拂戾及補
塡金中貯金局ノ支出ニ係ル件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道資本勘定歲出
第一款鐵道建設改良及自動車線設備
費第一項鐵道建設費中鐵道省ノ支出
ニ係ル件
昭和十三年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲出臨時部
第六款土木費第三項治水事業費中朝
鮮總督府內務局京城土木出張所ノ支
出ニ係ル件
昭和十四年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲出經常部
第二十一款營林署第二項事業費中新
義州營林署ノ支出ニ係ル件
右ハ政府ノ措置適切ナラザルモノト認ム
第二
昭和十五年度歲入歳出決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中神田
橋稅務署ノ徵收ニ至ラサリシ件、姬
路稅務署ノ徵收不足ニ係ル件、住吉
稅務署、和歌山稅務署、神戶稅務署
ノ徵收過ニ係ルモノ三件、第五項營
業收益稅中姫路稅務署ノ徵收不足ニ
係ル件、神戶稅務署ノ徵收過ニ係ル
件、第三款官業及官有財產收入第一
項森林收入中靑森外五營林局ノ徵收
ニ係ル件、第九項刑務所收入中豐多
摩外十七刑務所ノ徵收ニ係ル件、第
六款雜收入第三項辨償及違約金中遞
信省經理局大阪出張所ニ於テ歲入ニ
編入スヘキ件、第十二項雜入中農林
省ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件、德島
縣ニ於テ歲入ニ編入スヘキ件
昭和十五年度歲入歳出總決算歲入臨
時部第一款臨時利得稅第一項臨時利
得稅中姫路稅務署ノ徵收不足ニ係ル
件、住吉稅務署、神戶稅務署ノ徵收
過ニ係ルモノ二件
昭和十五年度歲入歳出總決算歲出經
常部司法省所管第三款刑務費第三項
收容費中函館刑務所ノ支出ニ係ル
件
昭和十五年度歲入歳出總決算歲出臨
時部農林省所管第一款產業振興費第
二項開墾及土地改良費中農林省ノ支
出ニ係ル件
昭和十五年度歲入歲出總決算歲出臨
時部遞信省所管第六款金鑛山送配電
助成施設費第一項金鑛山送配電助成
施設費中熊本遞信局ノ支出ニ係ル
件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管印刷局歲出第一款印刷
局作業費第二項事業費中內閣印刷局
ノ支出ニ係ル件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管關東局歲入經常部第五
款雜收入第七項雜入中關東局ノ收入
未濟ニ係ル件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算鐵道省所管帝國鐵道資本勘定歲出
第一款鐵道建設改良及自動車線設備
費第一項鐵道建設費中鐵道省ノ支出
ニ係ル件
同上用品勘定歲出第一款用品及工作
費第一項用品及工作費中鐵道省ノ支
出ニ係ルモノ二件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中大田稅務
署、平壤稅務署、平壤稅務署、海州稅
務署、京城稅務署ノ徵收不足ニ係ル
モノ五件、第七項相續稅中京城稅務
署ノ徵收不足ニ係ル件、歲入臨時部
第三款臨時利得稅第一項臨時利得稅
中大田稅務署、平壤稅務署、平壤稅務
署、京城稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ
四件、歲出臨時部第三十八款時局對
策施設諸費第二十六項石炭增產施設
諸費中朝鮮總督府ノ支出ニ係ル件
昭和十五年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管臺灣總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中臺北州ノ
徵收不足ニ係ル件、歲入臨時部第七
款臨時利得稅第一項臨時利得稅中臺
北州ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十二年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中幸橋
稅務署、神田橋稅務署、神田橋稅務
署ノ徵收不足ニ係ルモノ三件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款和稅第一項所得稅中澁谷
稅務署、館林稅務署、兵庫稅務署、
幸橋稅務署、四谷稅務署、八王子稅
務署、水道橋稅務署ノ徵收不足ニ係
ルモノ七件、京橋稅務署、淀橋稅務
署、東稅務署ノ徵收過ニ係ルモノ三
件、第三項營業收益稅中淀橋稅務署
ノ徵收過ニ係ル件
昭和十三年度歲入歲出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得稅第一項臨時利
得稅中東稅務署ノ徵收過ニ係ル件、
松戶稅務署ノ徵收不足ニ係ル件
昭和十四年度歲入歲出總決算歲入經
常部第一款租稅第一項所得稅中西稅
務署、龜戶稅務署、幸橋稅務署、上
京稅務署、西宮稅務署、龜戶稅務署、
水道橋稅務署、四谷稅務署、日本橋
稅務署、東稅務署、水道橋稅務署、
東稅務署、西宮稅務署、高崎稅務
五、、西宮稅務署、水道橋稅務署、龜
戶稅務署、水道橋稅務署、龜戶稅務
署、名古屋南稅務署、水道橋稅務署、
王子稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ二
十二件、龜戶稅務署、玉造稅務署ノ
徵收過ニ係ルモノ二件、第三項營業
收益稅中高崎稅務署、水道橋稅務署、
王子稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ三
件
昭和十四年度歲入歲出總決算歲入臨
時部第十款臨時利得稅第一項臨時所
得稅中高崎稅務署、水道橋稅務署、
王子稅務署ノ徵收不足ニ係ルモノ三
件、玉造稅務署ノ徵收過ニ係ル件、
厩橋稅務署ノ徴收不足ニ係ル件、水
道橋稅務署ノ徵收過ニ係ル件
昭和十四年度各特別會計歲入歲出決
算大藏省所管關東局歲入經常部第一
款租稅第三項所得稅中大連稅務署ノ
徴收不足ニ係ル件
昭和十四年度各特別會計歲入歲出決
算拓務省所管朝鮮總督府歲入經常部
第一款租稅第一項所得稅中京城稅務
署、雄基稅務署、惠山鎭稅務署、仁
川稅務署、雄基稅務署、群山稅務署、
京城稅務署、京城稅務署、雄基稅務
署ノ徵收不足ニ係ルモノ九件、歲入
臨時部第三款臨時利得稅第一項臨時
利得稅中仁川稅務署、京城稅務署ノ
徵收不足ニ係ルモノ二件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第三
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ及報〓候也
昭和十七年二月四日
委員長男爵小畑大太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十五年度國有財產增減總計算書ヲ審
査シ
第一
官有吻中臺灣總督府ニ於テ臺中州北
斗郡砂山庄漢寶園所在官有原野ノ豫
約賣渡ニ當リ無償貸付ヲ爲シタル件
(既往年度)
臺灣總督府臺東廳ノ徵收ニ係ル臺東
郡臺、東街旭村所在官有原野豫約賣渡
ニ關スル件
右ハ政府ニ對シ將來ノ注意ヲ促スベキモ
ノト認ム
第二
其ノ他異議ナシ
右ノ通議決セリ依テ報告候也
昭和十七年二月四日
委員長男爵小畑大太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔男爵小畑大太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=88
-
089・小畑大太郎
○男爵小畑大太郞君 只今議題トナリマシ
タ昭和十五年度歲入歲出總決算、昭和十五
年度各特別會計歲入歳出決算竝ニ昭和十五
年度國有財產增減總計算書ニ付キマシテ、
委員會ノ審査經過竝ニ結果ノ御報告ヲ申上
ゲマス、決算委員會ハ一月二十四日ニ開會
致シマシテ、政府ヨリ決算ニ關スル一般ノ
說明ヲ聽取ノ後、先例ニ依リマシテ決算ノ
審査方針、分科ノ審査期限、審査ノ順序等
ヲ決議致シ、之ガ審査ヲ各分科ニ付託致シ
マシタ、又國有財產增減總計算書ハ、先例
ニ從ヒマシテ小委員ヲ選ビ、其ノ審査ノ
方針、審査期限ヲ決議致シマシタガ、國有財
產增減總計算書ノ議會提出ガ遲レマシタノ
デ、第七十三囘及第七十六囘議會ノ先例ニ
倣ヒマシテ、之ガ審査ヲ豫メ小委員ニ付託
スルコトノ決議ヲ致シマシタ、而シテ二十
六日ヨリ分科會竝ニ小委員會ヲ開キマシテ、
熱心ニ種々質疑應答ヲ重ネ、愼重ナル家査
ヲ盡シ、二月二日各分科ノ主査竝ニ小委〓
會ノ委員長ヨリ審査ノ報〓書ヲ提出セラレ
マシタニ依リ、再ビ決算委員會ヲ四日ニ開
キ、各分科ノ主査竝ニ小委員會ノ委員長ヨ
リ詳細ナル報〓ガアリマシテ、全部其ノ報
告通リ決定致シマシタ、其ノ報〓書ハ旣ニ
議員諸君ノ御手許ニ差上ゲテアリマス、右
決算竝ニ國有財產增減ニ關シマシテハ、本
會議ニ於キマシテ政府カラ別段ノ說明モゴ
ザイマセヌノデ、此ノ際數字ニ付キマシテ
極ク簡單ニ申上ゲマス、昭和十五年度ノ歲
入歲出總決算ニ於キマシテ、歲入ノ決算額
卽チ收入濟額ハ、經常部三十七億七千九百
餘萬圓、臨時部二十六億六千五百餘萬圓、
合計六十四億四千四百餘萬圓デアリ、之二
對シマシテ歲出ノ決算額卽チ支出濟額ハ、
經常部二十五億五千四百餘萬圓、臨時部三
十三億五百餘萬圓、合計五十八億六千餘萬
圓デアリマス、右歲入歲出差引致シマシ
テ、五億八千四百餘萬圓ノ剩餘ヲ生ズル
計算デ、此ノ金額カラ昭和十六年度ニ繰越
シマシタ歳出ノ財源ニ充ツベキ金額三億八
千五百餘萬圓ヲ差引キマスト、結局、昭和
十五年度ニ於ケル一般會計ノ純剩餘金ハ一
億九千九百餘萬圓デアリマス、而シテ此ノ
剩餘金中ニハ、昭和十四年度ノ剩餘金ノ
使用殘額ヲ含ンデ居リマスノデ、昭和十五
年度ニ新タニ生ジマシタ剩餘金ハ一億千八
百餘萬圓デアリマス、此ノ外各特別會計ハ、
其ノ數ガ四十七會計デアリマシテ、決算ノ
仝額ヲ一々玆ニ申述べマスコトハ煩雜ニ亙
リマスカラ、決算書ニ依ッテ御承知ヲ戴キ玆
ニ申上ゲルコトヲ省略致シマス、次ニ國有
財產ノ增減總計算書ニ付キマシテ申上ゲマ
ス、昭和十五年度ニ於テ增加シタル國有財
產ノ總額ハ、一般會計十五億千四百餘萬圓、
特別會計十九億五千百餘萬圓、合計致シマ
シテ三十四億六千六百餘萬圓デアリマス、
又減少シマシタ國有財產ノ總額ハ一般會
計十八億四千七百餘萬圓、特別會計三億二
千餘萬圓、合計二十一億六千八百餘萬圓デ
アリマス、此ノ增加ト減少トヲ差引致シマ
スト結局昭和十五年度ノ國有財產ハ、十
二億九千七百餘萬圓ノ增加ト相成リマス、
從ッテ昭和十五年度末現在國有財產ノ總額
ハ、百五十六億七百餘萬圓ニナリマス、此
ノ增減ノ理由ハ煩雜ニ亙リマスカラ茲ニハ
申上ゲマセヌ、是ヨリ審査ノ結果ヲ申上ゲ
マス、政府ノ措置適切ナラザルモノト決議
致シマシタモノ五件ゴザイマス、其ノ第一
ハ、昭和十五年度一般會計歲出ニ於キマシ
テ、農林省所管ニ於テ、富山縣ニ荒廢森林
復舊事業助成費及森林治水事業助成費ト致
シマシテ合計四千五百餘圓支出セシ件デ、
同縣ニテ右所要事業ノ施行ニ當リマシテ、
同縣ノ技手某ガ人夫賃請求書等ヲ作爲シテ、
縣カラ事業費ヲ騙取シタルニ因リ、右國庫
助成費ハ補助超過トナリタルモノデ、農林
省ハ之ニ對シ遺憾ノ意ヲ表シ、今後斯カル
事犯ノ再ビ起ラヌヤウ縣ニ嚴重ナル注意ヲ
加ヘタイト辯明致シマシタガ、畢竟農林省
ノ監督不行屆ノ結果ト致シマシテ、當局ノ
反省ヲ强ク促シテ置ク必要カラ、冒頭ノ決議
ヲ致シマシタ次第デアリマス、第二ハ、昭
和十五年度各特別會計歲出ニ於テ、遞信省
所管通信事業費ニテ、郵便局從業員ガ二年
又ハ三年ノ長期ニ亙リ文書僞造、業務上ノ
横領等ノ犯罪ニ基因シマシテ、多額ノ缺損
金ノ支出ヲ鹿兒島縣和泊郵便局、第一艦隊
郵便局、東京西銀座郵便局外十三局ニテナ
シタル件デ、當局ハ之ニ對シ遺憾ノ意ヲ表
シテ居リマスモ、此ノ種犯罪ガ每年多數ア
リマシテ其フ跡ヲ絕タザルハ當局ノ措置宜
シカラザルニ依ルモノト致シマシテ、冒頭
ノ決議ヲ致シマシタ、第三ハ、昭和十五年
度各特別會計歲出ニ於キマシテ、鐵道省所
管資本勘定ニテ、同省ノ支出ニ係ル北海道
函館五稜廓ニテ降雨ノ爲建設中ノ路線崩壞
シ、其ノ線路ノ變更ヲナシタルニ依リ、旣
成部分ノ工費竝ニ材料費一萬八千餘圓ノ損
害ヲ生ズルニ至ッタ件デ、鐵道省トシテハ當
時已ムヲ得ザル不可抗力ノ豪雨等ニ基ク旨
ノ辯明モアリマスガ、矢張リ當時ノ設計上
地質ノ判定ニ幾分粗漏ノ點アリシコトガ原
因デ、當局ガ適當ナル措置ヲ講ジマシタナ
ラバ防ギ得タ損害デアッタトシテ、冐頭ノ決
議ヲ致シマシタ、第四ハ既往年度分昭和十
三年度各特別會計歲出ニ於キマシテ、拓務
省所管朝鮮總督府ニテ京城土木出張所ノ支
出ニ係ル治水事業費七千五百餘圓ニ關スル
モノニテ、同土木出張所ニテ總督府技手某
等ガ共謀シテ、二箇年ニ亙ル長期間、實際
使役セザル人夫ヲ使役セルモノノ如ク裝
じ、關係書類ヲ作爲シテ騙取セルモノニ
テ、當局モ遺憾ノ意ヲ表シテ居リマスガ、
二箇年ノ長キニ亙リ斯カル犯罪ニ氣付カ
ザリシコトハ、誠ニ總督府ノ監督不行屆ニ
依ルモノト致シマシテ、冒頭ノ決議ヲ致シ
マシタ、第五ハ、同ジク昭和十四年度各特
別會計歲出ニ於テ、拓務省所管朝鮮總督府
三、新義州營林署ノ支出ニ係ル營林署事
業費ヲ、同營林署ノ雇員某ガ昭和十四年二
月ヨリ十五年四月ニ至ル間ニ、雇傭人ノ給
料及囑託手當等關係書類ヲ作爲シテ詐取セ
ルモノニテ、犯罪事實發覺後詐取シタ全部ノ
金額ヲ犯人及ビ監督官營林署長ニテ塡補セ
リト言フモ、畢竟監督不行屆トシテ冒頭ノ
決議ヲ致シマシタ、以上五件ノ外ニ、政府
ニ對シ將來ノ注意ヲ促スバキモノト認ムル
モノガ九十七件ゴザイマスガ、其ノ主ナ
ルモノハ、租稅ノ徵收不定又ハ徵收過ニ
屬スルモノデアリマシテ、其ノ後是等ハ更
正濟又ハ徵收濟ニナッテ居リマス、其ノ他ハ
物件ノ收納又ハ購入、補助金ノ交付ニ、其
ノ措置宜シキヲ得ザリシモノニ依ルモノデ
アリマス、其多他全部異議ナシト云フコト
ニ決シマシタ、決算委員會、分科會ヲ通ジ
テノ質疑應答ノ內容ノ詳細ニ付キマシテハ、
速記錄ニ依ッテ御承知ヲ願フコトニ致シマ
シテ、玆デハ其ノ主ナルモノノ二三ニ付御
報告申上ゲマス、卽チ一委員ヨリ、臨時軍
事費ノ決算ニ付テハ、前議會ノ決算委員會
デモ問題ニナリマシタガ、此ノ長期戰デハ
何年經ッタラ其ノ決算ガ行ヘルカ目安ノ付
カヌコトデアリマシテ、實際ニ十年十五年
ノ後ニアノ厖大ナモノヲ一遍ニ出サレテモ、
一議會ノ短期間ニ於テハ審議ハ容易デナク、
責任者モ居ナクナリマスカラ、軍機ノ漏洩
ヲ防グ方法ヲ考ヘテ、一應ハ三四年デ之ヲ
區切ルトカ或ハ支那事變デ區切ルトカシテ、
適當ナ措置ヲ講ズル考ハナイカトノ質疑ア
リタルニ對シマシテ、政府委員ヨリ、個々
ノ部隊々々ノ月々ノ決算ヲスルコトデアレ
バ、多少時期ガ遲レルコトデ出來ルガ、全
東亞ニ跨ッテ居ルモノヲ一纏メニシテ或年
度デ區切ッテ幾十幾百ノ項目ニ整理決算ス
ルコトハ、極メテ困難或ハ殆ド不可能デア
ル、モウ一ツハ途中デ決算ヲスルト、會計
經理ノ上カラ軍ノ作戰ノ內容ガ敵國ニ知レ
ル懸念ガアリマスカラ、今日ノ所デハ途中
デ區切ッテ決算スルコトハ考ヘテ居ラズ、其
ノ代リ平素ノ收支ニ付テハ責任ヲ以テ嚴正
ヲ期シ、內面的ニハ整理ヲシテ檢査院ノ檢
査ヲ受ケテ居ルトノ答辯デアリマシタ、又
一委員ヨリ、現在民間デハ厘位ノ取引ハナ
ク、實際厘ト云フ貨幣モ使ッテ居ナイカラ、
政府デモ豫算決算ニ當リマシテ、此ノ厘位
ヲ省イタラ手數ガ簡略ニナッテ宜イデハナイ
カトノ質疑アリタルニ對シマシテ、政府委
員ヨリ、國庫出納金端數計算法其ノ他一二
ノ勅令ニ基クモノデアルガ、實際問題トシ
テハ爲替關係ニノミ此ノ問題ガ生ジ、是ハ
如何ニモ時勢ニ適セザルヤノ憾モアリマス
ガ、此ノ關係デ不便ヲ生ズルモノハ、政府ト
日本銀行トノ間ダケデ、民間ニハ大シテ不
便ヲ掛ケルコトモナイノデ、其ノ法律モ未
改正ノ儘ニシテ居ル、御指摘モアリマシタ
點ニ鑑ミ十分〓究ノ上、存置ノ必要ナシト
致シマスレバ、取引ノ實狀ニ適合スルヤウ
ナ措置ヲ執リタイトノ答辯ガアリマタ、其
ノ他支那事變以來、陸海軍兩省ニ對スル獻
金品ニ對スル處理狀況等ニ關スル質疑ガア
リマシテ、之ニ對シテ陸海軍政府委員ヨリ
詳細ナル答辯モアリマシタガ、其ノ問答ハ
當時新聞紙上デ公表致シマシタラ、茲ニハ
省キマス、尙日本發送電株式會社ニ對スル
補給金ニ關スル問題、又民間ニ保有スル銅
鐵等金屬類ノ供出ニ關スル件等ノ問題ニ付
キマシテ、極メテ熱心ナル質疑應答ガゴザ
イマシタガ、省略致シマシテ、次ニ國有財
產增減總計算書ニ付キマシテハ、國有財產
ノ數量、價格、範圍竝ニ價格ノ算定ノ方法、
增減ノ事由、雜種財產トシテ處分シ得ベキ
財產ノ狀況、國有財產ノ整理等ニ付、小委
員會ニ於テ種々質疑應答ヲ重ネ、愼重ニ審
査ノ上全部承認ヲ致スコトニナリマシタ、
次デ國有財產ノ得有沽賣及利用ニ關スル會
計檢査院ハ批難事項二件アリマシテ、審査
致シマシタ結果、何レモ政府ニ對シ將來ノ
注意ヲ促スベキモノト決議致シマシタ、其
ノ一ハ、臺灣總督府ニ於テ官有原野ノ豫約
賣渡ニ當リ無償貸付ヲ爲シタル件デ、其ノ
二ハ、同ジク臺灣總督府臺東廳ノ徵收ニ係
ル官有原野ノ豫約賣渡ニ關スル件デアリマ
ス、其ノ他ハ異議ナシト決議致シマシタ、
尙詳シイコトハ速記錄ニ依ッテ御承知ヲ願
フコトニ致シマス、是ニテ報告ヲ終リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=89
-
090・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ發言モナケ
レバ、是ヨリ採決ヲ致シマス、二件共決算
委員長ノ報〓通リデ御異議ハゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=90
-
091・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=91
-
092・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 本日委員長ヨリ
報〓書ノ提出ガアリマシタ所得稅法中改正
法律案、法人稅法中改正法律案、所得稅法
。
人稅内外地關涉法中改正法律案、相續稅法
中改正法律案、織物消費稅法中改正法律
案、物品稅法中改正法律案、電氣瓦斯稅法
案廣〓稅法案、馬劵稅法案、印紙稅法中
改正法律案、臨時利得稅法中改正法律案、
特別法人稅法中改正法律案、營業稅法中改
正法律案、臨時租稅措置法中改正法律案、國
庫出納金端數計算法中改正法律案、戰時災
害國稅減免法案、所得稅等ノ日滿二重課稅
防止ニ關スル法律案、地方分與稅法中改正
法律案、以上十八案ヲ此ノ際議事日程ニ追
加シ、一括シテ議題ト爲シ、第一讀會ノ續
ヲ開キ委員長ノ報告ヲ求メタイト存ジマ
ス、御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=92
-
093・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、委員長樺山伯爵
所得稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
法人稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
所得稅法人稅內外地關涉法中改正法律
案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
相續稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
織物消費稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
物品稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
電氣瓦斯稅法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
廣〓稅法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
馬券稅法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
印紙稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時利得稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
特別法人稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
營業稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臨時租稅措置法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國庫出納金端數計算法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
戰時災害國稅滅免法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
所得稅等ノ日滿二重課稅防止ニ關スル
法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
地方分與稅法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十七年二月十二日
委員長伯爵樺山愛輔
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵樺山愛輔君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=93
-
094・樺山愛輔
○伯爵樺山愛輔君 御報告申上ゲマス、只
今議題トナリマシタ所得稅法中改正法律案
外十七件ニ付キマシテ、委員會ノ經過竝ニ
結果ヲ御報告申上ゲマス、本委員會ニ付託
セラレマシタ法案ノ骨子ハ、戰時ニ於ケル
財政需要ニ對應シテ國庫收入ノ增加ヲ圖
リ、之ニ依リ戰時財政ヲ强化スルト同時ニ、
一面購買力ノ吸收、消費ノ抑制ニ資スル見
地ヨリ、第七十七囘帝國議會ニ於テ戒立シ
タル間接稅ヲ中心トスル增稅ニ引續キ、今
囘更ニ增加スル臨時軍事費ノ一部ニ充ツル
爲各種ノ直接稅ニ村相當稅率ヲ引上グル
ト共ニ、現行間接稅ノ一部ニ付テモ增徵ヲ
行フ外、電氣瓦斯稅其ノ他ノ新稅ヲ創設シ、
尙貯蓄ノ增强、生產力ノ擴充、產業再編成
竝ニ人口及國民保健政策ノ圓滑ナル遂行ニ
資スル等ノ爲、適當ト認ムル租稅上ノ措置
ヲ講ズルコトニアルノデアリマス、右ノ增
稅ニ依リ平年度ニ於テ、分類所得稅四億二
千四百八十餘萬圓、綜合所得稅一億六千二
十餘萬圓、所得稅合計五億八千五百十餘萬
圓、其ノ他五億七千四十餘萬圓、總計約十
一億五千五百萬圓、初年度タル昭和十七年
度ニ於テ約九億七千三百萬圓ノ增收ヲ圖ラ
ムトスルモノデアリマス、案ノ內容ニ付キ
マシテハ政府ヨリ詳細ナル說明ガアリマシ
タ、又衆議院ノ委員會ニ於ケル主ナル質疑、
及ビ之ニ對スル答辯ニ付テモ、本委員會ニ
於ケル審議ノ參考トシテ政府ヨリ詳細ニ亙
リ報〓ガアリマシテ、是ハ本委員會ニ於ケ
ル審議ノ促進土與ッテ力ガアリマシタ、其ノ
詳細ニ付テハ速記錄ニ付御高覽ヲ願フ次第
デアリマス、是ヨリ審議ニ入ッタノデアリマ
スカル本委員會ニ付託セラレタル法案ノ重
要性ニ鑑ミ、終始緊張裡ニ極メテ熱心ニ各
方面ニ亙リ詳細ニ質問應答ガ續ケラレタノ
デアリマス、次ニ主ナル質問應答ニ付テ御
報〓申上ゲマス、先ヅ第一ハ、最近數次ノ
增稅ニ依リ國民ノ租稅負擔ハ相當增加セラ
レタルガ、之ニ依リ國民生活ヲ壓迫スル虞
ナキヤ、增稅ノ程度、殊ニ租稅ト公債トノ
關係ニ付如何ニ考ヘテ居ルカトノ質問ガア
リマシタ、之ニ對シ政府ヨリ、最近ノ增稅、
殊ニ今次フ增稅ニ依リ國民ノ負擔ハ相當增
加セラレタルガ、是ハ戰時下ニ於ケル現在
トシテハ、誠ニ已ムヲ得ザルモノト認メラ
ルヽノミナラズ、出來ル限リ國民生活ニ對
スル壓迫ヲ避ケル爲、扶養控除額ノ引上其
ノ他各種ノ措置ヲ講ジタルヲ以テ、今囘ノ
增稅ニ依リ國民生活ヲ壓迫スル等ノ虞ハナ
イモノト認メラルヽ、又公債ト租稅トノ割
合ニ付テハ、理論上如何ナル割合ヲ占メナ
ケレバナラヌ、又一定ノ割合ヲ保持スレバ
ソレデ宜シイトハ考へラレナイ、要ハ戰時
ニ於ケル經濟力ノ維持、發展ヲ害セザル範
圍ニ於テ、國民負擔力ヲ考ヘ、出來得ルダ
ケ租稅收入ヲ圖リ、其ノ足ラザル所ヲ公債
ニ依ルベキモノデアル、從ッテ公債ト租稅ト
ノ割合ヲ豫メ一定シテ之ニ依ルベキモノト
ハ考ヘテ居ナイ旨ノ答辯ガアリマシタ、次
ニ所得稅ニ村キマシテハ、山林ノ所得ニ對
シ負擔ヲ加重スルハ、國土保全ノ見地ヨリ
適當ニ非ズト認ムルガ如何トノ質問ガアリ
マシタ、之ニ對シテハ、山林ノ所得ニ付テ
ハ、從來ヨリ課稅上相當考慮シテ居ル次第
デアルガ今囘各方面トモ負擔ガ加重セラル
ルニ際シ、之ニ付テモ增稅ヲ行フコトトシ
タノデアルガ、此ノ程度ノ負擔ニ依リテハ
山林ノ維持育成ニ左シタル影響アリトハ認
メラレズトノ答辯ガアリ、又今囘新タニ課
稅スルコトトシタル株式ノ〓算取引ニ依ル
所得ノ課稅ニ當リテハ、實際的ニ極メテ調
査困難ト認メラルヽガ政府ノ所見如何トノ
質問ニ對シテハ、本稅ノ實施ニ當リテハ納
稅義務者ノ誠實ナル申告ヲ希望スル外、業者
ノ協力ヲ得テ遺憾ナキヲ期スル旨ノ答辯ガ
アリマシタ、次ニ相續稅ニ付キマシテハ、今
次ノ增稅ニ依リ、相續財產少額ナ者ニ對シ
負擔ガ加重セラルヽ結果、家族制度ノ維持
存續ヲ圖ル上ニ惡影響ナキヤトノ質問ガア
リマシタ、之ニ對シテ政府ヨリ、今囘ノ增徵
ハ他ノ諸稅ニ於ケル增徵トノ權衡ニモ留意シテ
決定シタル次第ナルガ、本增徵後ニ於テモ其
ノ負擔ハ必ズシモ高カラズ、又右ノ增徵ト共
ニ扶養家族ニ對スル控除ノ引上ヲモ行ヒタ
ルヲ以テ、今囘程度ノ增稅ニ依リ、我ガ國ノ
家族制度ノ維持ニ支障アリトハ認メラレズ
トノ答辯ガアリマシタ、次ニ電氣瓦斯稅ニ
付キマシテハ、本稅ノ賦課ニ伴ヒ消費ノ減
退ヲ來ス結果、業者ニ打撃ヲ與フル憂ナキ
ヤトノ質問ニ對シテハ、本稅ノ賦課ニ依リ
或程度消費ノ減退ヲ豫想セラルヽ所ナル
モ、不急不要ノ方面ノ消費ヲ抑制シ、之ヲ
現下緊要ナル方面ノ需要ニ供スルコトトナ
ル次第ナルヲ以テ、極メテ望マシキ所ナリ、
之ニ依リ業者ニ對シ打擊ヲ與フルモノトハ
認メラレザル旨ノ答辯ガアリマシタ、次ヘ
臨時租稅措置法ニ付キマシテハ、先ヅ寄附
金ニ付之ヲ損金ニ算入セザル取扱トスル時
ハ、全共事業ニ對スル寄附ヲ減少セシメ、
必要ナル事業ノ維持助成ニ付相當影響アリ
ト認ムルガ如何トノ質問ガアリマシタ、之
ニ對シ政府ヨリ、各方面トモ相當負擔ヲ加
重セラルヽ際ニ於テハ、寄附金ヲ從來通リ
損金トスルノ取扱ハ、國庫需要ノ增大トモ
考へ合セテ適當ニ非ズト認メタル次第ナル
ガ、大體從來ニ於ケル程度ノ寄附金ハ損金ト
スルコトトシタルヲ以テ、之ニ依リ必要ナル
公共事業ニ對シ著シキ影響アルモノト認メ
ラレザルモ、尙寄附金審査委員會ニ於テハ
關係各省ノ意見ヲ聽キ、其ノ運用ニ遺憾ナ
キヲ期スル旨ノ答辯ガアリマシタ、又減價
償却年限ノ適正化ニ付テノ具體的方策如何
トノ質問ガアリマシタ、之ニ對シテハ、大
體年數ヲ二割程度短縮スル外、堪久年數ハ
原則トシテ事業ノ種類別ニ之ヲ定ムルコト
トシ、又時局產業ノ固定資產ニ付テハ、昭
和十二年七月以前ニ取得シダル物ニ付テ
モ、短縮シタ堪久年數ヲ適用スル見込ナル
旨ノ答辯ガアリマシタ、次ニ地方稅ニ關シ
マシテモ種々ノ質問應答ガアリマシタ、先
ヅ地方分與稅制度ハ、地方財政ノ現況ヨリ
種々ノ議論アルモ、本制度ノ將來ニ付政府
ハ如何ナル見解ヲ有スルカトノ質問ガアリ
マシタ、之ニ對シ、本制度ハ長年ノ〓究ニ
依リ樹立セラレタルモノニシテ、而モ施行
後日淺ク未ダ眞價ヲ十分ニ發揮スルニ至ラ
ザル次第ナルガ、大體所期ノ目的ヲ達成シ
ツヽアリ、尙改正ヲ要スル點ニ付テハ之ヲ
改正シ、將來十分其ノ機能ヲ發揮セシメタ
キ所存ナル旨ノ答辯ガアリマシタ、又地方
財政ノ現狀ヨリ見ル時ハ、國費、地方費ノ
區分ヲ是正スルヲ緊要ナリト思フガ、所見
如何トノ質問ニ對シテハ、此ノ點ニ付テハ
從來種々努力シツヽアル所ナルガ、今囘ニ
於テモ十分考究スルコトトシタキ旨ノ答辯
ガアリマシタ、次ニ最近委任事務ノ增加ニ
伴ヒ、兎モスレバ固有事務ガ壓迫セラレル
虞アリ、政府ハ固有事務ノ財源ノ確保ニ付
考慮ヲ要スト思フガ如何トノ質問ガアッタ
ノニ對シ、政府ニ於テハ、十分考慮シテ居
ル次第デアルガ、今後尙考究シタキ旨ノ答
辯ガアリマシタ、以上ノ外增稅ト歲出ノ節
約トノ關係、不動產ノ讓渡利得ノ課稅ニ於
テ物價騰貴率ヲ加味スベキヤ否ヤノ問題、
最近ニ於ケル納稅成績等ノ問題ニ付熱心ナ
ル質疑應答ガアリマシタ、斯クシテ質疑ヲ
打切リ討論ニ入リマシタガ、何等意見ノ開
陳モナク、採決致シマシタル處、全會一
致、各案共原案通リ可決スベキモノト決定
致シマシタ、以上ハ委員會ノ經過ノ極メテ
大要ヲ申上ゲマシタガ、尙詳細ノ點ニ付キ
マシテハ之ヲ速記錄ニ讓リタイト思ヒマ
ス、右御報〓申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=94
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095・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、十八案ノ採決ヲ致シマス、十八案
ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=95
-
096・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=96
-
097・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=97
-
098・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=98
-
099・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=99
-
100・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
五十五発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=100
-
101・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 十八案ノ第二讀
會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ
問題ニ供シマス、十八案全部、委員長ノ報
〓通リデ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=101
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102・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
그 곳発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=102
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103・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=103
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104・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=104
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105・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=105
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106・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=106
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107・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 十八案ノ第三讀
會ヲ開キマス、十八案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=107
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108・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=108
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109・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第二十ヨリ、
日程第二十四迄ノ請願、會議
左ノ意見書案ハ朗讀ヲ經サルモ參
照ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
意見書案
帆布ノ增配竝地質改善ニ關スル件
名古屋市港區熱田新田東組字根走九
十九番地平民稻垣諭治郞呈出
右ノ請願ハ小型船舶ハ近時燃料油ノ配給
制限ニ伴ヒ機力ノ利用ヲ廢シ專ラ風力ノ
應用ニ力メ帆布ノ所要愈切ナルニ拘ラス
之カ配給却テ減少セルノミナラス其ノ地
質粗惡ナル爲之等船舶ノ困窮一方ナラサ
ルモノアルニ依リ速ニ帆布ノ增產ト增配
ヲ圖リ併セテ地質ノ改善ニ努メラレタシ
トノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採
擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六
十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣東條英機殿
意見書案
五能線深浦、艫作ノ兩驛間ニ簡易停車
場設置ニ關スル件
靑森縣西津輕郡深浦町長藤田毅呈出
右ノ請願ハ靑森縣西津輕郡深浦町大字横
磯ハ五能線深浦驛ト艫作驛間九粁ノ中間
ニ位スルノミナラス兩驛間ノ道路不良ニ
シテ其ノ發展竝兒童ノ通學上不利不便少
カラサルニ依リ速ニ中間驛又ハ停留場ヲ
設置セラレタク尙新設ニ要スル土地建物
等所要經費ノ一部ハ地元町ニ於テ負擔ス
ヘシトノ旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體
ハ採擇スヘキモノト議決致候因テ議院法
第六十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣東條英機殿
意見書案
矢島線羽後矢島、奧羽本線湯澤ノ兩驛
間鐵道敷設ノ件
秋田縣雄勝郡湯澤町長伊藤仁右エ門
外二十七名呈出
右ノ請願ハ矢島線羽後矢島驛ヨリ秋田縣
雄勝郡西馬音內町ヲ經テ奧羽本線湯澤驛
ニ至ル鐵道ヲ敷設スルハ沿線地方ニ於ケ
ル豐富ナル林、鑛產等ノ資源開發上裨益
スル所大ナルノミナラス羽越、奥羽ノ兩
本線鐵道ヲ連絡シ運輸交通竝軍事上亦須
要ナルニ依リ速ニ之カ實現ヲ圖ラレタシ
トノ趣旨ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採
擇スヘキモノト議決致候因テ議院法第六
十五條ニ依リ別册及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣東條英機殿
意見書案
宮城縣志津川附近ヨリ石卷ニ至ル間ヲ
鐵道豫定線ニ編入ノ件
宮城縣石卷市長岩崎孫八外二十一名
呈出
右ノ請願ハ宮城縣志津川附近ヨリ石卷ニ
至ル鐵道ヲ敷設スルハ八戶、久慈、宮古、
山田、釜石、大船渡ノ諸港灣ヲ連繫セムト
スル旣設線及建設線等ト相俟テ三陸沿岸
縱貫鐵道ノ完成トナリ產業竝運輸交通上
貢獻スル所多大ナルニ依リ之カ區間ヲ鐵
道敷設法ノ豫定線ニ編入セラレタシトノ
旨趣ニシテ貴族院ハ願意ノ大體ハ採擇ス
ヘキモノト議決致候因テ議院法第六十五
條ニ依リ別冊及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
内閣總理大臣東條英機殿
意見書案
能登鐵道買收竝豫定線三明、能登三井
間鐵道速成ノ件
石川縣羽咋郡富來町長柏谷貞治外二
十四名呈出
右ノ請願ハ能登鐵道ハ曩ニ地方開發ノ爲
沿線各町村ノ地方民ヨリ小株主ヲ網羅シ
テ羽咋、輪島間ノ鐵道建設ヲ企畫シタル
モ羽咋、三明間ヲ敷設開通シタルニ過キ
スシテ財界ノ不況ニ際會シ遂ニ三明以北
ハ著工ニ至ラス免許失效トナリ之カ爲沿
線住民ノ打擊甚シキニ依リ速ニ同鐵道ヲ
買收スルト共ニ豫定線三明、能登三井間
鐵道ヲ速成シ以テ地方產業ノ振興ト福利
ノ增進ニ資セラレタシトノ旨趣ニシテ貴
族院ハ願意ノ大體ハ採擇スヘキモノト議
決致候因テ議院法第六十五條ニ依リ別册
及送付候也
昭和十七年月日
貴族院議長伯爵松平賴壽
內閣總理大臣東條英機殿発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=109
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110・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是等ノ請願ハ、
請願委員長ノ報告通リ採擇スルコトニ御異
議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=110
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111・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、今日ハ是ニテ延會致シマス、御異
議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=111
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112・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、明日ハ午前十時ヨリ開會致シマス、
議事日程ハ、決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ
及ビマス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午後二時三十分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903242X01219420212&spkNum=112
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