1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十七年二月五日（木曜日）午前十時十一分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=0
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001・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) ソレデハ開會
致シマス、前囘ニ引續キマシテ御質問ヲ願
ハウト存ジマス、最初遞信ニ關スル法案ノ
御質疑ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=1
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002・田所美治
○田所美治君 大〓私ハ此ノ間伺ヒマシテ
了解致シマシタガ、マア此ノ時局デ郵便料
モ增シテ收入ヲ殖ヤサウト斯ウ云フヤウ
ニマア單純ニ第一ニ考ヘラレマシタカラ、
其ノ方ノ部面デ御尋ヲシマシタガ、說明ヲ
聽キマスト云フト、國家財政ノ寄與トソ
レカラ事業ノ調整ト、斯ウ二段ニ御分チニ
ナッテ居リマス、事業調整ノ方ハ、私ノ方ノ
マア昔ノ行〓ノ經驗カラ、別ニ御尋ヲシナ
カッタノデアリマスガ、何カ特ニ御書キニナッ
タ二ツノ理由ニナサイマシタ關係ガ、ドン
ナ內容デゴザイマスカ、ソレヲ伺ッテ見タ
イ、事業ノ調整ト云フヤウナコト、是ハ郵
便料ハ實ハドウセモウ十錢ニシヨウガ安イ
ト斯ウ云フモノデ、マア國庫ガ是デ收入ヲ計
ラウト云ヘバ、是程簡易ナモノハナイダラウ
ト思フノデアリマスガ、併シマア郵便ノ起
リカラ云ヘバ、公益事業ト云ヒマスカ、公
益ノ關係カラ來テ居ルノデアリマスカラ殊
ニ安イ二錢トカ三錢ガ今度上ッテ五錢、斯
ウ云フ譯デアリマスガ、是ハマア實費支
辨トカ或ハ手數ニ關スルマア事業費ノ關係
ヲ支辨スルニ足ルダケノ最低額ヲ御取リニ
ナッテ居ルト云フコトダケデ、マア日本ダケ
デナク列國ガヤッテ居ルノデアリマスガ、今
度ハマアソレモ國家財政デ出ス、四千萬圓
デアリマスカ、アト殘リハマア事業ノ調整
ト何時モ郵便料金ニ關スルコトハ、此
ノ前ニモ私何カ關係致シマシタガ、矢張リ
事業關係ノ改善充實、斯ウ云フ方ニ御考ニ
ナラウト思フ、今度モ僅ニ一錢上ルノデ、
矢張リ事業ノ調整ト云フコトヲ御書キニナッ
ク、其ノ內容ハドウ云フコトヲナサイマス
カ、斯ウ御尋ネ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=2
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003・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 事業ノ調整ト云フ
コトノ內容ニ付テノ御尋デアリマスガ、是
ハ郵便料金ノ中カラドレダケノ事業調整ヲ
ヤルト云フハッキリシタコトハムヅカシイ
ノデアリマスガ、電氣通信ノ料金トモ併セマ
シテ考ヘテ行ク方ガ適當デゴザイマスガ、
内容ト申シマシテ一番ノ金額ノ大キイモノ
ハ今囘政府ニ於キマシテ家族手當ヲ增加
スルコトニ致シマシタ、是ハ一般會計ナラ
バ其ノ方デノ支出ガ出來マスルガ、特別會
計デアリマスルノデ、前ノ收入カラソレヲ
持ッテ行カナケレバナラヌ、其ノ方ニ充テル
額ガマア家族手當、マア待遇ニ若干補正ヲ
致シマス方ニ使フ金額ガ一番多イノデアリ
やく、仍テマア通信ノ方ノ能率ヲ擧ゲテ行
キタイ、斯ウ云フノガ主デアリマス、其ノ
外ノ色々施設ニ於キマシテモ、防空ノ施設
トカ、サウ云フモノニ色々使フノデゴザイ
マスガ、サウ云フ意味ニ使ヒマシテ、以テ
通信ノ規正ヲ能クヤッテ行カウト、斯ウ云フ
風ニ考ヘテ居ル次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=3
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004・田所美治
○田村美治君 是ハマア列國ノ比較ヲ此ノ
間伺ヒマシタガ、一番安イノデ「フランス」ノ
ガ九錢、今度五錢ニ對スル九錢ト云フコト、
英獨アタリニナルト、二十錢ト云ヒマシタ
カ、二十錢内外、可ナリ殖エテ居リマスガ、
是ハマア又御上ゲニナルト云フコトノ御考ハ、
必要ニ應ジテモウ少シヤッテモ或ハ宜カッタ
カモ知レマセヌ、六錢位ニナッテモ安イヤウニ
モ考ヘルノデアリマスガ、五錢ノ程度ニ御
止メニナリマシタ譯如何、御聽キスルノ
ハ、千九百萬圓トカ出ルト云フコトデスガ、
國家財政ニ、寄與ト云フコトヲ御考ニナレ
バ、或ハ六錢位ニデモ御考付キナカッタモノ
デゴザイマセウカ、殊ニマア今御說明ノ家
族手當ノ增加或ハ防空施設ト云フ財源モア
リマスマイケレドモ、ソンナコトヲナサレ
バ五錢ノ程度ハ誠ニ有難イノデアリマス、
收入增ヲ國家財政ノ戰時寄與ト、モウ一ツ
伺ッテ見タイノハ、戰時ガ濟ミマシタラ平時
ニ復シテ來レバ四錢ニ下ゲルト云フコトハ
ムヅカシイノデアリマセウガ、是ハ戰時中
ノ臨時增稅ニ伴フヤウナ財政寄與ト云フ風
ニ、了解シテ宜シウゴザイマスカ、或ハ五
錢ハ恒久的ノモノデ、サウデモ宜カラウト
思フノデアリマスガ、其ノ邊ノ御考ヲ承ッテ
見タイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=4
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005・寺島健
○國務大臣(寺島健君) モット高クシタラ
ドウカト云フ、又外國ノ例モ比較シテ見テ
安過ギヤセヌカト云フ、此ノ戰時ニ於テハ
モット取ッテモ宜イト云フ御說ト思ヒマスガ、
是ハ成ル程「ドイツ」ノ如キモ今ノ貨幣ノ換算
ニ於キマシテ二十錢デアリマスルケレドモ「ド
イツ」ハ市內郵便ハモツト安イノデアリマシテ
テ、十三錢ニナッテ居リマス、二十錢ト云フ
ノハ市內デナクテ市外ノ料金デゴザイマス、
其ノ外ニモサウ云フ風ニ區別シテ安イノモ
アリマスル、今迄ノ貨幣ノ價値ノ換算ト云
フダケニ行キマセズ、色々考ヘテ見マシタ
ガ、根本的ニ通信料金ト云フモノハ、出來
レバ政府事業トシテ公益ニヤッテ行クノデ
アルカラ安イ方ガ宜イノデアル、手數料ヲ
賄ッテ行ケバ宜イノデアルト云フ一方根本的
ノ主義ハアリマスガ、國家財政ト云フコト
ヲ考ヘテ見マスルト、之ニ依ッテ之ニ寄與ス
ル、今御說ノ如ク斯ウ云フ戰時ダカラモット
寄與シタラドウカト云フ御考ハ御尤デアリ
マスガ、旣ニ通信合計カラ一般會計若クハ臨
時軍事費ニ繰入レテ居リマスモノハ年々
多額ノモノヲ繰入レテ居リマス、今囘ニ於
キマシテハ一億四千萬圓、今度ノ値上ダケデ
寄與シテ居ルノデハアリマセズ、通信事業
ニ於キマシテ特別會計ガ出來テカラ、年々
八千二百万圓ト云フモノヲ一般會計ニ繰入
レテ居リマス、其ノ外ニ戰時ニナリマシタ
ノデ、臨時軍事費ノ方ニ今度約六千万圓程
寄與スルコトニナッタ、サウ云フ次第デゴザ
イマスカラシテサウ云フ各種ノ點ヲ睨ミ合
セマシテ、今度ノヤウナ料金ニ致シマシタ
次第デゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=5
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006・田所美治
○田所美治君 今一億四千万圓ト云フ御話
ニナリマシタノハ、何時カ數年前デアリマ
シタカ、遞信大臣ハドナタデアリマシタカ、
普通會計ノ方ノ八千五百万圓デアリマシ
カ、アレハ其ノ儘ニナッテ居リマスカ、ソレ
ニ今度六千萬圓出ル譯デスネ、此ノ間四千
萬圓トカ伺ヒマシタガ、マダ其ノ外ニ二千
萬圓程デゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=6
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007・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 四千五百萬圓ト申
上ゲマシタノハ、今度ノ通信料金ノ値上ノ
中カラ四千萬圓出ス、其ノ外ニ從來一般會
計ニ繰入レテ參リマシタ八千二百萬圓、ソ
レニ約二千萬圓程ノモノガ又別ニ今度ノ大
東亞戰爭ニナリマセヌ前カラ臨時軍事費ノ
方ニ繰入レテ居リマシタ、ソレヲ合セマシ
テ一億四千萬圓トナリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=7
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008・田所美治
○田所美治君 戰時デ餘裕ガアルカラ一錢
增シテ此ノ際五錢ニスルト云フコトデアリ
マシタガ、是ハ戰後ニモヤル恆久的ノモノ
デ、臨時的ノモノデハナイト斯ウ考ヘテ宜
シウゴザイマスカ、將來ニ亙ッテヤル、五錢
ナラバ安イモノデゴザイマスガ、サウ御考
ニナッテ居ル澤デゴザイマセウナ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=8
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009・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 左樣デゴザイマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=9
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010・田所美治
○田所美治君 此ノ法律ノ改正以外ニ省令
等デ御改正ニナル書留トカ何トカ色々ア
リマセウガ、特殊郵便ト云フ御說明ガアリ
マシタガ、多分ソレダラウト思ヒマス、サ
ウ云フモノモ矢張リ「ミニマム」ナ「レイト」
デオヤリニナッタノデ、法律ノ御說明ノ中ニ
サウ云フヤウナ意味ノコトガアッタヤウデ
スガ、莫大ニ御殖ヤシニナルト云フヤウナ
コトデハゴザイマスマイ、四錢、五錢位ノ所
デ御決メニナルト斯ウ諒解シテ宜シウゴザ
イマセウカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=10
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011・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 此ノ前申上ゲマシ
タ通リ、大體二割五分ノ平均デゴザイマス、
其ノ中率ノ多イト云フノハ、例ヘバ新聞ナ
ド今迄五厘デアリマシタノヲ、貨幣制度カ
ラ考ヘマシテモ五厘ト云フヤツハ安イ、サウ
云フ點ヲ考ヘルト率ハ十割ニナリマスガ、
之ヲ一錢ニシタ、斯ウ云フヤウナモノモア
リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=11
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012・田所美治
○田所美治君 郵便貯金ノ方デモ伺ッテ宜
シウゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=12
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013・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 宜シウゴザイ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=13
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014・田所美治
○田所美治君 遞信大臣ニ念ノ爲ニ伺ヒマ
スガ、命令案ヲ拜見スルト一圓ト二圓デゴ
ザイマシタカ、只今ノ郵便貯金ハ五十錢位ノ
モノモアッタヤウニ思ッテ居リマスガ、今度
ノ割增金附貯金切手ハ一圓、二圓ニナサレ
マシタガ、矢張リ廣ク掻キ集メルト云フ方
カラ考ヘマスレバ五十錢位ノ所モ御置キ
ニナッテ置イタラドウデアラウカト思ヒマ
スガ、私ハ貯金ノコトハ能ク分リマセヌ
ガ、餘リ面倒ダト云フ御考デゴザイマセウ
カ、五十錢位ノ所モアッテモ宜イヤウニ思ハ
レルノデアリマスガ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=14
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015・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 郵便貯金ノ最低額
ハモット低カッタノデアリマスガ、五十錢ニ
ナッタノデアリマス、併シ五十錢ト云フコト
ヨリ今度ノ狙ヒ所ハ大分國民ノ經濟生活モ
向上シテ居リマスノデ、此ノ際浮動ノ資金
ヲ集メルト云フ意味カラ致シマシテ、五十
錢トスレバ非常ナ手數ガ掛リマスノデ、實
際ハ二圓位ノ程度ニ致シタカッタノデアリ
マスガ、一圓デモ餘裕ガアッタラ貯金ヲシ、
同時ニ之ヲ割增金附ト云フノデ、所謂富籤
ノ弊ヲナクシテ、貯蓄ヲシテ元金ハ必ズ還ツ
テ來ル、貯金ニナッテ行ク、此ノ僅カナ郵便
利子ノ數箇年間ノ僅カナモノヲ纏メタモノ
ヲ發行シテ、直チニ抽籤ヲヤッテ當籤者ニソ
レダケノ樂シミヲ與ヘルト云フ處ヲ狙ッタ
モノデアリマスカラ、一圓及二圓ト云フコ
トニ致シタ次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=15
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016・田所美治
○田所美治君 此ノ表ニアルカモ存ジマセヌ
ガ、只今五十錢ノ單位デ貯金シテ居ル者ガ
隨分アルダラウト思ヒマス、其ノ五十錢ヲ
御廢メニナッテ集マリニクイト云フヤウナ
コトハゴザイマスマイカ、郵便貯金ヲヤッテ
居ル者ハ零細ナモノダラウト思ヒマスガ、
只今ノヤウナ御說明デハ一圓ニナサル前ニ
矢張リ五十錢ニシテ置イテモ宜カッタヤウ
ニ思フノデアリマスガ、手續ノ煩瑣ナコト
ハ同ジダラウト思ヒマス、五十錢ヲ御廢メ
ニナッテ宜シイノデゴザイマスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=16
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017・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 當局ノ考ヘテ居ル
所ハ郵便貯金ニ纏メテ貯金帳ヲ渡シタリ或
ハ預リ證ヲ渡シタリスルコトニ致スノデア
リマスガ、画二圓每ニ一々渡シテ行ク
譯ニハ行カナイノデ、切符ヲ纏メテ來テ、
ソレヲ定期貯金ニスルト云フ風ニ導イテ行
キタイト思ヒマス、ソレデ相當ノ手數ガ掛
ルノデ、五十錢ニスルト云フコトハ御趣旨
ハ誠ニ結構デアリマスガ、今日ノ狀態カラ
見マスト、一圓ヲ五十錢ニ下ゲタラ非常ニ
集ルカト云ヒマスト、其ノ點ハ大シタコト
ノナイヤウニ感ジテ居リマスノデ、回
二圓ガ適當ト思ッテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=17
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018・田所美治
○田所美治君 割增金ハドノ位デスカ、最
高額ハ拜見出來ナイヤウデアリマスガ、割
增金ノ最高額ハドノ位デスカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=18
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019・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 只今ノ處、案ト致
シマシテハ二圓ノ切手ニ付テ當籤シタ最
高額ハ千圓デアリマス、從ヒマシテ一圓ノ
モノデ當籤シタモノハ五百圓ト云フコトニ
ナリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=19
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020・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 遞信省ニ關ス
ル分ニ付キマシテノ御質疑ハゴザイマセヌ
カ······御質疑ナイト認メマス、鐵道省ニ關
スル御質問ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=20
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021・神山嘉瑞
○男爵神山嘉瑞君 今度敷設法ノ改正ヲナ
サレマシテ、二十六「キロ」餘ノ鐵道ヲ追加
サレルコトニナッタノデアリマス、是ハ大臣
ノ御說明ノアリマシタ通リ、國內ノ鐵鑛資
源獲得ノ爲、是等ノ地帶ガ非常ナ有望ナ「マ
ンガン」地帶デアルト云フ意味カラ之ヲ追加
サレマシテ、建設サレルノデアリマス、誠
ニ結構ナコトデアルト思ヒマス、就キマシ
テハハ斯ウ云フヤウナ路線ト申シマスノハ、
他ニモ相當アルカドウカ存ジマセヌガ、現
在ノ敷設法ニ載ッテ居リマス多數ノ豫定線
路其ノ豫定線ト云フモノハ全部ガ全部
斯ウ云ッタ時局ニ適シテ居ル地帶デモナイ
ヤウニ考ヘルノデアリマス、併シサウ云ツ
タ現在多數ノ殘ッテ居リマス豫定線路ト云
フモノハ逐次建設サレテ行クノデアラウ
ト思ヒマスガ、是ハ長イ時代ニ於テヤッテ
行クコトデアリマシテ、急ニ片付クモノデナ
イト思ヒマスガ、今後、現在敷設法ニ載ツ
テ居リマスサウ云ッタ多數ノ豫定線ト云フモ
ノヲ整理サレルト申シマスカ、敷設法ヲ全
面的ニ改正ナサルト云フ御意思ガアルカド
ウカト云フコトヲ承リタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=21
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022・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今御尋ノ點ハ、
一口ニ申シマスレバ、現在豫定線トシテ載ツ
テ居リマスルモノニ對シマシテハ、鐵道省
トシテハ之ヲ再檢討致シタイト考ヘテ居リ
マス、旣ニ每議會デ或ハ御承知ト存ジマスガ、
鐵道省ニ於キマシテモ數前年カラ新シイ眼
0ヲ以チマシテ豫定線ヲ調査ヲ致シテ居リマ
ス、其ノ結果ガ纏リマシタナラバソレニ基
キマシテ新シイ考案ヲ致シタイト考ヘテ居
リマス、本年度ノ豫算ニモ其ノ調査費ヲ多
分千「キロメートル」位デシタカ計上致シテ
居ル筈デアリマス、尙今日迄ハサウ云フ考
ヘ方デ、唯豫定線ヲ豫定線トシテ再檢討ス
ル、斯ウ云フ考デ進ンデ參リマシタケレド
モ、昨年以來ノ新シキ我ガ國ノ東亞ニ於ケ
ル情勢ニ基キマシテ、更ニ廣イ立場カラ、
何ト申シマスカ、國內ノ運輸交通ト云フ觀
點カラト、廣ク見テ參リマシタ我ガ國ノ必
要ナル國防資源竝ニ國民生活必需品ノ確保
ト云フ意味ニ於キマシテ、從來ノ豫定線バ
カリデハナク、國內ノ總テノ鐵道交通機關
ニ對シマシテ新シキ眼ヲ以テ將來ニ向ッテ
出發シテ見タイ、斯ウ考ヘテ居リマス、大
體ニ於キマシテハ豫定線ニ關スル限リニ於
キマシテハ是非再調査ヲ遂ゲマシテ、繼續
致シマシテ國運ノ向フ所ニ合致スルヤウニ
シテ行キタイ、斯ウ考ヘテ居ル次第デアリ
マス、尙只今御審議ヲ願ッテ居リマスル豫定
線追加ト云フ問題ハ、御話ノ如ク今日ノ目
睫ノ時局要求ニ應ジマシテ、「マンガン」鑛
ノ開發ヲ主タル目的ト致スノデアリマスケ
レドモ、同時ニソレハ一般交通、產業ノ開
發ニモ資スル積リデアリマス、ソレカラ此
ノ問題ニナッテ居リマセヌガ、豫算ニ計上サ
レテ居リマスル新線ノ二本モ矢張リ地下資
源開發ニ今囘ハ目的ヲ置イテ居リマス、併
シナガラ將來ニ於キマシテ何時モ地下資源
ヲ狙フト云フ譯デアリマセヌ、今囘特ニ時
局ニ際シマシテ、「マンガン」鑛ノ不足ヲ國內
ニ於テ出來ルダケ補ヒタイト云フ考カラ、
關係官廳、民間ノ鑛業關係トモ審議ヲ致シ
マシタ結果、此ノ線ノ開發ヲ至急ヤリタイ
ト云フコトニ結論ガ到達シタヤウナ次第デ
アリマス、ソレガ偶、〓一本ダケ今日迄豫定線
ニ計上シテナカッタモノデアリマスカラ、特
ニ法律ノ附屬表ヲ改正致シタイト云フノガ
只今御審議願ッテ居ル一案デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=22
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023・神山嘉瑞
○男爵神山嘉瑞君 サウ致シマスト、今後
共ニ現在敷說設法ニ載ッテ居リマスル豫定線
ノ調査ヲ專門的ニ遊バシテ、將來ニ於テハア
レニ載ッテ居リマスルモノガ、······或ハ言葉
ガ違フカ知レマセヌガ、全部ガ全部不急不要
ノモノバカリデモナイ、アレニ載セラレタ
以上ハ優良ナル豫定線トシテ豫定サレテ居
ルノダラウト思ヒマスガ、サウ致シマスト、
之ヲ逐次小出シニ建設サレテ行ク途上ニ於
キマシテ、或ハ他方面カラアレニ載ラナイ
路線ノ請願モアルノデアリマスカラ、サウ
云フモノヲ睨ミ合セテ參リマスト、時代モ
隨分變ッテ居リマシテ、昔ノ何時カノ時代ノ
ヤウニ矢鱈ニ濫設スルト云フコトハアリ得
ナイコトデアリマスカラ、シテ見ルトアヽ
云フ法律ノ中ニアレダケノ豫定路線ト云フ
モノヲ縛リ付ケテ居ルト云フコトハ、政府
其ノモノカラ見レバ、是ハ次第ニ建設シテ
行クンダ、幾ラアレニ載ッテ居ッテモ差支ナ
イト云フ御考ヲ持タレルカ知レマセヌガ、
マダアレニ載ラナイ他ノ方面ノモノガ幾ラ
モアリ、今度ノ議會ニモ相當請願シテ居ル
ヤウナ次第デゴザイマス、其ノ間ノ關係ガ
ドウナリマスカ、サウ致シマスト、アノ法
律ニ載ッテ居リマスル路線ハ建設ノ順位ヲ御
決メニナッテ居ルガ、偶ミ今度ノ斯フ云ッタ
「マンガン」地帶ノヤウナ所ハ當然開發ノ必
要カラ建設サレルノデアリマスカラ追加サ
レルコトハ當然デアリマスガ、先程申上ゲマ
シタ通リアノ法律ニ載ッテ居リマスル地點
ハ、鑛業地帶デモナイガ、地方的ニ見マシ
テ有數ナル地帶デアリ、ドウシテモ交通ノ
整備ヲ圖ナナケレバナラヌト云フ關係カラ
必要ナル線トシテ豫定サレテ居ルノダト思
ヒマスガ、只今申シマシタ通リ後カラ出テ
來ルモノガ比較的早ク建設サレルト云フヤ
ウナ、多少ソコニ矛盾ト申シマスカ、食違
ヒト申シマスカ、逆ナ關係ガアルト思ヒマ
スノデ、敷設法ニ載ッテ居リマスルモノヲ全
面的ニ改正ヲ遊バサレルカドウカト云フコ
トヲ承リタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=23
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024・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 今御話ノ如ク此
ノ豫定線ヲ豫メ何ト申シマスカ、少クトモ
法律ノ附屬表ニ列記シテ置クト云フコトハ
實ハ色々議論ガアルト思フノデアリマス、
今日ノ國有鐵道ノ豫定線ナルモノガ決定致
シマシタノハ、今カラモウ二十年前ニナル
譯デアリマス、從ッテソレハ法律デ出タノガ
二十年前デアリマスカラ、ソレヲ法律ニ載
セル爲ニ調査〓究致シマシタ時代ヲモ入レ
マスト、既ニ三十年モ經過致シテ居ル譯デ
アリマス、其ノ當時ニ於キマシテモ、斯ウ
云フ線ヲ將來斯ウ云フ所ニ必要ナリトスル
見方ハアルガ、其ノ地方カラ考ヘマスルト、
何處デモ鐵道ノアッタ方ガ宜イ譯ナンデアリ
マス、デアリマスルカラ是ダケノモノガ國
有鐵道ノ上ニ將來必要ナモノダト云フコト
ヲ決メルコトハ、當時デモナカ〓〓困難デ
アッタノデアリマスガ、ソレヂヤ決メズニ置
イタラドウカト申シマスト、ソレヲ今度調
査スルノニ相當時日ガ掛リマス、其ノ間ニ
ハ色々ノ運動等モ生ズルト云フヤウナコト
カラ、寧ロ先ヅ一應或豫定線ヲ議會ニ於テ
審査ノ上決定シテ置クコトガ政府トシテハ
宜イト考ヘテ、今カラ二十年前ニ此ノ豫定線
ナルモノガ色々ナ議論ノ下ニ兎モ角モ決マッ
夕、ソレガ今日二十年ノ間ニ大體約半分ト
云フモノハ······丁度今豫定線ヲ追加サレタ
モノヲ合セルト一萬一千「キロ」位ニナルト
思ヒマス、其ノ中ノ約半分ト云フモノハ、
政府ニ於テ開通サシタカ、今現ニ工事中デ
アルカ、或ハ民間ニ於テ私設鐵道トシテ之
ガ經營サレマシテ、兎モ角鐵道ノ形トシテ
運營サレテ居ルト云フヤウナモノガ半分デ
アリマス、今マダ殘リ半分ガ殘ッテ居ルノデ
アリマス、先程申シマシタノハ、其ノ半分
ニ付テ之ヲ檢討シ、更ニ追加スルモノハ追
加シ、削除スルモノハ削除スルト云フコト
ガ大體ノ落チニナルト思フノデアリマスガ、
マア私ノ考トシテハサウ云フ意味ニ於テ矢
張リ計上シテ置ク方ガ宜イデハナイカ、偖
テ其ノ順序ヲドウスルカト云フ問題ハ、五年
十年二十年ノ間ニハ隨分世ノ中ガ變ッテ參リ
マスノデ、每年矢張リ鐵道會議ニ附シマシテ、
十分ナル御審議ヲ願ヒ、鐵道省當局ニ於テ
ハ勿論十分ニ〓究致シマシテ原案ヲ作リマスガ
更ニ廣イ知識ニ依ッテ御〓究ヲ願ヒ、鐵道會
議更ニ議會ニ於テ御審議ヲ願ッテ行キマシ
タナラバ、大體ニ於テ其ノ時代々々ノ要求
ニ大過ナク副ウテ行クノデハナイカ、斯ウ
考ヘルノデアリマス、今後モサウ云フ氣持
デ進ミタイト考ヘテ居ルノデアリマス、今
御心配ニナリマシタ今囘ノ三線ト云フモノ
ハ、他ノモノヨリモ後カラ出テ來テ先ニ進
ムノヂヤナイカト云フコトハ、御話ノ通リ
デアリマシテ、之ガ現在國內ニ於テ非常ニ
要望サレテ居リマス地下資源ノ開發ヲ目標
トシマシテ、三線ダケヲ特ニ計上致シマシ
ク、其ノ他ノ線路ニ付キマシテハ旣ニモウ
着手ヲシテ居ッテ、「レール」ヲ敷ケバ直グ
地方ノ用ニ立ツモノモアリマセウシ、マダ
是カラ「レール」ヲ敷カナクチヤナラヌ、其
ノ「レール」ヲソコニ使フヨリモ他ノ方ニ使
フ方ガ宜イト云フ場所モアリマスノデ、色
色資材勞力····其ノ鐵道ガ完成間近カデ
アルカ、マダ竣功迄ニ相當ノ時日ヲ要スル
カト云フコトヲ色々考慮シマシタ結果、今
囘ノ豫算ニ於キマシテハ、或モノハ旣ニ旣
定豫算デ御審議ヲ願ッテ居リマスニ拘ラズ、
之ヲ一二年延長シ、或モノハ更ニ之ヲ繰上
ゲタト云フヤウナコトガアリマシタノデア
リマスガ、何レモ時局當面ノモノヲ目標ト
致シタノデアリマス、併シ長イ目カラ見マ
スルト、鐵道ヲ敷設シテ行クト云フコトハ
國內全體ノ一般產業交通ヲ都モ鄙モ同樣ニ
交通ノ恩惠ニ浴スベク大キナ政治經濟上ノ
見地カラ計畫サレテ居ルモノト考ヘラレマ
スカラ、是ハ何レモ時局ニ絕エズ併行致シ
テ居ルモノト考ヘテ居リマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=24
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025・神山嘉瑞
○男爵神山嘉瑞君 了承致シマシタ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=25
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026・田所美治
○田所美治君 是ハ少シ法案以外ニ亙ル國
策關係ト申シテモ宜カラウト思ヒマスガ、
鐵道大臣モ御承知ノ通リ、私モ時々關西地
方ニ旅行シマス、近來ノマア鐵道ノ混雜ハ
非常ナモノデ、アノ古イ線ガ、明治ノ初年
ニ出來テ居ルト承ッテ居ルヤウナ線ガ、能ク
モアレダケノ運轉ガ出來テ居ル、感服スル
方カラ云ヘバ非常ニ感服スルノデアリマス
ガ、其ノ代リ混雜ト云フモノハ、マア我々「。パ
ス」ヲ持ッテ居リマスカラ、切符ノ面倒ハア
リマセヌケレドモ、寢臺ハ殆ドアリハ
シナイ、イキナリ乘ッテモ寢臺ガナイ爲ニ實
ハ數囘「ミス」スルコトガアルノデス、近頃
ハ少シ臆病ニナッテ居リマス、今度モイケヌ
リ、今度モイケヌゾト云フコトモ實ハ再三
アルノデス、此ノ頃色々工夫シマシテ、準
急ニ乘ッタリナンカシテ居リマス、晝ノ準急
ニ乘ッタラ良イト云フノデヤッテ居リマス
ガ······ソレハ別トシマシテ兎ニ角今日ノ狀況
デアルト云フコトニナルト、今後南洋關係
モ生ジテ來ルシ、向フカラ來ル物資モ殖エ
マセウシ、貨物ノ關係ナドデ、九州ノ長崎
アタリハ直グ想像出來ルノデアリマス、九
州鐵道カラ山陽、東海道、斯ウ云フヤウナ
モノニ當ッテハアレダケデハ迚モ間ニ合ヒ
マスマイ、是ハ鐵道大臣モ御苦慮ニナッテ居
ルト思ヒマスガ、ソレ等ニ對スル御考ヲ一
ツ御〓ヘヲ願ッタラ幸セト思ヒマス、私共ア
ノ混雜ヲ見テ能クアレデ〓覆シナイモノ
ダト時々乘ッテ感ズルノデアリマスガ、或ハ
之ヲ廣軌ニナサルト云フヤウナコトモ思ヒ
附カレマスガ、ソレモ始終問題ニナッテ居
ル、ノミナラズ費用モ掛リマセウケレドモ、
費用ガ幾ラ掛ッテモヤラナケレバナラヌ、或
ハモウ一ツ複線ヲ作ルトカ何カ方法ヲ考ヘ
ラレサウデスガ······是ハ狭イ島國デアリマ
スカラ、山バカリアル國デアッテ、工事モ非常
ニ困難デアリマセウケレドモ、ドウ云フ風
ニ鐵道交通ノ關係ハ國策ノ上ニ御考ニナツ
テ居ルデセウカ、乘ッテ始終考ヘルコトナン
デス、御苦慮ノ次第ハ深甚ニ考ヘテ居ルノ
デス、能クモ衝突モシナイデウマク行クモ
ノダト思ヒマス、是ガ世界一ト斯ウ誇ッテ云
ウテ居ル、鐵道モ世界一カイナ、ト私共〓
育關係デモ考ヘテ居ルノデスガ、世界一ダ
ト云ッテモ能ク運轉スルト云フ唯技術ダケ
デナシニ運搬力ガ殖エナケレバ世界第一ト
ハ云ハレナイ、是ハ差當ッテ、目下ノ旣往ノ
數年間ニ於テ眞劍ニ感ジテ居ルコトデアリ
マスガ、何カ其ノ邊ニ付テ我々ノ蒙ヲ啓イ
テ吳レルヤウナコトガオアリニナレバ此ノ
際御說明ヲ願ヘレバ大變幸セト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=26
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027・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 國有鐵道ノ事變
以來ノ旅客竝ニ貨物ノ輻湊ト云フモノハ
實ハ鐵道ノ歷史初ッテ以來ノ急激ナル增
加デアリマス、是ハ國運ノ急激ナル膨脹進
展ニ伴フモノダト考ヘルノデアリマスガ、
大體昭和十一年卽チ支那事變ノ前ノ年ノ數
量ト昭和十六年度ト比較スルト旅客モ貨物
モ輸送力ガ倍ニナッテ居リマス、而モ其ノ倍
ニナッテ居ルノハ、若シ之ヲ放置シテ置イタ
ナラバドンナニナッタカト云フト恐ラク二
倍半ニモ三倍ニモナッタノデハナイカト思
フノデアリマスガ、一方私設ノ方ノ輸送力
ト睨ミ合セマシテ、御承知ノ如ク輸送ノ統
制ヲ致シテ居ル譯デアリマス、制限ヲ致シ
テ居ル、又計畫輸送ト云フヤウナコトニ依
リマシテ、各關係方面ト連絡致シマシテ、
貨物ニ付キマシテハ所謂軍需輸送ハ勿論デ
アリマスルガ、軍需ノ產業デアルトカ、生
產力擴充計畫ニ要スルモノデアリマスルト
カ、或ハ又國民生活必需品ノ輸送デアルト
カ、現下ノ時局トシテ、國家ノ必要ノ上ニ已
ムヲ得ナイ物ノミヲ優先的ニ取扱ヒマシテ、
他ノ物ハ之ヲ抑制若クハ禁止ヲ致シテ居ル
コトハ他ノ物資ニ對スル統制ト同ジ樣ニ竝
行致シテ居ル譯デアリマス、又旅客ニ付キ
マシテハ以前ハ團體ヲ奬勵シタリ或ハ遊覽
客ヲ進ンデ鐵道ノ方カラ誘引シタ譯デアリ
マスガ、今日デハ絕對サウ云フコトヲ止メ
タノミナラズ寧ロ場合ニ依ッテハ必要ト思
ハレル旅客ヲモ抑制若クハ禁止シテ居ルト
云フヤウナ狀態デアッテ、尙且ツ二倍ニナッ
テ居ルト云フ驚クベキ情勢デアルノデアリ
やっく、之ニ對シマシテ輸送力ハドウナッテ
居ルカト申シマスト、大體一口ニ申シマス
ルト三割カ良クッテ五割ノ設備シカ增加シ
テ居ラナイ、五割迄行ッテ居ルモノハ先ヅナ
イノデアリマシテ、大體先ヅ三割位ノ設備
シカ出來テ居ラナイ、何故出來テ居ラナイ
カト云フト、ソレハ假ニ此處ニ人ガアッタト
シマシテモ、鐵道ノ施設ハ半年カ一年デ急
ニ其ノ設備能力ヲ增スト云フコトハ御承知
ノ通リ出來ナイ性質ノモノデアリマス、況
ンヤソコヘ持ッテ行ッテ、資材勞力等ノ制限
ガゴザイマスノデ、思フヤウニ施設ガ出來
ナイ、デアリマスカラ旅客貨物ガ制限ヲシ
テ居ルニ拘ラズ倍加シテ居ル、施設ノ方ハ
之ニ反シテ思フニ委セナイ、恐ラク三割カ
四割ノモノデアラウト考ヘマスガ、ソコデ
アリマスカラ勢ヒ又輸送ナルモノガ統制サ
レル、又計畫化サレテ行カナケレバナラヌ
ノデアリマシテ、此ノ情勢ハ今後暫ク續ク
ト考ヘマス、ソコヘ持ッテ行ッテ、今囘ハ大
陸ノ大キナル交通ハ勿論續キマスルシ、其
ノ外ニ南方ノ新シキ海ヨリスル所ノ交通
運輸ト云フモノガ又增加シテ居ルカラ、是
ハ大東亞戰爭ノ、及其ノ大東亞建設ノ進ン
デ參リマスル段階每ニ依ッテ、其ノ交通ノ質
ト量トガ趣ヲ異ニシテ來ルト考ヘルノデア
リマスガ、其ノ段階ニ應ジマシテ、國內ノ
諸交通機關、陸上交通機關ト云フモノハ之
ニ睨ミマシテ遺憾ナキヲ期サナケレバナラ
ヌト存ジマシテ、今カラ實ハ鐵道省ト致シ
マシテモ、十分ナル之ニ對シテ考究ヲ怠ッテ
居ラヌノデアリマス、而シテ大東亞ノ共榮
圈建設、卽チ建設ナルコトハ昨年ノ十二月
八日ヲ以テ、始マッタノデゴザイマセヌデ、
モウ支那事變ガ始マルト同時ニソノコトガ
我國ノ目標トナッテ居リマスカラ、從ヒマシ
テ國有鐵道ニ於キマシテ、モウ過去ニ於テ
旣ニ其ノコトニ對シテハ準備ヲ致シテ參ッテ
居ルノデアリマスガ、今後ハ更ニ現實ニ目
ノ前ニ急速ニサウ云フコトガ展開致シマシ
タノデ、此ノ實施ハ力ガ一層强力ニ加ラナ
ケレバナラヌト考ヘテ、今專ラ實ハ考慮ヲ
拂ッテ居ル次第デアリマス、如何ナル變化
ガ生ズルカト云フコトハ、是ハ海ノ方ノ遞
信省御關係ノ方ニ主トシテナル譯デアリマ
スルガ、陸ノ方ハ之ヲ受ケマシテ、サウ
シテソレヲ目的地ニ到達サセ、又或地點カ
ラ或港ヲ經テ、南方及大陸ノ方ニ最モ迅速
ニ確實ニ到達スルヤウナ風ニ必要ナル施設
ヲ、今日現狀ヲ再檢討致シマシテ完璧ヲ期
サナケレバナラヌト思ヒマス、而シテ海ト
陸トノ接續地點、港ト云フノガドウ云フ地
點ニ決定サレマスルカ、凡ソ南ノ方ノ開ケ
マシタル今日ニ於キマシテハ、今日迄トハ
多少接續地點モ自ラ違ッテ來ルヤウナ所モ
相當アルノデハナイカ、然ラバ其ノ地點ニ
於キマシテ此ノ陸上背後ノ鐵道交通ト云フ
モノヲ改善シナケレバナラヌモノモ多々ア
ルデアラウト思ヒマスルシ、又港灣ニ於ケ
ル連絡船、連絡鐵道竝ニ其ノ陸上荷役等ニ
於キマシテモ、其ノ施設ヲ鐵道省トシテモ
十分ニ海トノ綿密ナル連繫ヲ保チツヽ施設
シナケレバナラヌコトヲ豫期致シテ今色々
ト工夫ヲ致シテ居ルヤウナ次第デアリマス、
ソレカラ只今御話ノアリマシタ新幹線ト云
フモノニ付キマシテハ是ハ日本ノ國內ヲ
縦ニ縱貫的ニ流スト云フコトニ相成ルノデ
アリマスガ、ドウシテモ是ダケデハ如何ニ
縦ノ線ヲ複線ニシ、複々線ニシ更ニ線路ヲ
倍加致シマシテモ、是ハナカ〓〓應ジ切レ
ナイト私ハ平生考ヘテ居ルノデアリマス、
從ッテ之ヲ出來ルダケ海ノ方ヘ成ベク早ク
橫ニ取ルト云フコトガ日本ノ輻湊スル自然
ノ增勢、旅客貨物ノ縱ノ流レト云フモノヲ
緩和スル唯一ノ方法デアラウト考ヘマス、
之ニ關シマシテハ、自然港ト云フ問題ガ大
陸及南方ニ對スル港ノ問題、而シテ之ニ對
スル鐵道ノ考ヘ方ト云フモノガ自ラ決ッテ
參ルト思ヒマスノデ、特ニ鐵道省トシテハ、
今後サウ云フ點ニ力ヲ入レタイト考ヘテ居
ルノデアリマス、其ノ際、港ニ於ケル所謂一
番狹ク隘路ニナッテ居リマスル點ハ、十分ニ
是ハ遞信省ニ於テモ御考デアリマスルガ、
鐵道省トシマシテハ、陸上ニ關スル限リハ
十分ナル荷役施設ヲ機械化シ、ソコデ此ノ
輸送力ガ停頓シ、若クハ細ク縊ラレルコト
ノナイヤウニ努メタイト考ヘテ居ル次第デ
アリマス、尙計畫輸送及統制ト云フモノガ
如何ニ效果ガアルカト云フコトハ、每年隨
分年末年始ニ於テハ、旅客ノ例ニ取リマシ
テモ、貨物ノ例ニ取リマシテモ、隨分各主
要驛ト云フモノハ混雜致スノデアリマスル
ガ、此ノ計畫輸送及統制、此ノ統制ニハ鐵
道ノ發著ノ貨物ヲ小運送ノ統制ニ依リマシ
テ、之ヲ早ク荷捌キヲスル、又早ク車ニ積
ムト云フヤウナヤコトノ初メテノ良イ經驗
ヲ得タノデアリマスルガ、各驛ノ報〓ニ依
リマスルト、非常ニ例年ニ比シマシテ好イ
結果ヲ來シテ居ルト云フコトヲ申シテ居リ
マスルノデ、玆ニ計畫輸送、ソレカラ陸上
ノ所謂陸運統制ト云フモノガ、「レール」ノ
上バカリデハナシニ、「レール」ノ外ノ小運
送全體ヲ一〓ニ考ヘマシタ輸送統制ト云フ
モノガ、如何ニ今日缺クベカラザルモノデ
アルカト云フコト、サウシテソレガ誠ニ效
果的ノモノデアルト云フコトヲ如實ニ最近
體驗致シタヤウナ次第デアリマスルノデ、
只今申シマシタ軌上卽チ鐵道ノ上ノ輸送、
サウシテ是ト海トノ連絡ハ只今申上ゲマシ
タガ、今度驛カラ國內ノ各地點、卽チ小運
送ト云フモノニ付キマシテ、今日鐵道ハ之
ヲ統制スベク力ヲ入レテ、既ニ第一次統制
ヲ終リマシテ、第二次統制ヲ今行ッテ居ル
ノデアリマスルガ、是ハ相當困難ナ問題デ
アリマスルガ、又隨分地方ノ事情ニ依リマ
シテハ、歷史モアリ、又實情ニ依ッテ色々
ト困難ナ問題モアリマスルガ、斷然之ヲ一
ツ統制ヲ完遂致シテ、只今御話ノヤウナ
御心配ニ對シテ、十分最小ノ設備ヲ以チマ
シテ最大ノ效果ヲ擧ゲ得ラレマスヤウ努力
致シタイト今心配致シテ居ルヤウナ次第デ
アリマス、一應御答ヘ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=27
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028・田所美治
○田所美治君 マダ少シ時間モゴザイマス
ルカラ御〓ヘヲ乞フ爲ニ少シ伺ッテ置キマ
スガ、鐵道大臣ノ御說明デ御考ノアル所ハ
マア能ク分リマシタガ、是ハ實ハ焦眉ノ急
デ、總テガ武動ノ赫々タル戰果ヲ擧ゲテ居
ル今日デアリマスカラ、建設ト云フ事業ガ
し實ハ總デノコトニ差迫ッテ來テ居ル、斯ウ言
ハナクチヤナラヌ、サウ云フ風ニ考ヘテ今
カラシテモナカ〓〓長イ期間ヲ要スルダラ
ウト思ヒマスルガ、是ハ一日遲レテ行ケバ、
折角ノ武動ノ結果モ空シクスル、斯ウ云フ
コトニモナルノデアリマスルカラ、今日ハ
遞信大臣ガ丁度オイデニナッテ居リマスル
カラ、海運ノ關係ニ付テモ矢張リ鐵道ト同
ジヤウニ一應御〓ヘヲ受ケレバ幸ヒダト存
ジマスガ、一ツ倍程殖エテ居ル輸送ヲ三、四
割位デヤッテ居ル、斯ウ云フ御話デアリマシ
タガ、今ソレデ現在ニ對シマシテ滯貨デス
カ荷物ガ滯ルトカ云フヤウナコトハ現在ノ
狀況ニ於テハ色々統制ソレカラ計畫輸送、
斯ウ云フ御話ガアリマシタガ、ソレハ效果
ノ著シイモノガゴザイマセウガ、サウ云フ
コトデ滯貨ナシニ現在ノ所ハ行ッテ居リマ
スカ、斯ウ伺ッテ見ヨウト思ヒマスガ、現在
ヨリ殖エテ參リマセウ、ウント殖エテ參ル、
又期年ナラズシテ倍加スルダラウト、斯ウ
思ヒマスガ、ソレニ對シテ縱ダケデナシニ、
橫ニ港灣ノ關係、船ノ輸送ノ關係ト云フモ
ノモ、聯繫ヲ保ッテ行ク、サウナラナクチヤナ
リマスマイ、小サナ島國デ細長イノデアル
カラ、此ノ儘サウ複線々々ト言ッタ處デ、無
暗ナコトモ出來マスマイ、差當リ考ヘラレ
ルノハ、アノ海岸ヲ傳ハッテ下關ニ行ク位ノ
所ハ何トカ此ノ輸送力ノ方ノ側ヲ、色々ノ
計畫ヲ運輸ノ方ヲ無論御ヤリニナルトシテ、
是ハモウ御著手ニナッテ居ルト云フノデモ
遲イト云フ位ニ、今日ノ目前ノ戰後經營ト
云フコトニ對シマシテハ、思ハレルノデアリ
マスガ、何カ具體的ニアレヲ廣軌ニスレバ、
ドレダケ增スト、一倍半位ニナルトカ、無
論二倍ニスレバ二倍ニモナルノデアリマス
カラ、サウ云フヤウナ所迄モウ御〓究、御
決定ニナッテ居ッテ宜カラウト考ヘルノデア
リマスガ、或ハ費用ノ關係、軍部トノ關係
ニ於テ遲レテ居ルカモ存ジマセヌガ、ソレ
モソレデ十分ニ御ヤリニナラヌト云フト、
造船ノ關係ガ、是ハ私モ遞信大臣ノ御承知
ノ通リ、少シ關係シテ居リマシタガ、迚モ
ウマク行キマスマイト思ヒマスカラ、船舶
ダケデハ足ラヌ、アレヲ廣軌ニ仕直スト云
フヤウナ、是ハ承ルコトガ出來ルカ出來ヌ
カ分リマセヌケレドモ、何カソコラニ付テ
モ、具體的ニ御案出ニナッテ居ルコトガゴザ
イマスカ、斯ウ伺ッテ見ヨウト思ヒマス、私
ハ非常ニ憂慮スルノデス、俗ニ言フト、砂
糖ハドン〓〓取レル、「フィリッピン」ノ砂
糖モ來サウナモノダト、斯ウ國民ガ待ッテ居
ル、ソレハ待ツ者モ理窟ガアリマセウ、ソ
レカラ砂糖ハ宜イカモ知レマセヌケレド
モ、ソレハ船ガナイ、假ニ歸リ船デ多少輸
送シテ來テモ、ソンナモノガパアット陸ニ
來レバ、鐵道ノ輸送モ亦困ル斯ウ云フ關
係ガ必ズヤ戰時經營ヲナサッテ、今ヤッテ
御イデナサルト思フノデアリマスガ、
是ハ所謂建設ト云フコトデ行政トシテハ一
番先ニ一ツ御ヤリニナラナケレバナラヌ、
モウ今年ノ豫算ニ其ノ御計畫ガアッテ宜カ
ラウト思フ位ニ考ヘマスガ、其ノ船ノ
方ノ關係モ、是ハ私モチヨット知ッテ居ル關
係デ、ナカ〓〓容易デナイ、分捕リ船ガ澤山
出來テ、ソレガ直チニ利用出來レバ宜イ
ガ、造船ト云フコトハ、造船所ノ少イ所ニ
軍用船ヲ造ラナケレバナラヌ、又軍艦等ノ
關係ニ付テナカ〓〓忙シイ所ニ、輸送船
ヲ增スト云フコトハナカ〓〓困難ト思ヒマ
ス、ソレガ爲ニ所謂戰果ヲ全ウシナイ、斯
ウ云フコトニナッテハ遺憾千萬ト存ジマス、
色々文化ヤ〓育ノ施設、ソレハ如何ニモ伴ッ
テ參リマセウケレドモ、一番先ニ國民生活、
或ハ此ノ國威ノ擴充、東亞ノ建隆ト云フコ
トノ最初ノコトニ付テ鐵道ト船舶ガ必要
デアル、コンナニ考ヘマスガ、何カモウ具
體的ニ御進メニナック程度ニ達シテ居リマス
カ、又御ヤリニナッテハドウカト思ヒマス、
是ハ八田君ガ丁度鐵道大臣デ居ラレル、是
コソモウ多年ノ御關係デ十分御分リニナッテ
居リマスカラ伺ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=28
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029・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今御話ノ點ハ
大體我々ニ於キマシテモ始終心配致シテ居
ル點デアリマス、要スルニ鐵道ト沿岸ノ航
路ト、海上輸送ト云フ問題ハ、申上ゲル迄
モナク相協力シテ今日迄モ致シテ居ル譯デ
アリマス、是ハ申ス迄モナイコトデアリマ
スルガ、大體石炭トカ、或ハ鑛石トカ云フ
ヤウナ原料素材ト云フヤウナモノノ遠距離
輸送ハ、大體海ニ沿ウテ船デ運ブト云フコ
トガ無論主ニナッテ居ル譯デアリマス、ソレ
カラ鐵道ハ之ニ協力致シマシテ、海陸相呼
應シテ我ガ國ノ内外ノ運輸ニ支障ナカラシ
メルト云フコトガ原則デアルノデスガ、近
年ノ船ノ海上ノ色々ノ十分デナイト云フヤ
ウナ關係カラ致シマシテ、サウ云フ石炭ト
云フヤウナモノガ、從來海上ニアッタモノガ
陸ノ鐵道ニ移ルト云フ場所モ或ル程度アル
ノデアリマス、ソレニ對シマシテハ鐵道ト
致シマシテハ、其ノ連絡港灣ト鐵道ト云フ
モノノ關係ニ付キマシテハ、今囘ノ豫算ニ
於キマシテモ、相當施設ヲ御要求致シテ居
ルヤウナ次第デアリマス、從ヒマシテ先程
申上ゲマシタ以外ニ、或物ハ海カラ陸ニ移ッ
テ來タト云フモノモ相當アルノデアリマス、
之ニ對シマシテハ、海陸協力ト云フ其ノ原
則ニ基キマシテ、鐵道ト致シマシテハ十分
ナル協力ヲ致シマスルヤウニ努メテ居ルヤ
ウナ次第デアリマス、ソレデ從ヒマシテ、
斯ノ如ク今後ニ於キマシテハ、陸上ノ輸送
ガ非常ニ更ニ增シテ參リマス際ニ於キマシ
テ、施設ノ方ハドウカト申シマスルト、先
程申上ゲマシタ通リ車輛ニ致シマシテモ、
或ハ其ノ軌道ノ方ノ輸送力ニ致シマシテモ、
決シテ十分デハナイノデアリマス、唯計畫
輸送及統制ニ依ッテ、初メテ大過ナク行ッテ
居ルト云フノガ現狀デアリマスルノデ、今
後ニ於キマシテハ鐵道ノ施設改善、卽チ鐵
道改良ト云フモノヲ今後大イニ致サナケレ
バ、到底輸送サルベキ陸上輸送ニ對シテ、
應ジテ參ルコトガ出來ナイト考ヘマシテ、
今囘ノ豫算ニモ改良費ニ力ヲ入レマシテ、
提案致シテ居ルト云フヤウナ次第デアリマ
ス、併シナガラ此處暫クノ間ハ何ト申シマ
シテモ、鐵鋼、或ハ其ノ他ノ資材ニ於キマ
シテ、鐵道ハ御承知ノ如ク鐵ナシニハ實ハ
施設ガ出來ナイ性質ノモノデアリマスルノ
デ、此ノ點ニ付テ今制約ヲ受ケテ居リマス
ルノデ、是モ遠カラズ必要トスル所ノモノハ、
今日ヨリヨリ多ク獲得スルコトガ出來ルト
云フコトヲ豫想致シマシテ、今カラ餘リ鐵
鋼等ニ對シマシテ、資材ニ對シマシテ、今
少クテモ、ソレニ對シマシテ必要ナル他ノ
施設ヲ致シテ居ルト云フノガ現狀デアリマ
ス、一例ヲ東京下關間ノ新幹線ニ取リマシ
テモ、主トシテ今日全體ノ竣功期ヲ抑ヘル
所ノ長イ「トンネル」、」長イ隧道、是ハ土工デ
アリマスカラ鐵鋼ナドハ要ラナイ、ソレカ
ラ用地ノ買收デアルトカ、大キナ土工、切
取トカ盛土ト云フ所ニ最初掛リマシテ、全
體ノ工期ハ遲レナイヤウニ致ス今計畫ヲシ
テ居ル、大體他ノ方ノ計畫モ左樣ナ積リ
デ致シテ居ルト云フ已ムヲ得ナイ狀態デア
リマス、將來ノ鐵道ノ施設ニ對シマシテ、
或ハ之ヲ複線トシ、複々線トシ、又車輛ノ
整備ト云フヤウナモノニ付キマシテハ、拔
目ナク十分ナル計畫ヲ建テヽ行キタイト思
ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=29
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030・田所美治
○田所美治君 素人ガ申上ゲル迄モナク、
ソレコソ本當ニ生エ拔キノ技術ノ方ノ側モ、
行政ノ方ノ側モ練達堪能ノ大臣ガ居ラレマ
スノデ安心致シマスガ、一層ノ御盡力ヲ願
ヒタイト思フノデアリマス、遞信大臣ニ序
ナガラ御〓ヲ願ヒタイノデアリマス、日本
ノ船ハマダ千萬「トン」ニモ達シテナイ、數
百萬「トン」位デアラウト思ヒマスガ、マア
今度ハ外國ノ船ハ大分打壞シマセウカラ、
向フヲ弱ラスコトハ出來マセウ、又戰爭ガ
弛ンデ來レバ、其ノ船ハ內地ノ用ニ供スル
トカ、內外地關係ニ供スルトカ、國民生活
ノ確保ニ用ヒラレルト云フヤウナコトニナ
リマセウ、生產擴充ト云フ方ニ行カウト存
ジマスルケレドモ、造船ノ關係ハ遞信大臣
御自身モ多年御經驗デゴザイマセウガ、我
我ガ知ッテ居リマス數箇所シカ造船所ガナ
イト思ヒマスガ、之ガドウ云フヤウニナッテ
參リマスルモノデアリマセウカ、マア當分
ノ間ハ矢張リ軍事關係ノ造艦ヲ銳クヤラナ
クチヤナラヌ、民間ノ造船所モ大半ハマダ
將來ニ亙リマシテ一層其ノ力ヲ其ノ方へ使
ハナケレバナラヌト云フヤウニモ思ハレ
ル、今鐵道大臣カラ鐵ノ關係等ニ付テ色々
御話ガアリマシタガ、造船所ノ擴張ト云フ
コトニ付テハ直グニハ出來ナイト思ヒマス
ガ、是等モドウシテヤッテ居ルノデアリマ
スカ、ナカ〓〓意ノ通リニ商船ヲ造ッテ行
クト云フコトニ力ヲ伸バスコトハ、今日ト
シテハ餘程困難デアラウ、コンナニモ考ヘ
ルノデアリマスガ、或ハ占領地、ソレモ御
承知デアリマスレバ御〓ヘヲ願ヒタイノデ
アリマスガ、占領地ノ方ノ造船所ト云フモ
ノハ據ルベキモノガゴザイマセウカ、ソコ
ヲ利用シマシテ日本ノ造船ノ用ニ供セシメ
ルト云フコトガ、近ク役立チ得ルモノデア
リマセウカ、資材モ其ノ近所デ取レル、鐵
材、木材ヲ取ッテヤルト云フコトハドウ御考
ニナッテ居リマセウカ、サウ云フコトガ出來
ル事實ガアリマセウカ、御伺ヒ致シタイト思
フノデアリマス、要ハ鐵道ノ計畫ニ付テ伺
ヒマシタヤウニ、其ノ邊ノ所ガドウ云フヤ
ウニナッテ參リマセウカ、向フノ船ヲ打壞シ
テ、戰ニ勝ツト云フ方ノ、破壞ノ方ノ目的
ニ時々刻々皇軍ハ努メテ居リマス、一九九〇
於テハ船ヲ造ルト云フコト、ドウシテモ千
萬「トン」ニマダ足ラヌ、數百萬「トン」位デ
行ケルモノデハ到底ナイ、其ノ邊ニ付テ伺
ヘルダケノコトヲ御〓ヘヲ願ヒタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=30
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031・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 船舶ノ建造ヲウン
トヤラナケレバナラヌト云フコトニ付テハ、
全國民皆ノ御考ヲ戴イテ居リ、今議會ニ於
テモ此ノ點ハ特ニ衆議院ニ於キマシテ屢〓申
述ベテ居ル所デアリマス、御說ノ通リ資材
勞力······又此ノ大戰爭ガ如何ニ赫々タル戰
果ヲ擧ゲテ參リマシテモ、相手ノ米英ニ對シ
テハ海軍軍備ノ手ヲ拔クト云フ狀況ニハ
ナラヌト云フコトモ勿論考ヘテ居リマス、
此ノ間ニ處シマシテ商船、特ニ貨物船ノ急
速ナル建造ヲ圖ルト云フコトニ付キマシテ
ハ非常ナ苦心ノ要ルコトハ御說ノ通リデ
アリマスガ、此ノ苦心ヲ排除致シマシテ、)
此ノ數年來ニ出來テ居リマスヤウナ造船量
ヨリハ遙カニ大ナル造船計畫ヲ樹テテ居リ
マス、是ハ必ズ實現シテ御覽ニ入レマス、
其ノ數字等ハ此處デ申上ゲルコトハ出來ナ
イノデアリマス、其ノ點ハ一先ヅ御安心願
ヒタイト思フ、併シ御說ノ通リ造船ヲ急速
ニヤルト云フコトハ、資材又勞力等ニ依リ
マス工程ノ關係上「バラック」ヲ建テルヤウニ
簡單ニ數箇月デ造ルト云フ譯ニハ參リマセ
ヌノデ、是ニハ計畫的ノ造船ヲヤッテ行カナ
ケレバナラヌ、併シ戰時ノ用ニ供スル爲ノ、
所謂戰時急造船、是モ狸ノ泥舟ヲ造ルノデア
リマセヌ、運航能率ノアル、而モ一日モ早
ク出來、一「トン」モ資材ヲ少クシ、一「トンㄴ
モ積荷ヲ多クストル云フ標準型ヲ決定シテ居
リマシテ、之ニ基イテ建造ヲヤッテ行キマス
カラ、先程申上ゲマシタヤウニ數字ハ申上
ゲラレマセヌガ、ココ數年來ヨリ遙カニ大
量ナル造船ヲ實行シテ行ケルト云フ確信ヲ
持ッテ居リマス、サウ致シマシテモ御說ノ通
リ海運ノ輸送力ハ餘ル譯デハアリマセヌ、
斯ノ如キ戰爭ノ起ラナイ時ニ於テサヘ、船
舶ノ增强ト云フコトガ我ガ國運ノ進展ノ爲
ニ必要デアルト云フコトハ識者ノ齊シク認
メタ所デアリマス、況ヤ戰時ニナリマシテ、
軍用船ノ殖エルト云フコト、戰局ノ大キナ
コトカラ考ヘマシテ、是モ何人モ分ル所デア
リマス、其ノ殘リヲ以テ一般ノ重要物資及
ビ生活必需品ノ輸送ニ當ッテ居ルノデアリ
やく、一「トン」一隻ト雖モ急造シナケレバ
ナラヌ、此ノ意味ニ於キマシテ鐵材ノ如キ
モ船舶ニハ最モ優先的ニ配給ヲシテ貰フコ
トニナッテ居リマシテモ、未ダ十分ダト云フ
譯ニハ參リマセヌ、從ヒマシテ木造船等モ
大イニ奬勵ヲシテ、有ラユル手段ヲ盡シマ
シテ造船ヲヤッテ行カウ、是ニハ占領地ノ造
船所デ造ラセルカト云フヤウナ御尋ガアリ
マシタガ、旣ニ占領シタ所モ今後占領セム
トシツヽアル所ニモ、大キナ船渠等ハアリマ
ス、今迄ノ所ノ占領地帶ニ於ケル船渠ハ大
シタ破壞ヲ受ケテ居ラヌト承知シテ居リマ
ス、ケレドモ元々是等ノ南方地域ニ於ケル
造船所デハ、大キナ造船ハ從來トシテモヤッ
テ居ラヌノデアリマス、主ニ修繕デアリマ
ス、此ノ修繕ト云フコトモ亦ナカ〓〓設備
ガ要ルノデアリマス、幸ニモソレ等ノ船渠
ヲ利用出來ルト云フモノニ付キマシテハ、
極力今後利用シテ行キタイト思ヒマスガ、
占領地内ハ今日ハ軍政ヲ行ッテ居リマス
ルノデ、其ノ機關ニ依ッテ同方面デ利用出來
ルモノハ極力之ヲ利用スルヤウニシ、又內
地ノ造船所カラ必要ナ人員ヲ派遣セシメテ
ヤルト云フコトニ付テモ考ヘテ居リマス、
內地ノ造船所ダケニ於キマシテモ先程申上
ゲタヤウナコトヲ必ズ遂行致シテ行キタイ
ト思ヒマス、數字ニ觸レマセヌデ隔靴搔痒
ノ感ガアリマスケレドモ、大體ハ御分リデ
アラウト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=31
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032・田所美治
○田所美治君 サウ云フ御說明デ宜シウゴ
ザイマス、數字ヲ伺フ必要ハアリマセヌ、
チヨット伺ッテ見マセウガ、此ノ遞信大臣ノ
計畫ト云フモノノ中ニハ、商船ヲ造ルノニ、
政府ハ官設ノ造船所デモ御造リニナルト云フ
御考デモアリマスカ、斯ウ伺ッテ見タイト
思ヒマス、今ノ民間ノ三菱、或ハ神戶ノ造
船所トカ、其ノ他三四大キナヤツガアリマ
スガ、ソレハマア多クハ戰時中ニハ軍艦ノ
方ノ側ニ從事シテ居ルダラウト思ヒマス、
併シソレダケデハナカノ〓資材ガアリマシ
テモ、マダ今ノ急ニ應ズルコトガ困難デハ
ナカラウカト想像スルノデアリマスガ、今
迄ハ軍艦ノ方ノ製造ハ海軍ノ方デ造ル、是
ハ民間ニ餘地ガアレバ小サナモノハ造ラセ
ルコトガ出來ルカモ知レマセヌガ、此ノ數
年來事變ノ前ニハ不况デゴザイマシタカラ、
軍艦デ漸ク經營ヲ維持シテ居ッタヤウナ譯
デアリマス、ソコヘ持ッテ行ッテ此ノ普通ノ
商船ノ方ノ側ノ製造ハ誠ニ餘裕ガ少イノヂ
ヤナイカト斯ウ考ヘルノデアリマス、又現
下ノ狀況ガ續クモノデアリマスレバ、直グ
ニソレニ轉換スルト云フ譯ニハ行カヌ、斯
ウ思ハレマスガ、今仰シヤッタ安心シテ宜シ
イト云フ大キナ御計畫ノ中ニハ何カ一ツ政
府ノ官設ノ造船所ヲ御造リニデモナルト云
フコトニ迄御考ヘニナッテ居リマスカト、マ
ア斯ウ伺ッテ見タイト思フノデアリマス、ソ
レカラ木船ノ御話ガゴザイマシタガ、私ハ
木船デアレバ宜イヂヤナイカト直グニ考ヘ
著イテ語リ合ッタコトガゴザイマシタガ、當
局ニハ其ノ氣ガナイサウデ、ナカ〓〓一萬
「トン」トカ、五千「トン」トカ云フヤウナ大
キナ木船ヲ造ルト云フコトハ思ヒモ依ラヌ、
山ヲ根コソギニ幾ツ伐ッタッテアリハセヌト)
斯ウ云フヤウナ御話モ聞クノデアリマス、
成ル程昔ノ千石船ト云ッタ所デ、數十「トン」
カ百「トン」位ノモノデアリマセウカラ、其
ノ方法ヲ今日ニ當嵌メル譯ニモ行カナイト
聞カサレテ、サウカイナト云フヤウナ譯デ、
素人ノ話トハナカ〓〓差ガアル譯デアリマ
スガ、併シ無論サウ云フモノト相俟タナケ
レバナリマスマイ、木船ナドヲ考ヘマスト
直グニ南ノ方デハ「チーク」ガ澤山出來ル、
向フノ造船所ヲ利用スルト木船モ出來ハシ
ナイカト斯ウモ考ヘマスガ、其ノ邊ニ付テ
私共多少關係ヲ持ッテ居リマシタカラ、實ハ
ドウシテ行クダラウナト、斯ウ案ジテ居ル
ヤウナ譯デアリマス、百方御考案ヲ爲サリ、
御計畫ハ立ツダラウト思ヒマスガ、單刀直入
ニ申上ゲマスレバ、政府デ一ツ大キナ造船所
ヲ御造リニナッチヤドウダラウカ、其ノ御計
畫ガゴザイマスカト、斯ウマア伺ッテ見タイ
ト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=32
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033・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 色々御心配ヲ戴ク
コトハ我々ニ於テモ誠ニ感謝ニ堪ヘナイノ
デアリマス、緩ックリ御話スレバ一時間デモ
二時間デモ御話シマスガ、今ノ重點ヲ御置
キニナッタ、政府ニ造船所ヲ官有ノモノデモ
造ッテヤルカト言ヒマスト、サウ云フ考ハ
持ッテ居リマセヌ、全國ノ主ナル造船所デ
三箇所位ト仰セデアリマシタガ······チヨッ
ト速記ヲ止メテ戴キタイ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=33
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034・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 速記ヲ止メ
テ
〔速記中止〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=34
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035・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 速記ヲ始メ
テ.発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=35
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036・田所美治
○田所美治君 遞信大臣ハ海軍ノ方ニ御關
係ノ深イ御方デアリマスシ、又民間ノ造船
所ノ方ニモ御關係ニナッテ居リマシタカラ、
ソレコソ鐵道大臣ト相俟ッテ交通機關ヲ全
ウスルニハ遺憾ナイ適任ノ御方ダト思ヒマ
ス、今ノ御話ニ依ッテ後ノ細カイ具體的ノコ
トハ伺フコトガ出來ナイガ、ドウゾサウ云
フヤウニ御實現ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=36
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037・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 他ニ御質疑ハ
ゴザイマセヌカ御質疑ガナイヤウデゴ
ザイマス、是デ此ノ四案ノ質疑ヲ終リマシ
多、此ノ四案ヲバ一括致シマシテ、討論ニ
入リタイト存ジマス、御意見ノアル方ハ御
發表ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=37
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038・田所美治
○田所美治君 先輩ノ御方ヲ差措イテ申上
ゲマスノハ何デゴザイマスガ、私ハ色々素
人デ分ラヌコトヲ御尋ネ致シマシタガ、案
ソレ自身ハ誠ニ簡單ナモノデ、簡明ナモノ
デアリマスシ、影響スル所ハ財政上、又色
色ノコトニ關係ハ廣ウゴザイマスケレド
モ、內容ニ付テハ、此ノ時局ニ對スル貢獻
ト又ソレニ伴ウテ內容ノ擴充ト改善ヲ目的
トシテ居ルヤウデアリマス結構ナ思ヒ著
キダラウト考ヘマス、何等四案トモ異議ゴ
ザイマセヌ、原案ニ贊成致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=38
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039・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 他ニ御發言ハ
ゴザイマセヌカ······討論ハ終結致シマシ
タ、是ヨリ採決ニ入リマス、郵便法中改正
法律案外三件ハ全部政府原案通リ可決致シ
テ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=39
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040・清岡長言
○委員長(子爵〓岡長言君) 御異議ナイト
認メマス、是ニテ四案ハ全部全會一致ヲ以チ
マシテ可決ニ相成リマシタ、本委員會ハ是
ニテ終了致シマシタ、散會致シマス
午前十一時二十八分散會
出席者左ノ如シ
委員長子爵〓岡長言君
副委員長男爵神山嘉瑞君
委員
公爵二條弼基君
子爵仙石久英君
田所美治君
堀啓次郞君
中島德太郞君
片倉兼太郞君
永瀨寅吉君
國務大臣
遞信大臣寺島健君
鐵道大臣八田嘉明君
政府委員
遞信次官手島榮君
遞信省郵務局長遠藤後一君
遞信省電務局長中村純一君
遞信省管理局長景山準吉君
遞信省工務局長松前重義君
貯金局長伊勢谷次郞君
鐵道次官長崎惣之助君
鐵道省監督局長佐藤榮作君
鐵道省建設局長小林紫朗君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007903537X00219420205&spkNum=40
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