1. 会議録本文
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000・会議録情報
會議
昭和十七年一月二十四日（土曜日）午後一時五十五分開議
出席委員左の如し
委員長 板谷順助君
理事 飯村五郎君 理事 田村秀吉君
理事 中田儀直君 理事 長井源君
理事 坂東幸太郎君 理事 三輪壽壯君
理事 本田英作君
熊谷直太君 鈴木英雄君
手代木隆吉君 内藤正剛君
西村金三郎君 福井甚三君
池田秀雄君 大口喜六君
菊池良一君 木暮武太夫君
豐田豐吉君 中島彌團次君
野田俊作君 堀内良平君
太田理一君 武田徳三郎君
豐田收君 南雲正朔君
廣川弘禪君 松方幸次郎君
松永東君 矢野庄太郎君
世耕弘一君 龜井貫一郎君
田中耕君 石坂豐一君
山本粂吉君 河合義一君
粟山博君 水谷長三郎君
出席國務大臣左の如し
大藏大臣 賀屋興宣君
出席政府委員左の如し
大藏省銀行局長 山際正道君
大藏省會社部長 田中豐君
大藏書記官 櫛田光男君
大藏書記官 伊原隆君
預金部長官 相田岩夫君
本日の會議に上りたる議案左の如し
日本銀行法案（政府提出）
戰時金融金庫法案（政府提出）
臨時資金調整法中改正法律案（政府提出）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=0
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001・板谷順助
○板谷委員長 オ待タセ致シマシタ、是ヨ
リ會議ヲ開キマス、先ヅ諸君ニ御相談申上
ゲタイコトハ、本委員會ニ付託ヲサレマシ
タル三案ハ何レモ金融關係デアリマスルノ
デ、一括シテ議題ニ供スルニ御異議アリマ
セヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=1
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002・板谷順助
○板谷委員長 御異議ナシト認メテ左樣決
定致シマス、政府ヨリ原案ノ說明ヲ求メマ
ス-賀屋大藏大臣発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=2
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003・賀屋興宣
○賀屋國務大臣 本委員會ニ付託ト相成リ
マシタ日本銀行法案外二件ニ付キマシテ其
ノ提出ノ理由ヲ說明致シマス
先ヅ日本銀行法案ニ付キマシテ御說明申
上ゲマス
大東亞戰爭ヲ完遂シ高度國防國家體制ヲ
完成シ、進ンデ大東亞共榮圈ヲ確立スルト
共ニ、將來久シキニ亙ツテ是ガ維持發展ヲ
期シマス爲ニハ、我ガ國金融竝ニ經濟ヲ愈
愈綜合的ニ且ツ計畫的ニ運營スルノ體制ヲ
確立スルコトガ極メテ緊要デアリマス、是
ガ爲ニハ先ヅ以テ中央發劵銀行タル日本銀
行ガ我ガ國通貨金融制度ノ中核トシマシテ、
政府ト一體的關係ニ立チ、國策ノ嚮フ所ニ
卽シテ通貨ノ調節、金融ノ調整及ビ信用制
度ノ保持育成ノ責ニ任ジ、進ンデハ大東亞
共榮圈全體ノ金融ノ中心機關タルベキ任務
ヲ果シ得ルヤウ其ノ體制ヲ整備スルコトガ
刻下ノ緊要事デアルト信ズルノデアリマス、
而シテ日本銀行ハ近年ニ於ケル內外諸般ノ
情勢ノ急激ナル變化ニ卽應シマシテ、我ガ
國中央發劵銀行トシテ能ク其ノ任務ノ遂行
ニ萬全ヲ盡シテ來タノデアリマスガ、何樣
同行現在ノ制度ハ明治十五年及ビ同十七年
ノ制定ニ係ル日本銀行條例及ビ兌換銀行條
例ヲ基本法ト致シテ居ルノデアリマス、其
ノ後日本銀行納付金法、金準備評價法、兌
換銀行劵條例ノ臨時特例ニ關スル昭和十六
年法律第十四號ノ制定等ニ依リマシテ、若
干ノ修正ヲ加ヘテ參リマシタガ、何レモ臨
時的且ツ部分的ノ修正ニ止マリマシテ、其
ノ基本的建前ニ付テハ變更ヲ加ヘラルルコ
トナク、其ノ儘今日マデ持續セラレテ居ル
ノデアリマス、其ノ結果今ヤ日本銀行ノ現
行制度ハ同行運營ノ實際ニ副ハザルノミナ
ラズ、今後同行ガ其ノ使命ヲ全ウスル爲ニ
ハ少ナカラズ障碍トナルニ至ツテ居ルノデ
アリマス、仍テ政府ハ玆ニ日本銀行制度ノ
全般ニ亙ル根本的改正ヲ行ヒ、以テ日本銀行
ヲシテ新タナル事態ニ卽應シ、其ノ使命ノ完遂
ヲ圖ラシムルコトト致シタ次第デアリマス
次ニ本法案ノ主ナル點ニ付キマシテ御說明致
シマス
先ヅ第一ハ日本銀行ノ組織ヲ根本的ニ改
メマシテ、之ヲ强度ノ公的性質ヲ有スル特
殊ノ法人組織トナス點デアリマス、現在ノ
日本銀行ハ一種ノ株式會社組織デアリマス
爲ニ、同行ノ公的性質ガ愈〓濃厚トナルニ伴
ヒ、今後其ノ使命ヲ遂行セシムル爲ニハ、諸
般ノ點ニ於テ少カラズ障碍トナリマスノデ、
之ヲ根本的ニ改メテ、同行ヲ純然タル公的
組織トスルコトト致シタノデアリマス
第二ハ日本銀行ノ資本金ヲ一億圓ニ增加
スル點デアリマス、現在日本銀行ノ資本金
ハ六千万圓デアリマシテ、內四千五百万圓
拂込濟ノモノデアリマスガ、之ヲ一億圓ニ
增加致シマスト共ニ、同行ノ國家的使命ニ
顧ミマシテ、現在ノ拂込資本金四千五百万
圓ノ外、五千五百万圓ヲ政府ニ於テ出資
シ、是ガ實際ノ拂込ハ今後必要ニ應ジテナ
スコトト致シタノデアリマス
第三ハ日本銀行ノ實際運營ニ當ルベキ職
員ノ制度ヲ一般ト公的ノモノトスル點デア
リマス、日本銀行ノ運營ハ國家目的ノ達成
ヲ目的トシテ行ハルベキモノデアリマスカ
ラ、同行役員ハ總テ政府ニ於テ任命シ、
定ノ事由アル場合ハ之ヲ解任シ得ルコトト
スル等、役員ノ責任、任免等ニ關スル規定
ヲ之ニ適應スル如ク改正シマスルト共ニ、同
行ノ職員ハ總テ公務員ト看做スコトト致シ
タノデアリマス
第四ハ日本銀行ヲシテ時勢ノ進展ニ卽應
シ、通貨金融ノ中核機關タル使命ヲ全ウセ
シムル爲ニ、其ノ行フベキ業務ヲ擴充スル
點デアリマス、其ノ主要ナル點ヲ擧ゲマス
レバ
其ノ一ハ、現在日本銀行ハ制度上從來金
融ノ調整整中心トシ、產業金融ニハ關與セ
ザル建前トナツテ居ルノデアリマスガ、今
後ハ生產力擴充ノ緊要性等ニ對應シ、同行
ハ株式、社債等ヲ擔保トスル貸出ヲナシ得
ルガ如ク明文ヲ設ケル等ニ依リ、產業金融
ニ付テモ進ンデ是ガ調整ヲ圖ルコトト致シ
タコトデアリマス
其ノ二ハ、日本銀行ヲシテ金融調整ノ機能
ヲ十分ニ發揮セシムルガ爲ニ、同行ハ手形、
國債及ビ一定ノ債劵ノ賣買ヲナス等ノ方法
ニ依ツテ市場操作ヲ行ヒ、積極的ニ金融市場
ノ調整ニ當ルコトト致シタコトデアリマス
其ノ三ハ日本銀行ハ日本銀行トシテ我ガ
國全般ノ通貨金融ノ調節ニ當ルト共ニ、進ン
デハ今後ハ廣ク大東亞共榮圈內ノ金融ノ中
心機關タルノ職責ヲ負フモノデアリマスル
カラ、同行ハ國際金融取引上必要アル時ハ
外國爲替ノ賣買ヲナシ、外國金融機關ニ對
シ出資、資金ノ融通ヲナシ、又ハ是等ノモ
ノト爲替決濟ニ關スル取引ヲ行ヒ得ルコト
ト致シタコトデアリマス
次ハ日本銀行ハ中央銀行トシテ我ガ國信
用制度ノ保持、育成ヲ圖ルベキ任務ヲ有ス
ルモノデアリマスカラ、是ガ爲ニ或ル時ハ
進ンデ資金ノ融通、債務ノ保證等ヲ行フコ
トト致シタコトデアリマス
第五ハ日本銀行ノ銀行劵發行ニ關シ恆久
的ナル新制度ヲ設クル點デアリマス、兌換
銀行劵條例ニ基ク發劵制度ハ、金本位制度
ヲ基礎トスルモノデアリマシテ、今日右ノ
制度ハ全ク其ノ意義ヲ喪失スルニ至ツタノ
ミナラズ、却テ通貨政策遂行上ノ障礙トナ
ツテ居リマス爲メ、昨年法律第十四號ヲ以
テ之ニ代ル制度ヲ設ケタノデアリマスガ、
同法ハ臨時的ナ特例ニ止マルモノデアリマ
スカラ、之ニ代ル管理通貨制度ヲ基礎トス
ル恆久的ナル新發劵制度ヲ設クルコトトシ
タノデアリマス
第六ハ日本銀行ヲ公的組織トスルニ伴
ヒ、同行ノ經理ニ關スル制度ヲ根本的ニ改正
スル點デアリマス、日本銀行ハ專ラ國家目
的ノ達成ヲ使命トシテ運營セラルベキモノ
デアリマスカラ、同行ニハ出資者總會ヲ置
カザルコトトスルト共ニ、政府以外ノ出資
者ニ對シ年四分ノ配當ヲ保證スルコトトシ、
他面剩餘金ヨリ出資者ニ對スル年五分ヲ超
エザル配當及ビ所定ノ積立金ヲ引去リタル
殘餘ハ、之ヲ擧ゲテ國庫ニ納付セシムルコ
トト致シタノデアリマス
第七ハ日本銀行ヲ公的機關ニ改編スルニ
伴ヒ、國家ト同行トノ一體的關係ヲ强化シ、
其ノ連繫ヲ緊密ナラシムルガ爲メ、同行ニ
對スル政府ノ監督制度ニ付キ所要ノ改正ヲ
行フ點デアリマス
第八ハ日本銀行ノ改組ニ關聯シ、現在ノ
日本銀行ト新日本銀行トノ關係ヲ調整スル
爲メ、所要ノ規定ヲ設クル點デアリマス、
日本銀行ノ改組ニ當リ、現在ノ日本銀行ノ
權利義務其ノ他一切ノ法律關係ハ、其ノ儘
新日本銀行ニ於テ之ヲ承繼セシムルコトト
致シタノデアリマス、又改組ノ際ニ於ケル
同行ノ株主ハ、其ノ儘新日本銀行ノ出資者
トナルコトト致シタノデアリマスガ、右出
資者ニ對シテハ改組ニ因リ損害ヲ被ムルコ
トナカラシムルガ爲ニ、日本銀行ヲシテ昭
和十五年及ビ同十六年中ノ日本銀行ノ株式
ノ時價及ビ新日本銀行成立ノ日ニ於ケル出
資者ノ持分ノ價格ヲ參酌致シマシテ、大藏
大臣ノ定メタル適正ナル基準ニ依リ補償金
ヲ交付セシムルコトト致シタノデアリマス
最後ニ現行ノ日本銀行關係諸法規ヲ整理
統合シテ、其ノ體裁及ビ內容ニ整備ヲ加ヘ
ル點デアリマス、現行ノ日本銀行制度ハ日
本銀行條例、兌換銀行劵條例、日本銀行納
付金法、金準備評價法及ビ昭和十六年法律
第十四號ヨリ成リ、而モ是等法律ノ規定ノ
體裁ハ新舊多樣デアリマシテ、其ノ調和ヲ
缺キ、是等ノ全體ヲ通ジテ日本銀行制度ノ
内容ヲ綜合的ニ且ツ明確ニ理解スル上ニ甚
シク不備デアリマスルノデ、是等諸法規ノ
統合整理ヲ行フコトト致シタノデアリマス
本法案ノ大要ハ以上申述ベマシタ通リデ
アリマスルガ、之ニ依リ今後日本銀行ハ政
府ト一體的關係ニ立チ、我ガ國中央發劵銀
行トシテ遺憾ナク其ノ使命ヲ果シ得ル機構
ヲ整ヘマシタモノト考ヘルノデアリマス、
而シテ今後國家ハ日本銀行ニ對シテ無限ノ
援助ヲ與フルコトトナルノデアリマスルカ
ラ、日本銀行ノ信用ノ基礎ハ愈〓鞏固トナリ、
同行ハ新シキ事態ニ相應ハシキ中央發劵銀
行トナルモノト確信致ス次第デアリマス
次ニ戰時金融金庫法案ニ付キマシテ御說
明申上ゲマス、戰時經濟確立ノ爲メ、我ガ
國產業ニ要請セラレテ居リマス生產ノ重
點的擴充、產業再編成及ビ重要物資ノ貯藏
等ハ、大東亞戰爭ノ勃發ニ伴ヒマシテ愈〓喫
緊ノ要務トナツテ參ツタノデアリマス、而
シテ是等生產ノ重點的擴充、產業再編成及
ビ重要物資ノ貯藏等ヲ遂行致シマスル爲ニ
ハ、之ニ必要ナル資金ヲ圓滑ニ供給スルヲ
要スルコト言ヲ俟タザル所デアリマス、斯
カル資金ハ從來ハ一般金融機關等ノ活動竝
ニ融資命令ノ發動等ニ依リマシテ、兎モ
角モ供給セラレテ參ツタノデアリマスルガ、生
產ノ擴充、產業再編成及ビ重要物資ノ貯藏
等ノ遂行ガ急ヲ要スルニ至リマスルニ伴ヒ、
之ニ必要ナル資金ノ需要ハ今後益〓增大スル
モノト豫想セラルルノデアリマス、而シテ
是等資金ノ中ニハ事業ノ性質上、收益性ノ
將來ノ見透シガ困難デアル等ノ事情ニ依リ
マシテ、從來ノ金融的觀點ヨリシテ一般金
融機關等ヨリノ自發的供給ヲ期待スルコト
困難ナルモノモ少クナイノデアリマシテ、
斯カル資金ノ供給ヲ圓滑ナラシメル爲ニハ、
新タニ積極的ナル施設ヲ講ズルコトガ刻下
ノ急務ナリト存ズルノデアリマス、仍テ力
强ク此ノ要請ニ應ジ得ル特殊ナ機關トシテ
戰時金融金庫ヲ設立致シ、以テ戰時經濟ノ
運營上必要ナル資金ノ供給ニ遺憾ナカラシ
メントスルモノデアリマシテ、之ニ依リ他
面一般金融機關ノ運營ノ健全性ニ寄與スル
所亦大ナルモノガアルト存ズル次第デアリ
マス
次ニ本法案ノ主ナル點ニ付キ御說明致シ
やっく。先ヅ第一ニ本金庫ノ組織デアリマス
ガ、本金庫ノ資本金ハ三億圓トシ、認可ヲ
受ケテ增資シ得ルコトト致シマシタ、而シ
テ政府ハ二億圓以內ニ於テ之ニ出資シ得ル
コトトシ、殘リハ之ヲ民間ノ出資ニ俟ツコ
トトスル考ヘデアリマス
本金庫ノ役員ハ總裁、副總裁各一人、理
事五人以上、監事二人以上及ビ評議員若干
人ヲ置キ、政府ガ之ヲ任命致スコトト相成
ツテ居リマス、評議員ニハ關係官吏及ビ民
間關係者ヲ之ニ任命致シマシテ、業務ニ關
スル重要ナル事項ニ付テ總裁ノ諮問ニ應ゼ
シメルコトト致シ、本金庫運營上各方面ト
ノ連絡ヲ十分ニ保持セシメタイト考ヘテ居
リマス、役員ノ任期ハ總裁、副總裁及ビ理
事ハ四年、監事及ビ評議員ハ二年ト致シテ
居リマス
第二ニ業務ニ付テ述ベマスレバ、本金庫
ハ國家緊要產業ヲ營ム者、維持ヲ必要トス
ル未動遊休設備ヲ保有スル者、國家ノ必要
ニ應ジテ重要物資ヲ貯藏シ、又ハ事業ノ整
備ヲナス者等ニシテ、從來ノ通常ノ金融方
法ヲ以テシテハ其ノ必要ナル資金ノ供給ヲ
受ケルコト困難ナル者ニ對スル投資、又ハ
融資竝ニ市價安定ノ爲ニスル有價證劵ノ賣
買保有ヲ行フモノデアリマス、尙ホ本金庫
ハ其ノ目的達成上必要アル場合ニ於テハ、
認可ヲ受ケテ其ノ他ノ業務ヲモ行ヒ得ルコ
トト相成ツテ居リマス、此ノ機會ニ於テ本
金庫ノ業務ト從來ノ金融機關ノ業務トノ關
係ニ付テ一言致シマスルニ、從來ノ金融機
關モ今後益〓時局ノ要請ニ應ジ必要ナル方面
ニハ進ンデ資金ノ供給ヲ圖リ、以テ戰時金
融ノ責任ヲ分擔スベキコト當然デアリマス
ルガ、唯從來ノ金融機關ヲシテ供給セシムル
コト困難ナリト認メラルル資金ニ付キマシ
テハ、本金庫ヲシテ是ガ供給ニ當ラシメン
トスルノデアリマス、本金庫ノ業務中、投資ニ
關シマシテハ從來之ヲ擔當スベキ適當ナル
專門機關ガナク、又未動遊休設備ノ維持及
ビ企業ノ整備等ニ要スル資金ノ融通ニ付キ
マシテモ、從來ノ金融機關ニ於テハ擔當シ得
ナイ分野ガアルノデアリマス、唯國家緊要產
業ニ對スル融資ノ部面ニ關シマシテハ、日
本興業銀行ガ取扱ツテ居リマスル命令融資
ノ制度ガ存スルノデアリマスルガ、此ノ種
ノ金融ノ必要ハ今後益〓增加スルモノト考ヘ
ラレマスルシ、且ツ又此ノ種ノ金融ハ現在
ノ如ク個々ノ貸付ニ付テ融資命令ヲ發シテ
補償ヲ行フコトモ一方法デアリマスルガ、
尙ホ包括的ナル國家ノ補償ヲ背景ト致シマ
シテ、專ラ之ヲ取扱フ機關ヲ設クルコトガ
適當デアルト考ヘテ居ル次第デアリマス、
尤モ本金庫設立後ト雖モ融資命令ノ制度ハ
之ヲ存續シテ、必要アラバ日本興業銀行等
ニ對シマシテ融資命令ヲ發スルコトモアル
ト考ヘテ居リマス
第三ニ本金庫ノ業務ヲ遂行致シマスル爲
三ハ相當多額ノ資金ヲ必要ト致シマスル
ノデ、其ノ調達ハ主トシテ債劵ノ發行ニ依
ルコトト致シ、拂込資本金額ノ十倍ヲ限リ、
戰時金融債劵ヲ發行シ得ルコトトシ、又政
府ハ其ノ債劵ノ元本ノ償還及ビ利息ノ支拂
ヒヲ保證シ得ルコトト致シテ居ルノデアリ
マス
第四ニ本金庫ニ對スル國家ノ援助ニ付テ
申上ゲマスルニ、本金庫ノ業務ノ性質ニ顧
ミテ、政府ハ本金庫ガ民間出資ニ對シテ年
五分ノ配當ヲナスニ必要ナル補給金ヲ交付
スルコトニ致シテ居リマス、卽チ本金庫ハ
國家的必要ニ應ジテ囘收ノ確實性必ズシモ
明確ナラザル投資融資ヲ行フモノデアリマ
スカラ、損失ガ生ジマシタ場合ニモ政府ハ
之ヲ塡補シテ民間ノ出資ニ對シ配當ヲナシ
得ルヤウ必要ナル補給金ヲ交付セントスル
モノデアリマス
第五ニ本金庫ニ對スル監督ニ付テハ、本
金庫ハ國家的見地ニ立ツテ戰時金融ヲ分擔
シ、政府ノ產業政策ノ圓滑ナル遂行ニ協力
スル公的機關デアリマスルノデ、只今申上ゲ
マシタヤウナ特權ヲ與ヘラレテ居ル點ニモ
顧ミマシテ、政府ハ監理官ヲ置キ、其ノ業
務ヲ監視セシムル等、嚴重ナル監督ヲナシ、
又其ノ職員ハ法律上公務員トシテ取扱フコ
トニ致シテ居ルノデアリマス
尙ホ本金庫ハ政府ノ損失補償ヲ背景トシ
テ資金ノ供給ヲナスモノデアリマスカラ、
何處マデモ必要ナル方面ニハ十分ニ之ヲ供
給スルノ要ガアリマスルト共ニ、其ノ反面
本金庫ヲ通ズル資金供給ニ依ツテ、國家的
ニ見テ資金ノ運用ガ放漫ニ流レルガ如キコ
トハ、嚴ニ之ヲ避ケナケレバナラナイノデア
リマス、隨テ只今申述べマシタ通リ本金
庫ニ對スル監督ヲ嚴重ニ致シマスルト共
ニ、本金庫ヨリ資金ノ供給ヲ受ケタル者ニ
對シマシテモ又必要ガアリマスレバ政府
ハ報〓ヲ徵シ、或ハ當該官吏ヲシテ監査ヲ
行ハシメ得ルコトト致シテ居ルノデアリマ
ス
最後ニ日本協同證券株式會社ノ本金庫ヘ
ノ統合ニ付テ一言致シマスルニ、同社ハ生
產力擴充資金供給ノ圓滑ナル疏通ニ資スル
爲メ、有價證劵ノ市價安定ヲ圖ルコトヲ目
的トシテ昨年春設立セラレ、爾來政府ト緊密
ナル連絡ヲ保チ、其ノ目的達成ニ努メテ參
ツタモノデアリマス、今囘前ニ申述ベマシ
タ通リ、市價安定ノ爲ニスル有價證劵ノ賣
買保有ハ、之ヲ戰時金融金庫ニ於テ行フコ
トト相成リマスルノデ、同社ハ本金庫成立
ト共ニ本金庫ニ統合スルコトト致シテ居ル
ノデアリマス、以上戰時金融金庫法案ニ付
キマシテ御說明ヲ致シタ次第デアリマス
次ニ臨時資金調整法中改正法律案ニ付キ
マシテ御說明ヲ申上ゲマス、改正ノ第一ハ、
戰時金融金庫ヲ本法第二條ノ金融機關ノ内
ニ加ヘントスルコトデアリマス、本議會ニ
於キマシテ別ニ戰時金融金庫法案ヲ提出
致シタノデアリマスガ、該法案ニ依リ設立
セラレマスル戰時金融金庫ニ付キマシテ、
是ガ資金ノ貸付等ノ調整ヲ圖ル必要ガアリ
マスル爲ニ、本法ノ金融機關ノ內ニ加ヘル
コトニ致シタノデアリマス
次ニ改正ノ第二ハ本法ニ依ル興業債劵ノ
發行限度ヲ二十億圓ヨリ五十億圓ニ擴張ス
ルト共ニ、興業債劵ニ對スル政府ノ元利支
拂保證ノ限度ヲ撤廢セントスルコトデアリ
マス、興業債劵ノ發行限度ニ付キマシテハ、
昨年通常議會ノ協賛ヲ經テ之ヲ十億圓ヨリ
二十億圓ニ擴張致シタノデアリマスガ、其ノ
後ニ於ケル生產力擴充資金、其ノ他時局ニ
緊要ナル資金ノ需要ハ益〓增加致シマスノデ、
日本興業銀行ニ於ケル貸出金ハ昨年中ノミ
ニテモ八億二千三百餘万圓ヲ增加致シテ居
リマス、其ノ他同期間中ニ於ケル公社債保有
高ノ增加ハ二億四千四百餘万圓ニ達シテ居
リマス、是ガ所要資金調達ノ爲メ、興業債劵
ノ發行亦昨年中ニ於テ十億一千六百餘万圓
ノ巨額ニ達シタノデアリマシテ、昨年末ニ於
ケル同債劵發行餘力ハ五億七千百餘万圓ヲ
餘スニ過ギナイコトトナツタノデアリマス、
而モ今後大東亞戰爭完遂ノ爲ニハ、此ノ種
資金ノ需要ハ一層增大スルモノト豫想セラ
レマスルノデ、玆ニ右發行限度ヲ二十億圓
ヨリ五十億圓ニ擴張シ、是ガ所要資金ノ調
達ニ支障ナカラシメントスルモノデアリマ
ス、是ト共ニ興業債劵ニ對スル政府ノ元利
支拂保證ノ限度ハ現在二十億圓ト相成ツテ
居ルノデアリマスガ、是ガ發行ノ圓滑ヲ期
センガ爲ニハ、臨時資金調整法ニ依ル分タル
ト、日本興業銀行法案第十一一條又ハ第十二
條ノ二ノ規定ニ依ル分タルトヲ問ハズ、總テ
政府保證ヲナシ得ルコトトスルヲ適當ト認
メラレマスルノデ、玆ニ右二十億圓ノ限度
ヲ撤廢セントスルモノデアリマス
改正ノ第三ハ、商工債劵ノ發行限度ヲ擴
張シ、五千万圓ヲ限リ商工組合中央金庫法
第三十一條ノ制限ヲ超エテ是ガ發行ヲナシ
得ルコトトナサントスルコトデアリマス、
商工組合中央金庫ノ貸出金ハ近時時局ノ要
請ニ伴ヒ、相當急激ナル增加ヲ致シテ居ル
ノデアリマシテ、昨年中ニ四千三百餘万
圓ヲ增加シ、商工債劵ノ發行高亦同期間中
ニ於テ借換分ヲ除キ四千九百餘万圓ニ達
シ、昨年末ニ於ケル是ガ發行餘力ハ七百十
餘万圓ヲ存スルニ過ギナイ狀況デアリマス、
而モ同金庫ニ對スル資金ノ需要ハ今後モ引
續キ相當活潑ナルモノト豫想セラレマスノ
デ、玆ニ本法ニ依リ發行限度ヲ五千万圓ダ
ケ擴張シ、是ガ所要資金ノ調達ニ支障ナカ
ラシメントスルモノデアリマス
次ニ改正ノ第四ハ、土地其ノ他ノモノヲ
收用セラレ又ハ賣却シタル者等ガ、其ノ代
償トシテ受ケル金錢ノ處分ニ付キ必要ナル
命令ヲナシ得ルヤウニシタコトデアリマス、
土地其ノ他ノモノヲ收用セラレ又ハ賣却シ
タル者等ガ其ノ代償トシテ受ケル補償金、
賣却代金等ハ、〓ネ相當多額ノ臨時的收入
ト認メラルルノデアリマスガ、是ガ浮動化
ヲ防止スルト共ニ國債其ノ他ノ有價證劵消
化ノ有力ナル源泉タラシメル爲メ、從來ヨ
リ此ノ趣旨ニ基ク、國債等ノ購入勸奬運動
ヲ實施シ來ツタノデアリマス、而シテ現下
時局ノ要請ニ基キ、右勸奬運動ハ一層徹底
强化ヲ必要トスルノ情勢ニアルニ顧ミマシ
テ、是ガ效果ノ萬全ヲ期シマスル爲メ、必
要アル場合ニハ其ノ最終的手段トシテ是等
ノ者ニ對シ國債等ノ有價證劵ノ購入保有ヲ
命ジ得ルノ途ヲ開クコトヲ必要ト認メタ次
第デアリマス
次ニ改正ノ第五ハ、貯蓄債劵ノ發行限度
ヲ十億圓ヨリ二十億圓ニ、報國債劵ノ發行
限度ヲ五億圓ヨリ十五億圓ニ擴張スルト共
ニ、貯蓄債劵ノ劵面金額ヲ引上ゲ、報國債劵
ノ割增金ノ附與囘數ニ關スル制限ヲ撤廢セ
ントスルコトデアリマス、貯蓄債劵ハ昭和
十二年十二月以降昨年十二月マデニ二十五
囘ニ亙リ、賣出價額六億二千三百万圓、報國
債劵ハ昭和十五年五月以降本年一月マデニ
十一囘ニ亙リ、賣出價額三億五千九百万圓
ヲ日本勸業銀行ヲシテ賣出サシメ、更ニ本
年二月二十一日ヨリ貯蓄債劵賣出價額五
千万圓、報國債劵賣出價額三千万圓ノ賣出
ヲナサシムルコトトナツテ居リマスノデ、
本年度末ニ於ケル發行餘力ハ貯蓄債券ハ三
億二千七百万圓、報國債劵ハ一億千百万圓
ヲ殘スニ過ギナイコトニ相成ルノデアリマ
ス、然ルニ大東亞戰爭ノ起リマシタルノニ
伴ヒ、政府資金ノ撒布額ハ今後益〓多額ニ達
スルモノト考ヘラレルノデアリマスガ、此
ノ撒布資金ヲ吸收シ、國民貯蓄ノ增强ヲ圖
リマスコトハ、惡性「インフレーション」ヲ
囘避シ、必要ナル戰費及ビ產業擴充資金ヲ
作リマスル上ニ於テ絕對ニ必要デアリマス、
隨テ是等貯蓄債劵及ビ報國債劵ノ發行ハ、
之ニ取リマシテ有效ナル手段デアリマスル
ノデ、益〓其ノ發行ヲ增額スルノ要アリト認
メラレマスルカラ、其ノ發行限度ヲ擴張致
シマシテ、又併セテ是等債劵ノ消化促進ニ
資スル爲ニ、貯蓄債劵ニ付キマシテハ現在
其ノ劵面金額ガ二十圓以下トアリマスルノ
ヲ三十圓以下十圓方引上ゲ得ルコトト致シ、
又報國債劵ニ付キマシテハ其ノ抽籤ハ每年
一囘以上之ヲ行フコトトアル制限ヲ撤廢致シ
タノデアリマス、尙ホ貯蓄債劵ノ劵面金額ヲ
引上ゲルコトト關聯致シマシテ、有價證劵
移轉稅法中ノ免稅證劵ニ關スル規定ヲ改正
シテ、小額債劵ノ課稅最低限ヲ三十圓以下
ニ引上ゲルコトニ致シマシタノデアリマス
最後ニ改正ノ第六ハ、本法ノ罰則ヲ企業
許可令ニ依ル罰則ト權衡ヲ得セシメントス
ルコトデアリマス、昨年十二月十一日公布
セラレマシタル企業許可令ノ違反ニ付キマ
シテハ、國家總動員法ノ規定ニ依ル罰則ノ
適用ヲ受ケマスルガ、本法ハ同令ト或ル範
圍ニ於テ同性質ノ事案ヲ對象トシテ居リマ
スルノデ、本法ノ規定ニ違反シタル場合ノ
罰則ニ付キマシテ、是ガ權衡ヲ保タシムル必
要ガアリマスルノデ、本法ノ罰則ニ關スル
規定ヲ改正スルコトニ致シタノデアリマス
以上三件ノ法律案ニ付キマシテハ何卒御
審議ノ上速カニ御贊成ヲ與ヘラレンコトヲ
希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=3
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004・板谷順助
○板谷委員長 此ノ際資料ノ要求ガアリマ
シタラ御申出ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=4
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005・世耕弘一
○世耕委員 三案ニ關係ノアル資料ヲ一括
シテ御願ヒ致シテ置キマス、第一ハ本法案
ニ關係スル南方開發營團及ビ其ノ他營團等
ニ關スル參考資料、二ハ產業資金關係デ昭
和十一年度以降ノ統計、但シ特殊銀行、
般銀行トノ別、三ハ日本協同證劵會社ノ定
款及ビ貸借對照表、四ハ東亞經濟圈內ノ各
種締計資料、五ハ支那ニ於ケル國策會社ニ
關スル各種參考資料、以上ヲ御願ヒ致シマ
ス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=5
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006・粟山博
○粟山委員 資料ノ要求ハ文書ヲ以テ申出
デマシテモ、大藏大臣ガ居ラレル限リ、成
ベク大藏大臣ニ質問スル機會ヲ多ク與ヘラ
レルヤウニ計ラハレタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=6
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007・板谷順助
○板谷委員長 承知致シマシタ、若シ只今
資料ノ要求ガ間ニ合ヒマセヌデシタナラ
バ、文書デモ宜シウゴザイマスカラ、明後
日ノ午前中ニ御申出ヲ願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=7
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008・武田徳三郎
○武田委員 私モ資料ヲ御願ヒ致シマス、
私ハ簡單デ宜イノデスガ、昭和十二年以降
昭和十六年度マデ各年度內ニ於ケル租稅
其ノ他ノ國庫ニ於ケル收納金額ト、國庫カ
ラノ支拂金額ノ差ヲ表ニシテ提出サレタイ
ト思ヒマス、ソレカラ是ハ外デモ調ベレバ
分ルコトデゴザイマスケレドモ、一寸參考
ニシタイト思フノデアリマスガ、昭和十二
年度カラ各年ノ平均ノ兌換劵ノ發行額、每
月ノ平均發行額竝ニ各月末ノ發行額ヲ御知
ラセ願ヒタイト思ヒマス、ソレカラ尙ホ昭
和十二年以降各年別ニ制限外發行額ハドノ
位ニナツテ居ルカト云フコトヲ御知ラセ願
ヒタイ、每年月別ニシテ制限外發行高ヲ御
知ラセ願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=8
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009・坂東幸太郎
○坂東委員 私モ一件、大東亞戰爭開始前
ノ佛印、「タイ」「ビルマ」、英國管轄下ノ
ㄱマレー」半島、「フィリッピン」、蘭印、濠洲、
ㄱニュージーランド」、、此ノ各國ニ於ケル貨幣
ノ流通高、此ノ一件ヲ御願ヒ致シタイノデ
アリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=9
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010・板谷順助
○板谷委員長 外ニ御希望ハゴザイマセヌ
カ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=10
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011・田村秀吉
○田村委員 先程世耕君カラ御要求ガアツ
タノデ重複シマスガ、事變以來ノ產業金
融-一般銀行ト特殊銀行トヲ別々ニシテ戴
ケレバ宜シイノデスガ、趨勢ト申シマスカ、
是ハ世耕君ガ先程御要求ニナツタノト重複
シテ居リマスガ、是非一ツ御願ヒ致シタイ
ト思ヒマス、ソレカラ現在ノ此ノ法案ノ狙
ヒ、戰時金融金庫ノ狙ツテ居ル未動遊休設
備ノ何カ調査ガアリマシタナラバ、御提出
願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=11
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012・板谷順助
○板谷委員長 外ニアリマセヌカ-只今
委員諸君カラ御要求ノ參考資料ハ成ベク早
ク一ツ御提出ヲ願ヒマス
尙ホ此ノ際一言申上ゲテ置キマスガ、議
案ハ何レモ戰時金融トシテ重大ナ關係ガ
アリマスルノデ、本委員會ニ於テモ十分審議
ヲ盡シタイト考ヘテ居リマス、ドウカ質問
ヲ御希望ノ方ハ御通告ヲ願ヒタイ、ソレカ
ラ尙ホ此ノ審議ノ方法ニ付キマシテハ政府側
トモ打合セヲ致シマシテ、理事各位トモ御
相談ノ上、成ベク委員各位ノ御期待ニ副フ
ヤウニ計ラヒタイト考ヘテ居リマス、其ノ
際改メテ又各位ニ御相談ヲ申上ゲマス、左
樣御承知置キヲ願ツテ置キマス、本日ハ是
ニテ散會致シマシテ、次會ハ明後日ノ午前
十時ヨリ開會致シマス
午後二時四十分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X00219420124&spkNum=12
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