1. 会議録本文
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000・会議録情報
會議
昭和十七年二月四日(水曜日)午前一時十七分開議
出席委員左の如し
委員長 板谷順助君
理事 横川重次君 理事 田村秀吉君
理事 長井源君 理事 坂東幸太郎君
理事 龜井貫一郎君 理事 本田英作君
大口喜六君 太田理一君
菊池良一君 木村正義君
木暮武太夫君 西川貞一君
武田徳三郎君 喜多壯一郎君
豐田豐吉君 豐田收君
内藤正剛君 中島彌團次君
南雲正朔君 西村金三郎君
廣川弘禪君 堀内良平君
松方幸次郎君 松永東君
山本粂吉君 矢野庄太郎君
石坂豐一君 世耕弘一君
河合義一君 三輪壽壯君
粟山博君 田中耕君
水谷長三郎君
二月三日
昭和十五年度第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十五年度特別會計第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十五年度特別會計豫備費支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度豫備金外豫算外支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計豫備金外豫算超過及豫算外支出の件(承諾を求むる件)
自昭和十六年十一月一日至同年十一月五日臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件(承諾を求むる件)
の審査を本委員に付託せられたり
出席政府委員左の如し
大藏次官 谷口恒二君
大藏省理財局長 山住克己君
大藏省銀行局長 山際正道君
大藏省爲替局長 原口武夫君
大藏省會社部長 田中豐君
本日の會議に上りたる議案左の如し
日本銀行法案(政府提出)(承諾を求むる件)
戰時金融金庫法案(政府提出)(承諾を求むる件)
臨時資金調整法中改正法律案(政府提出)(承諾を求むる件)
昭和十五年度第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十五年度特別會計第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十五年度特別會計豫備費支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度豫備金外豫算外支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計豫備金外豫算超過及豫算外支出の件(承諾を求むる件)
自昭和十六年十一月一日至同年十一月五日臨時軍事費特別會計豫備費外豫算超過支出の件(承諾を求むる件)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=0
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001・板谷順助
○板谷委員長 案ニ對スル質問者ハ、
吉君ガ一人殘ツテ居リマシタガ、
ナリマシタノデ、
シマシタ
(承諾ヲ求ムル件)
是ヨリ會議ヲ開キマス、
大臣ニ對シテ山本条
是ニテ質疑ハ全部終了致
本
御取消ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=1
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002・板谷順助
○板谷委員長 是ヨリ討論ニ移リマス、日
本銀行法案、戰時金融金庫法案及ビ臨時資
金調整法中改正法律案ノ三案ヲ一括シテ討
論ニ移リマス、討論ハ通〓順ニ依ツテ之ヲ
許シマス-田村秀吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=2
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003・田村秀吉
○田対委員 私ハ翼賛議員同盟ヲ代表致シ
マシテ、日本銀行法案外二件ニ對シマシテ
贊成ノ意ヲ表スル者デアリマス、唯此ノ際
一言所見ヲ申述ベマシテ政府ノ考慮ヲ促ス
ト共ニ、其ノ注意ヲ喚起致シテ置キタイト
思フノデアリマス、現在我ガ國ハ未曾有ノ
大國運興隆ノ氣運ニ際會致シテ居ルト思フ
ノデアリマス、而シテ此ノ際大東亞戰爭ノ
大ナル戰果ニ卽應シテ、大東亞共榮圈ノ確
立ニ邁進シナケレバナラヌコトハ申スマデ
モナイノデアリマス、此ノ見地ニ立チマシ
テ、吾々ハ從來ノ我ガ國ニ於ケル政治、經
濟、文化、其ノ他各方面ニ亙ル保守的觀點
カラ一大飛躍ヲシタ積極的ノ構想ト畫策ガ
必要デアルト思フノデアリマス、今囘政府
ガ日本銀行法案外二件ヲ本議會ニ提案セラ
レタ所以モ、正ニ此ノ目的ニ卽應センガ爲
ニ外ナラヌト思フノデアリマス、我ガ國ハ
大東亞共榮圈ノ指導勢力トシテ、大東亞共
榮圈內ノ經濟、產業各方面ニ亙ル所ノ開發
ニ對シテハ重大ナル使命ヲ有シテ居ルノデ
アリマスカラ、吾々國民ハ一丸トナツテ此
ノ目的達成、此ノ使命ノ遂行ニ邁進シナケ
レバナラヌコトハ、重ネテ申上グルニ及バ
ナイト思フノデアリマス、今囘日本銀行制
度ガ新タニ劃期的ノ改組改革ヲ斷行セラル
ルニ至リマシタノモ、此ノ大東亞共榮圈ノ
確立、大東亞戰爭ノ大戰果ニ卽應スル產業、
經濟ノ開發ヲ目標トシテ、產業金融ノ上ニ
一大改革ヲ斷行セントスルモノデアリマシ
テ、之ニ對シマシテハ私共ハ擧ゲテ此ノ改
革ニ贊意ヲ表シ、而シテ之ヲ絕對ニ支持セ
ントスルモノデアリマス、唯日本銀行制度
ノ改革ハ從來ノ機能カラ一大發展ヲ來シマ
シテ、產業金融ヲ目標トスルモノデアリマ
スガ、一面ニ於テ管理通貨制度ヲ採ルニ至
リマシタガ爲ニ、管理通貨制度ノ上ニ一番
考ヘナケレバナリマセヌコトハ、如何ニシ
テ通貨價値ノ安定ヲ確保シテ行クカト云フ
コトデアリマス、通貨價値ノ安定ヲ確保ス
ルコトハ絕對ノ要件デナケレバナラヌ、
方ニ於テハ產業金融ニ乘出シテ、飽マデ大
東亞共榮圈內ノ生產擴充ヲ目的トシテ、其
ノ機能ヲ發揚シナケレバナリマセヌガ、他
面ニ於テ管理通貨制度ニ依ル通貨價値ノ安
定性ト云フモノハ之ヲ何處マデモ確保シテ
行カナケレバナラヌ、隨テ此ノ日本銀行劵
所謂通貨ノ發行ニ當リマシテ、其ノ發行額
ノ決定ニ付キマシテハ、通貨價値ノ安定確
保ト生產擴充ヲ目標トスル所ノ產業金融ノ
機能、此ノ間ノ緩急宜シキヲ得テ、(3)
フレ」ヲ激成スルガ如キ弊ニ絕對ニ陷ラヌ
ヤウニ、而シテ一面ニハ生產擴充ノ機能ヲ
十分ニ發揚シ得ルヤウニ、通貨ノ發行額ノ
決定ニ當リマシテハ特ニ愼重ヲ期スル要ア
ルコトヲ信ジマスガ故ニ、此ノ點ニ付キマ
シテハ特ニ政府ノ御注意ヲ促シテ置キタイ
ト思フノデアリマス
次ニ戰時金融金庫ノ新設ニ付キマシテ
言申上ゲテ置キタイト思フノデアリマス、
今囘戰時金融金庫ヲ新設スルニ至リマシタ
ノハ、大東亞共榮圈ノ確立ニ當ツテ、我ガ國
ノ產業ヲ再編成シテ生產ノ擴充ヲ圖ラント
スル目的ニ出テ居ルコトハ申スマデモナイノ
デアリマス、隨テ從來ノ金融機能ハ玆ニ一大
轉換ガ起ラント致シテ居ルノデアリマス、卽
チ今後ノ金融ハ產業開發、生產擴充ヲ目標
トシテ行ハレルノガ眼目デアリマシテ、從來
ノ如キ金融資本主義的ナ觀念ハ此ノ際之ヲ
脫却シテ、東亞共榮圈ヲ確立シ、大東亞戰
爭ノ目的完遂ニ卽應スルヤウナ金融機能ノ
發揚ヲ圖ラナケレバナラヌト思フノデアリ
マス、此ノ意味ニ於テ大キナ目標ニ向ツテ、
所謂生產ノ擴充ニ金融機能ヲ總動員セント
スル使命ヲ帶ビテ、玆ニ戰時金融金庫ガ新
設セラレントスルニ當リマシテハ、私共ハ
雙手ヲ擧ゲテ之ニ贊意ヲ表シ、其ノ十分ノ
活躍ヲ期待スルモノデアリマスルガ、又其
ノ一面ニ於キマシテハ、從來ノ金融機構ト
云フモノガアリマス、又モウ一ツハ最近設
置セラレマシタ所ノ產業設備營團トノ關係
ガアル、其ノ目的トスル所ハ、一ニ大東亞
共榮圈內ノ經濟ヲ開發シ、生產ノ擴充ヲ完
ウセントスル目的ヲ等シク持ツテ居ルノデ
アリマス、唯其ノ同ジ目的ヲ持ツタ機關ガ
玆ニ一、三アリマスガ故ニ、其ノ二、三ノ機關
ガ運營ノ上ニ或ハ齟齬ヲ來シタリ、或ハ摩
擦ヲ起シマスルコトガアリマシテハ、目的
ハ一ツデアリ、其ノ狙フ所ハ宜シイノデア
リマスガ、其ノ實績ヲ擧ゲ得ナイ虞レナシ
ト言ヘナイノデアリマス、此ノ點ニ於テ今
囘戰時金融金庫ノ新設ニ當リマシテモ、政
府ハ其ノ運營ノ上ニ從來ノ金融機關、或へ
從來ノ產業設備機關、是等トノ調節、運營
ノ圓滿ヲ期シテ、大東亞共榮圈ノ確立ヲ目
標トシテ、其ノ目的達成ニ寸毫ノ齟齟、違
算ノナカランコトヲ期シテ貰ハナケレバナ
ラヌト思フノデアリマス、此ノ點ニ付キ特
ニ政府ノ注意ヲ喚起致シテ置キタイト思フ
ノデアリマス、以上二點ニ對スル私共ノ希
望ヲ申述ベマシテ、政府ノ考慮ト注意ヲ促
シ、三案ニ對シテ贊成ノ意ヲ表スル次第デ
アリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=3
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004・板谷順助
○板谷委員長 世耕弘一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=4
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005・世耕弘一
○世耕委員 私ハ同交會ヲ代表シマシテ、
只今議題トナツテ居リマスル日本銀行法案
外二案ニ對シテ原案通リ贊成ノ意ヲ表シタ
イト思フノデアリマス、惟フニ本法案ハ銃
後鐵壁ノ護リノ根幹ヲナス重要法案デアリ、
而シテ吾々ハ本法案ノ審議ニ當リマシテ、
十分ニ其ノ審議ヲ盡シタトハ言ヒ難イ憾ミ
ガ多分ニアルノデアリマス、本法案ノ內容
及ビ政府側ノ答辯ニハ、未ダ滿足ノ意ヲ表シ
兼ネル點ガ多々アリマス、例ヘバ日本銀行
法案ノ政府側ノ答辯中ニ、通貨ニ金ヲ裏付
ケヌ理念ノ問題等、幾多ノ矛盾ヲ發見スル
ノデアリマス、卽チ圓單位決定ノ上ニ、貿
易決濟ノ上ニ、物價變動抑制ノ上ニ、竝二
貯藏等ノ實情ニ卽シテ其ノ矛盾ガ發見サレ
ルノデアリマス、若シ政府ノ謂フガ如ク妥
當正論ナリト假定スルナラバ、日本ノ現在
ニ於テ戰時下ニ金ノ增產ハ不急ノコトニ屬
スルト思フノデアリマス、其ノ金增產ハ、
政府、民間共ニ莫大ナル資金ト技術ヲ傾注
スルノハ私ハ無駄ダト云フ結論ガ出テ來ル
ト思フノデアリマス、却テ是ガ鐵、銅其ノ
他直接軍事資材ニ振向ケラルベキモノガ當
然ヂヤナイカ、勿論採金會社ノ如キハ卽時
解散セシムルガ當然ダト云フ議論ガ出テ來
ルノデアリマス、又民間ヨリ買上ゲタル貴
金屬ハ再ビ民間ニ拂下ゲテ、通貨ノ收縮ヲ
圖ルベキガ當然ヂヤナイカ、斯ウ云フ議論
ガ出テ來ルノデアリマス、併シナガラ吾々
此ノ點ニ關シテ細カイ議論ヲ實ハスルコト
ヲ控ヘタノデアリマス、大體ニ於テ金銀ガ
通貨トシテ紙幣ニ裏付ケヲスルヤウニナツ
タノハ、幾多經濟上ノ歷史ガアツテ、單純
ニ論ズベキヂヤナイト思ヒマス、併シ今ハ
戰時下デアル、色々ノ問題ヲ採上ゲテ論爭
スルコトハ御互ヒニ愼マナケレバナラヌト
考ヘ自制シタノデアリマス、仍テ突込ンデ
追究ヲ差控ヘタヤウナ事情デアリマス、蓋
シ日本銀行及ビ其ノ他ノ關係金融機關ノ運
用ハ、戰時下細心ノ留意ヲ要スルモノト認
メラレルノデアリマス、前歐洲大戰ニ於テ、
「ドイツ」ハ戰ニハ勝ツタガ、實ハ最後ハ經
濟戰ニ敗北シタ實例ガアル、吾々ハ飽クマデ
モ戰ハナケレバナラヌ、吾々ハ戰時財政經
濟ノ所謂完璧ヲ期サナケレバナラヌト思フ
ノデアリマス、其ノ爲ニ一億一丸トナツテ、
戰爭物資ノ充足ヲ遂ゲケレバナラヌノデア
リマス、併シナガラ一億一丸トナレバ、吾
吾ノ戰爭物資ハ自ラ道ガ開カレテ來ル、少
シノ不安モナイノデアリマス、恰モ坦々タ
ル平野ノ「アスフアルト」道路ヲ朝光ヲ浴ビ
テ快走シテ居ルヤウナ餘裕アル氣分ガスル
ノデアリマス、唯一點茲ニ心ニ懸ルノハ、
運轉士ノ任ニアル政府ノ技倆ニアルト私ハ
思フ、戰時下ノ財政ニハ「インフレ」ガ附キ物
デアル、吾々ハ誓ツテ惡性「インフレ」ヲ防止
シナケレバナラヌト思フノデアル、日本ノ
現下ノ財政ニハ、必ズシモ樂觀ノミヲ許サ
レヌモノガアルト思フノデアリマス、例
バ國策會社ノ續出ニ對シテ、業績ノ不振、
更ニ國家ノ統制增加、或ハ補給金ノ引上、
融資命令、國家損失補償、預金部ノ貸出等、
ㄱインフレ」ノ懸念增大シツツアル原因ハ多
多アリマス、是等ノ關係ヲ若シ誤マレバ軍費
支辨ニ支障ナキヲ得ナイノデアリマス、此ノ
際政府ハ特ニ此ノ點ニ嚴重ナル監督ト細心
ノ御注意ヲ願ヒタイノデアリマス、特ニ日
本銀行ノ運用上其ノ衝ニ當ル所ノ役員選定
ノ如キハ、練達堪能ノ士ヲ以テ萬全ヲ期セ
ラレンコトヲ祈ツテ已マナイノデアリマス、
ドウゾ此ノ點十分御諒承ヲ願ツテ置キタイ
ト思フノデアリマス、賀屋大藏大臣ニハ積
極性ヲ持タレ、而モ可ナリ大膽ナ計畫性ノ
アル人デアリ、支那、滿洲カラ歸ツテ來ラ
レテカラ更ニ線ガ太クナラレタヤウナ感ジ
ガスルノデアリマスガ、幸ヒニシテ細心堅
實性ニ富ンダ谷口次官ガ女房役トシテ其ノ
衝ニ當ラレルコトハ、吾々非常ニ心强ク感
ズル者デアリマス、幸ヒニ國家ノ爲メ御健
全デ此ノ金融界ノ萬全ヲ期セラレンコトヲ
特ニ要望致シマシテ、本案ニ贊成ノ意ヲ表
スル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=5
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006・板谷順助
○板谷委員長 龜井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=6
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007・亀井貫一郎
○龜井委員 私モ第一控室ノ所屬議員ヲ代
表致シマシテ、日本銀行法案外二案ニ贊成
ノ意ヲ表スル者デゴザイマス、理由ハ簡單
デアリマス、旣ニ同僚田村君カラモ申述べ
マシタ通リ、大東亞戰爭勝利ヘノ完遂、大
東亞共榮圈ノ建設、其ノ基礎タル國防國家
ノ建設、其ノ裏付ケタル生產擴充ト云ラモ
ノト相竝ビマシテ、通貨信用ノ劃期的改革
ガアルベキコトハ是ハ當然ノコトデアリマ
シテ、同僚粟山君カラモ申サレマシタヤウ
ニ、寧ロ遲カリシヲ憾ムモノデアリマス、
此ノ體制ノ下ニ大膽ニ、果敢ニ、戰爭完遂
ノ一翼トシテ御遂行アランコトヲ希望スル
者デアリマス、唯此ノ問題ハ極メテ重大ナ
ル問題デアリマスノデ、之ニ關シマシテモ、
本件三案審議ニ當リマシテ同僚議員ノ間デ
色々御心配ノ點モアツタ如クデアリマシタ、
ソレ等ノ二、三點ヲ御參考マデニ御披露致シ
マシテ、强ク政府ノ御考慮ヲ煩ハシタイト
思フノデアリマス
大マカニ申シマスレバ、只今世耕君ガ言
ハレマシタ點デアリマスケレドモ、決シテ
大藏大臣ノ個人ノ問題デハゴザイマセス
ガ、大體正統學派的ナ、或ハ通貨主義的ナ政
策ヲ御執リニナリ來ツテ居リマシタ御當局ハ、
特ニ北支カラ御歸リニナツテカラト申シマ
スカ、特ニ玆ニ非常ニ飛躍的ナ體制ノ企畫
ノミナラズ、其ノ實施ニ御當リニナルト云
フコトニナルノデアリマスガ、其ノ大膽サ
ハ無論吾々ハ非常ニ買フベシト思ツテ居リ
マスガ、固ヨリ大藏大臣ト致シマシテハ、
個人ノ御所懷トシテハ一貫セル信念ノ發展
デアルコトヲ確信スルノデアリマス、一方
ニ於テハ事情ノ大變化ガ斯クノ如クナラシ
メタコトモ十分了承致ス者デアリマスカラ、
ソレガ惡イト云フノデハアリマセヌケレド
七、動モスルトソレガ唯情勢ニ壓サレテ、
良ク云ヘバ臨機應變、惡ク申セバ出タトコ
勝負デ問題ヲ處理シテ行カレルヤウナコト
ニナリマスルト、同僚粟山君ノ指摘シタ例へ
バ通貨ノ冒險性、或ハ「インフレ」等ノ虞ナシ
トシナイコトハ、支那ニ於ケルアレダケノ間
題デモ、中支、北支、滿洲ニ亙ル「インフレ」
ハ吾々ノ旣ニ經驗シタ所ナノデゴザイマス、
隨ヒマシテサウ云フコトヲ避ケマスル爲ニ
十分此ノ際御考究願ヒタイノガ第一點ト
ヤハリサウ云フコトヲ避ケマスル爲ニハ、
モウ少シ深ク通貨ノ價値トシテノ問題ヲ、
理論ノ體系的ナ掘下ゲ、御〓究ヲ願ヒタイ、
同僚武田委員、或ハ西川委員カラ繰返シ御
尋ネシタ點モ此處デアリマス、之ニ對スル
大臣ノ御答辯モ、常識的ニモ十分了解ヲ致
シ、戰爭完遂ノ途上ニ於ケル問題ト致シマ
シテハソレデ滿足スベキデゴザイマス、是
レ以上理論鬪爭ヲスル暇モナケレバ、兎ニ
角ヤラナケレバナラナイ必要ニ迫ラレテ居
ルノデアリマス、隨ヒマシテ議會ガ其ノ理
念ノ問題ニ深入リスルコトヲ避ケマシタ所
以モ此處ニアルノデアリマスルガ、玆ニハ
ツキリ責任ヲ以テ豫斷致シマスルコトハ
玆ニ速記錄ニ遺サレマシタル大臣ノ御答辯
カラ、本年必ズヤ管理通貨下ニ於キマスル
財政學者、通貨學者、信用學者等ノ圓ノ價
値論ニ關シマスル究明ガ、本年ノ眞劍ナル
論究ノ題目ト相成ルト云フコトヲハツキリ
御豫告ヲ申上ゲマシテ、大藏省ニ於カレマ
シテモ其ノ點ヲハツキリ更ニ御勉勵ヲ願ヒ
タイト思フノデアリマス
之ヲ裏カラ申シマスレバ、第二點ハ田村
議員カラ御指摘ニナリマシタ如ク、「インフ
レ」ノ懸念ノ原因トシテハ、通貨量ノ問題、
其ノ調節ノ問題デゴザイマス、本院ノ他ノ
委員會ニ於キマシテ主稅局長ガ、現行稅制ニ
於テハ增稅ノ或ル限度ガアルカラ長期戰ニ
對應致シマスル爲ニハ、根本的ニ其ノ稅制
ヲ考ヘ直サナケレバナラヌ必要ガアルト思
フト云フコトヲ答辯サレテ居リマス、此ノ
御說明モ洵ニ然ルベキ所ト思フノデアリマ
スルガ、戰爭ガ長期戰ニナリ、軍費支辨其
ノ他ノ一般ノ建設財政ト云フモノガ相當廣
汎ニ亙リ、且ツ巨額ニ上ルコトハ申スマデ
モゴザイマセヌ、所ガ根本稅制ノ改革ヲヤ
リマスルノニハ相當ノ時間モ掛リマス、ソ
コデ勿論通貨ヲ放膽ニ御出シニナラナイト
スルト、管理通貨ニナリマシタ意味モナイ
ト共ニ、又餘リニ放膽デハ「インフレ」ニナ
ルト云フ、其ノ間ノ調節デアリマスルガ、
又稅制體系モ根本的ニ改メル時間ガアルト
スレバ、此ノ際一ツ政府證劵乃至政府保證
ニ依リマスル所ノ特殊手形ニ依リマシテ、
通貨量ヲ一定ニ調節シナガラ工業金融ヲ賄
ツテ行クト云フ風ナ特殊手形ノ方法ニ付テ
モ、十分一ツ御考慮願ヒタイト云フ點ガ第
二點デアリマス
隨ヒマシテ第三點ハ、大藏大臣ガ此處デ
ハツキリ仰シヤツタ通リ、又吾々モ同感ヲ
表シマシタ通リ、要スルニ是ガ旨ク行クカ
行カナイカハ、物デ裏付ケラレルカ否カト
云フコトデゴザイマス、ソコデ物ヲ造ル作
業ノ能率ト云フコトガ極メテ重大ナルコト
ニ相成ツテ參ルノデアリマス、今日ハ既ニ
段々個々ノ營利ヲ追ツテ收益性ノ時代デハ
アリマセヌ、國家ノ生產へ目指シテノ工場
ノ收益性ト云フコトガ重大ナル問題ニ相成
ツテ居ルノデアリマシテ、單ニ利鞘ヲ見テ
ノ生產デハナイノデアリマス、要スルニ低
生產費ニ依ツテ良キモノヲ多額ニ擧ゲルト
云フ、難カシク申セバ科學的經營或ハ能率
的經營ト云フコトガ非常ニ重大ナコトニ相
成ルト思フノデアリマス、ソコデ先程ノ問
題デアリマスガ、御注意ヲ願ヒタイコト
ハ、他ノ一面ニ於キマシテ現在行ハレテ居
リマスルノハ岸商工大臣ノ御言明ニ拘ラ
ズ、動モスルト統制經濟ト云フモノハ能率
主義デナクテ實績主義デアル、動モスルト
良イ能率ヲ以テ生產サレル部面ニ對シテ資
材、金融ガ〓リマセヌデ、過去ノ實績或ハ資
本的ナ力ノアル方ニ現在ノ仕事ガ殘ルト云
フ虞レガアルコトハ、他ノ例ヲ引キマシテ
同僚河合委員カラ御質問ヲ申上ゲタ所デア
ルノデアリマス、斯ウ云フコトガ起リマスト、
是ガ「インフレ」ノ原因ニナルノデアリマス
カラ、馬術デ申セバ人馬一體、卽チ機械ト人
間ガ一體トナル、單ニ私ハ西洋式ノ「マス·
プロ」ノ能率主義ヲ言ツテ居ルノデハアリ
マセヌ、人間ト機械ガ一體ニナツテ、ッ
ノ流レ作業トナツテ、日本ガ少クトモ手工
業的段階カラ一ツノ組織生產ノ段階ニ入ル
ヤウニ致シテ、其ノ能率アルモノニ向ツテ
ノ助長、金融ヲ十分御考慮ヲ願ヒタイ
次ニ第四點ト致シマシテハ下請工場ノ問
題ガアルノデアリマス、下請工場ハ富士山
ノ山麓トシテ、非常ニ重要ナ日本ノ產業ノ
役割ヲシテ居ルノデアリマス、アレダケ巨
大ナ產業ヲ持ツ「ドイツ」ニ於キマシテモ、僅
カ日產一「トン」、三「トン」ノ特殊鋼生產ト
云フ風ナ中小工業ガ、或ハ修繕工場ガ、或
ハ部品工場ガ、寧ロ全體產業ノ山麓ヲ成シ
テ居ル、此ノ狀態ハ如何ニ中小工業ノ生產
度ガ高イコトガ必要デアルカ、御諒承相成
リ得ルト思フノデアリマスガ、ソレガ動モ
スルト實績ニ壓倒サレテ、ソシテ特殊ノ良
キ能率生產ヲ持チ、特殊製品ヲヤリ得ル所
ノモノマデ壓縮サレルト云フコトニナリマ
スルト、一ツノㄱピニオン·スチール」「バイト·
スチール」ヲ造ツテ居ルノハ小サイ工場デ
アリマスカラ、ソレガ一ツ駄目ニナレバ全
體產業ガ動カナクナリマスノデ、サウ云フ
面ニ對シテノ工業金融ノ滲透ニ付テハ格段
ノ御配意ヲ願ヒタイ、是ハ大臣ノ御言明ニ
モアリ、政府當局ノ御言明ニモアリマシタ
ノデ、ソレヲ信賴致シマスルガ、ドウゾ御
徹底ヲ願ヒタイ、其ノ御用意ノ下ニ於テ、
吾々ハ滿身ノ感激ト滿身ノ熱情ヲ以チマシ
テ、此ノ新通貨制度ニ向ツテ洋々タル發展
ヲセラレンコトヲ御激勵申上ゲマシテ、贊
成ヲ致シタイト存ジマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=7
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008・板谷順助
○板谷委員長 本田英作君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=8
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009・本田英作
○本田(英)委員 私ハ興亞議員同盟ヲ代表
致シマシテ、日本銀行法案外二案ニ對シマ
シテ贊成ノ意思ヲ表明致シマス、既ニ他ノ
會派ノ方々カラ申サレマシタ通リニ、今日
ノ大東亞戰ハ、軍力ノ戰爭デアルト共ニ一
面ニハ經濟上竝ニ金融上ノ戰爭ト言ハレテ
居ルノデアリマス、世界ノ金產額ノ五〇%
カラ六〇%ヲ產出シテ居ル英國、又世界ノ
在金ノ四分ノ三ヲ有シテ居ル「アメリカ」ヲ
相手ニ取ツテ、金融上彼ノ占メテ居ル王座
ヲ叩キ落サウトスルニハ、ドウシテモ好ム
ト好マザルトニ拘ラズ、今囘ノ管理通貨ノ
制ヲ以テヤル外ハナイト思フノデアリマス、
今囘賀屋大藏大臣ガ此ノ戰ヒニ對シマシテ、
此ノ新シイ理念ニ依ツテ立上ラレタト云フ
コトハ、洵ニ吾々贊意ヲ表スルニ吝カデナ
イ所デアリマス、·唯此ノ新理念ニ基キマシ
テ銀行劵ヲ發劵セラレル場合ニ於テ、私ノ
乏シキ知識ヲ以テ致シマスレバ、「ドイツ.ㄴ
ノ「ライヒス·バンク」ニ於テハ大藏大臣、經
濟大臣及ビ「ライヒス·バンク」ノ總裁ガ三位
一體トナツテ、其ノ發劵額ニ對シテ十分ニ
考慮シテ「インフレ」ニナラナイヤウニシテ
行カレルト云フコトヲ聞イテ居リマス、今
囘ノ日本銀行ニ於テハ、大藏大臣ニ於テ其
ノ額ヲ決メラレルト云フコトニナツテ居リ
マスルガ、ドウカ其ノ發劵額ヲ決メル場合
ニ於テハ日本銀行ノ總裁ト相談スルハ勿論
ノコト、經濟方面ノ大臣トモ能ク御協議ノ
下ニ於テ發劵ノ限度ヲ定メラレンコトヲ希
望致シマス
第二ハ、東洋ニ於ケル敵性金融都市モ
殆ド既ニ潰滅シ、又東亞共榮圈ノ確立モ將
ニ之ヲ見ントシテ居ルノデアリマス、而モ
今囘日本銀行ノ新シキ管理通貨ノ理念ニ依
ツテ出發セラレテ居リマスルカラ、外國爲
替管理法ハ須ク此ノ新シキ理念ニ基カレマ
シテ至急ニ根本的改正ヲ加ヘラレンコトヲ
希望致シマシテ、此ノ三案ニ對シテ贊成ヲ
申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=9
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010・板谷順助
○板谷委員長 是ニテ討論ハ終局致シマシ
タ、此ノ際諸君ニ御諒解ヲ得テ置キタイコ
トガアリマス、本委員會ニ於テ各派ヲ代表
シテ討論サレタコトデアリマスルカラ、本
會議ニ於ケル討論ハ省略致シタイト考ヘマ
スガ、御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=10
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011・板谷順助
○板谷委員長 左樣決定致シマス-是ヨ
リ採決致シマス、各案トモ原案ニ贊成ノ諸
君ノ起立ヲ求メマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=11
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012・板谷順助
○板谷委員長 起立總員、仍テ各案ハ原案
通リ可決致シマシタ(拍手)
此ノ際諸君ニ一言御挨拶ヲ申上ゲテ置キ
マス、本委員會ニ付託サレマシタル各案ニ
付キマシテ十囘ニ亙リ委員會ヲ開キマシテ、
委員各位ノ非常ナル御精勵ニ依ツテ無事ニ
本日可決致シタ次第デアリマス、其ノ間委
員長萬事不行屆ノ點ヲ能ク御寛容下サイマ
シテ、御後援下サイマシタコトニ付テハ、
此ノ機會ニ於テ厚ク御禮ヲ申上ゲマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=12
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013・板谷順助
○板谷委員長 昨日本委員會ニ付託サレマ
シタル昭和十五年度第一豫備金支出ノ件外
七件ノ承諾ヲ求ムル件、之ヲ議題ニ供シマス、
政府ノ說明ヲ求メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=13
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014・谷口恒二
○谷口政府委員 只今議題トナリマシタ昭
和十五年度第一豫備金支出ノ件外事後承諾
ヲ求ムル件七件ニ關シマシテハ、既ニ本會
議ニ於テ大體ノ御說明ヲ致シテアルノデア
リマスガ、當委員會ニ付託サレマシタニ付
キマシテ、此ノ際改メテ御說明申上ゲタイ
ト存ジマス
昭和十五年度一般會計第一豫備金ノ豫算
額ハ三千万圓デアリマシテ、內昭和十五
年勅令第五百九十號ニ依リ、補充致シマ
シタ金額ハ二千九百二十餘万圓デアリマ
ス、今其ノ主ナル事項ヲ擧ゲマスレバ、內
務省所管ニ屬スル警察費連帶支辨金五百十
餘万圓、文部省所管ニ屬スル小學校〓員俸
給分擔金五百餘万圓、商工省所管ニ屬スル
製鐵業奬勵金二百十餘万圓、厚生省所管ニ
屬スル軍事扶助費九百万圓等デアリマス
次ニ昭和十五年度各特別會計第一豫備金
豫豫ノ總額ハ九千八百三十餘万圓デアリマ
シテ、內各費途ニ補充致シマシタ金額ハ、
地方分與稅分與金外十七ノ特別會計ニ亙リ
合計千六百三十餘万圓デアリマス
又昭和十五年度各特別會計豫備費豫算ノ
總額ハ一億四千八百六十餘万圓デアリマシ
テ、內各費途ニ充用致シマシタ金額ハ米穀
需給調節、通信事業、帝國鐵道及ビ臺灣米
穀移出管理ノ四特別會計ニ亙リ、合計五千
二百四十餘万圓トナツテ居ルノデアリマス
次ニ昭和十六年度一般會計第二豫備金ノ
豫算額ハ、第七十六帝國議會ニ於テ成立ノ
分二億二千万圓、第七十七囘帝國議會ニ於
テ成立ノ分八千万圓、計三億圓デアリマシ
テ、內昭和十六年四月二十六日ヨリ同年十
二月二十四日ニ至ル間ニ於テ支出致シマシ
タ金額ハ二億四千十餘万圓デアリマス、其
ノ主ナル事項ヲ申上ゲマスレバ、內務省所
管ニ屬スル市町村吏員臨時手當補助八百八
十万圓、大藏省所管ニ屬スル臨時軍事費特
別會計ヘ繰入補足七千四百六十餘万圓、農
林省所管ニ屬スル食糧增產應急施設諸費二
千六百八十餘万圓、作付統制施設費二千四
百五十餘万圓、馬資源保持調整施設費七百
三十餘万圓、商工省所管ニ屬スル臨時物資
販賣價格調整費補助七百九十餘万圓、内務、
大藏、陸軍、海軍、司法、文部、農林及ビ
厚生ノ各省所管ニ屬スル各種ノ災害費千七
百八十餘万圓、各省所管ニ屬スル金屬類特
別囘收諸費二千七百二十餘万圓等デアリマ
ス
尙ホ第七十六囘帝國議會ニ於テ成立致シ
マシタ昭和十六年度一般會計第二豫備金ノ
豫算額ガ拂切トナリマシタノデ、豫備金外
ニ於テ國庫剩餘金ヲ以テ豫算外支出ヲ致シ
マシタモノガ一億千八百八十万圓アリマス
ガ、右ハ時局ノ推移ニ伴ヒ臨時軍事費特別
會計歲出ノ財源ニ不足ヲ生ジマシタノデ、
同特別會計ヘノ繰入ヲ致シタモノデアリマ
ス
而シテ臨時軍事費特別會計ニ於キマシテ
ハ、右ノ歲入金ト第二豫備金支出ニ依ル臨
時軍事費特別會計ヘ繰入補足トヲ財源ト致
シマシテ、昭和十六年十一月一日及ビ同年
同月五日ノ二囘ニ亙リマシテ、一億九千三
百四十餘万圓ノ豫備費外ノ豫算超過支出ヲ
致シタノデアリマス、今其ノ所管別內譯ヲ
申上ゲマスレバ、陸軍省所管一億六千四百
六十餘万圓、海軍省所管二千八百八十万圓
ト相成ツテ居ルノデアリマス
次ニ昭和十六年度各特別會計第二豫備金
豫算ノ總額ハ二千三百八十餘万圓デアリマ
シテ、内豫算外ノ各費途ニ充用致シマシタ
金額ハ、關東局朝鮮總督府、臺灣總督府、
樺太廳及ビ南洋廳ノ各特別會計ニ亙リ合計
千九百二十餘万圓デアリマス
尙ホ昭和十六年度ニ於テ、豫備金外ニ於
テ其ノ歲入金又ハ國庫剰餘金ヲ以テ豫算超
過又ハ豫算外ノ支出ヲ致シマシタ特別會計
ハ、造幣局、關東局、朝鮮總督府、臺灣總
督府、樺太廳及ビ南洋廳ノ各特別會計デア
リマシテ、其ノ總額ハ二千百十餘万圓ニ及
ンデ居リマス
以上各事項ニ付キマシテハ、各省所管ニ
亙リマシテ各提出シテアリマスル支出計算
書及ビ支出調書ニ、其ノ金額、支出ノ事由
等ヲ記載致シテアリマスガ、尙ホ御質問ニ
依リマシテ御說明申上グルコトニ致シタイ
ト存ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=14
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015・板谷順助
○板谷委員長 此ノ際資料ノ御要求ガアリ
マシタナラバ御申出ヲ願ヒマス、若シ今間
ニ合ヒマセヌデシタナラバ此ノ次デモ宜シ
ウゴザイマス、明日ハ部屋ガアリマセヌノ
デ開會ガ出來マセヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=15
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016・世耕弘一
○世耕委員 今御說明ニナツタ件ニ付テ政
府ノ資料ヲ先ニ戴イテ、足リナイモノヲ私
共ノ方カラ要求シタイト思ヒマスガ、ドウ
デセウカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=16
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017・板谷順助
○板谷委員長 委員ノ方カラ何カ御要求ガ
アレバ御出シニナルサウデス-ソレデハ
次會ハ公報ヲ以テ御通知致シマス、本日ハ
是ニテ散會致シマス
午後一時五十四分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=007912855X01019420204&spkNum=17
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