1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
付託議案
○市制中改正法律案
○町村制中改正法律案
○府縣制中改正法律案
○北海道會法中改正法律案発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=0
-
001・町村制中改正法律案
○町村制中改正法律案 ○府縣制中改正法律案
○北海道會法中改正法律案
委員氏名
委員長河原田稼吉君
副委員長男爵伊江朝助君
公爵鷹司信輔君
公爵岩倉具榮君
侯爵中御門經恭君
伯爵橋本實斐君
關屋貞三郞君
子爵立花種忠君
子爵秋月種英君
子爵植村家治君
子爵松平康春君
子爵由利正通君
松井茂君
犬塚勝太郞君
廣瀨久忠君
安井英二君
男爵中川良長君
男爵北島貴孝君
男爵松平外與麿君
男爵北大路信明君
次田大三郞君
田澤義鋪君
澁澤金藏君
松井貞太郞君
佐藤助九郞君
柴田兵一郞君
渡邊甚吉君
昭和十八年三月一日(月曜日)午前十一時
二分開會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=1
-
002・委員長(河原田稼吉君)
○委員長(河原田稼吉君) ソレデハ是ヨリ
開會ヲ致シマス、先ヅ內務大臣ノ御說明ヲ
願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=2
-
003・國務大臣(湯澤三千男君)
○國務大臣(湯澤三千男君) 市制及町村制
ノ改正ノ趣旨ニ付キマシテハ、本會議ニ於テ
申述ベタ通リデゴザイマスルガ、重ネテ御
說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、抑〓市町村ハ
國家百政ノ聚リ、其ノ果ヲ結ブ所デゴザイマ
ス、時局ノ進展ニ伴ヒマシテ國家ノ施策ス
ル所ハ愈〓廣汎且繁多ヲ加ヘツヽアルノデ
ゴザイマスルガ、之ガ遂行具現ニ付キマシ
テハ、市町村ノ活動ニ俟ツモノガ頗ル多イ
コトハ改メテ申ス迄モナイ所デゴザイマス、
例ヘバ時局下最モ緊切ナル防空ニ於キマシ
テ、生活必需物資ノ配給確保ニ於キマシテ、
貯蓄ノ增强ニ於キマシテ、食糧ノ增產ニ於
キマシテ、勞務ノ供出ニ於キマシテ、悉ク
左樣デゴザイマス、故ニ市町村ニシテ此ノ
際十全ノ機能ヲ發揮シ得ザルニ於キマシテ
ハ、中央ニ於ケル緊要ナル諸計畫ハ遂ニ其
ノ成果ヲ收メズシテ終ルコトト相成ルノデ
アリマス、而シテ時局下市町村當局者中克
ク其ノ責務ニ努力ヲ傾倒致シ、誠ニ敬服ス
ベキ幾多ノ事例ヲ見ルノデゴザイマスルガ、
而モ全市町村ヲ通ジテ觀察致シマスル時、
尙其ノ現狀ハ時局ノ要請ニ副ヒ難キモノア
ルヲ認メザルヲ得ナイノデアリマス、仍テ
此ノ際市町村行政ニ付キマシテ根本的刷新
ト高度ノ能率化トヲ圖リ、以テ國策ノ滲透
徹底ト國民生活ノ確保安定トニ萬全ヲ期シ
マスルコトハ、今後ノ時局ニ對處シ、戰ヲ
徹底的ニ勝チ拔ク爲ノ國內體制ノ整備トシ
テ最モ緊要デアルト信ズルノデゴザイマス、
今囘市制町村制ノ改正ヲ行ハムトスル根本
趣旨ハ實ニ此ノ點ニ在ルノデアリマス、市
制町村制ノ今次ノ改正中特ニ主要ナル事項
ヲ申上ゲマスレバ第一ニ、市町村長ノ選任
方法ノ改正デゴザイマス、惟フニ市町村行
政ノ擧ルト擧ラザルトハ、繋ッテ其ノ統轄者
タル市町村長ノ如何ニ在リト言フモ、敢テ
過言デナイト存ズルノデアリマス、殊ニ時
局ノ進展ニ伴ヒ市町村長ノ擔當スル職責ハ
愈〓重大ヲ加ヘツヽアリマスルノミナラズ、
市町村民ノ指導者トシテノ市町村長ノ影響
力ハ極メテ重視スベキモノガアルノデアリ
やく、更ニ後ニモ述ベマスルガ如ク、今次
ノ改正ニ依リマシテ市町村長ハ、市町村內ニ
於ケル各種施策ノ綜合的運營ニ付テ重要ナ
ル責務ヲ有スルコトトモ相成ッタノデアリマ
ス、從ヒマシテ市町村長ニ眞ニ其ノ職責ニ
堪へ得ベキ適材ヲ擧ゲ、且之ヲシテ只管其
ノ責務ニ專念精進セシメ得ルヤウ適切ナル
策ヲ講ジマスルコトハ、戰時下市町村行政
ノ刷新强化ヲ期シマスル要點デアルト存ズ
ルノデアリマシテ、此ノ趣旨ニ於キマシテ
市町村長ノ選任方法ヲ改メ、市長ハ內務大
臣ガ市會ヲシテ其ノ候補者ヲ推薦セシメ、
其ノ者ニ就キ勅裁ヲ經テ之ヲ選任スルコト
ニ致シ、又町村長ハ町村會ニ於テ選擧シ、
府縣知事ノ認可ヲ受クルコトニ致シタノデ
アリマス、尙市町村長ノ選任方法改正ノ趣
旨ニ照應致シマシテ、市町村長ニ付著シク
其ノ在職ヲ不適當トスル事由ガアリマスル
場合ニハ、之ヲ解職シ得ル途ヲ拓キマシタ
ガ、是ハ市町村長ノ責務ノ重要性ニ鑑ミマ
シテ、市町村長ニ出來ルダケ適材ヲ揃ヘ、第
一線行政ノ强化ヲ圖ラムトシタモノニ外ラ
ナイノデアリマス、第二ハ、市町村行政上ニ於
ケル各般ノ手續等ヲ簡易化シ、市町村行政
ノ運營ニ付テ能フ限リノ簡素化ト能率化ト
ヲ圖ッタコトデアリマス、今日市町村行政ノ制
度ハ餘リニ煩雜デアリマシテ、時局ノ要請ニ
副ハザルモノガアルト存ズルノデアリマス、
從ッテ此ノ際相當思ヒ切ッテ之ヲ簡素ニスル
コトガ必要デアルト考ヘルノデアリマシテ、
此ノ趣旨ニ於キマシテ市町村行政各般ニ亙ッ
テ改正ヲ加ヘタノデアリマスルガ、更ニ其
ノ主ナ事項ニ付キマシテ申上ゲマスレバ、一、
市町村會議員選擧ノ手續ニ付キマシテ、市
町村會議員ノ選擧ニ衆議院議員選擧ノ人名
簿ヲ利用セシムルコトトシテ、名簿調製ノ
煩ヲ省キマシタ、町村會議員ノ選擧ニ付、
無投票當選ノ途ヲ拓ク爲、簡易ナル候補者
制度ヲ採用致シマシタ、所謂再選擧ヲ行フ
場合ヲ補關選擧ニ準ジテ適當ニ制限致シ、
議員總辭職等ノ場合ハ總選擧ヲ行フベキコ
トヲ規定シ、其ノ外、開票ノ際ニ於ケル投
票及投票人總數ノ計算竝ニ選擧錄及投票
錄作成ノ際ニ於ケル朗讀ノ手續ヲ省略スル
等ノ措置ヲ講ジタノデゴザイマス、二、市
町村會ノ職務權限ニ付キマシテ、之ガ議決
事項ヲ限定シ、輕易ナル事項ハ其ノ議決ヲ
要セザルモノト致シ、市會ニ付キマシテハ
通常會及臨時會ノ會期制ヲ採用シ、他面
市參事會ノ機能ヲ擴充シ、市會閉會中ハ特
ニ定メタル主要事件ノ外、市參事會ニ於テ
代ッテ議決シ得ルヤウニシテ、市參事會ノ活
用ヲ圖ルコトニ致シ、其ノ他必要ナル若干
ノ改正ヲ加ヘタノデゴザイマス、三、行政
救濟ノ手續ニ付キマシテ、異議ノ決定ハ市
町村限リニ於テ、又訴願ノ裁決ハ府縣知事
限リニ於キマシテ之ヲ爲スモノトスルト共
ニ、決定又ハ裁決ヲ爲スベキ期間ヲ三月ヨ
リ三十日ニ短縮致シ、以テ行政救濟手續ノ
簡捷化ト其ノ責任的ナル處理トヲ期スルコ
トト致シタノデアリマス、四、市町村ノ監督
事務ニ付キマシテハ、使用料ノ新設、變更
及繼續費ノ設定、變更ニ關シテハ許可ヲ要
シナイコトニ致シタノデアリマス、五、其
ノ他市町村ノ廢置分合、及境界變更、市町村
組合ノ設立ニ關スル手續ヲ簡易化シマスル
等、各般ニ亙リマシテ事務處理ノ簡捷化ト
能率化トヲ圖ッタノデアリマス、以上ハ第二
項ト申シマシタ中ノ內譯ヲ申上ゲタノデア
リマス、第三ト致シマシテ、市町村長ヲ中
心トシテ市町村內ノ團體等ノ各種施策ノ綜
合計畫化ヲ圖リ、其ノ一元的ニシテ强力ナ
ル遂行ヲ期スル方策ヲ講ジタコトデアリマ
ス、今日軍事援護ニ致シマシテモ、防空ニ
致シマシテモ、生活必需物資ノ配給ニ致シ
マシテモ、或ハ貯蓄ノ增强、資源ノ囘收ニ
致シマシテモ、或ハ農村ニ於ケル食糧ノ增
產及ビ供出ニ致シマシテマモ、克ク之ガ最
大ノ效果ヲ擧ゲマスル爲ニハ、是等施策ノ
綜合計畫化ヲ圖リ、市町村長ヲ中心ト致シ
マシテ、市町村內ノ各種團體等ガ眞ニ協力
一致、各〓、其ノ職分ニ從ヒマシテ最善ノ機能
ヲ發揮スルコトガ必要デアリマス、仍テ市
町村長ノ下ニ新タニ參與ノ制度ヲ設ケマシ
テ、參與ニハ市町村內ニ於ケル必要ナル各
方面ノ人ヲ選ビ、此ノ參與制ノ運用ニ依リ
市町村內ノ各種施策ノ綜合計畫化ヲ圖リマ
スルト共ニ、市町村長ニ各種團體等ニ對シ
必要ナル措置ヲ講ジ得ル權限ヲ與ヘタノデ
アリマス、以上ハ市制、町村制ノ改正中重要
ナリト認メマスル事項ニ付キマシテ申上ゲ
タノデゴザイマスルガ、其ノ外今囘ノ改正ニ
於キマシテ、市町村ノ吏僚組織ノ整備ヲ圖
リマスル爲、助役、收入役等ノ選任方法ノ改
正、市ノ考査機構ノ整備等ニ關シ必要ナル
改正ヲ加ヘ、又市町村ヲ國政事務處理ノ第
一線機關トシテ大イニ活用セムガ爲、市町
村及市町村長ニ對スル國政事務ノ委任ヲ
層容易ナラシムル措置ヲ講ジマスルト共ニ、
是ガ爲必要ナル財源ニ付適當ナル保障ヲ與
フルコトト致シ、尙又町內會、部落會等ノ
適正ナル運營及ビ健全ナル發達ヲ圖ル爲、
其ノ會計、區域等ニ關シ必要ナル若干ノ規
定ヲ設ケタノデアリマス、之ヲ要シマスル
ニ、今日國家ハ各般ノ施策ノ遂行上市町村
ニ依據スルモノガ頗ル多ク、市町村ノ活動
ニ俟タズシテ國策ノ滲透徹底ト國民生活ノ
確保安定トヲ期シマスルコトハ到底困難デ
アリマスルカラ、市町村ノ體制ヲ此ノ國家
ノ要請ニ從ヒマシテ整備改善シ、時局下市
町村ヲシテ最善ノ機能ヲ發揮セシメムトス
ルモノデゴザイマス、尙北海道開發ノ現狀
ニ鑑ミ、之ニ町村制ヲ施行シ、又樺太ノ內
地編入ニ伴ヒマシテ、之ニ市制、町村制ヲ
施行スルコトニ致シマシタガ、北海道及樺
太ノ實情上、一般ノ例ニ依ルコトヲ適當ト
セザル事項モアリマスノデ、之ニ付キマシ
テハ勅令ヲ以テ必要ナル特例ヲ設ケ得ルコ
トニ致シタノデアリマス、次ニ府縣制及北
海道會法ノ改正ハ其ノ內容ニ於キマシテ、
〓ネ市制町村制ノ改正等ニ照應スルモノデ
アリマスルノデ、此ノ際特ニ御說明申上ゲマ
スコトヲ省略致シタイト存ジマス、以上市
制中改正法律案外三法案ニ付キマシテ、
其ノ提案ノ理由竝ニ法案中重要ナル事項ノ
〓略ヲ御說明申上ゲタノデコザイマスルガ、
是等ハ何レモ今後ノ時局ニ對處シ、戰捷ノ
基礎ヲ鞏固ニスル爲ノ國家體制ノ整備ト致
シマシテ、眞ニ緊要缺クベカラザルモノデ
アルト存ズル次第デアリマス、何卒御審議
ノ上ニ御協賛アラムコトヲ御願ヒ申上ゲル
次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=3
-
004・河原田稼吉
○委員長(河原田稼吉君) 議事ノ進行ヲ圖
リマス上カラ先ヅ御質疑ハ〓括的ノ問題ニ
付テ御願ヒヲ致シマシテ、ソレガ終リマシ
テカラ各條項ノ細カイ所ニ入ル、斯ウ云フ
風ニ致シタイト存ジマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=4
-
005・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 資料ヲ戴キタイト思
ヒマス、審議ノ簡易ヲ圖ル意味ニ於キマシ
テ、國政事務ノ委任ヲ容易ナラシムル方途、
是ガ爲ニ要スル費用ノ財源ヲ必要トスル條
件、此ノ點デ若シ適當ナル參考資料ガアリ
マシタラ早速戴キタイト思ヒマス、ソレカ
ラ其ノ次ハ、此ノ許可事項ニ付テ整理ヲ加
ヘルコトガ府縣制全部ヲ通ジテ凡ソドノ位
ノ範圍ニ整理ガ加へラレマスカ、ソレノ參
考資料ヲ戴キタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=5
-
006・植村家治
○子爵植村家治君 今議事ノ進行ニ付テ御
話ガアリマシタガ、私モ進行上ニ付テチヨッ
ト申上ゲタイト思ヒマス、是等ノ法案ハ本
議會デ相當論議ノ的トナッタト思フノデア
リマスルガ、私共ニ於キマシテモ相當質疑
ガアルコトト思ヒマス、當リ前ノコトデア
リマスケレドモ、議事ノ敏速ヲ圖ル爲ニ質
問ノ重複ヲ避ケタイト思ヒマス、ソレデ先
議サレマシタ衆議院ニ於キマシテ論議サレ
タ是等ノ諸點ハ速記錄トカ、或ハ今戴キマ
シタ衆議院ノ質疑應答アリタル主要事項、
此ノ參考資料ヲ詳シク讀ミマスレバ分ル
コトデアリマスケレドモ、聲デ改メテ政府
ガ自ラ進ンデ其ノ問題ニナツタ諸點及ビ其
ノ內容ヲ詳シク說明セラレマシテ、私共ノ
耳カラ之ヲ聽クコトガ審査ノ上ニ非常ニ便
宜ト思ヒマスノデ、只今カラ審議致シマス
爲ニ、其ノ質疑ノ內容ヲ伺ヒタイト思ヒマ
ス、ソレカラ尙以上ニ質疑ヲ持ツ者ハ十分
詳シク伺ヒマシテ、最モ早イ時期ニ之ヲ右
スベキカ左スベキカヲ決定セラレルヤウ、
議事ノ進行ノ進展ヲ圖ル上ニ於キマシテ此
ノ議ヲ提出致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=6
-
007・河原田稼吉
○委員長(河原田稼吉君) 只今植村子爵ノ
御希望ハ一ツ內務省ニ要求ヲ致シマス、デハ
豫メ大體ノ所ヲ御說明願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=7
-
008・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今御話ノゴ
ザイマシタ點ニ付キマシテハ、私共ノ方デ用
意シタモノモゴザイマスルカラ、申上ゲタ後
ニ更ニ書面デ差ゲタラドウカト思ッテ居リ
マス、旣ニ差上ゲテアリマスルサウデアリマ
スルガ、尙一ツ要點ヲ申上ゲタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=8
-
009・秋月種英
○子爵秋月種英君 私參考資料ヲ御願ヒ致
シタイト思ッテ居ルノデスガ、ソレハ此ノ新
シク立法サレテ居ル法案ノ文字ヲ摑ヘテ申
上ゲマスレバ、先ヅ著シク在職不適當ト、
斯ウ云フモノニ付テ例ガアリマスナラバ、
最近十年間位デ宜シウゴザイマスカラ、ソ
レノ實例ヲ二三ト、其ノ數ヲ一ツ御願ヒ致
シタイト思ッテ居リマス、ソレト同時ニ又其
ノ反對ニ、全國ノ市町村長デ非常ニ功績ノ
アッタ人ガ多々アルダラウト思ッテ居リマス、
サウ云フ人等ニ對シテ何カ表彰サレタヤウ
ナ例ガアリマスナラバ、ソレモ一ツ參考ノ
爲ニ御伺ヒ致シタイト思ッテ居リマス、ソレ
カラモウ一ツハ著シク云々ト云フ條文ノ
文句ニナッテ居リマスガ、此ノ著シクト云
フ文字ガヤカマシク、解釋モムヅカシイ、
運用ノ上ニ於キマシテモ非常ニ論議ノ的ニ
ナリマシテ、ヤカマシイ問題デ、今日迄モ
マダハッキリシタコトガ分ッテ居リマセヌノ
デゴザイマスガ、內務省ニ於カレマシテ著
シクト云フ程度ハドウ云フ程度デアルカ、
玆ニ御配付ニナリマシタ衆議院議員ノ質疑
應答ノ要項ノ第三ニ、此ノ在職ヲ不適當ト
スル事由ノ場合ガ例示サレテアリマスガ、
是ハ抽象的ノ問題デアッテ、私ノ御願ヒシタ
イノハ具體的ニ斯ウ云フ場合ガアッタ、ア
ア云フ場合ガアッタト、相當數モ多イダラ
ウト思ッテ居リマスケレドモ、其ノ二三ノ
例デ宜シウゴザイマスカラ全體ノ數ヲ御示
シ願ヒタイト思ッテ居リマス、ソレカラモウ
一ツハ、地方事務所ノ職制ノ規定ガアリマス
ナラバ、ソレモ一ツ御願ヒ致シタイト思ッ
テ居リマス、先ヅ以上ヲ御願ヒ致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=9
-
010・河原田稼吉
○委員長(河原田稼吉君) ソレハ早速要求
致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=10
-
011・松井茂
○松井茂君 此ノ町內會、部落會ナドニ付
キマシテ、何カ將來斯ウ云フモノノ法案ガ
出來ルヤウナ場合ニ參考ニ致シ、又取敢ズ
此ノ市町村制法ヲ議スルニ當リマシテ、其
ノ活材料ガ欲シイノデスガ、例ヘバ町內會
ノ役員ナドノ非行ノ事件、又部落會長ガ防
空ナドノ問題ニ付テドンナ工合ニ活動シ
テ居ルカ、又市ノ方ニ關係スル部落會ト
町村ノ部落會ノ上ニ於テ、非常ニ異數ノ成
績ノ良イ所ガ市トシテハドンナ所ニアル、
農村トシテハドンナ所ニアル、其ノ他サウ
云フヤウナ方面デ參考トナルベキ資料ガア
レバ頂戴致シタイト思ヒマス、出來得ル
限リノ材料ヲ戴ケレバ大變有難イト思ヒ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=11
-
012・河原田稼吉
○委員長(河原田稼吉君) ソレデハ先程ノ
植村子爵ノ御希望ニ依ッテ、內務省政府委員
カラ說明ヲ伺ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=12
-
013・山崎巖
○政府委員(山崎巖君) 御手許ニ配付致シ
テ居リマス衆議院ニ於キマスル市制、町村
制改正案等ニ關シマシテ、質疑應答ノゴザ
イマシタ主要事項ヲ、順ヲ逐ヒマシテ簡單
ニ御說明致シタイト思ヒマス、第一ハ一般
論デゴザイマシテ、市制、町村制改正案ノ
提案ノ趣旨ニ關スルコトデアリマス、第、
ノ問題ハ、本改正案ヲ今日ノ時局下敢テ提
出スル理由ハドウデアルカト云フ點デアリ
マシテ、此ノ問題モ相當論議ヲ重ネタノデ
ゴザイマス、政府ノ答辯ト致シマシテハ
玆ニ出シテ居リマスルヤウニ、本改正案ハ
戰時施策遂行ノ第一線行政機構ト致シマシ
テ、極メテ重大ナ責務ヲ有シテ居リマスル
市町村行政ノ根本的刷新ト、高度ノ能率化
ヲ圖ルコトヲ目的トスルモノデゴザイマシ
テ、國策ノ滲透徹底及ビ國民生活ノ確保安
定上不可缺ノモノデアリ、戰ヲ眞ニ徹底的
ニ勝チ拔ク爲ニ、國內體制ノ整備確立ヲ期
スル上ニ於テ極メテ緊要ナ法案デアルト云
フ說明ヲ致シタノデアリマス、此ノ點ニ付
キマシテハ先程內務大臣ノ提案理由ニ於キ
マシテモ、詳細ニ述ベテ居リマスル通リノ
說明ヲ重ネテ致シタ次第デゴザイマス、第
二ハ市制町村制改正案ハ戰時ノ非常立法ト
考ヘテ宜シイカドウカト云フ御尋デアッタ
ノデアリマス、此ノ點ニ付キマシテモ相當
論議ガゴザイマシテ、之ニ對シマスル政府
ノ考ヘ方ト致シマシテハ、此ノ改正案ハ今日
ノ時局下最モ必要デアリマスル戰力ノ增强
及ビ國民生活ノ確保安定上、極メテ緊要不
可缺ナ法案デゴザイマシテ、多分ニ戰時對
策タル意義ヲ有スルコトハ申ス迄モナイ所
デゴザイマスルガ、ソレカト申シマシテ、
此ノ改正案ハ一面市町村行政ノ實情等ニモ
深イ考慮ヲ拂ッテ行ハレムトスルモノデゴザ
イマスルカラ、之ヲ單ニ一時的ノ措置ト云
フコトハ無理デアルト云フヤウニ說明致シ
タノデアリマス、尤モ戰後ニ於キマシテ情
勢ガ變ッテ參リマシテ、新タナ事態ガ起ッテ
參リマシタ場合ニハソレニ對應致シマシ
テ、他ノ各般ノ制度、施策ト一緒ニ地方制
度ニ付キマシテモ改ムベキ點ガ出テ參リマ
スナラバ、之ヲ改メルコトニ付キマシテハ
差支ナイヤウニ考へルト、斯ウ云フ說明ヲ
致シタ次第デゴザイマス、第三點ハ是モ自
治ノ根本問題トデモ申シマセウカ、今度ノ
市制町村制改正案ハ官治的ノ色彩ガ非常ニ
强クシテ、是ガ爲ニ自治精神ノ〓揚ヲ阻害ス
ルコトニナリハシナイカト云フ點ガ、衆議
院ニ於キマシテハ相當論議ガ重ネラレタ點
デゴザイマス、政府ノ答辯ト致シマシテハ、
本改正案ハ戰時下國策遂行ノ第一線機構ト
シテノ市町村ノ重要性ニ鑑ミマシテ、其ノ
行政ヲシテ眞ニ時局ノ要請ニ卽應シテ十全
ノ機能ヲ發揮セシムルガ爲ニ、必要ナル諸
般ノ改正ヲ行ハムトスルコトヲ本旨トスル
モノデゴザイマシテ、畢竟スルニ此ノ改正
案ハ市町村自治ヲ眞ニ能ク時局ニ活カシ、
今日ノ時局ニ卽應スルヤウニ市町村ノ自治
ヲ活カシマシテ、時代ノ推移ト國家ノ要求ニ
應ジテ、市町村自治ノ新面目ヲ顯現〓揚セシ
メムトスルモノデアルト云フ說明ヲ致シタ
ノデアリマス、是ガ一般論ト申シマスルカ、
根本問題ト申シマスルカ、要約致シマスト此
ノ三點ニ相成ルヤウニ存ジマス、次ハ法案ノ
內容ニ付キマシテ主要ナ問題ニ付テ御說明
申上ゲマス、第二ハ市町村長ノ選任ニ關ス
ル事項デゴザイマス、此ノ問題ハ先程大臣
カラモ御說明ガゴザイマシタヤウニ、今囘
ノ改正案ノ根本ノ一ツノ點ニ相成ッテ居ルノ
デゴザイマス、市町村長ノ選任方法ノ改正
ニ付キマシテハ、色々ノ觀點カラ論議ガ重
ネラレタノデゴザイマスルガ、先ヅ第一ニ
ハ此ノ改正ノ主旨ニ付テノ質問デゴザイマ
ス、政府ノ答ト致シマシテハ、本改正ノ主旨
トスル所ハ市町村長ノ地位ノ重要性ニ鑑ミ
マシテ、官ト民ト協力致シマシテ、眞ニ適
材ヲ市町村長ニ擧ゲマシテ、サウシテ此ノ
市町村長ヲシテ其ノ重要ナル責務ニ專念精
進セシメムトスル所ニアルト云フノガ政府ノ
答辯デゴザイマス、其ノ次ハ市町村長ノ選
任方法ニ付キマシテハ市長ト町村長トノ
間ニ差別ヲ設ケテ居ルノデゴザイマスガ、
先程御說明ニモゴザイマシタヤウニ、市長
ニ付キマシテハ內務大臣市會ヲシテ推薦セ
シメマシテ、上奏勅裁ヲ經テ選任スルト云
フコトニ相成ッテ居リマスルシ、町村長ニ
付キマシテハ、町村會ガ選擧ヲ致シマシ
テ府縣知事ノ認可ヲ經テ定メルコトニ
相成ツテ居リマス、サウ云フ風ニ選任方
法ヲ變ヘテ居リマスガ、其ノ市長ト町村長
ニ付テ區別ヲ設ケタ理由ハドウデアルカト
云フ點デゴザイマス、此ノ點ニ付キマシテ
ハ第一ニ此ノ區別ヲ設ケマシタノハ、現在
ノ市ト町村トノ間ニ於キマスル自治ノ實體
ニ於ケル相違ニ基クモノデゴザイマシテ、
市行政ノ重點ハ申ス迄モナク能率的ナ良イ
行政ヲ爲スト云フコトガ重點ニ相成ッテ居
ルヤウニ思ヒマスガ、町村ノ行政ノ重點ハ、
是ハ又實情ハ御承知ノ通リニ町村民ト深イ
接觸ヲ保ッテ町村民ニ融ケ込ンデ之ヲ率ヰ
テ行クト云フ所ニゴザイマシテ、サウ云フ
風ニ實體ニ於テ相當ノ相違ガゴザイマスノ
デ、選任ノ方法ニ付キマシテモ區別ヲ設ケ
ル必要ガアルノデアリマス、卽チ町村ニ於
キマシテハ市ニ比較致シマシテ其ノ實情カ
ラ鑑ミマシテ、極メテ純粹素朴ナ自治ガ適
合スルト思ハレマスカラ、斯ウ云フ點カラ
考ヘマシテ選任ノ方法ニ區別ヲ設ケルコト
ニ致シマシタ次第デアリマス、第二ノ理由
ト致シマシテハ、實際上ノ相違ニ基クコト
ガ理由ニ相成ッテ居リマス、卽チ市長ノ場合
ニハ町村長ノ場合ト比較致シマシテ、市會
等トノ關係ニ於キマシテ一層市長ノ地位ヲ
確立强化スル必要ガアルヤウニ思ハレルノ
デゴザイマス、今日御承知ノヤウニ市長ハ
市會ノ運營ト云フコトニ常ニ苦勞ヲ重ネマ
シテ、本當ニ打込ンデ市ノ行政ヲヤル點ニ
於テ缺ケル點ガアルヤウニ思ハレマスノデ、
市長ハ眞ニ時局ノ要請ニ應ジテ其ノ責務ニ
專念精進セシムル爲ニハ、今囘ノ如キ選任
方法ヲ改正スルコトガ必要デアルト云フノ
ガ第二ノ政府ノ答辯デゴザイマス、第三ノ
點ハ此ノ區別ヲ設ケマシタノハ國政事務等
ニ於キマスル處置ニ付キマシテ、市長ト町
村長トノ間ニ現在ゴザイマスル地位上ノ相
違デゴザイマス、市長ハ御承知ノ通リニ職
務關係ニ於キマシテ相當地方事務所長ト相
竝ブ如キ國家事務ヲ市長ガ處理致シテ居リ
マス關係モゴザイマシテ、從ヒマシテ此ノ
點カラモ市長ノ選任ニ付キマシテ町村トノ
間ニ區別ヲ設クルコトガ必要デハナイカ、
又最後ニ選任ニ關シマスル從來ノ沿革デゴ
ザイマスルガ、大正十五年ノ、改正前ノ此
ノ地方制度ニ於キマシテハ、御承知ノ通リ
ニ市長ト町村長トノ間ニ相當ノ差別ガ設ケ
テアッタノデゴザイマスガ、其ノ點モ參酌致
シマシテ斯クノ如キ區別ヲ設ケマシタ、斯
ウ云フノガ政府ノ此ノ問題ニ對シマスル答
辯ニ相成ッテ居リマス、次ハ市長ノ選任方法
ニ關シマスル規定、今囘ノ市制第七十三條
第三項ヲ具體的ニ說明シテ貰ヒタイト云フ
問題デゴザイマス、之ニ對シマスル政府ノ
考ヘ方ト致シマシテハ、市會ニ於テ推薦致
シマスル候補者ノ數ハ普通デハ一名デアル
コトヲ豫想シテ居リマスルケレドモ、市會
ノ事情ニ依リマシテドウシテモ一名デハ工
合ガ惡イト云フ場合ニハ二名以上ノ候補者
ヲ市會ニ於テ推薦致シマシテモ法律上ハ一
向差支ナイコトデアル、併シ普通ハ一名デ
アルコトヲ豫想シテ居ル、ソレカラ推薦ヲ
爲サシムル期日デゴザイマスガ、是ハ大體
一箇月間餘裕ヲ置クコトニ取扱例ヲ確立ヲ
致シタイト云フ考デゴザイマス、ソレカラ
內務大臣勅裁ヲ仰イデ之ヲ選任ス、此ノ點
ガ相當衆議院ニ於キマシテ論議ガゴザイマ
シタノデゴザイマスガ、政府ノ考ヘ方ト致シ
マシテハ、市會ノ推薦ヲ致シマシタル候補
者ニ付キマシテ、內務大臣ニ於キマシテハ
愼重ニ銓衡ヲ致シマシ夕上ニ、內務大臣全
責任ヲ以テ勅裁ヲ仰ギマシテ、其ノ勅裁ヲ
經タ上ニ其ノ儘之ヲ發令スル趣意デアルト
云フ說明ヲ致シマシタノデゴザイマス、ソ
レカラ市會ノ推薦シタ候補者ニ付キマシテ、
內務大臣ガ責任ヲ以テ勅裁ヲ仰グコトガ出
來ナイト考ヘマス場合ハドウスルカト云フ
コトデゴザイマスガ、サウ云フ場合ニハ更
ニ候補者ノ推薦ヲ命ジマシテ、其ノ推薦致
シマシタ候補者ニ付テ、內務大臣ガ銓衡ヲ
シテ勅裁ヲ仰グト云フコトニナルト云フ
說明ヲ致シタノデアリマス、次ハ市長ノ補
充選任ニ關シマスル規定、第七十三條第四
項ノ運用方針ニ關スル事柄デゴザイマス、
此ノ規定ニ付キマシテハ、固ヨリ實際上眞
ニ已ムヲ得ナイ必要ニ基ク場合ニ限ルノデ
ゴザイマシテ、之ガ運用ニ付キマシテハ特
ニ愼重ヲ期スベキモノデアルト云フ考デゴ
ザイマス、先ヅ本規定ニ於キマシテ「內務大
臣ノ指定スル期日」トゴザイマス點ニ付キマ
シテハ、原則トシテ只今申上ゲマシタヤウ
ニ、一箇月ノ期間ハ之ヲ確保スル取扱例
ヲ確立スル考デゴザイマス、次ニ此ノ規定
ノ發動ニ付キマシテハ、此ノ規定ハ市會ノ
情勢上容易ニ其ノ議ガ纒ル見込ガナイ、相當
期間ニ亙ッテ市長ノ曠缺ヲ來スコトガ明瞭ニ
看取セラルヽ如キ場合ニ之ヲ活用スル考デ
ゴザイマス、從ヒマシテ此ノ規定ハ市會ガ
指定ノ期日迄ニ候補者ノ推薦ヲ爲サナカッ
タカラト申シマシテモ、直チニ之ヲ動カス
ト云フ考デハナイノデアリマシテ、サウ云
フ場合ニハ更ニ市會ニ對シテ催告ヲ爲シマ
ス等、最善ノ措置ヲ講ジマシタ上ニ、之ヲ
發動スル取扱ニ致シタイト考ヘテ居リマス、
要シマスルニ此ノ規定ノ運用ニ付キマシテ
ハ、政府ト致シマシテハ出來ル限リ市會カ
ラ候補者ノ推薦アルコトヲ期待シ、サウ云
フ風ニ仕向ケマシテ參ル考デゴザイマシテ、
此ノ規定ノ運用ニ付キマシテモ、極メテ愼
重ニ取扱ヒタイト云フ考デゴザイマス、次
ハ改正案ニ於キマスル市長ノ選任方法ハ大
正十五年前ノ舊規定ト異ナル所ガアルカド
ウカト云フ問題デゴザイマス、大正十五年
前ノ舊規定ハ市長ノ選任ニ付キマシテハ、
內務大臣ハ市會ヲシテ市長候補者三人ヲ選
擧推薦セシメ上奏裁可ヲ乞フベシト云フ規
定ニ相成ッテ居リマス、今囘ノ規定トドウ云
フ風ニ違フカト云フ點ガ問題ニナッタノデア
リマス、此ノ改正案ハ實質ニ於キマシテハ
從來ノ大正十五年前ノ規定ト多ク異ナル所
ハナイヤウニ考ヘルノデゴザイマスガ、併
シナガラ相當ニ差異ガゴザイマスル點ガ四
ツ程ゴザイマス、一ツハ舊規定ニ於キマシ
テハ只今申シマシタヤウニ、市會ノ推薦ス
ベキ候補者ノ員數ハ必ズ三人ヲ要スルコト
ニナッテ居ッタノデゴザイマスガ、今囘ノ規
定ニ於キマシテハ、大體ハ一人デゴザイマ
スガ、別ニ制限ヲ設ケテナイト云フ點ガ
違ッテ居ルノデアリマス、ソレカラ市會ニ於
キマスル人選ノ方法ヲ今囘ハ選擧ニ限定致
シマセヌデ、候補者ノ推薦ニ關シマスル市
會ノ意思ノ決定ガゴザイマスレバ、必ズシ
モ選擧ノ方法ヲ用ヒル必要ハナイ、選擧デ
モ無論構ハナイガ、選擧ノ方法ニ限定ヲシ
ナカッタト云フ點ガ異ナルヤウニ思ヒマス、
ソレカラ發令ノ形式ヲ整ヘマシテ勅裁ヲ仰
イデ內務大臣ガ選任ノ發令ヲ爲スコトニ致
シマス所ガ違ッテ居リマス、前ノ規定デハ其
ノ點ガ極メテ明確ヲ缺イデ居ッタヤウニ私
共ハ思フノデアリマシテ、今囘ハ其ノ點ヲ
整備致シタノデアリマス、尙此ノ場合普通
ノ立法例ニ於キマシテハ、勅裁ヲ經テ「之ヲ
命ズ」ト云フノガ用語例ニナッテ居ルノデアリ
マスガ、市長ノ選任ノ場合ニ、今囘ハ之ヲ
「勅裁ヲ經テ之ヲ選任ス」ト云フ字句ヲ用ヒマ
シタノデゴザイマスガ、サウ云フヤウニ「命
ズ」ト云フ字句ヲ使ハズ「選任」スト云フ言葉ヲ
使ヒマシタノハ、「命ズ」ト云フ字句ガドウモ
響キガ適當デナイヤウニ思ハレマスノト、又
選任スルト云フ言葉ハ地方制度ノ上ニ從來
相當使ッテ居リマスノデ、選任ト云フ言葉ヲ
特ニ用ヒマシタヤウナ次第デゴザイマス、
更ニ又改正案ニ於キマシテハ舊規定ト違ヒ
マシテ、市會ノ推薦ヲ待タズシテ市長ヲ選
任シ得ル規定ヲ設ケテ居ルノデゴザイマス
ガ、是ハ全ク實際上巳ムヲ得ザル必要ニ基
クモノデアリマシテ、從來ノ市長選擧ノ實
際ニ徵シマスルト市會ノ議ガ容易ニ纏ラナ
イ爲ニ、相當長期間ニ亙リマシテ市長ノ出
來ナイヤウナ場合モ稀デハアリマセヌシ、
現ニサウ云フ事態ガ現在デモゴザイマスヤ
ウナ次第デゴザイマスノデ、斯ウ云フ場合
ヲ救濟致シマスル趣旨ヲ以テ此ノ規定ヲ設
ケテ居リマスヤウナ次第デゴザイマス、次
ハ町村長ノ選任ニ關シマスル府縣知事ノ認
可ノ根本方針ニ付キマシテノ論議デゴザイ
マス、町村長ノ選任方法ノ改正ノ趣旨ト致
シマスル所ハ、先程大臣ノ御說明ニモゴザ
イマシタヤウニ、出來ルダケ町村內ノ適材
ヲ町村長ニ擧ゲルコトニアルノデゴザイマ
ス、從ヒマシテ府縣知事トシマシテハ、此
ノ趣旨ニ則リマシテ此ノ法ノ運用ニ當ルベ
キモノデアルト考ヘテ居ル次第デゴザイマ
ス、同時ニ又町村會ニ於キマシテモ此ノ適
材ヲ擧ゲルト云フ立法ノ趣旨ニ鑑ミマシテ、
眞ニ町村内ノ第一等ノ適材ヲ町村長ニ擧ゲ
ルコトニナルデアラウト云フコトヲ、政府
トシテ期待ヲ致シテ居ルト云フノガ政府ノ
答辯デゴザイマス、次ハ市町村長選任方法
ノ改正等ニ關聯致シマシテ、之ガ優遇策ニ
付テ政府ハドウ云フ考ヲ持ツテ居ルカ、更
ニ又市町村長ノミナラズ、市町村ノ一般吏
員ニ付テモ何カ優遇策ヲ考ヘテ居ルカ
ト云フ點デゴザイマス、此ノ點ニ付キマシ
テハ、市町村長及市町村吏員ニ付テ物心兩
方面カラ優遇ノ方途ヲ色々ト考ヘテ居ル
ノデゴザイマシテ、明年度カラハ市町村吏
員ノ恩給制度ヲ實施スル豫定デゴザイマ
スシ、又市町村長ニ對シマスル榮譽的ノ優
遇ニ付キマシテモ只今折角考究ヲ致シマシ
テ、出來ルダケ早ク實現ヲ期シタイト
云フノガ政府ノ答辯デゴザイマス、次ニ衆
議院デ相當論議ヲ重ネラレマシタノハ、市
町村長ノ解職ニ關スル事柄デゴザイマス、
此ノ點ニ付キマシテモ種々論議ガゴザイマ
シタガ、之ヲ要約シテ申上ゲマスト、第
ニハ市町村長ノ解職ニ關シマスル規定ヲ設
クル理由ハドウデアルカト云フ點デゴザ
イマス、此ノ規定ハ市町村行政ノ運營ヲ圖
リマス上ニ、市町村長ニ付テ著シク其ノ在
職ヲ不適當トスル事由ガアリマス場合ニ、
之ヲ其ノ地位カラ排除スル趣旨ノモノデ
ゴザイマシテ、是ハ今囘ノ改正案ニ依ッテ
狙ッテ居リマスル市町村長ノ地位ト責任トガ
愈〓重大化シテ參リマシタコトニ伴ヒマスル
當然ノ結論デアリ、選任方法ノ改正ト相俟ッ
テ市町村長ニ適材ヲ得ベキコトガ、此ノ規
定ニ依ッテモ亦期待ヲセラルヽト云フノガ答
辯ニ相成ッテ居リマス、次ハ此ノ解職ニ關シ
マス規定ノ運用方針デゴザイマスガ、固ヨ
リ此ノ規定ニ付キマシテハ最モ愼重ヲ期ス
ベキ事柄デゴザイマスルカラ、眞ニ已ムヲ
得ナイ場合ニ限リマシテ、此ノ規定ノ運用
ヲ爲ス方針デゴザイマス、從ヒマシテ內務
省ト致シマシテハ、解職ノ事由ニ關シマス
ル取扱例ヲ確立致シマシテ、之ヲ地方廳ニ
對シマシテハ依命通牒等ノ方法ニ依ッテ遺漏
ノナイヤウニ通達ヲ致シタイ考ヲ持ッテ居リ
マス、又府縣知事ガ町村長ノ解職ヲ行ヒマス
ル場合ニハ豫メ內務大臣ニ稟議セシムル
等愼重ナル取扱ヲ致ス考デゴザイマシテ、
此ノ點モ衆議院ニ於キマシテハ明確ニ答辯
ヲ致シテ居リマス所デゴザイマス、次ハ市
町村長ニ付先程モ問題ガ出テ居リマスルヤ
ウニ、著シク其ノ在職ヲ不適當トスル事由、
此ノ點ガ相當論議ニ相成ッタノデゴザイマ
ス、只今考ヘテ居リマスル所ハ例ヘテ申上
ゲマスルト、市町村長ガ犯罪ニ因リマシ
テ刑ニ處セラレ、全然市町村民ノ信望ヲ失
フヤウナ場合、又市町村長ガ就任ノ後ニ於
キマシテ、久シキニ亙ル病氣等ノ爲ニ其ノ
仕事ニ堪ヘナイヤウナ場合、又市町村長ト
市町村會トノ間ガ著シク圓滿ヲ缺キマシテ、
而モ市町村長ガ退職スル方ガ却テ適當デア
ルト云フ場合、其ノ他今申上ゲマシタ一、
二、三ノ事項ニ準ズルヤウナ場合デゴザイ
マシテ、市町村長ガ在職致シマスルコトガ
著シク不適當デゴザイマスル場合ニハ、之ヲ
解職ヲスルト云フコトガ政府ノ答辯ニ相成ッ
テ居リマス、次ハ市町村長ノ解職ニ關シマ
シテ、其ノ事由ヲ法令ヲ以テ列擧シテ規定
スルコトガ出來ナイカト云フ點デゴザイマ
ス、此ノ點ニ付キマシテハ市町村長ノ解職
ノ事由ヲ法令ノ形式ヲ以テ列擧シテ規定致
シマスコトハ、立法技術トシテモ相當困難
デゴザイマスルカラ、內務省ト致シマシテハ
取扱例ヲ確立致シマシテ、地方廳ニ對シマ
シテ依命通牒等ノ方法ヲ以テ、ヨク其ノ趣
旨ナリ具體的ノ場合ナリヲ地方廳ニ示シマ
シテ、遺漏ノナイヤウニ通達スル考デアル
ト云フコトヲ答辯ヲ致シタノデゴザイマス、
ソレカラ尙又市町村長ノ解職ニ關シマシテ、
豫メ市町村會又ハ市町村參與ノ意見ヲ徵
シ又ハ何等カ委員會デモ作ッテ、其ノ委員
會ノ議ヲ經ル必要ガアルノデハナイカト云
フ意見ガゴザイマシタガ、之ニ對シマシテ、
市町村長ノ解職ニ關シマシテ、豫メ市町村
會ナリ或ハ參與ナリノ意見ヲ徵シマスルコ
トハ、事柄ノ性質カラ考ヘマシテ適當デナ
イヤウニ思ハレマス、又サウ云フコトヲ致
シマスルコトハ好イ結果ヲ齎ス所以デモナ
イヤウニ考ヘラレルノデアリマス、又懲戒
審査會ニ類スル特別ノ機關ヲ作ッタラドウ
カト云フ意見ニ對シマシテモ、此ノ解職ガ、
元々市町村行政全般ノ上カラ見テノ適否ヲ
判斷スルモノデゴザイマスカラ、行政全般
ニ付テノ責任ヲ持ッテ居リマス監督官廳ガ全
責任ヲ以テ判斷スルコトガ適當デアル、斯
フ思フノデアリマシテ、サウ云フ風ニ答ヲ
致シテ居リマス次第デゴザイマス、第四ノ
事項ト致シマシテハ、市町村會ニ關スル事
項デゴザイマス、以下ハ論議トシテハ割合
ニ簡單ナ論議ガ多カッタ點デゴザイマス、市
町村會ノ權限ヲ今度ハ所謂制限列擧主義ニ
改メテ居リマスルガ、其ノ市町村會ノ權限
ヲ整理スルコトハ自治ヲ壓縮スルモノデハ
ナイカト云フノガ質問ニゴザイマシタノデ
ゴザイマス、此ノ改正案ハ固ヨリ觀念的ナ
考ヘ方ニ基クモノデハナイノデゴザイマシ
テ、先程モ大臣ノ御說明ニゴザイマシタヤ
ウニ、專ラ時局下ニ於キマスル市町村行政
ノ實情カラ考ヘマシタ改正デゴザイマス、卽
チ今日市町村ノ事務ハ頗ル繁激多端ヲ極メ
テ居リマシテ、而モ職員ハ極メテ寡少デゴ
ザイマス、能ク時局ニ卽應致シマシテ、市
町村行政ヲ能率的ニ敏活ニ處理遂行セシメ
ムガ爲ニハ市町村行政ノ運營ニ付キマシ
テ相當思切ッタ簡素化ヲ圖ル必要ガアルヤウ
ニ考ヘルノデゴザイマス、從來ノ市町村行政
ノ制度ハ、御承知ノ通リニ餘リニ精密煩瑣
デゴザイマスルノデ、時局ニ卽應スルヤウ
ニ簡素整備ヲ圖ル必要ガアルト考ヘマシテ、
今囘ハ制限列擧主義ニ改メルコトニ致シマ
シタノデゴザイマス、市町村ノ參與制度ヲ
今囘設ケテ居リマスガ、此ノ參與制度ハ市町
村會又ハ市町村常會ノ機能ト重複シテ、簡
素ナルベキ市町村ノ機構ヲ却テ複雜ニシハシ
ナイカト云フ論議ガアッタノデゴザイマス、
勿論參與ヲ設ケルヨリ市町村會ヲシテ、今
囘豫期シテ居リマスルヤウナ參與ノ仕事ヲ
ヤラセルノガ却テ宜シイノヂヤナイカト云
フ御議論ガ起リマシタ、之ニ對シマシテ考
ヘテ居リマスル所ハ、今囘ノ參與ト云フノ
ヲ特ニ設ケマシタノハ、市町村內ノ各種ノ
團體等ノ活動ノ連絡調整ヲ圖リマス爲ニ、
又各種施策ノ綜合運營ヲ期スルコトガ主眼
デゴザイマシテ、現在ノ市町村會ノ機構ヲ
以テシマシテハ、斯ウ云フ權能ヲ行ハシメ
マスコトガ必ズシモ適當デナイト思ハレル
ノデゴザイマス、若シ市町村會ノ組織ヲ改
善スルト致シマスナラバ、結局甞テ〓究サ
レマシタ特別議員制度ヲ採用スルノガ結論
ニ相成ルヤウニ思ヒマスガ、此ノ制度ニ付
キマシテハ色々トマダ考究ノ餘地ガアルヤ
ウニ思ハレルノデゴザイマス、又市町村會
ト參與トハ各〓其ノ職分ガ明確ニ區別ヲセラ
レテ居リマスシ、相互ニ職務權限ノ重複ヲ
來スヤウナコトモナイト思ヒマス、尙市町
村ノ常會ニ關シマシテハ、今囘ノ參與ハ丁
度其ノ常會ノ幹部會タルノ地位ヲ持ツモノ
デアリマシテ、市町村會ト何等ソコニ摩擦
ヲ生ズルコトモナカラウカト思ヒマシテ此
ノ制度ヲ設ケタ譯デゴザイマス、次ハ今囘
ノ改正ニ於テ市町村長始メ、事務組織ニ付
テハ相當ノ整備ヲ圖ッテ居ルケレドモ、市
町村會議員ノ醇化、向上ヲ期スル爲ニ、例へ
バ家族制度ヲ基調トスル選擧制度等ニ付テ
何故ニ考慮シナカッタカ、又町村會ノ構成
ニ付テ特別議員ノ制度ヲ何故ニ考ヘナカッ
タカ、更ニ所謂推薦制度ヲ法制化スル方法
ニ付テ考慮シナカッタカト云フヤウナ點ガ
論議ニ相成ッタノデアリマス、政府ノ考ト致
シマシテハ選擧ノ實體ニ付キマシテハ種々
考究ハ致シタノデゴザイマスケレドモ、此
ノ問題ハ衆議院議員選擧法トモ關聯ヲ致シ
マスル問題デゴザイマスルノデ、其ノ場合
ニ考究スルノガ適當デアルト考ヘテ居リマ
ス、又町村會ノ特別議員制度ハ公選主義ノ
根本ニモ觸レル重大問題デゴザイマシテ、
果シテ此ノ制度ガ適當ナ結果ヲ得ルヤ否ヤ
ニ付テモ〓究ノ餘地ガ多イヤウニ思ハレマ
スシ、又推薦制度ヲ法制化スルコトニ付キ
マシテハ、マダ推薦制度ガ色々ト論議ノゴ
ザイマスル際ニ適當デナイト思ハレマシテ
此ノ制度ヲ採ラナカッタノデゴザイマス、次
ハ市町村ノ實情ノ變化ニ照應シ、又市町村會
議員ノ選擧ニ衆議院議員ノ選擧人名簿ヲ今
囘利用スルコトニ相成ッテ居リマスルガ、其
ノコトトモ關聯致シマシテ市町村公民ノ要
件デゴザイマスル住所期間ヲ二年カラ六箇
月ニ短縮スルノガ宜シイノヂヤナイカ、サ
ウシテ全部選擧人名簿等モ一緒ニ使ヘルヤ
ウニスルノガ便利ヂヤナイカト云フヤウナ
論議ガゴザイマシタ、此ノ點ニ付キマシテハ
市町村公民ノ要件デゴザイマス住所期間ヲ
六箇月ニ短縮致シマスルコトハ、畢竟致シマ
スルニ市町村公民ノ要件デアリマスル住所期
間ヲ撤廢スルコトトナルモノデゴザイマシ
テ、撤廢致シマスルコトハ今日ノ地方制度
ニ於キマシテ公民主義ヲ廢止シテ、住民主
義ヲ採ルコトト相成ルノデゴザイマシテ、
地方制度ノ根本ニモ觸レル重要ナ問題デゴ
ザイマスルカラ、此ノ點ニ付テハ更ニ愼重
ナル考究ヲ必要トスルト云フ考デゴザイマ
ス、第五點ハ、今囘ノ改正ノ重點ノ一ツニ
相成ッテ居リマスルガ、市町村ト市町村内ノ
各種團體トノ關係ニ關スル事柄デゴザイマ
ス、改正案ニ依リマスルト市町村長ヲ中心
トシテ或程度市町村內ノ團體等ヲ一元的指
導ノ方途ヲ講ジテ居ルノデゴザイマスガ、
尙不徹底デゴザイマスノデ、市町村ト團體
トノ一元化ヲ强化スル必要ガアルノデゴザ
イマス、少クトモ農業團體ト市町村トノ關
係ニ於テハ、其ノ團體長ト市町村長トヲ兼
任スルコトヲ法制デ定メル必要ガアルノヂ
ヤナイカト云フノガ論議ニ相成ッタノデゴ
ザイマス、團體自體ヲ市町村ニ統合致シマ
スルコトハ、今日ノ實情カラ考ヘマシテ相
當考慮スル必要ガアルヤウニ考ヘマス、町
村長ト農業團體長トノ兼任ヲ法制化致シマ
スルコトモ、是亦現在ノ狀態ニ於キマシテ
ハ困難ノヤウニ思ヒマス、併シナガラ此ノ
運用ノ問題ト致シマシテハ、町村長ニシテ
適當ナ者ガゴザイマスル限リハ之ヲシテ團
體長ヲ兼務シ得ル方針ヲ以テ指導ヲスルコ
トニ考ヘテ居リマスノデゴザイマス、市町村
長ハ市町村內ノ團體等ニ對シテ今囘ノ改正
案ニ依リマスト、必要ナ指示ヲ爲シ得ルト云
フ規定ヲ致シテ居ルノデゴザイマスルガ、市
町村内ノ團體等トハ如何ナル團體ヲ謂フノ
カ、又指示トハドウ云フ意味デアルカト云
フ質問デゴザイマス、市町村內ノ團體ト申シ
マスルノハ、市町村ノ地域ヲ基礎ト致シテ活
動致シマスル一切ノ公共的公益的ナ團體ヲ
意味シテ居ルコトハ申ス迄モゴザイマセヌ、
又指示ト申シマスルノハ、單ナル意見ノ提
示又ハ干涉ト云フ程度ヨリモウ少シ强イノ
デゴザイマシテ、相手方ニ於キマシテハ之ニ
從フベキ法律上ノ拘束ヲ受ケルベキモノデ
アルト云フ考デゴザイマス、唯其ノ指示ニ從
ハナイ場合ハ、市町村長ニ於キマシテ自ラ
强制ヲスル權限ハゴザイマセヌガ、當該團
體ノ監督官廳ニ對シマシテ、市町村長ハ自己
ノ意見ヲ具シマシテ其ノ措置ヲ申請シ得ル
ト云フコトニ考ヘテ居ルノデゴザイマス、
次ハ市町村ノ公營事業ノ經營ニ關聯シマシ
テ營團等ノ設立ヲ考ヘル必要ハナイカ、此ノ
問題ニ付キマシテ、市町村ガ公營事業ヲ經
營致シマスルコトハ、市町村ガ其ノ住民ノ
福利增進ノ爲ニ其ノ活動ノ內容ヲ豐富ニス
ルコトデゴザイマシテ、極メテ望マシイコ
トト考ヘテ居ルノデゴザイマスルガ、其ノ公
營事業ノ經營ニ付テドウ云フ方式ガ最モ適
當デアルカト云フコトニ付キマシテハ、今後
內務省ト致シマシテ十分ニ考究ヲシテ見タ
イト云フノガ答ニ相成ッテ居リマス、次ハ部
落會、町內會ニ關スル事柄デゴザイマス、
今囘部落會町內會ニ付キマシテ極メテ簡素
ナ一條ヲ改正案ノ中ニ盛リ込ンデ居リマス
ルガ、此ノ點ニ付キマシテモウ少シ黴底シ
タ規定ヲ設ケテ、町内會部落會ノ性格ヲ明
カニスル必要ガアルノヂヤナイカ、ソレト
共ニ行政區ノ制度ノ如キモノハ撤廢シテ宜
シイノヂヤナイカ、部落會、町內會ヲ法制
化スル以上、行政區ノ如キ制度ハ撤廢スル
ノガ當然デハナイカト云フ論議ガゴザイマ
シタ、政府ノ考ト致シマシテハ、町內會、
部落會ハ家ノ延長トモ申スベキ隣保協同ノ
團體デゴザイマシテ、之ニ對シマシテ窮屈
ナ畫一的ナ規定ヲ設ケマスルコトハ、今日
ノ現狀ニ於キマシテハ却テ圓滿ナ自治的發
達ヲ阻害スル虞ガアルト云フコトヲ考ヘマ
シテ、今囘ハ唯其ノ活動ノ上ニ於キマシテ
不便デゴザイマスル點ヲ除キ、又漸次弊害
等ヲ考ヘラレテ來ツヽアリマスル或ハ會計
ノ問題ニ付キマシテ簡單ナ規定ヲ設ケ、又
區域等ニ關シマシテ最小限度ノ規定ヲ設ケ
マシテ、餘リ窮屈ナ畫一的ナ規定ヲ設ケル
コトハ止メタノデゴザイマシテ、此ノ規定
ニ付テハ部落會、町內會ノ適正ナル運營ト
健全ナル自治的ノ發達ヲ圖リタイト云フ趣
旨デゴザイマス、又行政區トノ關係デゴザ
イマスガ、行政區ガ必ズシモ部落會町內會
ノ區域ト一致シナイ場合ガゴザイマスノ
デ、制度トシテハ行政區ヲ廢止スルト云フ
コトハ致サナカッタノデゴザイマス、次ハ町
內會、部落會ニ財產權ノ主體デアルト云フ
コトヲ今囘ハ認メテ居リマスルガ、此ノ規定
一時間テ財產ノ造成ガ非常ニ一般ノ勢ヒト
ナリマシテ、部落觀念ヲ强メル結果トナリ
ハシナイカ、又從來町村ニ統一ヲ致シマシ
タ財產ニ付キマシテハ町內會、部落會ニ
之ヲ返スノガ宜シインヂヤナイカト云フヤ
ウナ論議ガアッタノデゴザイマス、政府ノ
答辯ト致シマシテハ、町內會、部落會ニ付
テハ其ノ現狀ト實際上ノ必要トニ鑑ミマシ
テ之ガ善導ト善用ヲ圖ルコトハ極メテ肝要
ナコトデゴザイマスルケレドモ、一面部落
對立ノ弊ヲ生ジマシテ、町村ノ統一ニ支障ヲ
來スガ如キコトノナイヤウニ十分ニ留意ヲ
必要トスルヤウニ思ハレマス、又本規定ノ
趣旨ハ一ニ町內會、部落會ガ活動上必要ナ
ル財產管理ノ適正ヲ期セムトスルニアルノ
デゴザイマシテ、濫リニ財產ヲ造成スルコ
トヲ競フヤウナ弊風ヲ馴致セシメヌヤウニ
十分ニ指導スル方針ニ考ヘテ居リマスル
シ、又既ニ今日迄多大ノ努力ニ依リマシテ、
町村ニ統一致シマシタ財產ハ之ヲ町內會、
部落會ニハ還付セシメナイ考デアルト云フ
コトヲ答ヘマシタノデゴザイマス、又町內
會部落會ノ長ニ付テノ質問ガゴザイマシ
タガ、或ハ此ノ長ハ身分ガ市村町ノ吏員ニナ
ルカドウカ、又選擧運動ハ出來ルカドウカ
ト云フヤウナ點デゴザイマシタ、町內會、
部落會ノ長ハ市町村ノ吏員デハ無論ゴザイ
マセヌ、併シナガラ町內會、部落會ノ長ガ
其ノ地位ニ在リナガラ選擧運動ヲ爲スノハ
適當トハ思ハレマセヌノデ、從來モ斯ウ云
フコトノナイヤウニ指導シテ參リマシタ
ガ、今後モ此ノ指導方針ヲ繼續シテ參リタ
イト云フ答デゴザイマス、次ハ國政事務ノ
委任ト財源付與ニ關シマスル事柄デゴザイ
マス、今囘ノ改正案ニハ此ノ點ニ觸レテ居
ルノデゴザイマスルガ、此ノ問題ニ關シマ
シテハ市町村又ハ市町村長ニ對シマシテ國
政事務ヲ委任スル場合ニ於テ、之ニ要シマ
スル費用ノ財源ニ付テ必要ナル措置ヲ講ズ
ルト云フ規定ガゴザイマスルガ、此ノ規定
ハ具體的ニドウ云フ方法ヲ採ルノカト云フ
質問デゴザイマス、此ノ規定ノ運用ニ當リ
マシテハ、補助金、交付金等ノ特別ノ財源
ヲ付與スルコトモゴザイマスルシ、又一般
的ノ財源ヲ付與スル必要ノゴザイマスル時
ハ、分與稅等ニ依ルコトモゴザイマスルシ、
要スルニ個々ノ具體的事務委任ノ場合ニ於
テ其ノ事務ノ種類ニ應ジマシテ適當ナ財源
ヲ考ヘルト云フ考ヘ方デゴザイマス、其ノ
他一般的ノ問題ト致シマシテ、是ハ法律ノ
規定ノ内容ニハ直接關係ノナイコトデゴザ
イマスガ、一般的ノ質問ト致シマシテ、町
村合併ニ關スル政府ノ方針、又ハ之ニ付テ
强制合併ノ方法ヲ考ヘテ居ルカドウカト云
フヤウナ問題ガ出マシタ、此ノ點ニ關シマ
シテハ現在ノ町村ノ中ニハ規模ノ非常ニ
小サイモノト思ハレルモノモゴザイマス
ルガ、此ノ問題ハ町村ノ活動能力ト町內
會部落會等ノ下部組織ノ統制及運用上ノ
必要トノ兩面カラ睨ミ合セマシテ考ヘル必
要ガゴザイマシテ、直チニ一定ノ基準ヲ設
ケマシテ全面的ニ町村合併ヲ强行スルコト
ハ是ハ現在考ヘテ居ラナイト云フコトデ
ゴザイマス、一面今囘ノ改正ニ依リマシテ
町村合併ノ手續ガ非常ニ簡易化サレルト云
フ點ハゴザイマスルノデゴザイマス、ソレ
カラ過大都市ノ抑制ニ關シマスル事柄ニ付
キマシテ、是モ相當意見ガゴザイマシタ、
今囘都市ガ段々過大ニナリマシテ、之ヲ抑
制スル必要ガアルト云フ意見ガ各方面ニゴ
ザイマスルガ、之ニ關シマシテ政府ト致シ
マシテハ、現在工場規正地域及學校規正地
域等ノ設定ヲ圖ルコトニ相成ッテ居リマス、
之ニ依リマシテ工場及學校等ノ新設及增設
ヲ制限スル方策ヲ旣ニ講ジテ居ル所デゴザ
イマスルガ、唯旣存ノ工場及學校等ノ移轉
ハ、現下焦眉ノ急デゴザイマスル戰力ノ增
强ト考へ合セル必要ガゴザイマシテ、資材、
勞力等ノ關係カラ實行ガ困難デゴザイマス、
併シナガラ都市ノ過大ト云フコトハ防空、
保健衞生、風〓其ノ他各般ノ點カラ見マシ
テ相當憂慮スベキ事象デゴザイマスルカラ、
之ガ抑制ニ付キマシテハ色々ノ方策ニ付テ
今後十分ニ〓究シタイト云フノガ政府ノ考
デゴザイマス、次ハ特別市制ニ關シマスル
點ニ付テノ質問ガゴザイマシタ、東京都制
ガ今囘出來マスレバ、他ノ五大都市ニ付テ
ノ特別市制ニ關シマスル事柄デゴザイマス
ガ、之ニ付テノ政府ノ考へ方ト致シマシテ
ハ、所謂特別市制ノ問題ニ付キマシテハ時
勢ノ變化ニ伴ヒマシテ、新タナル觀點カラ
所謂特別市ナルモノノ性格如何、特別市ノ
對象トスベキモノ如何ト云フコトニ付キマ
シテ、再檢討ヲ要スル必要ガアルヤウニ思
ハレマスルシ、又今日相當問題ニナッテ居リ
マスル所謂廣地域行政組織トシテノ道州制
等トモ關聯ヲ致シマスノデ、是等ニ關聯致
シマシテ今後篤ト〓究ヲ致シタイト云フノ
ガ政府ノ答辯デコザイマス、次ハ町村制ノ
改正ニ依ル町村長ノ地位ノ强化ト關聯致マ
シテ、昨年地方ニ設置致シマシタ地方事務
所ノ存廢ニ付テ再檢討ヲ加ヘル必要ガナイ
カト云フ質問ガゴザイマシタ、之ニ付キマ
シテハ地方事務所ノ設置ノ趣旨ハ、町村
長ノ良キ相談相手ニナルト云フコトガ設置
ノ趣旨ニ相成ッテ居リマス、又設置後日尙淺
キニ拘ラズ食糧ノ增產、災害應急對策等ニ
相當ノ成績ヲ擧ゲテ居ルヤウニ思ハレマス
ガ、今後一層此ノ地方事務所ノ指導ニ付キ
マシテハ力ヲ注ギマシテ、其ノ成績ヲ十分
ニ擧ゲルヤウニ運營ヲ致シテ參リタイト
云フ答辯デコザイマス、又地方事務所ニ付
キマシテ其ノ事務所ノ機能ヲ十分ニ發揮セ
シメマスル爲ニ、其ノ管轄區域ヲ更ニ擴大
致シマシテ權限ヲ强化シ、所長ノ地位ヲ向
上セシムル必要ガアルノデハナカラウカト
云フ御尋デコザイマスガ、地方事務所ノ設
置ハ只今申シマスルヤウニ日モ淺イノデコ
ザイマスカラ、是等ノ點ニ付キマシテハ今
後ノ實績等ヲ更ニ檢討致シマシタ上ニ〓究
ヲ致シタイト云フ答辯デコザイマス、文ヘ
簡單ニ府縣制及北海道會法改正ニ關シマス
ル衆議院ノ質疑應答ノ主ナルモノヲ申上ゲ
マス、府縣制ノ改正ハ先程大臣モ御說明ガ
ゴザイマシタヤウニ、市制、町村制ノ改正
ニ卽應スルモノデゴザイマシテ、問題ハ殆ド
同ジヤウナ問題デゴザイマスガ、唯府縣會
議員ノ選擧ニ關シマスル問題ガ少シ論議ニ
相成ッタノデゴザイマス、今囘ノ改正案ニ
於キマシテ、從來ハ府縣會議員ノ選擧區ガ
郡長及島司ノ管轄シタル地域ト云フコトニ
相成ッテ居リマシタノヲ今囘改メマシテ、
地方事務所長又ハ支廳長ノ管轄區域ニ依ル
コトニ改メタノデゴザイマス、此ノ點ガ少
シ論議ガアッタノデゴザイマス、ドウシテ
斯ウ云フ改正ヲ致シタノカト云フノガ第一
點デゴザイマス、此ノ點ニ付キマシテハ郡
部ニ於テハ郡役所廢止後ハ依ルベキ區域ガ
ナカッタノデ、從前郡長又ハ島司ノ管轄シ
タル區域ト云フコトニ現在ノ法律ガ相成ッ
テ居リマスルガ、地方事務所ノ制度ガ設ケ
ラレマシタ以上ハ、其ノ管轄區域ヲ以テ選
擧區トスルコトガ、色々ノ觀點カラ考ヘマ
シテ當然ノ整備デゴザイマスルシ、又事柄
トシテモ適當デアルト考ヘマシテサウ云
フ風ニ改メタノデゴザイマス、併シナガラ
此ノ府縣會議員ノ選擧區ヲ地方事務所ノ區
域ヲ採用致シマスルト、此ノ地方事務所ノ
區域ト云フモノガ、內務大臣ノ告示ニ依ツ
テ定ッテ居ルカラ安定性ヲ缺クノヂヤナイ
カ、勝手ニ内務省ガ變ヘルコトニナリハシ
ナイカト云フ點ガ問題ニ相成リマシタ、此
ノ點ニ付キマシテハ、地方事務所長ノ管轄
區域ハ各般ノ實情ヲ愼重ニ考慮シタ上ニ決
定シタモノデゴザイマシテ、固ヨリ輕々ニ
之ヲ變更スル性質ノモノデハゴザイマセヌ
シ、又事ノ性質上濫リニ變更ノ出來ルモノ
デモゴザイマセヌカラ、選擧區トシテ定安
性ヲ缺クト云フコトハ絕對ニナカラウト云
フ答デゴザイマス、次ハ府縣會議員ノ選擧
區ヲ地方事務所長ノ管轄區域ニ依ラシメル
ト、中ニ數郡ヲ包含スルモノガゴザイマス
ノデ、選擧區ノ擴大ヲ來ス關係上選擧運動
費用ヲ非常ニ增嵩セシメルノデハナイカ、
サウ云フコトハ今日適當デハナインヂヤナ
イカト云フ意見デアリマス、併シナガラ地
方事務所長ノ管轄區域トシテ數郡ノ區域ヲ
合セマシタモノハ極メテ小サイ郡バカリデ
ゴザイマス、現在ノ選擧區デモ大少不同デ
ゴザイマシテ、小サイノハ一人區カラ大キ
イノハ十人區迄モゴザイマスノデゴザイマ
スガ、改正案ニ依リマシテ一人區、二人區
等ノ小サイ選擧區ガ少クナリマシテ、全體
トシテ選擧區ヲ見マスト、其ノ規模トシテ
ハ却テ均衡ガ取レルヤウナ結果ニモナリマ
スノデ、別ニ差支ナイダラウト云フ答デア
リマス、ソレカラ今秋行ハレル府縣會議員
ノ選擧ニ當リマシテ、所謂推薦制度ヲ採用
スルカドウカト云フ問題デアリマス、是ニ
付キマシテハ總理大臣ガ特ニ衆議院ノ地方
制度ノ委員會ニ出席セラレマシテ次ノヤウ
ナ答辯ヲナサレテ居リマス、所謂第三者ニ
依ル推薦ハ法ノ認メル所デアル、眞ニ純眞
ナル民間ノ盛リ上ル推薦機運ハ素ヨリ之ヲ
抑制スベキモノデナイト考ヘル、而シテ眞
ニ有爲ノ議員ガ選出サレ、國民ノ戰爭完遂
ニ對スル熱意ヲ昂揚スベキコトヲ期スベキ
ハ勿論デアルカラ、各般ノ啓蒙運動ノ展開
ニ付テハ政府ハ大イニ熱意ヲ有スルモノデ
アル、併シナガラ府縣知事等官憲ガ中心ト
ナッテ候補者銓衡會ノ結成竝ニ運營ニ付テ
指導スルガ如キコトハ適當デナイト考ヘルノデ、
斯クノ如キコトハ之ヲ爲サシメナイヤウニ
致シタイ考デアル、尙又選擧ノ取締ニ當ッテ
候補者ノ如何ニ依リ差別的取扱ヲ爲スガ如
キコトハ嚴重ニ之ヲ戒メ、眞ニ至公至平ノ
態度ヲ持スベキハ言フ迄モナイコトデアル、
斯ウ云フ答辯ヲ總理大臣ガ致サレマシタノ
デゴザイマス、尙是ニ關聯致シマシテ總理
大臣ノ言明中、府縣知事等官憲ガ中心トナッ
テト云フ中ニハ、大政翼贊會ノ支部長等ノ
資格ニ於テ爲ス場合モ含ムカドウカ、又政
府ノ方針ハ今後ノ市町村會議員ノ選擧ニモ
及ブカドウカ、啓蒙運動ノ行キ過ギヲ嚴重
ニ戒メル考カドウカト云フ質問ガ出マシタ
ノデアリマス、是ニ付キマシテハ內務大臣
カラ、府縣知事等ノ官憲ガ中心トナッテト云
フ中ニハ大政翼贊會ノ支部長等ノ資格ニ於
テ爲ス場合モ含ム考デアル、又右ノ方針ハ
市町村會議員ノ選擧モ含ムモノト了解サレ
タイ、又啓蒙運動ト選擧運動トハ固ヨリ區
別スルコトヲ必要ト致シマスノデ、啓蒙運
動ノ行キ過ギニ付キマシテハ十分今後戒メ
ルヤウ配慮致シタイト云フ答辯ヲ致サレタ
ノデゴザイマス、最後ニ道州制ニ關シマス
ル事柄ガゴザイマシタノデアリマスガ、市
制町村制ノ改正ト照應致シマシテ、上級ノ
行政機構ノ整備ヲ圖ル必要ガアルカラ、所謂
道州制ニ付テドウ云フ考ヲ持ッテ居ルカト
云フ質問ガゴザイマシタ、道州制ニ付キマ
シテハ極メテ重要ナ問題デゴザイマシテ、
愼重ニ〓究ヲ要スルモノト思フカラ、內務
省トシテハ今後建設的意味ニ於テ十分考究
ヲ致シタイト云フ答辯ヲ致シマシタノデゴ
ザイマス、大體朗讀ノ程度デゴザイマスガ、
衆議院ニ於キマシテ議論セラレマシタ主要
ナ事項ヲ御披露申上ゲタ次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=13
-
014・河原田稼吉
○委員長(河原田稼吉君) 本日ハ午後カラ
請願ノ分科會等ガアリマシテ、御關係ノ方
モ多數イラツシヤルヤウデアリマスカラ此
ノ程度デ止メテ置キマシテ、明日午後一時
半カラ開會致シマス、尙此ノ法案ハナカナ
カ重要デアリマシテ、恐ラク多數ノ方ガ御
質疑ナサルダラウト思ヒマスノデ、豫メ通
告ヲ願ツテ置キマスレバ大變便宜デハナイ
カト思ヒマス、今日ハ是デ散會致シマス
午後零時十五分散會
出席者左ノ如シ
委員長河原田稼吉君
副委員長男爵伊江朝助君
委員
公爵鷹司信輔君
公爵岩倉具榮君
侯爵中御門經恭君
伯爵橋本實斐君
關屋貞三郞君
子爵立花種忠君
子爵秋月種英君
子爵植村家治君
子爵由利正通君
松井茂君
犬塚勝太郞君
廣瀨久忠君
安井英二君
男爵中川良長君
男爵北島貴孝君
男爵松平外與麿君
男爵北大路信明君
次田大三郞君
田澤義鋪君
澁澤金藏君
松井貞太郞君
佐藤助九郞君
柴田兵一郞君
渡邊甚吉君
國務大臣
內務大臣湯澤三千男君
政府委員
內務次官山崎巖君
內務省地方局長古井喜實君
內務書記官中島賢藏君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008101268X00119430301&spkNum=14
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。