1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年二月十日(水曜日)午後一時四十二分開議
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議事日程 第八號
昭和十八年二月十日
午後一時開議
第一 石油專賣法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 燃料局特別會計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 義務教育費國庫負擔法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 農業保險法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 食糧管理特別會計法中改正法律案(政府提出、衆議院送付)第一讀會
第九 農業保險の保險料國庫負擔金等の交付及分擔等に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第十 在滿日本人の身分に關する滿洲國裁判の效力に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十一 裁判所構成法中改正法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第十二 陪審法の停止に關する法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=0
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001・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 報告ヲ致サセマ
ス
〔高山書記官朗讀〕
一昨八日海軍省ヨリ「レンネル」島沖海戰大
捷ニ付本院ノ感謝竝祝意ヲ表スルノ電報ニ
對シ聯合艦隊司令長官ヨリ左ノ謝電アリタ
ル旨ノ通牒ヲ受領セリ
レンネル島沖海戰ニ際シ貴族院ハ院議ヲ
以テ熱誠溢ルル感謝竝ニ敬弔ノ辭ヲ寄セ
ラレ感激ノ至ニ堪ヘズ今ヤ戰局益重大ヲ
加フ艦隊將兵ハ深ク聖旨ヲ奉戴シ愈、〓
奮勵努力必勝ノ信念ト旺盛ナル士氣ヲ以
テ敵ヲ擊碎シ誓ツテ征戰ノ目的ヲ達成セ
ムコトヲ期ス玆ニ聯合艦隊ヲ代表シ衷心
感謝ノ意ヲ表ス
同日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案
ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付セリ
國民貯蓄組合法中改正法律案
納稅施設法案
臨時資金調整法中改正法律案
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業務
ノ兼營等ニ關スル法律案
銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案
戰爭死亡傷害保險法案
鹽專賣法中改正法律案
商工經濟會法案
商工組合法案
商工組合中央金庫法中改正法律案
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
重要鑛物增產法中改正法律案
郵便年金法中改正法律案
航空法中改正法律案
木船保險法案
自動車交通事業法申改正法律案
同日政府ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
昭和十六年度國有財產增減總計算書、昭
和十七年三月三十一日現在國有財產現在
額總計算書及之ニ添附スベキ各省ノ同增
減報告書、同現在額報告書竝會計檢査院
ノ檢査報告
昨九日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ
效力ニ關スル法律案可決報告書
裁判所構成法中改正法律案可決報告書
陪審法ノ停止ニ關スル法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
臨事軍事費豫算追加案(臨第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第二號)
石油專賣法案
燃料局特別會計法案
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道
買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正
法律案
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
農業保險法中改正法律案
食糧管理特別會計法中改正法律案
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付及
分擔等ニ關スル法律案
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第八十一囘帝
國議會政府委員仰付ケラレタル旨ノ通牒ヲ
受領セリ
文部省所管事務政府委員
文部書記官〓水虎雄君
本日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)、豫算
外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要
スル件(追第二號)可決報告書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=1
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002・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ會
議ヲ開キマス、本日委員長ヨリ報〓書ノ提
出セラレマシタ臨時軍事費豫算追加案、臨
第一號、豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約
ヲ爲スヲ要スル件、追第二號、是等ノ二案
ヲ、此ノ際議事日程ニ追加シ、一括シテ議題
ト爲シ、之ガ會議ヲ開キ、委員長ノ報〓ヲ
求メタイト存ジマスルガ、御異議ゴザイマ
セヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=2
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003・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、豫算委員長伯爵林博太郞君
九月三十日韓國(日)國讀スタジオパード(株)
一臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)
一豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲
スヲ要スル件(追第二號)
右衆議院ヨリ受領シタル各案ヲ審査シ總
テ衆議院議決案ノ通可決スヘキモノナリ
ト議決セリ依テ及報告候也
昭和十八年二月十日
委員長伯爵林博太郞
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵林博太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=3
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004・林博太郎
○伯爵林博太郞君 只今上程サレマシタ臨
時軍事費豫算追加、臨第一號、豫算外國庫
ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件、
追第二號ニ付キマシテノ、豫算委員會ノ
經過ヲ御報告致シマス、豫算委員會ハ本日
午前十時開會、先ヅ大藏大臣ノ說明ガアリ
マシテ、祕密會ニ入リマシタ、分科會ヲ開
キマセヌデ、質問、討論ノ後、此ノ兩案ハ
全會一致可決ニ相成リマシタガ、今其ノ經
過ノ大要ニ付テ御報〓ヲ致シマス、先ヅ簡
單ニ此ノ豫算ノ大要ヲ申上ゲマス、一、臨
時軍事費豫算追加二百七十億圓、前年度ニ
比シマシテ九十億圓ノ增加デアリマス、初
メニ其ノ歲出豫算ノ內譯ヲ申シマスト、第
三項豫備費ニ於テ六十億圓、第四項臨時軍
事費ニ於テ二百十億圓、是ハ陸海軍ノ經費
デアリマスガ、陸海軍兩省ニ於キマシテ本省
費以外ノモノハ、悉ク臨時軍事費支辨ト爲
スコトガ原則トナッタノデアリマス、本豫
算ハ、卽チ大東亞戰爭遂行ノ爲此ノ增加ヲ
必要トシタモノデアルトノ說明デアルノデ
アリマス、以上ハ歲出デアリマスガ、第二
ニ歲入豫算ニ付テ內譯ヲ申シマスト、公債
金ニ依ルモノガ百七十一億六千三百餘萬
圓、借入金ニ依ルモノガ三十三億圓デアリ
マス、是ハ南方開發金庫等ガ出來マシタノ
デ、其ノ方カラノ借入等ガ計上シテアリマ
ス、公債金、借入金以外ノ歲入ハ六十五億
三千六百餘萬圓、此ノ內譯ハ、一般會計カ
ラノ繰入金ガ四十三億三千六百餘萬圓、第
二ニハ特別會計ヨリノ繰入金ガ五億七千九
百餘萬圓デアリマス、是等ヲ一々申上ゲル
ノハ煩雜デアリマスノデ、ドウカ此ノ軍事
費中ノ第十四頁ニ於キマシテ詳シク其ノ數
字ガ擧ッテ居リマスカラ、就イテ御覽ヲ願
ヒマス、第三ニ雜收入十六億餘萬圓、其ノ
他ノ歲入豫算額ガ千九百餘萬圓トナッテ居
リマス、之ヲ全部合セマスト二百七十億圓
ニナルノデアリマス、次ニ豫算外國庫ノ負
擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件、追第
二號、是ハ臨時軍事費等ニ關スルモノデア
リマシテ、時局ノ進展ニ伴ッテ其ノ需要ヲ充
ス爲ニ、極メテ必要ナモノデアリマス、臨
時軍事費ニ關シマシテ、第七十九囘帝國議
會ノ協賛ヲ經テ改定シマシタル豫算外國庫
ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件ノ
中デ、二十五億八千萬圓トアルノヲ、今囘
五十九億五千萬圓ニ改ム、其ノ說明ニハ、
兵器糧秣其ノ他ノ調達ニ付テ、豫算外デ豫
メ契約ヲ爲スヲ要スルモノガ增シタト云フ
コトデアリマス、大體ソレガ主ナ點デゴザ
イマス、明年度ノ國民所得ハ五百億圓ト大
體推定サレ、國家的資金ノ需要額ガ三百七
十億圓アリマス、租稅其ノ他ノ百億圓ヲ引
キマスト二百七十億圓ニナリマスノデ、
此ノ際國民貯蓄ノ目標ハ二百七十億圓ト大
體ナル目安デアル、國民ノ私生活ノ消費
ト云フモノハ、ソレデアリマスカラ、十八
年度ニ於テハ、極メテ緊縮サレナケレバナ
ラナイ、卽チ百三十億ニ緊縮シテ戴カナケ
レバナラナイ、ドウカ是ハ大東亞戰ヲ勝チ
拔ク爲ニ國民ノ奮起ヲ望ム次第デアル、是
ハ昨年ハ百五十億圓ト積ッタノガ、今年ハ
二十億圓ノ減少トナッタ次第デアリマス、
收入ノ多イ家庭ニ於キマシテハ四割乃至
五割モ、今度ハ緊縮ヲシテ貰ハナケレバナ
ラナイ時代ガ來タノデアルト云フコトヲ、
特ニ力說サレタノデアリマス、祕密會ノ事
ハ全然申上ゲルコトガ出來マセヌ、續イ
テ質問ニ入リマシテ、飛行機、殊ニ民間ノ
飛行機、滑空機ト云フコトニ付キマシテハ、
或ハ閑却サレテアルヤノ虞ガアル、是ハ今
日ノ場合非常ニ必要ナコトデアルガ、ソレ
等ノ增產竝ニ乘員ノ養成等ニ付テハ如何ナ
ル考ヲ持ッテ居ラルヽカ、之ニ付キマシテ當
局ヨリ懇々ト其ノ養成ノコトニ付、又民間
航空機ノ發展ノコトニ付テ努力スルト云フ
答辯ガアリマシタ、次ニハ軍政下現地調辨
ノコトニ付テ質問ガアリマシタ、現地調辨
ト云フコトハ誠ニ結構デアルガ、軍政下ノ
今日餘リニ之ニ重點ヲ置キ過ギルト、軍政
ノ運用上ニ無理ガ生ジル、ソレ等ニ付テノ
當局ノ考ハ如何デアルカ、軍政ノ目的ニハ
三ツアル、第一ニ治安ノ囘復、第二ニハ國
防資源ノ獲得、第三ニハ作戰軍現地自活ノ
確保デアル、現地ニ獲得シタル物ヲ、直チ
ニ右左ニ戰爭ノ用途ニ供スルト云フコトハ、
今日ノ場合極メテ必要デアル、例ヘバ米ノ
如キモノハ態々內地ヨリ送ルヨリハ現地
デ出來タ物ヲ融通スルト云フコトガ、戰略
上極メテ必要デアルト云フノト同ジコトデ
アル、是ト同時ニ、此ノ共榮圈內ニ於ケル
十億人民ノ收攬ト云フコトニハ十分ニ留意
ヲシテ行カナケレバナラナイ、之ニ付テハ
大イニ努力スルト云フコトデアリマス、之
ニ續キマシテ軍務局長カラ誠ニ熱烈ニ、南
太平洋方面ノ戰況ノ說明ガアリマシタ、「ガ」
島「ブナ」ニ於ケル敵牽制ノ任務ガ終リマシ
テ、後退展開ヲ爲シ、次ノ作戰ノ基礎ヲ樹
テ、共榮圈ノ外壁ヲ固メタル功績ニ付テ縷〓
述ベラレタノデアリマス、是ハ第一、統帥上
ノ英斷ニ依ッタノデアル、第二ニ、海陸兩軍
ノ共同作業ノ渾然一體トナッテ活躍シタノ
ニ依ル、第三ニハ、言語ニ絕スル軍ノ辛苦
ト偉大ナル功績ニ依ルノデアル、實ニ今囘
ノ戰爭ニ於キマシテハ、敵ノ心膽ヲ寒カラ
シメタルコトガ大デアルト云フコトハ明瞭
デアル、今日明日ノ決戰ヲ續ケ、又續ケ、
ドコ迄モ勝チ拔イテ行カナケレバナラナ
イ、否ラザレバ一萬數千ノ今囘ノ尊キ犧牲
ニ對シテ實ニ申譯ノナイコトデアル、之h
依ッテ〓後益〓、〓鬪努力ヲスルト云フ、熱烈ナ
ル說明ガアリマシタ、玆ニ委員長ハ、將兵
諸士ノ英靈ニ對シ、敬弔ノ意ヲ表スルコト
ヲ御諮リヲ致シマシタ、卽チ「此ノ際南太平
洋方面ニ於テ勇戰奮鬪シ君國ノ爲メ殉ゼラ
レタル將兵諸士ノ英靈ニ對シ深ク敬弔ノ意
ヲ表スルト共ニ皇軍ノ必勝ヲ祈念致シタイ
ト存ジマス」、之ニ對シマシテ全會起立、贊
意ヲ表サレタノデゴザイマス、續イテ討論
ニ入リマシタ、一委員ヨリ、大東亞戰爭ノ
現段階ニ於テ、作戰遂行上、此ノ豫算案ハ
極メテ緊要ナモノデアル、兩案全部、何等
異議ナク贊成ノ意ヲ表スルモノデアルトノ
コトデアリマス、續イテ採決ヲ致シマシタ
ル處、此ノ兩案共、全會一致可決ニ相成リ
マシタ、此ノ段御報〓ヲ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=4
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005・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、是ヨリ採決ヲ致シマス、御異議ガ
ナケレバ、兩案全部ヲ問題ニ供シマス、兩
案ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ願ヒマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=5
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006・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 總員起立デアリマ
ス、仍テ兩案ハ全會一致ヲ以テ可決セラレ
マシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=6
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007・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 是ヨリ本日ノ議
事日程ニ移リマス、日程第一、石油專賣法案、
日程第二、燃料局特別會計法案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一括
シテ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=7
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008・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、岸商工大臣
左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
石油專賣法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
石油專賣法案
石油專賣法
第一條政府ハ石油ノ専賣權ヲ有ス
第二條本法ニ於テ石油トハ揮發油、燈
油輕油、機械油、重油、石油副製品及
此等ノ類似品ニシテ勅令ヲ以テ定ムル
モノヲ謂フ
第三條石油ハ政府又ハ政府ノ命ヲ受ケ
タル者ニ非ザレバ之ヲ輸入シ若ハ移入
シ又ハ輸出シ若ハ移出スルコトヲ得ズ
第四條石油ノ製造ヲ爲サントスル者ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ政府ニ屆出ヅベ
シ其ノ製造ヲ廢止セントスルトキ亦同
第五條前條ノ規定ニ依リ石油ノ製造ヲ
爲ス旨ノ屆出ヲ爲シタル者(以下石油
製造者ト稱ス)ノ製造シタル石油ハ政
府之ヲ收納ス
第六條政府ハ收納スル石油ノ規格ヲ定
ムルコトヲ得
前項ノ規格ニ適合セザル石油ニ付テハ
政府ハ適當ナル處理ヲ爲スベキ旨ヲ命
ズルコトヲ得
第七條政府ハ收納シタル石油ニ對シ賠
償金ヲ交付ス
賠償價格ハ政府之ヲ定メ豫メ公示ス
第八條石油製造者ハ其ノ製造シタル石
油ヲ總テ政府ニ納付スベシ但シ命令ヲ
以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
政府ハ納付ノ期日及場所ヲ定ムルコト
ヲ得
第九條政府ハ其ノ賣渡ス石油ノ價格ヲ
定メ之ヲ公示スベシ
第十條輸出、移出其ノ他命令ヲ以テ定
ムル用途ニ供スル場合ニ於テハ政府ハ
前條ノ價格ニ拘ラズ特ニ定メタル價格
ヲ以テ石油ノ賣渡ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ前條ノ價格ヨリ低キ
價格ヲ以テ賣渡ス石油ニ付テハ政府ハ
買受人ヲシテ其ノ買受價額ト同條ノ規
定ニ依リ算出シタル金額トノ差額ノ全
部又ハ一部ニ相當スル擔保ヲ提供セシ
ムルコトヲ得
前項ノ擔保ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十一條前條第一項ノ規定ニ依リ買受
ケタル石油ハ之ヲ讓渡シ、質入シ又ハ
其ノ用途ヲ變更スルコトヲ得ズ但シ政
府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在
ラズ
第十二條第十條第一項ノ規定ニ依リ第
九條ノ價格ヨリ低キ價格ヲ以テ石油ヲ
買受ケタル者之ヲ讓渡シ、質入シ又ハ
其ノ用途ヲ變更シ若ハ正當ノ事由ナク
シテ目的ノ用途ニ使用セザルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ政府ハ買受人ヲシ
テ其ノ買受價額ト第九條ノ價格ニ依リ
算出シタル金額トノ差額ニ相當スル金
額ヲ納付セシム
買受人前項ノ金額ヲ納付セザル場合ニ
於テ第十條第二項ノ規定ニ依リ提供シ
タル擔保アルトキハ之ヲ以テ納付セ
シムベキ金額ニ充ツ但シ金錢以外ノ擔
保ハ之ヲ公賣ニ付シ公賣ノ費用及前項
ノ金額ニ充テ不足アルトキハ之ヲ徵收
シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
第十三條石油ハ政府又ハ政府ノ指定シ
タル賣捌人(以下石油賣捌人ト稱ス)ニ
非ザレバ之ヲ業トシテ賣渡スコトヲ得ズ
石油賣捌人及石油ノ賣渡ニ關スル規定
ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條石油賣捌人ハ政府ノ定ムル價
格ヲ超エテ石油ヲ賣渡スコトヲ得ズ
第十五條石油ハ政府ノ賣渡シタルモノ
ニ非ザレバ之ヲ所有シ、所持シ、讓渡
シ、質入シ又ハ消費スルコトヲ得ズ但
シ石油製造者納付期日前ハハ當當ノ事
由ニ因リ納付ノ遲延シタル場合ニ於テ
所有若ハ所持シ又ハ第八條第一項但書
ノ場合ニ於テ所有シ、所持シ若ハ消費
スルハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條石油製造者、石油賣捌人及第
十條第一項ノ規定ニ依リ石油ヲ買受ケ
タル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ石油ノ
製造、納付、賣渡又ハ使用ニ關スル事
實ヲ帳簿ニ記載スベシ
第十七條當該官吏ハ石油製造者、石油
賣捌人又ハ第十條第一項ノ規定ニ依リ
石油ヲ買受ケタル者ニ對シテ質問ヲ爲
シ又ハ左ニ揭グル物件ニ付檢査ヲ爲シ
若ハ監督上必要ノ處分ヲ爲スコトヲ得
石油製造者、石油賣捌人又ハ第十
條第一項ノ規定ニ依リ石油ヲ買受ケ
タル者ノ所持スル石油
二石油ノ製造、納付、賣渡又ハ使用
ニ關スル一切ノ帳簿書類
三石油ノ製造、賣渡又ハ使用上必要
ナル建築物、機械、器具、容器、材
料其ノ他ノ物件
第十八條本法ニ依リ納付セシムベキ金
額ノ徵收ニ關シテハ國稅徵收法ヲ準用
ス
第十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三年以下ノ懲役又ハ一萬圓以下ノ罰金
· 印度
-第三條ノ規定ニ違反シ石油ノ輸入
若ハ移入又ハ輸出若ハ移出ヲ爲シタ
ル者
二第八條又ハ第三十二條ノ規定ニ違
反シ政府ニ納付スベキ石油ヲ讓渡
シ、消費シ又ハ隱匿シタル者
三第十一條ノ規定ニ違反シ石油ヲ讓
渡シ、質入シ又ハ其ノ用途ヲ變更シ
タル者
第二十條第十四條ノ規定ニ違反シ政府
ノ定ムル價格ヲ超エテ石油ヲ賣渡シタ
ル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第二十一條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰
金ニ處ス
一第十三條第一項ノ規定ニ違反シ石
油ヲ賣渡シタル者
二第十五條ノ規定ニ違反シ政府ノ賣
渡サザル石油ヲ所有シ、所持シ、讓
渡シ、質入シ又ハ消費シタル者
第二十二條前三條ノ罪ヲ犯シタル者ニ
ハ情狀ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコ
トヲ得
第二十三條第四條ノ規定ニ違反シ屆出
ヲ爲サズシテ石油ノ製造ヲ爲シタル者
ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十四條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
-正當ノ事由ナクシテ第六條第二項
ノ規定ニ依リ政府ノ命令シタル處理
ヲ爲サザル者
二正當ノ事由ナクシテ政府ノ指定シ
タル納付期日ニ石油ヲ納付セザル者
三第十六條ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載
ヲ爲サズ又ハ之ニ不正ノ記載ヲ爲シ
タル者
四第十七條ノ規定ニ依ル當該官吏ノ
質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ、虚僞ノ陳
述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、
妨ゲ若ハ忌避シタル者
第二十五條第十九條乃至第二十一條又
ハ第二十三條ノ罪ヲ犯シタル者アルト
キハ其ノ犯罪ニ係ル石油及其ノ容器ハ
之ヲ沒收ス其ノ石油又ハ容器ヲ沒收ス
ルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵
ス
第二十六條法人ノ代表者又ハ法人若ハ
人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者其
ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第十九條乃
至第二十一條、第二十三條又ハ第二十
四條第一號乃至第三號ノ違反行爲ヲ爲
シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ
法人又ハ人ニ對シ各本條ノ罰金刑ヲ科
ス
第二十七條間接國稅犯則者處分法ハ第
二十三條、第二十四條又ハ本法ニ基キ
テ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
間接國稅犯則者處分法中收稅官吏及稅
務署長ニ屬スル職務ヲ行フベキ官吏ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條石油製造者石油ノ製造ヲ廢
止スルモ製造場又ハ藏置場ニ石油ノ現
存スル間ハ仍本法ヲ適用ス
附則
第二十九條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第三十條本法施行ノ際現ニ石油ノ製造
ヲ爲ス者ハ本法施行後一月以內ニ命令
ノ定ムル所ニ依リ政府ニ屆出ヅベシ
前項ノ規定ニ依ル屆出ヲ爲シタル者ハ
之ヲ石油製造者ト看做ス同項ニ揭グ
ル者同項ノ規定ニ依ル屆出ヲ爲サザル
場合ト雖モ同項ノ期間內ニ於テハ亦同
第二十三條ノ規定ハ第一項ノ期間內同
項ニ揭グル者ニ之ヲ適用セズ
第三十一條本法施行ノ際現ニ業トシテ
石油ノ賣渡ヲ爲ス者ニシテ本法施行
後其ノ賣渡ヲ繼續セントスルモノハ本
法施行ノ日ヨリ二月以内ニ石油賣捌人
ノ指定ヲ受クベシ
前項ノ規定ニ依リ指定ヲ受ケタル者ハ
之ヲ石油賣捌人ト看做ス同項ニ揭グル
者同項ノ規定ニ依ル指定ヲ受ケザル場
合ト雖モ同項ノ期間內ニ於テハ亦同ジ
第三十二條石油製造者ガ本法施行ノ際
現ニ所有スル石油ハ之ヲ政府ニ納付ス
ベシ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ
限ニ在ラズ
第七條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ政府
ニ納付スル石油ニ之ヲ準用ス
第三十三條石油製造者以外ノ者ガ本法
施行ノ際現ニ所有スル石油ニ付テハ第
十五條ノ規定ヲ適用セズ
前條第一項但書ノ場合ニ於テ所有シ、
所持シ又ハ消費スル石油ニ付亦同ジ
第三十四條揮發油及アルコール混用法
ハ之ヲ廢止ス但シ本法施行前ニ爲シタ
ル行爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ本
法施行後ト雖モ仍其ノ效力ヲ有ス
第三十五條揮發油稅法ハ之ヲ廢止ス但
シ左ニ揭グル揮發油ニ付テハ仍同法ニ
依ル
本法施行前ニ揮發油稅ヲ課シ又ハ
課スベカリシモノ
二揮發油稅法第七條ノ規定ニ依リ本
法施行前ニ製造場又ハ保稅地域ヨリ
引取リタルモノ
三本法施行前ニ外國輸出又ハ朝鮮移
出ノ目的ヲ以テ製造場又ハ保稅地域
ヨリ引取リタルモノ
第三十六條石油業法中左ノ通改正ス但
シ本法施行前ニ爲シタル行爲ニ關スル罰
則ノ適用ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル
「石油輸入業」ヲ「原油輸入業」ニ、「石油
輸入業者」ヲ「原油輸入業者」ニ改ム
第四條第一項中「石油ノ輸入」ヲ「原油
ノ輸入」ニ、一精製ニ必要ナル石油」ヲ
「精製ニ必要ナル原油」ニ改メ同條第二
項ヲ削ル
第五條中「石油ヲ」ヲ「原油ヲ」ニ改ム
第六條中「所有スル石油」ヲ「所有スル
原油」ニ改ム
第七條第一項中「石油ノ販賣價格」ヲ
「原油ノ販賣價格」ニ改ム
第三十七條人造石油製造事業法中左ノ
通改正ス但シ本法施行前ニ爲シタル行
爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ仍從前
ノ規定ニ依ル
第九條削除
第十六條第一項ヲ削ル
第十八條削除
第二十二條人造石油製造會社第十六
條又ハ第十七條ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シタルトキハ其ノ取締役又ハ其
ノ職務ヲ行フ監査役ヲ三千圓以下ノ
罰金ニ處ス
燃料局特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議戶伯爵松平賴壽殿
燃料局特別會計法案
燃料局特別會計法
第一條燃料局ニ於テアルコール及石油
ノ専賣事業ヲ經營スル爲固定資本及据
置運轉資本ヲ置キ事業上ノ收入及附屬
雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ事業上ノ諸
費用ヲ以テ其ノ歲出トシ特別會計ヲ設
置ス
第二條燃料局固定資本ハ從來燃料局酒
精部ニ於テ使用シ竝ニ將來アルコール
及石油ノ專賣事業ヲ經營スル爲增加ス
ル所ノ土地、建物、工作物、船舶、機
械重要ナル器具及永遠保存品ヲ以テ
之ニ充ツ
燃料局据置運轉資本ハ昭和十七年度末
現在ノ燃料局酒精部据置運轉資本ヲ以
テ之ニ充テ尙必要ニ應ジ一般會計ヨリ
漸次繰入シテ五千萬圓トス
第三條本會計ノ据置、運轉資本ニ不足ヲ
生ジタルトキハ大藏大臣ハ借入金ヲ爲
シ一時之ヲ補足スルコトヲ得但シ其ノ
金額ハ六千萬圓ヲ超過スルコトヲ得ズ
前項ノ借入金ハ遲クトモ翌年度ニ於テ
之ヲ償還スベシ
大藏大臣ハ第一項ノ借入金ニ代ヘ當該
年度內ニ限リ國庫餘裕金ヲ繰替使用ス
ルコトヲ得
第四條本會計ノ歲出額ハ其ノ實際ノ歲
入及据置運轉資本ノ合計額ヲ超過スル
コトヲ得ズ
第五條固定資本ノ維持、修理及補充ハ
本會計ノ歲入ヲ以テ之ヲ支辨スベシ
第六條本會計ニ於ケル事業ノ益金及固
定資本ニ屬スル物件ノ賣拂代金ハ之ヲ
一般會計ノ歲入ニ繰入ルベシ
第七條政府ハ每年本會計ノ歲入歳出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第八條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
第九條本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施
行ス但シ燃料局酒精部特別會計ニ關シ
テハ昭和十七年度分ニ限リ第十三條及
第十四條ノ規定ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ
依ル
第十條燃料局ニ於テ爲スブタノール及
アセトンノ製造ニ關スル事業ハ本法ノ
適用ニ關シテハ之ヲアルコール及石油
ノ專賣事業ト看做ス
第十一條昭和十七年度ニ於テ燃料局酒
精部特別會計ニ於テ賣拂ヒタルアルコー
ルノ代價ノ內翌年度納付ノ許可アリタ
ルモノハ之ヲ本會計ニ於テ其ノ歲入ニ
受入ルベシ
第十二條燃料局酒精部特別會計ニ屬ス
ル收入及支出ノ未濟額ハ之ヲ本會計ノ
收入及支出ノ未濟額トス
昭和十七年度燃料局酒精部特別會計ノ
歲出豫算中翌年度ニ繰越ヲ要スルモノ
ハ之ヲ本會計ニ繰越シ使用スルコトヲ
得
第十三條作業會計法中左ノ通改正ス
第一條中「第五燃料局酒精部」ヲ削ル
第二條第六項ヲ削ル
第十四條昭和十七年法律第二十號附則
第四項乃至第七項ヲ削ル
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=8
-
009・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題ト相成リ
マシタ石油專賣法案外一件ノ提案理由ヲ御
說明致シマス、先ヅ第一ニ石油專賣法案デ
アリマスガ、曩ニ支那事變勃發以來、石油
需給ノ調整ヲ圖リマス爲ニ、石油ノ配給機
構ニ關シ根本的ノ整備ヲ加ヘマスト共ニ、
石油ノ配給統制竝ニ消費規正等ヲ一段ト强
化致シ、〓ネ今日迄ノ戰時經濟ノ運行ニ對處
シ來ッタ次第デアリマスガ、大東亞戰爭ノ勃
發以後、戰局ノ推移ト共ニ、石油ノ需給ハ
頓ニ緊要ノ度ヲ加ヘ、石油ノ確保ト之ガ徹
底的ノ高度重點配給ガ、時局下益〓要請セラ
レ來ッタノデアリマス、從來ノ石油配給制ニ
於キマシテハ、政府ハ石油ノ現物ハ擧ゲテ
之ヲ民間機關ニ委ネ、唯之ニ對シ配給上ノ
指示監督等ヲ爲シ居リマシタ關係ニ止マリ、
其ノ爲配給ヲ指示致シマスル主體ト、現物
ヲ所持シ之ヲ實際ニ配給致シマスル主體ト
ガ、二元的ニ分レテ居リマスコトヨリ生ジ
マスル不都合ガ痛感セラレテ參ッタ次第デ
アリマス、玆ニ於キマシテ、石油ノ重點配
給ヲ行ヒマスガ爲ニハ、政府自ラ石油ノ現物
ヲ把握致シマシテ、自ラ其ノ配分ノ衝ニ當
ルコトヲ必要ト認メマシテ、玆ニ今次戰爭
ニ對處スル戰時中ノ臨時措置トシテ、石油
ノ專賣制ヲ創設スルコトトナリ、本案ヲ提
案致シタル次第デアリマス、次ニ燃料局特
別會計法案提出ノ理由ヲ御說明致シマス、
今囘燃料局ニ於キマシテ、石油ノ専賣事業
ヲ經營スルコトト致シタノデアリマスガ、
之ニ關スル歲入歳出ハ、「アルコール」ノ專賣
事業ニ關スル歲入歲出ト併セ一括經理スル
ノヲ適當ト認メマスル處、之ガ爲ニ新タニ燃
料局特別會計法ヲ制定スル等ノ必要ガアリ
マスノデ、本法律案ヲ提出致シタ次第デア
リマス、以上ヲ以チマシテ兩法案ノ提案理
由ニ關スル御說明ヲ終リマスガ、何卒御審
議ノ上速カニ御協贊アラムコトヲ希望致ス
次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=9
-
010・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
石油專賣法案外一件ノ特別委員ノ數ヲ十九
名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スル
ノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=10
-
011・秋田重季
○子爵秋円重委君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=11
-
012・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=12
-
013・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔小野寺書記官朗讀〕
石油専賣法案外一件特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵蜂須賀正氏君
伯爵兒玉秀雄君子爵伊東二郞丸君
子爵松平忠壽君松村眞一郞君
男爵向山均君建部遯吾君
男爵井上〓純君大橋八郞君
吉野信次君男爵安場保健君
倉知鐵吉君磯野庸幸君
出光佐三君松岡潤吉君
秋田三一君子爵阪谷希一君
左近司政三君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=13
-
014・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第三、北海
道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收
ノ爲公債發行ニ關スル法律案、日程第四、
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間鐵道
買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案、政府提
田、衆議院送付、第一讀會、是等ノ兩案ヲ
一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ハゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=14
-
015・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、賀屋大藏大臣
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ左ノ鐵道買收ノ爲之ニ必要ナル額
ヲ限度トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
-北海道鐵道株式會社所屬鐵道
一鶴見臨港鐵道株式會社所屬鐵道但
シ鶴見鶴見終點間ノ鐵道ヲ除ク
ー富山電氣鐵道株式會社所屬鐵道中
岩瀨濱日曹工場前間及日滿工場前岩
瀨埠頭間
一伊那電氣鐵道株式會社所屬鐵道
一三信鐵道株式會社所屬鐵道
一鳳來寺鐵道株式會社所屬鐵道
豐川鐵道株式會社所屬鐵道
一播丹鐵道株式會社所屬鐵道
-宇部鐵道株式會社所屬鐵道
-小野田鐵道株式會社所屬鐵道
一小倉鐵道株式會社所屬鐵道
一產業セメント鐵道株式會社所屬鐵
道
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道
買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案中別紙
ノ通議院法第三十條ニ依リ修正ス
昭和十八年一月二十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
鐵道大臣八田嘉明
「富山電氣鐵道株式會社」ヲ「富山地方鐵
道株式會社」ニ修正ス
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ多獅島鐵道株式會社所屬新義州南
市間鐵道買收ノ爲之ニ必要ナル額ヲ限度
トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=15
-
016・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案外一
件ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ說明致シマス、
先ヅ北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案ニ付キ
マシテ申上ゲマス、北海道鐵道株式會社外
十一會社ノ經營ニ屬シマスル地方鐵道ハ、
或ハ幹線輸送網ノ整備增强上、或ハ海陸連
絡施設ノ整備擴充上、或ハ又軍事上、必要
ナル鐵道デアリマスルノデ、政府ニ於キマ
シテハ之ヲ國營ニ統一シ、以テ過般決定ヲ
見マシタ所ノ戰時陸運非常體制確立ニ資ス
ルコトト致シマシテ、昭和十八年度ニ於テ
之ヲ買收スルコトノ計畫ヲ樹テタノデアリ
マス、是ガ買收ノ爲ニハ、買收代價トシテ
公債ノ交付ヲ要シマスルノデ、其ノ發行ノ
權能ヲ得マスル爲ニ本法律案ヲ提出致シタ
次第デアリマス、次ニ多獅鳥鐵道株式會社
所屬ノ新義州南市間鐵道買收ノ爲公債發行
ニ關スル法律案ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ
申上ゲマス、多獅島鐵道株式會社ノ經營ニ
屬シマスル新義州南市間ノ鐵道ハ、朝鮮國
有鐵道京義線ニ依ル新義州南市間ヲ西側ヨ
リ結ンデアリマスル延長三十餘「キロ」ノ私
設鐵道デアルノデアリマス、此ノ私設鐵道
ハ東側ノ國有鐵道ニ比シ、路線平坦「ナル
ノミナラズ、距離ニ於テモ十一「キロ」ノ短
縮トナリマスルノデ、之ヲ國營ニ統一シマ
シテ、目下工事中ノ京義線複線工事ノ完成
ニ資シマスルト共ニ、大陸幹線輸送力ノ確
保增强、竝ニ西鮮國境地方ニ於ケル海陸運
輸系絡ノ整備ヲ圖リマスル爲、昭和十八年
度ニ於テ之ヲ買收スルノ計畫ヲ樹テマシタ
ル所、之ガ爲ニハ買收代價トシテ交付スル
公債ノ發行ヲ要シマスルノデ、是ガ公債發
行ニ關スル本法律案ヲ提出致シタ次第デア
リマス、何卒以上二件ノ法律案ニ付キマシ
テ御審議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘラレムコト
ヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=16
-
017・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買
收ノ爲公債發行ニ關スル法律案外一件ノ特
別委員ノ數ヲ十五名トシ、其ノ委員ノ指名
ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=17
-
018・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=18
-
019・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=19
-
020・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道
買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案外一件
特別委員
公爵島津忠承君侯爵筑波藤麿君
伯爵大木喜福君子爵秋田重季君
子爵安藤信昭君光行次郞君
中川健藏君大野綠一郞君
內田重成君男爵飯田精太郞君
黑崎定三君男爵松田正之君
男爵神山嘉瑞君竹內可吉君
菅澤重雄君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=20
-
021・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第五、公立
學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律
案、日程第六、義務〓育費國庫負擔法中改
正法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀
會是等ノ兩案ヲ一括シテ議題ト爲スコト
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=21
-
022・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、橋田文部大臣
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案
公立學校職員年功加俸國庫補助法中左ノ
通改正ス
第一條中「師範學校竝」ヲ削リ「中學校、
高等女學校、實業學校」ヲ「中等學校」ニ
改ム
第四條ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議戶伯爵松平賴壽殿
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
義務〓育費國庫負擔法中左ノ通改正ス
第一條中「俸給」ノ下ニ「、年功加俸、特別
加俸、賞與、死亡賜金及赴任ノ場合ニ支
給スル旅費」ヲ加フ
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
國民學校〓育費國庫補助法ハ之ヲ廢止ス
〔國務大臣橋田邦彦君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=22
-
023・橋田邦彦
○國務大巨(橋田邦彦君) 只今議題トナリ
マシタ公立學校職員年功加俸國庫補助法中
改正法律案外一件ニ付キマシテ、其ノ提案
ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、先ヅ公立學校
職員年功加俸國庫補助法中改正法律案ハ、
今囘師範〓育令ヲ改正致シマシテ、師範學
校ハ之ヲ直轄學校ト致シマス爲、同法中、
師範學校ニ關スル部分ヲ削除スルノ必要ヲ
生ジマシタノト、又中學校令、高等女學校
令及ビ實業學校令ヲ廢止致シマシテ、中等
學校令ヲ制定スルコトニ致シマシタ爲、同
法中、學校ノ名稱ヲ變更スルノ必要ヲ生ジ
マシタノデ、是等關係條項ヲ整理セムトス
ルモノデアリマス、次ニ義務〓育費國庫負
擔法中改正法律案ノ內容ハ、國民學校職員
ニ對スル諸給與ノ中、俸給費ニ付、國庫ガ
其ノ半額ヲ負擔スルコトニナッテ居リマス
現行制度ヲ擴充致シマシテ、年功加俸、特
別加俸、賞與、死亡賜金及赴任旅費ニ付キ
マシテモ、國庫ガ其ノ半額ヲ負擔セムトス
ルモノデアリマス、此ノ中、年功加俸及特
別加俸ニ付キマシテハ、從來國民學校〓育
費國庫補助法ニ依リマシテ、每年豫算ニ定ム
ル額ヲ補助シテ來タモノデアリマス、又賞
與死亡賜金及赴任旅費ハ、全額地方費ノ
負擔ニ屬シマシテ、國庫ハ別ニ直接財政上
ノ援助ヲ爲サナカッタモノデアリマス、今
囘是等經費ニ付キマシテモ、俸給費ト同樣
二、國庫ニ於テ其ノ半額ヲ負擔スルコトト
致シマシテ、國民學校職員ノ待遇ニ關スル
地方費財源ヲ確實ニ致シマスコトハ、國民
〓育刷新振興上誠ニ喫緊ノ要務デアルト存
ジマシテ、此ノ改正法律案ヲ提出スルニ至
リマシタ次第デゴザイマス、尙先ニ申述べ
マシタ理由ニ依リマシテ、國民學校〓育費
國庫補助法ハ不要トナリマスノデ、之ヲ廢
止セムトスルモノデアリマス、以上二件ノ
法律案ニ付キマシテ、何卒御審議ノ上速カ
ニ御協賛アラムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=23
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024・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法
律案外一件ノ特別委員ノ數ヲ十二名トシ、
其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ
提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=24
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025・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=25
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026・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=26
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027・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔小野寺書記官朗讀〕
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正
法律案外一件特別委員
侯爵淺野長武君伯爵山本〓君
子爵〓岡長言君子爵錦小路賴孝君
平塚廣義君下條康麿君
川村竹治君男爵伊江朝助君
男爵明石元長君岡田文次君
鈴木幸作君田中穗積君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=27
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028・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第七、農業
保險法中改正法律案、日程第八、食糧管理
特別會計法中改正法律案、日程第九、農業
保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付及分擔等
ニ關スル法律案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、是等ノ三案ヲ一括シテ議題ト爲
スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=28
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029・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、井野農林大臣
農業保險法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
農業保險法中改正法律案
農業保險法中左ノ通改正ス
第一條第二項中「前項」ヲ「前三項」ニ改メ
同條第一項ノ次ニ左ノ一一項ヲ加フ
行政官廳特ニ必要アリト認ムルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ市農會又ハ町村
農會ニ對シ共濟事業ヲ行フベキコトヲ
命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ共濟事業ヲ行フベキ
コトヲ命ゼラレタル市農會又ハ町村農
會第一項ノ認可ヲ申請セザルトキハ行
政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依リ共濟事
業ノ開始ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコ
トヲ得
第二條中「前條第二項」ヲ「前條第四項」ニ
改ム
第十五條、第十七條第一項、第十九條、
第二十三條第一項、第二十四條第一項、
第二十八條第二項、第三十一條乃至第三
十三條、第三十五條第二項及第五十四條
第一號中「第一條第三項」ヲ「第一條第五
項」三六人
第五十六條國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ農業保險組合ノ組合員ノ支拂フベキ
保險料ノ一部及第三十六條第一項ノ規
定ニ依リ農業保險組合ガ水稻ノ冷害ニ
付組合員ニ對シ共濟金ノ交付ヲ爲ス事
業ヲ行フ場合ニ於テ當該農業保險組合
ノ組合員ガ醵出スベキ共濟掛金ノ一部
ヲ負擔ス
日本蠶絲統制株式會社ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ桑葉ノ保險ニ付農業保險組合
ノ組合員ノ支拂フベキ保險料ノ一部ヲ
負擔スル爲國庫ニ納付金ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ納付シタル金額ハ法
人稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純
益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算上
之ヲ損金ニ算入ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
食糧管理特別會計法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議戶伯爵松平賴壽殿
食糧管理特別會計法中改正法律案
食糧管理特別會計法中左ノ通改正ス
第一條中「又ハ貯藏」ヲ「、貯藏又ハ檢査」ニ
改ム
第三條中「外國」ノ上ニ「臺灣又ハ」ヲ加フ
第六條中「貯藏」ノ下ニ「檢査」ヲ、「運搬
ニ關スル諸費、」ノ下ニ「一般會計及農業
再保險特別會計ヘノ繰入金、」ヲ加フ
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
農業再保險特別會計法第二條中「一般會
計」ノ下ニ「及食糧管理特別會計」ヲ加ヘ
「及附屬雜收入」ヲ「竝ニ附屬雜收入」ニ改
ム
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關スル法律案
第一條農業保險法第五十六條第一項ノ
規定ニ依ル農業保險ノ保險料國庫負擔
金ハ農業保險組合ノ組合員ノ爲ニ組合
ニ之ヲ交付ス
前項ノ規定ニ依リ組合ニ交付スベキ國
庫負擔金ノ一部ハ組合ニ對シ之ヲ交付
スルニ代ヘ夫々農業保險組合聯合會又
ハ政府ノ受クベキ再保險料ニ充ツル爲
勅令ノ定ムル所ニ依リ〓業保險組合聯
合會又ハ農業再保險特別會計ニ之ヲ交
付シ又ハ繰入ルルコトヲ得
農業保險法第五十六條第一項ノ規定ニ
依ル水稻ノ冷害共濟事業ノ共濟掛金國
庫負擔金ハ當該事業ヲ行フ農業保險組
合ノ組合員ノ爲ニ組合ニ之ヲ交付ス
第二條前條ノ國庫負擔金ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ一般會計及食糧管理特別會
計ニ於テ之ヲ分擔ス
前項ノ規定ニ依リ食糧管理特別會計ニ
於テ分擔スベキモノニシテ前條ノ規定
ニ依リ農業保險組合又ハ農業保險組合
聯合會ニ交付スルモノハ之ヲ一般會計
ノ歲入ニ繰入レ同會計ノ歲出トシテ拂
出スベシ
第三條農業保險法第五十六條第二項ノ
規定ニ依ル日本蠶絲紛制株式會社ノ負
擔金ハ之ヲ一般會計ノ歲入ニ受入レ同
會計ノ歲出トシテ拂出スベシ
前項ノ規定ニ依リ拂出スモノハ農業保
險組合ノ組合員ノ爲ニ組合ニ交付スル
ニ代ヘ夫々農業保險組合聯合會又ハ政
府ノ受クベキ再保險料ニ充ツル爲勅令
ノ定ムル所ニ依リ農業保險組合聯合會
又ハ農業再保險特別會計ニ之ヲ交付シ
又ハ繰入ルルコトヲ得
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣井野碩哉君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=29
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030・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 只今議題トナリ
マシタ農業保險法中改正法律案外二件ニ付
キマシテ、提案ノ理由ヲ御說明致シマス、
先ヅ農業保險法中改正法律案ニ付キマシテ
御說明ヲ申上ゲマス、大東亞戰爭ノ進展ニ
伴ヒマシテ、日本民族ノ源泉タル農村ノ維
持育成、及ビ日滿ヲ通ズル食糧自給力强化ノ
根本國策ヲ實現致シマスル爲ニ、農業經營
ノ安定ヲ圖リ、農家經濟ノ確立ヲ期スルノ必
要ハ、益〓緊切ナルモノガアルノデアリマス
ルガ、就中、農業上ノ災害ニ對スル共濟保
險施設ノ整備ハ、農業經營ノ安定上今日必
須ノ要務ト存ズルノデアリマス、然ルニ現
行ノ農業保險制度ニ依ル損害ノ補塡ハ、保
險金額少額ナルノミナラズ、保險料負擔ノ
關係上、五割程度ノ減收トナリマシタ場合
三·〇、支拂保險金ハ反當リ二圓ヲ超エザル
狀態デアリマシテ、再生產ノ確保及ビ農業
經營ノ安定ヲ期シマスルニハ不十分ト認メ
ラルヽノデアリマス、仍テ政府ニ於キマシ
テハ、時局ノ要請ニ應ジ、基本國策ノ完遂
ニ資シマスル爲、今囘保險制度ノ改正ヲ實
行セムトスルノデアリマシテ、其ノ要點ハ、
第一ニハ、反當リ保險金額ヲ引上ゲ、被害程
度別支拂割合ヲ改訂シ、第二ニハ、之ニ伴
ヒ增加スル純保險料ノ一部ヲ、一般會計、
食糧管理特別會計及ビ日本蠶絲統制株式會
社ニ於テ分擔スルコトトシ、第三ニハ、以
上ノ施設ト對應シ、危險ノ分散調節ヲ良好
ナラシムルト共ニ、全國的共濟ノ實ヲ擧ゲ
マス爲ニ、總テノ市農會又ハ町村農會ニ對
シ、共濟事業ヲ行ハシムルコトヲ得ルモノ
トセムトスルモノデアリマス、尙水稻ノ冷
害ニ付キマシテモ、右ノ如キ保險ノ施設ニ
準ジマシテ、反當リ共濟金ヲ引上ゲ、支拂
割合ヲ改訂シ、共濟掛金ノ一部ヲ一般會計
及ビ食糧管理特別會計ニ於キマシテ負擔ス
ルコトニ致シタイト存ズルノデアリマス、
本法律案ハ、以上ノ改正ヲ實行致シマスル
爲ニ、農業保險法ニ對シ所要ノ改正ヲ加ヘ
ムトスルモノデアリマス、次ニ食糧管理特
別會計法中改正法律案ノ提出ノ理由ヲ御說
明申上ゲマス、政府ハ今囘農業保險ノ純保
險料ノ一部、及ビ農業保險組合ノ行フ水稻
ノ冷害共濟事業ノ共濟掛金ノ一部ヲ、國庫
ニ於テ負擔スルノヲ適當ト認メマシテ、農
業保險法ノ改正ヲ行フコトト致シタノデア
リマスルガ、此ノ國庫負擔金ニシテ米麥ニ
關スルモノノ中、食糧管理特別會計ニ於テ
分擔スル金額ニ付キマシテハ、之ヲ一般會
計及ビ農業再保險特別會計ニ繰入レ得ルノ
途ヲ拓キマスト共ニ、農業再保險特別會計
ニ於キマシテハ、右ノ繰入金ヲ受入ル
ノ途ヲ拓クノ必要ガアリマス爲ニ、本法律
案ヲ提出致シタ次第デアリマス、最後ニ農
業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付及分擔
等ニ關スル法律案提出ノ理由ヲ御說明申上
ゲマス、政府ハ今囘農業保險法ヲ改正致シ
マシテ、從來國庫ニ於テ負擔致シテ參リマ
シタ農業保險ノ付加保險料ノ外ニ、更ニ純
保險料ノ一部、及ビ水稻ノ冷害共濟事業ヲ
行フ農業保險組合ノ組合員ノ醵出スベキ共
濟掛金ノ一部ヲモ負擔スルコトト致シマスト
共ニ、桑葉ノ保險ニ關スル純保險料ノ一部
ハ、之ヲ日本蠶絲紛制株式會社ヲシテ負擔
セシムルコトト致シテ居ルノデアリマス、
右ノ場合ニ於キマシテ、先ヅ保險料國庫
負擔金及共濟掛金國庫負擔金ノ交付ニ付キ
マシテハ、民間ニ於ケル農業保險事務處理
上ノ便宜ヲ考慮シ、其ノ一部ハ組合員ノ爲
ニ組合ニ之ヲ交付スルコトト致シマスト共ニ、
其ノ一部ハ組合ニ交付スルニ代ヘテ農業
保險組合聯合會又ハ政府ノ受クベキ再保險
料ニ充ツル爲ニ農業保險聯合會ニ交付
シ、又ハ農業再保險特別會計ニ繰入レル
コトト致スノ必要ガアルノデアリマス、
次ニ農業保險ノ純保險料ノ國庫負擔金ニシ
テ、米麥ニ關スルモノ及水稻ノ冷害共濟掛
金ノ國庫負擔金ハ、之ヲ食糧管理特別會
計ニ於テモ分擔スルコトト致シマシテ、
マ其ノ分擔額ノ中、農業保險組合及農
業保險組合聯合會ニ交付スル分ニ付キ
マシテハ、事務簡捷ノ趣旨ニ依リ、之ヲ
一般會計ニ繰入レ、一般合計ノ分擔額ト
併セ一括シテ交付スルノヲ適當ト認メタノデア
リマス、又農業保險料ノ純保險料ニ關スル日
本蠶絲統制株式會社ノ負擔金ニ付キマシテモ、
事務簡捷ノ趣旨ニ依リ、之ヲ一旦一般特別會
計ニ納付セシメマシタル上、政府ノ負擔スル保
險料國庫負擔金ト併セ一括シテ農業保險組
合聯合會ニ交付シ、或ハ農業再保險特別會
計ニ繰入レルコトトスルヲ適當ト認メタノ
デアリマス、以上ノ理由ニ依リマシテ本法
律案ヲ提出致シタ次第デアリマス、以上三
件ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ
上速カニ御協賛ヲ與ヘラレムコトヲ切望致
シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=30
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031・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
農業保險法中改正法律案外二件ノ特別委員
ノ數ヲ二十五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議
長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=31
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032・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=32
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033・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 戶澤子爵ノ動議
ニ御異議ハゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=33
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034・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセマス
〔高山書記官朗讀〕
農業保險法中改正法律案外二件特別委員
公爵一條實孝君公爵山縣有道君
侯爵池田宣政君伯爵黑木三次君
子爵岡部長景君子爵松平保男君
子爵土岐章君子爵本多忠晃君
入江貫一君三井〓一郞君
男爵三須精一君男爵稻田昌植君
男爵坊城俊賢君男爵西酉乙君
宮田光雄君赤池濃君
松本學君千石興太郞君
吉村友之進君塩田團平君
大藪守治君米原章三君
山上岩二君柴田兵一郞君
石黑忠篤君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=34
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035・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 日程第十、在滿
日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ效力ニ
關スル法律案、日程第十一、裁判所構成法
中改正法律案、日程第十二、陪審法ノ停止
ニ關スル法律案、政府提出、第一讀會ノ續、
委員長報〓、是等ノ三案ヲ一括シテ議題ト
爲スコトニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=35
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036・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴喜君) 御異議ナイト認
メマス、委員長柳原伯爵
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判
ノ效力ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
裁判所構成法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
陪審法ノ停止ニ關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長伯爵柳原義光
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵柳原義光君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=36
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037・柳原義光
○伯爵柳原義光君 只今上程セラレマシタ
在滿日本人ノ身分ニ關スル滿洲國裁判ノ效
力ニ關スル法律案外二件ノ特別委員會ノ經
過ノ大要竝ニ其ノ結果ヲ御報告申上ゲマ
ス、議題トナリマシタ三法案ノ趣旨竝ニ提
案ノ理由ニ付キマシテハ、先般本議場ニ於
キマシテ司法大臣ヨリ詳細ニ御說明ガアリ
マシタカラ、私ハ之ヲ省略致シマス、委員
會ハ、去ル一月三十日正副委員長ノ互選ヲ
行ヒ、引續キ同日ヨリ二月九日迄、七囘ニ
亙ッテ會議ヲ開キマシタ、本委員會ニハ、曩
ノ本會議ニ於キマシテ此ノ三法案ノ外戰時
刑事特別法中改正法律案モ併託セラレタノ
デアリマスガ、同法案ハ審議ノ都合上分離
致シマシテ討議スルコトト相成リマシタ、
カルガ故ニ戰時刑事特別法案ヲ除ク三案
ハ、之ヲ一括致シマシテ議題トシ、政府當
局ヨリ法案ノ內容ニ付キマシテ詳細ナル說
明ヲ聽取致シ、續イテ質疑ニ入リマシタ、
委員諸君ハ、種々ノ方面ヨリ愼重ニ且熱心
ニ檢討ヲ行ハレ、之ニ對シテ政府委員諸君
ヨリハ懇切丁寧ナル應答ガアッタノデアリ
マス、今質問ノ主ナルモノ二三一ヲ御紹介致
シタイト存ジマス、先ヅ在滿日本人ノ身分
ニ關スル滿洲國裁判ノ效力ニ關スル法律案
ニ付キマシテ、滿洲國ノ法院ガ、日本人ニ
對シ日本ノ法律ヲ適用シテ裁判シ得ルノハ
ドウ云フ根據ニ因ルノカ、ト云フ問ニ對シ、
昭和十二年ノ滿洲國ニ於ケル治外法權撤廢
ニ關スル日滿間ノ條約第三條ニハ、日本國
臣民ハ滿洲國ノ領域內ニ於テ同條約附屬協
定ノ定ムル所ニ依リ同國ノ法令ニ服スベ
シ、トアリ、同條約附屬協定第一條ニハ、
滿洲國ニ於テ日本國臣民ノ爲存スル領事裁
判制度ハ條約實施ト同時ニ終止シ爾後日本
國臣民ハ滿洲國ノ裁判管轄權ニ服スベシ、
トアリ、更ニ同條約及附屬協定ニ關スル日
滿兩國全權委員間ノ了解事項中ニ、日本國
臣民ノ身分ニ關スル事項ニ付テハ滿洲國裁
判所ハ日本國法令ニ準據スベキモノトス、
ト定メラレテアルノデアリマシテ、是等ガ
其ノ根據トナルノデアルト云フ御答辯ガゴ
ザイマシタ、次ニ裁判所構成法中改正法律
案ニ付キマシテハ、奏任ニナッタ書記ニハ別
ノ名稱ガ附クノカ或ハ其ノ儘デアルノカ、
ト云フ問ニ對シマシテ、官ハ矢張リ裁判所
ノ書記デアッテ、之ニハ變リガナイガ、何カ
適當ナ名稱ヲ附ケタイト思ッテ居ルト、斯ウ
云フ御答辯デアリマシタ、次ニ隨審法ノ停
止ニ關スル法律案ニ付キマシテ、一委員ヨ
リ、陪審法ハ、此ノ制度ガナケレバドウシ
テモ國民ノ保護ガ十分デナイト云フ意氣込
デ制定セラレタノデアルガ、期待ニ反シ、
陪審事件ハ逐年減少シ、年ニ一、二件或ハ三、
四件ト云フガ如キ狀態ニナッタコトハ、此ノ
法律ガ我ガ國民性ニピッタリ來テ居ナイト
云フ結果ト思フ、本停止法案ヲ提出スルニ
際シ、陪審制度ヲ廢止スベキヤ、又一時停
止スベキヤト云フコトヲ〓究サレタコトト
思フガ、停止ノ結論ヲ採用セラレタ其ノ理
由如何、又將來陪審法ヲ一層權威アル法律
ニ改正スル爲ニ〓究シ居ルコトガアルカ、
トノ質問ガアリマシテ、政府委員ヨリ、陪審
事件減少ノ理由ハ、想像スルニ、控訴審ガナ
イコトニ歸著スルト思ハレル、併シ陪審ニ
控訴ヲ許スコトハ、理論上カラモ、事實上カ
ラモ至難ノコトデ、控訴審ガナイコトハ制
度上已ムヲ得ナイコトデアル、陪審事件ヲ
殖ス爲ニ控訴審ヲ設ケルコトハ考ヘテ居ナ
イ、事件數ハ假ニ少クアリマセウトモ、陪
審制度ハ存置スルノガ適當デアルト思フ、
外部カラハ廢止論モ唱ヘラレタノデアルガ、
司法部トシテハ、之ヲ存置スベシト云フ意
見ヲ堅ク持ッテ居タノデアルガ、唯戰時下已
ムヲ得ナイ一時的ノ措置トシテ停止シタイ
ノデアル、陪審判決ニ控訴ヲ許スコトハ反
對デアルガ、ソレ以外ノ改正ハ將來再ビ施
行スルニ際シ大イニ〓究ノ餘地ガアリ、十
分考慮シタイガ、具體的ニハ今ノ所考ヘテ
居ナイ旨ノ御答辯ガアリマシタ、又一委員
ヨリ、陪審制度ノ爲ノ豫算關係ニ付質問ガ
アリマシテ、政府委員ヨリ、陪審法施行ノ最初
數年間ハ、陪審事件ノ爲ノ經費ト通常事件
ノ爲ニスル經費トヲ分ケテ居ッタガ、其ノ後
ハ一〓ニナッテ居リ、唯陪審員ニ對スル旅費
日當ノミガ特別ナ費用トシテ計上サレテ居
リマスルガ、是ハ大シタ額デハナイト云フ
旨ノ御答辯ガアッタノデアリマシタ、又新聞
ノ記事ニ依ルト、陪審法制定ニ付畏キ邊ヨ
リ御優諚ヲ拜シタヤウニナッテ居ルガ、左樣
ナコトガアッタノカ如何カ、ト云フ一委員ノ
質問ニ對シ、政府委員ヨリ陪審法施行ノ當
日、畏クモ車駕東京ノ法衙ニ御親臨相成
リ、優渥ナル御沙汰ヲ拜シタコトハアリマス
ガ、陪審法制定ニ關シテ御優諚ヲ拜シタコ
トハ承知シテ居ナイ旨ノ御答辯ガアッタノデ
アリマス、斯クテ質疑ヲ終了致シ、討論ニ
入リマシタガ、別段反對御意見ノ開陳モナ
ク、直チニ採決致シマシタ結果、全會一致
ヲ以テ此ノ三案共原案通リ可決致シマシタ、
以上簡單デゴザイマスガ、御報告申上ゲル
次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=37
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038・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 別ニ御發言モナ
ケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案ノ第
二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=38
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039・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=39
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040・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=40
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041・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=41
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042・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=42
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043・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=43
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044・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第二讀會
ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ問題
ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報告通リ
デ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=44
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045・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=45
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046・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=46
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047・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=47
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048・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 西大路子爵ノ動
議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=48
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049・松平頼壽
○議長(伯爵松平頼壽君) 御異議ナイト認
メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=49
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050・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 三案ノ第三讀會
ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議通
リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=50
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051・松平頼壽
○議長(伯爵松平賴壽君) 御異議ナイト認
メマス、是ニテ本日ノ日程全部ヲ議了致シ
マシタ、次會ノ議事日程ハ決定次第彙報ヲ
以テ御通知ニ及ビマス、本日ハ是ニテ散會
致シマス
午後二時三十五分散會
貴族院議事速記錄第七覽正誤
頁段行誤正
一〇九四八-九申シタ申出ガアリマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008103242X00819430210&spkNum=51
4. 会議録のPDFを表示
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