1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年一月二十九日(金曜日)
午後一時十六分開議
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議事日程 第四號
昭和十八年一月二十九日
午後一時開議
第一 臨時利得税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二 臨時租税措置法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三 酒税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四 酒造組合法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第五 清涼飮料税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第六 取引所税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第七 砂糖消費税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第八 物品税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第九 遊興飮食税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 入場税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十一 特別行爲税法案(政府提出) 第一讀會
第十二 輸出する物品に對する内國税免除又は交付金交付の停止等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十三 昭和十八年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 營繕用品資金特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第十五 造幣局の資金に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十六 昭和十五年法律第六十九號中改正法律案(大東亞戰爭に關する一時賜金として交付する爲公債發行に關する件)(政府提出) 第一讀會
第十七 樺太内地行政一元化に伴ふ樺太廳特別會計と他の會計との關渉に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十八 昭和十二年法律第八十號改正法律案(通信事業特別會計に於ける簡易生命保險及郵便年金の事務の取扱に要する經費に關する件)(政府提出) 第一讀會
第十九 朝鮮事業公債法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十 朝鮮簡易生命保險及郵便年金特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第二十一 臺灣事業公債法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十二 臺灣官設鐵道用品資金會計法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二十三 日本證券取引所法案(政府提出) 第一讀會
第二十四 市街地信用組合法案(政府提出) 第一讀會
第二十五 外貨債處理法案(政府提出) 第一讀會
第二十六 爲替交易調整特別會計設置等爲替交易調整法案(政府提出) 第一讀會
第二十七 特殊財産資金特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第二十八 東京都制案(政府提出) 第一讀會
第二十九 市制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十 町村制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十一 府縣制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十二 北海道會法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十三 朝鮮郵便年金の事務に關する郵便物に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十四 北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十五 多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第三十六 公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十七 義務教育費國庫負擔法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三十八 農業團體法案(政府提出) 第一讀會
第三十九 水産業團體法案(政府提出) 第一讀會
第四十 農業保險法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四十一 食糧管理特別會計法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四十二 農業保險の保險料國庫負擔金等の交付及分擔等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第四十三 木炭需給調節特別會計法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四十四 石油專賣法案(政府提出) 第一讀會
第四十五 交易營團法案(政府提出) 第一讀會
第四十六 燃料局特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第四十七 戰時行政特例法案(政府提出) 第一讀會
第四十八 許可認可等臨時措置法案(政府提出) 第一讀會
第四十九 教育基金特別會計法外二十三法律の廢止に關する法律案(政府提出) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一昨二十八日衆議院規則第十五條に依り議長に於て議席を左の通指定せり
四四六 原玉重君
一昨二十八日衆議院規則第十五條但書に依り議長に於て議席を左の通變更せり
四四六 尾崎行雄君
四五二 原玉重君
四五四 犬養健君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、日程第一乃至第十二ハ便宜上一括議題
トナスニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=1
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002・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、臨時利得稅法中改正法
律案、日程第二、臨時租稅措置法中改正法
律案、日程第三、洒稅法中改正法律案、日
程第四、酒造組合法中改正法律案、日程第
五、〓涼飮料稅法中改正法律案、日程第六、
取引所稅法中改正法律案、日程第七、砂糖
消費稅法中改正法律案、日程第八物品稅
法中改正法律案、日程第九、遊興飮食稅法
中改正法律案、日程第十、入場稅法申改正
法律案、日程第十一特別行爲稅法案、日
程第十二、輸出スル物品ニ對スル內國稅免
除又ハ交付金交付ノ停止等ニ關スル法律
案右十二案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマ
ス-賀屋大藏大臣
第臨時利得稅法中改正法律案政
府提出)第一讀會
第二臨時租稅措置法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
第三酒稅法中改正法律案(政府提出)
第一讀會
第四酒造組合法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第五〓涼飮料稅法中改正法律案政
府提出)第一讀會
第六取引所稅法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第七砂糖消費稅法中改正法律案(政
府提出)第一讀會
第八物品稅法中改正法律案(政府提
出)第一讀會
第九遊興飮食稅法中改正法律案政
府提出)第一讀會
第十入場稅法中改正法律案(政府提
出)第一讀會
第十一特別行爲稅法案(政府提出)
第一讀會
第十二輸出スル物品ニ對スル內國稅
免除又ハ交付金交付ノ停止等ニ關ス
ル法律案(政府提出)第一讀會
臨時利得稅法中改正法律案
臨時利得稅法中左ノ通改正ス
第四條中「現事業年度ノ利益ガ現事業年
度」ヲ「利益ガ各事業年度」ニ改ム
第五條第一項中「現事業年度ノ利益ハ現
事業年度」ヲ「利益ハ各事業年度」ニ、現
事業年度ノ剩餘金」ヲ「各事業年度ノ剩餘
金」ニ、同條第二項中「現事業年度」ヲ「各
事業年度」ニ、同條第三項中「現事業年度
開始」ヲ「各事業年度開始」ニ、「現事業年
度ノ利益」ヲ「第一項ノ利益」ニ改ム
第五條ノ三第二項中「現事業年度ノ」ヲ削
ル
第六條第一項中「現事業年度」ヲ「各事業
年度」ニ改ム
第十一條中「一萬圓未滿」ヲ「一萬圓以下」
ニット
第十四條法人ノ臨時利得稅ハ法人ノ利
得ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ
適用シテ之ヲ賦課ス
利益金額中資本金額ニ對シ年百分
ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ
超ユル金額
利得金額ノ百分ノ五十五
二同百分ノ二十ノ割合ヲ以テ算出シ
タル金額ヲ超ユル金額
利得金額ノ百分ノ六十五
三同百分ノ三十ノ割合ヲ以テ算出シ
タル金額ヲ超ユル金額
利得金額ノ百分ノ七十五
資本金額十萬圓以下ナル法人ニ限リ前
項ニ規定スル稅率百分ノ五十五ハ之ヲ
百分ノ四十五トシ同百分ノ六十五ハ之
ヲ百分ノ五十五トシ同百分ノ七十五ハ
之ヲ百分ノ六十五トス
第十四條ノ二乃至第十四條ノ四ヲ削リ第
十四條ノ五ヲ第十四條ノ二トシ同條ニ左
ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依=算出シタル營業利得ニ
對スル臨時利得稅額ガ第十條ノ利益金額
ヨリ一萬圓ヲ控除シタル金額ヲ超過スル
トキハ其ノ超過額ニ相當スル臨時利得稅
ヲ免除ス
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十八年一
月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ
營業利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ昭
和十八年分ヨリ本法ヲ適用ス
臨時租稅措置法中改正法律案
臨時租稅措置法中左ノ通改正ス
第一條中「酒稅、」ヲ削リ「登錄稅」ノ下ニ
「、鑛區稅」ヲ加フ
第一條ノ四ニ左ノ一號ヲ加フ
五法人ガ額面以上ノ價額ヲ以テ株式
ヲ發行シタル場合ニ於ケル其ノ額面
ヲ超ユル金額
第一條ノ六中「鑛業權者」ノ下ニ「及使用
權者」ヲ加フ
第一條ノ十七中「昭和十八年」ヲ「昭和十
九年」ニ改ム
第一條ノ十八中「昭和十八年」ヲ「昭和十
九年」ニ「事業ノ統制ノ必要上設立セラ
ルル法人」ヲ「事業ノ統制ノ必要上命令ヲ
以テ定ムル者」ニ改ム
第一條ノ十九中「昭和十八年」ヲ「昭和十
九年」ニ改ム
第一條ノ二十及第一條ノ二十一中「昭和
十七年十二月三十一日」ヲ「昭和十八年十
二月三十一日」ニ、「昭和十七年分又ハ昭
和十八年分」ヲ「昭和十七年分乃至昭和十
九年分」ニ改ム
第一條ノ二十二法令、法令ニ基ク命令
又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭
和十七年一月一日以後昭和十八年十二
月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要上不
動產、不動產上ノ權利(永小作權又ハ
地上權ノ設定其ノ他他人ヲシテ不動產
又ハ不動產上ノ權利ヲ使用セシムル一
切ノ場合ヲ含ム)、船舶(製造中ノ船舶
ヲ含ム)又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル
權利若ハ設備ヲ讓渡シタル個人ニハ命
令ノ定ムル所ニ依リ昭和十八年分及昭
和十九年分ノ讓渡利得ニ限リ當該讓渡
ニ因リ生ズル利得金額ヨリ其ノ十分ノ
二ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ニ
依リ臨時利得稅ヲ賦課ス
第一條ノ二十三法令、法令ニ基ク命令
又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ
昭和十六年一月一日以後昭和十八年
十二月三十一日迄ニ事業ノ統制ノ必要
上營業ノ全部又ハ一部ヲ廢止シタル個
人ノ當該營業ノ廢止ニ因リ受クル補償
金其ノ他之ニ準ズベキモノニ付テハ命
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ總額ガ三万圓
以下ナルトキハ其ノ十分ノ五、三万圓
ヲ超ユルトキハ其ノ十分ノ二ニ相當ス
ル金額ヲ控除シタル金額ニ依リ所得稅
ヲ賦課ス
前項ノ場合ニ於テ補償金其ノ他之ニ準
ズベキモノノ總額ガ一萬圓以下ナルト
キハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該所得ニ
對スル所得稅ヲ免除ス
第一條ノ二十四法人ガ臨時資金調整法
第十五條ノ五ノ規定ニ基ク命令ニ依リ
其ノ所有ニ係ル株式ヲ讓渡シ其ノ讓渡
代金ヲ以テ命令ノ定ムル所ニ依リ有價
證劵ヲ取得シタルトキハ當該有價證劵
ノ價額ニ關シ其ノ取得シタル事業年度
ニ於ケル法人稅法ニ依ル所得、營業稅
法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利
益ノ計算ニ付命令ヲ以テ特例ヲ設クル
コトヲ得
第一條ノ二十五法令ニ基ク命令又ハ行
政官廳ノ指導若ハ幹旋ニ依リ木材又ハ
薪炭ノ增產ノ必要上命令ノ定ムル所ニ
依リ立木ノ伐採又ハ讓渡ヲ爲シタル個
人ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ山林ノ所
得ヨリ當該立木ノ伐採又ハ讓渡ニ因リ
生ズル所得ノ十分ノ二ニ相當スル金額
ヲ控除シタル金額ニ依リ所得稅ヲ賦課
ス
第一條ノ二十六個人ノ其ノ年中ノ營業
ノ所得、純益又ハ利益金額ガ其ノ年分
及前二年分ノ營業ノ所得ノ決定金額若
ハ純益ノ決定金額又ハ利得ノ決定金額
計算ノ基礎タル利益金額ノ平均額ニ對
シ五割以上減少シタルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ其ノ年分ノ當該營業所得
ニ對スル所得稅、營業稅及營業利得ニ
對スル臨時利得稅ヲ左ノ區分ニ依リ輕
減ス
減少割合ガ七割以下ナルトキ
稅額ノ十分ノ二
同七割ヲ超ユルトキ
稅額ノ十分ノ四
前項ノ規定ハ個人ノ其ノ年中ノ營業ノ
所得金額ガ三萬圓以上ノ者又ハ其ノ年
中ノ營業ノ所得金額ガ其ノ年分ノ營業
ノ所得ノ決定金額以上ノ者ニ付テハ之
ヲ適用セズ
前二項ノ營業ノ所得ノ決定金額又ハ純
益ノ決定金額ハ所得稅法第十二條第三
項及第三十條第三項又ハ營業稅法第十
條第三項ノ規定ニ依ル臨時利得稅額ノ
控除前ノ金額ニ依ル
第一條ノ二十七前條ノ規定ニ依リ所得
稅營業稅及臨時利得稅ノ輕減ヲ受ケ
ントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ旨ヲ政府ニ申請スベシ
前項ノ申請アリタルトキハ政府ハ輕減
處分ノ確定スルニ至ル迄稅金ノ徵收ヲ
猶豫スルコトヲ得
第一條ノ二十八法令、法令ニ基ク命令
又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡旋ニ依リ昭
和十八年一月一日以後ニ於テ其ノ事業
ニ屬スル設備又ハ權利其ノ他ヲ事業ノ
統制ノ必要上命令ヲ以テ定ムル者ニ讓
渡シタル法人ニシテ行政官廳ノ指導又
ハ斡旋ニ依リ解散ヲ爲サザルモノニ付
テハ命令ノ定ムル所ニ依リ讓渡ノ日以
後ニ於テ納付スベキ所得稅、法人稅、
營業稅及臨時利得稅ヲ輕減スルコトヲ得
第十三條ノ二同一人ニ付第一條ノ二十、
第一條ノ二十六及第八條ノ規定中二以
上ノ規定ニ該當スル事由アルトキハ當
該各規定中輕減又ハ免除額ノ最モ多額
ト爲ルベキ一ノ規定ヲ適用ス
第二十二條ノ三中「昭和十八年」ヲ「昭和
十九年」ニ改ム
第二十二條ノ四重要鑛物增產法第一條
ノ二第一項ノ規定ニ依ル指定地域ニ於
ケル指定鑛物ヲ目的トスル鑛區又ハ砂
鑛區ニシテ事業ノ着手又ハ繼續ノ許可
ヲ申請シ不許可ト爲リタルモノニ對ス
ル鑛區稅ノ稅率ハ鑛區稅法第二條第一
第十四條第三號ノ次ニ左ノ四號ヲ加フ
三ノ二試掘權ヲ目的トスル使用權ノ設定
三ノ三試掘權ヲ目的トスル使用權ノ變更
增區又ハ增減區
減區
項ノ規定ニ拘ラズ同項ニ規定スル稅率
ノ三分ノ一トス但シ當該鑛區又ハ砂鑛
區ニ付使用權ノ設定アル場合ニ於テ使
用鑛區ニ該當スル部分ニ付テハ此ノ限
ニ在ラズ重要鑛物增產法第三條ノ規定
ニ依ル命令アリタル場合ニ付亦同ジ
鑛區稅法第三條第三項ノ規定ハ事業ノ
着手若ハ繼續不許可ト爲リタル年又ハ
事業ノ着手若ハ繼續不許可ノモノニ付
其ノ許可、重要鑛物增產法第三條ノ規定
ニ依ル命令、使用權ノ設定若ハ消滅アリ
タル年ノ鑛區稅ノ計算ニ關シ鑛區稅
法第三條第二項ノ規定ハ事業ノ着手又
ハ繼續不許可ノモノニ付其ノ許可、重要
鑛物增產法第三條ノ規定ニ依ル命令又
ハ使用權ノ設定アリタルニ因リ不足セ
ル鑛區稅ノ徵收ニ關シ之ヲ準用ス
第二十三條但書ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス但シ第二十二條ノ四及附則第六項ノ規
定施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一條ノ四ノ改正規定ハ法人ノ昭和十八
年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ
法人稅、營業稅及臨時利得稅ヨリ之ヲ適
用ス
第一條ノ六ノ改正規定ハ法人ノ昭和十八
年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ
法人稅ヨリ個人ノ昭和十九年分分類所
得稅ヨリ之ヲ適用ス
第一條ノ二十三、第一條ノ二十六、第
條ノ二十七及第十三條ノ二ノ改正規定ハ
個人ノ昭和十八年分所得稅、營業稅及臨
時利得稅ヨリ之ヲ適用ス
第一條ノ二十五ノ改正規定ハ個人ノ昭和
十九年分所得稅ヨリ之ヲ適用ス
登錄稅法中左ノ通改正ス
每一件金十圓
每一件金五圓
每一件金一圓
三ノ四試掘權ヲ目的トスル使用權ノ移轉
相續每一件金一圓
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金五圓
三ノ五試掘權ヲ目的トスル使用權ノ存續期間ノ更新
每一件金十圓
同條第六號ノ次ニ左ノ四號ヲ加フ
六ノ二採掘權ヲ目的トスル使用權ノ設定
每一件金二十圓
六ノ三採掘權ヲ目的トスル使用權ノ變更
增區又ハ增減區每一件金十圓
減區每一件金二圓
六ノ四採掘權ヲ目的トスル使用權ノ移轉
相續每一件金二圓
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金十圓
六ノ五採掘權ヲ目的トスル使用權ノ存續期間ノ更新
每一件金二十圓
同條第十二號中「鑛業權」ノ下ニ「、使用權」ヲ加ヘ同條第十三號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
十三ノ二存續期間滿了前ノ使用權ノ消滅
每一件金五十錢
第十五條第三號ノ次ニ左ノ四號ヲ加フ
三ノ二使用權ノ設定
採取區域河床ハ每二里迄
其ノ他ハ每十萬坪迄
金一圓五十錢
三ノ三使用權ノ變更
增區採取區域河床ハ每二里迄
其ノ他ハ每十萬坪迄
金一圓五十錢
減區每一件金二十錢
但シ增區ト同時ニ爲ス減區ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
三ノ四使用權ノ移轉
相續每一件金五十錢
相續以外ノ原因ニ因ル移轉每一件金一圓五十錢
三ノ五使用權ノ存續期間ノ更新
採取區域河床ハ每二里迄
其ノ他ハ每十萬坪迄
金一圓五十錢
同條第八號中「砂鑛權」ノ下ニ「、使用權」ヲ加へ同條第九號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
九ノ二存續期間滿了前ノ使用權ノ消滅
每一件金二十錢
「命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ承認ヲ受
酒稅法中改正法律案ケ酒類製造ノ原料タルアルコールヲ水ニ
酒稅法中左ノ通改正ステ稀釋シタルモノ亦同ジ」ヲ加フ
第九條第二項中「燒酎ト看做ス」ノドニ第十八條ノ二政府ハ酒類、酒母、醪若ハ
麴ノ製造又ハ酒類販賣業ノ免許ヲ與フニ當リ遵守スベキ條件ヲ指定スルコト
ルニ當リ酒稅保全上必要アリト認ムルヲ得
トキハ免許ノ期限、製造若ハ販賣業ノ第二十七條各酒類ニ課スベキ酒稅及其
事業ノ範圍又ハ製造若ハ販賣業ヲ爲スノ稅率左ノ如シ
一〓酒造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度每ニ十一圓ヲ加フ
庫出稅
第一級石ニ付四百七十圓
第二級石ニ付二百九十五圓
第三級石ニ付百六十五圓
第四級石ニ付百五十五圓
二合成〓酒造石稅一石ニ付四十八圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度毎ニ十一圓ヲ加フ
庫出稅
第一級一石ニ付二百圓
第二級一石ニ付百六十圓
三濁酒造石稅二三六四十五圓
庫出稅一石ニ付七十五圓
四白酒造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度每ニ十五圓ヲ加フ
庫出稅一石ニ付二百五十五圓
五味淋造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分二十八度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十八度ヲ超ユル一度每ニ十圓ヲ加フ
庫出稅
第一級一石ニ付三百八十五圓
第二級一石ニ付二百十五圓
六燒酎
第一種アルコール分四十五度ヲ超エザルモノ
甲連續式蒸餾機ニ依リ製造シタルモノ
造石稅一石ニ付四十八圓
アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分三十度ヲ超ユル一度每ニ七圓ヲ加フ
庫出稅一石ニ付百五十五圓
乙其ノ他ノモノ
造石稅一石ニ付四十五圓
アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分三十度ヲ超ユル一度每ニ七圓ヲ加フ
庫出稅一石ニ付百五十五圓
第二種アルコール分四十五度ヲ超ユルモノ
造石稅一石ニ付七百四十五圓ニアルコール分四十五
度ヲ超ユル一度每ニ二十圓ヲ加ヘタル金額
庫出稅一石ニ付
七麥酒庫出稅一石ニ付
八果實酒庫出稅
第一級石ニ付
第二級石ニ付
第三級石ニ付
九雜酒造石稅石ニ付
庫出稅
第一級石ニニ
第二級石
第三級一石ニ付
第四級一石ニ付
各酒類ノ級別ハ酒類委員會ノ諮問ヲ經
テ政府之ヲ定ム
酒類委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二十七條ノ二左ニ揭グル果實酒及雜
酒ノ酒類庫出稅ニ付テハ命令ヲ以テ定
ムル價格ニ左ノ割合ヲ乘ジテ算出シタ
ル金額ヲ前條第一項ノ規定ニ依ル酒類
庫出稅額ニ加算ス
ー果實酒
第一級百分ノ五十
二雜酒
一〓酒
第三級一石ニ付
第四級一石ニ付
二合成〓酒
第二級一石ニ付
三燒酎一石ニ付
四麥酒一石ニ付
前項ノ酒類ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政
府ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ用途
ヲ變更スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケタ
ル場合ニ於テハ其ノ承認ヲ受ケタル者
ヨリ直ニ第一項ノ輕減額ニ相當スル酒
類庫出稅ヲ徵收ス
第二十七條ノ四政府ノ承認ヲ受ケ命令
ヲ以テ定ムルアルコールヲ原料トシテ
製造シタル酒類ニ付テハ命令ノ定ムル
所ニ依リ其ノ酒稅ヲ輕減又ハ免除ス
百五十五圓
百七十七圓八十錢
三百圓
二百圓
百五十圓
五十圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度每ニ二十圓ヲ加フ
付付五百七十圓
四百七十圓
三百五十圓
二百五十圓
第一級百分ノ百
第二級百分ノ五十
第三章第一節中第二十七條ノ二ノ次ニ左
ノ二條ヲ加フ
第二十七條ノ三左ニ掲グル酒類ニシテ
大藏大臣ノ定ムル用途ニ充ツル爲命令
ノ定ムル所ニ依リ製造場ヨリ移出スル
モノニ付テハ第二十七條第一項ニ規定
スル酒類庫出稅ノ稅率ニ依リ算出シタ
ル金額ト左ノ割合ニ依リ算出シタル金
額トノ差額ニ相當スル酒類庫出稅ヲ輕
減ス
五十五圓
五十五圓
五十五圓
五十五圓
八十七圓八十錢
第三十五條第一項中「酒類ノ種類每ニ石
數(第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ命令ヲ
以テ定ムル酒類ニ付テハ數量及價格)ヲ」
ヲ「酒類ノ種類及級別每ニ石數(第二十七
條ノ二ニ規定スル酒類ニ付テハ數量及價
格)ヲ第二十七條ノ三ニ規定スル酒類ト
其ノ他ノ酒類トニ區分シテ」ニ同條第
三項中「第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ命
令ヲ以テ定ムル」ヲ「第二十七條ノ二ニ規
定スル」ニ改ム
第三十八條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項、本文ノ規定ニ依リ戾入又ハ移入シ
タル酒類ニ付級別ヲ低下シテ移出シタ
ル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ
移出シタル月分以降ノ酒類庫出稅額ヨ
リ前級ニ付定メラレタル稅率ニ依リ算
出シタル酒類庫出稅額ト後級ニ付定メ
ラレタル稅率ニ依リ算出シタル酒類庫
出稅額トノ差額ニ相當スル金額ヲ控除
ス
第三十九條第一項中「酒類ニ付テハ其ノ
酒類造石稅ヲ免除ス」ヲ「酒類ニハ酒類造
石稅ヲ課セズ此ノ場合ニ於テハ命令ノ定
ムル所ニ依リ製成ノ時其ノ製造石數及ア
ルコール分ヲ檢定ス」ニ、同條第三項中
「酒類造石稅額ニ相當スル金額ヲ交付ス」
ヲ「酒類造石稅ヲ免除ス」ニ改メ同條第四
項ヲ削ル
第四十條中「場合ニ於テハ」ノ下ニ「檢定
ノ內容ヲ以テ査定ノ內容ト看做シ」ヲ加
フ
第五十二條政府ハ酒稅保全上必要アリ
ト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
酒類、酒母、醪若ハ麴ノ製造者又ハ酒
類ノ販賣業者ニ對シ製造、貯藏、讓渡
讓受、移動、設備又ハ價格ニ關シ必要
ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第五十三條削除
第五十九條第一項中「酒造組合法ニ依リ
設立シタル酒造組合又ハ酒造組合中央
會」ヲ「酒類業團體法ニ依リ設置シタル酒
類製造者ノ團體」ニ、同條第二項中「酒造
組合又ハ酒造組合中央會」ヲ「前項ノ團
體」ニ改ム
第四章中第五十九條ノ次ニ左ノ一條ヲ加
フ
第五十九條ノ二政府ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ酒類業團體法ニ依リ設置シタル
酒類販賣業者ノ團體ニ對シ酒稅保全上
必要ナル措置ヲ爲スベキコトヲ命ズル
コトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付ス
ルコトヲ得
第六十條第一項中「五千圓」ヲ「一萬圓」ニ
改ム
第六十三條ノ二第二十七條ノ三第二項
ノ規定ニ違反シ同條第一項ノ規定ノ適
用ヲ受ケタル酒類ヲ其ノ用途以外ノ用
途ニ使用若ハ消費シ又ハ讓渡シタル者
ハ當該酒類庫出稅輕減額五倍ニ相當ス
ル罰金ニ處ス但シ罰金額ガ二十圓ニ滿
タザルトキハ之ヲ二十圓トス
前項ノ酒類ニ付テハ使用若ハ消費シ又
ハ讓渡シタル者ヨリ直ニ第二十七條ノ
三第一項ノ輕減額ニ相當スル酒類庫出
稅ヲ徴收ス
第六十三條ノ三第五十二條ノ規定ニ依
ル命令又ハ同條ノ命令ニ基ク處分ニ違
反シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五萬
圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ
懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第一項ノ罪ヲ犯シタル者ニ對シテハ間
接國稅犯則者處分法ハ之ヲ適用セズ
第六十四條第一項第二號ノ次ニ左ノ一號
ヲ加ヘ同項第九號ヲ削ル
二ノ二第十八條ノ二ノ規定ニ依ル命
令ニ違反シタル者
第六十六條中「第六十二條第一項」ノ下ニ
「、第六十三條ノ二第一項」ヲ加フ
第六十七條中「本法」ノ下ニ「(第六十三條
ノ三ノ規定ヲ除ク)」ヲ加フ
第六十七條ノ二法人ノ代表者又ハ法人
若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業
者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第六十
三條ノ三ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ
行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ
對シ同條ノ罰金刑ヲ科ス
第六十八條第一項中「酒類」ノ下ニ「(命令
ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)」ヲ、同條第二
項中「第二十七條」ノ下ニ「第一項」ヲ加フ
第八十三條第一項中「四十圓」ヲ「百四十
圓」ニ、同條第三項中「第二十七條ノ稅率
ニ依リ算出シタル酒類造石稅及酒類庫出
稅」ヲ「第二十七條第一項ノ稅率ニ依リ算
出シタル酒類造石稅及同項ノ〓酒第四級
又ハ燒酎ノ稅率ニ依リ算出シタル酒類庫
出稅」ニ改ム
第八十三條ノ二前條第一項ノ酒類ニ付
第二十七條ノ三ノ規定ヲ適用スル場合
ニ於テハ同條第一項ノ規定ニ依ル酒類
庫出稅ノ輕減額ハ前條第一項第二號ニ
規定スル稅率ニ依リ算出シタル金額ト
一石ニ付四十圓ノ割合ニ依リ算出シ
タル金額トノ差額ニ相當スル金額ト
ス
第八十四條第一項中「三圓二十錢」ヲ「六
圓五十錢」ニ、「百六十一圓」ヲ「六百九十
一圓」ニ、「四圓八十錢」ヲ「十八圓八十錢」
ニ同條第二項中「第二十七條」ヲ「第二十
七條第一項」ニ改ム
附則
第一條本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條改正前ノ酒稅法第三十九條第一
項ノ規定ニ依リ酒類造石稅ノ免除ヲ受
ケタル原料用酒類ニシテ同條ノ改正規
定施行ノ際現存スルモノニ付テハ仍從
前ノ例ニ依ル改正前ノ酒稅法第三十九
條第三項ノ規定ノ適用ヲ受ケ酒類製造
ノ原料ニ供シタル酒類ノ酒類造石稅ニ
相當スル金額ノ交付ニ付亦同ジ
第三條酒類ノ製造者又ハ販賣業者ガ酒
稅法第二十七條第一項第二十七條ノ
二及第八十三條第一項ノ改正規定施行
ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ
於テ各種類ヲ通ジ合計一石以上ノ酒類
ヲ所持スル場合及其ノ所持スル酒類ガ
合計一石ニ滿タザルモ命令ヲ以テ定ム
ル酒類ガ合計二斗以上ナル場合ニ於テ
ハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者
ヲ以テ製造者ト看做シ其ノ所持スル酒
類ニ對シ酒類庫出稅ヲ課ス此ノ場合ニ
於テハ酒稅法第二十七條第一項、第二
十七條ノ二及第八十三條第一項ノ改正
規定施行ノ日ニ於テ其ノ酒類ヲ製造場
ヨリ移出シタルモノト看做シ同法第二
十七條第一項及第二十七條ノ二又ハ第
八十三條第一項ノ改正規定ニ依リ算出
シタル酒類庫出稅ノ稅額ト從前ノ規定
ニ依リ算出シタル酒類庫出稅ノ稅額ト
ノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ム
ル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ製造者又ハ販賣業者ハ其ノ所持
スル酒類ノ種類及級別每ニ數量、價格
及貯藏ノ場所ヲ酒稅法第二十七條第
項、第二十七條ノ二及第八十三條第一
項ノ改正規定施行後一月以内ニ政府ニ
申告スベシ
第四條酒稅法第二十七條第一項、第二
十七條ノ二及第八十三條第一項ノ改正
規定施行ノ際製造場ニ現存スル酒類ニ
シテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ
同法第三十八條第一項ノ規定ニ拘ラズ
之ヲ移出シタルトキ酒類庫出稅ヲ徴收
ス此ノ場合ニ於テハ前條第一項後段ニ
規定スル稅額ヲ以テ其ノ稅額トス
酒造組合法中改正法律案
酒造組合法中左ノ湧改正ス
「酒造組合法」ヲ「酒類業團體法」ニ改ム
第一條本法ニ於テ酒類製造者トハ酒稅
法ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ受ケタル者
ヲ、酒類販賣業者トハ同法ニ依リ酒類
販賣業ノ免許ヲ受ケタル者ヲ謂フ
第二條中「土地ノ狀況ニ從ヒ」ヲ「必要ア
ルトキハ」ニ改ム
第三條酒造組合ハ酒類製造業ノ整備發
達及統制運營ヲ圖リ且當該事業ニ關ス
ル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的ト
ス
第三條ノ二酒造組合ハ其ノ目的ヲ達ス
ル爲左ノ事業ヲ行フ
組合員ノ當該事業ニ關スル統制指
導
二組合員ノ當該事業ニ關スル共同施
設
三組合員ノ當該事業ニ關スル檢査
四組合員ノ當該事業ニ關スル調査及
〓究
五組合員ノ納付スヘキ酒稅ノ納稅保
證其ノ他酒稅保全ニ關スル施几え計
六前各號ニ揭クルモノノ外酒造組合
ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
酒造組合ハ政府ノ認可ヲ受ケ前項ニ揭
クル事業ノ外之ニ附帶スル事業ヲ行フ
コトヲ得
第四條ノ二政府ハ必要アリト認ムルト
キハ區域及組合員タル資格ヲ定メ其ノ
區域內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル
者ニ對シ酒造組合ノ設置ヲ命スルコト
ヲ得
前項ノ規定ニ依リ酒造組台ノ=設置ヲ命
セラレタルトキハ創立總會ヲ開キ定款
其ノ他設置ニ關シ必要ナル事項ヲ定メ
設置ノ認可ヲ申請スヘシ
第一項ノ規定ニ依リ設置ヲ命セラレタ
ル者前項ノ認可ヲ申請セサルトキハ政
府ハ定款ノ作成其ノ他設置ニ關シ必要
ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第四條ノ三酒造組合ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ設置ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立
ス
第五條酒造組合成立シタルトキハ其ノ
區域內ニ於ケル組合員タル資格ヲ有ス
ル者ハ當然其ノ組合員ト爲ル
第五條ノ三酒造組合ハ組合員ノ當該事
業ニ關スル統制規程ヲ設定スヘシ
統制規程ノ設定及變更ハ政府ノ認可ヲ
受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第五條ノ四酒造組合ノ組合員ハ當該酒
造組合ノ統制規程ニ從フヘシ
第五條ノ五酒造組合ハ政府ノ認可ヲ受
ケ合併又ハ分割ヲ爲スコトヲ得
合併後存續スル組合又ハ合併若ハ分割
ニ因リテ設置シタル組合ハ合併又ハ分
割ニ因リテ消滅シタル組合ノ權利義務
ヲ承繼ス
第五條ノ六政府ハ必要アリト認ムルト
キハ酒類製造者ヲシテ酒造組合ヲ指定
シ當該組合ノ組合員タラシムルコトヲ
得
第五條ノ七政府ハ必要アリト認ムルト
キハ酒造組合ニ對シ其ノ解散ヲ命スル
コトヲ得
第五條ノ八酒造組合ハ左ノ事由ニ因リ
テ解散ス
-政府ノ命令
二組合ノ決議
三合併又ハ分割
前項第二號ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受ク
ルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
第六條中「組合相互ノ氣脈ヲ通シ其ノ」ヲ
「共同ノ」ニ改メ同條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ命令ヲ以テ定ムル酒造組合ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラス
第六條ノ四酒造組合聯合會及命令ヲ以
テ定ムル酒造組合ハ共同ノ目的ヲ達ス
ル爲酒造組合中央會ヲ設置スルコトヲ
得
第六條ノ七中「第三條ノ二」ノ下ニ一、第四
條ノ二、第四條ノ三」ヲ加へ「及第五條ノ
四」ヲ「、第五條ノ四、第五條ノ七及第五條
ノ八」ニ改ム
第六條ノ八中「第三條ノ二第一項第三號」
ヲ「第三條ノ二、第四條ノ二、第四條ノ
三」ニ、「及第五條ノ四」ヲ「、第五條ノ四、
第五條ノ七及第五條ノ八」ニ改ム
第六條ノ九酒造組合中央會ハ統制規程
ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒
造組合及酒造組合ノ組合員ヲシテ其ノ
行フ統制ニ從ハシムルコトヲ得
第九條ノ三政府ハ酒造組合、酒造組合
聯合會又ハ酒造組合中央會ニ對シ酒類
製造業ノ統制運營上必要ナル事業ノ施
行ヲ命シ、定款若ハ統制規程ノ變更其
ノ他必要ナル事項ヲ命シ又ハ定款若ハ
統制規程ノ設定若ハ變更ヲ爲スコトヲ
得
第十條中「若ハ定秋ノ規定ニ違背シ」ヲ
定款若ハ統制規程ニ違反シ」ニ改ム
第十條ノ二酒類販賣業者(命令ヲ以テ
定ムル酒類販賣業者ヲ除ク)ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ酒販組合ヲ設置スルコ
トヲ得
第十條ノ三中「前條」ヲ「第十條ノ十二」ニ
改メ同條ヲ第十條ノ十四トス
第十條ノ三酒販組合ハ酒類販賣業ノ整
備發達及統制運營ヲ圈リ且當該事業ニ
關スル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目
的トス
第十條ノ四酒販組合及命令ヲ以テ定ム
ル酒類販賣業者ハ共同ノ目的ヲ達スル
爲道府縣ヲ一區域トスル酒販組合聯合
會ヲ設置スルコトヲ得
第十條ノ五酒販組合聯合會ハ共同ノ目
的ヲ達スル爲全國ヲ區域トスル全國酒
販組合聯合會ヲ設置スルコトヲ得
第十條ノ六全國酒販組合聯合會及命令
ヲ以テ定ムル酒類販賣業者ハ共同ノ目
的ヲ達スル爲酒販組合中央會ヲ設置ス
ルコトヲ得
第十條ノ七酒販組合中央會ハ統制規程
ノ定ムル所ニ依リ酒販組合聯合會及其
ノ會員(會員ノ作成員ヲ含ム)ヲシテ其
ノ行フ統制ニ從ハシムルコトヲ得
第十條ノ八第三條ノ二、第四條第一項、
第四條ノ二乃至第五條ノ八及第八條乃
至第十條ノ規定ハ酒販組合ニ之ヲ準用
ス
第十條ノ九第三條ノ二、第四條第一項、
第四條ノ二乃至第五條、、第五條ノ二第
一丁目同條第四項、第五條ノ三、第五
條ノ四、第五條ノ七、第五條ノ八及第
八條乃至第十條ノ規定ハ酒販組合聯合
會全國酒販組合聯合會及酒販組合中
央會ニ之ヲ準用ス
第十條ノ十酒販祖合、酒販組合聯合會、
全國酒販組合聯合會及酒販組合中央會
ハ法人トス
第十條ノ十一酒造組合、酒造組合聯合
會酒造組台中央會、酒敗組合、酒販
組合聯合會、全國酒販組合聯合會及酒
販組合中央會(以下酒類業團體ト稱ス)
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコ
トヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スヘキ事項ハ登
記ノ後ニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ス
第十條ノ十二第五條ノ四(第十條ノ八
ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ
違反シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第六條ノ九ノ規定ニ違反シタル酒造組
合ノ組合員又ハ第十條ノ七ノ規定ニ違
反シタル酒販組合ノ組合員ノ罰亦前項
一四.
第十條ノ十三組合員ハ其ノ代理人、戶
主家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業
者カ其ノ營業ニ關シ前條ノ違反行爲ヲ
爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサル
ノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得
ス
第十條ノ十五前二條ノ場合ニ於テハ懲
役ノ刑ニ處スルコトヲ得ス
第十條ノ十六酒類業團體ノ證票若ハ檢
査證ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目
的ヲ以テ證票若ハ檢査證ヲ僞造若ハ變
造シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ證票若
ハ檢査證ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ
懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ニ揭クル罪ハ刑法第三條ノ例ニ從
フ
第十條ノ十七酒類業團體ノ役員、〓算
人若ハ使用人又ハ檢査員其ノ職務ニ關
シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束
シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因
テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ
爲ササルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スル
コト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追徴ス
第一項ニ揭クル罪ハ刑法第四條ノ例ニ
從フ
第十條ノ十八前條第一項ニ揭クル者ニ
對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル
者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ
罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第十條ノ十九酒類業團體ノ役員本法ニ
基キテ發スル勅令ニ違反シ登記ヲ爲ス
コトヲ怠リタルトキハ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
第十一條中「酒造組合、酒造組合聯合會
及酒造組合中央會」ヲ「酒類業團體」ニ改
ム
第十一條ノ二本法ハ命令ヲ以テ定ムル
酒類製造者又ハ酒類販賣業者ニハ之ヲ
適用セス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條ノ三ノ改正規定施行ノ際現ニ存ス
ル酒造組合、酒造組合聯合會及酒造組合
中央會ノ成立ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依
ル
第十條ノ十一ノ改正規定施行ノ際現ニ存
スル酒造組合、酒造組合聯合會及酒造組
合中央會ノ登記ニ關シテハ同條第二項ノ
規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲ス
コトヲ得
〓涼飮料稅法中改正法律案
〓涼飮料稅法中左ノ通改正ス
第二條中「十二圓」ヲ「二十圓」ニ「三十
圓」ヲ一六十五圓」ニ、「十一圓」ヲ「二十五
圓」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同
一人ガ三石以上ノ第二種ノ〓涼飮料ヲ所
持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造
場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ〓
涼飮料稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施
行ノ日ニ於テ其ノ〓沆飮料ヲ製造場外ニ
移出シタルモノト看做シ一石ニ付三十五
圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ其ノ稅
額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴收ス
前項ノ〓涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持スル
〓涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行
後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
取引所稅法中改正法律案
取引所稅法中左ノ〓改正ス
第四條中「會員組織ノ取引所」ノ下ニ「及
日本證劵取引所」ヲ加フ
第五條第一項申「萬分ノ五」ヲ「萬分ノ八」
-砂糖
第一種分蜜セサル砂糖
甲
モノ竝ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク
百斤ニ付
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付
第二種其ノ他ノ砂〓但シ氷砂糖、
甲蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ
百斤ニ付
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付
第三種氷砂糖、角砂糖、
甲氷砂糖百斤ニ付
乙其ノ他ノモノ百斤ニ付
二糖蜜
第一種氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル管蜜
百斤ニ付
第二種其ノ他ノ糖蜜百斤ニ付
三糖水百斤ニ付
ニ、「萬分ノ七」ヲ「萬分ノ十」ニ改ム
第十七條中「取引所法第二十五條一ノ下ニ
「又ハ日本許劵取引所法第五十四條」ヲ加
フ
第二十一條ノ二ヲ削ル
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
日本證劵取引所ニ吸收セラレタル取引所
ニ課スベカリシ取引所特別稅ハ取引所稅
法第四條ノ改正規定ニ拘ラズ日本證劵取
引所ニ之ヲ課ス
日本證劵取引所ニ吸收セラレタル取引所
ニ於ケル賣買取引ニ課スベカリシ取引稅
ノ納付ニ付テハ日本證劵取引所其ノ保證
ノ責ニ任ズ
砂糖消費稅法中改正法律案
砂精消費稅法中左ノ通改正ス
第二條本法施行地ニ於テ命令ヲ以テ定
ムル用途ニ供スル砂糖、糖蜜及糖水ニ
ハ前條ノ消費稅ノ外特別消費稅ヲ課ス
第三條消費稅ノ稅率左ノ如シ
樽入黑糖及樽入白下精但シ黑糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタル
六圓七十錢
九圓
角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
十圓
十四圓五十錢
棒砂糖其ノ他類似ノモノ
十八圓
消費稅ラ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ
製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付二圓九十錢
十九圓
消費稅ヲ課セラレタル第一一種乙ノ砂糖ヲ以テ
製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付四圓五十錢
十圓
六圓
十二圓五十錢
第三條ノ二特別消費稅ノ稅率左ノ如シ
砂糖
第一種百斤ニ付
第二種及第三種百斤ニ付
二精蜜百斤ニ付
三梨百斤ニ付
第四條第一項中「前條」ヲ「第三條」ニ改ム
第七條ノ二特別消費稅ハ第二條ノ規定
ニ依リ特別消費稅ヲ課スヘキ砂糖、糖
蜜又ハ精水ヲ同條ニ規定スル用途ニ供
スル者ニ販賣スル者ヨリ之ヲ徵收ス
第七條ノ三砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ製造者
又ハ販賣者カ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ第二
條ニ規定スル用途ニ供シタルトキハ之
ヲ同條ニ規定スル用途ニ供スル者ニ販
賣シタルモノト看做ス
第七條ノ四第二條ノ規定ニ依リ特別消
費稅ヲ課スヘキ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ
同條ニ規定スル用途ニ供スル者ニ販賣
スル者ハ每月其ノ販賣シタル砂糖、糖
蜜又ハ糖水ノ種類每ニ斤數ヲ記載シタ
ル申〓書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出ス
ヘシ但シ販賣ヲ廢止シタル場合ニ於テ
ハ直ニ之ヲ提出スヘシ
前項ノ申〓書ノ提出ナキトキ又ハ政府
ニ於テ申告ヲ不相當ト認メタルトキハ
政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第七條ノ五特別消費稅ハ每月分ヲ翌月
末日迄ニ納付スヘシ但シ前條第一項但
書ノ場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スヘシ
第八條中一製造セムトスル者」ヲ「製造又
ハ販賣セムトスル者」ニ、「製造ヲ廢止セ
ムトスルトキ」ヲ「製造又ハ販賣ヲ廢止セ
ムトスルトキ」ニ改ム
第十一條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
四其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノノ製
造ノ用ニ供スルモノ
第十一條ノ四第十一條第一項ノ規定ニ
依リ消費稅ヲ免除セラレタル砂糖、糖
蜜又ハ糖水ニ付同條第三項又ハ第四項
ノ規定ニ依リ消費稅ヲ徴收スル場合ニ
於テ當該砂糖、精蜜又ハ糖水カ特別消
費稅ヲ課スヘキモノナルトキハ消費稅
納付義務者ヨリ特別消費稅ヲ徵收ス
十五圓圓
五圓
十圓
第十一條ノ五政府ノ承認ヲ受ケ命令ヲ
以テ定ムル用途ニ供スル砂糖、糖蜜又ハ
糖水ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ特
別消費稅ヲ免除ス
第十一條第三項ノ規定ハ前項ノ砂糖、糖
蜜又ハ糖水ニシテ政府ノ指定シタル期
間內ニ其ノ用途ニ供セラレタルコトノ
證明ナキモノニ付之ヲ準用ス
第十二條ノ二中「消費稅」ノ下ニ「及特別
消費稅」ヲ加へ「消費稅額」ヲ「消費稅及特
別消費稅ノ額」ニ改ム
第十二條ノ三中「第三號」ノ下ニ「又ハ第
四號」ヲ加へ「消費稅額」ヲ「消費稅及特別
消費稅ノ額」ニ改ム
第十三條ノ二詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ
依リ特別消費稅ヲ通脫シ又ハ逋脫セム
トシタル者ハ其ノ浦脫シ又ハ通脫セム
トシタル特別消費稅五倍ニ相當スル罰
金ニ處シ直ニ其ノ特別消費稅ヲ徵收ス
但シ罰金額カ二十圓ニ滿タサルトキハ
之ヲ二十圓トス
第十四條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第七條ノ四ノ規定ニ依ル申〓ヲ怠
リ又ハ詐リタル者
二政府ニ中〓セスシテ砂糖、糖蜜又
ハ精水ヲ販賣シタル者
前項第二號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ
其ノ販賣シタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ
對スル特別消費稅ヲ徵收ス
第十六條中「又ハ」ヲ「乃至」ニ改ム
第十七條中「第三號」ノ下ニ「又ハ第四號」
ヲ加フ
第十七條ノ四政府ハ第七條ノ二ニ規定
スル販賣者ノ組織スル團體ニ對シ徵稅
上必要ナル施設ヲ爲シ又ハ徴收事務ノ
補助ヲ爲スヘキコトヲ命スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ命
令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコ
トヲ得
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第一條本法施行前ヨリ引續キ砂糖、糖
蜜又ハ糖水ヲ販賣スル者本法施行後一
月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓スルトキ
ハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依リ申〓
シタルモノト看做ス
第三條改正前ノ砂糖消費稅法第三條ノ
稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル砂糖、
糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタ
ル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又
ハ糖水ニシテ本法施行後製造場ヨリ引
取ラルルモノニ付テハ砂精消費稅法第
十二條ノ規定ニ拓ラズ消費稅ヲ徵收ス
此ノ場合ニ於テハ改正後ノ同法第三條
ノ稅率ニ依リ算出シタル金額ト改正前
ノ同法同條ノ稅率ニ依リ算出シタル金
額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正前ノ砂糖消費税法第三條ノ稅率ニ
依リ消費稅ヲ誤セラレタル第二種乙ノ
砂糖ヲ以テ製造シタル第三種ノ砂糖ニ
シテ本法施行後製造場ヨリ取取ラルル
モノニ付テハ改正後ノ砂糖消費稅法第
三條ニ規定スル氷砂糖ノ稅率百斤ニ付
二圓九十錢ハ之ヲ百斤ニ付五圓トシ其
ノ他ノモノノ稅率百斤ニ付四圓五十錢
ハ之ヲ百斤ニ付七圓トス
第四條本法布行ノ際製造場又ハ保稅地
域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ
通ジ合計五千斤以上ノ砂糖、濟蜜又ハ
糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ガ
本法施行ノ日ニ於テ之ヲ製造場ヨリ引
取リタルモノト看做シ消費稅ヲ課ス此
ノ場合ニ於テハ改正後ノ砂糖消費稅法
第三條ノ稅率ニ依リ算出シタル金額ト
改正前ノ同法同條ノ稅率ニ依リ算出シ
タル金額トノ差額(第三種ノ砂糖ニ在
リテハ百斤ニ付三圓ノ割合ニ依リ算出
シタル金額)ヲ以テ其ノ稅額トシ命令
ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ
其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種
別數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一
月以内ニ政府ニ申告スベシ
第五條本法施行ノ際砂糖、糖蜜又ハ糖
水ノ製造者及販賣者以外ノ者ガ各種類
ヲ通ジ合計二千斤以上ノ特別消費稅ヲ
課スベキ砂糖竹蜜又ハ精水ヲ所持ス
ル場合ニ於テハ其ノ所持者ヲ以テ販賣
者ト〓做シ特別消費稅ヲ課ス此ノ場合
ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ砂糖、
糖蜜又ハ糖水ヲ販賣シタルモノト看
做シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ特別消
費稅ヲ徵收ス
前條第二項ノ規定ハ前項ノ砂糖、糖蜜
又ハ糖水ノ所持者ニ付之ヲ準用ス
物品稅法中改正法律案
物品稅法中左ノ通改正ス
第一條第一項第一種第七號中「羽毛製品」
ノ上ニ「羽毛、」ヲ加ヘ同種第三十四號中「及
香道用具」ヲ「、香道及茎道月具」ニ改ム
同種第三十六號中「花輪」ノ上ニ「花、」ヲ
加ヘ同種ニ左ノ一號ヲ加フ
四十箱、樽其ノ他類似ノ容器(通
常小賣ニ用ヒザル容器ヲ除ク)
ニ入レタル食料品
同項第二種第一號中「附屬品」ノ下ニ「竝
ニ現像燒付用器具」ヲ加ヘ同種第六號中
「及隻眼鏡」ヲ一、隻眼鏡及同ケース」ニ改
ム
同種第二十七號中「大理石」ノ下ニ「大理
石ニ類スル裝飾用石材」ヲ加ヘ同種第三十
三號中「輪轉謄寫機」ヲ「謄寫器」ニ改ム
回種第三十五號中「タイムスタンプ」ノ下
ニ「、タイムレコーダ」ヲ、、同種第三十六號
中「ミシン及」ノ下ニ「同部分品竝ニ」ヲ加
へ同種第三十七號中「板硝子」ヲ一幻燈機、
實物投影機及同ケース」ニ、同種第三十八
號中一紙及セロファン」ヲ「バターチノ
ズ。クリーム及其ノ代用物一ニ、同種第四
十一號中「調味料」ヲ「グルタミン酸ソー
ダヲ主成分トスル調味料」ニ改ム
同種ニ左ノ如ク加フ
四十二安全剃刄
丁類
四十三板硝子
紙及セロファン
四四四四十十十十七六五四靴塗料類
調味料
酒類粕
四十八罐罎壺其ノ他類似ノ
容器(通常小賣ニ用ヒザル容
器ヲ除ク)ニ入レタル食料品
四十九滋養强壯育及口中劑
同項第三種ニ左ノ一號ヲ加フ
四蜂蜜
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該當
スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類ニ該當
スル物品ニシテ乙類、丙類又ハ丁類ノ
何ンカニ該當スルモノハ之ヲ甲類トシ
乙類ニ該當スル物品ニシテ丙類又ハ丁
類ノ何レカニ該當スルモノハ之ヲ乙類
トシ同一物品ニシテ丙類及丁類ニ該當
スルモノハ之ヲ丙類トス
第二條物品稅ノ稅率左ノ如シ
第一種
甲類物品ノ價格百分ノ八十
乙類物品ノ價格百分ノ三十
物品ノ價格百分ノ十
第二甲二丙類種類
物品ノ價格百分ノ八十
乙類物品ノ價格百分ノ三十
丙類物品ノ價格百分ノ二十
丁類物品ノ價格百分ノ十
第三種
一燐寸千本ニ付十五錢
二飴葡萄糖及麥芽糖
イ麥芽糖化ノ方法ニ依リ製造シ
タル飴百斤ニ付五圓
ロ其ノ他ノ飴竝ニ葡萄糖及麥芽
糖百斤ニ付五圓五十錢
三サッカリン一瓩ニ付二十圓
四蜂蜜百斤ニ付五圓
命令ヲ以テ定ムル第一種乙類ノ物品ニ
付テハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ價格ノ
百分ノ六十ノ稅率ニ依ル
第六條中「又ハ調味料」ヲ「、調味料、靴塗
料類滋養强壯劑又ハ口中劑」三段人
第七條第二種又ハ第三種ノ物品ガ左ノ
各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ之ヲ
製造場ヨリ移出シタルモノト看做ス
製造場內ニ於テ飮用又ハ〓用ニ供
セラレタルトキ但シ綠茶又ハ蜂蜜ガ
飮用又ハ〓用ニ供セラレタルトキヲ
除ク
二製造場內ニ於テ第二種又ハ第三種
ノ物品以外ノ物品ノ床料トシテ使用
セラレタルトキ
第十二條第一項第一號中「第二種ノ物品」
ヲ「第二種又ハ第三種ノ物品」ニ改メ同
項第二號ヲ削リ第三號ヲ第二號トス
同條第四項中「第三號」ヲ「第二號」ニ改ム
第二十四條中「第三號」ヲ「第二號」ニ改ム
第二十五條中「飴」ヲ「飴若ハ蜂蜜」ニ改ム
第二十五條ノ二政府ハ第一種ノ物品ノ
小賣業者又ハ第二種若ハ第三種ノ物品
ノ製造者ノ組織スル團體ニ對シ徵稅上
必要ナル施設ヲ爲シ又ハ徵收事務ノ補
助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付ス
ルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ヨリ引續キ物品稅法第一條ノ
改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコトト爲
リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又
ハ同第二種ノ物品若ハ蜂蜜ノ製造ヲ爲ス
者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ
申〓スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ物品
稅法第十五條ノ規定ニ依リ申〓シタルモ
ノト看做ス
改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二硝
又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ欺賣者ガ
本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ
場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品
ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製
造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ
之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法
施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移
出シタルモノト看做シ命令ノ定ムル所ニ
依リ其ノ物品稅ヲ徵收ス但シ從前ノ規定
ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テ
ハ其ノ課セラレタル稅額ニ相當スル金額
ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第
二種ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品
名每ニ價格千圓以上ノモノ
百萬本以上ノ燐寸
三飴葡萄糖又ハ麥芽糖ニシテ合計三
千斤以上ノモノ
四十瓩以上ノサッカリン
五三千斤以上ノ蜂蜜
前項第一號ノ物品中命令ヲ以テ定ムルモ
ノニ付テハ前項ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定
ムル所ニ依リ當該物品ノ貯藏ノ場所ヨリ
移出シタルトキ其ノ物品稅ヲ徴收スルコ
トヲ得
附則第三項ノ製造者又ハ販賣者ハ同項第
一號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、
價格及貯藏ノ場所ヲ、、第二號乃至第五號
ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏
ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申
一藝妓ノ花代
二藝妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
稱ス)
三
花代ヲ除ク
四
代ヲ除ク
五前各號以外ノ遊興飮食ノ料金
イ一人一囘二圓五十錢ニ滿タザルモノ
ロ一人一囘五圓ニ滿タザルモノ
ハ一人一囘五圓以上ノモノ
六旅館ニ於ケル宿泊ノ料金
イ一人一泊五圓ニ滿タザルモノ
ロ一人一泊十圓ニ滿タザルモノ
ハ一人一泊十圓以上ノモノ
同條第二項中「前條」ヲ「前條第一項」ニ改
ム
第三條中「五圓」ヲ「三圓」ニ改ム
第四條、第五條及第七條乃至第九條中「第
一條」ヲ「第一條第一項」ニ改ム
第九條ノ二政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ第一條第一項ニ規定スル場所ノ經營
者ニ對シ料金領收書ノ發行其ノ他取締
上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十條中「前條」ヲ「第九條」ニ改ム
第十二條第一項第二號中「第一條」ヲ第
一條第一項」ニ改メ同項ニ左ノ一號ヲ加フ
三第九條ノ二ノ規定ニ依ル政府ノ命
令ニ違反シタル者
告スベシ
遊興飮食稅法中改正法律案
遊興飮食稅法中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項ノ場所以外ノ場所ニ於テ遊興飮
食スル場合ニ於テ藝妓若ハ藝妓ニ類ス
ル者又ハ飮食物ガ第一項ノ場所以外ノ
場所ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヨリ
派出又ハ供給ヲ受クルモノナルトキハ
其ノ場所ハ之ヲ料理店ト看做シ其ノ遊
興飮食ハ之ヲ料理店ニ於ケル遊興飮食
ト看做ス
第二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
遊興飮食稅ノ稅率左ノ如シ
料金ノ百分ノ二百
(以下其ノ他ノ花代ト
料金ノ百分ノ百
藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他ノ
料金ノ百分ノ五十
命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他ノ花
料金ノ百分ノ六十
料金ノ百分ノ三十
料金ノ百分ノ四十
料金ノ百分ノ五十
料金ノ百分ノ二十
料金ノ百分ノ三十
料金ノ百分ノ五十
第十五條及第十七條中「第一條」ヲ
條第一項」ニ改ム
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム但シ附則第三條ノ規定ハ昭和十
八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二條本法施行前ヨリ引續キ遊興飮食
稅法第一條ノ改正規定ニ依リ料理店ト
看做サルル場所ヲ經營スル者本法施行
後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓スル
トキハ本法施行ノ日ニ於テ遊興飮食稅
法第八條ノ規定ニ依リ申告シタルモノ
ト看做ス
第三條地方分與稅法中左ノ通改正ス
第二條第二項及第六條第一項中「百分
ノ十三·二二」ヲ「百分ノ十四·一四」ニ
「百分ノ十九·八四」ヲ「百分ノ十二·六
九」ニ改ム
第四十七條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改
ム
第二條第二項中百分ノ十四·一四トア
ルハ昭和十六年度ニ於テハ百分ノ十四·
一七昭和十七年度ニ於テハ百分ノ十
三·四二、昭和十八年度及昭和十九年度
ニ於テハ百分ノ十四●二四トス
第二條第二項中百分ノ十二·六九トア
ルハ昭和十六年度ニ於テハ百分ノ二十
九·三五、昭和十七年度ニ於テハ百分ノ
二十一·四二、昭和十八年度ニ於テハ百
分ノ十三·一一トス
第四十八條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改
ム
第六條第一項中百分ノ十四·一四トア
ルハ昭和十七年度分ニ付テハ百分ノ二
第一種ノ場所
入場料ガ一人一囘五十錢未滿ノモノ
入場料ガ一人一囘一圓未滿ノモノ
入場料ガ一人一囘三圓未滿ノモノ
入場料ガ一人一囘五圓未滿ノモノ
入場料ガ一人一囘五圓以上ノモノ
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルモノ
入場料ガ一人一囘一圓未滿ノモノ
入場料ガ一人一囘一圓以上ノモノ
第二種ノ場所
撞球場、スケート場入場料ノ百分ノ三十
麻雀場入場料ノ百分ノ五十
舞踏場、ゴルフ場入場料ノ百分ノ九十
本法ニ於テ入場料トハ名義ノ何タルヲ
問ハズ第一種ノ催物(第一種ノ場所ニ
於ケル演劇、映畫、演藝、觀物、競馬
其ノ他ノ催物ヲ謂フ以下同ジ)若ハ設
備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場
所ノ經營者ガ第一種ノ場所ニ入場シ又
ハ第二種ノ場所ノ設備ヲ利用スル者ヨ
リ其ノ入場又ハ設備ノ利用ニ付取得ス
ベキ金額ヲ謂フ
入場料ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第五條中「(第一種ノ場所ニ於ケル演劇、
十二·三五、昭和十八年度分ニ付テハ百
分ノ十九·四五、昭和十九年度分ニ付テ
ハ百分ノ十四·六二、昭和二十年度分ニ
付テハ百分ノ十四·二六、昭和二十一年
度分ニ付テハ百分ノ十四·二四トス
第六條第一項中百分ノ十二·六九トア
ルハ昭和十七年度分ニ付テハ百分ノ五
+、昭和十八年度分ニ付テハ百分ノ三
十一·六二、、昭和十九年度分ニ付テハ百
分ノ二十一·一六、昭和二十年度分ニ付
テハ百分ノ十三·一二トス
入場稅法中改正法律案
入場稅法中左ノ通改正ス
第二條中「第一種ノ場所ニ入場スル者又
ハ第二種ノ場所ノ設備ヲ利用スル者」ヲ
「第一種ノ場所ヘノ入場又ハ第二種ノ場
所ノ設備ノ利用」ニ、同條第一種第一號中
「活動寫眞」ヲ「映畫」ニ改ム
第三條入場稅ノ稅率左ノ如シ
入場料ノ百分ノ二十
入場料ノ百分ノ四十
入場料ノ百分ノ六十
入場料ノ百分ノ九十
入場料ノ百分ノ百二十
入場料ノ百分ノ六十
入場料ノ百分ノ九十
活動寫眞、演藝、觀物、競馬其ノ他ノ催
物ヲ謂フ以下同ジ)」ヲ削ル
第六條入場稅ハ第一種ノ催物若ハ設備
ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所
ノ經營者ヨリ之ヲ徵收ス
第六條ノ二第一種ノ催物若ハ設備ノ主
催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經
營者ハ每月分ノ入場料金ヲ催物又ハ設
備ノ種類每ニ稅率ノ區別ニ從ヒ區分シ
テ記載シタル中〓書ヲ翌月十日迄ニ政
府ニ提出スベシ但シ第一種ノ催物若ハ
設備ノ開催若ハ經營又ハ第二種ノ場所
ノ經營ヲ廢止シタル場合ニ於テハ直ニ
之ヲ提出スベシ
前項ノ申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府
ニ於テ申告ヲ不相當ト認メタルトキハ
政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第六條ノ三入場稅ハ每月分ヲ翌月末日
迄ニ納付スベシ但シ前條第一項但書ノ
場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第九條中「入場者」ヲ「入場」ニ改ム
第十條特別入場稅ノ稅率左ノ如シ
特別入場料ガ一人一囘一圓未滿ノモノ
特別入場料ノ百分ノ二十
特別入場料ガ一人一回一圓以上ノモノ
特別入場料ノ百分ノ四十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ
爲シタルモノ
特別入場料ノ百分ノ四十
本法ニ於テ特別入場料トハ名義ノ何タ
ルヲ問ハズ前條ニ規定スル運動競技ノ
主催者ガ該競技場ニ入場スル者ヨリ其
ノ入場ニ付取得スベキ金額ヲ謂ラ
特別入場料ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十二條特別入場稅ハ第九條ニ規定ス
ル運動競技ノ主催者ヨリ之ヲ徵收ス
第十四條第九條ニ規定スル運動競技ノ
主催者ハ該競技終了後直ニ其ノ特別入
場料金ヲ稅率ノ區別ニ從ヒ區分シテ記
載シタル申〓書ヲ政府ニ提出スベシ但
シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ翌月
十日迄ニ之ヲ提出スベシ
第六條ノ二第二項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ付之ヲ進用ス
第十四條ノ二特別入場稅ハ運動競技ノ
終了後二十日以內ニ納付スベシ但シ前
條第一項但書ノ場合ニ於テハ翌月末日
迄ニ之ヲ納付スベシ
第十六條詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ
入場稅ヲ逋脫シ又ハ通脫セントシタル
者ハ其ノ通脫シ又ハ通脫セントシタル
稅金ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處シ直ニ
其ノ稅金ヲ徴收ス但シ罰金額ガ二十圓
ニ滿タザルトキハ之ヲ二十圓トス
第十六條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-第六條ノ二第一項ノ規定ニ依ル申
告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
二政府ニ申〓セズシテ第一種ノ催物
若ハ設備ヲ開催若ハ經營シ又ハ第二
種ノ場所ヲ經營シタル者
前項第二號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ
其ノ入場稅ヲ徴收ス
第十七條ノ二第十六條ノ罪ヲ犯シタル
者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第
三十九條第二項、第四十條第四十一
條第四十八條第二項、第六十三條及
第六十六條ノ規定ヲ適用セズ
第十七條ノ三第一種ノ催物若ハ設備ノ
主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ
經營者ノ代理人、戶主、家族、同居者、
雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ
本法ヲ犯シタルトキハ其ノ第一種ノ催
物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第
二種ノ場所ノ經營者ヲ處罰ス
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團
體ハ入場稅ノ課稅標準タル入場料ニ對
シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第十九條政府ハ第一種ノ催物若ハ設備
ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所
ノ經營者ノ組織スル團體ニ對シ徵稅上
必要ナル施設ヲ爲シ又ハ徵收事務ノ補
助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ〓體ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付ス
ルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ徵收シ又ハ徵收スベカリシ
入場稅又ハ特別入場稅ニ關シテハ仍從前
ノ例ニ依ル
特別行爲稅法案
特別行爲稅法
第一條左ニ揭グル行爲ニハ本法ニ依リ
特別行爲稅ヲ課ス
寫眞ノ撮影、現像、燒付及複寫
二調髮及整容
三織物及被服類ノ染色(描繪ヲ含ム)
及刺繡
四被服類其ノ他命令ヲ以テ定ムルモ
ノノ仕立(編上ヲ含ム)
五書畫ノ表裝
六印刷及製本
第二條特別行爲稅ノ稅率ハ料金ノ百分
ノ三十トス但シ前條第六號ニ揭グル行
爲ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
第三條前條ノ料金トハ名義ノ何タルヲ
問ハズ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ
營ム者ガ其ノ行爲ノ對價トシテ取得ス
ベキ金額ヲ謂フ
第七條ニ規定スル場合ニ於ケル料金ハ
第一條第六號ニ揭グル行爲ノ對價トシ
テ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第一項ノ料金ノ計算ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條左ニ揭グル行爲ニハ特別行爲稅
ヲ課セズ
寫眞ノ撮影ニシテ寫眞一組ノ料金
ガ一圓五十錢ニ滿タザルモノ
二第一條第二號ニ揭グル行爲ニシテ
一囘ノ料金ガ一圓ニ滿タザルモノ
三第一條第三號ニ揭グル行爲ニシテ
一件ノ料金ガ五圓(染替ニ付テハ十
圓)ニ滿タザルモノ
四第一條第四號ニ揭グル行爲ニシテ
其ノ料金ガ命令ヲ以テ定ムル金額ニ
滿タザルモノ
第五條左ニ揭グル行爲ニハ特別行爲稅
ヲ課セズ
國、北海道、府縣、市町村其ノ他
命令ヲ以テ指定スル公共團體ノ爲ニ
爲スモノ
二織物、被服類其ノ他命令ヲ以テ定
ムルモノノ製造又ハ販賣ヲ爲ス業ヲ
營ム者ノ當該商品ニ付爲ス第一條第
三號又ハ第四號ニ揭グル行爲
三書畫ノ販賣ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ當
該商品ニ付爲ス第一條第五號ニ揭グ
ル行爲
四〓科用圖書及新聞紙法ニ依ル新聞
紙ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ付
爲ス第一條第六號ニ揭グル行爲
五其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
第六條特別行爲稅ハ第一條ニ揭グル行
爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ヨリ之ヲ徵收ス
第七條出版業者其ノ他印刷又ハ製本シ
タル物品ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス業ヲ營
ム者ガ自ラ印刷又ハ製本ヲ爲ス場合ニ
於テハ之ヲ當該行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者
ト看做ス
第八條第一條ニ揭グル行爲ニ付取次ヲ
爲ス業ヲ營ム者ノ取次ニ依リテ爲サレ
タル行爲ハ之ヲ當該取次ヲ爲ス業ヲ營
ム者ガ同條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營
ム者トシテ自ラ爲シタルモノト看做ス
第九條第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ
營ム者ハ每月其ノ爲シタル同條ニ揭グ
ル行爲ニ付其ノ種類每ニ料金ヲ記載シ
タル申〓書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出
スベシ但シ其ノ業ヲ廢止シタル場合ニ
於テハ直ニ之ヲ提出スベシ
前項ノ申〓書ノ提出ナキトキ又ハ政府
ニ於テ申告ヲ不相當ト認メタルトキハ
政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第十條特別行爲稅ハ每月分ヲ翌月末日
迄ニ納付スベシ但シ前條第一項但書
場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第十一條第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業
ヲ營マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ニ申告スベシ之ヲ廢止セント
スルトキ亦同ジ
第十二條第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業
ヲ營ム者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ
必要ナル事項ヲ政府ニ中〓スベシ
第十三條收稅官吏ハ第一條ニ揭グル行
爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ニ對シ其ノ業務ニ
關シ質問ヲ爲シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ
物件ヲ檢査スルコトヲ得
第十四條詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ
特別行爲稅ヲ逋脫シ又ハ通脫セントシ
タル者ハ其ノ通脫シ又ハ通脫セントシ
タル稅金ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處シ
直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ罰金額ガ二
十圓ニ滿タザルトキハ之ヲ二十圓トス
第十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-第九條第一項ノ規定ニ依ル申〓ヲ
怠リ又ハ詐リタル者
二政府ニ申〓セズシテ第一條ニ揭グ
ル行爲ヲ爲ス業ヲ營ミタル者
前項第二號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ
其ノ特別行爲稅ヲ徵收ス
第十六條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十二條ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載
若ハ申〓ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ
隱匿シタル者
二第十三條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ
質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ
陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒
ミ妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十七條第十四條ノ罪ヲ犯シタル者ニ
ハ刑法第三十八條第三項但書、第三十
九條第二項、第四十條、第四十一條、第
四十八條第二項、第六十三條及第六十
六條ノ規定ヲ適用セズ
第十八條第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業
ヲ營ム者ノ代理人、戶主、家族、同居者、
雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ
本法ヲ犯シタルトキハ其ノ第一條ニ揭
グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ヲ處罰ス
第十九條政府ハ第一條ニ揭グル行爲ヲ
爲ス業ヲ營ム者ノ組織スル團體ニ對シ
徵稅上必要ナル施設ヲ爲シ又ハ徴收事
務ノ補助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコト
ヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ
命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付ス
ルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ヨリ引續キ第一條ニ揭グル行
爲ヲ爲ス業ヲ營ム者本法施行後一月以內
ニ其ノ旨ヲ政府ニ申〓スルトキハ本法施
行ノ日ニ於テ本法ニ依リ申告シタルモノ
ト看做ス
明治四十年法律第二十一號第一條第一項
ニ左ノ一號ヲ加フ
二十三特別行爲稅
輸出スル物品ニ對スル內國稅免除又ハ
交付金交付ノ停止等ニ關スル法律案
第一條酒類、〓涼飮料砂糖、糖蜜、
糖水、揮發油、骨牌、物品稅法第一條
ニ揭グル物品、糖果又ハ果實蜜若ハ之
ニ類スルモノニシテ輸出スルモノニ付
酒稅法、〓涼飮料稅法、砂糖消費稅法
揮發油稅法、骨牌稅法、織物消費稅法
又ハ物品稅法ニ規定スル內國稅ノ免除
又ハ交付金ノ交付ニ關スル規定ハ當分
ノ內之ヲ適用セズ但シ命令ヲ以テ定ム
ルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二條前條ニ揭グル物品ニシテ關東州
ヨリ輸入スルモノニ付テハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ前條ニ揭グル稅法ニ依リ課
スベキ租稅ヲ輕減又ハ免除ス
第三條大正九年法律第五十一號ハ之ヲ
廢止ス
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
昭和十八年三月三十一日以前ニ輸出シ又
ハ朝鮮ニ移出シタル酒類、〓涼飮料砂
糖糖蜜、糖水、揮發油、骨牌、物品稅
法第一條ニ揭グル物品、糖果竝ニ果實蜜
及之ニ類スルモノニ付テハ仍從前ノ例ニ
依ル
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=2
-
003・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ稅法改正法律案十二件ノ政府提出ノ
理由ヲ是ヨリ一括御說明申上ゲタイト存
ジマス
大東亞戰爭ガ決戰段階ニ入ルニ伴ヒマシ
テ、戰力增强ノ爲メ必要ナル財政支出ハ愈2
增加致ス見込デアリマス、豫算編成上更
ニ一段ト重點主義ヲ强化スルニ致シマシテ
モ、今後ニ於ケル我ガ國歲出ノ總額ハ大イニ
膨脹スベキコトハ豫見シ得ル所デアリマス、
一面最近ニ於ケル國民經濟運營上ノ要請ニ
照シテ考ヘマスレバ、此ノ際極力消費ノ節
約、國民購買力ノ吸收ヲ圖リ、物資、勞力
資金等國家ノ經濟總力ヲ戰力增强ノ爲メ
集中スルノ必要特ニ切ナルモノガアルノデ
アリマス、政府ト致シマシテハ此ノ財政需
要ノ增加ニ備フルト共ニ、增稅ガ國民經濟
及ビ國民生活ニ及ボス影響等ニ付キマシテ、
愼重考究ヲ遂ゲマシタル結果、今囘臨時軍
事費ノ財源ノ一部ニ充テマスル爲メ間接稅
ヲ中心トスル增稅ヲ行ヒ、之ニ必要ナル稅
法ノ改正ヲ行フコトト致シマスト同時ニ、
現下ノ情勢ニ顧ミマシテ產業ノ再編成、資
金ノ蓄積、其ノ他戰時下ニ於テ緊要ナル諸
政策ノ圓滑ナル遂行ニ資スル爲メ適當ト
認ムル租稅上ノ措置ヲ講ジマスル等、是等
ノ必要ニ依リ臨時租稅措置法ヲ改正致サン
トスルモノデアリマス
先ヅ今次增稅案ノ作成ニ當リマシテハ、
決戰下ニ於ケル國民生活ノ確保及ビ國民負
擔力ノ關係等ヲ考慮致シマシテ、奢侈的消
費ニ對シテハ特ニ高率ノ課稅ヲナスト共
ニ、決戰下トシテハ尙ホ節約可能ナリト認
メラルル方面ノ消費ニ對スル課稅ニ付キマ
シテ稅率ヲ引上ゲ又ハ課稅範圍ヲ擴張致
シマスル爲メ、酒稅其ノ他ノ間接稅ニ付キ
改正ヲ行ヒマス外、特別行爲稅ヲ創設スル
コトト致シタノデアリマス、尙ホ是等間接
稅ノ課稅ノ對象トナル課稅物件ニ付キ、增
徴稅額ニ相當スル價格ノ引上ヲ行ヒマスコ
トハ間接稅ノ性質及ビ今次增稅ノ趣旨等
ニ照シ之ヲ認ムルコトト致シタイ考ヘデ
ゴザイマス
次ニ增稅案ノ內容ノ〓略ヲ御說明致シマ
ス、先ヅ酒稅ニ付キマシテハ主トシテ庫
出稅ノ引上ヲ行ヒ、總稅額ニ於テ大體十割
程度ノ增徵ヲ致スコトニ案ヲ立テタノデア
リマス、酒類中消費高ノ最モ多イ〓酒ニ付
テ申上ゲマスレバ之ヲ第一級酒乃至第四
級酒ノ四階級ニ區分ヲ致シマシテ、特ニ品
質ノ優良ナル第一級酒ニ付キマシテハ、現
在造石稅ト庫出稅トヲ合シ、一石ニ付キ百
五十三圓デアリマスルノヲ、一石ニ付キ五
百十五圓ニ引上ゲマシタ、第二級酒、第三
級酒及ビ第四級酒ニ付キマシテハ現在百
圓デアリマスルノヲ、ソレ〓〓三百四十圓、
二百十圓及ビ二百圓ニ引上グルコトト致シ
ノノデアリマス、其ノ他ノ酒ノ類ニ付キマ
シテモ必要ニ應ジ品質等ニ依リ差等ヲ設
ケナガラ、〓酒トノ權衡ヲ保持スルヤウ
主トシテ庫出稅ニ付テ相當ト認ムル稅率ノ
引上ヲ致ス積リデアリマス、尙ホ生產力擴
充關係產業其ノ他重要產業ニ從事スル勞務
者等ニ對シマシテハ〓酒、燒酎等ノ若干
數量ヲ限リ低廉ナル價格ヲ以テ供給スル爲
メ、特ニ稅率ヲ引上ゲザルコトト致シテア
リマス
次ニ酒造組合法デアリマスルガ、酒類ノ
生產及ビ配給ニ付テハ今次增稅ノ適正ナ
ル實施及ビ現下ニ於ケル酒類ノ需給狀況等
ニ鑑ミマシテ、其ノ統制ヲ强化スルノ必要
ガ認メラレマスルノデ、從來ヨリ設置セラ
レテ居リマスル酒造組合ノ外、更ニ合成〓
酒等ノ製造者ニ對シマシテモ、ソレ〓〓酒
造組合ヲ設置セシメマスルト共ニ、配給部
門ニ於キマシテモ、酒類販賣業者ノ團體ヲ系
統的ニ整備確立セシメマシテ以テ酒類ノ
生產及ビ配給ニ亙リ統制ニ關スル機能ヲ
擴充强化致シマスル爲メ、必要ナル改正ヲ
行フコトト致シタ次第デアリマス
次ニ〓涼飮料稅ニ付キマシテハ總稅額ニ
於テ十割程度ノ增徵ヲ行フコトト致シマシ
タガ、增徵割合ハ第一種玉「ラムネ」ニ輕ク
第三種「ソーダ」水等ニ重ク致シテ居リマス
次ニ取引所稅中取引稅ニ付キマシテハ、株
式ノ賣買取引ニ對スル現行稅率万分ノ五ヲ
万分ノ八ニ、万分ノ七ヲ万分ノ十ニ引上ゲ
ル外日本證劵取引所法ノ制定ニ伴ヒ取
引所稅法ニ付キ必要ナル改正ヲ致スコトト
ナツテ居リマス
次ニ砂精消費稅ニ付キマシテハ一般的
ノ增徵トシテハ、他ノ消費稅ニ比較致シマシ
テ、之ヲ輕イ程度ニ引上ヲ行ヒマシテ總
稅額ニ於テ大體二割程度ノ增徵ヲ行フコト
ト致シテ居ルノデアリマス、併シ業務用、加
工用ノ砂糖等ニ付キマシテハ其ノ消費ノ
性質ニ鑑ミマシテ、或ル程度負擔ヲ加重ス
ルヲ適當ト認メ一般ノ消費稅ノ外、一ノニ
百斤ニ付キ五圓又ハ十圓ノ稅率ヲ以テ、特別
消費稅ヲ附加シテ課稅スルコトト致シタノ
デアリマス
次ニ物品稅ニ付テ申上ゲマスレバ、物品
稅ノ中第一種及ビ第二種ハ御承知ノ如ク
奢侈的性質ヲ有スル物品、或ハ國民生活上
比較的不急ト認メラレ、又ハ其ノ消費ガ負擔
力ヲ示スト認メラルル物品ニ付キ、廣ク課
稅スルモノデアリマスルガ、今次增稅ノ趣
旨ニ顧ミ、奢侈的性質特ニ濃厚ナリト認メ
ラルル甲類ノ物品ニ付キマシテハ、現行稅
率百分ノ五十ヲ百分ノ八十ニ引上ゲ、其ノ
他ニ付テハ現行稅率百分ノ十又ハ二十ヲ、百
分ノ十乃至百分ノ三十トナシ、尙ホ第一種
乙類ノ物品中一定價格以上ニシテ奢侈的
色彩强キモノハ稅率ヲ特ニ百分ノ六十ト
致シマシタ、是ト共ニ現行ノ課稅最低限ハ
或ル程度引下ゲ、又課稅物品ノ擴張ヲ行フ
コトト致シタノデアリマス、而シテ新タニ
課稅スル物品ノ大部分ハ、百分ノ十ノ稅率
ヲ以テ課稅スルコトト致シテ居リマス
物品稅中第三種ニ付キマシテハ「マッチL
ノ現行稅率千本ニ付キ十錢ヲ、千本ニ付キ
十五錢ニ引上ゲタル外、砂糖トノ權衡ヲ考
慮シ飴、ㄱサッカリン」等ニ付テ增徴ヲ行フ
ト共ニ新タニ蜂密ニ對シテモ課稅スルコト
トナツテ居リマス
次ニ遊興飮食稅ニ付キマシテハ、現下ノ情
勢ニ顧ミ、相當大幅ノ增稅ヲ行フコトト致
シマシタ、卽チ其ノ最高稅率百分ノ百ヲ百
分ノ二百ニ引上ゲ、其ノ他ノ稅率ニ付テモ
相當ノ引上ヲ行フト共ニ、宿泊ノ料金ニ對
スル課稅最低限ノ引下、其ノ他課稅範圍ノ
擴張ヲ行フコトト致シタノデアリマス以
上ノ增徴ニ依リ、遊興飮食稅ハ總稅額ニ於
テ、大體七割程度ノ增徵ト相成ル見込デア
リマス
次ニ入場稅ニ付キマシテハ現行稅率百
分ノ二十乃至百分ノ八十ヲ百分ノ二十乃
至百分ノ百二十ト致シマスルト共ニ、特別
入場稅ニ付テモ、或ル程度ノ增徵ヲ行フコ
トト致シテアリマス
次ニ從來外國ニ輸出スル物品及ビ內地、
臺灣、樺太ヨリ朝鮮ニ移出スル物品ニ付テ
ハ內國稅ヲ免除シ、又ハ交付金ヲ交付シ
テ參ツタノデアリマスガ、現下ニ於ケル交
易情勢及ビ行政ノ簡素化等ヲ考慮致シ、之
ヲ停止又ハ廢止スルコトニ致シタノデアリ
マス
新稅ト致シマシテハ特別行爲稅ヲ創設
スルコトト致シタノデアリマス、特別行爲
稅ハ、寫眞ノ撮影、整髪美容、織物衣類ノ
染色仕立、書畫ノ表裝、印刷製本等ニ付テ
ハ其ノ消費ノ性質ニ顧ミマシテ他ノ消
費稅トノ權衡上、此ノ際或ル程度ノ負擔ヲ
ナサシムルヲ適當ト認メラレマスノミナラ
ス、之ニ課稅スルコトニ依リ、消費ノ節約、
購買力ノ吸收ニモ資シ得マスルトノ見地カ
ラ、是等ノ行爲ニ對シ〓ネ百分ノ三十ノ稅
率ヲ以テ課稅セントスルモノデアリマス、但
シ印刷製本ニ付テハ百分ノ二十ニ止ムル考
ヘデアリマス又寫眞ノ撮影、整髮、美容
等ニ付キマシテハ、ソレ〓〓適當ト認ムル
課稅最低限ヲ設クルコトト致シテ居リマス
以上述ベマシタル如ク、今囘ハ主トシテ
間接稅ヲ中心トスル增稅デアリマシテ直
接税ニ付キマシテハ昨年ニ於テ相當大幅
ノ增稅ヲナシタコトデモアリマスルノデ
戰時國民生活其ノ他諸般ノ事情等種々考慮
ノ結果、今囘ハ是ガ增徵ヲ見合ハセルコト
ト致シタノデアリマスルガ唯臨時利得稅
ニ付キマシテハ、適當ト認ムル若干ノ改正
ヲ行フコトト致シマシタ
卽チ臨時利得稅ニ付キマシテハ、從來ハ
法人ニ付キマシテハ、昭和十一年以前三年
以內ニ終了シタ事業年度ノ平均利益率ヲ基
準利益率トナシ基準利益率以下ノ部分ニ
付テハ、稅率ヲ低ク致シテ居ルノデアリマ
スルガ基準年度ヨリ既ニ相當年數ヲ經過
致シマシタ爲メ、之ヲ基準トナスコトガ必
ベシモ適當デナイト認メラレマスルノデ
今囘之ヲ廢止スルコトト致シタノデアリマ
ス)又個人ノ營業者ニシテ利益金額少額ナ
ルモノニ對シマシテハ施行ノ實情ニ鑑ミ
マシテ負擔緩和ノ規定ヲ設クルコトト致
シマシタ
次ニ臨時租稅措置法ノ改正ニ付キ說明致
シタイト存ジマス、此ノ改正ノ第一ハ時
局下愈、〓緊切ナリト認メラレマスル產業ノ再
編成ニ關スルモノデアリマス、時局ノ要請
ニ依ル企業ノ合同整理ノ場合ニ於テハ、現
在法人稅、所得稅、營業稅等ヲ輕減又ハ免
除シテ居ルノデアリマスガ最近ニ於ケル
企業合同ノ進捗ノ狀況ニ顧ミマシテ、右ノ
輕減免除ノ期間ヲ、一年間延長スルコトト致
シマシタ又右ノ企業合同ノ場合ニ於テ
營業ヲ廢止シタ者ノ受クル補償金ニ付テ、
所得稅ヲ輕減又ハ免除スルコトトナシ、又
專業統制ノ必要上、不動產、鑛業權等ヲ讓
渡シタル者ニ對シテモ讓渡利得ノ計算ニ
付キ特例ヲ設クルコトト致シマシタ
第二ハ最近ニ於ケル經濟狀況ヨリ見マス時
ハ、個人ノ營業利益ガ各種ノ車情ニ依リマシテ、
相當急激ニ變動スルヲ免レ難イノデアリマ
スガ此ノ場合ニ於テ前年ノ實績ニ依リ
所得稅、營業稅等ヲ課稅致シマスコトハ
其ノ負擔ガ相當困難ナル場合モ考ヘラレマ
スノデ、營業利益ガ著シク減少シタ者ニ對
シ所得稅、營業稅等ヲ或ル程度輕減スルコ
トト致シタノデアリマス
第三ハ法人ガ額面以上ノ價額ヲ以テ株式
ヲ發行シタル場合、額面超過金額ニ對シマ
シテハ企業基礎ノ强化、資金蓄積等ノ見
地ヨリ、負擔ヲ輕減スルヲ適當ト認メマシ
テ課稅上ノ特例ヲ設クルコトト致シタノ
デアリマス
第四ハ事業ノ統制ノ必要上、設備其ノ他
ヲ讓渡シタル法人ガ、時局ノ要請ニ應ジ、
行政官廳ノ指導斡旋ニ依リ解散ヲシナイ場
合ニ於テハ事情ニ依リ或ル程度負擔ヲ緩
和スルノ必要ガ豫想セラレマスルノデ此
ノ場合ニ於テハ法人稅、營業稅等ヲ輕減シ
得ル途ヲ開イタノデアリマス、尙ホ以上ノ
外現下緊要ナル諸政策トノ調和ヲ圖ル爲
メ、適當ト認ムル數點ノ課稅上ノ措置ヲ講
ズルコトト致シテアルノデアリマス
今次增稅等ニ依リマシテ平年度ニ於テ
約十一億四千五百万圓、昭和十八年度ニ於
テ約十億七百万圓ノ國庫收入ノ增加トナル
見込デアリマス而シテ昭和十八年度ノ增
收見込額ニ相當スル金額ハ之ヲ臨時軍事
費追加豫算ノ財源ノ一部トシテ一般會計
ヨリ同會計ニ繰入ルル豫定デアリマス尙
ホ入場稅、遊興飮食稅等ノ一部ハ地方分
與稅中ノ配付稅トナツテ居リマス關係上、
今囘ノ增稅等ニ伴ヒマシテ配付稅ノ割合ヲ
改正スルノ要ガアリマスノデ地方分與稅
法ニ付テモ必要ナ改正ヲ行フコトト相成ツ
テ居リマス
以上稅制ノ改正等ニ關スル法律案ニ付キ
マシテ、一括シテ提案ノ理由ヲ申上ゲタ次
第デアリマスルガ、何卒御審議ノ上速カニ
協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希望スル次第デア
リマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=3
-
004・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 質疑ノ通〓ガアリマ
ス之ヲ許シマス-小野義一君
〔小野義一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=4
-
005・小野義一
○小野義一君 私ハ增稅案其ノ他租稅法規
ノ內容ニ付テ檢討致スコトハ避ケマス、是
ハ他ノ機會ニ讓リマス、只今ヨリ租稅法案
ノ大體ニ關スル經濟問題ヲ申上ゲ、卑見ヲ
吐露致シマシテ當局ヨリノ〓ヲ仰ギタイ
ノデアリマス
我ガ皇軍ノ嚮フ所戰へバ必ズ勝チ、攻ム
レバ必ズ取ル、天下ノ當勝軍、正ニ列强ノ
脅威ノ的デアルノデアリマス、陣歿セラレタ
ル將兵各位ノ英靈竝ニ御遺族ニ對シマシテ
ハ吾々ハ深甚ナル哀悼ノ意ヲ長セザルヲ
得ナイノデアリマス、又前線ニオイデニナ
ル將兵各位ノ御奮鬪ニ對シテハ唯々頭ガ
下ルノミデアリマス、昨日總理大臣ガ此ノ席
ニ於テ、武力戰ノ前途ハ何等不安ナシト仰
シヤツタ洵ニ其ノ通リデアリマス、世界無
比ノ皇軍ヲ戴イテ居ル吾々トシテ、武力戰
ニ付テハ何等不安ハ感ジマセヌ、微動ダモ
致シマセヌ、唯賢明ナル各位ノ前デ口幅ツ
タク申上ゲルヤウデアリマスルケレドモ、今
日ノ戰爭ハ單ナル武力戰デハナイ總力
戰別シテ經濟戰、思想戰デアリマス、皆
ノ味方ハ今日ノ敵、今日ノ味方ハ昨ノ敵、
第一次世界大戰當時ニ於テ、我ガ國ノ味方
デアツタ所ノ米英ハ、今日ハ正面ノ敵デア
リマス、第一次世界大戰當時ニ於テ、我ガ
國ノ敵デアツタ所ノㄱドイツ」ハ今日ハ無
二ノ味方デアリマス、遷レバ變ル世ノ中有
爲轉變ノ世ノ中ト申スヨリ外ハナイノデア
リマス、其ノ「ドイツ」ガ總勘定ニ於テ負ケ
タト云フノハ、武力戰ニ於テデハナイ、武
力戰ニ於テハ立派ニ勝ツテ居ルノデアリマ
ス經濟戰ニ敗レ、思想戰ニ破綻ヲ來シ、
遂ニ最後ヲ暴露シタト云フコトニ相成ツタ
ノデアリマス、偖テ正面ノ敵デアル米英、世
界ニ二大富國ト言ハレテ居ルノデアリマス
ルガ、此ノ米英ノ我ガ國ニ對スル狙ヒ所
ハ恐ラクハ經濟戰、思想戰ニアルト思ヒ
マス、思想問題ニ付テハ私今日之ヲ申上ゲ
マセヌ、聊カ經濟問題ニ付テ御聽キニ入レ
タイノデアリマス、成ベク簡單ニヤリマスカ
ラ少シ御辛抱願ヒマス、實ハ幹部ノ方々ガ
三十分ハ宜イト云フコトデアリマシタカ
ラ、御氣ニ障ル點ハドウゾ御許シ願ヒマス
凡ソ一國ノ經濟力ヲ測定致シマスル經濟
現象ハ、二三ニ止マラナイトサレテ居リマ
ス、郵便貯金ノ額ハ其ノ一ナリ、銀行預金
其ノ二ナリ、手形交換高其ノ三ナリ、會社
拂込資本其ノ四ナリ貿易額其ノ五ナリ
一般會計ノ歲入總額、是等モ亦一國ノ經濟
力ヲ反映スル「バロメーター」デアリマスル
ガ、併シ何ト申シテモ、戰費ヲ負擔スル
所ノ經營力ヲ反映スル「バロメーター」ハ
國民所得ナリトセラレテ居リマス、此ノ
國民所得ガ日露戰爭當時ニ於テハ十億デア
ル日露戰費ハ十六億ヲ賄ツタノデアリマ
ス、今日ノ國民所得ハ四百五十億ト言ハレ
テ居リマスルカラ當時ニ比ベマスルト四
十五倍、隨テ十六億ノ四十五倍ハ七百二十
億圓、是ヨリ本年ノ軍事豫算ハドレ程出ル
カ知リマセヌガ、併シ巨額ナル戰費ハ賄ヒ
得ルト云フ大體ノ達觀ヲ私ハ致シテ居ルノ
デアリマス、恐ラク皆樣モ御同感デアラウト
存ジマス、唯玆ニ問題トナリマスノハ、戰
費調達ノ問題、之ニ付テ政府當局ノ御意見
ヲ伺ヒタイノデアリマス、何處ノ國デモ然ル
如ク、戰費ハ巨額デアルヲ要シマスルカラ、
公債財源ニ依ル分ガ多イ是ハモウ已ムヲ
得ナイコトト思ヒマス、然ラバ所謂公債ノ
消化、公債消化對策ハドウデアルカト申シ
マスト、是ハ又私ガ辨ズルマデモナク結
局吾々ガ貯蓄報國ニ精進シ、公債ノ買入ニ
劣力スル外ナイノデアリマスルガ世ノ中
デ買溜メ買漁リハ我等ノ敵ダトナツテ居
ル、併シ公債ノ買溜メ、買漁リニ至ツテハ
天下御免デアリマス、結局吾々ハ貯蓄ヲ增强
スルノ外ハナイ、此ノ點ニ付テハ賀屋大藏大
臣ガ、昨日言葉ヲ極メテ仰シヤツタ通リデ
アリマス、併シ吾々ハ其ノ覺悟デアリマスル
ガ、政府ニ於テハマダ相當ノ執ルベキ方策
ヲ持ツテ居ラレルノデハナイカ第一申上
ゲタイノハ、租稅收入ト公債收入トノ割合
デアリマス、是モ亦オ說〓染ミテ相濟ミマセ
又カ、第一次世界大戰當時「ドイツ」ハ直チ
ニ勝利ニ依ツテ局ヲ結ブト考ヘマシタノ
デ、殆ド公債ノ一點張リデ戰費ヲ支辨シ
タ是デハイカスト云フノデ後ロヲ向イタ
時ニハ最早國民經濟ハ破綻シテ、增稅ド
コロデハナイ免稅シナケレバナラメト云フ
コトニナツタデアリマスカラ今囘ハソレ
ニ懲リ〓〓シテ結局國費ノ半分ハ租稅、
半分ハ國債、又健全財政ヲ誇ツテ居ル所ノ
英國ハ、第一次世界大戰當時、兎ニ角僅カ
デアルガ二割六分バカリ新稅、增稅ヲシ
テ居ル、今囘ハヤハリ「ドイツ」ト同ジヤウ
ニ五割公債、五割租稅ト云フ「モツトー」ヲ
持ツテ居ルノデアリマス、「アメリカ」ニ至ツ
テハヽ本年度ニ於テ實ニ國費全體ニ對スル
五割四分ノ租稅收入ト云フコトニナツテ居
ルヽ然ルニ我ガ國ハドウデアリマスカ、本
年度ニ於テハ租稅ハ二割九分、殊ニ戰費ニ
至リマシテハ、昭和十二年七月ヨリ本年ノ
二月頃マデ四百七十一億圓デアツテ、其ノ中
三百九十五億圓、實ニ九割モ公債財源ニ仰
イデ居ルノデアリマス、又國民所得、租稅トノ
關係ニ於キマシテ、米國ハ國民所得ノ三分ノ
一ヲ租稅トシテ取ツテ居ル、我ガ國ハ六分ノ
一デス、明ケテ一昨年一月デアリマスルガ、東
京ノ「ドイツ」大使館ハ發表致シマシタ、元ガ ム
ハ第一次世界大戰當時ニ於テ公債濫發ヲヤ
ツタ、ソレデ「インフラチオン」デ負ケタ
今囘ハ何トシテモ國民所得ノ下ニ公債發行
額ヲ抑ヘル斯ウ云フノデアリマス、然ル
ニ日本ハドウデアリマスカ、國民所得ハ四
百五十億乃至五百億デアリマセウガ公債
ハ既ニ五百二十億ヲ突破シテ居リマス、此
ノ點「ドイツ」トノ比較ニ於テ多少ノ遺憾
ナキヲ得ナイノデアリマス、是等ノ點ヨリ
考ヘマシテ私ハ今囘ノ增稅ハ少シ微溫的
デハナイカモウ少シ御遠慮ナシニオヤリ
ニナツテハ如何デアルカ最モ恐ロシイノ
ハ「インフレーシヨン」デアリマス、折角武
力戰ニ於テ勝チマシテモ、「インフレーシヨ
ン」ヲ起シマシタナラバ、前線ノ將兵ノ御
努力ニ對シテ洵ニ相濟ミマセヌ、ノミナラ
われり激ナッ故ニ私
上海青浦青房物业管理有限公司ツルテガンヲリア
穿ツタコトヲ申スヤウ
デアリマスケレドモヽ大藏大臣ハモツトオ
ヤリニナル御考ヘデハナカツタカト思フ
平生カラ能ク知悉致シテ居リマス大藏大臣
トシテ、私ハ想像致スノデアリマスルガ
併シ色々ナ方面ニ於テ謂ハバ政治的ノ考
慮ト申シマスカ、先程國民生活ノ確保ト云
フヤウナ理由ヲ以テ直接稅ハヤラナイ仰
シヤツタノデアリマスガ、俳シ果シテ是レ
以上直接稅ヲ增徵シタナラバ、國民生活ハ
危クナルノデアリマスカ、私ハ爾クハ考ヘ
マセヌ此ノ點ニ於テ第一ニ御所見ヲ伺ヒ
タイノデアリマス
第二ハ大部分公債財源ニ依ルト申シマ
シタガ其ノ公債ノ發行方法デアリマス
ドウ云フ工合ニシテ居ルカト云フト滿
洲事件以來今日マデ、唯一囘一般公募一億
圓ヲオヤリニナツタノミデアトハ原則
トシテ特別發行、卽チ日本銀行ニ引受ケサ
ス、易々日本銀行劵ヲ政府ハ手ニ入レヽ
之ヲ民間ニバラ撒ク、アトカラ日本銀行ガ
賣殘リノ公債ヲ市中ニ向ツテ買ツテ吳レ
買ツテ吳レト言フ、玆ニ貯蓄報國ト云フコ
トガ强調サレルヤウニナル卽チ跡始末
ヲスル必要ガ起ルノデアリマス、世ノ中
ニ子供ノ遊戯ニ「此處ハ何處ノ細道ダ、天神
樣ノ細道ダ、行キハヨイ〓〓歸リハ怖イ
通リヤンセ〓〓ト云フノガアル、ドウセ
初メハ樂デス「イージーゴーイング」デ
アルガ、偖テ終ヒノ始末ヲ付ケンナラヌ、事
後策ガ厄介デス、所ガサウ申シマスト或
ハ政府當局ハ仰シヤルカモ知レヌ、ドウダ
昨昭和十七年中ニ於テ、公債ハ九割六分二厘
消化シテ居ルデハナイカソレハサウデア
リマス洵ニ是ハ結構ナコトデアル足ノ
私御世辭ヲ申スノデハアリマセヌケレド
モ賀屋大藏大臣其ノ他大藏省ノ幹部ノ御
奮闘ニ依ルト思フ、昨年ノ末デアリマシタ
カ大藏大臣ハ病ヲ冒シテ夜町會內ニ座談
會ヲ連日御開キニナツタ、サウシテ集マツ
夕者ハ感激ヲシタト云フコトヲ聞イテ居リ
マス、是ハ私洵ニ敬意ヲ表サザルヲ得ナイノ
デアリマス、併シナガラ玆ニ注意致スベキ
ハ、先程申シタ日本銀行ノ手持、卽チ賣レ殘
リデアリマス、是ガドレダケニナツテ居ル
カト云フト、支那事變直前ノ昭和十二年
三月ニハ、六億圓デアリマシタガ、最近ハ
五十億圓ヲ突破シテ居ル、十倍ニ垂ント致
シテ居リマス、勿論今日公債ガ下ツテ居ル
譯デハアリマセヌ、例ヘバ昨年ノ選擧當時
私ノ體驗シタコトデアリマスルガ、五分利
公債ハ百五圓三十五錢デアツタガ、今日ハ
百八圓十五錢デ確カニ上ツテ居リマス、ソ
レデアリマスカラ公債インフレーシヨンㄴ
ナドト云フコトノ心配ハナイト一應ハ言ヘ
マス、物ハ見ヤウデアリマスガ、併シ天ノ
未ダ陰雨セザルニ迨ビ彼ノ桑土ヲ徹ツテ牖
戶ヲ綢繆スト云フコトガアル恐ラク今日
ハ天氣晴朗ト云フマデニハイカヌト思フ、
曇ツテ居ル位ヂヤナイカト思フ政府當局
ハ陰雨未ダセザルニ迨ンデ用意ヲスベキ時
ダト思フ、私ハ其ノ點ニ付キマシテ、政府ハ
今マデノ特別發行主義ニ牽制ヲ加ヘテ徐
徐ニ之ヲ一般公募ノ方へ持ツテ行ク、サウ
致シタナラバ賣レ殘リナドト云フ心配ハ起
リマセヌ、其ノ代リニ必要ナモノナラバ全
部市中デ消化サレナケレバナラヌカラ、
貯蓄ト云フコトハ餘程旺盛ニナラナケ
レバ出來ナイコトデス、併シ今日吾々
ハ時局ニ目覺メザルヲ得ナイ、目覺メ
テ居ル日本銀行ニ若シ背負ハスト云フヤ
ウナ特別發行ヲ續ケテ居ルト、段々手持ガ
殖ヱテ來ル、ソレデハイカヌ、吾々自ラノ
蓄積スル資金ニ依ツテ直チニ公債ヲ買取ル
斯ウ云フコトニドウシテモ轉向シナケレバ
ナラヌト思フノデス、又サウ致シマスルナ
ラバ賣レ殘リト云フコトニ對スル事後ノ
消化策ヲ講ズル必要ガナイノミナラズ、愈と
以テ貯蓄心ヲ旺盛ニシテ、大藏大臣ノ昨日
仰シヤツタ一段ト貯蓄ニ努力シテ貰ヒタイ
ト云フコトガ實現サレルト思フ、卽チ一石
二鳥デアルノデアリマス、之ニ付テ事務的
ノコトデアリマスガ一寸只今思ヒ出シタ
ノデ、政府當局ニ御願ヒヲ致シタイ、是ハ
非公式ノコトデアリマス、昨年秋理財局長
ニ、又其ノ後日銀總裁ニ向ツテ私ハ申シタ
昨年五月日本銀行ガ改組サレテ以來「バラ
ンスシート」ガ變ツテ來タ其ノ變ツタ
一ツニ斯ウ云フコトガアル、手持ノ公債、其
ノ公債ノ下ヘグツ付ケテ、公債及ビ債劵ト
ナツテ居ル、ソレデハ世間ノ人ハ、公債「イ
ンフレ」デハナイナ、公債ノ賣レ殘リハナイ
トモ思ヘル全部債劵ノヤウニモ思ヘル
是ハドウダラウカ、私ハ決シテ惡意デ、オヤ
リニナツテ居ルトハ思ヒマセヌケレドモ、
公債「インフレ」ノ恐ロシイ今日ニ、公債及
ビ債劵ニシテシマツテハ「カムフラージュ
シタヤウニ思ヒマス、是ハ私殘念ナコトト
思ヒマス、是ハ一ツ分ケテ貰ヒタイ、斯ウ
理財局長ト日銀總裁ニ御話ヲシタ、併シ其
ノ儘ニナツテ居リマス、之ニ對シテ當局ハ
此ノ際ココデ分ケル御氣分ガアルノカナイ
ノカ、小サイコトデアリマスケレドモ、實
ハ大事ナコトデアリマスカラ御尋ネ致シマ
ス
ソレカラ先程席カラ雛段ヲ窺ツテ居リマ
スト、鐵道大臣ガオイデニナルヤウデアリ
マスガ一寸又思ヒ出シタノデアリマスガ、
一月十一日ニ省線ノ驛ノ擴聲機ノ使用ヲ停
止シタト云フコト是ハドウ云フコトデア
リマセウカ何ノ理由カト云フコトヲ現ハ
シテ居ナイ謂ハバ由ラシムベシ知ラシム
ベカラズト云フヤウニ見エルノデアリマス、
是ハ洵ニ些細ナコトデアリマスケレドモ、
一寸思想問題ニ關聯致スコトデアリマス
思想問題ハ此ノ際避ケルノデアリマスガ、
序ナガラ一寸申上ゲテ置キマス
第三ニハ公債ノ發行額ヲ成ベク減ラ
ス、ソレニ付テハ戰費以外ノモノニ付テ
國費ヲ成ルベク減少スルト云フコトヲ御考
ヘニナツテ居ラナイカ勿論大藏大臣ハ昨
日國費ノ節約ハ大イニ致シテ居ルト言ハレ
タ、ソレハ其ノ通リデアリマスガ、凡ソ指
導者ガ國民ニ向ツテ消費節約ヲ宣傳セラレ、
强調セラレルニ付テハ先ヅ公躬ラ範ヲ
示スベキデアル、今日ハ最早御說〓ノ時代
デハアリマセヌ、不言實行デアリマス、斷
ジテ行ヘバ鬼神モ之ヲ避クト言ハレテ居
ル、私ハ政府ガ行政ノ簡素化、或ハ又戰時
行政特例、サウ云フコトヲオヤリニナルコ
トハ結構ダト思フ、敬意ヲ表スル、併シナ
ガラ茲ニモウ一ツ殘ツテ居ルコトガアルノ
デハナイカソレハ何デアルカト云フト
卽チ國費節約ノ範ヲ示ス、其ノ一ツノ例ト
シテ百尺竿頭一步ヲ進メテ中央官衙ノ
整備統合ヲオヤリニナル御考ヘハナイカ
是ハ總理大臣ニ伺フベキデアリマスケレド
千、オイデガアリマセヌカラ、內閣ノオ歷々
ノ御方カラ御意見ヲ伺へレバ結構デアリマ
ス、斯ウ云フコトガアリマス、大藏大臣デ
商工大臣ヲ兼ネタ人ガアリマス、相當長
キニ亙ツテ其ノ椅子ニ居ラレタ商工大臣
デアツテ農林大臣ヲ兼ネラレタ御方モアル、
或ハ又遞信大臣デ鐵道大臣ヲ兼ネラレタ御
方モアル、斯ウ云フ實例カラ見テ、相當中
央官衙ノ整備統合ハ出來ルノデハナイカ
外務、內務、大藏、陸軍、海軍、司法、文
部農林、商工、遞信、鐵道、厚生、大東亞
ト云フ十三省ハ、ドウモ多過ギハシナイカ
平時ニ於テモサウデアリマスガ戰時ノ今
日ニ於テハ政令ガ一元化デナケレバナラ
ス、行政ノ精素化モ卽チソコカラ來テ居ルノ
デアリマス其ノ點ニ付テ何等カ政府ニ
モ御考ヘガアルノデハナカラウカ之ニ依
ツテ國費ガソレ程減ラナイニシマシテモ
併シ政府ガ其ノ範ヲ示ス、消費節約ノ範ヲ
示スト云フコトニ依ル精神的效果ガ著シキ
モノデアルコトヲ信ジテ疑ヒマセヌ、又府
縣ノ廢合、是モオヤリニナツテハ如何デア
ルカ經濟「ブロック」ガ餘程緩和サレルノ
デハナイカ或ル會議ニ於テ此ノ問題ガ出
タ時ニ、府縣ノ上ニ道ヲ作ルサウスルト
道ガ强イカラ中央政府カラノ威令ガ行ハレ
ナクナル斯ウ云フ反對ガアツタヤウデア
リマスガ、道ハドウデモ宜イト思フ、府縣
ノ廢合ヲヤツテ貰ヒタイ
以上ガ私ノ經濟ニ關シテ御伺ヒ致シタキ
要點デアルノデアリマス何卒ドナタカラ
デモ結構デアリマスガ、御懇篤ナル御辯明
ヲ得タイノデアリマス(拍手)
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=5
-
006・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今ノ御質問ニ
御答へ申上ゲマス、大東亞戰爭完遂ノ爲ニ、
所謂經濟戰ノ重要ナルコトハ洵ニ御說ノ通
リデアリマス、戰爭ト云フ國家的大仕事ノ
爲ニ動モスレバ財政經濟ノ方面ニ於キマシ
テ一時ノ安キヲ求メテ永久ノ禍根ヲ貽シ
マスルコトニ十分ノ注意ヲ拂フベキコト
ハ、御質問ノ御趣旨ト全ク御同感デアルノ
デアリマス
尙ホ本年度ノ增稅ニ付キマシテ、國費ノ
膨脹ノ割合ニ增稅額ハ少イノデハナイカ
モツト增稅ヲシタラバドウダト云フ御趣旨
ニ拜聽致シマシタ私ハ此ノ御言葉ヲ聽キ
マシテ洵ニ有難ク存ズルノデアリマス
政府ノ方ガ餘計ニ取ラント致シマスト、ソ
レハ多イト云フコトデナクマダ手緩イ
モツト納メテヤラウト云フ此ノ國民ノ御氣
持ハ洵ニ有難ク感謝致ス所デアリマス
唯現在ノ施策ト致シマシテハ、財政モ其ノ
基礎ハ經濟ニアリマス、財政ノミノ辻褄ノ
點ノミヲ考ヘテ施策致シマスルコトハ戰
爭完遂ノ爲ニ却テ宜シキヲ得ナイ場合モア
ルト考ヘマス各般ノ考慮ヲ致シマシテ
アノ程度ニ止メテ置イタノデアリマス(拍
手)
直接稅ヲナゼヤラヌカ成程アレ以上ニ
增稅ヲ致シマス爲ニハ直接稅ノ增徴ヲ圖
ラナケレバナリマセヌ、是ハ直接稅ト間接
稅ノ割合デアリマストカ色々租稅ノ理論
ノ上カラ申シマスルナラバ、私ハ直接稅增
徴ノ理由モ相當程度ニアルト考ヘテ居ルノ
デアリマス、併シナガラ本年度ニ於テ之ヲ
見合セマシタ理由ハ、次ノ通リデアリマス、
國民ハ此ノ戰爭ヲ勝拔キマス爲ニ、凡ユル
努力ト忍苦ガ要請サレテ居リマス、防空デ
アリマストカ防諜デアリマストカ先ヅ
職域ニ於テ最高度ノ勤勞能率ヲ擧ゲナケレ
バナリマセヌ、而モ生活必需品ノ配給ニ於
テ其ノ外日常生活ハ衣〓住皆相當ノ不便
苦痛ガアルノデアリマスヽ其ノ上ニ稅ハ高
ク貯蓄モヤラナケレバナラヌ、彼此レ私
ハ國民ノ生活面ヲ考ヘマスルト、是ハ戰爭
ニ勝拔ク爲ニハ是非ヤツテ行カナケレバナ
ラヌ忍ンデ戴クベキコトデハアリマス
ルガ、中々ノ是ハ苦痛デアリマス、而モ十
八年度ニ於キマシテハ戰爭情勢ハ是等ノ國
民生活ニ又一層ノ努力ト忍苦ヲ其ノ程度
ヲ倍加スルノデアルト思フノデアリマス
此ノ際デアリマスルカラ、若シ之ヲ少シデ
モ緩和スル-緩和スルトマデハ參リマセ
ヌデモゝ息苦シクナリマスルコトノ其ノ
呼吸ノ一ツデモ樂ニシ得ルコトガアリマス
しや、而モソレガ戰爭遂行ニ絕對ノ必要ヲ
缺クモノデナイ以上ハ私ハ一ツノ息拔キ
位ハアツテモ宜シイト思ヒマス、此ノ意味
デ本年直接稅ノ增徵ヲ致サヌデモ日本ノ
財政ノ狀態ハ大東亞戰爭遂行ニ毫モ支障
ガナイト云フ確信ヲ持ツテ居リマスノデ、
敢テ致サナカツタ次第デアリマス(拍手)
第二ハ公債ノ募集ノ方法デゴザイマス、
只今御述べニナリマシタ公募ノ方法ハ、近
來ハ之ヲ用ヒテ居リマセヌ又之ヲ用ヒル
コトモ一ツノ方法デゴザイマセウ、併シ
ナガラ大體支那事變以來ノ情勢ハ、先ヅ國
家活動ガ殖エマシテ、資金ノ撒布ガアツテ、
資金ノ蓄積ノ源泉ガ出來ルト云フ狀況デア
リマスヽ每年々々資金ノ撒布ガ躍進ヲスル
譯デアリマス、此ノ時代ニ於キマシテハ
必ズ旣ニ撒布サレタ資金カラ起リマスル蓄
積ノ範圍ニ依ツテ、公債ヲ募集スルニ限リ
マスルコトハヽ資金ノ流通ノ圓滑ヲ缺ク場
合ガアルノデアリマス、公債ダケナラバ其
ノ方法モ宜シイノデアリマセウガ生產擴
充資金ハ戰爭遂行ノ上ニ公債ト同樣ナ重要
サヲ持チマス、寧ロ全資金ノ蓄積ガ間ニ合
ヒマセヌ場合ニ、公債ノミ公募ノ限度ニ限
リマスト、勢ヒソレハ戰費ノ必要カラ豫定
額ノ公債ヲ募集シ、其ノ結果產業資金ノ圓滑
ヲ缺ク場合モアリマス、要ハ國家ニ必要ナ
ル資金ハ必ズ作ラナケレバナラヌ、是ハ國
民ノ貯蓄ニ依ツテ作ラナケレバナラヌノデ
アリマスルカラ、國民ノ蓄積ガ出來マスコ
トガ要點デアリマス其ノ範圍ニ於テ宜シ
キニ應ジテ或ハ公募シ、或ハ特別發行ノ方
法ニ依ル、是ハ私ハ金融操作ノ場面ノコト
デアリマスルノデ、當分ハ現在ノ方法ヲ續
ケテ行キタイト存ジテ居ルノデゴザイマス
第三ニ御話ニナリマシタ國費ノ節約ニ付
キマシテハ國費ノ源泉ガ國民ノ血ノ出ル
租稅デ出來テ居ルノデアリマス又國民ノ
努力ト忍苦ノ結晶デアル國民貯蓄ニ基ク
公債財源デ出來テ居ルノデアリマスルカ
ラ國費ノ支出ハ釐毫モ之ヲ苟クモ致シマ
セヌ覺悟ハ絕對ニ必要ト認メテ居ルノデア
リマス、只今モ御話ガアリマシタヤウニ、
行政簡素化モ致シマス、又出來ルダケ經費
ノ節約ニ努メテ居ルノデアリマス、尙ホ此
ノ上モ此ノ點ニ付キマシテハ十分ニ心ヲ配
リマシテ、御趣旨ニ副フヤウニ節約ニ努メ
而モ要ルモノハウント要ルダケハ出ス、斯
ウ云フ風ニ參リタイ考ヘデゴザイマス(拍
手)
尙ホ一點申上ゲテ置キマス、日銀ノ勘定
ニ公債及ビ債劵トアリマスルガ、是ハ御承
知ノ如ク日本銀行法ヲ改正致シマシテ債
劵ニ付キマシテモ、場合ニ依レバソレガ日
銀ノ融通シマスル資金ニ依ツテ賄ヒ得ル
斯ウ云フ途ヲ開キマシタ譯デアリマス、其
ノ理由カラ致シマスルト、日本銀行ノ勘定
ノ金融上ノ性質カラ申シマスルト、公債モ
債劵モ同ジニ扱ヒマシテ宜シイ譯デアリマ
ス若シモ此ノ手持ガ殖エルト云フナラ
バ、兩者ノ合計ガ過度ニ殖エマスルコトガ、
御示シノ如ク惡イ徵候デアリマス、ソレハ
資金ノ蓄積ノ增加ニ依ツテ極力之ヲ防イデ
參ル斯ウ云フ考ヘデゴザイマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=6
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007・小野義一
○小野義一君 御親切ニ有難ウゴザイマシ
タ可ナリ意見ノ相違モアルノデアリマス
ガ、又他ノ機會ニ於テ御話ヲ伺フコトニ致
シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=7
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008・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ各案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=8
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009・森下國雄
○森下國雄君 日程第一乃至第十二ノ十二
案ヲ一括シテ議長指名三十六名ノ委員ニ付
託セラレンコトヲ〓王ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=9
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010・岡田忠彦
○議長(岡四忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=10
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011・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十三乃至第二十二ハ便宜上一括議題トナス
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=11
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012・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御畏議ナシト認メマ
ス仍テ日程第十三、昭和十八年度一般會
計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル
法律案、日程十四、營繕用品資金特別會計
法案、日程第十五、造幣局ノ資金ニ關スル
法律案、日程第十六、昭和十五年法律第六十
九號中改正法律案、日程第十七、樺太內地
行政一元化ニ伴フ樺太廳特別會計ト他ノ會
計トノ關涉ニ關スル法律案、日程第十八
昭和十二年法律第八十號改正法律案、日程
第十九、朝鮮事業公債法中改正法律案、日
程第二十朝鮮簡易生命保險及郵便年金特
別會計法案、日程第二十一臺灣事業公債
法中改正法律案、日程第二十二、臺灣官設
鐵道用品資金會計法中改正法律案、右十案
ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-賀屋大
藏大臣
第十三昭和十八年度一般會計歲出ノ
財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法
律案(政府提出)第一讀會
第十四營繕用品資金特別會計法案
(政府提出)第一讀會
第十五造幣局ノ資金ニ關スル法律案
(政府提出)第一讀會
第十六昭和十五年法律第六十九號中
改正法律案(大東亞戰爭ニ關スル一
時賜金トシテ交付スル爲公債發行ニ
關スル件)(政府提出)第一讀會
第十七權太內地行政一元化ニ伴フ樺
太廳特別會計ト他ノ會計トノ關涉ニ
關スル法律案(政府提出)第一讀會
第十八昭和十二年法律第八十號改正
法律案(通信事業特別會計ニ於ケル
簡易生命保險及郵便年金ノ事務ノ取
扱ニ要スル經費ニ關スル件)(政府提
1〓第一讀會
第十九朝鮮事業公債法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
第二十朝鮮簡易生命保險及郵便年金
特別會計法案(政府提出)第一讀會
第二十一臺灣車業公債法中改正法律
案(政府提出)第一讀會
第二十二臺灣官設鐵道用品資金會計
法中改正法律案(政府提出)第一讀會
昭和十八年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル爲公債發行ニ關スル法律案
第一條政府ハ昭和十八年度一般會計歲
出ノ財源ニ充ツル爲他ノ法律ニ依リ起
債シ得ル全額ノ外十四億六千九百萬圓
ヲ限リ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲ス
コトヲ得
第二條政府ハ昭和十八年度一般會計歲
出豫算翌年度繰越額ノ財源ニ充ツル爲
他ノ法律ニ依リ起債シ得ル金額ノ外昭
和十九年度ニ於テ公債ヲ發行シ又ハ借
入金ヲ爲スコトヲ得但シ前條ノ規定ニ
依ル公債又ハ借入金ト通ジテ前條ノ制
限額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第三條前二條ノ規定ニ依ル公債ノ發行
價格差減額ヲ補塡スル爲必要アル場合
ニ於テハ前二條ノ制限以外ニ公債ヲ發
行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
營繕用品資金特別會計法案
營繕用品資金特別會計法
第一條營繕事業ノ用品ヲ購入貯藏及加
エシ大藏省營繕管財局司掌ノ營繕事業
ノ需用ニ應ズル爲營繕用品資金ヲ置キ
其ノ歲入歲出ハ之ヲ一般會計ト區分シ
特別會計ヲ設置ス
本會計ニ屬スル營繕用品ハ必要ニ依リ
他ノ官廳ノ需用ニ應ジ之ヲ使用スルコ
トヲ得
第二條營繕用品資金ハ五百萬圓トシ漸
次國有財產整理資金特別會計ヨリ繰入
ルルモノトス
第三條本會計ニ屬スル營繕用品ヲ使用
スルトキハ大藏省營繕管財局司掌ノ營
繕事業所屬ノ經費ヲ以テ之ヲ購入スベ
シ但シ第一條第二項ニ規定スル場合ニ
於テハ當該省所管ノ經費ヲ以テ之ヲ購
入スベシ
第四條本會計ニ於テハ用品ノ賣拂代金
及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ用品
ノ購入代金、貯藏費、加工費及附屬諸
費ヲ以テ其ノ歲出トス
第五條每會計年度ニ於テ營繕用品資金
ノ受拂決算上過剩ヲ生ズルトキハ其ノ
過剩金ハ之ヲ同年度一般ノ歲入ニ繰入
ルベシ
第六條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第七條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
造幣局ノ資金ニ關スル法律案
第一條從來ノ造幣局据置運轉資本ニ二
千六百萬圓ヲ增加ス
前項ノ資本ノ增加ニ充ツル爲之ニ必要
ナル金額ヲ限リ昭和十八年度以降ニ於
テ漸次造幣局資金ノ內ヨリ繰入ルルコ
トヲ得
第二條昭和十五年法律第七號中左ノ通
改正ス
第一項中「二千三百五萬八千百七十五
圓」ヲ「八千四百八十一萬八千二百七十
九圓」ニ、「昭和十九年度」ヲ「昭和二十
年度」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十五年法律第六十九號中改正法律
案
昭和十五年法律第六十九號中左ノ通改正
ス
第一條中「同十七年度分」ヲ「同十八年度
分」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
樺太內地行政一元化ニ伴フ樺太廳特別
會計ト他ノ會計トノ關涉ニ關スル法律
案
樺太廳ノ通信事業竝ニ鐵道事業及之ニ關
聯スル自動車交通事業ニ所屬スル財產ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ通信事業特別
會計又ハ帝國鐵道特別會計ノ資本ニ編入
ス
左ニ揭グル公債ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
通信事業特別會計又ハ帝國鐵道特別會計
ノ負擔トス
一樺太事業公債法ニ依リ通信事業及鐵
道事業ノ事業費支辨ノ爲發行シタル公
債
二樺太事業公債法ニ依リ通信事業及鐵
道事業ノ事業費支辨ノ爲借入レタル借
入金ノ借換ノ爲發行シタル公債
三昭和十五年法律第八十五號ニ依リ發
行シタル公債
四前三號ニ規定スル公債ノ借換ノ爲發
行シタル公債
前二項ニ田定スルモノヲ除クノ外樺太内
地行政一元化ニ伴フ樺太廳特別會計ト他
ノ會計トノ關涉ニ關シ必要ナル規定ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年法律第二十八號中「、樺太廳及
樺太廳長官ノ管理ニ屬スル官署」及「、樺
太廳」ヲ削ル
昭和十二年法律第八十號改正法律案
遞信局及郵便局ニ於テ取扱フ簡易生命保
險及郵便年金ノ事務ニ關スル經費及事務
ノ取扱ニ關シ生ズル收入ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ之ヲ通信事業特別會計ニ所屬セ
シムルコトヲ得
簡易生命保險及郵便年金ノ各特別會計ハ
前項ニ規定スル經費ニ充ツル爲必要ナル
金額ヲ每年度通信事業特別會計ニ繰入ル
ルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル收入及前項ノ規定
ニ依ル繰入金ハ通信事業特別會計業務勘
定ノ歲入トシ第一項ニ規定スル經費ハ同
勘定ノ歲出トス
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
朝鮮事業公債法中改正法律案
朝鮮事業公債法中左ノ通改正ス
第一條中「十八億三千九百四十萬圓」ヲ
「二十三億八千六百八十萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朝鮮簡易生命保險及郵便年金特別會計
法案
朝鮮簡易生命保險及郵便年金特別會
計法
第一條朝鮮總督府ニ於テ簡易生命保險
事業及郵便年金事業ヲ經營スル爲通ジ
テ一ノ特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以
テ其ノ歲出ニ充ツ
第二條本會計ハ之ヲ保險勘定、年金勘
定及業務勘定ニ區分ス
第三條保險勘定ニ於テハ簡易生命保險
事業經營上ノ保險料、積立金ヨリ生ズ
ル收入、朝鮮總督府特別會計ヨリノ受入
金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同
事業經營上ノ俣險金、還付金其ノ他ノ諸
費及同事業ノ業務取扱費ニ充ツル爲ノ
業務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第四條年金勘定ニ於テハ郵便年金事業
經營上ノ掛金、積立金ヨリ生ズル收入
及附属雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事
業經營上ノ年金、返還金其ノ他ノ諸費
及同事業ノ業務取扱費ニ充ツル爲ノ業
務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第五條業務勘定ニ於テハ簡易生命保險
事業及郵便年金事業ノ業務取扱費ニ充
ツル爲ノ保險勘定及年金勘定ヨリノ受
入金竝ニ同事業ノ業務取扱上ノ諸收入
及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事
業ノ業務取扱ニ關スル諸費、營繕費其
ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第六條保險勘定及年金勘定ニ於ケル歲
入總額ノ歲出總額ニ超過スル金額ハ各
勘定別ニ之ヲ積立ツベシ
保險勘定及年金勘定ニ於ケル歲入總額
ノ歲出總額ニ不足スル金額ハ當該勘定
ノ積立金ヨリ之ヲ補足スベシ
第七條業務勘定ニ於テ決算上剩餘ヲ生
ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之
ヲ保險勘定及年金勘定ノ積立金ニ組入
ルベシ
業務勘定ニ於テ決算上不足ヲ生ジタル
トキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ保險
勘定及年金勘定ノ積立金ヨリ補足スベ
シ
第八條各勘定ニ於テ支拂上現金ニ餘裕
アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ル
ベシ
第九條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十條本會計ノ收入支出及積立金ノ運
用ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
朝鮮簡易生命保險特別會計法ハ之ヲ廢止
ス但シ昭和十七年度分ニ付テハ仍其ノ效
力ヲ有ス朝鮮簡易生命保險特別會計ニ屬
スル積立金ハ之ヲ本會計ニ歸屬セシメ保
險勘定ノ所屬トス
朝鮮簡易生命保險特別會計ニ屬スル收入
及支出ノ未濟額ハ之ヲ本會計ノ保險勘定
又ハ業務勘定ノ收入及支出ノ未濟額トス
朝鮮簡易生命保険特別會計ノ歲出豫算ニ
シテ翌年度ニ繰越ヲ要スルモノハ本會計
ノ保險勘定又ハ業務勘定ニ繰越シ使用ス
ルコトヲ得
臺灣事業公債法中改正法律案
臺灣事業公債法中左ノ通改正ス
第一條中「一一億五千八百三十萬圓」ヲ「二
億七千三百四十萬圓」三六人
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臺灣官設鐵道用品資金會計法中改正法
律案
臺灣官設鐵道用品資金會計法中左ノ通改
正ス
第二條中「二百萬圓」ヲ「五百萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=12
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013・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ昭和十八年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル爲公債發行ニ關スル法律案外九件ニ
付キマシテ、提案ノ理由ヲ說明申上ゲマス
先ヅ昭和十八年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル爲公債發行ニ關スル法律案提出ノ理
出ヲ中上ゲマス昭和十八年度一般會計歲
出ノ財源ト致シマシテ現行ノ震災善後公
債法及道路公債法ニ依ル公債ヲ發行致シマ
スル外、歲入ノ不足ヲ補塡スル爲メ、十四
億六千九百万圓ヲ限リ公債ノ發行ヲ要スル
ノデアリマスルガ、是ガ爲ニハ別ニ起債ノ權
能ヲ得ルコトガ必要デアリマス尙ホ從來
ノ例ニ依リマスレバ昭和十八年度歲出豫
算中、若干ノ金額ハ翌年度ニ繰越サルル結
果トナルノデアリマス然ル所其ノ繰越額
ノ財源タル公債ハ、必ズシモ之ヲ昭和十八
年度內ニ於テ發行スルノ必要ハアリマセス
ノデ之ヲ其ノ翌年度ニ於テ發行シ得ルコ
トトスルヲ適當ト認メマシテ、本法律案ヲ
提出致シタ次第デアリマス
次ニ營繕用品資金特別會計法案提出ノ理
由ヲ說明致シマス大藏省營繕管財局ニ於
キマシテハ同局司掌ノ營繕事業ヲ經營致
シマスルノニ必要ナル營繕用品ヲ、適宜ノ
時機ニ購入シ之ヲ貯藏加工シテ置クコト
ガ出來ルヤウニ致シ隨時適切ニ需要ニ應
ジテ以テ營繕事業ノ圓滑ナル遂行ヲ圖リ
マスル等ノ爲メ、其ノ資本トシテ新タニ營
繕用品資金ヲ設置スルコトト致シ、其ノ歲
入歲出ハ之ヲ一般會計ト區分シ、特別ニ經
理スルノヲ適當ト認メマスル所、是ガ爲ニ
ハ特別會計ヲ設置スルノ必要ガアリマスル
ノデ本法律案ヲ提出致シタ次第デアリマ
ス
次ニ造幣局ノ資金ニ關スル法律案提出ノ
理由ヲ說明致シマス造幣局ニ於ケル事業
量ハ近時著シク增大致シテ參リマシタ關係
上、從來ノ造幣局掘置運轉資本額四百万圓
ヲ以テシマシテハ本事業ノ圓滑ナル遂行
ヲ期スルコト困難ナル狀況ト相成リマスル
ノデ、從來ノ据置運轉資本ニ二千六百万圓ヲ
增加シ、法定額ヲ三千万圓トナサントスル
モノデアリマス、而シテ此ノ資本ノ增加ニ
充當致シマスル財源ハ造幣局資金ノ中ヨ
リ使用スルノヲ適當ト認メマシテ昭和十
八年度以降ニ於テ漸次ニ造幣局資金ノ中
ヨリ繰入レ得ルコトト致シタイノデアリマ
スルガ資本ノ增加及ビ資金ノ使用ニ付キ
マシテハ、法律ヲ制定シテ其ノ途ヲ開クノ必
要ガアリマスルノト又他面專業量ノ增大
ニ伴ヒマシテ、今囘更ニ造幣局ノ工場等ヲ
新設、又ハ擴張スル等ノ必要ヲ生ジマシタル
爲メ、造幣局資金ノ中ヨリ更ニ六千百七十六
万百四圓ヲ拂出シ、之ヲ一般會計ニ繰入レ
得ルコトト致ス等ノ必要ガアリマスノデ、
此ノ理由ニ依リマシテ本法律案ヲ提出致
シタ次第デアリマス
次ニ昭和十五年法律第六十九號中改正法
律案提出ノ理由ヲ說明致シマス、大東亞戰
爭ニ除スル一時賜金トシテ交付スル公債ノ
發行ハ現行ノ昭和十五年法律第六十九號
ニ依リ、昭和十五年度乃至同十七年度中
ニ一時賜金賜與ノ發令ガアリタルモノニ
對シ交付スル場合ニ限定サレテ居リマスル
ガ右公債ハ昭和十八年度ニ於テ一時賜金
賜與ノ發令アリタルモノニ對シマシテモ
之ヲ發行交付シ得ルコトトスルノ必要ガア
リマスルノデ、昭和十五年法律第六十九號
中改正ニ關スル本法律案ヲ提出致シタ次第
デアリマス
次ニ樺太內地行政一元化ニ伴フ樺太廳特
別會計ト他ノ會計トノ關涉ニ關スル法律案
提出ノ理由ヲ說明致シマス、樺太內地行政
一元化ニ依リマシテ、樺太廳ニ於ケル氣
象海事、航空、通信、陸運等ニ關スル事
務ハ昭和十八年度ヨリソレ〓〓文部省、遞
信省又ハ鐵道省ニ移管セラルルコトト相成
リマシタノデ、之ニ伴ヒマシテ、樺太廰特別
會計ト一般會計、通信事業特別會計、帝國
鐵道特別會計等トノ間ニ、會計ニ關スル關
渉ガ生ジマスル爲メ是ガ處理上ノ必要ニ
基キマシテ、本法律案ヲ提出致シタ次第デ
アリマス
次ニ昭和十二年法律第八十號改正法律案
提出ノ理由ヲ說明致シマス、過般實施ノ行
政簡素化ニ依リマシテ從來厚生大臣ノ管
理ニ屬シテ居リマシタ簡易生命保險及ビ郵
便年金ニ關スル事務ハ之ヲ遞信大臣ノ管
理ニ屬セシムルコトトナリ又遞信省ノ遞
信局及ビ郵便局ニ於ケル簡易生命保險及ビ
郵便年金事務ノ管理ニ關スル事務ヲ、遞信
大臣ノ管理ニ屬スル簡易保險局ニ於テ取扱
フコトト相成リマシタル等ニ伴ヒ、昭和十
二年法律第八十號ヲ改正スルノ必要ガ生ジ
マシタノデ、本法律案ヲ提出致シタ次第デ
アリマス
次ニ朝鮮事業公債法中改正法律案提出ノ
理由ヲ說明致シマス、朝鮮總督府特別會計
ニ於ケル既定繼續費タル鐵道建設及改良
費、道路修築改良費及港灣修築改良費等ノ
追加額、共ノ他五億五千百七十餘万圓ニ付キ
マシテハ同特別會計歲計ノ現狀竝ニ其ノ
經費ノ性質ニ顧ミマシテ、是ガ財源ヲ公債
ニ依ルコトト致シマシタル所、既定額ノ中、
公債財源ニ依ル豫定ノモノニ不用トナスベ
キモノ等ガ、四百三十餘万圓アリマスル爲
メ差引五億四千七百四十万圓ダケ、現行
ノ朝鮮事業公債法ニ依ル公債ノ發行限度ヲ
增加スルノ必要ガアリマスルノデ、本法律
案ヲ提出致シタ次第デアリマス
次ニ朝鮮簡易生命保險及郵便年金特別會
計特別會計法案提出ノ理由ヲ說明致シマ
ス、今囘新タニ朝鮮總督府ニ於テ經營スル
コトニ相成リマシタル郵便年金事業ニ關ス
ル歲入歳出ハ、之ヲ同總督府ニ於テ經營政
シテ居リマスル簡易生命保險事業ノ歲入歲
出ト併セテ經理スルコトト致シマシテ經
理專務ノ簡捷ヲ圖ルノガ適當ト考ヘラレル
ノデアリマス是ガ爲ニハ朝鮮簡易生命保
險特別會計法ヲ廢止シ、新タニ朝鮮簡易生
命保險及郵便年金特別會計法ヲ制定スルノ
必要ガアリマスルノデ、本法案ヲ提出致シ
タノデアリマス
次ニ臺灣事業公債法中改正法律案提出ノ
理由ヲ說明致シマス、臺灣總督府特別會計
ニ於ケル既定繼續費、港灣費ニ追加シタル
新高港第二期工事施行ニ要スル經費千五百
五十万圓竝ニ既定繼續費、鐵道改良費及ビ
大甲溪開發事業費ノ追加額千九百二十餘万
圓ノ中、七百五十餘万圓ノ合計額二千三百
餘万圓ニ付キマシテハ同特別會計歲計ノ
現狀竝ニ其ノ經費ノ性質ニ顧ミマシテ是
ガ財源ヲ公債ニ依ルコトト致シマシタル
所既定額ノ中、公債財源ニ依ル豫定ノモ
ノニ不用トナスベキ金額ガ、八百餘万圓ア
リマスル爲メ、差引千五百十万圓ダケ現行
ノ臺灣事業公債法ニ依ル公債ノ發行限度ヲ
增加スルノ必要ガアリマスルノデ、本法律
案ヲ提出致シタ次第デアリマス
次ニ臺灣官設鐵道用品資金會計法中改正
法律案提出ノ理由ヲ申上ゲマス臺灣ニ於
ケル鐵道及ビ自動車交通事業ノ事業量ノ增
大ニ件ヒマシテ臺灣官設鐵道用品資金特
別會計ニ於ケル歲入歳出モ亦逐年增加致シ
テ居リマスル爲メ、從來ノ資金額ヲ以テシ
マシテハ、十分ナル機能ヲ發揮スルコトガ
困難ト相成ツテ參リマシタノデ本資金ノ
法定額ヲ五百万圓ニ增額シ、同事業ノ圓滑
ナル遂行ヲ圖ルノ必要ガアリマスルノデ
之ニ關スル法律案ヲ提出致シタ次第デアリ
マス
以上十件ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒
御審議ノ上、速カニ協贊ヲ與ヘラレンコト
ヲ希望致ス次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=13
-
014・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=14
-
015・森下國雄
○森下國雄君 日程第十三乃至第二十一一ノ
十案ヲ一括シテ議長指名十八名ノ委員ニ付
託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=15
-
016・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議ハアリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=16
-
017・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
二十三乃至第二十七ハ便宜上一括議題トナ
スニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=17
-
018・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第二十三、日本證劵取引所法
案、日程第二十四、市街地信用組合法案、
日程第二十五、外貨債處理法案、日程第二
十六、爲替交易調整特別會計設置等爲替交
易調整法案、日程第二十七、特殊財產資金
特別會計法案、右五案ヲ一括シテ第一讀會
ヲ開キマス-賀屋大藏大臣
第二十三日本證劵取引所法案(政府
提出)第一讀會
第二十四市街地信用組合法案(政府
提出)第一讀會
第二十五外貨債處理法案(政府提出)
第一讀會
第二十六爲替交易調整特別會計設置
等爲替交易調整法案(政府提出)
第一讀會
第二十七特殊財產資金特別會計法案
(政府提出)第一讀會
日本證劵取引所法案
日本證劵取引所法
第一章總則
第一條日本證券取引所ハ國家經濟ノ適
切ナル運營ニ資スル爲有價證劵ノ公正
ナル價格ノ形成及價格ノ安定ニ任ジ且
有價證劵ノ流通ヲ圓滑ナラシムルコト
ヲ以テ目的トス
日本證劵取引所ハ法人トス
第二條日本證劵取引所ハ主タル事務所
ヲ東京市ニ置ク
日本證劵取引所ハ主務大臣ノ認可ヲ受
ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スル
コトヲ得
第三條日本證劵取引所ノ資本金ハ二億
圓トシ之ヲ四百萬口ニ分チ一口ノ出資
金額ヲ五十圓トス但シ資本金ハ主務大
臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第四條日木證劵取引所ハ出資ニ對シ出
資證劵ヲ發行ス
出資證劵ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第五條政府ハ五千萬圓ヲ限リ日本證劵
取引所ニ出資スルコトヲ得
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ之ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲル、
第六條日本證劵取引所ノ出資者ノ責任
ハ其ノ出資額ヲ限度トス
出資者ハ日本證券取引所ニ拂込ムベキ
出資額ニ付相殺ヲ以テ之ニ對抗スルコ
トヲ得ズ
第七條出資者ハ定款ノ定ムル所ニ依リ
其ノ持分ヲ讓渡スルコトヲ得
第八條拂込ヲ怠リタル出資者ニ對シ日
本證劵取引所ガ一月以上ノ相當ノ期間
ヲ定メ拂込ノ請求ヲ爲シタルニ拘ラズ
出資者ガ拂込ヲ爲サザルトキハ日本證
劵取引所ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ
出資者ノ持分ヲ處分スルコトヲ得
日本證劵取引所ハ持分ノ處分ニ依リテ
得タル金額ヨリ滯納金額及定款ヲ以テ
定ムル違約金ノ額ヲ控除シタル金額ヲ
從前ノ出資者ニ拂戾スベシ
持分ノ處分ニ依リテ得タル金額ガ滯納
金額ニ滿タザル場合ニ於テハ日木證券
取引所ハ從前ノ出資者ニ對シ不足額ノ
辨濟ヲ請求スルコトヲ得
前三項ノ規定ハ日本證劵取引所ガ損害
賠償及定款ヲ以テ定ムル違約金ノ請求
ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
出資者ガ第一項ノ期間內ニ拂込ヲ爲サ
ザルトキハ日本證劵取引所ハ其ノ出資
者ニ對シ二週間以内ニ出資證劵ヲ日本
證劵取引所ニ提出スベキ旨ヲ通知スベ
シ此ノ場合ニ於テ提出ナキ出資證券ハ
其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ日本證劵取引所ハ
遲滯ナク失效シタル出資證劵ノ番號竝
ニ其ノ出資者ノ氏名及住所ヲ公〓スベ
シ
第九條日本證券取引所ハ定款ヲ以テ左
ノ事項ヲ規定スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額、出資及資產ニ關スル事
項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七會計ニ關スル事項
八公告ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十條日本證劵取引所ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第十一條日本證劵取引所ニ付解散ヲ必
要トスル事由發生シタル場合ニ於テ其
ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ
定ム
第十二條日本證劵取引所ニ非ザル者ハ
日本證劵取引所又ハ之ニ類似スル名稱
ヲ用フルコトヲ得ズ
第十三條民法第四十四條、第五十條、
第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件
手續法第三十五條第一項ノ規定ハ日本
證劵取引所ニ之ヲ準用ス
第二章職員
第十四條日本證劵取引所ニ役員トシテ
總裁一人、副總裁二人、理事五人以上、
監事二人以上及評議員若干人ヲ置ク
第十五條總裁ハ日本證劵取引所ヲ代表
シ其ノ業務ヲ總理ス
副總裁ハ定款ノ定ムル所ニ依リ日本證
劵取引所ヲ代表シ總裁ヲ輔佐シテ日本
證劵取引所ノ業務ヲ掌理シ總裁事故ア
ルトキハ其ノ職務ヲ代理シ總裁缺員ノ
トキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ日本證劵
取引所ヲ代表シ總裁及副總裁ヲ輔佐シ
テ日本證劵取引所ノ業務ヲ掌理シ總裁
及副總裁共ニ事故アルトキハ其ノ職務
ヲ代理シ總裁及副總裁共ニ缺員ノトキ
ハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ日本證劵取引所ノ業務ヲ監査ス
評議員ハ日本證劵取引所ノ業務ニ關ス
ル重要事項ニ付總裁ノ諮問ニ應ジ又ハ
總裁ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
總裁ハ主務大臣ノ定ムル事項ニ付テハ
評議員ニ諮問スベシ
第十六條總裁、副總裁、理事、監事及
評議員ハ政府之ヲ命ズ
總裁、副總裁及理事ノ任期ハ四年、監
事及評議員ノ任期ハ一一年トス
第十七條總裁ハ從タル事務所ノ業務ニ
關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ
爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコ
トヲ得
第十八條總裁、副總裁及理事ハ他ノ職
業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣
ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十九條日本證劵取引所ノ總裁、副總
裁、理事、監事及使用人竝ニ命令ヲ以テ
定ムル者ハ何人ノ名義ヲ以テスルヲ問
ハズ有價證劵ヲ賣買取引スル市場
下有價證劵市場ト稱ス)ニ於ケル賣
買取引ノ委託ヲ爲シ又ハ取引員トノ間
ニ資金ノ供與、損益ノ分配其ノ他取引
員ノ營業ニ付特別ノ利害關係ヲ有スル
コトヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
取引員ノ株式ヲ所有スルハ此ノ限ニ在
ラズ
第二十條日本證劵取引所ノ職員ハ之ヲ
法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做
ス
前項ノ職員ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第三章業務
第二十一條日本證劵取引所ハ左ノ業務
ヲ行フ
-有價證劵市場ノ開設
二賣出ノ爲ニスル有價證劵ノ引受又
ハ買入、引受ケ又ハ買入レタル有價
證劵ノ賣出及有價證劵ノ募集又ハ賣
出ノ取扱
三前二號ノ業務ニ附帶スル業務
日本證劵取引所ハ主務大臣ノ認可ヲ
受ケ前項ノ業務ノ外日本證劵取引所
ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フコ
トヲ得
第二十二條主務大臣ハ有價證劵ノ價格
ノ安定ノ爲必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ヲシテ第二十七條第一項
ノ規定ニ拘ラズ有價證劵市場ニ於ケル
賣買取引ヲ爲サシメ又ハ賣買取引ノ委
託ヲ爲サシムルコトヲ得
日本證劵取引所ヲシテ前項ノ規定ニ依
リ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引又ハ
其ノ委託ヲ爲サシムルニ付必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章有價證劵市場
第二十三條有價證劵市場ハ日本證劵取
引所ニ限リ之ヲ開設スルコトヲ得
何人ト雖モ有價證劵市場ニ類似ノ施設
ヲ爲シ又ハ其ノ施設ニ依リ取引ヲ爲ス
コトヲ得ズ
第二十四條日本證劵取引所ハ有價證劵
市場ヲ開設シ又ハ之ヲ閉鎖セントスル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市場每ニ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ニ對シ有價證劵市場ヲ開
設シ又ハ之ヲ閉鎖スベキコトヲ命ズル
コトヲ得
第二十五條日本證劵取引所ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ有價證劵市場ニ於ケル立
會ノ全部又ハ一部ノ停止ヲ爲スコトヲ
得
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ニ對シ有價證劵市場ニ於
ケル立會ノ全部又ハ一部ヲ停止スベキ
コトヲ命ズルコトヲ得
第二十六條日本證劵取引所ハ有價證劵
市場ニ於ケル取引物件トシテ上場セン
トスル有價證劵ノ銘柄ニ付命令ノ定ム
ル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
上場ヲ廢止セントスル有價證劵ノ銘柄
ニ付亦同ジ
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ニ對シ有價證劵ノ銘柄ヲ
指定シ有價證劵市場ニ於ケル取引物件
トシテ之ヲ上場シ又ハ之ガ上場ヲ廢止
スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第五章取引員
第二十七條有價證劵市場ニ於ケル賣買
取引ハ取引員ニ限リ之ヲ爲スコトヲ得
取引員タラントスル者ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ主務大臣ノ免許ヲ受クベシ
第二十八條取引員タル資格ヲ有スル者
ハ資木金額ガ勅令ヲ以テ定ムル額以上
ノ株式會社ニシテ其ノ資本ノ半額以上
及議決權ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國
法人ニ屬スルモノニ限ル
本法ニ依リ取引員ノ免許ヲ取消サレ取
消ノ後五年ヲ經過セザル株式會社又ハ
株式會社ニシテ其ノ取締役若ハ監査役
中左ノ各號ノ一ニ該當スル者アルモノ
一ハ取引員タル資格ヲ有セズ
帝國臣民ニ非ザル者
二破產者ニシテ復權ヲ得ザルモノ
三本法ニ依リ罰今以上ノ刑ニ處セラ
レ又ハ他ノ法令ニ依リ禁錮以上ノ刑
ニ處セラレ其ノ執行ヲ終リ又ハ執行
ヲ受クルコトナキニ至リタル後五年
ヲ經過セザル者
第二十九條取引日ノ資本ノ半額以上又
ハ議決權ノ過半數ガ帝國臣民又ハ帝國
法人ニ屬セザルニ至リタルトキハ主務
大臣ハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
取引員ノ取締役又ハ監査役中前條第二
項各號ノ一ニ該當スル者アルニ至リタ
ルトキハ取引員ハ其ノ取締役又ハ監査
役ヲ解任スベシ
前項ノ場合ニ於テ取引員ガ一月以內ニ
其ノ取締役又ハ監査役ヲ解任セザルト
キハ主務大臣ハ其ノ免許ヲ取消スコト
ヲ得
第三十條取引員ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ日本證劵取引所ニ營業保證金ヲ納付
スベシ
第三十一條取引員ハ左ノ場合ニ於テハ
命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
商號ヲ變更セントスルトキ
二資本金額ヲ變更セントスルトキ
三支店其ノ他ノ本店以外ノ營業所ニ
於テ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引
ノ取扱ヲ爲シ又ハ有價證劵市場ニ於
ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲ス代理店ヲ
設置セントスルトキ
四本店其ノ他有價證劵市場ニ於ケル
賣買取引ノ取扱ヲ爲ス營業所ノ位置
ヲ變更セントスルトキ
第三十二條取引員ハ有價證劵引受業法
ニ依リ有價證劵引受業ヲ營ミ又ハ有價
證劵業取締法ニ依リ有價證劵業ヲ營ム
場合ヲ除クノ外他ノ業務ヲ營マントス
ルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十三條取引員ハ其ノ資本ノ總額ニ
達スル迄ハ每決算期ノ利益ノ十分ノ一
以上ヲ準備金トシテ積立ツベシ
第三十四條取引員ハ主務大臣ノ定ムル
所ニ依リ每營業年度ニ業務報告書ヲ作
成シ每營業年度經過後二月以內ニ之ヲ
主務大臣ニ提出スベシ
第三十五條取引員ハ每營業年度ニ主務
大臣ノ定ムル所ニ依リ貸借對照表ヲ公
告スベシ
第三十六條主務大臣ハ有價證劵ノ公正
ナル價格ノ形成若ハ價格ノ安定ノ爲又
ハ有價證劵ノ流通ヲ圓滑ナラシムル爲
必要アリト認ムルトキハ取引員ニ對シ
有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ニ關シ
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十七條主務大臣ハ必要アリト認ム
ルトキハ取引員ヨリ其ノ業務及財產ノ
狀況ニ關シ報〓ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲ
シテ其ノ營業所其ノ他必要ナル場所ニ
臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他
ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢
檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ
示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第三十八條取引員ガ法令若ハ法令ニ基
キテ爲ス主務大臣ノ命令若ハ處分ニ違
反シ又ハ公益ヲ害スベキ行爲ヲ爲シタ
ルトキハ主務大臣ハ其ノ營業ノ停止若
ハ取締役監査役ノ解任ヲ命ジ又ハ其ノ
免許ヲ取消スコトヲ得
第三十九條主務大臣ハ取引員ノ業務又
ハ財產ノ狀況ニ依リ必要アリト認ムル
トキハ其ノ營業ノ停止其ノ他必要ナル
事項ヲ命ズルコトヲ得
主務大臣ハ前項ノ規定ニ依リ營業ノ停
止ヲ命ゼラレタル取引員ニ對シ必要ア
リト認ムルトキハ其ノ免許ヲ取消スコ
トヲ得
第四十條日本證劵取引所ハ有價證劵ノ
公正ナル價格ノ形成若ハ價格ノ安定ノ
爲又ハ有價證劵ノ流通ヲ圓滑ナラシム
ル爲必要アリト認ムルトキハ主務大臣
ノ認可ヲ受ケ取引員ニ對シ有價證劵市
場ニ於ケル賣買取引ニ關シ必要ナル指
示ヲ爲スコトヲ得
第四十一條日本證劵取引所ハ有價證劵
市場ノ秩序ヲ保持スル爲必要アリト認
ムルトキハ業務規程ノ定ムル所ニ依リ
取引員ニ對シ有價證劵市場ニ於ケル賣
買取引ノ差止ヲ爲シ、其ノ營業ノ停止
ヲ命ジ又ハ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第四十二條日本證劵取引所ハ必要アリ
ト認ムルトキハ取引員ヨリ其ノ業務及
財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ徴スルコトヲ
得
第四十三條取引員營業ヲ廢止シタル後
ト雖モ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引
ノ結了ノ目的ノ範圍內ニ於テハ其ノ結
了ニ至ル迄、監督ノ目的ノ範圍內ニ於
テハ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ノ
結了後一月ラ經過スル迄仍其ノ營業ヲ
廢止セザルモノト看做ス取引員解散シ
又ハ其ノ免許ガ取消サレタル後亦同ジ
前項ノ場合ニ於テ取引員ノ業務ヲ行フ
者ナキトキハ日本證劵取引所ハ業務規
程ノ定ムル所ニ依リ他ノ取引員ヲシテ
有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ノ結了
ノ爲必要ナル業務ヲ行ハシムルコトヲ
得
第四十四條取引員ハ第二十八條第一一項
各號ノ一ニ該當スル者ヲ其ノ支配人其
ノ他命令ヲ以テ定ムル使用人ト爲スコ
トヲ得ズ
第四十五條何人ト雖モ有價證劵市場ニ
於ケル賣買取引ノ委託ノ代理、媒介又
ハ取次ヲ營業ト爲スコトヲ得ズ但シ取
引員ガ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ爲シ
又ハ取引員ノ代理店主ガ當該取引員ニ
對スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引
ノ委託ノ媒介ヲ爲スハ此ノ限ニ在ラズ
第六章賣買取引
第四十六條有價證劵市場ニ於ケル賣買
取引ハ實物取引及〓算取引ノ二種トス
實物取引ニ在リテハ差金ノ授受ニ依リ
其ノ決濟ヲ爲スコトヲ得ズ
有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ノ期限
ハ勅令ヲ以テ定ムル期間ヲ超ユルコト
ヲ得ズ
第四十七條日本證劵取引所ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ有價證劵市場ニ於テ行フ
賣買取引ノ種類ニ付主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ニ對シ有價證劵市場ニ於
テ行フ賣買取引ノ種類ニ付必要ナル事
項ヲ命ズルコトヲ得
第四十八條日本證劵取引所ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケ有
價證券市場ニ於ケル賣買取引ニ付取引
員ヲシテ賣買證據金及賣買手數料ヲ納
付セシムルコトヲ得
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ日
本證劵取引所ニ對シ賣買證據金又ハ賣
買手數料ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズル
コトヲ得
第四十九條取引員ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケ有價證劵市
場ニ於ケル賣買取引ノ受託ニ付委託證
據金及委託手數料ヲ徴スルコトヲ得
取引員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ有價證
劵市場ニ於ケル賣買取引ノ受託ニ關シ
受託契約準則ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同
ジ
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ取
引員ニ對シ委託證據金、委託手數料又
ハ受託契約準則ニ關シ必要ナル事項ヲ
命ズルコトヲ得
第五十條有價證劵市場ニ於ケル賣買取
引ニ關スル受渡其ノ他ノ決濟ハ日本證
劵取引所之ヲ管理ス
前項ノ受渡其ノ他ノ決濟ハ業務規程ノ
定ムル所ニ依リ日本證劵取引所ヲ經テ
之ヲ爲スベシ
第五十一條日本證劵取引所ハ取引員ニ
シテ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ニ
關シ其ノ責任ヲ履行セザルモノアルト
キハ業務規程ノ定ムル所ニ依リ其ノ取
引員ノ有價證劵市場ニ於ケル一切ノ賣
買取引ヲ處理スベシ
第五十二條前條ノ場合ニ於テ同條ノ取
引員以外ノ取引員ニ付生ズル損害ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ日本證劵取引所之
ガ賠償ノ責ニ任ズ
日本證劵取引所ハ前項ノ規定ニ依リ損
害ヲ賠償シタルトキハ前條ノ取引員ニ
對シ其ノ賠償シタル金額及之ニ要シタ
ル費用ニ付求償權ヲ有ス
第五十三條日本證劵取引所ハ前條第二
項ノ求償權其ノ他有價證劵市場ニ於ケ
ル賣買取引ニ關シ取引員ニ對シ有スル
債權ニ關シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
取引員ノ賣買證據金及營業保證金ニ付
他ノ債權者ニ先チ辨濟ヲ受クルノ權利
ヲ有ス
取引員ニ對シ有價證劵市場ニ於ケル賣
買取引ノ委託ヲ爲シタル者ハ當該委託
契約ニ基キテ生ズル債權ニ關シ其ノ取
引員ノ賣買證據金及營業保證金ニ付他
ノ債權者ニ先チ辨濟ヲ受クルノ權利ヲ
有ス
第一項ノ規定ニ依ル優先權ハ前項ノ規
定ニ依ル優先權ニ對シ優先ノ效力ヲ有
ス
第五十四條取引員ハ委託ヲ受ケタル有
價證劵市場ニ於ケル賣買取引ニ付有價
證劵市場ニ於テ其ノ賣付、買付又ハ受
渡ヲ爲サズシテ之ヲ爲シタルト同一又
ハ類似ノ計算ヲ以テ委託者ニ對シ其ノ
決濟ヲ爲スコトヲ得ズ
第五十五條日本證劵取引所ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ有價證券市場ニ於ケル公
定相場ヲ決定シ之ヲ公示スベシ
日本證劵取引所ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ有價證劵市場ニ於ケル各取引員ノ賣
買高ヲ公示スベシ
第七章會計及補助
第五十六條日本證劵取引所ノ事業年度
ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第五十七條日本證劵取引所ハ主務大臣
ノ定ムル所ニ依リ設立ノ時及每事業年
度ニ財產目錄、貸借對照表及損益計算
書ヲ作成シ設立後及每古、業、年度經過後
二月以內ニ之ヲ主務大臣ニ提出シ承認
ヲ受クベシ
第五十八條日本證劵取引所ハ左ノ方法
ニ依ルノ外業務上ノ餘裕金ヲ運用スル
コトヲ得ズ
國債、地方債其ノ他主務大臣ノ認
可ヲ受ケタル有價證劵ノ取得
二大藏省預金部若ハ銀行ヘノ預金又
ハ郵便貯金
第五十九條日本證劵取引所借入金ヲ爲
サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受
クベシ
第六十條日本證劵取引所剩餘金ノ處分
ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
第六十一條日本證劵取引所ハ主務大臣
ノ定ムル所ニ依リ每事業年度ニ剩餘金
ノ十分ノ一以內ヲ準備金トシテ積立ツ
ベシ
第六十二條日本證劵取引所ノ每事業年
度ニ於ケル配當シ得ベキ剩餘金額ガ政
府以外ノ出資者ノ拂込出資金額ニ對シ
年百分ノ五ノ割合ニ達セザルトキ(剩
餘金額ナキトキ及損失ヲ生ジタルトキ
ヲ含ム)ハ政府ハ之ニ達セシムベキ金
額ヲ補給スベシ
每事業年度ニ於ケル配當シ得ベキ剩餘
金額ガ政府以外ノ出資者ノ拂込出資金
額ニ對シ年百分ノ五ノ割合ヲ超過スル
トキハ其ノ超過金額ハ先ヅ之ヲ前項ノ
規定ニ依ル補給金ノ償還ニ充ツベシ
前條ノ準備金中損失ノ塡補又ハ配當準
備ノ爲積立テタル金額及第六十六條ノ
規定ニ依リ積立テタル金額ハ後事業年
度ニ於ケル第一項ノ規定ニ依ル補給金
ノ計算ニ付テハ之ヲ配當シ得ベキ剩餘
金ト看做ス
第六十三條日本證劵取引所ハ每事業年
度ニ於ケル配當シ得べキ剩餘金額前
條第二項ノ規定ニ依リ償還ニ充ツベキ
金額アルトキハ之ヲ控除シタル殘額ト
ス以下同ジ)ガ政府以外ノ出資者ノ拂
込出資金額ニ對シ年百分ノ五ノ割合ヲ
超過セザルトキハ政府ノ出資ニ對シ剩
餘金ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
日本證券取引所ハ每專業年度ニ於ケル配
営シ得ベキ剩餘金類ガ拂込出資金額ニ
對シ年百分ノ五ノ割合ニ達セザル場合ニ
於テ政府以外ノ出資者ノ拂込出資金額
ニ對シ年百分ノ五ノ割合ヲ超過スルト
キハ其ノ超過金額ヲ政府ニ配當スベシ
第六十四條日本證劵取引所ノ每事業年
度ニ於ケル剩餘配當ハ拂込出資金額ニ
對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スルコト
ヲ得ズ
第六十五條日本證劵取引所ハ每車業年
度ニ於ケル配當シ得ベキ剩餘金額ガ拂
込出資金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ
超過スルトキハ其ノ超過金額ノ四分ノ
三ヲ毎事業年度經過後二月以內ニ政府
ニ納付スベシ
第六十六條日本證劵取引所ハ每事業年
度ニ於テ前五條ノ規定ニ依リ剩餘金ノ
處分ヲ爲シタル後仍殘餘アルトキハ主
務大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ準備金ト
シテ積立ツベシ
第六十七條日本證劵取引所ハ主務大臣
ノ定ムル所ニ依リ每事業年度ノ事業ノ
〓況ヲ公〓スベシ
第六十八條日本證券取引所ガ第二十一
條第一項第二號ノ規定ニ依リ有價證劵
ヲ買入ルル場合ニ於ケル有價證劵ノ移
轉ニ付テハ有價證劵移轉稅ヲ課セズ
第六十九條日本證劵取引所ガ第六十二
條第一項ノ規定ニ依リ受クル補給金ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ法人稅法ニ依ル
所得、營業稅法ニ依ル純益及臨時利得
稅法ニ依ル利益ノ計算上之ヲ益金ニ算
入セズ
第八章監督
第七十條日本證劵取引所ハ主務大臣之
ヲ監督ス
第七十一條主務大臣ハ日本證劵取引所
ノ目的達成上特ニ必要アリト認ムルト
キハ日本證劵取引所ニ對シ必要ナル業
務ノ施行ヲ命ジ又ハ定款ノ變更其ノ他
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七十二條日本證劵取引所ハ業務開始
ノ際業務規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同
第七十三條主務大臣ハ日本證劵取引所
ニ對シ業務及財產フ狀況ニ關シ報〓ヲ
爲サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必
要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコト
ヲ得
第七十四條主務大臣ハ日本證劵取引所
監理官ヲ置キ日本證劵取引所ノ業務ヲ
監視セシム
第七十五條日本證券取引所監理官ハ何
時ニテモ日本證劵取引所ノ業務及財產
ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
日本證劵取引所監理官ハ何時ニテモ日
本證劵取引所ニ命ジ業務及財產ノ狀況
ヲ報告セシムルコトヲ得
日本證劵取引所監理官ハ日本證劵取引
所ノ諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ述ブル
コトヲ得
第七十六條日本證券取引所ノ役員ガ法
令、定款若ハ法令ニ基キテ爲ス主務大
臣ノ命令若ハ處分ニ違反シ又ハ公益ヲ
害スベキ行爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ
之ヲ解任スルコトヲ得
第九章雜則
第七十七條本法ニ依リ主務大臣ノ行フ
ベキ職權ノ一部ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ之ヲ日本證劵取引所ヲシテ行ハシム
ルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ必要ナル經費ハ日本
證劵取引所ノ負擔トス
第七十八條日本證劵取引所ハ必要アリ
ト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ
有價證劵市場ニ於ケル取引物件トシテ
上場セラルル有價證劵ヲ發行シタル會
社ヨリ業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ
徴スルコトヲ得
第七十九條有價證劵市場ニ於ケル賣買
取引ノ方法其ノ他本法ノ施行ニ關スル
重要事項ニ付主務大臣ノ諮問ニ應ズル
爲有價證劵取引委員會ヲ置ク
有價證劵取引委員會ノ組織及權限ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十條本法ニ規定スルモノノ外有價
證劵市場、取引員、取引員ノ代理店及
使用人竝ニ有價證劵市場ニ於ケル賣買
取引ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十章罰則
第八十一條有價證劵市場ニ於ケル相場
ノ變動ヲ圖ル目的ヲ以テ虛僞ノ風說ヲ
流布シ、僞計ヲ用ヒ又ハ暴行若ハ脅迫
ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十二條有價證劵市場ニ類似ノ施設
ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五
千圓以下ノ罰金ニ處ス
有價證劵市場ニ類似ノ施設ニ依リ取引
ヲ爲シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十三條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰
金ニ處ス
有價證劵市場ニ於ケル相場ヲ僞リ
テ公示シタル者
二公示若ハ頒布ノ目的ヲ以テ虛僞ノ
相場ヲ記載シタル文書ヲ作成シ又ハ
之ヲ頒布シタル者
第八十四條有價證劵市場ニ依ラズシテ
有價證劵市場ニ於ケル相場ニ依リ差金
ノ授受ヲ目的トスル行爲ヲ爲シタル者
ハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰
金ニ處ス但シ刑法第百八十六條ノ規定
ノ適用ヲ妨ゲズ
第八十五條第十九條ノ規定ニ違反シ有
價證劵市場ニ於ケル賣買取引ノ委託ヲ
爲シ又ハ取引員トノ間ニ其ノ營業ニ付
特別ノ利害關係ヲ生ズルコトヲ目的ト
スル行爲ヲ爲シタル者ハ五千圓以下ノ
罰金ニ處ス
第八十六條第三十一條第三號ノ規定ニ
違反シ認可ヲ受ケズシテ支店其ノ他ノ
本店以外ノ營業所ニ於テ有價證劵市場
ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲シ若ハ有
價證劵市場ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ
爲ス代理店ヲ設置シタル者又ハ第四十
五條ノ規定ニ違反シタル者ハ五千圓以
下ノ罰金ニ處ス
第八十七條當該官吏、有價證劵取引委
員會ノ會長委員幹事若ハ第二十條ニ規
定スル日本證券取引所ノ職員又ハ其ノ
職ニ在リタル者本法ニ依ル職務執行ニ
關シ知得タル法人又ハ人ノ業務上ノ祕
密ヲ漏洩シ又ハ竊用シタルトキハ三千
圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十八條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十一條第一號、第二號又ハ第
四號ノ規定ニ依リ認可ヲ受クベキ事
項ヲ認可ヲ受ケズシテ行爲シタル者
二第三十二條ノ規定ニ違反シ認可ヲ
受ケズシテ他ノ業務ヲ營ミタル者
三第三十三條ノ規定ニ違反シ準備金
ヲ積立テザル者
四第三十四條ノ規定ニ依ル業務報告
書ノ提出ラ爲サズ又ハ之ニ記載スベ
キ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ
爲シタル者
五第三十五條ノ規定ニ違反シ公〓ヲ
爲サズ又ハ不正ノ公告ヲ爲シタル者
六第三十六條又ハ第三十九條第一項
ノ規定ニ依ル主務大臣ノ命令ニ違反
シタル者
七第三十七條第一項又ハ第四十二條
ノ規定ニ依ル報〓ヲ爲サズ又ハ虚僞
ノ報〓ヲ爲シタル者
八第三十七條第一項ノ規定ニ依ル臨
檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル
者
第八十九條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第八十二
條乃至第八十四條、第八十六條又ハ前
條第一號乃至第七號ノ違反行爲ヲ爲シ
タルトキハ其ノ法人又ハ人ハ自己ノ指
揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免
ルルコトヲ得ズ
第九十條第八十二條乃至第八十四條、
第八十六條及第八十八條第一號乃至第
七號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理
事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行ス
ル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルト
キハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ
營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有ス
ル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第九十一條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
第九十二條左ノ場合ニ於テハ日本證劵
取引所ノ總裁、副總裁、理事、監事又ハ
第十七條ノ規定ニ依ル代理人ヲ千圓以
下ノ過料ニ處ス
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒタル
トキ
三第五十八條ノ規定ニ違反シ業務上
ノ餘裕金ヲ運用シタルトキ
四主務大臣ノ命令又ハ處分ニ違反シ
タルトキ
五第七十五條第一項又ハ第二項ノ規
定ニ依ル日本證劵取引所監理官ノ檢
査ヲ拒ミ妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ
命ズル報〓ヲ爲サザルトキ
第九十三條左ノ場合ニ於テハ前條ニ揭
グル者ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登
記ヲ爲シタルトキ
二第五十七條、ノ規定ニ依ル書類ヲ作
成セザルトキ其ノ書類ニ記載スベキ
事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲
シタルトキ又ハ其ノ書類ニ付主務大
臣ノ承認ヲ受ケザルトキ
第九十四條第十二條ノ規定ニ違反シ日
本證劵取引所又ハ之ニ類似スル名稱ヲ
用ヒタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第九十五條本法施行ノ期日ハ各條ニ付
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十六條取引所法ニ依ル取引所ニシ
テ本條ノ規定施行ノ際現ニ存スルモノ
(以下舊取引所ト稱ス)ハ第九十七條乃
至第百六條ノ規定ニ依リ日本證劵取引
所ト爲ルモノトス
第九十七條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
日本證劵取引所ノ設立ニ關スル事務ヲ
處理セシム
第九十八條前條ノ規定ニ依ル設立委員
ノ任命アリタル後ハ舊取引所ノ業務ヲ
執行スル役員ハ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ舊取引所ノ常務ニ屬セザ
ル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
舊取引所ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ株劵
ノ名義書換ヲ停止スベシ
主務大臣ハ必要アリト認ムルトキハ舊
取引所ニ對シ賣買取引ノ制限其ノ他必
要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第九十九條設立委員ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ舊取引所ノ株式ニ對シ日本證劵
取引所ノ出資ノ引當ヲ爲シ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
主務大臣前項ノ認可ヲ爲サントスルト
キハ取引所資產評價委員會ノ議ヲ經ベ
シ
取引所資產評價委員會ノ組織及權限ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百條前條第一項ノ認可アリタルトキ
ハ設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第百一條前條ノ認可アリタルトキハ設
立委員ハ總出資ヨリ政府ノ引受ケタル
出資及舊取引所ノ株式ニ引當テタル出
資ヲ控除シタル殘餘ノ出資ニ付出資者
ヲ募集スベシ
第百二條設立委員ハ前條ノ募集ヲ終リ
タルトキハ出資申込書ヲ主務大臣ニ提
出シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ認可ヲ受ケタルトキハ設立委員
ハ遲滯ナク舊取引所ノ株式ニ引當テタ
ル出資以外ノ出資ニ付拂込ヲ爲サシム
ベシ
第百三條前條第二項ノ拂込完了シタル
トキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務ヲ
日本證劵取引所總裁ニ引渡スベシ
日本證劵取引所總裁ハ前項ノ事務ノ引
渡ヲ受ケタルトキハ主タル事務所ノ所
在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
日本證券取引所ハ前項ノ登記ヲ爲スニ
因リテ成立ス
第百四條日本證劵取引所ノ成立ニ因リ
舊取引所ハ之ニ吸收セラルルモノトシ
舊取引所ノ權利義務ハ日本證劵取引所
ニ於テ之ヲ承繼ス
第百五條舊取引所ノ株式ヲ目的トスル
質權ハ第九十九條第一項ノ規定ニ依リ
其ノ株式ニ對シ引當テラレタル出資ノ
持分又ハ同項ノ規定ニ基キテ發スル勅
令ニ依リ交付セラレタル金錢アルトキ
ハ其ノ金錢ノ上ニ存在ス
第百六條本法ニ規定スルモノノ外日本
證劵取引所ノ設立ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百七條日本證劵取引所ガ第百四條ノ
規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關スル
權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於
テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ
千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依リ算出
シタル登錄稅ノ額ガ本條ノ規定ニ依リ
算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額
· 氏族に
第百四條ノ規定ニ依ル舊取引所ヨリ日
本證劵取引所ヘノ有價證劵ノ移轉ニ付
テハ有價證劵移轉稅ヲ課セズ
第百八條取引所法ハ有價證劵ニ關シテ
ハ之ヲ適用セズ
前項ノ規定施行前ニ爲シタル舊取引所
ニ於ケル有價證劵ノ賣買取引ニ關シ必
要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項ノ規定施行前有債證劵ニ關スル
行爲ニシテ取引所法ノ罰則ヲ適用スベ
カリシモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第百九條日本證券取引所成立ノ際現ニ
舊取引所ノ有價證劵ヲ賣買取引スル取
引員タル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ日
本證劵取引所成立ノ日ヨリ三年ヲ限リ
第二十七條第二項ノ規定ニ依リ免許ヲ
受ケタル取引員ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ同項ノ取引員ガ取引
所法第十四條ノ規定ニ依リ舊取引所ニ
納付シタル身元保證金ノ處置ニ關シテ
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項ノ取引員ニシテ會社ニ非ザルモ
ノガ第二十八條第二項各號ノ一ニ該當
スルニ至リタルトキハ主務大臣ハ其ノ
免許ヲ取消スコトヲ得
第一項ノ取引員ガ第三十二條ノ規定施
行ノ際現ニ有價證劵引受業法ニ依リ有
價證劵引受業ヲ營ミ又ハ有價證劵業取
締法ニ依リ有價證劵業ヲ營ム場合ヲ除
クノ外他ノ業務ヲ營ム者ナルトキハ其
ノ業務ニ關シテハ同條ノ規定施行ノ日
ヨリ六月ヲ限リ同條ノ規定ニ依リ認可
ヲ受ケタルモノト看做ス
第四十三條ノ規定ハ第一項ノ取引員ガ
死亡シタル場合ニ之ヲ準用ス
第百十條取引所法ニ依り取引員ノ免許
ヲ取消サレ又ハ除名セラレタル會社ハ
第二十八條第二項ノ規定ノ適用ニ付テ
ハ之ヲ本法ニ依リ免許ヲ取消サレタル
者ト看做ス
取引所法ニ依リ罰金以上ノ刑ニ處セラ
レタル者ハ第二十八條第二項、第二十
九條第二項及前條第三項ノ規定ノ適用
ニ付テハ之ヲ本法ニ依リ罰金以上ノ刑
ニ處セラレタル者ト看做ス
第二十八條第二項及第一一十九條第二項
ノ規定ハ株式會社ニシテ其ノ取締役又ハ
監査役中本法ニ依リ取引員ノ免許ヲ取
諸島市港ノ中ノームハーフルーム内部分之ラムシーズン
除名ノ後五年ヲ經過セザル者アルモノ
ニ之ヲ準用ス
取引員ハ取引所法ニ依リ罰金以上ノ刑
ニ處セラレ其ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ
受クルコトナキニ至リタル後五年ヲ經
過セザル者及本法ニ依リ取引員ノ免許
ヲ取消サレ又ハ取引所法ニ依リ取引員
ノ免許ヲ取消サレ若ハ除名セラレ取消
又ハ除名ノ後五年ヲ經過セザル者ヲ其
ノ支配人其ノ他命令ヲ以テ定ムル使用
人ト爲スコトヲ得ズ
第百十一條第十二條ノ規定施行ノ際現
ニ日本證劵取引所又ハ之ニ類似スル名
稱ヲ用フル者ハ同條ノ規定施行ノ日ヨ
リ六月以内ニ其ノ名稱ヲ變更スベシ
第九十四條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
同項ニ揭グル者ニ適用セズ
第百十二條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「日本銀行、」ノ下ニ
「日本證劵取引所、ラ、「日本銀行法、」
ノ下ニ「日本證劵取引所法、」ヲ加フ
第百十三條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第四號ノ三ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
四ノ四日本證劵取引所ノ發スル出資
證劵
第百十四條有價證劵業取締法中左ノ通
改正ス
第一條第一項中「及戰時金融金庫」ヲ
「、戰時金融金庫及日本證券取引所」ニ
改ム
市街地信用組合法案
市街地信用組合法
第一章總則
第一條市街地信用組合ハ組合員ノ產業
又ハ經濟ニ必要ナル金融事業ヲ行フコ
トヲ目的トス
市街地信用組合ハ法人トス
第二條市街地信用組合ハ其ノ名稱中ニ
信用組合ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
市街地信用組合ニ非ザルモノハ產業組
合法ニ依ル信用組合ヲ除クノ外其ノ名
稱中ニ信用組合タルコトヲ示スベキ文
字ヲ用フルコトヲ得ズ
產業組合法第四條第二項ノ規定ハ市街
地信用組合ニハ之ヲ適用セズ
第三條市街地信用組合ニハ所得稅、法
人稅及營業稅ヲ課セズ
第四條本法ニ基キテ發スル勅令ニ依リ
登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ
之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第五條本法ニ規定スルモノノ外市街地
信用組合ノ登記ニ關シ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條民法第四十四條第一項及第五十
條ノ規定ハ市街地信用組合ニ之ヲ準用
ス
第二章設立
第七條市街地信用組合ヲ設立セントス
ル者ハ其ノ設立ニ付主務大臣ノ認可ヲ
受クルコトヲ要ス
前項ノ認可ヲ受ケントスル者ハ申請書
ニ定款及業務方法ヲ記載シタル書面ヲ
添附シ之ヲ主務大臣ニ提出スルコトヲ
要ス
第八條定款ニハ左ノ事項ヲ記載シ設立
者之ニ署名捺印スルコトヲ要ス
-目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
六五役員及會議ニ關スル事項
組合員ニ關スル事項
出資ニ關スル事項
十九八七業務及其ノ執行ニ關スル事項
會計ニ關スル事項
存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタ
ルトキハ其ノ時期又ハ事由
十一公〓ノ方法
第九條第七條第一項ノ認可アリタルト
キハ組合長、理事及監事ノ全員ハ設立
ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
市街地信用組合ハ設立ノ登記ヲ爲スニ
因リテ成立ス
第三章機關
第十條市街地信用組合ニ組合長一人、
理事二人以上及監事一人以上ヲ置ク
第十一條組合長ハ市街地信用組合ヲ代
表シ其ノ業務ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ市街地信
用組合ヲ代表シ組合長ヲ輔佐シテ市街
地信用組合ノ業務ヲ掌理シ組合長事故
アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ組合長缺
員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ市街地信用組合ノ業務ヲ監査ス
第十二條組合長、理事及監事ハ總會ノ
決議ヲ以テ之ヲ選任ス但シ市街地信用
組合設立ノ當時ノ組合長、理事及監事
ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ要ス
組合長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任
期ハ二年トス但シ定款ニ別段ノ定アル
トキハ此ノ限ニ在ラズ
組合長、理事及監事ハ其ノ任期中ト雖
モ總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコト
ヲ得
第一項及前項ノ決議ハ總組合員ノ半數
以上出席シ其ノ議決權ノ三分ノ二以上
ヲ以テ之ヲ爲ス
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ第二十二條
ニ於テ準用スル民法第六十六條ノ規定
ニ依リ議決權ナキ組合員ハ之ヲ總組合
員ノ員數ニ算入セズ
第一項ノ規定ニ依ル組合長及理事ノ選
任竝ニ第三項ノ規定ニ依ル組合長及理
事ノ解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ
非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十三條組合長ハ定款及總會ノ決議錄
ヲ各事務所ニ、組合員名簿ヲ主タル事
務所ニ備置クコトヲ要ス
前項ノ組合員名簿ニハ左ノ事項ヲ記載
スルコトヲ要ス
一各組合員ノ氏名及住所
二各組合員ノ出資口數
三各組合員ノ拂込ミタル金額
組合員及市街地信用組合ノ債權者ハ第
一項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコト
ヲ得
第十四條組合長ハ定款ノ定ムル所ニ依
リ從タル事務所ノ業務ニ關シ一切ノ裁
判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有
スル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十五條組合長及理事ハ監事ノ承認ヲ
得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ爲
ニ市街地信用組合ト取引ヲ爲スコトヲ
得此ノ場合ニ於テハ民法第百八條ノ規
定ヲ適用セズ
第十六條市街地信用組合ガ組合長若ハ
理事ニ對シ又ハ組合長若ハ理事ガ市街
地信用組合ニ對シ訴ヲ提起スル場合ニ
於テハ其ノ訴ニ付テハ監事市街地信用
組合ヲ代表ス但シ總會ハ他人ヲシテ之
ヲ代表セシムルコトヲ得
第十七條監事ハ組合長、理事、第十四
條ノ規定ニ依ル代理人又ハ市街地信用
組合ノ事務員ヲ兼ヌルコトヲ得ズ
第十八條組合長、理事又ハ監事ガ其ノ
任務ヲ怠リタルトキハ其ノ組合長,理
事又ハ監事ハ市街地信用組合ニ對シ連
帶シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
組合長、理事又ハ監事ガ法令又ハ定款
ニ違反スル行爲ヲ爲シタルトキハ總會
ノ決議ニ依リタル合ト雖モ其ノ組合
長理事又ハ監事ハ第三者ニ對シ連帶
シテ損害賠償ノ責ニ任ズ
第十九條組合長ハ每事業年度一囘通常
總會ヲ招集スルコトヲ要ス
組合長必要アリト認ムルトキハ何時ニ
テモ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第二十條組合員ハ總組合員五分ノ一以
上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及
招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ組合長
ニ ハ出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコト
ヲ得
前項ノ請求アリタル後一一週間以内ニ組
合長ガ正當ノ事出ナクシテ總會招集ノ
手續ヲ爲サザルトキハ請求ヲ爲シタル
組合員ハ主務大臣ノ許可ヲ得テ其ノ招
集ヲ爲スコトヲ得
第二十一條總會ノ決議ハ本法又ハ定款
ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席シ
タル組合員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之
ヲ爲ス
組合員ハ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行
使スルコトヲ得
第二十二條民法第六十二條、第六十四
修、第六十五條第一項及第六十六條ノ
規定ハ市街地信用組合ニ之ヲ準用ス
第二十三條市街地信用組合ハ定款ノ定
ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ
設クルコトヲ得
總會ニ關スル規定ハ前項ノ總代會ニ之
ヲ準用ス但シ總代會ニ於テハ出資一口
ノ金額ノ減少、解散、合併及事業全部
ノ讓渡ノ決議ヲ爲スコトヲ得ズ
第四章組合員
第二十四條組合員ハ市街地居住者其ノ
他之ニ準ズベキ者ニシテ勅令ヲ以テ定
ムルモノニ限ル
法人ハ勅令ヲ以テ定ムルモノヲ除クノ
外市街地信用組合ノ組合員ト爲ルコト
ヲ得ズ
第二十五條組合員ハ出資一口以上ヲ有
スルコトヲ要ス
組合員ノ有スベキ出資口數ハ五十口ヲ
超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アル
トキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ增加
スルコトヲ得
出資一口ノ金額ハ均一ナルコトヲ要ス
第二十六條組合員ノ責任ハ其ノ出資額
ヲ限度トス
組合員ハ其ノ拂込ムベキ出資額ニ付相
殺ヲ以テ市街地信用組合ニ對抗スルコ
トヲ得ズ
第二十七條組合員ハ市街地信用組合ノ
承諾アルニ非ザレバ其ノ持分ヲ讓渡ス
コトヲ得ズ
第二十八條市街地信用組合ハ組合員ノ
持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之
ヲ受クルコトヲ得ズ但シ市街地信用組
合ノ權利ノ實行ニ當リ其ノ目的ヲ達ス
ル爲必要ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
市街地信用組合前項但書ノ規定ニ依リ
組合員ノ持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的
トシテ之ヲ受ケタル場合ニ於テハ相當
ノ時期ニ之ヲ處分スルコトヲ要ス
第二十九條本法ニ規定スルモノノ外組
合員ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第五章業務
第三十條市街地信用組合ハ左ノ業務ヲ
行フ
-組合員ニ對スル資金ノ貸付
二組合員ノ爲ニスル手形ノ割引
三組合員ノ貯金又ハ定期積金ノ受入
四前各號ノ業務ニ附隨スル業務
市街地信用組合ハ前項ノ業務ノ外公共
團體、營利ヲ目的トセザル法人其ノ他
命令ヲ以テ定ムル者ノ貯金若ハ定期積
金ノ受入ヲ爲シ又ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ他ノ法人ノ業務ノ取扱ヲ爲スコト
ラ得
第三十一條市街地信用組合ハ左ノ方法
ニ依ルノ外業務上ノ餘裕金ヲ運用スル
コトヲ得ズ
銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル金融
機關ヘノ預金又ハ金錢信託
二大藏省預金部ヘノ預金又ハ郵便貯
金
三國債其ノ他主務大臣ノ認可ヲ受ケ
タル有價證劵ノ取得
第三十二條主務大臣ハ市街地信用組合
ノ行フ資金ノ吸收及運用ニ關シ必要ナ
ル命令ヲ爲スコトヲ得
第六章會計
第三十三條市街地信用組合ノ事業年度
ハ四月ヨリ翌年三月迄トス但シ定款ヲ
以テ四月ヨリ九月迄及十月ヨリ翌年三
月迄ト爲スコトヲ得
第三十四條組合長ハ通常總會ノ會日ヨ
リ一週間前ニ財產目錄、貸借對照表、
事業報〓書、損益計算書及剩餘金處分
案ヲ監事ニ提出シ且之ヲ主タル事務所
ニ備置クコトヲ要ス
組合員及市街地信用組合ノ債權者ハ前
項ニ揭グル書類ノ閲覽ヲ求ムルコトヲ
得
第三十五條組合長ハ前條第一項ニ揭グ
ル書類及監事ノ意見書ヲ通常總會ニ提
出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第三十六條市街地信用組合ハ出資總額
ニ相當スル金額ニ達スル迄ハ每事業年
度ノ剩餘金ノ四分ノ一以上ヲ準備金ト
シテ積立ツルコトヲ要ス
前項ノ準備金ハ出資ノ缺損ノ塡補ニ充
ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコト
ヲ得ズ
第三十七條本法ニ規定スルモノノ外市
街地信用組合ノ剩餘金ノ處分其ノ他經
理ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第七章定款ノ變更
第三十八條定款ノ變更ヲ爲スニハ總會
ノ決議アルコトヲ要ス
第十二條第四項乃至第六項ノ規定ハ前
項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十九條市街地信用組合ガ出資一口
ノ金額ノ減少ノ決議ヲ爲シタルトキハ
其ノ決議ノ日ヨリ二週間以內ニ財產目
錄及貸借對照表ヲ作成スルコトヲ要ス
市街地信用組合ハ前項ノ期間內ニ其ノ
債權者ニ對シ異議アラバ一定ノ期間內
ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公〓シ且貯金者及
定期積金者以外ノ知レタル債權者ニハ
各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ其
ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
第四十條債權者ガ前條第二項ノ期間内
ニ異議ヲ述ベザリシトキハ出資一口ノ
金額ノ減少ヲ承認シタルモノト看做ス
債權者ガ異議ヲ述ベタルトキハ市街地
信用組合ハ辨濟ヲ爲シ若ハ相當ノ擔保
ヲ供シ又ハ債權者ニ辨濟ヲ受ケシムル
コトヲ目的トシテ信託會社若ハ信託業
務ヲ營ム銀行ニ相當ノ財產ヲ信託スル
コトヲ要ス
第八章解散
第四十一條市街地信用組合ハ左ノ事由
ニ因リテ解散ス
存立時期ノ滿了其ノ他定款ニ定メ
タル事由ノ發生
二總會ノ決議
三合併
四組合員ガ一人ト爲リタルコト
五破產
六事業全部ノ讓渡
七主務大臣ノ解散ノ處分
第四十二條市街地信用組合ハ總會ノ決
議ヲ以テ他ノ市街地信用組合ト合併ヲ
爲シ又ハ命令ヲ以テ定ムル金融機關ニ
對シ事業全部ノ讓渡ヲ爲スコトヲ得
第十二條第四項ノ規定ハ前項ノ決議ニ
之ヲ準用ス
第四十三條總會ノ決議ニ因ル解散、合
併及事業全部ノ讓渡ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第四十四條市街地信用組合ガ事業全部
ノ讓渡ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク其ノ
旨ヲ公〓スルコトヲ要ス
前項ノ公〓アリタルトキハ事業全部ノ
讓渡ヲ爲シタル市街地信用組合ノ第三
十條第一項第一號ノ規定ニ依ル貸付金
ノ債務者ニ對シ民法第四百六十七條ノ
規定ニ依ル確定日附アル證書ヲ以テス
ル通知アリタルモノト看做ス此ノ場合
ニ於テハ其ノ公〓ノ日附ヲ以テ確定日
附トス
第四十五條第三十九條及第四十條ノ規
定ハ市街地信用組合ノ合併及事業全部
ノ讓渡ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十六條本法ニ規定スルモノノ外市
街地信用組合ノ解散、合併及〓算ニ關
シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九章監督
第四十七條市街地信用組合ハ事業年度
每ニ業務報告書ヲ作成シテ之ヲ主務大
臣ニ提出スルコトヲ要ス
第四十八條市街地信用組合業務方法ヲ
變更セントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルコトヲ要ス
第四十九條主務大臣市街地信用組合ノ
目的達成上必要アリト認ムルトキハ市
街地信用組合ニ對シ業務方法ヲ制限シ
又ハ定款若ハ業務方法ノ變更其ノ他必
要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第五十條主務大臣ハ市街地信用組合ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報告ヲ爲
サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナ
ル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第五十一條市街地信用組合ノ業務若ハ
財產ノ狀況ニ依リ其ノ業務ノ繼續ヲ困
難ナリト認ムルトキ又ハ市街地信用組
合ノ行爲ガ法令、定款若ハ行政官廳ノ
命令ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スルノ虞
アルトキハ主務大臣ハ左ノ處分ヲ爲ス
コトヲ得
-總會ノ決議ノ取消
二組合長、理事又ハ監事ノ解任
三業務ノ停止
四解散
第五十二條組合長又ハ理事ノ缺ケタル
爲損害ヲ生ズルノ虞アルトキハ主務大
臣ハ假ニ之ヲ選任スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選任セラレタル組合
長又ハ理事ハ主務大臣之ヲ解任スル迄
其ノ職務ヲ行フ
第十章雜則
第五十三條主務大臣ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ地方長官ヲシテ本法ニ定ムル職
權ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ得
第五十四條市街地信用組合ハ信用組合
聯合會ノ所屬組合ト爲ルコトヲ得
第十一章罰則
第五十五條市街地信用組合ノ組合長、
理事監事又ハ第十四條ノ規定ニ依ル
代理人何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ
市街地信用組合ノ業務ノ範圍外ニ於テ
貸付若ハ手形ノ割引ヲ爲シ又ハ投機取
引ノ爲ニ組合財產ヲ處分シタルトキハ
二年以下ノ徵役又ハ三千圓以下ノ罰金
ごはん
前項ノ規定ハ刑法ニ正條アル場合ニハ
之ヲ適用セズ
第五十六條市街地信用組合ノ組合長、
理事、監事、第十四條ノ規定ニ依ル代
理人又ハ〓算人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ
收受シ要求シ又ハ約束シタルトキハ
二年以下ノ徵役ニ處ス因テ不正ノ行爲
ヲ爲シ又相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ
五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第五十七條前條第一項ニ揭グル者ニ對
シ賄賂ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束
ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ黴役又ハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者白首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第五十八條第五十六條第一項ニ揭グル
者ハ左ノ場合ニ於テハ千圓以下ノ過料
二匹、
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒタル
トキ
三第三十一條ノ規定ニ違反シ業務上
ノ餘裕金ヲ運用シタルトキ
四第三十二條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シ資金ノ吸收又ハ運用ヲ爲シタル
トキ
五第五十條ノ規定ニ依ル報〓ヲ爲サ
ズ若ハ虛僞ノ報告ヲ爲シタルトキ、同
條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ
忌避シタルトキ又ハ同條ノ規定ニ依
ル命令若ハ處分ニ違反シタルトキ
第五十九條第五十六條第一項ニ揭グル
者ハ左ノ場合ニ於テハ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ違反シ登記若ハ公〓ヲ爲スコトヲ
怠リ又ハ不正ノ登記若ハ公〓ヲ爲シ
タルトキ
二總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ
事實ヲ隱蔽シタルトキ
三第十三條又ハ第三十四條ノ規定ニ
違反シ書類ヲ備置カザルトキ、其ノ
書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若
ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ正
當ノ事由ナクシテ其ノ閱覽ヲ拒ミタ
ルトキ
四本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ違反シ書類ノ提出ヲ爲スコトヲ怠
リ又ハ記載スベキ事項ヲ記載セズ若
ハ不正ノ記載ヲ爲シタル書類ヲ提出
シタルトキ
五第三十六條ノ規定ニ違反シテ準備
金ヲ積立テズ又ハ之ヲ使用シタルト
キ
六第三十七條ノ規定ニ依ル經理ニ關
スル命令ニ違反シタルトキ
七第三十九條又ハ第四十條(第四十
五條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ
規定ニ違反シテ出資一口ノ金額ヲ減
少シ、合併ヲ爲シ又ハ事業全部ノ讓
渡ヲ爲シタルトキ
第六十條第二條第二項ノ規定ニ違反シ
タル者ハ十圓以上百圓以下ノ過料ニ處
ス
附則
第六十一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第六十二條本法施行ノ際現ニ存スル產
業組合法第一條第四項ノ規定ニ依リ手
形ノ割引又ハ貯金ノ取扱ヲ爲ス產業組
合ハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル市
街地信用組合ト爲リタルモノトス
前項ノ場合ニ於ケル定款、業務方法ノ
設定、登記其ノ他ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル市
街地信用組合ノ成立ニ付テハ之ヲ適用
セズ
第六十三條本法施行ノ際現ニ存スル產
業組合法ニ依ル信用事業ヲ行フ產業組
合又ハ其ノ合併ニ因リテ設立シタル產
業組合ニシテ第二十四條第一項ニ定ム
ル者ヲ以テ組織セラルルモノ(同法第
一條第四項ノ規定ニ依リ手形ノ割引又
ハ貯金ノ取扱ヲ爲ス產業組合ヲ除ク)
ハ同法第二十八條ノ規定ニ依ル總會ノ
決議ヲ以テ市街地信用組合ト爲ルコト
ヲ得
前項ノ決議アリタルトキハ同項ノ產業
組合ノ理事ハ定款ヲ作成シ、業務方法
ヲ設定シ其ノ他市街地信用組合ト爲ル
ニ付必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ認
可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ認可アリタルトキハ同項ノ定款
ヲ以テ定メタル市街地信用組合ノ組合
長、理事及監事ノ全員ハ設立ノ登記ヲ
爲スコトヲ要ス
市街地信用組合ハ設立ノ登記ヲ爲スニ
因リテ成立ス
第六十四條第六十二條第一項又ハ前條
第四項ノ規定ニ依ル市街地信用組合ノ
成立ニ因リ當該產業組合ハ之ニ吸收セ
ラルルモノトシ當該產業組合ノ權利義
務ハ市街地信用組合ニ於テ之ヲ承繼ス
第六十五條第六十二條第一項又ハ第六
十三條第四項ノ規定ニ依リ產業組合ガ
市街地信用組合ト爲リタルトキハ其ノ
產業組合ノ組合員ノ出資ハ當該市街地
信用組合ニ對スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ產業組合ニ對スル出
資ノ持分ノ上ニ存在スル質權ハ市街地
信用組合ニ對スル出資ノ持分ノ上ニ存
在ス
第六十六條第六十二條第一項又ハ第六
十三條第四項ノ場合ニ於テ市街地信用
組合ト爲リタル產業組合ガ無限責任又
ハ保證責任ノ組合ナルトキハ當該市街
地信用組合成立ノ際ニ於ケル組合員ハ
當該市街地信用組合成立前ニ生ジタル
當該產業組合ノ債務ニ付テハ產業組合
法第二條第二項ノ規定ニ依ル責任ヲ免
ルルコトナシ
前項ノ責任ハ同項ノ市街地信用組合成
立後二年以內ニ請求又ハ請求ノ豫〓ヲ
爲サザル債權者ニ對シテハ當該市街地
信用組合成立後二年ヲ經過シタルトキ
消滅ス
第六十七條第六十二條第一項ノ場合ニ
於テ市街地信用組合ト爲リタル產業組
合ガ有限責任又ハ保證責任ノ組合ナル
トキハ當該市街地信用組合成立ノ際ニ
於ケル理事ハ當該市街地信用組合成立
前ニ生ジタル當該產業組合ノ產業組合
法第一條第四項ノ規定ニ依ル貯金ニ關
スル債務ニ付テハ同法第四十六條ノ三
第一項ノ規定ニ依ル責任ヲ免ルルコト
ナシ
前條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ
準用ス
第六十八條本法ニ規定スルモノノ外第
六十三條第一項ノ產業組合ガ市街地信
用組合ト爲ルニ付必要ナル事項ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第六十九條第六十二條第一項又ハ第六
十三條第四項ノ規定ニ依リ產業組合ガ
市街地信用組合ト爲リタルトキハ特別
法人稅法ノ適用ニ關シテハ產業組合ハ
之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル特別ノ法
人ト看做シ市街地信用組合ハ之ヲ合併
ニ因リテ設立シタル特別ノ法人ト看做
ス
市街地信用組合ガ第六十四條ノ規定ニ
依リ產業組合ヨリ承繼シタル財產ニ付
テハ特別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算
上之ヲ益金ニ算入セズ
第七十條市街地信用組合ガ第六十四條
ノ規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關ス
ル權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ
於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格
ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依リ算
出シタル登錄稅ノ額ガ本條ノ規定ニ依
リ算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ
額ニ依ル
第七十一條所得稅法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第五號中「產業組合貯
金」ノ下ニ「、市街地信用組合貯金」ヲ加
フ
第二十一條第三項中「產業組合貯金」ノ
下ニ「、市街地信用組合貯金」ヲ、一座
業組合」ノ下ニ「、市街地信用組合」ヲ加
フ
第七十二條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「商工組合中央金庫」
ノ上ニ「市街地信用組合、一、、「商工組
合中央金庫法」ノ上ニ「市街地信用組合
法、」ヲ加フ
第七十三條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十一號ノ次ニ左ノ一號
ヲ加フ
十一ノ二市街地信用組合ノ發スル
貯金證書
第五條第六號ノ六ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
六ノ七市街地信用組合ノ發スル出
資證劵、貯金通帳、積金通帳
又ハ積金證書
同條第九號ノ二ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
九ノ三市街地信用組合ノ發スル貯
金證書ニシテ其ノ記載金高十
圓未滿ノモノ
第七十四條特別法人稅法中左ノ通改正
ス
第二條第二號ノ前ニ左ノ一號ヲ加フ
一ノ三市街地信用組合
第七十五條庶民金庫法中左ノ通改正ス
第三條中「產業組合法第一條第四項ノ規
定ニ依リ手形ノ割引又ハ貯金ノ取扱ヲ爲
ス信用組合」ヲ「市街地信用組合」ニ改ム
第十七條ノ二中「無盡會社」ノ下ニ「又
ハ市街地信用組合」ヲ加フ
第七十六條商工組合中央金庫法中左ノ
通改正ス
第三條第一項及第二項、中「又ハ銀行」
ヲ「、銀行又ハ市街地信用組合」ニ改ム
第七十七條國民貯蓄組合法中左ノ通改
正ス
第一條第三號及第二條第一項第四號中
「產業組合」ノ下ニ「、市街地信用組合」
ヲ加フ
第四條第一項中「產業組合貯金」ノ下
ニ「、市街地信用組合貯金」ヲ加フ
第七十八條產業組合中央金庫法中左ノ
通改正ス
第五條中「產業組合」ノ下ニ「、市街地信
用組合」ヲ加フ
第十三條第一號乃至第四號、第六號及
第七號中「所屬產業組合」ノ下ニ「、所屬
市街地信用組合」ヲ、同條第五號中「產
業組合」ノ下ニ「、市街地信用組合」ヲ加フ
第七十九條產業組合中央金庫特別融通
及損失補償法中左ノ通改正ス
第一條中「又ハ所屬信用組合」ヲ「、所屬
信用組合又ハ所屬市街地信用組合」ニ改
ム
外貨債處理案法
外貨債處理法
第一條本法ニ於テ外貨債トハ米貨又ハ
英貨ヲ以テ表示スル國債、地方債及社
債竝ニ邦貨ヲ以テ表示スルモ確定換算
率ニ依リ英貨ヲ以テ支拂ヲ爲スベキ特
約アル地方債ニシテ命令ヲ以テ定ムル
モノヲ謂フ
第二條外貨債ノ發行者(外貨債ノ元利
支拂義務ヲ承繼シタル者アルトキハ當
該承繼者トス以下同ジ)ハ原契約ニ拘
ラズ命令ヲ以テ定ムル者ノ所有スル外
貨債ニ代ヘテ邦貨ヲ以テ表示スル國
債地方債又ハ社債(以下邦貨債ト稱
ス)ヲ發行シ當該外貨債ト借換フベシ
前項ノ借換ニ付テハ當該外貨債ノ所有
者ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス此ノ場合ニ
於テ當該所有者ガ命令ヲ以テ定ムル本
邦人ニシテ其ノ意思ヲ確ムルコト能ハ
ザルモノナルトキハ借換ヲ承諾シタル
モノト看做ス
第一項ノ場合ニ於テ邦貨債ノ最小額面
金額ニ滿タザル端數アルトキハ其ノ端
數ハ金錢ヲ以テ之ヲ支拂フベシ
第一項ノ規定ニ依ル外貨債ノ借換アリ
タルトキハ當該外貨債ヲ目的トスル質
權ハ同項ノ規定ニ依リ發行スル邦貨債
又ハ前項ノ規定ニ依リ支拂フ金錢ノ上
ニ存在ス
第三條前條第一項ノ規定ニ依リ借換へ
ラルル外貨債ノ價格其ノ他ノ外貨債ノ
借換ニ關スル條件ハ本法ニ規定スルモ
ノヲ除クノ外外貨債處理委員會ノ議ヲ
經テ政府之ヲ定ム
政府前項ノ事項ヲ定メタルトキハ之ヲ
〓示ス
外貨債處理委員會ノ組織及權限ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第四條第二條第一項ノ規定ニ依リ借換
ヘラレタル外貨債ノ證劵ハ之ヲ無效トス
第二條第一項ノ規定ニ依リ借換ヘラレ
タル外貨債ノ利札ニシテ本法施行後最
初ニ利拂期日ノ到來スルモノハ借換ノ
後ト雖モ仍其ノ效力ヲ有シ本法施行後
最初ニ到來スル利拂期日後ニ利拂期日
ノ到來スルモノハ之ヲ無效トス
前二項ノ規定ニ依リ無效ト爲リタル外
貨債ノ證劵及利札ハ當該外貨債ノ發行
者之ヲ公示スベシ但シ當該外貨債ノ發
行者ニ於テ毀却シタルモノニ付テハ此
ノ限ニ在ラズ
第五條第二條第一項ノ規定ニ依リ發行
スル邦貨債ノ利子ハ同項ノ規定ニ依リ
借換ヘラルル外貨債ノ本法施行後最初
ニ到來スル利拂期日ニ於テ支拂ハルベ
キ利子ノ計算期間ノ最終日ノ翌日以後
ノ期間ニ付之ヲ附スベシ
第六條外貨債タル地方債又ハ社債ノ發
行者ガ第二條第一項ノ規定ニ依リ借換
ヲ爲ス場合ニ於テハ政府ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ當該借換ニ因リ生ジタル損
失ヲ補償ス
前項ノ規定ニ依リ政府ノ補償スベキ損
失ヲ決定スル基準ハ外貨債處理委員會
ノ議ヲ經テ政府之ヲ定ム
第七條前條第一項ノ規定ニ依ル補償金
ハ國債證劵ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ
得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證劵ノ
交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之
ヲ定ム
政府ハ第一項ノ規定ニ依リ交付スル爲
必要ナル額ヲ限度トシ國債ヲ發行スル
コトヲ得
第八條政府ハ外貨債タル地方債又ハ社
債ノ發行者ヲシテ其ノ發行シタル外貨
債タル地方債若ハ社債又ハ元利支拂義
務ヲ承繼シタル外貨債タル社債ニシテ
其ノ所有スルモノヲ原契約ニ〓ラズ命
令ノ定ムル所ニ依リ消却セシムルコト
ヲ得
第四條第一項及第三項ノ規定ハ前項ノ
規定ニ依ル消却アリタル場合ニ之ヲ準
用ス
第九條政府ハ外貨債タル地方債又ハ社
債ニシテ第二條第一項ノ規定ニ依リ借
換ヘラルルモノ以外ノモノニ付命令ノ
定ムル所ニ依リ其ノ元利支拂義務ヲ承
繼ス
前項ノ場合ニ於テハ元利支拂義務ヲ除
クノ外當該地方債又ハ社債ノ物上擔保
其ノ他ノ原契約ノ效力ハ消滅スルモノ
トス
第十條前條第一項ノ場合ニ於テハ當該
地方債又ハ社債ノ發行者ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ承繼ノ對價ヲ政府ニ納付ス
ベシ
前項ノ規定ニ依リ當該發行者ノ納付ス
ベキ對價ヲ決定スル基準ハ外貨債處理
委員會ノ議ヲ經テ政府之ヲ定ム
第十一條前條第一項ノ規定ニ依ル納付
金ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該發行者
ノ發行スル地方債證劵又ハ社債證劵ヲ
以テ之ヲ納付スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ納付スル地方債證劵
又ハ社債證劵ノ納付價格ハ時價ヲ參酌
シテ大藏大臣之ヲ定ム
第十二條第六條第一項ノ規定ニ依リ損
失ノ補償ヲ受クルト共ニ第十條第一項
ノ規定ニ依リ對價ノ納付ヲ爲スベキ者
ニ付テハ第六條第一項又ハ第十條第一
項ノ規定ニ拘ラズ補償金額ガ納付金額
ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ニ相當ス
ル金額ヲ政府ヨリ交付シ納付金額ガ補
償金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ニ
相當スル金額ヲ政府ニ納付セシム
第七條又ハ前條ノ規定ハ前項ノ場合ニ
之ヲ準用ス
第十三條政府ハ必要アリト認ムルトキ
ハ第二條第一項又ハ第十一條第一項
(前條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム以下同ジ)ノ規定ニ依リ發行スル社
債ノ元利支拂ニ付保證ヲ爲スコトヲ得
第十四條外貨債タル社債ノ發行者ハ他
ノ法令ニ規定スル制限ヲ超エテ第二條
第一項又ハ第十一條第一項ノ規定ニ依
リ社債ヲ發行スルコトヲ得
商法第二百九十六條、第二百九十八條
及第三百一條ノ規定ハ前項ノ社債ニハ
之ヲ適用セズ
第十五條外貨債タル地方債又ハ社債ノ
發行者ハ第二條第一項ノ規定ニ依ル外
貨債ノ借換、第八條第一項ノ規定ニ依
ル外貨債ノ消却竝ニ第十一條第一項ノ
規定ニ依ル地方債及社債ノ發行ニ付テ
ハ他ノ法令ニ依ル許可又ハ認可ヲ受ク
ルコトヲ要セズ
第十六條本法ニ規定スルモノノ外外貨
債ノ處理ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ
以テ之ヲ定ム
第十七條名古屋市ハ命令ヲ以テ定ムル
者ノ所有スル名古屋市五分利附英貨八
十萬磅公債ヲ原契約ニ拘ラズ邦貨ヲ以
テ償還スベシ
第二條第二項、第三條第一項及第二項、
第四條第一項及第三項、第六條乃至第
十二條、第十五條竝ニ前條ノ規定ハ前
項ノ公債ニ之ヲ準用ス
第十八條外貨債及前條第一項ノ公債ノ
利札ニシテ之ニ付外國爲替管理法又ハ
敵產管理法ニ基ク命令ニ依リ支拂アリ
タルモノハ之ヲ無效トス
第四條第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之
ヲ準用ス
第十九條外貨債タル社債ノ發行者ガ第
二條第一項又ハ第十一條第一項ノ規定
ニ依リ發行スル社債ニ付登記ヲ受クル
場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ登錄稅ノ額ハ拂込金額ノ千分ノ一ト
ス
第二十條政府ハ必要アリト認ムルトキ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ報〓ヲ徵シ又
ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢
シ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシム
ルコトヲ得
第二十一條前條ノ規定ニ依ル報告ヲ爲
サズ若ハ虛僞ノ報〓ヲ爲シ又ハ本法ニ
基キテ發スル命令ニ依リ提出スル書類
ニ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者ハ五百圓以
下ノ罰金ニ處ス
前條ノ規定ニ依ル臨檢檢査ヲ拒ミ、妨
ゲ又ハ忌避シタル者亦前項ニ同ジ
第二十二條法人又ハ人ノ代理人、使用
人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ
業務ニ關シ前條第一項ノ違反行爲ヲ爲
シタルトキハ其ノ法人又ハ人ハ自己ノ
指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ
免ルルコトヲ得ズ
前條第一項ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナル
トキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業
務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁
治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之
ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一
ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
第二十三條本法ノ罰則ハ國、道府縣、
市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニハ之
ヲ適用セズ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
爲替交易調整特別會計設置等爲替交
易調整法案
爲替交易調整特別會計設置等爲替交
易調整法
第一章爲替交易調整特別會計
第一條爲替交易調整ニ關スル會計ハ之
ヲ特別トシ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ
充ツ
第二條本會計ニ於テハ價格差益納付
金爲替差益納付金、寄附金、一般會
計ヨリノ受入金、借入金及附屬雜收入
ヲ以テ其ノ歲入トシ價格差損補償金、
爲替差損補償金、借入金ノ償還金及利
子、一時借入金ノ利子、事務取扱費其
ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第三條本會計ニ於テ價格差損補償金及
爲替差損補償金ヲ支辨スル爲必要アル
トキハ政府ハ本會計ノ負擔ニ於テ借入
金ヲ爲スコトヲ得
第四條本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジ
タルトキハ之ヲ翌年度ノ歲入ニ繰入ルベシ
第五條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕
アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
第六條本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足
アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借
入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ當該年
度內ニ之ヲ返還スベシ
第七條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫
算ヲ調整シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之
ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第八條本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケ
ル支出殘額ハ遞次之ヲ翌年度ニ繰越シ
使用スルコトヲ得
第九條本會計ノ收入支出ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二章差益金ノ納付及差損金ノ
補償
第十條交易營團ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ交易上生ズル價格差益ヲ價格差益納
付金トシテ政府ニ納付スベシ
第十一條命令ヲ以テ定ムル交易關係者
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定
ムル物資ノ交易上生ズル價格差益ヲ價
格差益納付金トシテ政府ニ納付スベシ
第十二條政府ハ命令ヲ以テ定ムル交易
關係者ニ對シ命令ヲ以テ定ムル物資ノ
交易上生ズル價格差損ヲ補償スル爲價
格差損補償金ヲ交付スルノ契約ヲ爲ス
コトヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ交付スベキ價格
差損補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協贊ヲ
經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之
ヲ爲スコトヲ要ス
第一項ノ價格差損ヲ決定スル基準ハ政
府之ヲ定ム
第十三條外國爲替管理法(關東州外國
爲替管理令及昭和十六年勅令第十號ニ
於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第三條
ノ規定ニ依ル命令ニ依リ交易上ノ價格
差ヲ調整スル爲外國爲替ノ賣却又ハ買
入ヲ行ヒタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ之ニ依リ得タル爲替差益ヲ爲替差益
納付金トシテ政府ニ納付スベシ
第十四條政府ハ前條ニ規定スル者ニ對
シ外國爲替管理法第三條ノ規定ニ依ル
命令ニ依リ交易上ノ價格差ヲ調整スル
爲行ヒタル外國爲替ノ賣却又ハ買入ニ
依リ蒙リタル爲替差損ヲ補償スル爲爲
替差損補償金ヲ交付スルノ契約ヲ爲ス
コトヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ交付スベキ爲替
差損補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協賛ヲ
經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之
ヲ爲スコトヲ要ス
第一項ノ爲替差損ヲ決定スル基準ハ政
府之ヲ定ム
第十五條政府ハ爲替交易調整ヲ目的ト
スル金錢ノ寄附ヲ受クルコトヲ得
第十六條交易營團、第十一條若ハ第十
二條ノ命令ヲ以テ定ムル交易關係者又
ハ第十三條ニ規定スル者ガ第十二條
第十四條若ハ交易營團法第三十五條ノ
規定ニ依リ收入シ若ハ收入スベキ補償
金額又ハ第十條、第十一條若ハ第十三
條ノ規定ニ依リ支出シ若ハ支出スベキ
納付金額ハ所得稅法ニ依ル所得、法人
稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純益
及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算ニ付
之ヲ當該差損又ハ差益ヲ生ジタル年又
ハ専業年度ノ收入金額若ハ益金又ハ必
要ノ經費若ハ損金ニ算入ス
第十七條第十條、第十一條又ハ第十三
條ノ規定ニ依リ納付セシムベキ金額ノ
徵收ニ關シテハ國稅徵收法ヲ準用ス
第十八條政府ハ必要アルトキハ交易營
團、第十一條若ハ第十二條ノ命令ヲ以テ
定ムル交易關係者又ハ第十三條ニ規定
スル者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ報
告ヲ徵シ、帳簿書類ノ備付ヲ命ジ、帳
簿書類ノ記載方ヲ指定シ又ハ當該官吏
ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢シ交易營
團、第十一條若ハ第十二條ノ命令ヲ以
テ定ムル交易關係者又ハ第十三條ニ規
定スル者ノ收支狀況若ハ帳簿書類其ノ
他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第十九條前條ノ規定ニ基キテ發スル命
令又ハ當該命令ニ依ル政府〓命ニ違反
シ報〓ヲ爲サズ、虛僞ノ報〓ヲ爲シ
帳簿書類ノ備付ヲ爲サズ之ニ記載ス
ベキ事項ヲ記載セズ、之ニ虛僞ノ記載
ヲ爲シ、之ノ記載方ノ指定ニ從ハズ、
收支狀況若八帳簿書類其ノ他ノ物件ノ
檢査ヲ拒ミ又ハ帳簿書類ノ隱蔽不實ノ
申立其ノ他ノ方法ニ依リ檢査ヲ妨ゲタ
ル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第二十條第十七條中國稅徵收法トアル
ハ朝鮮ニ在リテハ國稅徵收令トシ臺灣
ニ在リテハ臺灣國稅徵收規則トシ關東
州ニ在リテハ明治四十年勅令第五十六
號ニ於テ準用スル國稅徵收法トシ南洋
群島ニ在リテハ大正十一年勅令第三百
五十六號ニ於テ依ルコトヲ定メタル國
稅徵收法トス
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス但シ交易營團ニ關スル規定施行ノ期日
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
特殊財產資金特別會計法案
特殊財產資金特別會計法
第一條特殊財產資金ヲ置キ其ノ歲入歲
出ハ一般ノ會計ト區分シ特別會計ヲ設
置ス
第二條本會計ニ於テハ別ニ法律ヲ以テ
定ムル時期迄ノ每期間ヲ以テ一會計年
度トス
第三條政府ハ勅令ノ定ムル金額ヲ限リ
漸次一般會計ヨリ本資金ニ繰入ルルモ
ノトス
第四條本資金ニ不足ヲ生ジタルトキハ
借入金ヲ爲シ之ヲ補足スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル借入金ニ代ヘ國庫餘
裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
第五條沒收シタル敵產ハ戰利品及捕獲
審檢令第二十八條ノ規定ニ依リ國ノ所
得ト爲リタル物件ニシテ陸軍大臣又ハ
海軍大臣ニ於テ軍事上必要アリト認ム
ルモノヲ除クノ外之ヲ本資金ニ組入ル
ベシ
第六條本資金ハ之ヲ帝國ノ管理スル敵
產(敵產管理法ニ依ル敵產管理人ノ管
理スル敵產ヲ含ム以下同ジ)又ハ勅令
ノ定ムルモノニ運用スルコトヲ得
第七條本資金ハ特ニ必要アル場合ニ限
リ豫算ノ定ムル所ニ依リ之ヲ使用スル
コトヲ得但シ第三條ノ規定ニ依リ一般
會計ヨリ繰入レタル金額及第四條ノ規
定ニ依リ借入金ヲ以テ補足シタル金額
ノ合計額ニ相當スル分ニ付テハ此ノ限
ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ本資金ヲ使用セント
スルトキハ其ノ金額ヲ一般會計ノ歲入
ニ繰入レ同會計ノ歲出トシテ拂出スベ
シ
第八條本會計ニ於テハ運用上ノ諸收入
金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ前
條ノ規定ニ依ル一般會計ヘノ繰入金、
管理費、一時借入金ノ利子、附屬諸費
及運用上ノ損失金ヲ以テ其ノ歲出トス
第九條本資金ニ屬スル財產ニシテ滅失
シ又ハ價格ノ減損ヲ生ジタルモノアル
トキハ本會計ノ決算上生ジタル剩餘又
ハ資金ヲ以テ之ヲ償却スベシ
第十條本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジ
タルトキハ前條ノ償却ニ充テ殘餘アル
トキハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
本會計ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルト
キハ資金ヨリ之ヲ補足スベシ
第十一條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘
裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入
ルベシ
第十二條本會計ニ於テ支拂上現金ニ不
足アルトキハ本會計ノ貧擔ニ於テ一時
借入金ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使
用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替
金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十三條本會計ノ收入支出ニ關スル規
程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條資金ノ運用トシテ帝國ノ管理
スル敵產ヲ買入レタル場合ノ代金タル
現金及帝國ノ管理スル敵產タル現金ハ
政府ニ於テ之ヲ保管スルコトヲ得
前項ノ保管金ノ運用ニ關スル歲入歲出
ハ本會計ニ所屬セシム
保管金規則第一條ノ規定ハ第一項ノ保
管金ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十五條國有財產法ハ本資金ニ屬スル
財產ニ付テハ之ヲ適用セズ本資金ニ屬
スル財產ノ取扱ニ關シテハ勅令ノ定ム
ル所ニ依ル
第十六條本資金ニ屬スル財產ハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ之ヲ讓與スルコトヲ得
第九條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ讓與
ヲ爲シタル場合ニ之ヲ準用ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臨時特殊財產取扱令ニ依リ一般會計ノ所
屬ト爲リタル財產ニシテ本法施行ノ際現
ニ存スルモノハ之ヲ本資金ニ組入ルベ
シ
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=18
-
019・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ日本證劵取引所法案外四件ニ付キマ
シテ、提案ノ理由ヲ說明申上ゲマス
先ヅ日本證劵取引所法案ニ付キマシテ提
案ノ理由ヲ說明致シマス、大東亞戰爭ノ完
遂ニ對處致シマシテ、物的戰力增强ノ基礎
要件タルベキ經濟秩序ヲ確保シ、資金動員
ノ適正、生產擴充資金ノ供給竝ニ國民貯蓄
ノ保護ニ萬全ヲ期スル爲メ、有價證劵ニ付
キマシテ其ノ價格ヲ公正ナラシメ且ツ之
ヲ安定セシメマスルト共ニ、其ノ流通ヲ圓滑
ナラシメマスコトハ極メテ緊要ノコトニ
屬スルモノト信ジマス、然ルニ有價證劵、
就中株式ノ取引ニ付キマシテハ其ノ中核
的機關タル地位ニアリマスル有價證劵取引
所ノ制度ハ明治二十六年ノ制定ニ係ル取
引所法ニ其ノ基礎ヲ置イテ居ルノデアリマ
ス、同法ニ付キマシテハ制定以來數次
ニ亙リ改正ヲ加ヘラレタノデアリマスルガ
其ノ主要部分ハ大體舊態ヲ維持シテ居ルノ
デアリマシテ、之ニ基ク取引所ノ性格、組
織機構等ハ時局ノ要請ニ副ハザルモノ少
シトシナイノデアリマス、現行制度ノ下ニ
於キマシテ取引ノ實情ハ、動モスレバ過當
ナル投機ニ流レ、株價モ不安定ナル狀態ニ
陷リ勝チナノデアリマス、斯カル事態ニ對
處シ、政府ハ從來ニ於テマシテモ株價ノ安
定ヲ期スル爲メ、各般ノ施策ヲ講ジテ參リ、
取引所關係者ノ協力モアリマシテ、或ル程
度ノ效果ヲモ擧ゲテ居ルノデアリマスルガ、
現行ノ制度ノ下ニ於キマシテハ取引所ガ
政府ノ方針ニ完全ニ順應シテ、過當ナル投
機取引ヲ排除シ、價格ノ公正安定ヲ期シ、
且ツ其ノ流通ヲ圓滑ナラシメ以テ遺憾ナ
ク其ノ眞ノ使命ヲ果スコトハ至難ト認メラ
ルルノデアリマシテ、殊ニ決戰體制下ニ於
キマシテハ之ヲ現狀ノ儘放置致シマスル
コトハ資金政策、金融政策ノ圓滑ナル運
用ヲ期スル上ニ於テ支障少シトシナイノ
デアリマス、以上ノ如キ事情ヲ考慮シ、此
ノ際有價證劵取引所ノ制度ヲ根本的ニ改正
スルコトト致シタ次第デアリマス是ガ爲
メ現存ノ各取引所ヲ統合シテ、新タニ日本
證劵取引所ヲ設立シ、之ヲ專ラ國策ニ協力
スル機關トシテ運營致シタイト考フル次第
デアリマス
是ヨリ日本證劵取引所法案ノ內容ニ付キ
マシテ主要ナル點ヲ申上ゲマス、先ヅ日本
證劵取引所ハ國家經濟ノ適切ナル運營ニ資
スル爲メ有價證券ノ公正ナル價格ヲ形成
シ之ヲ安定セシムルト共ニ、有價證劵ノ
流通ヲ圓滑ナラシムルコトヲ以テ其ノ使
命トスルノデアリマス、其ノ組織ハ此ノ使
命ヲ完遂セシムルニ相應シキ公共的性格ノ
濃厚ナル特殊法人トナシ、其ノ必要トスル
資本金二億圓、其ノ中政府ニ於テモ最高五
千万圓ノ範圍內ニ於テ、相當額ヲ出資スル
コトト致シマシタ斯カル新取引所ノ使命
竝ニ性格ニ顧ミ、其ノ役員及ビ職員ニ關シ
マシテモ、任免、地位、責任等ニ關シ必要
ナル規定ヲ設ケタノデアリマス
次ニ新取引所ノ業務ト致シマシテハ取
引所本來ノ業務トシテ有價證劵市場ヲ開設
シ、之ヲ管理スル外、有價證劵ノ引受、賣
田、募集ノ取扱等ノ如キ新業務ヲモ加フル
コトト致シマシテ有價證劵ノ發行流通ヲ
圓滑ナラシムルコトニ資スルコトト致シタ
ノデアリマス、更ニ政府ハ特ニ必要アル場
合ニ於テハ、新取引所ヲシテ有價證劵ノ
價格ノ安定ノ爲ニスル賣買ヲモ行ハシムル
コトヲ得ルコトト致シマシタ
次ニ有價證劵市場ニ於ケル賣買取引ハ
政府ノ免許ヲ受ケタ取引員ニ限リ之ヲ行
フコトヲ得ルノデアリマスルガ、其ノ資格
ハ取引員ノ資質ノ向上、取引ノ公正、委託
者ノ保護等ノ見地ヨリ、之ヲ一定金額以上
ノ資本金ヲ有スル株式會社ニ限定スルコト
ト致シ、取引員ノ營業、會計經理等ニ關シ
制度ヲ整備シ又政府竝ニ新取引所ノ取引
員ニ對スル監督權モ一層强化スルコトト
致シタノデアリマス、尙ホ取引員ノ使用人
ニ關シマシテモ、其ノ指導取締上適當ナル
括置ヲ講ジ得ルコトト致シマシタ
次ニ有償證劵市場ニ於ケル賣買取引ハ
從來ト同樣實物取引及ビ〓算取引ノ二種ト
スルノデアリマスルガ取引ノ期限其ノ他
買買取引ノ方法ノ詳細ニ付キマシテハ本
法ニ依リ設ケラルル有價證劵取引委員會ニ
モ諮間ノ上決定スルコトト致シ、之ヲ命令
ニ委任致シタノデアリマス右ノ外上場物
件、證據金等ニ關スル制度ヲ整備致シマス
ルト共ニ、賣買取引ニ係スル取引所ノ責任
ヲ加重シ、取引員ガ其ノ責任ヲ履行セザル
場合ニ生ズル損害ニ付キマシテハ取引所
ニ於テ賠償ノ責ニ任ゼシムル等、有價證劵
市場ニ於ケル賣買取引ノ公正確實ヲ期シタ
ノデアリマス
次ニ日本證劵取引所ノ公共的使命竝ニ其
ノ性格地位ニモ顧ミマシテ、政府ハ民間ノ
出資者ニ對シ年五分ノ配當ヲ保證致シマスル
ト共ニ、其ノ最高配當率ヲ年六分ニ制限致
シマシテ、新取引所ノ經營上遺憾ナキヲ期ス
ルト共ニ、剩餘金額ガ一定限度ヲ超ユルト
キハ其ノ超過金額ノ相當大ナル部分ヲ、
政府ニ納付セシムルコトト致シタノデアリマ
ス、尙ホ新取引所ハ他ノ類似ノ特殊法人ト
同樣ニ、政府ノ高度ノ監督ニ服セシムルノ
デアリマスルガ、他面政府ハ本法ニ依リ
政府ノ行フベキ職權ノ一部ヲ、新取引所ニ
代行セシムル途ヲモ開クコトト致シ新取
引所ガ政府ノ方針ニ完全ニ順應シテ、其ノ
使命ノ完遂ニ邁進スルコトヲ期シテ居ルノ
デアリマス
最後ニ新取引所ノ設立ニ伴フ經過的ノ問
題ト致シマシテ先ヅ現存ノ有價證券取引
所ハ法律ノ規定ニ依リ之ヲ新取引所トナ
ルモノトシ、舊取引所ノ一切ノ權利義務ハ、
總テ新取引所ニ於テ承繼スルコトト致シタ
ノデアリマス其ノ際舊取引所ノ株式ニ對
シマシテハ設立委員ニ於テ新取引所ノ出
資證劵ノ引當ヲ行ヒ政府ノ認可ヲ受ケシ
ムルノデアリマスガ、引當ノ決定ハ取引所
資產評價委員會ノ議ヲ經ベキコトトナシ
引當ノ公正ヲ期シタノデアリマス、其ノ他
新取引所ニ於ケル取引員タリ得ル資格ガ、
一定金額以上ノ株式會社ニ限ラルルコトニ
闘聯シ過渡的ニ三年ノ猶豫期間中ハ現
在ノ取引員ハ取引員タルコトヲ認ムルコト
ト致シマシタ
本法案ノ內容ノ主ナル點ハ以上申述ベタ
通リデアリマスガ本法案ノ實施ニ依リマ
シテ、資金統制ノ機構ハ一層整備セラルル
コトトナリ、新取引所ガ眞ニ有價證劵、就
中株式ノ流通機構ノ中核的機關トシテ强
力ニ其ノで能ヲ果スコトニ依リマシテ大
東亞戰下喫緊ナル綜合戰力ノ增强上、缺ク
ベカラザル資金政策ノ完遂ニ寄與スル所少
クナイト信ズルノデアリマス
次ニ市街地信用組合法案ニ付キマシテ提
出ノ理由ヲ申上ゲマス、本法律案ノ趣旨
ハ、今般農林業團體統合關係法律ノ制定ニ伴
ヒマシテ市街地ニ於テ金融事業ヲ行フ產
業組合、卽チ從來市街地信用組合、或ハ準
市街地信用組合ト通稱セラレテ居リマシタ
モノヲ、單行法ヲ以テ規定シ、中小商工業
者、勤勞者其ノ他ノ都市ニ於ケル一般庶民
ノ金融機關ト致シ、戰時下ニ於ケル庶民金融
ノ疏通竝ニ國民貯蓄ノ增强ノ爲メ、十分其
ノ機能ヲ發揮セシメントスルモノデアリマ
ス
現行ノ產業組合法ニ基ク產業組合ハ、其
ノ組織ニ於テハ組合員ノ相互共同體タル共
通ノ性質ヲ具有シテ居リマスルガヽ其ノ
行フ事業ノ內容ニ於キマシテハ各種ノモ
ノガ併存シテ居ル狀態デアリマス、其ノ中
最モ大部分ヲ占ムルモノハ、農村ニ於ケル農
業團體的性質ヲ有スルモノデアリ、之ニ次
ギマシテハ市街地ニ於ケル庶民金融機關タ
ルノ性質ヲ有スルモノデアリマス而シテ
是等各種ノ性質ヲ有スルモノニ對シ適切
ナル指導統制ヲ行ヒ、十分ナル活動ヲ遂ゲ
シムルガ爲ニハヽ之ヲソレ〓〓ノ特質ニ應
ジテ規律スルコトガ適當ト認メラレマスノ
デ、玆ニ所謂市街地信用組合竝ニ準市街地
信用組合ニ付キ市街地信用組合法ナル單
獨法ヲ制定シ、其ノ整備發達ヲ圖ラントス
ル次第デアリマス
斯クスルコトニ依リマシテ、是等市街地
信用組合等ヲシテ、其ノ資金ノ吸收及ビ運
用ノ適切ヲ期シ、以テ庶民金融機關タルノ
機能ヲ十分ニ發揮セシメマスルト共ニ戰
時下國民貯蓄增强ノ達成ニ遺憾ナカラシム
ルヲ得ル次第デアリマス
次ニ外貨債處理法案提出ノ理由ヲ說明致
シマス、本邦ノ米貨債及ビ英貨債ニ付キマ
シテハ大東亞戰爭ノ結果、債務ノ本旨ニ
從フ辨濟ノ途ガ杜絕致シタノデアリマス、
是ガ元利拂ニ付キマシテ、特別ノ措置ヲ
要スルコトトナツタノデアリマスルガ米
英貨債ハ其ノ未償還現在類ハ多額ニ上リマ
スル上ニ本邦人ノ所有ニ歸シテ居リマス
モノモ極メテ數額ガ多キニ上ツテ居リマス
ルノデ、是ガ處理ハ發行者タル政府、地方
團體及ビ會社等ニ取リマシテモ又本邦人
所有者ニ取リマシテモ、又對外關係ニ付キ
マシテモ重大ナル關係ヲ持ツテ居ルノデア
リマス、政府ト致シマシテハ開戰直後取
敢ヘズ外國爲替管理法ニ基ク命令ニ依リマ
シテ、外貨債ニ關シ邦貨ヲ以テ利子ノ支拂
ヲナサシムルト共ニ、敵國人ノ所有致シテ
居ル外貨債ノ利子ニ付キマシテハ敵產管
理法ニ基ク命令ニ依リマシテ之ヲ特殊財
產管理勘定ニ拂込マシムルヤウ措置致シテ
參ツタノデアリマス、然ルニ是ハ取敢ヘズ
ノ應急措置デアリマシテヽ此ノ儘ニ放置致シ
マスルコトハ、種々不都合ノ點ガアルノデ
アリマス、是ガ處理ニ付キマシテハ新タ
ニ法律ヲ制定スルノ必要ガアリマスルノ
デ本法律案ヲ提出致シタノデアリマス
玆ニ本法律案ノ要旨ヲ申上ゲマスルナラ
バ、第一本邦人及ビ友好國人ノ所有スル
米英貨債ハ所有者ノ希望ニ依リ適正ナル
價格ヲ以テ之ヲ邦貨債ニ借換へ、第二ニ、借
換ヘニ依リ地方債又ハ社債ノ發行者ニ損失
ヲ生ズル場合ニハ政府ニ於テ之ヲ補償
シ第三ニ、地方債又ハ社債ノ借換ヘラレ
ザル部分ニ付テハ其ノ元利支拂義務ヲ政
府ニ於テ承繼シ第四ニ、右承繼ノ場合ニ
於テハ、其ノ承繼ノ對價ヲ政府ニ納付セシ
ムルト云フコトデアリマシテ、此ノ措置ニ
關聯シ、必要ナル規定ヲ設ケテ居ルノデア
リマス而シテ借換ヘラレナカツタ外貨債
ニ付キマシテハ爾後外國爲替管理法ニ基
ク命令ニ依ル利子ノ支拂モ、敵產管理法ニ
基ク命令ニ依ル特殊財產管理勘定ヘノ利子
ノ拂込モ共ニ之ヲ致サナイ方針デアリマス
次ニ爲替交易調整特別會計設置等爲替交
易調整法案提出ノ理由ヲ說明致シマス現
下ノ情勢ニ顧ミ我ガ國ノ綜合國防經濟力ノ
確立發展ヲ基調トスル交易計畫ヲ樹立シ
是ガ實行ヲ確保スルコトハ戰爭完遂上最
モ緊要ナコトデアリマス、而シテ計畫交易
ノ實行ヲ確保致シマスル爲ニハ、特ニ共榮
圈內各地域ニ於ケル交易物資ノ價格差ヲ調
整シ、以テ物資交易上ノ障碍ヲ除去致スコ
トガ必要デアリマシテ、此ノ事ハ又我ガ國
ヲ中心トスル爲替政策及ビ物價政策ノ遂行
ニ資スル所モ、極メテ大ナルモノガアルノ
デアリマス、政府ハ物資ノ交易ヨリ生ズル
一切ノ價格上及ビ爲替上ノ差益、差損ハ之
ヲ國ニ歸屬セシムルコトトナシ、從來ノ交
易價格調整ニ關スル財政上及ビ爲替政策上
ノ措置等ヲ統合シ、是ガ一體的運營ヲ一層
强化スルト共ニ、價格差調整ニ關スル收支
ヲ綜合經理シ、以テ調整資金ノ效率的ナル
配分使用ヲ圖リマスル爲メ、特別會計ヲ設
置スルヲ適當ト認メマシテ、本法律案ヲ提
出致シマシタ次第デアリマス
次ニ特殊財產資金特別會計法案提出ノ理
由ヲ說明致シマス帝國ガ大東亞戰爭ニ依
リ大陸及ビ南方ノ作戰地域ニ於テ沒收又
ハ其ノ管理下ニ收メマシタ敵產ハ相當巨
額ニ上ル現狀デアリマシテ是ガ統一運
營ヲ圖リ以テ戰力ノ增强等ニ役立タシメ
マスコトハ時局下喫緊ノ要務ナリト存ゼ
ラルルノデアリマス而シテ是ガ統一運營
ヲ行フ爲ニハ是等財產ヲ我ガ國有ニ屬セ
シメル必要ガアルノデアリマシテ、其ノ爲
ニ特別ノ資金ヲ設置致スコトト致シタノデ
アリマス、而シテ其ノ資金ノ歲入歲出、之
ヲ一般ノ會計ト區分經理スルコトヲ、最モ
適當ナル方法ト存ゼラレマスル所、是ガ爲
ニハ特別會計ヲ設置スルノ必要ガアリマ
ス、仍テ本法律案ヲ提出致シマシタ次第デ
アリマス
以上五件ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒
御審議ノ上、速カニ協賛ヲ與ヘラレンコト
ヲ御願ヒ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=19
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020・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 質疑ノ通〓ガアリマ
ス、之ヲ許シマス小山倉之助君
〔小山倉之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=20
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021・小山倉之助
○小山倉之助君 私ハ玆ニ上程ニ相成リマ
シタ日本證劵取引所法案ニ對シマシテ數
點ノ質問ヲ試ミタイト存ジマス、此ノ法案
ハ取引所ニ取リマシテハ實ニ劃期的ノ大
變革デアリマシテ、隨テ我ガ經濟界ニ及ボ
ス影響モ、甚大ナリト言ハザルヲ得ナイノ
デアリマス、其ノ消極方面カラ見マスレバ
本案ノ實施ニ依リマシテ從來取引所デ行
ハレマシタ賭博行爲ガ抑制セラレマシテ
數限リナカツタ悲劇モ、玆ニ其ノ影ヲ潜メ
ルコトガアルデアラウト思ヒマスカラ、
本案ノ其ノ機構ハ相當是認スベキモノデア
ルト思フノデアリマス、併シナガラ之ヲ今
日ノ至上命令デアリマスル所ノ生產增强ト
云フ見地カラ見マスルナラバ幾多ノ疑問
ヲ挾マザルヲ得ナイノデアリマス、玆ニ數
項ニ分ケマシテ、政府ノ御所見ヲ承リタイ
ト存ジマス
第一ニ御質問申上ゲタイコトハ、本法案
ハ刻下喫緊ノ要請デアル戰力ノ增强ニ、直
接關係アリヤ否ヤト云フ點デアリマス政
府ハ戰時行政特例法案其ノ他ノ勅令ニ依リ
マシテ、鐵、石炭ヲ含ンダ五品目ヲ選定致シ
マシテ、其ノ增產ヲ圖ラント致シテ居リマ
スルコトハ全國民ヲシテ鑛山ノ內ニアル
ト外ニアルトニ拘ラズ、工場ノ內ニアルト
外ニ居ルトニ拘ハラズ、全國民ノ資材ト精
神ヲ傾倒セシメテ是等ノ資材ヲ增强シテ戰
力ヲ固メントスル趣旨ニ出デテ居ルノデア
リマス、本法案ハサウ云フ意味合カラ致シ
シマテ、ドウシテモ戰力增强ニ直接關係ア
リト認ムルコトガ出來ナイノデアリマスガ、
政府ノ御所見ハ如何デアリマスルカ否寧
ロ動モスレバ產業ヲ萎靡スルノ結果ヲ生ジ
ハシナイカト云フコトモ、疑ハルルノデア
リマス、卽チ產業人ノ企業心ヲ萎靡セシメ、或
ハ進ンデ經濟界ヲ沈淪セシムルヤウナ現象
ヲ生ジナイデアラウカト云フコトヲ憂ヘル
ノデアリマス、私ハ其ノ理由ヲ含メマシテ、
第二ノ質問ニ移リタイト存ジマス
第二ニハ政府ハ株式會社ノ機構ヲ確認
シ、之ヲ助長スルノ意思アリヤ否ヤト云フ
點デアリマス、御承知ノ如ク近來營團ノ組
織ガ漸次發展シテ參リマシテ事業ノ經營
ハ株式主義ヨリ營團主義ニ移行スルノデハ
ナイカト云フ危惧ヲ懷イテ居ル者ガ多イノ
デアリマス、御承知ノ通リ、曩ニハ或ハ交
通營團、或ハ產業營團、或ハ〓糧營〓又政
府ガ新タニ提案セントシテ居リマスル所ノ
交易營團、本法案モ亦多クノ營團的性質ヲ
帶ビルコトカラ見マシテ、政府ハ或ハ株式
主義ヲ改メテ、營團主義ニ移行スルノデハ
ナイカト云フ疑念ヲ濃厚ナラシメルニ至ツ
タノデアリマス
御承知ノ如ク營團主義ハ資本ト經營ヲ分
離セントスル思想カラ出發シテ居ル如ク思
バレマス、卽チ若シ政府ハ株式主義ヲ全
廢否之ヲ漸次營團主義ニ移行スルト致シ
マスレバ、資本ト經營ヲ分離スル、斯樣ナ
結果ヲ生ズルノデハナイカト云フ疑念ガ濃
厚トナツテ來ルノデアリマス、隨テ現在ノ
株式主義ヲ根幹トスル我ガ國事業ノ形態ニ、
急激ナル變更ヲ加フル結果トナリマシテ、
業界ノ不安ヲ深カラシメ、或ハ從來ノ株式
主義ヲ排斥シテ、營團主義ニ漸次移行スルト
ト云フ前提ガ、玆ニ築カレタノデハナイカト
云フ疑念ヲ懷クニ至リマシテ、產業界ニ或
ハ波瀾ヲ釀成スルコトナキカ、此ノ點ヲ憂
フルノデアリマスカラ、政府ハ此ノ際議場
ヲ通シテ天下ニ其ノ御意思ヲ發表セラレ
ンコトヲ要望スル次第デアリマス
此ノ點ニ關聯致シマシテ、私ハ更ニ第三
ノ質問ニ移リマス、政府ノ五千万圓ノ出資
ヲスルト云フ理由ハ何デアルカ、此ノ法案
ノ目的ト致シマスル所ハ其ノ機構ノ改革
ニ存スルノデアリマスルガ、其ノ機構ノ改
革ハ政府ノ五千万圓ノ出資ガナクトモナシ
得ルノデアリマス、國策遂行上政府ノ意思
ヲ滲透セシメントスル御趣旨デアリマセウ
ケレドモ、株式ヲ持タナクトモ國家ノ指導
ハ可能デアル、國家性ヲ取引所ニ持タシメル
コトハ出來得ルト信ズルノデアリマス、而
モ尙ホ二億万圓ノ中五千万圓ト云フ比較的
少額ノ資金ヲ政府ハ投資シテ、之ヲ管理セ
ントスルニハ或ハ國營主義ヲ斷行セント
スル企圖ヲ持ツテ居ルノデハナイカ、勿論
國營主義モ全然排斥スル譯ニハ參リマセヌ
國家必要トアラバ吾々國民ハ如何ナル政
府ノ方策ニモ從ハントスル用意ヲ持ツテ居
リマス併シナガラ此ノ國營主義ト云フモ
ノガ段々行ハレルト致シマスナラバ今日
ノ機構ヲ以テスレバ練達堪能ノ民間ノ經營
者ガ、其ノ企業ノ經營ニ當ルノデハナクシ
テ、多クハ官吏、又ハ其ノ退職ヲ致シマシ
タ所ノ所謂天降リ人事ニ依ツテ事業ガ
經營セラルル結果ト相成ルノデアリマス
(拍手)、過去幾十年間ノ經驗ト熱意ヲ以テ
經營セラレタル企業ハ素人ノ手ニ移サレ
動モスレバ責任回避ニ馴致セラレタル退職
官吏ノ手ニ置キ換へラレル結果トナリ-
ツニハ能率ノ低下ヲ來シ、一ツニハ國民ノ
企業心ヲ萎靡セシメ、戰力增强ドコロカ却
テ戰力ヲ衰退セシムル虞ナシトシナイノデ
アリマス(拍手)今議會ニ提案セラレマシ
タ重要法案ノ內容ヲ檢討シテ見マスルニ
隨所ニ天降リ人事ヲ行フコトガ容易ニセラ
レル改正ガ行ハレテ居ルノデアリマシテ
大藏省提出案ノ市街地信用組合法ノ中ニ
モ、之ヲ見ルコトガ出來ルノデアリマス
斯クノ如ク國民ハ今日國家ノ爲ニ消費規正
ヲ忍ビ、整理統合ニ協力シ、大增稅ヲ欣ン
デ迎へ、貯蓄ヲ斷行シテ政府ニ協力セント
スル此ノ際、其ノ勞苦ハ竝々ナラザルモノ
デアリマスルガ、此ノ間ニ政府ノ役人ガ汲
汲トシテ退官後ノ地位ヲ確保スル爲ニ、努
力是レ惜シマザル態度ガアルト云フ、少ク
トモ國民ニ疑念ヲ懷カシメルヤウナ政策ノ
形體ガ現ハレマスルナラバ或ハ惧ル、官
吏ニ對スル不滿ノ感情ヲ激成シ、國民ノ政
府ニ協力セントスル其ノ熱意ヲ冷却スル虞
ナキヤ否ヤ(拍手)勿論政府ノ施策、官吏ノ
施策ニ對シテ多少ノ不安ハアリマスルケ
レドモ戰爭ニ勝拔ク爲ニ一億一心、犧牲
ヲ國家ニ捧ゲントスル點ニ於キマシテ
ハ毫末ノ搖ギガナイト云フコトヲ、私ハ
斷言ヲ致シマス(拍手)
第四ニ御質問申上ゲタイコトハ、政府ハ
斯カル機構ノ下ニ於テ、果シテ嚴正ニ官紀
ヲ維持スル自信アリヤ否ヤト云フコトデア
リマス、從來市場相場ト云フモノハ市場
ニ於ケル需要供給ニ依ツテ決定セラレマシ
タカラ、其ノ市場ニ於テ損ヲスル者モ、得
ヲスル者モ何人ニモ其ノ恨ミヲ持掛ケル所
ハナイノデアリマス、然ルニ本法案ニ於キマ
シテハ政府ハ或ル程度相場ヲ左右スルノ
權力ヲ掌握スルノデアリマスカラ、政府ガ其ノ
市場操作ニ乘出スト云フ場合一ハ時ト致
シマシテ、所謂官製相場ト云フモノノ實現
ヲ見ナイトモ限ラナイ斯樣ナ場合ニ其ノ
損ヲシタ者ハ何人ヲ恨ムカ官吏ニ對スル
憎惡ノ念ニ燃エルノデアリマセウ、併シナ
ガラ斯クノ如キハ勿論恨ム者ノ過チデアリ
マシテ、齒牙ニ掛クルニ足ラヌノデアリマス
ガ、少クトモ官民離間ノ根源ヲ此ノ邊ニ
釀成スルコトヲ惧レルノデアリマス、私ノ最
モ憂ヒト致シマスル所ハ何デアルカ、企業
家ガ株式ノ高低ニ敏感デアルト云フコトハ
當然デアリマス、其ノ會社ノ信用ヲ高メンガ
爲ニ株價ノ〓騰センコトヲ冀フ又資金
ヲ獲得スルガ爲ニハ、相當ノ株價ガ市場ニ於
テ稱ヘラレルコトヲ要望スル、併シ又一方
ニ於テ此ノ市場ニ出入スル者ハ、鵜ノ目鷹ノ
目トナツテ株價ノ高低ニ夢中トナツテ居ルノ
デアリマスカラ、此ノ株ト云フモノノ相場ニ
對シテ關心ヲ持ツ者ガ多イ從來日本ノ經
濟機構ハ株式主義デアリマシタダケ、株式
ノ所有者ハ階級ノ上下ヲ問ハズ、相當多數ニ
上ツテ居ルノデアリマス、其ノ範圍ト數ガ廣
イダケ、又多イダケ、上下階級ノ利害ノ關ス
七四、、大且ツ深イト謂ハナケレバナリマ
セヌ故ニ市場ヲ繞ツテ攻防戰ガ激烈トナリ
マスルヤ高低ノ原因、或ハ理由、或ハ政
府ノ操作方針ナドヲ探索シテ株ノ賣買ニ
利用セントスル者ガ相當多イノデアリマス
ガヽ此ノ場今ニ於テハ手段ヲ選バナイコト
モアル顯官循吏ニシテ惡辣ナル手段ニ依
ツテ、幕夜密カニ誘惑ノ手ヲ差伸ベラレ、誘惑
ニ陷ツテシマツタ結果、其ノ身ノ破滅ヲ來シ
タ者モ、過去ニ於テハ相當多イノデアリマス、政
府ハ是等ノ點ニ付キマシテ、周到ナル用
意ヲ以テ法律ノ設定ニ當ラレマシタコトハ
私ハ之ヲ認メマスケレドモ、尙ホ本機構
ヲ以テ果シテ官紀ノ振肅ヲ嚴正ニ維持スル
コトガ出來ルカドウカ其ノ自信アリヤ否
ヤト云フ點ニ付テ、私ハ御尋ネ申上ゲタイ
ノデアリマス、此ノ機構ニ於キマシテハ、官
吏ハ相場ヲ左右スルニ付テ、實質的ノ力ヲ
持ツテ居ル、高潔、嚴正ナル官吏ガ斯カル機構
ノ渦中ニ入ルト云フコトハ梨下ノ冠瓜田
ノ履ト云フ譬ノアリマスル通リ、避ケナケ
レバナラヌコトデハアルマイカ、而シテ斯
カル機構ノ中ニ於キマシテ、實際ノ事務ニ
當ル者ハ下級ノ官吏ガ多イノデアリマ
ス、下級ノ官吏ハ薄給ノ待遇ヲ受ケテ中々
困難ヲシテ居ル、其ノ間隙ニ乘ジテ誘惑ガ
行ハレル、祕密ノ漏洩ト云フヤウナコト
モ、其處ニ原因スルコトガナイトハ限ラナ
イノデアリマス、東條首相ハ官紀振肅ヲ熱心
ニ說カレマシタ、煙ノアル所火ナシトハ
言ヘマセヌ、熱心ニ說カレタ所、其ノ說カ
レタ理由ガアルト云フコトヲ認メナケレバ
ナリマセヌ(拍手)官紀ノ肅正ヲ首相自ラ高
調セラレテ居リマシテモ一方ニ於テ官紀
紊亂ノ危險ノ虞アル機構ヲ作リマシテハ
何レノ時カ官紀ノ肅正ヲ期スルコトガ出來
ルデアリマセウ(拍千)百年河〓ヲ俟ツノ感
ヲ抱カザルヲ得ナイノデアリマス、政府ハ尙
ホ官吏ノ官紀紊亂ノ虞ナシト言フカ東條
首相ノ言葉ヲ拜借致シマスレバ、國家ノ官
吏ハ天皇陛下ノ官吏デアル〓廉潔白ガ
要請セラレテ居ル、國民ヲ指導シ、其ノ師
表トナルコトガ要請セラレテ居ル、國家ハ
之ニ對シテ動位ヲ以テ優遇シ恩給制度ヲ
以テ生活ノ保障ヲシテ居ル、之ニ反シテ民
間ノ企業家ハ粒々辛苦、企業ヲ通ジテ國
家ニ貢獻セント勵ンデ居リマス、勳位恩
給ニ浴スル者ハ)洵ニ曉ノ星ノ如ク少數
デアル、大多數ハ產業ヲ通シテ國家ニ奉公
セントシテ居ルノデアル、卽チ官吏ノ職域
ノ分野ト、民間ノ企業家ノ職域ノ分野トハ、
自ラ茲ニ判然ト岐レテ來タノデアリマスル
ガ、近來ハ其ノ分野ガ漸ク破レ、大官ノ人々
ガ多ク苦心ト經營ニナツタ產業人ノ地位
ヲ摩スル程ノ高キ地位ニ置キ、其ノ下層ニ
至リマシテハ、中樞部ニ入ツテ其ノ事業ノ
衝ニ當ル斯樣ナ途ガ滔々トシテ開カレマ
シタナラバ、ドウ云フ結果ニナルデアラウカ、
玆ニ官民ノ間ニ或ル感情ノ溝ガ生ジナイデ
アラウカト云フコトヲ憂ヘルノデアリマス、
政府ハ臨時資金調整法中改正法律案ニ於テ
株式市價安定ヲ圖ル爲メ必要アリト認ムル
トキハ金融機關ニ對シ其ノ持株ノ一部ヲ戰
時金融金庫ニ時價ニテ讓渡スベキコトヲ命
ジ得ルトシテアリマス、政府ハ凡百ノ事業
會社ノ株式ヲ、戰時金融金庫ニ保有セシム
ルコトガ出來ルノデアリマス、金庫ハ相當
多數ノ會社ノ株主トナリ得ルノデアリマス、
卽チ其ノ株ハ元々此ノ株ノ上下ヲ過當ナラ
シメザランガ爲ニ、操作ノ爲ニ必要ナル株
デアリマスルケレドモ、或ル會社ノ大株主ト
ナツタト云フコトヲ奇貨トシテ其ノ會社
ユ對シテ天降リ人事ガ行ハレルト云フヤウ
ナコトガ出來マシタナラバ、從來ハ大藏省
ノ天降リ人事ハ大體特殊銀行ニ限ラレテ居
ツタノデアリマスルガ是ニ於テカ更ニ其
ノ天降リ人事斷行ノ權益ガ擴張セラレタリ
ト言ツテモ差支ヘナイノデアリマス(拍手)斯
樣ナコトデ其ノ權益ガ擴張セラルルノミナ
ラズ、玆ニ官吏ト之ヲ圍ムモノトノ間ニ、
ドウ云フコトガ行ハレルカ、私ハ實ニ慄然
トシテ肌ニ汗ヲ覺エザルヲ得ナイノデアリ
やっり、卽ニ其ノ會社、市場、取引員トノ間
ニ所謂官廳筋ナル黑幕ノ暗躍ト云フコト
モ想像セラレナイデハナイノデアリマシテ、
私共ハ斯樣ナ點ニ付キマシテハ賢明ニ
シテ廉潔ナル大藏大臣ハ、周到ナル用意ア
リト云フコトヲ十分御認メ致シマスルガ、
尙ホ是等ノ點ニ付キマシテ、更ニ周到ナル
用意アランコトヲ切望セザルヲ得ナイノデ
アリマス
第五ニハ本機構ニアラザレバ公正ナル株
價ノ形成及ビ價格ノ安定ヲ期スルコトガ
出來ナイノデアルカドウカヽ株價ノ暴騰
ヲ抑制シ、騰貴ヲ抑壓スルト云フ手段ハ
配當制限或ハ經理統制令、是等ニ依ツテ講
ゼラレ得ルノデアリマス戰時金融金庫ヲ
以テ買入レタル株式ノ操作ニ依ツテモ安定
ヲ期セシメ、其ノ不安ヲ除クコトガ出來ル
ノデアルノニ、更ニ總動員法ニ依ル勅令ニ
基キマシテ上値ト下値ヲ抑ヘルコトガ出
來ルト云フ權限ヲ、政府ガ持ツテ居ルニ拘
ラズ尙ホ此ノ機構ヲ以テセザレバ株ノ
公正ナル價格ヲ形成スルコトモ出來ナケレ
バ株價ノ安定ヲ期スルコトモ出來ナイト
仰セラルルノカ其ノ發動セシムベキ權力
ヲ有スルニ拘ラズ尙ホ此ノ機構ヲ敢テ斷
行シナケレバナラヌノデアルカドウカ、此
ノ點ニ付テ政府當局ノ御意見ヲ伺ヒタイノ
デアリマス
第六ニハ本案ノ目的トスル所ハ、株價ヲ
抑制シテ公債消化ヲ强化スル目的サウ
云フ意味デハナカラウカ、少シク說明ヲシ
ナケレバナラヌノデアリマスルガ株價ガ
暴騰シテ、其ノ方面ニ資金ガ流入スルト云
フコトニナレバ、結局公債ノ消化ヲ鈍化セ
シメル結果トナリ、株價ヲ安定ナラシメテ、
而シテ公債ノ方面ニ資金ガ轉向スルト云フ
コトヲ目的トスルノデハナイカ、マサカ斯
樣ナ局限シタル目的ヲ以テ、此ノ機構ヲ改
メラレタトハ私ハ考ヘルノデハアリマセ
ヌガ、サウ云フ結果ヲ來シマスルト生產
擴充ノ上ニ影響ヲ來スト存ジマスルガ故ニ
此ノ質問ヲ敢テスル所以デアリマス、御承
知ノ如ク政府ハ此ノ機構ニ依リ株式ヲ低位
ニ置クト云フコトニナレバ、ドウ云フ結果
ニナルカ、勿論政府ハ株價ヲ適當ナル地位
ニ置クノデアツテ暴騰モサセナケレバ
暴落モサセナイサウ云フ〓一方ヘヲ御持チ
ノコトハ承知シテ居リマスルガ、餘リニ株
價ヲ抑ヘテ置キマスト、ドウ云フ結果ヲ生
ズルカ第一ニ株式ハ抑ヘルコトガ出來マ
之一九、、其ノ株式會社ノ有シテ居リマスル
所ノ設備ナリ資材ト云フモノノ値段ヲ下
ゲル譯ニハ行キマセヌ)株式ノ利廻ハ餘リ
面白カラズ世間ノ聞エモ惡イ、會社ノ經
營モ困難ダトナレバ、株式ノ賣買ヲ離レテ
其ノ設備自身ヲ賣拂ツテ會社ノ〓算ヲス
ルト云フヤウナ不心得ナモノガ現ハレナイ
トモ限ラナイ、、此ノ非常時局ニ於キマシテ
斯クノ如キ行爲ハ洵ニ忌ムベキデハアリマ
スケレドモ、御承知ノ通リ今日闇ハ橫行シ
居リマシテモ如何トモスルコトハ出來マセ
ヌ此ノ點ニ付テ御留意ヲ願ヒマス又御
承知ノ如ク其ノ二ト致シマシテハ、近來銀
行ノ合同ニ依ツテ、其ノ大キナ銀行ガ重點的
ニ、國家ノ要請スル、重產業ニ投資スルコトガ出
來タト致シマシテモ、此ノ合同ニ依ツテ中小
企業者、親會社ノ協力會社トモ云フベキサ
ウ云フ方面ノ金融機關ガ激減シテ參リマシ
タ結果、是等ノ中小企業者ハ相當ノ困難ヲ
覺エテ居ル、政府ハ鐵、石炭等五品目ニ對
シテ、戰時行政特例法ノ發動ヲナシテ以
テ資金ノ融通ヲ完全ニスルト云フコトヲ聲
明セラレテ居リマスルガ、例ヘバ玆ニ一ツノ
飛行機會社ヲ取ツテ見マシテモ或ハ船會
社ヲ取ツテ見マシテモ、是等ノ親會社ハ組
立工場ト云ツテ差支ナク、其ノ背後ニハ數百
ノ協力工場ヲ以テシナケレバナラヌノデア
リマス、其ノ協力工場ガ完全ナル發達ヲシ
テ、其ノ親會社ニ立派ナ資材ヲ供給スルニア
ラズンバ一箇ノ飛行機モ一隻ノ船モ完
全ニ之ヲ造リ上ゲルコトハ出來マセヌヽ政
府ハ此ノ度戰時行政特例法案ニ依ツテ唯
親會社ノミヲ目標トシテ此ノ法案ノ發動
ヲスルノデアルカ、其ノ背後ニ於ケル數百
ノ協力會社ニ對シテモ之ヲ發動シテ其
ノ發達助長ヲ圖リ、協力ヲ圓滿ニスル考へ
デアルカドウカ、此ノ點ノ決意ト其ノ用意
ヲ伺ヒタイト存ジテ居ルノデアリマスルガ、
是等ノ協力會社ノ賴ミトスル所ハ株式市
場ニ於テ其ノ資金ヲ吸收スルト云フコトニ
アリマス、株價ガ相當ノ値頃ニナケレバ銀
行ハ之ニ融通スルコトヲ拒ミマス、ソレハ
或ハ政府ノ方デ資金ヲ調達スルト言フデア
リマセウ、併シナガラ政府ノ調達ヲ受ケヨ
ウト致シマシテモ、其ノ手續ノ煩瑣ナルコ
ト其ノ事業ノ性質ヲ金融機關ナリ政府
當局ニ認識セシムルコトガ中々困難デアリ
やっ、之ヲ認識セシメマスルコトハ生產
ノ增强ヲ圖ルコトヨリモ、尙ホ困難デアル
ト云フノガ、今日ノ定說デアリマス(拍手)
卽チ行政簡素化ノ手續ガ出來マシテモ金
融機關ニ於ケル或ハ銀行家、或ハ資金調整
ニ當ル所ノ官吏ヲシテ認識セシメルコトノ
困難ハ尙ホ玆ニ殘ルノデアリマス、故
是等ノ困難ヲ除去スル一ツノ方法ト致シマ
シテハ、株式市場ニ於テ其ノ株價ヲ或ル程
度高位ニアラシメテ、資金ノ融通ヲ圓滑ナ
ラシムルト共ニ、彼等ハ獨自デ金融機關ト
ノ交涉ニ依ツテ、資金ガ潤澤ニ得ラレルト
云フ、サウ云フ形態ヲ取ルニアラザレバ
現在「ソロモン」ニ於テ戰ツテ居ル此ノ戰力
ヲ、今日增强スルコトハ困難デアリマス
吾々ハ明日ノコトヲ考ヘテ居ルノデハナイ、
明後日ノコトヲ考ヘテ居ルノデハアリマセ
ヌ况ンヤ機構ノ〓備スルマデ二箇月モ、
三箇月モ半年モ一年モ後ヲ考ヘテ居ル
ノデハナイ、今日ノ戰力ノ增强ヲ吾々ハ要
望シテ居ルノデアリマス、此ノ機構ハ果シ
テ今日ノ斯樣ナ時局ノ要望ニ應ヘル機構ナ
リヤ否ヤ、此ノ機構ガ今日ノ經濟界ニ又
過去ニ於テ生產增强ヲ阻止シタヤウナ原因
ヲ作ルコトナキヤ否ヤト云フ點ニ付キマシ
テ私ハ深甚ナル憂慮ヲ拂ツテ居ル次第デ
アリマス
私ハ政府ニ對シマシテ洵ニ悲觀的ナ質問
ヲ申上ゲタノデアリマスルガ、玆ニモウ一
ツ御見解ヲ伺ヒタイコトハサウ云フ協力
會社ノ保護助長、其ノ金融ヲ圖リ其ノ自
己資金ヲ潤澤ナラシメルト云フ手段方法ト
致シマシテハ市場ノ活用モ必要デアル
其ノ市場ヲ活用スル上ニ旣ニ〓算取引ト
云フ複數制度ヲ認メタ以上ハ東京、大阪
ト二箇所ニ限ラズ更ニ之ヲ活用スル必要
ナキヤ否ヤ斯ウ云フ點ニ付キマシテモ最
後ニ御答辯ガ願ハシイノデアリマス〓
只今申上ゲマシタ通リ、悲觀的ノ方面バ
カリ申上ゲテ洵ニ申譯ナイノデアリマスル
ガ、又政府ノ反省スベキ、否、政府ノ御留
意ヲ乞フベキ點ノミヲ中上ゲタノデアリマ
スルガ、是ガ爲ニ決シテ私ハ今日ノ產業人
ヲ擁護セントスル者デハアリマセヌ、產
業人ノ大イナル反省ヲ求メナケレバナラ
ヌ點モ相當ニアルノデアリマス、併シナガ
ラ今日ハドウ云フ國民デアリマシテモ、一
億一心、玆ニ戰力ノ增强ヲ圖ラナケレバナ
ラヌ場合デアリマスカラ是等ヲ十分御留
意下サイマシテ本案ノ完全ナル遂行ヲ冀
フノデアリマスガ、私ノ質問ニ對スル要點
ニ御答ヘヲ願ヒマス
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=21
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022・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今ノ御質問ニ
對シマシテ御答へ申上ゲマス第一ハ本案
ハ刻下緊要ナル戰力ノ增强ニ直接關係アリ
ヤナシヤト云フ點デアリマス、政府ハ戰力
ノ增强ニ付キマシテハ一面經濟秩序ノ維
持ト云フコトガ、最モ大切デアルト存ジテ居
リマス、秩序ガ維持セラレマセヌ間ニ於テ
眞ニ能率ヲ上ゲ得ル活動ハ行ハレナイノデ
アリマス戰時ニ於テ經濟秩序ヲ紊シ、致
命的ニ破壞シマス最モ恐ルベキモノハ所
謂惡性「インフレーション」ノ現象デアリマ
ス戰時ニ於キマシテハ惡性「インフレ」ハ
少シノ隙間デモアレバ其ノ姿ヲ現ハシマ
シテ、毒牙ヲ揮ハント致シテ居ルノデアリマ
ス凡ユル租稅政策ヤ、貯蓄政策ヤ、物資
ノ統制政策、生產ノ增强政策、各方面ノ綜
合對策ニ依リマシテ、之ヲ封殺致シテ居ルノ
デアリマス、是ハ戰時ニ於キマシテ高度ノ
統制ノ不可能ナル國ガ、間モナク惡性人代
ンフレ」ニ近イ狀態ニ陷ルコトデ明瞭ナノ
デアリマス現在我ガ國ハ之ヲ封殺シマス
ル各種ノ體制ハ、大體整ツテ居ルノデアリマ
スルガ、一番大キナ穴ガ開イテ居リマスノ
ハ、株式取引ノ方面デアリマス、是ハ大體ニ
於テ先刻モ御說明申上ゲマシタ通リ、舊イ體
制デアリマスヽ私ハ觀念的ニ新體制トカ
舊體制トカ云フコトヲ申上ゲル譯デハアリ
マセヌガ、何シロ取引市場ノ繁朱營利ト云
フコトヲ主眼ニシテ出來テ居リマス之二
關係シマスル人々ノ氣持モソレガ主デアリ
マイク、近來時局ノ要請ニ應ジマシテ相當反
省シ、國策ニ協力スルノ色ハ見エマスノデ
アリマスガ何サマ其ノ古クカラノ性格ト
云フモノハ、拔ケテ居リマセヌノデアリマス、
凡ユル方面ニ於テ惡性「インフレ」ノ途ハ封
殺サレテ居リマスガ、戰時ノ換物運動ガ巧
妙ナ形デ最モ恐ルベキ姿ヲ現ハス途ハ株
式ノ騰貴デアルノデアリマス「ドイツ」ニ
於キマシテハ一昨年ノ暮ニ一定價格ニ依
ル株式ノ讓渡命令ヲ出シマシタガ、我ガ國
ニ於キマシテハ一面株式市場ノ公正ナル、
穩健ナル働キガ必要デアルト云フコトヲ考
ヘマスルナラバソレガ洵ニ急激ナル方法
ニ依ツテ其ノ機能ガ停止サレナイヤウナ
事態ニ早ク導イテ行クコトガ極メテ大切デ
アルト思ヒマス、今ヤ本年ハ決戰下ニ入リ
マシタ、是ガ爲ニハ經濟界モ色々努力モ忍
苦モシナケレバナラヌト思ヒマス、是ガ從
來ノ觀念ヲ以テスレバ、株式ノ下落ノ方ニ
モ騰貴ノ方ニモ大キナ思惑ノ原因ニナルコ
トモアリ得ルノデアリマスカラ豫メ豫防
ノ途ヲ講ジナケレバナラヌト思フノデアリ
マス、其ノ故ニ色々ノ方法ニ依リマシテ、
斯カル事態ニ導カヌヤウニ致シマスルコト
ガ現在ノ國家ノ戰勝完遂體制ニ絕對ニ必
要デアリマスルノデ本機構ノ改革ヲ考へ
マシタ次第デアリマス
次ニ政府ハ營團或ハ金庫ノ類ノ事業形態
ニ依ツテ將來株式企業形態ヲ輕視スルノ
デハナイカト云フヤウナ御說デアリマシタ
ガ、政府ハ營團主義トカ、株式主義トカ
左樣ナ主義ニ依ツテハ決シテモノヲ致シテ
居リマセヌ企業ハ株式形態ニ依ツテ營マ
ルルコトヲ希望シテ居リマス、唯色々ノ營
團ナドガ出來マスルノハ具體的ニ其ノ必
要ヲ認メテ出シマス譯デ、所謂主義トカ原
則ガ變ツタ點ハ毛頭ナイノデアリマス隨
ヒマシテ「イデオロギー」的ニ資本ト經營ノ
分離デアルトカ言フヤウナコトハ考ヘテ居リ
マセヌ最モ適切ナル仕事ヲ其ノ事業々々
ニ應ジテ適切ニヤツテ行クト云フコトデア
リマス只今場合ニ依リマシテハ算盤ヲ離
レテヤルヤウナ必要ガ多イノデアリマシテ
隨テ色々普通ノ形態ト違フモノモアリマス
ルガ、一ニ是ハ當面戰爭ノ必要ニ應ズル手段
ニ過ギナイノデアリマス、又政府ガ出資ヲ
ナスノハ如何カト云フ御話デアリマス、是
ハ重業ノ公益的性質ニモ顧ミマシテ出資ス
ルノガ適當デアリマスルシ、又所謂營利主義
デアリマセヌノデ、新シク出來マシタ取引
所ノ保護ノ爲ニモ政府ガ川資シテ置キマス
レバ其ノ政府ノ出資スル配當ハ之ヲ免除
シ得ル場合モ出來マス所謂取引所ノ育成
强化ノ爲ニモ相成ツテ出資スル、ソレニ過
ギナイノデアリマス
尙ホ營〓其ノ他ニ付キマシテ官吏ノ天降リ
ノ御話ガアリマシタ是ハ最モ戒心ヲ致ス
ベキコトデアリマス、總理大臣モ其ノ點ニ
ハ十分ニ注意ヲ拂ハレ、私共政府一同極メ
テ是ハ公正ナル態度ニ出タイト思ヒマス
始終總理モ申サレテ居リマスルヤウニ
億國民ノ總意、湧キ上ル力ガ戦爭ノ力デア
リマス、官吏ガ苟モ自己ノ利益ナドス考ヘ
ルヤウナコドハ官吏モ其ノ自分ノ本質
天皇ノ官吏タルヲ自覺致シマシテ、斷然
斯カルコトガナイヤウニ十分ニ自覺セシメ
ルヤウニ致シテ居リマス、將來モ決シテナ
イヤウニ十分努力シ、之ヲヤリ拔ク確信デ
居ルノデアリマス政府機構ノ下ニ於テハ
政府ガ株價ノ形成ニ關係ヲスルヤウニナリ
官紀紊亂ノ虞レハナイカト云フ御質問デア
リマシタ、戰時經濟ニ於キマシテハ或ハ
增資ヲ認可シ、新設ヲ認可スル配當ヲド
ウスル株價ノ重大ナル形成ニ關係ノアル
ヤウナ事項ガ戰爭完遂ノ爲ニ已ムヲ得ズヤ
ラナケレバナラヌ事態ニナツテ居ルノデア
リマス
株式ノ相場ニ付キマシテモ前申シマシタ
ヤウニ暴騰ハ防止シナケレバナリマセヌ
暴騰ハ暴落ノ因デアリマス、暴落ハ產業資
金ノ調達ヲ害シマス、是等ノコトニ付テハ
政府ガ敢テ手ヲ出シマスル必要ガナイコト
ハ最モ好マシイノデアリマスルガ、戰時下
ソレデハ先程モ申上ゲマシタヤウニ完全ニ
資金政策ヲ行フコトガ出來マセヌノデ、已
ムヲ得ズ敢ヘテ出マスル譯デアリマス而
シテ出マスル以上ハ眞ニ官紀ヲ嚴正ニ致シ
マシテ、御心配ノヤウナコトハ斷然ナイヤ
ウニ致シマス又之ニ關係シマスル官吏ハ
極メテ少數デアリマシテ其ノ任免等極メ
テ愼重ニ考慮ヲ拂フ所存デゴザイマス、
尙ホ斯ル方法ヲ執ラナクテモ相場ハ公正
ニ出來ルノデハナイカト云フヤウナ意味ノ
御話モゴザイマシタガ、是ハ過去ノ經驗ニ
徵シマスルニ、所謂過當ノ騰貴ヲ致シ、過
當ノ暴落ヲ致シマシタコトモ亦是レ實際デ
アリマス、公正ナ相場ノ出來ルコトモアリ
マスルガ、從來デハ一番大事ナ時ニ暴騰暴
落ヲヤリ過ギルノデアリマス戰時下現在
ノ機構ニ任セテ置ク譯ニハ參ラナイノデゴ
ザイマス、又株ノ賣却ノ實力ヲ得マスル爲
ニ、戰時金融金庫ニ株式ヲ賣却セシムル命令
ニ付キマシテハ是ハ全ク其ノ目的ニ出ヅ
ルノデアリマシテヽ其ノ爲ニ會社ノ經營ニ
寸毫ノ支障ノナイヤウニ是ガ株ヲ持ツタ
カラ會社ノ經營、人事ニロヲ出ス、左樣ナ
コトニハ絕對サセナイ所存デゴザイマス、
本案ノ目的ハ公債價格ノ維持デハナイカト
云フ御話デアリマシタ、私ハ多クノ機會ニ
申シテ居ルノデアリマス、戰時ニハ公債ダ
ケ消化スレバソレデ戰爭ニ勝テルカサウ
ヂヤナイノデアリマス、社債デモ、貸出デ
モ、株デモ戰爭ニ勝ツ爲メノ生產擴充ニ
必要ナル資金ハ皆出ナケレバナラナイノデ
アリマス、要ラザル資金ハ一文モ出ナイヤ
ウニシナケレバイケナイノデアリマシテ、
全ク公債モ株モ社債モ同樣ニ考ヘテ居リマ
ス、總テノ施策ハ其ノ方針デ參ツテ居ルノ
デアリマス
次ニ清算市場ヲ東京、大阪ニ限定スルコ
トハドウカト云フ御話デゴザイマシタ是
ハ今後ニ於テ〓究スベキ問題デハアリマス
ルガ、現在ノ〓算取引ト云フモノハ、旣
殆ド大部分ガ東京、大阪ニ集中セラレテ居
ルノデアリマス、隨ヒマシテ〓算取引ニハ
弊害モアリマスルガ、多數ノ場所ニ〓算取
引所ヲ設置スルコトハ考ヘモノデアルト存
ジテ居ル次第デアリマス
尙ホ銀行ノ合同等ニ付キマシテ必要ナル
產業資金ノ御話モアリマシタガ銀行ノ合
同ハ一口ニ申セバ歡迎スベキコトデゴザイ
マス、併シナガラ今日ハ基礎薄弱ナルガ故
ニ合同セシメナケレバナラヌト云フ銀行ハ
殆ドナイノデアリマス、隨ヒマシテ唯合同
ヲスレバ宜イト云フヤウナ考デ政府ハ決シ
テ指導ヲ致シテ居リマセヌ地方金融、部
局的ノ金融ニモ十分ノ注意ヲ拂フノデアリ
やく、資金調整法ニ於キマシテモ設備ノ擴張
ハ必ズ之ニ掛ルノデアリマスルガ、現下ノ
戰力增强ニ必要ナルモノハソレガ間接ニ
下請工場デアリマシテモ、何デアリマシテ
モ、政府ハ之ニ對シテ十分ノ便宜ヲ圖ル所
存デ居リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=22
-
023・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ各案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=23
-
024・森下國雄
○森下國雄君 日程第二十三乃至第二十七
ノ五案ヲ一括シテ議長指名二十七名ノ委員
ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=24
-
025・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=25
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026・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
二十八、東京都制案ノ第一讀會ヲ開キマ
ス-湯澤內務大臣
第二十八東京都制案(政府提出)
第一讀會
東京都制案
東京都制目次
第一章總則
第一節都及其ノ區域
第二節都住民及其ノ權利義務
第三節都條例及都規則
第二章都議會
第一節組織及選擧
第二節職務權限
第三章都參事會
第一節組織及選學
第二節職務權限
第四章都ノ官吏及吏員
第五章給料及給與
第六章都ノ財務
第一節財產、營造物及都稅
第二節歲入出豫算及決算
第七章都ノ監督
第八章區市町村
第一節區
第二節市町村
第九章雜則
東京都制
第一章總則
第一節都及其ノ區域
第一條東京都ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ法令ノ範圍內ニ於テ其ノ公共事務及
法令ニ依リ都ニ屬スル事務ヲ處理ス
第二條都ノ區域ハ從來ノ東京府ノ區域
三郎ハ
第三條都ノ境界變更ヲ要スルトキハ法
律ヲ以テ之ヲ定ム但シ區市町村ノ設置
ヲ伴ハザル場合ニ於テハ都參事會竝ニ
關係アル府縣參事會及區市町村會ノ意
見ヲ徴シテ內務大臣之ヲ定ム
前項ノ場合ニ於テ財產アルトキハ其ノ
處分ハ都參事會竝ニ關係アル府縣參事
會及區市町村會ノ意見ヲ徵シテ內務大
臣之ヲ定ム但シ特ニ法律ノ規定アルモ
ノハ此ノ限ニ在ラズ
都ノ境界變更ニ伴フ府縣又ハ都外ノ市
町村ノ廢置分合、境界變更又ハ財產處
分ハ前二項ノ規定ニ依ル
所屬未定地ヲ都ノ區域ニ編入セントス
ルトキハ第一項但書ノ例ニ依ル
第四條都ト都外ノ市町村トノ境界ニ關
スル爭論ハ內務大臣之ヲ裁定ス
都ト都外ノ市町村トノ境界判明ナラザル
場合ニ於テ前項ノ爭論ナキトキハ內務
大臣之ヲ決定スベシ
第一項ノ規定ニ依ル裁定及前項ノ規定
ニ依ル決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ
理由ヲ附シ之ヲ都及關係アル市町村ニ
交付スベシ
市制第五條及町村制第四條ノ規定ハ前
三項ノ場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第二節都住民及其ノ權利義務
第五條都內ニ住所ヲ有スル者ハ都住民
トス
都住民ハ本法ニ從ヒ都ノ營造物ヲ共用
スル權利ヲ有シ都ノ負擔ヲ分任スル義
務ヲ負フ
第六條帝國臣民タル年齡二十五年以上
ノ男子ニシテ二年以來都住民タルモノ
ハ都公民トス但シ左ノ各號ノ一ニ該當
スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一禁治產者及準禁治產者
二破產者ニシテ復權ヲ得ザルモノ
三貧困ニ因リ生活ノ爲公私ノ救助ヲ
受ケ又ハ扶助ヲ受クル者
四一定ノ住所ヲ有セザル者
五六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處
セラレタル者
六刑法第二編第一章、第三章、第九
章第十六章乃至第二十一章、第二
十五章又ハ第三十六章乃至第三十九
章ニ揭グル罪ヲ犯シ六年未滿ノ懲役
ノ刑ニ處セラレ其ノ執行ヲ終リ又ハ
執行ヲ受クルコトナキニ至リタル後
其ノ刑期ノ二倍ニ相當スル期間ヲ經
過スルニ至ル迄ノ者但シ其ノ期間五
年ヨリ短キトキハ五年トス
七六年未滿ノ禁錮ノ刑ニ處セラレ又
ハ前號ニ揭グル罪以外ノ罪ヲ犯シ六
年未滿ノ懲役ノ刑ニ處セラレ其ノ執
行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキ
ニ至ル迄ノ者
都ハ都參事會ノ議決ヲ經テ前項ノ規定
ニ依ル二年ノ制限ヲ特免スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル二年ノ期間ハ都ノ
境界變更ノ爲中斷セラルルコトナシ
第七條都公民ハ都ノ選擧ニ參與シ都ノ
名譽職ニ就ク權利ヲ有シ都ノ名譽職ヲ
擔任スル義務ヲ負フ
左ノ各號ノ一ニ該當セザル者名譽職ニ
就クコトヲ辭シ又ハ其ノ職ヲ辭シ若ハ
其ノ職務ヲ實際ニ執行セザルトキハ都
ハ都參事會ノ議決ヲ經テ一年以上四年
以下其ノ都公民權ヲ停止スルコトヲ得
-疾病ニ罹リ公務ニ堪ヘザル者
二業務ノ爲常ニ都內ニ居ルコトヲ得
ザル者
三年齡六十年以上ノ者
四官公職ノ爲都ノ公務ヲ執ルコトヲ
得ザル者
五四年以上都ノ名譽職ニ任ジ爾後同
一ノ期間ヲ經過セザル者
六其ノ他都參事會ノ議決ニ依リ正當
ノ事由アリト認ムル者
前項ノ規定ニ依ル處分ヲ受ケタル者其
ノ處分ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ
出訴スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル處分ハ其ノ確定ニ
至ル迄執行ヲ停止ス
都公民租稅滯納處分中ハ都ノ名譽職ニ
就クコトヲ得ズ
第八條陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ
(未ダ入營セザル者及歸体下士官兵ヲ
除ク)及戰時若ハ車變ニ際シ又ハ兵役
法第五十五條第二項ノ規定(志願ニ依
リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之
ニ該當スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ
召集中ノモノハ都ノ公務ニ參與スルコ
トヲ得ズ兵籍ニ編入セラレタル學生生
徒(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)亦同ジ
第三節都條例及都規則
第九條都ハ都住民ノ權利義務又ハ都ノ
事務ニ關シ都條例ヲ設クルコトヲ得
都ハ都ノ營造物又ハ都ノ事務ニ關シ都
條例ヲ以テ規定スルモノノ外都規則ヲ
設クルコトヲ得
都條例及都規則ハ一定ノ公〓式ニ依リ
之ヲ告示スベシ
第二章都議會
第一節組織及選擧
第十條都ニ都議會ヲ置ク
都議會講員ハ其ノ被選擧權アル者ニ就
キ選擧人之ヲ選擧ス
議員ノ定數ハ百人トス
第十一條都議會議員ハ各選擧區ニ於テ
之ヲ選擧ス
選擧區ハ區市ノ區域又ハ地方事務所長
費支廳長ノ管轄區域ニ依ル
前項ノ區域ノ人口著シク少キトキハ都
條例ヲ以テ其ノ區域ト隣接ノ區域トヲ
合セテ一選擧區ヲ段クルコトヲ得
議員ノ任期中新ニ第二項ノ區域ノ設定
アリタル場合ニ於テ從前其ノ區域ノ屬
シタル選擧區ノ配當議員數同項ノ規定ニ
依ル縣係選擧區ノ數ニ達セザルトキハ
同項ノ規定ノ適用ニ付テハ次ノ總選擧
ニ至ル迄ノ間其ノ區域ハ仍設定セラレ
ザルモノト看做ス
並Ⅳノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ命
令ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條各選擧區ニ於テ選擧スベキ都議
會議員ノ數ハ都條例ヲ以テ之ヲ規定ス
ベシ
議員ノ配當ニ關シ必要ナル專項ハ內務
大臣之ヲ定ム
第十三條都公民ハ總テ都議會議員ノ選
擧權ヲ有ス但シ公里權停止中ノ者又ハ
第八條ノ規定ニ該當スル者ハ此ノ限ニ
在ラズ
第十四條都議會議員ノ選擧權ヲ有スル
都公民ハ其ノ被選擧權ヲ有ス
在職ノ檢事、警察官吏及收稅官吏ハ被
選擧權ヲ有セズ
選擧事務ニ關係アル官吏及吏員ハ其ノ
關係區域內ニ於テハ被選擧權ヲ有セズ
都ノ官吏及有給ノ吏員、〓員其ノ他ノ
聯員ニシテ在職中ノモノハ都議會議員
ト相兼ヌルコトヲ得ズ
衆議院議員ハ都議會議員ト相兼ヌルコ
トヲ得ズ
第十五條都議會議員ハ名譽職トス
議員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ
之ヲ起算ス
第十六條都議會議員中缺員ヲ生ジタル
トキハ其ノ缺員ト爲リタル議員ガ選擧
ノ期日ヨリ一年以內ニ缺員ト爲リタル
モノナル場合ニ於テ第四十四條第一項
但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリ
モノアルトキ又ハ選擧ノ期日ヨリ一年
經過後ニ於テ缺員ト爲リタルモノナル
場合ニ於テ同條第二項ノ規定ノ適用ヲ
受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザ
リシモノアルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ
其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ此
ノ場合ニ於テハ第五十條第四項ノ規定
ヲ準用ス
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ
同項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ム
ルモ仍其ノ缺員ノ數ガ第五十條第一項
ニ謂フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定
數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ
又ハ都長官ニ於テ必要アリト認ムルト
キハ補缺選擧ヲ行フベシ此ノ場合ニ於
テハ第五十條第五項ノ規定ヲ準用ス
議員ノ缺員ノ數第五十條第一項ニ謂フ
當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第五十五
條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル
場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ補缺選
擧ヲ行フベシ但シ第五十五係第一項又
ハ第三項ノ選擧ノ〓示アリタル後議員
中缺員ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第五十條第七項ノ規定ハ前項ノ補缺選
擧ニ之ヲ準用ス
補缺議員ハ其ノ前任者ノ殘任期間在任
ス
第十七條區市町村長ハ每年九月十五日
ノ現在ニ依リ選擧人名簿ヲ調製スベ
シ
名簿ニハ其ノ區市町村內ニ住所ヲ有ス
ル選擧人ヲ登錄スベシ
選擧人ノ年齡ハ名簿確定ノ期日ニ依リ
之ヲ算定ス
名簿ニハ選擧人ノ氏名、住所及生年月
日等ヲ記載スベシ
第十八條區市町村長ハ十一月五日ヨリ
十五日間區役所、市役所町村役場又
ハ其ノ指定シタル場所ニ於テ選擧人名
簿ヲ關係者ノ縱覽ニ供スベシ
區市町村長ハ縦覽開始ノ日前三日目迄
ニ縱覽ノ場所ヲ〓示スベシ
第十九條選擧人名簿ニ脫漏又ハ誤載ア
リト認ムルトキハ關係者ハ縱覽期間內
ニ區市町村長ニ異議ノ申立ヲ爲スコト
ヲ得此ノ場合ニ於テハ區市町村長ハ其
ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ
之ヲ決定シ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ
直ニ之ヲ修正スベシ
前項ノ規定ニ依ル決定ニ不服アル者ハ
其ノ決定アリタル日ヨリ七日以内ニ都
長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ
行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シ又ハ名
簿ノ修正ヲ爲シタルトキハ區市町村
長、前項ノ規定ニ依リ裁決ヲ爲シタル
トキハ都長官ハ直ニ其ノ要領ヲ〓示ス
ベシ
第二十條選擧人名簿ハ十二月二十日ヲ
以テ確定ス
名簿ハ次年ノ十二月十九日迄之ヲ据置
クベシ
前條第二項ノ場合ニ於テ裁決確定シ又
ハ判決アリタルニ因リ名簿ノ修正ヲ要
スルトキハ區市町村長ハ直ニ之ヲ修正
スベシ
前項ノ規定ニ依リ名簿ノ修正ヲ爲シタ
ルトキハ區市町村長ハ直ニ其ノ要領ヲ
告示スベシ
第二十一條天災事變等ノ爲必要アリタ
ルトキハ更ニ選舉人名簿ヲ調製スベシ
前項ノ規定ニ依ル名簿ノ調製、縱覽、
確定及異議ノ決定ニ關スル期日及期間
ハ都長官ノ定ムル所ニ依ル
區市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリ
タル場合ニ於テ名簿ニ關シ其ノ分合其
ノ他必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第二十二條都長官ハ選擧ノ期日前二十
日目迄ニ選擧ヲ行フベキ選擧區投票
ノ日時及各選擧區ニ於テ選擧スベキ議
員數ヲ〓示スベシ
天災事變等ノ爲投票ヲ行フコト能ハザ
ルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アル
トキハ都長官ハ當該選擧區又ハ投票區
ニ付投票ヲ行フベキ日時ヲ定メ投票ノ
期日前七日目迄ニ之ヲ告示スベシ
第二十三條議員候補者タラントスルギ
ハ選擧ノ期日ノ〓示アリタル日ヨリ選
擧ノ期日前七日目迄ニ其ノ旨ヲ選擧長
ニ屆出ヅベシ
選擧人名簿ニ登録セラレタル考他人ヲ
議員候補者ト爲サントスルトキハ前項
ノ期間內ニ其ノ推薦ノ屆出ヲ爲スコト
ヲ得
前二項ノ期間內ニ屆出アリタル議員候
補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超
ユル場合ニ於テ其ノ期間ヲ經過シタル
後議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タ
ルコトヲ辭シタルトキハ前二項ノ例ニ
依リ選擧ノ期日前二日目迄議員候補者
ノ屆出又ハ推薦屆出ヲ爲スコトヲ得
議員候補者ハ選擧長ニ屆出ヲ爲スニ非
ザレバ議員候補者タルコトヲ辭スルコ
トヲ得ズ
前四項ノ規定ニ依ル屆出アリタルトキ
又ハ議員候補者死亡シタルコトヲ知リ
タルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示
スベシ
第二十四條議員候補者ノ屆出又ハ推薦
屆出ヲ爲サントスル者ハ議員候補者一
人ニ付二百圓又ハ之ニ相當スル額面ノ
國債證書ヲ供託スルコトヲ要ス
議員候補者ノ得要數其ノ選擧區ノ配當
議員數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ
得タル數ノ十分ノ一ニ達セザルトキハ
前項ノ規定ニ依ル供託物ハ都ニ歸屬ス
前項ノ規定ハ議員候補者選擧ノ期日前
十日以內ニ議員候補者タルコトヲ辭シ
タル場合ニ之ヲ準用ス但シ被選擧權ヲ
有セザルニ至リタル爲議員候補者タル
コトヲ辭シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五條投票區ハ區市町村ノ區域ニ
依ル
都長官必要アリト認ムルトキハ區市町
村ノ區域ヲ分チテ數投票區ヲ設ケ又ハ
數町村ノ區域ヲ合セテ一投票區ヲ設ク
ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票區ヲ設クル場合
ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第二十六條區市町村長ハ投票管理者ト
爲リ投票ニ關スル事務ヲ擔任ス
投票所ハ區役所、市役所、町村役場又
ハ投票管理者ノ指定シタル場所ニ之ヲ
設ク
投票管理者ハ選擧ノ期日前五日目迄ニ
投票所ヲ〓示スベシ
第二十七條議員候補者ハ各投票區ニ於
ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ
中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ投票立會人一
人ヲ定メ選擧ノ期日前二日目迄ニ投票
管理者ニ屆出ヅルコトヲ得但シ議員候
補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ
辭シタルトキハ其ノ屆出デタル投票立
會人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル投票立會人三人ニ達
セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リ
タルトキ又ハ投票立會人ニシテ參會ス
ルモノ投票所ヲ開クベキ時刻ニ至リ三
人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達
セザルニ至リタルトキハ投票管理者ハ
其ノ投票區ニ於ケル名簿ニ登錄セラレ
タル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ投票
立會人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ
投票ニ立會ハシムベシ
投票立會人ハ名譽職トス
第二十八條選擧人ニ非ザル者ハ投悪所
ニ入ルコトヲ得ズ但シ投票所ノ専務
ニ從事スル者、投票所ヲ監視スル職權
ヲ有スル者又ハ警察官吏ハ此ノ限ニ在
ラズ
投票所ニ於テ演說討論ヲ爲シ若ハ喧擾
ニ涉リ又ハ投票ニ關シ協議若ハ勸誘ヲ
爲シ其ノ他投票所ノ秩序ヲ紊ル者アル
トキハ投票管理者ハ之ヲ制止シ命ニ從
ハザルトキハ之ヲ投票所外ニ退出セシ
ムベシ
前項ノ規定ニ依リ退出セシメラレタル
者ハ最後ニ至リ投票ヲ爲スコトヲ得但
シ投票管理者投票所ノ秩序ヲ紊ルノ
虞ナシト認ムル場合ニ於テ投票ヲ爲サ
シムルヲ妨ゲズ
第二十九條選擧ハ無記名投票ヲ以テ之
ヲタン
投票ハ一人一票ニ限ル
選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ
投票所ニ到リ選擧人名簿ノ對照ヲ經又
ハ確定裁決書若ハ判決書ヲ提示シテ投
票ヲ爲スベシ
投票時間內ニ投票所ニ入リタル選擧人
ハ其ノ時間ヲ過グルモ投票ヲ爲スコト
ヲ得
選擧人ハ投票所ニ於テ投票用紙ニ自ラ
議員候補者一人ノ氏名ヲ記載シテ投函
スベシ
投票ニ關スル記載ニ付テハ勅令ヲ以テ
定ムル點字ハ之ヲ文字ト看做ス
自ラ議員候補者ノ氏名ヲ書スルコト能
ハザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ
投票用紙ハ都長官ノ定ムル所ニ依リ
定ノ式ヲ用フベシ
名簿調製ノ後選擧人其ノ投票區域外ニ
住所ヲ移シタル場合ニ於テ仍選擧權ヲ
有スルトキハ前住所地ノ投票所ニ於テ
投票ヲ爲スベシ
第三十條確定名簿ニ登錄セラレザル者
ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ但シ選擧人名
簿ニ登錄セラルベキ確定裁決書又ハ判
決書ヲ所持シ選擧ノ當日投票所ニ到ル
者ハ此ノ限ニ在ラズ
確定名簿ニ登錄セラレタル者名簿ニ登
錄セラルルコトヲ得ザル者ナルトキハ
投票ヲ爲スコトヲ得ズ選擧ノ當日選擧
權ヲ有セザル者ナルトキ亦同ジ
第三十一條投票ノ拒否ハ投票立會人ノ
意見ヲ聽キ投票管理者之ヲ決定スベシ
前項ノ規定ニ依ル決定ヲ受ケタル選擧
人不服アルトキハ投票管理者ハ假ニ投
票ヲ爲サシムベシ
前項ノ投票ハ選擧人ヲシテ之ヲ封筒ニ
入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載
シ投函セシムベシ
投票立會人ニ於テ異議アル選擧人ニ付
亦前二項ニ同ジ
第三十二條選擧人ニシテ勅令ノ定ムル
事由ニ因リ選擧ノ當日投票時間內ニ自
ラ投票所ニ到リ投票ヲ爲スコト能ハザ
ルベキコトヲ證スルモノノ投票ニ關シ
テハ第二十九條第三項及第五項、第三
十條第一項但書竝ニ前條ノ規定ニ拘ラ
ズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコト
ヲ得
第三十三條投票管理者ハ投票錄ヲ作リ
投票ニ關スル〓末ヲ記載シ二人以上ノ
投票立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
第三十四條投票管理者ハ其ノ指定シタ
ル投票立會人ト共ニ區市ノ投票區ニ於
テハ投票ノ當日、町村ノ投票區ニ於テ
ハ投票ノ翌日迄ニ投票函、投票錄及選
擧人名簿ヲ選擧長ニ送致スベシ
第三十五條島嶼ニ於テ前條ノ期日ニ投
票函ヲ送致スルコト能ハザル情況アリ
ト認ムルトキハ都長官ハ適宜ニ其ノ投
票ノ期日ヲ定メ選擧會ノ期日迄ニ其ノ
投票函、投票錄及選擧人名簿ヲ送致セ
シムルコトヲ得
第三十六條選擧長ハ區長、市長、地方
事務所長又ハ支廳長ヲ以テ之ニ充ツ
選擧長ハ選擧會ニ關スル事務ヲ擔任ス
選擧會ハ區役所、市役所、地方事務所、
支廳又ハ選擧長ノ指定シタル場所ニ之
ヲ開ク
選擧長ハ豫メ選擧會ノ場所及日時ヲ〓
示スベシ
第三十七條都長官特別ノ事情アリト認
ムルトキハ區劃ヲ定メテ開票區ヲ設ク
ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票區ヲ設クル場合ニ
於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十八條第二十七條ノ規定ハ選擧立
會人ニ之ヲ準用ス
第三十九條選擧長ハ總テノ投票函ノ送
致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日選擧會ヲ
開クベシ
選擧長ハ選擧立會人立會ノ上投票函ヲ
開キ先ヅ第三十一條第二項及第四項ノ
投票ヲ調査シ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ
其ノ受理如何ヲ決定スベシ
選擧長ハ選擧立會人ト共ニ區市町村其
ノ他都長官ノ定ムル區域每ニ投票ヲ點
檢スベシ天災事變等ノ爲選擧會ヲ開ク
コト能ハザルトキハ選擧長ハ更ニ其ノ
期日ヲ定ムベシ
第四十條選擧人ハ其ノ選擧會ノ參觀ヲ
求ムルコトヲ得
第四十一條第二十八條第一項及第一一項
ノ規定ハ選擧會場ノ取締ニ之ヲ準用ス
第四十二條投票ノ效力ハ選擧立會人ノ
意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スベシ
第四十三條左ノ投票ハ之ヲ無效トス
-成規ノ用紙ヲ用ヒザルモノ
二議員候補者ニ非ザル者ノ氏名ヲ記
載シタルモノ
三一投票中二人以上ノ議員候補者ノ
氏名ヲ記載シタルモノ
四被選擧權ナキ議員候補者ノ氏名ヲ
記載シタルモノ
五議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載
シタルモノ但シ爵位、職業、身分、
住所又ハ敬稱ノ類ヲ記入シタルモノ
ハ此ノ限ニ在ラズ
六議員候補者ノ氏名ヲ自書セザルモ
七議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカ
ヲ確認シ難キモノ
八都議會議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ
記載シタルモノ
前項第八號〓規定ハ第十六條、第五十
條又ハ第五十五條第一項若ハ第三項ノ
規定ニ依ル選擧ノ場合ニ限リ之ヲ適用
ス
第四十四條都議會議員ノ選擧ハ有效投
票ノ最多數ヲ得タル者ヲ以テ當選者ト
ス但シ其ノ選擧區ノ配當議員數ヲ以テ
有效投票ノ線數ヲ除シテ得タル數ノ五
分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
常選者ヲ定ムルニ當リ得票ノ數同ジキ
トキハ年長者ヲ取リ年齡同ジキトキハ
選擧長抽籤シテ之ヲ定ム
第四十五條當選者選擧ノ期日後ニ於テ
被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ
當選ヲ失フ
第四十六條第二十三條第一項乃至第三
項ノ規定ニ依ル屆出アリタル議員候補
者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超エ
ザルトキハ其ノ選擧區ニ於テハ投票ヲ
行ハズ
前項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フコトヲ要
セザルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ投
票管理者ニ通知シ併セテ之ヲ〓示シ且
都長官ニ報〓スベシ
投票管理者前項ノ規定ニ依ル通知ヲ受
ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示スベシ
第一項ノ場合ニ於テハ選擧長ハ選擧ノ
期日ヨリ五日以內ニ選擧會ヲ開キ議員
候補者ヲ以テ當選者ト定ムベシ
前項ノ場合ニ於テ議員候補者ノ被選擧
權ノ有無ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選
擧長之ヲ決定スベシ
第四十七條選擧長ハ選擧錄ヲ作リ選擧
會ニ關スル〓末ヲ記載シ二人以上ノ選
擧立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
選擧錄、投票錄、投票其ノ他ノ關係書
類ハ選擧長ニ於テ、選擧人名簿ハ區市
町村長ニ於テ議員ノ任期間之ヲ保存ス
ベシ
第四十八條當選者定マリタルトキハ選
擧長ハ直ニ當選者ニ當選ノ旨ヲ告知シ
同時ニ當選者ノ住所氏名ヲ〓示シ且選
擧錄及投票錄ノ寫ヲ添へ之ヲ都長官ニ
報告スベシ當選者ナキトキハ直ニ其ノ
旨ヲ告示シ且選擧錄及投票錄ノ寫ヲ添
ヘ之ヲ都長官ニ報告スベシ
選者〓選ヲ辭セントスルトキハ當選
ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ十日以內ニ之
ヲ都長官ニ中立ツベシ
一人ニシテ數選擧區ニ於テ當選シタル
者ハ最終ニ堂選ノ告知ヲ受ケタル日ヨ
リ十日以內ニ何レノ當選ニ應ズベキカ
ヲ都長官ニ申立ツベシ其ノ期間內ニ之
ヲ中立テザルトキハ都長官抽籖シテ之
ヲ定ム
官吏ニシテ常選シタルモノハ所屬長官
ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ニ應ズル
コトヲ得ズ
前項ノ官吏ハ當選ノ告知ヲ受ケタル日
ヨリ二十日以內ニ之ニ應ズベキ旨ヲ都
長官ニ申立テザルトキハ其ノ當選ヲ辭
シタルモノト看做ス第三項ノ場合ニ於
テ何レノ堂選ニ應ズベキカヲ申立テザ
ルトキハ總テ之ヲ辭シタルモノト看做
ス
都ニ對シ請負ヲ爲シ又ハ都ニ於テ費用
ヲ負擔スル事業ニ付都長官若ハ其ノ委
任ヲ受ケタル者ニ對シ請負ヲ爲ス者又
ハ其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲
ヲ爲ス法人ノ無限責任社員役員若ハ
支配人ニシテ當選シタルモノハ其ノ請
負ヲ罷メ又ハ請負ヲ爲ス者ノ支配人若
ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無
限責任社員、役目若ハ支配人タルコト
ナキニ至ルニ非ザレバ常選ニ應ズルコ
トヲ得ズ第二項又ハ第三項ノ期限前ニ
其ノ旨ヲ都長官ニ中立テザルトキハ其
ノ當選ヲ辭シタルモノト看做ス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ
準ズベキ者竝ニ〓算人ヲ謂フ
第四十九條選擧長ハ前條第一項ノ規定
ニ依ル報告ヲ爲シタルトキハ直ニ選擧
人名簿ヲ町村長ニ返付スベシ
第五十條當選者左ニ揭グル事由ノ一ニ
該當スル場合ニ於テ第二項若ハ第三項
ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク又ハ第二
項若ハ第三項ノ規定ノ適用ニ依リ當選
者ヲ定ムルモ仍當選者ノ不足數ガ第十
六條第二項ニ謂フ議員ノ缺員ノ數ト通
ジテ議員定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至
リタルトキ又ハ都長官ニ於テ必要アリ
ト認ムルトキハ更ニ選擧ヲ行フベシ
-當選ヲ辭シタルトキ
數選擧區ニ於テ覚選シタル場合ニ
於テ第四十八條第三項ノ規定ニ依リ
一ノ選擧區ノ當選ニ應ジ又ハ抽籤ニ
依リ一ノ選擧區ノ當選者ト定マリタ
ル爲他ノ選擧區ニ於テ當選者タラザ
ルニ至リタルトキ
三第四十五條ノ規定ニ依リ當選ヲ失
ヒタルトキ
四死亡者ナルトキ
五選擧ニ關スル犯罪ニ因リ刑ニ處セ
ラレ其ノ當選無效ト爲リタルトキ但
シ同一人ニ關シ前各號ノ事由ニ因リ
選擧又ハ補缺選擧ノ〓示ヲ爲シタル
場合ハ此ノ限ニ在ラズ
六第五十四條ノ規定ニ依ル訴訟ノ結
果當選無效ト爲リタルトキ
前項第一號乃至第四號ノ事由ヲ生ジタ
ル場合ニ於テ第四十四條第一項但書ノ
得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノ
アルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ
中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ
第一項第五號又ハ第六號ノ事由ヲ生ジ
タルトキハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年以
內ナル場合ニ於テ第四十四條第一項但
書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシ
モノアルトキ又ハ其ノ選擧ノ期日ヨリ
一年經過後ナル場合ニ於テ同條第二項
ノ規定ノ滴用ヲ受ケタル得票者ニシテ
當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ前
項ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ第四十四條第一項
但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリ
シモノ選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ
有セザルニ至リタルトキハ之ヲ當選者
ト定ムルコトヲ得ズ
第一項ノ事由議員ノ任期滿了前六月以
內ニ生ジタルトキハ同項ノ選擧ハ之ヲ
行ハズ但シ議員ノ數其ノ定數ノ三分ノ
二ニ滿タザルニ至リタルトキバ此ノ限
ニ在ラズ
當選者ノ不足數第十六條第二項ニ謂フ
議員ノ缺員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第五十五
條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル
場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ更ニ選
擧ヲ行フベシ但シ第五十五條第一項又
ハ第三項ノ選擧ノ〓示アリタル後第一
項ノ事由ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
前項ノ規定ニ依リ行フ選擧ノ期日ハ第
五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ期
日ニ依ル
第五十一條第四十八條第二項ノ期間ヲ
經過シタルトキ同條第三項若ハ第五
項ノ規定ニ依ル申立アリタルトキ又ハ
同條第三項ノ規定ニ依リ抽籤ヲ爲シタ
ルトキハ都長官ハ直ニ當選者ニ當選證
書ヲ付與シ當選者ノ住所氏名ヲ〓示ス
ベシ
當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者
其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セザ
ルニ至リタルトキハ都長官ハ直ニ其ノ
旨ヲ告示スベシ
第五十二條選擧ノ規定ニ違反スルコト
アルトキハ選擧ノ結果ニ異動ヲ生ズル
ノ虞アル場合ニ限リ其ノ選擧ノ全部又
ハ一部ヲ無效トス但シ堂選ニ異動ヲ生
ズルノ虞ナキ者ヲ區分シ得ルトキハ其
ノ者ニ限リ當選ヲ失フコトナシ
第五十三條選擧人又ハ議員候補者選擧
又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ
選擧ニ關シテハ選擧ノ日ヨリ當選ニ
關シテハ第四十八條第一項又ハ第五十
一條第二項ノ規定ニ依ル〓示ノ日ヨリ
十四日以內ニ之ヲ都長官ニ申立ツルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依ル異議ノ申立アリタル
トキハ都長官ハ十四日以內ニ之ヲ決定
スベシ
前項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルトキ
ハ都長官ハ直ニ其ノ要領ヲ告示スベシ
第二項ノ規定ニ依ル都長官ノ決定ニ不
服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコト
ヲ得
都長官選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議
アルトキハ第四十八條第一項ノ規定ニ
依ル報〓ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内
ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十六條、第五十條、第五十五條第一
項若ハ第三項又ハ第五十六條ノ選擧ハ
之ニ關係アル選擧又ハ當選ニ關スル異
議ノ申立期間、異議ノ決定確定セザル
間又ハ訴訟ノ繫屬スル間之ヲ行フコト
ヲ得ズ
都議會議員ハ選擧又ハ當選ニ關スル決
定確定シ又ハ判決アル迄ハ會議ニ參與
スルノ權ヲ失ハズ
第五十四條衆議院議員選擧法第百十條
ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無效ナリト
認ムルトキハ選擧人又ハ議員候補者ハ
當選者ヲ被〓トシ第四十八條第一項ノ
規定ニ依ル〓示ノ日ヨリ三十日以內ニ
控訴院ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル控訴院ノ判決ニ不服
アル者ハ大審院ニ上告スルコトヲ得
檢事ハ衆議院議員選擧法第百十二條乃
至第百十三條ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ
該ル事件ノ被〓人ガ選擧事務長又ハ選
擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ
總括主宰シタル者ナルニ因リ同法第百
三十六條ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無
效ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帶シ當
選者ヲ被告トシテ訴訟ヲ提起スルコト
ヲ要ス
衆議院議員選擧法第八十五條、第八十
七條、第百四十一條及第百四十一條ノ
三ノ規定ハ第一項又ハ第二項ノ規定ニ
依ル訴訟ニ同法第百四十一條ノ二及
第百四十一條ノ三ノ規定ハ前項ノ規定
ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
前條第七項ノ規定ハ第一項乃至第三項
ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十五條選擧無效ト確定シタルトキ
ハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ
當選無效ト確定シタルトキハ直ニ選擧
會ヲ開キ更ニ當選者ヲ定ムベシ此ノ場
合ニ於テハ第五十條第四項ノ規定ヲ準
用ス
當選者ナキトキ、當選者ナキニ至リタ
ルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議
員ノ定數ニ達セザルトキ若ハ定數ニ達
セザルニ至リタルトキハ三月以內ニ更
ニ選擧ヲ行フベシ
第五十條第五項ノ規定ハ第一項及前項
ノ選擧ニ之ヲ準用ス
第一項及第三項ノ期間ハ第五十三條第
六項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選
擧ヲ行フコトヲ得ザル事由巳ミタル日
ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第五十六條左ニ揭グル事由アル場合ニ
於テ議員又ハ當選者總テナキトキハ第
十六條、第五十條又ハ前條第一項、若ハ
第三項ノ規定ニ拘ラズ總選擧ヲ行フ但
シ左ニ揭グル事由ニ關シ此等ノ規定ニ
依ル選擧ノ〓示又ハ第十六條第一項若
ハ第五十條第二項若ハ第三項ノ規定ニ
依ル選擧會ノ〓示ヲ爲シタルトキハ此
ノ限ニ在ラズ
-議員中缺員ヲ生ジタルトキ
二當選者中第五十條第一項ノ事由ニ
該當スル者アルトキ
三前條第一項又ハ第三項ノ規定ニ該
當スル事由アルトキ
前項ノ選擧ハ其ノ事由ヲ生ジタル日ヨ
リ三月以內ニ之ヲ行フベシ此ノ場合ニ
於テハ前條第五項ノ規定ヲ準用ス
第五十七條補缺選擧又ハ第五十條若ハ
第五十五條第一項若ハ第三項ノ選擧ヲ
同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選擧ヲ以
テ合併シテ之ヲ行フ
第五十八條都議會議員被選擧權ヲ有セ
ザル者ナルトキ又ハ第四十八條第六項
ニ揭グル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ
被選擧權ノ有無又ハ第四十八條第六項
ニ揭グル者ニ該當スルヤ否ヤハ議員ガ
左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因リ被選擧
權ヲ有セザル場合ヲ除クノ外都議會之
ヲ決定ス此ノ場合ニ於テ議員ハ第七十
二條ノ規定ニ拘ラズ其ノ會議ニ出席シ
自己ノ資格ニ關シ辯明スルコトヲ得ル
モ其ノ議決ニ加ハルコトヲ得ズ
禁治產者又ハ準禁治產者ト爲リタ
ルトキ
二破產者ト爲リタルトキ
三禁鋼以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
四選擧ニ關スル犯罪ニ因リ罰金ノ刑
ニ處セラレタルトキ
都長官、ハ議員中被選擧權ヲ有セザル者
又ハ第四十八條第六項ニ揭グル者アリ
ト認ムルトキハ之ヲ都議會ノ決定ニ付
スベシ此ノ場合ニ於テハ都議會ハ其ノ
送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之
ヲ決定スベシ
第一項ノ規定ニ依ル決定ヲ受ケタル者
其ノ決定ニ不服アルトキハ行政裁判所
ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル決定ニ付テハ都長
官ヨリモ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第五十三條第七項ノ規定ハ第一項及前
二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ依ル決定ハ文書ヲ以テ
之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交
付スベシ
第五十九條衆議院議口選擧法第十章及
第十一章竝ニ第百四十條第二項、第百
四十二條及第百四十七條ノ規定ハ都議
會議員ノ選擧ニ之ヲ凖用ス但シ議員候
補者一人ニ付定ムベキ選擧委員ノ數
選擧運動ノ爲使用スル勞務者ノ數及選
擧運動ノ費用ノ額ニ關シテハ勅令ノ定
ムル所ニ依ル
第二節職務權限
第六十條都議會ノ議決スベキ事件左ノ
如シ
一都條例ヲ設ケ又ハ改廢スルコト
二歲入出豫算ヲ定ムルコト
三決算報〓ヲ認定スルコト
四法令ニ定ムルモノヲ除クノ外使用
料、手數料、都稅又ハ分擔金ノ賦課
徵收ニ關スルコト
五財產ノ取得、管理及處分竝ニ都費
ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執行ニ關ス
ル都規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但
シ法令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在
ラズ
六基本財產及積立金穀等ノ設置及處
分ニ關スルコト
七歲入出豫算ヲ以テ定ムルモノヲ除
クノ外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ及權利
ノ抛棄ヲ爲スコト
八營造物ノ管理ニ關スル都規則ヲ設
ケ又ハ改廢スルコト但シ法令ニ規定
アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
九其ノ他法令ニ依リ都議會ノ權限ニ
屬スル事項
第六十一條都議會ハ其ノ權限ニ屬スル
事項ノ一部ヲ都參事會ニ委任スルコト
ヲ得
第六十二條都議會ハ法令ニ依リ其ノ權
限ニ屬スル選擧ヲ行フベシ
第六十三條都議會ハ都ノ公益ニ關スル
事件ニ付意見書ヲ關係行政廳ニ提出ス
ルコトヲ得
第六十四條都議會ハ官廳ノ諮問アルト
キハ意見ヲ答中スベシ
都議會ノ意見ヲ徵シテ處分ヲ爲スベキ
場合ニ於テ都議會成立セズ招集ニ應
ゼズ若ハ意見ヲ提出セズ又ハ都議會ヲ
招集スルコト能ハザルトキハ當該官廳
ハ其ノ意見ヲ俟タズシテ直ニ處分ヲ爲
スコトヲ得
第六十五條都議會ハ議員中ヨリ議長及
副議長一人ヲ選擧スベシ
議長及副議長ノ任期ハ議員ノ任期ニ依
ル
第六十六條議長故障アルトキハ副議長
之ニ代リ議長及副議長共ニ故障アルト
キハ〓時ニ議員中ヨリ假議長ヲ選擧ス
ベシ
前項ノ規定ニ依ル假議長ノ選擧ニ付テ
ハ年長ノ議員議長ノ職務ヲ代理ス年齡
同ジキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
第六十七條都長官及其ノ委任又ハ囑託
ヲ受ケタル者ハ會議ニ列席シテ議事ニ
參與スルコトヲ得但シ議決ニ加ハルコ
トヲ得ズ
前項ノ規定ニ依ル列席者發言ヲ求ムル
トキハ議長ハ直ニ之ヲ許スベシ但シ之
ガ爲議員ノ演說ヲ中止セシムルコトヲ
得ズ
第六十八條都議會ハ通常會及臨時會ト
ス
通常會ハ每年一囘之ヲ開ク其ノ會期ハ
三十日以内トス
臨時會ハ必要アル場合ニ於テ其ノ事件
ニ限リ之ヲ開ク其ノ會期ハ七日以内ト
ス但シ場合ニ依リ都長官ハ七日以內ニ
於テ別ニ會期ヲ定ムルコトヲ得
前項但書ノ規定ニ依リ會期ヲ定メタル
場合ニ於テハ第六十九條第二項ノ規定
ニ依ル〓示ト同時ニ其ノ會期ヲ〓示ス
ベシ
臨時會ニ付スベキ事件ハ都長官豫メ之
ヲ告示スベシ
臨時會開會中急施ヲ要スル事件アルト
キハ第三項及前項ノ規定ニ拘ラズ直ニ
之ヲ其ノ會議ニ付スルコトヲ得
都長官必要アリト認ムルトキハ通ジテ
三日以內ニ於テ都議會ノ會期ヲ延長ス
ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ都議會ノ會期ヲ延長
シタルトキハ都長官ハ直ニ之ヲ〓示ス
ベシ
第六十九條都議會ハ都長官之ヲ招集ス
議員定數ノ三分ノ一以上ヨリ會議ニ付ス
ベキ事件ヲ示シテ臨時會招集ノ請求ア
ルトキハ都長官ハ之ヲ招集スベシ
招集ハ開會ノ日前十四日目迄ニ之ヲ告
示スベシ但シ急施ヲ要スル場合ハ此ノ
限ニ在ラズ
都議會ハ都長官之ヲ開閉ス
第七十條都議會ハ議員定數ノ半數以上
出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ
得ズ
第七十一條都議會ノ議事ハ過半數ヲ以
テ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決ス
ル所ニ依ル
議長ハ其ノ職務ヲ行フ場合ニ於テモ之
ガ爲議員トシテ議決ニ加ハルノ權ヲ失
ハズ
第七十二條議長及議員ハ自己又ハ父
母、祖父母、妻、子孫若ハ兄弟姉妹ノ
一身上ニ關スル事件ニ付テハ其ノ議事
ニ參與スルコトヲ得ズ但シ都議會ノ同
意ヲ得タルトキハ會議ニ出席シ發言ス
ルコトヲ得
第七十三條法令ニ依リ都議會ニ於テ行
フ選擧ニ付テハ第二十九條、第四十三
條及第四十四條第一項ノ規定ヲ準用ス
其ノ投票ノ效力ニ關シ異議アルトキハ
都議會之ヲ決定ス
前項ノ選擧ニ於テ當選者ヲ定ムルニ當
リ得票ノ數同ジキトキハ議長抽籤シテ
之ヲ定ム
都議會ハ議員中異議ナキトキハ第一項
ノ選擧ニ付指名推選ノ法ヲ用フルコト
ヲ得
指名推選ノ法ヲ用フル場合ニ於テハ被
指名者ヲ以テ當選者ト定ムベキヤ否ヤ
ヲ會議ニ付シ議員全員ノ同意ヲ得タル
者ヲ以テ當選者トス
一ノ選擧ヲ以テ二人以上ヲ選擧スル場
合ニ於テハ被指名者ヲ區分シテ前項ノ
規定ヲ適用スルコトヲ得ズ
第七十四條都議會ノ會議ハ公開ス但シ
左ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
都長官ヨリ傍聽禁止ノ要求ヲ受ケ
タルトキ
二議長又ハ議員三人以上ノ發議ニ依
リ傍聽禁止ヲ可決シタルトキ
前項第二號ノ議長又ハ議員ノ發議ハ討
論ヲ用ヒズ其ノ可否ヲ決スベシ
第七十五條議長ハ會議ヲ總理シ會議ノ
順序ヲ定メ其ノ日ノ會議ヲ開閉シ議場
ノ秩序ヲ保持ス
議員定數ノ半數以上ヨリ請求アルトキ
ハ議長ハ其ノ日ノ會議ヲ開クコトヲ要
ス此ノ場合ニ於テ議長仍會議ヲ開カザ
ルトキハ第六十六條ノ例ニ依ル
前項ノ規定ニ依リ會議ヲ開キタルトキ
又ハ議員中異議アルトキハ議長ハ會議
ノ議決ニ依ルニ非ザレバ其ノ日ノ會議
ヲ閉ヂ又ハ中止スルコトヲ得ズ
第七十六條都議會議員ハ都議會ノ議決
スベキ事件ニ付都議會ニ議案ヲ發スル
コトヲ得但シ歲入出豫算ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依ル發案ハ議員三人以上
ヨリ文書ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第七十七條都議會ハ歲入出豫算ニ付增
額シテ之ヲ議決スルコトヲ得ズ
第七十八條都議會議員ハ選擧人ノ指示
又ハ委囑ヲ受クベカラズ
議員ハ會議中無禮ノ語ヲ用ヒ又ハ他人
ノ身上ニ涉リ言論スルコトヲ得ズ
第七十九條會議中本法又ハ會議規則ニ
違反シ其ノ他議場ノ秩序ヲ紊ル議員ア
ルトキハ議長ハ之ヲ制止シ又ハ發言ヲ
取消サシメ命ニ從ハザルトキハ當日ノ
會議ヲ終ル迄發言ヲ禁止シ又ハ議場外
ニ退去セシメ必要アル場合ニ於テハ警
察官吏ノ處分ヲ求ムルコトヲ得
議場騒擾ニシテ整理シ難キトキハ議長
ハ當日ノ會議ヲ閉ヂ又ハ中止スルコト
ヲ得
第八十條傍聽人公然可否ヲ表シ又ハ喧
騒ニ涉リ其ノ他會議ノ妨害ヲ爲ストキ
ハ議長ハ之ヲ制止シ命ニ從ハザルトキ
ハ之ヲ退場セシメ必要アル場合ニ於テ
ハ警察官吏ノ處分ヲ求ムルコトヲ得
傍聽席騒擾ナルトキハ議長ハ總テノ傍
聽人ヲ退場セシメ必要アル場合ニ於テ
ハ警察官吏ノ處分ヲ求ムルコトヲ得
第八十一條議場ノ秩序ヲ紊リ又ハ會議
ノ妨害ヲ爲ス者アルトキハ議員又ハ第
六十七條第一項ノ規定ニ依ル列席者ハ
議長ノ注意ヲ喚起スルコトヲ得
第八十二條都議會ニ書記ヲ置キ議長ノ
指揮ヲ承ケ庶務ヲ處理セシム
書記ハ都ノ有給吏員ノ中ニ就キ都長官
之ヲ命ズ
第八十三條議長ハ書記ヲシテ會議錄ヲ
調製シ會議ノ〓末及出席議員ノ氏名ヲ
記載セシムベシ
會議錄ハ議長及議員二人以上之ニ署名
スルコトヲ要ス其ノ議員ハ都議會ニ於
テ之ヲ定ムベシ
議長ハ會議錄ヲ添へ會議ノ結果ヲ都長
官ニ報告スベシ
第八十四條都議會ハ會議規則及傍聽人
取締規則ヲ設クベシ
會議規則ニハ本法及會議規則ニ違反シ
タル議員ニ對シ都議會ノ議決ニ依リ五
日以內出席ヲ停止スル旨ノ規定ヲ設ク
ルコトヲ得
第三章都參事會
第一節組織及選擧
第八十五條都ニ都參事會ヲ置キ議長及
參事會員十五人ヲ以テ之ヲ組織ス
參事會員ハ名譽職トス
第八十六條參事會員ハ都議會ニ於テ議
員中ヨリ之ヲ選擧スベシ
都議會ハ參事會員ト同數ノ補充員ヲ選
擧スベシ
參事會員中缺員アルトキハ都長官ハ補
充員ノ中ニ就キ之ヲ補缺ス其ノ順序ハ
選擧ノ時ヲ異ニスルトキハ選擧ノ前後
ニ依リ選擧同時ナルトキハ得票數ニ依
リ得票同數ナルトキハ年長者ヲ取リ年
齡同ジキトキハ抽籤ニ依ル仍缺員アル場
合ニ於テハ臨時補缺選學ヲ行フベシ
參事會員及其ノ補充員ハ隔年之ヲ選擧
スベシ
參事會員ハ後任者ノ就任スルニ至ル迄
在任ス都議會議員ノ任期滿了シタルト
キ亦同ジ
參事會員ハ其ノ選擧ニ關シ第九十七條
ノ規定ニ依ル處分確定シ又ハ判決アル
迄ハ會議ニ參與スルノ權ヲ失ハズ
第八十七條都參事會ハ都長官ヲ以テ議
長トス都長官故障アルトキハ其ノ代理
者議長ノ職務ヲ代理ス
第二節職務權限
第八十八條都參事會ノ職務權限左ノ如
シ
都議會ノ權限ニ屬スル事件ニシテ
其ノ委任ヲ受ケタルモノヲ議決スル
コト
二都議會閉會中重要事件ヲ除クノ外
都議會ノ權限ニ屬スル事件ヲ都議會
ニ代リテ議決スルコト
三都議會成立セザルトキ、招集ニ應
ゼザルトキ第七十二條ノ規定ニ依
ル除斥ノ爲會議ヲ開クコト能ハザル
トキ又ハ都長官ニ於テ都議會ヲ招集
スルノ暇ナシト認ムルトキ都議會ノ
權限ニ屬スル事件ヲ都議會ニ代リテ
議決スルコト
四都ニ係ル訴願、訴訟及和解ニ關ス
ル事項ヲ議決スルコト
五其ノ他法令ニ依リ都參事會ノ權限
ニ屬スル事項
前項第二號ノ重要事件ハ都議會ノ議決
ヲ經テ都長官之ヲ定ムベシ
第八十九條都參事會ハ都長官之ヲ招集
ス參事會員定數ノ半數以上ヨリ會議ニ
付スベキ事件ヲ示シテ都參事會招集ノ
請求アルトキハ都長官ハ之ヲ招集スベ
シ
都參事會ノ會期ハ都長官之ヲ定ム
第九十條都參事會ハ議長又ハ其ノ代理
者及參事會員定數ノ半數以上出席スル
ニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
第三項ノ規定ニ依リ參事會員ノ數減少
シテ前項ノ數ヲ得ザルトキハ都長官ハ
補充員ニシテ其ノ事件ニ關係ナキモノ
ヲ以テ第八十六條第三項ノ順序ニ依リ
臨時之ニ充テ仍其ノ數ヲ得ザルトキハ
都議會議員ニシテ其ノ事件ニ關係ナキ
モノヲ臨時ニ指名シ其ノ缺員ヲ補充ス
ベシ
議長、其ノ代理者及參事會員ハ自己又
ハ父母、祖父母、妻、子孫若ハ兄弟姉
妹ノ一身上ニ關スル事件ニ付テハ其ノ議
事ニ參與スルコトヲ得ズ但シ都參事會
ノ同意ヲ得タルトキハ會議ニ出席シ發
言スルコトヲ得
議長及其ノ代理者共ニ前項ノ場合ニ該
ルトキハ年長ノ參事會員議長ノ職務ヲ
代理ス
第九十一條都參事會ノ議事ハ參事會員
ノ過半數ヲ以テ決ス可否同數ナルトキ
ハ議長ノ決スル所ニ依ル
第九十二條都參事會ノ會議ハ傍聽ヲ許
サズ
第九十三條第六十三條、第六十四條、
第六十七條、第六十九條第三項、第七
十一條第二項、第七十三條、第七十五
條第一項、第七十六條乃至第七十九條、
第八十二條、第八十三條第一項及第二
項竝ニ第八十四條第一項ノ規定ハ都參
事會ニ之ヲ準用ス
第四章都ノ官吏及吏員
第九十四條都長官ハ都ヲ締轄シ都ヲ代
表ス
都長官ノ擔任スル事務ノ〓目左ノ如シ
-都費ヲ以テ支辨スベキ事件ヲ執行
スルコト
二都議會及都參事會ノ議決ヲ經ベキ
事件ニ付其ノ議案ヲ發スルコト
三財產及營造物ヲ管理スルコト但シ
特ニ之ガ管理者アルトキハ其ノ事務
ヲ監督スルコト
四收入支出ヲ命令シ及會計ヲ監督ス
ルコト
五證書及公文書類ヲ保管スルコト
六法令又ハ都議會若ハ都參事會ノ議
決ニ依リ使用料、手數料、都稅又ハ
分擔金ヲ賦課徵收スルコト
七其ノ他法令ニ依リ都長官ノ職權ニ
屬スル事項
第九十五條都長官ハ都行政ニ關シ其ノ
職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ都ノ官吏及
吏員ニ委任シ又ハ都吏員ヲシテ臨時代
理セシムルコトヲ得
都長官ハ都行政ニ關シ其ノ職權ニ屬ス
ル事務ノ一部ヲ市町村吏員ヲシテ補助
執行セシメ又ハ之ニ委任スルコトヲ得
第九十六條都長官ハ都吏員ヲ指揮監督
シ之ニ對シ懲戒處分ヲ行フコトヲ得其
ノ懲戒處分ハ譴責、五十圓以下ノ過怠
金及解職トス
都長官ハ都吏員ノ解職ヲ行ハントスル
前其ノ吏員ノ停職ヲ命ジ之ニ給料ヲ支
給セザルコトヲ得
懲戒ニ依リ解職セラレタル者ハ二年間
都北海道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノノ公職ニ就クコトヲ得ズ
第九十七條都議會又ハ都參事會ノ議決
又ハ選擧其ノ權限ヲ越エ又ハ法令若ハ
會議規則ニ違反スト認ムルトキハ都ミハ
官ハ其ノ意見ニ依リ又ハ內務大臣ノ指
揮ニ依リ理由ヲ示シテ之ヲ再議ニ付シ
又ハ再選擧ヲ行ハシムベシ但シ特別ノ
事由アリト認ムルトキハ部長官ハ之ヲ
再議ニ付セズ又ハ再選擧ヲ行ハシメズ
シテ直ニ取消スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ爲シタル都議會又ハ
都參事會ノ議決又ハ選擧仍其ノ權限ヲ
越エ又ハ法令若ハ會議規則ニ違反スト
認ムルトキハ都長官ハ之ヲ取消スベシ
都議會又ハ都參事會前一一項ノ規定ニ依
ル取消處分ニ不服アルトキハ行政裁判
所ニ出訴スルコトヲ得
第一項及第二項ノ規定ニ依ル取消處分
ヲ爲シタル場合ニ於テ都議會又ハ都參
事會開會中ニ非ザルトキハ都長官ハ直
ニ之ヲ〓示スベシ
第九十八條都議會又ハ都參事會ノ議決
明ニ公益ヲ害スト認ムルトキハ都長官
ハ其ノ意見ニ依リ又ハ內務大臣ノ指揮
ニ依リ理由ヲ示シテ之ヲ再議ニ付スベ
シ但シ特別ノ事由アリト認ムルトキハ
都長官ハ之ヲ再議ニ付セズシテ直ニ內
務大臣ノ指揮ヲ請フコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ爲シタル都議會又ハ
都參事會ノ議決仍明ニ公益ヲ害スト認
ムルトキハ都長官ハ內務大臣ノ指揮ヲ
請フベシ
都議會又ハ都參事會ノ議決收支ニ關シ
執行スルコト能ハザルモノアリト認ム
ルトキハ前二項ノ例ニ依ル左ニ揭グル
費用ヲ削除シ又ハ減額シタル場合ニ於
テ其ノ費用及之ニ伴フ收入ニ付亦同ジ
法令ニ依リ負擔スル費用、當該官
廳ノ職權ニ依リ命ズル費用其ノ他ノ
都ノ義務ニ屬スル費用
二非常ノ災害ニ因ル應急又ハ復舊ノ
施設ノ爲ニ要スル費用、傳染病豫防
ノ爲ニ要スル費用其ノ他ノ緊急避ク
ベカラザル費用
第九十九條都議會成立セザルトキ、招
集ニ應ゼザルトキ第七十二條ノ規定
ニ依ル除斥ノ爲會議ヲ開クコト能ハザ
ルトキ又ハ都長官ニ於テ都議會ヲ招集
スルノ暇ナシト認ムルトキハ都長官ハ
都議會ノ權限ニ屬スル事件ヲ都參事會
ノ議決ニ付スルコトヲ得
都參事會成立セザルトキ、招集ニ應ゼ
ザルトキ又ハ第九十條第二項ノ場合ニ
於テ仍會議ヲ開クコト能ハザルトキハ
都長官ハ內務大臣ノ指揮ヲ請ヒ其ノ議
決スベキ事件ヲ處分スルコトヲ得
都議會又ハ都參事會ニ於テ其ノ議決ス
ベキ事件ヲ議決セザルトキハ前項ノ例
· 氏族
都議會ノ決定スベキ事件ニ關シテハ前
三項ノ例ニ依ル此ノ場合ニ於ケル都參
事會ノ決定又ハ都長官ノ處分ニ關シテ
ハ當該規定ニ準ジ訴訟ヲ提起スルコト
ヲ得
前四項ノ規定ニ依ル處分ニ付テハ都長
官ハ次囘ノ會議ニ於テ之ヲ都議會又ハ
都參事會ニ報〓スベシ
第百條都參事會ノ權限ニ屬スル事件ニ
關シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ都參
事會成立セザルトキ又ハ都長官ニ於テ
之ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ
都長官ハ之ヲ專決處分シ次ノ會期ニ於
テ之ヲ都參事會ニ報告スベシ
前項ノ規定ニ依リ都長官ノ爲シタル處
分ニ關シテハ當該規定ニ準ジ訴訟ヲ提
起スルコトヲ得
第百一條都議會及都參事會ノ權限ニ屬
スル事項ノ一部ハ其ノ議決ニ依リ都長
官ニ於テ專決處分スルコトヲ得
第百二條官吏ノ都行政ニ關スル職務關
係ハ本法ニ規定アルモノヲ除クノ外國
ノ行政ニ關スル其ノ職務關係ノ例ニ依
ル
第百三條都ニ有給吏員ヲ置キ都長官之
ヲ任免ス
都ノ有給吏員ハ都長官ノ命ヲ承ケ事務
ニ從事ス
都ノ有給吏員ハ法令ノ定ムル所ニ依リ
國及府縣其ノ他ノ公共團體ノ事務ヲ掌
ル
第百四條都ニ都出納吏ヲ置キ官吏及吏
員〓ニ就キ都長官之ヲ命ズ
都出納吏ハ都ノ出納事務ヲ掌ル
第百五條本法ニ規定スルモノノ外有給
吏員ノ組織、任用、分限、給料等ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第百六條都ハ參與ヲ置クコトヲ得
參與ハ名譽職トス
參與ハ都公民中學識經驗アル者ヨリ都
長官之ヲ選任ス
參與ハ都行政ニ關スル重要事項ニ付都
長官ノ諮問ニ應ズ
本法ニ規定スルモノノ外參與ニ關シ必
要ナル事項ハ內務大臣ノ許可ヲ得テ都
長官之ヲ定ム
第百七條都ハ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トス
委員ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ都長官
之ヲ選任ス
委員ハ都長官ノ委託ヲ受ケ都ノ事務ニ
關シ必要ナル事項ヲ調査ス
第五章給料及給與
第百八條都議會議員、參事會員其ノ他
ノ名譽職員ハ職務ノ爲要スル費用ノ辨
償ヲ受クルコトヲ得
委員ニハ費用辨償ノ外勤務ニ相當スル
報酬ヲ給スルコトヲ得
費用辨償及報酬ノ額竝ニ其ノ支給方法
ハ都條例ヲ以テ之ヲ規定スベシ
第百九條有給吏員ノ給料及旅費ノ額竝
ニ其ノ支給方法ハ都規則ヲ以テ之ヲ規
定スベシ
第百十條有給吏員ノ退隱料、浪職給與
金死亡給與金及遺族扶助料竝ニ其ノ
支給方法ハ都條例ヲ以テ之ヲ定ム
第百十一條費用辨償、退隱料、退職給
與金、死亡給與金又ハ遺族扶助料ノ給
與ニ付關係者ニ於テ異議アルトキハ之
ヲ都長官ニ申立ツルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ關係者都長官ノ決定
ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴ス
ルコトヲ得
第百十二條費用辨償、報酬、給料、旅
費、浪隱料退職給與金、死亡給與金、
遺族扶助料其ノ他ノ給與ハ都ノ負擔ト
ス
第六章都ノ財務
第一節財產、營造物及都稅
第百十三條收益ノ爲ニスル都ノ財產ハ
基本財產トシ之ヲ維持スベシ
都ハ特定ノ目的ノ爲特別ノ基本財產ヲ
設ケ又ハ金穀等ヲ積立ツルコトヲ得
第百十四條都ハ營造物ノ使用ニ付使用
料ヲ徵收スルコトヲ得
都ハ特ニ一個人ア爲ニスル事務ニ付手
數料ヲ徴收スルコトヲ得
第百十五條都ハ神社ノ經費ヲ供進スル
コトヲ得
第百十六條都ハ其ノ公益上必要アル場
合ニ於テハ寄附又ハ補助ヲ爲スコトヲ
得
第百十七條都ハ其ノ必要ナル費用及法
律勅令ニ依リ都ノ負擔ニ屬スル費用ヲ
支辨スル義務ヲ負フ
都吏員ガ第百三條第三項及第百五十五
條第二項ノ事務ヲ執行スル爲要スル費
用ハ都ノ負擔トス但シ法令ニ別段ノ規
定アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
都又ハ都吏員ヲシテ國ノ事務ヲ處理執
行セシムル場合ニ於テハ之ガ爲要スル
費用ノ財源ニ付必要ナル措置ヲ講ズベ
キモノトス
第百十八條都ハ其ノ支出ニ充ツル爲都
稅及分擔金ヲ賦課徵收スルコトヲ得
第百十九條都稅及其ノ賦課徵收ニ關シ
テハ地方稅法ノ定ムル所ニ依ル
分擔金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ都ノ
部ヲ利スル營造物又ハ都ノ一部ニ對シ
利益アル事件ニ關シ特ニ利益ヲ受クル
者ヨリ之ヲ徵收ス
第百二十條使用料、手數料及分擔金ニ
關スル事項ハ都條例ヲ以テ之ヲ規定ス
ベシ
詐僞其ノ他ノ不正ノ行爲ニ依リ使用料、
手數料又ハ分擔金ノ徵收ヲ免レタル者
ニ付テハ都條例ヲ以テ其ノ徴收ヲ免レ
タル〓額ノ五倍ニ相當スル金額(其ノ
金額十圓未滿ナルトキハ十圓)以下ノ
過料ヲ科スル旨ノ規定ヲ設クルコトヲ
得
前項ニ定ムルモノヲ除クノ外使用料、
手數料及分擔金ノ徵收ニ關シテハ都條
例ヲ以テ二十圓以下ノ過料ヲ科スル旨
ノ規定ヲ設クルコトヲ得營造物ノ使用
ニ關シ亦同ジ
過料ノ處分ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不
服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコ
トヲ得
第百二十一條使用料、手數料又ハ分擔
金ノ徴收ノ處分ヲ受ケタル者其ノ處分
ニ付違法又ハ錯誤アリト認ムルトキハ
其ノ告知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內
ニ都長官ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
營造物ヲ使用スル權利ニ關シ異議アル
者ハ之ヲ都長官ニ申立ツルコトヲ得
前二項ノ場合ニ於テ都長官ノ決定ヲ受
ケタル者其ノ決定ニ不服アルトキハ行
政裁判所ニ田訴スルコトヲ得
第百二十二條使用料、手數料、分擔金、
過料其ノ他ノ都ノ收入ヲ定期內ニ納
メザル者アルトキハ都長官ハ期限ヲ指
定シテ之ヲ督促スベシ
前項ノ場合ニ於テハ都條例ノ定ムル所
ニ依リ手數料ヲ徵收スルコトヲ得
滯納者第一項ノ規定ニ依ル督促ヲ受ケ其
ノ指定期限迄ニ之ヲ完納セザルトキハ國
稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ處分スベシ
第一項及第二項ノ規定ニ依ル徵收金ハ國
ノ徵收金ニ次デ先取特權ヲ有シ其ノ追
徵、還付及時效ニ付テハ國稅ノ例ニ依ル
都長官ノ委任ヲ受ケタル官吏及吏員ガ
爲シタル前三項ノ規定ニ依ル處分ニ不
服アル者ハ都長官ニ訴願シ其ノ裁決又
ハ都長官ノ處分ニ不服アル者ハ行政裁
判所ニ出訴スルコトヲ得
第三項ノ規定ニ依ル處分中差押物件ノ公
賣ハ處分ノ確定ニ至ル迄執行ヲ停止ス
第三項ノ規定ニ依ル處分ハ都ノ區域外
ニ於テモ亦之ヲ爲スコトヲ得
第百二十三條都ハ其ノ負債ヲ償還スル
爲都ノ永久ノ利益ト爲ルベキ支出ヲ
爲ス爲又ハ天災事變等ノ爲必要アル場
合ニ限リ都議會ノ議決ヲ經テ都債ヲ起
スコトヲ得
都債ヲ起スニ付都議會ノ議決ヲ經ルト
キハ併セテ起債ノ方法、利息ノ定率及
償還ノ方法ニ付議決ヲ經ベシ
都長官ハ豫算內ノ支出ヲ爲ス爲都參事
會ノ議決ヲ經テ一時ノ借入金ヲ爲スコ
トヲ得
前項ノ借入金ハ其ノ會計年度內ノ收入
ヲ以テ之ヲ償還スベシ
第二節歲入出豫算及決算
第百二十四條都長官ハ每會計年度歲入
出豫算ヲ調製シ年度開始前都議會ノ議
決ヲ經ベシ
都ノ會計年度ハ政府ノ會計年度ニ依ル
豫算ヲ都議會ニ提出スルトキハ都長官
ハ併セテ財產表ヲ提出スベシ
第百二十五條都長官ハ都議會ノ議決ヲ
經テ旣定豫算ノ追加又ハ更正ヲ爲スコ
トヲ得
第百二十六條都費ヲ以テ支辨スル事件
ニシテ數年ヲ期シテ其ノ費用ヲ支出ス
ベキモノハ都議會ノ議決ヲ經テ其ノ年
期間各年度ノ支出額ヲ定メ繼續費ト爲
スコトヲ得
第百二十七條都ハ豫算外ノ支出又ハ豫
算超過ノ支出ニ充ツル爲豫備費ヲ設ク
ベシ
特別會計ニハ豫備費ヲ設ケザルコトヲ得
豫備費ハ都議會ノ否決シタル費途ニ充
ツルコトヲ得ズ
第百二十八條豫算ハ議決ヲ經タル後直
ニ之ヲ內務大臣ニ報告シ且其ノ要領ヲ
告示スベシ
第百二十九條都ハ都議會ノ議決ヲ經テ
特別會計ヲ設クルコトヲ得
都ノ支拂金ニ關スル時效ニ
東京都文藝大學ノ支拂金ノ例ニ依ル
都ノ出納ハ翌年度五月三
十一日ヲ以テ閉鎖ス
決算ハ翌年度ノ通常豫算ヲ議スル會議
ニ於テ之ヲ都議會ノ認定ニ付スベシ
決算ハ其ノ認定ニ關スル都議會ノ議決
ト共ニ之ヲ內務大臣ニ報告シ且其ノ要
領ヲ〓示スベシ
第百三十二條豫算調製ノ式、費目流用
其ノ他財務ニ關シ必要ナル規定ハ內務
大臣之ヲ定ム
第七章都ノ監督
第百三十三條都ハ內務大臣之ヲ監督ス
第百三十四條內務大臣ハ都ノ監督上必
要アル場合ニ於テハ事務ノ報〓ヲ爲サ
シス、書類帳簿ヲ徵シ及實地ニ就キ事
務ヲ視察シ又ハ出納ヲ檢閱スルコトヲ
得
內務大臣ハ都ノ監督上必要ナル命令ヲ
發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第百三十五條內務大臣ハ都議會ノ解散
ヲ命ズルコトヲ得
都議會解散ノ場合ニ於テハ三月以内ニ
議員ヲ選擧スベシ
解散後初テ都議會ヲ招集スルトキハ都
長官ハ第六十八條第二項及第三項ノ規
定ニ拘ラズ別ニ會期ヲ定ムルコトヲ得
第六十八條第四項、第七項及第八項ノ
規定ハ前項ノ都議會ニ之ヲ準用ス
第百三十六條都債ヲ起シ又ハ起債ノ方
法利息ノ定率若ハ償還ノ方法ヲ定メ
若ハ變更セントスルトキハ內務大臣及
大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ但シ第百二
十三條第三項ノ借入金ニ付テハ此ノ限
ニ在ラズ
第百三十七條も務大臣ノ許可ヲ要スル
事件ニ付テハ主務大臣ハ許可申請ノ趣
旨ニ反セズト認ムル範圍內ニ於テ更正
シテ許可ヲ與フルコトヲ得
第百三十八條主務大臣ノ許可ヲ要スル
事件ニシテ輕易ナルモノニ付テハ勅令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ許可ヲ受ケシメ
ザルコトヲ得
第百三十九條都吏員ノ服務紀律竝ニ都
出納吏及都吏員ノ賠償責任、身元保證
及事務引繼ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第八章區市町村
第一節區
第百四十條區ハ法人トス官ノ監督ヲ承
ケ其ノ財產及營造物ニ關スル事務竝ニ
都條例ノ定ムル所ニ依リ區ニ屬スル事
務ヲ處理ス
區ノ區域及名稱ハ從來ノ東京市ノ區ノ
區域及名稱ニ依ル
第百四十一條區ノ廢置分合又ハ境界變
更ヲ爲サントスルトキハ都長官ハ關係
アル區市町村會ノ意見ヲ徵シ內務大臣
ノ許可ヲ得テ之ヲ定ム
都ノ境界變更ニ伴フ區ノ廢置分合又ハ
大阪府交通関ニルクテハ第三條第一項ノ規
區ノ廢置、分合又ハ境界變更ノ場合ニ於
テ財產アルトキハ其ノ處分ハ關係アル區
市町村會ノ意見ヲ徵シテ都長官之ヲ定
ム但シ前項ノ場合ニ於ケル財產處分ニ
關シテハ第三條第二項ノ規定ニ依ル
所屬未定地ヲ都ノ區域ニ編入スル場合
ニ於テ其ノ所屬スベキ區ヲ定ムルニ付
テハ第三條第四項ノ規定ニ依ル
第百四十二條區ノ境界ニ關スル爭論ハ
都長官之ヲ裁定ス其ノ裁定ニ不服アル
區市町村ハ內務大臣訴願スルコトヲ
得
區ノ境界判明ナラザル場合ニ於テ前項
ノ爭論ナキトキハ都長官之ヲ決定スベ
シ其ノ決定ニ不服アル區市町村ハ內務
大臣ニ訴願スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル裁定及前項ノ規定
ニ依ル決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ
理由ヲ附シ之ヲ關係區市町村ニ交付ス
ベシ
都ノ境界ニ涉リテ第一項又ハ第二項ノ
場合ヲ生ジタルトキハ第四條ノ規定ニ
依ル
第百四十三條都ハ區ノ營造物又ハ區ノ
事務ニ關シ都條例又ハ都規則ヲ設クル
コトヲ得
前項ノ都條例ニ付テハ都議會ニ代リテ
區會之ヲ議決ス
第百四十四條區ニ區會ヲ置ク
區會議員ハ其ノ被選擧權アル者ニ就キ
選擧人之ヲ選擧ス
議員ノ定數左ノ如シ
人口十五萬未滿ノ區十五人
二人口十五萬以上二十五萬未滿ノ
區二十人
三人口二十五萬以上ノ區二十五人
議員ノ定數ハ總選擧ヲ行フ場合ニ非ザ
レバ之ヲ增減セズ
第百四十五條區內ニ住所ヲ有スル都公
民ハ總テ區會議員ノ選擧權ヲ有ス但シ
公民權停止中ノ者又ハ第八條ノ規定ニ
該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第百四十六條區會議員ノ選擧權ヲ有ス
ル都公民ハ其ノ被選擧權ヲ有ス
在職ノ檢事、警察官吏及收稅官吏ハ被
選擧權ヲ有セズ
選擧事務ニ關係アル官吏及吏員ハ其ノ
關係區域内ニ於テハ被選擧權ヲ有セズ
都ノ官吏、有給ノ吏員其ノ他ノ職員ニ
シテ在職中ノモノハ區會議員ト相兼ヌ
ルコトヲ得ズ
第百四十七條區會議員ハ都ノ名譽職ト
ス
議員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ
之ヲ起算ス
第百四十八條區會議員ノ選擧ハ其ノ區
ニ於ケル都議會議員選擧人名簿ニ依リ
之ヲ行フ
第百四十九條第五十九條ノ規定ハ區會
議員ノ選擧ニ之ヲ準用ス
第百五十條區會ノ議決スベキ事件左ノ
如シ
一歲入出豫算ヲ定ムルコト
二決算報告ヲ認定スルコト
三營浩物ノ設置及處分ニ關スルコト
四財產ノ取得、管理及處分竝ニ區費
ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執行ニ關ス
ル都規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但
シ法令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在
ラズ
五歲入出豫算ヲ以テ定ムルモノヲ除
クノ外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ及權利
ノ抛棄ヲ爲スコト
六營造物ノ管理ニ關スル都規則ヲ設
ケ又ハ改廢スルコト但シ法令ニ規定
アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
七區ニ係ル訴願、訴訟及和解ニ關ス
ルコト
八其ノ他法令ニ依リ區會ノ權限ニ屬
スル事項
第百五十一條區會ハ區長ヲ以テ議長ト
ス區長故障アルトキハ其ノ代理者議
長ノ職務ヲ代理ス
第百五十二條區長ハ區ノ事務及都長官
ノ命ヲ承ケ區內ニ關スル都ノ事務ヲ掌
ル區長ハ其ノ事務ノ一部ヲ區所屬ノ官
吏及吏員ニ委任シ又ハ吏員ヲシテ臨時
代理セシムルコトヲ得
第百五十三條區長ハ町內會部落會及其
ノ聯合會ノ財產及經費ノ管理竝ニ區域
ノ變更ニ關シ必要ナル措置ヲ講ズルコ
トヲ得
區長ノ許可ヲ得タル場合ニ於テハ町內
會部落會及其ノ聯合會ハ自己ノ名ヲ以
テ財產ヲ所有スルコトヲ得
區長ハ町內會部落會及其ノ聯合會ノ長
ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ援助セシムル
コトヲ得
第百五十四條區所屬ノ官吏ノ區行政ニ
關スル職務關係ハ本法ニ規定アルモノ
ヲ除クノ外國ノ行政ニ關スル其ノ職務
關係ノ例ニ依ル
第百五十五條區所屬ノ吏員ハ區長ノ命
ヲ承ケ事務ニ從事ス
區所屬ノ吏員ハ法令ノ定ムル所ニ依リ
國及府縣其ノ他ノ公共團體ノ事務ヲ掌
ル
第百五十六條區ニ區出納吏ヲ置キ區所
屬ノ官吏及吏員ノ中ニ就キ都長官之ヲ
命ズ
區出納吏ハ區ノ出納事務ヲ掌ル
第百五十七條區ハ其ノ必要ナル費用ヲ
支辨スル義務ヲ負フ
前項ノ規定ニ依ル支出ハ區ノ財產ヨリ
生ズル收入其ノ他法令ニ依リ區ニ屬ス
ル收入ヲ以テ之ニ充テ仍不足アルトキ
ハ都ハ都費ヲ以テ之ニ充ツベシ
第百五十八條區ハ第一次ニ於テ都長
實、第二次ニ於テ內務大臣之ヲ監督ス
第百五十九條本法ニ規定スルモノノ外
區會議員ノ選擧、區會ノ職務權限、區
ノ財務、區ノ監督其ノ他區ニ關シ必要
ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二節市町村
第百六十條都內ノ市町村ニ付テハ市制
第三條乃至第五條第九條乃至第十一
條第十四條第二十條ノ二乃至第二
十一條ノ五、第七十六條及第百七十二
條竝ニ町村制第三條第四條、第七條
乃至第九條第十二條第十七條ノ二
乃至第十八條ノ五第六十三條第九項
及第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ本法ノ
定ムル所ニ依ル
第百六十一條第百四十一條及第百四十
二條ノ規定ハ市町村ノ廢置分合又ハ境
界變更其ノ他市町村ノ境界ニ關シ之ヲ
準用ス
第百六十二條二年以來市町村內ニ住所
ヲ有スル都公民ハ市町村ノ選擧ニ參與
シ市町村ノ名譽職ニ就ク權利ヲ有シ市
町村ノ名譽職ヲ擔任スル義務ヲ負フ
左ノ各號ノ一ニ該當セザル者名譽職ニ
就クコトヲ辭シ又ハ其ノ職ヲ辭シ若ハ
其ノ職務ヲ實際ニ執行セザルトキハ市
町パノ市町村會ノ議決ヲ經テ一年以上
四年以下其ノ市町村ノ公務ニ參與スル
權疾ヲ停止スルコトヲ得
一ノ病ニ罹リ公務ニ堪ヘザル者
二內ニ居ルコト
ヲ牛肉炒飯炒飯北京市公安局西城分局
三
四官公職ノ爲市町村ノ公務ヲ執ルコ
トヲ得ザル者
五四年以上其ノ市町村ノ名譽職ニ任
ジ爾後同一ノ期間ヲ經過セザル者
六其ノ他市町村會ノ議決ニ依リ正當
ノ事由アリト認ムル者
前項ノ規定ニ依ル處分ヲ受ケタル者其
ノ處分ニ不服アルトキハ都長官ニ訴願
シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判
所ニ出訴スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル處分ハ其ノ確定ニ
至ル迄執行ヲ停止ス
都公民租稅滯納處分中ハ市町村ノ名譽
職ニ就クコトヲ得ズ
第百六十三條市町村ハ市町村會ノ議決
ヲ經テ前條第一項ノ用定ニ依ル二年ノ
制限ヲ特免スルコトヲ得
前條第一項ノ規定ニ依ル二年ノ期間ハ
市町村ノ廢置分合又ハ墳界變更ノ爲中
斷セラルルコトナシ
第百六十四條第八條ノ規定ニ該當スル
者ハ市町村ノ公務ニ參與スルコトヲ得
ズ
第百六十五條二年以來市町村內ニ住所
ヲ有スル都公民(第百六十三條第一項
ノ規定ニ依リ二年ノ制限ヲ特免セラレ
タル者ヲ含ム)ハ總テ市町村會議員ノ
選擧權ヲ有ス但シ公民權停止中ノ者、
第百六十二條第二項ノ規定ニ依リ市町
村ノ公務ニ參與スルノ權ヲ停止セラレ
其ノ停止中ノ者又ハ前條ノ規定ニ依リ
市町村ノ公務ニ參與スルコトヲ得ザル
者ハ此ノ限ニ在ラズ
第百六十六條有給市町村長、有給助役、
考査役收入役及副收入役ハ第百六十
二條第一項及前條ノ規定ニ拘ラズ在職
ノ間其ノ市町村ノ市町村會議員ノ選擧
權ヲ有ス
第百六十七條市町村會議員ノ選擧ハ其
ノ市町村ニ於ケル都議會議員選擧人名
簿中其ノ名簿調製期日ニ於テ市町村會
議員ノ選擧權ヲ有スル者ニ關スル部分
(以下都議會議員選擧人名簿中關係部
分ト稱ス)及第四項ノ選擧人名簿ニ依
リ之ヲ行フ
市町村今議員ノ選擧權ヲ有スル者ノ年
齡ハ前項ノ選擧人名簿確定ノ期日ニ依
リ之ヲ算定ス都議會議員選擧人名簿中
關係部分ノ脫漏又ハ誤載ニ關シテハ第
十九條ノ例ニ依ル
市町村長ハ前條ノ規定ニ依リ市町村會
議員ノ選擧權ヲ有スル者ノ選擧人名簿
ヲ調製スベシ
第十七條第一項及第四項竝ニ第十八條
乃至第二十一條ノ規定ハ前項ノ場合ニ
之ヲ準用ス
第百六十八條都內ノ市町村ニ付テハ市
制及町村制中府縣知事又ハ知事トアル
ハ都長官、府縣高等官トアルハ都高等
官、府縣名譽職參事會員トアルハ都參
事會員トス
都內ノ市ニ付テハ市制第十六條第四項
中第七十六條又ハ第七十九條第三項ノ
規定ニ依リ市公民タル者トアルハ東京
都制第百六十六條ノ規定ニ依リ市金議
員ノ選擧權ヲ有スル者、市制第十八條
第一項中選擧權ヲ有スル市公民トアル
ハ市會議員ノ選擧權ヲ有スル者、市制第
七十三條第五項及第八十二條第二項中
市公民中選舉權ヲ有スル者トアルハ市
會議員ノ選擧權ヲ有スル者、市制第八
十一錢會議員ノ選舉權ヲ有スル者、能力會的時刻なの前な風格はタ八市
ル者トアルハ市會議員ノ選擧權ヲ有ス
ル者、市制第百七十條第三項中府縣制
中名譽職參事會員及府縣參事會ニ關ス
ル規定トアルハ東京都制中都參事會員
及都參事會ニ關スル規定トス
都內ノ町村ニ付テハ町村制第十五條第
スムーム物館に許しては、人民国民主党政策研究所有限公司
鬼權ヲ有スル者、町村制第六十三條第
八項及第六十八條第二項中町村公民中
選擧權ヲ有スル者トアルハ町村會議員
ノ選擧權ヲ有スル者、町村制第六十九
條第三項中町村公民トアルハ町村會議
員ノ選擧權ヲ有スル者、町村制第七十
條第一項中町村公民トアリ町村公民タ
ル者トアルハ町村會議員ノ選舉權ヲ有
スル者、町村制第百五十條第三項中府
縣制中名譽職參事會員及府縣參事會ニ
關スル規定トアルハ東京都制中都參事
會員及都參事會ニ關スル規定トス
第九章雜則
第百六十九條都ノ境界變更アリタル場
合ニ於テ都ノ事務ニ付必要ナル事項ハ
本法ニ規定スルモノノ外命令ヲ以テ之
ヲ定ム
第百七十條都內ノ町村組合ニシテ町村
事務ノ全部ヲ共同處理スルモノハ第一
章第一節第二章第一節及第四章ノ規
定ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村其ノ組
合會ハ之ヲ町村會、其ノ組合管理者ハ
之ヲ町村長、其ノ吏員ハ之ヲ町村ノ吏
目ミ其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看
做ス但シ第三條第一項又ハ第二十一條
第三項中町村トアルモノニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
都內ノ町村組合ニシテ町村ノ役場事務
ヲ共同處理スルモノハ第二章第一節及
第四章ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ一町
村其ノ組合管理者ハ之ヲ町村長、其
ノ吏員ハ之ヲ町村ノ吏員、其ノ組合役
場ハ之ヲ町村役場ト看做ス但シ第二十
一條第三項中町村トアルモノニ付テハ
此ノ限ニ在ラズ
第百七十一條本法中官吏ニ關スル規定
ハ待遇官吏ニ之ヲ適用ス
第百七十二條第六十七條第一項(第九
十三條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及
第百四條第一項ノ規定ニ依ル都長官ノ
職權ハ警視總監モ亦之ヲ行フ
第百七十三條都ト府縣又ハ都外ノ市町
村トガ其ノ事務ノ一部ヲ共同處理スル
爲組織スル組合ノ設置、管理其ノ他必
要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
前項ノ組合ハ法人トス
第百七十四條本法又ハ本法ニ基キテ發
スル勅令ニ依リ設置スル議會ノ議員ノ
選擧ニ付テハ衆議院議員選擧ニ關スル
罰則ヲ準用ス
第百七十五條本法中行政裁判所ニ出訴
スルコトラ得ベキ場合ニ於テハ內務大
臣ニ訴願スルコトヲ得ズ
第百七十六條異議ノ申立又ハ訴願ノ提
起ハ處分ヲ受ケ又ハ決定書若ハ裁定書
ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ二十一日以內
ニ之ヲ爲スベシ但シ本法中別ニ期間ヲ
定メタルモノハ此ノ限ニ在ラズ
行政訴訟ノ提起ハ處分ヲ受ケ又ハ決定
書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ
三十日以內ニ之ヲ爲スベシ但シ第九十
七條第四項ノ規定ニ依リ告示ヲ爲シタ
ルド合ニ於テハ〓示ノ日ヲ以テ處分ヲ
受ケタル日ト看做ス
決定書又ハ裁決書ノ交付ヲ受ケザル者
ニ關シテハ前二項ノ期間ハ〓示ノ日ヨ
リ之ヲ起算ス異議ノ中立ニ關スル期間
ノ計算ニ付テハ訴願法ニ依ル
異議ノ申立ハ期限經過後ニ於テモ宥恕
スベキ事由アリト認ムルトキハ仍之ヲ
受理スルコトヲ得
異議ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ
理由ヲ附シ之ヲ申立人ニ交付スベシ
異議ノ申立アルモ處分ノ執行ハ之ヲ停
止セズ但シ行政廳ハ其ノ職權ニ依リ又
ハ關係者ノ請求ニ依リ必要アリト認ム
ルトキハ之ヲ停止スルコトヲ得
第百七十七條異議ノ決定ハ本法中別ニ
期間ヲ定メタルモノヲ除クノ外其ノ申
立ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ之ヲ
爲スベシ
都長官訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日
ヨリ三十日以內ニ之ヲ裁決スベシ
第百七十八條鳥嶼ニ關スル行政ノ特例
ニ付必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ムルコトヲ得
附則
第百七十九條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
第百八十條東京府、東京市及東京市ノ
區ハ之ヲ廢ス
第百八十一條本法施行ノ際東京府及東
京市ニ屬スル財產、營造物、事業及權
利義務ハ都之ヲ承繼ス
第百八十二條本法施行ニ至ル迄引續キ
東京府ノ區域內ニ住所ヲ有シタル者ハ
第六條第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ其
ノ期間引續キ都內ニ住所ヲ有シタル者
ト看做ス
第百八十三條舊刑法ノ重罪ノ刑ニ處セ
ラレタル者ハ本法ノ適用ニ付テハ六年
ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタ
ノ腰ト君截ス但シ復權ヲ得タル者ハ此
舊刑法ノ禁錮以上ノ刑ハ本法ノ適用ニ
付テハ禁錮以上ノ刑ト看做ス
第百八十四條本法施行前東京府又ハ東
京市ノ名譽職ニ任ジタル者ハ第七條第
二項ノ規定ノ適用ニ付テハ都ノ名譽職
ニ任ジタルモノト看做ス
第百八十五條本法施行後初テ議員ヲ選
擧スル場合ニ於テ必要ナル選擧人名簿
ニ關シテハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設
クルコトヲ得
前項ノ選擧人名簿ハ次ノ選擧人名簿確
定迄其ノ效力ヲ有ス
第百八十六條本法施行ノ際東京市ノ區
ニ屬スル財產營造物車業及權利義
務ハ各其ノ區域ヲ以テ區域トスル區之
ヲ承繼ス
第百八十七條本法施行ノ際東京市ノ區
ノ區會議員ノ職ニ在ル者ハ各其ノ區域
ヲ以テ區域トスル區ノ區會議員ト爲リ
タルモノトシ其ノ任期ハ昭和十九年三
月三十一日迄トス
前項ノ場合ニ於テ議員ノ職ニ在ル者ノ
數第百四十四條ノ空數ヲ超ユルモ其ノ
數ヲ以テ議員ノ定數トス但シ議員中缺
員ヲ生ジタルトキハ之ニ應ジ其ノ議員
ノ定數ハ同條ノ定數ニ至ル迄減少スル
モノトス
第百八十八條本法施行ノ際東京府内ノ
市町村ノ市町村住民ニシテ市制第九條
第二項又ハ町付制第七條第二項ノ規定
ニ依リ二年ノ制限ヲ特免セラレタルモ
ノハ第百六十三條第一項ノ規定ニ依リ
二年ノ制限ヲ特免セラレタルモノト看
做ス
第百八十九條東京府又ハ東京市ノ有給
吏員本法施行ノ際引續キ都ノ官吏ト爲
リタルトキハ恩給法ノ適用ニ付テハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ官吏ノ在職ニ
〓續スル有給吏員ノ勤續年月數ハ之ヲ
公務員トシテノ在職年ニ通算ス
第百九十條他ノ法律(市制、町村制、府
縣制、北海道會法、北海道地方費法、
地方稅法、地方分與稅法及大正十一年
法律第一號竝ニ特ニ東京都ニ關スル規
定ヲ設ケタルモノヲ除ク以下同ジ)中
東京府又ハ東京府知事トアルハ各東京
都又ハ東京都長官トス
他ノ法律中府縣制、府縣、府縣廳、府
縣條例府縣會、府縣會議員府縣參
事會、府縣名譽職參事會員、府縣知事
府縣吏員、府縣出納吏府縣費又ハ府
縣稅トアルハ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
ス場合ヲ除クノ外各東京都制東京
都東京都廳、東京都條例、東京都議
會東京都議會議員東京都參事會
東京都參事會員東京都長官東京都
ノ官吏及吏員東京都出納吏、東京都
費又ハ東京都稅ヲ含ムモノトシ其ノ他
府縣ニ係ル規定ニ付之ニ準ズルモノト
ス
第百九十一條他ノ法律中東京市トアル
ハ東京都トス
他ノ法律中市制第六條ノ市トアルハ東
京都ヲ含ムモノトス
他ノ法律中市制、市、市役所、市條例、
市會市會議員、市參事會、市名譽職
參事會員、市長、市吏員、市收入役
市費又ハ市稅トアルハ勅令ヲ以テ別段
ノ定ヲ爲ス場合ヲ除クノ外各東京都
制東京都、東京都廳、東京都條例、
東京都議會、東京都議會議員、東京都
參事會、東京都參事會員、東京都長官
東京都ノ官吏及吏員、東京都出納吏、
東京都費又ハ東京都稅ヲ含ムモノトシ
其ノ他市ニ係ル規定ニ付之ニ準ズルモ
ノトス
前三項ノ場合ニ於テハ勅令ヲ以テ別段
ノ定ヲ爲ス場合ヲ除クノ外東京都ノ區
ノ存スル區域ヲ以テ東京都ノ區域ト看
做ス
第百九十二條他ノ法律中府縣制又ハ市
制ノ規定ヲ揭グル場合ニ於テ本法中之
ニ相當スル規定アルトキハ勅令ヲ以テ
別段ノ定ヲ爲ス場合ヲ除クノ外各之ニ
本法ノ相當規定ヲ含ムモノトス
第百九十三條府縣制中左ノ通改正ス
第四條第二項但書中「東京市」ヲ削ル
第八十一條第三項中「北海道府縣」ヲ
「東京都北海道府縣」ニ改ム
第百三十九條ノ二ヲ削ル
第百九十四條市制第百七十條第六項及
町村制第百五十條第六項中「北海道府
縣」ヲ「東京都北海道府縣」ニ改ム
第百九十五條大正十一年法律第一號中
「東京市、」ヲ削ル
第百九十六條地方稅法中左ノ通改正ス
第一條第三項中「北海道地方費」ヲ東
京都及北海道地方費」ニ同條第四項中
「北海道地方稅、北海道廳長官、北海道
地方費吏員、北海道參事會又ハ北海道
條例」ヲ「東京都稅若ハ北海道地方稅、
東京都長官若ハ北海道廳長官、東京都
吏員若ハ北海道地方費吏員、東京都參
事會若ハ北海道參事會又ハ東京都條例
若ハ北海道條例」ニ同條第五項中「北
海道ノ市町村」ヲ「東京都又ハ北海道ノ
市町村」ニ、「北海道廳長官」ヲ「東京都
長官又ハ北海道廳長官」ニ改ム
第八十五條ノ二東京都ノ區ノ存スル
區域ニ於テハ第四十六條ノ規定ノ準
用ニ付テハ同條中百分ノ百トアルハ
百分ノ三百百分ノ百二十トアルハ
百分ノ三百六十災害應急費トアル
ハ國民學校營繕費、災害應急費トス
第八十五條ノ三東京都ノ區ノ存スル
區域ニ於テハ第四十七條ノ規定ノ準
用ニ付テハ同條中百分ノ十トアルハ
百分ノ二十トス
第八十五條ノ四東京都ノ區ノ存スル
區域ニ於テハ第四十八條ニ揭グルモ
ノノ外獨立稅トシテ左ノ東京都稅ヲ
課スルコトヲ得
都民稅
舟稅
自轉車稅
荷車稅
金庫稅
扇風機稅
屠畜稅
犬稅
東京都ハ其ノ區ノ存スル區域ニ於テ
前項ニ揭グルモノノ外別ニ稅目ヲ起
シテ獨立稅ヲ課スルコトヲ得
前項ノ獨立稅ノ新設及變史ニ付テハ內
務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クベシ
第八十五條ノ五第六十四條乃至第七
十三條ノ規定ハ前條第一項ノ規定ニ
依ル獨立稅ノ課稅ニ付之ヲ準用ス此
ノ場合ニ於テハ東京都ノ區ノ存スル
區域ヲ以テ市ト看做ス
第八十五條ノ六東京都ノ區ノ存スル區
域ニ於テハ第七十五條第一項ノ規定ノ
準用ニ付テハ同項中百分ノ二十五トア
ルハ百分ノ九十三、百分ノ十三トアル
ハ百分ノ四十七(第八十五條ノ四ノ
獨立稅ニ付テハ百分ノ三十四)トス
第八十五條ノ七都民稅ニ對シテハ東
京都稅獨立稅割ヲ課スルコトヲ得ズ
東京都ハ其ノ區ノ存スル區域ニ於テ
ハ第七十五條第一項ニ揭グルモノノ
外別ニ稅目ヲ起シテ都市計畫稅ヲ課
スルコトヲ得
前項ノ都市計畫稅ノ新設及變更ニ付
テハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受
クベシ
第八十五條ノ八東京都ハ區ノ存スル
區域ニ於テハ水利地益稅ヲ課スルコ
トヲ得
第七十八條ノ規定ハ前項ノ水利地益
稅ノ課稅ニ付之ヲ準用ス
第八十五條ノ九東京都ハ區ノ存スル
區域ニ於テハ共同施設稅ヲ課スルコ
トヲ得
第七十九條ノ規定ハ前項ノ共同施設
稅ノ課稅ニ付之ヲ準用ス
第八十五條ノ十東京都ノ區ノ存スル
區域ニ於ケル東京都稅及之ニ關聯ヲ
有スル東京都內ノ市町門ノ市町村稅
ニ關スル事項ニシテ本法ニ依リ難キ
モノニ付テハ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ
爲スコトヲ得
第百九十七條地方分與稅法中左ノ通改
正ス
第一條中「道府縣」ヲ「都道府縣」ニ改ム
第四條中「道府縣」ヲ「都道府縣」ニ、「北
海道廳長官」ヲ「東京都長官及北海道廳
長官」ニ改ム
第四章中第四十一條ノ前ニ左ノ一條ヲ
加フ
第四十條ノ二配付稅ノ分與ニ關シテ
ハ東京都ハ其ノ全區域ニ付テハ之ヲ
道府縣其ノ區ノ存スル區域ニ付テ
ハ之ヲ市ト看做ス
第百九十八條本法施行前東京府會議員
又ハ東京市會議員(同市ノ區ノ區會議
員ヲ含ム)ノ選擧ニ關シ府縣制第四十
條又ハ市制第四十條ニ於テ準用スル衆
議院議員選擧ニ關スル罰則ヲ適用ス
ベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ依
ル
第百九十九條本法施行ニ關シ必要ナル
規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=26
-
027・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今上程ニ相
其ノ
世界の天使の地球に関する法律提案ノ理由竝ニ法案中主要ナル事項ノ〓沖縄県立東京工業高等学校
東京都制制定ノ趣旨ト致シマス所ハ之
スページ実験トリンクスームマスール凡ソ次ノ三點ニ歸着
其ノ一ツハ帝都タル東京
、
百年アイスクリーム"title "〓文愻
、帝都一般行政ノ一元Nab Pop 4
VIS.其
ノ三ハ帝都行政ノ運營ニ付キ根本的刷新ト
高度ノ能率化トヲ圖ルコトデアリマス
惟フニ我ガ東京ハ內地人口ノ約一割ヲ擁
スル國內無類ノ巨大都市デアリマスルノミ
ナラズ實ニ我ガ國ノ帝都トシテ比類ナキ
國家的意義ト重要性トヲ持ツテ居リマス
更ニ今日ニ於キマシテ大東亞建設ノ本
據トシテ、全世界ニ其ノ大イナル地位ヲ示ス
ニ至ツテ居ルノデアリマス、隨テ之ヲ單ナ
一地方都市乃至ハ一地方トシテ經營致シ
スルコトハ根本的ニ其ノ性格ニ適應セ
業界ドル格クトニ滷應スル確間宜シ
上海天皇高房有限公司
體制ヲ確立スベキデアリ是コソ大東
亞建設ノ基礎ヲ固ウスル所以ノ根本策デア
ルト考ヘルノデアリマス
時間ツテ〓ゃ行動ノ政狀ヲ見マスルノニ、
竝存ハ典型的ナル二重機構ヲ現出致
シテ居リマシテ其ノ間行政ノ錯雜ト不統
一トヲ來シ、到底敏活强力ナル行政ノ遂行
ハ望ミ得ザル狀況ニアルノデアリマス、時局
下緊要ナル諸施策ハ帝都ニ於テコソ最モ其
ノ成績ヲ擧グベキモノデアリマスガ當地
是ガ遂行上困難ヲ伴ヒマスルコトハ此ノ
點ニ根本ノ原因ガ存スルモノ· 宀
アリマス、而シテ此ノ一般行政ニ於
構ノ弱體ハRachilless,
カラシムルニ至ツテ居ルコトハアルコード一
却シ難キ事實デアリマス、
マシテ一朝非常ノ事態ニ直面スルガ如21日 新日本店舗 東京都港区
トガアリマスルナラバ)
容易ナラザルモノガアルノデアリマやると思って 、
帝都ノ重要性ニ鑑ミ此ル
モノガアルト考ヘルノデアリマス
ノ際帝都ノ一般行政ニ付キマシテ、的
ニシテ强力ナル行政機構ヲ確立致シ凡
ル場面ニ對應シテ帝都行政ノ萬全ヲ期ス
スル、西ガ -川 英文ルノデザリテ
ハ、從來ノ東京市政ノ實績第二百六號第一百五
シマシテトヲラルベートの日本的刑事小情聽ノ誌牽化
ス、斯クシテ帝都行政ガ眞ニ全國、否全東
亞ノ範タルニ至ルコトヲ切ニ冀フノデアリ
マス
是ヨリ東京都制案ノ內容ニ付キマシテ主
要ナル事項ヲ御說明申上ゲタイト存ジマ
ス、第一ハ都ノ區域ニ付テデアリマス、都
ノ區域ニ付キマシテハ從來一部ニ東京市
ノ區域ニ依ルベシトスル論ガアリ
アリマスガ
ス、1920年
東京市ト共ニ多年同一府下ニ於
シシノ24/21/2018長芋子伯今日 -ヽ
三 B摩
他ニ適切ナル處理ノ案ガ立タナイノデ
マス
對シ今日ヨリ不利不便ヲ與ヘ是等ノ住民
ノ爲ニ親切ナル處理トナラナイコトデアリ
マス、又是等ノ地域ガ今後トモ都市生活ノ
爲メ幾多ノ利便ヲ與フベキコト等ニ依ルモ
ノデアリマス他面東京府ヨリ更ニ大イナ
ルアルバムケータノハ、近時此ノ種論議
尙ホ議論ノ熟セザル
モノガアリマスノミナラズ、旣ニ東京府ニ
於キマシテ人口七百數十万ノ巨大ニ上ツテ
居リマスト、新地域ノ劃定ニ付テ的確ナル基
準ヲ見出シ難イコト等ニ依ルモノデアリマス
第二ハ都ノ首長ニ付テデアリマス、本問題
ニ付キマシテハ從來所謂宁選及ビ公選ノ論
ガ兩々行ハレ多年都制ノ必要ガ叫バレナ
而モ是ガ今日マデ實現ヲ見ルニ至ラ
、謂ハ
200政府ハ今宵花月十五日苦し切手のスプラン
、
寧ロ當然ノ歸結デアルト考
ヘタノデアリマス、卽チ今回ノ都制案ハ府
知事ト市長トノ職務權限ヲ併セ、其ノ他府市
ノ權能ヲ統合致シ一元的機構ノ下ニ帝都
ニ推進セントスルニアルノ
北京市公安局西城分局此ノ機構ガ全國他地方ノ
更ニ一段ト國家的色彩ヲ濃厚
國家トノ間緊密ナル連繫ヲ
上海青年青年青年長ハ官吏タハシル此
シティハロー
ハ付而
ヽファイル:一小学生育学部
、帝都行政ノ眞ノ刷新ト能率化
デ
マス尙ホ都ノ首長ヲ官吏トナス趣旨
ニ卽應シ都ノ吏僚組織ニ付キマシテハヽ此
ノ際十全ノ整備ヲ加へタイ考ヘデアリマス
ガ此ノ場合現在ノ東京府及ビ東京市ノ職
員ノ取扱ニ付キマシテハ都制ノ實施ニ當
リマシテ政府ハ最善ノ考慮ヲ拂ハントスル
モノデアリマス
第三ハ都ノ下級組織ニ付テデアリマス
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アルノデアリマスルガ、今次都制案ニ於キ
マシテハ、所謂區ノ自治權ニ付キマシテハ
〓ネ從來ノ制度ニ則リマシテ、唯都條例ノ
定ムル所ニ依リ都ノ事務ヲ之ニ移讓シ得ル
ノ途ヲ拓イタノデアリマス惟フニ所謂區
ノ自治權ヲ擴張致シ、都ヲ三十五ノ獨立市
ニ分割スルト云フコトハ獨リ都民生活ノ
實情ニ卽セザルノミナラズ都行政ノ統一
ヲ破壞シ、更ニ都民ノ負擔ヲ區々ナラシメ、
決シテ適當ナル結果ヲ得ルモノデナイト
信ズルモノデアリマス、併シナガラ又區ノ多
年ノ沿革ニ鑑ミマシテ、且ツ都ト下級隣保組
織トノ間、簡素ナル自治體ヲ認メテ、都ノ體制
ニ全體トシテノ調和ヲ與フルノヲ必要トス
區ヲ純然タル行政區ト致
)必ズシモ適當ノ措置デナ
ELIZABETH"text "〓〓而シテ區會ニ付
簡素
竹桃花椰子·大典
〓備充實シ、第一線機關トシテ大イニ其ノ
機能ヲ發揮セシムルコトヲ期シテ居リマ
ス
之ヲ要シマスルニ、都制ノ制定ハ眞ニ帝
都ノ國家的意義ト重要性トニ對應スル確
固タル體制ヲ確立致シマスルト共ニ一九〓
的機構ノ下帝都一般行政ノ敏活强力ナル
遂行ヲ圖リ、以テ時局ニ對處シ
ヽ
北京市公安局海淀分局新鮮奶油際速カニ是ガ實現ヲ圖ルノ要アルコトサン·ジャパン·
何卒御
テ已マナイモノデアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=27
-
028・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 質疑ノ通告ガアリマ
ス、順次之ヲ許シマス-深澤豐太郞君
〔深澤豐太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=28
-
029・深澤豐太郎
○深澤豐太郞君 私ノ第一ニ御伺ヒ致シタ
イコトハ昨日本議場ニ於テ總理大臣ハ
刻下ノ我ガ帝國ノ立場ヲ說明セラレテ
切ヲ擧ゲテ戰力增强ニ集中シナケレバナラ
ナイト述ベラレタノデアリマス繰返シノ
之ヲ述ベラレタ而モ最後ニハ戰力增强
ニ向ツテ全力ヲ盡スコトガ政府ノ重大ナル
ノ施策ヲ擧ケチ戰九時間に集中スアムハン私ハ切
ヽ總
理大臣ノ聲明セラレタル其ノ御趣旨ニ對シ
テハ全ク斯クナケレバナラナイト思フノ
デアリマス然ルニ只今都制案ヲ拜見シ
又說明ヲ聽取致シマシテ、其ノ何レニ戰力
增强ニ關係スルモノアリヤ先ヅ第一點ニ
之ヲ御伺ヒ致シタイ(拍手)一切ノ施策ヲ擧
ゲテ戰力增强ニ集中スルト云フ以上ハ、政
上海通用汽车有限公司大厦分支社會、然ルニ只今力醬油ミミクラーメンテージ
、遺憾ナガラ私ハ。納得ヲ致
スコトガ出來ナイノデアリマス併シナガ
ラ此ノ都制案ナルモノガ戰力增强ニ關係ガ、
アルカナイカト云フ點ニ至リマシテハ私
ノ振築致シタル開案ナルモノス、唯政府
甚ダシ
ク低調ニシテ、舊來ノ棚曝シ案ヲ其ノ儘ニ
持出シタルモノデアルガ爲ニ何等戰力增
强ニ關係ノナイ結果ヲ來シタモノデアルト
信ズルノデアリマス(拍手)私ハ今日只今ノ
時局ニ於テ帝都ガ此ノ儘デ宜イカ惡イカ
ト云フコトハ、何人デモ省察ガ出來ルト思
故ニドウカ完全ナル都制案ヲ編ンデ
アドバンド·カービング·アンド·アンド·アンド·アンド·アン
マス、
議長ニ迎ヘタノデアリマス、ソコデ私ハ此
記分表ト此ノ議長ヲ顧シテ總理ト感謝にニ內閣ニ此ノ時局ニ卽應セル都制案
ノ立案ヲ懇談シテ戴キタイト云フコトヲ求
メタガ、内務官僚出身デアル大村助役ノ容
ルル所トナラズシテ且ツ中岡議長ノ中絕
デ、其ノコトノ行ハレナカツタコトハ實
ニ殘念ニ堪ヘマセス、ケレドモ都制案ノ重
大性ハ其ノコトニ依ツテ何等ノ減殺ハ來サ
ナイ-體帝都ノ今日ノ立場ヲ言フニ先ダ
ツテ、只今內務大臣ハ國家ノ性格ニ適應セ、
ル確乎不動ノ都制案ヲ作ルト言ハレタ此
私ハ寧ロケ日マディ行老字面好省モ一鄰
ヲシテ貰ヒタイ私モ今マデノ行掛リ感情
ヲ一擲シテ卽チ數次政府ガ提案セラレタ
ル此ノ官選都長ノ案デアルトカ、或ハ前山
本內務大臣常時ニ提案セラレタルモノハ
私極力奮鬪シテ之ヲ審議未了ニ陷ラシメタ
斯樣ナ行掛リヲ一切一擲
、日本ノ所謂國體明徴トデ
帝都ノ行政ノ地方政治ニ
只今內務大臣ハ之ヲ一般地方政治
考ヘラレナイト言ハレマシタケレド
ヽ其ノナス所ハ依然トシテ地方政治トシ
東京市ヲ抹殺シ
3東京府ニ取替ヘルニ過ギナイデハナイカ
トシテ扱ハナイト言ヒ得ルカ一體東京卽
チ輦轂ノ下ガ地方政治デアルカ、中央政治
デアルカ此ノ一事ニ依ツテ私ハ決マルト
思フ敢テ其ノ歷史ヲ言フ譯デハアリマセ
ヌケレドモ私ハ開闢以來輦穀ノ下ガ地方
政治デアツタコトハナカラウト思フ、京都
ノ奠都以來或ハ江戶幕府ニ於ケル江戶ノ政
治スラモ幕閣直接ノ政治デアツタト思
フ、故ニ帝都ノ政治ハ地方政治ニアラズ
此ノ觀念ヲ以テ都制案ヲ御考ヘ下サイマス
ルナラバ都長官選公選問題ノ如キハ自ラ
歸スル所ガアルト思フノデアリマス、私ハ
此ノコトニ付テハ私自身ノ言葉ヲ借リテ言
フヨリモ、內務大臣ニ參考ノ爲ニ申上ゲル
ガ中朝事實ノ中ニハ此ノコトヲ戒メテ剩
ス所ナイノデアリマス、卽チ中朝事實ニハ
伊非諸尊伊弉耶尊蘭馭慶島ニ天降リマリヲ
八尋ノ殿ヲ御造リニナラレタ卽チ帝都
建設シ遊バサレタコトカラ論ゼラレテゝ
神武天皇ノ橿原奠都ヲ以テ二柱ノ天御柱ノ建
設ニ倣ハレタモノデアル卽チ二柱ノ神ノ
神代ノ天柱ニ象リ萬世ノ洪基ヲ始メ給ヒタ
教養部ニアル外沙九ハ次イデ桓武天皇ノ京
、神武天皇ノ「聖皇宮
柱ヲ立ツルノ太シキヲ守リ九重ノ深邃ヲ
嚴ニシ、九條ノ廣路ヲ披ク、十二ノ通門迭
ニ洞ニ十七ノ寶殿珠ノ如クニ聯ナル是ヲ以
テ宸儀仰ゲバ彌高ク法座則レバ彌正シ」ト
書イテアル而シテ「王畿ハ七道ノ之ヲ宗ト
スル所ナリ畿內ハ王室ノ小天下ナリ畿內
ノ制明カナレバ則チ七道風ニ隨ヒテ正シ」、
卽チ帝都ノ制度明カナレバ七道風ニ隨ヒテ
正シ、尙ホ之ヲ結バレテ「蓋シ土地アレバ則
チ國郡アリ國郡アレバ卽チ都鄙ノ分ア
リ而シテ王畿ヲ設ケ都宮ヲ建テ、道路
ヲ制シ四方ヲ以テ之ニ通ジ四藩以テ之
ニ屏フ故ニ其ノ規ヤ其ノ制ヤ、未ダ嘗
テ其ノ道ヲ盡サズンバアラズ凡ソ上ハ天
象ニ法リ下ハ地ノ勢ヲ詳ニシ)人物ノ計
會ヲ校へ、治亂ノ機ヲ察シテ以テ其ノ禮用
ヲ致シ、以テ其ノ至誠ヲ盡サバ則チ遠近
都鄙内外其ノ俗ヲ同フシ其ノ利ヲ通ゼザ
ルナシ天下ノ大ナル國郡ノ區ナル-
擧スベカラズト雖モ、朝廷ヨリ邦畿ニ及ビ、
王畿ヨリ四方ニ及ビ四方ヨリ四疆ニ至ル
コト猶ホ一元氣ノ四支百骸ヲ周流營衞シテ
以テ之ヲ一胸臆ニ統ブルガ如シ然ラバ卽
チ朝延ノ王畿ハ天下ノ規範ニシテ兆民ノ具
膽スル所ナリ豈一人ノ私ヲ縱ニシ當時
ノ治ニ伐リテ其ノ規制ヲ致メザランヤ」私
ハ之ヲ言ヒタイノダ內務大臣へ則樂
ルニ當リマシテ
ヲ盡シタリヤ治安ノ機ヲ察シタリヤ或
ハ天下ノ規範ニシテ兆民ノ具膽スル所ノ案
ヲ作ラレタルカドウカ又一人ノ私ヲ縱ニ
シグループル修行小丸山字母
カツタカ
ナルガ爲ニ此ノ私ニ伐ル心ヲ以テ都制案
ハ生レ出デタルモノデアルカ否カヲ疑フノ
、デブリマス(ポ手)新様ナナガー』デモアリ
王畿ハ王室ノ小天下デアリ
マス、此ノ制度ヲ作ルニ當ツテ斯クノ如キ
心持ガ一點デモアリマシタナラバ私ハ其
ノ横濱ヲヲスルーツ ミッチ盡サザカラリーグラリアンリーグラブ
卽チ閣僚諸君、國務大臣トシテ都制案
ン肉マクリカ居リマスカ都制案等ヲ讀
恐ラク讀ミマスマイヽ知リ
マスマイ是ガ官僚內閣ノ通弊デアリマシ
テ、アツチノコト餘所ノ省ノコトハ俺ハ
關セズト云フヤウナ態度デ此ノ重大ナル
案件ヲ決メラレテハ一大事デアリマス其
製造おうちは少サルナサンナナラナイ、其ノ道ヲ
天皇陛下ノ御膝
メルト云フ御心持デ
海底浴池餘所ノ省ノコトハ
、國務大臣トシテ輔弼
ハ任ゼランヤ軍龍大臣ノ方ニ市上ケタイ、レナイト思フ(拍手)况
卽テ治
安ノ機ヲ察シタルヤ今日帝都ノ上ニ於
テ治安ノ機ヲ察シテ都制案ヲ定ムルナラ
バ斯クノ如キ都制案デオ上ノ御安心ヲ
御願ヒスルコトガ出來ルカ否カハ明カデハ
ナイカ、今日ノ東京市ノ重大ナル立場ハ、之
ヲ只今讀上ゲタル歷史ニ見ルヨリモ實際
ニ之ヲ見ル方ガ明カデアリマス、ン「ヒトラーㄴ
總統ハ2ルリン」ヨリモ重大ナ都會ガ
11.0大分都會ガノア盟邦ノ內ニ「ベルリンヨ
ルト言ヘバ、東京以外ニ
大分けれがアリマス、然ラバ東京ノ何ガ重
此ノ日本ノ首都ガ空爆ヲ受ケ★
コトガアルナラバソレハ〓ベ
ステップスノップル以上ニ重大デアル
此一信頼彰化金君能なりかか講心ヲ寄セテ。居ル程ノ重レテ居ル(「其ノ通リ」ト呼ブ者アリ)
軍部大臣ハ是デ御安心ガ得ルト思ヒ
カ、御成案ノ上ニハ是ガ何處ニ現ハレ
私ハ都制案ヲ作ルニ當リ
シテハ何トシテモ此ノ時局ニ於テハ帝
衞ヲ第一義ニ置カナケレバナラナイト
ノ此ノ間菰
市ノ防衞ニ當ラレテ居リマス上海市药材有限公司、
北京市公安局西城分局
衞ノ有樣ハ尙强化ノ必要少シトシ
ラジオレートデアリマス
何トシテモ右ニ警視廳ヲ持ツタナ
左ニ防衞廳ヲ持タナケレバナリマセ
又、警視總監ト防衞總監トヲ右左ニシテ
中央ニハ政務總監ヲ置カレテ其ノ上ニ東
京都長官ガ坐ラナケレバナラナイ其ノ防
衞廳ノ必要ナルコト防衞總監ノ必要ナル
コト警視廳ノ必要ナルコトト敢テ遜色ハ
ナイノデアリマス、今日東京市ノ防衞ハ消
防組ヲ持チマセヌ警防團ヲ持チマセヌ
僅カニ家庭防護團ヲ持ツニ過ギマセヌ、此
ノ防衞組織ヲ内務大臣ノ所謂一元ニ統一ヲ
シテ而モ此ノ防衞廳ニハ現役ノ軍人モ特
平時帝都防衞ノ事ニ當ラ
、一朝戒嚴令ノ施カレルガ如キ不幸ナ
アイスティブ·アンド·オブ·ザ·インターン直チニ戒嚴令下ニ於
者ガ働キ得ルヤウ
ナコトヲ今日カラ御考ヘナスツテ置クコ
トガ此ノ都制案ヲ作ル上ニ盛ラレテ居ナ
ケレバナラナイ筈デハナイカ(拍手)軍部大
臣諸公ハ都制案ハ內務省ノコトダトシテ
恐ラク顧ミラレナカツタデアラウト思ヒマ
スケレドモ、ソレデハ東京都ノ防衞ハ出來
マセヌ之ヲ資材ノ上カラ見マシテモ
實ハ東京市ハ防衞破產デハナイカト言ハ
レテ居リマス防衞豫算ハ何千万圓アツ
テモ足ラヌノデス)ノミナラズ理想的
行ヘバ二億、三億ノ金ガ一年ニ要ル併
シ資材ノ(株)フェアー
ス幾ラ金ガ掛ツテモ壞サレテカ
スルヨリハ安イ、162.5±
ントシテ居リマスガ
イ其ノ資材ガ手ニ入ラザル所以ハ
自治體ノ必要資材ハヽ
位ニ居ルカト云フコトハ國務大臣ノ方々
能ク御承知デアラウト思フ此ノ低キ物資
動員ノ下ニ置カレテ居ル地方自治體扱ヒヲ
サレテ居ル帝都防衞ガ、完璧ナル施設ヲ持
チ得ナイコトハ明カデアル故ニ玆デハ之
旣ニ東京都
50分钟元/52元/份バルバックロジェクト之ヲ完全ニ防衛
一日モ早ク建設シナ
ケレバナリマセヌ其ノ組織ノ上ニ於テ防
衞Kib防衞總監トカ云フモノヲ持ツバ
カリデハナイ其ノ權限ノ上ニ於テモ他
れ、Sをシテ香りノキハヲマクテ防衛施設
斯
一九七八年十四日子云ヒ引手ヲ「ラン子」見つ
一
居リマ、
モ申シセカウ市貯ノ蓄
是ダケノ配給協關ヲ持ツテ
、東京市一指ヲ染メルコトガ
又數百万圓ノ金ヲ支出シテ居
リアスルケレドモ一人ニ對シテノ命令權
モ有シテ居リマセヌ此ノ戰時經濟生
活、就中輦轂ノ下ニ於ケル七百万市民ノ日
常經濟生活ヲ確保スルコトハ戰時下治安
維持ノ上ニ於テ、戰力增强ノ上ニ於テ缺ク
ベカラザルコトデアルト思ヒマスルガ是
ガ出來得マセヌ故ニ私ハ此ノ場合ニ、內
務大臣ノ所謂國家的性格ニ基イテヽ確固タ
ル都制案ヲ作ラレルト言ハレルナラバ輩
轂ノ下ガ開闢以來地方行政デアツタ例ガナ
イノミナラズ多キハ王室ノ小天下デアル
ト云フ國本ニ鑑ミラシテ東京ノ政治ハ地
中央ノ政治デアル中央
方融聯チアフラススルナラバ陛下輔弼ノ
責任アル者ヲ以テ、其ノ長官タラシメナケ
バ況ンヤ七百万ノ都民、七億
ル變ノートルノ廳員トハ以テ之ヲ國務大
臣タラシムルニ何ノ不足ガアルデアリマセ
ミウナカ私ハ獨リ之ヲ國務大臣タラシムルノ
ラズ東京都ニ關スル政府ノ支出
帝國會會ノ協營ヲ得ベントキャンプル
デアリマス今日東京都ニ對シテハ三千數
百万圓ノ金ガ支出セラレテ居リマス此ノ
ル所ノ金ハヽ帝國議會
東京都港舞台所有限公司附近ヒプラルシ而シテ全國一般ト同樣
、補助金ハ何分デアリ、何割デアルト云
天下一千手代理由武汉小学ガラ東京ハ王室ノ小
陛下ノオ膝
政府自ラ
バーガードル如キ一般ノ規格ニ囚ハルルつやじ茶漬けコトナ
、シテ然ルベキ
或ハ內務大臣自ラ東京都長官アイス
Hオイルミン
只今警視
廳云々ノ話ガアツタ、警視廳ノ負擔ガ重キ
ニトーシアントーム財団ガタックトンデモナイ
警視廳ノ負擔ハ重
キニ過ギテ居リマス、アレモヤル是モヤ
ル非常ナル組織ヲ有シテ居リマスナゼ
擔ヲ輕滅スベク20元素食 配色 白色 冬青の 特別:金山慧新茶伊豆沙沙特色務負
ハ
ナカツタカ一面警視廳ノ負擔重キニ過グ
ルト言ツテ居リナガラ警視廳ノ制度ハ其
ノ儘ニシテ營業、交通、建築工場ト云フ
ヤウナ十指ヲ以テ數ヘラルベキ警視廳ノ純
警察業務以外ノ業務ハ一モ之ヲ移讓シテ
居リマセヌ警視廳ハ其ノ儘デアルト稱シ
テ居リマスガ果シテ然ルヤ否ヤ、特別ノ
考慮ヲ致スト言ハレタ東京都ノ官吏ニ付テ
デアリマス、一體東京都ノ特別ナ考慮ト云
フコトハ、ドウ云フコトカ仄聞スルニ官
吏公吏合置ノ制デアルト聞キマス官吏公
吏合置ノ制度、斯樣ナモノデ水ト油ヲ一〓
ニシタヤウナ制度ノ下ニ果シテ東京都ノ
運營ガ付キマセウカ東京都ノ能率ハ擧ゲ
ラレマセウカ官吏公吏合置ノ弊トデモ中
シマセウカゝ旣ニ早ク東京市ノ間ニ現ハレ
テ、市區ノ吏員ノ動搖抑ヘントシテモ抑ヘ
ルコトガ出來ナイ有樣デアリマス二人寄
レバ都制ノコト、三人寄レバ轉職ノコト、驚ク
ベキ現象ヲ呈シテ居リマス、
當然ナンダ、內務省デハ官變得!シターカラブラ
ルカラ安心セヨト言ハレルカモ知レマセヌケ
化デーノヴァノトーション〓
省宁電池鐵路管理局報
政府ニ移管セラレタコトハ
通リ、其ノ職業紹介所ト共ニ東京市カラ厚
生省ニ移管セラレタル市ノ役人ノ其ノ跡ヲ
見マスルト殆ド全部ガ地方僻陬ノ地ニ轉
職ヲ命ゼラレテ旣ニ大部分ハ退職ヲ致
シマシタ、今日東京ニ止マル者僅カニ一一
人二人止マツテ居ル者六年間月給ガ一文
モ上ツテ居ラナイト云フコトガ東京市役
所內ニ傳ヘラレテ居リマス、デスカラ官吏
ニナツタナラバ大變ダ、直グニ地方ニヤラ
レテシマツテヤラレナイデモ六年間月給
ガ上ラナイナドト云フ斯樣ナコトガ過去
ニアルノデアリマスカラヽ特別ナ考慮ヲシ
テ官吏ニ採用シテヤルト仰シヤツテモ官
吏ニナルコトニ非常ナ恐レヲ持ツテ居ルノ
ダ私ハ此ノ場合內務省ハ否政府ハナゼ
東京都官制ヲ以テ東京市ノ者モ府
モ、力發ニ東京都ノ官吏トスルノ制ヲ使テ
ナイカ而シテ其ノ東京都ノ官吏ハ地方ト
交流ヲシナイ東京市長ノ地方小交流クリステム以ナ
イ
テ統ベテ居リマス、是ハ若シ政府ノ考ヘテ
居ルヤウニ官制ヲ以テ作ラレテ來タナ
バ、或ハ屬官ヤ雇ハ東京都長官ノ自由ニナ
都心をしてマセヌケレドモ奏任官以上ノ
東京都長官ト雌モ政府ノ同意ヲ得ル
ニアラザレ左右致スコトガ出來ナイノ
デアリマス斯ノ如キ制度ヲ作ラレテド
ウシテ有機的ナル圓滿ナル運行ガ出來ルデ
アリマセウカ是ハ他ノ地方ト東京都ヲ交
流セシムルノ弊デアル此ノ儘デ以テ東京
都ヲ作ツテ御覽ナサイ、全國ノ屬官競ツテ
東京ニ集マツテ來マス、全國ノ官吏ノ履歷
書ガ內務大臣ノ机上ニ山ノ如クニナルデア
リマセウ、東京ニ皆集中シテ來テ、東京ノ
今日ノ市ノ吏員モ府ノ吏員モ皆何處カヘ
左遷セラレルカ辭メテシマフカノ結果ヲ
見ルコトハ是ハ交流スルカラデアル交
流ヲシナクテモ東京ハ東京デ出世ガ出來
ル、今日想像シテ見テ東京都制ヲ布カレテ
先ヅ數年ナラズシテ東京ニハ十五人以上ノ
勅任官ガ居ラナケレバナラナクナルデアリ
マセウ今日デモ勅任官同等以上ノ者ガ
五人ヲ下ラナイノデアリマス故ニ東京ハ東
京トシテ出世シテ行クコトガ出來ル、今マ
デノ市ニ於テハ給仕カラ助役ニナツタ者サ
ヘアリマスデスカラ出世ノ爲ニアツチコ
リティカリカ其ノ爲ニ東京ヲ其ノ交流ノ足
ハナイカ、必ズアルノ
ヲ作ノリテス勸ラ東京ハ東京都特別ノ官制
他ノ地方トハ融通ノ付カナイ官
制ヲ御作リヲ願ヒタイ、サウナラナケレバ
人心ノ動搖ヲ防グコトハ斷ジテ出來ナイノ
デアリマス、此ノ案ヲ見マシテ私ガ最初所
謂當時ノ治ニ代ツテ其ノ至誠ヲ盡サザル案
デハナイカト惧レタノハ官治ノ色ガ全面
ヲ蔽ウテ居ルノデアリマス、私ハ官治ハ先
程ノ理論ニ於テ內務大臣ガ尙ホ一步ヲ進
メラレンコトヲ求メマスケレドモ、其ノ都
議會ノ權限ニ於テモ之ヲ府會同樣ニ切下ゲ
ラレテシマフ或ハ官選ニ依ツテ選バレル
都ノ參與ト云フモノヲ置ク官選ニ依ツテ
政府ニ命ゼラレタ都ノ委員ト云フモノヲ置
クサウシテ是等ガ東京都ノ幹部ニナツテ
運行ヲシテ行ク、最高諮詢ノ府トナル、サウ
シテ一面東京都會ハ列擧主義ニ依ツテ其ノ權
限ヲ制壓セラレテ行ク甚ダシキニ至ツテ
ハ區ノ組織ニ於テ區會議員ヲ十五人ニ限定
ヲシテサウ於テ區長ハ官吏ヲ以テ之ニ充
テ區會議長ハ區長ガ之ニ任ズル諸君
何事デアリマセウ全國デモ壹万以上ノ町
村是ガ議員三十名ニ達スルト各町村ハ
町會議長ヲ持チ、村會議長ヲ持ツテ居ルノ
デアリマス、今日東京ハ區ト雖モ二十万
乃至四十万、五十万ヲ數ヘテ居リマス此
ノ二十万乃至五十万ノ三十五區ガ十五人
Mexoxime而モ官吏タル區長ガ議長ニ
セサリ〓是ハ自治體ドコロノ騷ギデハアリマ
斯樣ナコトヲスルノナラバナゼ思
切ツテ區會ト云フモノヲ抹殺ナサラナイ
カ蛇ノ生殺シノヤウナモノハ置イテ却
テ有害ナモノニナリマス、然ラバ區ヲ完全
自治トシテ認メルカ區ヲ抹殺スルカ其
ノ二者何レカヲ採ツテ戴キタイ、私ハ本案
ヲ通讀シテ、實ハ東京都制ト云フモノハ
時局下是非トモ作ツテ戴キタイ法律ダト思
ヒマス併シソレハ前段申上ゲタル理由ニ
於テ)是非共作ツテ戴キタイノデアリマシ
本案其ノ儘デアルナラバ、ニ五〇、〇〇三カスト老舍ヘテ勵ノ者が、ワヲ作ラを
手ルテ担
諸君ノ手ニ依ツテ完全ナル修正ガ加へ
政府ガ其ノ修正ニ應ジテ下サルナ
之ニ越シタコトハゴザイマセヌガ
3各位モ御修正ヲ下
本案ヲ成立セシメ
ザルコトガ國家ニ忠誠ヲ致ス所以ノ途デ
アルト信ズルノデアリマス(拍手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=29
-
030・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今深澤君ヨ
リ御質問ノ點ニ付キマシテ二三御答辯ヲ
中上ゲタイト存ジマス、帝都ノ行政ニ付キ
マシテ國家的ノ性格ニ基イテ之ヲ確立ス
ルノ必要ガアルト云フ點ニ付テハ深澤君
御自身モ非常ニ力說セラレタ所デアリマシ
テ此ノ點ニ付キマシテハ全ク私共ト意
見ヲ同ジクスルコトト存ジマシテ洵ニ欣
快ニ存ズルノデアリマス、唯問題ハ其ノ程
度ノ問題デアリマスルガ、政府ト致シマシ
テハ、今囘提案致シマシタル都制案ヲ以
テ、現時ノ要求ニ最モ適合スル案ナリト確信
致シテ居ルノデアリマス(「ノー」)又此
ノ制度ヲ考慮致シマスル上ニ付キマシテハ
一面ニ於テ沿革ヲ考へ、又漸ヲ逐ウテ其ノ
目的ヲ達成スル卽チ施行ノ上ニ於キマシ
テモ圓滿ナル實現ヲ圖リ得ル斯ウ云フ段
階ヲ以テ實現スベキデアルト考ヘルノデア
リマス隨ヒマシテ全體ノ御意見トシテ
深澤君ガ大イナル理想ヲ特ツテ御述べニナ
リマシダ案ニ付キマシテハ現在ノ段階ニ
於テ御贊成ヲ申上ゲル譯ニハ行カナイ隨
テサウ云フヤウナ提案ヲスル意思ハナイ
本案ヲ以テ適當ナリト考ヘマスル次第デア
リマス
又御話ノ中ニ、此ノ案ヲ決定スル上ニ於
テ愼重ナル考慮ヲ經タカドウカト云フヤウ
ナ點ガアツタヤウデアリマスルガ、之ニ付キ
マシテハ新聞等ニ於テ御承知デアツタカ
トモ存ジマスルガ)內閣ト致シ·マシテハ豫算
先議ノ事項トシテ先ヅ此ノ問題ヲ愼重ニ
考慮ヲ致シ、更ニ法案ノ要綱ニ付テ之ヲ〓
究致シマシテ全閣僚ガ愼重審議ノ上ニ
此ノ案ヲ決定致シマシダヤウナ次第デアリ
マスルノデ、此ノ提案ニ付テハ全閣僚、
政府ト致シマシテ十分ナル確信ヲ持ツテ居
ル次第デアリマスルカラ、其ノ點ヲ御諒承
ヲ願ヒタイト存ズルノデアリマス
警視廳ノ權限ヲ委讓スルカドウカ、案ノ
細カイ內容ニ付テ色々質問ガアツタノデア
リマスガ警視廳ノ權限ヲドウスルカト云
フコトニ付キマシテハ、是ハ都制案ノ法律ノ
問題デハナクシテ官制ノ問題ニ屬スルノ
デアリマス、勿論此ノ內容ニ付キマシテハ
御述ベニナリマシタ色々ノ事項ガゴザイマ
スルカラ、政府ト致シマシテハ都制案ガ
成立致シマシタナラバ官制ノ場合ニ相當
ニ〓究ヲ致シタイト云フ考ヘヲ持ツテ居ル
譯デアリマス
官公吏併用制ト云フコトニ付キマシテ、
其ノ實積ガ擧ラヌデハナイカト云フヤウナ
御心配ガアツタヤウデアリマスガ、旣ニ今日
地方府縣ニ於キマシテ自治制運用ノ上ニ
於テ官吏ト公吏トヲ併用シテ何等其ノ害
ガナイノミナラズ圓滿ナル遂行ヲ見テ居
ルノデアリマスカラ併用制其ノ宜シキヲ
得ルナラバ、必ズシモ心配ニナラナイト云
フコトハ實例ノ示ス所デアリマス
又東京市ノ公吏ガ非常ニ動搖ヲ致シテ居
ルト云フヤウナ御話ガアリマシタガ是疋、
考ヘテ居ラナイノデア
日本のアニメニューが此ノ施行ノ上ニ於テ政府ガ示シテ
官吏或ハ公吏トシテ任用
セラレ、ルノ途ガ、十分ニ開カレテ居ルノデ
、私共ノ見ル所何等動搖シテ
新カナシティーナム·フレード
トガ出來ルト思フノ
デアリマス、其ノ他ノ點ニ付キマシテハ
更ニ委員會等ニ於テ御答ヘ申上ゲタイト存
ジマス、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=30
-
031・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本多市郞君
〔本多市郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=31
-
032・本多市郎
○本多市郞君 東京都制案ニ付テ內務大臣
ノ御說明ガアツタノデアリマスガ其ノ提
案ノ理由竝ニ案ノ內容ニ於キマシテ殆ド
全面的ニ帝都行政ノ實情ニ副ハザルモノガ
アルヤウニ考ヘラレマスルノデ私ハ此ノ
機會ニ於テ聊カ私見ヲ述べテ所管大臣ノ御
所見ヲ御伺ヒ致シタイト思フノデアリマス
都制案ノ理由トスル所ハ先ヅ第一ニ帝
都ノ性格ニ適應スル體制ノ確立ト云フコト
ニナツテ居ルノデアリマスルガ、案ノ内容
ヲ檢討致シマスルニ、本案實施ノ曉ニ於テ
ハ却ツテ帝都ノ行政ガ帝都タルノ性格ヲ失
フノ結果ニ陷ルノデハナイカト思フノデア
リマス今日マデ東京市民ハ常ニ帝都タル
ノ襟度ト心構ヘヲ持ツテ、帝都ノ建設ニ心
血ヲ注ギ、理事者モ亦市ノ爲ニ終生ノ努力ヲ
捧グル中堅吏員ヲ推進力ト致シマシテ遠
大ナル理想ノ下ニ帝都ノ運營ニ當ツテ來タ
ノデアリマス、其ノ結果今日大發展ヲ遂グ
ルコトガ出來テ居ルノデアリマス、是ガ官
治ノミデアリマシタナラバ、恐ラク全國的
ナ事情ニ牽制セラレテ、帝都トシテノ自治的
發展ハ阻碍セラレ今日ノヤウナ大帝都ハ
出來テ居ナカツタデアラウト考ヘラレルノ
デアリマス、彼ノ東京港ノ如キモ取材方
面ノ非常ナル抑制ニ抗シナガラ、市うん
意ニ依ツテ苦心建設セラレタモノデアリマ
スヘッドリック大阪 新幹線創辦大明通知道
寄與シ
カト云フコトハ軍官民ノ齊シク認メザル
ヲ得ナイ所デアラウト思フノデアリマス、
若シモ政府ニ於テ帝都タルノ性格ヲ認識セ
ラレ、十年前ヨリ計畫出願中ノ築港工事ヲ、
夙ニ認可シテ居ラレマシタナラバ市民自
治ノ力ニ依ツテ東京港ノ偉容ハ倍加セラ
レテ居ルコトト思フノデアリマス
更ニ今日帝都ノ交通機關ガ不備デアル爲
ニ如何ニ帝都市民ノ生產力ヲ阻碍シテ居
ルカト云フコトハ御承知ノ通リデアリマ
スルガ、是モ其ノ原因ハ實ニ十餘年前東京
市民ノ地下鐵建設ノ熱望ニ對シテ理解ナキ
政府ガ其ノ工事費ノ起債認可ヲ肯ンズル
ノ意向ガナカツタト云フ一點ニ歸スルノデ
アリマス(拍手)此ノコトハ今日帝都防空ノ
爲ニモ、洵ニ遺憾トスル所デアリマス、東京
市ハ今日マデ政府ニ依ツテ、帝都タルノ性
格ヲ無視抑制セラレタコトハアリマスルケ
レドモ、復興事業以外ニハ權威アル指導ヲ
受ケタコトハナイノデアツテ市民自身ノ
經綸ニ依ラナケレバ東京都港区中央局長小路10-2012モ
期待シ難イコトヲ痛
マス現實ニ於テ終生其ノ智能ヲ帝都自治
行政ノ爲ニ打込ンデ行ク所ノ東京市ノ吏員
ト云フモノハ帝都行政ノ熱意ニ於テモ
識見ニ於テモ遙カニ官僚ヲ凌駕シテ居ルト
信ズルノデアリマス今囘ノ都制案ニ依ル
ナラバ、帝都運營ノ中核タルベキ幹部ハ悉ク
官吏デアリマシテ、是等官吏ハ地方官トノ
頻繁ナル交流ガ豫想セラレルノデアリマス、
其ノ結果ハ帝都行政ヲ劃一的ナ地方行政化
スルニ過ギナイト思フノデアリマス半年
カ長クモ一年位ヨリ在任セザル彼等ニ到
底帝都建設ノ遠大ナル經綸ヲ期待スルコト
ハ出來ナイト思フノデアリマス、要スルニ
帝都行政ヲ帝都タルノ性格ニ適應セシムヤ否
ヤト云フコトハ國家ノ適切ナル指導ノ下、
帝都市民ノ心構ヘト市政運營ノ如何ニ依ル
)今日ノ場合機構ノ改革ニ
大阪市立大塚小学校トハハハハハハハハハハハハラ當ラ
千佛市行動作物
次ニ本案ノ理由トシテ、帝都行政ノ統一
ト云フコトガ擧ゲラレテ居ルノデアリマス
ルガ、現在東京市ニ於テハ東京府、、警視廳、
東京市ノ三重行政ガ行ハレテ居ルノデアリ
マス之ヲ一元化シ、其ノ不便、
除去スルト云フコトハ何人モ異論ノベリル海軍艦
所デアリマスルガ、今囘ノ都制案
東京市ヲ廢シテ東京府ニ統合スルト云フコ
トニ止マリ帝都行政一元化ノ理想ハ何處
ニモ認メラレナイノデアリマス、斯クノ如
キ內容ノ都制案ナラバ都制ノ必要ハナイノ
デアリマシテ府ト市トノ事業ノ簡單ナル
統合ニ依ツテ解決出來ルノデアリマス、今日ノ如ク東京市ト同一
チ東京府知事ガ
地域デ同種ノ事業ヲ、僅カバカリ分離シテ
二重ニ施行シテ行カナケレバナラナイト云
フ理由ハナイノデアリマス、之ヲ其ノ大部
分ヲ施行シテ居ル所ノ東京市長ノ手ニ其ノ
財源ト共ニ移管シ統合セシムルコトガ最
モ簡單ナル解決策デアルノデアリマス、而
シテ東京府知事ハ市ニ移官シ難キ國家的事
務ノ外、專ラ此ノ厖大ナル東京市政ノ監査、、
監督ニ當ルコトニ致シマシタナラバ府知
事ノ存在モ市政刷新ノ爲ニ役立チコソスレ
二重監督ニ因ル事務澁沛
イト信ズルノデアリマス日光の流行の無糖
ナ機構ノ變革ヲナサンヨリ
實質的解決策ヲ一日モ早ク斷行スルト云
フコトガ最モ實情ニ適シテ居ルト思フ
ノデアリマシテ唯單ニ東京市制、東京府
制此ノ二重行政ノ統合位ノコトデハ、都
制ノ理由ニハナラナイト思フノデアリマ
ス、苟クモ今囘ノ都制案ガ大東亞戰爭下、官
選都長ニ廣汎ナル國家權力ヲ附與シテ帝
都行政ノ統一强化ヲ□ラントスル理念ニ基
クモノデアリマスナラバ府市二重行政ノ
統合ヨリ、更ニ一步ヲ進メマシテ、最前御話
モアリマシタ通リ警視聽ノ所管事項ノ中デ
防空、消防營業、建築、工場、職業、或
ハ交通ナドノ取締、是等ガ移管セラレルト
云フ官制ヲ絕對ニ伴ハナケレバ意義ヲナサ
ナイト思フ者デアリマス、就中決戰態勢下
帝都民防空陣ノ一元化ノ如キ、先刻モ御話
ガアツタノデアリマスルガ急務中ノ急務
ト信ズルノデアリマス現在帝都ノ防空施
設ハ東京府ト東京市ガ之ヲ擔當シテ居ル
其ノ施設ヲ活用シ、防火群ト一體ト
いい防毒、ガチャール避難、救護ノ任ニ當ル川
警防團ハ警視總監ノ指揮スル所デアリ
、之ヲ一元化スルニアラザレバ其ノ運
、之
)北京市公安局西城分局帝都行政ノ
8
ヽ此ノ點疑ナキヲ得ナイノ
次ニ帝都行政ノ簡素化ト云フコトヲ理由
以上ノ
上海青浦青房物业管理有限公司カイクハラブランク構其ノ簡樣化メ
理由ノ一ツトシテ帝都行政ノ刷新ト云フ
コトガ擧ゲテアルノデアリマス私ノ長年
府會議員ノ經驗ヨリ
北京泰克贝思科技股份有限公司老年生活官治ト自治トヲ比較致シマ
ゝ必ズシモ自治ガ官治ヨリ腐敗シ墮
來ナイノデアリマ
ス自治政ニ對シマシテハ御承知ノ如ク
其ノ批判モ自由デアリマスルガ、官治ニ
對シマシテハ、言論機關モ之ヲ批判スル
コトガ困難デアリマシテ、
ハヨクノ〓ノ時デアリマス)越光米高等商業高等学校ト〓〓シ〓
事實ガアツテモソレガ社會
イト云フ點ニ於テ今日國民ハ自治政ヨリ
モ寧ロ官治ニ不安ヲ感ジテ居ルノデハナカ
都長ヲ官選ト
交通大学通信管理有限公司11:30(34)直チニ帝都行
所謂官
僚獨善ノ淺薄ナル考察ニ過ギナイト言ハナ
ケレバナラヌノデアリマス(拍手)
最後ニ帝都行政ノ强化ト云フコトヲ以テ)
都制ノ理由トセラレテ居ルノデアリマス
ルガ、斯クノ如キ獨善的ナ機構改革ニ依ツ
テ果シテ其ノ强化ガ期待セラレルデアリ
マセウカ帝都行政ノ眞ノ强化ハ實ニ市
民ノ自治協力ノ精神、今年全國民ハ大東亞
ト思フノデアリマス
戰爭完遂ノ爲ニ全力ヲ擧ゲテ國策ニ協力
シ自治奉公ノ念ニ燃エテ居ルノデアリマ
ス、就中帝都市民、輦轂ノ下、其ノ感激ト
熱情ト云フモノハ斷ジテ全國ノ市町村民
ニ讓ラナイノデアリマス、此ノ秋ニ當リ帝
都市民ニノミ恰モ自治能力ナキガ如ク、自
治權ノ上ニ差別ヲ設ケラレルト云フコトハ、
東京市民ノ絕對ニ忍ビ得ザル所デアルノ
デアリマス東京市民ハ東京都制ノ名ニ於
多年ニ亙リ自治權ノ擴張ヲ要望シテ來
要望方全ク無関シウ今囘ノ都制案ハ此ノ
選都長ノ下、官僚政治
ヲ斷行セントスルモノデアツテ帝都自治
政ノ無視デアリ、破壞デアリマス斯クノ
如キ民意ヲ無視シタル改革ハ、帝都市民ノ
自治能力ノ熱意ヲ喪失セシムルモノデアリ
斷ジテ帝都行政ヲ强化スルノ所以デハナ
イト信ズルノデアリマス、アノ赫々タル所
ノ皇軍ノ戰果、アノ勇武ハ何ニ基因スルデ
アリマセウ、固ヨリ御稜威ノ下世界ニ
冠絕スル皇軍精神ノ然ラシムル所デアリマ
セウ、之ヲ一層强力ナラシメテ居ルモノハ
乙醇、小鼠、明礬、十字、科學、大學、ト激勵デ
北海道日建筑物学院自治體ニ對シマ
決戰下自治報國ノ念
ニ然エテ居ル自治體ニ對シ、之ヲ信賴シ激
勵スルト云フコトニ依ツテコソ其ノ行政
ヲ强化シ能率化スルコトガ出來ルト思フノ
デアツテ之ヲ拾モ非国家綱町左ゲアシカ
ノ如キ觀念ヲ以テシテハ
改革ヲナスト雖モアリデリアスリーズ -
コトハ出來ナイト思フノデアリマス但
東京市ノ如キ此ノ厖大ナル都市ニ對シテ
、現在ノ儘ノ市制デ運營セシムルコトニ付キ
マシテハ幾多ノ不便ガアルノデアリマス
人口二三万ノ市ト七百万ニモ近イ大都
市ヲ、(今日に一週一時測ヒ
タト云フコトハ、北京市公安局海淀分局
マス此ノ點ハ六大都市共通ノ事情ニア
ホノフランデアリマスル効
運營ニ適スルヤウニ夙ニ其ノ自治權
ト云フモノヲ擴大强化シテ不便ナカラシム
ルト云フコトガ必要デアルノデアリマス
卽チ是ハ自治制度ノ改革ガ時運ニ後レテ居
ルモノデアリマシテ官治ニ逆轉スベキ理
由ニハ斷ジテナラナイト思フノデアリマス
以上申述べマシタル通リ、政府提案ノ理
由ハ何レモ帝都行政ノ實情ニ適應シナイ
案ノ內容ト符合シナイ、內務大臣ハ是等ノ
諸點ニ付テ如何ニ御考へニナツテ居ラレマ
スルカ先ヅ提案ノ理由ニ付テ御伺ヒスル
次第デアリマス
次ニ都制案ノ內容ニ付テ質問致シタイト
思フノデアリマス其ノ第一ハ都ノ區域ノ
問題デアリマス、今囘ノ都制案ノ內容ニ依
レド、東京都ノ區域ハ漫然東京府ノ區域ト
スルコトニナツテ居ルノデアリマスルガ、
斯クノ如キハ今日大都市ノ實質的生活圈ニ
合致セナイモノデアリマシテ此ノ際宜シ
ク國土計畫的見地ニ立ツテ再檢討ヲナス
ベキモノデアルト信ズル
日大東京都ノ生活圈ハ何處マデ及ン一覽大学的人生物学
カト申シマスルト京濱港ノ關係、
關ノ關係、水道ノ關係
週元シテ会營ノ自然ヲ圖ルト云フ類、神奈
關係其ノ他東京市ノ諸施設ハ千葉、
川埼玉、是等ノ縣ノ一部ト關聯シ、殊ニ
帝都ノ防空施設ハ是等近縣ト一體化ノ要ガ
認メラレルノデアリマス元來今日ノ三府
四十三縣ノ行政區域ハ交通不便ノ時代、而
モ國民生活ガ單純ナ時代ノ遺物デアリマシ
テ此ノ小サナ「ブロック」ノ割據狀態ガ
今日幾多ノ不便ノ原因トナツテ居ルコトハ
必要ガ叫ん劃
一人生活動物園天地一覽證明書き出レル
此ノ五六 司內方國學館
制ノ問題ニ付テハ此ノ大區劃ノ行政
ノ再編成ト睨ミ合セテ考慮中デアルト
說明モアツタノデアリマスルガヽ是一
大臣ヨリ說明セラレテ居ルノデアリマスル
今囘ノ都制案ト云フモノハヽ此ノ區域
ヽ舊態依然タル立案
東京市ヲ廢シ唯內務省ノ人事畑ゝ
將
)2017.01.28~2017.08.20
內務大臣
居ラ
次ニ都制ノ中心問題デアル所ノ都長ノ
問題デアリマス、是ハ帝都自治制ノ存立ニ
關スル重要ナル點デアルノデアリマスルガ
政府案ニ於テハ唯單ニ官吏トスルト云フコ〓
トニナツテ居ルノデアリマス、抑自治ノ自
治タル所以ハ自ラ選ンダ所ノ首長ニ依ツ
テ、其ノ團體ノ公共事務ヲ處理セシメ、更
ルームのファン{"title "〓〓訂價ノイクノスクラルクバイナリー者ニ依ル所ノドライ治
之ヲ自治政ト云フコトハ出來ナイ
アリマス
當ツテ、都民ガ何等之ニ關與スルコトガ出
來ナイト致シマシタナラバ、正ニ帝都市民
ノ自治權ヲ剝奪スルモノデアルト言ハナケ
レバナリマセヌ、斯クノ如キ見地ヨリ致シ
マシテ、都長ニ付テハ純然タル公選論モア
ルノデアリマスケレドモ、私ハ都長ノ權限
ノ內容如何ニ依ツテハ、官吏タルコトヲ要
スルモノト思フノデアリマス唯併シ此ノ
それな制が其ノ任命ノ方式ニ於テ特鹿港天天皇十年 古城市神社
ヽ一
卽チ唯單ニ一方的ニ任命セラルル
都會ヲシテ何名カノ候
)プリカラティカナリア其ノ候補者ノ中ヨリ之
任
上ニ採用スルコトカ都政運用上是非トモヽ
必要デアルト信ジテ居ルノデアリマス都
府市兩樣ノ性格ヲ制
川普通北方友里シンデラモンメント
官公
北京市公安局海淀分局ノフルメガシアリボールルと心思ふつふわコトガ
、市長ノ
北海道德ラーメントントラクシールラブラルアカリセンター
都長ハ官吏ニ台灣兩元/南海南
ルガ故ニタイマンケーキ
說モアツタノデアリマスルガ
ハリ勅任官デアリマシテ現ニ帝國大學總
長ハ〓授會ノ推薦ニ依リ勅任セラレ親任
故ニ都長ノ場合
ヽ歡迎光臨2017年6月29日
論ハ特殊取材代之一
ヌノデアツテ要八
ト思フノデアリマス都長ニ此ノ兩樣ノ性
格ヲ具備サセルコトヲ不可能トスル限リ
イト考ヘルノデアリマスガ都制シ合理的ナ理論ト云フモノハ成立タナ
此ノ選任ノ方
式ニ付テ內務大臣ハ更ニ御考慮ニナル御考
"text "〓〓一
ノデアリマスルガ斯クノ如キ制度
、斷ジ
マス更ニ其ノ結果162.5±必ズヤ併用
1921,、獨
シテ公吏ヲ萎縮セ
ニ至ルコトハ明カデアリマス(「ヒ
ヤヒヤ」)現ニ內務省ノ行政課長ハ先日東京
市ニ出張シ、市吏員ヲ集メテ都制案ノ說明
ヲ致シタノデアリマスルガ、其ノ際一吏員
ヨリ電車事業ノ如キ公企業ハ之ヲ公吏ノミ
ヲ以テ運營セシメテハドウカト云フ質問ニ
ㄱ對シマシテ何ト答ヘテ居ルカト申シマス
トインド↓兵ノミニ任セルト云フコトハ
出來ナイ英國兵タル官吏ガ之ニ混ツテ監
アノ忠實忠誠ナル市吏員ニ
and company modelling之ヲ「インド」兵ト云フ
如キハ許スベカラザル暴言デアリマス
此ノ觀念ガイケナイト思フノデアリマ
內務大臣ハ左樣ナ觀念ヲ以テ部下官僚
call be a
中国人民解放〓事务所有限公司世界の天皇帝王牌的/北京市公安局海淀分局
明確ニ致シテ置キタイト思フノデアリマス、
斯樣ナ暴言ト相俟ツテ今ヤ數万市吏員ノ間
ニ不安勳搖ヲ來シテ居ルコトハ掩フベカ
此ノ官吏併用ノ
、140元起用市吏員ヲシテ安ンジテ其ノ
一ニ出ヅルノ御考
、是モ御伺ヒ致シテ置ク
次ニ都議會ノ運營ニ付テモ、都制ニ關ス
ル重要事項ハ何事デモ都長ノ請求ニ依ツテ
都會ヲ何時デモ開イテ相談ガ出來ルト云フ
建前ガ最モ適當デアルト思フノデアリマス
ルガ付議事項ヲ列擧制限シ更ニ會期主
、義ヲ採リ、常時小數ノ參事會ニ依ツテ運營
是亦複雜ナル帝都行政ノ實情ニ副ハセシムルガ如キハ百弊ノ因デアリマシ
ザ
ス、天下都料流ノ問題ニルテモ邦下ニ33.1447多ア
市町村ニハ從前通リノ自
ケレドモ三十五區ノ自治ニ付テハ何隻實
情ニ卽シタル考慮ガ拂ハレテ居ラナイノデ
アリマス、都下三十五區ハソレ/先程モ
御話ガアリマシタ通リ二十万或ハ三十万、
四十万ノ人口ヲ有シテ居ルノデアツテ、其
ノ三十五區ノ間ニ東京都一體トシテノ均衡
ファウル モンドゥ シーン 横浜 東京都港区トラックス
スルガ何等實質的ナ自治權ヲ與ヘズ、而
モ區會議員ノ數ハ半減シ議長ハ官吏タル
區長ヲ以テ之ニ充テルト云フコトニナツテ
居ルノデアリマス三十五區ノ推進力タル
千數百ノ區會議員諸君ハ之ヲ聞イテ如何ナ
ル心持ガ致シタデアリマセウカ、斯クノ如
キハ唯官吏ノ專橫ニ便ナラシムルノミデア
ツテ、斷ジテ國民ノ白治協力ノ精神ヲ旺ン
ナラシムル所以デハナカラウト思フノデア
リマス
以上都制案ノ內容ノ要點ニ付テ質問致シ
タノデアリマスルガ、次ニ私ハ一言自治制
ノ觀念ニ付テ御尋ネシテ見タイト思フノデ
アリマス如何ナル國家ノ政治モ自治體ノ
古早味期大地震大地クリスタカルパール自)
是ト
協力一一體化シテ國力ノ進展ニ寄與スル所ノ
モノデアリマス、然ルニ政治ノ末端ガ自治
制デハ政府ノ方針ガ國民ニ滲透シナイトカ
或ハ官僚ノ意ノ儘ニ自治制ガ動カナイトカ
云フ說明モアツタノデアリマスガ、是ハ命
令ト權力ノミヲ以テ政治ヲナサントスル者
ノ一方的ナ見方デアツテ天然水壓物語有
ギナイノデアリマス、今日北京大学國テハ
自治體コソ杓子定規ナ命令モ、民
生活ノ實際ニ卽スルヤウニ工夫シテ國
策ノ圓滿ナル遂行ニ協力シ全力ヲ盡シ立
派ナ成績ヲ擧ゲツツアルノデアリマシテ
激興の理削識ニ對テ分行バ、寧ロ政府ニ對
卽チ官廳ノ間ノ
意見ノ不統一ヲ是正シテ貰ヒタイ更ニ政
令一途ニ出デシムルト共ニ、各官廳ニ下剋
上ノ弊ナカラシメ、上下一體化ノ實ヲ擧ゲ
ラレンコトヲ要望シテ已マナイ者デアリマ
ス、更ニ自治ハ其ノ根柢ニ於テ外來ノ民主
主義ナリトノ批判ヲナス人モアリマスル
ガ我ガ國ニ於キマシテハ一君萬民ノ國
體ノ下國民自治精神ト云フモノニッテン
來ノ美風デアルノデアリマス、(Reichskandre
的ニ積極的ニ大政ヲ翼贊シ奉ル最モ尊イ所
メ道に此ノ自ロデアルト信スルノデアイン
此ノ自治ノ制度ヲ時運ト共ニ進展セシ
ヌ、助長發達セシムルコトガ國家幸福ノ
道ディアラルテコトハ自治制發布五十周年ニ當
今上陛下ヨリ賜ハリマシタル
勅語ノ御示シニナル所デアリマス隨テ自治
制度ノ改正ハ此ノ自治ヲ振興セヨト云フ
御聖旨ヲ奉體シテナスベキモノデアツテ、之ニ
逆行スルガ如キ改正ハ許サレナイ事柄デア
ルト思フノデアリマス畏クモ明治二十一
年自治制發布ノ御上諭ニハ「地方共同ノ
利益ヲ發達セシメ衆庶臣民ノ幸福ヲ增進ス
ルコトヲ欲シ隣保〓結ノ舊慣ヲ存重シテ益
之ヲ擴張シ更ニ法律ヲ以テ都市及町村ノ權
義ヲ保護スルノ必要ヲ認メ玆ニ市制及町村
制ヲ裁可シテ之ヲ公布セシム」ト仰セラレ
テ居ルノデアリマス、是レ實ニ市町村ノ自
治權ト云フモノハ絕對ニ確保スベキモノナ
リトノ御聖旨ト拜察政スノデアリマス
而モ此ノ自治制ヲ憲法發布ニ先ンジテ公布
セラレマシタ所以ハ自治制ヲ立憲政治ノ
根柢トシテ碎立セラレタモノデアリマシテ、
此ノ尊イ國民ノ自治權ヲ奪ツテシマウト云
フコトハヽ軈テ立憲政治ノ發達ヲモ阻碍ス
ルニ至ルベキコト火ヲ諸ルヨリ明カデア
ルト思フノデアリマス
東京都制ノ更ニ重大ナル理由ノ一ツトシ
テ時局ノ要請ナリト云フ說モアルノデア
リマ吾々ハ眞ニ是ガ時局ノ要請デア
、"text "〓〓〓
ル
かつ 24
ウシリツアテモ何等異議時尚シャクシャル
アリマス
東條總理ガ施政演說ニ述べラ
·大分県道142号小川停車場線時局下白發的ニ盛
お前にあります。
アリマシテ其ノ結果ハ帝都ノ發
展ヲ阻碍スルバカリデナク國力進展ノ上
ニモ重大ナル影響ヲ及ボスモノデアルト信
ズルモノデアリマス、都制ヲ時局ノ要請ス
ル戰時體制ナリト云フ意見ノ如キハ從來
ノ行掛リト面目ノ爲ニ徒ラニ戰時ヲ名ト
シ時局ニ便乘シテ官僚獨善ノ行政機構ヲ
樹立セントスル者ノ口實ニ過ギナイト思フ
ノデアリマス、
會ノ使命ハ戰力增强ノ一途ニアルノデ
テ"text "〓〓\
上記載金日ニ讓ルコトガ當然ノコトデアリマス
法案デアツテ曩ニ平沼內閣ノ當時ニ於テ
スヽ、時局緊迫ノ故ヲ以テ提案見合セトナ
ツタ所ノ不急ノ法案デアルノデアリマス
我ガ緊替政治會代議士會ニ於テモ其ノ意見
ガアリマシタ翼政會ノ總務諸公ハ此ノ
代議士會ノ意見ニ基イテ不急法案ノ提案
月合セ方ヲ政府ニ交涉セラレタト云フコト
デアリマスガソレニモ拘ラズ斯クノ如キ
不分不備ナル法案ヲ提案セラレマシタコト
ハ、翼政會ノ政治力ヲ無視或ハ輕視セラレ
クルソ結果デハナカラウカト思フノデアリ
而モ木案成立ノ爲ニハ當局ハ官權ヲ
利用シテ言論ヲ抑壓シ、手段ヲ擇バザル態
度ニ出テ居ルノデアリマス卽チ本問題ニ
關スル反對意見ノ新聞記事ハ悉ク之ヲ禁止
シ、凡ユル會合ニ干涉シ、東京市會、區會
ニ於テ意見書ノ決議ヲシヨウトシテモ、ソ
レサヘモ抑壓シテナサシメズ法律ニ基ク
下意上達ノ途マデモ封鎖致シテ居ルノデア
リマス其ノ彈壓振リハ立憲治下ニアルマ
ジキコトト思フノデアリマス
時局下官僚ノ職場、權限ノ擴張運動ハ實
ニ根强ク行ハレテ居ルノデアリマシテ新
設ノ特殊會社統制會社、營團等ノ幹部ニ
如何ニ多クノ官僚上リノ人々ガ入リ込ン
デ閑職ニ在ツテ何万圓ト云フ如何ニ法外
ナ給料ヲ取ツテ居ルカト云フコトハ一
會ノ指彈ヲ受クル所デアリマスガ、今回明和三十年老店長崎
天然 記憶都制ト大分內容ハ
其ノ運用ノ如
內務省ノ息ノ掛ツタ者デナケレバ市長
ナレヌト言フ結果ニナルノデアリマシ
結果ハ古手官僚ノ配給機構ニナ
東アトムハ思フノデアリマス(礼子)炭レ
東京都制案ニ付テハ內務官僚ガ斯クモ
致シテ其ノ成立ニ不當ナル努力ヲナシテ
居ルノデアリマスガ、是ハ何ガ爲メデアル
實ニ彼等ノ職場擴張礫ナルガナガルテル
ト私ハ考ヘルノデアリマス、
吏員ガ自己ノ職場ヲ脅カサレテ多數宮吏
ノ入替ヲ豫想シ、自分ノ地位ト將來ヲ心配
シテ仕事モ手ニ付カズ不安動搖ヲ來シ
テ居ルト云フコトハ無理カラヌコトデアル
ト信ズルノデアリマス、)然ルニ本年コソ帝
都ヲ目標トシテ米英ノ反攻ノ年デアル或
ハ眞ニ決戰ノ年デアルト言ハレテ居ルノデ
アリマスルガ、此ノ時ニ當リ帝都行政ガ機
構イヂリノ爲ニ動搖混亂ヲ來スヤウナコト
ガアリマシタナラバ帝都防衞ノ爲ニ重大
問題デアル絕對ニ此ノ際之ヲ避クベキモ
ノデアルト思フノデアリマス政府ハ本案
ノ及ボス影響ヲ深ク考慮セラレ更ニ又翼
贊政治會幹部ノ意ノ新創新聞演技にベルシール
速カニ之ヲ撤囘シ、
ルト思フノデアリマスガ御領ビックスノルカール
思アリヤ否ヤ之ヲ最後ニ
第デアリマス
以上私ノ質問ノ各項ニ付キマシテ內務大
臣ノ詳細明快ナル御答辯ヲ求メル次第デア
リマス(拍手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=32
-
033・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千四君) 只今ノ御質問
ニ御答ヘヲ致シタイト思ヒマス、本多君ノ
御考ヘハ市政運用ノ實際カラ見マスルト
現在ノ制度ガ滴當デアルト云フ御考ヘノヤ
ウニ考ヘラレルノデアリマスルガゝ東京市
ノ現狀ヲ直視致シマスルト、絕對ニ此ノ都
制案ハ必要デアル、政府ハ斯ウ考ヘルノデ
アリマス
次ニ二重行政ノ問題ニ付テ警視廳ノ點ニ
言及セラレマシタガ是ハ先程御答へ致シ
タヤウナ次第デアリマスルカラ御諒承ヲ
願ヒマス
內容ニ付キマシテ區域ノ點ハ先程提案ノ理
由說明中ニ中上ゲマシタ通リ東京府ノ區
域ヲ都ノ區域ト致シマスルコトガ適當ナリ
ト考ヘテ居ル次第デアリマス
都長ノ任命ニ付キマシテ一ツノ方法ヲ御
提案ニナツテ居リマスルガヽ都長ヲ官選ス
ル以上、其ノ任命ノ方法ハ官吏任命ノ手續
ニ依ルベキデアルト考ヘルノデアリマス
又吏員ヲ併用スルコトニ付キマシテ色々
御心配ガアルノデアリマスガ是モ先刻申
上ゲマシタ通リ現在ノ東京市ノ吏員ニ都
制ヲ施行スル上ニ於テ不安動搖ノナイコト
ハ重ネテ此ノ機會ニ申上ゲマスル次第デア
リマス區ノ自治權ニ付キマシテハ從來ノ程
度ニ致シマスルコトガ、最モ適當デアルト
考ヘテ居ルノデアリマス
最後ニ此ノ都制案ヲ提案致シマスルコト
ガ何ヤラ政府ノ案デナイヤウニ考ヘラレル、
卽チ東條總理ノ施政演說ノ中ノ精神ト違
ツテ居ルカノ如キ御話ガアリマシタガ此
ノ都制案ニ付キマシテモ東條總理ハ、提案
ノ中ニ說明シテ居ラレルノデアリマスルカ
ラ、十分ニ御讀承ヲ願ヒタイ、斯ウ考ヘルノデ
アリマス、以上簡單ナガラ御答ヘ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=33
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034・本多市郎
○本多市郞君 只今ノ內務大臣ノ御答辯
ハ恰モ都制案ガ東京市ノ市行政ノ實情ニ
對應シテ居ナイガ如ク私ノ質問ニ對シテ
3私協会所特价シャップタール
コンスタンチン斯クテハ餘
時間ヲ要シマスルノデ私ノ質問ハ他ノ
ニ讓リ唯茲ニ深ク不滿ノ意ヲ表シテ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=34
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035・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ本案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=35
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036・森下國雄
○森下國雄君 本案ハ議長指名三十六名ノ
委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=36
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037・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=37
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038・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=38
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039・森下國雄
○森下國雄君 殘餘ノ日程ヲ延期セラレン
コトヲ望ミマス
〔「贊成」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=39
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040・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 只今ノ動議ニ御異議
アリマセスカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=40
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041・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ
此ノ際御報告ヲ中上ゲマス、議員大神田
軍治君ハ去ル一月二十四日逝去セラレマシ
タ洵ニ痛惜哀悼ノ至リニ堪ヘマセヌ、同
精神女子大生活佛門一路特色的青海老天使用方法橋本祐
爲メ發言ヲ求メラレテ居リマス之ヲ許シ
マス-橋本祐幸君
〔橋本祐幸君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=41
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042・橋本祐幸
○橋本祐幸君 私ハ此ノ際甚ダ僭越デハア
リマスルガ諸君ノ御許シヲ得マシテ議
員一同ヲ代表シ茲ニ故大神田軍治君ニ對
シ哀悼ノ意ヲ表シタイト存ジマス
大神田君ハ明治十六年七月山梨縣北都留
およびに字松留ニ生レJ.クヨリ政治ニ志シ、
大正十年十一月東京市ク區全差ニ當選ヲ
セラレタルヲ初メトシ東京府會議員ニ當
選スルコト二回東京市令議員ニ當選スル
コト二回、其ノ間東京市會議長、市參事會
員帝都復興委員長、東京市學務委員長、
東京府參事會員、東京府市部會議長等ノ要
職ニ就カレ就中震災後ノ帝都復興事業、
一部分一東京灣築港事業等ニ盡瘁
ラレタル功績ハ極メテ顯著ナルモノガア
ヽ多年ニ亙リ自治制ニ遺サレマシタ足跡
千葉県千葉市小倉町3-4-1一六大、大众囘總監製ニッシテ而
衆望ヲ擔ヒテ東京府第一區ヨリ衆議院
員ニ當選、昨十七年四月第二十一囘總選
擧ニモ同區ヨリ當選セラレ民意ノ暢達
憲政ノ爲ニ盡サレタル功績多大ナルモノガ
ノノ大大、命偶"此ノ決戰下開會中ノ帝國議會
ニ鑑ミ、熱心ニ諸般ノ調査ニ
當リ翼贊ノ誠ヲ效シテ居ラレタルニモ拘
ラズ議會再開直前ニ忽焉トシテ長逝セラ
レマシタコトハ詢ニ痛惜ニ堪ヘザル所デア
リマス、玆ニ一同ヲ代表シ衷心ヨリ哀悼ノ
微意ヲ表スル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=42
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043・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 次會ノ議事日程ハ公
報ヲ以テ御通知致シマス、本日ハ是ニテ散
會致シマス
午後五時十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00519430129&spkNum=43
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