1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年一月三十日(土曜日)
午後一時二十五分開議
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議事日程 第五號
昭和十八年一月三十日
午後一時開議
第一 市制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二 町村制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三 府縣制中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第四 北海道會法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第五 朝鮮郵便年金の事務に關する郵便物に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第六 北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第七 多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第八 公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第九 義務教育費國庫負擔法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 農業團體法案(政府提出) 第一讀會
第十一 水産業團體法案(政府提出) 第一讀會
第十二 農業保險法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十三 食糧管理特別會計法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 農業保險の保險料國庫負擔金等の交付及分擔等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十五 木炭需給調節特別會計法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十六 石油專賣法案(政府提出) 第一讀會
第十七 交易營團法案(政府提出) 第一讀會
第十八 燃料局特別會計法案(政府提出) 第一讀會
第十九 戰時行政特例法案(政府提出) 第一讀會
第二十 許可認可等臨時措置法案(政府提出) 第一讀會
第二十一 教育基金特別會計法外二十三法律の廢止に關する法律案(政府提出) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一昨二十九日議長に於て選定したる委員左の如し
臨時利得税法中改正法律案(政府提出)外十一件委員
有馬英治君 池本甚四郎君
小野義一君 小野秀一君
川崎末五郎君 川崎巳之太郎君
勝正憲君 木村正義君
九鬼紋七君 小泉純也君
小林絹治君 河野密君
紅露昭君 駒井重次君
坂本宗太郎君 坂下仙一郎君
作田高太郎君 田中勝之助君
田下政治君 中村三之丞君
中島彌團次君 永野護君
原口純允君 橋本祐幸君
一松定吉君 藤本捨助君
古河和一郎君 松岡秀夫君
松永壽雄君 松村光三君
前田善治君 正木清君
三木武夫君 三善信房君
山中義貞君 渡邊善十郎君
昭和十八年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債發行に關する法律案(政府提出)外九件委員
赤間徳壽君 伊藤五郎君
大橋清太郎君 長内健榮君
金光邦三君 坂口平兵衞君
鈴木忠吉君 田部朋之君
高木義人君 高梨乙松君
遠山暉男君 中西敏憲君
南雲正朔君 松田正一君
南鐵太郎君 森川仙太君
森部隆輔君 矢野庄太郎君
日本證券取引所法案(政府提出)外四件委員
小笠原三九郎君 小田彦太郎君
小山倉之助君 奧野小四郎君
小谷節夫君 木暮武太夫君
篠原陸朗君 田中藤作君
瀧澤七郎君 鶴惣市君
中村三之丞君 中井一夫君
永野護君 濱野清吾君
箸本太吉君 廣野規矩太郎君
古田喜三太君 松田正一君
三木與吉郎君 宮澤裕君
桃原茂太君 山田順策君
山本厚三君 吉田敬太郎君
吉川大介君 渡邊善十郎君
渡邊泰邦君
東京都制案(政府提出)委員
安藤覺君 赤松寅七君
荒川眞郷君 今井嘉幸君
今尾登君 今牧嘉雄君
牛塚虎太郎君 加藤鐐五郎君
川崎末五郎君 川口壽君
菅野和太郎君 木下信君
木下義介君 木崎爲之君
清瀬一郎君 窪井義道君
坂本一角君 四王天延孝君
曾木重貴君 田中源君
田中和一郎君 田邊徳五郎君
田万清臣君 谷原公君
冨田愛次郎君 中村梅吉君
中井一夫君 永山忠則君
長野高一君 花村四郎君
古田喜三太君 本多市郎君
堀内一雄君 松永東君
山田竹治君 山野平一君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、日程第一乃至第五ハ便宜上一括議題ト
ナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=1
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002・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、市制中改正法律案、日
程第二、町村制中改正法律案、日程第三、
府縣制中改正法律案、日程第四、北海道會
法中改正法律案、日程第五、朝鮮郵便年金ノ
事務ニ關スル郵便物ニ關スル法律案、右五
案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-湯澤
內務大臣
第市制中改正法律案(政府提出)
第一讀會
第二町村制中改正法律案(政府提出)
第一讀會
第三府縣制中改正法律案(政府提出)
第一讀會
第四北海道會法中改正法律案(政府
提出)第一讀會
第五朝鮮郵便年金ノ事務ニ關スル郵
便物ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會
市制中改正法律案
市制中左ノ通改正ス
第二條中「竝從來法令又ハ慣例ニ依リ及
將來法律勅令ニ依リ」ヲ「及法令又ハ從來
ノ慣例ニ依リ」ニ改ム
第三條第一項中「及府縣參事會」ヲ削リ同
條第二項中「府縣參事會ノ議決ヲ經」ヲ削
ル
第四條第一項中「府縣參事會ノ議決ヲ經」
ヲ削ル
第四條ノ二府縣ノ境界ニ涉リテ市ノ境
界ノ變更ヲ爲サントスルトキハ關係ア
ル市町村會及府縣參事會ノ意見ヲ徴シ
テ內務大臣之ヲ定ム
前項ノ場合ニ於テ財產アルトキハ其ノ
處分ハ關係アル市町村會ノ意見ヲ徵シ
テ內務大臣之ヲ定ム
第五條第一項中「府縣參事會」ヲ「府縣知
事」ニ、「行政裁判所ニ出訴」ヲ「內務大臣
ニ訴願」ニ、同條第二項中「府縣知事ハ府
縣參事會ノ決定ニ付スヘシ」ヲ「府縣知事
之ヲ決定スベシ」ニ、「行政裁判所ニ出訴」
ヲ「內務大臣ニ訴願」ニ、同條第三項中「第
一項ノ裁定及前項ノ決定」ヲ「前三項ノ裁
定及決定」ニ改メ同條第四項ヲ削リ同條
第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
府縣ノ境界ニ涉リテ前二項ノ場合ヲ生
ジタルトキハ關係アル府縣知事ニ於テ
協議ノ上之ヲ裁定又ハ決定スベシ協議
調ハザルトキハ內務大臣之ヲ裁定又ハ
決定ス
第六條第二項中「前二條」ヲ「第四條及前
條」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
本法ニ定ムルモノノ外第一項ノ區ニ關
シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條中「名稱ヲ變更セムトスルトキハ」
ノ下ニ「市會ノ議決ヲ經テ」ヲ加ヘ同條ニ
左ノ一項ヲ加フ
市役所ノ位置ヲ定メ又ハ之ヲ變更セン
トスルトキハ市ハ市會ノ議決ヲ經ベシ
前條ノ市ガ其ノ區ノ名稱ヲ變更シ又ハ
區役所ノ位置ヲ定メ若ハ之ヲ變更セン
トスルトキ亦同ジ
第九條第二項中「市ハ」ノ下ニ「市會ノ議
決ヲ經テ」ヲ加フ
第十條第一項中「名譽職ニ選擧セラルル
權利」ヲ「名譽職ニ就ク權利」ニ改メ同條
第二項中「名譽職ノ當選」ヲ「名譽職ニ就
クコト」ニ改メ「市ハ」ノ下ニ「市會ノ議決
ヲ經テ」ヲ加へ同條第三項中「府縣參事
會」ヲ「府縣知事」ニ改メ同條第五項ヲ削
ル
第十一條中「及志願ニ依リ國民軍ニ編入
セラレタル者」ヲ削ル
第十二條第二項中「市ノ營造物」ノ下ニ
「又ハ市ノ事務」ヲ加フ
第十三條第三項ヲ左ノ如ク改ム
人口三十萬ヲ超ユル市ニ於テハ人口十
五萬、人口六十萬ヲ超ユル市ニ於テハ
人口三十萬ヲ加フル每ニ議員四人ヲ增
加シ八十人ヲ以テ定限トス
同條第四項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ前項ノ定限ヲ超ユルコトヲ得ズ
同條第五項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ著シク人口ノ增減アリタルトキハ
市ハ市會ノ議決ヲ經內務大臣ノ許可ヲ
得テ之ヲ增減スルコトヲ得
第十六條第四項中「第二項」ヲ「第三項」ニ
改ム
第十九條第五項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
當選者中第三十三條第一項ノ事由ニ該
當スル者アルトキハ前三項ノ規定ノ適
用ニ付テハ之ヲ議員ノ闕員ト看做ス
第二十條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ
前項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ム
ルモ仍其ノ關員ノ數ガ第三十三條第一
項ニ謂フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員
定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルト
キ又ハ市長若ハ市會ニ於テ必要ト認ム
ルトキハ補闕選擧ヲ行フベシ此ノ場合
ニ於テハ第三十三條第六項ノ規定ヲ準
用ス
議員ノ關員ノ數第三十三條第一項ニ謂
フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ
六分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十
七條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハル
ル場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ補闕
選擧ヲ行フベシ但シ第三十七條第一項
又ハ第三項ノ選擧ノ〓示アリタル後議
員中闕員ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
第三十三條第八項ノ規定ハ前項ノ補闕
選擧ニ之ヲ準用ス
第二十條ノ二市會議員ノ選擧ハ其ノ市
ニ於ケル衆議院議員選擧人名簿中其ノ
名簿調製期日ニ於テ市會議員ノ選擧權
ヲ有スル者ニ關スル部分(以下衆議院
議員選擧人名簿中關係部分ト稱ス)及
補充選擧人名簿ニ依リ之ヲ行フ
市會議員ノ選擧權ヲ有スル者ノ年齡ハ
前項ノ選擧人名簿確定ノ期日ニ依リ之
ヲ算定ス
第二十一條第一項及第一一項ヲ左ノ如ク改
メ同條第四項中「選擧人名簿」ヲ「補充選
擧人名簿」ニ改メ同條第三項ヲ削ル
市長(第六條ノ市ニ於テハ區長)ハ每年
九月十五日ノ現在ニ依リ補充選擧人名
簿ヲ調製スベシ但シ選擧區アルトキハ
選擧區每ニ之ヲ調製スベシ
補充選擧人名簿ニハ市會議員ノ選擧權
ヲ有スル者ニシテ其ノ市ニ於ケル衆議
院議昌選擧人名簿ニ登錄セラルルコト
ヲ得ザルモノヲ登錄スベシ
第二十一條ノ二中「市長」ノ下ニ「(第六條
ノ市ニ於テハ區長)」ヲ加ヘ同條第一項中
「選擧人名簿」ヲ「補充選擧人名簿」ニ改ム
第二十一條ノ三補充選擧人名簿ニ脫漏
又ハ誤載アリト認ムルトキハ關係者ハ
其ノ名簿ノ縱覽期間內ニ市長(第六條
ノ市ニ於テハ區長)ニ異議ノ申立ヲ爲
スコトヲ得衆議院議員選擧人名簿中關
係部分ニ脫漏又ハ誤載アリト認ムルト
キ亦同ジ
前項ノ場合ニ於テハ市長(第六條ノ市
ニ於テハ區長)ハ其ノ申立ヲ受ケタル
日ヨリ二十日以内ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタル場合
ニ於テ市長(第六條ノ市ニ於テハ區長)
ハ補充選擧人名簿ノ修正ヲ要スルトキ
ハ直ニ之ヲ修正シ衆議院議員選擧人名
簿中關係部分ニ脫漏アリトスルトキハ
補充選擧人名簿ニ登錄シ(其ノ名簿ナ
キトキハ其ノ者ニ關シ其ノ名簿ヲ作製
シ)誤載アリトスルトキハ衆議院議員
選擧人名簿中關係部分ニ其ノ旨ヲ表示
スベシ
第二項ノ決定ニ不服アル者ハ決定アリ
タル日ヨリ七日以內ニ府縣知事ニ訴願
シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所
ニ出訴スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルト
キハ市長(第六條ノ市ニ於テハ區長)ハ
直ニ其ノ要領ヲ告示スベシ第三項ノ規
定ニ依リ處置ヲ爲シタルトキ亦同ジ
第二十一條ノ四補充選擧人名簿ハ十二
月二十日ヲ以テ確定ス
補充選擧人名簿ハ次年ノ十二月十九日
迄之ヲ据置クベシ
前條第四項ノ場合ニ於テ裁決確定シ又
ハ判決アリタルニ依リ補充選擧人名簿ノ
修正ヲ要スルトキハ市長(第六條ノ市
ニ於テハ區長)ハ直ニ之ヲ修正シ衆議
院議員選擧人名簿中關係部分ニ關シ處
置ヲ要スルトキハ市長(第六條ノ市ニ
於テハ區長)ハ直ニ前條第三項ノ規定
ニ準ジ處置スベシ
前項ノ規定ニ依リ修正又ハ處置ヲ爲シ
タルトキハ市長(第六條ノ市ニ於テハ
區長)ハ直ニ其ノ要領ヲ〓示スベシ
投票分會ヲ設クル場合ニ於テ必要アル
トキハ市長(第六條ノ市ニ於テハ區長)
ハ確定名簿ニ依リ分會ノ區劃每ニ名簿
ノ抄本ヲ調製スベシ
第二十一條ノ五第三項ヲ左ノ如ク改メ同
條第一項ヲ削ル
前項ノ名簿ニ關シ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改メ同
條第二項中「前項ノ計算終リタルトキハ
選擧長ハ」ヲ「選擧長ハ選擧立會人立會ノ
上投票函ヲ開キ」ニ改ム
開票ハ投票ノ日又ハ其ノ翌日(投票分
會ヲ設ケタルトキハ總テノ投票函ノ送
致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日)之ヲ行
フ
第三十一條第一項及第三項中「之ヲ朗讀
シ」ヲ削ル
第三十三條第一項中「該當スルトキハ三
月以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ」ヲ「該當ス
ル場合ニ於テ第二項若ハ第三項ノ規定ノ
適用ヲ受クル者ナク又ハ第二項若ハ第三
項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムルモ
仍當選者ノ不足數ガ第二十條第二項ニ謂
フ議員ノ闕員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ市長
若ハ市會ニ於テ必要ト認ムルトキハ更ニ
選擧ヲ行フベシ」ニ改メ但書ヲ削リ同條
第六項ヲ削リ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
當選者ノ不足數第二十條第二項ニ謂フ
議員ノ關員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十七
條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハル
ル場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ更
ニ選擧ヲ行フベシ但シ第三十七條第
一項又ハ第三項ノ選擧ノ告示アリタル
後第一項ノ事由ヲ生ジタルトキハ此ノ
限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ行フ選擧ノ期日ハ第
三十七條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ期
日ニ依ル
第三十六條第一項中「市長ハ七日以內
ニ市會ノ決定ニ付スヘシ市會ハ其ノ送
付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以内ニ之ヲ
決定スヘシ」ヲ「市長ハ其ノ申立ヲ受ケ
タル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定スベ
シ」ニ、同條第二項中「府縣參事「會」ヲ
「府縣知事」二、同條第三項中「府縣參
事會ノ決定ニ付スルコトヲ得」ヲ「決定
スルコトヲ得」ニ、同條第四項中「市
會」ヲ「市長」ニ改メ同條第五項中「若ハ
第六項」ヲ削リ同條第八項中「又ハ第三
十七條第一項若ハ然三項」ヲ「、第三十
七條第一項若ハ第三項又ハ第三十七條
ノ二」ニ改メ同條第六項及第七項ヲ削
ル
第三十六條ノ二第五項中「第九項」ヲ
「第七項」三枚入り
第三十七條第四項中「及第七項」ヲ削リ同
條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第三項ノ期間ハ第三十六條第
六項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選
擧ヲ行フコトヲ得ザル事由已ミタル日
ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第三十七條ノ二左ニ揭グル事由アル場
合ニ於テ議員又ハ當選者總テナキトキ
ハ第二十條、第三十三條又ハ前條第一
項若ハ第三項ノ規定ニ拘ラズ總選擧ヲ
行フ但シ左ニ揭グル事由ニ關シ此等ノ
規定ニ依ル選擧ノ〓示又ハ第三十三條
第五項若ハ第二十條第一項ノ規定ニ依
ル告示ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
-議員中闕員ヲ生ジタルトキ
二當選者中第三十三條第一項ノ事由
ニ該當スル者アルトキ
三前條第一項又ハ第三項ノ規定ニ該
當スル事由アルトキ
前項ノ選擧ハ其ノ事由ヲ生ジタル日ヨ
リ三月以內ニ之ヲ行フベシ此ノ場合ニ
於テハ前條第五項ノ規定ヲ準用ス
第三十八條第三項中「府縣参事會」ヲ「府
縣知事」ニ改メ同條第四項中「及前項ノ裁
決」及「又ハ訴訟」ヲ削リ同條第六項中「第
九項」ヲ「第七項」ニ、「前三項」ヲ「前二
項」ニ改メ同條第五項ヲ削ル
第三十九條第二十一條ノ三ノ場合ニ於
テ府縣知二或決ヲ爲シタルトキ又ハ第
三十六條ノ場合ニ於テ市長決定ヲ爲シ
若ハ府縣知事裁決若ハ決定ヲ爲シタル
トキハ直ニ其ノ要領ヲ告示スベシ
第四十一條削除
第四十二條市會ノ議決スベキ事件左ノ
如シ
-市條例ヲ設ケ又ハ改廢スルコト
二歲入出豫算ヲ定ムルコト
三決算報〓ヲ認定スルコト
四法令ニ定ムルモノヲ除クノ外使用
料手數料、加入金、市稅、分擔金
又ハ夫役現品ノ賦課徵收ニ關スルコ
ト
五財產ノ取得、管理及處分竝ニ市費
ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執行ニ關ス
ル市規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但
シ法令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在
ラズ
六基本財產及積立金穀等ノ設置及處
分ニ關スルコト
七歲入出豫算ヲ以テ定ムルモノヲ除
クノ外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ及權利
ノ抛棄ヲ爲スコト
八財產及營造物ノ管理ニ關スル市規
則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但シ法令
ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
九其ノ他法令ニ依リ市會ノ權限ニ屬
スル事項
第四十四條中「法律勅令」ヲ「法令」ニ改ム
第四十五條第二項ヲ削ル
第五十條ノ二市會ハ通常會及臨時會ト
ス
通常會ハ每年一囘之ヲ開ク其ノ會期ハ
二十日(第六條及第八十一一條第三項ノ
市ニ於テハ三十日)以內トス
臨時會ハ必要アル場合ニ於テ其ノ事件
ニ限リ之ヲ開ク其ノ會期ハ五日以內ト
ス但シ場合ニ依リ市長ハ五日以內ニ於
テ別ニ會期ヲ定ムルコトヲ得
前項但書ノ規定ニ依リ會期ヲ定メタル
場合ニ於テハ市長ハ第五十一條第二項
ノ規定ニ依ル告知ト共ニ其ノ會期ヲ〓
知スベシ
臨時會ニ付スベキ事件ハ市長第五十一
條第二項ノ規定ニ依ル〓知ト共ニ之ヲ
告知スベシ
臨時會開會中急施ヲ要スル事件アルト
キハ第三項及前項ノ規定ニ拘ラズ直ニ
之ヲ其ノ會議ニ付スルコトヲ得
市長必要アリト認ムルトキハ通ジテ三
日以内ニ於テ市會ノ會期ヲ延長スルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依リ市會ノ會期ヲ延長シ
タルトキハ市長ハ直ニ之ヲ告知スベシ
第五十一條第一項中「市會招集ノ請求」ヲ
「臨時會招集ノ請求」ニ改メ同條第三項中
「三日目迄」ヲ「七日目迄」ニ改メ「及會議
ノ事件」ヲ削リ同條第二項及第四項ヲ削
ル
第五十五條第一項中「法律勅令」ヲ「法令」
ニバン入
第五十七條ノ三市會ハ歲入出豫算ニ付
增額シテ之ヲ議決スルコトヲ得ズ
第六十一條第一項中「議長ニ隸屬シテ」
ヲ「議長ノ指揮ヲ承ケ」ニ、同條第二項中
「議長之ヲ任免ス」ヲ「第八十五條ノ吏員
ノ中ニ就キ市長之ヲ命ズ」三菱八.
第六十五條第三項ヲ左ノ如ク改メ同條第
四項中「名譽職參事會員」ノ下ニ「及其ノ
補充員」ヲ加フ
名譽職參事會員中關員アルトキハ市長
ハ補充員ノ中ニ就キ之ヲ補關ス其ノ順
序ハ選擧ノ時ヲ異ニスルトキハ選擧ノ
前後ニ依リ選擧同時ナルトキハ得票數
ニ依リ得票同數ナルトキハ年長者ヲ取
リ年齡同ジキトキハ抽籤ニ依ル仍闕員
アル場合ニ於テハ臨時補關選擧ヲ行フ
ベシ
同條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
市會ハ名譽職參事會員ト同數ノ補充員
ヲ選擧スベシ
第六十七條第一項第二號中「市會ノ權限
ニ屬スル事件ニシテ輕易ナルモノ」ヲ「重
要事件ヲ除クノ外市會ノ權限ニ屬スル事
件ニ改メ同項中第四號ヲ第六號トシ同
項ニ第四號及第五號トシテ左ノ二號ヲ加
フ
四市吏員ノ身元保證ニ關スル事項ヲ
議決スルコト
五市ニ係ル訴願、訴訟及和解ニ關ス
ル事項ヲ議決スルコト
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第二號ノ重要事件ハ市會ノ議決ヲ
經テ市長之ヲ定ムベシ
第六十八條ニ左ノ一項ヲ加フ
市參事會ノ會期ハ市長之ヲ定ム
第七十條第一項但書中「第二項ノ除斥ノ
爲名譽職參事會員其ノ半數ニ滿タサルト
キ、」ヲ削リ同條第二項中「議長」ノ下ニ
、其ノ代理者」ヲ加ヘ同條第一項ノ次ニ
左ノ二項ヲ加フ
第四項ノ規定ニ依リ名譽職參專會員ノ
數減少シテ前項ノ數ヲ得ザルトキハ市
長ハ補充員ニシテ其ノ事件ニ關係ナキ
モノヲ以テ第六十五條第四項ノ順序ニ
依リ臨時之ニ充テ仍其ノ數ヲ得ザルト
キハ市會議員ニシテ其ノ專件ニ關係ナ
キモノヲ臨時ニ指名シ其ノ關員ヲ補充
スベシ
市參事會ノ議事ハ名譽職參事會員ノ過
半數ヲ以テ決ス可否同數ナルトキハ議
長ノ決スル所ニ依ル
第七十一條中「第五十一條第二項及第五
項」ヲ「第五十一條第三項」ニ、「第五十三
條」ヲ「第五十三條第二項」ニ、「竝第六十
二條第一項及第二項」ヲ「第六十二條第一
項及第二項竝ニ第六十三條第一項」ニ改ム
第七十二條第三項ヲ削ル
第七十三條第三項及第四項ヲ左ノ如ク改
メ同條第九項中「有給市長」ヲ「市長」ニ、
「市會ノ承認」ヲ「內務大臣ノ認可」ニ改メ
「三十日目迄ニ」ノ下ニ「內務大臣ニ」ヲ加
ヘ同條第五項乃至第七項ヲ削ル
市長ハ內務大臣市會ヲシテ其ノ候補者
ヲ推薦セシメ其ノ者ニ就キ勅裁ヲ經テ
之ヲ選任ス
市會內務大臣ノ指定スル期日迄ニ前項
ノ規定ニ依ル堆薦ヲ爲サザルトキハ內
務大臣ニ於テ勅裁ラ經テ市長ノ選任ヲ
爲スコトヲ得
第七十四條削除
第七十五條第二項及第三項ヲ左ノ如ク〓
ム
助役ハ府縣知事ノ認可ヲ得テ市長之ヲ
選任ス
市長ハ助役ニ付著シク其ノ在職ヲ不適
當トスル理由アリト認ムルトキハ任期
中ト雖モ府縣知事ノ認可ヲ得テ之ヲ解
職スルコトヲ得
市長ノ職務ヲ代理スル助役ハ其ノ退職
セントスル日前三十日目迄ニ府縣知事ニ
申立ツルニ非ザレバ任期中退職スルコ
トヲ得ズ但シ府縣知事ノ認可ヲ得タル
トキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ニ規定スルモノソ外助役ハ其ノ退
職セントスル日前三十日目迄ニ市長ニ
申立ツルニ非ザレバ任期中退職スルコ
トヲ得ズ但シ市長ノ承認ヲ得タルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第七十五條ノ二第六條及第八十二條第
三項ノ市其ノ他內務大臣ノ指定スル市
ニ考査役一人ヲ置ク
考査役ハ有給吏員トシ其ノ任期ハ四年
トス
考査役ハ市會ニ諮リテ市長之ヲ選任ス
第一項ノ市以外ノ市ニ於テハ市長ハ市
會ニ諮リテ第八十五條ノ吏員ノ中ニ就
キ考査役ノ職務ヲ行フ者ヲ定ムベシ
第七十六條中「有給市參與及助役」ヲ「、助
役及考査役」三段人
第七十七條中「市參與及助役」ヲ「、助役及
考査役」ニ改ム
第七十八條第二項中「有給市參與及助役」
ヲ「、助役及考査役」ニ改ム
第七十九條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第
三項中「市參與又ハ助役」ヲ「、助役又ハ考
査役」ニ改ム
收入役及副收入役ハ市會ノ同意ヲ得テ
市長之ヲ選任ス
第七十五條第一項、第七十六條、第七
十七條及前條第二項ノ規定ハ收入役及
副收入役ニ之ヲ準用ス
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
市ハ出納員ヲ置クコトヲ得
出納員ハ第八十五條ノ吏員ノ中ニ就キ
市長之ヲ命ズ
第八十條第二項中「第七十七條第一項」ヲ
「第七十七條」ニ改ム
第八十一條第二項及第三項中「助役、」ノ
下ニ「考査役」ヲ加ヘ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
第六條ノ市ノ區ニ區出納員ヲ置クコト
ヲ得
區出納員ハ第八十六條ノ吏員ノ中ニ就
キ市長之ヲ命ズ
第八十二條第一項中「其ノ他ノ市ハ」ノ下
ニ「市會ノ議決ヲ經テ」ヲ加ヘ同條第二項
中「市長ノ推薦ニ依リ市會之ヲ定ム此ノ
場合ニ於テハ第七十三條第四項乃至第七
項ノ規定ヲ準用ス」ヲ「市長之ヲ選任ス」
三六人
第八十二條ノ二市ハ市條例ヲ以テ參與
ヲ置クコトヲ得
參與ハ名譽職トス
參與ハ市公民中學識經驗アル者ヨリ市
長之ヲ選任ス
本法ニ規定スルモノノ外參與ニ關シ必
要ナル事項ハ第一項ノ市條例ヲ以テ之
ヲ定ム
第八十三條市ハ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トス
委員ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ市長之
ヲ選任ス
第八十八條市長ハ市內ニ於ケル各種施策
ノ綜合的運營ヲ圖ル爲必要アリト認ムル
トキハ市內ノ團體等ニ對シ必要ナル指示
ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ指示
ニ從ハザルトキハ市長ハ當該團體等ノ
監督官廳ノ措置ヲ申請スルコトヲ得
第八十八條ノ二市長ハ町內會部落會及
其ノ聯合會ノ財產及經費ノ管理竝ニ區
域ノ變更ニ關シ必要ナル措置ヲ講ズル
コトヲ得
市長ノ許可ヲ得タル場合ニ於テハ町內
會部落會及其ノ聯合會ハ自己ノ名ヲ以
テ財產ヲ所有スルコトヲ得
第八十九條中「十圓以下」ヲ「二十圓以下」
三六人
第九十條第一項及第二項中「府縣參事會」
ヲ「府縣知事」ニ改メ同條第五項ヲ削ル
第九十一條第四項中「又ハ市參事會」ヲ削
ル
第九十三條第一項中「從來法令又ハ將來
法律勅令」ヲ「法令」ニ改メ同條第二項ヲ
削ル
第九十四條第一項但書ヲ削リ同條第二項
中「前項ノ例ニ依リ」ヲ削リ同條ニ左ノ一
項ヲ加フ
市長ハ町内會部落會及其ノ聯合會ノ長
ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ援助セシムル
コトヲ得
第九十五條削除
第九十六條ノ二考査役ハ市長ノ指擇監
督ヲ承ケ市ノ經營ニ係ル事業ノ管理、
市ノ出納其ノ他市吏員ノ掌理ニ屬スル
事務ノ執行ヲ考査ス
市長ハ監督官廳ノ命令アルトキハ考査
役ヲシテ前項ノ職務ヲ行ハシメ其ノ結
果ヲ報告スベシ
市長ハ市會ニ諮リテ考査役故障アルト
キ之ヲ代理スベキ者ヲ第八十五條ノ吏
員ノ中ニ就キ定ムベシ
第九十七條第五項中「市會ハ市長ノ推薦
ニ依リ」ヲ「市長ハ市會ノ同意ヲ得テ」ニ
改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
出納員ハ收入役ノ命ヲ承ケ出納事務ヲ
掌ル
第九十八條第二項中「從來法令若。ハ將來
法律勅令」ヲ「法令」ニ改メ同條第四項ヲ
削ル
第九十九條第一項中「從來法令若ハ將來
法律勅令」ヲ「法令」ニ改メ同條ニ左ノ一
項ヲ加フ
區出納員ハ區收入役ノ命ヲ承ケ出納事
務ヲ掌ル
第百條ノ二參與ハ市長ノ諮問ニ應ジ市
內ニ於ケル各種施策ニ關スル重要事項
ヲ審議ス
第百一條委員ハ市ノ事務及第九十三條
ノ規定ニ依ル市長ノ事務ニ付委託ヲ受
ケテ調査ス
第百四條第一項及第二項中「名譽職市參
與、」ヲ削ル
第百五條中「有給市參與、助役」ヲ「助役、
考査役」ニ、「市條例」ヲ「市規則」ご飯店
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ市規則ヲ設ケ又ハ改廢セントス
ルトキハ府縣知事ノ許可ヲ受クベシ
第百七條第一項中「報酬、給料、旅費、」ヲ
削リ同條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第三
項中「決定及」及「訴願又ハ」ヲ削リ同條第
四項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於テ關係者市長ノ決定ニ
不服アルトキハ府縣知事ニ訴願シ其ノ
裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出
訴スルコトヲ得
第百十條第二項及第百十一條中「市ハ」ノ
下ニ「市會ノ議決ヲ經テ」ヲ加フ
第百十四條市ハ其ノ區域外ニ於テモ亦
關係市町村トノ協議ニ依リ營造物ヲ設
クルコトヲ得
前項ノ協議ニ付テハ市町村會ノ議決ヲ
經ルコトヲ要ス
第百十四條ノ二市ハ他ノ市町村トノ協
議ニ依リ他ノ市町村ノ財產又ハ營造物
ヲ自己ノ住民ノ使用ニ供セシムルコト
ヲ得
前項ノ協議ニ付テハ市町村會ノ議決ヲ
經ルコトヲ要ス
第百十四條ノ三市ハ神社ノ經費ヲ供進
スルコトヲ得
第百十六條ニ左ノ二項ヲ加フ
市長其ノ他市吏員ガ第九十三條又ハ第
九十八條第一項及第二項若ハ之ヲ準用
スル第八十二條第四項ノ事務ヲ執行スル
爲要スル費用ハ市ノ負擔トス但シ法令ニ
別段ノ規定アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
市又ハ市長其ノ他市吏員ヲシテ國ノ事
務ヲ處理執行セシムル場合ニ於テハ之
ガ爲要スル費用ノ財源ニ付必要ナル措
置ヲ講ズベキモノトス
第百二十九條第四項中「府縣參事會」ヲ
「府縣知事」ニ改メ同條第五項中「府縣知
事又ハ」ヲ削ル
第百三十條第三項ヲ左ノ如ク改メ同條第
四項中「決定及」及「訴願又ハ」ヲ削リ同條
第五項ヲ削ル
前二項ノ場合ニ於テ市長ノ決定ヲ受ケ
タル者其ノ決定ニ不服アルトキハ府縣
知事ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキ
ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百三十一條第六項中「府縣參事會」ヲ
「府縣知事」ニ改メ同條第七項中「府縣知
事又ハ」ヲ削ル
第百三十二條第一項中「必要アル場合ニ
限リ」ノ下ニ「市會ノ議決ヲ經テ」ヲ加フ
第百三十八條中「市ハ」ノ下ニ「市會ノ議
決ヲ經テ」ヲ加フ
第百四十一條第二項中「之ヲ爲シ」ヲ「考
査役ヲシテ之ヲ爲サシメ」法務人
第百四十二條第二項中「之ヲ審査シ」ヲ「考
査役ヲシテ之ヲ審査セシメ其ノ」ニ改
ム
第百四十五條中「府縣參事會ノ議決ヲ經」
アル
第百四十六條第二項但書中「選擧若ハ當
選ノ效力ニ關スル異議ノ決定及」ヲ削リ
同條第三項中「市會」ヲ「町村制中町村會」
コンスト
第百四十九條第二項ヲ左ノ如ク改ム
公益上必要アル場合ニ於テハ府縣知事
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ市町村
組合ヲ設クルコトヲ得
前項ノ市町村組合ニ關シテハ本法ニ拘
ラズ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコ
トヲ得
第百五十條第二項中「府縣參事會ノ議決
ヲ經」ヲ削ル
第百五十一條第二項中「府縣參事會ノ議
決ヲ經」及「定メ又ハ」ヲ削ル
第百五十三條第二項及第百五十四條第二
項中「府縣參事會ノ議決ヲ經」ヲ削ル
第百五十四條ノ二第百四十九條第一
項、第百五十條第一項、第百五十一條
第一項、第百五十三條第一項及前條第
一項ノ協議ニ付テハ市町村會ノ議決ヲ
經ルコトヲ要ス
第百五十五條第一項中「前條第二項」ヲ
「第百五十四條第二項」ニ改メ同條第三項
ヲ左ノ如ク改メ同條第四項中「決定及」及
「訴願又ハ」ヲ削リ同條第五項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於テ組合ノ管理者ノ決定
ヲ受ケタル市町村其ノ決定ニ不服アル
トキハ府縣知事ニ訴願シ其ノ裁決ニ不
服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコ
トヲ得
第百六十條ノ二第一項中「其ノ決定ニ付
セラレタル日ヨリ三月以內」ヲ「其ノ申立
ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內」ニ、同條第
二項中「府縣參事會」ヲ「府縣知事」ニ、「三
月以內」ヲ「三十日以內」ニ改ム
第百六十二條ニ左ノ二項ヲ加フ
解散後初テ市會ラ招集スルトキハ市長
ハ第五十條ノ二第二項及第三項ノ規定
ニ拘ラズ別ニ會期ヲ定ムルコトヲ得
第五十條ノ二第四項、第七項及第八項
ノ規定ハ前項ノ市會ニ之ヲ準用ス
第百六十五條內務大臣ハ市長ニ付著シ
ク其ノ在職ヲ不適當トスル事由アリト
認ムルトキハ任期中ト雖モ勅裁ヲ經テ
之ヲ解職スルコトヲ得
府縣知事ハ考査役、收入役又ハ副收入
役ニ付著シク其ノ在職ヲ不適當トスル
事由アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ
之ヲ解職スルコトヲ得
第百六十七條中「、第四號及第九號」ヲ「及
第七號」ニ改メ第四號及第八號ヲ削リ第
五號ヲ第四號、第六號ヲ第五號、第七號
ヲ第六號、第九號ヲ第七號トス
第百七十條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條第
二項中「內務大臣ノ命シタル」ヲ「內務大
臣ノ指定スル職ニ在ル」ニ改メ同條第五
項中「助役、」ノ下ニ「考査役、」ヲ加ヘ「市
參與、」ヲ削ル
府縣知事ハ市長、助役、考査役、收入
役、副收入役、區長、區長代理者竝ニ第
八十五條及第八十六條ノ吏員ニ對シ懲
戒ヲ行フコトヲ得其ノ懲戒處分ハ譴責、
五十圓以下ノ過怠金及解職トス但シ市
長助役、考査役、收入役、副收入役
及第六條又ハ第八十二條第三項ノ市ノ
區長ニ對スル解職ハ懲戒審査會ノ議決
ヲ經市長ニ付テハ勅裁ヲ經ルコトヲ要
ス
第百七十二條中「又ハ府縣參事會」ヲ削ル
第百七十三條本法ニ規定スルモノノ外
有給吏員ノ組織、任用、分限、給料等
ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第百七十七條中「、府縣高等官、所屬府
縣ノ官吏若ハ有給吏員、府縣稅又ハ直接
府縣稅」ヲ「又ハ府縣高等官」ニ、一、道廳高
等官、道廳ノ官吏若ハ地方費ノ有給吏
員北海道地方稅又ハ直接北海道地方稅
ニ、町村又ハ町村會ニ關スル規定ハ北海
道ニ付テハ各町村又ハ町村會ニ該當スル
モノニ關シ」ヲ「又ハ道廳高等官ニ」ニ改
ム
第百七十七條ノ二ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第百七十七條ノ三樺太ニ於ケル市ニ付
テハ本法ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ規
定ヲ設クルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第七十三條、第七十五條又ハ第七十九條
ノ改正規定施行ノ際現ニ在職スル市長、
助役、收入役、又ハ副收入役ハ此等ノ規
定ニ依リ其ノ職ヲ失フコトナシ
地方稅法中左ノ通改正ス
第一條第三項乃至第五項ヲ左ノ如ク改ム
本法中府縣ニ關スル規定ハ北海道地方
費ニ之ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テハ府縣稅、府縣知事、
府縣吏員、府縣參事會又ハ府縣條例ト
アルハ夫々北海道地方稅、北海道廳長
官、北海道地方費吏員、北海道參事
會又ハ北海道條例トス
本法中市町村ニ關スル規定ヲ北海道ノ
市町村ニ適用スル場合ニ於テハ府縣知
事トアルハ北海道廳長官トス
第十六條第二項中「三月以内」ヲ「三十日
以內」ニ改ム
第二十條第四項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ場合ニ於テ府縣知事又ハ市町
村長ノ決定ヲ受ケタル者其ノ決定ニ不
服アルトキハ府縣稅ニ付テハ行政裁判
所ニ出訴シ市町村稅ニ付テハ府縣知事
ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行
政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
同條第七項ヲ左ノ如ク改ム
第三項ノ裁決ニ付テハ市町村長又ハ其
ノ委任ヲ受ケタル市町村吏員ヨリモ行
政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
同條第八項中「前七項」ヲ「前四項」ニ改メ
同條第三項、第五項及第六項ヲ削ル
第二十三條第二項中「府縣參事會」ヲ「府
縣知事」ニ改メ同條第三項ヲ左ノ如ク改
ム
市町村稅ニ關スル前項ノ裁決ニ付テハ
市町村長又ハ其ノ委任ヲ受ケタル市町
村吏員ヨリモ行政裁判所ニ出訴スルコ
トヲ得
第三十六條第二項中「三月以内」ヲ「三十
日以內」ニ、「府縣參事會」ヲ「府縣知事」
ニ改メ同條第三項中「又ハ府縣知事」ヲ削
ル
第四十條第二項中「三月以内」ヲ「三十日
以內」ニ、「府縣參事會」ヲ「府縣知事」ニ
改メ同條第三項中「又ハ府縣知事」ヲ削ル
第十八條第四項中「府縣參事會」ヲ「府縣
知事「ニ改メ同條第五項中「又ハ府縣知
事」ヲ削ル
登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第四號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
四ノ二町內會部落會(町內會部落會
ノ聯合會ヲ含ム以下同ジ)ノ區域ノ
變更ニ因ル町內會部落會ノ權利ノ取
得又ハ其ノ町內會部落會ニ所有權ヲ
移スニ付爲ス所有權ノ保存ノ登記又
ハ登錄
同條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五町內會部落會若ハ市町村ノ一部ニ
屬スル財產ヲ其ノ市町村ニ移ス場合
又ハ市町村ノ一部ニ屬スル財產ヲ町
內會部落會ニ移ス場合ニ於ケル市町
村若ハ町內會部落會ノ權利ノ取得又
ハ其ノ市町村若ハ町內會部落會ニ所
有權ヲ移スニ付爲ス所有權ノ保存ノ
登記又ハ登錄
五ノ二町內會部落會ノ財產ニシテ個
人名義若ハ共有名義ノモノヲ町內會
部落會ノ名義ニ移ス場合ニ於ケル町
內會部落會ノ權利ノ取得又ハ其ノ町
內會部落會ノ名義ニ移スニ付爲ス所
有權ノ保存ノ登記又ハ登錄
同條第六號中「市町村又ハ市町村ノ一部」
及「市町村又ハ其ノ一部」ヲ各「市町村、町
內會部落會又ハ市町村ノ一部」ニ改ム
樺太市制ハ之ヲ廢止ス但シ同法廢止前同
法第三條第六項中罰則ニ關スル規定ヲ適
用スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ
依ル
本法施行ニ關シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
町村制中改正法律案
町村制中左ノ通改正ス
第二條中「竝從來法令又ハ慣例ニ依リ及
將來法律勅令ニ依リ」ヲ「及法令又ハ從來
ノ慣例ニ依リ」ニ改ム
第三條第一項及第二項中「府縣參事會ノ
議決ヲ經」ヲ削リ同條第二項ノ次ニ左ノ
二項ヲ加フ
府縣ノ境界ニ涉リテ町村ノ境界ノ變更
ヲ爲サントスルトキハ關係アル市町村
會及府縣參事會ノ意見ヲ徵シテ內務大
臣之ヲ定ム
前項ノ場合ニ於テ財產アルトキハ其ノ
處分ハ關係アル市町村會ノ意見ヲ徵シ
テ內務大臣之ヲ定ム
第四條第一項中「府縣參事會」ヲ「府縣知
事」ニ、「行政裁判所ニ出訴」ヲ「內務大臣
ニ訴願」ニ、同條第二項中「府縣知事ハ府
縣參事會ノ決定ニ付スヘシ」ヲ「府縣知事
之ヲ決定スベシ」ニ、「行政裁判所ニ出訴」ヲ
「內務大臣ニ訴願」ニ、同條第三項中「第一
項ノ裁定及前項ノ決定」ヲ「前三項ノ裁定
及決定」ニ改メ同條第四項ヲ削リ同條第
二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
府縣ノ境界ニ涉リテ前二項ノ場合ヲ生
ジタルトキハ關係アル府縣知事ニ於テ
協議ノ上之ヲ裁定又ハ決定スベシ協議
調ハザルトキハ內務大臣之ヲ裁定又ハ
決定ス
第五條中「町村ハ」ノ下ニ「町村會ノ議決
ヲ經テ」ヲ加フ
第七條第二項中「町村ハ」ノ下ニ「町村會
ノ議決ヲ經テ」ヲ加フ
第八條第一項中「名譽職ニ選擧セラルル
權利」ヲ「名譽職ニ就ク權利」ニ改メ同條
第二項中「名譽職ノ當選」ヲ「名譽職ニ就
クコト」ニ改メ「町村ハ」ノ下ニ「町村會ノ
議決ヲ經テ」ヲ加へ同條第三項中「府縣參
事會」ヲ「府縣知事」ニ改メ同條第五項ヲ
割ル
第九條中「及志願ニ依リ國民軍ニ編入セ
ラレタル者」ヲ削ル
第十條第二項中「町村ノ營造物」ノ下ニ
「又ハ町村ノ事務」ヲ加フ
第十一條第四項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ著シク人口ノ增減アリタルトキハ
町村ハ町村會ノ議決ヲ經府縣知事ノ許
可ヲ得テ之ヲ增減スルコトヲ得
第十六條第四項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
當選者中第三十條第一項ノ事由ニ該當
スル者アルトキハ前二項ノ規定ノ適用
ニ付テハ之ヲ議員ノ闕員ト看做ス
第十七條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ
前項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ム
ルモ仍其ノ闕員ノ數ガ第三十條第一項
ニ謂フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定
數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ
又ハ町村長若ハ町村會ニ於テ必要ト認
ムルトキハ補關選擧ヲ行フベシ此ノ場
合ニ於テハ第三十條第六項ノ規定ヲ準
用ス
議員ノ闕員ノ數第三十條第一項ニ謂フ
當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十四
條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハル
ル場合ニ於テハ其ノ選學ト同時ニ補闘
選擧ヲ行フベシ但シ第三十四條第一項
又ハ第三項ノ選擧ノ〓示アリタル後議
員中闕員ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
第三十條第八項ノ規定ハ前項ノ補關選
擧ニ之ヲ準用ス
第十七條ノ二町村會議員ノ選擧ハ其ノ
町村ニ於ケル衆議院議員選擧人名簿中
其ノ名簿調製期日ニ於テ町村會議員ノ
選擧權ヲ有スル者ニ關スル部分(以下
衆議院議員選擧人名簿中關係部分ト稱
ス)及補充選擧人名簿ニ依リ之ヲ行フ
町村會議員ノ選擧權ヲ有スル者ノ年齡
ハ前項ノ選擧人名簿確定ノ期日ニ依リ
之ヲ算定ス
第十八條第一項及第三項中「選擧人名簿」
ヲ「補充選擧人名簿」ニ改メ同條第二項ヲ
左ノ如ク改ム
補充選擧人名簿ニハ町村會議員ノ選擧
權ヲ有スル者ニシテ其ノ町村ニ於ケル
衆議院議員選擧人名簿ニ登錄セラルル
コトヲ得ザルモノヲ登錄スベシ
第十八條ノ二第一項中「選擧人名簿」ヲ
「補充選擧人名簿」ニ改ム
第十八條ノ三補充選擧人名簿ニ脫漏又
ハ誤載アリト認ムルトキハ關係者ハ其
ノ名簿ノ縱覽期間內ニ町村長ニ異議ノ
申立ヲ爲スコトヲ得衆議院議員選擧人
名簿中關係部分ニ脫漏又ハ誤載アリト
認ムルトキ亦同ジ
前項ノ場合ニ於テハ町村長ハ其ノ申立
ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ之ヲ決
定スベシ
前項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタル場合
ニ於テ町村長ハ補充選擧人名簿ノ修正
ヲ要スルトキハ直ニ之ヲ修正シ衆議院
議員選擧人名簿中關係部分ニ脫漏アリ
トスルトキハ補充選擧人名簿ニ登錄シ
(其ノ名簿ナキトキハ其ノ者ニ關シ其
ノ名簿ヲ調製シ)誤載アリトスルトキ
ハ衆議院議員選擧人名簿中關係部分ニ
其ノ旨ヲ表示スベシ
第二項ノ決定ニ不服アル者ハ決定アリ
タル日ヨリ七日以內ニ府縣知事ニ訴願
シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所
ニ出訴スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルト
キハ町村長ハ直ニ其ノ要領ヲ〓示スベ
シ第三項ノ規定ニ依リ處置ヲ爲シタル
トキ亦同ジ
第十八條ノ四補充選擧人名簿ハ十二月
二十日ヲ以テ確定ス
補充選擧人名簿ハ次年ノ十二月十九日
迄之ヲ据置クベシ
前條第四項ノ場合ニ於テ裁決確定シ又
ハ判決アリタルニ依リ補充選擧人名簿
ノ修正ヲ要スルトキハ町村長ハ直ニ之
ヲ修正シ衆議院議員選擧人名簿中關係
部分ニ關シ處置ヲ要スルトキハ町村長
ハ直ニ前條第三項ノ規定ニ準ジ處置ス
ベシ
前項ノ規定ニ依リ修正又ハ處置ヲ爲シ
タルトキハ町村長ハ直ニ其ノ要領ヲ告
示スベシ
投票分會ヲ設クル場合ニ於テ必要アル
トキハ町村長ハ確定名簿ニ依リ分會ノ
區劃每ニ名簿ノ抄本ヲ調製スベシ
第十八條ノ五第三項ラ左ノ如ク改メ同條
第一項ヲ削ル
前項ノ名簿ニ關シ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第十九條ノ二議員候補者タラントスル
者ハ選擧ノ期日ノ〓示アリタル日ヨリ
選擧ノ期日前二日目迄ニ其ノ旨ヲ町村
長ニ屆出ヅベシ
選擧人名簿ニ登錄セラレタル者他人ヲ
議員候補者ト爲サントスルトキハ前項
ノ期間內ニ其ノ推薦ノ屆出ヲ爲スコト
ヲ得
議員候補者ハ町村長ニ屆出ヲ爲スニ非
ザレバ議員候補者タルコトヲ辭スルコ
トヲ得ズ
前三項ノ屆出アリタルトキ又ハ議員候
補者ノ死亡シタルコトヲ知リタルトキ
ハ町村長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示スベシ
第二十二條第五項及第七項中「被選擧人」
ヲ「議員候補者」ニ改ム
第二十四條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改メ同
條第二項中「前項ノ計算終リタルトキハ
選擧長ハ」ヲ「選擧長ハ選擧立會人立會ノ
上投票函ヲ開キ」三反八
開票ハ投票ノ日又ハ其ノ翌日(投票分
會ヲ設ケタルトキハ總テノ投票函ノ送
致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日)之ヲ行
フ
第二十五條左ノ投票ハ之ヲ無效トス
-成規ノ用紙ヲ用ピザルモノ
二議員候補者ニ非ザル者ノ氏名ヲ記
載シタルモノ
三一投票中二人以上ノ議員候補者ノ
氏名ヲ記載シタルモノ
四被選擧權ナキ議員候補者ノ氏名ヲ
記載シタルモノ
五議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載
シタルモノ但シ爵位、職業、身分、
住所又ハ敬稱ノ類ヲ記入シタルモノ
ハ此ノ限ニ在ラズ
六議員候補者ノ氏名ヲ自書セザルモ
ノ
七議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカ
ヲ確認シ難キモノ
八町村會議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ
記載シタルモノ
第二十七條ノ三第十九條ノ二第一項及
第二項ノ規定ニ依ル屆出アリタル議員
候補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ
超エザルトキハ投票ヲ行ハズ
前項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フコトヲ要
セザルトキハ町村長ハ直ニ其ノ旨ヲ告
示スベシ
第一項ノ場合ニ於テハ選擧長ハ選擧ノ
期日ヨリ五日以內ニ選擧會ヲ開キ議員
候補者ヲ以テ當選者ト定ムベシ
前項ノ場合ニ於テ議員候補者ノ被選擧
權ノ有無ハ選擧立會人之ヲ決定ス可否
同數ナルトキハ選擧長之ヲ決スベシ
第三項ノ場合ニ於テハ町村長ハ豫メ選
擧會ノ場所及日時ヲ〓示スベシ
第二十八條第一項及第一一項中「之ヲ朗讀
シ」ヲ削ル
第三十條第一項中「該當スルトキハ三月
以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ」ヲ「該當スル
場合ニ於テ第二項若ハ第三項ノ規定ノ適
用ヲ受クル者ナク又ハ第二項若ハ第三項
ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムルモ仍
當選者ノ不足數ガ第十七條第二項ニ謂フ
議員ノ闕員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六分
ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ町村長
若ハ町村會ニ於テ必要ト認ムルトキハ更
ニ選擧ヲ行フベシ」ニ改メ但書ヲ削リ同
條第六項ヲ削リ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
當選者ノ不足數第十七條第二項ニ謂フ
議員ノ闕員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十四
條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル
場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ更ニ選
擧ヲ行フベシ但シ第三十四條第一項又
ハ第三項ノ選擧ノ告示アリタル後第一
項ノ事由ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
前項ノ規定ニ依リ行フ選擧ノ期日ハ第
三十四條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ期
日ニ依ル
第三十三條第一項中「選擧人」ノ下ニ「又
ハ議員候補者」ヲ加へ「町村長ハ七日以內
ニ町村會ノ決定ニ付スヘシ町村會ハ其ノ
送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ
決定スヘシ」ヲ「町村長ハ其ノ申立ヲ受ケ
タル日ヨリ十四日以内ニ之ヲ決定スベ
シ」ニ改メ同條第二項中「府縣參事會」ヲ
「府縣知事」ニ、同條第三項中「府縣參事
會ノ決定ニ付スルコトヲ得」ヲ「決定スル
コトヲ得」ニ、同條第四項中「町村會」ヲ
「町村長」ニ改メ同條第五項中「若ハ第六
項」ヲ削リ同條第八項中「又ハ第三十四
條第一項若ハ第三項」ヲ「、第三十四條第
一項若ハ第三項又ハ第三十四條ノ二」ニ
改メ同條第六項及第七項ヲ削ル
第三十四條第四項中「及第七項」ヲ削リ同
條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第三項ノ期間ハ前條第六項ノ
規定ノ適用アル場合ニ於テハ選擧ヲ行
フコトヲ得ザル事由巳ミタル日ノ翌日
ヨリ之ヲ起算ス
第三十四條ノ二左ニ揭グル事由アル場
合ニ於テ議員又ハ當選者總テナキトキ
ハ第十七條、第三十條又ハ前條第一項
若ハ第三項ノ規定ニ拘ラズ總選擧ヲ行
フ但シ左ニ揭グル事由ニ關シ此等ノ規
定ニ依ル選擧ノ告示又ハ第三十條第五
項若ハ第十七條第一項ノ規定ニ依ル〓
示ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一議員中闕員ヲ生ジタルトキ
二當選者中第三十條第一項ノ事由ニ
該當スル者アルトキ
三前條第一項又ハ第三項ノ規定ニ該
當スル事由アルトキ
前項ノ選擧ハ其ノ事由ヲ生ジタル日ヨ
リ三月以内ニ之ヲ行フベシ此ノ場合ニ
於テハ前條第五項ノ規定ヲ準用ス
第三十五條第三項中「府縣參事會」ヲ府 付
縣知事」ニ改メ同條第四項中「及前項ノ裁
決」及「又ハ訴訟」ヲ削リ同條第六項中「第
九項」ヲ「第七項」ニ、「前三項」ヲ「前二項」
ニ改メ同條第五項ヲ削ル
第三十六條第十八條ノ三ノ場合ニ於テ
府縣知事裁決ヲ爲シタルトキ又ハ第三
十三條ノ場合ニ於テ町村長決定ヲ爲シ
若ハ府縣知事裁決定ハ決定ヲ爲シタル
トキハ直ニ其ノ要領ヲ告示スベシ
第三十六條ノ二中「第九十二條、」ノ下ニ
「第九十五條ノ二、」ヲ加フ
第三十九條削除
第四十條町村會ノ議決スベキ事件左ノ
如シ
一町村條例ヲ設ケ又ハ改廢スルコト
二歲入出豫算ヲ定ムルコト
三決算報告ヲ認定スルコト
四法令ニ定ムルモノヲ除クノ外使用
料、手數料、加入金、町村稅、分擔
金又ハ夫役現品ノ賦課徴收ニ關スル
ニヽ
五財產ノ取得、管理及處分竝ニ町村
費ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執行ニ關
スル町村規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコ
ト但シ法令ニ規定アルモノハ此ノ限
ニ在ラズ
六基本財產及積立金穀等ノ設置及處
分ニ關スルコト
七歲入出豫算ヲ以テ定ムルモノヲ除
クノ外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ及權利
ノ抛棄ヲ爲スコト
八財產及營造物ノ管理ニ關スル町村
規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但シ法
令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
九町村吏員ノ身元保證ニ關スルコト
十町村ニ係ル訴願、訴訟及和解ニ關
スルコト
十一其ノ他法令ニ依リ町村會ノ權限
ニ屬スル事項
第四十一條中「法律勅令」ヲ「法令」ニ改ム
第四十二條第二項ヲ削ル
第五十一條第一項中「法律勅令」ヲ「法令」
三ツノ
第五十三條ノ三町村會ハ歲入出豫算ニ
付增額シテ之ヲ議決スルコトヲ得ズ
第五十七條第一項中「議長ニ隸屬シテ」ヲ
「議長ノ指揮ヲ承ケ」ニ、同條第二項中「議
長之ヲ任免ス」ヲ「第七十一條ノ吏員ノ中
ニ就キ町村長之ヲ命ズ」ニ改ム
第六十三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
町村長ハ町村會ニ於テ之ヲ選擧シ府縣
知事ノ認可ヲ受クベシ
同條第六項及第七項ヲ左ノ如ク改ム
助役ハ府縣知事ノ認可ヲ得テ町村長之
ヲ選任ス
町村長ハ助役ニ付著シク其ノ在職ヲ不
適當トスル事由アリト認ムルトキハ任
期中ト雖モ府縣知事ノ認可ヲ得テ之ヲ
解職スルコトヲ得
第六十四條町村長ハ其ノ退職セントス
ル日前三十日目迄ニ府縣知事ニ申立ツ
ルニ非ザレバ任期中退職スルコトヲ得
ズ但シ府縣知事ノ認可ヲ得タルトキハ
此ノ限ニ在ラズ
町村長ノ職務ヲ代理スル助役退職セン
トスルトキ亦前項ニ同ジ
前項ニ規定スルモノノ外助役ハ其ノ退
職セントスル日前三十日目迄ニ町村長
ニ申立ツルニ非ザレバ任期中退職スル
コトヲ得ズ但シ町村長ノ承認ヲ得タル
トキハ此ノ限ニ在ラズ
第六十七條第三項ヲ左ノ如ク改ム
收入役及副收入役ハ町村會ノ同意ヲ得
テ町村長之ヲ選任ス
第六十三條第九項、第六十五條及前條
第二項ノ規定ハ收入役及副收入役ニ之
ヲ準用ス
同條第五項ヲ左ノ如ク改ム
特別ノ事情アル町村ニ於テハ町村長ハ
町村會ノ同意ヲ得府縣知事ノ許可ヲ得
テ收入役ノ事務ヲ兼掌シ又ハ助役ヲシ
テ之ヲ兼掌セシムルコトヲ得
第六十八條第一項中「町村ハ」ノ下ニ「町
村會ノ議決ヲ經テ」ヲ加ヘ同條第二項中
「町村長ノ推薦ニ依リ町村會之ヲ定ム此
ノ場合ニ於テハ第六十三一條第二項乃至第
五項ノ規定ヲ準用ス」ヲ一町村長之ヲ選任
ス」ニ改ム
第六十八條ノ二町村ニ參與ヲ置ク
參與ハ名譽職トス
參與ハ町村條例ノ定ムル所ニ依リ町村
會議員、町村内ノ團體ノ長其ノ他學識
經驗アル者ノ中ヨリ町村長之ヲ選任ス
本法ニ規定スルモノノ外參與ニ關シ必
要ナル事項ハ前項ノ町村條例ヲ以テ之
コルビ
第六十九條町村ハ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トス
委員ハ町村公民其ノ他適當ナル者ノ中
ヨリ町村長之ヲ選任ス
第七十二條ノ二町村長ハ町村内ニ於ケ
ル各種施策ノ綜合的運營ヲ圖ル爲必要
アリト認ムルトキハ町村內ノ團體等ニ
對シ必要ナル指示ヲ爲スコトヲ得此ノ
場合ニ於テ其ノ指示ニ從ハザルトキハ
町村長ハ當該團體等ノ監督官廳ノ措置
ヲ申請スルコトヲ得
第七十二條ノ三町村長ハ町内會部落會
及其ノ聯合會ノ財產及經費ノ管理竝ニ
區域ノ變更ニ關シ必要ナル措置ヲ講ズ
ルコトヲ得
町村長ノ許可ヲ得タル場合ニ於テハ町
內會部落會及其ノ聯合會ハ自己ノ名ヲ
以テ財產ヲ所有スルコトヲ得
第七十三條中「五圓以下」ヲ「十圓以下」ニ
改ム
第七十四條第一項及第二項中「府縣參事
會」ヲ「府縣知事」ニ改メ同條第五項ヲ削
ル
第七十七條第一項中「從來法令又ハ將來
法律勅令」ヲ「法令」ニ改メ同條第二項ヲ
削ル
第七十八條第一項但書ヲ削リ同條ニ左ノ
一項ヲ加フ
町村長ハ町內會部落會及其ノ聯合會ノ
長ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ援助セシム
ルコトヲ得
第八十條第二項中「町村會ハ町村長ノ推
薦ニ依リ」ヲ「町村長ハ町村會ノ同意ヲ得
テ」三藏人
第八十一條ノ二參與ハ町村長ノ諮問ニ
應ジ町村內ニ於ケル各種施策ニ關スル
重要事項ヲ審議ス
第八十二條委員ハ町村ノ事務及第七十
七條ノ規定ニ依ル町村長ノ事務ニ付委
託ヲ受ケテ調査シ又ハ町村長ヲ補助ス
第八十五條中「町村條例」ヲ「町村規則」ニ
改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ町村規則ヲ設ケ又ハ改廢セント
スルトキハ府縣知事ノ許可ヲ受クベシ
第八十七條第一項中「報酬、給料、旅費、」
ヲ削リ同條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第
三項中「決定及」及「訴願又ハ」ヲ削リ同條
第四項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於テ關係者町村長ノ決定
ニ不服アルトキハ府縣知事ニ訴願シ其
ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ
出訴スルコトヲ得
第九十條第二項及第九十一條中「町村ハ」
ノ下ニ「町村會ノ議決ヲ經テ」ヲ加フ
第九十四條町村ハ其ノ區域外ニ於テモ
亦關係市町村トノ協議ニ依リ營造物ヲ
設クルコトヲ得
前項ノ協議ニ付テハ市町村會ノ議決ヲ
經ルコトヲ要ス
第九十四條ノ二町村ハ他ノ市町村トノ
協議ニ依リ他ノ市町村ノ財產又ハ營造
物ヲ自己ノ住民ノ使用ニ供セシムルコ
トヲ得
前項ノ協議ニ付テハ市町村會ノ議決ヲ
經ルコトヲ要ス
第九十四條ノ三町村ハ神社ノ經費ヲ供
進スルコトヲ得
第九十六條ニ左ノ二項ヲ加フ
町村長其ノ他町村吏員ガ第七十七條ノ
事務ヲ執行スル爲要スル費用ハ町村ノ
負擔トス但シ法令ニ別段ノ規定アルモ
ノハ此ノ限ニ在ラズ
町村又ハ町村長其ノ他町村吏員ヲシテ
國ノ事務ヲ處理執行セシムル場合ニ於
テハ之ガ爲要スル費用ノ財源ニ付必要
ナル措置ヲ講ズベキモノトス
第百九條第四項中「府縣參事會」ヲ「府縣
知事」ニ改メ同條第五項中「府縣知事又
ハ」ヲ削ル
第百十條第三項ヲ左ノ如ク改メ同條第四
項中「決定及」及「訴願又ハ」ヲ削リ同條第
五項ヲ削ル
前二項ノ場合ニ於テ町村長ノ決定ヲ受
ケタル者其ノ決定ニ不服アルトキハ府
縣知事ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルト
キハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百十一條第六項中「府縣參事會」ヲ「府
縣知事」ニ改メ同條第七項中「府縣知事又
ハ」ヲ削ル
第百十二條第一項中「必要アル場合ニ限
リ」ノ下及同條第三項中「豫算內ノ支出ヲ
爲ス爲」ノ下ニ各「町村會ノ議決ヲ經テ」
ヲ加フ
第百十八條中「町村ハ」ノ下ニ「町村會ノ
議決ヲ經テ」ヲ加フ
第百二十二條第三項中「第五項」ヲ「第六
項」ニ改ム
第百二十六條第二項但書中「選擧若ハ當
選ノ效力ニ關スル異議ノ決定及」ヲ削ル
第百二十九條第三項ヲ左ノ如ク改ム
公益上必要アル場合ニ於テハ府縣知事
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第一項ノ町村
組合ヲ設クルコトヲ得
前項ノ町村組合ニ關シテハ本法ニ拘ラ
ズ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコト
ヲ得
第百三十條第三項中「府縣參事會ノ議決
ヲ經」ヲ削ル
第百三十一條第三項中「府縣參事會ノ議
決ヲ經」及「定メ又ハ」ヲ削ル
第百三十二條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ役場事務ヲ共同處理スル組合ノ吏
員ノ組織及選任ニ付テハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第百三十三條第二項及第百三十四條第二
項中「府縣參事會ノ議決ヲ經」ヲ削ル
第百三十四條ノ二第百二十九條第一項
及第二項、第百三十條第一項及第二項、
第百三十一條第一項及第二項、第百三
十三條第一項竝ニ前條第一項ノ協議ニ
付テハ町村ニ在リテハ町村會、組合ニ
在リテハ組合會ノ議決ヲ經ルコトヲ要
ス
第百三十五條第一項中「前條第二項」ヲ
「第百三十四第二項」ニ改メ同條第三項ヲ
左ノ如ク改メ同條第四項中「決定及」及
「訴願又ハ」ヲ削リ同條第五項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於テ組合ノ管理者ノ決定
ヲ受ケタル町村其ノ決定ニ不服アルト
キハ府縣知事ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服
アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコト
ヲ得
第百四十條ノ二第一項中「其ノ決定ニ付
セラレタル日ヨリ三月以內」ヲ「其ノ申立
ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內」ニ、同條第
二項中「府縣參事會」ヲ「府縣知事」ニ、「三
月以内」ヲ「三十日以內」ニ改ム
第百四十五條府縣知事ハ町村長、收入
役又ハ副收入役ニ付著シク其ノ在職ヲ
不適當トスル事由アリト認ムルトキハ
任期中ト雖モ之ヲ解職スルコトヲ得
第百四十七條中「、第四號及第九號」ヲ「及
第七號」ニ改メ第四號及第八號ヲ削リ第
五號ヲ第四號、第六號ヲ第五號、第七號
ヲ第六號、第九號ヲ第七號トス
第百五十條第一項中「委員其ノ他ノ町村
吏員」ヲ「及第七十一條ノ吏員」ニ、「二十
五圓以下」ヲ「五十圓以下」ニ、同條第二項
中「內務大臣ノ命シタル」ヲ「內務大臣ノ
指定スル職ニ在ル」ニ改ム
第百五十三條中「又ハ府縣參事會」ヲ削ル
第百五十三條ノ二本法ニ規定スルモノ
ノ外有給吏員ノ組織、任用、分限、給
料等ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第百五十六條ノ三北海道及樺太ニ於ケ
ル町村ニ付テハ本法ニ拘ラズ勅令ヲ以
テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第百五十七條第一項中「北海道其ノ他」ヲ
削ル
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第六十三條又ハ第六十七條ノ改正規定施
行ノ際現ニ在職スル町村長、助役、收入
役又ハ副收入役ハ此等ノ規定ニ依リ其ノ
職ヲ失フコトナシ
樺太町村制ハ之ヲ廢止ス但シ同法廢止前
同法第三條第四項ノ規定ヲ適用スベカリ
シ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
本法施行ニ關シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
府縣制中改正法律案
府縣制中左ノ通改正ス
第二條中「竝從來法律命令又ハ慣例ニ依
リ及將來法律勅令ニ依リ」ヲ「及法律命令
又ハ從來ノ慣例ニ依リ」ニ改ム
第三條ノ二第二項中「府縣ノ營造物」ノ下
ニ「又ハ府縣ノ事務」ヲ加フ
第四條第二項中「從前郡長若ハ島司ノ管
轄シタル區域」ヲ「地方事務所長若ハ支廳
長ノ管轄區域」ニ、同條第四項中「前項ノ
規定ニ依リ選擧區ヲ設クル場合」ヲ「前二
項ノ場合」ニ改メ同條第三項ノ次ニ左ノ
一項ヲ加フ
議員ノ任期中新ニ第二項ノ區域ノ設定
アリタル場合ニ於テ從前其ノ區域ノ屬
シタル選擧區ノ配當議員數第二項ノ規
定ニ依ル關係選擧區ノ數ニ達セザルト
キハ第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ次ノ
總選擧ニ至ル迄ノ間其ノ區域ハ仍設定
セラレザルモノト看做ス
第五條第一項中「七萬ヲ加フル每ニ一人
ヲ增ス」ヲ「七萬ヲ加フル每ニ一人ヲ增シ
九十人ヲ以テ定限トス」ニ改ム
第六條第二項中「及志願ニ依リ國民軍ニ
編入セラレタル者」ヲ削ル
第八條第一項中「三箇月以內ニ補關選擧
ヲ行フヘシ但シ」ヲ削リ同條第二項ヲ左
ノ如ク改ム
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ
前項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ム
ルモ仍其ノ關員ノ數ガ第三十二條第一
項ニ謂フ営選者ノ不足數ト通ジテ議員
定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルト
キ又ハ府縣知事ニ於テ必要アリト認ム
ルトキハ補關選擧ヲ行フベシ此ノ場合
ニ於テハ第三十二條第五項ノ規定ヲ準
用ス
議員ノ關員ノ數第三十一一條第一項ニ謂
フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ
六分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十
六條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハル
ル場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ補闕
選擧ヲ行フベシ但シ第三十六條第一項
又ハ第三項ノ選擧ノ〓示アリタル後議
員中關員ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
第三十二條第七項ノ規定ハ前項ノ補關
選擧ニ之ヲ準用ス
第九條府縣會議員ノ選擧ハ其ノ府縣內
ニ於ケル市町村會議員選擧ニ用フル選
擧人名簿ニ依リ之ヲ行フ
町村制第三十八條ノ町村ニ於テ府縣會
議員ノ選擧ニ用フベキ選擧人名簿ニ關
シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十三條第一項中「又ハ府縣知事ノ指
定シタル官吏」ヲ「、地方事務所長又ハ支
廳長」ニ改メ同條第三項中「市役所」ノ下
ニ、地方事務所、支廳」ヲ加フ
第二十五條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條第
二項中「前項ノ計算終リタルトキハ選擧
長ハ」ヲ「選擧長ハ選擧立會人立會ノ上投
票函ヲ開キ」ニ改ム
選擧長ハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタ
ル日又ハ其ノ翌日選擧會ヲ開クベシ
第三十條第一項中「之ヲ朗讀シ」ヲ削リ同
條第二項中「(府縣知事ノ指定シタル官吏
選擧長タル場合ニ於テハ府縣知事)」ヲ削
ル
第三十二條第一項中「該當スルトキハ三
箇月以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ」ヲ「該當
スル場合ニ於テ第二項若ハ第三項ノ規定
ノ適用ヲ受クル者ナク又ハ第二項若ハ第
三項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムル
モ仍堂選者ノ不足數ガ第八條第二項ニ謂
フ議員ノ關員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六
分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ府縣
知事ニ於テ必要アリト認ムルトキハ更ニ
選擧ヲ行フベシ」ニ改メ但書ヲ削リ同條
第五項ヲ削リ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
當選者ノ不足數第八條第二項ニ謂フ議
員ノ關員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六分
ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第三十六條
第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル場
合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ更ニ選擧
ヲ行フベシ但シ第三十六條第一項又ハ
第三項ノ選擧ノ告示アリタル後第一項
ノ事由ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
前項ノ規定ニ依リ行フ選擧ノ期日ハ第
三十六條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ期
日ニ依ル
第三十四條第二項中「七日以內ニ之ヲ府
縣參事會ノ決定ニ付スヘシ」ヲ「十四日以
內ニ之ヲ決定スベシ」ニ、同條第五項中
「本條府縣參事會ノ決定」ヲ「前項ノ規定
ニ依ル府縣知事ノ決定」二、同條第七項
中「又ハ第三十六條第一項若ハ第三項」ヲ
「、第三十六條第一項若ハ第三項又ハ第三
十六條ノ二」ニ改メ同條第六項ヲ左ノ如
ク改メ同條第三項及第四項ヲ削ル
府縣知事選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異
議アルトキハ第三十一條第一項ノ規定
ニ依ル報告ヲ受ケタル日ヨリ三十日以
內ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第三十四條ノ二第五項中「第八項」ヲ第
六項」ニ改ム
第三十六條第四項中「及第六項」ヲ削リ同
條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第三項ノ期間ハ第三十四條第
五項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選
擧ヲ行フコトヲ得ザル事由已ミタル日
ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第三十六條ノ二左ニ揭グル事由アル場
合ニ於テ議員又ハ當選者總テナキトキ
ハ第八條、第三十二條又ハ前條第一項
若ハ第三項ノ規定ニ拘ラズ總選擧ヲ行
フ但シ左ニ揭グル事由ニ關シ此等ノ規
定ニ依ル選擧ノ〓示又ハ第八條第一項
若ハ第三十二條第二項若ハ第三項ノ規
定ニ依ル選擧會ノ〓示ヲ爲シタルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
-議員中關員ヲ生ジタルトキ
二當選者中第三十二條第一項ノ事由
ニ該當スル者アルトキ
三前條第一項又ハ第三項ノ規定ニ該
當スル事由アルトキ
前項ノ選擧ハ其ノ事由ヲ生ジタル日ヨ
リ三月以内ニ之ヲ行フベシ此ノ場合ニ
於テハ前條第五項ノ規定ヲ準用ス
第三十七條府縣會議員被選擧權ヲ有セ
ザル者ナルトキ又ハ第三十一條第七項
ニ揭グル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其
ノ被選擧權ノ有無又ハ第三十一條第七
項ニ揭グル者ニ該當スルヤ否ヤハ府縣
會議員ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因
リ被選擧權ヲ有セザル場合ヲ除クノ外
府縣會之ヲ決定ス此ノ場合ニ於テ議員
ハ第五十四條ノ規定ニ拘ラズ其ノ會議
ニ出席シ自己ノ資格ニ關シ辯明スルコ
トヲ得ルモ其ノ議決ニ加ハルコトヲ得
ズ
-禁治產者又ハ準禁治產者ト爲リタ
ルトキ
二破產者ト爲リタルトキ
三禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
四選擧ニ關スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑
ニ處セラレタルトキ
府縣會議員ハ住所ヲ移シタル爲被選擧
權ヲ失フコトアルモ其ノ住所同府縣內
ニ在ルトキハ之ガ爲其ノ職ヲ失フコト
ナシ但シ同府縣內ニ於テ住所ヲ移シタ
ル後被選擧權ヲ失フベキ其ノ他ノ事由
ニ該當スルニ至リタルトキハ此ノ限ニ
在ラズ
府縣知事ハ議員中被選擧權ヲ有セザル
者又ハ第三十一條第七項ニ揭グル者ア
リト認ムルトキハ之ヲ府縣會ノ決定ニ
付スベシ此ノ場合ニ於テハ府縣會ハ其
ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ
之ヲ決定スベシ
第一項ノ規定ニ依ル決定ヲ受ケタル者
其ノ決定ニ不服アルトキハ行政裁判所
ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル決定ニ付テハ府縣
知事ヨリモ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十四條第六項ノ規定ハ第一項及前
二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ依ル決定ハ文書ヲ以テ
之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交
付スベシ
第三十八條中「之ヲ告示スヘシ」ヲアルシ
要領ヲ〓示スベシ」ニ改ム
第四十一條第一號中「及府縣規則」ヲ削リ
同條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五財產ノ取得、管理及處分竝ニ府縣
費ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執行ニ關
スル府縣規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコ
ト但シ法律命令ニ規定アルモノハ此
ノ限ニ在ラズ
同條第八號ヲ左ノ如ク改ム
八財產及營造物ノ管理ニ關スル府縣
規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但シ法
律命令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在
ラズ
第五十七條ノ三府縣會ハ歲入出豫算ニ
付增額シテ之ヲ議決スルコトヲ得ズ
第六十二條第一項中「議長ニ隸屬シテ」ヲ
「議長ノ指揮ヲ承ケ」ニ、同條第二項中
「議長之ヲ任免ス」ヲ「第七十五條ノ府縣
吏員ノ中ニ就キ府縣知事之ヲ命ズ」ニ改
ム
第六十八條第一項第二號中「府縣會ノ權
限ニ屬スル事件ニシテ輕易ナルモノ」ヲ
「重要事件ヲ除クノ外府縣會ノ權限ニ屬
スル事件」ニ改メ同項中第四號及第五號
ヲ削リ第六號ヲ第四號、第七號ヲ第五號
トシ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第二號ノ重要事件ハ府縣會ノ議決
ヲ經テ府縣知事之ヲ定ムベシ
第六十九條削除
第七十條中「第四十五條」ヲ「乃至第四十
六條」ニ改メ「第五十一條第四項」ノ下ニ
「第五十三條第二項」ヲ、「第五十七條ノ
二」ノ下ニ「乃至第五十九條」ヲ加へ「及第
六十二條」ヲ「第六十二條及第六十四條第
一項」ニ改ム
第七十七條府縣ハ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トス
委員ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ府縣知
事之ヲ選任ス
第八十一條第一項中「二十五圓以下」ヲ
「五十圓以下」ニ、同條第二項中「懲戒處
分」ヲ「解職」シスノ
第八十五條第四項ヲ左ノ如ク改ム
府縣會ノ決定スベキ事件ニ關シテハ前
三項ノ例ニ依ル此ノ場合ニ於ケル府縣
參事會ノ決定又ハ府縣知事ノ處分ニ關
シテハ各本條ノ規定ニ準ジ訴訟ヲ提起
スルコトヲ得
第八十六條第一項中「府縣參事會ノ權限
ニ屬スル事件ニシテ臨時急施ヲ要シ」
ヲ「府縣參事會ノ權限ニ屬スル事件ニ關
シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ府縣參事
會成立セザルトキ又ハ」ニ改メ同條第二
項中「訴願又ハ」ヲ削ル
第九十一條委員ハ府縣知事ノ委託ラ受
ケ府縣ノ事務ニ關シ必要ナル事項ヲ調
査ス
第九十三條中「府縣條例」ヲ「府縣規則」ニ
改ム
第九十六條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第
三項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於ケル府縣知事ノ決定ニ
不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコ
トヲ得
第百條ノ二府縣ハ神社ノ經費ヲ供進ス
ルコトヲ得
第百二條ニ左ノ一項ヲ加フ
府縣ヲシテ國ノ事務ヲ處理セシムル場
合ニ於テハ之ガ爲要スル費用ノ財源ニ
付必要ナル措置ヲ講ズベキモノトス
第百十五條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第
三項ヲ削ル
前項ノ場合ニ於テ府縣知事ノ決定ヲ受
ケタル者其ノ決定ニ不服アルトキハ行
政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百十六條第六項中「府縣參事會」ヲ府
縣知事」ニ改メ同條第七項ヲ削ル
第百二十八條ノ二第一項中「其ノ決定ニ
付セラレタル日ヨリ三箇月以內」ヲ「其ノ
申立ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內」ニ、同
條第二項中「府縣參事會」ヲ「府縣知事」ニ
「三箇月以內」ヲ「三十日以內」ニ改ム
第百三十三條本法ニ規定スルモノノ外
有給吏員ノ組織、任用、分限、給料等
ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ
定ム
第百四十三條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第三十條第二項中市長ニ關スル規
定ハ市制第六條ノ市ニ限リ區長ニ之ヲ
適用ス
第百四十五條削除
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
本法施行ニ關シ必要ナル規定ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
北海道會法中改正法律案
北海道會法中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ二項ヲ加フ
議員ノ任期中新ニ前項ノ區域ノ設定ア
リタル場合ニ於テ從前其ノ區域ノ屬シ
タル選擧區ノ配當議員數前項ノ規定ニ
依ル關係選擧區ノ數ニ達セザルトキハ
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ次ノ總選擧
ニ至ル迄ノ間其ノ區域ハ仍設定セラレ
ザルモノト看做ス
前項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第四條中「及志願ニ依リ國民軍ニ編入セ
ラレタル者」ヲ削ル
第六條北海道會議員ノ選擧ハ市町村會
議〓選擧ニ用フル選擧人名簿ニ依リ之
ヲ行フ
前項ノ規定ニ依=難キ町村ニ於テ北海
道會議員ノ選擧ニ用フベキ選擧人名簿
ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條第一號中「及北海道規則」ヲ削リ同
條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五財產ノ取得、管理及處分竝ニ北海
道地方費ヲ以テ支辨スベキ工事ノ執
行ニ關スル北海道規則ヲ設ケ又ハ改
廢スルコト但シ法令ニ規定アルモノ
ハ此ノ限ニ在ラズ
同條第八號ヲ左ノ如ク改ム
八財產及營造物ノ管理ニ關スル北海
道規則ヲ設ケ又ハ改廢スルコト但シ
法令ニ規定アルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第十條第一項第二號中「北海道會ノ權限
ニ屬スル事件ニシテ輕易ナルモノ」ヲ「重
要事件ヲ除クノ外北海道會ノ權限ニ屬ス
ル事件」ニ改メ同項中第四號及第五號ヲ
削リ第六號ヲ第四號、第七號ヲ第五號ト
シ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第二號ノ重要事件ハ北海道會ノ議
決ヲ經テ北海道廳長官之ヲ定ムベシ
第十四條中「第六十九條」ヲ「第七十條」ニ
改ム
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
本法施行ニ關シ必要ナル規定ハ命令ヲ以
テ之ヲ定ム
朝鮮郵便年金ノ事務ニ關スル郵便物ニ
關スル法律案
朝鮮郵便年金ノ事務ニ關スル郵便物ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ無料ト爲スコト
ヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=2
-
003・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今上程ニ相
成リマシタ五ツノ法律案中、先ヅ市制中改
正法律案、町村制中改正法律案、府縣制中改
正法律案及ビ北海道會法中改正法律案ノ四
法律案ニ付キマシテ、其ノ提案ノ理由竝ニ法案
中主要ナル事項ノ〓略ヲ御說明申上ゲマス
抑〓市町村ハ國家百政ノ集マリ、其ノ果
ヲ結ブ所デアリマス、時局ノ進展ニ伴ヒ
マシテ國家ノ施策スル所ハ愈〓廣廣且ツ繁多
ヲ加ヘツツアルノデアリマスガ、是ガ遂行
具現ニ付キマシテハ、市町村ノ活動ニ俟ツ
モノガ頗ル多イコトハ改メテ申上ゲルマデ
モアリマセヌ、例ヘバ時局下最モ緊切ナル
防空ニ於キマシテ、生活必需物資ノ配給確
保ニ於キマシテ、貯蓄ノ增强ニ於テ、食糧
ノ增產ニ於テ、勞務ノ供出ニ於テ、悉ク左樣
デゴザイマス、故ニ市町村ニシテ此ノ際十
全ノ機能ヲ發揮シ得ザルニ於キマシテハ、
中央ニ於ケル緊要ナル諸計畫ハ、遂ニ其ノ
成果ヲ收メズシテ終ルコトハ明カデアリマ
ス、而シテ時局下市町村當局中、能ク其ノ
責務ニ努力ヲ傾倒シ、洵ニ敬服スベキ幾多
ノ事例ヲ見ルノデアリマスガ、而モ全市町
村ヲ通ジマシテ觀察致シマスル時、尙ホ其
ノ現狀ハ時局ノ要請ニ副ヒ難キモノアルヲ
認メザルヲ得ナイノデアリマス、仍テ此ノ
際市町村行政ニ付キマシテ、根本的刷新ト
高度ノ能率化トヲ圖リ、以テ國策ノ滲透徹
底ト、國民生活ノ確保安定トニ萬全ヲ期シ
マスルコトハ、今後ノ時局ニ對處シ、戰ヒ
ヲ徹底的ニ勝拔ク爲ノ國內體制ノ整備トシ
テ、最モ緊要デアルト信ズルノデアリマス、
今囘市制、町村制ノ改正ヲ行ハントスル根
本趣旨ハ、實ニ此ノ點ニ在ルノデアリマス、
市制、町村制ノ今次ノ改正中特ニ主要ナル事
項ト致シマシテハ、第一ニ、市町村長ノ選
任方法ノ改正デゴザイマス、惟フニ市町村
行政ノ擧ルト擧ラザルトハ、懸ツテ其ノ統
轄者タル市町村長メ如何ニアリト言フモ、
敢テ過言デナイト存ズルノデアリマス、殊
ニ時局ノ進展ニ伴ヒマシテ、市町村長ノ擔
當致シマスル職責ハ洵ニ重大ヲ加ヘツツア
リマスルノミナラズ、市町村民ノ指導者
トシテ市町村長ノ影響力ハ、極メテ重視ス
ベキモノガアルノデアリマス、更ニ後ニ述
ベマスルガ如ク、今次改正ニ依リマシテ、
市町村長ハ市町村內ニ於ケル團體等ノ各種
施策ノ綜合的運營ニ付キマシテ、重要ナル
責務ヲ有スルコトトモ相成ツタノデアリマ
ス、隨テ市町村長ニ眞ニ其ノ職責ニ堪ヘ得
ベキ適材ヲ擧ゲ、且ツ之ヲシテ只管其ノ責
務ニ專念精進セシメ得ルヤウ適切ナル策ヲ
講ジマスルコトハ、戰時下市町村行政ノ刷新
强化ヲ期シマスル要點デアルト存ズルノデリ
マス、此ノ趣旨ニ於キマシテ市町村長ノ選任
方法ヲ改メマシテ、市長ハ內務大臣ガ市會
ヲシテ其ノ候補者ヲ推薦セシメ、其ノ者ニ
付キ勅裁ヲ經テ之ヲ選任スルコトニ致シ、又
町村長ハ町村會ニ於キマシテ選擧シ、府縣知
事ノ認可ヲ受クルコトニ致シタノデアリマス
第二ハ市町村行政上ニ於ケル各般ノ手
續等ヲ簡易化シ、市町村行政ノ運營等ニ
付キマシテ、能フ限リノ簡素化ト能率化ト
ヲ圖ツタコトデアリマス、今日市町村行政
ノ制度ハ餘リニ煩雜デアリマシテ、時局
ノ要請ニ副ハザルモノガアルト存ズルノデ
アリマス、隨ヒマシテ此ノ際相當思ヒ切ツ
テ、之ヲ簡素ニスルコトガ必要デアルト考
ヘルノデアリマシテ、此ノ趣旨ニ於テ市町
村會議員選擧ノ手續、市町村會ノ職務權限、
行政、救濟ノ手續、市町村ノ監督事務、其ノ
他市町村行政ノ冬般ニ亙リマシテ、事務處理
ノ簡捷化ト能率化トヲ圖ツタノデアリマス
第三ハ市町村長ヲ中心ト致シマシテ、市町
村內各種施策ノ綜合計畫化ヲ圖リマシテ、
其ノ一元的ニシテ强力ナル遂行ヲ期スル方
策ヲ講ジタコトデアリマス、今日軍事援護
ニ致シマシテモ、防空ニ致シマシテモ、生
活必需物資ノ配給ニ致シマシテモ、或ハ貯
蓄ノ增强、資源ノ囘收、或ハ又農村ニ於ケ
ル食糧ノ增產及ビ供出ニ付キマシテモ、能
ク是ガ最大ノ成果ヲ〓ゲマスルガ爲ニハ、
是等施策ノ綜合計書化ラ□リマシテ、市町
村長ヲ中心トシテ、市町村内ノ各種團體等
ガ、眞ニ協力一致各〓其ノ職分ニ從ヒマシ
テ、最善ノ機能ヲ發揮スルコトガ必要デアル
ト考ヘルノデアリマス、仍テ市町村長ノ下
ニ、新タニ參與ノ制度ヲ設ケマシテ、是ガ
運用ニ依リマシテ、市町村內各種施策ノ綜
合計畫化ヲ圖リマスト共ニ、市町村長ニ各
種團體等ニ對シテ、必要ナル措置ヲ講ジ得
ル權限ヲ與ヘタノデアリマス
以上ハ市制、町村制ノ改正中、重要ナリ
ト認メマスル事項ニ付キマシテ申上ゲタノ
デアリマスルガ、其ノ他今囘ノ改正ニ於キ
マシテハ、市町村ノ吏僚組織ノ整備充實ヲ
圖リマスルガ爲ニ、助役、收入役等ノ選任方
法、市ノ考査機構等ニ關シ必要ナル改正ヲ
加ヘタコト、又市町村ヲ國政事務處理ノ第
一線機關トシテ、大イニ活用センガ爲ニ、
市町村及ビ市町村長ニ對スル國政事務ノ委
任ヲ一層容易ナラシムル措置ヲ講ジマスル
ト共ニ、是ガ爲ニ必要ナル財源ニ付キマシ
テ、適當ナル保障ヲ與フルコトト致シマシ
ク、尙又町内會部落會等ノ適正ナル運營及
ビ健全ナル發達ヲ圖ルガ爲メ其ノ會計、區
域等ニ關シマシテ必要ナル若干ノ規定ヲ設
ケタノデアリマス、之ヲ要シマスルニ今日
國家ハ各種ノ施策ノ遂行上、市町村ニ依據
スルモノ頗ル多ク、市町村ノ活動ニ俟タズ
シテ國策ノ滲透徹底ト、國民生活ノ確保安
定トヲ期シマスルコトハ到底困難デアリ
マスルカラ、市町村ノ體制ヲ此ノ國家ノ要
請ニ從ヒマシテ整備改善致シ、時局下市町
村ヲシテ最善ノ機能ヲ發揮セシメントスル
モノデアリマス
次ニ府縣制及ビ北海道會法ノ改正ハ、其
ノ內容ニ於キマシテ、〓ネ市町村制ノ改正
等ニ照應スルモノデアリマスルノデ、此ノ
際特ニ御說明申上ゲルコトヲ省略致シタイ
ト存ジマス
以上市制中改正法律案外三法案ニ付キマ
シテ、其ノ提案ノ理由竝ニ法案中主要ナル
事項ノ〓略ヲ御說明申上ゲタノデアリマス
ルガ、是等ハ何レモ今後ノ時局ニ對處シ、
戰ヒヲ勝拔ク爲ノ國內體制ノ整備トシテ、
眞ニ緊要缺クベカラザルモノデアルト存ズ
ルノデアリマス
次ニ朝鮮郵便年金ノ事務ニ關スル郵便
物ニ關スル法律案ニ付キマシテ、提案ノ
理由ヲ御說明申上ゲタイト存ジマス、朝鮮
ニ於キマシテハ昭和十八年度ヨリ郵便年
金制度ヲ實施スル見込ヲ以チマシテ、別
途朝〓簡易生命保險及郵便年金特別合計法
案ヲ提出致シテ居リマス、郵便年金事務ハ
郵便局ヲ主タル取扱機關ト致シマスルノデ、
一般郵便業務ニ關スル郵便物ノ例ニ做ハシ
メ、且ツ本事業ノ性質上、極力事業費ヲ輕
減シ、加入者ノ負擔ヲ低減セシメマスルガ
爲ニ、郵便年金ノ事務ニ關スル郵便物ハ、
之ヲ無料トスルノ必要ヲ認メマシテ、玆
本法律案ヲ提出致シマシタ次第デアリマス、
何卒以上各案ニ付キマシテ御審議ノ上速カ
ニ御協賛アランコトヲ希望申上ゲル次第デ
アリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=3
-
004・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 質疑ノ通〓ガアリマ
ス、順次之ヲ許シマス-中谷武世君
〔中谷武世君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=4
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005・中谷武世
○中谷武世君 私ハ市町村制改正案ニ關シ
テ二三ノ點ニ付テ、政府ノ御所見ヲ質シタ
イト思ヒマス
第一點ハ今囘ノ改正案ガ、地方制度ノ根
本義ヲ脅威スル虞ナイカト云フ點デアリマ
ス、地方制度ニ對スル脅威ハ、軈テ憲法政
治其ノモノニ對スル脅威トナルノデアリマ
シテ、私共ト致シマシテハ、之ニ對シ重大
ナル關心ヲ拂ハザルヲ得ナイノデアリマス、
蓋シ我ガ國ノ地方自治制度ハ、其ノ本質ニ
於キマシテモ、其ノ淵源ニ於キマシテモ、
又其ノ發達ノ沿革ニ於キマシテモ、我ガ憲
法政治ト不可分一體ノ密接ナル關係ニアリ
マスルコトハ、御承知ノ通リデアリマス、
遠ク之ヲ太古ノ制度ニ遡ルマデモナク、
聖德太子ノ十七條憲法ニモ「大事ハ獨斷スベ
カラズ、必ズ衆ト共ニ宜シク論フベシ」ト
規定シテ居ラレルノデアリマス、大イナル
事、卽チ政ハ須ク獨斷ヲ避ケテ衆議ニ依ル
ベシト示シテ居ラレルノデアリマス、所謂
獨裁主義、所謂獨善的指導者原理、或ハ强
權主義ハ、我ガ國古代ヨリノ統治ノ原理デ
ハナイノデアリマス、之ヲ大ニシテハ國ノ
政治、之ヲ小ニシテハ町村ノ政治、齊シク
衆議ニ依ルベキノ制ヲ立テラレテ、今日ニ
及ンダノデアリマス、而シテ我ガ國ノ自治
制度ガ、制度トシ致マシテモ如何ニ淵源ノ古
イモノデアルカハ、第十三代成務天皇ノ御
代ニ、自治制度ヲ定メラレルニ當リマシテ
賜ハリマシタ詔ノ中ニ、「民ヲシテ自治セシ
メ敢テ其ノ習ハザル所ヲ强ヒズ」ト仰セラ
レテ居ルノヲ拜シマシテモ、之ヲ知ルコト
ガ出來ルノデアリマス、降ツテ武家政治ノ
時代ニ於キマシテモ、彼ノ五人組制度トカ、
或ハ保甲制度、或ハ連坐制度等、悉ク自治
制度ノ現ハレナラザルハナイノデアリマス、明
治時代ニ及ンデノ市町村自治制度ハ、斯ク
ノ如キ我ガ國古來ノ自治制度ヲ近代化シ、
成文化シタルモノデアリマシテ、決シテ外
國ノ自治制度ヲ其ノ儘ニ模倣シタルモノデ
ハナイノデゴザイマス、明治二十一年市町
村制度ヲ制定セラレルニ當リマシテ、畏ク
モ明治天皇ハ上諭ヲ賜ハリマシテ、「地方共
同ノ利益ヲ發達セシメ衆庶臣民ノ幸福ヲ增
進スルコトヲ欲シ隣保〓結ノ舊慣ヲ存重シ
テ益之ヲ擴張シ更ニ法律ヲ以テ都市及町村
ノ權義ヲ保護スルノ必要ヲ認メ茲ニ市制及
町村制ヲ裁可シテ之ヲ公布セシム」ト仰セ
ラレテ居ルノデアリマス、私共ハ現行自治
制度ノ根本義ヲ、此ノ詔ニ拜スルコトガ出
來ルノデアリマス、卽チ地方共同ノ利益ヲ
發達セシムルコト、衆庶臣民ノ幸福ヲ增進
セシムルコト、隣保團結ノ舊慣ヲ存重シ、益
之ヲ擴張スルコト、法律ヲ以テ都市及ビ町
村ノ權義ヲ保護スルコト、是ガ市町村自治
制ヲ制定セラレタル根本義ニ外ナラナイノ
デアリマス、而シテ此ノ明治二十一年ノ市
町村制ノ制定ハ、憲法發布ノ先行的制度ト
シテ、卽チ憲政ノ豫備的訓練ノ意味ニ於テ、
之ニ先ンジテ制定セラレタノデアリマシテ、
爾來我ガ地方自治制度ト、我ガ憲法政治ト
ハ密接不可分、形影相伴ヒツツ發達シテ今
日ニ及ンダノデアリマス、而シテ明治四十
四年、大正十年、大正十五年及ビ昭和四年
ノ數度ノ改正ヲ經テ、逐次自治權ノ範圍ト
內容ヲ擴張シテ今日ニ至ツタノデアリマシ
テ、卽チ明治天皇ノ上諭ニ仰セラレタル隣
保團結ノ舊慣ヲ存重シ益〓之ヲ擴張スルノ
一路ヲ辿ツテ、今日ニ及ンダモノデアリマス、
然ルニ今囘突如トシテ御提案ニナリマシタ
ル改正案ハ、此ノ自治擴張ノ趨勢ニ逆行
シ、寧ロ自治權ノ範圍卜內容ヲ縮小削減ス
ル憾ミアルノミナラズ、自治制度其ノモノ
ノ根本ニマデ斧鉞ヲ加フルモノニアラザル
ナキカヲ惧レシムルモノガアルノデアリマ
ス、卽チ今囘ノ改正案ノ要點ハ、先程モ御
說明ニナリマシタ通リニ、市町村長ノ選任
ニ關シテ、市ニアリテハ內務大臣ニ於テ其ノ
選任權ヲ、町村ニアリテハ府縣知事ガ其ノ
認可權ヲ掌握スルト共ニ、更ニ市町村長、
收入役等ニ對シテ、其ノ任期中ニ於テモ內
務大臣又ハ府縣知事ガ、之ヲ解任スルノ權
限ヲ掌握シタルコト及ビ市町村會ノ職務權
限ヲ縮小シタルコト、此ノ三點ニアルト思ハ
レルノデアリマス、市町村長選任ノ方法ニ關
シテハ、御提案ニナリマシタル改正案ハ、
明治四十四年ノ舊制度へノ逆轉デアリマシ
テ、明カニ地方自治權ノ制限縮小デアルト
思ハレルノデアリマス、更ニ市町村長其ノ他
ノ主要吏員ニ對シ內務大臣又ハ府縣知事ガ
其ノ解任權ヲ掌握セントスル點ニ至リマシ
テハ、極端ナル監督權ノ擴大デナクテ何デ
アリマセウカ、是ガ爲メ市町村長ハ、常住
ニ解任權ノ脅威ト不安ニ曝サレルコトニナ
ルノデアリマシテ、直勵恪勤、小心翼々タ
ル人士ノ多イ町村長等ニ於テハ、背後ヨリ
常ニ監督官廳ノ解任權ノダンビラニ脅カサ
レテ、戰々兢々薄氷ヲ履ムガ如キ思ヒヲ以
テ、地方ノ自治運營ニ當ラナケレバナラナ
イノデアリマス、斯クノ如キ强大ナル監督
權解任權ノ如キハ)舊來ノ我ガ市町村制
ノ如何ナル沿革ニモ、之ヲ發見スルコトガ
出來ナイ、否寧ロ封建制度ノ中ニ於テモ、
村長、庄屋等ニ對シテハ藩當局、幕府ノ代
官當局ハ、決シテ斯クノ如キ解任權ヲ持ツ
テハ居ラナカツタノデアリマス、今囘ノ改正
案ガ地方自治ニ對スル非常ナル脅威ニアラズ
シテ何デアリマセウカ、又今囘ノ改正案
ハ、一面ニ於テ市町村會ノ職務權限ヲ縮小
スルト共ニ、一應市町村長ノ權限ヲ强化シ
テ、其ノ獨裁的性格ヲ加味スルモノノ如ク
デアリマス、市町村會、就中町村會ノ權限縮
小ハ、村寄合ヒ以來ノ我ガ國古來ノ地方的
衆議制度ヲ脅威スルモノデアリマスルト共
ニ、地方ニ於ケル小議會トモ云フベキ市町
村會ノ權限縮小ハ、軈テ又之ヲ大ニシテハ
立憲政治ノ將來ニモ、鮮少ナラザル影響ヲ
及ボシ來ル疑ヒナキカヲ憂フルノデアリマス
(拍手)況ンヤ今囘ノ改正案ハ、市町村長ノ
權限强化ラ假裝シツツ、其ノ背後ニ於ケル
强大ナル監督權、解任權ヲ通ジテ監督官廳
ノ權力其ノモノ、卽チ官吏ノ權力其ノモノ
ノ强化ヲ企圖スル疑アルニ於テヲヤ(拍
手)斯クノ如クシテ明治二十一年恐多クモ
明治天皇ノ上諭ニ本義ヲ發スル地方自治制
度ハ、正ニ制定以來ノ空前ノ危機ニ遭遇シ
ツツアルト申スモ、決シテ過言デナイノデア
リマス(「其ノ通リ」ト呼ブ者アリ)私共ノ
憂ヒガ杞憂ニ終リマスナラバ、邦家ノ爲メ
幸ヒ之ニ過ギナイト思フノデアリマス
第二點ハ、思想防衞、思想國防ト自治制度
トノ關係ニ付テ、當局ノ御所見ヲ質シタイノ
デアリマス、戰時下ニ於ケル思想犯罪ノ取
締ニ關シテハ、關係當局ノ不斷ノ勞ヲ多ト
スル者デアリマスガ、今囘ノ改正案ノ御提
出ヲ見ルニ及ビマシテ、思想防衞、思想國
防ノ見地ヨリ、地方自治制度ヲ尊重スル念
慮ニ於テ缺クル所アラザルヤノ憾ミヲ禁ジ
得ナイノデアリマス、第一次歐洲大戰ノ史實
ニ徵シマスルモ、戰爭ニ從フ國家ノ共通ノ
社會現象トシテ、生產集中ノ關係上、國民ノ階
層ガ逐次使用者ト被傭者、企業者ト勞働者
ノ二個ノ層ニ分レ、中產階級ガ漸次轉落ノ
途ヲ迪ル傾向アルコトハ御承知ノ通リデア
リマス、斯クノ如キ社會的傾向ノ赴ク所、
國民思想ニ及ボス重大ナル影響モ亦十分ニ
考慮ニ入レテ置カナケレバナラナイ事實デ
アリマス、斯クノ如キ危險ナル社會的傾向ニ
對シ巨然タル防塞、防波堤ノ役割ヲ演ズ
ルモノ、卽チ健全ナル自治制度ニ外ナラナ
イノデアリマス(拍手)殊ニ家族制度ト有機
的ニ結合シ、中產階級ヲ根幹トスル我ガ地
方自治制度ガ健在ナル限リ戰時、戰後ヲ通
ジテ萬一險惡ナル社會的波濤ガ襲來スルガ
如キコトアリト假定致シマシテモ、之ニ對
シ巖ノ如キ防波堤ノ役割ヲ演ズルデアラウ
コトヲ確信スルノデアリマス、斯クノ如キ見
地ヨリ致シマスル時ニ、自治制度ノ根本ヲ
薄弱ナラシムル虞アル本案ノ如キ改正案ノ
御提出ヲ見マシタコトハ、甚ダ遺憾ト存ズ
ルノデアリマス
次ニ私モ亦同僚議員ノ多クト同ジク、之
ヲ現下ニ於ケル我ガ擧國的要請デアリマス
ル戰力增强ノ觀點ヨリ、御尋ネシタイノデ
アリマス、稽ヘマスルニ、戰力增强、生產增
大ノ前提ハ民心ヲ作興シ、民意ヲ暢達ナラ
シメ、國民ノ忠誠心ニ信賴シテ、其ノ御奉
公ノ熱意ヲ最高度ニ發揚セシムルニアルト
確信スル者デゴザイマス(拍手)卽チ精神的
戰力ノ增强ガ、凡ユル物的戰力增强ノ大前
提デアルト考ヘルノデアリマス(拍手)一昨日ノ
東條總理大臣ノ御演說中ニモ、抑〓戰力增
强ニ關スル政府ノ指導方針ハ、一億同胞ノ
盛リ上ル力ヲ遺憾ナク發揮セシムルニアリ
ト言ハレ、又此ノ國民ノ燃上ル力ヲ信賴
シ、戰力ノ增强ニ向ツテ全幅活用スルコト
ガ、政府ノ重大ナル責務デアルト確信スル
ト述ベラレテ居ルノデアリマス、此ノ點洵ニ
御同感ニ堪ヘナイ次第デアリマシテ、機構ノ
更新ヨリモ、制度ノ改革ヨリモ、何ヨリモ先
ヅ肝要ナルハ、此ノ精神的戰力ノ增强、人心
ノ和、卽チ官民ノ間ニ起リ得ベキ精神的梗
塞ヲ除去シテ、眞簡水モ漏ラサヌ官民一體
ノ實ヲ擧グルコトニアルト思フノデアリマス、
戰時ナレバコソ民心ノ〓揚ト民意ノ暢達
ガ、却テ益〓必要ナノデアリマシテ(「ヒヤ
ヒヤ」)斷ジテ之ヲ萎縮沈滯セシメテハナラ
ナイノデアリマス(拍手)而シテ民心ヲ作興
シ民意ヲ暢達ナラシメ、精神的戰力ヲ增强
スルノ方途ハ信賞必罰、官紀綱紀ヲ肅正シ
テ、民ヲシテ安ンジテ政府ノ施策ニ倚賴協
力セシムルノ念慮ヲ生ゼシムルニアルノデ
アリマス、卽チ官紀ノ肅正ナクシテ戰力增
强ナシト言ハルル所以デアリマス、制度ノ
改善、機構ノ擴充甚ダ結構デアリマス、而
モ是ト同時ニ、否寧ロ其ノ前提トシテ先ヅ
ナサナケレバナラヌ一事ガアリマス、卽チ
國ノ精神體制ノ整備確立、畢竟民心ノ作興
ト官紀ノ振肅デアリマス、私ハ政府ガ凡ユル
雜念ヲ去ツテ、深ク此ノ點ニ思ヒヲ致サレ
ンコトヲ切望スルノデアリマシテ、地方自
治制ノ問題ニ付キマシテモ、斯クノ如キ觀
點ヨリ再思シ三考サレンコトヲ希望スル者
デゴザイマス、戰時ニアリテハ益〓地方自治
體ノ積極的活動ヲ必要トスルノデアリマシ
テ、自治體ヲ積極的ニ活動セシメンガ爲ニ
ハ、自治權ノ伸張ヲ必要トスルノデアリマ
ス、斷ジテ國家委任事務ノ增加ニ藉口シテ、
强大ナル監督權ト干涉權ノ下ニ、之ヲ壓縮
スルガ如キコトアツテハナラナイノデアリ
マス(拍手)國家委任事務ノ增加ハ決シテ自
治權縮小、監督權擴大ノ理由トナラナイノ
デアリマシテ、委任事務ノ增加ハ、委任事
務ヲ增加スルモ優ニ其ノ負託ニ堪へ得ル程
度ニ、自治能力ガ發達シタルコトヲ立證スル
モノデアリマシテ、寧ロ自治權擴大、監督
權縮小ノ理由トナルノデアリマス(拍手)況
ンヤ地方自治體ノ健在ハ、既ニ前述シマシ
タル如ク、家族制度ヲ根幹トスル中產階級
ノ保護ト相俟ツテ、戰時及ビ戰後ヲ通ジテ、
社會組織ヲ健全ニ維持スル所以デアリ、又
生產增强ノ爲ノ社會的基底力ヲ培養スル所
以デアリマスル以上、斷ジテ此ノ地方自治
制度ノ基礎ヲ脅カシテハナラナイノデアリ
マス
次ニ政府ハ一面ニ於テ大政翼贊會及ビ其
ノ傘下ニアル各種報國會、翼賛政治會等ヲ
通ジテ、國民組織ノ確立ト國民政治力ノ强
化ニ力ヲ致シテ居ルノデアリマスガ、斯クノ
如キ國民組織ノ基盤ヲナシ、國民政治力ノ
根源ヲナスモノハ何デアリマセウカ、卽
チ地方自治體デアリ、地方自治制ニ外ナラ
ナイノデアリマス、基盤ヲナシ、根源力ヲ
ナス自治制度ヲ弱體化シツツ、國民組織ノ
確立ト國民政治力ノ强化ヲ求メル程、矛盾
撞着ノ甚シキハナイト確信スルノデアリマ
ス(拍手)郷土ノ名譽ト責任ヲ代表スル市町
村長ニ對シテ、强權的監督權ト、冷酷ナル
解任權ヲ以テ之ヲ脅シツツ何處ニ、國民政
治力ノ强化ヲ求メルコトガ出來ルデアリマ
セウカ、斯ク考察シテ參リマシテ、私ハ今
次ノ改正案ニ對シ多々遺憾ノ點ナキ能ハナ
イノデアリマス、先程ノ御提案理由ノ說明
ニ、此ノ市町村制ノ改正案モ亦戰力增强
ノ一方途ナリトサレタノデアリマスルガ、
當局ノ主觀トシテハ官力モ戰力モ同義デア
ルカモ知レマセヌ、併シナガラ國民ハ必ズ
シモ左樣ニハ考ヘナイノデアリマス、戰力
ノ增强ハ國民的、擧國的要請デアリマスル
ガ、官力ノ增强ニハ必ズシモ簡單ニハ同意
シ兼ネルノデアリマス(拍手)私共ハ委員會
等ニ於テ篤ト此ノ改正案ヲ檢討致シ、本案
ガ眞ニ戰力增强ノ爲ノ已ムヲ得ザル改正案
ナリヤ、或ハ單ナル官力增强案ニ過ギザル
ヤ否ヤヲ愼重審議致シタイト思フノデアリ
マスルガ、先ヅ以上ノ卑見ニ對シ、當局ノ
御所見ヲ承リタイト存ズルノデアリマス(拍
手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=5
-
006・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 中谷君ノ御質
問ニ對シマシテ御答ヘヲ申上ゲタイト思ヒ
マス、中谷君ガ自治ノ根本義ヲ尊重セラレ、
自治精神ヲ發揚スベキコトヲ論ゼラレタ點
ニ付キマシテハ、全ク御同感デアリマス、
唯中谷君ノ御意見ヲ拜聽致シマシテ、根本
ノ御考ヘニ於テ、自治ノ精神ヲ尊重スルト
云フ點ハ、洵ニ御同感ニ堪ヘマセヌガ、現
在ノ市町村ノ實情ヲ十分ニ御諒承ナイカト
思ハルル點ガアルカト思フノデアリマス·····
〔「ノー〓〓」ト呼ビ其ノ他發言スル者
多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=6
-
007・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君)(續) 此ノ意味
ニ於キマシテ
〔「其ノ言葉ハ無禮ダ取消セ、取消セ」
「降リロ、降リロ」「議長、議長」ト呼ビ
其ノ他發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=7
-
008・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君)(續) 先ヅ私ガ
此ノ中谷君ノ御考ヘニ對シマシテ、御答ヘ
ヲ申上ゲマスル··
(「議長、議長」ト呼ビ其ノ他發言スル者
多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=8
-
009・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 內務大臣、アナタハ
今斯ウ言ウクンデスカ(拍手)諸君ハ-諸
君ハ今日ノ町村ノ現狀ヲ御承知ナイト、斯
ウ云フ御言葉デアツタノデアリマスカ(「サ
ウダ、サウダ」ト呼ブ者アリ)-內務大臣、
只今ノハ誤解ヲ招ク虞ガアリマスカラ、ア
ノ點ハ再ビ改メテ其處デ御話願ヒタイ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=9
-
010・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君)(續) 只今中谷
君ノ御質問ノ根本精神、自治ノ精神ヲ尊重
セラレル點ニ付キマシテハ、多大ノ敬意ヲ
表スルノデアリマスルガ、市町村ノ實情ニ
付テ十分ニ御諒解ヲ願ヒタイ點ガアルノデ
アリマス、先ヅ其ノ前提ト致シマシテ、私
ノ自治ニ對スル考ヘヲ申述べタイト存ズル
ノデアリマス
我ガ國ノ自治ハ臣民ガ大政ヲス翼贊シ奉
ル制度ノ一ツデアルト考ヘルノデゴザイマ
シテ、彼ノ英米流ノ自由民權ノ思想ヲ基礎ト
致シマシテ、國家ヨリ獨立スル爲メ、或ハ又
其ノ獨立ヲ保障スルガ爲ノ制度デハナイノ
デアリマス、飽クマデモ大政ヲ翼贊シ奉リ、
又國家目的ヲ達成スルノ制度デアルノデア
リマス、隨ヒマシテ市町村ノ自治活動ガ、常
ニ國家ノ要求ニ合シマシテ、其ノ目的ヲ達
成スルガ爲ニ、官ノ監督ヲ受ケマスルコト
ハ當然デゴザイマシテ、例ヘバ市町村ガ其
ノ第一次監督者ト致シマシテ、府縣知事ガ
之ニ當リ、又第二次ニ內務大臣ガ之ヲ監督
スルト云フコトニ相成ツテ居リマスルコト
ハ、ソレ〓〓市制、町村制等ニ明定シテ居リ
マスル所デゴザイマス、此ノ官フ監督ヲ以チ
マシテ、地方公民ノ活動ヲ抑壓スルト直
チニ申ス譯ニハ相成ラヌノデアリマス、併
シナガラ一面ニ於キマシテ、隣保團結ニ基
キマスル自發的ノ活動ヲ基調ト致シテ居リ
マスルガ故ニ、無用ノ監督ヲ加フベカラザ
ルコトモ亦極メテ明瞭デゴザイマス、要ハ
官ノ監督ト自治團體ノ活動トガ常ニ調和ヲ
保チマシテ、官民協力ノ實ノ擧ルコトヲ要
諦ト致スノデアリマス
次ニ自治ハ時代ノ推移ニ伴ヒマシテ、著
シク其ノ內容ヲ異ニスルト云フ事實ニ付キ
マシテ注意ヲ要スルノデアリマス、往時ノ
市町村ハ住民ニ對シマシテ、無制限ニ戶數割
等ヲ賦課致シマシテ、自ラ其ノ財政需要ヲ
調達致シタノデアリマスルケレドモ、今日
ノ市町村ハ極メテ限ラレマシタル所ノ課稅
權ヲ持ツテ居ルニ止マリマシテ、其ノ大部
分ノ財政需要ハ、國家ヨリ分與稅ノ配付ニ依
リマシテ充足スル、斯フ云フヤウナ工合ニ、
此ノ自治ノ內容ニ付キマシテモ、多大ノ變
化ヲ生ジテ居ルノデアリマス、今日ノ市町
村ニ於キマシテハ時局ノ要求ニ基イテ、防
空軍事扶助、生活必需物資ノ配給確保、
資源ノ囘收或ハ貯蓄ノ增强、食糧ノ增產、
勞務ノ供出等ノ最モ重要ナル事務ガ激增致
シテ居リマシテ、所謂時局事務ト稱スベキ
モノガ、今日ノ市町村事務ノ大半ヲ占メテ
居リマスルヤウナ狀況デアリマス、卽チ市
町村ハ國家ノ要求ニ基キマシテ、國家行政
ノ第一線機關タルノ實ヲ呈シツツアルノデ
アリマス、斯樣ナ實情ノ變化ニ鑑ミマシテ、
市町村ガ能ク時局ノ要求ニ應ジ、國民生活
ノ安定確保ト、戰爭遂行上ニ與ヘラレマシ
タル事務トヲ、遺憾ナク處理スルガ爲ニハ、
國家ハ一層重大ナル關心ヲ持タナケレバ
ナラヌト考ヘテ居ルノデアリマス、本案ハ
斯樣ナ要求ニ基キマシテ、市町村ノ十全ナ
機能ヲ發揮スルヤウニ、市町村行政ノ根本
的刷新ト、高度ノ能率化トヲ圖ル爲ノモノ
デアリマシテ、故ラニ觀念的ニ自治ヲ縮小
シ、或ハ自治ニ對スル監督權ヲ、徒ラニ擴
大スルト云フヤウナ趣意デハナイノデアリ
マス
第二ニ思想國防ノ上ニ於テ自治權、自治
制度ノ發達ヲ尊重スルコトニ付テハ、全ク
同一ノ感ヲ持ツテ居ルノデアリマス
第三ノ戰力增强ノ點デアリマスルガ、是
ハ既ニ施政ノ方針ニ於テ總理ガ說明セラレ
マシタル通リ、昨年來行政ノ簡素化、或
ハ內外地行政ノ一元化、又大東亞省ノ設置
等政府機構ノ改正ヲ致シマスルト共ニ、
此ノ國內體制ヲ强化刷新致シマスルコトハ、最
モ必要ノ事項ト考ヘルノデアリマス、其ノ
意味ヲ以チマシテ、此ノ戰力增强ノ爲ニハ
國內體制整備ノ一翼トシテ、先程申上ゲマ
シタル通リ、今日ノ市町村ガ非常ニ廣汎ナ
ル國家ノ目的ヲ達成スルガ爲ノ事務ヲ處理
スル十全ノ機能ヲ發揮スルヤウナ體制ヲ整
ヘマスルコトガ、極メテ必要ナリト考ヘマ
シテ、本案ヲ提案致シタ次第デアリマシテ、
戰力增强ノ意味ニ於テ、最モ必要ナリト自
信致シテ居リマスル次第デアリマス
〔發言スル者多シ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=10
-
011・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 靜肅ニ、靜肅ニ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=11
-
012・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君)(續) 以上質問
ノ要點ニ付テ御答辯ヲ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=12
-
013・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 木下義介君
〔木下義介君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=13
-
014・木下義介
○木下義介君 上程セラレマシタル市制、
町村制中改正法律案ニ關シ、數個ノ問題ニ
付テ政府ノ御所見ヲ伺ヒタイト存ジマス
市町村ハ國家構成ノ基礎デアリノ百政ノ
集マル所デアリマス、隨テ其ノ治績ノ擧ルト
擧ラザルトハ國策ノ浸透徹底ト國民生活ノ
確保安定トニ、至大ナル影響ノアルコトハ
言ヲ俟チマセヌ、卽チ市町村ハ單ニ內務省
系統ノ行政機關ニアラズシテ、各般ノ行政
事務ヲ遂行スベキ第一線ノ綜合行政機關デ
アリ、又國家的ニ結集サルベキ國家組織ノ
根幹ヲナスモノデアリマス、隨テ苟モ市
村町民ヲ對象トスル國ノ施策ハ、所管省ノ
如何ヲ問ハズ、總テ之ヲ市町村長ニ指令シ、
市町村長ノ責任ニ於テ之ヲ實行セシムベキ
モノデアルコトヲ考ヘマスル時ニ、殊ニ戰
時下ニ於テ其ノ最モ緊要ナルコトヲ感ズル
ノデアリマス、政府ハ從來市町村ニ於ケル
行政ノ統一ト簡素ト强力化ノ實現ヲ企圖シ
テ居ラレマスルニ拘ラズ、本議會ニ提案ニ
相成リマシタル農業團體法案ニ於テ之ヲ見
マスルニ、其ノ趣旨ガ具體化シテ居ラレナ
イノヲ認メルノデアリマス、又彼ノ農事實
行組合ノ如キ、其ノ他市町村ノ現在ノ機構
ト一致セザルモノモ少カラズ認メルノデア
リマス、仍テ私ガ御尋ネ致シタイト思ヒマ
スル點ハ、政府ニ於カレマシテハ、市町村
ノ綜合的行政機關タル地位ヲ認メ、政府部
內ニ於ケル各省、各部ノ協力ノ下ニ簡素强
力ナル市町村行政ノ統一ヲ實現スル意思ヲ
有セラレルヤ如何、是レ私ノ問ハントスル
第一點デアリマス
次ニ市町村ノ委任事務ニ關スル問題デア
リマス、例ヘバ貯蓄報國運動ノ如キ、衣料
切符制度ノ如キ、銅鐵囘收ノ如キ、將又政
治事務ノ如キ、時局下幾多ノ緊要ナル施設
ガ次カラ次ニ指令セラレマシテ、人不足ト
經費難ニ喘イデ居ルノガ、市町村ノ現狀デ
アリマス、曾テ戶數割ノ如キ伸縮性アル財
源ヲ有シ、人的資源ニ於テモ多少餘裕ノア
リマシタル時ニ於テスラ、命令的、天降リ
的事務ニ耐ヘ兼ネマシタル市町村ハ、地方
自治權擴張、或ハ地方分權論ノ影響ノ下ニ、
委任事務ノ返還ヲ叫ブ者スラ現ハレマシテ、
市町村ガ國家ヨリ動モスレバ分離セントス
ル傾向サへ兆サレタコトハ、私共ノ記憶ニ
新タナル所デアリマス、而シテ其ノ責ノ
半ハ中央官廳ノ甘ンジテ受ケラレナケレバ
ナラナイ所デアツタト私ハ信ジマス、今ヤ
戰局ハ重大デアリマス、國家總力ヲ擧ゲテ
聖戰目的完遂ニ邁進シナケレバナラナイ秋
ニ當リマシテ、重要案件ニシテ市町村民ニ
對シ之ヲ迅速ニ周知徹底セシメテ、其ノ實
績ヲ擧ゲナケレバナラナイモノガ極メテ多
イノデアリマス、此ノ時此ノ際本案ニ於テ、
財源附ノ委任規定ヲ新タニ設ケラレマシタ
ルコトハ、極メテ注目スベキ措置デアルト
存ジマス、本規定コソハ國ト市町村トヲ思
想的ニ、事務的ニ、將又經費關係ニ於テ極
メテ緊密ニ連繫セシムル楔デアルト言フコ
トモ出來ルダラウト信ジマス、隨テ此ノ楔、
此ノ規定ノ目的ヲ全フ致シマスル爲ニハ、
從來ノ如キ市町村ニ於テ委任事務取扱ノ爲
)、莫大ナル費用ノ極メテ小部分ノミヲ政
府ニ於テ負擔セラレマシタル如キ措置ヲ斷
然改メテ、政府ハ其ノ費用ノ全額ヲ負擔セ
ラレルハ勿論、市町村ガ喜ンデ安ンジテ委
任事務ノ取扱ヲナシ得ル如キ措置ヲ講ズル
コトガ極メテ必要デアルト信ズルノデアリ
やっく。此ノ點ニ關スル政府ノ御方針ヲ承リ
タウ存ジマス、是レ私ノ問ハントスル第二
點デアリマス
最後ニ御尋ネ致サントスル點ハ、市町村
吏員ノ待遇ニ關スル問題デアリマス、凡ソ
世ノ中ニ精神的物質的兩面ニ於テ、最モ惠
マレザル者ハ市町村吏員デアリマセウ、而
シテ吏員ノ職務ハ今ヤ著シク其ノ重要性ヲ
加フルニ從ヒマシテ、頭腦ト技術ヲ併セ有
スル專門家ヲ必要トスル時ニ相成ツタノデ
アリマス、又町村吏員ノ首班タル名譽職町村
長助役ハ、菲薄ナル給與ニ甘ンジマシテ、
夙夜其ノ事務ニ齟齬ナカランコトニ精進シ
テ居ルモノデアリマス、是等吏員ノ待遇ニ
シテ、今ニシテ適當ナル措置ヲ講ゼラレル
ニアラザレバ、國家喫緊ノ第一線行政機關
ニ、重大ナル支障ヲ來サンコトヲ惧レルモ
ノデアリマス、政府ニ於カレマシテハ市町
村吏員ノ採用、待遇ナドニ關シ、改善ノ如
何ナル御用意ガアルカ、是レ私ノ問ハント
スル第三點デアリマス、以上三點ニ付キ政
府ノ御答辯ヲ煩ハシタイト存ジマス(拍手)
國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=14
-
015・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今ノ木下君
ノ御質問ニ御答ヘヲ申上ゲタイト存ジマ
ス、市町村行政ノ簡素强力ナル一元化ヲ圖
ルノ必要ガアルト云フ御意見デゴザイマシ
タガ、今囘ノ案ニ於キマシテ、市町村長ガ市
町村內ノ各種施策ノ綜合統一ヲ圖ル所ノ職
權ヲ、規定致シタノデアリマシテ、此ノ規
定ニ依リマシテ、相當ニ市町村長ノ綜合統
一權ガ行ハレ得ルノデハナイカト考ヘルノ
デアリマス
第二ノ委任事務ノ費用ノ點ニ付キマシテ
デアリマスガ、從來ノ此ノ委任事務ヲ處理
シマスル費用ニ付キマシテ、國家ト致シ十
分ナル處置ヲ執リ得ナカツタ憾ミノナイデ
モナイノデアリマシテ、只今市町村行政事
務ニ付テ御心配ニ相成リマシタ點ハ、洵
御同感ニ存ズルノデアリマス、此ノ委任事
務ノ費用ノドレダケヲ國家ガ負擔スルカト
云フ點ハ、大事ナ點デゴザイマスルガ、ソ
レニハ委任セラルベキ事務ガ全ク國家的ノ
仕事ダケデアツテ、其ノ市町村住民ノ公共
ノ安寧福利ニ關係ガ稀薄デアルト云フ場合、
或ハ濃厚デアルト云フ場合ニ依リマシテ、
其ノ程度モ自ラ異ル場合ガアルト存ズルノ
デアリマス、隨ヒマシテ國政事務ノ內容如
何ニ依リマシテ、或ハ全額ナル場合モア
リ、或ハ一部ナル場合モ生ズルカト存ジマ
スガ、出來得ルダケ此ノ國政事務ノ委任ニ
付キマシテハ、其ノ費用ニ付テ國庫ガ之ヲ
考慮スベキコトヲ、今囘ノ法令ニ於キマシ
テモ、明カニ致シマシタ次第デアリマス
第三ノ市町村吏員ノ待遇ニ關スル、點デア
リマスガ、市町村吏員ノ待遇改善ニ付キマ
シテハ、政府モ常ニ意ヲ用ヒテ居ル所デア
リマシテ、必要ナル方策ニシテ今日マデ實
現致シマシタモノモ少クナイノデアリマ
ス、更ニ明年度ニ於キマシテハ、町村吏員
ノ恩給制度ノ確立ニ關スル豫算モ計上セラ
レテ居ル次第デアリマス、又吏員ノ精神的
優遇ノ方策ニ付キマシテハ、其ノ職責ノ重
要性ニ鑑ミマシテ、今後十分ニ考究ヲ致シ
タイト考ヘテ居リマス次第デアリマス、以
上御答ヘヲ申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=15
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016・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 江口繁君-江口
君、申シテ置キマスガ、海軍大臣ヲ御呼ビデ
アリマスガ、大臣ハ今日ハ公務デ來ラレマ
セヌ、政府委員ガ見エテ居リマスカラ、其
ノ御積リデ···
〔江口繁君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=16
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017・江口繁
○江口繁君 私ハ上程サレマシタル市町村
制中改正法律案ニ對スル質問ニ入ルニ先ダ
チマシテ、湯澤內務大臣ニ特別ノ御考慮ヲ
煩ハシタイト思フノデアリマス、吾々議員
ハ全國ヨリ玆ニ選バレテ、國民ノ儀表トシ
テ、常ニ國民ノ間ニ伍シテ、我ガ國市町村
ノ現狀ニ付テハ相當〓究シ、通曉シテ居ル
コトヲ確信シテ居ルノデアリマス、然ルニ
先刻ノ御答辯ノ中ニ、聽キマスルト議員ハ
市町村ノ現狀ニ付キ實情ヲ知ラザルモノノ
如キ斷言ヲセラレタヤウニ承ツタノデアリ
マス、是ハ吾々議員ガ眞ニ政府ト一體トナ
ツテ、玆ニ翼贊政治ヲ確立スル秋ニ於キマ
シテ、此ノ翼贊議員ニ對スル所ノ認識トシ
テ甚ダシク缺ケル所ガアルト私ハ考ヘル
ノデアリマス(拍手)宜シク此ノ點ニ付キマ
シテハ、內相ハ認識ヲ新タニシテ、其ノ失
言ヲ取消シアランコトヲ、此ノ際求メテ置
クノデアリマス
私ハ先ヅ改正案ノ內容ニ付キマシテ、
第一ニ御尋ネシタイコトハ、現行ノ自治
制ノ運營ノ實際ニ鑑ミマシテ、本改正案
ハ戰時下喫緊ノ案件ナリト認メ得ルヤ否ヤ、
卽チ此ノ改正ガナケレバ、國家國民ノ戰力
ノ增强ハ保持シ難キモノガアリト、果シテ
認メルコトガ適當デアルヤ否ヤ、此ノ點ヲ
質問セントスル者デアリマス、今日既ニ現
行ノ自治制ノ下ニ、數年來此ノ重大時局ヲ
擔當致シマシテ、戰力ノ增强ニ凡ユル部面
ヲ通ジテ、市町村民一體トナツテ、自治制ノ
圓滿ナル運營ヲ期シテ來タノデアリマシテ、
旣ニ此ノ實績ニ照シマシテ、今日更ニ市町
村長ヲ內務大臣ノ選任トシ、或ハ地方長官
ノ認可ノ下ニ之ヲ認メルト云フ如キ、官治
ニ準ズル思想ヲ市町村制ニ織込ム必要ガア
リヤ否ヤト云フ點デアリマス、全ク今日ニ
於キマシテハ市町村民ノ實際ノ戰時意識
ノ白熱、眞ニ國民一丸トナツテ、戰爭ヲ勝
拔カウトスル所ノ意氣ト云フモノニ付キマ
シテハ、深ク國民ヲ私ハ信賴サレテ然ルベ
キモノデアルト思フノデアリマス、其ノ組
織ニ於ケル所ノ隣組長、町內會長、部落會
長等ノ獻身的努力ニ於キマシテ、又市町村
長ガ其ノ地方ニ於ケル所ノ名望アリ、德望
アリ、識見アル者トシテ衆民ノ選ブ所トシ
テ、今日其ノ職責ニ就イテ居ルト云フ實
情ニ鑑ミマシテ、又現ニ戰時下ニ於ケル所
ノ各種國政上ノ事務ノ遂行、自治ノ運營ニ
付テ、酌テ澁滯ニ陷ツテ居ルモノト見ルベキ
モノガナイ今日ニ於キマシテ、故ラニ官憲
ノ力ヲ增强シ、官治ニ準ズルガ如キ改革ヲ
致シマシテ、自治ノ本體ヲ危クスルト云フ
コトニ付キマシテハ、到底賛成スルコトハ
出來ナイノデアリマス、此ノ點ニ付キマシ
テ政府當局ハ、現在ノ市町村長或ハ市町村
會ノ議員ヲ以テシテハ、此ノ時局擔當ノ責
任ヲ分ツニ堪ヘザルモノト斷定セラレタノ
デアリマスルカ、此ノ點ニ付キマシテハ
明治天皇ノ憲法發布ノ詔勅ノ中ニ於キマシテ
モ、深ク國民ノ政治的操志ト云フモノニ付
テ、御信賴ヲ賜ハリマシテ「負擔ヲ分ツニ堪
フルコトヲ疑ハサルナリ」ト斷定仰セラレテ
アルノデアリマス、今日口先バカリデ國民
ヲ信賴スル、或ハ下カラ盛リ上ル力ヲ望ム
トカ言ハレタ所デ、其ノ提案サルル所ノ政
策其ノモノガ、眞ニ國民ヲ信ジ、國民ト共
ニ時局ヲ切拔ケルト云フ信賴ノ念ナクシ
テ、到底吾々ハ贊成スルコトハ出來ナイノ
デアリマス(拍手)
第二ニ市町村會議員ノ澤擧ノ方法ト、候
補者ノ推薦制度ノ是非ニ付テ、一言御尋ネシ
テ置キタイト思フノデアリマス、改正案ノ
內容ヲ見マスルト、選擧ノ手續ニ付キマシ
テハ若十觸レテ居ラルルノデアリマスガ、
選擧ノ方法ハ大シテ現行ノ法制ト變ラナイ
ノデアリマス、而シテ此ノ現行ノ選擧ニ依
リマシテ、今日市町村會ニ於キマスル所ノ
議員ハ選バレテ來タノデアリマスルノミナ
ラズ、御承知ノ通リニ全國的ニ、殆ド漏レ
ナク推薦制度ナルモノヲ布カレマシテ、
其ノ推薦ニ依ル所ノ候補補ガ、九割餘ノ當選
ヲシタト云フ實情ニ鑑ミマシテ、其ノ推
〓其ノ素質、其ノ議員ノ選擧ニナル所ノ
市町村長ヲ、今日政府當局ハ時局擔任ニ付
テ缺クルモノアリト思慮セラレテ居ルノデ
アリマスルカ、若シ此ノ國家的ニ慫慂サレ
タル所ノ推薦選擧ノ方法ニシテ、眞ニ國家
的要求ニ卽シテ必要ナリシモノデアルト云
フ御確信ヲ持ツテ居ラレルナラバ、其ノ結
果ニ基ク所ノ是等ノ議員ノ選バレタル所ノ
市町村長ニ對スル全幅ノ信賴ヲ拂ハレテ然
ルベキモノデアルト信ズルノデアリマス、
然ラバ其ノ市町村長、其ノ他議員ガ今日自
治制ノ運用ニ付キマシテ、大イニ協力スル
ト云フ場合ニ於キマシテ、何等今日此ノ戰時
下ニ於キマシテ市町村制ヲ官治ニ類スル、
官權ノ增强ヲ圖ルニ等シイヤウナ改正ヲス
ルノ必要ガアルノデアリマセウカ、私ハ政府ガ
此ノ戰時下ニ於テ洵ニ御多忙ナル折柄オ上
ニ御手數ヲ掛ケナイト云フノガ、吾々國民
ノ傳統ノ精神デアリマス、然ルニオ上ハ何
ヲ好ンデ此ノ時局下ニ大臣ノ認可選任ヲ要
スルトカ、地方長官ノ認可ガナケレバ村長
ガ出來ナイトカ、色々ト官權ノ伸張ヲ圖ラ
レテ居ルノデアリマスルカ、是ハ今日ノ吾
吾日本ノ國民性ニ照シマシテ、私ハオ上ガ
却テ下ニ迷惑ヲ掛ケルモノデハナイカト思
フノデアリマス、吾々國民ハ戰時下デアレ
バアル程、自治ノ機能ヲ發揮致シマシテ、
成ベク政府官憲ノ御手數ヲ省カウト云フノ
ガ、吾々國民ノ意思デアリマス、然ルニ益〓
政府ニ御手數ヲ掛ケルヤウナ、時局下ニ於
ケル此ノ改正案ニ於キマシテハ、到底承服
スルコトガ出來ナイト思フノデアリマスル
ガ、今日此ノ推薦制度ニ依ツテ、茲ニ市町
村會ヲ作リ、其ノ前提ノ下ニ市町村長ノ選
任ヲセラレルト云フ今日ノ情勢ノ下ニ於キ
マシテ、何ヲ好ンデ改正ノ緊要ナルコトヲ
認メラレルノデアリマスルカ、又此ノ推薦
制度ニ付キマシテハ、良イ人ヲ出サウト云
フ點ニ於キマシテハ、吾々齊シク望ム所デ
アリマスルガ、一面ニ於キマシテ非常ニ國
內ニ於ケル所ノ相剋摩擦ヲ來シテ居ルノデ
アリマス、或ハ官權ノ力ニ依ツテ言フベキ
コトヲ言ヒ得ズ、表面ハ服從スル如クシテ、
眞實ハ此ノ官權ニ對スル怨ミヲ抱ク國民ナ
シトセナイノデアリマス
〔議長退席、副議長着席〕
是ハ今日ノ時局下ニ於ケル所ノ、此ノ推薦
制度ノ運用ト云フコトニ付キマシテハ眞
ニ愼重ヲ期サナケレバ、國內ニ於ケル所ノ
官民離反ノ因ヲナスモノデアルト思フノデ
アリマス(「其ノ通リ」ト呼ブ者アリ)此ノ點
ニ付キマシテ、営局ハ選擧方法ニ付キマシ
テハ、何等改正ノ手ヲ進メテ居ラレナイノ
デアリマスルカ、之ヲ以テ適正ナリトセラ
レルノデアリマスルカ、或ハ此ノ推薦制度
等ニ付キマシテノ選擧法ニ付テハ、未ダ確
定的ナ意見ガナイト言ハレルノデアリマス
ルカ、此ノ選擧法ニ付テノ確定的ノ確信ナ
キモノトシマスレバ、今日ニ於キマシテ此
ノ改正案ヲ決スルハマダ時期尙早ナリト
言ハザルヲ得ナイノデアリマス、是等ノ點
ニ付キマシテ、內相ハ如何ナル御所見ヲ持
ツテ居ラレマスカ、承リタイト思フノデア
リマス
第三ニ本改正案ハ、全ク中央集權的官治
思想ニ出ヅルモノデハナカラウカト云フコ
トヲ考ヘル者デアリマス、是ハ此ノ度議會
ニ提案セラルベキ、又セラレタル所ノ法案
ヲ通觀シテ見マスルニ、商工經濟會法案ニ於
キマシテ、其ノ會頭ハ主務大臣ガ任命スル、
木船保險組合ニ於キマシテ理事長、理事及
ビ評議員ハ主務大臣ガ任命スル、自動車運
送事業組合ニ於テ理事長ハ主務大臣カ又ハ
地方長官ガ任命スル、農業團體、水產團體、
交易營團、日本證劵取引所、總テ是レ大臣
ノ任命ト云フコトニナツテ居ルヤウデアリ
やっく、或ハ地方長官ノ任命ト云フコトニナ
ツテ居ルヤウデモアリマス、是等ト本改正
案トヲ睨合ハセテ考へマスル時ニ、洵ニ政
府當局ハ官治思想ヲ以テ一貫シタ所ノ、官
權ヲ擴張シテ行ク、其ノ官權ヲ增强スルニ
アラザレバ、此ノ時局ヲ切拔ケ得ナイト考
ヘテ居ルノデアリマスルカ、吾々ハ寧ロ官
治思想ヲ〓算シテ、地方分權的自治觀念ヲ
强化スルコトコソ、眞ニ戰力增强ノ根柢デ
アルト考ヘルノデアリマス(拍手)旣ニ今日
マデニ於キマシテ、各種ノ統制會ノ運營ニ
於キマスル所ノ官僚統制ガ、非常ナ失敗ヲ
シテ來タノデアリマスルシ、又今日行政ノ
煩瑣化ニ禍ヒサレマシテ、簡素化セントス
ル時デアリマス、或ハ各種統制會ニ各省ノ
權限ヲ委讓シヨウト云フ今日ノ時代デアリ
そう、是等ノ時局ノ趨勢ニ鑑ミマシテ、之
ニ反抗スル所ノ此ノ官治思想ノ蔓延スルト
云フコトニ付キマシテハ、深ク吾々ハ考察
ヲ下サナクテハナラヌト考ヘルノデアリマ
ス、何故ニ吾々ハ此ノ官治思想ノ〓算ヲ要
求スルカト言ヒマスルニ、洵ニ今日私達ガ
考ヘテ遺憾ト致シマスルコトハ、官、紀ノ弛
緩デアリマス、而モ此ノ官紀ノ弛緩ガ若
シ本改正案ノ如ク、全國ノ市町村ガ此ノ官
治ニ準ズル所ノ官權ノ下ニ隸屬スルト云フ
コトニナリマスレバ、官權追隨ノ風ヲ招キ
マシテ、此ノ官僚ト相迎合スル所ノ自治體
ノ首腦者ガ、或ハ出來ル虞ナキヤヲ憂ヘル
ノデアリマス、今日統制會及ビ或ル種ノ官
廳ニ於ケル所ノ官吏ガ、眞ニ時局下推進以
テ模範ヲ國民ニ示サナクテハナラヌ時ニ
於キマシテ、或ハ金品ノ爲ニ、或ハ饗應
ニ依リ、官紀ノ弛緩ヲ耳ニスルコト頻々タ
ルモノガアルノデアリマス、此ノ官紀ノ肅
正ヲ要望スル今日ニ於キマシテ、是ト同類
ノ形ニ市町村自治ヲ陷レルガ如キハ、甚ダ
危險ナリト言ハザルヲ得ナイノデアリマス、
東條首相ハ吏道ノ刷新ヲ大イニ說カレテ居
ルノデアリマスルガ、眞ニ此ノ際官紀ヲ嚴
肅ニ取締リ、處罰スベキハ嚴罰ニ處シ、又
人事ノ刷新ヲ圖リ、更ニ進ンデハ寧ロ官民
ノ一大人事ノ交流ヲナスベキガ今日眞ニ官
民一體トナツテ時局ヲ切拔ケルニ付テ必
要ナ措置デハナイカト思フノデアリマス、
今日巷ニ於キマシテハ、行政ハアルケレド
モ、政治ハナイト云フ聲ヲ聞クノデアリマス、
行政ハアルケレドモ政治ガナイト云フ此
ノ作、眞ニ政府當局ハ深ク省察セラルベ
キ言葉デハナイカト考ヘルノデアリマス、
曾テ孝德天皇ノ時ニ釣鎭ト匱ヲ設ケラレ
タ際ノ詔ヲ吾々ハ記憶致シテ居ルノデアリ
マスルガ、是ハ眞ニ國家ノ爲ニ憂フル所ノ
言ハ遠慮ナク此ノ匱ノ中ニ書イテ入レヨ、
此ノ匱ノ中ニ書イテ入レテモ尙且ツ役人ガ
是ヲ遮ツテ取上ゲナイ場合ニ於テハ、此ノ
禁門ノ前ニ下ゲテアル所ノ鐘ヲ撞ケヨト云
フ詔デアツタノデアリマス、今日眞ニ國家ヲ
憂フル所ノ者ハ、大イニ國家ノ爲ニ此ノ鐘
ヲ撞カナクテハナラヌト、私ハ思フノデア
リマス、今日國民ヲシテ其ノ人心ヲ倦マザ
ラシムル所ノモノハ、先ヅ第一ニ政府當路
者ガ斷乎トシテ官紀ノ肅正ヲセラルルト云
フコトガ最モ急務中ノ急務デアル、是ガ
最大ノ戰力增强ノ要諦デアルト思フノデア
リマス、私ハ是等ノ點ニ付キマシテ、斯樣
ナ官治ノ氣風、又此ノ肅正スベキ今日ノ現
狀ニアリマスル所ノ政府ノ狀態ヲ考ヘマス
時ニ、先ヅ政府當路者ガ全國ノ官吏ヲシテ、
眞ニ國民ノ信賴ニ値スル立派ナル所ノ、所
謂天皇陛下ノ官吏タラシメテコソ、匠
一億國民ガ感激シテ、以テ時局突破ノ熱意
ヲ發揮シ得ルト私ハ考ヘルノデアリマス(拍
手)隨テ斯樣ナ改正案ニ依リマシテ、官治
思想ヲ蔓延サセルト云フコトニ付キマシテ
ハ、大イニ此ノ官界ノ肅正ヲ求メル今日ニ
於キマシテ、洵ニ再考三思スベキモノデア
ルト考ヘルノデアリマス、果シテ然ラバ其
ノ實際ノ運營ニ於キマシテ、今日之ヲ緊急
ノ案件ナリトシテ斷行セザルベカラザル必
要性ハ到底認メ得ザルノデアリマス
私ハ最後ニ文部大臣ニ此ノ機會ニ一言質
問致シテ置キタイト思フノデアリマスガ、
斯樣ナル官權官治ヲ增强致シマスルコトニ
依リマシテ、國民ガ役人ガ一番ヨイ、役人
ニナラナクテハナラヌト云フ風ナ、所謂官
尊民卑ノ氣持ヲ玆ニ起スコトニナリマシタ
ナラバ今日國民ハ各職域ニ甘ンジ、其ノ
職域ヲ通ジテ忠節ヲ盡スト云フコトヲ考ヘテ
居リマス時、此ノ官尊ノ弊風ニ依リマシテ、
其ノ天職ノ觀念ニ聊カデモ罅ヲ入レルト云
フ如キコトガアリマシタナラバ、私ハ文〓
ノ刷新上憂フベキコトデハナイカト思フノ
デアリマス、今日ハ全ク功利主義的ナ所謂
出世觀、成功觀ト云フモノハ、吾々ハ拂拭
シナクテハナラヌ時デアリマスガ、此ノ官
泊官廳ノ勢力ノ延長、而シテ更ニ加フル
ニ今日ノ官紀ノ一部頽廢シテ居ルト云フ點
ニ鑑ミマシテ、文相ハ皇國民ノ鍊成ノ上ニ、
又我ガ國文〓刷新ノ上ニ、洵ニ遺憾トスル
所アルニアラザルヤト云フコトヲ御伺ヒシ
タイノデアリマス、之ニ對シマシテ文相ハ
眞ニ國民鍊成上、自ラ官紀肅正ノ音頭ヲ取
ツテ、サウシテ以テ我ガ國文〓刷新ノ上ニ、
一段ト努力ヲハ拂ハレンコトヲ希望シテ巳
マナイノデアリマス
又此ノ機會ニ軍部大臣ニ一言質問ヲ致シ
マシテ、私ノ質問ヲ終リタイト思フノデア
リマスガ、軍部大臣ハ今日ノ官界ハ眞ニ肅
正スベキ何物モナイト固ク確信セラレルノ
デアリマスカ、今日巷ニ官界紊亂ノ聲ヲ聞
クノデアリマスルガ、是ハ戰力增强ノ爲ニ、
眞ニ遺憾事トスルト云フ御考ヘハナイノデ
アリマスルカ、果シテ然ラバ是等ノ點ニ付
キマシテ、戰爭完遂ノ爲ニ、國內一億益〓〓
結ヲ强化致シマス爲ニ、軍部大臣ト致シマ
シテ、官紀ノ肅正ノ爲ニ大イニ軍國ノ爲ニ
御奮鬪ヲ願フト共ニ······(「司法大臣ニ聽ケ」
ト呼ブ者アリ)又此ノ點ニ付キマシテハ、
司法大臣モ十分御留意アルコトト考ヘルノ
デアリマスカラ、敢テ私ハ司法大臣ニ質問
ハ致シマセヌガ、其ノ本職ヲ十二分ニ發揮
セラレテ、國民ノ中ニ何等不滿不平、或ハ
官紀ノ紊亂ヲ耳ニスルコトナキニ至ラシメ
ンコトヲ、特ニ要望致シマシテ、私ノ質問
ヲ終ル次第デアリマス(拍手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=17
-
018・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 江口君ノ私ニ
對スル質問ニ付キマシテ御答ヘヲ申上ゲタ
イト存ジマス、今囘ノ地方制度ニ關スル改
正案ガ、戰力增强ニ對シテ如何ナル關係ヲ
持ツテ居ルカト云フ御意見ガアツタノデア
リマスルガ、是ハ先程モ申上ゲマシタ通リ
デアリマスルガ、戰力ノ增强ハ、一面ニ於
テ國民生活ノ安定確保ヲ圖リ、且ツ國內體
制ノ確立ヲ圖ルコトト、洵ニ密接ナル關係
ガアルコトト考ヘルノデアリマシテ、此ノ
意味ニ於キマシテ、先程申上ゲマシタ通リ、
各種ノ國內ノ體制强化、又戰時中ニ拘ラズ
昨年ハ總選擧ヲ行ヒマシテ、政治上ノ體制
ヲ整ヘルト云フヤウナ點モ卽チ此ノ戰力ノ
增强ニ重大ナル關係ガアリト考ヘルノデア
リマシテ、其ノ意味ニ於テ此ノ地方制度ノ
改正案ガ、戰力增强ニ密接ナ關係ガアルト
考ヘルノデアリマス
次ニ市町村長ニ對シマシテ時局擔當ノ力
ナシト認ムルヤ否ヤト云フコトデアリマシ
タガ、此ノ改正案ハ時局下重大ナル事務ニ
鞅掌セラレテ居リマスル現在ノ全國市町村
長ニ對シテ、時局擔任ノ力ナシト考ヘテ提
案シタ譯デハアリマセヌ、今日ノ全國ノ市
町村長ハ、日夜重大ナル事務ニ鞅掌セラレ
マシテ、國民生活安定確保ヲ圖リ、又戰爭
遂行上必要ナル事務ヲ處理セラレテ居リマ
スル日夜ノ御努力ニ對シマシテハ、內務大
臣ト致シマシテモ衷心カラ感謝ノ念ヲ表シ
テ居リマスル次第デアリマス、唯餘リニモ時
局ガ重大デアリマスルカラ、中ニハ此ノ事
務ヲ擔任スルニ差支へノアル者ガナイトハ
保證出來ナイノデアリマス、斯ウ云フヤウ
ナ觀點カラ、必要ナル規定ヲ致シタノニ過
ギナイノデアリマス
次ニ選擧方法ニ關シマシテハ簡單ナル手續
ノ改正ヲ規定致シタノニ過ギナイノデアリ
マスルガ、御述ベノ如ク選擧制度ノ內容ニ付
キマシテハ、先ヅ第一番ニ衆議院ノ選擧法
ニ依リマシテ、其ノ熊樣ヲ整ヘマスルコト
ガ、地方制度ノ選擧ノ熊樣ヲ整ヘル前提デ
アルト考ヘルノデアリマシテ、其ノ必要ナ
シト認ムル譯デハアリマセヌガ、今囘ノ改
正案ニハ手ヲ觸レナカツタ次第デアリマス
尙ホ官紀ノ振肅ニ付キマシテハ、政府ト
致シマシテ全體ノ吏僚ニ對シ十分ノ努力ヲ
致シ、又總理其ノ他常ニ此ノ點ニ付テ十分
ノ意ヲ用ヒツツアルノデアリマスルガ、私
ノ關係致シマスル範圍ニ於キマシテモ、最
善ノ努力ヲ盡シタイト考ヘテ居ルノデアリ
マス
終リニ私ガ先程發言致シマシタ事柄ニ付キ
マシテ御注意ノ點モアリマシタガ、先程申
上ゲタ通リデアリマスルカラ何卒御諒解ヲ
願ヒタイト存ジマス
〔國務大臣橋田邦彦君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=18
-
019・橋田邦彦
○國務大臣(橋田邦彥君) 只今官紀紊亂ト
云フコトト、國民鍊成、國民ノ〓育ト云フ
問題ニ付テ文部大臣ノ意見ヲ御求メニナリ
マシタコトニ付テ御答辯ヲ申上ゲマス、官
紀肅正ニ付キマシテハ旣ニ總理ガ度々聲
明致シテ居リマスル通リ、政府ト致シマシ
テモ最モ力ヲ注イデ居ル所デアリマス、然
ルニ尙ホ官紀紊亂ノ聲ノアリマスコトハ
洵ニ遺憾ニ存ズル所デアリマス、殊ニ其ノ
聲ガ國民ノ〓育ニ向ツテ、如何ニ大イナル
影響ノアルカト云フコトハ、私ガ申スマデ
モナク御承知ノ通リデアリマシテ
〔副議長退席、議長着席〕
此ノ點ハ國民〓育ヲ振興スルコトヲ刻下
ノ急務ト致シマスル際、是非トモ此ノ聲ノ
治マル如ク處理致シテ、國民〓育ニ聊カノ
疵ノ付カナイヤウニ致シタイト期シテ居ル
次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=19
-
020・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 政府ヨリハ此ノ以外
ニ答辯ガナイトノコトデアリマス-佐藤
芳男君
〔佐藤芳男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=20
-
021・佐藤芳男
○佐藤芳男君 本案ニ對シマシテハ、旣
同僚三君ニ依リ各角度カラ御質問ニ相成
リ、又ソレ〓〓答辯ヲ得マシタノデ、第四
陣ヲ承ル私ト致シマシテハ、多クヲ連ネル
必要ガナクナツタノデアリマス、唯本案ヲ
繞ツテ院ノ內外ヲ問ハズ、其ノ論點ガ官治、
自治ノ「イデオロギー」的主張ニ依ツテ論爭
セラレテ居リマスルコトヲ、私ハ頗ル遺憾
ニ存ゼザルヲ得ナイノデアリマス、時局ニ
便乘シテ官治ノ「イデオロギー」ヲ發揮セン
トスルモノト、獨斷的ナル自治權擁護ニノ
ミ汲々トシテ、刻下焦眉ノ要求ニ耳ヲ藉サ
ザルモノトノ相剋摩擦ハ、今日ニ於テ最モ
排斥シナケレバナラヌト確信ヲスルノデア
リマス(拍手)隨テ私ハ市町村多年ノ要望タ
ル地方制度ノ改正ニ付キマシテハ、之ヲ「イ
デオロギスト」ノ「モルモット」タラシムベ
カラズ、專ラ市町村ノ重要性ト其ノ實情ト
ニ照シテ發案サレネバナラヌモノト確信ス
ルノデアリマスガ、政府ハ提案ノ根本的出
發點ヲココニ置カレタモノカドウカ、第
ニ此ノ點ヲハツキリ伺ヒタイト思フノデア
リマス
第二ニ先程同僚木下君モ觸レラレ、大臣
モ一應ノ御答辯ニナツタノデゴザイマスガ、
卽チ農業團體法案ト本案トノ關係デゴザイ
やく、大臣ハ或ハ御困リカト思ヒマスケレ
ドモ、私ハ極メテ具體的ニ質間ヲ致シマス
ルカラ、具體的ノ御答辯ヲ願ヒタイノデア
リマス、市町村ノ重要性ハ今更喋々スルマ
デモナク、非常時ノ度ガ濃厚ニナリマスレ
バナリマスル程、國策ノ遂行カラ、大根、
菜ツ葉ノ配給ニ至ルマデ、市町村ノ運營宜
シキニ俟タナケレバナラヌコトハ、先程內
務大臣ノ說明ニモアツタノデアリマス、而
モ天ニ二日ナク、地ニ二王アルベカラザル
ガ如ク、苟クモ市町村民ヲ對象トスル一切
ノ施策ハ、市町村役場ヨリ一元的ニ發セラ
V、處理セラレナケレバ、其ノ完璧ヲ期ス
ルコトガ出來ナイノデアリマス、市町村民
ニ對スル指導力ノ單位ノ分裂ハ、絕對ニ避
クベキモノデアルト存ズルノデアリマス
(拍手)此ノ度ノ改正案ニ政府ハ市町村ノ重
要性ヲ再認識セラレ、市制八十八條、町村
制七十二條ヲ改正シテ、市町村內ノ團體ニ
對シテ、市町村長ニ指示權ヲ附與サレマシ
タコトハ、當然ノコトナガラ、敬意ヲ表ス
ルニ足ルモノデハゴザイマスルケレドモ、
何故今一步ヲ進メテ、市町村長ガ〓體長ヲ
兼ネルト云フコトニナサラナカツタカ、併
シ斯樣マデニハセナカツタガ、市町村長ニ
兼ネシムルコトヲ原則トシタノダト御考ヘ
ニナツテ居ラルルカドウカ、又原則ハサウ
ダト仰シヤルナラバ、如何ナル手段ニ依ツ
テ、其ノ原則ニ卽スルヤウニ指導サレント
スルカ、此ノ三點ヲ伺ヒタイノデアリマス
ガ、特ニ其ノ第三ノ點ニ付キマシテ、一言
ヲ加ヘタイト思フノデアリマス、私ノ縣
-新潟縣ニ於キマシテハ、知事ガ慥カ一
昨年ト記憶スルノデアリマスガ、私ノ進言
ヲ容レテ地方課長ヲ、未ダ一元化サレテ居
リマセヌ所ノ町村ニ遣ハシテ、町村長、農
會長、產業組合長ト合議シテ、町村内ノ第
一人者ヲ村長トシ、而シテ農會長、產業組
合長ヲ兼ネシムルコトニ相當成績ヲ收メタ
ノデアリマス、政府ハ此ノ一元化ノ問題ニ
對シテ、內務、農林兩次官ノ通牒等ニ依ツテ、
强力ナル指導ヲ展開サレル御考ヘハアルカ
ナイカ、特ニ伺ヒタイノデアリマス、私ヲ
シテ率直ニ言フコトヲ御許シ下サイマスナ
ラバ、ドウモ內務當局ハ農林省乃至農業諸
團體ニ、遠慮ガ多過ギルノデハナカラウカ
ト思フノデアリマス、其ノ證據ニハ此ノ度
ノ改正ニ依ツテ、町村内ノ團體ニ對シ市町
村長ガ指示權ヲ與ヘラレタ、小サヤカデハ
アリマスルケレドモ、ソレダケデモ町村ノ
性格ガ、法的ニ於テ從來ト變ツタ、然ルニ
市町村ノ性格ヲ規定スル所ノ總則第二條ニ、
市町村ガ綜合行政機關デアルコトヲ何故ニ
明記ヲシナカツタカ、唯徒ラニ他ノ條項ニ
多ク見ラルルガ如ク、漢字ノ「事」ト云フ字ヲ
片假名ノ「コト」ト訂正スルト同程度ニ字句ノ
配列ヲ變ヘ、有ツテモ無クテモ差支ヘナイ
ヤウナ僅カノ文字ヲ、削除スルニ止メタデ
ハアリマセヌカ
更ニ私ノ伺ヒタイコトハ、部落會長ト農
事實行組合長トノ關係デアリマス、市町村
民ニ對スル指示權ガ市制八十八條、町村制
七十二條ニ依リ確立致シマシタル以上、部
落會、町内會ハ其ノ法制化ト共ニ、政
市町村ノ下部組織タル本質ガ明カトナリ、
部落內ノ諸團體ニ對シ之ヲ締制指示シ得ル
モノト、斯樣ニ信ズルモノデアリマスガ、
其ノ點ハ果シテドウデアリマセウカ(「詰ラ
ヌコトヲ聽クナ」ト呼ブ者アリ)本問題ニ付
テハ、內務當局ニ聽イテモ、農林當局ニ聽
イテモ判然トセナイノデアリマス、ダカラ
此ノ機會ニ質問セザルヲ得ナイノデアリマ
ス、併シ閣議ノ決定ヲ經テ議會ニ提案サレ
マシタル以上、兩大臣ノ間ニハ話合ガハツ
キリト出來テ居ルモノト思フ、將來露ハ尾
花ト寢タト言ヒ、尾花ハ露ト寢ヌト云フガ
如キコトニ陷ラザルガ爲ニ、私ハ此ノ機會
ニ兩大臣カラ御言明ガ願ハシイノデアリマ
ス、內務大臣カラハ一ツ明確ニ、決定方針
ト御所見ヲ承リタイノデアリマス
第三ニ市長、町村長ノ選任ニ付テ伺ヒタ
イノデアリマス、若シモ今囘ノ發案ガ假ニ
市町村會ノ意向ト云フモノヲ單ナル輕キ參
考トシテ、上局ニ於テ任命スルト云フ案デ
アルト致シマスナラバ、私ハ絕對ニ反對ヲ
スルノデアリマス、何トナレバ斯カル考へ
方ハ恐ラク政府ト府縣知事トノ間ニハ任命
デアルカラ血ガ通ツテ居ル、然ルニ知事ト
市町村長トハ、市町村長ヲ市町村會ガ勝手
ニ選ンダノデアルカラ、其ノ間ニ血ノ繋ガ
リガナイ、故ニドウシテモ知事ト市町村長
ノ間ニモ、血ノ繫ガリガ欲シイト云フコト
ガ、其ノ論據デアラウト思フノデアリマス、
私ハ此ノ主張ハ一面ノ理トシテ認ムルノデ
アリマスケレドモ、併シ斯クテハ市町村民
ト市町村長トノ間ノ血ノ繫ガリガ沒却サレ
ルノデアリマス、市町村長ト官トノ血ノ繫
ガリヲ全ウスル其ノ反面ニ、市町村民トノ
血ノ繋ガリヲ無視シテ、果シテ官民一體ノ
總力態勢ガ出來ルカト言ハナケレバナラヌ
ノデアリマス(「ヒヤ〓〓」拍手)私ハ若シ斯
樣ナ案デアリト致シマスルナラバ、絕對ニ
反對セザルヲ得ナイノデアリマス、內務當
局ハ二箇月以前ニハ、如何ナル御考ヘヲ御
持チニナツテ居ツタカヲ、私ハ存ジマセヌケ
レドモ、此ノ度御發案ニナリマシタモノヲ
見マスルト云フト、町村長ノ場合ハ認可制
ヲ採ラレ、而シテ上下血液ガ通ヒ得ルノデ
アリマスガ、市長ノ場合ニ於テハ市會ニ候
補者ヲ推薦セシメ、其ノ者ニ就キ勅裁ヲ經
テ內務大臣之ヲ選任スト相成ツテ居ル、此
ノ場合私ノ御聽キ致シタイコトハ、「其ノ者ニ
就キ」トハ「其ノ者」ヲ必ズ勅裁ヲ經テ任命スル
ノカ、然ラザル場合モアルノカ、若シモ然
ラザル場合ナシト致シマスルナラバ、唯單
ニ形式的任命デアツテ、町村長ノ場合トハ
違ツテ、上局ノ意思ガ少シモ働キ得ナイコ
トニナツテ、上局トノ血ノ繋ガリハ形式トナ
ルハ兎モ角モ、實質的ニハ失ハルルコトニ
ナルノデアリマス、又是ト反對ニ市會ノ推薦セル
者ヲ內務大臣ガ適當ナラズトシテ、再ビ他
ノ候補者ノ推薦ヲ要求シ得ルモノト致シマ
シタ、併シソレガ際限モナク行ハルルト云
フコトデアリマスルナラバ、市民ト市長ト
ノ血ノ繋ガリニ暗影ヲ投グルモノト言ハナ
ケレバナラヌノデアリマス、隨テ本問題ノ
實際ニ付キマシテ、此ノ際ハツキリシタ御
方針ヲ承ツテ置カナケレバナラヌノデアリ
やく、尙ホ私ハ勅裁ヲ經ナケレバナラヌト
仰シヤル理由ヲ拜聽致シタノデアリマス、
勅裁ヲ經ル必要果シテアリヤ、帝國憲法ノ
條章ニ鑑ミルマデモナク·陛下ヲ煩ハシ奉
ルコトハ、出來得ル限リ之ヲ避ケナケレバ
ナラヌ、私ハ此ノ點ヲ嚴肅ニ考ヘタイノデ
アリマス、更ニ第一線ノ綜合行政機關タル
コトニ付テ、市ト町村トハ何等變リハナイ筈
ダ、殊ニ市長ニ對シテモ、市町村長ニ對シ
テモ其ノ指導監督權ト云フモノハ、等シク
府縣知事ニアルノデアリマス、內務行政ノ
體系ヲ斯クスルコトニ依ツテ紊スノデハナ
イカ、何故ニ政府ハ市長ト町村長トニ斯樣
ナ區別ヲ設ケ、更ニ勅裁マデ經ルコトニ致
シタカ、內務省ノ事務當局ハ最近マデ私ト
大體同感デアツタノデアリマス、恐ラク上層
部ガ斯ク御決メニナツタモノト思フノデア
リマスガ、曾テ東條總理大臣ハ屬僚政治ヲ戒メ
ラレテ、政治ハ事務ニ支配サルベカラズト
仰シヤツタ、其ノ通リデアリマスガ、併シ
ナガラ正シキ事務ガ誤マレル政治ニ支配サ
レルコトモ、是亦避ケネバナラヌト存ジマ
ス、曾テ勅裁ヲ經タ先例ガアルカラト云フ
ガ如キ答辯デナシニ、勅裁ヲ仰グコトヲ適
當ト御考ヘニナリマシタハツキリシタ論據
ヲ、此ノ機會ニ承リタイノデアリマス
第四ハ府縣會、市會、町村會ノ權限ノ縮
小ニ關スル問題デアリマス、先刻モ多少觸
レマシタヤウニ本改正案ニ依ツテ市町村ノ
性格ガ判然ト向上致シマシタノデ、假ニ市
會、町村會ノ權限ガ多少縮小サレマシテモ、
ソレハ町村ノ位置ノ向上ニ依ツテ「カバー」サ
ルルモノト解釋ヲ致シタイノデアリマスル
ケレドモ、府縣制五十七條、市制五十七條、
町村制五十三條ニ「歲入出豫算ニ付場額シテ
之ヲ議決スルコトヲ得ズ」ト規定サレマシ
タ、是ダケハ府縣會、市町村會ノ權限ニ重
大ナル影響ヲ及ボスモノデゴザイマスルカ
ラ、其ノ理由ヲ詳細ニ承リタイノデアリマ
ス
尙ホ是ハ豫算ノ增額ニ對シテデアリマス
ルガ、款、項目、節ニマデモ斯樣ナ御方針
ヲ御執リニナルノカ、此ノ點モ承リタイノ
デアリマス、又是ト聯關致シマシテ明カニ
承リタイコトハ增額、減額ヲ問ハズ目、節
ニ對スル修正ノ問題、假ニ項ノ減額修正ヲ
ナサント致シマスレバ、勢ヒ基礎デアリマ
スル所ノ目、節ノ修正カラ始マラナケレバ
ナラヌ、現在府縣會ニ於テモ、市町村會ニ
於テモ〓ネ目、節ノ修正ヲ致シテ居ル、然
ルニ之ニ關シテ內務省ノ態度ハ極メテ曖昧
デアルノデアリマス、十數年前ノ鳥取縣知
事カラノ照會ニ對スル囘答ガ、强制セズト
ナツテ居ル程度デアリマスルカラ、此ノ點
ハ委員會デ結構デアリマスルガ、御答ヘヲ
願ヒタイト思ヒマス(「ソンナコトハ委員會
ノ問題ダ」ト呼ブ者アリ)
最後ニ私ハ町村ノ權限擴張ト共ニ、地方
事務所ノ存廢ノ問題ニ付テ御伺ヒ致シタイ
ノデアリマス、此ノ度ノ市制、町村制ノ改
正ヲ通ジテ市町村長ノ權限ガ强化サレマス
ルコトハ、決戰態勢下臺閣ニ於テ總理大臣
ノ權限ガ擴張サルルト同樣喫緊ノ事柄デア
リマシテ、行政ノ責任ノ所在ヲ明確ニシ
テ、責任者ノ陣頭指揮ガ總理大臣、府縣知
專市町村長、部落會長ト、行政機構ノ末
端ニマデ、敏活ニ强力ニ遂行サルルデアラ
ウト云フコトヲ期待スルノデアリマスル
ガ、是ト聯關致シマシテ當然起ツテ來ル問
題ハ、中間機關、地方事務所ノ存廢ノ問題
デアリマス、嘗テ郡役所廢止ノ理由ハ、當
局ノ能ク御承知ノ所デアリマス、昨年七月
一日地方事務所設立ノ際、是ハ郡役所ノ復
活デアル、屋上屋ヲ架スルモノデアルトノ
非難ニ對シテ、御當局ハ斷ジテ郡役所ノ復
活デハナイ、何トナレバ舊郡長ノ有シタリ
シ町村ノ監督權ハ事務所長ニ與ヘナイノ
ダ、又事務ヲ限定スルカラ斷ジテ屋上屋ト
ハナラヌノダト言明ヲサレタノデアリマス
ルガ、然ルニ開設後幾許モナク、此ノ地方事
務所ニ對スル地方ノ不滿ノ聲ハ漲ツテ居ル
ノデアリマス、其ノ理出ヲ一々擧ゲマセヌ
デモ、旣ニ御當局ハ十分御試承ト思フノデ
アリマス(「末梢論ノ時代ヂヤナイ」ト呼ブ者
アリ)是非此ノ地方事務所ノ存廢ノ問題ニ
付テ御所見ヲ承リタイ、之ラ廢止スル意思
アリヤ否ヤ、而モ戰時下行政ノ敏活化ヲ圖
ラルルガ爲ニ政府ノ權限ヲ相當統制會等ニ
委讓シテアリマスルガ、ソレト同樣ニ思ヒ
切ツテ監督權ヲ町村ニ委讓シテ、此ノ地方
事務所ヲ廢止サレル意思アリヤ否ヤ、此ノ
點ヲ承リタイト存ズルノデアリマス、私ハ
此ノ程度ニ止メタイノデゴザイマスルガ、
何卒虛心坦壞ニ率直ニ御答辯アランコトヲ
望ム次第デゴザイマス(拍手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=21
-
022・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 御答へ申上ゲ
やく、此ノ度ノ地方制度ノ改正案ハ)全ク
實情ニ基キマシテ立案ヲ致シタモノデゴザ
イマス、此ノ立案中農業團體長ヲ町村長ガ
兼ネルコトニ付テ、之ヲ原則トシテ行フ積リ
デアルカドウカト云フヤウナ御質問ガアツ
タノデアリマスガ、市町村長ト團體長トハ
兩者ヲ兼ネ得ル適當ナ者デアリマスル限
リ、一人ヲシテ雙方ニ當ラシメマシテ、一
元化致シマスル方向ニ指導ヲシテ參リタイ
ト存ズルノデアリマス、此ノ點ハ農業團體
法及ビ地方制度ノ改正案ヲ決定シマスル際
ニ、内務農林兩當局ノ間ニ詳細ナル諒解ヲ
得テ居ル點デアリマスノデ、十分ナル指導
ガ出來得ルコトト考へルノデアリマス
次ニ部落會ト農事實行組合トハ差支ヘナ
イ限リ、成ベク統合シテ行キタイト云フ考
ヘヲ持ツテ居ル次第デアリマス
市町村長ノ選任ニ付キマシテハ、市町村
會ノ選擧若シクハ推薦ヲ、最モ尊重致シマ
スル所存デアリマスルノデ、實際上ニ於テ
其ノ運用ノ全キヲ期シタイト考ヘテ居リマ
スル次第デアリマス
市長ノ選任ニ付キマシテ勅裁ヲ經マスル
理由ニ付キマシテハ一面御話ノアリマシ
タ此ノ選任方法ニ關スル沿革ノ點モゴザイ
マスルケレドモ、害質ト致シマシテ、市長ト
町村長トノ實際ノ立場ニ於キマシテ相當ノ
差異ガアルト存ズル點ニ基クモノデアリマ
ス、卽チ市長ハ兵事、軍事扶助、〓育、選
擧等ノ國政事務ノ處理ニ關シマシテ、町村
長トハ全ク異ナル特別ノ地位ヲ有シテ居リ
マシテ、或ル意味カラ申シマスルナラバ、地
方事務所長ト相竝ブ關係ニモ立ツテ居ルト
考ヘマスルノデ、此ノ實質上ノ點ニ重キヲ
置キマシテ、勅裁ヲ戴クト云フコトノ規定
ヲ設ケマシタ次第デアリマス
地方事務所ノ點ニ付キマシテハ、昨年七月
漸ク開設以來、未ダ時日ヲ經過致シテ居ラ
ヌ點デアリマスルガ、是ノ設置ハ町村ノ善キ
相談相手トナルコトニ存スルノデアリマシ
テ、今後十分地方事務所長ノ育成ニ努力ヲ
致シテ參リ、町村ノ立場カラ見マシテモ最
モ適當ナル存在デアルト云フヤウナ風ニ、指
導ヲ致シテ參リタイト存ズルノデアリマ
ス、其ノ他細カイ點ニ付キマシテハ、委員
會等ニ於テ御答辯ヲ申上ゲタイト存ジマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=22
-
023・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ、各案ノ審査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=23
-
024・森下國雄
○森下國雄君 日程第一乃至第五ノ五案ヲ
一括シテ議長指名四十五名ノ委員ニ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=24
-
025・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=25
-
026・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=26
-
027・森下國雄
○森下國雄君 此ノ際暫時休憩セラレンコ
トヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=27
-
028・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=28
-
029・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナイト認メマ
ス、仍テ暫ク休憩致シマス
午後三時三十五分休憩
午後四時三十三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=29
-
030・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 休憩前ニ引續キ會議
ヲ開キマス、日程第六及ビ第七ハ便宜上一
括議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=30
-
031・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第六、北海道鐵道株式會社所
屬鐵道外十一鐵道買收ノ爲公債發行ニ關ス
ル法律案、日程第七、多獅島鐵道株式會社
所屬新義州南市問鐵道買收ノ爲公債發行ニ
關スル法律案、右兩案ヲ一括シテ第一讀會
ヲ開キマス-八田鐡道大臣
第六北海道鐵道株式會社所屬鐵道外
十一鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル
法律案(政府提出)第一讀會
第七多獅島鐵道株式會社所屬新義州
南市間鐵道買收ノ爲公債發行ニ關ス
ル法律案(政府提出)第一讀會
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ左ノ鐵道買收ノ爲之ニ必要ナル額
ヲ限度トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
-北海道鐵道株式會社所屬鐵道
鶴見臨港鐵道株式會社所屬鐵道但
シ鶴見鶴見終點間ノ鐵道ヲ除ク
-富山電氣鐵道株式會社所屬鐵道中
岩瀨濱日曹工場前間及日滿工場前岩
瀨埠頭間
伊那電氣鐵道株式會社所屬鐵道
三信鐵道株式會社所屬鐵道
鳳來寺鐵道株式會社所屬鐵道
-豐川鐵道株式會社所屬鐵道
一播丹鐵道株式會社所屬鐵道
一宇部鐵道株式會社所屬鐵道
一小野田鐵道株式會社所屬鐵道
-小倉鐵道株式會社所屬鐵道
產業セメント鐵道株式會社所屬鐵
道
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道
買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案中別紙
ノ通議院法第三十條ニ依リ修正ス
昭和十八年一月二十八日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
鐵道大臣八田嘉明
〔別紙〕
「富山電氣鐵道株式會社」ヲ「富山地方鐵
道株式會社」ニ修正ス
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
政府ハ多獅島鐵道株式會社所屬新義州南
市間鐵道買收ノ爲之ニ必要ナル額ヲ限度
トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣八田嘉明君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=31
-
032・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今議題トナリ
マシタ北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案提出
ノ理由ヲ御說明致シマス
北海道鐵道株式會社外十一會社ノ經營ニ
屬シマスル地方鐵道ハ、或ハ幹線輸送網ノ
整備增强上、或ハ海陸連絡施設ノ整備擴充
上、或ハ又軍事上必要ナル鐵道デアリマス
ルノデ、政府ニ於キマシテハ之ヲ國營ニ統
シヽ以テ過般決定ヲ見マシタ所ノ戰時陸
運非常體制確立ニ資スルコトトシ、昭和十
八年度ニ於テ之ヲ買收スルノ計畫ヲ立テマ
シタノデアリマスルガ、是ガ爲ニハ買收代
價トシテ交付スル公債ノ發行ヲ要シマスル
ノデ、是ガ公債發行ニ關スル本法律案ヲ提
出致シマシタ次第デアリマス、何卒御審議
ノ上速カニ御協賛アランコトヲ望ミマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=32
-
033・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 湯澤內務大臣
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=33
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034・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今議題トナ
リマシタ多獅島鐵道株式會社所屬新義州南
市間鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
提出ノ理由ヲ御說明申上ゲマス
多獅島鐵道株式會社ノ經營ニ屬シマスル
新義州南市間ノ鐵道ハ、朝鮮國有鐵道京義
線ニ依ル新義州南市間ヲ西側ヨリ結ブ延長
三十餘「キロ」ノ私設鐵道デアリマスルガ、此
ノ私設鐵道ハ東側ノ國有鐵道ニ比シ、路線
平坦ナルノミナラズ、距離ニ於キマシテ十一
ㄱキロ」ノ短縮トナリマスルノデ、之ヲ國營
ニ統一シ、目下工事中ノ京義線複線工事ノ
完成ニ資シマスルト共ニ、大陸幹線輸送力
ノ確保增强竝ニ西鮮國境地方ニ於ケル海陸
運輸系絡ノ整備ヲ圖リマスル爲メ、昭和十
八年度ニ於キマシテ之ヲ買收スルノ計畫ヲ
樹テマシタル所、是ガ爲ニハ買收代價トシ
テ交付スル公債ノ發行ヲ要シマスルノデ、
是ガ公債發行ニ關スル本法律案ヲ提出致シ
マシタ次第デアリマス、何卒御審議ノ上速
カニ御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=34
-
035・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=35
-
036・森下國雄
○森下國雄君 日程第六及ビ第七ノ兩案ヲ
一括シテ議長指名二十七名ノ委員ニ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=36
-
037・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=37
-
038・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
八及ビ第九ハ便宜上一括議題トナスニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=38
-
039・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第八、公立學校職員年功加俸
國庫補助法中改正法律案、日程第九、義務
〓育費國庫負擔法中改正法律案、右兩案ヲ
一括シテ第一讀會ヲ開キマス-橋田文部
大臣
第八公立學校職員年功加俸國庫補助
法中改正法律案(政府提出)第一讀會
第九義務〓育費國庫負擔法中改正法
律案(政府提出)第一讀會
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案
公立學校職員年功加俸國庫補助法中左ノ
通改正ス
第一條中「師範學校竝」ヲ削リ「中學校、高
等女學校、實業學校」ヲ「中等學校」ニ改
ム
第四條ヲ削ル
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
義務〓育費國庫負擔法中左ノ通改正ス
第一條中「俸給」ノ下ニ、「、年功加俸、特
別加俸、賞與、死亡賜金及赴任ノ場合ニ
支給スル旅費」ヲ加フ
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
國民學校〓育費國庫補助法ハ之ヲ廢止ス
〔國務大臣橋田邦彦君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=39
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040・橋田邦彦
○國務大臣(橋田邦彦君) 只今議題トナリ
マシタ公立學校職員年功加俸國庫補助法中
改正法律案、義務〓育費國庫負擔法中改正
法律案ニ付キマシテ、其ノ提案ノ理由ヲ御
說明申上ゲマス
先ヅ公立學校職員年功加俸國庫補助法中
改正法律案ハ、今囘師範〓育令ヲ改正シ、
師範學校ハ之ヲ直轄學校ト致シマス爲メ、
同法中師範學校ニ關スル部分ヲ削除スルノ
必要ヲ生ジマシタノト、又中學校令、高等
女學校令及ビ實業學校令ヲ廢止シテ、中等
學校令ヲ制定スルコトニ致シマシタ爲メ、
同法中學校ノ名稱ヲ變更スルノ必要ヲ生ジ
マシタノデ、是等關係條項ヲ整理セントス
ルモノデアリマス
次ニ義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
ノ內容ハ、國民學校職員ニ對スル諸給與ノ
中、俸給費ニ付キ國庫ガ其ノ半額ヲ負擔ス
ルコトトナツテ居リマス現行制度ヲ擴充致
シマシテ、年功加俸、特別加俸、賞與、死
亡賜金及ビ赴任旅費ニ付キマシテモ、國庫
ガ其ノ半額ヲ負擔セントスルモノデアリマ
ス、此ノ中年功加俸及ビ特別加俸ニ付キマ
シテハ、從來國民學校〓育費國庫補助法ニ
依リマシテ、每年豫算ニ定ムル額ヲ補助シ
テ來タモノデアリマス、又賞與、死亡賜金
及ビ赴任旅費ハ全額地方費ノ負擔ニ屬シマ
シテ、國庫ハ別ニ直接財政上ノ援助ヲシナカ
ツタモノデアリマス、今囘是等經費ニ付キ
マシテモ、俸給費ト同樣ニ、國庫ニ於テ其ノ
半額ヲ負擔スルコトト致シマシテ、國民學
校職員ノ待遇ニ關スル地方費財源ヲ確實ニ
致シマスコトハ、國民〓育刷新振興上、洵
ニ喫緊ノ要務ト考ヘマシテ、此ノ改正法律
案ヲ提出スルニ至リマシタ次第デアリマス
尙ホ先ニ申述ベマシタ理由ニ依リマシテ、
國民學校〓育費國庫補助法ハ不要トナリマ
スノデ、之ヲ廢止セントスルモノデアリマ
ス、何卒御審議ノ上速カニ御協賛アランコ
トヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=40
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041・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=41
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042・森下國雄
○森下國雄君 日程第八及ビ第九ノ兩案ヲ
一括シテ議長指名二十七名ノ委員ニ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=42
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043・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=43
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044・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十及ビ第十一ハ便宜上一括議題トナスニ御
異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=44
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045・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十、農業團體法案、日程第
十一、水產業團體法案、右兩案ヲ一括シテ
第一讀會ヲ開キマス-井野農林大臣
第十農業團體法案(政府提出)
第一讀會
第十一水產業團體法案(政府提出)
第一讀會
農業團體法案
農業團體法
第一章總則
第一條農業團體ハ市町村農業會、道府
縣農業會、全國農業經濟會及中央農業
會トス
第二條農業團體ハ法人トス
第三條農業團體ハ行政官廳之ヲ監督ス
第四條農業團體ハ農業ニ關スル事項ニ
付行政廳ニ建議スルコトヲ得
農業團體ハ行政廳ノ諮問ニ對シ答申ス
ベシ
第五條行政官廳ハ農業團體ニ對シ農業
ニ關スル報〓書ノ提出及農業ニ關スル
事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第六條農業團體ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第七條本法ニ規定スルモノノ外農業團
體ノ設立、管理、解散、〓算其ノ他農
業團體ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第八條本法ニ於テ農業トハ耕作、養畜
(馬ニ關スルモノヲ除ク)又ハ養蠶ノ業
務及之ニ附隨スル業務ヲ謂フ
第九條樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ付
必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以テ特
例ヲ設クルコトヲ得
第二章市町村農業會及道府縣農
業會
第十條市町村農業會及道府縣農業會
(以下地方農業會ト稱ス)ハ農業ニ關ス
ル國策ニ卽應シ農業ノ整備發達ヲ圖リ
且會員ノ農業及經濟ノ發達ニ必要ナル
事業ヲ行フコトヲ目的トス
第十一條地方農業會ハ其ノ目的ヲ達ス
ル爲左ノ事業ヲ行フ
-農業ノ指導奬勵其ノ他與業ノ發達
ニ關スル施設
二農業ノ統制ニ關スル施設
三會員ノ販賣スル物ノ賣却又ハ其ノ
加工ニ關スル施設
四會員ニ必要ナル農業用物資ノ購買
又ハ其ノ加工若ハ生產ニ關スル施設
五會員ニ必要ナル農業資金ノ貸付又
ハ農業用設備ノ利用ニ關スル施設
六會員ノ貯金ノ受入ニ關スル施設
地方農業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲前項
ノ事業ノ外左ノ事業ヲ行フコトヲ得
-會員ニ必要ナル物ノ購買又ハ其ノ
加工若ハ生產ニ關スル施設
二會員ニ必要ナル資金ノ貸付又ハ設
備ノ利用ニ關スル施設
三農業ニ關スル調査及〓究
四農業ニ從事スル者ノ福利增進ニ關
スル施設
五前項又ハ前各號ノ事業ニ附帶スル
事業
地方農業會前項第四號又ハ第五號ノ事
業ヲ行ハントスルトキハ行政官廳ノ認
可ヲ受クベシ地方農業會ノ施設ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ會員以外ノ者ヲシテ
之ヲ利用セシムルコトヲ得道府縣農業
會ハ命令ヲ以テ定ムル金融機關ニ對シ
會員ノ爲ニ債務ノ保證ヲ爲シ又ハ當該
金融機關ノ委任ヲ受ケ其ノ債權ノ取立
ヲ爲スコトヲ得
道府縣農業會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ
會員ニ對シ手形ノ割引ヲ爲スコトヲ得
第十二條地方農業會ノ地區ハ市町村農
業會ニ在リテハ市町村(町村ニ準ズベ
キモノヲ含ム以下同ジ)、道店縣農業會
ニ在リテハ道府縣ノ區域ニ依ル
特別ノ事由アルトキハ市町村農業會ノ
地區ハ市町村ノ區域ニ依ラザルコトヲ
得
第十三條地方農業會ハ其ノ名稱中ニ
市、町若ハ村農業會又ハ道、府若ハ縣
農業會ナル文字ヲ用フベシ但シ前條第
二項ノ場合ニ於テハ市町村農業會ハ其
ノ名稱中ニ市、町又ハ村ナル文字ヲ用
ヒザルコトヲ得
地方農業會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中
ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得
ズ
第十四條市町村農業會ハ左ニ揭グル者
ヲ以テ其ノ會員トス但シ國、公共團體
及勅令ヲ以テ定ムル者ニ付テハ此ノ限
ニ在ラズ
一其ノ地區內ニ於テ農業ヲ營ム者
二其ノ地區內ノ耕地、牧野又ハ原野
ヲ所有スル者
三前二號ノ者ニ準ズル者ニシテ勅令
ヲ以テ定ムルモノ
道府縣農業會ハ其ノ地區內ノ市町村農
業會ヲ以テ其ノ會員トス
第十五條左ニ揭グル者ハ市町村農業會
ノ會員ト爲ルコトヲ得但シ其ノ者ガ法
人ナルトキハ命令ヲ以テ定ムル法人ニ
シテ行政官廳ノ認可ヲ受ケタルモノニ
限ル
-其ノ地區內ニ住所ヲ有スル者ニシ
テ農業ニ密接ナル關係ヲ有スルモノ
二其ノ他命令ヲ以テ定ムル者
道府縣農業會ノ地區內ニ住所ヲ有スル
法人ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ行
政官廳ノ認可ヲ受ケ當該道府縣農業會
ノ會員ト爲ルコトヲ得
第十六條地方農業會ヲ設立セントスル
トキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第十四條
ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者
ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會
ヲ開キ會則其ノ他設立ニ必要ナル事項
ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十七條地方農業會ハ主タル事務所ノ
所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リ
テ成立ス
第十八條地方農業會成立シタルトキハ
第十四條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ
有スル者ハ總テ其ノ會員トス
第十九條會則ニハ左ノ事項ヲ記載スル
コトヲ要ス
一目的及事業
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五出資又ハ費用分擔ノ方法
六其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第二十條地方農業會ニ總會ヲ置ク
會員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有
ス但シ會則ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
第二十一條左ノ事項ハ總會ノ議決ヲ經
ベシ
一會則ノ變更
二賦課金ノ賦課徵收方法
三事業報告書、財產目錄及貸借對照
表ノ承認
四剩餘金ノ處分又ハ損失ノ處理
五其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
前項第一號及第二號ノ事項ノ決議ハ行
政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ
效力ヲ生ゼズ
第二十二條總會ハ會長之ヲ招集ス
第二十三條總會ノ議長ハ會長ヲ以テ之
三作の
第二十四條總會ノ議事ハ命令ニ別段ノ
規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ議決
權ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナ
ルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十五條總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニ
シテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ
暇ナシト認ムルモノハ會長之ヲ專決處
分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總會ニ
於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第二十六條地方農業會ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設ク
ルコトヲ得
第二十七條地方農業會ニ左ノ役員ヲ置
會長一人
副會長一人又ハ若干人
理事若干人
監事若干人
道府縣農業會ニハ前項ノ役員ノ外會則
ノ定ムル所ニ依リ評議員若干人ヲ置ク
コトヲ得
第二十八條會長ハ地方農業會ヲ代表シ
業務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會則ノ定ムル所
ニ依リ業務ヲ掌理シ豫メ會長ノ定ムル
順位ニ依リ會長事故アルトキハ其ノ職
務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務
ヲ行フ
理事ハ會長及副會長ノ指揮ヲ受ケ業務
ヲ執行シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ
會長及副會長共ニ事故アルトキハ會長
ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員
ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ業務ノ執行及財產ノ狀況ヲ監査
ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ
會長ニ對シ意見ヲ具申ス
第二十九條會長ハ總會ニ於テ推薦シタ
ル者ニ就キ市町村農業會ニ在リテハ市
町村長(町村長ニ準ズベキモノヲ含ム)
ノ意見ヲ徵シ地方長官、道府縣農業會
ニ在リテハ地方長官ノ推薦ニ依リ主務
大臣之ヲ命ズ
副會長及理事(支部長タル道府縣農業
會ノ理事ヲ除ク)ハ總會ニ於テ推薦シ
タル者ニ就キ會長之ヲ選任ス
支部長タル道府縣農業會ノ理事ハ支部
區域内ノ市町村農業會ノ會長ヲ以テ組
織スル會議ニ於テ推薦シタル者ニ就キ
會長之ヲ選任ス
監事ハ總會ニ於テ之ヲ選任ス
評議員ハ農業ニ關シ學識經驗アル者ノ
中ヨリ會長之ヲ選任ス
道府縣農業會ノ副會長及理事ノ選任ハ
地方長官ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其
ノ效力ヲ生ゼズ
第三十條地方農業會ノ役員ノ任期ハ左
ノ通トス
會長三年
副會長三年
理事三年
國字幕二年
評議員二年
會長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖
モ副會長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ得
監事ハ任期中ト雖モ總會ニ於テ之ヲ解
任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル副會長又ハ理事ノ
解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザ
レバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十一條地方農業會ハ會則ノ定ムル
所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賦課ス
ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル經費賦課ハ第十一條
第一項第一號、第二號及同條第二項第
三號、第四號ノ事業竝ニ此等ノ事業ニ
關係アル範圍內ニ於ケル同項第五號ノ
事業ニ關シ勅令ヲ以テ定ムル經費ニ限ル
第三十二條地方農業會ハ前條第二項ノ
事業ヲ行フ爲特ニ必要アルトキハ命令
ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ノ全部又ハ
一部ニ對シ同條ノ規定ニ依ル賦課金ノ
外特別ノ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第三十三條地方農業會ハ會則ノ定ムル
所ニ依リ會則又ハ統制規程ニ違反シタ
ル會員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十四條市町村農業會ノ賦課金又ハ
過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ當
該市町村農業會ノ請求アルトキハ市町
村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此
ノ場合ニ於テ市町村農業會ハ其ノ徵收
金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
市町村ガ前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ
三十日以內ニ其ノ處分ニ着手セズ又ハ
九十日以內ニ之ヲ結了セザルトキハ會
長ハ地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ處分ス
ルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制第
百十一條第一項及第四項ノ規定ヲ準用
ス
前二項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
市町村農業會ノ賦課金ノ賦課又ハ過怠
金ノ徵收ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ異議ノ申立、訴願及行政訴訟ヲ爲
スコトヲ得
第三十五條地方農業會ハ會則ノ定ムル
所ニ依リ第三十一條第一一項ノ事業ニ關
シ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十六條會員ハ出資一口以上ヲ有ス
ベシ但シ第十四條第一項ノ規定ニ依ル
會員ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノハ此
ノ限ニ在ラズ
出資一口ノ金額ノ最高限ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第三十七條地方農業會ノ會員ニシテ出
資ヲ有スルモノノ責任ハ第三十一條及第
三十二條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其
ノ出資額ヲ限度トス
第三十八條道府縣農業會ハ會則ノ定ム
ル所ニ依リ郡ノ區域(北海道ニ在リテ
ハ北海道廳支廳長ノ管轄區域トス)若
ハ之ニ準ズベキ區域又ハ主務大臣ノ指
定スル市ノ區域ニ支部ヲ設置スルコト
ヲ得
支部長ハ理事ヲ以テ之ニ充ツ支部ノ事
務ヲ掌理ス
第三十九條地方農業會ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ總會ノ議決ヲ經テ農業ノ統制
ニ關スル規程ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ
受クベシ之ヲ變更シ又ハ廢止セントス
ルトキ亦同ジ
第四十條行政官廳農業ノ整備發達ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ地方農業
會ニ對シ必要ナル事業ノ施行ヲ命ジ又
ハ會則ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命
ズルコトヲ得
第四十一條行政官廳農業ノ整備發達ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ市町村
農業會ノ會員ニ對シ當該農業會ノ行フ
農業ニ關スル統制ニ從フベキコトヲ命
ズルコトヲ得
行政官廳農業ノ整備發達ヲ圖ル爲特ニ
必要アリト認ムルトキハ市町村農業會
ノ會員以外ノ者ニシテ勅イヲ以テ定ム
ルモノニ對シ當該農業會ノ行フ農業ニ
關スル統制ニ從フベキコトヲ命ズルコ
トヲ得
第四十二條行政官廳農業ノ整備發達ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ勅令ヲ
以テ定ムル農業ニ關スル團體ニ對シ市
町村農業會ノ事業ニ付協力スベキコト
ヲ命スルコトヲ得
第四十三條行政官廳ハ地方農業會ニ對
シ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命
令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十四條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ當該官吏ヲシテ地方農業會ノ事
務所、事業場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業
務ノ狀況又ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ
物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第四十五條會長ノ職務ヲ行フ者ナキト
キハ行政官廳ハ會員其ノ他適當ナル者
ヲ指定シテ會長ノ職務ヲ行ハシムルコ
トヲ得
第四十六條行政官廳ハ會長ノ行爲ガ法
令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會則ニ
違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキ其ノ他
農業ノ整備發達上會長ヲ不適當ナリト
認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
行政官廳ハ副會長、理事、監事又ハ評
議員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス
處分若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ
タルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
第四十七條行政官廳ハ地方農業會ノ決
議又ハ會長、副會長、理事若ハ監事ノ
行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若
ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルト
キハ其ノ決議ヲ取消シ、地方農業會ノ
業務ヲ停止シ又ハ地方農業會ノ解散ヲ
命ズルコトヲ得
第四十八條地方農業會ニハ所得稅、法
人稅及營業稅ヲ課セズ
第三章全國農業經濟會
第四十九條全國農業經濟會ハ農業ニ關
スル國策ニ卽應シ會員ノ事業ニ必要ナ
ル經濟事業ヲ行フコトヲ目的トス
第五十條全國農業經濟會ハ其ノ目的ヲ
達スル爲左ノ事業ヲ行フ
-會員ノ販賣スル物ノ賣却又ハ其ノ
加工ニ關スル施設
二會員ニ必要ナル物ノ購買又ハ其ノ
加工若ハ生產ニ關スル施設
三會員ニ必要ナル設備ノ利用ニ關ス
ル施設
四前各號ノ事業ニ附帶スル事業
全國農業經濟會前項第四號ノ事業ヲ行
ハントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受
クルノ
第五十一條全國農業經濟會ノ地區ハ全
國ノ區域ニ依ル
第五十二條全國農業經濟會ノ名稱ニハ
全國農業經濟會ナル文字ヲ用フベシ
全國農業經濟會ニ非ザルモノハ其ノ名
稱中ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコト
ヲ得ズ
第五十三條全國農業經濟會ハ道府縣農
業會ヲ以テ其ノ會員トス
市町村農業會ハ全國農業經濟會ノ會員
ト爲ルコトヲ得
第五十四條全國農業經濟會ニ左ノ役員
ヲ置ク
理事長一人
理事三人以上
監事二人以上
第五十五條理事長ハ農業ニ關シ學識經
驗アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
理事ハ總會ニ於テ推薦シタル者ニ就キ
理事長之ヲ選任ス
監事ハ總會ニ於テ之ヲ選任ス
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ選任ハ主務
大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效
力ヲ生ゼズ
第五十六條理事長及理事ハ他ノ職務又
ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務
大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ
在ラズ
第五十七條第十八條乃至第二十六條、
第二十八條第一項、第三項、第四項、
第三十條、第三十三條、第三十六條第
一項本文、第二項、第三十七條、第四
十條及第四十三條乃至第四十八條ノ規
定ハ全國農業經濟會ニ付之ヲ準用ス但
シ第十八條中第十四條トアルハ第五十
三條第一項トシ第二十二條、第二十三
條、第二十五條、第二十八條第一項、
第三十條、第四十五條、第四十六條及
第四十七條中會長トアルハ理事長トシ
第二十八條第三項中會長又ハ會長及副
會長トアルハ理事長トス
第四章中央農業會
第五十八條中央農業會ハ農業ニ關スル
國策ニ卽應シ農業ノ整備發達ヲ圖ルコ
トヲ目的トス
第五十九條中央農業會ハ其ノ目的ヲ達
スル爲左ノ事業ヲ行フ
一農業ノ指導奬勵其ノ他農業ノ發達
ニ關スル施設
二農業ノ統制ニ關スル施設
三農業ニ關スル調査及〓究
四農業ニ從事スル者ノ福利增進ニ關
スル施設
五前各號ノ事業ニ附帶スル事業
中央農業會前項第四號及第五號ノ事業
ヲ行ハントスルトキハ主務大臣ノ認可
ヲ受クベシ
第六十條中央農業會ノ名稱ニハ中央農
業會ナル文字ヲ用フベシ
中央農業會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中
ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得
ズ
第六十一條中央農業會ハ道府縣豊業會
及全國農業經濟會ヲ以テ其ノ會員トス
第六十二條左ノ事項ハ總會ニ諮リテ會
長之ヲ決ス
-會則ノ變更
二賦課金ノ賦課徵收方法
三收支豫算
前項第一號及第二號ノ事項ハ主務大臣
ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ
生ゼズ
第六十三條會長ハ每年總會ニ中央農業
會ノ事業ノ狀況ヲ報告シ監事ヲシテ財
產ノ狀況ヲ報告セシムベシ
第六十四條中央農業會ニ左ノ役員ヲ置
ク
會長一人
副會長二人以内
理事三人以上
監事二人以上
評議員若干人
第六十五條會長及副會長ハ農業ニ關シ
學識經驗アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ
命ズ
理事及評議員ハ農業ニ關シ學識經驗ア
ル者ノ中ヨリ會長之ヲ選任ス
監事ハ總會ニ於テ之ヲ選任ス
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ選任ハ主務
大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效
力ヲ生ゼズ
第六十六條第十八條、第十九條、第二
十條第一項、第二項本文、第二十二條
乃至第二十四條、第二十五條第一項、
第二十八條、第三十條、第三十一條第一
項、第三十二條、第三十三條、第三十五
候、第三十九條、第四十條、第四十三
條乃至第四十八條、第五十一條及第五
十六條ノ規定ハ之ヲ中央農業會ニ付準
用ス但シ第十八條中第十四條トアルハ
第六十一條トシ第三十一一條中前條第二
項トアルハ第五十九條第一項トシ第三
十五條中第三十一條第二項トアルハ第
五十九條第一項トシ第三十九條中總會
ノ議決ヲ經テトアルハ總會ニ諮リテト
シ第四十六條中會長トアルハ會長又ハ
副會長トシ副會長、理事、監事又ハ評
議員トアルハ理事、監事又ハ評議員ト
シ第五十六條中理事長トアルハ會長、
副會長トス
第五章罰則
第六十七條地方農業會ノ會長、副會
長、理事若ハ監事、全國農業經濟會ノ
理事長、理事若ハ監事又ハ第四十五條
(第五十七條ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム)ノ規定ニ依ル地方農業會ノ會長若ハ
全國農業經濟會ノ理事長ノ職務ヲ行フ
者何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ當該
團體ノ事業ノ範圍外ニ於テ貸付若ハ手
形ノ割引ヲ爲シ又ハ投機取引ノ爲ニ當
該團體ノ財產ヲ處分シタルトキハ二年
以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處
ス
前項ノ規定ハ刑法ニ正條アル場合ニハ
之ヲ適用セズ
第六十八條第四十一條ノ規定ニ依ル行
政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ三千圓
以下ノ罰金ニ處ス
第六十九條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ前條ノ違
反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ
人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ
其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
前條ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ
理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執
行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者
ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用
ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力
ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在
ラズ
第七十條第四十四條(第五十七條及第
六十六條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)
ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢査ヲ拒ミ、
妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ千圓以下ノ罰
金ニ處ス
第七十一條農業團體ノ會長、理事長、
副會長、理事、監事、〓算人若ハ使用人
又ハ第四十五條(第五十七條及第六十
六條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同
ジ)ノ規定ニ依ル會長若ハ理事長ノ職
務ヲ行フ者其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受
シ又ハ之ヲ要求シ若ハ約束シタルトキ
ハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行
爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルト
キハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第七十二條前條第一項ノ者ニ對シ賄賂
ヲ交付シ又ハ之ヲ提供シ若ハ約束シタ
ル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下
ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ
得
第七十三條農業團體本法若ハ本法ニ基
キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分
ニ違反シタルトキハ會長、理事長、會
長若ハ理事長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理ス
ル副會長若ハ理事、〓算人又ハ第四十
五條ノ規定ニ依ル會長若ハ理事長ノ職
務ヲ行フ者ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第七十四條全國農業經濟會ノ理事長若
ハ理事又ハ中央農業會ノ會長、副會長
若ハ理事第五十六條(第六十六條ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反
シ他ノ職務又ハ商業ニ從事シタルトキ
ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第七十五條第十三條第二項、第五十二
條第二項又ハ第六十條第二項ノ規定ニ
違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第七十六條本法施行ノ期日ハ各規定
付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第九十九條
ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七十七條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
中央農業會ノ設立ニ關スル事務ヲ處理
セシム
第七十八條主務大臣前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ帝國農會、產
業組合中央會、全國養蠶業組合聯合會
及勅令ヲ以テ定ムル法人ニ對シ其ノ解
散ヲ命ズ
前項ノ法人ハ中央農業會成立ノ時解散
スルモノトシ其ノ權利義務(其ノ法人
ガ其ノ行フ事業ニ關シ行政官廳ノ許
可、認可其ノ他ノ處分ニ基キ有スル權
利義務ヲ含ム)ハ中央農業會之ヲ承繼
ス此ノ場合ニ於テハ他ノ法令中解散及
〓算ニ關スル規定ハ之ヲ其ノ法人ニ適
用セズ
第七十九條設立委員ハ遲滯ナク前條第
一項ノ法人ヲ組織スル者ニシテ勅令ヲ
以テ定ムルモノノ總會ヲ招集シ之ニ諮
リテ會則其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ
定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第八十條中央農業會ハ主タル事務所ノ
所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リ
テ成立ス
第八十一條中央農業會成立シタルトキ
ハ第七十九條ニ規定スル者ハ第六十一
條ノ規定ニ拘ラズ總テ其ノ會員トス
第八十二條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
全國農業經濟會ノ設立ニ關スル事務ヲ
處理セシム
第八十三條主務大臣前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ保證責任全
國購買販賣組合聯合會ニ對シ其ノ解散
ヲ命ズ
第八十四條設立委員ハ遲滯ナク保證責
任全國購買販賣組合聯合會ヲ組織スル
者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノノ總會
ヲ招集シ其ノ議決ヲ經テ會則、保證責
任全國購買販賣組合聯合會ノ出資ニ對
スル全國農業經濟會ノ出資ノ引當其ノ
他設立ニ必要ナル事項ヲ定メ主務大臣
ノ認可ヲ受クベシ
第八十五條全國農業經濟會成立シタル
トキハ保證責任全國購買販賣組合聯合
會ヲ組織スル者ハ第五十三條ノ規定ニ
拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ總テ其ノ
會員トス
第八十六條第七十八條第二項及第八十
條ノ規定ハ全國農業經濟會ニ付之ヲ準
用ス
第八十七條行政官廳地方農業會ヲ設立
スル爲必要アリト認ムルトキハ設立委
員ヲ命ジ地方農業會ノ設立ニ關スル事
務ヲ處理セシム
第八十八條行政官廳前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ道府縣農業
會ヲ設立スル場合ニ在リテハ勅令ヲ以
テ定ムルモノヲ除クノ外郡又ハ道府縣
ノ區域ヲ地區又ハ區域トスル農會、茶
業組合、茶業組合聯合會議所、畜產組
合、畜產組合聯合會、產業組合聯合會、
養蠶業組合、養蠶業組合聯合會其ノ他
勅令ヲ以テ定ムル法人ニ對シ、市町村農業
會ヲ設立スル場合ニ在リテハ勅令ヲ以
テ定ムルモノヲ除クノ外市町村ノ區域
ヲ地區又ハ區域トスル農會、產業組合
其ノ他勅令ヲ以テ定ムル法人ニ對シ其
ノ解散ヲ命ズ
第八十九條設立委員ハ遲滯ナク道府縣
農業會ヲ設立スル場合ニ在リテハ前條
前段ニ用定スル法人ヲ組織スル者ニシ
テ勅令ヲ以テ定ムルモノ、市町村農業
會ヲ設立スル場合ニ在リテハ同條後段
ニ規定スル法人ヲ組織スル者ニシテ勅
令ヲ以テ定ムルモノノ總會ヲ招集シ其
ノ議決ヲ經テ會則、產業組合聯合會、
產業組合其ノ他勅令ヲ以テ定ムル法人
ノ出資ニ對スル道府縣農業會又ハ市町
村農業會ノ出資ノ引當其ノ他設立ニ必
要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受
クベシ
第九十條地方農業會成立シタルトキハ
道府縣農業會ニ在リテハ第八十八條前
段ニ規定スル法人ヲ組織スル者ニシテ
勅令ヲ以テ定ムルモノ、市町村農業會
ニ在リテハ同條後段ニ規定スル法人ヲ
組織スル者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモ
ノハ第十四條又ハ第十五條ノ規定ニ拘
ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ總テ其ノ會
員トス
第九十一條第七十八條第二項及第八十
條ノ規定ハ地方農業會ニ付之ヲ準用ス
第九十二條行政官廳地方農業會ヲ設立
スル爲必要アリト認ムルトキハ典會、
畜產組合、畜產組合聯合會其ノ他勅令
ヲ以テ定ムル法人ニ對シ他ノ法令ノ規
定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
分割ヲ命ズルコトヲ得
第九十三條第七十七條乃至前條ニ規定
スルモノノ外農業團體ノ設立竝ニ第七
十八條第一項、第八十三條及第八十八
條ノ法人(以下受命法人ト稱ス)ノ解散
ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ
定ム
第九十四條第七十七條乃至前條ノ規定
ニ依リ農業團體成立シタル場合ニ於テ
其ノ農業團體ニ權利義務ヲ承繼セラレ
タル受命法人ヲ組織スル者ト當該農業
團體トノ間又ハ當該受命法人ノ所屬シ
タル法人ト當該農業團體トノ間ノ所屬
其ノ他ノ關係ニ付テハ本法及他ノ法令
ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコ
トヲ得
第九十五條受命法人ノ行フ第十一條第
二項第四號、第五號、第五十條第一項
第四號又ハ第五十九條第一項第四號、
第五號ニ揭グル事業ヲ第七十八條第二
項(第八十六條又ハ第九十一條ニ於テ
準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ當
該受命法人ノ權利義務ヲ承繼シタル農
業團體ガ引續キ行フ場合ニ於テハ當該
農業團體ハ當該專業ニ關シ第十一條第
三項、第五十條第二項又ハ第五十九條
第二項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモ
ノト看做ス
第九十六條第十三條、第五十二條又ハ
第六十條ノ規定施行ノ際現ニ第十三條
第一項、第五十二條第一項又ハ第六十
條第一項ニ掲グル名稱ヲ其ノ名稱中ニ
用フル者ハ此等ノ規定施行後六月以內
ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第七十五條ノ規定ハ前項ノ期間内之ヲ
同項ノ者ニ適用セズ
第九十七條典業團體第七十八條第二項
(第八十六條又ハ第九十一條ニ於テ準
用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ受命
法人ヨリ不動產又ハ船舶ニ關スル權利
ヲ承繼スル場合ニ於ケル其ノ取得ニ付
登記ヲ受クルトキハ其ノ登錄稅ノ額ハ
不動產又ハ船舶ノ價格ノ千分ノ三トス
但シ登錄稅法ニ依リ算出シタル登錄稅
ノ額ガ本法ニ依リ算出シタル稅額ヨリ
少キトキハ其ノ額ニ依ル
第九十八條全國農業經濟會又ハ地方農
業會ガ第八十六條又ハ第九十一條ニ於
テ準用スル第七十八條第二項ノ規定ニ
依リ產業組合聯合會又ハ產業組合ノ權
利義務ヲ承繼スル場合ニ於テハ特別法
人稅法ノ適用ニ關シテハ產業組合聯合
會又ハ產業組合ハ之ヲ合併ニ因リテ消
滅シタル特別ノ法人ト看做シ全國農業
經濟會又ハ地方農業會ハ之ヲ合併ニ因
リテ設立シタル特別ノ法人ト看做ス
全國農業經濟會又ハ地方農業會ガ第八
十六條又ハ第九十一條ニ於テ準用スル
第七十八條第二項ノ規定ニ依リ受命法
人ヨリ承繼シタル財產ニ付テハ特別法
人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金
ニ算入セズ
第九十九條農會、養蠶業組合、道府縣
養蠶業組合聯合會及全國養蠶業組合聯
合會ノ役員、總代、議員、特別議員又
ハ豫備議員ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ
除クノ外其ノ任期滿了シタルトキト雖
モ第七十八條第二項(第八十六條又ハ第
九十一條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)
ノ規定ニ依ル當該法人ノ解散ニ至ル迄
仍在任ス
第百條左ニ揭グル法令ハ之ヲ廢止ス
-農會法
二茶業組合規則
前項ノ法令廢止前當該法令ノ罰則ヲ適
用スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例
一代八
第一項ノ法令ノ廢止ニ關シ必要ナル規
定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百一條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十一號中「產業組合」ノ
上ニ「市町村農業會、、道府縣農業會、」
ヲ、同項第十二號中「產業組合聯合會」
ノ上ニ「道府縣農業會、全國農業經濟
會、」ヲ加フ
第五條第六號中「產業組合」ノ上ニ「市
町村農業會、」ヲ、同條第九號中「產業組
合」ノ上ニ「市町村農業會、道府縣農業
會、」ヲ加フ
第百二條日本勸業銀行法中左ノ通改正
ス
「產業債劵」ヲ「農林債劵」ニ、「產業組合
中央金庫」ヲ「農林中央金庫」ニ改ム
第百三條牧野法中左ノ通改正ス
「畜產組合」ヲ「馬匹組合」ニ、「畜產組
合聯合會」ヲ「馬匹組合聯合會」二氏人
第百四條登錄稅法中左ノ通改正ス
第六條第一項第十一號中「產業債劵」
ヲ「農林債劵」ニ改ム
第十九條第七號中「產業組合」ノ上ニ
「農業團體、」ヲ、「產業組合法」ノ上ニ「農
業團體法、」ヲ加へ「產業組合中央會、」
マリ
同條第十五號及第十六號中「產業組合
中央金庫」ヲ「市町村農業會、農林中央
金庫」ニ改ム
第百五條特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條中第一號ヲ第一號ノ二、第一號
ノ二ヲ第一號ノ二ノ二トシ第一號トシ
テ左ノ如ク加フ
-市町村農業會、道府縣農業會及
全國農業經濟會
同條第八號ヲ左ノ如ク改ム
八農林中央金庫
第百六條貯蓄銀行法中左ノ通改正ス
第五條第四號及第五號中「公共團體」ノ
下ニ「、市町村農業會」ヲ加フ
第百七條畜產組合法中左ノ通改正ス
「畜產組合法」ヲ「馬匹組合法」ニ改ム
「畜產組合」ヲ「馬匹組合」ニ、「畜產組
合聯合會」ヲ「馬匹組合聯合會」ニ改ム
第一條削除
第二條中「家畜」ヲ「馬」ニ改ム
第三條及第四條中「畜產上ノ」ヲ「馬產
上ノ」ニ改ム
第五條中「家畜」ヲ「馬」ニ、「家畜衞生」
ヲ「馬ノ衞生」ニ改ム
第六條第二項中「家畜又ハ」ヲ削ル
第九條中「種畜」ヲ「種馬」ニ、「家畜ノ
系統」ヲ「馬ノ系統」ニ、「家畜衞生」ヲ
「馬ノ衞生」ニ改ム
第十條第二項中「家畜又ハ」ヲ、同條第
三項中「家畜若ハ」ヲ削ル
第十一條第一項中「家畜、畜產物又ハ
畜產上ノ設備」ヲ「馬又ハ馬產上ノ設
備」ニ改ム
第二十八條中「畜產上ノ」ヲ「馬產上ノ」
三分六
第三十一條第一項中「第二項ノ場合ヲ
除クノ外」ヲ削ル
同條第二項及第三項ヲ削ル
第三十六條及第三十九條第一項第二號
中「家畜若ハ」ヲ削ル
第四十四條第二項ヲ削ル
第百八條臨時農村負債處理法中左ノ通
改正ス
「產業組合中央金庫」ヲ「農林中央金庫」
ニバン
第十一條第二項中「所屬信用組合」ノ
上ニ「所屬市町村農業會若ハ」ヲ、「組合
員」ノ上ニ「會員若ハ」ヲ、「信用組合」
ノ上ニ「市町村農業會又ハ」ヲ加フ
第十三條中「產業組合中央金庫特別融
通及損失補償法」ヲ「農林中央金庫特別
融通及損失補償法」ニ改ム
第百九條臨時資金調整法中左ノ通改正
ス
第二條中「產業組合中央金庫」ヲ「農林
中央金庫」ニ改メ「戰時金融金庫」ノ下
ニ、「道府縣農業會」ヲ加フ
第百十條家畜市場法中左ノ通改正ス
第三條第二項中「產牛馬組合法ニ依リ
設置シタル組合」ヲ「馬匹組合、馬匹組
合聯合會、市町村農業會若ハ道府縣農
業會」ニ改ム
第四條中「產牛馬組合法ニ依リ設置シ
タル組合」ヲ「馬匹組合、馬匹組合聯合
會、市町村農業會又ハ道府縣農業會」ニ
改ム
第百十一條農村負債整理組合法中左ノ
通改正ス
第八條第一項中「信用組合」ノ上ニ규
町村農業會、」ヲ加フ
第二十四條第一項中「、第百七十五條乃
至第百七十七條及第二百六條乃至第二
百八條」ヲ「及第百七十五條乃至第百七
十七條」ニック、
第百十二條農村負債整理資金特別融通
及損失補償法中左ノ通改正ス
「產業組合中央金庫」ヲ「農林中央金庫」
ニ、「產業組合中央金庫特別融通及損失
補償法」ヲ「農林中央金庫特別融通及損
失補償法」二六六
第一條第一項中「負債整理組合又ハ農
村負債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ
負債整理事業ヲ行フ法人」ヲ「負債整理
組合、農村負債整理組合法第八條ノ規
定ニ依リ負債整理事業ヲ行フ法人又ハ
命令ノ定ムル所ニ依リ負債ノ整理ヲ爲
ス者」二錢五.
同條第二項中「所屬信用組合」ノ上ニ
「所屬市町村農業會若ハ」ヲ、「信用組
合」ノ上ニ「市町村農業會又ハ」ヲ加へ「其
ノ組合員タル負債整理組合若ハ農村負
債整理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債
整理事業ヲ行フ法人」ヲ「其ノ會員若ハ
組合員タル負債整理組合、農村負債整
理組合法第八條ノ規定ニ依リ負債整理
事業ヲ行フ法人若ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ負債ノ整理ヲ爲ス者」ニ改ム
第百十三條農業保險法中左ノ通改正ス
「市農會又ハ町村農會」ヲ「市町村農業
會」ニ改ム
第百十四條農業動產信用法中左ノ通改
正ス
「信用組合」ノ上ニ「市町村農業會、」ヲ
加フ
第百十五條農業倉庫業法中左ノ通改正
ス
第一條第一項第二號中「販賣組合」ノ上
ニ「市町村農業會、道府縣農業會、」ヲ
加フ
第四條第一項中「產業組合、農會」ヲ「市
町村農業會、產業組合」ニ改ム
同條第二項中「產業組合聯合會」ノ上ニ
「道府縣農業會又ハ」ヲ加フ
第五條第一項中「產業組合又ハ」ヲ「市
町村農業會若ハ道府縣農業會又ハ產業
組合若ハ」ニ改メ「產業組合法」ノ上ニ
「農業團體法又ハ」ヲ加フ
同條第二項中「前項ノ產業組合又ハ」ヲ
「前項ノ市町村農業會若ハ道府縣農業
會又ハ產業組合若ハ」ニ、「組合員又ハ」
ヲ「會員又ハ組合員、」ニ改ム
同條第三項中「農會又ハ」ヲ削ル
第十八條第二項ヲ削ル
第十九條第二項及第三項中「販賣組合」
ノ上ニ「市町村農業會、道府縣農業會、
全國農業經濟會、」ヲ加フ
第二十條中「產業組合聯合會」ノ上ニ
「道府縣農業會、全國農業經濟會又ハ」
フルタ
第二十一條第一項中「產業組合聯合會」
ノ上ニ「道府縣農業會、全國農業經濟
會又ハ」ヲ、「產業組合法」ノ上ニ「農業
團體法又ハ」ラ加フ
同條第二項中「產業組合聯合會ハ所屬
組合又ハ所屬聯合會ノ爲ニ前項ノ事業
ヲ爲スノ外附隨トシテ」ヲ「道府縣農業
會若ハ全國門業經濟會又ハ產業組合聯
合會ハ所屬會員又ハ所屬組合若ハ所屬
聯合會ノ爲ニ前項ノ事業ヲ爲スノ外附
隨トシテ所屬會員ニ非ザル市町村農業
會道府縣農業會、全國農業經濟會、」
三原八、
第百十六條軍馬資源保護法中左ノ通改
正ス
第八條第一項中「畜產組合聯合會、畜產
組合」ヲ「馬匹組合聯合會、馬匹組合」
IN、同條第二項中「命令ヲ以テ定ムル
畜產組合聯合會又ハ道府縣ノ區域ニ依
ル畜產組合」ヲ「馬匹組合聯合會又ハ道
府縣ノ區域ニ依ル馬匹組合」三六九
第十一條第二項及第三項ヲ削ル
第十二條乃至第十五條削除
第十七條中「又ハ軍用保護馬鍛鍊中央
會」ヲ削ル
第三十一條中「軍用保護馬鍛鍊中央會
ノ役員又ハ」ヲ削ル
第三十七條第二項及第三項ヲ削ル
附則第二項ヲ削ル
第百十七條國民貯蓄組合法中左ノ通改
正ス
第一條第三號及第二條第一項第四號中
「產業組合」ノ上ニ「市町村農業會、」ヲ
加フ
第四條第一項中「產業組合貯金」ノ上ニ
「市町村農業會貯金、」ヲ加フ
第百十八條產業組合法中左通ノ改正ス
「第九章產業組合聯合會及產業組合
中央會」ヲ「第九章產業組合聯合會」
三六人
第七十六條第二項本文中「產業組合」ノ
上ニ「市町村農業會、道府縣農業會、」
ヲタン
第七十六條ノ二中「產業組合中央金庫一
ヲ「農林中央金庫」ニ改ム
第八十二條乃至第九十二條削除
第九十三條ノ三中「又ハ第八十三條第
二項」ヲ削ル
第九十四條削除
第九十六條中「及產業組合中央會」ヲ
削ル
第九十七條中「、產業組合聯合會登記簿
及產業組合中央會登記簿」ヲ「及產業組
合聯合會登記簿」ニ改ム
第九十八條第二項第一號中「、產業組合
聯合會又ハ產業組合中央會」ヲ「又ハ產
業組合聯合會」ニ改ム
第百五條中「、產業組合聯合會及產業組
合中央會」ヲ「及產業組合聯合會」己文
ム
第百十九條產業組合中央金庫法中左ノ
通改正ス
「產業組合中央金庫法」ヲ「農林中央金
庫法」ニ改ム
「產業組合中央金庫」ヲ「農林中央金庫」
二、「產業組合中央金庫監理官」ヲ農
林中央金庫監理官」ニ、「產業債劵」ヲ
「農林債券」ニ改ム
第二條第三項中「產業組合聯合會」ノ上
ニ「道府縣農業會、」ヲ加フ
第五條第一項中「政府、」ノ下ニ「全國農
業經濟會、道府縣農業會、市町村農業
會出資ヲ爲サシムル森林組合聯合會
若ハ森林組合、」ヲ加フ
第十二條第一項中「三十名以內」ヲ「三
十五名以內」ニ改メ「產業組合關係者」
ノ上ニ「農業團體關係者、森林組合關
係者、」ヲ加フ
第十三條第一號中「所屬產業組合聯合
會」ノ上ニ「所屬全國農業經濟會、所屬道
府縣農業會、所屬市町村農業會、所屬森
林組合聯合會、所屬森林組合、」ヲ加フ
同條第二號中「所屬產業組合聯合會」ノ
上「所屬全國農業經濟會、所屬道府
縣農業會、所屬市町村農業會、所屬森
林組合聯合會、所屬森林組合、」ヲ、「三
十箇年以內」ノ下ニ「(所屬森林組合聯
合會又ハ所屬森林組合ニ對シ貸付ヲ爲
ス場合ニ於テハ五十箇年以內)」ヲ加フ
同條第三號、第四號、第六號及第七號
中「所屬產業組合聯合會」ノ上ニ「所屬
全國農業經濟會、所屬道府縣農業會、
所屬市町村農業會、所屬森林組合聯合
會所屬森林組合、」ヲ加フ
同條第五號中「產業組合聯合會」ノ上
ニ「全國農業經濟會、道府縣農業會、市
町村農業會、森林組合聯合會、森林組
合、」ヲ加フ
第十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
農林中央金庫ハ所屬森林組合聯合會
又ハ所屬森林組合ニ對シ貸付ヲ爲ス
場合ニ於テハ擔保ヲ徵シテ二十箇年
以內ノ定期償還貸付ヲ爲スヒトヲ得
第十五條第一項第二號中「主務大臣ノ
認可ヲ受ケタル」ヲ削リ同項第三號及第
四號中「產業組合聯合會」ノ上ニ「全國農
業經濟會、道府縣農業會、市町村農業
會、森林組合聯合會、森林組合、」ヲ加フ
第三十條削除
第三十五條削除
第百二十條產業組合中央金庫特別融通
及損失補償法中左ノ通改正ス
「產業組合中央金庫特別融通及損失補
償法」ヲ「農林中央金庫特別融通及損失
補償法」ニ改ム
「產業組合中央金庫」ヲ「農林中央金庫」
ニ、「產業組合中央金庫法」ヲ「農林中
央金庫法」ニ、「產業債劵」ヲ「農林債
劵」ニ改ム
第一條中「所屬信用組合聯合會」ノ上ニ
「所屬道府縣農業會、所屬市町村農業
會、」ヲ加フ
第百二十一條產業組合自治監査法中左
ノ通改正ス
「產業組合自治監査法」ヲ「農業團體自
治監査法」ニ改ム
「產業組合監査聯合會ヲ「農業團體監査
聯合會」ニ、「產業組合監査員」ヲ「農業
團體監査員」ニ、「產業組合」ヲ「農業團
體」ニ、「當該產業組合」ヲ「當該農業團
體」ニ改ム
第一條第二項中「產業組合聯合會」ノ上
ニ「產業組合及」ヲ加フ
第八條中「產業組合中央會及產業組合
中央金庫」ヲ「農林中央金庫」ニ改ム
第九條第四項ヲ削ル
第百二十二條蠶絲業組合法中左ノ通改
正ス
第一條中「六種」ヲ「五種」ニ、同條第一
號ヲ左ノ如ク改ム
削除
第七條第一項中「養蠶業組合、」ヲ削ル
「第二節養蠶業組合」ヲ「第二節養
蠶實行組合」ニ改ム
第十六條乃至第十八條削除
第二十七條乃至第四十條削除
第四十一條第二項ヲ削ル
第四十三條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ區域ニ增減アリタルトキハ其
ノ區域ヲ地區トスル蠶種業組合ノ地區
モ亦之ニ應ジテ增減アリタルモノト
ス
第四十四條ノ二ヲ第四十四條ノ七トシ第
四十四條ノ三ラ第四十四條ノ十三トス
第四十四條ノ二蠶種業組合ヲ設立セン
トスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ地區內ノ前條ニ揭グル者ノ三分ノ二
以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款
ヲ議定シ役員ヲ選任シ收支豫算及經費
ノ分賦收入方法ヲ議決シ行政官廳ノ認
可ヲ受クベシ
前項ノ創立總會ノ決議ニ關シ必要ナル
事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十四條ノ三蠶種業組合ハ設立ノ認
可ヲ受ケタル時成立ス
第四十四條ノ四〓種業組合成立シタル
トキハ其ノ地區內ノ組合員タル資格ヲ
有スル者ハ總テ其ノ組合員トス
第四十四條ノ五蠶種業組合ノ地區內ニ
於テ蠶種製造業ニ關スル事業ヲ行フ法
人ニシテ命令ヲ以テ規定スルモノハ蠶
種業組合ノ組合員ト爲ルコトヲ得
第四十四條ノ六主務大臣必要アリト認
ムルトキハ區域ヲ指定シ組合員タル資
格ヲ有スル者ニ對シ〓種業組合ノ設立
ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル設立ニ關シ必要ナル
事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十四條ノ八左ニ揭グル事項ハ總會
ノ議決ヲ經ベシ
一收支豫算
二經費ノ分賦收入方法
三命令ヲ以テ規定スル統制ニ關スル
施設
四事業報〓及收支決算
五借入金
六基本財產ノ造成、管理及處分
七定款ノ變更
八役員ノ選任及解任
九第六十五條ノ議員ノ選任及解任
十第六十三條第一項ノ同意
前項第一號乃至第三號、第五號、第七
號及第八號ニ揭グル事項ノ決議ハ行政
官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效
力ヲ生ゼズ
第四十四條ノ九總會ハ組合長之ヲ招集
ス
組合員ハ總組合員ノ三分ノ一以上ノ同意
ヲ得テ會議ノ目的タル事項及招集ノ事
由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ總會ノ招
集ヲ請求スルコトヲ得
組合長正當ノ事由ナクシテ前項ノ規定
ニ依ル請求アリタル後二週間以内ニ總
會ヲ招集セザルトキハ請求者ハ行政官
廳ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
前三項ノ規定ニ依リ總會ヲ招集スルコ
ト能ハザルトキハ行政官廳ハ組合員ヲ
指定シテ總會ヲ招集セシムルコトヲ得
第四十四條ノ十總會ノ議事ハ本法ニ別
段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ
過半數ヲ以テ之ヲ可否同數ナルトキハ
議長ノ決スル所ニ依ル
第四十四條ノ十一第四十四條ノ八第一
項第三號、第七號及第八號ニ揭グル事
項ハ總會ニ於テ組合員ノ半數以上出席
シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議
決ス
定款ノ變更ガ地區ノ增減ニ關スルトキ
ハ前項ノ規定ニ依ル議決ノ外新ニ編入
セラレ又ハ削除セラルベキ區域內ノ組
合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員ノ
第四十四條ノ二第一項ノ規定ニ準ズル
同意アルコトヲ要ス
第四十四條ノ十二總會ノ議決ヲ經ベキ
事項ニシテ輕微ナルモノニ付テハ定款
ノ定ムル所ニ依リ書面ヲ以テ組合員ノ
意見ヲ徵シ總會ノ議決ニ代フルコトヲ得
第四十四條ノ十四蠶種業組合ニ組合長
一人ヲ置ク
〓種業組合ハ前項ノ役員ノ外定款ノ定
ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
前二項ノ役員ハ組合員中ヨリ之ヲ選任
ス但シ特別ノ事由アルトキハ其ノ他ノ
者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第四十四條ノ十五組合長ハ蠶種業組合
ヲ代表シ組合ノ事務ヲ總理ス
第四十五條總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニ
シテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ
暇ナシト認ムルモノハ組合長定款ノ定
ムル所ニ依リ之ヲ專決處分スルコトヲ
得
前項ノ場合ニ於テハ組合長ハ次ノ總會
ニ於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第四十八條第二項中「第十七條第二項」ヲ
「第四十三條第二項」ニ改ム
第四十九條中「產業組合」ノ上ニ「市町村
農業會、道府縣農業會、」ヲ加フ
第五十一條第四十四條ノ二乃至第四十
四條ノ四、第四十四條ノ六乃至第四十
四條ノ十二及第四十四條ノ十四乃至第
四十五條ノ規定ハ產業組合製絲組合及
製絲業組合ニ之ヲ準用ス
第四十四條ノ五及第四十四條ノ十三ノ
規定ハ製絲業組合ニ之ヲ準用ス
第五十三條第二項中「第十七條第二項」ヲ
「第四十三條第二項」ニ改ム
第五十六條第四十四條ノ二乃至第四十
四條ノ四、第四十四條ノ六乃至第四十
四條ノ十二及第四十四條ノ十四乃至第
四十五條ノ規定ハ生絲問屋業組合及生
絲輸出業組合ニ之ヲ準用ス但シ第四十四
條ノ八第一項中第六十五條トアルハ之
ヲ第六十五條又ハ第七十六條トシ第六
十三條第一項トアルハ之ヲ第六十三條
第一項又ハ第七十五條第一項トス
第五十七條中「七種」ヲ「五種」ニ改メ同條
第一號及第二號ヲ左ノ如ク改ム
-削除
二削除
第五十八條中「又ハ道府縣養蠶業組合聯
合會」ヲ削ル
第六十條蠶絲業組合聯合會ノ地區ハ全
國ノ區域ニ依ル
第六十一條第一項中「道、府若ハ縣養蠶業
組合聯合會、全國養蠶業組合聯合會、」ヲ
削ル
第六十二條全國蠶種業組合聯合會ハ蠶
種業組合及蠶種ノ製造ヲ業トスル者ニ
シテ命令ヲ以テ規定スルモノヲ以テ、
全國產業組合製絲組合聯合會ハ產業組
合製絲組合及製絲ヲ爲シ又ハ製絲工場
ヲ有スル市町村農業會、道府縣農業會、
產業組合又ハ產業組合聯合會ニシテ命
令ヲ以テ規定スルモノヲ以テ、全國製
絲業組合聯合會ハ製絲業組合及生絲ノ
製造ヲ業トスル者ニシテ命令ヲ以テ規
定スルモノヲ以テ、全國生絲問屋業組
合聯合會ハ生絲問屋業組合ヲ以テ、全
國生絲輸出業組合聯合會ハ生絲輸出業
組合ヲ以テ其ノ會員トス
第六十三條第二項中「第三十六條第一項」
ヲ「第四十四條ノ十一第一項」ニ改ム
第六十八條第四條乃至第六條、第九條
第一項、第十條、第十二條乃至第十四
條第四十四條ノ三、第四十四條ノ六、
第四十四條ノ八乃至第四十四條ノ十、
第四十四條ノ十一第一項、第四十四條
ノ十二及第四十五條ノ規定ハ蠶絲業組
合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第四十四條
ノ八第一項中第六十五條トアルハ之ヲ
第七十六條トシ第六十三條第一項トア
ルハ之ヲ第七十五條第一項トス
第七十四條第一項中「第五十七條第二號
乃至第七號ノ」ヲ削リ同條ニ左ノ一項ヲ
加フ
前二項ニ揭グル者ノ外蠶絲業ニ關係ア
ル法人ハ其ノ會員ト爲ルコトヲ得
第七十五條第二項及第七十八條第三項中
「第三十六條第一項」ヲ「第四十四條ノ十
一第一項」三藏人
第七十九條第四條乃至第六條、第九條
第一項、第十二條乃至第十四條、第四
十四條ノ三、第四十四條ノ八乃至第四
十四條ノ十、第四十四條ノ十一第一項、
第四十四條ノ十二、第四十五條、第六
十四條及第六十七條ノ規定ハ日本中央
蠶絲會ニ之ヲ準用ス
第百二十三條漁業法中左ノ通改正ス
第四十四條ノ二中「產業組合中央金庫」
ヲ「農林中央金庫」ニ改ム
第百二十四條郵便貯金法中左ノ通改正
ス
第四條第三號中「產業組合又ハ產業組
合中央金庫」ヲ「市町村農業會、道府縣
農業會、全國農業經濟會、產業組合、
產業組合聯合會又ハ農林中央金庫」ニ
改ム
第百二十五條所得稅法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第五號中「產業組合貯
金」ノ上ニ「市町村農業會貯金、」ヲ加フ
第二十一條第三項中「產業組合貯金」ノ
上ニ「市町村農業會貯金、」ヲ、「產業組
合」ノ上ニ「市町村農業會、」ヲ加フ
第百二十六條種馬統制法中左ノ通改正
ズ
第二條第二項中「畜產組合、畜產組合聯
合會」ヲ「馬匹組合、馬匹組合聯合會」ニ
改ム
第十條及附則第八項中「畜產組合又ハ
畜產組合聯合會」ヲ「馬匹組合又ハ馬匹
組合聯合會」ニ改ム
第百二十七條森林法中左ノ通改正ス
第七十四條ノ六第七十四條ノ三第一
項ノ規定ニ依リ出資ヲ爲サシムル森
林組合聯合會ハ日本勸業銀行、日本
興業銀行、北海道拓殖銀行、農工銀
行又ハ農林中央金庫ニ對シ所屬組合
又ハ所屬聯合會ノ爲ニ債務ノ保證ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ債務ノ保證ヲ爲シ
タルトキハ同項ノ森林組合聯合會ハ
銀行又ハ農林中央金庫ノ委任ヲ受ケ
〓ノノ權權ノ取立ヲ爲スコトヲ得
第百二十八條信託業法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第六號中「公共團體」ノ
下ニ「、市町村農業會」ヲ加フ
第二十三條削除
第百二十九條製絲業法中左ノ通改正ス
第一條第二項中「產業組合」ノ上ニ「市
町村農業會、道府縣農業會、」ヲ加フ
第百三十條昭和十五年法律第九十一一號
中左ノ通改正ス
第二條中「畜產組合、畜產組合聯合會」
ヲ「馬匹組合、馬匹組合聯合會、市町村
農業會、道府縣農業會」ニ改ム
第百三十一條第百七條、第百十六條、
第百十八條又ハ第百十九條ノ規定施行
前此等ノ規定ニ依ル改正ニ係ル畜產組
合法、軍馬資源保護法、產業組合法又
ハ產業組合中央金庫法ノ罰則ヲ適用ス
ベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ依
ル
第百七條、第百十八條又ハ第百二十二
條ノ規定ノ施行ニ關シ必要ナル規定ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百三十二條本法ニ規定スルモノノ外
本法ノ施行ニ關シ必要ナル規定ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
水產業團體法案
水產業團體法
第一章總則
第一條水產業團體ハ漁業會、製造業會、
道府縣水產業會及中央水產業會トス
第二條水產業團體ハ法人トス
第三條水產業團體ハ行政官廳之ヲ監督
ス
第四條水產業團體ハ其ノ名稱中ニ漁業
會製造業會、道府縣水產業會又ハ中
央水產業會ナル文字ヲ用フベシ
水產業ニ關スル事業ヲ行フモノニシテ
水產業團體ニ非ザルモノハ其ノ名稱中
ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得
ズ
第五條水產業團體ハ水產業ニ關スル事
項ニ付行政廳ニ建議スルコトヲ得
水產業團體ハ行政廳ノ諮問ニ對シ答申
スベシ
第六條行政〓廳ハ水產業團體ニ對シ水
產業ニ關スル〓〓書ノ提出及水產業ニ
關スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第七條水產業團體ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第八條本法ニ規定スルモノノ外水產業
團體ノ設立、管理、解散、〓算其ノ他
水產業團體ニ關シ必要ナル事項ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第九條本法ニ於テ漁業トハ營利ノ目的
ヲ以テ水產動植物ノ採捕又ハ養殖ヲ業
トスルヲ謂フ但シ母船式漁業其ノ他命
令ヲ以テ定ムル漁業ハ之ヲ含マズ
本法ニ於テ漁業者トハ漁業ヲ爲ス者及
漁業權又ハ入漁權ヲ有スル者ヲ謂フ
第十條樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ付
必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以テ特
例ヲ設クルコトヲ得
第二章漁業會
第十一條漁業會ハ水產業ニ關スル國策
ニ卽應シ漁業ノ整備發達ヲ圖リ且漁業
權若ハ入漁權ヲ取得シ又ハ漁業權ノ貸
付ヲ受ケ會員ノ漁業及經濟ノ發達ニ必
要ナル事業ヲ行フコトヲ目的トス
第十二條漁業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲
左ノ事業ヲ行フ
一漁業ノ指導奬勵其ノ他漁業ノ發達
ニ關スル施設
二漁業ノ統制ニ關スル施設
三水產動植物ノ蕃殖保護、漁場ノ利
用其ノ他會員ノ漁業生產ノ確保强化
ニ關スル施設
四船溜、船揚場、漁礁其ノ他會員ノ
漁業ニ必要ナル設備ニ關スル施設
五會員ノ遭難防止又ハ遭難救恤ニ關
スル施設
會員ニ出資ヲ爲サシムル漁業會(以下
出資漁業會ト稱ス)ハ其ノ目的ヲ達ス
ル爲前項ノ事業ノ外左ノ事業ヲ行フ
會員ノ漁獲物其ノ他ノ生產物ノ加
エ、保藏、運搬又ハ販賣ニ關スル施
設
二會員ノ漁業ニ必要ナル物ノ供給又
ハ資金ノ貸付ニ關スル施設
出資漁業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲前二
項ノ事業ノ外會員ニ必要ナル物ノ供給
若ハ資金ノ貸付又ハ會員ノ貯金ノ受入
ニ關スル事業ヲ行フコトヲ得
漁業會ハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ前三項
ノ事業ニ附帶スル事業ヲ行フコトヲ得
漁業會ノ施設ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
會員以外ノ者ヲシテ之ヲ利用セシムル
コトヲ得
第十三條漁業會ハ出資漁業會ニシテ命
令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ許可ヲ
受ケタルモノニ限リ自ラ漁業ヲ爲スコ
トヲ得
漁業會ノ會員(漁業者ニ非ザル會員ヲ除
ク)ハ當該漁業會ノ取得シ若ハ貸付ヲ受
ケタル專用漁業權又ハ入漁權ノ範圍內
ニ於テ各自漁業ヲ爲スノ權利ヲ有ス但
シ會則ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコト
ヲ得
第十四條漁業會ノ地區ハ市町村(町村
ニ準ズベキモノヲ含ム以下同ジ)又ハ
市町村内ノ漁業者ノ部落ノ區域ニ依ル
但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ限ニ在
ラズ
命令ヲ以テ定ムル漁業ニ係ル漁業會(以
下特別漁業會ト稱ス)ノ地區ハ前項ノ規
定ニ拘ラズ道府縣又ハ全國ノ區域ニ依
ル
第十五條漁業會(特別漁業會ヲ除ク)ハ
勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除クノ外其ノ地
區內ニ住所(法人ニ在リテハ事業場以
下同ジ)ヲ有シ漁業ヲ爲ス者竝ニ其ノ
地區內ニ於ケル漁業權ヲ有スル者及其
ノ地區內ニ於ケル漁業權ヲ借受ケ漁業
ヲ爲ス者ヲ以テ其ノ會員トス
特別漁業會ハ勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除
クノ外其ノ地區內ニ住所ヲ有シ當該漁
業ヲ爲ス者ヲ以テ其ノ會員トス但シ主
務大臣ノ指定スル特別漁業會ニ在リテ
ハ主務大臣ノ指定スル其ノ地區內ニ於
ケル漁業權ヲ有スル者及其ノ指定ニ係
ル漁業權ヲ借受ケ漁業ヲ爲ス者ヲ以テ
其ノ會員トス
第十六條左ニ揭グル者ハ漁業會ノ會員
ト爲ルコトヲ得
-會員ノ漁業ニ密接ナル關係ヲ有ス
ル者
二其ノ他命令ヲ以テ定ムル者
第十七條漁業會ヲ設立セントスルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第十五條ノ規
定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ノ三
分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開
キ會則其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ定
メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十八條行政官廳水產業ノ整備發達ヲ
圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ地區ヲ指定シ第十
五條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有ス
ル者ニ對シ漁業會ノ設立ヲ命ズルコト
ヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル
トキハ創立總會ヲ開キ會則其ノ他設立
ニ必要ナル事項ヲ定メ設立ノ認可ヲ申
請スベシ
第十九條漁業會ハ主タル事務所ノ所在
地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成
立ス
第二十條漁業會成立シタルトキハ第十
五條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有ス
ル者ハ總テ其ノ會員トス
第二十一條會則ニハ左ノ事項ヲ記載ス
ルコトヲ要ス
一目的及事業
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五出資又ハ費用分擔ノ方法
六其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第二十二條漁業會ニ總會ヲ置ク
會員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有
ス
第二十三條左ノ事項ハ總會ノ議決ヲ經
ベシ
-會則ノ變更
二賦課金ノ賦課徴收方法
三事業、報〓書、財產目錄及貸借對照
表ノ承認
四剩餘金ノ處分又ハ損失ノ處理
五其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
前項第一號及第二號ノ事項ノ決議ハ行
政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ
效力ヲ生ゼズ
第二十四條總會ハ會長之ヲ招集ス
第二十五條總會ノ議長ハ會長ヲ以テ之
三六四
第二十六條總會ノ議事ハ命令ニ別段ノ
規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半
數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ
議長ノ決スル所ニ依ル
第二十七條總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニ
シテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ
暇ナシト認ムルモノハ會長之ヲ專決處
分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總會ニ
於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第二十八條漁業會ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコ
トヲ得
第二十九條漁業會ニ左ノ役員ヲ置ク
會長一人
理事若干人
監督府若干人
特別漁業會ニハ前項ノ役員ノ外會則ノ
定ムル所ニ依リ副會長一人若ハ二人又
ハ評議員若干人ヲ置クコトヲ得
第三十條會長ハ漁業會ヲ代表シ業務ヲ
總理ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會則ノ定ムル所
ニ依リ業務ヲ掌理シ豫メ會長ノ定ムル
順位ニ依リ會長事故アルトキハ其ノ職
務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務
ヲ行フ
理事ハ會長及副會長ノ指揮ヲ承ケ業務
ヲ執行シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ
會長及副會長共ニ事故アルトキハ會長
ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員
ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ業務ノ執行及財產ノ狀況ヲ監査
ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ
會長ニ對シ意見ヲ具申ス
第三十一條會長(特別漁業會ノ會長ヲ
除ク)ハ總會ニ於テ推薦シタル者ニ就
キ市町村長(町村長ニ準ズベキモノヲ含
ム)ノ意見ヲ徵シ地方長官之ヲ命ズ
特別漁業會ノ會長ハ總會ニ於テ推薦シ
タル者ニ就キ道府縣ヲ地區トスルモノ
ニ在リテハ地方長官、全國ヲ地區トス
ルモノニ在リテハ主務大臣之ヲ命ズ
副會長及理事ハ總會ニ於テ推薦シタル
者ニ就キ會長之ヲ選任ス
監事ハ總會ニ於テ之ヲ選任ス
評議員ハ水產業ニ關シ學識經驗アル者
ノ中ヨリ會長之ヲ選任ス
特別漁業會ノ副會長及理事ノ選任ハ行
政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ
效力ヲ生ゼズ
第三十二條漁業會ノ役員ノ任期ハ左ノ
通トス
合長三年
副會長三年
理事三年
監事二年
評議員二年
會長必要アリト認ムルトキハ任期中ト
雖モ副會長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ
得
監事ハ任期中ト雖モ總會ニ於テ之ヲ解
任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル副會長又ハ理事ノ
解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザ
レバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十三條漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ
依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賦課スルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依ル經費賦課ハ第十二條
第一項ノ事業及此等ノ事業ニ關係アル
範圍內ニ於ケル同條第四項ノ事業ニ關
シ勅令ヲ以テ定ムル經費ニ限ル
第三十四條漁業會ハ前條第二項ノ事業
ヲ行フ爲特ニ必要アルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ其ノ會員ノ全部又ハ一部
ニ對シ同條ノ規定ニ依ル賦課金ノ外特
別ノ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第三十五條漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ
依リ會則又ハ統制規程ニ違反シタル會
員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十六條漁業會ノ賦課金又ハ過怠金
ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ當該漁業
會ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅
ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ
漁業會ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市
町村ニ交付スベシ
市町村ガ前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ
三十日以內ニ其ノ處分ニ着手セズ又ハ
九十日以內ニ之ヲ結了セザルトキハ會
長ハ地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ處分ス
ルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制第
百十一條第一項及第四項ノ規定ヲ準用
ス
前二項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
漁業會ノ賦課金ノ賦課又ハ過怠金ノ徵
收ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異
議ノ申立、訴願及行政訴訟ヲ爲スコト
ヲ得
第三十七條漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ
依リ第三十三條第二項ノ事業ニ付使用
料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十八條出資漁業會ノ會員ハ出資一
口以上ヲ有スベシ但シ勅令ヲ以テ定ム
ル者ハ此ノ限ニ在ラズ
出資一口ノ金額ノ最高限ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第三十九條出資漁業會ノ會員ニシテ出
資ヲ有スルモノノ責任ハ第三十三條及
第三十四條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外
其ノ出資額ヲ限度トス
第四十條漁業會ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ總會ノ議決ヲ經テ漁業ノ統制ニ關ス
ル規程ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベ
シ之ヲ變更シ又ハ廢止セントスルトキ
亦同ジ
第四十一條行政官廳水產業ノ整備發達
ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ漁業
會ニ對シ必要ナル事業ノ施行ヲ命ジ又
ハ會則ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命
ズルコトヲ得
第四十二條行政官廳水產業ノ整備發達
ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ漁業
會ノ會員ニ對シ當該漁業會ノ行フ漁業
ニ關スル統制ニ從フベキコトヲ命ズル
コトヲ得
行政官廳水產業ノ整備發達ヲ圖ル爲特
ニ必要アリト認ムルトキハ漁業會ノ會
員以外ノ者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモ
ノニ對シ當該漁業會ノ行フ漁業ニ關ス
ル統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第四十三條行政官廳ハ漁業會ニ對シ業
務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ
發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十四條行政官廳必要アリト認ムル
トキハ當該官吏ヲシテ漁業會ノ事務所、
事業場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀
況又ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ
檢査セシムルコトヲ得
第四十五條會長ノ職務ヲ行フ者ナキト
キハ行政官廳ハ會員其ノ他適當ナル者
ヲ指定シテ會長ノ職務ヲ行ハシムルコ
トヲ得
第四十六條行政官廳ハ會長ノ行爲ガ法
令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會則ニ
違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキ其ノ他
水產業ノ整備發達上會長ヲ不適當ナリ
ト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
行政官廳ハ副會長、理事、監事又ハ評
議員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス
處分若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ
タルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
第四十七條行政官廳ハ漁業會ノ決議又
ハ會長、副會長、理事若ハ監事ノ行爲
ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會
則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ
其ノ決議ヲ取消シ、漁業會ノ業務ヲ停
止シ又ハ漁業會ノ解散ヲ命ズルコトヲ
得
第四十八條漁業會ニハ所得稅、法人稅
及營業稅ヲ課セズ
第三章製造業會
第四十九條製造業會ハ水產業ニ關スル
國策ニ卽應シ水產物製造業ノ整備發達
ヲ圖リ且會員ノ水產物製造業ノ發達ニ
必要ナル事業ヲ行フコトヲ目的トス
第五十條製造業會ハ主務大臣ノ指定ス
ル地區ニ付其ノ指定スル水產物製造業
ノ種類別ニ之ヲ設立ス
第五十一條製造業會ハ其ノ目的ヲ達ス
ル爲左ノ事業ヲ行フ
一當該水產物製造業ノ指導奬勵其ノ
他當該水產物製造業ノ發達ニ關スル
施設
二當該水產物製造業ノ統制ニ關スル
施設
三會員ノ製品、其ノ原料若ハ材料又
ハ製造若ハ加工ノ設備ニ對スル檢査
ニ關スル施設
四會員ノ販賣スル物ノ加工又ハ販賣
ニ關スル施設
五會員ノ當該水產物製造業ニ必要ナ
ル物ノ供給ニ關スル施設
製造業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲前項ノ
事業ノ外會員ノ行フ當該水產物製造業
ニ必要ナル資金ノ貸付、會員ノ爲ニス
ル當該水產物製造業ニ係ル債務ノ保證
又ハ會員ノ貯金ノ受入ニ關スル事業ヲ
行フコトヲ得
製造業會ハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ前二
項ノ事業ニ附帶スル事業ヲ行フコトヲ
得
第五十二條製造業會ハ勅令ヲ以テ定ム
ル者ヲ除クノ外其ノ地區內ノ事業場ニ
於テ當該水產物製造業ヲ營ム者ヲ以テ
其ノ會員トス
第五十三條第十二條第五項、第十六條
乃至第三十條、第三十一條第二項乃至
第六項及第三十二條乃至第四十八條ノ
規定ハ製造業會ニ付之ヲ準用ス但シ第
十六條第一號中會員ノ漁業トアルハ當
該水產物製造業トシ第十七條、第十八
條第一項及第二十條中第十五條トアル
ハ第五十二條トシ第三十一條第二項中
道府縣トアルハ道府縣ノ區域ノ全部又
ハ一部トシ第三十三條第二項中第十二
條第一項ノ事業及此等ノ事業ニ關係ア
ル範圍內ニ於ケル同條第四項ノ事業ト
アルハ第五十一條第一項第一號乃至第
三號ノ事業及此等ノ事業ニ關係アル範
圍內ニ於ケル同條第三項ノ事業トシ第
四十條中漁業ノ統制トアルハ當該水產
物製造業ノ統制トシ第四十二條中漁業
ニ關スル統制トアルハ當該水產物製造
業ニ關スル統制トス
第四章道府縣水產業會
第五十四條道府縣水產業會ハ水產業ニ
關スル國策ニ卽應シ水產業ノ整備發達
ヲ圖リ且會員ノ事業ノ發達ニ必要ナル
事業ヲ行フコトヲ目的トス
第五十五條道府縣水產業會ハ其ノ目的
ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
-水產業ノ指導奬勵其ノ他水產業ノ
發達ニ關スル施設
二水產業ノ統制ニ關スル施設
三水產物生產ノ確保强化ニ關スル施
設
會員ニ出資ヲ爲サシムル道府縣水產業
會(以下道府縣出資水產業會ト稱ス)ハ
其ノ目的ヲ達スル爲前項ノ事業ノ外左
ノ事業ヲ行フ
-會員ノ販賣スル物ノ加工、保藏、
運搬又ハ販賣ニ關スル施設
二會員ニ必要ナル物ノ供給若ハ資金
ノ貸付又ハ會員ノ貯金ノ受入ニ關ス
ル施設
道府縣水產業會ハ行政官廳ノ認可ヲ受
ケ前二項ノ事業ニ附帶スル事業ヲ行フ
コトヲ得
道府縣出資水產業會ハ命令ヲ以テ定ム
ル金融機關ニ對シ會員ノ爲ニ債務ノ保
證ヲ爲シ又ハ當該金融機關ノ委任ヲ受
ケ其ノ債權ノ取立ヲ爲スコトヲ得
道府縣出資水產業會ハ會則ノ定ムル所
ニ依リ會員ニ對シ手形ノ割引ヲ爲スコ
トヲ得
第五十六條道府縣水產業會ノ地區ハ道
府縣ノ區域ニ依ル
第五十七條道府縣水產業會ハ當該道府
縣ノ區域ノ全部又ハ一部ヲ地區トスル
漁業會及製造業會ヲ以テ其ノ會員トス
第五十八條道府縣水產業會ニ左ノ役員
ヲ置ク
會長一人
副會長一人又ハ二人
理事若干人
監事若干人
評議員若干人
第五十九條會長ハ總會ニ於テ推薦シタ
ル者ニ就キ地方長官ノ推薦ニ依リ主務
大臣之ヲ命ズ
第六十條第十二條第五項、第十六條乃
至第二十八條、第三十條、第三十一條第
三項乃至第六項、第三十二條乃至第三
十五條、第三十七條乃至第四十一條及
第四十三條乃至第四十八條ノ規定ハ道
府縣水產業會ニ付之ヲ準用ス但シ第十
六條第一號中會員ノ漁業トアルハ水產
業トシ第十七條、第十八條第一項及第
二十條中第十五條トアルハ第五十七條
トシ第三十三條第二項中第十二條第一
項ノ事業及此等ノ事業ニ關係アル範圍
內ニ於ケル同條第四項ノ事業トアルハ
第五十五條第一項ノ事業及此等ノ事業
ニ關係アル範圍內ニ於ケル同條第三項
ノ事業トシ第三十八條第一項及第三十
九條中出資漁業會トアルハ道府縣出資
水產業會トシ第四十條中漁業ノ統制ト
アルハ水產業ノ統制トス
第五章中央水產業會
第六十一條中央水產業會ハ水產業ニ關
スル國策ニ卽應シ水產業ノ整備發達ヲ圖
リ且會員ノ事業ノ發達ニ必要ナル事業
ヲ行フコトヲ目的トス
第六十二條中央水產業會ハ其ノ目的ヲ
達スル爲左ノ事業ヲ行フ
-水產業ノ指導奬勵其ノ他水產業ノ
發達ニ關スル施設
二水產業ノ統制ニ關スル施設
三水產物生產ノ確保强化ニ關スル施
設
四會員ノ販賣スル物ノ加工、保藏、
運搬又ハ販賣ニ關スル施設
五會員ニ必要ナル物ノ供給ニ關スル
施設
六前各號ノ事業ニ附帶スル事業
中央水產業會前項第六號ノ事業ヲ行
ハントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ
第六十三條中央水產業會ノ地區ハ全國
ノ區域ニ依ル
第六十四條中央水產業會ハ道府縣水產
業會竝ニ全國ヲ地區トスル漁業會及製
造業會ヲ以テ其ノ會員トス
第六十五條中央水產業會ニ左ノ役員ヲ
置ク
會長一人
副會長一人又ハ二人
理事三人以上
監事二人以上
評議員若干人
第六十六條會長ハ水產業ニ關シ學識經
驗アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
第六十七條第十二條第五項、第十六條、
第二十條乃至第二十八條、第三十條、
第三十一條第三項乃至第六項、第三十
二條乃至第三十五條、第三十七條乃至
第四十一條及第四十三條乃至第四十八
條ノ規定ハ中央水產業會ニ付之ヲ準用
ス但シ第十六條第一號中會員ノ漁業ト
アルハ水產業トシ第二十條中第十五條ト
アルハ第六十四條トシ第三十三條第二
項中第十二條第一項ノ事業及此等ノ事
業ニ關係アル範圍內ニ於ケル同條第四
項ノ事業トアルハ第六十二條第一項第
一號乃至第三號ノ事業及此等ノ事業ニ
關係アル範圍內ニ於ケル同項第六號ノ
事業トシ第四十條中漁業ノ統制トアル
ハ水產業ノ統制トス
第六章罰則
第六十八條水產業團體ノ會長、副會長、
理專若ハ監事又ハ第四十五條第
五十三條、第六十條及第六十七條
ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同
ジ)ノ規定ニ依ル會長ノ職務ヲ行フ者
何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ當該團
體ノ事業ノ範圍外ニ於テ貸付若ハ手形
ノ割引ヲ爲シ又ハ投機取引ノ爲ニ當該
團體ノ財產ヲ處分シタルトキハ二年以
下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ規定ハ刑法ニ正條アル場合ニハ
之ヲ適用セズ
第六十九條第四十二條(第五十三條ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依
ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ三
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七十條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ前條ノ違
反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ
人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ
共ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
前條ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ
理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執
行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者
ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用
ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力
ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在
ラズ
第七十一條第四十四條(第五十三條、
第六十條及第六十七條ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル當該官吏ノ
檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七十二條製造業會ノ檢査證若ハ記號
ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ
以テ檢査證若ハ記號ヲ僞造シ若ハ變造
シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ檢査證若
ハ記號ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲
役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七十三條水產業團體ノ會長、副會長、
理事、監事、〓算人若ハ使用人又ハ第
四十五條ノ規定ニ依ル會長ノ職務ヲ行
フ者其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ
之ヲ要求シ若ハ約束シタルトキハ二年
以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲
シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五
年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追
徴ス
第七十四條前條第一項ノ者ニ對シ賄賂
ヲ交付シ又ハ之ヲ提供シ若ハ約束シタ
ル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下
ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ輕減シ又ハ免除スルコトヲ
得
第七十五條水產業團體本法若ハ本法ニ
基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス
處分ニ違反シタルトキハ會長、會長ノ
職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副會長若ハ理
事、〓算人又ハ第四十五條ノ規定ニ依
ル會長ノ職務ヲ行フ者ヲ五千圓以下ノ
過料ニ處ス
第七十六條第四條第二項ノ崩定ニ違反
シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附則
第七十七條本法施行ノ期日ハ各規定ニ
付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第百條ノ規
定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七十八條主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ
中央水產業會ノ設立ニ關スル事務ヲ處
理セシム
第七十九條主務大臣前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ帝國水產會
及保證責任全國漁業組合聯合會ニ對シ
其ノ解散ヲ命ズ
前項ノ法人ハ中央水產業會成立ノ時解
散スルモノトシ其ノ權利義務(其ノ法人
ガ其ノ行フ事業ニ關シ行政官廳ノ許可、
認可其ノ他ノ處分ニ基キ有スル權利義
務ヲ含ム)ハ中央水產業會之ヲ承繼ス此
ノ場合ニ於テハ他ノ法令中解散及〓算
ニ關スル規定ハ之ヲ其ノ法人ニ適用セ
ズ
第八十條設立委員ハ遲滯ナク前條第一
項ノ法人ヲ組織スル者(水產會法第二
十七條ノ規定ニ依ル帝國水產會ノ會員
ヲ除ク)ノ總會ヲ招集シ其ノ議決ヲ經
テ會則、保證責任全國漁業組合聯合會
ノ出資ニ對スル中央水產業會ノ出資ノ
引當其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ定メ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第八十一條中央水產業會ハ主タル事務
所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ
因リテ成立ス
第八十二條中央水產業會成立シタルト
キハ第八十條ニ規定スル者ハ第六十四
條ノ規定ニ拘ラズ總テ其ノ會員トス
第八十三條主務大臣道府縣水產業會ヲ
設立スル爲必要アリト認ムルトキハ設
立委員ヲ命ジ道府縣水產業會ノ設立ニ
關スル事務ヲ處理セシム
第八十四條主務大臣前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ當該道府縣
ノ區域ノ全部又ハ一部ヲ地區又ハ區域
トスル水產會及漁業組合聯合會ニ對シ
其ノ解散ヲ命ズ
第八十五條設立委員ハ遲滯ナク前條ノ
法人ヲ組織スル者ニシテ勅令ヲ以テ定
ムルモノノ總會ヲ招集シ其ノ議決ヲ經
テ會則、漁業組合聯合會ノ出資ニ對ス
ル道府縣水產業會ノ出資ノ引當其ノ他
設立ニ必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第八十六條道府縣水產業會成立シタル
トキハ前條ニ規定スル者ハ第五十七條
ノ規定ニ拘ラズ總テ其ノ會員トス
第八十七條第七十九條第二項及第八十
一條ノ規定ハ道府縣水產業會ニ付之ヲ
準用ス
第八十八條行政官廳漁業會(特別漁業
會ヲ除ク以下同ジ)ヲ設立スル爲必要
アリト認ムルトキハ設立委員ヲ命ジ漁
業會ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セシム
第八十九條行政官廳前條ノ規定ニ依リ
設立委員ヲ命ジタルトキハ當該漁業會
ノ地區タルベキ區域ヲ地區トスル漁業
組合ニ對シ其ノ解散ヲ命ズ
第九十條設立委員ハ遲滯ナク前條ノ漁
業組合ノ組合員及第十五條第一項ノ規
定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ノ總
會ヲ招集シ其ノ議決ヲ經テ會則、漁業
組合ノ出資ニ對スル漁業會ノ出資ノ引
當其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ定メ行
政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第九十一條漁業會成立シタルトキハ前
條ニ規定スル者ハ第十五條第一項ノ規
定ニ拘ラズ總テ其ノ會員トス
第九十二條第七十九條第二項及第八十
一條ノ規定ハ漁業會ニ付之ヲ準用ス
第九十三條漁業會ガ前條ニ於テ準用ス
ル第七十九條第二項ノ規定ニ依リ漁業
組合ノ權利義務ヲ承繼シタル場合ニ於
テハ當該漁業組合ニ付テノ漁業權又ハ
入漁權ニ關スル登錄ハ之ヲ當該漁業會
ニ付テノ漁業權又ハ入漁權ニ關スル登
錄ト看做ス
第九十四條第七十八條乃至前條ニ規定
スルモノノ外水產業團體ノ設立竝ニ第
七十九條第一項、第八十四條及第八十
九條ノ法人(以下受命法人ト稱ス)ノ解
散ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第九十五條第七十八條乃至前條ノ規定
ニ依リ水產業團體成立シタル場合ニ於
テ其ノ水產業團體ニ權利義務ヲ承繼セ
ラレタル受命法人ヲ組織スル者ト當該
水產業團體トノ間又ハ當該受命法人ノ
所屬シタル法人ト當該水產業團體トノ
間ノ所屬其ノ他ノ關係ニ付テハ本法及
他ノ法令ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定
ヲ爲スコトヲ得
第九十六條受命法人ノ行フ第十二條第
四項、第五十五條第三項又ハ第六十二
條第一項第六號ニ揭グル事業ヲ第七十
九條第二項(第八十七條及第九十一一條
ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)
ノ規定ニ依り當該受命法人ノ權利義務
ヲ承繼シタル水產業團體ガ引續キ行フ
場合ニ於テハ當該水產業團體ハ當該事
業ニ關シ第十二條第四項、第五十五條
第三項又ハ第六十二條第二項ノ規定ニ
依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第九十七條第四條ノ規定施行ノ際現ニ
同條第一項ニ揭グル名稱ヲ其ノ名稱中
ニ用フル者ハ同條ノ規定施行後六月以
內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第七十六條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ
同項ノ者ニ適用セズ
第九十八條水產業團體第七十九條第二
項ノ規定ニ依リ受命法人ヨリ不動產又
ハ船舶ニ關スル權利ヲ承繼スル場合ニ
於ケル其ノ取得ニ付登記ヲ受クルトキ
ハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產又ハ船舶ノ
價格ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依
リ算出シタル登錄稅ノ額ガ本法ニ依リ
算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額
三氏八
第九十九條水產業團體ガ第七十九條第
二項ノ規定ニ依リ漁業協同組合又ハ漁
業組合聯合會ノ權利義務ヲ承繼スル場
合ニ於テハ特別法人稅法ノ適用ニ關シ
テハ漁業協同組合又ハ漁業組合聯合會
ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル特別ノ
法人ト看做シ水產業團體ハ之ヲ合併ニ
因リテ設立シタル特別ノ法人ト看做ス
水產業團體ガ第七十九條第二項ノ規定
ニ依リ承繼シタル財產ニ付テハ特別法
人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金
ニ算入セズ
第百條水產會、漁業組合及漁業組合聯
合會ノ役員、總代、議員又ハ特別議員
ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外其
ノ任期滿了シタルトキト雖モ第七十九
條第二項ノ規定ニ依ル當該團體ノ解散
ニ至ル迄仍在任ス
第百一條水產會法ハ之ヲ廢止ス
水產會法ノ廢止ニ關シ必要ナル規定ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百二條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第十二號中「漁業組合、漁業組
合聯合會」ヲ「製造業會、道府縣水產業
會、中央水產業會」ニ改ム
第五條第六號中「產業組合」ノ下ニ一若
ハ漁業會」ヲ加フ
第百三條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「漁業組合、漁業組
合聯合會」ヲ「水產業團體」ニ、「漁業法」
ヲ「水產業團體法」ニ改ム
第百四條特別法人稅法中左ノ通〓正ス
第二條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五漁業會、製造業會、道府縣水產
業會及中央水產業會(所屬ノ會員
ヲシテ出資ヲ爲サシメザルモノヲ
除ク)
第百五條產業組合中央金庫法中左ノ通
改正ス
第二條第三項中「漁業組合聯合會」ヲ
「道府縣出資水產業會」ニ改ム
第五條第一項中「漁業組合聯合會又ハ
漁業協同組合」ヲ「中央水產業會、道府
縣出資水產業會、製造業會又ハ出資漁
業會」ニ改ム
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
政府以外ノ出資者ノ有スベキ出資口
數ハ命令ヲ以テ定ムル口數ヲ超ユル
コトヲ得ズ
第十二條第一項中「漁業組合關係者」ヲ
「水產業團體關係者」ニ改ム
第十三條第一號乃至第四號、第六號及
第七號中「、所屬漁業組合聯合會又ハ所
屬漁業協同組合」ヲ「又ハ所属水產業團
體」ニ、同條第五號中「漁業組合聯合會、
漁業組合」ヲ「水產業團體」ニ改ム
第十五條第一項第三號及第四號中「、漁
業組合聯合會又ハ漁業組合」ヲ「又ハ水
產業團體」ニ改ム
第百六條漁業法中左ノ通改正ス
第五條第二項中「漁業組合」ヲ「漁業會
(特別漁業會ヲ除ク)」ニ改ム
第四十二條乃至第五十條削除
第六十條中「漁業組合員」ヲ「漁業會(特
別漁業會ヲ除ク)ノ會員」ニ改ム
第百七條前條ノ規定施行前同條ノ規定
ニ依ル改正ニ係ル漁業法ノ罰則ヲ適用
スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ
依ル
前條ノ規定ノ施行ニ關シ必要ナル規定
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百八條本法ニ規定スルモノノ外本法
ノ施行ニ關シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
〔國務大臣井野碩哉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=45
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046・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 只今議題トナリ
マシタ農業團體法案外一件ノ提出理由ヲ御
說明申上ゲマス、先ヅ農業團體法案ニ付テ
申上ゲマス、本法律ハ、大東亞戰爭ノ完遂
ヲ圖リマス爲ニ、戰力增强ノ一翼ヲ負荷セ
ラレマシタル農業長期戰態勢確立上、最モ
緊要ト致シマスル農業諸團體ノ統合整備ヲ
圖ルコトヲ目的ト致シタモノデアリマス、
今次聖戰ノ展開ニ件ヒマシテ、我ガ國ノ農
村ハ〓糧其ノ他重要農產物ノ增產確保ト、
健全ナル民族培養ノ基地ト致シマシテ、愈〓其
ノ重要性ヲ增大シテ參ツテ居ルノデアリマ
ス、政府ト致シマシテハ、幾多ノ逆條件ヲ克
服シテ、其ノ使命ヲ達成セシムベク努力致シ
テ居ルノデアリマスルガ、是等ニ關シマス
ル諸施策ヲ深ク滲透セシメ、且ツ有效的確ニ
推進致シマス爲ニハ農業諸團體ノ活動ニ
俟ツ所益〓大ナルモノガアルノデアリマス、
然ルニ御承知ノ通リ我ガ國ニ於キマシテ
ハ農業ノ分化發展ノ途上ニ於テソレ〓〓
其ノ時代的要請ニ從ヒ、各種ノ團體ノ成立ヲ
見是等ノ諸團體ハ曾テハ各〓其ノ獨自ノ
分野ニ於テ、農業ノ進展ニ寄與致シツツ發達
シテ參ツテ居ルノデアリマスルガ、是等
農業團體ノ分立ノ意義ハ、昨今著シク減退
致シマシテ、寧ロ其ノ分立ノ爲ニ或ハ團體ノ
人的物的經費ノ徒費構成員ニ對スル物的負
擔ノ增嵩ヲ來シ、或ハ農業經營上必要ナル
綜合的指導運營ノ困難等ノ諸事情ヲ生ジ、
延イテハ戰力增强ニ關スル農業諸施策ノ徹
底ヲ期スル上ニモ、又農業者ガ其ノ負荷セ
ラレタル農業增產ノ責務ヲ全ウスル上ニ
干、幾多ノ支障ヲ生ズル事情ニ立至ツテ居
ルノデアリマス、政府ハ是等ノ諸事情ニ鑑
ミマシテ、今囘農會、產業組合、畜產組
合、養蠶業組合及ビ茶業組合ノ系統諸團體
ヲ統合整備致シマシテ、全農業者ノ打ツテ
一丸トシ、生產ニ關スル熱意ノ〓揚及ビ結
集ヲ圖リ、以テ戰力增强ニ邁進スベク速カ
ニ農業部門ニ於ケル總力發揮ノ體制ヲ確立
致サントスルモノデアリマス
尙ホ本法律案ハ旣ニ第七十八回帝國議會
及ビ第七十九囘帝國議會ノ建議ニ於テハ是
ガ速カナル實現ヲ希望セラレテ居リマスル
ノデ、政府ト致シマシテモ院議及ビ農村方
面ノ要望ニ鑑ミ、且ツ地方自治團體トノ調
整ニ十分考慮ヲ加ヘマシテ、立案シ提案致
シタ次第デアリマス
次ニ水產業團體法案ノ提案ノ理由ヲ御說
明申上ゲマス、水產業ハ元來我ガ國民榮養
食糧ノ主要ナル給源デアリマシテ、戰時下
食糧確保ノ爲ニ極メテ重要ナル使命ヲ有ス
ルノデアリマスルガ、現下其ノ生產資財ノ
供給關係其ノ他諸般ノ情勢ハ、必ズシモ容
易ナラヌモノガアリマスノデ、是ガ使命ノ
達成ヲ圖ル爲ニハ、斯カル情勢ノ下ニ於テ
斯業ノ生產力ヲ、最モ高度ニ發揚シ得ルノ體
制ヲ確立スルノ必要ガアルノデアリマス、
然ルニ現在水產業界ニ於キマシテハ、水產
會ノ系統團體、漁業組合ノ系統團體、水產
物製造業者ノ團體等ガアリ、是等諸團體ハ
ソレ〓〓相異ナル性質ト目的トヲ有シ、各
別ニ斯業ノ發展ニ貢獻シテ參ツタノデアリ
マスルガ、戰時下ニ於ケル各般ノ情勢ノ變
化ニ伴ヒマシテ、是等ノ團體ノ分立ハ生產
增强ニ必要ナル各種生產必要資材ノ有效適
切ナル配給ト、水產物生產計晝ノ樹立及ビ
其ノ圓滑ナル實施等ニ、遺憾少カラヌモノ
ガアルニ至ツタノデアリマス、仍テ政府ハ
是等ノ諸事情ニ鑑ミマシテ、是等ノ團體等
ヲ統合整備致シマシテ、旣ニ先般企畫宵施
中ノ海洋漁業締制ト相竝ビマシテ、主トシ
テ沿岸漁業關係業者ヲ打ツテ一丸トシ、刻下
ノ要請ニ卽應シ得ル新タナル水產業團體ヲ
設ケ、以テ水產部門ニ於ケル生產增强ノ達
成ト、長期戰對處ノ體制ヲ確立致サントス
ルモノデアリマス、何卒兩案トモ御審議ノ
上速カニ御協賛アランコトヲ希望致シマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=46
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047・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 質疑ノ通〓ガアリマ
ス、順次之ヲ許シマス-石坂繁君
〔石坂繁君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=47
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048・石坂繁
○石坂繁君 諸君私ハ只今議題トナツテ居
リマスル農業團體法案ニ付キ質疑ヲ致シタ
イト存ジマス、農業團體統合ノ問題ハ只
今農林大臣ヨリモ御說明アリマシタ如ク
ニ、多年ノ要望デアリ、曩ニ本院ニ於キマ
シテモ滿場一致ノ建議ガ、二囘通過致シテ
居ルノデゴザイマス、政府ガ玆ニ成案ヲ得
ラレマシテ提案サレマシタ其ノ勞ニ對シマ
シテ、頗ル之ヲ多トスル者デゴザイマス、
隨ヒマシテ私ハ本案ニ對シマシテ具サニ檢
討ヲ試ミタノデアリマスルガ、其ノ結果尙
且ツ疑問ト致シマス點ニ付キマシテ、質疑
ヲ致シタイト存ジマス
質疑ノ第一點ハ、新農業團體ノ性格ニ付テ
デアリマス、抑〓大東亞戰爭ヲ戰ヒ拔キ、
大東亞共榮圈ノ建設ヲ致シマスルコトハ、
現下我ガ大和民族ニ課セラレタル重大ナル
使命デゴザイマス、去ル二十八日ノ本會議
ノ席上ニ於キマシテ、東條總理大臣ハ、戰
ヒノ前途聊カモ不安ナシ、勝利ノ基礎旣ニ
固マレリ、而シテ雄渾ナル建設ノ巨步ハ、
今ヤ着々トシテ進ミツツアルノ趣旨ヲ述べ
ラレマシテ、私共衷心ヨリ心强ク感ジマシ
タト同時ニ、益〓最終ノ目的ニ向ツテ邁進シ
ナケレバナラヌト、新タナル決意ヲ固ウ致
シマシタ次第デゴザイマス、大戰下ニ於ケ
ル日本農村ノ使命ハ、民族ノ基盤トシテノ
健全ナル農業人口ノ保持ト、國民主要〓糧
ノ供給確保デアルコトハ申上ゲルマデモゴ
ザイマセヌ、殊ニ食糧確保ノ問題ハ、現下
喫緊ノ要務デアリマス、是ガ爲ニハ農民ノ
愛國心ト勤勞心ヲ結集シ、其ノ創意ト責任
ヲ發揮シ、政府ノ施策ニ協力致シマシテ、
其ノ計畫生產ニ對應シ、生產責任ノ實ヲ擧
ゲナケレバナリマセヌ、本法案ニ付テ之
ヲ見マスルノニ、新農業團體ハ何レモ農業
ニ關スル國策ニ卽應致シマシテ、所定ノ事
業ヲ行フコトヲ目的トスルト云フコトニナ
ツテ居リマス、固ヨリ今日國策ニ卽應セネ
バナラヌコトハ當然デアリマス、併シナガ
ラソレダケデハ餘リニ消極的デアル、農民
ノ盛リ上ガル力ヲ結集シ、旺盛ナル生產力
ヲ刺戟スルニハ、ソレダケデハ十分ナリト
ハ申上ゲラレマセヌ、尤モ本案ニ依リマス
ト云フト、新團體ハ行政廳ニ對シテ建議ヲ
ナシ、或ハ行政廳ノ諮問ニ答申スル途ハ開
ケテアルノデアリマスケレドモ、併シナガ
ラモツト積極的ニ、政府ノ政策ニ協力セシ
ムルノ方法ヲ講ズルコトガ必要デアルト存
ジマス、政府ノ政策ニ積極的ニ協力シ、新
團體ノ活動ヲシテ一層活潑ナラシムルコト
ガ必要デアルト存ジマス、昭和十六年十一
月農林計畫委員會農林水產團體部會ニ於キ
マシテ決定セラレマシタル農業團體統制要
綱ヲ見マスルノニ、其ノ要綱ノ中ニハ團
體ハ政府ノ協力機關トシテ、重要農業政策
ノ立案ニ對シ政府ニ協力スルト共ニ、實施計
畫ノ立案及ビ其ノ計畫實行ノ責ニ任ジ、且
ツ必要ナル場合ニ於テハ政府ニ意見ヲ具申
スルト、斯樣ナル要綱ノ趣旨ト相成ツテ居ル
ノデアリマスルガ、此ノ要綱ノ趣旨ト本案
ヲ對照シテ見マスルト、著シク統合サルベ
キ新團體ノ性格ガ弱メラレタルノ感ジヲ深
ウセザルヲ得ヌノデアリマス、卽チ此ノ生
產責任團體トシテノ積極的性格ヲ、此ノ法
案ノ中ニ著シク缺イテ居ルコトヲ指摘セザ
ルヲ得ナイノデアリマス(拍手)此ノ點ニ關
スル農林大臣ノ御所見ヲ承リタイノデアリ
マス
質疑ノ第二點ハ、新團體ノ職能ニ付テデ
アリマス、新團體ノ行フ事業ハ、法案ヲ通
觀致シテ見マシテ感ジマスルコトハ、農業
ノ職域ニ偏シ、農村、農家ニ對スル顧念ニ
於テ缺クル所アルノ憾ミガアリマス、日本ノ
農村ハ私カラ申上ゲルマデモナク家族勞力
ヲ基調トスル小農ト、此ノ小農ノ人達ノ隣
保相助ニ依ル結合デアリマス、而シテ此ノ小
農ハ農村ニ於キマシテ農家以外ノ人達モ包容
シ、是等農村ノ地域ニ居住スル總テノ人ハ、
其ノ〓土的親愛ト、〓土的溫情トヲ以テ結
合致シテ居リマスルコトガ、我ガ日本農村ノ
特色デアルト存ジマス、故ニ農業政策ノ實施
ニ當リマシテハ、唯農業ニ關スルコトバカリ
デナク、更ニ農家及ビ農村ノ全般ニ關スル
施策ヲ講ジナケレバナラナイト、私ハ斯樣ニ
存ジマス(拍手)私ヲシテ言ハシメルナラ
バ、今後ノ施策ト致シマシテハ、私ハ理想
ノ農村ヲ建設シ、理想ノ經營ヲナサシメ、
生產ト共ニ田園ノ詩的情緒ニ浸リツツ、大
自然ニ融合シ、天地一體、萬物同根ノ境地
ニ立ツテ天業ヲ翼贊シ、感謝報恩ノ生活ヲ
致シツツ職域奉公ニ邁進スル、斯樣ナル農
家ヲ育成致シタイノデアリマス(拍手)斯ノ
如ク致シマスナラバ、政府ガ豫算ヲ以テ計
畫シテ居ラレル皇國農村ノ建設促進ト云フ
ガ如キコトモ、自ラ解決セラレルデアラウ
ト、斯樣ニ存ジマス、今日農業政策ノ樹立
ニ當リマシテ、農業ノ整備發達ヲ圖リマス
ルコトハ、固ヨリ當然デアルノデアリマス
ルガ、而モ今後逞シキ明ルイ農村ヲ建設
シ、眞ニ農民ノ總力ヲ發揮シテ戰力增强ノ
一翼タラシメル爲ニハ、農業ノ施設改善ト
同時ニ、農村ニ對スル醫療厚生ノ施設ヲ徹
底シ、更ニ文化ノ施設ヲ徹底スル必要ガア
ルト痛感致スモノデアリマス、然ルニ本法
案ヲ眺メテ見マスル時ニ於キマシテ、此ノ
新團體ノ行フ事業ノ中ニハ、當然行フベキ
事業ト行フコトヲ得ル事業トノ區別ガアリ
マーハ、當然行フベキ事業ノ中ニハ、農業ノ
發達、會員ノ農業及ビ經濟ノ發達ヲ目的ト
スル、是ガ各種團體ノ目的デアルノデアリ
マスルガ、更ニ當然行フベキ事業ノ中ニハ、
此ノ農業ノ發達及ビ經濟ノ發達ニ資スル所
ニ偏ツテ、直接農民ヲ會員トシテ加入セシ
ムル所ノ地方農業會ノ如キニ於キマシテ
ハ、農家ニ對スル福利增進ノ施設ノ如キガ、
當然行ハルベキ事業ニハ入ツテ居ラナイノ
デアリマス、斯樣ナ點ハ今後ノ農村ノ維
持育成ノ上ニ於キマシテ、缺クル所頗ル大
ナルモノアリト、之ヲ遺憾トセザルヲ得
ナイノデアリマス、又法案ニ依ツテ窺ヒマ
スレバ、地方農業會ハ其ノ地域內ニ於ケル
農業者ヲ、當然ノ會員ト致シマスルコトハ
宜シイト致シマシテ、先程私ガ申上ゲマシ
タ通リ、日本農村ハ農業者バカリデハナイ
ノデアリマス、玆ニ農業ト密接ナル關係ノ
アル者、農村ニ在ツテ或ハ思想的ニ、或、
社會的ニ指導者ノ立場ニアルベキ人達ガアル
ノデアリマスルガ、此ノ法案ニ依ツテ見マス
ルト、自ラ農村ノ住民ヲ區別スルコトニ相
成ルノデアリマス、是カラ生ズル種々ノ不都
合、遺憾ナシトスルコトガ出來マセウカ、
ドウデアリマセウカ、更ニ新團體ハ從前ノ
團體ノ事業及ビ其ノ權利義務ヲ承繼スルコ
トニ相成ツテ居ルノデアリマスルガ、單ニソ
レバカリニ止マラズ、私ハ此ノ際更ニ一歩ヲ
進メマシテ從來農村ガ苦シンデ居ツタ肥料
ノ一元的配給ノ如キ、或ハ其ノ他ノ農業生
產資材ノ一元的配給ノ如キコトヲモ、此ノ
新タナル農業團體ヲシテヤラセルコトガ必
要デアラウト存ズルノデアリマス
更ニ尙ホ一言致シタキコトハ、國策會社ノ問
題デゴザイマス、農業團體關係ノ國策會社ハ、
私ノ調査致シマスル所ニ依リマスト、本年
一月末ノ現在ニ於テ十六ノ國策會社ガアリマ
ス、國策會社ニ對スル批判ハ、昨日小山君
ヨリ痛烈ナル批判ヲ致サレマシテ、其ノ通
リデアリマス、國策會社ノ持ツ手數料ノ高
額或ハ事業ノ非能率化、或ハ綜合性缺如
ノ問題ノ如キ、最モ是ハ非難トシテ擧ゲラ
レル問題デゴザイマス、農業關係國策會社
ノ是等ノ非難ニ對シマシテハ、當局ハ宜シク
深ク省察サレナケレバナラヌノデアリマス
ルガ、私ハ此ノ根本的、本質的ノ缺陷ハ要
スルニ農業關係國策會社ガ、直接農民ト血
ノ繋ガリガナイト云フコトニ本質的ノ缺陷
ガアルト、斯樣ニ考ヘルノデアリマス拍
手)隨ヒマシテ國策會社ノ運營ニ當リマス
ル人達ハ、從來ノ產業組合人ガ眞ニ農民ノ
爲ニ働クモノデアルト云フ如キ、斯樣ナル
氣魄ト熱情ヲ缺イテ居ル結果、國策會社ノ
運用ニハ著シイ支障、隨ヒマシテ非難ガ生
ズルノデアラウト斯樣ニ存ジマス、而モ是
等ノ多クハ、支那事變ノ勃發ニ際シマシテ、
日本ノ經濟政策ガ漸ク統制經濟ニ移ラント
スル過渡時代ニ於キマシテ、此ノ統制經濟
開始時期ニ於テ、應急的措置トシテ設ケラ
レルコトガ多イノデアリマス、隨ヒマシテ
此ノ農業團體統合ノ機會ニ於テ全面的ニ再
檢討ガ試ミラレ、之ヲ整理統合スベキモノ
デアル、斯樣ニ信ジマス、少クトモ國策會
社中、農產物ノ集荷供出ニ關スル事業、農
業用資材ノ配給ニ關スル事業ヲ行フモノハ、
其ノ全部又ハ一部ヲ當然新農業團體ニ委讓
スベキモノデアルト、斯樣ニ存ズルノデア
リマス、此ノ點ニ關スル政府ノ御所見ヲ承
リタイノデアリマス
尙ホ政府ハ本案提出ニ際シマシテ、食糧
其ノ他重要農產物生產確保ノ國家的使命ヲ
完遂スル爲メ農業團體ヲ統合整備シ、以テ
其ノ總力發揮ニ遺憾ナキヲ期スルト、斯樣
ニ提案ノ理由ニ謳ツテアリマス、前段指摘
致シマシタ如キ弱キ性格ヲ持チ、且ツ指摘
致シマスル如キ職能上ノ缺點ヲ持ツテ居ル
ト考ヘラレル新農業〓體ガ、果シテ此ノ提
案理由ニアルガ如キ所期ノ目的ヲ達スルコ
トガ出來ルデアリマセウカ、ドウデアリマ
セウカ、併セテ之ニ對スル農林大臣ノ御所
見ヲ承リタイノデアリマス
質疑ノ第三ハ、新農業團體ノ大東亞農業
政策ニ對スル指導性ニ付テデアリマス、大
東亞ノ廣域ノ住民ハ、御承知ノ如ク其八割
ハ農民デアルト言ハレテ居リマス、隨ヒマ
シテ大東亞共榮圈建設ニ於キマシテ、農業
部門ノ持ツ役割ハ極メテ重要デアリマス、
大東亞農業政策ハ、固ヨリ大東亞經濟建設
基本方針ニ則リ、八紘爲宇ノ大義ヲ各地ノ
農村ニ顯現スルコトニアルノデアリマス
ガ、斯クシテ以テ大東亞全域ノ食糧ノ自給
確保、適地適作、而シテソレガ適當ナル交
易、斯クノ如ク致シマシテ全地域ノ住民ヲ
シテ、各〓其ノ所ヲ得シメナケレバナリマセ
又、是ガ爲ニハ日本農業ハ大東亞全地域ノ
農業ニ對シマシテ、技術的ニモ其ノ他各般
ノ點ニ於テ、須ク指導的立場ニ立ツテ是ガ
指導ノ任ニ當ラナケレバナリマセヌ、新農
業團體ノ持ツ任務ハ、單ニ國內農業ニ對ス
ル關係ニ於テバカリデナク、此ノ雄大ナル
氣魄ヲ持チ、大東亞全域ノ農業部門ニ指導
力ヲ持チ、其ノ事業上ノ連絡統制ヲナサナ
ケレバナラヌト存ジマス、斯樣ニ致シマス
ルコトガ、軈テハ又國內日本農民ヲシテ、
眞ニ逞シヰ生產力ヲ發揮スル刺戟ニモ相成ラ
ウト存ジマス、此ノ點ニ關シマシテ農林大
臣ノ御所見ヲ承リタイノデアリマス、時間
ノ關係デ甚ダ言葉ヲ盡シマセヌガ、以上ノ
諸點ニ付テ農林大臣ノ御答辯ヲ戴キタイノ
デアリマス(拍手)
〔國務大臣井野碩哉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=48
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049・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 石坂君ノ御質問
ハ、大體四點ニ分レテ居リマスノデ、其ノ
一々ニ付テ御答ヘ申上ゲタイト存ジマス、
先ヅ第一點ハ新農業團體ノ性格ニ付キマシ
テ、新農業團體ガ農民ノ創意ト責任ヲ以
テ、生產確保ニ向フベキモノデアル、其ノ
團體ノ性質ガ積極性ヲ缺イテ居リハシナイ
カト云フ御質問デアリマス、新農業團體ガ
國策ノ協力機關トシマシテ、其ノ創意ト責
任トヲ以チマシテ、農業諸施策ノ徹底的實
施ヲ推進スベキモノデアリマスルコトハ勿
論デアリマシテ、國策卽應ト云フ字ヲ使ツ
テアリマスノデ、消極的ト云フヤウナ御氣
持ヲ御持チニナツタノデハナイカト思ヒマ
スガ、此ノ字句ハ積極的ナ協力ノ部面ヲモ
含ンデ居リマスルコトハ勿論デアリマス、
農業團體ノ性格ニ付キマシテハ、御趣旨ノ
通リノモノト御諒解ヲ願ヒタイノデアリマス
第二點ハ新農業團體ノ機能ニ付テデアリ
マスガ、色々條文ノ配置等ニ依リマシテ、
從來ノ團體ニ比ベテ其ノ機能ガ縮小セラレ
テ居ルヤウナ御疑念ヲ御持チデアリマス
ガ、此ノ條文ノ中デ地方農業會ノ事業ヲ必
行事業ト任意事業トニ分チマシタコトハ、
是ハ單ニ法制的ナ理論ニ基イタモノデアリ
マシテ、決シテ事業上何等兩者間ニ輕重ノ
ナイモノデアリマスルコトハ勿論デアリマ
ス、又團體員トシテ當然加入ト任意加入ト
ヲ認メマシタノモ、戰力增强ノ基礎デアル
生產確保ガ、今次ノ團體統合ノ主眼點デア
ルニ鑑ミマシテ、農業者ハ之ヲ當然加入ト
致シタノデアリマス、併シ農村ニハ農業者
以外ノ人々モ居ラレルノデアリマシテ、是
等ノ人々トモ農業者ガ一體トナツテ、生產
ニ邁進スル點カラ見マシテモ、是ト連繫ヲ
保ツコトハ勿論必要デアリマスガ、唯ソレ
等ノ人々ヲ强制加入ニスルコトハ不穩當デ
アル、隨テ任意加入ニ致シマシテ、加入致
シマシタ以上ハ兩者ノ取扱ニ付テハ、全ク
同一ニ取扱ツテ居ルノデアリマスカラ、決
シテ其ノ間ニ區別ガアル筈ハナイノデアリ
マス
又本法案ハ國策會社竝ニ配給機構ト、ド
ウ云フ關係ヲ持ツカト云フ御尋ネデアリマ
マクシ農林關係ノ國策會社ニ付キマシテ
ハ、綺制經濟ノ進展ニ連レテ、其ノ發生ヲ見
タノデアリマスルカラ、一時的ニハ或ハ其
ノ機能又ハ能力等ニ於テ、重複シテ居ル所ノ
モノモアリマス、隨テ政府ト致シマシテモ、
先般來油糧統制ニ付テ、又食糧配給ノ機構
ニ付テ、國策會社ノ整理ヲ致シタノデアリマ
ス、隨テ新團體ノ發生ニ依リマシテ、是等
ノ點ヲモ能ク勘案致シ、其ノ運用ニ於テハ適正
ヲ期シテ參リタイト考ヘテ居ルノデアリマス
又第三ノ御質問ハ戰時下ノ統合ハ速カニ
行フベキモノデアル、且ツ生產ノ低下ヲ
來ス如キコトナキヲ期スベキデアルト云フ
御尋ネデアリマスルガ、固ヨリ農業團體ノ
統合ハ農民ノ創意ト責任トヲ十分ニ發揮セ
シメマシテ、其ノ總力的結合ニ依ツテ、生
產增强ニ努力サセマスルコトガ主眼デアリ
マスルガ故ニ、是ガ運營ニ當リテハ御懸念
ノ點ノナイヤウ、愼重ナル準備ト用意トヲ
以チマシテ、是ガ指導ニ當ツテ參リタイト
考ヘテ居リマス
最後ニ日本農業政策ハ大東亞農業政策ノ
根幹トナルベキモノデアル、隨テ新農業團體
ハ其ノ指導ヲ分擔スルコトトナルト思フガ
如何ト云フ御尋ネデアリマスガ、固ヨリ大
東亞地域ノ產業經濟建設ノ進展ニ伴ヒマシ
テ、新興業團體ノ使命モ當然重加セラレテ
參ルノデアリマシテ、政府ト致シマシテモ
今後速カニ新農業團體ノ育成發展ニ努メ、
政府ノ是等ニ關スル諸政策ニ對スル十分ナ
ル協力ヲ期待致ス次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=49
-
050・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 平野力三君
〔平野力三君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=50
-
051・平野力三
○平野力三君 私ハ農業團體法案ニ關シマ
シテ、農林大臣及ビ內務大臣ニ對シマシテ、
是ヨリ質疑ヲ致シタイト思ヒマス、私ノ御
伺ヒ致シマスル點ハ、大體五ツノ點デアリ
マスルガ、此ノ割期的ナル重大法案ノ提出ニ
當リマシテ私ハ特ニ此ノ演壇ニ於キマシテ、
井野農林大臣ニ對シ現下我國ノ重要ナル農
村國策ノ二三ニ關シマシテ、根本的ナル質
疑ヲ致シテ置キタイト考フルノデゴザイマス
先ヅ第一點ノ御尋ハ、此ノ農業團體法百三
十二條ニ及ブ長文ヲ拜見致シマシテ疑問ヲ
持チマスル問題ハ、徒ラニ法文ハ長イノデ
アリマスガ、農業政策ノ上ニ於ケル指導精
神ガ、極メテ不明確デアリマス、私ノ〓究ニ
依リマスト、本法案ハ單ニ團體ヲ合併致シ
マシタル法律ノ手續デアル、具體的ニ申シ
マスナラバ、產業組合、帝國農會其ノ他若
干ノ團體ヲ合併セラレタル單ナル團體統合
ノ內容デアリマシテ、此ノ非常時局下ニ於
テ農林大臣ガ、三千万農民ニ對シ、其ノ嚮フ
所ヲ明カニサレマスル農業政策上ノ指導精
神ヲ、甚ダ缺クルモノナキヤト疑ハザルヲ
得ナイノデアリマス、農業團體ノ統合ハ、
世界諸外國ニ於キマシテモ行ツテ居ルノデ
アリマスルガ、特ニ「ドイツ」ノ「ナチス」ニ
於キマシテハ、一九三三年全部ノ農業團體
ヲ統合致シマシテ、「ライヒ」〓糧職業分團
法ト云フモノヲ制定シテ居リマス、此ノ法
案ノ內容ニ依リマスルト、國民糧食ニ關係
ノアリマス國體ヲ一元的一本ニ統制ヲ致シ
マシテ、農林大臣自ラ其ノ團體長トナツテ、
責任ヲ持ツテ指導ヲ致シテ居ルノデアリマ
ス、隨テ農地ノ問題、農民ノ問題、市場ノ
問題等、總テ此ノ團體ノ締制ノ下ニ置キ、
民族ノ强化、國土計畫、經濟秩序、農地制
度ノ改革等總テ斷行致シテ居ルノデアリマ
スルガ、此ノ決戰下ニ提案ヲセラレマシタ
此ノ農業團體法ハ、單ニ團體ノ事務ヲ繼承
致シマシテ、帝國農會、產業組合中央會ガ
單ニ中央農業會トナリ、全購聯、全販聯ガ
全國農業經濟會ト云フ名前ニ變ツタ以外ノ何
物デモナイト云フコトハ、私ノ洵ニ遺憾ト
スル所デアリマス(拍手)私ガ井野農相ニ明
確ニ御伺ヒヲ致シマシテ、ハツキリシタル
御答ヘヲ得テ置キタイト思フコトハ、今日
時局ガ要求致シマスル問題ハ、單ニ團體ヲ合
併シテ團體ノ數ガ少ナクナルト云フヤウナ
事務的問題デハ斷ジテアリマセス、此ノ法
案ヲ通ジテ脈々トシテ流レテ居リマスル農
民階級ノ生產意欲ヲ向上シ、此ノ法案ニ依
ツテ三千万農民ノ嚮フ所ガ明カニナル、新
シキ農業政策ニ期待ヲ持ツノデアリマス、
或ハ恐ル、單ナル團體ノ合併ト云フヤウナ
コトハ、一年ヤ二年ハ合併ノ事務ノゴタゴ
タニ相當ノ時間ヲ費シマシテ、寧ロ其ノ能
率サヘ上ラナイト云フヤウナ憾ミナキニシ
モアラズト考ヘザルヲ得ナイノデアリマス、
農林大臣ハ本案上程ニ當リマシテ、具體的ニ
此ノ法案ニ依ツテ是ダケノ食糧ヲ增產シ、
ドレダケノ農業政策ノ上ニ、農民ヲ感奮興
起セシムルノ自信ガオアリニナルノデアリ
マスルカ、此ノ席上ニ於テ明確ニ御答ヘヲ
願ヒタイト思フノデアリマス
第二ノ御尋ネハ、昨年ノ七月翼贊政治會
政務調査會農林委員會ニ豊林大臣ハ出席ヲ
セラレマシテ、日本農業ノ再編成ト云フコ
トヲ御言明ニナツタノデアリマス、洵ニ御
同感デアリマス、此ノ重大ナル非常時局ヲ
乘切リマスル上ニ於キマシテ、我ガ日本ノ
農村ノ內容ニ於テハ改革スベキコトガ多々
アリマス、正ニ農業ノ再編成ト云フコトハ
絕對ニ必要デアリマス、爾來屢〓或ハ講演會
ノ席上ニ於キマシテ、或ハ新聞紙上等ニ於
キマシテ、井野農林大臣ノ農業政策ノ抱負
ヲ承リマスルコトハ多イノデアリマス、然
ルニ此ノ農業ノ再編成ト云フ抱負ヲ以テ起
タレタル農林大臣ガ、今議會ニ提案セラレ
マシタル法案ハ一體如何デアリマセウ、只
今玆ニ出テ居リマスル所ノ農業團體法及ビ
農業保險法案ノ改正、其ノ他若干ノ法案ノ
改正ニ過ギナイノデハアリマセヌカ、農業
保險法ニ依リマシテ保險金ノ金額ヲ僅カバ
カリ增加スルト云フコトノ如キハ、固ヨリ
增加セザルヨリハ增加スル方ガ宜イノデア
ルケレドモ、不作ノ時ニ保險金ヲ貰フ、其
ノ程度ニ於テ今日我ガ國ノ食糧增產ト云フ
モノヲ圖ルニハ、餘リニ政策的貧困デアリ
やく、農業保險法ヲ御出シニナツタ勞力ヲ
私ハ多トシナイノデハナイノデアリマスガ、
興業團體法ト、農業保險法ノ改正ト、其ノ
他若干ノ改正案ト云フヤウナモノニ依ツテ、
何處ニ我ガ日本ノ農業ノ再編成ト云フ問題
ガ具體化シテ居ルカト云フコトヲ疑ハザル
ヲ得ナイノデアル、而モ一番肝腎ノ此ノ團
體法案ノ如キハ、地方農業會ト云フモノハ
一本ニハナツテ居リマスルケレドモ、中央
ハ三本建デアル、中央農業會、全國農業經
濟會、中央農林金庫、依然トシテ三本建デ
アリマス、又實際ノ生產ニ從事ヲシテ居リ
マスル一番大切ナル部落農業團體、農事實
行組合等ハ、本案カラハ抹殺ヲサレテ居ル
ト云フノハ一體如何ナル次第デアリマセウ、
思フニ言葉ノ上ニ於テ農業再編成ト云フコ
トヲオ使ヒニナツタガ、其ノ政策ニ盛ラレ
テ居リマスル問題ヲ具體的ニ檢討致シマス
ルト、私ハ其ノ餘リニ貧弱ナルニ驚カザル
ヲ得ナイノデアリマス、農林大臣ハ宜シク
私ノ此ノ言葉ニ對シマシテ、能ク御考ヘヲ
願ヒマシテ、議會ハマダ會期ハ相當アルノ
デアリマスルカラシテ、今少シク拔本塞源
ノ策ヲ立テ、一大農業立法ヲ玆ニ御出シニ
ナル御考ヘハナイカドウカ、私ハ問ハントス
ルモノデアリマス
第三點トシテ御伺ヒ致シマスル問題ハ、
現内閣ハ閑議ニ於キマシテ、農業人口
ノ四割ノ定有論ヲ決メテ居リマス、既
企畫院ニ於キマシテハ是ヲ堂々ト發表致
シマシテ、我ガ國ノ農業政策ニ於テ、總人
口ノ四割ハ農民トシテ定着セシムルト云
フ御計畫デアリマス、私洵ニ同感デアリ
マス、併シ是レ亦農林大臣ニハツキリト
伺ヒマスルコトハ、現下我ガ國ノ農村人
實情ハ、然ラバ此ノ御方針ニ從ツテ人口四
割ノ定有ト云フ問題ガ、果シテ可能ナル現
狀ニアルカ、如何ナル方向ニ進ンデ居ルカ
ト云フコトヲ檢討スル時ニ、甚ダ遺憾ナガ
ラ現在ノ農村ノ情勢ハ、動モスレバ農民離
村ノ傾向ガ現ハレントシテ居ル、今ニシテ
玆ニ對策ヲ立ツルニアラザレバ、唯閣議デ
御決定ニナツテ企書院ガ發表ヲサレタカラ
ト云ツテ、農民ガ農村ニ定着スルモノデハ
斷ジテナイノデアリマス(拍手)宜シク具體
的ナル問題ニ付テハ政策ヲ以テスベキデア
ル、眞實ニ行ハントスルニ對シテ、ソレニ對
スル對策ヲ持タズシテ、新聞ヤ「ラジオ」ニ
於テ唯放送ダケニテ食糧ガ出來ルト云フ考
ヘハ間違ツテ居ル(拍手)私ハ此ノ點ニ於キ
マシテ農林大臣ニ苦言ヲ呈スルノデアリマス
ルガ、御決定ニナリマシタルコトヲ實行セ
ラルルニハ農民ガ納得ノ行クダケノ之ニ對
スル政策ヲ伴ツテ戴キタイト思ヒマス、私
ハ豫算面ニ現ハレテ居リマスル農業政策ニ、
皇國農村ノ建設ト云フコトガ出テ居ルコト
ヲ知ツタノデアリマス、其ノ點ハ一面大臣ノ
努力デアラウトハ考へマスルガ、其ノ豫算
ノ內容ノ數字ヲ見ルニ至ツテ驚カザルヲ得
ナイノデアリマス、何トナレバ皇國農村ノ
建設トシテ盛ラレテ居リマスル所ノ費
用ガ七百万圓、而モ其ノ七百万圓ノ中、具
體的ニ皇國農村建設ニ使ハレマスル費用ト
云フモノハ僅カニ三百万圓、其ノ計畫ノ內
容ヲ更ニ聽イテ見マスルト、全國僅カ三百
箇町村ニ對シテ、一村七、八千圓ノ補助金
ヲ出シテ、是カラ試驗的ニ町村ヲ模範的ニ
ヤツテ見ヨウト云フ御計畫ノヤウデアリマ
ス、一万數千ノ町村ヲ完全ナル戰時體制ニ
スルノニ、三百箇町村ヅツ每年ヤツテ行ク
ト云フヤウナ御計畫デアリマスナラバ、四
十年モ五十年モ掛ルデハナイカ、間ニ合ハ
ナイノデアル、新聞紙ヤ「ラジオ」ニ於テ皇
國農村ノ建設ヲヤルト云フヤウナ觸レ出シ
ヲセラルレバ、是ハ大ナル政策ガ出來テ來
タト思ツテ、國民ハ大イニ期待シマスルガ、
其ノ數字ノ內容ニ至ツテハ、四十年モ五十
年モ掛カラナケレバナラナイト云フヤウナ
コトデハ斷ジテ吾々ハ承服スルコトハ出來
ナイノデアリマス(拍手)是等ノ諸點ニ付キ
マシテ、農林大臣ハ人口四割ノ定有論ト言
フモノヲ閣議ニ決メ、企畫院ニ於テ發表ヲ
サレテ居ルト致シマスルナラバ、ドウ云フ
對策ニ依ツテ之ヲナサントスルカト云フコ
トヲ、此ノ本議場ニ於テ全國ニ向ツテ明確
ナル御發表アツテ然ルベシト考ヘルノデア
リマス
第四ノ質問デアリマス、今日ノ農村ニ於
キマシテハ低物價政策ヲ堅持シツツ尙ホ〓
糧ヲ增產シナケレバナラナイ、勞力ガ不足
シテ居ル、肥料、資材等ニ於テ洵ニ窮屈ナ
ル現狀ニ於テ、吾々ハ此ノ食糧增產ノ重責
ヲ果サナケレバナラナイ、洵ニ重大ナル立
場デゴザイマス、此ノ點ニ於テ農林大臣ハ
現下最モ緊急ナル農業政策トシテ、我ガ日
本ノ國ガ斷行シナケレバナラナイ大キナル、
一點ニ對シテ、見落シガアルノデアリマス、
敢テ御承知ガナクテ見落シテ居ラルルト云
フノデアリマスルナラバ、農林大臣失禮デ
アリマスルガ勉强ガ足リナイ、併シ知ツテ
オイデニハナルガ、オヤリニナラヌト云フコ
トデアルナラバ、私ハ滿足出來マセヌ、ソ
レハ何デアルカ、卽チ吾々ガ殆ド心血ヲ注
イデ絕叫シテ參ツテ居リマス農民ト農地ノ
問題デアリマス、卽チ農民ト農地ヲ完全ニ
結ビ付ケテ、而シテ農民ガ農地ニ對シテ安
全ナル保障ノ上ニ立ツテ、農業生產ニ從事
出來ル所ノ農地制度ノ根本的改革ヲ斷行ス
ルニアリト信ジマス、此ノ農地制度ノ根本
的改革ト云フコトニナリマスルト、農林大
臣ハ恰モ虎ノ尾ニ觸ルルガ如ク戰々兢々ト
セラレテ居ル、此ノ問題ニナリマスルト、
明カニ現在我ガ日本ノ國ノ農耕地ノ六百万
町步ノ半分ガ小作地デアル、又人口ノ七割
ガ卽チ小作人及ビ自作兼小作農デアル、之
ヲ完全ニ自作農ニスルナラバ、食糧ノ生產
ハ天候ヤ肥料、資材ハ其ノ儘ニシテ置キマ
シテモ、一割五分ヤ二割ハ完全ニ增產ニナ
ルト云フコトハ明カデハアリマセヌカ、是
ハ補助金ガ要ルノデハアリマセヌ、問題ハ
革新的ナ立場ヲ執ツテ農業政策ヲ斷行スル
所ノ決意ガ、現內閣ニアリヤ否ヤト云フ點
ニアルノデアリマス、現內閣ハ大東亞戰爭ヲ
勝拔カナケレバナラヌト云フコトニ付テ、
御決意ノ牢固タルコトハ分ツテ居ル、併シ
吾々ガ問ハントスル所ハ、其ノ牢固タル
決意ダケデハナク、具體的政策如何デアリ
マス、何ト云ウテモ農民ハ不利益ナル惡條
件ノ上ニ立ツテ生產ニ從事シ、日本人ノ食
糧ハ日本內地ニ於テ自給セシムルト云フ重
大使命ガアリマス、此ノ使命ヲ達セシムル
三、眞ニ拔本塞源ノ對策トシテ、農地制度
ヲ根本的ニ改革致シマシテ、全農民ヲ自作農
トナシ、其ノ自作農ニナリマシタ農民ガ、
俺ハ日本ノ農民タリトノ誇リヲ持ツテ、農
業ニ勵シムト云フ體制ニ速カニスルト云フ
コトヲ措イテ他ニナイト私ハ絕叫スルノデ
アリマス、農林大臣ハ屢〓是等ノ點ニ對シ
マシテ、意見ハ發表サレタ機會ガアリマス
ルガ、本議會ノ如キハ政策トシテ見ルベキ
モノハ一ツモアリマセヌ、何卒私ガ今申述
ベマシタ點ニ關シマシテ、農林大臣ハ今議
會ニ尙ホ土地問題ニ關スル所ノ拔本塞源的
ナル對策ヲ立テテ、全農民ヲシテ安心セシ
ムル所ノ態度ヲ立テラルベキモノデアルト
云フコトヲ固ク申上ゲマシテ、之ニ對スル
農相ノ御答辯ヲ得テ置キタイト思フノデア
リマス
最後ニ、內務大臣、農林大臣兩大臣ニ御
伺ヒヲ致シマス、此ノ團體法ヲ制定セラル
ルニ當リマシテ、吾々ガ多大ナル注意ヲ拂
ツテ居リマシタノハ、農業政策ノ問題ニ關
シテ、內務大臣ノ方針ト農林大臣ノ方針ト
ガ、動モスレバ其ノ根本方針ノ上ニ於テ、
致ヲ見ナイ點ガアルノデハナイカト云フコ
トデアリマス、内務大臣モ農林大臣モ國務
大臣デアリマス、此ノ方法ヲ執レバ明カニ
食糧ガ增產出來ルト云フ點ニナツテ、內務
大臣、農林大臣ノ意見ノ違フベキ筈ハナイ
ノデアリマス、併シ動モスレバ今日內務省ト
農林省トノ間ニ於テ、其ノ權限上ノ爭ヒ等ガ
アルガ如キコトアリト致シマスルナラバ、
洵ニ遺憾デアル、具體的一二ノ事例ヲ申シ
マスルナラバ、地方ニ於ケル農地ノ問題ニ關
シテハ農地調整法、小作調停法等ガアリマシ
テ、農林省ノ關係ニ於キマシテハ小作官ガ
扱ツテ居ル、內務省ノ方ニ於キマシテハ警
察官ヲ使ツテヤツテ居リマス、法律其ノモ
ノノ上カラ行キマスルナラバ、農地調整法、
小作調停法ニ依リマシテ、小作官ノ行フベ
キコトヲ警察官ノ手ニ於テナサレテ居ルト
云フヤウナコトハ、問題小ナリト雖モ法ノ
運用上ニ於キマシテ、洵ニ遺憾デアリマス、
農業團體法ガ私ヲシテ言ハシムルナラバ、斯
クノ如キ不徹底ナ農業團體法ニ至ツタト云
フコトノ中ニモ內務、農林兩省ノ間ニ於ケ
ル農村問題ノ〓究ガ不十分デアツタト思フ
ノデアリマス、故ニ今後本法案ガ上程ヲセ
ラレマシテ通過シ、是ガ運用ノ途上ニ於キ
マシテハ內務省ノ關係ト農林省ノ關係ハ、
一層緊密ニナルノデアリマス、之ニ對シ
テ內務大臣ハ特ニ內務省ノ中ニ於テ、農村
問題ニ對スル特別ノ〓究機關、或ハ農林省
トノ間ニ於テ具體的ナル連絡機關等ヲ設ケ
テ、吾々ガ憂ヘテ居リマスルヤウナ點ガナ
イヤウニ御計ラヒニナル御用意ガアルカナ
イカト云フコトヲ、此ノ席上ニ於テ御言明
ヲ願ツテ置キタイト思フノデアリマス
以上申述べマシタ諸點ニ關シマシテ、何
卒此ノ議場ヲ通ジマシテ、全國農民ガ安ン
ジテ〓糧增產ニ從事シ、又政府ノ方針ヲ明
確ニ認識スルコトガ出來マスルヤウニ、極
メテ明快ナル所ノ御答辯ヲ兩大臣ニ要求致
シマシテ、私ノ質疑ヲ終リタイト思ヒマス
(拍手)
〔國務大臣井野碩哉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=51
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052・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 平野君ノ御質問
ニ對シマシテ御答へ申上ゲマス、先ヅ第一
點ハ新農業團體ノ指導精神ガ不明確デア
ル、單ナル團體統合ニ過ギナイノデハナイ
カト云フ御質問デアリマスルガ、此ノ點ニ
關シマシテハ提案ノ理由ニモ申上ゲマシタ通
リ、今日ノ食糧增產ノ上カラ現在ノ團體狀
態ヲ以テシマシテハ、政府ノ施策モ滲透スル
コトニ困難ヲ感ジテ居リマスルシ、又農業
者自體モ其ノ指導命令ヲ各方面カラ受ケル
コトニ依リマシテ、其ノ生產上種々ナル障
碍ヲ受ケテ居ルノデアリマス、隨テ今囘ノ
統合ハ是等ノ障碍ヲ一掃シテ、政府ノ施策
ヲ一元的ニ滲透セシメ、農民ヲシテ責任ト
創意トヲ以テ增產ニ協力セシムル態勢ヲ執
ツタ次第デアリマスルカラ、此ノ指導方針
ハ極メテ明瞭デアルト考ヘテ居ルノデアリ
マス
第二點ハ農業再編成ノ問題デアリマスル
ガ、此ノ點ニ付キマシテ、今囘ノ議會ニ農
林省トシテハ單ナル二ツノ法律案ヲ出シテ
居ルダケデ、不徹底デハナイカト云フコト
デゴザイマスガ、農業ノ再編成ト云フコト
ハ、現在ノ皇國農村トシマシテ食糧增產場
トシ、又大和民族涵養ノ基地トシマシテ、之
ヲ日本ノ立派ナル農村ニ仕上ゲテ參リタイ、
ソレニハ現在ノ農業經營ニ於キマシテハ、
或ハ過小農デアリ、低位農家モ少クナイノ
デアリマスカラ、是等ヲ出來ルダケ維持育
成シ、且ツ農業經營ヲ多角經營化シ、有畜
農業化シ、且又自作農ヲ奬勵シテ參リタイ
ト云フ意味ニ於テノ再編成ヲ色々考慮シテ
參ツテ居ルデアリマス、隨テ單ニ法律ダケ
デ御判斷ヲ願フ譯ニ參ラナイノデアリマシ
テ、豫算其ノ他農林省ノ各般ノ施策ヲ御檢
討戴ケレバ、結構デアルト思フノデアリマス、
唯農事實行組合ノ如キモノハ此ノ法案カラ
ハ抹殺サレテ居ル、或ハ團體ノ上部ガ三ツ
ニ分レテ居ルト云フ色々ノ點ヲ以テ、再編成
ノ問題ニ關聯シテノ御質問デアリマシタ
ガ、是等ノ點モ決シテ農事實行組合ヲ抹殺
シテ居ルノデハナクシテ、農事實行組合ハ
旣成的發生トシテ、今日農村ニヤハリ認メテ行
ク方針デアリマス、唯之ヲ下部ノ農業團體ニ
强制加入致シマセヌデシタノハ、農民自體
ガ强制加入ニナツテ居リマスカラ、二重加
入ヲ避ケタ譯デアリマスシ、又上部ノ團體
ヲ三ツニ致シマシタノモ、其ノ事業分量、或ハ
性格カラ斯ク致スコトガ今日ノ狀態ニ於テ
適當デアルト考ヘマシタガ故ニ、サウ致シ
タ次第デアリマス
第三ノ人口四割ノ定有問題ニ付キマシ
テ、皇國農村問題トモ關聯シテノ御質問デ
ゴザイマスガ、人口四割定有ノ問題ハ、內
閣ト致シマシテモ、只今申上ゲマシタ通リ、
今日農村ノ重要性カラ考ヘマシテ、日本人
ロヲ成ベク農村ニ多ク保有セシメタイト云
フ意味ニ於キマシテ、一定ノ目標ヲ立テテ
居ル譯デアリマス、隨テ之ニ卽應致シマシ
テ、各般ノ農業施策ヲ盛ツテ參リマスコトハ
當然デアル、皇國農村確立ノ問題ヲ取上ゲ
テ、今日農林省ト致シマシテモ、極力各方面カ
ラ是ガ達成ニ努力致シテ居ルフモ、其ノ趣旨
ニ外ナラナイノデアリマス、唯豫算ガ少
イトカ、或ハ事項ガ貧弱デアルトカ云フ御
話デアリマシタガ、皇國農村ヲ確立シマス
ノハ單ニ一豫算ダケヲ以テ完成シ得ナイ
ノデアリマス、今日ノ豫算面ニ現ハレテ居
リマスノハ、三百町村ヲ先ヅ取敢ヘズ初年
度ニ於テヤツテ見ヨウ、サウシテ色々ノ計
畫ヲ立テテ、吾々ガ目標ト致シテ居リマス
ル所謂自作農創設、有畜農業、其ノ他農地
ノ交換分合等ニ依リマシテ、適當ナル規模
ノ農村ヲ作リ上ゲヨウト云フ一ツノ目標ヲ
立テテ居ルノデアリマス、隨テ此ノ成績如
何ニ依リマシテ、或ハ二年ノ內、或ハ三年
ノ內ニ數千町村ニ對シテモ、サウ云ツタ施
策ヲ實施シテ參リタイト考ヘテ居ルノデア
リマシテ、農林省全體ノ豫算五億數千万圓
ノ豫算ヲ持ツテ居リマスルガ、是等ノ豫算
ヲ適當ニ按配スルコトニ依リマシテ、皇國
農村ノ確立ニ資シテ參リタイト考ヘテ居ル
ノデアリマス
第四ハ農地制度ノ問題デゴザイマスガ、
此ノ點ニ付テ農地制度ト云フモノガ日本ノ
食糧增產ノ上ニ於テ、又日本農村ノ確立ノ
上ニ於キマシテ、極メテ重大ナ問題デアル
コトハ、御所見ノ通リデアリマス、唯其ノ
ヤリ方ニ付キマシテ、平野議員ト屢〓議論モ
シ、又色々御意見モ伺ツテ居ルノデアリマ
スガ、今日ノ體制ニ於キマシテ平野議員ノ
御說ニハ、直チニ贊成出來ナイ(拍手)ト申
上ゲマスノハ、平野議員ノ御考ヘガ小作地
ヲ直グ國家ノ所有ニ移シテシマヘ、サウシ
テソレヲ自作農トシロト云フ御意見デアリ
マスガ、大東亞戰爭遂行ノ現在ノ途上ニ於
キマシテ、サウ云ツタ餘リニ急激ナル改革
ヲ致シマスコトハ、却テ農村ノ機構ヲ紊ス
所以デアリマスノデ(拍手)吾々ト致シマシ
テハ之ニ贊成致シマセヌ、唯其ノ問題ガ重
大デアリマスガ故ニ、自作農創定ヲ以チマ
シテ農地問題ノ解決ニ資シテ參リタイト思
ヒマス
次ハ第五ノ內務、農林ノ關係ノ問題デア
リマスガ、團體法ニ對シマシテ地方自治ト
ノ關係カラ、内務省トモ此ノ一年間相當ニ色
色ノ協議ヲ遂ゲマシテ、今日ニ於キマシテ
ハ全ク其ノ意見ガ一致ヲ見、此ノ運用ニ付
キマシテモ、今後兩省相提携シテ進ム方針
デゴザイマスルカラ、御懸念ノナイコトヲ
此ノ機會ニ申上ゲテ置キマス(拍手)
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=52
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053・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 最後ノ平野君
ノ御質問ノ點ニ付キマシテハ、只今農林大
臣ノ述べマシタ通リデゴザイマスノデ、左
樣御承知ヲ願ヒマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=53
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054・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ニテ質疑ハ終了致
シマシタ、各案ノ〓査ヲ付託スベキ委員ノ
選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=54
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055・森下國雄
○森下國雄君 日程第十及ビ第十一ノ兩案
ヲ一括シテ議長指名四十五名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=55
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056・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=56
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057・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
9,
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十二乃至第十五ハ便宜上一括シテ議題トナ
スニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=57
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058・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十二、農業保險法中改正法
律案、日程第十三、食糧管理特別會計法中
改正法律案、日程第十四、農業保險ノ保險
料國庫負擔金等ノ交付及分擔等ニ關スル法
律案、日程第十五、木炭需給調節特別會計
法中改正法律案、右四案ヲ一括シテ第一讀
會ヲ開キマス-井野農林大臣
第十二農業保險法中改正法律案政
府提出)第一讀會
第十三食糧管理特別會計法中改正法
律案(政府提出)第一讀會
第十四農業保險ノ保險料國庫負擔金
等ノ交付及分擔等ニ關スル法律案(政
府提出)第一讀會
第十五木炭需給調節特別會計法中改
正法律案(政府提出)第一讀會
農業保險法中改正法律案
農業保險法中左ノ通改正ス
第一條第二項中「前項」ヲ「前三項」ニ改メ
同條第一項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
行政官廳特ニ必要アリト認ムルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ市農會又ハ町村
農會ニ對シ共濟事業ヲ行フベキコトヲ
命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ共濟事業ヲ行フベキ
コトヲ命ゼラレタル市農會又ハ町村農
會第一項ノ認可ヲ申請セザルトキハ行
政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依リ共濟事
業ノ開始ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコ
トヲ得
第二條中「前條第二項」ヲ「前條第四項」ニ
改ム
第十五條、第十七條第一項、第十九條、
第二十三條第一項、第二十四條第一項、
第二十八條第二項、第三十一條乃至第三
十三條、第三十五條第二項及第五十四條
第一號中「第一條第三項」ヲ「第一條第五
項」二氏八
第五十六條國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ農業保險組合ノ組合員ノ支拂フベキ
保險料ノ一部及第三十六條第一項ノ規
定ニ依リ豊業保險組合ガ水稻ノ冷害ニ
付組合員ニ對シ共濟金ノ交付ヲ爲ス事
業ヲ行フ場合ニ於テ當該農業保險組合
ノ組合員ガ醵出スベキ共濟掛金ノ一部
ヲ負擔ス
日本蠶絲統制株式會社ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ桑葉ノ保險ニ付農業保險組合
ノ組合員ノ支拂フベキ保險料ノ一部ヲ
負擔スル爲國庫ニ納付金ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ納付シタル金額ハ法
人稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純
益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算上
之ヲ損金ニ算入ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
食糧管理特別會計法中改正法律案
食糧管理特別會計法中左ノ通改正ス
第一條中「又ハ貯藏」ヲ「、貯藏又ハ檢査」ニ
改ム
第三條中「外國」ノ上ニ「臺灣又ハ」ヲ加フ
第六條中「貯藏」ノ下ニ「檢査」ヲ、「運搬
ニ關スル諸費、」ノ下ニ「一般會計及農業
再保險特別會計ヘノ繰入金、」ヲ加フ
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
農業再保險特別會計法第二條中「一般會
計」ノ下ニ「及食糧管理特別會計」ヲ加ヘ
「及附屬雜收入」ヲ「竝ニ附屬雜收入」ニ改
ム
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關スル法律案
第一條農業保險法第五十六條第一項ノ
規定ニ依ル農業保險ノ保險料國庫負擔
金ハ農業保險組合ノ組合員ノ爲ニ組合
ニ之ヲ交付ス
前項ノ規定ニ依リ組合ニ交付スベキ國「
庫負擔金ノ一部ハ組合ニ對シ之ヲ交付
スルニ代ヘ夫々農業保險組合聯合會又
ハ政府ノ受クベキ再保險料ニ充ツル爲
勅令ノ定ムル所ニ依リ農業保險組合聯
合會又ハ農業再保險特別會計ニ之ヲ交
付シ又ハ繰入ルルコトヲ得
農業保險法第五十六條第一項ノ規定
ニ依ル水稻ノ冷害共濟事業ノ共濟掛
金國庫負擔金ハ當該事業ヲ行フ農業保
險組合ノ組合員ノ爲ニ組合ニ之ヲ交付
ス
第二條前條ノ國庫負擔金ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ一般會計及〓糧管理特別會
計ニ於テ之ヲ分擔ス
前項ノ規定ニ依リ食糧管理特別會計ニ
於テ分擔スベキモノニシテ前條ノ規定
ニ依リ農業保險組合又ハ農業保險組合
聯合會ニ交付スルモノハ之ヲ一般會計
ノ歲入ニ繰入レ同會計ノ歲出トシテ拂
出スベシ
第三條農業保險法第五十六條第二項ノ
規定ニ依ル日本蠶絲統制株式會社ノ負
擔金ハ之ヲ一般會計ノ歲入ニ受入レ同
會計ノ歲出トシテ拂出スベシ
前項ノ規定ニ依リ拂出スモノハ農業保
險組合ノ組合員ノ爲ニ組合ニ交付スル
ニ代ヘ夫々農業保險組合聯合會又ハ政
府ノ受クベキ再保險料ニ充ツル爲勅令
ノ定ムル所ニ依リ農業保險組合聯合會
又ハ農業再保險特別會計ニ之ヲ交付シ
又ハ繰入ルルコトヲ得
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
木炭需給調節特別會計法中改正法律案
木炭需給調節特別會計法中左ノ通改正ス
「木炭需給調節特別會計法」ヲ「薪炭需給
調節特別會計法」ニ改ム
第一條及第四條中「木炭」ヲ「薪炭」ニ改ム
附則
本法ハ昭和十八年度ヨリ之ヲ施行ス
昭和十七年法律第二十七號中「木炭需給
調節特別會計」ヲ「薪炭需給調節特別會
한ごみんな
〔國務大臣井野碩哉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=58
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059・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 只今議題トナリ
マシタ農業保險法中改正法律案外三件ニ付
キマシテ提案ノ理由ヲ御說明致シマス、先
ヅ農業保險法中改正法律案ニ付テ御說明ヲ
申上ゲマス
大東亞戰爭ノ進展ニ伴ヒマシテ、日本民
族ノ源泉タル農村ノ維持育成及ビ日滿ヲ通
ズル食糧自給力强化ノ根本國策ヲ實現致シ
マスル爲ニ、農業經營ノ安定ヲ圖リ、農家經
濟ノ確立ヲ期スルノ必要ハ益〓緊切ナルモノ
ガアルノデアリマスルガ、就中農業上ノ災
害ニ對スル共濟保險施設ノ整備ハ、農業經
營ノ安定上今日必須ノ要務ト存ズルノデア
リマス、然ルニ現行ノ農業保險制度ニ依ル
損害ノ塡補ハ、保險金額少額ナルノミナラ
ズ、保險料負擔ノ關係上五割程度ノ減收ト
ナリマシタ場合ニモ、支拂保險金ハ反當リ
二圓ヲ超エザル狀態デアリマシテ、再生產
ノ確保及ビ農業經營ノ安定ヲ期シマスルニ
ハ不十分ト認メラルルノデアリマス、仍テ
ニ政府ニ於キマシテハ時局ノ要請ニ應ジ、基
本國策ノ宗遂ニ資シマスル爲メ、今囘保險
制度ノ改正ヲ實行セントスルノデアリマシ
テ、其ノ要點ハ第一ニハ反當リ保險金額ヲ
引上ゲ、被害程度別支拂割合ヲ改訂シ、第
二ニハ之ニ伴ヒ增加スル純保險料ノ一部ヲ
一般會計、食糧管理特別會計及ビ日本蠶絲
統制株式會社ニ於テ分擔スルコトトシ、第
三ニハ以上ノ施設ト對應シ危險ノ分散調節
ヲ良好ナラシムルト共ニ、全國的共濟ノ實
ヲ擧ゲマス爲ニ、總テノ市農會又ハ町村農
會ニ對シ、共濟事業ヲ行ハシムルコトヲ得
ルモノトセントスルモノデアリマス、尙ホ
水稻ノ冷害ニ付キマシテモ、右ノ如キ保險
ノ施設ニ準ジマシテ、反當共濟金ヲ引上ゲ、
支拂割合ヲ改訂シ、共濟掛金ノ一部ヲ一般
會計及ビ食糧管理特別會計ニ於キマシテ、
負擔スルコトニ致シタイト存ズルノデアリ
マス(拍手)本法律案ハ以上ノ改正ヲ實行致
シマスル爲ニ、農業保險法ニ對シ所要ノ改
正ヲ加ヘントスルモノデアリマス
次ニ食糧管理特別會計法中改正法律案ノ
提出ノ理由ヲ說明致シマス、政府ハ今囘農
業保險ノ純保險料ノ一部及ビ農業保險組合
ノ行フ水稻ノ冷害共濟事業ノ共濟掛金ノ
部ヲ、國庫ニ於テ負擔スルノヲ適當ト認メマ
シテ、農業保險法ノ改正ヲ行フコトト致シ
タノデアリマスルガ、此ノ國庫負擔金ニシ
テ米麥ニ關スルモノノ中、食糧管理特別會
計ニ於テ分擔スル金額ニ付キマシテハ、之
ヲ一般會計及ビ農業再保險特別會計ニ繰入
レ得ルノ途ヲ開キマスルト共ニ、農業再保
險特別會計ニ於キマシテハ、右ノ繰入金ヲ
受入ルルノ途ヲ開クノ必要ガアリマス爲ニ、
本法律案ヲ提出致シタ次第デアリマス
次ニ農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交
付及分擔等ニ關スル法律案提出ノ理由ヲ說
明致シマス、政府ハ今囘農業保險法ヲ改正
致シマシテ、從來國庫ニ於テ負擔致シテ參
リマシタ農業保險ノ附加保險料ノ外、兩人
純保險料ノ一部及ビ水稻ノ冷害共濟事業ヲ
行フ農業保險組合ノ組合員ノ醵出スベキ共
濟掛金ノ一部ヲモ負擔スルコトト致シマス
ルト共ニ、桑葉ノ保險ニ關スル純保險料ノ
一部ハ、之ヲ日本蠶絲統制株式會社ヲシテ
負擔セシムルコトト致シテ居ルノデアリマ
ス、右ノ場合ニ於キマシテ、先ヅ保險料國
庫負擔金及ビ共濟掛金國庫負擔金ノ交付ニ
付キマシテハ、民間ニ於ケル農業保險事務
處理上ノ便宜ヲ考慮シ、其ノ一部ハ組合員
ノ爲ニ組合ニ之ヲ交付スルコトト致シマス
ト共ニ、其ノ一部ハ組合ニ交付スルニ代ヘ
テ農業保險組合聯合會、又ハ政府ノ受クベキ
再保險料ニ充ツル爲ニ農業保險聯合會ニ交
付シ、又ハ農業再保險特別會計ニ繰入レル
コトト致スノ必要ガアルノデアリマス
次ニ農業保險ノ純保險料ノ國庫負擔金ニ
シテ米麥ニ關スルモノ及ビ水稻ノ冷害共濟
掛金ノ國庫負擔金ハ之ヲ食糧管理特別會計
ニ於テモ分擔スルコトト致ツマシテ、其ノ
分擔額ノ中、農業保險組合及ビ農業保險組
合聯合會ニ交付スル分ニ付キマシテハ、事
務簡捷ノ趣旨ニ依リ之ヲ一般會計ニ繰入レ、
一般會計ノ分擔額ト併セ一括シテ交付スル
ノヲ適當ト認メタノデアリマス、又農業保
險ノ純保險料ニ關スル日本蠶絲統制株式會
社ノ負擔金ニ付キマシテモ、事務簡捷ノ趣
旨ニ依リ之ヲ一旦一般會計ニ納付セシメマ
シタル上、政府ノ負擔スル保險料、國庫負
擔金ト併セ一括シテ農業保險組合聯合會ニ
交付シ、或ハ農業再保險特別會計ニ繰入レル
コトトスルヲ適當ト認メタノデアリマス、
以上ノ理由ニ依リマシテ本法律案ヲ提出致
シタ次第デアリマス
最後ニ木炭需給調節特別會計法中改正法
律案ノ提案ノ理由ヲ說明致シマス、現下ニ
於ケル右ノ需給ノ實情ニ鑑ミマシテ、政府
ハ木炭ト同樣ニ薪ニ付キマシテモ、政府ニ
於テ是ガ買入、賣渡又ハ貯藏ヲ行ヒマシテ、
其ノ需給ノ調節ヲ圖ルコトト致シタノデア
リマスルガ、之ニ關スル歲入歲出ハ之ヲ木
炭ノ需給調節ニ關スル歲入歲出ト共ニ一括
經理スルノヲ適當ト認メマシテ、本法律案
ヲ提出致シタ次第デアリマス
以上四件ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒
御審議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレンコト
ヲ切望シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=59
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060・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=60
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061・森下國雄
○森下國雄君 日程第十二乃至第十五ノ四
案ヲ一括シテ議長指名三十六名ノ委員ニ付
託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=61
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062・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=62
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063・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=63
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064・森下國雄
○森下國雄君 殘餘ノ日程ヲ延期シ、本日
ハ是ニテ散會スルコトトナシ、明後二月一
日定刻ヨリ特ニ本會議ヲ開カレンコトヲ望
ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=64
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065・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセスカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=65
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066・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、次會ノ議
事日程ハ公報ヲ以テ御通知致シマス、本日
ハ是ニテ散會致シマス
午後五時五十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00619430130&spkNum=66
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