1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年二月九日(火曜日)
午後一時五十二分開議
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議事日程 第八號
昭和十八年二月九日
午後一時開議
第一 飼料配給統制法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第二 昭和四年法律第九號中改正法律案(馬の傳染性貧血に罹りたる馬の殺處分に關する件)(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 硫酸アンモニア増産及配給統制法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 恩給法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第五 東北興業株式會社法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第六 會計檢査院法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第七 日滿地方税徴收事務共助法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第八 明治四十年法律第二十五號廢止法律案(樺太に施行すへき法令に關する件)(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第九 大正九年法律第五十三號中改正法律案(關税法關税定率法及保税倉庫法等の朝鮮に於ける特例に關する件)(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十 北支那開發株式會社法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十一 中支那振興株式會社法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十二 占領地軍政官憲の爲したる行爲の法律上の效力等に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十三 兵役法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十四 共通法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十五 明治三十八年法律第三十八號改正法律案(俘虜處罰に關する件)(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十六 陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十七 藥事法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十八 船員保險法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十九 軍事扶助法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一政府より提出せられたる議案左の如し
(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
(第二號)昭和十八年度歳入歳出總豫算追加案
(特第二號)昭和十八年度各特別會計歳入歳出豫算追加案
(追第二號)豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件
昭和十二年法律第八十四號中改正法律案(大東亞戰爭に關する臨時軍事費支辨の爲公債發行に關する件)
昭和十六年度第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十六年度特別會計豫備費支出の件(承諾を求むる件)
昭和十七年度第二豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十七年度特別會計第一豫備金支出の件(承諾を求むる件)
昭和十七年度特別會計豫備金外に於て豫算超過及豫算外支出の件(承諾を求むる件)
昭和十八年度一般會計歳出の財源に充つる爲公債發行に關する法律案中修正
(以上二月八日提出)
一去三日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
兵役法中改正法律案
共通法中改正法律案
明治三十八年法律第三十八號改正法律案(俘虜處罰に關する件)
陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法中改正法律案
飼料配給統制法中改正法律案
昭和四年法律第九號中改正法律案(馬の傳染性貧血に罹りたる馬の殺處分に關する件)
硫酸アンモニア増産及配給統制法中改正法律案
一去五日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
恩給法中改正法律案
東北興業株式會社法中改正法律案
日滿地方税徴收事務共助法案
明治四十年法律第二十五號廢止法律案(樺太に施行すへき法令に關する件)
大正九年法律第五十三號中改正法律案(關税法關税定率法及保税倉庫法等の朝鮮に於ける特例に關する件)
會計檢査院法中改正法律案
藥事法案
船員保險法中改正法律案
軍事扶助法中改正法律案
北支那開發株式會社法中改正法律案
中支那振興株式會社法中改正法律案
占領地軍政官憲の爲したる行爲の法律上の效力等に關する法律案
一咋八日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
國民貯蓄組合法中改正法律案
納税施設法案
臨時資金調整法中改正法律案
普通銀行等の貯蓄銀行業務又は信託業務の兼營等に關する法律案
銀行等の事務の簡素化に關する法律案
戰爭死亡傷害保險法案
鹽專賣法中改正法律案
商工經濟會法案
商工組合法案
商工組合中央金庫法中改正法律案
帝國鑛業開發株式會社法中改正法律案
重要鑛物増産法中改正法律案
郵便年金法中改正法律案
航空法中改正法律案
木船保險法案
自動車交通事業法中改正法律案
一議員より提出せられたる議案左の如し
河川及海岸の防災施設増強に關する建議案
提出者
伊藤東一郎君 安田桑次君
石榑敬一君
官幣大社宗像神社殿境域復興に關する建議案
提出者
中野正明君 松本治一郎君
森部隆輔君 江口繁君
(以上二月二日提出)
人口國策強化徹底の緊急方策として結婚調整委員會設置に關する建議案
提出者 松本治一郎君
昭南島附近に於ける高丘親王薨去の聖地調査に關する建議案
提出者
清水留三郎君 高見之通君
小高長三郎君 猪野毛利榮君
安藤正純君 加藤知正君
青木精一君 小泉純也君
(以上二月八日提出)
一議員より提出せられたる質問主意書左の如し
高丘親王の御遺跡調査竝御遺徳顯彰へ關する質問主意書
提出者
小高長三郎君 高見之通君
清水留三郎君 猪野毛利榮君
安藤正純君 加藤知正君
青木精一君 小泉純也君
(以上二月八日提出)
一昨八日政府より昭和十六年度國有財産増減總計算書、昭和十七年三月三十一日現在國有財産現在額總計算書及之に添附すべき各省の同増減報告書、同現在額報告書竝會計檢査院の檢査報告を受領せり
一去二日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第八部選出豫算委員 前田房之助君
一去二日議長に於て選定したる委員左の如し
戰時行政特例法案(政府提出)外二件委員
青木精一君 阿子島俊治君
芦田均君 伊禮肇君
今成留之助君 一宮房治郎君
川島正次郎君 金光邦三君
河上哲太君 河上丈太郎君
北れい吉君 喜多壯一郎君
藏原敏捷君 阪本勝君
鈴木正吾君 田子一民君
高木義人君 高見之通君
堤康次郎君 中村梅吉君
中井川浩君 中助松君
中西敏憲君 中原謹司君
永野護君 野口喜一君
林信雄君 濱田尚友君
羽田武嗣郎君 一松定吉君
福家俊一君 藤本捨助君
松本忠雄君 前田房之助君
牧野良三君 牧原源一郎君
三浦一雄君 水谷長三郎君
村松久義君 森肇君
森口淳三君 吉田賢一君
米田吉盛君 蝋山政道君
渡邊泰邦君
石油專賣法案(政府提出)外二件委員
伊藤三樹三君 今井健彦君
今尾登君 川上胤三君
川俣清音君 金光邦三君
河盛安之介君 片山一男君
木原七郎君 小柳牧衞君
小坂武雄君 木暮武太夫君
齋藤憲三君 澤田利吉君
田嶋榮次郎君 高橋壽太郎君
東條貞君 中村庸一郎君
中島彌團次君 南雲正朔君
西尾末廣君 野田武夫君
林正男君 福田重清君
本多鋼治君 松浦伊平君
前田善治君 正木清君
三木武夫君 森川仙太君
山口喜久一郎君 山本粂吉君
山崎常吉君 八木宗十郎君
八木元八君 吉田敬太郎君
一去三日委員長及理事互選の結果左の如し
戰時行政特例法案(政府提出)外二件委員
委員長 前田房之助君
理事
阿子島俊治君 藏原敏捷君
中助松君 羽田武嗣郎君
水谷長三郎君 森口淳三君
米田吉盛君
石油專賣法案(政府提出)外二件委員
委員長 木暮武太夫君
理事
川俣清音君 片山一男君
中村庸一郎君 野田武夫君
森川仙太君 山本粂吉君
一去三日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第八部選出
豫算委員 作田高太郎君(前田房之助君補闕)
一去四日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第九部選出請願委員 三田村武夫君
一去四日に於ける特別委員の異動左の如し
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案(政府提出)外一件委員
辭任中村梅吉君 補闕森田重次郎君
戰時行政特例法案(政府提出)外二件委員
辭任森肇君 補闕眞崎勝次君
辭任一宮房治郎君 補闕有馬英治君
石油專賣法案(政府提出)外二件委員
辭任松浦伊平君 補闕前川正一君
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出)外一件委員
辭任紅露昭君 補闕久山知之君
一去五日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第八部選出豫算委員 船田中君
一去五日常任委員理事補闕選擧の結果左の如し
請願委員
理事 伊藤東一郎君(理事三田村武夫君去四日委員辭任に付其の補闕)
一去五日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第九部選出
請願委員 伊藤東一郎君(三田村武夫君補闕)
一去五日に於ける特別委員の異動左の如し
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收の爲公債發行に關する法律案(政府提出)外一件委員
辭任宮澤裕君 補闕綾部健太郎君
戰時行政特例法案(政府提出)外二件委員
辭任田子一民君 補闕金井正夫君
辭任芦田均君 補闕木下郁君
一去六日東條内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
内務書記官 郡祐一
内務事務官 今井久
第八十一囘帝國議會内務省所管事務政府委員被仰付
海軍少將 保科善四郎
第八十一囘帝國議會海軍省所管事務政府委員被仰付
司法省行刑局長 正木亮
司法省保護局長 森山武市郎
第八十一囘帝國議會司法省所管事務政府委員被仰付
一去六日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第六部選出決算委員 中助松君
一去六日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第八部選出
豫算委員 松永壽雄君(船田中君補闕)
一去六日に於ける特別委員の異動左の如し
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案(政府提出)外一件委員
辭任小松茂藤治君 補闕池田正之輔君
一昨八日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第六部選出
決算委員 古河和一郎君 (中助松君補闕)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、御諮リ致シマス、豫算委員長ヨリ本日
本會議中委員會ヲ開キタイトノ申出ガアリ
マン、之ヲ許可スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=1
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002・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ之ヲ許可致シマス
尙ホ此ノ際御報〓申上ゲマス、去ル二月
一日ノ院議ニ基キ、議長ヨリ聯合艦隊司令長
官ニ宛テ發送シタル祝賀竝ニ感謝ノ電報ニ對
シ謝電ヲ受領致シマシタ、玆ニ之ヲ朗讀シマス
「レンネル」島沖海戰ニ際シ衆議院ハ院議
3ヲ以テ熱誠溢ルル、感謝慶祝ノ辭ヲ寄セラ
レ感激ノ至ニ堪ヘズ今ヤ戰局益〓、重大ヲ
加フ艦隊將兵ハ深ク聖旨ヲ奉戴シ愈、奮
勵努力必勝ノ信念ト旺盛ナル士氣ヲ以テ
敵ヲ擊碎シ誓ツテ征戰ノ目的ヲ達成セン
コトヲ期ス
玆ニ聯合艦隊ヲ代表シ衷心感謝ノ意ヲ表
ス
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=2
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003・森下國雄
○森下國〓君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際、臨時第一號、臨
時軍事費豫算追加案及ビ追第二號、豫算外
國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル
件ノ兩案ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報〓
ヲ求メ、其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=3
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004・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=4
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005・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-臨第
號臨時軍事費豫算追加案、追第二號、
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ
要スル件、右兩案ヲ一括シテ議題ト致シマ
ス、豫算委員長ノ報〓ヲ求メマス-豫イル
委員長金光庸夫君
(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
(追第二號)豫算外國庫ノ負擔トナルベ
キ契約ヲ爲スヲ要スル件
報〓書
一(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十八年二月九日
豫算委員長金光庸夫
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一(追第二號)豫算外國庫ノ負擔トナルベ
キ契約ヲ爲スヲ要スル件
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十八年二月九日
豫算委員長金光庸夫
衆議院議長岡田忠彥殿
〔金光庸夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=5
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006・金光庸夫
○金光庸夫君 只今議題ト相成リマシタ臨
時軍事費豫算追加臨第一號、及ビ豫算外國
庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件
ノ二件ニ付キマシテ、豫算委員會ニ於ケル
容議ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓致シマス
本案ニ計上サレテ居リマス金額ハ二百七
十億圓デアリマシテ、之ヲ旣ニ成立シテ居
リマスル臨時軍事費及ビ昭和十六年十一月
豫備費外豫算超過支出ヲナシタル金額ノ合
計額四百七十一億餘万圓ニ加ヘマスレバ、其
ノ總額ハ七百四十一億餘万圓ニ達スル次第
デアリマス、本案ニ於ケル歲出豫算ノ內譯
ハ、豫備費六十億圓、臨時軍事費二百十億
圓トナツテ居リマシテ、右ハ米英ヲ撃滅シ、
大東亞戰爭ノ完遂ヲ期スルガ爲メ、此ノ際
增加ヲ必要トスル戰費、卽チ作戰部隊、艦
船等ニ要スル經費、其ノ他差當リ大東亞戰
爭ニ關聯シ、陸海軍ニ於テ緊急ニ增加ヲ必
要トスル諸施設ニ要スル經費ヲ追加計上致
シタモノデアリマス、尙ホ其ノ中ニハ物資
取得ニ要スル經費等ヲモ豫定致シテ居ルト
ノコトデアリマス
次ニ歲入豫算ノ內譯ヲ見マスルニ、其ノ
大部分ハ公債及ビ借入金ニ依ルコトト相成
ツテ居リ、內公債金ハ百七十一億餘万圓、
借入金ハ三十三億圓デアリマス、右借入金
ハ今後現地ニ於テ支出セラレマスル軍事費
ノ所要資金ノ一部ヲ、南方開發金庫等ヨリ
ノ借入ニ依リ調達スルコトト致シタコトニ
依ルモノデアリマス、公債及ビ借入金以外ノ
歲入ハ六十五億餘万圓デアリマシテ、更に
其ノ內譯ヲ申上ゲマスレバ第一ニ、一般會
計ヨリノ繰入金ガ、本豫算計上ノ分二十七
億餘万圓、昭和十七年度追加豫算計上ノ分
九千餘万圓、昭和十八年度追加豫算計上ノ
分十四億餘万圓、計四十三億餘万圓デアリ
マシテ、本豫算計上ノ分トシテハ、昭和十
三年度以降同十七年度マデノ增新稅、竝二
昭和十三年一月以降同十六年マデノ煙草及
ビ「アルコール」値上ニ依ル昭和十八年度增
收額中、相當ノ金額ヲ繰入ルルモノデアリ、
追加豫算計上ノ分ハ別途本議會ニ提出ニ係
ル稅制改正及ビ本年一月ノ煙草値上ニ依
ル昭和十七年度及ビ昭和十八年度增收額
ノ全額ニ相當スル金額ヲ繰入ルルモノデアリ
マス
第二ハ特別會計ヨリノ繰入金デアリマス
ガ、其ノ內譯ハ朝鮮總督府ノ分ガ二億餘万
圓臺灣總督府ノ分ガ一億餘万圓、樺太廳
分ガ二千餘万圓、關東局分ガ七千餘万圓、
通信事業分ガ六千餘万圓、帝國鐵道分ガ一
億餘万圓、計五億餘万圓デアリマシテ、中
本豫算計上ノ分ガ四億餘万圓、追加豫算計
上ノ分ガ九千餘万圓デアリマス、是ハ右ノ
各特別會計ニ於ケル昭和十三年度以降ノ稅
制改正又ハ煙草値上ニ伴フ增收額ノ一部、
又ハ通信料金及ビ鐵道運賃値上ニ伴フ增收
額ノ一部等ヲ繰入ルルモノデ、稅制改正竝
ニ煙草値上ニ依ル增收額ノ中ニハ、今囘ノ
稅制改正竝ニ煙草値上ニ依ル增收額ノ一部
モ含マレテ居ルノデアリマス
第三ハ雜收入十六億餘万圓デアリマシテ、
右ハ最近ノ實績ニ基ク取得物資ノ賣拂代
金鹵獲品ノ貸下料竝ニ物品拂下代等ヲ豫
定シタルモノデアルトノコトデアリマス
最後ニ其ノ他ノ歲入豫算額ハ合計一千餘
万圓デアリマシテ、是ハ軍事費獻納金竝ニ
北支事件特別稅及ビ南洋廳ヲ除ク各地域特
別會計ニ於ケル、北支事件特別稅收入ノ昭
和十六年度決算上ノ增收額ヲ計上シタモノ
デアリマス
次ニ豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ニ
關スル件追第二號ハ、今囘ノ臨時軍事費豫
算ノ追加ニ關聯致シマシテ、軍ノ需要充足
ノ爲メ豫算外契約ヲナスノ必要アルモノガ
增加致シマシタノデ、曩ニ第七十九囘帝國
議會ニ於テ成立致シマシタ臨時軍事費豫算
外契約ノ限度二十五億餘万圓ヲ、五十九億
餘万圓ト改メントスルモノ等デアルノデア
リマス
兩案ト目下本院ニ於テ審議中ニ屬シマス
ル本豫算、竝ニ追加豫算トヲ綜合シテ見マ
スルニ、昭和十八年度一般會計豫算總額ハ
百三十二億餘万圓トナリマス
申スマデモナク臨時軍事費豫算ハ、年度
ノ區分ナク、戰爭終局マデヲ一會計年度ト
スルノデアリマスガ、假ニ今囘ノ臨第一號
計上額ヲ以テ昭和十八年度所屬分ト考ヘマ
シテ、之ヲ右ノ一般會計豫算總額ニ加ヘマ
スレバ四百二億餘万圓トナリ、是ヨリ一般
會計及ビ臨時軍事費特別會計間ニ於テ重複
スル金額トナツテ居リマスル所ノ一般會計
ヨリ、臨時軍事費特別會計ヘ繰入ノ額四十
二億餘万圓ヲ控除致シマスレバ、三百六十
億餘万圓ト相成ルノデアリマス、尙又昭和
十八年度ノ一般會計、各特別會計ヲ通ズル
公債ノ發行豫定總額ハ、二百十四億餘万圓
トナルノデアリマス
又政府ノ說明ニ依リマスレバ、明年度ノ
國民所得ハ諸般ノ資料カラ、大體五百億圓
程度ト豫想セラレ、其ノ配分計書案ハ、只
今ノ所財政資金トシテハ、大體三百十億圓
程度、卽チ租稅等ニ大體百億圓程度、公債
ニ大體二百十億圓ヲ要スベク、生產擴充資
金トシテハ、大體六十億圓弱ガ振向ケラ
L、國民消費資金トシテハ、大凡百三十億
圓見當トナル趣キデアリマスカラ、隨テ昭
和十八年度ニ於ケル貯蓄ノ目標ハ、前述ノ
公債消化ノ爲ノ約二百十億圓ト、生產擴充
資金調達ノ爲ノ約六十億圓トノ合計額タル
二百七、八十億圓程度ニナルデアラウトノ
コトデアリマシテ、右ノ如キ貯蓄ノ目標達
成ノ爲メ、將又現下軍國ノ要請ニ卽應スル
爲メ、全國民ハ此ノ際決戰的生產增强ニ邁
進シ、決戰的節約生活ニ徹底シ、決戰的現
下財政ノ圓滑ナル運營ニ協力スベキ旨ノ政
府ノ切望ガアリ、且ツ政府ハ其ノ完全ナル
遂行ヲ信ジテ疑ハヌトノコトデアリマシタ
兩案ノ審議ニ當リ、大藏大臣ヨリ說明ガ
アリ、次イデ祕密會ニ於テ大藏大臣、陸軍
大臣及ビ海軍大臣ヨリ昭和十八年ノ戰局ノ
重大性ト、決戰完勝ノ爲ニ、確乎タル信念
ト期待トヲ以テ編成シタル旨ヲ、各方面ヨ
リ詳細ニ補充說明ヲ行ハレマシタ、委員
同ハ政府ノ非常ナル決意ト、周到ナル用意ト
ニ滿腔ノ信賴ヲ拂ヒ、質疑ハ一切之ヲ行ハ
ズ、午後一時再開ノ上、直チニ採決ニ入リ、
滿場一致ヲ以テ之ヲ可決致シマシタ、本議
場ニ於テモ何卒滿場一致可決アランコトヲ
切望致シマス、此ノ段御報〓申上ゲマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=6
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007・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 採決致シマス、兩案
ノ委員長ノ報〓ハ何レモ可決デアリマス、
兩案ヲ一括シテ委員長報告ノ通リ決スルニ
贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=7
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008・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 起立總員(拍手)仍テ
兩案トモ委員長報告ノ通リ、全會一致可決
確定致シマシタ(拍手)日程第一乃至第三ハ
便宜上一括議題トナスニ御異議アリマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=8
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009・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第一、飼料配給絲制中改正法
律案、日程第二、昭和四年法律第九號中改
正法律案、日程第三、硫酸アンモニア增產
及配給統制法中改正法律案、右三案ヲ一括
シテ第一讀會ヲ開キマス-井野農林大臣
第一飼料配給統制法中改正法律案
(政府提出、貴族院送付)第一讀會
第二昭和四年法律第九號中改正法律
案(馬ノ傳染性貧血ニ罹リタル馬ノ殺
處分ニ關スル件)(政府提出、貴族院
送付)第一讀會
第三硫酸アンモニア增產及配給統制
法中改正法律案(政府提出、貴族院送
付第一讀會
飼料配給統制法中改正法律案
飼料配給統制法中左ノ通改正ス
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
本法ハ大東亞戰爭終了後一年內ニ之ヲ
廢止スルモノトス
附則第三項ヲ削ル
昭和四年法律第九號中改正法律案
昭和四年法律第九號中左ノ通改正ス
第二條第一項中「三分ノ一」ヲ「二分ノ一」
シム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
硫酸アンモニア增產及配給統制法中改
正法律案
硫酸アンモニア增產及配給統制法中左ノ
通改正ス
第一條第一項中「本法施行後五年以內」ヲ
「本法施行後十年以內」ニ改ム
第四條中「本法施行ノ日ヨリ五年間」ヲ
「本法施行ノ日ヨリ十年間」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣井野碩哉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=9
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010・井野碩哉
○國務大臣(井野碩哉君) 只今上程ニ相成
リマシタ飼料配給統制法中改正法律案外二
件ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ御說明致シ
マス、先ヅ飼料配給統制法中改正法律案ニ
付キマシテ、御說明ヲ致シマス、飼料配給統
制法ハ飼料ノ需給ノ圓滑ト價格ノ公正ヲ圖
ル爲メ、政府ノ適當ト認ムル者ヲシテ、飼
料ノ買入、賣渡、其ノ他飼料ノ配給統制上
必要ナル事業ヲ行ハシムルコトヲ目的トス
ルモノデアリマシテ、昭和十三年第七十三
囘帝國議會ノ協賛ヲ經マシテ、同年十月施
行セラレタルモノデアリマスルガ、其ノ施
行期間ニ付キマシテハ、當時ノ情勢ニ卽應
致シ、一應五箇年ト定メラレタノデアリマ
ス、隨ヒマシテ本法ハ昭和十八年十月ヲ以
テ、期間滿了スルノデアリマスルガ、大東
亞戰爭下ノ今日ニ於キマシテ、飼料ノ供給
ノ確保ニ努メ、是ガ配給ノ適正ト價格ノ公
正トヲ圖リマスコトハ益〓必要デアリマス
ノデ、本法ノ施行期間ヲ更ニ一應大東亞戰
爭終了後マデ、之ヲ延長スルコトト致シタ
イト存ズルノデアリマス
次ニ昭和四年法律第九號中改正法律案ニ
付キマシテ、御說明ヲ申上ゲマス、現在
馬ノ傳染性貧血ニ罹リタル馬ヲ殺處分致シ
マシタル場合ニハ、昭和四年法律第九號第
二條ニ依リ殺ス時ノ馬ノ評價額ト、其ノ屍
體ノ評價額トノ差額ノ三分ノ一ニ相當スル
手當金ヲ交付スルコトトナツテ居リマスル
ガ、之ヲ二分ノ一ニ引上ゲントスルモノデ
アリマス、近時本病ハ多發ノ傾向ニアリマ
シテ、軍事竝ニ產業上ニ及ボス影響少カラ
ヌモノデアリマスノデ、是ガ防遏ノ徹底ヲ
期シマスコトハ、現時局下ニ於キマシテ洵
ニ肝要デアリマス、然ルニ現在殺處分セラ
ルル馬ノ大多數ハ、尙ホ相當ノ能力ヲ有シ、
比較的高度ノ經濟的價値ヲ有シテ居リマ
スノデ、殺處分ハ馬所有者ニ取リ苦痛トス
ル所デアリマシテ、延イテハ法律ノ嚴正ナ
ル施行ニ支障ヲ來シ、本病防遏ノ不徹底ヲ
招來スルニ至ル虞ガアリマスガ故ニ、殺手
當金交付率ヲ二分ノ一ニ引上ゲ、本病防遏
ノ徹底ヲ圖ラントスルモノデアリマス
次ニ硫酸「アンモニア」增產及配給統制法
中改正法律案ニ付キマシテ、御說明ヲ致シ
マス、硫酸「アンモニヤ」增產及配給統制法
ハ、昭和十三年法律第七十號ヲ以テ實施ニ
相成ツタノデアリマスルガ、同法ハ我ガ國
肥料ノ大宗タル硫酸「アンモニヤ」ノ供給ヲ
確保シ、農業生產ノ確保ト銃後農村經濟ノ安
定ニ資スルト共ニ、軍需工業トシテノ硫酸
「アンモニア」製造業ノ確立ヲ圖ル目的ヲ以
チマシテ、同法施行後五年以內ニ硫酸「ア
ンモニア」製造設備ノ新設又ハ增設ヲナシ
タル者ニ對シ、一定年間諸稅ノ免除及ビ器
具機械ノ輸入稅ノ免除、其ノ他諸般ノ保護
特典ヲ與フルト共ニ、必要ニ應ジ硫酸「ア
ンモニア」ノ製造業者及ビ日本肥料株式會
社ニ對シ、增產ノ命令ヲナスコトトシ、以
テ硫酸「アンモニア」ノ生產力ノ擴充ヲ圖ル
コトト致シタノデアリマス、同法施行以來
硫酸「アンモニヤ」ノ製造設備ノ新設モ進捗
中デアリマスルガ、硫酸「アンモニア」製造
設備ノ擴充ヲ圖リマスコトハ、大東亞戰爭
下農業生產確保上、愈〓緊要ト相成リマシ
タノデ、從來同法施行後五年以內ニ硫酸「ア
ンモニア」製造設備ヲ新設又ハ增設致サネ
バ、諸稅ノ免除等本法ノ特典ヲ受クルコト
ガ出來ナイコトト相成ツテ居リマシタノヲ、
更ニ其ノ期間ヲ五年延長シ、本法施行後十
年以内ニ硫酸「アンモニア」製造設備ノ新設
又ハ增設ヲナス者ニ對シ、從來通リ諸般ノ
特典ヲ與フルコトト致シタノデアリマス、
何卒御審議ノ上右三案共速カニ御協賛アラ
ンコトヲ切望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=10
-
011・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=11
-
012・森下國雄
○森下國雄君 日程第一乃至第三ノ三案ハ
一括シテ政府提出農業保險法中改正法律案
外三件委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=12
-
013・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=13
-
014・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
四乃至第六ハ便宜上一括議題トナスニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=14
-
015・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第四、恩給法中改正法律案、日
程第五、東北興業株式會社法中改正法律案、
日程第六、會計檢査院法中改正法律案、右
三案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-森
山法制局長官
第四〓恩給法由改正法律案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
第五東北興業株式會社法中改正法律
案(政府提出、貴族院送付)第一讀會
第六會計檢査院法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)第一讀會
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第十六條第一號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ文官ニシテ國庫ヨリ俸給ヲ受ケサ
ル者及其ノ遺族ノ恩給ハ勅令ヲ以テ定
ムル者之ヲ負擔ス
同條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ在外指定學校職員及樺太ニ於ケル
〓育職員ノ一時恩給ヲ除クノ外一時恩
給ハ府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟之
ヲ負擔ス
第十八條第一項中「府縣費ヨリ俸給ヲ給
スル文官、」ヲ削ル
第二十一條第二項第一號中「及海軍ノ候
補生」ヲ「竝海軍ノ候補生及見習尉官」ニ
改ム
第二十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
〓育職員トハ公立ノ學校、幼稚園若ハ
圖書館又ハ在外指定學校ノ職員ニシテ
國庫ヨリ俸給ヲ給セサル官ニ在ルモノ
及判任官以上ノ待遇ヲ受クルモノヲ謂
フ
第二十三條第三號中「消防機關士補」ノ下
ニ「、判任官タル消防手」ヲ加フ
第二十五條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ轉任ト看做
ス
(3)判任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ
消防手警部補、消防士補、消防機關
士補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手
ニ任シタルトキ
(ロ)警部補、消防士補、消防機關士
補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手判
任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ消防手
ニ就職スルトキ
(6)判任官ノ待遇ヲ受クル看守又ハ
〓導副看守長又ハ判任官タル看守若
ハ〓導ニ任シタルトキ
(()副看守長又ハ判任官タル看守若
ハ〓導判任官ノ待遇ヲ受クル看守又
ハ〓導ニ就職スルトキ
( H)其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十六條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ退職ト看做
ス
(3)警部補、消防士補、消防機關土
補副看守長又ハ判任官タル巡査、
消防手、看守若ハ〓導他ノ官ニ轉シ
タルトキ
(日)他ノ官ヨリ警部補、消防士補、
消防機關士補、副看守長又ハ判任官
タル巡査、消防手、看守若ハ〓導ニ
轉シタルトキ
(ハ)其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十八條ノ二防衞召集ニ依リ部隊ニ
編入セラレタル軍人ノ在職年ノ計算ニ
關シテハ本法中ノ在職年ノ計算ニ關ス
ル規定ニ拘ラス勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ
爲スコトヲ得
第四十七條中「陸軍ノ見習士官海軍ノ候
補生」ヲ「陸軍ノ見習士官海軍ノ候補生見
習尉官」ニ、「陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ
候補生」ヲ「〓軍ノ見習士官又ハ海軍ノ候
補生若ハ見習尉官」三段人
第五十九條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ文官ニシテ府縣又ハ之ニ準スヘキ
地方經濟ヨリ俸給ヲ受クルモノハ當該
府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟ニ對シ
納付スヘシ
第五十九條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改ム
本節ニ於ケル退職當時ノ俸給年額ノ計
算ニ付テハ左ノ特例ニ從フ
-公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹
リ之カ爲退職シ又ハ死亡シタル者ニ
付退職又ハ死亡前一年內ニ昇給アリ
タル場合ニ於テハ級俸(軍人及準軍
人ニ付テハ別表第一號表ノ假定俸給
年額ヲ以テ級俸トス以下同シ)ノ定
アル俸給ニ付二級ヲ超エ昇給シタル
トキハ二級、其ノ定ナキ俸給ニ付退
職又ハ死亡ノ一年前ノ俸給ノ百分ノ
三十ヲ超エ昇給シタルトキハ百分ノ
三十ノ昇給アリタルモノトス
二前號ニ規定スル者以外ノ者ニ付退
職又ハ死亡前一年內ニ昇給アリタル
場合ニ於テハ級俸ノ定アル俸給ニ付
一級ヲ超エ昇給シタルトキハ一級、
其ノ定ナキ俸給ニ付退職又ハ死亡ノ
一年前ノ俸給ノ百分ノ十五ヲ超エ昇
給シタルトキハ百分ノ十五ノ昇給ア
リタルモノトス
同條第二項中「前項但書」ヲ「前項」ニ、同
條第三項中「退職前一年內ノ俸給」ヲ退
職當時ノ俸給年額」ニ、同條第四項中「看
做シ計算ス」ヲ「看做ス」ニ、同條第五項
中「退職前ノ俸給月額ト稱スルハ退職前」
ヲ「退職當時ノ俸給月額トハ退職當時」ニ
改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
軍人及準軍人ニ付テハ別表第一號表ニ
定ムル各階等ニ對スル假定俸給年額ヲ
以テ各其ノ階等ニ對スル俸給年額トス
第六十條第二項、第三項及第七項中退
職前」ヲ「退職當時」ニ改ム
第六十一條第三項中「退職前」ヲ「退職當
時」ニ、「十四年以上」ラ「十三年以上」ニ
改ム
第六十一條ノ二第三項中「退職前」ヲ「退
職當時」ニ、「十三年以上」ヲ「十二年以
上」ニ、「下士官ニ在リテハ七圓、兵ニ在
リテハ六圓」ヲ「下士官ノ俸給年額ヲ以テ
普通恩給額ヲ計算スル場合ニ在リテハ七
圓兵ノ俸給年額ヲ以テ之ヲ計算スル場
合ニ在リテハ六圓」ニ改ム
第六十二條第二項乃至第四項及第八項、
第六十三條第二項及第三項、第六十四條
第二項、第六十七條第二項、第六十八條
第二項竝ニ第七十條第二項中「退職前」ヲ
「退職當時」ニ改ム
第七十四條第二項中「生活資料ヲ得ルノ
途ナク且之ヲ扶養スル者ナキ」ヲ「生活
資料ヲ得ルノ途ナキ」ニ改ム
第七十五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
公務員カ退職又ハ死亡前一年內ニ二階
等ヲ超エ進級シタル場合ニ於テ前項第
二號乃至第四號ノ規定ニ依リ別表第五
號表乃至第七號表ノ率ヲ乘スヘキトキ
ハ當該公務員カ退職又ハ死亡前一年內
ニ二階等進級シタルトキ乘スヘキ率ヲ
乘ス
同條第四項中「前項」ヲ「前二項」ニ改メ同
條第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ別表
第八號表ノ率ヲ乗スヘキ場合ニ付之ヲ
準用ス
第八十條第一項第三號及第八十一條第一
項中「生活資料ヲ得ルノ途ナク且之ヲ扶
養スル者ナキ」ヲ「生活資料ヲ得ルノ途ナ
キ」三六人
第八十二條第二項及第三項中「死亡前」ヲ
「死亡當時」ニ、同條第四項中「扶助料」ヲ
「一時扶助料」ニ改ム
第八十二條ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第四章雜則
第八十二條ノ二公務員ニシテ本屬廳ノ
承認ヲ受ケ外國政府又ハ之ニ準スルモ
ノノ官吏其ノ他ノ職員(以下外國政府
職員ト稱ス)ト爲ル爲退職シタル後二
年以上外國政府職員トシテ在職シタル
モノ公務員トシテ再就職シ其ノ後一年
以上在職シタル場合ニ於テハ其ノ外國
政府職員トシテノ在職年月數ハ之ヲ普
通恩給ノ基礎タル在職年ニ通算ス但シ
恩給權者ニ於テ反對ノ意思ヲ表示シタ
ルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ハ公務員カ本屬廳ノ承認ヲ
受ケ外國政府職員ト爲ル爲退職スル際
普通恩給ヲ給スヘキ場合ニ於テハ之ヲ
適用セス外國政府職員在職中普通恩給
陸軍陸軍陸
別表第一號表(乙)中兵長上等兵一等兵
海軍非軍海
一等兵等兵三等兵
三分八十
准士官曹長一
別表第五號表及第六號表中判
一等二
判任
准士官曹長上軍曹一伍長二
等兵曹等等曹〓等兵曹
判任兵長上等兵
-等二等三等四等
判任待遇
陸軍兵陸軍上陸軍一陸軍二
長等兵等兵等兵
別表第七號表中
海軍一海軍二海軍三海軍四
等兵等兵等兵等兵
附則
第一條本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅
令ヲ以テ之ヲ定ム但シ思給法第二十三
條第二十五條及第二十六條ノ改正規
ヲ給スヘキ事由ノ生シタルトキ亦同シ
第一項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十二條ノ三第六十四條ノ二ノ規定
ハ前條ノ規定ニ依リ外國政府職員トシ
テノ在職年月數ヲ通算シテ普通恩給ヲ
給スル場合ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ
於テハ外國政府職員トシテノ就職ヲ以
テ再就職トス
軍陸軍
二等兵ヲ兵長上等兵一等兵二等兵
軍海軍
四等兵
軍曹二伍長三
等兵曹〓等兵曹」等兵曹陸軍兵陸軍上陸軍一陸軍二
任長等兵等兵等兵
ヲ
等三等四等海軍一海軍二海軍三海軍四
等兵等兵等兵等兵
待遇
一等兵二等兵三郎人
-
ヲ兵長上等兵一等兵二等兵三六人
定ハ勅令ヲ以テ定ムル日ヨリ、同法第
二十八條ノ二ノ改正規定ハ昭和十七年
十二月一日ヨリ之ヲ適用ス
第二條恩給法第十六條ノ改正規定施行
前給與事由ノ生ジタル思給ノ負擔ニ付
テハ仍從前ノ例ニ依ル
第三條恩給法第十七條ノ規定ハ當分ノ
內之ヲ適用セズ
前項ノ規定ノ施行ニ關シ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條恩給法第五十九條ノ二ノ改正規
定施行前給與事由ノ生ジタル恩給ノ額
ヲ計算スル場合ニ於テハ仍從前ノ例ニ
依ル
第五條昭和十六年十二月八日以後恩給
法第五十九條ノ二乃至第六十四條及第
七十五條ノ改正規定施行前公務ノ爲傷
痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ爲退職シ
タル公務員若ハ之ニ準ズベキ者ニシテ
同改正規定施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ
依リ普通恩給ヲ受ケ若ハ受クベキモノ
又ハ同一期間內ニ公務ノ爲傷痍ヲ受ケ
若ハ疾病ニ罹リ之ガ爲死亡シタル公務
員若ハ之ニ準ズベキ者ノ遺族ニシテ同
改正規定施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ依
リ扶助料ヲ受ケ若ハ受クベキモノニハ
同改正規定ニ依ル恩給金額ガ從前ノ規
定ニ依ル恩給金額ヨリ多額ナルトキハ
當該金額ト同改正規定ニ依ル金額トノ
差額ヲ勅令ノ定ムル所ニ依リ增給ス
第六條公務員ニシテ恩給法第八十二條
ノ二ノ改正規定施行前外國政府職員ト
爲ル爲退職シタル後二年以上外國政府
職員タリシモノ公務員トシテ再就職シ
一年以上在職シテ同改正規定施行後退
職スル場合ニ於テハ同法第八十二條ノ
二ノ改正規定ニ準ジ外國政府職員トシ
テノ在職年月數ヲ通算ス
恩給法第八十二條ノ三ノ改正規定ハ前
項ノ切合ニ付之ヲ準用ス但シ昭和八年
九月三十日以前ニ給與事由ノ生ジタル
一時恩給ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七條昭和八年法律第五十號附則第十
條中「第五十九條ノ二第一項但書」ヲ
「第五十九條ノ二第一項」ニ、「同但書
各號」ヲ「同項第二號」ニ改ム
第八條從前ノ規定ニ依ル道府縣立師範
學校長ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
恩給法第二十二條ノ改正規定施行ノ際
道府縣立師範學校職員ヨリ官立師範學
校職員ニ轉任シ同條ノ改正規定施行後
之ヲ退職スル者ニ普通恩給ヲ給スル場
合ニ於テ其ノ在職年中ニ同條ノ改正規
定施行前ノ同法第六十二條第三項又ハ
第四項ニ揭グル學校ノ〓育職員トシテ
ノ勤續在職年十七年以上ノモノヲ含ム
トキハ常該勤續在職年中十七年ヲ控除
シタル殘ノ勤續在職年一年ニ付同條ノ
規定ニ依リ加給ス
東北興業株式會社法中改正法律案
東北興業株式會社法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一項ヲ加フ
東北興業株式會社ガ其ノ資本ヲ增加ス
ル場合ニ於テハ政府ハ其ノ株式ノ引受
ヲ爲スコトヲ得
第十二條ノ二政府ハ東北興業債劵ノ元
本ノ償還及利息ノ支拂ニ付保證スルコ
トヲ得
第二十五條ノ二東北興業株式會社ハ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對
シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
第二十六條第一項中「利益金額ガ」及「每
營業年度ニ於テハ」ノ下ニ各「政府以外ノ
者ノ所有スル株式ノ」ヲ加ヘ「、各營業年
度ヲ通ジテハ八百五十萬圓」ヲ「ニ相當ス
ル額竝ニ當該營業年度ニ於テ支拂ヒタル
東北興業債劵及借入金ノ利息額ノ合計額」
ニ改メ同條第二項中「利益金額ガ」ノ下
ニ「政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ」ヲ
加ヘ同條第三項中「利益金額ガ」ノ下ニ
「政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ」ヲ加ヘ
「年百分ノ六ヲ超エ百分ノ九迄ノ金額ニ
付テハ」及「、年百分ノ九ヲ超ユル金額
ニ付テハ其ノ全額」ヲ削ル
第二十六條ノ次ニ左ノ一一條ヲ加フ
第二十六條ノ二東北興業株式會社ノ每
營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金
額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者
ノ所有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割
合ヲ超エ利益配當ヲ爲サントスルトキ
ハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配當ガ
總株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均
一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所
有スル株式ノ拂込ミタル株ハ類及政府
ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ
對シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當ス
ベシ
第二十六條ノ三東北興業株式會社ガ第
二十六條第一項ノ規定ニ依リ受クル補
給金ハ法人稅法ニ依ル所得、營業稅法
ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益
ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
第二十九條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二十六條第一項ノ改正規定ハ第八營業
年度ヨリ之ヲ適用ス
第二十六條ノ三ノ改正規定ハ第七營業年
度分ヨリ之ヲ適用ス
會計檢査院法中改正法律案
會計檢査院法中左ノ通改正ス
第二條會計檢査院ニ院長一人、部長三
人及檢査官十四人ヲ置キ之ヲ會計檢査
官トシ別ニ書記官、副檢査官、理事官
及書記ヲ置ク
會計檢査官ハ陸軍又ハ海軍ニ召集セラ
レタル場合其ノ他特別ノ事由アル場合
ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ定
員外ト爲スコトヲ得
第三條院長ハ親任、部長ハ勅任、檢査
官ハ勅任又ハ奏任、書記官、副檢査官
及理事官ハ奏任、書記ハ判任トス但シ
書記ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ奏任
ト爲スコトヲ得
勅任檢査官、書記官、副檢査官、理事
官及書記ノ定員ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條會計檢査院ニ三部ヲ設ケ各部部
長一人及檢査官四人又ハ五人ヲ以テ檢
査ノ事務ヲ分掌ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ニ依ル定員變更ノ結果過員ヲ生ジタ
ル檢査官ニ付テハ其ノ過員ニ係ル員數ヲ
限リ當分ノ內之ヲ定員外トス此ノ場合ニ
於テハ各部檢査官ノ員數ハ第五條ノ改正
規定ニ拘ラズ之ヲ四人乃至六人ト爲スコ
トヲ得
〔政府委員森山銳一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=15
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016・森山鋭一
○政府委員(森山銳一君) 只今議題トナリ
マシタ恩給法中改正法律案外二法律案ニ付
テ、提案ノ理由ヲ御說明申上ゲタイト存ジ
マス、先ヅ恩給法中改正法律案ニ付テ御說
明申上ゲマス、今囘ノ改正ハ數點ニ亙ツテ
居リマスガ、第一ノ點ハ恩給事務ノ簡素化
デアリマス、此ノ點ニ付キマシテハ、先ヅ
恩給金額分擔ノ規定ヲ、當分ノ中停止スル
コトト致シマシタ、現行法デハ恩給ハ原則
トシマシテ、公務員ニ最後ニ俸給ヲ給シマ
シタ經濟、卽チ國庫ナリ、府縣ナリデ受給
者ニ給スルノデアリマスガ、各經濟ノ內部
關係ニ於キマシテハ、公務員ニ俸給ヲ給シ
マシタ經濟相互間デ、恩給金額ヲ分擔スル
コトニナツテ居ルノデアリマス
併シナガラ此ノ分擔ノ事務ハ、甚ダ複雜煩
瑣デアリマシテ、多クノ人手ヲ要シマスル
ノデ、戰爭下、人手ノ節約ノ目的ヲ以テ、
此ノ事務ヲ停止スルコトニ致シタノデアリ
マシ、而シテ恩給金額分擔ノ停止ニ因リ、
各經濟間ニ負擔ノ不均衡ヲ生ジマスモノニ
付テハ、別途財政上ノ處置ニ依ツテ、是正
スルコトニ致スノデアリマス
次ハ恩給金額ノ基礎トナリマス俸給ニ關
スル規定ノ改正デアリマス、現行法デハ、
恩給金額ハ公務員ノ退職前一年內ノ俸給總
額ヲ基礎トシテ、算出スルコトニナツテ居
ルノデアリマスガ、此ノ計算事務モ甚ダ複
雜デアリマスノデ、之ヲ簡素化スルノ趣旨
ヲ以チマシテ、退職當時ノ俸給ヲ基礎トスル
コトニシ、而モ適正ナル恩給金額ヲ算出シ
得ルヤウニ、規定ヲ改メルノデアリマス、
第二ノ點ハ公務員デアツタ者ガ、外國政府
職員トシテ就職シ、更ニ之ヲ退職シテ公務
員トシテ再就職シマシタ場合ニ、外國政府
職員トシテノ在職年ヲ、公務員ノ恩給年限
ニ通算スル規定ヲ設ケタコトデアリマス、
御承知ノ如ク近時公務員デ本屬廳ノ承認ヲ
受ケ、滿洲國等ノ外國政府職員トナリマス
者ガ增加致シマシタガ、是等ノ者ハ謂ハバ
政府ノ命令デ、外國政府職員トナリマスモ
ノデアリマスカラ、此ノ種ノ在職年ヲ恩給
年限ニ通算致シマスノガ、適當デアルト考
ヘマシテ、外國政府職員トシテノ在職年ヲ、
公務員ノ在職年ニ通算スル途ヲ開クコトト
致シタノデアリマス、以上ノ諸點ノ外、防衞
召集制度ノ新設、師範學校制度ノ改正、官廳
職員優遇制度ノ創設等ニ伴ヒマシテ、若干
ノ改正ヲ要スルコトトナツタノデアリマス
次ニ東北興業株式會社法中改正法律案ニ
付キ、御說明·申上ゲマス、東北興業株式會
社法ニ依リ、昭和十一年十月創立サレマシ
タ東北興業株式會社ハ、銳意其ノ使命ノ達
成ニ努メテ參ツタノデアリマスガ、大東亞
戰爭完遂ノ爲メ、資源ノ開發ト物資ノ增產
ヲ圖ルノ要ハ、愈〓大ナルモノガアルニ至リ
マシタ、隨テ今囘同社ハ東北振興ト時局ノ
要求トニ對應シマシテ、其ノ事業ヲ擴充致
スコトトナツタノデアリマスガ、現在ノ機
能ヲ以チマシテハ、事業ノ遂行ニ支障ヲ來
シマスノデ、今囘資本金ヲ增加致シマシテ、
其ノ一部ヲ政府出資トシ、政府以外ノ者ノ
所有スル株式ニ對シテハ、年六分ノ優先配
當ヲ認ムルト共ニ、東北興業債劵ノ元本ノ
償還、利子ノ支拂ニ付テハ政府之ヲ保證シ、
且ツ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益
金額ガ、政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂
込金額ニ對シテ、年六分ノ割合ニ達セザル
場合ニハ、之ニ達スルマデ、是等株式ニ對
スル年六分ノ配當金、竝ニ當該營業年度ニ
於テ支拂ヒタル社債及ビ借入金ノ利息額ノ
合計額ヲ限度トシテ、第十五營業年度マデ
政府ニ於テ補給金ヲ交付スルコトトシ、尙
ホ政府補給金ニ對スル租稅ハ、之ヲ免除ス
ルナド、同社ノ機能ノ强化ヲナスノ必要ヲ
認メ、同法ヲ改正セントスルモノデアリマ
ス
次ニ會計檢査院法中改正法律案ニ付キ、御
說明ヲ申上ゲマス、今囘ノ改正ハ數點ニ亙
ツテ居リマスガ、其ノ第一點ハ、行政簡素
化實施ノ爲ノ改正デゴザイマス、政府ハ曩
ニ部內各方面ニ亙リ、行政ノ簡素化ヲ實施
致シマシタノデアリマスガ、當時會計檢査
院ニ付キマシテモ、同樣簡素化ノ爲ニ現在
ノ四部制ヲ三部制トシ、之ニ伴ヒ部長一人、
奏任檢査官二人、其ノ他職員ノ減少ヲ行フ
方針ヲ決定致シタノデアリマス、併シ右ノ
部制竝ニ部長及ビ檢査官ノ定員ハ、何レモ會
計檢査院法中ニ定メラレテ居リマス爲メ、
當時直チニ之ヲ實施スルコトガ出來マセヌ
デシタノデ、今回是ガ實施ノ爲メ必要ナル
改正ヲ行ハントスルモノデアリマス
改正ノ第二點ハ、職員ノ一部ニ付キ其ノ
定員ノ規定ヲ勅令ニ讓ツタコトデアリマス、
現在會計檢査院ノ職員ノ中デ、理事官以上
ノ者ノ定員ハ、總テ法律ニ定メラレテ居リ
マスガ、此ノ中書記官、副檢査官及ビ理事
官ニ付キマシテハ、其ノ職務ノ性質ニ鑑ミ
マシテ、其ノ定員ヲ法律ノ中ニ規定シテ置
キマスコトハ、比較的其ノ必要性ガ少イモ
ノト考ヘマスノデ、是等ノ定員ハ之ヲ勅令
ヲ以テ定メ得ルコトトナスノガ適當デアル
ト認メマシテ、法律中ニ其ノ旨ノ規定ヲ設
ケルコトト致シタノデアリマス
改正ノ第三點ハ定員外ノ規定ヲ設ケタ點
デアリマス、會計檢査官ガ陸海軍ニ召集サ
レマシタ場合、其ノ他特別ノ必要ノアリマ
ス場合ニ於キマシテ、勅令ノ規定ニ依リマ
シテ、之ヲ定員外トナシ得ルコトト致シマス
爲メ、其ノ旨ノ規定ヲ設ケルコトト致シタ
ノデアリマス、尙ホ最後ニ政府ハ一般ノ官
吏、其ノ他ノ職員ニ付キ、特別ノ優遇ノ途
ヲ開ク見込デアリマスガ、會計檢査院ニ於
キマシテモ、右ト同樣ノ趣旨ヲ以チマシテ、
同院ノ書記ハ勅令ノ定ムル所ニ依リマシ
テ、優遇ノ爲メ之ヲ奏任トナシ得ルコトト
致シマス爲メ、其ノ旨ノ規定ヲ法律中ニ設
ケルコトト致シタノデアリマス、尙ホ先ニ申
述ベマシタ行政簡素化實施ノ爲ニ致シマス
定員ノ減少ニ伴フ經過規定ヲ設ケタノデア
リマス
以上ガ三法律案ノ提案理由デアリマス、
何卒御寒議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレン
コトヲ御願ヒ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=16
-
017・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=17
-
018・森下國雄
○森下國雄君 日程第四乃至第六ノ三案ヲ
一括シテ政府提出戰時行政特例法案外二件
委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=18
-
019・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=19
-
020・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
七乃至第九ハ、便宜上、一括議題トナスニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=20
-
021・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第七、日滿地方稅徵收事務共
助法案、日程第八、明治四十年法律第二十
五號廢止法律案、日程第九、大正九年法律
第五十三號中改正法律案、右三案ヲ一括シ
テ第一讀會ヲ開キマス-湯澤內務大臣
第七日滿地方稅徵收事務共助法案
(政府提出、貴族院送付)第一讀會
第八明治四十年法律第二十五號廢止
法律案(樺太ニ施行スヘキ法令ニ關
スル件)(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第九大正九年法律第五十三號中改正
法律案(關稅法關稅定率法及保稅倉
庫法等ノ朝鮮ニ於ケル特例ニ關スル
件)(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
日滿地方稅徵收事務共助法案
日滿地方稅徵收事務共助法
第一條地方稅、督促手數料、延滯金若
ハ滯納處分費ヲ徵收セラルベキ者又ハ
其ノ者ノ財產ガ滿洲國內ニ在ルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ當該官吏又ハ吏員
ハ滿洲國ノ當該官吏ニ當該地方稅、督
促手數料、延滯金又ハ滯納處分費ノ徵
收ヲ囑託スルコトヲ得
第二條滿洲國ノ地方稅、督促手數料、延
滯金若ハ滯納處分費ヲ徵收セラルベキ
者又ハ其ノ者ノ財產ガ帝國內ニ在ル場
合ニ於テ滿洲國ノ當該官吏ノ囑託アル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該吏員
ハ滿洲國ノ當該地方稅、督促手數料、
延滯金又ハ滯納處分費ヲ徵收シ之ヲ滿
洲國ノ當該官吏ニ送付スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於ケル徵收金ノ徵收ハ別
段ノ規定アル場合ヲ除クノ外帝國ノ當
該市町村稅徵收ノ例ニ依ル
第三條前條ノ規定ニ依ル徵收金ハ日滿國
稅徵收事務共助法第二條ノ規定ニ依ル
徵收金ニ次ギ先取特權ヲ有ス
第四條第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ滯
納處分ニ對シ不服アル者ハ市町村稅滯
納處分ノ場合ニ準ジ訴願ヲ爲シ又ハ行
政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第五條第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ徵
收及送付ノ費用ハ當該徵收金ノ徵收ヲ
爲シタル吏員ノ屬スル地方團體ノ負擔
トス
第六條町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ
本法中町村稅ニ關スル規定ハ町村稅ニ
準ズベキモノニ之ヲ適用ス
町村組合ニシテ町村事務ノ全部又ハ役
場事務ヲ共同處理スルモノハ本法ノ適
用ニ付テハ之ヲ一地方團體ト看做ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
國稅徵收法第四條ノ一第二號及地方稅法
第二十六條第一項第一號中「滿洲國ノ國
稅」ヲ「滿洲國ノ國稅若ハ地方稅」ニ改ム
明治四十年法律第二十五號廢止法律
案
明治四十年法律第二十五號ハ之ヲ廢止ス
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
本法施行前公布セラレタル法律ノ樺太施
行ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル其ノ全部
又ハ一部ノ改正法律ニシテ本法施行後公
布セラルルモノニ付亦同ジ
大正九年法律第五十三號中改正法律案
大正九年法律第五十三號中左ノ通改正ス
第六條中「平安北道義州郡水口鎭ヨリ成
鏡北道豆滿江口ニ至ル陸接國境ニ於テハ
前條ノ」ヲ「前條ノ陸接國境ニ於テハ同條
ノ」ニ改ム
同條ニ左ノ一號ヲ加フ
四國境河川ニ跨ル橋梁、水力發電設
備其ノ他ノ設備ノ建設工事ニシテ朝
鮮總督ノ定ムルモノノ施工ニ必要ナ
ル物品但シ朝鮮總督ノ定ムル陸接國
境隣接地域ニ朝鮮總督ノ定ムル所ニ
依リ輸出又ハ輸入スルモノニ限ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣湯澤三千男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=21
-
022・湯澤三千男
○國務大臣(湯澤三千男君) 只今一括上程
セラレマシタ日滿地方稅徴收事務共助法案
外二件ノ三法律案ニ付キマシテ、ソレ〓〓
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲタイト存ジマス
先ヅ日滿地方稅徵收專務共助法案ニ付テ
申上ゲマス、盟邦滿洲國ノ發展ニ伴ヒマシ
テ、近時日滿兩國間ノ交通ハ益〓頻繁トナ
リ、隨テ納稅義務者ノ移動モ漸次多キヲ加
ヘツツアルノデアリマス、政府ハ曩ニ日滿
國稅徵收事務共助法ヲ制定致シマシテ、國
稅ノ徵收ニ付キ相互便宜ヲ共與スルノ方途
ヲ講ジタノデアリマスガ、地方稅ノ徵收事
務ニ付キマシテモ、其ノ必要アルニ至リマ
シタノデ、國稅ノ例ニ倣ヒ地方稅ノ徵收ニ
付キ、滿洲國ト相互囑託ヲナシ得ル途ヲ開
クコトト致シマシテ、玆ニ本法案ヲ提出致
シタ次第デアリマス
次ニ明治四十年法律第二十五號廢止法律
案ニ付キ申上ゲマス、內外地行政ノ一元化
ヲ圖ル爲ニ、本年四月以降樺太ヲ內地ニ編
入スルコトトナリマスルニ伴ヒ、明治四十
年法律第二十五號樺太ニ施行スベキ法令ニ
關スル法律ヲ廢止致シマシテ、將來制定セ
ラレマスル法律ハ、原則トシテ當然樺太ニ
モ施行スルコトトシ、法律ノ施行關係ヲ速
カニ內地ト同樣ナラシムル必要ガアリマス
ル爲ニ、玆ニ本法律案ヲ提出致シタ次第デ
アリマス
最後ニ大正九年法律五十三號中改正法律
案ニ付キ申上ゲマス、日滿陸接國境地域ニ
於キマスル經濟開發ヲ促進致シマスルコト
ハ、現下生產力擴充計畫遂行上喫緊ノ要務
デアリマスル所、國境河川ニ跨ガル施設ノ
建設工事用各種物品ハ、鮮滿國境ヲ踰エ頻
繁ニ運搬セラレマスルノデ、之ニ關稅法所
定ノ手續ヲ執ラシメマスルコトハ、工事ノ
進捗上相當大ナル支障ヲ來スコトトナリマス
爲ニ、是等物資ノ輸出入ニ對シ關稅法ノ適
用ヲ排除スル必要ヲ認メ、玆ニ本法律案ヲ
提出致シマシタ次第デアリマス、何卒御審
議ノ上速カニ御協賛アランコトヲ希望致シ
マス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=22
-
023・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=23
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024・森下國雄
○森下國雄君 日程第七乃至第九ノ三案
ハ、一括シテ政府提出市制法中改正法律案
外四件委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=24
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025・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=25
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026・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=26
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027・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出自動車
交通事業法中改正法律案ヲ議題トナシ、其
ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=27
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028・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=28
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029・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-自動
車交通事業法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開
キマス-八田鐵道大臣
自動車交通事業法中改正法律案(政府
提出、貴院送付)第一讀會
自動車交通事業法中改正法律案
自動車交通事業法中左ノ通改正ス
第十條第一項第三號中「運輸ニ關スル協
定」ノ下ニ「又ハ共同經營」ヲ加へ同項中
第四號ヲ削リ第五號ヲ第四號トシ第六號
ヲ第五號トス
同條第二項中「及第四號」ヲ削ル
第十六條第一項中「第十條(第一項第二
號第三號及第五號ヲ除ク)及第十
條乃至第十三條」ヲ「第十條(第一項第
二號及第四號ヲ除ク)及第十一條乃至
第十三條ノ二」ニ、「、第十二條及第十
三條中主務大臣トアルハ地方長官(東
京府ニ在リテハ警視總監トス)トシ第
十條第一項第四號中路線トアルハ主タ
ル事業區域トス」ヲ「及第十二條乃至第
十三條ノ二中主務大臣トアルハ地方長
官(東京府ニ在リテハ警視總監トス)ト
ス」ニ改ム
第十六條ノ二中「一般」ヲ「他人」ニ改ム
第十六條ノ三中「又ハ地方長官(東京府ニ
在リテハ警視總監トス以下本章中之ニ同
ジ)」ヲ削ル
第十六條ノ四中「又ハ地方長官」ヲ削ル
第十六條ノ六第一項中「地方長官」ノ下
ニ「(東京府ニ在リテハ警視總監トス以下
本章及第三章中之ニ同ジ)」ヲ、同項第
二號中「運輸ニ關スル協定」ノ下ニ「又
ハ共同經營」ヲ加ヘ同項中第三號ヲ削
リ第四號ヲ第三號トシ第五號ヲ第四號ト
ス
同條第二項中「及第三號」ヲ削リ同條ニ左
ノ一項ヲ加フ
主務大臣又ハ地方長官ハ物資輸送ノ
確保ヲ期スル爲必要アリト認ムルト
キハ貨物自動車運送事業者ニ對シ物
品ノ種類、數量、運賃其ノ他ノ運送
條件ヲ定メ物品ノ運送ヲ命ズルコトヲ
得
第十六條ノ七中「貨物自動車ノ整備ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ」ヲ「貨物自
動車運送事業ノ施設ノ整備ヲ圖ル爲其ノ
他特別ノ事情ニ依リ必要アリト認ムルト
キハ」ニ改ム
第十六條ノ八中但書ヲ削ル
第十六條ノ十自動車運送事業組合ハ旅
客自動車運輸事業、旅客自動車運送事
業又ハ貨物自動車運送事業(以下自動
車運送事業ト總稱ス)ノ總力ヲ最モ有
效ニ發揮セシムル爲自動車運送事業ノ
統制指導ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル經營
ヲ行ヒ且自動車運送專業ニ關スル國策
ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
組合ハ法人トス
第十六條ノ十一自動車運送事業組合ハ
一定地區ニ於テ前條第一項ニ揭グル事
業ノ種類別ニ其ノ事業者ヲ以テ之ヲ設
立ス但シ特別ノ事情アルトキハ二種以
上ノ事業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ
得
第十六條ノ十二自動車運送事業組合ハ
其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ
行フ
一運賃、運輸其ノ他組合員ノ事業ニ
關スル統制
二組合員ノ事業ノ整備確立
三組今員ノ事業ニ關スル指導、調査
及〓究
四組合員ノ事業ニ關スル檢査
組合ハ前項ノ事業ノ外自動車運送事業
ノ統制指導ノ爲必要アルトキハ左ニ揭
グル事業ヲ併セ行フコトヲ得
-組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ購
入共同設備ノ設置其ノ他組合員ノ
事業ニ關スル共同施設
二組合員ノ事業ニ必要ナル資金ノ貸
付
三前各號ニ揭グルモノノ外必要ナル
事業
前項ノ組合ノ共同施設ハ組合員ノ利用
ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル
者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利
用セシムルコトヲ得
第二項第三號ノ車業ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ行フコトヲ得
ズ
第十六條ノ十三主務大臣ハ自動車運送
事業組合ヲ設立セシメントスルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ地區ヲ定メ其ノ
地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル
者ニ對シ組合ノ設立ヲ命ズベシ
前項ノ規定ニ依ル組合ノ設立ノ命令ア
リタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創
立總會ヲ開キ之ニ諮リテ定款其ノ他組
合ノ設立ニ必要ナル事項ヲ定メ監事ヲ
選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第一項ノ規定ニ依リ組合ノ設立ヲ命ゼ
ラレタル者主務大臣ノ指定スル期限迄
ニ其ノ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ
主務大臣ハ定款ノ作成、監事ノ任命其
ノ他組合ノ設立ニ關シ必要ナル處分ヲ
爲スコトヲ得
第十六條ノ十四自動車運送事業組合ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ設立ノ登記ヲ爲
スニ因リテ成立ス
第十六條ノ十五中「第十六條ノ十三ノ規
定ニ依ル」ヲ削ル
第十六條ノ十六自動車運送事業組合ノ
定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一目的
二名稱
三地區
四事務所ノ所在地
五組合員ニ關スル規定
六事業及其ノ執行ニ關スル規定
七役員ニ關スル規定
八會議ニ關スル規定
九會計ニ關スル規定
第十六條ノ十七自動車運送事業組合ニ
ハ左ノ役員ヲ置クベシ
理事長一人
理事若干人
監事若干人
理事長ハ組合ヲ代表シ組合事務ヲ總理
ス
理事ハ理事長ヲ輔佐シ組合事務ヲ分掌
シ豫メ理事長ノ定ムル順位ニ依リ理事
長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理
事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査
ス
理事長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任
期ハ二年トス
理事長又ハ理事ト監事トハ相兼ヌルコ
トヲ得ズ
第十六條ノ十八自動車運送事業組合ノ
理事長ハ自動車運送事業ニ關シ經驗ア
ル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣ノ
認可ヲ受ケ地方長官之ヲ命ズ
組合ノ理事ハ自動車運送專業ニ關シ經
驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長
之ヲ命ズ
組合ノ監事ハ創立總會又ハ總會ニ於テ
之ヲ選任ス
前項ノ規定ニ依ル選任ハ地方長官ノ認
可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼ
ズ
第十六條ノ十九自動車運送事業組合ノ
理事長ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得
ズ但シ地方長官ノ認可ヲ受ケタルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條ノ二十自動車運送事業組合ハ
組合員ノ事業ニ關スル統制規程ヲ定ム
ベシ
組合員ハ當該組合ノ統制規程ニ依ルベ
シ
第十六條ノ二十一左ニ揭グル事項ハ總
會ニ諮リ自動車運送事業組合ノ理事長
之ヲ決ス
-定款ノ變更
二統制規程ノ制定及變更
三收支豫算竝ニ賦課金ノ額及徵收方
法
前項ノ規定ニ依ル組合ノ理事長ノ處分
ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ
其ノ效力ヲ生ゼズ
第十六條ノ二十二自動車運送事業組合
ノ理事長ハ每年總會ニ組合ノ事業ノ狀
況ヲ報告シ組合ノ監事ヲシテ財產ノ狀
況ヲ報〓セシムベシ
第十六條ノ二十三自動車運送事業組合
ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ
對シ經費ヲ賦課シ過怠金ヲ課スルコト
ヲ得
組合ハ其ノ事業ヲ行フ爲特ニ必要アル
トキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ組合
員ノ全部又ハ一部ニ對シ前項ノ規定ニ
依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スル
コトヲ得
第十六條ノ二十四前條ノ規定ニ依ル賦
課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合
ニ於テ自動車運送事業組合ノ請求アル
トキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之
ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ組合ハ其ノ徵
收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベ
シ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權
ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモ
ノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市
町村稅ノ例ニ依ル
第十六條ノ二十五自動車運送事業組合
ハ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテ
ハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十六條ノ二十六自動車運送事業組合
ハ必要アリト認ムルトキハ組合ノ役員
又ハ使用人ヲシテ組合員ノ業務若ハ財
產ノ狀況又ハ帳簿、書類、設備其ノ他ノ
物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
組合前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人
ヲシテ檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ
身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十六條ノ二十七政府ハ自動車運送事
業ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲
特ニ必要アリト認ムルトキハ自動車運
送事業組合ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依
リ豫算ノ範圍內ニ於テ自動車運送事業
ノ統制指導ニ要スル費用ノ一部ヲ補助
スルコトヲ得
第十六條ノ二十八主務大臣ハ必要アリ
ト認ムルトキハ自動車運送事業組合ニ
對シ定款、統制規程、收支豫算、賦課
金ノ額若ハ徵收方法ノ變更又ハ必要ナ
ル事業ノ施行ヲ命ジ其ノ他監督上必要
ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第十六條ノ二十九地方長官ハ自動車運
送事業組合ノ役員ノ行爲ガ法令又ハ法
令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルト
キ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他事業ノ
執行上當該役員ヲ不適當ナリト認ムル
トキハ之ヲ解任スルコトヲ得
第十六條ノ三十自動車運送事業組合ハ
主務大臣ノ命令ニ因リテ解散ス
第十六條ノ三十一自動車運送事業組合
聯合會ハ自動車運送事業ノ總力ヲ最モ
有效ニ發揮セシムル爲其ノ會員ノ事業
ノ統制指導ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル經
營ヲ行ヒ且自動車運送事業ニ關スル國
策ノ立案及遂行ニ協力スルコトヲ目的
トス
聯合會ハ法人トス
第十六條ノ三十二自動車運送事業組合
聯合會ハ第十六條ノ十第一項ニ揭グル
事業ノ種類別ニ之ヲ設立シ全國ヲ通ジ
テ一個トス但ジ特別ノ事情アルトキハ
二種以上ノ事業ニ付之ヲ設立スルコト
ヲ得
聯合會ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ左
ニ揭グル者トス
-當該自動車運送事業ノ事業者ヲ以
テ組織スル自動車運送事業組合
二當該自動車運送事業ノ事業者ニシ
テ自動車運送事業組合ノ組合員タラ
ザルモノ
第十六條ノ三十三自動車運送事業組合
聯合會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グ
ル事業ヲ行フ
-自動車運送事業ニ關スル政府ノ計
畫ニ對スル參畫
二自動車運送事業ニ關スル調査及〓
究
三會員ノ事業ニ關スル統制指導
四會員ノ事業ニ關スル檢査
聯合會ハ前項ノ事業ノ外其ノ會員ノ事
業ノ統制指導ノ爲必要アルトキハ左ニ
揭グル事業ヲ併セ行フコトヲ得
-會員ノ事業ニ必要ナル物ノ購入、
共同設備ノ設置其ノ他會員ノ事業ニ
關スル共同施設
二前號ニ揭グルモノノ外必要ナル事
業
前項ノ聯合會ノ共同施設ハ會員ノ利用
ニ支障ナキ場合ニ限リ會員ニ非ザル者
ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用
セシムルコトヲ得
第二項第二號ノ事業ハ主務大臣ノ認可
ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ行フコトヲ得
ズ
第十六條ノ三十四自動車運送事業組合
聯合會ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
會長人
理事若干人
監事若干人
評議員若干人
聯合會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ム
ル所ニ依リ理事長一人ヲ置クコトヲ得
會長ハ聯合會ヲ代表シ會務ヲ總理ス
理事長ハ會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ會
長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會
長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ會長及理事長ヲ輔佐シ會務ヲ分
掌シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長
及理事長共ニ事故アルトキハ會長ノ職
務ヲ代理シ會長及理事長共ニ缺員ノト
キハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ聯合會ノ業務及財產ノ狀況ヲ監
査ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ答申シ又ハ會長
ニ對シ意見ヲ具申ス
會長、理事長及理事ノ任期ハ三年、監
事及評議員ノ任期ハ二年トス
會長、理事長又ハ理事ト監事トハ相兼
ヌルコトヲ得ズ
第十六條ノ三十五ヲ第十六條ノ三十八ト
シ以下第十六條ノ三十八迄順次三條宛繰
下グ
第十六條ノ三十五自動車運送事業組合
聯合會ノ會長ハ銓衡委員ノ推薦シタル
者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ銓衡委員ハ自動車運送事業ニ關
シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主
務大臣之ヲ命ズ
聯合會ノ理事長及理事ハ自動車運送事
業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中
ヨリ會長之ヲ命ズ
聯合會ノ監事ハ創立總會又ハ總會ニ於
テ之ヲ選任ス
聯合會ノ評議員ハ自動車運送事業ニ關
シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主
務大臣之ヲ命ズ
第三項ノ規定ニ依ル任命及第四項ノ規
定ニ依ル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受ク
ルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十六條ノ三十六自動車運送事業組合
聯合會ノ會長、理事長及理事ハ他ノ職
業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣
ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第十六條ノ三十七自動車運送事業組合
ニ關スル規定ハ第十六條ノ十乃至第十
六條ノ十二及第十六條ノ十七乃至第十
六條ノ十九ノ規定ヲ除クノ外自動車運
送事業組合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第
十六條ノ二十一及第十六條ノ二十二中
自動車運送事業組合ノ理事長又ハ組合
ノ理事長トアルハ聯合會ノ會長トシ第
十六條ノ二十九中地方長官トアルハ主
務大臣トス
第五十二條第三號中「第十六條ノ十三第
一項」ノ下ニ「及第十六條ノ三十七ニ於テ
準用スル同條同項」ヲ加フ
第五十八條第一項中「理事、監事、假理事」
ヲ「役員、使用人」ニ改ム
第五十九條ノ二自動車運送事業組合ノ
組合員又ハ自動車運送事業組合聯合會
ノ會員統制規程ニ基キテ爲シタル組合
又ハ聯合會ノ處分ニ違反シタルトキハ
千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條ノ三自動車運送事業組合ノ
組合員又ハ自動車運送事業組合聯合會
ノ會員第十六條ノ二十六第一項又ハ第
十六條ノ三十七ニ於テ準用スル同條同
項ノ檢査ヲ妨ゲタルトキハ五百圓以下
ノ過料ニ處ス
第五十九條ノ四自動車運送事業組合聯
合會ノ會員ガ自動車運送事業組合ナル
トキハ第五十九條ノ二ノ規定ハ其ノ行
爲ヲ爲シタル組合ノ役員又ハ使用人ニ、
前條ノ規定ハ其ノ行爲ヲ爲シタル組合
ノ役員ニ之ヲ適用ス
第六十條左ノ場合ニ於テハ自動車運送
事業組合又ハ自動車運送事業組合聯合
會ノ役員又ハ〓算人ヲ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
ー本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可又ハ許可ヲ受ケテ爲スベ
キ事項ヲ之ヲ受ケズシテ爲シタルト
キ
二本法ニ基キテ爲シタル處分(第十
六條ノ三十七ニ於テ準用スル第十六
條ノ十三第一項ノ規定ニ基キテ爲シ
タル處分ヲ除ク)ニ違反シタルトキ
三行政官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申
立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
四本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報告
ヲ差出サズ又ハ監査員ノ監査ヲ妨ゲ
其ノ他行政官廳ノ命令又ハ處分ニ從
ハザルトキ
五第十六條ノ三十九ノ規定ニ基キテ
發スル勅令ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ
怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
六第十六條ノ四十ノ規定ニ基キテ發
スル勅令ニ違反シタルトキ
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ファミハ
第二條從前ノ第十六條ノ三、第十六條
ノ四又ハ第十六條ノ八ノ規定ニ依リテ
爲シタル處分、手續其ノ他ノ行爲ハ同
條ノ改正規定ニ依リテ之ヲ爲シタルモ
ノト看做ス
第三條本法施行ノ際現ニ本法ニ依リ新
ニ免許ヲ受クベキモノト爲リタル事業
ヲ營ム者ハ本法施行後三月內ニ限リ其
ノ事業ヲ營ムコトヲ得此ノ期間內ニ事
業經營ノ免許申請ヲ爲ストキハ免許又
ハ免許ノ拒否ノ日迄亦同ジ
第四條本法施行ノ際現ニ存スル自動車
運送事業組合ハ本法ニ依リ設立ヲ命ゼ
ラレタル組合ニシテ地區ヲ同ジクスル
モノノ成立シタル時解散ス
本法施行ノ際現ニ存スル自動車運送事
業組合及自動車運送事業組合聯合會ニ
付テハ仍從前ノ規定ヲ適用ス
第五條本法施行前從前ノ規定ニ依リテ
處罰スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ
規定ニ依ル
第六條印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十二號中「自動車運送
事業組合、自動車運送事業組合聯合
會、」ヲ削ル
〔國務大臣八田嘉明君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=29
-
030・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今上程セラレ
マシタ自動車交通事業法中改正法律案ニ付
テ御說明申上ゲマス、自動輸送力ヲ確保致シ
マスルコトガ、戰力增强上極メテ重要デアリ
マスルコトハ、改メテ申上ゲルマデモナイ
所デアリマス、政府ニ於キマシテハ、從來
トモ諸般ノ施策ヲ講ジ、銳意其ノ整備充實
ヲ圖ツテ參ツテ居ルノデアリマスルガ、戰局
ノ進展ニ卽應致シマシテ、陸海輸送力ノ綜
合發揮ニ力ヲ致スベキノ必要ヲ痛感スル次
第デアリマシテ、是ガ爲ニハ自動車ニ關シ
テ一層徹底シタル方策ヲ講ジマスルト共ニ、
鐵道、軌道、自動車等、全陸上運輸機關ガ
打ツテ一丸トナリ、國有鐵道ヲ核心トシテ
有機的連繫ノ下ニ、其ノ總力ヲ遺憾ナク發
揮シ得ルヤウニ、體制ヲ整ヘテ參ラネバナ
ラヌノデアリマス、仍テ此ノ趣旨ニ基キ、現
行自動車交通事業法ヲ一部改正致シマシテ、
自動車運送事業ノ戰時體制ヲ强化シ、戰力
ノ增强ニ資シタイト考ヘマシテ、本改正法
律案ヲ提出致シタ次第デアリマス
本改正法律案ノ要點ハ、第一ニハ貨物自
動車運送事業ノ免許、運賃料金、其ノ他事業
計晝變更ノ認可等ノ權限ヲ鐵道大臣ノ直屬
ト致シマシテ、事業ノ統一的且ツ綜合的ナ
ル統制運營ヲ圖リ得ルヤウニ改メントスル
モノデアリマス
第二ニハ主務大臣又ハ地方長官ハ、物資
輸送ノ確保ヲ期スル爲メ、特ニ必要アリト
認ムルトキハ、貨物自動車運送事業者ニ對
シ、運送ノ實施命令ヲナシ得ルコトト致ス
ノデアリマス
第三ニハ補助制度ノ改正デアリマシテ、
貨物自動車、運送事業者ニ對スル補助ノ範
圍ヲ擴張致シマスルト共ニ、新ニ自動車運
送事業組合聯合會コ對シマシテモ、補助金ヲ
交付シ得ルコトト致シタイノデアリマス
第四ニハ、自動車運送事業組合及ビ同聯
合會ノ目的、設立方法、役員ノ選任方法等ヲ
改ムルト共ニ、組合理事長及ビ聯合會會長
ニ統制權限ヲ付與シ、國策輸送ノ徹底ヲ期
シ得ルヤウニ致シタイノデアリマス、以上
ノ外之ニ關聯シテ規定ノ整備ヲ行ハントス
ルモノデアリマス、何卒御審議ノ上速カニ
御協賛アランコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=30
-
031・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=31
-
032・森下國雄
○森下國雄君 本案ハ政府提出、北海道鐵
道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收ノ爲公
債發行ニ關スル法律案外一件委員ニ併セ付
託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=32
-
033・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=33
-
034・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=34
-
035・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出郵便年
金法中改正法律案、航空法中改正法律案、
及ビ木船保險法案ノ三案ヲ一括議題トナシ
其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=35
-
036・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=36
-
037・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-郵便
年金法中改正法律案、航空法中改正法律案、
木船保險法案、右三案ヲ一括シテ第一讀會
ヲ開キマス-寺島遞信大臣
郵便年金法中改正法律案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
航空法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會
木船保險法案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
郵便年金法中改正法律案
郵便年金法中左ノ通改正ス
第三條中「二千四百圓」ヲ「三千六百圓」ニ
改ム
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
航空法中改正法律案
航空法中左ノ通改正ス
「第三章乘員」ヲ「第三章航空機職員」
ニックハ
第十五條本法ニ於テ航空機職員トハ航
空機長、航空機操縱士、航空士、航空
機機關士、航空通信士及航空機整備士
ヲ謂フ
第十五條ノ二航空機職員ニ非サレハ航
空機ニ搭乘シテ其ノ運航ニ從事シ又ハ
航空通信若ハ航空機ノ整備ニ從事スル
コトヲ得ス
航空機職員ハ技倆證明書ヲ有スルコト
ヲ要ス
航空機職員ニシテ航空機ニ搭乘シテ其
ノ職務ニ從事スル者ハ技倆證明書ノ外
航空免狀ヲ有スルコトヲ要ス
第十六條中「技倆證明書ヲ有スル者」ノ下
ニ「ニシテ航空機ニ搭乘シテ航空機職員ノ
職務ニ從事スルモノ」ヲ加フ
第十七條航空機職員ハ技倆證明書ヲ携
帶スルニ非サレハ其ノ職務ニ從事スル
コトヲ得ス
航空機職員ニシテ航空機ニ搭乘シテ其
ノ職務ニ從事スル者ハ技倆證明書ノ外
航空免狀ヲ携帶スヘシ
第十七條ノ二航空機ニハ航空機職員ヲ
乘組マシムヘシ
前項ノ航空機職員ノ定員及其ノ航空免
狀ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ三航空機長ハ其ノ航空機運
航ノ安全ニ關シ必要ナル一切ノ措置ヲ
爲スコトヲ要ス
第十七條ノ四航空機長ハ其ノ航空機ノ
航空機職員ヲ指揮監督シ且航空機內ニ
在ル者ニ對シ其ノ職務ヲ行フニ必要ナ
ル事項ヲ命スルコトヲ得
第十七條ノ五航空機長ハ運航ノ安全ヲ
圖ル爲緊急ノ必要アルトキハ其ノ航空
機內ニ在ル者ノ身體ヲ拘束スルコトヲ
得
第十七條ノ六左ノ各號ノ一ニ該當スル
場合ニ於テハ航空機長ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該官吏ニ其ノ旨ヲ報〓スル
コトヲ要ス
一墜落、衝突、火災、機體又ハ機關
ノ損傷其ノ他航空機ノ事故アリタル
トキ
二航空機ニ依リ人ヲ殺傷シ又ハ物件
ヲ損壞シタルトキ
三航空中他ノ航空機又ハ船舶ノ遭難
ヲ知リタルトキ
四航空機內ニ在ル者死亡シ又ハ行方
不明ト爲リタルトキ
五豫定ノ著陸ノ場所ニ著陸セス又ハ
豫定ノ著陸ノ場所以外ノ場所ニ著陸
シタルトキ
第十八條中「乘員」ヲ「航空機職員」ニ定ム
第十九條第十五條ノ二第一項ノ規定ハ
飛行場又ハ命令ヲ以テ定ムル場所ニ於
テ航空機ニ搭乘シテ運航又ハ航空通信
ノ練習ヲ爲ス者、運航又ハ航空通信ノ
練習ノ爲航空機職員ト同乘シテ運航又
ハ航空通信ニ從事スル者及航空通信又
ハ航空機ノ整備ノ補助ヲ爲ス者ニ之ヲ
適用セス
第二十條第一項中「乘員引續キ六月以上
運航ニ從事セサリシトキ」ヲ「航空機職員
著シク其ノ職務ヲ怠リ若ハ其ノ職務ニ關
シ重大ナル過失アリタルトキ」ニ、同條第
三項中「乘員」ヲ「航空機職員」ニ改メ同條
ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ場合ニ於テ航空免狀トアルハ
航空免狀ヲ有セサル航空機職員ニ在リ
テハ技倆證明書トス
第二十三條ノ二第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ航空ノ安全保持ノ爲特別ノ必要ア
ル場合ニ於テハ境界ヨリ外方二千「メー
トル」ノ區域內ニ於テ之ヲ指定スルコ
トヲ得
第二十六條第一項中「又ハ」ヲ「若ハ」ニ改
メ「飛行場豫定地」ノ下ニ「又ハ公共ノ用
ニ供セサル飛行場若ハ公示セラレタル飛
行場豫定地ニシテ行政官廳ノ指定スルモ
ノ」ヲ加フ
同條第二項中「軍用」ノ下ニ「其ノ他國ノ
使用」ヲ加フ
第三十六條前條ニ規定スル場合ヲ除ク
ノ外航空機ヲ使用シテ事業ヲ營マント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官
廳ノ許可ヲ受クヘシ
第三十九條中「航空機ノ長」ヲ「航空機長」
三六人
第五十六條中「第十五條第一項」ヲ「第十
五條ノ二第一項」ニ改ム
第五十六條ノ二第十七條ノ二ノ規定ニ
違反シ所定ノ航空機職員ヲ乘組マシメ
サル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十六條ノ三第十七條ノ六ノ規定ニ
違反シ報〓ヲ爲サス又ハ虚僞ノ報〓ヲ
爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十三條第一項第四號ヲ左ノ如ク改ム
四第二十條ノ規定ニ依ル航空免狀又
ハ技倆證明書ノ返付ヲ怠リタル者
第六十四條ヲ削ル
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ航空機ヲ使用シテ事業
ヲ營ム者ハ本法施行ノ日ヨリ三月ヲ限リ
第三十六條ノ改正規定ニ拘ラズ其ノ事業
ヲ營ムコトヲ得
木船保險法案
木船保險法
第一條木船保險組合ハ木船建造ノ促進
及木船ニ依ル輸送力ノ增强ヲ圖ル爲組
合員ノ所有スル木船(漁船ヲ除ク以下
同ジ)ニ關シ保險ヲ爲スヲ以テ目的ト
ス
保險ノ目的タルベキ木船ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第二條木船保險組合ハ法人トス
第三條木船保險組合ニ非ザルモノハ木
船保險組合又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用
フルコトヲ得ズ
第四條木船保險組合(以下組合ト稱ス)
ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四保險ノ目的
五役員ニ關スル事項
六組合員ニ關スル事項
七準備金ノ積立及管理ノ方法
八剩餘金處分及不足金塡補ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クル
ニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第五條組合ニ役員トシテ理事長一人、
理事五人以上、監事二人以上及評議員
若干人ヲ置ク
第六條理事長ハ組合ヲ代表シ其ノ事務
ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長ヲ
輔佐シ組合ノ事務ヲ分掌シ理事長事故
アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺
員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査
ス
評議員ハ評議員會ヲ組織ス
第七條理事長、理事及評議員ハ組合員
及學識經驗アル者ノ中ヨリ主務大臣之
ヲル
監事ハ評議員會ニ於テ之ヲ選任ス
理事長及理事ノ任期ハ四年、監事及評
議員ノ任期ハ二年トス
第八條理事長ハ定款ヲ各事務所ニ備置
クベシ
理事長ハ每事業年度ノ初ニ於テ財產目
錄貸借對照表、事業報告書、損益計
算書及剩餘金處分案又ハ不足金塡補案
ヲ監事ニ提出シ且之ヲ主タル事務所ニ
備置クベシ
組合員及組合ノ債權者ハ前二項ニ揭ク
ル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第九條評議員會ハ理事長ノ諮問ニ對シ
答申シ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ具申ス
理事長ハ左ノ事項ニ付テハ評議員會ニ
諮問スベシ
-定款ノ變更
二收支豫算
理事長ハ前條第二項ニ揭グル書類及
監事ノ意見書ヲ評議員會ニ提出スベ
シ
本法ニ規定スルモノノ外評議員會ニ關
シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定
ム
第十條組合ノ役員其ノ他ノ職員ハ之ヲ
法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做
ス
第十一條組合ノ成立後ニ於テ保險ノ目
的タルベキ木船ニシテ命令ヲ以テ定ム
ルモノヲ取得シタル者ハ命令ヲ以テ定
ムル時其ノ組合員ト爲ルモノトス
第五十二條及前項ノ規定ニ依リ組合員
ト爲ル者ヲ除クノ外保險ノ目的タルベ
キ木船ノ所有者ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ組合ノ組合員ト爲ルコトヲ得
第十二條前條第一項ニ規定スル木船ノ
所有者第五十二條又ハ前條第一項ノ規
定ニ依リ組合ノ組合員ト爲リタルトキ
ハ第十四條第一項ニ規定スル場合ヲ除
クノ外之ニ因リテ組合ト組合員トノ間
ニ當該木船ニ付保險關係成立スルモノ
トス
組合員前條第一項ニ規定スル木船ヲ取
得シタルトキハ第十四條第一項ニ規定
スル場合ヲ除クノ外命令ヲ以テ定ムル
時組合ト組合員トノ間ニ當該木船ニ付
保險關係成立スルモノトス
第十三條戰爭其ノ他ノ變亂ニ因ル襲
擊、捕獲其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事故
ニ關シ組合ノ爲ス保險ニ付テハ前條ノ
規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
スコトヲ得
第十四條保險ノ目的タル第十一條第一
項ニ規定スル木船ノ讓受人ハ命令ヲ以
テ定ムル時當該木船ニ關スル保險關係
ヲ承繼スルモノトス
保險ノ目的タル木船ニシテ第十一條第
一項ニ規定スルモノ以外ノモノノ讓受
人ハ組合ノ承諾ヲ得テ當該木船ニ關ス
ル保險關係ヲ承繼スルコトヲ得此ノ場
合ニ於テ讓受人ガ組合員以外ノ者ナル
トキハ讓受人ハ組合ノ組合員ト爲ルモ
ノトス
組合ハ正當ノ事由ナクシテ前項ノ承諾
ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十五條組合ハ保險ノ目的タル木船ニ
付沈沒、損傷其ノ他ノ事故ニ因リテ生
ジタル損害ヲ塡補スルモノトス
前項ノ事故及塡補スベキ損害ノ範圍、
保險金額、保險料其ノ他組合ノ爲ス保
險ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第十六條組合ハ組合員ヨリ保險料ヲ徵
收スルノ外定款ノ定ムル所ニ依リ追徵
金ヲ徴收スルコトヲ得
前項ノ追徵金ニ關スル制限ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第十七條組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ
過怠金ヲ徵收スルコトヲ得
第十八條保險料、追徴金又ハ過怠金ヲ
滯納スル者アル場合ニ於テ組合ノ請求
アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依
リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ組合ハ其
ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付
スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザ
ル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ
順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ
ノ徵收金ニ次グモノトス
第十九條保險料、追徵金又ハ過怠金ヲ
徵收スル權利ハ一年、保險金ノ給付又
ハ保險料ノ還付ヲ受クル權利ハ二年ヲ
經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
前項ノ時效ノ中斷、停止其ノ他ノ事項
ニ關シテハ民法ノ時效ニ關スル規定ヲ
準用ス
組合ガ定款ノ定ムル所ニ依リテ爲ス保
險料、追徵金又ハ過怠金ノ徵收ノ〓知
ハ民法第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ時
效中斷ノ效力ヲ有ス
第二十條組合員ハ損害ノ防止輕減ヲ力
ムルコトヲ要ス但シ之ガ爲必要又ハ有
益ナリシ費用ハ組合之ヲ塡補ス
第二十一條組合員ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ保險ノ目的タル木船ノ構造、設備
等ニ付重大ナル變更ヲ加ヘントスルト
キハ豫メ組合ニ通知スベシ
保險ノ目的タル木船ノ危險ガ其ノ構
造設備等ノ重大ナル變更ニ因リ著シ
ク增加スル場合ニ於テハ組合ハ組合員
ニ對シ其ノ變更ヲ制限シ其ノ他必要ナ
ル處置ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十二條組合ハ保險ノ目的タル木船
ニ關シ調査ヲ爲シ又ハ組合員ヲシテ通
常ノ修繕其ノ他必要ナル處置ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
第二十三條左ノ場合ニ於テハ組合ハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ塡補額ニ付塡補ノ
責ヲ負フコトナシ
-組合員保險ノ目的タル木船ニ付損
害ノ防止輕減ヲ怠リタルトキ
二組合員第二十一條第一項ノ規定ニ
依ル通知ヲ怠リ又ハ同條第二項ノ規
定ニ依ル組合ノ指示ニ從ハザルトキ
三組合員前條ノ規定ニ依ル組合ノ調
査ヲ拒ミ又ハ組合ノ指示ニ從ハザル
トキ
第二十四條組合ハ組合員ノ故意又ハ重
大ナル過失ニ因リテ生ジタル損害ヲ塡
補スル責ニ任ゼズ船長其ノ他木船ヲ指
揮スル者ノ故意ニ因リテ生ジタル損害
ニ付亦同ジ
第二十五條組合ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ一定期間組合ノ責ニ歸スベキ損害ノ
發生ナカリシ木船ニ關シ其ノ期間ノ保
險料ノ一部ヲ拂戾スコトヲ得
第二十六條組合員ノ脫退ニ關シ必要ナ
ル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條組合ノ事業年度ハ四月ヨリ
翌年三月迄トス
第二十八條組合ハ每事業年度ノ終ニ於
テ存スル木船保險ニ付命令ノ定ムル所
ニ依リ責任準備金ヲ積立ツベシ
組合ハ不足金ノ塡補ニ備フル爲每事業
年度ノ剩餘金中ヨリ命令ノ定ムル所ニ
依リ準備金ヲ積立ツベシ
第二十九條組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登
記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對
抗スルコトヲ得ズ
第三十條組合ニハ所得稅、法人稅及營
業稅ヲ課セズ
第三十一條組合ガ本法ニ基キテ爲ス登
記ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第三十二條木船保險ニ關スル書類ニハ
印紙稅ヲ課セズ
第三十三條主務大臣必要アリト認ムル
トキハ組合ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ
關シ報〓ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ、定
款ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第三十四條役員ガ法令、定款若ハ主務
大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル
行爲ヲ爲シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ
解任スルコトヲ得
第三十五條組合ニ付解散ヲ必要トスル
事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ
關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六條民法第四十四條第一項、第
五十條、第五十四條、第五十五條及第
五十七條竝ニ非訟事件手續法第三十五
條第一項ノ規定ハ組合ニ之ヲ準用ス
商法第六百三十七條、第六百四十六條、
第六百四十九條第一項、第六百五十八
條、第六百五十九條、第六百六十一條、
第六百六十二條、第八百三十三條、第
八百三十四條第一項、第八百三十六條
第一項第二項及第八百三十七條乃至第
八百四十一條ノ規定ハ木船保險ニ之ヲ
準用ス但シ同法第八百三十四條第一項
ノ規定中六个月及同法第八百三十六條
第一項ノ規定中三个月トアルハ命令ヲ
以デ定ムル期間トス
第三十七條本法ニ規定スルモノノ外組
合ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ヲタチ
第三十八條政府ハ豫算ノ範圍內ニ於テ
組合ニ對シ組合ノ事務ノ執行ニ關スル
費用ノ一部ヲ補助スルコトヲ得
第三十九條保險金ニ關スル決定ニ不服
アル者ハ木船保險審査會ニ審査ヲ請求
シ其ノ決定ニ不服アルトキハ通常裁判
所ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シ
テハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
本法ニ規定スルモノノ外木船保險審査
會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第四十條組合ノ爲シタル保險料、追徵
金若ハ過怠金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又
ハ第十八條第一項及第二項ノ規定ニ依
ル滯納處分ニ不服アル者ハ主務大臣ニ
訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコト
ヲ得
前項ノ規定ニ依ル訴願又ハ行政訴訟ニ
關シテハ組合ハ之ヲ行政廳ト看做ス
第四十一條前條第一項ノ規定ニ依ル訴
願ノ提起アリタルトキハ主務大臣ハ木
船保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ爲ス
ベシ
第四十二條審査ノ請求、訴ノ提起又ハ
訴願若ハ行政訴訟ノ提起ハ處分又ハ決
定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内
ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於テ審査ノ
請求ニ付テハ訴願法第八條第三項ノ規
定ヲ、訴ノ提起ニ付テハ民事訴訟法第
百五十八條第二項及第百五十九條ノ規
定ヲ準用ス
第四十三條組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ本法施行地外ノ地ニ船籍港ヲ定ムル
木船ノ所有者ヲ組合員ト爲スコトヲ得
第四十四條左ノ場合ニ於テハ組合ノ理
事長、理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料
二酸酐
一本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令
ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其
ノ認可ヲ受ケザルトキ
二第三十三條ノ規定ニ依ル報〓ヲ爲
サズ若ハ虛僞ノ報〓ヲ爲シタルトキ、
同條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ
若ハ忌避シタルトキ又ハ同條ノ規定
ニ依ル命令若ハ處分ニ違反シタルト
キ
第四十五條左ノ場合ニ於テハ組合ノ理
事長、理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過
料ニ處ス
-第八條ノ規定ニ違反シ書類ヲ備置
カザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ
事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲
シタルトキ又ハ正當ノ事由ナクシテ
其ノ閱覽ヲ拒ミタルトキ
二第九條第二項又ハ第三項ノ規定ニ
違反シ評議員會ニ諮問セズ又ハ書類
若ハ意見書ヲ提出セザルトキ
三定款又ハ第十六條第二項ノ規定ニ
基キテ發スル勅令ニ違反シ追徵金又
ハ過怠金ヲ徵收シタルトキ
四第二十八條ノ規定ニ違反シ準備金
ヲ積立テザルトキ
五本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令
ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ
不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
第四十六條第三條ノ規定ニ違反シ木船
保險組合又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用ヒ
タル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第四十七條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施行
スル場合ニ於テ必要ナル規定ハ勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
附則
第四十八條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十九條主務大臣ハ保險ノ目的タル
ベキ木船ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
ノ所有者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
組合ノ設立ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依ル組合ノ設立ノ命令ア
リタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ定
款其ノ他組合ノ設立ニ必要ナル事項ヲ
定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第五十條主務大臣前條第二項ノ認可ヲ
爲ストキハ同條第一項ニ規定スル木船
ノ所有者及學識經驗アル者ノ中ヨリ理
事長、理事及評議員ヲ命ズ
評議員ノ任命アリタルトキハ評議員會
ニ於テ遲滯ナク監事ノ選任ヲ爲スベシ
第五十一條前條第二項ノ規定ニ依ル監
事ノ選任アリタルトキハ理事長、理事
及監事ノ全員ハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
組合ハ前項ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立
ス
第五十二條第四十九條第一項ニ規定ス
ル木船ノ所有者ハ組合成立シタルトキ
之ニ因リテ其ノ組合員ト爲ルモノトス
第五十三條第四十九條第二項ノ規定ニ
依ル認可申請ナキ場合ニ於テ組合ノ設
立ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ジェニュー
第五十四條損害保險國營再保險法中左
ノ通改正ス
第一條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改
メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ前項ニ定ムルモノノ外本法ニ
依リ木船保險組合ノ爲ス保險ノ再保
險ヲ行フ
第三條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木船
保險組合」ヲ加フ
第四條第一項中「保險會社ノ保險契約
ニ基ク塡補ノ責任」ノ下ニ「又ハ木船保
險組合ノ法令若ハ保險契約ニ基ク塡補
ノ責任」ヲ加フ
同條第二項中「保險會社」ノ下ニ「又ハ
木船保險組合」ヲ加フ
第五條乃至第八條、第十三條第一項及
第十四條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木
船保險組合」ヲ加フ
第十六條ニ左ノ一項ヲ加フ
木船保險組合第十三條第一項ノ規定
ニ依ル報〓ヲ怠リ又ハ虚僞ノ報〓ヲ
爲シタルトキハ其ノ理事長其ノ他ノ
業務ヲ執行スル役員亦前項ニ同ジ
第五十五條損害保險國營再保險特別會
計法中左ノ通改正ス
第二條中「保險會社」ノ下ニ「又ハ木船
保險組合」ヲ加フ
〔國務大臣寺島健君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=37
-
038・寺島健
○國務大臣(寺島健君) 只今議題トナリマ
シタ郵便年金法中改正法律案外二件ニ付キ
マシテ、其ノ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマ
ス、先ヅ郵便年金法中改正法律案ハ、現下
我ガ國經濟情勢ノ推移ニ鑑ミマシテ、國民
厚生施設タル郵便年金制度ノ機能ヲ、益〓〓
揚シマスルト共ニ、併セテ現下喫緊ノ要務
タル長期貯蓄ノ增强ヲ圖ル爲メ、郵便年金
最高制限額ノ引上ヲナサントスルモノデア
リマス、御承知ノ如ク郵便年金ノ最高制限
額ハ、大正十五年本制度創設ノ際二千四百
圓ト定メラレマシテ、爾來今日ニ至ルマデ
其ノ儘ニ据置カレテアルノデアリマス、併
シナガラ其ノ後ニ於ケル社會情勢、經濟事
情ノ變遷ニ鑑ミマスレバ、最高制限額ヲ引
上グルコトヲ適當ト存ズルノデアリマス、
一面ニ於キマシテ國民ノ購買力ヲ吸收シ、
之ヲ長期固定ノ資金化シマスコトハ、戰時
財政經濟ノ運營ヲ圓滑健全ナラシムル上ニ
於テ、正ニ國家的要務デアルノデアリマ
ス、郵便年金制度ノ如ク、此ノ時局ノ要求ニ
副フ施設ニ付キマシテハ、一層之ヲ擴充發展
セシムルコトガ適切デアルト考ヘルノデア
リマス、是等ノ點ヲ考ヘマシテ、現在ノ郵
便年金最高制限額二千四百圓ヲ三千六百圓
ニ改メル爲メ、玆ニ本改正法律案ヲ提出致
シタ次第デゴザイマス
次ニ航空法中改正法律案ニ付テ申上ゲ
Tシク、高速度交通機關トシテ航空機ノ重
要性ハ、近時著シク高メラレテ居ルノデ
アリマシテ、大東亞建設戰完遂ノ爲メ、
我ガ航空力ノ飛躍的增强發展ヲ圖リ、以テ
遺憾ナク其ノ使命ヲ達成セシメルコト
ガ、現下最モ緊要ナル國策ノ一デアルコト
ハ、皆樣御承知ノ通リデアリマス、是ガ爲
メ政府ニ於キマシテモ、航空機生產力ノ擴
充、航空要員ノ增强、大東亞航空路ノ整備及
ビ航空保安施設ノ整備等ニ重點ヲ置キマシ
テ、極力我ガ航空力ノ强化育成ニ努力致シ
テ居ル次第デアリマスルガ、其ノ準繩トモ
申スベキ現行航空法ハ、必ズシモ今日ノ實情
ニ副ハザル點ガアルノデアリマス、本案ハ
是等ノ點ニ鑑ミマシテ、現行航空法中ニ
部改正ヲ施シ、第一ニハ航空機職員ニ關ス
ル規定ヲ擴充整備致シマシテ、其ノ資格責
任等ヲ一層明確ナラシメ、運航能率ノ向上
及ビ航空事故ノ防止ニ資スルコトトシ、第
二ニハ飛行場周圍ニ認メラレテ居リマスル
特別地域ノ指定範圍ヲ擴張致シマシテ、航
空機ノ大型化及ビ高速化竝ニ盲目着陸施設
ノ發達ニ順應シテ、航空ノ安全ヲ圖ル上ニ遺
憾ナキヲ期スルコトトシ、更ニ第三ニハ航空
保安上及ビ國防上ノ必要ニ基キ、航空機使
用事業ヲ一般ニ許可制トセントスルモノデ
アリマス
最後ニ木船保險法案提案ノ理由ヲ御說
明申上ゲマス、大東亞戰爭ヲ完遂スル爲ニ
ハ、軍事的ニモ經濟的ニモ、先ヅ海上運送
力ノ增强ヲ圖ルノ緊要ナルコトハ、改メテ
申述ベマスルマデモナイ所デアリマシテ、政
府ハ諸般ノ方途ヲ講ジテ、船舶ノ運航能率
ヲ向上セシメ、現有船腹ヲ最高度ニ活用ス
ルト共ニ、計畫造船ノ方策ヲ割定シ、銳意新
船建造ニ努力シツツアルノデアリマスガ、現下
ノ諸情勢ニ顧ミル時ハ船腹ノ擴充ノ爲ニハ、
鋼船ト併行シテ能フ限リ木船ノ建造ヲモ促
進シ、海上輸送力ノ增强ニ資スルコトガ、
極メテ緊要トナツテ參ツタノデアリマス、
然ルニ海運ノ運營ニ最モ密接ナル關係ニア
ル我ガ國海上保險制度ハ、從來木船ニ付テ
ハ不備デアルノミナラズ、實情ニ卽セザル
憾ミガ多々アルノデアリマス、現狀ノ儘デ
ハ木船ノ建造ヲ促進シ、木船ニ依ル計畫
輸送ヲ遂行致シマスル上ニ、多大ノ支障ヲ
招來スル虞ガアルノデアリマス、此ノ狀態
ヲ根本的ニ改善スルガ爲ニハ、政府ノ定メ
マシタル計畫輸送ニ參加スベキ一定ノ「ト
ンレ數以上ノ木船ニ付キマシテ、付保ヲ强
制致シマスルト共ニ、他方國家ノ援助監督
ノ下ニ適正ナル保險制度ヲ樹立シ、木船ノ
運航ニ關シ、聊カモ不安ナカラシムルコト
ガ必要デアルト考ヘルノデアリマス、以上
ノ如キ趣旨ニ基キマシテ、本案ハ保險專業
經營主體トシテ、木船所有者ノ相互保險組
合ヲ設立セシムルコト、及ビ普通保險ノ付
保ヲ强制スルコトノ二ツノ事項ヲ主眼トシ
テ居リマスガ、其ノ要點ハ先ヅ經營形態ト
シテハ、船主ノ相互保險組合タル木船保險
組合ヲ設立セシメテ、保險ヲ行ハシメ、尙
ホ是ガ再保險ニ關シテハ、普通保險ニアツ
テハ、元受保險金額ノ九割ニ付キ、戰爭保
險ニアツテハ、元受保險金額ノ全額ニ付
キ、國家ニ於テ引受ヲナサントスルモノデ
アリマス
次ニ保險ノ目的ハ、原則トシテ總「トン」
數二十「トン」以上ノ木船トシ、此ノ中一定
トン」數以上ノモノニ付キ、普通保險ノ付
保ヲ强制スル方針デアリマス、而シテ保險
金額ハ保險價額ノ全部トシ、塡補範圍ハ從
來一般保險會社デ行ツテ參リマシタ全損及
ビ救助費ノ外ニ分損、共同海損分擔金及ビ
衝突賠償金ヲモ塡補スルコトトシ、保險料
率ハ船種、船齡、航行區域等ニ依リ、多少
相違致シマスガ、組合事務費ヲ國家ニ於テ
補助スル等ノ方法ニ依リ、能フ限リ之ヲ低
廉ナラシムル考ヘデアリマス、本制度ノ實
施ニ當リマシテハ、事業運營ニ關スル諸般
ノ施策ヲモ竝行的ニ實施スルコトトシ、且
ツ海難ノ防止、海員ノ素質向上等、各般ノ政
策ヲ綜合的ニ運用シ、以テ所期ノ目的達成
ニ、萬遺憾ナキヲ期スル所存デアリマス、以
上三案ニ付キマシテ、何卒御審議ノ上速カ
ニ御協賛アランコトヲ切望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=38
-
039・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=39
-
040・森下國雄
○森下國雄君 三案ヲ一括シテ議長指名二
十七名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=40
-
041・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=41
-
042・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=42
-
043・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出石油專
賣法案及ビ燃料局特別會計法案ノ兩案ヲ一
括議題トナシ、委員長ノ報告ヲ求メ、其ノ
審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=43
-
044・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=44
-
045・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-石油
專賣法案、燃料局特別會計法案、右兩案ヲ
一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キマス、委員長
ノ報〓ヲ求メマス-委員長木暮武太夫君
石油專賣法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
燃料局特別會計法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
報〓書
一石油專賣法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十八年二月九日
委員長木暮武太夫
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一燃料局特別會計法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長木暮武太夫
衆議院議長岡田忠彥殿
〔木暮武太夫君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=45
-
046・木暮武太夫
○木暮武太夫君 私ハ只今議題トナリマシ
タ石油專賣法案、燃料局特別會計法案、此
ノ二案ノ委員會ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓致
シタイト存ジマス
本委員會ハ去ル三日カラ本九日マデニ亙
リマシタ、會議ヲ開クコト六囘、其ノ間祕
密會ヲ開クコト二囘ニ及ビマシテ、極メテ
熱心ニ質疑應答ヲ執リ行ヒマシテ、愼重ニ
審議ヲ盡シタノデゴザイマス、兩案ノ要旨
ニ付キマシテハ、旣ニ御承知ノ通リ、本議
場ニ於キマシテ提案ノ理由ノ說明ガゴザイ
マシタノデ、玆ニ於キマシテハ其ノ要旨ノ
說明ハ省略サセテ戴キタイト思フノデアリ
マンく。委員會ニ於キマシテ熱心ナル質疑應
答ニ依リマシテ、明確判明サレマシタ數箇
ノ點ニ付キマシテ、御報告ヲ申上ゲタイト
思フノデアリマス
第一點ハ南方油田獲得ニ依リマシテ、我.
ガ國ハ石油ニ付キマシテハ、自給自足ノ確
乎タル體制ヲ確立スルニ至ツタト云フ、喜
ブベキ商工大臣ノ說明ノアツタコトデアリ
マス、從來外國ヨリノ輸入石油ニ專ラ依存シ
テ居リマシタ我ガ國ノ石油事情ハ、大東亞戰
爭勃發以來、赫々タル戰果ニ依リマシテ、
南方油田ヲ獲得致シマスルコトニ依ツテ、
玆ニ吾々ノ手デ、吾々ノ力デ、吾々自ラガ
南方油田ヲ開發利用確保スルト云フ體制ガ
出來タノデアリマス、唯只今ノ所ニ於キ
マシテハ設備輸送、其ノ他ノ關係カラ申シ
マシテ、マダ十分ト云フ所マデハ、其ノ開
發利用ガ參ツテ居リマセヌケレドモ、但シ
軍需ノ油ニ付キマシテハ、萬全ノ方策ガ執
ラレマシテ、何等ノ懸念ナシト云フ說明ノ
アリマシタコトハ、吾々ノ大イニ國民ト共
ニ安心ヲ致シテ宜シイコトデアルト存ズルノ
デアリマス(拍手)政府モ目下赫々タル戰果
ニ依ツテ獲得致シマシタ南方油田ノ開發利
用對策ニ付キマシテ、緊急處置ヲ銳意怠ラ
ズニヤツテ居ルノデアリマシテ、將來ハ我
ガ國ノ石油事情ト云フモノハ、大東亞戰爭
前ノアノ不安ナ、アノ緊迫致シテ居ル情勢
トハ、全ク一變スルコトニナツタノデアリ
マス
第二ノ點ハ、現在石油ノ配給ニ付キマシ
テハ、可ナリ統制ガ强化サレテ居ルコトハ
皆サンガ御存ジノ通リデアリマスノデ、此
ノ現狀ヲ以テ致シテハ、此ノ時勢ニ應ズル
コトガ出來ズニ、專賣制ヲ新ニ布クト云フ
コトハ、ドウ云フ譯デアルカ、現狀ノ儘デ
モ宜イデハナイカト云フ御質問ガ少カラズ
アリマシタコトニ對シテ、政府ノ答辯ニ依
ツテ明瞭ニナツタコトデアリマス、ソレハ
從來ノ配給ノ方法ニ依リマシテハ、今日戰
力增强ノ基礎的前提デアリマスル所ノ、生產
力擴充ノ見地カラ見マシテ、高度ノ重點石
油配給ト云フコトガ洵ニ不十分デアルカラ、
玆ニ專賣制ヲ布クト云フ一點ニアルノデア
リマス、支那事變勃發致シマシテ以來、石
油ニ付キマシテハ、特ニ其ノ重要性ニ鑑ミ
マシテ、歷代ノ政府ガ之ヲ配給指示シ竝ニ
指導監督致シマシテ、澤山ノ業者ヲ整理統
合シテ、新シイ配給機構ヲ玆ニ作ツテ、之
ヲ利用シテ配給スルト云フ統制ノ方法ヲ執
ツテ居ルノデアリマスケレドモ、此ノ方法
ハ申スマデモナク、政府ガ配給ヲ指示スル、
而シテ石油ノ現物ハ業者ガ握ツテ直接配給
ニ當ルト云フ、二元的ノ配給ノ方法デアル
ノデアリマス、大東亞戰爭始マリマシテカ
ラ、戰局ノ推移ニ伴ヒマシテ、段々ト官需、
民需ノ石油ニ付キマシテハ、當分ノ間ハ相
當輸送設備、其ノ他ノ關係デ窮屈ナルヲ免
レナイ今日ノ情勢ニアルノデアリマス、而
モ戰力ノ增强ハ一日モ緩ウスルコトガ出來
ナイ、是ガ爲ニハ重要產業方面ニ對シマシ
テ、高度ノ重點的配給ヲ行ハナケレバナラ
ナイト云フ情勢ニアル時ニ當リマシテハ、
二元的ノ配給ノヤリ方デハ、此ノ高度ノ重
點配給ヲ極メテ的確迅速ニ行フト云フ見地
カラ見マスト、洵ニ隔靴搔痒ノ感ナキヲ得
ナイノデアリマス、是ニ於キマシテ寧ロ百
步ヲ進メマシテ、配給ヲ指示スル政府ガ、
自ラ石油ノ現物ヲ握ツテ、自ラ配給ノ衝ニ
當ルト云フコトノ、一元的統制ヲ致シマス
ルコトガ、此ノ乏シキ石油ヲ最モ高度ニ重
點產業ニ對シテ配給スルコトヲ、效果的ナ
ラシムル所以デアルトシテ、玆ニ専賣制度
ノ法案ト云フモノガ出來タト云フ說明デア
ルノデアリマス
第三點ハ、今度ノ石油ノ專賣制ト云フモ
ノハ臨時應急ノ戰時ダケノ措置デアルト云
フコトデアリマス、現在ノ石油配給ヲ最高
重點的ニ致シマシテ、戰力增强ニ役立タシ
ムルガ爲ニ、戰時中ノ臨時ノ處置トシテ、
今度ノ石油專賣ト云フコトヲヤルノデアル、
將來日本ヲ中心ト致シマシテ、大東亞共榮
圈內ノ石油ノ配分ヲ、如何ナル形ニ於テナ
スカト云フヤウナ問題ニ付キマシテハ、今
後戰爭ノ進行ト稽ヘ合セマシテ、新シイ構
想ノ下ニ〓究スベキ問題トシテ、殘サレテ
居ルト云フ話デアルコトデアリマス
第四點ハ、此ノ專賣ノ制度ノ方法ハ、所
謂販賣專賣デアルト云フコトガ明カニナツ
タノデアリマス、隨ヒマシテ製造專賣ニマ
デハ立入リ擴充スルト云フ考ヘハ、政府ハ
持ツテ居ラヌト共ニ、原油ニ對シマシテハ、
此ノ專賣カラ外シテアル、尙ホ軍管理下ニ
アル所ノ油ニ付キマシテモ、此ノ專賣以外
デアルト云フ說明デアルコトデアリマス
第五點ト致シマシテハ、政府ガ製造業者カラ
收納致シマスル石油製品ニ對スル賠償價格
ヲ、ドウスルカト云フ問題デアルノデアリ
マス、專賣事業ト云フモノハ、御承知ノ通リ、
動トモ致シマスルト、專賣益金ノ增大ヲ望
ムノ餘リニ、收納品ノ賠償價格ヲ引下ゲ、
叩キ付ケル傾向ガアルノデアリマスルケレ
ドモ、苟クモ戰爭ニ最モ必要ナル石油ニ關
スル限リニ於キマシテハ、サウ云フヤウナ
コトガ萬々一アリマシタナラバ、石油ノ增
產品位ノ改善ト云フヤウナコトハ出來マ
セヌカラ、此ノ大東亞戰爭完遂ノ建前カラ
見マシテ、由々シキ一大事デアルコトハ論
ヲ俟タナイノデゴザイマス、政府ハ答辯ト
致シマシテ、此ノ政府ガ收納スル所ノ石油
製品ノ賠償價格ト云フモノハ、各製油會社
ガ採算ヲ確保致シマシテ、ソレ〓〓ノ企業
ノ經營ヲシテ維持安定セシメ得ル程度ニ定
メタイ考ヘデアル、卽チ各製油業者ガ熱意
ト、創意ト、工夫ヲ十分ニ活用致シマシテ、
サウシテ其ノ仕事ガ十分ニ出來ルヤウニ、
適正生產費ヲ基ト致シマシタ賠償價格ヲ定
メタイト云フ考ヘデアル、隨テ現在製造會
社ガ、石油配給統制株式會社ニ對シテ賣渡
シテ居リマスル價格ヨリモ、專賣ニ依ツテ
此ノ際引下ゲタ値段ニ定メヨウト云フ考ヘ
ハナイト云フコトヲ、明瞭ニ致シタノデア
リマス
尙ホ今度ハ石油ヲ一般ニ賣ル方ノ販賣價
格ニ付テデアリマスガ、石油ガ產業上ノ原
動力トシテ、極メテ大切デアルト云フコト
ニ鑑ミマシテ、專賣ニナツタラ石油ノ販賣
價格ガ、一度ニ上ツタト云フヤウナコトハ、
今日生產力擴充ガ叫バレテ居リマス時、好
マシカラザル、狀態デアルト云フ質問ニ對
シマシテハ、政府ト致シマシテハ、將來石
油精製原價ニ變化ノアル時ハ別ト致シマシ
テ、差當リ現行公定價格ヲ維持スルコトニ
努メタイ、卽チ專賣ニ依ツテ、產業ノ原動
力デアル石油ノ値段ガ上ルト云フヤウナコ
トハ、致サナイ考ヘデアルト云フコトヲ、
答辯サレタノデアリマス
第六點ト致シマシテハ、石油專賣法ヲ
實施致シマシテモ、原則トシテ現狀ノ
儘現在ノ配給機構ヲ其ノ儘賣捌人ニ指
定シテ、サウシテ仕上ヲヤツテ行クト云
フ點ガ、明カニサレタノデアリマス、世
間デハ農林漁業用石油ニ對シマシテ、其
ノ配給系統ガ石油配給會社ト產業組合系
統トノ、二元的ニナツテ居ルト云フコト
ニ對シマシテ、斯カルモノハ一元的ニナ
スベシト云フヤウナ意見ガアルノデアリ
マスケレドモ、政府ニ於キマシテハ、此ノ
際機構ノ改廢ト云フヤウナコトニ依リマシ
テ、戰時中混亂ヲ惹起シテ、配給能率ヲ低
下スルト云フコトハ、極力避ケナケレバナ
ラナイト云フ意味ニ於キマシテ、現狀ヲ尊
重シテ行キタイ、勿論今後檢討シテ參リマ
シテ、サウ云フ二元的ノ配給ノヤリ方ニ、
一大缺陷ガアリマスルナラバ、之ヲ改善ス
ルコトニ吝カナルモノデハナイガ、ト云フ答
辯デアリマス、隨テ專賣法ヲ實施致シマシ
テモ、直チニ現在ノ配給機構ニ携ハツテ居
ル業者ガ、更ニ大量ニ再整理サレマシテ、
失業者ヲ出スナドト云フコトハ、政府ハ考
ヘテ居ラナイ、大體ニ於テ現在殘ツテ居ル
所ノ業者ノ人達ハ、成立ツテ行ケルヤウニ
運營スル積リデアル、販賣業者ノ手數料ナ
ドニ付キマシテモ、極力現狀ノ儘ニ維持シ
テ、玆ニ新シイ摩擦ヲ生ズルコトヲ避ケタ
イ、斯ウ云フ點デアルノデアリマス
第七點ハ石油專賣ノ作業會計ニ於キマシ
テ、赤字ガ出タ場合ハ、製造業者及ビ配給
機構ガ、今マデ得テ居ツタ所ノ利益ヲ壓迫
サレルコトナク、他ノ方法デ赤字ヲ處理シ
テ石油增產、或ハ品質ノ改善ト云フコトニ
對スル民間側ノ熱意ヲ殺グヤウナコトハシ
ナイ積リデアルト云フ、政府ノ意圖ガ、明
カニサレタ點デアリマス
第八點ハ今後資材技術員等ノ關係デ、緩
急ハ自ラアルデアラウガ、日本內地ノ油田
ノ開發ト云フモノヲ、積極的ニヤルト云
フ從來ノ方針ハ、其ノ儘變リハナイト云
フコトヲ、ハツキリト致シタノデアリマ
ス
本委員會ニ於キマシテハ、專賣制度ノ實
施ニ依リマシテ、役人ノ無用有害ノ介在ガ、
却テ戰時下最モ大切ナル石油ノ增產、品質
ノ改善等ヲ妨グル虞ガアルノデハナイカト
云フ點ニ、質問ガ集中ヲ致シタノデアリマ
シタガ、以上私ガ御報告申上ゲマシタコト
ニ依リマシテ、皆樣方ニモ御分リ下サイマ
シタ如クニ、此ノ虞ナシ、政府モ亦石油ノ
製品ノ增產、品質改善ノ爲ニハ民間ノ創意、
工夫、熱意ノ大イニ發揮サレルコトヲ期待
スルト共ニ、專賣制度ニ動モスレバ伴フ所
ノ官僚的ナ弊害ヲ、極力除去スルト云フコ
トノ言明ガゴザイマシタノデアリマス、斯
クテ本日午前ヲ以テ質問ヲ終了致シマシテ、
十二時半カラ討論ニ入リマシテ、川俣君ヨ
リ贊成ノ意見ノ陳述ガゴザイマシタ、採決
ノ結果、滿場一致兩案トモ原案通リ可決致
スコトニ決定ヲ致シマシタ、此ノ段御報〓
ヲ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=46
-
047・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 兩案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=47
-
048・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=48
-
049・森下國雄
○森下國雄君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報〓ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=49
-
050・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=50
-
051・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
石油專賣法案第二讀會(確定議)
燃料局特別會計法案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=51
-
052・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、兩案トモ委員
長報告通リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=52
-
053・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出、北海
道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收ノ
爲公債發行ニ關スル法律案及ビ多獅島鐵道
株式會社所屬新義州南市間鐵道買收ノ爲公
債發行ニ關スル法律案ノ兩案ヲ一括議題ト
ナシ、委員長ノ報〓ヲ求メ、其ノ審議ヲ進
メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=53
-
054・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=54
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055・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-北海
道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收ノ
爲公債發行ニ關スル法律案、多獅島鐵道株
式會社所屬新義州南市間鐵道買收ノ爲公債
發行ニ關スル法律案、右兩案ヲ一括シテ第一
讀會ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報告ヲ求メ
マス-委員長橫川重次君
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
報〓書
一北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案(政
府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一多獅島鐵道株式會社所屬新義州南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
〔橫川重次君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=55
-
056・横川重次
○橫川重次君 只今議題トナリマシタ北海
道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵道買收ノ
爲公債發行ニ關スル法律案外一件、委員會
ノ經過竝ニ結果ヲ御報告致シマス
本委員會ニ付託セラレマシタル法律案ノ
內容ハ、內地ニ於テ十二線、朝鮮ニ於テ一線
ノ地方鐵道及ビ私設鐵道ヲ買收スル爲ニ要
スル公債ヲ發行シタイト云フ趣旨デアリマ
シテ、內地ニ於ケル被買收線ハ、北海道、本
州及ビ九州ニ亙ツテ分布セラレテ居リマシテ、
其ノ延長五百四十二「キロ」餘デアリマス、其ノ
建設費ハ總額約七千万圓デアリマシテ、相當大
規模ナル買收計畫デアルノデゴザイマス、政府
ノ說明ニ依リマスト、是等路線ハ、或ハ幹線輸送
網ノ整備增强上、或ハ大陸連絡施設ノ增强
ノ爲メ、或ハ軍事上ソレ〓〓必要ナルモノ
デアリマシテ、國有鐵道ニ編入ヲ致シテ、
是ガ一體的ノ運營ヲ行ヒ、戰時陸運非常體
制確立ニ資セントスルモノデアリマス、又
朝鮮ノ多獅島鐵道ノ一部モ右同樣ノ理由ニ
依リマシテ、之ヲ買收セントスルモノデア
リマス、委員會ハ一月三十日ヨリ五囘ニ瓦
リマシテ開催ヲセラレ、十名ノ委員ヨリ政
府ニ對シソレ〓〓熱心ナル質疑ガ發セラレ
タノデアリマス、今其ノ內容ノ二、三ニ付
キマシテ御紹介ヲ申上ゲマス
第一ニ今後ニ於ケル地方鐵道買收ノ方針
如何、卽チ地方鐵道ノ買收ハ、今後ニ於テ
モ之ヲ行フカドウカト云フ質問ニ對シマシ
テ、政府ハ一地方ノ交通ヲ目的トスルモノ
ヲ除キ、幹線交通ヲ目的トスル鐵道ハ、之
ヲ國有トスルコトガ原則トシテ定メラレテ
居リ、且ツ刻下ニ於ケル輸送上ノ緊急事態
ニ應ズルガ爲ニハ、今後ト雖モ財政ノ許ス
限リニ於テ、逐次必要ナ買收ヲ行フ旨ノ答
辯ガアツタノデゴザイマス
第二ニハ、私鐵買收ニ際シマシテハ、相
當多額ノ國費ヲ必要トスルノデアルガ、買
收以外ノ方法ニ依リマシテ、卽チ陸運統制
令等ノ發動ニ依リマシテ、同樣ノ目的ヲ達
スルコトガ出來ルカドウカト云フ質問ニ對
シマシテ、政府ハ買收以外ノ方法ト致シマ
シテ、借上ゲデアルトカ、或ハ管理トカ云
フコトモ考ヘラレルノデアルガ、過去ノ經
驗ノ實際ニ徵シマシテ、十分ナル結果ハ得
ラレナイノデアル、卽チ此ノ時局下ニ於キ
マシテハ、ドウシテモ國有鐵道ニ編入ヲシ
テ單一ノ企業體トシテ運營ヲスルコト
ガ、最モ望マシイ方法デアル旨ノ答辯ガア
ツクノデゴザイマス
次ニ私鐵買收モ必要デアルガ、國有鐵道
自體モ非常體制ニ卽應スル積極的ノ施設ヲ
必要トスルノデハナイカト云フ質問ニ對シ
マシテ、政府ハ戰時陸運非常體制確立ト、
海運貨物ノ陸運轉換、陸運ニ對スル轉移ノ
急ニ應ズル爲ニ、幹線輸送力ノ整備ヲ行ヒ
マスコトハ絕對必要デアリ、政府ハ萬難ヲ
廢シテ是ガ實現ヲ期シテ居ル次第デゴザイ
マスガ、即チ資材、勞務等ノ不足ノ折柄。
之ヲ實行致シマスルコトハ、容易ナラザル
難事デハアリマスルガ、之ニ對シテ戰時設
計戰時規格等ヲ特定致シマシテ、之ヲ活
用シテ以テ最モ重點的ニ建設及ビ改良ノ實
ヲ擧グルコトニ、努力致シテ居ルト云フ答
辯ガアツタノデゴザイマス、更ニ資材ノ撤
〓、轉用等ノ非常手段ヲモ、國鐵ハ勿論ノ
コト私鐵ニ於キマシテモ、旣ニ計畫實行ヲ
シテ居ル旨ノ御答ヘガアツタノデゴザイマ
ス、更ニ斯カル內地ノ輸送體制ニ關聯ヲシ
テ、大陸トノ連絡及ビ大東亞交通政策ヲ、
ドウ考ヘルカト云フ大規模ナル質問ニ對シ
マシテハ、政府ハ陸運海運ヲ通ジテ相互緊
密ナル連繫ヲ取リ、殊ニ大陸トノ交通ハ之
ヲ一貫的ニ考ヘ、貨車航送ノ實現ヲモ、近
キ將來ニ於テ期待スル旨ノ答辯ガアツタノ
デアリマス、以上ノ外買收ノ方法、買收後
ノ措置等、又鐵道ノ空襲防護對策、或ハ小
荷物託送上ノ事故防止、或ハ又朝鮮私設鐵
道ノ特殊地位等ニ付キマシテ、各般ノ事項
ニ亙ツテ重要ナル質疑應答ガ展開セラレタ
ノデアリマスルガ、詳細ハ何卒速記錄ニ依
ツテ御承知ヲ願ヒタイト存ジマス
斯ク致シマシテ質疑ハ終了ヲシ、本日午
後一時ヨリ委員會ヲ開キ、討論ニ入リ、坂
東幸太郞君ヨリ兩案ニ對スル原案贊成ノ御
意見ガアリマシテ、採決ニ入リマシテ、全
會一致兩案トモ原案通リ可決致シタ次第デ
ゴザイマス、此段簡單デアリマスルガ御報
告申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=56
-
057・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 兩案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=57
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058・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=58
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059・森下國雄
○森下國雄君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=59
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060・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=60
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061・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
北海道鐵道株式會社所屬鐵道外十一鐵
道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
第二讀會(確定議)
多獅島鐵道株式會社所屬新義洲南市間
鐵道買收ノ爲公債發行ニ關スル法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=61
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062・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ兩案トモ委員長
報〓通リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=62
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063・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出公立學
校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案及
ビ義務〓育費國庫負擔法中改正法律案ノ兩
案ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報〓ヲ求メ、
其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=63
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064・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=64
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065・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシター、公
立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律
案義務〓育費國庫負擔法中改正法律案、
右兩案ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キマス、
委員長ノ報〓ヲ求メマス-委員長松岡俊
三〓
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
報〓書
一公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長松岡俊三
衆議院議長岡田忠彥殿
希望條項
昭和十九年度ニ於テ靑年學校〓育ヲ
整備强化スベシ
ニ、昭和十九年度ニ於テ中等〓員待遇改
官報號外
善ヲ實施スベシ
報告書
(政府提出)
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
衆議院議長岡田忠彥殿
〔松岡俊三君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=65
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066・松岡俊三
○松岡俊三君 付テ御報告申上ゲマス
タノデアリマス、
ノ趣旨ニ付テ〓要ヲ申上ゲマス、
學校令ノ改正ニ伴ツテ、
學校トナリマスノデ、
スル部分ヲ削除スル必要ガアリマスノト、
中學校令、高等女學校令、
止シテ、
スルノ必要ガアリマスノデ、
理スルモノデアリマス、
擔法中改正法律案ノ趣意ハ、
俸給ニ付テノ、國庫ノ半額ノ負擔ヲ年功加俸
特別加俸、賞與、
ニマデ之ヲ及ボサントスルモノデアリマス、
昭和十八年二月十日衆議院議事連記錄第九號
年功加俸、
辨デアリマスルガ、
一義務〓育費國庫負擔法中改正法律案國庫負擔法ニ依ツテ、
額ノ補助ヲナシ來ツタノデアリマス、
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致之ヲ負擔法中ニ加ヘテ、
委員長松岡本法改正ニ依ツテ不要トナリマスノデ、
俊三
ルモノデアリマス
只今議題トナツテ居リマス次ニ賞與及ビ死亡ノ資金ハ、
費支辨、
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法
律案、義務〓育費國庫負擔法中改正法律案、道府縣支辨トナツテ居リマスノヲ、
此ノ兩案ノ委員會ニ於ケル經過竝ニ結果ニ
ニ移管致シマスルト共ニ、
委員會ハ去ル二月二日ヨリ五囘開イガ市町村或ハ道府縣ノ純負擔ニ屬シテ居ツ
テ、
先ヅ公立學校職員年
功加俸國庫補助法中改正法律案ノ提案デアリマスルガ、是ガ今囘負擔法中ニ加ヘ、國
庫ニ於テ其ノ半額ヲ負擔スルコトニ致サン
師範
トスルモノデアリマス、
師範學校ハ直轄
テ、
同法中師範學校ニ關
ルモノデアリマス、
十七名中實ニ十六名ノ多キニ亙ツテ熱心ナ
實業學校令ヲ廢
ル質問ガアツタノデアリマス、
中等學校令ヲ制定スルコトニ變更
ツテ御承知ヲ願ヒタイノデアリマスルガ、
關係條項ヲ整
其ノ中ニ於テ特ニ國民ニ傳ヘル必要ノアル
義務〓育費國庫負二、
國民學校職員
卒業者ノ初任級ハ何程ニナルカ、
死亡資金及ビ赴任ノ旅費任級者ノ受ケル所ニ依ツテ、
制ノ師範學校ヲ卒業シタ所ノ〓員ガ五年乃
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改正法律案外一件
特別加俸ハ從前ヨリ道府縣ノ支
國庫ハ國民學校〓育費
每年豫算ノ定ムル金フ質問デアリマス、
今囘校令ニ依ル卒業者ハ、
國庫ハ俸給ト同樣圓ニ增額サルルノデアリマス、
ニ其ノ半額ヲ負擔セントスルモノデアリマ
ス、其ノ爲ニ國民學校〓育費國庫補助法ハ、卒業者ハ、
本ナル結果トシテ、
法改正ノ附則ニ依ツテ之ヲ廢止シヨウトスス、席次其ノ他ニ於テ如何ナル工へ
マスカト云フコトハ、
從來市町村
赴任ノ旅費ハ昭和十五年度以來、ガ、
今囘別ベキモノト思フノデアリマス、
途勅令ヲ以テ是等ヲ一括シテ道府縣費支辨
從來ハ是等金額ナコトアツタナラバ、
影響ヲ來スモノト思フノデアリマス、
國庫ヨリ何等ノ補助モ致サナカツタノニ付キ文部當局ハ、
當トシテ居リマス、
後五年計畫ヲ以テ、
此ノ結果ト致シマシツ再〓育ヲナシ、
國庫ノ支出額ハ莫大ナモノニ漸增サル育ヲ終リ、
此ノ兩案ニ付テ委員二間ニ於ケル俸給ノ支給上ノ權衡ヲ必ズ保ツ
ト云フ明言ガアツタノデアリマス、
速記錄ニ依年間モ政府ノ都合ニ依ツテ五年間遲レタノ
デアル、一年ニ一万二千人ヅツ再〓育スル、
本當ナラバ直チニ六万人ヲ再〓育シテ、
三點ヲ御報告申上ゲタイノデアリマス
時日ノ間ニ新制ニ依ル所ノ卒業者ト權衡ヲ
此ノ新制ノ官立專門學校程度ノ師範學校保タシムルヤウニシナケレバナラヌヂヤナ
又此ノ初イカト云フ熾烈ナル質問ガアツタノデアリ
從來ノ所謂舊マスルガ、
ニ、政府當局ハ誠心誠意此ノ點ニ注意シテ、
第一讀會ノ續
至十年勤續シタル者ト其ノ待遇上ニ於テノ
均衡ヲドウ云フ按配ニシテ保持スルカト云アツタノデアリマシタ
新制ニ依ル所ノ師範學
初任給ハ實ニ七十五
斯樣ナル結
果トシテ五年乃至十年勤續シテ居ツタ古イ
新シイ卒業者ヨリモ給料ガ少ク
永年勤メテ居ルニモ拘ラスル所以デアルト云フノデアリマシテ、
ニナリ
默々トシテ決シテ不ニシテ、直ニ家庭ノ主婦タル者、
平ヲ言ハナイ所ノ〓員諸君デハアリマスル
人間トシテ此ノ點ハ最モ重要視セラルガ出來ル者ヲ養成スル方向ニ向ツテ、
(拍手)此ノ點
ニ付テ若シ當局ガ誤ツタル處置ヲナスヤウ
實ニ出々シキ將來ノ
此點
初任給ハ月額七十圓見諸君ハ悉ク贊意ヲ表シタル次第デアリマス·
舊師範學校卒業者ハ今尙ホ一點、
一年間ニ一万二千人ヅ質問致シマシタ點ハ、
五年間六万人ダケノ再〓ル點デアリマス、
學力ノ强化ヲ圖ルト共ニ、其ノ勇軍及ビ前線ニ直チニ馳セ參ズル所ノ靑年
ハ、皆靑年學校ヲ卒業スル者デアリ、
此ノ五ノ如キ時局ニ於テ何ガ一番必要デアルカト
言フタナラバ、
ナケレバナラヌノヂヤナイカ、
短ノ改革ニ當ツテ何等靑年學校〓育ニ關スル
所ノ施策ヲ見ナイト云フコトハ頗ル遺憾千
萬デアル、
靑年學徒ヲ集メテ、
此ノ點ハ右申上ゲタヤウナ工合トヲ指摘シテ、
常ニ强調セラレタノデアル、
一八六
必ズ萬遺憾ナキコトヲ期スルト云フ明言ガ
次ニ女子〓育ガ從來ノ歐米風ノ〓育ニ囚ハ
レテ居リハセヌカト云フ質間ガアツタノデアリ
マス、之ニ對シテ政府ノ答辯ハ、今囘ノ學制改革
ノ重要ナル指標ハ此ノ點ニアル、根本的ニ女子
〓育ニ刷新ヲ加ヘタイト云フノガ、本案ヲ提出
卽
チ女子〓育ハ母性ノ涵養、婦德ノ修養ヲ目標
殊ニ日本
ニ於ケル母トシテノ務メヲ果サシムルコト
根本
的刷新ヲ來サントシテ居ルモノデアルト云
フ明答ガアツタノデアリマス(拍手)從來ノ
女子〓育ノ缺點ヲ是正ズテ、眞ニ時局ニ相應
シキ斯樣ナ刷新ニ向ツタコトニ對シテ、委員
委員ノ大部分ガ異口同音ニ
靑年學校〓育ニ關ス
滿洲ニ送ルベキ靑少年義
今日
此ノ靑年〓育ニ重點ヲ置カ
然ルニ今囘
殊ニ東條總理大臣ガ先般全國ノ
其ノ任務ノ重大ナルコ
靑年諸君ニ期待スル所ヲ非
然ルニモ拘ラ
ズ此ノ改革ニ當ツテ、何等靑年學校ノ制度
ニ關スル施策ノナイノハ何事デアルカ、少
クトモ同時ニ之ヲナスベキモノデアル、或
ハ之ヲ先ニスベキモノデハナカツタカト云
フ質問ガアリマシタ、卽チ靑年學校ノ〓員
養成所ノ改革、官立トシテ專門學校程度ニ
シナケレバナラヌヂヤナイカ、道府縣每ニ
設置スルヤウニシナケレバナラヌ、完全ニ
獨立シテ他ノ學校ニ附設シナイヤウニスル、
學資ヲ支給スル、靑年學校〓員ノ待遇改善
二、國庫ノ負擔ヲ以テスル、全般的ニ待遇
ヲ引上ゲル、靑年學校ヲ獨立セシテ國庫補
助ヲナス、起債ヲ許可スル、又靑年學校生
徒ノ資格ヲ保有スル女子義務制ノ施行ト云
フ、斯ウ云フ各點ニ付テ熾烈ナル質問ガア
ツタノデアリマス、之ニ對シテ政府ハ、本
年度ニ於テハ師範〓育、國民〓育ニ重點ヲ
置イタノデアル、之ヲ終ヘテ來年度ニ於テ
三、、十九年度ニ於テハ必ズ靑年學校ニ根
本的ナ改革ヲ施シテ參ルト云フコトヲ明言
セラレタノデアリマス(拍手)
斯樣ナ質、問ガアリマシタ外ニ、モウ一點、
默々トシテ不平ヲ言ハズ、而シテ己レノ生
活ガ頗ル窮迫シテ居ルノニモ拘ラズ、專心
子弟ノ〓養ニ從事シテ居ル所ノ中等學校〓
員ニ向ツテ何等ノ施設ヲ施サナイノハ何ノ爲
デアルカト云フ質問ガアツタノデアリマス、
卽チ全國ニ四万人ノ中等學校ノ〓員ガ居
ル、其ノ中ノ一万二千人ハ靑年學校ノ〓員
デアル、是等ノ年功加俸ヲ受クベキ者ガ何
ガ故ニ今囘一ツモ之ニ對シテ施策スル所ガ
ナイカ、他ノ國民學校、或ハ種々ナル點ニ
於テ先年來增額セラレテ居ル手當ヲ見ルニ
付ケテモ、靑年學校ノ〓員ヲ含ム所ノ中等
學校〓員ニノミ何等ノコトヲナサナイト云
フノハ、今日五年乃至十年間勤續シタル中
等〓員ガ、悉ク產業界ニ馳セ參ジナケレバナ
ラヌヤウナ工合ニセシムルト云フコトハ、
歎クベキ狀態デアル、現ニ今日ハ三千人カラ
ノ〓員ノ不足ヲ來シテ、補充スルコトノ出
來ナイ有樣デアル、之ヲシテ本當ニ足止メ
スル-是ハ心カラ同情スベキ點デハナイカ
ト云フ質問デアツタノデアリマス、之ニ對
シテ文部當局ハ昭和十九年度カラ必ズ之ヲ
實行スルト云フコトヲ明言セラレタノデア
リマス(拍手)
斯樣ナ工合ニ質問應答ガアリマシタガ、
本案ノ先ヅ國民學校〓職員ニ對シテ、先ン
ジテ之ヲナシタト云フ點ニ付テ、特ニ一言。
申述ベタイノデアリマス、ソレハ〓育者ノ
尊重デアリマス、政府ガ現下ノ財政ノ多端
ナ際ニモ拘ラズ、斯クモ多額ノ經費ヲ計上
シタト云フ點ハ、卽チ〓育者ヲ尊重セネバ
ナラヌ現下ノ狀況カラシテ、物心兩面ニ亙
ツテ國民學校〓員ノ待遇ニ心ヲ致シタト云
フ點ハ、特筆スベキ點デアリマス、一般社
會ノ人々モ政府ノ此ノ施設ト相俟ツテ、〓
育者ヲ尊重スルノ風ヲ大イニ喚起シテ、世
論ヲシテソコニ向ハシムルヤウニセナケレ
バナラヌト云フヤウニ委員ノ空氣ガ一致セ
ラレタノデアリマス、全國ノ國民學校〓職
員諸君ハ、斯樣ナル親心ノアル所ニ對シテ、
平常默々トシテ不平ヲ言ハズ、眞ニ〓壇ニ
死ヲ賭シテ戰ツテ居ル所ノ是等ノ〓員諸君
ハ、必ズヤ此ノ點ニ思ヒヲ致シ、師道ヲ昂
揚シテ、國民〓育ノ刷新ニ必ズ從事スルデ
アラウト云フコトニ思ヒヲ致シタノデアリ
マス、斯樣ナ工合ニ委員會ニ於テ質問應答
ガアリマシタ、本日午後一時ヨリ最後ノ委
員會ヲ開キマシテ、委員長ヨリ改メテ文部
大臣ニ對シテ
昭和十九年度ニ靑年學校〓育ヲ整備
强化スベシ
二、昭和十九年度ニ於テ中等〓員待遇ヲ
改善實施スベシ
此ノ二項ニ付テ質問致シタノデアリマス、
卽チ委員會ニ於テハ、公立學校職員年功加
俸國庫補助法中改正法律案ニ只今申上ゲタ
二ツノ點ヲ希望條項トシテ決議スルニ先ダ
ツテ、文部大臣ノ言明ヲ要求シタノデアリ
さっ、文部大臣ハ最モ嚴肅ナル態度ヲ以
テ、只今申シマシタ點ヲ、必ズ昭和十九年
度ニ於テ實現スルコトヲ期スルト云フ言明
ヲ致サレタノデアリマス(拍手)
右申上ゲマシタ希望條項二點ヲ、滿場一
致ヲ以テ兩案共ニ全會一致可決致シタ次第デ
アリマス、此ノ段御報〓致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=66
-
067・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 兩案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=67
-
068・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=68
-
069・森下國雄
○森下國雄君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=69
-
070・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔〔異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=70
-
071・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
公立學校職員年功加俸國庫補助法中改
正法律案第二讀會(確定議)
義務〓育費國庫負擔法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=71
-
072・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、兩案トモ委員
長報告通リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=72
-
073・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出、農業
保險法中改正法律案、食糧管理特別會計法
中改正法律案及ビ農業保險ノ保險料國庫負
擔金等ノ交付及分擔等ニ關スル法律案ノ三
案ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報告ヲ求メ、
其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=73
-
074・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=74
-
075・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變吏セラレマシタ-農業
保險法中改正法律案、食糧管理特別會計法
中改正法律案、農業保險ノ保險料國庫負擔
金等ノ交付及分擔ニ關スル法律案、右三案
ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キマス、委員長
ノ報告ヲ求メマス-委員長池田秀雄君
農業保險法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
食糧管理特別會計法中改正法律案政
府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
報〓書
一農業保險法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十八年二月九日
委員長池田秀雄
衆議院議長岡田忠彥殿
希望條項
水稻ノ冷害共濟ハ農業保險トノ均衡
ヲ考慮シ〓庫負擔ヲ增額スルコト
保險金支拂ノ爲ニ生ズル農業保險關
係ノ借入金ニ對シテハ政府ニ於テ其ノ
利子補給等ノ途ヲ講ズルコト
-主要食糧價格ト其ノ他ノ農產物價竝
ニ一般物價トノ均衡ヲ保持スル爲檢討
ヲ加へ主要食糧ノ供給ニ遺憾ナキヤウ
萬全ノ措置ヲ講ズルコト
報〓書
一食糧管理特別會計法中改正法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長池田秀雄
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關スル法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十八年二月九日
委員長池田秀雄
衆議院議長岡田忠彥殿
〔池田秀雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=75
-
076・池田秀雄
○池田秀雄君 只今議題ニナツテ居リマス
ル農業保險法中改正法律案外二件ノ委員會
審議ノ經過ヲ、簡單ニ御報告申上ゲマス、
農業保險法ノ改正ニ付キマシテハ、近年熾烈
ナル要望ガアリマシタガ、政府ハ之ニ應ズ
ル爲メ、今囘ノ提案ヲ見ルニ至ツタモノト
思ハレマス、以上三案ハ互ニ牽聯致シテ居
リマスカラ、一括シテ申上ゲマスガ、其ノ
要旨ハ、現在ノ反當保險金額ハ過少ニ失シ
テ居リマシテ、農業經營ノ安定ヲ圖リ、農
家經濟ヲ確立スルニハ不十分デアリマスカ
ラ、反當保險金額最高、水稻二十圓ヲ四十
五圓ニ、麥十圓ヲ二十五圓ニ、桑葉二十圓
ヲ三十圓ニ引上ゲ、尙ホ水稻ノ冷害ニ對シ
マシテモ、反當共濟金十圓ヲ二十五圓ニ引
トゲ、保險支拂割合ヲ被害程度ニ比例的ナ
ラシメ、且ツ災害發生ノ多キ三割乃至五割
程度ノ減收ニ對スル支拂割合ヲ增加スル意
圖ノ下ニ、本法案ハ提出セラレマシタ、而
シテ反當保險金額ノ引上ゲハ、當然保險料
ノ增加トナルヲ以テ、農家ノ負擔關係ヲ考
慮シ、國庫及ビ日本蠶糸締制株式會社ニ於
テ、右ノ純保險料ニ對シ分擔スル途ヲ開ク
ノガ、本法案ノ目的デアリマス、尙ホ全國
ノ市町村農會ニ强制加入ヲナシ得ル途ヲ開
イテアルノデゴザイマス
本委員會ニ於キマシテハ、二月二日以來
七囘ニ亙リ、殆ド連日審議ヲ續行シ、政府
當局ト委員間ニ熱心ナル質問應答ガアリマ
シテ、本日ヲ以テ全會一致本法案ヲ可決ス
ベキモノト認メタノデゴザイマス
質問應答ノ主ナルモノハ、第一、水稻ノ
冷害ハ何故ニ保險事項ト認メザルカ、又農
業保險ト水稻冷害共濟金ニ付キ金額ノ差等
ヲ設ケタルカト云フ點ニアリマシタガ、政
府ハ、保險事項ト認ムルニハ、資料不足ノ爲
メ立法技術上不可能ナリト答ヘ、金額問題
ニ付キマシテハ、財政ノ都合上、現行金額
ニ比シ漸進主義ヲ採リ、農業保險ト水稻共
濟トハ、略〓同程度ノ增率ヲシタトノ答辯デ
アリマシタ
第二ニハ、今日ノ農業物價格、殊ニ米價
ハ他ノ價格ニ比シ餘リニ低位ニアツテ、食
糧增產上甚シク障碍ガアル、又農家ノ安定、
農村人口確保ノ上ヨリ憂フベキコトナルヲ
以テ、價格ノ訂正ヲナスカ、又ハ奬勵金ノ
增加ヲナス必要アリト、異口同音ニ痛烈ナ
ル要望ガゴザイマシタ、其ノ他一般農業問
題、農村人口問題、自作農創定問題、蠶絲
業問題ニ付キ質問應答ガアリマシタガ、是
ハ速記錄ニ於テ御覽ヲ願フコトニ致シタイ
ノデアリマス
本委員會ニ於テハ今日滿場一致ヲ以テ右
三法律案ヲ可決スベキモノト認メ、且ツ左
ノ三項ヲ希望條項ト致シマシテ可決致シマ
シタ
希望條項
一、水稻ノ冷害共濟ハ農業保險トノ均衡
ヲ考慮シ國庫負擔ヲ增額スルコト
一、保險金支拂ノ爲ニ生ズル農業保險關
係ノ借入金ニ對シテハ政府ニ於テ其ノ
利子補給等ノ途ヲ講ズルコト
主要食糧價格ト其ノ他ノ農產物價竝
ニ一般物價トノ均衡ヲ保持スル爲檢討
ヲ加へ主要食糧ノ供給ニ遺憾ナキ樣萬
全ノ措置ヲ講ズルコト
以上ノ三項目ヲ希望條項ト致シマシテ、滿
場一致可決致シタノデゴザイマス
以上ノ三項ニ付キマシテハ別ニ說明ヲ要
シマスマイト思ヒマス、一讀瞭然タルモノ
ガアルノデゴザイマス、唯一言スルコト
ヲ許シテ戴キタイノデゴザイマス、政府ガ
低物價政策ヲ堅持致シマシテ、惡性(3)
フレーション」ノ襲來ニ付テ、極度ノ警戒
ヲシテ居ラルルコトニ付キマシテハ、吾々
ハ滿腔ノ同感ヲ持ツテ居ルノデゴザイマス、
併シ戰時食糧ノ確保ハ、萬難ヲ排シテモ之
ヲ實行シナケレバナリマセヌ、唯政府ニ
考シテ戴キタイノハ、今日ハ自由經濟ヨリ
締制經濟トナリ、貨幣制度ハ自由鑄造主義
ノ兌換制度ヨリ管理通貨トナリマシテ、統
制經濟ノ强化セラレタル今日、惡性「イン
フレーシヨン」ノ襲來ニ付キマシテハ、自
由經濟主義時代ノ觀點トハ異リタル見地ニ
立チテ、其ノ防遏ニ付キテ萬全ノ方策ヲ講
ゼラレルナラバ、此ノ難關打開ノ途ハ自ラ
途ガアルモノト信ズルノデゴザイマス、此
點ニ付キマシテ政府ノ善謀善斷ヲ熱望シテ
已マナイノデゴザイマス、右ヲ以テ委員長
ノ報告ト致シマス、何卒滿場一致ノ御贊成
ヲ御願ヒ致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=76
-
077・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 三案ノ第二讀會ヲ開
クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=77
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078・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、依テ三案ノ第二讀會ヲ開クニ決シマシ
タ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=78
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079・森下國雄
○森下國雄君 直チニ三案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ通
リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=79
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080・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=80
-
081・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ直チニ三案ノ第一一讀會ヲ開キ、議
案全部ヲ議題ト致シマス
農業保險法中改正法律案
第二讀會(確定議)
食糧管理特別會計法中改正法律案
第二讀會(確定議)
農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付
及分擔等ニ關ル法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=81
-
082・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モアリマ
セヌ、第三讀會ヲ省略シテ、三案トモ委員
長報告通リ可決確定致シマシタ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=82
-
083・森下國雄
○森下岡雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出國民貯蓄
組合法中改正法律案、納稅施設法案、臨時
資金調整法中改正法律案、普通銀行等ノ貯
蓄銀行業務又ハ信託業務ノ兼營等ニ關スル
法律案、銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法
律案、戰爭死亡傷害保險法案、鹽專賣法中
改正法律案及ビ昭和十一一年法律第八十四號
中改正法律案ノ八案ヲ一括議題トナシ、其
ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=83
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084・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=84
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085・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-國民
蓄組合法中改正法律案、納稅施設法案、臨
時資金調整法中改正法律案、普通銀行等ノ
貯蓄銀行業務又ハ信託業務ノ兼營等ニ關ス
ル法律案、銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル
法律案、戰爭死亡傷害保險法案、鹽專賣法
中改正法律案、昭和十二年法律第八十四號
中改正法律案、右八案ヲ一括シテ第一讀會
ヲ開キマス-賀屋大藏大臣
國民貯蓄組合法中改正法律案(政府提
出、貴族院送付)第一讀會
納稅施設法案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
臨時資金調整法中改正法律案(政府提
田、貴族院送付)第一讀會
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業
務ノ兼營等ニ關スル法案案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案
(政府提出、貴族院送付)第一讀會
戰爭死亡傷害保險法案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會
鹽專賣法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案(政府提出)第一讀會
國民貯蓄組合法中改正法律案
國民貯蓄組合法中左ノ通改正ス
第一條第一號ヲ左ノ如ク改ム
一市町村(町村制ヲ施行セザル地ニ
在リテハ之ニ準ズベキモノ)ノ區域
又ハ其ノ區域ノ一部ニシテ命令ヲ以
テ定ムルモノニ居住スル者
第二條第一項第九號ヲ第十號トシ第八號
ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
九外國又ハ外國法人ノ發行スル公債
又ハ社債(以下外國有價證劵ト稱ス)
ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ買入
第二條ノ二國民貯蓄組合ハ前條第一項
ノ貯蓄ノ外命令ノ定ムル所ニ依リ第一
條第二號ニ揭グル者ノ勤務先又ハ之ニ
準ズベキモノヘノ預ケ金(以下勤務先
預ケ金ト稱ス)ノ幹旋ヲ爲スコトヲ得
命令ヲ以テ定ムル勤務先預ヶ金ノ受入
ヲ爲スハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外國民貯蓄組合ノ幹旋ニ依ルベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ前二
項ノ規定ニ依リ勤務先預ケ金ノ受入ヲ
爲ス者ニ對シ其ノ受入ノ方法又ハ受入
レタル資金ノ運用ニ關シ必要ナル指示
ヲ爲スコトヲ得
第四條第一項中「其ノ他ノ預金」ノ上ニ
マ勤務先預ケ金」ヲ加へ「命令ノ定ムル所
ニ依リ甲種ノ配當利子所得ニ對スル分類
所得稅ヲ免除ス」ヲ「所得稅ヲ課セズ」ニ
「又ハ社債」ヲ「、社債又ハ外國有價證劵」
ニ改メ「郵便官署ニ」ヲ削ル
同條第三項中「又ハ社債」ヲ「、社債又ハ外
國有價證劵」ニ改ム
第六條中「命ズルコトヲ得」ヲ「命ジ又ハ
國民貯蓄組合ニ加入スベキコトヲ命ズル
コトヲ得」ニ改ム
第七條中「國民貯蓄組合ノ代表者」ノ下ニ
「又ハ國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ル預金ノ
受入ヲ爲ス者其ノ他國民貯蓄組合ノ關係
者ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ」ヲ、組
合ノ代表者ノ改任」ノ上ニ「組合規約ノ變
更、」ヲ加フ
第九條第一項中「第一號又ハ第三號」ヲ削
ル
第十一條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三百圓以下ノ過料ニ處ス
本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令
又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタ
ル國民貯蓄組合ノ代表者又ハ國民貯
蓄組合ノ斡旋ニ依ル預金ノ受入ヲ爲
ス者其ノ他國民貯蓄組合ノ關係者ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノ
二第二條ノ二第二項ノ規定ニ違反シ
テ勤務先預ケ金ノ受入ヲ爲シタル者
附則
本法ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
本法施行ノ際現ニ國民貯蓄組合ノ幹旋ニ
依ラズシテ命令ヲ以テ定ムル勤務先預ケ
金ノ受入ヲ爲ス者ハ本法施行ノ日ヨリ六
月ヲ限リ第二條ノ二第一一項ノ改正規定ニ
拘ラズ其ノ受入ヲ爲スコトヲ得
納稅施設法案
納稅施設法
第一章納稅團體
第一條本法ニ於テ納稅團體トハ團體員
ノ命令ヲ以テ定ムル租稅公課ノ納付ヲ
容易確實ナラシムル爲當該租稅公課ノ
納付又ハ其ノ納付資金(納稅資金ト稱ス
以下同ジ)ノ管理及當該租稅公課ノ納
付ニ關シ必要ナル事業ヲ行フ町內會部
落會其ノ他ノ團體ヲ謂フ
第二條町內會部落會以外ノ納稅團體
(納稅組合ト稱ス以下同ジ)ヲ組織シタ
ルトキ又ハ町內會部落會ガ前條ニ規定
スル事業ヲ行ハントスルトキハ團體ノ
代表者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ規約ヲ
稅務署長又ハ市町村長ニ屆出ヅベシ規
約ヲ變更シタルトキ亦同ジ
第三條納稅團體ノ管理スル納稅資金ハ
納稅準備預金又ハ郵便貯金ヲ以テ之ヲ
保有スベシ
第四條納稅團體ノ代表者ハ其ノ事業ニ
關スル帳簿ヲ備へ命令ヲ以テ定ムル事
項ヲ之ニ記載スベシ
第五條政府ハ豫算ノ範圍內ニ於テ納稅
團體ニ補助金又ハ奬勵金ヲ交付スルコ
トヲ得
第六條稅務署長若ハ其ノ代理官又ハ市
町村長必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ納稅團體ノ代表者ニ對
シ其ノ事業ニ關シ質問ヲ爲シ若ハ報〓
ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件
ヲ檢査スルコトヲ得
稅務署長又ハ市町村長必要アリト認ム
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ納稅團
體ノ代表者ニ對シ規約ノ變更其ノ他監
督上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第二章法人納稅積立金
第七條法人ハ每事業年度ノ利益金又ハ
剩餘金ノ處分ニ當リ法人稅其ノ他命令
ヲ以テ定ムル租稅ニ付命令ノ定ムル所
ニ依リ納稅積立金ヲ積立ツベシ
納稅積立金ハ當該事業年度分ノ前項ニ
規定スル租稅ノ納付ニ充ツル場合ヲ除
クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ但シ命
令ノ定ムル所ニ依リ稅務署長ノ承認ア
リタル場合又ハ納稅積立金ガ前項ニ規
定スル租稅ノ額ヲ超過スル場合ニ於ケ
ル其ノ超過額ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八條納稅積立金ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ納稅準備預金ヲ以テ之ヲ保有スベ
シ
納稅積立金中納稅準備預金ヲ以テ保有
スベキ割合ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條稅務署長ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ前條ノ規定ニ依ル義務ノ全部又ハ
部ヲ免除スルコトヲ得
第三章納稅準備預金
第十條本法ニ於テ納稅準備預金トハ命
令ヲ以テ定ムル租稅公課ノ納付ニ充ツ
ル爲命令ヲ以テ定ムル金融機關(指定
金融機關ト稱ス以下同ジ)ニ預入レタ
ル預金又ハ貯金ヲ謂フ
第十一條指定金融機關ハ他ノ法律ニ拘
ラズ納稅準備預金ヲ受入ルルコトヲ得
第十二條納稅準備預金ハ第十條ニ規定
スル租稅公課ノ納付ニ充ツル場合其ノ
他命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之
ヲ引出スコトヲ得ズ
第十三條納稅準備預金ヲ引出シ第十條
ニ規定スル租稅公課ノ納付ニ充テント
スルトキハ納稅告知書其ノ他納付ニ必
要ナル書類ヲ指定金融機關ニ提出シ租
稅公課ノ納付ヲ委託スベシ
指定金融機關ハ正當ノ事由ナクシテ前
項ノ委託ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十四條納稅準備預金ハ之ヲ讓渡スル
コトヲ得ズ
第十五條納稅準備預金ハ命令ヲ以テ定
ムル場合ヲ除クノ外之ヲ差押フルコト
ヲタナ、
第十六條納稅準備預金ノ利子ニ付テハ
命令ノ定ムル所ニ依リ甲種ノ配當利子
所得ニ對スル分類所得稅ヲ免除ス
第四章租稅ノ貯蓄納付
第十七條命令ヲ以テ定ムル租稅ノ納稅
者命令ノ定ムル所ニ依リ當該租稅額ノ
百分ノ三百以内ノ金額ヲ貯蓄シタルト
キハ當該租稅ノ納付アリタルモノトス
第十八條前條ノ貯蓄(戰時納稅貯蓄ト
稱ス以下同ジ)ハ政府之ヲ管掌ス
第十九條戰時納稅貯蓄ヲ爲シタル者ニ
對シテハ戰時納稅貯蓄證書ヲ交付ス
第二十條戰時納稅貯蓄ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該貯蓄ヲ爲シタル日ノ屬ス
ル月ノ始ヨリ起算シ二十年以內ニ之ヲ
拂戾スモノトス
第二十一條戰時納稅貯蓄ハ之ヲ讓渡ス
ルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依
リ日本銀行ニ讓渡スルハ此ノ限ニ在ラ
ズ
第二十二條點時納稅貯蓄ノ拂戾請求權
ノ消滅時效ハ十年ヲ以テ完成ス
第二十三條政府ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ戰時納稅貯蓄ニ關スル事務ヲ市町村
日本銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ヲ
シテ取扱ハシムルコトヲ得
國稅徵收法第五條第一項及第八條ノ規
定ハ市町村ノ收納スル戰時納稅貯蓄ノ
收入金ニ付之ヲ準用ス
政府ハ第一項ノ規定ニ依リ事務ノ取扱
ヲ爲ス者ニ對シ其ノ費用トシテ命令ノ
定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコト
ヲ得
第二十四條戰時納稅貯蓄ノ收入金ハ第
十七條ノ當該租稅額ニ相當スル金額ニ
付テハ之ヲ當該租稅收入トス
戰時納稅貯蓄ノ收入金ハ前項ノ租稅收
入タルモノヲ除クノ外之ヲ公債ノ發行
ニ依ル收入金ト看做シ大東亞戰爭ニ關
スル臨時軍事費ノ財源ニ充ツルモノト
ス
第二十五條戰時納稅貯蓄ノ收入金額ハ
之ヲ昭和十二年法律第八十四號ニ依ル
公債ノ發行額ト呑做ス此ノ場合ニ於テハ
第十七條ノ當該租稅額ニ相當スル金額
ハ之ヲ公債ノ發行價格差減額ト看做ス
國債整理基金特別會計法ノ適用ニ付テ
ハ戰時納稅貯蓄ハ之ヲ國債ト看做ス但
シ同法第二條第二項ノ規定ノ適用ニ付
テハ此ノ限ニ在ラズ
第五章雜則
第二十六條納稅團體ノ業務、納稅準備
預金及戰時納稅貯蓄ニ關スル書類ニハ
印紙稅ヲ課セズ
第二十七條左ノ場合ニ於テハ法人ノ代
表者ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
-第七條ノ規定ニ違反シ納稅積立金
ヲ積立テズ又ハ納稅積立金ヲ使用シ
タルトキ
二第八條ノ規定ニ違反シ納稅積立金
ヲ納稅準備預金ヲ以テ保有セザルトキ
第二十八條左ノ場合ニ於テハ納稅團體
ノ代表者ヲ三百圓以下ノ過料ニ處ス
-第三條ノ規定ニ違反シ納稅資金ヲ
納稅準備預金又ハ郵便貯金ヲ以テ保
有セザルトキ
二第六條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ
違反シタルトキ
第二十九條左ノ場合ニ於テハ納稅團體
ノ代表者ヲ百圓以下ノ過料ニ處ス
-本法ニ依ル屆出ヲ爲サザルトキ
二第四條ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ
爲サズ又ハ虚僞ノ記載ヲ爲シタルト
キ
三第六條第一項ノ規定ニ依ル稅務署
長若ハ其ノ代理官又ハ市町村長ノ質
問ニ對シ答辯ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ陳
述ヲ爲シタルトキ
四第六條第一項ノ規定ニ違反シ報〓
ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ報告ヲ爲シ又ハ
帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ拒ミ、
妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
第三十條市制第六條又ハ第八十二條第
三項ノ市ニ於テハ本法中市長ニ關スル
規定ハ區長ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本法中
町村ニ關スル規定ハ町村ニ準ズベキモ
ノニ、町村長ニ關スル規定ハ町村長ニ
準ズベキモノニ之ヲ適用ス
第三十一條本法ニ規定スルモノノ外納
稅團體、法人納稅積立金、納稅準備預
金及戰時納稅貯蓄ニ關シ必要ナル事項
ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
法人納稅積立金ニ付テハ昭和十八年十月
一日以後終了スル事業年度分ヨリ本法ヲ
適用ス
本法施行ノ際現ニ第一條ニ規定スル事業
ヲ行フ町內會部落會其ノ他ノ團體ノ代表
者ハ本法施行ノ日ヨリ二月以内ニ命令ノ
定ムル所ニ依リ規約ヲ稅務署長又ハ市町
村長ニ屆出ヅベシ
臨時資金調整法中改正法律案
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第十條ノ三政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ銀行、信託會社、保險會
社市街地信用組合其ノ他命令ノ定ム
ル者ニ對シ方法又ハ條件ヲ指定シ資金
ノ吸收ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコト
ヲ得
第十條ノ四政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ命令ノ定ムル貯蓄ニノミ
充ツルコトヲ得ル證劵ヲ發行シ又ハ命
令ノ定ムル者ヲシテ發行セシムルコト
ヲ得
前項ニ規定スル證劵ハ無記名トシ賣出
ノ方法ニ依リ之ヲ發行スルモノトス
第十條ノ五政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ貯蓄債劵
及報國債劵ヲ除クノ外命令ノ定ムル所
ニ依リ命令ノ定ムル者ヲシテ抽籤ヲ以
テ割增金ヲ附スルコトヲ得ル債劵其ノ
他ノ證劵ヲ發行セシムルコトヲ得
商法第二百九十六條乃至第二百九十八
條、第二百九十九條第一項、第三百五條
及第三百十七條ノ規定ハ前項ニ規定スル
債劵ガ社債ナル場合ニハ之ヲ適用セズ
第一項ニ規定スル證劵ノ發行ニ依ル收
入金ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ運用
スペシ
前條第二項ノ規定ハ第一項ニ規定スル
證劵ニ之ヲ準用ス
第十條ノ六第十條ノ四ノ規定ニ依リ命
令ノ定ムル者ノ發行スル證劵及前條第
一項ニ規定スル證劵ニハ印紙稅ヲ課セ
ズ
通貨及證劵模造取締法ハ第十條ノ四及
前條第一項ニ規定スル證劵ノ模造ニ之
ヲ準用ス
第十條ノ七政府ハ國民貯蓄ノ增强ヲ圖
ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定
ムル所ニ依リ命令ノ定ムル者ヲシテ抽
籤ヲ以テ割增金ヲ附スルコトヲ得ル預
金ノ取扱ヲ爲サシムルコトヲ得
第十條ノ八第十條ノ三、第十條ノ五第
一項若ハ前條ノ規定ニ基ク貯蓄又ハ第
十條ノ四ノ貯蓄ヲ爲ス者ニ付テハ命令
ノ定ムル所ニ依リ當該貯蓄ノ利子又ハ
利益ニ關シ租稅ノ減免ヲ爲スコトヲ得
第十五條第一項中「第三十五條ノ二乃至
第三十五條ノ四」ヲ「第三十五條ノ二第一
項乃至第三項、第三十五條ノ三」三分ク
同條第二項中「第二百九十八條」ノ下ニ
マ第三百五條及第三百十七條」ヲ加フ
第十五條ノ二政府ハ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ銀行、信
託會社、證劵引受業者其ノ他ノ者ニシ
テ命令ノ定ムルモノニ對シ價格、方法
其ノ他必要ナル事項ヲ定メ有價證劵ノ
賣買ヲ爲シ又ハ政府ノ指定スル法人ノ
爲ニ有價證劵ノ賣買ノ代理若ハ媒介ヲ
爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ三政府ハ前條ノ規定ニ依リ
有價證劵ノ賣却又ハ其ノ代理若ハ媒介
ヲ爲サシムル爲必要アリト認ムルトキ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ銀行、信託會
社證劵引受業者其ノ他ノ者ニシテ命
令ノ定ムルモノニ對シ種類、數量其ノ
他必要ナル事項ヲ定メ有價證劵ヲ保有
スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ四政府ハ第十條ノ三又ハ前
二條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲ス場合ニ於
テハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生
ジタル損失ヲ補償シ又ハ補助金ヲ交付
スルコトヲ得
第十五條ノ五政府ハ株式ノ市價安定ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ金融機關其ノ他命令ノ
定ムル者ニ對シ其ノ所有スル株式ノ
部ヲ戰時金融金庫又ハ日本證劵取引所
ニ對シ時價ヲ以テ讓渡スベキコトヲ命
ズルコトヲ得
第十七條ニ左ノ一號ヲ加フ
四第十五條ノ二又ハ第十五條ノ五ノ
規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第十八條中第四號ヲ第五號トシ第三號ヲ
第四號トシ第二號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
三第十條ノ三又ハ第十五條ノ三ノ規
定ニ依ル命令ニ違反シタル者
附則第二項中「本法ハ」ノ下ニ「第十條ノ
三乃至第十條ノ八、」ヲ加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託業
務ノ兼營等ニ關スル法律案
第一條銀行法ニ依リ銀行業ノ免許ヲ受
ケタル銀行(以下普通銀行ト稱ス)ハ他
ノ法律ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
貯蓄銀行法ニ依リ貯蓄銀行ノ營ム業務
(以下貯蓄銀行業務ト稱ス)又ハ信託業
法ニ依リ信託會社ノ營ム業務(以下信
託業務ト稱ス)ヲ營ムコトヲ得
普通銀行前項ノ認可ヲ受ケントスルト
キハ申請書ニ業務ノ種類及方法ヲ記載
シタル書面ヲ添附シ之ヲ主務大臣ニ提
出スベシ
第二條貯蓄銀行業務ヲ營ム普通銀行ハ
貯蓄銀行法第一條第一項及第五條第六
號ニ揭グル業務ニ依リ受入レタル金額
ノ三分ノ一以上ノ金額ニ相當スル國債
ヲ供託スベシ但シ供託金額中受入金額
ノ五分ノ一ヲ超ユル額ニ付テハ主務大
臣ノ指定スル有價證劵ヲ以テ國債ニ代
フルコトヲ得
前項ノ普通銀行ハ主務大臣ノ定ムル所
ニ依リ大藏省預金部ヘノ預ヶ金ヲ以テ
同項ノ供託ニ代フルコトヲ得
第一項ノ受入金額ハ每營業年度末日現
在ニ依リ之ヲ定ム
貯蓄銀行法第十條ノ規定ハ第一項ノ普
通銀行ノ同法第一條第一項ニ揭グル業
務ニ依ル預金者及給付金ノ債權者竝ニ
同法第五條第六號ニ揭グル業務ニ依ル
有價證劵ノ給付ヲ受クベキ債權者ニ付
之ヲ準用ス
第三條有價證劵割賦販賣業法第八條乃
至第十一條ノ規定ハ普通銀行ガ貯蓄銀
行法第五條第六號ニ揭グル業務ヲ營ム
場合ニ之ヲ準用ス
第四條信託業法第七條乃至第十條ノ規
定ハ普通銀行ガ信託業務ヲ營ム場合ニ
之ヲ準用ス
第五條普通銀行ガ貯蓄銀行業務又ハ信
託業務ヲ營ム場合ニ於テ當該業務ノ種
類又ハ方法ヲ變更セントスルトキハ主
務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ貯蓄
銀行業務又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行
ニ對シ當該業務ノ種類若ハ方法ヲ制限
シ又ハ其ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第六條信託會社又ハ信託業務ヲ營ム普
通銀行ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合ニ
於テ商法第百條第一項ノ規定ニ依リテ
爲スベキ催告ハ金錢信託ノ受益者ニ對
シテハ之ヲ爲スコトヲ要セズ
信託會社ガ合併ノ決議ヲ爲シタル場合
ニ於テ商法第百條第一項但書ノ期間ハ
一月迄之ヲ下スコトヲ得合併ニ因ル株
式併合ノ場合ニ於テ商法第三百七十七
條第一項但書ノ期間ニ付亦同ジ
第七條信託業務ヲ營ム普通銀行ト信託
會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行トガ
合併シタルトキハ合併後存續シ又ハ合
併ニ因リテ設立シタル信託業務ヲ營ム
普通銀行ハ合併ニ因リテ消滅シタル信
託會社又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行ノ
信託ニ關スル權利義務ヲ承繼ス
信託業法第十六條第二項ノ規定ハ前項
ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八條普通銀行ノ營ム貯蓄銀行業務ハ
租稅ニ關スル法令ノ適用ニ關シ之ヲ貯
蓄銀行ノ營ム業務ト看做ス
信託業務ヲ營ム普通銀行ハ其ノ信託業
務ニ付テハ租稅ニ關スル法令ノ適用
關シ之ヲ信託會社ト看做ス
第九條特別ノ法令ニ依リ設立セラレタ
ル銀行ニシテ主務大臣ノ指定スルモ
ノ(以下指定銀行ト稱ス)ハ他ノ法律ニ
拘ラズ貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ營
ムコトヲ得
指定銀行貯蓄銀行業務又ハ信託業務ヲ
營マントスルトキハ業務ノ種類及方法
ニ付主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二條乃至前條ノ規定ハ第一項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
第十條左ノ場合ニ於テハ貯蓄銀行業務
又ハ信託業務ヲ營ム普通銀行又ハ指定
銀行ノ役員又ハ〓算人ヲ千圓以下ノ過
料ニ處ス
一第二條第一項(前條第三項ニ於テ
準用スル場合ヲ含ム)、第三條(前條
第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)
ニ於テ準用スル有價證劵割賦販賣業
法第十條及第四條(前條第三項ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)ニ
於テ準用スル信託業法第七條ノ規定
ニ違反シタルトキ
二第四條ニ於テ準用スル信託業法第
九條ノ規定又ハ同法同條ニ基ク命令
ニ違反シテ信託ニ付補塡又ハ補足ノ
契約ヲ爲シタルトキ
三第四條ニ於テ準用スル信託業法第
十案ノ規定ニ違反シテ信託財產ヲ固
六則產ト爲シタルトキ
四第五條(前條第三項ニ於テ準用ス
ル場合ヲ含ム以下同ジ)第一項ノ規
定ニ違反シタルトキ
五第五條第二項ノ規定ニ依ル主務大
臣ノ命令ニ違反シタルトキ
六前條第二項ノ規定ニ違反シタルト
キ
七信託法第二十八條ノ規定ニ依リテ
爲スベキ信託財產ノ管理ヲ爲サザル
トキ
八信託法第三十九條ニ規定スル事務
ノ處理若ハ計算ヲ爲サズ又ハ財產目
錄ヲ作成セザルトキ
九正當ノ理由ナクシテ信託法第四十
條ノ規定ニ依ル閱覽ヲ拒ミ又ハ說明
ヲ爲サザルトキ
附則
第十一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第十二條貯蓄銀行法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第七號中「一年內」ヲ
「五年內」ニ改メ同條同項第十號中「信
託會社」ノ上ニ「信託業務ヲ營ム銀行又
ハ」ヲ加ヘ同條同項第十一號中「銀行又
ハ信託會社ノ引受アル」ヲ削ル
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項第十一號ニ規定スル手形ニシ
テ銀行又ハ信託會社ノ引受アルモノ
以外ノモノニ付亦前項ニ同シ
第十三條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合
ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條第一項中「預ケ金」ノ下ニ
「、信託財產」ヲ加フ
第十三條無盡業法中左ノ通改正ス
第十條第一項第五號ヲ左ノ如ク改ム
五信託業務ヲ營ム銀行又ハ信託會
社ヘ命令ノ定ムル所ニ依リ爲ス金
錢信託
第二十一條ノ四第三項中「信託會社」ノ
上ニ「信託業務ヲ營ム銀行若ハ」ヲ加
フ
第十四條國民貯蓄組合法中左ノ通改正
ス
第二條第一項第三號中「信託會社」ノ上
ニ「信託業務ヲ營ム銀行又ハ」ヲ加フ
銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律案
第一條銀行法中左ノ通改正ス
第九條中「一月ヨリ六月迄及七月ヨリ
十二月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月ヨ
リ翌年三月迄」ニ改ム
第十二條中「二囘」ヲ「一囘」ニ改ム
第二條保險業法中左ノ通改正ス
第八十二條第一項中「一囘一定ノ時期」
ヲ「三月末日」ニ改ム
第九十一條中「二囘」ヲ「一囘」ニ改ム
第百五十六條削除
第三條無盡業法中左ノ通改正ス
第十五條中「一月ヨリ六月迄及七月ヨ
リ十二月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月
ヨリ翌年三月迄」ニ改ム
第四條有價證劵引受業法中左ノ通改正
ス
第九條中「六月ヨリ十一月迄及十二月
ヨリ五月迄」ヲ「四月ヨリ九月迄及十月
ヨリ翌年三月迄」ニ改ム
第十九條第二項ヲ削ル
第五條庶民金庫法中左ノ通改正ス
第二十八條中「一月ヨリ六月迄及七月
ヨリ十二月迄」ヲ「四月ヨリ翌年三月
迄」ニ改ム
第四十一條削除
第六條恩給金庫法中左ノ通改正ス
第四十三條中「一月ヨリ六月迄及七月
ヨリ十二月迄」ヲ「四月ヨリ翌年三月
迄」ニ改ム
第四十五條中「二十事業年度」ヲ「十六
事業年度」ニ改ム
第五十七條削除
第七條擔保附社債信託法ニ依ル受託會
社ガ社債ノ擔保ヲ變更セントスル場合
ニ於テ變更後ニ於ケル擔保ノ價格ガ未
償還社債ノ元利金ヲ擔保スルニ足ルト
認ムルトキハ當分ノ內同法第七十五條
ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ
主務大臣ノ認可ヲ受ケ社債權者集會ノ
決議ニ依ラズ委託會社トノ契約ヲ以テ
當該變更ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ノ日ノ屬スル營業年度又ハ事業
年度ニ關シテハ仍從前ノ規定ニ依ル
戰爭死亡傷害保險法案
戰爭死亡傷害保險法
第一條本法ニ於テ戰爭死亡傷害保險ト
ハ戰爭ノ際ニ於ケル戰鬪行爲又ハ之ニ
關聯アル事件ニ因ル死亡傷害ノミヲ保
險事故トスル保險ヲ謂フ
第二條政府ノ指定スル保險會社ニ對シ
保險料ヲ添へ戰爭死亡傷害保險契約ノ
申込ヲ爲シタル者アルトキハ中込ノ時
ニ於テ申込者ト當該保險會社トノ間ニ
戰爭死亡傷害保險契約成立シタルモノ
ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ政府ノ指定スル保險
會社ガ相互會社ナルトキハ申込者ハ戰
爭死亡傷害保險契約ニ關シテハ其ノ社
員ト爲ルコトナシ
第三條政府ハ國民經濟上必要アリト認
ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ戰爭
死亡傷害保險ノ保險金ノ支拂ヲ受クル
者ニ對シ其ノ保險金ノ處分ニ關シ必要
ナル指示ヲ爲シ又ハ保險會社ニ對シ當
該保險金ノ支拂ノ時期若ハ方法ニ關シ
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ニ基キ支拂ヲ延
期シタル保險金ニハ命令ノ定ムル所ニ
依リ利息ヲ附スベシ
第四條本法ニ定ムルモノノ外保險事故、
被保險者、保險金ヲ受取ルベキ者、保
險金額、保險料、保險期間其ノ他戰爭
死亡傷害保險ニ關シ必要ナル事項ハ命
令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條戰爭死亡傷害保險ニ關スル書類
ニハ印紙稅ヲ課セズ
第六條政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關シ
必要アリト認ムルトキハ保險會社、保
險契約者、被保險者又ハ保險金ヲ受取
ルベキ者ヲシテ必要ナル報告ヲ爲サシ
ムルコトヲ得
政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關シ必要ア
リト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ保險
會社ノ營業所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ帳
簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場
合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶
セシムベシ
第七條政府ハ戰爭死亡傷害保險ニ關ス
ル業務ニ因リ保險會社ガ損失ヲ受ケタ
ルトキハ當該保險會社ニ對シ其ノ損失
ヲ補償ス
保險會社ハ戰爭死亡傷害保險ニ關スル
業務ニ因リ利益ヲ得タルトキハ其ノ利
益金ヲ政府ニ納付スベシ
前二項ノ損失及利益ヲ決定スル基準其
ノ他損失補償及利益金納付ニ關シ必要
ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第八條法人稅法ニ依ル所得、營業稅法
ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益
ノ計算ニ付テハ保險會社ノ戰爭死亡傷
害保險關係ニ基ク收入及前條第一項ノ
規定ニ依ル補償金ハ其ノ總益金ヨリ、
保險會社ノ戰爭死亡傷害保險關係ニ基
ク支出及同條第二項ノ規定ニ依ル納付
金ハ其ノ總損金ヨリ之ヲ控除ス
第九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五
百圓以下ノ罰金ニ處ス
ー第六條第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ
爲サズ又ハ虛僞ノ報〓ヲ爲シタル者
二同條第二項ノ規定ニ依ル臨檢檢査
ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
法人又ハ人ノ代理人、戶主、家族、同
居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人
又ハ人ノ業務ニ關シ前項第一號ノ違反
行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ人
ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其
ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第一項第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナ
ルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ
業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ
禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ
之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同
一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此
ノ限ニ在ラズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
戰爭保險臨時措置法中左ノ通改正ス
第十一條ノ二法人稅法ニ依ル所得、營
業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依
ル利益ノ計算ニ付テハ保險會社ノ戰爭
保險關係ニ基ク收入金額及其ノ利息、
戰爭保險ノ保險事故發生シタル保險ノ
目的ニ付損害保險契約アルトキハ其ノ
保險料中命令ヲ以テ定ムル額竝ニ前條
第一項ノ規定ニ依ル補償金ハ其ノ總益
金ヨリ、保險會社ノ戰爭保險關係ニ基
ク支拂金額及其ノ支拂ノ爲ニ借入レタ
ル金額ノ利息竝ニ同條第二項ノ規定ニ
依ル納付金ハ其ノ總損金ヨリ之ヲ控除
ス
鹽專賣法中改正法律案
鹽專賣法中左ノ通改正ス
第五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
鹹水ヲ鹽製造以外ノ用途ニ使用セムト
スルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
前項ノ許可ヲ受ケ鹹水ヲ使用シ得ル用
途ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
鹹水ハ政府ノ許可ヲ受クルニ非サレハ
之ヲ讓渡シ又ハ質入スルコトヲ得ス但
シ鹽製造者ニ讓渡スルハ此ノ限ニ在ラス
第十二條鹽製造者鹽ノ製造ヲ廢止セム
トスルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第十七條ノ二ヲ第十七條ノ十四トス
第十七條ノ二鹽製造者又ハ鹹水製造者
災害ニ因リ鹽又ハ鹹水ノ滅失又ハ損傷其
ノ他ノ事出ニ因ル損害ヲ被リタルトキ
ハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ製
造者ニ損害ノ一部ニ對スル補償金ヲ下
付スルコトヲ得
第十七條ノ三鹽製造者、鹹水製造者又ハ
製鹽地所有者ハ鹽專賣事業ニ協力シ鹽
生產ノ確保及製鹽事業ノ改良發達ヲ圖
ル爲共同ノ施設ヲ爲ス目的ヲ以テ政府
ノ認可ヲ受ケ鹽業組合ヲ設立スルコト
ヲ得
鹽業組合ハ法人トス
第十七條ノ四政府ハ必要ト認ムルトキハ
前條第一項ニ揭クル者ニ對シ鹽業組合
ノ設立ヲ命シ又ハ鹽業組合ニ加入スル
コトヲ命スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命セラレタル者
政府ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申
請セサルトキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他
設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十七條ノ五鹽業組合ハ設立ノ登記ヲ
爲スニ因リテ成立ス
第十七條ノ六鹽業組合カ本法ニ基キテ
發スル勅令ニ依リ登記スヘキ事項ハ其
ノ登記ヲ爲スニ非サレハ之ヲ以テ第三
者ニ對抗スルコトヲ得ス
第十七條ノ七鹽業組合ハ左ノ事業ヲ行
フ
-組合員ノ事業ニ必要ナル物ノ供給
及共同設備ノ設置竝ニ組合員ノ製品
ノ加工、保管又ハ販賣
二鹽又ハ鹹水ノ製造ニ關スル指導、
〓究及調査
三其ノ他鹽業組合ノ目的達成上必要
ナル統制及施設
鹽業組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ對
スル其ノ事業ニ必要ナル資金ノ貸付、
組合員ノ爲ニスル其ノ事業上ノ債務ノ
保證又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行
フコトヲ得
第十七條ノ八組合員ハ出資一口以上ヲ
有スヘシ
鹽業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ
經費ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
組合員ノ責任ハ前項ノ規定ニ依ル費用
負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス但シ鹽
業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財
產ヲ以テ其ノ債務ヲ完濟スルコト能ハ
サル場合ニ於テ組合員ノ全員カ其ノ出
資額ノ外一定ノ金額(保證金額)ヲ限度
トシテ責任ヲ負擔スルモノト爲スコト
ヲ得
第十七條ノ九政府ハ鹽業組合ニ對シ鹽
專賣ニ關スル事務ノ一部ヲ委任シ又ハ
鹽專賣ニ關スル事務ノ執行上必要ナル
施設ヲ爲シ若ハ其ノ補助ヲ爲スヘキコ
トヲ命スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ政府ハ鹽業組合ニ
對シ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ下
付スルコトヲ得
第十七條ノ十政府ハ鹽業組合ニ對シ事
業財產ノ狀況ニ關シ報〓ヲ爲サシメ、
檢査ヲ爲シ、事業ノ計畫若ハ其ノ執行
方法又ハ經費ノ豫算若ハ其ノ徵收方法
ノ變更ヲ命シ其ノ他監督上必要ナル命
令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十七條ノ十一鹽業組合ニハ所得稅、
法人稅及營業稅ヲ課セス
第十七條ノ十本法ニ規定スルモノノ
外隨業組合ノ設立、登記、管理、解散、
〓算其ノ他鹽業組合ニ關シ必要ナル事
項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條ノ十三鹽業組合又ハ命令ヲ以
テ定ムル鹽製造者若ハ鹹水製造者ハ其
ノ共同ノ目的ヲ達スル爲政府ノ認可ヲ
受ケ鹽業組合聯合會ヲ設立スルコトヲ
得
鹽業組今聯今會及命令ヲ以テ定ムル鹽
業組合ハ其ノ共同ノ目的ヲ達スル爲政
府ノ認可ヲ受ケ鹽業組合中央會ヲ設立
スルコトヲ得
鹽業組合聯合會及鹽業組合中央會ハ法
人トス
鹽業組合ニ關スル規定ハ第十七條ノ三
ノ規定ヲ除クノ外鹽業組合聯合會ニ、
第十七條ノ三及第十七條ノ七第二項ノ
規定ヲ除クノ外鹽業組合中央會ニ之ヲ
準用ス
第二十條ノ二政府ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ鹹水ノ價格ヲ制限スルコトヲ得
第二十五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ
係ル鹽又ハ鹹水ハ之ヲ沒收ス既ニ讓渡
シ又ハ消費シタルトキハ鹽ニ付テハ第
十八條ノ賣渡定價ニ相當スル金額ヲ、
鹹水ニ付テハ其ノ價格ニ相當スル金額
ヲ追徵ス
-第三條乃至第五條又ハ第十二條ニ
違反シタル者
二許可ヲ受ケサル土地ニ於テ鹽又ハ
鹹水ヲ製造シタル者
三情ヲ知リテ政府ヨリ賣渡ササル鹽
ヲ讓受ケタル者
第三十條中「又ハ第十二條」ヲ削ル
第三十條ノ二左ノ各號ノ一ニ該當スル
者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十條ノ制限ヲ超エテ鹽ヲ販賣
シタル鹽賣捌人
二第二十條ノ二ノ制限ヲ超エテ鹹水
ヲ讓渡シタル者
第四十條ノ二中「、第二十五條」ヲ削ル
第四十條ノ三〓業組合、鹽業組合聯合
會又ハ〓業組合中央會ノ役員又ハ〓算
人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ、要求
シ又ハ約束シタルトキハ二年以下ノ徵
役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相
當ノ行爲ヲ爲ササルトキハ五年以下ノ
懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之
ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收
スルコト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追
徵ス
第四十條ノ四前條第一項ニ揭クル者ニ
對シ賄賂ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約
束ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ黴役又ハ
五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第四十條ノ五左ノ場合ニ於テハ第四十
條ノ三第一項ニ揭クル者ヲ五百圓以下
ノ過料ニ處ス
本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登
記ヲ爲シタルトキ
二第十七條ノ十(第十七條ノ十三ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)
ノ規定ニ依ル報〓ヲ怠リ又ハ不正ノ
報告ヲ爲シタルトキ
三第十七條ノ十ノ規定ニ依ル命令又
ハ處分ニ違反シタルトキ
四第一號ニ該當スル場合ヲ除クノ外
第十七條ノ十二(第十七條ノ十三ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ
基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲルギ
第二條本法施行ノ際現ニ存スル產業組
合、工業組合又ハ工業小組合ニシテ
鹽製造者、鹹水製造者又ハ製鹽地所有
者ノミヲ以テ組織セラレ第十七條ノ七ノ
事業ヲ行フモノ(以下既存組合ト稱ス)
ハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル鹽業
組合ト爲リタルモノトス
前項ノ場合ニ於ケル定款、登記其ノ他
ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ
定ム
第十七條ノ六ノ規定ハ第一項ノ規定ニ
依ル鹽業組合ノ成立ニ付テハ之ヲ適用
セズ
第三條前條第一項ノ規定ニ依ル鹽業組
合ノ成立ニ因リ旣存組合ハ之ニ吸收セ
ラルルモノトシ旣存組合ノ權利義務ハ
鹽業組合ニ於テ之ヲ承繼ス
第四條附則第二條第一項ノ規定ニ依リ
既存組合ガ鹽業組合ト爲リタルトキハ
其ノ旣存組合ノ組合員ノ出資ハ當該鹽
業組合ニ對スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ旣存組合ニ對スル出
資ノ持分ノ上ニ存在スル質權ハ鹽業組
合ニ對スル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第五條附則第二條第一項ノ場合ニ於テ
鹽業組合ト爲リタル既存組合ガ產業組
合中央金庫又ハ商工組合中央金庫ノ出
資者ナルトキハ當該鹽業組合ハ本法施
行後二月以內ニ產業組合中央金庫又ハ
商工組合中央金庫ノ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ持分ヲ他ニ讓渡スコトヲ要
ス
前項ノ讓渡ナキ場合ニ於テ當該持分ノ
讓渡ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
第六條產業組合中央金庫、信用組合聯
合會、商工組合中央金庫、工業組合聯
合會又ハ工業組合ハ其ノ貸付先タル旣
存組合ガ附則第二條第一項ノ規定ニ依
リ鹽業組合ト爲リタルトキハ當該鹽業
組合ニ對シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ從來
ノ貸付ヲ繼續スルコトヲ得
第七條附則第二條第一項ノ規定ニ依リ
旣存組合ガ鹽業組合ト爲リタルトキハ
所得稅法、法人稅法及臨時利得稅法又
ハ特別法人稅法ノ適用ニ關シテハ旣存
組合ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル法
人又ハ特別ノ法人ト看做シ鹽業組合ハ
之ヲ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ
特別ノ法人ト看做ス
鹽業組合ガ附則第三條ノ規定ニ依リ既
存組合ヨリ承繼シタル財產ニ付テハ特
別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ
益金ニ算入セズ
第八條鹽業組合ガ附則第三條ノ規定ニ
依リ承繼シタル不動產ニ關スル權利ノ
取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其
ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ千分ノ
三トス但シ登錄稅法ニ依リ算出シタル
登錄稅ノ額ガ本條ノ規定ニ依リ算出シ
タル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額ニ依ル
第九條登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「又ハ貸室組合聯合
會」ヲ「、貸室組合聯合會、鹽業組合、鹽
業組合聯合會又ハ鹽業組合中央會」ニ、
「又ハ貸家組合法」ヲ「、貸家組合法又
ハ鹽專賣法」ニ改ム
第十條印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號中「產業組合」ノ下ニ若
ハ鹽業組合」ヲ加フ
第十一條特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
十鹽業組合、鹽業組合聯合會及鹽
業組合中央會
昭和十二年法律第八十四號中改正法律
案
昭和十二年法律第八十四號中左ノ通改正
ス
第一項ヲ左ノ如ク改ム
大東亞戰爭ニ關スル臨時軍事費支辨ノ爲
必要アルトキハ政府ハ臨時軍事費特別會計
ニ於ケル歲出豫算額ヨリ當該特別會計ニ
於ケル他會計ヨリノ受入金其ノ他ノ普通
歲入ノ豫定額ヲ控除シタル額ニ相當スル
金額ヲ限リ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲
スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ附則
第二項ノ規定施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
昭和十三年法律第二十三號中左ノ通改正
ス
第一條朝鮮總督府、臺灣總督府、樺太
廳及關東局ノ各特別會計ニ於ケル勅令
ノ定ムル租稅ノ收入額中勅令ノ定ムル
金額ハ每年度豫算ノ定ムル所ニ依リ之
ヲ當該特別會計ヨリ臨時軍事費特別會
計ニ繰入ルベシ
第二條朝鮮總督府及臺灣總督府ノ各特
別會計ニ於ケル勅令ノ定ムル專賣事業
ノ收入額中勅令ノ定ムル金額ハ每年度
豫算ノ定ムル所ニ依リ之ヲ當該特別會
計ヨリ臨時軍事費特別會計ニ繰入ルベ
シ
第二條ノ二及第三條中「關東局、朝鮮總督
府、臺灣總督府及樺太廳」ヲ「朝鮮總督
府、臺灣總督府、樺太廳及關東局」ニ改ム
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=85
-
086・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ國民貯蓄組合法中改正法律案外七件
ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ御說明申上ゲ
マス、現下政府各般ノ施策ノ重點ハ、大東
亞戰爭ノ完遂ヲ目的トスル戰力ノ增强ト云
フ一點ニ集中ヲ致シテ居リマスコトハ、今
更申上ゲルマデモナイノデアリマス、政府
ニ於キマシテハ從來ト雖モ、是等ノ見地ヨ
リ、各般ノ有效適切ナル施策ヲ講ジツツア
ルノデアリマスルガ、只今議題トナリマシ
タ八件ノ法律案ハ、國民貯蓄增强、納稅ノ
確保等何レモ戰力ノ增强上、緊急缺クベカ
ラザル施策ニ卽應セントスルモノデアリマ
ス、以下各案ニ付キマシテ、其ノ內容ノ要
點ニ付キ御說明申上ゲマス
先ヅ國民貯蓄組合法中改正法律案ニ付キ
マシテ申上ゲマス、改正ノ要點ハ第一ニ、
國民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ル貯蓄ニ關シ、課
稅上ノ特典ヲ擴張致シマシテ、是ガ利子又
ハ利益ニ對シマシテハ、其ノ元本ガ七千圓
ヲ超エザル限リ分類所得稅ノミナラズ、綜
合所得稅ヲモ免稅致スコトト致シタ點デア
リマス、改正ノ第二點ハ勤務先預ケ金ニ關
スル規定ヲ新タニ設ケマシテ、此ノ種預ケ
金ハ今後原則ト致シマシテ、國民貯蓄組合
ノ斡旋ニ依リ受入ルベキモノトナシ、其ノ
受入ノ方法又ハ受入資金ノ運用ニ關シマシ
テハ、必要ナル指示ヲナシ得ルコトト致シ
タ點デアリマス、其ノ他市町村ヲ單位トス
ル地域組合ノ組織ヲ認ムルコト、組合ノ監
督規定ニ付キ若干ノ改正ヲ加ヘタコト等
ヲ、其ノ骨子ト致スモノデアリマス
次ニ納稅施設法案ニ付キマシテ說明致シ
マス、國民ノ租稅負擔ハ、戰時財政需要ノ
增加ニ伴ヒマシテ、屢〓增稅ガ行ハレマシ
テ、急激ニ擴大ヲ致シテ參ツタノデアリマ
スルガ、此ノ擴大致シマシタ租稅負擔ヲ完
全ニ擔ヒ拔キマシテ、以テ納稅奉公ノ誠ヲ
盡シマス爲ニハ平素ヨリ納稅ニ對スル準
備ヲ必要トスルコトハ申スマデモナイ所デ
アリマス、政府ハ從來ト雖モ國民ノ納稅精
神ノ昂揚ヲ圖リマスト共ニ、納稅組合ノ普
及及ビ勸奬其ノ他各種ノ行政的施策ニ依リ
マシテ、納稅資金ノ蓄積ト滯納防止ニ力ヲ
盡シテ參ツタノデアリマスルガ、未ダ施設
ガ十分ト言ヒ得ナイノデアリマス、隨テ豫
メ納稅資金ノ準備ヲナシ置クコトニ關シマ
シテ、有效適切ナル制度ヲ完備スル必要ガ
アルト思フノデアリマス、今囘政府ハ國民
ノ納稅ノ履行ヲ容易ナラシメ、尙ホ合セテ
國民貯蓄ノ增强等ニ資シマス爲ニ、新タナ
ル構想ヲ致シタ次第デアリマス
本案ノ主要ナル內容ニ付キマシテ申上ゲ
マスレバ、其ノ第一點ハ、納稅ニ關シ公共
的事業ヲ行フ町內會、部落會及ビ納稅組合
ヲ納稅團體ト云フ法制上ノ團體トシテ認メ
マシテ、是ガ普及發達ニ付キ助成ノ道ヲ講
ズルコトト致シマス、ソレト共ニ指導監督
上必要ナル事項ヲ規定致シマシテ、以テ其
ノ健全ナル發展ヲ期スルコトト致シタ點デ
アリマス
其ノ第二點ハ、法人ニ對シマシテハ、納
稅積立金ノ積立ヲナサシメ、其ノ一部ニ付
テハ豫金ヲ以テ之ヲ保有セシメマシテ、納
稅ノ容易ニ且ツ確實ナラシメマスルト共
ニ、會社經理ノ適正ニ資スルノ效果ヲモ、
併セ期待致シマシタコトデアリマス
第三點ハ、專ラ租稅公課ノ納付ニ充ツル
コトヲ目的ト致シマスル納稅準備預金ト云
フ、新種ノ預金ヲ設ケマシテ、之ニ對シマ
シテ各種ノ便宜又ハ特典ヲ與ヘ、國民ノ納
稅準備及ビ租稅公課ノ納付ニ關シマシテ、
有利且ツ便宜ナル手段ヲ提供セント致スコ
トデアリマス
第四點ハ、租稅ノ納付ト國民貯蓄ノ增强
トヲ關聯セシメマシテ、租稅ノ貯蓄納付ト
云フ制度ヲ創設スルコトト致シタコトデア
リマス、本制度ノ目的ハ、特定ノ租稅ノ一
定倍數ニ相當スル金額ノ貯蓄、卽チ戰時納
稅貯蓄ヲ致シマシタ時ニ於テ、當該租稅ノ
納付ト同一ノ效果ヲ生ゼシメルコトニ依リ
マシテ、一方國民ノ納稅義務ノ履行ヲ容易
ナラシムルト共ニ、他方國民貯蓄ノ積極的
ナル增强ト、財政資金ノ圓滑ナル調達ヲ圖
ラントスルニアルノデアリマス、以上ガ納
稅施設法案提出ノ理由デアリマス
次ニ臨時資金調整法中改正法律案ニ付キ
說明申上ゲマス、今囘改正ノ要點ハ、貯蓄
ノ手段方法ニ付キマシテ新シキ工夫ヲ加ヘ
國民ノ貯蓄心理ニ愬ヘ、貯蓄ノ機會ノ捕捉
ニ萬遺憾ナキヲ期シマスルト共ニ、國債其
ノ他ノ證劵ノ適正簡易安全ナル賣買機構ヲ
整備シ株式ノ市價安定ノ方途ヲ整ヘ、以テ
證劵ノ消化促進、價格ノ安定、產業資金ノ
調達及ビ國民貯蓄ノ保護ニ努ムルノデアリ
マス
以上ノ要點ヲ少シク具體的ニ說明致シマ
スレバ、其ノ第一點ハ、新種貯蓄方法ノ實
施及ビ新種證劵ノ發行デアリマス、卽チ第
一、銀行其ノ他ノ貯蓄取扱機關ニ對シマ
シテ、政府ハ新種貯蓄ノ取扱ヲナサシ
メ、或ハ各種ノ貯蓄施設ノ整備ヲ圖ラシム
ル等、資金ノ吸收ニ關シ必要ナル命令ヲ
ナシ得ルコトト致シテアル點デアリマス、
第二ニ、一定ノ預貯金等ニノミ充ツルコ
トヲ得ル證劵ヲ政府自ラ發行シ、又ハ一定
ノ者ヲシテ發行セシメ、之ニ依リ現在國
債其ノ他ノ債劵ノ發行時期、賣出期間、劵
面金額等ニ付キマシテ、貯蓄手段トシテ不
便ノアリマス點ヲ補フコトト致シタノデア
リマス第三ニ、國民大衆ノ微妙ナル心理ヲ
把握シ、所謂浮動購買力ノ吸收ヲ圖ル手段
ト致シマシテ、現在貯蓄債劵、報國債劵、
或ハ割增金附郵便貯金切手ヲ發行致シテア
リマスガ、是以外ニ更ニ新タナル考ヘノ下
ニ各種各樣ノ方法ヲ實施致シ得ルヤウ、
定ノ者ヲシテ新種ノ割增金附證劵ヲ發行セ
シメ、或ハ割增金附預金ヲ取扱ハシメ得ル
コトト致シタイト存ズルノデアリマス
改正ノ第二點ハ、貯蓄債劵及ビ報國債劵
ノ發行、償還ニ伴フ手續ノ簡易化デアリマ
ス、最近ニ於ケル貯蓄債劵及ビ報國債劵發
行ノ增加ハ、必然ニ發行及ビ償還ニ關スル
事務ノ著シキ輻湊ヲ來シテ居ルノデアリマ
スルガ、之ヲ緩和スル爲メ、貯蓄債劵及ビ報
國債劵ニ關シテハ社債原簿制度ヲ省略ス
ルト共ニ、日本勸業銀行本支店所在地ニ於
ケル發行竝ニ償還登記ヲ省略スルコトガ、
適當デアルト認メタノデアリマス
改正ノ第三點ハ、適正簡易且ツ安全ナル
有價證劵ノ賣買機構ヲ整備セントスルコト
デアリマス、最近ニ於ケル國債、貯蓄債劵、
其ノ他有價證劵ノ發行增加ノ趨勢ニ顧ミマ
シテ、是ガ消化ノ爲ニハ、是等證劵ノ一般
多數ノ國民ニ依ル消化ヲ促スコトガ必要デ
アリマス、隨テソレ等證劵所有者ノ保護ヲ
圖リマスル爲ニハ、適正簡易且ツ安全ナル
證劵ノ賣買機構ヲ整備致シマスル必要ガア
ルノデ、今般政府ハ金融機關及ビ證劵引受
業者等ニ對シ、價格、方法ヲ定メ、三ツヲ
國債、貯蓄債劵、報國債劵等ノ賣買、又ハ
其ノ代理、又ハ媒介ヲナスベキコトヲ命ジ
得ルコトト致シ、價格等ヲ簡易ニ一定致シ
マスル爲ニ、是等ニ伴ヒ損失ヲ生ジマシタ
ヤウナ場合ニハ、政府ニ於テ之ヲ補償シ、
又補助金ヲモ交付シ得ルコトト致シタノデ
アリマス
最後ニ改正ノ第四點ハ、株式ノ讓渡命令
ニ關スルコトデアリマス、大東亞戰爭下株
式ノ市價安定ヲ圖リ、以テ資金動員ノ適正
ヲ期シ、產業資金ノ調達、國民貯蓄ノ保護
ニ遺憾ナカラシムルコトノ緊要ナルコトハ
論ヲ俟タナイ所デアリマスルガ、從來是ガ
爲ノ一方策トシテ、戰時金融金庫ハ政府ノ指
導ノ下ニ、株式ノ市價安定ノ爲ニスル賣買
ヲ行ツテ居リマス、又別途提案致シマシタ
日本證劵取引所法案ニ依リ、新設ノ日本證
劵取引所モ同樣ノ機能ヲ有スルコトニ相成ル
ノデアリマスルガ、今後株式市價ノ過當ナ
ル昂騰時ニ際シマシテ、是ガ抑制ノ爲ニス
ル是等機關ノ賣出動ヲ效果アラシメマスル爲
三、豫メ又ハ何時ニテモ其ノ手持株式ヲ
充實シ得ルノ態勢ヲ整ヘテ置キマスルコト
ガ必要デアリマス、仍テ玆ニ金融機關、其
ノ他ノ者ニ對シ戰時金融金庫又ハ日本證劵
取引所ヘ株式ヲ讓渡スベキ命令ヲナシ得ル
制度ヲ設クルコトト致シタ次第デアリマス
次ニ普通銀行等ノ貯蓄銀行業務又ハ信託
業務ノ兼營等ニ關スル法律案ニ付キ說明申
上ゲマス、現下時局ニ顧ミ資金ノ蓄積增强
ニ資シマスル爲ニハ、凡ユル金融上ノ施設
ヲ動員シマシテ、國民ヲシテ其ノ好ム所ノ
形態ニ應ジテ資金ノ蓄積ヲ行ハシメルコト
ガ極メテ肝要ナノデアリマス、就中大衆的預
金及ビ長期貯蓄的資金ノ吸收ニ最モ重點ヲ
置イテ施策スルノ必要ガアルノデアリマス、
他面國家資金ノ配分ガ計畫化セラレマシ
タル結果、普通銀行、貯蓄銀行及ビ信託會
社ノ資金吸收及ビ運用ノ兩部面ニ於ケル
差異ハ、比較的僅少トナツテ參リマシタ、
隨テ現在ノ如ク是等ニ付キマシテ、其ノ經
營主體ヲ別個ノモノタラシメナケレバナラ
ヌト云フ必要ハ、漸次減少スルニ至ツタノ
デアリマス、仍テ本法律案ハ現存金融機關
中、其ノ人員及ビ店舗數等ニ於テ、最モ活
動力ノ多イ所ノ普通銀行等ヲシテ、貯蓄銀
行業務、又ハ信託業務ヲ兼營セシメマシテ
以テ大衆的預金及ビ長期貯蓄的資金ノ吸收
ニ對シ、全能力ヲ發揮セシメント致シマス
ル爲メ、必要ナル事項ヲ規定致シタノデア
リマス
次ニ銀行等ノ事務ノ簡素化ニ關スル法律
案ニ付キ說明申上ゲマス、本法律案ハ、銀行
其ノ他ノ金融機關ノ事務ノ簡素化ヲ圖ルコ
トニ依リマシテ、是等金融機關ヲシテ愈〓機
能ノ發揮ヲ容易ナラシメ、以テ戰時下國家
財政及ビ金融ノ圓滑ナル運營ニ資セントス
ルモノデアリマシテ、其ノ主ナル內容ハ三
ツニ分レマス
第一ハ、金融機關ノ事業年度ヲ、政府ノ
會計年度ニ合致セシメマシテ、以テ金融機
關ノ業務ノ運營ヲ、政府豫算及ビ國家資金
計畫、其ノ他國家財政及ビ經濟運營上ノ諸
計畫ニ卽應シ易カラシメントスルモノデア
リマス
第二ハ、擔保附社債ノ擔保ノ變更手續ヲ
簡易ナラシムル爲メ、當分ノ內、擔保附社
債信託法ニ特例ヲ設ケマシテ、社債權者集
會ノ決議ヲ必要トセザル場合ヲ認ムルコト
トシ、以テ時局ノ要請ニ基ク社債擔保ノ變
更ヲ簡易ナラシメントスルモノデアリマス
第三ハ、銀行及ビ保險會社ノ監査役ガ、
監査書ヲ作成スベキ囘數ヲ、每事業年度ニ
付キ一囘ト致シマシテ、以テ監査役ノ行フ
ベキ事務ノ簡素化ヲ圖ラントスルモノデア
リマス
次ニ戰爭死亡傷害保險法案ニ付キ說明ヲ致
シマス、戰局ノ擴大進展ニ卽應シ、戰爭ニ
依ツテ生ズベキ國民ノ死亡傷害ニ對處スル
施設ヲ完備致シマスルコトハ、戰時下國民
生活ノ維持安定ニ寄與スル所甚ダ大ナルモ
ノガアルト信ズルノデアリマス、之ニ依リ
銃後國民ハ、後顧ノ憂ヒナク各〓ノ職域ニ於
テ、御奉公ニ精進スルコトガ出來得ルト存
ズルノデアリマス、戰爭ニ依ル死亡傷害ニ
對シマシテハ、政府ニ於キマシテ、現在戰
時災害保護法等ノ施設ヲ講ジテ居ルノデア
リマス、又之ヲ保險ノ方面ニ付テ見マスル
ニ、戰爭ニ因ル死亡ニ對シ、生命保險金及
ビ簡易生命保險金ノ支拂ガ現在行ハレテ居
リ、傷害ニ對シマシテハ、戰爭危險ヲ擔保
スル旅行傷害保險ガ、一部ノ保險會社ニ依
リ行ハレテ居ルノデアリマス、然ル所今後
戰局ガ一段ト擴大進展、致スベキ點ニ思ヒヲ
致シマスル時ハ、戰爭ニ因ル死亡傷害ニ對
スル施設ハ、是等現行制度及ビ方策ノミヲ
以テシマシテハ、未ダ全シトスルコトヲ得
ナイノデアリマシテ、此ノ際速カニ新タナ
ル施設ヲ講ズルコトガ緊要デアルト存ズル
ノデアリマス、仍テ玆ニ戰爭ニ因ル死亡傷
害ニ對シ、特別ノ保險制度ヲ設ケルコトト
致シタ次第デアリマス
本法案ノ要點ニ付テ說明申上ゲマスルト、
第一ニ本保險ハ、戰爭ニ因ル死亡傷害ノミ
ヲ、保險事故トスルモノデアリマス、次ニ本
保險ハ保險會社ヲシテ是ガ引受ヲナサシメ
マスルト共ニ、本保險ノ公的性質ニ鑑ミ、
其ノ保險條件及ビ保險契約ノ手續等ニ於テ、
保險會社ガ普通ノ營業トシテ行フ保險トハ
著シク趣キヲ異ニ致スノデアリマス、次
上述ノ如ク、本保險ハ保險會社ガ普通ノ營
業トシテ行ク保險トハ、全ク性質ヲ異ニス
ルモノデアリマスカラ、保險會社ガ本保險
ニ依リ損失ヲ受ケタ時ハ、政府ニ於テ之ヲ
補償致シマスルト共ニ、利益ヲ得マシタ時
ニ、、政府ニ納付セシメルコトト致シテア
ルノデアリマス
次ニ鹽專賣法中改正法律案ニ付キ說明致
シマス、鹽ガ〓料用及ビ工業用トシテ極メ
テ重要ナル物資デアリマスコトハ申スマデ
モナイ所デアリマスガ、特ニ食料鹽ハ他ニ
代用品ノナイ、國民生活維持ノ爲ニ絕對缺
クコトノ出來ナイ必需物資デアリマスルノ
デ、是ガ需給ヲ安定セシムルコトハ、現下
ノ緊要事デアリマス、隨ヒマシテ能フ限リ
鹽ノ需給ヲ安定セシムル爲ニ、其ノ一方策
トシマシテ、此ノ際鹽專賣法中、左ノ四點
ニ付テ改正ヲ行ハントスル次第デアリマス
改正ノ第一點ハ、現在鹹水ハ鹽ノ製造以
外ノ用途ニハ供シ得ナイコトニナツテ居ル
ノデアリマスガ、鹽ノ用途中、鹹水ノ儘デ
其ノ用ヲ辨ジ得ルモノガアリマスノデ、是
等ノ用途ニハ鹹水ヲ直接使用シ得ルヤウニ、
鹹水ノ用途制限ヲ緩和セントスルモノデア
リマス、次ニ鹽又ハ鹹水ノ製造ハ、一箇月
以前ニ申〓致シマスレバ、自由ニ之ヲ廢止
シ得ルコトニナツテ居ルノデアリマスガ、
鹽ノ供給ヲ確保致シマスル爲メ、此ノ點ヲ
改メマシテ、製造ノ廢止ニハ政府ノ許可ヲ
要スルコトニ致シタノデアリマス、第三ニ、
鹽田ハ其ノ性質上海濱ニ位シマスル關係
カラ、高潮、海嘯等ノ危險モ少クアリマセ
ヌ、仍テ鹽又ハ鹹水ノ製造事業ノ安定ヲ圖
ル爲メ、罹災補償ノ制度ヲ設クルコトニ致
シタノデアリマス、最後ニ鹽製造者等ノ共
同活動ヲ促進セシメ、鹽生産ノ增强ヲ圖ル
爲ニ、鹽業團體ノ機構ヲ確立スルコトニ致
シテアルノデアリマス
次ニ昭和十二年法律第八十四號中改正法
律案ニ付キ說明申上ゲマス、臨時軍事費ニ
付キマシテハ、第七十二囘乃至第七十九囘
帝國議會ノ協贊ヲ經マシテ、其ノ財源ノ一
部ニ充ツル爲メ、政府ハ三百九十四億千九
百五十万圓ヲ限リ、公債ヲ發行シ、又ハ借
入金ヲナシ得ル權能ヲ得テ居ルノデアリマ
スガ、今囘ノ臨時軍事費二百七十億圓ノ追
加計上ニ伴ヒマシテ、其ノ所要財源中、
般會計及ビ特別會計ヨリノ繰入金等ヲ以
テ充當シ、差引不足スル額ニ付キマシテハ、
公債又ハ借入金ノ財源ニ依ルコトヲ必要ト
致シマスルノデ、右法定限度額ノ增加ヲ必
要ト致シマスル所、今後ニ於ケル事務ノ簡
捷ヲ圖ル等ノ趣旨ニ依リマシテ、右發行借
入等ノ限度額ヲ、臨時軍事費特別會計ニ於
ケル歲出豫算額ヨリ、當該特別會計ニ於ケ
ル他會計ヨリノ受入金、其ノ他ノ普通歲入
ヲ控除シタル額ニ相當スル金額ニ改ムルヲ適
當ト認メタノデアリマス、尙ホ朝鮮總督府、
臺灣總督府、樺太廳及ビ關東局ノ各特別會
計ニ於ケル今囘ノ增稅等ニ依ル收入額ノ一
部竝ニ朝鮮總督府及ビ臺灣總督府ノ各特
別會計ニ於ケル、今囘ノ煙草ノ增收計畫ニ
仁ル增收額ノ一部ヲモ、臨時軍事費ノ財源
ニ充ツルコトト致シマスル、是等ニ伴ヒマ
シテ、是亦今後ニ於ケル事務ノ簡捷ヲ圖ル
趣旨ノ下ニ、昭和十三年法律第二十三號中
所要ノ改正ヲ、本法律案ノ附則ニ於テ行フ
コトト致シテ居ルノデアリマス、以上八件
ノ法律案ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ上
速カニ協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマ
ス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=86
-
087・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=87
-
088・森下國雄
○森下國雄君 國民貯蓄組合法中改正法律
案及ビ納稅施設法案ノ兩案ハ一括シテ議長
指名十八名ノ委員ニ付託シ、臨時資金調
整法中改正法律案外五件ノ六案ハ一括シテ
政府提出昭和十八年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律案外九件
委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=88
-
089・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=89
-
090・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=90
-
091・森下國雄
○森下國雄君 議事日程變更ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際、昭和十六年度
第一豫備金支出ノ件、昭和十六年度特別會
計第一豫備金支出ノ件、昭和十六年度特別
會計豫備費支出ノ件、昭和十七年度第二豫
備金支出ノ件、昭和十七年度特別會計第二
豫備金支出ノ件、及ビ昭和十七年度特別會
計豫備金外ニ於テ豫算超過及豫算外支出ノ
件ノ六件ヲ一括議題トナシ、其ノ審議ヲ進
メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=91
-
092・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御音
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=92
-
093・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ-昭和
十六年度第一豫備金支出ノ件外五件承諾ヲ
求ムル件ヲ議題ト致シマス-賀屋大藏大臣
昭和十六年度第一豫備
金支出ノ件
昭和十六年度特別會計
第一豫備金支出ノ件
昭和十六年度特別會計
豫備費支出ノ件
昭和十七年度第二豫備ル件(不勝ヲ求ム)
金支出ノ件
昭和十七年度特別會計
第二豫備金支出ノ件
昭和十七年度特別會計
豫備金外ニ於テ豫算超
過及豫算外支出ノ件
〔國務大臣賀屋興宣君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=93
-
094・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題ニ供セ
ラレマシタ昭和十六年度第一豫備金支出ノ
件外事後承諾ヲ求ムル件五件ニ付キ、大體
ノ御說明ヲ致シマス
昭和十六年度一般會計第一豫備金ノ豫算
額ハ四千万圓デアリマス、內昭和十六年勅
令第八百二十二號ニ依リ補充致シマシタ金
額ハ、三千九百九十餘万圓デアリマス、今
其ノ重要ナル事項ヲ申上ゲマスレバ、警察
費連帶支辨金、國民學校〓員俸給分擔金、
軍事扶助費、輸出資金融通損失補償金等デ
アリマス
次ニ昭和十六年度ニ於テ第一豫備金ヨリ
豫算超過支出ヲ致シマシタ特別會計ハ、印
刷局、專賣局、金資金、關東局、陸軍造兵
廠米穀需給調節、木炭需給調節、農業再
保險、漁船再保險、家畜再保險、通信事業、
朝鮮總督府、朝鮮簡易生命保險、臺灣總督
府、臺灣米穀移出管理、樺太廳、南洋廳、
健康保險、職員健康保險、船員保險、簡易生
命保險、郵便年金ノ二十二特別會計デアリマ
ス、又豫備費ヨリ豫算超過支出ヲ致シマシ
タモノハ、陸軍製絨廠、米穀需給調節、通
信事業、帝國鐵道、臺灣米穀移出管理ノ五
特別會計デアリマス
次ニ昭和十七年度一般會計第二豫備金ノ
豫算額ハ八億圓デアリマスガ、內昭和十七
年四月二十二日ヨリ同年十二月二十四日ニ
至ル間ニ於テ、支出致シマシタ金額ハ、六
億四千八百餘万圓デアリマシテ、其ノ重要
ナル事項ハ在支敵產購入費、損害保險國營
再保險特別會計へ繰入、金屬類特別囘收諸
費、各種災害費、地方職員臨時家族手當補
助、〓員戰時勤勉手當補助、外交官等交換
諸費等デアリマス
次ニ昭和十七年度ニ於テ第二豫備金ヲ以
テ豫算外支出ヲ致シマシタ特別會計ハ、朝
鮮總督府、臺灣總督府、樺太廳及ビ關東局ノ
四特別會計デアリマス、又豫備金外ニ於
テ其ノ國庫剩餘金ヲ以テ、豫算超過又ハ豫
算外ノ支出ヲ致シマシタモノニハ、朝鮮總
督府、臺灣總督府、及ビ樺太廳ノ三特別會
計ガアルノデアリマス、何卒御審議ノ上、
速カニ御承諾アランコトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=94
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095・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各件ノ審査ヲ託付ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=95
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096・森下國雄
○森下國雄君 各件ハ政府提出國民貯蓄組
合法中改正法律案外一件委員ニ併セ付託セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=96
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097・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=97
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098・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日程第
十乃至第十二ハ便宜上一括議題トナスニ御
異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=98
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099・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十、北支那開發株式會社法
中改正法律案、日程第十一、中支那振興株
式會社法中改正法律案、日程第十二、占領
地軍政官憲ノ爲シタル行爲ノ法律上ノ效力
等ニ關スル法律案、右三案ヲ一括シテ第一
讀會ヲ開キマス-靑木大東亞大臣
第十北支那開發株式會社法中改正法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第十一中支那振興株式會社法中改正
法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第十二占領地軍政官憲ノ爲シタル行
爲ノ法律上ノ效力等ニ關スル法律案
(政府提出、貴族院送付)第一讀會
北支那開發株式會社法中改正法律案
北支那開發株式會社法中左ノ通改正ス
第二十九條第一項中「初營業年度及爾後
五年間」ヲ「第十二營業年度迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
中支那振興株式會社法中改正法律案
中支那振興株式會社法中左ノ通改正ス
第二十七條第一項中「初營業年度及爾後
五年間」ヲ「第十二營業年度迄」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
占領地軍政官憲ノ爲シタル行爲ノ法律
上ノ效力等ニ關スル法律案
占領地軍政官憲ノ爲シタル屆出ノ受理其
ノ他ノ行爲ニシテ戶籍法其ノ他ノ法律ニ
依リ領事官ノ爲ス行爲ニ相當スルモノハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ當該法律ニ依
リ領事官ガ爲シタルモノト看做スコトヲ
得
前項ノ規定ハ在留臣民其ノ他ノ者ガ占領
地軍政官憲ニ對シ爲シタル屆出其ノ他ノ
行爲ニシテ戶籍法其ノ他ノ法律ニ依リ領
事官ニ對シテ爲ス行爲ニ相當スルモノニ
之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
國國大臣靑木一男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=99
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100・青木一男
○國務大臣(靑木一男考) 只今議題トナリ
マシタ三法律案ノ中、先ヅ北支那開發株式會
社法中改正法律案及ビ中支那振興株式會社
法中改正法律案ノ提案理由ヲ一括シテ御說
明申上ゲマス、政府ノ兩會社ニ對スル助成
策ノ一トシテ、補給金制度ノ設ケラレテア
リマスルコトハ、他ノ國策會社ニ於ケル場
合ト同樣デアリマス、卽チ北支那開發株式
會社法第二十九條、中支那振興株式會社法
第二十七條ノ規定ニ依リマスレバ、ソレゾ
レ政府ハ一定案件ノ下ニ、兩社ノ民間株主
ニ對シ、配當シ得ベキ利益金額ガ年六分ノ
割合ニ達スルマデ、其ノ不足額ニ相當スル
金額ヲ補給スルコトニ相成ツテ居リマシ
テ、其ノ補給金交付ノ期間ハ、今年十二月
三十一日ヲ以テ滿了ト相成ルノデアリマス、
然ルニ兩會社ノ現在ノ營業狀態ハ、創立當
初ノソレニ比ベマスレバ、著シク好轉ハ致
シテ居リマスルケレドモ、今後ノ現地ニ於
ケル狀態ヲ勘案致シマスル時ハ、其ノ營業
ノ前途ニ尙ホ困難ナシトハ言ヒ得ナイ事情
ニアリマスルト共ニ、兩社トモ其ノ特殊ノ
使命達成上、將來我ガ戰力增强ノ爲ニ、經
濟的ニハ必ズシモ安全トハ言ヒ得ナイ事業
ニ對シマシテモ、投資、融資ヲ行ハネバナ
ラナイ場合ガ生ズルコトモ豫想サレルノデ
アリマス、仍テ此ノ際兩會社ヲ通ジマシテ、
〓ネ五年間補給金ヲ交付シ得ル期間ヲ延長
シタイト存ズル次第デアリマス、尙ホ現行
法ニ依リマスレバ、補給金交付ノ期間ヲ
「初營業年度及爾後五年間」ト定メテアリマ
スル所、兩會社ハ、創業當初曆年制ニ依テ
參リマシタ營業年度ヲ、昭和十六年四月一
日ヨリ、政府ノ會計年度、卽チ四月乃至三
月ニ變更致シマシタ結果、營業年度ノ中途
ニ於テ補給金交付ノ期間ガ滿了スルト云フ
不都合ヲ生ジマシタノデ、今囘ノ改正ニ當リ
マシテハ、之ヲ調整シ「第十二營業年度迄」ト
致シタ次第デゴザイマス、以上ガ本改正案ヲ
今期議會ニ提出致シマシタ所以デゴザイマス
次ニ占領地軍政官憲ノ爲シタル行爲ノ法
律上ノ效力等ニ關スル法律案ノ提案理由
ヲ御說明申上ゲマス、大東亞戰爭ノ進展
ニ伴ヒマシテ、皇軍ノ占據致シマシタ地
域ニ於キマシテハ、總テ軍政ガ施行セラ
レテ居ルノデアリマスルガ、從來當該地方
ニ設置セラレテアリマシタ帝國領事館ハ、
今日一切閉鎖サレテ居ルノデアリマス、然
ルニ是等ノ地方ニ於キマシテ、從來領事官
ガ行ツテ參リマシタ各般ノ屆出等ノ事項
ハ、戶籍法其ノ他ノ法令ニ明文ノ根據ガア
リマシテ、領事官ガ行ヘバ、直チニ內地法
令上ノ效果ヲ有スルノデアリマシタガ、今
日占領地軍政官憲ノ手ニ依ツテ行ハレマシ
テモ、直チニ內地法令上ノ效果ヲ持チ得ナ
イト云フ實情ニアルノデゴザイマス、然ル
ニ現在ニ於キマシテハ、占領地域ニ於ケル
建設ノ進捗、邦人ノ進出等ノ實情ニ伴ヒマ
シテ、現狀ノ儘デハ不便頗ル多ク、何等カ
ノ措置ヲ講ジナケレバナラヌ時期ニ相成ツ
テ居ル次第ト存ズルノデアリマス、是ニ於
キマシテ一般的ニ占領地軍政官憲ノ行フ屆
出ノ受理等ノ行爲、竝ニ在留邦人等ガ軍政
官憲ニ對シテ爲ス屆出其ノ他ノ行爲ニシテ、
從來領事官ノ取扱ヒ來ツタ事項ニ付キマシ
テハ、之ニ領事官ノ場合ト同樣ナル內地法
上ノ效果ヲ附與致シマシテ、以テ兩地域間
ノ法令上ノ調整ニ一步ヲ進メントスル次第
デアリマス、是レ本案ヲ提出致ス所以デゴ
ザイマス、何卒以上三法律案ニ對シ御審議
ノ上、速カニ御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希
望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=100
-
101・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=101
-
102・森下國雄
○森下國雄君 日程第十乃至第十二ノ三案
ヲ一括シテ議長指名二十七名ノ委員ニ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=102
-
103・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=103
-
104・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=104
-
105・森下國雄
○森下國雄君 日程第十三乃至第十六ハ後
廻シニセラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=105
-
106・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=106
-
107・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十三乃至第十六ハ後〓シト
致シマス-日程第十七乃至第十九ハ便宜
上一括議題トナスニ御興議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=107
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108・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程第十七、藥事法案、日程第十
八船員保險法中改正法律案、日程第十九、
軍事扶助法中改正法律案、右三案ヲ一括シ
テ第一讀會ヲ開キマス--小泉厚生大臣
第十七藥事法案(政府提出、貴族院
送付)第一讀會
第十八船員保險法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)第一讀會
第十九軍事扶助法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)第一讀會
藥事法案
藥事法
第一章總則
第一條本法ハ藥事衞生ノ適正ヲ期シ國
民體力ノ向上ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第二章藥劑師
第二條藥劑師ハ調劑、醫藥品ノ供給其
ノ他藥事衞生ヲ掌リ國民體力ノ向上ニ
寄與スルヲ以テ其ノ本分トス
第三條藥劑師タラントスル者ハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ主務大臣ノ免許ヲ受ク
ルコトヲ要ス
第四條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對
シテハ藥劑師免許ヲ與ヘズ
-六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處
セラレタル者
二未成年者、禁治產者、準禁治產者、
精神病者、瘖啞者又ハ盲者
第五條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ對
シテハ藥劑師免許ヲ與ヘザルコトアル
ベシ
一六年未滿ノ懲役又ハ禁鋼ニ處セ
ラレタル者
二藥事ニ關シ罰金ニ處セラレタル者
三前二號ニ該當スル者ヲ除クノ外藥
事ニ關シ不正ノ行爲アリタル者
第六條厚生省ニ藥劑師名簿ヲ備ヘ藥劑
師免許ニ關スル事項ヲ登錄ス
登錄スベキ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條藥劑師第四條各號ノ一ニ該當ス
ルトキハ其ノ免許ヲ取消スベシ
藥劑師第五條各號ノ一ニ該當シ又ハ藥
劑師タルノ品位ヲ損スル行爲アリタル
トキハ免許ヲ取消シ又ハ期間ヲ定メテ
其ノ業務ヲ停止スルコトアルベシ其ノ
事免許前ニ係ル場合亦同ジ
前項ノ取消處分ヲ受ケタル者ト雖モ改
悛ノ情顯著ナルトキハ再免許ヲ與フル
コトアルベシ
第一項ノ取消處分ヲ受ケタル者ニ付第
四條第二號ノ原因止ミタルトキ亦同ジ
前項前段ノ規定ニ依リ再免許ヲ受ケタ
ル者主務大臣ノ定ムル期間內ニ於テ第
五條第一號又ハ第二號ニ該當スルニ至
リタルトキハ其ノ再免許ハ效力ヲ失フ
第一項乃至第三項ノ處分ハ主務大臣之
ヲ行フ
第八條主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ藥劑師ヲシテ醫藥品ノ取扱其ノ他藥
事衞生ニ關シ必要ナル事項ノ修習ヲ爲
サシムルコトヲ得
第三章藥劑師會
第九條日本藥劑師會及道府縣藥劑師會
ハ藥事衞生ノ改良發達ヲ圖リ國民體力
ノ向上ニ關スル國策ニ協力スルヲ以テ
目的トス
日本藥劑師會及道府縣藥劑師會ハ法人
トス
第十條藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
道府縣藥劑師會ヲ設立スベシ
藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ道府縣
藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニ非ザルモ藥劑師免許ヲ受クル
資格ヲ有スル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ之ヲ道府縣藥劑師會ノ會員タラシム
ルコトヲ得ルモノトス
第十一條道府縣藥劑師會ハ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ日本藥劑師會ヲ設立スベシ
道府縣藥劑師會ハ日本藥劑師會ノ會員
トス
第十二條道府縣藥劑師會ハ其ノ會員ヨ
リ徵收スベキ收入ニ關シテハ民事訴訟
ヲ提起スルコトヲ得
第十三條前四條ニ規定スルモノノ外日
本藥劑師會及道府縣藥劑師會ノ設立ノ
手續、區域、機關、經費ノ負擔及其ノ
徵收、監督、會員ノ懲戒其ノ他ニ關シ
必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章藥局及調劑
第十四條藥局ヲ開設セントスル者ハ命
令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ノ許可ヲ
受クベシ
藥局ハ命令ノ定ムル所ニ依リ藥劑師ヲ
シテ之ヲ管理セシムベシ
第十五條藥劑師ニ非ザレバ販賣又ハ授
與ノ目的ヲ以テ調劑ヲ爲スコトヲ得ズ
第十六條藥劑師販賣又ハ授與ノ目的ヲ
以テ調劑ヲ爲ス場合ハ藥局ニ於テ之ヲ
爲スベシ但シ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條藥局ニ於テ調劑ニ從事スル藥
劑師ハ調劑ノ需アル場合ニ於テ正當ノ
事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ズ
第十八條藥劑師ハ醫師、齒科醫師又ハ
獸醫師ノ處方箋ニ依リ調劑スベシ
美劑師ハ處方箋中疑ハシキ廉アルトキ
ハ其ノ處方箋ヲ交付シタル醫師、齒科
醫師又ハ獸醫師ニ質シ證明ヲ得ルニ非
ザレバ調劑ヲ爲スコトヲ得ズ
第十九條藥劑師調劑ヲ爲シタルトキハ
遲滯ナク調劑ニ關スル事項ヲ調劑錄ニ
記載スベシ
第二十條主務大臣ハ勅令ノ定ムル所ニ
依リ調劑報酬ニ關シ必要ナル命令ヲ發
スルコトヲ得
第二十一條前じ條ニ規定スルモノノ外
藥局及調劑ニ關シ必要ナル事項ハ命令
ヲ以テ之ヲ定ム
第五章醫藥品
第二十二條醫藥品ノ製造業ヲ行ハント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大
臣ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
醫藥品製造業者ハ醫藥ロ明ノ性狀品質ヲ
適正ナラシムル爲命令ノ定ムル所ニ依
リ藥劑師ヲ置クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
前二項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ製
造ノ設備及管理、製品ノ封緘其ノ他製
造ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之
ヲ定ム
前三項ノ規定ハ醫藥品ノ輸入販賣業又
ハ移入販賣業ニ之ヲ準用ス
第二十三條醫藥品ノ販賣業ヲ行ハント
スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長
官ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ別
段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラ
ズ
主務大臣ハ藥劑師ニ非ザル醫藥品販賣
業者ニシテ藥劑師ヲ使用セザルモノノ
取扱品目ノ制限ニ關シ必要ナル命令ヲ
發スルコトヲ得
前二項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ販
賣ノ方法其ノ他販賣又ハ授與ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條主務大臣ハ保健衞生上特ニ
必要アリト認ムル醫藥品ノ價格ニ付勅
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ公正ヲ圖ル爲
必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコ
トヲ得
第二十五條主務大臣ハ醫藥品ニ付局方
ヲ定メタルトキハ之ヲ日本藥局方ニ收
載スベシ
第二十六條日本藥局方ニ收載セル醫藥
品ハ其ノ性狀品質日本藥局方ノ所定ニ
適合スルニ非ザレバ之ヲ販賣若ハ授與
シ又ハ販賣若ハ授與ノ目的ヲ以テ製造、
輸入、移入、貯藏老ハ陳列スルコトヲ
得ズ
主務大臣ハ保健衞生上特ニ必要アリト
認ムル醫藥品ニ付性狀品質ノ適正ヲ圖
ル爲必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第二十七條日本藥局方ニ收載セル醫藥
品ハ其ノ容器又ハ被包ニ日本藥局方ナ
ル文字及日本藥局方名ヲ、日本藥局方
ニ收載セザル醫藥品ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ容器又ハ被包ニ其ノ名稱竝
ニ成分及分量、成分不明ナルモノハ其
ノ本質及製造法ノ要旨ヲ記載スルニ非
ザレバ之ヲ販賣若ハ授與シ又ハ販賣若
ハ授與ノ目的ヲ以テ貯藏若ハ陳列スル
コトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ
爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ニ規定スルモノノ外醫藥品ノ貯
藏小分其ノ他取扱ニ關シ必要ナル事
項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條醫藥品ノ效能ニ關シテハ何
人ト雖モ虚僞又ハ誇大ノ廣〓ヲ爲スコ
トヲ得ズ
主務大臣ハ前項ニ規定スルモノノ外醫
藥品ニ關スル廣〓、醫藥品ノ容器若ハ
被包ニ記載スル事項又ハ醫藥品ニ添附
シ若ハ添附セズシテ頒布スル文書ニ關
シ必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第二十九條毒藥、劇藥及麻藥ノ品目ハ
主務大臣之ヲ定ム
本法ニ規定スルモノノ外毒藥、劇藥及
麻藥ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第六章監督
第三十條主務大臣又ハ地方長官ハ保健
衞生上特ニ必要アリト認ムルトキハ藥
局開設者又ハ醫藥品ノ製造業者、輸入
販賣業者、移入販賣業者若ハ販賣業者
ニ對シ當該業務ニ關シ必要ナル指示ヲ
爲スコトヲ得
第三十一條主務大臣又ハ地方長官ハ第
二十二條第一項ノ規定(同條第四項ニ
於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シテ
製造、輸入若ハ移入セラレタル醫藥品、
第二十六條第一項ノ規定若ハ同條第二
項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ
テ製造、輸入、移入、貯藏若ハ陳列セ
ラレタル醫藥品又ハ保健衞生上危害ヲ
生ズルノ虞アリト認ムル醫藥品ニ付其
ノ所有者ヲシテ廢棄セシメ、所有者若
ハ所持者ヲシテ保健衞生上危害ヲ生ズ
ルノ虞ナキ方法ニ依リ處置セシメ又ハ
直接ニ廢棄シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲
スコトヲ得
第三十二條主務大臣又ハ地方長官必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ
依リ藥局開設者又ハ醫藥品ノ製造業
煮輸入販賣業者、移入販賣業者若ハ
販賣業者ニ付當該業務ニ關シ必要ナル
報〓ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ藥局、
工場、店舗、事務所、倉庫其ノ他ノ場
所ニ臨檢シ其ノ構造設備、業務ノ狀況
若ハ醫藥品、醫藥品ノ原料材料、調劑
錄等ノ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セ
シメ又ハ試驗ノ爲必要ナル分量ノ醫藥
品若ハ其ノ原料材料ヲ無償ニテ收去セ
シムルコトヲ得
第三十三條醫藥品ノ製造業者、輸入販
賣業者又ハ移入販賣業者其ノ業務ニ關
シ犯罪又ハ不正ノ行爲アリタルトキハ
主務大臣ハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ
業務ヲ停止スルコトヲ得
藥局開設者又ハ醫藥品販賣業者其ノ業
務ニ關シ犯罪又ハ不正ノ行爲アリタル
トキハ地方長官ハ其ノ許可ヲ取消シ又
ハ其ノ業務ヲ停止スルコトヲ得
第三十四條醫藥品ノ製造業者、輸入販
賣業者又ハ移入販賣業者正當ノ事由ナ
クシテ其ノ業務ヲ行ハザルトキハ主務
大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ許可
ヲ取消スコトヲ得
藥局開設者又ハ醫藥品販賣業者正當ノ
事由ナクシテ其ノ業務ヲ行ハザルトキ
ハ地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第七章雜則
第三十五條第八條及第四章乃至前章ニ
規定スル主務大臣ノ職權ノ一部ハ勅令
ノ定ムル所ニ依リ地方長官ヲシテ之ヲ
行ハシムルコトヲ得
第三十六條樺太ニ於テ本法ヲ適用スル
ニ付必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以
テ特例ヲ設クルコトヲ得
第八章罰則
第三十七條麻藥ニ關シ第二十二條第一
項ノ規定(同條第四項ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)ニ違反シタル者又ハ麻藥
ノ輸出若ハ移出ニ關シ第二十九條第二
項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ
タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ千圓以下
ノ罰金ニ處ス
第三十八條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者故ナク第三十二條ノ規定ニ依ル
調劑錄ノ檢査ニ關シ知得シタル個人ノ
祕密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲
役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
職務上前項ノ祕密ヲ知得シタル他ノ公
務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ祕
密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第三十九條第三十七條ノ規定ニ該當ス
ル者ヲ除クノ外第二十二條第一項ノ規
定(同條第四項ニ於テ準用スル場合ヲ
含ム)ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲
役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
三月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金
若ハ科料ニ處ス
-第二十二條第三項ノ規定(同條第
四項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ
基キテ發スル命令ニ違反シタル者
二麻藥ニ關シ第二十三條第三項ノ規
定ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル
者
三製造、輸入又ハ移入ニ關シ第二十
六條第一項ノ規定ニ違反シタル者
四製造、輸入又ハ移入ニ關シ第二十
六條第二項ノ規定ニ基キテ發スル命
令ニ違反シタル者
第四十一條前條ノ規定ニ該當スル者ヲ
除クノ外左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
-第十四條、第二十二條第二項尙
條第四項ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム)、第二十三條第一項、第二十六條
第一項、第二十七條第一項又ハ第二
十八條第一項ノ規定ニ違反シタル者
二第十五條乃至第十九條ノ規定ニ違
反シタル者
三第二十條、第二十三條第二項第三
項、第二十六條第二項、第二十七條
第二項又ハ第二十八條第二項ノ規定
ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者
四藥局ニ關シ第二十一條ノ規定ニ基
キテ發スル命令ニ違反シタル者
五調劑ニ關シ第二十一條ノ規定ニ基
キテ發スル命令ニ違反シタル者
六第二十四條ノ規定ニ基キテ發スル
命令又ハ同條ノ規定ニ依ル處分ニ違
反シタル者
七毒藥又ハ劇藥ニ關シ第二十九條第
二項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違
反シタル者
八第三十一條ノ規定ニ依ル命令ニ違
反シタル者
九第三十一條ノ規定ニ依ル廢棄其ノ
他ノ處分又ハ第三十二條若ハ第四十
七條第二項ノ規定ニ依ル當該官吏ノ
檢査若ハ收去ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避
シタル者
十第三十二條又ハ第四十七條第二項
ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虛僞ノ
報〓ヲ爲シタル者
十一業務停止中ノ藥劑師ニシテ其ノ
業務ヲ爲シタルモノ
十二誤リテ調劑ヲ爲シタル者
十三醫藥品ノ容器又ハ被包ニ虛僞ノ
記載ヲ爲シタル者
十四業務停止中ノ藥局開設者又ハ醫
藥品ノ製造業者、輸入販賣業者、移
入販賣業者若ハ販賣業者ニシテ其ノ
業務ヲ爲シタルモノ
第四十二條法人又ハ人ノ代理人、戶主、
家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第三十七
條、第三十九條、第四十條又ハ前條第
一六、第三號、第四號、第六號乃至第
八號、第十號、第十三號若ハ第十四號
ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人
又ハ人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ
以テ其ノ處罰ヲ免カルルコトヲ得ズ
第四十三條第三十七條、第三十九條、
第四十條竝ニ第四十一條第一號、第三
號第四號、第六號乃至第八號、第十
號第十三號及第十四號ノ罰則ハ其ノ
者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ
他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未
成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法
定代理人ニ之ヲ適用ス但シ其ノ業務ニ
關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成
年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十四條前二條ノ場合ニ於テハ懲役
ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
附則
第四十五條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第四十六條藥品營業竝藥品取扱規則、
賣藥法及藥劑師法ハ之ヲ廢止ス但シ藥
劑師法中道府縣藥劑師會及日本藥劑師
會ニ關スル規定ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ勅令ヲ以テ定ムル時迄仍其ノ效力ヲ
有ス
第四十七條醫師、齒科醫師又ハ獸醫師
ハ其ノ診療ニ用フベキ醫藥品ニ限リ命
令ノ定ムル所ニ依リ第十五條ノ規定ニ
拘ラズ調劑ヲ爲スコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ命令
ノ定ムル所ニ依リ病院若ハ診療所ノ開
設者又ハ開業ノ獸醫師ニ付醫藥品ノ使
用ニ關シ必要ナル報〓ヲ徵シ又ハ當該
官吏ヲシテ醫藥品ヲ貯藏スル場所ニ臨
檢シ醫藥品ヲ檢査セシメ若ハ試驗ノ爲
必要ナル分量ノ醫藥品ヲ無償ニテ收去
セシムルコトヲ得
第四十八條藥劑師法ニ依リ藥劑師免許
ヲ受ケタル者ハ本法ニ依リ藥劑師免許
ヲ受ケタルモノト看做ス
第四十九條本法ノ適用ニ付テハ明治十
三年第三十六號布告刑法ノ重罪ノ刑ニ
處セラレタル者ハ六年ノ懲役又ハ禁錮
以上ノ刑ニ、同法ノ禁鋼ニ處セラシタ
ル者ハ六年未滿ノ懲役又ハ禁鋼ニ處セ
ラレタルモノト看做ス
第五十條藥劑師法ニ依ル藥劑師名簿ノ
登錄ハ之ヲ本法ニ依ル藥劑師名簿ノ登
錄ト看做ス
第五十一條藥劑師法ニ依リ爲シタル藥
劑師免許ノ取消ノ處分又ハ業務ノ停止
ノ處分ハ之ヲ本法ノ相當規定ニ依リテ
爲シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テ
停止ノ期間ハ仍從前ノ例ニ依ル
第五十二條藥劑師法ノ道府縣藥劑師會
及日本藥劑師會ノ權利義務ニシテ第四
十六條但書ノ規定ニ依リ勅令ヲ以テ定
ムル時ニ於テ存スルモノハ各本法ノ道
府縣藥劑師會及日本藥劑師會之ヲ承繼
ス
第五十三條舊法ニ依リ開設シタル藥局
ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ
第十四條第一項ノ規定ニ依ル許可ヲ受
ケタルモノト看做ス
第五十四條前條ノ規定ハ從前ノ規定ニ
依リ醫藥品ノ製造業、輸入販賣業、移
入販賣業又ハ販賣業ヲ行フ者ニシテ本
法施行ノ際現ニ當該事業ヲ行フ者ニ之
ヲ準用ス
從前ノ規定ニ依リ前項ノ者ニ付爲シタ
ル業務停止ノ處分ハ之ヲ本法ノ相當規
定ニ依リ爲シタルモノト看做ス此ノ場
合ニ於テ停止ノ期間ハ仍從前ノ例ニ依
ル
第五十五條本法施行ノ際現ニ存スル醫
藥品ノ容器又ハ被包ニ記載スベキ事項
ニ付テハ第二十七條第一項ノ規定ニ拘
ラズ本法施行ノ日ヨリ二年ヲ限リ仍從
前ノ例ニ依ルコトヲ得
第五十六條藥品營業竝藥品取扱規則、
賣藥法若ハ藥劑師法若ハ之ニ基キテ發
スル命令又ハ花柳病豫防法第七條第一
項ノ規定ニ違反シタル者ノ處罰ニ付テ
ハ仍舊法ニ依ル
第五十七條花柳病豫防法中左ノ通改正
ス
第七條、第八條及附則第二項ヲ削ル
第五十八條阿片法中左ノ通改正ス
第五條中「藥劑師藥種商」ヲ「醫藥品販
賣業者」ニ改ム
第六條第一項及第六條ノ二中「製藥者」
ヲ「醫藥品製造業者」ニ改ム
第五十九條昭和十五年法律第九十二號
中左ノ通改正ス
第四條中「藥劑師法、」ヲ「藥事法及」ニ改
メ「及藥品營業竝藥品取扱規則」ヲ削ル
船員保險法中改正法律案
船員保險法中左ノ通改正ス
第九條ノ二行政官廳ハ必要アリト認ム
ルトキハ被保險者ノ異動及報酬竝ニ保
險給付ノ決定ニ關シ當該官吏ヲシテ被
保險者又ハ被保險者タリシ者ノ勤務場
所ニ就キ關係者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ
帳簿書類其ノ他ノ檢査ヲ爲サシムルコ
トヲ得
第九條ノ三行政官廳ハ保險給付ニ關シ
必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該官吏ヲシテ診療錄其ノ他
ノ帳簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
「第三章保險給付」ヲ「第三章保險給
付及福祉施設」二段人
第二十二條ノ二戰時ニ際シ被保險者ガ
勅令ヲ以テ指定スル區域ヲ主トシテ航
行スル船舶(主務大臣ノ指定スル船舶
ヲ除ク)ニ乘組ミタルトキハ其ノ期間
ニ於ケル被保險者タリシ期間ニ三分ノ
一ヲ乘ジタル期間ヲ加算ス但シ脫退手
當金ノ支給ニ關シテハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ加算ノ認メラルベキ
期間其ノ他加算ニ關シ必要ナル事項ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條被保險者又ハ被保險者タリ
シ者ノ疾病又ハ負傷ニ關シテハ左ニ揭
グル療養ノ給付ヲ爲ス但シ被保險者ノ
資格喪失前ノ疾病又ハ負傷ニ因リ發シ
タル疾病ヲ除クノ外被保險者ノ資格喪
失後發シタル疾病又ハ負傷ニ關シテハ
此ノ限ニ在ラズ
一診察
二藥劑又ハ治療材料ノ支給
三處置、手術其ノ他ノ治療
四病院又ハ診療所ヘノ收容
五看護
六移送
前項第四號乃至第六號ノ給付ハ行政官
廳ガ必要アリト認ムル場合ニ於テ爲ス
モノニ限ル但シ命令ヲ以テ定ムル場合
ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ規定ハ報酬年額千八百圓ヲ超
ユル船舶職員、被保險者ノ資格喪失當
時報酬年額千八百圓ヲ超ユル船舶職員
タリシ者及勅令ヲ以テ指定スル者ノ疾
病又ハ負傷ニハ之ヲ適用セズ
第二十八條ノ二被保險者タリシ者ハ勅
令ヲ以テ定ムル期間內ニ療養ノ給付ヲ受
ケザルトキハ爾後之ヲ受クルコトヲ得
ズ但シ巳ムコトヲ得ザル事由アルトキ
ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十八條ノ三第二十八條第一項第一
號乃至第四號ノ給付ヲ受ケントスル者
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ保險醫及保險
藥劑師竝ニ行政官廳ノ指定スル者ノ中
自己ノ選定シタル者ニ就キ之ヲ受クル
モノトス
第二十八條ノ四保險醫又ハ保險藥劑師
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ醫師、齒科醫
師又ハ藥劑師ニ就キ行政官廳之ヲ指定
ス
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ハ正當ノ理
由ナクシテ保險醫又ハ保險藥劑師タル
コトヲ拒ムコトヲ得ズ
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ヲ使用スル
者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ醫師、齒
科醫師又ハ藥劑師ガ保險醫又ハ保險藥
劑師タルコトヲ妨グルコトヲ得ズ
第二十八條ノ五保險醫及保險藥劑師ガ
療養ノ給付ヲ擔當スルニ關シ必要ナル
事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條ノ六保險醫若ハ保險藥劑師
又ハ之ヲ使用スル者ガ療養ノ給付ニ關
シ行政官廳ニ請求スベキ費用ノ額ハ勅
令ノ定ムル所ニ依ル
第三十條被保險者タリシ者ガ療養ノ爲
勞務ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ
期間傷病手當金トシテ一日ニ付被保險
者ノ資格喪失當時ノ報酬日額ノ百分ノ
六十ニ相當スル金額ヲ支給ス
第二十八條第三項ノ規定ハ前項ノ場合
ニ之ヲ準用ス
第三十一條中「診療所」ノ上ニ「病院又ハ」
ヲ加フ
第三十二條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改
ム
療養ノ給付及傷病手當金ノ支給ハ同一
ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾
病ニ付其ノ保險給付ヲ始メタル日ヨリ
起算シ九月ヲ經過シタルトキハ之ヲ爲
サズ但シ左ニ揭グル場合ニ於テハ其ノ
給付ヲ始メタル日ヨリ起算シ六月ヲ經
過シタルトキハ之ヲ爲サズ
一療養ノ給付ニ在リテハ當該疾病又
ハ負傷ガ職務ヲ行フニ因ラズシテ發
シ且當該疾病又ハ負傷ニ付重大ナル
過失アリタルトキ
二傷病手當金ニ在リテハ當該疾病若
ハ負傷ガ職務ヲ行フニ因ラズシテ發
シタルトキ又ハ當該疾病若ハ負傷ニ
付重大ナル過失アリタルトキ
主務大臣ノ指定スル疾病ニ關シテハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ
繼續シテ療養ノ給付及傷病手當金ノ支
給ヲ爲スモノトス
第三十三條削除
第五十二條中「傷病手當金、癈疾年金又
ハ癈疾手當金ノ全部又ハ一部」ヲ「療養ノ給
付ノ全部若ハ一部ヲ爲サズ又ハ傷病手當
金、癈疾年金若ハ癈疾手當金ノ全部若ハ
一部」ニ改ム
第五十三條第一項第六號中「又ハ職員健
康保險」ヲ削リ同條第二項ヲ左ノ如ク改
ム
他ノ法令ニ依リ國又ハ公共團體ノ負擔
ニ於テ療養費ノ支給又ハ療養アリタル
トキハ其ノ限度ニ於テ療養ノ給付ヲ爲
サズ
同條第三項中「前項ニ揭グル者」ノ下ニ
「ニシテ病院又ハ診療所ニ收容セラレタ
ルモノ」ヲ加フ
第五十七條ノ次ニ左ノ如ク加フ
第八節福祉施設
第五十七條ノ二政府ハ被保險者、被
保險者タリシ者又ハ保險給付ヲ受ク
ル者ノ福社ヲ增進スル爲必要ナル施
設ヲ爲スコトヲ得
第五十八條第二項中「前項」ヲ「前二項」ニ
改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
國庫ハ前項ノ規定ニ拘ラズ第二十二條
ノ二ノ規定ニ依リ增加スベキ保險給付
ノ費用ヲ負擔ス
第六十條ニ左ノ一項ヲ加フ
第二十八條第三項ニ規定スル者以外ノ
被保險者ニ關スル保險料ニ付テハ前項
本文ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ船舶所
有者ノ負擔スベキ割合ヲ增加スルコト
ヲ得
第六十八條當該官吏又ハ其ノ職ニ在リ
タル者故ナクシテ第九條ノ三ノ規定ニ
依ル診療錄ノ檢査ニ關シ知得シタル醫
師若ハ齒科醫師ノ業務上ノ祕密又ハ個
人ノ祕密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下
ノ徵役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
職務上前項ノ祕密ヲ知得シタル他ノ公
務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ祕
密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九條ノ三ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五
百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
正當ノ理由ナクシテ第九條ノ二ノ規定
ニ依ル當該官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲
サズ若ハ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ其ノ檢
査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ三
百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ報〓ヲ
爲サズ、〓僞ノ報〓ヲ爲シ又ハ文書ノ提
示ヲ爲サザル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第六十九條中「前條」ヲ「前條第五項」ニ改
ム
第七十條中「第六十八條」ヲ「第六十八條
第五項」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ
之ヲ定ム
〓二十二條ノ二ノ規定ハ昭和十六年十二
月八日以後同條ノ船舶ニ乘組ミタル期間
ニ之ヲ適用ス
第三十二條第一項及第三十三條ノ改正規
空施行前療養ノ給付若ハ船員法第十七條
若ハ第二十九條ノ規定ニ依ル扶助又ハ傷
病手當金ノ支給若ハ同法第十七條若ハ第
二十九條ノ規定ニ依ル手當ノ支給ノ始マ
ルベキ場合ニ於テハ療養ノ給付又ハ傷病
手當金ノ支給ニ關シテハ第三十二條第一
項及第三十三條ノ改正規定ニ拘ラズ仍從
前ノ例ニ依ル
船員保險特別會計法中左ノ通改正ス
第二條中「保險給付費、」ノ下ニ「福祉施設
費、」ヲ加フ
昭和千五年法律第十四號中左ノ通改正ス
第二條中「費用ノ五分ノ四」ヲ「費用ノ內
國庫ノ負擔スル金額ヲ控除シタル殘額」
三尺人
軍事扶助法中改正法律案
軍事扶助法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
三前二號ニ揭グル者ヲ除クノ外退營
シ又ハ召集解除セラレタル陸海軍下
士官兵ニシテ戰鬪若ハ公務ノ爲又ハ
故意若ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ズ
シテ現役中(未入營期間及歸休期間
ヲ除ク)若ハ應召中ニ傷痍ヲ受ケ又
ハ疾病ニ罹リ恩給法第六十六條第一
項ノ規定ニ依リ勅令ヲ以テ定ムル傷
病ノ程度以上ノ貽後障碍ヲ有スルモ
ノ
第三條第一項各號中「陸海軍現役兵、應
召中ノ陸海軍下士官兵」ヲ「現役若ハ應召
中ノ陸海軍下士官兵」ニ、同項第二號中
「現役兵ノ入營シタル時、下士官兵ノ應召
シタル時又ハ傷病兵ノ兵役ヲ免セラレタ
ル時」ヲ「下士官兵ノ入營(在〓ノ下士官
兵ニシテ現役下士官ト爲ル場合ヲ含ム以下
同ジ)若ハ應召シタル時又ハ傷病兵ノ傷
病兵タルニ至リタル時」ニ、同項第三號中「現
役兵ノ入營シタル時、下士官兵ノ應召シ
タル時又ハ傷病兵ノ兵役ヲ免ゼラレタル時」
ヲ「下士官兵ノ入營若ハ應召シタル時又
ハ傷病兵ノ傷病兵タルニ至リタル時」ニ、
同條第二項中「陸海軍現役兵」ヲ「陸海
軍下士官兵」ニ、「未入營現役兵及歸休兵」
ヲ「未入營兵及歸休下士官兵」ニ改ム
第四條第二號中「傷病兵ノ兵役ヲ免セラ
レタル時」及同條第三號中「傷病兵ノ兵役
ヲ免ゼラレタル時」ヲ「傷病兵ノ傷病兵タ
ルニ至リタル時」コム A
第五條第一項中「現役兵ノ入營、下士官
兵ノ應召」ヲ「下士官兵ノ入營應召」〓
ム
第十三條ノ二中「現役兵ノ退營又ハ下士
官兵ノ召集解除」ヲ「下士官兵ノ退營又ハ
召集解除」ニ、「二十日以內」ヲ「三月以內」
ニューム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣小泉親彥君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=108
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109・小泉親彦
○國務大臣(小泉親彥君) 只今議題トナリ
マシタ藥事法案、船員保險法中改正法律案
及ビ軍事扶助法中改正法律案ノ三案ニ付テ、
提案ノ理由ヲ說明致シマス、先ヅ最初ニ藥
事法案ニ付テ申上ゲマス、大東亞戰爭ヲ完
遂致シマスル爲ニハ、其ノ根幹タル國民體
力ノ保持增强ヲ圖リマスルコトガ、正ニ喫
緊ノ要務デアリマス、卽チ是ガ爲メ曩ニ御
協賛ヲ得テ國民體力法及ビ國民醫療法ノ制
定ヲ見、國民體力ノ向上ト、國民ノ醫療ノ
適正トヲ期シタ次第デゴザイマスルガ、更
ニ是等ト緊密ナ關係ニアル醫藥品ノ供給、
其ノ他藥事衞生ニ關シマシテモ、其ノ適正
ヲ期スルノ方途ヲ講ジマスルコトガ、極メ
テ肝要ナリト存ズルノデアリマス、然ルニ
藥事ニ關スル現行諸制度ヲ見マスルニ、其
ノ創始以來相當ノ歲月ヲ閱シ、現下時局ノ
要請ニ副ハナイ憾ミガ多々アリマスルノデ、
今囘之ニ所要ノ改善整備ヲ加ヘ、現行藥
劑師法、藥品營業竝ニ藥品取扱規則及ビ賣
藥法ハ之ヲ廢止シ、新タニ藥事法ノ制定ヲ
仰ガントスル次第デアリマス
今本法案ノ內容ノ大綱ヲ御說明申上ゲマ
スルト、第一ニハ藥劑師ノ國民體力ノ向上
ニ關スル使命ヲ明定スルト共ニ、其ノ業務
修習ノ制度ヲ設ケ、又藥劑師會ニ付テモ其
ノ使命ヲ明定シ、且ツ是ガ組織及ビ機能ヲ
强化刷新スルコトト致シマス等、藥劑師及
ビ藥劑師會ガ眞ニ保健國策ニ卽應シテ、極
メテ活潑ナル活動ヲナスコトヲ期待致シタ
次第デアリマス、第二ニハ、新藥、新製劑
ヲ許可制トシ、新藥、新製劑及ビ賣藥等ノ
區別ヲ撤廢スル等、從來晦澁複雜ニナツテ
居リマシタ藥事制度ノ整備ヲ圖ルコトト致
シマシテ、今後醫藥品ノ圓滑ナル配給、竝
ニ緊要醫藥品ノ重點的生產等、醫藥品供給
ノ適正ヲ圖ル上ニ於テ、萬遺憾ナキヲ期ス
ル次第デアリマス
次ニ船員保險法中改正法律案ニ付テ申上
ゲマス、戰時下、船員ガ幾多ノ危險ヲ冒シ
ツツ、晝夜ヲ分タズ激務ニ服シ、挺身海上
輸送ノ任ニ當ツテ居リマスルコトハ御承知
ノ通リデアリマス、仍テ此ノ際、船員保護
ノ充實强化ヲ圖リマスルガ爲ニ、船員保險
法中ニ改正ヲ加ヘルコトト致シタ次第デア
リマス、改正ノ第一點ハ、船員法ニ依ル船
舶所有者ノ船員扶助及ビ手當ノ義務ヲ、船
員保險ニ採リ入レタコトデアリマス、之一
依リマシテ船員ノ傷病者ニ對スル對策ノ
元化ヲ圖リ、以テ船員保護ノ確保ト手續ノ
簡便迅速ヲ期スル次第デアリマス、第二點ハ
戰時危險區域ヲ航行スル船舶ニ乘リ込ム船
員ニ付キマシテハ、被保險者タル期間ニ
定割合ノ加算ヲ付スルコトト致シタノデア
リマス、之ニ依リマシテ船員ハ從前ヨリモ
早期ニ養老年金、癈疾手當金及ビ死亡手當
金ノ恩典ニ浴シ得マスルノミナラズ、養老年
金及ビ癈疾年金ニ付キマシテハ、更ニ支給
額ヲモ增額スルコトトナルノデアリマ
ス、第三點ハ船員ノ結核性疾患ニ對ス
ル保護ヲ厚ク致シタ點デアリマス、現
行法ニ於キマシテハ、結核性疾患ノ延
長給付ニ關シ、一定ノ資格條件ヲ定メテ居
リマスルガ、現下船員ノ結核性疾患ハ益〓增
加スルノ傾向ニアルニ鑑ミマシテ、右ノ條
件ヲ緩和セントスルモノデアリマス
次ニ軍事扶助法中改正法律案ニ付テ申上
ゲマス、現下軍人援護ノ徹底ヲ期シマスル
コトハ、最モ喫緊ノ要務デアリマスルガ、
是ガ爲ニハ本法適用ノ範圍ヲ更ニ擴張スル
必要ガアリマスルノデ、今回本案ヲ提出ス
ルニ至ツタ次第デアリマス
改正ノ第一點ハ傷病兵ノ範圍ノ擴張デア
リマス、現行法ニ於ケル傷病兵ハ、傷痍疾病
ノ爲ニ除役トナツタ者ノミヲ指スノデアリ
マスルガ、今囘其ノ範圍ヲ擴張致シマシテ、
或ル程度以上ノ傷痍疾病ニ依リ退營シ、
又ハ召集解除セラレマシタ下士官兵ハ、除
役トナラナイ程度ノ者ト雖モ、本法ノ保護
ヲ受ケ得ルコトト致シタノデアリマス、第
二點ハ、現行法ニ於キマシテハ、現役ノ下
士官家族ハ扶助ノ對象トナツテ居ラナイノ
デアリマスルガ、新タニ現役下士官ノ家族ヲ
モ現役兵ノ家族、應召下士官兵ノ家族同樣
扶助シ得ルコトト致シタノデアリマス、第
三點ハ家族ニ對スル扶助期間ノ延長デアリ
マス、現行法ニ於キマシテハ下士官兵ノ家
族ニ對スル扶助ハ、必要アル場合ハ退營又
ハ召集解除後二十日以內之ヲ繼續シ得ルコ
トトナツテ居ルノデアリマスルガ、之ヲ三
月以内繼續シ得ルコトニ改メタノデアリマ
ス
以上三法案ノ內容ニ付テ其ノ〓略ヲ申上
ゲタノデアリマスルガ、何卒御審議ノ上速
カニ御協賛アランコトヲ切望致シマス(拍
手発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=109
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110・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=110
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111・森下國雄
○森下國雄君 日程第十七乃至第十九ノ三
案ヲ一括シテ議長指名三十六名ノ委員ニ付
託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=111
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112・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=112
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113・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=113
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114・森下國雄
○森下國雄君 殘餘ノ日程ヲ延期シ、本日
ハ是ニテ散會スルコトトナシ、來ル十二日
定刻ヨリ、特ニ本會議ヲ開カレンコトヲ望
ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=114
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115・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=115
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116・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、次會ノ議
事日程ハ公報ヲ以テ通知致シマス、本日ハ
是ニテ散會致シマス
午後四時三十五分散會
衆議院議事速記錄第四號中正誤
頁段行誤正
三一八作年中ニ十一昨年中二十一
億圓億圓
衆議院議事速記錄第五號中正誤
頁段行誤正
四二一二四取取ラルル引取ラルル
衆議院議事速記錄第七號中正誤
頁段行誤正
一三七二二七鍵鑰デル鍵鑰デアル
衆議院議事速記錄第八號中正誤
頁段行誤正
一五八二四何フモノハ云フモノハ
一五八四二八公益營團交易營團発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113242X00919430209&spkNum=116
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