1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年二月十六日（火曜日）午前十時十七分開議
出席委員左の如し
委員長 清水留三郎君
理事 大石齊治君 理事 勝又春一君
理事 小泉純也君 理事 田中藤作君
理事 渡邊健君
赤間徳壽君 逢澤寛君
伊藤東一郎君 今牧嘉雄君
上田孝吉君 大島寅吉君
木崎爲之君 岸田正記君
菅又薫君 杉山元治郎君
谷原公君 中井一夫君
藤生安太郎君 藤本捨助君
松本治一郎君 正木清君
山崎常吉君
出席國務大臣左の如し
厚生大臣 小泉親彦君
出席政府委員左の如し
厚生次官 武井群嗣君
厚生省衞生局長 灘尾弘吉君
厚生省保險局長 平井章君
厚生書記官 木村忠二郎君
厚生書記官 菊池武夫君
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本日の會議に上りたる議案左の如し
藥事法案（政府提出、貴族院送付）
船員保險法中改正法律案（政府提出、貴族院送付）
軍事扶助法中改正法律案（政府提出、貴族院送付）発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=0
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001・清水留三郎
○清水委員長 是ヨリ藥事法案外二件ノ委
員會ヲ開會致シマス
開會ニ先ダチマシテ委員長ヨリ議事進行
ニ付テ御諮リ致シタイト思ヒマス、本日ハ
大臣ノ藥事法案外二件ニ付テノ御說明ヲ願
ヒ次イデ政府委員ヨリ藥事法案ニ付テノ
ミノ逐條的御說明ヲ願ツテ、然ル後ニ委員
各位ヨリ政府ニ要求スベキ參考資料ガアリ
マスルナラバ、其ノ要求ヲ願ヒ、ソレデ散
會致シタイト思ヒマス、次會ハ多分明日ニ
ナルト思ヒマスルガ、今部屋ノ關係デ交涉中
デアリマス、何レ散會マデニハ決定出來ル
ト思ツテ居リマス、次會ヨリ藥事法案ニ付
テノ質疑ニ入リマシテ、其ノ質疑應答ガ終
リマシテカラ、更ニ政府委員ヨリ船員保險
法中改正法律案及ビ軍事扶助法中改正法律
案ノ逐條的御說明ヲ願ヒ、ソレヨリ其ノ兩
案ニ對スル質疑ニ入リタイト思フノデアリ
そいう、質疑ニ付キマシテハ、先ヅ大臣ノ列
席中ニ大體ノ事項卽チ法案ノ骨子ニ付テ御
質問ヲ願ヒマシテ、細目ニ亙リマシテハ後
廻ハシニ願ヒタイト思フノデアリマス、逐
條審議其ノ他細目ニ亙リマシテハ、大臣ニ
對スル質疑終了後、若シクハ大臣缺席ノ場
合ニ、政府委員ニ御願ヒ致シタイト思ヒマ
ス、右御諒承ヲ願ヒマス、是ヨリ大臣ノ御
說明ヲ願ヒマス-小泉國務大臣
○小泉國務大臣 只今議題トナリマシタ藥
事法案ニ付テ先ヅ御說明申上ゲマス
大東亞戰爭ヲ完遂致シマス爲ニハ國民體力
ノ向上、人口ノ增强ヲ圖リ、以テ國力ノ根基ニ
培ヒマスコトガ喫緊ノ要務デアリマスコトハ申
上ゲルマデモナイ次第デゴザイマシテ、是
ガ爲ニハ國民醫療ノ適正ヲ期スルト共ニ、
更ニ之ト密接ノ關係アル醫藥品ノ供給其ノ
他藥事衞生ニ關シマシテモ、其ノ適正ヲ期
スルノ方途ヲ講ズルコトガ、最モ肝要デア
ルト考ヘル次第デアリマス、政府ニ於キマ
シテハ夙ニ醫藥品ノ生產配給等ニ關シマシ
テ、各般ノ施策ヲ講ジ、銳意遺憾ナキヲ期
シテ居ル次第デアリマスガ、飜ツテ藥事ニ
關スル諸制度ヲ見マスルニ、創始以來既ニ相
當ノ歲月ヲ閱シ、現下時局ノ要請ニ副ハナ
イ憾ミガ少クナイノデアリマス、卽チ醫藥
品ノ供給確保ニ關スル當面ノ措置ヲ講ズル
上ニ於キマシテモ、十分ノ成果ヲ期スルコ
トガ困難ナル狀況デアリマスルノミナラズ、
藥劑師及ビ藥劑師會ノ保健衞生上ニ於ケル
國策卽應ノ活潑ナル活動ヲ促スト共ニ、積
極的ニ醫藥品供給ノ適正ヲ期シ、以テ國民
體力ノ向上ニ寄與スル上ニ更ニ一步ヲ進メ
ントスルニハ、是ガ現狀ハ誠ニ遺憾ナルモ
ノガアルト言ハネバナラヌノデアリマス、仍
テ茲ニ藥事制度ニ付キ所要ノ改善整備ヲ加
ヘマシテ、藥事法ヲ制定シ、以テ所期ノ目的
達成ニ萬遺憾ナキヲ期セントスル次第デア
リマス
先ヅ最初ニ本案ノ骨子ト致シマスル所ヲ
申上ゲマスト、醫藥品ノ供給其ノ他藥事衞
生ニ關シマシテハ、現在藥劑師法、藥品營
業竝藥品取扱規則、賣藥法等ガ存スルノデ
アリマスガ、本案ニ於キマシテハ、此ノ法律
ガ藥事衞生ノ適正ヲ期シ、以テ國民體力ノ
向上ヲ圖ルコトヲ目的トスルモノナルコトヲ
明カニ致シマスルト共ニ、一面ニ於キマシ
テ、藥事衞生ニ關スル人的竝ニ物的要素ニ
關スル制度ヲ一貫シタ趣意ノ下ニ綜合統一
セラレタルモノトスルコトトシ、又他面ニ
於キマシテハ、從來醫藥品ニ付キマシテハ、
何レノ藥局方ニモ記載セザル藥品又ハ製劑、
卽チ所謂新藥新製劑、賣藥等ノ區別ガナサ
レテ居タノデアリマスガ、所謂新藥新製劑
ト賣藥トノ間ニ割然タル區別ヲスルコトハ
實際上困難デアルバカリデナク、徒ラニ取
扱ヲ煩瑣ニスルノミデ、現在デハ大シタ意味
モナイト考ヘラレマスノデ、此ノ際法制上
ニ於ケル新藥新製劑、賣藥等ノ區別ヲ廢シ
マシテ總テ日本藥局方外醫藥品トシテ取扱
ヲ一元化スルコトト致シマシテ、是等ニ關
スル現行ノ諸法律ノ内容ヲ統合規定スルト
共ニ、其ノ內容ニ付キマシテモ所要ノ改正
ヲ行ヒ、又新タニ必要ナル事項ヲ規定セル
コトデアリマス、以下法案ノ內容ニ付〓略
ノ御說明ヲ致シマス
先ヅ藥劑師ニ關シマシテハ、其ノ本
分ヲ明定致シマシテ、調劑、醫藥品ノ供
給其ノ他藥事衞生ヲ掌リ、以テ國民體力
ノ增强ニ寄與スルト云フ時局下極メテ重
要ナル國家的任務ヲ負フモノナル、コトヲ
明カニ致シマスト共ニ、藥劑師ニ對シ醫
藥品ノ取扱其ノ他藥事衞生ニ關シ必要ナ
ル事項ノ修習ヲナサシメ得ルノ途ヲ開キマ
シテ、以テ益〓動精其ノ職責ヲ全ウセシメン
コトヲ期シ、各〓其ノ規定ヲ設クルコトト致
シマシタ、又藥劑師會ニ付キマシテハ、藥
事衞生ニ關シ今後一層其ノ積極的且ツ適正
ナル活動ヲ期待センガ爲メ、其ノ國民體力
ノ向上ニ關スル國策ヘノ協力ニ付テノ使命
ヲ明カニスルト共ニ、會員範圍其ノ他ニ付
キ必要ナル改正ヲ行フコトト致シマシタ、
次ニ藥局ニ關シマシテハ、其ノ保健衞生上ニ
於ケル使命ニ鑑ミマシテ、設備、管理、分
布等ヲ適正ナラシムルノ方途ヲ講ズルノ肝要
ナルヲ認メマシテ、其ノ開設ヲ藥劑師以外ノ
者ニモ認メルコトトシ、且ツ現在ノ屆出制
ヲ改メマシテ、許可制トシ、又調劑報酬ニ
付キマシテハ、其ノ適正ヲ圖ル爲メ必要ナ
ル方策ヲ講ジ得ベキ規定ヲ設ケルコトト致
シマシタ
次ニ醫藥品ニ關シマシテハ、其ノ國民保
健上ニ於ケル極メテ重要ナル物資ナルニ鑑
ミ、其ノ供給ノ適正ヲ圖ル爲メ、〓ネ次ノ
ヤウナ改正ヲ加ヘマシタ、卽チ醫藥品ノ製
造ニ付キマシテハ、從來製藥者免許、賣藥免
許、新藥新製劑ノ屆出等、極メテ複雜ニナ
ツテ居ルノデアリマスガ、之ヲ醫藥品ノ製
造業ニ付キ原則トシテ許可ヲ受ケシムルコ
トトシ、製造ノ品目、製造ノ設備、生產計
畫トノ照應等ニ付キ檢討ヲ加ヘ、其ノ適正
ヲ期スルコトト致シマスト共ニ、現在ノ複
雜ナル各種ノ免許、許可等ヲ統一單純化ス
ルコトトシ、又醫藥品ノ性狀品質ヲ適正ナ
ラシムル爲メ、醫藥品製造業ニ付テハ、原
則トシテ藥劑師ヲ置クベキコトト致シマシ
タ、尙ホ輸入販賣業及ビ移入販賣業ニ付キ
マシテハ、一般醫藥品ノ販賣業ト異ル所
ガアリマスノデ、製造業ニ準ジ措置スル
コトト致シマシタ、又醫藥品ノ販賣ニ付キ
マシテハ、從來藥種商ノ免許、賣藥請負營
業ノ許可等極メテ錯雜シタ制度トナツテ居
ルノデアリマスガ、販賣者ノ資質、店舗ノ
分布等ノ關係ヲ考慮スルト共ニ、手續ヲ簡
明化スルノ必要ヲ認メマシテ、醫藥品販賣
業ニ付キ、原則トシテ許可ヲ受ケシムルコト
ト致シマシタ、尙ホ醫藥品ノ中ニハ、其ノ取
扱ニ付キ特殊ノ知識ヲ必要トスルモノモ少クナ
イノデ、藥劑師又ハ藥劑師ヲ使用スル者以外ノ
醫藥品販賣業者ニ付キマシテハ、取扱品目
ノ制限ヲナスコトト致シタノデアリマス、
更ニ醫藥品ノ成分等ヲ公示セシムルコトハ、
其ノ選擇及ビ使用ノ適正、配給ノ圓滑ヲ期
スル上ニ於テ、又品質確保ノ上ニ於テ必要
ト認メラレマスノデ、之ニ關スル規定ヲ設
ケルコトト致シマシタ、又醫藥品ノ廣〓ニ
付キマシテハ、相當ニ改善ヲ加ヘル必要ガ
認メラレマスノデ、從來ノ賣藥ニ該當スル
モノノミナラズ、其ノ他ノモノニ付キマシ
テモ、均シク、是ガ制限ノ方途ヲ講ジ、且
ツ其ノ內容適正ナラシムルヤウ、之ニ關ス
ル規定ヲ設ケルコトト致シマシタ、其ノ他保
健衞生上特ニ必要ト認ムル醫藥品ニ付キマ
シテ、價格ノ公正及ビ性狀品質ノ適正ヲ圖
ル爲メ必要ナル措置ヲ講ジ得ルコトトシ、
又保健衞生上特ニ必要アリト認メラルル場
合ニハ、製造業者、販賣業者等ニ對シマシ
テ、其ノ業務ニ關シ必要ナル指示ヲナシ得
ルノ途ヲ開クコトト致シマシタ、最後ニ既
存ノ藥局開設者竝ニ醫藥品ノ製造業者、輸
入販賣業者、移入販賣業者及ビ販賣業者ニ
付キマシテハ、其ノ業務ヲ繼續スルヲ得セ
シムルコトト致シタ次第デアリマス、以上
藥事法案ノ內容ニ付キ大要ノ御說明ヲ申上
ゲタノデアリマスガ、何卒御審議ノ上速カ
ニ協賛アランコトヲ切望致シマス
次ニ船員保險法中改正法律案ニ付キマシ
テ御說明申上ゲマス、改正ノ第一點ハ、現在
船員ノ乘船中ノ傷病ニ關シマシテハ、原則
トシテ船員法ニ依ル船舶所有者ノ三月間ノ
扶助又ハ手當ノ終ツタ後船員保險ニ於テ六
月間療養ノ給付及ビ傷病手當金ヲ支給スル
コトニナツテ居リマス、然ルニ時局下船員
ノ傷病ハ激增ノ傾向ガアリ、隨テ船舶所有
者ノ負擔モ容易デアリマセヌ爲ニ、船員ハ
往々其ノ保護ニ浴シ得ナイ場合モ起リ易イ
ノデアリマス、更ニ現在船員保險ニ於テ給
付ヲ開始スルニ付キマシテモ必然的ニ船舶
所有者ノ扶助、手當ノ義務ノ有無又ハ其ノ
終了シタルカ否カヲ調査スルコトヲ要シマシ
テ、保護ノ迅速ヲ缺ク憾ミナシトシナイ
ノデアリマス、仍テ今回船舶所有者ノ船員
法ニ基ク扶助、手當ノ義務ヲ船員保險ニ取
入レ保險給付トシテ之ヲナシ、船員ノ保護
ヲ一元化シ、以テ船員ノ傷病ニ對スル保護
ヲ充實確保スルト共ニ其ノ簡便迅速ヲ期セ
ントスルノデアリマス、而シテ船舶所有者
ノ扶助、又ハ手當ノ支給期間卽チ三月ヲ保
險ニ取入レマス結果、保險給付期間ハ從來
ノ六月ヲ九月ト改メルコトト相成ルノデア
リマス、是ハ船所有者ノ船員法ニ依ル扶
咄義務ヲ取入レナガラ給付期間ヲ從來通リ
健康保險ト同樣ノ六月間ト致スコトハ却テ
船員ノ保護ヲ薄クスル結果トナルノミナラ
ズ、船員ノ傷病ノ長期性ニ鑑ミテモ、保險
給付期間ヲ九月トスルコトガ適當デアルト
考ヘラレルカラデアリマス、御參考マデニ
財源ノ點ヲ申シマスト、今囘ノ改正ハ船舶
所有者ノ從來カラ存スル扶助義務ヲ取入レ
ルノデアリマスカラ、其ノ費用ノ全部ヲ船
舶所有者ノ負擔トシ、保險料トシテ徵收ス
ルノデアリマシテ、大體船員ノ報酬月額百
圓ニ付キ二圓程度ノ增徵トナル見込デアリマス
改正ノ第二點ハ戰時危險區域ヲ航行スル
船舶ニ乘組ム船員ハ、實ニ其ノ勞苦大デ
アリ、心身ノ疲勞亦甚ダシキモノガアリマ
スカラ、是等ニ對スル養老年金、癈疾年金、
癈疾手當金及ビ死亡手當金ノ支給條件タル
被保險者タル期間ニ一定割合ノ加算ヲ附サ
ウトスルノデアリマス、卽チ現在養老年金
ニ付テハ十五年以上、廢疾年金、廢疾手當
金及ビ死亡手當金ニ付テハ三年以上被保
險者デナケレバナラナイト云フ條件ガ付イ
テ居リマスガ、今囘ノ改正ノ結果、加算ニ
依リ是等ノ期間ガ短縮セラレルコトニナリ、
從來ヨリモ早ク本制度ニ依ル保護ヲ受ケラ
レルコトニナリマス外、養老年金及ビ廢疾
年金ニアリマシテハ被保險者タル期間十
五年以上一年ヲ增ス每ニ、年金額ニ一定率
ノ加給ヲナスコトニナツテ居リマスカラ、
今囘ノ改正ノ結果從來ニ比シ支給額モ增加
スルコトトナリ、保護ヲ厚クスルコトニモ
ナル譯デアリマス、條文ノ中「勅令ヲ以テ指
定スル區域」トアリマスノハ、現下ノ海運ノ
情勢上、可及的廣ク認メタイト考ヘテ居リ
マス、併シ其ノ區域內ヲ航行スル船舶デモ、
比較的安全ト認メラレル航路ヲ取ル船舶ニ
付テハ、事實上加算ノ要ガナイ譯デアリマ
スカラ、是等ノ船舶ハ特ニ指定シテ加算ヲ
認メナイコトニ致シタイト思ツテ居リマス、
次ニ加算ノ率ニ付キマシテハ、今ノ所被保
險者期間、卽チ乘船期間ノ三分ノ一ニ相當
スル期間ヲ加ヘタイノデアリマス、是ハ船
員ノ現在ノ活動狀況ヨリスレバ必ズシモ十
分トハ考ヘテ居リマセヌガ、國家財政等ノ
關係モアリマスノデ、先ヅ此ノ程度ト考へ
テ居ル次第デアリマス、尙ホ此ノ加算ニ依
リ增加スベキ保險給付ノ費用ハ、全額國庫ニ
於テ負擔スルコトト致シテ居リマス、次ニ加
算ヲ認ムベキ期間ハ、一昨年十二月八日大東
亞戰爭勃發ノ時ヨリト致ス考ヘデアリマス
改正ノ第三點ハ結核ニ對スル保護ヲ
厚クシタ點デアリマス、卽チ現在ハ保險給
付開始前一年內ニ六月以上繼續シテ被保險
者デアツタ場合ニ限リ、結核性疾患ニ付テ
ハ特ニ一年、繼續シテ、療養ノ給付及ビ傷
病手當金ノ支給ヲナスコトニナツテ居リマ
スガ、六月以上モ繼續シテ被保險者デアル
ト云フコトヲ資格條件ト致シマスコトハ
現下ノ船員ノ勤務狀況カラ見マシテモ實狀
ニ副ハナイ嫌ヒガアリ、又船員ノ結核性疾
患ノ增加乃至ハ我ガ國結核撲滅對策カラ考
ヘマシテモ穩當デナイト思ヒマスノデ、此
ノ條件ヲ緩和シテ大體一年間ニ三月間被保
險者デアレバ宜イト云フヤウニ其ノ受給條
件ヲ緩和シタイト考へテ居リマス
改正ノ第四點ハ福社施設ニ關スル規定ヲ設
ケマシテ是ガ充實ノ方策ヲ講ジ、船員ノ健康
及ビ福社ノ保持增進ヲ圖ルト共ニ、昨年改正
セラレマシタ健康保險ニ應ジテ必要ナル規定ノ
改正增補ヲナシ、以テ船員保險延イテハ社會
保險全般ノ圓滑ナル運營ニ資セントスルノ
デアリマス、之ヲ要スルニ帝國船員ハ御承
知ノ通リ戰時下幾多ノ危險ニ曝サレマシテ、
晝夜ヲ分タズ激務ニ服シ挺身海上輸送ノ任
ニ當リツツアルノデアリマシテ、其ノ勞苦
ハ極メテ大ナルモノガアリマス、仍ツテ船
員保護施設ノ一翼ヲ擔ヘル船員保險法中ニ
改正ヲ加ヘ、時局ニ卽應シ船員ノ保護ノ充
實强化ヲ圖ルコトト致シタノデアリマス
最後ニ軍事扶助法中改正法律案ニ付キマシ
テ御說明申上ゲマス、本法ハ兵役ノ義務ニ
服スル者ヲシテ後顧ノ憂ナク安ンジテ其ノ
責務ヲ全ウセシムルノ趣旨ヲ以テ大正六年
ニ制定セラレ、翌大正七年一月ヨリ施行セ
ラレマシタ軍事救護法ガ、其ノ後昭和六年
ニ至リ一部改正セラレ、更ニ昭和十二年ニ
至リ其ノ名稱ヲ軍事扶助法ト改メラレルト
共ニ、其ノ適用範圍ノ擴張其ノ他ニ付キ改
正ヲ加ヘラレ、同年七月ヨリ施行セラレ今
日ニ至ツタノデアリマス、而シテ時恰モ支
那事變ノ勃發ニ會ヒ、爾來今日ニ至ルマデ
本法ノ趣旨ハ相當徹底ヲ見、隨テ又相當ノ
實績ヲ收メテ參ツタノデアリマス、併シナ
ガラ現下ノ實情ニ鑑ミマスト、尙ホ不十分
ナ點ガ認メラレルノデアリマス、隨ヒマシ
テ今囘其ノ適用範圍ヲ擴張シ、大東亞戰爭
下愈〓、軍人援護ノ徹底ヲ期シタイト存ジ、玆
ニ本改正法律案ヲ提出スルニ至ツタ次第デ
アリマス
今囘改正致シタイト存ジマス事項ハ三項
目デアリマス、第一ハ傷病兵ノ範圍ヲ擴張
スルコトデアリマス、現行法ニ於ケル「傷病
兵」ノ範圍ハ、戰鬪若ハ公務ノ爲又ハ故意若
ハ重大ナル過失ニ因ルニ非ラズシテ、現役
中若ハ應召中ニ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹
リ、是ガ爲メ一種以上ノ兵役ヲ免ゼラレタ
ル者ニ限ラレテ居ルノデアリマスガ、近時
兵員充足ノ要增大スルニ伴ヒ、兵役法施行
令及ビ陸軍身體檢査規則ノ改正ヲ見ルニ至
リ、徵兵ノ場合ニ於テハ身體上輕度ノ障碍
ヲ有スル者ト雖モ之ヲ合格セシムルコトト
相成リ、是ト對應シ、從來一種以上ノ兵役
ヲ免ゼラレタル程度ノ障碍ヲ有スルニ至ツ
タ者ト雖モ、直チニ一種以上ノ兵役ヲ免ゼ
ラルルニ至ラズ、現役滿期トシテ退營シ、
又ハ其ノ役種ノ儘召集解除トナル者ガ相當
數ニ上ル狀況デアリマシテ、從前ナラバ扶
助セラルベキ者ガ扶助ニ漏レルコトトナリ
マシタノデ、之ヲ救フ爲メ一種以上ノ兵役
ヲ免ゼラレザルモ退營シ、又ハ召集解除ト
ナツタ者デ、恩給法上ノ目症程度以上ノ傷
病ヲ有スル者ヲモ傷病兵トシ、本人及ビ其
ノ家族遺族ヲ扶助スルコトニ致サウトスル
ノデアリマス
第二ハ現役下士官ノ家族ヲモ扶助ノ範圍
ニ加ヘルコトデアリマス、現行法ニ於ケル「下
士官ノ家族」ノ範圍ハ「現役兵及應召下士官
兵ノ家族」ニ限定シ、現役下士官ノ家族ハ之
ヲ包含セザルコトト致シテ居ルノデアリマ
スガ、支那事變勃發以來下士官要員ガ增大
致シマシタ爲メ、志願ニ依ラザル現役下士
官ノ數ガ增加シ、又志願ニ依ル下士官ト雖
モ其ノ志願ハ職トシテ下士官タラントスル
ニアルヨリハ寧ロ兵役義務服行ノ意思ニ依
ルモノト認ムベキモノ多ク、尙ホ下士官ノ
俸給ハ其ノ營內居住ヲ原則トシテ定メラレ
テ居ルコトカラ致シマシテ、家族ト共ニ其
ノ生活ヲ保障スルノ趣旨デハナイノデアリ
マシテ、是等ノ現役下士官ノ家族ニシテ生
活困難ナル者アラバ之ニ對シ扶助スルハ妥
當ノ措置ト認メラレマスノデ、現役下士官
ノ家族ヲモ扶助ノ範團ニ加ヘルコトニ致サ
ウトスルノデアリマス
第三ハ下士官兵ノ家族ニ對スル扶助ハ必
要アル場合ニ於キマシテハ退營又ハ召集解
除後尙ホ三月以內之ヲ繼續シ得ルモノト致
スコトデアリマス、現行法ニ於テハ、下士
官兵ノ家族ニ對スル扶助ハ、必要アル場合ハ
退營又ハ召集解除後「二十日以內」之ヲ繼續
シ得ルコトト相成ツテ居ルノデアリマスガ、
近時ノ經濟狀況ニ鑑ミ、又作戰區域ノ擴大、
服役期間ノ長期化等ニ伴ヒマシテ、退營シ
又ハ召集解除トナリマシタ者ガ歸〓後直チ
ニ十分ナル生業能力ヲ發揮スルコトハ極メ
テ困難デアリマシテ、就中頓ニ增大スル潜
伏性疾患者、例ヘバ結核、「マラリヤ」等ノ
如キモノハ假令疾病治癒ノ後退營シ又ハ召
集解除トナリマシテモ、直チニ生業ニ復歸
スルコトハ困難デアリ、且ツ疾病再發ノ虞
ガ極メテ多イ現狀ニ鑑ミマシテ、相當期間
ノ休養ヲ要スルノデアリマス、又退營、召
集解除後直チニ生業ニ從事シ得ル者ト雖
モ、現地ニ於テ除隊セラルル者ノ如キハ其
ノ家族ヲ扶養シ得ルニ相當期間ヲ要スルノ
デアリマシテ、是等ノ理由ニ依リマシテ從
來ノ二十日以內ノ期間ヲ三月以內ト改ムル
コトニ致サウトスルノデアリマス
以上改正ノ要旨ニ付キ中上ゲタノデアリ
マスガ、何卒御審議ノ上速カニ御協賛アラ
ンコトヲ切望致ス次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=1
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002・清水留三郎
○〓水委員長 是ヨリ政府委員ヨリ藥事法
案ニ對スル逐條的ノ御說明ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=2
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003・灘尾弘吉
○灘尾政府委員 藥事法案ノ根本ノ趣旨、
或ハ其ノ骨子ニ付キマシテハ只今大臣ヨ
リ御說明申上ゲマシタ通リデゴザイマス
ガ、私カラ法案ノ內容ニ付キマシテ逐條的
ニ〓略ノ御說明ヲ申上ゲタイト存ジマス、
其ノ前ニ御諒承願ツテ置キタイト存ジマ
スルコトハ、此ノ法律案ハ現在藥事ノ制
度トシテ行ハレテ居リマスル藥劑師法、藥
品營業竝ニ藥品取扱規則及ビ賣藥法、斯樣
ナ法律ヲ統合整理致シマシテ、更ニ本案提
出ノ根本ノ趣旨ヲ達成致シマスル爲ニ必要
ナル諸規定ヲ新タニ加へマシタ次第デアリ
やく、尙又現在ノ制度ハ相當古イ制度トナ
ツテ居リマスルノデ、其ノ間諸規定ノ中ニ
ハ今日行ハレテ居リマスル多クノ立法例
ノ體裁ト其ノ趣キヲ異ニシテ居ルモノモゴ
ザイマスルノデ、ソレ等ニ付キマシテモ大
體近頃ノ立法例ニ傚ヒマシテ、規定ノ體裁
ヲ整ヘ、又現在法律中ニ規定ノアリマスル
事項ニ付キマシテモ、事柄ガ細目ニ亙ツテ
居リマシテ、命令ニ讓ルノヲ適當ト認メマ
スルヤウナモノニ付キマシテハ命令ニ讓ル
コトニ致シテ居ルノデアリマス、殊ニ此ノ
法律案ト極メテ密接ナ關聯ノアリマスル最
近ノ制定ニ係ハリマスル國民醫療法ノ規定
ト大體步調ヲ揃ヘルト云フヤウナコトモ致
シタノデアリマス、豫メ御含ミ置キヲ願ヒ
タイト存ジマス
以下條文ヲ逐ヒマシテ御說明ヲ申上ゲタ
イト思ヒマス、第一條ハ本法ノ目的ヲ規定
致シタモノデアリマシテ、此ノ法律ハ國民
醫療法ト密接ノ關係ニ立チ、是ト相並ンデ
國民保健ニ關スル一ツノ基礎的ナ法制タル
ベキモノト考ヘマシテ、國民醫療法ガ國民
醫療ノ部面ヲ規定スルニ對シ、此ノ法律案
デハ藥事衞生ノ部面ヲ規定致シテ居ルノデ
アリマスケレドモ、等シク國民體力ノ向上
ヲ圖ルト云フコトヲ根本ノ目的トシテ居ル
ト云フ點ヲ明カニ致シタノデアリマス
次ハ第二章ノ藥劑師ニ關スル規定デアリ
そうく、第二條ハ新タニ設ケマシタ規定デゴ
ザイマシテ藥劑師ノ本分ヲ規定致シタモノ
デアリマス、現在ノ藥劑師法ノ規定ノ文字
カラ見マシテ、藥劑師ノ本來ノ職分ハ專ラ
調劑ノミニ存スルカノ如キ考ヘ方ガ世上ニ
行ハレテ居ル嫌ヒガナイデハナイノデアリ
マイ、今日藥劑師ノ職分ハ獨リ調劑ノミナ
ラズ、廣ク醫藥品ノ供給、或ハ飮食物ノ檢
査ト云フヤウナ衞生化學ノ部面、更ニ又近
頃デハ毒瓦斯ノ檢知トカ或ハ其ノ處理ト云
フヤウナ部面ニモ亙リマシテ、所謂街ノ化
學者トシテ國民保健ノ廣汎ナル分野ヲ擔當
スベキモノト考ヘラレルノデアリマス、此
ノ實情ニ卽シマシテ、藥劑師ハ是等ノ廣イ
範圍ニ亙リ國民保健ノ一分野ヲ擔當致シマ
シテ、醫師、齒科醫師等ト相携ヘテ國民體
力ノ保全、增强ニ寄與スルト云フ極メテ重
要ナ任務ヲ負フモノデアルコトヲ明カニ致
シマシテ、其ノ職責ノ極メテ重イコトヲ自
覺セシメ、益〓勵精其ノ職域ニ於テ奉公セン
コトヲ期待致シマシタ次第デアリマス、第
三條ハ藥劑師免許ヲ受ケル資格ニ關シ必要
ナ事項ハ勅令ヲ以テ規定スルコトト致シタ
ノデアリマスガ、勅令ノ定メマスル事項ハ
大體現行法通リト致ス考ヘデアリマス、第
四條、第五條ハ字句ヲ若干修正致シマシタ
ル外ハ現行法通リデアリマスノデ說明ヲ省
略致シマス、第六條ハ藥劑師名簿ノ登錄ニ
付テ規定致シタモノデアリマスルガ、登錄
スベキ事項ニ付キマシテハ大體現行法通リ
ト致ス考ヘデアリマス、第七條ハ藥劑師ノ
免許ノ取消又ハ業務ノ停止處分ニ關スル規
定デアリマシテ、〓ネ現行法ヲ踏襲致シテ
居ルノデアリマスルガ、特ニ變ツテ居ル點
ヲ申上ゲマスレバ、先ヅ藥劑師タルノ品位
ヲ損スル行爲ヲ免許ノ取消又ハ業務停止處
分ノ事由ノ中ニ加ヘタノデアリマス、又免
許ノ取消又ハ業務ノ停止處分ノ事由タル事
實ガ免許前ニアツタコトデアリマシタ場合
ニ於テモ、免許ノ取消又ハ業務停止處分ヲ
スルコトガ出來ルト云フコトニ致シタノデ
アリマス、ソレカラ免許取消處分ヲ受ケタモ
ノデ再免許ヲ受ケマシタモノガ主務大臣ノ
定メマスル期間內ニ於テ一定ノ刑罰ニ處セ
ラレマシタ時ハ、其ノ再免許ハ當然效力ヲ
失フコトト致シタノデアリマス、尙又藥劑師
ニ對スル行政處分ヲ致ス場合ニ於キマシテ、
從來ハ中央衞生會ノ審議ヲ經ルコトトナツ
テ居ツタノデアリマスガ、此ノ法案ニ於キ
マシテハ中央衞生會ノ審議ヲ要スルト云フコ
トヲ削除致シタノデアリマス、是等ハ國民
醫療法ノ規定ト大體同樣ノ趣旨ニ出タモノ
デアリマスノデ、說明ヲ省略サセテ戴キタ
イト存ジマス、次ニ第八條ハ新シイ規定デ
アリマスガ、藥劑師ニ對シ主務大臣ニ於テ
補習〓育ノ義務ヲ課シ得ルコトヲ規定致シ
タノデアリマス、ト申シマスルノハ、先程
申シマシタ如ク、藥劑師ハ國民保健上廣汎
ニシテ且ツ重大ナル職責ヲ荷ヒ、又其ノ職分
ガ人ノ健康、生命ニ關スルコトガ多イノデ
アリマスルノデ、常ニ自己ノ職分ニ於テ〓
鑽ヲ怠ラナイヤウニシテ貰ハナケレバナラ
ヌト思フノデアリマス、醫藥ノコトハ日進
月步デアリマスルノミナラズ、國防化學ニ
關スル事項ノ如キ、マダ十分之ニ習熟スル
ニ至ツテ居ナイ者モアリマスルノデ、斯樣
ナ規定ヲ設ケマシテ、藥劑師ノ職域奉公ノ
一層ノ完璧ヲ期スルヤウニ致シタ次第デア
リマス
第三章ハ藥劑師會ニ關スル規定デアリマ
ス、藥劑師會ニ關シマシテハ、大體醫師會及ビ
齒科醫師會ノ例ニ準ジマシテ措置致スコト
トシテ居ルノデアリマシテ、從來ト變リマ
シタ點ヲ申上ゲテ見マスルト、第九條ニア
リマスル如ク、藥劑師會ニ付キ從來ハ藥事衞
生ノ改良發達ヲ圖ルコトヲ以テ目的トスル
コトニナツテ居ルノデアリマスルガ、此ノ
案ニ於キマシテハ、ソレニ對シマシテ「國民
體力ノ向上ニ關スル國策ニ協力スルヲ以テ
目的トス」ト云フコトヲ新タニ附ケ加ヘマシ
テ、現下ノ時局ニ於ケル藥劑師會ノ本來ノ
使命ヲ明カニ致シタノデアリマス、又第十
條ニ於キマシテ、會員ノ範圍ヲ從來ヨリモ
擴張スルコトニ致シタノデアリマス、卽チ
藥局トカ醫藥品ノ製造販賣業ニ從事スル藥
劑師ハ勿論ノコト、苟モ藥劑師ノ資格アル
者ニ對シテハ總テ之ヲ會員トスルコトトシ
又現ニ藥劑師ノ免許ヲ持ツテ居リマセヌ者デ
モ、藥劑師ノ免許ヲ受ケル資格ヲ有スル者
ハ之ヲ道府縣藥劑師會ノ會員タラシメル
ノ途ヲ開キマシタ、斯樣ニ致シマシテ、藥
劑師乃至ハ藥劑師ニナリ得ル凡ユル分野ノ
人達ガ相寄リ相集ツテ藥劑師會ヲ組織シテ、
ソレ〓〓ノ職分ヲ發揮致シマシテ藥事
衞生ニ關スル公ノ使命ヲ完遂スルト云フ體
制ヲ執ルコトト致シタノデアリマス、ソレ
カラ從來ハ日本藥劑師會ハ任意設立デアツ
タノデアリマスガ、藥劑師會ノ使命ニ鑑ミ
マシテ、中央ニ强力ナル藥劑師會ヲ設立ス
ル必要ガアルト考ヘマシテ、第十一條ニ規
定シテアリマスルガ如ク、日本藥劑師會ヲ
强制設立ト致シタノデアリマス、其ノ他ノ
點ハ特ニ申上ゲル必要モナイカト存ズルノ
デアリマス
次ニ第四章ハ藥局及ビ調劑ニ關スル事項
デアリマス、第十四條ハ藥局ノ開設ニ關ス
ル規定デアリマシテ、卽チ藥局開設ニハ地
方長官ノ許可ヲ受ケルコトヲ要スルコトト
ジ、又藥局ノ開設者ハ從來原則トシテ藥劑
師ニ限ラレテ居ツタモノヲ、藥劑師ニ限定
シナイコトニ致シタノデアリマス、藥局ハ
藥事衞生ニ關シマシテ一般民衆ノ利用ニ供
セラレル重要ナ機關デアリマスルノデ、其
ノ設備管理等ニ付キ適正ヲ期スル必要ガア
リマスルコトハ申スマデモナク、又其ノ分
布ノ狀況ハドチラカト言ヘバ從來都市偏在
ノ傾向ガ著シイノデアリマス、譬ヘテ申シ
マスレバ、六大都市所在府縣ノ藥局數ガ全
國藥局數ノ五三%ニ達シテ居ルノデアリマ
ス、又東京府及ビ大阪府ノ藥局數ハ全國ノ
藥局總數ノ三二%ニ達スルト云フヤウナ狀況
デゴザイマシテ、斯樣ナ狀態ハ國民保健上
相當考ヘナケレバナラヌ點デアルト思ヒマ
スノデ、將來是ガ是正ヲ圖ルノ方途ヲ講ズ
ルコトモ必要デアラウト存ズルノデアリマ
ス、隨ヒマシテ藥局ノ開設ニ付キマシテハ
設備其ノ他ノ點ニ付テハ固ヨリ、分布ノ狀
況等ヲモ考慮致シマシテ、許可ヲスルト云
フコトニ致シタ次第デアリマス、ソレカ
ラ藥局ノ開設者ニ付キマシテハ先程申シマ
シタ如ク原則トシテ藥劑師ニ之ヲ限定シテ
居リマスル結果、經營ノ狀態ガ往々ニシテ
實情ニ卽シナイ、極メテ不自然ナルコトヲ
餘儀ナクセラレル場合ガアリマスノミナラズ、
是ハ藥局ノ分布ノ適正乃至設備ノ完璧ヲ圖
リ、其ノ發達ヲ期スル上ニ必ズシモ適當ナ
行キ方デハナイト考ヘラレルノデアリマ
ス、且又其ノ管理ニ付テ藥劑師ヲシテ行ハ
シメルコトニ致シマスルナラバ、必ズシモ
開設者ヲ藥劑師ニ限定スル保健衞生上ノ必
要モナイト考ヘラレマスルノデ、之ヲ藥劑
師ニ限定致サナイコトニ致シタ次第デアリ
マンク、第十五條ハ現行法ノ通リデアリマス、
第十六條ハ大體現行法ノ通リデアリマスガ、
新タニ但書ノ規定ヲ設ケマシタ、此ノ趣旨
ハ、藥劑師ガ藥局以外ノ場所デ調劑ラナス
コトヲ從來ハ禁止致シテ居リマスル結果、
譬ヘテ申シマスルト病院、診療所ノ調劑所
等ニ於テ藥劑師ガ調劑ヲスルコトガ、此ノ
規定ニ或ハ牴觸スルノデハナイカト云フ風
ナ疑ヒモゴザイマシタシ、又巡囘診療ト云
フヤウナ場合ニ於ケル藥劑師ノ場合ニ於キ
マシテ、藥劑師ノ調劑ガ出來ナイノデハナ
イカト云フヤウナコトニモナリマスルノ
デ、特定ノ場合ヲ限リマシテ藥局外ニ於テ
調劑スルコトヲ認メルノガ實情ニ適スルト
考ヘマシテ、斯樣ヲ但書ヲ設ケタノデアリ
マス、第十七條、第十八條及ビ第十九條ハ
大體現行法ノ通リデアリマス、第二十條ハ
新シク設ケタ規定デアリマシテ、調劑報酬
ニ付キ主務大臣ハ必要ナル命令ヲ發スルコ
トヲ得ルト云フノデアリマス、醫療費ノ適
正ヲ期シマスルコトハ、國民保健上最モ大
切ナコトト存ズルノデアリマシテ、醫師ノ
受クベキ醫療報酬ニ付キマシテハ、曩ニ制
定セラレマシタ國民醫療法ニ於テ主務大臣
ガ必要ナ措置ヲ講ジ得ル途ヲ開キ、其ノ適
正ヲ圖ルコトト致シタノデアリマスガ、醫
療費ノ一部タル調劑報酬ニ關シマシテモ、
從來區々ニ亙リ、又ハ適正ヲ缺クモノガ無
キニシモアラザルヤウニ考ヘラレマスルノ
デ、之ヲ適正ナラシムル爲ニ斯樣ナ規定ヲ
設ケタ次第デアリマス、
次ニ第二十一條デアリマス、調劑ニ付キ
マシテハ現行藥劑師法ニ色々ナ規定ガアル
ノデアリマスルガ、大體同樣ナ趣旨ヲ規定
スル積リデハゴザイマスガ、中々細目ニ亙
リマスノデ、之ヲ命令ニ讓ルコトト致シタ
ノデアリマス
次ハ第五章ノ醫藥品デアリマス、第二十
二條ハ醫藥品ノ製造ニ關スル規定デゴザイ
マス、此處デ御說明申上ゲテ置キタイト思
ヒマスルコトハ、現在醫藥品ニハ法制上藥
品ト賣藥ノ區別ガアリ、藥品ニ付キマシテ
ハ藥品營業竝ニ藥品取扱規則、賣藥ニ付キ
マシテハ賣藥法ノ規定ガアルノデアリマ
ス、而シテ藥品ノ中、日本藥局方收載藥品、
外國藥局方收載藥品、新藥新製劑ニ付キマ
シテハ、又ソレ〓〓ノ規定ガアリ、法規上
別箇ノ取扱ヒトナツテ居ルノデアリマス、
併シナガラ新藥新製劑ト賣藥トノ關係ニ付
キマシテハ、先程御說明ノゴザイマシタ
如ク、實際問題トシテ兩者ヲ劃然ト區別ス
ルト云フコトハ洵ニ困難デアリマシテ、殆
ド同種同類ノモノガ、或ハ賣藥トナリ、或
ハ新藥新製劑トナル等、徒ラニ取扱ガ煩瑣
デアリマスルノミナラズ、後ニ申上ゲマス
如ク、新藥新製劑ニ付テ許可制ヲ採ルコト
ト致シマスル以上ハ、賣藥ト新藥新製劑ト
ノ間ニ區別ヲ設ケルト云フコトハ事實上
殆ド意味ノナイコトトナルノデアリマス、
隨ヒマシテ今囘ノ立法ニ當リマシテハ、
是等ノ法制上ノ區別ヲ撤廢致シマシテ、等
シク日本藥局方外ノ醫藥品トシテ取扱フコ
トト致シテ行キタイト考ヘルノデアリマス、
醫藥品ノ製造ニ關シマシテハ現在ノ如キ藥
事法令ニ於キマシテハ、藥品ト賣藥ニ依ツ
テ其ノ取扱ヲ異ニシテ居リマシテ、藥品ニ
付キマシテハ藥劑師ハ許可等ノ手續ヲ要セ
ズ自由ニ作レルコトニナツテ居ルノデアリマ
ス、其ノ他ノモノハ地方廳ノ製藥者ノ免許鑑
札ヲ受ケルコトヲ要シ、而シテ製藥者トナリマ
スレバ、如何ナル藥品ヲモ製造スルコトガ出
來ルノデアリマス、尙ホ麻藥ヤ痘苗、血〓、其
ノ他細菌學的豫防治療品又ハ新藥新製劑ノ
如ク特殊ノモノニ付キマシテハ、更ニ特別ノ許
可、認可等ヲ受ケ、或ハ又屆出ヲナスコ
トヲ要スルノデアリマス、次ニ賣藥ニ付キ
マシテハ賣藥法ニ依ツテ原則トシテ藥劑
師藥劑師ヲ使用スル者、或ハ醫師及ビ齒
科醫師ニ限ツテ調製ノ資格ガアルノデアリ
マス賣藥ヲ調製セントスル品目ニ付キマ
シテ地方長官ノ免許ヲ受ケルコトヲ要スル
ノデアリマス、尙又右申述ベマシタ藥事法
令ニ依リマスル外、現在ハ國家總動員法ニ
基ク企業許可令ニ基キマシテ、藥品ノ製造
業ハ厚生大臣ノ許可ヲ要スルコトトナリ、
又緊要ナル約百三十品目ノ醫藥品ニ付キマ
シテハ醫藥品及ビ衞生材料生產配給統制
規則ニ依リマシテ、品目每ニ厚生大臣ノ許
可ヲ受ケルコトヲ要スルコトニナツテ居リ
マス、斯樣ニ醫藥品ノ製造ニ關スル手續ハ
今日極メテ錯綜複雜洵ニ煩瑣ニ堪ヘナイヤ
ウナ狀況ニナツテ居ルノデアリマス、卽チ
醫藥品ノ製造ニ付キマシテハ、現在ノ藥事
制度ニ於キマシテハ、ドチラカト言ヘバ取
締ノ見地カラ之ヲ見テ居ルノデアリマシテ、
或ハ人的部面ニノミ主眼ヲ置キ、或ハ物自
體ニノミ主眼ヲ置キ、人的要素及ビ物的要
素ノ綜合體トシテノ事業、或ハ國ノ醫藥品
生產全體トノ關係ニ付テ、綜合的ニ把握考
慮スルニ適シテ居ラナイヤウニ考ヘラレル
ノデアリマス、隨ヒマシテ現行制度ハ醫藥
品供給ノ適正ヲ期スルノニ洵ニ不十分デア
ルト申サネバナライノデアリマス、ソコデ
今囘現行法令ニ於ケル各種ノ免許、許可、
認可等ノ手續ヲ綜合統一致シマシテ、製造
事業自體ニ着眼シテノ厚生大臣ノ許可制ト
シ、且ツ許可ニ當リマシテハ全體ノ生產ト
ノ關係、製造品目、製造施設等ニ付テ檢討
ヲ加ヘマシテ、醫藥品供給ノ適正ヲ期スル
上ニ遺憾ノナイヤウニ致シタイト考ヘテ居
ル次第デアリマス
次ニ先程一寸觸レタ新藥新製劑デアリマ
スガ、從來新藥新製劑ノ新規發賣ニ付テハ
地方長官ニ屆出ヲスレバ宜シイト云フコト
ニナツテ居ツタノデアリマス、サウシテ每
年屆出ニ係ハル新藥新製劑ハ極メテ多數
ニ上ツテ居リマシテ、年々約三千ニ上ツテ
居ルト云フ狀況デアリマス、其ノ中ニハ品
質效能上必ズシモ適當ト認メラレナイモノ
モゴザイマスルシ、又謂ハバ不急ノ品ト思
ハレルヤウナモノモ少クナイ狀況デアリマ
ス、又名前ガ違ツテ居リマシテモ、實際ハ
大差ナイト云フヤウナ藥モ相當多數ニ上ツ
テ居リマシテ、徒ラニ煩雜ヲ加ヘ、緊要醫
藥品ノ確保ヲ圖リ、其ノ供給ノ適正ヲ期スル
ニ當リ相當支障ヲナシテ居ルヤウナ狀況デ
アリマスノデ、今囘ハ新藥新製劑ニ付キマ
シテモ許可ヲ受ケシメルト云フコトニ致シ
タノデアリマス、ソレカラ第二項ニ於キマ
シテハ、醫藥品製造業者ハ原則トシテ藥劑
師ヲ置カナケレバナラナイト云フ風ニ致シ
マシタ、之ニ依リマシテ醫藥品ノ性狀品質
ノ適正ヲ期スルト云フ考ヘデアリマス、而
シテ其ノ例外ト致シマシテ、但書ノ規定ニ
於テハドウ云フ風ナ場合ヲ考ヘテ居ルカト
申シマスルト、例ヘバ醫藥品ノ製造業者自
身ガ藥劑師デアリマスル場合、或ハ又醫
藥品ノ製造ニ付キマシテ必要ナ知識、技能
ヲ有スルト主務大臣ガ認メテ居リマスル場
合ニ於テ、ソレ等ノ者ガ自ラ製造ニ當ルト
云フヤウナ場合ハ必ズシモ藥劑師ヲ置ク必
要ガナイ、斯樣ニ考ヘテ居リマス、又痘苗
血〓其ノ他細菌學的豫防治療品ニ付キマシ
テハ、大體從來醫師ガ其ノ製造ノ實際ニ當
ツテ居ルノデアリマス、斯樣ナ場合ニ於キマ
シテモ勿論藥劑師ヲ置ク必要ハナイト云フ
風ニ考ヘテ宜シカラウト思フノデアリマス、
第三項及ビ第四項ニ付キマシテハ特ニ申上
ゲル必要モナイカト思フノデアリマス、次ハ
第二十三條デアリマス、是ハ醫藥品ノ販賣業
ニ關スル規定デゴザイマス、醫藥品ノ販賣ニ
關シマシテハ、現在ノ藥事法令ニ於キマシ
テハ藥品ト賣藥トニ依リマシテ其ノ取扱ヲ
異ニ致シテ居リマス、藥品ニ付キマシテハ藥
劑師ハ許可等ノ手續ヲ要セズ、其ノ他ノ者ハ
地方廳ノ藥種商ノ免許鑑札ヲ受ケルコトヲ
要スルノデアリマス、又賣藥ノ請賣ニ付キマ
シテハ藥劑師又ハ藥種商ハ地方長官ニ屆
出ヲナスヲ以テ足リ、其ノ他ノ者ハ地方長
官ノ許可ヲ受ケルコトヲ要スルコトニナツ
テ居ルノデアリマス、尙ホ只今ハ右ノ藥事法
令ニ依リマスモノノ外ニ、企業許可令ニ依リ
マシテ總テ地方長官ノ許可ヲ受ケルコトヲ
要スルコトニナツテ居リマス、斯樣ニ醫藥
品ノ販賣ニ關スル手續ハ現在藥品ト賣藥、
又藥劑師ト然ラザル者トニ依リマシテ
適用法令ガ違ツテ居リマシテ、相當煩雜ニ
ナツテ居ル狀況デアリマス、醫藥品ノ適正、
圓滑ナル配給ヲ圖リマスコトハ極メテ重要
ナコトデアリマス、是ガ爲ニハ販賣者ノ資
質ノ適否ノミナラズ、店舗ノ分布狀況等ヲ
モ十分考慮スル必要ガアルノデアリマスカラ、
藥劑師ト然ラザル者タルトヲ問ハズ醫藥品
販賣業ヲ行フ者ハ齊シク許可ヲ受ケシムル
コトヲ適當ト考ヘマシテ、此ノ規定ヲ設ケ
マシタ次第デアリマス
其ノ但書ニ於キマシテハ例ヘバ醫藥品ノ
製造業者、輸入販賣業者又ハ移入販賣業者
ガ其ノ製造又ハ輸入、移入致シマシタ醫藥
品ヲ製造業者又ハ販賣業者ニ販賣スル場合
デアリマスルトカ、或ハ又藥局ノ開設者ガ
藥局ノ開設ニ際シマシテ、其ノ藥局ノアル
場所ニ於キマシテ醫藥品ヲ販賣スルト云フ
ヤウナ許可ヲ併セテ受ケマシタヤウナ場合
トカ、斯樣ナ場合ヲ大體豫想シテ居リマス
次第デアリマス、ソレカラ第二項ニ付テ申
上ゲマスト、現在ハ藥品營業竝ニ藥品取扱
規則ニ依リマシテ、藥劑師デナケレバ藥品
營業者以外ノ者ニ對シ原則トシテ指定藥
品ヲ販賣授與スルコトガ出來ナイコトニナ
ツテ居リマス、又賣藥請賣營業者ハ藥品ヲ
販賣スルコトガ出來ナイモノトナツテ居リ
マス、此ノ指定藥品ト申シマスルノハ、全
體ノ醫藥品ノ中デ百四十二品目及ビ指定藥
品ヲ含有スル製劑デアリマシテ、毒藥又ハ
劇藥ニ屬スルモノト云フコトニナツテ居リ
マン、藥品ハ其ノ性質上是ガ取扱ニ付キマ
シテハ、特殊ノ知識經驗ヲ必要トスルモノガ
少クナイノデアリマス、隨テ廣ク醫藥品一般ノ
販賣ヲナスニ付キマシテハ、藥學、藥品ニ關
シマシテ專門ノ知識ヲ有スル藥劑師、又ハ
藥劑師ヲ使用スル者ヲシテ之ニ當ラシメル
コトガ萬全ノ策デアルト考ヘルノデアリマ
ス、併シナガラ一面ニ於キマシテ醫藥品ノ
消費者タル國民ノ便益ト云フコトヲ考ヘテ
參リマスト、其ノ販賣業者ハ廣ク適正ニ分
布セラレルコトガ必要デアルト云フコトモ
亦申上ゲルマデモナイコトト存ズルノデア
リマス、現在ノ狀況ニ於キマシテハ醫藥品
ノ販賣業者ヲ藥劑師又ハ藥劑師ヲ使用スル
者ニ限ルト云フコトハ、實際問題トシテ頗
ル困難ト申サナケレバナラナイノデアリマス、
ノミナラズ醫藥品ノ種類ニ依リマシテハ、
必ズシモソレ程高度ノ專門ノ知識ヲ必要ト
スルモノガナイノデアリマシテ、藥劑師又
ハ藥劑師ヲ使用シナイ者ニ對シマシテモ、
取扱フベキ品目ヲ制限シマシテ、醫藥品ノ
販賣業ヲ行フコトヲ認メルコトガ適當デア
ルト考ヘルノデアリマス、隨ヒマシテ醫藥
品中ニ現在ノ指定藥品ノ如ク其ノ性質作用
ガ特ニ猛毒又ハ變敗シ易イ爲ニ、其ノ取扱
ニ付キマシテ細心ノ注意ヲ要シ、特ニ藥學
及ビ醫藥品ノ鑑別等ニ關シマシテ、專門的
知識經驗ヲ有スル者ヲシテ取扱ハシメマシ
テ、其ノ販賣授與ノ際ニ細心ノ注意ノ下ニ
之ヲ交付セシメルコトヲ必要トスルモノニ
付キマシテハ、從來ト同樣ニ藥劑師又ハ藥
劑師ヲ使用スル販賣業者ニ限ルコトト致シ
マシテ、然ラザル者ニ付キマシテハ、其ノ
程度ニ應ジ取扱品目ヲ制限致シマシテ販賣
ヲセシメルノガ適當ト考ヘルノデアリマス、
大體ノ考ヘ方ト致シマシテハ從來ノ藥種商
ニ相當スル程度ノ人達ニ對シマシテハ、只
今申シマシタ指定藥品ニ相當スルモノ以外
ノ醫藥品ニ付キマシテ、一般ニ取扱ハシメ
テ差支ヘナイノデハナイカト、斯樣ニ考ヘ
テ居リマスシ、又從來ノ賣藥請賣業ヲヤツ
テ居リマスヤウナ人達ニ對シマシテハ、ヤ
ハリ其ノ程度ノ藥ヲ取扱ハサセルコトニシ
タナラバドウデアラウカト斯樣ニ考ヘテ
居ル次第デアリマス、尙第三項デアリマス
ガ醫藥品ノ販賣ニ付キマシテハ現在ノ制度
ニ於ケル賣藥ノ行商ニ關スル事項其ノ他細
目ノ事項ヲ規定スル必要ガアルノデアリマ
スガ、是等ハ大體ニ於テハ現行法ヲ踏襲ス
ル考ヘデゴザイマシテ、何レモ命令ニ讓ル
コトト致シテ居ル次第デアリマス、次ニ第
二十四條ハ新タニ設ケマシタ規定デゴザイ
マンク、醫藥品ハ國民保健ノ上ニ極メテ重要
ナ關係ヲ持ツテ居リマスル關係上、其ノ價格
ノ點ニ付キマシテモ、常ニ是ガ適正ヲ期セ
ナケレバナラヌト云フコトハ申スマデモナ
イノデアリマス、ソコデ此ノ規定ヲ設ケタ
次第デゴザイマス、唯玆デ御斷リ申シテ置
キタイト思ヒマスコトハ、現在醫藥品ノ價
格ニ付キマシテハ、國家總動員法ニ基ク價
格等統制令ノ適用ガアルノデゴザイマスガ、
差當ツテノ問題ト致シマシテハ、一般物價
トノ關係モゴザイマスシ、他ノ物資ト同樣
ニ統制令ニ依リ措置シ得ベキ事項ニ付キマ
シテハ、其ノ運用ニ依ツテヤツテ參リタイト
考ヘテ居リマスノデ、大體ニ於テ當分ノ內
此ノ二十四條ノ規定ヲ發動スルト云フ考ヘ
ハ致シテ居ラナイノデゴザイマス、第二十
五條ノ規定ハ特ニ申上ゲル必要モナイト存
ジマス、ソレカラ第二十六條ノ第一項ハ大
體從來通リデゴザイマス、第二項ハ新タニ
設ケタ規定デゴザイマス、此ノ第二項ニ基
キマスル命令デゴザイマスガ、只今考ヘテ
居リマスル事項ハ、保健衞生上特ニ必要ガ
アルト認メマスル醫藥品ニ付キマシテ、特
定ノ機關ノ檢査ヲ受ケシメルトカ、或ハ又
一定ノ規格ヲ設ケテ之ニ從ハシメルト云フ
ヤウナコトヲ規定シタイト、斯樣ナ考ヘヲ
致シテ居ル次第デアリマス、ソレカラ第二
十七條デアリマスガ、先ヅ第一項ハ醫藥品
ニ付キマシテ內容ノ公示ヲサセヨウト云フ
考ヘデ出來テ居ルノデゴザイマス、卽チ日
本藥局方收載藥品ニ付テハ、其ノ實質ヲ一
目瞭然タラシメ、取扱上差支ノナイヤウニ
致シマスト共ニ、其ノ純良ヲ保持スル爲ニ
ハ日本藥局方ト云フ文字及ビ日本藥局方名
ヲ記載セシメルコトヲ必要ト認メマシテ、
此ノヤウニ規定致シタノデアリマス、又日本
藥局方外ノ醫藥品ニ付テハ、現在ハ新藥新
製劑及ビ花柳病ニ關スル賣藥ニ付テ內容ノ
公示ヲ致サセテ居ルノデアリマスガ、醫藥
品ノ成分等ヲ公示セシメルコトハ、其ノ內
容ヲ明カナラシメマスト共ニ、醫藥品相互
ノ異動或ハ代用關係ト申シマスカ、代替關
係ヲ明瞭ニ致シマスシ、醫師其ノ他ノ使用
者及ビ取扱業者ヲシテ、醫藥品ノ撰擇又ハ
使用ヲ適正ナラシメマスト共ニ、配給ノ圓
滑及ビ品質ノ確保ヲ期スル上ニ於テ必要ト
考ヘラレマスノデ、極ク特別ノ場合ヲ除キ、
原則トシテ內容ノ公示ヲ行ハシメルコトト
致シタノデアリマス、尙ホ第二項ニ於キマ
シテハ、從來醫藥品ノ小分ケニ付キマシテ
ハ現在何等ノ規定ガナイノデアリマシテ、
不都合ガ少クアリマセヌシ、又貯藏ノ方法、
其ノ他取扱ニ關シマシテハ、醫藥品ノ特殊
性ニ鑑ミマシテ、詳細ニ規定ヲスル必要ガ
アルノデゴザイマスガ、事柄ガ細目ニ亙リ
マスノデ、是等ヲ命令ニ讓ルコトト致シタ
次第デアリマス、次ニ二十八條ノ廣〓制限
ニ關スル規定デゴザイマス、廣告制限ニ付
キマシテハ、現在ハ賣藥法ニ規定ガアルバ
カリデアリマスガ、御承知ノ如ク新藥新製
劑等ニ付キマシテハ、其ノ必要ナルコトハ
賣藥ト選ブ所ガナイ實情ニアルノデアリマ
シテ、今囘ハ醫藥品全般ニ付キ廣〓制限ヲ
設ケ、其ノ適正ヲ期スルコトト致シタ次第
デアリマス、第二十九條ニ付キマシテハ、
大體ニ於テ現行法ヲ踏襲シテ規定ヲ致ス積
リデアリマシテ、格別御說明ヲ申上ゲル必
要モナイカト存ジマス
第六章ハ監督ニ關スル事項デゴザイマス、
第三十條ハ新タニ設ケタ規定デゴザイマス、
此ノ趣旨ト致シマスル所ハ主務大臣又ハ地
方長官ガ監督官廳トシテ、單ニ權力ヲ以テ
之ニ臨ムノデナク、藥ノ製造販賣其ノ他各
般ノ事項ニ關シマシテ、其ノ適正ヲ期スル
爲ニ常ニ指導誘抜ヲ加ヘテ、進步發達ヲ圖
ツテ參リタイト云フノデアリマシテ、主ト
シテ指導誘披ノ趣旨ニ出タモノデアリマス
カラ、罰則ハ伴ツテ居リマセヌ、罰則ノナ
イ規定デアリマスルガ、關係者ノ協力ニ依
ツテ、十分其ノ目的ヲ達シ得ルモノト考ヘ
テ居ル次第デアリマス、第三十一條ハ大體
現行法ノ通リデアリマス、第三十二條モ報
告ヲ徵シ得ルコトノ外、大體現行法ニソレ
ゾレ規定ガアルノデアリマス、第三十三條
モ大體現行法ニ規定ガアルノデアリマシテ、
特ニ御說明申上ゲルコトモナイト思ヒマス、
第三十四條ハ新タナル規定デアリマス、醫
藥品ノ製造業者、輸入販賣業者、移入販賣
業者、販賣業者或ハ又藥局開設者ト云フヤ
ウナモノハ醫藥品ノ供給ニ關シマシテ、極メ
テ重要ナル地位ニ立ツ者デアリマシテ、特
ニ許可ヲ受ケテソレ〓〓ノ業務ニ從事シテ
居ルノデアリマスカラ、其ノ許可ヲ受ケマ
シタ以上ハ、ソレ〓〓其ノ職域ニ於テ一生
懸命ニ働イテ貰ハナケレバナラヌト考ヘル
次第デアリマス、ソレガ何ト申シマスカ、
謂ハバ權利ノ上ニ眠ルト申シマスカ、職責
ヲ怠ルト云フヤウナ者ガアリマシテハ、其
ノ使命ニ鑑ミマシテ、洵ニ遺憾ト存ゼラレ
マスノデ、正當ノ事由ナクシテ、其ノ業務
ヲ行ハナイト云フヤウナ場合ニ於キマシテ
ハ、許可ノ取消ガ出來ルト云フ規定ヲ設ケ
マシタ次第デアリマス
次ハ雜則デアリマス、第三十五條ハ地方
廳ニ對スル職權委任ノ規定デアリマス、第
三十六條ハ、樺太ノ內地移管ニ伴ヒ設ケタ
規定デアリマス、從來樺太ハ法域ヲ異ニ致
シテ居リマシタ關係上、藥劑師法其ノ他ノ施
行ニ付キマシテモ、若干內地トノ差異ガア
ツタノデアリマシテ、ソコラノ關係ヲ如何
ニ致スカ、勅令ヲ以テ特例ヲ開キ得ルヤウ
ニ致シテ居ル次第デアリマシテ、是ハ大體
他ノ一般ノ措置ト睨合ハセマシテ、適當ニ
善處致シタイト考ヘテ居ル次第デアリマス
次ニ罰則ノ規定デゴザイマスルガ、此ノ
中第三十七條、第三十九條、第四十條、第
四十一條、是等ヲ一括シテ大凡ソノ趣旨ダ
ケ申上ゲテ置キタイト思ヒマス、第一ニ麻
藥ニ關スル違反ノ行爲ニ付キ刑ヲ加重致シ
マシタ、ソレハ今後共榮圈內ノ交通ノ頻繁
化ヲ豫想セラルルニ當リマシテ、一層麻藥
ニ關スル取締ノ徹底ヲ期スルノ必要ガアル
ト考ヘマスシ、又阿片法トノ權衡モ考慮致
シタノデアリマス、ソレカラ醫藥品ノ製造
輸入販賣又ハ移入販賣ハ、醫藥品供給ノ根
源ヲナスモノデアリマシテ、是ガ適正ヲ圖
ルノ必要ガ特ニアルト考ヘラレマスノデ、
之ニ關シ刑ヲ加重致シタノデアリマス、ソ
レカラ罰金刑ニ付キマシテハ、藥品營業竝
ニ藥品取扱規則ノ如キ、議會開設前ノ法律
モアリ、久シイ間ノ時勢ノ推移ニ伴フ貨幣
價値ノ變動等モアリマシテ、今日ノ場合ト
シテ餘リニ低キニ失スルト云フコトモ考ヘ
ラレマスルカラ、ソレ等ノモノニ付キマシ
テハ他トノ權衡ヲ考慮致シマシテ、改正致
シタノデアリマス、次ニ第三十八條ハ官吏
ノ祕密嚴守ノ義務ニ關スル罰則デアリマス、
ソレカラ第四十二條、第四十三條、第四十
四條ハ大體一般ノ例ニ從ヒマシタダケデ、
特ニ御說明申上ゲル必要モナイト存ジマス
次ニ附則ニ付テ申上ゲマス、第四十五條、
第四十六條ニ付テハ格別申上ゲル必要ハ
ナイト思ヒマス、ソレカラ第四十七條ハ醫
師齒科醫師又ハ獸醫師ノ調劑ニ關スル規
定デアリマス、是ハ報〓ヲ徵シ得ルノ規定
ノ外、大體從來カラアル規定デアリマシテ、
從前同樣之ヲ附則ニ規定致シテ居ル次第デ
アリマス、ソレカラ第四十八條、第四十九
條、第五十條、第五十一條、何レモ經過的
規定デアリマシテ、特ニ申上ゲル必要モナ
イト思ヒマス、ソレカラ第五十二條ハ藥劑
師法ニ依ル道府縣藥劑師會及ビ日本藥劑師
會ノ權利義務ヲ此ノ法律ニ依ツテ設立セラ
ルベキ道府縣藥劑師會及ビ日本藥劑師會ガ
ソレ〓〓之ヲ承繼スルト云フ規定デアリマ
ス第五十三條ハ從來ノ藥局ニ付テ、又第五十
四條ハ醫藥品ノ製造業者、輸入販賣業者、
移入販賣業者及ビ販賣業者ニ付テノ經過的
規定デアリマス、卽チ從來ノ例ヘバ藥局開
設者、藥種商、製藥者、賣藥營業者或ハ賣
藥請賣營業者ト云フヤウナ者デ、此ノ法律
施行ノ際現ニ製造販賣等其ノ業務ニ從事シ
テ居リマスモノハ、其ノ仕事ニ付キマシテ
ハ此ノ法律ニ依ツテソレ〓〓製造ナリ、或
ハ販賣ナリノ許可ヲ受ケタモノト看做サレ
テ居ルノデアリマス、ソレカラ第五十五條、
是モ大變細カイ規定デアリマスガ、醫藥品
ノ容器又ハ被包ニ記載スベキ事項ニ付キマ
シテハ、現ニアル醫藥品ニ付テ、直チニ此
ノ法律ニ依ツテ措置セシメマスルコトハ、
實情ニ卽シマセヌシ、關係業者ニ徒ラニ難
キヲ强ヒルト云フヤウナ結果ニモナルカト
考ヘマスノデ、二箇年程ノ猶豫期間ヲ置ク
コトト致シタノデアリマス、第五十六條、
之ニ付キマシテハ特ニ申上ゲル必要ハナイ
ト思ヒマス、ソレカラ第五十七條、是ハ花
柳病豫防法ニ、先程一寸申上ゲマシタガ、
賣藥ノ内容公示ニ關スル規定ガアリマスガ、
今囘ハコチラノ方ニ取入レマシタノデ、削
除スルコトニ致シタノデアリマス、ソレカ
ラ第五十八條、第五十九條ハ本法ノ制定ニ
伴ヒマシテ、他ノ法律ノ中ニアリマス字句
ヲ調整致シタニ過ギマセヌカラ、特ニ申上
ゲル必要モナイト存ジマス
大變長イ時間ヲ掛ケマシテ恐縮ニ存ジマスガ
一應〓略ノ御說明ヲ申上ゲタ次第デアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=3
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004・清水留三郎
○〓水委員長 大臣ノ藥事法案外二件、政
府委員ノ藥事法案ニ對スル御說明ハ終リマ
シタ、何カ此ノ際參考資料ノ御要求ヲナサ
ル諸君ハ御申出ヲ願ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=4
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005・谷原公
○谷原委員 此ノ藥事法案ヲ拜見シマスル
ト大變委任立法ガ多イヤウデアリマスル
ガ、其ノ委任立法トシテ豫定セラレテ居リマス
ル內容ヲ書面ヲ以テ此ノ委員會へ御配付ヲ
願ヒタイノデアリマス、吾々審議ヲ致シマ
スル上ハ、無條件委任ハ到底出來得ベキコ
トデハアリマセヌカラ、如何ナル權利義務、
或ハ其ノ他要項ノコトヲ委任スルノデアリ
マスルカハ精々詳シク書面ヲ以テ御配付ヲ
願ヒタイト思ヒマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=5
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006・上田孝吉
○上田委員 參考資料ノ要求ヲ致シマス、
尙ホ細カニ書イテ出シマスケレドモ、應
讀上ゲマス
藥劑師、藥種商、賣藥請賣業者ノ全
國分布狀況及ビ其ノ數、特ニ都市ト地
方トノ比較
藥劑師ト藥種商トノ最近三箇年間醫
藥品(新藥、新製劑ヲモ含ム)ノ取扱販
賣金額
藥劑師ト藥種商トノ最近三箇年間ノ
各府縣別藥律違反ノ數
、藥劑師ノ開局者數及ビ藥種商ニシテ
藥劑師ヲ使用セル者ノ數
藥劑師ノ最近過去五箇年間ノ增加數
及ビ今後五箇年間ノ增加見込數
藥種商ニシテ指定藥品ヲ旣得權トシ
テ取扱ヒ居ル者ノ現在數
土地ノ狀況ニ依リ地方長官ニ於テ指
定藥品ノ販賣授與ヲ許可セル者ノ數
是ダケノ參考資料ヲ要求致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=6
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007・大島寅吉
○大島委員 參考資料トシテ、昭和十六年、
十七年ノ二箇年ニ亙ル道府縣ニ對スル配給
デスガ、現在統制サレテ居ル統制藥品ノ金
額ハドノ位ニ各道府縣ニ分配サレテ居ルカ、
是ハ無論金額ダケデ宜シウゴザイマス、ソ
レカラ其ノ道府縣ニ於ケル分配方法ハ醫療
用ト一般用ニドウ云フ工合ニ配給サレテ居
リマスルカ、具體的ニ申シマスレバ東京
市ハ四割ガ醫療用ニ向ケラレテ六割ハ一般
用ニ向ケラレテ居ル、又靜岡縣ハ全ク反對
ニ六割ガ醫療用ニ向ケラレテ四割ガ一般用
ニ向ケラレテ居ルト云フコトヲ聞キマシタ
ガ、是モ金額ガ分レバ自然「。パーセント」モ
分ルコトデアリマスカラ其ノ「パーセン
ト」ナリ、或ハ金額ナリデ宜シウゴザイマス
ガ、極ク大摑ミノ所デ宜シウゴザイマスカ
ラ、是ガ各道府縣ニ於ケル配給ノ分布ヲ知
リタイノデアリマス、モウ一ツ參考資料ト
シテ要求シタイノハ「ガーゼ」ヤ脫脂綿ヤ繃
〓、是ハ三、四年前ニ統制サレタカト思ヒ
マスガ、兎ニ角統制サレタ以前ト統制後ト
ドノ位ノ金額ガ各道府縣ニ配給サレテ居リ
マスカ、是ガ增ナリ減ナリ、極ク大體ヲ知
リタイノデアリマスカラ、增減ノ步合ヲ提
出シテ貰ヒタイト思フノデアリマス、此ノ
二ツヲ要求致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=7
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008・山崎常吉
○山崎(常)委員 船員保險法ノ問題ニ付キ
マシテ、最近ノ船員ノ傷害死亡ノ統計、健
康狀態モ含メテ戴ケバ結構デアリマス、ソ
レカラ軍事保護院デヤツテ居リマス所ノ軍
事保護事業ノ種別、ソレカラ仕事ニ從事シ
テ居ル男女及ビ年齡別、仕事ノ種別、斯ウ
云フヤウナ統計ヲ戴キタイノデアリマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=8
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009・清水留三郎
○〓水委員長 藤生君ヨリ委員長ノ手許マ
デ資料要求ノ書類ガ參ツテ居リマス、之ヲ
讀上ゲマス
-、舊大日本武德會ノ幹部名
一、大日本武德會京都出張所ノ役員名
新武德會ノ收支一覽表
東京高等師範學校、東京高等體育學
校、京都武道專門學校、國士館等各學
校要覽
、大日本武德會、大日本體育會ノ各包
攝〓體名
一、東京市內各大學專門學校武道〓師名
ト其ノ俸給額
一、東京市內中等學校ノ學科〓師ト武道
〓師トノ俸給平均額
以上、藤生委員ヨリノ要求デアリマス、尙
ホ御要求ゴザイマセヌカ発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=9
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010・松本治一郎
○松本(治)委員 軍事扶助法ニ付テ參考資
料ヲ要求致シマス、日支事變以來各年度ニ
軍事扶助法ノ適用ヲ受ケタル家族數及ビ其
ノ人數、其ノ金額ヲ御願ヒシマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=10
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011・清水留三郎
○〓水委員長 政府ニ要求致シマス各委員
ヨリノ參考資料ハ出來得ルダケ早ク御提出ヲ
願ヒマシテ、此ノ審議ニ問ニ合フヤウニ御願
ヒ致シマス、次會ノ委員會ハ公報ニ依ツテ御
通知致シマス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午前十一時三十分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008113458X00219430216&spkNum=11
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