1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十八年六月十八日(金曜日)午前十時四分開議
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議事日程 第三號
昭和十八年六月十八日
午前十時開議
第一 朝鮮食糧管理特別會計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 朝鮮に於ける米穀の生産を確保する爲の補給金及企業の整備に要する經費の財源に充つる爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 臺灣に於ける米穀の生産を確保する爲の補給金の財源に充つる爲公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 企業整備資金措置法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 昭和十八年法律第九號中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 國民更生金庫法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=0
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001・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報〓ヲ致サ
セマス
〔寺光書記官朗讀〕
昨十七日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提
出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議
昭和十八年六月十九日
院ニ通知セリ
道府縣會議員等ノ任期延長ニ關スル法律
案
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和十八年度歲入歲出總豫算追加案第
一時,
昭和十八年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第一號)
朝鮮〓糧管理特別會計法案
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ財源
ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律案
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關ス
ル法律案
企業整備資金措置法案
昭和十八年法律第九號中改正法律案
國民更生金庫法中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=1
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002・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 是ヨリ本日
ノ會議ヲ開キマス、日程第一、朝鮮食糧管
理特別會計法案、日程第二、朝鮮ニ於ケル米
穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ補給金及企業ノ
整備ニ要スル經費ノ財源ニ充ツル爲公債發
行ニ關スル法律案、日程第三、臺灣ニ於ケル
米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ補給金ノ財源ニ
充ツル爲公債發行ニ關スル法律案、政府提
出衆議院送付、第一讀會、是等ノ三案ヲ
一括シテ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=2
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003・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、賀屋大藏大臣
左ノ案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ
タメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
朝鮮食糧管理特別會計法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮食糧管理特別會計法案
朝鮮食糧管理特別會計法
第一條朝鮮總督府ニ於テ食糧ヲ管理ス
ル爲特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以テ
其ノ歲出ニ充ツ
第二條本會計ニ屬スル經費ヲ支辨スル
爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔
ニ於テ借入金ヲ爲スコトヲ得
第三條食糧ノ買入代價ハ內地、臺灣又
ハ外國ヨリ直接ニ買入ルル場合ヲ除ク
ノ外一年內ニ償還スベキ證劵ヲ以テ其
ノ額面金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證劵ハ無記名證劵トス
第一項ノ規定ニ依リ交付スル爲政府ハ
證劵ヲ發行スルコトヲ得
第四條政府ノ指定スル銀行ハ前條ノ證
劵ノ所持人ノ請求ニ依リ政府ノ定ムル
步合ヲ以テ其ノ證劵ノ割引ヲ爲スベシ
第五條第三條ノ規定ニ依リ發行スル證
劵ノ借換ノ爲政府ハ借入金ヲ爲シ又ハ
一年內ニ償還スベキ證劵ヲ發行スルコ
トヲ得其ノ借換ニ付亦同ジ
第六條本會計ノ負擔ニ屬スル證劵及借
入金ノ額ハ通ジテ最高十億圓トス
第七條本會計ノ負擔ニ屬スル證劵及借
入金ノ償還金及利子竝ニ證劵ノ發行及
償還ニ關スル諸費ノ支出ニ必要ナル金
額ハ之ヲ每年度國債整理基金特別會計
ニ繰入ルベシ
第八條本會計ニ於テハ食糧ノ賣渡代
金、借入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入
トシ食糧ノ買入代金、食糧ノ買入賣渡交
換貸付交付加工製造貯藏檢査及運搬ニ
關スル諸費、朝鮮總督府特別會計ヘノ繰
入金、證劵及借入金ノ償還金及利子其
ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第九條前條ノ朝鮮總督府特別會計ヘノ
繰入金ノ額ハ本會計ニ於テ移出又ハ輸
出ヲ目的トシテ賣渡シタル米穀ニ付朝
鮮總督府特別會計ヨリ支出シタル生產·
ヲ確保スル爲ノ補給金ニ相當スル金額
ヲ限度トス
第十條食糧ノ買入數量ノ增加其ノ他避
クベカラザル事由ニ因リ生ジタル豫算
ノ不足ヲ補フ爲歲出豫算ニ豫備費ヲ設
クルコトヲ得
第十一條本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘
裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入
ルベシ
第十二條本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生
ジタルトキハ之ヲ翌年度ノ歲入ニ繰入
ルベシ
本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケル支出
殘額ハ遞次之ヲ翌年度ニ繰越シ使用ス
ルコトヲ得
第十三條政府ハ每年本會計ノ歲入歲出
豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ
之ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十四條本會計ノ收入支出ニ關スル規
程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
昭和十八年度ニ於テ本會計ニ屬スル經費
ノ支拂上現金ニ不足アルトキハ本會計ノ
負擔ニ於テ一時借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ當該年度
內ニ之ヲ返還スベシ
國債整理基金特別會計法中左ノ通改正ス
第二條第四項中「〓糧證劵」ノ下ニ「、朝鮮
食糧證劵」ヲ加フ
食糧管理特別會計法中左ノ通改正ス
第三條第一項中「買入代價ハ」ノ下ニ「朝
鮮」ヲ加フ
第六條中「賣渡代金、」ノ下ニ「一般會計ヨ
リノ受入金、」ヲ加フ
第六條ノ二ヲ第六條ノ三トス
第六條ノ二前條ノ一般會計ヨリノ受入
金ノ額ハ本會計ニ於テ朝鮮又ハ臺灣ヨ
リ移入シタル米穀ニ付朝鮮總督府特別
會計又ハ臺灣總督府特別會計ニ於テ支
出シタル生產ヲ確保スル爲ノ補給金ニ
相當スル金額ヲ限度トス
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ
財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律
案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ
財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律
案
第一條朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保
スル爲ノ補給金及企業ノ整備ニ要スル
經費ノ財源ニ充ツル爲政府ハ一億三百
三十萬圓ヲ限リ公債ヲ發行シ又ハ借入
金ヲ爲スコトヲ得
第二條前條ノ規定ニ依ル公債ノ發行價
格差減額ヲ補塡スル爲必要アル場合ニ
於テハ前條ノ制限以外ニ公債ヲ發行シ
又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朝鮮事業公債法第一條中「交付スル爲」ノ
下ニ「及朝鮮ニ於テ事業ヲ營ムコトヲ目
的トシテ特別ノ法令ニ依リ設立セラレタ
ル法人ニ對シ公債ノ交付ニ依ル出資ヲ爲
ス爲」ヲ加ヘ「二十三億九千四百七十萬
圓」ヲ「二十四億千四百十萬圓」三ノハ
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ
關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ
關スル法律案
第一條臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保
スル爲ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲政府
ハ二千三百五十萬圓ヲ限リ公債ヲ發行
シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
第二條前條ノ規定ニ依ル公債ノ發行價
格差減額ヲ補塡スル爲必要アル場合ニ
於テハ前條ノ制限以外ニ公債ヲ發行シ
又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年法律第九十四號第二條中「奬
勵金」ノ下ニ「又ハ補給金」ヲ加フ
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=3
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004・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ朝鮮食糧管理特別會計法案外二件ニ
付キマシテ、提案ノ理由ヲ說明致シマス、先
ヅ朝鮮食糧管理特別會計法案ニ付申上ゲマ
ス、現下ノ情勢ニ顧ミ、內外地ヲ通ズル食
糧ノ自給態勢ヲ確立致シ、以テ國民經濟生
活ノ安定ヲ圖リマスル爲、今囘朝鮮總督府
ニ於テ〓糧ヲ管理シ、其ノ買入、賣渡、交
換、貯藏等ヲ行フコトト相成ッタノデアリマ
スルガ、右ニ關スル一切ノ歲入歲出ハ、之ヲ
他ノ會計ト區分シテ經理スルノヲ適當ト認
メマスル處、之ガ爲ニハ特別會計ヲ設置ス
ルノ必要ガアリマス、是等ノ爲ニ本法律案
ヲ提出致シタ次第デアリマス、次ニ朝鮮ニ
於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ補給金及
企業ノ整備ニ要スル經費ノ財源ニ充ツル爲
公債發行ニ關スル法律案ニ付キマシテ說明
ヲ致シマス、內外地ヲ通ズル主要食糧ノ現
狀ニ顧ミマシテ、內地ノ施策ニ卽應シテ、
朝鮮ニ於テモ米穀ノ生產ヲ確保スルノ要ガア
ルノデアリマスルガ、之ニ付キマシテハ、内地
ト趣キヲ同ジクシテ補給金ヲ交付スルコト
ト致シ、又內地ニ於ケル企業ノ整備ニ卽應
致シマシテ、朝鮮ニ於テモ企業ノ整備ヲ行
フノ要ガアリマス、之ガ經費ノ支出ヲ要ス
ルノデアリマスルガ、其ノ財源ニ付キマシ
テハ、朝鮮總督府特別會計ニ於ケル財政ノ
現情ニ顧ミマシテ、一部ヲ公債ニ依ルノ必
要ガアリマス、仍テ總額一億三百三十萬圓
ヲ限リ、起債ノ權能ヲ得ルノ必要ガアルノ
デアリマス、尙本法律案ノ附則ニ於キマシ
テ、朝鮮事業公債法ヲ改正致シテ居リマス
ルガ、右ハ今囘朝鮮食糧營團等、朝鮮ニ於テ
事業ヲ營ムコトヲ目的ト致シテ特別ノ法令
ニ依ッテ設立セラレマスル所ノ法人ニ對シ
マシテ、公債ノ交付ニ依ッテ出資ヲ爲スコト
ト致シ、之ガ爲同法ニ規定スル公債ノ發行
限度法定額ヲ千九百四十萬圓ダケ、其ノ限
度ヲ增加セムトスルモノデアリマス、以上
ノ理由ニ依リ本法律案ヲ提出致シマシタ次
第デアリマス、次ニ臺灣ニ於ケル米穀ノ生
產ヲ確保スル爲ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲
公債發行ニ關スル法律案ニ付說明申上ゲマ
ス、臺灣ニ於キマシテモ內地ノ施策ニ卽應
シ、米穀ノ生產ヲ確保シマスル爲、之ニ必
要ナル補給金ヲ交付セムトスルモノデアリ
マスルガ、之ガ經費ノ財源ノ一部ニ付キマ
シテハ、臺灣總督府特別會計ニ於ケル財政
ノ現情ニ顧ミマシテ、公債ニ依ルノ必要ガ
アリマスルノデ、總額二千三百五十萬圓ヲ
限リ、起債ノ權能ヲ得ルノ必要ガアルノデ
アリマス、尙臺灣ヨリ輸出又ハ移出スル米
穀ニ付キマシテハ臺灣總督府特別會計ニ
於テ支出致シマスル補給金ヲ加ヘタル價格
ヲ以テ賣渡スコトト相成ッテ居リマス、仍テ
右補給金相當額ハ、之ヲ收入致シマスル臺
灣米穀移出管理特別會計カラ臺灣總督府自
體ノ會計ニ繰入ルヽコトガ必要デアリマス
ルノデ、昭和十六年法律第九十四號臺灣米
穀移出管理特別會計法ノ特例ニ關スル法律
第二條中、所要ノ改正ヲ、本法律案ノ附則
ニ於テ行ハムト致シテ居ルモノデアリマス、
以上ノ理由ニ依リ本法律案ヲ提出致シマシ
タ次第デアリマス、以上三件ノ法律案ニ付
キマシテ、何卒御審議ノ上速カニ協贊ヲ與
ヘラレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=4
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005・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
朝鮮食糧管理特別會計法案外二件ノ特別委
員ヲ十九名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ
一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=5
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006・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=6
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007・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=7
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008・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔小野寺書記官朗讀〕
朝鮮食糧管理特別會計法案外二件特別委
員
公爵一條實孝君侯爵池田宣政君
伯爵兒玉秀雄君關屋貞三郞君
子爵八條隆正君子爵西尾忠方君
子爵裏松友光君下條康麿君
大野綠一郞君內田重成君
田口弼一君男爵三須精一君
男爵稻田昌植君男爵坊城俊賢君
赤池濃君結城安次君
米原章三君山上岩二君
柴田兵一郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=8
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009・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第四、
企業整備資金措置法案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會、賀屋大藏大臣
企業整備資金措置法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
企業整備資金措置法案
企業整備資金措置法
第一條本法ハ大東亞戰爭ニ際シ企業整
備ニ關シ之ガ促進ヲ圖リ浮動購買力ノ
發生ヲ防止シ國家經濟ノ秩序ヲ維持ス
ルヲ以テ目的トス
第二條政府ハ前條ノ目的達成ノ爲必要
アリト認ムルトキハ廢止又ハ休止シタ
ル事業ニ屬スル設備、權利其ノ他ノ資
產ノ保有ヲ爲シ又ハ保有若ハ處分ノ目
的ヲ以テスル買取ヲ爲ス者ニ對シ其ノ
保有若ハ買取ニ因リ蒙リタル損失ヲ補
償シ又ハ補助金ヲ交付スルノ契約ヲ爲
スコトヲ得
前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ主務大臣
大藏大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第一項ノ補償金及補助金ノ額ニ付テハ
豫メ帝國議會ノ協贊ヲ求ムベシ
第三條政府ハ第一條ノ目的達成ノ爲必
要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所
ニ依リ補償金又ハ土地、建物、船舶、
設備若ハ權利ノ買收代金ノ債務ニ付其
ノ全部又ハ一部ノ支拂ニ代ヘ之ヲ債主
ヨリノ政府特殊借入金ト爲シ又ハ債主
ニ對シ當該買收代金ノ全部若ハ一部ヲ
第六條若ハ第七條ノ規定ニ準ジ債主ノ
特殊預金若ハ債主ヲ信託者及受益者ト
スル特殊金錢信託ト爲スベキコトヲ命
ズルコトヲ得
第四條左ノ各號ノ場合ニ於ケル金錢債
務ノ決濟ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第五
條ニ規定スル決濟方法ニシテ債權者又
ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ選擇
シタルモノニ依リ之ヲ爲スコトヲ要ス
事業ノ全部又ハ一部ノ讓渡アリタ
ルトキ
二事業ニ屬スル設備又ハ權利ノ全部
又ハ一部ノ讓渡又ハ收用アリタルト
キ
三株式又ハ出資ノ持分ノ讓渡アリタ
ルトキ
四其ノ他勅令ヲ以テ定ムルトキ
前項ノ規定ハ國民更生金庫ガ國民更生
金庫法第十七條ノ規定ニ依リ資金ノ融
通ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ
於テハ國民更生金庫ヲ債務者、資金ノ
融通ヲ受クル者ヲ債權者ト看做ス
第五條前條ノ金錢債務ノ決濟方法ハ左
ノ五種トス
-特殊預金ト爲スコト
二特殊金錢信託ト爲スコト
三債務者特殊借入金ト爲スコト
四戰時金融金庫特殊借入金ト爲スコ
ト
五政府特殊借入金ト爲スコト
第六條特殊預金ノ方法ニ依ル決濟ハ債
務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ支拂
フベキ金額ノ全部又ハ一部ヲ政府ノ指
定スル金融機關ヘノ債權者ノ預金ト爲
スコトニ依リテ之ヲ爲ス
前項ノ場合ニ於テ當該金融機關ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ特殊預金ノ取扱ヲ爲
スコトヲ要ス第一項ノ場合ニ於テ政府
必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ當該金融機關ニ對シ債務者ニ
當該特殊預金ヲ爲スニ必要ナル資金ノ
融通ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ
得
第七條特殊金錢信託ノ方法ニ依ル決濟
ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
支拂フベキ金額ノ全部又ハ一部ヲ政府
ノ指定スル金融機關ヘノ債權者ヲ信託
者及受益者トスル金錢信託ト爲スコト
ニ依リテ之ヲ爲ス
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場
合ニ之ヲ準用ス
第八條債務者特殊借入金ノ方法ニ依ル
決濟ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ
其ノ支拂フベキ金額ノ全部又ハ一部ヲ
債權者ヨリノ債務者ノ借入金ト爲スコ
トニ依リテ之ヲ爲ス
第九條戰時金融金庫特殊借入金ノ方法
ニ依ル決濟ハ債務者ガ命令ノ定ムル所
ニ依リ其ノ支拂フベキ金額ノ全部又ハ
一部ヲ戰時金融金庫ニ納付シ債權者ヨ
リノ戰時金融金庫ノ借入金ト爲スコト
ニ依リテ之ヲ爲ス
第六條第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之
ヲ準用ス
第十條政府特殊借入金ノ方法ニ依ル決
濟ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其
ノ支拂フベキ金額ノ全部又ハ一部ヲ政
府ニ納付シ債權者ヨリノ政府ノ借入金
ト爲スコトニ依リテ之ヲ爲ス
前項ノ場合ニ於テ政府必要アリト認ム
ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ債務者
ノ納付スベキ金額ノ全部又ハ一部ヲ納
付セシメズシテ之ヲ債務者ニ對スル政
府特殊債權ト爲スコトヲ得
第十一條政府特殊借入金、特殊預金、
特殊金錢信託、債務者特殊借入金、戰
時金融金庫特殊借入金、政府特殊債權
及第六條第三項(第七條第二項及第九
條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)
ノ規定ニ依リ融通スル資金ノ利率、期
限其ノ他ノ條件ハ大藏大臣之ヲ定ム
第十二條特殊預金又ハ特殊金錢信託ノ
期限前ノ拂戾又ハ解除及債務者特殊借
入金又ハ戰時金融金庫特殊借入金ノ期
限前ノ償還ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ許可ヲ受クルコトヲ要ス
政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府特殊
借入金ノ全部又ハ一部ニ付期限前ノ償
還ヲ爲スコトヲ得
第十三條政府ハ特殊預金又ハ特殊金錢
信託ノ取扱ヲ爲ス金融機關ニ對シ補助
金ヲ交付シ又ハ第六條第三項(第七條
第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ
規定ニ依リ資金ノ融通ヲ爲シタルニ因
リ蒙リタル損失ヲ補償スルノ契約ヲ爲
スコトヲ得
前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ大藏大臣
之ヲ定ム
第一項ノ補助金及補償金ノ額ニ付テハ
豫メ帝國議會ノ協賛ヲ求ムベシ
政府ハ債務者特殊借入金又ハ戰時金融
金庫特殊借入金ノ元利支拂ヲ保證スル
ノ契約ヲ爲スコトヲ得
第十條第一項ノ政府特殊借入金及前項
ノ規定ニ依リ保證スベキ元本ノ額ニ付
テハ之ヲ通ジ豫メ帝國議會ノ協贊ヲ求
六>
第十四條政府特殊借入金、特殊預金、特
殊金錢信託、債務者特殊借入金及戰時
金融金庫特殊借入金ノ債權ハ之ヲ讓渡
シ又ハ擔保ニ供スルコトヲ得ズ但シ左
ノ各號ノ場合ニ於テ命令ノ定ムル所ニ
依リ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ
限ニ在ラズ
-政府ノ指定スル金融機關ニ讓渡セ
ントスルトキ
二政府ノ指定スル金融機關ニ擔保ニ
供シテ貸付ヲ受ケントスルトキ
三其ノ他勅令ヲ以テ定ムルトキ
前項各號ノ場合ニ於テ前項ノ認可アリ
タルトキハ當該金融機關ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ前項ノ債權ヲ讓受ケ又ハ之
ヲ擔保トシテ貸付ヲ爲スコトヲ要ス此
ノ場合ニ於テハ當該金融機關ハ他ノ法
令ノ規定ニ拘ラズ前項ノ債權ノ讓受又
ハ之ヲ擔保トスル貸付ノ業務ヲ行フコ
トヲ得
前項ノ規定ハ元利支拂ニ付政府ノ保證
ナキ債務者特殊借入金ノ債權ニ關シテ
ハ之ヲ適用セズ
第一項ノ規定ハ第一項ノ債權ニ對シ强
制執行又ハ國稅徵收法ノ規定若ハ國稅
徵收ノ例ニ依ル滯納處分ヲ爲スコトヲ
妨ゲズ
第十五條政府特殊借入金及政府特殊債
權ニ關スル事務ハ命令ノ定ムル所ニ依
リ之ヲ日本銀行ヲシテ取扱ハシムルコ
トヲ得
前項ノ事務ノ取扱ニ要スル經費ハ日本
銀行ノ負擔トス
政府ハ日本銀行ニ命ジ政府特殊借入金
ノ元利支拂ヲ爲サシムル爲之ガ資金ヲ
日本銀行ニ交付スルコトヲ得
第十六條本法ニ規定スルモノノ外政府
特殊借入金、特殊預金、特殊金錢信託、
債務者特殊借入金、戰時金融金庫特殊
借入金、政府特殊債權及第六條第三項
(第七條第二項及第九條第二項ニ於テ
準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リテ
爲ス資金ノ融通ニ關シ必要ナル事項ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條命令ヲ以テ定ムル會社ノ營業
ノ全部ノ讓渡又ハ解散ニ關スル株主總
會若ハ社員總會ノ決議又ハ總社員ノ同意
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ
受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
命令ヲ以テ定ムル會社ハ他ノ法令ノ規
定ニ拘ラズ存立時期ノ滿了其ノ他定款
ニ定メタル解散事由ノ發生ニ依リテハ
解散セズ
第十八條政府ハ第一條ノ目的達成ノ爲
必要アリト認ムルトキハ命令ヲ以テ定
ムル會社ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ
目的若ハ存立時期其ノ他解散事由ニ關
シ定款ノ變更ヲ命ジ又ハ會社ヲ繼續ス
ベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十九條政府ハ第一條ノ目的達成ノ爲
必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ設備、權利其ノ他ノ資產ノ出
資又ハ讓渡等ニ因リ資產ノ大部分ガ有
價證劵又ハ債權ト爲リタル會社ニ對シ
信託會社又ハ信託業務ヲ營ム銀行以
下信託業者ト總稱ス)ニ其ノ資產ヲ信
託シ又ハ其ノ資產ノ管理ヲ委託スベキ
コトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ信託業者ハ資產ノ
信託ノ引受ヲ爲シ又ハ資產ノ管理ヲ受
託スルコトヲ要ス
前二項ノ場合ニ於テハ信託業者ハ信託
業法第四條ノ規定ニ拘ラズ同條ニ揭グ
ル財產以外ノ財產ノ信託ノ引受ヲ爲ス
コトヲ得
政府ハ第一項ノ規定ニ基ク命令ニ依リ
信託業者ニ其ノ資產ヲ信託シ又ハ其ノ
資產ノ管理ヲ委託シタル會社ニ對シ他
ノ法令ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所
ニ依リ役員ノ數ヲ減少スベキコトヲ命
ズルコト得
前項ノ資產ヲ信託シ又ハ資產ノ管理ヲ
委託シタル會社ノ株主總會又ハ社員總
會ノ招集ニ關シテハ他ノ法令ノ規定ニ
拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
第二十條企業整備ニ關シ營業ノ全部又
ハ一部ヲ廢止又ハ休止シタル會社及法
令、法令ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指
導若ハ斡旋ニ依リ繼續又ハ合併ヲ爲シ
タル會社ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ政府
ノ許可ヲ受ケ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ
其ノ經理ニ付必要ナル措置ヲ爲スコト
ヲ得
第二十一條政府ハ第一條ノ目的達成ノ
爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ會社ノ資本ノ增加ニ關シ必
要ナル命令ヲ爲シ又ハ其ノ減少ヲ制限スル
コトヲ得
第二十二條企業整備ニ關シ法令、法令
ニ基ク命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡
旋ニ依リテ爲ス會社ノ設立、繼續、定
款ノ變更、營業ノ全部若ハ一部ノ讓渡
若ハ讓受、合併又ハ資本ノ增加ニ關シ
テハ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以
テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十三條命令ヲ以テ定ムル法人解散
シタルトキハ其ノ殘餘財產ノ分配ハ金
錢以外ノモノヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ法人ノ〓算人ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ法人財產ノ換價其ノ他ノ處分及
殘餘財產ノ分配ニ付裁判所ノ許可ヲ受
クルコトヲ要ス
裁判所ハ第一項ノ法人ノ〓算人ニ對シ
法人財產ノ換價其ノ他ノ處分及殘餘財
產ノ分配ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコ
トヲ得
行政官廳ハ第一項ノ法人ノ〓算ニ關シ
裁判所ニ對シ必要ナル意見ヲ述ブルコ
トヲ得
第二十四條政府ハ第一條ノ目的達成ノ
爲必要アリト認ムルトキハ企業整備ニ
關シ事業ノ全部又ハ一部ヲ廢止又ハ休
止シタル者、事業ニ屬スル設備、權利
其ノ他ノ資產ヲ取得又ハ處分シタル者
及此等ノ者ト債務關係アル者ノ金錢債
務ノ條件、擔保等ノ調整ニ關シ命令ノ
定ムル所ニ依リ必要ナル指示ヲ爲スコ
トヲ得
政府ハ前項ノ規定ニ依ル指示ニ從ヒタ
ル者ニ對シ其ノ指示ニ從ヒタルニ因リ
蒙リタル損失ヲ補償スルノ契約ヲ爲ス
コトヲ得
前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ大藏大臣
之ヲ定ム
第二項ノ補償金ノ額ニ付テハ豫メ帝國
議會ノ協贊ヲ求ムベシ
第二十五條政府ハ必要アリト認ムルト
キハ命令ノ定ムル所ニ依リ報〓ヲ徵シ
又ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨
檢シ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシ
ムルコトヲ得
第二十六條本法ノ施行ニ關スル重要事
項ニ付政府ノ諮問ニ應ズル爲企業整備
資金委員會ヲ置ク
企業整備資金委員會ノ組織及權限ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條企業整備ニ關シ轉業又ハ廢
業ヲ爲ス商工業者等ガ國民更生金庫ニ
對シ讓渡其ノ他ノ處分ヲ爲ス資產ノ評
價ニ關スル事項ハ轉廢業者資產評價委
員會ノ議ヲ經ルコトヲ要ス
企業整備ニ關シ產業設備營團ガ產業設
備營團法第十七條第一項第一號又ハ第
五號ノ規定ニ依リ買受クル設備ノ評價
ニ關スル事項ハ產業設備評價委員會ノ
議ヲ經ルコトヲ要ス
轉廢業者資產評價委員會及產業設備評
價委員會ノ組織及權限ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第二十八條政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依
リ勅令ヲ以テ定ムル者ヲシテ本法ニ規
定スル職權ノ一部ヲ行ハシムルコトヲ
得
第二十九條左ノ各號ノ一ニ該當スル者
ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰
金ニ處ス
-第三條ノ規定ニ基ク命令ニ違反シ
タル者
一一第四條ノ規定ニ違反シタル者
三第二十三條第二項ノ規定ニ違反シ
又ハ同條第三項ノ規定ニ基ク命令ニ
違反シタル者
第三十條左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ
六月以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ
處ス
一第六條第二項(第七條第二項ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違
反シタル者
二第十二條第一項ノ規定ニ違反シタ
ル者
三第十四條第二項ノ規定ニ違反シタ
ル者
四第十八條ノ規定ニ基ク命令ニ違反
シタル者
五第十九條第一項若ハ第四項ノ規定
ニ基ク命令ニ違反シ又ハ同條第二項
ノ規定ニ違反シタル者
六第二十一條ノ規定ニ基ク命令又ハ
制限ニ違反シタル者
七第二十五條ノ規定ニ依ル臨檢檢査
ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第三十一條第二十五條ノ規定ニ依ル報
告ヲ爲サズ若ハ虚僞ノ報告ヲ爲シ又ハ
本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依
リ提出スル書類ニ虚僞ノ記載ヲ爲シタ
ル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十二條法人ノ代表者又ハ法人若ハ
人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ
其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第二十九
條、第三十條第一號乃至第六號又ハ前
條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者
ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ各
本條ノ罰金刑ヲ科ス
第三十三條當該官吏其ノ他勅令ヲ以テ
定ムル者、第二十八條ノ規定ニ依リ政
府ノ職權ノ一部ヲ行フ者(其ノ者ガ法
人ナルトキハ當該職權ニ屬スル事務ニ
從事スル職員)、政府特殊借入金若ハ政
府特殊債權ニ關スル事務ニ從事スル日
本銀行職員又ハ此等ノ職ニ在リタル者
本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得タル法
人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏洩シ又ハ
竊用シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ
二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十四條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施行
スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅令ヲ
以テ特別ノ定ヲ爲スコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
臨時租稅措置法中左ノ通改正ス
第一條ノ四ニ左ノ一號ヲ加フ
六法人ノ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於
ケル資產ノ評價換ニ因ル益金
第一條ノ十八中「命令ヲ以テ定ムル者ニ」
ヲ削リ「有價證券」ノ下ニ「其ノ他命令
ヲ以テ定ムルモノ」ヲ加フ
第一條ノ二十八中「命令ヲ以テ定ムル者
ニ一ヲ削ル
第一條ノ二十九企業整備資金措置法ニ
規定スル政府特殊借入金ノ利子ニ付テ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ分類所得稅ヲ
輕減シ又ハ所得稅法ニ依ル所得若ハ法
人稅法ニ依ル所得ノ計算ニ關シ特例ヲ
設クルコトヲ得
命令ヲ以テ定ムル金融機關ガ前項ノ政
府特殊借入金ノ債權ヲ擔保トシテ貸付
ケタル貸付金ノ利子ニ付テハ法人稅法
ニ依ル所得ノ計算ニ關シ命令ヲ以テ特
例ヲ設クルコトヲ得
第一條ノ三十法令、法令ニ基ク命令又
ハ行政官廳ノ指導若ハ幹旋ニ依リ昭和
十八年一月一日以後ニ於テ其ノ事業ノ
全部又ハ一部ヲ廢止又ハ休止シタル法
人ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ付テ
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ廢止又ハ休止
ノ日以後ニ於テ納付スベキ所得稅、法人
税營業稅又ハ臨時利得稅ヲ輕減スル
コトヲ得
國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=9
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010・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ企業整備資金措置法案ニ付キマシテ、
提案ノ理由ヲ說明致シマス、大東亞戰爭ガ
決戰段階ニ入ルニ對處致シマシテ、戰爭ノ
完遂ヲ確乎不拔ノモノタラシムル爲ニハ
皇國ノ綜合戰力ヲ急速且最高度ニ增强發揮
スルノ要緊切ナルモノガアルノデアリマス、
之ガ爲ノ重要ナル手段ト致シマシテ、政府
ハ從來行ヒ來リマシタ企業ノ整備ヲ擴充シ
マシテ、此ノ際更ニ大規模ナル企業整備ヲ
斷行致サムトスルモノデアリマス、而シテ
大規模ノ企業整備ヲ斷行スルコトト相成リ
マスレバ、普通ノ決濟方法ニ依リマスル時
三ハ、之ニ伴ヒマシテ莫大ナル資金ノ移動
ヲ生ズルノデアリマス、巨額ナル資金ガ所
謂浮動購買力化シ、種々ノ弊害ヲ釀シマシ
テ、戰時經濟ノ運營上由々シキ不安ヲ惹起
スル虞ガアルノデアリマス、戰時生產ノ能
率ヲ發揮致シマスル爲ニハ、其ノ基礎的要
件ト致シマシテ、國內經濟ノ秩序ガ維持セ
ラレ、通貨物資等ノ狀態及ビ之ニ關スル運
營ガ健全ニ確保セラルヽコトヲ必要ト致ス
ノデアリマス、而シテ之ガ爲必要ナル金融
ノ統制ニ付キマシテハ、支那事變以來、
億國民ノ熱烈ナル協力實踐ニ依リマスル國
民貯蓄ノ增强ト、他面資金使用部面ニ於キマ
スル各種ノ調整等ト相俟ッテ、克ク大戰下
ノ要請ニ應へ來ッタノデアリマス、併シナ
ガラ大ナル企業整備ガ行ハルヽコトト相成
リマスル時ハ、之ニ關スル資金ノ移動ハ、
普通ノ場合ヨリモ其ノ趣ヲ異ニ致シマシテ、
資本的ナル物ノ移動ニ伴フモノデアリマシ
テ、此ノ場合ニ於テハ新タナル生產行爲無
ク、卽チ之ガ爲資材勞力等ニ對スル經費ノ
支拂ノ必要ナクシテ、旣存ノ設備等ヲ賣却
讓渡致シマシテ、從ッテ多額ノ資金受入
ガ行ハレマスル結果、巨額ナル受入資金ハ、
所謂浮動購買力化スルノ危際ガ多分ニ存ス
ルノデアリマス、而シテ生產行爲ヲ伴フ場
合ニ比較致シマシテ、其ノ代金ハ、之ヲ受
入レタル側ニ於キマシテ其ノ儘保有致シマ
シテ差支ノナイ筋合ノモノデアリマス、從
ヒマシテ企業整備ニ當リマシテハ、現金ノ
移動ヲ伴ハヌ方法ニ依リマシテ、之ヲ決濟
セシムルノ必要ガアルノデアリマス、現金
ノ移動ヲ伴ハナイ決濟ノ方法ト致シマシテ
ハ、一應國債其ノ他ノ有價證劵ノ交付ト云
フコトモ考ヘラレルノデアリマス、併シ此
ノ場合ニ於キマシテハ、其ノ有價證劵ガ轉々
流通ヲ致ス實際上、場合ガ多イ觀測デアリ
マス、而シテ其ノ轉々流通ヲ阻止スル方法
ヲ講ジマスルト致シマスレバ、元來自由ニ
流通シ得ルト云フコトガ一ツノ性格デアリ
マスル有價證劵ノ流通ヲ、大イナル範圍ニ
於テ制限スルコトトナリマス、例外的ニ斯
クノ如キ事ガアリマスルノハ差支アリマセ
スガ、今囘ノ如キ大規模ナル企業ノ整備、
數十億圓ノ資金ノ移動ヲ伴ヒマスル場合
ニ、其ノ大部分ノ支拂ニ付キマシテ、其ノ
有價證劵ニ付キマシテ制限ヲ致シマスルガ
如キコトハ、國債證劵等ノ性質ニ鑑ミマシ
テ適當デナイノデアリマス、斯カル考案ノ
下ニ、今囘ハ特殊ナル決濟方法ノ新構想ヲ
採用スル必要ガ生ジタノデアリマシテ、是
ガ本法律案ヲ提出スルニ至リマシタ理由デ
アリマス、是ヨリ本案ノ內容ノ〓略ニ付キ
マシテ說明ヲ申上ゲマス、先ヅ本案ニ於キ
マシテ、斯カル資金ノ決濟ニ當リ、特殊預
金特殊金錢信託、債務者特殊借入金、戰
時金融金庫特殊借入金、政府特殊借入金、
此ノ五ツノ新タナル方法ヲ設ケマシテ、債
權者ヲシテ〓ネ其ノ欲スル所ニ依リ選擇ス
ルノ餘地ヲ廣カラシムルニ努メテ居ルノデ
アリマス、特殊預金ノ方法ト申シマスルノ
ハ、債務者ガ支拂ヲ要スル金額ヲ、政府ノ
指定スル金融機關ヘノ債權者ノ預金ト爲ス
コトニ依リ決濟ヲ致スモノデアリマス、特
殊金錢信託ノ方法ト申シマスルノハ、債務者
ガ支拂ヲ要スル金額ヲ、政府〓指定スル金融
機關へノ債權者ヲ信託者及受益者トスル金錢
信託ト爲スコトニ依リ決濟スルモノデアリマ
ス、債務者特殊借入金ノ方法トハ、債務者ガ
支拂ヲ要スル金額ヲ、債權者ヨリノ債務者ノ
借入金ト爲スコトニ依リ決濟ヲ致スモノデ
アリマス、戰時金融金庫特殊借入金ノ方法ト
申シマスルハ、債務者ガ支拂ヲ要スル金額
ヲ戰時金融金庫ニ納付シ、債權者ヨリノ戰
時金融金庫ノ借入金下爲スコトニ依リ決濟ヲ
致スモノデアリマス、又政府特殊借入金ノ方法
ニ係ル決濟ハ、債務者ガ支拂ヲ要スル金額
ヲ政府ニ納付シ、債權者ヨリノ政府借入金
ト爲スコトニ依リ決濟ヲ致スモノデアリマ
ス、而シテ是等ノ方法ヲ採ル場合、政府ハ
必要ニ應ジ當該金融機關ニ對シ、所要ノ資
金ノ融通ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
ルコトト致シテ居ルノデアリマス、以上申
述ベマシタ五ツノ方法ニ依リ生ジマスル債
權ニ付キマシテハ、一般的ニハ、之ヲ讓渡
シ又ハ擔保ニ供スルコトハ認メナイノデア
リマス、併シナガラ債權者ガ從前ヨリノ從
業者ニ對スル退職給與金ノ給與、納稅、債
務ノ辨濟、時局緊要產業ヘノ投資等、債權
者ガ現金ヲ必要ト致シマスル理由ガ適當デ
アリマスル場合ニハ迅速確實ニ資金化シ
得ル特殊方法ヲ講ズルモノデアリマス、卽
チ政府ノ定メタル手續ニ依リ、是等ノ場
合、政府特殊借入金、特殊預金、特殊金錢
信託、債務者特殊借入金、又ハ戰時金融金
庫特殊借入金ニ付テハ、債權者ガ是等ノ債
權ヲ政府ノ指定スル金融機關ニ讓渡シ、又
ハ之ヲ擔保ニ供シテ資金ノ供給ヲ受ケ得ル
コトト致シテ居ルノデアリマス、其ノ外特
殊預金、特殊金錢信託ニ付キマシテハ、之
ガ拂戾又ハ解除ヲ受ケ、又債務者特殊借入
金戰時金融金庫特殊借入金ニ付キマシテ
ハ、之ガ償還ヲ受ケ得ルノ途ヲ設ケテ居ル
ノデアリマス、次ニ企業整備ニ依リマシテ
事業ヲ廢止又ハ休止セネバナラヌ會社ガ多
數生ズルコトトナルノデアリマスルガ、其
ノ際、通常ノ如ク會社ガ解散ヲ致シマシテ殘
餘財產ノ分配ヲ致シマスル時ハ、財產ノ分
解散逸ガ起リ、浮動購買力發生ノ機會ガ多
クナッテ參リマスルノデ、斯カル資產ノ分
散ヲ防ギ、會社ヲシテ是等財產ヲ一括保有セ
シメテ置キマスル爲、之ヲ各種特殊債權ノ
保有會社トシテ、繼續セシメ得ルニ必要ナ
ル規定ヲ設ケテアルノデアリマス、併シナ
ガラ斯カル事業經營ヲ行ハザル會社ニ付キ
マシテハ、其ノ資產ノ管理ヲ他ニ委託シテ、
其ノ資材、勞力、經費等ヲ節減スルノ極メ
テ簡單ナル形式ヲ執ル必要ガアリマスルノ
デ、政府ハ當該會社ニ命ジマシテ、信託會
社等ニ對シ資產ノ信託、或ハ其ノ管理ノ委
託ヲ爲シ得ルヤウ規定ヲ致シテ居ルノデア
リマス、又斯カル會社ノ經理ニ付キマシテ
モ、特段ノ措置ヲ執リ得ルコトト致シ、配
當率等ガ急激ニ變動ヲ致スコトヲ防止スル
措置ヲ講ゼムトスルモノデアリマス、尙特
ニ解散ヲ認ムル場合ニ於キマシテモ、裁判
所ガー算會社ニ對シ、浮動購買力化防止ト
云フ見地カラモ之ヲ監督シ得ルコトト致シ
テ居ルノデアリマス、此ノ外、他ノ企業ヲ
吸收セムトスル會社ニ對シ、必要ニ應ジ、政
府ニ於テ增資命令ヲ發シ、或ハ整備企業ニ
關係アル既存債權債務ニ付キマシテ、必要
ニ應ジ政府ヨリ指示ヲ爲シ得ルコトヲ規定
致シ、企業整備ノ促進ニ資セムトスルモノ
デアリマス、企業整備ハ、設備營業等ノ存廢
讓渡等ヲ國家的要請ニ依リマシテ行フモノ
デアリマスルカラ、之ガ實施ニ當リマシテ
ハ、其ノ際生ズル所ノ當事者ノ損失ヲ、國家
ノ負擔ニ於テ調整致シマスルコトガ必要デ
アルト考ヘルノデアリマス、仍テ政府ハ、
廢休·止シタル事業ニ屬スル設備權利其ノ他
ノ資產ノ保有、又ハ買取ヲ爲ス者ニ對シ、因
ツテ蒙ムリマシタ損失ヲ補償シ、又ハ補助金
ヲ交付スルコトト致シ、以テ整備ノ促進ヲ圖
ラムトスルモノデアリマス、尙企業、整備ニ
關聯シマシテ、當事者ガ租稅上過重ナル負
擔ヲ蒙ラナケレバナラヌガ如キコトガアリ
ト致シマスレバ、負擔ノ適正ヲ期シ得ザル
ノミナラズ、企業整備ノ圓滑ナル實施ヲ阻
碍致スコトト相成リマスノデ、租稅ノ減免
ニ付テ規定ヲ設ケ、政府特殊借入金ノ利子ニ
付テハ分類所得稅ヲ輕減スルコトトシ、又
車業ノ全部又ハ一部ヲ廢休止致シマスル法
人ニ對シマシテハ、其ノ事情ヲ見究メマシ
テ、法人稅、營業稅等ヲ輕減シ得ルコトト
致シテ居ルノデアリマス、本法案ノ要旨ハ
大體以上ノ通リデゴザイマス、而シテ政府
ト致シマシテハ、本法案ノ實施運營ニ當リ
マシテハ、事柄ノ性質ニ顧ミ、常ニ當事者ノ
同情スベキ立場ニ在ルト云フコトニ顧ミマ
シテ、當事者ニ不當ノ損失ヲ生ズルコ
トナカラシメ利害損益ヲ適正ナラシムルコ
ト、二、總テノ手續ヲ出來得ル限リ迅速簡
易ナラシムルコト、三、所要ノ資金化ヲ容
易確實ナラシムルコト、其ノ他成ルベク當
事者ノ利便ヲ計ルコトニ努ムル考デアリマ
ス、デハアリマスルガ、何サマ特殊ナル構
想ニ依ル新決濟方法ニ依ルモノデアリマス
ルカラ、當事者ニ於キマシテモ相當不便ヲ
感ゼラルヽ所モアラムカト存ズルノデアリ
マス、又關係金融機關等ニ於テハ、相當事務
ノ繁忙ヲ生ズルコトアリト考ヘラレルノデ
アリマス、併シナガラ斯カル方法ノ採用
ハ經濟秩序ノ維持、浮動購買力ノ防止ト云
フ戰時經濟ノ絕對的要請ヨリ出ヅルモノ
デアリマスルカラ、能ク其ノ根本ノ趣旨
及ビ具體的方法ノ內容ニ付諒解スルニ努メ
ラレ、十分國民特ニ關係者ノ御協力ラ願ヒ
タイト存ジテ居ルノデアリマス、今囘ノ企
業整備ニ依リ、積極的ニ戰爭生產力ノ增强
ヲ圖リ、他面惡性「インフレーション」防止
ト云フ重要目的ヲ達成シマシテ、兩者相俟ッ
テ國家物的綜合戰力ノ一大飛躍ヲ實現致シ
タイト存ズル次第デアリマス、何卒御審議
ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレムコトラ切望
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=10
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011・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマシタ
企業整備資金措置法案ノ特別委員ノ數ヲ二
十七名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任
スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=11
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012・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=12
-
013・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
耐議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=13
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014・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致サセ
マス
〔小野寺書記官朗讀〕
企業整備資金措置法案特別委員
公爵桂廣太郞君侯爵紐川護立君
侯爵中山輔親君伯爵山本〓君
子爵曾我祐邦君子爵大河內正敏君
子爵織田信恒君子爵大岡忠綱君
子爵阪谷希一君三井〓一郞君
川村竹治君伍堂卓雄君
柴田善三郞君左近司政三君
男爵久保田敬一君男爵東〓安君
男爵飯田精太郞君吉野信次君
男爵肝付兼英君男爵益田太郞君
坂野鉄次郞君竹內可吉君
瀧正雄君竹下豐次君
瀧川儀作君岩田宙造君
秋田三一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=14
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015・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐大行忠君) 日程第五、
昭和十八年法律第九號中改正法律案、政府
提出、衆議院送付、第一讀會、賀屋大藏大臣
昭和十八年法律第九號中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十八年法律第九號中改正法律案
昭和十八年法律第九號中左ノ通改正ス
第一條中「三十一億八千六百三十萬圓」ヲ
「三十四億九千九百五十萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
参照
昭和十八年法律第九號ハ昭和十八年度
一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲公債發
行ニ關スル法律ナリ
〔國務大臣賀屋興宣君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=15
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016・賀屋興宣
○國務大臣(賀屋興宣君) 只今議題トナリ
マシタ昭和十八年法律第九號中改正法律案
提出ノ理由ヲ說明致シマス、昭和十八年度
一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲必要ナル公
債ノ發行ニ關シマシテハ曩ニ第八十一回
帝國議會ノ協賛ヲ經テ昭和十八年法律第九
號ノ公布ヲ見テ居ルノデアリマスルガ、今囘
提出致シマシタ昭和十八年度歲入歲出總豫
算追加第一號ニ計上致シマシタ經費ノ財源
ノ一部ト致シマシテ、更ニ三億千三百二十
餘萬圓ヲ限リ公債ヲ發行スルコトヲ必要ト
致シマス爲、同法ニ規定スル公債ノ發行限
度法定額ヲ三億千三百二十餘萬圓ダケ增加
スルノ必要ガアリマスルノデ、本法律案ヲ
提出致シマシタ次第デアリマス、何卒御審
議ノ上速カニ協賛ヲ與ヘラレムコトヲ希望
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=16
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017・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマシタ昭
和十八年法律第九號中改正法律案ハ、昭和
十七年法律第二十三號中改正法律案ノ特別
委員ニ併託セラレムコトノ動議ヲ提出致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=17
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018・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=18
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019・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=19
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020・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=20
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021・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 日程第六、
國民更生金庫法中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會、岸商工大臣
國民更生金庫法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因テ議
院法第五十四條ニ依リ及送付候也
昭和十八年六月十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民更生金庫法中改正法律案
國民更生金庫法中左ノ通改正ス
第五條ノ三前條ノ規定ニ依ルノ外國民
更生金庫ノ資本金ヲ五千萬圓增加シ政
府之ヲ出資ス
第五條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ
規定ニ依ル政府ノ出資ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣岸信介君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=21
-
022・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題ト相成リ
マシタ國民更生金庫法中改正法律案ノ提案
理由ノ御說明ヲ申上ゲマス、大東亞戰爭ノ
現段階ニ於ケル情勢ニ鑑ミマシテ、政府ハ
我ガ國ノ綜合戰力、就中、直接戰力ヲ增强
スル目的ヲ以チマシテ、企業整備ヲ强力ニ
推進スルコトト相成ッタノデアリマスルガ、
之ニ伴フ轉廢業者ノ對策施設ニ付テハ、特
ニ萬遺憾ナキヲ期スル必要ガアルト存ズル
ノデアリマス、從來轉廢業ニ關スル施設ト
致シマシテハ、國民更生金庫、國民勤勞訓
練所、國民職業指導所ノ三大施設ノ活用ノ
外、中小商工業者共助費ニ對スル國庫補助、
租稅ノ減免等、諸般ノ措置ヲ講ジ、銳音轉
廢業ノ圓滑ナル推移ニ努力シ來ッタノデア
リマス、就中、國民更生金庫ハ政府ノ施設
ノ中心トナルモノデアリマシテ、企業整備
ノ進捗ニ伴ヒ、國民更生金庫ノ利用ハ近時
著シク增加シツヽアルノデアリマスルガ、
更ニ今次ノ戰力增强ヲ目途トスル此ノ企業
整備ヲ强力ニ實施致スニ當リマシテ、其ノ
利用者ハ飛躍的ニ激增致ス見込デアリマス
從ヒマシテ、是等利用者ノ需用ニ遺憾ナキ
ヲ期スル爲、玆ニ國民更生金庫ノ資金ノ充
實ヲ圖ル目的ヲ以チマシテ、同金庫ノ資本
金ヲ倍額ニ增加セムトスル次第デアリマス、
以上申述ベマシタ理由ニ依リマシテ本案ヲ
提出シタ次第デアリマスルガ、何卒御審議
ノ上速カニ協贊ヲ與ヘラレムコトヲ切望ス
ル次第デアリマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=22
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023・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマシタ
國民更生金庫法中改正法律案ハ、企業整備
資金措置法案ノ特別委員ニ併託セラレムコ
トノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=23
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024・秋田重季
○子爵秋田重季君 賛成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=24
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025・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=25
-
026・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員會審査ノ結果ヲ待ツ爲、
午後五時迄休憩ヲ致シマス
午前十時四十一分休憩
午後五時四分關議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=26
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027・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐住大行忠君) 報〓ヲ致サ
セマス
〔寺光書記官朗讀〕
本日委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ
氏名左ノ如シ
朝鮮食糧管理特別會計法案特別委員會
委目長伯爵兒玉秀雄君
副委員長男爵稻田昌植君
企業整備資金措器法案特別委員會
委日長子爵大河內正敏君
副委員長明爵市〓安君
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
昭和十八年度歲入歳出總豫算追加案第
(お)昭和十八年度各特別會計歲入歲出
豫算追加案(特第一號)豫算外國庫ノ負擔
トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件(追第
一號)可決報〓書
昭和十七年法律第二十三號中改正法律案
可決報〓書
昭和十八年法律第九號中改正法律案可決
報告書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=27
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028・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐太行忠君) 是ヨリ休憩
前ニ引續キ會議ヲ開キマス、此ノ際、昭和十
八年度歲入歲出總豫算追加案、第一號、昭
和十八年度冬特別會計歲入歲出豫算追加
案、特第一號、豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
契約ヲ爲スヲ要スル件、追第一號、是等ノ三
案ヲ議事日程ニ追加シ、一括シテ之ガ會議
ヲ開キ、委員長ノ報〓ヲ求メタイト存ジマ
ス、御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=28
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029・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、豫算委員長林伯爵
左ノ報告ハ卽讀ヲ經サルモ參照
ノタメ玆ニ載錄ス以下之ニ傚フ
一昭和十八年度歲入歲出總豫算案八分所
號)
一昭和十八年度各特別會計歲入歲出豫算
案(特第一號)
一豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ
爲スヲ要スル件(追第一號)
右衆議院ヨリ受領シタル各案ヲ審査シ總
テ衆議院議決案ノ通可決スヘキモノナリ
ト議決セリ依テ及報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員、長伯爵林博太郞
貴族院議長伯爵松平頼壽殿
〔伯爵林博太郞君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=29
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030・林博太郎
○伯爵林博太郞君 只今議題トナリマシタ
昭和十八年度歲入歲出豫算追加案、第一號、
同各特別會計歲入歲出豫算追加案、特第一
號、豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ
要スル件、追第一號、以上ノ三件ニ付キマ
シテ、豫算委員會ニ於ケル審査ノ經過竝ニ
結果ニ付テ御報〓ヲ致シマス、第一ニ、先
ヅ昭和十八年度歲入歲出總豫算追加案第一
號ノ內容ニ付テ申·上ゲマス、昭和十八年度
追加案第一號ニ計上セラレマシタ金額ハ、
歲入歲出共ニ六億二千萬餘圓デアリマス、
之ヲ前議會ニ成立致シマシタ金額ニ加ヘマ
スト云フト、昭和十八年度ノ豫算ハ、歲入
歲出共ニ百三十八億九千五百餘萬圓トナル
ノデアリマス、一、歲入、歲入追加額ハ、
臨時部六億二千萬餘圓デアリマシテ、其ク
事項別內譯ハ、公債金收入ノ增加ガ三億千
三百餘萬圓、前年度剩餘金繰入ノ增加ガ三
億圓デアリマス、而シテ右公債金收入ノ增
加ニ伴ヒ、昭和十八年度ニ於ケル一般會計
歲出豫算ノ財源タル公債發行豫定額ハ、第
八十一議會ニ於キマシテ成立致シマシタモ
ノト、今囘ノモノトヲ合セマシテ、歲入補
塡公債三十四億九千九百餘萬圓ト相成リマ
ス、其ノ他ガ二千餘萬圓、計三十五億千九
百餘萬圓ト相成リマスガ、之ニ臨時軍事費
特別會計ニ屬スル分、百七十一億六千三百
餘萬圓、其ノ他ノ特別會計ニ屬スル分、今
囘提出ニ係ルモノヲ含メマシテ、十一億七
千七百餘萬圓トナリマスカラ、之ヲ加ヘマ
スト、昭和十八年度ニ於ケル公債發行豫定
額ハ、總額デ二百十八億六千餘萬圓ニ達ス
ルノデアリマス、次ニ歲出ニ付テ申シマス
ガ、歲出追加額ハ、經常部ニ於テ七萬圓、
臨時部ニ於テ六億千九百餘萬圓デアリマシ
テ、其ノ事項別ノ內譯ハ、企業整備ニ關スル
經費ガ一億五千三百餘萬圓、米穀生產確保
ニ關スル經費ガ四億四千萬圓、食糧緊急增
產ニ關スル經費ガ二千五百餘萬圓デアリマ
シテ、現下ノ時局ニ顧ミマシテ、何レモ本
年度內ニ於テ緊要已ムヲ得ザル經費ヲ計上
致シタト認メラルヽモノデアリマス、次ヘ
昭和十八年度各特別會計歲入歲出豫算追加
案特第一號ニ付テ申上→ゲマスト、右ハ朝鮮
總督府、朝鮮食糧管理、臺灣總督府、臺灣
米穀移出管理、國債整理基金、公債金及帝
國鐵道ノ各特別會計ニ關スルモノデアリマ
シテ、一般會計ニ準ジ、何レモ緊急巳ムヲ
得ザル經費ガ計上シテアルモノト認メラレ
ルノデアリマス、是ハ卽チ特第一號デアリ
マス、最後ニ豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
契約ヲ爲スヲ要スル件、追第一號、是ガ莫
大ナ豫算外ノ豫算ガ積ッテアルノデアリマ
ス、先ヅ其ノ主ナルモノヲ擧ゲマストド
ウシテモ大キナモノハ、甲トシマシテ、企
業整備ニ關スルモノデアリマス、一般會計
ニ於キマシテハ、企業、整備其他損失補償及
補助ガ十二億千萬圓、中小商工業者轉廢業
共助資金利子補給元本金額ノ增加ガ二億
六千八百餘萬圓デアリマス、ソレカラ特殊
預金及特殊金錢信託取扱機關損失補償及補
助ガ五億八百萬圓、政府特殊借入金借入竝
債務者特殊借入金及戰時金融金庫特殊借入
金元利保證ガ三十五億圓、ソレハ一般會計
デアリマス、特別會計ニ於キマシテハ、朝
觧產業物資營團出資ガ千萬圓、朝鮮產業
物資營團債劵元利保證ガ一億圓デアリマ
ス、其ノ他卽チ之ヲ乙ト致シマシテハ、
朝鮮食糧營國出資、金屬類特別囘收費補
助、價格差損及爲替差損補償金等デアリ
マス、右ノ內、商工省所管ノモノガ矢張リ
企業整備ニ關シマシテ重要ナモノデアリ
マスカラ一言加ヘテ置キマスト、企業整備
其他損失補償及補助ニ付キマシテハ、今囘
ノ企業整備ノ爲ノ所要總額ハ二十二億餘萬
圓デアリマスガ、既ニ前ノ議會ニ於テ協賛
ヲ受ケテ居リマスル分ガ十億餘萬圓アリマ
スカラ、差引キ十二億一千萬圓デアリマス、
中小商工業者轉廢業共助資金利子補給ニ付
キマシテハ、今囘ノ企業、整備ノ爲利子補給ヲ
要スル元本總額ハ三億五千餘萬圓デアリマ
スガ、是モ亦既ニ協賛濟ニナッテ居ル豫算
外契約以テ充當シ得ル分ガ八千餘萬圓アリ
マスカラ、之ヲ差引キマシテ、元本金額二
億六千餘萬圓ヲ增額スル爲ノ改定ヲ行ハウ
ト云フ說明デアリマス、是デ以テ大體昭和
十八年度ノ豫算案三件ノ說明ヲ終リマス、
豫算委員會ハ本日午前九時三十分開會致シ
マシテ、先ヅ藏相ヨリ豫算ノ說明ヲ承リマ
シテ、質疑應答ニ入リマシタ、今簡單ニ質
疑應答ノ大體ラ申上ゲマス、南方地域及ビ
外地ノ企業整備ノ具體的方策ニ付テノ質問
ガアリマシタ、卽チ南方地域ニ於テハ、「ス
マトラ」ニ於テハ色々ナ物ガ最モ豐富ニ產
出サレル、例ヘバ「コークス」ニスル石炭ガ
豐富ニアル、「スクラップ」ガ澤山アル、石
灰石ガ豐富ニアル、サウシテ一方「マライ」
半島ニ於キマシテハ鐵鑛ガ豐富ニアリマ
ス、之ニ小サイ鎔鑛爐デモ造ツテ、寧ロ組
織的ニ有機的ニ一貫作業ヲスルト云フト、
銑鐵モ鋼鐵モ立ドコロニ澤山產出サレルコ
トニナッテ、サウシテ南洋ノコトデアリマ
スカラ樹木モ多イ、木材モ多イコトデアラ
ウカラ、船ナドヲ造ルニ於キマシテモ一貫
作業デ隨分早ク進捗スル譯デアルガ、サウ
云フ有機的ニ具體的ナ方策ヲ企業整備ノ方
面カラ亦立テタラドウ云フモノデアラウ
カ、之ニ對シテ政府ハ、ソレハモウ外地モ
南方モ內地モ一貫シテ、十分ニ實效ノ擧ガ
ルヤウニ又計畫ヲ行ヒツヽアルノデアルカ
ラ、其ノ邊ハ十分考ヘテ居ルト云フコトデ
アリマス、戰時行政職權特例ト云フモノガ
此ノ前ニ出タノデアルガ、是ハ今日ドウ云
フ風ニ運用サレテ居ルカ、最近ニ內閣顧問
ト云フモノガ出來マシテ、此ノ顧問制デ、
國務大臣ガ一〓ニナッテ虛心〓懷ニ時局ニ
關スル重要問題ヲ熟議致シマシテ、民間側
ノ考案希望ヲ十分參酌シ、サウシテ一致シ
タ意見ヲ採ツテ、政府ハ行政職權特例ヲ斷
行シテ行クノデアッテ、著々色々ノ問題ニ
付テ進行中デアルト云フコトデアリマス、
次ニハ軍管理工場ト、商工省、遞信省、鐵
道省方面等色々ノ工場ガアルガ、此ノ軍關
係ト軍以外ノ工場トノ間ニ相互ノ連絡ヲ圖ッ
テ、之ニ又有機的ニ一貫的ナ仕事ヲ以テ
活動スルヤウニシナケレバナラヌト思フ
ガ、ソレニシテモ物、人時、此ノ三者ノ
方面ニ尙大イニ改善ノ餘地ガアルト思フ
ガ、其ノ點ハドウデアルカ、政府ハ、軍工
場ト他ノ工場トノ有機的關係ニ付テハ特ニ
注意ヲシテ居ルノデアル、人、物時ノ色
色ノ方面ニ於ケル改善ト云フコトニ付テモ
十分考ヘテ、サウシテ一貫シタ仕事ノ向上
ニ今日ハ向ヒツヽアルノデアル、企業整備
ニ伴フ勞務管理ノ合理化ニ付テハドウデア
ルカ、之ニ付テ政府ハ次ノヤウニ言ッテ居
リマス、今日被轉換者ト云フモノハ相當ニ
多イ、併シ其ノ中ヲ見ルト又熟練シタ者モア
ル、此ノ被轉換者ノ賃銀ノ過當ニ多過ギル
ト云フコトデ以テ、工場ニ新シク行ッタ者
ハ、從來居ッタ所ノ從業者ヨリモ賃銀ガ多
イヤウナ場合ガ起ッテ來ルガ、其ノ時ニハ、
外來ノ者ニ對シテ聊カ惡感情ヲ起スト云フ
ヤウナ摩擦ガ起リ易イ、又現ニ起ッテ居ル、
サウ云フコトヲ一ツ防ガナケレバナラナイ
コトニ付テ政府ハ十分ニ注意シテ居ルノデ
アル、徵用ヲシタ初メナドハ、サウ云フ摩
擦對立ガアリマシタガ、今日ハ時局ヲ大イ
ニ認識ヲ致シマシテ、ソレガ徹底シタ爲
ニ、新舊從業者一體ノ精神ガ顯ハレテ、今
日ハサウ云フコトハ餘リ無ク、寧ロ喜バシ
イ結果ヲ來シテ居ル、一時的ニ離職スル
煮卽チ今囘ノ企業整備デ以テ職ヲ離レル
者ハドウシテモ起リマスガ、ソレ等ニ對シ
テハ能ク指導ヲシテ、生活援護モスル、サ
ウシテ成ルベク生產性ノナイ生活ヲ送ラナ
イヤウニ指導ヲスルヤウニシタイト思ッテ
居ル、又生產量、作業量ノ調査、是ハ此
ノ前ヤッタ、ソレカラ勞務基準量ト云フ
モノヲ〓究ラシマシテ、大體成案ヲ得タ
ノデアル、勞務ノ基準、標準ヲ得テ、
ソレニ付テ今度ハ組織的ノ動員ヲヤリタイ
ト思ッテ居ル、サウスレバ御心配ノヤウナ
コトハ無クナル積リデアル、ソレカラ從來
ノ〓育ハ智育ニ偏シテ居ッタ、今日ハ卒業ス
レバ、直グニ職工ガ要ルノデアル、技術者
ガ要ルノデアル、今迄ノヤウナ黑板式ノ、
單ニ智育ニ止マッテ居ルヤウナ〓育ヲシテ
ハ卒業後直グニ實務ニ間ニ合フモノデナ
イガ、其ノ點ハドウデアルカ、「ソヴィエ
ト」ノ狀況ヲ見ルト、五年計畫ヲヤルノニ
際シマシテハ工場ノ內デ實務又實習ノ〓
育ヲ施シテ、工場デ〓育ヲシタ爲ニ、今日
デハアノ五年計畫ト云フモノハ實ニ立派ニ
「ソヴィエト」デハ出來テ居ルノデアル、サ
ウ云フ風ニ、智育ヨリモ矢張リ職業〓育ノ
方ヲ、靑少年ノ間ニモット餘計ニヤルヤウニ
シタナラバドウデアルカト云フ質問デアリ
マス、之ニ對シテ政府ハ、是ハ文部省ニ於
テ從來モ企テツヽアッタノデアル、多數ノ卒
業生ガ、今日ノ場合一日モ早ク實務化スル
ト云フコトハ、是ハドウシテモ考へナケレ
バナラナイ、其ノ爲ニ文部省ニ於テハ學徒
動員計畫ト云フモノヲ立案中デアル、又勤
勞ノ協力ニハ企業者諸君ノ理解ガ必要デア
ル、學校ノ方デドウカシテ實習ヲヤリタイ
ト思ッテモ、工場ガ撥ネ付ケルト云フ傾向
ガ、動モスレバアルガ、是ハ一ツ一體ニナッ
テヤッテ貰ヒタイモノデアル、學校ガ熱心デ
アッテモ當業者ガ便宜ヲ與ヘナイコトノナ
イヤウニ指導シテ行キタイモノデアル、學
徒動員計畫ハ、或期間、都市竝ニ地方ニ各〓、
適當ナ連絡ヲ執ル機關ヲ作ッテ、其ノ指導
ヲ〓行シタイト思ッテ居ル、又靑年學校ノ
生徒ト云フモノハ、元來皆職場ニ在ッテ學
校ニ通ッテ居リマスカラ、此ノ方ハナカ/
能ク今日デモ行ッテ居ル、工場ノ中ニ靑年
學校ヲ持ッテ居ルモノハ、殊ニ能ク此ノ方
面ノ〓育ハ屆イテ居ルガ、文部省ハ尙更以
テ此ノ方面ニ努力シタイト思フ、ソレカラ
〓糧問題ニ付テノ質問ガアリマシタ、本年
度ノ端境期ノ食糧ハ心配ハナイカ、供出米
竝ニ米ノ問題ニ付テ色々世間デ言ッテ居ル
ガ、其ノ點ハ安心ガ出來ルカ、之ニ對シテ
農林大臣ハ、十分ニ其ノ方面ノコトヲ考ヘ
テ居ル、今日畑ハ五萬町步アルガ、其ノ五萬
町步ノ中ニ粟トカ、稗トカ、大豆トカ、蕎
麥トカ云フヤウナモノヲ植付ケマシテ、又
稗ノ如キハ今日モウ既ニ播キ付ケテ相當ニ
發育ヲシテ居ル、サウ云フ方面モ致シ、色々
ノ方面カラ、先ヅ此ノ端境期ハ無事ニ經
過シ得ルト思フノデアル、甚ダシキ天災ト
カ何トカ云フモノサヘナケレバ、無車ニ此
ノ端境期ハ行クモノデアルト云フ答辯デア
リマス、之ニ付テ色々ノ數字モアリマスガ、
ソレハ祕密ニ屬シマスカラ申上ゲルコトハ
出來マセヌ、ソレカラ農業指導員ノ優遇問
題竝ニ民間人ヲ採用シテハドウカ、ドウモ
農業指導員ト云フ者ガ今日出來テ居ルケレ
ドモドウモ熱ガ少ナイ、ト云フノハ、外ノ
職業ニ行ケバ五圓、六圓ト云フモノガ取レル
ノニ、農業指導員ハ優遇サレテ居ナイモノ
デスカラ、ドウモ熱ガナイ、之ヲ何トカシ
タラドウデアルカ、又民間ニハ相當ナ熟練
シタ農業方面ノ人ガ居ルガ、サウ云フ人ニ
チット相談ヲシテ、サウシテ政府ハ能ク農村
ガ振興スルヤウニ圖ッテ行カレタイモノデ
アルガ如何ナモノデアルカ、ト云フコトデ
アリマス、其ノ方面ハ又大イニ考ヘテヤル、
肥料飼料ヲ、五重要產業ト。同樣ニ取扱シテ、
重大ナモノトシテ、此ノ肥料ノ方ト飼料ノ
方ヲ考ヘテ見タイガドウデアルカ、ソレカ
ラ此ノ米穀、米ヤ何カノ供出ノ量ヲ定メル
時期ガ今年ハ遲カッタ、ソレガ卽チ失敗ノ因
デアッタガ、之ヲ四月トカ五月トカ云フ時ニ
供出量ヲ決メテ發表スレバ、農家ノ方デモ
其ノ氣ニナッテ生產ニ努力スルノデアルカ
ラ、其ノ發表ノ時期ヲ少シ早メタラドウカ、
食糧增產ト云フコトニナルト、土地ノ改良ト
云フコトガ一日モ早ク必要ニナルノダ、此ノ
點ハドウカ、ソレ等ノ點ニ付キマシテ農林大
臣ヨリソレ〓〓答辯ガアリマシタ、卽チ土地ノ
改良ト云フコトハ最モ必要ナコトデアッテ、
土地ガ良クナレバ農產物モ增加スルノデアル
カラ、其ノ方面ハ目下農林省ニ於テ立案中
デアル、ソレカラ農業ハ技術ガ第一デアル、
不毛ナ畑デモ、其ノ技術如何ニ依ッテハ豐カ
ナル畑トナルノデアリマスカラ、技術ヲ非
常ニ重ク見ナケレバナラナイ、從ッテ質問ヲ
ナサッタ如クニ、例ヘバ薩摩芋ニ於テハ、丸
山トカ、小澤トカ云フヤウナ熟達者ガアリ
マスカラ、サウ云フ方々ニ協力ヲ願フコト
ニ致シマス、麥、大麥ニハ又其ノ方面ノ熟
達者ガアリマスカラ之ニ御協力ヲ願フ、又
三段步以上ノ土地ヲ持ッテ居ル農家、小作人
ナドハ徴用シナイト云フコトニ決メテアル、
離農、農業ヲ去ッテ工場ニ移ルト云フヤウ
ナコトハ今日誠ニ悲シムベキ問題デアルガ、
ソレ等モ出來ルダケ一ツ農村ヲ離レナイヤ
ウニ工夫ヲスルノデアル、今日ハ疑似徴用
ト云フコトガ行ハレルコトモアッテ、本當ノ
徵用ラシイ聲デ以テ農民ヲ勸誘スルヤウナ
コトモ聞イテ居ルガ、サウ云フコトノナイ
ヤウニ非常ニ嚴シイ所ノ達ヲ出シタノデア
リマス、供出量ノ決定ニ付テハ、早ク之ヲ
スルコトニハ贊成デアル、決定ヲシタ後ト
雖モ、是ガ圓滑ニ、ギコチナク行カナイヤ
ウニ十分ニ注意ラスル積リデアル、一體農
家ガ工場ノ賃銀ト云フモノヲ慕ウテ離農ス
ルヤウデハ、本當ノ愛着心ト云フモノガ其處
ニナイノデアルガ、併シ日本ニハ幸ニ〓土
ヘノ愛着心ガアル、ソレハ實ニ尊ブベキモ
ノデアル、サウ云フコトデ今日ハ又其ノ方
面ノ事ニ注目シテ農業政策ヲヤッテ行クト
云フコトニナレバ、ソレ程心配ナコトハナ
イダラウト思フ、又米ノ價格ハ餘リ安カッダ
モノデアリマスカラ此ノ際改正ヲシタヤウナ
次第デアル、ト云フヤウナ譯デアリマス、
尙細カイ點ニ付テ質問應答モアリマシタガ、
ソレ等ハ速記錄ニ讓リマス、以上ヲ以テ質
問應答ハ大體終リマス、ソレカラ祕密會ヲ
開キマシタガ、其ノ內容ハ申上ゲマセヌ、
其ノ後更ニ又質疑ニ入リ、討議ニ移リ、採
決ヲ致シマシタ處、以上三案全部、全會一
致ヲ以テ原案通リ可決ト相成リマシタ、右
ヲ以テ御報〓ト致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=30
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031・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ、是ヨリ採決ヲ致シマス、御異
議ガナケレバ、三案全部ヲ問題ニ供シマス、
三案ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ願ヒマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=31
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032・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 總員起立デ
アリマス、仍テ三案ハ全會一致ヲ以テ可決
セラレマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=32
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033・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 昭和十七年
法律第二十三號中改正法律案、昭和十八年
法律第九號中改正法律案ヲ、此ノ際議事
日程ニ追加シ、兩案ヲ一括シテ第一讀會ノ
續ヲ開キ、委員長ノ報告ヲ求メタイト存ジ
マス、御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=33
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034・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長溝口伯爵
案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
昭和十八年法律第九號中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十八年六月十八日
委員長伯爵溝口直亮
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔伯爵溝口直亮君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=34
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035・溝口直亮
○伯爵溝口直亮君 只今議題ニ上リマシタ
兩法律案ニ關スル委員會ノ經過竝ニ結果ニ
付テ御報告申上ゲマス、委員會ハ昨日開キ
マシテ、先ヅ昭和十七年法律第二十三號中
改正法律案ニ關シ大藏當局ヨリ說明ヲ受
ケマシタ、更ニ本日、次ノ昭和十八年法律
第九號中改正法律案ヲ追加セラレマシテ、
之ニ付キマシテ午後三時ヨリ大藏當局ヨリ
說明ヲ承リマシタ、次デ質疑ニ入リ、兩案
共政府提出通リ可決致シマシタ、是ヨリ政
府說明ノ大要竝ニ御質疑ノ大要ヲ申述ベマ
ス、昭和十七年法律第二十三號中改正法律
案ハ、昨年ノ議會ニ於テ可決セラレマシタ昭
和十七年法律第二十三號、卽チ陸海軍ノ工
廠等ニ於ケル特別措置ノ法律デゴザイマス、
之ニ於テハ陸海軍ノ管理スル工場ニ於テ、
陸海軍ニ屬スル品物ヲ造ル場合ニハ、其ノ
工場ニ材料等ヲ渡スコトガ出來ルト云フ特
例デアリマス、之ヲ此ノ度更ニ擴張スル必要ガ
起リマシテ、陸軍用又ハ海軍用以外ノ船舶
昭和十七年法律第二十三號中改正法律一ノ製造又ハ修理ヲ營ム工場事業場ノ事業主ニ
對シマシテ、海軍工廠資金特別會計ニ屬スル材
料物品ヲ賣拂ッテ、之ヲ當該船舶ノ製造又ハ
修理ヲ促進スル爲ノ法律デゴザイマス次ノ昭
和十八年法律第九號中改正法律案、是ハ只
今豫算委員長ヨリ御報〓ニナリマシタ通常歲
入ノ不足三億千三百二十萬圓ニ對スル赤字公
債ヲ發行スル法律デアリマシテ、之ニ依リ
マシテ昭和十八年ニ於ケル公債ノ發行高ガ
三十四億九千九百五十萬圓トナルノデゴザ
イマス、次ニ御質疑ノ大要ヲ申上ゲマス、
昭和十七年法律第二十三號中改正法律案、
之ニ關スル御質疑ガ色々ゴザイマスガ、主
ナルモノヲ申上ゲマスト、第一ニ、本法律
ハ昨年制定セラレタノヲ、又斯クノ如ク改
正ニナッタノデアルカラ、モウ少シ廣範圍ニ
特例ヲ定メテ置イタナラバ、每年改正スル
ト云フヤウナ手數ヲ省ケテ宜クハナイカ、
ト云フ御質問ニ對シマシテ、政府當局ヨリ、
誠ニソレハ御尤トハ存ジマスガ、斯クノ如
キ特別會計ニ於ケル特例ト云フモノハ最小
限ニ止メタイト云フ考デ、昨年度ニ於テハ、
海軍ニ於テ、海軍大臣ガ管理シテ一般ノ船
舶ヲ造ルト云フヤウナコトニ付テハソレ程
考ヘテ居ナカッタノデアル、事態斯クノ如キ
ニ到ッタカラシテ、更ニ增加スルノデアッ
テ、將來ニ於テモ、若シ事態ガ變ッテ來タナラ
バ、尙增加スルコトガアルカモ知レナイガ、
原則トシテハ何處迄モ此ノ特例ト云フモノ
ハ最小限ニ止メテ置キタイト云フ御答デゴ
ザイマス、ソレカラ次ニ、ドウ云フヤウナ
モノヲ賣渡スカト云フ御問ニ對シマシテ、
主トシテ非金屬、又ハ金屬、特殊鋼等デ、
緊急已ムヲ得ナイモノデ、造船ニ關シソレ
ガ足リナイト全般ノ工事ガ進マナイトカ云
フヤウナモノデ、特殊ノモノニ限ル積リデ
アル、例ヘバ造船ノ鋼板トカ云フヤウナモ
ノハ、是ハ一般ノ配當ガアルノデ、是等ニ
付テハ考ヘテ居ナイ、而モ其ノ金額ハ左程
大キナモノデハナイ積リデアルト云フ御答
デゴザイマス、ソレカラ次ニ、如何ナル船
舶ニ此ノ特例ヲ應用スルカト云フコトニ付テ
ノ御質問ニ對シマシテ、海軍ノ當局ヨリシテ、
是ハ海軍大臣ノ管理スル長サ五十「メートル」
以上ノ鋼船ニ對シテ適用スル積リデアル、ソレ
等ノコトニ付テハ勅令ヲ以テ定メル筈デアル、
ソレカラ又一委員ヨリシテ、物動其ノ他ニ
付テノ關係ノ御問ニ對シマシテハ、當局ヨ
リシテ、例ヘバ海軍工廠ノ持ッテ居ル材料ヲ
渡シタナラバ、向フニ今迄渡シテアル所ノ
モノハ同種類ノモノヲ引クコトニナッテ、
物動ニ付テハ一ツモ影響ハナイ、唯時期ヲ
促進スルト云フ目的デヤルノデアルカラシ
テ、材料ガ之ガ爲ニ餘計要ルト云フヤウナ
心配ハ一ツモナイト云フ御答デゴザイマシ
タ、ソレカラ次ニ、昭和十八年法律第九
號中改正法律案、之ニ付テノ御質問ノ要點
ヲ申上ゲマス、第一ニ、段々又公債ガ殖エ
テ來ルガ、此ノ前ノ議會ニ於テ大藏大臣ハ
國民所得トノ關係ヲ頻リニ說明サレタガ、
段々殖エテ來ルガ、國民所得ト云フモノハ
殖エタノカ、或ハ國民所得ハ前ノ通リデア
ルガ此ノ程度デハ差支ナイト云フノカドウ
デアルカ、ト云フ御質問ニ對シマシテ、大
藏當局ヨリハ、別ニ國民所得ガ殖エタト云
フヤウナ考ハ持ッテ居ナイガ、此ノ程度ニ
於テハ、前囘ノ所得ヲ以テスルモ別ニ差支
ハナイ、消化シ得ルモノト考へテ居ルト云
フ御答デゴザイマシタ、次ニ一委員ヨリシ
テ、斯クノ如ク公債ハ頻繁ニ出ルシ、其ノ
上ニ公債ニ非ザル金ニ於テモ、世間ニ出ル
モノガ非常ニ多クナツテ來タ、ドウシテモ
物價ノ騰貴スル勢ト云フモノハ巳ムヲ得ナ
イモノデハナイカ、之ニ對シテ政府ハ如何
ナル處置ヲ執ラレルカト云フ御問ニ對シマ
シテ、政府ハ、低物價政策ノ維持ト云フコ
トニ付テハ、前々カラ申上ゲタ通リデ、政
府ハ全力ヲ盡シテ之ヲ維持シテ行キ、之二
依ッテ物價問題ノ萬全ヲ期サウト思ッテ居
ル、之ニ付テハ全力ヲ盡ス考デアル、飽ク
迄モ低物價政策ハ維持スル積リデアル、ト
云フ御答デゴザイマシタ、ソレカラ次ニ整
備サルヽ工場其ノ他ニ於テ、現物出資ヲシ
テ株劵ヲ取得スルト云フヤウナモノモアリ、
ソレガ爲ニ買取會社ハ增資シナケレバナラ
ヌト云フヤウナコトモアルガ、是等ニ付テ
ハ大藏當局ハ贊成スルカ、若クハ反對スル
カ、ト云フヤウナ御問ニ對シマシテ、大藏
省ニ於テハ、斯クノ如キ問題ハ、政府ノ現
金ヲ成ルベク民間ニ出サナイト云フ方針ニ
合致スルモノトシテ、決シテソレヲ阻碍ス
ル考ハナイト云フ御答デゴザイマシタ、其
ノ他尙色々ノ問題ニ付テ御質問ハゴザイマ
シタガ、是等ハ總テ速記錄ニ讓リマシテ、
速記錄ニ付テ御覽ヲ願ヒタイト思ヒマス、
斯クノ如クシテ討議ニ入リ、一委員ヨリシ
テ、兩案共政府原案ニ同意スルト云フ御發
言ガアリ、次イデ採決ニ移リマシテ、兩案
共委員會ハ滿場一致ヲ以チマシテ政府原案
ヲ可決スル決議ヲ致シマシタ、右御報告申
上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=35
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036・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ、兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案
ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=36
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037・佐佐木行忠
○副議長(侯爵依佐太行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=37
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038・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=38
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039・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=39
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040・佐佐木行忠
○副議長(侯爵依佐六行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=40
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041・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=41
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042・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部
ヲ問題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報
告通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=42
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043・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=43
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044・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=44
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045・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=45
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046・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=46
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047・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=47
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048・佐佐木行忠
○副議長(侯爵住佐木行忠君) 兩案ノ第三
讀會ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=48
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049・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=49
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050・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報〓ヲ致サ
セマス
〔〓光書記官郎讀〕
本日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
朝鮮食糧管理特別會計法案可決報〓書
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ財源
ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律案可決
報〓書
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關ス*)
ル法律案可決報告書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=50
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051・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 朝鮮食糧管
理特別會計法案、朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產
ヲ確保スル爲ノ補給金及企業ノ整備ニ要ス
ル經費ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル
法律案、臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保ス
ル爲ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ
關スル法律案ヲ、此ノ際議事日程ニ追加
シ、三案ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ開キ、
委員長ノ報〓ヲ求メタイト存ジマス、御異
議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=51
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052・佐佐木行忠
○副議長(候爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長兒玉伯爵
朝鮮食糧管理特別會計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ
財源ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律
案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報告候也
昭和十八年六月十八日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ
關スル法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員長伯爵兒玉秀雄
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
(伯爵兒玉秀雄君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=52
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053・兒玉秀雄
○伯爵兒玉秀雄君 只今議題トナリマシタ
三案ニ付キマシテ御報告ヲ申上ゲマス、此
ノ三案ハ、臺灣、朝鮮ト內地トヲ結ンデ、
內外地ヲ一貫スル食糧計畫ヲ確立致シマシ
テ、食糧ノ自給體制ヲ强化整備セムトスル
モノデアルノデアリマス、現在臺灣ニ於キマ
シテハ、先ニ臺灣米穀移出特別會計法ガ實
施セラレマシテカラ、其ノ後ニ改正ヲ加ヘ
ラレマシテ、現在ニ於キマシテ中樞機關ハ
豪灣總督府米穀局ガ直接ニ之ニ當ッテ居ル
ノデアリマス、從ヒマシテ、寧ロ內地ノ〓
糧管理法ニ依リマスル統制對象ヨリハ、廣汎
ナル統制ガ行ハレテ居ルノデアリマス、朝
鮮ニ於キマシテハ、稍〓簡易ナル形ヲ採リマ
シテ、中央ニ朝鮮米穀市場株式會社ヲ置キ、
地方ニハ各道別ニ會社ヲ分立セシメテ居リ
マスル結果ト致シマシテ、眞ニ半島全部ノ
食糧需給ヲ統制スベキ强力ナル權能ガ缺ケ
テ居ルノデアリマス、玆ニ於キマシテ、政
府ニ於キマシテハ食糧管理特別會計ヲ設置
致シマシテ、中央機關ヲ營團組織ニ改メ、
各道ノ會社ヲ其ノ下部組織ニ編成替ヘヲセ
ムトスルノデアリマス、此ノ內外地食糧統
制ノ實施ニ伴ヒマシテ、米穀等ヲ確保シ、
竝ニ企業整備ニ關シ奬勵金及補給金ヲ支出
シ、竝ニ新設ノ營團ノ出資ニ充ツル爲ニ公
債發行又ハ借入金ヲ爲スノ途ヲ開キ、且之
ガ運營ニ必要ナル特別會計ヲ設置セムトス
ルモノデアリマス、委員會ハ、質疑ニ入リ
マシテ、本案ハ何レモ朝鮮、臺灣ニ於キマ
スル食糧統制ノ强化ニ關スル問題デアリマ
スルノデ、勢ヒ朝鮮、臺灣及內地ニ於キマ
スル食糧事情竝ニ滿洲ニ於キマスル食糧政
策ニ關スル重要ナル點ニ觸レテ質疑應答ガ
行ハレタノデアリマス、殊ニ國內ノ生產ニ
關シマシテハ、供出米ノ時期、方法、耕
作物ノ種類轉換、殊ニ應急對策ノミナラ
ズ、速カニ恆久對策ヲ樹立スルノ必要ニ
付テ熱心ニ論議セラレタノデアリマス、
委員會ハ、或ハ速記ヲ止メ政府ヨリソレ
ゾレ適切ナル答辯ヲ得タノデアリマス、
尙本法案ニ直接關係アリマスル事項ト致
シマシテハ、朝鮮ニ於キマスル產業物資
營團、食糧團新設ノ理由及方法竝ニ食糧證
劵ノ取扱方法ニ關シ、又臺灣ニ付キマシテ
ハ、現存ノ〓糧統制ニ關シマスル機構改正
ノ必要、砂糖耕作ノ主要農作物ヘノ轉換等
ノ質問ガアリマシタ、最後ニ多額ノ補給金、
奬勵金ヲ撒布スル爲ニ勢ヒ「インフレ」ヲ惹
キ起ス虞ガアルガ、之ガ對策ニ關スル質問
ガアリマシテ、政府ハ、必要ナル限度ニ於
キマシテ農民ノ貯蓄ヲ奬勵シテ之ガ防止ニ
努ムルトノ答辯ガアッタノデアリマス、斯
クテ質疑ヲ終リマシテ、討論ニ入リマシ
ク、一委員ヨリ、朝鮮ニ於キマスル特別會計ノ
設置ハ米穀管理實施上必要ナル方策デア
ル、他ノ二案ニ付テハ、朝鮮、臺灣ニ於ケ
ル米價ノ引上ハ、現時ノ經濟事情及內地ト
ノ權衡上至極適當デアル、ソレガ爲公債借
入金ヲ認ムルハ自然ノ歸著デアル、新營團
ニ對スル出資ノ爲公債ヲ發行スルハ現下ニ
於テ適當ナル措置デアル、唯多額ノ資金ガ
急激ニ撒布セラルヽニ依リ、「インフレ」防
止ニ關シテハ最善ノ方策ヲ講ゼラレタシト
ノ希望ヲ述ベラレマシテ、原案ニ贊成ノ意
ヲ表セラレマシタ、斯クテ討論ヲ終リマシ
テ採決ニ入リ、全會一致原案可決ト決定シ
タノデアリマス、此ノ段御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=53
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054・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ、三案ノ採決ヲ致シマス、三案
ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=54
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055・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=55
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056・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=56
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057・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=57
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058・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=58
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059・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=59
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060・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 三案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部ヲ
問題ニ供シマス、三案全部、委員長ノ報〓
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=60
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061・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=61
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062・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=62
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063・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=63
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064・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=64
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065・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=65
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066・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 三案ノ第三
讀會ヲ開キマス、三案全部、第二讀會ノ決議
通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=66
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067・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐住木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、議事ノ都合ニ依リ、午後七時
迄休憩ヲ致シマス
午後五時四十八分休憩
午後七時三分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=67
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068・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 報〓ヲ致サ
セマス
〔河野書記官朗讀〕
本日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案
ハ直ニ裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議院ニ
通知セリ
昭和十八年度歲入歲出總豫算追加案第
號
昭和十八年度各特別會計歲入歲出豫算追
加案(特第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲ス
ヲ要スル件(追第一號)
昭和十七年法律第二十三號中改正法律案
昭和十八年法律第九號中改正法律案
朝鮮食糧管理特別會計法案
朝鮮ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金及企業ノ整備ニ要スル經費ノ財源
ニ充ツル爲公債發行ニ關スル法律案
臺灣ニ於ケル米穀ノ生產ヲ確保スル爲ノ
補給金ノ財源ニ充ツル爲公債發行ニ關ス
ル法律案
本日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
企業整備資金措置法案可決報告書
國民更生金庫法中改正法律案可決報告書発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=68
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069・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 是ヨリ休憩
前ニ引續キ會議ヲ開キマス、昨十七日、議
員正三位勳一等佐藤三吉君薨去セラレマシ
タ、誠ニ哀悼ノ至リニ堪ヘマセヌ、就キマ
シテハ弔辭ヲ贈リタイト存ジマス、御異議
ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=69
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070・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=70
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071・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 此ノ際企業
整備資金措置法案、國民更生金庫法中改正
法律案ヲ議事日程ニ追加シ、兩案ヲ一括シ
テ第一讀會ノ續ヲ開キ、委員長ノ報告ヲ求
メタイト存ジマス、御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=71
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072・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長子爵大河內正敏君
企業整備資金措置法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員長子爵大河內正敏
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
國民更生金庫法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及
報〓候也
昭和十八年六月十八日
委員長子爵大河內正敏
貴族院議長伯爵松平賴壽殿
〔子爵大河內正敏君演壇ニ登ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=72
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073・大河内正敏
○子爵大河內正敏君 只今上程セラレマシ
夕企業整備資金措置法案及ビ國民更生金庫
法中改正法律案、此ノ二案ノ委員會ニ於キ
マス經過及ビ結果ヲ御報告申上ゲマス、企
業整備資金措置法案ニ付キマシテ、先ヅ大
藏大臣カラ御說明ガゴザイマシタ、企業整備
ハ從來カラモ行ハレテ居ッタノデアリマシ
テ、從ッテ資金ノ放出モゴザイマシタ、併シ
其ノ金額モ少ク、且一々抑制スルノハ煩瑣
デモゴザイマシタノデ、通常ノ決濟方法ニ
依ッテ居ッタノデアリマス、然ルニ今囘ノ企
業整備ニ依リマスト、事業心ノ旺盛ナル部
面ニ多額ノ資金ガ放出セラレルノデアリマ
ス、ソレニモ拘ラズ、從來ノ其ノ生產行爲
ヲ止メルノデアリマスカラ、物ト勞力トノ
浪費ヲ防ギ之ヲ抑ヘル必要ガアルノデアリ
やく、ソレニハ國債其ノ他ノ有價證劵デ此
ノ資金ヲ交付スルコトモ一ツノ方法デハア
リマスガ、資金ノ移動ヲ制限スル爲ニハ、
有價證劵ノ流通ヲ制限シナクテハナラナイ
ノデアリマス、此ノ有價證劵ノ流通ヲ制限
スルト云フコトハ證劵其ノモノノ本質ニ反
スルコトデゴザイマス、玆ニ於キマシテ特
殊ノ構想ヲ必要トスルノデアル、是レ本案
ヲ提出シタ次第デアルト云フ說明デゴザイ
マス、此ノ法案ノ內容ノ大體ハ次ノ五點ニ
アル、第一ハ企業整備ニ伴ヒマス資金ノ浮
動購買力化シマスコトヲ抑制スルコトノ措
墳第二ハ封鎖資金ノ資金化ヲ圖ル措置デ
アリマス、第三ハ廢休止會社等ニ關スル特
別ノ措置、第四ハ企業整備ニ關スル租稅ノ
減免措置デアリマス、第五ハ企業整備ニ關
スル財政上ノ措置デゴザイマス、第一ノ資
金ノ浮動購買力化ノ抑制ニ付キマシテハ特
殊預金、特殊金錢信託、債務者ノ特殊借入
金、戰時金融金庫特殊借入金及ビ政府特殊
借入金、此ノ五ツノ特殊決濟方法ヲ設ケマ
シテ、必要ニ應ジ金融機關又ハ政府ヨリ資
金ヲ融通セシムルコトト致シ、資金ノ調達
ニ便ナラシメタノデアリマス、第二ハ、以
上ノ特殊決濟方法ニ依リマシテ成立シマシ
タ債權ノ資金化デアリマスガ、是等ノ債權
ヲ、一般的ニ讓渡又ハ擔保ニ供スルコトハ
認メラレナイノデアリマス、併シ退職給與、
納稅、債務ノ辨濟、時局緊要產業へノ投資
等、特ニ現金ノ必要ナ場合ニハ、或ハ金融
機關ヲ通ズルコトニ依リ、或ハ直接期限前
ノ償還等ニ依リマシテ、迅速確實ナル資金
化ノ方法ヲ講ジテ居ルノデアリマス、第三
ノ休廢止會社等ニ對スル特別ノ措置トシマ
シテハ、資產ノ分散ヲ防ギ、浮動購買力ノ
發生ヲ事前ニ抑止致シマス其ノ爲ニ會社ヲ
解散サセルコトナクシテ、之ヲ繼續セシメ
ルト共ニ、資產ノ管理ヲ他ニ委託致シマシ
テ、經費ヲ減少シ、又其ノ經理ニ付キ特殊ノ
措置ヲ執リマシテ、從來ノ配當率其ノ他ノ
急激ナル變動ヲ防グコトト致シマシタ外、
必要ニ應ジテ政府ヨリ增資命令ヲ出シ、或
ハ旣存債權債務ニ關スル指示ヲ爲シ得ルコ
トト致シマシタ、第四ハ租稅ノ減免ニ關ス
ル事項デゴザイマシテ、其ノ要點ハ、先ヅ
政府ノ特殊借入金ノ利子ニ關シマシテハ
分類所得稅ヲ輕減スルノデアリマス、所得
稅法及法人稅法ニ依ル所謂所得ノ計算ニ關
シマシテハ、特例ヲ設ケルコトト致シマシ
タ、其ノ二ハ、休廢止會社ニ對シ事情ニ依
リ法人稅、營業稅等ヲ輕減シ得ルコトト致
シタノデアリマス、第五ハ財政上ノ措置ニ
關スルモノデゴザイマスガ、國家的要請ニ
依ッテ行ハレマス企業ノ整備ニ伴ヒマシテ
生ジマス常事者間ノ利害得失ヲ、國家ノ負
擔ニ於テ適當調整致スコトデアリマス、卽
チ其ノ損失ヲ補償スル等、必要ナ措置ヲ講
ズルコトト致シマシタ、以上ノ外、本法案
ニハ諮問委員會及評價委員會等ヲ設ケルコ
トガ規定シテゴザイマスカラ、本法案ノ實
施運營ニ當リマシテハ、當事者ノ利害得失
損益ノ適正化、手續ノ迅速簡易化、所要ノ資
金化ノ容易確實、或ハ其ノ他關係者ノ利便
ヲ圖ルコトニ委員會ニ依ッテ努力ヲスルト云
フコトデアリマス、何分特殊ノ新方法デゴ
ザイマスカラ、色々不便ナ所モ出マセウシ、又
面倒ナ點モゴザイマセウガ、戰爭ニ勝チ拔ク
爲ノ企業整備ノ基礎ヲ崩サセナイ爲ノ絕對ノ
要請ニ出タ措置デアルト云フノデアリマス、
次イデ商工大臣カラ國民更生金庫法中改正
法律案ノ提案理由ニ付說明ガゴザイマシタ、
戰爭ノ現段階ニ於キマスル情勢ニ卽應致シ
マシテ、新タナル構想ノ下ニ企業整備ヲ徹底
的ニ推進スルノデアリマス、其ノ爲ニハ國民
更生金庫ノ利用ハ從來ト異リマシテ、飛躍的
ニ增加スルモノト豫想セラレルノデアリマ
ス、同金庫ニ對スル資產引受、共助資金借
入等ノ申込ハ恐ラク二十億ノ多額ニ上ルト
云フ見込デゴザイマス、併シ現在ノ更生債
劵發行餘力ハ約三億三千萬圓ニ過ギマセ
又、ソコデ此ノ際、此ノ債劵發行餘力ヲ擴
充シマス爲ニ、資本金五千萬圓ヲ增加致シ
マシテ、其ノ全額ヲ政府出資トシ、以テ資
金ノ充實ヲ圖ルト云フノデゴザイマス、次
イデ企業整備ノ〓要ニ付キマシテ商工大臣
カラ御說明ガゴザイマシタ、今次ノ企業整
備ハ、從來ノ企業整備ト大イニ異ナル所ガ
ゴザイマシテ、從來ノハ所謂平和產業、或
ハ中小企業ヲ目的トシテ直接ノ對象ト致
シマシテ、戰力增强上必要ナ處置ヲ執ッタノ
デアリマスガ、是ハ稍〓ミ間接的デゴザイマ
シタ、然ルニ今囘ハ尙一層企業整備ヲ掘
下ゲテ整備ヲスル必要ガアリマシタ、卽チ直
接戰力增强ニ必要ナ處置ヲ積極的ニ執ルノ
デアリマシテ、其ノ爲ニ勞務ノ供出デアリマ
ストカ、金屬ノ囘收デゴザイマストカ、工
場設備ノ時局的用途ヘノ轉用ヲ圖リマシテ、
是等ノ諸生產要素ヲ總テ軍需其ノ他ノ重要
部門ニ集中スルノデアリマシテ、故ニ必ズ
シモ平和產業ノミニ止マラズシテ、重點產業
ニ於テモ、企業系列ノ組織化デアリマストカ、
生產機能ノ刷新向上ヲ圖ル爲ノ整備ヲヤル
ノデアリマス、中小企業ノミナラズ、大企
業ニ付テモ積極的ニ整備ガ行ハレル趣ノ說
明ガゴザイマシタ、而シテ今次ノ企業整備
ノ進メ方ト致シマシテハ工業部門ニ關シ
マシテハ、第一種、第二種、第三種ニ區別
サレルノデアリマズ、此ノ第一種工業部門
ト申シマスノハ、從來主トシテ平和產業ト
考ヘラレテ居ッタノデゴザイマスガ、今日
嚴格ナル意味ニハ平和產業、戰時產業ヲ區
別スルコトガ出來ナイノデアリマシテ、大
體纖維工業部門ノ如ク利用スル方面ノ多イ
工業、之ヲ第一種工業ト致シマシテ、此處
カラ勞務ヲ供出シ、金屬ヲ囘收シ、工場或
ハ設備ノ轉用ノ主トシテ圖ル大イナル部門
デゴザイマス、之ニ對シマシテハ積極的ニ
整備ヲ推進シ、場合ニ依リマシテハ强制法
令ノ發動モ行ハレルト云フコトデゴザイマ
ス、此ノ部門ノ整備ハ、大體操業工場、從
來ノ操業ヲ其ノ儘繼續シマス操業工場、現
有設備ヲ動カサズニ唯其ノ儘保有シテ置ク
ト云フ工場ト、ソレカラ他ノ重要產業ニ轉
用シマス工場ト、全然廢止シテシマヒマス
工場トノ四ツニ分レルノデゴザイマス、操
業工場ニ付キマシテハ、物動計畫トモ睨ミ
合ハセマシテ、又其ノ工場ノアル場所ノ條
件、卽チ立地條件等ヲ檢討シマシテ、相當
ニ良イ工場デアルケレドモ、今後、例ヘバ
石炭ノ輸送ガ困難デアルトカ、或ハ其ノ他
ノ立地條件ニ依リマシテ不適當ナリト認メ
ル所ハ、操業工場ノ資格ガナイノデゴザイ
マシー、併シ多少今迄ノ操業關係ニ於テ遺憾
ナ點ガアリマシテモ、立地條件ノ方カラ檢
討シマシテ、或ハ物動計畫、輸送計畫等カラ
檢討シマシテ、存續シ得ルモノハ存續サセ
マシテ、所要ノ生產量ヲ確保スルト云フノ
デゴザイマス、設備ガアッテ其ノ儘働カズ
ニ保有スル工場、卽チ保有工場ト云フモノ
ハドウ云フノデアルカト申セバ、今後不幸
ニシテ空襲等ガゴザイマシタリ、或ハ其ノ
他ノ災害ニ依リマシテ、操業工場ガ操業出
來ナクナリマシタ場合ノ豫備トシテ置キマ
シテ、保有ヲサレルノデアリマス、又南方
或ハ大陸ニ移駐スルコトニ依ッテ、大東亞
共榮圈ノ建設其ノ他ニ寄與サセル物資需給
關係ノ變動ニ備ヘテ、保有工場ト云フモノ
ガ定メラレタノデゴザイマス、故ニ原則ト
シマシテハ、當該業者ガ自力ヲ以テ工場ヲ
保有スルト云フコトガ建前デゴザイマスガ、
場合ニ依リマシテハ、國庫ノ補助又ハ產業
設備營團ノ買取ニ依リマシテ、國庫ノ補助、
又ハ帝業設備營團ノ買取リマシタモノハ、
產業設備營團ニ於テ保有ガ行ハレルノデア
リマス、次ニ轉用工場ト申シマスノハ、申ス
迄モナク軍需工業ニ轉用スルノガ適當ト認
メラレル工場デゴザイマシテ、是ハ特ニ轉
用協議會ガ開カレマシテ、之ニ依ッテ圓滑
ニ轉用ノ適正化ガ圖ラレルト云フノデアリ
やって、最後ニ廢棄サレマス工場、廢棄工場
ハ、只今申上ゲマシタ何レノ工場ニモ屬シ
ナイ工場デゴザイマス、其ノ設備等ハ層鐵
化シマシテ、鐵鋼增產ニ向ケラレルノデゴ
ザイマス、第二種工業ト申シマスモノハ
航空機ノ製作ヲヤッテ居リマス工場デアリ
マストカ、造船所デアリマストカ、今後益〓
擴充ヲ必要トスル部門デゴザイマス、此ノ
工場ハ、現在ノ生產ヲ以テシテモ尙擴充シナ
ケレバナラナイ、增產ヲシナケレバナラナ
イト云フ工場デゴザイマスカラ、廢棄トカ、
保有トカ、サウ云フ消極的ノコトハゴザイ
マセヌ、總テドン〓〓生產ヲ繼續スルノデ
ゴザイマスガ、ソレニハ親工場ト子工場、
親工場ト下請工場トノ關係ヲ調整シマシテ、
出來ルダケ製品ノ專門化ヲ圖リマシテ、其
ノ生產性ヲ〓揚スル目的ニ供スルノデゴザ
イマス、併シ此ノ部門ニ於テモ、工場ニ依
リマシテハ、尙遊体設備デアリマストカ、不良
機械ト云フヤウナモノガアル譯デアリマス、
重要產業ニ從事シテ居ル工場ガ、必ズシモ
設備ガ最新式ノモノデアリ、最モ良イモノ
バカリガ使ハレテ居ルノデハゴザイマセヌ
カラ、サウ云フモノハ矢張リ整備致シマシ
テ、金屬囘收等モ相當ニ强ク行ハレルノデ
ゴザイマス、第三種工業部門ハ、第一種、
第二種、以外ノ工業部門ニ屬スル總テノ工
業部門デゴザイマス、是ガ整備ハ從來通リ
指導奬勵ニ依リマシテ實施サレルノデアリ
マスガ、金屬囘收ハ今日最モ必要デゴザイ
マスカラ、此ノ第三種工業ニ付キマシテハ、
法令ノ發動ニ依リマシテ金屬囘收ガ行ハレ
ルコトモ考慮サレテ居ルト云フコトデゴザ
イマス、以上大藏大臣竝ニ商工大臣ノ御說
明ヲ終リマシテ、直チニ質疑ニ入ツタノデ
ゴザイマス、甚ダ殘念デゴザイマスガ時間
ノ關係モゴザイマスカラ、此ノ際質疑應答
ハ極ク省略ヲ致シマシテ、且問題ヲ一括シ
マシテ簡單ニ御說明ヲ申上ゲタイト思ヒマ
ス、先ヅ此ノ企業整備ハ金額ニ致シマス
ト約三十五億圓ノ金ガ移動スルノデゴザ
イマシテ、ソレニ伴ヒマシテ多數ノ勞務者
ノ移動モ行ハレルノデアリマスカラ、誠
ニ空前ノ大事業デゴザイマス、故ニ國民ニ
先ヅ第一ニ熱心ナ協力心ガナケレバ、此ノ
大事業ハ遂行出來ナイノデアル、從ッテ遺憾
ナキヲ期ス爲ニハ、民間人ノ動員モシテ、
各委員會等モ十分ノ考慮ヲ拂ヒ、愼重ニ此
ノ大事業ガ行ハレルヤウニ考慮シテ貰ヒタ
イ、ト云フコトニ付キマシテ、勿論商工大
臣カラ同感ノ旨ノ御答辯ガアリマシタ、又
此ノ大事業ヲ遂行スル爲ニハ、特ニ戰時產
業省ノヤウナモノヲ作ルガ宜イデハナイカ
ト云フ御意見モゴザイマシタガ、ソレハ今
日急ニサウ云フコトヲヤリマスト、生產ヲ
一時阻碍スル、減退スル虞等ガゴザイマス
爲ニ、今日ノ機構、卽チ企畫院等ヲ强力ニ
發動シマシテ、能ク各省トノ連絡ヲ圖ルト
云フコトガ第一ニ必要デアリ、各省間ノ連
絡ヲ、企書院ガ間ニ入ッテ能ク其ノ打合セ
ヲヤルナラバ、此ノ企業整備ノ大事業モ遺
憾ナク行ハレルデアラウト云フコトデゴザ
イマシタ、次ハ資金ヲ封鎖スルト云フ問題
デゴザイマス、今度ノ企業整備ニ伴ヒマシ
テ、工場ガ買收サレ、設備ガ買收サレルト
云フヤウナコトガゴザイマス場合ニ、其ノ
資金ヲ何トカシテ封鎖シマセヌナラバ、是
ガ直チニ浮動ナ購買力ヲ發生スルコトニナ
リマス、此ノ封鎖ノ手段トシテ有價證劵ヲ
以テ買上資金トシテ交付スルト云フコトモ
考ヘラレル、先程御說明モゴザイマシタ通
リニ、有價證劵ヲ交付スルト云フコトモ一
案デアリマスガ、其ノ有價證劵ハ又他ニ轉
賣サレル、賣ラレルト云フ虞ガアルノデアリ
マス、之ヲ禁止スルコトハ、有價證劵其ノ
モノノ特質ヲ失フコトニナリマスカラ、飽
ク迄避ケタイ、從ッテソレニハ會社ヲ解散
サセルト云フコトヲ先ヅ禁止スル、サウシ
テ會社ハ其ノ儘存續シテ、唯公債ヲ保有シ
テ居ル會社トシテ殘ルノデアリマスガ、
方此ノ資金ヲ、又一面ニ於テハ生產增强ニ
有效ニ使ハセタイト云フヤウナコトカラシ
マシテ、場合ニ依リマシテハ、其ノ資金ヲ
重要產業ノ生產ニ對シテ投資ヲスルト云フ
コトニ振替ヘルト云フコトモ考ヘラレテ居
ルト云フコトデゴザイマス、但シ此ノ會社
ノ解散ヲ禁止スルト云フ問題ニ付キマシテ
ハ、商法カラ見マシテサウ云フコトハ困難
デアル、此ノ企業整備令ニ規定サレテ居リマ
ス規定ダケデハ不十分デアルト云フ御意見モ
ゴザイマシタガ、政府ハ、是デ以テ十分ニ其ノ
目的ガ達セラレルト云フ御說明デゴザイマ
シタ、唯此ノ有效投資ト云フモノヲ適正ニ
サセルコトヲ考ヘナケレバナラナイ、卽チ
其ノ會社ニドウ云フ方面ニ投資サセルカト
云フコトハ、愼重ニ考慮ヲシナケレバナラ
ナイノデアッテ、全ク今迄關係ノナイ產業ニ
投資ヲスルノデゴザイマスカラ、此ノ點ガ
一番ムヅカシイ點デアッテ、大イニ考慮ヲシナ
ケレバナラナイト云フコトデゴザイマス、
次ハ勞務者ノ問題ニ關聯シマシテ、先ヅ廢
業者、轉業者ノ待遇問題、是ハ此ノ勞務者
ガ轉業シマシタ場合ニ、從來取ッテ居リマシ
タ勞銀ト同額ノ勞銀ヲ給與シマスナラバ、
是ハ其ノ人ノ熟練ノ程度ニ相應ハシクナイ
賃銀ヲ取ルノデアル、從ッテ在來居リマス
熟練工トノ間ニ、若シ何等カ此處ニ摩擦ガ
生ジタ場合ニハ、生產增强ガ出來ナイト云
フノデアリマス、勿論之ニ關シマシテハ全
ク反對ノ例モ私ハ承知致シテ居ルノデゴザ
イマスガ、何レニシマシテモサウ云フ摩擦
ヲ生ズルト云フコトハ避クベキコトデアリ
マシテ、出來レバ生活保障ニ對シテハ、是
ハ國家ガ負擔ヲシテ迄モ生活ニ困ラナイヤ
ウニシテヤラウト云フコトデゴザイマシ
ク、又勞務者ノ住宅問題ト云フモノガ非常
ナ大事ナ問題デゴザイマシテ、今日廢轉業
者ガ殘ラズ重要產業ノ方ニ廻リマスト、直
グニ住宅問題ガ起ッテ參リマス、是ハ出來
ルダケ廢轉業者ハ、其ノ地域ニ於テ廢轉業
者ヲ旣存ノ工場ニ受入レサセル、從ツテ廢
轉業者ハ自宅カラ通フコトヲ成ルタケ原則
トシタイ、已ムヲ得ザル場合ニハ優先的ニ
木材、其ノ他ノ資材ヲ配給シマシテ、廢轉
業者ノ住宅問題ヲ解決シタイト云フコトデ
ゴザイマシタ、又今日ノ勞務者ガ場合ニ依
リマシテハ非常ニ働キ過ギテ居ッテ、永ク
續カナイト云フ懸念ノアル工場モゴザイマ
スレバ、又或者ハ一日居リマシテモ幾ラモ仕
事ヲシナイ、何分ノ一ノ時間、卽チ就業何分ノ
一ノ時間デモヤレル仕事ヲ一日掛ッテヤッテ
居ルト云フコトガアル、ソレハ結局仕事ノ割
合ニ勞務者ガ多過ギルノデアルト云フ現象モゴ
ザイマシテ、是等ヲ調節スル爲ニ、極力種々ノ手
段ヲ講ジテ居ルト云フコトデゴザイマス、而
シテ又廢轉業者ノドノ位ガ、重工業或ハ其
ノ他ノ重要產業ニ從事シテ居ルカト言ヒマ
スト、大體七割ハ從事シテ居ルト云フコト
デアリマシテ、アト一割內外ガ他ノ產業、
殘リガ農村ニ歸ッテ、卽チ歸農ヲシテ居ル
ト云フコトデゴザイマシタ、次ニ共助金ノ
問題、共ニ助ケル金デゴザイマス、是ハ從
來同業者ノ中デ、殘リマス方ノ人達カラ廢
業シマシタ人ニ對シテノ、所謂慰安金デア
リマスカ、補助ヲ出スノデアリマシテ、
軒當リ六百圓ノ中、三百圓ヲ同業者カラ出
シマス、殘リ三百圓ヲ政府ガ出シテ居ッタノ
デゴザイマスガ、今囘ハ此ノ共助金ガ多數
ニ上ルコトデモゴザイマスシ、又場所ニ依
リマシテハ、殘リマス業者ガ負擔ニ堪ヘナ
イ所モゴザイマスカラ、原則トシテ政府ガ
全部負擔ヲスル、國民更生金庫等ニ依ッテ其
ノ資金ヲ出サセルト云フノデゴザイマス、
併シ又一面ニ於テ、國民更生金庫カラ金ヲ
借リルト云フ問題ニナリマスト、色々手續
ガ煩雜デアリ、手間ヲ取ルト云フヤウナコ
トガゴザイマスカラ、ソレヲ是非簡素化シ
テ早クヤラナケレバナラヌト云フ御意見モ、
之ニ伴ッテ出タノデゴザイマス、次ハ輸送問
題デゴザイマシテ、大工場ガ急ニ無クナリ
マシタリ、或ハ又或處ヘハ急ニ大工場ガ出
現ヲシテ參リマシテ、ソレニ對スル鐵道ノ
輸送問題、之ニ付テ色々應答ガゴザイマシ
タ、根本問題トシマシテ、日本ノ鐵道ハ、
斯ウ云フ割合ニ狹イ長イ國柄デゴザイマス
カラ、海運ヲ主トシテ鐵道ハ從ニシテ居ッタ
ノガ、今日船腹等ノ關係カラ、急ニ陸上輸
送ヲ主體トシナケレバナラナイト云フコト
ニナッテ、茲ニ色々輸送ノ困難ナ問題ガ起ン
タノデ、ソレニ對應シマシテ、物動計畫以
外ニ鐵道ノ中ノ資材ヲ、急不急ニ應ジテ、
不急ナモノハ急ヲ要スルモノノ方へ轉用シ
マシテ、極力輸送ノ强化ヲ圖リ、車輛ノ生
產ノ如キニ對シテモ、特ニ意ヲ拂ッテ居ルノ
デアル、併シ此ノ場合ニ事ニ依ルト地方
鐵道、卽チ民有鐵道ノ方ハ、輸送ノ幹線デ
ナイト云フヤウナ關係カラシマシテ、多少
後〓シニサレルト云フ傾キガナイデモナイ
ノデアルガ、ソレハ全體ノ高イ所カラ見テ、
其ノ民有鐵道ニ對シテハ考慮ヲ拂ヒ、尙工
場ガ無クナッタ等ノ爲ニ營業困難ニナッタモ
ノニ對シテハ、從來ノ鐵道ノ助成法等ニ依
リマシテ、配當保證ナリヲシテヤルト云フ
コトデゴザイマシタ、尙此ノ輸送問題ニ關
聯シマシテ、從來金屬囘收ノ必要ナルコト
ハ何人ニモ認メラレテ居ッタノデゴザイマ
スガ、是ガ迅速ニ行カナイ、屑鐵ノ輸送等ガ
頗ル遲延シタ、殊ニソレハ輸送ノ關係デア
ルト云フコトデゴザイマシテ、今後ハ之ヲ
計畫的ニ致シマシテ、ドノ地方ノ屑鐵ハド
ノ地方ノ鎔鑛爐或ハ平爐ノ所へ持ッテ行ク
トカ、或ハ此ノ屑鐵ハコチラヘ廻シテ再生
ヲスルトカ、色々ナ計畫的ノ處置ヲ講ジテ、
ソレハ主トシテ輸送ノ方面カラ計畫的ノ措
置ヲ講ジタカラ、今後ハ屑鐵ノ囘收ガ遲延
スルト云フ虞ハナイト云フ答辯デゴザイマ
シタ、次ニ纖維工業ノ問題デゴザイマシテヽ
是ハ、是レ以上整備ヲスルノデアルカ、殊
ニ家內工業ニ屬スルヤウナ小サナ纖維工業
ハ此ノ際止メテシマフノカ、ト云フ御質問
ガゴザイマシタガ、ソレハサウ云フ事ハシ
ナイノデアル、纖維工業ノ整備ト云フコト
ハ、原因ガ、之ニ使ヒマス資材ヲ得ラレナ
イ、棉花ガ不足シテ居ルト云フヤウナコト
カラシテ整備ヲスルノデアッテ、現ニ家內工
業等デ行ハレテ居ル纎維工業ハ資材ノ心
配モ要ラナイシ、又其ノ設備ヲ供出サセテ
モ屑金ニモナラナイ、木製ノモノガ多イノ
デゴザイマスカラ、サウ云フモノハ益〓働力
シテ產業戰士ノ着物、作業衣等ノ製造ニ遺
憾ナキヲ期スルノデアルト云フコトデゴザ
イマシタ、甚ダ簡單デゴザイマスガ、質問
應答ハ以上ノ諸點ニ止メマシテ、最後ニ一
委員カラ贊成ノ意見ガ述ベラレマシタ、ソ
レハ、此ノ大事業ヲ完成スル爲ニハ、ドウ
シテモ中央政府バカリデハイケナイノデアッ
テ、特ニ地方長官ノ熱意ヲ必要トスルノデ
アル、處ガ此ノ地方長官ヲ所管サレル所ハ
內務省デアル、內務省ハ今度ノ企業整備ニ
何ダカ關係ノ薄イヤウナ官廳ニ考ヘラレテ
居ッテ、萬一地方長官ガ此ノ企業整備ノ趣旨
ヲ能ク理解シナイ場合ニハ、決シテ此ノ事
業ガ行ハレルモノデナイ、故ニ此ノ點ニ於
テ遺憾ノナイヤウニ、殊ニ地方長官ハ、企
業整備ノヤリ方、趣旨ハ無論ノコトデゴザ
イマスガ、ヤリ方ヲ能ク頭ニ入レマシテ、
此ノ點ハ商工省關係ノモノデアリ、此ノ
點ハ厚生省、此ノ點ハ大藏省ノ關係ノモ
ノデアルト云フコトヲ能ク頭ニ入レテ、
混亂シナイヤウニ、又躓カナイヤウニ、
熱心ナ誠意ヲ以テ此ノ事業ニ當ッテ貰ハナ
ケレバ、決シテ此ノ大事業ハ出來ナイノデ
アルト云フコトデゴザイマシテ、是非此ノ
企業整備ヲ完成サセルト云フ爲ニハ、特
此ノ點ガ必要デアルト思ハレルカラ、此ノ
意味ヲ述べテ、本案ニ贊或ヲスルト云フコ
トデゴザイマシタ、其ノ結果、採決ヲ致シ
マシタ所ガ、全會一致デ可決トナッタノデ
ゴザイマス、右御報告致シマス、····尙若シ
誤解ガゴザイマストイケマセヌカラモウ一
應申上ゲマス、初メニ國民更生金庫、企業
整備資金措置法案ヲ一括シテ御說明申上ゲ
マシタガ、採決モ、一括シテ採決ヲ致シマ
シタノデアリマス、此ノ兩案共原案通リ可
決サレマシタト云フコトヲ附加ヘテ置キマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=73
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074・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 別ニ御發言
モナケレバ、兩案ノ採決ヲ致シマス、兩案
ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=74
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075・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=75
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076・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第二讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=76
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077・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=77
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078・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=78
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079・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=79
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080・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部
ヲ問題ニ供シマス、兩案全部、委員長ノ報
告通リデ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=80
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081・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=81
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082・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ兩案ノ第三讀
會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=82
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083・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=83
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084・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=84
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085・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=85
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086・佐佐木行忠
○副議長(侯爵佐佐木行忠君) 兩案ノ第三
讀會ヲ開キマス、兩案全部、第二讀會ノ決
議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=86
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087・佐佐木行忠
○副議長 (侯爵佐佐木行忠君)御異議ナ
イト認メマス、是ニテ議案全部ヲ議了致シマ
シタ、是ニテ散會致シマス
午後七時四十七分散會
貴族院議事速記録第二號正誤
頁段行誤正
一ノ一三○子爵西大○子爵西大
寺吉光君路吉光君
〃〃二七○子爵西大○子爵西大
寺吉光君路吉光君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008203242X00319430618&spkNum=87
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