1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和十九年一月二十七日(木曜日)
午後一時四十五分開議
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議事日程 第四號
昭和十九年一月二十七日
午後一時開議
第一 海軍刑法及海軍軍法會議法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第二 訴訟費用等臨時措置法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 會社等臨時措置法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 經濟關係罰則の整備に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第五 朝鮮に於ける裁判手續簡素化の爲の國防保安法及治安維持法の戰時特例に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第六 朝鮮私設鐵道補助法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 諸般ノ報告ヲ致サセ
マス
〔書記官朗讀〕
本日貴族院ヨリ受領シタル政府提出案
左ノ如シ
昭和十九年一月二十八日
勞働者年金保險法中改正法律案
北支那開發株式會社法及中支那振興株式
會社法中改正法律案
農林中央金庫特別融通及損失補償法中改
正法律案
絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制法中改
正法律案
石炭配給統制法中改正法律案
企業整備資金措置法中改正法律案
船舶職員法中改正法律案
簡易生命保險法中改正法律案
〔左ノ報告ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノ爲
茲ニ揭載ス〕
一、去二十五日貴族院ヨリ受領シタル政府
提出案左ノ如シ
朝鮮ニ於ケル裁判手續簡素化ノ爲ノ國防
保安法及治安維持法ノ戰時特例ニ關スル
法律案
朝鮮私設鐵道補助法中改正法律案
海軍刑法及海軍軍法會議法中改正法律案
訴訟費用等臨時措置法案
會社等臨時措置法案
經濟關係罰則ノ〓備ニ關スル法律案
去二十五日衆議院規則第十五條但書ニ
依リ議長ニ於テ議席ヲ左ノ通變更セリ
-奧野小四郞君
一六山本厚三君
四二五沖藏君
四三〇伊吹元五郞君
四三五森肇君
四四〇滿井佐吉君
一、昨二十六日東條内閣總理大臣ヨリ左ノ
通發令アリタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
文部書記官伊藤日出登
第八十四囘帝國議會文部省所管事務政府
委員被仰付
大東亞省調査官小野儀七郞
第八十四囘帝國議會大東亞省所管事務政
府委員被仰付
鐵道監冨山〓憲
第八十四囘帝國議會運輸通信省所管事務
政府委員被仰付
昨二十六日議長ニ於テ辭任ヲ許可シタ
ル常任委員左ノ如シ
第三部選出豫算委員川副隆君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=1
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002・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開キマ
ス、御諮リ致シマス、豫算委員長ヨリ本日
本會議中分科會ヲ開キタイトノ申出ガアリ
マス、尙ホ昭和十九年度一般會計歲出ノ財
源ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律
案外十件委員長ヨリ、本日本會議中委員會
ヲ開キタイトノ申出ガアリマス、何レモ之
ヲ許可スルニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=2
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003・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ之ヲ許可致シマス-日程第一、
海軍刑法及海軍重法會議法中改正法律案ノ
第一讀會ヲ開キマス-嶋田海軍大臣
第一、海軍刑法及海軍軍法會議法中改
正法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
海軍刑法及海軍軍法會議法中改正法律
案
第一條海軍刑法中左ノ通改正ス
第八條中「候補生、」ノ下ニ「見習尉官、」
ヲ加フ
第二條海軍軍法會議法中左ノ通改正ス
第三十二條中「充ツ」ノ下ニ「戰時事變
ニ際シ必要アルトキハ海軍ノ將校相當
官ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得」ヲ加フ
第三十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ第三十二條後段ノ規
定ニ依リ將校相當官ヲ以テ判士ト爲
ス場合ニ之ヲ準用ス
第四十七條第二項中「裁判長トス」ノ下
ニ「上席判士ハ將校タル判士タルコト
ヲ要ス」ヲ加フ
第四十九條第二項第二號及第五十二條
第二項第二號中「候補生」ノ下ニ「、見習
尉官」ヲ加フ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣嶋田繁太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=3
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004・嶋田繁太郎
○國務大臣(嶋田繁太郞君) 只今議題トナ
リマシタ海軍刑法及海軍軍法會議法中改正
法律案ニ付キマシテ、提案ノ理由ヲ說明申
上ゲマス
先般海軍ニ見習尉官制度ガ設ケラレマシ
タニ伴ヒマシテ、海軍刑法及海軍軍法會議
法中之ニ對應スベキ規定ヲ設ケル必要ヲ生
ジマシテ、是等法律ノ中、之ニ關スル規定
ヲ整備シマスルト共ニ、最近戰爭ノ進展ニ
伴ヒマシテ、海軍將校ア大多數ガ第一線ノ
配置ニ就イテ居リマス關係上、海軍軍法會
議ノ判士ノ召集ニ困難ヲ來シマシテ、軍法
會議ノ開廷ニ支障ヲ生ジ、延イテハ被〓事
件ノ處理ノ遲延スルヲ免レナイ狀況トナリ
マシタノデ、戰時事變ノ特例ト致シマシテ
判士トナルベキ者ノ範圍ヲ擴張シテ、將校
ノミニ限ラズ、將校相當官ヲモ判士トナシ
得ル如ク改メル要ヲ痛感致シマシタ、又其
ノ判士トシテノ資質ニ關シマシテモ差支へ
ナシト認メラルヽニ依リマシテ、此ノ點ニ
付テ海軍軍法會議法中關係ノ規定ヲ改正セ
ントスルモノデアリマス
卽チ本改正法律案ノ要點ハ〓ネ二點デア
リマシテ、第一ハ、海軍刑法中、海軍軍人
ノ名稱例ニ關スル規定中ニ見習尉官ヲ加ヘ
ル如ク之ヲ整備シマスルト共ニ、海軍軍法
會議法中、見習尉官ヲ被〓人トスル場合ニ
於キマスル軍法會議ノ判士ノ區別ニ關スル
規定ヲ整備シタコトデアリマス、第二ハ、
海軍軍法會議ノ職員タル判士ニハ、戰時事
變ノ際ハ上席判士ヲ除キマス外ハ、將校相
當官ヲモ之ニ當テ得ルコトニ改正シタコト
デアリマス
以上ノ理由ニ依リマシテ、本改正法律案
ヲ提出致シマシタ次第デアリマス、何卒御
審議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ
切望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=4
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005・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付託ヌ
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=5
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006・森下國雄
○森下國雄君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託シ、直チニ委員ヲ指名セラレンコ
トヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=6
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007・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=7
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008・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、委員ノ氏
名ハ書記官ヲシテ報〓致サセマス
〔書記官朗讀〕
海軍刑法及海軍軍法會議法中改正法律案
(政府提出、貴族院送付)委員
安倍寛君伊吹元五郞君
猪野毛利榮君小澤治君
大倉三郞君漢那憲和君
九鬼紋七君信太儀右衞門君
高橋壽太郞君高木義人君
富田愛次郞君中原謹司君
長野高一君日下田武君
松山常次郞君宮澤裕君
南鐵太郞君森田正義君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=8
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009・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 只今指名致シマシタ
委員諸君ハ、本會議散會後第三委員室ニ御
參集ノ上、委員長及ビ理事ヲ互選セラレン
コトヲ望ミマス-日程第二乃至第四ハ便
宜上一括議題トナスニ御異議ゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=9
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010・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、日程第二、訴訟費用等臨時措置法案、
日程第三、會社等臨時措置法案、日程第
四、經濟關係罰則ノ整備ニ關スル法律案、
右三案ヲ一括シテ第一讀會ヲ開キマス-
岩村司法大臣
第二訴訟費用等臨時措置法案(政府
提出、貴族院送付)第一讀會
第三會社等臨時措置法案(政府提出、
貴族院送付)第一讀會
第四經濟關係罰則ノ整備ニ關スル法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
訴訟費用等臨時措置法案
訴訟費用等臨時措置法
第一條戰時ニ於ケル民事訴訟費用、刑
事訴訟費用、執達吏手數料等ニ關スル
特例ハ本法ノ定ムル所ニ依ル
第二條民事訴訟費用法第二條第一項及
第二項ノ書記料竝ニ同法第三條ノ飜譯
料ハ百分ノ百ヲ增加ス
第三條民事訴訟費用法(他ノ法律ニ於
テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)第九
條及刑事訴訟費用法(他ノ法律ニ於テ
準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)第二條
ノ日當ハ五圓以內、民事訴訟費用法第
十一條及刑事訴訟費用法第三條ノ日當
ハ十五圓以內、民事訴訟費用法第十二
條及刑事訴訟費用法第五條ノ止宿料ハ
十五圓以內、民事訴訟費用法第十三條
及刑事訴訟費用法第四條ノ旅費ハ鐵道
及汽船ヲ通ズル水路ヲ除クノ外一里每
ニ一圓以內ニ於テ裁判所、豫審判事又
ハ受託判事ノ意見ヲ以テ定ムル所ニ依
ル
第四條執達吏手數料規則第十七條ノ日
當ハ證人ニ付テハ二圓以內、鑑定人ニ
付テハ五圓以內、同法第十八條第一項
ノ旅費ハ一里每ニ五十錢以内、同條第
二項ノ宿泊料ハ十圓以內トス
前項ニ揭グルモノヲ除クノ外執達吏手
數料規則及大正八年法律第四十一號ニ
依ル手數料及立替金ハ百分ノ百ヲ增加
ス
第五條執達吏一年間ニ收入シタル手數
料ガ勅令ノ定ムル額ニ滿タザルトキハ
國庫ヨリ其ノ不足額ヲ支給ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前要シタル費用ニ付テハ仍從前
ノ例ニ依ル
戰時終了ノ際ニ於テ必要ナル經過規定ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
會社等臨時措置法案
會社等臨時措置法
第一條戰時ニ於ケル會社其ノ他ノ法人
ニ關スル特例ハ本法ノ定ムル所ニ依ル
第二條株式會社ニシテ其ノ資本ノ總額
ガ勅令ヲ以テ定ムル額ニ滿タザルモノ
ニ在リテハ商法第百六十六條第二項ニ
定ムル公告方法ト異ル定ヲ爲スコトヲ
得
第三條株式會社ニシテ其ノ株主ノ員數
ガ勅令ヲ以テ定ムル數ヲ超ユルモノニ
在リテハ株主總會ノ招集ハ定款ニ定ア
ル場合ニ限リ株主ニ對スル通知ニ代ヘ
會日ヨリ三週間前ニ總會ヲ開クベキ旨
及會議ノ目的タル事項ヲ公〓シテ之ヲ
爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ定款ノ變更其ノ他商
法第三百四十三條ニ定ムル決議ヲ要ス
ル事項ハ定款ニ定アル場合ニ限リ資本
ノ半額以上ニ當ル株主出席シ其ノ議決
權ノ過半數ヲ以テ之ヲ決スルコトヲ得
第四條株式會社ノ株主總會ノ決議ヲ要
スル事項ニシテ株主ノ利害ニ重大ナル
影響ヲ及ボサザルモノニ付テハ定款ヲ
以テ總會ノ決議ニ依ラザルモノトスル
コトヲ得
前項ノ事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條勅令ヲ以テ定ムル株式會社ノ社
債ノ登記ニ付テハ勅令ヲ以テ別段ノ定
ヲ爲スコトヲ得
第六條會社ノ爲スベキ公告、財產目錄
其ノ他ノ書類ノ謄本及抄本ノ交付竝ニ
信託證書其ノ他ノ書類ノ謄本ノ備置ニ
付テハ機密ノ保持其ノ他公益上ノ理由
ニ依リ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
第七條勅令ヲ以テ定ムル會社ノ合併又
ハ資本ノ減少ノ場合ニ於テ債權者ニ對
シテ爲スベキ催告其ノ他ノ事項ニ付テ
ハ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第八條前五條ノ規定ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ會社ニ非ザル法人ニ之ヲ準用ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
戰時終了ノ際ニ於テ必要ナル經過規定ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
經濟關係罰則ノ整備ニ關スル法律案
第一條國家總動員法第十八條第一項若
ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラレタル
團體又ハ營團、金庫若ハ此等ニ準ズル
モノノ役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用
ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事ス
ル職員ト看做ス
前項ノ團體竝ニ營團、金庫及此等ニ準
ズルモノハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條特別ノ法令ニ依リ設立セラレタ
ル會社、國家總動員法其ノ他經濟ノ統
制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制若ハ統
制ノ爲ニスル經營ヲ爲ス會社若ハ組合
又ハ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ
職員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ
之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以
下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ
又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ七年
以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ會社、組合及此等ニ準スルモノ
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條前條第一項ニ揭グル役員其ノ他
ノ職員タラントスル者其ノ擔當スベキ
職務ニ關シ請託ヲ受ケテ賄賂ヲ收受シ
又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ同
項ニ揭グル役員其ノ他ノ職員ト爲リタ
ル場合ニ於テ二年以下ノ懲役ニ處ス
前條第一項ニ揭グル役員其ノ他ノ職員
タリシ者其ノ在職中請託ヲ受ケテ職務
上不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ
爲サザリシコトニ關シ賄賂ヲ收受シ又
ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年
以下ノ懲役ニ處ス
第四條第二條第一項及前條ノ場合ニ於
テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス其ノ全
部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルト
キハ其ノ價額ヲ追徵ス
第五條第二條第一項及第三條ニ規定ス
ル賄賂ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束
ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五
千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキ
ハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ
得
第六條公務員若ハ公務員タリシ者又ハ
第一條若ハ第二條ノ團體、營團、金庫、
會社及組合竝ニ此等ニ準ズルモノ(以
下經濟團體ト稱ス)ニシテ勅令ヲ以テ
定ムルモノノ役員其ノ他ノ職員若ハ役
員其ノ他ノ職員タリシ者自己又ハ第三
者ノ利益ヲ圖リ重要物資ノ生產、配給
又ハ消費ノ統制其ノ他經濟ノ統制ニ關
スル官廳又ハ當該經濟團體ノ重要ナル
祕密ニシテ職務上知得シタルモノヲ漏
泄シ又ハ竊用シタルトキハ五年以下ノ
懲役ニ處ス
第七條經濟團體ノ行フ統制事務若ハ統
制ノ爲ニスル經濟事務ヲ代行スル法人
ノ役員其ノ他ノ職員又ハ人若ハ其ノ使
用人ニシテ當該事務ニ從事スルモノハ
本法ノ適用ニ付テハ之ヲ當該經濟團體
ノ當該事務ニ從事スル職員ト看做ス
第八條第二條第一項、第三條及第六條
ノ罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
附則
第九條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之
ヲルム
第十條日本證劵取引所法中左ノ通改正
ス
第八十五條中「五千圓以下ノ罰金」ヲ
「二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ
罰金」ニ改ム
第八十七條中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「三千
圓以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ
五千圓以下ノ罰金」ニ改ム
第十一條外國爲替管理法中左ノ通改正
ス
第十四條中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「千圓以
下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ二千
圓以下ノ罰金」ニ改ム
第十二條國家總動員法中左ノ通改正ス
第四十六條及第四十七條削除
第十三條昭和十二年法律第九十一一號中
左ノ通改正ス
第九條及第十條ヲ削ル
第十四條農地開發法中左ノ通改正ス
第六十二條及第六十三條削除
第十五條食糧管理法中左ノ通改正ス
第三十八條及第三十九條割除
第十六條蠶絲業統制法中左ノ通改正ス
第四十八條及第四十九條削除
第十七條酒類業團體法中左ノ通改正ス
第十條ノ十七及第十條ノ十八ヲ削リ第
十條ノ十九ヲ第十條ノ十七トス
第十八條鹽專賣法中左ノ通改正ス
第四十條ノ三及第四十條ノ四ヲ削ル
第四十條ノ五中「第四十條ノ三第一項
ニ揭クル者」ヲ「鹽業組合、鹽業組合聯
合會又ハ鹽業組合中央會ノ役員又ハ〓
算人」ニ改メ同條ヲ第四十條ノ三トス
第十九條馬匹組合法中左ノ通改正ス
第四十五條及第四十六條ヲ削リ第四十
七條ヲ第四十五條トス
第二十條自動車交通事業法中左ノ通改
正ス
第五十八條及第五十九條削除
第二十一條貿易組合法中左ノ通改正ス
第八十四條削除
第九十條及第九十一條ヲ削ル
第九十二條中「第八十九條」ヲ「前條」ニ
改メ「、第九十條ニ揭グル罪ハ刑法第四
條ノ例ニ」ヲ削リ同條ヲ第九十條トス
第二十二條海運組合法中左ノ通改正ス
第三十六條及第三十七條ヲ削リ第三十
八條ヲ第三十六條、第三十九條ヲ第三
十七條トス
第四十條ヲ削ル
第二十三條造船事業法中左ノ通改正ス
第四十八條及第四十九條ヲ削リ第五十
條ヲ第四十八條トシ以下第五十二條迄
順次二條宛繰上グ
第五十三條ヲ削ル
第二十四條貸家組合法中左ノ通改正ス
第四十八條乃至第五十條削除
第二十五條市街地信用組合法中左ノ通
改正ス
第五十六條及第五十七條削除
第五十八條中「第五十六條第一項ニ揭
グル者」ヲ「市街地信用組合ノ組合長、
理事、監事、第十四條ノ規定ニ依ル代理
人又ハ〓算人」ニ改ム
第五十九條中「第五十六條第一項」ヲ
「前條」ニ改ム
第二十六條農業團體法中左ノ通改正ス
第七十一條及第七十二條削除
第七十三條中「第四十五條」ノ下ニ「(第
五十七條及第六十六條ニ於テ準用スル
場合ヲ含ム)」ヲ加フ
第二十七條水產業團體法中左ノ通改正
ス
第七十三條及第七十四條削除
第二十八條商工組合法中左ノ通改正ス
第八十二條及第八十三條削除
第八十四條中「、第八十二條ニ揭グル罪
ハ刑法第四條ノ例ニ」ヲ削ル
第二十九條本法施行前爲シタル行爲ノ
處罰ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
〔國務大臣岩村通世君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=10
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011・岩村通世
○國務大臣(岩村通世君) 只今上程ニ相成
リマシタ訴訟費用等臨時措置法案外二法律
案ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲ
マス
先ヅ第一ニ訴訟費用等臨時措置法案デア
リマスルガ、現在行ハレテ居リマスル民事
及ビ刑事ノ訴訟費用、執達吏ノ手數料竝ニ
執達吏ニ對スル補助金等ノ額ハ、何レモ今
カラ二十數年前ニ改メラレタ儘、其ノ後一
囘ノ改正モ加ヘラルヽコトナク今日ニ及ン
デ居ルノデアリマシテ、現下ノ諸情勢ヨリ
考ヘマスル時ハ明カニ低額ニ失シ、之ヲ放
置致シマスルコトハ、訴訟關係人及ビ執達
吏ニ對シ多大ノ不利不便ヲ强要スル結果ト
ナリ、延イテハ決戰態勢下ニ於テ訴訟ノ促
進ヲ旨トスベキニ拘ラズ、之ヲ阻碍スルノ
虞モ多分ニアルト存ズルノデアリマス、仍
テ、今囘右ノ訴訟費用、手數料等ニ付キ臨
時ノ特例ヲ設ケテ其ノ調整ヲ圖ル爲ニ本案
ヲ提出致シタ次第デゴザイマス
次ニ會社等臨時措置法案ノ提出ノ理由ヲ
御說明致シマス、政府ニ於キマシテハ曩ニ
行政事務ノ簡素强化ヲ圖リ、著々其ノ實績
ヲ擧ゲテ居ルノデアリマスルガ、民間ニ於
ケル會社其ノ他ノ法人企業ニ付キマシテモ、
能フ限リ手續等ヲ簡易ニシ、以テ勞力、費
用、資材等ノ節約ヲ期シ、其ノ餘力ハ全部
之ヲ戰力增强ニ振向ケル必要ノアルコトハ
申スマデモアリマセヌ、是ガ爲メ商法其ノ
他法人ニ關スル諸法令ヲ〓究調査致シ、戰
時下特ニ簡素化スルヲ相當ト認メマシタ事
項ニ付キ、大東亞戰爭中ノ特例ヲ設ケント
スル次第デアリマス、其ノ特例ト致シマシ
テ、第一ハ比較的規模ノ小ナル株式會社ノ
公告方法ヲ緩和シ、第二ハ株主多數ヲ擁ス
ル株式會社ノ株主總會ノ招集ハ、定款ノ定
ムル所ニ依リ公〓ノ方法ヲ以テ之ヲナスコ
トヲ得ルモノトシ、此ノ場合ニ於ケル定款
ノ變更其ノ他ノ特別決議ニ付キ定足數ノ緩
和規定ヲ設ケ、又一般ノ株式會社ニ於テ株
主ノ利害ニ重大ナル影響ヲ及ボサザル事項
ニ付テハ、總會ノ決議ニ依ラズ、任意ニ定
款ヲ以テ定ムル方法ニ依リ決スルコトヲ得
ルノ途ヲ拓キ、第三ハ一定ノ株式會社ノ社
債ノ登記ニ付キ、第四ハ、會社ノナスベキ公
〓、財產目錄其ノ他ノ書類ノ謄本及ビ抄本
ノ交付等、又第五ハ一定ノ會社ノ合併又ハ
資本ノ減少ノ場合ニ於テ債權者ニ對シテナ
ス催告等ニ付キ、何レモ勅令ヲ以テ是ガ簡
素化ノ特例ヲ認ムルコトヲ得ルモノト致ス
ノデアリマス、此ノ特例ノ大部分ハ、必要
ナル限度ニ於キマシテ會社以外ノ或ル種ノ
法人ニモ準用シ、以テ手續ノ簡素强力化ヲ
圖ル次第デアリマス
次ニ經濟關係罰則ノ整備ニ關スル法律案
ニ付キ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、現
下ノ決戰態勢ニ卽應致シマシテ、經濟統制
ノ圓滑ナル遂行ヲ期シテ參リマス爲ニハ、
經濟犯ノ防遏ニ一層ノ努力ヲ致シマスルト
共ニ、經濟統制ノ運用ノ中核ヲナス官吏、
其ノ他ノ公務員竝ニ其ノ運用ノ實際ヲ擔當
スル經濟團體ノ役職員ノ瀆職ニ關スル處罰
規定ヲ整備シ、尙經濟統制ニ關スル祕密
ノ漏泄等ニ付キ處罰規定ヲ新設シ、且又經
濟關係罰則ノ統一ヲモ期スルノ必要ガアル
ノデアリマス、而シテ是等ノ中官吏其ノ
他ノ公務員ノ瀆職ニ關スル處罰規定ニ
付キマシテハ、戰時刑事特別法中改正
法律案ニ依リマシテ、所要ノ整備ガ行ハレ、
旣ニ其ノ實施ヲ見タ所デアリマス、其ノ他ノ
點ニ付キマシテモ、政府ト致シマシテハ、
豫テヨリ深キ關心ヲ有シテ居ツタノデアリ
マシタガ、偶〓去ル第八十一回帝國議會ニ於
ケル法案ノ審議ノ際ノ御論議ノ次第モアリ、
司法省內ニ經濟關係罰則調査委員會ヲ設
ケ、現行法規ノ不備缺陷ノ是正ト刑罰ノ統
一トヲ期シ得ル法律案ノ作成ニ努力シ、本
法案ヲ得ルニ至ツタノデアリマス、卽チ本
法案ハ、右ノ委員會ノ答申ニ基キ、且ツ經
濟統制進展ノ實情ヲモ愼重ニ考慮致シマシ
テ、時局下眞ニ巳ムヲ得ザル範圍ノ經濟關
係罰則ノ整備ヲ行ハントスルモノデアリマ
ス、本法案ノ骨子ハ、之ヲ要約シテ申上ゲ
マスレバ、次ノ四點ニ歸スルノデアリマス、
第一ハ、經濟團體ノ役職員ノ瀆職ニ關スル
處罰規定ヲ整備シ、其ノ刑ヲ加重スルト共
ニ、是ガ統一ヲ圖ラントスルモノデアリマ
ス、卽チ經濟國體ノソレ〓〓ノ性質職能ニ
鑑ミ、瀆職ニ關スル處罰規定ヲ適當ニ整備
統一シマスルト共ニ、刑ノ加重ヲモ行ヒ、
併セテ此ノ種ノ規定ノ不備トセラレテ居リ
マシタ所謂經濟會社及ビ代行機關ノ瀆職行
爲ニ付キ、是ガ處罰規定ヲ新設セントスル
モノデアリマス、第二ハ經濟ノ統制ニ關ス
ル重要ナル祕密ノ漏泄等ヲ防遏スル爲メ、
必要ナル處罰規定ヲ新設セントスルモノデ
アリマス、經濟祕密ノ保護ハ、軍機及ビ國
家機密等ノ保護ニ比較致シマスルト、未ダ
十分ナラザルモノガアリマスルノデ、本法
案ハ是ガ不備ヲ補フ爲メ、經濟ノ統制ニ關
スル官廳、又ハ經濟團體ノ重要ナル祕密ノ
保護ヲ期シ、公務員又ハ經濟團體ノ役職員
等ニシテ、自已又ハ第三者ノ利益ヲ圖リ、
是等ノ祕密ヲ他ニ漏泄又ハ竊用シタルモノ
ニ對スル處罰規定ヲ新設セントスルモノデ
アリマス、第三ハ日本證劵取引所法及外國
爲替管理法ノ祕密漏泄等ニ關スル處罰規定
ニ付キ、ソレゾレ相當ナル刑ノ加重ヲ爲シ、他
ノ同種ノ刑罰トノ均衡ヲ得シメントスルモ
ノデアリマス、第四ハ、以上ノ措置ニ伴ヒ、
關係法律ノ條文ノ整理ヲ行ハントスルモノ
デアリマス、何卒愼重御審議ノ上三法案ニ
對シ何レモ御協賛ヲ與へラレンコトヲ切望
致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=11
-
012・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=12
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013・森下國雄
○森下國雄君 日程第二乃至第四ノ三案ヲ
二種、議長指名二十七名ノ委員ニ付託シ、
直チニ委員ヲ指名セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=13
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014・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=14
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015・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、委員ノ氏
名ハ書記官ヲシテ報告致サセマス
〔書記官朗讀〕
訴訟費用等臨時措置法案(政府提出、貴
族院送付)外二件委員
大川光三君岡本馬太郞君
沖藏君金子定一君
木下信君木崎爲之君
佐久間渡君坂下仙一郞君
坂口平兵衞君曾木重貴君
高野孫左衞門君高見之通君
谷原公君土屋源市君
中井一夫君中瀨拙夫君
仲井間宗一君長井源君
長沼權一君南雲正朔君
西方利馬君濱野徹太郞君
宮崎一君村松久義君
山田竹治君八並武治君
安田桑次君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=15
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016・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 只今指名致シマシタ
委員諸君ハ、本會議散會後直チニ第九委員
室ニ御參集ノ上、委員長及ビ理事ヲ互選セ
ラレンコトヲ望ミマス-日程第五及ビ第
六ハ便宜上一括議題トナスニ御異議アリマ
セヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=16
-
017・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、日程第五、朝鮮ニ於ケル裁判手續簡素
化ノ爲ノ國防保安法及治安維持法ノ戰時特
例ニ關スル法律案、日程第六、朝鮮私設鐵
道補助法中改正法律案、右兩案ヲ一括シテ
第一讀會ヲ開キマス-安藤內務大臣
第五朝鮮ニ於ケル裁判手續簡素化ノ
爲ノ國防保安法及治安維持法ノ戰時
特例ニ關スル法律案(政府提出、貴
族院送付)第一讀會
第六朝鮮私設鐵道補助法中改正法律
案(政府提出、貴族院送付)第一讀會
朝鮮ニ於ケル裁判手續簡素化ノ爲ノ國
防保安法及治安維持法ノ戰時特例ニ關
スル法律案
朝鮮ニ在リテハ國防保安法第三十四條及
治安維持法第三十四條ノ規定ハ戰時ニ於
テハ之ヲ適用セズ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ハ本法施行前第一審ノ辯論ノ終結ア
リタル事件ニ付テハ之ヲ適用セズ
戰時終了ノ際ニ於テ必要ナル經過規定ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朝鮮私設鐵道補助法中改正法律案
朝鮮私設鐵道補助法中左ノ通改正ス
第一條第二項中「十年」ヲ「十五年」ニ改ム
附則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣安藤紀三郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=17
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018・安藤紀三郎
○國務大臣(安蔵紀三郞君) 只今上程ニナ
リマシタ朗鮮ニ於ケル裁判手續簡素化ノ爲
ノ國防保安法及治安維持法ノ戰時特例ニ關
スル法律案ニ付テ提案ノ理由ヲ御說明致シ
タイト存ジマス
戰時下社會公共ノ安寧ヲ害シマスル各種
犯罪ニ對シマシテ裁判ノ審理判決ヲ敏速ナ
ラシメ、以テ治安確保ノ萬全ヲ期シマスル
コトノ必要デアリマスルコトハ、內地外地
ヲ通ジマシテ略〓同一ノ狀況下ニアリマス、
而シテ內地ニ於キマシテハ曩ニ裁判所構成
法戰時特例竝ニ戰時刑事特別法等ニ必要ナ
ル改正ヲ加ヘ、裁判手續ニ關シマシテ全面
的ニ二審制度ヲ採用スルコトヽ相成リマシ
タノデ、朝鮮ニ於キマシテモ亦內地ノ制度
ニ照應致シ、別途制令ヲ以チマシテ內地ノ
法制ト略〓同一内容ノ朝鮮總督府裁判所令戰
時特例竝ニ朝鮮戰時刑事特別令等ヲ制定致
スベク目下手續中デゴザイマス、然ル所一
方國防保安法及ビ治安維持法ハ法律トシテ
朝鮮ニモ施行セラレテ居リ、且ツ此ノ兩法
中ニハ三審制ヲ規定スル條文ガ存シテ居リ
マシテ、是等ノ法律規定ハ制令ヲ以テシテ
ハ之ヲ排除スルコトガ出來マセヌノデ、此
ノ度本法ニ依リマシテ國防保安法及ビ治安
維持法ニ對スル戰時特例ヲ規定シ、法律ト
制令トノ牴觸ヲ調整致シマシテ、以テ全面
的ニ二審制ヲ實施セントスルモノデアリマ
ス
次ニ朝鮮私設鐵道補助法中改正法律案提
出ノ理由ヲ御說明致シマス、朝鮮ニ於ケル
私設鐵道ニ對シマシテハ、現行ノ朝鮮私
設鐵道補助法ニ依リマシテ、補助金ヲ交付
スルコトヲ得ルコトヽ相成ツテ居リマスル
所、現在補助ヲ受ケツヽアル私設鐵道中ニ
ハ近ク其ノ補助期間ノ滿了スルモノガアリ
マスルガ、是等ノ鐵道ハ何レモ未ダ業績ノ
進展ガ豫期ノ如キナラズ、尙當分ノ間政
府ヨリ相當ノ補助ヲ致サナケレバ經營困難
ノ狀態ニアリマス、而シテ是等ノ鐵道ハ、
何レモ國營代行線タルノ特質ヲ有シテ居リ
マシテ、生產力擴充上、重要ナル物資ノ輸
送ニ當ルベキ重大使命ヲ帶ビテ居リ、是ガ
運營ノ如何ハ時局下戰力增强ニ至大ノ關係
ヲ有シテ居リマスルコトニ鑑ミマシテ、今
囘本法ニ必要ナル故正ヲ加ヘ、是ガ助成ノ
爲ニ、必要アル場合ニ於テハ、現在ノ補助
期間ヲ更ニ五年間延長シ得ルノ途ヲ開カン
ト致ス次第デアリマス、何卒御審議ノ上、
速カニ御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ御願ヒ致
シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=18
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019・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付託ス
ベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=19
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020・森下國雄
○森下國雄君 日程第五ハ政府提出訴訟費
用等臨時措置法案外二件委員ニ併セ付託
シ、日程第六ハ政府提出鐵道敷設法戰時特例
案外一件委員ニ併セ付託セラレンコトヲ望
ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=20
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021・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=21
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022・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 異議ナシト認メマス、
仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=22
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023・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出勞働者
年金保險法中改正法律案ヲ議題トナシ其ノ
審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=23
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024・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 森下君ノ動議ニ御異
議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=24
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025・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メマ
ス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ-勞働
者年金保險法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開
キマス-小泉厚生大臣
勞働者年金保險法中改正法律案(政府
提出、貴族院送付)第一讀會
勞働者年金保險法中改正法律案
勞働者年金保險法中左ノ通改正ス
「勞働者年金保險法」ヲ「厚生年金保險法」
コンスタ
第一條中「勞働者年金保險」ヲ「厚生年金
保險」ニ、「死亡又ハ脫退」ヲ「死亡、脫退
又ハ婚姻」ニ改ム
第二條、第七條及第九條中「勞働者年金
保險」ヲ「厚生年金保險」ニ改ム
第三條第一項中「事業主ヨリ」ヲ削リ同條
中「賃金又ハ給料」ヲ「賃金、給料又ハ俸
給」ニ改ム
第五條保險料其ノ他本法ニ依ル徵收金
ヲ徵收シ又ハ其ノ還付ヲ受クル權利及
障害手當金、結婚手當金又ハ第四十二
條ノ二ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル權
利ハ一年ヲ經過シタルトキ、養老年金、
障害年金、遺族年金、脫退手當金又ハ
第三十三條、第三十四條、第三十八條乃
至第三十九條ノ二、第四十七條若ハ第
五十一條ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル
權利ハ五年ヲ經過シタルトキハ時效ニ
因リテ消滅ス
第十一條第三項中「市町村」ヲ「市町村(東
京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京都)」
ニ、同條第四項中「市町村ニ」ヲ「市町
村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テ
ハ東京都)ニ」ニ「市町村ハ」ヲ「市町村
(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京
都)ハ」ニ改ム
第十四條中「政府ノ事業ニ使用セラルル
者及使用セラレタル者」ヲ「國ノ事業ニ
使用セラルル者及使用セラレタル者竝
ニ東京都、北海道、府縣、市町村其ノ
他之ニ準ズベキモノニ使用セラルル者」
三六人.
第十六條健康保險法第十三條ニ規定ス
ル事業所ニ使用セラルル者ハ厚生年金
保險ノ被保險者トス但シ左ノ各號ノ一
ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
-船員保險ノ被保險者
二帝國臣民ニ非ザル者
三前各號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以テ
指定スル者
第十六條ノ二前條ニ規定スル事業所以
外ノ事業所ノ事業主ハ地方長官(東京
都ニ在リテハ警視總監以下同ジ)ノ認
可ヲ受ケ其ノ事業所ニ使用セラルル者
ヲ包括シテ厚生年金保險ノ被保險者ト
爲スコトヲ得
前項ノ認可ヲ申請スルニハ被保險者ト
爲ルベキ者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得
ルコトヲ要ス
第十六條ノ三前條ノ認可アリタルトキ
ハ其ノ事業所ニ使用セラルル者ハ厚生
年金保險ノ被保險者トス
第十六條但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之
ヲ準用ス
第十七條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
第十六條ニ規定スル事業所又ハ第十六
條ノ二ノ認可アリタル事業所以外ノ事
業所ニ使用セラルル者ハ地方長官ノ認
可ヲ受ケ厚生年金保險ノ被保險者ト爲
ルコトヲ得
第十六條但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之
ヲ準用ス
第十八條第十六條ノ事業所ガ同條ノ規
定ニ該當セザルニ至リタルトキハ其ノ
事業所ニ付第十六條ノ一一ノ認可アリタ
ルモノト看做ス
第十九條中「第十六條ノ規定ニ依ル被保
險者ハ其ノ業務ニ使用セラルルニ至リ
タル日又ハ同條但書」ヲ「第十六條及第
十六條ノ三ノ規定ニ依ル被保險者ハ其
ノ事業所ニ使用セラルルニ至リタル日又
ハ第十六條但書若ハ第十六條ノ三第二
項」三五人
第二十條中「第十六條及第十七條ノ規定
ニ依ル被保險者ハ死亡シタル日、其ノ
業務ニ使用セラレザルニ至リタル日又
ハ第十六條第四號乃至第六號」ヲ「第十
六條、第十六條ノ三及第十七條ノ規定ニ
依ル被保險者ハ死亡シタル日、其ノ事業
所ニ使用セラレザルニ至リタル日又ハ第
十六條但書、第十六條ノ三第二項」ニ改
ム
第二十條ノ二第十六條ノ三ノ規定ニ依
ル被保險者ヲ使用スル事業主ハ地方長
官ノ認可ヲ受ケ其ノ被保險者ノ全部ヲ
シテ其ノ資格ヲ喪失セシムルコトヲ得
前項ノ認可ヲ申請スルニハ被保險者ノ
四分ノ三以上ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第一項ノ認可アリタルトキハ被保險者
ハ認可アリタル日ノ翌日ヨリ其ノ資格
ヲ喪失ス
第二十二條第一項中「十四年」ヲ「十年」ニ
改ム
第二十三條第一項中「第十六條及第十七
條」ヲ「第十六條、第十六條ノ三及第十七
條」ニ改ム
第二十四條第一項但書ヲ削リ同條第二項
中「半月」ヲ「一月」ニ改ム
第二十六條中「遺族年金又ハ第三十三條、
第三十四條、第三十八條、第三十九條若
ハ第四十七條ノ規定ニ依ル一時金」ヲ「遺
族年金、第三十三條、第二一十四條、第三十
八條乃至第三十九條ノ一一若ハ第四十七條
ノ規定ニ依ル一時金又ハ第三十條ノ二ノ
規定ニ依ル支給金」ご依頼人
第二十七條、第四十一條、第五十條、第
五十一條、第五十四條及第五十五條中
「癈疾年金」ヲ「障害年金」ニ改ム
第三十條ノ次ニ左ノ一條ヲ加ラ
第三十條ノ二保險給付ヲ受クル權利ヲ
有スル者ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ
者ガ支給ヲ受クベキ保險給付ニシテ未
ダ其ノ支給ヲ受ケザリシモノ又ハ被保
險者若ハ被保險者タリシ者ガ死亡シタ
ルニ因リ支給スベキ脫退手當金ハ之ヲ
被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
第三十一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
坑內夫タル被保險者トシテノ被保險者
タリシ期間ガ二十年以上ナル者ニ付テ
ハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ガ被保險
者ノ資格ヲ喪失シタル後五十歲ヲ超エ
タルトキ又ハ五十歲ヲ超エ其ノ資格ヲ
喪失シタルトキヨリ其ノ者ノ死亡ニ至
ル迄養老年金ヲ支給ス繼續シタル十五
年間ニ於テ坑内夫タル被保險者トシテ
ノ被保險者タリシ期間ガ十六年以上ナ
ル者ニ付亦同ジ
第三十二條養老年金ノ額ハ被保險者タ
リシ全期間ノ平均報酬月額(以下平均
報酬月額ト稱ス)ノ四月分ニ相當スル
仝額トシ被保險者タリシ期間二十年以
上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均
報酬日額(平均報酬月額ノ三十分ノ一
ノ額トス以下同ジ)ノ四日分ニ相當ス
ル金額ヲ加ヘタル金額トス
同一ノ事業主ノ事業所又ハ同一ノ事業
所ニ於テ引續キ被保險者タリシ期間十
年以上ナル者ニ關シテハ其ノ者ニ支給
セラルル養老年金ノ額ハ前項ノ金額ニ
其ノ期間ノ初ノ十年ニ對シ平均報酬日
額ノ四日分ニ相當スル金額ヲ、十年以
上五年ヲ增ス每ニ其ノ五年ニ對シ平均
報酬日額ノ四日分ニ相當スル金額ヲ加
ヘタル金額トス
第三十三條中「養老年金ノ支給ヲ受クル
者ガ死亡シタル際」ヲ「養老年金ノ支給ヲ
受クル者ガ業務上ノ事由以外ノ事由(以
下業務外ノ事由ト稱ス)ニ因リ死亡シタ
ル際」ニ、「五年分」ヲ「六年分」ニ改ム
第三十四條第一項中「養老年金ノ支給ヲ
受クルコトナクシテ死亡シタル際」ヲ「養
老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ業務
外ノ事由ニ因リ死亡シタル際」ニ、「五年
分」ヲ「六年分」ニ、同條第二項中「第三十
九條」ヲ「第三十八條」ニ改ム
「第三節癈疾年金及癈疾手當金」ヲ第
三節障害年金及障害手當金」この人
第三十六條第一項中「癈疾年金」ヲ「障害
年金」ニ、「癈疾手當金」ヲ「障害手當金」
ニ、同條第二項中「癈疾年金又ハ癈疾手
當金」ヲ「業務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リ
タル者ガ障害年金又ハ障害手當金」ニ改
メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
被保險者又ハ被保險者タリシ者ノ前項
ノ規定ニ依ル癈疾ノ程度ハ主務大臣ノ
認定スル所ニ依ル
第三十七條障害年金ノ額ハ左ノ區別ニ
依ル金額トス
被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務上ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル
場合ニ於テハ平均報酬月額ニ癈疾ノ
程度ニ應ジ別表第一ニ定ムル月數ヲ
乗ジテ得タル金額
二被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル
場合ニ於テハ平均報酬月額ノ四月分
ニ相當スル金額
被保險者タリシ期間二十年以上ナル
者ニ關シテハ其ノ者ニ支給セラルル
障害年金ノ額ハ前項ノ金額ニ二十年
以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ
平均報酬日額ノ四日分ニ相當スル金〃
額ヲ加ヘタル金額トス
同一ノ事業主ノ事業所又ハ同一ノ事
業所ニ於テ引續キ被保險者タリシ期
間十年以上ナル者ニ關シテハ其ノ者
ニ支給セラルル障害年金ノ額ハ第一
項又ハ前項ノ金額ニ其ノ期間ノ初ノ
十年ニ對シ平均報酬日額ノ四日分ニ
相當スル金額ヲ、十年以上五年ヲ增
ス每ニ其ノ五年ニ對シ平均報酬日額
ノ四日分ニ相當スル金額ヲ加ヘタル
金額トス
前三項ノ規定ニ拘ラズ障害年金ノ額
ハ平均報酬月額ノ十二月分ニ相當ス
ル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第三十七條ノ二障害手當金ノ額ハ左ノ
區別ニ依ル金額トス
被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務上ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル
場合ニ於テハ平均報酬月額ニ癈疾ノ
程度ニ應ジ別表第二ニ定ムル月數ヲ
乘ジテ得タル金額
二被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル
場合ニ於テハ平均報酬月額ノ十月分
ニ相當スル金額
第三十八條業務上ノ事由ニ因ル廢疾ト
爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受ク
ル者又ハ被保險者タリシ期間二十年以
上ナル者ニシテ業務外ノ事出ニ因ル癈
疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ
受クルモノガ業務外ノ事由ニ因リ死亡
シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金
ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ既
ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ障
害年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タ
ザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其
ノ遺族ニ支給ス
第三十九條被保險者タリシ期間二十年
未滿ナル者ニシテ業務外ノ事由ニ因ル
癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給
ヲ受クルモノガ業務外ノ事由ニ因リ死
亡シタル場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタ
ル障害年金ノ總額ガ被保險者ノ資格喪
失ノ際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ
脫退手當金及平均報酬月額ノ十月分ノ
合算額(平均報酬月額ノ二十二月分ヲ
超ユルトキハ二十二月分ニ止ム)ニ相
當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第三十一條第二項後段ノ
規定ニ該當スル者ガ死亡シタル場合ニ
於テハ之ヲ適用セズ
第三十九條ノ二被保險者又ハ被保險者
タリシ者ガ業務上ノ事由ニ因リ勅令ノ
定ムル期限內ニ死亡シタル際其ノ者ノ
死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ
者ナキ場合ニ於テハ平均報酬月額ノ三
十六月分ニ相當スル金額ヲ一時金トシ
テ其ノ遺族ニ支給ス
被保險者タリシ期間二十年以上ナル者
ニ關シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル一
時金ノ額ハ前項ノ金額ニ二十年以上一
年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬
日額ノ二十四日分ニ相當スル金額ヲ加
ヘタル金額トス
同一ノ事業主ノ事業所又ハ同一ノ事業
所ニ於テ引續キ被保險者タリシ期間十
年以上ナル者ニ關シテハ其ノ遺族ニ支
給セラルル一時金ノ額ハ第一項又ハ前
項ノ金額ニ其ノ期間ノ初ノ十年ニ對シ
平均報酬日額ノ二十四日分ニ相當スル
金額ヲ、十年以上五年ヲ增ス每ニ其ノ
五年ニ對シ平均報酬日額ノ二十四日分
ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第一項ノ場合ニ於テ業務上ノ事出ニ因
ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支
給ヲ受クル者ニ關シテハ其ノ者ガ既ニ
支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ障害
年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザ
ル場合ニ於テ其ノ差額ガ第一項、第二
項又ハ前項ノ金額ヲ超ユルトキハ其ノ
超ユル部分ノ金額ニ相當スル金額ヲ第
一貫、第二項又ハ前項ノ金額ニ加ヘテ
其ノ遺族ニ支給ス
第四十條中「養老年金及癈疾年金」ヲ一〇
老年金及障害年金又ハ二以上ノ障害年
金」ニ改ム
第四十二條養老年金又ハ障害年金ヲ受
クル權利ヲ有スル者ニバ障害手當金ヲ
支給セズ
第四十二條ノ二養老年金又ハ障害年金
ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ業務上ノ事
由ニ因ル障害手當金ヲ受クベキ程度ノ
癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ勅令ノ定
ムル所ニ依リ一時金ヲ支給ス
第四十三條障害年金ノ支給ヲ受クル被
保險者ガ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ
前後ノ被保險者タリシ期間ヲ合算シテ
障害年金ノ額ヲ改定ス
前項ノ規定ニ依リ障害年金ノ額ヲ改定
スル場合ニ於テ其ノ額ガ從前ノ障害年
金ノ額ヨリ少キトキハ從前ノ障害年金
ノ額ヲ以テ改定障害年金ノ額トス
第四十四條左ノ各號ノ一ニ該當スル場
合ニ於テハ被保險者タリシ者ノ遺族ニ
對シ遺族年金ヲ支給ス
被保險者タリシ期間二十年以上ナ
ル者ガ業務外ノ事出ニ因リ死亡シタ
九七年
二業務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタ
ルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ
業務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ
三被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務上ノ事由ニ因リ第三十九條ノ二
第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期
問內ニ死亡シタルトキ
第四十五條遺族年金ノ額ハ左ノ區別ニ
依ル金額トス
養老年金ノ支給ヲ受クル者又ハ業
務外ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ
因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ業
務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ
於テハ其ノ者ニ支給セラルル養老年
金又ハ障害年金ノ額ノ一一分ノ一ニ相
當スル金額
二被保險者タリシ期間二十年以上ナ
ル者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ業務外ノ事山ニ因リ死亡シ
タル場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受
クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ額
ノ二分ノ一ニ相當スル金額
三業務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタ
ルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者
ガ業務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場
合ニ於テハ平均報酬月額ノ二月半分
ニ相當スル金額
四被保険者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務上ノ事山ニ因リ第三十九條ノ二
第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期
間內ニ死亡シタル場合ニ於テハ平均
報酬月額ノ五月分ニ相當スル金額
前項第三號又ハ第四號ノ場合ニ於テ被
保險者タリシ期間二十年以上ナル者ニ
關シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル遺族
年金ノ額ハ二十年以上一年ヲ增ス每ニ
其ノ一年ニ對シ平均報酬日額ノ二日分
ニ相當スル金額ヲ同項第三號又ハ第四
號ノ金額ニ加ヘタル金額トス
第一項第三號又ハ第四號ノ場合ニ於テ
同一ノ事業主ノ事業所又ハ同一ノ事業
所ニ於テ引續キ被保險者タリシ期間十
年以上ナル者ニ關シテハ其ノ遺族ニ支
給セラルル遺族年金ノ額ハ其ノ期間ノ
初ノ十年ニ對シ平均報酬日額ノ二日分
ニ相當スル金額ヲ、十年以上五年ヲ增
ス每ニ其ノ五年ニ對シ平均報酬日額ノ
二日分ニ相當スル金額ヲ第一項第三號
若ハ第四號又ハ前項ノ金額ニ加ヘタル
金額トス
第四十五條ノ二遺族年金ノ支給ヲ受ク
ベキ遺族ノ範圍ニ屬スル子(現ニ遺族
年金ノ支給ヲ受クル子ヲ除ク)アルト
キハ其ノ子一人ニ付平均報酬日額ノ十
日分ニ相當スル金額ヲ前條各項ノ金額
ニ加給ス
第四十六條ノ二遺族年金ノ支給ヲ受ク
ル者ガ一年以上所在不明ナルトキハ次
順位者ノ申請ニ依リ所在不明中遺族年
金ノ支給ヲ停止スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ遺族年金ノ支給ヲ停
止シタル場合ニ於テハ停止期間中遺族
年金ハ之ヲ當該次順位者ニ轉給ス
第四十七條遺族年金ノ支給ヲ受クル者
ガ遺族年金ヲ受クル權利ヲ失ヒタル場
合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後
順位者ナキトキハ左ノ區別ニ依ル金額
ヲ一時金トシテ被保險者タリシ者ノ遺
族ニ支給ス
-養老年金又ハ障害年金ノ支給ヲ受
クル者ガ業務外ノ事由ニ因リ死亡シ
タルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタ
ル場合ニ在リテハ既ニ支給ヲ受ケタ
ル養老年金又ハ障害年金ト其ノ遺族
ガ其ノ者ノ死亡ニ關シ支給ヲ受ケタ
ル遺族年金トノ合算額ガ養老年金又
ハ障害年金ノ六年分ニ相當スル金額
ニ滿タザルトキハ其ノ差額
二被保險者タリシ期間二十年以上ナ
ル者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ業務外ノ事由ニ因リ死亡シ
タルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタ
ル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡ニ關シ
旣ニ支給ヲ受ケタル遺族年金ノ總額
ガ其ノ者ノ支給ヲ受クルコトヲ得ベ
カリシ養老年金ノ六年分ニ相當スル
金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
三被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
業務上ノ事由ニ因リ第三十九條ノ二
第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期
間內ニ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ
支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ
者ノ死亡ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケタル
遺族年金ノ總額ガ同條各項ノ區分ニ
準ジ其ノ一時金ニ相當スル金額ニ滿
タザルトキハ其ノ差額
「第五節脫退手當金」ヲ「第五節脫退
手當金及結婚手當金」ニ改ム
第四十八條第一項中「死亡」ノ上ニ「業務
外ノ事由ニ因リ」ヲ加へ「癈疾手當金」ヲ
「障害手當金」ニ改ム
第四十九條脫退手當金ノ額ハ平均報酬
日額ニ被保險者タリシ期間ニ依リ別表
第三ニ定ムル日數ヲ乘ジテ得タル金額
トス但シ障害手當金ノ支給ヲ受クル者
ニ支給スベキ額ハ障害手當金ノ額ト合
算シテ平均報酬月額ノ二十二月分ニ相
當スル金額(業務上ノ事由ニ因ル癈疾
ト爲リタルニ因リ障害手當金ノ支給ヲ
受クル者ニ支給スベキ脫退手當金ノ額
ニ付テハ障害手當金ノ額ト合算シテ平
均報酬月額ノ二十六月分ニ相當スル金
額)ヲ超ユルコトヲ得ズ
同一ノ事業主ノ事業所又ハ同一ノ事業所
ニ於テ引續キ被保險者タリシ期間十年以
上ナル者ニ關シテハ其ノ期間十年以上十
五年夫滿ナルトキハ平均報酬日額ノ二十
日分ニ相當スル金額ヲ、其フ期間十五年
以上ナルトキハ平均報酬日額ノ四十日分
ニ相當スル金額ヲ前項ノ金額マ加算ス
第四十九條ノ二被保險者タリシ期間三
年以上二十年未滿ナル者ガ業務外ノ事
由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者
ニ付支給セラルル脫退手當金ノ額ハ前條
第一項ノ規定ニ拘ラズ平均報酬日額ニ
被保險者タリシ期間ニ依リ別表第四ニ定
ムル日數ヲ乘ジテ得タル金額トス
前條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ
準用ス
第四十九條ノ三被保險者タリシ期間六
月以上三年未滿ナル者ガ業務外ノ事由
ニ因リ死亡シタルトキ其ノ他命令ヲ以
テ定ムル場合ニ於テハ第四十八條第一
項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依
リ脫退手當金ヲ支給ス
第五十一條ノ次ニ左ノ二條ヲ加フ
第五十一條ノ二被保險者タリシ期間三
年以上ナル女子タル被保險者ガ婚姻シ
タルトキ又ハ被保險者ノ資格喪失後一
年以內ニ婚姻シタルトキハ平均報酬月
額ノ六月分ニ相當スル金額ノ結婚手當
金ヲ支給ス但シ旣ニ結婚手當金ノ支給
ヲ受ケタル者ニハ之ヲ支給セズ
第五十一條ノ三女子タル被保険者ニシ
テ配偶者(夫ノ死亡後仍其ノ家ニ在ル
者ヲ含ム)タルモノ(既ニ結婚手當金
ノ支給ヲ受ケタル者ヲ除ク)ガ第四十
八條第一項ノ規定ニ該當スル場合ニ於
テハ第四十九條及第四十九條ノ二ノ規
定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ脫退
手當金ヲ支給ス
前項ノ規定ニ依リ被保險者タリシ者ト
シテ脫退手當金ノ支給ヲ受ケタル者ニ
ハ結婚手當金ヲ支給セズ
第四十八條第二項及第三項ノ規定ハ第
一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十二條第一項中「癈疾年金、癈疾手當
金」ヲ「障害年金、障害手當金、第四十二
條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」ニ、同條第二
項中「第三十三條、第三十四條、第三十八
修、第三十九條若ハ第四十七條」ヲ「第
三十條ノ二ノ規定ニ依ル支給金、第三十
三條、第三十四條、第三十八條乃至第三
十九條ノ二若ハ第四十七條」ニ改メ「被保
險者タリシ者」ノ下ニス第三十條ノ二
ノ規定ニ依ル支給金ノ支給ヲ受クル者」
ヲ加フ
第五十三條中「廢疾年金又ハ廢疾手當金」
ヲ「障害年金、障害手當金又ハ第四十
二條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」ニ改ム
第五十七條第二項中「前項」ヲ「前項及第
七十條ノ三」ニ、「勞働者年金保險事業」
ヲ「厚生年金保險事業」ニ改ム
第五十八條第一項中「勞働者年金保險事
業」ヲ「厚生年金保險事業」ニ改ム
第五十九條ノ二被保險者ガ陸海軍ニ徵
集又ハ召集セラレタル場合ニ於テハ勅
令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期間保險料ヲ
徵收セズ
第七章戰時特例
第七十條ノ二大東亞戰爭ニ際シ被保險
者ガ坑內夫タル被保險者トシテ使用セ
ラレタルトキハ其ノ期間ニ於ケル被保
險者タリシ期間ニ三分ノ一ヲ乘ジタル
期間ヲ加算ス
前項ノ規定ニ依リ加算ノ認メラルベキ
期間其ノ他加算ニ關シ必要ナル事項ハ
命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十條ノ三國庫ハ第五十七條第一項
ノ規定ニ拘ラズ前條ノ規定ニ依リ增加
スベキ保險給付ニ要スル費用ヲ負擔ス
第七十二條第一項但書中「第三十一條第
二項後段」ノ下ニ「、第三十九條ノ二、第
四十四條第三號又ハ第四十九條ノ二」ヲ
加へ同條第二項但書中「前項ノ規定ニ依
リ脫退手當金」ヲ「第一項若ハ第四十九條
ノ三ノ規定ニ依ル脫退手當金、第三十九
條ノ二ノ規定ニ依ル一時金又ハ第四十四
條第三號ノ規定ニ依ル遺族年金」ニ同
條第三項中「前二項」ヲ「第一項及第三項」
ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ脫退手當金ノ支給ヲ
受クル者ニハ第四十九條ノ三ノ規定ニ
依ル脫退手當金ヲ支給セズ
別表ヲ左ノ如ク改ム
別表第一
癈疾ノ程度月數
月
一級八O
二級七0
三級六五
四級六○
五級五五
六級五0
別表第二
癈疾ノ程度月數
月
一級二五
二級=○
三級一五
四級一二
五級九
六級六
七級四
八級二
第一條
第二條
別表第三
被保險者タ
リシ期間
三年以上
四年以上
五年以上
六年以上
七年以上
八年以上
九年以上
一〇年以上
-一年以上
別表第四
被保險者タ
リシ期間
三年以上
四年以上
五年以上
六年以上
七年以上
八年以上
九年以上
一〇年以上
-一年以上
附則
令ヲ以テ之ヲ定ム
日數
日
七○
九○
一一〇
ini
一二〇〇
一七五
二〇〇
二二五
二五〇
日數
7
一二〇
一五〇
一八〇
二一〇
二四〇
二七〇
三〇〇
三三〇
三六〇
スル改正規定及其ノ他ノ各規定ニ付勅
年未滿ナル者ガ保險給付ニ關スル改正
被保險者タ日數
リシ期間
一二年以上日
二八〇
一三年以上三一〇
一四年以上三四〇
一五年以上三七〇
一六年以上四〇五
一七年以上四四〇
一八年以上四七五
一九年以上五一〇
被保險者タ日數
リシ期間
一二年以上曰
三九五
一三年以上四三〇
一四年以上四六五
一五年以上五〇〇
一六年以上五四〇
一七年以上五八〇
一八年以上六二〇
一九年以上六六〇
本法施行ノ期日ハ保險給付ニ關
被保險者タリシ期間六月以上三
規定施行ノ日前ニ於テ命令ヲ以テ定ム
ル事由ニ因リ被保險者ノ資格ヲ喪失シ
タル場合ニ於テハ第四十八條第一項ノ
改正規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依
リ脫退手當金ヲ支給ス
從前ノ第七十二條第一項又ハ第二項ノ
規定ニ依リ脫退手當金ノ支給ヲ受クル
者ニハ前項ノ規定ニ依ル脫退手當金ヲ
支給セズ
第三條第十六條ノ改正規定及第十六條
ノ三ノ規定ニ依リ被保險考ト爲リタル
者(從前ノ第十六條ノ規定ニ依リ被保
險者タリ得ル者ヲ除ク)ニ關シテハ保
險給付ニ關スル改正規定施行ノ日ノ前
日迄第五十八條ノ改正規定及厚生年金
保險法第五十九條乃至第六十一條ノ規
定ハ之ヲ適用セズ
第四條第十六條ノ改正規定ニ依リ被保
險者ト爲リタル者(從前ノ第十六條
ノ規定ニ依リ被保險者タリ得ル者ヲ除
ク)ニシテ保険給付ニ關スル改正規定
施行ノ日ニ於テ現ニ使用セラルル事業
主ノ事業所又ハ現ニ使用セラルル事業
所ニ同日迄引續キ第十六條ノ改正規定
ニ依ル被保險者ト爲ルベキ資格ヲ有ス
ル者トシテ五年以上使用セラレ同日ニ
於テ同條ノ規定ニ依ル被保險者タルモ
ノガ被保險者タリシ期間二十年未滿ニ
シテ五十歲(鑛業法ノ適用ヲ受クル事
業ノ事業場ニ同日ニ於テ常時坑內作業
ニ從事スル者トシテ使用セラルル者ニ
在リテハ四十五歲)ヲ超エ被保險者ノ
資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ其ノ者
ニ對スル脫退手當金ノ支給條件及其ノ
額ニ付テハ第四十八條及第四十九條ノ
改正規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定
ヲ爲スコトヲ得但シ第三十一條第二項
後段ノ改正規定、第三十九條ノ二ノ規
定第四十四條第三號ノ改正規定又ハ
第四十九條ノ二若ハ第五十一條ノ三第
一項ノ規定ニ該當スル者ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ脫退手當金ノ支給ヲ
受クル者ニハ第四十九條ノ三ノ規定ニ
依ル脫退手當金ヲ支給セズ
厚生年金保險法第二十五條但書ノ規
定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ適用セズ但シ
第二十四條ノ改正規定ニ依リ計算シタ
ル期間一年未滿ナル者ノ坑内夫タル被
保險者トシテ使用セラレタル實期間ニ
關シテハ第二十四條ノ改正規定ニ依リ
之ヲ計算ス
第五條第十六條ノ改正規定及第十六條
ノ三ノ規定ニ依リ被保險者ト爲リタル
者(從前ノ第十六條ノ規定ニ依リ被保
險者タリ得ル者ヲ除ク)ニ關シデハ保
險給付ニ關スル改正規定施行ノ日前ニ
於テ被保險者タリシ期間ハ第二十四條
ノ改正規定ニ依ル被保險者タサシ期間
ニ之ヲ算入セズ
第六條第十六條ノ改正規定ニ依リ被保
險者ト爲リタル者(從前ノ第十六條ノ
規定ニ依リ被保險者タリ得ル者ヲ除
ク)ニシテ保險給付ニ關スル改正規定
施行ノ日ニ於テ厚生年金保險法第七十
四條ノ共濟組合ノ組合員タルモノニ關
シテハ同法ノ適用ニ付勅令ヲ以テ別段
ノ定ヲ爲スコトヲ得
第七條第十六條ノ改正規定ニ依リ被保
險者ト爲リタル者(從前ノ第十六條ノ
規定ニ依リ被保險者タリ得ル者ヲ除
ク)ニシテ保險給付ニ關スル改正規定
施行ノ日ニ於テ郵便年金契約年金受取
人タルモノニ關シテハ其ノ契約ガ郵便
年金令第十四條ノ規定ノ適用ヲ受クル
場合ニ於テハ厚生年金保險法及郵便年
金法ノ適用ニ付勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ
爲スコトヲ得
第八條第七十條ノ二ノ規定ハ昭和十九
年一月一日以後坑內夫タル被保險者ト
シテ使用セラレタル期間ニ之ヲ適用ス
第九條退職積立金及退職手當法ハ之ヲ
廢止ス
第十條前條ノ規定施行ノ際退職積立金
及退職手當法ノ適用ヲ受クル勞働者ハ
同法ノ適用ニ付テハ同條ノ規定施行ノ
日ノ前日ニ於テ已ムヲ得ザル事由ア
リタルニ因リ退職シタルモノト看做ス
第十一條前條ニ規定スル勞働者ハ同條
ノ規定ニ拘ラズ退職積立金及退職手當
法第十二條ニ規定スル場合ニ相當スル
場合ニ該當スルニ至リタル時ニ於テ退
職積立金ノ支拂及退職手當ノ支給ヲ受
クルモノトス
事業主ハ退職積立金ノ支拂又ハ退職手
當ノ支給ヲ爲ス場合ニ於テハ附則第九
條ノ規定施行ノ日以後退職積立金ノ支
拂及退職手當ノ支給ノ日ノ前日迄命令
ヲ以デ定ムル利子ヲ附スベシ
第十二條退職積立金ノ支拂又ハ退職手
當ノ支給ノ完了ニ至ル迄ハ之ニ必要ナ
ル限度ニ於テ退職積立金及退職手當法
第四條、第七條、第九條、第十二條、
第十五條、第二十條、第二十二條、第
二十三條、第二十四條第一項本文及第
二項乃至第四項、第二十九條、第三十
條第三項前段及第四項、第三十三條乃
至第三十七條、第四十一條第二項、第
四十二條竝ニ第四十三條ノ規定ハ仍其
ノ效力ヲ有ス
退職積立金及退職手當法ニ依リ積立テ
タル退職手當積立金及準備積立金ニ付
テハ國稅徵收法ニ依ル差押ヲ爲スコト
ヲ得ズ
退職積積金及退職手當法ニ依リ積立テ
タル積立金ノ預入金ニ付テハ郵便貯金法
第三條第一項第二號ノ制限ヲ適用セズ
第十三條附則第九條ノ規定施行前又ハ
前條ノ規定ニ依ル退職積立金及退職手
當法ノ規定失效前ニ爲シタル行爲ノ處
罰ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第十四條國稅徵收法中左ノ通改正ス
第十六條第二項ヲ削ル
第十五條郵便貯金法中左ノ通改正ス
第四條第五號ヲ削ル
第十六條健康保險法中左ノ通改正ズ
第四十四條ノ二ヲ削ル
第四十七條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條
第三項ヲ削ル
業務上ノ事由ニ因ル疾病又ハ負傷及
之ニ因リ發シタル疾病竝ニ主務大臣
ノ指定スル疾病ニ關シテハ保險者ハ
勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ
超エ繼續シテ傷病手當金ノ支給ヲ爲
スモノトス
第四十八條削除
第五十五條中「被保險者トシテ保險給
付ヲ受クルコトヲ得ベカリシ期間」ヲ
「勅令ヲ以テ定ムル期間」ニ改ム
第五十七條ノ三療養ノ給付及傷病手
當金ノ支給ハ勅令ヲ以テ定ムル事由
ニ該當スルニ至リタルトキハ之ヲ爲
サズ
第十七條鑛業法中左ノ通改正ス
第八十條ニ左ノ一項ヲ加フ
鑛夫カ健康保險法又ハ厚生年金保險
法ニ依リ前項ノ扶助ニ相當スル保險
給付ヲ受クヘキトキハ鑛業權者ハ同
項ノ規定ニ掏ラス同項ノ扶助ヲ爲ス
コトヲ要セス
第十八條工場法中左ノ通改正ス
第十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
職工カ健康保險法又ハ厚生年金保險
法ニ依リ前項ノ扶助ニ相當スル保險
給付ヲ受クヘキトキハ工業主ハ同項
ノ規定ニ拘ラス同項ノ扶助ヲ爲スコ
トヲ要セス
第十九條勞働者災害扶助法中左ノ通改
正ス
第二條ニ左ノ一項ヲ加フ
勞働者ガ健康保險法又ハ厚生年金保
險法ニ依リ前項ノ扶助ニ相當スル保
險給付ヲ受クベキトキハ事業主ハ同
項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ扶助ヲ爲ス
コトヲ要セズ
〔國務大臣小泉親彥君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=25
-
026・小泉親彦
○國務大臣(小泉親彥君) 只今議題トナリ
マシタ勞働者年金保險法中改正法律案ニ付
キマシテ提案ノ理由ヲ御說明致シマス
勞働者年金保險法ハ所謂勤勞者ノ恩給制
度トシテ、勤勞力ヲ確保培養スルト共ニ、戰
時國民生活ノ確保及ビ國民思想ノ安定ヲ圖
リ、生產力擴充ニ寄與スルノ趣旨ヲ以チマ
シテ、制定セラレタモノデアリマシテ、殊
ニ現下ノ苛烈ナル決戰段階ニ際シマシテハ、
銃後產業戰線ヲ充實强化スル施設トシテ、
益〓其ノ重要性ヲ痛感スル次第デアリマ
ス、併シナガラ時局ノ愈〓緊迫スルニ伴ヒマ
シテ、勤勞決戰態勢ノ確立ヲ圖リ、勤勞者
ノ志氣ヲ益〓〓揚シ、其ノ能率ヲ愈〓增進セシ
メ、以テ戰力ノ飛躍的增强ヲ期シマスルコ
トハ、刻下焦眉ノ急務デアリマシテ、是ガ
爲ニハ勤勞保護制度ノ確立ヲ圖リ、是等勤
勞者ヲシテ後顧ノ憂ヒナク全精神ヲ打込ン
デ生產ニ挺身セシムルヤウ措置スルコトガ、
極メテ緊要ト存ゼラレルノデアリマス
〔議長退席、副議長著席〕
仍テ玆ニ本改正法案ヲ提出致シタ次第デア
リマス、卽チ鑛山勞働ノ重要性ニ鑑ミマシ
テ、坑內夫タル被保險者ニ對シマシテハ
戰時特例ヲ設ケテ是ガ優遇ヲ圖リマシテ、
鑛山勞働力ノ增强確保ニ資シマスルト共ニ、
業務災害ニ因ル死亡者又ハ被害者ニ對シマ
シテハ、其ノ保護ヲ徹底强化シ、或ハ昨今
女子勞務者ノ重要生產部門ヘノ進出ノ狀況
ニモ鑑ミマシテ、是ガ保護ヲ一段ト厚クシ、
其ノ他本法ノ適用範圍ヲ擴充シマシテ其ノ
恩澤ヲ遍カラシメ、保險給付ノ內容ヲ一段
ト充實シテ、生產確保ノ徹底ヲ期シマスル
ト共ニ、勤勞保護諸立法ヲ整理統合シテ、
事務ノ簡捷化ヲ圖ル等、現下喫緊ノ要務タ
ル國民勤勞ノ總力ヲ最高度ニ發揮セシメ、本
制度ヲシテ愈〓戰力增强ノ强力ナル一環タラ
シメ、以テ聖戰完遂ニ寄與セシメントスル
モノデアリマス、何卒御審議ノ上、速カニ
御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ切望致シマス(拍
手ノ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=26
-
027・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 本案ノ審査ヲ
付託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=27
-
028・森下國雄
○森下國雄君 本案ハ政府提出戰時特殊損
害保險法案委員ニ併セ付託セラレンコトヲ
望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=28
-
029・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=29
-
030・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=30
-
031・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出北支那
開發株式會社法及中支那振興株式會社法中
改正法律案ヲ議題トナシ、其ノ審議ヲ進メ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=31
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032・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=32
-
033・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシター
北支那開發株式會社法及中支那振興株式會
社法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス-
靑木大東亞大臣
北支那開發株式會社法及中支那振興株
式會社法中改正法律案(政府提出、貴族
院送付)第一讀會
北支那開發株式會社法及中支那振興株
式會社法中改正法律案
第一條北支那開發株式會社法中左ノ通
改正ス
第三章中第十四條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第十四條ノ二北支那開發株式會社ハ
第二十五條ノ二ノ命令アリタルトキ
ハ前條ノ業務ノ外當該命令ヲ實行ス
ル爲必要ナル業務ヲ營ムコトヲ得
第十五條第一項中「五倍」ヲ「十倍」ニ
改ム
第二十五條ノ二政府ハ北支那開發株
式會社ニ對シ大東亞戰爭遂行上緊要
ナル事業ニ對スル投資、融資、設備
ノ貸付其ノ他當該事業ヲ促進スル爲
必要ナル事項ヲ爲スベキ旨ノ命令ヲ
爲スコトヲ得
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ
場合ニ之ヲ準用ス
第二條中支那振興株式會社法中左ノ通
改正ス
第三章中第十二條ノ次ニ左ノ一條ヲ加
フ
第十二條ノ二中支那振興株式會社ハ
第二十三條ノ二ノ命令アリタルトキ
ハ前條ノ業務ノ外當該命令ヲ實行ス
ル爲必要ナル業務ヲ營ムコトヲ得
第十三條第一項中「五倍」ヲ「十倍」ニ改
ム
第二十三條ノ二政府ハ中支那振興株
式會社ニ對シ大東亞戰爭遂行上緊要
ナル事業ニ對スル投資、融資、設備
ノ貸付其ノ他當該事業ヲ促進スル爲
必要ナル事項ヲ爲スベキ旨ノ命令ヲ
爲スコトヲ得
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ
場合ニ之ヲ準用ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣靑木一男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=33
-
034・青木一男
○國務大臣(靑木一男君) 只今議題トナリ
マシタ北支那開發株式會社法及中支那振興
株式會社法中改正法律案ニ付キマシテ、其
ノ提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス
大東亞戰爭完遂ノ爲メ、各種戰力資源ノ
開發ヲ促進スルコトノ極メテ緊要ナルコト
ハ申上ゲルマデモナイ所デアリマスルガ、
戰局ノ進展ニ伴ヒマシテ、支那ニ於ケル鐵、
輕金屬等重要國防資源ノ急速ナル開發ヲ
圖リ、以テ我ガ國戰力ノ增强ニ資スルノ
要ハ愈〓緊切ヲ加ヘテ參ツタノデアリマ
ス、而シテ斯カル緊急ナル開發ヲ遂行ス
ル爲ニハ新タニ巨額ナル資金ノ供給ト、
莫大ナル固定設備ノ建設トヲ要スルコトハ
勿論、或ハ技術的ニモ、將又經營的ニモ、
相當ノ困難ト危險トヲ伴フコトヲ覺悟ノ上
ニ、之ヲ强行推進スルノ必要ガアルノデア
リマス、而シテ斯カル事態ニ對處致シマス
ル爲ニ、支那ニ於ケル戰時緊要ナル事業ニ
付キマシテ、特ニ損失補償ノ制度ヲ確立シ、
以テ企業上ノ不安ヲ除去シ、業者ヲシテ何
等ノ懸念ナク事業ノ完遂ニ專念セシムル必
要ガアルノデアリマス、此ノ目的ヲ達成ス
ル爲ニハ、對支關係ヲモ考慮致シマシテ、
支那ニ於ケル經濟開發ヲ使命ト致シテ居リ
マスル北支那開發株式會社及ビ中支那振興
株式會社ヲ活用スルコトガ最モ適當ト存ゼ
ラレマスルノデ、新タニ函會社ノ機能ヲ擴
充シ、以テ前述ノ戰時的要請ニ卽應セシム
ルコトト致シタイト存ズル次第デアリマス、
卽チ今次ノ改正法律案ニ於キマシテハ、兩
會社ハ政府ノ命令アリマシタ時ハ、現行法
ニ定メラレタル業務ノ外、當該命令ヲ實行
スル爲ニ必要ナル業務ヲ營ムコトス〓得ルノ
途ヲ開キマスルト共ニ、政府ハ兩會社ニ對
シ、大東亞戰爭遂行上緊要ナル事業ニ對ス
ル投資、融資、設備ノ貸付、其ノ他當該事
業ヲ促進スル爲メ必要ナル事項ヲナスベキ
コトヲ命ジ得ルノ制度ヲ設ケ、此ノ政府ノ
命令ニ從ヒ兩會社ガ業務ヲ營ミ、之ニ因リ
損失ヲ生ジタル場合ニハ、政府ニ於テ之ヲ
補償スルコトト致シタ次第デアリマス、
尙ホ現行法ニ依リマスレバ、兩會社ノ社債
發行限度ハ、拂込株金額ノ五倍ト云フコト
ニ相成ツテ居リマスルガ、兩會社トモ將來
增大スベキ所要資金ニ鑑ミマスル時ニハ、
此ノ限度ヲ以テシテハ當然不足ヲ來ス實情
ニアリマスルノデ、此ノ際併セテ其ノ發行
限度ヲ、五倍ヨリ十倍ニ擴張セントスル次
第デゴザイマス、何卒御審議ノ上速カニ御
協賛ヲ與ヘラレンコトヲ希望致シマス折
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=34
-
035・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 本案ノ審査ヲ
付託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=35
-
036・森下國雄
○森下國雄君 本案ハ議長指名十八名ノ委
員ニ付託シ、直チニ委員ヲ指名セラレンコ
トヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=36
-
037・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=37
-
038・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、委員
ノ氏名ハ書記官ヲシテ報〓致サセマス
〔書記官朗讀〕
北支開發株式會社法及中支那振興株式會
社法中改正法律案(政府提出、貴族院送
付)
委員
安孫子孝次君芦田均君
荒川眞〓君伊禮肇君
小野祐之君小高長三郞君
大島寅吉君大橋〓太郞君
楠美省吾君小谷節夫君
佐藤芳男君田万〓臣君
楢橋渡君深澤豐太郞君
眞鍋儀十君八木元八君
矢部藤七君依光好秋君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=38
-
039・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 只今指名致シ
マシタ委員諸君ハ、本會議散會後第一委員
室ニ御參集ノ上、委員長及ビ理事ノ互選ヲ
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=39
-
040・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提用農林中
央金庫特別融通及損失補償法中改正法律案
及ビ絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制法中
改正法律案ノ兩案ヲ一括議題トナシ、其ノ
審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=40
-
041・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=41
-
042・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマ〓、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
農林中央金庫特別融通及損失補償法中改正
法律案、絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制
法中改正法律案、右兩案ヲ一括シテ第一讀
會ヲ開キマス-山崎農商大臣
農林中央金庫特別融通及損失補償法中
改正法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制法中
改正法律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
農林中央金庫特別融通及損失補償法中
改正法律案
農林中央金庫特別融通及損失補償法中左
ノ通改正ス
第二條中「十二年」ヲ「十五年」ニ、「二十一
年」ヲ「二十四年」ニ改ム
第十條中「農林大臣」ヲ「農商大臣」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
絲價安定施設法廢止及蠶絲業統制法中
改正法律案
第一條絲價安定施設法ハ之ヲ廢止ス
第二條蠶絲業統制法中左ノ通改正ス
第十三條乃至第十五條削除
附則
本法ハ昭和十九年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
〔國務大臣山崎達之輔君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=42
-
043・山崎達之輔
○國務大臣(山崎達之輔君) 只今上程セラ
レマシタ農林中央金庫特別融通及損失補償
法中改正法律案ノ提案ノ理由ヲ御說明申上
ゲマス
此ノ法律ハ御承知ノヤウニ昭和七年當時
ノ農山漁村ノ經濟恐慌ニ際シマシテ、信用
組合及ビ信用組合聯合會ノ固定セル債權ノ
資金化ニ依リマシテ、產業組合金融ノ梗塞
ヲ緩和シマシテ、是ガ疏通ヲ圖ルコトヲ目
的トシテ制定サレタモノデアリマス、而シ
テ本法ハ今日マデ相當ノ實績ヲ擧ゲテ參ツ
タノデアリマスガ、昭和十九年九月末日ヲ
以テ其ノ融通期間ガ終了スルコトト相成ツ
テ居ルノデアリマス、故ニ更ニ此ノ制度ヲ
繼續致シマシテ、市町村農業團體等ノ統合
ヲ促進致シマスルト共ニ、戰時下ニ於ケル
團體金融ノ圓滑ヲ圖リマシテ、是等諸團體
ノ使命達成ニ遺憾ナキヲ期シマスル爲ニ、
玆ニ特別融通資金ノ融通期間及ビ融通期限
ヲ、三箇年延長スルコトト致サントスル次
第デアリマス
次ニ絲價安定施設法廢止及蠶絲統制法中
改正法律案ノ提出理由ヲ申上ゲマス、絲價
安定施設法ハ、制定當時我ガ國ノ重要輸出
產業タル蠶絲業ニ於キマシテ、生絲ガ海外
殊ニ「アメリカ」ノ經濟事情ニ左右セラレマ
シテ、絲價ノ暴騰暴落常ナク、爲ニ斯業ノ
健全ナル發達ヲ阻碍致スバカリデナク、全
國多數ノ養蠶農家ノ經營ノ基礎ヲ危ウスル
ノ虞ガアリマシタノデ、當時是等ノ障碍ヲ
芟除スル爲ニ、生絲ノ制高制低値ノ決定竝ニ
絲價安定施設組合及ビ政府ニ依ル買入、賣
渡等ノ措置ヲ講ズルコトト致シタモノデア
リマス、爾來同法ノ運用ニ依リマシテ絲價
ノ安定ヲ確保シテ參ツタノデアリマスガ、
御承知ノヤウニ支那事變ノ勃發ニ依リ、更
ニ又大東亞戰爭ノ勃發ニ依リマシテ、從來
ノ輸出產業ハ今ヤ完全ニ國內重要產業ト致
シマシテ、軍需及ビ戰時國民衣料ノ充足ニ
其ノ使命ヲ果シツヽアルヤウナ次第デゴザ
イマス、又其ノ間蠶絲業統制法等ノ制定ニ
依リマシテ、生產配給消費ニ關スル計畫性
モ確立致シタ次第デゴザイマスカラ、最早
今日ニ於キマシテハ同法ニ依ル政府ノ手デ
以テ絲價安定方策ヲ實施スルコトハ其ノ必
要ガナクナリマシタノト、絲價安定施設特
別會計ノ廢止等トモ關聯致シマシテ、玆
所要ノ措置ヲ執ラントスル次第デゴザイマ
ス、何卒御審議ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラ
レンコトヲ御願ヒ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=43
-
044・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 兩案ノ審査ヲ
村託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=44
-
045・森下國雄
○森下國雄君 兩案ヲ一括シテ議長指名三
十六名ノ委員ニ付託シ、直チニ委員ヲ指名
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=45
-
046・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=46
-
047・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ、委
員ノ氏名ハ書記官ヲシテ報〓致サセマス
〔書記官朗讀〕
農林中央金庫特別融通及損失補償法中改
正法律案(政府提出、貴族院送付)外一件
委員
赤城宗德君伊藤三樹三君
五十嵐吉藏君小笠原八十美君
岡田啓治郞君長內健榮君
金子彥太郞君北勝太郞君
小平權一君河野一郞君
杉山元治郞君田中源君
高岡大輔君津崎尙武君
恒松於菟二君中越義幸君
成島勇君野田正昇君
野村嘉久馬君平野力三君
深澤吉平君深水吉毅君
二田是儀君本多鋼治君
松原五百藏君前川正一君
三宅正一君村上國吉君
加藤知正君森川仙太君
森口淳三君山口馬城次君
山口左右平君山田六郞君
吉田賢一君吉植庄亮君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=47
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048・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 只今指名致シ
マシタ委員諸君ハ、本會議散會後第十委員
室ニ御參集ノ上、委員長及ビ理事ヲ互選セ
ラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=48
-
049・森下國雄
○森上國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出石炭配
給統制法中改正法律案及ビ企業整備資金措
置法中改正法律案ノ兩案ヲ一括議題トナシ、
其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマヌ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=49
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050・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=50
-
051・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
石炭配給統制法中改正法律案、企業整備資
金措置法中改正法律案、右兩案ヲ一括シテ
第一讀會ヲ開キマヌ--岸國務大臣
石炭配給統制法中改正法律案(政府提
田、貴族院送付)第一讀會
企業整備資金措置法中改正法律案政
府提出、貴族院送付)第一讀會
石炭配給統制法中改正法律案
石炭配給統制法中左ノ通改正ス
第一條中「石炭ノ取扱ヲ爲ス會社」ノ下ニ
「其ノ他ノ法人」ヲ加ヘ「指定會社」ヲ「指
定法人」ニ、「又ハ株主」ヲ「、株主其ノ他ノ
構成員」ニ改ム
第五條中「指定會社」ヲ「指定法人」ニ改
ム
第七條第一項中「五千萬圓」ヲ「一億圓」ニ、
「二千五百萬圓」ヲ「五千萬圓」ニ、同條第
二項中「其ノ資本ヲ增加スルコトヲ得」ヲ
「其ノ資本ヲ增加スルコトヲ得此ノ場合
ニ於テハ政府ハ五千萬圓ヲ超エテ出資ス
ルコトヲ得」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ
株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ
得
第十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
社長及副社長ハ主務大臣之ヲ命ジ其ノ
任期ヲ四年トス
理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ主務
大臣ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期
ヲ四年トス
第十五條ノ二日本石炭株式會社必要ア
リト認ムルトキハ石炭ノ生產業者、輸
入業者若ハ移入業者又ハ指定法人ニ關
シ石炭ノ所有又ハ保管ノ狀況ニ關シ報
告ヲ爲サシムルコトヲ得
日本石炭株式會社必要アリト認ムルト
キハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ役員又ハ使
用人ヲシテ前項ニ揭グル者ノ所有又ハ
保管ニ係ル石炭ノ品質又ハ數量ニ付檢
査ヲ爲サシムルコトヲ得
日本石炭株式會社前項ノ規定ニ依リ役
員又ハ使用人ヲシテ檢査ヲ爲サシムル
場合ニ於テハ同項ノ規定ニ依ル認可ア
リタルコトヲ證スル書面及其ノ身分ヲ
示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十六條第一項申「三倍」ヲ「五倍」ニ改ム
第十六條ノ二日本石炭株式會社ハ社債
借換ノ爲一時前條第一項ノ制限ニ依ラ
ズ社債ヲ募集スルコトヲ得此ノ場合ニ
於テハ債劵發行後一月以內ニ其ノ社債
總額ニ相當スル舊社債ヲ償還スベシ
第十七條ノ二政府ハ日本石炭株式會社
ノ社債ノ元本ノ償還及利息ノ支拂ニ付
保證スルコトヲ得
第二十三條ノ二社長特別ノ事由アリト
認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受
ケタルトキハ株主總會ノ決議ヲ要スル
事項ニ付其ノ決議ニ拘ラズ業務ヲ執行
スルコトヲ得株主總會成立セズ又ハ株
主總會ニ付議シタル事項ヲ議決セザル
トキ亦同ジ但シ商法第三百四十三條ニ
定ムル決議ヲ要スル事項ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ
第二十四條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ命令ヲ爲シタルトキ
ハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因
リ生ジタル損失ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ
要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協
贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十八條中「又ハ役員ノ行爲」ヲ削リ
「取消シ又ハ役員ヲ解任スル」ヲ「取消ス」
ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
主務大臣ハ日本石炭株式會社ノ役員ノ
行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若
ハ定款ニ違反シ若ハ公益ヲ害スト認ム
ルトキ又ハ事業ノ運營上役員ヲ不適當
ナリト認ムルトキハ役員ヲ解任スルコ
トヲ得
第二十九條中「百分ノ四」ヲ「百分ノ六」ニ、
「一ト三トノ割合」ヲ「一ト五トノ割合」ニ
改ム
第三十二條第一號中「第五條」ノ下ニ「又
ハ第十五條ノ二第一項」ヲ、同條第二號
中「第五條」ノ下ニ「又ハ第十五條ノ二第
二項」ヲ加フ
第三十六條第三號中「募集シタルトキ」ヲ
「募集シ又ハ第十六條ノ二ノ規定ニ違反
シ舊社債ノ償還ヲ爲サザルトキ」ニ改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
企業整備資金措置法中改正法律案
企業整備資金措置法中左ノ通改正ス
第二十七條ノ二企業整備ニ關シ行政官
廳ノ指導又ハ斡旋ニ依リ事業ニ屬スル
土地、建物、設備又ハ權利ヲ產業設備
營團及國民更生金庫以外ノ者ニ讓渡シ、
出資シ又ハ賃貸スル場合ニ於ケル讓渡
價額、出資價額又ハ賃貸料ハ命令ヲ以
テ定ムル場合ヲ除クノ外政府ノ定ムル
基準ニ依リ當事者協議シテ之ヲ定ムベ
シ
前項ノ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト
能ハザルトキ其ノ他必要アリト認ムル
トキハ行政官廳ハ前項ノ讓渡價額、出
資價額又ハ賃貸料ヲ定ムルコトヲ得
前二項ノ評價ニ關スル事項ハ產業設備
評價委員會ノ議ヲ經ルコトヲ要ス
第二十九條ニ左ノ一號ヲ加フ
四第二十七條ノ二第一項ノ規定ニ
依リ政府ノ定ムル基準ニ依ル額又ハ
同條第二項ノ規定ニ依リ行政官廳ノ
定ムル額ヲ超ユル額ヲ以テ讓渡シ若
ハ讓受ケ、出資シ若ハ出資ヲ受ケ又
ハ賃貸シ若ハ賃借シタル者
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣岸信介君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=51
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052・岸信介
○國務大臣(岸信介君) 只今議題トナリマ
シタ石炭配給統制法中改正法律案外一件ノ
提案理由ヲ御說明申上ゲマス
先ヅ石炭配給統制法中改正法律案ノ提案
理由ヲ御說明致シマス、石炭ノ配給ニ關シ
マシテハ石炭配給統制法ニ基キマシテ、昭
和十五年六月日本石炭株式會社ヲ設立致シ
マシテ、同社ヲシテ所謂石炭ノ賣戾シ制度
ニ依リマシテ、配給ノ統制ヲ行ハシメテ參
ツタノデアリマス、然ルニ大東亞戰爭勃發
以後ニ於ケル石炭ノ需給關係ノ實情ニ鑑ミ
マシテ、新シキ事態ニ對處スル爲メ、日本
石炭株式會社ノ賣戾シ制度ヲ廢止スルコト
ト致シマシテ、昨年十二月一日ヨリ逐次之
ヲ實施ニ移シ、來ル四月一日ヨリハ全面的
ニ新機構ニ依リ石炭ノ配給ヲ行フコトヲ目
途トシテ、ハ準備ヲ進メテ居ル次第デアリマ
ス、而シテ是ガ爲ニハ日本石炭株式會社ノ
財政的地位ヲ鞏固ナラシメマスルト共ニ、
同社ニ對スル政府ノ指導監督ヲモ更ニ强化
致サネバナラヌノデアリマス、斯カル趣旨
ニ於キマシテ石炭配給統制法ヲ改正シ、以
テ日本石炭株式會社ヲシテ其ノ使命達成ニ
遺憾ナキヲ期セシメントスル次第デアリマス
次ニ企業整備資金措置法中改正法律案ノ
提案理由ヲ御說明致シマス、戰力增强企業
整備ハ、原則トシテ行政官廳ノ指導斡旋ト、
關係業者ノ積極的協力トニ依リマシテ實施
スルコトト致シ、必要ニ應ジマシテ企業整
備令等ノ法令ヲ發動スルト云フ方針デ實施シ
テ參ツテ居ルノデアリマシテ、現在マデノ所、
〓ネ順調ニ進捗シテ居ルノデアリマス、而
シテ企業整備ノ結果、工場ノ土地、建物、
設備等ガ直接陸海軍其ノ他ノ軍需生產工業、
重點方面ニ轉用セラレマスル場合ニ於キマ
シテ、某ノ讓渡價額、出資價額等ノ吊上ゲ
ノ爲ニ、其ノ轉用ガ遲延シ、或ハ企業資金
運用ノ適正化ガ阻碍セラレルヤウナ事態ノ
發生ヲ防止致シマシテ、企業整備ノ促進ヲ
圖リマスルト共ニ、迅速ナル戰力化ヲ期ス
ル爲メ、今囘本案ヲ提出スルニ至ツタ次第
デアリマス、何卒御審議ノ上御協賛アラン
コトヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=52
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053・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 各案ノ審査ヲ
付託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=53
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054・森下國雄
○森下國雄君 兩案ヲ一括シテ議長指名二
十七名ノ委員ニ付託シ、直チニ委員ヲ指名
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=54
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055・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君)、 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=55
-
056・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ、動議ノ如ク決シマシタ、委
員ノ氏名ハ書記官ヲシテ報〓致サセマス
〔書記官朗讀〕
石炭配給統制法中改正法律案(政府提出
貴族院送付)外一件委員
池田正之輔君石坂養平君
石榑敬一君今牧嘉雄君
卯尾田毅太郞君奧久登君
川口壽君川俣〓音君
勝又春一君木下郁君
北聆吉君久山知之君
齋藤憲三君酒井利雄君
笹川良一君宗前〓君
高畠龜太郞君土屋寬君
中井亮作君西尾末廣君
林正男君松尾三藏君
別所喜一郞君森谷新一君
守屋榮夫君山本厚三君
吉田敬太郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=56
-
057・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 只今指命致シ
マシタ委員諸君ハ本會議散會後第十一委員
室ニ御參集ノ上、委員長及ビ理事ヲ互選セラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=57
-
058・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出船舶職
員法中改正法律案及ビ簡易生命保險法中改
正法律案ノ兩案ヲ一括議題トナシ、其ノ審
議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=58
-
059・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=59
-
060・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
船舶職員法中改正法律案、簡易生命保險法
中改正法律案、右兩案ヲ一括シテ第一讀會
ヲ開キマス-八田運輸通信大臣
船舶職員法中改正法律案(政府提出、貴
族院送付)第一讀會
簡易生命保險法中改正法律案(政府提
田貴族院送付)第一讀會
船舶職員法中改正法律案
船舶職員法中左ノ通改正ス
第一條第二項中「一等運轉士、二等運轉
キ三等運轉士」ヲ「一等航海士、二等航
海士、三等航海士」ニ、「及三等機關士」
ヲ「、三等機關士、一等船舶通信士、二等
船舶通信士及三等船舶通信士」ニ改ム
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
海技免狀ハ左ノ十七種トス
甲種船長
甲種一等航海士
甲種二等航海士
乙種船長
乙種一等航海士
乙種二等航海士
丙種航海士
甲種機關長
甲種一等機關士
甲種二等機關士
乙種機關長
乙種一等機關士
乙種二等機關士
丙種機關士
甲種船舶通信士
乙種船舶通信士
丙種船舶通信士
同條第二項中「遞信大臣」ヲ「主務大臣」ニ
改ム
第五條中「遞信大臣」ヲ「主務大臣」ニ、「若
ハ機關運轉」ヲ「、機關運轉若ハ無線電
信ニ依ル通信」ニ、「若ハ機關ノ運轉」ヲ
「、機關ノ運轉若ハ無線電信ニ依ル通信」
ニューム
第六條第二項、第九條ノ三及第九條ノ四
中「遞信大臣」ヲ「主務大臣」ニ改ム
第一號表ヲ左ノ如ク改ム
第一號表
航行區域
平
水
區
域
沿
海
區
船舶職員定員表
總噸數
二百噸未滿
五百噸未滿
千噸未滿
千噸以上
二百噸未滿
五百噸未滿
千噸未滿
船舶職員
船長
機關長
船長
機關長
船長
機關長
船長
一等航海士
機關長
一等機關士
船長
機關長
一等船舶通信士
船長
一等航海士
機關長
一等機關士
一等船舶通信士
船長
一等航海士
機關長
一等機關士
一等船舶通信士
船長
免狀種類
丙種航海士
丙種機關士
乙種二等航海士
乙種二等機關士
乙種一等航海士
乙種一等機關士
乙種一等航海士
乙種二等航海士
乙種一等機關士
乙種二等機關士
丙種航海士
丙種機關士
丙種船舶通信士
乙種二等航海士
丙種航海士
乙種二等機關士
丙種機關士
丙種船舶通信士
乙種一等航海士
乙種二等航海士
乙種一等機關士
乙種二等機關士
乙種船舶通信士
乙種船長
定員
-
一
一
一
一
一
一
一
一
-
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
域
近
海
千噸以上
二百噸未滿
五百噸未滿
千噸未滿
三千噸未滿
一等航海土
機關長
一等機關士
一等船舶通信士
船長
機關長
一等船舶通信士
船長
一等航海士
機關長
-等機關士
-等船舶通信士
船長
一等航海士
二等航海士
機關長
-等機關長
二等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信士
船長
一等航海士
二等航海士
機關長
一等機關士
二等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信士
乙種二等航海士
乙種機關長
乙種二等機關士
乙種船舶通信士
乙種一等航海士
乙種一等機關士
乙種船舶通信士
乙種一等航海士
乙種二等航海士
乙種一等機關士
乙種二等機關士
乙種船舶通信士
乙種船長
乙種二等航海士
丙種航海士
乙種機關長
乙種二等機關士
丙種機關士
乙種船舶通信士
丙種船舶通信士
乙種船長
乙種一等航海士
乙種二等航海士
乙種機關長
乙種一等機關士
乙種二等機關士
乙種船舶通信士
丙種船舶通信士
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
區
域
五千噸未滿
五千噸以上
三千噸未滿
船長
一等航海士
二等航海士
三等航海士
機關長
-等機關士
二等機關士
三等機關士
-等船舶通信士
二等船舶通信士
三等船舶通信士
船長
-等航,海土
二等航海士
三等航海士
機關長
一等機關士
二等機關士
三等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信士
三等船舶通信士
船長
一等航海士
二等航海土
三等航海士
機關長
一等機關士
甲種船長
乙種船長
乙種一等航海士
乙種二等航海土
甲種機關長
乙種機關長
乙種一等機關士
乙種二等機關士
甲種船舶通信士
乙種船舶通信士
丙種船舶通信士
甲種船長
甲種一等航海士
乙種一等航海士
乙種一等航海士
甲種機關長
甲種一等機關士
乙種一等機關士
乙種一等機關士
甲種船舶通信士
乙種船舶通信士
丙種船舶通信士
甲種船長
甲種一等航海士
甲種二等航海士
甲種二等航海士
甲種機關長
甲種一等機關士
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
遠
洋
區
域
備考
一萬噸未滿
一萬噸以上
在リテハ機關長及機關士ノ乘組ヲ要セス
二等機關士
三等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信士
船長
-等航海士
二等航海士
三等航海士
機關長
一等機關士
二等機關士
三等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信土
三等船船通信士
船長
-等航海士
二等航海士
三等航海士
機關長
一等機關士
二等機關士
三等機關士
一等船舶通信士
二等船舶通信士
三等船舶通信士
石數ヲ以テ積量ヲ表示スル船舶ニ在リテハ積石數十石ヲ以テ總噸數一噸ニ換算ス
本表ノ定員ハ船長及機關長ヲ除クノ外最少員數ヲ示シタルモノトス
無線電信ノ施設ヲ有セサル船舶ニ作リテハ船舶通信士ノ乘組ヲ、
甲種二等機關士
甲種二等機關士
甲種船舶通信士
乙種船舶通信士
甲種船長
甲種一等航海士
甲種一等航海士
甲種二等航海士
甲種機關長
甲種一等機關士
甲種一等機關士
甲種二等機關士
甲種船舶通信士
乙種船船通信士
乙種船舶通信士
甲種船長
甲種船長
甲種一等航海士
甲種一等航海士
甲種機關長
甲種機關長
甲種一等機關士
甲種一等機關士
甲種船舶通信士
甲種船舶通信士
乙種船舶通信士
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
帆船(機帆船ヲ除ク)ニ
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前授與シタル海技免狀ハ命令ノ
定ムル所ニ依リ改正後ノ船舶職員法第三
條第一項ニ揭グル相當ノ海技免狀ト交換
スベシ
本法施行前授與シタル海技免狀ハ前項ノ
規定ニ依リ相當ノ海技免狀ト交換スル迄
之ニ代用スルコトヲ得
船舶ノ無線電信ニ依ル通信ニ本法施行ノ
際現ニ從事シ又ハ本法施行前從事シタル
者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ改正後ノ船
舶職員法第三條第一項ニ揭グル相當ノ海
技免狀ヲ授與スルコトヲ得
本法施行ノ際現ニ航行中ノ船舶其ノ他命
令ヲ以テ定ムル船舶ニ乘組マシムベキ船
舶職員ニ付テハ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲
スコトヲ得
登錄稅法第九條第一號ヲ左ノ如ク改ム
-新規登錄
甲種船長金十五圓
甲種一等航海士金十圓
甲種二等航海士金六圓
乙種船長金十圓
乙種一等航海士金四圓
乙種二等航海士金三圓
丙種航海士金二圓
甲種機關長金十五圓
甲種一等機關士金十圓
甲種二等機關士金六圓
乙種機關長金十圓
乙種一等機關士金四圓
乙種二等機關士金三圓
丙種機關士金二圓
甲種船舶通信士金八圓
乙種船舶通信士金六圓
丙種船舶通信士金二圓
水先人金二十圓
簡易生命保險法中改正法律案
簡易生命保險法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ保險金額千圓ヲ超ユルモノハ此ノ
限ニ在ラス
第四條第一項中「千圓」ヲ「二千圓」ニ改メ
同項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ一年間ニ付契約シ得ヘキ保險金額
ハ千圓ヲ超ユルコトヲ得ス
附則
本法ハ昭和十九年四月一日ヨリ之ヲ施行
ス
〔國務大臣八田嘉明君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=60
-
061・八田嘉明
○國務大臣(八田嘉明君) 只今議題トナリ
マシタ船舶職員法中改正法律案外一件ニ付
テ提案理由ヲ御說明申上ゲマス
先ヅ船舶職員法中改正法律案ニ付キ申上
ゲマス、今次改正ノ重點ハ、第一ニ船舶ノ
無線電信ニ依ル通信ニ從事スル者ヲ船舶職
員トスルコト、第二ニ運轉士ノ名稱ヲ航海
士ニ改ムルコト、第三ニ海技免狀ノ種類ヲ
整備スルコト、第四ニ船舶職員ノ定員ヲ改
ムルコトノ四點デアリマシテ、之ニ依リ船
舶航行ノ安全及ビ運航能率ノ增進ヲ圖リ、
以テ海上輸送ノ完璧ヲ期セントスルモノデ
アリマス、輓近ニ於ケル無線科學ノ發達ハ
船舶航行ト、無線電信運用トノ關係ヲ益、ゝ
密接ナラシメテ居ルノデアリマスルガ、大
東亞戰爭ノ進展ニ伴ヒマシテ、其ノ緊密性ハ
著シク加重セラレ、船舶ニ乘組ム無線通信
士ハ、船舶運航k極メテ重要ナル職責ヲ分
擔スルモノトナツタノデアリマス、仍テ今
回之ヲ船舶職員トシテ法定致サントスル次
第デアリマス、次ニ從來海技免狀ハ本法ニ
定ムル免狀ノ外ニ多數ノ效力制限免狀ガア
リマシテ、複雜多岐ニ亙リ、印ツテ融通性
ヲ阻碍セラルヽノ感ガアルノデアリマス、
仍テ今囘免狀ノ效力ニ制限ヲ加ヘルコトハ
全般的ニ停止致シマシテ、免狀ノ種類ヲ現
狀ニ卽スル如ク改メタ次第デアリマス、次
ニ海技免狀ノ整備ト相俟チマシテ、船舶職
員定員表ヲモ實情ニ副フ如ク改メマシタノ
デアリマス、以上ノ事由ニ依リマシテ船舶
職員法中改正法律案ヲ提案致シタ次第デア
リマス
次ニ簡易生命保險法中改正法律案ノ提案
ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、本案ハ戰時下
國民貯蓄ノ增强ヲ圖リマスルト共ニ、國民
生活ノ安定確保ヲ期スルガ爲メ、簡易生命
保險ノ被保險者一人ニ村キ加入シ得ル保險
金ノ最高制限額ヲ二千圓ニ引上ゲントスル
モノデアリマス、簡易生命保險制度ハ、此
ノ改正ニ依リマシテ益〓其ノ機能ヲ發揮スル
コトトナリ、戰時下購買力ノ吸收竝ニ國民生
活ノ安定ニ寄與スル所尠カラザルヲ確信致
シテ居ル次第デアリマス、何卒十分御審議
ノ上、速カニ御協賛アランコトヲ御願ヒ致
シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=61
-
062・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 各案ノ審査ヲ
付託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=62
-
063・森下國雄
○森下國雄君 兩案ヲ一括シテ政府提出鐵
道敷設法戰時特例案外一件委員ニ併セ付託
セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=63
-
064・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=64
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065・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=65
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066・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出鐵道敷
設法戰時特例案及ビ郵便法中改正法律案ノ
兩案ヲ一括議題トナシ、委員長ノ報〓ヲ求
メ其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=66
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067・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=67
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068・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ-
鐵道敷設法戰時特例案、郵便法中改正法律
案右兩案ヲ一括シテ、第一讀會ノ續ヲ開
キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-委員
長今井健彥君
鐵道敷設法戰時特例案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
郵便法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一鐵道敷設法戰時特例案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十九年一月二十七日
委員長今井健彥
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一郵便法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十九年一月二十七日
委員長今井健彥
衆議院議長岡田忠彥殿
〔今井健彥君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=68
-
069・今井健彦
○今井健彥君 只今議題トナリマシタ鐵道敷
設法戰時特例案及ビ郵便法中改正法律案、
此ノ二件ノ委員會ノ審議ノ經過竝ニ結果ニ
付テ御報告申上ゲマス、鐵道敷設法戰時特
例案ハ、從來ニ於キマシテ鐵道ヲ敷設セン
ト致シマスル時ハ、豫メ定メラレマシタル
豫定線路ノ中カラ路線ヲ選定致シマシテ、
其ノ豫算ヲ議會ニ提出シテ協賛ヲ求メタノ
デアリマスガ、戰時ニ際シマシテ急速ニ鐵
道ヲ調査敷設スル必要ノアリマスル時ハ、
議會ノ協賛ヲ俟タナイデ、唯鐵道會議ノ諮
問ノミヲ以テ隨時豫備金ヲ支出シテ、鐵道
ヲ敷設スルコトヲ得ルヤウニ改メヨウトス
ルモノデアリマス、此ノ委員會ニ於キマシ
テハ、本案ニ關聯致シマシテ運輸交通全般
ニ亙リマシテ、凡ユル質問ガ行ハレタノデ
アリマス、卽チ輸送ノ增强或ハ海陸ノ連
終港灣ノ設備、地場輸送、就中牛馬車ノ
問題或ハ飼料ノ問題、貨物自動車ノ問題、
燃料、資材、空襲時ノ輸送、旅客ノ調整、
鐵道事故ノ防止、現業員ノ確保等、色々ノ
角度ヨリ重要剴切ナル質疑應答ガ繰返サレ
マシタ、其ノ詳細ハ速記錄ニ讓リマスガ、
其ノ中デ、二、三御報告申上ゲタイコトガア
リマス
其ノ第一ハ今後ノ鐵道敷設ニ關シマシテ
議會ノ協賛ヲ經ル餘裕ノアル時ハ、此ノ特
例ニ依ラナイデ帝國議會ノ協賛ヲ經テ實施
スルカト云フ質問ガアリマシタ、之ニ對シ
マシテ政府ハ、本特例ハ戰時特別ノ臨時措
置デアルカラ、出來ル限リ議會ノ協賛ヲ經
テ實施スル旨ノ答辯ガアリマシタ
第二ニ國有鐵道ノ撒廢轉用ニ依リマシテ、
營業ノ休止ヲ行フ場合、先般ハ鐵道會議ニ
掛ケナカツタノデアリマスガ、是ハ鐵道會
議ノ諮詢ヲ經ベキデハナイカトノ質問ガア
リマシタ、之ニ對シマシテ政府ハ回收轉用
ノ爲ニスル國有鐵道路線ノ營業休止ハ、二
三「キロ」程度ノ極メテ短小ナル線路ノ場合
ハ別トシテ、囘收轉用ニ依リマシテ相當重
要ナル路線ノ營業休止ヲ行フヤウナ場合ニ
ハ、原則トシテ鐵道會議ノ議ヲ經ルコトハ
至當ト考ヘル、仍テ將來ニ於テハ適當ニ善
處スル旨ノ答辯ガアリマシタ、第三ニ本特
例適用ノ爲メノ鐵道會議ヘノ諮問等モ考慮
シテ、鐵道會議ノ機構ヲ擴大强化スル意思
ガナイカトノ質問ニ對シマシテハ、運輸通
信大臣ハ、今後ニ於ケル鐵道會議ノ機構整
備ニ付テハ、御趣旨ニ卽シマシテ考慮善處
スル旨ノ言明ガアリマシタ
次ニ郵便法中改正法律案ニ付テ御報告ヲ
申上ゲマス、此ノ法律ハ郵便法ノ第十八條
ヲ改正シテ、料金ノ增收ヲ圖リ、其ノ增收
ヲ以チマシテ一ハ戰爭遂行ニ必要ナル軍事
費ニ寄與シ、一ハ從業員ノ待遇ヲ改善シ、
或ハ厚生施設ヲ行フ、一ハ電信電話等ノ機
關ヲ擴充致ス、其ノ爲ニ此ノ改正ヲ行ハン
トスルモノデアリマス、委員會ニ於キマシ
テハ、先ヅ官營事業ノ料金ヲ常ニ政府ハ上
ゲル、民間ノ物資ニ對シマシテハ一ツノ制
限ヲ設ケマシテ其ノ引上ヲシナイガ、政府
ノモノノミヲ上ゲルト云フコトハ面白クナ
イデハナイカ、是ハ低物價政策ニ反シヤシ
ナイカ、斯ウ云フコトノ質問ガアリマシタ、
之ニ對シマシテ政府ハ、郵便料金ノ引上ノ
趣旨ハ、國家財政ヘノ寄與ト、戰時通信事
業ノ設備ノ爲ニ已ムヲ得ナイ處置デアツ
テ、將來ハ出來ル限リ斯ウ云フコトハ避ケ
タイ考ヘデアルト云フ答辯ガアリマシタ、
第二ニ通信事業運營ノ確保竝ニ從事員ノ待
遇、保健對策ニ對シマスル質問ニ對シマシ
テハ、與フ限リノ努力ヲ傾注シテ、事業運
營ノ完遂ヲ期シタイ旨ノ答辯ガアリマシタ、
第三ニ從業員ノ必需物質ノ配給ニ關シマシ
テハ、今後トモ十分善處スベキ旨ノ答辯ガ
アリ、第四ニ行政簡素化等ニ依ル人員ノ減
少ノ爲メ、事業運行ニ支障ガナイカトノ質
間ニ對シテハ、色々ノ對策ヲ講ジテ戰時下最
モ緊要デアリマスル通信業務ノ確保ヲ期シ
テ居ル旨ノ答辯ガアリマシタ、尙ホ此ノ改
正ニ依リマシテ、政府ノ收入ノ增加ハ約三
千萬圓デアリマス、其ノ他ニ法律ニ依ラズ致
シマシテ、省令ヲ以テ徵收致シマスル小包、
書留、速達或ハ電報料ノ値上、電話ノ度數
料ノ値上、是等ヲ加ヘマスルト、政府ノ全
收入ハ此ノ通信ノミニ於キマシテ、一億二
千萬圓ニナルノデアリマス、政府ハ其ノ使
途ニ付キマシテ、一億二千萬圓ノ中四千萬
圓ハ電信電話ノ擴張ニ充テル、一千五百萬
圓ハ從業員ノ待遇改善、或ハ厚生施設ニ用
フル、殘リ六千五百萬圓ヲ軍事費ニ繰入レ
ル、斯ウ云フ答辯ガアリマシタ
斯クテ本日ニナリマシテ質疑ヲ終ヘテ、
討論ニ移リマシタ、新井委員ヨリ致シマシ
テ、兩案トモ原案通リ贊成ノ意見ノ開陳ガ
アリマシテ、採決ノ結果滿場一致兩案トモ
可決致シマシタ、以上御報告申上ゲマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=69
-
070・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 兩案ノ第二讀
會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=70
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071・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ兩案ノ第二讀會ヲ開クニ決
シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=71
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072・森下國雄
○森下國雄君 直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、第三讀會ヲ省略シテ委員長報告ノ通リ
可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=72
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073・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=73
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074・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ直チニ兩案ノ第二讀會ヲ開
キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
鐵道敷設法戰時特例案
第二讀會(確定議)
郵便法中改正法律案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=74
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075・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 別ニ御發議モ
アリマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、兩案ト
モ委員長報告通リ可決確定致シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=75
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076・森下國雄
○森下國雄君 議事日程追加ノ緊急動議ヲ
提出致シマス、卽チ此ノ際政府提出昭和十
九年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル等ノ爲
ノ公債發行ニ關スル法律案、學校特別會計
法案、厚生保險特別會計法案、農業家畜再
保險特別會計法案、簡易生命保險及郵便年
金特別會計法案、臺灣事業用品資金特別會
計法案、作業會計法外十法律改正法律案、
國有財產整理資金特別會計法外三法律ノ廢
止ニ關スル法律案、臨時資金調整法中改正
法律案、戰時喪失無記名國債證劵臨時措置
法案、煙草專賣法及鹽專賣法中改正法律案
ノ十一案ヲ一括議題トテシ委員長ノ報告ヲ
求メ、其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=76
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077・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=77
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078・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 御異議ナイト
認メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、昭
和十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル等ノ
爲ノ公債發行ニ關スル法律案、學校特別會計
法案、厚生保險特別會計法案、農業家畜再
保險特別會計法案、簡易生命保險及郵便年
金特別會計法案、臺灣事業用品資金特別會
計法案、作業會計法外十法律中法中改正法
律案、國有財產整理資金特別會計法外三法
律ノ廢止ニ關スル法律案、臨時資金調整法
中改正法律案、戰時喪失無記名國債證劵臨
時措置法案、煙草專賣法及鹽專賣法中改正
法律案、右十一案ヲ一括シテ第一讀會ノ續ヲ
開キマス、委員長ノ報告ヲ求メマス-委
員長中村梅吉君
昭和十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
學校特別會計法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
厚生保險特別會計法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
農業家畜再保險特別會計法案(政府提
出第一讀會ノ續(委員長報告)
簡易生命保險及郵便年金特別會計法案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
臺灣事業用品資金特別會計法案(政府
提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
作業會計法外十法律中改正法律案政
府提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
國有財產整理資金特別會計法外三法律
ノ廢止ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
臨時資金調整法中改正法律案(政府提
出第一讀會ノ續(委員長報〓)
戰時喪失無記名國債證劵臨時措置法案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報〓)
煙草專賣法及鹽專賣法中改正法律案
(政府提出)第一讀會ノ續(委員長報告)
昭和十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案中別
紙ノ通議院法第三十條ニ依リ修正ス
昭和十九年一月二十四日
內閣總理大臣東條英機
大藏大臣賀屋興宣
〔別紙〕
第一條中「五十七億九千八百五十萬圓」ヲ
「六十億六千四百三十萬圓」ニ修正ス
報〓書
一昭和十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一學校特別會計法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一厚生保險特別會計法案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一農業家畜再保險特別會計法案(政府提
出
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報告候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一簡易生命保險及郵便年金特別會計法案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一臺灣事業用品資金特別會計法案(政府
提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一作業會計法外十法律中改正法律案(政
府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一國有財產整理資金特別會計法外三法律
ノ廢止ニ關スル法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一臨時資金調整法中改正法律案(政府提
出
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一戰時喪失無記名國債證劵臨時措置法案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一煙草專賣法及鹽專賣法中改正法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議決致
候此段及報〓候也
昭和十九年一月二十七日
委員長中村梅吉
衆議院議長岡田忠彥殿
〔中村梅吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=78
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079・中村梅吉
○中村梅吉君 只今議題トナリマシタ昭和
十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル等ノ
爲ノ公債發行ニ關スル法律案外十件委員會
ノ經過竝ニ結果ニ付テ御報告申上ゲマス
各案ノ要旨ニ付キマシテハ過日本議場ニ
於キマシテ大藏大臣ヨリ詳細御說明ガゴザ
イマシタカラ、此處ニ其ノ再說ヲナスノ煩
ヲ省略致シタイト存ジマス、但シ昭和十九
年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲ノ公債
發行限度額ニ付キマシテ、委員會ノ審議途
中ニ於テ政府ヨリ修正ノ提案ガゴザイマシ
ク、卽チ當初ノ提案ニ係ル公債發行限度額
ハ五十七億九千八百五十萬圓デアリマスガ、
其ノ外ニ更ニ昭和十九年度歲入歲出豫算追
加案第二號ニ計上致サレマシタ經費ノ財源
ト致シマシテ、二億六千五百八十萬圓ノ公
債發行ヲ必要トスルニ至リマシタ理由ニ依
リマシテ、當初ノ發行限度額ニ右ノ金額ヲ
追加致シ、其ノ公債發行限度額ヲ六十億六
千四百三十萬圓ニ增加修正致サレタノデア
リマス
委員會ハ去ル二十二日以來會ヲ重ネルコ
ト五囘、委員懇談會ヲ開催スルコト二回、
其ノ間委員各位ト政府トノ間ニ建設的ニシ
テ極メテ適切且ツ熱心ナル質疑應答ガ重ネ
ラレタノデアリマス、委員會ニ於ケル質疑
應答ノ詳細ニ付キマシテハ速記錄ニ依ツテ
御覽ヲ願フコトニ致シタイト思ヒマスガ、
唯茲ニ重要ト認メラルヽ二三ノ質疑應答ニ
付テ御紹介ヲ申上ゲタイト思フノデアリマ
ス
先ヅ委員ヨリ公債發行額ハ既ニ相當巨額
ニ達シ、今後更ニ增大ノ傾向顯著ナルモノ
アルガ、之ニ對シ政府ノ對策及ビ大藏大臣
ノ所見如何トノ質疑ニ對シマシテ、大藏大
臣ヨリ公債ノ消化ニ付テハ十分努力シテ居
ル、國債ニ付テハ平時的ナ考ヘデ戰時ヲ考
ヘルコトハ適當デナイト思フ、戰爭ガ一面
ニ於テハ大ナル消耗ヲ伴フモノデアルガ、又
他面ニ於テハ大ナル生產力ヲ培養シツ
ツアルノデアル、生產力ノ增强ハ勝ツ爲ノ基
本條件デアルト共ニ、國力ノ增大、財政力
ノ增大ヲ意味スルモノデアツテ、是ガ爲ノ
公債增發ハ平時ニ於ケルソレト全ク趣キヲ
異ニスルモノデアルト云フ御趣旨ノ答辯ガ
ゴザイマシタ、次ニ一般會計ノ財源ハ公債
ニ依ラザルヲ適當ト認メルガ、政府ノ所見
如何トノ質疑ニ對シマシテ、政府委員ヨリ
理想ハ御尤モデアルガ、一般會計モ今日ハ
戰費化シテ居ル、又ハ準戰費的ノモノガ多
クナツテ居ル、現戰時下ニ於テハ已ムヲ得ザ
ルモノデアルト認メルト云フ趣旨ノ答辯ガ
ガゴザイマシタ、次ニ戰時喪失無記名國債
證劵臨時措置法案ニ付キマシテ、新證劵交
付ノ適用範圍ヲ戰爭災害ノミナラズ、震災、
風水害等ノ一般災害ニモ適用シテハ如何ト
ノ質疑ニ對シマシテ、政府ヨリ震災、風水
害等ニ因ル集團的被害ヲ生ジタ場合ニ於テ
ハ、命令ヲ以テ指定シテ新證劵交付、卽チ
本法ヲ適用スル途ヲ講ズル考ヘデアルト云
フ答辯ガゴザイマシタ、最後ニ臨時資金調
整法中改正法律案ニ付キマシテ第十條ノ二、
卽チ資金ノ浮動化防止ノ强化ニ關スル改正
ノ點ニ付テ、適用ノ範圍及ビ運用ニ付テハ
命令ニ讓ツテ居ルガ、其ノ適用ノ範圍及ビ
運用ノ方法如何ト云フ質疑ニ對シマシテ、
適用ノ範圍ハ生產ニ關係ノナイ一時的、臨時
的ノ收入ニ對シテノミ適用セントスルモノ
デアル、從來ハ土地、建物等ノ不動產ニ付テ
ノミ適用セラレテ居ツタノデアルガ、今囘
ハ其ノ範圍ヲ右ノ趣旨ノ範圍ニ於テ擴張
セントスルモノデアル、運用ニ付キマシテ
ハ法規的ニ特殊決濟ヲ當然命ズル場合ト、
然ラザル場合ト二ツアル、法規的ニ特殊決濟
ヲ當然ニ命ズル場合ハ、都市疎開ニ關スル
不動產ノ收入或ハ補償金等ノ全部又ハ一部、
戰時特殊損害保險ニ依ル保險金ノ全部又ハ
一部等ノ場合デアル、其ノ他ノ場合ニ付キ
マシテハ從來ト其ノ運用ニ變化ハナイ、從
來ト同樣簡捷ヲ主トシテ運用ヲシテ行ク考
ヘデアル、格別從來ノ運用ニ强化ヲ加ヘル
ヤウナ新制度ヲ命令等ニ依ツテ設定ヲスル
者ヘハ毛頭ナイ、斯ウ云フ趣旨ノ御答辯ガ
ゴザイマシタ、以上ノ外各案ニ付キマシテ
色々ト各種ノ角度カラ熱心且ツ適切ナル質
疑應答ガ交サレタノデアリマスガ、總テハ
速記錄ニ讓ルコトニ致シマス
斯クテ本日質疑ヲ終了致シマシテ、討論
ヲ省略シテ採決ヲ致シマシタ結果、全員一
致政府提出原案ニ贊成ニ決シマシタ、此ノ
段御〓ヲ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=79
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080・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 十一案ノ第二
讀會ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=80
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081・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ十一案ノ第二讀會ヲ開クニ
決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=81
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082・森下國雄
○森下國雄君 直チニ十一案ノ第二讀會ヲ
開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長報告ノ
通リ可決セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=82
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083・内ヶ崎作三郎
○副議長(內ケ崎作三郞君) 森下君ノ動議
ニ御異議アリマセヌカ
(「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=83
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084・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ直チニ十一案ノ第一一讀會ヲ
開キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
昭和十九年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案
第二讀會(確定議)
學校特別會計法案第二讀會(確定議)
厚生保險特別會計法案
第二讀會(確定議)
農業家畜再保險特別會計法案
第二讀會(確定議)
簡易生命保險及郵便年金特別會計法案
第二讀會(確定議)
臺灣事業用品資金特別會計法案
第二讀會(確定議)
作業會計法外十法律中改正法律案
第二讀會(確定議)
國有財產整理資金特別會計法外三法律
ノ廢止ニ關スル法律案
第二讀會(確定議)
臨時資金調整法中改正法律案
第二讀會(確定議)
戰時喪失無記名國債證劵臨時措置法案
第二讀會(確定議)
煙草專賣法及鹽專賣法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=84
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085・内ヶ崎作三郎
○副議長(内ケ崎作三郞君) 別ニ御發議モ
アリマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、十一案
トモ委員長報告通リ可決確定致シマシタ
(拍手)是ニテ議事日程ハ議了致シマシタ、
次會ノ議事日程ハ公報ヲ以テ通知致シマス、
本日ハ是ニテ散會致シマス
午後三時五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008413242X00619440127&spkNum=85
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