1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○地方鐵道及軌道に於ける納付金等に關する法律案
○鐵道抵當法中改正法律案
○日本通運株式會社法中改正法律案
○郵便法中改正法律案
○船員保險法中改正法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=0
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001・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 只今ヨリ
本委員會ヲ開催致シマス、昨日質疑應
答ヲ重ネマシタ地方鐵道及軌道ニ於ケ
ル納付金等ニ關スル法律案、鐵道抵當
法中改正法律案、日本通運株式會社法
中改正法律案、郵便法中改正法律案、
此ノ四法律案ハ、旣ニ御質問モ盡キタ
ヤウデゴザイマスカラ、此ノ四ツノ法
律案ニ對シテ討論ニ移リマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=1
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002・内田重成
○內田重成君 只今付議サレマシタ四
法案ハ、何レモ時局ニ適切ナル法案デ
アルト考ヘマスノデ、原案ニ贊成ヲ致
シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=2
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003・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 只今內田
委員カラ原案ニ贊成ノ御意見ガゴザイ
マシタ、外ニ御發言ガゴザイマセヌケレ
バ、之ヲ以チマシテ採決ニ進ミタイト
思ヒマス、此ノ法案ニ對シテ御贊成ノ
方ノ擧手ヲ求メタイト思ヒマス
〔總員擧手〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=3
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004・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 全員御贊
成ト認メマス、從ヒマシテ此ノ四ツノ
法律案ハ可決スベキモノト本委員會ニ
於テ認メマシタ、次ニ政府當局カラ新
ニ付議サレマシタ船員保險法中改正法
律案ノ御說明ヲ承リタイト存ジマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=4
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005・廣瀬久忠
○國務大臣(廣瀨久忠君) 只今議題ト
ナリマシタ船員保險法中改正法律案ニ
付キマシテ、提案ノ理由竝ニ要旨ヲ御
說明致シマス、今日ノ情勢下ニ於キマ
シテ、海上輸送ノ飛躍的增强ヲ圖リマ
スコトガ焦眉ノ急務デアリマスコトハ
今更多言ヲ要シナイ所デアリマス、之
ガ爲ニハ各般ノ施策ヲ强力且適當ニ實
施スルヲ要スルノデアリマスガ、船舶
運航ノ衝ニ當ル船員ヲシテ蹶起勇奮愈〓
決戰海上輸送ノ使命完遂ニ挺身セシ
メマスコトガ極メテ緊要ト存ズル次第
デアリマス、船員保險法ハ我ガ國海運
ノ發展ニ資スル爲、船員勤勞力ノ確保
增强ト、船員援護ノ充實トヲ主眼トス
ル國家的厚生施設トシテ昭和十四年四
月其ノ制定ヲ見、其ノ後大東亞戰爭勃
發ニ依ル情勢ノ變遷ニ鑑ミ、昭和十八
年四月傷病給付ノ充實ト、戰時加算制
度ノ創設トヲ目途トスル改正ヲ經テ今
日ニ至ツタノデアリマス、併シナガラ
戰局ノ推移ハ更ニ海上輸送ノ樣相ヲ一
變シ、船員ノ勤勞狀況モ亦著シク加重
セラレマシテ、本法ノ根本的改正ヲ要
請スルノ實情ニ立至ツタノデアリマス、
加フルニ陸上勤勞者ニ對シマシテハ、
昨年勞働者年金保險法ノ劃期的改正ガ
行ハレ、健康保險法モ亦面目ヲ改ムル
ニ至リマシタ結果、是等トノ權衡上ヨ
リ見マスルモ、船員保險法ノ改正ハ遷
延ヲ許サヌ實情ニアルト考ヘラレルノ
デアリマス、敍上ノ事情ニ鑑ミマシテ、
政府ハ今囘船員保險法ノ改正ヲ企圖シ
タ次第デゴザイマシテ、以下其ノ內容
ニ付キマシテ說明ヲ申上ゲマス、改正
ノ第一點ハ被保險者範圍ノ擴張デアリ
せい、現行制度ニ於キマシテハ乘船中
ノ船員ノミヲ被保險者ニ致シテ居ルノ
デアリマスガ、今次ノ改正ニ當リマシ
テハ豫備船員及應召、入營中ノ船員ト
雖モ船舶所有者ニ使用セラルヽ限リ普
ク本制度ノ恩澤ニ浴セシメ、船員援護
ノ充實ニ遺漏無キヲ期セムトスルモノ
デアリマス、改正ノ第二點ハ傷病給付
ノ擴充强化デアリマス、卽チ船員ノ過
勞業務災害ノ增加等ニ基因スル傷病
ノ增加ノ狀況ニ鑑ミマシテ、船員ノ健
康保護ノ徹底ヲ圖ル爲、從來療養ノ給
付及傷病手當金ノ支給ヲ致シマセヌデ
シタ船舶職員ニ對シマシテモ、總テ其
ノ保護ヲ及シマスト共ニ、療養ノ給付
及傷病手當金ノ支給期間ヲ延長シ、其
ノ內容ヲ一段ト改善充實セムトスルモ
ノデアリマス、改正ノ第三點ハ遺族年
金及葬祭料制度ノ創設デアリマシテ、
遺族援護ノ强化ヲ圖リマスコトハ、船
員ヲシテ後顧ノ憂ヲ斷タシメ、船員ノ
士氣ヲ鼓舞スル所最モ大ナルモノガア
ルト認メラレマスノデ、現行制度ニ於
ケル死亡手當金ヲ廢止シ、新ニ本制度
ヲ創設致サムトスル次第デアリマス、
又葬祭料制度ニ付キマシテハ、船員法
上ノ同種制度ヲ吸收シテ、國家的制度
トシテ其ノ整備ヲ圖ラムトスルモノデ
アリマス、改正ノ第四點ハ養老年金、
障害年金、障害手當金及脫退手當金等
保險給付ノ充實改善デアリマス、現行制
度ニ於ケル是等給付ノ內容ハ陸上勤勞
者ニ對スル厚生年金保險法ノ內容ト比
較致シマス時、或ハ其ノ給付金額ニ於
テ、或ハ其ノ給付條件ニ於テ遜色ヲ認
メマスノデ、今囘之ヲ改メマシテ、特ニ職
務ノ爲ニ癈疾トナリマシタ者ニ對シマ
シテハ厚生年金保險法ノ例ニ準ジ、給
付ノ內容ヲ一段ト充實シ、安ンジテ其
ノ職務ニ精勵シ得マスヤウ致サムトス
ル次第デアリマス、最後ニ今囘改正ノ主
眼ト致シマシテ最モ考慮ヲ拂ヒマシタ
點ハ戰時特例ノ徹底的强化ヲ圖リ、以
テ海上輸送確保ノ爲幾多ノ危險ヲ冒シ
有ラユル困苦〓乏ヲ嘗メ、默々トシテ
敢鬪シツヽアル船員ノ奮鬪ニ應ヘムト
スル所ニアリマス、卽チ其ノ第一トシ
テハ戰時加算率ノ增率デアリマスガ、
戰時危險區域ヲ航行スル船舶ニ乘組ム
被保險者ニハ、昭和十九年一月一日以
降其ノ乘組期間中二月以內ノ加算ヲ致
シマスト共ニ、戰時危險ニ因ル犠牲者
ニ對シマシテハ特ニ三月以內ノ加算ヲ
行ヒ、總テ加算ニ要スル費用ハ國庫ニ
於テ負擔スルコトト致シマシテ其ノ勞
苦ニ酬ヒ、援護ノ充實ヲ圖ラムトスル
モノデアリマス、改正ノ其ノ第二ハ戰
時危險ニ因ル癈疾又ハ死亡者ニ關スル
障害年金、遺族年金等ノ保險給付ニ要
スル費用ヲ戰時危險ノ特殊性ニ鑑ミマ
シテ、之ヲ保險料ト切離シ、使用主及
船員ノ負擔ニ俟ツコトナク、國庫ノ負
擔ト致シタコトデアリマス、其ノ改正
ノ第三ト致シマシテハ大東亞戰爭勃發
後ノ戰時危險ニ因ル犠牲者ニ對シマシ
テハ、假令本法施行前ニ癈疾ト爲リ、
又ハ死亡シタル者ト雖モ總テ障害年
金、遺族年金等ノ給付ヲ行フコトトシ、
之ニ要スル費用モ亦國庫ノ負擔ト致シ
マシテ、是等犠牲者ノ保護ト遺族ノ援
護トニ萬全ノ措置ヲ執ラムトスルモノ
デアリマス、之ヲ要スルニ今次ノ改正
ハ現行制度ヲ根本的ニ改訂致シマシテ、
保險給付ノ全面ニ亙ツテ其ノ內容ヲ健
康保險法又ハ厚生年金保險法ノ同種給
付以上ノモノト致シマシタ外ニ、特一
戰時特例ノ强化擴充ヲ圖リ、極力船員
ノ優遇ニ努メ、其ノ士氣ノ昂揚ヲ圖リ、
以テ本制度ヲシテ聖戰完遂ノ强力ナル
礎石タラシメムトスルニ外ナラヌノデ
アリマス、何卒御審議ノ上速カニ御協
贊アラムコトヲ切望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=5
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006・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 皆サンニ
御諮ヲ致シマスガ、本法律案ハ配付サ
レマシテカラマダ十分ノ時間モ經ツテ
居リマセヌシ、皆サンノ御調査ノ御用
意モ或ハ未ダシキモノモアルカト存ジ
マスノデ、今日ハ之ヲ以テ散會致シタ
イト思ヒマスガ、如何デゴザイマスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=6
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007・村上恭一
○村上恭一君 私委員會ノ議事進行ノ
方法ニ付キマシテ一ツノ希望ヲ述ベテ
見タイト思ヒマス、ソレハ第一ニハ今
度ノ改正法律案ノ大體ノ趣旨ハ只今當
局大臣カラ承リマシタガ、多クノ條項
ニ亙リマシテ細マカイモノガアリマス
ノデ、次囘ノ委員會ノ最初ニ、主管廳
ノ適當ノ方カラ逐條的ニモツト詳シク
說明ヲ承ラシテ戴キタイト云フコトヲ
私ハ希望致シマス、ソレトモウ一ツハ、
今日ノ此ノ戰局ニ於キマシテ船員ガ非
常ニ重要ナ立場ヲ持ツテ居ルコトハ申
ス迄モアリマセヌ、其ノ船員ノ立場ニ
付キマシテハ我々ハ旣ニ十分ニ認識ヲ
持ツテ居ナケレバナラヌ筈デアリマス
ケレドモ、私ノ如キハ到底サウダトハ
申兼ネマス、ソコデ次囘ノ委員會ニ於
キマシテ主管廳ノ御方カラ、海員ニ關
スル現在ノ一般ノ制度、ソレガ國家カ
ラドウ云フ待遇ヲ受ケテ居ルカ、之ヲ
養成スル機關ハドウナツテ居ルカ、海
員ヲ獲得スルコトガ今日急務デアルニ
モ拘ラズ頗ル困難デアルト云フ實情デ
アリマスノデ、其ノ間ニ處シテ當局ハ
ドウ云フ施設ヲシテ居ラレマスカ、斯
ウ云フヤウナコトニ付テ、私モ船員ノ
コトニ付テハ嘗テハ多少心得テ居リマ
シタガ、最近船舶運營會ト云フヤウナ
新シイ施設モ出來マシテ、船員ノ立場
モ餘程變ツテ參ツテ居リマスシ、現在
ノ船員ニ關スル一般ノ制度ノ〓略ト云
フコトヲ主管廳ノ方カラ承ラシテ戴キ
タイト思ヒマス、是ハ此ノ法律案ノ主
管廳タル厚生省デナク、運輸通信省、
海運總局ノ管轄カト思ヒマスルガ、其
ノ部局ノドナタカニオイデヲ願ツテ御
話ヲ承ルト云フコトヲ私ハ希望致シマ
ス、併シ他ノ皆サンノ御意向ニ依ツテ
ハ差控ヘテモ宜シウゴザイマスガ、此
ノ場合私ノ希望ヲ申上ゲテ置キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=7
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008・二荒芳徳
○委員長(伯爵二荒芳德君) 大變適當
ナ御要求カト思ヒマスノデ、サウ云フ
コトニ取計ラフコトニ各政府委員ノ方
方ニモ御願ヲ致シテ置キマス、ソレデ
ハ今日ハ之ヲ以テ散會致シマス
午後二時五十三分散會
出席者左ノ如シ
委員長伯爵二荒芳德君
副委員長男爵柴山昌生君
委員
子爵保科正昭君
子爵大久保〓尙君
村上恭一君
內田重成君
田邊治通君
大橋八郞君
男爵神山嘉瑞君
渡邊覺造君
秋田三一君
國務大臣
厚生大臣廣瀨久忠君
政府委員
厚生政務次官中井川浩君
厚生參與官馬場元治君
厚生省保險局長伊藤謹二君
厚生書記官宮田爲益君
厚生書記官花澤武夫君
運輸通信政務次官前田房之助君
運輸通信省企畫局長鈴木恭一君
運輸通信省鐵堀木鎌三君
道總局長官
運輸通信省海小野猛君
運總局長官
運輸通信省海運白石萬隆君
總局船員局長
鐵道監小倉俊夫君
通信院總裁塩原時三郞君
通信院總務局長小林武治君
通信院業務局長立花章君
通信院工務局長齋藤正一君
通信院通信監督局長松永忠男君
通信院貯金保險局長中村純一君
通信院電波局長吉田弘苗君
通信院防衞通神尾健夫君
信施設局長発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008602397X00319450131&spkNum=8
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