1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十年一月二十八日(日曜日)午前十時十五分開議
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議事日程 第六號
昭和二十年一月二十八日
午前十時開議
第一 臨時軍事費豫算追加案(臨第一號) 會議(委員長報告)
第二 豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件(追第二號) 會議(委員長報告)
第三 昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 金資金特別會計法外五法律中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 外資金庫法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 地方鐵道及軌道に於ける納付金等に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 鐵道抵當法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 日本通運株式會社法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第九 郵便法中改正法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=0
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001・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 諸般ノ報告
ハ、御異議ガナケレバ、朗讀ヲ省略致
シマス
〔參照〕
一昨二十六日本院ニ於テ可決シタル左
ノ政府提出案ハ卽日之ヲ衆議院ニ送付
セリ
恩給法中改正法律案
明治三十五年法律第四十九號國勢調
査ニ關スル法律ノ昭和二十年ニ於ケ
ル特例ニ關スル法律案
兵役法中改正法律案
陸軍軍法會議法中改正法律案
海軍軍法會議法中改正法律案
現役靑年學校職員俸給費國庫補助法
案
戰時民事特別法中改正法律案
會計等臨時措置法中改正法律案
司法官試補及辯護士試補タ海資格ノ
特例ニ關スル法律案
昭和二十年一月二十九日
農林中央金庫法中改正法律案
產業設備營團法中改正法律案
石炭配給統制法中改正法律案
同日委員長ヨリ左ノ通分科擔當委員及
兼務委員ヲ選定シタル旨ノ報告書ヲ提
出セリ
豫算委員第一中山太一君
分科擔當委員
第五分科兼務委員
豫算委員第五柴田兵一郞君
分科擔當委員
第一分科兼務委員
請願委員井坂孝君
第一分科擔當委員
決算委員男爵三須精一君
第四分科擔當委員
昨二十七日衆議院ヨリ左ノ政府提出案
ヲ受領セリ
臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ
爲スヲ要スル件(追第二號)
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案
金資金特別會計法外五法律中改正法
律案
外資金庫法案
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ
關スル法律案
鐵道抵當法中改正法律案
日本通運株式會社法中改正法律案
郵便法中改正法律案
同日內閣總理大臣ヨリ左ノ通第八十六
囘帝國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ
通牒ヲ受領セリ
外務省所管事務政府委員
特命全權公使鈴木九萬君
軍需省所管事務政府委員
軍需書記官岡村武君
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)、
豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ
爲スヲ要スル件(追第二號)可決報告
書
本日各部ニ於テ常任委員ノ補關選擧ヲ
行ヒシニ其ノ結果左ノ如シ
第四部
請願委員男爵多久龍三郞君ノ補闕
トシテ男爵北島貴孝君當選
第九部
請願委員子爵高橋是賢君ノ補闕ト
シテ子爵加藤泰通君當選発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=1
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002・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 是ヨリ本日
ノ會議ヲ開キマス、請暇ノ件ニ付御諸
リヲ致シマス、公爵鷹司信輔君、公務
ニ付會期中、子爵高橋是賢君、病氣ニ付
八日間、請暇ノ中出ガゴザイマシタ、
許可ヲ致シテ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=2
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003・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=3
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004・徳川圀順
○議長(公爵德川園順君) 議事日程ニ
移リマス、日程第一、臨時軍事費豫算
追加案、臨第一號、日程第二、豫等外
國庫ノ負擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要
スル件、追第二號、會議、委員長報告、是
等ノ兩案ヲ一括シテ議題ト爲スコトニ
御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=4
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005・徳川圀順
○議長(公爵德川園順君) 御異錢ナイ
ト認メマス、豫算委員長八條子爵
一臨時軍事費豫算追加案(臨第一號)
一豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契約
ヲ爲スヲ要スル件(追第二號)
右衆議院ヨリ受領シタル各案ヲ審査
シ總テ衆議院議決案ノ通可決スヘキ
モノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長子爵八條隆正
貴族院議長公爵徳川圀順殿
〔子爵八條隆正君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=5
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006・八條隆正
○子爵八條隆正君 臨時軍事費豫算追
加案、臨第一號、竝ニ豫算外國庫ノ負
擔トナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件、
追第二號、右二案ノ豫算委員會審査ノ
經過竝ニ結果ニ付テ御報告申上ゲマス、
委員會ハ昨二十七日、衆議院ヨリノ
議案送付ヲ待チマシテ直チニ開會致シ
マシタ、先ヅ大藏大臣ヨリ說明ヲ承リ、
次ニ祕密曾ニ移リマシタ、祕密會ニ於
キマシテハ、兩案ニ付キマシテ、百エ
大藏大臣、陸軍大臣及ビ海軍大臣ヨリ、
ソレ〓〓說明ヲ承リ、又軍需大臣ヨリ、
其ノ所管事項ニ付キマシテ說明ヲ承ツ
タノデアリマス、更ニ又陸軍省ノ軍務
局長ヨリ、最近ニ於ケル戰況ニ付キマ
シテ詳細ナル報告ヲ承リマシタ、尙又
恰モ昨日ハ、帝都ニ對シテ敵機ノ空襲
ガゴザイマシタノデ、內務大臣ヨリ、
昨日ノ敵機來襲ノ狀況ニ付キマシテ、
其ノ當時迄ニ判明致シテ居リマスル所
ノ被害狀況ニ付キマシテ報告ヲ承ツタ
ノデアリマス、併シ是等ノ說明竝ニ報
告ハ、祕密會ニ於ケルコトデゴザイマ
スルカラ、玆ニ其ノ御報告ハ省略致シ
Web.次ニ本臨時軍事費ノ豫算ノ內容
ニ付キマシテ簡單ニ申上ゲマスルガ、
臨時軍事費ノ追加額ハ、歲入歲出共ニ
八百五十億圓デアリマス、而シテ歲出
豫算ノ內譯ハ、臨時軍事費トシテ六百
億圓、豫備費トシテ二百五十億圓デア
リマス、又之ニ對スル財源タル歳入豫
算ハ、公債金三百五十二億九千餘萬
圓、又現地ニ於テ支出セラレマスル所ノ
軍事費ノ所要ニ充ツル爲、南方開發金
庫等ヨリノ借入金ガ三百一億三千餘萬
圓ソレカラ一般會計及朝鮮總督府、
臺灣總督府、關車廳、樺太廳、帝國鐵
道通信事業、是等ノ各特別會計ヨリ
ノ繰入金、合シマシテ百十六億七千餘
萬圓、次ニ雜收入七十八億九千餘萬圓
デアリマス、一般會計及特別會計ヨリ
ノ繰入ハ、前年度ニ於キマスル八十三
億九千餘萬圓ニ比シマシテ、今囘ハ三
十二億八千餘萬圓ノ增加デアリマスル
ガ、是ハ今囘計畫ノ增稅其ノ他ノ增收
ヲ此ノ臨時軍事費ニ繰入ルヽコトニナ
リマシタ結果デアリマス、而シテ昭和
十二年支那事變勃發以來ノ臨時軍事費
二、今囘ノ追加額ヲ加ヘマスルト云フ
ト、臨時軍事費ノ豫算ノ總額ハ累計二
千二百十九億三千餘萬圓ト相成ルノデ
アリマス、臨時軍事費ト一般會計、卽
チ昭和二十年度ノ一般會計ノ豫算デア
リマスルガ、目下衆議院ニ於テ審議中
ノモノデアリマス、此ノ一般會計ノ豫
算トノ合計額ハ千百十九億三千餘萬圓
ト相成リマスルガ、其ノ一般會計ヨリ
臨時軍事費ヘノ繰入額ヲ控除致シマシ
タ純計額ハ、千十八億千餘萬圓ト相成
リマス、又昭和二十年度ニ於ケル公債
發行豫定額ハ、臨時軍事費ノ財源タル
公債金收入竝一般會計及特別會計ノ公
債金收入合計致シマシテ四百六十億二
千餘萬圓デアリマシテ、昭和十九年度
公債發行豫定額ニ比シマスルト、百二
十二億四千萬圓ノ增加ト相成ツテ居リ
やく、更ニ又來年度ニ於キマスル國民
貯蓄目標デアリマスルガ、公債消化資
金、產業資金ヲ賄フベキ貯蓄目標額ト
致シマシテ、〓略六百億圓トナル見込
デアルサウデアリマス、以上臨時軍事
費豫算ノ內容ニ付テ、又參考トナルベ
キ點ニ付キマシテ御說明申上ゲマシ
タ、次ニ豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
契約ヲ爲スヲ要スル件ニ付申上ゲマス、
本件ハ兵器、被服、糧秣等ノ製造調達
等ニ關スルモノデアリマシテ、豫算外
ニ於テ、豫メ之ガ契約ヲ爲スノ必要ア
ルモノガ增加シタルニ依リマシテ、其
ノ額ヲ三十億圓增額致スモノデアリマ
ス、祕密會ニ於キマシテハ一一名ノ委員
ヨリ御質問ガアリマシタガ、其ノ他ニ
御質問ハゴザイマセヌデシタ、直チニ
討論採決ニ入リマシタガ、本豫算ハ決
戰ノ現段階ニ於キマシテ、敵米英ヲ擊
滅スルニ要スル陸海兩軍ノ戰費デアリ
マス故、如何ニ巨額ノ豫算ニ付キマシ
テモ固ヨリ論議ノ餘地ノアルベキモノ
デハアリマセヌ、仍テ滿場異議ナク、
全會一致ヲ以テ可決致シマシタ次第デ
アリマス、右御報告申上ゲマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=6
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007・徳川圀順
○議長(公爵德川圏順君) 別ニ御發言
モナケレバ、是ヨリ採決ヲ致シマス、
御異議ガナケレバ、兩案全部ヲ問題ニ
供シマス、兩案ニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ
願ヒマス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=7
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008・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 總員起立デ
アリマス、仍テ兩案ハ全會一致ヲ以テ
可決セラレマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=8
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009・徳川圀順
○議長(公爵德川〓〓君) 日程第三、
昭和二十年度一般會計歳出ノ財源ニ充
ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律
案ミ日程第四、金金資金時別會計法外五
法律中改正法律案、政府提出、衆議院
送付、第一讀會、是等ノ兩案ヲ一括シ
テ議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセ
ヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=9
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010・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス、石渡大藏大臣
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關ス
ル法律案
右政府提出案木院ニ於テ可決セリ因
ニ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵德川明順殿
ま
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關ス
ル法律案
第一條政府ハ昭和二十年度一般會
計歳出ノ財源ニ充ツル爲他ノ法律
ニ依リ起債シ得ル金額ノ外七十六
億六百七十萬圓ヲ限リ公債ヲ發行
シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
政府ハ昭和二十年度一般會計歲出
豫算中翌年度ヘノ繰越額ノ財源ニ
充ツル爲他ノ法律ニ依リ起債シ得
ル金額ノ外昭和二十一年度ニ於テ
公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコ
トヲ得但シ前項ノ規定ニ依ル公債
又ハ借入金ト通ジテ前項ノ制限額
ヲ超ユルコトヲ得ズ
前二項ノ規定ニ依ル公債ノ發行價
格差減額ヲ補塡スル爲必要アル場
合ニ於テハ前二項ノ制限額ヲ超エ
テ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲ス
コトヲ得
第二條昭和十五年法律第六十九號
中左ノ通改正ス
第一條中「同十九年度分」ヲ「同二
十年度分」ニ、「十二億七千四百七
十萬圓」ヲ「二十一億四千萬圓」ニ改
ム
第三條昭和十八年法律第九十三號
中左ノ通改正ス
第一條朝鮮ニ於ケル左ニ揭グル
經費ノ財源ニ充ツル爲政府ハ四億
七千四百三十萬圓ヲ限リ公債ヲ
發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
一食糧ノ生產、供出及配給ヲ
確保スル爲ノ補給金、奬勵金
及助成金
二石炭及化學肥料ノ價格ヲ調
整スル爲ノ補給金
三石炭、鐵鑛、鐵鋼、輕金屬
及非鐵金屬ノ增產ヲ促進スル
爲ノ報奬金
四鐵鋼及輕金屬ノ生產ノ際ニ
於ケル原料等ノ效率的使用ヲ
促進スル爲ノ報奬金
五企業ノ整備ニ要スル經費
第四條昭和十八年法律第九十四號
中左ノ通改正ス
第一條中「米穀ノ生產ヲ確保スル
爲ノ補給金及」ヲ「米穀ノ生產及供
出ヲ確保スル爲ノ補給金及奬勵金
竝ニ」ニ、「六千九百八十萬圓」ヲ
「一億三千二百萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案中別紙ノ通議院法第三十條ニ依
リ修正ス
昭和二十年一月二十五日
內閣總理大臣小磯國昭
大藏大臣石渡莊太郞
第一條中「七十六億六百七十萬圓」ヲ
「八十八億五千五百六十萬圓」、修正
ス
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ヲル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案中別紙ノ通議院法第三十條ニ依
リ修正ス
昭和二十年一月二十六日
內閣總理大臣小磯國昭
大藏大臣石渡莊太郞
第一條中「八十八億五千五百六十萬
圓」ヲ「九十一億九千四百九十萬圓」
ニ修正ス
金資金特別會計法外五法律中改正
法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵徳川圀順殿
金資金特別會計法外五法律中改正
法律案
第一條金資金特別會計法中左ノ通
改正ス
第三條第一項中「四億圓」ヲ「六億
五千萬圓」二六八
第二條食糧管理時別會計法中左ノ
通改正ス
第四條ノ三中「二十八億圓」ヲ三
十八億圓」三八九
附則ニ左ノ五項ヲ加フ
會計法戰時特例ニ依リ一般會計ニ
■スル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金ヲ本會計ニ屬セシメタル
塲合ニ於テハ當該補給金ハ一年内
ニ償還スベキ證券ヲ以テ其ノ額面
金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證劵ハ無記名證劵トス
第三條第三項及第四條ノ規定ハ第
二項ノ證券ノ發行及割引ニ付、第
四條ノ二ノ規定ハ第二項ノ證劵
ノ借換(借換ノ爲爲シタル借入金
及借換ノ爲發行シタル證劵ノ借換
ヲ含ム)ニ付之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第三條第三項及
第四條ノ二ノ規定ニ依ル證劵及借入
金ノ額ハ通ジテ最高十四億圓トス
第五條ノ規定ハ前項ノ證劵及借入
金ニ關スル國債整理基金特別會計
ヘノ繰入ニ付之ヲ準用ス
第三條新炭需給調節特別會計法中
左ノ通改正ス
第三條但書中「二千五百萬圓」ヲ
「八千萬圓」ニ改ム
第四條燃料局時別會計法中左ノ通
改正ス
第二條第二項中「五千萬圓」ヲ「一
億五千萬圓」三六人
第三條第一項但書中「六千萬圓」ヲ
「一億二千萬圓」ニ改ム
第五條朝鮮食糧管理特別會計法中
左ノ通改正ス
附則第一項ノ次ニ左ノ五項ヲ加フ
會計法戰時特例ニ依リ朝鮮總督府
特別會計ニ屬スル食糧ノ生產ヲ確
保スル爲ノ補給金ヲ本會計ニ屬セ
シメタル場合ニ於テハ當該補給金
ハ一年內ニ償還スベキ證劵ヲ以テ
其ノ額面金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證劵ハ無記名證劵トス
第三條第三項及第四條ノ規定ハ第
二項ノ證劵ノ發行及割引ニ付、第
五條ノ規定ハ第二項ノ證劵ノ借換
(借換ノ爲爲シタル借入金及借換
ノ爲發行シタル證券ノ借換ヲ含ム)
ニ付之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第三條第三項及
第五條ノ規定ニ依ル證券及借入金ノ
額ハ通ジテ最高三億五千萬圓トス
第七條ノ規定ハ前項ノ證劵及借入
金ニ關スル國債整理基金特別會計
ヘノ繰入ニ付之ヲ準用ス
第六條臨時軍事費特別會計法中左
ノ通改正ス
第四條ヲ第五條トシ第三條ヲ第四
條トス
第三條外國ニ於テ支拂ヲ爲ス臨
時軍事費支辨ノ爲ノ借入金ノ利
子ハ之ヲ臨時軍事費ト看做シ本
會計ノ所屬トス
前項ノ借入金ノ利子ニ付テハ國
債整理基金特別會計法第二條第
一項ノ規定ヲ適用セズ
附則
本法ハ昭和二十年度ヨリ之ヲ施行ス
但シ第三條、第四條及第六條ノ規定
ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=10
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011・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題
トナリマシタ昭和二十年度一般會計歳
出ノ財源ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ
關スル法律案外一件ノ法律案ニ付提案
ノ理由ヲ說明致シマス、先ヅ昭和二十
年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル等ノ
爲ノ公債發行ニ關スル法律案ニ付テ說
明致シマス、第一ハ、昭和二十年度一
般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲ノ公債發
行デアリマスガ、昭和二十年度歲入歳
出總豫算案竝同追加案第一號及第二號
ニ計上セル歲出ノ財源ト致シマシテハ、
現行ノ道路公債法ニ依ル公債ヲ發行致
シマスル外、歲入ノ不足ヲ塡補スル爲、
九十一億九千四百九十萬圓ヲ限リ公債
ノ發行ヲ要スルノデアリマス、之ガ爲
ニハ新タニ起債ノ權能ヲ得ルコトガ必
要デアリマスノデ、所要ノ規定ヲ設ケ
ムトスルモノデアリマス、第二ハ、大
東亞戰爭ニ關スル一時賜金トシテ交付
スル爲ノ公債發行ガアリマス、大東亞
戰爭ニ關シ功勞ノアリタル陸海軍人等
ニシテ死歿シタル者ニ對シ、一時賜金
トシテ交付スル爲ノ公債ノ發行限度額
ヲ、入億六千五百三十萬圓增加スルノ
必要ガアルノデアリマシテ、所要ノ法
的措置ヲ講ゼムトスルモノデアリマス、
第三ハ、從來朝鮮ニ於キマシテハ米穀
生產確保補給金、石炭價格調整補給金、
企業整備ニ要スル經費等ノ財源ニ充ツル
爲、公債ヲ發行シ得ルコトトナツテ居ツ
タノデアリマスガ、今囘公債財源ヲ以
テ支辨シ得ル經費ノ範圍ニ、食糧ノ供
出確保奬勵金、石炭鐵鋼等ノ所謂特別
價格報獎金等ヲ加ヘマスルト其ニ、公
債ノ發行限度ヲ一億六千三百五十萬圓
增加スルノ必要ガアルノデアリマスノ
デ、所要ノ法的措置ヲ講ゼムトスルモ
ノデアリマス、第四ハ、從來臺灣ニ於
キマシテハ米穀生產確保補給金及ビ企
業整備ニ要スル經費ノ財源ニ充ツル
爲、公債ヲ發行シ得ルコトトナツテ居
ツタノデアリマスガ、今囘公債財源ヲ
以テ支辨シ得ル經費ノ範圍ニ、米穀ノ
供出確保奬勵金ヲ加へ、公債ノ發行限
度額ヲ六千二百二十萬圓增加スルノ必
要ガアリマスノデ、所要ノ法的措置ヲ
講ゼムトスルモノデアリマス、次ニ金資
金時別會計法外五法律中改正法律案ニ
付テ說明致シマス、先ヅ第一ハ金資金特
別會計法中ノ改正デアリマスガ、產金
事業ノ整備ノ進捗ニ伴ヒマシテ、金資
金ノ現行使用限度額ヲ二億五千萬圓增
加スルノ必要ガアリマスルノデ、所要
ノ改正ヲ行ハムトスルモノデアリマス、
第二ハ食糧管理特別會計法中ノ改正デ
アリマス、同特別會計ノ圓滑ナル運營
ヲ圖ル爲、食糧證劵ノ最高發行限度額
ヲ、十億圓增加スルノ必要ガアリマス
ルノデ、會計事務ノ簡捷ヲ圖ル爲、從
來一般會計ニ於テ負擔シテ居リマシタ
米穀生產確保補給金ヲ本會計ニ移シ、
食糧證券ヲ以テ交付スルコトト致スノ
ヲ適當ト認メマシテ、所要ノ〓正ヲ行
ハムトスルモノデアリマス、第三ハ新
炭需給調節特別會計法中ノ改正デアリ
マスガ、同特別會計ノ支拂ニ支障ナカ
ラシムル爲、其ノ借入金ノ限度額ヲ五
千五百萬圓增加スルノ必要ガアリマス
ノデ、所要ノ改正ヲ行ハムトスルモノ
デアリマス、第四ハ燃料局特別會計法
中ノ改正デアリマスガ、同特別會計ノ
事業量ノ增大ニ伴ヒマシテ、其ノ据置
運轉資本ノ法定額ヲ一億圓增加スルノ
必要ガアリマスルノト、益金納付ノ爲
同特別會計ニ於テ一時的ニ必要ナル現
金ヲ充實スル爲、借入金ヲ以テ其ノ据
置運轉資本ヲ一時補足シ得ル限度額ヲ
六千萬圓增加スルノ必要ガアリマスノ
デ、所要ノ改正ヲ行ハムトスルモノデ
アリマス、第五ハ朝鮮食糧管理特別會
計法中ノ改正デアリマスガ、食糧管理
特別會計ニ於ケルト同樣ノ趣旨ニ依リ警
マシテ、食糧生產確保補給金ヲ、朝鮮
食糧證券ヲ以テ交付スルコトト致スノヲ
適當ト認メマシテ、所要ノ改正ヲ行ハ
ムトスルモノデアリマス、第六ハ臨時
軍事費特別會計法中ノ改正デアリマシ
テ、外國ニ於テ支拂ヲ致シマス臨時軍
事費支辨ノ爲借入レマシタ借入金ノ利
子ハ、其ノ財源調達ノ便宜上、之ヲ臨
時軍事費特別會計ノ所屬ト致シマスノ
ヲ適當ト認メ、所要ノ改正ヲ行ハムト
スルモノデアリマス、以上二件ノ法律
案ニ付キマシテハ、何卒御審議ノ上、
速カニ御協賛アラムコトヲ希望致シマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=11
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012・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマ
シタ昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案外一件ノ特別委員ノ數ヲ十二名ト
シ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ一任スル
ノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=12
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013・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=13
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014・徳川圀順
○議長(公爵德川〓順君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=14
-
015・徳川圀順
○議長(公爵德川〓順君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致
サセマス
〔寺光書記官朗讀〕
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案外一件特別委員
侯爵德川義親君伯爵堀田正恒君
子爵柳澤光治君子爵綾小路護君
男爵今園國貞君男爵周布兼道君
黑田英雄君松本學君
兒玉謙次君瀧川儀作君
諸橋久太郞君塩田團平君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=15
-
016・徳川圀順
○議長(公爵徳川圏顧君) 日程第五、
外資金庫法案、政府提出、衆議院送付、
第一讀會、石渡大藏大臣
外資金庫法案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡出忠彥
貴族院議長公爵徳川閉順殿
外資金庫法案
外資金庫法
第一章總則
第一條外資金庫ハ大東亞戰爭ニ際
シ國家ノ政策ニ卽シ在外資金ノ調
達運用ヲ爲スコトヲ目的トス
外資金庫ハ法人トス
第二條外資金庫ハ主タル事務所ヲ
東京都ニ置ク
外資金庫ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル法人
ヲシテ乘務ノ一部ヲ取掻ハシムル
コトヲ得
第三條外資金庫ノ資本金ハ五千萬
圓トス
第四條政府ハ五千萬圓ヲ外資金庫
ニ出費スベシ
前項ノ出贅ハ國債證券2交付シテ
之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ変付スル國債證
劵ノ交付價格ハ崎價ヲ參酌シテ大
藏大臣之ヲ定ム
第五條出資ノ第一囘ノ拂込金額ハ
出資金額ノ五分ノ一ヲ下ラザル額
トシ第二囘以後ノ出資ノ拂込ノ時
期及金額ハ外資金庫主務大臣ノ認
可ヲ受ケテ之ヲ定ム
第六條外資金庫ハ定款ヲ以テ左ノ
事項ヲ規定スベシ
一目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七經理ニ關スル事項
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第七條外資金庫ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項
ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第
三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第八條外資金庫ニハ所得稅、法人
稅及營業稅ヲ課セズ
都道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ外資金庫ノ事業ニ對シ
テハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第九條外資金庫ニ付解散ラ必要ト
スル事由發生シタル場會ニ於テ其
ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ
之ヲ定ム
第二章職員
第十條外資金庫ニ役員トシテ理事
長一人、理事三人以上及監事二人
以上ヲ置ク
第十一條理事長ハ外資金庫ヲ代表
シ其ノ業務ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ外資
金庫ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ外
資金庫ノ業務ヲ掌理シ理事長事故
アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事
長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ外資金庫ノ業務ヲ監査ス
第十二條理事長、理事及監事ハ主
務大臣之タ命ズ
理事長、理事及監事ノ任期ハ二年
トス
第十三條外賢金庫ノ職員ハ之ヲ法
令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看
做ス
第二條第二項ノ場合ニ於テ當該業
務ニ從事スル銀行其ノ他命令ヲ以
テ定ムル法人ノ職員ニ付亦前項ニ
同ジ
第三章業務
第十四條外資金庫ハ左ノ業務ヲ行
フ
-主務大臣ノ定ムル貸付及預リ
金
二主務大臣ノ定ムル價格調整ニ
關スル業務
三前二號ノ業務ニ附帶スル業務
第十五條外資金庫ハ主務大臣ノ認
可ヲ受ケ前條ノ業務ノ外外資金庫
ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フ
コトヲ得
第四章經理
第十六條外資金庫ハ勅令ヲ以テ定
ムル時期迄ノ每期間ヲ以テ一事業
年度トス
第十七條外資金庫ハ設立ノ時及每
事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸
借對照表及損益計算書ヲ作成シ主
務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第十八條外資金庫ハ命令ヲ以テ定
ムル期間ノ初ニ於テ事業計畫及收
支豫算ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受
クベシ之ニ重大ナル變更ヲ加ヘン
トスルトキ亦同ジ
第十九條外資金庫ハ剰餘金ヲ政府
ニ納付スベシ
第二十條政府ハ外資金庫ニ對シ其
ノ業務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補
償ス
前項ノ損失ヲ決定スル基準其ノ他
損失補償ニ關シ必要ナル事項ハ勅
合ヲ以テ之ヲ定ム
第五章監督
第二十一條外資金庫ハ主務大臣之
ヲ監督ス
第二十二條主務大臣ハ外資金庫ノ
目的達成上必要アリト認ムルトキ
ハ外資金庫ニ對シ必要ナル業務ノ
施行ヲ命ジ又ハ定款ノ變更其ノ他
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十三條外資金庫ハ業務開始ノ
際業務ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ認
可ヲ受クベシ之ニ重大ナル變更ヲ
加ヘントスルトキ亦同ジ
第二十四條主務大臣ハ外資金庫ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報告
ヲ爲サシメ、當該官吏ヲシテ檢査
ヲ爲サシメ其ノ他監督上必要ナル
命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第二十五條外資金庫ノ役員ガ法
令、定款若ハ主務大臣ノ命令若ハ
處分ニ違反シ若ハ公益ヲ害スル行爲
ヲ爲シタルトキ又ハ外資金庫ノ目的
達成上必要アリト認ムルトキハ主
務大臣ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第六章罰則
第二十六條當該官吏若ハ第十三條
ニ規定スル職員又ハ此等ノ職ニ在
リタル者外資金庫ノ業務上ノ祕密
ニシチ職務上知得タルモノヲ漏泄
シ又ハ賴用シタルトキハ五年以下
ノ懲役ニ處ス
第二十七條外資金庫ガ本法若ハ本
法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基
キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ理
事長又ハ理事長ノ職務ヲ行ヒ若ハ
代理スル理事ヲ千圓以下ノ過料ニ處
ス理事ノ掌理スル業務ニ係ルトキ
ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
附則
第三十八條本法施行ノ期日ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第二十九條=政府ハ設立委員ヲ命ジ
外資金庫ノ設立ニ關スル事務ヲ處
理セシム
第三十條設立委員ハ定款ヲ作成シ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委
員ハ遲滯ナク出資ノ第一囘ノ拂込
ヲ政府ニ禀請スペシ
第三十一條出資ノ第一囘ノ拂込ア
リタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク
其ノ事務ヲ外資金庫理事長ニ引渡
スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタ
ルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ
於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
外資金庫ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因
リテ成立ス
第三十二條本法ニ規定スルモノヲ
除クノ外外資金庫ノ設立ニ關シ必
要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十三條登錄稅法中左ノ通改正
ス
第十九條第七號中「南方開發金
庫、」ノ下ニ「外資金庫、」ヲ、「南方
開發金庫法、」ノ下ニ「外資金庫法、」
ヲ、同條第十八號中「南方開發金
庫、」ノ下ニ「外資金庫、」ヲ加フ
第三十四條印紙稅法中左ノ通改正
ス
第五條第六號ノ二ノ二ノ次ニ左ノ
一號ヲ加フ
六ノ二ノ三外資金庫ノ業務ニ
關スル證書帳簿
エガ
〔國務大臣石渡莊太郎君び豆]発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=16
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017・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郎君) 只今議題
トナリマシタ外資金庫法案ニ付テ提案
ノ理由ヲ說明致シマス、大東亞戰爭完
遂ノ爲ニハ、大東亞各地域ノ豐富ナル
經濟力ヲ圓滑且迅速ニ戰力化致シマス
コトノ必要ノアリマスコトハ、申ス迄
モナイ所デアリマシテ、之ニ要スル資
金ノ調達ニ付キマシテハ、政府ハ現在、
南方開發金庫其ノ他關係金融機關ヲ通
ジテ行ツテ居ルノデアリマスガ、此ノ
際資金調達方式ヲ整備シ、資金ノ一元
的調達ヲ圖リマスト共ニ、今後ノ經濟
情勢ノ推移ニ卽應致シマシテ、財政ト
金融トノ圓滑ナル連絡調整ヲ期シ得ル
ヤウ措置スル必要ガアルノデアリマス、
政府ハ此ノ點ニ鑑ミ、新タニ特別ノ法
人ヲ設ケ、國家ノ政策ニ卽シテ在外資
金ノ調達及運用ヲ爲サシメ、以テ右ノ
目的達成ニ遺憾ナカラシムルコトヲ期
セムガ爲、玆ニ本法案ヲ提出シタ次第
デアリマス、本法律案ニ付キマシテハ、
何卒御審議ノ上、速カニ協賛アラムコ
トヲ希望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=17
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018・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程ニ上リマ
シタ外資金庫法案ノ特別委員ノ數ヲ二
十五名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長ニ
一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=18
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019・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=19
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020・徳川圀順
○議長(公爵徳川固順君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ考アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=20
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021・徳川圀順
○議長(公爵徳川四順君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致
サセマス
〔寺光書記官朗讀〕
外資金庫法案特別委員
侯爵德川賴貞君侯爵中山新加坡、
侯爵西〓吉之助君伯爵柳澤保承君
子爵宍戶功男君子寄裏松友光君
子書大岡忠綱君子爵松平親義君
子爵水野勝邦君有吉忠一君
靑木一男君坂西利八郞君
男爵高木喜寛君松本烝治君
男爵東〓安君河田烈君
男爵宮原旭君有賀光豐君
瀧正雄君竹下豐次君
磯貝浩君中島徳太郎君
古莊建次郞君岩田三史君
柴田兵一郞君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=21
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022・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀〓君) 日程第六、
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ關
スル法律案、日程第七、鐵道抵當法中
改正法律案、日程第八、日本通運株式
會社法中改正法律案、日程第九、郵便
法中改正法律案、政府提出、衆議院送
付第一讀會、是等ノ四案ヲ一括シテ
議題ト爲スコトニ御異議ゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=22
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023・徳川圀順
○議長(公爵徳川岡順君) 御異議ナイ
ト認メマス、前田運輸通信政務次官
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
戈テ院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵德川際順殿
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案
第一條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ運
賃ノ調整ヲ圖ル爲其ノ他特別ノ事
情ニ依リ地方鐵道又ハ軌道ノ運賃
ノ變更ヲ命ジ又ハ認可シタル場合
ニ於テ當該地方鐵道又ハ軌道ノ經
營者ガ之ニ因リ利益ヲ得タルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ利益
金ノ全部又ハ一部ヲ納付セシムル
コトヲ得
前項ノ規定ニ依ル納付金ハ法人稅
法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純
益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計
算上之ヲ損金ニ算入ス
第一項ノ規定ニ依ル納付金ハ國稅
滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スル
コトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國
稅ニ次グモノトス
第二條前條第一項ノ規定ニ依ル納
付金ハ帝國鐵道會計資本勘定所屬
ノ特別ノ資金トシ豫算ノ定ムル所
ニ依リ大東亞戰爭ニ際シ地方鐵道
及軌道ノ輸送力ノ確保增强ヲ圖ル
等ノ爲必要ナル經費及臨時軍事費
特別會計ヘノ繰入金(昭和十三年
法律第二十二號ニ依ルモノヲ除ク)
ニ之ヲ充用スベシ
大東亞戰爭ニ際シ地方鐵道及軌道
ノ輸送力ノ確保增强ヲ圖ル等ノ爲
必要アル場合ニ於テ前項ノ特別ノ
資金ニ不足アルトキハ帝國鐵道會
計收益勘定ヨリ之ヲ補足スルコト
ヲ得
第三條第一條第一項ノ規定ニ依リ
納付スベキ納付金ニ關スル重要事
項ニ付テハ地方鐵道〓道納付金委
員會ノ意見ヲ徵スベシ
地方鐵道軌道納付金委員會ニ關ス
ル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ地
方鐵道又ハ軌道ノ輸送力ノ確保增
强ヲ圖ル爲其ノ他特別ノ事情ニ依
リ必要アリト認ムルトキハ地方鐵
道又ハ軌道ニ對シ地方鐵道補助
法及樺太地方鐵道補助法ノ規定ニ
拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ補男
金ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ補助金ハ第二條第一項ノ特
別ノ資金ヲ以テ之ヲ支辨スベシ
第一項ノ補助金ニ付テハ地方鐵道
補助法第六條及第七條ノ規定ヲ準
用ス
附則
木法ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ
施行ス
第一條第一項ノ規定ニ依ル納付金ハ
昭和十九年四月一日以後ニ於ケル運
賃ノ變更ニ因リ本法施行ノ日以後ニ
生ジタル利益ニ付之ヲ納付セシムル
モノトス
鐵道抵當法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵德川圀順殿
鐵道抵當法中改正法律案
鐵道抵當法中左ノ通改正ス
第二十六條ノ二ノ次ニ左一條ヲ加フ
第二十六條ノ三軌道ヲ地方鐵道ニ
變更シタル場合ニ於テハ當該軌道
ニ付明治四十二年法律第二十八號
ノ規定ニ依リテ爲シタル處分、手
續登錄其ノ他ノ行爲ハ鐵道抵當
法中之ニ相當スル規定ニ依リテ之
ヲ爲シタルモノト見敏ス
前項ノ場合ニ於ケル登錄ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十三條ヲ削ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二十六條ノ三ノ規定ハ本法施行前
軌道ヲ地方鐵道ニ變更シタル場合ニ
モ亦之ヲ適用ス
日本通運株式會社法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵德川圀順殿
日本通運株式會社法中改正法律案
日本通運株式會社法中左ノ通改正ス
第九條ノ二第一項中「二千萬圓ヲ限
リ」ヲ削ル
第十七條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
郵便法中改正法律案
右政府提出案本院ニ於テ可決セリ因
テ議院法第五十四條ニ依リ及送付候
也
昭和二十年一月二十七日
衆議院議長岡田忠彥
貴族院議長公爵德川〓願殿
第一種書狀
第二種郵便葉書
第三種每月一囘以上刊行ス
ル定期刊行物
書籍、印刷物、業務
第四種用書類、内面〓書畫、
圖、商品ノ見本及雛
形博物學上ノ標本
第五種農產物種子
附則
本法ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ
施行ス
〔政府委員前田房之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=23
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024・前田房之助
○政府委員(前田勝之助君) 只今上程
サレマシタ運輸通信省關係四法案ニ付、
順次提案理由ヲ御說明申上ゲマス、先
ヅ地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ
關スル法律案ノ提案理由ヲ御說明申上
ゲマス、地方鐵道又ハ軌道ガ事業經營
上ノ理由ニ基カズシテ、國有鐵道ノ運賃
トノ權衡ヲ圖ル爲其ノ他戰時施策ニ依
郵便法中改正法律案
郵便法中左ノ通改正ス
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
通常郵便物ノ種類及料金ハ左ノ如
シ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
料金ヲ低減スルコトヲ得
重量二十グラム又十錢
ハ其ノ端數每ニ
通常葉書五錢
往復葉書十錢
封緘葉書十錢
重量百グラム又ハ五錢
其ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ十錢
其ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ三錢
其ノ端數每ニ
ワテ運賃ノ引上ヲ致スコトガアリマス、
此ノ場合之ニ依ル增收利益ハ、其ノ增
收ノ原因ヨリ見テ、之ヲ其ノ會社ノ所
得ニ歸屬セシメズ、一定ノ基準ニ依ツテ
政府ニ納付致サセマスト共ニ、之ヲ財
源トシテ戰時ニ於ケル地方鐵道又ハ軌
道ノ輸送力ノ確保增强ヲ圖ル等ノ爲
必要ナ經費、及ビ臨時軍事費特別會計
ヘノ繰入金ニ充用スルコトガ、戰時下最
モ適切ナ措置ト考ヘマシテ、本法案ヲ提
出スルコトト致シタ次第デアリマス、
次ニ鐵道抵當法中改正法律案ノ提案理
由ヲ御說明申上ゲマス、現行法ノ規定
ニ依リマスト、抵當權ノ設定アル軌道
ガ地方鐵道ニ變更サレマシタ場合ニハ、
一應軌道財團ヲ消滅セシメ、改メテ
鐵道財團ヲ組成ノ上、抵當權ノ設定及
登錄ノ極メテ複雜ナル手籔ヲ致サナケ
レバナラナイノデアリマスガ、此ノ手
續ヲ簡素ニスル爲、從來軌道トシテ爲
サレタ處分、手續、登錄其ノ他ノ行爲
ハ、鐵道抵當法ノ相當規定ニ依ツテ爲
サレタモノト看〓スコトト致シタイノ
デアリマス、次ニ日本通運株式會社法
中改正法律案ノ提案理由ニ付テ御說明
申上ゲマス、日本通運株式會社ハ、昭
和十二年設立以來、鐵道小運送ノ助成
發達ニ專念スルト共ニ、大東亞戰爭直
前ヨリ、六大都市其ノ池重要地帶ニ於
ケル鐵道小運送ノ擔當者トシテ、小運
送業ノ統合、貨物自動車、荷牛馬車、
其ノ他ノ運搬具及ビ荷役機械ノ增備、
竝ニ動勞管理ノ刷新强化等ノ諸方策ヲ
講ジテ、小運送能力ノ增强ニ努メテ參
リマシタガ、戰局ノ急迫ニ依リ鐵道輸
送ハ更ニ增加ヲ豫想セラレ、小運送力
ノ整備、擴充ハ愈〓急ヲ要スルモノガア
リマスルノデ、日本通運株式會社ヲ中
心トスル鐵道小運送力ノ緊急增强ヲ圖
ルコトト致シタノデアリマス、而シテ
其ノ所要事業資金ノ調達ニ關シマシテ
ハ主トシテ社債ニ依ルヲ適當ト認メ
ラレルノデアリマスガ、現在日本通運
株式會社ノ發行スル社債ニ對スル政府
ノ元利支拂保證ノ限度ハ二千萬圓トナ
ツテ居リマスルノデ、此ノ制限ヲ除キ
マシテ、社債ノ全額ニ付保證シ得ル
コトトシ、以テ小運送力ノ急速增强ヲ
圖ルニ必要ナル事業資金ノ調達ヲ圓滑
ナラシメ度、本法律案ヲ提出スル所以
デアリマス、最後ニ郵便法中改正法律
案ノ提案理由ヲ御說明致シマス、申上
ゲル迄モナク時局ハ極メテ重大デアリ
マシテ、大東亞戰爭完遂ノ爲ニ戰時通
信能力ヲ增强確保シ、又國庫收入ノ增
加ヲ圖リ、戰時財政ノ强化ヲ期スルコ
トハ最モ喫緊ノ要事デアリマス、斯カ
ル必要ニ基キマシテ、通信事業ノ圓滑
ナル運營及ビ其ノ能力ノ增强ニ必要ナ
ル經費ニ充當シマスト共ニ、併セテ國
家財政强化ニ資スル爲ニ郵便料金ノ引
上ヲ致サムトスルモノデアリマスガ、
書狀、葉書等ノ通常郵便物ノ料金ハ、
郵便法ニ規定セラレテ居リマス爲ニ、
之ガ改正法律案ヲ提出シタ次第デアリ
マス、今囘行ヒマス郵便料金ノ引上ハ、
通常郵便料金ノ全部ニ亙ツテ居リマス
ガ、郵便ハ最モ普遍的ナル通信手段デ
アル點ニ鑑ミ、引上割合ヲ可及的低ク
致シマスト共ニ、未熟從事員ノ增加、
切手調達困難等ノ實情ニ鑑ミ、料金ノ
種類、段階ヲ單純ニシテ、以テ取扱ノ
簡易化ト切手ノ需給調節トヲ圖ツタノデ
アリマス、以上四法案ニ付何卒御審議
ノ上速ニ御協賛アラムコトヲ希望致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=24
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025・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程セラレマ
シタ地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案外三件ノ特別委員ノ數
ヲ十二名トシ、其ノ委員ノ指名ヲ議長
ニ一任スルノ動議ヲ提出致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=25
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026・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=26
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027・徳川圀順
○議長(公爵徳川圏〓君) 戶澤子爵ノ
動機ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=27
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028・徳川圀順
○議長(公爵徳川〓順君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致
サセマス
〔寺光書記官朗讀〕
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ
關スル法律案外三件特別委員
侯書中御門經恭君信爵二荒芳德君
子爵保科正昭君子爵大久保〓尙君
村上恭一君內田重成君
田邊治通君男爵柴山昌生君
大橋八郞君男爵神山喜瑞君
渡邉覺治君秋田三一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=28
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029・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 次會ノ議事
日程ハ、決定次第彙報ヲ以テ御通知ニ
及ビマス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午前十時四十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00619450128&spkNum=29
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