1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十年二月六日（火曜日）午前十時六分開議
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議事日程 第九號
昭和二十年二月六日
午前十時開議
第一 請願委員長報告
第二 船員保險法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第三 臨時資金調整法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第四 戰時金融金庫法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第五 生命保險中央會法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第六 損害保險中央會法案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第七 臺灣銀行法中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第八 會計法戰時特例中改正法律案（政府提出、衆議院送付） 第一讀會の續（委員長報告）
第九 戰時森林資源造成法案（衆議院提出） 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=0
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001・徳川圀順
○議長(公爵德川〓順君) 諸般ノ報告
ハ、御異議ガナケレバ、朗讀ヲ省略致
シマス
〔參照〕
去ル三日議決ニ係ル議員內藤久寛君ニ
對スル弔辭ハ一昨四日之ヲ贈レリ
去ル三日本院ニ於テ可決シタル左ノ政
府提出案ハ卽日裁可ヲ奏請シ又可決ノ
旨ヲ衆議院ニ通知セリ
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ
充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案
金資金特別會計法外五法律中改正法
律案
外資金庫法案
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ
關スル法律案
昭和二十年二月七日
鐵道抵當法中改正法律案
日本通運株式會社法中改正法律案
郵便法中改正法律案
同日委員長ヨリ豫算委員第四分科擔當
委員伍堂卓雄君ヲ第五分科兼務委員ニ
選定シタル旨ノ報告書ヲ提出セリ
同日委員長ヨリ左ノ報〓書ヲ提出セリ
船員保險法中改正法律案可決報告
書
會計法戰時特例中改正法律案可決報
〓書
一昨四日委員長ヨリ豫算委員第四分科
擔當委員男爵向山均君ヲ第五分科兼務
委員ニ選定シタル旨ノ報告書ヲ提出セ
リ
昨五日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セ
リ
臨時資金調整法中改正法律案可決報
告書
戰時金融金庫法中改正法律案可決報
告書
生命保險中央會法案可決報告書
損害保險中央會法案可決報告書
臺灣銀行法中改正法律案可決報告書
同日衆議院ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
戰時森林資源造成法案
同日衆議院ヨリ本院ノ送付ニ係ル左ノ
政府提出案ハ同院ニ於テ之ヲ可決シ奏
上セル旨ノ通牒ヲ受領セリ
戰時民事特別法中改正法律案
會社等臨時措置法中改正法律案
司法官試補及辯護士試補タル資格ノ
特例ニ關スル法律案
現役靑年學校職員俸給費國庫補助法
案
農林中央金庫法中改正法律案
產業設備營團法中改正法律案
石炭配給統制法中改正法律案発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=1
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002・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 是ヨリ本日
ノ會議ヲ開キマス、日程第一、請願委
員長報告、請願委員長加藤子爵
〔子爵加藤泰通君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=2
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003・加藤泰通
○子爵加藤奏通君 請願委員會ノ第一
囘ノ御報〓ヲ申上ゲマス、委員會ハ二
囘開會致シマシテ、第一囘委員會ハ去
ル一月二十一日、正副委員長ノ互選後、
引續キ會議ニ移リマシタ、ニ而シテ分科
ノ決定竝ニ分科擔當委員ノ選定、審査
方針、委員會竝ニ分科會ノ開會日時ノ決
定ヲ致シマシタ、第二囘委員會ハ二月
二日ニ開會致シマシテ、前委員長辭任
一付、之ガ補闘ノ爲委員長ノ互選ヲ行
ヒマシテ、引續キ會議ニ移リマシタ、
又分科會ニ於キマシテハ、一月二十二
日各分科ニ於テ正副主査ノ互選ヲ行ヒ
マシタ、次ニ分科會ノ開會數ハ一囘デ
アリマシタ、卽チ第三分科會ヲ一月二
十九日ニ開會致シタ次第デゴザイマス、
請願、文書表報告ハ二囘デアリマシテ、
第一囘報告ハ一月二十四日、第二囘報
〓ハ一月三十一日デアリマス、請願委
員會時別報告ハ一囘、卽チ第一號ヲ二
月二日ニ提出致シマシタ、請願ノ受理
件數ハ二十七件デ、請願連署ノ人數ハ
八百九十二名デゴザイマス、右ノ請願二
十七件ノ中、請願文書表ニ揭載致シテ
アルモノガ十七件、未揭載ノモノガ十
件デアリマス、委員會ニ於キマシテハ、
愼重審査ノ結果、議院ノ會議ニ付スベ
シトスルモノ二件、卽チ文書表第一囘
報告ノ第一號及ビ第二號ノ件デアリマ
ス、尙委員會竝ニ分科會ニ於ケル審議
ノ詳細ハ、之ヲ速記錄ニ讓リタイト存
ジマス、以上ハ昭和二十年二月五日現
在ノ御報告デゴザイマス、右大略御報
告申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=3
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004・徳川圀順
○謹長(公爵德川因順君) 日程第三、
船員保險法中改正法律案、政府提出、
衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長二
荒伯爵
船員保險法中政正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月三日
委員長伯爵一荒芳德
貴族院議長公爵德川圀順殿
〔伯爵二荒芳德君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=4
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005・二荒芳徳
○伯爵二荒芳德君 只今上程ニナリマ
シタ船員保險法中改正法律案ノ、委員
會ノ經過竝ニ結果ヲ御報〓致シマス、
本委員會ハ去ル一月三十一日竝ニ今月
ノ三日ニ亙リマシテ、愼重ニ審議ヲ致
シマシタ、此ノ改正法律案ノ目標ト致
シマスル所ハ、現下ノ情勢ニ鑑ミマシ
テ、海上輸送ニ挺身敢鬪スル船員ノ援
護ノ徹底ヲ圖リマシテ、船員ノ士氣ヲ
〓揚シ、海上輸送力ノ飛躍的增强ニ資
スル爲、此ノ船員保險法ヲ改正致シマ
シテ、保險制度ノ適用範圍ヲ擴張シ、
遺族年金制度ノ創設、其ノ他保險給付
ノ內容ヲ充實致シマシテ、戰時優遇特
例ノ擴充强化ヲ目的トシテ居ルモノデ
アリマス、此ノ法案ニ付キマシテハ、
政府営局カラ說明ヲ伺ヒマシタ、其ノ
要點ヲ申上ゲマスレバ、被保險者ノ範
國ヲ擴大致シマシテ、豫備船員及ビ
應召入營船員ニ及スコト、又傷病、療
養浴付手當金等ノ增額、又遺族援護、
遺族年金、葬祭料ノ制度ヲ新設致シマ
シタコト、又養老、障害年金等ノ支給
額ノ增加ヲ目論ンデ居ルモノデゴザイ
やく、更ニ特別ノ例ヲ設ケマシテ戰時
下ニ於ケル船員ノ優遇ヲ致サウト云フ
コトデゴザイマスノデアリマス、質疑
ニ入リマシテ、或委員カラ、戰爭危險
ニ依ル負擔ハ國庫デ爲スモノデアル
カ、ト云フコトニ付テ質問ガゴザイマ
シタガ、政府ハ之ニ答ヘマシテ、昭和
二十年ヨリ約三年間ノ計算ヲ見テ居ル
ト云フコトデゴザイマシテ、其ノ間ノ
負擔額ニ付テハ約四億一千三百萬圓ヲ
豫想シテ居ルト云フコトデゴザイマシ
タ、更ニ危險區域ノ基準ニ關シテ說明
ガアリマシタ、又療養給付ノ點ハ船員
ノ家族ニ及ブカ、又保險醫ノ選定ハド
ウ云フ風ニスルカ、ト云フ質問ニ對シ
マシテ、政府ハ、危險區域ニ付キマシ
テハ詳細ナル說明ガゴザイマシタガ、
是ハ略シテ置キマス、療養給付ニ付キ
マシテハ、十分ニ船員ヲシテ後顧ノ憂
ナカラシムル爲ニ考ヘテ居ルガ、併シ
是ハ今後ニ於テモ十分考ヲ練ツテ置ク
ト云フコトデアリマシタ、保險醫ノ選
定ニ付キマシテハ、從來弊害ガアツタ、
此ノ弊害ハ、本來ハ保險醫ガ申出ヲ地
方長官ニ致シマシテ、サウシテ其ノ希
望ニ依ツテ選定ヲスルコトニナツテ居
ル、此ノ點ニ付テモ十分チル〓究ヲ尙
致スト云フコトデゴザイマシタ、更に
或委員カラ、例ヘバ鐵道連絡船ノ船
員卽〓靑兩連絡船ノ船員ニ付テハ如
何ニ考ヘテ居ルカト云フコトデゴザイ
マシタ、此ノ點ニ付テハ、十五條ノ規
定ニ依リマシテ、共濟組合ニ依ツテ救
濟ノ方法ガ立ツテ居ルト云フコトデゴ
ザイマシタ、更ニ或委員カラ、從來官
吏ニ付テハ被保險者デナカツタガ、今
囘モ除外サレテ居ルノハドウデアル
カ、ト云フ點ニ付キマシテハ、官吏ハ
恩給法ニ依リマシテ待遇ヲ受ケテ居ル
ノデ含マナイト云フコトデアリマシ
タ、玆ニ於キマシテ速記ヲ中止致シマ
シテ、今囘ノ戰爭中ニ於ケル諸問題ニ
付テ質問ヲ交換致シマシタ、更ニ或委
員カラ、船員ノ養成所ニ於ケル要員ノ
成績ニ付テ質問ガゴザイマシタ、政府
當局ハ、要員ノ確保ハ色々ト困難ナ方
面ガアツテ、殊ニ普通工員トハ異ツ
テ、特殊ノ海上經驗ヲ有スルコトヲ必
要トスルノデ、極力此ノ方面ニ付テ隘
路ヲ打開シテ良キ船員ヲ得ヨウトシテ
居ルト云フコトデアリマシタ、更ニ船
員ノ收入ノ最高最低ニ付テ質問ガゴザ
イマシタ、又或委員カラ、船員ノ身分
ハ待遇官トシテ豫備軍人トナツテ居ル
ガ其ノ兵役關係如何、ト云フ質問ガ
ゴザイマシタ、常局ノ答辯ハ、優秀者
ハ之ヲ海軍ニ拔擢致シマシテ、所謂適
材ヲ適所ニ置クト云フ方針ヲ採ツテ居
ル、陸軍トノ關係ニ於キマシテハ、陸
軍關係ニ徵用セラレルヤウナコトハナ
ク、專ラ船員トシテ活動ノ職域ヲ殘シ
テ居ル、ト云フ答辯デアリマシタ、更
ニ論功行賞ノ關係ハ如何ト云フコトニ
付キマシテノ質問ガ出マシタ、陸海
軍ニ關スルモノハ陸海軍ニ於テ、然
ラザルモノハ海運總局ニ於テ當該官
廳ガ之ヲ掌ルト云フコトデアリマシ
タ、更ニ現在ノ船員ノ需要關係ニ付テ
質問ガ出マシタガ、是ハ速記ヲ中
止致シマシテ質問應答ヲ致シマシタ、
更ニ一委員カラ、船員ノ士氣ニ付テ
說明ヲ求メラレマシタガ、此ノ士氣
ハ頗ル旺盛デアルガ、機構改正ノ點
ニ於テ今日尙過渡期ノ狀態ニモアル
ノチ、十分ナ連絡ヲ相互ニ取ツテ指
導鍊成ニ極力力ヲ注ギ、隘路ヲ克服ス
ルト云フ決意ヲ、政府ハ述ベラレマシ
タ、更ニ或委員カラ、各種ノ社會保險
ヲ統合スルコトハ此ノ際〓究サレテ居
ルカト云フコトデアリマシタガ、政府
ハ之ニ對シテ、〓究ヲ怠ラザル旨ヲ答
辯セラレマシタ、更ニ或委員カラ、
保險醫ノ深切ガ尙足ラナイノハ報酬少
ナキ爲デハナイカ、ト云フ質問ニ對シ
マシテ、診療報償ヲ引上ゲルコトガ適
當デアリ、同時ニ所謂皇國醫學、或ヘ
皇國醫道ト云フコトノ昂揚ガ必要デア
ル、皇御國ノ醫者ノ魂ガ必要デアルト云
フ說明モゴザイマシタ、尙今囘ノ改正
ニ依リマシテ、一委員カラ、船員保險
ノ給付內容ガ、陸上勤務者ニ對スル厚
生年金保險ニ比シテ遜色ガナキニ至ツ
タコトハ大變結構デアルガ、此ノ船員
保險法改正ガ厚生年金保險法改正ニ遲
レタノハ遺憾デアル、將來改正法案ヲ
出ス場合ニ於テハ、海陸勤務者ノ保護
ニ厚薄ノナイヤウニ十分ニ留意ヲ願ヒ
タイト云フ希望的質問ガゴザイマシ
タ、之ニ對シマシテハ政府ハ、能ク
之ヲ諒承致シタノデアリマス、斯ク致
シマシテ質疑ヲ終リ、討論ニ入リマシ
タノデアリマス、一委員カラ發言ガゴ
ザイマシテ、此ノ法律案ハ戰時下最モ
適切ナ法案デアル、言フ迄モナク現下
ノ戰爭ハ補給戰デアリ輸送戰デアル、
或ハ風雪ヲ冒シ、或ハ炎暑ヲ冒シテ、
實ニ前線ノ將卒ト全然違ハナイ努力ヲ
船員諸君ガヤツテ居ルノデアル、實ト
聖戰完勝ノ最大要件トシテ、此ノ輸送
路ノ確保、運輸ノ增强ト云フコトハ
最モ今日大切デアル、斯カル法律ガ出
來テ船員ノ士氣ガ更ニ向上シ、サウシ
テ海上ノ運輸ニ挺身敢鬪シ得ルヤウニ
各種ノ援護ヲ考ヘルト云フコトハ様)
テ緊要デアルト思フ、冀クハ船員ヲシ
テ態ニ感奮興起セシメテ十分ナル成果ヲ
擧ゲルヤウニ希望シタイ、ト云フ熱烈ナ
ル贊成ノ御發言ガゴザイマシタ、斯ク
致シマシテ、之ヲ採決ニ諮ヒマシタ處
ガ、全員一致可決致スベキモノト決定
ヲ致シタ次第デアリマス、右御報〓ヲ
申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=5
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006・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 別ニ御發言
モナケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、
本案ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=6
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007・徳川圀順
○議長(公爵德川圏順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=7
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008・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第
二讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=8
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009・植村家治
○子爵植村家治君 賛成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=9
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010・徳川圀順
○議長(公爵德川園順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=10
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011・徳川圀順
○議長(公爵徳川圏順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=11
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012・徳川圀順
○議長(公爵徳川閣順者) 本案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、全部
ヲ問題ニ供シマス、本案全部、委員、長ノ
報告通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=12
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013・徳川圀順
○議長(公爵徳川園順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=13
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014・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第
三讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=14
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015・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=15
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016・徳川圀順
○議長(公爵徳川閱順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=16
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017・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=17
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018・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 本案ノ第三
讀會ヲ開キマス、本案全部、第二讀會
ノ決議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=18
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019・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=19
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020・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 日程第三、
臨時資金調整法中改正法律案、日程第
四、戰時金融金庫法中改正法律案、日程
第五、生命保險中央會法案、日程第六、
損害保險中央會法案、日程第七、臺灣
銀行法中改正法律案、政府提出、衆議
院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、
是等ノ五案ヲ一括シテ議題ト爲スコト
ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=20
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021・徳川圀順
○議長(公爵德川〓順君) 御異議ナイ
ト認メマス、委員長東〓男爵
臨時資金調整法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月五日
委員長男爵東〓安
貴族院議長公爵徳川圀順殿
戰時金融金庫法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月五日
委員長男爵東〓安
貴族院議長公爵德川圀順殿
生命保險中央會法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月五日
委員長男爵東〓安
貴族院議長公爵德川圀順殿
損害保險中央會法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月五日
委員長男爵東〓安
貴族院議長公爵德川〓順殿
臺灣銀行法中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月五日
委員長男爵東〓安
貴族院議長公爵德川閣順殿
〔男爵東〓安君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=21
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022・東郷安
○男爵東郷安君 臨時資金調整法中改
正法律案外四件ノ特別委員會ノ經過竝
ニ結果ニ付テ御報告致シマス、是等諸
案ノ中ニハ相當大部ノモノニ亙ルモノ
ガゴザイマスノデ、委員會ニ於ケル政
府ノ法案提案ノ理由竝ニ法文ノ解釋等
ニ付キマシテハ、此ノ際省略ヲ致サシ
テ戴キマス、審議ノ內容ニ付キマシテ
是ヨリ御報告申上ゲマス、先ヅ臨時資
金調整法中改正法律案、此ノ改正案ハ
約六點ニ亙ツテ改正ヲスルモノデアリ
マスガ、時局ノ進展ニ伴ヒマシテ、更
ニ一層國民貯蓄ノ增加ヲ圖リ、浮動資
金ノ吸收、重點產業ヘノ資金ノ圓滑ナ
ル融通等ヲ目途トシテ改正ヲ爲スモノ
デアリマスルガ、就中國民貯蓄ノ增强
ヲ圖リマス爲ニ、今囘新タニ國民貯蓄
運營委員會ト云フモノヲ設置スルト云
フ案ガゴザイマス、今一ツハ浮動資金
ノ吸收ノ一方法トシテ富籤ヲ發行スル
ト云フ計畫デゴザイマス、先ヅ國民貯
蓄ノコトニ付テ申上ゲマスガ、此ノコ
トニ付キマシテハ、此ノ議會ニ於キマ
シテ貴衆兩院共ニ種々ノ場合ニ論議サ
レテ居リマスシ、旣ニ當議場ニ於キマ
シテモ、先般赤字公債ノ際ニ委員長ヨ
リ此ノ演壇カラ此ノ問題ニ付テ相當報
告ガゴザイマシタ、又次ニ來ルベキ稅
制改正委員會ニ於キマシテモ軈テ御報
告ガアル豫定デゴザイマスノデ、只今
ハ極メテ簡略ニ一點申上ゲテ置キマス、
質問ノ要旨ハ、將來トモ國民貯蓄ノ割
當基準ハ市町村長ニ一任スル積リデア
ルカ、ト云フ趣意ノ御尋ネデアリマス、
政府ハ之ニ答ヘマシテ、大體一應ノ基
準ヲ示スノデアルガ、都道府縣デソレ
ゾレノ實情ニ應ジマシテ更ニ標準ヲ建
テ直シテモ宜イ化組ニシテ居ル、例
バ東京都內デモ山ノ手ト下町トハ相當
區分シテ考ヘナケレバナラヌダラウシ、
又先年來話ガ出テ居リマス徒ニ門戶ガ
廣イトカ、地位名望ガ高イトカ云フダケ
デ、又直接ニ國稅ヲ拂ツテ居ルガ爲ニ
相當ノ都民稅ヲ負擔シテ居ルト云フ單
一ナル標準ヲ以テ一律ニ割當ヲスルト
云フコトハ甚ダ當ヲ得テ居ナイト云フ
政府モ十分ニ認メテ居ル所デ*
コトハ、
アルケレドモ、上意下達未ダ全カラザ
ルモノガアルコトハ是亦甚ダ遺憾トス
ル所デアル、ソレ等ニ付テハ十分ニ注
意ヲ拂フ積リデ居ル、殊ニ是等ノ直接
國稅ヲ拂ハナイ階層、所謂新興所得階
層ニ對シマシテハ、今度ハ新タニ看立
割ト云フ制度ヲ設ケマシテ、是等ノ階級
ニ對シマシテ相當ノ負擔ヲサセル積リ
デアル、其ノ他銀行ヲシテ、簡易ナ店
舗例ヘバ出張所ノヤウナモノヲ所在ニ
增設セシメルトカ、或ハ又各個人ニ於
キマシテ職域ニ依ル貯蓄ト地域別ニ依
ル貯蓄ト重複スル場合ガアツテ相當迷
惑ヲ及シテ居ル場合ニハ、所在ノ貯蓄委
員會ニ實情ヲ申出サセテ、ソレ等ノ重
複ヲ是正サセル積リデアル、又最近ニ
アリマシタ郵便局ノ定額据置貯金ノ割
當ヲ半バ强制的ニ行フト云フヤウナコ
トニ付テハ、十分ナル制限、抑制ヲシタイト
思ツテ居ル、何レニシテモ所謂應能負擔ノ
原則ヲ活カシテ、此ノ際各人ノ國民貯
蓄ノ割當ニ不公平ナカラシムル積リデ
居ル、併シ決ツタモノニ付テハ、强制
ハシナイケレドモ是非實行シテ戴キタ
イノデアル、斯ウ云フ說明デアリマシ
タ、ソコデ次ニ問題ニナリマシタノ
ハ、サウ言フナラバ、國民貯蓄運營委
員會ノ構成、政府ハ道都長官若シクハ
市町村長ヲ會長トシ、之ニ所在ノ公共
團體ノ長、貯蓄者ノ代表者、學識經驗
アル者等々ヲ加ヘテ構成スルト云フコ
ト、是ハ從來ノ町會トカ隣組トカ翼壯
トカ警防團トカ云フモノノ構成員ノ如
何ニ依ツテ、町ニ與ヘル影響ニ至大ナ=
ル影響ガアルコトニ鑑ミテ、餘程其ノ
構成ニハ注意シテ戴キタイモノデアル、
ト云フ意見ガ出マシタ、國民貯蓄ニ關
シマシテハ、其ノ程度ニ御報告ヲ止メ
マシテ、次ハ富籤ニ關スル問題デアリ
せっく、最初ニ刑法ノ規定ト今囘ノ富籤
トノ關係ニ關スル質問デアリマス、之
ニ對シマシテ司法當局カラ、今囘ノ計
畫ハ相當制限付ノモノデアルケレド
モ、矢張リ刑法第百八十七條ニ規定ス
ル所ノ富籤ノ一種デアルコトニハ疑ヲ
容レナイ、從ツテ發行條件等ニ付テ、
卽チ其ノ時期トカ方法等ニ付テハ、出
來ルダケ弊害ノ少イヤウニ發行セラレ
ムコトヲ司法當局トシテハ希望致シテ
居ル、卽チ射倖ヲ處罰スル法ノ精神ニ
反セザルヤウニ致シタイモノデアル、
固ヨリ今囘ノ計畫ハ法令ニ依ル行爲デ
アルカラ、刑法ノ適用ヲ除外スルモノ
デアルト信ズル、ソコデ更ニ質問ガ出
マシテ、其ノ法令ト云フノハ命令デヤ
ツテモ宜イノカ、例ヘバ制令、律令、
省令、府縣令等ニ依ツテモ宜シイノ
カ、ト云フ御尋ニ對シマシテ、法令ト
云フノハ、刑法總則ノ第三十五條ノ所
謂法令デアツテ、法律ニ依ル行爲ト云
フ意味デアル、ソコデ一委員ヨリ、刑
法ノ例外的ノコトヲ法律ニ依ツテ認メ
ルト云フコトハ、刑法ヲ適用シナイト
云フ意味デアルカラソレハ宜シイト思
マヨ、次ニ此ノ規定ニ依ツテ發行セラ
レル所ノ證劵又ハ富籤類似ノモノヲ、
滿洲國ダトカ中華民國、タトカ云フヤウ
ナ所デ、若シクハ軍政施行地ノヤウナ
所デ發行シ、ソレヲ內地デ賣買スル時
ニハ、ソレハ日本ノ刑法ニ觸レルノカ
ドウカ、ト云フ質疑ニ對シマシテ、政
府ハ、外國ニ於テ富籖ニ當ル所ノ行爲
トシテ賣出シタモノハ日本ノ刑法第百八
十七條ノ罰則ニ當ルモノデアル、ト云フ
答辯デアリマシタ、次ニ今囘發行セラ
レヤウトスル富籖ハ、時局ノ必要上誠
ニ已ムナシトスルケレドモ、苟モ刑法
ノ除外例ヲ設ケテ迄重大ナル罰則ヲ解
ク以上ハ、政府ニ於テモモツト力ヲ入
レテ大キナ金額ヲ吸收シテ所期ノ目的
ヲ達成スルニ遺憾ナカラシメテ貰ヒタ
イモノダ、政府ガ目下考案中ノ計畫ト
言ハレルモノハ其ノ規模ガ甚ダ小ニ過
ギルヤウニ思ハレル、少クトモ隔月一
囘位出シタラドウカ、現ニ歐洲デハ每
月發行シテ居ル例モアルデハナイカ、
ソレカラ當リ〓ノ金額モモツト多クシ
タラドウダラウカ、當局ハ日本ノ國民
性ガ一カ八カノ賭博心ガ割合ニ少イヤ
ウニ思ハレルト言ツテ居ラレルケレド
モ、果シテ日本人ハ左程射倖心ガ少イ
國民デアルデアラウカ、或ハヤリ方ガ
惡イカラ喰ヒ付イテ來ナイノデハナカ
ラウカ、現ニ此ノ間二囘迄出サレタ福
劵ノ發賣ノ如キ不徹底ナヤリ方デハ、
不成績デアルノハ當然ナコトト思ハレ
ル、今後實行上更ニ一段ノ創意ト工夫
トヲ要スルノデハナカラウカ、重ネテ
言フガ、苟モ刑法ノ適用ヲ除外スル以
上、而シテ國家ノ必要上已ムナシトス
ルノナラバ、相當效果ノ擧ルヤウニ特
ニ注意セラレタイ、然ラザレバ誠ニ口
惜シイコトデアルト云フ說デアリマシ
タ、又次ニ、當局ノ考ヘテ居ラレル富
籤ノ計畫ハ、聞ク所ニ依ルト云フト、
一囘ノ賣出金額ヲ一億五千萬圓、年四
囘發行、其ノ約半額ノ三億圓ヲ國庫ノ
收入トシ、一枚十圓劵、一等ノ當籤金
ヲ十萬圓、二等以下ノ當リ籤ヲ多クシ
テ、小額ノ當籤金ニ對シテハ全部現金
ヲ以テ支拂フ、一等ハ其ノ大部分······
六七割程度ノモノヲ國債ヲ以テ交付ス
ルト云フ計畫デアル、ソレモ亦一案デ
ハアラウガ、左樣ニ小サイ當リ籤ヲ澤
山ニ設ケルト云フコトハ、却テ浮動購
買力ヲ多クシテ、今囘ノ富籤發行ノ目
的ニ背反スル結果ト相成ルノデハナカ
ラウカ、又小額ノ當リ籤ヲ多クスル
ト云フコトハ費用倒レニナル虞ガアリ
ハシナイカ、一體富籤ハ皆當ル積リデ
買フノダケレドモ、實際ハ當リ籖ト云、
フモノハ何千本ニ一ツトカ何萬本ニ
ツト云フヤウナモノデアルカラ、寧口
當リ籖ノ金額ヲ大キクシテ購買力ヲソ
ソツテ、淫動資金ノ吸收ニ努メタ方ガ
宜イノデハナカラウカ、ト云フ御說デ
アリマシタ、又他ノ委員ヨリ、今日ハ
金ヨリ物ノ時代デアル、デアルカラ現
ニ「ロシヤ」ガヤツテ居ルヤウニ、當リ
籤ノ副賞ニ物品、物ヲ付ケタラドウ
カ、酒一樽トカ砂糖一貫匁トカ云フヤ
ウニ、物ヲ付ケタナラバドウデアラウ
カ、之ニ對スル大藏當局ノ答辯ハ、大
藏省ハ金バカリノコトヲ今迄考ヘテ居
リマシテ、物ノコトニ付テ未ダ考ヘ及
ンデ居リマセヌガ、何レ委員會デモ出
來マシタラ篤ト能ク考ヘテ見ヨウ、ト
云フ御答デアリマシタ、又他ノ委員カ
ラ、前年「ジヤワ」ニ於テ南方開發金庫ガ
三十萬圓ノ富籤ヲ出シテ、原住民ヲ相
手トシテ一等ヲ五萬圓トシタ所ガ非常ナ
賣行デ、忽チノ間ニ賣リ盡シテシマツ
タ、サウ云フヤウナ例モアルカラ、內
地デヤル以上ハ少クトモ五十萬圓位
ニシタラドウダラウカ、十萬圓ト云フ
ノハ餘リニ過少デハナカラウカト云フ
ヤウナ御說ガアリマシタ、又此ノ富〓
ノ名稱デアリマスガ、政府ハ兎角富籤
ト云フ名前ヲ避ケラレマシテ、聞ク所
ニ依ルト今度ノ富籤ヲ勝札ト云フ名前
ニセラレルト云フコトデアリマスルガ、
富籤ハ先程モ申上ゲマシタル通リニ
何千本何萬本ニ一ツト云フ當リ籤デア
リマス、極メテ當ル方ノ數ハ當ラナイ
數ニ比ベレバ少イコトハ申ス迄モナ
イ、當ツタモノコソ勝札デアルガ、大
多數ノ當ラナイ籤ハ、勝札ドコロデハナ
イ、ソレハ負札ヂヤナイカ、是ハドウ
ダ、斯ウ云フ御尋デアリマス、政府ノ
答ハ、イヤソレハ其ノ勝負デハナイノデ
アツテ、大東亞戰爭ニ勝チ拔ク爲ノ札
デアルト云フ意味デアルコトヲ御承知
ヲ願ヒタイト云フコトデアリマシタ、
最後ニ政府ノ現ニ考ヘテ居ラレル計畫
ハマダ確定シタモノデハナイト云フコ
トハ承知スルカラ、本法案成立後設置
セラレル所ノ資金吸收特別方策委員會
ニ於テ尙種々考案ノ結果、第一囘ノ從
來ノ實績竝ニ第一囘ノ成績等ヲ勘案シ
テ逐次所期ノ目的ヲ達スルヤウニ、其
ノ方法、條件、金額等ヲモ改メテ、例
ヘバ六億圓發行スル豫定デアツタモノ
ガ、若シ好都合ニ參ルナラバ更ニ增額ス
ルト云フヤウナコトニ付テ御考ガアル
カ、ト云フ質問ニ對シマシテ、然リト云
フ答辯ガアツタノデアリマス、之ヲ以
チマシテ簡單デアリマスルケレドモ本
法案ニ對スル質疑、審議ノ內容ヲ打切
リマシテ、討論ニ入リマシタケレドモ、
別ニ御發言ガナク、採決ニ移ツテ、全
會一致ヲ以テ本案ヲ可決致シマシタ、
次ハ戰時金融金庫法中改正法律案、或
一委員ヨリ、同金庫ノ創立當時ニハ、動
モスレバ事業ノ內容ニ危險性ノアルモ
ノ若シクハ內容ノ餘リ良クナイモノ
ニ融通シタ傾向ガアツテ、ソレガ爲同
金庫ノ門ヲ潛ルト云フコトハ却テ其ノ
事業ノ信用ヲ落スガ如キ嫌ガアツタノ
デアルガ、今日ノ狀況ハドウデアル
カ、ト云フ御尋デアリマシタ、政府ハ
之ニ對シマシテ、其ノ後同金庫ハ著々
整備シテ、最早御話ノヤウナ非難ハ當
ラナイモノト信ズル、同金庫ノ使命ハ
逐次各方面カラ認メラレテ、今日ニ於
テハ寧ロ時局的要請ノ强イモノ、卽チ
國家的色彩ノ强イ事業ガ、此ノ金庫ニ
依ツテ融通セラレル傾向ガ著シイノデ
アルカラ、逐次信用ヲ昂メツヽアルノ
デアル、又同金庫自體トシテモ放漫ナ
ル貸出ニ對シテハ極力注意ヲシテ居ル
モノト信ズルカラ、左樣御承知ヲ願ヒ
タイト云フコトデアリマシタ、是等ノ
質問ヲ終リマシテ、討論ニ入リ、續イ
テ採決ニ入リマシテ、全會一致ヲ以テ
可決致シマシタ、次ハ生命保險中央會
法案、生命保険各會社ハ、支那事變勃
發以來、相互ノ申合セニ依リマシテ、
各社ノ約款ノ規定如何ニ拘リマセズ、
戰爭死亡ニ對シマシテモ保險金ノ支拂
ヲ行ヒマシタシ、大東亞戰爭勃發後モ
引續イテ之ガ實行ヲ繼續致シテ居リマ
シタ外、一昨年ノ二月、各社ノ申合セ
ニ依リマシテ約款ノ統一ヲ行ツテ、戰
爭危險ニ對シテモ生命保險金ノ支拂ヲ
行フコトトシ、以テ戰時國民生活ノ安
定ニ寄與シテ居ツタコトハ御承知ノ通
リデゴザイマス、併シナガラ現行ノ生
命保險事業ノ計算ノ中ニハ、戰爭危險
ハ何等加味シテ居ラナイコトハ申ス迄
モナイノデアリマスルガ、唯從來生命
保險會社ハ、各社共相當ナ蓄積ヲ有
シ、其ノ保有資金ノ運用ノ利廻リト保
險金ノ支拂トノ差益ガ、相當大ギナモ
ノガアリマシタシ、又一両豫期セラレ
テ居ツタ死亡率ガ割合ニ少カツタト云
フヤウナ事由カラ、比較的經營ニ餘裕
ガアリマシタノデアリマスガ、戰爭ガ
長期化致シマスト共ニ、戰爭ノ危險ハ
逐次增加シテ參リマスシ、又一方食糧
問題等カラ國民ノ榮養上今後ノ死亡率
ノ增加ト云フコトモ想像セラルヽノデ
アリマス、又資金ノ運用利率モ從來ニ
比シテ低下ヲ免レナイト云フ事實モゴ
ザイマス、從ツテ今後ノ保險會社ノ經
營ト云フモノハ、相當困難ヲ招來スベ
キコトハ當然デアリマス、ソコデ今囘、
政府ハ生命保險中央會ト云フモノヲ設
ケマシテ、生命保險ニ對スル所ノ戰爭
危險ノ再保險事業ヲ行ハムトスルノデ
アリマス、ソコデ問題トナリマスノハ、
再保險料。金ヲ如何ニスルカト云フコト
デアリマス、之ニ對シテ質問ガゴザイ
マシタ、今後ノ保險料金ニ付テハ問題
ハナイケレドモ、從來ノ契約ニ依リ定
メタモノニ付テハ國家ガ全部ヲ負擔シ
テモ宜イガ、事實多少トモ各保險會社
ニ負擔サスベキモノデモアルト思ハレ
ルガ、政府ハ果シテ此ノ點ヲドウ考ヘ
テ居ルノカ、政府ノ答辯ハ、再保險料
率ヲ幾何ニ定メルカト云フコトニ付テ
ハ本案中最モ重要ナル案件デアルト
思ハレル、政府ガ法外ナ料金ヲ定メテ、
之ガ爲各保險會社ノ基礎ヲ危ウクスル
ト云フコトハ、固ヨリ本案ノ趣意デハ
ナイノデアルカラ、此ノ點ニ付キマシ
テハ、本案成立後統制會トモ緊密ナ連
絡ヲ取ツテ適正ナ金額ヲ定メルヤウ善
處致シタイト思フ、ト云フ答辯ニ對シ
マシテ、一委員ヨリ、斯カル場合相當
多クノ保險料ヲ取ラムトスル考ガ出ル
ヤノ虞モアルカラ、此ノ點ニ付テハ將
來十分考究ヲシテ貰ヒタイト云フ希望
デアリマシタ、次ニ、生命保險中央會
ト生命保險統制會トノ關係ハドウデア
ルカト云フ御質疑ニ對シマシテ、中央
會ハ本法ニ依ツテ使命ヲ與ヘラレ、統
制會モ亦ソレ〓〓與ヘラレタ使命ガア
ツテ、固ヨリ兩者ハ併存シ得ルノデア
ルケレドモ、其ノ兩者ノ組織、內容、
實體ニナリマスト、中央會モ各保險會
社相互ノ寄リ集マリデアリ、統制會モ
亦同ジヤウナモノデアルカラ、其ノ實
體ハ同一デアルトモ考ヘラレル、リコ
デ今後ハ統制會ノ仕事ヲ中央會ヲシテ
ヤラシムルトカ、兩者ノ人的構成ヲ共
通ノモノニスルトカ云フ風ナ、若干ノ
調整ヲ圖ル必要ガアルト思ハレル、ト云
フ答辯デアリマシタ、次ニ生命保險統
制會ハ從來動モスルト官僚的ノ傾向ガ
アルヤニ見受ケラレルガ、今囘新タニ
設ケラレムトスル中央會ニ於テモ亦同
一ノ傾向ニ出ルト云フコトハ甚ダ困ル
カラ、役員ノ選任等ニ付テハ當局ニ於
テドレダケノ用意ガアルカ、ト云フ御
尋ニ對シマシテ、ソレ等ノ情弊ヲ未然
ニ防止スル爲ニ相當重味ノアル役員陣
ヲ作ル豫定デアル、ト云フ言明ヲセラ
レマシタ、最後ニ戰爭死亡保險ト云フ
モノハ、其ノ性質上カラ考ヘテ、損害
保險ノ一種デアルト思ハレルガドウカ、
政府ハ、御尤モダ、併シ手續上若シク
ハ取扱ノ便宜上カラシテ、生命保險ニ
屬セシメテ居ルノデアル、ト云フ答辯
デアリマシタ、是等ノ質問ノ外ニ、保
險技術ニ關シテ種々專門的ナ質問ガゴ
ザイマシタケレドモ、是等ハ速記錄ニ
讓ルコトト致シマス、斯クシテ討論ニ
入リ、續イテ採決ニ入リマシテ、仝會
一致ヲ以テ可決致シマシタ、次ハ損害
保險中央會法案デアリマス、今囘政府
ハ損害保險中央會ヲ設ケタガ、生命保
險中央會ト其ノ設立ノ趣意ニ於テ何處
ガ違フノデアルカ、ト云フ御尋ニ對シ
マシテ、政府ヨリ、生命保險中央會ハ、
生命保険會社ノ引受ケタ戰爭保險ノ再
保險ヲ引受クルコトヲ目的トスル新タ
ナ事業團體デアルケレドモ、損害保險
中央會ハ、現在東亞火災海上再保險株
式會社ノ業務、ソレカラ損害保險國營
再保險法、戰時特殊損害保險法等ノ諸
仕組ヲ通ジテ行ハルヽ普通保險ノ再保
險及ビ戰爭保險ニ關スル國家的負擔
ニ屬スル制度ヲ簡素化シ、統合シ、以
テ事務手續ヲ能率的ナラシムルコトヲ
期スル趣意デアル、ト云フ御答デアリ
マシタ、續イテ本法二十五條ニ「主務大
臣必要アリト認ムルトキハ保險會社ニ
對シ其ノ引受ケタル普通保險ヲ損害保
險中央會ノ再保險ニ付スベキコトヲ命
ズルコトヲ得」ト書イテアルガ、其ノ意
味ハ如何、再保險ニ付スベキ程度、範
園ハ如何デアルカ、ト云フ質問デアリ
マスルガ、或社ノヤリ方ガ危險ダカラ
ト云ツテ、政府ガ勸奬シテ再保險ニ
付スベキコトヲ命ズル程度ナラバ宜イ
ケレドモ、總テヲ一律ニ再保險ニ付ス
ベシト命ゼラレルコトハ頗ル困ルコト
デアル、寧ロ之ヲ各社ノ任意ニシテ置
ク方ガ宜クハナイカ、卽チ假ニ一萬圓
ヲ超過スル保險ヲ總テ再保險ニ出スト
スルト、一萬圓迄ノ保險ハ損害保險デ
アルケレドモ、一萬圓以上ノ分ハ各
社ヲ通リ拔ケルコトニナツテ、各保險
會社ト云フモノハ、恰モ中央會ノ代理
店ノ如キ形トナル譯デアリ、各保險會
社ノ獨立性ヲ失フコトニモナル、故
各社ニ一定ノ手持ヲ與ヘテ、其ノ超過
分ニ付テ再保險ニ出サシムルヤウニス
ル、然ラバ從來ノ保険會社ヲシテ自己
ノ責任、自己ノ危險ニ於テ運營セシム
ルヤウニナルカラ、ソレデコソ時局下
損害保險ノ經營ヲ完カラシムル所以
デアルシ、保險會社ヲ活カシテ活動セ
シムル所以デハナカラウカ、假リニ
步ヲ讓ツテ、損害保險會社ヲ殺スノハ
宜イトシテモ、ソレデハ却テ一般國民
ニ脅威ヲ與ヘル結果トナリハシナイカ、
卽チ超過保險ニ附スルモノガ續出スル
嫌ガアリパシナイカト云フコトデアリ
アント、保険會社ニハ危險ガナイカラ、
出來ルダケ多クノ契約ヲシテ再保險料
ノ差額ヲ稼グトカ、然ラズトモ、會社
ノ外交員ガ白己ノ手數料ノ增收ヲ圖ラ
ムガ爲ニ此ノ制度ヲ逆用スル弊ヲ生ズ
ル、從來ハ各社ガ自己ノ危險ニ付テ十
分社內外ノ監督ヲ爲シツヽ堅實ナル經
營ヲシテ來ツタモノデアルノニ、今囘
ノヤウナ改正ニ依ツテ仝部ガ通リ拔ケ
勘定ト云フ風ニナツタナラバ、ソコニ
當然ノ弊害ヲ生ズルコトハ事理ノ明白
ナル所デアル、換言スレバ、今後ハ超
過保險ヲ保険會社自身ガ默認スルコト
トナツテ、所謂「モーラルリスク」ヲ招
ダ
來スルコトニ相成リハシナイカト思フ、
現ニ過去ニ於テ不景気時代ニハ往々
此ノ種ノ實例ガアリ、之ガ爲ニ犯罪ヲ
誘致シタコトモ我々ノ記憶ニ新タナル
所デアル、要スルニ保險會社ガ元受ノ
全部ヲ出スト云フコトハ宜クナイト思
フ、勿論或社ガ出サズニ居ルノヲ政府
ガ危險ト認メタ時ハ、之ニ勸奬ヲシテ出
サシムルコトハ理想的ナ處置デアルト
思フケレドモ、通常ハ各保險會社ノ立場
ヲ理解シ、其ノ經營、其ノ監督ヲ尊重シテ、
各保険會社ト中央會トガ互ニ相倚リ相扶
ケテ行クベキデハナカラウカ、ト云フ御
質疑デアツタト思ヒマス、之ニ對シマシテ
政府ハ、成ル程御趣意一應御尤モデア
ルケレドモ、再保險ヲ全然保險會社ノ
任意ニ放任スルト云フコトモ亦弊害
ヲ生ズルノデアル、如何トナレバ、中
央會ガ危險ノ多イ場合ノミヲ負擔スル
結果、危險ノ分散トハナラナイシ、其
ノ結果、保險會社ノミヲ儲ケサスルト
云フコトニナル、玆ニモ亦「モーラル
リスク」ノ問題ガ起リハシナイカト思
フ、デアルカラ、中央會カラ更ニ再配分
ヲスルト云フヤウナコトニスルコトモ
一ツノ案デハアルマイカト思フガ、兎ニ
角現行ノ制度ヲ能ク勘案シ、中央會ノ
理事トモ相談シタ上デ、此ノ點ハ四方
八方好都合ニ相成ルヤウ今後トモ努
力スル積リデアル、ト云フ言明デアリ
マシタ、斯クシテ此ノ法案ニ付キマシ
テモ、種々保險塔、ニニスス車門的ノ
意見モ出マシタノデアリマスガ、是亦
速記錄ニ讓リマス、討論ニ入リマシテ
何等ノ異議ナク、採決ヲ致シマシタ處、
全會一致ヲ以テ可決致シマシタ、最後
ニ臺灣銀行法中改正法律案、是ハ臺灣
ニ於キマシテモ、內地同樣ニ急速ナル
戰力增强ニ資スル爲ニ、硬貨ノ囘收ヲ
行フ必要ガアリマスルノデ、劵面金額
一圓未滿ノ小額紙幣ヲ發行スル權能ヲ
臺灣銀行ニ與ヘムトスルモノデアリマ
ス、是ハ簡單デアリマシタ爲、別段質
問モゴザイマセヌノデ、討論ニ入リ、
採決ニ入リマシテ、全會一致ヲ以テ可
決致シマシタ、右御報告ヲ申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=22
-
023・徳川圀順
○議長(公爵德川〓順君) 別ニ御發言
モナケレバ、五案ノ採決ヲ致シマス、
五案ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴ
ザイマセヌカ
a
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=23
-
024・徳川圀順
○議長(公爵徳川〓順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=24
-
025・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第
二讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=25
-
026・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=26
-
027・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=27
-
028・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=28
-
029・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 五案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、
全部ヲ問題ニ供シマス、五案全部、委
員長ノ報告通リデ御異議ゴザイマセヌ
カ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=29
-
030・徳川圀順
○議長(公爵徳川圏順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=30
-
031・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ各案ノ第
三讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=31
-
032・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=32
-
033・徳川圀順
○議長(公爵德川園順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=33
-
034・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=34
-
035・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀〓君) 五案ノ第三
讀會ヲ開キマス、五案全部、第二讀會
ノ決議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=35
-
036・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=36
-
037・徳川圀順
○議長(公爵徳川開順君) 日程第八、
會計法戰時特例中改正法律案、政府提
出衆議院溪付、第一讀會ノ續、委員
長報告、委員長侯爵德川義親君
會計法戰時特例中改正法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依
テ及報告候也
昭和二十年二月三日
委員長侯爵德川義親
貴族院議長公爵德川圀順殿
〔侯爵無川義親君登壇〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=37
-
038・徳川義親
○侯爵德川義頭君 會計法戰時特例中
改正法律案ノ委員會ノ經過ヲ申上ゲ
せい。特別委員會ニ於キマス審査經過
竝ニ結果ノ御報告デゴザイマスガ、詳
細ハ總テ速記錄デ見テ戴キタイト存ジ
やく、委員會ハ去ル三日、法案ノ併託
ヲ受ケマスト共ニ、同日午後直チニ開
會ヲ致シマシタ、最初ニ大藏大臣ノ提
案ノ理由ノ說明ガゴザイマシタガ、續
イテ速記ヲ中止致シマシテ、更ニ詳細
ナル說明ヲ得タノデアリマス、其ノ後
ニ質疑ニ入リマシタガ、其ノ詳シイコ
トハ略シマシテ、大要ヲ紹介申上ゲタ
イト存ジマス、先ヅ、第八條ニ所謂特別
ノ樣式ト云フモノガアルガ是ハ如何ナ
ルコトヲ指シテ居ルノカ、ト云フ質疑ニ
對シマシテ、政府委員ヨリ、決算ニ於テ、時
ニ如何ニシテモ目或ハ項ノ不明ナル場
合ガ生ズル、其ノ場合ニ於キマシテハ、
ソレ〓〓項或ハ款ノ中デ、目或ハ項不
明ノ決算ヲ致シテ、ソレ〓〓所要ノ決
2
算金額ヲ記載スル、又款項目共ニ不明
ナル場合ニ於テハ、所要ノ臨時部或ハ
經常部ノ末尾ニ、款項目不明ノ事項若
シクハ款項目ニ代ルモノヲ考ヘテ決算
スル方針デアルト云フ答辯デゴザイマ
シタ、是ハ嘗テ關東大震災ノ時ニ其ノ
例ガアツタ由デゴザイマス、次ニ、第五
條ニアル各省ノ豫定經費要求書及歳入
豫算明細書ヲ添付シ得ザル場合トハ如
何ナル場合デアルカ、トノ質疑ニ對シ
マシテ、歲入豫算明細書及各省ノ豫定
經費要求書ヲ調製シテモ、ソレガ戰災
等ノ爲ニ減失シ、或ハ印刷局ノ被害ノ
爲ニ所定ノ期日ニ間ニ合ハヌ場合ヲ豫
想サレルノデ、斯カル際ニ添付ヲ省略
シ得ルヤウニ規定シタノデアル、
要スルニ、大東亞戰爭ニ依リ、避クベ
カラザル事故ノアル場合ノ爲ニ、一應
ノ除外的規定ヲ致シテ置キタイノデア
ルト云フ答辯デゴザイマシタ、續イテ
が
第六條ニ依リ國庫ノ負擔ト爲ルベキ契
約ヲ爲シ得ベキ金額トシテハ五億圓ヲ
計上シテ、今日提出シタ豫算ト共ニ審
議ヲ願ツテ居ルトノ說明ガゴザイマシ
タ、之ニ對シマシテ一委員ヨリ、五億
圓トハ一體何デアルカトノ質疑ガゴザ
イマシタ、政府委員ハ、此ノ五億圓ノ
金額ハ別段明瞭ナ內容ガアル譯デハナ
ク、丁度豫算ニ對シテ豫備費ガアル如
ク、第六條所定ノ豫算外契約ニ對スル
豫備費的ナ性質ヲ有スルモノデアル、
卽チ年度ノ途中ニ於テ、豫メ豫算外國
庫ノ負擔ト爲ルベキ契約ヲ爲スヲ要ス
ル件トシテ帝國議會ノ協贊ヲ經テ居ラ
ナイモノ、或ハ法律ノ規定等ニ依リ
豫メ豫算外契約權ヲ政府ガ有シテ居ラ
ナイモノニ付テ、尙政府ノ豫算外ニ於
テ國庫ノ負擔ト爲ルベキ契約ヲシテ
事案ヲ處理スルコトガ、極メテ時宜ニ
適當スルヤウナ場合ガ往々ニシテ起ル
斯樣ナ場合ニ備フル「爲ニ一種
爲ニ、
ノ豫備的ナ豫算外契約權ト云フ性質ノ
モノデアル、又現行ノ會計法第十一條
C
ニハ、經費ノ支出年度ガ翌年度ニ亙ル。
場合ニ限ルノデアルガ、此ノ第六條ハ、
將來國庫ノ負擔ヲ當然伴フ契約デハア
ルケレドモ、唯其ノ契約ニ依ツテ生ズ
ル政府ノ支出義務ガ、其ノ年度內ニ起
ルノカ或ハ翌年度ニ亙ルノカ、其ノ
年度ノ不明ノ場合ニ關スルモノデアル、
トノ答辯デゴザイマシタ、大體ガ以上
ノヤウナ質疑應答デゴザイマシテ、斯
クシテ質疑全部終了致シマシタ後、討
論ニ入リマシタガ、特ニ發言モアリマ
セヌデシタノデ、續イテ採決ノ結果、
全會一致ヲ以テ、原案通リ可決スベキ
モノト議決致シタノデゴザイマス、以
上御報告申上ゲマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=38
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039・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 別ニ御發言
モナケレバ、本案ノ採決ヲ致シマス、
本案ノ第二讀會ヲ開クコトニ御異議ゴ
ザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=39
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040・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=40
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041・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第
二讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=41
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042・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=42
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043・徳川圀順
○議長(公爵徳川圏順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=43
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044・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=44
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045・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 本案ノ第二
讀會ヲ開キマス、御異議ガナケレバ、
全部ヲ問題ニ供シマス、本案全部、委員長
ノ報告通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=45
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046・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=46
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047・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直チニ本案ノ第
三讀會ヲ開カレムコトヲ希望致シマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=47
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048・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=48
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049・徳川圀順
○議長(公爵徳川閣順君) 西大路子爵
ノ動議ニ御異議ハゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=49
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050・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=50
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051・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 本案ノ第三
讀會ヲ開キマス、本案全部、第二讀會
ノ決議通リデ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=51
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052・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=52
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053・徳川圀順
○議長(公爵德川圀順君) 日程第九、
戰時森林資源造成法案、衆議院提出、
第一讀會
戰時森林資源造成法案
右本院提出案及送付候也
昭和二十年二月五日
衆議院議長岡田忠彥、
貴族院議長公爵德川圀順殿
戰時森林資源造成法
第一條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ森
林資源ノ戰力化ノ徹底竝之ガ造成
ノ確保ヲ期スル爲命令ノ定ムル所
ニ依リ農林中央金庫ヲシテ森林資
源造成證劵(以下證券ト稱ス)ヲ發
行セシムルモノトス
第二條農林中央金庫ハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ森林資源造成ノ爲ニ要
スル費用ノ二分ノ一ニ相當スル金
額ヲ納付シタル森林所有者ニ對シ
其ノ金額ノ倍額ニ相當スル額面ノ
證券ヲ交付スベシ
本法ニ於テ森林所有者ト稱スルハ
森林法第一條及第二條ノ森林所有
者ヲ謂フ
第三條政府ハ森林ノ伐採其他必要
アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル
所ニ依リ森林所有者ニ對シ森林資
源造成ノ爲ニ要スル費用ノ二分ノ
一ヲ農林中央金庫ニ納付シ證劵ノ
交付ヲ受クペキコトヲ命ズルコト
ヲ得
第四條證劵ノ所有者ハ證劵ニ記載
セラレタル森林資源造成ニ必要ナ
ル行爲ヲ爲シ命令ノ定ムル所ニ依
リ農林中央金庫ニ對シ該證劵ノ額
面金額ノ交付ヲ求ムルモノトス
第五條證券ノ所有者ハ大東亞戰爭
終了後ニ於テ政府ニ對シ證券ヲ呈
示シ森林資源造成ノ爲必要ナル行
爲ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ政府ハ命令ノ定
ムル所ニ依リ分收步合ヲ定メ自ラ
之ヲ爲シ又ハ公共團體其他命令ヲ
以テ定ムル者ヲシテ森林資源造成
ニ必要ナル行爲ヲ爲サシムルコト
ヲ得
第六條前條ノ場合ニ於テ政府ハ森
林資源造成ニ必要ナル行爲ヲ爲ス
ニ要シタル費用ノ支拂其他命令ヲ
以テ定ムル事項ヲ農林中央金庫ニ
對シ指示スベシ
第七條政府ハ第一條ノ規定ニ依リ
證券ヲ發行シタル農林中央金庫ニ
對シ命令ノ定ムル所ニ依リ證券ノ
額面金額ノ二分ノ一ノ金額ヲ交付
スルモノトス
第八條證券ハ記名式トシ森林ノ土
地ニ付使用又ハ收益ヲ爲スノ權利
ト共ニスルニ非ザレバ之ヲ讓渡ス
ルコトヲ得ズ
證劵ノ所有者タル森林所有者ガ森
林ノ土地ニ付使用又ハ收益ヲ爲ス
ノ權利ヲ讓渡セムトスルトキハ其
ノ證劵ト共ニ之ヲ行フベシ
第九條軍事其他公共ノ必要ニ因リ
森林ノ土地ガ森林資源造成ノ目的
ニ供スルコト能ハザルニ至リタル
トキハ第二條及第三條ノ規定ニ依
リ納付シタル金額ハ命令ノ定ムル
所ニ依リ該森林所有者ニ對シ之ヲ
返還スルモノトス
第十條讃劵ハ大東亞戰爭終了後二
十年ヲ以テ其ノ效力ヲ失フ此場合
ニ於テハ第二條及第三條ノ規定ニ
依リ納付シタル金額ハ之ヲ其ノ納
付者ニ返還ス
第十一條證劵ノ模造ニ關シテハ通
貨及證劵模造取締法ヲ準用ス
第十二條本法ニ規定スルモノノ外
證劵ノ發行其他必要ナル事項ハ命
令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=53
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054・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題トナリマ
シタ戰時森林資源造成法案ハ、特別委
員ノ數ヲ十二名トシ、其ノ委員ノ指名
ヲ議長ニ一任スルノ動議ヲ提出致シ
マス発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=54
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055・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=55
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056・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 戶澤子爵ノ
動議ニ御異議ゴザイマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼フ者アリ〕発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=56
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057・徳川圀順
○議長(公爵徳川圀順君) 御異議ナイ
ト認メマス、特別委員ノ氏名ヲ朗讀致
サセマス
〔寺光書記官朗讀〕
戰時森林資源造成法案特別委員
侯爵池田宣政君伯爵黑田〓君
子爵植村家治君子爵北條雋八君
河井彌八君後藤文夫君
男爵岩村一木君男爵倉富鈞君
澤田牛麿君竹下豐次君
唐澤俊樹君松井貞太郞君発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=57
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058・徳川圀順
○議長(公爵徳川圈順君) 次會ノ議事
日程ハ、決定次第、彙報ヲ以テ御通知
ニ及ビマス、本日ハ是ニテ散會致シマ
ス
午前十一時十一分散會発言のURL：https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008603242X00919450206&spkNum=58
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