1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
軍需金融等特別措置法案(政府提出)(第四號)
臨時資金調整法中改正法律案(政府提出)(第五號)
戰時金融金庫法中改正法律案(政府提出)(第六號)
生命保險中央會法案(政府提出)(第七號)
損害保險中央會法案(政府提出)(第八號)
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昭和二十年一月二十四日(水曜日)午後一時十六分開議
出席委員左の如し
委員長 久山知之君
理事 池本甚四郎君 理事 九鬼紋七君
赤間徳壽君 一宮房治郎君
大倉三郎君 長内健榮君
加藤弘造君 田中亮一君
高畠龜太郎君 中埜半左衞門君
中原謹司君 廣野規矩太郎君
深澤吉平君 星一君
松本治一郎君 松山常次郎君
宮崎一君 由谷義治君
渡邊善十郎君
出席國務大臣左の如し
大藏大臣 石渡莊太郎君
出席政府委員左の如し
大藏參與官 田村秀吉君
大藏省國民貯蓄局長 氏家武君
大藏省銀行保險局長 迫水久常君
大藏書記官 吉村成一君
大藏書記官 福田赳夫君
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本日の會議に上りたる議案左の如し
軍需金融等特別措置法案(政府提出)
臨時資金調整法中改正法律案(政府提出)
戰時金融金庫法中改正法律案(政府提出)
生命保險中央會法案(政府提出)
損害保險中央會法案(政府提出)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=0
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001・久山知之
○久山委員長 ソレデハ是ヨリ開會致
シマス、委員會ヲ開キマス前ニ一應御
挨拶ヲ申上ゲマス、圖ラズモ私委員長
ニ御推擧戴キマシテ、暫ク此ノ席ヲ汚
サシテ戴キマス、固ヨリ甚ダ不慣レデ
アリマシテ、色々御目ダルイ點モアル
カモ存ジマセヌガ、ドウカ皆樣ノ御協
力ノ下ニ、最モ意義ノアル委員會ノ效
果ヲ擧ゲタイト考ヘテ居リマス、本委
員會ニ付託セラレマシタ法律案ハ、軍
需金融等特別措置法案、臨時資金調整
法中改正法律案、戰時金融金庫法中改
正法律案、生命保險中央會法案、損害
保險中央會法案、以上五件デアリマス、
大藏大臣ノ說明ヲ求メマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=1
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002・石渡莊太郎
○石渡國務大臣 軍需金融等特別措置
法案外四件ノ法律案ニ付キ說明致シマ
ス、軍需金融等特別措置法案ハ戰力增
强ノ要請ニ應ジマス爲メ昨年初頭以來
軍需會社ノ指定ニ伴ヒマシテ、軍需融資
指定金融機關制度ヲ設ケマシテ、各軍
需會社ニ付テ其ノ所要資金ノ融通ヲ擔
當スベキ金融機關ヲ指定シ、右機關ヲ
以テ擔當軍需會社ノ所要ニ應ジマシテ
軍需事業資金ノ簡易迅速ナル供給ヲ圖
ラシメタノデアリマスガ、本制度ハ指
定金融機關ト軍需會社トノ相互協力ニ
依リマシテ、產業ト金融トノ緊密化ヲ
促進スル上ニ多大ノ效果ガアツタト存
ゼラレルノデアリマス、併シナガラ戰
局苛烈ニ相成リマシタ今日ニ於キマシ
テハ、右軍需融資指定金融機關制度ヲ
法律的ニ其ノ意義ヲ明カニシ、且ツ之
ヲ强化シ、軍需會社以外ノモノニ對ス
ル資金ノ融通ニ付テモ此ノ方式ヲ採用
スルコトニ致シタイト思フノデアリマ
ス、軍需金融、其ノ他金融ノ圓滑適正
ヲ圖リマスト共ニ資金ノ效率的使用ヲ
促進致ス必要ガアルノデアリマス、サ
ルコトヲ目的トシマシテ本法案ガ出來
テ居ル次第デゴザイマス、軍需金融等
特別措置法案ノ第一條ニ之ヲ明カニ致
シテ居ル次第デアリマス
次ニ、本法案ノ主ナル點ニ付テ御說明
致シタイト存ジマス、第一ハ軍需會社其
ノ他命令ヲ以テ定ムル事業者ニ對スル
資金ノ融通ハ、政府ノ指定スル金融機
關ヲシテ擔當セシムルコトト致シタノ
デアリマス、政府ノ指定ヲ受ケマシタ
軍需金融機關ハ、擔當事業者ニ對シテ
其ノ事業ノ適實ナル遂行ニ必要ナル資
金ヲ簡易迅速ニ、且ツ資金ノ使用ヲ效
率的ナラシムル配意ノ下ニ融通スルコ
トヲ要スルノデアリマシテ、軍需金融
機關ノ役員ハ政府ニ對シ其ノ任務ヲ圓
滑ニ遂行スルノ責任ヲ有スルノデアリ
マシー、而シテ政府ニ於キマシテハ、軍
需金融機關ニ對シテ、各擔當事業者ニ
對シ資金ノ融通ヲ爲シ得ベキ限度ヲ指
定シ得ルコトトシタノデアリマス、又
必要ニ應ジテ金融機關ノ事業者ヨリノ
預金等ノ受入ヲ制限、又ハ禁止ヲ致シ、
之ヲ其ノ擔當軍需金融機關ニ集中シ得
ルコトト致シタノデアリマス
其ノ次ニハ軍需金融機關ガ擔當事業
者カラ申込ミヲ受ケマシタ資金ヲ融通
スルコトガ難カシイト認メタ場合ニ於
キマシテハ、遲滯ナク理由ヲ具シテ其
ノ旨ヲ政府ニ申出ルコトヲ要スルノデ
アリマシテ、此ノ申出ガアリマシタ場
合ニ於キマシテハ、政府ハ當該資金ニ
付テ必要ナル措置ヲ講ズルコトト致シ
タノデアリマス、更ニ軍需金融機關ハ
擔當事業者トノ連絡ニ當ラシムル爲メ、
擔當事業者每ニ軍需金融擔當者ヲ選任
スルヲ要スルコトト致シタノデアリマ
ス
第三ハ軍需金融機關ハ擔當事業者ヨ
リ委託ノアリマシタ場合ニハ、其ノ賣
買代金、前受金、前渡金等ノ代理受拂
事務ヲ取扱フコトヲ必要トシ、又政府
ニ於テハ必要ニ應ジマシテ事業者ニ對
シ、是等ノ事業ヲ擔當軍需金融機關ニ
委託スベキコトヲ命ジ得ルコトト致シ
タノデアリマス、尙ホ軍需金融機關ヲ
シテ其ノ任務ヲ圓滑ニ遂行致サシムル
爲メ、必要アル場合ニハ政府ハ店舗ノ
設置、定款ノ變更等必要ナル命令ヲ致
スコトガ出來ルノデアリマス
第四ニハ左樣ナ軍需金融機關ノ國家
的ノ任務ニ顧ミマシテ、軍需金融機關
ノ役員、軍需金融擔當者等ヲ公務員ト
看做スコトニ致シタノデアリマス
第五ハ軍需】金融機關ヲシテ特別ノ
積立金ヲスルコトヲ命ジテ居ルノデア
リマシテ、卽チ政府ハ必要アリト認メ
マシタ場合ニハ、軍需金融機關ヲシテ
其ノ擔當事業者ニ對スル資金ノ融通ニ
因ル收入金ノ一部ヲ以テ、一定ノ標準
ニ依ツテ特別ノ積立金ヲ積立テシムル
コトト致シタノデアリマス、此ノ積立
金ハ政府ノ許可ヲ受ケマシテ損失ノ塡
補等ニ用ユル場合モアルノデアリマス
ガ、尙ホ殘額ニアリマシタ場合ニハ大
東亞戰爭終了後別ニ法律ヲ以テ定ムル
所ニ依リ、其ノ一部ヲ政府ニ納付スベ
キコトヲ命ジ得ルコトニ致シタノデア
リマス
第六ハ全金融機關ノ同業一體、協力
一致ノ態勢ヲ更ニ一層强化スルコトト
致シタノデアリマス、卽チ政府ハ必要
ニ應ジマシテ金融機關ニ對シ軍需金融
機關ニ協力セシムル爲メ必要ナル命令
ヲスルコトガ出來ルコトニ致シタノデ
アリマス
第七ハ金融事務ノ簡素化ヲ圖リマス
爲メ、所要ナ點ニ於キマシテ外ノ法律
ノ規定ヲ排除シマシテ簡便ナル方法ヲ
執リ得ルコトニ致シタノデアリマス
第八ハ資金及ビ經理ニ關スル檢査ニ
當リマシテ、軍需金融機關等ノ職員ノ
技能ヲ活用シ得ルコトト致シタコトデ
アリマス、卽チ政府ハ必要アリト認メ
マス場合ニハ、日本銀行、軍需金融機
關等ノ職員ヲ政府ノ補助機關トシテ、
臨時資金調整法、軍需會社法、其ノ他
ノ法律ニ依ル資金又ハ經理ニ關スル檢
査ニ從事サセルコトガ出來ルコトト致
シタ次第デアリマス、左樣ナ場合ニ於
キマシテハ、此ノ金融機關ノ職員ノ罰
則ノ適用ニ關シマシテハ、官吏ト看做
スコトニシタノデゴザイマス
第九ニ於キマシテハ本法又ハ本法ニ
基イテ發シマスル命令、處分ノ效果ノ
確保上差支ヘアリト認メマス場合ニ
ハ、政府ハ金融機關ノ役員ヲ解任シ得
ルコトトシタノデアリマス、左樣ナ點
ガ此ノ軍需金融等特別措置法ニ大體規
定致シタコトデゴザイマス
其ノ次ニ臨時資金調整法中ノ改正法
律案ニ付テ御說明致シマス、改正ノ第
一點ハ興業債劵ノ發行限度ノ問題デ
アリマシテ、五十億圓ヨリ百億圓ニ增
加シタイト存ズルノデアリマス、現在
興業債劵ノ發行限度額ハ日本興業銀行
法ニ依ル發行限度額八億七千五百萬圓
及ビ本法ニ依ツテ發行致シマスル五十
億圓ヲ加ヘマシテ合計五十八億七千五
百萬圓デアリマスガ、最近ニ於キマス
ル日本興業銀行ノ資金ノ需要ハ益〓增
加致シテ居ルノデアリマシテ、同行ニ
於キマスル昨年中ノ貸付ハ三十六億九
千餘萬圓ニ上ツテ居ルノデアリマシテ、
是ガ所要ノ資金ヲ賄ヒマス爲ニ倍額ニ
擴張ヲ致シタイト思フノデアリマス
改正ノ第二點ハ日本勸業銀行ノ定期
預金及ビ公金預金以外ノ預リ金ニ關ス
ル限度ヲ撤廢スルコトデアリマス、日
本勸業銀行ノ此ノ種ノ預リ金總額ハ現
在日本勸業銀行法中ニ拂込資本金額及
ビ積立金總額ヲ超過スルコトヲ得ザル
旨ノ規定ガアルノデアリマスガ、左樣
ナ規定ハ同行ガ貯蓄ノ增强ニ邁進シツ
ツアリマスル此ノ際ニ於テ不適當デア
ルト存ズルノデアリマシテ、其ノ制限
ヲ緩和シタイト存ズルノデアリマス
改正ノ第三ハ、割增金附證劵ノ發行
ヲ技術的ニ容易ニ致シマスル爲ニ、商
法ノ社債ニ關スル規定ノ特例ヲ設ケン
トスルモノデアリマシテ、記載ノ事項
ヲ簡單ニ致サントスルモノデアリマス
改正ノ第四ハ、政府ハ資金ノ吸收ヲ
圖ル爲メ、必要アリマスル場合ニ於テ
ハ其ノ賣却代金ノ一部ヲ抽籤ヲ以テ返
還シ、元金ヲ返還シナイ證票ノ發賣ヲ
致サントスルモノデアリマス、從來政
府ハ國民貯蓄增强方策ノ一ツト致シマ
シテ、貯蓄債券、報國債券、福劵ノヤ
ウナ割增金附ノ證劵ノ發行ヲ實施致シ
テ來タノデアリマスガ、是等ノ制度ハ
總テ購買者ニ於キマシテ元金ノ返還ヲ
受クルモノデアリマシテ、專ラ利子ノ
範圍ニ於テノ割增金ヲ取得スルコトニ
ナツテ居ツタノデアリマスガ、今囘是
等ノ制度ヲ一步前進致シマシテ、元金
ヲ償還シナイ、卽チ富籖ニ該當スル所
ノ證劵ノ發賣ヲ實施スルコトノ出來ル
ヤウニ致シタノデアリマス
改正ノ第五ハ、國民貯蓄增强策ノ圓
滑ナ實施ヲ圖リタイト存ジマシテ、從
來色々國民貯蓄ノ割當ト云フコトハ問
題ニナツテ居ツタヤウデアリマシテ、
玆ニ都道府縣、市町村ニ官民ノ關係者
ヲ網羅スル所ノ國民貯蓄運營委員會ヲ
設ケマシテ、割當基準ノ策定等ノ仕事
ニ當ラシメタイト存ズルノデアリマス、
左樣ナモノヲ置キタイト存ジテ居ル次
第デアリマス
改正ノ第六點ハ、割增金附證劵、割
增金附預金、其ノ他貯蓄ノ割增金等ノ
支拂ヲ國債證劵其ノ他ノ有價證劵ヲ以
テ行ヒマスル場合ニ於テ、有價證劵ノ
稅卽チ有價證劵移轉稅ヲ免除シタイト
存ジテ居ルノデアリマス、是等ノ點ガ
此ノ臨時資金調整法中ノ改正法律案ノ
主ナル要點デアリマス
戰時金融金庫法中改正法律案ニ付テ
說明致シマス、昭和十七年、戰時金融
金庫ノ設立以來、同金庫ニ於キマシテ
生產擴充等ノ爲メ緊要ナ資金ノ供給ヲ
致シテ參ツタノデアリマスガ、其ノ資
金ガ多額ニ上ツテ參ツタノデアリマシ
テ、此ノ戰時金融金庫ノ債券發行ノ限
度ヲ、資本金ノ十倍カラ三十倍ニ引上
ゲヨウト致スノデアリマス、現在三億
圓ノ資本金デアリマスカラ、其ノ拂込
資本金額ノ十倍卽チ三十億圓ガ今日ノ
限度デゴザイマスガ、ソレヲ三十倍ニ
致スノデゴザイマスカラ、九十億圓ニ
擴張ヲ致サレル、斯樣ナコトニナツテ
參ル譯デゴザイマス、旣ニ現在戰時金
融債劵ヲ發行シテ居リマスノガ二十四
億八千萬圓デゴザイマシテ、旣ニ左樣
ナ發行ヲ致シテ居ルモノデゴザイマス
カラ、五億一千餘萬圓ヲ殘スノミニ相
成ツテ居リマシテ、來年度ノコトヲ考
ヘマシテ、斯クノ如ク擴張ヲ致シタイ
ト思ツテ居ル次第デアリマス
次ニ生命保險中央會法案ニ付テ御說
明ヲ致シマス、元來民營ノ生命保險會
社ノ約款ト致シマシテハ、戰爭其ノ他
ノ變亂ニ因ル所ノ死亡ニ關シマシテハ
保險金ヲ拂ハナイカ、又ハ特別保險料
ノ徵收或ハ保險金ヲ削減致シテ支拂フ
カ、何レカノ方法ニ依ツテ居タノデア
リマス、併シナガラ支那事變ガ始マリ
マシテ以來ト云フモノハ、舊來ノ約款
ノ如何ニ拘ラズ、生命保險株式會社ハ
戰爭ニ因ル死亡ニ對シテ、保險金ヲ完
全ニ拂フト云フ所ノ申合セヲ致シ、大
東亞戰爭勃發後モ引續イテソレヲ實行
致シテ今日ニ至ツタノデアリマス、特
ニ新規ノ契約ニ付キマシテハ昭和十八
年二月各會社ノ申合セニ基キマシテ約
款ヲ統一シテ、戰爭其ノ他ノ變亂ニ因
ル死亡ニ對シテモ、原則トシテ保險金
ヲ拂フト云フ所ノ責任ニ任ジテ今日ニ
及ンデ居ルノデアリマス、斯クノ如ク
生命保險株式會社ガ支那事變勃發以來
戰爭ニ因ル死亡ニ對シテ保險金ヲ支拂
ツテ來タノデアリマスガ、今後ニ於キ
マシテノ狀況ヲ考ヘレバ、保險金ノ拂
ヒト云フモノガ漸次增大ヲ致シテ來ル
ノデアリマシテ、此ノ儘推移ヲ致スノデ
アリマスレバ、保險會社ノ內容ガ漸次惡
ク相成ツテ來マス、場合ニ依ツテハ保
險金ヲ拂ヘナイト云フウヤナ事態ノ生ズ
ル虞レモアリマシテ、此ノ際政府ニ於
キマシテ、再保險ヲ致ス所ノ生命保險
中央會ト云フモノヲ設立致シマシテ、
大部分ノ出資ハ政府ニ於テ之ヲ受持チ
マシテ、サウシテ生命保險ノ再保險ヲ
シタイト存ジテ居ル次第デアリマス
次ニ損害保險中央會法案ニ付テ說明
致シタイト存ジマス、此ノ損害保險ハ
平時ニ起ルコトアルベキ危險ヲ保險ス
ル、卽チ普通ノ保險ト、戰爭ニ因ル所
ノ危險ヲ保險スル戰爭保險トアリマス
コトハ御承知ノ通リデアリマスガ、普
通ノ保險ニ付キマシテハ今次歐洲戰爭勃
發以來、我ガ國民間ノ保險會社ハ再保
險事業ニ關シマシテ外國會社トノ取引
ヲ失ヒマシタガ爲メ、各保險會社ノ申
合セニ依リマシテ再保險ヲ專門ト致シ
マスル東亞火災海上再保險會社ヲ組織
シマシテ、之ニ依ツテ陸上海上ノ普通
損害保險ノ再保險ヲシテ來タノデアリ
マス、併シナガラ保險價格ガ多クナツ
テ來マス場合ニ於テハ再保險機構ノ基
礎ニ影響スル虞モアルノデアリマスカ
ラ、同社ハ其ノ引受クル所ノ火災海上
兩保險ノ中一定額ヲ超過スル部分ヲ其
ノ都度國營再保險ニ付シテ居ツタノデ
アリマス、隨テ此ノ間元受ノ保險會社、
東亞火災海上再保險株式會社、政府三
者ノ間ニ屢〓、手續書面ノ重複ヲ生ジテ
居ルノデアリマス
次ニ戰爭保險ニ付キマシテハ歐洲戰
爭勃發ヲ機トシマシテ陸上、海上ノ諸
財產ガ戰爭ニ因ル所ノ危險ニ曝サレル
ニ至リマシタノデ、政府ニ於キマシテ
ハ昭和十五年損害保險國營再保險法ヲ
昭和十七年戰爭保險臨時措置法ヲ設ケ
マシテ、以テ戰爭事故ニ因ル所ノ陸上、
海上ノ物的財產ノ損害ヲ救濟シ來ツタ
ノデアリマスガ、更ニ大東亞戰爭勃發
ト共ニ、昨昭和十九年戰爭保險臨時措
置法ヲ戰時時殊損害保險法ニ改メマシ
テ、空襲等ノ戰爭事故ノ外、戰時中ニ
起ルコトアルベキ地震ノ被害等ニ付テ
モ物的戰力ヲ保護スルコトト相成ツテ
今日ニ及ンデ居リマスコトハ御承知ノ
通リデアリマス、併シナガラ是等損害
保險ノ制度ハ從來ノ機構ヲ以テシテハ
其ノ運營ニ於テ缺クル所アリ、且ツ其
ノ手續ノ重複致シテ居ル部分モ少カラ
ザルヲ認メマシテ、玆ニ損害保險中央
會ヲ設置致シマシテ、斯クノ如キ陸上、
海上ノ普通竝ニ戰爭事故ニ對スル保險
制度ノ運營ヲ全面的ニ損害保險中央會
ヲシテ扱ハシメ、以テ適切迅速ニ其ノ
運營ヲ圖ツテ行キタイト存ジテ居ル次
第デゴザイマス、大體法律案ノ御說明
ヲ致シタ次第デゴザイマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=2
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003・久山知之
○久山委員長 議案審査ニ付テ御諮リ
致シマス、大藏大臣ハ他ニ二ツノ委員
會ヲ御控ヘニナツテ居リマシテ、何レ
モ大臣ノ出席ヲ待チ兼ネテ居ルサウデ
アリマス、隨テ一應此ノ委員會カラ御
退席ニナルコトヲ要求サレテ居リマス、
洵ニ已ムヲ得ナイ次第ト考ヘマシテ委
員長ハ之ヲ承認致シマシタ、就キマシ
テハ此ノ儘審議ヲ進メテ參リマスカ、
或ハ審議ヲ後廻シニ致シマシテ、明日
ノ第二囘目ノ委員會ニ於テ質疑ヲ續行
スルコトニ致シマスカ、此ノ點ニ關シ
マシテ各位ノ御意見ノ御發表ヲ御願ヒ
致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=3
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004・星一
○星委員 大臣ガ御留守デモ質疑ヲ繼
續サレタ方ガ宜カラウト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=4
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005・宮崎一
○宮崎委員 是ハ重大ナ問題デスカラ、
大臣ガ居ラレナケレバ明日マデ延バシ
テ、十分御質問申上ゲタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=5
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006・星一
○星委員 質疑ヲ繼續シ、其ノ結果大
臣ノ出席ガ必要ナ時ニハ御出デヲ願フ
ト云フコトデ、斯ウ云フ時局デスカラ
質疑ヲ繼續サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=6
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007・一宮房治郎
○一宮委員 是ハ相當重要ナ法案デス
カラ、初メハ大臣ノ御說明ヲ願フコト
ガ多イト思ヒマス、ヤハリ一應大臣ノ
御都合ノツク時ニ質問ヲ進メ、又大臣
ノ御都合ガ惡ケレバ、其ノ時ハ續イテ
細目ニ入ルト云フコトニシマシテ、明
日御都合ノ好イ時マデ延バサレテハ如
何デスカ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=7
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008・久山知之
○久山委員長 ドウモ宮崎君ノ御意見
ニ御質成ノ方ガ多イヤウデゴザイマス
カラ、質疑ハ明日ニ延バスコトニ致シ
マス、此ノ際資料ノ要求、其ノ他御希
望ガアリマスレバ伺ヒタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=8
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009・松本治一郎
○松本(治)委員 資料ノ請求ヲ致シマ
ス
戰時金融金庫ヨリ軍需會社ニ融
資セラレタル資金額ノ產業別、會
社別一覽表竝ニ其ノ運用及ビ囘收
狀況
二、重要軍需會社ノ利益率一覽表
三、軍需會社ニ就業セル工員、徵用
工、學徒ノ人員比率及ビ賃金總額
中三者ノ占ムル比率
四、軍需會社ノ新工場建設費中、建
物建設費、土地購入費ノ占ムル割
合
五、主要軍需會社ノ固定資產ノ償却
狀況
是ダケ御願ヒ致シタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=9
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010・中原謹司
○中原委員 只今要求セラレマシタ以
外ニ、受命金融機關ノ數、其ノ主ナル
銀行及ビ金融會社名、ソレカラ勅令案
ノ骨子ガ分ツテ居ツタラ示シテ戴キタ
イト思ヒマス
ソレカラ次ニ生命保險中央會法案ノ
方デアリマスガ、旣往ノ生命保險契約
高、人員、及ビ其ノ金額、其ノ死亡率
及ビ再保險ニ依ル支拂高、損害保險ノ
方モ同樣デアリマス、以上、若シ分レ
バ御示シ願ヒタイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=10
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011・池本甚四郎
○池本委員 參考資料ノ點デアリマス
ガ、政府側ニ希望ヲ致シタイト思フノ
デアリマス、本委員會ニ審議セラレマ
スル法案デアリマスガ、是ハ今議會中
ノ最モ重要ナル法案デアリマスルノ
デ、只今要求セラレマシタ法案中ノ命
令要綱ノ如キハ無論デアリマスガ、其
ノ他ニ於キマシテモ審議上必要デアリ
マスル關係事項ノ資料ハ成ベク政府
ニ於キマシテ多ク且ツ早ク御提供ヲ願
ヒタイト思フノデアリマス、曾テノ例
ニ依リマスレバ豫算委員會ニ提出セラ
レル參考資料全部ヲ貰ヒタイト云フヤ
ウナ要求ヲサレテ居ル委員會モアツタ
ヤウデアリマス、私ハソコマデハ申シ
マセヌガ、左樣ナ意味ヲ以チマシテ、
政府ニ於キマシテハ、出來ルダケ多ク
ノ關係資料ヲ御提供願ヒタイト思ヒマ
ス、政府ノ方へ委員長カラ御傳ヘ願ヒ
タイト思ヒマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=11
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012・久山知之
○久山委員長 只今委員諸君カラ御希
望ニナリマシタ資料ハ、成ベク早ク
委員會ノ方へ御提出アランコトヲ政府
ニ要望致シマス、ソレカラ質疑デアリ
マスガ、質疑ノ御希望ノ方々ハ理事ノ
諸君マデ、御氏名ノ御通告アランコト
ヲ希望致シマス、次囘ノ委員會ハ明日
ノ午後一時ノ開會ニ一應決定致シテ置
キマス、尙ホ確定日時ハ公報ヲ以テ御
通知申上ゲマス、本日ハ之ヲ以チマシ
テ散會致シマス
午後一時五十二分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008610605X00219450124&spkNum=12
4. 会議録のPDFを表示
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