1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十年一月二十二日(月曜日)
午前十時三十九分開議
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議事日程 第三號
昭和二十年一月二十二日
午前十時開議
第一 昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第二 金資金特別會計法外五法律中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三 外資金庫法案(政府提出) 第一讀會
第四 軍需金融等特別措置法案(政府提出) 第一讀會
第五 臨時資金調整法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第六 戰時金融金庫法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第七 生命保險中央會法案(政府提出) 第一讀會
第八 損害保險中央會法案(政府堤出) 第一讀會
第九 所得税法外十六法律中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十 地方税法及地方分與税法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十一 船員保險法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十二 地方鐵道及軌道に於ける納付金等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
第十三 鐵道抵當法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十四 日本通運株式會社法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第十五 郵便法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一、昨二十一日小磯内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
文部次官 藤野惠
第八十六囘帝國議會文部省所管事務政府委員被仰付
厚生省部長 佐伯敏男
同 齋藤昇
軍事保護院援護局長 宮脇參三
第八十六囘帝國議會厚生省所管事務政府委員被仰付
軍需省部長 高嶺明達
同 山口喬
同 榎本隆一郎
同 北野重雄
同 赤間文三
軍需省航空兵器總局總務局長 酒卷宗孝
軍需省航空兵器總局第四局長 太田輝
第八十六囘帝國議會軍需省所管事務政府委員被仰付
司法書記官 辻朔郎
第八十六囘帝國議會司法省所管事務政府委員被仰付
一、昨二十一日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第七部選出豫算委員 箸本太吉君
一、去十二日第二部選出決算委員飯塚茂君死去せられたり
一、昨二十一日部長補闕選擧の結果左の如し
第二部
部長 山田六郎君(福井甚三君補闕)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開
キマス、日程第一乃至第三ハ便宜上一
括議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=1
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002・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第一、昭和二十年度
一般會計歳出ノ財源ニ充ツル等ノ爲ノ
公債發行ニ關スル法律案、日程第二、金
資金特別會計法外五法律中改正法律
案、日程第三、外資金庫法案、右三案ヲ
一括シテ第一讀會ヲ開キマス-石渡
大藏大臣
第昭和二十年度一般會計歳出
ノ財源ニ充ツル等ノ爲ノ公債發
行ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會
第二金資金特別會計法外五法律
中改正法律案(政府提出)
第一讀會
第三外資金庫法案(政府提出)
第一讀會
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關ス
ル法律案
第一條政府ハ昭和二十年度一般會
計歲出ノ財源ニ充ツル爲他ノ法律
ニ依リ起債シ得ル金額ノ外七十六
億六百七十萬圓ヲ限リ公債ヲ發行
シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
政府ハ昭和二十年度一般會計歲出
額ノ財源ニ年度ヘノ繰越豫算中翌
充ツル爲他ノ法律ニ依リ起債シ得
ル金額ノ外昭和二十一年度ニ於テ
公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコ
トヲ得但シ前項ノ規定ニ依ル公債
又ハ借入金ト通ジテ前項ノ制限額
ヲ超ユルコトヲ得ズ
前二項ノ規定ニ依ル公債ノ發行價
格差減額ヲ補塡スル爲必要アル場
合ニ於テハ前二項ノ制限額ヲ超エ
テ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲ス
コトヲ得
第二條昭和十五年法律第六十九號
中左ノ通改正ス
第一條中「同十九年度分」ヲ「同二
十年度分」ニ、「十二億七千四百七
十萬圓」ヲ「二一一一四四千萬圓」ニ改
ム
第三條昭和十八年法律第九十三號
中左ノ通改正ス
第一條朝鮮ニ於ケル左ニ揭グル
經費ノ財源ニ充ツル爲政府ハ四億
七千四百三十萬圓ヲ限リ公債ヲ
發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
食糧ノ生產、供出及配給ヲ
確保スル爲ノ補給金、奬勵金
及助成金
二石炭及化學肥料ノ價格ヲ調
整スル爲ノ補給金
三石炭、鐵鑛、鐵鋼、輕金屬
及非鐵金屬ノ增產ヲ促進スル
爲ノ報奬金
四鐵鋼及輕金屬ノ生產ノ際ニ
於ケル原料等ノ效率的使用ヲ
促進スル爲ノ報奬金
五企業ノ整備ニ要スル經費
第四條昭和十八年法律第九十四號
中左ノ通改正ス
第一條中「米穀ノ生產ヲ雁保スル
爲ノ補給金及」ヲ「米穀ノ生產及供
出ヲ確保スル爲ノ補給金及奬勵金
竝ニ」ニ、「六千九百八十萬圓」ヲ
「一億三千二百萬圓」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
金資金特別會計法外五法律中改正
法律案
第一條金資金時別會計法中左ノ通
改正ス
第三條第一項中「四億圓」ヲ「六億
五千萬圓」二段1,
第二條食糧管理特別會計法中左ノ
通改正ス
第四條ノ三中「二十八億圓」ヲ1
十八億圓」三六人
附則ニ左ノ五項ヲ加フ
會計法戰時特例ニ依リ一般會計ニ
屬スル米穀ノ生產ヲ確保スル爲
ノ補給金ヲ本會計ニ屬セシメタル
場合ニ於テハ當該補給金ハ一年內
ニ償還スベキ證券ヲ以テ其ノ額面
金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證券ハ無記名證劵トス
第三條第三項及第四條ノ規定ハ第
二項ノ證券ノ發行及割引ニ付、第
四條ノ二ノ規定ハ第二項ノ證劵
ノ借換(借換ノ爲爲シタル借入金
及借換ノ爲發行シタル證劵ノ借換
ヲ含ム)ニ付之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第三條第三項及
第四條ノ二ノ規定ニ依ル證劵及借入
金ノ額ハ通ジテ最高十四億圓トス
第五條ノ規定ハ前項ノ證劵及借入
金ニ關スル國債整理基金特別會計
ヘノ繰入ニ付之ヲ準用ス
第三條薪炭需給調節特別會計法中
左ノ通改正ス
第三條但書中「二千五百萬圓」ヲ
「八千萬圓」ニ改ム
第四條燃料局〓別會計法中左ノ通
改正ス
第二條第二項中「五千萬圓」ヲ「一
億五千萬圓」國
第三條第一項但書中「六千萬圓」ヲ
「一億二千萬圓」ニ改ム
第五條朝鮮食糧管理特別會計法中
左ノ通改正ス
附則第一項ノ次ニ左ノ五項ヲ加フ
會計法戰時特例ニ依リ朝鮮總督府
特別會計ニ屬スル食糧ノ生產ヲ確
保スル爲ノ補給金ヲ本會計ニ屬セ
シメタル場合ニ於テハ當該補給金
ハ一年內ニ償還スベキ證劵ヲ以テ
其ノ額面金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證券ハ無記名證劵トス
第三條第三項及第四條ノ規定ハ第
二項ノ證券ノ發行及割引ニ付、第
五條ノ規定ハ第二項ノ證劵ノ借換
(借換ノ爲爲シタル借入金及借換
ノ爲發行シタル證券ノ借換ヲ含ム)
ニ付之ヲ準用ス
前項ニ於テ準用スル第三條第三項及
第五條ノ規定ニ依ル證劵及借入金ノ
額ハ通ジテ最高三億五千萬圓トス
第七條ノ規定ハ前項ノ證劵及借入
金ニ關スル國債整理基金特別會計
ヘノ繰入ニ付之ヲ準用ス
第六條臨時軍事費特別會計法中左
ノ通改正ス
第四條ヲ第五條トシ第三條ヲ第四
條トス
第三條外國ニ於テ支拂ヲ爲ス臨
時軍事費支辨ノ爲ノ借入金ノ利
子ハ之ヲ臨時軍事費ト看做シ本
會計ノ所屬トス
前項ノ借入金ノ利子ニ付テハ國
債整理基金特別會計法第二條第
一項ノ規定ヲ適用セズ
附則
本法ハ昭和二十年度ヨリ之ヲ施行ス
但シ第三條、第四條及第六條ノ規定
ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
外資金庫法案
外資金庫法
第一章總則
第一條外資金庫ハ大東亞戰爭ニ際
シ國家ノ政策ニ卽シ在外資金ノ調
達運用ヲ爲スコトヲ目的トス
外資金庫ハ法人トス
第二條外資金庫ハ主タル事務所ヲ
東京都ニ置ク
外資金庫ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
銀行其ノ他命令ヲ以テ定ムル法人
ヲシテ業務ノ一部ヲ取扱ハシムル
コトヲ得
第三條外資金庫ノ資本金ハ五千萬
圓トス
第四條政府ハ五千萬圓ヲ外資金庫
ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ
之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證
劵ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大
藏大臣之ヲ定ム
第五條出資ノ第一囘ノ拂込金額ハ
出資金額ノ五分ノ一ヲ下ラザル額
トシ第二囘以後ノ出資ノ拂込ノ時
期及金額ハ外資金庫主務大臣ノ認
可ヲ受ケテ之ヲ定ム
第六條外資金庫ハ定款ヲ以テ左ノ
事項ヲ規定スベシ
目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四資本金額及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七經理ニ關スル事項
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第七條外資金庫ハ勅令ノ定ムル所
ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項
ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第
三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第八條外資金庫ニハ所得稅、法人
稅及營業稅ヲ課セズ
都道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ外資金庫ノ事業ニ對シ
テハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第九條外資金庫ニ付解散ヲ必要ト
スル事由發生シタル場合ニ於テ其
ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ
之ヲ定ム
第二章職員
第十條外資金庫ニ役員トシテ理事
長一人、理事三人以上及監事二人
以上ヲ置ク
第十一條理事長ハ外資金庫ヲ代表
シ其ノ業務ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ外資
金庫ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ外
資金庫ノ業務ヲ掌理シ理事長事故
アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事
長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ外資金庫ノ業務ヲ監査ス
第十二條理事長、理事及監事ハ主
務大臣之ヲ命ズ
理事長、理事及監事ノ任期ハ二年
トス
第十三條外資金庫ノ職員ハ之ヲ法
令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看
做ス
第二條第二項ノ場合ニ於テ當該業
務ニ從事スル銀行其ノ他命令ヲ以
テ定ムル法人ノ職員ニ付亦前項ニ
同ジ
第三章業務
第十四條外資金庫ハ左ノ業務ヲ行
フ
-主務大臣ノ定ムル貸付及預リ
金
二主務大臣ノ定ムル價格調整ニ
關スル業務
三前二號ノ業務ニ附帶スル業務
第十五條外資金庫ハ主務大臣ノ認
可ヲ受ケ前條ノ業務ノ外外資金庫
ノ目的達成上必要ナル業務ヲ行フ
コトヲ得
第四章經理
第十六條外資金庫ハ勅令ヲ以テ定
ムル時期迄ノ每期間ヲ以テ一事業
年度トス
第十七條外資金庫ハ設立ノ時及每
事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸
借對照表及損益計算書ヲ作成シ主
務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第十八條外資金庫ハ命令ヲ以テ定
ムル期間ノ初ニ於テ事業計畫及收
支豫算ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受
クベシ之ニ重大ナル紗更ヲ加ヘン
トスルトキ亦同ジ
第十九條外資金庫ハ剰餘金ヲ政府
ニ納付スベシ
第二十條政府ハ外資金庫ニ對シ其
ノ業務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補
償ス
前項ノ損失ヲ決定スル基準其ノ他
損失補償ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第五章監督
第二十一條外資金庫ハ主務大臣之
ヲ監督ス
第二十二條主務大臣ハ外資金庫ノ
目的達成上必要アリト認ムルトキ
ハ外資金庫ニ對シ必要ナル業務ノ
施行ヲ命ジ又ハ定款ノ變更其ノ他
必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十三條外資金庫ハ業務開始ノ
際業務ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ認
可ヲ受クベシ之ニ重大ナル變更ヲ
加ヘントスルトキ亦同ジ
第二十四條主務大臣ハ外資金庫ニ
對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報〓
ヲ爲サシメ、當該官吏ヲシテ檢査
ヲ爲サシメ其ノ他醫督上必要ナル
ハ命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ
得
第二十五條外資金庫ノ役員ガ法
令、宗款若ハ主務大臣ノ命令若ハ
處分ニ違反シ若ハ公益ヲ害スル行爲
ヲ爲シタルトキ又ハ外資金庫ノ目的
達成上必要アリト認ムルトキハ主
務大臣ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第六章罰則
第二十六條當該官吏若ハ第十三條
ニ規定スル〓員又ハ此等ノ職ニ在
リタル者外資金庫ノ業私上ノ祕密
ニシテ職務上知得タルモノヲ漏泄
シ又ハ竊用シタルトキハ五年以下
ノ懲役ニ處ス
第二十七條外資金庫ガ本法若ハ本
法ニ基キテ發スル命〓又ハ之ニ基
キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ理
事長又ハ事理長ノ職務ヲ行ヒ若ハ
代理スル理事ヲ千圓以下ノ過料ニ處
ス理事ノ掌理スル業務ニ係ルトキ
ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
附則
第二十八條本法施行ノ期日ハ勅令
ヲ以テ之ヲ定ム
第二十九條政府ハ設立委員ヲ命ジ
外資金庫ノ設立ニ關スル事務ヲ處
理セシム
第三十條設立委員ハ定款ヲ作成シ
主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委
員ハ遲滯ナク出資ノ第一囘ノ搆込
ヲ政府ニ禀請スベシ
第三十一條出資ノ第一囘ノ拂込ア
リタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク
其ノ事務ヲ外資金庫理事長ニ引渡
スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタ
ルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ
於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
外資金庫ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因
リテ成立ス
第三十二條本法ニ規定スルモノヲ
除クノ外外資金庫ノ設立ニ關シ必
要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十三條登錄稅法中左ノ通改正
ス
第十九條第七號中「南方開發金
庫、」ノ下ニ「外資金庫、」ヲ、「南方
開發金庫法、」ノ下ニ「外資金庫法、」
ヲ、同條第十八號中「南方開發金
庫、」ノ下ニ「外資金庫、」ヲ加フ
第三十四條印紙稅法中左ノ通改正
ス
第五條第六號ノ二ノ二ノ次ニ左ノ
一號ヲ加フ
六ノ二ノ三外資金庫ノ業務ニ
關スル證書帳簿
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=2
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003・國務大臣(石渡莊太郞君)
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題
トナリマシタ昭和二十年度一般會計歲
出ノ財源ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ
關スル法律案外二件ノ法律案ニ付キ提
案ノ理由ヲ說明致シマス
先ヅ昭和二十年度一般會計歲出ノ財
源ニ充ツル等ノ悸公債發行ニ關スル
法律案ニ付テ說明致シマス、第一ハ昭
和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツ
ル爲ノ公債發行デアリマスガ、昭和二
十年度歲入歳出總豫算案ニ計上セル歲
出ノ財源ト致シマシテハ、現行ノ道路
公債法ニ依ル公債ヲ發行致シマスル外、
歲入ノ不足ヲ補塡スル爲メ、七十六億
六百七十萬圓ヲ限リ公債ノ發行ヲ要ス
ルノデアリマス、是ガ爲ニハ新タニ起
債ノ權能ヲ得ルコトガ必要デアリマス
ノデ、所要ノ規定ヲ設ケントスルモノ
デアリマス、第二ハ、大東亞戰爭ニ關
スル一時賜金トシテ交付スル爲ノ公債
發行デアリマス、大東亞戰爭ニ關シ功
勞アリタル陸海軍軍人等ニシテ死歿シ
タル者ニ對シ、一時賜金トシテ交付ス
ル爲ノ公債ノ發行限度額ヲ八億六千五
百三十萬圓增加スルノ必要ガアリマス
ノチ、所要ノ法的措置ヲ講ゼントスル
モノデアリマス、第三ハ、從來朝鮮ニ
於キマシテハ、米穀生產確保補給金、
石炭價格調整補給金、企業整備ニ要ス
ル經費等ノ財源ニ充ツル爲メ、公債ヲ
發行スルコトヲ得ルコトトナツテ居ツ
タノデアリマスガ、今囘公債財源ヲ以
テ支辨シ得ル經費ノ範圍ニ、食糧ノ供
出確保獎勵金、石炭、鐵鋼等ノ所謂時
別僧格報獎金等ヲ加ヘマスルト共ニ、
公債ノ發行限度額ヲ一億六千三百五十
萬圓增加スルノ必要ガアリマスノデ
所要ノ法的措置ヲ講ゼントスルモノデ
アリマス、第四ハ、從來臺灣ニ於キマ
シテハ、米穀生產確保補給金及ビ金業
第ニ要スル經費ノ財源ニ充ツル爲メ、
公10伎ヲ發行シ得ルコトトナツテ居ツタ
ノデアリマスガ、今囘公債財源ヲ以テ
支辨シ得ル經費ノ節圍ニ、米穀ノ供出
確保奬勵金ヲ加ヘ、公債ノ發行限度額ヲ
六千二百二十萬圓增加スルノ必要ガア
リマスノデ、所要ノ法的措置ヲ講ゼン
トスルモノデアリマス
次ニ金資金時別會計法外五法律中改
正法律案ニ付キ說明致シマス、先ヅ第一
ハ金資金特別會計涉巾改正デアリマス
ガ、產金事業ノ整備ノ進捗ニ伴ヒマシ
テ、金資金ノ現行使用限度額ヲ二億五
千萬圓增加スルノ必要ガアリマスノデ、
所要ノ改正ヲ行ハントスルモノデアリ
マス、第二ハ、食糧管理特別會計法中
ノ改正デアリマス、同特別會計ノ圓滑
ナル運營ヲ圖ル爲メ、食糧讃劵ノ最高
發行限度額ヲ十億圓增加スルノ必要ガ
アリマスル外、會計事務ノ簡捷ヲ圖ル
爲メ、米穀生產確保補給金ヲ從來一般
會計ニ於テ負擔シテ居ツタノデアリマ
スガ、本會計ニ之ヲ移シマシテ、食糧
證券ヲ以テ交付スルコトト致スコトヲ
適當ト認メマシテ、所要ノ改正ヲ行ハ
ントスルモノデアリマス、第三ハ、新
炭需給調節特別會計法中ノ改正デアリ
そうく、同特別會計ノ支拂ニ支障ナカラ
シムル爲メ、其ノ借入金ノ限度額ヲ五
千五百萬圓增加スルノ必要ガアリマス
ノデ、所要ノ改正ヲ行ハントスルモノ
デアリマス、第四ハ、燃料局特別會計
法中ノ改正デアリマスガ、同時別會計
ノ事業量ノ增大ニ伴ヒマシテ、其ノ据
置運轉資本ノ法定額ヲ一億圓增加スル
ノ必要ガアリマスト、益金納付等ノ爲
メ同特別會計ニ於テ一時的ニ必要ナ現
金ヲ充實スル爲メ、借入金ヲ以テ其ノ
据置運轉資本ヲ一時補足シ得ル限度額
ヲ六千萬圓增加致スルノ必要ガアリマ
スノデ、所要ノ改正ヲ行ハントスルモ
ノデアリマス」第五ハ、朝鮮〓糧管理〓
特別會計法中ノ改正デアリマス、食糧
管理特別會計ニ於ケルト同樣ノ趣旨ニ
於キマシテ、食糧生產確保補給金ヲ
朝鮮食糧證劵ヲ以テ交付スルコトト致
スノヲ適當ト認メマシテ、所要ノ改正
ヲ行ハントスルモノデアリマス、第六
ハ臨時軍事費特別會計法中ノ改正デ
アリマス、外國ニ於キマシテ支拂ヲ致
シマス臨時軍事費支辨ノ爲メ借入レマ
シタ借入金ノ利子ハ、其ノ財源調達ノ
便宜上、之ヲ臨時軍事費特別會計ノ所
屬ト致スラ適當ト認メマシテ、所要ノ
改正ヲ行ハントスルモノデアリマス
次ニ外資金庫法案ニ付テ說明致シマ
ス、大東亜戰爭完遂ノ爲ニハ大東亞各
地域ノ豐富ナル經濟力ヲ、圓滑且ツ迅
速ニ戰力化致シマスコトガ必要デアル
コトハ申スマデモナイ所デアリマス、
之ニ要スル資金ノ調達ニ付キマシテハ
政府ハ現在南方開發金庫其ノ他關係金
融機關ヲ通ジテ行ツテ居ルノデアリマ
スガ、此ノ際資金調達方式ヲ整備シ、
資金ノ一元的調達ヲ圖リマスルト共ニ、
今後ノ經濟情勢ノ推移ニ卽應致シマシ
テ、財政ト金融トノ圓滑ナル連絡調整
ヲ期シ得ルヤウ措置スル必要ガアルノ
デアリマス、政府ハ此ノ點ニ鑑ミマシ
テ、新タニ特別ノ法人ヲ設ケ、國家ノ
政策ニ卽シテ在外資金ノ調達及ビ運用
ヲナサシメ、以テ右ノ目的達成ニ潰憾
ナカラシムルコトヲ期センガ爲メ、玆
ニ本法案ヲ提出シタ次第デアリマス
以上三件ノ法律案ニ付キマシテハ、
何卒十分御審議ノ上御協贊アランコト
ヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=3
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004・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=4
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005・小泉純也君
○小泉純也君 日程第一乃至第三ノ三
案ヲ一括シテ、議長指名十八名ノ委員
ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=5
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006・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=6
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007・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第四乃至第八ハ便宜上一括議題ト
ナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=7
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008・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第四、軍需金融等特
別措置法案、日程第五、臨時資金調整
法中改正法律案、日程第六、戰時金融
金庫法中改正法律案、日程第七、生命
保險中央會法案、日程第八、損害保險
中央會法案、右五案ヲ一括シテ第一讀
會ヲ開キマス-石渡大藏大臣
マ〓〓
第四軍需金融等特別措置法案
(政府提出)第一讀會
第五臨時資金調整法中改正法律
案(政府提出)第一讀會
第·六戰時金融金庫法中改正法律
案(政府提出)第一讀會
第七生命保險中央會法案(政府
提出)第一讀會
第八損害保險中央會法案(政府
提出)第一讀會
軍需金融等特別措置法案
軍需金融等特別措置法
第一條本法ハ軍需金融其ノ他ノ金
融ノ圓滑適正ヲ圖ルト共ニ資金ノ效
率的使用ヲ促進スルコトヲ目的トス
第二條政府ハ命令ノ定ムル所ニ
依リ金融機關ニシテ軍需會社其ノ
他命令ヲ以テ定ムル者(以下事業
者ト稱ス)ニ對スル資金ノ融通ヲ
爲スベキモノ(以下軍需金融機關
ト稱ス)ヲ各事業者ニ付指定スル
コトヲ得
金融機關ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ
定ム
第三條前條第一項ノ指定アリタル
トキハ軍需金融機關以外ノ金融機
關ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外事業者ニ對シ資金ノ融通ヲ爲
スコトヲ得ズ軍需金融機關其ノ資
金ノ融通ヲ爲スベキ事業者(以下
擔當事業者ト稱ス)以外ノ事業者ニ
對シ亦同ジ
第四條軍需金融機關ハ擔當事業者
ニ對シ常該事業者ノ事業ノ適實ナ
ル遂行ニ必要ナル資金ヲ簡易適時
ニ且當該事業者ノ資金ノ使用ヲ效
率的ナラシムル配意ノ下ニ融通ス
ベシ
第五條軍需金融機關ハ擔當事業者
ヨリ資金ノ融通ノ申込ヲ受ケタル
場合ニ於テ之ニ應ジ難シト認ムル
トキハ遲滯ナク其ノ理由ヲ具シ政
府ニ其ノ旨ヲ申出ヅベシ
前項ノ申出アリタル場合ニ於テハ
政府ハ當該資金ニ關シ必要ナル措
置ヲ講ズベシ
第六條政府ハ軍需金融機關ニ對シ
擔當事業者ニ對スル資金ノ融通ニ
付其ノ限度ヲ指定スルコトヲ得
前項ノ指定ヲ受ケタル軍需金融陽
關ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除ク
ノ外携當事業者ニ對シ其ノ指定ヲ
受ケタル限度ヲ超エテ資金ノ融通
ヲ爲スコトヲ得ズ
第七條軍需金融機關ハ其ノ職員ノ
中ヨリ各擔當事業者ニ付軍需金融
擔當者ヲ選任スベシ軍需金融擔當
者ハ常時當該軍需金融磯閥ト擔當
事業者トノ間ノ連絡ニ四リ當該事
業者ノ事業ノ適實ナル送行ニ必要
ナル資金ノ調達ニ支障ナカラシム
ルト共ニ其ノ資金ノ效率的使用ノ
促進ニ努ムベシ
第八條軍需金融機関ノ職員ニシテ
事業者ニ對スル資金ノ融通ニ關ス
ル事務ニ從事スルモノハ之ヲ法令
ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
第九條軍需金融機關ハ擔當事業者
ヨリ委託ヲ受ケタルトキハ命令ノ
定ムル所ニ依リ當該事業者ノ爲賣
買代金、前受金、前渡金其ノ他之
ニ進ズベキモノノ受拂ニ關スル事
務ヲ取扱フベシ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ事
業者ニ對シ前項ノ事務ヲ其ノ資金
ノ融通ヲ受クベキ軍需金融機關ニ
委託スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十條政府ハ必要アリト認ムルト
キハ軍需金融機關ニ對シ擔當事
業者ニ對スル資金ノ融通、事業者
ヨリノ預金、貯金若ハ金錢信託ノ
受入又ハ前條第一項ノ事務ニ付利
率、期限、手數料其ノ他ノ條件ニ關
シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十一條政府ハ必要アリト認ムル
トキハ軍需金融機關ニ對シ營業所
ノ設置若ハ廢止、定款ノ變更其ノ
他必要ナル事項ヲ命ジ又ハ政府ノ
指定スル營業所ニ於ケル業務ノ執
行ヲ制限スルコトヲ得
第十二條政府ハ必要アリト認ムル
トキハ軍需金融機關ニ對シ勅令ノ
定ムル所ニ依リ擔當事業者ニ對ス
ル資金ノ融通ニ因ル收入金ノ一部ヲ
積立ツベキコトヲ命ズルコトヲ得
政府ハ必要アリト認ムルトキハ前
項ノ積立金ノ運用又ハ使用ニ關シ
必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
軍需金融機關ハ勅令ヲ以テ定ムル
目的ノ爲政府ノ許可ヲ受ケタル場
合ヲ除クノ外第一項ノ積立金ヲ使
用スルコトヲ得ズ但シ前項ノ命令
アリタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
政府ハ大東亞戰爭終了後別ニ決律
ノ定ムル所ニ依リ第一項ノ積立金
ノ一部ヲ政府ニ納付スベキコトヲ
命ズルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ積立ツル金額
ニ關シテハ法人稅法ニ依ル所得、
營業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅
法ニ依ル利益ノ計算ニ付勅令ヲ以
テ特例ヲ設クルコトヲ得
第十三條政府ハ必要アリト認ムル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ金融
機關ニ對シ專業者ヨリノ預金、貯
金又ハ金錢信託ノ受入ヲ制限又ハ
禁止スルコトヲ得
第十四條政府ハ必要アリト認ムル
トキハ金融機關ニ對シ軍需金融機
關ノ業務ニ協力セシムル爲必要ナ
ル命令ヲ爲スコトヲ得
第十五條軍需金融機關ニ對シ擔常
事業者ガ設定スル工場財團其ノ他
ノ財團ノ抵當權ニ付財團目錄ヲ調
整スル場合ニ於テハ其ノ財團ヲ組
成スベキ機械、器具、電柱、電線其
ノ他ノ物件ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ
之ヲ一括シテ表示スルヲ以テ足ル
民法第百九十二條乃至第百九十四
條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ同項
ノ財團目錄ニ一括表示セラレタル
物件ガ第三者ニ引渡サレタル場合
ニ之ヲ進用ス
第十六條勅令ヲ以テ定ムル金融機
關ガ其ノ營業ノ全部若ハ一部ノ讓
渡又ハ勅令ヲ以テ定ムル他ノ金融
機關ノ營業ノ全部若ハ一部ノ讓受
ノ決議ヲ爲シタルトキハ其ノ決議
ノ日ヨリ二週間內ニ決議ノ要旨及
營業ノ讓渡又ハ讓受ニ異議アル債
權者ハ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベ
キ旨ヲ公〓スルコトヲ得但シ預金
者其ノ他勅令ヲ以テ定ムル債權者
以外ノ知レタル債權者ニハ各別ニ
之ヲ催告スルコトヲ要ス
前項ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
債權夫ガ第一項ノ期間內ニ異議ヲ
述ベザリシトキハ營業ノ讓渡又ハ
讓受ヲ承認シタルモノト看做ス
債權者ガ第一項ノ期間內ニ異議ヲ
述ベタルトキハ營業ノ讓渡又ハ讓
受ヲ爲サントスル同項ノ金融機關
ハ辨濟ヲ爲シ若ハ相當ノ擔保ヲ供
シ又ハ債權者ニ辨濟ヲ受ケシムル
コトヲ目的トシテ信託業務ヲ營ム
銀行若ハ信託會社ニ相田ノ財產ヲ
信託スルコトヲ要ス
第一項ノ公告アリタルトキハ營業
ノ讓渡ヲ爲シタル金融機關ノ預金
者及同項ノ勅令ヲ以テ定ムル債權
者ニ對シ民法第四百六十七條ノ規
定ニ依ル確定日附アル證書ヲ以テ
スル通知アリタルモノト看做ス此
ノ場合ニ於テハ其ノ公告ノ日附ヲ
以テ確定日附トス
第十七條勅令ヲ以テ定ムル金融機
關ハ預金契約其ノ他ノ多數人ヲ相
手方トスル定型的契約ニ付約款ノ
變更ヲ爲サントスルトキハ政府ノ
認可ヲ受ケ當該變更、ニ異議アル相
手方ハ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベ
キ旨ヲ公告スルコトヲ得但シ其ノ
期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
相手方ガ前項ノ期間內ニ異議ヲ述
ベザリシトキハ契約ノ變更ヲ承諾
シタルモノト看做ス
第十八條勅令ヲ以テ定ムル金融機
關ハ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ
社債其ノ他ノ債劵ノ償還ニ付勅令
ノ定ムル所ニ依リ原契約ニ拘ラズ
拍籤ノ方法ニ依ラザルコトヲ得
前項ノ規定ハ勅令ヲ以テ定ムル金
融機關ガ擔保附社債信託法第二十
三條又ハ第二十八條(第三十條第
一項ニ於テ進用スル場合ヲ含ム)
ノ規定ニ依リ社債ノ償還ヲ爲ス權
限ヲ有スル場合ニ於ケル社債ノ憤
還ニ之ヲ作用ス
第十九條勅令ヲ以テ定ムル金融機
關ノ株主總會ノ招集及決議ニ關シ
テハ他ノ法律ノ規定ニ拘ラズ勅令
ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十條勅令ヲ以テ定ムル金融機
關ニ關シ必要アルトキハ業務ノ制
限取締等ニ關スル法律ノ規定ニ
付勅令ヲ以テ其ノ適用ヲ排除シ又
ハ特例ヲ設クルコトヲ得
第二十一條政府ハ命令ノ定ムル所
ニ依リ事業者ニ對シ資金ノ調達方
法ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコト
ヲ得
第二十二條政府ハ必要アリト認ム
ルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ日
本銀行、軍需金融機關又ハ金融統
制團體令ニ依ル團體ノ職員ヲシテ
臨時資金調整法、軍需會社法其ノ
他ノ法律ニ依ル資金又ハ經理ニ關
スル檢査ニ關スル事務ニ從事セシ
ムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ同項ノ檢査ニ
關スル職權ニ係ル罰則ノ適用ニ付
テハ同項ノ職員ハ之ヲ同項ノ事務
ニ從事スル官吏ト看做ス
第二十三條政府ハ必要アリト認ム
ルトキハ第一一條第一項ノ規定ニ依
ル軍需金融機關ノ指定ヲ取消スコ
トヲ得
第二十四條政府ハ本法又ハ本法ニ
基キテ爲ス命令若ハ處分ノ效果ノ
確保上支障アリト認ムルトキハ金
融機關ノ取締役、監査役其ノ他ノ
役員ヲ解任スルコトヲ得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
貯蓄銀行法中左ノ通改正ス
第十五條削除
臨時資金調整法中改正法律案
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第六條第一項中「五十億圓」ヲ「百億
圓」ニ改ム
第七條ノ三日本勸業銀行法第
一條ノ四但書ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第十條ノ五第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ
加フ
第一項ニ規定スル債劵ガ社債ナル
場合ニ於テハ商法第三百六條第一
項ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段
ノ定ヲ爲スコトヲ得
第十條ノ六中「前條第一項ニ規定ス
ル證券」ノ下ニ「竝ニ第十條ノ十二第
一項ニ規定スル證票」ヲ加フ
第十條ノ十二政府ハ資金ノ吸收ヲ
圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ命令ノ完ムル
法人ヲシテ賣得金ノ中ヨリ抽籤ヲ
以テ購買者ニ営養金ヲ交付スルコ
トヲ得ル證票ヲ發賣セシムルコト
ヲ得
前項ニ規定スル講票ヲ一(賣スル法
人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ
賣得金ヨリ前項ノ営籤金及命令ノ
定ムル經費ヲ控除シタル殘額ニ相
當スル金額ヲ政府ニ納付スベシ
第一項ニ規定スル證票ヲ發賣スル
法人ガ法人稅法、營業稅法及臨時
利得稅法ニ依リ法人稅、營業說及
臨時利得稅ヲ課セラルベキモノナ
ルトキハ法人稅法ニ依ル所得、營
業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法
ニ依ル利益ノ計算ニ付テハ第一項
ノ賣得金ハ當該法人ノ總益金ヨリ、
第一項ノ當錢金竝ニ前項ノ經費及
納付金ハ常該法人ノ總損金ヨリ之
ヲ控除ス
第一項ノ常籤金ノ債權ハ一年間之
ヲ行ハザルトキハ時效ニ因リテ消
減ス
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命
令ノ定ムル所ニ依リ第一項ニ規定
スル證票ニ關シ之ヲ發賣スル法人
ヨリ報〓ヲ徵シ又ハ帳簿其ノ他ノ
檢査ヲ爲スコトヲ得
第一項ニ規定スル證票ニ關シ
重要ナル事項ヲ調査審議スル爲
資金吸收特別方策委員會ヲ置
ク
資金吸收特別方簽委員會ニ關スル
規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條ノ十三國民貯蓄滑强施策ノ
圓滑ナル運營ヲ同ル爲都江府縣及
市町村ニ國民貯蓄運營委員會ヲ置
クコトヲ得
國民貯蓄運營委員會ニ關スル規程
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條ノ五中「及第十條ノ五第一
項ニ規定スル證券ニハ」ヲ「、第十條ノ
五第一項ニ長定スル證券及第十條ノ
十二第一項ニ規定スル證票ニハ」ニ
改ム
第十四條ノ六左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所
ニ依リ有價證劵移轉裕ヲ課セズ
第十條ノ三ノ規定ニ基ク貯蓄
ニ關シ國債證劵其ノ他ノ有價證
劵ノ移轉アリタルトキ
二第十條ノ五第一項、第十條ノ
七、第十四條第二項又ハ第十四
條ノ三第二項ノ割增金ノ支拂ニ
關シ國債證券其ノ他ノ有價證劵
ノ移轉アリタルトキ
三第十條ノ十二第一項ノ當籤金
ノ支拂ニ關シ國債證券其ノ他ノ
有價證劵ノ移轉アリタルトキ
第十八條第五號及第十八條ノ二中
「第十六條」ノ上ニ「第十條ノ十二第
五項又ハ」ヲ加フ
附則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ
以テ之ヲ定ム
戰時金融金庫注中改正法律案
戰時金融金庫法中左ノ道改正ス
第二十條中「十倍」ヲ「三十倍」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
生命保險中央會法案
生命保險中央會法
第一章總則
第一條生命保險中央會ハ生命保險
制度ノ適切ナル運營ニ資スルコト
ヲ目的トス
生命保險中央會ハ法人トス
第二條生命保險中央會ハ主タル事
務所ヲ東京都ニ置ク
生命保險中央會ハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ
設置スルコトヲ得
第三條生命保險中央會ハ保險會社
其ノ他主務大臣ノ指守スル考ヲシテ
業務ノ一部ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第四條生命保險中央會ノ基金ハ千
五百萬圓トシ之ヲ三十〓口ニ分チ
一口ノ出資金額ヲ五十圓トス
第五條政府ハ千四百五十萬圓ヲ生
命保險中央會ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證券ヲ交付シテ
之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證
劵ノ交付門格ハ時價ヲ參酌シテ大
藏大臣之ヲ定ム
第六條生命保險中央會ハ出資ニ對
シ基金證券ヲ發行ス
基金證券ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條出資者ハ定款ノ定ムル所ニ
依リ其ノ持分ヲ讓渡スコトヲ得
第八條生命保險中央會ハ定款ヲ以
テ左ノ事項ヲ規定スベシ
-目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四基金及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七經理ニ關スル事項
八公告ノ方法
定款ノ一更ハ主務大臣ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第九條生命保險中央會ハ勅令ノ定
ムル所ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項
ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第
三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十條生命保險中央會ニハ營業稅
ヲ課セズ
生命保險中央會ハ其ノ行フ信託業
務ニ付テハ租稅ニ關スル法令ノ適
用ニ關シ之ヲ信託會社ト看做ス
第十一條生命保険中央會ニ付解散
ヲ必要トスル事由發生シタル塲合
ニ於テ其ノ處置ニ關シテハ別ニ法
律ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條生命保險中央會ニ非ザル
者ハ生命保險中央會又ハ之ニ類似
スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十三條民法第四十四條、第五千
條第五十四條及第五十七條竝ニ
非訟事件手續法第三十五條第一項
ノ規定ハ生命保險中央會ニ之ヲ準
用ス
第二章役員
第十四條生命保險中央會ニ役員ト
シテ理事長副理事長各一人、理事
三人以上、監事二人以上及評議員
若干人ヲ置ク
第十五條理事長ハ生命保險中央會
ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ
生命保險中央會ヲ代表シ理事長ヲ
輔佐シテ生命保險中央會ノ業務ヲ
掌理シ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ
其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ生命
保險中央會ヲ代表シ理事長及副理
事長ヲ輔佐シテ生命保險中央會ノ
業務ヲ掌理シ理事長及副理事長共
ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理
シ理事長及副理事長共ニ缺員ノト
キハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ生命保險中央會ノ業務ヲ監
査ス
評議員ハ生命保險中央會ノ業務ニ
關スル重要事項ニ付理事長ノ諮問
ニ應ジ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ述
ブルコトヲ得
理事長ハ主務大臣ノ定ムル事項ニ
付テハ評議員ニ諮問スベシ
第十六條理事長、監事及評議員ハ
主務大臣之ヲ命ズ
副理專長及理事ハ理事長ノ推薦シ
タル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ
三年、監事及評議員ノ任期ハ一一年
トス
第十七條理事長、副理事長及理事
ハ定款ノ定ムル所ニ依リ從タル事
務所ノ業務ニ關シ一切ノ裁判上又
ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
ル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十八條理事長、副理事長及理事
ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルト
キハ此ノ限ニ在ラズ
第三章業務
第十九條生命保險中央會ハ左ノ業
務ヲ行フ
生命保險ニ於ケル戰爭危險
(戰爭其ノ他ノ變亂ニ因ル死亡ヲ
謂フ以下同ジ)ノ再保險ノ引受
二戰爭死亡傷害保險法ニ依ル保
險ノ引受
三標準下體生命保險ノ引受及
第一號ニ掲グルモノヲ除クノ外
標準下體生命保險ノ再保險ノ引
受
四第一號及前號ニ揭グルモノヲ
除クノ外生命保險ノ再保險ニ關
スル取引
五前各號ノ業務ニ附帶スル業務
前項第一號ノ再保險ノ引受ヲ爲ス
金額ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條生命保險中央會ハ信託業
法ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ
其ノ支拂フ保險金ニ付信託ノ引受
ヲ爲ス業務ヲ行フコトヲ得
信託業法第九條及第十條ノ規定ハ
生命保險中央會ガ前項ノ業務ヲ行
フ場合ニ之ヲ準用ス
第二十一條生命保險中央會ハ主務
大臣ノ認可ヲ受ケ前二條ノ業務ノ
外生命保險中央會ノ目的達成上必
要ナル業務ヲ行フコトヲ得
第二十二條生命保險中央會ハ主務
大臣ノ認可ヲ受ケ外國保險會社ニ
對シ出資ヲ爲シ又ハ外國保險會社
ト生命保險ノ再保險ニ關スル取引
ヲ爲スコトヲ得
第二十三條主務大臣ハ生命保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ生命保險中央會ニ對シ必
要ナル業務ノ施行ヲ命ズルコトヲ
得
第二十四條生命保險中央會ハ生命
保險會社ノ業務及財產ノ管理ヲ爲
シ又ハ生命保險會社ヨリ保險契約
ノ移轉ヲ受クルコトヲ得
業務及財產ノ管理竝ニ保險契約ノ
移轉ニ關スル保險業法ノ規定ハ其
ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外
前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
生命保險中央會ガ保險業法第五條
第一項但書ノ規定ニ依リ信託業務
ヲ營ム生命保險會社ヨリ保險契約
全部ノ移轉ヲ受ケタルトキハ生命
保險中央會ハ當該生命保險會社ノ
信託ニ關スル權利義務ヲ承繼ス
信託業法第十六條第二項ノ規定ハ
前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十五條主務大臣ハ生命保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ保險會社ニ對シ生命保險
中央會ノ業務ノ一部ヲ取扱ハシメ
其ノ他生命保險中央會ノ業務ニ協
力セシムル爲必要ナル命令ヲ爲ス
コトヲ得
第二十六條保險會社ハ生命保險契
約ニ別段ノ定アルトキト雖モ命今
ヲ以テ定ムル金額ニ付テハ戰爭危
險ニ因ル保險金ノ支拽ノ責ヲ免ル
ルコトヲ得ズ
侯險會社ハ其ノ引受ケタル生命保
險ニ於ケル戰爭危險ヲ命令ノ定ム
ル所ニ依リ生命保險中央會ノ再保
險ニ付スベシ
第四章經理
第二十七條生命保險中央會ノ事業
年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十八條生命保險中央會ハ主務
大臣ノ定ムル所ニ依リ戰爭危險ノ
保險ニ關スル業務ニ基ク收支ト其
ノ他ノ收支トヲ區分經理スベシ
前項ノ戰爭危險ノ保險ニ關スル業
務ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十九條生命保險中央會ハ主務
大臣ノ定ムル所ニ依リ設立ノ時及
每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、
貸借對照表及損益計算書ヲ作成シ
主務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第三十條生命保險中央會戰爭危險
ノ保險ニ關スル業務以外ノ業務ニ
因リテ得タル剩餘金ノ處分ヲ爲サ
ントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ
受クベシ
第三十一條生命保險中央會ハ主務
大臣ノ定ムル所ニ依リ戰爭危險ノ
保險ニ關スル業務以外ノ業務ニ因
リテ得タル剩餘金中ヨリ準備金ノ
積立ヲ爲スベシ
第三十二條生命保險中央會ハ每事
業年度ニ於ケル配當シ得ベキ剩餘
金額ガ政府以外ノ出資者ノ拂込出
資金額ニ對シ年百分ノ五ノ割合ヲ
超過セザルトキハ政府ノ出資ニ對
シ剩餘金ノ配當ヲ爲スコトヲ要セ
ズ
〓命保險中央會ハ每事業年度ニ於
ケル配當シ得ベキ剩餘金額ガ拂込
出資金額ニ對シ年百分ノ五ノ割合
ニ達セザル場合ニ於テ政府以外ノ
出資者ノ拂込出資金額ニ對シ年百
分ノ五ノ割合ヲ超過スルトキハ其
7超過金額ヲ政府ニ配當スベシ
第三十三條生命保險中央會ハ戰爭
危險ノ保險ニ關スル業務ニ因リテ
得タル剩餘金ヲ特別ノ準備金トシ
テ積立ツベシ
前項ノ準備金ハ之ヲ戰爭危險ノ保
險ニ關スル業務ニ因リテ受ケタル
損失ノ塡補ニ充ツベシ
前項ノ規定ニ依ル損失ノ塡補ニ充
ツルモ仍第一項ノ準備金ニ四餘ア
ルトキハ之ヲ命令ノ定ムル所ニ依
リ戰爭危險ノ保險ニ關スル業務ニ
因リテ受ケタル損失ニ對シ政府ヨ
リ受ケタル被償金ノ償還ニ充ツベ
シ
前項ノ規定ニ依ル補償金ノ償還ニ
充ツルモ仍第一項ノ進備金ニ剩餘
アルトキハ之ヲ第二十六條第二項
ノ規定ニ依リ生命保险中央會ノ再
保險ニ付シタル保險會社ニ對シ主
務大臣ノ認可ヲ受ケタル方法ニ仕
リ返戾スベシ
第三十四條政府ハ生命保險中央會
ニ對シ戰爭危險ノ保險ニ關スル業
務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補償ス
政府ハ生命保險中央會ニ對シ第二
十三條ノ規定ニ依リ主務大臣ノ施
行ヲ命ジタル業務ニ因リテ受ケタ
ル損失ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコ
トヲ得
前項ノ契約ハ之ニ基キ交付スベキ
補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協賛ヲ
經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於
テ之ヲ爲スベシ
第一項及第二項ノ損失ヲ決定スル
基準其ノ他把失礼償ニ關シ必要ナ
ル事項ハ執令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十五條前條第一項及第二項ノ
損失及其ノ額ハ生命保險審査會之
ヲ決定ス
生命保險審査會ノ組織及禮限ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十六條政府ハ生命保險中央會
ノ借入金中五億圓ヲ限リ其ノ元本
ノ償還及利息ノ支拂ニ付保證スル
コトヲ得
第三十七條法人稅法ニ依ル所得及
臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算ニ
付テハ第三十四條ノ補償金ハ總益
金ヨリ、同條ノ損失ハ總損金ヨリ
之ヲ控除ス
第三章監督
第三十八條生まれた陰中央會ハ主務
大臣之ヲ監督ス
第三十九條生命保険中央會借入金
ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第四十條主務大臣ハ生命保險中央·
會ノ目的達成土必要アリト認ムル
トキハ完款ノ變更其ノ他必要ナル
事項ヲ命ズルコトヲ得
第四十一條生命保險中央會ハ業務
開始ノ際保険約款、業務ノ方法、
保險料及責任準備金ノ算出方法竝
ニ財產利用ノ方法ヲ定メ主務大臣
ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セント
スルトキ亦同ジ
主務大臣ハ保險契約者、被保險者
又ハ保險金ヲ受取ルベキ者ノ利益
ヲ保護スル爲特ニ必要アリト認ム
ルトキハ前項ノ變更認可ノ際現ニ
存スル保險契約ニ付テモ亦將來ニ
向ツテ其ノ變更ノ效力ノ及ブモノ
ト爲スコトヲ得
前項ノ處分アリタルトキハ生命保
險中央會ハ其ノ旨及變更ノ要旨ヲ
公告スベシ
第四十二條主務大臣ハ生命保險中
央會ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關
シ邦告ヲ爲サシメ、當該官吏ヲシ
テ檢査ヲ爲サシメ其ノ他監督上必
要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲ス
コトヲ得
第四十三條主務大臣ハ生命保險中
央會監理官ヲ置キ生命保險中央會
ノ業務ヲ監視セシム
第四十四條生命保險中央會監理官
ハ何時ニテモ生命保險中央會ノ業
務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ
得
生命保險中央會監理官ハ何時ニテ
モ生命保險中央會ニ命ジ業務及財
產ノ狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
生命保險中央會監理官ハ生命保險
中央會ノ諸般ノ會議ニ出席シ意見
ヲ述ブルコトヲ得
第四十五條生命保險中央會ノ役員
ノ行爲ガ法令、定款若ハ主務大臣
ノ命令若ハ處分ニ違反シタルトキ
若ハ公益ヲ害シタルトキ又ハ生命
保險中央會ノ目的達成上特ニ必要
アリト認ムルトキハ主務大臣ハ役
員ヲ解任スルコトヲ得
第六章罰則
第四十六條當該官吏、生命保險中
央會ノ職員、生命保險中央會ノ業務
ノ取扱ヲ爲ス者(其ノ者ガ法人ナル
トキハ當該業務ニ從事スル職員)又
ハ此等ノ職ニ在リタル者生命保險
中央會ノ戰爭危險ノ保險ニ關スル
業務上ノ祕密ニシテ職務上知得タ
ルモノヲ漏泄シ又ハ竊用シタルト
キハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第四十七條左ノ場合ニ於テハ生命
保險中央會ノ理事長、副理事長、
理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料ニ
處ス
-本法(第二十四條第二項ニ於
テ準用スル保險業法ノ規定ヲ除
々ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受
クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受
ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒ
タルトキ
三主務大臣ノ命令又ハ處分ニ違
反シタルトキ
四第二十條第二項ニ於テ準用ス
ル信託業法第九條ノ規定又ハ同
條ニ基ク命令ニ違反シテ信託ニ
付袖塡又ハ補足ノ契約ヲ爲シタ
ルトキ
五第二十條第二項ニ於テ準用ス
ル信託業法第十條ノ規定ニ違反
シテ信託財產ヲ固有財產ト爲シ
タルトキ
六信託法第二十八條ノ規定ニ依
リテ爲スベキ信託財產ノ管理ヲ
爲サザルトキ
七信託法第三十九條ニ規定スル
事務ノ處理若ハ計算ヲ爲サズ又
ハ財產目錄ヲ作成セザルトキ
八正當ノ事由ナクシテ信託法第
四十條ノ規定ニ依ル閱覽ヲ拒ミ
又ハ說明ヲ爲サザルトキ
九第四十四條第一項又ハ第二項
ノ規定ニ依ル生命保險中央會監
理官ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌
避シ又ハ其ノ命ズル報告ヲ怠リ
若ハ虛僞ノ報告ヲ爲シタルトキ
第四十八條左ノ場合ニ於テハ生命
保險中央會ノ理事長、副理事長、
理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過料
三國八
本法又ハ本法ニ基キテ發スル
勅令ニ違反シテ登記ヲ爲スコト
ヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタ
ルトキ
二本法(第二十四條第二項ニ於
テ準用スル保險業法第九十四條
第一項及第九十八條ノ規定ヲ含
ム)ニ依ル公告ヲ爲スコトヲ怠
リ又ハ不正ノ公告ヲ爲シタルト
キ
三第二十九條ノ規定ニ依ル書類
ヲ作成セザルトキ、共ノ書類ニ
記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ
不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ
其ノ書類ニ付主務大臣ノ承認ヲ
受ケザルトキ
第四十九條左ノ場合ニ於テハ保險
曾社ノ取締役、監査役、〓算人若
ハ此等ニ準ズル者又ハ支配人ヲ五
千圓以下ノ過料ニnetら
一第二十四條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第九十四條ノ規定
又ハ同條ニ基ク勅令ニ違反シテ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正
ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第二十四條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第九十四條第一項、
第九十八條、第百四條第三項、
第百十二條第一項又ハ第百十
六條ノ規定ニ依ル公告ヲ爲スコ
トヲ怠リ又ハ不正ノ公〓ヲ爲シ
タルトキ
三本法(第二十四條第二項ニ於
テ準用スル保險業法第百一條第
四項及第百二十三條ノ規定ヲ含
ム)ニ基キテ爲ス主務大臣ノ命
令ニ違反シタルトキ
四第二十四條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第百十二條ノ規定
ニ違反シテ保險契約移轉ノ手續
ヲ爲シタルトキ
五第二十四條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第百十三條又ハ第
百十五條ノ規定ニ違反シテ保險
契約、財產ノ處分又ハ債務ヲ負
擔スベキ行爲ヲ爲シタルトキ
六第二十六條第二項ノ規定ニ違
反シタルトキ
前項第六號ノ罰則ハ保險會社ニ付
業務及財產ノ管理ノ委託アリタル
場合ニ於テ其ノ委託アリタル業務
ニ付テハ管理ノ受託會社ノ取締役
其ノ他ノ業務ヲ執行スル役員又ハ
支配人ニ、業務及財產ノ管理ノ命
令アリタル場合ニ於テハ保險管理
人(保險管理人會社ナルトキハ其
ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル
役員又ハ支配人)ニ之ヲ滴伊ス
第五十條第十二條ノ規定ニ違反シ
テ生命保險中央會又ハ之ニ類似ス
ル名稱ヲ用ヒタル者ハ千圓以下ノ
過料ニ處ス
第七章雜則
第五十一條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ
施行スル場合ニ於テ必要アルトキ
ハ勅令ヲ以テ時別ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
附則
第五十二條本法施行ノ期日ハ各規
定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十三條政府ハ設立委員ヲ命ジ
生命保險中央會ノ設立ニ關スル事
務ヲ處理セシム
第五十四條協榮生命再保險株式會
社ハ命令ノ定ムル所ニ依リ商法第
三百四十三條ニ定ムル株主總會ノ
決議ヲ以テ生命保險中央會ニ吸收
セラルルコトヲ得
協榮生命再保險株式會社前項ノ決
議ヲ爲シタルトキハ主務大臣ノ認
可ヲ受クベシ
第五十五條設立委員ハ定款ヲ作成
シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委
員ハ協榮生命再保險株式會社ノ株
式ニ對シ同株式四株ニ付全額拂込
濟出資一口ノ割合ヲ以テ生命保險
中央會ノ出資ヲ引當ツベシ
第五十六條設立委員ハ前條第二項
ノ引當ヲ終リタルトキハ主務大臣
ニ對シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委
員ハ遲滯ナク出資ノ拂込ヲ政府ニ
稟請スベシ
第五十七條前條第二項ノ拂込完了
シタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク
其ノ事務ヲ生命保險中央會理事長
ニ引渡スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタ
ルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ
於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
生命保險中央會ハ前項ノ登記ヲ爲
スニ因リテ成立ス
第五十八條生命保険中央會ノ成立
ニ因リ協榮生命再保險株式會社ハ
之ニ吸收七ラルルモノトシ協榮生
命再保險株式會社ノ權利義務ハ生
命保險中央會ニ於テ之ヲ承繼ス
生命保険中央會ガ前項ノ規定ニ依
リ協榮生命再保險株式會社ノ權利
義務ヲ承繼シタルニ因リ行フベキ
業務中第十九條第一項ノ業務以外
ノ義務ハ之ヲ第二十一條ノ規定ニ
依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル業
務ト看做ス
第五十九條協榮生命再保險株式會
社ノ株式ヲ目的トスル質權其ノ他
ノ權利ハ其ノ株式ニ對シ引當テラ
レタル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第六十條第五十八條第一項ノ規定
ニ依ル協榮生命再保險株式會社ヨ
リ生命保險中央會ヘノ有價證劵ノ
移轉ニ付テハ有價證劵移轉稅ヲ課
セズ
第六十一條本法ニ規定スルモノヲ
除クノ外生命保險中央會ノ設立ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
フェルナ
第六十二條第五十四條第一項ノ決
議ナキ場合又ハ其ノ決議ガ效力ヲ
生ゼザル場合ニ於テハ生命保險中
央會ノ設立ニ關シ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十三條登錄稅法中左ノ通改正
ス
第十九條第七號中「戰時金融金
庫、」ノ下ニ「生命保險中央會、」ヲ、
「戰時金融金庫法、」ノ下ニ「生命保
險中央會法、」ヲ加フ
第六十四條印紙稅法中左ノ通改正
ス
第五條第六號ノ三ノ二ノ次ニ左ノ
一號ヲ加フ
六ノ三ノ三生命保險中央會ノ
發スル基金證劵
第六十五條戰爭死亡傷害保險法中
左ノ通改正ス
第二條第一項中「政府ノ指定スル
保險會社」及「當該保險會社」ヲ「生
命保險中央會」ニ改メ同條第二項
ヲ削ル
第三條第一項中「保險會社」ヲ「生
命保険中央會」ニ改ム
第六條第一項中「保險會社」ヲ「生
命保險中央會、生命保險中央會ノ
戰爭死亡傷害保險ニ關スル業務ノ
取扱ヲ爲ス保險會社」ニ、同條第二
項中「保險會社」ヲ「生命保險中央
會ノ事務所、生命保險中央會ノ戰
爭死亡傷害保險ニ關スル業務ノ取
扱ヲ爲ス保險會社」ニ改ム
第七條中「保險會社」及「當該保險、
會社」ヲ「生命保險中央會」ニ改ム
第八條中「、營業稅法ニ依ル純益」ヲ
削リ「保險會社」ヲ「生命保險中央
會」ニ改ム
第十條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ施
行スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅
令ヲ以テ特別ノ定ヲ爲スコトヲ得
第六十六條保險業法中左ノ通改正
ス
第五條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ生命保險事業ヲ營ム會社ハ
信託業法ニ拘ラズ主務大臣ノ認
可ヲ受ケ其ノ支拂フ保險金ニ付
信託ノ引受ヲ爲ス業務ヲ營ムコ
トヲ得
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ認可ヲ受ケントスル者ハ
申請書ニ業務ノ種類及方法ヲ記
載シタル書類ヲ添附スルコトヲ
要ス
第五條ノ二信託業法第九條及第
十條ノ規定ハ保險會社ガ前條管
一項但書ノ規定ニ依リ信託業務
ヲ營ム場合ニ之ヲ準用ス
第五條ノ三信託業務ヲ營ム保險
會社ハ其ノ信託業務ニ付テハ租
稅ニ關スル法令ノ適用ニ關シ之
ヲ信託會社ト看做ス
第十條第一項中「第一條第二項」ノ
下ニ「又ハ第五條第二項」ヲ加フ
第十八條ノ二信託業務ヲ營ム保
險會社ガ合併ノ決議ヲ爲シタル
場合ニ於テ商法第百條第一項ノ
規定ニ依リテ爲スベキ催告ハ金
錢信託ノ受益者ニ對シテハ之ヲ
爲スコトヲ要セズ
第七十三條第一項中「商法第五十
六條第三項」ノ上ニ「第十八條ノ二
竝ニ」ヲ加フ
第百十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
保險契約ヲ移轉セントスル會社
ガ信託業務ヲ營ムモノトナルト
キハ第一項ノ公〓ニハ受益者ニ
シテ異議アラバ第二項ノ期間內
ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ附記スルコ
トヲ要ス
第六章中第百三十一條ノ次ニ左ノ
一條ヲ加フ
第百三十一條ノ二信託業務ヲ登
ム保險會社ガ保險契約全部ノ移
轉又ハ合併ヲ爲シタルトキハ保
險契約ノ移轉ヲ受ケタル保險會
社又ハ合併後存續シ若ハ合併ニ
因リテ設立シタル保險會社ハ保
險契約ノ移轉又ハ合併ニ因リテ
消滅シタル保險會社ノ信託ニ關
スル權利義務ヲ承繼ス
信託業法第十六條第二項ノ規定
ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百五十二條第六號中「第一條第
二項」ノ下ニ「又ハ第五條第二項」
タンガ
第百五十二條ノ二信託業務ヲ營
ム保險會社ノ役員又ハ〓算人ハ
左ノ場合ニ於テハ千圓以下ノ過
料ニ處ス
第五條ノ二ニ於テ準用スル
信託業法第九條ノ規宅又ハ同
條ニ基ク命令ニ違反シテ信託
ニ付補塡又ハ補足ノ契約ヲ爲
シタルトキ
二第五條ノ二ニ於テ準用スル
信託業法第十條ノ規定ニ違反
シテ信託財產ヲ固有財產ト爲
シタルトキ
三,信託法第二十八條ノ規定ニ
依リテ爲スペキ信託財產ノ管
理ヲ爲サザルトキ
四信託法第三十九條ニ規定ス
ル事務ノ處理若ハ計算ヲ爲サ
ズ又ハ財產目錄ヲ作成セザル
トキ
五正當ノ事由ナクシテ信託法
第四十條ノ規定ニ依ル閱覽ヲ
拒ミ又ハ說明ヲ爲サザルトキ
第六十七條國民貯蓄組合法中左ノ
通改正ス
第二條第一項第三號中「信託業務
ヲ營ム銀行」ノ下ニ「、生命保險中
央會若ハ保險會社」ヲ加フ
第六十八條第六十五條ノ規定施行
前成立シタル戰爭死亡傷害保險法
ニ依ル保險契約及同條ノ規定施行
前爲シタル行爲ノ處罰ニ關シテハ
仍從前ノ例ニ依ル
損害保險中央會法案
損害保險中央會法
第一章總則
第一條損害保險中央會ハ損害保險
制度ノ適切ナル運營ニ資スルコト
ヲ目的トス
損害保險中央會ハ法人トス
第二條損害保險中央會ハ主タル事
務所ヲ東京都ニ置ク
損害保險中央會ハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ
設置スルコトヲ得
第三條損害保險中央會ハ損害保險
會社其ノ他主務大臣ノ指定スル者
ヲシテ業務ノ一部ヲ取扱ハシムル
コトヲ得
第四條損害保險中央會ノ基金ハ五
千萬圓トス
第五條政府ハ五千萬圓ヲ損害保險
中央會ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證劵ヲ交付シテ
之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證
劵ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大
藏大臣之ヲ定ム
第六條損害保險中央會ハ定款ヲ以
テ左ノ事項ヲ規定スベシ
ー目的
二名稱
三事務所ノ所在地
四基金及資產ニ關スル事項
五役員ニ關スル事項
六業務及其ノ執行ニ關スル事項
七經理ニ關スル事項
入公告ノ方法
定款ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受
クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第七條損害保險中央會ハ勅令ノ定
ムル所ニ依リ登記ヲ爲スベシ
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項
ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第
三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第八條損害保險中央會ニハ所得
稅法人稅及營業稅ヲ課セズ
都道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズ
ベキモノハ損害保險中央會ノ事業
ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ
得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ內務大
臣及大藏大臣ノ認可ヲ受ケタル場
合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九條損害保險中央會ニ付解散ヲ
必要トスル事由發生シタル場合ニ
於テ其ノ處置ニ關シテハ別ニ法律
ヲ以テ之ヲ定ム
第十條損害保險中央會ニ非ザル者
ハ損害保險中央會又ハ之ニ類似ス
ル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十一條民法第四十四條、第五十
條第五十四條及第五十七條竝ニ
非訟事件手續法第三十五條第一項
ノ規定ハ損害保險中央會ニ之ヲ準
用ス
第二章職員
第十二條損害保險中央會ニ役員ト
シテ理事長副理事長各一人、理事
三人以上、監事二人以上及評議員
若干人ヲ置ク
第十三條理事長ハ損害保險中央會
ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ
損害保險中央會ヲ代表シ理事長ヲ
輔佐シテ損害保險中央會ノ業務ヲ
掌理シ理事長事故アルトキハ其ノ
職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ
其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ損害
保険中央會ヲ代表シ理事長及闡理
事長ヲ輔佐シテ損害保險中央會ノ
業務ヲ掌理シ理事長及副理事長共
ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理
シ理事長及副理事長共ニ缺員ノト
キハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ損害保險中央會ノ業務ヲ監
査ス
評議員ハ損害保險中央會ノ業務ニ
關スル重要事項ニ付理事長ノ諮問
ニ應ジ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ述
ブルコトヲ得
理事長ハ主務大臣ノ定ムル事項ニ
付テハ評議員ニ諮問スベシ
第十四條理事長、監事及評議員ハ
主務大臣之ヲ命ズ
副理事長及理事ハ理事長ノ推薦シ
タル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ
三年、監事及評議員ノ任期ハ二年
トス
第十五條理事長、副理事長及理事
ハ定款ノ定ムル所ニ依リ從タル事
務所ノ業務ニ關シ一切ノ裁判上又
ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有ス
ル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十六條理事長、副理事長及理事
ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ
但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルト
キハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條損害保險中央會ノ職員ハ
之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職
員ト看做ス
第三條又ハ第二十三條ノ場合ニ於
テ當該業務ニ從事スル者(其ノ者
ガ法人ナルトキハ當該業務ニ從事
スル職員)ニ付亦前項ニ同ジ
第三章業務
第十八條本法ニ於テ戰爭保險トハ
戰時峙殊損害保險法ニ依ル戰爭保
險木船保險法ニ依ル戰爭保險其
ノ他戰爭其ノ他ノ變亂ニ因ル襲
捕獲其ノ他ノ事故又ハ商慣習ニ於
テ之ニ準ジテ取扱ハルル事故ノミ
ヲ保險事故トスル海上保險ヲ調フ
本法ニ於テ地震保險トハ戰時時殊
損害保險法ニ依ル地震保險ヲ謂フ
本法ニ於テ普通保險トハ前二項ニ規
定スルモノ以外ノ損害保險ヲ謂フ
第十九條損害保險中央會ハ左ノ業
務ヲ行フ
普通保險ノ再保險ニ關スル取
引
二戰爭保險及地震保險ノ再保險
ノ引受
三損害保險ノ引受
四前各號ノ業務ニ附帶スル業務
前項第三號ノ業務ノ範圍ハ命令ヲ
以テ之ヲ定ム
損害保險中央會ハ主務大臣ノ認可
ヲ受ケ第一項ノ業務ノ外損害保險
中央會ノ目的達成上必要ナル業務
ヲ行フコトヲ得
第二十條損害保險中央會ハ主務大
臣ノ認可ヲ受ケ外國保險會社ニ對}
シ出資ヲ爲シ又ハ外國保險會社ト
損害保險ノ再保險ニ關スル取引ヲ
爲スコトヲ得
第二十一條主務大臣ハ損害保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ損害保險中央會ニ對シ必
要ナル業務ノ施行ヲ命ズルコトヲ
得
第二十二條損害保險中央會ハ損害
保險會社ノ業務及財產ノ管理ヲ行
シ又ハ損害保險會社ヨリ保險契約
ノ移轉ヲ受クルコトヲ得
業務及財產ノ管理竝ニ保險契約ノ
移轉ニ關スル保險業法ノ規定ハ其
ノ性質ノ許サザルモノヲ除クノ外
前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條主務大臣ハ損害保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ損害保險會社ニ對シ損害
保險中央會ノ業務ノ一部ヲ取扱ハ
シメ其ノ他損害保險中央會ノ業務
ニ協力セシムル爲必要ナル命令ヲ
爲スコトヲ得
第二十四條保險會社ニ付戰爭保險
關係又ハ地震保險關係成立シタル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ニ
因リテ當該保險會社ト損害保險中
央會トノ間ニ常該戰爭保險又ハ地
震保險ニ付再保險關係成立スルモ
ノトス保險會社戰時時殊損害保險
法第五條ニ規定スル損害保險契約
ヲ爲シタル場合ニ於テ同條ニ規定
スル損害ラ塡補スベキ保險會社ノ
責任ニ付亦同ジ
木船保險組合ニ付本船保險法ニ依
ル保險關係成立シタルトキハ命令
ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リテ木船
保險組合ト損害保險中央會トノ間
ニ當該保險ニ付再保險關係成立ス
ルモノトス
第二十五條主務大臣必要アリト認
ムルトキハ保險會社ニ對シ其ノ引
受ケタル普通保險ヲ損害保險中央
會ノ再保險ニ付スベキコトヲ命ズ
ルコトヲ得
第二十六條主務大臣ハ損害保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ損害保險中央會ニ於テ再
保險ヲ爲ス保險ニ付保險會社ニ對
シ保險料其ノ他保險契約ニ關シ必
要ナル命令ヲ爲シ又ハ保險ノ引受
ヲ命ズルコトヲ得
第四章經理
第二十七條損害保險中央會ノ事業
年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十八條損害保險中央會ハ主務
大臣ノ定ムル所ニ依リ設立ノ時及
每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、
貸借對照表及損益計算書ヲ作成シ
主務大臣ノ承認ヲ受クベシ
第二十九條損害保險中央會剰餘ヲ
得タルトキハ其ノ剩餘金ヲ政府ニ
納付スベシ
政府ハ損害保險中央會ニ對シ其ノ業
務ニ因リテ受ケタル損失ヲ補償ス
前二項ノ剩餘及損失ヲ決定スル基
準其ノ他剩餘金納付及損失補償ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
3 元大
第三十條前條ノ剰餘及損失竝ニ其
ノ額ハ損害保險審査會之ヲ決定ス
損害保險審査會ノ組織及權限ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十一條損害保險中央會ハ命令
ノ定ムル所ニ依リ再保險ニ依ル收
入金額ヨリ再保險ニ依ル支出金額
ヲ控除シタル殘額ノ一部ヲ保險會
社又ハ木船保險組合ニ交付スルコ
トヲ得
第五章監督
第三十二條損害保險中央會ハ主務
大臣之ヲ監督ス
第三十三條損害保險中央會借入金
ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ
第十四條主務大臣ハ損害保險中
央會ノ目的達成上必要アリト認ム
ルトキハ定款ノ變更其ノ他必要ナ
ル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十五條損害保險中央會ハ業務
開始ノ際保險約款、業務ノ方法及
財產利用ノ方法ヲ定メ主務大臣ノ
認可ヲ受クベシ之ヲ變更七ントス
ルトキ亦同ジ
損害保險中央會ハ其ノ業務ニ屬ス
ル保險ノ保險條件ノ中命令ヲ以テ
定ムルモノニ付テハ主務大臣ノ認
可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスル
トキ亦同ジ
第三十六條主務大臣ハ損害保險中
央會ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關
シ報告ヲ爲サシメ、當該官吏ヲシ
テ檢査ヲ爲サシメ其ノ他監督上必
要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲ス
コトヲ得
第三十七條主務大臣ハ損害保險中
央會ニ於テ再保險ヲ爲ス保險ニ關
シ必要アリト認ムルトキハ保險會
社又ハ木船保險組合ヲシテ其ノ業
務ニ關スル報告ヲ爲サシムルコト
ヲ得
主務大臣ハ損害保險中央會ニ於テ
再保險ヲ爲ス保險ニ關シ必要アリ
ト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ當
該保險ノ目的ノ所在ノ場所、保險
會社ノ營業所其ノ他ノ場所ニ臨檢
シ當該物件又ハ業務ノ狀況若ハ帳
簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
第三十八條主務大臣ハ損害保險中
央會監理官ヲ置キ損害保險中央會
ノ業務ヲ監視セシム
第三十九條損害保險中央會監理官
ハ何時ニテモ損害保險中央會ノ業
務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ
得
損害保險中央會監理官ハ何時ニテ
モ損害保險中央會ニ命ジ業務及財
產ノ狀況ヲ報告セシムルコトヲ得
損害保險中央會監理官ハ損害保險
中央會ノ諸般ノ會議ニ出席シ意見
ヲ述ブルコトヲ得
第四十條損害保險中央會ノ役員ノ
行爲ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ
命令若ハ處分ニ違反シタルトキ若
ハ公益ヲ害シタルトキ又ハ損害保
險中央會ノ目的達成上特ニ必要ア
リト認ムルトキハ主務大臣ハ役員
ヲ解任スルコトヲ得
第六章罰則
第四十一條當該官吏、第十七條ノ
規定ニ依リ法令ニ依リ公務ニ從事
スル職員ト看做サルル者又ハ此等ノ
職ニ在リタル者損害保險中央會ノ
戰爭保險又ハ地震保險ニ關スル業
務上ノ祕密ニシテ職務上知得タル
モノヲ漏泄シ又ハ竊用シタルトキ
ハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第四十二條左ノ場合ニ於テハ損害
保險中央會ノ理事長、副理事長、
理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料ニ
處ス
一本法(第二十二條第二項ニ於
テ準用スル保險業法ノ規定ヲ除
ク)ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受
クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受
ケザルトキ
二本法ニ規定セザル業務ヲ行ヒ
タルトキ
三主務大臣ノ命令又ハ處分ニ違
反シタルトキ
四第三十九條第一項又ハ第二項
ノ規定ニ依ル損害保險中央會監
理官ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避
シ又ハ其ノ命ズル報告ヲ怠リ若
ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタルトキ
第四十三條左ノ場合ニ於テハ損害
保險中央會ノ理事長、副理事長、
理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過料
二匹、
本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅
令ニ違反シテ登記ヲ爲スコトヲ怠リ
又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第二十二條第二項ニ於テ〓用
スル保險業法第九十四條第一項
又ハ第九十八條ノ規定ニ依ル公
告ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ
公〓ヲ爲シタルトキ
三第二十八條ノ規定ニ依ル書類
ヲ作成セザルトキ、其ノ書類ニ
記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ
不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ
其ノ書類ニ付主務大臣ノ承認ヲ
受ケザルトキ
第四十四條左ノ場合ニ於テハ保險
會社ノ取締役、監査役、〓算人若
ハ此等ニ準ズル者又ハ支配人ヲ五
千圓以下ノ過料ニ處ス
-第二十二條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第九十四條ノ規定
又ハ同條ニ基ク勅令ニ違反シテ
登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正
ノ登記ヲ爲シタルトキ
二第二十二條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第九十四條第一項、
第九十八條、第百四條第三項、
第百十二條第一項又ハ第百十六
條ノ規定ニ依ル公告ヲ爲スコト
ヲ怠リ又ハ不正ノ公〓ヲ爲シタ
ルトキ
三第二十五條又ハ第二十六條ノ
規定ニ基キテ爲ス主務大臣ノ命
令ニ違反シタルトキ
四前號ノ場合ヲ除クノ外本法(第
二十二條第二項ニ於テ準用スル
保險業法第百一條第四項及第百
二十三條ノ規定ヲ含ム)ニ基キテ
爲ス主務大臣ノ命令ニ違反シタ
ルトキ
五第二十二條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第百十二條ノ規定
ニ違反シテ保險契約移轉ノ手續
ヲ爲シタルトキ
六第二十二條第二項ニ於テ準用
スル保險業法第百十三條又ハ第
百十五條ノ規定ニ違反シテ保險
契約、財產ノ處分又ハ債務ヲ負
擔スベキ行爲ヲ爲シタルトキ
七第三十七條第一項ノ規定ニ依
ル報告ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報告ヲ
爲シタルトキ
前項第三號及第七號ノ罰則ハ保險
會社ニ付業務及財產ノ管理ノ委託
アリタル場合ニ於テ其ノ委託アリ
タル業務ニ付テハ管理ノ受託會社
ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ執行スル
役員又ハ支配人ニ、業務及財產ノ
管理ノ命令アリタル場合ニ於テハ
保險管理人(保險管理人會社ナル
トキハ其ノ取締役其ノ他ノ業務ヲ
執行スル役員又ハ支配人)ニ之ヲ
適用ス
第四十五條木船保險組合第三十七
條第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ
又ハ虛僞ノ報告ヲ爲シタルトキハ
其ノ理事長其ノ他ノ業務ヲ執行ス
ル役員ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第四十六條第三十七條第二項ノ規
定ニ依ル臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又
ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰
金ニ處ス
第四十七條第十條ノ規定ニ違反シ
テ損害保險中央會又ハ之ニ類似ス
ル名稱ヲ甲ヒタル者ハ千圓以下ノ
過料ニ處ス
第七章雜則
第四十八條本法ヲ朝鮮又ハ臺灣ニ
施行スル場合ニ於テ必要アルトキ
ハ動令ヲ以テ特別ノ定ヲ爲スコト
ヲ得
附則
第四十九條本法施行ノ期日ハ各規
定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第五
十八條力至第六十一條ノ規定ハ昭
和二十年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第五十條政府ハ設立委員ヲ命ジ損
害保險中央會ノ設立ニ關スル事務
ヲ處理セシム
第五十一條設立委員ハ定款ヲ作成
シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
前項ノ認可アリタルトキハ設立委
員ハ遲滯ナク出資ノ拂込ヲ政府ニ
禀請スベシ
第五十二條前條第二項ノ拂込完了
シタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク
其ノ事務ヲ損害保險中央會理事長
ニ引渡スベシ
理事長前項ノ事務ノ引渡ヲ受ケタ
ルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ
於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
損害保險中央會ハ前項ノ登記ヲ爲
スニ因リテ成立ス
第五十三條本法ニ規定スルモノヲ
除クノ外損害保險中央會ノ設立ニ
關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之
ヲ定ム
第五十四條登錄稅法中左ノ通改正
ス
第十九條第七號中「帝都高速度交
通營團」ノ上ニ「損害保險中央會、」
ヲ、「帝都高速度交通營團法」ノ上
ニ「損害保險中央會法、」ヲ加フ
第五十五條印紙稅法中左ノ通改正
ス
第五條第五號ノ四ノ次ニ左ノ一號
ヲ加フ
五ノ五損害保險中央會ノ業務
ニ關スル證書帳簿
第五十六條戰。時特殊損害保險法中
左ノ通改正ス
第二條中「目的タル物ニ付」及「申
込者ト」ノ下ニ「損害保險中央會又
ハ」ヲ加フ
第五條中「損害保險ニ在リテハ」ノ
下ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加フ
第七條及第八條中「保險會社」ノ上
ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加フ
第十條及第十一條中「保險會社」ノ
上ニ「損害保險中央會又ハ」ヲ加ヘ
「戰時損害保險審査會」ヲ「損害保
險審査會」ニ改ム
第十三條中「必要アリト認ムルト
キハ」ノ下ニ「損害保險中央會、」ヲ
加フ
第十五條第一項申「必要アリト認
ムルトキハ」ノ下ニ「損害保險中央
會、」ヲ、同條第二項中「所在ノ場
所、」ノ下ニ「損害保險中央會ノ事
務所、」ヲ加フ
第十六條及第十七條削除
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
法人稅法ニ依ル所得、營業稅法
ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依
ル利益ノ計算ニ付テハ保險會社
ノ戰爭保險又ハ地震保險ニ關ス
ル業務ニ基キ收入シタル金額ノ
全部及第五條ノ損害保險ニ關ス
ル業務ニ基キ收入シタル金額中
命令ヲ以テ定ムル額ハ其ノ總益
金ヨリ、保險會社ノ戰爭保險又
ハ地震保險ニ關スル業務ニ基キ
支出シタル金額ノ全部及同條ノ
損害保險ニ關スル業務ニ基キ同
條ニ規定スル事故ニ因リテ生ジ
タル損害ニ關シ支出シタル金額
ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノハ
其ノ總損金ヨリ之ヲ控除ス
第十十修中「必要アリト認ムルト
キハ」ノ下ニ「損害保險中央會、」ヲ
加フ
第二十三條中「戰時損害保険審査
會」ヲ「損害保險審査會」三尺人
第五十七條前條ノ規定施行前成立
シタル戰時特殊損害保險法ニ依ル
職、爭保險契約及地零保險契約ニ基
ク保險會社ノ收支竝ニ同法第五條
ノ損害保險契約ニ基ク保險會社ノ
收支ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
第五十八條損害保險國營再保險法
ハ之ヲ廢止ス
損害保險國營再保險特別會計法ハ
之ヲ廢止ス但シ昭和十九年度分ニ
付テハ仍其ノ效力ヲ有ス
第五十九條前條ノ規定施行前成立
シタル損害保險國營再保險法ニ依
ル再保險關係ニ基キ損害保險國營
再保險特別會計廢止ノ際政府ガ保
險會社又ハ木船保險組合ニ對シテ
有スル權利義務ハ損害保險中央會
ニ於テ之ヲ承認ス
前項ニ規定スルモノヲ除クノ外損
害保險國營再保險特別會計廢止ノ
際之ニ屬スル權利義務ハ之ヲ一般
會計ニ歸屬セシム
第六十條第五十八條第一項ノ規定
施行前損害保險國營再保險法ニ違
反シタル者ノ處罰ニ付テハ仍同法
·ロビン
第六十一條前二條ニ規定スルモノ
ヲ除クノ外第五十八條第一項ノ規
定施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲヾ
以テ之ヲ定ム
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=8
-
009・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題
トナリマシタ軍需金融等特別措置法案
外四件ノ法律案ニ付キ、提案ノ理由ヲ
說明致シマス
先ヅ軍需金融等特別措置法案ニ付テ
證明致シマス、重大ナル戰局ニ對處シ、
戰力增强ノ要請ニ應ジマスガ爲ニハ
軍需會社等ニ對スル金融ノ圓滑滴正
化ヲ期シマスルト共ニ、資金ノ效率的
使用ヲ促進スルコトノ必要デアルコト
ハ申スマデモナイ所デアリマス、昨年
初メ軍需會社ノ指定ニ伴ヒ創設致サレ
マシタ軍需融資指定金融機關制度モ之
ヲ目的ト致シタモノデアリマシテ、本
制度ハ爾來相當ノ效果ヲ擧ゲテ參ツタ
ノデアリマスガ、今般之ヲ法的ニ明確
ナラシメマスト共ニ、且ツ之ヲ强化シ、
軍需會社以外ノモノニ對スル資金ノ
融通ニ付テモ此ノ方式ヲ採用スル等、
金融ノ圓滑適正化ヲ圖ルト共ニ、一層
資金使用ノ效率化ヲ促進スル等ノ爲ニ
本法案ヲ提出致シタ次第デアリマス、
本法案ノ內容ヲ說明致シマスレバ、先
ヅ第一ニ政府ノ指定スル金融機關ハ、
軍需會社等ニ對シ資金ノ融通ヲ擔當ス
ベキモノトシ、而シテ其ノ融通ニ當リ
テハ、簡易迅速ニ、旦ツ資金ノ使用ヲ
效率的ナラシムル配意ノ下ニ行フヲ要
スルコトト致シタノデアリマス、尙ホ
政府ハ軍需金融機關ガ各擔當事業者ニ
對シ、資金ノ融通ヲナシ得ル限度ヲ指
定スルコトトスルト共ニ、必要ニ應ジ
マシテ擔當事業者ノ預金等ヲ當該軍需
金融機關ニ集中スル等ノ措置ヲ講ジ得
ルコトト致シタノデアリマス、第二ニ、
軍需金融機關ヲシテ擔當事業者ニ對ス
ル資金ノ融通ニ依ル收入金ノ一部ヲ一
定ノ標準ニ依リ時別ニ積立テシメ、
本積立金ハ之ヲ一定ノ使途ニ充當シタ
ル後、其ノ一部ヲ大東亞戰爭終了後、
法律ノ定ムル所ニ依リ政府ニ納付セシ
メ得ルコトト致シタノデアリマス、第
三ニ、金融機關全部ノ協力一致ノ態勢
ヲ一層强化セシムル爲メ、政府ハ必要
ニ應ジ一般金融機關ニ對シ、軍需金融
機關ニ協力セシムル爲メ、必要ナル命
令ヲナシ得ルコトト致シタノデアリマ
ス、第四ニ、金融事務ノ簡素化等ニ付
キマシテ必要ナル規定ヲ設クルコトト
〓シタノデアリマス、第五ニ、政府ハ
必要アリト認メマスル時ハ、軍需金融機關
等ノ職員ヲシテ臨時資金調整法等ニ依ル
資金及ビ經理ニ關スル檢査ニ關スル事
務ニ從事セシムルコトト致シタノデア
リマス、第六ニ、政府ハ本法ノ效果確
保上支障アリト認ムル時ハ、金融機關
ノ役員ヲ解任シ得ルコトト致シタノデ
アリマス
次ニ臨時資金調整法中改正法律案
ニ付キ說明致シマス、戰力ノ基礎タル
國民經濟ノ秩序ヲ維持スルガ爲ニハ
國民貯蓄ノ增强、浮動資金ノ吸收、緊
要產業資金ノ圓滑ナル供給等ニ關シ、
各般ノ措置ヲ講ズルノ必要ガアルノデ
アリマシテ、此ノ趣旨ヲ以チマシテ臨
時資金調整法ヲ改正スルコトト致シタ
次第デアリマス、改正ノ主ナ點ヲ申上
ゲマスレバ、第一ハ、、戰局ノ進展ニ伴ヒ
日本興業銀行ニ於テ供給スベキ軍需產
業資金等、時局下緊要ナル資金ハ、今
後一層增加スルモノト認メラレルノデ
アリマスノデ、興業債劵ノ發行限度ヲ
五十億圓ヨリ百億圓ニ擴張スルコトト
致シタノデアリマス、第二ハ、國民貯
蓄ノ增强ニ支障ナカラシムル爲メ日
本勸業銀行ノ預リ金ノ限度ニ關スル制
限ヲ撤廢スルコトヲ必要ト認メ、是ガ
爲メ必要ナル規定ヲ設クルコトト致シ
タノデアリマス、第三ハ、福劵等割增金
附證劵ノ記載事項ヲ簡略ナラシムル爲
メ、必要ナル規定ヲ設クルコトト致シ
タノデアリマス、第四ハ、最近ニ於ケ
ル金融反ビ通貨等ノ情勢ニ鑑ミマシテ、
資金ノ吸收手段トシテハ從來ノ方法ノミヲ
以テ致シテハ遺憾ナ點モアリマスノデ、其
ノ賣却代金ノ一部ヲ〓籤ニ依リ返還シ、
元金ヲ返還シナイ證券ノ發賣ヲ實施スルコ
トノ必要ヲ認メマシテ、之ニ必要ナル規定ヲ
新タニ設クルコトト致シタノデアリマ
ス、第五ハ、今後國民貯蓄ノ增强ヲ圖
リマスルガ爲ニハ、貯蓄ノ割當ニ付キ、
一層是ガ適正ヲ圖ルト共ニ、其ノ他ノ
國民貯蓄增强諸施策ニ付テモ、其ノ運
營ヲ努メテ圓滑ナラシムルコトガ、益〓
緊要ト相成リマシタノデ、都道府縣及
ビ市町村ニ國民貯蓄運營委員會ヲ設置
致シマシテ、政府ノ施策ニ協力致サシ
ムルコトトシ、之ニ必要ナル規定ヲ設
クルコトト致シタノデアリマス、第六
ハ、割增金附證劵ノ割增金等ヲ、國債
其ノ他ノ有價證券ヲ以テ支拂フ場合ニ
於キマシテハ、之ニ對シ有價證劵移轉
稅ヲ課シナイコトト致シタノデアリマ
ス
次ニ戰時金融金庫法中改正法律案ニ
付テ御說明致シマス、戰時金融金庫ガ
其ノ任務タル緊要產業ニ對スル資金ノ
供給竝ニ有價證券ノ市價安定ヲ遂行ス
ル爲ニハ、之ニ必要ト致シマスル同金
庫ノ資金調達能力ヲ擴張スル必要ガア
ルノデアリマシテ、戰時金融債券發行
限度ヲ拂込資本金額ノ十倍、卽チ三十
億圓ヨリ、三十倍、卽チ九十億圓ニ擴
張スルコトト致シタ次第デアリマス
次ニ生命保險中央會法案ニ付キ說明
致シマス、生命保險制度ニ關シマシテ
ハ、其ノ適切ナル運營ニ依リマシテ戰
爭危險ニ對スル生命保險ニ付キ萬全ノ
措置ヲ講ジ、以テ戰時國民生活ノ安定
確保ニ資スルコトハ極メテ緊要デアリ
せい、而シテ民營生命保險事業ニ於キ
マシテモ、支那事變勃發以來各生命保
險會社ハ相互ノ申合セニ依リ、約款ノ
規定ノ如何ニ拘ラズ、戰爭死亡ニ對シ
テモ保險金ノ支拂ヲ行ヒ、大東亞戰爭
勃發後モ引續キ是ガ實行ヲナセル外、
縣ニ新契約ニ付キマシテハ、昭和十八
年二月各會社間ノ申合セニ基キ、約款
ヲ統一致シ、戰爭危險ニ對シテモ生命
保險金ノ支拂ヲ行フコトトシ、以テ戰
時國民生活ノ安定ニ寄與ヲナシ來ツタ
ノデアリマス、併シナガラ生命保險事
業ノ計算ノ要素ニハ、戰爭危險ハ何等
加味致サレテ居ラナイノデアリマスカ
ラ、今後戰局ノ進展ニ伴ヒ、戰爭死亡
ニ對スル保險金ノ支拂ガ更ニ增加致シ
マスル場合ニ於テハ、保險事業ノ基礎
ヲ薄弱ニ致シ、國家大局ヨリ見テ適當
ニアラズト認メラレマスルノデ、今囘
政府ハ殆ド其ノ全額ヲ政府ノ出資ト致
シマスル生命保險中央會ヲ設立致シマ
シテ、之ヲシテ生命保險ニ對スル戰爭
危險ノ再保險ノ引受事業ヲ行ハシメ、
以テ戰爭ニ依ル死亡ニ對スル生命保險
會社ノ保險金ノ支拂ヲ確保セントスル
モノデアリマス
次ニ損害保險中央會法案ニ付キ說明
致シマス、大東亞戰爭ノ現狀ニ鑑ミマ
シテ、損害保險事業ニ課セラレタル責
務ハ愈〓大ナルモノガアルノデアリマ
シテ、是ガ圓滑ナル運營ニ依リ銃後ニ
於ケル經濟及ビ一般民心ノ安定確保ニ
資スルコトハ極メテ緊要デアリマス、
是ガ爲メ政府ニ於キマシテハ曩ニ損害
保險國營再保險法、戰爭保險臨時措置
法戰時特殊損害保險法等ヲ制定シ、
損害保險制度ヲ整備强化シテ參ツタノ
デアリマス、然ルニ其ノ再保險制度ニ
付キマシテハ、從來ノ機構ヲ以テシテ
ハ今尙ホ十分ナリトハ申シニクイノデ
アリマシテ、政府民間兩者ノ間ニ再
保險手續ノ重複スルモノガアリマス等、
其ノ運營ニ缺クル所少カラザルモノガ
アルノデアリマス、是ニ於キマシテ政
府ハ今囘新タニ損害保險中央會ヲ設置
致シマシテ、陸上海上ノ普通事故竝ニ
戰爭事故ニ對スル保險制度ノ運營ヲ全
面的ニ同會ヲシテ取扱ハシメ、損害保
險ノ再保險機構ヲ整備スルト共ニ、損
害保險制度ノ圓滑ナル運營ニ資セシメ
ントスルモノデアリマス
以上五件ノ法律案ニ付キマシテハ、
何卒御審議ノ上御協賛アランコトヲ希
望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=9
-
010・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=10
-
011・小泉純也
○小泉純也君 日程第四乃至第八ノ五
案ハ一括シテ議長指名二十七名ノ委員
ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=11
-
012・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=12
-
013・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第九、所得稅法外十六法律中改正
法律案ノ第一讀會ヲ開キマス-石渡
大藏大臣
第九所得稅法外十六法律中改正〓
法律案(政府提出)第一讀會
所得稅法外十六法律中改正法律案
第一條所得稅法中左ノ通改正ス
第八條株式ノ消却ニ因リ支拂ヲ
受クル金額又ハ退社、脫退若ハ
出資ノ減少ニ因リ持分ノ拂戾ト
シテ受クル金額ガ其ノ株式ノ拂
込濟金額又ハ出資金額ヲ超過ス
ル場合〓ニ於ケル其ノ超過金額ハ
之ヲ法人ヨリ受クル利益ノ配當
又ハ剩餘金ノ分配ト看做シ本法
ヲ適用ス
第十條第一項第三乙種中「其ノ他」
ノ下ニ「〓算取引所得以外ノ」ヲ加
ヘ同項第七但書ヲ削ル
第十二條第一項第四號但書ヲ削リ
同項第十號中「前年中ノ總收入金
額」ヲ「取引一決濟每ノ收入金額」
ごぼん
第二十條ノ二〓算取引所得ハ百
圓ニ滿タザルトキハ分類所得稅
ヲ課セズ
第二十一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
分類所得稅ハ左ノ稅率ニ依リ之
ヲ喊課ス
第不動產所得
百分ノ二十三
第二配當利子所得
甲種
-國債ノ利子
百分ノ十六
二國債以外ノ公債ノ利
子、元本ノ償還及利息
ノ支拂ニ付政府ノ保證
アル社債ノ利子竝ニ法
人ヨリ受クル利益若ハ
利息ノ配當又ハ剩餘金
ノ分配
百分ノ二十二
三其ノ他
百分ノ二十三
乙種百分ノ二十三
第三事業所得
甲種及乙種
百分ノ二十一
丙種百分ノ十八
第四勤勞所得
百分ノ十八
第五山林ノ所得
所得金額ヲ左ノ各級ニ區分
シ遞次ニ各稅率ヲ適用ス
二千圓以下ノ金額
百分ノ十八
二千圓ヲ超ユル金額
百分ノ二十三
四千圓ヲ超ユル金額
百分ノ二十八
二萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ三十三
四萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ四十八
十萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ六十三
第六退職所得
所得金額ヲ支拂者ノ異ル每
ニ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ
各稅率ヲ適用ス
二萬圓以下ノ金額
百分ノ十八
二萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ二十八
十萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ四十三
五十萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ六十三
第七〓算取引所得
所得金額ヲ左ノ各級ニ區分
シ遞次ニ各稅率ヲ適用ス
一萬圓以下ノ金額
百分ノ五
一萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ十
五萬圓ヲ超ユル金額
百分ノ二十
同條第二項中「百分ノ二十一ハ之
ヲ百分ノ十九」ヲ「百分ノ二十三ハ
之ヲ百分ノ二十一」ニ改メ同條第
三項ヲ左ノ如ク改ム
投資信託ノ利益ニ付テハ第一項
中配當利子所得甲種第三號ニ規
定スル稅率百分ノ二十三ハ之ヲ
百分ノ二十一トス
同條第四項中「及前項ニ規定スル
預金ノ利子竝ニ」ヲ「、銀行貯蓄預
金市町村農業會貯金、產業組合
貯金、市街地信用組合貯金其ノ他
命令ヲ以テ定ムル預金ノ利子及」ニ、
「百分ノ二十及前項ニ規定スル稅率
百分ノ十五ハ之ヲ百分ノ五」ヲ「百
分ノ二十三ハ之ヲ百分ノ七」ニ、
同條第六項中「百分ノ十八ハ之ヲ
百分ノ十五」ヲ「百分ノ二十一ハ之
ヲ百分ノ十八」ニ改ム
第二十二條第一項中「百分ノ二十
三」ヲ「百分ノ二十六」ニ、「百分ノ
二十九」ヲ「百分ノ三十一一」ニ、금
分ノ五」ヲ「百分ノ七」ニ、「百分ノ
三十六」ヲ「百分ノ三十九」ニ、舌
分ノ三十」ヲ「百分ノ三十三」ニ改
メ同項第三號ヲ削除ス
同條第二項中「百分ノ三十二」ヲ
「百分ノ三十五」ニ改ム
第二十三條ノ二株式ノ〓算取引
ニ付甲種又ハ乙種ノ事業所得ニ
對スル分類所得稅ヲ課スベキ者
ニ付テハ其ノ前年中ニ納付シタ
ル〓算取引所得ニ對スル分類所
得稅額ハ命令ノ定ムル所ニ依リ
甲種又ハ乙種ノ事業所得ニ對ス
ル分類所得稅額ヨリ之ヲ控除ス
第三十條第一項第八號ヲ削除シ同
項第五號ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第八條ニ規定スル利益ノ配
當又ハ剩餘金ノ分配ハ前年三月
一日ヨリ其ノ年二月末日迄ノ收
入金額ノ十分ノ五ニ相當スル金
額ヨリ千五百圓ヲ控除シタル金
額
同條第二項中「、第八號」及同條第
五項中「第八號及」ヲ削ル
第三十二條第三項中「前二項」ヲ
「前項」ニ改メ同條第二項ヲ削ル
第三十三條第一項但書ヲ削ル
第三章中第三十三條ノ次ニ左ノ
條ヲ加フ
第三十三條ノ二·株式ノ〓算取引
ニ付綜合所得稅ヲ課スベキ者ニ
付テハ第二十三條ノ二ノ規定ニ
依ル控除ヲ爲スモ不足アルトキ
ニ限リ命令ノ定ムル所ニ依リ綜
合所得稅額ヨリ其ノ不足額ヲ控
除ス
第三十四條第一項中「、乙種ノ退職
所得若ハ〓算取引所得」ヲ「若ハ乙
種ノ退職所得」ニ改メ同條ニ左ノ
一項ヲ加フ
政府ハ特別ノ事情アリト認ムル
トキハ前項ノ申請ナキ場合ト雖
モ第二十五條ノ規定ニ依ル控除
ヲ爲スコトヲ得
第三十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ特別ノ事情アリト認ムル
トキハ前項ノ申請ナキ場合ト雖
モ第二十四條ノ規定ニ依ル控除
ヲ爲スコトヲ得
第三十六條第一項中「、乙種ノ退職
所得及〓算取引所得」ヲ「及乙種ノ
退職所得」ご
第三十七條中「四月三十日」ヲ五五
月三十一日」三六人
第七十二條第一項中「又ハ甲種ノ
退職所得」ヲ「、甲種ノ退職所得又
ハ〓算取引所得」ニ、同條第二項
中「百分ノ十五」ヲ「百分ノ十八」ニ
改ム
第七十三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
不動產所得、乙種ノ配當利子所
得甲種及乙種ノ事業所得、乙
種ノ勤勞所得、山林ノ所得及乙
種ノ退職所得ニ對スル分類所得
稅竝ニ個人ノ總所得ニ對スル綜
合所得稅ハ其ノ年額ヲ一一分シ左
ノ二期ニ於テ之ヲ徵收ス
第一期其ノ年八月一日ヨリ
三十一日限
第二期翌年一月一日ヨリ三
十一日限
第八十四條第一項中「、乙種ノ退職
所得及〓算取引所得」ヲ「及乙種ノ
退職所得」二段人
第百六條第一項中「及第二十一條
第三項ニ規定スル預金ノ利子竝ニ」
ヲ「、銀行貯蓄預金、市町村農業會
貯金、產業組合貯金、市街地信用組
合貯金其ノ他命令ヲ以テ定ムル預
金ノ利子及」二六六
第二條法人稅法中左ノ通改正ス
第六條中「及積立金額ノ合計金額」
ヲ削ル
第十二條中「開始シタル年及其ノ
翌年ヨリ三年間」ヲ「開始シタル事
業年度及其ノ翌事業年度開始ノ日
ヨリ三年以內ニ終了スル事業年度
ニ於テ」三六人
第十五條削除
第十六條第一項第一號中「百分ノ
三十」ヲ「百分ノ三十二一」ニ、「百分
ノ四十五」ヲ「百分ノ四十八」ニ改
メ同項第二號ヲ左ノ如ク改ム
二〓算所得
〓算所得金額ヲ左ノ如ク區分
シ各稅率ヲ適用ス
積立金又ハ本法其ノ他ノ法律
ニ依リ法人稅ヲ課セラレザル
所得ヨリ成ル金額
百分ノ二十六
其ノ他ノ金額
百分ノ四十八
第三條時別法人稅法中左ノ通改正
ス
第五條第一項及第二項中「及積立
金額ノ合計金額」竝ニ同條第三項
及第四項ヲ削ル
第九條特別法人稅ハ左ノ稅率ニ
依リ之ヲ賦課ス
一各事業年度ノ剩餘金
百分ノ二十二
二〓算剩餘金
〓算剰餘金額ヲ左ノ如ク區分
シ各稅率ヲ適用ス
積立金ヨリ成ル金額
百分ノ二十六
其ノ他ノ金額
百分ノ四十二
所得稅ヲ課セラレザル法人ノミ
ヲ以テ組織スル特別ノ法人ノ〓
算剩餘金ニ對スル特別法人稅ハ
前項ノ規定ニ拘ラズ〓算剩餘金
中積立金ヨリ成ル金額以外ノ金
額ノ百分ノ二十二ニ相當スル金
額ヲ以テ其ノ稅額トス
第九條ノ二本法ニ於テ積立金ト
ハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ
問ハズ特別ノ法人ノ各事業年度
ノ剩餘金中其ノ留保シタル金額
ヲ謂フ
特別法人稅トシテ納付スベキ金
額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ
之ヲ算入セズ
第四條營業稅法中左ノ通改正ス
第十二條中「三年間」ノ下ニ「(法人
ニ付テハ當該事業ヲ開始シタル事
業年度及其ノ翌事業年度開始ノ日
ヨリ三年以內ニ終了スル事業年度
ニ於テ」)ヲ加フ
第二十五條第二項中「八月一日ヨ
リ三十一日限」ヲ「九月一日ヨリ三
十日限」ニ、「一月一日ヨリ三十一
日限」ヲ「二月一日ヨリ末日限」ニ
改ム
第五條臨時利得稅法中左ノ通改正
ス
第二十六條第二項ヲ左ノ如ク改ム
個人ノ利得ニ付テハ〓時利得稅
ノ年額ヲ二分シ左ノ二期ニ於テ
之ヲ徵收ス但シ納稅義務者納稅
管理人ノ申告ヲ爲サズシテ本法
施行地外ニ住所又ハ居所ヲ移ス
トキハ直ニ其ノ臨時利得稅ヲ徵
收スルコトヲ得
第一期其ノ年十月一日ヨリ
三十一日限
第二期翌年三月一日ヨリ三
十一日限
一〓酒
第一級一石ニ付
第一級版一石ニ付
二合成〓酒一石ニ付
三濁酒一石ニ付
四白酒一石ニ付
五味淋一石ニ付
六焼酎一石ニ付
八七麥酒一石ニ付
果實酒
第一級一石ニ付
第二級一石ニ付
第三級一石ニ付
第六條地租法中左ノ通改正ス
第十一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
地租ノ納期ハ每年十一月一日ヨ
リ三十日限トス
第七十一條第二項中「次ノ」ヲ削ル
第七十三條地租ハ各納稅義務者
ニ付同一市町村内ニ於ケル土地
ノ賃貸價格ノ合計金額ニ依リ算
出シ之ヲ徵收ス但シ賃貸價格ノ
合計金額ガ十圓ニ滿タザルトキ
ハ地租ヲ徵收セズ
第七十三條ノ二中「各納期ニ於ケ
ル」ヲ削ル
第七十四條第一項中「納期每ニ其
ノ」ヲ削ル
第七條通行稅法中左ノ通改正ス
第二條第一項中「二錢五厘」ヲ四
錢」ニ、「一錢二厘五毛」ヲ「一一錢」
ニ、「二厘五毛」ヲ「五厘」ニ、同條
第二項中「十一一錢」ヲ「二十錢」ニ、
「六錢」ヲ「十錢」ニ改ム
第二條ノ二第一項中「五十錢」ヲ
「八十錢」ニ、「二十五錢」ヲ「四十
錢」ニ、「五錢」ヲ「十錢」ニ改ム
第八條酒稅法中左ノ通改正ス
第二十七條第一項及第二項ヲ左ノ
如ク改ム
酒稅ノ稅率左ノ如シ
千二百四十五圓
五百八十五圓
五百四十五圓
三百五十圓
千五十圓
七百五十五圓
五百七十圓
四百五十圓
七百五十圓
四百圓
三百三十圓
九雜酒
第一級一石ニ付
第二級一石ニ付
第三級一石ニ付
第四級一石ニ付
命令ヲ以テ定ムルアルコール分
ヲ超エアルコール分五十度ヲ超
エザル酒類(麥酒ヲ除ク)ニ付テ
ハ前項及第二十七條ノ二ノ規定
ニ依ル金額ヲ命令ヲ以テ定ムル
アルコール分(指定アルコール
分ト稱ス以下同ジ)ノ度數ヲ以
テ除シテ得タル金額ノ百分ノ百
二十ニ相當スル金額ヲ指定アル
コール分ヲ超ユル一度每ニ前項
ノ規定ニ依ル酒稅額ニ加算ス
同條第三項中「三十六圓」ヲ「五十
三圓」ニ改ム
第二十七條ノ二中「百分ノ三百」ヲ
「百分ノ四百」ニ改ム
第二十七條ノ三ヲ削リ第二十七條
ノ四ヲ第二十七條ノ三トス
第三十五條中「第二十七條ノ三ニ
規定スル酒類ト其ノ他ノ酒類トニ
區分シテ」ヲ削ル
第六十二條削除
第六十三條第一項中「、前條」及
「、酒稅輕減額若ハ交付金額」、同條
第二項中「前條第一項、」竝ニ同條
第三項中「及前條第二項」ヲ削ル
第六十六條中「、第六十二條第一
項ヲ削ル
第六十七條中「第六十條乃至第六
十三條」ヲ「第六十條、第六十一條、
第六十三條」三尺人
第八十三條第一項第一號中「二百
八十五圓」ヲ「五百三十圓」ニ、二
十四圓」ヲ「四十三圓」ニ、同項第二
千二百圓
千圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度每ニ六十七圓ヲ加フ
千圓
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコー
ル分二十度ヲ超ユル一度每ニ五十五圓ヲ加フ
七百圓
號中「二百八十五圓」ヲ「五百十五
2H3「十七圓」ヲ「二十五圓」ニ、
同條第三項中「第三級」ヲ「第二級、
三八、
第八十三條ノ二ヲ削ル
第八十四條第一項中「三百二十八
圓」ヲ「五百五十八圓」ニ、「十九
圓五十錢」ヲ「二十六圓五十錢「ニ、
同條第三項中「第一項」ヲ「前項」ニ
改メ同條第二項ヲ削ル
第九條遊興飮食稅法中左ノ通改正
ス
第二條第一項第三號中「遊興飮食」
ノ下ニ「又ハ宿泊(洋式ノ旅館以外
ノ旅館ニ於ケル宿泊ニ付テハ飮食
ヲ含ム以下同ジ)」ヲ、同項第五號
中「前各號」ノ下ニ「及第七號」ヲ加
ヘ同項第六號中「旅館ニ於ケル宿
泊ノ料金」ヲ「洋式ノ旅館ニ於ケル
宿泊ノ料金但シ第三號ニ該當スル
場合ヲ除ク」ニ改メ同項ニ左ノ一
號ヲ加フ
七洋式ノ旅館以外ノ旅館ニ於
ケル宿泊ノ料金但シ第三號ニ
該當スル場合ヲ除ク
イ命令ヲ以テ定ムル一人一
泊ノ料金(以下普通宿泊料
ト稱ス)ガ七圓ニ滿タザル
宿泊料金ノ百分ノ二十
ロ普通宿泊料ガ十二圓ニ滿
タザル宿泊料金ノ百分ノ
四十
ハ普通宿泊料ガ十二圓以上
ノ宿泊料金ノ百分ノ七十
一人一泊ノ宿泊ノ料金中普通
宿泊料ヲ超ユル金額ニ付テハ百
分ノ十ヲ加算シタル稅率ニ依ル
同條第二項中「前項」ヲ「第一項」
ニ、「五圓ニ滿タザルモノニ付テハ」
ヲ「十圓ニ滿タザルモノニ付テハ」ニ
改メ同項ニ左ノ三號ヲ加フ
六一人一囘六圓ニ滿タザルモ
一人一囘ニ付四圓
七一人一囘八圓ニ滿タザルモ
ノ一人一囘ニ付五圓五十
錢
八一人一囘十圓ニ滿タザルモ
ノ一人一囘ニ付七圓五十
錢
同條第三項中「前二項」ヲ「第一項
及第三項」ニ改メ同條第一項ノ次
ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ洋式ノ旅館ハ命令ヲ以テ
之ヲ定ム
第三條中「及旅館ニ於ケル宿泊
ノ料金ガ一人一泊三圓ニ滿タザ
ル場合」ヲ「、洋式ノ旅館ニ於ケル
宿泊ノ料金ガ一人一泊三圓ニ滿タ
ザル場合及洋式ノ旅館以外ノ旅館
ニ於ケル普通宿泊料ガ四圓五十錢
ニ滿タザル場合」ニ改メ同條但書及
第三號中「遊興飮食」ノ下ニ「又ハ宿
泊」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
五洋式ノ施館以外ノ旅館ニ於
ケル普通宿泊料ガ四圓五十錢
ニ滿タザルモ一人一汨ニ付領
收スベキ宿泊ノ料金ガ四圓五
十錢以上ト爲リタル場合ノ宿
泊ノ料金
第十條入場稅法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一囘一圓未滿ノ
モノ入場料ノ百分ノ百
入場料ガ一人一囘一圓以上ノ
モノ入場料ノ百分ノ二百
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場
ノ契約ヲ爲シタルモノ
入場料ノ百分ノ百五十
第二種ノ場所
撞球場、スケート場、第二種第
三號ノ場所入場料ノ百分ノ百
麻雀場入場料ノ百分ノ百
五十
ゴルフ場入場料ノ百分ノ二
百
第十一條骨牌稅法中左ノ通改正ス
第五條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ命令ノ定ムル所ニ依リ骨牌
稅額ニ相當スル現金ヲ政府ニ納
付シテ骨牌ノ包裏ニ納稅濟證印
ノ押捺ヲ受ケ印紙貼用ニ代フル
コトヲ得
第六條中「貼用印紙」ノ下ニ三人
納稅濟證印ノ印影」ヲ加フ
第九條及第十條中「貼用ナキ」ノ下
ニ「若ハ納稅濟證印ノ押捺ヲ受ケザ
ル」ヲ加フ
第十五條第一項及第十六條第一項
中「貼用ナキ」ノ下ニ「又ハ納稅濟
證印ノ押捺ヲ受ケザル」ヲ加フ
第十二條臨時租稅措置法中左ノ通
改正ス
第一條中「田畑地租」ヲ削リ「課稅
標準ノ計畫」ノ下ニ「若ハ其ノ徵
收ヲタン
第一條ノ三第一項中「三年間」ノ下
ニ「(法人ニ付テハ設備ヲ增設シタ
ル事業年度及其ノ翌事業年度開始
ノ日ヨリ三年以內ニ終了スル事業
年度ニ於テ)」ヲ、同條第二項中「三
年問」ノ下ニ「(法人ニ付テハ製造
ヲ開始シ又ハ設備ヲ增設シタル事
業年度及其ノ翌事業年度開始ノ日
ヨリ三年以內ニ終了スル事業年度
ニ於テ)」ヲ加フ
第一條ノ四中「利益」ヲ「利得」ニ改
メ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
八其ノ他命令ヲ以テ定ムルモ
第一條ノ八中「百分ノ十九ヲ百分
ノ十五」ヲ「百分ノ二十二ヲ百分ノ
十八」三尺人
第一條ノ九中「百分ノ五」ヲ「百分
ノ六三分くん
第一條ノ十中「百分ノ四乃至百分
ノ五」ヲ「百分ノ六乃至百分ノ七」ニ
改ム
第一條ノ十四中「百分ノ十九ヲ百
分ノ十六」ヲ「百分ノ二十二ヲ百分
ノ十九」ニ、「百分ノ三十六ヲ百分ノ
三十三」ヲ「百分ノ三十九ヲ百分ノ
三十六」ニ改ム
第一條ノ十七法令、法令ニ基ク
命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡
旋ニ依リ企業整備ノ必要其ノ他
命令ヲ以テ定ムル事由ニ因リ昭
和二十一年三月三十一日迄ニ合
併又ハ解散シタル法人ノ〓算所
得ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ
法人稅法第十六條ニ規定スル稅
率百分ノ二十六ヲ百分ノ十三、
百分ノ四十八ヲ拂込資本金額百
萬圓以下ノ法人ニ付テハ百分ノ
二十七、拂込資本金額百萬圓ヲ
超ユル法人ニ付テハ百分ノ三十
二トシタル場合ノ差減額ニ相當
スル法人稅ヲ輕減ス
第一條ノ十八中「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」受
第一條ノ十九法令、法令ニ基ク
命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡
旋ニ依リ法人ノ積立金ヲ以テ爲シ
タル利益ノ配當ガ株式ノ拂込又ハ
出資ニ充テラレタル場〓ロニ於テハ當
該利益ノ配當ニ付テハ命令ノ定ム
ル所ニ依リ其ノ十分ノ五ヲ控除シ
タル金額ニ依リ所得稅ヲ賦課ス
第一條ノ二十中「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」ニ改メ同條ニ左ノ
一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ法令、法令ニ基ク
命令又ハ行政官廳ノ指導若ハ斡
旋ニ依リ昭和十九年一月一日以
後昭和二十一年三月三十一日迄
ニ企業整備ノ必要其ノ他命令ヲ
以テ定ムル事由ニ因リ營業以外
ノ事業ノ全部又ハ大部分ヲ廢止
シタル個人ノ當該事業ヨリ生ズ
ル所得ニ付之ヲ進用ス
第一條ノ二十一中「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」ニ、「營業」ヲ「事
業」ニ改メ「輕減又ハ免除ス」ノ下
ニ「徴用ニ因リ退職シタ。ル者ノ退
職前ニ支拂ヲ受ケタル俸給、給料、
賞與又ハ此等ノ性質ヲ有スル給與
ニ付昭和二十年分以降ノ乙種ノ勤
勞所得ニ對スル分類所得稅及綜合
所得稅亦同ジ」ヲ加フ
第一條ノ二十二中「昭和十九年」ヲ
「昭和二十年」ニ、「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」ニ、「十分ノ二」ヲ
「十分ノ三」ニ改メ「不動産上ノ權
利ヲ使用セシムル一切ノ場合ヲ含
ム」ノ下ニ「以下同ジ」ヲ加ヘ同條
ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場合ニ於テ不動產又ハ不
動產上ノ權利ノ譲渡ガ防空法第
五條ノ十ノ規定ニ基ク命令ニ依
ルモノナルトキハ當該讓渡ニ因
リ生ズル利得ニ付テハ命令ノ定
ムル所ニ依リ臨時利得稅ヲ免除
ス
第一條ノ二十三第一項中「昭和十
九年」ヲ「昭和二十年」ニ改ム
第一條ノ二十五第一項中「十分ノ
三」ヲ「十分ノ五」ニ改ム
第一條ノ二十六第一項中「及前二
年分」及「ノ平均額」ヲ削リ「十分ノ
二」ヲ「十分ノ三」ニ、「十分ノ四」ヲ
「十分ノ六」ニ、同條第二項中111
萬圓以上ノ者又ハ其ノ年中ノ營業
ノ所得金額ガ其ノ年分ノ營業ノ所
得ノ決定金額」ヲ「五萬圓」ニカク、
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第二項ノ規定ハ個人ノ
其ノ年中ノ乙種ノ事業所得ニ該
當スル所得ノ金額ガ其ノ年分ノ
乙種ノ事業所得ノ決定金額ニ對
シ五割以上減少シタル場合ニ付
之ヲ準用ス
第一條ノ二十九中「ニ規定スル」ヲ
「又ハ臨時資金調整法ノ規定ニ依
リテ爲ス」ニ改ム
第一條ノ三十二法人ノ納付シタ
ル罰金又ハ科料(通〓處分ニ依
リ納付シタル罰金又ハ科料ニ相
當スル金額ヲ含ム)ハ法人稅法
ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純
益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ
計算上之ヲ預金ニ算入セズ
第一條ノ三十三中「所得稅法、」ヲ
削ル
第一條ノ三十五中「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」ニ、「第九條ノ規
定ニ拘ラズ百分ノ十一一·五ノ稅率
ニ依リ特別法人稅ヲ賦課ス」ヲ「第
九條第一項ニ規定スル稅率百分ノ
二十六ヲ百分ノ十三、百分ノ四十
二ヲ百分ノ二十二、同條第二項ニ
規定スル稅率百分ノ二十二ヲ百分
ノ十二·五トシタル場へ〓ノ差減額ニ
相當スル特別法人稅ヲ輕減ス」ニ
改ム
第二條命令ヲ以テ定ムル法人ガ
各事業年度ノ所得及資本ニ對ス
ル法人稅、各事業年度ノ純益ニ
對スル營業稅又ハ臨時利得稅ニ
付爲スベキ法人稅法第十八條、
營業稅法第十五條又ハ臨時利得
稅法第十五條ノ中〓ノ期限ハ之
ヲ每事業年度決算確定後六十日
以內トス
第三條前條ニ規定スル法人ハ命
令ノ定ムル〓ニ依リ各事業年度
ノ所得及資本ニ對スル法人稅、
各事業年度ノ純益ニ對スル營業
稅竝ニ臨時利得稅ヲ前條ノ規定
ニ依ル申告ト同時ニ政府ニ納付
スベシ
第四條第二條ニ規定スル法人前
條ノ規定ニ依リ法人稅、營業稅
若ハ臨時利得稅ヲ納付セザル場
合又ハ其ノ納付シタル稅額ガ納
付スベキ稅額ニ對シ不足スル場
合ニ於テハ納付スベキ稅額又ハ
不足スル稅額ニ命令ノ定ムル所
ニ依リ計算シタル金額ヲ命令ノ
定ムル所ニ依リ加算シテ之ヲ徵
收ス
第五條法人稅法第十四條及營業
稅法第九條ノ規定ハ前條ノ規定
ニ依リ臨時利得稅ノ額ニ加算シ
タル金額ニ付テハ之ヲ適用セズ
第六條納稅施設法第七條乃至第
九條ノ規定ハ第二條ニ規定スル
法人ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七條乃至第十二條削除
第十三條同一人ニ付第一條ノ二
十及第一條ノ二十六ノ規定ニ該
當スル事由アルトキハ輕減又ハ
免除額ノ多額ト爲ルベキ一ノ規
定ヲ適用ス
第十三條ノ二ヲ削ル
第二十二條ノ三中「昭和二十年」ヲ
「昭和二十一年」ニ改ム
第十三條所得稅法人稅內外地關涉
法中左ノ通改正ス
第一條中「、乙種ノ退職所得竝ニ〓
算取引所得」ヲ「竝ニ乙種ノ退職所
得三之
第四條所得稅法施行地ニ住所ヲ
有シ又ハ一年以上居所ヲ有スル
個人ノ同法第十條ニ規定スル甲
種若ハ乙種ノ事業所得又ハ同法
第二十八條中ニ規定スル所得中ニ
朝鮮又ハ臺灣ニ於ケル法令ニ依
リ第二種ノ所得トシテ所得稅ヲ
課スル報酬若ハ料金又ハ株式ノ
〓算取引ニ因ル所得アルトキハ
命令ノ定ムル所ニ依リ所得稅法
ニ依ル所得稅額ヨリ當該第二種
ノ所得ニ對スル所得稅額ヲ控除
ス
第二十二條第一項中「及所得稅法
第二十一條第三項ニ規定スル預金
ノ利子竝ニ」ヲ「、銀行貯蓄預金、
市町村農業會貯金、產業組合貯金、
市街地信用組合貯金其ノ他命令ヲ
以テ定ムル預金ノ利子及」ニ改ム
第十四條戰時災害國稅減免法中左
ノ通改正ス
第二條政府ハ戰時災害アリタル
地方ニ於テ納付スベキ國稅及戰
時災害ニ因ル被害者ノ納付スベ
キ國稅ニ付勅令ノ定ムル所ニ依
リ課稅標準ノ計算、調査及決定
ニ關スル特例ヲ設クルコトヲ得
政府ハ戰時災害アリタル地方ニ
於ケル所得調査委員會ニ關シ勅
令ノ定ムル所ニ依リ特例ヲ設ク
ルコトヲ得
第三條中「申請」ノ、下ニ「(審査ノ請
求及異議ノ申立ヲ含ム)」ヲ加ヘ同
條ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ戰時災害アリタル地方ニ
於テ爲シ又ハ戰時災害ニ因ル被
害者ノ爲スベキ國稅ニ關スル支
拂調書、計算書其ノ他命令ヲ以
テ定ムル書類ノ提出ニ付勅令ノ
定ムル所ニ依リ特例ヲ設クルコ
トヲ得
第十五條納稅施設法中左ノ通改正
ス
第一章中第六條ノ次ニ左ノ三條ヲ
加フ
第六條ノ二政府ハ納稅團體ノ管
理スル納稅資金又ハ納稅團體ニ
對シ國稅ノ納付ヲ委託シテ交付
シタル金錢等ガ亡失シタル爲彼
害ヲ受ケタル團體員ニ對シ命令
ノ定ムル所ニ依リ國稅ヲ輕減又
ハ免除スルコトヲ得
團體員前項ノ規定ニ依リ國稅ノ
輕減又ハ免除ヲ受ケタルトキハ
當該團體員ガ前項ノ管理ニ關シ
又ハ前項ノ委託ニ基キ有スル權
利ハ輕減又ハ免除ヲ受ケタル國
稅額ノ限度ニ於テ消滅ス
第一項ノ規定ニ依リ輕減又ハ免
除セラルル國稅ハ法令上ノ納稅
資格要件ニ關シテハ輕減又ハ免
除セラレザルモノト看做ス
第六條ノ三政府ハ前條第一項ノ
規定ニ依リ國稅ヲ輕減又ハ免除
シタル場合ニ於テ同項ニ規定ス
ル亡失ガ納稅團體ノ役員、使用
人等ノ故意又ハ過失ニ因ルト認
メラルルトキハ納稅資金亡失責
任審査委員會ノ諮問ヲ經テ此等
ノ者ニ對シ輕減又ハ免除シタル
國稅額ノ全部又ハ一部ニ相當ス
ル金額ノ賠償ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ賠償金ノ徵收ニ付テハ國
稅徵收ノ例ニ依ル
第一項ノ規定ニ依リ賠償ヲ命ゼ
ラレタル者其ノ命令又ハ賠償金
ノ徵收ニ付不服アルトキハ訴願
ヲ爲シ又ハ行政裁判所ニ出訴ス
ルコトヲ得
納稅資金亡失責任審査委員會ニ
關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
第六條ノ四第六條ノ二竝ニ前條
第一項及第二項ノ規定ハ都道府
縣市町村其ノ他命令ヲ以テ定
ムル公共團體ノ租稅公課ニ付之
ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ政府ト
アルハ都道府縣、市町村其ノ他命
令ヲ以テ定ムル公共團體トシ納
稅資金亡失責任審査委員會ノ諮
問トアルハ都道府縣參事會、市
參事會、町村會其ノ他之ニ準ズ
ルモノノ議決トス
前項ニ於テ準用スル前條第一項
ノ規定ニ依リ賠償ヲ命ゼラレタ
ル者其ノ處分ニ付不服アルトキ
ハ都道府縣ニ對スル賠償ニ在リ
テハ主務大臣ニ訴願ヲ爲シ市町
村其ノ他ノ公共團體ニ對スル賠
償ニ在リテハ地方長官ニ訴願ヲ
爲シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ
主務大臣ニ訴願ヲ爲スコトヲ得
前項ノ賠償ヲ命ゼラレタル者賠
償金ノ徵收ニ付不服アルトキハ
都道府縣ニ對スル賠償金ニ在リ
テハ行政裁判所ニ出訴シ市町村
其ノ他ノ公共團體ニ對スル賠償
金ニ在リテハ地方長官ニ訴願ヲ
爲シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ
行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前二項ノ規定ニ依ル地方長官ノ
裁決ニ付テハ市町村長其ノ他之
ニ準ズル者ヨリモ主務大臣ニ訴
願ヲ爲シ又ハ行政裁判所ニ出訴
スルコトヲ得
第十六條輕金屬製造事業法中左ノ
通改正ス
第十條第一項中「五年以內」ヲ「十
年以內」ニ改ム
第十七條國民貯蓄組合法中左ノ通
改正ス
第四條ノ二市町村農業會其ノ他
第條第四號ノ團體ヘノ貯金ニ
シテ命令ヲ以テ定ムルモノハ國
民貯蓄組合ノ斡旋ニ依ラザルモ
ノト雖モ前條ノ規定ノ適用ニ付
テハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除
クノ外之ヲ國民貯蓄組合ノ斡旋
ニ依ルモノト看做ス
附則
第十八條本法ハ昭和二十年四月一
日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十四條及
第十五條ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之
ヲ施行ス
第十九條不動產所得、乙種ノ配當
利子所得、甲種及乙種ノ事業所得、
乙種ノ勤勞所得、山林ノ所得、乙
種ノ退職所得及個人ノ總所得ニ對
スル所得稅竝ニ個人ノ營業稅及臨
時利得稅ニ付テハ昭和二十年分ヨ
リ本法ヲ適用ス但シ第一一十條第一
項ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
法人ノ各事業年度ノ所得ニ對スル
法人稅、各事業年度ノ純益ニ對ス
ル營業稅及臨時利得稅ニ付テハ昭
和二十年一月一日以後ニ終了スル
事業年度分ヨリ、〓算所得ニ對ス
ル法人稅ニ付テハ同年四月一日以
後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分
ヨリ本法ヲ適用ス但シ第十六條ノ
規定ハ法人ノ昭和十九年九月二十
日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ
之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ第四項ノ規定ノ適用
ヲ妨ゲズ
臨時租稅措置法第二條乃至第六條
ノ改正規定ハ法人ノ昭和二十年四
月一日以後ニ終了スル事業年度分
ノ法人稅、營業稅及臨時利得稅ヨ
リ之ヲ適用ス
特別ノ法人ノ各事業年度ノ剩餘金
ニ對スル特別法人稅ニ付テハ昭和
二十年一月一日以後ニ終了スル事
業年度分ヨリ、〓算剩餘金ニ對ス
ル特別法人稅ニ付テハ同年四月一
日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因
ル分ヨリ本法ヲ適用ス
第二十條本法施行前ニ於ケル株式
ノ消却、退社、脫退、出資ノ減少、
解散又ハ合併ニ因ル從前ノ所得稅
法第八條ニ規定スル利益ノ配當及
剩餘金ノ分配竝ニ本法施行前ニ於
ケル株式ノ〓算取引ニ因ル所得ニ
對スル所得稅ニ付テハ仍從前ノ例
ニ依ル但シ當該利益ノ配當及剩餘
金ノ分配ニ對スル綜合所得稅竝ニ
當該〓算取引所得ニ對スル分類所
得稅ノ徵收ニ付テハ改正後ノ所得
稅法第七十三條ニ規定スル納期ニ
依ル
本法施行前ニ於ケル合併又ハ解散
ニ因ル法人ノ〓算所得ニ對スル法
人稅又ハ時別ノ法人ノ〓算剩餘金
ニ對スル特別法人稅ニ付テハ仍從
前ノ例ニ依ル
第二十一條本法施行前ニ於テ從前
ノ規定ニ依リ酒稅ノ輕減又ハ交付
金ノ交付ヲ受ケ又ハ受クベカリシ
酒類ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル但
シ本法施行後其ノ用途ヲ變更スル
場合ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
酒類ノ製造者若ハ販賣業者又ハ命
令ヲ以テ定ムル者ガ本法施行ノ際
製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ
於テ各種類ヲ通ジ合計四斗以上ノ
酒類ヲ所持スル場合及其ノ所持ス
ル酒類ガ合計四斗ニ滿タザルモ命
令ヲ以テ定ムル酒類ガム口計一斗以
上ナル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以
テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造
者ト看做シ其ノ所持スル酒類ニ對
シ酒稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本
法施行ノ日ニ於テ其ノ酒類ヲ製造
場ヨリ移出シタルモノト看做シ改
正後ノ酒稅法第二十七條、第二十
七條ノ二、第八十三條又ハ第八十
四條ノ規定ニ依リ算出シタル稅額
ト從前ノ酒稅法第二十七條乃至第
二十七條ノ三又ハ第八十三條乃至
第八十四條ノ規定ニ依リ算出シタ
ル稅額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額ト
シ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收
ス
前項ノ製造者若ハ販賣業者又ハ命
令ヲ以テ定ムル者ハ其ノ所持スル
酒類ニ付從前ノ酒稅法第二十七條
ノ三ニ規定スル酒類ト其ノ他ノ酒
類トニ區分シ種類、級別及アルコー
ル分每ニ數量、價格及貯藏ノ場所
ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申
告スベシ
本法施行ノ際製造場ニ現存スル酒
類ニシテ戾入又ハ移入シタルモノ
ニ付テハ酒稅法第三十八條第一項
ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルト
キ酒稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ
第二項後段ニ規定スル稅額ヲ以テ
其ノ稅額トス
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=13
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014・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 所得稅法
外十六法律中改正法律案ニ付キマシテ
說明致シタイト存ジマス
今ヤ重大ナル時局ニ際シ臨時軍事費
其ノ他決戰下避クベカラザル諸經費
ハ、相當多額ニ上ル見込デアリマシテ、
之ニ對處シテ國庫收入ノ增加ヲ圖ルノ
要アルト共ニ、最近ニ於ケル通貨金融
等ノ諸情勢ニ顧ミマスレバ、國民購買
力ヲ吸收シ、、戰時經濟ノ運營ヲ圓滑ナ
ラシムル方途ヲ講ズルノ要アリト認メ
ラレルノデアリマス、支那事變勃發以
來累次ノ增稅ニ依リマシテ國民ノ租稅
負擔ハ著シク增加シテ居ルノデアリマ
スガ、此ノ際重ネテ增稅ヲ行フコトハ、
叙上ノ理由ニ依リ洵ニ已ムヲ得ザルモ
ノアリト認メル次第デアリマス、而シ
テ苛烈ナル現戰局下、且ツ稅制ノ根本
的改變ヲ行ヒテヨリ未ダ數年ヲ經ザル
今日、租稅制度ニ改變ヲ加フルコトナ
ク、現行制度ニ簡素且ツ重點的ニ增率
ヲ行フヲ適當ト認メマジテ、分類所得
稅法人稅、特別法人稅、通行稅、酒
稅入場稅ニ限リ增徵ヲ行フコトト致
シタノデアリマス、尙ホ本增稅ノ實施
ト共ニ戰時下緊要ナル諸政策ノ遂行ニ
資スル爲メ、租稅ノ減免ヲ行フコトト
シ、又官民相互ノ手數ノ省略ノ爲メ、
或ハ非常ノ際ニ於ケル稅務ノ運營ニ支
障ナカラシメンガ爲メ、ソレ〓〓必要
ナル稅法ノ改正ヲ行フコトト致シタノ
デアリマス
今增稅案ノ內容ヲ說明致シマスレバ、
先ヅ分類所得稅デアリマスガ、稅率ヲ
原則トシテ百分ノ三引上グルコトト致
シマシタ、卽チ勤勞所得ニ付キマシテ
ハ、百分ノ十五ノ稅率ヲ百分ノ十八ニ、
事業所得ニ付キマシテハ、百分ノ十八
ヲ百分ノ二十一ニ、株式配當等ニ付キ
マシテハ百分ノ十九ヲ百分ノ二十二
ニ引上ゲントスルノデアリマス唯不
動產所得ニ付テハ現行百分ノ二寸一デ
アリマスガ、他ノ資產所得ト同樣之ヲ
百分ノ二十三ニ止ムルヲ合理的デアル
ト認メ、尙ホ元本五千圓以下ノ預貯金
ノ利子ニ付テハ百分ノ五ヲ百分ノ七
ニ、百分ノ二ノ增徵ニ止メタノデアリ
やっく、尙ホ免稅點、基礎控除、扶養家
族生命保險料ノ控除等ハ現行通リニ
据置クコトト致シタノデアリマス、是
等分類所得稅ノ稅率引上ニ依リマシテ、
平年度八億四千餘萬圓ノ增收ト相成ル
見込デアリマス、法人稅ニ付キマシテ
ハ個人ノ分類所得稅ノ引上ニ照應致シ
マシテ、法人ノ所得ニ對スル稅率ヲ百分
ノ三引上ゲ、百分ノ三十三ニ致シタノデ
アリマス、右法人稅ノ增徵ト同樣ノ趣旨
ニ依リ、特別法人稅ノ稅率ニ付テモ百
分ノ二引上ゲ、百分ソ二十二ニ致シタ
ノデアリマス、之ニ依リ法人稅及ビ特
別法人稅ヲ通ジ、平年度一億二千九百
餘萬圓ノ增收ト相成ル見込デアリマス、
通行稅ニ付キマシテハ、稅率ヲ三等一
「キロ」二厘五毛ヲ五厘ニ、二等一錢二
厘五毛ヲ二錢ニ、一等二錢五厘ヲ四錢
ニ引上グル等ノ增徵ヲ行フコトト致シ
タノデアリマス、之ニ依ツテ通行稅ハ
平年度一億三百餘萬圓ノ增收ト相成ル
見込デアリマス、次ニ酒稅ニ付キ申述
ベマスレバ、〓酒ニ付キマシテハ第一
級酒ハ現在一石ニ付キ九百九十五圓、
篁一級酒ハ六百二十圓ノ稅率デアリマス
ガ、生產配給ノ見地ヨリ其ノ區分ヲ撤發
シ、第一級酒第二級酒ヲ合セテ之ヲ第
一級酒トシ、一石ニ付キ千一一百四十五圓
ト致シ、又現在ノ第三級酒ハ一石ニ付
キ三百四十圓デアリマスガ、之ヲ第二
飯酒トシ、一石ニ付キ五百八十五圓ニ
引上ゲ其ノ他ノ酒類ニ付テモ之ニ準
シテナ當ニ份率ノ引上ヲ行フコトト致
シタノデアリマス、尙ホ價格時配酒ハ
タイマ!ノ事情ヲ考慮シ、之ヲ廢止スルコ
トト致シタノデアリマス、以上ノ改正
ニ依ツテ酒稅ハ平年度七億四百餘萬圓
ノ增收ト相成ル見込デアリマス、入場
稅ニ付キマシテハ其ノ消費ノ性質上、
此ノ際其ノ稅率ヲ引上グルヲ適當ト認
メ、第一種、卽チ映畫館、劇場等ハ現
行稅率ハ五十錢未滿ノモノ百分ノ三十、
一圓未滿ノモノ百分ノ六十デアリマス
カ、之ヲ合セテ百分ノ百トシ、又一圓
以上ノモノハ現在入場料ニ應ジ百分ノ
百乃至百分ノ二百トナツテ居ルノデア
リマスガ、之ヲ合セマシテ一圓以上ノ
モノハ百分ノ二百ト致シタノデアリマ
ス、之ニ依ツテ入場稅ハ平年度一億三
百餘萬圓ノ增收ト相成ル見込デアリマ
ス
次ニ本增稅ト共ニ行ハントスル稅法
ノ改正ニ付キ、其ノ大要ヲ說明致シタ
イト存ジマス、第一ハ企業ノ再編成、
資金ノ蓄積等、時局下緊要ナル諸政策
ノ圓滑ナル遂行ニ資スル爲メ、租稅ノ
減免ヲ行ハントスルモノデアリマス、
卽チ企業整備等ノ場合ニ於ケル所得
稅法人稅、營業稅等ノ輕減又ハ免除
ノ特例ヲ一年間延長致シマスルト共
二、其ノ適用範圍ヲ擴張シ、又政府ノ
指導斡旋ニ依リ法人ガ合併、解散ヲナ
シタル場合ニ於テ、課稅ノ輕減範圍ヲ
擴張スルト共ニ、其ノ積立金ヲ株式ノ
拂込ニ振替ヘタル場△ロニ付テモ、課稅
輕減ノ途ヲ閉クコトト致シタノデアリ
やっと、其ノ他建物ノ强制疎開ノ塲合ニ
於ケル讓渡利得ニ對スル課稅ノ免除、
山林ノ增伐所得ニ對スル課稅輕減ノ擴
張、長期預貯金ノ利子ニ對スル分類所
得稅ノ輕減ノ擴張、輕金屬製造事業ノ
設備ノ新設又ハ增設ノ場合ニ、法人稅
ヲ免除スベキ期限ノ延長等ガ其ノ主ナ
ル改正デアリマス
第二ハ官民相互ノ手數ヲ省略スル爲
メ、租稅ノ賦課徵收ノ簡素化及ビ合理
化ニ關スルモノデアリマス、其ノ主ナ
ルモノニ付キ申上ゲマスルト、株式ノ
〓算取引所得ニ付テハ、差金決濟ノ都
度源泉課稅スルコトニ改メ、又法人ノ
合併、解散ノ場合ニ於テ、株主、社員
ガ拂込額ヲ超過シテ交付ヲ受ケタル金
額ヲ配當ト看做シテ、所得稅ヲ課稅ス
ル制度ヲ廢シマシテ、之ヲ〓算所得ニ
對スル法人稅等ニ統合シテ課稅スルコ
トト致シマシタル外、少額ナル地租、
家屋稅ノ免稅範圍ヲ擴張シ、又所得稅、
個人ノ臨時利得稅及ビ地租ノ納期ノ囘
數ヲ減少スルコトト致シタノデアリマ
ス、尙ホ遊興飮食稅ニ付テハ、旅館ニ
於ケル食事料金ト宿泊料金トニ付キ、
從來個別ニ課稅手續ヲナシ來レルヲ、
一括シテ課稅スルコトニ改メ、納稅切
符ノ使用範圍ヲ擴張シ、納稅證紙ノ貼
用ヲ省略シ得ル途ヲ開キ、骨牌稅ニ付
テモ納稅濟證印ノ押捺ヲ以テ、印紙貼
用ニ代ヘ得ル特例ヲ設クルコトト致シ
タノデアリマス
第三ハ現下ノ緊迫セル情勢ニ對處
シ、稅務ノ圓滑ナル運營ヲ期スル爲ノ
改正デアリマス、先ヅ法人ニ付キ申告
納稅制度ヲ創設シタコトデアリマス、
從來法人ニ對スル法人稅、臨時利得稅
等ノ決定ニ付テハ、法人ノ決算確定後、
自然相當ノ期間ヲ經過シ、一面國庫收
入ノ遲延ヲ來シマスト共ニ、他面會社經
理上不都合ノ場合少カラザリシニ顧ミ
マシテ、今囘資本金一定額以上ノ法人
及ビ特定ノ法人ニ付キマシテハ、決算
確定後六十日以內ニ、法人稅、營業稅
及ゼ臨時利得稅ニ付キ、自ラ稅額ヲ算
定シテ納稅スルコトニ改メタノデアリ
せつ、、尤モ後日稅務官廳ニ於テ、法規
ニ照シ納付過ギノモノハ之ヲ還付シ、
足ラザルモノハ之ヲ追徵スルコトニ致
シタイト存ジマス
次ニ戰時災害ノ場合ニ於ケル租稅ノ
輕減免除等ニ付テハ、旣ニ法令ノ制定
ヲ見テ居ルノデアリマスガ、最近ニ於
ケル戰局ノ進展ニ伴ヒ、緊急已ムヲ得
ザル場合ニ於テハ、戰時災害被害者等
ノ納付スベキ國稅ニ付キ、課稅標準ノ
調査決定ニ關シ特例ヲ設ケ、又戰時災
害地方ニ於ケル所得調査委員會ノ運營
ニ付テモ、機宜ニ應ズル特例ヲ設ケ得
ルコトトスル等、戰時災害ノ場合ニ對
處スル規定ヲ整備シ、以テ決戰下ニ於
ケル稅務行政ノ圓滑ナル運營ニ資シタ
イト存ジマス、其ノ他納稅國體ノ管理
スル納稅資金等ノ亡失シタル場合ニ於
ケル、納稅者ニ對スル救濟規定ヲ整備
スル等ノ改正ヲ行ハントスルモノデア
リマス
以上申述ベマシタ增稅ニ依リマシテ、
平年度ニ於テ十八億八千百餘萬圓、初
年度デアリマス昭和二十年度ニ於テ十
七億百餘萬圓ノ增收ト相成ルノデアリ
マスガ、增稅ト共ニ實施致シマス稅制
ノ改正ニ依リマシテ、平年度ニ於テ七
千六百餘萬圓ノ減收、初年度ニ於テハ
二億二千百餘萬圓ノ增收ヲ生ズルト云
フ結果ニ相成ルノデアリマシテ、結局
今囘ノ增稅及ビ稅制改正ヲ通ジマシテ、
平年度十八億五百餘萬圓、昭和二十年
度十九億二千三百餘萬圓ノ增收ト相成
ル見込デアリマス、而シテ昭和二十年
度ノ增收金額ハ、一切之ヲ擧ゲテ臨時
軍事費特別會計ニ繰入ルヽコトト致シ
テ居ルノデアリマス何卒御審議ノ上
速カニ協寶ヲ與ヘラレンコトヲ希望ス
ル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=14
-
015・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諸リ致シ
マハ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=15
-
016・小泉純也
○小泉純也君 本案ハ議長指名二十七
名ノ委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=16
-
017・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=17
-
018・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシ
タ日程第十、地方稅法及地方分與
稅法中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマ
ス大達內務大臣
第十地方稅法及地方分與稅法中
改正法律案(政府提出)第一讀會
地方稅法及地方分與稅法中改正法
律案
第一條地方稅法中左ノ通改正ス
第六十六條第二項中「八圓」ヲ十
二圓」ニ、「六圓」ヲ「九圓」ニ、四
圓」ヲ「六圓」ニ改ム
第二條地方分與稅法中左ノ通改正
ス
第二條第二項及第六條第一項中
「百分ノ九·九八」ヲ「百分ノ十·〇
六」ニ、「百分ノ十·一八」ヲ「百分
ノ十四·四〇」ニ改ム
第十條第一號中「百分ノ六十」ヲ
「百分ノ六十三」ニ、同條第二號中
「百分ノ四十」ヲ「百分ノ三十七」ニ
改ム
第十六條第二項中「前項ノ」ヲ削リ
「三十萬」ヲ「六十萬」ニ改ム
第二十條第一項第二號中「各總人
口」ヲ「各總割增人口」三六人
第二十四條第二項中「前項ノ」ヲ削
リ「四十萬」ヲ「六十萬」ニ改ム
第三十條第二項中「前項ノ」ヲ削リ
「一萬五千」ヲ「三萬」ニ改ム
第三十七條第二項中「前項ノ」ヲ削
リ「八百」ヲ「二千」ニ改ム
第四十七條第一一項中「百分ノ九·九
八」ヲ「百分ノ十·〇六」ニ、「百分ノ
十·〇八」ヲ「百分ノ十·一二二、昭和
二十一年度ニ於テハ百分ノ十·
四、昭和二十二年度ニ於テハ百分
ノ十·〇八」ニ、同條第三項中급
分ノ十·一八」ヲ「百分ノ十四·四
○」ニ改メ同項中「百分ノ十·三二」
ノ下ニ「、昭和二十年度ニ於テハ百
分ノ十四·五六、昭和二十一年度ニ
於テハ百分ノ十七·九五」ヲ加フ
第四十八條第二項及第三項ヲ左ノ
如ク改ム
第六條第一項中百分ノ十·〇六
トアルハ昭和十七年度分ニ付テ
ハ百分ノ二十二·三五、昭和十八
年度分ニ付テハ百分ノ十九·四
五昭和十九年度分ニ付テハ百
分ノ十三·六六、昭和二十年度分
ニ付テハ百分ノ十六·二八、昭和
二十一年度分ニ付テハ百分ノ
十二·二二、昭和二十二年度分ニ
付テハ百分ノ十·三二、昭和二十
三年度分ニ付テハ百分ノ十·
四、昭和二十四年度分ニ付テハ
百分ノ十·〇八トス
第六條第一項中百分ノ十四·四
Oトアルハ昭和十七年度分ニ付
テハ百分ノ五十、昭和十八年度
分ニ付テハ百分ノ三十一·六二、
昭和十九年度分ニ付テハ百分ノ
二十·二一、昭和二十年度分ニ付
テハ百分ノ十三·七八、昭和二十
一年度分ニ付テハ百分ノ十四·
三·〇·昭和二十二年度分ニ付テ
ハ百分ノ十四·五六トス
附則
本法ハ昭和二十年四日一日ヨリ之ヲ
施行ス但シ第一條ノ規定ハ昭和二十
年度分ヨリ之ヲ適用ス
〔國務大臣大達茂雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=18
-
019・大達茂雄
○國務大臣(大達淺雄君) 只今議題ト
ナリマシタ地方稅法及地方分與稅法中
改正法律案ニ付キマシテ、提案ノ理由
ヲ御說明申上ゲマス
御承知ノ通リ昭和十五年ノ稅制改正
以後ノ時局ノ進展ニ伴フ地方財政事情
ノ變化ト、財政需要ノ增嵩ニ對處シマ
シテ、地方國體ヲシテ極力不急事業ノ
抑制、旣定經費ノ節減等ヲ圖ラシムル
ト共ニ、年々必要財源ノ擴充供與ニ努
メテ參ツタノデアリマスガ、最近ノ情
勢ハ愈〓地方負擔ノ激增ヲ來シテ居ル有
樣デアリマス、他面地方分與稅制度ノ
徑通年度終了ノ結果トシテ、地方財政
調整上ニ支障ヲ及ボスモノガアリマス
ノデ、地方團體ヲシテ時局下其ノ活動ノ
上ニ遺憾ナカラシムル爲メ、此ノ機會
ニ於テ當画スル地方財政需要ニ卽應ス
ルヤウ、財源ノ擴充ト配分ノ適正ヲ圖
ルノ必要アリト認メマシテ、今囘地方
稅法及ビ地方分與稅法中差當リ必要ト
認メラレル諸點ニ付キ改正ヲ加ヘント
スル次第デアリマス
改正ノ第一點ハ、市町村民稅ニ付キ
國民所得ノ狀況乃至市町村經費膨脹ノ
現狀ニ鑑ミマシテ、其ノ賦課總額ノ限
度ヲ引上グルコトト致シマシテ、之二
依リ地方財政需要充足ニ資セントスル
モノデアリマス、改正ノ第二點ハ、地方
財源ノ減少ノ補塡及ビ新タニ增加スル
地方財政需要ニ對スル財源ノ充足ヲ目
途ト致シマシテ、配付稅ノ繰入率及ビ
分與率ヲ改訂スルコトト致シマシテ、
地方財源ノ一部ヲ配付稅ニ於テ確保セ
ントスルモノデアリマス、第三點ハ、近
時道府縣ノ財政狀況ハ、市町村ノソレ
ニ比較致シマシテ、次第ニ窮屈ニナリ
ツヽアル狀況デアリマスノデ、配付稅
ノ道府縣分ト市町村分トノ割合ヲ改訂
シ、道府縣分ヲ若干增率スルコトト致
シマシテ、道府縣及ビ市町村ニ對スル
日財源附與ヲ、ソレ〓〓其ノ財政需要
ニ適合セシメントスルモノデアリマス、
改正ノ第四點ハ、大都市、都市、町村
間ノ財源ガ甚ダシク偏在ノ狀況ニアリ
マスノデ、現在大都市配付稅、都市配
付稅、及ビ町村配付稅ノ各總額ノ算定
ニ當リ、市町村配付稅總額ノ半額ヲ、
各〓、總人口ニ按分スルコトニナツテ居リマ
スノヲ、之ヲ、各〓總總增人口ニ按分ス
ルコトニ改メマシテ、其ノ間ノ配付稅ノ
分配ヲ合理的ニ致シタイト云フノデア
リマス、改正ノ第五點ハ、人口少數ナ
ル團體ノ財政狀況ハ、人口多數ナル團
體ノソレニ比較致シマシテ、其ノ運營
ガ〓シテ困難ナル狀況ニアリマスノ
デ、道府縣、大都市、都市、町村、其
ノ各〓ノ割增人口ヲ算定スルニ當リマ
シン、人口ニ加算スル一定數ヲ改メル
コトニ致シマシテ、各國體ニ對スル配
付稅ノ分與ヲ一層適正ナラシメントス
ルモノデアリマス
以上改正案ノ要旨ニ付テ御說明申上
ゲタ次第デアリマス、何卒御審議ノ上
速カニ御協賛アランコトヲ御願ヒ致シ
マス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=19
-
020・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=20
-
021・小泉純也
○小泉純也君 本案ハ政府提出所得稅
法外十六法律中改正法律案委員ニ併セ
付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=21
-
022・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=22
-
023・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認メ
マス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-日
程第十一、船員保險法中改正法律案ノ
第一讀會ヲ開キマス-廣瀨厚生大臣
第十一船員保險法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
船員保險法中改正法律案
船員保險法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ於テ報酬ト稱スルハ船舶所
有者ニ使用セラルル者ガ職務執行
ノ對償トシテ受クル給料及之ニ準
ズベキモノヲ謂フ
第五條保險料其ノ他本法ニ依ル徵
收金ヲ徵收シ又ハ其ノ還付ヲ受ク
ル權利及療養費、傷病手當金、障
害手當金、葬祭料又ハ第四十五條
ノ二ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル
權利ハ一年ヲ經過シタルトキ、養
老年金、障害年金、脫退手當金、
遺族年金又ハ第三十六條、第三十
七條、第四十二條乃至第四十二條
ノ三、第四十九條若ハ第五十條ノ
六ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル權
利ハ五年ヲ經過シタルトキハ時效
ニ因リテ消滅ス
第九條及第六十一條中「雇傭」ヲ使
用三段人
第十二條第三項中「市町村」ヲ「市町
村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テ
ハ東京都)」ニ、同條第四項中「市町
村ニ」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存ス
ル區域ニ於テハ東京都)ニ」ニ、市
町村ハ」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存
スル區域ニ於テハ東京都)ハ」ニ改ム
第十五條中國北海道、#府縣、市
町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ所有
ニ屬スル船舶ニ乘組ム船員」ヲ「國、
東京都、北海道、府縣、市町村其ノ
他之ニ準ズベキモノニ使用セラルル
者」三段五、
第十七條船員法第一條ニ規定スル
船員又ハ同法同條ニ規定スル船員
タルベキ者(以下船員ト總稱ス)ト
シテ船舶所有者ニ使用セラルル者
ハ船員保險ノ被保險者トス但シ左
ニ揭グル者ハ此ノ限ニ在ラズ
日本ノ國籍ヲ有セザル者
二前號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以
テ指定スル者
第十八條被保險者ハ船員トシテ船
舶所有者ニ使用セラルルニ至リタ
ル日又ハ前條各號ノ規定ニ該當セ
ザルニ至リタル日ヨリ其ノ資格ヲ
取得ス
第十九條中「船舶ニ乘組マザルニ至
リタル日、第十七條各號ノ規定ノ
ニ該當スルニ至リタル日又ハ日本ノ
國籍ヲ失ヒタル日」ヲ「船員トシテ船
舶所有者ニ使用セラレザルニ至リタ
ル日又ハ第十七條各號ノ一ニ該當ス
ルニ至リタル日」ニューム
第二十條第一項中「十年」ヲ「七年」ニ
改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ依ル被保險者ニ關シ
テハ老齡、脫退又ハ死亡ニ關スル
保險給付(葬祭料ヲ除ク)ニ限リ之
ヲ爲スモノトス
第二十二條第一項但書ヲ削リ同條第
二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ拘ラズ被保險者ノ資
格ヲ取得シタル月ニ於テ其ノ資格
ヲ喪失シタル場合ニ於テハ其ノ月
ハ一月トシテ之ヲ被保險者タリシ
期間ニ加算ス
第二十二條ノ二ヲ削ル
第二十三條中「第三十六條、第三十七
條若ハ第四十二條ノ規定ニ依ル一時
金又ハ死亡手當金」ヲ「遺族年金、葬
祭料、第三十六條、第三十七條、第
四十二條乃至第四十二條ノ三若ハ第
五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金又ハ
第二十七條ノ二ノ規定ニ依ル支給金」
三尺人
第二十四條中「及癈疾年金」ヲ「、障害
年金及遺族年金」ニ改ム
第二十七條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第二十七條ノ二保險給付ヲ受クル
權利ヲ有スル者ガ死亡シタル場合
ニ於テ其ノ者ガ支給ヲ受クベキ保
險給付ニシテ未ダ其ノ支給ヲ受ケ
ザリシモノ又ハ被保險者若ハ被保
險者タリシ者ガ死亡シタルニ因リ
支給スベキ脫退手當金ハ之ヲ被保
險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
第二十八條第三項ヲ削ル
第三十條被保險者又ハ被保險者タ
リシ者ガ療養ノ爲職務ニ服スルコ
ト能ハザルトキハ其ノ期間傷病手
當金トシテ一日ニ付報酬日額被保
險者タリシ者ニ在リテハ被保險者
ノ資格喪失當時ノ報酬日額)ノ百
分ノ六十ニ相當スル金額ヲ支給ス
第三十一條中「被保險者タリシ者」ヲ
「被保險者又ハ被保險者タリシ者」ニ
改ム
第三十二條療養ノ給付及傷病手當
金ノ支給ハ勅令ヲ以テ定ムル事由
ニ該當スルニ至リタルトキハ之ヲ
爲サズ
第三十五條養老年金ノ額ハ被保險
者タリシ全期間ノ平均報酬日額
(以下平均報酬月額ト稱ス)ノ四月
分ニ相當スル金額トシ被保險者タ
リシ期間十五年以上一年ヲ增ス每
ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬月額
(平均報酬月額ノ三十分ノ一ノ額
トス以下同ジ)ノ六月分ニ相當ス
ル金額ヲ加ヘタル金額トス
第三十六條養老年金ノ支給ヲ受ク
ル者カ職務上ノ事由以外ノ事由
(以下職務外ノ事由ト稱ス)ニ因リ
死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ
遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ
場合ニ於テ旣ニ支給ヲ受ケタル養
老年金ノ總額ガ養老年金ノ六年分
ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ
其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族
ニ支給ス
第三十七條十五年以上被保險者タ
リシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クル
コトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ
死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ
翌年年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ
ベニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受ク
ルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六
年分ニ相當スル金額ヲ一時金トシ
テ其ノ造族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第四十二條ノ規定ニ
依ル一時金ノ支給ヲ受クル場合ニ
於テハ之ヲ適用セズ
第三十八條削除
「第四節癈疾年金及癈疾手當金」ヲ
「第四節障害年金及障害手當金」ニ
改ム
第四十條被保險者ノ資格喪失前ニ
發シタル疾病又ハ負傷及之ニ因リ
發シタル疾病ガ勅令ノ定ムル期間
內ニ治癒シタル場合又ハ治癒セザ
ルモ其ノ期間ヲ經過シタル場合ニ
於テ勅令ノ定ムル程度ノ癈疾ノ狀
態ニ在ル者ニハ其ノ程度ニ應ジ其
ノ者ノ死亡ニ至ル迄障害年金ヲ支
給シ又ハ一時金トシテ障害手當金
ヲ支給ス
被保險者又ハ被保險者タリシ者ノ
前項ノ規定ニ依ル癈疾ノ程度ハ主
務大臣ノ認定スル所ニ依ル
職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタ
ル者ガ障害年金又ハ障害手當金ノ
支給ヲ受クルニハ廢疾ト爲リタル
日前六年間ニ三年以上保險者タ
リシ者タルコトヲ要ス
第四十一條障害年金ノ額ハ左ノ區
別ニ依ル金額トス
被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務上ノ事由ニ因リ癈疾ト
爲リタル場合ニ於テハ平均報酬
月額ニ癈疾ノ程度ニ應ジ別表第
一ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル
金額
二被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト
爲リタル場合ニ於テハ平均報酬
月額ノ四月分ニ相當スル金額
十五年以上被保險者タリシ者ニ關
シテハ其ノ者ニ支給セラルル障害
年金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以
上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ
平均報酬日額ノ六日分ニ相當スル
金額ヲ加ヘタル金額トス
前二項ノ規定ニ拘ラズ障害年金ノ
額ハ平均報酬月額ノ十一一月分ニ相
當スル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十一條ノ二障害手當金ノ額ハ
左ノ區別ニ依ル金額トス
被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務上ノ事由ニ因リ癈疾ト
爲リタル場合ニ於テハ平均報酬
月額ニ癈疾ノ程度ニ應ジ別表第
二二定ムル月數ヲ乘ジテ得タル
金額
二被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト
爲リタル場合ニ於テハ平均報酬
月額ノ十月分ニ相當スル金額
第四十二條職務上ノ事由ニ因ル發
疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ交
給ヲ受クル者又ハ十五年以上被保
險者タリシ者ニシテ職務外ノ事由
ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害
年金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外
ノ事由ニ因リ死亡シタル際其ノ者
ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受
クベキ者ナキ場合ニ於テ既ニ支給
ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ障害
年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿
タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金ト
シテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十二條ノ二十五年未滿被保險
者タリシ者ニシテ職務外ノ事由ニ
因ル廢疾ト爲リタルニ因リ障害年
金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外ノ
事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テ
旣ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總
額ガ被保險者ノ資格喪失ノ際支給
ヲ受クルコトヲ得ベカリシ脫退手
當金及平均報酬月額ノ十月分ノ合
算額(平均報酬月額ノ二十二月分
ヲ超ユルトキハ二十二月分ニ止
ム)ニ相當スル金額ニ滿タザルト
キハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ
遺族ニ支給ス
第四十二條ノ三被保險者又ハ被保
險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因
リ勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタ
ル際其ノ者ノ死亡ニ聞シ遺族年金
ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於
テハ平均報酬月額ノ三工-六月分ニ
相當スル金額ヲ一時金トシテ其ノ
遺族ニ支給ス
十五年以上被保險者タリシ者ニ關
シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル一
時金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以
上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ
平均報酬日額ノ三十六日分ニ相當
スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第一項ノ場合ニ於テ職務上ノ事由
ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障
害年金ノ支給ヲ受クル者ニ關シテ
ハ其ノ者ガ旣ニ支給ヲ受ケタル障
害年金ノ總額ガ障害年金ノ六年分
ニ相當スル金額ニ滿タザル場合ニ
於テ其ノ差額ガ第一項又ハ前項ノ
金額ヲ超ユルトキハ其ノ超ユル部
分ノ金額ニ相當スル金額ヲ第一項
又ハ前項ノ金額ニ加ヘテ其ノ遺族
ニ支給ス
第四十三條中「癈疾年金」ヲ「障害年
金又ハ二以上ノ障害年金」ニ改ム
第四十四條第四十八條及第四十九
條中「癈疾年金」ヲ「障害年金」ニ改
ム
第四十五條養老年金又ハ障害年金
ヲ受クル權利ヲ有スル者ニハ障害
手當金ヲ支給セズ
同條ノ次ニ左ノ二條ヲ加フ
第四十五條ノ二養老年金又ハ障害
年金ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ職務
上ノ事由ニ因ル障害手當金ヲ受ク
ベキ程度ノ癈疾ト爲リタル場合ニ
於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ一時、
金ヲ支給ス
第四十五條ノ三障害年金ノ支給ヲ
受クル被保險者ガ其ノ資格ヲ喪失
シタルトキハ前後ノ被保險者タリ
シ期間ヲ合算シテ障害年金ノ額ヲ
改定ス
前項ノ規定ニ依リ障害年金ノ額ヲ
改定スル場合ニ於テ其ノ額ガ從前
ノ障害年金ノ額ヨリ少キトキハ從
前ノ障害年金ノ額ヲ以テ改定障害
年金ノ額トス
第四十六條三年以上十五年未滿被
保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ
因リ死亡シタルトキ又ハ其ノ資格
ヲ喪失シタル後更ニ被保險者ト爲
ルコトナクシテ一年ヲ經過シタル
トキハ脫退手當金ヲ支給ス但シ其
ノ者ガ障害手當金ノ支給ヲ受クル
トキハ一年ヲ經過セザル場合ト雖
モ之ヲ支給ス
前項ノ規定ニ拘ラズ現ニ被保險者
タル者ニ對シテハ脫退手當金ハ之
ヲ支給セズ
第四十七條脫退手當金ノ額ハ平均
報酬月額ニ被保險者タリシ期間ニ
依リ別表第三ニ定ムル月數ヲ乘ジ
テ得タル金額トス但シ障害手當金
ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ額
ハ障害手當金ノ額ト合算シテ平均
報酬月額ノ二十二月分ニ相當スル
金額(職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト
爲リタルニ因リ障害手當金ノ支給
ヲ受クル者ニ支給スベキ脫退手當
金ノ額ニ付テハ障害手當金ノ額ト
合算シテ平均報酬月額ノ二十六月
分ニ相當スル金額)ヲ超ユルコト
石鹸、
第四十七條ノ二三年以上十五年未
滿被保險者タリシ者ガ職務外ノ事
由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其
ノ者ニ付支給セラルル脫退手當金
ノ額ハ前條ノ坦定ニ拘ラズ平均報
酬月額ニ被保險者タリシ期間ニ依
リ別表第四ニ定ムル月數ヲ乘ジテ
得タル金額トス
第四十七條ノ三六月以上三年未滿
被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由
ニ因リ死亡シタルトキ廿六ノ他命令
ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ第四十
六條第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ
定ムル所ニ依リ脫退手當金ヲ支給
ス
「第六節死亡手當金」ヲ「第六節
遣族年金及葬祭料」ニット·
第五十條左ノ各號ノ一ニ該當スル
場合ニ於テハ被保險者タリシ者ノ
遺族ニ對シ遺族年金ヲ支給ス
ー十五年以上被保險者タリシ者
ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタ
ルトキ
二蔵務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲
リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ
受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ
死亡シタルトキ
三被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十
二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅
令ノ定ムル期間內ニ死亡シタル
トキ
第五十條ノ二、遺族年金ノ額ハ左ノ
區別ニ依ル金額トス
養老年金ノ支給ヲ受クル者又
ハ職務外ノ事由ニ因ル癈疾ト爲
リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ
受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ
死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者
ニ支給セラルル養老年金又ハ障
害年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當ス
ル金額
二十五年以上被保險者タリシ者
ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死
亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ
支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ
養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當
スル金額
三職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲
リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ
受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ
死亡シタル場合ニ於テハ平均報
酬月額ノ二月半分ニ相當スル金
額
四被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十
二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル剌
令ノ定ムル期間内ニ死亡シタル
場合ニ於テハ平均報酬月額ノ五
月分ニ相當スル金額
前項第三號又ハ第四號ノ場合ニ於
テ十五年以上被保險者タリシ者ニ
關シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル
遺族年金ノ額ハ十五年以上一年ヲ
增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬
日額ノ三日分ニ相當スル金額ヲ同
項第三號又ハ第四號ノ金額ニ加ヘ
タル金額トス
第五十條ノ三遺族年金ノ支給ヲ受
クベキ遺族ノ範圍ニ屬スル子現
ニ潰、族年金ノ支給ヲ受クル子ヲ除
々アルトキハ其ノ子一人ニ付平
均報酬日額ノ十日分ニ相當スル金
額ヲ前條各項ノ金額ニ加給ス
第五十條ノ四遣族年金ノ支給ヲ受
クル考ガ死亡シタルトキ其ノ他勅
仝ヲ以テ定ムル事由ニ該當スルニ
至リタルトキハ潰族年金ヲ受クル
權利ヲ失フ此ノ場合ニ於テ遺族年
金ノ支給ヲ受クベキ後順位者アル
トキハ其ノ者ニ遺族年金ヲ支給ス
第五一條ノ五遺族年金ノ支給ヲ受
クル者ガ一年以上所在不明ナルト
キハ次順位者ノ巾請ニ依リ所在不
明中遺族年金ノ支給ヲ停止スルコ
トヲ得
前項ノ規定ニ依リ遺族年金ノ支給
ヲ停止シタル場合ニ於テハ停止期
間中遺族年金ハ之ヲ當該次順位者
ニ轉給ス
第五十條ノ六遺族年金ノ支給ヲ受
クル者ガ遺族年金ヲ受クル權利ヲ
失ヒタル場合ニ於テ遺族年金ノ支
給ヲ受クベキ後順位者ナキトキハ
左ノ區別ニ依ル金額ヲ一時金トシ
テ被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給
ス
一養老年金又ハ障害年金ノ支給
ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因
リ死亡シタルニ因リ潰族年金ノ
支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ
旣ニ支給ヲ受ケタル養老年金又
ハ障害年金ト其ノ遺族ガ其ノ者
ノ死亡ニ關シ支給ヲ受ケタル遺
族年金トノ合算額ガ養老年金又
ハ障害年金ノ六年分ニ相當スル
金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
二十五年以上被保險者タリシ者
ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコト
ナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死
亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給
ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ
者ノ死亡ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケ
タル遺族年金ノ總額ガ其ノ者ノ
支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ
養老年金ノ六年分ニ相當スル金
額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
三被保險者又ハ被保險者タリシ
者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十
二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅
令ノ定ムル期間內ニ死亡シタル
ニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタ
ル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡
ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケタル遺族
年金ノ總額ガ同條各項ノ區分ニ
準ジ其ノ一時金ニ相當スル金額
ニ滿タザルトキハ其ノ差額
第五十條ノ七左ノ各號ノ一ニ該當
スル場合ニ於テハ被保險者タリシ
者ノ遺族ニ對シ葬祭料トシテ被保
險者ノ資格喪失當時ノ報酬月額ノ
二月分ニ相當スル金額ヲ支給ス
被保險者ガ死亡シタルトキ
二被保險者タリシ者ガ其ノ資格
喪失後三月以內ニ死亡シタルト
キ
三被保險者タリシ者ニシテ療養
ノ給付ヲ受クルモノガ死亡シタ
ルトキ
四被保險者タリシ者ニシテ療養
ノ給付ヲ受ケタルモノガ其ノ給
付ヲ受ケザルニ至リタル日後三
月以內ニ死亡シタルトキ
被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ
死亡シタル場合ニ於テ前項ノ規定
ニ依リ葬祭料ノ支給ヲ受クベキ者
ナキトキハ葬祭ヲ行ヒタル者ニ對
シ前項ノ金額ノ範圍內ニ於テ其ノ
葬祭ニ要シタル費用ニ相當スル金
額ノ葬祭料ヲ支給ス
第五十一條被保險者又ハ被保險者
タリシ者ガ自己ノ故意ノ犯罪行爲
ニ因リ又ハ故意ニ事故ヲ生ゼシメ
タルトキハ療養ノ給付又ハ傷病手
當金、障害年金、障害手當金、第
四十五條ノ二ノ規定ニ依ル一時
金〓遺族年金若ハ葬祭料ノ支給ヲ
爲サズ
第二十七條ノ二ノ規定ニ依ル支給
金第三十六條、第三十七條、笥
四十二條乃至第四十二條ノ三若ハ
第五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金、
遺族年金又ハ葬祭料ノ支給ヲ受ク
ベキ者ガ被保險者、被保險者タリ
シ者、第二十七條ノ二ノ規定ニ依
ル支給金ノ支給ヲ受クル者又ハ遺
族年金ノ支給ヲ受クル者ヲ故意ニ死
ニ致シタルトキハ其ノ者ニ對シテ
ハ支給ヲ爲サズ此ノ場合ニ於テ後
順位者アルトキハ其ノ者ニ支給ヲ
爲ス
第五十二條中「廢疾年金若ハ癈疾
手當金」ヲ「障害年金、障害手當金若
ハ第四十五條ノ二ノ規定ニ依ル一時
金」ニ改ム
第五十六條第一項中「癈疾年金」ヲ
「障害年金」ニ、同條第二項中「廢疾
年金若ハ癈疾手當金」ヲ「障害年金若
ハ障害手當金」ニ改ム
第五十七條中「又ハ癈疾年金」ヲ「、障
害年金又ハ遺族年金」ニ改ム
第五十八條第一項中「及傷病手當金」
ヲ「、傷病手當金及葬祭料」ニ、同條第
三項中「前二項」ヲ「前項及第七十六
條」ニ改メ同條第二項ヲ削ル
第六十條被保險者及被保險者ヲ使
用スル船舶所有者ハ各保險料額ノ
二分ノ一ヲ負擔ス但シ勅令ノ定ム
ル所ニ依リ船舶所有者ノ負擔スベ
キ割合ヲ增加スルコトヲ得
第二十條ノ規定ニ依ル被保險者ハ
前項ノ規定ニ拘ラズ保險料額ノ全
額ヲ負擔ス
第六十條ノ二被保險者ガ陸海軍ニ
徵集又ハ召集セラレタル場合ニ於
テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期
間保險料ヲ徵收セズ
第七十二條中「關東州船員令ニ依ル
船員」ヲ「關東州船員保險令ニ依ル被
保險者」ニ改ム
第八章戰時特例
第七十三條大東亞戰爭ニ際シ被保
險者ガ勅令ヲ以テ指定スル區域ヲ
主トシテ航行スル船舶(主務大臣
ノ指定スル船舶ヲ除ク)ニ被保險
者トシテ乘組ミタルトキハ勅令ノ
定ムル所ニ依リ其ノ期間ニ於ケル
被保險者タリシ期間ノ一月ニ付二
月以內ヲ加算ス
前項ノ場合ニ於テ被保險者ガ同項
ニ規定スル區域ヲ航行中戰爭危險
又ハ之ニ準ズベキ危險ニ遭遇シ因
リテ癈疾ト爲リ障害年金ノ支給ヲ
受クベキトキ若ハ第四十二條ノ三
第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル
期間內ニ死亡シタルトキ又ハ特別
ノ事由アル場合ニ於テハ前項ノ規定
ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ同
項ニ規定スル船舶ニ乘組ミタル期
間ニ於ケル被保險者タリシ期間ノ
一月ニ付三月以內ヲ加算ス
第七十四條昭和十六年十二月八ビ
以後障害年金及障害手當金ニ關ス
ル規定施行ノ日前ニ於テ被保險者
トシテ船舶ニ乘組ミ職務ニ從事中
戰爭危險又ハ之ニ準ズベキ危險ニ
遭遇シ因リテ障害年金及障害手営
金ニ關スル規定施行ノ日ニ於テ障
害年金又ハ障害手當金ノ支給ヲ受
クベキ程度ノ癈疾ノ狀熊ニ在ル者
ニ對シテハ障害年金及障害手當金
ニ關スル規定施行ノ日前ニ於テ癈
疾ト爲リタル場合ト雖モ勅令ノ定
ムル所ニ依リ其ノ廢疾ノ程度ニ應
ジ障害年金又ハ障害手當金ヲ支給
ス
第七十五條昭和十六年十二月八日
以後遺族年金ニ關スル規定及第四
十二條ノ三ノ規定施行ノ日前ニ於ハ
テ被保險者トシテ船舶ニ乘組ミニ
務ニ從事中戰爭危險又ハ之ニ準ズ
ベキ危険ニ遭遇シ因リテ死亡シタ
ル者ニ關シテハ遺族年金ニ關スル
規定及第四十二條ノ三ノ規定施行
ノ日前ニ於テ死亡シタル場合ト雖
モ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ遺族
ニ對シ遺族年金又ハ第四十二條ノ
三ノ規定ニ依ル一時金ヲ支給ス
第七十六條國庫ハ第五十八條第一
項ノ規定ニ拘ラズ第七十三條ノ規
定ニ依リ增加スベキ保險給付ニ要
スル費用ヲ負擔ス
國庫ハ第五十八條第一項ノ規定ニ
拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ大東
亞戰爭ニ際シ被保險者トシテ船舶
ニ乘組ミ職務ニ從事中戰爭危險又
ハ之ニ凖ズベキ危険ニ遭遇シ因リ
テ發疾ト爲リ又ハ死亡シタル者ニ
關シ支給スベキ障害年金、障害手
當金、遺族年金又ハ第四十二條、
第四十二條ノ三、第四十五條ノ一
若ハ第五十條ノ六ノ規定ニ依ル
時金ノ支給ニ要スル費用ヲ負擔ス
附則第二項中「別段ノ定ヲ爲スコト
ヲ得」ノ下ニ「但シ第四十二條ノ三若
ハ第四十七條ノ二又ハ第五十條第三
號ノ規定ニ該當スル者ニ付テハ此ノ
限ニ在ラズ」ヲ加へ同項ノ次ニ左ノ
一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ脫退手當金ノ支
給ヲ受クル者ニハ第四十七條ノ三ノ
規定ニ依ル脫退手當金ヲ支給セズ
附則
第一條本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以
テ之ヲ定ム
第二條第七十三條ノ規定ハ昭和十
九年一月一日以後同條ノ船舶ニ乘
組ミタル期間ニ之ヲ適用ス
昭和十九年一月一日前ニ於ケル被
保險者タリシ期間ノ加算及之ニ因リ
增加スベキ保險給付ニ要スル費用ノ
負擔ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
第三條第七十四條及第七十五條ノ
規定ニ依ル障害年金又ハ遺族年金
ハ第二十四條ノ規定ニ拘ラズ本法
施行ノ日ヨリ之ヲ支給ス
第四條本法施行ノ際發疾年金ノ支
給ヲ受クル者ニ對スル障害年
金ノ支給及其ノ者ガ死亡シタ
ル場合ニ於ケル第四十二條ノ改正
規定又ハ第四十二條ノ一一ノ規定ニ
依ル一時金ノ支給ニ關シ必要ナル
事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第五條
左ノ通改正ス
ヲ「、
第六條
第二十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
船員保險法ニ依リ療養ノ給付、
於テ同項ノ規定ニ依ル扶助、
スコトヲ要セズ
別表第一
癈疾ノ程度
一級
二級
三級
四級
五級
六級
別表第二
廢疾ノ程度
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
別表第三
昭和十五年法律第十四號中
第一條及第二條中「及傷病手當金」
傷病手當金及葬祭料」ニ改ム
船員法中左ノ通改正ス
傷
病手當金又ハ葬祭料ニ支給セラル
ベキトキハ船船所有者ハ前項ノ規
定ニ拘ラズ其ノ保險給付ノ限度ニ
手當
ノ支給又ハ葬祭ノ費用ノ負擔ヲ爲
月數
月
八○
七○
六三
六○
五五
五〇
月數
月
二五
二0
-五
一二
九
六
四
ニ
被保險者タ
リシ期間
三年以上
四年以上
五年以上
六年以上
七年以上
八年以上
九年以上
一〇年以上
-一年以上
一二年以上
一三年以上
一四年以上
別表第四
被保險者タ
リシ期間
三年以上
四年以上
五年以上
六年以上
七年以上
八年以上
九年以上
-○年以上
-一年以上
一二年以上
一三年以上
一四年以上
月數
月
三0
四○
五.〇
六0
七0
八五
。 00
二五
一一一0
西.五
一六O
一八0
月數
月
五0
六.五
八0
九·五
0
三五
四○
一五五
-七○
一九○
二二○
一二三○
〔國務大臣廣瀬人忠君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=23
-
024・國務大臣(廣瀨久忠君)
○國務大臣(廣瀨久忠君) 只今議題ト
ナリマシタ船員保險法中改正法律案ノ
提案ノ理由ヲ說明致シマス
戰局愈、危急ナル現情勢下ニ於キマシ
テ、海上輸送ノ飛躍的增强ヲ國リマス
コトハ聖戰ヲ完遂スル最大要件ノ
ツデアリマス是ガ爲ニハ海上第一線
ニ決死敢圖ヲ續ケツヽアル船員ノ勤勞
態勢ヲ更ニ强化シ、其ノ志氣ヲ愈。昂揚
セシメ、後顧ノ憂ヒナク輸送報國ノ任
務達成ニ挺身セシムルヤウハ各般ノ施
策ヲ强力ニ推進スルノ要アルヲ痛感
致シマス、我ガ國勤勞保護制度ノ現狀
ヲ見マスルニ、陸上勤勞者ニ對シマシ
テハ其ノ援護ノ强化ニ付キ各般ノ施
策ガ進メラレ、ソレ〓〓其ノ效果ヲ擧
ゲツヽアルノデアリマスガ、之ヲ船員
保護制度ノ現狀ニ見マス時ハ、遺憾ノ
點ナシトシナイノデアリマス、現下戰
局ノ實相ニ鑑ミマシテ、船員援護ノ徹
底的强化ヲ圖ルコトコソ、刻下焦眉ノ
急務ナリト存ズル次第デアリマス、仍
テ玆ニ本改正法律案ヲ提出致シタ次第
デアリマス
今其ノ〓要ニ付テ申述ベマスレバ、
先ヅ被保險者ノ擴充デアリマス、卽チ
船員ノ海上勤務ノ特殊事情ニ基キマシ
テ、從來本法律ノ適用範圍外ニ置カレ
マシタ豫備船員等ニ付キマシテモ、本法
ノ適用ヲ擴張スルコトト致シマシタ、
次イデ保險給付ノ全面ニ亙ツテ給付金
額ノ增加、保險給付支給條件ノ緩和等、
內容ノ改善ヲ圖リ、時ニ職務ノ爲メ傷
塡ヲ受ケ、又ハ之ニ殉ジタル者ニ對シ
テハ、其ノ給付ノ內容ヲ一段ト充實ス
ルコトト致シマシタ、又新タニ遺族年
金及ビ葬祭料制度ヲ創設致シマシテ、
遺族援護ノ强化ヲ圖リ、船員ヲシテ後
顧ノ憂ヒナク挺身敢鬪シ得ルヤヴ、諸
般ノ配意ヲ行ツタノデアリマス、以上
ノ如ク致シマシテ、陸上勤務者ニ對ズ
ハ厚生保險制度タル健康保險、又ハ厚
生年金保險ノ制度ニ比シ遜色ナキマデ
ニ保險給付ノ內容ヲ擴充シ、其ノ援護
ノ徹底ヲ期シタ次第デアリマス、其ノ
他最モ重要ナルコトハ、更ニ戰時特例
ト致シマシテ、船員優遇ノ爲メ特段ノ
考慮ヲ拂ツタ點デアサマス、卽チ愈〓深
刻苛烈ノ度ヲ加へ來リマシタ海上輸送
戰ニ於テ、或ハ敵ノ潜水艦ノ襲擊ヲ受
ケ或ハ敵機ノ爆擊ノ危險ニ曝サレナ
ガラ、前総勇士ヘノ海上補給ニヌ.
銃後ノ生產力增强物資ノ輸送ニ決死
敢鬪スル船員ノ努力ニ報イ、其ノ志氣
ヲ愈〓〓〓場致シマス爲ニ、從來ノ戰時加
算率ヲ更ニ大幅ニ增率ヲ〓シ、之ニ要
スル費用ヲ國庫ニ於テ負擔スルコトト
致シマシタ、是ト共ニ戰時危險ニ基因
スル傷害死亡等ニ関スル保險給付ノ費
用ニ付キ、戰時危險ノ特殊性ニ鑑ミマ
どう、之ヲ保險料ト切離シ、是亦國庫
ノ負擔ト致シ、更ニ又船員援護ノ徹底
ヲ期スル爲メ、苟クモ大東亞戰爭勃發
後戰時危險ノ爲ニ癈疾トナリ、又ハ死
亡シタ者ニ對シテハ總テ障害年金、
遺族年金等ノ給付ヲ行フコトトシ、其
ノ費用ハ之ヲ國庫ニ於テ負擔スルコト
トナス等、船員ノ優遇ニ極力努メタ次
第デアリマス
以上改正案ノ要旨ヲ申上ゲマシタ、
何卒御審議ノ上速カニ御協賛アランコ
トヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=24
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025・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諸リ致シ
WA発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=25
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026・小泉純也君
○小泉純也君 本案ハ議長指名十八名
ノ委員ニ付託サレンコトヲ望ミマス
議長(岡田忠彥君)小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=26
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027・議長(岡田忠彥君)
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ
程第十二乃至第十五ハ便宜上一
括議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=27
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028・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、日程第十二、地方鐵道及軌道
ニ於ケル納付金等ニ關スル法律案、日
程第十三、鐵道抵當法中改正法律案、
日程第十四、日本通運株式會社法中改
正法律案、日程第十五、郵便法中改正
法律案、右四案ヲ一括シテ第一讀會ヲ
開キマス-前田運輸通信大臣
第十二地方鐡道及軌道ニ於ケル
納付金等ニ關スル法律案(政府
提出)第一讀會
第十三鐵道抵當法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
第十四日本通運株式會社法中改
正法律案(政府提出)第一讀會
第十五郵便法中改正法律案政
府提出)第一讀會
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案
第一條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ運
賃ノ調整ヲ圖ル爲其ノ他特別ノ事
情ニ依リ地方方道又ハ軌道ノ運賃
ノ變更ヲ命ジ又ハ認可シタル場合
ニ於テ當該地方鐵道又ハ軌道ノ經
營者ガ之ニ因リ利益ヲ得タルトキ
ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ利益
金ノ全部又バ一部ヲ納付セシムル
コトヲ得
前項ノ規定ニ依ル納付金ハ法人稅
法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純
益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計
算上之ヲ損金ニ算入ス
第一項ノ規定ニ依ル納付金ハ國稅
滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徴收スル
コトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國
稅ニ次グモノトス
第二條前條第一項ノ規定ニ依ル納
付金ハ帝國鐵道會計資本勘定所屬
ノ特別ノ資金トシ豫算ノ定ムル所
ニ依リ大東亜戰爭ニ際シ地方鐵道
及軌道ノ輸送力ノ確保增强ヲ圖ル
等ノ爲必要ナル經費及臨時軍事費
特別會計ヘノ繰入金(昭和十三年
法律第二十二號ニ依ルモノヲ除ク)
ニ之ヲ充用スベシ
大東亞戰爭ニ際シ地方鐵道及軌道
ノ輸送力ノ確保增强ヲ圖ル等ノ爲
必要アル場合ニ於テ前項ノ特別ノ
資金ニ不足アルトキハ帝國鐵道會
計收益勘定ヨリ之ヲ補足スルコト
ヲ得
第三條第一條第一項ノ規定ニ依リ
納付スベキ納付金ニ關スル重要事
項ニ付テハ地方鐵道軌道納付金委
員會ノ意見ヲ徵スベシ
地方鐵道軌道納付金委員會ニ關ス
ル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ地
方鐵道又ハ軌道ノ輸送力ノ確保增
强ヲ圖ル爲其ノ他特別ノ事情ニ依
リ必要アリト認ムルトキハ地方鐵
道又ハ軌道ニ對シ地方鐵道補助
法及樺太地方鐵道補助法ノ規定ニ
拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ補助
金ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ補助金ハ第二條第一項ノ特
別ノ資金ヲ以テ之ヲ支辨スベシ
第一項ノ補助金ニ付テハ地方鐵道
補助法第六條及第七條ノ規定ヲ準
用ス
附則
本法ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ
施行ス
第一條第一項ノ規定ニ依ル納付金ハ
昭和十九年四月一日以後ニ於ケル運
賃ノ變更ニ因リ本法札行ノ日以後ニ
生ジタル利益ニ付之ヲ納付セシムル
モノトス
鐵道抵當法中改正法律案鐵道抵當法
中左ノ通〓正ス
第二十六條ノ二ノ次ニ左一條ヲ加フ
第二十六條ノ三軌道ヲ地方鐵道ニ
變更シタル場合ニ於テハ當該軌道
ニ付明治四十二年法律第二十八號
ノ規定ニ依リテ爲シタル處分、手
續登錄其ノ他ノ行爲ハ鐵道抵當
法中之ニ相當スル規定ニ依リテ之
ヲ爲シタルモノト見做ス
前項ノ場合ニ於ケル登錄ニ關シ必
要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十三條ヲ削ル
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二十六條ノ三ノ規定ハ本法施行前
軌道ヲ地方城道ニ變更シタル場合ニ
第一種書狀
第二種郵便葉書
第三種每月一囘以上刊行ス
ル定期刊行物
書籍、印刷物、業務
第四種用書寫眞、書書、
圖商品ノ見本及雛
形博物學上ノ標本
第五種農產物種子
附則
本法ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ
施行ス
〔國務大臣前田米藏君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=28
-
029・前田米藏
○國務大臣(前田米藏君) 只今上程サ
レマシタ運輸通信省關係四法案ニ付キ、
順次提案理由ヲ御說明申上ゲマス
先ヅ地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金
等ニ關スル法律案ノ提案理由ヲ御說明
申上ゲマス、地方鐵道又ハ軌道ガ事業
經營上ノ理由ニ基カズシテ、國有鐵道
ノ運賃トノ權衡ヲ圖ル爲メ、其ノ他戰
時施策ニ依ツテ運賃ノ引上ヲ致スコト
ガアリマス、此ノ場合之ニ依ル增收益
モ亦之ヲ適用ス
日本通運株式會社法中改正法律案
日本通運株式會社法中左ノ通改正ス
第九條ノ二第一項中「二千萬圓ヲ限
リ」ヲ削ル
第十七條削除
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
郵便法中改正法律案
郵便法中左ノ通改正ス
第十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
通常郵便物ノ種類及料金ハ左ノ如
シ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
料金ヲ低減スルコトヲ得
重量二十グラム又十錢
ハ其ノ端數每ニ
通常葉書五
往復葉書
封緘葉書
重量百グラム又ハ五錢
其ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ十錢
其ノ端數每ニ
重量百グラム又ハ三錢
其ノ端數每ニ
金ハ、其ノ增收ノ原因ヨリ見マシテ之
ヲ其ノ會社ノ所得ニ歸屬セシメズ、一
定ノ基準ニ依ツテ政府ニ納付致サセマ
スト共ニ、之ヲ財源トシテ戰時ニ於ケ
ル地方鐵道又ハ軌道ノ輸送力ノ確保增
强ヲ圖ル等ノ爲メ必要ナ經費、及ビ臨
時軍事費特別會計ヘノ繰入金ニ充用ス
ルコトガ、戰時下最モ適切ナ措置ト考
ヘマシテ、本法案ヲ提出スルコト〓致
シマシタ次第デアリマス
次ニ鐵道抵當法中改正法律案ノ提案
理由ヲ御說明申上ゲマス、現行法ノ現
定ニ依リマスト、抵當權ノ設定アル軌
道ガ地方鐵道ニ變更サレマシタ場ヘロニ
ハ一應軌道財團ヲ消滅セシメ、改メ
テ鐵道財團ヲ組成ノ上、抵當權ノ設定
及ビ登錄ノ、極メテ複雜ナ手續ヲ致サネ
バナラヌノデアリマスガ、此ノ手續ヲ
簡素ニスル爲メ、從來軌道トシテナサ
レタ處分、手續、登錄、其ノ他ノ行爲
ハ、鐵道抵當法ノ相當規定ニ依ツテナ
サレタモノト見做スコトト致シタイノ
デアリマス
次ニ日本通運株式會社法中改正法律
案ノ提案理由ニ付テ御說明申上ゲマス、
日本通運株式會社ハ昭和十二年設立以
來、鐵道小遣送ノ助成發達ニ專念スルト
共ニ、大東亞戰爭直前ヨリ六大都市其
ノ他重要地帶ニ於ケル鐵道小運送ノ擔
當者トシテ、小運送業ノ統合、貨物自動
車、荷牛馬車其ノ他ノ運搬具及ビ荷役機
械ノ增備竝ニ勤勞管理ノ刷新强化等ノ
諸方策ヲ講ジテ、小運送能力ノ增强ニ
努メテ參リマシタガ、戰局ノ急迫ニ依
リ鐵道輸送ハ更ニ增加ヲ豫想セラレ、
小運送力ノ整備擴充ハ愈。急ヲ要スル
モノガアリマスノデ、日本通運株式會
社ヲ中心トスル鐵道小運送力ノ緊急增
强ヲ圖ルコトトシタノデアリマス、而
シテ其ノ所要事業資金ノ調達ニ關シマ
シテハ、主トシテ社債ニ依ルヲ適當ト
認メラレルノデアリマスガ、現在日本
通運株式會社ノ發行スル社債ニ對スル
政府ノ元利支拂保證ノ眼度ハ二千萬圓
トナツテ居リマスノデ、此ノ制限ヲ除
キマシテ、社債ノ全類ニ付キ保證シ得
ルコトトシ、以テ小運送力ノ急速增强
ヲ圖ルニ必要ナル事業資金ノ調達ヲ圓
滑ナラシムベグ本法律案ヲ提出スル所
以デアリマス
最後ニ郵便法中改正法律案ノ提案理
由ヲ御說明致シマス、申上ゲルマデモ
ナク時局ハ趣メテ重大デアリマシテ、
東亞贋等完遂ノ爲ニ戰時通信能力ヲ
確保培强シ、又國庫收入ノ增加ヲ圖リ、
七戰時財政ノ强化ヲ期スルコトハ最モ- 25c
ノ要事デアリマス、斯カル必要ニ基キ
マシテ通信事業ノ圓滑ナル運營及ビ其
ノ能力ノ增强ニ必要ナル經費ニ充當致
シマスト共ニ、併セテ國家財政强化ニ
資スル爲ニ、郵便料金ノ引上ヲ致サン
トスルノデアリマスガ、書狀、葉書等
ノ通常郵便物ノ料金ハ郵便法ニ規定セ
ラレテ居リマス爲ニ、是ガ改正法律案
ヲ提出シタ次第デアリマス、今囘行ヒ
マス郵便料金ノ引上ハ、通當郵便料金
ノ全部ニ亙ツテ居リマスガ、郵便ハ最
モ普遍的ナ通信手段デアル點ニ鑑ミ、
引上割合ヲ可及的低クシマスト共ニ、
未熟從事員ノ增加、切手ノ調達困難等
ノ實情ニ鑑ミ、料金ノ種類、段階ヲ單
純ニシテ、以テ取扱ノ簡易化ト切手ノ
需給調節ヲ圖ツタノデアリマス
以上四法案ニ付キ何卒御審議ノ上速
カニ御協賛アランコトヲ希望致シマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=29
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030・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付テ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=30
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031・小泉純也
○小泉純也君 日程第十二乃至第十五
ノ四案ヲ一括シテ、議長指名十八名ノ
委員ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=31
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032・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=32
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033・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=33
-
034・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御報告致スコト
ガアリマス、議員川上嵐三君ハ去ル十
二月二十六日、議員飯塚茂君ハ一月十
二日、議員福井甚三君ハ一月十八日、
何レモ逝去セラレマシタ、洵ニ痛惜哀
悼ノ至リニ堪ヘマセヌ、川上君及ビ飯
塚君ニ對スル弔詞ハ議長ニ於テ先例ニ
依リマシテ既ニ贈呈致シマシタ、此ノ
際三君ニ對シソレ〓〓弔意ヲ表スル爲
メ、發言ヲ求メラレテ居リマス、順次
之ヲ許シマス-一松定吉君
〔一松定吉君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=34
-
035・一松定吉
○一松定吉君 私ハ玆ニ諸君ノ御同意
ヲ得マシテ、議員一同ヲ代表シ、故川
上胤三君ニ對シ謹ンデ哀悼ノ徵意ヲ表
明致シタイト存ジマス
客臘本議會ノ開會當時、君ハ不幸ニ
シテ病床ニ在リ、只管瘤疾ノ療養ニ努
メテ居ラレタノデアリマシタガ、逐〓
再ビ起ツ能ハズ、議會再開ノ日ヲ俟タ
ズシテ惜シクモ永眠致サレマシタ、洵
ニ哀惜ノ情禁ズル能ハザル次第デゴザ
イマス
顧ミマスレバ、過グル昭和十七年春
ノ總選擧ニ當リマシテ、幾多新人ノ出
馬ガ期待セラレ、君モ亦初メテ大阪第
一區ヨリ立候補シ、見事榮冠ヲ〓チ得
ラレタノデゴザイマス、平素君ヲ知ツ
テ居リマスル吾人ハ心カラ其ノ當選ヲ
祝シ、併セテ君ノ將來ニ大イナル望ミ
ヲ囑シタノデゴザイマス、果セル哉、
緊迫セル時局下、君ハ克ク議會人トシ
テノ重責ヲ果シ、眞摯敢鬪ヲ續ケテ居
ラレタノデゴザイマスガ、其ノ間、遞信
省委員トシテ、多年ノ經驗ト透徹セル
識見トヲ以テ、戰時下ノ重要國策ニ貢
獻セラレタル其ノ功績ハ、蓋シ尠少ナラ
ザルモノガアリマシタコトハ諸君御承
知ノ通リデゴザイマス、君ハ明治二十
年三月商都大阪ノ地ニ生レ、大阪ニ人
ト爲リ、專ラ實社會ニ於ケル修練ヲ重
ネラレ、細緻俊〓ニシテ且ツ豪膽ナル
爲人ハ洵ニ大阪實業人トシテノ好典型
ト申スベキデゴザイマセウ、君ハ大正
五年第一次歐洲大戰下ノ機運ニ乘ジ、
川上囘漕店ヲ創業セラレ、爾來拮据經
營遂ニ關西海運界ニ今日ノ名聲ヲ博
シ、最近ハ又南方海運株式會社社長ト
シテ、其ノ豐富ナル經驗ト、卓絕セル
才幹トヲ以テ、戰時下海運報國ノ熱意
ヲ傾ケテ居ラレマシタコトハ、其ノ功
績洵ニ大ナリト申サナケレバナリマセ
又、君ハ昭和四年實業界ノ有力者トシ
テ大阪商工會議所議員(ニ選バレ、連續
ンテ同所交通部長ノ地位ヲ兼ネ、或ハ大
阪實業聯合會理事長、大阪稅關貨物取
扱人聯盟會會長、戰時特別調停委員等
重要ナル公職ニ就キ、繁忙ノ裡ニ一身ヲ
顧ミズシテ活躍ヲ續ケテ居ラレタノデ
ゴザイマス、君ハ日頃敬神ノ念特ニ篤
ク、榮譽アル皇國臣民トシテノ信念ニ
徹シ、國家ノ危局ニ當リ、眞ニ滅私奉
公ノ實ヲ擧ゲテ居ラレタノデゴザイマ
ス、〓黨ニ於ケル君ノ絕大ナル信望モ
蓋シ故アリト存ズルノデゴザイマス
今ヤ大東亞戰爭完遂ノ爲メ凡ユル隘
路難關ヲ突破スル實力ガ各方面ニ要望
セラレ、君亦議會人トシテ熱心ニ民意
ノ暢達ヲ圖リツヽアリタル際、遂ニ長
逝セラル、洵ニ惜別ノ情切ナルモノガ
ゴザイマス、玆ニ一言弔辭ヲ述べ以テ
哀悼ノ誠ヲ捧グル次第デゴザイマス(拍
手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=35
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036・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 宮崎一君
〔宮崎一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=36
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037・宮崎一
○宮崎一君 諸君、私ハ各位ノ御同意
ヲ得マシテ議員一同ヲ代表シ、謹ンデ
故飯塚茂君ニ對シ哀悼ノ誠意ヲ披瀝致
シタイト存ジマス
君ハ明治二十二年七月栃木縣下都賀
郡三鴨村ニ出生致サレ、大正四年三月
慶應義塾大學法律學科ヲ卒業セラレタ
ノデアリマス、其ノ後間モナク南方資
源ノ開發ノ重要ナルニ思ヒヲ致サレテ
大正五年「マライ」半島ニ渡航セラレ、斯
界ノ先驅者トシテ先驅者ノ苦痛ト悲哀
トヲ昧ハウテ、たく其ノ閉發ニ挺身セラル
ルコト三十有餘年、送ニ飯塚鐵鑛株式
曾社ヲ創設シ、是ガ社長トナリ、石原
產業、日本鑛業等ノ諸會社ト共ニ、「ジ
ヨホール」州內ノ鐵鑛資源ノ開發ニ努
メラレ、時局下重大ノ使命ヲ達成セラ
レツヽアツタノデアリマス、而シテ大
東亞戰爭勃發スルヤ、「マライ」軍政監
部斷問トシテ活躍シ、昭和十七年四月
總選擧ニ際シマシテハ、君ノ多年ノ努
力ト〓究ハ國家ノ將ニ求メントスル所
ニ適合シ、君ハ埼玉縣第一區ヨリ推サ
とき、其ノ岳父加藤政之助翁ノ志ヲ繼
イデ見事當選セラレ、本院ニ議席ヲ占
メラレルコトニ相成ツタノデアリマス、
爾來熱心其ノ職務ヲ果サレテ、其ノ間
或ハ大藏省ノ委員トナリ、又大藏省外
資局ノ參與ヲ仰付ケラレマシテ、顯著
ナル功績ヲ遺サレタノデアリマス、然
ルニ最近又陸軍囑託トシテ「フィリピン」
ニ於テ晝夜ヲ分タズ活躍中、俄カニ病
ヲ得ルニ至リ、歸還ノ途上、臺灣ニ於
テ不幸客死セラレタノデアリマス、是
ハ實ニ一月十二日ノコトデアリマシタ、
「ヤガテ逝ク道トハカネテ知リナガラ昨
日今日トハ思ハザリケリ」豪快ニシテ發
刺覇氣旺盛、談論風發、柔道ハ七段
デアラレテ、健康其ノモノノ如キ君ガ
卒然トシテ逝カレタノデアリマス、我
等ハ唯事ノ意外ナルニ驚キ、愕然タル
有樣デアリマス
今ヤ戰局愈〓危急、比島方面ノ風雲
ノ暗澹タル時ニ、君ガ如キ南方事情ニ
精通セル活躍ノ人ヲ失ウタト云フコト
ハ、邦家ノ損失極メテ大、洵ニ遺憾ニ
堪ヘザル所デアリマス、此ノ機會、ニ我
我議員一同ハ更ニ精勵一番、議會ノ重
大使命ヲ達成シ、君カ遺志ニ應ヘンコ
トヲ誓フモノデアリマス、玆ニ重ネテ
哀悼ノ誠ヲ捧ゲル次第デアリマス(月)
手発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=37
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038・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 越智太兵衞君
〔越智太兵衞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=38
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039・越智太兵衞
○越智太兵衞君 私ハ只今議長ヨリ御
報告ニ相成リマシタ故衆議院議員福井
甚三君ニ對シマシテ院議ヲ以テ弔詞ヲ
贈呈シ、其ノ弔詞ハ之ヲ議長ニ一任ス
ルノ動議ヲ提出致シマス
此ノ機會ニ於キマシテ僭越ナガラ諸君
ノ御許シヲ得マシテ、該員一同ヲ代表
致シ哀悼ノ徵意ヲ表シタイト存ジマス
福井君ハ豫テヨリ奈良ノ自邸ニ於キ
マシテ病氣療養中デアリマシタガ、不
幸ニシテ御病狀ノ急變ヲ來シ、此ノ度
遂ニ長逝致サレマシタ、今ヤ內外ノ情
勢ハ日一日緊迫ヲ〓グルニ至リ、君ノ
如キ練達堪能ノ士ノ速カナル再起奉公
ヲ祈念スルコト、愈く切ナルモノガアリ
マシタニモ拘リマセズ、今俄カニ君ノ
計報ニ接スルニ及ビマシテ、唯々長恨
之ヲ久シウスル次第デアリマス、御承
知ノ如ク君ハ大正九年以來郷里奈良縣
ヨリ推サレ、本院議員ニ當選セラル
コト前後七囘、在職二十一年九箇月ノ
長キニ亙リ、民意ノ暢達、國家憲政ノ
爲ニ盡サレマシタル功績ハ蓋シ多大ナ
ルモノガアルノデアリマシテ、其ノ間
阿部內閣ノ成立スルヤ、內務參與官ニ
任ゼラレテ多端ナル內務行政ニ參晝セ
ラレ、又國家總動員審議會其ノ他各種
委員會ノ委員等、其ノ才幹ノ及ブ所、
各方面ニ少カラザル功績ヲ遺サレタノ
デアリマス、去ル昭和七年第二十八囘
列國議會同盟會議ニハ、君ハ本院議員
國々長トシテ「スイス」ニ使シ、能ク其
ノ使命ヲ全ウセラルヽト共ニ、傍ラ数
米各國ヲ視察シテ其ノ閱歷ニ貴重ナル
一頁ヲ加ヘラレタノデアリマス、斯ク
シテ君ノ該博ナル知見ハ、多年ノ政治
的練磨ヲ經テ其ノ活躍ニ一層顯著ナル
モノガアツタト存ズルノデアリマス
君ハ明治七年十二月奈良縣生駒郡富
〓村ニ生レラレ、萬丈ノ波瀾ヲ越エテ處世
ニ深キ體驗ヲ重ネラレ、機ヲ見ルニ敢
ニシテ能ク時運ニ乘ジ、以テ今日ノ成
功ヲ築カレタノデゴザイマス、生前君
ハ生駒土地株式會社、大阪商品市塲、大
和日報社ニ社長タリシ外、日本家禽土
地城南土地、大阪郊外住宅、大阪現株
取引、炭礦商船、有明炭礎、北鮮產業等
ノ各社ハ、君ガ縦横ニ敏腕ヲ揮ハレタ
ル舞臺デアリマシテ、實業界ニ於テ活
躍セラレマシタル足跡モ極メテ顯著ナ
ルモノガアルノデアリマス、其ノ他奈
良縣農會長、奈良縣出荷聯盟會長ニ就
任シテ地方產業ノ發展向上ニ盡瘁セラ
レマシタル功績ハ、〓黨ノ齊シク認メ
テ感激措ク能ハザル所デアリマス、老
來益〓壯ンナリシ君モ、急迫セル現下ノ
戰局ヲ前ニシテ、今ハ逝イテ再ビ歸ラ
ザルヲ思ヒマシテ、切々トシテ感慨ノ
胸ニ迫ルノヲ覺エル次第デアリマス、
玆ニ謹ンデ追悼ノ辭ヲ述べ、以テ君ノ
冥福ヲ祈ル次第デアリマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=39
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040・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 越智君提出ノ動
議ニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=40
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041・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ハ可決セラレマシタ、
玆ニ議長ノ手許ニ於テ起草致シマシタ
ル文案ヲ朗讀致シマス
衆議院ハ多年憲政ノ爲ニ盡瘁セラレ
タル議員正五位勳三等福井甚三君ノ
長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス
此ノ弔詞ノ贈呈方ハ議長ニ於テ取計
ラヒマス(拍手)
次會ノ議事日程ハ公報ヲ以テ通知致
シマス、本日ハ是ニテ散會致シマス
午前十一時五十八分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00419450122&spkNum=41
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