1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十年一月二十七日(土曜日)
午後三時二十四分開議
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議事日程 第四號
昭和二十年一月二十七日
午後一時開議
第一 會計法戰時特例中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第二 臺灣銀行法中改正法律案(政府提出) 第一讀會
第三 恩給法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第四 明治三十五年法律第四十九號國勢調査に關する法律の昭和二十年に於ける特例に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第五 兵役法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第六 陸軍軍法會議法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第七 海軍軍法會議法中政正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第八 現役青年學校職員俸給費國庫補助法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第九 戰時民事特別法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十 會社等臨時措置法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十一 司法官試補及辯護士試補たる資格の特例に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十二 農林中央金庫法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十三 産業設備營團法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第十四 石炭配給統制法中改正法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
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〔左の報告は朗讀を經さるも參照の爲茲に掲載す〕
一、政府より提出せられたる議案左の如し
(第一號)昭和十九年度歳入歳出總豫算追加案
(特第一號)昭和十九年度特別會計歳歳出豫算追加案
(第一號)昭和二十年度歳入歳出總豫算追加案
(特第一號)昭和二十年度特別會計歳入歳出豫算追加案
(追第一號)豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件
會計法戰時特例中改正法律案
昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する法律案中修正
(以上一月二十五日提出)
(第二號)昭和二十年度歳入歳出總豫算追加案
(特第二號)昭和二十年度特別會計歳入歳出豫算追加案
(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
(追第二號)豫算外國庫の負擔となるべき契約を爲すを要する件
臺灣銀行法中改正法律案
(以上一月二十六日提出)
一、昨二十六日貴族院より受領したる政府提出案左の如し
恩給法中改正法律案
明治三十五年法律第四十九號國勢調査に關する法律の昭和二十年に於ける特例に關する法律案
兵役法中改正法律案
陸軍軍法會議法中改正法律案
海軍軍法會議法中改正法律案
現役青年學校職員俸給費國庫補助法案
戰時民事特別法中改正法律案
會社等臨時措置法中改正法律案
司法官試補及辯護士試補たる資格の特例に關する法律案
農林中央金庫法中改正法律案
産業設備營團法中改正法律案
石炭配給統制法中改正法律案
一、議員より提出せられたる議案左の如し
松葉酒釀造に關する建議案
提出者
加藤知正君 川崎巳之太郎君
四王天延孝君 花村四郎君
區裁判所移管事務管轄復活に關する建議案
提出者
小野秀一君 吉田正君
藤井伊右衞門君 小坂武雄君
(以上一月二十四日提出)
一、去二十二日小磯内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
朝鮮總督府事務官 筒井竹雄
第八十六囘帝國議會内務省所管事務政府委員被仰付
一、去二十二日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第二部選出
決算委員 佐久間道夫君(飯塚茂君補闕)
第七部選出
豫算委員 田中貢君(箸本太吉君補闕)
一、去二十二日議長に於て選定したる委員左の如し
昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する法律案(政府提出)外二件委員
安藤孝三君 伊豆富人君
出井兵吉君 内池久五郎君
小野秀一君 北村又左衞門君
小谷節夫君 崎山嗣朝君
鈴木正吾君 田万清臣君
中川寛治君 原玉重君
二田是儀君 松延彌三郎君
柳川宗左衞門君 米田吉盛君
渡邊泰邦君 渡邊健君
軍需金融等特別措置法案(政府提出)外四件委員
安倍寛君 赤間徳壽君
池本甚四郎君 一宮房治郎君
小澤治君 大倉三郎君
長内健榮君 加藤弘造君
九鬼紋七君 久山知之君
佐久間道夫君 佐藤芳男君
田中亮一君 高畠龜太郎君
頼母木眞六君 中埜半左衞門君
中原謹司君 廣野規矩太郎君
深澤吉平君 深水吉毅君
星一君 松本治一郎君
松山常次郎君 宮崎一君
守屋榮夫君 由谷義治君
渡邊善十郎君
所得税法外十六法律中改正法律案(政府提出)外一件委員
安孫子孝次君 今成留之助君
小野義一君 小野寺有一君
加藤宗平君 勝正憲君
菅野和太郎君 駒井重次君
坂下仙一郎君 阪本勝君
曾木重貴君 田中藤作君
田邊徳五郎君 田子一民君
田部朋之君 中井亮作君
原惣兵衞君 原口純允君
船渡佐輔君 本多市郎君
松田正一君 増田義一君
水谷長三郎君 森田福市君
矢野庄太郎君 吉田正君
吉植庄亮君
船員保險法中改正法律案(政府提出)委員
藏原敏捷君 清水留三郎君
菅又薫君 角猪之助君
高城憲夫君 高見之通君
冨田愛次郎君 中越義幸君
仲井間宗一君 花村四郎君
松岡俊三君 村松久義君
森田重次郎君 森谷新一君
最上政三君 山口喜久一郎君
安田桑次君 吉川大介君
地方鐵道及軌道に於ける納付金等に關する法律案(政府提出)外三件委員
赤松寅七君 石田善佐君
宇田耕一君 大島高精君
大島寅吉君 大野一造君
大橋清太郎君 岡本傳之助君
勝又春一君 木原七郎君
小林鐵太郎君 中川重春君
野口喜一君 藤井伊右衞門君
藤生安太郎君 山野平一君
吉田賢一君 横川重次君
一、去二十三日小磯内閣總理大臣より左の通發令ありたる旨の通牒を受領せり
内務書記官 大野連治
第八十六囘帝國議會内務省所管事務政府委員被仰付
陸軍次官 柴山兼四郎
第八十六囘帝國議會陸軍省所管事務政府委員被仰付
海軍次官 井上成美
第八十六囘帝國議會海軍省所管事務政府委員被仰付
厚生書記官 花澤武夫
第八十六囘帝國議會厚生省所管事務政府委員被仰付
一、去二十三日委員長及理事互選の結果左の如し
昭和二十年度一般會計歳出の財源に充つる等の爲の公債發行に關する法律案(政府提出)外二件委員
委員長 伊豆富人君
理事
崎山嗣朝君 原玉重君
米田吉盛君
軍需金融等特別措置法案(政府提出)外四件委員
委員長 久山知之君
理事
安倍寛君 池本甚四郎君
九鬼紋七君 佐藤芳男君
頼母木眞六君
所得税法外十六法律中改正法律案(政府提出)委員
委員長 勝正憲君
理事
今成留之助君 田中藤作君
田部朋之君 松田正一君
吉植庄亮君
船員保險法中改正法律案(政府提出)委員
委員長 村松久義君
理事
冨田愛次郎君 仲井間宗一君
森田重次郎君
地方鐵道及軌道に於ける納付金等に關する法律案(政府提出)外三件委員
委員長 横川重次君
理事
宇田耕一君 勝又春一君
野口喜一君
一、去二十四日議長に於て辭任を許可したる常任委員左の如し
第九部選出豫算委員 山田順策君
第九部選出建議委員 渡邊健君
第六部選出決算委員 中崎俊秀君
一、去二十四日に於ける特別委員の異動左の如し
船員保險法中改正法律案(政府提出)委員
辭任 森田重次郎君 補闕 渡邊健君
所得税法外十六法律中改正法律案(政府提出)委員
辭任 吉植庄亮君 補闕 瀧澤七郎君
一、去二十四日特別委員理事補闕選擧の結果左の如し
所得税法外十六法律中改正法律案(政府提出)委員
理事 瀧澤七郎君(理事吉植庄亮君去二十四日委員辭任に付其の補闕)
船員保險法中改正法律案(政府提出)委員
理事 渡邊健君(理事森田重次郎君去二十四日委員辭任に付其の補闕)
一、去二十五日常任委員補闕選擧の結果左の如し
第九部選出
豫算委員 箸本太吉君(山田順策君補闕)
第六部選出
決算委員 渡邊健君(中崎俊秀君補闕)
第九部選出
建議委員 中崎俊秀君(渡邊健君補闕)
一、昨二十六日衆議院規則第十五條但書に依り議長に於て議席を左の通變更せり
二三〇 濱野清吾君
二九〇 石坂繁君
一、昨二十六日に於ける特別委員の異動左の如し
軍需金融等特別措置法案(政府提出)外四件委員
辭任 安倍寛君 補闕 永山忠則君
一、昨二十六日特別委員理事補闕選擧の結果左の如し
軍需金融等特別措置法案(政府提出)外四件委員
理事 永山忠則君(理事安倍寛君昨二十六日委員辭任に付其の補闕)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=0
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001・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 是ヨリ會議ヲ開
キマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=1
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002・小泉純也
○小泉純也君 議事日程變更ノ緊急動
議ヲ提出致シマス、卽チ此ノ際(臨第
一號)臨時軍事費豫算追加案及ビ(追第
二號)豫算外國庫ノ負擔トナルベキ契
約ヲ爲スヲ要スル件ノ兩案ヲ一括議題
トナシ、委員長ノ報告ヲ求メ、其ノ審
議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=2
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003・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=3
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004・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程ハ變更セラレマシタ、
(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案、逍
第二號)豫算外國庫ノ負擔トナルベキ
契約ヲ爲スヲ要スル件、右両案ヲ一括
シテ議題ト致シマス、豫算委員長ノ報
告ヲ求メマス-豫算委員長太田正孝
君
(臨第一號)臨時軍事書豫算追加案
(追第二號)豫算外國庫ノ負擔ト
ナルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件
報告書
-(臨第一號)臨時軍事費豫算追加案
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長太田正孝
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一(追第二號)豫算外國庫ノ負擔トナ
ルベキ契約ヲ爲スヲ要スル件
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長太田正孝
衆議院議長岡田忠彥殿
〔太田正老君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=4
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005・太田正孝
○太田正孝君 只今議題トナリマシタ
臨時軍事費豫算追加案ト之ニ關聯スル
豫算外契約案ハ、一般豫算ノ審議中ニ
特ニ緊急ヲ要スル所以ヲ以テ玆ニ上程
サレダノデアリマス、今玆ニ案件ノ內
容ト同時ニ明カトナツタ財政ノ全貌ト、
本案件容議ノ經過ヲ申上ゲマス
先ヅ第一ニ今囘追加セントスル臨時軍
事費ハ、歳入歳川共ニ八百五十億圓デ
アリマス、之ヲ支那車變ノ始マリマシタ時
カラノモノニ累計致シマスト、二千二百
二十一億餘萬圓トナルノデアリマス、是マ
デモ未曾有デアツタ金額ハ更ニ其ノ程
度ヲ加フルノデアリマス、此ノ經費ノ內譯
ハ、臨時軍事費トシテ六百億圓、豫備
費トシテ二百五十億圓ノ二本ニナツテ
居リ、陸海軍兩省、軍需省、新タニ大
藏省ノ所管ヲ加ヘテ經理サレルノデア
リマス、卽チ大東亞戰爭ノ完遂ヲ期ス
ル爲メ此ノ際增加ヲ要スル戰費、卽チ
作戰部隊、艦船等ニ要スル經費、其ノ
他大東亞戰爭ニ關聯セル陸海軍ノ諸施
設ニ要スル經費デアリマス、此ノ巨額
ニ上ル八百五十億圓ノ經費ヲ如何ニシ
テ調達スルカト中シマスト、其ノ一ハ
公債金及ビ借入金デアリマス、是ガ主
力ヲナシテ居リマス、卽チ公債及ビ繰
替借入金額ハ三百五十一一億餘萬圓、借
入金三百一億餘萬圓デアリマス、此ノ
借入金ハ現地デ支出セラルヽ軍事費ノ
所要資金ノ一部ヲ、南方開發金庫其ノ
他ヨリノ借入ニ依ツテ調達スルノデア
リマス、此ノ公債及ビ借入金ニ對シテ
其ノ二ハ、一般會計及ビ他ノ時別會計
ヨリスル繰入デアリマス、其ノ額百十
六億餘萬圓デアリマス、其ノ中ニ今囘
ノ增稅モ含マレ、煙草ノ販賣價格、鐵
道料金、郵便料金ノ値上ニ依ル增收モ
含ミ、富籤ニ依ル增收モ入ルノデアリ
ママ、稅等ニ付キマシテハ、內地ノミ
ナラズ、外地ヨリスルモノアルコトハ
言フマデモアリマセヌ、尙ホ其ノ三ト
シン、雜收入等七十八億餘萬圓ガアリ
マタ、主トシテ現地デ得タ物資ヲ賣ツ
タ代金デアリマス
尙ホ臨時軍事費追加ノ外ニ、之ニ關
聯スル豫算外契約ガアリマス、卽チ以
テ軍ノ需要ヲ充足スル爲ニ、從來此ノ
種契約ノ限度百十七億三百萬圓ヲ百四
十七億三百萬圓ニ改メントスルモノデ
アリマス、以上ガ臨時軍事費追加豫算及
ビ豫算外國庫ノ負擔トナル契約ノ內容
デアリマス
然ラバ此ノ臨時軍事費ノ追加ニ依ツ
テ昭和二十年度ノ財政ノ全貌ガドウナ
ルカ、此ノ二點ニ關シ大藏大臣ノ說明
ヲ申シマス、事改メテ言フマデモナク、
臨時軍事費ニ年度區分ハアリマセヌガ、
假ニ今囘ノ追加類ヲ昭和二十年度所屬ト
考ヘマシテ、現ニ本院デ審議中ノ一般會
計本豫算及ビ追加豫算トヲ綜合シマスト、
千百十九億餘萬圓トナルノデアリマス、
尤モ雙方ノ會計ノ間ニ重複スル部分ガ
アリマスルカラ、之ヲ整理致シマスト、
純計ハ一千十八億餘萬圓ニナルノデ
アリマス、是ガ昭和二十年度財政ノ全貌
デアリマス、又一般會計特別會計ヲ通ズ
ル公債ノ發行額ハ四百六十億二千餘萬
圓ニ違スルノデアリマス、此ノ財政ノ全
貌ニ對シテ政府ハ如何ナル資金計畫ヲ
有スルカ、大藏大臣ハ昭和二十年度ニ
於ケル國民所得ハ達觀シテ大凡九百億
圓トシテ居リマス、此ノ國民所得中カ
ラ租稅トシテ大體百八十五億圓見當ガ
納メラレ、公債トシテ大體四百七十
億圓見當ガ振向ケラレ、產業資金ト
シテ百三十億圓ヲ充當シテ居リ
せく、此ノ公債ト產業資金トハ國民ノ
貯蓄ニ俟タネバナラヌノデ、昭和二十
年度ノ貯蓄目標ハ六百億圓程度トスル
デアラウトノコトデアリマス、サウ致
シマスルト、國民所得ノ中カラ租稅及
ビ貯蓄ヲ引イタ殘リ百十五億圓トナル
ノデアリマス、此ノ百十五億圓ガ昭和
二十年度ニ於ケル國民ノ消費資金トナ
ルノデアリマス、昭和十九年度ト大體
同額デアリマス、目ノアタリニ見ル物
價騰貴ノ中ニアツテ、同一ノ額デ行タト
云フコトハ、ソレダケ國民ノ生活費ヲ
縮メテ行カネバナリマセヌ、ソシテ所
得カラ租稅モ納メ、公債ニモ應ズベク、
貯蓄ニ精進シナケレバナラヌノデアリ
マー、是ガ大藏大臣ノ述べラレタ國家
資金計畫デアリマス
終リニ、第三點トシテ本件ノ審議ニ付テ
申上ゲマス、大藏大臣ノ說明ノ外、祕密
會ニ於テ財政、殉動、戰況ニ付キ、ソレゾ
レ大藏大臣、陸軍大臣、海軍大臣、軍需
大臣及ビ陸軍軍務局長ノ說明ガアリマシ
タ、其ノ内容ニ付キマシテハ玆ニ披露ス
ルコトノ自由ヲ持チマセヌ、此ノ秘密會
議後休憩ニ入リ、再開サレタ委員會ニ於
テハ、質疑ヲ省略シ直チニ討論ニ入ツタ
ノデアリマス、玆ニ盟贊政治會ヲ代表
シテ原案賛成ヲ述ベラレタ濱地文平君
ノ要旨ヲ申述べマス、其ノ一ハ此ノ經
費ハ作戰ニ當ツテ思切ツテ使ツテ貰ヒ
タイ、敵「アメリカ」ノ財政上ヨリスル
攻擊ナド恐ルヽコトハナイ、國民ハ必
要ナ經費ハ何トシテモ調ヘル、ソシテ
苛烈ナル現鐵局ニ對應シテ必勝ヲ期セ
ラレタイト云フノデアリマス、其ノ二
ハ、軍需品ノ調達ニ付キマシテハ、物
動計畫ノ正確ト權動的ニ運用セラル
コトニ於テ遺憾ナキヲ期セラレナケ
レバナラナイ、併セテ軍需「インフレ」
ニナラヌヤウ嚴ニ留意サレタイト云フ
ノデアリマス、其ノ三ハ、國民ハ稅ニ
精進スル、「アメリカ」ガ昨年政府ノ增稅
案百五億「ドル」ヲ二十三億一千五百萬
「ドル」ニ削減シタコトヲ以テ笑止千萬
デアルト斷ジ、我々ハ此ノ度ノ增稅ヲ
快タ納メテ行クト云フノデアリマス、
又貯蓄モ調ヘルト云フノデアリマス、
產業資金モ調ヘルト云フノデアリマス、
共ノ爲ニ生活設計ヲ縮メ、以テ國家ノ
要望スル資金計畫ノ線ニ應ズルト云フ
ノデアリマス、特ニ濱地君ハ委員各位
ト共ニ深ク戰局ノ現段階ヲ憂ヘラレ、
政府ガ此ノ忠誠愛國ノ熱意火ト燃エテ
居ル國民ニ對シ、口先バカリデナク、
强ク、深ク、餉クマデ信賴シ、斷乎ト
シテ戰ヒ拔キ、聖戰目的ヲ貫〓シナケ
レバナラヌト云フ意圖ノ下ニ、極メテ
適切ナル例ヲ引カレテ說イタノデア
リマス、ソシテ聲ヲ勵マシテ結ンダノ
ハ、政府ハ右顯左眄シテハイカヌ、躊
躇透巡シテハナラヌ、斷乎不動ノ戰爭
指導方針ヲ以テ高度ノ政治力ヲ發揮シ
ナケレバナラヌ(拍手)サウシテ豫算委
員ガ各視野カラ此ノ數日ニ亙ツテ、耳
ニ胼胝ノ張ルマデニ說イタ所ハ、モウ
愚鬪々々スル時デハナイ、卽時實行ノ
時ガ眼前ニ横ハツテ居ルト言ハレタノ
デアリマス(拍手)小磯內閣總理大臣初
メ各關僚ノ耳ニモ、此ノ一言ハ强ク響
イタデアラウコトヲ信ズルノデアル、
斯クテ討論ハ終結シ採決ニ入リマシ
冬、時恰モ敵機頭上ニアリ、空襲待避
ノ聲ヲ聞キ流シツヽ總員ハ起立シ、肅
然タル滿場一致ノ可決ヲ見タノデアリ
せく、此ノ段御報告致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=5
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006・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 採決致シマス、兩
案ノ委員長ノ報告ハ何レモ可決デアリ
やっく、兩案ヲ一括シテ委員長報告ノ通
リ決スルニ贊成ノ諸君ノ起立ヲ求メマ
ス
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=6
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007・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 起立總員
〔拍手起ル〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=7
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008・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 仍テ兩案共委員
長報告ノ通リ全會一致可決確定致シマ
シタ(拍手)日程第一、會計法戰時特例
中改正法律案ノ第一讀會ヲ開キマス-
石渡太藏大臣
第會計法戰時特例中改正法律
案(政府提出)第一讀會
會計法戰時特例中改正法律案
會計法戰時特例中左ノ通改正ス
第三條中「候補生」ノ下ニ「若ハ見習
尉官」제작)
第四條ヲ第十條トシ第五條ヲ第十二
條トシ第六條ヲ第十三條トス
第四條大東亞戰爭ニ際シ避クベカ
ラザル事故ノ爲會計法第一條第二
項ノ規定ニ依ルコト能ハザルトキ
ハ勅令ノ定!ル所ニ依リ同項ニ規
定スル期限ヲ繰延ブルコトヲ得
第五條大東亜戰爭ニ際シ避クベカ
ラザル事由アル場合ニ於テハ會計
法第八條第二項ニ規定スル歳人豫
算明細書及各省ノ豫定經費要求書
竝ニ同法第二十五條ニ規定スル歲
入決算明細書、各省決算報告書及
國債計算書ノ添附ヲ省略スルコト
ヲ得
第六條政府ハ大東亞戰爭ニ際シ避
クベカラザル事由アル場合ニ於テ
ハ豫算ニ定ムルモノ、特ニ帝國議
會ノ協賛ヲ經タルモノ及會計法第
十一條ノ規定ニ依ルモノノ外國庫
ノ負擔ト爲ルベキ契約ヲ締結スル
コトヲ得
前項ノ規定ニ依リ國庫ノ負擔ト爲
ルベキ契約ヲ爲スコトヲ得ベキ金
額ハ每年度帝國議會ノ協賛ヲ經テ
之ヲ定ム
第七條大東亞戰爭ニ際シ避クベカ
ラザル事故ノ爲會計法第二十三條
ノ規定ニ依ルコト能ハザルトキハ
同條ニ規定スル常會ノ次ノ常會ニ
於テ歲入歳出ノ總決算ヲ帝國議會
ニ提出スルコトヲ得
第八條大東亞戰爭ニ際シ歲入歲出
ノ總決算ニシテ避クベカラザル事
故ノ爲成規ノ樣式ニ依ルコト能ハ
ザルモノニ付テハ特別ノ樣式ニ依
ルコトヲ得
第九條大東亞戰爭ニ際シ一會計年
度所屬ノ歳入金又ハ歳出金ニシテ
避クベカラザル事故ノ爲會計法第
一條第二項ニ規定スル期限又ハ第
四條ノ規定ニ依リ繰延ベラレタル
期限迄ニ其ノ金額判明セザルモノ
アリタルトキハ之ヲ其ノ判明シタ
ル日ノ屬スル年度ノ歲入又ハ歲出
ニ組入レ整理スルコトヲ得
第十一條大東亞戰爭ニ際シ會計法
第二十七條又ハ前條ノ規定ニ依リ翌
年度ニ繰越シタル經費ニシテ當該
年度內ニ避クベカラザル事故ノ爲
支出ヲ終ルコト能ハザルモノアリ
タルトキハ之ヲ更ニ其ノ翌年度ニ
繰越シ使用スルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大東亞戰爭終了ノ際ニ於テ必要ナル
經過規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=8
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009・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題
トナリマシダ會計法戰時特例中改正法
律案提出ノ理由ヲ說明致シマス、政府
ハ昭和十七年二月現行ノ會計法戰時特
例ヲ制定シ、昭和十八年十一月其ノ範
圍ヲ擴張致シタノデアリマスガ、戰局
ノ推移ニ顧ミマシテ更ニ其ノ範圍ヲ擴
張シ、以下諸點ノ如キ特例ヲ設クルノ
必要ガ生ジテ參ツタノデアリマス
第一ハ海軍ノ見習尉官ニ出納官吏ト
同樣ノ資格ヲ與ヘ、戰時ニ於ケル海軍
ノ經理事務ノ執行ヲ一層圓滑ニ致サン
トスルモノデアリマス、第二ハ、戰爭災
害通信杜絕等ノ避クベカラザル事故
ノ爲メ、歲入歳出ノ出納ニ關スル事務
ヲ會計法所定ノ期限マデニ完結シ難キ
場合ニ於キマシテ、共ノ期限ヲ繰延ベ
得ルコトト致サントスルモノデアリマ
ス、第三ハ、戰爭災害等ノ避クベカラ
ザル事由ノアリマスル場合ニ於キマシ
テ、總豫算及ビ總決算ノ添附文書ヲ省
略シ得ルコトト致サントスルモノデアリ
マス、第四ハ、年度途中ニ於キマシテ災
害復舊其ノ他避クベカラザル事案ヲ處
理スルニ際シマシテ、當該經費ノ支出
年度ガ時局ノ影響ニ依リマシテ當該年
度限リト相成ルモノデアルカ、又ハ翌
年度ニ亙ルコトト相成ルノデアルカ、
確定致シ難キ場合ヲ生ズル狀況デアリ
マスノデ、會計法第十一條ノ規定ニ依
ル契約ノ場合ノ如キ經費支出年度ノ制
限ヲ伴ハザル豫算外契約ヲ締結シ得ル
途ヲ拓カントスルモクデアリマス、第
五ハ、遊クベカラザル事故ノ爲メ、翌
年年會ノ帝國議會ノ常會ニ總決算ヲ提
出シ得マセヌ場合ニハ於キマシテハ翌々
年開會ノ常會ニ之ヲ提出シ得ルコトト
致サントスルモノデアリマス、第六ハ
戰爭災害ニ因ル帳簿、證懸書類等ノ滅
失其ノ他避クベカラザル事故ノ爲メ、
會計法所定ノ樣式ニ依ル決算ヲ調製シ
得マセヌ場合ニ於キマシテハ、特別ノ
樣式ニ依リ決算ヲ調製シ得ルコトト致
サントスルモノデアリマス、第七ハ、
避クベカラザル事故ノ爲メ、所定ノ
期限マデニ其ノ金額判明セザル歲入金、
又ハ歲出金ヲ生ジマシタ場合ニ於キマ
シテハ、會計法上ノ時例ヲ設ヶントス
ルモノデアリマス、第八ハ、會計法又
ハ會計法戰時特例ノ規定ニ依リ繰越シ
マシタ經費ガ、當該繰越サレマシタル
年度内ニ於キマシテ、避クベカラザル
事故ノ爲メ、再ビ支出濟トナラナイ場
合ニ於キマシテハ、更ニ一年度ヲ限リ
繰越シ得ルコトト致サントスルモノデ
アリマス
以上各般ノ理由ニ依リ本法律案ヲ提
出致シタ次第デアリマス、何卒御審議
ノ上速カニ御協賛ヲ與ヘラレンコトヲ
希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=9
-
010・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=10
-
011・濱野清吾
○濱野〓吾君 本案ハ政府提出、昭和
二十年度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル
等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案外二
件委員ニ併セ付託サレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=11
-
012・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=12
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013・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシ
タ-日程第二、臺灣銀行法中改正法
律案ノ第一讀會ヲ開キマス-石渡大
藏大臣
第二臺灣銀行法中改正法律案
(政府提出)第一讀會
臺灣銀行法中改正法律案
臺灣銀行法中左ノ通改正ス
第八條第一項中「劵面金額一圓以上
ノ」ヲ削リ同條第二項中「前項」ヲ「第
一頭.ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ
一項ヲ加フ
臺灣銀行前項ノ銀行劵ノ種類及樣
式ヲ定メムトスルトキハ主務大臣
ノ認可ヲ受クヘシ
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣石渡莊太郞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=13
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014・石渡莊太郎
○國務大臣(石渡莊太郞君) 只今議題
トナリマシタ臺灣銀行法中改正法律案
ニ付キ御說明致シマス
現下ノ戰局ニ對處シ、急速ナル戰力
增强ニ資スル爲メ臺灣ニ於キマシテモ
內地ニ於ケルト同樣、硬貨ノ囘收ヲ圖
ル必要ガアルノデアリマス、仍テ此ノ
際臺灣ニ於テモ內地同樣、劵面金額一
圓未滿ノ小額銀行券ヲ印刷シ、臺灣銀
行ガ硬貨ニ代へ之ヲ發行シ得ル權能ヲ
與ヘントスルモノデアリマス、何卒御
審議ノ上速カニ御協贊アランコトヲ希
望致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=14
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015・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=15
-
016・濱野清吾
○濱野〓吾君 本案ハ政府提出軍需金
融等特別措置法案外四件委員ニ併セ付
託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=16
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017・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=17
-
018・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシ
タ-日程第三及ビ第四ハ便宜上一括
議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=18
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019・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第三、恩給法中改正
法律案、日程第四、明治三十五年法律
第四十九號國勢調査ニ關スル法律ノ昭
和二十年ニ於ケル特例ニ關スル法律
案〓〓右兩案ヲ一括シテ第一一會ヲヲキ
マス-三浦法制局長官
第三恩給法中改正注律案(政府
提出、貴族院送付)第一讀會
第四明治三十五年法律第四十九
號國勢調査ニ關スル法律ノ昭和
二十年ニ於ケル特例ニ關スル法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
恩給法中改正法律案
恩給法中左ノ通改正ス
第十八條第一項中「又ハ神宮皇學館」
マルリ
第三十三條ノ二公務員內國ノ交戰
ノ地域內ニ於テ危險ヲ顧ミス其ノ
職務ヲ以テ勤務シタルトキハ其ノ
期間ノ一月ニ付二月以內ヲ加算ス
前項ノ內國ノ交戰ノ地域及期間竝
加算ノ程度ハ勅裁ヲ以テ之ヲ定ム
第四十六條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改
ム
公務員公務ノ爲永續性ヲ有スル傷
痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ不具癈疾
ノ程度ニ至ラサルモ勅令ノ定ムル
程度ニ達シ失格原因ナクシテ退職
シタルトキハ之ニ傷病年金ヲ給ス
第五十九條ノ二第一項中「特例ニ從
フ」ノ下ニ「但シ戰鬪ノ爲傷痍ヲ受ケ
之カ爲死亡シタル際二階等以上進級
シタル軍人ニ付テハ此ノ限ニ在ラ
ス」ヲ加フ
第六十五條ノ二第二項中「前項」ヲ
「前二項」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左
ノ一項ヲ加フ
前條第一項但書ノ規定ハ傷病年金
ヲ給スヘキ者ノ退職當時ノ階等ニ
付之ヲ準用ス
第七十五條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ戰鬪ノ爲傷痍ヲ受ヶ之カ爲死
亡シタル際二階等以上進級シタル
軍人ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第九十一條第一項中「內地人タル」ヲ
削リ同項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ臺灣又ハ朝鮮ニ本籍ヲ有スル
公務員其ノ本籍ノ存スル地域ニ在
勤シタルトキ其ノ在勤期間ニ付テ
ハ此ノ限ニ在ラス
附則
第一條本法ハ昭和二十年四月一日
ヨリ之ヲ施行ス但シ第三十三條ノ
二ノ改正規定ハ昭和十九年一月一
日ヨリ之ヲ適用ス
第二條公務員又ハ之ニ準ズベキ者
公務ノ爲永續性ヲ有スル傷痍ヲ受
ケ又ハ疾病ニ罹リ不具癈疾ノ程度
ニ至ラザルモ勅令ノ定ムル程度ニ
達シ昭和十六年十二月八日以後本
法施行前失格原因ナクシテ退職シ
タルモ改正前ノ恩給法第四十六條
ノ二ノ規定ニ依リ傷病年金ヲ給セ
ラレザル者ニハ本法施行後勅令ノ
定ムル所ニ依リ傷病ノ程度ヲ査定
シ將來ニ向ツテ之ヲ給ス
第三條昭和十六年十二月八日以後
本法施行前戰鬪ノ爲傷痍ヲ受ケ之
ガ爲死亡シタル際二階等以上進級
シタル軍人ノ遺族ニシテ本法施行
ノ際現ニ從前ノ規定ニ依リ扶助料
ヲ受ケ又ハ受クベキモノニハ當該
金額ニ其ノ金額ト本法所定ノ扶助
料ノ金額トノ差額ヲ勅令ノ定ムル
所ニ依リ將來ニ向ツテ增給ス
明治三十五年法律第四十九號國勢
調査ニ關スル法律ノ昭和二十年ニ
於ケル特例ニ關スル法律案
明治三十五年法律第四十九號第一條
第二項ノ規定ニ拘ラズ國勢調査ハ昭
和二十年ニ於テハ之ヲ施行セズ
〔政府委員三浦一雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=19
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020・三浦一雄
○政府委員(三浦一雄君) 只今議題ト
ナリマシタ恩衿法中改正法律案ニ付テ
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス
今囘ノ改正ノ第一點ハ、殊勳ヲ奏シ
戰死ノ際二階等以上進級致シマシタ軍
人ニ付キマシテ、恩給額算定ニ關スル
制限ヲ撤廢スルコトデアリマス、現行
法ニ於キマシテハ、退職又ハ死亡ノ直
前ニ大幅ニ進級致シマシタ者ノ恩給額
ガ、不當ニ多額トナルコトヲ避クル趣
旨ノ制限規定ガ設ケラレテ居ルノデア
リマス、卽チ退職又ハ死亡前一年內ニ
二級ヲ超エ昇級致シマシテモ、二級ダ
ケノ昇給ガアツタモノトシテ恩給額ヲ
算定スルト云フ建前ニナツテ居リマス、
而シテ必死必中ノ特別攻撃隊ノ勇士等ニ
付テ之ヲ見マスルト、何レモ戰死ニ際
シ二階等或ハソレ以上進級ノ恩命ニ浴
シテ居ルノデアリマスルガ、〓ネ此ノ
制限規定ノ適用ヲ受ケマシテ、進級シタ
階等ニ相當スル恩給ガ給セラレナイ結
果ト相成リマスルノデ、只今申上ゲマ
シタ現行ノ制限ヲ撤廢スルノガ適當デ
アルト考ヘマシテ、之ニ關スル規定ヲ
改メントスルモノデアリマス
改正ノ第二點ハ、傷病年金ノ給與條
件ノ緩和デアリマス、現行法ニ依リマ
スルト、下士官、兵以外ノ公務員ガ公
務傷病ノ爲メ退職致シマシタ場合ニ、
之ニ傷病年金ヲ給シマス爲ニハ、其ノ
退職ガ受傷又ハ罹病後一年內デアリ、
且ツ傷病ノ爲メ職ニ堪ヘラレナイト云
フ理由ニ基キマスコトヲ必要トスルノ
デアリマスガ、凡ユル方面ニ於キマシ
テ人員不足ヲ告ゲテ居ル現狀カラ致シ
マスト、徑來ナラバ退職セシメテ居リ
マシタ程度ノ傷病者デアリマシテモ、
直チニ之ヲ退職セシメマセヌデ、出來
得ル限リ引續イテ在職セシメマス必要
ガアルト考ヘルノデアリマス、ソコデ
假令此ノ種公務員ガ引續キ在職致シマ
シテ、退職ガ遲レ、受傷又ハ罹病後一
年ノ期間ヲ經過シタ後退職スルヤウニ
ナリマシテモ、之ニ傷病年金ヲ給シ得
ルヤウニ、右給與條件ヲ緩和致サント
スルモノデアリマス
改正ノ第三點ハ、內國ノ交戰地勤務
加算制度ノ創設デアリマス、最近ノ戰
局ノ推移ニ鑑ミマスルト、內國ノ特定
地域ニ付キマシテモ、交戰地域ト目サ
レルニ至ツタノデアリマス、斯カル地
域ニ勤務スル公務員ニ對シマシテモ、
外國ノ交戰地域ニ於ケル勤務加算トノ
權衡上、或ル程度ノ加算ヲ認ムルノガ
適當デアルト思ハレマスノデ、一月 2
付二月以內ノ內國ノ交戰地勤務加算ヲ
設ケントスルモノデアリマス
改正ノ第四點ハ、臺灣又ハ朝鮮出身
ノ公務員ニ對スル在勤加算制度ノ創設
デアリマス、臺灣、朝鮮、關東州、樺
太又ハ南洋群島ニ在勤スル內地人タル
公務員ニ對シマシテハ在勤加算ガ認メ
ラレテ居リマスガ、志願兵制度ノ採用
或ハ徵兵法令ノ施行等ニ依リマシテ、
臺灣又ハ朝鮮出身ノ公務員デ、其ノ出
身地以外ノ右地域ニ勤務スル者ガ多ク
ナリ、又增加スル趨勢ニアリマスノデ、是
等公務員ニ對シマシテモ均シク此ノ在
勤加算ヲ認ムベキデハナイカト考ヘマ
シテ、所要ノ改正ヲナサントスルモノ
デアリマス、尙ホ此ノ外法文ノ整理ニ
類スル改正ヲモ加ヘマシテ、本案ヲ提
出致シタ次第デゴザイマス
次ニ明治三十五年法律第四十九織田
勢調査ニ關スル法律ノ昭和二十年ニ於
ケル特例ニ關スル法律案ノ提案理由ヲ
御說明申上ゲマス
我ガ國ニ於ケル國勢調査ハ明治三十
五年法律第四十九號國勢調査ニ關スル
法律ノ規定ニ依リマシテ、五年每ニ之
ヲ行ヒ來ツタノデアリマシテ、本年ハ
恰モ第六囘ノ國勢調査ヲ施行スベキ年
ニ當ツテ居リマス、而モ此ノ國勢調査
ハ帝國ノ全版圖ニ亙リマシテ一齊ニ行
フベキ定メニナツテ居リマス、併シナ
ガラ戰局ノ現狀ニ於キマシテハ、帝國
ノ全版圖ニ亙ツテ、而モ一齊ニ調査ヲ
實行シ得ルヤ否ヤ豫斷ヲ許サヌ所ト存
ズルノデアリマス、加之資材、勞務、
運輸等ノ逼迫セル情勢ト睨ミ合セマス
レバ、法律ノ規定通リニ全版圖ノ國勢
調査ヲ施行スルコトハ適當ナラズト認
メマスノデ、昭和二十年ニ於テ施行ス
ベキ國勢調査ハ之ヲ中止スルコトニ致
シタイノデゴザイマス、以上ノ趣旨ヲ
以テマシテ此ノ法律案ヲ提出致シタ次
第デアリマス
右二案トモ何卒御審議ノ上、速カニ
御協賛アランコトヲ切望致シマス指
手発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=20
-
021・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=21
-
022・濱野清吾
○濱野〓吾君 日程第三及ビ第四ノ兩
案ハ一括シテ、議長指名十八名ノ委員
ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=22
-
023・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=23
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024・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト
認メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシ
タ-日程第五乃至第七ハ便宜上一括
議題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=24
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025・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第五、兵役法中改正
法律案、日程第六、陸軍軍法會議法中
改正法律案、日程第七、海軍軍法會議
法中改正法律案、右三案ヲ一括シテ第
一讀會ヲ開キマス-杉山陸軍大臣
第五兵役法中改正法律案(政府
提出、貴族院送付)第一讀會
第六陸軍軍法會議法中改正法律
案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第七海軍軍法會議法中改正法律
案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
兵役法中改正法律案
兵役法中左ノ通改正ス
第四十四條ノ二戰時又ハ事變ノ際
其ノ他特ニ必要アル場合ニ於テハ
命令ノ定ムル所ニ依リ徴兵檢査ノ
執行ヲ次年ニ延期スルコトヲ得
第四十六條現役兵トシテ入營スベ
キ者入營ノ際行フ身體檢査ニ於テ
疾病其ノ他身體又ハ精神ノ異常ニ
因リ三十一日以內ニ治癒ノ見込ナ
ク且勸務ニ堪ヘズト認ムル者ナル
トキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ
入營ヲ延期シ之ヲ歸〓セシム
現役兵トシテ入營スベキ者疾病其
ノ他避クベカラザル事故ニ因リ入
營スベキ期日ニ入營シ難キトキ又
ハ第三十九條第一項各號ノ一ニ該
當スルトキハ命令ノ定ムル所ニ依
リ其ノ入營ヲ延期ス
前二項ノ場合ニ於テハ入營延期ノ
期間ニ相當スル期間現役期間ヲ延
長ス
前項ノ規定ニ依リ延長シタル期間
ハ次ニ服スベキ兵役ノ期間ニ之ヲ
涵算ス
第四十一條削除
第四十カ條第一號及第一一號ヲ左ノ如
クックス
削除
二削除
第五十一條第二項中「徴兵檢査ヲ受
ケタル者」ノ下ニ「(徵集ヲ延期セラ
レアル者ヲ除ク)」ヲ加ヘ「徵兵適齡
又ハ徴兵適齡未滿」ヲ「年齡十七年
未滿」ニ、同項第二號ヲ左ノ如ク改
ム
二補充兵又ハ國民兵ニシテ召集
中ノ者又ハ其ノ召集ヲ終リタル
者(命令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク
第五十三條第一項中「第四十六條第
二項、第四十七條、」ヲ削ル
第六十五條第一項中「第四十六條ノ
規定ニ依リ後レテ入營シタル者又
ハ」及但書ヲ削ル
第六十七條第二國民兵ニシテ未ダ
徵兵檢査ヲ受ケザル者(徵集ヲ延
期セラレアル者ヲ含ム以下同ジ)
ヲ召集シタル場合ニ於テハ召集中
ハ之ニ對シ徵兵檢査ヲ行ハズ
第六十七條ノ二第二國民兵ニシテ
未ダ徴兵檢査ヲ受ケザル者ヲ召集
シタル場合ニ於テハ召集中ニ於テ
勅令ノ定ムル所ニ依リ第三十二條
乃至第三十五條ノ規定ニ準ジ之ヲ
現役兵若ハ補充兵ニ徵集シ又ハ徵
隼若ハ兵役ヲ免除スルノ處分ヲ爲
スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル處分ヲ受ケタル
者ハ徵兵檢査ヲ受ケタルモノト看
做ス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍軍法會議法中改正法律案
陸軍軍法會議法中左ノ通改正ス
第三十一條中「陸軍錄事及陸軍警査」
ヲ「錄事及警査」ニ改ム
第四十二條錄事ハ陸軍ノ法務部ノ
將校、准士官又ハ下士官ヲ以テ之
ニ充ツ
第四十三條警査ハ陸軍ノ法務部ノ
下士官又ハ兵ヲ以テ之ニ充ツ
第四十九條ノ二特設軍法會議ニ於
テハ長官ハ陸軍ノ將校ヲシテ法務
官ニ代リ裁判官ノ職務ヲ行ハシム
ルコトヲ得
第五十條中「陸軍ノ兵科將校又ハ」ヲ
削ル
第六十三條及第七十條中「兵科將校」
ヲ「將校」ニ改ム
第六十九條及第九十六條第一項中
「法務部將校」ノ下ニ「又ハ將校ノ勤
務ニ服スル法務部見習士官」ヲ加フ
第七十三條ノ二長官ハ錄事又ハ警
査タル陸軍ノ法務部ノ將校、准土官
又ハ下士官ヲシテ陸軍司法警察官
ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
附則
本法ハ公布ノ目ヨリ之ヲ施行ス但シ
第三十一條、第四十二條、第四十三
條及第七十三條ノ二ノ改正規定施行
ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
各改正規定ハ當該規定施行前ニ生ジ
タル事件ニモ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ各改正規定施行前從前
ノ規定ニ依リ爲シタル訴訟手續ノ效
力ヲ妨ゲズ
海軍軍法會議法中改正法律案
海軍軍法會議法中左ノ通改正ス
第三十一條中「海軍錄事及海軍警査」
ヲ「錄事及警査」ニ改ム
第四十二條錄事ハ海軍ノ法務科ノ
特務士官、准士官又ハ下士官ヲ以
テ之ニ充ツ
第四十三條警査ハ海軍ノ法務科ノ
下士官又ハ兵ヲ以テ之ニ充ツ
第七十三條ノ三長官ハ錄事又ハ警
査タル海軍ノ法務科ノ特務士官、
准士官又ハ下士官ヲシテ海軍司法
警察官ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ
得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
本法ハ本法施行前ニ生ジタル事件ニ
モ亦之ヲ適用ス
前項ノ規定ハ本法施行前從前ノ規定
ニ依リ爲シタル訴訟手續ノ效力ヲ妨
ゲズ
〔國務大臣杉山元君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=25
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026・杉山元
○國務大臣(杉山元君) 只今議題ニ相
成リマシタ兵役法中改正法律案及ビ陸
軍軍法會議法中改正法律案ニ付テ其ノ
提案理由ヲ說明致シマス
先ヅ兵役法中改正法律案ニ付テ申上
ゲマス、改正ノ第一點ハ、未ダ徵兵檢
査ヲ受ケズシテ召集サレテ居リマスル
徵丘役適齡未滿ノ第二國民兵ニ對シマシ
テ、徵兵檢査ニ依ルコトナク體格相當
ノ役種ヲ定メントスルモノデアリマス、
第二國民兵ハ戰局ノ要請ニ依リマシテ、
最近之ヲ召集スルノ必要ヲ生ズルニ至
リマシタガ、現行法律ノ規定デハ、是
等ノ者ハ徵兵適齡ニ達シテ居リマセヌ
爲ニ、入隊當初ニ於テ體格相當ノ役種
ヲ定ムルコトガ出來ナイノミナラズ、
軈テ徴兵滴齡ニ達シマシテ、旣ニ一人
前ノ軍人トナツテ居ツテぞ、又改メテ
徵兵檢査ヲ受ケネバナラヌコトニナツ
テ居リマスルノデ、入營當初ヨリ體格
相常ノ役種ヲ定メマスルコトガ軍戰力
上ヨリモ、又本人ノ士氣上ヨリモ必要
ト考ヘラレマスルノデ、之ヲ改正セン
トスルモノデアリマス
第二點ハ、入營ノ際ニ疾病ノ爲ニ卽
日歸〓ヲ致シタル者及ビ所定ノ期日ニ
入營ガ出來マセヌ者等ニ對シテ、再ビ
徵兵檢査ヲシテ居ル現在ノ制度ヲ廢止
セントスルモノデアリマス、從來現役
兵トシテ入營シマスル者ガ、入營時ノ
身體檢査ニ於テ疾病ノ爲ニ卽日歸〓ト
ナリマシタル者及ビ所定ノ入營期日ヨ
リ三十一日以內ニ入營シ得ザリシ者
ハ、翌年再ビ徴兵檢査ヲ行フコトニナ
ツテ居ルノデアリマスルガ、一度檢査
ヲ受ケテ現役兵ト決定致シマシタル者
ヲ、前述ノ理由ニ依ツテ一年間入營ヲ
遲ラシメマスルコトハ、一日モ速カニ
皇軍ノ一員タランコトヲ希望スル壯丁
ノ熱意ニ副ヒマセヌバカリデナク、目
下現役兵ハ年數囘ニ亙ツテ入營ヲ致シ
テ居ル現況ニ鑑ミマシテ、其ノ必要ヲ
認メザルニ至リマシタノデ、之ヲ廢止
セントスルモノデアリマス
第三點ハ戰時事變ニ際シ必要ニ應ジ
徵兵檢査ノ實施ヲ延期シ得ル如クセン
トスルモノデアリマス、徵兵檢査ハ每
年之ヲ實施スルコトニナツテ居リマシ
テ、本人ノ都合ニ依ツテ翌年ニ延期ス
ルコトハ認メラレテ居リマスルガ、官
ノ都合ニ依ツテ延期シ得ル規定ハナイ
ノデアリマス、目下ノ情勢ニ照シマシ
テ、今直チニ徵兵檢査ノ延期ヲ、實施
ヲ要スルヤ否ヤト云フコトハ斷定ガ出
來ヌノデアリマスルガ、今後情勢ノ變
化ニ依ツテハ、一部ニ於テ延期ノ必要
ヲ生ズル虞ガアリマスルノデ、新タニ
之ヲ延期シ得ル規定ヲ設ケントスルモ
ノデアリマス
次ハ陸軍軍法會議法中改正法律案ニ
付テ說明致シマス、改正ノ要旨ハ三點
デアリマス、其ノ第一點ハ、特設軍法
會議ニ於テ、長官ハ陸軍ノ兵科及ビ各
部ノ將校ヲシテ、法務官ニ代ツテ裁判
官ノ職務ヲ行ハシムルコトガ出來ルト
ナスコトデアリマス、戰地ニ在ル軍法
會議等ニ於キマシテ、戰死等ノ爲ニ法
務部將校全員ヲ缺クニ至リマシタ際、
戰況等ニ依リマシテ是ガ補充ヲ早急ニ
行ヒ得ザル場合ガアリマス。又島嶼ニ
アル部隊等ニハ、犯罪發生ノ際ニ適時
法務部ノ將校ヲ派遣スルコトガ不可能
ナル場合ガアリマシテ、是等ノ場合ニ
現行法ノ規定ニ依リマスレバ、裁判官
タル法務官ヲ缺イテ裁判ヲナスノ途ガ
アリマセヌ又爲ニ、軍ノ統率上適當ナ
ラザルモノガアルノデアリマス、仍テ
陸軍ノ特設軍法會議ニ於キマシテハ、
長官ハ兵科及ビ各部ノ將校ノ中ヨリ適
當ナル者ヲ選ビマシテ、之ヲシテ法務
官ニ代リ裁判官ノ職務ヲ行ハシムルコ
トト致シマシタ、尙ホ之ニ關聯シテ特
設軍法會議ニ於テハ、長官ハ陸軍ノ兵
科將校ノ外、更ニ各部將校ヲシテ豫審
官又ハ檢察官ノ職務ヲ行ハシムルコト
ガ出來得ルヤウニ致シマシテ、以テ戰
局ニ卽應シテ軍司法ノ運營上遺憾ナカ
ラシメントスルモノデアリマス
第二點ハ、陸軍ノ軍法會議ノ職員中、
文官、同待遇者デアリマスル陸軍錄事及
ビ陸軍警査ヲ軍人制ミ改メマシテ、
陸軍ノ法務部ノ武官及ビ兵ヲ以テ錄事
又ハ警査ノ職ニ充ツルコトトナスコト
デアリマス、陸軍ノ法務部ノ准士官、
下士官及ビ兵制度ガ新シク設定セラレ
マシタニ伴ヒマシテ、軍法會議錄事ニ
ハ陸軍ノ法務部ノ將校、准士官又ハ下
士官ヲ以テ、又軍法會議警査ニハ、同
下士官又ハ兵ヲ以テソレ〓〓ソレニ充
ツルコトト致シマシタ、尙ホ之ニ關聯
シテ軍法會議ノ長官ハ、錄事又ハ警査
タル法務部ノ將校、准士官又ハ下士官
ヲシテ陸軍司法警察官ノ職務ヲ行ハシ
ムルコトガ出來ルヤウニ致シマシテ、
以テ曩ニ實施セラレマシタ法務官武官
制ノ趣旨ノ徹底ヲ期シテ、軍司法ノ運
營ヲ完璧ナラシメントスルモノデアリ
マス
第三點ハ、實務修習中ノ將校ノ勤務
ニ服シテ居リマスル法務部見習士官ハ、
實務修習中ノ法務部將校ト同樣ニ、檢
察官ノ職務ヲ行ヒ、又裁判官ノ評議ノ
傍聽ヲ許スコトトナスコトデアリマス、
幹部候補生出身ノ法務部見習士官ハ、
將校ニ任ゼラレマスル前ニ稍〓長期間實
務修習ヲ命ゼラルヽコトニナツテ居ル
ノデアリマスルガ、是等ノ者ハ司法官
試補タルノ資格ヲ旣ニ持ツテ居リマシ
テ、又陸軍法務訓練所ニ於テ一定ノ〓
育ヲ受ケマシタル上ニ、部隊付トナツ
テ將校ノ勤務ヲ命ゼラレルノデアリマ
シテ、斯カル見習士官ハ其ノ實務修習
中ノ法務部將校ト同樣ニ遇シマシテ、
檢察官ノ職務ヲ行ヒ、又裁判官ノ評議
ノ傍聽ヲ許スコトト致シマシテ、其ノ
實效ヲ擧ゲシムルノ要ガアルト考ヘル
ノデアリマス、以上兩改正法律案ヲ提
出致シマシタ理由ノ要旨デアリマス、
何卒御審議ノ上速カニ御協賛アランコ
トヲ御願ヒ致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=26
-
027・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 米內海軍大臣
〔國務大臣米內光政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=27
-
028・米内光政
○國務大臣(米內光政君) 只今上程セ
ラレマシタ海軍軍法會議法中改正法律
案ニ付キマシテ提案ノ理由ヲ御說明申
上ゲマス、本改正法律案ノ目的トスル
點ハ二點ゴザイマス、第一ハ、海軍軍
法會議ノ錄事及ビ警査ハ從來文官及ビ
文官待遇者デアリマシタガ、之ヲ軍人
ニ改メタコトデアリマス、軍法會議ハ
軍紀風紀ノ維持振肅ト云フ軍統帥上ノ
要求ヲ、其ノ運營ノ上ニ全幅的ニ反映
セシムベキ使命ヲ有スルモノデアリマ
シン、此ノ使命達成ノ爲ニハ、斯カル
統帥上ノ要求ヲ體得理解シタル軍人ニ
シント、司法ニ關スル特殊〓育ヲ受ケタ
ル者ヲ以テ軍法會議ノ職員トスルヲ最
モ適當デアルト信ズルノデアリマス、
此ノ意味ニ於テ、曩ニ法務官ノ武官制
ノ實施ヲ見タ次第デアリマスガ、其ノ
後ノ戰局ノ推移ニモ鑑ミ、錄事、警査
等ノ補助機關ニ付テモ軍人制ヲ實施ス
ルコトガ軍司法ノ運營上必要デアルト
考ヘ、所要ノ改正ヲ致シタ次第デゴザ
イマス
第二ハ、錄事及ビ警査タル武官ヲシ
テ所要ニ應ジ、海軍司法警察官ノ職務
ヲ行ハシメ得ルコトト致シタノデアリ
せっ、最近海軍要員ノ急激ナル膨脹ニ
伴ヒ、海軍軍法會議ニ於ケル受理事件
數亦激增致シテ居リマスガ、其ノ大部
分ハ專門家ニアラザル海軍司法警察官
職務執行者等ヨリ送致セラレルノデア
リマス、此ノ重門家ニアラザル者ヨリ
送致セラレテ來ル多數事件ノ處理ニ當
リマシテハ、軍法會議ニ檢察官ノ補佐
トシテ搜査權限アルモノヲ置ク必要ガ
アリマスノデ、錄事、警査タル武官ヲ
シテ海軍司法警察官ノ職務ヲ行ハシメ
得ルコトニ致シタ次第デアリマス
以上申述ベマシタル理由ニ依リ、本
改正法律案ヲ提出致シタ次第デアリマ
ス、何卒御審議ノ上御協賛ヲ與ヘラレ
ンコトヲ切望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=28
-
029・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=29
-
030・濱野清吾
○濱野清吾君 日程第五乃至第七ノ三
案ハ一括シテ議長指名十八名ノ委員ニ
付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=30
-
031・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=31
-
032・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第八、現役靑年學校職員俸給費國
庫補助法案ノ第一讀會ヲ開キマス-
兒玉文部大臣臨時代理
第八現役靑年學校職員俸給費國
庫補助法案(政府提出、貴族院
送付)第一讀會
現役靑年學校職員俸給費國庫補助
法案
現役靑年學校職員俸給費國庫補
助法
第一條靑年師範學校ヲ卒業シタル
公立靑年學校(道府縣立靑年學校
及勅令ヲ以テ定ムル靑年學校ヲ除
ク)ノ〓諭ニシテ〓軍又ハ海軍ノ
現役ニ服スルモノノ俸給費ヲ補助
スル爲國庫ハ東京都、北海道地方
費及府縣ニ於テ其ノ者ノ俸給ニ要
スル經費ノ全額ニ相當スル金額ヲ
支出ス
前項ノ規定ニ依リ俸給費ヲ國庫ニ
於テ補助スル者ノ範圍ハ勅令ヲ以
テ之ヲ完ム
第二條前條ノ規定ニ依リ國庫ノ補
助スル金額ハ毎年度之ヲ東京都、
北海道地方春及府縣ニ交付ス
第三條第一條ノ規定ニ依リ國庫ニ
於テ補助スル公立青年學校〓諭ノ
俸給費ハ靑年學校〓育費國庫補助
法ノ滴用ニ付テハ同法第一條ノ俸
給ノ爲東京都、北海道地方〓及府
縣ニ於テ要スル經費ニ之ヲ算入セ
ズ
附則
本法ハ昭和二十年四月一日ヨリ之ヲ
施行ス
〔國務大臣兒玉秀雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=32
-
033・兒玉秀雄
○國務大臣(兒玉秀雄君) 只今議題ト
ナリマシタ現役靑年學校職員俸給書國
庫補助法案ニ付キマシテ、其ノ提案ノ
理由ヲ御說明申上ゲマス
本案ノ趣旨ハ、靑年師範學校ヲ卒業
致シマシテ公立靑年學校ノ〓諭トナ
リ、陸海軍ノ現役ニ服スル者ノ俸給費
ヲ國庫ヨリ補助セントスルモノデアリ
マイク其ノ範圍ハ、道府縣立靑年學校
及ビ之ニ準ズル東京都立靑年學校ヲ除
ク公立靑年學校ノ〓諭ヲ對象トシタル
モノデアリマス、而シテ右〓諭ノ身分
ハ現職ノ儘ト致シテ置キマシテ、且ツ
俸給ノ三分ノ一ヲ支給スルコトニ相成
ツテ居ルノデアリマスルガ、右支給額
中ヨリ陸海軍ニ於キマシテ支給スル俸
給給料ヲ控除シタル殘額、ノ全額ヲ國
庫ヨリ神門セントスルモノデアリマス、
尙ホ本案ニ依リマシテ、其ノ取扱ハ、
師範學校ヲ卒業致シマシタル國民學校
訓道デアリマシテ、陸海軍ノ現役ニ服
スル者ニ付キ現在行ハレツヽアリマス
ル取扱ト全ク同樣トナル次第デアリマ
ス、何卒御審議ノ上御協賛アランコト
ヲ希望致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=33
-
034・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 太案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御諮リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=34
-
035・濱野清吾
○濱野清吾君 本案ハ政府提出船員保
險法中改正法律案委員ニ併セ付託セラ
レンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=35
-
036・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=36
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037・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第九乃至第十一ハ便宜上一括議題
トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=37
-
038・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第九、戰時民事特別
法中改正法律案、日程第十、會社等臨
時措置法中改正法律案、日程第十一、
司法官試補及辯護士試補タル資格ノ特
例ニ關スル法律案、右三案ヲ一括シテ
第一讀會ヲ開キマス--松阪司法大
臣
第九戰時民事特別法中改正法律
案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第十會社等臨時措置法中改正法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第十一司法官試補及辯護士試補
タル資格ノ特例ニ關スル法律案
(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
戰時民事特別法中改正法律案
戰時民事特別法中左ノ通改正ス
第八條ノ二第一審ニ於テ當事者雙
方ガ口頭辯論又ハ準備手續ノ期日
ニ出頭セズ又ハ辯論若ハ陳述ヲ爲
サズシテ退廷スルコト二囘ニ及ビ
タルトキハ訴ノ取下アリタルモノ
ト看做ス但シ當事者ガ其ノ責ニ歸
スベカラザル事由ニ因リ最終ノ期
日ニ出頭スルコト能ハザリシ場合
ニ於テ其ノ事由ノ止ミタル後一週
間ノ不變期間內ニ期日指定ノ申立
ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ上訴審ノ訴訟手續ニ
之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ同項
中訴ノ取下トアルハ上訴ノ取下ト
ス
第二章中第十一條ノ次ニ左ノ一條ヲ
加フ
第十一條ノ二民事訴訟法第七百八
十三條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第十七條ノ二調停主任ハ遲滯ヲ避
クル爲特ニ必要アリト認ムル場合
ニ限リ地方裁判所長ノ選任シタル
者又ハ當事者ノ合意ニ依リ選定セ
ラレタル者ニ非ザル者ト雖モ適當
ト認ムル者ヲ調停委員ニ指定スル
コトヲ得
第十九條中「第十六條及第十七條」ヲ
「第十六條乃至第十七條ノ二」ニ改ム
第五章登記
第二十條裁判所ガ爲スベキ登記事
項ノ公〓ハ之ヲ爲サズ
商法第十二條ノ規定ノ適用ニ付テ
ハ登記ノ時ニ登記及公告アリタル
モノト看做ス
第二十一條登記事項ニ變更ナキコ
ト、或事項ノ登記ナキコト又ハ登記
薄ノ謄木若ハ抄本ノ記載事項ニ變更
ナキコトノ語明ヲ受ケントスル者
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ手數料ヲ
納付シテ之ヲ請求スルコトヲ得
第二十二條登記ノ申請書ニ添附ス
ベキ書類、登記ノ申請人及登記ヲ
移シ又ハ轉寫スル場合ニ關シテハ
勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ
得
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
本法施行ノ際現ニ繫屬スル訴訟ニ付
本法施行前ノ期日ニ於テ當事者雙方
ガ出頭セズ又ハ辯論若ハ陳述ヲ爲サ
ズシテ退廷シタル回數ハ第八條ノ二
ニ規定スル囘數ニ之ヲ算入セズ
本法施行前ニ登記シタル事項ニシテ
公〓ナカリシモノニ付テハ本法施行
ノ時ヲ以テ登記ノ時ト看做シ第二十
條第二項ノ規定ヲ適用ス
會社等臨時措置法中改正法律案
會社等臨時措置法中左ノ通改正ス
第三條ノ二戰爭ニ起因スル災害其、
ノ他勅令ヲ以テ定ムル災害ニ因リ
株主名簿ヲ喪失シタル株式會社ニ
株主ノ氏名又ハ住所ヲ確知スルコ
ト能ハザル記名株式アルトキハ會
社ハ遲滯ナク勅令ノ定ムル所ニ依
リ公〓スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依ル公告ヲ爲シタル
會社ガ株主總會ヲ招集セントスル
場合ニ於テハ同項ノ記名株式ヲ有
スル株主ニ對シテハ總會招集ニ關
スル通知ハ之ヲ爲スコトヲ要セズ
前項ノ場合ニ於テ第一項ノ記名株
式ノ金額ガ資本ノ二十分ノ一ヲ超
ユルトキハ會日ヨリ三週間前ニ總
會ヲ開クベキ旨及會議ノ目的タル
事項ヲ公告スルコトヲ要ス此ノ公
告ハ之ヲ同項ノ規定ニ依ル公告ト
併セ爲スコトヲ妨ゲズ
第一項ノ會社ノ總會ニ於テ商法第
三百四十三條ニ定ムル決議ヲ爲ス
場合ニ於テハ同項ノ記名株式ヲ有
スル株主ハ之ヲ總株主ノ員數ニ算
入セズ
第三條ノ三前條第一項ノ災害ニ因
リ法令又ハ定款ノ定ムル地ニ株主
總會ヲ招集スルコト著シク困難ト
爲リタル株式會社ニ在リテハ總會
ハ之ヲ他ノ適當ナル地ニ招集スル
コトヲ得
第四條ノ二第三條ノ二第一項ノ災
害ニ因リ株主總會ヲ招集スルコト
著シク困難ト爲リタル株式會社ニ
在リテハ總會ノ決議ヲ要スル事項
ハ會社ノ業務若ハ〓算ヲ監督スル
官廳又ハ裁判所ノ認可ヲ得テ取締
役又ハ〓算人之ヲ決スルコトヲ得
此ノ場合ニ於テハ取締役又ハ〓算
人ハ次囘ノ總會ニ於テ其ノ旨ヲ報
告スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ目的ノ變更、資本ノ
增加及減少、社債ノ募集、商法第
百九十六條又ハ第二百六十六條
(同法第二百八十條及第四百三十
條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含
ム)ニ規定スル發起人、取締役、
監査役及〓算人ノ責任ノ免除、合
併營業ノ全部ノ讓渡、解散、繼
續組織〓更竝ニ保險契約全部ノ
移轉ニハ之ヲ適用セズ但シ法令又
ハ法令ニ基ク命令ニ依ル場合ハ此
ノ限ニ在ラズ
第一項ノ場合ニ於テ必要ナル事項
ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條ノ三監査役ハ勅令ノ定ムル
所ニ依リ取締役又ハ〓算人ガ前修
ノ規定ニ依リ認可ヲ得テ決セント
スル事項及專由ヲ調査シ監督官廳
又ハ裁判所ニ其ノ意見ヲ報告スル
コトヲ要ス
第五條ノ二株式會社ガ社債ヲ募集
セントスル場合ニ於テハ其ノ社債
ニ付債劵ヲ發行セザルモノト爲ス
コトヲ得此ノ場合ニ於テハ社債ヲ
發行スル會社又ハ社〓募集ノ委託
ヲ受ケタル會社ハ社債權者ノ爲ニ
社債ノ登錄ヲ請求スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ
勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條ニ左ノ一項ヲ加フ
戰爭ニ起因スル災害ヲ避クル爲必
要アルトキハ株主名簿、社、債原簿、
信託證書其ノ他勅令ヲ以テ定ムル
會社ノ書類ハ之ヲ適當ナル場所ニ
備置クコトヲ得
第八條中「前五條」ヲ「第三條乃至前
條」ニ改ム
第九條取締役、監査役若ハ〓算人
又ハ此等ニ準ズル者第四條ノ二(前
條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ
規定ニ依ル認可ノ申請又ハ第四條
ノ三(前條ニ於テ準用スル場合ヲ
含ム)ノ規定ニ依ル意見ノ報告ヲ
爲スニ當リ監督官廳又ハ裁判所ニ
對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ
隱蔽シタルトキハ三年以下ノ懲役
又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
社債等登錄法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
社債ノ登錄ハ左ノ場合ニ於テ之ヲ
爲ス
一社債權者ノ請求アリタルト
キ
二社債ヲ發行スル會社又ハ社債
募集ノ委託ヲ受ケタル會社ノ會
社等臨時措置法第五條ノ二ノ規
定ニ依ル請求アリタルトキ
第七條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第三條第一項第二號ノ規定ニ
依リ登錄ヲ爲シタル社債ニ付テハ
此ノ限ニ在ラズ
司法官試補及辯護士試補タル資格
ノ特例ニ關スル法律案
高等試驗本試驗ヲ受クルコトヲ得ル
者ニシテ高等試驗ヲ行ハザル年ニ於
テ銓衡委員會ノ銓衡ヲ經タルモノハ
之ヲ裁判所構成法第五十八條及辯護
士法第三條ノ成規ノ試驗ニ合格シタ
ル者ト看做ス但シ昭和十六年勅令第
千百二十七號第一項ニ揭グル者ニ付
テハ辯護士法第三條ノ成規ノ試驗ノ
ミニ合格シタル者ト看做ス
銓衡委員會ニ關シ必要ナル事項ハ勅
令ヲ以テ之ヲ定ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣松阪廣政君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=38
-
039・松阪廣政
○國務大臣(松阪廣政君) 只今上程セ
ラレマシタ戰時民事特別法中改正法律
案外二件ニ付キ提案ノ理由ヲ申述ベマス
先ヅ戰時民事特別法中改正法律案デ
アリマスルガ、最近ノ情勢ニ鑑ミマシ
テ民事司法ニ關シ尙ホ若干ノ簡素化ヲ
圖ル必要ヲ認メマシテ、戰時民事特別
法中ニ改正ヲ加ヘントスルモノデアリ
マスガ、其ノ第一點ト致シマシテ、民
事訴訟ニ於キマシテ、所謂休止ノ反復
ニ依ル訴訟遲延ノ弊ヲ矯メンガ爲ニ休
止ヲナスコト二囘ニ及ビマシタル時ハ、
訴ノ取下アリタルモノト看做スコト、
第二ト致シマシテ、登記ニ關シマシテ
ハ、勞力、資材節約等ノ關係ヨリ致シ
マシテ、裁判所ガナスベキ登記事項ノ
公〓ヲナサザルモノトシ、登記ノ證明
制度ヲ擴充致シ、登記申請者ノ添附書
類登記ノ申請人及ビ登記ノ移記、
寫ニ付キマシテ簡便ナル方法ヲ認メ、
第三點ト致シマシテ、喪失シタル手形、
株劵等ノ證書ノ無效宣言ノ爲ニスル公
示催告ノ期間ヲ短縮致シ、第四點ト致
シマシテ、調停委員ノ指定ニ關シ簡易
ナル手續ヲ認メントスルコト、以上ガ
大體本法案ノ要點デアリマス
次ニ會社等臨時措置法中改正法律案
デアリマスルガ、本法案ハ將來ノ空襲等ニ
依ル災害ノアリマシタ場合ニ、會社其ノ
他ノ法人ガ其ノ業務ヲ機動的ニ運營シ、
責務ヲ果スニ支障ナカラシムルノ途ヲ
開カンガ爲ニ、會社等臨時措置法中ニ
改正ヲ加ヘントスルモノデアリマス、
其ノ主要ナル點ハ第一點ト致シマシテ、
災害ニ因リ株主名簿ヲ喪失シ、氏名、
住所ヲ確知スルコトノ出來ヌ記名株主
アルニ至リマシタ場合ニ、株式會社ニ
於ケル株主總會招集ノ簡易方法ヲ設ケ、
又株主總會ヲ招集スペキ地ノ特例ヲ認
ムル等、株主總會招集ニ關シ特例ヲ認
メ、第二點トシテ災害ノ程度ニ依リ株
主總會ノ招集ガ著シクトH難ニ陷リタル
會社ノ爲ニ、豫メ監督官廳又ハ裁判所
ノ認可ヲ受ケシメ、總會デ決議スベキ
事項ノ或ルモノヲ取締役又ハ〓算人自
ラ決スルコトヲ得ルノ途ヲ開キ、第三
點トシテ、株主名簿其ノ他ノ書類ヲ安
全ナル場所ニ疎開サセテ差支ヘナキコ
トト致シ、第四點トシテ、最近ノ社債
劵ノ製作困難ナル狀況ニ鑑ミマシテ、
債券ナキ社債ノ發行ヲ認メントスルモ
ノデアリマス、以上ノ四點ハ何レモ必
要ニ應ジ、營團、金庫、組合等ノ會社
ニ非ザル法人ニモ準用致スコトト致シ
タノデアリマス
次ニ司法官試補及辯護士試補タル資
格ノ特例ニ關スル法律案デアリマス、
政府ニ於キマシテハ現下諸般ノ情勢ヲ
愼重ニ考慮致シマシタ結果、本年度ニ
於テモ高等試驗ノ停止ヲナスヲ相當ト
認メタノデアリマスルガ、昨年度ニ引
續キ二箇年間高等試驗ヲ停止スルコト
ト相成リマスルノデ、司法部ニ於キマ
シテモ司法官試補及ビ辯護士試補ノ資
格ニ付キ何等カノ特例ヲ設クルノ必要
ヲ生ジタノデアリマス、仍テ種々考究
ヲ重ネマシテ、本案ノ如ク銓衝委員會
ヲ勅令ヲ以テ設置シ、一定ノ資格ヲ有ス
ル者ニシテ右委員會ノ銓衡ヲ經タル者
ニ對シ、高等試驗ノ司法科試驗ニ△格
シタルト同一ノ資格ヲ與フル臨時的
措置ヲ講ズルコトガ最モ妥當ナリト考
ヘタ次第デアリマス、卽チ高等試驗ノ
本試驗ヲ受クルコトヲ得ル者ヲ銓衡ノ
對象ト致シタノデアリマスルガ、現行
法ノ下ニ於キマシテハ司法官試補及ビ
辯護士試補タルニハ高等試驗ノ司法科
試驗ニ合格スルコトヲ要件トシテ居リ
マスノデ、臨時的ノ特例ヲ開クニ致シ
マシテモ、少クトモ高等試驗ガ行ハレ
タルモノトスレバ、其ノ本試驗ヲ受ク
ルコトヲ得ル者ノ範圍ニ限定スルヲ相
當ナリト考ヘタ次第デアリマス
以上ガ三法案提出ノ趣旨デアリマス
ガ、何卒愼重御審議ノ上何レモ御協賛
アランコトヲ切望致ス次第デアリマス
(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=39
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040・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御詰リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=40
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041・濱野清吾
○濱野清吾君 日程第九乃至第十一ノ
三案ヲ一括シテ議長指名十八名ノ委員
ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=41
-
042・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異識ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=42
-
043・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第十二、農林中央金庫法中改正法
律案ノ第一讀會ヲ開キマス-島田農
商大臣
第十二農林中央金庫法中改正法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
農林中央金庫法中改正法律案
農林中央金庫法中左ノ通改正ス
第一條第一項中「東京市」ヲ「東京都」
二段六人
第五條第一項ヲ左ノ如ク改ム
政府、全國農業經濟會、道府縣農
業會、市町村農業會、森林組合聯
合會、森林組合、產業組合聯合會、
產業組合、市街地信用組合、中央
水產業會、道府縣水產業會、製造
業會、漁業會、農業保險組合聯合
會、農業保險組合、家畜保險組合、
漁船保險組合、耕地整理組合聯合
會耕地整理組合、牧野組合、馬
匹組合聯合會、馬匹組合、日本馬
事會、鹽業組合聯合會又ハ鹽業組
合ノ外農林中央金庫ノ出資者タル
コトヲ得ズ
第十二條第一項但書中「農業團體關
係者、森林組合關係者、產業組合關
係者及水產業團體關係者」ヲ「所屬團
體關係者」ニ改ム
第十三條中「所屬全國農業經濟會、
所屬道府縣農業會、所屬市町村農業
會所屬森林組合聯合會、所屬森林
組合、所屬產業組合聯合會、所屬產
業組合、所屬市街地信川組合又ハ所
屬水產業團體」ヲ「所屬團體」ニ、「一一
分ノ一」ヲ「合計額」ニ、「全國農業經
濟會、道府縣農業會、市町村農業會、
森林組合聯合會、森林組合、產業組
今路合會、產業組合、市街地信用組
合水產業團體」ヲ「第五條第一項ニ
揭グル團體」ニ改ム
第十五條第一項中「全國農業經濟會、
,222府ニ農業會、市町村農業會、森林
組合聯合會、森林組合、產業組合聯合
會產業組合又ハ水產業團體」ヲ「第
五條第一項ニ揭グル團體」ニ改メ同
項ニ左ノ一號ヲ加フ
六日本興業銀行、戰時金融金庫
其ノ他ノ金融機關ニ對シ主務大
臣ノ認可ヲ受ケ貸付ヲ爲スコト
第二十五條第二項中「農林大臣」ヲ
「農商大臣」ニ改ム
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
〔國務大臣島田俊雄君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=43
-
044・島田俊雄
○國務大臣(島田俊雄君) 只今上程セ
ラレマシタ農林中央金庫法中改正法律
案ニ付キ說明ヲ申上ゲマス
御承知ノ通リ最近農業〓體ヲ中心ト
致シマスル農村ノ貯蓄ハ顯著ナル成績
ヲ示シツヽアルノデアリマシテ、其ノ
結果農林水產團體金融ノ中樞機關タル
農林中央金庫ノ資力モ亦著シキ增强ヲ
示スニ至ツタノデアリマス、政府ニ於
キマシテハ農林中央金庫ヲシテ此ノ增
强セラレツヽアル資力ニ依リマシテ、
農林水產方面ノ金融ニ遺憾ナキヲ期セ
シメマスルト共ニ、更ニ國債ノ消化、
或ハ生產力擴充資金ノ供給等ニ亙リマ
シテ努力セシメテ、相當ノ成績ヲ擧ゲ
ツヽアルノデアリマスガ、此ノ際緊迫
セル時局下ノ要請ニ應ヘマシテ、買八
一段ト活潑ナル機能ヲ發揮致サセマス
ルノ必要ガアルコトヲ認メマシテ、現
行ノ農林中央金庫法ニ於テ不便トセラ
ルヽ點ニ對シテ所要ノ改正ヲ加ヘタイ
ト存ズル次第デアリマス
改正ノ要點ハ大體三ツデアリマス、
第一點ハ農林中央金庫ノ出資者タルベ
キ團體ノ節圍ヲ擴張ヲ致シマシテ、從
來之ニ加入スルコトノ出來マセヌデシ
タ馬匹組合、農業保險組合、鹽業組合
等ヲモ其ノ所屬員トスルコトヲ得ルヤ
ウニ致シマシテ、之ニ依ツテ機構ノ整
備ヲ圖ラントスル點デアリマス、改正
ノ第二點ハ年賦貸付限度ノ擴張デアリ
マシテ、從來自己資金ノ貸出ニ付テハ
拂込出資金及ビ農林債劵發行額ノ二分
ノ一ヲ其ノ限度ト致シテ居リマシタモ
ノヲ、拂込出資金及ビ農林債券發行額
ノ合計額マデ之ヲ認メントスルモノデ
リマス、改正ノ第三點ハ餘裕金ノ運用
ニ關スルモノデアリマシテ、從來ノ運
用節圍ヲ擴大致シマシテ、日本興業銀
行戰時金融金庫等ノ金融棒關ニ對シ
マシテモ貸付ヲナシ得ル途ヲ開カント
スルモノデアリマス、以上ハ太案提出ノ
理由及ビ改正內容ノ〓要デアリマス、何
卒御審議ノ上速カニ御協贊アランコト
ヲ御願ヒ致シマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=44
-
045・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 本案ノ審査ヲ付
託スベキ委員ノ選擧ニ付キ御話リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=45
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046・濱野清吾
○濱野済吾君 本案ハ議長指名二十七
名ノ委員ニ付託サレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=46
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047・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=47
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048・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ-
日程第十三及ビ第十四ハ便宜上一括議
題トナスニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=48
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049・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程第十三、產業設備營
團法中改正法律案、日程第十四、石炭
配給統制法中改正法律案、右兩案ヲ
括シテ第一讀會ヲ開キマス-吉田軍
需大臣
第十三產業設備營團法中改正法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
第十四石炭配給統制法中改正法
律案(政府提出、貴族院送付)
第一讀會
產業設備營團法中改正法律案
產業設備營團法中左ノ通改正ス
第二條第一項中「東京市」ヲ「東京都」
三尺
第三條及第四條第一項中「二一圓圓」ヲ
「四億圓」ニ改ム
第七條第二項中「北海道」ノ上ニ東
京都、」ヲ加フ
第二十一條中「十倍」ヲ「十五倍」ニ改
ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
石炭配給統制法中改正法律案
石炭配給統制法中左ノ通改正ス
「石炭配給統制法」ヲ「石炭及コーク
ス配給統制法」ニ改ム
第一條本文中「石炭ノ生產業者」ヲ
「石炭又ハ主務大臣ノ指定スルコー
クス(以下コークスト稱ス)ノ生產業
者」ニ、「輸入、移入」ヲ「輸入若ハ移
入ニ係ル石炭若ハコークス」ニック·
同條第一號中「石炭」ノ下ニ「又ハコー
クス」ヲ加フ
第二條第一項、第四條及第三十條中
「石炭」ノ下ニ「又ハコークス」ヲ加フ
第五條中「石炭」ノ下ニ「若ハコーク
ス」ヲ加フ
第六條中「石炭ノ」ヲ「石炭及コーク
スノ」ニ改ム
第十二條第四項中「石炭鑛業」ノ下ニ
「又ハコークス制造事業」ヲ加フ
第十四條第一項第一號、第二號及第
五號中「石炭」ノ下ニ「及コークス」ヲ、
同條同項第三號中「石炭鑛業」ノ下ニ
「及コークス製造事業」ヲ加フ
第十五條中「石炭ヲ」ヲ「石炭又ハコー
クスヲ」ニ、「石炭ノ」ヲ「石炭又ハコ
ークスノ」ニ改ム
第十五條ノ二第一項中「石炭ノ生產
業者」ヲ「石炭若ハコークスノ生產業
者」ニ、「石炭ノ所有」ヲ「石炭又ハコー
クスノ所有」ニ、同條第二項中「石
炭ノ」ヲ「石炭又ハコークスノ」ニ改
ム
第二十三條及第二十四條第一項中
「石炭ノ」ヲ「石炭又ハコークスノ」ニ
改ム
附則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定
ム
〔國務大臣吉田茂君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=49
-
050・吉田茂
○國務大臣(吉田茂君) 只今議題トナ
リマシタ〓業設備營團法中改正法律案
竝ニ石炭配給統制法中改正法律案ノ提
案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス
產業設備營團法中改正法律案ノ理由
ヲ先ヅ申上ゲマス、產業設備營團ハ御
承知ノ如ク昭和十六年ノ十二月ニ其ノ
業務ヲ開始致シマシテ以來、本營團ノ
任務デアリマスル國家ノ緊要產業設備
ノ建設ニ、或ハ未働ノ遊休設備ノ轉活
用ニ、更ニ昭和十七年ノ六月以來ハ、
標準船舶ノ建造ニソレ〓〓萬全ノ努力
ヲ価倒シテ參ツタノデゴザイマス、是
等ノ事業遂行ノ爲ノ所所女資金ノ中デ、
其ノ相當部分ハ產業設備ノ建設等ニ投
下セラレ、固定スルモノデゴザイマシ
テ、產業設備營團ニ於キマシテハ是等
ノ固定資金調達ノ爲ニ、主トシテ產業
設備債券ヲ發行スルト云フ方法ニ依ツ
テ參ツタノデアリマス、產業設備債券
ノ發行ハ太年度末マデニ於キマシテ十
億圖デアリマスガ、更ニ急速ニ擴大
致シマスル營國業務ノ狀況カラ撲測致
シマシテ、其ノ固定資金ノ所要額ハ實
ニ六十億圓ニ達スル見込デアリマス、
斯樣ナ狀態ニ對シマシテ本營團ノ資本
金二億圓、產業設備債劵ノ發行限度デ
アリマスル抛込資本ノ十倍ト云フコト
ヲ以テ致シマシテハ、本營團ハ事業資
金ノ點ニ於キマシテ行ロリヲ來スベキ
ヲ豫想セラレルニ至リマシタノデ、今
囘本營團ノ資本金ヲ二億圓カラ四億圓
ニ增額ヲ致シマスルト共ニ、其ノ產業
設備債劵發行ノ倍率ヲ十倍カラ十五倍
ニ引上ゲル等ノ爲三本改正法律案ヲ提
出スル次第デゴザイマス
次ニ石炭配給統制法中改正法律案ノ
提案ノ理由ヲ御說明申上ゲマス、「コー
クス」ニ付キマシテハ昭和十七年ノ七
月カラ配給統制ヲ實施致シテ居リマス
ルガ、其ノ後戰局ノ進展ニ伴ヒマシテ
「コークス」ノ需給關係ハ漸次逼迫ノ度
ヲ加ヘテ參リマシタ、其ノ重點的ナ計
畫配給確保ノ必要ガ愈、緊切トナルニ至
ツタノデアリマス、所ガ從前ノ「コークス」
ノ配給統制ニ於キマシテハ其ノ複雜多
岐ナ配給機構ガ其ノ儘存續致シテ居リマ
シタ上ニ、配給統制關ハ單純ニ業者ノ
「コークス」販賣ニ對スル指示權ヲ有ス
ルニ過ギマセヌデ、何等現物ヲ把握ンテ
居マセヌデシタ爲ニ、其ノ運營上種々
ナル缺陷ヲ現ハシマシテ、戰局ノ要請
ニ副ヒ得ザルニ至ツタノデアリマス、
是ニ於キマシテ斯勝ナ缺陷ヲ排除致シ
テ「コークス」配給ニ關シ、國宏彦魚ノ透
徹スル如ク、從來ノ多元的ニシテ複雜
ナ配給機構及ビ方法ヲ一元的ニ致シマ
シテ、簡素且ツ强力ナ制度ニ切替ヲ行
フコトト致シタノデアリマス、卽チ「コー
クス」ト石炭トノ生產配給竝ニ消費
ノ各部面ニ於ケル特殊關聯性ニ鑑ミマ
と け、旣ニ確立ヲ致シテ居リマス石炭
ノ〓給統制機構ヲ全面的ニ活用スルコ
トト致シ、日本石炭株式會社及ビ各地
方石炭配給統制株式會社ヲシテ「コー
クス」ノ配給統制ヲモ併セテ擔當セシ
ムルコトト致シマシテ、昨年十月一日
ヨリ〓ネ石炭ト同樣ナル配給統制ヲ實
施スルコトニ致シタノデアリマス、隨
テ「コークス」ニ付テモ總テ石炭ト同樣
ノ相律ヲ致スコトヲ妥當ト致シマスル
ノデ、石炭配給統制ノ基礎法規デアリ
マスル石炭配給統制法ノ對象ニ「コー
クス」ヲ加ヘマシテ、其ノ各條文ヲ「コー
クス」ニモ適用シテ之ヲ活用致シマスル
ト共ニ、法文上ノ整理ヲモ併セ行ヒマ
シーリ、「コークス」ノ適正圓滑ナ配給統
制ノ實施ニ遺憾ナキヲ期シヨウトスル
次第デゴザイマス、何卒御審議ノ上右
両案トモ御協賛ヲ賜ハランコトヲ御願
ヒ致シマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=50
-
051・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 各案ノ審査ヲ付
託スベキ委員フ〓擧ニ付キ御諸リ致シ
マス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=51
-
052・濱野清吾
○濱野清吾君 日程第十三及ビ第十四
ノ兩案ヲ一括シテ議長指名二十七名ノ
委員ニ付託セラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=52
-
053・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 濱野君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=53
-
054・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ動議ノ如ク決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=54
-
055・小泉純也
○小泉純也君 議事日程追加ノ緊急動
議ヲ提出致シマス、卽チ此ノ墜政府提
出昭和二十年度一般會計歳出ノ財源ニ
充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律
案金資金特別會計法外五法律中改正
法律案及ビ外資金庫法案ノ三案ヲ一括
シテ議題トナシ、委員長ノ報告ヲ求メ
其ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=55
-
056・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=56
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057・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源ニ充
ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法律案、
金資金特別會計法外五法律中改正法律
案外資金庫法案、右三案ヲ一括シテ
第一讀會ノ續ヲ開キマス、委員長ノ報
告ヲ求メマス-委員長伊豆富人君
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關ス
ル法律素(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
金資金壯別會計法外五注律中改正
法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
外資金庫法案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報告書
一昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公位發行ニ關スル
注律案(政府捍出)(第一號)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決〓候此段及報〓候也
昭和二十年一月二十七日
委員長伊豆富人
報告書
一金資金特別會計法外五法律中改正
法律案(政府提出)(第二號)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長伊豆富人
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一外資金庫法案(政府提出)(第三
[35]
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長伊豆富人
半議院議長岡田忠彥殿
〔伊豆富人君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=57
-
058・伊豆富人
○伊豆富人君 私ハ只今議題トナリマ
シタ昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル法
律案、金資金特別會計法外五法律中改
正洙律案、外資金庫法案ニ付キマシテ
審議ノ經過竝ニ結果ヲ御〓告致シマス
委員會ニ於キマシテハ右三案ヲ一括
議題ニ供シ、石渡大藏大臣カラ提案理
由ノ說明ヲ聽取致シマシタ、其ノ理由
ハ本議場ニ於ケル說明ト同樣デアリマ
スカラ省略ヲ致シマス、唯昭和二十年
度一般會計歲出ノ財源ニ充ツル爲ノ公
出發行限度額ニ付キマシテ、委員會審
議途中政府ヨリ修正ノ提案ガアリマシ
夕、卽チ當初ノ提案ニ係ハル公債發行
限度額七十六億六百七十萬圓デアリマ
シタガ、其ノ外更ニ第一號昭和二十年
度歲入歳出總豫算追加案ニ計上サレマ
シタ經費ノ財源トシテ、十二億四千八
百九十萬圓ノ公債發行ヲ必要トスルニ
至リマシタ理由ニ依リマシテ、當初ノ
發行限度額ヲ八十八億五千五百六十萬
圓ニ增加修正致サレタノデアリマス、
更ニ第二號昭和二十年度歲入歳出總豫
算追加案ニ計上致サレマシタ經費ノ財
源トシテ、別途ハ三億三千九百三十萬
圓ハ公債發行ヲ必要トスルニ至リマシ
タ爲メ、公債發行限度額ヲ再ビ修正シ、
九十一億九千四百九十萬圓ニ增加致サ
レタノデアリマス、而シテ委員會ハ會
ヲ開クコト四囘、各委員カラ眞摯熱心
ナル質疑ガアリ、政府モ亦懇切率直ナ
ル說明ヲ行ヒ、愼重審議ヲ盡シタノデ
アリマス
其ノ質疑應答ノ要旨ヲ簡單ニ申上ゲ
マスレバ、公債發行ト「インフレーショ
ン」」ノ關係ニ付キマシテ、未消化公債
八百億圓ヲ突破スルト思フガ、未消
化公債ガ增加スルコトハ通貨ノ囘收率
ノ惡イコトヲ示スモノデ、ソレダケ民
間ニ通貨ガダブツイテ購買力ヲ助長
シ、惡性「インフレ」ノ原因ヲナシハシ
ナイカ、果シテ然ラバ政府ハ如何ニシ
テ之ヲ防止スル積リデアルカトノ質問
ニ對シマシテ、政府ハ「インフレーショ
ン」ハ通貨ノ膨脹ノミニ因ルトハ限
ラナイ、物資需給ノ關係、就中食糧ノ
關係ガ重大デアルカラシテ、食糧ノ增
產ニ努力セネバナラヌ、大藏省ト致シ
マシテハ實施スルコトハ通貨ノ縮限ヲ
始メ、出來ルダケノ施設ニ力ヲ盡ス積
リデアル、トノ答辯ガアツタノデアリ
マス、又戰時中現在ノ金融機關ヲ其ノ
儘ニシテヤツテ行ク積リカ、金融機關
ヲ國營トスル意思ハナイカトノ質問ニ
對シマシテ、現在モ金融機關ハ國家ノ
機關デアルト云フ答ヘガアツタノデア
リマス、其ノ他政府資金ノ放出ト「イ
ンフレーション」トノ關係、大東亞共
榮圈各國ノ通貨ト圓トノ關係等ノ諸點
ニ指向セラレタノデアリマス、此ノ間
祕密會ヲ開キマシテ、大藏大臣カラ大
東亞共榮圈ニ於ケル所ノ金融事情ノ說
明ヲ聽取スル所ガアリマシタ、其ノ他
食糧、特ニ甘諸、馬鈴薯ト、燃料トノ
關係ニ付テ質疑應答ガ繰返サレタノデ
アリマスルガ、ソレハ昭和二十年度生產
ノ甘藷、馬鈴薯カラドノ位燃料原料ト
シテ收得スルカ、昨年ヨリ燃料原料ト
シテ供出スル數量ハ增加スル、米ノ供
出モ芳バシクナイトスレバ容易ナラヌ
問題デアル、ソコデ滿洲カラ雜穀ヲ輸
入スルコトヲ廢メテ、之ヲ燃料原料ニ
充當シ、內地生產ノ甘藷、馬鈴薯ハ〓
糧ニスレバ、燃料モ增產シ、食糧需給
ノ緩和ニモ資シ、輸送ノ上カラモ良策
デハナイカトノ質問ガ行ハレタノデア
リマス、之ニ對シテ政府ハ涵洲デ구
ルコール」ヲ製造スルコトハ現ニ考ヘ
テ居ル、玉蜀黍ハ燃料原料トシテ最モ
適當デアル、併シ「アルコール」ノ必要
量ハ厖大デアル、此ノ時局下ニ於テハ
日本デモ滿洲デモ製造セネバナラヌ、
滿洲カラ内地ニ輸入スル雜穀ヲ燃料ト
スルコトハ出來ナイ、實行上ノ難點ガ
アル、彼此レ睨ミ合セテ方策ヲ立テネ
バナラナイ、昭和二十年米穀年度ノ端
境期マデノ見透シハ困難デアル、併シ
食糧ヲ燃料ニ移サネバナラヌ、滿洲カ
ラノ輸入ハ漸次困難ニナル、人口ハ增
加スル、需給ノ調節ハ中々困難デアル、
特ニ本年ハ重大ナル時局ニ直面シテ居
ルカラ、內地ノ增產ニ力ヲ入レ、輸送
方面トモ連絡ヲ執リ、萬全ヲ期セネバ
ナラヌトノ答ヘガアツタノデアリマス、一
其ノ他詳細ハ速記錄ニ依リマシテ、御
閱覽ヲ願ヒマス
斯クテ質疑ヲ終了政シマシテ討論ニ
入リ、米田吉盛君ガ翼實政治會ヲ代表
シテ原案贊成ノ意見ヲ開陳サシ、採決
ノ結果滿場一致ヲ以テ原案ヲ可決致シ
マシタ、右御報告ヲ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=58
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059・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 三案ノ第一一讀會
ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=59
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060・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ三案ノ第二讀會ヲ開クニ
決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=60
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061・小泉純也
○小泉純也君 直チニ三案ノ第二讀會
ヲ開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長
報〓ノ通リ可決セラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=61
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062・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=62
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063・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ直チニ三案ノ第二讀會ヲ
開キ、議案全部ヲ議題ト致シマス
昭和二十年度一般會計歲出ノ財源
ニ充ツル等ノ爲ノ公債發行ニ關スル
法律案第二讀會(確定議)
金資金特別會計法外五法律中改正
法律案第二讀會(確定議)
外資金庫法案第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=63
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064・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モア
リマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、三案
トモ委員長報告通リ可決確定致シマシ
タ(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=64
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065・小泉純也
○小泉純也君 議事日程追加ノ緊急動
議ヲ提出致シマス卽チ此ノ際政府提
出地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案、鐵道抵當法中改正法
律案、日本通運株式會社法中改正法律
案及ビ郵便法中改正法律案ノ四案ヲ
括議題トナシ、委員長ノ報〓ヲ求メ其
ノ審議ヲ進メラレンコトヲ望ミマス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=65
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066・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=66
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067・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ日程ハ追加セラレマシタ、
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ關
スル法律案、鐵道抵當法中改正法律案、
日本通運株式會社法中改正法律案、郵
便法中改正法律案、右四案ヲ一括シテ
第一讀會ノ續ヲ開キマス、委員長ノ
報〓ヲ求メマス-委員長横川重次
君
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
鐵道抵當法中改正法律案(政府提
出第一讀會ノ續(委員長報告)
日本通運株式會社法中改正法律案
(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報〓)
郵便法中改正法律案(政府提出)
第一讀會ノ續(委員長報告)
報〓書
一地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報〓候也
昭和二十年一月二十七日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
報〓書
一鐵道抵當法中改正法律案(政府提
出
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一日本通運株式會社法中改正法律案
(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト議
決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
報告書
一郵便法中改正法律案(政府提出)
右ハ本院ニ於テ可決スヘキモノト
議決致候此段及報告候也
昭和二十年一月二十七日
委員長橫川重次
衆議院議長岡田忠彥殿
〔橫川重次君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=67
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068・横川重次
○橫川重次君 只今上程サレマシタル
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等ニ關
スル法律案外三件ノ特別委員會ノ經過
ノ大要竝ニ其ノ結果ヲ御報告申上ゲマ
ス
議題トナリマシタ四法案ノ趣旨ニニ
提案ノ理由ニ付キマシテハ、旣ニ太議
場ニ於キマシテ運輸通信大臣ヨリ說明
ガアリマシタカラ此處ニハ之ヲ省略致
シマス、委員會ハ去ル二十三日ヨリ本
日マデ五囘ニ亙ツテ會議ヲ開イタノデ
アリマス、委員會ニ於キマシテハ政府
ノ議案說明後直チニ祕密會ヲ開キマシ
テ、運輸通信ニ關スル空襲被害、震害、
雪害ノ狀況竝ニ是ガ對策等ニ關シマシ
テ政府ノ說明ヲ聽取致シタノデアリマ
ス、委員會ノ內容ニ付キマシテハ申述
ベル限リデハデゴザイマセヌガ、委員
會ハ是等ニ對シマシテノ政府ノ施策努
力ニ對シマシテハ、之ヲ諒ト致シタ次
第デゴザイマス、更ニ委員會ハ現下苛
烈ナル戰局下ニ於キマシテ、運輸通信
力ガ戰力ノ根幹ヲナスト云フ事實ニ鑑
ミマシテ、各委員カラ眞摯熱烈ナル質
疑ガ行ハレタノデアリマス、之ニ對シ
大臣、政府委員ヨリ懇切ナル答辯ガア
ツタノデアリマシテ、眞ニ一體的空氣
ノ下ニ、互ヒニ其ノ經綸蘊蓄ヲ傾注致
シマシテ、決戰輸送及ビ通信ノ整備增
强ニ關シマシテ、相當寄與スル所アリ
マシタコトハ私ノ確信スル所デゴザイ
マシテ洵ニ欣快ト致ス次第デゴザイマ
ス、質疑應答ノ詳細ニ付キマシテハ速
記錄ニ依ツテ御賢ヲ願フコトト致シマ
シテ、今二、三ノ問題ニ付キマシテ、
簡單ニ御紹介ヲ申上ゲタイト思ヒマス
先ヅ第一ニ日滿支ヲ結ブ本土、大陸
間ノ輸送竝ニ內地幹線ノ輸送ハ確保セ
ラレ居ルヤ否ヤトノ質間ニ對シマシ
テ、政府カラ日満支自給能勢强化ノ國
家要請ニ卽應シ、之ニ伴フ輸送力ノ增
强ニハ各般ノ措置ヲ講ジテ居ル、卽チ
南鮮中繼輸送施設ノ强化、博多釜山航
路竝ニ裏日本中繼施設等ノ增强ヲ圖ル
ト共ニ、內地、幹線ニ付キマシテモ、之
ニ即應シテ其ノ增强ニ努メツヽアル旨
ノ答辯ガアツタノデアリマス、殊ニ國
民生活維持上必要ナル食糧、中ニモ穀
類鹽ノ大陸ヨリノ輸送ニ付キマシテ
ハ、其ノ必要量ノ綱對確保ニ付キマシ
テハ演身ノ努力ヲ拂フ旨ノ心强キ答辯
ガアツタノデゴザイマス、第二ニ、自
動車其ノ他小運送ノ增强竝ニ是ガ修理
對策、如何トノ質、問ニ對シマシテ、政府
ハ自動車ノ大量生產及ビ補修資材ノ確
保ニ付キマシテハ現下甚ダ困難ナル實
情ニアルノデアリマスルガ、關係當局、
特ニ陸海軍ヨリ手持資材ノ支給ヲ受ク
ル等、絕大ナル協力ヲ得テ特段ノ措置
ヲ講ジツヽアル旨、又小運搬ニ關シマ
シテモ、統制ノ强化、器具ノ增備等ヲ
圖リ、小運送隘路ノ打開ニ努メツヽア
リ、又港灣荷役ニ關シマシテハ、是ガ
勞務ノ管理、給與ノ改善等ニ付キ銳意
努力シツヽアル旨ノ答辯ガアツタノデ
アリマス、第三ニ、運輸通信ノ空襲ニ
對スル對策如何トノ質疑ニ對シマシ
テ、諸施設ニ對スル耐彈防護ヲ强化シ、
又空襲被害發生ノ場合ニ於キマスル迅
速ナル應急復舊ノ棒動的熊勢ヲ整備ス
ルト共ニ、應急運輸本部及ビ其ノ下部
機構ノ整備ヲ了シ、萬遺憾ナキヲ期シ
テ居ルトノ答辯ガアツタノデアリマ
ス.第四ニ、最近運輸通信從業員ノ公
衆ニ對スル接遇ニ村キ兎角ノ評ガアル
ノデアルガ、當局トシテハ更ニ是等ニ。
對シテ一層ノ指導訓育ノ要ガアルデハ
ナイカトノ質問ニ對シマシテ、當局ハ
最近未熟練者ガ增加致シマシテ、年齡
ノ低下等ノ爲メ、時トシテハ親切丁寧
ヲ缺クコトアルコトハ洵ニ遺憾デアリ
マスルガ、今後トモ一層是ガ指導訓育
ヲ强化シ.素質ノ向上ニ努力致シタキ
旨ノ答辯ガアツタノデアリマス、第五
ニ.郵便料金改正直後ハ郵便切手ノ甚
ダシイ不足ヲ招來スルコトハナイカト
ノ質問ニ對シマシテ、政府ニ於テハ、
切手代田消印ノ便法ヲ講ズルノ外、郵
便料金ヲ現金ニテ收納スル制度ヲ擴張
スル等ニ依リマシテ、切手不足ニ依ル
不便ヲ生ゼシメナイヤウナ萬般ノ用意
ヲシテ居ルトノ答辯ガアツタノデアリ
P V、其ノ他、地方鐵道軌道ノ國家管
理竝ニ之ニ對スル政府ノ援助、工場
疎開ト輪、送トノ關係、物資移動ノ調整、
船舶ノ集團輸送、竝ニ一般國民ノ交通
道義ノ昂揚等、適切ナル質疑應答ガア
ツタノデアリマス
斯クシテ本日午後二時全部ノ質疑ヲ
終了致シマシテ、直チニ討論ニ入リ、
翼贊政治會ヲ代表致シマシテ野口喜一
君ヨリ原案智成ノ意見ノ開陳ガアリ、
採決ノ結果全會一致原案ノ通リ承認ヲ
致シマシタ次第デゴザイマス、此ノ段
御報告ヲ申上ゲマス(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=68
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069・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 四案ノ第二讀會
ヲ開クニ御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=69
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070・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ四案ノ第二讀會ヲ開クニ
決シマシタ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=70
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071・小泉純也
○小泉純也君 直チニ四案ノ第二讀會
ヲ開キ、第三讀會ヲ省略シテ、委員長
報告ノ通リ可決セラレンコトヲ望ミマ
ス発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=71
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072・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 小泉君ノ動議ニ
御異議アリマセヌカ
〔「異議ナシ」ト呼ブ者アリ〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=72
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073・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 御異議ナシト認
メマス、仍テ直チニ四案ノ第二會ヲ
開キ議案全部ヲ議題ト致シマス
地方鐵道及軌道ニ於ケル納付金等
ニ關スル法律案第二讀會(確定議)
鐵道抵當法中改正法律案
第二讀會(確定議)
日本通運株式會社法中改正法律案
第二讀會(確定議)
郵便法中改正法律案
第二讀會(確定議)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=73
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074・岡田忠彦
○議長(岡田忠彥君) 別ニ御發議モア
リマセヌ、第三讀會ヲ省略シテ、四案
トモ委員長報告ノ通リ可決確定致シマ
シタ(拍手)是ニテ議事日程ハ議了致シ
マシタ、次會ノ議事日程ハ公報ヲ以テ
通知致シマス、本日ハ是ニテ散會致シ
マス
午後四時四十七分散會
衆議院議事速記錄第三號中正誤
頁段行誤正
一五二一七增强邁進增强ニ邁
進
一六四一完ノ總力ノ總力
一七一一遂シテ完遂シテ
一九五一七金蛹金融
二二二二四感染シ、感染シ、
國染シ、國民
國民発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=008613242X00519450127&spkNum=74
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