1. 会議録本文
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000・会議録情報
付記議案
○隱匿物資等緊急措置令(承諾を求むる件)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=0
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001・会議録情報2
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昭和二十一年七月十九日(金曜日)午前十時二十分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=1
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002・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 是より開會します、前回に引續きまして御質疑を願ひます、先づ委員からの御請求になりました參考書に付て政府委員から極く概略の説明を致されたいさうでありますが御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=2
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003・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) ではどうぞ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=3
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004・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 前囘の會議で中山委員より御請求ございました資料を御手許に差上げましたので、御説明を申上げます、先づ國民更生金庫の分に付て御説明致します、御手許に差上げました此の表は、國民更生金庫が轉廢業者から資産を引受けました其の處分の状況を一覽表にしたものでございます、半頁の紙に總括表がございますが、其の第一表を御覽を戴きます、第一表に終戰後に於ける引受竝に處分状況と云ふ表がございます、四欄程ございますが第二欄に昭和二十年八月末日現在の金額と、第三欄に終戰後九月一日から此の五月末日迄の處分の状況の數字、第四欄に全部を通算致しました國民更生金庫の處分状況と云ふ數字が書いてございます、最後の欄を御覽願へれば總計が分る譯でございますが、即ち昭和二十一年五月末日現在に於きまして國民更生金庫が轉廢業者の資産を引受まけした總計は二十五億二千五百六十萬三千圓でございます、是が引受總額でございます、其の中既に處分を致しました金額が二十二億八千三百九十二萬三千圓でございます、現在未處分と致しまして持つて居りまする引受價格、引受けました價額の總計が二億四千百六十八萬圓現在殘つて居るのでございます、さうして其の殘つて居ります引受價額の内譯を第二表に書いてございます、此の二億四千百六十八萬圓の内譯はどう云ふ風になつて居るかと申しますと營業權が其の中五十「パーセント」を占めて居ります、所謂暖簾代を見て居るのでございますが、それが一億二千八十四萬圓でございます、次に戰災に依って罹災致しましたものが十「パーセント」ございまして、二千四百十六萬八千圓を占めて居ります、それから其の次は代金の未回收になつて居る物件、軍部等に轉用致しましたけれども、代金を貰つて居らぬものが四「パーセント」でございまして九百六十六萬七千圓、是が主として軍に轉用されましたもので、まだ代金の支拂がないと云ふものでございます、其の次に金屬の屑、「スクラツプ」として處分すべき物件が十八「パーセント」占めて居りまして、四千三百五十萬二千圓でございます、其の次は金屬以外の物で、矢張り屑化處分をする必要があるものが五「パーセント」程度でございまして、一千二百八萬四千圓になつて居ります、それから轉用可能の金屬製物件が十「パーセント」程占めて居りまして二千四百十六萬八千圓でございます、同じく轉用可能で金屬以外の物が三「パーセント」ございまして七百二十五萬一千圓、合計致しまして二億四千百六十八萬圓と云ふ程度のものが、現在更生金庫に殘つて居る資産でございます、細かい點は書いたものにも説明してございます、次に産業設備營團の遊休設備の整理に關する調査を御説明致します、産業設備營團が企業整備に依りまして買受けました遊休設備が、色々の部門に亙つて居るのでございますが、御手許に差上げました一枚の表の一番左の欄に産業部門の名前が書いてございます、一々朗讀は省略致しますが、「綿すふ紡績」以下約四十議目程部門が分けてございます、其の第二欄に買受數量は總て「トン」數で書いてございます、主として「スクラップ」にした關係で「トン」數で書いてございますが、一番右の方に買受數量の總計がございます、合計六十寓三百二十一「トン」八の買受總數量になつて居ります、其の内「スクラップ」と致しまして金屬囘收會社等に産業設備營團から渡しましたものが、五十七萬七千三百五十九「トン」八と云ふものを既に屑化處分を致して居ります、さうして殘りました二萬二千九百六十二「トン」と云ふものは、是は設備其の儘で轉用致しましたもので、設備として轉用可能のもの、例へば「モーター」でありますとか、「ボイラー」であるとか、或は油「タンク」と云つたやうなものは、其の儘使用が出來ますので、之を重點産業の方へ營團から轉用を致したのであります、從ひまして産業設備營團と致しましては今日は、是等のものは總て持つて居らぬのでございます金屬囘收會社、又それぞれ製鐵所其の他にも流れて居りまするし、轉用可能のものはそれぞれ工場施設等に既になつて居るのでございます、最後に交易營團の保有致しました物資で、終戰後處分致しました物の内譯の御要求がございました、大體此處に主に讓渡別の「パーセンテージ」を取りまして、表を作りましたのであります、纎維製品等に付きましては總計三億九千六百八十六萬九千圓の内、統制團體に讓りましたものが八十九「パーセント」、輸出が七「パーセント」、其の他の團體等に渡しましたものが「四パーセント」でございます、輸出は生絲であります、農水産物の總計が五千九百七十七萬圓になつて居りますが、前囘差上げました表には千百五十八萬一千圓になつて居ります、是は其の後木材の輸出がございました爲に茲に四千八百萬圓程數字が増加致して居るのでございます、統制會社其の他に參りましたのが一「パーセント」、輸出が八十一「パーセント」、主として木材及び「ゴム」でございます、其の他の團體及び戰災援護會或は紅茶組合と云つたやうなものに十八「パーセント」でございます、化學品に付きましては、統制團體、統制會社等に出ましたものが八十「パーセント」、其の他特殊の團體或は農業會等に出ましたものが二十「パーセント」、機械類に付きましては、官廳や公共團體に行きましたものが十三「パーセント」、統制團體に行きましたものが二十一「パーセント」、進駐軍用に轉用致しましたものが十三「パーセント」、其の他の團體、配電會社とか、自動車會社と云つたやうなものに五十三「パーセント」等が參つて居るのであります、それから鑛産物及び同製品、主として鐵鋼、工具類、非鐵金屬類でございますが、統制會社等に參りましたものが十三「パーセント」、其の他のものは主として斯う云ふ鐵鋼等を供出致しました所へ還元して配給致した譯でございます、出した所へ、元へ戻したやうになつたものが主でございまして、是が八十七「パーセント」を占めて居ります、雜貨類は千十七萬五千圓、其の他官廳や公共團體に六「パーセント」、統制會社等に十七「パーセント」、進駐軍に四十一「パーセント」、其の他の團體に三十六「パーセント」と云ふ比率になつて居ります、救急用物資は統制會等に五十七「パーセント」、其の他の團體、色々な統制團體等を含みまして四十三「パーセント」、合計四億九千百二十一萬二千圓と云ふ内譯になつて居ります、以上でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=4
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005・中山太一
○中山太一君 國民更生金庫の引受資産、終戰後に於ける處分状況の表を一覽致しまして、又御説明も承りました、此の處分されました價格と云ふものはどう云ふ――引受價格が基準になつて居るのでありませうか、或は非常に物價の値上りがありましたから、さう云ふやうなものを見越して相當買入價格よりは高い標準で處分して居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=5
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006・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 更生金庫の引受價格と云ふのは、此處にも説明がございますやうに、大分營業權を見て買つて居りますので、大分高く買つて居ります、從ひまして之を「スクラップ」化するのが大部分でございまするが、さう云ふものは引受價格よりも非常に安く拂下を致して居るが大部分でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=6
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007・中山太一
○中山太一君 御説の通り暖簾代其の他がありますが、是等の總引受の五分位にしか相當して居らぬやうでありますが、全部の色々のものを混ぜても相當高いものではないのでありますから、是は若しも價格が今のやうに非常に騰つて居る時になりますと、二倍、三倍或物は、鐵だけでも七倍、九倍と云ふやうな風でありますから、茲に大變な國民更生金庫の資産に變化があるのぢやないかと思ふ、唯其の儘買受價格で御渡しになつて居れば是は別でありますけれどもそれで御尋ねした次第でございます、それから今一つは、此の更生金庫のものは、企業整備と云ふ名目の下に、先祖傳來其の事業を經營して來、漸く事業としても成立ち、それから其の家族又、使用人の生活もそれで確保されて居たものが、皆廢業しなければならぬやうになつたが、其の當時も是は相當な方法があつたと思ひまするが今更申しても仕方のないことであります、其の買受けられた是等の施設、其の他の資材は相當有效に活用されて居る、されなければならぬと思ひます、どう云ふ状況でございませうか、一般にそれ等の犧牲を拂つたものに直接報ゆることは出來ないけれども、國家としては一方に大きな國民が損をして居るけれども、一方にはそれで餘程大きな貢献をしたと云ふことになつて居りませうか、或は「ラジエーター」、「エレベーター」其の他の資材を金屬回收で取られたと同樣に爲さなくても宜かつた、全く多くの犧牲を拂ひながら無駄事であった、或は外國人から見れば餘りに日本の官民共に近眼的に無駄なことを繰返した、無知なことをやつて居つたと言はれるやうな風に是もなつて居るのでありませうか、御當局の之に對する率直な御意見を聽かして戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=7
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008・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 此の企業整備の效果に付きましては、今日から批評致しますると、仰せの通り、それ迄やらぬでも宜かつたかと思ふ方面もあるのでございまするが、併し資材の少いものと致しましては、各種の資源を有效に活用すると云ふ意味で、企業整備の問題と併せて考へてやりました措置でございます、實情を無視して色々の遺憾の點もございましたが、相當金屬類等に付きましては有効に働いたものと考へて居ります、尚價格の點は、實は手許に細かい數字がございませぬ、幾らで拂下げたかと云ふ數字はございませぬが、大體は元の機械を機械の價格と致しまして買入れまして之を「スクラップ」として賣る譯でございますから、金庫と致しましては、非常に利益を擧げると云ふやうな金額ではないのぢやないかと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=8
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009・中山太一
○中山太一君 只今の御説明のやうに、屑鐵其の他として處分された時には反對になりますから、相當損失もあるかも知れぬ、然らば其の差損と云ふものは結局更生金庫にはそれが相當にそれがある筈ですが、今どれ位の數字になつて居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=9
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010・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 國民更生金庫が毎年損失を致して居る金額の表があります、昭和十六年から仕事を始めて居りますが、昭和十六年は約十六萬圓程政府が國民更生金庫の損失補償を致して居ります、昭和十七年は二千八百五十二萬六千圓程、昭和十八年度は一億四千三百五十六萬七千圓餘昭和十九年度は二億八千四百五萬二千圓餘損失補償を致して居ります、昭和二十年度はまだ計算が出來て居りませぬが、是れ以上のものであらうと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=10
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011・中山太一
○中山太一君 企業整備に依つて回收された中には、菓子屋などの木の箱とか、蓋など、國民更生金庫は引受けても置き場所にさへ困ると思ひますが、形式でさう云ふものを皆買入れた、是は置いても邪魔にもなるし、又處分する時には全く薪代にもなるかならぬものでありますから、相當あるものの値上りのある物は別でせうが、それでなければ損の行くのは已むを得ないと思ひます、是は買受けられる時から引受くべからざる物であつて、寧ろ其の者に殘して居つて宜い筈であつた、それを杓子定規式にやつたのはどうかと思ひます、さう云ふ業者が持つて居て活用すれば非常に有效なものになります、是は已むを得ないことかと存じますが、今後さう云ふことはないと存じますけれども、企業整備や何ぞあ、云ふ時に流行的にせずに、もう少し科學的に、合理的に御檢討願ひ、それから精神的にも其の整備される人の立場にもう少し血があり、涙のある御考慮を願ふと云ふことが政治の要諦ではないかと思ひます、もう濟んだことは仕方ありませぬけれども、今後は一つ立派な産業行政を御願ひしなければならぬ、是が今後の日本建直しの時の一つの好い參考になればと思つて居ります、又疎開などでも企業整備と疎開とを能く結び付けて、鐵工業などは各町村に一つ、二つ宛疎開して居れば空襲にもやられないし、又餘剩勞力も活用して生産は進む、又斯う云ふ平和になつても役に立つが、戰爭が續いても役に立つ筈ですからちよつと先を御考へ願ひ、それから又色々の方面から科學的に檢討して貰ふと、善處さるべき方法が澤山あつたと思ひますけれども、是ももう過ぎ去つたことでありますから、今後の御施策の上に御考慮願ひたいと思ひます、政府の今國民の更生金庫でなく、産業設備營團、交易營團等にあります是等隱退藏物資と言うてはいかないでせうが、所有物資が相當ありまする揚合に、之を活用の上に於て遺憾なきを期して戴きたい、殊に生産の隘路が、資材の足りない爲に生産が十分に行はれないと云ふ場合でありますから、幸ひ政府の機關とも謂ふべき是等の營團が持つて居る物は一層有效適切に御活用願ふやうに、又其の資材を各方面の關係業者に公開して貰つて、之を活用するやうな方法があれば、業者に其の方法の檢討をして貰ふさうすれば一層生産促進上に貢献する點があらうと思ひますが、其の點御當局はどう御考になりますか、御方針を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=11
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012・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 今日資材が非常に逼迫して居ります折柄、營團等の統制團體の持つて居ります物は非常に貴重な品物でございます、從ひまして之を現在の我が國に於て最も有効に使ふことが必要であると考へます、從ひましてそれは有らゆる方面の御協力に依りまして我が國が最も必要とする方に有効に使つて行くと云ふ風に進めたいと考へます、從ひましてそれぞれ關係の團體の意見も伺つて居りますし、今後もどしどし伺ひまして、使用方法に遺憾なきを期して行きたいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=12
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013・中山太一
○中山太一君 只今の御説明で其の點は能く了承しました、次に御尋ね申上げたいことは、交易營團の保有物資なり、其の讓り渡し先等に付ても此處に資料を戴きまして御説明と此の表とを照し合せましても、大體相當に、其の關係、業界、所謂組合とか團體とか其の他のものに是が處分されて居るやうであります、此の點は大變結構だと思ひますが、中には之に相反した、其の組合業界等に關係なく不當に個人、甚しき場合ならば係官と云ひますか、職員との私的關係に於て不當に處分されて居る物も少くないやうに聞いて居ります是等は先達ても御答辯がありましたから重ねて承る必要はないのでありますけれども、さう云ふ物は一應隱退藏物資の此の制度から致しましても、當然さう云ふ間違つて終戰後處分をしたやうなものは全部回收されて、さうして業界とか或は公正な意味に於て再分配さす、さうして此の産業各方面の生産の隘路になつて居るもの、之に潤すと云ふことにされなければならぬ、斯樣に思ひますが、さう云ふやうにして御進みになる御決意であるかどうか、それから其の際處分價格が不當であるが、是は營業權や其の他に關係して居りませぬ、非常に不當な買入價格にはなりませうが、某の後に於て販賣値が上つて居る物が、矢張りそれと同等な價格で終戰後に處分して居ると云ふことがある、是も如何かと思ひます、今度の業界其の他に處分される時にも必らずしも高價でなくても、三倍四倍になつて居る物は前の價格や何かに於て處分されることが政府の色々な損失負擔も補償も輕くなりますから、さう云ふことも無理でなく當然今日の相場から或程度負擔すべきものは之を是正して處置されることも必要だと思ひますが、是等に對して先達て御答辯がありましたが、さう云ふやうになれば誠に公明正大だと思つて居ります、此の表では個人關係で處分されたものが擧つて居らぬやうでありますが、さう云ふ場合には斷乎として處理されると云ふ御考であるかどうか改めて先づ御伺ひしたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=13
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014・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 交易營團の物資の拂下に關しまして不正の問題に付きましては、先般商工大臣の御答になつた通りでございます、若し不正に處分されて居ると云ふのがありますれば、之に對しては適正にしなければならぬと考へて居ります、尚價格の問題に付きましては、是は拂下げました當時の價格で見るより仕樣がないと思ひます、其の後値上りしたからと云うて追徴すると云ふやうなことにも參りませぬので、今後のものに付きましては勿論最近の公定價格なり時價なりに依つて拂下げるものと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=14
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015・中山太一
○中山太一君 大臣の先達て御答になりましたのは矢張り本委員が御尋ねしたやうな意味に合致する御處置を遊ばすと云ふことでありました、大變結構であります、で價格の點に付きましては當時の價格にと云ふこと、是は隱當な話でありまして、唯當時の價格と云ふものがずつと違つて居つても、其の儘行く場合もある、此の點は此處で論爭になるといかぬですから略することに致します、不正と云ふ時になりますと、是はちよつと證據を擧げることが出來ぬことですから、不正と云ふ意味にのみ取るべきではなく、不當と云ふやうな意味の、澤山な業者がありながら一人に何等の理由なく之を渡すと云ふことになりますれば、それは不當だと云ふことは常識上からも考へられますから、不正である場合にと云ふことを以て、私は不正者を指摘しようと存ずるのではありませぬ、不當な處分である時は是は矢張り正當に處分されるやうに御取計ひされることが至當ぢやないかと云ふ意味でありますから、それに對しての御答を戴きますれば非常に結構だと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=15
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016・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 澤山の業者の中、特定の業者に資材が渡つて居るかどうかと云ふことは其の資材の用途が國家的に見て最もさう云ふ特定の人に讓ることが必要である場合もあるのでございまもうと思ひますので、一概には一人に渡したからいかぬと云ふことは言ひにくいかと思ひますが、澤山の他の同じやうな資格を持つた業者の方が居られる場合に於ては、之を其の組合等に渡すと云ふことが至當であらうと考へて居ります、從ひまして一人に渡してあると云ふことだけで不當と云ふことには政府としては考へにくいかと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=16
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017・中山太一
○中山太一君 今の建築請負其の他でも眞面目な者には指定入札でもする位ありますから、是は必ずしも個人であつて不當と云ふ譯ではありませぬが、假に輸出をしないに拘らず、過去に輸出したと云ふやうな名義で理窟をつけて、終戰後一切の輸出はして居らぬにも拘らず輸出し、次に又追加して輸出したと云ふので一人に渡つて居るものがある、全關係業者が共同してやらねばならぬに拘らず…さう云ふやうなことは、私は職員の措置が不當だと斷じて宜いものと存じます、それで今の相當な理由があります時には御説のやうに必ずしも個人にしたのみがいかぬと云ふ訳ではありませぬ、是は御明斷を願つて、さう云ふことが方々にあるらしい、らしいと云ふと何ですが、大臣閣下にも話しましたけれども、大臣の前で隨分強いことを言つた人もあります、司法大臣も御列席の所でさう云ふことがありました、本員は之を、一々知つて居ることを指摘して、今日の委員會の御當局を責めると云ふのではないのでありますから、大體の原則さへ決れば、後は御當局が國家の爲に極めて公正に善處されることと存じますから結構であります、善處して戴くと云ふことの御考さへ承れば、私はそれで質問を打切りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=17
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018・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 只今の點に付きましては、商工大臣の仰せの通りであります、私共もそれと同じやうに致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=18
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019・柳澤光治
○子爵柳澤光治君 只今戴いた表の數字の中で、ちよつと疑問がありますので承りたいのですが、只今受取つた「終戰後に於ける交易團體保有物資一覽表」それから先日戴きました終戰以後放出した交易營團の保有物資、此の二つの表を比較して見ますと、金額と云ふ欄はずつと件名に對して數字が一致して居りますが、其の中の二番目の農水産物だけ數字が違ふのでありますが、是でちよつと疑問を起したのですが発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=19
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020・吉田悌二郎
○政府委員(吉田悌二郎君) 是は五月三十一日現在の統計を取ったのでございますが、其の後木材の輸出がございまして、農水産物の金額が殖えましたので、殖えた數字を書いたのであります、數字を申上げますと、木材が四千七百五十五萬圓輸出がございました、それから「ゴム」が六十八萬九千圓輸出がございました、此の二つが増加致しました爲に從來の一千百五十三萬一千圓と云ふのが五千九百七十七萬圓に増加致したのでございます、少し六月に入りましての數字が入りましたのですが、全部放出致しました數字を書きましたので、増加致しました數字を書きました、合計は四千八百萬圓でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=20
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021・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 他に御質疑はございませぬか、御質疑がございぬせぬければ、次に皆樣にちよつと御諮りを致したいと思ひます、極く簡單な勅令ではございますけれども、範圍の及ぶ所非常に廣いものでございますから、殊に細かい點が澤山あり、色々批判や批評の因になつたものが澤山あります、委員長と致しましては記録に殘す程のことでもなく、又皆樣が御聞きになりたいと云ふ細かいことが澤山ありはしないかと思ひます、此の際速記を止めまして懇談の形式で農林、商工、特に内務の關係の隱退藏物資の在り方とか、結果とか、特に主要食糧品に對します檢擧と云ふやうなことも、實例に付て懇談的に一つ伺つて見たら如何かと存じます、右樣取計つて御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=21
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022・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) それでは左樣取計ひます、速記止め
午前十一時速記中止発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=22
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023・会議録情報3
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午前十一時五十分速記開始発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=23
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024・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 速記始め…質疑應答も大體御濟みになつたやうに考へます、是から討論に入りたいと思ひます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=24
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025・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 討論に入ります、意見の開陳を御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=25
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026・中山太一
○中山太一君 原案の承認に異議がありませぬから…質疑應答は十分盡しましたから、私はもう発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=26
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027・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 中山さんの仰しやるのは、討論を拔きにして直ぐに採擇に入つて呉れと云ふ御申出でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=27
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028・中山太一
○中山太一君 左樣であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=28
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029・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 御諮り致しますが、中山委員から討論は省略して直ぐ採決に入りたいと云ふことでありますが、御異議ございませぬか
〔「賛成」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=29
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030・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) それでは採決に入ります、本勅令に承認を與へることに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=30
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031・秋元春朝
○委員長(子爵秋元春朝君) 御異議ないと認めます、是で本委員會は終了致しました、長い間暑いに皆樣御熱心に御勉強下さいまして委員長から委員諸君竝に政府委員諸君に厚く御禮を申上げます、それでは是で散會致します
午前十一時五十二分散會
出席者左の如し
委員長 子爵 秋元春朝君
副委員長 男爵 渡邊修二君
委員
侯爵 池田宣政君
伯爵 柳澤保承君
子爵 柳澤光治君
子爵 交野政邁君
子爵 稻垣長賢君
男爵 西酉乙君
男爵 前島勘一郎君
男爵 田中龍夫君
松本學君
諸橋久太郎君
中山太一君
政府委員
農林次官 楠見義男君
商工政務次官 小林かなえ君
商工事務官 吉田悌二郎君
同 岡村武君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000075X00519460719&spkNum=31
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