1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○改定豫算に關する法律業発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=0
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001・会議録情報2
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昭和二十一年八月十四日(水曜日)午後一時四十六分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=1
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002・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 是より昨日に引續きまして會議を開きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=2
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003・黒田清
○伯爵黒田清君 昨日黒田委員から御質問ごさいましたが、政府委員の御答に、改定豫算に關する法律では、それが施行豫算に代るのではない、別途の協贊を經て居る豫算案に代つて施行豫算の内容が變更されるのだと云ふやうな御答があつたやうに伺ひます、若しも此の内容が變更されると云ふやうな見方であると、是は憲法に違反する問題になりはしないかと思ひます、其の邊の所をもう一應御説明願ひたいと思ひます、其の前に御説明になりましたのは、施行豫算は改定豫算に依つて形が變へられると云ふことであつたが、其の次の御説明に依つて内容が變ると云ふことは、ちよつとおかしなことではないかと思ふのであります、其の邊もう一度御説明願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=3
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004・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 改定豫算に付きましての御質問でありますが、私共の考へます所に依りますと、憲法の七十一條に依りまして、前年度豫算が施行豫算として昭和二十一年度の豫算と相成つた點は明かであります、それに對しまして或種の變更を加へるのでありますが、是は現在の會計法に依りますと、さう云ふ變更は追加豫算の方法を以て行ふ途しかありませぬけれども、憲法の上から申しますれば、一度成立致しました施行豫算に對しまして、議會の協贊を願つて之に變更を加へると云ふことは、憲法上は可能であると考へて居るのであります、現在の會計法は、今も言ふ通り追加豫算だけの方法でありますけれども、例へば地方制度等に於きましては、追加更正豫算の途が認められて居りますが、地方制度は成立の根據は法律でありますけれども、現行憲法上から申しましても、既に成立した豫算に對して追加豫算を會計法を以てする途が認められて居りまする以上、之に對して今次提出致しましたやうな改正の方法を法律に依つて規定すると云ふことは、憲法上可能であると考へて此の案が出來た次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=4
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005・黒田英雄
○黒田英雄君 昨日御伺ひしたことを多少繰返すやうなことになりますが、法制局長官が御見えになつたので伺ひますが、今御説明に依りますれば、法律で以て憲法上の豫算を變へることが出來ると云ふ御解釋のやうでありますが、さう云ふ御解釋ならば、昭和二十一年度の豫算は、憲法七十一條に依りまして今施行豫算が存在して居る譯でありますが、此の改定豫算の法律に依つて施行豫算と云ふものはなくなることになると云ふ御解釋なんでありますか、さうしますと、どうも憲法上の豫算と云ふものが法律を以て變更されると云ふことは、今迄の解釋に依りましてはどうも穩當でないやうに私は思ふのでありますが、御話のやうに追加豫算と云ふもので變更を加へると云ふことは是は問題であります、又繼續費に付きましては年度割額が決つて居りますから、前年度の年割額であつても是は議會の協贊を既に經て居る、二十一年度の年割額に付ても從來と同一になつて居るやうに思ふのでありますけれども、其の他施行豫算と云ふものは、もう是は憲法上に定められて居る豫算でありますから、之を法律で以て變へると云ふことはどうも憲法上穩當でないやうに考へられるのでありますが、如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=5
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006・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 施行豫算がなくなるかと云ふ御尋でありますが、なくなると云ふ言葉の使ひ方に依ると思ひますけれども、施行豫算と云ふものが二十一年度の豫算であることには間違ひないのであつて、それに對して變更を加へると云ふことにならうと思ふのであります、從つて基礎は飽く迄憲法に謂ふ所の施行豫算でありまして、之に會計法の改正に依つて若干の變更が加はる、勿論今日は若干と申しましても相當根幹に觸れた變更でありますけれども、本來追加豫算と致しましても、追加豫算は當初豫算と一體として矢張り其の年度の豫算と云ふものになつて行くのだらうと思ふのでありますが、其の意味に於て變更が加へられて居ると思ひますが、基礎になるのは矢張り施行豫算と云ふものであつて、其の變更の加へ方が非常に大きいものですから、元の形が全くなくなつてしまつたかと思ひますが、觀念的に申しますと、施行豫算を土臺として、之に對して改定豫算と云ふ形式に於きまして、從來政府部内で行政慣例としてやつて居つた實行豫算的の増減の手續と、それから追加豫算の變更と、之を一體として施行豫算に變更を加へたものである、斯う云ふ風に考へて居るのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=6
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007・黒田英雄
○黒田英雄君 只今の御説明ですと、施行豫算と云ふものは兎に角憲法上の豫算として存在して居るものであると云ふ御解釋のやうでありますが、其の點は私はまあ自分の考と一致して居るやうに思ふのです、それを變更されることは追加豫算等に依つて内容は變つて來ます、それからして今度ので餘程變ることは是はもう私は問題ないと思ふのですけれども、施行豫算と云ふものがなくなると云ふことであると、憲法上どうかと思ひましたのであります、それは昨日の大藏當局の御答辯では、決算の場合に於ても施行豫算の決算と云ふものはないのだと云ふことの御説明でありますから、さうすると、どうも施行豫算と云ふものがなくなつてしまつたと云ふことになるのぢやないか、法制局長官の方の御解釋では如何でせうか、決算に於きまして、此の改定豫算の決算と言ひますか、施行豫算の決算と云ふものの形、決算の形が從來のとは餘程變つて來るだらうと思ひますけれども、併し矢張り憲法に依ると、總豫算と同じ形式の決算を出すと云ふことになつて居るやうに思ふので、施行豫算の決算と云ふものがなくてはならぬやうに思ふのですが、如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=7
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008・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 今度の法律で改定豫算と云ふ名稱を附けた形式が認められた譯でありますが、それは只今申しましたやうに、其の基礎は施行豫算であつて、それに非常に大きな變更を加へるものであると考へて居ります、そこで決算の場合に於きましては、改定豫算の決算、詰り改定豫算に於て認めました款項に依つて決算はして行くのだと思ひます、ですから其の意味に於て改定豫算の決算でありますけれども、其の改定豫算と云ふものは、今申上げましたやうに施行豫算と云ふものに對して變更を加へて、一見するとまるで款項も變つてしまつたやうなものになりますけれども、基礎は施行豫算にありまして、さうしてそれを改定豫算と云ふ會計法上新に認めました形式に之を變形して、決算の場合にはさう云ふ變更せられた改定豫算の形式に即應して決算を立てると云ふやうにならうかと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=8
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009・黒田英雄
○黒田英雄君 それならば、宜しいと思ふのですが、何處迄も施行豫算の決算と云ふことを御認めになりますならば、私の疑問は解消する譯なんですが、昨日の答辯ではどうもさうでないやうに思つたものですから、御尋ねしたのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=9
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010・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 尚もう一應附加して申上げますが、それを施行豫算の決算と云ふかどうかと云ふ點は、是は用語の問題かと思ふのでありまして、私共は矢張りそれは改定豫算の決算である、會計法上の改定豫算の決算であると思ふのです、唯私の申上げたいと思ひますことは、改定豫算と云ふのは施行豫算とまるで離れて新しく豫算が出來た譯でないのであつて、施行豫算を基礎にしてそれに對して變更を加へたものが改定豫算であつて、其の改定豫算に對して決算が立てられる、斯う云ふ風に御了解が願ひたいと思ふのでありますが…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=10
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011・黒田英雄
○黒田英雄君 それはさう云ふ風に私も了解して居るのでありますけれども、兎に角施行豫算と云ふものが全く無くなつてしまふと云ふのでないならば憲法上宜しいと思ふのであります、勿論普通の場合に於ても、追加豫算が澤山加はつて來た時には色々な款項が出て來ますから、施行豫算と決算とは勿論違ふが、施行豫算に對して決算が出るのですから、それの少いか多いか、大小の差だらうと思ふ、それならば別に私の御尋ねした疑問はないやうに思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=11
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012・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は今の御答辯では實は了解し兼ねるのであります、前年度豫算を基礎とするとか、全く離れないでとか云ふ概括的の議論では私は分らないのでありまして、前年度の豫算が昭和二十一年度の豫算となると云ふことは何處で分るのか、形式論を私は聽いて居る、元來憲法第七十一條で「前年度の豫算を施行すべし」と云ふことを書いてある以上は、前年度の豫算が施行されてなければならぬのであつて、改定してしまつて、今の御話の中にもあつたやうに款項が變ると云ふ御話でありますが、款項が變つては大變であります、豫算の協贊は款項に協贊をするのです、款項の位置の變ることは宜しいが、款項の内容が變ると云ふことであると豫算の變更である、豫算の變更を法律でやることは出來ない、豫算は豫算で變更することは宜しいが、法律で豫算を變へると云ふことは到底出來ないことである、今のやうな漠然たる意味では困るのであつて、何處に前年度の豫算が施行されて居るか、此の間政府から既に配付されて居る色々の改定の印刷物があります、之を見ても前年度豫算の施行だと云ふことは殆ど分らない、是は明細書にあります、それで總額に付ての表は出て居る、併しながら各款項に付て前年度豫算の施行なりや否やと云ふことはちつとも分らない、それは例へば此處にあります昭和二十一年度改定歳入豫算明細書、是は歳入の方の豫算ですが、それを見ても二十一年度改定豫算額と云ふ次に二十年度豫算額と云ふものがあります、併しながらどれがどう云ふ程度に二十年度豫算が二十一年度に施行されて居るのかと云ふことが是では分らない、何故さう云ふことを言ふ必要があるかと言へば、憲法はもう既に前年度の豫算を施行すると云ふことになつて居る以上は、議會の協贊は要らないので、確定してしまつて居る、それが此の案ではそれが又論議することが出來る形になつてしまつて居る、それが憲法違反だと云ふ私の議論で、既に憲法が前年度の豫算を施行すべしと云つて居る以上は、其の内容は既定の事實なんですから、議會に付議する必要はない、のみならず確定してしまつて居る、それを内容を變へてしまつたのでは……基礎は勿論ありませう、豫算の金額が基礎になつて居るが、基礎になつて居ることを言ふのぢやないので、款項が變つてしまつてはいかぬぢやないか、先程黒田伯が質問されたのも、其處にあるので、豫算の内容が變るのか、形が變るのかと云ふことが要點である、形と云ふこと、款項の位置を變へることは宜しい、例へば款項が第二款になつて居らうが、第三款になつて居らうが、そんなことは一向差支ない、それを改定をして新しい豫算にされることは宜しい、それであれば此の備考にどの範圍が二十一年度の豫算であると云ふことを掲げなければ、是は何のことか分らない、二十年度の豫算の金額と二十一年度の豫算と云ふものが此の表に出て居るが、どの範圍が二十一年度の豫算か、議會の協贊を必要としない限度が少しも分らない、それを伺ふのであります、どうして分りますか、二十年度の豫算が何處にあるか、款頂が何處に入つて居るか、はつきりしたことが、此の表ぢや分らない発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=12
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013・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 豫算の形式に付ては後で大藏省の政府委員に説明を願ひたいと思ひますが、只今松村委員の仰つしやつた憲法の七十一條の規定に依りまして前年度豫算が本年度豫算になつたと云ふ點は、勿論憲法の規定から當然さうなるのでありますが、若し七十一條を文字通り解釋致しまして、前年度の豫算が其の儘本年度の豫算となつたと云ふことになりますと、それに追加をすることも或は不可能ぢやないかと云ふやうな氣もして參ります、併しながらそれは會計法に於きまして、追加豫算の方法を認めて居ると云ふことも、是も明かなことだらうと思ふのであります、そこで先程申しましたやうに、追加豫算の方法以外に、既に成立をしました其の豫算に對して變更を加へる途を會計法規に採入れると云ふことになるのでありますから、憲法七十一條との關係に於ては、憲法上の議論としては筋が通るのではないかと考へて居ります、尚只今提出してあります改定豫算の書き方、表現等に付きまして、二十一年度施行豫算との關聯等は、私はあの形式で分ると思ふのでありますが、それ等に付て大藏省政府委員からもう少し説明をして戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=13
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014・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は大藏省のは要らないのです、憲法上の筋が通ると云ふ御話でありますけれども、追加豫算の方法以外の方法が必要であると云ふなれば、例へば會計法には、追加豫算は緊急已むを得ざるものしか出來ないと云ふことが書いてありますが、それよりはもう少し廣い意味に於て、會計法の改正を必要とすれば、會計法の改正で御出しになつたら宜いぢやないか、それで幾らでも議論をすれば宜しいのであります、それが爲に、今の長官の御説明であれば、憲法が認めて居る前年度の豫算を變更しても宜いと云ふことになるのです、それを御認めになるのでありますか、前年度の豫算を變更する、内容を變更するのです、款項を變更するのです私の問はむとする所は、此の前年度豫算を施行した場合に於て、それが議會の協贊を必要としないでありませうか、どうですか、確定して居る豫算と私は考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=14
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015・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 確定した豫算でありますが、それに對して追加豫算と云ふ方法は、新しい款項を之に加へることにならうと思ふのであります、今度のは成立した豫算に對しまして、款項の配分を變へると云ふことになりますが、是も勿論政府限りとすることは不可能でありますけれども、議會の協贊を經てする分には憲法上差支ないと解釋した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=15
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016・松村眞一郎
○松村眞一郎君 議會の協贊を經て變更を加へることは、是は當然です、それは豫算として變更をすると云ふことであるならば意味があります、併しながら豫算の變更を法律でやると云ふことは出來ない、是は出來ないと考へます、法律で出來ると云ふ御考ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=16
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017・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) それは唯法律がさう云ふやうな會計上の豫算の「テクニック」に付ての根據を與へたのでありまして、此の法律で以て豫算が直ぐ變るとは考へて居りませぬ、此の法律と云ふものを根據として、只今提出して居りまする改定豫算のあの形式の豫算の御協贊に依つて變更が加へられるものと考へて居るのであります、飽く迄豫算の手續として變更が加へられるものであると考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=17
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018・松村眞一郎
○松村眞一郎君 もう少し確かめますが、法律に依つて内容の變更が出來るのですか、内容の變更です、私は豫算の形式と内容を區別して居るのであります、詰り款項を變更することが出來るか、款項で何萬圓と云ふ協贊を既に得て居る、十萬圓と云ふ豫算を得て居るやつを、今度それを十五萬圓として御出しになつて居ることを御考になつて居るかどうか、其の點であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=18
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019・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の點は、成立した豫算に對して更に豫算の形式を以て議會の協贊を經るのは、それは可能であると考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=19
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020・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それであるならば、既に成立した豫算を全然今度は議論を初めからやるべきことを認める譯ですね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=20
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021・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 提出した豫算に現はれて居ります豫算の限度に於きましては、新しく議論をする場合があることは當然だらうと思つて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=21
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022・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうしますと、十萬圓は既に認めて居るから、今度十五萬圓になる場合には全部否認しても宜いのですか――それぢや大藏省の政府委員から直接に答辯されたらどうです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=22
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023・河野一之
○政府委員(河野一之君) 十萬圓の豫算に付て十五萬圓に直して豫算の御協贊を仰ぐと云ふやうな形式は、多分執らないであらうと考へます、多分五萬圓の追加豫算を計上致して、若し其の五萬圓の追加豫算が否決せられまするならば、元の十萬圓で切る、斯う云ふやうな恰好で豫算の御協贊を仰ぐことにならうかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=23
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024・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう云ふ形で今度の豫算は出來て居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=24
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025・河野一之
○政府委員(河野一之君) 今度の豫算はさう云ふ恰好に相成つて居ります、前年度の改定豫算の甲號でありますが、一番上の欄が其の項でありまして、其の次に昭和二十一年度の施行豫算即ち前年度豫算の比較が擧つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=25
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026・松村眞一郎
○松村眞一郎君 何頁ですか、或は是は豫算の時に質問しても宜いのか知れぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=26
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027・河野一之
○政府委員(河野一之君) 十四頁です、歳出の所でありますが、歳出の方で申しますれば一番……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=27
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028・松村眞一郎
○松村眞一郎君 歳入歳出總豫算の方ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=28
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029・河野一之
○政府委員(河野一之君) 改定歳入歳出總豫算書の十四頁、一番上は款項の明細書でありまして、其の次に施行豫算の金額が擧つて居ります、之に對しまして協贊を經て、之だけの金額を減少すると云ふ金額が擧つて居ります、それから更に通常の場合でありますと、是だけの御協贊を仰ぐ譯ですが、追加額即ち追加豫算の金額が擧つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=29
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030・松村眞一郎
○松村眞一郎君 例へばどれですか、… それぢや一々伺ひます、減少をして居る場合、外務省の第一款第一項に於て減少して居るもの、其の減少して居るものに協贊を經る積りですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=30
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031・河野一之
○政府委員(河野一之君) 左樣であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=31
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032・松村眞一郎
○松村眞一郎君 どう云ふ譯ですか、普通であれば減少したものは不用額で宜しい、協贊を受ける必要はないと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=32
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033・河野一之
○政府委員(河野一之君) さう云ふやうなことも從來の慣行から言ひますれば出來るかと存じます、併し從來行政慣行でありましたものは、左樣な金額は政府の内部の意思決定に依つて不用に出て居つた譯であります、從ひまして政府の事情の變更、其の他政府の勝手と申しますと甚だ言葉が惡うございますが、閣議決定を侵して扱ふことが出來ると云ふことに相成るのでありまして、是は現在のやうな時代に於きましては、餘り適當でないと考へまして、それだけを議會の協贊を經まして確定的に落して、さうして使へないやうにすると云ふ意味で、御協贊を御願して居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=33
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034・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それでありますと、減少額より只今殘つた分は議會としては議論が出來ないと云ふことになりますが、減少額のみで……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=34
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035・河野一之
○政府委員(河野一之君) 申上げます、必しもさう云ふやうには考へて居りませぬ、更に減少を要すると御考になれば、此の減少額を増加して御否決に相成りましても差支へないかと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=35
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036・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それでありますと、増加しても宜い、増加することは宜いが、減少をすることはいけないのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=36
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037・河野一之
○政府委員(河野一之君) 申上げます、豫算の追加、即ち豫算の金額を追加することに付きましては、是は議會に發案權がございませぬ關係上、追加増額せられることは如何かと思ひますが、減らしまして更に之を削減すると云ふことは何等差支ないと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=37
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038・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうすると、從來は政府限りでやつて居つたことを、更に議會をして減少せしめることの權限を認めると云ふ法律ですか、豫算の議定權を増加すると云ふ法律のやうになりますが、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=38
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039・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、此の改定豫算に關する法律は先程法制局長官から申上げました通り會計法の特例でありまして、此の法律に依つて増加する、或は減少すると云ふ權限を認めると云ふことには相成らぬのぢやないかと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=39
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040・松村眞一郎
○松村眞一郎君 甚だ要領を得ないのですが、此の法律が出來る結果今度斯う云ふ風になさるのですか、法律の出る結果、出して置いて内容が變更して居るに拘らず、さう云ふことのないやうにと云ふのは私は了解出來ないのです、此の法律が出なかつたら出來るのですか、出來ないのですか、此の法律があつて初めて出來るのでせう発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=40
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041・河野一之
○政府委員(河野一之君) 豫算と法律とは形式的に效力が違ひますることは仰しやる通りであります、從ひまして私共此の減少額、追加額と云ふ改定豫算を提出致して居りますが、是は飽く迄前年度施行豫算を豫算を以て改定して行くと云ふ積りでありまして、改定豫算に關する法律に依つて斯う云ふことが出來る權限を得たものであるとは考へて居らないのでありまして、現在の會計法に於きましては、總豫算の外には追加豫算しか出來ないとありまする規定に對して、特例を開きまして、さう云つたやうな豫算を出すことが出來ると云ふ權限を得たと云ふ意味に解して居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=41
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042・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それであれば、追加豫算以外に追加の途を認めると云ふことだけであれば私は宜からうと思ふ、追加のことだけ今御議論になつて居るのですから……、減少の方は勝手に出來ると云ふあなたの御議論ですが、更に減少することは議會が更にやつても宜いと云ふやうな議論が私はいけないと言ふのです、既に豫算が確定してしまつて居るのですから、議會がそれを削減すると云ふことはをかしいと思ふ、憲法で前年度豫算を施行すべしと云ふことになつて居るに拘らず、出せばそれは減じても宜いと云ふ議論になる、それでは初めから減額しないで出したらどうですか、元の儘で出したものも減額出來ると云ふ御解釋ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=42
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043・河野一之
○政府委員(河野一之君) 政府として減額すべきものと意思を定めまして、それを豫算の形式に於て出して御協贊を仰ぐと云ふことは、何等差支へはないと思ひます、例へば是は歳入豫算でありまして多少例は違ふかと存じますが、一旦豫算を出しまして、其の後税法が變りまして、歳入に減少のあつたと云ふやうな場合には、減少の追加豫算を出した例は多々あるのでありまして、そこ迄出す必要はないのぢやないかと云ふ議論もあらうかと思はれますが、それを政府は議案として提出して、議會に明かにして御協贊を仰ぐと云ふことは、何等差支へないと考へて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=43
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044・松村眞一郎
○松村眞一郎君 今の税法の問題は法律の結果に依るものであつて當然です、此の問題に關係ないことです、此の改定豫算の法律を出すことの關係で私は質問して居る、税法の改正になつた場合には豫算の金額に増減があるから、減る場合は、減らして出すのが當り前の話です、それを殖やすことがをかしい、さう云ふことは今度の改正に關係がない、今度の改正の結果のことを私は承つて居るのであつて、前の豫算を其の儘金額を少しも異動しないで御出しになつた場合は、今度議會がそれを審議することを御認めになるのですか、どうですかと云ふことを質問して居るのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=44
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045・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、私仰しやる意味を取違へて居るかと存じまするが、從來の施行豫算がありまして、それを其の儘にして追加豫算を更に出すと云ふ、從來のやうな行政慣行で今度やつたと致しました場合には、議會と致しましては、既定の施行豫算の金額を減少すると云ふことは、豫算案としての議案の對象になつて居らないのでありますから、さう云ふことは出來ないかと存じますが、其のことを考慮しながら追加豫算の金額を削減すると云ふことは、十分考へられて宜いことであらうと考へられます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=45
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046・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は削減のことを言つて居るのぢやない、此の儘で出した分に觸れ得るかと云ふことを聽いて居るのです、前年度豫算の金額を其の儘出して居る其の款項を變へても宜いかと云ふことです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=46
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047・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、中央の既定豫算でありますので、政府の同意さへあれば廢除削減が出來る、是は一般の既定費の豫算と同樣に考へられて宜いと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=47
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048・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと、從來の慣行であれば、それは議會に提案しない譯ですね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=48
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049・河野一之
○政府委員(河野一之君) 從來の慣行であれば、施行豫算の分は提案致しませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=49
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050・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それでありますから、是は會計法の改正としてさう云ふことを茲に考へられたのですね、それが改定豫算に關する法律の一つの理由ですか、それを伺ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=50
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051・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、さう云ふことをすることが前の施行豫算を更に削減する……と申しますと言葉が惡いのですが、内容を變更致しますことに付て權限を得ると云ふ意味で此の法律案を出して居るのではないのでありまして、さう云ふやうな行爲は豫算の協贊の恰好に於て當然出來る、今迄の解釋もさうでありますし、從來繼續費の改定の場合に於ても常にさう云ふことをやつて參つた譯でありまして、此の法律の結果ではなく、豫算の本質から來る當然な行爲として出來るものである、斯う考へて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=51
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052・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと、其の點は今度改められるのですか、從來さう云ふことはやつて居られない譯ですが、今度此の改定豫算の法律に關係なく、此の際政府は豫算提出の方法をさう云ふ態度に改められたのですか、それであれば何に據つてさう云ふことをするのですか、根據法を言つて下さい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=52
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053・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 今大藏省の政府委員から御答へ致しましたやうに、此の法律は別に憲法上の豫算の性質を變更するものでもなければ、又憲法上の豫算に對する議會の權能に變更を加へるものでもないのでありまして、既に成立致しました豫算に付て、從來の追加豫算以外に之を變更すると云ふやうな手續を認めたに過ぎないのであります、此の法律に基いた手續で改定豫算を議會へ提出致しまして、そこで憲法上認められた豫算の性質としての改定豫算に對して、議會が憲法上認められた豫算の審議權を行使すると云ふだけに考へて居るのでありまして、決して此の法律が、憲法上豫算に從來認められて居らなかつたものを加へると云ふ風なことを考へて居らないのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=53
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054・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう云ふことであれば、追加豫算の外に方法を認めればそれで宜い譯で、全體の豫算を出すと云ふ必要はない譯ぢやないですか、全豫算を出さなければならぬと云ふのはどう云ふ譯ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=54
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055・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の點は、此の法律の提案理由でも大藏大臣の御説明がありましたやうに、特に本年度の實情に即しまして、追加豫算のみでは到底的確なる豫算を運營することが出來ませぬものですから、そこで斯う云ふ風な方法を認めた譯で、是は認め方の御批判はあらうかと思ひますが、私共と致しましては、斯う云ふ方法で豫算を簡明適實ならしむることが一番豫算の性質にも合ふものと考へて、此の法律を立案致した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=55
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056・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと、此の法律案を提出したと云ふことは、全體を出すべきことを必要なりとして出された譯ですね、從來の慣行と違つて、豫算全部を議會に提出すべしと云ふ是は法律を出した譯ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=56
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057・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 施行豫算に付て變更を加へる場合に、簡單な手直しであれば、或は其の必要はなかつたと思ひますが、本年度の實情に即しまして、全面的に之に變更を加へ、改定をする必要があると考へて、此の法律が出來た譯でありますから、本年度の改定豫算の此の問題が、施行豫算の全面に對して手直しをして居ると云ふ風になるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=57
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058・松村眞一郎
○松村眞一郎君 全面に亙つて豫算を提出された結果、總ての費目に付て新たに議論が出來ることになつて居るのはどうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=58
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059・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) それは只今大藏省の政府委員から申上げましたやうに、全面的に議論が出來ると申しましても、施行豫算に對する改定豫算なのであります、金額を増額しました問題に付ては、其の増額分に對しての御議論が出來ると思ひますし、又金額を減しました部分に付きましては、其の減した部分に付て先づ議論が出來る、更にもつと減らすと云ふことに付ての御議論は勿論出來ますが、其の場合は政府の同意、廢除削減と云ふやうな憲法の規定が適用になつて行くと考へるのでありまして、全面的と申しましても、全然新たに豫算を出して、さうして一切合切廢除削減が出來ると云ふ場合とは趣が違ふやうに考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=59
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060・松村眞一郎
○松村眞一郎君 兎も角全面的に議論の出來る餘地を與へる爲の是は法律である、未だ曾てないことを此の法律で考へて居る譯ですね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=60
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061・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 議會の協贊權の範圍に屬する部分に付て、全面的に御議論が出來ると考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=61
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062・松村眞一郎
○松村眞一郎君 議會の協贊權が出來る範圍と云ふものは總てぢやないか、協贊が出來る範圍とはどう云ふ範圍ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=62
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063・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 豫算は申す迄もなく増額の修正をすることは今迄認められて居りませぬし、既に一應成立した豫算でありまするのに對しての變更でありますから、廢除削減と申しましても政府の方で提案した以上に廢除削減すると云ふ場合は、勿論論議は出來ますけれども、其の場合には憲法上の政府の同意と云ふことが必要になると思ひます、さう云ふやうな範圍で議會の協贊權が出來るので、其の線に副うて議論が出來ると申上げたのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=63
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064・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうしますと、一旦議了したものを再議すると云ふことが認められる譯ですか、一旦施行豫算として決定して居るものを、更に議論すると云ふことを茲に提案するのでありますか、政府としては決定して居るのですね、其の問題をもう一遍再議することを御考になつたのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=64
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065・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 豫算は議會の協贊を經るものでありますから、豫算として、此の提出した豫算に對して變更を加へると云ふ途を認めました限度に於きまして、それに付て議論をすることは、豫算の性質から見ても、亦議會の協贊權の範圍内から見ても宜いと思ひますから、再議と云ふか、偶々其處に上つた問題に付ては、前に成立した豫算に付ても、改定豫算に含まれて居る部分に付て議論が出來ることは、當然さうだらうと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=65
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066・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうしますと、今度の改定豫算に關する法律と云ふのは豫算の内容を變更すると云ふ考があるかないか、それがはつきりしない、形式を變へて出す、今度出來て居る改定豫算は、形は全然變つて居る、斯う云ふ形の變つて居ることに付ての會計法上手續法として此の法律は出て居るものと考へるが、内容に迄觸れて論議し、形式を新にすることの途を開く爲に考へて居るのですか、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=66
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067・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) それは金額を動かして居りますから、其の限度に於て豫算の内容に觸れることにならうと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=67
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068・松村眞一郎
○松村眞一郎君 そこで更に問題が憲法に移りますが、第七十一條の前年度豫算を施行すべしと云ふことを各款項毎に明確にされて居るかどうか、是では私は分らないと思ふ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=68
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069・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 今御尋の趣旨ははつきり呑込めませぬが、憲法第七十一條に依りまして前年度豫算を施行すると云ふことは、既に施行すべき勅令が公布になつて、其の場合に於てはつきりして居ると思ひます、それを基礎にして今度の改定豫算と云ふ形式の變更が茲に現はれて來たと云ふ風に御考へ願ひたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=69
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070・松村眞一郎
○松村眞一郎君 それであると云ふと、其の施行した豫算と改定豫算との款項の動きに付て、更に協贊を經ると云ふ御積りはないか、既に改定して公布して居る以上はそれを審議させると云ふ御説明がちよつと私には分りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=70
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071・河野一之
○政府委員(河野一之君) 前年度の豫算を施行すべしと云ふ勅令が出て、前年度豫算と同一の款項及金額で施行豫算が出來上つた譯であります、其の施行豫算に相當するものが、先程申上げました書類の一番上の金額の欄になつて居る譯でありまして、是は一應此の改定豫算に關する法律案を出す迄は改定した前年度の施行豫算の金額である譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=71
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072・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうしますと、改定したる豫算を更に審議する途を開く爲に改定豫算として全體を提案すると、斯う云ふ風に解釋して宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=72
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073・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の點は金額を變更してありますので、其の變更した部分に付て審議することが出來ることになると思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=73
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074・松村眞一郎
○松村眞一郎君 大藏大臣に御尋ねしたいのでありますが、さう云ふ根本的の改正をなさると云ふことは、此の法律の制定の趣旨でありますか、今度提案されたのは、先程政府委員から御答になつたやうに、追加豫算では餘りに狹いから、もう少し止むを得ざる經費とか云ふことがあるから……さう云ふことでなくとも、豫算を組替へると云ふ意味で、今度の法律案を御出しになつたのでありますか、どう云ふ趣旨で御出しになつたのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=74
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075・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) 先程申上げましたやうに、昭和二十一年度の財政なるものは、御承知のやうに、現在の終戰後の財政で、一つの是も變體的なものでありますが、一つの形を執る、前豫算踏襲では……昨年の豫算なるものは戰時中の豫算で全然事情が違ふ、斯樣な譯でありますから、實際上の處理としては法律上の問題は實は私は能く分りませぬが、實際上の處置として、本年度の豫算としては本囘御協贊を仰ぎたいと思つて出して居る改定豫算の形にしなければ工合が惡い、それであるから本年度限り斯樣な豫算の形式を執りたい、斯う云ふのが大藏大臣としての實際上の要求であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=75
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076・松村眞一郎
○松村眞一郎君 政府委員に御尋ね致すのですが、若し此の法律がないものとした場合に、今の追加豫算の外に途を拓くと云ふだけの改正案であつた場合に、目的を達することが出來ないのでありますが、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=76
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077・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 追加豫算の外の方法と申しましても、今大臣が仰しやつたやうに本年度の此の實情に顧みますと云ふと、豫算を適實簡明ならしむると云ふ爲には、どうしても是だけの方法を執らないと云ふと目的を達しないやうに考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=77
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078・松村眞一郎
○松村眞一郎君 大臣に御尋ね致しますが、それ程の御考であるならば、全體を新しく審議させて宜いと思ひますが、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=78
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079・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) 是は先程から政府委員からも色々法律上の答辯がありましたが、私は法律を離れて、實際論として申上げますと、兎に角施行豫算がある、それを其の儘執行することは實際上困りますから、それで此の改定豫算の形で施行豫算を變更した、詰り施行豫算は存在するが、それを變更した斯う云ふ豫算が出來る譯でありますから、變更と云ふ意味に於て全體の御審議を煩はして一向差支へないのではないかと、斯う云ふ風に考へるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=79
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080・松村眞一郎
○松村眞一郎君 もう一つ御尋ね致しますが、此の法律が成立前に改定して衆議院に提案されたのは、どう云ふやうな御説明でありますか、此の法律の成立前に、此の改定豫算の形で既に衆議院に提出し、衆議院が審議を始めて居るのは、法律なしに出して居ることを違法と御考になるのでありますか、當然と御考になるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=80
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081・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) それは私としては、再々御答辯申上げましたやうに、法律に違反とは思つて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=81
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082・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さうしますと、法律違反でないから、法律がなくて御やりになつたことを御認めになるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=82
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083・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) 是は色々の先例に依りますと、其の法律と同時に此の豫算案を議會に提出して御審議を願つたと云ふ例が多々ありますので、其の例に從つた譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=83
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084・松村眞一郎
○松村眞一郎君 是は同時ぢやないから、同時でない場合で御答辯を願ひたい、本案は特殊の場合でありますから、本案の提案の際に法律の成立前に議會に提案したことは、衆議院の審議に附したことは、法律違反でないと云ふことを大臣は仰せられて居るのであります、法律違反でないと云ふことは、適法に出來る、斯う云ふことに解釋して宜いのぢやないかと思ひますが、法律なしと雖も適法に出來る……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=84
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085・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 改定豫算の法律が兩院の議決を經まして成立した後に改定豫算を提出すると云ふことにしますれば、極めて適切であると思ひますが、從來の例から申しましても、特別會計豫算と特別會計法との關係の如くに、同時に議會に於て審議を致しまして、そして豫算の審議は、法律の成立を條件と申しますか、法律の成立することと相伴つて豫算を審議すると云ふことは、法律上何等差支へないと思ふのであります、問題は豫算の方が先に此の兩院の議決を經てしまつて、法律がまだ成立しないと云ふやうなことになりますると、是は甚だおかしなことになりますが、併し審議の手續は、豫算にしても、法律にしても、之を成立させる迄の準備的手續でありますから、其の段階に於きましては、兩者相竝行して進むと云ふことは何等差支へないと考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=85
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086・松村眞一郎
○松村眞一郎君 特別會計の例を仰しやいますが、それは會計法に書いてある、特別會計は法律を以つて出すと云ふことが書いてありますから、其の規定に依つてやつて居る、今度のは何もさう云ふ準備がない、今度のは根據がない、是は新しい法律ですからそれは例にならぬと思ふ、特別會計は會計法に書いてある、書いてあるから議會はちやんと知つて居る、特別會計の豫算が出れば、之に法律が伴つて來るものであると云ふことが會計法に書いてある、今囘の場合は何處にもない、ですから例が違ふと思ふのですが、何もない場合にやつた例がありますか、法律が何にもない場合にさう云ふことをやつた例がありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=86
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087・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 法律のない場合と仰しやいますが、今申しましたやうに改定豫算の法律は、議會に於て豫算と竝行して審議して、衆議院に於て先づ改定豫算が通過をした形であります、さう云ふ風に兩方が相俟つて進行することは何等差支へないやうに考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=87
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088・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は、特別會計の方は會計法に根據がありますから、其の規定に御據りになつたので宜からう、大體の場合は何もない、さう云ふことをせよと云ふ何處にも根據がない、根據がない時に先に豫算を御出しになつた、それが適法であると云ふことであれば、別に此の法律は要らぬのぢやないか、斯う云ふことにもなりますし、今迄法律の成立前にやつた行爲を有效なりと認める根據が何處にあるか、斯う言ふのです、是は意見の相違と言へば仕方がありませぬけれども……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=88
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089・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 特別會計の御話でありますが、會計法には特別會計を法律で決めるとあるだけでありまして、實際に於て色々の特別會計を作る時には、其の具體的な特別會計に關する法律が一方にありまして、それと見合つて特別會計が出來て來ると思ひます、從つて會計法は一般的に特別會計を作るには法律が要ると言つただけでありまして、何々特別會計と云ふ具體的の特別會計に見合ふ所の法律は矢張り其の特別會計法と竝行して審議される例があると思ふので、まあ其の場合を申上げたのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=89
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090・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は違ふと思ひますけれども、是以上議論致しませぬ、兎に角特別會計には法律が要ると云ふことは會計法に書いてある、それは何の特別會計であらうが、特別會計を出す以上は法律が要ると云ふことが會計法に書いてある、さう云ふ場合と、法律のない場合に先へ御出しになつてやつた場合と違ふと云ふことを私は申すので、それ以上私は議論は致しませぬ、私は此の程度で此の際は打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=90
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091・黒田英雄
○黒田英雄君 先程松村委員の御尋ねになつた中に關聯して居るのですが、改定豫算の此の歳入歳出、是で増加して居るものは追加豫算の形の儘で入つた、減少した方も從來は議會の協贊を經なかつたが、今度は之を議會で認めて貰ふと云ふ意思も是で分ります、其の外何等變つて居ないものも幾らかあるやうであります、殊に是は何處でしたか、其の例を擧げれば、例へば文部省所管の第一款第三項の科學研究費でありますが、千八百七十萬圓、是は減少もなければ増加もなく茲に載つて居ります、是は總豫算の款項を全部之に網羅して、總豫算の形を茲に整へようと云ふ趣旨から載せられたものと思ふのでありますが、それは例へば此の皇室費に付ても、從來の総豫算に於きましても、皇室費は將來増加するの外は議會の協贊を經る必要はないと云ふことであるにも拘らず、總豫算に皇室費が載つて居り、或は繼續費の如きも年割額は、既に協贊を經て居るものでも、豫算の年割額を載せる、是は載つて居るが、併し議會の協贊を求めるものではないと云ふ解釋を從來執つて居つたと思ひますが、其の筆法で行けば、茲に増減をしない、例へば文部省の科學研究費と云ふものは載つて居りますが、是は今度の審議の科目には載つて居ないと云ふ風に解釋すべきものではないかと思ふのですが、如何ですか、其の點はどう御解釋になつて居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=91
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092・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 黒田委員の仰しやいました通りであります、豫算の減少も増加もないと云ふものは、是は形式的には豫算案が一體となつて居りますから、協贊の對象にはなると思ひますが、個々の款項に付きますれば、總豫算の變更のないものは協贊の對象にならないと仰しやる黒田委員の御説の通りでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=92
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093・松村眞一郎
○松村眞一郎君 只今のはどうも大臣の御答辯と違つて居るやうですね、大臣は全體を審議させようと云ふ非常に廣い態度で御考になつて居るやうですが、さう云ふ形式に囚はれた議論ぢやないと云ふ風に私は聞いて居つたのですが、さう云ふ「テクニック」な態度で御臨みになれば、それならば審議をする必要のないものは御書きになる必要はないと思ひます、黒田委員の言はれた繼續費の場合は別です、繼續費は普通の一年限りの豫算の款項とは別と私は思ひますが、大臣の御答辯と反して居る答辯であると考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=93
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094・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) ちよつと其のことを申上げて置きます、政治的と申しますか、實際的と申しますかに於ては兎も角、改定豫算と云ふのは一つの全體として意味を成すのでありますから、其の意味に於てはどうしても全體の御審議を願はなければならぬ、斯う云ふ風な意味で申上げたのであります、先程申上げましたやうに兎に角豫算が變更されて居るのでありますから、其の變更の限りに於てはどうしても十分の御審議を煩さなければならぬ、一つ一つの款項と云ふものに付ての細かい點は、自ら又別なことになるだらうと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=94
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095・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 松村君宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=95
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096・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私はまだ今の所では議論を致すことは考へて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=96
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097・河井彌八
○河井彌八君 根本問題で法律論としての根據に付て大分まだはつきりしないやうな心持が致します、之を豫算として取扱ふ場合に於てどう云ふことになるか、既に協贊を經て成立して居る費額を除いた額のものに付て、協贊をすれば宜いと云ふことになるのであるか、其の點はどうでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=97
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098・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 只今の御話の通りと思ふのでありまして施行豫算と款項も同じである、金額も同じであると云ふものに付きましては、形式的には一體となつて居りますが、審議の機會としては審議權の範圍でないと云ふこにならうと思ふのであります、是は殖えたり減つたりした款項に付きまして御審議を願ふと云ふことにならうと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=98
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099・河井彌八
○河井彌八君 結局さう云ふ御説明を伺ふより外ないのでありますが、是も少し先走るかも知れませぬが、豫備費と云ふものの性質は何でせうか、此の總豫算には第一豫備金、第二豫備金の範圍内に屬すべきものと會計法上考へられて居りますが、其の以外に之を設ける根據、性質は何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=99
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100・河野一之
○政府委員(河野一之君) 豫備費の性質から申しますと、會計法第九條には第一豫備金と第二豫備金とございますが、兩方の性質を兼ね備へたものであります、それでさう云ふことを現はす爲に第四項でさう云ふことを規定してあるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=100
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101・河井彌八
○河井彌八君 どうせ支出の目的と云ふものは分つて居る、其の中では第一豫備金か第二豫備金かを會計法上で決めて居る、其の經費の中に入るべきものだと云ふ風な御説明のやうに思ふのでありますが、それならばさう云ふ風に分けることは出來ないものでないかと思ひます、是は豫算委員會の問題になりますけれども、さうすると是は何か分らない雜多なものを入れてしまふと云ふことになる、豫算の經理と云ふものは是で出來るものでありますか、其の點を伺ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=101
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102・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御尋の點でありますが、經濟安定費は名前が示して居りますやうに、經濟安定の爲の經費でございますが、是は言葉が廣過ぎるのでありまして、實は公共事業的な「パブリック・ワーク」と申しまして、一面に於ては失業救濟に資し、一面に於ては生活に必要なる各種の物資の生産配給を促進する、目的としては斯う云ふ趣旨に限定をされて居ります、それで何に使ふかと云ふことになりますと、是は安定本部が出來まして、其の指示する所に依つて使ふと云ふことになりますので、何に使ふかと云ふことは初めに豫定されて居りませぬ、其の内容に付きまして、範圍を申上げますと、もう既に現在やつて居る事業と同じものを續けてやる場合と、又今迄全然やつて居なかつたことを新しく附加へてやる場合と、兩樣の場合が生ずるのであります、此の兩樣の場合の性質を兼ね備へて置かないと、實際の運行に支障を生ずると思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=102
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103・河井彌八
○河井彌八君 經濟安定本部のことは能く知りませぬが、今政府委員から御説明になつたやうに經濟安定本部がそれぞれの事業をおやりになる、從つて例へば内務省でも、農林省でも、厚生省でも、色々各省の所管事業に分れて遂行せられるのであらうと斯う云ふ風に性質上考へられる、今の御話は、大體さう云ふ計畫はあるけれども、まだどう云ふ風に分屬させるかは決まつて居ないから豫備費と云ふ名前で……と云ふ御説明のやうに伺つたのでありますが、其の通りでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=103
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104・河野一之
○政府委員(河野一之君) 大體御話のやうなことになるのでありますが、經濟安定本部自體で使ふのではありませぬで、經濟安定本部が例へば此處の土地を開拓する爲に幾ら、此處の河川を改修する爲に幾ら、此の道路を……と云ふ風に大體大藏省其の他と相談して決めるのであります、其の決めたものに依りまして、大藏省から各省に豫算を出して、丁度豫備金を各省に配付するのと同じ形で配付するのでありますが、其の中で第一豫備金と第二豫備金と分けて置きますと、金額が大體今迄と同じ仕事をする場合の金額は是位で、新しい仕事をする場合は是だけと云ふことを初めから豫定しなければならぬのですがなかなかそれが困難なんであります、でありますから、一つの具體的に決つた所に依つてどちらでもやつて行く、斯う云ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=104
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105・河井彌八
○河井彌八君 然らば第一豫備金と大體同樣に取扱ふと云ふ御説明があつたやうに思ふのですが、是は何時になつたら決るのでありますか、唯斯う云ふ豫備金の總括的のものをやつて各省に勝手にやらせると云ふやうなものでないかと思ふ、豫算委員會に十分費目を分けて説明が出來ますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=105
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106・野田卯一
○政府委員(野田卯一君) 此の經濟安定費五十五億圓の内容に付きましては、只今安定本部と相談して居りまして、殆ど結論に到達し掛つて居りますが、出來ますと一應司令部の承諾が要るのであります、安定本部の最後的意見が決つた場合に司令部に出して、承認を得たものを出來るだけ早く皆さんに御知らせしたいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=106
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107・河井彌八
○河井彌八君 一兩日前に配布された改定豫算の中の何處に是は盛つてありますか、今の五十五億圓と云ふのは……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=107
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108・野田卯一
○政府委員(野田卯一君) 五十五億の金は大藏省の所管になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=108
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109・河井彌八
○河井彌八君 是も豫算委員會に於て審議する、或は議會に於て協贊する形に於て變つて行く先例になると思ふのですが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=109
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110・野田卯一
○政府委員(野田卯一君) 経濟安定費の盛り方に付きましては色々研究を致したのでありますが、是は極めて變態的なもので、金額數十億圓のものを、大體表面から申しますと議會に何も示さないで協贊して戴くと云ふことは變態的なことで、出來るだけ避けたいとは思ひますが、色々な關係方面の關係がございましたので……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=110
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111・河井彌八
○河井彌八君 それでは少くとも豫算委員會に於ては、追加豫算案をはつきり御示しになるやうに願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=111
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112・野田卯一
○政府委員(野田卯一君) 出來るだけさう云ふ風に努めたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=112
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113・松村眞一郎
○松村眞一郎君 大臣に御尋しますのは、今度の經費は皆必要缺くべからざるものの經費のみであります、此の際に必要缺くべからざるもの以外は豫算に計上してないのぢやないかと私は思ひますが、其の意味は、總て追加豫算に適する經費ぢやないか、今度計上になつた新しい費目と云ふものは、さう云ふ緩漫な經費はある筈がない、それであるならば此の法律は要らない、總て追加豫算の性質に適するものが、此處に書いてある、從來施行豫算の後で追加豫算を要します時には、大體それでやつて居る、必要缺くべからざる費用以外のものは計上して居る譯はないと思ひます、繼ぎ足し出來るやうな經費を此のせち辛い際にやる必要はない、今度の豫算は總て追加豫算に適するものである、從つて此の法律は要らないと斯う思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=113
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114・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) どうも法律が要るか、要らないかの論は兎も角、實際にはそれは御説のやうに今度必要缺くべからざるもの以外は何も出て居りませぬ、ですから説明にも申上げました如く、それは御話のやうに施行豫算は其の儘にして置いて、さうして要らないものは減らして、それから追加豫算だけを追加して御協贊願へば、それは政府としては仕事は一應やつて行ける譯であります、それではどうも如何にも豫算の全貌も分らず、又政府として實施上不便な點もあると思はれますので、そこで追加豫算で出し得るものと、それから施行豫算を變更するものと、此の兩方の御協贊を與へて戴いた方が立憲的だと斯う云ふ風に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=114
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115・片岡直方
○片岡直方君 此の問題はなかなか議論が盡きませぬですが、もう少し研究さして戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=115
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116・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 本日は此の程度で散會しまして、明日午前十時から開會することに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=116
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117・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 本日は是にて散會致します、明日午前十時より開會致します
午後二時五十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=117
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118・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 男爵 久保田敬一君
委員
公爵 桂廣太郎君
侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 黒田清君
子爵 綾小路護君
子爵 稻垣長賢君
永井松三君
河井彌八君
松村眞一郎君
男爵 稻田昌植君
男爵 古市六三君
黒田英雄君
奧村嘉藏君
片岡直方君
長島銀藏君
男爵 坂本大造君
國務大臣
大藏大臣 石橋湛山君
政府委員
法制局長官 入江俊郎君
大藏事務官 野田卯一君
同 池田勇人君
同 櫛田光男君
同 河野一之君
同 石原周夫君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00219460814&spkNum=118
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