1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
付託議案
○改定豫算に關する法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=0
-
001・会議録情報2
―――――――――――――――――――――
昭和二十一年八月十五日(木曜日)午前十時五十七分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=1
-
002・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 是より昨日に續いて會議を開きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=2
-
003・松村眞一郎
○松村眞一郎君 政府の御考は憲法第七十一條に依りまして、前年度豫算を昭和二十一年度に於ては施行して居るのでありますから、二十一年度の本豫算が現在存在して居ると云ふことを御認めになると思ふのでありますが如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=3
-
004・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 昭和二十一年度の豫算は現在存在して居ると認めて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=4
-
005・松村眞一郎
○松村眞一郎君 他の言葉を以て申しますと云ふと昭和二十一年度の本豫算、總豫算があるのである、さう云ふ風に解釋して宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=5
-
006・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の通りに考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=6
-
007・松村眞一郎
○松村眞一郎君 帝國議會に於ては憲法の第六十四條に於きまして「國家の歳出歳入は毎年豫算を以て帝國議會の協贊を經へし」と云ふ此の帝國議會は、是は通常議會……大體總豫算は通常議會で議すると云ふ風に御解釋になりますかどうでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=7
-
008・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 六十四條の解釋としては、さう解釋するのが穩當であらうと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=8
-
009・松村眞一郎
○松村眞一郎君 解散後の議會は常會ではないと云ふことは御認めになると思ひますが、常會にあらざるものが豫算全部を議すると云ふことは、憲法の認めざる所であると考へて居りますが、如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=9
-
010・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の點に付きましては憲法の六十四條の規定がありますけれども、今囘の如き場合に於きまして豫算を、全面的な形式を作ると云ふことにして之を議會に提出すると云ふことは、憲法第六十四條の規定に反するものとは考へないのでありますのみならず、改定豫算は形式としては總豫算となりますけれども、其の中には施行豫算即ち現に成立して居る昭和二十一年度の豫算の款項と全く同じものもあるのでありまして、それ等の點に付ての議會の審議權は、形式的では豫算でありますけれども、改定豫算の審議をする場合に、總豫算の部分には審議權は及ばないものであると考へて居りますので、從つて憲法六十四條との關係に於ては、今囘の措置は憲法上可能であると考へたのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=10
-
011・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと云ふと、政府が今度御出しになつて居る豫算は、唯全文の形を整へたに過ぎないのであつて、議會の審議權は、其の中の一部に止まると云ふことの御意見でございますか、それで宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=11
-
012・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 其の通りと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=12
-
013・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと其の審議權の及ぶ範圍と及ばざる範圍との區分はどう云ふことになりますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=13
-
014・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 今囘の改定豫算は前囘にも申上げましたやうに、追加豫算に當る部分と、それから取謂行政慣例として認められて居つた實行豫算に當る部分とありますので、そこで追加豫算に關する部分、即ち現に成立して居る豫算の款項の金額を超過して居る部分は、是は追加豫算であります、從つて此の點に付きましては勿論審議の對象になると考へて居ります、それから實行豫算に當る部分、即ち成立して居る豫算の金額を減額する部分でありますが、此の減額致します部分に付きましては、是は審議權の對象となつて居ると考へて居ります、併し増減なく款項が同じと云ふ風な部分に付きましては、是は恰も皇室費に付ての場合と同じやうに、審議權の範圍に入つて居らぬと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=14
-
015・松村眞一郎
○松村眞一郎君 さう致しますと云ふと、審議權の範圍に入らない部分は、便宜茲に添付されたと云ふ譯なんですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=15
-
016・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 改訂豫算を今囘斯う云ふ形式で作ります必要に付ては、御話し申上げました通りでありまして、それ等の實際上の必要からして、形式上一目して豫算の全面が分るやうに、審議權の對象となつて居らない部分も、此の豫算の形式の中に附加へてあると云ふ風に御解釋願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=16
-
017・松村眞一郎
○松村眞一郎君 昨日は特別會計法との御議論がありましたが、特別會計法が成立しなかつた場合には、特別會計の款項も消滅すると云ふ御考でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=17
-
018・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 特別會計設置に付ては、法律が必要であると云ふことに會計法の規定がなつて居りますので、特別會計豫算を提出しましても、若し法律が、特別會計法が成立致しませぬ時には、豫算としては成立し得ないものと考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=18
-
019・松村眞一郎
○松村眞一郎君 昨日政府委員の方から、租税の關係がありましたが、例へば税法を改める場合には豫算を改めて、同時に出す慣例になつて居りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=19
-
020・河野一之
○政府委員(河野一之君) 御答へ申上げます、歳入豫算の場合は、歳出豫算と多少趣が違ひまして、増税に關する法律案の修正其の他の關係で、歳入が減少致しましたからと言うて、特に歳入豫算の減額を立てて追加豫算を出すと云ふ慣例は常にある譯ではありませぬが、其の額が非常に大きくなりまして、歳出豫算の執行上、支障を來すと云つたやうな場合は、歳入豫算の減額を立てて議會の協贊を仰ぎました例は、過去にございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=20
-
021・松村眞一郎
○松村眞一郎君 増税の場合は如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=21
-
022・河野一之
○政府委員(河野一之君) 増税に依つて、多額の歳入があると言つたやうな場合には、追加豫算を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=22
-
023・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私の言ふのは追加豫算ぢやない、總豫算を御出しになる時に、増税の豫算を一方に御出しになつて居る時に、其の總豫算の中に、増税の金額は御加へになりますかどうか伺たひい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=23
-
024・河野一之
○政府委員(河野一之君) 増税の金額は、總豫算の中に勿論加へてございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=24
-
025・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 外に御質問ございませぬですか、外に御質問がございませぬならば、一昨日以來の御質疑を纒めまして、私から伺ひまして、政府からして纒めた御意見を願ひたいと思ひますが、私も會計及び法律のことは、能く分りませぬので、間違つたことがございましたり、又足りないことがございましたら、外の委員の方から補充して戴きまして、政府の纒つた御答辯を得たいと思ひます、第一に、此の改定豫算に關する法律案は、二十一年度に於ては既に此の施行豫算があるに拘らず、此の施行豫算を此の改定豫算に關する法律案に依つて變更するやうな風に見えるが、是は憲法に定められたる所の施行豫算を、法律を以て改定しようと云ふやうに考へられるが、是は不穩當ではないかと云ふことが第一點であります、第二點は豫算及び決算は、同じ形に於て、之を提出しなければならぬと云ふことが定めてありますのに、今度の決算は改定豫算を元として決算を御出しになると云ふことは、既に定つて居る施行豫算を無くしてしまふやうな形になつて居るが、是はさう云ふ風に御考でありますか、之を一つ二點として伺ひたい、第三點は此の法律に依りますと、昭和二十一年度に於ては改定豫算を今期の帝國議會に提出することが出來ると云ふことが規定してございまして、改定豫算を今期の帝國議會に提出するには、新らしい立法を要すると云ふことを政府で御認めになつて居るに拘らず、此の法律案がまだ效力を生じない中に、既に改定豫算を今期の帝國議會に御提出になつたと云ふことは、法律なしで以て改定豫算を今囘の議會に御提出になつたと云ふ風に考へられるが、此の點は如何であるか、是だけが主な點であると思ひますが、それだけで宜しうございますか、松村君他にまだ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=25
-
026・松村眞一郎
○松村眞一郎君 結構でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=26
-
027・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 政府當局の御答辯を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=27
-
028・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 只今の御質問に對しまして政府の考へて居りまする取を取纒めて御答へ申上げたいと存じます、今囘の改定豫算に關する法律は、要するに會計法の規定の範圍に於きまして豫算の形式を定めたものと考へて居ります、それ故に憲法上の豫算の性質を變更するとか、或は又憲法上豫算に對して議會の許して居る審議權に變更を加へるとか云ふ風なことは全然考へて居らないのであります、更に又改定豫算に關する法律は豫算技術に關する法律でありまして、豫算其のものをどうすると云ふやうなものではないと云ふことを御了承願ひたいと思ふのであります、即ち改定豫算、是は施行豫算を前提とし、施行豫算其のものに對しまして其の形式を改定しようとするものであります、それ故に此の改定豫算は憲法上の豫算と致しましては施行豫算と豫算それ自身の性質としては同一性を持つたものと言つて差支ないと思ふのであります、唯施行豫算を形式上改定致しますことに付きまして、施行豫算の各款項に付きまして減額せしむべき金額は之を減少し、追加を要する金額は之を追加致しまして、差引今年度に於て使用し得べき金額を決定しようとするものであります、是等の總ての行爲に付きまして議會の協贊を求めると云ふことに致したのが、此の改定豫算と云ふものであります、是は前々申しましたやうに帝國議會の協贊を經た繼續費の規定年割額に付きまして計畫等の變更に依る不用額を減少し、又新計畫に依る追加額を加へまして、之を繼續費の決定として御協贊を仰いで居つたのでありますが、それと同じやうな考慮を持つて説明をすることが出來るやうに考へて居るのであります、尤も從來實行豫算編成の場合不使用額即ち減少額の決定は政府部内の意思決定で行つて居つたのでありますけれども、今囘は其の金額が餘りにも巨額に上り、且左樣な方法を以て致しましては、豫算の全貌が明かとなりませぬ、豫算は成るべく一目して簡明直截に見ても分るやうにすることが必要だらうと考へまして、帝國議會の御協贊を以て、確定的に減少すべき額は落すと云ふことに致したのであります、而も此の減少額を確定的に落すと云ふ風なやり方を豫算の變更と云ふことで、豫算の形式で行つて議會の御協贊を經ると云ふことに致しました以上、憲法七十一條に於ては「前年度豫算を施行すへし」とありますけれども、其の施行した豫算を基にして之に豫算の形式上の手直をしたに過ぎないのでありますから、七十一條違反でないのみならず、更に國會の意思を尊重すると云ふ點に於ても、立憲的措置であるやうに考へた次第であります、尚此の改定豫算の款項金額の中には施行豫算の款項金額と全く同じものがございます、是は實は當該款項に關する限り御協贊を戴く必要がないのでありますけれども、豫算全體を明かにすると云ふことが、今囘の改定豫算の形式を定めました趣旨でもありますので、之を總て掲げまして一目して總てが分るやうにした次第であります、此の點はまあ言つて見ますれば、皇室費であるとか或は繼續費の既定年度割が當該款項として特に協贊を求める必要がないに拘らず、豫算として從來計上せられて居るのと同一趣旨と考へて居るのであります、第一點に付きましての政府の見解は今申上げましたやうな次第であります、第二點の豫算と決算との關係でありますが、御意見の如く決算は豫算と同じ形式を以て之をなすべきものと考へますが、曩にも申上げましたやうに、今囘の改定豫算は憲法上の豫算それ自身としては施行豫算と同一性を持つて居るものであり、唯其の形式が改定されて今囘の如き形になつたのでありますから、そこで決算の場合は改定された形式に從つて決算をすると云ふことになるのは當然であり、此の點は決算は豫算と同じ形式で行ふのだと云ふ趣旨に合はうと思ふのであります、問題は施行豫算と云ふものがあつて、其の施行豫算に對して決算をすべきではないかと云ふ點に付きましては、今申しましたやうに施行豫算と憲法上の性質は同一性を持ちながら、形式の變つた改定豫算と云ふものがあるのでありますから、決算の形式は矢張り改定豫算に依ると云ふことにするのであつて、憲法上或は會計法上差支ないと私共は考へた次第であります、最後の改定豫算の法律と今囘の改定豫算との議會への提出の時期の問題でありますが、改定豫算に關する法律が兩院を通過しまして成立した後で改定豫算の御審議を願ふと云ふことに致しますならば、此の點は最も理想的であるとは思ひますけれども、各種の事情に依りまして實際さう云ふことは今囘は不可能になつた譯であります、併し不可能でありましても、是が假に出來ないことでありますならば、是はまあしてはならないことでせうけれども、併し政府と致しましてはまあ一つの議會は單一の意思を持つて居ると云ふ風な考へ方もありますし致しますので、兩案を同時に御審議を御願ひ致しまして、審議の段階に於きまして兩者相關させながら兩院の御意見を御決め下さると云ふ風なことに致しますならばそれで必ずしも不當ではないのだらう、又之を以て違法と言ふべきものでもないであらうと考へたのであります、從來特別會計の設置に關する法律案と、之に關する豫算に付きましても、斯かる先例を採つたことが度々ありますが、之をも尚怪しからぬと仰しやればそれ迄でありますけれども、其の程度のことは違法でもなく、又已むを得ない場合には不當と云ふものでもなからうかと考へて居るのであります、要するに以上申上げましたが、兎に角今囘は終戰後の激動期を控へまして、戰時中の豫算と本年度の財政計畫とは全く面目を一新して居ります、併しながら憲法七十一條に依りまして施行豫算と云ふものが成立致しました以上、之に對して何等か特殊の方法を採らずんば新らしい財政計畫を立つるに支障を生ずると云ふ見方を致しまして、是は特例中の特例として斯樣な制度を考へたのであります、それ故に今度の法律にもありますやうに此の改定豫算の此の特例は、昭和二十一年度に限つての規定として茲に出て居るのでありまして、斯う云ふ制度を恒久的に作つたものではないのであります、色々委員會等に於きまして御議論の出ました點は政府としては十分將來研究をし、又反省をしたいと思ひますけれども、今囘の措置は已むを得ざるに出でたものであり、且其の限度に於きまして憲法上も又は會計法上も之を許し得るものであると考へて、斯かる案を提出し御審議を煩した次第であります、新憲法が施行になつた後に於きましては、七十一條と云ふ風な條文もなくなるのでありまして、將來の豫算の問題、或は又財政に關する新憲法の運用等に付ては、十分新らしい見地から適切なる措置を執りたいと考へて居りますが、兎に角此の過渡期に於ける已むを得ざる方法として斯樣な手段に出ると云ふことを御了承願ひたいと存ずるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=28
-
029・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 此の程度にて質問を終りまして、討議に移りたいと思ひますが、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=29
-
030・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 討論に移ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=30
-
031・河井彌八
○河井彌八君 本案の審議に付きましては、憲法上竝に法律上の根據如何、又此の案の内容の性格如何と云ふ問題に付きまして、徹底的な檢討を加へられたのであります、私は松村委員の御意見は最も當を得て居ると考へるのであります、併しながら此の案を出さなければならない事情、是は實に情ないことでありますが、今日我々が直面して居る取の問題として、如何に議論を盡してもどうすることも出來ないものではないかと云ふことを考へるのであります、それ故に政府が今説明せられました説明を、大體に於て之を諒として、此の案を通すと云ふことに同意しようと考へるのであります、其のことを申述べます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=31
-
032・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 松村君御發言ありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=32
-
033・松村眞一郎
○松村眞一郎君 私は政府が斯かる法律案を御提案になりまして、さうして豫算を鳥瞰的に眺めることの出來る形式に整へると云ふことの必要なること、尚さう云ふやうに致さなければならぬと云ふ御事情に付ては十分諒と致して居るものであります、併しながら憲法の七十一條に於きまして前年度豫算を施行し、嚴然として昭和二十一年度の豫算が存在して居る場合に於きまして、解散後の議會に於きましては本豫算に對する本質上の追加豫算だけを議決すべきものであると云ふことから鑑みまして、さうして通常議會に於ては總豫算を議するのでありますけれども、解散後の議會に於ては權限上斯かる追加的の豫算のみを審議すべき立場にある關係から考慮致しまして、私は形に付ては便宜上斯かる豫算案を提出されることに異議はありませぬけれども、法律を以て此處に斯くの如き提案をせられ、法律に基いて斯う云ふやうな形を整へたと云ふことになりますると云ふと、憲法の關係上疑義を生ずる處ありと私は考へまするから、政府が斯く出されて居りまする形で豫算を提案されることには異議はございませぬ、併しながら此の法律を御出しになると云ふことに付ては贊成致しかねるのであります、私は本案に贊成致すことが出來ないことを申上げる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=33
-
034・黒田英雄
○黒田英雄君 私は此の法案に付ては最初憲法上違法ではないかと云ふやうな考を持つて實は色々御質問をしたのですが、政府の御答辯に依りまして、多少穩當を缺くのぢやないかと思ひますが、併し必ずしも憲法違反ではないと云ふ風に考へて參りましたのであります、それは二十一年度の施行豫算と云ふものは既に嚴然として存在して居る、之に對して新たなる追加豫算に當るべき追加と、それから從來は餘り例のないことだと思ひますが、減額すべきもの、款項に付て是だけを減額すると云ふことにしたいと云ふことで議會の協贊を求められると云ふことが加つたことが此の法律の目的である、さうして豫算は施行豫算に追加若しくは減額と云ふことに依つて形は非常に變つて來るが、矢張り施行豫算と云ふものが無くなつてしまふものぢやないと云ふことの考を以ちまして、本案法に贊成します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=34
-
035・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 外に御發言がありませぬければ採決を致します、本法案、政府原案を可とする方の擧手を願ひます
〔擧手者多數〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=35
-
036・久保田敬一
○委員長(男爵久保田敬一君) 多數であります、本法案は可決されました、本日は是にて散會致します
午前十一時二十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=36
-
037・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 男爵 久保田敬一君
委員
公爵 桂廣太郎君
侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 黒田清君
子爵 綾小路護君
子爵 稻垣長賢君
永井松三君
河井彌八君
松村眞一郎君
男爵 稻田昌植君
男爵 古市六三君
黒田英雄君
奧村嘉藏君
片岡直方君
長島銀藏君
男爵 坂本大造君
木下謙次郎君
政府委員
法制局長官 入江俊郎君
法制局事務官 宮内乾君
大藏事務官 野田卯一君
同 河野一之君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009000252X00319460815&spkNum=37
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。