1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○東京都制の一部を改正する法律案
○市制の一部を改正する法律案
○町村制の一部を改正する法律案
○府縣制の一部を改正する法律案
○衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=0
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001・会議録情報2
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昭和二十一年九月十日(火曜日)午前十時四十二分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=1
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002・白根竹介
○委員長(白根竹介君) 是より會議を始めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=2
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003・山隈康
○山隈康君 昨日質問致しました點に對する大臣の御答辯は的外れの感がありまするので、更に改めて御尋を致したいと思ひます、此の府縣制改正に依つて自治權がどう云ふ程度に於て擴充されるか、既ち知事は公選等が本改正案の主體となつて居りますが、其の外に此の改正案に依つて、從來有して居つた府縣の自治の分量と申しまするか、内容と申しまするか、それは擴大強化せられた跡が此の法制の上では見えないやうであります、それで政府の昨日の御答は消防組の制度を變へるとか、或は警察權を分與するとか、是は市町村の自治擴充に觸れる問題でありまして、府縣の自治の擴充には關係のない御答であつたやうに考へるのであります、故に此の法制の下に於ては、別に知事公選の外府縣の自治權の擴大強化と云ふことは見えないけれども、他日相當の程度に於て強化をすると云ふ思召であれば、どう云ふ程度、どう云ふ範圍に、若しくはどう云ふ方向に向つて強化をされる御構想でありまするかを承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=3
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004・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 公共團體としての府縣の自治權を強化すると云ふことは、色々の方面に於て起つて來ると思ひます、或は御尋の所は、府縣の事務がどの程度に擴大されるかと云ふ點の御尋ではないかと存じます、府縣の事務をどれだけ擴充したかと云ふ點に付きましては、其の點だけに限定して御話を申上げますと、今囘の地方制度改正に於きましてはさう實質的に相違はございませぬ、唯問題は府縣の自治事務の範圍と云ふものは、從來は所謂制限列擧になつて居つたのであります、府縣會で扱つて居つたものは法律で列擧して居るものに限つて、其の外のものは總て執行機關でありまする所の官選府縣知事でやると云ふやうな建前であつたのでありますが、之を謂はば概括列擧主義に致しまして、府縣制に列擧して居る以外のものに於きましても府縣會の決議に依つて自己の權限で之を取込むことが出來ると云ふやうな建前に變へた譯であります、是は事務の内容から行きますれば、大した相違はございませぬが、根本思想に於きましては、府縣に關することは悉く府縣會の議決を經なければならぬと云ふ、意思機關としては最大限度の權限を確保した譯であります、そこには理論的に於きまして相當意義があると思ふのであります、併し其の外の點に付きましては、今囘の改正に於きまして事務上どれだけ擴充されたかと云ふ點は實はないのであります、尚昨日御答へ致しました時分に、警察權の問題を申上げたのでありますが、是は固より市町村等に付きましては其の通りであります、現在の府縣廳でやつて居ります所の警察權と云ふものは、成る程費用は府縣費で負擔をすることになつて居りますが、事務の執行は、是は府縣と云ふ公共團體の機關としての知事がやつて居るのでございますから、中央政府の地方機關としての府縣知事が官廳として行使致して居るのであります、其の警察權の位置を檢討致しまして、警察的に考へなくても宜しい部分は、出來るだけ廣く是は府縣の斯う云ふ公共團體に委譲したらどうか、それから尚警察權の位置に付きましても、是は原則として一つ府縣と云ふ公共團體に委譲する、若し何か國家的統制を取らなければならぬ最小限度のものに付きまして必要ありますれば、矢張り國家に於きまして處理すると致しましても、是は自治體の方に委譲したらと思つて居ります、是は府縣廳の内容が、自治事務と官治事務とを兩方行使されて居りますが、其の官治事務の方でも、出來るだけ多く之を公共團體事務の方に移すやうに將來取計らひたいと云ふ趣旨に於きまして、矢張り是は將來の問題ではございますが、府縣の權限を擴げると云ふ結果に相成ると思ふのであります、尚警察に限らず、將來の改正點と致しましては、教育、保健、衞生、財政、勞働等の國政を原則として地方自治團體に委譲致しまして、さうして地方自治團體をして之を處理せしめると云ふことに致し、中央政府は是等の事務の中に付きまして全國的の基準を設ける、又各地方團體の間の關係を調整する、乃至は情報を全國に亙つて集める、集め得ました情報を必要に依りまして、地方公共團體に頒布すると云ふ、さう云ふやうな最小限度の必要な問題は、成るべく廣い範圍に於きまして、自治團體たる府縣乃至市町村に、國政事務を委譲すると云ふ行き方で第二次の地方制度全般に對する根本的改正を圖りたいと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=4
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005・山隈康
○山隈康君 只今の御答辯に依りまして大體了承致しました、誠に私共の希望に副つた基本計畫であります、大いに御努力の上に、其の實現を速かに御圖りを願ひたいと存じます、次に是が衆議院でも段々質疑應答が重つて居つたやうでありまするが、縣市民の直接參政、既ち全體の五分の一以上の連署を以て知事若しくは市長の解職請求權の問題ですが、是は政府の御答辯に依りますと、各國の例を參照してさう云ふ風に決めたのである、唯今日の日本の現状に於きまして、私は非常に弊害がありはせぬかと云ふことを惧れるのであります、或部落若しくは集團、それが道路の開通を請求する、處が當局は全體から見て、其の道路はさう大した必要がない、莫大な費用を要する、經濟上の事情がそれを許さないと云ふことで、之を拒否する、斯う云ふ場合に於て、動とも致しますると、其の集團が附和雷同致しまして、解職請求權を濫用する、是は無論内務大臣の裁定に依ることでありまするから、さう云ふ不當な、解職請求權が行はれるとは存じませぬけれども、解職請求權と云ふことは當事者に取つて、縣知事、若しくは市長に取つては非常に不名譽なことであります、所謂不信任の一部の意思表示である、所謂それに依つて黒星を戴いたと云ふ結果になる、そこで今後の地方團體に對しまして、解職請求權を以て當局を脅威し、當局は又解職講求權に依つて一部不信任の意思表示をされて、自分の名譽を傷付け、黒星を戴くよりも、人間の情として、或は無理であるかも知れぬけれども、其の要求に應ずると云ふやうな、傾向が、私は多分にありはしないかと思ふのであります、現在の多少の問題が違ひますけれども、勞働爭議等に於きましても、どうもさう云ふ風の勞働爭議の同盟罷業と云ふものを以て脅威をする、そこで或程度は矢張り抂げて要求を容れねばならぬと云ふやうな事情があるのぢやないかと存ずるのであります、そこで政府も屡屡各種の御答辯で言明になつて居りまするやうに、今度提出した改正案は、必ずしも完全な自治體に基いたものではない、それは現下の實情に照らして此の程度の改正が一番適當である、將來國民の政治的知識が向上し、社會の進運に連れて更に改正を加へて完全なる自治權の確立を期したい、斯う云ふ御答辯で誠に私は結構なことだと思ふのであります、そこで今此の縣知事若しくは市長等に不適任な者があれば、縣市民を代表したる地方議會に於て不信任投票に依つて、之を罷免することが出來る制限を設けましたる以上、一部の者に解職請求權を與へる今日の民間の政治的修養の程度に於て之を與へると云ふことは、少しく行き過ぎる感がありはしないか、將來もつと政治的修錬を積み、此の自治權に對する關心も深くなつた際に於ては、此の點は差支へないと思ふのでありますけれども、今日の時期に解職請求權と云ふものを、どうも實際に於ては、私は濫用する虞が多分にありはせぬかと云ふことを考へるのであります、但し「ポツダム」宣言等の趣旨もありまするし、聯合軍側の意向も尊重せねばならぬのでありまするが、是は能く日本の實情等を釋明されて、了解を求めれば、必ずしも了解の出來ないことではないと思ふのであります、衆議院でも相當心配致しまして五分の一を三分の一に修正を致して居るやうであるが、是は政府の方でも此の問題に對して、一般投票と云ふことも、今日の事情から結構ぢやないか、斯う云ふ考からすると、一部の縣市民に當局に對する解職請求權を與へると云ふことは、屡屡私は行き過ぎの感がありはしないかと思ふのであります、衆議院で政府は然るべく御答辯になつて居るやうでありますが、速記録を拜見致しませぬので、一應大臣の御意向を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=5
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006・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 今囘地方制度を民主主義化すると云ふ立場に立ちまして、其の改正點は各處にある譯でありますが、只今御尋に關聯して居りまする限りに於きましては、地方團體の住民乃至有權者に對しまして、直接參政の途を拓くと云ふ行き方は、民主主義化の上から申しまして重要なる「ポイント」であると考へまして、それら日本の現状に照らして如何に採り入れたら宜いかと云ふ點に付て、大いに論議もし研究を致しまして、只今御審議を仰いで居りますやうな條項に相成つたのであります、其の中で特に地方團體の市長の解職請求權に關する問題でありますが、此の種の人の彈劾權は、新憲法に於きましても、明かに明文を以て認められて居ることでありまして、地方制度の改正に於きましては、何等かの形に於きまして、自治團體の住民に弾劾權を付與する必要に迫られて居ると云ふやうに考へたのであります、併して之が實施に付きましては、まだ日本國民が認識、運用に慣れて居りませぬので、度々投票を行ふと云ふやうな方法に依つて、彈劾權の徹底をすると云ふことは必ずしも適當でないだらうと云ふやうに考へまして、提出法律案に於きましては有權者の十分の一の連署を以て請求のありました場合に於きましては、監督官廳に於きまして精細に其の彈劾されました事件に付きましての調査を致しまして、さうして監督權の作用に依りまして、此の弾劾權を適當に處置すると云ふ建前を執つて居つたのであります、それが現段階に於きましては適當であらう、將來民主主義の運用に慣れて來た曉に於きましては一般投票に付すると云ふことも考へて宜からうと思つたのでありますが、現段階に於ては監督官廳が公正なる判斷に依りまして、其の彈劾權の結末をつけると云ふことに致したのであります、御話の如く此の彈劾の點に付きましては、衆議院に於きましても色々論議をされ、我が國の現状に於きましては解職請求の法定限度を十分の一にして居るのは少きに失すると云ふことで、是は其の割合を高めて結局三分の一の程度に高めた方で宜からう、それから尚一面に於きまして、彈劾の場合の結末を監督官廳の自由裁量に依つて決定することは非民主的であり、適當でないと云ふ御見解で、一般投票に付して其の過半數の同意があつた場合に於きましては、解職請求が成立すると云ふことに修正に相成つたのであります、尚一面に於きまして一般選擧に依つて出て參りました首長が、就職後直ちに解職請求の對象になると云ふことは適當でないと云ふ見解から致しまして、自治團體の首長が選擧されましてから一年間は解職請求が出來ない、一年經たなければ出來ないと云ふやうな制限も附加せらるることに決議がされたのであります、此の點に付きましては先程來申上げますやうに内務省の元考へて居りました所との間に於きまして、修正の間に相當の變化がございますが、併し衆議院に於て多數の人が此の問題を檢討され此のやうに修正をせられたことに付きましては相當理由もあると考へられるし、又此のやうになりまして、運用上に於きましても大した支障も生じないと考へまして、又此のやうな修正案に付きましては司令部側に於きましても異議がないと云ふことでございまして、政府と致しましても此の決議を尊重致したいと云ふやうに考へて居るのであります、要するに此の問題に付きましては修正になりましたのではありまするが、大體の根本の考へ方に於きましては、民主主義の運用に慣れない分に於きましての濫用を監省官廳の自由なる裁量に依りまして善處をすると云ふことに代ふるに、請求權者が退職請求をする時期に於て、更に一般投票に付すると云ふことに相成りましたのでありまして、原案に比較致しまして、變更はありますけれども、大體狙つて居りますことは同じでありまして、少數者の發言は出來るだけ之を採上げる、併しそれが濫用されて、自治行政の運營の上に支障を來すやうなことに付きましては、相當保障を設けると云ふ點に於ては、精神上大なる差違はないものと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=6
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007・山隈康
○山隈康君 又少しく手前に戻つて甚だ恐縮ですが、私分り兼ねますのでちよつと第七十四條の二の「府縣知事は其の被選擧權ある者に就き選擧人をして選擧せしめ其の者に就き之に任ず」と、是は普通の私共の見解に依りますると、任ずると云ふことは其の職務を與へる、職務に就かしめる、そこで此の場合に於きましても、唯選擧されただけでは縣知事たる資格を缺くので、任ぜられて初めて縣知事たる職務を遂行することが出來ると思ふのであります、而して此の附則の「府縣知事は改正憲法施行の日まで官吏とする」と云ふことは、任命するのは期限付である、即ち憲法施行の日迄縣知事として職務を執らしむべく任命をする、斯う云ふことに解せられるやうであります、さう致しますと、普通の任命は其の人に縣知事たる職務を扱ふ力を與へると云ふのが即ち任命でありますから、其の任命の効力が憲法實施迄であるとするならば、其の時に縣知事たる資格は喪失するではないか、さうでなければ任命がなくても、選擧せられたら當然縣知事であると云ふのではなくて、任命がなければ職務は私は執れないと思ひます、唯當選をしたと云ふだけでは職務が出來ない、即ち任命に依つて職務を執ることが出來ますならば、其の職務を執る任命は即ち憲法施行の日を期限として任命されたものであると思ひます、此の期限がなければ縣知事と云ふ資格が全然なくなるではないかと云ふ風に一應解釋する、或は斯う云ふ見方もあると思ひます、選擧に依つて當選すれば、直ちに知事たる資格を有する職務を執れる、但しそれに對して官吏たる身分を之に付與する其の身分は憲法實施の時に於てなくなります、斯う云ふことの見方もされますけれども、さうすると何等か法文自體に之に任ずると云ふことは修正を要するのではないかと思ふのであります、多少疑問がありますので一應…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=7
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008・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 誠に御尤もな御疑問であると思ひます、實は地方制度の内務省の改正案に於きましては、法律上に於きましては府縣知事は府縣住民が選擧致して、それに當選した者に付きまして府縣知事と云ふ官吏に任用致すと云ふ建前を執つて居りました、併し此の建前は將來或時期になりまして之を公吏に切替へると云ふことは當然是は豫想致して居りますけれども、其の公吏に切替へる場合に於きましては更に現在の改正案に對して公吏に切替へるに伴ふて必要なる諸般の法律上の改正は致す豫定で居つたのであります、言葉を換へて言ひますると、公吏制が將來執られると致しましても、其の執られる迄の間は官吏制度で押切るんだと云ふ建前を執つて居つたのでありますが、此の點に付きまして衆議院に於きましては非常な論議が集中され色々研究された結果、それでは府縣知事が公吏に切替へられると云ふ時期が法律上不明になつて、何かの事情で其のやうな切替への立法をすることが延び延びに相成ることは地方制度の民主主義化の上に適當でない、そこで法律上も府縣知事を官吏とする期間を制限した方が適當であると云ふ見解の下に第七十四條の第二項の「府縣知事は官吏とす」と云ふ一項目を削除致しまして、それに代へるに附則の所に持つて參りまして「府縣知事は、改正憲法施行の日まで官吏とする」と云ふことを明かにされたのでありまして、此の法律を讀んで行きます上に付きましては規定の場所が異つて居りますけれども、憲法改正施行の日迄官吏でやつて行くと云ふことは極めて明瞭なのであります、法律上どこにも疑義はないと思ふのであります、唯此のやうな改正を致す場合に立法技術として最も合理的な方法を執ると致しますると、憲法施行の日迄は官吏制で行きます、さうして憲法施行の日以後は公吏制で行くと云ふことになりますると、官吏制と公吏制との二つの條文を此の際整備致して官吏制で行く間は其の官吏制で行く條文を適用する、さうして憲法施行の日を限界として公吏制に移り替るに付ては公吏制の運用に關する必要條文をすつかり整へると云ふことに致しますと事態は非常にはつきりするのでありますが、其の後の手段は講ぜられなかつた、公吏制に關して必要の諸規定は、何れ第二次的に地方制度の改正もあることでありますし、憲法施行の日迄の間に於きまして官吏制を公吏制に切替へる場合に必要のある法律の改正は其の日迄にすると云ふ前提で、斯う云ふやうな修正に相成つたと解釋すべきであらうと思ひます、從つて政府と致しましては府縣知事は改正憲法施行の日迄官吏とすると云ふやうに帝國議會に於て決まりますならば、それに即應するやうに憲法施行の日迄の間に公吏制に切替へると云ふ改正立法を致さなければならぬと思ひます、其の改正立法の際に於きまして、現在の改正案に依つて公選に依つて當選した者を官吏に任命した者は引續き公吏として府縣知事の地位に留ると云ふやうな趣旨の改正規定を設けることに相成ると思ふのであります、實は其のやうな工合に官吏制と公吏制とが時期を異にして法律上採用される精神が明かなのでありますから、兩者の規定を此の際持つと云ふことが最も合理的だと存じます、先程申しますやうな事情で公吏制に對する必要なる規定は公吏制實施の時期迄の間に法律の改正をすると云ふ段階が一つあると云ふやうに御了承を願ひますと此の關係がはつきりすると思ふ次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=8
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009・山隈康
○山隈康君 是は議員の一名の私だけの意見でありますけれども、どうも衆議院の意思を其の儘尊重致しましても、此の法文自體を直ちに認めると云ふことは非常に苦痛を感じます、何としても不合法の條文だと思ひます、合法ぢやない、只今の政府の御説明はさう云ふ風の道を更に講ずるから、先づ是でまあ見遁して呉れと云ふと語弊があるかも知れませぬが、まあ不完全であると云ふやうな意味に受取るのであります、何と致しましても此の法文自體ではどうも私共の頭には了解しにくいのです、何か他日法制に依つて決めると云ふやうな意味を此の法文に、立法技術上多少困難かも知れませぬけれども、何か御考になつて如何でございませうか、さうせぬと是は此の法律自體で研究しなくちやならぬのです、後に提出されるのを前提として、提出のないものを以て、此の可否を決定するのは、私共審議の任に當る者の責任でないと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=9
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010・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 其の點に付きまして曩に御説明を申上げましたやうに、七十四條の二項の「府縣知事は官吏とす」と云ふのを削りまして、之に代るべき條文として「府縣知事は改正憲法施行の日まで官吏とする」と云ふことに修正された譯でありますが、法律論と致しましてはそれで一向差支はないと思ふのであります、唯其のやうな期限を附けて居りまして、此の施行の日迄官吏として置いて、それ以後は官吏としないと云ふことになりますと、其の以後に對する措置としてどうするかと云ふことは、曩に申しますやうに十分是は通常議會等が豫想せられるのでありまして、其の時に改正をすれば法律問題は解消する次第でありまして、斯う云ふやうな立法例は他にも段段事例のあることでありまして、法律論と致しまして一向差支がないと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=10
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011・山隈康
○山隈康君 それでは尚掘り下げて伺ひたいのであります、官吏と云ふ者に付てどう云ふ見解を持つて居りますか、官吏に付ての御見解を伺ひたいと思ひます、職務を離れた官吏と云ふものが認められるか否か発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=11
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012・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 或は御尋の趣旨を十分理解して居らないかも知れないが、官吏と申します者は、申す迄もなく國家に對して無定量の奉仕を致し、憲法十條に依つて任命されるものであります、從つて憲法十條に依つて任命大權自身が一定の制限を加へられることは勿論であります、憲法十條に依つて任命される者が、是が官吏と考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=12
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013・山隈康
○山隈康君 それでは官吏と云ふ者には其の官吏に不可分の職務と云ふものが包含されて居ると考へられますが、職務の外に官吏と云ふことを容認せられて居るのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=13
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014・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 是は御承知のやうに任官自身と奉職と、是は區別して關聯致されますが、知事の如き者に付きましては何々縣知事に任命せられますと、從つて任官と奉職とが併せて關聯される、併し觀念的には勿論區別することが出來る次第であります、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=14
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015・山隈康
○山隈康君 さう致しますると之に任ずると云ふことはどう云ふ意味に解されるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=15
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016・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 只今申しましたやうに、知事に付きましては何某縣知事に任ずるのでありますから、何某縣知事に任官致されますこと、それに依つて官吏に相成ります、其の瞬間に何某縣知事の職務を執ります、從ひまして例を換へて申しますれば、内務事務官でありまする者が地方局長に補職をされまする場合とは異りまして、其の者に付きまして之を知事に任じます、任官されまするから、從つて何某縣知事の職務を行ひます、左樣な普通に於きまする任命の意味と、何等七十四條の二の二項は變らないと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=16
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017・山隈康
○山隈康君 私共の見解に依りますると、官吏と云ふものは職務と不可分の關係を成すものであります、必ずしも職務を離れて官吏と云ふことは想像出來ないと思ひます、職務のない官吏と云ふことは、或は囑託であるとか、若しくは定員外とか云ふやうな制に依つてはありまするけれども、職務を離れたる官吏と云ふことはあり得るのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=17
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018・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 仰せの通り、知事の場合には任官に從つて何某縣知事の職務を執るのでありますが、必ずしも職務の伴はない官吏と云ふものはないと云ふ譯ぢやございませぬ、例へば休職官吏、職務を持ちませぬ官吏と云ふものはあります、併し此の場合知事の場合であつたならば、任官と同時に職務を執ると云ふことに御考へ戴いたら宜いと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=18
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019・山隈康
○山隈康君 只今の御説明で益益疑が嵩じますが、休職と云ふのは職のある者がそれを暫く止めて居るだけで、職務を全然それから剥奪した意味ではないと思ひますが、如何でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=19
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020・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 是は休職の場合でありますとか、定員外の場合には左樣な事態が起るのでございますし、御話のやうなことでありますれば、退職判事の場合などは最も適例かと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=20
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021・山隈康
○山隈康君 是以上押問答するのもどうかと思ひまするから、此の程度に止めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=21
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022・渡邉覺造
○渡邉覺造君 私は他の委員會に出席して居つたものですから、私の今日の質問が他の委員から既に質問されて居つて重複になるかも知れませぬが、其の點豫め御了承を御願ひ致します、若し重複になつて居りましたら簡單に御答へ願つて結構であります、此の度地方制度改正案を提出するに至りました政府の御苦心と、御努力に對しましては、私衷心より敬意と感謝の意を表するものであります、申上げる迄もなく、本案制定の趣旨は、「ポツダム」宣言受諾の精神を政治に反映せしめまして、以て民主化の徹底を期するに存するものと存じます、從ひまして先づ以て民主憲法を制定致しまして、國民をして民主主議國家の性格を眞に理解し、之を把握して、さうして國民の赴く所を決定致します、新日本建設に對して自覺と熱意とを以て、積極的に協力するに至らしむるものにあると存ずるのでありますが、現在に於ては總理大臣の施政演説にありまするやうに、即ち自由と放縱とを混同致しまして、之を以て「デモクラシー」と爲し、善良なる風俗を紊し云々とありまするやうに、國民は尚未だ民主主義を眞に理解するに至つて居ないのであります、從つて私をして言はしむるならば矢張り民主憲法の制定を爲し、或一定の時日を假して、國民の民主主義の理解を俟つて、始めて此の制度の改正をするのが最も妥當ではないかと存じますけれども、是も周圍の事情上已むを得ざるに出でたものと了承致して居る次第であります、本改正案は地方住民と直接接觸する重要法案であります、何と申しましても、本案の最も重要なる「ポイント」は地方住民の直接參政の權利を認めたと云ふことであります、併しながら果して國民は此の重大なる權利に付て之を自覺して、之を正當に行使するに誤りがないかどうか、甚だ杞憂に堪へないものがあるのであります、若し之が運營を一歩誤りますれば、非常なる政治的混亂と思想動搖を招くものではないかと存ずるのであります、實を申しますと、私は今囘の改正案は恰も田舍の者が西洋の名畫を貰つたやうなものであると考へられるのであります、眼のある人から見ますれば、民主主義の精神が到る處に溌刺として表現されて、さうして民主的作品として誠に名畫たるに相應しいものではありまするけれども、眼識のない者から之を見ますれば、何處に其の値打があるのか、他から此の點が良いと言はれればさうも見るし、又外の者から之が惡いと言はれれば又さうかとも思ふやうに、此の名畫の名畫たる所以を知らないのではなからうかと考へさせられるのであります、公選知事の身分に付ても、色々官吏が宜いとか、公吏が宜いとか論議されて居りますけれども、私の考では從來の知事のやうに、地方住民の欲すると欲せざるとに拘らず、天降り的に赴任し來りたるものと、今囘の公選の知事のやうに、地方住民の信頼の結晶に依りまして選擧されて、而も牢固として動かすことの出來ない地方住民の支援の下に、民意を背景として立つた公選知事とは、其の性絡に非常な差違のあるのを認めるのであります、從つて此の度の公選知事は徒らに政府の方針に阿附迎合するものでないと私は信じて居ります、從つて官吏であるが故に政府の辭令一本で動かされるものではなく、又公吏なるが故に政府の思ふが儘に動かぬと云ふものでもない、國家的要請と地方的要求との適當なる調和は、制度に非ずして公選さるる知事其の人の人物の適否に依るものであると存じます、即ち人格、識見共に高い所謂錬達堪能の士を得れば、身分は官吏であつても公吏であつても何れにしても國家的要請と地方的要求とは、適當に調和され得るものと私は信ずるのであります、要は如何にして此の人格、識見高い錬達堪能の士を得るかに存するものであると私は存ずるのであります、併し現在の國民の民主主義政治的意識と訓錬とに依つて、果して所期の適當なる公選知事を得らるるかどうか、先般施行されましたる衆議院議員總選擧の結果を見まして、私共は思ひ半ばに過ぐるものあるのを痛感して居る者であります、故に私は眞に住民の公僕として恥かしからざる知事を公選せしめ、さうして地方住民をして直接參政に當らしめて其の運營を誤りなからしむるに付ては、是には十分政府の工夫と用意があつて然るべきと存じますが、之に對して政府の御所見を御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=22
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023・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 今囘地方制度を民主主義化する線に沿ひまして、各般の改正を圖つたのでありますが、是は我が國が立つて居りまする現前の事情から見まして已むを得ないと申しまするよりも、寧ろ積極的にさうすべきだと云ふやうに考へて之を提案致した次第であります、固より政治は現前の事實に即さなければならないのでありまして、其の觀點から致しますと、民主主義化すると云ふことに走るの餘り、現前の事情を見失ふと云ふやうなことがあつてはならないと云ふ見解から、論者に依りましては、極めて消極的な改正であると云ふ批評も成り立ち得るかと思ひますが、積極に失せず消極に流れないと云ふ所で、中正なる改正を致したいと云ふやうに考へて居る次第であります、殊に憲法の改正に依りまして、我が國の國家行政は民主主義の上に非常な躍進をするものと思ふのでありまして、國政の民主化を考へました場合に於きまして、それと相並行して、或はそれに先んじまして、地方住民と最も密接な關係にありまする地方公共團體の政治を民主主義化しまして、茲に一般國民が自治行政を通しまして民主主義に慣れて訓錬されると云ふことを致しますことは、國政民主化の上に於きましての前提條件と申しますか、並行條件でなければならぬと云ふやうな見地から、此の改正案を提出するに至つた次第であります、而して今囘の改正に於きましては、各般の點に亙つて居りまするが、其の最も重要な「ポイント」は私は二つあると思ふのであります、其の一つは廣く自治體の住民に對しまして選擧權を與へる、衆議院議員の選擧に於きまして、年齢條件を二十歳に低下する、又女子にも男子と同等の權利を與へると云ふ線で改正をされたのでありまして、地方自治の上に於きましても、それと同樣の選擧權の擴張を圖ると云ふことが焦眉の急であると云ふ所で、茲に大きな改正が行はれたと云ふべきであらうと思ひます、其の次には住民の直接參政の點でありまするが、此の點に付きましても、知事其の他の自治團體の首長を直接公選に改正をした、從來完全自治體であります所の市町村に於きましては、其の首長は市町村會で選擧して居つたのでありますが、それを住民の直接公選に致したと云ふ點が、直接參政の中でも最も重大な改正であらうと思ひます、其の他或は職員の解職制度乃至は條例の發案其の他の直接參政のことがございますが、是等は制度實施後に於きまして、段々と此の運用に慣れて來て適正を期すると云ふやうなことで、之が實績を收めるに付きましては、何がしかの時間を要することと思ふのであります、自治團體の首長の公選と云ふことは非常に大きな改正であり、直ちに行はれると云ふ點であらうと思ひます、私は此の選擧權の大擴張、首長の直接公選と云ふことが、今囘の改正の一番大きな點ではなからうかと思ふのであります、而して自治團體の首長を自治團體の住民の直接公選に致しました結果、現在のそれ等の團體の首長に比べまして、如何なる人が出るかと云ふ點に付ては、多大の關心を拂はなければならぬことでございまするが、私共の見る所を以て致しますれば、從來に比べまして惡くなると云ふやうな虞は、先づないものと考へて居る次第であります、只今渡邊さんも御話になりましたやうに、或は知事に付きましても、住民と繋りのない者が其の地位に就きまして、又色々の事情で其の任期は極めて短いと云ふやうな點から見まして、公選知事に較べて今の制度が、又其の制度に依つて出ました者が必ずしも宜いと云ふ譯ではなく、此の點に於ては寧ろ私は改善が行はれると云ふやうに豫想して宜しいと思ひます、尚又市長町村長に於きましても、公共團體の議會の選擧に依る者と、住民に基礎を持つて出て來る市町村長との間に於きましては、寧ろ後者の方が日本の現實から見まして宜いのではないかと云ふやうに考へるのであります、併し御話の如く、我が國の國民は民主主義の運營に於きましては、未だ十分訓錬をされて居らぬことでありまして、選擧權が大擴張されるに伴ひまして、それ等の新有權者に對しては特に力を用ひまして、其の貴重な選擧権を行使する上に於て誤りなからしめることは勿論、日本の將來の發展の爲に積極的に選擧權を適正に行使すると云ふことに付きましては、或は學校教育を通し、我は社會教育、又實際の政治の運營の面に於きまして、十分に啓發をして行く必要があらうと思ひます、尚又直接公選と云ふやうなことに付きましても、是は全く新しい行き方でありまして、從來我が國民に於きましては全然不慣れな點でありますので、之が運營に付きましては、結局選擧權を行使する投票人の心掛けに依つて決することでありますから、此の面に於きましても國民の啓發に政府は十分の意を用ひなければならぬと思ひます、此の新憲法が成立します機會に於きまして、自治行政の點も含めて、政府としては政治の民主主義化に付て一大國民運動とも言ふべきものを起しまして、此の變轉期に善處致したいと云ふので、内閣を中心と致しまして、只今其の對策を企畫中であります、此の企畫が出來ましたならば、我々内務省の者も其の一翼を擔當致しまして、地方制度の大改正に即應致しましての、地方有權者其の他一般國民の政治意識を昂揚し、さうして適正なる投票を行使すると云ふことを目途と致しまして、十分に有らゆる面に付て努力を致したい、それに依りまして、此の制度上の改正を實際に於きまして十分效果あらしめると云ふことに努めたいと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=23
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024・渡邉覺造
○渡邉覺造君 只今大臣の申されるやうに、知事の公選は實際重大問題で、又國民に取つては新しい最初の直接選擧でありますから、之に付ては細心の御注意を御願ひ致したいと存じます、斯くの如く啓發運動と申しますか、啓發運動をやりますに付きまして、新聞で見ますと、一月二十五日かに知事の公選をやると云ひますけれども、此の改正案の制定されてから一月と云ふと僅か三、四箇月ですが、其の僅かな期間に果して此の改正案の趣旨が國民に徹底出來ますかどうか、私は今迄の國民の選擧から見て甚だ怪しいと思ふのですから、寧ろもう少し、此の改正案の制定は急いで御やりになつても宜いが、其の實施はもつと餘裕を置いて國民に徹底さしてから實施した方が宜いと思ふのでありますが、之に付て政府の御考は如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=24
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025・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 地方自治行政の運用に付きましては、可能な範圍に於きまして、出來るだけ早く民主化を致すべきであると云ふやうに考へまして、實は地方制度の改正は、當初五十日の會期で臨時議會が終つて、其の間に成立すると云ふことを豫想致して居りまして、年内には諸般の準備を致しまして執行致したいと云ふやうに考へて居つたのでありますが、此の會期が延長になり、又衆議院の審議が手間取つたと云ふやうなことで、自然に法律案の成立が遲くなりまして、其の遲くなりました限度に於きましては延びざるを得ない、まあ最も早く實行すると致しまして、一月下旬ではなからうかと思つて居りますが、此の地方政治の民主化と云ふことは、國政の民主化に、同時若しくは少くとも先にやると云ふ所に多大の意義もあると存じますし、世間に論議されて居りますやうに、官選知事と云ふやうなものからの地方行政の解放は成るべく早い方が宜からうと云ふやうに考へて居りますので、一月下旬に之を執行すると云ふことに若し相成りますれば、それ迄の間に出來るだけの啓發運動も展開を致しまして、其處に遺憾のないやうに致したいと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=25
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026・渡邉覺造
○渡邉覺造君 次に、政府は現在知事を公選知事に推薦するやうな意圖があるやうな噂がありますが、其の意圖を持つて居りますか、政府の御考を伺ひたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=26
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027・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 知事の公選に際しまして、現在知事は如何なる限度に於て其の立候補を認めるかと云ふ點は、是は選擧の實際の上から見て眞劍の考慮を拂はなければならぬ問題だと思ふのでありますが、併し政府は現任知事が立候補することを、之を阻止も致しませぬが、又別に奬勵する意圖も持つて居りませぬ、是は一に選擧民の動きに依つて決すべき問題であらうと思ひます、併し此の現在知事が現職の儘立候補すると云ふことに付きましては、其處に細心の注意を加へませぬと、民間候補者との間に於きまして、實際上有利不利の問題が強く現はれて來ることでありまして、若し現任知事が現職の儘立候補すると、是も制度の上に於きましては可能なことに改められることでありまして、さう云ふことが豫想されるのでありまするが、現任知事が立候補されまするやうな場合に於きまして、苟くも現任知事の地位を濫用することは固よりでございまするが、之を利用すると云ふやうなことも、是は嚴に取締らなければならぬものと思ふのであります、尚又現任知事が其の地位を濫用乃至利用致します時には、選擧取締の規定にも明かに觸れる所でありまして、是は選擧取締の上からも嚴重に取扱ひまして、其のやうな違法行爲がありましたならば、是は斷乎摘發すると云ふことに相成るものと思ひます、其のやうな法律に觸れるやうな程度のことの出來ないことは勿論でありまするが、又其處は徳義的に申しましても、現在知事で立候補する者に付きましては、十分自省をして行かなければならぬ問題だらうと思ひます、さう云ふやうな點から考へて見ますると、實際問題と致しましては、現任知事が立候補致しまして、自から進んで民間候補者と輸贏を爭ふと云うやうなことは到底不可能なことであらうと思ひます、從つて第三者の推薦に依りまして、第三者の運動に依つて現任知事が公選されると云ふやうなことは、是は豫想せらるることでありまするが、自分から進んで立候補致し、民間候補者と輸贏を決するやうな運動を積極的にやると云ふやうなことは、先程來申上げますやうな次第で、到底出來ないことだと云ふやうに考へて居る次第であります、尚此の點に付きましては、公正を期さなければなりませぬことでありますので、只今申しましたやうな方針に反する現任知事の立候補者がありましたならば、それは其の進退に付ても考慮致しまして、其處に誤りなきを期して行くと云ふ積りであります、尚申添へて置きますが、今度の都制制度の改正に依りまして、府縣知事は選擧事務に關係のない官吏に相成る譯であります、即ち選擧事務は選擧管理委員會の責任に於て管理することになりますので、現任知事として制度上立候補が出來るやうに改まる譯であります、それからもう一つは衆議院の改正に依りまして、第三者の推薦の場合に於きましても、候補者となります人は推薦に對する同意をしなければならぬ、同意が必要であると云ふことに相成つて居ります、是は從來の選擧に於きましては、第三者の推薦の場合に於きましては、同意なく選擧致しまして、選擧の結果、それを受諾するかどうかと云ふことで宜かつたのでありますが、今度の衆議院の修正に依りまして、第三者推薦の場合には、候補者たることを受諾する手續は必要になつて來て居るのであります、只今御尋の點は一應其のやうに考へて居ります次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=27
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028・渡邉覺造
○渡邉覺造君 第三に御尋ね致したいのは、此の改正案の第七十四條の十七、所謂此の選擧運動の選擧費用は、「衆議院議員選擧法第十章及第十一章」云々と斯うありますが、殊に事前運動に對して此の間の衆議院議員總選擧に際して非常にどうかと思はるる點を私共は見聞致して居ります、此の事前運動に對して政府はどう云ふ風に御考になつて居りますか、實は此處で發表は差控へますが、八月二十三日の東京新聞の地方版に、現任知事が其の知事公選に出ると云ふので、某氏官僚に根強い基盤で一番に名乘りを擧げる人として現職の何某に期待して居る、追放されて野に下つた是々氏六人の前知事の諸先輩が大向ふから聲援し、内からは官僚の力強い勸誘と應援がある、本人にも公選何者ぞと云ふ意氣が云々とありまして、是は事實と少し相違して居る所がありまして、前知事なぞは此の新聞を見て非常に迷惑がつて居るのです、殊に追放者の政治運動が嚴禁されて居る今日に、前の知事六人の名前が出て、之を應援して居る、大向ふから應援して居ると云ふ新聞が出たので、前知事なぞは何れも非常に迷惑がつて居るのであります、さうして官僚からも聲援がある云々、斯うありますが、斯うしたことは新聞が書いたのか、或は書かれたのか、書かしたのか分りませぬけれども、斯うした事前運動がそろそろ出て來て居ります、事前運動と申しますか、斯うした噂が飛びますと、地方住民の公選知事に對する正當な判斷を誤らうと私は思ふ、從つて此の事前運動に付ては、嚴に政府は考慮を拂はなければならないと存じますが、之に對して政府の所見如何でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=28
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029・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今衆議院議員の總選擧の場合を囘想されまして、當時の事前運動の取締は少し緩やかに失したのではないかと云ふ意味の御尋がございましたが、御承知のやうに衆議院議員の選擧期日は色々の事情で段々延びて行きまして、ばらばらに選擧が行はれたと云ふやうなこともございましたが、其の勢の趨く所、事前運動の取締に付きましては、私共に於きましても少し緩慢に失したとは考へて居ります、事前運動が廣く行はれると云ふことになりますると、自然選擧運動費が餘分に掛かると云ふことになりまして、所謂金權候補者には有利でございますが、然らざる者に付きましては甚だ不利なことになる譯でございますので、選擧の公正を圖る上に付きましても、現在の衆議院議員選擧法の明文通り、事前運動に付きましては十分に取締を致して行きたい、前囘よりは是は引締めて取締つて行きたいと云ふことに致す考であります、尚又此の東京新聞の記事は私存じませぬが、それは如何なる根據のありますものか存じませぬが、御述の如く追放者が政治運動に沒頭すると云ふやうなことは徳義問題としても十分に愼んで貰ひたいと云ふことは政府の要望する所であります、故にそれ等の點に付きましては十分政府と致しましても注意を加へて行く積りで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=29
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030・渡邉覺造
○渡邉覺造君 どうぞ此の度の地方制度改正案及び實施は我が國に取つて全く重大な事柄でありますから、政府に於かれましても十分に細心の注意を拂つて御施行爲されむことを切望致しまして私の質問は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=30
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031・山隈康
○山隈康君 簡單ですから、一言選擧の問題に付てもう少し明かにしたいと思ひますが、政府委員の御説明に依りますと、官と職とは別個のものである、分けて差支ないと云ふ御説明を是認すると致しますと、七十四條に於ける知事は、此の職と官とを任命に依つて得た譯ではないのでございませうか、先づ其の點から一つ確めて行きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=31
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032・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 知事に任官致されまして、從ひまして其の瞬間に於きまして、從ひまして現在の知事と致しましては地方官官制に於て其の職務權限は明示致して居ります、自治體の關係に付きましては、其の職務權限は地方制度に明示致してあります、其の何れも直ちに適用されることに相成ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=32
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033・山隈康
○山隈康君 さう致しますと、憲法の補則實施に於て官吏たる資格はなくなると云ふと、それは官だけなくなつて職は殘つて居ると云ふ意味ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=33
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034・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 一定の時期を限りまして官吏とすると、是だけを補則では意味して居るのであります、從ひまして其の時に於きまして其の人間は官吏ではなくなる譯でございます、併しながら同時に又其の場合に考へられますことは、現行の地方官官制に於きましては、行政官廳としての知事の職務權限を書いてあります、府縣制に於きまして、自治體の長としての職務權限を書いてあります、其の場合に於きまして憲法施行と云ふ時を押へれば、官吏たる身分の限定を致して居りまするから、其の場合に於きましては、恐らく地方官官制の如きものに依りまして職務權限を定めることでなくて、法律上の根據に基きまして從來の自治體の事務と、それから從來官吏の行政官廳として持つて居りました事務を團體に對する委任事務なり、或は相當なる機關に對する機關委任の事務として其の職務を取行ふやうに是は地方官のみならず、各般の立法手續に依つて左樣に行はれるものと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=34
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035・山隈康
○山隈康君 どうもよく頭に入りませぬから率直に御答を願つたら宜しいのでございますが、此の官吏たる身分を失ふと云ふが、職だけは殘つて居りますか、殘つて居りませぬか、殘つて居りますればそこだけを……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=35
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036・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 官吏でありますから任官と補職とがある譯であります、是は官吏であるが爲に伴ふことであります、知事と云ふものが將來に於きましても重要な仕事を持つことは勿論であります、併しながら官吏の場合に於きまする官と職との區別を、身分切換の場合に、官だけはなくなるが職は殘るのかと云ふ御尋でございますと、直ちに職だけ殘るんだと申しましては大きい誤解が起るのでありまして、其の場合は官吏で身分がなくなりますから、從ひまして先刻來申して居りました官と職との區別と云ふのと異なりまして、其の職に當ります者を如何なる形に依りましてか其の府縣知事をして行はせしめ得られまするやうな立法手續が別途出來まして、始めて職務を執り行ふと云ふことになります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=36
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037・山隈康
○山隈康君 衆議院の修正は、此の附則に依つて當然知事たることを得る、斯う云ふ意思の下に修正されたもので、さう云ふことからすると是は不法ではないか、別箇の法律手續を執らなければ切換が出來ぬではないか、其の點は私は政府の意見と同樣であります、そこで更に御尋したいのは、此の改正案で最も重要な點は、即ち知事の公選と云ふことが最も重要な點である、さう致しますと、其の道府縣の自治體の知事たることの資格を、此の法制で決まらなければいかぬぢやないか、他の法制で之を補充すると云ふことでは、知事を公選をして、それら自治團體の首長とならしむると云ふことが本法の重大なる使命なりとすれば、別箇の法律と云ふものは、是の附則とか何とかと云ふことで之に喰ひ附かなければ、知事公選、自治體の首長たる資格を決定と云ふことには缺けるんぢやないか、若しさう云ふ御見解があれば、是は貴族院に於て其の附則を附加へる修正を致しまして、是は衆議院と交渉すれば當然衆議院も異議のないことと思ひますから……どうも其の點が、別途の法律か法制かがなければ知事として職務が執り得ない、切換が出來ないと云ふならば、其の法制があつて始めて自治團體の、縣知事たる資格を獲得する譯でありますから、それを目標とした法律案ですから……とまあ思ふですが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=37
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038・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 其の點に付きましては現在の衆議院の修正で一向差支ないと存じて居ります、と申しますのは現在の處、府縣廳と云ふものは公共團體として、同時に地方官廳として存在して居るのでありまして、其の公共團體及び地方官廳の職務をやつて行く場合に於きまして、官選知事を作りまして、而して其の官選知事は官制其の他の定むる所に依りまして、地方官廳としての職務をやると同時に、府縣制の定むる所に依りまして府縣知事の職務を執ると云ふことになつて居ります、之を分ちて申しますならば主體は官選官吏でありまして、それが俗語で申しますると府縣知事の仕事を兼ね行つて居ると云ふ形になつて居ります、處が今度の改正に依りましては、府縣の選擧民の公選に依りまして當選致しました者を官吏に任用致しますと云ふことに依りまして、官廳の仕事は同じく地方官制等の定める所に依りまして仕事をやつて行きます、それから又知事と致しましては、現在の府縣制に依りまして、其の府縣知事の職務を併せて行くと云ふことに對しては、何等の變りがないから、此の法律が成立しました曉に於きましての運用に付きましては、現在と少しも變はる所はないと思ふのであります、唯此の問題は將來にあることでありまして、將來改正憲法施行の日以後に於きましての法律關係が極めて不明瞭でありますから、其の不明瞭な點に付きましては、是は其の時期に至ります迄の間に於きまして必要なる改正をしなければなりませぬ、其の必要なる改正は、單に此の地方制度のみならず、地方官官制其の他各種の面に於きましてあることでありまして、それ等のことを實は一擧に解決をすると云ふことに付きましては、餘程研究を要することでありまして、間に合はなくてそれを後日に送つたと云ふのが實際の事情でございます、從つて衆議院に於きまする修正の趣旨も全くそこにあるのでありまして、法律論と致しましては、是で一向差支はないものだと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=38
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039・山隈康
○山隈康君 私の法律論でいけないと思ふのは、衆議院の質疑應答も一應拜見しました、併し今仰せの如く、後に切換に關する法律を俟つと云ふやうなことは一つもありませぬ、唯衆議院は官吏たることが殘れば直ちに知事として仕事が出來ると、斯う云ふ意味に修正をして居ることは、質問應答に依つて明白なんであります、さう云ふことになると、それは不合法ではないかと云ふのであります、唯今政府の御答辯の如く、それは憲法實施後の問題であるから、それの切換に關する法規に付ては研究をして、必ずしも之と一諸でなくても研究して見たいと云ふことに付きましては、私は同意を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=39
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040・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 實は此の法律論から申しまして、矛盾なく説明が出來る文句と致しましては、憲法施行の日迄と云ふやうなことを限りませぬで、當分の間「官とす」と云ふやうなことになりますと、其の邊が非常に工合良く行くのでありまして、我々と致しましては當分の間は「官とす」と云ふことに附した方が「ベター」ではないかと思つたのであります、當分の間と云ふことになりますと、何時迄もだらだらと行くと云ふ所に、知事公選の民主化が何時迄も延びる虞がある、そこに期限を切る必要があると云ふ強い見解で、衆議院でさう云ふやうな修正があつた次第でありまして、其の沿革を申上げますと、心持に於きましては、私共は法文上は當分の間として置きまして、事實問題と致しましては憲法施行迄の間には官吏切換の諸般の地方制度其の他のものを改正をする趣旨で居ります、さう云ふ期限を付ける必要があると云ふ強い御主張でありますので、それを尊重しようと云ふことでさう致したのです、尚又此の點に付きましては、衆議院の意思であります所は附帶決議に於きまして斯う云ふ附帶決議が出來て居るのであります、「政府は都道府縣の首長及びその部下を總て公吏とする都制、府縣制改正案及びこれに必要なる法律案を急速に整備し、來るべき通常議會に提出すること。」と云ふ附帶決議があるのでありまして、附帶決議の趣旨とする所は、先刻來私の申上げました所と相一致して居ると思ふのであります、衆議院の意思もここで極めて明瞭であると云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=40
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041・白根竹介
○委員長(白根竹介君) 午前中は此の程度に致しまして、午後一時半から會議を開きます
午後零時十分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=41
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042・会議録情報3
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午後一時四十四分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=42
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043・白根竹介
○委員長(白根竹介君) 午前に引續いて會議を開きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=43
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044・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 或は私豫算の關係で缺席して居りましたから御質問ありましたらば、委員長の御注意を願ひ、重ねて御質問する積りはありませぬ、第一に地方議會の解散權行使の方法、それから自治體の首長に對する解職の請求權の方法が政府原案と違ひまして、所謂直接參政の趣旨に合致する趣旨であらうと思ひますが、衆議院で之が修正をされました、其の請求權を申出る主體は何であるかと申しますと、選擧管理委員會と云ふことになつて居るのであります、選擧管理委員會と云ふのは、恐らく常置機關でありませうけれども、大體選擧が中心でありまして、恐らく事務のみの上から見ますれば、選擧委員の活動力と云ふものはないのが本體ぢやないかと思ふのであります、さうしますれば假に請求權を請求せられましても、本體から言へば、それを行ふ、一般投票に問ふと云ふ權限も實際上に於てないのぢやなからうかと思ふのでありますが、斯くの如き選擧管理委員會、是は都府縣に於きましても極く少數の人であります、でありますから此の少數の人間が政黨的に、域は煽動的の人が入つて居つたとすれば、之の實際的の行使に際して相當の權限を濫用する、又惡用すると云ふ虞が絶無とは言へないのであります、斯くの如き管理委員會と云ふものに相當有力なる權限を認めらるべく修正された衆議院修正に對して政府は全幅的の贊意を表せられるのでありますか、其の點を先づ御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=44
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045・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 政府原案に於きましては、地方公共團體の有權者の五分の一以上の連署を以ちまして解職の請求がありました場合には、監督官廳の調査に依りまして、其の自由裁量に依つて解職請求權の採否を決めると云ふことに致したのであります、それは少數者の發案權は認めまするが、併し其の發案の審議を決するに當りまして、他の民主主義國家に於きましては、之を選擧民の一般投票で決すると云ふやうなことが主に行はれて居りますが、まだ一般投票に慣れない日本に於きましては、一般投票を用ひることは時期尚早である、寧ろ監督官廳の認定に依つた方が宜からう、將來に於きましては一般投票に之を切換へると致しましても、當分の間は監督官廳の認定に委ねた方が適當であらうと云ふことで立案を致したのでありますが、併し此の點に付きましては、衆議院に於きましての審議の經過に徴しまするのに、解職請求權の定數を有權者の五分の一以上と云ふことに致しますのは少きに失する、寧ろ之を三分の一に引上げることが日本の實際に徴して適當であらうと云ふことが一つと、それからもう一つは、監督官廳の認定に依つて其の解職請求の採否を決すると云ふことは如何にも非民主的であると云ふ見解で、是は常道に依つて一般投票に付した方が宜しいと云ふ御意見であるのであります、而して之が手續に付きましては、只今御質問のやうに、此の度の改正制度に於きまして管理委員會を設置するに付ては、管埋委員會が其の申請を受理致しまして、さうして一般投票に付する手續を執ると云ふことが最も公正であらうと云ふ見解で、監督官廳に對して申立てると云ふことを變更するに伴ひまして、此の度新設せられました管理委員會をして、一般投票の事務を處理せしめると云ふやうに改正になつたのでありまして、是は實際の運用から行きまして、さして支障なく行れ得るものと認めて居ります、而して是は管理委員會の一般の事務の進行方でありますが、是は結局少數の管理委員を選任致しまして、それで委員會を組織してやるのでありますが、併し選擧の一般事務に付きましては、必要なる書記を管理委員會に於て選任することになつて居ります、其の書記は假に府縣廳でありますならば、或は必要に依りましては内務部長或は地方課長、地方課員と云ふやうに、從來から選擧事務の實際に慣れて居ります者を任命する豫定であります、而して管理委員會に於きましては、選擧の執行に對しましての人の選任其の他主なる方針を決めまして現場の一々の事務は管理委員會の選任致しました所の書記に依つて運營されるのでありまして、從來の選選の場合に於きますると略略同樣に運行さるることでありまして、事務的に申しましては何等支障なく行はれ得ると云ふ見込で居ります、そこで只今申しましたやうな次第でございますから、管理委員會が一般投票を管理して結果を見ると云ふことには、實際問題として支障なく是が行はれ得るものと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=45
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046・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 一つ例を採つて申しますが、府縣制の第十二條「選擧管理委員會は」後は衆議院の一部削除になつて居りますが、「法令の定むる所に依り府縣會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す」となつて居りますが、請求權を假に申出て解職して呉れと云ふ其の申出でと云ふものは選擧事務にも關係して居ふぬと思ふのです、さうしますと十二條の條文との關聯も少し曖昧のやうな感じが致すのでありますが、矢張りさう云ふ場合も「府縣會議員の選擧其の他の選擧に關する事務」と云ふことに包含せられるのでありますか、一應それを承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=46
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047・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 御尋の解職の請求權等の結末に於きまして重要なものに付きましては一般投票に依りまして之を決することに衆議院で修正に相成つて居ります、左樣な意味合に於きまして、一方に於きまして選擧管理委員の性格から又結末が選擧に依つて決定致されますことに修正になりました點から、十二條の選擧管理委員會の職務權限と調和を保つて解釋することが出來ると思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=47
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048・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 成る程御説の通り結果は選擧になる、或は請求權を請求する、知事を解職して呉れと申出る、結末は選擧でありますから、結局選擧管理委員會の權限にあるのでありますが、其の條文にさう云ふことが書いてありますから、結局選擧事務の一部と言へばそれきりでありますが、私の考へます場合に於ては、此の修正された場合に十二條に於ても多分之に關係する補助規定ですか、何かさう云ふものを規定して置くのが理論上正しい解釋ぢやないかと思ふのですが、どんなものですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=48
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049・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 是は一應檢討致して見た事柄なのでございますが、修正前の規定に依りますと知事又は内務大臣が解職の請求を致されまする相手方であり、且内務大臣等が解職自體の判斷を致します規定であつたのでありますが、それを趣を變へまして府縣制でございますると、百三十三條の二に依りまして、選擧管理委員會に請求を致して選擧管理委員會が之を府縣會議員の擧選人投票に付する、之に對して請求を致すと云ふ點が主でございませぬで、左樣な一般の有權者の發動がありました場合には、一般投票に付するのだと云ふ工合に百三十三條の二が規定されましたのであります、從ひまして此の百三十三條の二を承けまして「法令の定むる所に依り」「選擧に關する事務を管理す」と云ふ選擧管理委員會の職務權限の幅の中に入るものである、斯樣に結論を付けまして、此の修正で差支ないと云ふ工合に考た次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=49
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050・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 此の條文から見ますると、或は政府委員の御説明通りかも知れませぬが、どうも請求權の問題に付て蒸返すやうで恐縮でありますが、どうも初の政府原案で考へた方が宜いのぢやないかと思ひます、と云ふのは是は結局三分の一以上の連署迄持てれば、結局必ず其の選擧管理委員會は一般投票にしなければならぬと云ふ結果になつて、請求あれば必ず實行しなければならぬ義務は負はされると云ふやうに解釋出來ると思ひます、それは實際に大臣も仰しやつたのですが、國民の色々投票、又一般投票に對する理解と云ふものが慣れない今日に於きましては少し所謂進み過ぎたものでありまして、結果から見ますと心配がないと云ふ大臣の御話でありますけれども、恐らく實現した場合に於ては大臣も仰しやるやうに、何も心配ないと云ふのぢやなくして、多少の疑惑とか色々な問題が生じ易い點だと思ひます、併し是は別に重ねて申上げるのではありませぬが、此の點に付ては十分に御注意を煩はしたいと思ひます、其の次には地方制度が根本的に變りましたので、全文的に拜見しまして非常に民主主義が加味され、又扱ひ方に於ては非常に簡易になつた點もあります、かと申しますと、又別に於ては新しい制度が設けられると云ふやうな考でありますが、其の點に於きまして何しろ劃期的に自治體の行政組織と云ふもの、又制度と云ふものが變はるのですから、餘程地方團體の當事者竝に一般の府縣民が十分の理解と十分の判斷力を以てやりませぬと、折角の良い制度改正も瓦礫に歸してしまふと云ふやうな虞もないとは思へないのであります、そこで今後政府として御考になるものは、恐らく從來の地方團體に對する所の政府の監督指導權と云ふものが非常に縮小されて、大部分は地方自治體が所謂自治體の本位に即して色々な事務其の他を扱ふやうになります、さうしますと、自然國政の上から見まして之が監督指導と云ふ權限が減るのでありますから、政府當局が地方自治體に對して色々な處置を執られる場合に現在よりも非常に困難を感ぜられはしないか、なかなか實際上の手數も多くなるのぢやないかと云ふやうな感じが致すのでありますが、此の新しき改正制度、更に先般の御話で承りますれば、第二次の之に對する法律案も次の議會に御出しになると云ふ御話でありますから、さうしますと、國政と地方行政との關聯性と云ふものを餘程御考にならなければ却て結果が宜しくないやうに感ぜられるのでありますが…此の點に付きまして勿論御考はありませうが、此の新しき制度が出來た場合に於ける國政の地方制度に對する運用の主なる點を、最も主眼として居る所の點を承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=50
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051・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今御尋になりました中で、地方制度の第二次的改正も追つつけやらなければならぬと云ふやうに申上げて居るのでありまするが、併し實際はどう云ふ點が改正されるだらうかと云ふ點を豫想致しますと、府縣制、市制、町村制に盛られて居ります所の範圍に於きまする民主主義化的の改正と云ふものは、現段階に於きましては大體總ての面に觸れて居るやうに思ふのであります、唯問題は憲法實施の時迄暫定的に府縣知事を官吏として參りますが、憲法實施の時になりまして是は公吏制に切替へることが立法手段として豫想されます、公吏制に切替へるに付きましては、現在の改正案だけでは運行して行くことが出來ませぬ、故に此の府縣知事を公吏制に切替へるに付きましての必要な改正は、是は地方制度の上に於きまして何がしかの改正をしなければならぬと思ひます、尚又それに伴ひまして、地方官官制其の他今日府縣制等に盛られて居る以外の他の法令の改正も並行して行かなければならぬと思ひます、此の點が最も大きな點でありまして、其の他の點に於きまして近き將來に於て府縣制、市制、町村制、其のものに於ける改正があるかと見ますると、それは絶無ではないでありませうが、差當り改正點は一應今囘の改正に依つて、解決されて居ると考へて居る次第であります、從つて第二次的の改正に付きましては、御尋になりましたやうな工合に、府縣制、市制、町村制等の内容でございませぬで、他の地方行政が進行して參つて居るに付きましての、或は警察法規であるとか、或は衞生法規であるとか、或は地方官官制であるとか、乃至は今後公務員で以て地方制度が運用されると云ふことになりますと、今日の官吏法、公吏法に代はるべき新しい趣旨に依る公務員法とも云ふやうな市制、町村制、或は府縣制以外の他の諸法令の改正が主なものになると思ふのであります、此の點に付きましては單に内務省の所管と云ふことに限定せられませぬで、各省にも關係を持つて居ることでありまして、速かに是等の改正の研究立案には著手しなければならぬことであります、尚又其の改正に付きましては、從來のやうな官廳側に於きまして起草致し、之を委員會等に依つて承認をして貰ふ、まあ言葉は少し適當でございませぬが、さう云ふ行き方でなく、寧ろ其のやうな改正に付きましては、官廳側以外の民主的なる立案も大いに所期しなければならぬと思ふ次第であります、其の細目に付きましては、一に今後の立案に俟たなければならぬことでありまして、政府と致しまして、只今的確なる成案的のものを持つて居る次第ではございませぬが、大體の方針と致しましては他の機會に於ても申上げたことでございますが、地方分權乃至地方自治の本旨に基きまして、地方自治團體の組織及び運營に關する自主性を更に徹底させると云ふ方針の下に警察、教育、保健、衞生、財政、勞働等の國政も原則として地方自治團體に委讓をして行く、さうして地方團體の責任に於て之を行ふ、さうして中央政府は其の他の事務に付きましては全國的な基準を設ける、或は各地方團體間の調整統一を圖る、乃至は情勢を蒐集して、蒐集しましたものを又各地方團體に頒布をすると云ふやうな國家的連絡調整を圖るに必要なものを國に留保すると云ふやうな方針で以て第二次的の地方制度の根本的改正を圖りたいと考へて居る所であります、又此の大體方針に付きましては、他の省にも關係がありますので、我々内部の手續と致しましては、閣議の此の點に關する了解も求めて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=51
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052・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 次に御伺ひ致します、是は相當重要なる點だと思ひますが、是は假に例を都制に採ります、都制の九十三條の四の中の四項であります、「都議會議員及都の有給の吏員、教員其の他の職員にして在職中のものは都長官と相兼ぬることを得ず」、教員は在職中の者は都長官と兼ねることが出來ないにも拘らず、今囘は教員を削除されたのです、さう致しますと、上は大學の教授初め下國民學校教員に至る迄、所謂舊法に依れば、在職中の者は都長官と兼ねることが出來ると解釋して差支ないものと思ふのであります、併し是は如何なものでございませうか、此の前の豫算總會で文部大臣の色々な御話を承りましても、成る程教職員に政治的理解を持たし、政治的教育をやると云ふことは重要であるが、政治其のものに立入ることは考へて居らない、又それは相當考究すべき點ではないかと云ふ御話も承つて居るのであります、又分科會に於きましても相當重要なる點を御述になつたのでありますが、斯う致しますと、勿論實際的に教員が出ますかどうか分りませぬが、此の條文から見ますれば、學校の先生をしても都長官になれるのだと云ふことになりますが、是は少し行き過ぎた修正ぢやないかと思ふのですが、是は勿論文部大臣に御伺ひ致すのが無理でありまして、確か適當な時期がありましたら委員長から文部大臣に御連絡を取つて文部大臣の御意見を伺つた方が宜いと思ひますが、此の點は少し行き過ぎた、行き過ぎに非ずんば、何か衆議院に於て之を修正された場合に、特別に承はるべき理由がありましたでせうかどうか、其の理由があつたかどうかに付きまして内務當局に御伺したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=52
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053・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 元來此の兼職禁止の規定と申しまするのは、當該の團體から給料を受けて居りまする者が、當該の團體の機關を兼ねますことに依つて起りまする弊害を防止しようとするものなのであります、唯從來地方公共團體の教員と致しまして多く考へて居りましたのは、多くの場合に國民學校の教員、從ひまして都や府縣よりも市町村に於きまして其の事例を相當見たのであります、是は俸給の負擔が變りましたが爲に、有給でありまするが爲の理由に依る兼職禁止と云ふのは多く意味を持たなくなつて來て居るのであります、斯く致しまして教員に付きましてはそれぞれ地方制度上の兼職禁止の規定を排除せられましても、身分上の本局長官の許可を要しまするし、其の意味合に於きまして教權の獨立に著しく支障を來すと云ふやうなことは考へられないのではなからうか、寧ろ能ふべくんば兼職禁止等の規定は可及的に之を排除して參る方が適當ではないのではなからうか、兼職禁止の規定を可及的限定致す、斯樣な考へから殊に教員の如きは一定の教育と云ふ仕事に從事して居りまして、教權の獨立に支障のない限りに於きましては他の吏員とは區別した方が宜しいのではないかと云ふやうな、斯樣な考へで御修正になつて居るやうであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=53
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054・松尾國松
○松尾國松君 一つ御伺ひしたいのですが、此の地方制度改正に付てそれぞれ愼重に調査せらるると云ふことも必要でありまするし、それに付て啓蒙運動と云ふことでありますが、私が今迄啓蒙運動と云ふものに携つた經驗から申上げると、實は其の啓蒙運動と云ふものの結果から見ると、携はつた者が大變宜かつたと云ふことの、普通の言葉で言へば自己慰安が多くて、實際はそれ程の效果はないのでございます、それはどう云ふことがないと申しますと、例へば選擧の肅正運動を大々的にやつた時、私は其の政府の施行されたことを今非難しようとも何とも申すのぢやないのです、唯私が關係した經驗と云ふよりも體驗の上から申すのであるが、肅正運動をやりましても實はそれ程の效果は得られて居らぬ唯ないとは申さぬ、大體に於て我々關係した者が自己慰安で成果があつたあつたと云ふことが實際の成果よりも多い、斯う云ふことを私は體驗の上で思つて居る者であります故に、此の啓蒙運動と云ふものに付ては今日は餘程深く考へて貰はなければいかぬと思ひます、それはどうかと申すと、例へば今日地方に於ていや縣民大會を開く、斯う云ふことでどうも縣民大會などと云ふものはいつやつたか分らないが、それが縣民大會である、私はそれを少數の擬制の多數と斯う言つて居るのですが、擬制の多數でやつて、新聞に書かれると如何にも多數でやつたやうだが、其の實そんなことはない、處が何も知らない内務省は新聞にでも出ると途轍もないことがあつたと云ふことで、どんなことをやつたやつたと云ふと又それに火が付いて一層をかしいことになる例が相當にあるのであります、それであるから今度の啓蒙運動に付ては餘程御考を願ひたい、それはどうであるかと云ふと、實は私は之を御尋する意味は斯う云ふ所にあるのです、公選知事、公選市長村長と云ふものを先にして府縣會議員、市町村會議員を著しく後にされる、實に是は私共實際の國民の思想或は政治關係から見ると是程をかしい、ことはない、斯う云ふことを思ふそれはどう云ふことであるかと云ふと、現在に於ては今三つの惱みを持つて居るのであります、一つには人間的の惱み、或は感情的の惱みと申すか、それはどう云ふことであるかと云ふと、詰りもう二月か三月か經つと公選になるのである、斯う云ふことに人も言ひ誰もが言ふ、であるが故に市長をやつて居ると、まああなたは何時迄もやつて貰はなければならぬが、二月で公選になりますさうですねと言ふ、又縣會議員に對しても、あなた方は何時迄やつても、もう後は二月か三月ぢやないか、斯う言はれると仕樣がない、それであるから人間的にどう云ふ風にしたら宜いかと斯う云ふことがある、其の次には社會的の惱みであります、社會的の惱みはもう公選ぢや公選ぢや、内務當局に申さぬでも御承知の通りでありますが、内務當局からの聲明も出て居つたやうでありますが、もう疾くから公選ぢや公選ぢやと言つて居るが、公選ぢやと言つてやるのは良いか惡いかと云ふことは別の問題として、良い所もあり惡い所もある、公選ぢやと言つてやつたらどれだけ費用を使つても何のこともない、もう暫く先ならば無論成立たぬやうなことでも平氣でやらかす、斯う云ふことであります、それであるからそこで社會的の惱みはさう云ふことになると、詰り社會的にはどう云ふ風に考へて行つたら宜いか、選擧と云ふものは公正なものである、或は眞面目なものだと言はれて居るが、ああやつて色々なことをやつて、どうと云ふこともない、斯う云ふことになる、其の次には政治的の惱みもあります、政治的の惱みはどうかと云ふと、さう云ふことは結果は今から確言は出来ませぬけれども、大體内務省の御方は能く御存じでありますが、特別な所を除くの外は大體府縣會議員でも市町村會議員でも少くとも現員の六割は元の者が出たものであります、從つて政策的にも事業的にも色々なことが相當計畫されて居るのでありますが、處が現在の情勢から見ると、私共は全部的のことは申上げられぬけれども、先づ府縣或は市に於きましても極く小さい所は別として、然らざる所は或は五分の一再選があるとか、或は四分の一再選があるとか云ふ風の程度だと思ひます、故にさう云ふ状態から見ると、今既に事業をやらうとしても、どう云ふことをやらうとしても甚だ不安なものである、政治的にはどつちも根據がない、處がもう大臣の耳には入つて居るでありませうが、もう知事の公選に付て既に運動者が相當に現はれて居ります、私は承知して居るが相當に現はれて居る、さうするとそこにやつて居る知事と云ふものはどう云ふ氣持がする、氣持がすると云つても別にどうと云ふことはない、ないが併し人間として知事をやつて居るのにもう二月するとお前樣は公選でなるかならぬか分らぬ、斯う云ふことを公然と言ひます、斯う云ふ惱みを現實に持つて居つて、さうして啓蒙運動の爲に之を延ばすなんと云ふやうなことがありとすれば、それは私は實は政府の聲明の如く民主化を主とするに於て非常に矛盾したことであると、斯う思ふ者でありますが、勿論大事なことであります、大事なことであるが、幾ら大事だつたつて二十歳以上の男女が選擧權を持つと云ふことになつて、幾ら心配したつて内務省、政府が逆さまになつて心配したつてどうも出來やしないんです、それよりさう云ふ言葉は或は禮を缺くかも知れぬが、政府の無力化と云ふことを申すのぢやない、それより外の者が喋つて居るのが一番能く分ると、斯う云ふことを申すのであります、故に市町村の公選を啓蒙運動の爲に準備が出來ぬので延ばさなければならぬ、或は御説があつたやうに普通は九十日掛つて居るが、五十日、三十日に縮める、それは當局はえらいですが、併し此の通過の見込はあなたの方で立つて居るだらうと思ひますから、今からどんどん準備を進めれば、三十日あれば結構出來ます、私は確言する、それであるから市町村長、知事の公選と、其の所屬の議員の選擧期日に大幅な距離を置かれると云ふと、是程どうも地方の行政の運營、民衆化に邪魔になることは恐らくないと思ふ、私は斷言します、若し斯う云ふ距離があれば、全く片つ方は公選して出て、現在の情勢に應じた者が出て居る、片つ方は然らざる者が出て居ると云ふことになれば、片つ方から言へば俺達は斯うするのぢや、片つ方からお前は古い者で俺は現代の改正法に依つた者であると云ふ、そんな地方行政を不安、安定せざる状態に置くと云ふことは、私は全く今日の社會情勢に離れたものと、斯う云ふ風に考へる者であります、故に此の啓蒙運動も必要でありませうが、私共も今日迄の體驗から言へばもう今迄のやうな役人式に考へて居るだけでは、容易に其の啓蒙運動と云ふものは、私は擧がるもんぢやないと思ふ、故に今度はどうやと云ふと、是も新聞をですな、さう云ふ言論を通じて、利用と云ふ言葉が惡いが、利用せぬでも宜い、利用もされやしない、それであるから詰り何て言ひますか、了解、所謂自主的、自働的の啓蒙運動と云ふことになれば是は一番宜い、今私共が地方の實情を見とると何も言はぬ、新聞ばかり見て居る、新聞見ては斯う云ふことがある、ああ云ふことがあると、處がなぜ新聞見て居るかと云ふと、新聞が一番色々なことを書いて書いて書きからかす、それであるから役所から出るものは極めて少なうなつて、新聞が普通の言葉で言へば蔓延して居る譯なんである、だから新聞に書くと云ふことが、一番效果的ではなからうかと思ふ、さう云ふやうな此の實情にある、まあ其の啓蒙運動の方法は然るべく御考になれば宜しいが、私共はさう云ふ風に考へる、要は公選と云ふことが決つて、法律が決つて掲げて置いて、さうして其の間に距離があると云ふことは、是程今日の地方行政を不安定に置くものはない、從つて是は再建或は復興に大きなる影響を與へて居ります、事實に於ても、又政治的に於ても與へて居ると云ふ意味に於て、出來るだけ早く、出來るだけ公選知事と市町村長、議員の選擧權の距離を少くして貰はなければ今日の實情に合はぬ、所謂啓蒙運動の爲に延ばすと云ふやうなことをなさるか、なさらぬか、此のことと、此の距離を最も短くするに付て其の御意圖はないか、斯う云ふことを承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=54
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055・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 憲法及び地方制度が劃期的に改正されるに付きましては、政府に於きましても、此の際一大民間運動とも言ふべき形で、有權者其の他國民が民主政治に目覺めて、誤りなく運營が出來るやうに啓發運動を致さなければならぬと考へて居りますが、併し其の方法に付きましては色色のものがありませう、今御話になりましたやうに、或は操觚界、「ラジオ」と云ふやうな方面から御協力を願ふと云ふやうなことは、確かに最も壺所であらうと云ふやうに考へて居るのであります、又貴衆兩院乃至は一般民間の有識者の御協力を得ると云ふやうなことも必要だと思ひます、從來のやうな官製運動に終つてしまふと云ふことは、到底其の實效を收め得ないと考へて居ります、政府と致しましても御意見の如く、其の邊に十分の力を盡したいと考へて居ります、尚其の啓蒙運動を致す迄の間此の急速な執行を必要として居ります、各種の選擧を延ばすと云ふやうには考へて居りませぬ、此の選擧を執行します迄の間に於きまして、出來るだけの啓發運動をして行くと云ふやうな考で行きたいと思つて居ります、尚地方制度の改正案が成立致しますれば、それに基きまして名簿を作成致します、其の作成に付きましては從來九十日間を要して居りましたが、今囘提出致しました臨時特例が成立致しましたならば、其の趣旨に基きまして出來るだけ選擧人名簿の確定期日を急ぎまして、若し今月二十七日頃迄の間に地方制度の改正案が議會に於て成立すると云ふことに相成りますれば、十月五日を名簿の調製期日と致しまして、最短に考へまして大體十一月末を以て確定をすると云ふことに取計らひたいと思ふのであります、御承知のやうに有權者の數は從來に比べまして殆ど倍加致して居ります、又廣く一般婦人も新たに名簿に登録すると云ふやうなこともございます、尚又終戰後の事情で、名簿の脱落が非常に多かつたと云ふやうな遺憾のことも前に起つて居ります、脱漏のない正確な名簿を作成致しますに付きましては、先に申上げましたやうな十一月末確定と云ふ位に致す必要があるやうに考へて居ります、名簿確定致しますれば、直ちに各種の選擧を行ひ得ることでございますが、まだ一般選擧民が選擧に慣れて居ない關係もございますので、諸外國に於て例のありますやうな各種選擧を合同してやると云ふやうなことも是は相當に考へて居つたのでありますが、合同選擧は時機尚早であると云ふやうな結論に達しましたので、是は各種選擧を別々に執行する外はあるまい、さうしてそれを執行するに付きましては法定期間がそれぞれあることでありまして、それに制約を受けまして、相當の期間を置かなければ全部のものを執行することは困難であると云ふことに相成りまするので、只今の所と致しましては、十二月から明年の三月の初頃迄の間に市町村會議員の選擧、市區町村長の選擧、地方長官の選擧、或は道府縣會議員の選擧を執行して行きたいと云ふやうに考へて居る次第であります、是は從來の例に鑑みますると、或は年末、年始の交の選擧運動を避ける、或は舊正月に遭遇して居る場合に於ては、農村に於ける選擧は差控へると云ふやうなことも確かに考慮の點の一つでありますが、此のやうなことも言つて居れない、急いだ方が宜からうと云ふので、それ等の障碍は先づ預けて置きまして、只今申しますやうに三月の上旬迄の間には地方の各選擧は終了致したいと云ふやうに考へて居る次第でございます、尚如何なる日に如何なる種類の選擧を行ふかと云ふことに付きましては、政府と致しまして種々考慮中であります、併し只今の處と致しましては先づ市町村會議員の選擧から始めて、市區町村長の選擧をやる、それから地方長官と道府縣會議員の選擧をやる、之をどちらを先にやるかと云ふ點に付きましては尚考慮を要する點がありますので研究中であります、さうして最後に市會議員と云ふやうなことに相成るのではないか、是はまだ政府としての豫定を決定したと云ふ譯ではございませぬが、御尋がございましたので今研究をして居ります所の腹案を申上げた次第であります、御話の如く是等の選擧の中に於きましては、例へば府縣會議員の如きは四年の任期を過ぎまして、段々に延長しまして今日に於きましては七年間在任して居ると云ふやうなことになつて居る點もございます、市町村會議員に付きましては大體昭和十七年に選擧をやつて居りますから府縣會議員のやうなことはございませぬ、唯東京都會議員に付きましては改選後一年だけ期間が殘つて居ります、さう云ふやうなまあ状態でありまして、さう云ふやうな點から申しますと先づ道府縣會議員からやると云ふことも一つの考へ方でありますが、之にはまだ他にも考慮を要する點もございますので、道府縣會議員は年を越して一月の交にやるのが適當ではあるまいかと云ふので今折角色々の研究を致して居ります、閣僚に於きましても是等の點を今研究中でありまして、不日決定を致しまして公表を致したいと考へて居ります、唯是等の期日を決めます上に於きましては、憲法の改正に伴ひまして衆議院議員の選擧が何日行はれるか、或は十月十一月頃の交に衆議院議員法が成立致しますならば、是等の地方選擧の中間に加つて來ると云ふやうなことも豫想せられるのであります、さうなりますと地方議會の選擧は又日が遲れると云ふやうなことも考に入れなければならぬ、大體只今の御尋の問題に付きましては確定的ではございませぬが、一應只今申上げましたやうな程度に考慮致して居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=55
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056・松尾國松
○松尾國松君 御説明で能く分りましたが、私は町村會を先にして市會を後にすると云ふことに付て、是は反對であると斯う考へて居る次第であります、今の御説明に依つて意味は分りますが、それはどうかと云ふと、短い所もあり長い所もあるのでありますが、大體に於て先程申した惱みと云ふものは市に一番多いのであります、市に一番多いからして寧ろ私の考へ方は市會議員を先にやつて而して市長の公選を後にすべきものである、斯う思ふのであります、其の一番惱みの多いのを一番終ひに持つて來る、斯う云ふことは全く今日の地方政治に即して居らぬ、寧ろ違つて居る、斯う云ふ風に考へるものであります、であるから今の御説明に依りまして名簿が出來れば出來ないことはないのであります、それが東京都の關係の爲に延びると云ふやうな、さう云ふ意味はないでありませう、ないでありませうけれでも、さう云ふやうな意味があるとすれば、それは全國的な問題に影響します、それで是は市會議員の選擧を後にすると云ふやうな、現在の社會情勢に矛盾したことのないやうに一つ御考を御願したい、斯う云ふことを申上げて置きます、御答辯も要りませぬが、是は相當御考を願はなければならぬ問題だと存じます、私は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=56
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057・白根竹介
○委員長(白根竹介君) 御質疑ございませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=57
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058・梅園篤彦
○子爵梅園篤彦君 近く知事、市長の公選が行はれるのに對しまして、最近行はれました事實の市長の公選、是が何等かの示唆を與へて居る所がありはしないかと思ふのでありますが、私は新聞でさう云つた市長の公選が行はれたと云ふことを見ただけでありまして、どう云ふ風にして行はれたか、どんな問題が起つたかと云ふことを實は承知して居らないのでありますが、此の機會にさう云つた内容なり其の事實上の市長の公選に對する御所見を伺ふことが出來ましたら非常に幸だと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=58
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059・郡祐一
○政府委員(郡祐一君) 事實上の公選は各地に行はれて居りまして、極く概括して申しますならば、一番初に行はれましたのは宮城縣の鹽竈だつたと思ひますが、此の選擧あたりは相當準備を致して選擧を致して居りますし、やり方も眞面目に致して居ります、鹽竈の例を申して見ますと、衆議院議員の選擧資格を有します者と同じ基準に依ります名簿を最近の現在で拵へまして、さうして立會人、管理者等もそれぞれ選びまして選擧を致して居ります、其の爲に名簿の調製でありますとか、所謂事實上の選擧を致します爲に可なり多くの費用を投じて居る譯であります、是が同じ宮城縣内に於きましても仙臺市に付て行はれました時には準備も十分でありませぬでした、それから鹽竈の場合には相當眞面目に投票を行ひ、弊害の起るやうな選擧運動は行はれて居らないのでありますけれども、仙臺の場合も、是は法律上の選擧でございませぬが爲に、明瞭に果して如何なる法律を以て規定致しますれば選擧違反になるやうなことがどの程度行はれたかはつきりは致しませぬ、致しませぬが、投書等に依りますと相當色々な事態があつたと云ふ風に聞いて居ります、初に行はれたものに付きましては矢張り相當に緊張を致して居りましたのと、全國から注目されて居るので氣を付けてやつたと云ふ風でございます、それから當該の地方で元來地方議員を選びます時に豫選會を開くやうな、是は事實上の問題でありまするから、必ずしも終戰後始つた現象ではございませぬし、從來とも似たやうなことをして居つたのでございます、それが終戰後の所謂民主化の普及の爲に、非常に世上賑やかに傳へられまするが爲に、各地で從來經驗のない所等も致したのでありまするが、何方かと申せば、經驗のあります所の方が間違ひのない選擧を致して居ります、それから事實上選擧運動を致します際に、豫め當該の地方團體の中の輿論の動向が決つて居りまして、之を權威附ける爲に致しました事實上の選擧の方は無難に行はれました、處が適格者を得られず、寧ろ競爭激甚でありますが爲に、市町村で直ちに決めることが困難であるので、事實上の選擧を致すと云ふ所には色々の弊害が起つて居ります、で私共の所見では、何等法律に規定して居らぬことでありますから、其の間に買收等の事實がありましても、之を法律上規正する譯には參らないのであります、從ひまして此の事實上の選擧は非常に危險なものだと思つて居ります、それで之を何處迄も事實上の選擧でありまするから、其の選擧後に於きまして、當該の市町村會と云ふものが市制、町村制に基きまして、法律上の推薦を致します現在の制度に於ては、市長に付きましては當該の市會が推薦を致して上奏裁可を經る手續になつて居りますが、其の法定の手續を致す、從つて理想的な形に於きましては、事實上の選擧の結果を參酌して當該の市町村會が公正な判斷を下す、又そこ迄參りませぬでも、或程度道義的に其の事前の事實上の選擧の結果に拘束されても宜しうございますが、結局法律上の問題として扱ひますものは、後の現在の市制、町村制に基く當該の市町村會の選擧でございます、從つて事前に於きまする事實上の選擧が誤りなく行はれれば寧ろ輿論を聞く結構な方法だと思つて居りまするけれども、各地に行はれました結果を綜合して判断致しますと、先づ好ましい傾向で選擧をしましたものと、寧ろ好ましからざるものと半々位のことになつて居ります、從つて私共は地方の主管部長等には當該の市町村で是非やりたいと云ふ時には必ずしも拒否をする考はないけれども、寧ろ法律に依りまして、直接選擧の形と云ふものがはつきりと定められまする迄の間は、現行法下に於ける選擧と云ふものには事實上の選擧は成るべく避ける方が望ましいと云ふやうな指導を致しまして、はやり物になることを寧ろ避けて居る、從つて此の結果に付ては必ずしも滿足を致して居らないと云ふやうな状態であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=59
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060・白根竹介
○委員長(白根竹介君) 大體の質問はございませぬか、尚各章に入りましても、或は質問の時期を逸した方は其の章に關聯しまして一般質問を爲さつても差支ないことに致したいと思ひます、では總括的質問は大體盡きたやうに存じますから、明日から此の章を逐つて審議を續けたいと存じます、併し只今申しましたやうに章に入つて或は全體的のことを御聽きになつても決して差支ありませぬ、どうか十分御審議を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=60
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061・中川望
○中川望君 只今の御言葉に關聯してちよつと……私外の會の方に出て居りましたので、皆樣からどう云ふ御質問がありましたかもはつきり致しませず、質問の準備も整へて居りませぬやうなことで、實は總括的の質問を聊か試みたい積りで居りましたのでありますが、只今御示しのやうに明日でも亦やりまして宜しければ、さう云ふことに御願ひ致しまして、御進行を願つて宜いと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=61
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062・白根竹介
○委員長(白根竹介君) ぢや本日は此の程度で散會致します、明日は午前十時から開會致します
午後二時四十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=62
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063・会議録情報4
出席者左の如し
委員長 白根竹介君
副委員長 男爵 伊江朝助君
委員
侯爵 徳川頼貞君
侯爵 佐竹義榮君
子爵 森俊成君
子爵 梅園篤彦君
子爵 松平銑之助君
子爵 田中薫君
姉崎正治君
中田薫君
男爵 松平外與麿君
男爵 尚琳君
男爵 島津忠彦君
男爵 多久龍三郎君
中川望君
松尾國松君
山隈康君
河端作兵衞君
渡邊覺造君
國務大臣
内務大臣 大村清一君
政府委員
内務事務官 郡祐一君
同 鈴木俊一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009002723X00319460910&spkNum=63
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