1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
付託議案
○復興金融金庫法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=0
-
001・会議録情報2
―――――――――――――――――――――
昭和二十一年九月二十七日(金曜日)午後一時十三分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=1
-
002・高橋是賢
○委員長(子爵高橋是賢君) 是より會議を開きます、實は昨日で本法案に對しまする質問は打切りまして、本日は討論に入つて採決をする順序になつて居りました處が、板谷君より石炭廳に對する御質問を是非したいと云ふ御希望がありましたので、御諮り致しますが、之を御許しして如何でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=2
-
003・名取和作
○名取和作君 石炭は重大なことでありますから一つ十分に御質問願つた方が宜しいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=3
-
004・板谷順助
○板谷順助君 諸君の御許を得まして、私は石炭廳の政府委員に御伺ひしたい、御承知の通り最近復興金融金庫の、現在代理をして居りまする興業銀行から二億五千萬圓の金が出て居るのであります、此の金は要するに現在の石炭をどうしても増産せねばならぬと云ふ目的から諸君も御承知の通り政府が補給金を出す、此の補給金の一部と致しまして、「トン」八十圓を各炭鑛業者に取敢ず出すと云ふ意味の金であります、大體此の金が如何なる徑路に依つて炭鑛業者に配付をされて居りますか、其の點を先づ御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=4
-
005・岡松成太郎
○政府委員(岡松成太郎君) 只今の御質問に御答へ致します、只今御尋の二億五千萬圓でございまするが、此の配付の仕方は別段に石炭鑛業會で一括して借受けて配付をすると云ふ方法ではございませぬで、各鑛山より金融機關を經て各金融機關と鑛山との個々の貸付契約に依つて借受せしめて居るのでございます、但し其の場合にそれぞれの鑛山が月々に幾許かの出炭を致して居るが、從つてそれに對して如何程の金融を致すべきであるかと云ふことの材料に付きましては是は石炭鑛業會で取纏めまして、金融機關の方に連絡を致します、金融機關は其の材料に基きまして各各の石炭鑛業會社に貸付けると云ふ次第になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=5
-
006・板谷順助
○板谷順助君 それは失禮ながらあなたは實情を能く御知りにならない、要するに現在の石炭を増産するに付きましては、言ふ迄もなく政府が補給金を出して何とかして餘計出さしたい、處が此の金の配付に付きましては大體石炭の配給統制は御承知の通り日炭が取扱つて居る、然るに民間に於ける所の石炭鑛業會と云ふものがありまして、此の鑛業會の手を通じて炭鑛業者に配付になつて居る、此の順序になつて居るにも拘らず…是は近畿に於ける出來事、其の中に近畿方面に於ては百萬圓の金を炭鑛業者に出せ、それを借受けて或は其の名目が資材云々に使ふと云ふやうなことを言つて居りまする、言つて居りまするけれども、此の金と云ふものが或程度迄横流れをする、今炭鑛業者が非常に困つて居つて赤字を補填すると云ふ意味に於て、一日も早く此の金を配付せねばならぬにも拘らず、今申上げまするやうなさう云ふ非常の弊害がある、此の點に付てはあなたは能く御分りになつて居りますか、御分りになりませぬか、御説明を願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=6
-
007・岡松成太郎
○政府委員(岡松成太郎君) 御質問の趣意が只今の興銀より出ました資金が炭鑛以外の方面に流用されて居ると云ふやうな事實があるやの御問になつたやうに伺ひましたけれども、私共は左樣なことは聞及んで居りませぬし、又手續の上から言つて左樣なことは萬あるまいと存じまするが、尚さう云ふ點は十分に取調べたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=7
-
008・板谷順助
○板谷順助君 私が斯う云ふ質問を致しまするのは、要するに復興金融金庫は政府が出資をするのでありまして、若し政府が一朝誤つて間違つた出資をするやうなことがあつては國民に多大の迷惑を掛けると云ふことになるので、從つて此の問題は現在の炭鑛業者が直接私に來て愬へたのであります、處が此の石炭鑛業會なるものが今申上げまする通り或程度の金を押へて居つて渡さない、渡さないと云ふことはそれがどう云ふ意味に於て渡さないのか、或は其の一部が横に流れ、本當に炭鑛業者の手許に入るかどうかと云ふことは非常に疑問である、でありますから、あなたが若しそれが御調になつて居ないと云ふことでありますれば、其の實情を至急御調査願ひたい、今私が申上げまする通り、民間團體の鑛業會なるものが押へて離さない、どうしても渡さないと云ふ、斯う云ふ事實があるのであります、是はあなたは御分りにならないから、至急此のことを一つ御取調になつて、適當な處置を御講じ願ひたい、それから此の日炭會社は御承知の通り現在統制會社として存續して居るのでありまするが、此の石炭會社が石炭の配付と云ふことに付て何か特別の手段方法を講じなければ、思ふやうに炭鑛需要者側に入らない、是は事實であります、でありますからして、何としても現在の私は伏魔殿とは言はないけれども、兎にも角にも此の日炭會社と云ふものは非常に弊害があつて、それが爲に需要者なるものが多大な迷惑をして居るのでありまするが、是は現在の組織を至急改組なさる其の御考がありますかどうか、此の點を伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=8
-
009・岡松成太郎
○政府委員(岡松成太郎君) 石炭の配給統制機構に關聯する御質問でございまするが、現在石炭の配給統制に當つて居りまするのが、上に日本石炭、其の下に各地方に八つの地方石炭配給統制株式會社と云ふものがございまして配給に當つて居るのでございます、只今御尋のやうな色々弊害の面もありますることを我々も聽いて居ります、又一部の事實に付きましては調査を致したこともございます、何れにせよ現在の儘の機構を以ては圓滑に石炭の配給統制の機能を營むことが困難と考へまするので、是は至急に根本的な改正を致しまして、日本石炭の代りに別の機構を作りまして、又地方の機構等にもそれぞれの改善を加へまして、全然面目を一新致しまして、新しく適正なる、又民主的なる機構を作るべく考へて居ります、之に付きましては石炭配給機構改善委員會と云ふものを設置致しまして、それぞれの關係のある事業者及び貴衆兩院の議員又學識經驗ある第三者と云ふものを委員に既に任命致して居ります、來月早々に此の委員會を開いて其の議に付しまして、さうして十分に各方面の御論議を伺つて、衆議に從つて之を改正を致して行きたいと、斯う云ふ考へを持つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=9
-
010・板谷順助
○板谷順助君 あなたは今私が申上げましたことが能く御分りにならぬと云ふのでありまするが、私の今差當つて聽きましたのは、近畿に於ける問題、是は一つ至急御取調を願ひたい、それから又一つ此の補給金の一部を御渡しになるに付て、何も其の民間の石炭鑛業會を利用爲さる必要はない、此の石炭鑛業會なるものが或一部の金を押へてどうしても渡さない、斯う云ふ事實があるのです、是は能く一つ御取調の上、或は全國にさう云ふ例が外にないとも限らぬのでありますから御取調を特に一つ御願ひしたい、それから又今日炭の改組問題に付きましては是は非常に不公平、不公平と云ふことは要するに此の重要産業方面になくちやならぬのが何か特別の手段方法を講じなければそれを思ふやうに配給が出來ない、是は非常に弊害がありまするから一日も早く之を改組なすつて、さうして殊に石炭と云ふことが重要産業の基礎産業となるのでありますから、此の點は十分此の機會に成るべく早く適當の處置を執られむことを希望致します、委員長私の質問は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=10
-
011・高橋是賢
○委員長(子爵高橋是賢君) 外に御質問もないやうですから、昨日決めました通り、本日は質問は是で終つて後討論に移りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=11
-
012・板谷順助
○板谷順助君 討論に付きましては大藏大臣を呼んで戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=12
-
013・高橋是賢
○委員長(子爵高橋是賢君) 大藏大臣見えるさうです……それでは討論に入ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=13
-
014・板谷順助
○板谷順助君 私は本案に對して警告的希望意見を述べまして贊意を表します、大體先般來大臣の御意見を承つて居りまするが、私は現在の有らゆる方面に整備をされつつある此の現状に於ては、日本に於ける金融らしい金融はないと斯う考へて居るのであります、處で此の法案の先づ一般の金融機關から融資を受け、出來ないもの、所謂困るものは此の法案に依ると云ふことでありまするが、先般政府委員の答辯に依りますると云ふと、一般の金融機關から約百四十億の金を豫定して居ると云ふことであります、處が、大臣も御承知の通り現在剩餘金が一體幾らあるかと申しますると、八月三十日の現在と致しまして全國に百四十億圓あります、此の中に既に七十五億の貸金があるのであります、差引六十五億、或は九月に入りまして相當の預金が殖えて居るでありませう、併しながら是は大部分進駐軍の取引の預金が相當に多いと云ふことであります、又更に大臣は現在の新圓が退藏されて居ると云ふことを御認になつて居るが、一體現在六百億以上の新圓が如何なる分布になつて居るかと言へば、勿論大臣も御承知でありませうが、生活費に於て四十二「パーセント」、戰災の支拂が十九「パーセント」、俸給賃銀で以て二十八「パーセント」、産業方面に廻つて居ると思はれるのが約十一「パーセント」、勿論是は推定でありまするけれども、現在の状態でありまして、恐らく仕事の上に於て困らすと云ふのは新圓の獲得者以外にはない、新に仕事を起すと云ふ場合に於ては第一、第二の對鎖で支拂はれて居り、又一般金融が更に多額の放資をすると云ふことになりますると云ふと、日本銀行から幾らでも出させると云ふ御話があつたのでありまするが、恐らくは金融業者と雖も、預金が集つて初めて相當の貸付が出來得るものと思ふ、日本銀行から多額の借入をして之を現在の殆ど破懷されつつあるやうな、此の産業方面に勇氣を持つて投資するかどうかと云ふことは多少疑問を持たなければならぬと思ふのであります、從つて現在の新圓の所有者と云ふものは、云ふ迄もなく不生産的であり、主に不生産方面に使はれて居る、從つて困る者と由しまするならば、云ふ迄もなく現在我が國の産業界に於ては有らゆる方面が皆困る、恐らくは一般金融業者から金を借りるか、或は又此の金庫を利用して金を借りるか、外に途はないと云ふ状態であります、從つて大臣は將來見込のある産業であるならば、國家が場合に依つては、其の金額を損をしても飽く迄産業の振興を圖ると云ふ、其の勇氣に對しては私共非常に敬服をして居るのであります、併しながら御承知の通り戰時中に於ける所の戰時金融金庫の如きものは所謂宜い加減の出鱈目な豫算を作つて金を出す、後の始末がつかないやうな結果でありまするから、此の金額の融資に付きましては、出來るだけ嚴重に監督をして、國家に迷惑の掛らないやうに處置を取られるのは、是は當然、當然でありまするが併し又見樣に依つて寛嚴宜しきを得ませぬければ、此の金庫の運用と云ふものはなかなか困難なことと思ふのであります、そこで問題は先づ第一に金融委員會の組織、私は昨日大臣の此の委員會に於ける組織の構想に付て大要伺つたのでありますが、併し大物ばかり竝べて見た所が、要するに形式に流れ、今日迄恐らくは民間の衆智を集める意味に於て委員會を作られましても、唯形式に終つて、果して其の目的を達するかどうか、從來の例から見ると云ふと、そこに疑問がある譯でありまするから、所謂民主的意味に於ける委員會を御作りになるならば、出來るだけ熟練したる所の練達堪能の士を以て組織することに御考を願ひたい、從つて是等の人々が唯一片の委員であると云ふのみならず、現在の敗戰したる此の日本を建て直すと云ふことに付きましては國民御互が重大な責任を持つて居ることでありまするから、此の委員諸君に於ても其の責任を痛感をして、此の金庫の運用に付きまして萬全を期すやうにして貰ひたい、更に問題は此の役員の問題である、之に付きましてはそれぞれ腹案もありませう、恐らくは委員會の推薦と云つても結局大藏大臣の監督の下にあることでありまするから、是等の人々は所謂清廉潔白であつて練達堪能、恐らくは此の役員の人々の人選如何に依つて、果して此の金庫法案が産業囘復の爲に、復活の爲に働きを爲すかどうかと云ふことの岐かれる重大な問題でありまするから、此の點に付ては十分な御注意を御拂ひになつて、而して此の人選に曖昧のないやうに御心掛を願ひたい、そこで私は更に此の際大臣に希望致しますることは、御承知の通り現在の社會情勢が非常に不安になつて居る、從つて資本家らしい資本家はありませぬが、併し其の事業經營者が現在の勞働爭議を非常に懸念を致します、又一面に於て經濟界も不安であると云ふやうな關係から、進んで事業をすると云ふ、所謂生産意欲に缺けて居ると云ふことは實際の事實であります、又一方に於て勞働者は權利のみを主張して義務を忘れ、勝手気儘な、全部とは申しませぬが、さう云ふ傾向があるのであります、若し勞資が此の儘鬪つて、鬪つてと言つては語弊がありますが、爭つて行きましたならば、共倒れとなりまして、結局日本が破滅に瀕すると云ふ状態になる、私は此の點に付きまして、現在の我が國は之を建直すと云ふことに付きましては、國民全部が殆ど勤勞大衆、我々も勤勞大衆、例へば平時でありまするならば、八時間働いた者が、九時間も十時間も働いて行かなければ、到底此の日本が追付いて參りませぬ、平時ではありませぬ、此の點に付て、現在の弛緩したる所の人心、道義は廢れ、殆ど人心が惡化して居る、之を建直すと云ふことに付ては、先づ第一に國民が、現在の我が國は敗戰國である、此の儘では到底立つことが出來ない、世界に交りを結ぶと云ふことに付ては非常な決心を持たなければならぬ、敗戰の苦しみと云ふものは御互國民が分け合はなければならない、此の事を私は先般本會議に於きまして總理大臣に質問したのであります、大臣は御出席にならぬのでありましたけれども、之を國民に徹底させると云ふことに付て、場合に依つたら國民運動、或は國民を奮起させる、比の際勞資御互が爭ふと云ふ場合ではないと云ふことを徹底させることに付て、政府が適當な此の際方策を執るべきものである、私は二度迄此の點に付て力説したのでありますが、總理大臣明確な所の答辯はなさいませぬ、あなたは民間の方面に非常に精通をされて居ることでありますから、どうか、勿論事業家側に於ても、或は營働者側に於ても、それぞれ言ひ分はありませうが、此の儘推移を致しましたならば、今申しまする通り、事業家に於て生産意欲がなかつたならば、段々失業者は續出しませうし、今居る者を始末しても後から又起ると云ふ斯う云ふ、状態にあるのでありますから、どうか大臣は、私は甚だ言葉が過ぎるかも存じませぬけれども、此の點を十分に一つ御考慮になりまして、此の法案の運用に付きまして、今申上げまする通り、所謂救濟機關ではないと云ふ御言葉はあつたけれども、今現在の産業を囘復すると云ふことに付ては、毀れたものを建直すと云ふことでありますから、間違つた奴は勿論成るべく早く良いとか惡いとか判斷を下す、是は當然でありますが、どうか救濟すると云ふ意味に於て十分なる一つ御考慮を願ひまして、本案の運用を國民の期待に副ふやうな御働きあらむことを切望致します、私は此の趣意を述べまして本案に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=14
-
015・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 私も本案に贊成を致します、此の金融金庫設立の目的を達成する上に於て、其の運用に特に注意を必要とする點に付きましては、只今板谷委員より委曲詳細に亙つて御説明になりました、此の上何等蛇足を加ふるの必要はないのでありますが、唯私は一二氣付いた點に付きまして私の希望を申述べまして、成るべくならば其の御採擇を願ひたいと思ひます、私は此の金融申込みの手續は先づ普通銀行に申込み、普通銀行に於て其の融資に應ぜざる場合に於ては日本銀行に申込む、而して日本銀行よりして之を興業銀行又は此の金融金庫に申込むと、斯くの如き幾多の關門、幾多の窓口を通過すると云ふことは非常なる面倒と時を要しまして、急場の必要には應じ得ないかも知れないと思ふ、元來金融業者なるものは事を運ぶのに必ずしも敏活ではないのであります、非常に念を入れられる關係かも知れませぬけれども、事は遲々として進まないので、爲に肝腎の時機を逸する虞れが十分あるのでありますが、出來得るならば金庫直接に申込みを受けると云ふやうな途を御開きになりまして、煩瑣なる手續を省き、さうして融資の敏速なる取扱の出來るやうなことに、一つ特別の御高配を願ひたいと思ふのであります、それから先程板谷委員よりも仰せになりましたが、今日最も困つて居るのは中小商工業者であると思ひます、之に封する融資は非常に面倒であります、面倒でありますけれども、中小商工業者なるものは國の中堅階層であります、是の復興を圖ると云ふことは最も喫緊のことと思ひますから、面倒を厭はず、此の金庫は中小商工業者に對しても、氣持良く融資を與へると云ふ特別の御高配を願ひたいのであります、それから斯う云ふ危險なる所の放資に付きましては、投資者側に於きまして辨濟の確實を期するが爲に、其の申込者の關係者に向つて、例へば法人ならば其の取締役の全部の個人保證を要求すると云ふことは、往々あるのである、是等は非常にどうも迷惑を此の個人に及した例がありますし、又普通の事業に於ても然り況や斯う云ふ急場に於て危險なる仕事に於きましては、就中どうも皆保證には躊躇をすると云ふことになりますると、自然融資の目的を達成することは出來まいと思ひます、元來是は事業の復興の爲に、國家が初から危險を冒して居るのでありまするから、必ずしも個人の保證を要求して、爲に設立の趣意を滅却することがないやうに、個人の保證は御求めにならないやうに、私は切に希望致します、是だけのことを申しまして本案に贊成を致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=15
-
016・高橋是賢
○委員長(子爵高橋是賢君) 他に御發言ございませぬか、今板谷、橋本兩委員から、警告或は希望附の贊成の御意思を發表になりましたが、本法案に對して贊君の諸君の起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=16
-
017・高橋是賢
○委員長(子爵高橋是賢君) 全會一致と認めます、それでは本案は可決と決定致しました、是にて散會を致します、長々御苦勞樣でございました
午後一時五十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=17
-
018・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 子爵 高橋是賢君
副委員長 男爵 杉溪由言君
委員
侯爵 嵯峨實勝君
伯爵 金子武磨君
子爵 水野勝邦君
子爵 稻葉正凱君
男爵 長基連君
男爵 中村貫之君
男爵 村田保定君
黒田英雄君
板谷順助君
石川一郎君
橋本辰二郎君
野村茂久馬君
名取和作君
河西豊太郎君
山地土佐太郎君
栗栖赳夫君
大野木秀次郎君
國務大臣
運輸大臣 平塚常次郎君
大藏大臣 石橋湛山君
政府委員
大藏事務官 三井武雄君
石炭廳次長 岡松成太郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003079X00319460927&spkNum=18
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。