1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○貿易資金特別會計法案
○産業復興營團法案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=0
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001・会議録情報2
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昭和二十一年十月八日(火曜日)午前十時十一分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=1
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002・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) それでは只今から開會致します、前回に引續きまして質問を御願ひ致しますが、委員の方々が特に大臣若しくは御質問をなさりたい政府委員の御出席を御求になりまするならば、今から連絡を致しますから、御遠慮なく御申出を願ひますそれでは兩案に對し綜合的質問を御願ひすることと致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=2
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003・井川忠雄
○井川忠雄君 ちよつと御伺ひ致しますが、昨日戴きました輸出入の表の數字に關聯しますが、換算相場と云ふものは、例へば一「ドル」は何圓と云ふやうに或程度御決めになつたのでありますか、爲替相場であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=3
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004・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) それは實績の方でございますね、是は全然圓と「ドル」の關係のないものであります、と申しますと、甚だこんなものは無意味ではないかと云ふ御叱りもあると思ひますが、現實に於きましては、今幾らで決められると云ふやうな假定もありませぬので、唯是は國内に於ける各物資の圓紙幣の統制價格と云ふことになつて居るのでありまして、何等「ドル」とは關係のないものであります、自然其の間に、若し之を十五圓なり或は二十圓なりに換算しました場合に、相當妙な値が出て來るやうなこともあり得るのであります、併し現在の方法としては是以外に發表の仕方がないのでありますから、左樣に發表して居るのであります、自然内地に於ける統制價格の兩方を見合せた「バランス」或は向ふに於ける「ドル」の「デビィット・バランス」と云ふものとは全然關係のないものであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=4
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005・井川忠雄
○井川忠雄君 ちよつと之に關聯して伺ひますが、八月であつたかと思ひますが、「スターズ・アンド・ストライプス」紙に五千五百萬「ドル」の「クレヂット」を獲得せられたやうに出て居ります、其の中の二千萬「ドル」は朝鮮に於ける需要に充てる、あとの三千五百萬「ドル」が内地に於ける需要に充てられと云ふことでありましたが、事實は慥か四分の三位であつたかと思ひますが、あれは恐らく何か聯合軍關係の資材、物資等の輸入の資金の手當に充てる爲であらうと思ひますが、其の關係のものは此處に出て居ないのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=5
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006・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 「クレヂット」と云ふことは新聞にも出ましたし、又私共も各方面から訊かれるのでございますけれども、貿易廳としては全然さう云ふ取極めはしたこともありませぬし、全然知らないことなのであります、唯咋日も申上げました通り、棉の如きは九月の二十日迄に四十六萬三千俵ですか、十日迄に四十五萬三千俵來て居りますが、其の外更に又一萬俵殖えて、四十六萬三千俵がもう來て居るのであります、是は向ふの何に依りますと、當時向ふの「デビィット・バランス」に日本の貿易廳が置かれて居るのだらうと思ひます、さう云ふものを考へますと相當大きな「デビィット・バランス」は事實あるのぢやないか、之にても貿易廳としてはせめて其の片鱗だけでも知りたいと云ふので、嘗て私が長い間民間に在つて貿易をやつて居つた一種の癖が出まして、私が就任早々向ふへさう云ふことを訊きに參つたのですが、向ふとしてはさう云ふものを何の爲に知るんだと云ふやうな位の反問を言ひました位で、向ふの「トレィド・ディヴィジョン」も分らなかつたのでありまして、相當の「デビィット・バランス」を日本に有して居る、是は民間の貿易會社のあれに依りますと、丁度銀行に「エキスポート・アッカウント」を開いて居り、それの「オーヴァ・ドラフト」と云ふか、「オーヴァ・ドロー」が認められて居ると云ふことではないかと思ひます、嚴格に申しますれば、聯合軍總司令部の十月九日の「メモランダム」に依りますと、要するに日本から輸出した其の「ドル」に換算した範圍に於て、向ふからこちらに食糧、肥料を初め、日本で要請した有らゆる物資を出してやらうと云ふやうな嚴格な制限があるのでありますけれども、併し實際を見ますとさう云ふ點はないやうでありまするから、多分さう云ふことに對して或は言はれたのぢやないかと云ふ風に私共は想像して居るのでありますが、全然知らないことであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=6
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007・井川忠雄
○井川忠雄君 さうすると第二條第一項にある、貿易資金と云ふのは今どの位ありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=7
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008・岡村武
○政府委員(岡村武君) 其の金額は五千萬圓に相成つて居るのであります、此の五千萬圓は現行法に依る貿易資金でありまして、此の金は其の儘新しい法律に依る特別會計の基金に致す譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=8
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009・井川忠雄
○井川忠雄君 此の政府の行ふ貿易等に對する經費と云ふものは、五干萬圓位では大した輸入の手當も出來ないんぢやないかと思ひますが、是はどう云ふ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=9
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010・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) それでありまするから、今度は此の特別會計法に依りまして總額五十億圓迄預金全部又は日本銀行から貿易廳が借金することが出來ると云ふやうなことに御願ひしたいと思つて、提案した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=10
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011・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) 井川さんに御願ひしますが、初めに委員長と御呼び下さらないと速記の都合がございますから、どうか委員長と御呼び願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=11
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012・井川忠雄
○井川忠雄君 さうすると第二項の日本銀行からの借入金と云ふのは是は假に日本銀行が海外から「クレヂット」を設定した場合には、當然それも含まれる譯でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=12
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013・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 今の御質問の趣旨がはつきりしなかつたのでございますが、日本銀行が「クレヂット」を設定したらと云ふ話ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=13
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014・井川忠雄
○井川忠雄君 はあ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=14
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015・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) それは是とは全然關係ない譯だと思ふのでありますが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=15
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016・岡村武
○政府委員(岡村武君) 只今の御尋ねの「クレヂット」が假に日本銀行に供與されました場合に如何なるかと云ふことでございますが是はもう全然別個の問題でございまして、左樣な場合には別段貿易資金には關係がないと云ふことに相成ります、尚先程資金五千萬圓と申上げたのでございますが、先程長官から御説明申上げましたやうに、是はほんの所謂元手として出て居るのでありまして、實際運用して參ります場合の資金、自主的の資金と甲しますものは、外國から物を輸入致しまして、それを賣拂ひますると、それが「プラス」の勘定になりまして、貿易資金の中に入つて參る譯であります、逆に輸出を致しまする時には、其の輸入商品の賣拂ひに依つて生じました金の中から輸出品の買取りに要します金を支拂ふ、斯樣な關係になつて居りまするので、資金は五千萬圓でございまするけれども別段此の資金の操作に當りましては、尨大な此の輸出入を賄ふ上に於きまして支障がない譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=16
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017・井川忠雄
○井川忠雄君 私は此の内地に於ける物價政策から見ましても、是非放府の方で相當大きな「クレヂット」を海外に御起し下さることが日本の爲に宜いんぢゃないかと思ふのでありますが、昨日調査會の形式で大藏大臣あたりから御懇談がありました際にもさう云ふ問題もちらほら出て居りました、どうしても聯合國、殊に「アメリカ」あたりから大きな「クレヂット」でも得まして、物資でも相當入つて來なければ、日本の戰後經濟の建直しと云ふことはむづかしいんぢやないかと思はれます、先程申しました五千五百萬「ドル」の「クレヂット」、是は「ワシントン」電報でありまして、相當確實に向ふは書いて居りますし、承れば日本の新聞には掲載禁止になつて居るとか、云ふことでありますが、斯う云ふことは禁止なさらないでどんどん御發表になると同時に、其の金額はもつと御増しになつてそれで之を「レヴォルヴィング・クレヂット」に直しまして、相當長期に亘つて而も低利に獲得せらるることが非常に日本の爲に宜いんぢやないかと、斯う思つて居ります、殊に「アメリカ」は御承知の通り世界の金の殆ど大部分と云ふものを掻き集めてしまつて居りまして、此の儘世界が金本位制度に歸らぬ際には「アメリカ」自身が寶の持腐れになる虞があるのであります、私日米交渉に關係して居りました際には、さう云ふ關係で向ふの當局にも話しました、向ふも全然同じやうな意見を持つて居りました、從つてあちらの金を「リマーク」するなり何なりしてこちらが相當の「クレヂット」を得ると云ふことは非常に向ふの爲にもなるのぢやないかと思ひます是非御當局の御力添に依りましてさう云ふことが早く實現するやうにして、一日も早く正常な貿易状態に還る、其の時を以て同時に日本の金基礎に基いた貨幣の切下でもやられまして、我が國際、國内經濟共に本當の意味の建直しを實現するやうに御努力下さることが望ましいやうに考へます、只今の處政府としてはさう云ふやうな御考は別にございませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=17
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018・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 井川委員の御注意は誠に御尤もでございまして、實は私も民間から貿易廳に入りまして、一番先に其の點を考へましたのであります、就任の挨拶に參りました時に、向ふの經濟科學局の大將である「マアカット」少將と、是は本當に非公式に唯懇談しまして、實は私の希望を今の井川委員の仰しやつたやうな希望を述べたのであります、でありまするが、恐らくは向うの方、所謂聯合軍としまして、今まだ講和條約も出來ない前に斯う云ふ、「クレヂット」と云ふやうな問題を決めることは、非常に何と言ひますか「デリケート」な問題であると云ふやうなことを申して居つたのであります、と申しますのは恐らく色々各國との關係もあるのぢやないかと云ふやうに想像されるのであります、私も其の點に付ては向ふの氣持が十分察しられたものでありますから、強ひて深くは入らなかつたのでありますが向ふの申しまするには、要するに日本は今政治的にも安定を缺いて居る、新らしい憲法を出して、更に附屬の法規が出て來て、それで初めて日本の法律、政治の詰り行き道が決まるのである、と同時に金融非常措置に依りまして、經濟の安定もまだ出來て居らぬ、まあ賠償施設の撤去が確定しなければ矢張り生産の方面に付ても見込と劃然たる見透しが立ちにくい状態である、さう云ふ際に日本の圓と云ふものに對して、誰が本當に正確な評價をし得るかと云ふこ、を申しました、私も至極同感でありまして、其のことに付きましては歸りまして皆に話をしましたのですが、要するに日本としましては、早く「クレヂット」を設置して貰はなければならぬと云ふ場合には、少くともこちらの體制を早く安定させて、各國が或程度圓に對する評價が出來る立場迄に到達しなければならぬのぢやないかと云ふやうに考へて居るのであります、事實申しますると、今「クレヂット」と申しても期限、或は金利、或は金額と云ふやうなものをはつきり決めた約定はして居りませぬけれども、今申しました通り「オーバー・ドラフト」と云ふやうな勘定で、何となく日本に大きな融通をして居ると云ふことだけは確かでありまするので、講和條約も出來ませぬ現状に於ては、貿易廳としては是で滿足して行かなければならぬと云ふやうに考へて居るのでありますが、併し若し他に「クレヂット」設定と云ふやうなことに付ての適當な方法でもありますれば、御示し願へれば我々としては最善の努力をしたいと思つて居るのであります、尚又「クレヂット」設定に付ての向ふの意見は、私は日本はまあ一種の破産状態であるのだから、兩方の帳尻を合せるには或程度の「クレヂット」を設定して貰はなければ日本の圓と云ふものは、恐らくは相當長い間安定しないのぢやないかと云ふやうに考へまして、其の話をしましたのですが、矢張り其の時も向ふは一切「クレヂット」と云ふ話は成るべく避けるやうにして居つた點から考へますと、多分是は日本が本當に對等の附合の出來る迄は物にならぬのぢやないかと云ふやうに、私はまあ私個人としてさう云ふやうな感じを持つたのでありますが、併し若し又それが間違って居ると云ふやうなことでありましたら、御教へ願へれば我我としては出來るだけ何か安定した大きな「クレヂット」があれば是から計畫も樹つのでありますから、其の方に行きたいと斯う考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=18
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019・井川忠雄
○井川忠雄君 私だけ質問濟してみませぬが、もう一つ御伺ひします、是は私が傳へ聞いた所でありますから、どの程度迄眞を穿つて居るか分りませぬが、賠償施設の撤去の問題に關係しまして、中國側に對して司令部の方から、一體どう云ふ施設を何時迄に、何處へ持つて行つて設備する意思であるかと云ふ質問を出されたと云ふやうに聞いて居りますが、折角日本から日本の色々な施設を壊して持つて行きましても、直ちに向ふで作業開始と云ふやうなことは、立地條件其の他のことで色々むづかしいと云ふやうに聞いて居ります從つて物に依つては話合に依つて少くとも平和産業である限りは、日本に於て作業を繼續すること相當長期に亘つて許されるものがありやせぬか、或は永久に許されるやうなものがありやせぬか、其の製品を以て決濟すると云ふやうなことも可能性が湧いて來るのぢやないかと思はれます、「クレヂット」などを容易に得られぬと云ふやうな情勢でありますれば、益益以て我が國としては輸出に依つて受取勘定を殖やして行くと云ふ以外に手はないと思ひます、實はさう云ふ方面に向つて政府として格段の御努力を拂つて戴くやうに御願ひ致したいと思ひます、是は民間の賠償施設として指定せられた方々の中からも非常に熱烈な要望があるやうでありますから、どうか貿易廳ありたが、貿易と云ふ建前から、國際貸借の國際尻と云ふやうな建前から特に御努力を願はねばなるまいと思ひます、最後に私の希望として申上げて置きます私は是で……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=19
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020・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 只今の御注意も誠に結構なことでございまして、實は此の點に付て商工大臣も亦非常に熱心に向ふの方へ交渉して戴いて居るのであります、指定されたもので果してどれとどれが本當に持つて行かれるのかと云ふことに付ては、まだ向ふも申しませぬし、こちらもはつきり分らないのでありますが、少くとも貿易に關して直接私共の感じて居りまするものは、例へば時計の工場、「セルロイド」の工場、又人絹關係に非常に大きな關係を持つて居りまする苛性「ソーダ」の工場斯う云ふものは日本が是から輸出貿易に於て大いに一つやらなければならぬと云ふやうなものでますので、斯う云ふ種類のものに付きましては、商工大臣から特に御盡力を願つて居りまする外に、我々の方からも豫て「フォーレン・トレード・デヴィジョン」に對して斯う云ふものに對する特別の考慮を拂つて戴きたい、是非斯う云ふものは除外して貰ひたいと云ふ御願を既に數回に亘つて申出て居るのであります、其の中時計の工場は取らぬ筈だと云ふやうなことを向ふは言うて居つたのでありますが、併しまだ除外はして居らぬやうでありますから、はつきりしたことを申上げにくいのでありますが、御承知の通り日本としては、時計のやうなものは是から日本の輸出工業としては一番發展さして行きたいと云ふ大きな品目の一つでありますので、今後も御注意に基きまして出來るだけ向ふにさう云ふ了解を得たいと云ふやうに思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=20
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021・井川忠雄
○井川忠雄君 是非一つさう云ふ御努力を我が國の經濟界の爲に御願ひ致したいと思ひます、私の質問は是で一應打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=21
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022・太田半六
○太田半六君 ちよつと御當局に御尋ねしたいのですが、日本の現状から鑑みますと、貿易の促進を圖ると云ふことが絶對に必要であることは言を俟たないのであります、又此の貿易資金特別會計法から言ひましても、運營上貿易の促進が絶對に必要だらうと思ふのであります、茲に配付せられましたものに輸出品目が載つて居るのでありますが現在、是等のものが輸出せられて居るのでありまして、今後も是等のものが輸出せられるのだらうと思ふのでありますが、是等の品目の製品を製造致しますには、色々な資材が必要なのでありますが、現在の資材の配給状態から見ますと云ふと、是等の製品の生産を増加しますのは極めて困難であるのではないか知らんと思はれる、私は聞く所に依ると、是等の原料資材が全體的に不足をして居ることは申す迄もありませぬが、相當現在に於ても物資が偏在をして居るやうに聞いて居るのであります、或所には相當の資材が死藏せられて居るやうなことに聞いて居るのです、是等の輸出品を促進する上に於ても、是等の物資の配給をもう少し圓滑にやつて戴きたいと思ひます、それから現在死藏されて居るやうな物は、是は政府の何か御力に依つて、さう云ふことのないやうにして、戴くことが出來ないものでせうか、是等の點に付て御當局の御方針を承つて見たいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=22
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023・岡村武
○政府委員(岡村武君) 只今の御尋は大切な輸出品を作る爲の原材料れるが確保さかどうかと云ふ問題と、それに關聯致しまして、物資の最有效利用、特に在庫品の利用に付て如何なる確保策が執られて居るかと云ふ御尋であらうと思ひますが、先づ輸出品の原材料に付きしまては、只今申されましたやうに誠に大切でございまして最優先の手當を爲すべきものと存ぜられるのでございます、從ひまして現在物資の需給に付きましては、物資需給計畫を策定、實施運用致して居るのでございます、此の需給計畫に基きまして、輸出品製造用の重要原料に付きましては之を特定致しまして、其の確保を圖つて居るのでございます、即ち毎回半期毎に輸出品の製造に要します資材を要求致しまして、是は需給計畫に入れて確保致されますと、其の枠の中に於きまして其の主要資材を入手配分する、斯樣なことに相成るのであります、併しながら現在の輸出物資の需給状況から見まして、此の枠を全部確保致しましても、輸品の生産に十分だと申出せないのであります、そこで貿易廳と致しましては、先般輸出品用原材料株式會社と云ふものを設立致しまして、輸出品の原材料特に鋼材と木材及包裝材料が其の主體を成すものでございますけれども、輸出品の大宗でございます繊維製品及機械製品、又雜貨斯樣なものに付きまして、其の所要の資材並に包裝資材の人手確保配分を爲して居るのでございます是等の活動に今後期待致したいと思ふのであります、尚在庫品の利用に付きましても、只今御述べになりました通りでございます、政府と致しましては戰時中は勿論のこと、戰後に於きましても、隱退藏物資の調査を致しまして、其の不急不用部分は之を買上げまして最も必要とする部分に再配分を致す處置を執つて居るのでございますが、是は數量的に必ずしも大きなものではございませぬけれども、物資需給計畫の一環として採り上げまして、只今御述べになりました趣旨に付きまして其の有效利用を確保して居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=23
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024・川上嘉市
○川上嘉市君 今年度の下期の輸出の表を此處に頂戴致しましたが是は目標でありますか、或は實際の豫定が此の位にと云ふ、現状から御判斷になつて居るのでありますか、それを承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=24
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025・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 此處に差上げましたのは、下期の輸出の表と云ふことになつて居るのでありますが、是は貿易廳として出來る限りの努力を致しまして實現したい目標であります、唯之に要します資材のことは、只今岡村局長から申しました通り、資材の點で國内の物は最優先的に確保されつつあるのでありまするが、其の外に海外から原材料を仰がなければならぬものが相當にあるのであります、之に付きましては既に度々司令部の方へも御願しまして、或物は大體了解を得て、又現實に入りつつあるものもあるのであります、物に依りまして國際的に非常に不足して居る物、世界的に割當をしなければならぬと云ふやうな物があるのでありまして、さう云ふものに付きましてはなかなか日本に迄廻つて來るのは因難であると云ふやうな物も現實に少し出て居ります、本廳と致しましては最大限に是だけ出したいと思つて居りますが、或は一部分實現しないものも出て來るのではないか、其の外にまだ此の計畫に載つて居りませぬものでも、既に追加にぼつぼつ出して居るものもあります、さう云ふ物と合せまして是だけは是非年内に出したいと、斯う云ふやうに思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=25
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026・川上嘉市
○川上嘉市君 輸出品の價格でございますが、只今製造者が慥か値段は製販價格、製造販質價格と云ふものを立てて居りますが、それに實は内地でありました時には物品税が、或種類、例へば樂器だとか蓄音器だとか、百「パーセント」掛りますのですが、其の百「パーセント」掛けても、假に外國へ出す時に向ふで購買力として其の値段で宜いと云ふ、斯う云ふ場合に其の税に相當するだけの値段と云ふものをどう云ふ風に御取扱になるのですか、實は或種類に依つては製販價格と、それから直接に小賣する値段と較べますと云ふと、そこに二割位の差がありますので輸出に一生懸命になつて居る製造會社は内地に賣つた方が遙かに得だと云ふやうな結果になる時、其の輸出の方が國としては獎勵すべきものが、却つて國内に向ふと云ふやうなことになるのですが、其の時に對する處置は如何です発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=26
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027・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 輸出の値段でありますが、國内でどう云ふ統制價格であらうが、海外に於て全然關係がないのでありまして自然今迄時々輸出の「インボイス」に國内の統制價格などを書いたのでありますが、是が却つてこんな安いものだつたらそんなに高く賣る必要がないぢやないかと云ふ誤解を招いてもいけないので、一切書かないことに致したのであります、併し其の代り今の御話のやうな、國内で相當に高いものでも、向ふへ行つて假りに爲替を十五に決めまして、十五に換算して、それだけの「ドル」が得られるかどうかと云ふことに付ても、向ふとしては何等それに考慮を拂はないのであります、自然貿易廳の方としましては、出來得るならばこちらから出したものは「インボイス」に書いてないが、こちらで値段が分つて居るのだから、向ふでそれぞれの國に賣れた値段を或程度「ドル」に評價したもので知りたいと云ふことを再三申出して居るのでありますけれども、それも考へては見ようと云ふことになつて居りますのですが、未だに一遍も知らして來ない、我々としては生糸の賣値段にしましても、寧ろ新聞で知つて居ると云ふやうな程度でありまして、向ふの「トレード・ディヴィジョン」の方からお前のものが幾らで賣れたと云ふやうなことは一切言つて來ないのであります、尚物品税のことに付ては他の政府委員から御答へ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=27
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028・岡村武
○政府委員(岡村武君) 輸出品に課せられまする物品税に付きましては、從來確かに御示しの如き矛盾と不都合があつたかと存ぜられるのでありまするが、先般聯合軍總司令部の指示及び打合せに依りまして、本年九月一日以降は、物税品は製造、消費共、輸出に付きましては免税になつて居ります、從ひまして寫眞機の如き奢侈品に付きましては、十割、十二割の非常に高率の税が掛つて居つた爲にそれを含めました價格が非常に高いやうに感ぜられたのでございます、今後は裸の値段になりまする爲に、只今御尋ねになりましたやうな心配はなからうかと存ぜられます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=28
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029・鏑木忠正
○鏑木忠正君 此の輸入計畫一覽表を見ますと、石油類として相當額が計上されて居りますが、此の石油には交通緩和に要する油類が矢張り入つて居りすまかどうか、御伺ひしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=29
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030・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 交通緩和に要する油と言ひますと、「ガソリン」でございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=30
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031・鏑木忠正
○鏑木忠正君 左樣でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=31
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032・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 是は實は申上げて宜いかどうか、此の頃うつかり物を言ひますと直ぐ叱られるのでありまして、どうかと思ふのでございますが、「ガソリン」に付ては、所謂精製したものに付ては割合に寛大に入れて呉れるやうになつて居ります、現に九月十日迄でも相當の量が入つて居るのであります、一億六千五百萬圓も入つて居ります、今後も日本にある自動車の運轉に困るやうなことはさせないと云ふやうに言うて呉れて居るのであります、併し是はまだはつきりしたことは分りませぬ、總て輸入品に付ては「ハワイ」を出てからでなければ貿易廳の方へ何も言つて來ない、前以てお前の方へは小麥粉は幾ら今年はやれると云ふやうな計畫を知らせて戴けると、こつちは萬事都合が宜いのでありますが、愈愈日本に着く十日、一週間、位前でないと向ふから言つて來ないと云ふやうな状態でありまして、非常にやりにくいのであります、此の前に參りました「フレーミング」と云ふ方には、私は新任匆々でありましたが其の點に付て私から能く話して御願をして居つたのであります、「ワシントン」へ行つたら能く話を傳へて置かうと云ふことでありましたが、「フレーミング」さんの御意向では、三箇月位前、四半期位前に向ふが許し得るであらうと思はれる輸入物資に付ては、大體知らしてやりたいと云ふやうな話をして呉れたのであります、併し是も「ワシントン」へ行つてどうなるか分らぬと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=32
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033・鏑木忠正
○鏑木忠正君 只今御話を聽きまして甚だ喜んで居る次第でございますが、巷の噂に依りますと、今年の末頃には「ガソリン」統制が解けて殆ど自由になるのぢやなからうかと云ふやうに聞いて居るのであります、何に致しましても現在食糧問題が大體片付いて、次に來るものは住宅問題と交通問題と思ひます、交通を緩和すると云ふことは如何なる方面に於きましても必要なことでありますから、此の計畫を見まして甚だ喜んで居る次第であります、一層此の方面に力を注いで戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=33
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034・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 只今申上げました點に付きまして、少し言葉が足りなかつたかと思ふのでありますが、司令部の方でも、日本の鐵道交通などに付ては非常に心配して居りまして、何とかして早く緩和をしなければならぬ、それから農産物の所謂都市への配給に付ても是非廻してやらなければならぬ、斯う云ふものに對する「ガソリン」の供給は出來るだけ事缺かぬやうにしてやらうと云ふのでありまして、一般の乘用車などに付て樂になると云ふことは、恐らく望めないのぢやないかと斯う考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=34
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035・渡邊三郎
○渡邊三郎君 今日は大臣閣下が御見えになられませぬが、御都合如何ですか、大臣に御願をしたいと思ふのですが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=35
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036・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) ちよつと御待ちを願ひたい、今連絡を付けます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=36
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037・渡邊三郎
○渡邊三郎君 只今「ガソリン」の問題に付て御話がございましたそれに付て重油ですが、燃料の重油は船あたりに付ては相當何でございませうが、石炭が斯う云ふ事情でございますから、火を使ふ製鐵事業あたりに重油を廻す、是は七、八月には三千「トン」或は七千「トン」だつたか數字ははつきり致しませぬが、其の中の相當量を製鐵事業に差向けて呉れると云ふことで、何日頃は相當入手出來ると云ふやうなことから、石炭の割當なんかにも影響致したことがございましたが、其の後どうなつて居りますか、一つ承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=37
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038・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 重油に付きましては燃料用、精製用、又製鐵用ですが、此の三通りある譯であります、精製用に付ては、日本としましても、是非重油を入れて貰へれば、「ガソリン」を餘計買ふよりも外に「バイ・プロダクト」が多いですから、非常に外貨勘定に好都合である、延いて申しますれば更に餘計の重油を買へるのであるからと云ふので、其の必要は十分認めて居るのでありますが是は今、の所、望みがないやうに考へられるのであります、それから燃料用に付きましては、向ふの司令部の方の御意嚮を探つて見ますと、燃料に斯う云ふものを入れたら日本の石炭の増産に非常な刺戟にならぬと云ふことになる、「インペタス」と云つて居りますが、「インペタス」にならぬと、斯う言ふのです、日本は石炭が出ない出ないと云ふが、まだ方法に依つては幾らも餘計に出來る見込があると云ふ、其の方法を全部盡さぬで重油などを燃料に要求するのは間違つて居るのだと云ふやうに、向ふは言うて居るのであります、さう云ふ意味から申しましても、今燃料用に重油の輸入を仰ぐと云ふことは困難ではないかと、斯う云ふやうに思ひます、又第三の製鐵用でありますが、現に日本としましては、今仰つしやいましたやうに、色々産業の復興再建と云ふことに付きまして、鋼材、銑鐵の生産が非常に少いものですから、若し出來るなら斯う云ふものを原材料で入れて戴きたい、若し出來なければ、せめて斯う云ふ鋼材、銑鐵を造る爲に石炭が非常に少いのであるから、其の補充にでも入れて貰ひたいと云ふことを、又方法を變へて今懇請中でありますが之に付きもまだはつきりしたことは申上げ兼ねるのでありまして、非常に困難ではないかと思はれるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=38
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039・渡邊三郎
○渡邊三郎君 只今の御答で能く分りました、是非今の御話の産業復興に必要なる鋼材の生産を上げるのに燃料用の重油は必要でありますから、此の點に付ては一層の政府御當局の御盡力を切望する次第であります、有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=39
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040・畠山一清
○畠山一清君 輸出入實績の表にありまする數字は、國内の統制價格に依つたものであると云ふ御話でありまするが、此の中で輸出をしたものは、先方で或は入札に付して販賣をすると云ふやうなことがあると云ふことですが、さう云ふやうな方面から、推定と申しますか、概算推定でもせられて居りまして、茲に書いてある表の圓は「ドル」に直すとどの位であるかと云ふことは御推定でもありましたならば一つ伺はせて戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=40
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041・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 先刻井川さんの御質問に對して御答へしましたやうに、「ドル」と「圓」との換算率がどう云ふものであるかと云ふことは付て、實際全然根據がない譯であつて自然今巷間で傳へられて居りましたり、或は「アメリカ」の兵隊さんが本國へ送金する「レート」は十五圓が一「ドル」だと云ふやうな話がありますが、此の十五圓を一「ドル」に假にしまして決めたやうな場合に、綿絲の如きは若し今の相場で「アメリカ」の「ニューヨーク」の定期の相場から其の比率を換算して見ますと、今の日本の統制價格と云ふものは相當に低いのであります又こちらから出します生絲の値段の如きは……餘り言はぬ方が宜いらしいですから、どうぞ一つ……、實は此の點に付きましては、私共のやうに長い間業界に居りまして貿易をやつて居つた者は、何だか暗がりの中で手探りで仕事をやつて居るやうな状態で、非常にやりにくいのであります、殊に大きな責任を持ちまして、何百と云ふ貿易商の輸出入をやつて居りますと、非常にやりにくいものでありますから斯う云ふ點に付きましては、實は最近向ふから新任して見えました「マクダアモット」氏是は今「フォーレン、トレード・デヴィジョン」の「チーフ」でありますが、此の人に此の間も斯う云ふ點について、日本から賣つた物品に對する外國は相場又は其の輸出品の實際に賣れた値段と云ふやうなものが、若し一部分でも分れば非常に宜い、同時に向ふからこちらへ輸入された物で、向ふの値段が棉とか小麥の如きは分つて居りますが、さう云ふものの一部分でも分れば宜いと云ふ氣持で、向ふの情報をもう少し呉れぬか、日本は餘りに世界の經濟に離れて居るのだからと云ふ話をして、初めに來た時に頼んだら非常に話がし易いと思ひまして頼みましたが併しどうも向ふの話では、それを決めてどう云ふ爲替でお前はそれでは直ぐ直すのかと云ふことを言はれると、實際意味を成さぬことになるのであります、三十圓でやつて宜いのやら、十五圓でやつて宜いのやら、五十圓でやつて宜いのやら、其の間の「リンク」すべき爲替の「レート」が決まらぬのに何の得があるかと、斯う云ふやうに言はれたのであります、さうなると、どうもそれ以上追求しても工合が悪いと云ふので、此の間は別れて歸りました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=41
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042・畠山一清
○畠山一清君 さう云ふやうな御言葉でありまするならば、それ以上は伺ふことが出來ないのでありますが、今一つ伺ひたいことは現在のやうな状態、謂はば「アメリカ」と日本の國家管理的の貿易がどの程度持續して行かれるものでありますか、又明年中位には講和の締結が出來るとしましても、直ぐに自由貿易になり得るものでありませうか、又見方に依りましては、軍需品其の他の取締と云ふやうなことがありまするから、或程度矢張り統制管理が續くのぢやないか、斯う云ふやうにも考へられるのでありますが、さう云ふ點に付て御當局の見透しは如何でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=42
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043・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 特に見透しと申しましても、自信のあることは、又根據のあることは何もないのでありますが、私も畠山委員と同じく貿易廳へ民間から入りまして、其の點は一番民間でも知りたがつて居つした、同時に私自身も知りたいと思つて居つたので先程井川委員に御答へしましたやうに、就任の挨拶匆々、其の點に付て向ふの意見を聽いたのでありまするが、又此の間新任された「マクダァモット」氏にも其の話を重ねて私個人としての意見で聽いたのでありまするが、向ふの話は寧ろ日本が何時政治的に安定し又は平和的、民主的の國家になり其の賠償撤去の點は向ふにあるのでありますが、所謂擬制資本を一掃して、本當の日本の經濟の安定と云ふものは、お前何時やつて呉れるのだと云ふ反問を受けると云ふやうな有樣でありまして、自然其の點に付て私共もはつきりした見透しが申上げ兼ねるのでありますが、先づ平和條約が出來まして日本も對等の立場になりますればそれから以後は餘り遠くない機會に出來るのぢやないかと、斯う云ふやうに私は考へて居りまして、又其の點もこちらから反問したのでありますが、どうも日本は「イタリー」なんかと全然事情が違ふと云ふやうな意見もあるのであります、と申しますのは、さう急に自由な立場になれぬと云ふ意味ではないかと、斯う云ふ風に考へられるのであります、何れにしましても、今のやうな状態で長く續くと云ふことは、全然もう暗中摸索でありまして、方針、計畫の立てやうもないと云ふやうな状態でありますが、斯う云ふ點は相當に早く改善され得るのぢやないかと云ふやうに、私共は希望的の考を持つて居るのであります、併し假りに日本が自主的になりましたとしましても、少くとも輸入に付ては相當強力な制限を矢張り加へて行かなければ、現在のやうに買はなければならぬ物は事實並べ立てますれば、何百億あつても足りぬと云ふやうな状態であります、一方輸出の方は、原材料自體すら國内に十分なものがない、是も外國から仰がなければならぬ物が可なりあるのでありまして、斯う云ふ點から考へまして、輸出は國内の生産力、或は原材料關係で非常に大きな制約を受けつつ進まなければならぬと云ふ状態を考へますと、更にそれの見返り輸入しなければならぬ物を極度に統制して行かなければ、なかなか貿易の「バランス」を合せて行くと云ふ點に付ては、可なりむづかしい問題があるのではないか、其處に井川委員の御話の「クレヂット」と云ふ問題が起つて來る譯でありますが、是も向ふ次第でありまして、それでは何時になつたら相當な程度の「クレヂット」を設定して呉れるかと云ふことになりますと、全然見透しも付きませぬので、折角の御質問でありますが、餘りはつきりしたことを申し兼ねるのであります、是は別に祕密でやつて居ると云ふやうな氣持ではなくて、全然分らないのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=43
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044・畠山一清
○畠山一清君 只今の御話で、講和が出來ますると云ふと、其のうちと云ふやうなことでありませうか、貿易が自由になると云ふやうな御話に伺つたのでありまするがさうしますと、關税自主權に付ての御見透しは如何でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=44
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045・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 貿易が或程度自由に許されると云ふ事態が假に合に早く來ますとしましても、貿易の物資、例へば向ふから輸入して呉れると云ふ物に付ての相當な矢張り制限はあるのではないかと云ふやうに思はれるのでありますが、自然關税の自主權と云ふやうなことに付きましても、それに伴つて或程度制限を受けるのぢやないかと云ふやうな、そんな弱い氣持ぢやいかぬのかも知れませぬが、受けざるを得ないのぢやないかと、斯う云ふやうに思つて居りますが、御承知の通り、今度所謂貿易の憲章と云ふものを「アメリカ」が提案しまして、「ロンドン」で會議が十月十五日から開かれますが、あの趣旨に依りますれば、各國がそれぞれ國際的の分業に進むと云ふ方に成るべくやつたらどうか、同時に關税と云ふやうなものも出來るだけ下げて、今迄のやうな所謂「アウタルキー」と云ふやうなことは出來るだけなくしたらどうかと云ふやうな提案のやうに、私は讀んで居つたのでありますが、さう云ふ點から考へまして、日本自體が或種の工業を復活させる爲に、それに對する高率な關税と云ふやうな場合にも、相手に對して相當な了解を得る必要があるのではないかと云ふやうに考へて居りますが、甚だ不滿足な答辯でありまして、事實私には餘りはつきり分り兼ねるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=45
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046・畠山一清
○畠山一清君 日本のやうな資源に乏しい國でありましては、唯一の資本は勞力にある譯でありますから、其の勞力に依る生産を世界的に活用させるより外には、國の發展の方法はないのでありましてそれに付ては、此の關税問題でありますとか、貿易問題でありますとか云ふやうなことが重大なことであらうと思ふのであります、此の點に付てどうか御當局の一層の御奮勵、御努力を希望致したいのであります、只今御話のやうに、今はなんともまだ未定の時代でありませうが、軈て段々はつきりして來る時代が來ると思ふのです、一層の一つ御努力を御願ひ致したいと思ひます、尚是等に付て追々と御分りになつてはつきりして來る場面が出來ると思ひます、さう云ふ時には一つ國内の生産方法に付てさう云ふやうなことを御示しになつて、さうして生産の御獎勵を願ひたい、斯う云ふやうに考へて居ります、どうぞ御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=46
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047・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 御注意誠に有難うございました、貿易廳としましても、又商工省としましても、此の點に付ては十分の注意を拂ひ、又先を或程度見透しを付けて進まなければならぬと云ふことは、能く了解して居ります、何分にも此の關税と云ふものは、爲替と云ふことと離れて考へられるものではないのでありまして、無論爲替が十五圓で決まるか、或は三十圓で決まるか、或は二十圓で決まるかと云ふやうなことが、それが骨子になる譯でありまぬ、自然其の決り方に依つて日本の生産品が外國にどう云ふ風に出て行くかと云ふことが決まる、其の生産品の中でも輸入品、輸入原材料を主としたもの或は國内だけの原材料を主としたものと云ふやうなもので、相當に大きな變化が起つて來るのだと思ひます、さう云ふ點も考へ合せまして、要するに日本としては現在殘された産業設備を中心にしまして、それが出來るだけ最大限の能力を發揮して生産をして行く、それを大部分輸出の方に持つて行かなければならないと云ふやうな立場にありますので、さう云ふことを考に置きまして、一つ善處致したいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=47
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048・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) 綜合的な方面の御質問がなければ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=48
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049・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 御質問がなければ、最後に一言御願したいのですが発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=49
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050・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) 此處で逐條に入つても宜しうございますが、松尾さんのは逐條ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=50
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051・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 許して戴ければ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=51
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052・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) それではどうぞ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=52
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053・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 昨日から委員の皆さんからの御質問で、大體したい質問もあつたのですが、それは聽きましたので能く分りましたが、木材の輸入關係のことでちよつと申上げて見たいと思ふのでありますが、御承知の通り木材は戰時中と雖も無暗矢鱈に伐りまくり又現在も進駐軍の住宅關係あたりの木材の爲に、非常に思ひ切つて伐つて居ります、併し是がどうしても今後の復興は、矢張り私は外材を待たなければ出來ないのぢやないかと斯う云ふやうなことを思つて居るのですが、其の外材に對して色々成るべく抑へなければならぬと云ふ關係もあるでせうが、どの位入れると云ふ御氣持があるのか、又入るとすればどの位まあ入れると云ふ氣持があるのか、それをちよつと政府に御尋したいことと、此の兩案に對しては私は非常に賛成して居るのでありますけれども、此の營團、特に住宅營團とか、此の營團と云ふものの仕事の仕振りを今日迄私は眺めてかるが、其の仕事は實際に於て二億萬圓の資本を使つて、二億萬圓の資本を喰ふと云ふ仕事振りであると云ふやうに見て居るのですが、それに付て……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=53
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054・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) 松尾委員にちよつと中途で伺ひますが營團のことで……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=54
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055・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 營團のことをちよつと代理して申上げたいと思ふのであります、先程の所で輸入木材はどの位入つて來るかと云ふことをちよつと先に御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=55
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056・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 木材に付きましては、下期の輸入要請の中に入れてありましたのは、實は「ラワン」材、主として進駐軍用の施設のために使ふ南洋木材だけを入れて置きましたのであります處が先般金融緊急措置令なり、或は賠償の施設撤去と云ふやうなことで、更に非常に失業者が澤山出來る、是の救濟には一方輸出振興の爲の資材を作らなければならぬ又其の他に其の爲に實は特別に早く入れて戴きたい物と云ふやうな種類を指摘しまして、さうしてそれを懇請したのであります、其の時に總理の御話で私も誠に御尤もだと思ひましたのは、幸ひ司令部の御好意に基きまして、食糧が先づどうやら斯うやらまあ危機が突破出來た、あれだけ不安であつたのがどうやら斯うやら八月、九月迄無常に濟んだ、又衣類の方は國内放出と云ふやうな所迄行きませぬが、僅かに漁網、是は食糧關係で漁網の製造が許されたのでありますが、是も極く小部分でありますけれども、既に先程申しましたやうに四十六萬三千俵と云ふ棉が大量に入つて來て居ります、何れ初の計畫なり、大體打合せの通り此の製品を相當程度海外へ輸出しますれば、後は國内にも出して戴く、さうなりますと、衣と食の問題は兎に角片付いたのですが、片付いたと云ふと語弊がありますが何とか今切り拔けられ得る見込が立つたが、第三の住の問題は依然として海外から裸で歸還される人人があるし、又燒跡が十分復興して居ないから、自然住宅の問題に付て、一體木材はどうなつて居るのだ、どうも日本では足りないのだから、日本に木材を入れなければならないのぢやないかと云ふ總理の御話がありまして、頼んだ譯でありまして、實は誠に御尤もなことでありまして、直ぐ木材の輸入に付きまして色々調べましたのであります、一方食糧なり棉なりが入りまして、陸揚設備が或程度不足して居りますので、貿易廳としまして、初に考へました數字の通りは年内に入れて貰ふと云ふ要請を出すことが出來なかつたのであります、併し出來るだけと云ふ譯で、矢張り或一定の數字を出しまして、それを懇請したのであります、既に二回懇請しましたのでありまするが、木材は私共の豫想に反して實は世界的に非常に足りない、「アメリカ」でも勿論全然足りない、まあ司令部の話を其の儘申上げますれば、今入れ得る可能性のあるのはまあ「カナダ」と「ロシヤ」ぢやないかと云ふやうな御話でありました、向ふも出來得るだけ一つあちこち電報で照會して希望の數字の一部分でも入れてやりたいが、併し何分にも今世界的に是は不足して居るものであるから、何等の約束も出來ないと云ふやうなことでありました、又入れるにしましても、年内にはさう大きな期待が持てないやうに感じられるのであります、非常にそれだけが少いらしいのであります今數字は申上げにくいのでありますが、まだ向ふから何にも了解を得て居りませぬので申上げにくいのでありますが、大きな數字は期待しにくいので、入るか入らぬかと云ふことに付ても、向ふから確約を得て居らぬので、近日中に出ましてもう一通最後的の話合をしたいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=56
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057・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) ちよつと申上げますが、先程御通告の商工大臣が御出席になりましたが此の際大臣に御質問の方は御先に、大臣の御都合もおありでせうから……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=57
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058・渡邊三郎
○渡邊三郎君 大臣の御忙しいのに甚だ恐縮でございますが、輸入のことで先程も御話がございましたので、便利だから買ふ買ふと輸入を致しても、それの決濟が出來ぬことになつては甚だ困るので、大變な問題でございませう、例へば鐵の問題などはどう云ふものを只今も申請されて居られませうか如何でございませうか、今後どんなものを輸入をされるのでありますか、尚それに付て手前達の考をちよつと附加へて申上げますれば内地は御承知の通り國防と云ふことで、是迄經濟問題でございましたが、鐵が日本に甚だ困難な事情にあつたが、其の點に於て相當發展をした譯であります、曲りなりにも甚だ不十分ながら、何も彼も御承知の通り、成分と言ひ形と言ひ、大きさから言つて、數百種に上ぼるのであります、それを作り出す工場なり機械が、今日は昔と違つて相當專門的なものになつて居りますが、輸入をなされる上に於て、今現に斯う云ふ事情では直ぐに間に合はぬと云ふことで已むを得ませぬが、今の鐵工業など甚だばらばらなりになつて居りますが、民間の人達も協力して、例へば「レール」なら「レール」を作らなければならぬと云ふことなら、日鐵あたりの工場のことを政府の方でも御援助なり御指對なりになつて、それをやれば輸入しなくても片付く、餘りにも日本の製鐵事業が、日鐵邊りでも、將來日本の製鐵事業を發展する爲に……日鐵邊りに色々な種類の物を皆持つて行つて居られるのでありますでありますから是等を能く整理をなさり、輸入する物を民間が手分けしてやつたならば、相當間に合ひもし、強化して行くのではなからうか、それで唯此の際鐵が足りないと云ふ譯で色々な種類を致されると云ふやうなことが如何でございますか、折角作り上げた技術は精神的にも……なかなか手間取る譯でございます、是がすつかり又明治初年のやうなことになつてしまふ、失業問題も製鐵業は、相當な人間が居るので、解決が付かない、此の際政府御當局に於ても輸入と云ふものを、今急に足りないからと云ふことでなく、斯う云ふものが日本に發達すべきである此の技術なり設備はちやんとして居る、斯う云ふことを御考慮下さつて、一つ鐵あたりの輸入に付て御願ひしたい、又成るべく細かい製品でなく、材料關係も、例へば鑛石とか大きな「ビレット」とか製品に付ても一つ相當の御考慮を願ひたい、其の點を甚だ長くなりましたが……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=58
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059・星島二郎
○國務大臣(星島二郎君) 鐵の問題に付きましては、誠に憂慮すべき現段階にありますので、商工省と致しましても根本方針から致しましても、目先の仕事から言ひまますれば、實は鋼材「パイプ」其の他の製品を、或る程度迄のものを輸入を迎ぎますれば、取敢へず進駐軍用其の他役に立つのでありまして、其の要望は可成りあるのであります、併し今日本に折角發達して居りまする鑛石から採る此の鐵と、技術と、さうして殊に其の間の副産物並に勞務關係等を考慮致しますと云ふと、出來るならば鑛石を輸入して或る程度のものは賄ひたい、併しながら到底それだけでは進駐軍の關係其の他で間に合ひませぬから、取敢へず今年度に於きましては、或は明年度に於きましては、若干のものは輸入を仰がなければならぬ、是は何れ貿易廳の方から、詳しく數字に依つて御報告致したいと思ひますが併し昨日、日本鋼管も「ストライキ」をやる、是は「パイプ」を註文致して居りますのが、進駐軍用の諸設備に要りまするものが、假に是が惡化致します場合には、輸入を仰がなければならぬと云ふやうなことが、詰り起つて來る問題があるのでありますが、併し今御説のやうに其の邊の按排は、或る程度は必ず原石から製鐵する、併しそればかりにも頼れぬ揚合は、相當のものは輸入を仰がなければならぬ、併し今少しく燃料等の問題が解決しますれば、日本で當分戰災地の「スクラップ」を纒めましても、若干の製品が出來る譯でありますから、工場等に付きましては十分意を用ひて行かなければならぬ、或は從來の爐を重油で置き換へると云ふやうなことを考へまして、最上の發展を期しなければならぬと云ふことで、目下研究して居る譯でございまして、御心配の點は十分一つ今後調節を致しまして、兩方面とも日本の産業の將來に宜いやうにやつて行きたい之に付きましては議會後に於きましては鐵を、或日中心に致しました專門家にもつと廣い意味の御意見を伺つて、最後の斷を下し、さうして「ヂー・エッチ・キュー」との關聯をもつと密接にして、其の間の調節を圖つて行きたい、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=59
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060・渡邊三郎
○渡邊三郎君 誠に有難うございました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=60
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061・塚田公太
○政府委員(塚田公太君) 今の御質問に付きまして貿易關係のことに付て、聊か申上げたいと思ひまするのは、實は先程申しました通り、失業救濟と言ひますか、産業復興と云ふやうなことに付きまして、出來るだけ早く著手しなければいかぬ、それには今のどうも石炭の産出が思ふやうにならぬ、又製鐵用の粘結炭が全然入つて來て居らぬと云ふやうなことから、基礎資材は是非輸入に仰がなければ何も復興出來ないと云ふやうな氣持でありました、先般急いで年内に日本へ入つて來るものと云ふやうな譯で、鋼材或は鑄鐵、銑鐵とか云ふやうなものを或る數量頼んだ、處が銑鐵、鑄鐵管に對しては多少望もあるやうで、殊に銑鐵に付ては望もあるやうでありますが鋼材に付ては今殆ど望がないやうな譯でありまして、全然入つて來ないのでは非常に困るからと云ふので、今御話の色々な種類がありますが、其の中で最も今切實に要求されて居りまする硅素鋼板とか或は軌條でありますとか、さう云ふものに付て改めて御願ひして居るのであります、併し是も果してどの位の程度輸入して呉れるか、或は輸入して呉れぬか、是は世界的に非常に足らないのでありまして、輸入して呉れぬか分りませぬが、若し一部分輸入して呉れましても、こちらから要請しました分量の中極めて僅かな部分であらうと思ふのでありまして、先程申上げましたやうな發生爐用の重油を一方には之を入れて貰へぬ場合には入れて貰つて、一つ作りたいと云ふことにまあ努力して居る、又粘結炭の方も、最近まだ發表してはいかんと言つて居りますが、多少づつ入るのぢやないか、併し是も粘結炭だけを入れて呉れるなら非常に結構であるので、幾らでも宜いのですが、多い程結構なのですが、燃料炭と交換的にとれる云ふやうな話で、相手は矢張り中國でありまするから、どうも其の後に外の物と交換になりますと、詰り燃料が非常に唯でも少ない所に又燃料を澤山持つて行かれるのでは、如何に粘結炭は貰つても之に對して非常にまあこちらで困ると云ふやうな状態で、或一定の數量を決めまして、毎月交換すると云ふやうな所迄今話が進みつつあるのでありますが、まだ決定はして居らないからして、それが出來れば粘結炭に依る製鐵と云ふことも或程度實現出來る、斯う云ふやうに考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=61
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062・畠山一清
○畠山一清君 商工大臣に御伺ひしたいのでありますが、今度の補償打切其の他の措置に依りまして國内の生産業は非常な打撃を受けることとおもひます、新聞に依りますと大して其の打撃が多くないやうにも取れるのでありますが、何か十萬工揚中の其の特別經理會社該當は七千位で、まあ七「パーセント」にしか過ぎぬと云ふやうな事も見えて居りまするが、私の見る所ではなかなかそんなことぢや濟むものぢやないのだ、殊に中小工業に於きましては個人の財産税等の關係がありまして、殆ど全滅のやうな状態になるのぢやないか、斯う云ふやうな心配を持つて居るのでありますが、是等に對しては御當局ではどの程度に産業が解體するのであるか、それから又其の産業の打撃を産業復興營團の法案に依り其の他の法案に依つて或程度救はふと云ふ思召でありませうが、どの程度迄救ふのであるか、言ひ換へますと、此の法案がなければどの程度に産業が打撃を受けるのでありますか、それから此の法案に依つてどの程度に政府は救はふと云ふやうな思召でありますか、大體の御考を伺ひたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=62
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063・星島二郎
○國務大臣(星島二郎君) それは非常にむつかしい御尋でありまして、さりとて政府が無計畫で何も臨んで居る譯ではないのでありますが、大體に於きまして今囘の補償打切は謂はば水膨れを切開をしたと云ふやうな譯で、少し甘いと云ふ聲が多くて實は政府も迷惑をして居ります、殊に衆議院に於きまする社會黨の御議論の如きは、甘過ぎた、何故もう一歩進んで公債等の打切をしてもつと徹底しなかつたかと云ふやうな議論さへも承りまして、それが關係方面に響きまして、色々今日諸種の話合ひ迄既に起つて居る譯であるのであります、併し當面致しまして考へますのに、此の水膨れを切開致しましても、所謂産業界の王座とも目すべき繊維工業の如きものは、大體は皆整理會社にならないで行けさうな氣が致して居る所を見ますと、一面から甘かつたと云ふやうなことを言はれても仕方がないやうな結果でありまして、或は「ゴム」工業の如きも、今回の月三千「トン」當りの輸入が若し得られるならば、相當程度の仕事は出來得られるであらうとか云ふやうに、個々の仕事を拾つて行きますと、補償打切に依つても行き方依につては清新な空氣が其處に出來まして、日本の將來はまだまだやつて行ける、さう失望したものでないと云ふことは、私は言ひ得るだらうと思ふ、併し是は餘り樂觀に過ぎるかも知れませぬけれども、然らば何「パーセント」のものが困つてあとはどうだと云ふこは、是は今數字をもつて申上げ兼ねますけれども、どうも思つたよりか打切に依つて、あるひは一面非常な打撃ではありますけれども、それは戰前のやうな、或は事變中のやうなことは、それは到底夢にも見られませぬけれども、日本の人口を養ひ、相當の見返り物資を造り、日本が或程度の文化生活をし得る基礎の仕事は決して破壊されぬだらう、斯樣な見込を以ちまして、私は尠くとも、非常な御困りな、實に氣の毒千萬な中にも、一面希望を持つて之に臨んで居るやうな譯であります、唯心配して居りますのは、寧ろ賠償物資でありまして、是も「ポツダム」宣言の受諾に伴ふ結果とは言ひながら、非常な深切なる司令部の方の方針から、日本の根本の産業を壊すやうなことはしたくないのだ日本が平和に起ち上つて行くことに付ての基礎は壊したくないのだと云ふので、其の範圍に於ての色色な從來の兵器關係等の工場の撤去を命ぜられた譯でありますが、先般大體新聞にも其の外枠だけは發表になつたのでありますが、併し硫酸に致しましても「ソーダ」に致しましても、或は火力發電に致しましても、其の他あの新聞に出ましたやうなものだけを全部撤去せられますならば、是は大變なことでありまして、日本の産業が今此の補償打切後の後を承けまして起ち上るのには、とても耐へ切れませぬので、目下寧ろ主力を注いで、補償打切後に於ける整理問題よりも、寧ろ此の賠償撤去に依る面に付きまして、是非火力發電の何箇所は生かして貰ひたい「ソーダ」工業の何「パーセント」は生かして貰ひたい、或は濃硫酸の製造の若干は生かして貰ひたいと色々今數字を擧げ理由を述べて懇請致して居りまして、若干手應へがありまして、少し日本の實情を段々と調査を願ひまして、或は現地に臨んで、是は無理だ、假に時計工業の如きは是は日本人に向いた仕事で、是非大いにやりたいと云ふ政府の方針も民間の熱意も分つた、是は戰爭中兵器をして居つたから困つたことだけれども、何とか是は相談して研究して見ようと云ふやうに、最後の斷案は與へられませぬけれども、若干希望があるやうな今經過を見て居るのであります、早晩併し是は決められると思ひますが、私と致しましては、寧ろ此の方面のことは非常に心配致して居るのでありまして、一方は只今當院で審議を願つて居ります、實に此の補償打切の問題は、外科手術のやうな慘酷なものでありますけれども、併し最後の線に於きましてはやつて行ける、斯う云ふ見透しを持つて居る譯でありますが、只今數字なり色々なものを以ちまして、御説明を茲で證明申すことが出來ませぬことは甚だ遺憾でありますし、相濟まぬ譯かも知れませぬけれども、大體の氣持だけを申上げまして御答と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=63
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064・畠山一清
○畠山一清君 只今商工大臣の御話の通りでありまして、新聞其の他言論界の所謂輿論とでも申しますものか寧ろ甘と云ふやうなことでございますが、私共實際産業に從事して居る者の考から申しますると、是は非常に甘いどころの騒ぎではない、國内生産が全滅するやうな措置だと云ふやうに感じられるのであります、唯併し日本人は負け惜みの強い國民でありますから私自身にしましても、自分のこ だと、なに、大丈夫だと言ひまして、さうして何とか生き更へる手段を廻らし、さうして希望的の意見を述べるのでありますけれども、實際問題と致しまして、段々日が經ち、内容がはつきりするに從つて、非常に困難に陷つて來るのであります、でありますから私は此の今迄輿論と稱せられて居つたやうな甘いことには行かぬのぢやないかと云ふことを深く心配するものでありますが、是等に對して、從來のやうな考でやつたのでは、非常に心許ないと存ずる次第であります、假りに申しますると、此の日本の工業資本と云ふものが四百億あります、そこで此の軍需産業或は工業の資本と云ふものは二百三十三億あります、其の中に打切だけでありましても七百億でありますか、或は其の中、除外を見ましても六百億以上はあるものと存ずるのでありますが、さうすると從來の資本の三倍の打切があります、そこで時價評價に依りまして、それを償却すると致しまして、さうして資夲を九割迄打切る、それから後は時價評價で補ふと云ふやうな御話でありますが大體さう云ふことで、九割迄無くなりまして、十分の一になるのぢやないか、それで從來の十分の一の資産になるのぢやないかと、斯う云ふやうに考へるのでありますが、是は私だけの感じでありますが、或は一つの産業界から見た見方でもないかと思ひます、是等に對して今の御答辯とは大分距離があるのでありまして、私の考とは違ふかも知れませぬが、若しさう云ふ風に違ふと致しますると、なかなか是は大變なことだと斯う思ふのでありまして、此の復興營團の仕事をも考へますれば、非常に重要牲を持つことと、斯う云ふ風に存ずる次第であります、是等の點に付て、それは見方の相違だと仰つしやればそれ迄のことでありますが、政府の方の考も一つ一層さう云ふ風に御考を願ひたいと斯う思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=64
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065・星島二郎
○國務夫臣(星島二郎君) 産業界に多年御經驗の深い畠山さんの御話でありますが、是は心配し出したら限りがないので、夜も寢られぬと云ふやうな氣持もある譯でありますが、併し前途に希望を持ちまして、何とか之に活を入れて行きたい、言ひますのは、或は復興金融金庫の如きは、最初の計畫では二百億と云ふ計畫であつたのが取敢へず百億圓と云ふ資本金になつた譯でありますす、是が全部希望に應じて出てしまへば、其の時に又了解を得まして、あとの百億圓も出して宜いと云ふやうな積りで居ります、政府の金を出したのでは、先般も御心配のやうに「インフレ」の助長になる譯でありますが、さひわいに今農村、漁村に相當の遊資がありますから、斯う云ふものを吸收して新しい事業に向けるさうして新興的な、詰り從來と變つた人達がむくむくと立上つて、有らゆる方面に努力して行くやうに一つして行きたいと云ふ面から、協同組合等を十分活用致しまして、さうして此の金融面以外の營團等を利用致しまして、此の營團は幸に有らゆる方面から出資を仰ぐ事も出來るやうに……、是もなかなか初めむづかしかつたのでありますけれども、それが出來るやうになつて居りますから、是等を十分活用致しまして、民間の遊資を吸收し、「インフレ」を防ぎつつ新しい面に乘り込んで行く、斯樣に考へて居りますが、一面心配でなりませぬから、何時迄も放つて置けないと云ふ意味で……、尚商工省には今一つ更生金庫と云ふものが殘つて居ります、是も丁度復興營團と同じやうに、積極的に之を活かす途の方に從來の企業整備を中心にやつたものでありますけれども、之を復興金融機關の下請と申しますか、營團の下請と申しますか、兎に角是は今期議會中にもう少し準備を致しまして、御協賛を仰ぎたかつたのであります、それが一つ殘つて居りますけれども、次の議會等に御相談願へるやうになつたならば、其の儘現在のものをうまく轉化して運營致しますれば、今日の規模の儘でも仕事が出來る譯でありますから、斯う云ふ小さい方面にもずつと目を配つて行きたい、斯樣に思いて、餘り前途を悲觀せないで、一つ元氣を出してやつて行きたいと考へるのであります、発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=65
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066・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 實は此の營團のことでありますが、私は非常に是は結構な案で、平和産業に切り替へる爲に其の後押しになる産業復興營團と云ふものがなくちやならぬと考へて居るのでありますけれども、是も實は運營する人に依るのでありまして、其の人如何に依つて、それが生きるか死ぬかと云ふ事にもなるのでありますが私今迄色々の營團の樣子を見て居りますけれども、唯其の資本を喰つてしまふと云ふやうな事ばかりの仕事をして居る、併し今度は斯う云ふ時期でありますので、是非一つ、之に關係する理事長なり役員は民間からも採られるやうに……官からも採られるかも知れませぬけれども、今日迄色々の營團の樣子を見て居るが、みんな古びて、使ひ滓のやうな人が集つて仕事をして居るのでありますから、仕事がみんな死んで行く、國家の金を使ひつつ死んで行くと云ふやうな什事をせずに、民間からでも官からでも宜いから實際に身を捨てて働くと云ふ人を、理事長なり何なりに一つ選擇して貰ひたいと云ふことを、此の機會に特に御願ひ申上げて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=66
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067・星島二郎
○國務大臣(星島二郎君) 只今の御希望の點に付きましては十分御意見を尊重致しまして、衆議院に於きましても其のやうな意見が出まして、殊に附帶決議さへもそれに希望として付けられて居るやうな譯でありまして、即ち民間の人を活用して大いにやれ、それで是は政府の仕事でありますから、私は能く官僚々々と云つて惡口を言はれますが、官僚の中にもなかなか良い人が居りますので、斯う云ふ人も加へるし、民間の本當に斯う云ふ方面の適任者を是非選びまして入れたり、或は中小工業方面に今度は向けて入つて戴く、そして遺憾なきを期したい、斯樣に思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=67
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068・川上嘉市
○川上嘉市君 商工大臣に御伺ひ致したいと思ひます、實は私産業復興に付て將來の案を立てる上に於て非常に分らぬ爲に困つて居る問題があります、それは評價の問題であります、例へば先程の御話のありました賠償の機械を一年間以内に取去る、斯う云ふやうなことで、其の荷造費の問題とか、そんなものでも四百億要ると云ふやうな新聞の評がありますが、それに依つて機械自身が、今帳簿價格と云ふものは恐らく其の全部を合せて二十分の一とか、十分の一か幾らか知れませぬけれども、非常に少いのであります、之をどう云ふ風に評價なさいますか、將來會社をどう云ふ風に經營するか、それが分りませぬと決まりませぬ、もう一つは現有の設備の評價替でありますが、是は矢張り同樣の點で非常に困つて居りますのは、例へば鐵筋「コンクリート」の建物がある、是は數年前に建てましたのは坪が六十圓、是は私の方で建てた時には六十五圓で建つて居ります、それが同じ終戰前でありましても、段々終期に近付いた時には坪千圓だつた、斯う云ふ状態であります、そこで之を能く民間に言はれるのは、一からげに二倍にするとか三倍にすると云ふやうな説が出ます、さう致しますと、六十圓で買つた家は百二十圓だ、それから片方の終期に近いたのは二千圓だ、斯う云ふ風に非常に差が出來ますけれども「コンクリート」の建物と云ふものは五年使つたものと使はぬものと殆ど利用價値は差がございませぬ、さう云つた一からげの評價の仕方と云ふものは殆ど意味を成さぬやうな感じがするのであります、そこでそれらどう云ふ風に評價するかと云ふことは、其の會社を特殊會社にするか何にするか、色々な經營に關係します、今我々は實はの其方途に迷つて居ります、其の點に、初めの評價と後の評價と之を二つ若し出來ましたならば御知らせを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=68
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069・星島二郎
○國務大臣(星島二郎君) 實は其の問題が一番困難な問題であります爲に、提案が非常に遲れたのも其の評價に日を暮して居つたと申上げても宜い、一箇月以上、それ以上掛つたと思ひますが、未拂込の株を徴收すると云ふことと、評價益で含みを以て成るべく整理會社にしないやうにすると云ふことの爲に非常に苦心致したものでありました、從つて今日の物價の騰貴から見ますと、之を現在の闇物價に近いやうなもので評價致しますれば、大抵の會社は整理會社にしないで行くやうになり、それでは水膨れを切開することも出來ませぬので、其の間色々な評議がありました、殊に關係方面から言ひますと、帳簿價格で行けと云ふ位の實は話もあつたのでありますが併しそれでやりますれば、今申上げたやうな風に非常に不自然なことになると思ひます、そこで一時政府の方で一つの基準を決めまして、假に帳簿價格の何倍或は一定の標準を決めまして、それで一つやつたらどうだと云ふやうなこともあつたのでありますが、先程畠山さんの御話のやうに甘いと云ふ聲が餘り強く傳はりました爲に、非常に嚴重な指令……指令と云ふと言葉が行過ぎかも知れませぬが話を受けまして、勝手な評價をしてはならぬと云ふやうなことになつたのでありまして、結局は一應現在帳簿で見ました上で、何れ企業整備委員會と云ふものが出來る其の委員會に於て是は妥當なる評價であると認められるものは、そこで初めて一つ認めてとかう最初二十「パーセント」で切るとか、三十「パーセント」で切るとか、七「パーセント」で切ると云ふやうに段々やつて行きまして、最後の評價のもので初めから評價して居りますれば、當然整理會社にしないで、第二勘定を起さないで行けるものを、それを非常に弊害があると云ふので、それを最後の是は……一應は整理會社に致しましても、後で若し其の委員會に於きまして當然な評價だと認められましたならば、それに依つて「カバー」すれば、初めてそこで救はれると云ふやうな所に行くべきだと云ふやうな話合を……今話合でありませぬで、さう云ふ風になつて行きましたので、一時纎維等の關係に於ては、大抵は全部が第二勘定を起さないで、整理會社にならないで、普通の評價、本當の數字の大した驚かない程度の評價であつて行けたものが、昨今はそれでは困ると云ふことになつて行きまして、目下さう云ふ點に付きましてはまだ交渉中でありますけれども、大體の數字は非常な金額になつて來た、斯樣に考へまして、さうして後の委員會で以て處置をさせると云ふ所に進んで行かなければならぬかと考へて居るやうな譯であります、是は御隣の補償案の中で色々審議があると思ひます、是は今少しく最後の詳しい結論を或は若し間違つてはいけませぬので、大體の見當はさう云ふ見當で進んで行きつつあると申上げて間違ひないと思ひますが、其の後に一日か二日か若干交渉中のやうなこともあるのでありますから、若し間違つて居りましたならば、後刻再び之に對して御報告することに致しますが、さう云ふ趣旨で進んで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=69
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070・川上嘉市
○川上嘉市君 只今の御話は企業整備委員會の決定に依つてやると云ふことですが、賠償機械に付ても同樣に考へて宜しうございますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=70
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071・星島二郎
○國務大臣(星島二郎君) 賠償の方の問題は全然是は別だと思ひます、是は賠償されたものに對しましては帳簿價格程度のものを補償すべきだと云ふやうな説と、是は戰災と同じやうに一定限度以上は補償出來ないと云ふ説と色々ありますが、私は將來の企業再建の立場から致しまして、何とか或程度の補償は是非さして貰ひたいと云ふことをまあ閣議で御願ひして居るのでありますが、まだ關係方面との交渉は全然して居りませぬが全然之を只取ると云ふ譯には行きませぬが、是は賠償の問題は先づ帳簿價格だけで、それを一應損失でやれと云ふやうな程度で計算をやつて行く程度だと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=71
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072・植村家治
○委員長(子爵植村家治君) 本日は此の程度で止めまして、明日午前十時より尚大臣の御席を願つて本案の總括質問を御繼續願ひます其の際大臣は御出席下さるさうでありますから、左樣御了承を願ひます、本日は是にて散會致します
午後零時九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=72
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073・会議録情報3
出席者左の如し
委員長 子爵 植村家治君
副委員長 男爵 肝付兼英君
委員
公爵 桂廣太郎君
侯爵 前田利建君
子爵 入江爲常君
子爵 伊集院兼高君
子爵 土井利章君
子爵 三浦矢一君
姉崎正治君
男爵 山名義鶴君
男爵 坂本大造君
男爵 小原謙太郎君
男爵 田中龍夫君
中村藤兵衞君
井川忠雄君
川上嘉市君
畠山一清君
太田半六君
渡邊三郎君
鏑木忠正君
松尾嘉右衞門君
國務大臣
商工大臣 星島二郎君
政府委員
政府政務次官 上塚司君
大藏事務官 河野一之君
同 石原周夫君
商工事務官 岡村武君
同 和田太郎君
貿易廳長官 塚田公太君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003169X00219461008&spkNum=73
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