1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十一年八月七日(水曜日)午前十時五分開議
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議事日程 第十七號
昭和二十一年八月七日
午前十時開議
一 政府出資特別會計法二十一法令の廢止等に關する法律案(政府提出、衆議院送付)
第一讀會の續(委員長報告)
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=1
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002・会議録情報2
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〔參照〕
去る三日本院に於て可決したる左の政府提出案は即日裁可を奏請し又可決の旨を衆議院に通知せり
昭和二十一年度歳入歳出總豫算追加案(第三號)
昭和二十一年度特別會計歳入歳出豫算追加案(特第二號)
同日委員長より左の通分科擔當委員及兼務委員を選定したる旨の報告書を提出せり
豫算委員 種田虎雄君
第四分科擔當委員
豫算委員 片岡直方君
第一分科擔當委員及第四分科兼務委員
一昨五日委員長より左の報告書を提出せり
政府出資特別會計法外二十一法令の廢止に關する法律案可決報告書
本日各部に於て常任委員の補闕選擧を行ひしに其の結果左の如し
第一部
請願委員種田虎雄君の補闕として板谷順助君當選
第三部
決算委員片岡直方君の補闕として栃木嘉郎君當選
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=2
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003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、去る二日正二位勳二等子爵冷泉爲勇君薨去せられました、誠に哀悼の至りに堪へませぬ、就きましては弔辭を贈りたいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=3
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004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=4
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005・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程に移ります、政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會の續、委員長報告、委員長古市男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=5
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006・会議録情報3
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政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案
右可決すへきものなりと議決せり依て及報告候也
昭和二十一年八月五日
委員長 男爵古市六三
貴族院議長公爵徳川家正殿
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〔男爵古市六三君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=6
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007・古市六三
○男爵古市六三君 只今上程に相成りました政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案の委員會の審議の經過竝に結果を御報告申上げます、本委員會は第一囘を去る八月一日に、第二囘を同二日に、第三囘を五日に開きました、先づ政府委員から提案の理由に付て御説明がありました、即ち第一は特別會計法の廢止等に付てであります、其の一は、特別會計は出來るだけ減少し會計制度を簡明にすると云ふ趣旨で、比較的設置の理由を失つた政府出資及び營繕用品資金の特別會計を廢止すること、其の二は、終戰に伴ひ存置の理由を全く失つたもの、即ち舊陸海軍關係の五特別會計と所謂外地關係の十特別會計を廢止するのでありまして、曩に廢止となりました臨時軍事費特別會計を加へますると、前年度に比しまして十八だけ減少し、昭和二十一年度に於ては特別會計の數は二十二と相成るのであります、第二は特別會計法の一部の改正で、之を分けて見ますと、内譯が七通りになります、其の一は、只今申上げた第一の特別會計の廢止に伴ふ所要の改正であります、其の二は、特別會計の收入事務取扱機關の實情に顧み當分の間之を存續せしめ從來通り會計事務の簡捷を圖るものであります、其の三は、證券發行の限度に關する改正、其の四は、同會計の將來に於ける決算上の損失を一般會計より補填し得る途を開き同會計の運營を一層圓滑にすることであります、其の五は、通信事業特別會計の一部の改正、其の六は、公債を財源とし支辨し得る經費の範圍を擴張する爲め同特別會計法第二條に所要の改正を行ふものであります、最後の第七は、豫備費を以て支辨し得る事由の範圍を擴張するものに付き二三の改正があります、第三は、政府は毎會計年度の國有財産象減總計算書を作つて會計檢査院の檢査を經て帝國議會に報告することになつて居りまするが、昭和十九年度分の増減總計算書は戰災等に依り其の調製が困難であり、其の増減が十九年度のものか二十年度のものか區分の不明瞭のものも相當件數に上るとの豫想がありまするので、昭和二十一年度と一括して帝國議會に報告するやうに國有財産法中に改正を加へたのであります、最後に第四と致しまして、本年二月末日限り臨時軍事費特別會計が廢止になりましたので、臨時軍事費特別會計への繰入れを一般會計への繰入金に充當する爲に所要の改正を行ふものでありまして、大別して第一より第四に亙る廢止又は改正であるのであります、是より質疑應答に付て申上げます、一委員より、特別會計廢止に付き其の會計に屬する未決濟の債權債務は如何に處理する方針であるか、之に對し政府委員は、原則としては特別會計の剩餘金が出る場合には一般會計に之を歳入として、又不足の出る時は一般會計にて決濟をする、但し所謂外地の特別會計收支は終戰に伴ひ見込不明で、此の處理は國際關係もあり、日本政府のみでは出來ないと考へられまするが、相當影響を受けると考へられます、内地の株式に付ては目下の處、缺損を生ずると云ふ風には考へて居りませぬとのことでございます、一委員より、特別會計を廢止し、會計制度を簡明にすると云つても、實際既に必要がなくなつたもの、或は自然に必要がなくなつたものがあり、現在どうなつて居るか一向分らない状態であるのもあるとすれば、果して是で簡明ならしめ得るか疑問で、寧ろ此の際は外地の分らぬ現状を大體國民の常識で肯ける程度のことでも示されることが必要なことと思はれる、今急いで廢止をされる必要はないではないか、政府がやつたことには責任を持つと云ふことが最も大切で、此の廢止に依り責任が濟んだと云ふことにはならない、之に對しまして、昭和二十一年度には全然新しい收入も支出もなく、十九年度と二十年度とに收支がありそれが現在状態不明でありますので、出來るだけ早く分らせ、決算を議會に提出するやうに考へて居ります、尚外地の會計の收支の中間的の説明は、歸還して來る職員、其の他が全く書類の携行を禁止せられ、其の斷片的の記憶には相當の喰違ひがあり、それ等を基礎として御報告も出來兼ねます、外地官廳の東京出張所とは常に連絡をして居りまするが、茲でも分らない状態で、誠に遺憾とする所であります、又將來ははつきりし得るかの見透しに付ては、講和條約とも關聯があり、當時の日本の收支が必ず問題になる時期があらうかと考へられまするので、日本政府の方にも其の資料や數字が入手出來る時期が來るのではないかと目下は考へて居ります、尚此の特別會計を廢止しても、附則第十二條で、從來收支した分に付きましては特別會計法は效力を持つて居るので、後でどうなるか分らない、有耶無耶になると云ふやうなことはございませぬとのことであります、陸海軍關係のものは次の議會に提出する趣であります、一委員より、現在日本政府の保有正貨と言ふは、金地金、外貨の合計と見做して宜しきやと思ふが、是等は賠償金の對象物として現在一應聯合國側から移動を禁じられて居るかと云ふ質問に對しまして、政府委員は、日本で持つて居りますものは、政府でなく日本銀行で相當の金地金を從來持つて居た譯でありまして、此の兩者とも今日では聯合國最高司令部の方から移動を全く禁止され、凍結されて居る状態でありますとのことであります、同委員は、現在對米爲替として扱はれて居る一「ドル」對十五圓は暫定的のものとは思ふが、實際の「ドル」賣買は遙に高く六十圓とか七十圓とか聞いて居ります、將來此の地金を正貨化するに伴ひ對米爲替と云ふものがどんな所に落着くかとの見込に付て問ひ質されました、之に對し、現在に於ては日本通貨の對外價値、爲替はないのであります、一「ドル」十五圓は、唯米軍の部隊内に於て一應換算率を使つて居るのでありまして、別に「ドル」と日本圓との爲替相場を定めたものではないのであります、將來爲替相場がどうなるかと云ふことは、結局日本全體の經濟力が、輸出能力、輸入の必要と云ふ風なもの、更にそれぞれの國内の物價水準の問題などが綜合された結果、そこに一つの爲替相場が生れて來るものと考へて居ります、勿論金を持つて居れば國際貸借の收支尻決濟に極めて便宜であると云ふことはございます、更に一委員より、政府出資の外地關係のものは賠償に取られ殆ど只と見なければならぬと思ふが、内地關係の爲替は凍結され、中には官僚統制が廢止せられて民營に移るやうなものもある、是等整理に付ての案を承りたい、又是等會社に對する補助金は全面的に打切られますかと云ふ問に對しまして、政府補助に依る會社の補助金は打切ります、整理の問題は、今議會中に出ます軍需補償の打切りに依つて行はれますが、政府自體から或特殊會社の整理を進めて行くことには、只今さうなつては居りませぬ、又財閥會社の整理は、特殊整理委員會が出來て整理されます、只今政府が積極的に決めて居るのは、其の特殊會社の整理の範圍内にある財閥會社のみであるとのことであります、一委員より、食糧管理特別會計の收支状態に付て質問がありました、之に對し、最近米の買上價格は相當引上げられ、販賣價格は出來るだけ低目にすると云ふ政策に依り、今日に於ては相當巨額の缺損となり、此の七月末には概ね四十五億圓に達するのではないかと思はれる、之を賄ふ食糧證券の償還の財源がない、仍て此の法律案の第五條の所で食糧管理特別會計法の一部を改正し、其の附則で、證券中四十五億圓を限り一般會計に移して一應整理が付くやうにしてある、又米穀は三百圓を基準で買入れて二百五十圓を基準として賣り渡すので五十圓の開きが出ますが、是は一種の補助金で一般會計から食糧管理特別會計へ缺損を見て之を補填して毎年整理して行くやうに其の法案を第五條中に含めたとのことであります、同委員は四十五億圓は殆ど赤字と思ふが、一般會計からの補充が一體將來見込みがあるのですか、此の法案の前身は米穀需給調節特別會計で昭和二、三年から四、五年頃農家が米が安くて困つて之を救濟する爲に政府で買つて需給調節をしたのでありまするが、今日は全く反對に消費者に安く賣つてやる建前になつて居る、此の問に對しまして其の會計が自主自辨し得る能力を何時出し得るかは物價政策、經濟安定問題とも關聯し、何時迄續けなければならぬかと云ふことは分りませぬとの答がありました、又郵便年金、簡易保險等外地方面への投資の整理は如何、預金者への影響如何、と云ふ問に對しましては、外地に於ける投資總計五億三千四百萬圓は恐らく賠償に向けられることと思ふ、併し保險金の削減の如き基本的權利の侵害は極力避け、民間保險に於ける利益配當に相當する長期還附金、或は滿期返還金は忍んで戴かなければならぬと思つて居ります、此の兩者に對し充ちる積立金は約八億圓ありますとのことであります、又外地の昨年九月三十日以前に貯金した者は一箇月五百圓の範圍で拂戻し、軍事郵便貯金は一千圓を一囘限り拂戻す、其の外は當分拂戻を停止して更に十月一日以降に於て外地に預入れ、引揚げて來た人に對しては拂はないと云ふことになつて居ります、是等は九月二十三日の指令に基くもので此の制限緩和を常に機會ある毎に懇請して居りますが、目下見込みがありませぬと云ふことでございます、次に現在特別會計の殘つて居るもの二十二あり、中には目的内容が變更される場合、一部の改正をやるものがあるが、益益複雜になる、廢止すべきは廢止し、立法すべきは立法せよと云ふのに對しまして、政府委員は元來特別會計は一般會計に對する例外で、理想は少いのに限る、一般會計を見れば國の財政の活動、國家活動の全貌が分ると云ふのが理想でありまするが、目下の所では更に整理するとして考へられるものは學校の特別會計であらうと思ひますとのことであります、一委員より政府出資の株式の未拂込或は營團の未拂が清算事務に入つた場合にそれが徴收される、此の整理をどうするか、又内地の特殊會社に政府は相當の補給金を出して居る、之を打切られると政府以外の政府の勸誘に依つた株主は非常に迷惑をする、政府は政府の持株を打切り、會社内容を堅實にしなければならぬと思ふ、之に對しまして政府の株は劣後株で一定の民間株に一定の保證をする爲に、政府は補給金を交付するとか、配當補給金を交付するやうになつて居りまするが、終戰後國内經濟の民主化と云ふ觀點から政府の出資に付ても民間の株式と同樣の立場で權利義務を負擔するのが適當であるとの關係方面の意向で、別途法律案を提出することに致しました、又軍需補償では總動員法に依り否應なしに設備したものや、契約解除の補償金なども同樣之を打切る處置にするのでありますとの御答辯であります、一委員より第十條の地方鐵道運賃の値上の收入を平時輸送力増強の理由で一般會計に繰入れることは、法の精神としてはそれだけでは濟まされぬと思ふ、地方鐵道は何れも瀕死の状態である、寧ろ地方鐵道の收入は其の鐵道に入れて改善を圖らしめてはどうか、尚鐵道通信各特別會計の多額の赤字の會計内容、赤字の主なる原因を知りたい、との質問に對しまして、地方鐵道の補助法と上納金制度を合せ今後の計劃を樹てる、地方鐵道も國鐵同樣資材の暴騰、從業員の待遇改善、戰災囘復に惱みがある、今後は十分助成に努め、運賃改定も認め、資材の斡旋をする、補助法は來年度以降適用出來ぬから、上納金制度と合せ次の議會に法律案を提出する、赤字の主なる原因は物價の高騰、給與の増加の爲でありますが、將來の經營の合理化は徹底的にやるとのことであります、更に一委員より運賃値上は大藏省、商工省も贊成なのですか運賃値上り分が色々の製品の値上りとなる、鐵道運賃や通信費の値上り分が公定價格の改定の時に常に突當る、總て官業の値上を計畫する際はすぐ物價面に影響するから、よく物價局あたりとの了解をしてやつて貰ひたい、今後物を生産するを必要とする時に非常に支障を來たすとの注意と希望とが發せられました、次に政府出資特別會計に依る株式中未拂込金は補償打切り等の場合はどうするか、政府の資産には税はかからぬから一般補償打切りと同一歩調をとるのは不當である、政府は持株を整理し、各株主に大した損害を與へぬやうにする責任があると思ふ、之に對しまして外地關係は分らないが、内地關係も影響大なりと思はれる、補償打切りと同一歩調をとることとなる、一委員より農林大臣に對し食糧等管理特別會計の改正案に依れば、當分の間其の損失を一般會計より補填すると云ふが、本年度四十五億、明年度二十億の主要食糧費が計上されて居る、當分とはいつ迄のことか、將來是がどう始末するかと云ふ質問がありました所、農林大臣は日本の食糧事情は急に圓滑になるとは考へられぬ、來年豐作でも或程度の輸入に待たねばならぬ、米穀需給制度の調節に依り生産と消費を睨合せてやるとの御答へでありました、更に同委員會は、此の四十五億が最も有效に使用されるかどうかを疑ふ、配給統制の不備に闇は増長する、凡そ物價は米價が基準となる、供出後は自由販賣が宜いと思ふ、尚開墾で殘つて居る所は良い所は餘りないから、工業にも力を入れ安い米を外國から買入れ、水産に付ても水産局の豫算が少ない、宜しく海洋立國をも考へられよと申されましたが、農林大臣は、數字の上だけでは供給需要は充し得ぬ、國民は各各其の所得に依つて買つて居る、主食物は出來るだけ平等に分配をして安心を與へねばならぬ、目下供出の成績が惡いので配給操作がうまく行かぬ、今日程度の窮乏の時に枠を外すと、所得のない者は饑へ、買へる人は萬金を出しても、買ふやうになりまして價格の混亂を來す、供出割當もやれなくなる、今後失業者の激増するやうな時に自由經濟を採用することは出來ぬ、生産と販賣を十分考へてやらねばならぬ、農家の大半は保有農家でなく飯米農家でるあのである、今後の開墾地には從來の方式に囚はれぬ農業經營を要すると思ふ、開拓研究所を作り、適地の調査を行ひ、委員會の決定を待つことにする、尚失業問題も併せて考へねばならぬとの御答へでありました、占領軍費用の經理を質したのに對しまして、政府委員は、進駐以來昨年度末迄は其の歸屬が不明で、占領軍で持つのか、或は日本政府で負擔するのかも分らなかつた爲に、日本銀行占領軍關係の假勘定としてあつた、其の後總司令部より占領費は賠償費に優先する、即ち結局日本政府で負擔すると云ふことになつたのであります、終戰處理費と總稱するとのことでございます、次に占領軍の工事は極めて粗雜な支拂方法を取るので、一般勞銀等も影響を受け最近著しく高くなり、生産増強に響き、「インフレ」を促進する懸念がある、特別會計を設け政府が責任を以て監督し愼重な整理を圖つては如何かとの疑問に對しては、大藏大臣の速記を中止しての御答辯がありました、次で一委員より、外地關係にて朝鮮總督府の如きに未拂金がある、其の爲に多くの土木業者は困窮の極にある、請負業者は企業者と勞務者の中間機關のやうなもので企業者の爲に賃銀等の代辨をして居た、而も企業者からの支拂ひはなく、外地預金は凍結され手も足も出ない名状すべからざる慘状を呈して居る、速かに支拂ひをする方法はないか、窮場を救はねばならぬ喫緊のことと思ふ、之に對しまして大藏大臣は、誠に同情に堪へませぬが、外地にあるものは如何共出來ない、又内地に送金されたものも凍結されて居る、殘念ながら日本政府として力及ばぬ状況にあります、仍て内地方面にて更に土木事業に努力し、生産資金を受けるやうにすることを望んで居る、一人當り三千圓の生産資金を庶民金庫より金融し得るやうになつたのも相當の骨折であつたとのことであります、其の外に毎囘熱心なる質疑、懇切なる答辯がありましたが、速記録に諮ります、速記録を御覽願ひたいのであります、斯くて質疑應答を終り討論に移りました處、一委員より、特別會計は今囘多數整理されるが、尚二十二殘存する、今後は成るべく其の數を減少し、會計を簡明にし、近年改正に次ぐに改正で明瞭を缺くが、今後は其の内容が變れば全文を廢し、新たに全文を立法するやうに希望して贊意を表されました、更に一委員は軍關係や外地關係の特別會計の整理の因難なことは認めるが、單に計數的に辻褄を合すことのみでなく、嚴正なる態度を以て臨むは勿論、政府の責任を明かにし、出來るだけ早く内容を國民に知らせて貰ひたい、斯くしてこそ政府に對する國民の信頼感が昂められるとの意見を陳べて本法案に贊成になりました、採決の結果、全會一致本法案は原案通り可決すべきものと決定を致しました、以上御報告を申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=7
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008・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 他に御發言もなければ、本案の採決を致します、本案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=8
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009・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=9
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010・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=10
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011・梅園篤彦
○子爵梅園篤彦君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=11
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012・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=12
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013・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=13
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014・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議なければ、全部を問題に供します、本案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=14
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015・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=15
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016・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=16
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017・梅園篤彦
○子爵梅園篤彦君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=17
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018・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=18
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019・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=19
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020・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=20
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021・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、次會の議事日程は、決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十時三十九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X01719460807&spkNum=21
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