1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十一年九月三日(火曜日)午前十時十二分開議
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議事日程 第二十八號
昭和二十一年九月三日
午前十時開議
第一 恩給法の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第二 東京都制の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第三 市制の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第四 町村制の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第五 府縣制の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第六 衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第七 帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
第八 食糧緊急措置令(承諾を求むる件)(衆議院送付) 會 議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=0
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は、御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=1
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002・会議録情報2
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〔參照〕
去月三十日帝國憲法改正案特別委員會に於て當選したる正副委員長の氏名左の如し
委員長 安倍能成君
副委員長 伯爵 橋本實斐君
去月三十一日委員長より豫算委員第二分科兼務委員出淵勝次君を第五分科兼務委員に變更したる旨の報告書を提出せり
同日衆議院より左の政府提出案を受領せり
恩給法の一部を改正する法律案
東京都制の一部を改正する法律案
市制の一部を改正する法律案
町村制の一部を改正する法律案
府縣制の一部を改正する法律案
衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案
帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案
昨二日委員長より左の報告書を提出せり
商工經濟會法を廢止する法律案可決報告書
工業所有權法戰時特例を廢止する法律案可決報告書
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=2
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003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、去月三十一日請願委員安倍能成君より、都合に依り委員辭任の申出がございました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=3
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004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、就きましては、第四部に於て其の補闕選擧を行はれむことを望みます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=4
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005・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第一、恩給法の一部を改正する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、入江法制局長官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=5
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006・会議録情報3
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恩給法の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
恩給法の一部を改正する法律案
恩給法の一部を次のやうに改正する。
第二條中「、傷病賜金」を削る。
第九條第二項中「(陸軍刑法又は海軍刑法に依る一年未滿の禁錮の刑を含ます)」を削る。
第十六條中「府縣」を「都府縣」に改め、同條第二號を削除し、同條第三號中「朝鮮、臺灣及樺太に於けるものを除くの外」を削り、同條第四號但書中「在外指定學校職員及樺太に於ける教育職員の一時恩給を除くの外」を削り、同條第六號但書を削る。
第十七條中「、第二號」を削り、「府縣」を「都府縣」に改める。
第十八條第一項但書を削り、同條第三項中「内地に於ける道府縣立」を「都道府縣立」に改める。
第十九條第一項中「、軍人」を削り、「及警察監獄職員竝第二十四條に掲くる」を「、警察監獄職員及」に改め、同條第二項中「、準軍人」を削る。
第二十條第一項中「武官又は宮内官以外の官に在る者」を「宮内官以外の官に在る者にして教育職員又は警察監獄職員に非さるもの」に、同條第二項中「高等文官の試補、判任官見習及國庫より俸給を給せさる官に在る者」を「二級官試補、三級官見習及國庫より俸給を給せさる官に在る者(教育職員又は警察監獄職員たる者を除く)」に改める。
第二十一條 削除
第二十二條第一項を次のやうに改め、同條第二項を削る。
教育職員とは公立の學校、幼稚園又は圖書館の職員にして官に在るものを謂ふ
第二十三條 警察監獄職員とは左に掲くる者を謂ふ
一 警部補、巡査、消防士補、消防機關士補又は消防手たる地方事務官又は地方技官
二 貴族院守衞及衆議院守衞
三 副看守長又は看守たる司法事務官
第二十四條 待遇職員とは三級官以上の待遇を受くる者にして勅令を以て指定するものを謂ふ
第二十五條 本法に於て就職とは左の各號の一に該當することを謂ふ
一 文官及教育職員に在りては任官但し終身官たる文官に在りては任官の外復職
二 警察監獄職員にして官吏たるものに在りては任官、其の他のものに在りては任命但し判任官の待遇を受くる貴族院守衞若は衆議院守衞か判任官たる貴族院守衞若は衆議院守衞に任したるとき又は判任官たる貴族院守衞若は衆議院守衞か判任官の待遇を受くる貴族院守衞若は衆議院守衞に就職するときは之を轉任と看做す
三 待遇職員に在りては任命
第二十六條 本法に於て退職とは左の各號の一に該當することを謂ふ
一 文官及教育職員に在りては免官、退官又は失官但し終身官たる文官に在りては免官、退官又は失官の外退職
二 警察監獄職員にして官吏たるものに在りては免官、退官又は失官、其の他のものに在りては免職、退職又は失職
三 待遇職員に在りては免職、退職又は失職
教育職員か文官又は警察監獄職員にして官吏たるものに轉したる場合及警察監獄職員にして官吏たるものか文官又は教育職員に轉したる場合は之を退職と看做す
第二十七條第一項中「準文官」の下に「及準教育職員」を加へ、同條第二項及び第三項を削る。
第二十八條の二を削る。
第三十條中「軍人又は」及び「准士官以上の軍人に付ては十三年に達する迄、下士官以下の軍人及警察監獄職員に付ては」を削る。
第三十二條 削除
第三十三條の二を削る。
第三十四條 削除
第三十五條 削除
第三十六條 削除
第三十七條 削除
第三十七條の二を削る。
第三十九條第一項後段を削る。
第四十條第一項中「第三十二條乃至前條」を「第三十三條、第三十八條及前條」に改める。
第四十條の二中「、歸休」を削る。
第四十一條第四號中「陸軍刑法若は海軍刑法に依り死刑、懲役刑若は一年以上の禁錮の刑に處せられ又は其の他の法令に依り」を削る。
第四十二條第一項第二號を削除し、同項第三號中「高等文官の試補又は判任官見習」を「二級官試補又は三級官見習」に改め、同條第二項中「準軍人又は」、「夫々」及び「軍人又は」を削る。
第四十三條第一項を削る。
第四十七條 前二條の規定は準文官又は準教育職員にして在職中公務の爲傷痍を受け又は疾病に罹りたるものに付之を準用す
第四十八條第一項第二號中「勅令を以て指定する地域に於て又は」を削る。
第四十九條第一項中「戰鬪又は戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に、同條第二項中「戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に、「階等」を「等級」に改め、「教育職員、警察監獄職員、待遇職員、」及び「、準軍人」を削る。
第五十一條第一項第二號中「陸軍刑法若は海軍刑法に依り死刑、懲役刑若は一年以上の禁錮の刑に處せられ又は其の他の法令に依り」を削り、同條第二項中「第二號但書及第四號但書」を「第二項」に改める。
第五十五條第二項第一號中「戰鬪又は戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に改める。
第五十八條第一項第一號但書中「、軍人以外の公務員として恩給を受くる者陸軍若は海軍の兵として就職するとき又は准士官以下の軍人若は準軍人として恩給を受くる者軍人以外の公務員として就職するとき」を削る。
第五十九條中「府縣」を「都府縣」に改め、同條第二項を削り、同條第三項但書中「朝鮮、臺灣又は樺太以外の地に於ける」及び「(又は給料)」を削り、同條第四項中「(又は給料)」を削り、同條第六項を削る。
第五十九條の二第一項但書を削り、同項第一號中「(軍人及準軍人に付ては別表第一號表の假定俸給年額を以て級俸とす以下同し)」を削り、同條第六項を削る。
第六十一條 削除
第六十一條の二を削る。
第六十二條第三項中「、實業補習學校」を削る。
第六十四條の二中「召集其の他の強制に依らすして」を削る。
第六十五條第一項及び第六十五條の二第一項中「階等」を「等級」に改める。
第六十六條 削除
第六十六條の二を削る。
第六十八條 削除
第七十五條第一項中「戰鬪又は戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に、「階等」を「等級」に改め、同條第二項、第四項及び第五項を削り、同條第三項中「第一項」を「前項」に改める。
第八十二條第一項中「准士官以上の軍人在職年三年以上十三年未滿、下士官たる軍人又は」を削る。
第四章を削る。
第九十一條 削除
第九十二條 削除
別表第一號表を削除する。
別表第二號表中「戰鬪又は戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に改め、階等の項を次のやうに改める。
別表第三號表中「戰鬪又は戰鬪に準すへき公務」を「特殊公務」に、「高等官」を「一級又は二級の官吏」に、「判任一等の者」を「退職當時の俸給月額百三十圓以上の者」に改め、階等の項を次のやうに改める。
別表第四號表を削除する。
別表第五號表を次のやうに改める。
第五號表
別表第六號表を次のやうに改める。
第六號表
別表第七號表を次のやうに改める。
第七號表
別表第八號表中「勅任の者、勅任待遇者及將官の者」を「一級の者及一級待遇の者」に、「高等官三等乃至五等の者、同待遇者及佐官の者」を「二級の者又は二級待遇の者にして退職當時の俸給月額二百十圓以上のもの」に、「高等官六等以下の者、同待遇者及尉官以下の者」を「二級の者又は二級待遇の者にして退職當時の俸給月額二百十圓未滿のもの及三級の者又は三級待遇の者」に改め、階等の項を次のやうに改める。
附 則
第一條 この法律施行の期日は、勅令で、これを定める。但し、第十六條、第二十條、第二十二條乃至第二十七條、第四十二條、第四十九條、第五十一條第二項、第五十五條、第六十五條、第六十五條の二及び第七十五條竝びに別表第二號表、第三號表及び第五號表乃至第八號表の改正規定は、昭和二十一年四月一日から、これを適用する。
前項但書の規定にかかはらず、同項但書に掲げる改正規定は、國民學校及び國民學校に類する各種學校の教育職員又は準教育職員については、昭和二十一年六月二十二日から、これを適用する。
第二條 從前の規定による公務員又は公務員に準すべき者についてはなほ從前の例による。
第三條 傷病賜金については、第二條、第六十六條又は第六十六條の二の改正規定にかかはらず、なほ從前の例による。
第四條 陸軍刑法又は海軍刑法によつて一年未滿の禁錮の刑に處せられた者については、第九條第二項、第四十一條第四號又は第五十一條第一項第二號の改正規定にかかはらず、なほ從前の例による。
第五條 昭和二十一年三月三十一日までに給與事由の生じた恩給の負擔については、なほ從前の例による。
朝鮮、臺灣、樺太、關東州若しくは南洋群島における地方經濟又は在滿學校組合の負擔すべき恩給は、第十六條の改正規定及び前項の規定にかかはらず、國庫が、これを負擔する。
第六條 第四十二條第一項第三號の改正規定の適用については、二級官試補には、高等文官の試補を、三級官見習には、判任官見習を含むものとする。
第七條 この法律施行前の在職年の計算については、なほ從前の例による。
第八條 この法律施行前に改正前の第四十八條第一項第二號に規定する地域で流行病に罹つた者については、なほ從前の例による。
第九條 昭和二十一年三月三十一日までに戰鬪又は戰鬪に準ずべき公務のため傷痍を受け、又は疾病に罹つた者については、なほ從前の例による。
第十條 昭和二十一年三月三十一日(國民學校及び國民學校に類する各種學校の教育職員又は準教育職員については同年六月二十一日)までに退職し、若しくは死亡した公務員若しくは公務員に準ずべき者又はその遺族に給する増加恩給若しくは傷病年金又は扶助料の年額の計算については、なほ從前の例による。
第十一條 この法律施行前に本屬廳の承認を受けて、外國政府職員となつた公務員の、外國政府職員としての在職年の通算又は受けた一時恩給の返還については、なほ從前の例による。
第十二條 別表第二號表、第三號表及び第五號表乃至第八號表の適用については、昭和二十一年四月一日以後在職する勅任、奏任若しくは判任又は勅任待遇、奏任待遇若しくは判任官待遇の者は、これを一級、二級若しくは三級又は一級待遇、二級待遇若しくは三級待遇の者と看做す。
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〔政府委員入江俊郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=6
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007・入江俊郎
○政府委員(入江俊郎君) 只今議題と相成りました恩給法中改正法律案に付きまして、其の提案の理由を御説明申上げます、今囘の改正の主なる點は、凡そ之を次の三點に要約することが出來るのであります、第一は、終戰に伴ひ不必要又は不適當と相成りました諸規定を削除又は整理する點であります、即ち終戰に伴ひまして、我が國は戰爭の抛棄を決意し、武裝を解除して軍備を撤廢致しました今日、戰爭の存在を前提とする規定及び軍人、準軍人に關する規定は、其の必要がないこととなつたのであります、又朝鮮、臺灣等外地は、既に事實上我が國の統治權を現實に行使し得ざる實情にありますので、是等外地に關する規定も其の必要がなくなつたのであります、仍て此の際是等の諸規定を適宜削除又は整理することと致しました、第二は、去る四月一日より實施せられました官吏制度の改正に伴ふ規定の整理であります、即ち去る四月一日より官吏任用敍級令及び官吏俸給令が施行せられまして、從前存在しました高等官、判任官の區別及び高等官官等の制度が廢止せられ、俸給に付きましても制度が單一化されました結果、恩給法の中で是等官吏の階等及び俸給に關する從前の制度に對應致しまする諸規定を整理することと致したのであります、又右の官吏制度の改正に伴ひまして、教育職員、警察、監獄職員中從來待遇官吏でありました者が、大部分所謂本官と相成りました結果、之に關する規定を改正することと致したのであります、第三は、從來朝鮮の道、臺灣の州等、外地の地方經濟が負擔して居りました恩給を、終戰後の事情に即しまして、國庫の負擔に變更すると云ふ改正であります、先に申述べました第一及び第二の點は、孰れも實情に即應して法文を削除又は整理したのでありまするけれども、此の第三の點は、實質的の改正を伴つて居ります、即ち終戰の結果、外地に勤務して居りました公務員中には、目下の處、恩給を負擔する經濟がありませぬ爲に、恩給權を有しながら現實には其の支給を受け得ないやうな者が少くありませぬので、此の改正に依りまして、右の恩給は之を國庫が負擔することと致しまして、是等の者が速かに恩給を受け得るやう措置しようとするのであります、以上簡單ながら提案の理由を申述べました、何卒御審議の上速かに御協贊あらむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=7
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008・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 質疑の通告がございます、子爵大河内輝耕君
〔子爵大河内輝耕君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=8
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009・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 本恩給法の改正案は、今度追放令を受けた人々に對して、恩給を停止すると云ふことを含んで居るものだと承知致して居ります、之に付きましても我々が想ひ起すのは、追放令の效果であります、成る程追放令の該當者には戰爭の責任者は多數ございませう、ございませうが、中には熱心に平和の爲に盡力し、今後も民主主義の爲に骨を折らうと云ふ目覺めた先覺者が、此の追放令に當つたが爲に、殆ど働くことの出來ない状態に在ると云ふことは、私共が茲に演壇に立ちまして皆樣に意見を述べる此の際に於きましても、さう云ふ方々の状態を考へると、誠に感慨無量でございます、私の總理に對する質問は、此の追放令にかかつた方々に對して再審査をやつて戴きたい、是が私の質問の要點でございます、説明致す迄もございませぬが、追放者の中には、議長として令名あり、多年社會事業の爲に、一身を投ぜられた徳川圀順公のやうな御方もある、或は貴族院に於て、少數ながら孤壘を守つて平和主義の促進に努力し、熱心に其の仕事に渾身の力を罩められた次田大三郎君あり、或は松村義一君あり、岡喜七郎君であるとか、或は井上匡四郎子爵と云ふやうな御方もおいでになる、又衆議院に於きましては、多年軍閥、藩閥と戰ひ、此の度の戰爭に對しても熱心に反對の立場に立つて、さうして大政翼贊會の時は、眞先に之に反對する、それに依つて受けた彈壓選擧に對して、血みどろの奮闘をやり、それにも拘らず尚衆議院議員に選ばれた後と云ふものは、平和の促進に重大な貢獻をせられた川崎克、或は安藤正純と云ふやうな御方も居られる、是等の諸君は、今後民主主義、平和主義を確立するに於きまして、我々の燈明臺として、さうして世間に是非眞先に立たれて奮闘されることを、我我は希望致す、希望するどころぢやない、斯う云ふ御方々がおいでにならぬと云ふことは、我々暗夜に燈を失つた感がある、如何にして是から進んで行くか、誠に其の行く處に惑ふ、是等の方がおいでにならぬと云ふことは、今後の憲法政治の實行に付きまして、多大の支障を來す、殆ど不可能の状態に陷つて來やしないか、誠に顧みて、遺憾に堪へないのでございます、承れば文部の方の關係に付きましては、二審制度を採つておいでになると云ふことであります、どうか此の一般の追放令に付きましても、今一應愼重に御調査になつて、さうして差支ない方は是非共あ、云ふ追放令にはかけないで、今後我々の指導者として、又國家の柱石として十分に働くことが出來まするやうに、此のことを首相に御願を致す、私は此の意味に於きまして、此の質問を致します、總理大臣の御答を希望致します(拍手)
〔國務大臣吉田茂君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=9
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010・吉田茂
○國務大臣(吉田茂君) 大河内子爵の御質問に御答へ致します、此の問題に付きましては、政府に於ても、特に其の影響の重大なことに鑑みまして、其の資格審査に付ては、十分愼重にも愼重を重ねて、考慮したいと云ふ考から、殊に又公正を期して、政策等に動かされてどう斯うと云ふやうな世間の疑惑等を避ける爲に、特に公職審査委員會を設けまして、特別委員會を設けて、さうして審査に當つて居ります、又其の審査委員の銓衡に付ても、特に注意を致しまして、美濃部博士以下數人の人が、最も公平と考へられる人を各方面から取つて、さうして其の委員會を構成さして居りますが、さう云ふやうな用意は致して居りますが、御質問のやうな御趣意は、政府として誠に御尤であり、其の影響する處、甚だ重大であると云ふことは能く存じて居ります爲に、一層此の問題に付ては考慮致しますが、同時に種々困難があると云ふことを御了承を願ひたいと思ひます、尚考慮致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=10
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011・大河内輝耕
○子爵大河内輝耕君 尚十分の御考慮を願ひます、是で私の質問は終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=11
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012・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案の特別委員は、其の委員の數を十五名とし、議長に於て指名をせられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=12
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013・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=13
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014・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=14
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015・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔小野寺書記官朗讀〕
恩給法の一部を改正する法律案特別委員
侯爵 廣幡忠隆君 侯爵 嵯峨實勝君
伯爵 奧平昌恭君 子爵 永井直邦君
子爵 梅溪通虎君 子爵 牧野忠永君
永井松三君 慶松勝左衞門君
男爵 周布兼道君 寺尾博君
男爵 平山洋三郎君 男爵 毛利元良君
大木操君 徳田昂平君
長島銀藏君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=15
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016・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第二、東京都制の一部を改正する法律案、日程第三、市制の一部を改正する法律案、日程第四、町村制の一部を改正する法律案、日程第五、府縣制の一部を改正する法律案、日程第六、衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、是等の五案を一括して議題と爲すゆとに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=16
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017・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、大村内務大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=17
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018・会議録情報4
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東京都制の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において修正議決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
東京都制の一部を改正する法律案
東京都制の一部を次のやうに改正する。
目次中「第四章 都の官吏及吏員」を「第四章 都の官吏及吏員
第一節 組織、選擧及任免
第二節 職務權限」に、
「第一節 區」を「第一節 區
第一款 區及其の區域
第二款 區住民及其の權利義務
第三款 區條例及區規則
第四款 區會
第五款 區所屬の官吏及吏員竝に區吏員
第六款 給料及給與
第七款 區の財務
第八款 補則」に改める。
第三條第一項及び第二項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第六條 帝國臣民たる都住民(之を都民と稱す)は本法に從ひ都の選擧に參與する權利を有す
第七條 都民は本法に從ひ都條例又は都規則の制定を請求する權利を有す都民は本法に從ひ都の事務の監査を請求する權利を有す
第八條 都民は本法に從ひ都議會の解散を請求する權利を有す
都民は本法に從ひ都長官、監査委員、都議會議員又は都議會議員選擧管理委員の解職(都長官に付ては免官)を請求する權利を有す
第十一條第三項中「其の區域と隣接の區域と」を「數區域」に改め、同條第四項の次に次の一項を加へる。
選擧人は住所に依り所屬の選擧區を定む第十三條第二項又は第三項の規定に依り選擧權を有する者にして都内に住所を有せざるものに付ては都議會議員選擧管理委員會は本人の申出に依り、其の申出なきときは職權に依り其の選擧區を定むべし
同條第五項中「前二項」を「第三項及第四項」に改める。
第十三條 年齡二十年以上の都民にして六月以内都内に住所を有するものは都議會議員の選擧權を有す但し左の各條の一に該當する者は此の限に在らず
一 禁治産者及準禁治産者
二 六年の懲役又は禁錮以上の刑に處せられたる者
三 刑法第二編第一章、第三章、第九章、第十六章乃至第二十一章、第二十五章又は第三十六章乃至第三十九章に掲ぐる罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至りたる後其の刑期の二倍に相當する期間を經過するに至る迄の者但し其の期間五年より短きときは五年とす
四 六年未滿の禁錮の刑に處せられ又は前號に掲ぐる罪以外の罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至る迄の者
都は都參事會の議決を經て都に對し特別の關係ある者に付前項の規定に依る住所の要件に拘らず選擧權を與ふることを得
第九十三條の二十一の都民は第一項の規定に依る住所期間の制限に拘らず選擧權を有す
第一項の六月の期間は都の境界變更の爲中斷せらるることなし
第十四條第一項中「選擧權を有する都公民」を「選擧權を有する者にして年齡二十五年以上のもの」に改め、同條第三項中「選擧事務」を「都議會議員選擧管理委員、區市町村會議員選擧管理委員(町村制第三十八條の町村に於ては町村長選擧管理委員以下之に同じ)、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人竝に選擧事務」に改め、同條第五項中「衆議院議員」を「帝國議會の議員」に改める。
第十五條第一項を削り、同條第二項中「議員」を「都議會議員」に改める。
第十六條第二項中「都長官」の下に「若は都議會」を加へる。
第十六條の二 都に都議會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)を置く
選擧管理委員會は都議會議員選擧管理委員(以下本章中選擧管理委員と稱す)六人を以て之を組織す
第十六條の三 選擧管理委員は都議會に於て都議會議員の選擧權を有する者の中より之を選擧すべし
都議會は委員と同數の補充員を選擧すべし
委員中缺員あるときは選擧管理委員會の委員長は補充員の中に就き之を補缺す其の順序は選擧の時を異にするときは選擧の前後に依り選擧同時なるときは得票數に依り得票同數なるときは抽籤に依る仍缺員ある場合に於ては臨時補缺選擧を行ふべし
委員及其の補充員は隔年之を選擧すべし
委員は後任者の就任するに至る迄在任す
委員は其の選擧に關し第九十七條の規定に依る處分確定し又は判決ある迄は其の職務を行ふの權を失はず
第十六條の四 選擧管理委員會は都長官の監督を承け法令の定むる所に依り都議會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
委員會は都議會議員の選擧に關する事務に付ては區市町村會議員選擧管理委員會(町村制第三十八條の町村に於ては町村長選擧管理委員會以下之に同じ)を指揮監督す
第十六條の五 選擧管理委員會は委員中より委員長一人を選擧すべし委員長は委員會に關する事務を總理し委員會を代表す
第十六條の六 選擧管理委員會は委員長之を招集す委員三人以上より委員會招集の請求あるときは委員長は之を招集すべし
第十六條の七 選擧管理委員會は委員三人以上出席するに非ざれば會議を開くことを得ず
第三項の規定に依り委員の數減少して前項の數を得ざるときは委員長は補充員にして其の事件に關係なきものを以て第十六條の三第三項の順序に依り臨時之に充つべし委員の故障に因り前項の數を得ざるとき亦同じ
委員長及委員は自己又は父母、祖父母、配偶者、子孫若は兄弟姉妹の一身上に關する事件に付ては其の議事に參與することを得ず但し委員會の同意を得たるときは會議に出席し發言することを得
第十六條の八 選擧管理委員會の議事は委員の過半數を以て決す可否同數なるときは委員長の決する所に依る
第十六條の九 選擧管理委員會に書記を置き委員長の指揮を承け委員會に關する事務に從事せしむ
書記は都の官吏又は第九十三條の二十七の吏員の中に就き都長官の承認を得て委員長之を定む
第十六條の十 本法に規定するものの外選擧管理委員會に關し必要なる事項は委員會之を定む
第十六條の十一 都議會議員の選擧は衆議院議員選擧人名簿及補充選擧人名簿に依り之を行ふ
選擧人の年齡は前項の選擧人名簿確定の期日に依り之を算定す
第十七條 區市町村會議員選擧管理委員會は毎年九月十五日の現在に依り補充選擧人名簿を調製すべし
補充選擧人名簿には都議會議員の選擧權を有する者にして其の區市町村に於ける衆議院議員選擧人名簿に登録せらるることを得ざるものを登録すべし
補充選擧人名簿には選擧人の氏名、住所及生年月日等を記載すべし
第十八條第一項中「區市町村長」を「區市町村會議員選擧管理委員會」に、「選擧人名簿」を「補充選擧人名簿」に改め、同條第二項中「區市町村長」を「區市町村會議員選擧管理委員會」に改める。
第十九條第一項中「選擧人名簿」を「補充選擧人名簿」に、「區市町村長」を「區市町村會議員選擧管理委員會」に改め、同條第三項中「區市町村長」を「區市町村會議員選擧管理委員會」に改める。
第二十條第一項中「選擧人名簿」を「補充選擧人名簿」に改め、同條第三項及び第四項中「區市町村長」を「區市町村會議員選擧管理委員會」に改める。
第二十一條第二項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改める。
第二十二條第一項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改め、同條第二項を次のやうに改める。
天災其の他避くべからざる事故に因り投票を行ふことを得ざるとき又は更に投票を行ふの必要あるときは投票管理者は選擧長を經て委員會に其の旨を屆出づべし此の場合に於ては委員會は更に期日を定め投票を行はしむべし但し其の期日は少くとも五日前に之を告示せしむべし
第二十五條第二項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改め、「を設け又は數町村の區域を合せて一投票區」を削る。
第二十六條第一項を次のやうに改める。
投票管理者は都議會議員の選擧權を有する者の中に就き區市町村會議員選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
投票管理者は投票に關する事務を擔任す
第二十七條第一項を次のやうに改める。
區市町村會議員選擧管理委員會は各投票區に於ける選擧人名簿に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て四人乃至六人の投票立會人を選任すべし
同條第二項中「投票立會人三人に達せざるとき若は」を「投票立會人」に改め、同條第三項を次のやうに改める。
投票立會人は正當の理由なくして其の職を辭することを得ず
第二十九條第八項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改める。
第三十一條第一項を次のやうに改める。
投票の拒否は投票立會人之を決定す可否同數なるときは投票管理者之を決すべし
同條第四項中「投票立會人」を「投票管理者又は投票立會人」に改める。
第三十四條 投票管理者たる者開票管理者たる場合を除くの外投票管理者は其の指定したる投票立會人と共に投票の當日投票函、投票録及選擧人名簿を開票管理者に送致すべし
第三十五條中「都長官」を「選擧管理委員會」に、「選擧會」を「開票」に改める。
第三十五條の二 開票區は區市町村の區域に依る
選擧管理委員會特別の事情ありと認むるときは區市の區域を分ちて數開票區を設け又は數町村の區域を合せて一開票區を設くることを得
前項の規定に依り開票區を設くる場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第三十五條の三 開票管理者は都議會議員の選擧權を有する者の中に就き區市町村會議員選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
開票管理者は開票に關する事務を擔任す
開票所は區役所、市役所、町村役場又は開票管理者の指定したる場所に之を設く
開票管理者は豫め開票の場所及日時を告示すべし
第三十五條の四 第二十七條の規定は開票立會人に之を準用す
第三十五條の五 開票は投票の當日又は其の翌日(一開票區に數投票區あるときは總ての投票函の送致を受けたる日又は其の翌日)之を行ふ
第三十五條の六 開票管理者は開票立會人立會の上投票函を開き先づ第三十一條第二項及第四項の投票を調査すべし其の投票の受理如何は開票立會人之を決定す可否同數なるときは開票管理者之を決すべし
開票管理者は開票立會人と共に區市町村其の他選擧管理委員會の定むる區域毎に投票を點檢すべし
投票の點檢終りたるときは開票管理者は直に其の結果を選擧長に報告すべし
開票管理者は前項の規定に依る報告を爲したるときは直に選擧人名簿を區市町村會議員選擧管理委員會に返付すべし
第三十五條の七 選擧人は其の開票所に就き開票の參觀を求むることを得
第三十五條の八 投票の效力は開票立會人之を決定す可否同數なるときは開票管理者之を決すべし
第三十五條の九 左の投票は之を無效とす
一 成規の用紙を用ひざるもの
二 議員候補者に非ざる者の氏名を記載したるもの
三 一投票中二人以上の議員候補者の氏名を記載したるもの
四 被選擧權なき議員候補者の氏名を記載したるもの
五 議員候補者の氏名の外他事を記載したるもの但し爵位、職業、身分、住所又は敬稱の類を記入したるものは此の限に在らず
六 議員候補者の氏名を自書せざるもの
七 議員候補者の何人を記載したるかを確認し難きもの
八 都議會議員の職に在る者の氏名を記載したるもの
前項第八號の規定は第十六條、第五十條又は第五十五條第一項若は第三項の規定に依る選擧の場合に限り之を適用す
第三十五條の十 開票管理者は開票録を作り開票に關する顛末を記載し二人以上の開票立會人と共に之に署名すべし
開票録、投票録及投票竝に都議會議員の選擧に用ひたる選擧人名簿は區市町村會議員選擧管理委員會に於て議員の任期間之を保存すべし
第三十五條の十一 選擧の一部無效と爲り更に選擧を行ひたる場合に於ては其の投票の效力を決定すべし
第三十五條の十二 第二十二條第二項本文の規定は開票に之を準用す
第三十五條の十三 第二十八條第一項及第二項の規定は開票所の取締に之を準用す
第三十六條第一項を次のやうに改める。
選擧長は都議會議員の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
第三十七條 削除
第三十八條 選擧管理委員會(區市に於ては區市會議員選擧管理委員會)は各選擧區に於ける選擧人名簿に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て四人乃至六人の選擧立會人を選任すべし
第二十七條第二項及第三項の規定は選擧立會人に之を準用す
第三十九條 選擧長は總ての開票管理者より第三十五條の六第三項の規定に依る報告を受けたる日又は其の翌日選擧會を開き選擧立會人立會の上其の報告を調査すべし
選擧の一部無效と爲り更に選擧を行ひたる場合に於て第三十五條の六第三項の規定に依る報告を受けたるときは選擧長は前項の例に依り選擧會を開き他の部分の報告と共に更に之を調査すべし
第二十二條第二項本文の規定は選擧會に之を準用す
第四十二條及第四十三條 削除
第四十四條第二項中「年長者を取り年齡同じきときは」を削る。
第四十六條第二項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改め、同條第五項中「選擧立會人の意見を聽き選擧長之を決定すべし」を「選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし」に改める。
第四十七條第二項を次のやうに改める。
選擧録及第三十五條の六第三項の規定に依る報告に關する書類は選擧管理委員會に於て議員の任期間之を保存すべし
第四十八條第一項及び第二項を次のやうに改める。
當選者定まりたるときは選擧長は直に當選者に當選の旨を告知し同時に當選者の住所氏名を告示し且選擧録を添へ之を選擧管理委員會に報告すべし當選者なきときは直に其の旨を告示し且選擧録を添へ之を委員會に報告すべし
前項の場合に於ては委員會は選擧録の寫を添へ直に都長官に當選者の住所氏名又は當選者なき旨を報告すべし
當選者當選の告知を受けたるときは十日以内に其の當選を承諾するや否やを委員會に申立つべし
同條第三項中「都長官」を「委員會」に改め、「其の期間内に之を申立てざるときは都長官抽籤して之を定む」を削り、同條第五項乃至第七項を次のやうに改める。
第三項及第四項の申立を其の期間内に爲さざるときは其の常選を辭したるものと看做す
第四十九條 削除
第五十條第一項中「都長官」の下に「若は都議會」を加へ、同項第二號中「第三項」を「第四項」に改め、「又は抽籤に依り一の選擧區の當選者と定まり」を削る。
第五十一條第一項を次のやうに改める。
當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に其の旨を都長官に報告すると共に當選者に當選證書を付與し當選者の住所氏名を告示すべし
同條第二項中「都長官は直に其の旨」を「委員會は直に其の旨を都長官に報告すると共に之」に改める。
第五十三條第一項中「都長官」を「選擧管理委員會」に改め、同條第二項及び第三項中「都長官」を「委員會」に改め、同條第四項中「都長官」を「委員會」に改め、「不服ある者は」の下に「都長官に訴願し其の裁決に不服ある者は」を加へ、同條第五項中「第一項」を「第二項」に改め、同條第六項中「異議の決定」の下に「若は訴願の裁決」を加へ、同條第七項中「決定」の下に「若は裁決」を加へる。
第五十四條第三項中「選擧事務長又は選擧事務長に非ずして事實上」を削る。
第五十五條第一項及び第三項中「三月以内に」を削り、同條第五項を削る。
第五十六條第二項を削る。
第五十六條の二 都議會議員の選擧は都長官の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
議員の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て衆議院議員又は都長官の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは議員の選擧は衆議院議員又は都長官の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第五十八條第一項中「又は第四十八條第六項に掲ぐる者なるとき」及び「又は第四十八條第六項に掲ぐる者に該當するや否や」竝びに第二號を削り、第三號を第二號とし、第四號を第三號とする。
同條第二項中「又は第四十八條第六項に掲ぐる者」を削る。
第五十八條の二 選擧管理委員、投票管理者、開票管理者又は選擧長都議會議員の選擧權を有せざるに至りたるときは其の職を失ふ
第五十九條但書中「但し」の下に「同法第九十九條中吏員とあるは選擧管理委員、區市町村會議員選擧管理委員、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人を含むものとし」を加へ、選擧委員の數、選擧運動の爲使用する勞務者の數及」を削る。
第六十條に次の一項を加へる。
前項に規定するものの外都は都條例を以て都に關する事件に付都議會の議決すべきものを定むることを得
第六十二條の二 都議會は都の事務に關する書類及計算書を檢閲し都長官の報告を請求して事務の管理、議決の執行及出納を檢査することを得
都議會は都長官に對し都の事務に關する監査委員の監査を求め其の結果の報告を請求することを得
第六十八條第一項乃至第四項を次のやうに改める。
都議會は定例會及臨時會とす。
定例會は隔月之を開く
臨時會は必要ある場合に於て其の事件に限り之を開く
同條第六項中「第三項及前項」を「前二項」に改め、同條第七項及び第八項を次のやうに改める。
都議會の會期及其の延長竝に開閉に關する事項は第八十四條の會議規則中に之を規定すべし
第六十九條第二項中「十四日」を「七日」に改め、同條第三項を削る。
第七十一條第一項中「議事は」の下に「議員の」を加へ、同條第二項を削る。
第七十二條中「妻」を「配偶者」に改める。
第十七三條第一項中「第四十三條」を「第三十五條の九」に改める。
第七十四條 都議會の會議は之を公開す但し議長又は議員三人以上の發議に依り傍聽禁止を可決したるときは此の限に在らず
前項但書の議長又は議員の發議は討論を用ひず其の可否を決すべし
第七十七條 削除
第八十二條第二項を次のやうに改める。
書記は第九十三條の二十七の吏員の中に就き都長官の同意を得て議長之を定む
第八十三條第三項中「會議録」を「會議録の寫」に改める。
第八十五條第一項中「議長及」を削り、同條第二項を削る。
第八十六條第三項中「年長者を取り年齡同じきときは」を削る。
第八十七條 削除
第八十九條第二項を削る。
第九十條第一項中「議長又は其の代理者及」を削り、同條第三項中「、其の代理者」を削り、「妻」を「配偶者」に改め、同條第四項を削る。
第九十三條 第六十二條乃至第六十七條、第六十八條第六項、第七十三條、第七十五條、第七十六條、第七十八條、第七十九條、第八十二條、第八十三條及第八十四條第一項の規定は都參事會に之を準用す但し第八十三條第三項の規定を準用する場合に於ては都議會議長にも報告すべし
第九十四條の前に次のやうに加へる。
第一節 組織、選擧及任免
第九十三條の二 都に都長官を置く都長官は官吏とす
都長官の任期は四年とし選擧の日より之を起算す
都長官は其の被選擧權ある者に就き選擧人をして選擧せしめ其の者に就き之に任ず
第九十三條の三 都議會議員の選擧權を有する者は都長官の選擧權を有す
第九十三條の四 帝國臣民たる年齡三十年以上の者は都長官の被選擧權を有す
第十三條第一項但書の規定に該當する者は被選擧權を有せず
帝國議會の議員は都長官と相兼ぬることを得ず
都議會議員及都の有給の吏員、教員其の他の職員にして在職中のものは都長官と相兼ぬることを得ず
第九十三條の五 都長官の選擧は現任都長官の任期滿了の日前二十五日以内に之を行ふべし
都長官缺くるに至りたるときは都長官の選擧は其の缺くるに至りたる日より二十五日以内に之を行ふべし但し其の事由第九十三條の十八に於て準用する第四十八條第三項の期限前に生じたる場合に於て第九十三條の十第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第九十三條の十第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
第九十三條の十二第三項の規定は前項但書の場合に之を準用す
第九十三條の十四第四項の規定は第二項の期間に之を準用す
第九十三條の六 都長官の選擧に關する事務は都議會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)之を管理す
都長官の選擧は都議會議員の選擧に用ふる選擧人名簿に依り之を行ふ
選擧管理委員會は選擧の期日前二十日目迄に投票の日時を告示すべし都長官の選擧の投票區及開票區は都議會議員の選擧の投票區及開票區に依る
本法に規定するものの外投票區及開票區に關し必要なる事項は命令を以て之を定む
第九十三條の七 都長官候補者たらんとする者は選擧の期日の告示ありたる日より選擧の期日前七日目迄に其の旨を選擧長に屆出づべし
選擧人名簿に登録せられたる者他人を都長官候補者と爲さんとするときは前項の期間内に其の推薦の屆出を爲すことを得
前二項の期間内に屆出ありたる都長官候補者二人以上ある場合に於て其の期間を經過したる後都長官候補者死亡し又は都長官候補者たることを辭したるときは前二項の例に依り選擧の期日前二日目迄都長官候補者の屆出又は推薦屆出を爲すことを得
都長官候補者は選擧長に屆出を爲すに非ざれば都長官候補者たることを辭することを得ず
前四項の規定に依る屆出ありたるとき又は都長官候補者の死亡したることを知りたるときは選擧長は直に其の旨を告示すべし
第九十三條の八 都長官候補者の屆出又は推薦屆出を爲さんとする者は都長官候補者一人に付二千圓又は之に相當する額面の國債證書を供託することを要す
都長官候補者の得票數有效投票の總數の十分の一に達せざるときは前項の規定に依る供託物は都に歸屬す
前項の規定は都長官候補者選擧の期日前十日以内に都長官候補者たることを辭したる場合に之を準用す但し被選擧權を有せざるに至りたる爲都長官候補者たることを辭したるときは此の限に在らず
第九十三條の九 選擧長は都長官の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
選擧長は選擧會に關する事務を擔任す
選擧會は都廳又は選擧長の指定したる場所に之を開く
選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第九十三條の十 都長官の選擧は有效投票の最多數を得たる者を以て當選者とす但し有效投票の總數の四分の一以上の得票あることを要す
當選者を定むるに當り得票の數同じときは選擧長抽籤して之を定む
第九十三條の十一 第九十三條の七第一項乃至第三項の規定に依る屆出ありたる都長官候補者一人なるときは投票は之を行はず
前項の規定に依り投票を行ふことを要せざるときは選擧長は直に其の旨を告示し併せて之を選擧管理委員會に報告すべし
第一項の場合に於ては選擧長は選擧の期日より五日以内に選擧會を開き都長官候補者を以て當選擧者と定むべし
前項の場合に於て都長官候補者の被選擧權の有無は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし
第九十三條の十二 當選者左に掲ぐる事由の一に該當する場合に於て第二項の規定の適用を受くる者なきときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
一 當選を辭したるとき
二 第九十三條の十八に於て準用する第四十五條の規定に依り當選を失ひたるとき
三 死亡者なるとき
四 選擧に關する犯罪に因り刑に處せられ其の當選無效と爲りたるとき但し第九十三條の五第二項又は前各號の事由に因り選擧の告示を爲したる場合は此の限に在らず
五 第九十三條の十八に於て準用する第五十四條の規定に依る訴訟の結果當選無效と爲りたるとき
前項各號の事由第九十三條の十八に於て準用する第四十八條第三項の期限前に生じたる場合に於て第九十三條の十第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第九十三條の十第二項の十第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
前項の場合に於て第九十三條の十第一項但書の得票者選擧の期日後に於て被選擧權を有せざるに至りたるときは之を當選者と定むることを得ず
第九十三條の十四第四項の規定は第一項の期間に之を準用す
第九十三條の十三 當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に當選者の住所氏名を告示し併せて之を内務大臣に報告すべし
當選者なきに至りたるときは委員會は直に其の旨を告示し併せて之を内務大臣に報告すべし
第九十三條の十四 選擧無效と確定したるときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
當選無效と確定したるときは直に選擧會を開き更に當選者を定むべし此の場合に於ては第九十三條の十二第三項の規定を準用す
當選者なきとき又は當選者なきに至りたるときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
第一項及前項の期間は第九十三條の十五第一項又は第九十三條の十六第一項若は第三項の規定の適用ある場合に於ては選擧を行ふことを得ざる事由已みたる日の翌日より之を起算す
第九十三條の十五 第九十三條の五第二項、第九十三條の十二第一項又は前條第一項若は第三項の選擧は之に關係ある選擧又は當選に關する異議申立期間、異議の決定若は訴願の裁決確定せざる間又は訴訟の繋屬する間之を行ふことを得ず
都長官は選擧又は當選に關する決定若は裁決確定し又は判決ある迄は其の官を失はず
第九十三條の十六 都長官の選擧は都議會議員の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
都長官の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは第五十六條の二第二項の例に依る
都長官の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て衆議院議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは都長官の選擧は衆議院議員の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第九十三條の十七 衆議院議員選擧法第十章及第十一章竝に第百四十條第二項乃至第四項、第百四十二條及第百四十七條の規定は都長官の選擧に之を準用す但し同法第九十九條中吏員とあるは都議會議員選擧管理委員、區市町村會議員選擧管理委員、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人を含むものとし都長官候補者一人に付定むべき選擧運動の費用の額に關しては勅令の定むる所に依る
第九十三條の十八 第十四條第二項及第三項、第二十二條第二項、第二十六條乃至第三十五條、第三十五條の三乃至第三十五條の八、第三十五條の九第一項第一號乃至第七號、第三十五條の十乃至第三十五條の十三、第三十八條乃至第四十一條、第四十五條、第四十七條、第四十八條第一項乃至第三項、第五項及第六項、第五十二條本文、第五十三條第一項乃至第五項、第五十四條竝に第五十八條の二(選擧管理委員に關する部分を除く)の規定は都長官の選擧に之を準用す但し第四十八條第二項中都長官とあるは内務大臣、同條第六項中第三項及第四項とあるは第三項、第五十三條第一項中第五十一條第二項とあるは第九十三條の十三第二項、第五十四條第五項中前條第七項とあるは第九十三條の十五第二項とし第四十八條第五項の規定は現任都長官にして當選したるものに付ては之を適用せず
第九十三條の十九 本法に規定するものの外都の官吏に關しては勅令の定むる所に依る
第九十三條の二十 都に監査委員を置く
監査委員は都吏員とし其の定數は六人とす
監査委員の任期は二年とす
都議會議員の中より選任せられたる監査委員の任期は前項の規定に拘らず議員の任期を超ゆることを得ず但し後任者の選任せらるるに至る迄の間其の職務を行ふことを妨げず
監査委員は都長官都議會の同意を得て都議會議員及學識經驗ある者の中より各同數を選任すべし
本法に規定するものの外監査委員に關し必要なる事項は都條例を以て之を定む
第九十三條の二十一 都長官及監査委員は在職の間都民とす
第九十三條の二十二 都長官及監査委員は都に對し請負を爲し又は都に於て費用を負擔する事業に付都長官若は其の委任を受けたる者に對し請負を爲す者及其の支配人又は主として同一の行爲を爲す法人の無限責任社員、取締役若は監査役又は之に準ずべき者、支配人又は清算人たることを得ず
監査委員は第十四條第二項又は第四項に掲げたる職と相兼ぬることを得ず
第九十三條の二十三 都に都出納吏を置き官吏及第九十三條の二十七の吏員の中に就き都長官之を命ず
第九十三條の二十四 都は參與を置くことを得
參與は都吏員とす
參與は都民中學識經驗ある者の中より都長官之を選任す
本法に規定するものの外參與に關し必要なる事項は都條例を以て之を定む
第九十三條の二十五 都は委員を置くことを得
委員は都吏員とす
委員は學識經驗ある者の中より
都長官之を選任す
第九十三條の二十六 都長官被選擧權を有せざるに至りたるときは其の官を失ふ
監査委員又は參與第十三條第一項但書の規定に該當するに至りたるときは其の職を失ふ
監査委員又は參與の職に在る者にして禁錮以上の刑に該るべき罪の爲豫審又は公判に付せられたるときは都長官は其の職務の執行を停止することを得此の場合に於ては其の停止期間報酬又は給料を支給することを得ず
第九十三條の二十七 本法に規定するものの外都に必要の都吏員を置く
前項の都吏員は都長官之を任免す
第九十三條の二十八 本法に規定するものの外都吏員の組織、任用、分限、給料等に關し必要なる事項は命令を以て之を定む
第二節 職務權限
第九十四條の二 都議會議員の選擧權を有する二萬人以上の者の連署を以て其の代表者より都長官に對し都條例又は都議會の議決を經べき都規則の制定の請求ありたるときは都長官は二十日以内に都議會を招集し意見を附して之に原案を付議すべし
前項の場合に於ては都長官は原案の趣旨に反せずと認むる範圍内に於て之を修正して都議會に付議することを得
都長官は都議會の要求あるときは第一項の代表者又は其の代理者をして會議に出席し原案の説明を爲さしむることを得
第一項の規定に依る都議會議員の選擧權を有する者とは都議會議員の選擧に用ふる選擧人名簿確定の日に於て之に登録せられたる者とす
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第九十六條第一項中「五十圓」を「五百圓」に改め、同條第二項中「給料」を「報酬又は給料」に改める。
第九十八條の二 都議會に於て都長官不信任の議決を爲したるときは都長官は内務大臣に對し都議會の解散を請求することを得
解散後初て招集せられたる都議會に於て再び都長官不信任の議決を爲したるときは都長官は辭任することを要す
前二項の議決に付ては議員數の三分の二以上出席し其の三分の二以上の同意あることを要す
第百二條の二 監査委員は都長官の監督を承け都の經營に係る事業の管理、都の出納其の他都の事務の執行を監査す
都長官は監査委員をして毎會計年度少くとも一囘以上期日を定めて前項の規定に依る監査を爲さしむべし
都議會議員の選擧權を有する二萬人以上の者の連署を以て其の代表者より都長官に對し第一項に規定する事項に關し監査委員の監査の請求ありたるときは都長官は其の請求に係る事項に付監査委員をして監査を爲さしむべし
都長官は監督官廳の命令あるとき、第六十二條の二第二項の規定に依る都議會の要求あるとき其の他必要ありと認むるときは臨時に監査委員をして第一項の規定に依る監査を爲さしむべし
都長官は監査委員をして監査の結果を都議會に報告せしむべし
都長官は監査の結果を都住民に公表すべし
第九十四條の二第四項の規定は第三項の規定に依る都議會議員の選擧權を有する者に之を準用す
第三項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百三條 第九十三條の二十七の吏員は都長官の命を承け事務に從事す前項の吏員は法令の定むる所に依り國及府縣其の他の公共團體の事務を掌る
第百四條第一項を削る。
第百五條 削除
第百六條 參與は都行政に關する重要事項に付都長官の諮問に應ず
第百七條 委員は都長官の委託を受け都の事務に關し必要なる事項を調査す
第百八條 都議會議員、都議會議員選擧管理委員、都參事會員、都議會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員竝に町内會部落會及其の聯合會の長には報酬を給することを得
都議會議員、都議會議員選擧管理委員、都參事會員、都議會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人竝に町内會部落會及其の聯合會の長は職務の爲要する費用の辨償を受くることを得報酬額及費用辨償額竝に其の支給方法は都條例を以て之を規定すべし
第百九條 前條に規定する吏員以外の吏員には給料及旅費を給す
給料額及旅費額竝に其の支給方法は都規則を以て之を規定すべし
前項の都規則を設け又は改廢せんとするときは都議會の議決を經べし
第百十條中「有給吏員」を「前條第一項の吏員」に改める。
第百十一條第二項を次のやうに改める。
前項の規定に依る異議の申立ありたるときは都長官は都參事會に諮りて之を決定すべし
都參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
關係者第二項の規定に依る都長官の決定に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百十七條第二項中「第三項」を「第二項」に改める。
第百二十條第三項中「二十圓」を「二百圓」に改める。
第百二十一條第三項を次のやうに改める。
前二項の規定に依る異議の申立ありたるときは都長官は都參事會に諮りて之を決定すべし
都參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第三項の規定に依る都長官の決定を受けたる者其の決定に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百三十一條第二項中「決算は」の下に「監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して」を加へ、「之を」を削る。
第百三十一條の二 都長官は都議會の指定したる都の經營に係る事業に付其の經營状況を明ならしむる爲定期に貸借對照表其の他必要なる書類を作製し監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して次の都議會に提出べし
第百三十五條第一項を次のやうに改める。
都議會議員の選擧權を有する二十萬人以上の者の連署を以て其の代表者より内務大臣に對し都議會の解散の請求ありたるとき、第九十八條の二第一項の規定に依る都議會の解散の請求ありたるとき其の他特別の事情あるときは内務大臣は都議會の解散を命ずることを得
同條第三項及び第四項を次のやうに改める。
第九十四條の二第四項の規定は第一項の規定に依る都議會議員の選擧權を有する者に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百三十五條の二 都議會議員の選擧權を有する二十萬人以上の者の連署を以て其の代表者より都長官又は都議會議員に付ては内務大臣に對し、監査委員又は都議會議員選擧管理委員に付ては都長官に對し此等の者の解職(都長官に付ては其の免官)の請求ありたるときは内務大臣又は都長官は關係者の出頭を求めて之を審査し其の理由ありと認むるときは都長官に付ては其の旨を内閣總理大臣に報告し其の他の者に付ては之を解職すべし
前項の報告ありたるときは内閣總理大臣は其の免官を奏請すべし
第九十四條の二第四項の規定は第一項の規定に依る都議會議員の選擧權を有する者に之を準用す
第九十六條第二項の規定は第一項の規定に依り解職(都長官に付ては免官以下本條中之に同じ)を行はんとする場合に、同條第三項の規定は第一項の規定に依り解職せられたる者に之を準用す但し都長官の免官に付ては同條第二項中都長官とあるは内閣總理大臣、報酬又は給料とあるは俸給とす
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百三十八條中「其の許可」を「報告を以て許可に代へ又は許可」に改める。
第百三十九條中「都吏員の服務紀律」を「都吏員及都議會議員選擧管理委員の服務紀律」に改め、同條に次の一項を加へる。
第九十六條の規定は都議會議員選擧管理委員の懲戒に之を準用す
第百四十條の前に次のやうに加へる。
第一款 區及其の區域
第百四十一條第一項及び第三項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百四十二條の次に次のやうに加へる。
第二款 區住民及其の權利義務
第百四十二條の二 區内に住所を有する都住民は其の區住民とす
區住民は本法に從ひ區の營造物を共用する權利を有し區の負擔を分任する義務を負ふ
第百四十二條の三 帝國臣民たる區住民(之を區民と稱す)は本法に從ひ區の選擧に參與する權利を有す
第百四十二條の四 區民は本法に從ひ區條例又は區規則の制定を請求する權利を有す
區民は本法に從ひ區の事務の監査を請求する權利を有す
第百四十二條の五 區民は本法に從ひ區會の解散を請求する權利を有す
區民は本法に從ひ區長、監査委員、區會議員又は區會議員選擧管理委員の解職(區長に付ては免官)を請求する權利を有す
第三款 區條例及區規則
第百四十三條 區は區住民の權利義務又は區の事務に關し區條例を設くることを得
區は區の營造物又は區の事務に關し區條例を以て規定するものの外區規則を設くることを得
區條例及區規則は第九條第三項の公告式に依り之を告示すべし
第百四十四條の前に次のやうに加へる。
第四款 區會
第百四十五條 都議會議員の選擧權を有する者にして區内に住所を有するものは區會議員の選擧權を有す
區は區會の議決を經て區に對し特別の關係ある者に付第十三條第一項及前項の規定に依る住所の要件に拘らず選擧權を與ふることを得
第百五十四條の三の區民は第一項の規定に依る要件に拘らず選擧權を有す
第百四十六條第一項中「選擧權を有する都公民」を「選擧權を有する者にして年齡二十五年以上のもの」に改め、同條第三項中「選擧事務」を「區會議員選擧管理委員竝に選擧事務」に改める。
第百四十七條第一項を削り、同條第二項中「議員」を「區會議員」に改める。
第百四十七條の二 區に區會議員選擧管理委員會を置く
選擧管理委員會は區會議員選擧管理委員四人を以て之を組織す
委員は區會に於て區會議員の選擧權を有する者の中より之を選擧すべし
委員會は區長の監督を承け法令の定むる所に依り區會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
第百四十八條 區會議員の選擧は其の區に於ける都議會議員の選擧に用ふる選擧人名簿及補充選擧人名簿に依り之を行ふ
區會議員選擧管理委員會は毎年九月十五日の現在に依り補充選擧人名簿を調製すべし
補充選擧人名簿には區會議員の選擧權を有する者にして其の區に於ける都議會議員の 選擧に用ふる選擧人名簿に登録せらるることを得ざるものを登録すべし
補充選擧人名簿には選擧人の氏名及住所等を記載すべし
第百五十條 區會の議決すべき事件左の如し
一 區條例を設け又は改廢すること
二 歳入出豫算を定むること
三 決算報告を認定すること
四 營造物の設置及處分に關すること
五 法令に定むるものを除くの外使用料、區税又は分擔金の賦課徴收に關すること
六 財産の取得、管理及處分竝に區費を以て支辨すべき工事の執行に關する區規則を設け又は改廢すること但し法令に規定あるものは此の限に在らず
七 歳入出豫算を以て定むるものを除くの外新に義務の負擔を爲し及權利の抛棄を爲すこと
八 營造物の管理に關する區規則を設け又は改廢すること但し法令に規定あるものは此の限に在らず
九 區に係る訴願、訴訟及和解に關すること
十 其の他法令に依り區會の權限に屬する事項
前項に規定するものの外區は區條例を以て區に關する事件に付區會の議決すべきものを定むることを得
第百五十一條中「其の代理者」を「副議長」に改める。
第百五十二條の前に次のやうに加へる。
第五款 區所屬の官吏及吏員竝に區吏員
第百五十一條の二 區に區長を置く
區長は都の二級以上の官吏の中に就き區會の意見を徴して都長官之を命ず
第百五十一條の三 區會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一(其の數千を超ゆるときは千以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より區長に對し區條例又は區會の議決を經べき區規則の制定の請求ありたるときは區長は二十日以内に區會を招集し意見を附して之に原案を付議すべし
前項の場合に於ては區長は原案の趣旨に反せずと認むる範圍内に於て之を修正して區會に付議することを得
區長は區會の請求あるときは第一項の代表者又は其の代理者をして會議に出席し原案の説明を爲さしむることを得
第一項の區會議員の選擧權を有する者とは區會議員の選擧に用ふる選擧人名簿確定の日に於て之に登録せられたる者とす
第一項の區會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數は前項の選擧人名簿確定後直に區長に於て之を告示すべし
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百五十一條の四 區會に於て區長不信任の議決を爲したるときは區長は都長官を經て内務大臣に對し區會の解散を請求することを得
解散後初て招集せられたる區會に於て再び區長不信任の議決を爲したるときは區長は辭任することを要す
前二項の議決に付ては議員數の三分の二以上出席し其の三分の二以上の同意あることを要す
第百五十條の二 區は區條例を以て監査委員を置くことを得
監査委員は區吏員とし其の定數は二人とす
監査委員の任期は二年とす
區會議員の中より選任せられたる監査委員の任期は前項の規定に拘らず議員の任期を超ゆることを得ず但し後任者の選任せらるるに至る迄の間其の職務を行ふことを妨げず
監査委員は區長區會の同意を得て區會議員及學識經驗ある者の中より各一人を選任すべし
監査委員は區長の監督を承け區の營造物の管理、區の出納其の他區の事務の執行を監査す
第百五十四條の三 區長及監査委員は在職の間其の區の區民とす
第百五十四條の四 區會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一以上の者の連署を以て其の代表者より區長に對し第百五十四條の二第六項に規定する事項に關し監査委員の監査の請求ありたるときは區長は其の請求に係る事項に付監査委員をして監査を爲さしむべし
第百五十一條の三第四項の規定は前項の區會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は前項の區會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數に之を準用す第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百五十四條の五 區は委員を置くことを得
委員は區吏員とす
委員は學識經驗ある者の中より區長之を選任す
委員は區長の委託を受け區の事務に關し必要なる事項を調査す
第百五十六條の二 前數條に定むる者の外區に必要の區吏員を置き區長之を任免す
前項の吏員の定數は區會の議決を經て之を定む
第一項の吏員は區長の命を承け事務に從事す
第百五十七條の前に次のやうに加へる。
第六款 給料及給與
第百五十六條の三 區會議員、區會議員選擧管理委員、區會議員の中より選任せられたる監査委員及委員には報酬を給することを得
前項の者は職務の爲要する費用の辨償を受くることを得
報酬額及費用辨償額竝に其の支給方法は區條例を以て之を規定すべし
第百五十六條の四 前條第一項に規定する吏員以外の吏員には給料及旅費を給す
給料額及旅費額竝に其の支給方法は區規則を以て之を規定すべし
前項の區規則を設け又は改廢せんとするときは區會の議決を經べし
第百五十六條の五 報酬、費用辨償、給料、旅費其の他の給料は區の負擔とす
第七款 區の財務
第百五十七條第二項を削る。
第百五十七條の二 區は營造物の使用に付使用料を徴收することを得
第百五十七條の三 區は其の支出に充つる爲區税及分擔金を賦課徴收することを得
第百五十七條の四 區税及其の賦課徴收に關しては地方税法の定むる所に依る
分擔金は勅令の定むる所に依り區の一部を利する營造物又は區の一部に對し利益ある事件に關し特に利益を受くる者より之を徴收す
第百五十七條の五 區は其の負債を償還する爲、區の永久の利益と爲るべき支出を爲す爲又は天災事變等の爲必要ある場合に限り區會の議決を經て區債を起すことを得
區債を起すに付區會の議決を經るときは併せて起債の方法、利息の定率及償還の方法に付議決を經べし
第百五十七條の六 都は區の財政調整上必要あるときは區に交付金を交付することを得
第百五十八條の前に次のやうに加へる。
第八款 補則
第百五十八條の二 區會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一(其の數一萬を超ゆるときは一萬以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より内務大臣に對し區會の解散の請求ありたるとき、第百五十一條の四第一項の規定に依る區會の解散の請求ありたるとき其の他特別の事情あるときは内務大臣は區會の解散を命ずることを得
第百五十一條の三第四項の規定は前項の區會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は前項の區會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百五十八條の三 區會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一以上の者の連署を以て其の代表者より區長又は區會議員に付ては都長官に對し、監査委員又は區會議員選擧管理委員に付ては區長に對し此等の者の解職(區長に付ては其の免官)の請求ありたるときは都長官又は區長は關係者の出頭を求めて之を審査し其の理由ありと認むるときは區長に付ては其の旨を内務大臣に(此の場合に於て區長一級官なるときは内務大臣は更に其の旨を内閣總理大臣に)報告し其の他の者に付ては之を解職すべし
前項の報告ありたるときは内務大臣又は内閣總理大臣は其の免官を奏請すべし
第百五十一條の三第四項の規定は第一項の區會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第一項の區會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百六十條 都内の市町村に付ては市制第三條乃至第五條及第百七十二條竝に町村制第三條、第四條及第百五十三條の規定に拘らず本法の定むる所に依る
第百六十二條乃至第百六十七條 削除
第百六十八條 都内の市町村に付ては市制及町村制中府縣知事又は知事とあるは都長官、府縣とあるは都、道府縣制とあるは東京都制、府縣參事會とあるは都參事會、府縣參事會員とあるは都參事會員とす
第百七十條第一項中「其の組合管理者は之を町村長」を「其の組合會議員選擧管理委員は之を町村會議員選擧管理委員、其の組合會議員選擧管理委員會は之を町村會議員選擧管理委員會」に改め、同條第二項中「其の組合管理者は之を町村長」を「其の組合管理者選擧管理委員は之を町村會議員選擧管理委員、其の組合管理者選擧管理委員會は之を町村會議員選擧管理委員會」に改める。
第百七十四條中「議員」の下に「及都長官」を加へ、同條に次の但書を加へる。
但し衆議院議員選擧法第百十二條第二項、第百十三條第二項、第百十六條、第百十七條及第百二十七條第四項中吏員とあるは都議會議員選擧管理委員、區市町村會議員選擧管理委員、投票管理者、開票管理者又は選擧長を含むものとす
附 則
この法律中公民權に關する規定(名譽職に關する規定を含む。以下これに同じ。)及び都議會議員又は區市町村會議員の選擧に關する規定(附則第十二項及び第十三項の規定を除く。)は、次の都議會議員又は區市町村會議員の總選擧から、これを施行し、その他の規定の施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
この法律により都長官又は區市町村會議員を選擧する場合において、この法律中公民權に關する規定及び都議會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐないときは、その規定は、この法律中都長官又は區市町村會議員の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
この法律により都議會議員又は都長官を選擧する場合において、この法律中區市町村會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐない區市町村においては、その規定は、この法律中都議會議員又は都長官の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
この法律中公民權に關する規定及び都議會議員の選擧に關する規定が施行された場合において、この法律中區市町村會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐない區市町村においては、この法律中公民權に關する規定及び都議會議員の選擧に關する規定は、東京都制、市制又は町村制中公民權及び區市町村會議員の選擧に關する規定の適用については、次の總選擧までの間、まだ施行されてゐないものとみなす。
この法律中公民權及び都議會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐない場合において、この法律中區市町村會議員の選擧に關する規定が施行された區市町村においては、この法律中區市町村會議員の選擧に關する規定は、東京都制中都議會議員の選擧に關する規定の適用については、次の總選擧までの間、まだ施行されてゐないものとみなす。
この法律により都議會議員又は都長官を選擧する場合において、昭和二十一年の市制の一部を改正する法律及び同年の町村制の一部を改正する法律中公民權及び議員の選擧に關する規定(町村制第六十一條の三第二項、第三項及び第五項の規定を含む。以下これに同じ。)がまだ施行されてゐない市町村においては、その規定は、都議會議員又は都長官の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
昭和二十一年の市制の一部を改正する法律又は同年の町村制の一部を改正する法律中公民權及び議員の選擧に關する規定は、これを施行した市町村においては、東京都制中都議會議員の選擧に關する規定の適用については、次の總選擧までの間、まだ施行されてゐないものとみなす。
前六項の場合において必要な選擧人名簿に關しては、命令で特別の規定を設けることができる。
昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例の件)の適用を受ける衆議院議員選擧人名簿を用ひて都議會議員の選擧を行ふ場合においては、第十六條の十一第一項の改正規定の適用については、その名簿中名簿調製期日において、都議會議員の選擧權を有する者に關する部分(これを衆議院議員選擧人名簿中關係部分といふ。)を、衆議院議員選擧人名簿とみなす。この場合における衆議院議員選擧人名簿中關係部分に關しては、昭和二十一年の市制の一部を改正する法律による改正前の市制第二十一條の三竝びに第二十一條の四第三項及び第四項の例による。但し、「市長(第六條の市に於ては區長)」とあるのは、「區市町村會議員選擧管理委員會」と讀み替へるものとする。
第九十三條の二乃至第九十三條の十八又は第百五十一條の二の改正規定施行の際現に在職する都長官又は區長は、これらの規定による都長官又は區長が任命されるまでの間は、これらの規定の施行によつては、その地位を失はない。
現任都議會議員の任期は、昭和二十一年八月三十一日までとする。但し、その任期滿了後も、この法律により初めて行はれる議員の選擧の期日までの間は、なほ、その職にあるものとする。
戸籍法の適用を受けない者の都議會議員又は區會議員の選擧權及び被選擧權(この法律中公民權に關する規定及び都議會議員又は區市町村會議員の選擧に關する規定の施行前においては、これらの者の公民權)竝びに都長官の被選擧權は、當分の間、これを停止する。
前項の者は、これを選擧人名簿に登録することができない。
この法律の施行に關し必要な規定は、勅令でこれを定める。
━━━━━━━━━━━━━
市制の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において修正議決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
市制の一部を改正する法律案
市制の一部を次のやうに改正する。
第三條、第四條第一項及び第四條の二中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第六條第二項但書中「意見をも徴すべし」を「議決をも經べし」に改める。
第九條 帝國臣民たる市住民(之を市民と稱す)は本法に從ひ市の選擧に參與する權利を有す
第十條 市民は本法に從ひ市條例又は市規則の制定を請求する權利を有す
市民は本法に從ひ市の事務の監査を請求する權利を有す
第十一條 市民は本法に從ひ市會の解散を請求する權利を有す
市民は本法に從ひ市長、助役、監査委員、收入役、市會議員又は市會議員選擧管理委員若は市會議員區選擧管理委員の解職を請求する權利を有す
第十四條 年齡二十年以上の市民にして六月以來市内に住所を有するものは市會議員の選擧權を有す但し左の各號の一に該當する者は此の限に在らず
一 禁治産者及準禁治産者
二 六年の懲役又は禁錮以上の刑に處せられたる者
三 刑法第二編第一章、第三章、第九章、第十六章乃至第二十一章、第二十五章又は第三十六章乃至第三十九章に掲ぐる罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至りたる後其の刑期の二倍に相當する期間を經過するに至る迄の者但し其の罪間五年より短きときは五年とす
四 六年未滿の禁錮の刑に處せられ又は前號に掲ぐる罪以外の罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至る迄の者
市は市會の議決を經て市に對し特別の關係ある者に付前項の規定に依る住所の要件に拘らず選擧權を與ふることを得
第七十六條及第七十九條第三項の市民は第一項の規定に依る住所期間の制限に拘らず選擧權を有す
第一項の六月の期間は市町村の廢置分合又は境界變更の爲中斷せらるることなし
第十五條 市に市會議員選擧算理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)を置く
選擧管理委員會は市會議員選擧管理委員(以下本章中選擧管理委員と稱す)四人を以て之を組織す
第十五條の二 選擧管理委員は市會に於て市會議員の選擧權を有する者の中より之を選擧すべし
市會は委員と同數の補充員を選擧すべし
委員中闕員あるときは選擧管理委員會の委員長は補充員の中に就き之を補闕す其の順序は選擧の時を異にするときは選擧の前後に依り選擧同時なるときは得票數に依り得票同數なるときは抽籤に依る仍闕員ある場合に於ては臨時補闕選擧を行ふべし
委員及其の補充員は隔年之を選擧すべし
委員は後任者の就任するに至る迄在任す
委員は其の選擧に關し第九十條の處分確定し又は判決ある迄は其の職務を行ふの權を失はず
第十五條の三 選擧管理委員會は市長の監督を承け法令の定むる所に依り市會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
第六條及第八十二條第一項の市の選擧管理委員會は市會議員の選擧に關する事務に付ては市會議員區選擧管理委員會を指揮監督す
第十五條の四 選擧管理委員會は委員中より委員長一人を選擧すべし
委員長は委員會に關する事務を總理し委員會を代表す
第十五條の五 選擧管理委員會は委員長之を招集す委員二人以上より委員會招集の請求あるときは委員長は之を招集すべし
第十五條の六 選擧管理委員會は委員三人以上出席するに非ざれば會議を開くことを得ず
第三項の規定に依り委員の數減少して前項の數を得ざるときは委員長は補充員にして其の事件に關係なきものを以て第十五條の二第三項の順序に依り臨時之に充つべし委員の故障に因り前項の數を得ざるとき亦同じ
委員長及委員は自己又は父母、祖父母、配偶者、子孫若は兄弟姉妹の一身上に關する事件に付ては其の議事に參與することを得ず但し委員會の同意を得たるときは會議に出席し發言することを得
第十五條の七 選擧管理委員會の議事は委員の過半數を以て決す可否同數なるときは委員長の決する所に依る
第十五條の八 選擧管理委員會に書記を置き委員長の指揮を承け委員會に關する事務に從事せしむ
書記は第八十五條の吏員の中に就き市長の承認を得て委員長之を定む
第十五條の九 本法に規定するものの外選擧管理委員會に關し必要なる事項は委員會之を定む
第十五條の十 第六條及第八十二條第一項の市の區に市會議員區選擧管理委員會(以下區選擧管理委員會と稱す)を置き市會議員區選擧管理委員(以下區選擧管理委員と稱す)四人を以て之を組織す
區選擧管理委員會は選擧管理委員會の指揮監督を承け法令の定むる所に依り其の區に於ける市會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
第十五條の二及第十五條の四乃至第十五條の八の規定は區選擧管理委員會に之を準用す但し第十五條の二第一項中市會議員の選擧權を有する者とあるは其の區に於ける市會議員の選擧權を有する者、第十五條の八第二項中第八十五條の吏員とあるは第八十六條の吏員、市長とあるは區長とす
本法に規定するものの外區選擧管理委員會に關し必要なる事項は選擧管理委員會之を定む
第十六條第三項を次のやうに改める。
第六條及第八十二條第一項の市に於ては區の區域を以て選擧區とす但し其の區域の人口著しく少きときは市條例を以て數區の區域を合せて一選擧區を設くることを得
前項の各選擧區より選出する議員數は市條例を以て之を定むべし
第三項但書の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
同條第四項中「第七十六條又は第七十九條第三項」を「第十四條第二項又は第三項」に、「市公民たる者」を「選擧權を有する者」に、「市長」を「選擧管理委員會」に改める。
第十七條中「市」を「選擧管理委員會」に改める。
第十八條第一項中「選擧權を有する市公民」を「選擧權を有する者にして年齡二十五年以上のもの」に改め、同條第三項中「選擧事務」を「選擧管理委員、區選擧管理委員、選擧長、選擧立會人、投票分會長及投票立會人竝に選擧事務」に、「有給吏員」を「有給の吏員」に改める。
第十九條第一項を削り、同條第二項中「議員」を「市會議員」に改める。
第二十條の二第一項を次のやうに改める。
市會議員の選擧は其の市に於ける衆議院議員選擧人名簿及補充選擧人名簿に依り之を行ふ
第二十一條第一項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改め、「但し」の下に「第十六條第三項但書の場合を除くの外」を加へる。
第二十一條の二第一項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に、(第六條の市に於ては區役所」を「第六條及第八十二條第一項の市に於ては區役所」に改め、同條第二項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改める。
第二十一條の三第一項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改め、「衆議院議員選擧人名簿中關係部分に脱漏又は誤載ありと認むるとき亦同じ」を削り、同條第二項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改め、同條第三項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に、「修正し衆議院議員選擧人名簿中關係部分に脱漏ありとするときは補充選擧人名簿に登録し(其の名簿なきときは其の者に關し其の名簿を作製し)誤載ありとするときは衆議院議員選擧人名簿中關係部分に其の旨を表示すべし」を「修正すべし」に改め、同條第五項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に、「處置」を「名簿の修正」に改める。
第二十一條の四第三項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に、「修正し衆議院議員選擧人名簿中關係部分に關し處置を要するときは市長(第六條の市に於ては區長)は直に前條第三項の規定に準じ處置すべし」を「修正すべし」に改め、同條第四項中「又は處置を爲」を削り、「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改め、同條第五項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」に改める。
第二十二條第一項中「市長」を「選擧管理委員會」に、同條第四項中「市長」を「委員會」に改める。
第二十二條の二第一項、第四項及び第五項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧長」に改める。
第二十三條 選擧長は市會議員の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
選擧長は選擧會に關する事務を擔任す
投票分會長は市會議員の選擧權を有する者(第六條及第八十二條第一項の市に於ては其の區に於ける市會議員の選擧權を有する者)の中に就き委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)の選任したる者を以て之に充つ
投票分會長は投票分會に關する事務を擔任す
第二十三條の二第一項乃至第六項を次のやうに改める。
選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)は選擧人名簿(選擧區ある場合に於ては其の選擧區の選擧人名簿)に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て四人乃至六人(選擧區ある場合に於ては各選擧區に付四人乃至六人)の選擧立會人を選任すべし
同條第七項中「第二項の規定に依る選擧立會人三人に達せざるとき若は」を「前項の規定に依る選擧立會人」に、市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧長」に改める。
同條第八項を次のやうに改める。
選擧立會人は正當の理由なくして其の職を辭することを得ず
同條第九項中「前八項」を「前三項」に改める。
第二十五條第八項中「市長」を「選擧管理委員會」に改める。
第二十五條の三第一項を次のやうに改める。
投票の拒否は選擧立會人又は投票立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長又は投票分會長之を決すべし
同條第四項中「投票立會人」を「投票分會長又は投票立會人」に改める。
第二十七條中「市長」を「選擧長」に改める。
第二十七條の二第二項中「調査し選擧立會人の意見を聽き其の受理如何を決定すべし」を「調査すべし其の投票の受理如何は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし」に改め、同條第四項中「市長」を「選擧管理委員會」に改める。
第二十七條の四第一項中「市は府縣知事の許可を得」を「選擧管理委員會は」に改める。
第二十九條 投票の效力は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし
第三十條第二項中「年長者を取り年齡同しきときは」を削る。
第三十條の三第二項中「市長(第六條の市に於ては區長)は直に其の旨」を「選擧長は直に其の旨を選擧管理委員會に報告し且之」に定め、同條第四項中「選擧立會人の意見を聽き選擧長之を決定すべし」を「選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし」に改め、同條第五項中「市長(第六條の市に於ては區長)」を「選擧長」に改める。
第三十一條第二項中「各選擧區の」を削り、「第六條の市」を「第六條及第八十二條第一項の市」に、「市長」を「選擧管理委員會」に改め、同條第五項を次のやうに改める。
選擧録、投票録及投票は其の他の關係書類と共に委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)に於て議員の任期間之を保存すべし
選擧人名簿は委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)に於て議員の任期間之を保存すべし
第三十二條第一項中「市長」を「選擧管理委員會」に、「第六條の市に於ては區長」を「第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會」に、「府縣知事」を「市長」に改め、同條第二項乃至第七項を次のやうに改める。
前項の場合に於ては委員會は選擧録の寫を添へ直に府縣知事に當選者の住所氏名 當選者なき旨を報告すべし
當選者當選の告知を受けたるときは五日以内に其の當選を承諾するや否やを委員會に申立つべし
一人にして數選擧區に於て當選したるときは最終に當選の告知を受けたる日より五日以内に何れの當選に應ずべきかを委員會に申立つべし
前二項の申立を其の期間内に爲さざるときは其の當選を辭したるものと看做す
官吏にして當選したるものは所屬長官の許可を受くるに非ざれば之に應ずることを得ず
前項の官吏にして當選したるものに付ては第三項及第四項の期間は十日以内とす
第三十三條第一項第二號中「第三項」を「第四項」に改め、「又は抽籤に依り一の選擧區の當選者と定まり」を削り、同條第五項中「市長」を「選擧長」に改める。
第三十四條第一項を次のやうに改める。
當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に其の旨を市長に報告すると共に當選者の住所氏名を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし
同條第二項中「市長は直に其の旨を告示し併せて之を」を「委員會は直に其の旨を市長に報告すると共に之を告示し併せて」に改める。
第三十六條第一項中「市長に」を選擧管理委員會に」に、「市長は」を「委員會は」に改め、同條第三項中「第一項」を「第二項」に改め、同條第四項中「市長」を「委員會」に改める。
第三十六條の二第三項中「選擧事務長又は選擧事務長に非ずして事實上」を削る。
第三十七條第一項及び第三項中「三月以内に」を削り、同條第五項を削る。
第三十七條の二第二項を削る。
第三十七條の三 市會議員の選擧は市長の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
議員の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て市長の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは議員の選擧は市長の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第三十八條第一項中「又は第三十二條第六項に掲くる者なるとき」及び「又は第三十二條第六項に掲くる者に該當するや否」竝びに第二號を削り、第三號を第二號とし、第四號を第三號とし、同條第二項中「又は第三十二條第六項に掲くる者」を削る。
第三十八條の二 選擧管理委員、區選擧管理委員、選擧長又は投票分會長市會議員の選擧權を有せざるに至りたるときは其の職を失ふ
第三十九條中「市長」を「選擧管理委員會」に改める。
第三十九條の二但書中「但し」の下に「同法第九十九條中吏員とあるは選擧管理委員、區選擧管理委員、選擧長、選擧立會人、投票分會長、投票立會人、開票分會長及開票立會人を含むものとし」を加へ、「選擧委員の數、選擧運動の爲使用する勞務者の數及」を削る。
第四十條に次の但書を加へる。
但し衆議院議員選擧法第百十二條第二項、第百十三條第二項、第百十六條、第百十七條及第百二十七條第四項中吏員とあるは選擧管理委員、區選擧管理委員選擧長、投票分會長又は開票分會長を含むものとす
第四十二條に次の二項を加へる。
市參事會を置かざる市に於ては市會は前項に規定するものの外第六十七條第一項第四號乃至第六號に掲ぐる事件を議決すべし
前二項に規定するものの外市は市條例を以て市に關する事件に付市會の議決すべきものを定むることを得
第四十五條に次の一項を加へる。
市會は市長に對し市の事務に關する監査委員の監査を求め其の結果の報告を請求することを得
第五十條の二 市會は定例會及臨時會とす
定例會は隔月之を開く
臨時會は必要ある場合に於て其の事件に限り之を開く
臨時會に付すべき事件は市長豫め之を告示すべし
臨時會開會中急施を要する事件あるときは前二項の規定に拘らず直に之を其の會議に付することを得
市會の會期及其の延長竝に開閉に關する事項は第六十三條の會議規則中に之を規定すべし
第五十一條第二項中「告知」を「告示」に改め、同條第三項を削る。
第五十三條第一項中「議事は」の下に「議員の」を加へ、同條第二項を削る。
第五十四條中「妻」を「配偶」者に改める。
第五十六條 市會の會議は之を公開す但し議長又は議員三人以上の發議に依り傍聽禁止を可決したるときは此の限に在らず
前項但書の議長又は議員の發議は討論を用ひず其の可否を決すべし
第五十七條の三を削る。
第六十一條第二項中「市長之を命ず」を「市長の同意を得て議長之を定む」に改める。
第六十二條第三項中「會議録」を「會議録の寫」に改める。
第六十四條 市に市參事會を置く但し特別の事情ある市に於ては市條例を以て市參事會を置かざることを得
第六十五條第一項乃至第三項中「名譽職」を削り、同條第四項中「名譽職」及び「年長者を取り年齡同じきときは」を削り、同條第五項乃至第七項中「名譽職」を削る。
第六十六條 削除
第六十八條第一項中「名譽職」を削り、同條第二項を削る。
第七十條第一項中「議長又は其の代理者及」を削り、「名譽職參事會員」を「參事會員」に改め、同條第二項中「第四項の規定」を「第三項の規定」に改め、「名譽職」を削り、同條第三項を削り、同條第四項中「、其の代理者」を削り、「妻」を「配偶者」に改め、同條第五項を削る。
第七十一條 第四十四條、第四十六條乃至第五十條、第五十條の二第六項、第五十三條、第五十五條、第五十七條乃至第五十九條、第六十一條、第六十二條及第六十三條第一項の規定は市參事會に之を準用す但し第六十二條第三項の規定を準用する場合に於ては市會議長にも報告すべし
第七十二條の二 市長の任期は四年とし選擧の日より之を起算す
第七十三條 市長は其の被選擧權ある者に就き選擧人之を選擧す
市會議員の選擧權を有する者は市長の選擧權を有す
市長の選擧は現任市長の任期滿了の日前二十日以内に之を行ふべし
市長の退職の申立ありたるとき又は市長闕くるに至りたるときは市長の選擧は其の退職すべき日前二十日以内又は其の闕くるに至りたる日より二十日以内に之を行ふべし但し其の事由第七十三條の十三に於て準用する第三十二條第三項又は第七項の期限前に生じたる場合に於て第七十三條の六第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第七十三條の六第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
第七十三條の八第三項及第五項の規定は前項但書の場合に之を準用す
第七十三條の十第四項の規定は第四項の期間に之を準用す
第七十三條の二 帝國臣民たる年齡二十五年以上の者は市長の被選擧權を有す
第十四條第一項但書の規定に該當する者は市長の被選擧權を有せず
市會議員及市の有給の吏員、教員其の他の職員にして在職中のものは其の市の市長と相兼ぬることを得ず
第七十三條の三 市長の選擧に關する事務は市會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)之を管理す
市長の選擧は市會議員の選擧に用ふる選擧人名簿に依り之を行ふ
選擧管理委員會は選擧の期日前十五日目迄に選擧會場及投票の日時を告示すべし投票分會を設くる場合に於ては併せて其の區劃を告示すべし
第七十三條の四 市長候補者たらんとする者は選擧の期日の告示ありたる日より選擧の期日前五日目迄に其の旨を選擧長に屆出づべし
選擧人名簿に登録せられたる者他人を市長候補者と爲さんとするときは前項の期間内に其の推薦の屆出を爲すことを得
前二項の期間内に屆出ありたる市長候補者二人以上ある場合に於て其の期間を經過したる後市長候補者死亡し又は市長候補者たることを辭したるときは前二項の例に依り選擧の期日前二日目迄市長候補者の屆出又は推薦屆出を爲すことを得
市長候補者は選擧長に屆出を爲すに非ざれば市長候補者たることを辭することを得ず
前四項の規定に依る屆出ありたるとき又は市長候補者の死亡したることを知りたるときは選擧長は直に其の旨を告示すべし
第七十三條の五 市長候補者の屆出又は推薦屆出を爲さんとする者は市長候補者一人に付千圓又は之に相當する額面の國債證書を供託することを要す
市長候補者の得票數有效投票の總數の十分の一に達せざるときは前項の規定に依る供託物は市に歸屬す
前項の規定は市長候補者選擧の期日前七日以内に市長候補者たることを辭したる場合に之を準用す但し被選擧權を有せざるに至りたる爲市長候補者たることを辭したるときは此の限に在らず
第七十三條の六 市長の選擧は有效投票の最多數を得たる者を以て當選者とす但し有效投票の總數の四分の一以上の得票あることを要す
當選者を定むるに當り得票の數同じきときは選擧長抽籤して之を定む
第七十三條の七 第七十三條の四第一項乃至第三項の規定に依る屆出ありたる市長候補者一人なるときは投票は之を行はず
前項の規定に依り投票を行ふことを要せざるときは選擧長は直に其の旨を告示し併せて之を選擧管理委員會に報告すべし
第一項の場合に於ては選擧長は選擧の期日より五日以内に選擧會を開き市長候補者を以て當選者と定むべし
前項の場合に於て市長候補者の被選擧權の有無は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし
第三項の場合に於ては選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第七十三條の八 當選者左に掲ぐる事由の一に該當する場合に於て第二項の規定の適用を受くる者なきときは二十日以内に更に選擧を行ふべし
一 當選を辭したるとき
二 第七十三條の十三に於て準用する第三十條の二の規定に依り當選を失ひたるとき
三 死亡者なるとき
四 選擧に關する犯罪に依り刑に處せられ其の當選無效と爲りたるとき但し第七十三條第四項又は前各號の事由に依る選擧の告示を爲したる場合は此の限に在らず
五 第七十三條の十三に於て準用する第三十六條の二の規定に依る訴訟の結果當選無效と爲りたるとき
前項各號の事由第七十三條の十三に於て準用する第三十二條第三項又は第七項の期限前に生じたる場合に於て第七十三條の六第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第七十三條の六第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
前項の場合に於て第七十三條の六第一項但書の得票者選擧の期日後に於て被選擧權を有せざるに至りたるときは之を當選者と定むることを得ず
第七十三條の十第四項の規定は第一項の期間に之を準用す
第二項の場合に於ては選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第七十三條の九 當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に當選者の住所氏名を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし
當選者なきに至りたるときは委員會は直に其の旨を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし
第七十三條の十 選擧無效と確定したるときは二十日以内に更に選擧を行ふべし
當選無效と確定したるときは直に選擧會を開き更に當選者を定むべし此の場合に於ては第七十三條の八第三項及第五項の規定を準用す
當選者なきとき又は當選者なきに至りたるときは二十日以内に更に選擧を行ふべし
第一項及前項の期間は第七十三條の十一第一項又は第七十三條の十二第一項の規定の適用ある場合に於ては選擧を行ふことを得ざる事由已みたる日の翌日より之を起算す
第七十三條の十一 第七十三條第四項、第七十三條の八第一項又は前條第一項若は第三項の選擧は之に關係ある選擧又は當選に關する異議申立期間、異議の決定若は訴願の裁決確定せざる間又は訴訟の繋屬する間之を行ふことを得ず
市長は選擧又は當選に關する決定若は裁決確定し又は判決ある迄は其の職を失はず
第七十三條の十二 市長の選擧は市會議員の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
市長の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは第三十七條の三第二項の例に依る
第七十三條の十三 第十七條、第十八條第二項及第三項、第二十二條第三項及第四項、第二十三條、第二十三條の二(選擧區に關する部分を除く)、第二十四條、第二十五條第一項乃至第八項及第十項、第二十五條の二乃至第二十五條の四、第二十七條乃至第二十七條の四、第二十八條第一號乃至第七號、第二十九條、第三十條の二、第三十一條第一項、第三項、第四項、第五項(區選擧管理委員會に關する部分を除く)及第六項、第三十二條第一項(區選擧管理委員會及市長に對する報告に關する部分を除く)、第二項、第三項、第五項乃至第七項、第三十五條本文、第三十六條第一項乃至第五項、第三十六條の二、第三十八條の二(選擧管理委員及區選擧管理委員に關する部分を除く)、第三十九條(第二十一條の三の規定に關する部分を除く)、第三十九條の二竝に第四十條の規定は市長の選擧に之を準用す但し第三十二條第五項中前二項とあり同條第七項中第三項及第四項とあるは第三項、第三十六條第一項及第三項中第三十四條第二項とあるは第七十三條の九第二項、第三十六條の二第五項中前條第七項とあるは第七十三條の十一第二項とす
第七十四條 市長は其の退職せんとする日前二十五日目迄に申立つるに非ざれば任期中退職することを得ず但し市會の承認を得たるときは此の限に在らず
第七十五條第一項乃至第四項を次のやうに改める。
助役は市會の同意を得て市長之を選任す
助役の任期は四年とす但し市長は任期中と雖も助役を解職することを妨げず
市長の職務を代理する助役は其の退職せんとする日前二十日目迄に申立つるに非されば任期中退職することを得ず但し市會の承認を得たるときは此の限に在らず
同條第五項中「三十日」を「二十日」に改める。
第七十五條の二 市は市條例を以て監査委員を置くことを得但し第六條及第八十二條第一項の市は之を置くことを要す
監査委員は市吏員とし其の定數は二人とす但し前項但書の市に於ては四人とす
監査委員の任期は二年とす
市會議員の中より選任せられたる監査委員の任期は前項の規定に拘らず議員の任期を超ゆることを得ず但し後任者の選任せらるるに至る迄の間其の職務を行ふことを妨げず
監査委員は市長市會の同意を得て市會議員及學識經験ある者の中より各同數を選任すべし
本法に規定するものの外監査委員に關し必要なる事項は第一項の市條例を以て之を定む
第七十六條 市長、助役及監査委員は在職の間其の市の市民とす
第七十七條中「考査役は第十八條第二項又は第四項に掲けたる職と相兼ぬることを得す又」を「監査委員は」に改め、同條に次の一項を加へる。
助役及監査委員は第十八條第二項又は第四項に掲げたる職と相兼ぬることを得ず
第七十八條 削除
第七十九條第三項中「第七十五條第一項、第七十六條、第七十七條及前條第二項」を「第七十五條第二項本文、第七十六條及第七十七條」に改め、同條第四項中「考査役」を「監査委員」に、「父子兄弟」を「親子、夫婦又は兄弟姉妹」に改める。
第八十條第一項中「市有給吏員」を「市吏員」に改め、同條第二項中「及第七十八條第二項」を削る。
第八十一條第二項及び第三項中「考査役」を「監査委員」に、「父子兄弟」を「親子、夫婦又は兄弟姉妹」に改める。
第八十二條第一項乃至第三項を次のやうに改める。
内務大臣の指定する市は市會の議決を經て處務便宜の爲區を劃し區長を置くべし
區長は市吏員とし市長之を任免す
同條第四項中「前項」を「第一項」に、「第八十條」を「第七十七條」に改める。
第八十二條の二第二項を削り、同條第三項中「市公民」を「市民」に改める。
第八十三條第二項を削る。
第八十四條第一項を次のやうに改める。
市長、助役、監査委員、收入役若は副收入役又は參與第十四條第一項但書の規定に該當するに至りたるときは其の職を失ふ
第八十五條第一項中「有給」を削る。
第八十六條第一項中「第三項」を「第一項」に改め、「有給」を削る。
第八十七條の二 市會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一(其の數千を超ゆるときは千以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より市長に對し市條例又は市會の議決を經べき市規則の制定の請求ありたるときは市長は二十日以内に市會を招集し意見を附して之に原案を付議すべし
前項の場合に於ては市長は原案の趣旨に反せずと認むる範圍内に於て之を修正して市會に付議することを得
市長は市會の要求あるときは第一項の代表者又は其の代理者をして會議に出席し原案の説明を爲さしむることを得
第一項の市會議員の選擧權を有する者とは市會議員の選擧に用ふる選擧人名簿確定の日に於て之に登録せられたる者とす
第一項の市會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數は前項の選擧人名簿確定後直に市長に於て之を告示すべし
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第八十九條中「二十圓」を「二百圓」に改める。
第九十條の三 市會に於て市長不信任の議決を爲したるときは市長は内務大臣に對し市會の解散を請求することを得
解散後初て招集せられたる市會に於て再び市長不信任の議決を爲したるときは市長は退職することを要す
前二項の議決に付ては議員數の三分の二以上出席し其の三分の二以上の同意あることを要す
第九十一條の二 市參事會を置かざる市に於ては前條の規定に拘らず市會成立せざるとき又は第五十二條但書の場合に於て仍會議を開くこと能はざるときは市長は府縣知事に具状して指揮を請ひ市會の議決すべき事件を處置することを得市會に於て其の議決すべき事件を議決せざるときは前項の例に依る市會の決定すべき事件に關しては前二項の例に依る此の場合に於ける市長の處置に關しては各本條の規定に準じ訴願又は訴訟を提起することを得
前三項の規定に依る處置に付ては次囘の會議に於て之を市會に報告すべし
第九十一條の三 市參事會を置かざる市に於ては第九十一條の規定に拘らず市會に於て議決又は決定すべき事件に關し臨時急施を要する場合に於て市會成立せざるとき又は市長に於て之を招集するの暇なしと認むるときは市長は之を專決し次囘の會議に於て之を市會に報告すべし
前項の規定に依り市長の爲したる處分に關しては各本條の規定に準じ訴願又は訴訟を提起することを得
第九十六條の二 監査委員は市長の監督を承け市の經營に係る事業の管理、市の出納其の他市の事務の執行を監査す
市長は監査委員をして毎會計年度少くとも一囘以上期日を定めて前項の規定に依る監査を爲さしむべし
市會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一以上の者の連署を以て其の代表者より市長に對し第一項に規定する事項に關し監査委員の監査の請求ありたるときは市長は其の請求に係る事項に付監査委員をして監査を爲さしむべし
市長は監督官廳の命令あるとき、第四十五條第二項の規定に依る市會の要求あるとき其の他必要ありと認むるときは臨時に監査委員をして第一項の規定に依る監査を爲さしむべし
市長は監査委員をして監査の結果を市會に報告せしむべし
監査委員を置かざる市に於て第三項の代表者より市長に對し第一項に規定する事項の監査の請求ありたるときは市長は自ら其の請求に係る事項を監査し其の結果を市會に報告すべし
市長は監査の結果を市住民に公表すべし
第八十七條の二第四項の規定は第三項の市會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第三項の市會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數に之を準用す
第三項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第九十七條第一項中「及第九十三條」を「竝に第十五條の三第一項、第十五條の十第二項及第九十三條」に改める。
第百條を削る。
第百條の二を第百條とする。
第百四條 市會議員、市會議員選擧管理委員、區選擧管理委員、市參事會員、市會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員竝に町内會部落會及其の聯合會の長には報酬を給することを得
市會議員、市會議員選擧管理委員、區選擧管理委員、市參事會員、市會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員、選擧長、選擧立會人、投票分會長、投票立會人、區會議員竝に町内會部落會及其の聯合會の長は職務の爲要する費用の辨償を受くることを得
報酬額及費用辨償額竝に其の支給方法は市條例を以て之を規定すべし
第百五條 市長、助役其の他の前條に規定する吏員以外の吏員には給料及旅費を給す
給料額及旅費額竝に其の支給方法は市規則を以て之を規定すべし
前項の市規則を設け又は改廢せんとするときは市會の議決を經べし第百六條中「有給吏員」を「前條第一項の吏員」に改める。
第百七條第二項を次のやうに改める。
前項の規定に依る異議の申立ありたるときは市長は市參事會(市參事會を置かざる市に於ては市會以下之に同じ)に諮りて之を決定すべし
市參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
關係者第二項の規定に依る市長の決定に不服あるときは府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百十六條第二項中「第四項」を「第三項」に改める。
第百二十四條第一項但書を削り、同條第五項中「急迫の場合」の下に「其の他特別の事情ある場合」を加へる。
第百二十九條第三項中「二十圓」を「二百圓」に改める。
第百三十條第三項を次のやうに改める。
前二項の規定に依る異議の申立ありたるときは市長は市參事會に諮りて之を決定すべし
市參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第三項の規定に依る市長の決定を受けたる者其の決定に不服あるときは府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百四十一條第二項を次のやうに改める。
檢査は市長監査委員をして之を爲さしめ(監査委員を置かざる市に於ては市長自ら之を爲し)臨時檢査には市參事會員(市參事會を置かざる市に於ては市會議員以下之に同じ)に於て互選したる市參事會員二人以上の立會を要す
第百四十二條第二項中「考査役をして之を審査せしめ」を「監査委員をして之を審査せしめ(監査委員を置かざる市に於ては自ら之を審査し)」に、「之を市會」を「市會」に改める。
第百四十二條の二 市長は市會の指定したる市の經營に係る事業に付其の經營状況を明ならしむる爲定期に貸借對照表其の他必要なる書類を作製し監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して次の市會に提出すべし
前項の規定中監査委員の審査に關する部分は監査委員を置かざる市に於ては之を適用せず
第百四十五條中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百四十六條第一項中「區會議員は市の名譽職とす其の定數」を「區會議員の定數」に、「及被選擧權」を「、被選擧權及選擧人名簿」に改める。
第百五十條第二項、第百五十一條第二項、第百五十三條第二項及び第百五十四條第二項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百五十五條第三項を次のやうに改める。
前項の異議の申立ありたるときは組合の管理者は組合會に諮りて之を決定すべし
組合會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第三項の規定に依る組合の管理者の決定に不服ある市町村は府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百六十二條第一項を次のやうに改める。
市會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一(其の數一萬を超ゆるときは一萬以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より内務大臣に對し市會の解散の請求ありたるとき、第九十條の三第一項の規定に依る市會の解散の請求ありたるとき其の他特別の事情あるときは内務大臣は市會の解散を命ずることを得
同條第三項及び第四項を次のやうに改める。
第八十七條の二第四項の規定は第一項の市會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第一項の市會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百六十五條 市會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一以上の連署を以て其の代表者より市長に付ては内務大臣に對し助役、監査委員、收入役、市會議員又は市會議員選擧管理委員若は區選擧管理委員に付ては府縣知事に對し此等の者の解職の請求ありたるときは内務大臣又は府縣知事は關係者の出頭を求めて之を審査し其の理由ありと認むるときは之を解職すべし
第八十七條の二第四項の規定は前項の市會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は前項の市會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第百七十條第五項の規定は第一項の規定に依り解職を行はんとする場合に、同條第六項の規定は第一項の規定に依り解職せられたる者に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百六十七條但書中「第一號及第七號に掲ぐる事件にして」を削り、同條中第二號乃至第六號を削り、第七號を第二號とする。
第百六十九條中「輕易なる事件に限り許可」を「輕易なる事件に限り報告を以て許可に代へ若は許可」に改める。
第百七十條第一項中「考査役」を「監査委員」に、「區長代理者竝に第八十五條及第八十六條の吏員」を「第八十五條及第八十六條の吏員竝に市會議員選擧管理委員及區選擧管理委員」に、「五十圓」を「五百圓」に、「第三項」を「第一項」に改め、「市長に付ては勅裁を經」を削り、同條第二項中「府縣高等官」を「府縣の二級以上の官吏」に改め、「名譽職」を削り、同條第三項中「府縣制」を「道府縣制」に改め、「名譽職」を削り、同條第五項中「考査役」を「監査委員」に、「第三項」を「第一項」に改め、「區長」の下に「竝に市會議員選擧管理委員及區選擧管理委員」を加へる。
第百七十一條第一項中「市吏員」の下に「竝に市會議員選擧管理委員及區選擧管理委員」を加へ、同條第二項中「二十五圓」を「二百五十圓」に改める。
第百七十三條中「有給吏員」を「市吏員」に改める。
第百七十七條 本法中府縣、府縣知事若は知事、府縣參事會又は府縣參事會員とあるは各道、道廳長官、道參事會又は道參事會員を含むものとす
附 則
この法律中公民權に關する規定(名譽職に關する規定を含む。以下これに同じ。)及び議員の選擧に關する規定(附則第十項及び第十一項の規定を除く。)は、次の議員の總選擧から、これを施行し、その他の規定の施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
この法律により市長を選擧する場合において、この法律中公民權に關する規定及び議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐないときは、その規定は、この法律中市長の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
この法律により市長を選擧する場合において、昭和二十一年の東京都制の一部を改正する法律中公民權及び市會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐない市においては、その規定は、この法律中市長の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
前二項の場合において必要な選擧人名簿に關しては、命令で特別の規定を設けることができる。
昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例の件)の適用を受ける衆議院議員選擧人名簿を用ひて市會議員の選擧を行ふ場合においては、第二十條の二第一項の改正規定の適用については、その名簿中名簿調製期日において市會議員の選擧權を有する者に關する部分(これを衆議院議員選擧人名簿中關係部分といふ。)を衆議院議員選擧人名簿とみなす。この場合における衆議院議員選擧人名簿中關係部分に關しては、第二十一條の三第一項乃至第三項及び第五項竝びに第二十一條の四第三項及び第四項の改正規定にかかはらず、なほ、從前の規定による。但し、「市長(第六條の市に於ては區長)」とあるのは、「市會議員選擧管理委員會(第六條及第八十二條第一項の市に於ては區選擧管理委員會)」と讀み替へるものとする。
第七十二條の二乃至第七十三條の十三又は第七十五條の改正規定施行の際現に在職する市長又は助役は、これらの規定により選擧又は選任された市長又は助役が就任するまでの間は、これらの規定の施行によつては、その職を失はない。
昭和二十一年の町村制の一部を改正する法律中町村會議員の選擧に關する規定は、市制第百四十六條第二項の規定の適用については、次の區會議員の總選擧から、施行されたものとみなす。
他の法律中「市制第八十二條第三項の市」とあるのは、「市制第八十二條第一項の市」と讀み替へるものとする。
現任市會議員は、その任期滿了後も、この法律により初めて行はれる議員の選擧の期日までの間は、なほ、その職にあるものとする。
戸籍法の適用を受けない者の市會議員の選擧權及び被選擧權(この法律中公民權に關する規定及び議員の選擧に關する規定の施行前においては、こられの者の公民權)竝びに市長の被選擧權は、當分の間、これを停止する。
前項の者は、これを選擧人名簿に登録することができない。
この法律の施行に關し必要な規定は、勅令でこれを定める。
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町村制の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において修正議決した、因つて議院法第五十四條により送付する。
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
町村制の一部を改正する法律案
町村制の一部を次のやうに改正する。
第三條第一項乃至第四項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第七條 帝國臣民たる町村住民(之を町村民と稱す)は本法に從ひ町村の選擧に參與する權利を有す
第八條 町村民は本法に從ひ町村條例又は町村規則の制定を請求する權利を有す
町村民は本法に從ひ町村の事務の監査を請求する權利を有す
第九條 町村民は本法に從ひ町村會の解散を請求する權利を有す
町村民は本法に從ひ町村長、助役、監査委員、收入役、町村會議員又は町村會議員選擧管理委員の解職を請求する權利を有す
第十二條 年齡二十年以上の町村民にして六月以來町村内に住所を有するものは町村會議員の選擧權を有す但し左の各號の一に該當する者は此の限に在らず
一 禁治産者及準禁治産者
二 六年の懲役又は禁錮以上の刑に處せられたる者
三 刑法第二編第一章、第三章、第九章、第十六章乃至第二十一章、第二十五章又は第三十六章乃至第三十九章に掲ぐる罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至りたる後其の刑期の二倍に相當する期間を經過するに至る迄の者但し其の期間五年より短きときは五年とす
四 六年未滿の禁錮の刑に處せられ又は前號に掲ぐる罪以外の罪を犯し六年未滿の懲役の刑に處せられ其の執行を終り又は執行を受くることなきに至る迄の者
町村は町村會の議決を經て町村に對し特別の關係ある者に付前項の規定に依る住所の要件に拘らず選擧權を與ふることを得
第六十四條の二及第六十七條第四項の町村民は第一項の規定に依る住所期間の制限に拘らず選擧權を有す
第一項の六月の期間は市町村の廢置分合又は境界變更の爲中斷せらるることなし
第十三條 町村に町村會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)を置く
選擧管理委員會は町村會議員選擧管理委員(以下本章中選擧管理委員と稱す)四人を以て之を組織す
第十三條の二 選擧管理委員は町村會に於て町村會議員の選擧權を有する者の中より之を選擧すべし
町村會は委員と同數の補充員を選擧すべし
委員中闕員あるときは選擧管理委員會の委員長は補充員の中に就き之を補闕す其の順序は選擧の時を異にするときは選擧の前後に依り選擧同時なるときは得票數に依り得票同數なるときは抽籤に依る仍闕員ある場合に於ては臨時補闕選擧を行ふべし
委員及其の補充員は隔年之を選擧すべし
委員は後任者の就任するに至る迄在任す
委員は其の選擧に關し第七十四條の處分確定し又は判決ある迄は其の職務を行ふの權を失はず
第十三條の三 選擧管理委員會は町村長の監督を承け法令の定むる所に依り町村會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
第十三條の四 選擧管理委員會は委員中より委員長一人を選擧すべし
委員長は委員會に關する事務を總理し委員會を代表す
第十三條の五 選擧管理委員會は委員長之を招集す委員二人以上より委員會招集の請求あるときは委員長は之を招集すべし
第十三條の六 選擧管理委員會は委員三人以上出席するに非ざれば會議を開くことを得ず
第三項の規定に依り委員の數減少して前項の數を得ざるときは委員長は補充員にして其の事件に關係なきものを以て第十三條の二第三項の順序に依り臨時之に充つべし委員の故障に因り前項の數を得ざるとき亦同じ
委員長及委員は自己又は父母、祖父母、配偶者、子孫若は兄弟姉妹の一身上に關する事件に付ては其の議事に參與することを得ず但し委員會の同意を得たるときは會議に出席し發言することを得
第十三條の七 選擧管理委員會の議事は委員の過半數を以て決す可否同數なるときは委員長の決する所に依る
第十三條の八 選擧管理委員會に書記を置き委員長の指揮を承け委員會に關する事務に從事せしむ
書記は第七十一條の吏員の中に就き町村長の承認を得て委員長之を定む
第十三條の九 本法に規定するものの外選擧管理委員會に關し必要なる事項は委員會之を定む
第十四條中「町村」を「選擧管理委員會」に改める。
第十五條第一項中「選擧權を有する町村公民」を「選擧權を有する者にして年齡二十五年以上のもの」に改め、同條第三項中「選擧事務」を「選擧管理委員選擧長、選擧立會人、投票分會長及投票立會人竝に選擧事務」に、「有給吏員」を「有給の吏員」に改める。
第十六條第一項を削り、同條第二項中「議員」を「町村會議員」に改める。
第十七條の二第一項を次のやうに改める。
町村會議員の選擧は其の町村に於ける衆議院議員選擧人名簿及補充選擧人名簿に依り之を行ふ
第十八條第一項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改める。
第十八條の二第一項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改め、同條第二項中「町村長」を「委員會」に改める。
第十八條の三第一項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改め、「衆議院議員選擧人名簿中關係部分に脱漏又は誤載ありと認むるとき亦同じ」を削り、同條第二項中「町村長」を「委員會」に改め、同條第三項中「町村長」を「委員會」に、「修正し衆議院議員選擧人名簿中關係部分に脱漏ありとするときは補充選擧人名簿に登録し(其の名簿なきときは其の者に關し其の名簿を作製し)誤載ありとするときは衆議院議員選擧人名簿中關係部分に其の旨を表示すべし」を「修正すべし」に改め、同條第五項中「町村長」を「委員會」に、「處置」を「名簿の修正」に改める。
第十八條の四第三項中「町村長」を「選擧管理委員會」に、「修正し衆議院議員選擧人名簿中關係部分に關し處置を要するときは町村長は直に前條第三項の規定に準じ處置すべし」を「修正すべし」に改め、同條第四項中「町村長」を「委員會」に改め、「又は處置を爲」を削り、同條第五項中「町村長」を「委員會」に改める。
第十九條第一項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改め、同條第三項中「町村長」を「委員會」に改める。
第十九條の二第一項、第三項及び第四項中「町村長」を「選擧長」に改める。
第二十條 選擧長は町村會議員の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
選擧長は選擧會に關する事務を擔任す
委員會は選擧人名簿に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て二人乃至四人の選擧立會人を選任すべし
前項の規定に依る選擧立會人二人に達せざるに至りたるとき又は選擧立會人にして參會するもの選擧會を開くべき時刻に至り二人に達せざるとき若は其の後二人に達せざるに至りたるときは選擧長は選擧人名簿に登録せられたる者の中より二人に達する迄の選擧立 會人を選任し直に之を本人に通知し選擧に立會はしむべし
選擧立會人は正當の理由なくして其の職を辭することを得ず
第一項及第二項の規定は投票分會長に之を準用す
第三項乃至第五項の規定は投票立會人に之を準用す但し第三項中選擧人名簿に登録せられたる者とあるは分會の區劃内に於ける選擧人名簿に登録せられたる者、第四項中選擧長とあるは投票分會長とす
第二十二條第八項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改める。
第二十四條中「町村長」を「選擧長」に改める。
第二十四條の二第四項中「町村長」を「選擧管理委員會」に改める。
第二十四條の四第一項中「町村は府縣知事の許可を得」を「選擧管理委員會は」に改める。
第二十七條第二項中「年長者を取り年齡同しきときは」を削る。
第二十七條の三第二項中「町村長は直に其の旨」を「選擧長は直に其の旨を選擧管理委員會に報告し且之」に改め、同條第五項中「町村長」を「選擧長」に改める。
第二十八條第一項の次に次の一項を加へる。
選擧長は選擧録を添へ當選者の住所氏名を選擧管理委員會に報告すべし
同條第四項中「町村長」を「委員會」に改める。
第二十九條第一項中「町村長」を「選擧管理委員會」に、「府縣知事」を「町村長」に改める。
同條第二項乃至第六項を次のやうに改める。
前項の場合に於ては委員會は選擧録の寫を添へ直に府縣知事に當選者の住所氏名又は當選者なき旨を報告すべし
當選者當選の告知を受けたるときは五日以内に其の當選を承諾するや否やを委員會に申立つべし
前項の申立を其の期間内に爲さざるときは其の當選を辭したるものと看做す
官吏にして當選したるものは所屬長官の許可を受くるに非ざれば之に應ずることを得ず
前項の官吏にして當選したるものに付ては第三項の期間は十日以内とす
第三十條第一項に次の一號を加へる。
五 第三十三條の二の規定に依る訴訟の結果當選無效と爲りたるとき
同條第三項中「第四號」の下に「又は第五號」を加へ、同條第五項中「町村長」を「選擧長」に改める。
第三十一條第一項を次のやうに改める。
當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に其の旨を町村長に報告すると共に當選者の住所氏名を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし
同條第二項中「町村長は直に其の旨を告示し併せて之を」を「委員會は直に其の旨を町村長に報告すると共に之を告示し併せて」に改める。
第三十三條第一項中「町村長に」を「選擧管理委員會に」に、「町村長は」を「委員會は」に改め、同條第三項中「第一項」を「第二項」に改め、同條第四項中「町村長」を「委員會」に改める。
第三十三條の二 檢事は衆議院議員選擧法第百十二條乃至第百十三條の規定の準用に依る罪に該る事件の被告人が選擧運動を總括主宰したる者なるに因り同法第百三十六條の規定の準用に依り當選を無效なりと認むるときは公訴に附帶し當選者を被告として訴訟を提起することを要す
衆議院議員選擧法第百四十一條の二及第百四十一條の三の規定は前項の規定に依る訴訟に之を準用す
前條第七項の規定は第一項の場合に之を準用す
第三十四條第一項及び第三項中「三月以内に」を削り、同條第五項を削る。
第三十四條の二第二項を削る。
第三十四條の三 町村會議員の選擧は町村長の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
議員の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て町村長の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは議員の選擧は町村長の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第三十五條第一項中「又は第二十九條第五項に掲くる者なるとき」及び「又は第二十九條第五項に掲くる者に該當するや否」竝びに第二號を削り、第三號を第二號とし、第四號を第三號とし、同條第二項中「又は第二十九條第五項に掲くる者」を削る。
第三十五條の二 選擧管理委員、選擧長又は投票分會長町村會議員の選擧權を有せざるに至りたるときは其の職を失ふ
第三十六條中「町村長」を「選擧管理委員會」に改める。
第三十六條の二中「第九十五條の二」を「第九十五條」に、「第九十九條第二項」を「第九十九條」に改め、同條に次の但書を加へる。
但し同法第九十九條中吏員とあるは選擧管理委員選擧長、選擧立會人、投票分會長、投票立會人、開票分會長及開票立會人を含むものとす
第三十七條に次の但書を加へる。
但し衆議院議員選擧法第百十二條第二項、第百十三條第二項、第百十六條、第百十七條及第百二十七條第四項中吏員とあるは選擧管理委員、選擧長、投票分會長又は開票分會長を含むものとす
第三十八條第一項を次のやうに改める。
特別の事情ある町村に於ては町村條例を以て町村會を置かず選擧權を有する者の總會を設くることを得
第四十條に次の一項を加へる。
前項に規定するものの外町村は町村條例を以て町村に關する事件に付町村會の議決すべきものを定むることを得
第四十二條に次の一項を加へる。
町村會は町村長に對し町村の事務に關する監査委員の監査を求め其の結果の報告を請求することを得
第四十五條 町村會は議員中より議長及副議長一人を選擧すべし
議長及副議長の任期は議員の任期に依る
議長故障あるときは副議長之に代はり議長及副議長共に故障あるときは臨時に議員中より假議長を選擧すべし
前項の假議長の選擧に付ては年長の議員議長の職務を代理す年齡同じときは抽籤を以て之を定む
第四十五條の二 特別の事情ある町村に於ては前條の規定に拘らず町村條例を以て町村會の選擧に依る議長及副議長を置かず町村長を以て議長と爲すことを得
前項の場合に於て町村長故障あるときは其の代理者議長の職務を代理す町村長及其の代理者共に故障あるときは臨時に議員中より假議長を選擧すべし此の場合に於ては前條第四項の規定を準用す
第四十六條の二 町村會は定例會及臨時會とす
定例會は毎年四囘以上之を開くべし
臨時會は必要ある場合に於て其の事件に限り之を開く
臨時會に付すべき事件は町村長豫め之を告示すべし
臨時會開會中急施を要する事件あるときは前二項の規定に拘らず直に之を其の會議に付することを得
町村會の會期及其の延長竝に開閉に關する事項は第五十九條の會議規則中に之を規定すべし
第四十七條第一項中「町村會招集」を「臨時會招集」に改め、同條第二項を削り、同條第三項中「及會議の事件」を削り、「告知」を「告示」に改め、同條第四項及び第五項を削る。
第四十九條第一項中「議事は」の下に「議員の」を加へ、同條第二項を削る。
第五十條中「妻」を「配偶者」に改める。
第五十二條 町村會の會議は之を公開す但し議長又は議員三人以上の發議に依り傍聽禁止を可決したるときは此の限に在らず
前項但書の議長又は議員の發議は討論を用ひず其の可否を決すべし
第五十三條第二項中「第四十五條」の下に「第三項及第四項(第四十五條の二第一項の町村に於ては同條第二項)」を加へる。
第五十三條の三を削る。
第五十七條第二項中「町村長之を命ず」を「町村長の同意を得て議長之を定む」に改める。
第五十八條第三項を次のやうに改める。
議長は會議録の寫を添へ會議の結果を町村長に報告すべし但し第四十五條の二第一項の町村に於ける町村會の會議に付ては此の限に在らず
第六十條但書中「増加することを得」を「増加し又は助役を置かざることを得」に改める。
第六十條の二 町村長の任期は四年とし選擧の日より之を起算す
第六十一條 町村長は其の被選擧權ある者に就き選擧人之を選擧す
町村會議員の選擧權を有する者は町村長の選擧權を有す
町村長の選擧は現任町村長の任期滿了の日前十五日以内に之を行ふべし
町村長の退職の申立ありたるとき又は町村長闕くるに至りたるときは町村長の選擧は其の退職すべき日前十五日以内又は其の闕くるに至りたる日より十五日以内に之を行ふべし但し其の事由第六十一條の十二に於て準用する第二十九條第三項又は第六項の期限前に生じたる場合に於て第六十一條の五第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第六十一條の五第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
第六十一條の七第三項及第五項の規定は前項但書の場合に之を準用す
第六十一條の九第四項の規定は第四項の期間に之を準用す
第六十一條の二 帝國臣民たる年齡二十五年以上の者は町村長の被選擧權を有す
第十二條第一項但書の規定に該當する者は町村長の被選擧權を有せず
町村會議員及町村の有給の吏員、教員其の他の職員にして在職中のものは其の町村の町村長と相兼ぬることを得ず
第六十一條の三 町村長の選擧に關する事務は町村會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)之を管理す
第三十八條の町村に於ては町村長選擧管理委員會を置き町村長の選擧に關する事務を管理せしむ
選擧管理委員會に關する規定は前項の町村長選擧管理委員會に之を準用す
町村長の選擧は町村會議員の選擧に用ふる選擧人名簿に依り之を行ふ
第二項の町村に於ける町村長の選擧に用ふべき選擧人名簿に關しては勅令を以て之を定む
選擧管理委員會は選擧の期日前十日目迄に選擧會場及投票の日時を告示すべし投票分會を設くる場合に於ては併せて其の區劃を告示すべし
第六十一條の四 町村長候補者たらんとする者は選擧の期日の告示ありたる日より選擧の期日前三日目迄に其の旨を選擧長に屆出づべし選擧人名簿に登録せられたる者他人を町 村長候補者と爲さんとするときは前項の期間内に其の推薦の屆出を爲すことを得
前二項の規定に依る屆出は選擧人三十人以上の連署を以て之を爲すべし
町村長候補者は選擧長に屆出を爲すに非ざれば町村長候補者たることを辭することを得ず
第一項、第二項及前項の規定に依る屆出ありたるとき又は町村長候補者の死亡したることを知りたるときは選擧長は直に其の旨を告示すべし
第六十一條の五 町村長の選擧は有效投票の最多數を得たる者を以て當選者とす但し有效投票の總數の四分の一以上の得票あることを要す
當選者を定むるに當り得票の數同じきときは選擧長抽籤して之を定む
第六十一條の六 第六十一條の四第一項及第二項の規定に依る屆出ありたる町村長候補者一人なるときは投票は之を行はず
前項の規定に依り投票を行ふことを要せざるときは選擧長は直に其の旨を告示し併せて之を選擧管理委員會に報告すべし
第一項の場合に於ては選擧長は選擧の期日より五日以内に選擧會を開き町村長候補者を以て當選者と定むべし
前項の場合に於て町村長候補者の被選擧權の有無は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし
第三項の場合に於ては選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第六十一條の七 當選者左に掲ぐる事由の一に該當する場合に於て第二項の規定の適用を受くる者なきときは十五日以内に更に選擧を行ふべし
一 當選を辭したるとき
二 第六十一條の十二に於て準用する第二十七條の二の規定に依り當選を失ひたるとき
三 死亡者なるとき
四 選擧に關する犯罪に依り刑に處せられ其の當選無效と爲りたるとき但し第六十一條第四項又は前各號の事由に依る選擧の告示を爲したる場合は此の限に在らず
五 第六十一條の十二に於て準用する第三十三條の二の規定に依る訴訟の結果當選無效と爲りたるとき
前項各號の事由第六十一條の十二に於て準用する第二十九條第三項又は第六項の期限前に生じたる場合に於て第六十一條の五第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第六十一條の五第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
前項の場合に於て第六十一條の五第一項但書の得票者選擧の期日後に於て被選擧權を有せざるに至りたるときは之を當選者と定むることを得ず
第六十一條の九第四項の規定は第一項の期間に之を準用す
第二項の場合に於ては選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第六十一條の八 當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に當選者の住所氏名を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし當選者なきに至りたるときは委員會は直に其の旨を告示し併せて之を府縣知事に報告すべし
第六十一條の九 選擧無效と確定したるときは十五日以内に更に選擧を行ふべし
當選無效と確定したるときは直に選擧會を開き更に當選者を定むべし此の場合に於ては第六十一條の七第三項及第五項の規定を準用す當選者なきとき又は當選者なきに至りたるときは十五日以内に更に選擧を行ふべし
第一項及前項の期間は第六十一條の十第一項又は第六十一條の十一第一項の規定の適用ある場合に於ては選擧を行ふことを得ざる事由已みたる日の翌日より之を起算す
第六十一條の十 第六十一條第四項、第六十一條の七第一項又は前條第一項若は第三項の選擧は之に關係ある選擧又は當選に關する異議申立期間、異議の決定若は訴願の裁決確定せざる間又は訴訟の繋屬する間之を行ふことを得ず
町村長は選擧又は當選に關する決定若は裁決確定し又は判決ある迄は其の職を失はず
第六十一條の十一 町村長の選擧は町村會議員の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
町村長の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは第三十四條の三第二項の例に依る
第六十一條の十二 第十四條、第十五條第二項及第三項、第十九條第二項及第三項、第二十條乃至第二十二條の四、第二十四條乃至第二十四條の四、第二十五條第一號乃至第七號、第二十六條、第二十七條の二、第二十八條、第二十九條(第一項中町村長に對する報告に關する部分を除く)、第三十二條本文、第三十三條第一項乃至第五項、第三十三條の二、第三十五條の二、第三十六條(第十八條の三の規定に關する部分を除く)、第三十六條の二竝に第三十七條の規定は町村長の選擧に之を準用す但し第三十三條第一項及第三項中第三十一條第二項とあるは第六十一條の八第二項、第三十三條の二第三項中前條第七項とあるは第六十一條の十第二項とす
第六十二條 町村長は其の退職せんとする日前二十日目迄に申立つるに非ざれば任期中退職することを得ず但し町村會の承認を得たるときは此の限に在らず
第六十三條 助役は町村會の同意を得て町村長之を選任す
助役の任期は四年とす但し町村長は任期中と雖も助役を解職することを妨げず
町村長の職務を代理する助役は其の退職せんとする日前二十日目迄に申立つるに非ざれば任期中退職することを得ず但し町村會の承認を得たるときは此の限に在らず
前項に規定するものの外助役は其の退職せんとする日前二十日目迄に町村長に申出つるに非ざれば任期中退職することを得ず但し町村長の承認を得たるときは此の限に在らず
第六十四條 町村は町村條例を以て監査委員を置くことを得
監査委員は町村吏員とし其の定數は二人とす
監査委員の任期は二年とす
町村會議員の中より選任せられたる監査委員の任期は前項の規定に拘らず議員の任期を超ゆることを得ず但し後任者の選任せらるるに至る迄の間其の職務を行ふことを妨げず
監査委員は町村長町村會の同意を得て町村會議員及學識經驗ある者の中より各一人を選任すべし
本法に規定するものの外監査委員に關し必要なる事項は第一項の町村條例を以て之を定む
第六十四條の二 町村長、助役監査委員は在職の間其の町村の町村民とす
第六十五條中「及助役は第十五條第二項又は第四項に掲けたる職と兼ぬることを得す又」を「、助役及監査委員は」に改め同條に次の一項を加へる。
助役及監査委員は第十五條第二項又は第四項に掲げたる職と相兼ぬることを得ず
第六十六條 削除
第六十七條第二項を次のやうに改める。
收入役及副收入役の任期は四年とす
同條第四項中「第六十三條第九項、第六十五條及前條第二項」を「第六十四條の二及第六十五條」に改め、同條第五項中「又は助役」を「、助役又は監査委員」に、「父子兄弟」を「親子、夫婦又は兄弟姉妹」に改め、同條第六項を次のやうに改める。
特別の事情ある町村に於ては第一項の規定に拘らず町村條例を以て收入役を置かず町村長又は助役をして其の事務を兼掌せしむることを得
第六十八條を削る。
第六十八條の二第二項を削り、同條を第六十八條とする。
第六十九條第二項を削り、同條第三項中「町村公民」を「町村民」に改める。
第七十條第一項を次のやうに改める。
町村長、助役、監査委員、收入役若は副收入役又は參與第十二條第一項但書の規定に該當するに至りたるときは其の職を失ふ
第七十一條第一項中「有給を」削る。
第七十二條の二を第七十二條の三とし、第七十二條の三を第七十二條の四とする。
第七十二條の二 町村會議員の選擧權を有する者(第三十八條の町村に於ては町村長の選擧權を有する者以下之に同じ)の總數の五十分の一(其の數百を超ゆるときは百以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より町村長に對し町村條例又は町村會の議決を經べき町村規則の制定の請求ありたるときは町村長は二十日以内に町村會を招集し意見を附して之に原案を付議すべし
前項の場合に於ては町村長は原案の趣旨に反せずと認むる範圍内に於て之を修正して町村會に付議することを得
町村長は町村會の要求あるときは第一項の代表者又は其の代理者をして會議に出席し原案の説明を爲さしむることを得
第一項の町村會議員の選擧權を有する者とは町村會議員の選擧に用ふる選擧人名簿(第三十八條の町村に於ては町村長の選擧に用ふる選擧人名簿)確定の日に於て之に登録せられたる者とす
第一項の町村會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數は前項の選擧人名簿確定後直に町村長に於て之を告示すべし
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第七十三條中「十圓」を「百圓」に改める。
第七十四條の三 町村會に於て町村長不信任の議決を爲したるときは町村長は内務大臣に對し町村會の解散を請求することを得
解散後初て招集せられたる町村會に於て再び町村長不信任の議決を爲したるときは町村長は退職することを要す
前二項の議決に付ては議員數の三分の二以上出席し其の三分の二以上の同意あることを要す
第七十八條第一項中「又は區長」を削る。
第七十九條に次の一項を加へる。
第六十條但書の規定に依り助役を置かざる町村に於ては町村長故障あるときは第七十一條の吏員中町村長の定めたる者之を代理す
第七十九條の二 監査委員は町村長の監督を承け町村の經營に係る事業の管理、町村の出納其の他町村の事務の執行を監査す
町村長は監査委員をして毎會計年度少くとも一囘以上期日を定めて前項の規定に依る監査を爲さしむべし
町村會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一以上の者の連署を以て其の代表者より町村長に對し第一項に規定する事項に關し監査委員の監査の請求ありたるときは町村長は其の請求に係る事項に付監査委員をして監査を爲さしむべし
町村長は監督官廳の命令あるとき、第四十二條第二項の規定に依る町村會の要求あるとき其の他必要ありと認むるときは臨時に監査委員をして第一項の規定に依る監査を爲さしむべし
町村長は監査委員をして監査の結果を町村會に報告せしむべし
監査委員を置かざる町村に於て第三項の代表者より町村長に對し第一項に規定する事項の監査の請求ありたるときは町村長は自ら其の請求に係る事項を監査し其の結果を町村會に報告すべし
町村長は監査の結果を町村住民に公表すべし
第七十二條の二第四項の規定は第三項の町村會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第三項の町村會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數に之を準用す
第三項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第八十條第一項中「及第七十七條」を「竝に第十三條の三及第七十七條」に改める。
第八十一條を削る。
第八十一條の二を第八十一條とする。
第八十四條 町村會議員、町村會議員選擧管理委員、町村會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員竝に町内會部落會及其の聯合會の長には報酬を給することを得
町村會議員、町村會議員選擧管理委員、町村會議員の中より選任せられたる監査委員、參與、委員、選擧長、選擧立會人、投票分會長、投票立會人、區會議員竝に町内會部落會及其の聯合會の長は職務の爲要する費用の辨償を受くることを得
報酬額及費用辨償額竝に其の支給方法は町村條例を以て之を規定すべし
第八十五條 町村長、助役其の他の前條に規定する吏員以外の吏員には給料及旅費を給す
給料額及旅費額竝に其の支給方法は町村規則を以て之を規定すべし
前項の町村規則を設け又は改廢せんとするときは町村會の議決を經べし
第八十六條中「有給吏員」を「前條第一項の吏員」に改める。
第八十七條第二項を次のやうに改める。
前項の規定に依る異議の申立ありたるときは町村長は町村會に諮りて之を決定すべし
町村會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
關係者第二項の規定に依る町村長の決定に不服あるときは府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百四條第一項但書を削り、同條第五項中「急迫の場合」の下に「其の他特別の事情ある場合」を加へる。
第百九條第三項中「二十圓」を「二百圓」に改める。
第百十條第三項を次のやうに改める。
前二項の規定に依る異議の申立ありたるときは町村長は町村會に諮りて之を決定すべし
町村會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第三項の規定に依る町村長の決定を受けたる者其の決定に不服あるときは府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百二十一條第二項を次のやうに改める。
檢査は町村長監査委員をして之を爲さしめ(監査委員を置かざる町村に於ては町村長自ら之を爲し)臨時檢査には町村會に於て選擧したる議員二人以上の立會を要す
第百二十二條第二項中「之を審査し」を「監査委員をして之を審査せしめ(監査委員を置かざる町村に於ては自ら之を審査し)其の」に、「之を町村會」を「町村會」に改め、同條第三項但書を次のやうに改める。
但し監査委員を置かざる町村に於て町村長收入役の事務を兼掌したるときは直に町村會の認定に付すべし
同條第五項中「決算」を「第四十五條の二第一項の町村に於ける決算」に改める。
第百二十二條の二 町村長は町村會の指定したる町村の經營に係る事業に付其の經營状況を明ならしむる爲定期に貸借對照表其の他必要なる書類を作製し監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して次の町村會に提出すべし
前項の規定中監査委員の審査に關する部分は監査委員を置かざる町村に於ては之を適用せず
第百二十五條中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百二十六條第一項中「區會議員は町村の名譽職とす其の定數」を「區會議員の定數」に、「及被選擧權」を「、被選擧權及選擧人名簿」に改める。
第百三十條第三項及び百三十一條第三項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百三十二條に次の三項を加へる。
前項但書の組合に於ては第百三十六條に於て準用する第六十一條の三第一項の規定に拘らず組合管理者選擧管理委員會を置き組合管理者の選擧に關する事務を管理せしむ
町村會議員選擧管理委員會に關する規定は前項の組合管理者選擧管理委員會に之を準用す
第二項但書の組合に於ては第十三條乃至第十三條の九の規定に拘らず組合内各町村の町村會議員選擧に關する事務は第三項の組合管理者選擧管理委員會之を管理す
第百三十三條第二項及び第百三十四條第二項中「意見を徴し」を「議決を經」に改める。
第百三十五條第三項を次のやうに改める。
前項の異議の申立ありたるときは組合の管理者は組合會に諮りて之を決定すべし
組合會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第三項の規定に依る組合の管理者の決定に不服ある町村は府縣知事に訴願し其の裁決に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百四十二條第一項を次のやうに改める。
町村會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一(其の數千を超ゆるときは千以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より内務大臣に對し町村會の解散の請求ありたるとき、第七十四條の三第一項の規定に依る町村會の解散の請求ありたるとき其の他特別の事情あるときは内務大臣は町村會の解散を命ずることを得
同條に次の二項を加へる。
第七十二條の二第四項の規定は第一項の町村會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第一項の町村會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百四十五條 町村會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一以上の者の連署を以て其の代表者より府縣知事に對し町村長、助役、監査委員、收入役、町村會議員又は町村會議員選擧管理委員の解職の請求ありたるときは府縣知事は關係者の出頭を求めて之を審査し其の理由ありと認むるときは之を解職すべし
第七十二條の二第四項の規定は前項の町村會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は前項の町村會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第百五十條第五項の規定は第一項の規定に依り解職を行はんとする場合に、同條第六項の規定は第一項の規定に依り解職せられたる者に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百四十七條但書中「第一號及第七號に掲ぐる事件にして」を削り、同條中第二號乃至第六號を削り、第七號を第二號とする。
第百四十九條中「輕易なる事件に限り許可」を「輕易なる事件に限り報告を以て許可に代へ若は許可」に改める。
第百五十條第一項中「助役」を「助役、監査委員」に、「區長、區長代理者及第七十一條の吏員」を「第七十一條の吏員及町村會議員選擧管理委員」に、「五十圓」を「五百圓」に改め、同條第二項中「府縣高等官」を「府縣の二級以上の官吏」に改め、「名譽職」を削り、同條第三項中「府縣制」を「道府縣制」に改め、「名譽職」を削り、同條第五項中「收入役及副收入役」を「監査委員、收入役、副收入役、及町村會議員選擧管理委員」に改める。
第百五十一條第一項中「町村吏員」の下に「及町村會議員選擧管理委員」を加へ、同條第二項中「二十五圓」を「二百五十圓」に改める。
第百五十三條の二中「有給吏員」を「町村吏員」に改める。
第百五十六條の三中「北海道及」を削り、同條を第百五十六條の四とする。
第百五十六條の二を第百五十六條の三とする。
第百五十六條の二 本法中府縣、府縣知事若は知事、府縣參事會とあるは各道、道廳長官、道參事會又は道參事會員を含むものとす
附 則
この法律中公民權に關する規定(名譽職に關する規定を含む。以下これに同じ。)及び議員の選擧に關する規定(附則第八項及び第九項の規定を除く。)は、次の議員の總擧(町村制第三十八條の町村におては、この法律により初めて行ふ村長の選擧)から、これを施行しその他の規定の施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
この法律により町村長を選擧する場合において、この法律中公民權に關する規定及び議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐないときは、その規定は、この法律中町村長の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
この法律により町村長を選擧する場合において、昭和二十一年の東京都制の一部を改正する法律中公民權及び町村會議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐない町村においては、その規定は、この法律中町村長の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
前二項の場合において必要な選擧人名簿に關しては、命令で特別の規定を設けることができる。
昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例の件)の適用を受ける衆議院議員選擧人名簿を用ひて町村會議員の選擧を行ふ場合においては、第十七條の二第一項の改正規定の適用については、その名簿中名簿調製期日において町村會議員の選擧權を有する者に關する部分(これを衆議院議員選擧人名簿中關係部分といふ。)を衆議院議員選擧人名簿とみなす。この場合における衆議院議員選擧人名簿中關係部分に關しては、第十八條の三第一項乃至第三項及び第五項竝びに第十八條の四第三項及び第四項の改正規定にかかはらず、なほ、從前の規定による。但し「町村長」とあるのは、「町村會議員選擧管理委員會」と讀み替へるものとする。
第六十條の二乃至第六十一條の十二又は第六十三條の改正規定施行の際現に在職する町村長又は助役は、これらの規定により選擧又は選任された町村長又は助役が就任するまでの間は、これらの規定の施行によつては、その職を失はない。
現任町村會議員(全部事務のために設ける町村組合の組合會議員を含む。)は、その任期滿了後も、この法律により初めて行はれる議員の選擧の期日までの間は、なほ、その職にあるものとする。
戸籍法の適用を受けない者の町村會議員の選擧權及び被選擧權(この法律中公民權に關する規定及び議員の選擧に關する規定の施行前においては、これらの者の公民權)竝びに町村長の被選擧權は、當分の間、これを停止する。
前項の者は、これを選擧人名簿に登録することができない。
この法律の施行に關し必要な規定は、勅令でこれを定める。
━━━━━━━━━━━━━
府縣制の一部を改正する法律案
右の政府提出案は本院において修正議決した、因つて議院法第五十四條により送付する。
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
府縣制の一部を改正する法律案
府縣制の一部を次のやうに改正する。
「府縣制
第一章 總則」を「道府縣制目次
第一章 總則
第一款 通則
第二款 府縣及其の區域
第三款 府縣住民及其の權利義務
第四款 府縣條例及府縣規則」に、
「第四章 府縣行政
第一款 府縣吏員の組織及任免
第二款 府縣官吏府縣吏員の職務權限及處務規程」を
第三款
「第四章 府縣の官吏及吏員
第一款 組織、選擧及任免
第二款 職務權限」に改める。
題名を次のやうに改める。
道府縣制
第一條を第一條の二とし、同條の前に次のやうに加へる。
第一款 通則
第一條 本法中府縣、府縣住民、府縣條例、府縣規則、府縣會、府縣會議員、府縣會議員選擧管理委員會、府縣會議員選擧管理委員、府縣參事會、府縣參事會員、府縣知事、府縣吏員、府縣出納吏、府縣廳、府縣税、府縣債、府縣費、府縣組合又は府縣行政とあるは各道、道住民、道條例、道規則、道會、道會議員、道會議員選擧管理委員會、道會議員選擧管理委員、道參事會、道參事會員、道廳長官、道吏員、道出納吏、道廳、道税、道債、道費、道府縣組合又は道行政を含むものとす
第二款 府縣及其の區域
第三條の二を第三條の六とし、同條の前に次のやうに加へる。
第三款 府縣住民及其の權利義務
第三條の二 府縣内に住所を有する者は其の府縣住民とす
府縣住民は本法に從ひ府縣の財産及營造物を共用する權利を有し府縣の負擔を分任する義務を負ふ
第三條の三 府縣内の市町村民は本法に從ひ府縣の選擧に參與する權利を有す
第三條の四 府縣内の市町村民は本法に從ひ府縣條例又は府縣規則の制定を請求する權利を有す
府縣内の市町村民は本法に從ひ府縣の事務の監査を請求する權利を有す
第三條の五 府縣内の市町村民は本法に從ひ府縣會の解散を請求する權利を有す
府縣内の市町村民は本法に從ひ府縣知事、監査委員、府縣會議員又は府縣會議員選擧管理委員の解職(府縣知事に付ては免官)を請求する權利を有す
第四款 府縣條例及府縣規則
第四條 第三項中「其の區域と隣接の區域と」を「數區域」に改め、同條第四項の次に次の一項を加へる。
選擧人は住所に依り所屬の選擧區を定む第七十四條の二十一の規定に依り選擧權を有する者にして府縣内に住所を有せざるものに付ては府縣會議員選擧管理委員會は本人の申出に依り、其の申出なきときは職權に依り其の選擧區を定むべし
同條第五項中「前二項」を「第三項及第四項」に改める。
第六條第一項乃至第三項を次のやうに改める。
府縣内の市町村會議員の選擧權を有する者は府縣會議員の選擧權を有す
府縣内の市町村會議員の被選擧權を有する者は府縣會議員の被選擧權を有す
同條第五項中「選擧事務」を「府縣會議員選擧管理委員、市町村會議員選擧管理委員(町村制第三十八條の町村に於ては町村長選擧管理委員以下之に同じ)、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人竝に選擧事務」に改め、同條第六項を削り、同條第八項中「衆議院議員」を「帝國議會の議員」に改める。
第七條第一項を削り、同條第二項中「議員」を「府縣會議員」に改める。
第八條第二項中「府縣知事」の下に「若は府縣會」を加へる。
第九條第一項中「市町村會議員選擧に用ふる選擧人名簿」の下に「(町村制第三十八條の町村に於ては町村長の選擧に用ふる選擧人名簿)」を加へ、同條第二項を削る。
第十條 府縣に府縣會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)を置く
選擧管理委員會は府縣會議員選擧管理委員(以下本章中選擧管理委員と稱す)六人を以て之を組織す
第十一條 選擧管理委員は府縣會に於て府縣會議員の選擧權を有する者の中より之を選擧すべし
府縣會は委員と同數の補充員を選擧すべし
委員中闕員あるときは選擧管理委員會の委員長は補充員の中に就き之を補闕す其の順序は選擧の時を異にするときは選擧の前後に依り選擧同時なるときは得票數に依り得票同數なるときは抽籤に依る仍闕員ある場合に於ては臨時補闕選擧を行ふべし
委員及其の補充員は隔年之を選擧すべし
委員は後任者の就任するに至る迄在任す
委員は其の選擧に關する第八十二條第一項若は第二項の處分確定し又は判決ある迄は其の職務を行ふの權を失はず
第十二條 選擧管理委員會は府縣知事の監督を承け法令の定むる所に依り府縣會議員の選擧其の他の選擧に關する事務を管理す
委員會は府縣會議員の選擧に關する事務に付ては市町村會議員選擧管理委員會(町村制第三十八條の町村に於ては町村長選擧管理委員會以下之に同じ)を指揮監督す
第十二條の二 選擧管理委員會は委員中より委員長一人る選擧すべし
委員長は委員會に關する事務を總理し委員會を代表す
第十二條の三 選擧管理委員會は委員長之を招集す委員三人以上より委員會招集の請求あるときは委員長は之を招集すべし
第十二條の四 選擧管理委員會は委員三人以上出席するに非ざれば會議を開くことを得ず
第三項の規定に依り委員の數減少して前項の數を得ざるときは委員長は補充員にして其の事件に關係なきものを以て第十一條第三項の順序に依り臨時之に充つべし委員の故障に因り前項の數を得ざるとき亦同じ
委員長及委員は自己又は父母、祖父母、配偶者、子孫若は兄弟姉妹の一身上に關する事件に付ては其の議事に參與することを得ず但し委員會の同意を得たるときは會議に出席し發言することを得
第十二條の五 選擧管理委員會の議事は委員の過半數を以て決す可否同數なるときは委員長の決する所に依る
第十二條の六 選擧管理委員會に書記を置き委員長の指揮を承け委員會に關する事務に從事せしむ
書記は府縣の官吏又は第七十七條の二の吏員の中に就き府縣知事の承認を得て委員長之を定む
第十二條の七 本法に規定するものの外選擧管理委員會に關し必要なる事項は委員會之を定む
第十三條第一項中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に改め、同條第二項を次のやうに改める。
天災其の他避くべからざる事故に因り投票を行ふことを得ざるとき又は更に投票を行ふの必要あるときは投票管理者は選擧長を經て委員會に其の旨を屆出づべし此の場合に於ては委員會は更に期日を定め投票を行はしむべし但し其の期日は少くとも五日前に之を告示せしむべし
第十四條 投票管理者は府縣會議員の選擧權を有する者の中に就き市町村會議員選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
投票管理者は投票に關する事務を擔任す
第十五條第四項中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に改め、「を設け又は數町村の區域を合せて一投票區」を削る。
第十六條第一項を次のやうに改める。
市町村會議員選擧管理委員會は各投票區に於ける選擧人名簿に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て四人乃至六人の投票立會人を選任すべし
同條第二項中「投票立會人三人に達せさるとき若は」を「投票立會人」に改め、同條第三項を削る。
第十八條第九項中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に改める。
第十八條の二第二項の次に次の一項を加へる。
第七十四條の二十一の規定に依り選擧權を有する者は第一項及前條第三項の規定に拘らず選擧の當日投票時間内に自ら投票所に到り其の旨を證すべき書面を提示して投票を爲すことを得
同條第三項中「公民權」を「市町村會議員の選擧權」に改める。
第十九條第一項を次のやうに改める。
投票の拒否は投票立會人之を決定す可否同數なるときは投票管理者之を決すべし
同條第四項中「投票立會人」を「投票管理者又は投票立會人」に改める。
第十九條の二中「但書」の下に「及第三項」を加へる。
第二十一條 投票管理者たる者開票管理者たる場合を除くの外投票管理者は其の指定したる投票立會人と共に投票の當日投票凾、投票録及選擧人名簿を開票管理者に送致すべし
第二十二條中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に、「選擧會」を「開票」に改める。
第二十二條の二 開票區は市町村の區域に依る
選擧管理委員會特別の事情ありと認むるときは市の區域を分ちて數開票區を設け又は數町村の區域を合せて一開票區を設くることを得
前項の規定に依り開票區を設くる場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第二十二條の三 開票管理者は府縣會議員の選擧權を有する者の中に就き市町村會議員 選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
開票管理者は開票に關する事務を擔任す
開票所は市役所、町村役場又は開票管理者の指定したる場所に之を設く
開票管理者は豫め開票の場所及日時を告示すべし
第二十二條の四 第十六條の規定は開票立會人に之を準用す
第二十二條の五 開票は投票の當日又は其の翌日(一開票區に數投票區あるときは總ての投票函の送致を受けたる日又は其の翌日)之を行ふ
第二十二條の六 開票管理者は開票立會人立會の上投票函を開き先づ第十九條第二項及 第四項の投票を調査すべし其の投票の受理如何は開票立會人之を決定す可否同數なるときは開票管理者之を決定すべし
開票管理者は開票立會人と共に市町村其の他選擧管理委員會の定むる區域毎に投票を點檢すべし
投票の點檢終りたるときは開票管理者は直に其の結果を選擧長に報告すべし
開票管理者は前項の規定に依る報告を爲したるときは直に選擧人名簿を市町村會議員選擧管理委員會に返付すべし
第二十二條の七 選擧人は其の開票所に就き開票の參觀を求むることを得
第二十二條の八 投票の效力は開票立會人之を決定す可否同數なるときは開票管理者之を決すべし
第二十二條の九 左の投票は之を無效とす
一 成規の用紙を用ひざるもの
二 議員候補者に非ざる者の氏名を記載したるもの
三 一投票中二人以上の議員候補者の氏名を記載したるもの
四 被選擧權なき議員候補者の氏名を記載したるもの
五 議員候補者の氏名の外他事を記載したるもの但し爵位、職業、身分、住所又は敬稱の類を記載したるものは此の限に在らず
六 議員候補者の氏名を自書せざるもの
七 議員候補者の何人を記載したるかを確認し難きもの
八 府縣會議員の職に在る者の氏名を記載したるもの
前項第八號の規定は第八條、第三十二條又は第三十六條の規定に依る選擧の場合に限り之を適用す
第二十二條の十 開票管理者は開票録を作り開票に關する顛末を記載し二人以上の開票立會人と共に之に署名すべし
開票録、投票録及投票竝に府縣會議員の選擧に用ひたる選擧人名簿は市町村會議員選擧管理委員會に於て議員の任期間之を保存すべし
第二十二條の十一 選擧の一部無效と爲り更に選擧を行ひたる場合に於ては其の投票の效力を決定すべし
第二十二條の十二 第十三條第二項本文の規定は開票に之を準用す
第二十二條の十三 第十七條第一項及第二項の規定は開票所の取締に之を準用す
第二十三條第一項を次のやうに改める。
選擧長は府縣會議員の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
第二十三條の二を削る。
第二十四條 選擧管理委員會(市に於ては市會議員選擧管理委員會)は各選擧區に於ける選擧人名簿に登録せられたる者の中より本人の承諾を得て四人乃至六人の選擧立會人を選任すべし
第十六條第二項及第三項の規定は選擧立會人に之を準用す
第二十五條 選擧長は總ての開票管理者より第二十二條の六第三項の規定に依る報告を受けたる日又は其の翌日選擧會を開き選擧立會人立會の上其の報告を調査すべし
選擧の一部無效と爲り更に選擧を行ひたる場合に於て第二十二條の六第三項の規定に依る報告を受けたるときは選擧長は前項の例に依り選擧會を開き他の部分の報告と共に更に之を調査すべし
第十三條第二項本文の規定は選擧會に之を準用す
第二十六條の二を削る。
第二十七條 第十七條第一項及第二項の規定は選擧會場の取締に之を準用す
第二十八條 削除
第二十九條第二項中「年長者を取り年齡同しきときは」を削る。
第二十九條の三第二項中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に改め、同條第五項中「選擧立會人の意見を聽き選擧長之を決定すへし」を「選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし」に改める。
第三十條第二項を次のやうに改める。
選擧録及第二十二條の六第三項の規定に依る報告に關する書類は選擧管理委員會に於て議員の任期間之を保存すべし
第三十一條第一項を次のやうに改める。
當選者定まりたるときは選擧長は直に當選者に當選の旨を告知し同時に當選者の住所氏名を告示し且選擧録を添へ之を選擧管理委員會に報告すべし當選者なきときは直に其の旨を告示し且選擧録を添へ之を委員會に報告すべし
前項の場合に於ては委員會は選擧録の寫を添へ直に府縣知事に當選者の住所氏名又は當選者なき旨を報告すべし
同條第二項及び第三項中「府縣知事」を「委員會」に改め、同條第五項中「第六條第七項に掲くる在職の官吏以外の」を削り、同條第六項乃至第八項を削る。
第三十一條の二を削る。
第三十二條第一項中「府縣知事」の下に「若は府縣會」を加へ、同項第二號中「第三十一條第三項」を「前條第四項」に改める。
第三十三條第一項中「府縣知事は直に」を「選擧管理委員會は直に其の旨を府縣知事に報告すると共に」に改め、同條第二項中「府縣知事は直に其の旨」を「委員會は直に其の旨を府縣知事に報告すると共に之」に改める。
第三十四條第一項中「府縣知事」を「選擧管理委員會」に改め、同條第二項中「府縣知事」を「委員會」に改め、同條第三項中「府縣知事」を「委員會」に改め、「不服ある者は」の下に「府縣知事に訴願し其の裁決に不服ある者は」を加へ、同條第四項中「第一項」を「第二項」に改め、同條第五項中「異議の決定」の下に「若は訴願の裁決」を加へ、同條第六項中「決定」の下に「若は裁決」を加へる。
第三十四條の二第三項中「選擧事務長又は選擧事務長に非ずして事實上」を削る。
第三十六條第一項及び第三項中「三箇月以内に」を削り、同條第五項を削る。
第三十六條の二第二項を削る。
第三十六條の三 府縣會議員の選擧は府縣知事の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
議員の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て衆議院議員又は府縣知事の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは議員の選擧は衆議院議員又は府縣知事の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第三十七條第一項中「又は第三十一條第七項に掲ぐる者なるとき」、「又は第三十一條第七項に掲ぐる者に該當するや否や」及び第二號を削り、第三號を第二號とし、第四號を第三號とする。
同條第三項中「又は第三十一條第七項に掲ぐる者」を削る。
第三十七條の二 選擧管理委員、投票管理者、開票管理者又は選擧長府縣會議員の選擧權を有せざるに至りたるときは其の職を失ふ
第三十九條但書中「但し」の下に「同法第九十九條中吏員とあるは選擧管理委員、市町村會議員選擧管理委員、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人を含むものとし」を加へ、「選擧委員の數、選擧運動の爲使用する勞務者の數及」を削る。
第四十條に次の但書を加へる。
但し衆議院議員選擧法第百十二條第二項、第百十三條第二項、第百十六條、第百十七條及第百二十七條第四項中吏員とあるは選擧管理委員、市町村會議員選擧管理委員、投票管理者、開票管理者又は選擧長を含むものとす
第四十一條に次の一項を加へる。
前項に規定するものの外府縣は府縣條例を以て府縣に關する事件に付府縣會の議決すべきものを定むることを得
第四十三條の二 府縣會は府縣の事務に關する書類及計算書を檢閲し府縣知事の報告を請求して事務の管理、議決の執行及出納を檢査することを得
府縣會は府縣知事に對し府縣の事務に關する監査委員の監査を求め其の結果の報告を請求することを得
第五十條第一項乃至第四項を次のやうに改める。
府縣會は定例會及臨時會とす
定例會は隔月之を開く
臨時會は必要ある場合に於て其の事件に限り之を開く
同條第六項中「第二項及前項」を「前二項」に改める。
同條に次の一項を加へる。
府縣會の會期及其の延長竝に開閉に關する事項は第六十四條の會議規則中に之を規定すべし
第五十一條第二項中「十四日」を「七日」に改め、同條第三項及び第四項を削る。
第五十三條第一項中「議事は」の下に「議員の」を加へ、同條第二項を削る。
第五十四條中「妻」を「配偶者」に改める。
第五十五條第一項中「第二十七條」を「第二十二條の九」に改める。
第五十六條 府縣會の會議は之を公開す但し議長又は議員三人以上の發議に依り傍聽禁止を可決したるときは此の限に在らず
前項但書の議長又は議員の發議は討論を用ひず其の可否を決すべし
第五十七條の三を削る。
第六十二條第二項を次のやうに改める。
書記は第七十七條の二の吏員の中に就き府縣知事の同意を得て議長之を定む
第六十三條第二項中「會議録」を「會議録の寫」に改める。
第六十五條中「議長及名譽職」を削る。
第六十六條第一項及び第二項中「名譽職」を削り、同條第三項中「名譽職」及び「年長者を取り年齡同しきときは」を削り、同條第四項乃至第六項「名譽職を」削る。
第六十七條 削除
第七十條 第四十三條、第四十四條乃至第四十九條、第五十條第六項、第五十五條、第五十七條乃至第五十九條、第六十二條、第六十三條第二項及第六十四條第一項の規定は府縣參事會に之を準用す但し第六十三條第二項の規定を準用する場合に於ては府縣會議長にも報告すべし
第七十一條第一項中「名譽職」を削り、同條第二項を削る。
第七十三條第一項中「議長又は其の代理者及名譽職」を削り、同條第二項中「名譽職」を削る。
第七十四條第一項中「、其の代理者及名譽職」を「及」に改め、同條第二項を削る。
「第四章 府縣行政」を「第四章 府縣の官吏及吏員」に、「第一款 府縣吏員の組織及任免」を「第一款 組織、選擧及任免」に改める。
第七十五條の前に次のやうに加へる。
第七十四條の二 府縣に府縣知事を置く
府縣知事は官吏とす
府縣知事の任期は四年とし選擧の日より之を起算す
府縣知事は其の被選擧權ある者に就き選擧人をして選擧せしめ其の者に就き之に任ず
第七十四條の三 府縣會議員の選擧權を有する者は府縣知事の選擧權を有す
第七十四條の四 帝國臣民たる年齡三十年以上の者は府縣知事の被選擧權を有す
市制第十四條第一項但書又は町村制第十二條第一項但書の規定に該當する者は被選擧權を有せず
帝國議會の議員は府縣知事と相兼ぬることを得ず
府縣會議員及府縣の有給の吏員、教員其の他の職員にして在職中のものは其の府縣の府縣知事と相兼ぬることを得ず
第七十四條の五 府縣知事の選擧は現任府縣知事の任期滿了の日前二十五日以内に之を行ふべし
府縣知事闕くるに至りたるときは府縣知事の選擧は其の闕くるに至りたる日より二十五日以内に之を行ふべし但し其の事由第七十四條の十八に於て準用する第三十一條第三項の期限前に生じたる場合に於て第七十四條の十第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第七十四條の十第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
第七十四條の十二第三項の規定は前項但書の場合に之を準用す
第七十四條の十四第四項の規定は第二項の期間に之を準用す
第七十四條の六 府縣知事の選擧に關する事務は府縣會議員選擧管理委員會(以下本章中選擧管理委員會と稱す)之を管理す
府縣知事の選擧は府縣會議員の選擧に用ふる選擧人名簿に依り之を行ふ
選擧管理委員會は選擧の期日前二十日目迄に投票を行ふべき日時を告示すべし
府縣知事の選擧の投票區及開票區は府縣會議員の選擧の投票區及開票區に依る
本法に規定するものの外投票區及開票區に關し必要なる事項は命令を以て之を定む
第七十四條の七 府縣知事候補者たらんとする者は選擧の期日の告示ありたる日より選擧の期日前七日目迄に其の旨を選擧長に屆出づべし
選擧人名簿に登録せられたる者他人を府縣知事候補者と爲さんとするときは前項の期間内に其の推薦の屆出を爲すことを得
前二項の期間内に屆出ありたる府縣知事候補者二人以上ある場合に於て其の期間を經過したる後府縣知事候補者死亡し又は府縣知事候補者たることを辭したるときは前二項の例に依り選擧の期日前二日目迄府縣知事候補者の屆出又は推薦屆出を爲すことを得
府縣知事候補者は選擧長に屆出を爲すに非ざれば府縣知事候補者たることを辭することを得ず
前四項の規定に依る屆出ありたるとき又は府縣知事候補者の死亡したることを知りたるときは選擧長は直に其の旨を告示すべし
第七十四條の八 府縣知事候補者の屆出又は推薦屆出を爲さんとする者は府縣知事候補者一人に付二千圓又は之に相當する額面の國債證書を供託することを要す
府縣知事候補者の得票數有效投票の總數の十分の一に達せざるときは前項の規定に依る供託物は府縣に歸屬す
前項の規定は府縣知事候補者選擧の期日前十日以内に府縣知事候補者たることを辭したる場合に之を準用す但し被選擧權を有せざるに至りたる爲府縣知事候補者たることを辭したるときは此の限に在らず
第七十四條の九 選擧長は府縣知事の選擧權を有する者の中に就き選擧管理委員會の選任したる者を以て之に充つ
選擧長は選擧會に關する事務を擔任す
選擧會は府縣廳又は選擧長の指定したる場所に之を開く
選擧長は豫め選擧會の場所及日時を告示すべし
第七十四條の十 府縣知事の選擧は有效投票の最多數を得たる者を以て當選者とす但し 有效投票の總數の四分の一以上の得票あることを要す
當選者を定むるに當り得票の數同じきときは選擧長抽籤して之を定む
第七十四條の十一 第七十四條の七第一項乃至第三項の規定に依る屆出ありたる府縣知 事候補者一人なるときは投票は之を行はず
前項の規定に依り投票を行ふことを要せざるときは選擧長は直に其の旨を告示し併せて之を選擧管理委員會に報告すべし
第一項の場合に於ては選擧長は選擧の期日より五日以内に選擧會を開き府縣知事候補者を以て當選者と定むべし
前項の場合に於て府縣知事候補者の被選擧權の有無は選擧立會人之を決定す可否同數なるときは選擧長之を決すべし
第七十四條の十二 當選者左に掲だる事由の一に該當する場合に於て第二項の規定の適用を受くる者なきときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
一 當選を辭したるとき
二 第七十四條の十八に於て準用する第二十九條の二の規定に依り當選を失ひたるとき
三 死亡者なるとき
四 選擧に關する犯罪に依り刑に處せられ其の當選無效と爲りたるとき但し第七十四條の五第二項又は前各號の事由に依る選擧の告示を爲したる場合は此の限に在らず
五 第七十四條の十八に於て準用する第三十四條の二の規定に依る訴訟の結果當選無效と爲りたるとき
前項各號の事由第七十四條の十八に於て準用する第三十一條第三項の期限前に生じたる場合に於て第七十四條の十第一項但書の得票者あるとき又は其の期限經過後に生じたる場合に於て第七十四條の十第二項の規定の適用を受けたる得票者あるときは直に選擧會を開き其の者の中に就き當選者を定むべし
前項の場合に於て第七十四條の十第一項但書の得票者選擧の期日後に於て被選擧權を有せざるに至りたるときは之を當選者と定むることを得ず
第七十四條の十四第四項の規定は第一項の期間に之を準用す
第七十四條の十三 當選者其の當選を承諾したるときは選擧管理委員會は直に當選者の住所氏名を告示し且之を内務大臣に報告すべし
當選者なきに至りたるときは委員會は直に其の旨を告示し且之を内務大臣に報告すべし
第七十四條の十四 選擧無效と確定したるときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
當選無效と確定したるときは直に選擧會を開き更に當選者を定むべし此の場合に於ては第七十四條の十二第三項の規定を準用す
當選者なきとき又は當選者なきに至りたるときは二十五日以内に更に選擧を行ふべし
第一項及前項の期間は第七十四條の十五第一項又は第七十四條の十六第一項若は第三項の規定の適用ある場合に於ては選擧を行ふことを得ざる事由已みたる日の翌日より之を起算す
第七十四條の十五 第七十四條の五第二項、第七十四條の十二第一項又は前條第一項若は第三項の選擧は之に關係ある選擧又は當選に關する異議申立期間、異議の決定若は訴願の裁決確定せざる間又は訴訟の繋屬する間之を行ふことを得ず
府縣知事は選擧又は當選に關する決定若は裁決確定し又は判決ある迄は其の官を失はず
第七十四條の十六 府縣知事の選擧は府縣會議員の選擧の期日の告示ありたるときは其の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
府縣知事の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは第三十六條の三第二項の例に依る府縣知事の選擧を行ふべき事由を生じたる場合に於て衆議院議員の選擧を行ふべき事由をも生じたるときは府縣知事の選擧は衆議院議員の選擧の期日の經過するに至る迄の間之を行ふことを得ず
第七十四條の十七 衆議院議員選擧法第十章及第十一章竝に第百四十條第二項乃至第四項、第百四十二條及第百四十七條の規定は府縣知事の選擧に之を準用す但し同法第九十九條中吏員とあるは府縣會議員選擧管理委員、市町村會議員選擧管理委員投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人を含むものとし府縣知事候補者一人に付定むべき選擧運動の費用の額に關しては勅令の定むる所に依る
第七十四條の十八 第六條第三項及第四項、第十三條第二項、第十四條、第十五條第二項及第三項、第十六條、第十七條、第十八條第一項乃至第十項、第十八條の二乃至第二十二條、第二十二條の三乃至第二十二條の八、第二十二條の九第一項第一號乃至第七號、第二十二條の十乃至第二十二條の十三、第二十四條乃至第二十七條、第二十九條の二(第三十七條第二項に關する部分を除く)、第三十條、第三十一條第一項乃至第三項、第五項及第六項、第三十四條第一項乃至第四項、第三十四條の二、第三十五條本文、第三十七條の二(選擧管理委員に關する部分を除く)、第三十八條竝に第四十條の規定は府縣知事の選擧に之を準用す但し第三十一條第二項中府縣知事とあるは内務大臣、同條第五項中前二項とあるは第三項、第三十四條第一項中前條第二項とあるは第七十四條の十三第二項、第三十四條の二第五項中前條第六項とあるは第七十四條の十五第二項とし第三十一條第六項の規定は現任府縣知事にして其の府縣に於て當選したるものに付ては之を適用せず
第七十四條の十九 本法に規定するものの外府縣の官吏に關しては勅令の定むる所に依る
第七十四條の二十 府縣に監査委員を置く
監査委員は府縣吏員とし其の定數は四人とす
監査委員の任期は二年とす
府縣會議員の中より選任せられたる監査委員の任期は前項の規定に拘らず議員の任期を超ゆることを得ず但し後任者の選任せらるるに至る迄の間其の職務を行ふことを妨げず
監査委員は府縣知事府縣會の同意を得て府縣會議員及學識經驗ある者の中より各同數を選任すべし
本法に規定するものの外監査委員に關し必要なる事項は府縣條例を以て之を規定すべし
第七十四條の二十一 府縣知事及監査委員は第六條第一項の規定に拘らず在職の間府縣會議員の選擧權を有す
第七十五條 府縣知事及監査委員は其の府縣に對し請負を爲し又は其の府縣に於て費用を負擔する事業に付府縣知事若は其の委任を受けたる者に對し請負を爲す者及其の支配人又は主として同一の行爲を爲す法人の無限責任社員、取締役若は監査役又は之に準ずべき者、支配人又は清算人たることを得ず
監査委員は第六條第三項又は第五項に掲げたる職と相兼することを得ず
第七十六條中「吏員」を「及第七十七條の二の吏員」に改める。
第七十七條第二項を次のやうに改める。
委員は府縣吏員とす
第四章第一款に次の二條を加へる。
第七十七條の二 本法に規定するものの外府縣に必要の府縣吏員を置く
前項の府縣吏員は府縣知事之を任免す
第七十七條の三 府縣知事被選擧權を有せざるに至りたるときは其の官を失ふ
監査委員市制第十四條第一項但書又は町村制第十二條第一項但書の規定に該當するに至りたるときは其の職を失ふ
監査委員の職に在る者にして禁錮以上の刑に該るべき罪の爲豫審又は公判に付せられたるときは府縣知事は其の職務の執行を停止することを得此の場合に於ては其の停止期間報酬又は給料を支給することを得ず
「第二款 府縣官吏府縣吏員の職務權限及處務規程」を「第二款 職務權限」に改める。
第七十九條 府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一(其の數一萬を超ゆるときは一萬以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より府縣知事に對し府縣條例又は府縣會の議決を經べき府縣規則の制定の請求ありたるときは府縣知事は二十日以内に府縣會を招集し意見を附して之に原案を付議すべし
前項の場合に於ては府縣知事は原案の趣旨に反せずと認むる範圍内に於て之を修正して府縣會に付議することを得
府縣知事は府縣會の要求あるときは第一項の代表者又は其の代理者をして會議に出席し原案の説明を爲さしむることを得
第一項の府縣會議員の選擧權を有する者とは府縣會議員の選擧に用ふる選擧人名簿確定の日に於て之に登録せられたる者とす
第一項の府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數は前項の選擧人名簿確定後直に府縣知事に於て之を告示すべし
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第八十一條第一項中「五十圓」を「五百圓」に改め、同條第二項中「給料」を「報酬又は給料」に改める。
第八十四條 府縣會に於て府縣知事不信任の議決を爲したるときは府縣知事は内務大臣に對し府縣會の解散を請求することを得
解散後初て招集せられたる府縣會に於て再び府縣知事不信任の議決を爲したるときは府縣知事は辭任することを要す
前二項の議決に付ては議員數の三分の二以上出席し其の三分の二以上の同意あることを要す
第八十五條第二項中「第一項」を削る。
第八十八條の二 監査委員は府縣知事の監督を承け府縣の經營に係る事業の管理、府縣の出納其の他府縣の事務の執行を監査す
府縣知事は監査委員をして毎會計年度少くとも一囘以上期日を定めて前項の規定に依る監査を爲さしむべし
府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一以上の者の連署を以て其の代表者より府縣知事に對し第一項に規定する事項に關し監査委員の監査の請求ありたるときは府縣知事は其の請求に係る事項に付監査委員をして監査を爲さしむべし
府縣知事は監督官廳の命令あるとき、第四十三條の二第二項の規定に依る府縣會の要求あるとき其の他必要ありと認むるときは臨時に監査委員をして第一項の規定に依る監査を爲さしむべし
府縣知事は監査委員をして監査の結果を府縣會に報告せしむべし府縣知事は監査の結果を府縣住民に公表すべし
第七十九條第四項の規定は第三項の府縣會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第三項の府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五十分の一の數に之を準用す
第三項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第九十條中「府縣吏員」を「第七十七條の二の吏員」に改める。
第九十三條 府縣會議員、府縣會議員選擧管理委員、府縣參事會員、府縣會議員の中より選任せられたる監査委員及委員には報酬を給することを得
府縣會議員、府縣會議員選擧管理委員、府縣參事會員、府縣會議員の中より選任せられたる監査委員、委員、投票管理者、投票立會人、開票管理者、開票立會人、選擧長及選擧立會人は職務の爲要する費用の辨償を受くることを得
報酬額及費用辨償額竝に其の支給方法は府縣條例を以て之を規定すべし
第九十四條 前條に規定する吏員以外の吏員には給料及旅費を給す
給料額及旅費額竝に其の支給方法は府縣規則を以て之を規定すべし
前項の府縣規則を設け又は改廢せんとするときは府縣會の議決を經べし
第九十五條中「有給府縣吏員」を「前條第一項の吏員」に、「前條第二項の例に依りて之を定む」を「府縣條例を以て之を規定すべし」に改める。
第九十六條第二項を次のやうに改める。
前項の規定に依る異議の申立ありたるときは府縣知事は府縣參事會に諮りて之を決定すべし
府縣參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第二項の規定に依る府縣知事の決定に不服ある者は行政裁判所に出訴することを得
第百十四條第二項中「二十圓」を「二百圓」に改める。
第百十五條第二項を次のやうに改める。
前項の規定に依る異議の申立ありたるときは府縣知事は府縣參事會に諮りて之を決定すべし
府縣參事會は前項の規定に依る諮問ありたる日より二十日以内に意見を答申すべし
第二項の規定に依る府縣知事の決定を受けたる者其の決定に不服あるときは行政裁判所に出訴することを得
第百二十四條第一項中「決算は」の下に「監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して」を加へ、「之を」を削る。
第百二十四條の二 府縣知事は府縣會の指定したる府縣の經營に係る事業に付其の經營状況を明ならしむる爲定期に貸借對照表其の他必要なる書類を作製し監査委員をして之を審査せしめ其の意見を附して次の府縣會に提出すべし
第百二十六條の六中「意見を徴し」を「議決を經て」に改める。
第百三十一條第一項を次のやうに改める。
府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一(其の數十萬を超ゆるときは十萬以下之に同じ)以上の者の連署を以て其の代表者より内務大臣に對し府縣會の解散の請求ありたるとき、第八十四條第一項の規定に依る府縣會の解散の請求ありたるとき其の他特別の事情あるときは内務大臣は府縣會の解散を命ずることを得
同條第三項及び第四項を次のやうに改める。
第七十九條第四項の規定は第一項の府縣會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第一項の府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百三十二條中「府縣吏員」の下に「及府縣會議員選擧管理委員」を加へ、同條に次の一項を加へる。
第八十一條の規定は府縣會議員選擧管理委員の懲戒に之を準用す
第百三十三條中「有給吏員」を「府縣吏員」に改める。
第百三十三條の二 府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一以上の者の連署を以て其の代表者より府縣知事又は府縣會議員に付ては内務大臣に對し、監査委員又は府縣會議員選擧管理委員に付ては府縣知事に對し此等の者の解職(府縣知事に付ては其の免官)の請求ありたるときは内務大臣又は府縣知事は關係者の出頭を求めて之を審査し其の理由ありと認むるときは府縣知事に付ては其の旨を内閣總理大臣に報告し其の他の者に付ては之を解職すべし
前項の報告ありたるときは内閣總理大臣は其の免官を奏請すべし
第七十九條第四項の規定は第一項の府縣會議員の選擧權を有する者に、同條第五項の規定は第一項の府縣會議員の選擧權を有する者の總數の五分の一の數に之を準用す
第八十一條第二項の規定は第一項の規定に依り解職(府縣知事に付ては免官以下之に同じ)を行はんとする場合に、同條第三項の規定は第一項の規定に依り解職せられたる者に之を準用す但し府縣知事の免官に付ては同條第二項中府縣知事とあるは内閣總理大臣、報酬又は給料とあるは俸給とす
第一項の場合に於て必要なる事項は命令を以て之を定む
第百三十六條中「勅令の規定に依り」の下に「報告を以て許可に代へ又は」を加へる。
第百三十八條 島嶼に關する行政の特例に付必要なる事項は勅令を以て之を定むることを得
第百三十九條 削除
第百四十三條中「市長に關する規定は區長」を「市會議員選擧管理委員に關する規定は市會議員區選擧管理委員に、市會議員選擧管理委員會に關する規定は市會議員區選擧管理委員會」に改め、同條但書を削る。
第百四十四條 町村組合にして町村事務の全部を共同處理するものは本法の適用に付ては之を一町村、其の組合會議員選擧管理委員會は之を町村會議員選擧管理委員會、其の組合會議員選擧管理委員は之を町村會議員選擧管理委員、其の組合吏員は之を町村吏員、其の組合役場は之を町村役場と看做す
町村組合にして町村の役場事務を共同處理するものは本法の適用に付ては之を一町村、其の組合管理者選擧管理委員會は之を町村會議員選擧管理委員會、其の組合管理者選擧管理委員は之を町村會議員選擧管理委員、其の組合吏員は之を町村吏員、其の組合役場は之を町村役場と看做す
附 則
この法律中議員の選擧に關する規定(附則第十四項及び第十五項の規定を除く。)は、次の總選擧から、これを施行し、北海道に關する規定及びその他の規定の施行の期日は、各規定について、勅令でこれを定める。
この法律により府縣知事(北海道廳長官を含む。以下これに同じ。)を選擧する場合において、この法律中議員の選擧に關する規定がまだ施行されてゐないときは、その規定は、この法律中府縣知事の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
この法律により議員又は府縣知事を選擧する場合において、昭和二十一年の市制の一部を改正する法律又は同年の町村制の一部を改正する法律中公民權及び議員の選擧に關する規定(町村制第六十一條の三第二項、第三項及び第五項の規定を含む。以下これに同じ。)がまだ施行されてゐない市町村においては、その規定は、この法律中議員又は府縣知事の選擧に關する規定の適用については、既に施行されたものとみなす。
昭和二十一年の市制の一部を改正する法律又は同年の町村制の一部を改正する法律中公民權及び議員の選擧に關する規定は、これを施行した市町村においては、府縣制中議員の選擧に關する規定の適用については、次の總選擧までの間、まだ施行されてゐないものとみなす。
前三項の場合において必要な選擧人名簿に關しては、命令で特別の規定を設けることができる。
第七十四條の二乃至第七十四條の十八の改正規定施行の際現に在職する府縣知事は、これらの規定による府縣知事が任命されるまでの間は、これらの規定の施行によつては、その地位を失はない。
北海道會法及び北海道地方費法は、これを廢止する。
この法律施行の際現に北海道地方費に屬する財産、營造物、事業及び權利義務は、道がこれを承繼する。
附則第七項の規定施行の際現に北海道會議員又は北海道名譽職參事會員の職にある者は、この法律により道會議員又は道參事會員に選擧されたものとみなし、道會議員の任期は、昭和二十一年八月三十一日までとする。但し、道會議員は、その任期滿了後も、この法律により初めて行はれる議員の選擧の期日までの間は、なほ、その職にあるものとする。
前項の場合において、道參事會員の職にある者の數が、道府縣制第六十五條の定數を超えてゐても、その數を以て道參事會員の定數とする。但し、道參事會員に闕員を生じたときは、これに應じて、その定數は、同條の定數に至るまで減少するものとする。
他の法律中「北海道地方費」とあるのは、「道」と讀み替へるものとする。
他の法律中北海道會法又は北海道地方費法の規定を掲げてゐる場合においては、勅令で特別の定をした場合を除き、各道府縣制中のこれに相當する規定を指してゐるものとする。
現在府縣會議員は、その任期滿了後も、この法律により初めて行はれる議員の選擧の期日までの間は、なほ、その職にあるものとする。
戸籍法の適用を受けない者の北海道會議員の選擧權及び被選擧權竝びに府縣知事の被選擧權は、當分の間、これを停止する。
前項の者は、これを選擧人名簿に登録することができない。
この法律の施行に關し必要な規定は、勅令でこれを定める。
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衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長 公爵 徳川家正殿
…………………………………
衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案
第一條 衆議院議員選擧法第十二條第一項の規定により、昭和二十一年九月十五日の現在で調製する選擧人名簿は、同項の規定にかかはらず、命令の定める日の現在で、これを調製しなければならない。
前項の規定により調製する選擧人名簿は、次の選擧人名簿が確定するまで、その效力を有する。
第一項の規定により調製する選擧人名簿の調製、縱覽、異議の決定及び確定に關する期日及び期間は、命令でこれを定める。
第二條 前條第一項の規定により調製する選擧人名簿及びこれに代り又はこれを基本とする選擧人名簿については、選擧人名簿の調製、縱覽等に關する市區町村長その他の名簿調製義務者(町村制を施行しない地における町村長に準ずる者を除く。)の事務は、市區町村會議員選擧管理委員會(市制第六條及び第八十二條第一項の市においては市會議員區選擧管理委員會、以下これに同じ。)その他の選擧管理委員會がこれを行ふ。
第三條 第一條の規定は、東京都制第十七條第一項又は第百四十八條第二項、市制第二十一條第一項、町村制第十八條第一項その他の規定により昭和二十一年九月十五日の現在で調製する選擧人名簿にこれを準用する。
第四條 市區町村會議員選擧管理委員會その他の選擧管理委員會は、選擧人名簿を調製するために必要があるときは、選擧人に對して必要な事項の屆出を命ずることができる。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
この法律施行の際現に效力を有する選擧人名簿は、第一條及び第三條の規定により調製する選擧人名簿が確定したときは、その效力を失ふ。
昭和二十一年の東京都制の一部を改正する法律、同年の市制の一部を改正する法律及び同年の町村制の一部を改正する法律中市區町村會議員選擧管理委員會その他の選擧管理委員會に關する規定は、この法律の適用については、この法律の施行と同時に、施行されたものとみなす。
第一條第一項の規定により調製する選擧人名簿及びこれに代るべき選擧人名簿については、昭和二十年勅令第五百三十七號(衆議院議員選擧法第十二條の特例の件)は、これを適用しない。
衆議院議員選擧法施行地域に住居を有しなかつた者で、第一條第一項の規定により調製する選擧人名簿の調製期日に同法施行地域に住居を有してゐたが、引き續き六月以上同一市區町村その他これに準ずるものの區域内に住居を有しなかつたため、これに登録されなかつたものは、昭和十三年法律第八十四號(今次の戰爭に際し召集中の者の選擧權及び被選擧權等に關する件)第一條第一項の規定の適用については、衆議院議員選擧法施行地域に住居を有しないため、衆議院議員選擧人名簿に登録せられなかつた者で、同法施行地域に住居を有するに至つたものとみなす。
昭和十三年法律第八十四號第一條第一項中「左に掲ぐる者あるときは」の下に、「本人申請に依り」を加へる。
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〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=18
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019・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今上程になりました東京都制の一部を改正する法律案、市制の一部を改正する法律案、町村制の一部を改正する法律案及び府縣制の一部を改正する法律案、此の四つの法律案に付、一括して其の提案の理由竝に法案中主要なる事項の概略を説明致します、政府は「ポツダム」宣言の受諾の精神に則りまして、政治、經濟、文化、其の他有らゆる部面に於て、鋭意民主主義化の努力を進めて居るのでありまして、其の總ての活動の根幹をなし、國政運營の基本となるべき新憲法草案は、既に審議が進められて居るのでありますが、是と相竝行致しまして、現行地方自治制度の民主主義化を圖りますことは、特に現下の情勢に照らし考へまする時、新日本建設の基盤をなす最も重大なる事柄であると存じます、即ち新しき平和日本の建設には、何よりも先づ國民各自の自覺と責任觀に基く能力の最大限の發揮が必要でありますが、是が爲には國民の自發的熱意と、積極的協力とを最も端的に、且合理的に結集し、反映せしめ得るが如き機構と、其の運營方法とが、制度それ自體の上にも採用せらる、ことが肝要であります、殊に地方自治は、國民に最も緊密な、而して直接的な關係にある地方團體の政治であり、從ひまして地方自治の本旨に則り、地方自治を民主主義化致しますことは、新しい民主主義政治確立の第一の捷徑であり、地方自治民主化の確立に依りまして、健全なる國政民主化の確乎たる地歩を築き得るものであると考へるのであります、斯くして地方自治が眞に地方住民の意思に基き、地方の實情に即應して運營せられ、地方自治團體をして自主的にして堅實なる發達を遂げしむることを得まするならば、自らにして國民全般の巧まざる協力的態勢が整備せられ、現下の危局の打開及び國力の速かなる囘復に裨益する處尠からざるものがあると信ずるのであります、以上の見地に基きまして、地方自治制度に大改正を加へますことは一日の遷延を許さざる刻下の要務であると信じ、現行諸法制下に於て新憲法草案の精神を出來得る限り採り入れ、茲に東京都制、市制、町村制及び府縣制竝に北海道會法及び北海道地方費法等現行地方自治制度全般に亙りまして全面的な改正を行ふことと致しました次第であります、次に地方自治制度改正の根本方針に付て申述べたいと存じます、第一には地方自治團體の自主性乃至自律性の強化と云ふことであります、地方自治とは地方自治團體が自らの公の事務を自らの機關に依つて處理することでありますが、國家の大局的立場に背反しない限り、地方自治團體をして出來得る限り自由に活動せしむること、即ち其の自主性を強化致しますことは正しく自治の本旨に適合する所以であると考へまして、先づ地方自治團體の固有の權能を更に擴張することと致しました、地方自治團體の種類と其の性格とに依り、其の取扱を異にすることは言ふ迄もありませぬが、不完全自治體たる府縣に府縣住民の制度を新たに設け、府縣の住民は府縣の財産、營造物を共用する權利を有しますると共に、其の負擔を分任する義務を負ふものと致し、或は東京都の區に對しまして新たに自治立法權及び財政自主權を認めることと致しましたのは此の趣旨に即應するものであります、完全自治體と稱せられて居ります市町村に付きましても、將來國政事務と自治事務との間に適當な調整が行はれることに從ひ、自治事務の範圍が漸次擴充せられ、市町村の自治權の内容が一段と實質的に豐富なものとなることが期待されるのであります、次には地方自治團體に本來認められて居りまする自治權の發動に對する制限拘束を大いに整理することと致したのであります、今囘の改正に當つて監督官廳に依る市長の選任、町村長の認可に關する手續を改めまして、又或は市町村の認可、許可事項を大幅に整理致しました如きことは地方自治團體の自律性を尊重し、其の自主的活動を活溌ならしめむとする趣旨に外ならないのであります、第二には、地方自治團體に於ける自治行政の運營方法に付住民が參與する部面を擴大致しまして、住民に依る地方自治の本旨を顯現せしむることであります、地方行政の溌剌とした運營を圖りますには、地方住民をして地方行政を自らの行政であるとする觀念に徹せしめる必要があるのであります、是が爲には住民の意思を行政の各部門に亙りまして反映せしむる措置を講じなければなりませぬ、公民權及び名譽職の制度を廢止致しまして、曩の衆議院議員の選擧權の擴張に即應して地方議會の議員の選擧權及び被選擧權を擴張し、遍く其の住民に之を享有せしめ、女子に對しても亦男子と同等の權利を與へることとし、或は其の首長たる府縣知事、市町村長等を住民の直接選擧と致しまする外、進んで是等の者の罷免及び地方議會の解散等を請求する權利を認め、所謂直接參政の途を拓くことと致しましたのは此の趣旨に依るのであります、次に議決機關たる地方議會の權限の擴張であります、住民の直接參政を基盤として運營される地方行政の中心機關は、申す迄もなく執行機關である府縣知事、市町村長等と意思機關である所の地方議會とでありますが、民主主義的要求は民意を背景として選出せられた執行機關が強力なものであることを要請致しますると同時に、執行の基礎と成るべき地方自治團體の意思の決定と其の決定方法に付ては、議決機關自らの責任に於て自由に之を決定せしめる建前を執ることが至當であると存ずるのであります、議決機關たる地方議會の權限を擴張し、更に其の積極的活動を促す爲之が定例的な活動を規定致しましたのは此の趣旨に出づるものであります、第三には、地方行政事務執行の公正を確保することであります、地方自治團體の活動の範圍は擴張せられて來るに從ひまして、其の行政事務の執行は飽く迄も公正を確保せしめ、苟も專恣に流る、が如きことなからしめることが必要であります、此の
意味に於きまして本改正案は新たに二種の制度を採用せむとして居るのであります、將來選擧の重要性は益益擴張されるものと豫想せらるるのでありますが、之に伴ひ其の公正を確保することは地方自治政治の基本的要件と考へられますので、選擧事務の執行に遺憾なからしめ、且之に客觀性を持たしめる爲、選擧事務の全般の管理に當る選擧管理委員會を新たに設けることと致したのであります、更に地方自治團體の住民又は地方議會は、執行機關の行政事務の執行を常に監視する權限を與へられて居るのでありますが、何分にも地方自治團體の執行する行政事務は複難多岐に亙つて居るのである、其の執行の適否は住民の權威と專門的知識を兼ね備へた常置機關の精密な監査に依らなければ正確なる判定を下すことは困難であります、此の趣旨に於きまして監査委員を設置し、地方自治團體の行政事務全般の監査に當たらしめることと致したのであります、以上は地方自治制度改正の根本方針でありますが、以下改正の主要なる事項に付て申述べて見たいと存じます、第一に地方議會の議員の選擧權及び被選擧權の擴張であります、即ち衆議院議員選擧法の改正に即應致しまして、廣く住民に對して地方自治團體の選擧に參與する途を拓きます爲、議員の選擧權の年齡を二十年、被選擧權の年齡を二十五年にそれぞれ引下げますと共に、「破産者にして復權を得さるもの」、「貧困に因り生治の爲公私の救助を受け又は扶助を受くる者」等にも選擧權を與へ、又女子にも男子と同等の選擧權及び被選擧權を認めることと致したのであります、第二には、地方住民に對し地方自治團體の首長たる都長官、府縣知事、又は市町村長を直接選擧する權利の外、各種の直接參政の權利を認めたことであります、即ち地方自治團體の首長を選擧するのみならず、更に進んで是等の者竝に地方議會の議員選擧管理委員及び監査委員の罷免を要求し、或は地方議會の解散、條例規則の制定及び地方自治團體の事務に關し、監査委員の監査を請求する權利を認め、地方住民と地方政治とを直結せしめる措置を講じたのであります、第三には、選擧管理委員會の設置であります、選擧事務の執行の公正を擔保し、選擧人の信頼を確保する爲には、何等か客觀的な獨立の機關をして是が處理に當らしめる必要がありますのと、他面地方自治團體の首長が此の度選擧民の直接選擧に依ることと相成ります爲に、現任首長が現職の儘立候補する場合も考へられますので、斯くの如き場合に於きまして、現任の首長が選擧事務掌理の任に當りますことは不合理と言はなければなりませぬ、仍て東京都を始め府縣及び市町村毎に四人又は六人の委員を以て構成する所の選擧管理委員會を設置し、之をして選擧事務掌理の任に當らせることと致したのであります、第四には、地方議會の權限の擴充と其の地位の強化とであります、即ち地方自治團體の意思機關である地方議會の活動を、更に積極的ならしめることは地方自治の進展に缺くべからざる要件をなすものであると認められますので、此の際地方議會の權限を出來得る限り擴充致し、其の地位の自主性と獨立性とを強化することと致したのであります、先づ議決事件の擴強を圖り、列擧事項以外に條例を以て地方議會の議決すべきものを定め得る權能を認めますると共に、都議會又は府縣會に對しても、都又は府縣の事務に關する書類等を檢閲し、又は議決の執行及び出納等を檢査する權限を付與し、其の他財務等に關し、理事機關が異議の決定をなさむとする時は參事會又は町村會に諮ることと致したのであります、更に地方議會は毎年定例會を數囘招集することを要するものと致しますると同時に、會期及び其の延長竝に開閉に關する事項は、總て地方議會自らの決定に委ねることとして、其の自主性の確立を圖つたのであります、又町村會にも原則として議長及び副議長を置き、町村會議員の中から之を選擧するものと致しましたことも、地方議會の自主性を尊重せむとする所以に外ならないのであります、第五は、都長官、府縣知事及び市町村長等、地方自治團體の首長に關する事項であります、新憲法草案第八十九條第二項には、「地方公共團體の長」は、「その地方公共團體の住民が直接これを選擧する」と規定されて居りまして、地方公共團體の首長の直接公選の原則を明かに致して居るのであります、地方公共團體の長、特に府縣知事等の公選は、獨り地方行政の民主化を實現致します上に付ての最も重要な鍵關でありますのみならず、行政運營の全般に付て、其の影響を及す所は、蓋し甚大なものがあると存ずるのであります、府縣知事等の公選に依りまして、從來の地方行政に於ける過度の中央集權と、官治の弊を是正し、且は任期を定めることに依りまして、其の頻々たる更迭に依る弊を除去して、地方政治を安定し、地方自治團體の明朗にして濶達なる自主的發展を圖ることが可能となり、之に依つて初めて全體の協力的態勢が整備せられるものと考へられるのであります、而して公選知事をして、住民の眞の公僕たらしめ、民意を背景として強力な策施の遂行を可能ならしめる爲には、民意を直接に表現せしめる直接選擧に依ることが適切でありまして、此の理は市町村長の選擧に付ても異る所はないのであります、併しながら此の結果として、特に所謂府縣割據の弊を助長し、食糧政策、其の他現下緊要なる國家諸施策の遂行に支障を來すが如きことなからしめる必要があり、又現行の國家諸機構との間に調和を保たしめることも必要でありますので、府縣知事の身分は之を官吏とし、以て國家的要請と地方的要求との間に適當なる調和あらしめることと致したのであります、府縣知事又は市町村長等の選擧は、供託金の額及び法定得票數等に若干の特例のあります外は、概ね地方議會の議員の選擧に關する手續に準じまして、之を執行することと致し、之が管理には地方議會の議員の選擧管理委員會が當ることと致して居るのであります、即ち府縣知事の被選擧權は、帝國臣民にして三十年以上の者、市町村長の被選擧權は帝國臣民にして二十五年以上の者に之を認めることとし、特に住居要件を求めることとしなかつたのでありますが、是は苟も民意の存する以上、地方自治團體の首長たる者は、一地方に住居を有する者に限定しないで、廣く適材を求めることを得せしむるのが適當であると考へたからに外ならないのであります、又町村長候補者が立候補せむとする時は、町村の實情に即應し、供託金の制度を採用致しませぬで、選擧人三十人以上の連署を要求することと致しまして、所謂人的保障制を執ることとしたのでございますが、更に府縣知事等の選擧に當りましては、其の選擧區域が廣大でありますのと、其の選擧の性格上激甚なる競爭が行はれ、選擧運動費用も亦從つて増嵩することを豫想致されますので、運動費用の節減を圖り、併せて選擧執行の公正を期する爲、特に選擧公營を行ふことと致し、選擧公報の發行及び演説會場の設備の公營を實施することと致して居るのであります、第六は、監査委員の設置であります、地方自治團體、特に都道府縣及び大都市の處理する事務が廣汎繁多と相成るに從ひまして、其の事務や事業の執行の状況を審査して非違を正し、地方の住民及び議會に常に公共事務の内容の實際に付ての資料を提供せしめますことは、地方自治團體の事務執行の公正と能率の向上とを圖る上に缺くべからざることでありますのみならず、地方の住民及び議會に對して自治に對する責任と自覺を喚起する上にも必要と考へられるのであります、監査委員は斯かる目的の爲に設置されるものであり、地方自治團體の首長が地方議會の同意を得まして、地方議會の議員又は學識經驗ある者の中から各各一人乃至三人づつ之を選任するのであります、監査委員は地方自治團體の經營に係る事業の管理、其の出納、其の他地方自治團體の事務の執行を監査する一般的權限を有して居り、毎會計年度少くとも一囘の定期監査、或は監督官廳の命令又は地方議會の要求、其の他臨時の必要ある場合の臨時監査、或は一定數の選擧人から請求がありました事項に關する監査等を行ふものであります、以上は東京都制、府縣制、市制及び町村制の改正法律案中其の全般に共通する重要事項の概略を申述べたのでありますが、次に是等の改正法律案中特殊事項の主なるものに付きまして申添へて置きたいと存じます、先づ選擧に關する事項でありますが、先般の衆議院議員選擧法の改正に依りまして、市區町村の區域が原則として開票區とせらる、ことに相成つたのでありますが、之に即應致しまして、東京都議會議員及び府縣會議員の選擧に際しましても、原則として市區町村の區域を以て開票區とすることとして、開票の迅速を期することと致しますと共に、戰災等に依る人口移動の激甚なるに對處しまして、餘りにも人口の少い選擧區の發生を防止する爲、東京都及び府縣竝に市制第六條及び第八十二條の市に於ては、數選擧區を合せて一選擧區を設け得ることと致したのであります、次に地方自治團體に對する監督規定を整理致しますことは、其の自主的なる活動を促す所以であると考へまして、市町村に對する監督規定を相當大幅に縮減することと致しましたが、其の結果、例へば基本財産の處分、分擔金の新設又は變更等は地方長官の許可を受くることなく、市町村獨自の判斷に依つて之を處理し得ることと相成るのであります、次に北海道は從來府縣とは別個の取扱を致して參つて居つたのでありますが、其の近年の發達の状況を見まするに、自治體としての面に於きましては、最早一般府縣と異る取扱をする理由は消滅して居るものと考へられますし、現に法律上も北海道會法及び北海道地方費法施行以來數次の改正に依りまして府縣の場合と實質的に差違がなくなつて參つて居りますので、此の際北海道會法及び北海道地方費法は之を廢止することと致し、府縣制を道府縣制と改めまして、北海道にも新しい府縣の制度を其の儘適用することと致さむとするのであります、尚公民制度の廢止等に伴ひまして、北海道に特有の指定町村の制度も廢止せむとするものであります、最後に東京都の區に付きましては、都の一體性を害しない限りに於きまして、之に最大限度の自治權を與へ、其の自治的發達を促進致しますことは、延いては都政全般の伸展に寄與するものと考へまして所要の改正を行はむとするのであります、即ち區に付きましても、區住民の制度を認めまして、區の營造物を共用する權利を有し、區の負擔を分任するの義務を有するものと致します外、區民の參政權、自治立法權、財政自主權其の他各般の自治的權能に付町村に準じて適當なる擴張を圖つたのであります、以上で以て地方自治制度改正に關する四つの法律案の説明を終る次第でありますが、此の四法律案に對しましては、衆議院に於きまして地方議會の職務權限に關する規定、選擧管理委員會及び監査委員に關する規定、都道府縣の長官の身分に關する規定、地方公共團體の首長の選擧に關する規定、地方議會の解散又は地方公共團體の首長其の他職員に對する解職請求權等、所謂直接參政權に關する規定、東京都の區に關する規定、其の他若干の規定に付きまして修正を加へられたのでありまするが、政府は衆議院の院議を尊重したいと考へて居る次第であります、次に衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案に付きまして、其の提案の理由竝に内容を簡單に説明致します、御承知の如く近く府縣會議員及び市町村會議員の選擧を行ふことと相成つて居るのでありますが、之が爲の名簿と致しましては、從來の調製方法に對しまして臨時特例を設け、此の際出來得る限り速かに新しい單一の選擧人名簿を調製して、正確に且脱漏なく選擧人を把握致しますると共に、名簿自體を簡明ならしめ、以て地方議會の議員の總選擧其の他の選擧に備へることと致したいのであります、本法に於て規定せむとする要點は次の三點であります、第一本年九月十五日現在で調製することとなつて居る衆議院議員選擧人名簿及び東京都制、市制、町村制其の他の規定に依つて調製する選擧人名簿は、出來得る限り期間を短縮して早急に調製する等の爲に、之が調製、縱覽等に關する期日及び期間を特に命令を以て定める所に依らしめることとした次第であります、第二、選擧人名簿調製義務者を今次の地方制度の改正に依り設置せられます所の選擧管理委員會とすることであります、第三、昨年九月緊急勅令を以ちまして、衆議院議員選擧法第十二條の特例を設け、昭和二十一年十二月十九日迄に施行せられる衆議院議員の選擧に用ひる選擧人名簿に登録せられる爲には、六月の住居要件を要しないことと規定せられたのでありますが、是は一に當時の特殊事情に依るものでありまして、疎開者又は戰災に依る避難者に對して出來得る限り國政參與の機會を得させやうとするものであつたのであります、併しながら終戰後、相當の時日を經過致しました今日に於きましては、其の間の事情が一變致しましたのみならず、住居要件の撤廢は、名簿脱落の主たる原因の一つであつたことに鑑みまして、本法に依つて調製する選擧人名簿には、此の特例を適用せず、名簿登録要件として六月の住居要件の原則を復活することに改めた次第であります、以上五案に付きまして、大體御説明を申上げました次第でありますが、何卒御審議の上御協贊あらむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=19
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020・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 質疑の通告がございます、男爵松平外與麿君
〔男爵松平外與麿君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=20
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021・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 只今上程せられました地方制度改正諸法案に付て、内務當局の御意見を一應承りたいと思ひます、只今御説明のありました通り、地方制度の今囘の改正は劃期的のものでございます、此の劃期的の制度を作られました御本旨は縷々御説明になりましたから、重ねて申上げる必要はございませぬが、果して此の劃期的改正が能率的に效果的に、其の實績を擧げるかどうかと云ふ點に付きましては、少からず心配があるのであります、例へば今御話のありました通り、知事の公選制、從來官吏であつたと云ふものが、官吏の身分がなくなつて公吏となる、從つて公吏の下に居る所の各事務擔當者、是亦全部公吏に相成る譯であります、從來の監督方法が如何樣に變りますかは知りませぬが、恐らく内務當局に於きましては、此の新しき制度の改正に依りまする内務當局の中心的の、根本的の監督制度と云ふものを御考になつて居りますか、之に付ての御話はまだございませぬでしたが、承れば結構と思ひます、其の指導如何に依りましては、恐らく期待する所の結果が得られないのではないかと云ふことを心配するのであります、何となれば此の制度が布かれまして、而も現在の如く政黨政治と云ふものが整然たる所の體制を整へた場合に於て、是等の長になる者、又は執行機關、又は議決機關に携はる者が、果して其の地方毎の民意を十分に尊重し、其の信頼に依つて其の人が得られるかどうかと云ふことを非常に心配します、或は杞憂かも知れませぬが、極端に申すならば、所謂一方的に偏して、却て現在よりも寧ろ壓制的の行動が行はれないとも限らないのであります、之に付きまして内務當局には絶對の自信と、之に對する心配は絶對にないかと云ふ點に付て承りたいと思ひます、其の次は、直接法案には關係ございませぬけれども、從來地方自治體には御承知の通り國家の委任事務と地方の固有事務とがございます、此の固有事務と委任事務との比率でありますが、今日は十數年前に比較致しますと、國家の委任事務と云ふものが非常に擴がつて參りまして、各種の國家の委任事務が現在存する譯であります、從つて市町村當局から色々な實務上の御話を承る場合に於きまして、何を言はれるかと云ふと、此の委任事務の多過ぎる點に付て、本當の地方自治體の仕事と云ふものに差し障りがあつて困つて居る、之を何とか整理して戴かなければ、果して地方自治體の圓滿なる發達が出來るかどうか、此の點は到る處に於て御話を承るのであります、無論内務當局に於ては御承知でありませう、從つて只今の御話に依りますると、相當大幅の整理をなさると言ひますが、果してどの點迄御整理になるのでありませうか、此の點を度外視して地方制度を幾ら改善なさつても、其の地方制度の改善は所斯の目的を達することが出來ないと言つても、過言ではないと思ひます、此の點に付きまして、内務當局は如何なる御考を持つておいでになるかと云ふことを承りたいと思ひます、言ひ換へますれば、從來の中央集權制度より地方分權制度に畫然として移る、只今の制度以外に於ける事務範圍に於ても、截然として之を現すと云ふ點がなければいけないと思ひます、それから其の次には地方財政の確立の問題でありますが、是は一つ大英斷をなさらなければならぬと思ひます、と申しますのは、只今の地方税法竝に地方分與税制度、之を以て地方財政の根本にする恆久的の財源であると云ふことは、非常に心配に堪へませぬ、果して續き得るかどうかと云ふことも疑問であります、從つて此の財政制度と云ふものを全然改める必要がないか、と申しますのは、只今の御話の通り、知事が、公吏になります、又下に使はれる所の事務系統の官吏であつた者は公吏になります、官吏は國費を以て支辨し、公吏は地方費を以て支辨するのが建前であらうと思ひます、さうしますれば、此の制度が一變しますると同時に、從來の國費支辨の人と云ふものがなくなる、或はなくなると云ふのは極端でありますが、減少すると思ひます、さうしますると、之に代るべき所の財源は何に依つて求めるかと云ふやうなことも起つて參ります、恐らく此の制度改正と同時に、内務當局に於きましては、此の問題も御考になつて居るだらうと思ひますが、此の地方財政の確立、自分と致しましては、國税、地方税の兩面に亙つて十分なる御檢討を願ひまして、相當の英斷をなさらなければ、地方財政の確立はなかなか保つことが出來ないと思ひます、之に付きまして内務大臣の御意見を承りたいと思ひます、それから次には衆議院の修正箇所でありますが、本日戴きましたので、内容は詳しく存じませぬけれども、ざつと拜見致しましても、可なり多數の修正箇所であります、各法案共であります、常識的に考へて見ますると、こんなに修正されたと云ふならば、何故原案をもつと練らなかつたかと云ふ考が起るのであります、無論當局に於ては愼重審議研究の結果萬全を期したと云ふ御答辯になるのは當然でありますが、餘りに修正箇所が多過ぎるやうに感じます、近頃の法案を見ましても、今囘のが先づ修正箇所の大關格ではないかと思ひます、其の點から考へまして、此の法案を御作になる事前に内務當局はどう云ふ對策、どう云ふ方法を以て御研究になつたか、私寡聞にして存じませぬが、從來の内務當局だけぢやありませぬで、廣く知識のある者を集め、調査檢討をし、改正すべき點は改正し、又置くべきは置くと云ふやうにして、内容的に如何なる檢討を加へた結果此の法案が出來たのか自分は存じませぬが、若し御差支がなければ其の點を一應承りたいと思ひます、それから修正竝に衆議院の附帶決議等の院議を尊重すると云ふ御話であります、どうも内務當局の御答辯はあつさりしておいでになるのでありますが、果して衆議院の修正を全部尊重すると考へますと、原案よりは更に一歩進歩的であります、内容的に見ましても或は運用上から見ましても進歩的であります、さうすると一番初め申上げました通り、本當に此の新しき法案が實施せられまして、果して圓滿に、又能率的に顯著なる效果が擧るかと云ふことをどうしても心配するのでありますが、内務當局に於きましては、是等のものを尊重せられましても何も心配がないと云ふ御確信がおありになるか、之を承りたいと思ひます、結局煎じ詰めて考へますならば、無論私見でありますが、憲法の改正が行はれましたと致しましても、更に實施には六箇月の餘裕がある點から見まして、斯く早く憲法に竝行して此の地方制度を上程しなければならなかつたと云ふのは、どの點にあるでせうか、先程御話がありましたのでありますが、一日の遲延を許さざる國家の要務であると云ふ意味に於て之を出したと仰しやいますが、私は寧ろもう少し御練になつて、其の上に於てなさる方が宜かつたのぢやないかと云ふことを痛切に感ずるのでありますが、内務當局は斯く急いで出さなければならなかつたと云ふ其の點に付てもう一度御説明を願ひたいと思ひます
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=21
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022・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 御答へ致します、第一に此の地方制度の改正の成果を擧げ得る確信を持つて居るかと云ふ御尋でありますが、法案の説明の時にも申上げたことでありまするが、「ポツダム」宣言の受諾に依りまして、我が國の政治は、國家行政と言はず、地方行政と言はず、又自治行政と言はず、之を民主主義の線に沿ひまして運營をすることに改めなければならないことは我が國としての一つの大きな責務であります、又單に責務でありますのみならず、我が國が今後平和國家、文化國家として發展致しますが爲には、國政及び自治行政の民主主義化と云ふことは甚だ必要なることに相成つて居るものと確信致して居るのであります、而して國政を民主化すると申しましても、其の基本を爲し、又基礎をなしますものは地方政治、特に地方自治制度の民主化が先行する、少くとも同時に行はれると云ふことが非常に必要であると考へるのであります、是等の見解から致しまして、速かに地方自治制度を民主主義の線に沿ひまして改革を斷行致しますことが刻下の急務であると考へまして、茲に之を提案致したのであります、而して之が審議に付きましては、政府と致しまして萬全を期した積りであります、併し何分にも五月二十二日に現内閣が組閣せられまして、之を早急に議會に提案致します爲には、色々の事情からして之を急がなければならぬことに相成りましたので、實は五月二十四日の閣議に上程されまして、そこで此の提案の大綱が、綱目が決したのであります、若しそこに時日がありまするならば、或は是が爲に議員、有識者を綱羅致しまして、調査委員會の如きを設くるのが望ましいことではありましたが、只今申上げましたやうな事情から致しまして、それ迄の手續を履む時日が事實上なかつた次第であります、其のやうな次第で、今日から申しまするならば、餘裕があれば更に履むべき手續も致すべきであつたのでありまするが、只今申上げましたやうな次第で、當時の情勢と致しまして、最善を期した積りであります、而して是が成立した曉に於きましては、果して此の實效を收める確信があるかと云ふ御尋でありまするが、政府は其の點に於きまして十分なる確信を持つて居ります、又我が國の今日當面致して居りまする政治の民主化、民主主義化と云ふことは萬難を排してもしなければならぬことであります、此の點に付きましては國民諸君も十分なる理解を持つて居らるることであります、又それに對しまして協力を惜まれないことと確信致して居るのであります、政府と致しましては、そこに多大の信頼を持ちまして、出來るだけの措置を講じまして、地方自治制度の民主化の成果を擧げるべく十分の努力を致す積りであります、又それに依りまして必ずや期待すべき結果を收め得るものと思つて居ります、又收めなければならぬと考へて居る次第であります、尚御尋の中に府縣知事を公吏制度に改めて居る、卒然として改めては、そこに成果を擧げる點に於て支障があるではないかと云ふやうな趣旨の御尋があつたやうに思ふのでありますが、此の改正案に於きましては、知事は選擧人の直接公選には致しまするが、其の公選せられまして出て來ました知事は、其の身分を官吏と致すと云ふことに相成つて居るのてありまして、直ちに之を公吏にしてしまふ譯ではございませぬ、又衆議院の院議に依りまして修正になりましたのは、憲法實施の時迄官吏とす、と云ふことになつて居るのでありまして、此のやうに確定致しまするならば、固より憲法實施の時迄に於きまして、地方自治制度は固より、他の地方行政の點に於きましても、諸般の民主主義化を策しまして、憲法實施の時に公吏に切換へると云ふことに支障のない措置を講ずることに相成つて居る次第であります、尚又是は政府と致しましては、今次の改正案は現在の状態に立脚致しまして、可能の最大限度に於ける民主化を圖つたのであります、併し我が國の政治の民主化は日を逐うて段々と發展して行くことでありますので、第二次の地方制度の改正と云ふことは立案に際して當初から考へて居つたことであります、而して公選知事を暫定的に官吏とすると云ふことも當時の方針でございまして、憲法實施の時期迄には、衆議院の院議に依りまして決りました知事公吏制を支障なく實施し得るだけの第二次の改正を致すことに豫定をし、それで進む方針であるのであります、其の點を併せて申添へて置きます、次に第二點と致しましては、固有事務と委任事務との關係に論及せられ、委任事務が夥多で、地方自治團體は困つて居る、其の點を改府はどう考へるかと云ふ趣旨の御尋でございましたが、是は委任事務の内容に依ることではございまするが、成るべく政務は、地方住民に關係のありますことは何等かの形に於きまして地方住民が自治的に之を處理すると云ふことに致すのが自治の本旨である、又政治の民主主義化の上にも必要なことと思ふのであります、故に政府と致しましては、地方公共團體に於きまして委任事務が多くなると云ふことは必ずしも、是は惡いことぢやない、寧ろ望ましいことだと云ふやうに考へて居る次第であります、但し地方自治團體の、地方住民の利害に全然關係のないやうなものを無闇に地方自治團體に委任をすると云ふことの愼しむべきことは申す迄もございませぬ、委任事務が多くなりますことは必ずしも憂へませぬ、寧ろ之を望むのであります、唯此の委任事務を十分に處理し得るだけの人と經費とが併せて考へられると云ふことが、是は必要であらうと思ふのであります、今後此の地方政治の民主化を圖ります上に付きましては、所謂國政事務と考へられて居りますものの中に於きましても、之を地方に委任し、乃至は地方團體の固有の權限は、殊に適當なるものは大幅に之を移すと云ふ方針を採りたいと考へて居るのであります、此の實行に當りましては、曩に申上げましたやうに、之を遺憾なく處理するやうに人と財源とを併せ考慮すると云ふことも固より致す考であります、第三に、地方財政制度の確立は自治制度の確立の上に非常に重要な問題である、之に付て如何に政府は考へて居るか、と云ふ趣旨の御尋ねでございます、御趣旨誠に御同感でございます、唯今囘の改正案は之を府縣に就て見まするならば、曩に申上げました如く、公選知事は之を官吏と致しまして、府縣廳に於ける自治行政面、官治行政面を併せ掌理させることでございますので、此の本改正案の關する限りに於きましては、地方財政上格別變つた措置を執る必要は一應ないのであります、尚又地方税制、財政の改正に關しましては當議會に於きまして明年度に關する限り御審議を願ひ、既に御議決を得て居る次第でありまして、あの改正に依りまして地方制度改正諸案が成立致しました曉に於ける財政上の問題は一應解決致して居るのであります、但し憲法實施の曉に於きましては府縣知事の官吏制度は廢めまして、公吏制に切替へることに相成るのであります、それに付きましては先程來申上げます如く、現行の諸制度に對しまして第二次的改正を加へまして支障のないやうに致す考であります、尚又更に其の根本に溯りまして地方財政制度の自主制を確保致し、財源を充實する、又乃至は地方自治團體間の財政力の不均衡を調整をすると云ふやうな線に沿ひましての、根本的改革も固より考慮しなければならぬことであります、之に付きましては國家財政とも關聯して居る所が多いのでございまして、國税、地方税、國家財政、地方財政を通じて、成るべく近い將來に於きましてそれ等の拔本的なる改革を致す所存で居ります、此の點に付きましては大藏大臣も私も度々言明を致して居る次第であります、それから次に第四に付きまして、修正箇所が非常に多い、今迄例のないやうな修正があるが、之に依つて地方行政の運營上差支はないものかと云ふ趣旨の御尋がございました、如何にも今次の地方制度に對しましては衆議院の院議に依りまして多數箇所に亙つての修正がございました、併し是は御承知の如く衆議院に於きましては或は長く市長の職に在つた、乃至は市町村長の職に在つた、地方議會の議員を數十年やつて居ると云ふやうな地方政治の運營の經驗のある人が非常に多いのであります、其の豐富なる經驗と識見に基きまして二箇月の長きに亙り愼重に審議をされまして、さうして我が國の今日の現段階に於きましては、政府原案よりも寧ろ此のやうに修正した方が適當であると云ふ御見解の下に修正を策されまして、是等の點に付きましては政府に於きましても一々接觸を保ちまして各修正箇所に付きましては十分な論議も盡しましたのであります、さうして結局御覧の如き修正が加へられたのでございまして、其の修正の箇所の如何にも多いことでございまするが、政府提案の根本の趣旨に反する點はどれにもございませぬ、又現況に即して此のやうに修正した方が寧ろ地方行政の運行の上に、又地方行政の民主化の上に適當であると云ふ御意見に付きましては、是は多くの場合に於きまして程度の差でございまして、謂はば見解の相違と云ふ程度のものでありまして、各條項とも修正されました點に付きまして將來地方行政の運營上支障ありと認めらるる點は何處にもないと云ふやうに考へられますので、曩に御説明申上げました如く衆議院の院議は政府は之を尊重致したい所存でございます、第五に、地方制度の改正は何故此のやうに急いだかと云ふ趣旨の御尋でございますが、是は第一の時に併せ御答を申上げて置きましたので、それに依つて御了承を願ひたいと思ひます
〔男爵松平外與麿君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=22
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023・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 只今内務大臣の御答辯に依りまして了解致しました所もございますが、尚はつきり致しませぬ點に付きまして申上げたいと思ひます、それは第一に委任事務は固有事務に較べて多ければ多い程結構だ、斯う云ふ御話であります、果してさう云ふ結論が出得るものでありませうか、現實に市町村の役場に參りまして、色々御話を承りますと、同じ例を申上げますと、道路に付きまして、或は衞生施設に付きまして、其の當事者が完全に行ひ得る能力を持ち、相當の資力のある場合に於きましても、内務省だけではありませぬ、或は大藏省も出て來る、或は厚生省が出て來る、折角仕事をしようと思つても、其の色々な上からの命令、示達に依りまして機を逸する虞が多々あるのであります、さう云ふ點から考へまして、委任事務は多ければ多い程良いと仰しやるのはどう云ふ理由でありませうか、所謂市町村が仕事を、國政事務を委任しても仕事をどんどんやつて居る、それには矢張り人と金が足らぬ、是は一應御尤だと思ひます、さうでありますが、實際上の現實の仕事の扱ひから見まして、それだけではありませぬ、仕事の分量が多くなつたと云ふことは見逃せない事實だと思ひます、然るに只今多ければ多い程尚結構だ、斯う云ふ御話でありますが、是は自分にはどうしても合點が行きませぬ、此の點を承りたいと思ひます、それから此の法案を提出した理由は縷々御話がありましたので、一應了解して居ります、唯之に付きまして今の御話の通り、來年度は宜しいと仰しやいます、來年度は宜しいと仰しやいましたが、いざ新しい制度を、更に又新しい法律案を出して、之を實施する場合に於きましては、餘裕のあるやうに見えましても決して時日はないと思ひます、愼重審議する場合に於きましては、相當の時日を要すると思ひます、短時日にすることは不可能であります、さう云ふ點から見まして、相當餘裕があるから心配はないと仰しやいますけれども、今日より之が準備對策をすることは必要ではないかと思ひます、萬全に之を研究し、遺漏なきを期すると云ふことは矢張り時日を要する、此の點から考へて、只今は心配ないと仰しやいますけれどもそれ等の暢氣な、と云ふと失禮でありますが、暢氣な御議論ぢやありませぬで、今日からでも十分之に對する對策を爲さるのは當然だと思ひます、只今の御話では何だか不滿に堪へないのでありますが、此の點をもう一遍承りたい
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=23
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024・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 委任事務の點に付て重ねて御尋がございましたのでありますが、今日我が國の政治を改革して行きます方向と致しましては、成るべく地方分權の趣旨に從ひまして、地方行政を振作する、さうして地方自治の發展に依りまして政治の民主化を圖つて行くと云ふ線に向つて進むべきものであらうと考へて居るのであります、御尋の如く固より地方公共團體の住民の利害に餘り關係のないやうな仕事を無暗に持込みますことは、是は愼まなければならぬことでございますが、住民の利害に關係の深いものは、成るべく地方住民をして之を自治的に處理させると云ふことが適當であらうと思ふのであります、併し今日の市町村等に於きましては、事務のみ集積致しまして、之を處理する所の人の手が足らない、又其の財源に不足をして居る、そこで地方自治は名は宜しいが、實は擧らないと云ふやうな點は確かにあるのでありまして、制度の改正に當りましても十分考慮を致さなければならぬ問題と思ふのであります、又第二の、地方財政の上に付きましても、將來改善すべき點は多々あるのであります、而して先程申上げました如く、今次の地方制度の改正は、第一次的なものでありまして、更に第二次的の改正をしなければならぬものと考へて居つたのであります、尚衆議院の院議に依りまして、憲法施行の時に知事を公選に切換へると云ふやうなことに相成つて居りますので、それ迄に於きまして、必要なる第二次的の改正を致さなければならぬ次第でございます、就きましては、政府と致しましては成るべく早い機會に、今月中にも地方制度の第二次的改正を企圖致しまして、民意を十分に採入れた、立派な成案を得べく、地方制度改正調査會と云ふやうな委員會を設置致しまして、此の議員各位及び學識經驗者の廣く參加を求めまして、十分なる用意を致したいと考へて居ります、其の委員會に於きましては、將來委任事務を如何に採擇するか、將來の地方財政を如何に運營するかと云ふやうな點にも、固より當然觸れて御審議を願ふ所存で居ります、是は將來に關することでございますが、只今御審議を願はむと致して居ります所の第一次の改正案に付きましては、是等の點に付ては、何等支障なく準備が出來て居るやうに考へて居る次第でありまして、此の點を併せて御説明申上げて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=24
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025・松平外與麿
○男爵松平外與麿君 重ねて御答辯を煩したのでありますが、尚御説明の中に於きまして滿足しない點もごさいますが、之を又質問することは徒に時間の浪費でありますので又の機會に讓りまして、只今の質問は終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=25
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026・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 澤田牛麿君
〔澤田牛麿君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=26
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027・澤田牛麿
○澤田牛麿君 地方制度の改正は重大な問題であります、不斷の議會であれば、是は一番大事なものとして、長時間の討議に付せられるべきものかと思ふのでありますが、此の議會では種々な重要法案が山積して居つて、殆ど地方制度の改正などに付ては、十分な力を入れる期間がないやうな感じがするのであります、是は私自身の感じでありますけれども、從つて色々疑問もありまするが、私は前に松平君が御尋になつた點には餘り重複して觸れないやうに致しまして、簡單な一二點に付て御當局の御意見を伺ひたいと思ふ、第一には、憲法との關係でありまするが、内務大臣の御説明に依りますると、もう議會に出したる憲法は其の儘決つたものの如く御覽になつて、さうしてそれと竝行して此の案を出されると云ふやうな御話がありました、是は實質的に議會の憲法審議權を握り潰すと申しては不都合かも知れませぬが、輕んずる觀もある、憲法はまだ議會の一部たる衆議院を通過しただけでありまして、後五十「パーセント」の審議は殘つて居るのであります、此の點は私は吉田總理大臣に質問をしたのも其の意味でありまして、吉田總理大臣は手續が殘つて居ると云ふやうなことを衆議院に於て言はれたけれども、是は甚だ貴族院の審議權に關する重大な問題だと思ひまして質問致しましたが、總理の答辯は十分な答辯ではなかつた、再質問をしようと思ひましたが議場でそれを御許にならぬからそれは止めました、さう云ふことに關聯して、どうも政府は貴族院は憲法案を其の儘盲從するものと見做してやつて居るやうな態度が、是は邪推かも知れませぬが窮はれることは甚だ殘念であります、是は寧ろ地方制度の如きは竝行して御やりになると仰しやつたが、私は竝行するべきものではないと思ふ、憲法は根本法でありまするから、憲法が決つた上で其の後から附いて行くべきで、追隨すべきものであつて竝行すると云ふものでないと思ふ、竝行すると云ふ御考は私は甚だ了解に苦しむのであります、憲法の改正の結果官吏制度がどうなるかと云ふことが、まだはつきり見透しが著かないのであります、從つて此の官吏制度の全體が決つた上で、府縣知事などに關する規定なり何なりがそれぞれ審議されるのだと思ふのであります、それにも拘らず直ぐ民選と云ふことになつて飛び出て居ると云ふことは頗る遺憾に思ふのであります、元來現當局を私は非難する意味ではありませぬが、内務省の態度に付て私は是迄餘り感服しない點を考へて居る、それはつい此の間迄は都政などに、軍人を持つて來るやうなことを内務省で急いで拵へた、又形勢が變ると知事を民選にすると云ふやうな態度、甚だどうも落著がない、「バス」に乘り遲れまいとすれば或はそれが必要かも知れませぬが、落著きのない態度であると思ふ、官僚の本元、本家本山である所の内務省はもう少しどつしりした考を持つて戴きたいと思ふのであります、此の頃では兎角流行が非常な勢ひでありまして、是は少しどうも調子を合さぬと保守だとか反動とか評を受ける、又其の評を受けた人は、保守と云ふ二字だけでもう直ぐ縮み上つて、何事も言はないやうな卑怯な態度になると思ふのであります、此の點で少し時間を取つて甚だ御氣の毒でありますが、ちよつと一例を述べさせて戴きたいと思ふ、曾て私は「イギリス」人の保守性に付て讚美を致しましたが、斯う去ふ例を一つ申上げたい「イギリス」に十九世紀「ナインティーンス・センチュリー」と云ふ雜誌があつた、私は是は二十世紀になつたならば、如何に頑固な「イギリス」人でも表題を變へるだらうと思つて居つた、日本人ならばならぬ中から變へて居る、どう云ふ風に變へるだらうと私は興味を持つて觀察した所が、驚いたことには二十世紀になつても變へない、「ナインティーンス・センチュリー・アンド・アフター」と直した、「十九世紀と其の後」とでも言ふのでありませうか、さう云ふ表題に兎に角やつて居る、是等は實に「イギリス」人の偉い所であると思ふ、日本人の昨日迄は軍閥主義、今日は民主主義と浮草の如く甚だどうも自己の立脚地を沒して迄、風の間に間に漂ふと云ふやうな風は、之を改めなければならぬ、是が寧ろ今囘の敗戰の心理的の大原因かも知れぬと私は思ふのであります、さう云ふ點から見まして、もう少し官僚總本山内務省は、どつしりした態度を持つて戴きたいと思ふのであります、官僚の本山と云ふと内務省は嫌がるかも知れませぬが、それは言はれることこそ名譽で、何處が惡いかと私は思ふ、只今の御説明に依つても憲法と竝行してやるのだと云ふことは、私はどうも種々の點から有難く思はない、愈愈憲法が實施になつたならば二度目の改革をする、是はほんの二三箇月の間であつて、暫定的で直ぐに壞して、別の法を出す積りである、それならば先程松平君の言はれたやうにもう少し愼重審議をして、一度にされたならば其の方が時宜に適するのではないか、内務大臣の御言葉で色々美辭麗句がございました、成る程理想はさうでありませうけれども、果して知事を公選にした所でさう云ふ理想が實現し得るかどうか、是は今後の問題に見なければ輕々に斷ずることは出來ませぬが、私共は日本の國情として必ずしもそれは内務大臣の言はれるやうな、美辭麗句の御意見は如何であらうと思ふのである、それは日本の國情が共和國とは違ふのでありまして、共和國であり、若しくは「アメリカ」の如き「ブンデス・シュタート」の形を取つて居る所ならば、是は地方は地方と云ふやうな獨立の形をなすことは當然でありますけれども、日本の地方區劃は單に一の行政區劃に過ぎないのである、行政區劃に法的の人格と云ふか、何格と云ふか、さう云ふものを與へた制度でありまして、元々國が違ふとか、成立ちが違ふと云ふものではない、さう云ふと此の主張に對して共和國のやうな制度を採ると云ふことは私共は甚だ疑問に思つて居る、若し官吏と云ふ制度が全般に改められて、皆が公吏になるならば、是は知事の問題は自ら消滅するのでありますけれども、官吏と云ふ制度が何か存せられるかどうか、私は憲法上分りませぬが、若し存ぜられるならば、知事は矢張り官吏として置く方が宜いのではないか、是が即ち「デモクラシー」と「オートクラシー」との連結の點を知事が占める譯である、現行の制度が最も私は適して居ると思ふのである、之を急激に變へると云ふことは、甚だ愼重を缺いたことであると思ふ、少くとも憲法がどう云ふ風な形になるか、どう云ふ風にして實行されるかと云ふ點を見定めてから、地方制度の改正をなさつたら宜い、外の細かいことは別問題であります、主張たる知事の身分から變へると云ふやうなことは、憲法に從つて後から附いて行くべきもので、憲法と一諸に駈つくらをするべきものぢやないと思ふ、況や憲法より先に駈けて行くと云ふやうなものでもないと思ふ、どうも兎角先走りが多過ぎまして、何處かで半鐘が鳴るので、片つ方で草履を引つ掛け、片つ方に下駄を引つ掛けて駈出して、途中で交番で私は何處へ行くんでせうと云ふやうな態度が、往々にして日本の社會にあると云ふことは、私は甚だ遺憾であると思ふ、斯う云ふ點を改めてもつとぢつくり地に足を著けて、腹を据えて掛ることが今後の日本再建の重大なる問題であると思ふのであります、此の點に付て内務當局の御考を伺ひたい(拍手)
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=27
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028・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 憲法審議と竝行して、地方制度の改正案を提案したのは、憲法審議との關係如何と云ふ御尋ねでございますが、政府は新憲法改正草案を帝國議會に付議致したのでありまするが、是は兩院に於きまして固より愼重に十分に御審議になることであります、而してそれと竝行して地方制度改正案を出しましたのは、決して憲法の審議を掣肘するとか、或は制限すると云ふやうな趣旨は毛頭ないのであります、憲法の各條項の御審議に依りまして、地方制度は改正草案を基本にして提案致して居りまするが、根本法たる憲法の條項が變りましたならば、それに基いて必要なる修正を地方制度に御願ひすれば、それで別に支障はないと云ふやうな考で、之を提案致した次第であります、而して知事公選に付て段々御尋があつたのでありまするが、政府提案の憲法草案に於きましては、府縣知事の直接公選と云ふ案になつて居るのでありまして、憲法の御審議に依りまして其の案が御採擇になりますれば、當然地方制度に於ては是は採入れるべきであると思ふのであります、若しそれが採擇にならない場合に於きましては、又必要なる改正を地方制度の上にしなければならぬ、修正御議決を願ふと云ふことに取計らふべきであると考へて居る次第であります、而して次に内務官僚はも少しじつくり構へてやるべきだと云ふやうな御意見に對しましては、十分之を傾聽致し、其のやうに致したいと考へて居ります、唯地方制度の改正案を急遽提出致しました點に付きましては、法案説明の場合に申述べました通りでございまして、政府と致しましては、國政民主化の上に於きまして、地方自治制度の現段階に於きまして、只今提案して居る程度の民主化を早急にやる必要があると云ふ信念で之を提案致した次第であります、尚又第二次的改正があるならば、一次と二次を一緒に併せてやつたら宜いではないかと云ふ御意見でありますが、政治の發展の上には順次段階を置いてやつた方が、寧ろ適切であると云ふやうに考へられる點がありますので、今日の現状に於きまして必要なる改正を第一次的にやり、次に國政の民主化の進行に伴ひまして、更に二次的改正をやると云ふことは、是は當然のことであらうと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=28
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029・澤田牛麿
○澤田牛麿君 もう時間がございませぬから、私の質問は是で打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=29
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030・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今上程と相成りました東京都制の一部を改正する法律案外四件の特別委員の數を二十五名となし、其の委員の指名を議長に一任するの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=30
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031・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=31
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032・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=32
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033・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔小野寺書記官朗讀〕
東京都制の一部を改正する法律案外四件特別委員
侯爵 徳川頼貞君 侯爵 小村捷治君
侯爵 佐竹義榮君 伯爵 大木喜福君
子爵 森俊成君 子爵 梅園篤彦君
子爵 松平銑之助君 子爵 田中薫君
子爵 植松雅俊君 姉崎正治君
中田薫 男爵 伊江朝助君
白根竹介君 男爵 松平外與麿君
男爵 尚琳君 男爵 島津忠彦君
男爵 多久龍三郎君 中川望君
松尾國松君 山隈康君
町村敬貴君 河端作兵衞君
渡邉覺造君 佐々木長治君
奥主一郎君
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=33
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034・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第七、帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會 上塚大藏政務次官発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=34
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035・会議録情報5
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帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年八月三十一日
衆議院議長 山崎猛
貴族院議長公爵 徳川家正殿
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帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案
帝國議會各議院の議長、副議長及び議員は、當分の間月額千五百圓の手當を受ける。
議院法第十九條第一項但書、第二項及び第三項の規定は、前項の手當につぎ、これを準用する。
官吏で議員である者の受ける俸給(勅令を以て定める手當等を含む。)の額が歳費の月割額と第一項の手當との合計額に達しないときは、その者は前項において準用する議院法第十九條第三項の規定にかかはらず、その差額を第一項の手當として受ける。
附 則
この法律は、昭和二十一年四月分の手當から、これを適用する。
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〔政府委員上塚司君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=35
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036・上塚司
○政府委員(上塚司君) 只今議題となりました帝國議會貴衆兩院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案提出の理由を説明申上げます、現在貴衆兩院の議長、副議長及び議員は、それぞれ議院法に定められましたる一定の歳費を受けて居るのでありまするが、此の歳費の定額は大正九年に改正せられて以來、今日迄其の儘となつて居りました、然るに現在の物價標準及び一般の給與の基準に比較致しまして、低きに失するに至つて居るものと認められます、從つて歳費の定額は相當増額の必要があるのでありまするが、現状に於きましては經濟の状態も未だ安定して居りませぬ、歳費額決定の參考となるべき一般の給與に付きましても、木だ恆久的な基準が確立されて居ない有樣でありまするから、本格的の歳費定額の改定は、其の時期ではないと考へられまするので、之を暫く見合せまして、今囘は極めて、應急的の措置と致しまして、議長、副議長及び議員共、現在の歳費の外に、當分の間毎月千五百圓の手當を受けることと致したいと存ずる次第であります、以上の理由に依りまして此の法律案を提出した次第であります、何卒御審議の上速かに御協贊を與へられむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=36
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037・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今日程に上りました帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案は、恩給法の一部を改正する法律案の特別委員に併託せられむことの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=37
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038・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=38
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039・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議がございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=39
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040・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、議事の都合に依り本日は是にて延會致したいと存じます、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=40
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041・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、次會は明後五日、午前十時より開會致します、議事日程は決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十一時五十九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003242X02819460903&spkNum=41
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