1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○罹災都市借地借家臨時處理法案
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=0
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001・会議録情報2
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昭和二十一年七月二十日(土曜日)午前十時十七分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=1
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002・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 是より罹災都市借地借家臨時處理法案の特別委員會を開きます、昨日迄逐條審議を致しまして大體の細かい御質問は終つたと存じます、就ては本日は再び總括的の御質問を御許ししたいと存じますが、先般村田君より大臣に對して總括的の御質問を御申出になりましたから御許し致します、村田君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=2
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003・村田保定
○男爵村田保定君 私の大臣に御尋ね致したいと思ひますのは、司法關係の委員會で屡屡言ひ古されたことで、事新らしいことではないのでありますが、「ポツダム」宣言受諾後民主主義を實現しなくちやならぬと云ふ時勢になりまして是と多少關聯する所があるので、此の際殊に民間から御出になりました大臣の御意見を承つて置きたいと思ひまして、御忙しい處おいでを願つて甚だ恐縮に存じます、と申しますのはもう既に明治以來西洋の法律學が我が國に入つて來て、而も裁判制度樹立後半世紀以上經つて居る其の間、司法の運用其の他に付てももう既に十分に何と申しますか練達堪能の域に達して居ることと思ふのであります、從來法律の建前は、民主的でないと申しますか、國民生活と比較的離れて居る、どうもぴつたりしない所がある、殊に立法の建前が裁判官を目當にと云ふ訳でもありますまいが、非常に精細に規定が設けられて居る、さうして其の立法技術の關係で、準用其の他色々の關係で、一つの法文を見ただけでは何のことやら分らぬ、先達つて以來、御審議になりました罹災都市借地借家臨時處理法も、專門の御意見を伺ひますと、實に複雜を極めて居る、斯う云ふ所がある、そこで法の理想から言へば成るべく簡略にして、誰が見ても直ぐ分る、さうありたいのでありまするが、それも無論一概にさう云ふ訳にも行かないので、複雜になりました社會情勢を規律する爲には、相當に矢張り複雜な法規も必要なのではありますが、趣旨は成るべく簡明にありたいと思ふのであります、さうして其の運用を人に委ねる、詰り裁判官が練達堪能であつて、條理に徹して裁判を行へば法律はさして精細なるを要しないのであります、さう云つたやうな方向に向へば一番宜いのぢやないかと思はれるのであります、屡屡從來も斯う云ふ意見が出て、或は希望條件として出たこともあつたと思ひまするが、併し是はなかなか大問題なので、嘗つて度々繰返して論議はせられますが、尚舊態依然たる有樣で今日迄來て居ります譯であります、それで此の際に一方に於て非常に精細の規定が出來て居る、運用する司法官の方では其の法律に頼り過ぎると云ふ弊が出て來て、どうも形式的に法文に縋ると云ふやうな弊が出て參つて、獨立不覊の法律の豐かな自由裁量の餘地がなくなつて、ぎごちない裁判が出來ると云ふやうな弊も出來るかと思ふのであります、要は何と申しますか、人の養成、さう云ふ立派なる司法官を多數に揃へると云ふことも亦此の法律を簡明にすることに依つて所期することが出來る、少し言ひ方はをかしな言ひ方になりまするけれども副効果もあるかと思はれる、餘りに精細に決めてやるので、それに頼り過ぎて法官は自由なる活動を失つてしまふと云ふこともあり得ないことではないと思はれるのであります、そこに司法官の向上心も出て來る、自由の活動の範圍も出て來る、斯う云ふものにもならうかと思ひます、之に對して大臣はどう云ふ風に御考になりまするか、さうして將來さう云つたやうな方向に進めて行くと云ふやうな御考がございまするかどうか、一つ其の點を伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=3
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004・木村篤太郎
○國務大臣(木村篤太郎君) 御答へ致します、申す迄もなく法律は國民の法律であります、國民に能く其の法律を遵法せしめるには、國民をして其の法律を周知せしめると同時に、能く之を理解せしめると云ふことが必要であることは言を俟たないのであります、斯るが故に今、村田委員の仰せの如く法律の條文は極めて簡明直截なることを要することは私も全く同感であります、併し事の性質上、簡明直截なることを要すると同時に又一方から精細に之を規定することを要する事情もあることは、是は言を俟たないのであります、本法は御承知の如く、借地借家臨時處理法及び罹災都市物件令、其の他各般の法律と相關係交叉して居のであります、而も罹災都市住民に付て重大なる影響を及すべき法案でありますので、斯るが故に、立法技術上之を簡明直截にすることはなかなか容易なことではないのでありまして、先づ先づ提出致しました此の法案位の所が適當ぢやないかと存ずる次第であります、而して今村田委員の仰せになりまする、此の問題を離れて、將來法案の作成に付て成るたけ裁判官の自由判斷の餘地を與へることが好ましくないかと云ふ仰せでありまするが、私も其の點に付て御同感であります、先刻來申しました通り、原則として法律は其の條文簡明直截なることを要すると同時に裁判官をして其の裁量の範圍を十分に與へると云ふことも、是亦一方から見て必要なことと存ずる次第であります、將來政府に於きましては、法律の條項に付て成るたけ國民をして十分に理解し得るやうな方法を採つて行きたいと存ずる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=4
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005・村田保定
○男爵村田保定君 只今大臣の御懇切なる御答辯に感謝致します、それから尚それに附隨致しまして是は司法省に御尋すると云ふよりも法制局の問題なのでありまするが、昨日政府委員にはちょっと申上げて置きましたのでありまするが、用語の問題で、用語が口語體になりましたことは結構でありまするので、更に是は先程申しました趣旨と相關聯して居るのでありまするが、單に文章語の、何んと申しますか、「テニヲハ」とか、其の他の動詞と云ふやうなものを口語に直したと云ふだけに止まらず、もう一歩進めて、もうちっと平易に本當の口語になつて行くやうに是は大臣から御骨折を願はないとなかなかむづかしいと思ふのでありまするが、是は質問ではなく御願をする譯でありまするが、其の點に付て大臣は無論御賛成のことだと思ふのでありまするが、一應御意向を承つて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=5
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006・木村篤太郎
○國務大臣(木村篤太郎君) 申上げます、只今の御言葉、至極御尤もであります、御承知の通り口語體に法文を作ると云ふことは極めて最近から始つたことであります、或はもつと準備期間を置いて宜かつたのぢやないかとも考へられます、從つて此の口語體の完璧は容易に期せられない、此の法案に付きましても一々指摘致しますると極めて不適當な所があることと存じます、併しながら將來に於きましては十分に注意を致しまして、成るたけ分るやうに、且是が本當の口語體であると云ふ意味に於きまして文體に十分氣を付けて進んで行きたいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=6
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007・村田保定
○男爵村田保定君 私の質問は終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=7
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008・霜山精一
○霜山精一君 村田委員の御質問に關聯して居りますので、私からも少しく御尋して見たいと思ふのであります、本法案は口語體を用ひて居りまして、平假名になつて居ります、見掛けは如何にもやさしいやうに見えるのでありますけれども、其の立法技術、内容に至りましては唯平假名を用ひて口語體にしたと云ふだけでありまして、其の立法技術の點に於きましては舊態依然であります、少しも法文を平易にする、分り易くするとか云ふやうな點に付て十分略意されて居らないのぢやないか、斯う云ふ風な時代になりまして民衆の法律を作るのですから、民衆が讀んで直ちに分る、斯う云ふ風な方法に於て立法し、又技術もそれに相應する技術を用ひなければならぬのぢやないかと考へるのでありまするが、此の法案を拜見して感ずることは、さう云ふ技術的な方面に於きまして、まだ非常に生硬の域を脱しない、舊態依然たるものがある、是は法制を作る人の頭が十分切換へられて居らないと云ふ結果ではないかと思ふのです、法制局あたりの頭がまだ前の法律を作つた當時の技術なり、頭其の儘であつて、民衆に愛される法律を作らうと云ふことが本當に徹底して居らないと云ふことが全篇を通讀して分るのであります、此の法律は是で出來ましたから已むを得ないのでありまするが、是から憲法の改正に伴ひまして色々な法律を澤山立法されることと思ふのでありまするが、此の立法に際してはもう少し頭を切換へて戴きたい立法技術の點に於きましても、昔のやうに堅苦しく斯う書いて置けば自然に斯うなるのだから、法律家が解釋すれば分るのだと云ふやうな風でなしに、極く平易に民衆に何處迄も分らせると云ふ建前で法律を作つて戴きたい、さう云ふ風に頭を切換へられなければならぬのではないかと考へて居ります、それから只今村田委員から法文を簡易にし平明にすると云ふ御意見がございましたが、從來の立法技術の弊害と云ふものは、法文を簡易にして短い法文の間に色々なものを織込んで、さうしてそれを極く簡易な條文に作り上げると云ふことが立法の一つの技術である、從つてそれを讀んでも色々なものが短いものの中に入つて居るものですからなかなか分りにくい、斯う云ふ結果になつて居ります、ですから法律は法律家の法律で、法律家しか分らない、一般大衆は何のことか譯が分らぬと云ふやうなものが自ら出て來るのは、法文を機械化して簡易にしてしまふと云ふことから生ずる弊害ではないかと思ふのであります、寧ろ私から言はせると、そんなに纒め上げてしまはなくても、もう少しなだらかに、疑問のある所は明かにするやうにして、さうしてもう少し長くても宜いのぢやないか、短いから分りにくい、短い所へ色色な意味のものを詰込まうとするから非常に技術が困難にもなるし、むづかしくもなる、さうでなしにもう少しだらだらと長く色々規定をして行つたならば、さう技術は要らぬぢやないか、今の立法技術と云ふやつは、短い中に色々なものを叩込んで、それに色々な意味を持たせようとするからこそ非常にむづかしくなるのでありまして、法制局の連中はさう云ふことを以て得意として居るのぢやないかと我々は考へて居ります、其の得意とする所が現代にはいけない、寧ろそんな頭を碎いてしまつて、さうして法文はもつと長くても宜いのです、斯う云ふ借地借家法のやうに一般大衆に直ちに影響する法律の如きものは、借地借家人が此の法律を讀んで直ぐ了解出來る程度に書下して行かなければならぬのではないかと思ふのです、是は此の法律に限らない、將來作られる法律に付てもさう云ふ態度で以て進まなければ何時迄も法律家の法律であつて、民衆の法律にならない、此の法文を讀んで見ましても隨所にさう云ふ場面がありまして非常にむづかしいのであります、恐らく此の法文と云ふものは近來稀なるむづかしい法律だと私は思ふ、私共は斯う云ふ問題に付ては割合理解のある方でありまして、相當分る積りで居つたのですけれども、此の法文を讀んで果して是が十分理解出來るかと云ふと、私共のやうな所謂本職であつてもなかなか理解に困難なのであります、從つて色々細かい點を御尋してさうして始めて理解致しましたことは非常に私としては仕合せでありますが、併しながら此の法文を大衆に分らせる、或は此の法文の解釋、適用する爲には矢張り此の法文の趣旨を十分に明かにして置く必要があると云ふ風に感じました、色々數日に亘つて細かい質問をして、さうして其の點に於て解釋適用に誤りのないことに致したいと思つて、私としては餘り質問したくなかつたのでありますけれども質問を試みた次第であります、さう云ふ風にこんなに非常にむづかしい法律になつて居ります、殊に今のやうに短かく壓搾してあるのでありますから色々なものが入つて參りまして、例へば昨日もちよつと例を出して論じたのですが、本法の第三十二條に依りますと、此の中には建物の居住者と、それから、敷地の所有者と、それから所有者から其の土地の使用を許されたものと、此の三者のことが三十二條に突込んで書いてある、さうして此の三十二條に三者に付て「第二條乃至第五條、第七條第二項及び第八條の規定を準用する」と斯う書いてある、そこで私は所有者に付て、此の規定を適用して見ますと二條の適用はない、四條の適用もない、五條の適用もない斯う云ふ風に所有者に付ては三十二條に付てはあるに拘らず、さう云ふ風に所有者も何も皆壓搾して此の三十二條の中に全部適用しようと思ふものだから、所有者に付ても二條乃至五條の規定を準用すると書いてある、併しながら事實解釋して見ると、二條の準用もなければ、四條の準用もなければ、五條の準用もない、斯う云ふ結果になつてしまふ、是が即ち法制局が何もかも三十二條に三者一緒に突込んで規定しようと思ふから、さう云ふ無理な規定が此處に出來て居る譯なのであります、さう云ふことは隨所にもつとはつきり書けば宜いと思ふことが至る所にあるのであります、國民に對して懇切丁寧に法文を作ると云ふ精神に缺けて居ると私は思ふのです、のみならず是は從來からあることですけれども、餘りに準用が多過ぎる、法律の規定で準用と云ふことは或程度はしないと書き難いですから、私も立法に關係したことがない譯ぢやない譯ですから、知つて居りますけれども、準用は大變便利でありますが、準用と云ふことは一般大衆に實に苦手なんです、專門家にも苦手です、處が準用をして、又再準用になるのが幾らもある、例へば三十二條に於て三條を準用する、三條の中には二條を準用して再準用になつて居る、實に準用が多過ぎまして、是ではどうも素人に分りやうがない、こんな準用を澤山使ふのでは素人には分らない、一般大衆に分りやうがない、斯う云ふ點に付てもう少し立法技術者の頭を改めて、さうしてもう少し長くても宜いから、平易に法文を書くと云ふ風なことに法制局始め總て改めなければいけないのではないか、是は將來の立法にも關係する問題でありますから、此の點に對する司法大臣の御意見を御尋ねしたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=8
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009・木村篤太郎
○國務大臣(木村篤太郎君) 色々有益な御説を承りました、一々了承する所であります、先刻村田委員に對して私申上げました簡明平易と云ふのは、必ずしも何も短かければ宜いと云ふことを意味する譯ではないのでありまして、要は國民をして十分理解せしめる餘り冗長でもいかぬ、寧ろ簡明にしてよく分るやうにしたいと云ふ意味であるのであります、將來立法技術の方面に於きまして霜山委員の御注意は極めて尤もの次第と存じます、よく法制局とも打合せ致しまして、將來完璧を期したいと思ふ次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=9
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010・霜山精一
○霜山精一君 私の質問はそれで終りました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=10
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011・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) どなたか御質問はございませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=11
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012・作間耕逸
○作間耕逸君 細かな所で漏らして居りましたから政府委員に伺つて置きたい、第十條に建物の敷地又は其の換地に借地權を有する者は、其の借地權と及び其の土地にある建物の登記がなくても、之を以て何年間第三者に對抗することが出來る、斯うあります、此の場合に借地權の讓渡の關係はどうなるのでありませうか、即ち借地權の讓渡を受けた場合は、矢張り登記なくとも對抗出來得る御趣旨でありまするか、或は讓受の場合は登記を必要とするのであると云ふ御趣旨でありませうか、現に第四條、第六條、第七條等には此の借地權讓渡の場合が色々規定してありまするが、唯登記の關係に付て此の十條は讓渡の場合を認めて居ない、成る程借地權の中、賃借權の讓渡に付ては賃貸人の承諾を必要とするのでありますけれども、地上權の讓渡若くは地上權に賃借權を設定した場合、斯う云ふ場合は必ずしも其の土地の所有者の承諾は必要としないのであります、承諾を必要とするから、登記は要るまいと云ふことにはならないだらうと思ひます、借地權讓渡の場合の登記關係、即ち其の讓受を以て或期間第三者に對抗し得る、此の要件に關して政府委員の御見解を承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=12
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013・奧野健一
○政府委員(奧野健一君) 第十條に於きましては丁度舊令第三條、第六條の場合を受けた規定でありまするが、建物の滅失或は疎開建物の除却された當時から引續き敷地の上に借地權を持つて居るものだけに付て五年間の間に其の土地の權利者が變つても、例へば所有者が變つても、登記なくして對抗が出來得ると云ふ特例を拓いたものでありまして、是は其の借地權自體の讓渡に付ても登記がなくても對抗し得ると云ふ趣旨ではございませぬので、唯引續き借地權を持つて居れば、其の土地の所有者等が變つてもそれに登記がなくても對抗し得ると云ふ趣旨でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=13
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014・作間耕逸
○作間耕逸君 さう致しますと、借地權を讓渡した場合、若くは地上權の借地權を設定したやうな場合には、矢張り民法の原則に立戻つて一々登記を必要とすると云ふ御趣旨なんですね、第三者に對抗するが爲には…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=14
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015・奧野健一
○政府委員(奧野健一君) 左樣であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=15
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016・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 大體御質問も御終了のことと存じます、從つて此の際質問を打切ります、次に討論に入ります、どなたか御發言がございませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=16
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017・作間耕逸
○作間耕逸君 速記を止めまして一應御懇談を許して戴く機會を御作り願へませぬでせうか、其の上で又意見を述べたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=17
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018・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 御諮り致しますが、只今作間君より討論に入ります前に懇談を願ひたい斯う云ふ御申出がございましたが御許しして御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ふ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=18
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019・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 御異議ないと認めます、然らば是より暫時懇談に入ります
午前十時五十七分懇談會に移る発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=19
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020・会議録情報3
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午後零時十一分懇談會を終る発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=20
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021・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 速記開始、本日の午前は此の程度で休憩致しまして、午後は一時から再開致します、是にて休憩致します
午後零時十二分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=21
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022・会議録情報4
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午後一時三十九分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=22
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023・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 是より午前に引續き會議を開きます、午前中に討論前に懇談に入りましたが、是より若干質問が殘りましたので繼續致します、作間君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=23
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024・作間耕逸
○作間耕逸君 此の法案は罹災者及び疎開者を救護せられる意味に於て、其の權利の回復及び繼續ふ認められる、其の趣旨に於ては間然する所なしと申上げて宜しい、併しそれだけに之を都市復興の上から見ますれば、見方に依つては、單に從來の權利者の復舊に止つてそれ以上の發展性、積極性に乏しい所があるのではありませぬか、具體的に申上げますると、罹災者或は疎開者が疎開若くは罹災の結果、自分の資力で建物を建築する餘裕がなくなつた、斯う云ふ場合に敷地は遊んで居る、而して地主も自ら建築するだけの意欲がない斯う云ふことが實際に於ては相當あり得ることと思ひます、又其の場合に借地權を得る爲には矢張り相當の對價が要るのでありまするから、尚更のことであります、斯樣な状態に土地が置かれました時に、假令罹災者でなくとも、疎開者でなくとも、それ以外の者でも相當の資力を持ち、用意を爲し、さうして復興協力の爲に、復興促進の爲に、適當な建物若くは必要な建物を所有したいと云ふ目的で借地權の設定やら、借地權の讓渡を申出でた場合には、土地の所有者又は賃貸人は正當の事由のない限りは之に應ずべきものとすると云ふ立法を、本法案に附加へられては如何でありませうか、若しそれを附加へられずとも、さう云ふ事態が將來に續々として起るやうな場合には、政府即ち司法當局に於かれて別に新たに考慮しよう、さうして立法其の他善處の途を講じようと云ふ思召があるならば、それでも此の場合私共は納得致します、でさう云ふ處置を御講じになれば、實際に於ては罹災者、疎開者等も其の建物の一部に收容か或は利用せしむる、それから地主も相當に對價を得て借地權を設定せしむることが出來る、賃貸人も相當の對價を得て讓渡すことが出來る、各關係者が何れも餘り損失も多くならずして、負擔を多くせずして居住なり生活の問題が自ら圓滑に解決せらるるのではありませぬか、さう云ふ點に迄考へ及しますと、どうしても一面に於て先づ罹災者、疎開者を保護せられることは結構でありまするが、其の外にさう云ふ途も併せて拓いて置かれた方が宜しいのではありますまいか、斯う云ふ希望を持つて居ります、別に他意ない、唯それだけのことであります、それだけを申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=24
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025・木村篤太郎
○國務大臣(木村篤太郎君) 御答へ致します、罹災地の復興に付て政府は之に對して適當な處置を執り、一日も早く復興を希ふことは言ふを俟たぬことであります、而して本法案は復興の一翼を買つて居るのでありまして、罹災者、疎開者、さうして土地所有者、此の間の圓滿なる調和を圖つて行きたいと云ふのが其の趣旨であります、今作間委員の仰せになつたことは極めて御尤もでありまするが、現實の問題と致しまして、疎開者、罹災者とも家を建てる希望もなく又所有者も其の希望もないと云ふ場合に、第三者が其の土地の利用を欲した場合に、其の利用を認めて行くやうな方策を採ると云ふことは至極御尤もであります、併し其の場合に現實の問題と致しまして、恐らく所有者が其の借地權の讓渡なり、賃借權の讓渡なりを拒むと云ふやうなことはあり得ないと思ひます、遊ばせて置けば土地の收入と云ふものは無くなるのであります、全く現實の問題と致しましては、左樣なことは危惧に屬するのぢやないかと考へられます、併し將來左樣な問題の下に地主が正當な理由なくして借地權の讓渡なり、地上權の設定なりを拒むやうな場合が頻發致しまして、復興の妨げを來たすやうな事例が頻發致しましたならば、其の時には十分に政府當局と致しましては考慮致したいと思ひます、左樣御承知を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=25
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026・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 質問は是で終つたと存じます、次には討論に入ります、討論に御發言はございませぬですか、別に御發言がないものと認めます、討論は終局致しました、次いで採決に入ります、本委員會に附託せられました罹災都市借地借家臨時處理法案の原案に付きまして、賛成の方の擧手を御願ひ致します
〔總員擧手〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=26
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027・高木正得
○委員長(子爵高木正得君) 全會一致と存じます、本案は可決すべきものと決定致しました、次に附託されて居ります訴訟費用等臨時措置法中改正法律案、之を次回の委員會に於て議題と致します、次回は本會議のあります日の議事散會後に開きたいと思ひます、左樣御承知を願ひます、本日は是にて散會致します
午後一時五十分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=27
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028・会議録情報5
出席者左の如し
委員長 子爵 高木正得君
副委員長 男爵 肝付兼英君
委員
侯爵 東郷彪君
侯爵 嵯峨實勝君
伯爵 東久也通忠君
子爵 森俊成君
子爵 大久保教尚君
霜山精一君
男爵 村田保定君
竹下豐次君
原泰一君
中島徳太郎君
作間耕逸君
國務大臣
司法大臣 木村篤太郎君
政府委員
司法事務官 奧野健一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009003795X00819460720&spkNum=28
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