1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案(審査終了のものを除く)
政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案(政府提出)
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昭和二十一年七月二十五日(木曜日)午前十一時七分開議
出席委員
委員長 坂東幸太郎君
理事 青木孝義君
田中實司君 瀧清麻吉君
江部順治君 太田秋之助君
北村徳太郎君 新妻イト君
松本七郎君 東隆君
松本瀧藏君 竹谷源太郎君
伊藤恭一君
出席政府委員
大藏政務次官 上塚司君
大藏事務官 江澤省三君
大藏事務官 石原周夫君
農林政務次官 大石倫治君
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本日の會議に付した議案
政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=0
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001・坂東幸太郎
○坂東委員長 是より會計法戰時特例廢止等に關する法律案の委員會を開きます、本日の日程は併託されました政府出資特別會計法外二十一法令の廢止等に關する法律案であります、議案全部を議題に供します、質疑を許します──竹谷源太郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=1
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002・竹谷源太郎
○竹谷委員 職業軍人やG項該當者が恩給を支給されないと云ふやうに承つて居りますが、左樣なことになりますれば、在職中に納付した國庫納金と云ひますか、是は返還すべきものと思ふのでありますが、政府の方針は如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=2
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003・石原周夫
○石原政府委員 御答へを申上げます、御尋ねのやうな理窟である譯であります、御承知のやうに恩給の關係に付きましては聯合軍司令部から指令がある譯でありますが、其の中にもさう云ふやうな趣旨が見えるのであります、是は恩給局長なり、或は内閣側の適當な政府委員から御答へをする筋合だらうと思ひます、私が申上げるのは適當でないかも知れませぬが、さう云ふ趣旨に於て御取扱になるだらうと云ふことを申上げて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=3
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004・竹谷源太郎
○竹谷委員 さうすると、返還をすると云ふ方針でございますか、若し今御囘答出來なければ、後で調べて御答へ願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=4
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005・石原周夫
○石原政府委員 さう云ふ方針であると存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=5
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006・竹谷源太郎
○竹谷委員 大藏省關係は是だけです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=6
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007・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸私から御伺ひします、此の法律の第五條に『食糧管理特別會計法の一部を次のやうに改正する。第四條の三中「三十八億圓」を「五十二億圓」に改める。』と云ふ、十四億圓増した算定の基礎は如何ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=7
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008・石原周夫
○石原政府委員 是は米穀の生産補給金と申しますものを從來一般會計から出して居りまして、此の食糧買入特別會計に於きましては本來の食糧を買入れる資金だけを賄つて居つた譯であります、それを今囘の改正に依りまして、補給金を此の會計に屬させることに致しましたので、其の米穀の生産補給金に當ります程度の金をここで増額を致さなければ、相成らぬと云ふことになる譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=8
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009・坂東幸太郎
○坂東委員長 續いてお尋ねしますが、やはり第五條の「政府は當分の内本會計の決算上の損失を補填する爲豫算の定むる所に依り一般會計より本會計に繰入金を爲すことを得」次に「政府は本會計の負擔に屬する證券の内四十五億圓を限り一般會計の負擔に移すことを得」此の四十五億圓を限りと云ふ、此の算定の基礎はどう云ふ風になるのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=9
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010・石原周夫
○石原政府委員 彼の四十五億圓と云ふ數字でございますが、是は六月末に於きまする此の食糧管理特別會計の從來から重なつて參りました損失額の累計が、大體之に近い數字に相成つて居る譯であります、其の數字に付きましては、或は農林省側の政府委員から申上げたら宜しいかと思ふのでありますが、一應の概括的な數字では四十三、四億に相成るのであります、其の關係は、既に生じて居りまする損失で、それが食糧證券の殘高になつて居りますから、隨て之を一般會計に一應移しまして、從來の締括りを一應付けようと云ふのが此の項の意味であります
それから其の前の方は先程申上げましたやうに、米の生産確保の爲の補給金を此の會計で負擔致すことになります、隨ひまして其の生産補給金に付きましては、どうしても赤字が出ますのが、結局其の赤字を一般會計から埋めなければならぬ、唯そこに當分の内と云ふことを書きましたのは、一つには、赤字を將來ずつと一般會計で穴埋めをすると云ふことでありますと、別途に此の經理を致します趣旨、特別會計を存置する理由が若干疑問になりますのと、現在一應斯う云ふ事態に對處して斯う云ふ對策を執る、隨て將來の問題は又考へる時間があり得る譯であります、隨ひまして當分の内と云ふことに致しまして、一應從來米の代金は食糧管理特別會計で支拂ひ、生産價格補給金の方は一般會計で支拂はれる、斯う云ふ事態を一本に致しまして、此の會計から金を出す、さうすると赤字が出ますから、それを一般會計から流し込む、斯う云ふ規定を置いた譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=10
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011・坂東幸太郎
○坂東委員長 此の四十五億圓、是は赤字ですが、それは何時から何時までですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=11
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012・石原周夫
○石原政府委員 食糧管理が始まりましてから、ずつと出て參りましたものでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=12
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013・坂東幸太郎
○坂東委員長 初めから六月までですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=13
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014・石原周夫
○石原政府委員 さうであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=14
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015・竹谷源太郎
○竹谷委員 第一條に依つて澤山の特別會計が廢止になりますが、此の現金、或は有價證券、動産、不動産、其の歸屬と申しますか、是はどうなるのでありますか伺ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=15
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016・石原周夫
○石原政府委員 廢止を致しました後の權利義務の歸屬の關係でございますが、それは十三條と十四條に規定せられて居りますので、それを御覽願ひたいのでありますが、十三條に於きましては、今仰しやいましたやうな資産、負債と申しますか、持つて居りますもの、或は其の權利義務、斯う云ふものは一般會計に歸屬を致すことになります、是は大體内地の會計であります、それに對しまして、十四條に於きまして外地關係のことを一括して規定してございますのは、先般も申上げたことでありますが、外地關係の諸般の締括りと申しますか、調整と申しますか、さう云つた問題に付きましては、未定な點が極めて多いものでございますから、之を今直ぐどうすると云ふことが規定出來ませぬので、追つて或る程度事態が明かになるのを待ちまして、勅令を以て其の定めを致したいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=16
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017・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸伺ひますが、今の外地關係の方は、今は分らないから勅令で決める、決めるにしても當然一般會計に移すと云ふことですね発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=17
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018・石原周夫
○石原政府委員 其の殘りましたものは一般會計に參るだらうと云ふことは今から申せると思ひます、併しながら向ふで持つて居りました所の、譬へて申しますと、權利とかさう云つたものなどは、賠償其の他の關係に於て、尚ほ有效に殘り得るものがあるかどうかと云ふことは疑問であります、又義務等に於きましても、是は特別會計の債務義務、さう云つたものには限らないのでありますが、それはどう云ふ定めを致すかと云ふことは將來の問題でございまして、何か殘るものがあれば直ちに持つて來ざるを得ないと思ひますが、權利義務なるものがどう云ふ結著になるかと云ふことは現在未定である、さう云ふ風に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=18
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019・竹谷源太郎
○竹谷委員 十三條、十四條に依つて一般會計に歸屬することになる權利義務、資産は、色々な形で管理したり、處分したりしなければならぬと思ひますが、其の據るべき法規は何に據るのですか、それとも一般の會計法規でやるのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=19
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020・石原周夫
○石原政府委員 御答へ致します、國有財産に付きましては自ら國有財産法に依つて規定せられることになつて居ります、其の他物品會計規則であるとか、或は會計法、會計規則、さう云つた一般の不動産、動産を處理致します各各の法規に從つてやる譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=20
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021・坂東幸太郎
○坂東委員長 竹谷君、農林省の政府委員が參りましたから…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=21
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022・竹谷源太郎
○竹谷委員 一つだけ御伺ひ致します、國有林野の所在と云ふものが地方的に著しく偏在して居るやうに思ふのであります、私の手許に詳しい統計もありませぬが、昭和十四年に農林統計として發表されたものに依りまして計算をして見ますと、北海道は特殊事情がありますから、一應之を除いた全國の山林の總面積は二千六十八萬八千町歩のやうであります、それに對して國有林が四百十九萬八千町歩であつて、北海道を除いた全面積の二〇%が國有林になつて居ると云ふ計算であります、然るに東北六縣の國有林の面積を調べて見ますと、東北六縣に於ける山林の總面積が四百五十三萬九千町歩に對して、國有林は二百二十二萬七千町歩であつて四九%、約半分は國有林になつて居ると云ふ統計が現はれて居ります、それで北海道を除いた全國の總面積から、更に東北地方の總面積を除いた、其の數字に對する東北地方を除いた國有林の面積の比例を取りますと、一二%に過ぎない、だから東北竝に北海道を除いた全國各府縣の國有林の面積と云ふものは、全面積の一割二分に過ぎないのでありますが、東北地方は全山林面積の五割まで國有林であると云ふ現状であります、是は維新當時の藩閥政府の時代に於ける、東北地方に對する不當なる壓迫から來たことであらうと思ひまするが、斯うした國有財産の不公平な分配、所在と云ふものは、結局さうでなくても産業の非常に萎靡沈滯して振はない東北から、山林を皆國に取上げてしまふと云ふことになると、一層經濟的な不公平が嚴しく現はれて來ると思ふ、古い統計しかありませぬから已むを得ませぬが、昭和十一年の全國の全生産額を一人當りに割つて見ますると、一人當りの生産額が二百五十圓になつて居ります、然るに東北地方の生産額を東北地方の人口で割つて見ますと、一人當り百三十九圓でありまして、全國平均では二百五十圓でありますから半分強の收入しかない、さう云ふやうに、凡ゆる方面に於て生産額が非常に乏しい所へ持つて來て、農山村民に重要な山林の半分が國有林になつて居つて、地方民の利用、收益になつて居らぬ、斯う云ふ現状であります、之に對しましては、今から多分二十年位前だらうと思ひますが、非常に問題になつて、今は國庫から地租附加税に該當する額だけ國有林の所在の市町村に對して交付して居るやうに承知致して居りますが、併しながら縣に對しては無論さう云ふ附加税相當額の交付がないやうに思ひます、尤も税金は大した問題ではなくて、結局民有であるか、國有であるかに依つて、其の地方民の經濟的潤ひに非常に差異があるのであります、山林と云ふものは全部全國的に國有に引直してしまつて、之を國家竝に國民の福利増進に使はうと云ふのならば分りますけれども、經濟的に非常に不平等な、慘めな慘擔たる状況にある東北に國有林を多く持ち、さうして一層經濟的に壓迫を加へると云ふことは、新憲法の趣旨から言ひましても、甚だしく不平等、不公平であると思ひます、全部國有にするならばそれで宜しいのでありますが、然らざるものとするならば、私有を認めると云ふことでありますならば、之を公平に分配することが經濟の民主化の趣旨に副ふものであると思ひますが、之に對する政府の御考へを承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=22
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023・大石倫治
○大石政府委員 只今竹谷君の御質問は、頗る詳細な調査に基かれたものでありまして、御尤もであります、東北は何故に斯く國有林が今日多く偏在して居つたかと云ふことは、竹谷君の御話の如く、維新當時に於ける藩閥關係の政治的のことも勿論ありまするが、當時東北の人々が公課を非常に恐れたと云ふ點も、東北の民有たるべき山林が國有に編入せられた一つの原因を成して居るものと存じます、永年の習慣に依つて、林産物の根本の收入は別と致しましても、或は下草刈とか枝拂ひとか云ふやうな、山に入つて其の山を利用することは許されて居つたのであるけれども、税金を負擔すると云ふことは非常に恐れて居つた、當時の東北人の政治的の目覺めが少かつたと云ふこともありませう、當時の藩閥を中心とした政治力が、直ぐ自分の家の前の小さい山までも國有林に編入してしまつたと云ふことは、爭はれない事實でありまして、さう云ふ關係で今日全國の四十幾「パーセント」と云ふ大きな國有林が東北に偏在して居ります、それが爲に東北は經濟的に壓迫を被つたと云ふ點に付きましても、全然之を否定することは困難であらうと存じます、併し御話の如く、日本に於ける山林を悉く國有にして、今日の國有經營の線に沿はしめると云ふことは大きな問題でありまして、今の所、政府としてさう云ふ計畫も、考へ方もないのであります、此の點は今後問題として行きますことは大いに研究の必要があると存じます、又昭和十一年の統計に依られたと云ふことであります、尤も正確な統計は近年ありませぬが、御承知の通り、當時の東北は實に悲慘なる經濟壓迫を受けて居りまして、之を關西、關東に比較致しますると、如何にも別の國でもあるかのやうに政治力が乏しかつたのであります、隨て山林の所謂拂戻であるとか、或は縁故拂下であるとか、色々なる問題も起り、東北地方の山林開放の聲も相當起つたのでありましたけれども、今日まで實現しなかつたのは、政府の都合上萬已むを得ざるものがあつたかも知れませぬ、併し今日は、山林の重要性は獨り林産物の關係ばかりでありませぬので、國土保全の上に於きまして、治水治山と云ふことが最も重要な問題でありまするし、之を民間に放出致しますることは、必ずしも大目的を達する上に於て便利であるとのみ申されませぬ、併し食糧問題に伴ひまして、東北地方に於ける官有地域は開墾に適するやうな採草地であるとか、放牧地であるとか、或は山林原野の如きも、段々と開墾に當嵌められて行きまするから、幾分是正せられて行くかとは存じまするが、大體に於ては、まだ國の計畫として之を國有にするか、或は民有に開放するかと云ふやうなことは出來ないのであります、尚ほ詳細なることに付きましては、能く當局より調査を致しまして、御答へ致したいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=23
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024・竹谷源太郎
○竹谷委員 大變御親切な御答辯有難うございます、兎に角自分で自發的に權利を抛棄したものもありませうが、當然に民有となるべきものが國有となつた山林の多いのは、政務次官御承知のことであらうと思ひます、然るに國有林野法に依りますと、縁故拂下の方法がありますが、是は規定の方法も嚴格であり、又其の執行に當つても情状酌量、斟酌すると云ふ點に於て缺くる所が從來あつたのであります、其の地方に取りまして是非地方公共の爲め、或は地方民の生活及び福利を増進する爲に、必要なものに付きましては、政府として是が拂下に付て十分御考慮あらんことを希望するものであります、現在農村は幸か不幸かどうにか食へる状態でありますけれども、私の考へる所では、來年なり、再來年なりには、世界的な農産物の増産で、農村恐慌が來るだらうと思ひます、其の時に東北地方で少年や少女が二十圓や三十圓で關西、關東方面に人身賣買されるやうな、さうした昭和の初めに於ける農村恐慌が來ないとも限らない、殊に人口過剩の際はさうした危險性が多いのでありまして、是非政府當局は、農林水産で立つて居る東北地方に對し、農林水産業の近代化と言ひますか、技術の高度化と言ひますか、經營の進歩的なものを採用して、さうして來たるべき農村恐慌に對して、今から十分の準備を整へて對處せられんことを希望するものであります、此の農業技術の高度化、或は機械の利用に付きましても、此處に統計がありますけれども、面積の割合に電動機や石油發動機の馬力數も、或は農業機械、動力機械の數字も、全國と比べて半分位低いのであります、凡ゆる方面に今から農業の高度化が圖られなければ、來るべき農業恐慌の時代には、一番初めに慘めな状態が襲うて來るのは東北地方で、順次他地方に及ぶのであります、どうぞ國有林の問題は、東北地方が虐げられて來た、經濟的に非常に不平等、非民主的な状況にあつたと云ふ著しい例であります、其の他の農林水産業方面に於ても、殊に著しいのでありますが、是こそは新憲法の下、民主的國家の方向として、東北地方の非常に憐れな經濟的不平等の状況を、早く除去することが、先づ國民の經濟的自由平等を確保する第一著手であり、事非常に多人數に及ぶ重大事であらうと思ひます、殊にそれが農林水産局の施策に掛つて居るのであります、之を會計法の委員會で申上げるのはどうかと思ひますが、國有林の問題に因んで私の愚見を申上げて、農林當局の御考慮を御願ひしたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=24
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025・大石倫治
○大石政府委員 重ねての竹谷議員の御意見洵に御尤もであります、今日は食糧問題は非常に緊迫危急の状態に陷つて居りまして、是が解決の爲に朝野を擧げて力を致して居るのでありますが、先づ今日の天候から申して、日本内地に於ける作柄と言ひ、又「アメリカ」の通信に依りましても、明年「アメリカ」に於て食糧の過剩が六百五十萬「トン」以上にも及ぶだらうと云ふのでありまして、斯う云ふやうな關係が東洋方面にもありますれば、或は食糧の過剩を生じ、價格の低落を來し、隨て今まで非常に生活費其の他の負擔の多くなつて居りました農村には、痛棒を喰はすことになるでありませう、殊に農を以て大體の經濟關係と致して居りまする東北地方に於きましては、其の打撃を受けることが一層強からうと存じます、是等に付きましては、やはり獨り農林關係ばかりでなく、他省との連絡關係も取り、之に備へて置くことが大切であると存じます、御意見に對しては當局と致しましても愼重に善處致したいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=25
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026・坂東幸太郎
○坂東委員長 他に御質疑がございますならば此の際御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=26
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027・松本七郎
○松本(七)委員 大藏當局に御伺ひしたいのであります、軍需補償の打切に關しまして、戰災保險に付てはどう云ふ風になりますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=27
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028・石原周夫
○石原政府委員 其の問題に付きましては、私から申上げる譯に行きませぬから、銀行局長に御質問の趣旨を傳へて、然るべき時に申上げたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=28
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029・松本七郎
○松本(七)委員 それではもう少し具體的に質問の要旨を傳へて置きたいと思ひます、此の戰災保險に及ぶかどうかと云ふことは、まだはつきりして居らないと云ふことでございますが、若し之に及ぶ場合に、戰災を受けた學校の問題が非常に重要になつて來ると思ひます、今後の日本の民主化に、何時までも大きな任務を背負つて行かなければならぬ教育の問題、殊に私學の奬勵と云ふことから考へましても、戰災を受けた私學と云ふものが、現在此の問題で非常に苦しんで居る、隨ひまして、若し戰災保險まで補償打切が及ぶ場合に、私學の戰災保險に關しましては何等か特別の考慮を拂ふ必要があると思ひます、其の點に對する政府の所見を御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=29
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030・坂東幸太郎
○坂東委員長 只今の御質問に對しては、後から見えると云ふことですから、他の方何かございませぬか──青木君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=30
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031・青木孝義
○青木(孝)委員 大藏省の石原政府委員の御答へになれる範圍は、大體どう云ふ方面でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=31
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032・石原周夫
○石原政府委員 私は大體主計局の法規の關係をやつて居ります、會計法規が私の本來の專門であります、前の御尋ねの、戰災保險の問題に付ては政務次官が見えることになつて居ります、政務次官にはそれ以外の問題もどうぞ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=32
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033・青木孝義
○青木(孝)委員 それでは一寸御伺ひ致します、朝鮮とか臺灣、關東州方面、殊に朝鮮、臺灣に於ける簡易生命保險の契約口數と、其の金額、是は今後に於てどう云ふ風に處理せられるものであるか、御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=33
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034・石原周夫
○石原政府委員 朝鮮、臺灣の簡易生命保險の口數及び金額に付きましては、今手許に資料がございませぬから一寸分りませぬ、此の處理に付きましては、先日野田主計局長から申上げましたやうに、簡易保險其のものの處理がどうなるかと、大きく根元から申しますれば、是は未定である、昨日野田局長も申しましたやうに、内容が──大體其の資金がこちらに來て運用せられて居ると云ふことから、見合ひの資産は内地に多くあると云ふやうな事情もあります、其の簡易保險全體の事業其のものを將來どう致すか、是は戰後の重要な問題を決めます上に、大きな問題となつて居りますので、今の所どう云ふ風になるだらうと云ふことを申上げ得ない状態であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=34
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035・青木孝義
○青木(孝)委員 さう致しますると、既に簡易生命保險、或は郵便年金と云ふやうなものに依つて、内地に持越されて居る資金は、御分りになつて居るかどうか、それから只今御話がございましたやうに、今後どうなるか、斯う一般的に申上げては何ですが、それは何れ後に御伺ひ致すことに致しまして、之に關聯を致しまして、一體外地の簡易生命保險なり、郵便年金等の契約關係に依つて、大藏省關係の收入となつて居るやうなもの、それから又、此の外大藏省の預金部資金として、其の一部分を構成すると云ふか、さう云ふ部分で臺灣、朝鮮、其の他の外地から入つて居るやうなものがどれ位あるか、それは何の形で、さう云ふものが大藏省にどれ位入つて居るかと云ふことが、御分りになるならば教へて戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=35
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036・上塚司
○上塚政府委員 竹谷君の先程の御質問に對して御答へ申上げます、軍需補償を打切るかどうか、それから戰災保險はどうなるかと云ふ點に關しましては、今日只今まではまだ之を公表する時期に達して居りませぬ、極めて近い機會に於て議會に提案せられることと思ひます、然るに戰災保險と關聯しまして、戰災に遭つた學校、殊に私立學校の取扱をどうするかと云ふ御質問でありまするが、之に關しましては、政府と致しましては、出來るだけ復興の出來るやうに考慮致したいと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=36
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037・松本七郎
○松本(七)委員 出來るだけ私學の復興に對する考慮を拂はれると云ふことですが、何か戰災保險に關して、之に特別の措置を講ずるとか、或はそれが出來ない場合に、何等か別な方法を以て奬勵助長をすると云ふやうな、具體的な御考慮はありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=37
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038・上塚司
○上塚政府委員 目下專ら考究中でありまして、戰災保險に特例を設けるか、或は他の方法を以てするかと云ふことに付ては、申上げ兼ねます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=38
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039・松本七郎
○松本(七)委員 現在までまだ御話が承れないならば、別な機會に御伺ひしたいと思ひますけれども、兎に角教育の問題と云ふことは、是からの日本に於て、我々は最も眞劍に考へて行かなければならぬ重要な問題であらうと思ひます、特に明治維新以來の文教と云ふものの誤りが、今日の状態を招いた、極端な軍國主義、國家主義を容易に受入れた、其の根本の大きな責任は、私は文部省の教育にある、斯う云ふ風に痛感して居ります、それを考へましても、今後の教育方面で、特に私學の振興と云ふことに最も重點を置かれなければならぬと云ふ風に考へて居ります、さう云ふ面からも私學の復興に付て、最も順調に之を運ぶ必要がある、斯う云ふ觀點から、一つ卑屈になることなく、此の私學復興には大いに力を入れて戴きたい、之を希望致しまして私の質問を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=39
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040・田中實司
○田中(實)委員 政務次官の御出席を戴きましたので、特に御尋ね致したいと思ひます、或は此の案に直接關係がないかも存じませぬが、併し私は何等かの點に於て一脈の關聯があると思ひますので、一應御尋ね致したいと思ひます、税の民主化と申しまするか、少くとも我が國は終戰後平和國家建設の爲に税制の民主化を確立しなければならぬと私は思つて居るのであります、即ち税制の面から戰時色を完全に拂拭しなければならぬと云ふことを、私は考へて居る、「ポツダム」宣言の受諾に伴ひまして、當然是等の面に於て整理を致さなければならぬことは申すまでもないことでありまして、今日御提案になつて審議致して居りまするのも、さう云ふやうな意味が多分にあると思ひますが、さうでなくして、政府自らが自發的に、戰時中に行はれた所の税の面に於ての、新しい民主國家を建設する上に於ての障碍となるやうなものは、自主的に之を取除いて行かなければならぬと云ふことを、御考へなつて居らなければならないと私は考へます、其の最も大きなものの一つとして申上げたいと存じまするのは、物品税竝に遊興飮食税、特別行爲税、興行税、是等のものは、我が國が戰時の財政を賄ふ下に於きまして、窮餘の策として相當の無理を致して、ああ云ふやうな税制が出來たのだと考へて居るのでありまして、殊に其の徴税技術の點に於きましては、末端を混亂せしめて居る、是が爲に將來日本の國が立直らうとする上に於て、大きな障碍になつて居ると云ふことは、爭はれない事實だと思ひます、殊に是が徴收技術が非常に困難でありまする關係上、日夜努力を致して居られまする所の、税務官吏の面に於ても相當無理があつて、又納税を致す面に於ても、快く本當に納得した納税が出來ぬ面が多分にある、又甚しいことになりますと、過日憲法の委員會でも御説があつたやうに拜聽致して居りましたが、今日人民の基本人權を尊重しなければならぬと云ふ大切な時に當りまして、獨り警察官竝に司法當局のみならず、此の忘れ勝ちである所の税務官吏に動とも致しますと、人權を蹂躙するやうな行動が現はれて居る、私の存じて居りまする範圍内に於きましても、少くとも戰時中に於きましては非常に平和な家庭を混亂せしめ、延いては生命をも斷つたと云ふやうなことが、此の末端の混亂の事情に依つて現はれて居ることもあるやうであります、そこで、恐らく終戰後の大切な是等の財政を切盛りされる上に於て、相當大きな此の財源を他に見出すと云ふことに付て、大いに御困難な點もあるだらうと思ひますが、斯樣な惡税的性格を持つたものは、此の際速かに之を廢止致されまして、他の方法に於て、是だけの豫算を取上げると云ふやうな御考へを御持ちになつて居るかどうか、承る所に依りますと、特別行爲税は之を御廢止になるやうに聞いて居りますが、遊興飮食税等に付きましては、私はさう云ふやうな御意思がないやうに聞いて居ります、此の遊興飮食税等は、今日澁谷事件其の他で、相當世論を喧しく致して居りまするものにも大きな關係がある、物品税亦然りであります、國民にのみ是等の點に於て、非常に無理な、やりにくい徴税技術を用ひてやつて居ると云ふことを何處までも持續して、國民にあらざる人には門戸を解放して、所謂治外法權的な取扱をして居ると云ふ所に、今日の社會不安を釀成する一つの素因があることも、爭はれないと思ひますので、是は何れの角度から考へましても、拔本的に御處置を願ふと云ふことが、最も緊要なることだらうと思ふのであります、此の點に付きまして伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=40
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041・上塚司
○上塚政府委員 御答へを致します、税制の上から戰時色を一掃すると云ふことの急務でありますることは、我々も洵に御同感であります、隨て政府と致しましても、出來るだけ速かに戰時色を一掃する考へを以ちまして、現に其の方針を以て進めて居ります、近く提案致されまする租税法案に於きましても、既に發表せられました通り、物品税の一部、それから特別行爲税等に付きましては廢止することになつて居ります、尚ほ税制の根本に付きましては、今日戰後色々の費用が嵩んで居りまする譯でありまするからして、直ちに根本的の改革をなすことは出來ませぬけれども、是も税の根幹である所得税を中心と致しまして、租税體系の確立を圖りたいと云ふ考へを以て進んで居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=41
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042・田中實司
○田中(實)委員 只今の御答辯に依りまして一應了承致しましたが、尚ほ重ねて御尋ね致したいと存じまするのは、先程私が申上げましたやうに、末端に於ける税務官吏の徴税に對する態度其の他が、非常に非民主的であると云ふことが、非常にやかましいのでありまして、警察官は非常に民主的になつた、又司法官の人權蹂躙と云ふやうなことも、此の機會に一掃される氣運に至つて居る、獨り税務官吏のみが、動ともすれば此の權力の域を乘越えたやうな立場にまで踏み入つて、さうして多數の國民に非常な迷惑を掛けて居ると云ふやうな點が、所在に散見されるのであります、是は固より本省に於かれましても、常に儼なる訓戒を與へて居らるることとは存じますけれども、今日の食生活竝に國民の生活の上に、非常な困難が生じて參りました關係上、是等のものと一聯の繋りを持ちまして、茲に忌むべき末端に於ける色々な行動が見出されて居ると云ふやうなことも、私は敢へて之を事實なりと斷定することは、此の際差控へたいと思ひますが、左樣な事實に近いやうな噂を聞くと云ふこと自體が、税務官吏の名譽に懸けても、又大藏當局の威信の爲にも、是は何處までも急速に御戒飭を加へて戴き、同時に左樣なことの起らぬやうな方法を講じて戴くと云ふことが、最も大切なことであると思ひますが、之に對する御所感を承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=42
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043・上塚司
○上塚政府委員 御答へ致します、税務官吏の行過ぎに對する御質問でありますが、元來大藏省の各職務の中でも、税務官吏と云ふものは一番惡い立場に置かれて居りまして、普通の役人であれば國民を喜ばせると云ふことが多いのでありますが、税務だけに限りましては、どうも憎まれ役に廻ることが常態となつて居るやうな次第であります、さもなくても攻撃の的となるやうな状態でありまして、洵に氣の毒な立場にあることも一つ御諒承を願ひたいと思ふのであります、多數の税務官吏の間には、或は御説の如く行過ぎの人もあるかも知れませぬけれども、此の點に付きましては、能く事情を、政府としても調べますけれども、御質し下さいまして、又納税者の方に於ても──時に税務官吏が已むを得ずさう云ふ立場に出づるやうな態度を執ることもあるのでありますから、此の點に付ては大藏省としても十分に警戒を加へまして、今後さう云ふことは頻發しないやうに致したいと思ひますけれども、納税者としての國民の側に立つても、出來るだけ我々の仕事に御協力を御願ひ致したいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=43
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044・田中實司
○田中(實)委員 御説のやうに、税務官吏全般に亙つて、さう云ふやうなことがあるとは申上げられないのでありますが、偶偶行過ぎであり、又誤つた行動をされる人の爲に、全税務官吏が誤り傳へられると云ふことは、洵にお氣の毒なことである、其の點は私も了承して居りますが、併しながら私の事實承知して居ります實務の問題から考へまして、非常に是は國民に惡い影響を與へる、此の平和國家を建設する上に於ての、國民の政府に對する信頼と協力を裏切るが如き事實を、私は存じて居るのであります、併し是は斯樣な公開の席上で申上げることを憚りますので、私は改めて政務次官に御會ひをして、其の實際を御傳へ申しまして、御善處願ひたいと思ふのであります、私の質問は是で打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=44
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045・青木孝義
○青木(孝)委員 先程の私の質問に對して、まだ御答へがなかつたやうでありますから、御答へを願ひます、質問の要點を申上げますと、主として臺灣、朝鮮でありますが、簡易生命保險の口數と云ふやうなことは、後に又調べて教へて戴くと云ふことでありましたけれども、簡易生命保險なり郵便年金、さう云ふ事業を通して大藏省預金部と關係がある金額、或は其の他の關係で、例へば國債とかさう云ふ風なもので、大藏省預金部に納入されて居る資金と云ふやうなものは、臺灣、朝鮮を通じてどの位あるものか、或は今日では全くさう云ふものはないのか、其の點を一つ御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=45
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046・上塚司
○上塚政府委員 其の點は取調べまして、他の機會に御返答致します、或は書面を以て御答へするかも知れませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=46
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047・青木孝義
○青木(孝)委員 此の間新聞に出て居つたのでありますが、只今御質問致しました關聯事項と致しまして、日本に於ける短期公債と云ふ意味で、大藏省證券の發行と云ふやうなことに依つて、今後相當厖大な資金を賄つて行かなければならぬと思ふのでありますが、現在大藏省預金部に引受けて居りまする所の、大藏省證券及び國債がどれ位な額に上つて居るか、それから、斯樣な短期公債を發行すると云ふことになりますると、預金部資金に對する運營上の限度があつて、もう既に今年度に於ては其の限度に達して居ると云ふやうなことが、新聞に出て居つたのでありますが、其の限度は如何なる額であるか、斯う云ふことを先づ一應御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=47
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048・上塚司
○上塚政府委員 本年度政府資金を得る爲に、大藏省證券等を發行する必要は相當出て參ると思ひます、今年の豫算を見ましても、歳入は歳出よりも遙かに少くなつて居りまして、而も其の財源を財産税等に仰ぐと云ふことになりますれば、自然財産税の徴收されるまでの間、短期公債、或は大藏省證券等を必要とすると思ひます、どの位それが必要であるか、又今日まで預金部の状態がどう云ふ状態にあるかと云ふことに付きましては、數字を此處に持つて居りませぬから、先程御答へ致しました通りに、調べました上で御答へをすることに致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=48
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049・青木孝義
○青木(孝)委員 今日新聞を拜見致しまして、今日の本會議に提出されまする豫算の全體に付きましては、是は又別個に豫算委員會に於て質問を致すと致しまして、政府は、只今質問を致しました事項と關聯致して、今後通貨の發行乃至は赤字公債の發行に愬へなければならぬ場合に、既に關係方面からは日本銀行引受けと云ふことは一應差止められて居る、隨て只今の御答辯がありましたやうに、短期公債で以て賄つて行くと云ふやうな風に御考へのやうでありまするが、假に──是等のものを二百五十五億の財産税徴收を以て賄つて行かうと云ふ所に、政府の大きな意圖があるやうでありまするが、一體財産税の徴收に關しまして、政府は果して確信がおありになるかどうか、此の問題も再三到る處で質問されて居るやうでありまするが、今日の惡性「インフレ」と申しても宜いやうな現在の状態に於きましては、事態は刻々に變化を致して居るのであります、隨ひまして、斯う云ふ點から見、更に世間の噂に依りますれば、一切の補償を打切らなければならないのではないかと云つたやうな、一つの浮説もあるのでありまして、さう云ふ關係の上に、財産税の收入二百五十五億と云ふものは恐らく現金を以て取上げることが出來るだらう、斯う云つたやうな豫想は、我々もつかない譯ではありませぬが、實際に財産税を取上げると云ふ場合に於て、假に六百億なり六百五十億と云ふやうな財産税と云ふものが、一切の補償關係と云ふものが打切られた後に於て、一體それが「スムース」に其の目的が貫徹されるものであるかどうかと云ふやうな問題に付ては、極めて抽象的な問題にはなりますけれども、私は非常に困難な問題ではないか、斯う云ふ風に考へるのであります、就きましては、私共と致しましては、預金部資金と云ふやうなものの在高、乃至は運營上に關する委員會の今年度に對する定め方、或は定めた結果と云ふやうなものが、おありになると存じますので、それ等の點を一應我々も承知致して置きたいと思ふのであります、其の意味で一つ御分りになりまする部分の材料を、特に御示しを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=49
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050・上塚司
○上塚政府委員 承知しました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=50
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051・青木孝義
○青木(孝)委員 是は他の省に關係することではありますが、現在の日本の地方鐵道及び軌道と云ふものはどれ位存在するものであるか、さうして此の地方鐵道及び軌道の關係に於ける納付金は、大體年額幾ら位あるものであるか、斯う云ふ點を一應御伺ひ致したい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=51
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052・上塚司
○上塚政府委員 何れも取調べた上で御答へ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=52
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053・石原周夫
○石原政府委員 一寸補足して申上げますが、地方鐵道、軌道の納付金として、今度の特別會計に上げます金額は二千八百五十一萬四千圓であります、是は昭和二十一年度の豫定額であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=53
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054・江澤省三
○江澤政府委員 預金部關係の數字に付て御質問がございましたが、是は最近の状況を今取調中でございますので、出來次第御手許に差上げると云ふことで宜しうございませうか、少し古い數字は手許にございますが、其の後非常に資金の需要が多くありまして、大藏省證券其の他を引受けました結果、内容が非常に變つて來て居りますので、其の動きました結果に付て御覽戴いた方が、手許の資金を御覽になるには非常に宜いのではないかと、斯う存じます、如何でございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=54
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055・青木孝義
○青木(孝)委員 それで結構です発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=55
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056・江澤省三
○江澤政府委員 それではそれは後刻御屆け致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=56
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057・坂東幸太郎
○坂東委員長 他に質疑はもうありませぬか──それでは之を以て本案に對する質疑は終了致しました、次會は明後二十七日午前十時から開きまして、直ちに討論を行ひますから、左樣御承知を願ひます、本日は之を以て散會致します
午後零時十九分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X00919460725&spkNum=57
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