1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案(審査終了のものを除く)
法人に對する政府の財政援助の制限に關する法律案(政府提出)
帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案(政府提出)
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昭和二十一年八月十三日(火曜日)午前十時二十七分開議
出席委員
委員長 坂東幸太郎君
理事 青木孝義君 理事 青木清左ヱ門君
理事 島田晋作君
田中實司君 瀧清麻吉君
江部順治君 椎熊三郎君
北村徳太郎君 新妻イト君
松本七郎君 東隆君
松本瀧藏君 竹谷源太郎君
豐澤豐雄君
八月十日委員太田秋之助君辭任に付其の補闕として椎熊三郎君を議長に於て選定した
八月十日帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案(政府提出)の審査を本委員に付託された
出席政府委員
法制局長官 入江俊郎君
大藏政務次官 上塚司君
大藏事務官 今井一男君
大藏事務官 石原周夫君
委員長の許可を得た出席者
議員 山崎常吉君
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本日の會議に付した議案
帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=0
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001・坂東幸太郎
○坂東委員長 是より會議を開きます、本委員會には去る十日、帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案が併託になつて居ります、本日の日程は法人に對する政府の財政援助の制限に關する法律案、帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案の二件でありますが、日程の順序を變更致しまして、帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案を先に議したいと存じますが、御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=1
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002・坂東幸太郎
○坂東委員長 それでは左樣致します──此の際政府の御説明を御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=2
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003・上塚司
○上塚政府委員 帝國議會各議院の議長、副議長及び議員の手當に關する法律案提出の理由は、本會議に於て申上げました通りでありまして、議院法第十九條の規定に依りまして、現在各議院の議長は七千五百圓、副議長は四千五百圓、議員は三千圓をそれぞれ歳費として受けて居るのでありますが、此の金額は大正九年に改正されて以後今日まで其の儘となつて居ります爲め、現在の物價水準及び一般の給與基準に比較して低きに失するに至つて居るものと認められます、隨て歳費の定額は相當増額の必要があるのでありますが、現状に於きましては經濟の状態もまだ安定して居らず、歳費額決定の參考となるべき一般の給與に付ても、未だ恆久的な基準が確立されて居るとは申せない有樣でありまして、本格的の歳費定額の改訂は其の時期ではないと考へられますので、之を睨み合せ、今囘は極めて應急的の措置として、本年の四月以降、各員は現在の歳費の外に、別に當分の間毎月千五百圓の手當を受けることと致したいと存ずる次第であります、尚ほ本手當は、其の性質上歳費と同樣に取扱ふのが適當と認められますので、議員が召集に應じない場合之を受けられないこととか、議長、副議長及び議員は之を辭しても差支へないこととか、又官吏にして議員である者は之を受けられないこと等は、歳費と同樣に取扱ふことと致したいと存ずる次第であります、唯左樣に致しますと、議員が同時に官吏である時には、歳費も本手當も受けられない結果、却て收入が減少するやうな場合も生じますので、其のやうな場合には、其の差額だけを本手當として受けることが出來るやうに致したいと存じます、尚ほ附加へて申上げますが、政府と致しましては、本格的の議員の歳費定額の改正は、改正憲法に基く新國會法の制定の際に考慮致したいと考へて居ります、其の際には今囘の手當の額には捉はれず、自由な立場で各般の事情を考慮し、最も適正妥當な歳費の額を決定することと致したいと存じます
以上の理由に依りまして此の法律案を提出した次第であります、何卒御贊成を御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=3
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004・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸私が政府の方に要求しますが、今の説明を補足する意味に於て、諸外國の國會議員に對する待遇の状況の御説明を、一つ御願ひしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=4
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005・今井一男
○今井政府委員 米國に於きましては上院、下院共に一萬「ドル」と云ふのが現行法のやうでございます、最近一萬五千「ドル」に増額案が提案になつて居りますが、是はまだ決定に相成つて居らないやうに伺つて居ります、此の一萬五千「ドル」と申しますのは、現在に於きましては副大統領竝に閣僚全部が貰つて居る額に相當致します、「イギリス」に於きましては、是も最近恐らく變つて居るまいと思ふのでありますが、私共の手許にあります資料に依りますれば千六百「ポンド」、是は總理一萬「ポンド」、閣僚が二千「ポンド」乃至五千「ポンド」に對應して、米國に比べますと可なり低目に相成つて居ります、尚ほ政務官は「イギリス」に於きましては色々「クラス」はございますが、千五百乃至三千「ポンド」になつて居ります、其の他國が少し小さくなりますが、「オランダ」の下院は年額五千「フロリン」でございますから、昔の日本の圓の換算率から申しましても、日本に比べると可なり高い所に相成つて居ります、支那事變當時の一「シル」二「ペンス」が一圓と云ふやうな換算に致しますと、十五圓位でございますから、七千五百圓位になります、尚ほ各省大臣は一萬六千「フロリン」であります、それから「ノルウェー」は七千「クローネ」、是はやはり其の當時の圓價に依りまして七千圓と御承知戴いて宜いと思ひます、「スウェーデン」は四千「クローネ」是も當時の圓價ならば四千圓と考へて戴いて宜しいと思ひます、「オーストラリア」が一千「ポンド」、是は當時の圓價に致しますれば一萬圓と御考へ戴いて宜しいかと思ひます、どうも手許に最近のものがございませぬで恐縮でございますが、大體以上のやうなものでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=5
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006・椎熊三郎
○椎熊委員 今度の手當の問題に付きまして、是は各派交渉會で大體案を練つたのが基礎になつて居るのですが、それに基いて二、三大藏當局の御意見を伺ひたいと思ひます、各派交渉會で、最初今日の生活水準から云つて、議員歳費月二百五十圓と云ふが如きは正に滑稽の至りである、議員の體面を保持し、國務に盡瘁するには餘りに少額であつて、相當増額しなければならぬと云ふことは、各派一致の意見でありましたが、目下憲法改正中であり、同時に議院法も根本的に變へなければならぬと云ふことがある爲に、議院法の改正せられるまで、臨機の處置として適當な手當を増額しよう、斯う云ふことから出た問題でありますが、只今出て居る案から見ると、毎月千五百圓、是は承ると五百圓は新圓で受取り、他は第一封鎖になる、それでは目下二百五十圓の歳費の倍、所謂五百圓だけの新圓を受取ることが出來ると云ふ爲に、それでは到底議員の體面保持が出來ない、それで千五百圓出す以上は、それを現實に使ふ途がないだらうか、斯う云ふことを各派交渉會で研究しました、目下我々の封鎖預金から、東京に出て居る者は一日四十圓だけ新圓に換へることが出來ると云ふ便法を聞いて居りますが、之を擴張して一日七十圓程度の新圓に換へることが出來れば、月二千圓餘りになりますから、今の千五百圓は全部新圓になるし、それでも勿論足りないから、自分の封鎖預金からも出すことが出來る、斯う云ふことになるので、是非さうして貰ひたいと云ふことが各派一致の要望であります、さう云ふ取扱をして戴けるかどうか、大藏當局の御意見を承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=6
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007・上塚司
○上塚政府委員 歳費の増額は各派交渉會で決定され、議員から要求されたと云ふ形でなく、歳費のことは此の物價水準に鑑みましても、又時局の要請から考へましても、當然上げなくちやいかぬと云ふことを政府が認めまして、今囘此の法律案を提出するやうになつた次第であります、どうでも宜いと云ふことのやうでありますが、是は寧ろ議員の方は歳費に付て當初餘り御要求はなかつたものとして、此の案を提出して居ります、御話の五百圓の枠を外して、新圓を潤澤に御渡しすることの出來るやうな方法を執ることが出來るかどうかと云ふことでありますが、五百圓の枠は日本國民全般に決められたものでありますが、今御話の議員諸君の中に於て、地方から東京に出て來て居られる方々には、現在宿泊に必要な費用として一日四十圓の新圓引出を認められて居りますから、それを増額することに付ては出來るだけ考慮致したいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=7
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008・椎熊三郎
○椎熊委員 只今政務次官の御説明に依りまして、流石政黨出身の政治家だけありまして、議員の體面を考へて戴いたことは感謝致します、議員の要求を政府が認めたと云ふことは、私共の體面上洵に結構なことですが、併し政務次官は政黨員ですから、尚ほ一層深刻に御承知なんですが、我々議員の中には決して要求が小さいのではないのです、非常に強烈な要求を持つて居る、新議院法が制定せらるる場合等に於ける歳費の問題等も、實は寄り寄り協議して居ります、我が黨の如きは、もう代議士會で再三議論になつた位でありまして、我々としては、少くとも今後議院法が制定せらるる場合の如きは、五萬圓以下の歳費では議員の體面を保つことが出來ないと云ふやうな位の、強い要求が議員の間では大部分を占めて居る位で、是は各派交渉會の一致した意見です、共産黨の如きも之に贊成して居るのです、一人の反對もない、さう云ふ強い要求があると云ふことを、政府も勘案に入れて戴かなければならぬと思ひます、それから此の委員會に──私は實は各派交渉委員なんですが、特に併託になつた會計法の此の委員會に、委員の人に代つて貰つて出て來ましたのは非常に理由があるのです、それは此の法案を審議するに當つて、各派交渉會で今まで論議せられたことを取上げて、此の委員會で議員の待遇改善の問題で深く論議しよう、斯う云ふ申合せの爲に、各派から一名宛各派交渉委員が舊來の委員と代つて出よう、斯う云ふ申合せに基いて私は出て參つたのです、そこで私は關聯して、議員の待遇上の問題で今まで各派交渉會で論議せられて居る重要な點を申上げて、政府の御意見を伺ひたいと思ひます
第一は歳費の問題ですが、次は東京に於ける滯在の問題です、宿泊所がないのです、是は斯う云ふ重大な議會を開催して、重大な法案を審議しなければならぬ議員が、宿泊所もないし、あつても非常に不便を感じて居ると云ふが如きは、是は國政を圓滑に審議せしめて行く間に甚だ遺憾な點が多い、何としても政府は、先づ今囘出て來た新たな代議士が、自由潤達に、本當に全精力を此の議會の問題に集中することが出來るやうな途を開いてやらなければならぬ、第一は宿舍の問題なんです、そこで政府は取敢ず此の議會を召集するに當つては、それには一番心配して、「バラック」でも宜いから、大きな宿舍を建て、收容してやる、さうして住居も食糧もさう困らぬものを考へて呉れなければそれは不親切である、そこで今となつては、最早此の會期中にさう云ふものを建てると云つても間に合ひませぬので、各派交渉會の意見に於きましても、何か大きな建物があつたら、急遽之を買收するなり、借りるなりして、其處に困つて居る代議士を收容したらどうか、其の宿舍と議院との間には「バス」などを用意して、そして何等住居の問題に苦勞なり、國政に參畫すべき途を講ずべきではないか、そこで各派交渉會で色んな相談の結果、目黒の雅叙園の如きは今日殘つて居る、ああ云ふ所を直ちに交渉して、之を買收するなり或は借受けるなりして、取敢ず宿舍を見付けて戴きたい、さう云ふことが一つ、次は議員の乘物の問題なんです、みんな自動車がなくて非常に不自由して居ります、其の爲に色々各方面との折衝等に非常に支障を來して居ることは、もう説明を申上げるまでもない、そこで各派交渉會で斯う云ふことを考へたのです、今進駐軍が、「ジープ」を三千圓位で必要な者には拂下げる、さう云ふことになつて居るのださうですが、政府は之を議會の爲に百臺なり二百臺なりを拂下を受けて、各派希望の向きにそれを又拂下げてやるなり、或は貸して呉れるなり、適當な方法を講じて貰ひたい、さう云ふ交渉を直ちに開始して貰う譯に行かぬか、斯う云ふのですが、さう云ふ住居の問題と乘物の問題に付いての御意見を伺ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=8
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009・上塚司
○上塚政府委員 議員の宿舍が非常に拂底して居ります爲に、地方から出て來られて居る方が宿泊の爲に非常に迷惑をして居られることは、私共の常に痛感致して居る所であります、殊に昨今は食糧で是等に依りまして、十分の榮養も攝ることが出來ない、而も乾燥無味の宿舍に居られて、暑い最中に議事を進めて行かれることは、非常な御苦勞であることを察して居ります、議院内に相當設備の整つた宿舍を作るべしと云ふことは、此の新議院が設計された當時に於きまして、既にさう云ふ設計が出來て居つたのであります、併し其の後經費の關係其の他であるが省かれて、遂に出來なかつたのは洵に遺憾でありまするが、今椎熊君の御話になりました通りに、昨今のやうな特に宿舍の逼迫した場合に於て、衆議院議員の職務を執行する爲に、宿舍の必要は是は喫緊のことであらうと思ふのであります、若し議會の總意が椎熊君の仰せの通りの状態に進みましたならば、我々と致しましても出來るだけ御趣旨に副ふやうに努力したいと思つて居ります、尚ほ車のことは、昨今御覽の通り、日本國中が自動車に不足を來して居ります、既に戰前に輸入致しました乘用自動車は、殆どもう頽廢に近付いて居るものであります、新たに新しいものを得ようとすれば、それも進駐軍の許可を得なくてはなりませぬ、只今の所では出來ないのであります、殊に燃料が非常に不足致して居ります、之を得ることに現在の官廳の方でも非常に困つて居りまして、各官廳共に極めて極限された數しか持つて居ないやうな状態であります、「ジープ」利用は洵に名案でありまするけれども、燃料が普通の車の三倍以上も要りまして、燃料がもう少し潤澤に供給される時が來なければ、あれを自由に乘廻すと云ふやうなことは、非常に困難な状態になります、現に「アメリカ」軍も何千臺、恐らく何萬臺と云ふ「ジープ」を横濱方面に唯竝べて居るやうな状態で、實際に使用して居ないやうなものもある次第であります、此の際出來るだけ自動車の便宜も議員諸君に與へたいと云ふ氣持を持つて居りますけれども、さう云ふ次第で、今直ちに御希望に副ふことは出來ないやうな状態であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=9
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010・椎熊三郎
○椎熊委員 只今の御説明の中に、宿泊の問題は議員の總意であれば直ちに考慮すると云ふ御話がございましたが、是は全く總意なんです、と云ふのは、私は進歩黨に屬して居るのですが、進歩黨の代議士會の議を經て各派交渉會に出て居ります、其の他の方々も、大體さう云ふ形式で出て居るのですが、其の席上に於きましては、主として社會黨の田原君なども非常に熱心な主張者でございますが、自由黨も然り、其の他の會派も悉く一致して、宿舍の問題は、取敢へず急遽政府に於て何等かの建物を發見して貰はう、是は議會の總意たる點に於て一點の疑ひもありませぬ、政務次官が言はるる、それが議會の總意であると云ふ證明を何に依つてするかと云ふことになると、それでは決議案とか建議案でも出すと云ふことなのでせうが、さう云ふことをしなくても既に明白な事實なのですから、之を取上げて直ちに實行に移して貰ひたい、斯う云ふことが私共の熱望する所でありますが、如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=10
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011・上塚司
○上塚政府委員 御趣旨のある所を了承致しました、努力致して見ます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=11
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012・椎熊三郎
○椎熊委員 私は今日是から、直ちに此のことを各派交渉會に報告しなければならないのですから、只今の政務次官の御答辯は責任ある言質であると考へまして、其の通り申し傳へまして、稍稍安心させたいと思ひます、是は今の議會中に間に合はないなら、何もならないことですから、是非直ちに御手配を願ひたい、自動車の問題は、只今の御説明に依つて無理からぬ點もあると思ひますので、是等はお互ひに不自由を忍ばなければならぬ場合が多いかと思ひます、昨日之に關聯しまして、實は運輸大臣と私的の會合で話合つたのでございますが、東京市内竝に横須賀方面等を走つて居る省線電車は、非常に混雜でございまして、議員の諸君はそれに乘ることに非常に苦痛を感じて居る、所が進駐軍の專用の二等車と云ふものが、大低連結されて居る、それに若し便宜上、議員の數は極く僅かですから乘せて貰へることが出來れば、非常に好都合だと云ふことで、運輸大臣に其のことを話しましたが、占領軍に對して被占領國民である我々が、さう云ふことを言へるかどうかと云ふことも考慮して居ると云ふ御話、駄目なら仕樣がないのですが、一應交渉して見ると云ふことは結構だらうと思ひます、それからもう一つ、議員が國に歸るとか、其の他用務を帶びて旅行する場合に、最近の汽車の混雜では、一般乘客と同じに苦勞をして居るので、議員は多く、個人的の旅行の場合は我慢すると致しましても、議會の召集であるとか、或は調査とかに依つて旅行する、さう云ふ公的の使命を帶びた場合は、國民の代表としての議員には、優先的に乘車する方法がないだらうか、斯う云ふことを相談したのですが、是も議會の方でさう云ふ強い要求があれば、或は相談しても宜いと云ふことらしいのです、此の議員の待遇改善と云ふ重大問題の機會に、此のことを強く申上げまして、政府に於て適當に考慮して貰ひたいことを要求して置きます、私は尚ほ澤山細かい問題があるのでございますけれども、此の委員會は恐らく今日で終りにはなるまいと思ひます、同僚の諸君からも質問がございませう、私は是から交渉會がありますので、本日は此の程度に私の質問を打切つて、他の機會に又致すことに致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=12
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013・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸椎熊さん、私から御參考に申上げますが、今の議員の宿舍の問題です、それは議院法の改正委員會があつて、此の間二囘程集まつたのですが、其の席上の空氣は、國會會館と云ふものを造りまして、相當大きな一人づつの室を造る、それから調査室、圖書室皆作つて、「アメリカ」式の完全なものを造ると云ふやうな意見がありまして、其のことは丁度進駐軍の係に會つて我々相談したのですが、「アメリカ」の方では無論贊成で、それは完全なものを造つて行かなければならぬと云ふことに決まると思ふのですが、それまで暫定處置として、適當な家を借りることは非常に宜いことだと思ひます、是れだけ御參考に申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=13
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014・椎熊三郎
○椎熊委員 それも承つて居つたのです、それは完全なものを造るに越したことはないのですが、今の間に合はぬのです、それが出來るまでの應急措置として、既設の建物を借りるとか、賣收するとか云ふことに御考へを願ひたい、此の議會に間に合ふやうにして貰ひたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=14
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015・坂東幸太郎
○坂東委員長 それには贊成です、私も議員の一人ですから贊成です──青木清左ヱ門君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=15
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016・青木清左ヱ門
○青木清委員 私も大體椎熊君の質問に關聯するのでありますが、椎熊君のは現在の處置でありますが、私は憲法制定後の議員の任務遂行上の構想であります、勿論是は議員獨自の考へを以て法律案を提出するのが本來でありますけれども、議員に與へられたる立法權と云ふものを完全に行使する爲には、現在の月手當千五百圓では、到底覺束ない次第であります、將來憲法が改正された曉に於て、完全に此の任務を遂行する上に於て、只今委員長からの御説明もありましたが、さうした範圍内に於て如何なる構想の下に、此の立法權行使の基礎を作るか、又議員自身の研究施設を如何なるやうにするかと云ふことに付ては、勿論政府としても現在一つの構想は持つて居られることと思ふのでありますが、それ等に付て一つ參考の爲に御説明が願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=16
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017・上塚司
○上塚政府委員 今御尋ねの件は、是は議會としてさう云ふ考究をして置くべきものであつて、大藏省としても全然案がないことはないと私も考へます、以前曾てさう云ふ設計を致した位でありますから併し只今さう云ふことに對する詳しい説明をするだけの資料を持ちませぬから、此處で御説明することの出來ないのを甚だ遺憾と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=17
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018・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸私から御相談致しますが、今法制局の第二部長が來られます、是は法制審議會で以て參考にやつて居るらしいのであります、上塚政府委員の御話の通りで、今の問題は議會自身が決める建前で、議員法審議會でもやつて居りますが、是は政府としてもやつて居り、多少進行して居ります、今法制局の第二部長が來まして、參考案の説明がありますから、其の點はそれまで御待ちを願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=18
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019・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 それでは現在の問題に入るのでありますが、さつきの乘物であります、乘物なども別に自動車でなければならぬと云ふこともないのです、謂はば荷物運搬用の「オート」三輪車と云ふやうなものも、我々は既に選擧の時に使つた經驗があるのでありまして、是等に付て特に購入の便宜が得られるかどうか、此の點に付て御尋ねしたいと思ひます
もう一つはやはり住居の問題でありますが、此の住居に付きましても、應急的に一つの「アパート」式のものを造ると云ふことも非常に結構でありますが、我々として將來政治に參與する爲には、さうした「アパート」でなくて東京に一つの事務所兼用の住宅を持ちたいと云ふ希望があるのであります、それに付ても、今建てると云ふことに付ては、先づ木材に致しましても、どの縣でも縣外移出を禁じて居ると云ふ法規上の關係もある、其の他硝子にしても、屋根瓦にしても、疊にしても、所謂丸公では手に入らない、闇の價格でならば手に入ると云ふやうな現状でありまするが、それ等を應急的に造る爲に、議員に對して何等かの便法を御講じになる御考へがあるかどうか、それを御聽きしたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=19
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020・上塚司
○上塚政府委員 第一の御尋ねの乘物の件ですが、貨物自動車でも何でも使へるやうに出來ないかと云ふことでありますが、それは議員として特にさう云ふ特權を與へなくても、普通の行き方で買へるのぢやありませぬか、普通の方法に依つて御買上げを願つて、利用して貰ふことが一番結構だと思ひます、それから家を建てることも、議員たるが故に特別の配慮をすると云ふやうなことは、是は復興院の方の管轄でありますけれども、恐らく承諾しないだらうと思ふのです、又我々議員としての立場から考へて見ても、さう云ふことまで一々國家にやらせると云ふことはどうかと考へるのであります、其のことに付ては大藏當局としては贊成が出來ませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=20
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021・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 只今の御説明にはこちらも贊成が出來ないのであります、是は大藏當局に聽くと云ふのは無理でせう、だから是は次の委員會の節に、此のことが聽ける政府委員に出席して戴くやうに、委員長の方で御手配を願ひます、其の時にもつと突込んで御聽きしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=21
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022・坂東幸太郎
○坂東委員長 委員外の山崎君に發言を許します──山崎常吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=22
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023・山崎常吉
○山崎常吉君 私も社會黨の立場から、議員の宿舍と歳費の問題に付きまして御尋ねしたいと思ひます、宿舍の問題を、先程他の委員の諸君からも御意見を承つて居りましたが、それに對する當局の答へは洵に熱がないやうな感が致します、勿論議員の宿舍を、議員個人の所有として建てるのに便宜を與へて貰ひたいと云ふことでありますならば、それは無理かも知れませぬ、併し少くとも、説明するまでもなく、議員は此の國の難局の大仕事に掛つて居りますので、それでありますなれば、政府が其の仕事に支障を來さないやうに住居、交通、總ての便宜を兼ねて圖つて呉れるのが當然であると、私共は斯う考へます、之を既往に遡つて考へますなれば、戰爭前から議員の宿舍問題は既に問題になつて居つた、是は色々な觀點から、議員があちこちに宿舍を取つて居る、それで風紀上にも良くないと、色々の問題が其の時代に若い新鮮な議員の間から聲が揚りまして、何とか議員の宿舍を一箇所に纏めて、そこへ議員の事務を執る者も置く、或は其の時分には食事の問題はそんなに問題になつて居りませぬでしたけれども、少くとも議員としての全體が、同一の食事を攝ると云ふ心構へも必要であらうと云ふ觀點から、既にもう十數年前から問題になつて、慥か戰爭中の議會であつたと思ひますが、二度ばかりさう云ふやうな建議案か、要請書が出まして、此の議事堂の向ふ側、今の燒野原になつて居る、あそこに建てると云ふことも、其の時代に幾十萬圓かの費用を計上しまして、略略出來ることになつて居りました、そこへ戰爭に入り、戰爭が激しくなつて、斯樣な實情になつたのでございますが、出來得れば私共は「バラック」でも宜しいと思ふ、近くへ其の宿舍を建設することだと思ひます、之を規則難かしく、ああ斯うと考へて居つたら中々實現するものでありませぬので、やらうと掛れば出來ると思ひます、又國の力でやれば出來ぬことはない、議員の要請が弱い、實は占領軍が之を斯うせいと言うて來れば、夜も日も寢ずにやつて居る、本當は國の大事な大仕事をするのですから、少くとも其の仕事に支障を來さないやうに、夜に日を繼いでやる位の熱意を持てば、私は出來ぬことはないと思ひます、さう云ふやうな心構への下に、「バラック」にするなり、或は適當な所を借入れるなり、周圍にまだ相當にあると思ひます、是は他の委員諸君の御要請の如くに、社會黨も全面的に之を要請して居るやうな次第でございます、是は一應御聽取りを願ひたい、更に何處までの熱意があるか、是は今申上げるばかりでないと思ひます、各派交渉會に於きましても再三問題になつて居りますので、當局の耳には入つて居ると思ひます、當局の耳に入つて居るとするならば、當局も調査するなり、或は實行に掛る所の豫算の計上なり、内的に豫算の計上の御相談なり、地點の御相談なり、何かなされたことがあるかどうかと云ふことも、一應念の爲に御伺ひして置きたいと考へます
それから歳費の問題、費用辨償の問題でありますが、是は申上げるまでもなく、今日では何ともならぬと云ふことで、當局の方から千五百圓と云ふ聲も耳に致しますが、現在の生活實情から、千五百圓と云ふのはどう云ふ所から割出して來たか、是で議員としての體面が保たれるかどうか、先づ此の二點を御聽きして見たい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=23
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024・上塚司
○上塚政府委員 議員の宿舍の問題に付て、山崎君は先程來の質問の最初からの答辯を聽いて居らないものですから、誤解があつたやうですから、一言申して置きますが、議員全體の、殊に地方から出て來る人々の爲めの宿舍の設置に付きましては、是は政府としても十分考慮致して居ります、議院内に於て宿舍を設けなくてはならぬと云ふことは、此の議院が、慥か大正七年であつたと思ひます、著工した當時から其の設計の中にあつたのであります、單に十五年前位のことぢやなくて、今から三十年も前にさう云ふ設計はあつたのであります、併し途中で、經費の爲にそれは止めになつてしまつたのであります、さう云ふ次第もありますし、殊に昨今は時局の要請から致しても、又實際戰災後に於ける宿舍の缺乏の状態から見ても、どうしてもさう云ふことが必要なことは明かな事實でありますから、是は其の要請が議會要請である限りに於ては、出來るだけ實現の出來るやうに考慮致して見たいと思つて居るのであります、其の他の件に付きましては、丁度法制局長官が見えましたから、法制局長官から、御答へがあると思ひます
歳費の問題に付きましては、此の説明にも申しました通りに、是が決定的と云ふ譯ではないのであります、何れ近く此の秋に國會法の決定を見ますから、其の國會法の決定の場合に、凡ゆる情勢を考慮しまして、又議員の要請をも十分に取入れて、さうして適當の額に決定致したいと云ふ風に考へて居ります、それまでの暫定的の處置として、先づ一千五百圓の手當と云ふことになつた次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=24
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025・山崎常吉
○山崎常吉君 新しい國會法の制定後に於きまする所の議員の體面上、此の問題は、是は經濟上の問題に致しましても、其の他の問題に致しましても、全然變つて來ると思ひます、又變らねばならない實情にあると思ひますが、私が今御聽きせんと致しましたのは、千五百圓の問題、それは次の國會法の變るまでの暫定の方法と云ふことでありませうけれども、往々にして暫定的の決め方と云ふものは將來に影響致します、そこで私は、勿論今日までの月額二百五十圓の歳費では、一體「コーヒー」が何杯飮めるかと云ふやうな形になりますが、それではいけないと云ふことで、千五百圓を暫定的に出してやらうと云ふやうな御考へを持たれたと云ふことです、其の千五百圓の暫定的の額は、どう云ふ所から割出してそれが出たかと云ふことを、一應參考までに御聽きして置きたい、斯樣に考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=25
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026・上塚司
○上塚政府委員 暫定的の一千五百圓の手當と云ふのは、現下の物價水準竝に現下の各政府役人の俸給、其の他を考慮しまして、此の邊が最も適當だと云ふ所で決定致したのであります、參考の爲に申しますと、千五百圓を從來の歳費の三千圓、詰り月二百五十圓に合せますと、月千七百五十圓になります、此の額は官吏の最上部に位するものであつて、大臣が千八百二十圓、官吏の最上部に位するものである、其の程度を以て決めたのであります、是は關係筋にも十分諒解を得て居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=26
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027・山崎常吉
○山崎常吉君 當局としてさう云ふ基準を御執りになられたことは無理からぬと思ひますが、私共から考へますれば、それに依つて、其の額は別として其の基準の決め方、是が形式張つて居て、實情に即しないと云ふことになる、と云ひますのは、官吏は此方に家庭を持つて御住居なさつて居り、食料其の他の入手に付ても大きな心配は要らない、我々地方から出て來た者、旅館や知邊に泊りましてもそれ相當の經費が要りますから、今日の實情では中中やつて行けない、夜間でも朝でも友人が訪ねて來て、お茶一杯いれても、水菓子一つ出してもどうなりますか、所謂官吏の俸給基準から比較致しましたならば、それは餘り下の方ではない、相當考へてやつた積りだと御考へになりませうが、さうではなく、實際の物價水準其の他から考へましたならば、やはり議員の體面が保つて行けないと云ふ實情になります、今御出しになつて居る千五百圓の決定と云ふことは、先づ各派で十分是が適當かどうかと云ふことを協議して、意見を決めるまで御延期を願つた方が適當であらうと考へるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=27
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028・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 只今の御説明の、所謂官吏の俸給の最高位にあると云ふことは腑に落ちませぬ、是は官吏の俸給と、東京に住居を持つて居られる方が九州へ行つて旅費を貰ふ額と、合計した額でなければ駄目です、其の計算の基礎が間違つて居ると思ひますが、どうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=28
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029・上塚司
○上塚政府委員 青木君のやうに、細かく一々言はれると、實は御答辯に困るのでありまして、大體議員各自の状態から考へても、東京に來て非常に困つて居られることは我々も十分承知致して居ります、併し旅費手當色々から計算して、一遍に非常な澤山の額を上げると云ふことも如何かと實は考へて、先づ常識から見て、此の程度ならばどうだらうと云ふことで、黨の人達とも相當私は下相談をした積りであります、さうして此の程度の暫定的であり、何れ國會法が定まる時に本格的の歳費が決まるから、其の間だから、此の程度で行かうぢやないかと云ふやうなことで決まつたのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=29
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030・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 最初に御尋ねすることを遠慮して居りましたが、千五百圓で全然我々の滯在費が賄はれないと斷言するものではないのであります、併し此の千五百圓を貰ふことに依つて、勿論我々は國家の一員として納税の義務がある、そこに所得税と云ふものが賦課されて、手取りが非常に少くなつて來る、併し所得税が相當課せられると云ふやうな財産を持つていらつしやる議員の方は、勿論恆産があるのでありますから、それは差支へがない、斯う云ふことも考へられる、併しながら一方的に、又他面から之を考へると、歳費を貰ひ、又手當を貰ひ、議員として出て來る爲に今までの財産の方に傷を付け、收入の方に傷を付ける、殊に現在の新圓關係が喧しく言はれて居る時に、唯さへつましい新圓に傷が付くと云ふやうなことになつては、私は是亦相當考へなければならない問題がそこに出て來るのではないかと思ふ、隨て此の手當と税との關係に付て私は質したいと思ふのでありますが、それと同時に、各國に於ける手當の支給方法に付て、どう云ふ處置を各國が執つて居るだらうかと云ふ點に付て、參考までに是亦御聽かせを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=30
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031・今井一男
○今井政府委員 小國の中には出席、登院日に付て幾らと云ふやうな支給の方法を講じて居る所が一、二ございますが、そう云つた筆法に致しますれば、或は免税等の取扱も想像せられますけれども、一括一本で手當の形式で致しまする以上、何れの國にも免税規定はあるやうには聞いて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=31
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032・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 それでは政府に於て手當と云ふ名目の下に本案を提出された以前に、恐らく此の問題に付ては相當研究されて居つたことと思ひます、又さる大臣は、私共が聽きました時に、それは個人的な會合でありましたけれども、此の點は言つて居るのであります、隨て是は立案をされました時に其の點を考究されましたか否や、又其の時に話題に上つた支給方法に付て、是亦一つ參考の爲に御聽かせを願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=32
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033・今井一男
○今井政府委員 現在官民共に、色々の意味で手當と云ふ名前を以て支給致して居りますのがございますが、是は何れも免税になつて居るものは、旅費とか云ふやうな本當に實費等を其の儘補償すると云ふやうな意味合のものだけでありまして、手當と云ふ名前で出すものは、殆ど例外なく課税に相成つて居るやうな建前であります、今囘の意味も亦手當の名前ではございますけれども、考へ方はやはり歳費に準ずるやうな建前を執つて居ります關係上、之に依りまして相當の課税になる、又特に先程御話のやうに、恆産のおありの方は可なり高い附屬税が課かると云ふことも、一應考へたのでありますけれども、性質上から申しまして、まあ已むを得ないだらうと云ふやうな結論になりまして、私共提案を致しましたやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=33
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034・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸私入江法制局長官に申上げますが、是まで委員の方から議員の合宿と云ふやうなことに付て御質問があつたのです、それで私それに對しまして、議院法規改正委員會委員でありますから、其の審議の内容に付て答へて置いたのであります、それは議院法規改正委員會の方では、大體國會法と云ふものを作る、其の中で以て議員の待遇竝に議員の法律を立案をする便宜の爲に、調査室を設けると云ふやうな關係で、相當大きな室を持つて調査する、或は室を拵へると云ふやうな案があつて、更に審議が進められます、それで政府の方でも、法制調査會を中心に國會法を議して居る、隨て政府側の意見をも聽いたならば、參考にもなると思ふと云ふことになつたのでありますが、其の點に關してあなたから何か説明を聽かして戴きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=34
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035・入江俊郎
○入江政府委員 私事務の打合せがありまして、出席が遲くなりました爲に御迷惑を掛けて申譯ありませぬ、只今委員長の御話でございますが、政府の方に於ても御承知のやうに臨時法制調査會を作りまして、先日來から一週間に數囘小委員會等を開いて、内容の檢討をして居るのであります、議員側に於きましても、今委員長の御話のありましたやうに、國會法に付ての御研究があるさうでありまして、私共と致しましては、其の方との連絡を執りながら研究もして行きたいと思ひますが、臨時法制調査會に關する、一應の經過なり考へ方なりを申上げて見たいと思つて居ります、言ふまでもなく、國會が國家の最高機關であり、唯一の立法機關であると云ふことに新憲法の規定がなつて居ります以上、國會法は極めて重要な法律と考へまして、法制調査會の方でも、兩院の議員の方々の委員、其の他學者、或は我々官吏等が集まりまして、愼重に、眞劍に檢討を續けたのであります、今の議院が國會の機能を十分に果す爲には、それだけのやはり準備が要る、立法機能を十分發揮する爲には十分の準備が要ると云ふことを考へまして、一方に於ては物的方面の關係として、歳費其の他の手當に付ての規定を十分決める必要があるであらう、同時に研究等を十分にするが爲に、調査室であるとか、或は又「アメリカ」にありまするやうな「コングレス・ライブラリー」と云ふやうな、國會圖書館と云ふものを設置して、此處で十分に兩院の議員が調査をし、又研究をすることにしたらどうであらうかと云ふ風なことを議して居ります、尤も「アメリカ」の「コングレス・ライブラリー」は、御承知のやうに非常に規模雄大なものでありまして、我が國の今日の状況として、直ぐにそこに行くことは財政的に申しましても、又總ての點から言つて困難と思ひますけれども、併し理想はそこに置きまして、現在でも議會には圖書室があるのでありますから、それを其の儘さう云ふ風な理想を持つた一つの組織に變へまして、さうして行く行くは其處に必ずしも議員のみでなく、議員以外の政黨の調査方面の人であるとか、或は又更に一般の國民も其處に來て色色な調査をすることが出來るやうにする、又其處に來れば、日本に於ける圖書は殆ど總てあると云ふ風なことにまで、それを高めるやうなことにしたらどうであるかと云ふ風なことを、調査會等でも論議致しまして、まだ調査會では審議中でありますから、決定と云ふ風に申されませぬけれども、大多數の委員がさう云ふことを考へて居つたことを御報告申上げたいと思ふのであります、大體今私共が法制調査會に於きまして、國會の機能を十分ならしむるが爲に、議員が立法機能を發揮せしめる一つの便としての考へ方としては、今申しましたやうなことが大要であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=35
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036・江部順治
○江部委員 本案は事議員に關するのでありまして、餘り徹底した質問を申上げましては、却つて自分等のことに關するのでありますが、併し昨今の歳費と昨今の經濟事情から見まして、餘りにも實際と懸け離れて居ると云ふことが政府當局でも御分りになり、又先程政務官からの御話にもありました通り、是は議員各位から出た案でなくして、政府が此の法律を出しまして、憲法の決まりますまで、暫定的に歳費の外に此の手當を支給すると云ふ案を茲に出しましたと云ふことに付ては、甚だ時宜に適したことと考へて居ります、先程委員各位から御話がございました通り、千五百圓と云ふ額を決めるに付ては、實際に是れ位の金が要ると云ふ、所謂實際の方に重點を置いたものであるか、又は外の官吏竝に外の方方に比べまして、此の位が先づ適當ぢやなからうかと云ふ、所謂釣合上で決めたのであるか、何れに重點があるか御聽き致したいのであります、固より此の千五百圓で、地方から出て來た方はどんな最低な旅館生活を致しましても、出來る筈はないと云ふことは分り切つたことであります、尚又千五百圓の中から、議員各位に依つて多少の差はありませうが、分類所得税竝に綜合課税其の他の町村の附加税を引きますれば、どの位の實收になるかと云ふことの御調べがありましたら、それを承りたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=36
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037・今井一男
○今井政府委員 税額の方は、今囘市町村民税が改正になりますが、其の内容が具體的に決まつて居りませぬ關係から、甚だ精算しにくい點がございますが、只今提案になつて居ります増税案が施行された曉には、分類所得税と綜合所得税とを差引きますれば、千七百五十圓が大約千二百圓位に相成るかと思ひます、新しい綜合所得税は、言ふまでもなく明年御納め戴くのであります、尚ほ御言葉にございました初めの點、原案は實費の建前よりは權衡の建前を執つて作りましたことは事實でございます、と申しますのは、やはり從來の歳費其のものが、一日登院されましても、或は會期全部登院されました場合も、一年の内召集の囘數の多かつた年も少い年も、さう云つたもの總て押竝べて、議員と云ふ特殊な身分に著目して充てられました報酬と云ふ建前になつて居ります關係から、名前は手當でございますけれども、實質はその延長と云ふ考へ方が宜からう、大體「アメリカ」あたりの考へ方も、やはり其の身分と云ふ點に著目致しまして、土地が如何に遠方でありましても、お住ひの事情が變りましても、全部一定額で行く、さう云ふ風に歳費と云ふものは考へて行くべきであると云ふやうな意向を漏らして居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=37
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038・竹谷源太郎
○竹谷委員 今入江法制局長官から、政黨の研究調査、或は各議員の「ライブラリー」等の話が出ましたが、それは何時出來るか分りませぬが、取敢ずの措置として、現在四階の上、丁度玄關の上になりますか、「コリント」式か「ドーリア」式か分りませぬが、高い柱があつて、あの中がどうなつて居るか、厖大な空席があると思ふ、あれを圖書室に使ふ、それから屋上に假設の「バラック」のやうなものでも作つて、其處に議員の圖書室を作つたらどうか、現在衆議院の圖書室に行つて見ますと、喫煙室、閲覽室、兩方加へましても僅か三十位の椅子しかありませぬので、議員の三%か五%が調べものをしようと思つて集まつたら、迚も椅子がなくて困ると云ふ現状ですから、さう云ふ應急の施設を講じて、取敢ず簡單な「ライブラリー」の擴張案を御考へになつてはどうかと云ふことを御尋ね致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=38
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039・入江俊郎
○入江政府委員 只今の竹谷委員の御尋ねでありますが、先程私が申上げましたことは、一つの理想案ではありますが、併し先づ國會法の規定を作るならば、そこに狙ひを置いて行きたいと云ふことを申上げたのであります、差當つての問題としては、竹谷委員の仰しやる通りでありまして、出來る限り現在の機構或は現在の圖書等を利用し得るやうなことに進むべきは當然であつて、是等もやはり資材であるとか、金であるとか云ふことの制約も、現在としては已むを得ずありませうけれども、成べく設備等を擴張致しまして、議員が議員として十分調査が出來るやうな風に持つて行くと云ふことに付ては、御趣旨としては政府としても至極贊成であります、出來るだけそれに努力致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=39
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040・竹谷源太郎
○竹谷委員 先程から各委員から屡屡御話がありましたが、親類の家に寄宿致しましても、宿屋に居りましても、殆ど本を讀んだりものを書いたりするやうな机もなければ、或はさう云ふ空席も部屋もないと云ふのが現状であります、現實の問題として、私は迚も千五百圓の金ではやつて行けないのであります、宿屋に居つて小さな部屋一つ借りて居るが、調度品はなし、やつと腰が半分位掛けられる腰掛に、此の「バッグ」位の大きさの「テーブル」の上で、ものを書いたり讀んだりしますから、三十分とやつて居ると直ぐ疲勞をする、讀む方はまだ宜いが、書くと云ふことは到底出來ないと云ふ現状であります、生活はいくら苦しくても我慢しますけれども、議員として當然の職責である法案の研究調査、或は各般の調査等の出來ないことは、我々として甚だ遺憾なことでありますから、政府に於ては早急に──大藏省も此の點に關し熱心な考へを持つて居るやうでありますから、早急に議員の調査研究に關する便宜を與へるやう考へて戴きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=40
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041・坂東幸太郎
○坂東委員長 一寸私から御伺ひしますが、今の受付の方の傍聽人控室の状態は、丁度警察の豚箱と言ひたい位です、餘り酷いのですが、あれは何とか直す方法はないですか、民主化と云ふが、あれを見たら民主化もへちまもない、大藏省當局に何か直す案がありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=41
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042・上塚司
○上塚政府委員 あの面會所は私も非常に酷いと思つて居ります、早速其の係の方面に話をしまして、出來るだけもう少し氣持良く、面會人と面會出來るやうな方法を講じたいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=42
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043・坂東幸太郎
○坂東委員長 尚ほ一點入江法制局長官に申上げますが、入江さんがおいでになる前に椎熊委員から今の合宿の臨時の措置として目黒の雅敍園が借りられると思ふからああ云ふ所を借りてはどうかと云ふ御話がありましたので、入江さんに御參考までに申上げて置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=43
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044・山崎常吉
○山崎常吉君 現在政府が御考へになつて居る千五百圓程度と云ふものは、足りないと云ふことは一致した意見だらうと思ひます、此の上に、今承つて居りますれば之に課税をせられる、結局其の結果は千七百五十圓が千二百圓になる、一體それに依つてどうすべきかと云ふことの疑問を生ずる、こんなことは最初から分つて居ることだ、分つて居ることをさう云ふやうなことをやることが、我々には分らなくなる、此の問題は此の儘では到底承認が出來ないことになるのは勿論だと思ひますが、更に新しく立直る日本の將來の爲に、國會議員に對してはどう云ふやうな取扱ひをして行くかと云ふことに付きましては、日本獨自で、何處の國から見られても成程と、恥かしからざる態度が取られれば洵に結構だけれども、それだけの確信が當局にないやうな風である、それならば大小各國の國會議員に對する待遇の實情を一應御調べになつて、御研究になつて此の問題を決めるべきだと私は考へます、就きましては、大小各國の國會議員に對する待遇の實情と云ふものを、御研究になつて居られるかと云ふことを一つ御聽きしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=44
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045・今井一男
○今井政府委員 資料は極く最近のものが、戰後の事情に依りまして手に入りませぬ、尤も戰時中餘り變つたと云ふことは聞いて居りませぬけれども、甚だ不十分な點は申譯ない次第でありますが、一應常に各國の關係の集まりますものだけは、手許に置いて眺めるやうには致して居ります、唯今囘のは、何分にも新國會法を目の前にしまして、新國會法が出來ましたならば、此の際各兩院に於かれて全然別箇の見地から、新しく此の問題を御採り上げになつて然るべきだと考へるのでありますが、唯今囘は、從來の前例が總て歳費に付きましては政府から提案致すやうな慣例、是は面白い慣例とも思ひませぬが、從來の先例に從ひまして、繋ぎと致しましてさう云つた數字を出した次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=45
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046・山崎常吉
○山崎常吉君 私は議員として要求致しますのは、敗戰後國際場裡の變動から、諸外國からのさう云ふやうな資料が得られないと云ふことは一應考へられます、併しながら聯合軍の方へ御願ひ致しますなれば、日本が國の規定を改正して、新しく起ち上るのだと云うやうな意味から、其の國の建設をなすべき大切な議員の待遇に付て、各國の例も一應研究したい、此の資料を得たいと云ふ理論的の根據を持つて行つて御願ひすれば、其の資料は取れる、少くとも此の問題に付きましては、十分國で其の模範的の建設が出來ないなれば、各國の資料を集めて、其の上で愼重審議決定すべきものである、斯樣に考へますので、早急に出來るだけの方法に依つて、其の資料を纏めて貰ひたいと云ふことを要求申上げたいと、斯樣に考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=46
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047・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 私は政府の御答辯と、委員の方の質問とを綜合して考へます時に、どうも政府の立案の根據に矛盾があるやうに思ふ、それは月手當千五百圓、要するに歳費類似のものであります、是は議員の研究費と云ふ性質のものである、併し我々が痛切に現在不自由と考へて居りますことは滯在費なのであります、勿論研究費は是れだけの範圍内でやれと云ふことに相成りますならば、地方から出て來た者も、或は東京都に住む者も、場合に依つてはそれでやれる場合もあります、研究の範圍を縮小すればやれる譯であります、併しながら我々地方の者が中央へ出て來た滯在費と云ふものは、もう如何樣にも我々の手では出來ない確定的なものであります、隨て私は政府の立案の根柢に、若し研究費の外に我々の滯在費と云ふものを、此の千五百圓の中に含んでの御考へであつたかどうか、此の點を先づ明かにしたいと思ひます、恐らくそれを含んで居るものとの御答辯を得ると致しますならば、此の立案の趣旨が間違つて居るのでありまして、此の外にまだ我々議員に對して旅費とか、或は滯在費の實費支辨と云ふやうな經費の支出が必要であると云ふ結論に相成るのでありますが、さうしたことに付ての政府の御見込、腹案がありますかどうか、それを御聽かせ願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=47
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048・今井一男
○今井政府委員 一寸先程觸れましたやうに、歳費と云ふ觀念は、議員と云ふ特殊な身分、國民代表と云ふ特殊な身分と云ふものに著目致しまして、それに對する特別の報酬と云ふやうな考へ方でございます、普通の官吏などのやうに、どれだけ働いたからどれだけやると云ふやうなものよりも、身分的な色彩が非常に強い給與だと私共は考へて居ります、今囘の手當は、無論物價の事情に即應したものでございますが、便宜上、議院法をいぢるやうな關係其の他から、技術的な面もありまして、特に手當と致したのでありますが、性質はやはり歳費の延長と考へて原案を作成した次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=48
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049・上塚司
○上塚政府委員 今の今井政府委員の御答へを補足致します、先程來申して居ります通りに、今度の手當の決定は暫定的なものでありまするが、其の標準とする所は、官吏の最上位と云ふ所にある、さうして議員は、從來の例から申しますると、特別の事情のない限り會期三箇月と云ふことが常例となつて居ります、今度のやうに臨時議會が數囘續くと云ふことになると、それが長くなつて參りますけれども、從來は三箇月と云ふことを常例として居る、官吏は一年中殆ど一日も缺けることなく役所に勤めて居りますが、議員は自由な時間も會期以外には隨分あるのでありまするから、さう云ふ點も考慮しまして、大體の所此の邊の所で宜からうと云ふ所に、目安を置いたやうな次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=49
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050・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 大體政府の意圖する所も、御説明に依つて能く分るのであります、併し我々の此の問題に對する議論の點は、前に私が申上げた通りでありまして、此の點に付ては、まだはつきりした御答辯がありませぬが、幸ひ法制局長官も居られることでありますから、法制上どう云ふやうな方法で我々の意圖する所を現はすことが出來るか、又政府としては其のことに付て現在考へて居るかどうかに付て、一つ御答辯を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=50
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051・入江俊郎
○入江政府委員 今囘の手當の問題に付きましての御尋ねがあつたのでありますが、千五百圓と云ふ金額に付ての問題は、今大藏省の政府委員から縷縷申上げましたやうな譯で、根本的な國會議員の給與と云ふことに付ては、今日考へる時期でもありませぬので、取敢へず千五百圓と云ふやうな手當を創設した譯であります、其の點は、結局實質的には歳費の變形のやうなものであるけれども、併し千五百圓と決めた金額の基礎に付きましては、何分にも今日經濟状況も變動し、物價も色々と動いて居るのでありますから、是で十分であるとか、或は是が一番的確であるとか云ふやうに、積極的に説明することは困難を感ずるのであります、併し大體の目安として、此の程度で暫くの間行つたならば、大體目的を達するのではないかと云ふやうな大掴みの見當で、御承知を願ひたいと思ふのであります、尚ほ今御話の根本的な問題と致しましては、新しい國會法に於きまして、相當の額の歳費若しくは手當の規定をする必要があるのであらう、之に付ては今日法制調査會に於きまして、諸外國の例も成るべく調べることに致しまして調査を進めて居ります、「アメリカ」あたりの歳費に付きましても、調べて見た所に依ると、相當の額を給與して居る、傳へる所に依ると、最近又若干の値上げをしたと云ふことも聞きましたけれども、何分にも勝つた「アメリカ」と負けた日本とでは、同じ扱ひも出來ませぬので、新しい國會法に於きましてどの程度に決めるかと云ふことは、目下檢討中で、積極的に申上げられませぬが、又是は國會法に付て、兩院に於て目下研究中であると云ふことでありますから、それ等との間に十分連絡を取つて、議會側の御意見も十分參酌して考へて行きたいと思つて居ります、又歳費の外に研究費であるとか、或は又旅費であるとか、滯在費であるとか云ふものに付きましても、成るべく實際に副うた規定を作つて行くことが望ましい、今日としては斯樣に考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=51
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052・青木清左ヱ門
○青木(清)委員 只今の御答辯に滿足するのでありまするが、此の問題に付ては、將來の問題でなくて、今現實の問題に我々は當面して居るのであります、隨て本法の審議の上に於て、更に深く實際の滯在費の實費支辨、此の問題に付て、我々としても十分研究して見たいと思つて居ります、政府當局も一つ特に此問題を當面の問題、緊急の處置として、先づ考へて置いて戴きたい、然る上に於て、私は次の機會に此の問題に付て改めて質問を致すことに致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=52
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053・坂東幸太郎
○坂東委員長 本案の審議は次に繼續するとして、他の日程を延期することに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=53
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054・坂東幸太郎
○坂東委員長 それでは次會は明後十五日の午前十時に開きます、本日は是を以て散會致します
午前十一時五十五分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009010243X01419460813&spkNum=54
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