1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
東京都制の一部を改正する法律案(政府提出)
市制の一部を改正する法律案(政府提出)
町村制の一部を改正する法律案(政府提出)
府縣制の一部を改正する法律案(政府提出)
衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案(政府提出)
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昭和二十一年八月十六日(金曜日)午前十時三十七分開議
出席委員
委員長 中島守利君
理事 大塚甚之助君 理事 本多市郎君
理事 本間俊一君 理事 永江一夫君
理事 大原博夫君 理事 中野四郎君
理事 丸山修一郎君
岩本信行君 内海安吉君
小野眞次君 大久保留次郎君
細田忠治郎君 松永佛骨君
水口周平君 綿貫佐民君
小野瀬忠兵衞君 佐伯忠義君
宮村又八君 原國君
駒井藤平君 伊藤實雄君
笠井重治君 石崎千松君
伊藤幸太郎君 増井慶太郎君
八月十日委員中田榮太郎君及び磯田正則君辭任に付其の補闕として石崎千松君及び伊藤幸太郎君を議長に於て選定した
八月十五日委員竹谷源太郎君辭任に付其の補闕として笠井重治君を議長に於て選定した
出席國務大臣
内務大臣 大村清一君
出席政府委員
内務政務次官 世耕弘一君
内務事務官 郡祐一君
内務事務官 鈴木俊一君
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本日の會議に付した議案
東京都制の一部を改正する法律案(政府提出)
市制の一部を改正する法律案(政府提出)
町村制の一部を改正する法律案(政府提出)
府縣制の一部を改正する法律案(政府提出)
衆議院議員選擧人名簿等の臨時特例に關する法律案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=0
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001・中島守利
○中島委員長 前會に引續き會議を開きます、前會に於て各委員の御協議に依りまして、各黨に屬する修正事項を持寄りまして、之を協議統制しようと云ふ御意見が纏まつて居ります、本日はそれを實行したいと思ふのでありますが、御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=1
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002・中島守利
○中島委員長 御異議なしと認めまして是より懇談會に移ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=2
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003・会議録情報2
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〔午前十時三十八分懇談會に入る〕
〔午前十一時五十五分懇談會を終る〕
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午後一時三十五分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=3
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004・中島守利
○中島委員長 是より會議を開きます、午前の懇談會は一應終結しまして、さうして中野四郎君より内務大臣に對する質疑を保留されて居りましたから、此の際之を許し、續いて又懇談會に入らうと思ふのであります──中野四郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=4
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005・中野四郎
○中野(四)委員 先日御話をして置きましたやうに、私の總括質問に對しまして、其の當日私が已むを得ざる事情に依つてG・H・Qに參つて居りましたので、本日茲に各派共同の修正案の出ました此の場合に、御尋ねを致しますることは、聊か出し後れの、時期外れの感なきにしもあらずと思ひまするけれども、只今申上げましたやうな事情に依つて暫く時間を拜借致したいと存じます、私は内務大臣に、細かいことは一切省きまして、六つに亙つて御尋ねを致したいと思ふのであります
第一に地方制度の民主化の目的を以て今般立案せられました此の改正案は、大體に於て私は進歩的であると思つて居ります、併しながら眞に地方自治の完璧を期する爲には、尚ほ幾多の不備な點があると思つて居ります、其の第一は此の改正案が全然現在の行政區劃の改正に觸れて居ないことであります、「ポツダム」宣言受諾に依りまして狹められました日本は、高度の國内發展を要請される今日第二の廢藩置縣を斷行して、府縣の割據主義の惡さを一掃すると云ふことは、先達て總理大臣の施政演説に對する一般質問の際にも私から之を御質し致しましたが、内務大臣も我々の稍稍滿足する答辯を得て居ります、此の府縣割據主義の惡弊を一掃して、地方制度の改革の根本問題として、眞先に此の問題を取上げる考へが將來に於てあるかないかと云ふことを、先づ第一に内務大臣より伺ひたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=5
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006・大村清一
○大村國務大臣 今囘御審議を仰いで居ります地方制度改正案は、終戰後の我が國の現段階に立脚致しまして、民主主義の線に沿ひました改革を、出來るだけ積極的にやらうと云ふ立場で立案を致し、提案を致した次第であります、御尋ねの府縣の廢合と云ふやうな問題乃至は地方制度の組織、組立の上に於きましての拔本的な改革と云ふやうな點に付きましては、先に申上げましたやうな態度で以て臨みましたので、そこまでは手が著いて居ないのであります、其のやうな改革を致すと致しますれば、其の新組織に於きまして行政の能率を擧げると云ふ所までに何がしかの日時を要する、そこに行政能率の低下が起る處もあります、場合に依りますれば、一種の眞空状態の期間が起ると云ふやうなことも懸念されます、然るに緊迫した現下の我が國情に於きましては、其のやうなことが絶對あつては、國家の前途洵に心許ない次第もございますので、此のやうな點に考慮を致しました關係上、或る點に於きましては現状に妥協して居る跡が確かにあるのであります、併し今後日を經るに從ひまして、敗戰後の混亂状態、窮迫状態は逐次改善されて行くに相違ないのであります、又憲法の改正、又不十分なりとは雖も、今囘の地方制度の改正等に依りまして、政治社會其の他萬般の方面に於きまして、民主化が進んで參ると思ひます、其の時期に於きましては、更に一層の地方制度に於ける民主化も考慮しなければならぬものと思ふのであります、言葉を換へて申しますれば、今日御審議を願つて居ります案は、第一次の民主化と云ふやうに實は考へて居る次第であります、今後の情勢に依りまして成べく早い機會に於きまして、第二次の民主化案も用意しなければならぬものと考へて居ります、其の第二次の民主化案の立案に際しましては、只今御論議になりましたやうな點も、篤と考慮致して見たいと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=6
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007・中野四郎
○中野(四)委員 戰時中に行はれました地方行政協議會と云ふものは、大體に於て道州制確立の、所謂地方分權制度確立の含みを持つたものと私は信じて居ります、其の地方行政協議會と云ふものは、一體成果を擧げたと思召すか、餘り成果がなかつたものと思召すか、内務大臣の御考へを率直に御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=7
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008・大村清一
○大村國務大臣 十八年の八月に地方行政協議會が出來まして、其の後御承知のやうに戰局が緊迫して參りまして、本土上陸作戰も行はれさうな模樣になりました時期になりまして、此の協議會を更に強化致しまして、同一區域を以て地方總監府が出來たのであります、是等は戰時中に於ける要求に基きまして、殊に地方總監府に至りましては、本土が上陸作戰に依つて分斷されましたやうな場合に於きましても、尚ほ各地方に於きまして行政の分裂を來さないやうに、統制を保つやうにと云ふやうな、戰時中の要求に合せる如く組立てられたのであります、さうして何れも其の運營を致しました期間は極めて短いのでありまして、又あのやうな緊迫した事態に於ける運營でありますので、其の成績を制度の上から見まして制度上から之を批判すると云ふことは困難であらうと思ひます、言換へますれば、あの制度は良かつたか惡かつたかと云ふことを、あの場合の經驗で判斷することは、事實困難であらうと思ふのであります、尚ほ又あのやうな機構制度は、平和日本の地方制度として考へました場合に於きましては、餘程深刻に批判をしなければならぬ點があると思ひます、是は全く行き方の違ひました、狙ひの違つた所でありますのであのやうな制度は平和日本建設の上に於きまして深く參考とするに値しないもの、今後の改革を考ふるに付きましては、飽くまでも平和日本、政治の民主化と云ふ面から新しい檢討をして、新しい構想で進まなければならぬものだと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=8
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009・中野四郎
○中野(四)委員 次に私の伺ひたいことは、大分本委員會で議論が盡されて居りますけれども、知事を公選してそれを公吏にしろ、官吏にしろと云ふ議論が大分出て居りますが、私は知事ばかり公選されても、其の他の内務部長であるとか、警察部長、經濟部長と云ふやうな、所謂地方の重要「ポスト」に居る者が内務大臣の指揮下にあつては、又任免權が内務大臣にあつたのでは、知事が浮き上つてしまつて、本當の自治行政は期待出來ないと思つて居る、宜しく此の際内務部長以下の各部長も、公選にしろと云ふことは無理かも知れませぬ、併しながら公選されて來る知事に是等の任免權を與へると云ふことは當然だと思ひますが、内務大臣は此の公選に對してどう云ふ考へを持つていらつしやいますか、又其の公選された知事に任免權を與へる氣持があるかないかと云ふことに付て、御見解を伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=9
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010・大村清一
○大村國務大臣 今囘提案致しました地方制度の改正案を立案するに當りまして、深く考慮致しましたことは、御承知の如く今日の地方制度に盛られて居ります仕事と云ふものは、府縣廳の仕事の中では極く限られた一部のものでありまして、殘る部分に付きましては、地方制度以外の法令に依りまして動いて居る點なのであります、地方行政を民主化すると云ふことになりますと、單に地方自治制度のみならず、府縣廳に動いて居ります他の法令も同時に民主化すると云ふことが、是は最も望ましいことでありますが、何に致せ、組閣勿々著手致しまして、初めて此の議會に提案が間に合ふと云ふやうな時間的制約もありましたので、内務省の所管して居ります所の地方自治制限の民主化に付きましては、御覽の通りの案を得ることが出來たのでありまするが、尚ほ他の點に付きましては、内務省所管外にも關係して居る所が多いのでありまして、まあ間に合はなかつたと云ふのが率直に申しましての内情であります、それならば其のやうな不徹底なものをなぜ出すかと云ふことになりますると、是は日本民主化の上に於きましては、國政と同時に地方制度も、民主化の線に「スタート」することが極めて適切であると云ふ所に鑑みまして、不十分ではございましたが、地方自治制度の改正案を提案致した譯であります、隨てそこに色々理論の上から申しましても、理想の上から申しましても、不十分な點が殘つて居るのであります、只今御指摘になりましたやうな、知事を公選として居りながら、府縣廳の職員組織が依然として官吏組織で殘つて居ると云ふ點は、是は地方官官制、其の他地方自治制度以外の法令で規制して居る部面であります、是等の點に付きましては、知事を公選しますと同時に、府縣廳の職員組織を全部解體致しまして無統制にすると云ふことは、自治の發達の上、地方行政の發達の上に於きまして、決して望ましいことではないと思ひます、故に成べく近い機會に於きまして、府縣廳の職員組織に付きましては、新しい考へ方に適合致しました組織を作らなければならぬと思ふのであります、恰も東京市制時代に於きまして、東京市役所に於きましても、市吏員の組織に付きましては一定の基準、準法が出來て居りましたと同樣なことが考慮さるべきものと思ふのであります、是は新憲法に依りますれば、公務員法と云ふやうなものが、必ず早急の間に立案されなければならぬことに相成つて居ると思ふのであります、それ等のものに於きまして必ず考慮しなければならぬものと考へて居るのであります、唯さう云ふ準備が整はないからとして、今日の府縣の組織を全部據り所のない、放任に任す譯には行くまいと云ふやうに考へて居る次第であります、而して公選知事が府縣の職員を自分一存限りで任命をすると云ふことは、是は將來に於ては必ず考慮しなければならぬ問題と思ひまするが、現段階に於きましては、先程來申上げますやうな理由で、府縣廳の職員組織に官吏制度を存置致して居る、官吏制度を存置する以上は、現行憲法の下に於きまして、所謂二級官以上の官吏の任命は、天皇の御任命に俟たなければならぬと云ふことに相成つて居る、そこで實際問題としてそこに如何なる調和を求めるかと云ふことに付きまして考慮致しました結果、度度御説明申上げましたやうに、從來地方官官制等に於きましては、府縣廳に於ける部下の官吏に付きましては、知事は考課を具状すると云ふだけの權限しかないのでありまするが、地方制度改正に當りましては、公選知事は其の身分が官吏となりまして、部下の官吏の進退に付きましての具状權を制度上付與致しまして、さうして實際の作用は府縣知事が部下を自由に進退するのと、大體同じ效果を收めるやうに運用致すと云ふことで、進退の具状權を公選の知事に付與すると云ふことで、そこに調和を求めると云ふことを致して居る次第であります、併し是は先程來申上げますやうに、地方自治制度以外の、他の諸法令の民主化を急ぎまして、其のやうな具状權だけでは十分自由に任用すると云ふ所まで行かないではないかと云ふやうな不便な點は、成べく近い將來に於て一掃すると云ふことに致す所存で居ります、尚ほ現在では府縣の廳に付きまして、府縣の高級職員に付ては知事だけが公選になつて居りますが、更に今後の研究に依りまして、或は副知事を置く、或は總務部長を置くと云ふやうなことになりますれば、知事の最高補助者、府縣知事の政策を決定する場合に、政治的に強く參與致すやうな機構を作りました場合に於ては、是等も法律を以て公選とすることも、併せて考慮すべき問題と考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=10
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011・中野四郎
○中野(四)委員 本法案を通じて制度としての地方自治の民主化は、一應體裁だけは肯かれるやうでありますが、其の運營の衝に當る役人の任免權を、内務大臣が握つて居る限りは、實質的には中央集權的官僚行政を一掃し難いと云ふ印象を、拭ふことは出來ないやうに思へる、そこで内務大臣はもつと大幅に、百尺竿頭一歩を進めて、其の地方自治に關する人事權、或は監督權と云ふものを抛棄する御氣持があるかないか、伺つて置きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=11
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012・大村清一
○大村國務大臣 地方行政の上に於きます諸般の民主化が進みました場合に於ては、公選知事が部下の吏僚の進退を銓衡することになることは必然であらうと考へて居ります、そこまで行く中間の過渡的問題としては、曩に申上げました如く現行憲法に於ては、二級官以上の官吏は天皇の御任命に依る、隨て公選知事が部下の官吏の進退に付て、具状を致して參りましたならば、内務大臣はそれを内閣に取次ぎ、内閣に於て奏上御裁可を經て任命を見ると云ふやうな手續は、從來の通り致さなければならぬことでありますが、苟くも公選知事に進退の具状權を與へます以上、又今後の地方行政の運營は、公選知事を中心として人事行政もやつて行くと云ふことに必ずなるのでありますから、それ等の實質に鑑みまして内務大臣は十分、府縣知事の進退の具状權を尊重して、人事の運用を致す所存であります、尚ほ今後の政治は所謂政黨政治、議會政治に相成ることでありまして、政府各省の運營の仕方も、從來の官僚政治とは餘程違つた行き方をすべきことは政治上の必要でありまして、曾ての官僚政治のやうなものが、必ず續くと云ふやうには私は考へて居らない次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=12
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013・中野四郎
○中野(四)委員 三項目に亙つて伺つた中の後の二項目は、大體私内務大臣の氣持が分つたやうに思ひますが、之を總括して御答へを頂戴したいと思ひます、眞の民主化は制度を民主化しただけでは迚も實現しないことは、申すまでもないことであります、私は現在の我が選擧法は、制度としては、殆ど世界の民主主義國にも劣らないやうな高度性を持つて居ると思ひますが、之を運營する有權者の政治的な教養の水準が高まらなければ、本當の民主政治は實現しないと同樣に、地方制度の民主化が制度としては一應整つても、實際に之を運營する府縣官僚の心構へが、舊態依然たる官僚獨善では何にもならない、此の戰時中の所謂官僚獨善に陶醉して、現に其の二日醉の醒めない感じのある官僚の其の惡い精神を鍛へ直し、官僚の爲めの人民でなく、人民の爲の官僚であると云ふ性根を叩き込むと云ふか、此の根性の叩き直しは、決して私は一片の訓令や公務員法の如きものでは出來ぬと思つて居ります、そこで獨善的、非民主的言辭や或は行動をするやうな官吏がありました時に、直ちに其の地位を失はねばならぬと云ふ位の、實質的な脅威を痛感せしめるやうな方法が一つの手段ではないかと思ひます、さう云ふ手段でも講じなければ、之を叩き直すことは中々出來ぬと思ひます、此の意味で惡い官吏が各縣廳に就任して來た場合、其の土地の水に合はぬと云ふか、住民の意思を蹂躙し、今申上げたやうな非民主的な言辭や行動をするやうな官吏に對しては、住民に其の彈劾權を與へる、所謂府縣廳の官僚にも適用するやうな方法を採つたらどうかと私は思ふのです、若し直接の彈劾權行使が事實上に於て支障があると云ふならば、住民に依つて選ばれて居る所の府縣會議員に依つて、一定の條件の下に不適當な官僚を追放するやうな仕組をする意思があるかないか、之を一つ内務大臣から伺つて置きたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=13
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014・大村清一
○大村國務大臣 此の地方自治行政の上に於きまする人事行政に付きまして、政策面に關與致しまする職員に付ては、今囘の地方制度改正に依りまして、所謂召還權を有權者に與へると云ふことで其の目的を達しようとして居るのでありますから、政策面に關聯を持たざる所謂事務吏僚に付きましては、そこまでの手配は致さないことにして居ります、併し之に付きましては政治性を持つて居りまする所の公選知事も出來ることでありますし、又地方公共團體の事務吏僚も、是は有權者人民の爲の吏僚でございます、隨て其の行動なり、考へなりが人民の公僕として許すべからざるものでございましたならば、或は住民から、或は選擧民から、或は意思機關から適當なる進言が、時々刻々政治性のある公選知事に持込まれるものと思ひます、そこで公選知事の判斷に依ることとする、現在の制度で申しますならば、進退の具状の基礎を定める、其のやうに運用されて行くことが、即ち民主的運營であらうと思ふのであります、現在の制度に於きましては其のやうな狙ひに於きまして、事務吏僚に付ての彈劾權と云ふやうなものは、特に法定は致さないことにして居ります、併し只今御述べになりましたやうな點に付きましては、第二次改正以降に於きまして、尚ほ能く考慮を致して見たいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=14
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015・中野四郎
○中野(四)委員 私は大村内務大臣とは洵に不思議な御縁で、昭和十七年以來東京市會でも、當時の高級助役として、我々は一市會議員として、お亙ひに努力をし合つて參つた一人でありますが、そこで私伺ひたいのは、東京都制と云ふ特別の都制が布かれて居ります、此の點に關して特に大村さんは第一助役當時苦心をされた一人でありますので、私は大村さんから、此の都制が特に制定されて居る所の意義を此の際伺ひたいと思ひます、詰り東京に都制が制定されなければならなかつたと云ふ意義を伺ひたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=15
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016・大村清一
○大村國務大臣 實は私當時東京市の助役を致して居りまして、東京都制の立案に付きましては一切關與を致して居りませぬ、唯政府の決定する所に從ひまして動いたに過ぎないのでありまして、其の邊の詳細な理由、事情等は私としては餘り深く知らないのでありますが、政府の見解と致しましては、寧ろ郡政府委員あたりから申上げた方が適當ではないかと思ひますが、如何でせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=16
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017・中野四郎
○中野(四)委員 私は内務大臣が御謙遜をなさるのか、或は緘して語らずとして、之に觸れぬ方が宜いと思召なのか、どちらとも取れるのでありますが、大村内務大臣が東京都制を制定する事情を能く知らぬのだと云ふことは私は嘘だらうと思ひます、少くとも岸本市長が、此處に本多君も居られるやうであるが、本多君から大變叱責をされた其の直後に於て、大村さんは明かに此の東京都制の制定に當つての意義を、私東京市の最後の豫算委員長を勤めて居つた當時、豫算委員會に於て説明をされて居ります、であるから、私は大體の概略を國務大臣から伺つて、而も此の立法當時の關係者として郡政府委員から承ることに躊躇するものではありませぬが、此の際忌憚なくあなたの當時「タッチ」して居られた立場から、東京都制を布かなければならなかつた譯を一つ御説明願ひたいと重ねて御願ひ申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=17
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018・大村清一
○大村國務大臣 先程申上げましたやうな次第で、政府の意圖して居りました所を正確に私は把握して居りませぬが、市役所に居りました者としての當時の考への主な點を申上げて見たいと思ひます、私は今から二十年位前に東京市に奉職を致して居つたことがあります、其の當時は東京市政と云ふものは全く自治的に、極めて旨く運營をされて居つたやうに思ふのであります、所が戰時中の助役に就任致して見ますると、二十年前の東京市の自治制の運營と同じやうな行き方を策して見ましても、中々思ふやうに參りませぬ、非常に障碍があるのであります、是は戰時中の戰時體制下でもございましたが、何處に最もひどく不便を感じたかと申しますと、經濟行政面に於きまして、何としても東京市は手も足も出ないと云ふ點があるのであります、即ち物資不足に基きまして、食料品の配給なり或は商工業品の調達と云ふやうな點に付きましては、東京府の經濟行政が強く市行政の中に入つて居りまして、非常に重大な部分を占めて居ります、其のやうなことは曾ての東京市行政に於てはなかつたことであります、經濟行政と云ふやうな點は民間の自由に任せて置いて足りて居つたのであります、東京市政の上に於きましては、經濟行政は唯之を奬勵するとか、助成をするとか云ふやうなことだけで事は足りて居つたのであります、所が助役時代に於きまする經濟行政と云ふものは、洵に市政の根幹をも制して居ると云ふやうな状態であります、そこで東京市民の爲に是等の點を圓滑に運營して行く上に於きましては、府知事の權限と市長の權限とを合一することが最も適當である、其の意味に於きまして東京都が出來ますることは甚だ望ましいと云ふやうに考へたのであります、唯東京都制と云ふものに付きましては、自治の面から申しますると、少からず自治の後退面もあるのであります、其の邊に付きましては必ずしも意に滿たざるものがありましたが、市政の能率ある圓滿なる運行、市民に對する市なり府なりと云ふものの行政上の責任と云ふやうなことを完逐致します爲には、府市の權限を合體したものにすることが、あの當時では最も必要であると云ふやうなことを痛感致しまして、政府に於ける都制の施行に對しても、根本的に敢て強き反對は致さなかつた次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=18
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019・中野四郎
○中野(四)委員 どうも私共には大村さんの御返事が滿足が行きませぬが、然らば東京都制を特別に布いて置かなければならぬと現在思召になりますか、東京都制を改めて一般府縣制竝みの制度に變へても宜いと云ふ御考へがあるかどうか、之を先に伺つて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=19
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020・大村清一
○大村國務大臣 東京都と一般府縣とに於きましては似た點もありますが、又中央政府の存在して居ります非常に大きな都市であると云ふやうな點に於きまして異つた點もあるのであります、其の特異性は何がしか考慮に入れた行政組織を作らなければならぬ點があらうと思ひますが、其の他に於きましては一般府縣と同樣な行き方をして先づ宜しいのではないかと考へて居ります、唯一般府縣でございますと、府縣の下に別に市があると云ふのが例でありますが、東京都に付きましては、所謂府市が一本になつた行政が打立てられて居り、又所謂統制經濟と云ふやうなものも、尚ほ其の必要は依然として存續致して居りますから、一本になりましたものを二つに分けると云ふやうなことに付きましては、寧ろ現状の儘の方が宜いのではないかと云ふやうな感想を持つて居ります、大體御質問になりましたと同じやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=20
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021・中野四郎
○中野(四)委員 此處においでになる郡君は、名前は「こうり」で實際は官吏で、此の都制案立案の關係者の一人なんですが、何遍御尋ねしても、時間を食ふだけでありますから、私の方で都制を布かなければならなかつた當時の實情を申上げて見ます、八十一議會に此の都制案が提案されました時に、某議員は、本案は戰時下に於て敢て提案を必要とする緊急法案なりやと云ふ質問をして居ります、之に對しまして當時の湯澤内務大臣は斯う答へて居る、一元的機構の下に、帝都に於ける各種の時局的事務其の他一般行政事務の敏活なる逐行を圖り、斯くの如くにして時局に對處し、帝都行政の萬全を期すると云ふことは、大東亞戰爭の完逐上眞に緊要なることと考へると答へて居ります、更に之に附加へまして、内務大臣の此の説明の要旨を申上げますれば、東京都制制定の趣旨と致しまする所は、之を要約致しますると、凡そ次の三點に歸著すると思ひます、其の一つは帝都たる東京に、眞に其の國家的性格に適應致しました確乎たる體制を確立することであります、其の二は帝都に於ける從來の府市竝立の弊を是正解消し、帝都一般行政を一元的にして、強力なる逐行を期することであります、其の三は帝都行政の運營に付き、根本的刷新と高度の能率化とを圖ることであります、思ふに我が東京は内地人口の約一割を擁する國内無類の巨大都市でありますのみならず、實に我が國の帝都としての比類なき國家的意義と重要性とを持つて居ります、更に今日に於きましては大東亞建設の本據として、全世界に其の大なる地位を占むるに至つて居るのであります、隨て之を單なる一地方都市乃至一地方として經營致しますることは、根本的に其の性格に適應せぬものと存ずるのであります、宜しく其の國家的意義と性格とに適應する確乎たる體制を確立すべきである、それが大東亞建設の基礎を固うする所以の根本策であると考へるのであります、以下は略しまするが、大體只今の内務大臣の説明要旨を進めますれば、大東亞戰爭に必勝の體制を確立すると云ふことが一つ、それから日本で八百萬を擁する所の所謂日本人口の一割を算する大都市であるが故に、之を東京都として特別なる都制を布くと云ふ觀點が一つ、更に今一つは東京市と府の二重行政を簡素化すると云ふ、此の三點に、歸著するやうに私は思ふのであります、今囘の改正憲法に於きましても、戰爭を抛棄すると云ふことは重大なる意義を含んで居るのでありますが、斯くの如く東京都制と云ふものは戰時中に立法提案されたものであつて、其の意義たるや實に必勝體制の確立と、大東亞建設の所謂基本要地としての意義を持つて居たのでありますが故に、私は戰爭後に於ける今日の東京は、以前の東京都を廢止して一般府縣制並みにして、其の在り方をして今までの戰爭體制と云ふものから脱却するの必要があると思ふのであります、此の點に關しまして私は内務大臣に御尋ねを申上げたが、中々仰しやらない、斯う云ふやうなことは仰しやらない方が宜いかも知れぬけれども、私は此の三つの觀點から東京都制と云ふものを制定されたものと致しまするならば、少くとも東京都制と云ふものは、此の際自治の民主化の建前から云つても、一應解消して一般府縣制度並みに確立すべきものであると考へるのでありますが、内務大臣は此の前任大臣の此の提案の理由と睨み合せて、今日の東京都制と云ふものを尚且つ必要と御考へになつて居るかどうか、此の點を篤と承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=21
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022・大村清一
○大村國務大臣 東京都制が施行せられました所以は、只今當時の政府責任者の理由を御述べになつたのでありますが、私も其の通りであらうと思ふのであります、併し終戰後の今日になりまして、それと同じことを繼續して行く必要はありませぬ、又戰爭體制を強化すると云ふやうなことは必要がなくなつたのみならず、平和國家として日本が立つて行きます以上は、そこに大轉換が策されなければならぬことは申すまでもないことであります、そこで今囘の地方制度改正に於きましては、總ての點が悉く整つて居るとは申上げ兼ねるのでありますが、根本の點に於ては轉換を致して居ると思ふのであります、即ち國家的統制を東京都に對しまして深く加へて行かなければならぬと云ふ點に付きましては、一般府縣と同樣に、東京都の首長も公選にすると云ふことに依りまして、國家的統制のみに執著致しませぬ自治制を、そこに強く取入れた積りであります
尚ほ次の點と致しまして、府市併存の弊と云ふ點に付きましては、前にも申上げましたやうに是は單に、東京に於けるのみならず、大阪其の他の大都市に於きましても多年の要望もあり、所謂特別市制の問題も此の點に強く根據を置いて居るのであります、東京都に付きまして府市併存の弊を復活することに付きましては、餘程考へてやらなければならぬのであります、今日の状態に於きましては、府市行政を一本に致しました東京都の形は適當なのではないか、適當であらうと考へて居ります
尚ほ行政の能率化を圖ると云ふことが、當時の都制立法の一大理由のやうでありましたが、私は此の點に付きましては、果して都制が布かれた結果、能率が非常に向上したと云ふだけの成果を收めて居るかどうかと云ふ點に付きましては、多少の疑問を持つて居ります、是は制度其のものは能率化になつて居りますが、まだ其の運用に習熟しないと云ふ所に原因があるのかも知れませぬ、或は又目標は結構でありましても、やり方に於きましてそれ自身適切でないと云ふ所が殘つて居るかも存じませぬが、私は此の第三點に付ては、必ずしも成功して居ないのではないかと云ふ疑問を持つて居るのであります、併し此の公選都長の下、新しい氣持で以て東京都制を運營して行くと云ふことに相成りますると、是等の點に付きましての改善も、必ずなされるやうになるものと思ふのであります、又しなければなるまいと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=22
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023・中島守利
○中島委員長 中野君、まだ御質疑がありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=23
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024・中野四郎
○中野(四)委員 甚だ皆さんに恐縮だと思ひまするが、もうあと一項目だけであります、御許し願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=24
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025・中島守利
○中島委員長 宜しうございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=25
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026・中野四郎
○中野(四)委員 只今の内務大臣の御答辯に依りますると、私の御尋ねを申上げた東京都制を施行した意義と、どうも御答辯がぴんと來て居らない、それは何と申し上げましても、都長官を公選したと云ふことだけで、是だけの大きな理由を持つた東京都制が、私は一遍に民主化されるとは考へられない、而も其の第二要素としての人口が、日本人口の一割を占める八百萬の當時に於きましては、府縣市行政の煩瑣も考へられましたけれども、今日の如く東京都だけで三百萬乃至は二百五十萬の人口で抑へると云ふやうな計畫のある折柄に致しますれば、尚更のこと之を眞に民主化する意味に於きまして、先づ東京都制と云ふ特別の制度を廢止して、さうして府縣制を布く、隨て其の都制下にある所の跛行的な市の存在、立川或は八王子と云ふ存在を是正し、乃至は都の區と云ふやうな、全く都の附屬化したやうな畸型兒をして、完全自治、所謂獨立をせしめると云ふやうな構想が、内務大臣になくちやならぬと云ふことを私は御尋ねしたかつたのであります、此の點に付ての御答辯がどうもぴんと來ませぬので、今一應、東京都制をあなたは妥當と認めるか、事實上に於て是は將來に於て改善しなければならぬかと云ふ點に付て、簡單で結構ですから御答辯が願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=26
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027・大村清一
○大村國務大臣 區の性格等に付きまして御意見がございましたが、私は必ずしも、區を完全自治體で獨立させることが適當だとは考へて居ないのであります、此の點に付きましては尚ほ能く研究を致して見たいと思つて居ります、尚ほ其の他の點に付きましても、先程來申上げます如く、今囘の地方制度改正に付きましては、第一次的改正とも申すべきものでありまして、總ての點に向ひまして完全なる檢討が加へられて居ると云ふことは、遺憾ながら申兼ねるのでありまして、今後更に能く考慮致しまして、第二次的の改正も成べく早い機會に於てやり、總ての地方制度が、成べく早い機會に於きまして、民主化の大目的を達成し得るやうに革新をして行きたいと考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=27
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028・中野四郎
○中野(四)委員 内務大臣の答辯の巧さには、私實は昭和十七年以來、一年間のあなたの速記録をすつかり調べて見ました、東京市會の本會議及び委員會に於ける速記録をすつかり調べて見ましたが、一つも尻つぽの掴まれるやうな點が殘つて居らぬことは、稀有の名官吏だと私は思ふのでありまするが、唯一つだけ昭和十八年二月二十七日の本會議に於きまして、あなたは斯う云ふことを仰しやつていらつしやいます、甚だ申譯ないが、現在の區の問題であります、次に區役所の教育課の復活でございますが、實は昨年の九月に、區役所の職制を戰時體制化することが適當であらうと存じまして之を改正した云々と云ふことに付て、約十分ばかり御喋りになつていらつしやる、此の中に内務大臣が區役所をば戰時體制化すると云ふ點を私は取上げて言ふのではありませぬが、其の後區役所が戰時體制から解放されたと云ふやうな實例を、私は現在牛込の區會議長をして居りまするが見受けて居りませぬ、依然として戰時體制の儘で以て來て居られる、特に私が此の際申上げたいことは、今の教育の問題でありまするが、曾て自治體と學區とは性格を異にする別個のものとして存在して居つたのであります、自治區が學區に關する豫算其の他の權限を委託せられ、事實上に於ける末端教育行政の適正なる助長に貢獻をして居つたことは、能く市の助役として御存じのことだらうと私は思ひます、然るに之を廢して都の管理に移された結果、兒童教育に付ては區民との脈絡を缺いてしまつた無味乾燥なものとなつて居りまするが、區も市町村に準ずるやうに、幼稚園初め國民學校、青年學校、實業學校などの、維持管理の權限を、更に再び移管するのが適當ではないかと思ふ、當時のあなたの御考へ、あなたの口から出た言葉の上から見ましても、區役所は從前の如く戰時體制化された儘でありまするが、之を改善して、所謂區に教育行政に關する權限を移管する氣持があるかないか、附與する氣持があるかないか、最後に一つ伺つて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=28
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029・大村清一
○大村國務大臣 教育行政の民主化に付きましては、是は政府としても確かに考慮改善しなければならぬ重大な使命であらうと思ひます、而して此の點に付きましては、其の主管省たる文部省を中心に致しまして、直ちに調査考究に著手することに相成つて居ります、尚ほ教育と地方自治體の結付きに付きましても、内務行政の立場から申しますと、教育位國民生活に、又住民に關係の深いものはないのでありますから、是等は自治行政の内容に、大いに取込むべきものの一つであらうと云ふやうに考へて居る次第であります、尚ほ區と教育との關係に付きまして、只今申上げました面に於きましては、大いに取入れられなければならぬ問題でありますが、一面に於きまして、東京市の過去の實際から申しまして、教育費支辨の區と致しますと、そこに財政的には十分考慮をしなければならぬ點があるのであります、此の解決方法は必ずしも現在の如く、區から教育權を取去つて市に持つて來ると云ふことでなくても、解決法はあり得るのであります、併し現在は仰せの如く取上げられたと云ふやうな結果になつて居りますが、是等の點に付きましては内務省と致しましても、十分考慮、努力しなければならぬことと思つて居ります、併し此の點に付きましては先程申上げましたやうに、文部省の主管して居ることであります、御指摘の學區の問題の如きも、是は文部省所管の問題であります、私共政府の一員と致しまして、自治行政と教育行政の結付きに付きましては、十分努力を致さうと云ふやうに考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=29
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030・中野四郎
○中野(四)委員 御答辯は大體に於て私の滿足する所は一つもありませぬ、承り置く程度より外にないと思ひます、本日委員長の手許まで修正案を出して居ります、都竝に區に關することに付て、本來ならば相當微細に亙つて御尋ねを申上げようと思ひましたけれども、先に廣川君が之に對して相當突込んで質問されて居るやうでもあります、況や私は修正案を特に出して居りまするので、此の微細に亙つての話は、又次の討論の際に之を讓つて、私は概略の御尋ねを以て終りたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=30
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031・中島守利
○中島委員長 是より懇談會を再開致したいと考へます、御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=31
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032・中島守利
○中島委員長 それでは是より懇談會に入ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=32
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033・会議録情報3
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〔午後二時三十分懇談會に入る〕
〔午後三時十分懇談會を終る〕
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午後三時十二分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=33
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034・中島守利
○中島委員長 開會致します、懇談會の結果に依りまして明日午後二時より理事だけ集まります、次の開會日は公報で御通知を致します、本日は是にて散會致します
午後三時十三分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009012722X01319460816&spkNum=34
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