1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
復興金融金庫法案(政府提出)
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昭和二十一年九月十一日(水曜日)午前十時四十三分開議
出席委員
委員長 高橋泰雄君
理事 寺尾豐君 理事 平岡良藏君
理事 町田三郎君
石原圓吉君 殿田孝次君
村上勇君 苫米地義三君
舟崎由之君 本間俊一君
藤田榮君 松本七郎君
森三樹二君 木下榮君
藤井正男君 竹山祐太郎君
岡田勢一君 福田繁芳君
出席國務大臣
商工大臣 星島二郎君
大藏大臣 石橋湛山君
出席政府委員
大藏事務官 福田赳夫君
大藏事務官 子爵 渡邊武君
大藏事務官 三井武夫君
農林政務次官 大石倫治君
農林事務官 石川準吉君
商工參與官 小此木歌治君
商工事務官 鈴木重郎君
商工事務官 三木秋義君
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本日の會議に付した議案
復興金融金庫法案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=0
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001・高橋泰雄
○高橋委員長 是より會議を開きます、前會に續いて質疑を續行致します――福田繁芳君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=1
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002・福田繁芳
○福田委員 私は丁度此の委員會が始まりました時に、外の二、三の委員會と重複致しましたので、今日まで出席の成績が非常に惡くて申譯なかつたのでありますが、左樣な譯でありましたから、私から伺ひたいと思ひますことは、同僚二、三の委員に御願ひ致しまして、其の諸君から詳細に御伺ひを願ひましたので、最早私の質問は盡きた嫌ひがあるのであります、唯昨日から實際部門に亙つて居る方面から質疑がありましたので、或は是が又本委員會に於て重複するかも分りませぬが、大藏大臣に其の點伺ひたい、斯樣に思ふのであります、本案に經濟の復興と云のがありまするが、大體過日來の委員會で分りましたが、單なる商業金融とか、或は株式維持資金、左樣な方面も含まれて居りまするかどうかと云ふことを伺ひたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=2
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003・石橋湛山
○石橋國務大臣 御尋ねの點は、商業金融も含まれて居ります、それから單なる株式維持資金、是は實は初め此の金庫で株式を持てるやうにしようかと云ふ話もあつたのでありますが、もう其の必要はあるまいと云ふので、落した譯でありますが、必要のある場合には無論株式の方面に對する金融も行はれます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=3
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004・福田繁芳
○福田委員 只今までで第一問が分りましたから、もう一つ伺ひたいのであります、此の法案が過日上程されて以來、一般産業人に於て、どうしても日本の國の再建は經濟からである、經濟を再建させるのにはどうしても適正なる資本を注入しなければいけない、偶偶左樣な時期に斯う云ふ法案が上程されたので、聞く所に依りますれば、一般中小商工業から相常なる融資の申入れが、日本興業の復興金融金庫課と申しまするか、左樣な方面にあるやうにも聞いて居ります、尚又融資も續々と成り立つて居ると云ふことも聞いて居るのでありますが、一應參考までに、昨今までに於きまする所の融資の申込の業種別竝に其の申込金額、同時に成立した所の業種別竝に申込金額なり、融資金額、斯樣な點を伺ふことが出來れば、今後經濟立直しに非常に參考になるのではなからうか、斯樣に思ふのでありますが、御伺ひしたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=4
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005・三井武夫
○三井政府委員 八月中に日本興業銀行から、特別融資と致しまして實行致しました貸付の状況を申上げます、設備資金に於きまして、件數で二件、金額に致しまして二百九十九萬二千圓、それから運轉資金を貸付けましたものが、件數で三十二件、金額で三千八百八十七萬九千圓ございまして、此の合計が三十四件、四千百八十七萬一千圓になつて居ります、之を貸付金額の金額別に致して見ますと、百萬圓以下のものが非常に多いのでありまして、二十四件で六百五十七萬一千圓、それから百萬圓以上のものが十件で、三千五百三十萬圓と云ふことに相成つて居ります、それから之を業種別に内譯致して見ますると、運轉資金に於きましては、機械器具工業が十六件ございまして、二千三百六十八萬三千圓、それから鐵鋼業が四件で六十四萬七千圓、鑛山業が二件で三百四萬二千圓、それから土木建築業が二件で四十五萬圓、運送業が二件で三百二十萬圓、それから木工業が一件で四萬圓、石油精製業一件で七百萬圓、造船業で一件で四十八萬五千圓、化學工業一件で十五萬七千圓、雜業二件で十七萬五千圓と相成つて居ります、設備資金の二件は漁船建造費が一件で二百萬圓、それから鑛山精錬設備費一件で九十九萬二千圓と云ふことに相成つて居ります、それから念の爲に地方別の内譯を申上げますと、是は興業銀行の店別に致して居りますが、東京の本店で扱ひましたものが八件で二千萬四千圓、是は全部運轉資金でございます、それから大阪で扱ひましたものが十件ございまして千五百八十二萬圓、其の内設備資金が一件で二百萬圓、それから運轉資金が九件で一千三百八十二萬圓、それから名古屋で扱ひましたものが五件ございまして三百七十三萬圓、其の中設備資金が一件ありまして九十九萬二千圓、運輸資金が四件で二百七十三萬八千圓、それから靜岡の店で扱ひましたものが、運輸資金二件で十萬圓、神戸が運輸資金一件で十萬圓、福岡が運轉資金四件で百七十四萬三千圓、富山が運轉資金二件で十九萬七千圓、廣島が運轉資金一件で十三萬五千圓、北海道が同じく運轉資金一件で四萬二千圓と云ふことになつて居ります、此の數字は九月の四日までに興業銀行の本店の方で取纒めた、數字でございまして、其の後に融資を實行して居るものもございますので、報告の集り次第又適當な機會に申上げたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=5
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006・福田繁芳
○福田委員 只今つい最近までの模樣を具さに承はることが出來ましたので、非常に結構と存ずるのであります、今も御報告せられましたやうに、本金融金庫を利用するものが、總ての職別と申しますか、總てを網羅して居る、同時に又地域的に致しましても全國的に分布されて、全國的にそれを御利用されて居られると云ふ點に於て、非常に本法案の趣旨に副ふやうで、幸先きが非常に好いやうに私は思ふのであります、併しながら是からは相當な方面から色々なる金融の申込もありますので、今後之を運營して行くに從ひまして、過般來問題になつて居りまする本金融金庫の委員會の構成に、少くとも關係諸大臣は愼重に御考慮下さいまして、ともすれば公正を缺くとか、或は官僚の派閥だとかに囚はれて、折角の此の復興金融金車の趣旨を蹂躪し、それが爲に一面「インフレ」を増強すると云ふやうな結果にならないやうに、是非とも御願ひしたいのでありまして、左樣なことに對してはどう云ふ趣旨を以てやられるかと云ふことを最後に大藏大臣に伺ひたいと思ふのであります、過般來の委員會で、或は本會議でも大藏大臣から御話がありましたが、今申しましたやうに、次々と斯う云ふ利用者の申込があるに從ひまして、巷間聞く所に依りますれば、此の復興金融金庫は機構が宜しきを得なくて、それが爲に銀行の不良借金の轉換になつたり、或は又閉鎖金融機關の職員の救濟機關になりはしないかと云ふことが、非常に噂として耳に入るのであります、左樣でございますれば、折角相當なる熱意と犧牲を覺悟の上で、本案を以て日本の産業を再建せんとする趣旨に反するやうな結果になるといけませぬから、左樣な點に付ての大藏大臣の御方針をもう一度伺ひまして、是で私の質疑は終りたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=6
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007・石橋湛山
○石橋國務大臣 此の金庫が、從來の銀行の何か不良貸の肩代りでもするのではないかと云ふやうな疑ひがあるやのことは、一寸私も耳に致しましたが、此の金庫の構成の上から見まして、私は左樣なことはやらうと思つても出來ないと考へて居ります、それから委員會は只今愼重に人選を致して居りまして、成べく産業界の實情に通じ、而も公正に日本の經濟のことを心配して呉れる人達を一つ委員になつて戴いて、屡次申上げますやうに、主要なる貸付、或は又全體の方針と云ふものを、強力なる委員會の意見に依つて決めると云ふことに致しまして、單に金庫の經營者が勝手にやると云ふやうなことの出來ないやうに致したい、是は十分に政府としても考へて居る次第であります、出來るだけのことは致して居り、又致す積りでありますから、どうか御安心を願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=7
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008・高橋泰雄
○高橋委員長 石原圓吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=8
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009・石原圓吉
○石原(圓)委員 差當り關連を持つ問題と致しまして、終戰後鹽の製造は、專賣局が主管であつたのでありませうが、各府縣へ澤山の助成金を與へ、鹽の製造を奬勵した、それが最近に至つて、途中で助成金を打切ることになつたと云ふことであります、それに對する大體の事情を承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=9
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010・石橋湛山
○石橋國務大臣 御承知のやうに、戰時中から鹽の輸入が困難になり、同時に又國内の專業鹽田の鹽の生産が非常に激減致しました等の爲に、どうしても國民の生活、生命の維持の必要上、少くも食料鹽は急速に何とかしなければならぬと云ふので、實は相當無理な仕事であつた譯でありますが、自給製鹽の奬勵を致しました、又終戰後も引續いて同樣の事情がありましたので、自給製鹽をやつて參つたのであります、是は鹽の輸入が漸次可能になるに從ひまして、其の中の最も不經濟の部分は、是はどうしても整理をしなければならぬ時期に、漸次入りつつあつた譯であります、其の研究を專賣局に於て致して居りまして、自給製鹽の今後の整理に付て、色々方策を取つて居つたのであります、其處へ實はG・H・Qの方からも色々意見が出まして、先方とも打合せまして、最近經濟的に引合ふもので、又近い中に設備が出來上り、生産が出來るものに限つて之を專業鹽田にする、今までの自給製鹽を專業鹽田に資格を變へまして、其の生産物は、今までの專業鹽田の鹽と同じやうに專賣局で買上げまして、之を配給の「ルート」に入れる、それからそれは或る資格を備へて、今後繼續して鹽の生産をさせることが出來ると云ふ見込の立つものであります、殊に石炭の消費量、電力の消費量と云ふものに於て、非常に澤山の石炭を使ふとか、非常に澤山の電力を使ふと云ふものは、過剩電力の場合は多少違ひますけれども、大體に於て引合はない、其の一定の資格のあるものだけを專業鹽田に引上げる、但し其の中で補助金を既に出して居るものもありますし、又出さないものもある、補助金を出しませぬ分は是は鹽の買上値段に於て調節する、さうして經營が繼續するやうに致さう、斯う云ふ大體の方針であります、それから其の資格に嵌らないものが實は出て來る譯であります、さう云ふものは專業鹽田にはすることが出來ないのでありますが、併し暫くやはり自給製鹽制度を殘しまして、輸入すると云つてもまだ本當に輸入の目途が立つて居る譯ではありませぬので、鹽はやはり窮屈だと思ひますから、經營の出來るものは自給製鹽制度を暫く殘して製鹽をして貰ふ、さうして今までやり掛けました設備、或は出來て居る設備を利用して、それの償却が出來るやうな方法を講じたい、斯樣な線に沿うて今案を立てて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=10
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011・石原圓吉
○石原(圓)委員 鹽が國民に取つて非常に生理的にも必要であり、又産業の方面からも必要である爲に、助成政策をやられたことと思ふのでありますが、それが俄かえ豫定が狂つて生産が出來ないと云ふ場合には、多數の方面へ惡影響があると思ふのでありまするが、さう云ふことに對する對策を御立てになつて、それと同時に御取止めになるものは御止めになると云ふことが最も妥當なやり方であると思ふのでありまするが、それに拘らず拔打的に助成を打切る、其の爲に工場だけ、或は製鹽設備だけ完成して、あと助成が續かないから其のものは立往生になる、さうとて其の金の出道もない、而もそれが市町村等が經營して居るものは、それが因となつて紛糾を起す、自治的にも影響を及ぼすと云ふやうな所もあるやうに聞いて居るのであります、其の生産の豫定が狂ふ爲に、其の補充はどうするか、又助成を打切る爲に起る所の種々の弊害をどうするか、此の二點に付ては如何やうな御考へを執られるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=11
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012・石橋湛山
○石橋國務大臣 それは一々具體的の例に基きまして適當に處理する積りで居りますが、兎に角經濟的に引合はないのを整理するのでありますから、多少其處に摩擦が起ることはどうしても免れないことと思ひますが、併し出來るだけ、其の摩擦の爲に大きな惡影響が起らないやうにだけは致したい、斯う云ふ風に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=12
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013・石原圓吉
○石原(圓)委員 一般の風説でもありますけれども、是は專賣局の方の失敗であつたから、專賣局の首腦部に責任を取らして此の問題を解決すると云ふやうな噂に止まることを念願して居るのでありますが、さう云ふことの爲に、今日まで各地に計畫を立てて迷惑を被つて居る者が、被りつつ泣寢入になると云ふことになれば、是は非常に重大な影響を及ぼすものであつて、結局大藏大臣を信任するとかせないとか云ふやうな問題に影響を持つと思ふのでありまして、他の一般の政治上の影響が大きいと思ふのであります、一府縣に何千萬圓と云ふやうな豫定されて居つた助成金がなくなると云ふことは、是は重大な問題でありまして、大きいものには大きいやうに、小さいものには小さいやうに、的確なる對策を御立てになつて、速く其の方策を明示すると云ふことを、急速に御實行下さることを切に希望するのであります、尚ほ是等工場及び鹽田のやうなものが出來たけれども助成金はなくなつた、其の場合に、此の復興金融の金を其の方へ融通をすると云ふやうなことに付て、どう云ふ御考へを持つて居られるでありませうか、之を承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=13
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014・石橋湛山
○石橋國務大臣 只今各地の自給製鹽の整理に付きまして、具體的なことは地方の專賣局長を集めまして、目下檢討致して居る次第であります、其の上で一々の場合の處理を考へたいと思ひます
それから今御話の、何か專賣局に責任を負はせると云ふやうなことは絶對ございませぬ、此の自給製鹽の問題はずつと古い以前からの、戰時中からの内閣の問題でありますが、是は政府としてさう云ふ方策を執つたのであります、是は其の時の事情としては、どうもさう云ふ政策を執らざるを得ないことで、日本の爲に是非共必要であつたので、それが宜かつたか惡かつたかは別として、一種の國策として執つたことでありまして、やはり國策として處理しなければならぬと考へて居るのであります、若干の官吏や何かに責任を負はすべきものではないと存じて居るのであります
それから復興金融の方の問題は、先にも申上げましたやうに、此の金庫の性質が日本の産業を起す爲めと云ふ譯でありますから、單なる救濟資金としては出すことは出來ませぬ、ですから鹽の事業に付きましても、自給製鹽、專賣製鹽、何でも、兎に角鹽の生産を今後經濟的に日本の爲に續けなければならぬと云ふものに對しての金融ならば、復興金融で十分融通し得るものと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=14
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015・石原圓吉
○石原(圓)委員 昭和二十一年十二月二十四日の閣議に於きまして、昭和二十一年度、二年度漁船補充計畫と云ふものを御決定になつた、其の船の總數は三萬五千二百四十四隻、其の「トン」數三十三萬七千八十七「トン」となつて居ります、其の内譯、木船が三萬四千三十隻、十二萬七百五十「トン」、銅船が千二百十四隻、二十一萬六千三百三十七「トン」、斯う云ふことになつて居ります、之を今日の造船價格から算出致しますと、木造船の方が一「トン」二萬圓と見積りまして、二十四億一千五百萬圓となります、鋼船は一「トン」二萬五千圓と見まして、五十四億八百四十二萬圓、合計七十八億二千三百四十二萬圓となるのでありますが、此の閣議決定の時、資金計畫は如何樣に御決定になつたのでせうか、其の内容を承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=15
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016・石川準吉
○石川政府委員 漁船の建造の點に付きましては、今此處に擔當局長が居りませぬから、後で擔當局長が來ましてから詳しく御説明申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=16
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017・石原圓吉
○石原(圓)委員 私は此の造船計畫の内容であるとか、其の他年次的なことを承りたいと申すのではないのでありまして、少くも七十八億圓と云ふ金が必要である所の計畫を立てて、之を閣議に於て決定する以上は――此處に大藏大臣も商工大臣も御臨席でありますが、閣議で決定する以上は、計畫資金と云ふものの運用の方法其の他に付ては、斯樣な金額でありますから――尤も其の當時は二十年の十二月でありまするから、此の金額はもつと少かつたとは想像出來るのでありまするけれども、大體の目標を御相談になつて居らなければならぬ、さう考へるのでありまして、それで此の造船計畫に對する造船費、此の問題を承りたいと云ふのが主眼なのであります、御説明が出來ましたならば承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=17
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018・石川準吉
○石川政府委員 御答へ申上げます、造船計畫に付きましては、現在の經濟状況に於きましては、「トン」當り大體二萬圓程度を目標にして建造計畫を進めて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=18
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019・石原圓吉
○石原(圓)委員 どうも私の御尋ねの核心に觸れぬのでありますけれども、先だつものは金でありまして、、其の金と云ふ問題に重點を置かずに計畫を立てたと云ふことになれば、どうもそれに對する私共の確信を置く點に惑ふのであります、併し其の點は後廻しにしまして、之に依つて生ずる影響の問題を申上げて、御意見を伺つて置きたいのであります、終戰までに大半の漁船を失つて、終戰後に平和産業として眞先に復活せにやならぬ、又我が國の平和産業の中、水産程重要なものはない、殊に急速に食糧増産の面からも效果が擧がると云ふ建前、其の他尚ほ御考へもあつて、此の造船計畫なるものが確立されたものと思ふのであります、之に依つて私は、進駐軍が、日本に於ては水産に對して急激なる復活を遂げたい、其の爲に熱意を以て閣議に於て此の造船計畫が決められた、斯う云ふことに少くも信を置いて、さうしてあの北緯二十四度までの宏大な漁場への進出、漁區擴大を許されたものと思ふのであります、政府の方針として三十三萬幾千「トン」を必ずやると云ふことが決まつたから、それならば漁場の閉鎖を許して、北緯二十四度まで擴大して、十分日本の漁業を發達させたい、さうして食糧増産の急場の役にも立てたいと云ふ、非常な厚意ある所の進駐軍の意見から出たと思ふのでありますが、それに拘らず、資金の面から申しましても何れから申しましても、若し此の閣議決定が空中樓閣のやうなものになつてしまつたならば、結局進駐軍を欺いたと云ふやうな結果になると私は思ふのでありまして、此のことは非常に今後の日本の爲に憂ふべきことになりはせぬか、斯う心配をするのでありまして、隨て此の三萬五千二百五十四隻、三十三萬七千八十七「トン」は、如何なる努力を拂つても此の二十一年、二十二年度には完成をしなければ、進駐軍に對して私は相濟まないと思ふのであります、それに付きましては、只今農林當局よりの説明、一「トン」二萬圓と云ふことに申されまするが、私は木造船を二萬圓、鋼船を二萬五千圓と見るのでありまして、是はまだ騰貴しつつありますけれども、假に木造船竝みの、政府の申される一「トン」二萬圓と見積りましても六十七億圓と云ふ金が必要なのであります、是は政府計畫の造船のみに是だけを要するのでありまして、之に要する漁具其の他の資材、又漁船を要せざる沿岸の漁業用の資材、船舶等を計算したならば、二十一年、二十二年度には少くも百億圓を超過するものと思ふのであります、是は他のものは兎に角と致しまして、閣議で決定した造船費用は、どうしても、此の復興金庫の金で御融通になつて、さうして此の實現を期することを、寧ろ政府が責任を御感じになつて、やつて戴かねばならぬと私は思ふのであります、此の點に對してどう云ふ御所見でありませうか、一應承つて置きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=19
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020・石橋湛山
○石橋國務大臣 私は正式に聽いて居りませぬが、前内閣時代に御話のやうな計畫が樹てられ、其の實行に著手して居ると云ふことは屡屡耳に致して居ります、さうして是は無論それだけの漁船を必要とし、それから御話のやうに漁區に付てのG・H・Qの好意に報いなければならないし、又日本の食糧政策としても是非是は必要な譯であります、無論復興金融で金融をしなければならぬものは復興金融に於てやる積りでありますが、今までの状況は、私は正確な數字を持つて居りませぬが、私が大藏省に參りましてからでも、相談を受けました漁船の融資は相當のものになつて居ると思ひます、是は興業銀行或は勸業銀行等から、詰り今までの金融機關の「ルート」を通して、支障なく金融されて居ると思ひます、今後も恐らく此の水産方面に對しては、或る部分は復興金融で引受けねばならぬかも知れませぬが、やはり興業銀行、勸業銀行、其の他今までの資金「ルート」で相當のものが行くのぢやないか、斯う云ふ風に考へて居ります、御話のやうに、それで足りない部分は無論復興金融で之を引受けることを躊躇するものではありませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=20
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021・高橋泰雄
○高橋委員長 石原君、まだ餘程掛りますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=21
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022・石原圓吉
○石原委員 大分掛るのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=22
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023・高橋泰雄
○高橋委員長 それでは、あなたの今日の重ねての御質疑は簡單だと思つて御發言を許したのですが、其の前に商工省の關係に於て質疑をなさりたい發言順序の方がありまして、今朝から御待ちになつて居りますから、一應ここで石原君の御質疑は後廻にして戴きまして、又此の次の機會に御發言を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=23
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024・石原圓吉
○石原(圓)委員 どうも途中でありまして、大變……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=24
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025・高橋泰雄
○高橋委員長 途中ですが、まだ一度も發言をなさらぬ方が澤山殘つて居ります、あなたのは二度目の發言であるが、極めて簡單な御發言だと思つて實は今朝あなたに御發言を許したのですが、長く續くやうであれば、後の機會にゆつくり御願ひをした方が適當だらうと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=25
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026・石原圓吉
○石原(圓)委員 もう十分か十五分ですが発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=26
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027・高橋泰雄
○高橋委員長 さうなるともう時間がなくなりますから、一寸御待ち下さい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=27
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028・石原圓吉
○石原(圓)委員 それでは一應私の御尋ねは留保致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=28
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029・高橋泰雄
○高橋委員長 苫米地君、議事進行ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=29
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030・苫米地義三
○苫米地(義)委員 議事進行ではなく、私の發言を一寸御許し願ひたいと思つて……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=30
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031・高橋泰雄
○高橋委員長 極めて簡單であれば……苫米地君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=31
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032・苫米地義三
○苫米地(義)委員 極めて簡單です、外の方に大變御迷惑を掛けるのですが、此の間商工大臣、大藏大臣の居られる所で御質問したいと思つたのでありますが、今日幸ひにも居られますし、而も問題は緊急でありますので、甚だ御迷惑ですが一言だけ……、それは最近此の産業の復興に要ります資金の融通が一般に止つて居る傾向があります、是はどう云ふことかと申しますと、先月發表されました會社經理措置令及び金融機關經理措置令に依りまして、勘定を新舊勘定に分ける、其の爲に新しい資金の需要を銀行に求めますのに、銀行が貸出す金が舊勘定に屬するか新勘定に屬するか、斯う云ふことに依つて銀行が躊躇して居ります、現に肥料工業の復興に對して必要なる資金を申込んで居ります、所が一般に止つて居ります、それが爲に工事の進行上非常に差支へが參つて居るのでありまして、今貸出す其の金が果して舊勘定に屬するのか、新勘定に屬するのか、それから新勘定に屬しましても、其の會社が第二會社が出來ました時に、第二會社の方に持つて行けるのか、持つて行けないのか、依然として第一會社の方に殘つて居るとすれば、銀行が是は投資しないのが當然です、そこで第二會社の方へ新しい資金が移るとすれば、一應移るのでありますけれども、第二會社と云ふものは必ずしも一つではありませぬ、二つも三つも出來ると云ふことになれば、其の資金の行方がどうなるかと云ふことに對して、是れ亦銀行の方で躊躇すると云ふやうなことで、全面的に考へて金融が止つて居るやうな状態であります、さうして一方は生産を非常に急がねばならぬ、或は復興を急がねばならぬ、斯う云ふ場面になつて、是は兩竦みに今なつて居る現状でありますから、之をどう打開するかと云ふことを、私は此の機會に商工大臣なり或は大藏大臣が、委員會を通して、全國の迷つて居る方々にはつきりさしてやつて戴きたいと思ひます、大體三月の金融措置以來、我が國の産業復興及び生産の遲滯は、確かに金融の面から阻碍されて居ると私は思ふのです、それが重ねて又今度の此の措置がはつきりしない爲に、現にさう云ふ生産の進行を阻碍して居ります、此の點を一つはつきり、此の際全國に向つて其の見解を表明して戴きたい、斯う思ふのです発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=32
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033・福田赳夫
○福田政府委員 それでは私代りまして御答へ申上げます、企業が新勘定舊勘定に分れた場合に於きまして、之に對する銀行の融資が新勘定に行くか、舊勘定に行くかと申しますと、八月十一日以降のものは新勘定に行くことは是は問題ありませぬ、新勘定に行く譯であります、所が私共其の新勘定に行きました銀行からの融資が、新勘定舊勘定の整理を終りまして、第二會社が出來る、斯樣な場合に於きまして、其の融資が第二會社に移ると云ふことは當然であらうと、斯樣に當初考へて居つたのであります、所が其の新勘定から出來ます所の第二會社が一つであると云ふ場合には、問題は極めて單純なのであります、所が大體多くの事例に於きましては、新勘定より三つとか四つとか多數の會社が出來るのであります、其の場合に、此の銀行からの新勘定への融資を、如何樣に背負つて行くかと云ふことが極めてむづかしいのであります、按分をするとか何とか云ふことは一應考へられますが、之を法律的に考へますと中々むづかしい、そこで中間に考へた考へ方を申上げますと、新勘定から其の債務は法律上は當然新會社には移らない、併しながら新勘定は第二會社に對しまして、それだけの債權を持つ譯であります、隨ひまして殘つた新勘定の「バランス」と云ふものはとんとんになる、そこで銀行が融資致しました債權と云ふものは、貸付金と云ふものは確保される、斯樣なことを考へたのであります、所がそれでも尚ほ心理的にも、實際的にも多小不安がある、そこで何とかして、私共と致しましては、銀行の新勘定に對する貸付金と云ふものを、新會社が幾つ出來た場合に於きましてもそこへ付けてやりたい、斯樣な風に思つて居るのであります、それを法制的に行きますか、實際上の會社と銀行との間の契約に依つて行きますかと云ふ、技術的な二つの方法がある譯でありますが、法制的に當然新勘定から數個の第二會社に分れて行くと云ふことは、どうも技術的に困難な點がありますので、そこには若干の疑問を持つて居るのでありますが、出來ればさう致したいと思つて居ります、それから若し萬一法制的に當然新會社に移ると云ふことが出來ませぬでありますれば、其の際には法制的に當然移ると云ふことを、銀行と會社との間の契約に依りまして、實行し得るやうに只今考へて居りまして、銀行當局とも十分打合中であります、決して銀行の融資に御迷惑は掛からぬと、斯樣なことを此處で確言申上げて差支へないと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=33
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034・苫米地義三
○苫米地(義)委員 今の御話で大體分りましたけれども、まだ運用上はつきりしないと仰しやいますが、事業の方は一日も忽せにすることは出來ないのでありますから、どうか速急に其の方針を確定して、さうして全國の金融業者に能く通達の出來るやうにして戴きたいと思ひます、銀行の事務的な扱ひから言へば、或は正確を期すると云ふ必要もあるかも知れませぬが、現在の日本の國情は、どうしても生産の復興を實現するやうにしなければならぬ、其の方に重點を置いて扱ひが出來易いやうな方針を執つて戴きたい、斯う思ふのであります、希望だけ申上げまして、私の質問は是で終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=34
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035・高橋泰雄
○高橋委員長 竹山祐太郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=35
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036・竹山祐太郎
○竹山委員 先づ最初に、重複して居るかも知れませぬが、後からの質問に關聯がありますので、本金庫の主管は何省でおやりになる御考へであるのか、一つ承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=36
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037・石橋湛山
○石橋國務大臣 是は大體大藏省が所管省でありますが、關聯する所は商工省、或は又廣く言へば農林省にも關聯する譯であります、今の所では大藏省の所管、斯う云ふことでやつて行かうと思つて居ります、併しながら事實は大藏省が勝手なことをすると云ふ譯ではありませぬで、殊に商工省などには非常に深い關係を持ちますから、實際には十分の連絡を取つてやつて行く、斯う云ふ考へで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=37
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038・竹山祐太郎
○竹山委員 第二點は、今の御答辯で了解を致しましたが、復興金融金庫が非常に復興の爲に大事だと云ふ點から言ひますと、主要重點産業の方にも向つて行かなければならぬやうにも考へられるし、又國民大衆の生活に直接の中小工業の方面にも働かなければならぬ、洵に凡ゆる方面から國民の期待が掛けられて居る譯でありまして、主管省たる大藏當局の活動の如何が非常に重大だと思ふのでありますが、是はともすると國民の感じは大事だからと云ふことで、重點産業に置くことも、ちつとも否む譯ではありませぬが、一方本當に困つて居る中小工業方面に對する分も、是も中々等閑に附せられないと思ふのでありますが、其の邊の運用の方針に付ては、全體の額に付て、或は枠に於て、何等かの御計畫がおありでありますか、一應伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=38
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039・福田赳夫
○福田政府委員 復興金融金庫に於きまして、來年の三月まで、即ち本年度一ぱいに於きまする産業資金の需要額は、大體二百億と見たのであります、さうして其の二百億の中の大體七割と云ふものは、是は市中銀行から供給する、それから其の差額の六十億と云ふものを復興金融金庫から供給致す、斯樣な見込を立てたのであります、併しながら此の復興金融金庫で受持ちまする所の三割、即ち六十億と云ふものは、是では不測の事例に對しまして豫備的な金額がない、斯樣な見地から豫備、それから今度の措置に依りまして相當ごたごたが計畫的に起るのであります、其のごたごたを繋ぐ意味の金融と云ふやうなことも考へまして、四十億「プラス」致しまして百億使ふ、斯樣なことに致したのです、百億の中差當り四十億圓を政府から出資致しまして、其の差額六十億圓は、追つて状況に應じまして、議會の協贊を經まして更に出資を致す、斯樣な計畫になつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=39
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040・竹山祐太郎
○竹山委員 私の伺つた點とは少々違つて居ります、分類が難かしいから、今特に御要求をすることは或は困難かと思ひますが、私の御伺ひして居るのは、大體今の見積の中で、重點的な大工業方面にどの位、中小工業方面にどの位と云ふやうな、大體の御見込があるのかどうかと云ふ點を伺つて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=40
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041・福田赳夫
○福田政府委員 只今の所まだ中小工業に幾ら、大工業に幾らと云ふやうな見透しは立つて居らないのでありまして、其の點は今後多少實績等を見まして、其の上で更に見本的なる計畫を立てる、斯樣に致したいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=41
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042・竹山祐太郎
○竹山委員 商工省に伺ひますが、纖維工業方面には、今までの御報告の中には出て來て居りませぬが、是はもう原棉が入つて居つて早くやらなければならぬ、實は私の靜岡に於きましても、企業整備でなくなりましたけれども、新らしい機械を少しでも入れて、早く御期待に副ひたいと云ふので、興業銀行等へ御相談を持掛けて居るのでありますが、まで決定になつて居らぬ、斯う云ふ纖維工業などは一日も早くやらなければならぬ問題であらうと思ふのでありますが、之に對して復興金融金庫を通じておやりになる計畫等がおありになれば伺ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=42
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043・星島二郎
○星島國務大臣 纖維工業は、是から見返り等の關係上、王座として大いに發展を期待して居るのでありますが、比較的惠まれて居るのか、融資の熱望がまださう強くない、併しながら商工省と致しましては、必要な面には無論斯う云ふ方面にも十分融資を致しまして、早く復興するものは復興し、將來の纖維工業の發達を期待する譯でありますが、只今仰せのやうな例がありますれば、之に對しては十分の融資の出來るやうに致したいと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=43
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044・竹山祐太郎
○竹山委員 次は肥料金融の問題でありますが、是は大藏大臣と商工大臣に簡單に御伺ひをして置きたいのは、肥料金融は現在までのところ、應急的に中金からの資金が融通されて居るのでありますが、今度此の復興金融金庫が出來ますに付て、肥料の資金と云ふものを復興金融金庫から御出しになる御考へがおありでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=44
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045・石橋湛山
○石橋國務大臣 是は復興金融金庫の性質が、御承知のやうに他の金融機關で融通の出來ないものを融通する、斯う云ふ譯でありますから、肥料に致しましても、中金なり或は其の他の從來の金融機關が融資が出來て、それでやれる分はそれの方でやつて貰はなければならぬ、今銀行局長から申しましたやうに、大體二百億圓の産業資金が要る、其の中の大部分は今までの金融機關でやつて貰ふ、斯う云ふ建前になつて居ります、併し御話の點は、無論復興金融金庫も相當肥料の方には出さなければならぬと云ふ計畫にはなつて居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=45
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046・竹山祐太郎
○竹山委員 大藏大臣御急ぎのやうでありますから、後で商工大臣に尚ほ此の點に付て御伺ひ致したいと思ひます、尚ほ大藏大臣に伺ひたいのは、肥料金融と云ふものが、御承知のやうに非常に重大で焦眉の急であります、復興金融金庫からも融通して戴くことを必要だと考へるのでありますが、同時に斯樣な制度が出來ますに付ては、他の問題にもあると思ひますが、兩建になつて行く場合に於きまして、一方に於ては、何と云つても復興金融金庫は國家の損失に於てやる覺悟でやつて居る、一方は普通金融の形で出て居るのでありますから、是が兎に角一つの肥料生産に對して兩方から出て行く場合に於きまして、其の間の國家負擔と云ひますか、責任の差が違つて來ると思ふのでありますが、此の關係は、希望的に私から申せば、中金から出さうが復興金融金庫から出さうが、超重點産業でありますから、何れも同じやうに國家の重さに於て見る、復興金融金庫で見ると同樣な重さに於て見ると云ふやうに御考へになりますかどうか、其の邊を承はりたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=46
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047・石橋湛山
○石橋國務大臣 繰返して同じことを申上げるやうになりますが、建前は成るべく普通の金融機關を通すと云ふ建前でありまして、それが出來ないと云ふ事情を委員會で以て審査しまして、是は何故復興金融金庫でやらなければならぬかと云ふことを一應考へ、若し普通の金融機關が、實はなすべき融資をしないで居るのだと云ふやうなことがありますれば、普通の金融機關に之をやらせるやうに尚ほ督促致すことになつて居ります、御話の此の重要さと申しますか、産業の重要度と云ふものに付ては、復興金融金庫がやるものも、普通の金融機關がやるものも其の間に甲乙はないのであります、全く其の金融上の操作の必要上、復興金融金庫が受持つべきものを受持つ、斯う云ふ建前で、そこに輕重の差を設けて居る譯ではございませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=47
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048・竹山祐太郎
○竹山委員 大藏大臣は御忙しいやうですからどうぞ……、尚ほ農機具の問題に付て若干御聽取を願ひたいのでありますが、局長もおいででありますから……、商工大臣に御伺ひしたいのは、今の大藏大臣の御答辯の内容として、復興金融に對して復興金融金庫と中金――此の前分科會で御尋ね致しました際に、商工大臣は中金の資金だけでなしに兩建てで行くと云ふことの御答辯を伺つたので、其の意味は復興金融金庫からも出ると云ふ風に私共は想像を致したのでありますが、さうなりますと、此の肥料金融の原則的な建前と云ふものはどう云ふ風になりますか、今大藏大臣の御答辯に依りますと、何か極めて特例的な場合、中金からは融資を困難とするやうな特殊な場合に於てのみ復興金融金庫からは出す、原則は中金の資金を以て行くと云ふやうに受取れるのでありますが、商工大臣の御考へを承はりたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=48
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049・星島二郎
○星島國務大臣 石炭、肥料に對しましては、此の復興金融金庫が出來ませぬ前から、專轄的に金融の途を講ずると云ふ方式を決めて居りますので、從來の金融で十分賄ひ得ると私は思うて居ります、併しながら此の財界の變動に際しまして、從來出して居りました金融機關からは難かしくなる、而も肥料の方に非常に必要であると云ふやうなことが起つて來ました場合には、此の委員會に掛けてそれに間に合ふやうに致したい、併し大體に於て、此の復興金融金庫の方から、さう厄介にならぬでも行けるやうに十分切盛りをして行きたい、斯樣に思うて居る譯であります、又或る一部面は、或る會社に對しましては、産業設備營團もまだ息は殘つて居る譯でありますから、其の方面からも既に出して居りますし、又出さんとして居る點もある譯でありますから、愈愈賄へぬ時には是非此の方面にもそれが出し得ると云ふ餘地を殘して置いて、今までのやうな調子でやつて行きたい、斯樣に思うて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=49
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050・竹山祐太郎
○竹山委員 次は農機具の問題でありますが、是は終戰後機構も變つたり、又終戰後ごたごたして、今までの政府の措置が極めて不手際であります、是は終戰後農林省が餘り慌て過ぎてやつたことの結果が今現はれて居るのでありまして、世間では農機具はもう十分だと云ふやうに見て居りますが、豈圖らんや、作りました農機具の恐らく九割以上のものが農民の使へない農機具で、それが何十萬挺も出來て居るのでありまして、此の始末が到る處に混亂を起して居ります、洵にあの當時の事態としては、何でも食糧を作らなければならぬと云つたことからやつたので、惡意ではないのでありますが、極めて遺憾であります、それで此の農機具調整を、農林省、商工省との間に於て早く確立致しまして、農民が絶對に使へないやうな農機具を何萬挺、何十萬挺と、なけなしの資材で、大きな轉換工場や大きな軍需工場が、唯作りさへすれば宜いと云ふやうなことで作つて居ると云ふことは、資材の面から見ても、凡ゆる面から見ても、洵に遺憾でありますし、又農民は此の爲に非常に氣分を惡くすると云ふか、政府の之に對する誠意を疑つて居るのでありますから、何れにしても早く此の處置を付けねばならぬと思ふのであります、さう云ふことと關聯を致しまして、新しい本當に農村が要求するやうな農具を早く供給をせねばならぬのでありますが、終戰後の特殊物件として、鐵鋼だけに付て見ても二萬「トン」餘でありますか、農機具方面に資材の割當てを受けて居るのであります、所がどう云ふものでありますか、之を引取ることに付て金融的處置が取られて居らない、小さいことのやうでありますけれども、是は私は行政所管の變化からか、或は何か事務的の處置を誤つて居るのではないかと思ふのは、一體農村が、折角の特殊物件を農具にやるべく期待をして居るのに、二萬「トン」近くの鋼材、銑鐵其の他がまだまだ途中に宙ぶらりになつて居ると云ふことを、段々と詮索をして行きますと、業者にも惡い點があるかも知れませぬが、之を買取る資金がない、三千萬圓程の國庫に納める金がないと云ふやうなことで、引取れない部分が殘つて居ると云ふことでありますが、是は從來の「ルート」を聞いて見ますと、商工中央金庫が本來此の農機具の工業組合には資金を融通すべき筋合になつて居るのである、多少さう云ふ方に出て居つたやうにも伺つて居るのでありますが、現實今商工中央金庫が、自己資金で三千萬圓と云ふ金を融通することが出來るかどうか私存じませぬが、左樣であるとすれば、農民が當然直ぐ手に入る農機具の資材でありますから、假にそれが工業組合であつても、さう云ふ形式的の問題はざつくばらんに考へて、農林中央金庫からさう云ふ資金を融通して、早くそれを引取つて、農機具の生産をさせたら宜いぢやないか、其の邊が形式的に農林中央金庫から商工中央金庫に金を廻して、商工中央金庫からでなければ工業組合には金が貸されない、何だかさう云ふ點が如何にも官僚的でありますが、斯う云ふことは一つ簡單に考へて、商工大臣の御考へで、今商工中央金庫よりは農林中央金庫の方に現實に金は確かにあると思ひますから、さう云ふ鋼材を引取る金なのでありまして、之は直ちに農具になつて還つて來るのでありますから、三千萬圓位の金は何でもないと思ふ、又或は斯う云ふことに復興金融金庫の金を煩はすのは恐縮だと思ひますが、若し農林中央金庫から出せないと云ふなら、さう云ふ方面からも考へて、兎に角早く農機具の生産に移る、さうして農民が要望して居りますやうな良い農機具の生産をやらせるやうに、今後是が商工協同組合等に變つて行くと思ひますから、商工省に於て十分御考へを願ひたいと思ひます、事務的のことで大臣には恐縮でありますが、之に對して御考へを一應伺つて置きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=50
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051・星島二郎
○星島國務大臣 御示しのやうに終戰直後、軍需工場等が轉換の爲に色々な必要な物を作りましたことが、今から思へば、粗製濫造品も多く、色々の弊害があつたことと思ひます、殊に農機具に付きましては、中央では直接商工省等に於て監督する部分は比較的旨く行つて居る譯でありますが、地方に全部任せたものは、各府縣々々々に於て自由な企業に於てやつてしまつたので、檢査も十分でありませず、御示しの通りであらうと思ひます、今後それ等に付きましては、農林省とも十分打合せまして、金融の面も、或は今後の生産檢査の點も十分に致しまして、弊害のないやうに致したいと思ひます、只今の御意見は、十分拜承致して參考に資したい、斯樣に思ふ譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=51
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052・竹山祐太郎
○竹山委員 尚ほ私が後から申上げた資金の面に付ては、商工大臣は速かに必要な處置を御執り願ふことを希望致して置きます、私の質問は大體以上でありますが、最初伺ひましたやうに、局長からの御答辯もありますが、ともすると、是は中小工業の方面には中々組織的に動いて來ると云ふことが遲くなる、隨て是は商工省で能く積極的に導いてやつて行かなければ、本當に困つて居る中小工業方面の大事な復興が出來ないと思ふのでありますから、手取早く、直ぐ中央と連絡の付く大工業の方は、放つて置いても心配はありませぬが、中小工業方面に付ては國民が非常に期待を懸けて居る復興金融金庫の本來の性能を發揮するやうに、十分大藏商工兩當局の善處を希望致しまして、私の質問を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=52
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053・高橋泰雄
○高橋委員長 松本君に御諮り致します、あなたの御質問が極く簡單であれば、此の際發言を許します――松本七郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=53
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054・松本七郎
○松本(七)委員 炭礦業に對して、此の復興金融金庫からどの位融資を必要とするのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=54
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055・星島二郎
○星島國務大臣 先程申上げたやうに、石炭と肥料に對しましては、從來が此の機關を借りなくても、十分潤澤に金融方面等に付ては困らさぬと云ふことで、現に日銀から直接に、或は「シンヂケート」團を作りまして融資して居る譯ですから、大體に於て此の金庫をさう利用せぬでも行けると思ひます、併し中小以下の、或は各府縣等に於きまして、非常に必要が迫つた場合には、是から出せぬと云ふことでなしに、出せると云ふことにして置きます、だから今から之に對して豫定を持つ必要はなからう、斯樣に考へて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=55
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056・松本七郎
○松本(七)委員 金融面はそれで大體見込があるものと致しまして、次に緊急増産對策と云ふのには、やはり食糧が問題になると思ふのでありますが、今後の炭礦勞務者に對する主食の配給、特に米の配給の方針及び見透しに付て伺ひたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=56
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057・星島二郎
○星島國務大臣 從來石炭の面に對しましては、直接穴へ入る勞務者に對しては六合、其の家族等に對しましては三合と云ふ原則でやつて居りましたが、或る地方に於きましては、ともすれば一般の配給が缺配なんかする時に、特に山だけに中々送れなかつたものと見えまして、現に九州地方、或は北海道地方も其の通りにやつて行けなかつた、それが爲に直ぐ採炭に非常な影響を及ぼしたのであります、七月半ば頃からはそれを實行することになりまして、七月半ば以降は、北海道と云ひ九州と云ひ、其の約束通りに、それに相當する主食を配給致しました、其の結果は、尤も其の食糧のみならず一般の認識が深まりまして、此の八月に於きましては從來に見ざる成績を擧げまして、非常に喜んで居る次第であります、それがともすれば一般の關係上、自然に又缺配をしかけたと云ふので、昨日も代表者が來ましてそれを愬へましたから、私は直ちに農林大臣と協議致しまして、さう云ふことがなからんことを畫策致して居る譯であります、而も七月分は多く麥粉でありました、此の出來秋から見ますれば、私は直接力が入る米麥を十一月以降は配給する所まで持つて行けると思ひますが、併しそれまではやはり輸入食糧に俟つ外ない、斯樣に思ひまして、取敢ず九、十月は其の輸入の食糧を直接に山の方へ向けるべく昨日も農林大臣と相談したやうな譯であります、左樣御諒承願ひまして、力の入る仕事でありますし、又今年の出來秋から見ますれば、當然送れると思ひますから、行く行くはさう云ふやうな積りでやつて行きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=57
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058・松本七郎
○松本(七)委員 次には機械裝置の問題ですが、是は譬へて言へば、今の省線のやうなもので、非常な傷み方をして居る譯であります、例へば壓搾空氣を送る小さい機關、其の先に附けるゴム管、さう云ふものが足りない爲に非常に惱んで居る、其の他修理用の主要の資材、副資材の問題が急を要することでありますので、此の對策に付て御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=58
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059・星島二郎
○星島國務大臣 御示しのやうに坑木と云ひ、其の他の資材、副資材は、實に不足勝ちでありますが、昨今大分其の方面の用意も出來まして、殊に坑木の如きは、相當數量それぞれ圓滑に送ることが出來るやうな結果になりましたので、若干設備も出來たのであります、殊に北海道の如きは、坑木は大分出揃ひまして、不自由を掛けなくなりました、九州はまだそこまで至りませぬけれども、十分之に對してもやつて行きたいと思ひます、今囘石炭増産の推進委員會と云ふものが設けられることに話合ひが、委員側と政府側で相談が纏まりましたから、是等を通しまして、或る時は査察致し、或る時は激勵致して、獨り山のみならず、其の山に送るべき資材に對しても、萬遺憾なきを期したいと思ひます、又今囘の賠償設備の撤去の中にも、石炭山を掘る爲の必要な機械を造るものが入つて居りますので、そんなものを入られては困ると云ふので、昨日も私は司令部に參りまして、それだけは除外例を求めると云ふやうな運動も始めた譯でございますから、さう云ふ點に付て萬遺憾なきを期する次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=59
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060・松本七郎
○松本(七)委員 次は礦區の整理の問題でございますが、此の問題は現存の炭礦經營の上からも、又新しい企業を計畫する上からも、どうしてもやらなければならぬものだらうと思ひます、此の礦區の整理統合に付てはどう云ふ御方針でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=60
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061・星島二郎
○星島國務大臣 是は只今申上げました委員會等に十分諮問しまして、私は或る程度までは整理するのが國家の爲だと思ひます、國有論等も起つて居りますが、今俄かに國有にしました所で、急に増産は出來ませぬ、此の爲には準備も手間も要るので、色々なことが起りますから、目前の問題と致しましては、礦區の整理が増産に關係すると思ひます、さりとてどう云ふ方針でやるかと云ふことは、今此處で申上げ兼ねます、是は官、民、業界、凡ゆる面から一つ綜合的な委員會でも設けまして、能率が上るやうに、資本設備が十分に能く運用出來る爲には、或る程度までは整理もさるべきだ、斯樣な方針の下に考へて行きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=61
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062・松本七郎
○松本(七)委員 最後に御伺ひしたいことは、まだ政府の御方針も決定してないと思ひますけれども、差當り色々な隘路を打開すれば、月に二百五十萬「トン」位の所は實現出來るのでないか、併しながらさうなつた後に、必要に迫られて新しい企業の計畫を立てて、之を實行に移さなければ、今度は數年後には根本的に石炭の不足に陷る危險が多分にあると思ふ、此の新坑の開發と云ふことに付て、企業家に任せるか、それとも國營でやるかと云ふことが、現在の國有問題よりも具體化した注目すべき問題だと思ひますが、新企業の新坑開發の御方針を承れれば幸ひであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=62
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063・星島二郎
○星島國務大臣 今囘設けられる推進委員會等に諮問致しまして、相當の助成金を新坑開發に致したい、斯樣な考へを持つて居ります、其の新坑開發も、假に大きな新坑がありまして、それに莫大な資本を要すると云ふやうな場合には、或は國自らがやつても宜い、現に運輸省は自分で小さな山を一つ持つて居ります、是は一面から言へば國有と言つても宜いやうなものです、さう云ふ意味に於きまして大きな資本を要する場合は、國自らが經營すると云ふことも考へられないこともない、現在日本にあるもの全部を一丸にして國有にすべしと云ふやうなことは、中々急に考へられないと思ひます、「イデオロギー」は別問題であります、併し只今御例示のやうなことは、それは必ず國でする必要はないと云ふことは言へない、若し個人の經營ではどうしても困難な場合、國でやつて、それが爲に増産になると云ふならば手を付けても宜い、要するに問題は、莫大な補給金制度で價格差調整金を出して居りますが、是はどうも行き方が拙いと思ひますので、それに使ふ金を他の消費者の方に助成するとか、或は新坑開發とか云ふやうな方面に使つて行けば、まだまだ山は相當開けて行きますから、まあ三千萬「トン」も出るやうになりますれば、水力と相俟つて兎も角も私はやつて行けるだらう、尚ほ東洋方面には澤山石炭があるのですから、若干の輸入も出來ませう、又北海道方面には相當新しい切羽もある譯ですから、十分其の方面に留意して、増産をどしどしやつて行きたいと、斯樣に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=63
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064・松本七郎
○松本(七)委員 以上で終了致しました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=64
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065・星島二郎
○星島國務大臣 先程の御尋ねの中で、大藏大臣より御答辮になつた點、大藏大臣の御答辯が私少しをかしいと思つて居つたのでありますけれども、後で能く相談しまして、改めて纒つた御答辯を致したいと思ひます、其の點御諒承願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=65
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066・高橋泰雄
○高橋委員長 此の際暫時休憩致します、午後は一時三十分より開會致します
午後零時三分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=66
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067・会議録情報2
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午後一時五十九分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=67
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068・高橋泰雄
○高橋委員長 休憩前に引續きまして會議を開きます――村上勇君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=68
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069・村上勇
○村上委員 事業再會の爲には、一聯の産業政策的施策と共に、若干の呼び水的な資金措置の必要であることは認めるのであります、併しながら事業の經營は、安定せる貨幣價値を財産基準とし得てこそ、長期の計畫も立ち、能率も上げられるのであります、其の爲には資金經濟面に於きまして、呼び水政策の後に來るものは「デフレーション」政策でなければならないと思ふのであります、復興金融金庫法案に依る國庫資金の放出と云ひ、「スタンプ」手形等に依る日銀の産業資金放出と云ひ、呼び水的政策のみが大分多いやうに思ひますが、此の點に關しまして、政府は如何なる肚と見透して持つて居られるでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=69
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070・福田赳夫
○福田政府委員 只今通貨は逐次増發の傾向にありまして、是が原因と致しまして、財政面よりの放出、而して又仰しやられる所の呼び水的資金の放出、斯樣な二つのことが重大因子を成して居るのであります、即ち國及び地方團體の財政を通ずる「ルート」及び日本銀行を通ずる所の、日本銀行から地方銀行に貸出し、地方銀行は之を業者に貸付けまして、是が給與其の他の資金と致しまして放出せられる、斯樣な二つの途に依りまして資金は増加しつつある譯であります、而して財政の途から致します所の放出に對しましては、是は税に依る囘收、それから官業收入に依る囘收等が考へられるのでありまして、其の面の政策の強化と云ふことが勢ひ必要になつて來る譯であります、併しながら現在の状況に於きましては、税其の他に依る囘收と、それから國庫竝に地方團體から支拂はれる所の歳出と云ふものは、非常な「アン・バランス」でありまして、其の「アン・バランス」の原因と云ふものは、公債が民間に消化されないと云ふことが主たる原因でありまするが、更に其の上に於きまして相當の「アン・バランス」になつて居るのではないか、斯樣に存じて居るのであります、財政面から致します所の資金に付きましては、囘收が非常に困難でありまして、此の面は其の根源に於て是が抑制を圖つて行かなければならぬ、斯樣な感じを持つて居るのであります、尚ほ此の日本銀行を通ずる所の資金の放出に付きましては、是が囘收に付きましては、新圓で出ましたものは新圓を以て囘收すると云ふ方針を從來執つて居るのでありますが、此の方式は今後益益強化致しまして、此の面からする所の流出は極力之を囘收する、斯樣なことに相成る外はないのであります、隨ひまして日本銀行を通ずる「ルート」の放出と云ふものは、財政面から致します所の放出よりは、通貨事情から觀察致しますると、質の良い流出の仕方であります、是は囘收が出來るのであります、尚ほ先程財政面からの放出に付きまして囘收の途がないと申しましたのですが、是は今後國民の貯蓄心に俟ち、銀行の窓口に其の資源を吸收すると云ふことに相成らねばならぬ所でありまして、先般來度々申上げまする通り、政治の安定、物價施策の確立、更に其の放出の根源に立至りまして、財政の「バランス」斯樣な三つの點が重大ではないかと思ひます、仰しやる通り、此の點に付ては十分に今後總力を傾注する、斯樣な態勢であります、併しながら其の反面に於きまして、どうしても經濟復興の隘路になります所の資金の放出と云ふことは、是は必要であります、ですから是はやはり或る程度までやつて行かなければならぬ、斯樣なことは考へるのでありますが、一面に於きまして左樣な各種の施策を強力に推進して行かなければならぬと云ふことは、全く御意見の通りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=70
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071・村上勇
○村上委員 只今の御話の中に貯蓄、要するに通貨の囘收と云ふやうな御言葉がありましたが、現在の大藏省の行き方では、到底國民が安心して貯蓄すると云ふことは出來ないではないか、此の點に付きましては後程はつきりした御質問を申上げたいと思ひますが、第二番に、復興金融金庫の資金は、取敢ずは政府出資金百億圓の内、拂込の分四十億圓と、未拂込分六十億圓を見合せに、債券を發行して調達すると云ふことになつて居るのでありますが、四十億圓は勿論日銀からの通貨増發となるし、更に六十億圓も恐らく日銀引受となるものが多いと思ふのであります、要するに、復興金融金庫の融資は更に通貨の膨脹に拍車を掛けることとなるから、成べく之を抑制する必要があらうと思ひます、又國庫の負擔を輕からしむる爲にも、融資は成べく少いことが望ましいと思ひます、隨て復興金庫の融資に當つては、資金の效率化を圖つて、成べく融資額を少くして事業の再開を圖ることが、肝要であるのでありまして、例へば第二會社が舊會社の生産設備を使用するに當つては、之を舊會社から買受け、其の資金をも復興金融金庫から借ると云ふことなどは避けて、生産設備は賃貸の方法に依ると云ふやうにすれば宜いのではないか、或は又已むを得なければ、舊會社の第二會社への現物出資でやるを適當とするが、政府は第二會社の設立等に付きましては如何なる指導方針を執つて居られるでありませうか、此の點を御聽きしたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=71
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072・福田赳夫
○福田政府委員 此の經濟復興途上に於きまして、呼び水的な資金の放出が必要であることは申すまでもない所でありまして、今囘復興金融金庫を作つた趣旨はそこにある譯であります、併しながらそれが使用されます所の方法に付きまして細心の注意を拂ひ、是が效率化を極力圖ると云ふことは、申すまでもなく全く御説の通りであります、第二會社を指導すると云ふことに付きましても、其の觀點に付きましては、御説のやうなことは十分汲入れまして、復興金融金庫の資金使用が濫に流れないと云ふことには最善の努力を盡したいと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=72
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073・村上勇
○村上委員 中小工業の復興が肝要であると思ひますが、之に對する融資に付きまして、復興金融金庫の機構を早急に整備することは至難であります、結局代理店制度にする外はないと思ふのでありますが、此の代理店をして十分機能を發揮させるやうにする必要があります、復興金融金庫と代理店との代理關係はどう云ふ風に立てられるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=73
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074・福田赳夫
○福田政府委員 先づ其の復興金融金庫の代理店は如何に致すかと云ふことでありまするが、中央には復興金融金庫は獨立の店を持つ譯でありまするが、地方にも獨立の店舗を持ちますかどうかと云ひますと、是は寧ろ獨立の店舖を持つよりは、既存の金融機關を使つて、さうしてそれに金融上の代理業務をやらせると云ふ方法の方が安易簡便である、更に國家的に見まして經濟であると云ふやうな見地から、廣く代理店制度を採用したいと思つて居ります、代理店に付きまして只今考へて居りますのは、興業銀行の全國店舖、勸業銀行の全國店鋪、商工組合中央金庫、北海道拓殖銀行の店鋪でありまして、之を合計致しますると、大體各縣に三つ乃至四つ位の店鋪が出來る譯であります、左樣な次第でありますから、一般中小工業の方々に於かれましても、之に近付くと云ふことは非常な便利がある譯であります、店鋪の數から申しますと、中小工業に對して非常な配意をして居ると云ふ状況になるのであります、尚ほ店舖は左樣でありまするが、是が資金の運用に當りましては、代理店に於きましては、例へば五十萬以下のものに付きましては代理店限りでどんどん仕事を進めて行くと云ふ簡便な主義を採る、斯樣な考へを持つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=74
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075・村上勇
○村上委員 新聞に依りますれば、興銀と復興金融金庫は表裏一體となるとのことでありますが、政府當局は一應之を否定して居るやうに存じて居ります、實際にはさうなるのではないかと見て居る者が多いのでありますが、若し事實でありますならば、興銀固有業務との混濁を來す虞があるのではないかと思ひますが、此の點如何にして之を防ぎますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=75
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076・石橋湛山
○石橋國務大臣 新聞にどうしてあんなことを書きましたか、或は興業銀行に現在過渡的に復興金融の仕事をさせて居る所から、ああ云ふことが出たのかも知れませぬが、復興金融金庫其のものとしては、決して興銀とは表裏一體でも何でもない、全く別個のものである、現在過渡期的のものとしてあそこに代理させて居りますが、計算から何から別個であります、先程もどなたか仰しやつたやうに、興銀と特別の關係を結ぶと云ふやうな疑も起つて來るのでありせうが、さう云ふやうなことは絶對にありませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=76
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077・村上勇
○村上委員 復興金融會社設立までの暫定措置と致しまして、興業銀行が其の業務の運營に當る模樣でありますが、同行は戰時中軍需融資の中心的機關として、戰時金庫以上の活動をして來たのであります、軍需大工業と特殊の利害關係を生じて居りましたことは周知の事實であります、隨て同行をして復興金融を取扱はしむることは、其の運用の手心に依つて直接、關接軍需工業の救濟の爲の貸付や、或は自己の固定貸付の囘收の爲の貸付に資金を放出する虞が多分にあると思ひます、斯くては眞に必要なる方面への金融が等閑視されるのではないか、等閑視されまして、生産の再開と民生の安定等の目的に反するばかりでなく、大衆の負擔に於て軍需資本家が浮かび上つて來ると思ひますが、政府の見解は如何でありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=77
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078・石橋湛山
○石橋國務大臣 屡屡申上げます通り、復興金融金庫の組織其のものは、左樣なことは出來ない仕組になつて居ると思ひます、併し尚ほさう云ふ疑が世間にあるとすれば、李下の冠と云ふこともありますから、尚ほ十分注意致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=78
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079・村上勇
○村上委員 復興金融會社及び復興金融委員會の構成は、之を民主的にならしめるやうに御願ひしたいのであります、更に復興金融委員會に關しましても、關係官廳、日本銀行、或は興業銀行の職員を以て組織する樣子でありますが、斯かる機構の構成に依る運營では、前に述べました如く、整理すべき企業の救濟に墮する虞があるのではないか、又從來軍需金融の遂行に協力した是等のものを以て組成することは、世間一般の疑惑を招くものでありますから、其の機構をして一層民主的ならしめ、斯かる弊害を除去し、疑惑を一歸して、公正な運用を行ふものたらしめなければならないと思ひますが、政府當局は如何なる御考へでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=79
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080・石橋湛山
○石橋國務大臣 委員會の構成に付ては、先程も申上げましたやうに、無論公正なる委員會を作るやうに努力して居ります、但し無論日本銀行の總裁と云ふやうなものは、是は其の職業柄入れる必要があるかも知れませぬ、或は關係各省の大臣と云ふやうなものも、此の委員會に入る必要があらうと思ひます、其の他民間から取る委員、それ等の人は十分公正なる判斷が下し得るやうな、而も産業界の事情にも通じ、中小工業の事情にも通じて居るやうな人を選擇しようと思つて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=80
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081・村上勇
○村上委員 之を以て打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=81
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082・高橋泰雄
○高橋委員長 藤井正男君――藤井君に一寸申しますが、今商工省の方に政府委員を迎ひに行つて居りまして、間もなく參ります、ですから大藏大臣に對する御質疑がありましたら、其の方から御始めを願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=82
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083・藤井正男
○藤井委員 色々同僚各位から御質疑がありましたので、私の御尋ねしたいことは大概其の中に入つて居つたやうに思ふのでございますが、私は今度の金融金庫の運用を、本當に國民が望んで居るやうに、大藏大臣を初め商工大臣に於かれてもやつて行く勇氣がないのではないか、其の點に於て大臣はどう云ふやうに御考へになつて居るか、さう云ふ觀點から御伺ひしたいと思ふのであります、此の前本會議に於ても其の片鱗を御話したことがあるのでありますが、ともすると銀行と云ふものは保守的な考へが非常に強い、そこで今囘の金融金庫にしても、申込をした者に對して、委員會を作つて査定してやると云ふやうな御話に伺ふのでありますが、出來得ればもつと政府に於ても積極的に、斯う云ふ事業で、斯う云ふやうな再建の構想を畫く者には斯う云ふやうな援助をするのだと云ふやうなことを、もう少し具體的に國民に示して戴く方が宜いのではなからうか、それに對して大藏大臣の方に於ても、何かさう云ふ機關を通じて、或は説明會とか何とか云ふやうなものでもおやりになる意思があるか、一寸其の點を先づ以て御伺ひしたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=83
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084・石橋湛山
○石橋國務大臣 どう云ふ産業を今後の日本の爲に行はなければならぬかと云ふことは、商工省其の他關係廳で、大體の輪郭も決めて居り、又今度の會社の整理などにも關聯して、それぞれ指導をして居るだらうと思ひます、ですからさう云ふ方面から、此の事業は是非やらなければならぬ、それには資金が要る、其の資金が普通の金融機關では旨く融通出來ないと云ふものを、復興金融金庫で取上げる譯でありますから、其の點から言へば復興金融金庫の働きと云ふものは消極的でありますが、尚ほ復興金融金庫其のものでも、殊に中小方面の金融に付ては、何等かの指導機關と云ふものが要るのぢやないか、ですから是は金庫を組織します場合に、左樣な注文を私から金庫の方へ付けやうと、斯う云ふ風に考へて居ります、出來るだけ親切に、積極的に産業を指導し、誘掖して行くと云ふ方策を執ることが、金融金庫に取つては必要ではないか、斯う云ふ風に考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=84
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085・藤井正男
○藤井委員 是は商工大臣と關聯性があるのでありますから、後に御尋ねすることにしまして、中小工業に對する――纖維工業は勿論入るのでありますが、此の再建復興と云ふことが、特に再建日本に於て最も重要視されなければならぬと思ふのであります、其の面に於て、御承知のやうに從來の日本の産業面の動きと云ふものは、金を持つて居る者が、軍需品の拂下に於ても莫大なる物の拂下を受けて、さうしてそれの値上りに依つて可なり儲けた、尚又其の資材の獲得に依つて、自分達が最も利潤の良いものを選んで製作して居ると云ふやうなことで、今日も此處で質疑がありましたやうに、農機具に致しましても、非常に粗製濫造的なもの、同種類のものが出來て居ると云ふやうな面が多分にある、そこでさう云ふやうな利潤追求的なものが、尚ほ戰後に於て此處を先途と、金を持つて居ると云ふやうな立場に於て、それを利用して、巧く要領好くやつて居る者が、又其の幕僚群を率ゐて、復興再建に於ても好い貸付に與かるのではないかと云ふやうな場面が、先づ多分に實現されるのではないかと私は思ふ、さう云ふ點に於て、今後の日本の中小工業の再建育成に於ては、斯う云ふやうな不眞面目な、利潤追求的なものを、徹底的に政府の指導原理に於て民主化して、もつと社會政策的に、公共的に、協同の社會、お互ひの國家であると云ふ此の理念に徹して、産業再建に勵しむ者に、政府に於て有利に金融の便を圖るのだと云ふやうなことを、一つ徹底的に、民間の方に於ても亦一つの指導方針と云ふものを確立して、さうして之を持つて行かれるのが、宜いぢやなからうかと思ふのですが、さう云ふ面に於て、積極的に政府に於ておやりになる意思があるかどうか、尚又軍の拂下物品に於ても、どれだけのものが軍に於て今日拂下げられたか、或は其の拂下を何縣のどう云ふ工場が、どう云ふ風なものを受けて居るかと云ふやうなことを、政府に於ても、其の關係官廳に於て相當突込んで取調べをされて、是が萬遍に行渡つて、正しき者が常に時代の勝利者であり、國民を指導し、尚ほ再建事業にも勵しみ得るのである、殊に中小工業者もさうである、而も整備に依つて何時も虐げられた中小工業者、本當に國を思ひ、國民を思ふ者が此の際再建に挺身出來るのだ、尚ほ引揚者にしても、相當の資材或は財を海外に置いて歸つたけれども、日本に歸つて國家の爲にある折には、政府は斯う云ふ金融の面に於て、我々に便宜を與へて呉れて居るのだと云ふやうな、感謝と喜びとを持つて起ち上らせるやうに、日本の中小工業者の再建と云ふことに金融面を動かさなくちやならぬと思ふのですが、斯う云ふ面に於て、商工省なり或は大藏大臣に於てどう云ふ御考へを御持ちであらうか、伺つて見たいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=85
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086・石橋湛山
○石橋國務大臣 軍から拂下げられた品物に付てのことは、私は今何も存じませぬから、御答へすることは出來ませぬが、金融の方面に付ては、繰返して申上げますやうに、復興金融金庫其のものの性格が、御話のやうな日本の産業に取つて是非必要なもの、而もそれが普通の金融機關では融資の出來ないやうな、詰り相當困難を持つたもの、斯う云ふことでありますから、特に其の點を今まで強調して居る譯ではありませぬけれども、性格其のものが御話のやうな方向に進んで居ることと思ひます、併しながら尚ほ今後復興金融金庫が出發するに際しましては、復興金融金庫の左樣な性格を明かにして、融資を受ける人達に知らしむると同時に、御話のやうな正しい産業に、出來るだけ金融的な援助を與へると云ふ方針を執らうと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=86
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087・藤井正男
○藤井委員 やはり同じやうな問題でありますが、大臣は御承知だらうと思ふのでありますが、日本の過去の統制會社――統制會社も愈愈解體の運命に立つて居るのでありますが、尚ほ引續いて色々の組合が現在して居るのであります、さう云ふ面に於て、殆ど總てのものが、過去に於ては「ボス」的、存在になつて居るのであります、之に付ては、我々も體驗して居るのでございますが、資材を仰ぐ面に於て、或は金融の面に於て、さうした者の鼻息を窺はなければ巧く行かない、尚ほさう云ふ風な「ボス」的存在のもののみが、常に有利に資材の面にも、金融の面にも仰いで居ると云ふ實例が、全國にも殆どある、少くとも今後の日本の再建に於きまして、斯う云ふ組合とか、或は統制會社の解體後に於ける色々の行き方に對する、金融面に於て、又再建の復興面に於ては、相當愼重に、國民が安心出來るだけのものを、何等かの方法で此の際、説明してやらなければならぬ、文書で表はすことが出來れば、さう云ふものを早く發表してやる必要があるぢやなからうかと思ふのでありますが、さう云ふ點に付ても、大藏大臣の方で何か構想を御考へになつて居られるでせうか、それを一つ伺ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=87
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088・石橋湛山
○石橋國務大臣 特に御尋ねの點で、具體的な構想を持つて居るとは申上げ兼ねますが、實は全體の構想が左樣な考へで進んで居る譯であります、併し尚ほそれが一般に徹底をしない、一般に分らないと云ふ節はございませう、それは今後色々な機會を通じまして、能く復興金融金庫の性格其の他に付て徹底させるやうに努力致さうと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=88
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089・藤井正男
○藤井委員 銀行の面に於てもう一つ御尋ねしたいのであります、先日も私二、三の銀行の、相當要路に就いて居られる方に會見したのでありますが、どうも今の政府の方針がはつきりしないから、我々が中小工業者を初め、産業再建に當る者に對して、どう云ふ風な面に於て融通して宜いかと云ふことが、どうもはつきりしない、非常に困るのだと云ふやうなことを異口同音に叫ばれて居るのでありますが、是は今私考へるのでありますが、銀行と云ふものの本來の使命を今日では沒却されたやうな、枠の中に嵌められたやうな銀行金融の形になつて居る結果ぢやなからうかと思ふのであります、少くともさう云ふ點に於て、安定本部長官の方の關係になるのでございませうが、早く再建の目標と云ふものを、大略でも國民に知らせ、尚ほ金融機關にも知らせて、斯う云ふものは一つ出來るだけ積極的にやる、お前の方でやれないものは我々復興金融金庫の方でやるんだと云ふやうな、もつと掘下げた、國民に親切な面、又銀行指導の面が、此の際最も必要ぢやなからうか、さうして本當に民主的な銀行に蘇らす必要があるのぢやないか、もう一つの御尋ねは、復興金融が可なり大きな資本金が發足するのでありますが、さうして興銀、中金を利用して取扱はさせるのでありますが、今後銀行の國營と云ふことを多少でも御考へになつて居るか、若し假に御考へにならないと云ふことにすれば、其の反面に於て、現在の日本の銀行の數に於て、それで今暫くは見逃されるだらうか、もつとお殖しになつて、地方に小さいものをうんと作つて、うんと國民と接して金融の途を圖るやうな、民主的な銀行運營に盡される意思はないだらうか、斯う云ふ三つの觀點から大臣の御所見を伺つて見たいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=89
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090・石橋湛山
○石橋國務大臣 日本の今後にどう云ふ産業が必要かと云ふことは、實は少し考へて見れば銀行家に判斷が付かない筈はないのであります、政府が一々ああしろ斯うしろと細かい所まで指圖をしなければ動けないと云ふのは、所謂民主的でない譯であります、そんな筈はないのでありますが、まあ戰時中から戰後に掛けて色々な波瀾もありましたから、自然大きな觀點から物を見ることの出來ない銀行家などもありまして、左樣なことも言つて居るのでありませう、尚ほ其の點に付ては色々の方法で――現在でも日本銀行其の他を通じて、それぞれ注意すべきことは注意して居るのでありますが、尚ほ能く注意をし、銀行其のものをも指導して行くやうに致したいと考へます
それから銀行國營に付ては考へて居りませぬ、是は屡屡申上げるやうに、私は一般の銀行は國營でないのが宜い、國營ではいかぬと斯う考へて居ります、併し尚ほ普通銀行に致しましても、或は今までありました所謂特殊銀行に致しましても、此の制度が悉く良いとは言へないので、是等に付きましては、前内閣時代にも委員會を設けて研究をして居つたのであります、是が中途で研究が終らずに止めて居ります、近い機會に再び調査會を設けまして、今後の日本の金融機關をどうあらしめるかと云ふ問題は、急いで研究致したいと考へて居ります
それから銀行の數であります、是も金融機關全體のことを考へる場合に、それに伴つて自然起ることでありますが、私の考へとしては大體現在の程度で、銀行の數は、數としては宜いのぢやないか、是より更に減らすと云ふことも私は餘り好ましくない、無論地方的に色色の偏頗もありませうから、地方に依つては本店若しくは支店が足りないと云ふ所もありませうし、又現在でも多過ぎると云ふ所もありませうから、さう云ふ地方毎の事情はございませうけれども、まあ大體を申しまして、金融機關の數は現在程度で宜しいのではないか、斯樣に考へて居ります、特に非常に殖やさうと云ふことも思うて居りませぬし、況して之を大いに減らさうと云ふことも考へて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=90
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091・藤井正男
○藤井委員 消費組合が可なり全國に發達して參りまして、今日起つて居るのでありますが、此の消費組合と戰災中小商工業者に對して、此の金庫を通じて特殊優先的に御援助される御意思はないでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=91
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092・石橋湛山
○石橋國務大臣 優先的にと云ふことは如何かと思ひますが、無論商業方面、或は消費組合等に於きましても、金融金庫で融資を必要と認むるものに付ては、是はそれをしないと云ふ制限はございませぬ、唯特にそれを金融金庫が援助するかどうかと云ふ、優先的と云ふことは只今の所では考へて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=92
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093・藤井正男
○藤井委員 以上を以て私の質問を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=93
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094・高橋泰雄
○高橋委員長 では次に石原圓吉君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=94
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095・石原圓吉
○石原(圓)委員 午前中に少し殘りましたので、大藏大臣に御尋ねを致したいと思ひます、水産に對する金融の御方針に付きましては大體分つたのでありますが、其の金額に付ては午前に申上げました如く、船舶の復興に約八、九十億圓の金が要る、其の他沿岸の漁業資材、漁港、船溜、製氷冷凍、さう云ふやうな施設には可なり急を要するものがありまして、今年二十一、二年度には少くも百數十億の融資をしてやらなければいけないと思ふのであります、然るに最近の事實と致しまして、復興金融金庫に融通の途が開いて來たと云ふので、他の銀行が擔保に對して少し要求が強くなつて來たやうな樣子があるのであります、それは例へば船を造る場合には、其の船が擔保の對象物であつて、其の造船費と其の出來る船とが大抵同額に見積られ、其の範圍の融通が出來たのでありまするが、最近復興金融金庫の出現に依つて、他の銀行は船船等への融通に、幾らか其の船舶以外に他の擔保物までも添へて、増擔保をせよと云ふやうな傾向が起つて來ましたので、是は大變船主としては困るのであります、斯う云ふことが假令復興金庫の如何に拘らず、從來と變らないやうに、方針を變へないやうにして戴きたいと思ふのであります、尚ほ復興金融金庫にありましては、簡便に金を貸すと云ふことに重點を置いて戴きたい、漁村の者が遠方の東京や或は其の他銀行の機關のある所に往復することは、汽車の便利、食糧の問題、宿屋の問題、さう云ふやうな所から非常な不便を感じて、隨て手遲れになる、さう云ふことが出來得る限り簡便に行くやうに御考へを願ひたい、尚又擔保の如きも、他の銀行で融通の出來ないものが金庫で融通されると云ふ建前から、出來得る限り將來の見込のあるものは簡便に、融資をするものはする、出來なければ出來ないと、はつきりとそこで「イエス」「ノー」を決めて戴くやうな態度に、貸出の窓口ではやつて戴きたいと云ふ希望があるのであります、是等の貸出方法に付きましては、前に銀行局長よりも大體承つたのでありまするが、他の從來の銀行が、多くの擔保を強要すると云ふやうなことが此の復興金融金庫の爲に起つて來たとすると、是は却て藪蛇になるやうな傾向と見て、非常に將來を杞憂するものでありますが、それ等の點に付てどう云ふ御方針なり、御考へを持つて居られるか、一應承りたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=95
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096・石橋湛山
○石橋國務大臣 復興金融金庫が出來た爲に、外の銀行が貸出に付て條件を辛くして來たと云ふことは、初めて伺つたのでありますが、復興金融金庫が出來た爲に、左樣なことを他の金融機關がやつて居ると云ふやうなことは一寸腑に落ちないので、或は何か外の原因にも依るのではないかと思ひますが、尚ほ此の點は能く取調べさして見ます、それから復興金融金庫からの金融を成べく簡便にすると云ふことは、是は御尤もなことでありまして、是は濫に流れない限り、出來るだけ簡便に致す積りであります、先程も局長から申したやうに、各地方にもそれぞれ資金を分けまして、或る範圍に於ては一一中央に伺ひを立てずとも、現地で以て即座に融資が出來るやうな方法も執つて居ります、其の點は出來るだけの便宜を圖つてやりたい、斯う考へて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=96
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097・石原圓吉
○石原(圓)委員 現政府になりましてから、補助政策の打切り、補償の打切り、財産税の賦課、資金の凍結、小さいやうで大きい問題としては食鹽製造の補助の問題等、中小都市にも、地方にも、不安と苦痛を與へた問題が可なり澤山あることは申すまでもないのであります、之を國民全體が忍んで、さうして政府の意圖に副うて行く、斯う云ふことになさしめるのには、それに代るべき一つの復興の道が開けねばならぬと云ふのが、此の復興金融金庫の出現である、私はさう信じて居ります、其の場合に、日本の平和産業としての復興に充つる資金の額が、午前中も申されるやうに、凡そ最近の目標が二百億圓、其の中の六十億圓を差當り復興金融金庫から支出すると云ふ御方針のやうでありまするが、是は餘りに額が少な過ぎるのではないかと私は思ふのでありまして、例へば興業銀行でありましても、勸業銀行にありましても、中金にありましても、お上の息の掛る金融機關は、それぞれの立場がありまするから、到底大膽なる放資は今後しにくいだらう、寧ろ金庫の出現を口實にして、却て金庫の方になすり付けると云ふ傾向もないとは言へぬのでありまして、其の點が茲に非常に重大問題と私は思ひます、私の申上げて居る水産だけでも、差當り百億圓を超過すると云ふ必要が茲に現實に認められるのでありまして、其の場合中小工業、農山村、それぞれの部門で必要缺くべからざるものを集めたならば、私は一千億を超過する程の必要を、今切實に國民は惑じて居るのでなからうかと思ふのであります、之を大膽に融通をして、彼等に元氣を付けて、平和産業に勇んで從事させることでなければ、日本の經濟的復興は私は出來にくいのだらうと思ふのであります、一面に先刻申すやうな補助、財産税、其の他それぞれの苦痛に對しては、國民は默つて忍んで居るのでありまするから、それに代る此の金庫は、より以上の彼等に勇氣と樂みを與へてやつて、さうして元氣好く復興をするのでなければならぬと思ふのであります、それには資金が少な過ぎる、貸出の方法にありましても、尚ほ一歩前進した放膽なる貸出方法が必要でないかと思ふのでありまするが、此の問題が順調に行けない限りは、我が國の經濟は復興しない、日本の産業は復興しないと思ひまするので、非常なる茲に重大なる關係を持つと思ひまするから、今一應御考へのある所を承つて置きたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=97
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098・石橋湛山
○石橋國務大臣 如何にも御尤もでありまして、實は我々も復興金融金庫の金が、無論外の金融機關からの融資は從來通り行はれるものと致しまして、其の上に復興金融金庫の金融が現在の百億圓で足りなくて、もつと多く出ると云ふことを希望して居る譯であります、但し是は資金だけ供給致しましても、物資がなければいけないのであります、詰り物資との睨み合の問題であります、最近の状況を見ますと、御話の漁船などは中々好く進捗して居るやうでありまして、最近に於ける恐らく一番盛んな、建設的な企業は水産であらうと思ふのであります、左樣なものには現在でも相當の資金が出て居るやうに思はれます、それは要するに相當船價は高いやうでありますけれども、漁船の建造が進んで居るからであります、さう云ふものには是は躊躇なく金融を致します、其の外の企業に於きましても、實際に其の企業が興ると云ふ目途のあるものは、是は少しも吝みなく金融を致す積りで居る譯であります、萬一それで資金が足りなければ、是は政府出資でありますから、又議會の御承認を受けまして、増資を致すことも敢て辭さない積りで居る譯であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=98
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099・石原圓吉
○石原(圓)委員 大藏大臣の意のある所を多とするものであります、どうか其の御方針で、日本の平和産業の急速なる復興に對しまして、格段の御考慮を仰ぐ次第であります、水産の如きは午前中に申上げましたやうに、二十四度の線の廣大なる漁場を漁船が往復せないやうなことがあつては、外交的な大きな一つの支障を來すものと私は深く信じまして、此の漁場の活用に對しましては、一身を賭して努力したい考へを持つて居りまするが、政府に於かれましても、其の點を特に御考慮を仰ぎたいのであります、尚ほ貸出の方法に付きまして、從來の銀行のやうに現地の窓口で取計らひ兼ねて、本部へ意見を問ふ、命令を待つと云ふやうなことでは、それが爲に直ちに二十日や三十日の日が掛つて、荏苒と無駄を重ね、且つ仕事が進捗せぬと云ふことは明かなことでありますから、其の點或る程度の權限を與へ、即時即決主義の金融をやられることを、是は單り水産のみならず、總ての方面へ特に希望を申上げる次第であります、以上を以て私の質間を打切ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=99
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100・高橋泰雄
○高橋委員長 本日の質疑は此の程度に止め、本日は是にて散會致します、明日は午前十時より會議を開き、殘餘の質疑を繼續致します
午後二時五十一分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013078X00819460911&spkNum=100
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