1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十一年十月六日(日曜日)
午後二時二十八分開議
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議事日程 第五十二號
昭和二十一年十月六日
午後一時開議
第一 戰時補償特別措置法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第二 金融機關再建整備法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第三 特別和議法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第四 大藏省預金部等損失特別處理法案(委員長報告) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 厚生年金保險法及び船員保險法特例案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 企業再建整備法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 財産税法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 財産税等收入金特別會計法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 企業整備資金措置法を廢止する等の法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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〔朗讀を省略した報告〕
一、議員から提出された議案は次の通りである
水産國策樹立實施決議案
提出者
石原圓吉君 西尾末廣君
田中源三郎君 田原春次君
澁谷昇次君 宮原庄助君
夏堀源三郎君 山本勝市君
原捨思君 西村久之君
林興一郎君 馬越晃君
加藤一雄君 大久保留次郎君
(以上十月五日提出)
一、昨五日次の通り特別委員の異動があつた
青年禁酒法案(林平馬君外十一名提出)委員
辭任 二階堂進君 補闕 駒井藤平君
戰時補償特別措置法案(政府提出)外五件委員
辭任 喜多楢治郎君 補闕 九鬼紋十郎君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=0
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001・山崎猛
○議長(山崎猛君) 是より會議を開きます、日程第一乃至第九は同一委員に付託したる議案でありますから、一括議題となすに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=1
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002・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます、日程第一、戰時補償特別措置法案、日程第二、金融機關再建整備法案、日程第三、特別和議法案、日程第四、大藏省預金部等損失特別處理法案、日程第五、厚生年金保險法及び船員保險法特例案、日程第六、企業再建整備法案、日程第七、財産税法案、日程第八、財産税等收入金特別會計法案、日程第九、企業整備資金措置法を廢止する等の法律案、右九案を一括して第一讀會の續を開きます、委員長の報告を求めます──委員長本多市郎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=2
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003・会議録情報2
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第一 戰時補償特別措置法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第二 金融機關再建整備法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第三 特別和議法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第四 大藏省預金部等損失特別處理法案(委員長報告) 第一讀會の續(委員長報告)
第五 厚生年金保險法及び船員保險法特例案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第六 企業再建整備法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第七 財産税法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第八 財産税等收入金特別會計法案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
第九 企業整備資金措置法を廢止する等の法律案(政府提出) 第一讀會の續(委員長報告)
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報告書
一 戰時補償特別措置法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 金融機關再建整備法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 特別和議法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 大藏省預金部等損失特別處理法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 厚生年金保險法及び船員保險法特例案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 企業再建整備法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一 財産税法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
附帶決議
一、本法實施に伴ふ國民の犧牲に鑑み、政府は速に我が國經濟再建の根本的方途を講ずること
一、財産税の基準となるべき評價に付ては、飽くまで適正公平を期し、生産に必要なる物件は特に考慮を拂ひ、之が減退を生ずるが如き課税を爲さざること
一、各種委員會は民主的に構成し、全國的均衡を失せざる樣、緊密なる連絡協調を保ち、委員會に其の責任を負荷せしめ、之が運營を期すべきこと
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報告書
一 財産税等收入金特別會計法案(政府提出)
右は本院に於て可決すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛殿
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報告書
一、企業整備資金措置法を廢止する等の法律案(政府提出)
右は本院に於て別紙の通り修正すべきものと議決した因つてここに報告する
昭和二十一年十月五日
委員長 本多市郎
衆議院議長山崎猛君
〔別 紙〕
企業整備資金措置法を廢止する等の法律案の一部を次のやうに修正する。
第二條の臨時資金調整法の一部を改正する規定を次のやうに改める。
第十條の二 削除
第十條の十二第一項の次に次の一項を加へる。
都道府縣は戰災復興其の他の公共事業の資金を調達する爲必要あるときは命令の定むる所に依り政府の認可を受け命令の定むる法人をして前項に規定する證票を發賣せしむることを得
同條第二項中「前項に規定する」を「第一項の規定に依り同項に規定する」に改め「前項の」を削り、同項の次に次の一項を加へる。
第二項の規定に依り第一項に規定する證票を發賣する法人は命令の定むる所に依り賣得金より當籤金及命令の定むる經費竝に賣得金に命令の定むる割合を乘じて得たる金額に相當する金額を控除したる殘額に相當する金額を當該都道府縣に納付し賣得金に命令の定むる割合を乘じて得たる金額に相當する金額を政府に納付すべし
同條第三項中「第一項に規定する」を「第一項又は第二項の規定に依り第一項に規定する」に、「、營業税法及臨時利得税法」を「及營業税法」に、「、營業税及臨時利得税」を「及營業税」に、「、營業税法に依る純益及臨時利得税法に依る利益」を「及營業税法に依る純益」に、「第一項の」を「第三項又は前項の」に、「當籤金竝に前項の」を「當籤金、」に改め、同條第四項中「第一項」を「第三項又は第四項」に改め、同條第五項中「政府」の下に「又は都道府縣」を加へる。
第十八條第二號を次のやうに改める。
二 削除
同條第五號中「第五項」を「第七項」に改める。
第十八條の二中「第五項」を「第七項」に改める。
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〔本多市郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=3
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004・本多市郎
○本多市郎君 只今議題となりました戰時補償特別措置法案、金融機關再建整備法案、特別和議法案、大藏省預金部等損失特別處理法案、厚生年金保險法及び船員保險法特例案、企業再建整備法案、財産税法案、財産税等收入金特別會計法案及び企業整備資金措置法を廢止する等の法律案に付きまして、委員會の經過竝に結果に付て御報告申上げます
一應茲に本各案の内容に付て御説明申上げるのが至當かとも思はれまするが、是は曩に所管各大臣より縷々御説明のあつた所でございますので、省略させて戴きます、去る九月二十八日及び三十日の兩日に逐次委員付託となりましてから、本日上程に至るまでの審議期間は、必ずしも十分であつたとは言へないかも知れませぬ、併しながら國民最大の關心事であり、終戰後の國家財政を建直し、經濟社會の昏迷を救はんとする重要意圖に鑑み、其の審議に當りましては、各委員及び政府當局、共に眞摯なる努力がなされたのであります、即ち四十五名中其の半數に餘る實數二十五名の委員が質疑に起つて、それぞれ政府當局との間に熾烈な論議が交されたのであります、此の熱心な審議に付ては、逐一申上げたい所ではございますが、質疑の詳細は之を速記録に讓り、其の主なる點に付て、各案一括して簡單に御紹介申上げたいと思ふのであります
先づ基本的な問題として、戰時補償を打切る目的如何、戰時補償の打切りを課税の方式に依り行ふ理由如何と云ふ質疑が、各委員から發せられたのであります、之に對し政府から、戰時補償を打切る目的は、過去に於ける名目的資産の整理と、財政負擔の輕減に依る財政の再建にあると考へるとの答辯でありました、尚ほ之に關聯して、國債に對する何等かの措置を必要としないかとの質疑があつたのに對し、政府から、國債の處理は戰時補償請求權の處理とは性質が異なるばかりでなく、國債の處理に依つて、一般の預貯金者に更に打撃を及ぼすこととなることを考慮した結果、國債には全然手を付けないとの答辯がありました、次に戰時補償特別税の實際の收入見込額はどの程度かと云ふ質問に對しまして、政府より、戰時補償特別税の課税總額は約六百六十九億圓であり、其の中請求權の儘消滅するもの及び帳簿上相殺されるものを除外すると、純歳入は約百六十四億圓となり、更に政府特殊借入金分の約九十四億圓を差引いて、察際の歳入額は約七十億圓程度と考へて居るとの答辯がありました、次に企業再建整備法案に付きましては企業再建整備の方法に關する問題の外、之に關聯して、廣く經濟政策の各部門に亙り質疑應答が重ねられたのであります、先づ企業再建整備の實行に當り、企業の資産評價を如何にすべきやに付き政府の方針如何との質疑に對して、政府より、今後の物價水準を考慮し、且つ企業再建の目的に副ふべく、公正妥當なる點に落著くやう更に檢討中なる旨の答辯がありました、次に企業再建整備の實行を促進する爲め、在外資産竝に賠償施設に關する政府の方針を速かに決定されたき旨の質疑に對し、政府としては方針未決定であるが、折角努力中なる旨の答辯がありました、又特別損失を資本に負擔せしむるに當り、未拂込株金を如何にするやとの質疑に對しては、政府より、拂込資本及び未拂込資本を合せ、資本の全題に對し負擔せしむる旨、竝に拂込の徴收に付ては簡易迅速なる手續に依らしむる旨の答辯がありました
又金融機關再建整備法案に付ては、金融機關の擔失負擔に關し「プール」制を考慮せるやとの質問に對し、政府より「プール」計算をなすことは、各金融機關が軍需融資の多少に關係なく損失の負擔をすることとなり、却て不公平となる、高額預金者の多い金融機關の負擔に於て損失を解決する方が寧ろ適當と考へるとの答辯がありました
次に大藏省預金部等損失特別處理法案に關しては、郵便貯金の中第二封鎖となつたものは、殆ど全部支拂はれなくなる見込だとのことが傳へられて居るかとの質問に對し、政府より、他の金融機關との權衡の問題もあり、郵便貯金を他の金融機關と別扱ひにすることは出來ない、併し郵便貯金に付ては、他の金融機關に優先して支拂を確保することになつて居り、第二封鎖に付ても、其の支拂をなし得る見込であるとの答辯がありました(拍手)
次に財産税法案に付きまして、本税に依り果して戰時利得を徴收し得るや否や、又個人財産増加税及び法人戰時利得税を取止めたのは如何なる理由に基くかとの質問も、亦各委員から發せられたのであります、之に對し政府より、財産税に依り個人が相當高率な課税を受けることに依つて、戰時利得の殆ど全部が課税されることになると共に、戰時補償打切りの措置に依り、法人も亦其の戰時利得を事實上徴收されることになるから、結局兩税を併せ考へると、戰時利得の殆ど全部が徴收される結果になる、隨て個人財産増加税等は、是等の兩税に依り戰時利得が徴收されること、及び施行が技術的に困難なること等の理由で、之を取止めたのであるとの答辯がありました、次に財産税の收入見込額はどの程度であるか、之を本年度の財政支出に大部分充てるとすれば、明年度以降の財政の見透しはどうなるかと云ふ質疑に對しまして、政府より、財産税の收入見込額は四百三十五億圓を豫定して居り、現在の所、本年度の豫算に於ては約三百十億圓を計上して居る、尚ほ明年度以降の財政に於ては、財産税に多くを期待することは出來ないのであるが、明年度に於ては歳出の整理が考へられると共に、生産の増加等より歳入の増加も豫想されるので、財政は賄ひ得ると考へて居るとの答辯がありました、又是と同時に、現在我が國の個人財産の見積總額は四千三十二億圓、其の中一千二百八十一億圓が課税される財産價格で、納税者數は五十一萬人、其の中最高税率の適用を受ける千五百萬圓以上の財産所有者は百人に過ぎぬ旨の説明がありました
進んで各論に關する問題と致しましては、本委員會に於て最も熱心に論議が交されたのは、財産の評價の問題であります、先づ土地家屋等の價格を算定する場合の一定の倍數は、大體どの程度であるかとの質問が交されたのであります、之に對し政府から、其の倍數は市、區、郡毎に、取引價格を基準として、賃貸價格に對する倍數を求めるのであつて、各地域毎に、最高倍數最低倍數及び中庸倍數を、何れ權威者から成る不動産評價委員會に諮つて定める方針であるとの答辯がありました、次に財産税は第二封鎖預金で納付することが出來るかとの質問に對し、政府から第二封鎖預金に對する分の財産税額は、第二封鎖預金で之を納付することが出來ることになつて居るとの答辯がありました、又調査時期以後に取得した國債等を、財産税の納付に充てることが出來るかと云ふ質疑がありました、之に對し政府から、物納財産は原則として昭和二十一年三月三日に有して居た財産に限る方針であるから、其の後取得した國債等を物納に充てることは、原則として出來ないと云ふ答辯がありました、尚ほ之に關聯して、如何なる場合に物納が認められるか、又物納に充て得る財産の順位はどうかと云ふ質問に對して、政府から、金錢等で納付することを困難とする金額に付て物納が認められるのであつて、財産の構成、税額の大小等に依り具體的に定めらるべき問題であると云ふ答辯がありました、更に物納財産の順位は、第一が國債及び地方債であり、次に株式、社債と不動産は原則として同順位で、最後が動産であると云ふ答辯がありました
次に特別和議法案に付て、本法に依り戰時利得者の財産隱匿行爲を助成する虞なきやとの質問に對して、斯かる場合には、破産囘避の目的に出づるものとして、和議申出を却下して、左樣なことを防止することが出來ると云ふ答辯があつたのであります
次に厚生年金保險法及び船員保險法特例案は、軍需補償打切りに伴ふ離職者に對する脱退手當金の支給に付きまして、現行法通り一年の待機の期間を強制すると云ふことは實状に即しないので、當分の間此の待機の期間を必要としない特例を設けんとするものであります(拍手)
以上が質疑の主なる點であります、五日各案に對する總ての質疑を全部終了致しまして、引續き討論に入りました所、企業整備資金措置法を廢止する等の法律案に付きまして、戰災地に復興費の財源を與へ、旁旁浮動購買力の吸收をなす爲に、地方團體にも富籤發行權を與へることを適當とする見地より、本案に對する修正案が、社會黨を除く各派の共同提案として提出せられたのであります、又財産税法案に對し、本法が國民の經濟生活に及ぼす影響は重大であり、課税の適正公平を期することの必要に鑑み、社會黨及び無所屬を除く各派共同提案の附帶決議が提案されたのであります、之を朗讀致します
附帶決議
一、本法實施に伴ふ國民の犧牲に鑑み、政府は速に我が國經濟再建の根本的方途を講ずること
一、財産税の基準となるべき評價に付ては、飽くまで適正公平を期し、生産に必要なる物件は特に考慮を拂ひ、之が減退を生ずるが如き課税を爲さざること
一、各種委員會は民主的に構成し、全國的均衡を失せざる樣、緊密なる連絡協調を保ち、委員會に其の責任を負荷せしめ、之が運營を期すべきこと
是が附帶決議の全文であります、尚ほ社會黨を代表致しまして奧村又十郎君より、國債の打切りを含まざる今囘の施策は、經濟再建を不可能ならしむるのみならず、戰爭に依る各種の不公平を徹底的に是正することが出來ない等の趣旨を述べて、反對を表明せられたのであります、次いで無所屬を代表致しまして中野四郎君より、本案の課税方法は、農村、漁村の實情に副はざるものあり、食糧増産にも反すると主張し、又財産評價に關し、不動産賃貸價格の時價に對する標準に付て、之を委員會に提示せざるは不當なりとの理由を以て、反對を表明せられたのであります、此の中野四郎君の反對せられました法案は、財産税法案及び財産税等收入金特別會計法案に付てであります、他の法案には贊成の意見が述べられたのであります、次いで自由黨を代表致しまして菊池長右エ門君、進歩黨を代表して武藤嘉一君、協同民主黨を代表して秋田大助君、國民黨を代表して穗積七郎君から、各各適切なる希望を述べられて、それぞれ各案に贊成の討論があつたのであります、續いて採決に入りまして、企業整備資金措置法を廢止する等の法律案は修正議決、財産税法案に付ては附帶決議を附して原案の通り可決致しました、他の戰時補償特別措置法案外六件は何れも原案通り可決致しました、以上簡單ながら御報告申上げます(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=4
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005・山崎猛
○議長(山崎猛君) 九案の第二讀會を開くに御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=5
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006・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます、仍て九案の第二讀會を開くに決しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=6
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007・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに九案の第二讀會を開かれんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=7
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008・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=8
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009・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに九案の第二讀會を開き、議案全部を議題と致します、討論の通告があります、順次之を許します──中崎敏君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=9
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010・会議録情報3
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戰時補償特別措置法案 第二讀會
金融機關再建整備法案 第二讀會
特別和議法案 第二讀會
大藏省預金部等損失特別處理法案 第二讀會
厚生年金保險法及び船員保險法特例案 第二讀會
企業再建整備法案 第二讀會
財産税法案 第二讀會
財産税等收入金特別會計法案 第二讀會
企業整備資金措置法を廢止する等の法律案 第二讀會
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〔中崎敏君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=10
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011・中崎敏
○中崎敏君 私は日本社會黨を代表して、戰時補償特別措置法案外八件に對し、返上を主張せんとするものでございます
本關係法案は國民生活に重大の關係ある劃期的法案なるにも拘らず、政府は補償委員會に於ける審議を僅か三日の短期間で終結せしめんとするの意圖を以て、本案の強行突破を企圖したのでありまするが、假令議會は突破し得たりとするも、深甚なる關心を以て議會を監視しつつある國民の目を掩ふことは出來ないでありませう(拍手、發言する者あり)斯くの如き態度は議會の自由なる活動を制約せるものにして…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=11
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012・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=12
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013・中崎敏
○中崎敏君(續) 恰も戰時中に於て軍部竝に官僚内閣の執つた獨裁政治と其の揆を一にし、議會の權威を輕からしむるものであります、是に於て我が黨は、國民と共に往くの慨を以て、冷靜愼重な態度を以て審議し、質すべきは之を質し、議會の權威を高め(「賣名だ」と呼び其の他發言する者あり)議員の職責を果すに務めた次第でございます、我が黨は立黨以來終始一貫、戰時補償の打切りを天下に聲明し、擬制資本の徹底的整理を主張して居るのでございますが、其の趣旨に於きまして政府案に反對致して居るものではありませぬ、我が黨が敢て政府案の返上を主張する所の理由は、他に存するのでございます(發言する者あり)
第一點は擬制資本の整理が不徹底である點を指摘するのでございます
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=13
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014・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=14
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015・中崎敏
○中崎敏君(續) 所謂擬制資本なるものが何を意味するかは明かでありませぬが、我が黨の主張する擬制資本は、政府が…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=15
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016・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=16
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017・中崎敏
○中崎敏君(續) 戰時中に於て勝つと云ふことを前提として國民に公約した一切の債務を意味するのであります、即ち戰時に於て支拂を保證した金融債、營團債、會社債及び外地債、此の合計二百八億圓、戰爭保險、軍需關係完成品の對價請求權等、合計六百七十億圓、竝に銀行等資金運用令に基く命令融資額五十億圓、合計九百三十億圓及び戰時國債、其の額一千三百餘億圓を意味するものでございまして、之を全面的に打切ることに依つて敗戰に因り破産に瀕した國家の財政を整理し、塗炭の苦しみに陷つた國民の負擔を輕減し、併せて惡性「インフレ」を防止し、之に加ふるに戰時利得を徹底的に追求し、斯くして企業を財政の壓迫から解放し、以て國家の再建を圖り、民主の安定を期せんとするものでございます(拍手)然るに政府は擬制資本の整理に名を藉りて、企業竝に金融機關の温存を圖り(發言する者あり)金融緊急措置法を制定して、國民大衆の預金、保險、年金等合計五百四十億圓を第二封鎖となし、更に企業に對する巨額の債權を凍結し、之を以て補償打切の結果…
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=17
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018・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=18
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019・中崎敏
○中崎敏君(續) 補償打切りの結果生ずる企業竝に金融機關の損失を補填し、以て其の犧牲を國民大衆に轉嫁するものでありまして(拍手)政治的弱者である所の國民大衆に對し、斯かる偏頗な措置は、到底我々の容認し得ざる所でございます(拍手)勿論我が黨は、企業竝に金融機關の國家再建途上に於ける使命の重要性を看過するものではございませぬ、否、是等のものが速かに混亂の中から起ち上つて、民生安定の先驅者とならんことを望む第一人者であります(拍手)我が黨は「インフレ」防止に名を藉つて、姑息なる金融的措置を講じて企業を壓迫し、經濟の再建を阻みつつある政府の施策に慊らざるばかりでなく、終始補償打切りに反對した政府が、急遽補償打切りを斷行せざるを得ざるに至つた客觀的情勢と、時勢の推移を洞察する卓見と、認識を缺如せる所の政府の無能振を暴露したものと言はなければなりませぬ(拍手)
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=19
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020・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=20
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021・中崎敏
○中崎敏君(續) 抑抑補償打切りに依る所の損失は、企業竝に金融機關白體の責任に於て處理すべきことは理の當然であります、願みるに、戰時中企業責任者は先を爭つて民需産業より軍需産業に轉向し、或は待合政策に依つて軍人、官僚、統制會社の役員等を籠絡し、或は夜陰密かに是等要路者を訪れて、企業の擴大を密談し、金融機關と通謀して不當の借入を畫策し、中には設備資材を高價に買入れ、其の差額を私して私腹を肥し、或は之を山分けしたる者が枚擧に遑ない次第でございます(拍手)道義の頽廢之に基因したりと言ふも、決して過言ではないのでございます、之に加ふるに軍需會社の利益は莫大な額に達したことも、亦異論のない所でございまして、其の利益の相當部分が含み資産の形に於て企業資産の中に隱されて居ると云ふことも、亦疑ひのない事實でございます、即ち設備の過當評價、設備の過當償却、内面償却及び物價高に依る自然騰貴の外、原料、材料、手持製品の値上りに依る所の利益は莫大でございまして、是等を時價に見積れば、優に補償打切りに依る損失を「カバー」して餘りありと言はなければなりませぬ(拍手)尤も個々の企業に付て之を見れば、飛行機會社の如く、設備を直ちに他に轉用することの困難なるもの、或は戰禍に罹つた工場の如く、實體資産の件はないものもないではありませぬけれども、是とても企業全體を「プール」致しまして、其の損益を計算することに依つて、企業に惡影響を及ぼすことなく、延いては産業再開を阻むことなく、補償打切り有終の美を濟すことが出來る譯であると信ずるのであります
然るに政府は本法案に於て、資産の評價替をなすか否かの決定權を企業家に一任し、又資産の評價替をする場合に於ても、其の評價の基準を本法に規定する所なく、命令に讓り、而も評價基準を未だ決定して居ないと云ふ状態でございます、補償打切り善後措置の眼目たる資産の評價替に對する政府の態度は、實に不可解であると言はなければなりませぬ(拍手)政府の政策が資本家の代辯だと言はれるのも、實に此の點に存するのでございます、我が黨は國民大衆と共に政府を嚴重監視するものでございます、尚ほ政府が賠償の爲め撤去すべき施設に對する處置に付て具體案を持たないことは、甚だ遺憾と存ずる次第でございます、果して何れの工場を撤去すべきや不確定なことは、政府の言ふ通りでございまするが、「ポーレー」委員會案と、第一次竝に第二次指定工場の發表と、其の後の交渉經過に鑑み、大體の範圍は想定し得る所でございまして、是等を綜合して、撤去企業に對する損失補償を如何にするや、是が爲に生ずる企業配置及び物資の生産不足を如何にして「カバー」するやは、企業整備再建途上に於ける所の重要課題でございまするが、是等の點に關しても國民を納得せしむるに足る具體案を有せないのでございます
次に戰時國債の棒引は、擬制資本整理の一環と致しまして、此の際斷乎決行せねばならぬ所でございます、千三百餘億に上る巨額の戰時公債、而も今年度末には二千億を突破すると豫想せられるのでありますから、其の利拂だけでも一箇年實に七十億圓餘に上ると推定されるのでありますが、政府が如何に暴虎憑河の勇を揮つても、故意に、恐るべき惡性「インフレーション」を誘發せしめない限り、日本經濟は到底其の負擔に堪へ得ない所でございます、政府は内外の事情に依り、厭や厭やながら補償打切りを決意せざる得なかつたと同樣、近い將來必ず軍事國債の棒引を斷行せざるを得ざるに至ることは、私の斷言して敢て憚らない所でございます、果して然らば、何を苦しんでか不徹底な整備を小出しに實行し、日本經濟の再建を遲延せしめて、國民の不安を慢性化せしめるかを疑ふのでございます、我が黨が本關係法案の返上を主張する理由の一つは、實に此の點に存する譯でございます、政府は速かに社會主義的計畫經濟に基く綜合施策に依る安定物價水準を策定し、之を基準として各企業資産の再評價をなさしめ、全企業を打つて一丸とした損益を「プール」し、其の剩餘金を以て國債の打切り財源に充當すべきものだと信ずる譯でございます
茲に一言附加へたいことは、企業の資産を評價替するに當り、安定物價を基準として資産の評價益を計上するも、決して企業を不健全ならしむるものでなく、寧ろ現在不當に安く見積られて居る所の帳簿上の資産價格を、安定物價水準まで引上げることに依つて、初めて他の一般物價との均衡を保ち、公平なる立場に於て經濟活動の再出發が出來るものだと信ずる譯でございます
返上理由の第二點は、本法の實施は國民負擔の公平を破るものであります、即ち本法は百「パーセント」課税に依つて補償を打切らんとして居るのでありまするが、負擔の公平を期する上に於て、遺憾の點が存するのであります、即ち政府は、戰爭に基因する債務の不履行が政府の信用を失墜することを惧れて、支拂ふべきものは支拂ひ、取るべきものは取ると云ふ感じを與へ、國民を錯覺に陷れんとして居るのでありまするが、斯かる姑息な麻醉政策は、到底我々の容認し得ない所であります、宜しく政府は敗戰の現實を率直に認め、補償打切りが經濟再建の爲に已むを得ざる非常措置なることを國民に知らしめ、以て國民の心からなる協力を得て、國家再建の第一歩を踏出すべきであると信ずる譯でございます
是が爲には、預金者、保險契約者、社債權者、株主其の他の權利者、各種企業竝に金融機關等に對し、其の能力竝に責任の程度に應じて、公正妥當なる措置を講ずるべきものと信ずるのでございます、即ち政府は先づ補償權利者に對し、其の請求權を取消し、其の直接當事者をして、資産の評價替其の他の方法に依り善後措置を講ぜしめ、更に關係重役の私財を提供せしめ、是が整理をなさしむることに依り、補償打切りを公平且つ有效になすことが出來ると信ずるのでございます、第一封鎖、第二封鎖の如き不自然なる措置を講ずることに依つて、政府竝に金融機關の信用を失墜せしめ、新圓に對する民間退藏の如きは不自然な現象でございまするが、之を常道に返し、經濟再建の基盤を確保し得るものと信ずるものでございます
〔發言する者多し〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=21
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022・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=22
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023・中崎敏
○中崎敏君(續) 斯くすることに依つて、前内閣が國民に公約した、財産課税に對する預金優遇を實行する途も開かれるものと信ずるのでございます、政府は簡單に、前内閣の政策、公約等に對しては責任を持たぬことを言明するけれども、國民は政府を、時間的にも觀念的にも脈絡相通じ、聯關せる一體として考へて居るのでありまして、内閣の首班が何人でるか、或は閣僚が何人であるかを問題にして居るものではありませぬ、斯かる見地から私は、政府のなした公約は已むを得ない事情の存せざる限り實行せらるべきものであり、國民の信用囘復に最善の努力を拂ふべきものと信ずる譯であります
第三點は、金融資本が企業資本を壓迫し、經濟再建を阻碍する慮がある點を指摘するのであります、會社經理應急措置法に依れば、特別經理會社に對する債權者、主として金融機關側から特別管理人を入れて特別經理會社の重要業務全般に關與することになつて居りまするが、企業に不慣れの金融機關の役職員が、企業に對して斯かる重要なる發言權を持ちますれば、企業の敏速闊達なる活動を阻碍するものでございます、其の他金融機關に對しましては、企業よりも遙かに國家の保護が厚く、第二封鎖の措置等に關聯しまして、企業の預金を吸收し、更に政府の誤れる施策に基因して、新圓預金の不足が、貸金利息の引上げを不可避ならしめ、生産費を高め、物價を騰貴せしめ、企業の再建を阻む事實は、決して輕視することが出來ないのであります
第四點は、本法には隨所に非民主的規定が盛られて居るのでございます、例へば企業再建整備法第二十九條に、「特別經理株式會社は、決定整備計畫に定める事項については、法令の規定又は定款の定にかかはらず、株主總會又は社債權者集會の決議を經ることを要しない。」旨を規定して居ります、是れ恰も戰時中に於ける指導者原理を採用したものでありまするが、經濟民主化の線に沿ひ、寧ろ定款の定むる所に依り、株主總會又は社債權者集會の決議を認め、其の決議が決定整備計畫の實行を妨ぐる虞ある場合に限り、主務大臣が之を取消し又は變更することが出來る旨を規定すべきであると信じます
第五の點は、戰時利得の徹底的追求を要求せんとするものであります、企業及び金融機關の評價替は勿論、其の評價益は、戰時利得税として百「パーセント」の課税をなすと共に、債權者に迷惑を掛けた企業及び金融機關に對しては、今後五箇年間配當の制限をなすべきものと信ずる譯であります、然るに政府は企業及び金融機關温存の爲め、前内閣が發表した案を根本的に覆したのでありまして、其の理由とする所は、企業竝に金融機關に對しては、補償打切りに依り過度の負擔をなさしむるに至ることとなるから、之を廢止したと云ふことを申して居りまするが、補償打切りに依り殆ど損失のない所の企業及び金融機關も數知れずある譯でございまして、是等のものの中には、尚ほ巨額の利益を蓄積して居るものも多數にある譯でございまして、斯くの如きものに對して課税するのは當然の理由でございます
第六の點は、金融機關に對する政府の支拂保證に對する點に付て反對するものでございます、金融機關が、補償打切りの結果生ずる所の損失を第二封鎖預金を以て穴埋めしましても、尚ほ不足を生ずる時に於きましては、政府は百億圓を限り補償することになつて居りますが、右は企業竝に金融機關の資産を再評價することに依つて、更に企業の評價益に課税することに依つて、更に又企業又は金融機關の損益を全體「プール」することに依つて、政府補償の必要をなからしむるものと信ずる譯でございます、百億圓の政府補償に依つて金融機關の信用を確保し、新圓預金及び第一封鎖預金の支拂を保證せんとする所の政府の意圖を了解し得ないではありませぬけれども、抑抑補償打切りは、政府の負擔を皆無にする方法に依つてなすべきものであつて、一面補償を打切つても、他方に於て新しい補償をするのでは、補償打切の目的に副はない譯でございます、是が爲に資産の評價を辛くし、企業及び金融機關に對し、不當の利益を與ふる結果となる譯でございます
第七の點は、勞働者に對する政府の認識が、著しく時代錯誤である點を指摘せねばならぬのであります、企業再建上勞働者を重視し、之を尊重することは、無上の命令であります、然るに政府は資本家的舊套を一歩も脱却せず、新時代に處する認識を改めざるは遺憾であります、即ち特別經理會社の整備計畫中に、勞働者に對する計畫を除外し、勞働計畫は専ら資本家の獨斷専行に任して居る譯でございますが、是は明かに片手落でありまして、資本家對勞働者の摩擦を激化する虞があるのでございます、尚ほ政府は補償打切りに依る企業の縮小若しくは閉鎖に際し、勞働者の解雇若しくは手當の支拂等に對しましても、お座なり的な取扱をなして居るに過ぎないことは、深く我が輩の遺憾とする所でございます
次に財産税法案に付て一言致しますれば、本法の目的は、富の均衡化に依る經濟の民主化と、緊要なる終戰處理及び戰後復興費の財源に充當することにありますが、我が黨は、右の外、戰時利得の全面的沒收を主張するのであります、右の如き見地に於て本法案を見ますれば、個人の戰時利得の沒收に深き意を注がず、法人の戰時利得税を取止めた政府の眞意は、了解に苦しむ點がございます、又富の均衡化に付ても、負擔の公平化に付ても、本法は不徹底極まるものだと言はなければなりませぬ、戰爭に依つて塗炭の苦しみを嘗めて居る戰災者、敗戰に依り生死の間を彷徨して居る復員者に對し、僅か五千圓の特別免税點を設けて居るに過ぎざるが如きは、政府が是等戰災者及び復員者の悲痛な叫びに目を掩ひ、「インフレ」の現状を忘却せるものと斷ぜざるを得ないのであります、之に對し、換物に依り財産の隱匿を圖つて居る所の幾多の人々に對しましては課税の施策を有せず、巨額に上る新圓の退藏者に對しても、課税の方策はないのであります、斯くて富の均衡を圖り、負擔の公平を期すると云ふ政府の言明を信頼し得ない點は、故なしとしないのであります、政府は財産税收入を四百三十五億と見積つて居りますが、之を確實に徴收し得るや否やは、財政計畫に齟齬を來すのみならず、豫定の收入を確保出來ない場合には、更に十萬圓の免税點を五萬圓まで引下げて追徴せざるを得ない場面を生ずる虞があるのであります、此の點を質したる所、大藏大臣は、四百三十五億圓は徴收し得る確信を持つて居るとの答辯をされたのでありまするが、其の主要財源たる不動産に對する評價基準も、未だ明かにされざる状態でありまして、斯くては一面苛歛誅求の虞があるばかりではなくして、他面税務關係者の偏頗な措置も考へられますので、不動産評價だけは、少くとも本法に明示すべきものと信ずるのであります、然るに政府が委員會に於て執つた祕密的態度は戰時中に於ける官僚獨善、祕密嚴守主義の現はれでありまして、國民の要望して已まぬ明朗なる政治も、到底望まれない次第でございます
要するに我が黨は、補償打切り及び財産税の徴收に對し、趣旨に於て反對するものではありませぬ、寧ろ是が徹底化を要望するのでございまして、本法の如き、有産階級の特別保護を隱されたる目的として、産業の再開、「インフレ」防止竝に失業對策に付ても確たる見透しと施策抱負を伴はざる不徹底な法案を返上し、今まで縷々述べた趣旨に沿うた案を練り直し、改めて提出されんことを要望する次第であります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=23
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024・山崎猛
○議長(山崎猛君) 穗積七郎君
〔穗積七郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=24
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025・穗積七郎
○穗積七郎君 私は國民黨を代表致しまして、只今上程されて居りまする諸法案に對して、委員長報告通り贊成するものであります(拍手)簡單に贊成の趣旨を明かに致して置きたいと思ひます
我々が此の法案に贊成致しますのは、未練がましい親が死んだ子供の年を算へるやうな感情を以て、此の法案に贊成するものではないのであります、此の法案が如何に劃期的な深刻なものでありましても、敗戰後の日本經濟再建の爲に積極的に必要であると云ふ趣旨に立つて、我々は贊成致すものであります(拍手)何となれば、消極的な已むを得ざる措置として之を受取りますならば、徒らなる經濟の混亂を起すのみであつて、何等後々の建設の爲に役立たないと信ずるからであります(拍手)其の目的を達します爲には、此の法案に於きまして二つの點が最も重點として反省されなければならないと思ふのであります、其の一つは、措置の公平に付てであります、第二の點は、此の措置が行はれました後の經濟竝に國民生活に對しまする、爾後の處理に付ての適切さであります(拍手)第一の公平に付きましては、言ふまでもなく戰災者、引揚者を初めと致しまする、正直なる戰爭犧牲者、是と不當なる戰時利得者との間に於きまする公平を期することが眼目でなければならぬのでありますが(「それが出來ぬぢやないか」と呼ぶ者あり、(拍手)其の爲には先づ第一番に、評價の基準が明確にして、且つ十分なる準備がなされて居ること(「なされて居らぬ」と呼ぶ者あり)第二は、評價或は調査の諸々の委員會が、最も廣汎に且つ民主主義的に構成されて、是が評價に對しまする責任を自主的に持ち得ることであります、第三は、此の措置に當りまする直接の官僚機構であります税務機關が、從來の如き偏頗乃至は官僚的なる心構へを改めまして、此の民主的なる委員會と自主的に共同することに依つて、初めて今申上げました公平を期し得ると信ずるのであります(拍手)併しながら委員會に於て明かにされましたる、政府の是等三點に對しまする準備と云ふものは、遺憾ながら我々から眺めまして、未準備であり、或は不備な點をまだ殘して居ると云ふ危惧を我々に持たしめたのであります、にも拘らず我々が之に贊成せんとするものは、是等の不備、缺陷、不徹底がありましても、是は政府のみならず、國民全部が、敗戰後の日本經濟再建の熱意と責任を持つて是正して行くべきことを信じて、我々は此のことの缺陷を指摘し、政府の自覺を求めて贊成する態度に出たものであります(拍手)
第二は、此の措置の爾後の處理に付てでありますが、是は我々は最も深刻に考ふる所であります、其の第一點は、措置を執りました後の我が國の生産の復興に付てであります、第二點は、是と共に深刻に我々の生活の中に、政治に、而も危機を孕みつつ出て參りまする失業に對する對策であります、第三には、此の措置に伴ひまして後の日本經濟建設の爲の「インフレ」對策竝に財政の健全化、此の三點でございます
第一の生産性の確保に付きましては、此の度措置が執られました後には、正當に其の生産に對して發言權を持つて居る者が、其の發言權を失墜する虞があるのであります、又其の生産に對しまして、國家的見地に立つて十分なる能力を持つ者が、其の生産の計畫を途中で放棄しなければならぬと云ふ矛盾を藏するのでありますが、そこで是等の結果が現はれて參りましても、此の法案に依る措置とは別に、今後の生産建設に對して、政府が積極的なる援助乃至は指導を自らの責任に於て行ふことを條件と致しまして、我々は第一に此の問題に對して了承致した譯であります(拍手)之に關聯致しまして此の際特に政府に要望致して置きたいことは、物納に依りまする多くの物件がございまするが、此の中には、其の管理如何に依りまして、今後の我が國經濟の生産性に至大なる影響を持つものが多々あるのであります、之に對し如何なる體制、如何なる方法で管理するかに付ての政府の御答辯は、未だに無準備乃至は考慮中と云ふ御答辯でありまして、我々意に滿たない所があるのでありますが、之に對しましても、先程申しました通り、火急の措置であると云ふことに口實を藉りまして、其の失態なきことを嚴重に此の際更めて申上げまして、此の問題に對する政府の責任を明かに致して置きたいと思ふのであります
第二に於きましては、失業對策でありますが、是は、此の措置を執りました後に於ける我が國の經濟竝に政治に付きましての中心問題であると私は信じて居るのであります、特に來年以後、賠償撤去後に於きまする我が國經濟に付て之を眺めますならば、資材の點から致しまする生産の困難と云ふものは、想像に難くないのであります、下半期以後に於きまする我が國經濟の崩壞の危機、深刻なる失業の露呈と云ふことに對しましては、此の對策如何に依つて、只今上程されて居りまする緊急なる措置が生きるか、死ぬかの峠であると私は信ずるのでありますが、實は我々が此の際遺憾の意を表しながら、深甚なる政府の反省を再び求めて置きたいことは、此の補償打切りの措置に對しましては、涙を流さんばかりに説明されましたる政府が、失業問題に對しましては、其の十分なる責任と自信とを示されるのに聊か不足を感じて居る次第であります、若し此の失業問題が、現在までに於て幾多の機會、或は討論に於きまして示されましたる程度の政府の對策を以て致しましては、到底我々は之を解決する望みがないと思ふのでありますが(「それでも贊成するのか」と呼ぶ者あり)之に對しましては我々は、現在の政府の對策と意思が何れものでありましても、必ず來年以後に於ける我が國の經濟竝に政治の舞臺に於きまして、國家化されましたる、生産性に裏付けられましたる失業對策と云ふものが、必ず現はれて來ることを我々は見透し、且つ信じて、之に對する贊成の態度を表明したのであります(拍手)
最後に「インフレ」對策竝に財政の健全化の問題でありますが、先程委員長の御報告がありました通りに、政府は最初の豫定を變更されまして、戰債千數百億は元利共に其の儘に据置かれまして、さうして此の度取上げまする財産税は、大多數が一般會計として、今年度、其の生産性の未だに裏付けられざる時期に於きまして、大藏省證券を見返りと致しまする新圓の放出と云ふ深刻なる方法が考へられる譯であります、而も來年度に於きまして支出を縮減し、さうして復興する生産を基礎とする所得税體制に依る財政の建設と云ふことを、自身を以て言はれたのでありまするが、我々は之に對して多大の危惧を抱くのであります(「危惧だらけぢやないか」と呼ぶ者あり)所得税を中心とする税制を確立して、財政の安全を圖り得ると云ふことは、來年の生産の實情から致しまして、到底十分に望み得ない、さうなりますると、あとは大衆課税となりまする流通課税を増徴致しまして、さうして税制の穴を埋める、然らずんば公債に依ると云ふことであります、さうなりました時に、茲に社會黨の方々からも提起されました如く、今度の措置で擬制資本を打切られましたが、戰債を中心と致しまする擬制豫算は打切られなかつたのでありますが、之に對しましても、現在の政府の意圖が如何なるものであらうとも、其の答辯が何であらうとも、我々は日本經濟の求むる所に依りまして、必ずや此の問題が、再び我が國の政治解決を迫つて出て來ることを確信するのであります(拍手)
現に現内閣に於きましても、此の補償打切りに對し、日本經濟再建の爲に反對されて來たに拘らず、現實が之を要求したのであります、それと同じく、私は必ずや次の時期に於て、政府の現在の方針、意思如何に拘らず、戰債打切り問題竝に税制の根本的なる改革の問題が出て來ることを見透し、且つ信じまして、此の法案に贊成の意を表したのであります
之を要しますのに、我々は以上申しました數點に亙つて多くの不準備或は不徹底、危惧を抱くものでありまするが、現在終戰後の我が國經濟の要求しますものは、拙速であります、時々刻々に迫りつつあります生産を復興し、早く我々の獨立と安定を經濟に持ち來すと云ふことでありますので、我々は實行しつつ修正し、修正しつつ實行して行くと云ふ態度に於きまして、我々も自ら其の責任を感じつつ、此の法案に贊成するものであります(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=25
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026・山崎猛
○議長(山崎猛君) 中西伊之助君
〔中西伊之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=26
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027・中西伊之助
○中西伊之助君 私は日本共産黨を代表致しまして、戰時補償特別措置法案外八案に對する反對の理由を申上げます
〔發言する者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=27
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028・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に──靜肅に発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=28
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029・中西伊之助
○中西伊之助君(續) 此の九法案の中で、其の根幹と目すべき戰時補償の打切りに關する法案、財産税法案、此の所謂表裏一體の法案に付きまして、甚だ簡單に其の理由を申述べて見たいと思ひます
先づ戰時補償打切りの問題でありまするが、是は擬制資本の整理だと言つて居ります、無論其の通りである、此の擬制資本と云ふ言葉に付きましては、果して是が適語であるか否かと云ふことには問題があるのでありますが、通常さうした用語を用ひられて居りまするから、所謂擬制資本と私は申して置きます、此の擬制資本は即ち名目上の、詰り空資本、紙幣資本でありまして、決して現實的の生産資本ではありませぬ、此の生産資本でないもの──私は甚だ疑問と言ふよりも、寧ろ政府のさうした方針に對する多くの矛盾、欺瞞と云ふものを感ずるのであります、擬制資本と云ふものの本質は、もう説明するまでもありませぬが、さうしたものを以て現實的な生産資本に摺替へつつあると申しますのは、此の擬制資本の整備に依りまして、現實の生産資本に從事して居る所の勞働者、勤勞階級を整理しなければならない、之を馘首しなければならないと云ふ此の政府の態度、又さうしたことを口實にして、現に盛んに勞働者を街頭に放り出して居るのは、我々が甚だ不思議に感ずる所であります、是は此の擬制資本を整理すると云ふ口實の下に、現實の勞働者を馘首する手段に用ひられて居る、是が我々の本案に絶對反對を致します重大な理由であります
申すまでもなく終戰後に於きまして、皆さんが御承知の通り、多數の現實の生産資本の破壞に依りまして、多くの勞働者、勤勞者階級が解傭をされました、さうして殘る必要な部分が、現在まで其の現實の生産資本の下で生産をして居るのであります、所が資本家階級の代辯者であります所の日本經濟新聞は、之に對してどう云ふことを申して居るかと申しますと、即ち八月十三日、補償打切りと補償打切り論者の責任と題しまして、補償打切りが異常に困難なる仕事であり、隨てそこに幾多の矛盾撞著を免れない性質のものであることは、初めから分り切つて居ることであつたと云ふことを言つて居る、其の代表的なものは大量失業の發生である、隨て補償打切りに依つて失業者の發生が或る程度已むを得ないとすれば、補償打切りを主張した者は、失業の發生に對しても當然責任を執るべきである、打切りを主張した政府と、言論界其の他の避くべからざる責任であると云ふことを申して居ります、所が只今も申しました通り、それは嘘である、現實に此の生産に從事して居る即ち工場或は機械、器具、原料品と云ふものが現存して居るのである、それに從事して居る所の勞働者を首切る必要はないのであります、所がなぜ然らばさう云ふ口實の下に馘首をしたか、馘首の理由を捏造したかと申しますると、是は終戰後に、皆さんも御承知の通り勞働運動が勃興致しまして、勞働組合を勞働者が結成致しまして、二倍、三倍──是は食へないから仕方がないのであります、二倍、三倍の要求を致しまして、現在使はれて居る所の勞働者と云ふものは、高率賃金であります、此の高率賃金の勞働者を馘首して、「アジア」的の低賃金に依つて傭ひ入れなければならないと云ふ、利潤追求の資本家階級の隱謀であると、私は斷言して憚らないのであります
更に我々が不思議なことは、即ち現に放置されて居る所の、千四百億圓に達する國債であります、是は大體戰時利得と見て宜いのでありますが、斯うしたものを整理しないで、而も資本家階級、金持階級に對して、年額七千萬圓と云ふ巨額な配當をして居るのであります、所が一例を採りますと、僅かに二億圓の整理をする爲に、即ち國鐵從業員十三萬、其の家族五十萬を飢餓に追込むと云ふふやうな、苛酷、冷酷な處置を執つて居るのであります、私は、勞働者階級に對する斯くの如き整理に對して、石橋財政、石橋藏相は呪はれて宜いと考へて居ります
次に財産税でありまするが、此の財産税に付ては、一年程前に我々は、財産税を課けると云ふことを頻りに宣傳されて居た、それで資本家階級は顏色蒼然となつたのでありまするが、一體網を掛けるぞ、網を掛けるぞと言つて漁師が魚の前で威した場合に、是は逃げて行くのが當り前である、逃げないやつは盲の魚である、さう云ふやうな方法を執つて、前内閣が千億と云ふ計畫を立てたに拘らず、現内閣は、「インフレ」に依つて價格が約十倍の昴騰をして居る際に、僅かに四百三十五億に過ぎない、殆ど其の二十分の一位なものを、財産税であるぞと云ふ大きな看板を掲げて、如何にもそこに社會的正義があるが如く、欺瞞的な法案を今出したのであります、是は無論此の「インフレ」に依つて、其の内に又資本家階級の方へ還つて行く、即ち是は電氣仕掛で再び還つて行くことは申すまでもないのであります、是は賢明なる皆さんが能く御承知であらうと存じて居ります、殊に委員長報告にあります通り、此の税金は第二封鎖で支拂つて宜いと云ふことでありますが、それが税金となつて現はれて參りますと、是は「インフレ」を増長するに過ぎないのであります、斯うした二十分の一の財産税を課けて、而も是が何か社會政策の如く、或は社會正義の如く、或は富の再分配の如く申して居りまするやうな、斯うした欺瞞的な法案に對しては、我々は絶對に反對せざるを得ないのであります、斯うした法案に依りまして、政府は資本家階級を背後から掩護して居ります、街頭に於きましては現に爭議が起つて居ります、さうして無産階級は、斯うした政府からと資本家からとの挾撃を受けて、今や血みどろの鬪ひを鬪つて居ります、我々は斯うした反動的内閣に絶對に反對すると同時に、さうした法案を葬るものであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=29
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030・山崎猛
○議長(山崎猛君) 是にて討論は終局致しました、是より採決致します、先づ戰時補償特別措置法案、金融機關再建整備法案、特別和議法案、大藏省預金部等損失特別處理法案、厚生年金保險法及び船員保險法特例案、企業再建整備法案の六案を一括して採決致します、六案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=30
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031・山崎猛
○議長(山崎猛君) 起立多數、仍て六案は原案の通り決しました(拍手)
次に財産税法案、財産税等收入金特別會計法案の兩案を一括して採決致します、兩案に贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=31
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032・山崎猛
○議長(山崎猛君) 起立多數、仍て兩案は原案の通り決しました(拍手)
次に企業整備資金措置法を廢止する等の法律案に付き採決致します、本案の委員長報告は修正であります、本案は委員長の報告通り決するに贊成の諸君の起立を求めます
〔贊成者起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=32
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033・山崎猛
○議長(山崎猛君) 起立多數、仍て本案は委員長報告通り決しました、是にて九案の第二讀會は終了致しました
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=33
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034・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 直ちに九案の第三讀會を開かれんことを望みます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=34
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035・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませぬか
〔〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=35
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036・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます、仍て直ちに九案の第三讀會を開き、議案全部を議題と致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=36
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037・会議録情報4
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戰時補償特別措置法案 第三讀會
金融機關再建整備法案 第三讀會
特別和議法案 第三讀會
大藏省預金部等損失特別處理法案 第三讀會
厚生年金保險法及び船員保險法特例案 第三讀會
企業再建整備法案 第三讀會
財産税法案 第三讀會
財産税等收入金特別會計法案 第三讀會
企業整備資金措置法を廢止する等の法律案 第三讀會
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=37
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038・山崎猛
○議長(山崎猛君) 別に御發議もありませぬから、九案とも第二讀會議決の通り確定致しました(拍手)是にて議事日程は議了致しました、明七日は會期終了日でありますが、定刻より本會議を開きます、議事日程は公報を以て通知致します、本日は是にて散會致します
午後三時四十七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013242X05319461006&spkNum=38
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