1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
臨時通貨法の一部を改正する法律案(政府提出)
軍人及び軍屬以外の者に交付された賜金國庫債劵を無效とすることに關する法律案(政府提出)
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昭和二十一年七月三日(水曜日)午前十時三十八分開議
出席委員
委員長代理 理事 荒船清十郎君
理事 八木佐太治君 理事 松永義雄君
小野眞次君 圓谷光衞君
山田善三君 坪川信三君
中山たま君 川島金次君
田村定一君 坪井亀藏君
和崎ハル君 伊藤恭一君
出席國務大臣
大藏大臣 石橋湛山君
出席政府委員
大藏政務次官 上塚司君
大藏事務官 池田勇人君
大藏事務官 櫛田光男君
大藏事務官 江澤省三君
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本日の會議に付した議案
臨時通貨法の一部を改正する法律案(政府提出)
軍人及び軍屬以外の者に交付された賜金國庫債劵を無效とすることに關する法律案(政府提出)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=0
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001・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 是より開會致します、通告順に依りまして質疑を許します――坪井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=1
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002・坪井亀藏
○坪井委員 臨時通貨法の第二條に於きまして「臨時補助貨幣の種類は十錢、五錢及一錢の三種とす」とあります、一錢と云ふものは今までの調べに依りますれば相當額になつて居りますが、現在の此の状況に於ては、果して之が物の對象、貨幣價値と言ひますか、是は殆どないやうに思はれる、隨て一錢と云ふものは廢したらどうか、それに加ふるに第三條に「十錢及五錢の臨時補助貨幣は五圓迄、一錢の臨時補助貨幣は一圓迄を限り法貨として通用す」、私の考へでは茲に一錢を廢めて、第二條の中に十錢の上に五十錢或は一圓、之を加へて改正して行く必要はないか、斯樣に考へられるのであります、尚又咋日御伺ひ致しますると、五十錢の貨幣を約三億圓に造る、それに要する眞鍮の數量は約二千「トン」と伺ひましたが、斯うした非常に凡ゆる物資の不足して居る時であります、利便の點から見てもどうしても是が必要であり、尚又之を造ると云ふことであるならば、此の新たに發行する通貨の形式に於きまして、五十錢の量目は四・五「グラム」であつて是が二千「トン」要ると云ふ場合に於ては、之を努めて私は半減致しまして、二・二五「グラム」にして薄くするとか、形を小さくし、或は之に孔を明けると云ふことに致しまして、量目が減つたから形が半分になるのだと云ふことでなくして、工夫を凝して之を半分でやれるものかどうか、やれるならばさう願ふと云ふことが資材不足の時に宜いではないか、それを先づ御伺ひ致したいと思ひます
尚又さうしますと、眞にそれが出來るとしたならば、そこに一千「トン」と云ふものが餘つて來る、此の一千「トン」に依つて一圓貨幣を造る、此の改正が出來るかどうかと云ふことを御尋ね致したいと思ひます
尚又一圓を使はぬでも宜しいと云ふことであるならば、此の餘つた素材を他の國家再建に必要なる諸産業の方面の素材に之を振向けると云ふことにすれば、一石二鳥にもなる、斯う考へて居ります、先づ此の點を御伺ひ致したいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=2
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003・櫛田光男
○櫛田政府委員 只今色々な點に亙りまして御尋ねがございました、一つ一つ申上げて見たいと思ひます
第一に此の現在の臨時通貨法第二條に書いてあります一錢と云ふのは殆ど效用がないから、第二條から一錢と云ふものを削つてしまつて、一錢を廢したらどうかと云ふ御質問でございます、御承知のやうに一錢と云ふものは最近效用價値が減つて參つて居りますことは御指摘の通りであらうと存じます、唯依然として若干の效用はまだ殘つて居るかと存じます、まあ隣組の配給などでもやはり端數が出て參つたりするやうなこともあるのでありまして、現に一錢其のものが相當の流通を見て居りますることも事實であります、唯今後の鑄造計畫と致しましては、此の一錢は暫く鑄造を止めまして、今後は新らしくは造つて行かないやうな積りで本年度の鑄造計畫を作つて居ります、唯此の第二條から一錢を廢めますと、今まで現に國民の手許にございまする一錢が只のものに相成つてしまひますので、茲に一錢と云ふものを殘して置きまして、是はやはり通貨として效力があるのだと云ふことにしませぬといけないのではないかと思つて居ります、又それを集めまして五錢なり、十錢なり、或は一圓なりと取替へる、斯う云ふことをやつたら宜いのではないかと云ふ御尋ねが重ねてあるかと思ひまするが、やはり是は相當の手數の掛ることでもありますので、今強ひてそれだけのことをしなくとも宜いのではないか、尚ほ若干の效用が存しまする限りに於ては、現に流通して居りまするものは其の儘認めて置いて一向差支へないのではないかと、まあこんな風に考へて居る次第でございます
更に第二點は第二條の十錢の上に五十錢、出來れば一圓と云ふ風なものを加へたらどうであらうか、斯う云ふ御尋ねでございます、今囘の改正案は第二條と致しまして「臨時補助貨幣の種類は十錢・五錢及一錢の三種とす」とありますのを「臨時補助貨幣の種類は五十錢・十錢・五錢及一錢の四種とす」と云ふ風に御改正を御願ひ致したいと思ひまして提案致して居る次第でございます、尚ほ一圓を之に加へますことは多少問題が變つて參りまして、御承知のやうに日本の通貨の單位は圓が中心に相成つて居ります、まあ圓本位とでも申しますか、圓が單位となつて居るのであります、此の臨時通貨法は詰り補助貨幣、少額紙幣、圓未滿の通貨の補助貨に付て規定してある法文であります、茲に一圓と云ふことを入れますのは其の必要がないのではないか、尤もそれは日本銀行法中の日本銀行劵の所にございます、のみならずもう一つは貨幣法の方にはつきりと書いてある、斯う云ふことに相成つて居る譯であります
第三點として、五十錢の四・五「グラム」と云ふのをもつと小さくして、出來れば二・二五[グラム」位に半減して、それで以て素材を浮かしたらどうかと云ふ御質問でございます、洵に御尤もと思ふのでございますが、此處で昨日私が申上げましたことを此の機會に訂正さして戴きたいと思ひます、昨日一寸計算を違へまして大變間違つたことを申上げまして、失禮致しましたので、御詫び旁々聊か訂正さして戴きたいと思ひます、今度新たに鑄造致します五十錢及び十錢は黄銅即ち眞鍮を使ふのでありますが、本年度の製造計畫は五十錢が三億二千五百萬圓、十錢に於きましては一千四百萬圓でありまして、其の所要量は全體で約三千九百「トン」昨日申しました數字の大體倍になります、非常に相濟みませぬですが、此の際御詫び申上げます、此の眞鍮は終戰後軍から放出致されました藥莢用の眞鍮を用ひますのでありまして、現に造幣局に於きましては約三千五百「トン」程持つて居ります、此の眞鍮は御承知のやうに銅と亞鉛とから出來て居りまして、大體銅が六割乃至七割、亞鉛が四割乃至三割入つて居ります、必ずしも一定して居らぬのであります、之を銅と亞鉛とに手數を掛けて吹き直しまして分析致しますれば兎も角でありますが、それは非常に又手數の掛ることでもあらうと聞いて居ります、現物其のもの、眞鍮其のものとしての用途は色々ございませうと思ひますけれども、現在眞鍮全體の國内「ストック」の總量の正確なことはまだ分つて居らないやうでありまするが、兎も角も商工省が中心となりまして、此の眞鍮に付きまして各産業關係其の他に亙りまして綜合的な需給計畫を立てて居るのでございまして、其の結果と致しまして、昨年の秋以來約三千五百[トン」の割當を受けまして、造幣局がそれを土臺に致しまして、本年の計畫を進めて、居るやうな次第でございます、全體と致しまして、他の産業の關係、需給の關係等は、商工省を中心として能く睨み合せて戴いて居ると云ふ風に私共は了承を致して居る次第でございます、一言附け加へさせて戴いた次第でございます
それで只今の御尋ねの四・五「グラム」は更に減らしてはどうかと云ふことでございますが、大體今度の五拾錢の大きさは直徑が二三・五「ミリメートル」、是は從來の五拾錢の銀貨と同じ大きさであります、目方は銀貨の時には四・九五「グラム」でございましたが、それより若干輕くなる次第でございます、唯是は造幣當局と致しまして、技術者或は其の他の關係方面の方方と色々御相談の結果、大體斯う云ふ大きさに決まつたのであります、御趣旨の點御尤もと存ずるのでありますが、之を小さくしまする場合、其の薄さの加減と云つたやうなことが、例へば鑄造を致します場合に壓延する、押拔く譯でございます、其の時の素材の脆さの關係とか色々な關係がございまして、手際良く貨幣が出來ますには大體どの位の大きさと厚さとを必要とするか、又他の貨幣との區別の状況等から言ひまして、直徑等に付きましては色々な段階を設けねばなりませぬ、元の一錢でありまするとか、或は他の小額のものと大きさが同じになるやうな、銅貨と間違ふやうなことに相成りましても困るやうな次第でありますので、そこ等邊のことも考慮に入れまして、斯う云つたやうな技術的な、又流通の便、不便と云つたやうなことも考へまして、實は二三・五「ミリメートル」の直徑、四・五「グラム」位の所が一等適當ではないか、さう云ふ風な詰論を技術家の各專門の方面からの意見がありましたので、今斯う云ふ風に決めて居る次第なのであります、尚ほ穿孔と云ふ、孔を開けると云ふ御話もございましたが、是も亦私專門家ではございませぬけれども、孔を開けますにはそれだけ手間が掛かりますに加へまして、更に素材の關係等から、出來、不出來がありますのみならず、或は物に依りましては罅が入るやうな場合もございます、そこ等邊の工合で、單に壓延、打拔きますよりは、更にそれに孔を開けると云ふことが技術上尚ほ困難な點があるやうに聞いて居りますので、穿孔と云ふことは、出來るだけ避けたい、さう云ふ風な專門家の意見のやうであつたと記憶致して居ります、大體さう云ふ風な工合で、只今御手許に御配りしてあります形式等の要綱に書いてありますやうなことが、一應豫定せられて居るやうな次第でございます、御諒承願ひたいと思ふのであります
尚ほ之に附け加へまして第四の點と致しまして、一圓の貨幣を同じく素材を有效に使ふことに依つて眞鍮で造つて行つたらどうだ、斯う云ふ御尋ねでございました、此の一圓の貨幣を造りますと云ふことは、一等最初に申し上げました、詰り圓と云ふものを表示する硬貨を造ると云ふ問題に相成りますると、是は貨幣法の問題になりまして、或は本位制度の問題でありますとか、色々な現在の複雜な國際經濟社會、國際經濟の情勢下に於きましては、未だ俄かに決定し難い問題に聞いて居ります、一時をどうすると云ふことに相成りまして、決められない問題を此の際別な形で出すと云ふ風なことに相成りますので、一圓の貨幣を眞鍮で鑄造すると云ふことは、私共としては只今の所考へて居らない譯でございます、御諒承を願ひたいと存ずる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=3
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004・坪井亀藏
○坪井委員 只今の御答辯で、大體當局の御意見は能く分りましたが、我々から見ますと、どうせ茲に改正を必要とすると云ふことになれば、根本解決をしなければならぬと考へます、其の點に付て貨幣法の改正をすることが必要だとあるならば、是は「マッカーサー」の方へ御願ひしてそれをすることが宜いぢやないか、唯考へて居らない、全く此の財物は國家國民として常に之を融通しようと云ふのに、又一面便不便と云ふことを考へて居られるが、造る時は一遍であると思ふ、之を使用するものは是がある限り殆ど國家國民全體が之に依つて便不便を感ずると斯う考へるのであります、そこで五十錢に孔を開けることが技術上云々と云ふならば、あの小額の五錢十錢になぜ今まで穴を開けて居つたか、尚又今後も開ける意思ありや、五倍、十倍する價値のある五十錢の貨幣などに、孔に手數を言ふならば、なぜさう云ふ矛盾を取除かぬか、斯う考へられるのであります、私と致しましては貨幣法は變へても是はさうすることが當然だと思ふ、昨日の御答辯から見ましても、どうも紙では磨滅して使用は一時的であつて殆ど國民も不便して居る、尚又資材の紙のない時に造ると云ふことは大變だ、印刷も大變だと云ふことを言はれましたが、斯う云ふ實質問題から政府當局は眞劍に是は考へて行くべきだと斯う私は考へて居ります、どうせ茲に法の改正をすると云ふ場合に於ては、改正當時の手續の便不便と云ふことは是は何でもないことである、斯う私は考へるのであります、尚又今までの五十錢程度であつても、是は目方が重くて持廻りに相當不便を感じて居る、私は是は半分にしても必ずしも使用に耐へないと云ふことは考へられませぬ、唯技術屋が其の方が見榮えが宜いとか、或は耐久力があるとか云つたやうな、唯さうした技術專門で之を致して、假令藥莢其の他の終戰後に出て來たものがあると云つても、徒らに之を無益に使ふと云ふことは此の際愼しむべきだと考へまして、先程も御尋ねをした、尚又今後も政府當局に何處までも此の法は變へても一圓の銀貨を造る意思はないか、さうして一旦造つたならば是は小額の紙幣とは違つて、紙幣よりか耐久力のあるものに當然なる譯であります、政府に於ても今囘は臨時であると云つて居られます、結局小額の紙幣は一年間後には發行せぬ、斯う云ふ風に考へて居られるやうに私は考へて居りますが、結局將來斯うした貨幣に依つて之を造ると云ふことは茲に一つの基本を示すものであります、前例が斯うだから又それに依つたもので將來やつて行くと云ふ舊態依然としたことでやつて行くことは、此の際大いに愼まなければならぬと、斯樣に考へて居ります、比の點に付て尚ほ御所見を伺ひたいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=4
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005・櫛田光男
○櫛田政府委員 重ねて御尋ねがございました、將來の貨幣制度をどうするかと云ふこと、つまり貨幣法を變へますると云ふこと、將來の貨幣制度をどうするか、是は根本的な問題でありまして、今遽かに決定し難い状況にあるのだと私は存じます、是はもう各方面の方々の十分な御研究の結果、それから今後に於きまする日本の經濟の再建、それから國際經濟界の觀念、斯う云つたやうなものを十分に睨合せた上でなければ決め得ないものかと存じて居りまするので、只今の所では、貨幣法を出來るだけ根本的に――出來得る情勢でありまするならばそれに越したことはないのでありませうけれども、只今申上げましたやうな考へから致しまして、貨幣法の方は何等手を觸れませず、此の臨時通貨法の如く五十錢の硬貨を新しく造ると云ふことだけを御願ひ申上げるやうな次第なのでございます
尚ほ穿孔の點に付きまして、過去に於て十錢、五錢の「ニッケル」貨に對して孔を開けて造つたことがございますが、實は其の經驗から致しまして、穿孔致しますることが相當の技術的に色色な難點がありますることを經驗致したやうな次第であります、出來ますならば餘り孔を開けるやうなことはやりたくない、さう云ふ風な工合に只今の所は考へて居る次第であります、尚ほ技術的に亙る點もありまするので御意見の點は十分に了承致した次第でございますから、今後十分其の點研究させて戴きたい、斯樣に存じて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=5
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006・坪井亀藏
○坪井委員 尚ほ一つ御尋ねしますが、先程誤つた數字の訂正がありまして、二千「トン」が三千九百「トン」要る、それに付て三千五百「トン」今持つて居る、どなたでも量の多い所でそれに對する滿つるまでの數字ならば出來ますが、あとまだ四百「トン」ばかり足らぬと云ふことになつて居りますが、さう云ふ御計畫は足らぬでもやらせると云ふ御方針でございますか、出來るだけやらせると云ふ御方針でございますか、それを御伺ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=6
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007・櫛田光男
○櫛田政府委員 先程其の點を申し落しまして恐縮でございますが、此の第二四半期の割當に於きまして商工省方面と色々話を致して居りまするが、大體一千「トン」見當新たに割當が戴けるやうな情勢である、斯樣に存じて居りますので、本年度計畫の三千九百「トン」に付きましては大丈夫資材の確保が出來る、斯う云ふ工合に見込んで居る次第であります、先程申し落しまして大變恐縮であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=7
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008・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 只今池田主税局長竝に江澤銀行局長が御見えになりましたので御質問がありましたらどうぞ――田村君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=8
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009・田村定一
○田村委員 舊圓のことでありますが、昨年の戰災に因つて政府は國民が持つて居る紙幣を相當燒却したと思ふのでありますが、其の間今年の三月舊圓封鎖に依つて大體の見透しは付いて居ると思ふのでありますが、政府は其の間一體幾ら國民の持つて居る紙幣が燒失して居つて政府の利益になつて居るかと云ふ點を明確に御答へして戴きたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=9
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010・江澤省三
○江澤政府委員 今御話がありました點に付きまして御答へ致します、今度の日本銀行劵預入令に依りまして計算しますと、未囘收の分が三月末日で四十五億ばかりになつて居ります、其の後交換の要求がありましてぼつぼつ細かい引換もあります、それから約十一億圓程度のものが朝鮮で燒却されたと云ふやうな關係で、只今では國庫に納付出來る金額は大分減つて居ると思ひます、一應三十億見當のものを國庫に納付することに致しまして、此の後の交換或は燒却、さう云ふ關係で日銀の負擔になるものは國庫から補償する、斯う云ふ關係で進むことになると存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=10
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011・田村定一
○田村委員 昨日も御尋ねしたのでありますが、相當證紙を添附したのが取れて國民の間にも可なり損を見る者がまだ今日尚且つあるのでありますが、是等に對して當局としてはやはり何等かの形で、今の説明で行きますと換へて戴けるやうに聽いたのでありますが、それはやはり依然として證紙の取れた分に對しても換へて戴けますかどうですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=11
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012・江澤省三
○江澤政府委員 證紙が取れました分に付きましては、是は甚だ御氣の毒な事情があると存じますが、是は整理の都合がございますので、四月八日まで銀行預金に預入れると云ふことを認めまして、それ以後は特別な事情のない限り受入れることは成べく差控へる、斯う云ふ方針を執つて居ります、現在に於きましては極く例外的の場合の外此の預入れも許されてないと云ふやうなことになつて居る、是は個々に御伺ひ致しますると非常にお氣の毒な場合が多いのでありまするが、舊劵整理の事情で餘り便々と延ばして置くことも出來ませぬで、斯う云ふ處置を執つて居るのであります、其の邊は惡しからず御諒承願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=12
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013・田村定一
○田村委員 四月八日までに預入れると云ふことになつて居るとの今の御答辯でありますが,それは從來色々な事情に依つて預金し得なかつたものが、四月八日までの期限があつたと思ふのでありますが、其の後證紙の貼付したものが私の知つて居る範圍でも可なり多く無くなつて居ると思ふのであります、さうしますれば新圓を發行して其の證紙の貼つてある舊圓を囘收するまでは、やはり私は政府の責任ではないかと思ふ、さうすれば或る一定の新圓を今年の九月でありますか、全部囘收することが出來ると云ふやうに昨日の御答辯にありましたが、政府は其の期限と同時に證紙の取れた部分は何等かの形に於て辨償しなければならない、それを當局としては全然御考へにならない、唯氣の毒なと云ふ點で放任せられるか、或は何等かの形式で考へて見るか、又考へるべきであると私は考へるのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=13
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014・江澤省三
○江澤政府委員 今の點は個々の場合に付きまして其の間の事情を能く御伺ひ致しました上で、容れられるものに付きましては、政府と致しましても十分考慮致したいと存じて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=14
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015・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 他に御質問はありませぬか――坪井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=15
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016・坪井亀藏
○坪井委員 昨日大藏大臣に伺ひますると惡性「インフレ」になつて居る此の時に、通貨の放出を此の儘にして置くことは――産業の振興に依つて所謂物の増産に依つて「インフレ」を防止すると云ふことが先決問題である、隨て新圓に切替へ、再封鎖をすると云ふやうなことはないと云ふやうに言はれて居りまするが、私共の考へで言ひますると、今の現状から見ましてどうしても新圓に變更されてからこちら資本家が大きな暗躍の下に新圓の獲得を行ひ、尚又多くは闇商人又は政府の方針に反したる所の行動を取る者に依りまして新圓が獲得されて、全く正道を行く者が少くなつて參りました、何れも窮境にある現状であることは既に御承知の通りであります、若し今後之を比の儘に放任する時には正道を行く者が全く馬鹿を見ると云ふやうな結論に到達して來ることは明かであります、私は昨日大藏大臣に通貨の膨脹と「インフレ」と云ふことに付て質問をして、其の答辯に依つてはつきりしたのでありますが、現在四百十二億圓以上も放出されて居ると云ふ現状であり、一般の者は政府を信頼せずに殆ど預貯金をしないと云ふことに相成つて居る現状から致して、之を此の儘放置すれば益益膨脹して、本年の暮あたりに行きますれば九百億圓以上にもならうと言はれて居る聲さへも聞いて居ります、隨て之に依る國民生活の安定を唱道されて居る今日、物價は日に日に「インフレ」に見舞はれて昂騰し、國民の生活は殆ど安定を缺きつつありまして、一層の不安を國民は感じて居る状態でありますが、政府は之に對して何等かの統制或は處置を講ずべきであると考へて居りますが、私共の考へとしては、もう一度新圓に切替へること以外にはどうしても此の惡性「インフレ」を防止することは出來得ない、他のもう一つの大きな防止の枠は平價の切下げを斷行することであります、所謂新圓再封鎖をしないと云ふならば、此の手以外に他に方法はない、隨てどうしても此の平價の切下げをするだらうと云ふことも想像されて居りますが、政府と致しまして、斯うした方面に付て其の用意又は之を斷行する御意思ありや否や、全く此の通貨の膨脹、之に伴ふ惡性「インフレーション」と云ふものに依りまして正直者が馬鹿を見て、結局大資本家或は闇取引をして居る者が横行すると云ふことになれば、民心の不安は是れ以上のものはないと私は考へて居ります、之に付て一つ御伺ひを致したいと思ひます
大臣は午前中はお見えにならぬと思ひましたから伺つて居りましたが、今お見えになりましたから、もう一度簡單に此の點を大臣に御伺ひ致したい、昨日大臣閣下から私の質問に對しまして、再封鎖、所謂新圓切替へはやる意思はないと云ふやうに伺ひましたが、物價は日に日に惡性「インフレ」に見舞はれて昂騰し、政府と致しましては新圓に依つて國民生活の安定を得せしめ之を國民に理解せしめて其の緒に就かせると云ふ御意思であるにも拘らず、之に反して最近までに四百十二億圓以上も放出されて居り、之を尚ほ放置すれば此の年末には九百億圓以上にもなるのではないか、斯樣に國民總てが杞憂の念と生活に對する不安を抱いて居る今日、大臣としては再封鎖をすると云ふことは考へて居らないと言はれますが、それでは必ず此の一大膨脹に依つて惡性『インフレ」に見舞はれ、大資本家或は闇をやる者が益益横行して、正直者が馬鹿を見ると云ふ結果になりはしないか、之を防止する手として、平價の切下げを斷行すると云ふことをしなかつたならば、到底茲に惡性「インフレーション」の防止をすると云ふことは出來得ないと私共は信じて居りますが、政府としては之に付て平價の切下げを斷行する御意思ありや否や、又之をやらずして必ず是は防げるものだと云ふ御意思ありや否や、他に方法ありや否やと云ふことに付て大藏大臣の御答辯を御願ひ致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=16
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017・石橋湛山
○石橋國務大臣 御答へ申上げます、昨日も申しましたやうに、新圓を再封鎖すると云ふことは、若し假りにさう云ふことをやるとすれば、此の儘では結局又同じことを繰返すことになりますので、もつと根本的に、今のやうに新圓が唯出て、それが環流して來ないと云ふ其の原因にもつと「メス」を入れてからでありませぬと、それをやらずに唯封鎖をしましても同じことを繰返すに過ぎない、唯人心の不安を増すだけだと思ひますから新圓の封鎖は斷じてやりませぬ、其の代りにああ云ふ現象が起らぬやうに、昨日も申上げましたやうに、あの四百何億の通貨が全部市場に流通して居ると見ないのでありまして、其の少からざる部分が或る部分に退藏されて居る、其の退藏されて居ると云ふ所以は、一つは平常預金等をする習慣が比較的乏しかつた部面に通貨が入つて居ると云ふことも一つでありますが、もつと根本的には、全體の經濟の政府の政策、若しくは全體の前途の見透しに付て不安があるからさう云ふ現象を生ずると思ひますから、其の點を一つ先づ私は改めたい、斯う思つて居る次第であります
それから平價切下と云ふことは終戰後屡屡世間に言はれましたが、多分御言葉の平價切下と云ふのも、例へば百圓の紙幣を十圓に引下げると云ふ意味のことであらうと思ひますが、それはやりましても、唯百圓紙幣の額面が十圓紙幣の額面に變ると云ふだけのことでありまして、物と通貨との關係に於ては同じことなんであります、詰りどうしても増産をして物の方を殖やして行くと云ふことでなければ「インフレ」と云ふものは止まらないのでありまして、切下げましても唯額面が變つただけのことで、物と貨幣との「バランス」と云ふことになればやはり同じと云ふことになりますので、是も私はやる意思を持つて居りませぬ、甚だ簡單でありますが、それだけ御答へして置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=17
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018・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 申上げます、大臣が十一時三十分まで居られるさうでありますから、十分きり時間がありませぬので簡單に御質疑を願ひたいと思ひます――田村君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=18
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019・田村定一
○田村委員 私は簡單に要點だけを申上げます、昨日來「インフレ」問題が可成り論議されて居るのでありますが、只今も大藏大臣は「インフレ」を防止することは生産の増強にあると云ふことを御答辯になつたのでありますが、私もさう云ふ風に考へて居ります、併し今日の物資生産の根源を成すものは、昨日も私は申したのでありますが、石炭であると思ふのであります、所が今當局の御答へに依りますと、五十錢或は十錢の硬貨を拵へるのに三千九百「トン」の眞鍮資材を要すると云ふ御答辯でありましたが、私は石炭の方面には色々關係がありますので、石炭増産に對して何が不足であるかと云ふことは、無論凡ゆる部面に付て資材が不足でありますが、差當つてさうした眞鍮資材が多量に石炭増産の爲に必要である、それがない爲に石炭増産に缺くべからざる器具を拵へることが出來ないと云つて惱んで居る状態であります、無論勞働者に對する増配とか色々の問題がありますが、さうした増産に必要な重要資材を何を好んで三千九百「トン」を使はなくてはならぬか、又三千五百「トン」しか現在割當がない、あと四百「トン」足りない、さすれば尚且つ其の硬貨を拵へる以上に效果的に國民のさうした生活にゆとりの出來るやうな生産増強に優先的に廻すべきだ、無論小額紙幣が國民に不自由を感ぜしめて居ることは事實である、それよりか物の足りない方の苦しみが先であると云ふことを考へた時、當局としては、相當の量があると昨日言はれたのでありますが、商工省の方の調べが付かないので其の推定量は分らないと言つて居られるが、私は斯う云ふ部面に付ても當局で相當「インフレ」防止に對する對策がありとするならば考へらるべきでなかつたか、斯う云ふ風に考へて居る発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=19
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020・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 一つ簡單に願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=20
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021・田村定一
○田村委員 其の點一つ商工省方面とも相當連絡を取つて、優先的に廻して貰へる意思があるかどうか
それと昨日も、今日も今坪井君の質問に對して新圓の再封鎖は大藏大臣はやらないと言つて居られるのでありますが、今日四百二十數億の通貨が膨脹して居ると云ふ點に於て、金融業者方面に對する吸收が行はれてないと云ふことは、昨日來大臣が申して居られる通り、一部に偏在して居つてそれが全部廻轉して居る譯ではない、私も其の點同感でありますが、さうすれば其の金を何故國民が今日銀行に預金をしないのかと云ふに、政府に信用がないと云ふことが大きな原因であると思ふ、然らば此の退藏されて居る所の通貨を銀行に吸收しようと思へば、それを擔當する所の責任者が責任を持つて國民に約束しなければならない、今まで凡ゆる政府が國民の輿論の中に、今度は封鎖するであらうと云ふ噂、或は今度はどう云ふ風にすると云ふ噂があるがどうだらうかと云ふことを言ふと、政府は屡屡反對の言明をして居られたのでありますが、其の舌の根の乾かない裡に、從來の政府は國民が噂して居る通り總てを行つて居る、隨てそれが政府を信頼しない大きな原因である、其の點大藏大臣は今度は責任を持つて新圓は封鎖しない、隨て國民は今日凡ゆる面に於て不祥事件が起きる、其の危難を免れる爲にでも當然銀行あたりに新圓を預金しなければならない、國民も預金しようと思つて居る、併し預金すれば政府が又どう云ふ手を打つか分らないと云ふので、國民が政府を信用しないから預けないと云ふ結論になるのでありますが、其の點は石橋大藏大臣が此の際新圓の封鎖は斷じし行はない、若し私の言明を裏切つてやるやうなことがあつたら、私は國民に對して腹を切つて申譯をすると云ふ所まで大藏大臣がやるならば、私は恐らく相當の吸收が出來ると思ふ、さう云ふ點に付てはつきりした本當に國民に對してお約束が出來るかどうか、其の點を御尋ねしたい
それと今日生産増強の癌になつて居るのは勞働者、特に炭礦の勞働者諸君は生活の脅威と云ふことがやはり相當原因して居ると思ふのであります、隨て五百圓の生活でやつて行けない、無論家族に對して幾分かの何はありますけれども、其の程度では――私も炭礦の勞働者でありますが、地下で働く者は唯働いて、而して食べることを主眼にして居るのであります、さうすれば五百圓の枠では私は當然やつて行けないと思ふが、此の點一つ枠を外す御意思はないかと云ふ點を御伺ひしたいと思ふのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=21
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022・石橋湛山
○石橋國務大臣 御答へ申上げます、貨幣に使ふ資材を生産に廻せと云ふ御説は洵に有益に拜聽致しました、併し是は事務當局から申上げたかと思ひますが、商工省の割當がありまして、他の生産資材と競合しない積りでやつて居ります、のみならず實は貨幣の信用を保つと云ふことは色々の操作を必要とするのでありますが、今まで出して居りますやうな五十錢紙幣と云ふやうなものは實は貨幣に對する國民の信用を維持するのに――形式でありますけれども、非常に宜くないと私は思ふのであります、生産も無論必要でありますから、是は何を措いてもやりますが、やはり貨幣の方も、今度出します硬貨と云ふものも、大した立派な硬貨にはならないかと思ひますが、兎に角硬貨に致しまして、さうして持つて居ても氣持が好いと云ふことに一つ致したいと思ふのでありまして、其の點の氣持を一つ御諒承願ひたいのであります、それから政府の信用問題、是も御言葉の通りで重々申譯ない次第でありますが、此の内閣に於ては左樣なことは斷じてない積りであります、又今の新圓封鎖等を致さぬと云ふことを茲に申上げましたことは、是は御言葉の通り、私の皺腹で宜しければ、腹を切つても確に茲に約束致します、唯風説は、金融問題と云ふものは論理的にやりますと、大概見當のつくものです、もう一つは色々な渉外關係などありまして、實行するまでに時間を思ひの外要ると云ふことの爲に色々の風説が沸く、それから、私共民間に居りましても、論理的に考へれば、斯う云ふ手を今度政府が打つだらうと云ふことは大概見當のつくものでありますから、隨て種々なる風説が沸くのであります、是は必ずしも政府の責任ばかりでもないけれども、此の點も併せて御諒承願ひたい、併しながら左樣な不安のないやうに無論致す積りであります
それから給與の問題でありますが、是は前々申上げますやうに、出來るだけの所作を致しまして、早い機會に所謂五百圓の枠を外したいと考へて居ります、唯給與のことは、是は私の所管外かも知れませぬが、確かに今の生活が各方面で非常に困つて居ると云ふことは認めますが、同時に炭礦の如きは能率的な賃銀にして欲しいと云ふことは、餘計なことでありますが、併せて御願ひ申上げる次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=22
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023・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 松永君、簡單に……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=23
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024・松永義雄
○松永(義)委員 簡單に一點御伺ひ致します、質問の趣旨は日本銀行の組織の民主化と云ふことであります、日本銀行法に依りますと、簡單に申上げれば、銀行劵の發行限度に關する權限は主務大臣である大藏大臣に存して居るのであります、而して戰爭中に於きまする戰時經濟の誤まれる指導、さうして官僚大藏大臣の操作とが今日の厖大なる紙幣の發行と、そして國債の亂發を見まして、國民は非常な生活苦を嘗めて居るのであります、之に對して金融制度調査會でありますか、或は又諸方面に於きまして、銀行劵の發行に付きましては宜しく日本銀行の方へ移したら宜い、もう少し進んだ意見は、民間に於ける私立銀行をして日本銀行の大株主たらしめて、そして私立銀行から代表者を日本銀行へ送つて、金融措置に付きまして民主化を圖らうとする意見があるやうに聞いて居るのであります、併し問題は、通貨のことに付きましては啻に事業方面ばかりでなく、國民生活に取つて重大な影響を齎して居ると云ふことは、私が此處に喋々することでもないと思ふのであります、私共は平生より銀行の國營を主張して居るのでありますが此の際少くも日本銀行には勤勞階級の代表者を幹部の中に送り込んで戴きたい、そして勤勞階級の立場を認めたる通貨の發行と云ふことに付て御考慮を願ひたいと思ふのでありますが、大藏大臣の御意見は如何でございますか、此の一點に付てだけ御答へ願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=24
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025・石橋湛山
○石橋國務大臣 御答へ申上げます、發行限度が從來大藏大臣の認可になつて居つたと云ふことの、缺點は確かに認めます、是は實は前内閣に於て金融制度調査會を設けまして、少くも日本銀行制度の改革だけは今度の議會に出したいと云ふ考へを持つて居られたやうでありますが、色々の關係でそれが今囘提出することが出來ませぬが、是は成べく早い機會に改めて金融制度調査會見たやうなものを設けまして、日本銀行の制度を初め、凡ゆる金融機關の制度に付ての檢討を致したいと存じて居ります、其の場合の檢討の方の委員會には、無論各方面の代表者に入つて戴きまして、十分民主化の趣意に從つた制度が立てられるやうに致したいと思ひます
尚ほ一つ附加へて申上げて置きますが、日本銀行の發劵制度に付きましては、やはり我々の考へでも、發劵制度其のものに付ても何等かの委員會、強力な委員制度を設けまして、さうしてそれに依つて決めると云ふことに致す考へは持つて居ります、又日本銀行の株主と云ひますか、出資者を民間金融機關等にさせると云ふことに付きましても、是は大體「アメリカ」の「フエデラル・レザーヴ・バンク」の組織でありますが、之を色々考へまして、私などは日本銀行の制度に付ては大正十年頃からどう云ふ風に改革するかと云ふ研究を實は續けて居る者でありますが、中中其の名案はないのでありまして、結局、私共の案も「フエデラル、レザーヴ、バンク」の「システム」が宜いのではないかと云ふ結論に實はなつて居るのであります、是は資本を民間銀行に持たせますが、民間銀行が資本を持つて日本銀行から利益を取ると云ふ意味ではないのでありまして、民間銀行の義務として資金を出させる、謂はば民間銀行の積立金の一部を出資させる、其の外に又民間銀行の預金の、準備金の一部を日本銀行に置かせると云ふやうな制度も執られる譯でありますが、兩々相俟つて實は民間銀行に義務を負はせるようなことになつて居る譯であります、併し是は私の意見であり、又此の前の金融制度調査會で大體左樣な線に沿うて一つの試案が立てられた譯であります、是は今後再檢討を致しまして、各方面の方の御意見を容れて、十分民主化致したいと斯う考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=25
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026・松永義雄
○松永(義)委員 甚だ詳細な答へを得まして、能く分つたのでありますが、此の委員會の組織でありますが、是も私は先達て不思議に思つたことは、煙草審議會の委員會であります、何十億と云ふ大きな増收を圖る、其の我々の言ふ消費税と申しますか、間接税と申しますか、それが僅か五分か十分の間にばたばたと決つた、而も郵便の値上は法律に依つて定まるが、唯一片の命令に依つて斯うしたやうなことが定められると云ふことは非常に遺憾なことと私は存じたのであります、例へば日本銀行の委員會を設けるに付きましても、其の指導監督に付きまして十分な權限を持つて居る所の委員會を組織して戴かなければ、本當の民衆の氣持と云ふものは反映しないではないかと思ふのであります、議會が始終開かれて、常置委員會でもあつて、其處で御調べ願ふと云ふことにでもなれば結構でありますが、若しさうでなければ強力な委員會を設けて、尚且さうした委員會に勤勞階級の代表者を是非共出して戴かなければならないのであります、此の點に付て御答辯がないやうでありました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=26
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027・石橋湛山
○石橋國務大臣 其の點は御答へを漏らしましたが、無論勤勞階級と申しませうか、勤勞階級と云ふものの代表者を何處から出すかと云ふことが中々むづかしい問題かも知れませぬが、無論さう云ふことは心得て居りますから、御諒承願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=27
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028・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 他に御質疑はありませぬか――山田君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=28
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029・山田善三
○山田(善)委員 簡單に一つ二つ御尋ねしたいのであります、近頃流通して居ります札が非常に印刷が不明瞭でありまして、而も印刷のひどいのになると、どうかすると半分位しか印刷してないやうなものも見受けられるやうであります、此の印刷をもう少し明瞭ならしめるやうな方法を考へて戴きたい此の點を御考慮願ひたい
第二には札に對する「デマ」が色々あるやうであります、其の「デマ」の主なるものを擧げて見ますと、此の三、四月頃に、或る特定の番號は贋ものであると云ふ「デマ」が廣く飛びました、是は地方銀行に行つて聽いて見ると、其の通りだと云ふことを答へた銀行もありまして、非常な恐慌を來して、損をしたとか、得をしたとか云ふやうなことがあつたやうであります、斯う云ふ「デマ」が一體どう云ふ譯で出て來るか、之には何か原因があるのではないかと考へるのであります、尚又近頃出た赤字で番號の打つてある札がありますが、あの赤字の番號のないものがある、是は「デマ」か本當か知りませぬが、さう云ふ噂が飛びまして、而も銀行へ持つて行つたら、それはなくても宜いと云ふ囘答を受けた、斯う云ふ話も聞いて居ります、是等は通貨の信用を非常に害すると同時に、紙幣の流通を混亂させる大きな原因となると思ひます、殊に近頃の札を見て居りますと、其の印刷が實に區々であります、圖案の違ふものもありまするし、「インキ」の色が違つて居るし、又印刷の技巧が實に千差萬別であります、目下の事情上已むを得ないかも知れませぬが、漸次産業が平和的に囘復するに從ひまして、是等の札を出來るだけ同じものに一つにしなければ、非常に不便ぢやないかと思ふのであります、是等に對する當局の御對策があるかどうかと云ふことを御尋ねしたいと思ひます
尚ほ序でに、多少是は質問が外れるかも知れませぬが、さつき物の増産が伴はなければ物價は下らぬ、是は普通に言はれて居るのでありますが、然らば如何にして増産を圖るかと云ふことに對する決定的な御意見が餘りないやうであります、是は非常に難かしい問題であると思ひますが、之には凡そ三つばかりが考へられるのではないか、其の一つは、強制的に勞働し、強制的に資材を集める、權力を以て造らせると云ふ方法であります、或は又道徳的にどうしても之を造らなければならないと云ふ、國民の中から沸上る道義心に依つて増産を遂行させる方法であります、或は其の二つが出來なければ、其の生産に從事する者の生産條件を他よりもずつと好くしてやる、或は又資本家の利潤を他の事業よりも好くしてやると云ふことに依つて、重點産業の生産増加が出來るのぢやないか、私の考ふる所に依れば、此の三つの方法でなければ重點産業の増産は難かしいのぢやないか、斯樣に考へて居るのであります、併しながら權力を以てやることは無論出來ませぬ、又國民の道義心に愬へて増産を圖ると云ふことも、中々是は容易ではありませぬ、さうしますならば、どうしても其の生産從事者の生活條件を好くする、又其の企業の利潤を好くしてやると云ふことに求めなくては出來ぬのぢやないか、若しそれをやるとすれば、若干の「インフレ」を犧牲にしなければ出來ないのぢやないか、ここで「インフレ」を惧れて居つたのでは、此の重點産業の増産は出來ぬぢやないかと私は斯樣に考へて居るのであります、それが多少の「インフレ」を犧牲にしても、先づ重點産業への生活條件を好くしてやつて、其の生活條件を好くすることに依つて増産が出來、又其の増産をやらせることに依つて多少の「インフレ」が參りませう、又其の上に生活條件を好くしてやらなければならぬと云ふやうな鼬ごつこが始まるかも知れませぬ、併し一般の物價が上る前に先んじて重點産業の生産が増加することに依つて、之を何囘かやつて居る中に物が出廻つて來て或る程度まで食止めることが出來るのではないか、此處で車の囘轉が逆に廻つて來て初めて本當の全般的な増産が出來るのではないか、斯樣な考へを持つて居るのであります、是は通貨の面とは直接關係がありませぬが、若しそれに對して適當な御考へがあつたら御答へを願ひたい、斯樣に考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=29
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030・櫛田光男
○櫛田政府委員 只今の御尋ねの中の第一と第二の點に付て私から先に御答へを申上げます
第一の印刷が極めて不手際不出來でありますることは、本當に御指摘の通りでありまして、甚だ恐縮に存じて居ります、戰爭以來色々な惡條件が嵩みましたので、印刷局初め非常に努力は致して居るのでありまするけれども、資材とか色々な關係等が重なり合ひまして、極めて不手際な、かすれて見えなかつたり、千切れたりするやうな銀行劵があります、是は檢査の時に十分に注意致しまして、流通に堪へないやうな、銀行劵としては甚だ不手際のやうなものは、どんどん刎ねることに致して居るのでありますけれども、何分にも相當の量に上りまするのと、手間の關係等色々な關係から致しまして、どうもまだ時々皆樣が眉をおひそめになるやうな銀行劵が市場に出て參りますることを甚だ遺憾に思つて居りますが、此の點に付きましては私共印刷局初めいつも用心をして居る點でありまして、段々と色々な點が整つて參りましたから、今後はさう云つたやうなものがなくなつて來る、斯う云ふことを申上げて宜しいかと存じて居ります、又斯う云つたやうなものが銀行の手許に戻つて參りましたやうな時には、勿論直ぐにそれを燒却する、斯う云ふ風な手段を執つて居りまして、二度と市場には出さないやうにやつて居ることは勿論でございます、又銀行劵に對しまして或る特定番號は贋ものであるとか、色々な噂が飛びまする事實を只今御指摘に相成つたのでありますが、若し斯樣なものがありと致しますると是は大變な問題でありまして、私共と致しましては斯樣な「デマ」の根據を能く突留めまして、二度とさう云ふことが出來ませぬやうに、日本銀行劵として、又政府紙幣として出して居りまするものは、何處までも是は本ものなのでございまして、勿論或る特定番號は贋ものであるとか、さう云つたやうなことは全然ないのであります、勿諭本當の僞造贋造でありますと、是は別でございますが、さう云ふものが大量に出て居ると云ふことは何等ございませぬ、幾ら印刷が拙いと申しましても、紙の點、或は其の他等からして其の眞僞の鑑別は容易になし得るやうな程度にまでは配慮してあるのでございますから、今後共さう云ふ「デマ」が假に起きましたならば、即刻之を抑へまして其の眞相を摘發して、之を防止することに今後共十分に努力をしたいと存じて居る次第でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=30
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031・上塚司
○上塚政府委員 山田君の御質問の第三の點でありまするが、多少「インフレーション」の犧牲を拂つても生活條件の改善に努力したらどうかと云ふ御趣旨であつたと思ひます、洵に御尤もに存じます、現在の最大の要件は生産を増強するにあるのであります、給料、賃銀等は物價の昂騰に比較致しまして比較的遲く上つで居るのでありまするから、最低生活の確保を致す爲には給與を上げて行かなくてはならぬと思ふのであります、さう云ふ方向に政府は今施策を進めて居るやうな次第であります、勿論「インフレーション」を奬勵すると云ふやうな度を越えたやり方に付ては、嚴に愼んで居りますけれども、最低生活の確保の程度までに進めたいと云ふ意思を以て進めて居るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=31
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032・松永義雄
○松永(義)委員 午前中は是で打切りまして、休憩して午後一時半から質疑を續行致したいと存じます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=32
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033・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 只今の松永君の御意見に御異議ありませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=33
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034・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 では午後一時半より再開致します、本法律案の採決を本日中に致したいと思ひますので、どうか御缺席にならぬやうに御願ひ致します、是で休憩致します
午前十一時五十一分休憩発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=34
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035・会議録情報2
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午後一時四十二分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=35
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036・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 それでは開會致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=36
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037・坪井亀藏
○坪井委員 今囘五十錢及び十錢の新しい硬貨が發行せられる譯になりましたですが、何時までに是が全部放出されるか、今までの通貨の關係は一方に偏在し易い、封鎖の時などにも五圓はしないと云ふ所から五圓を集めるとか、或は又五十錢以下のものならば是もしないと云ふやうな關係から之を集めると云ふやうなことから、策を弄して偏在し、それが爲に國民の融通に非常に支障を來した例もある譯であります、茲に之を新しく造られると云ふ場合に於ては、國民のことは政府も非常に考へられて居られるのでありますから、愼重を期して之を成べく早く造り、早く放出することになるだらうと思ひますが、其の計畫はどんな工合で、どんな工合に行はれるのかと云ふやうなことも參考に御聽き致したいと存じます、尚又通貨全部を通じまして、各種別に――千圓とか、二百圓とか、百圓、二十圓、十圓、五圓、一圓、五十錢、十錢、一錢、是等がどんな工合に大略割振られて居りますか、現に行はれて居るか、其の元締をやつて居る所がそれは分りませぬと云ふやうなことでは、國民にどんな工合に使用され、どんな工合に國民に期待を持つてやつて居られるものか分らぬ譯であります、先の一覧表では小額のものに付ては大體分つて居りますが、總體的に見まして一體全部でどの位の通貨があれば先づ間に合ふか、總額發行高と云ふやうなものを一つ參考までに御聽かせを願ひたいと思ひます、それも種別が分りましたらば大體御聽かせを願つて、所謂通貨に付ては關心を新たにして、政府は斯うやるんだ、斯う云ふ現状だと云ふことをはつきり國民に認識させねばいかん、唯臨時處置だから、是は何等根本的の改革は出來ない、其の場的のものだと云ふやうな單なる考へでなくて、苟くも國家再建と云ふ時に當りまして、大臣の御氣持も、兎に角唯五十錢の紙幣と云ふことよりも、貨幣價値と云ふか、信用を高むる上に於ても氣持好く之を融通させると云ふことが宜いのぢやないか、と云ふことになると、多少そこに何と申しませうか、利害を超越してまでも見榮を張るとか、或は一新すると云つたやうな氣風が多分あられたやうに存じますので、私と致しましても茲に政府は國民全體に其の雰圍氣を新たにさせて、之に對する觀念を一層深めると同時に、之に對する何と言ひますか、關心を一層深めさせる、どうも今までは札はまるで紙片の如くに終戰以來考へられて居るやうで、何と申しませうか、「インフレ」に伴ひまして特に小額貨幣と云ふやうなものの價値をなくして居るやうに思はれまするが、今は「インフレ」でありますが、將來「デフレーション」を考へた時に、やはり金の價値と云ふものを本當に今から認識しなくては國家再建は出來ないと云ふことを考へた時に、通貨に對する總體的の一應の其の數を御聽かせ願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=37
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038・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 一寸御諮り致します、二時までに政務次官が「マッカーサー」司令部にお出でになるさうですから、次官に御尋ねの方がございましたら二時までに御質問願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=38
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039・櫛田光男
○櫛田政府委員 御答へ申上げます、御質問の第一の點は今度新しく造ります五十錢、十錢が何日頃からどんな工合に出て來るかと云ふことでありますが、此の法律が御協贊を得まして通りますれば即刻――今用意致して居ることでありまするので、新しい五十錢は恐らく八月には出て來るのではないかと存じます、今現に色々用意を致して居りまするので其の後ずつと製造を續けまして、先程申上げましたやうに、本年度は三億二千五百萬圓を製造する豫定になつて居る次第でございます
それから第二の點の通貨の分布状態、種類別にどんな工合に發行されて居るか、何處にどんな工合に、地方別或は職業別等に亙りましてどの位通貨を持つて居るかと云ふ點は、調査が甚だ難かしいので此處で一寸申し兼ねるのでありますが、種類別に申上げますると、大體「パーセンテージ」で申上げますと、日本銀行劵、其の他補助貨幣、小額貨幣等を併せまして、全體の約六割と云ふのが百圓劵に相成つて居ります、それから大體三割五分が十圓劵であります、あとの五%が五圓、一圓、それから小額紙幣と云つたやうな其の他の通貨である、最近、昨年の暮あたりから大體此の割合は變つて居りませぬ、尚ほ一時千圓の大きな札を出したことがございますが、是は其の後其の必要を認めませず、又斯かる大額の銀行劵を流通させますることは、色々な意味で弊害を伴ひますので、是は銀行の手許に戻つて參りますれば、之を再び出すやうなことをしないと云ふ措置を講じて居りますから、現在では殆ど市場に殘つて居らないやうなことになつて居ります、仰しやいます通り、通貨の信用を高めますことは、全く今後の色々な點から申しまして、基本的な問題の一つであらうと思ひまして、今後とも通貨の信用を高めます爲には、昨日來大臣からも色々申上げて居る次第でございますが、私共と致しましても、出來る限りの力を盡したい、斯樣に存じて居る次第であります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=39
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040・坪井亀藏
○坪井委員 今「パーセント」で仰しやいましたが、それも結構でありますが、大體の總額と云ふものは御發表出來ぬものでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=40
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041・櫛田光男
○櫛田政府委員 御答へ申上げます、五月末の數字で少し古く相成りますが、其の當時は日本銀行劵が三百六十三億一千五百萬圓發行致されて居りました、小額紙幣、是が九億九千九百萬圓、補助貨の方が三億一千萬圓、合計致しまして三百七十六億二千六百萬圓、是が日本銀行劵小額紙幣、補助貨全部を合せましての五月末に於きまする流通高でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=41
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042・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 御質疑も大體終了致したやうでございますが、まだ御意見がございませうか
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043・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 なければ臨時通貨法の一部を改正する法律案、軍人及び軍屬以外の者に交付された賜金國庫債劵を無效とすることに關する法律案を議題と致しまして討論に付したいと存じます――山田君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=43
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044・山田善三
○山田(善)委員 私は自由黨を代表致しまして、御提出の二案は何れも適當なりと認めまして原案に贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=44
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045・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 坪川君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=45
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046・坪川信三
○坪川委員 私は進歩黨を代表致しまして、本二件は適當なりと、認めまして、贊意を表します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=46
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047・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 坪井君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=47
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048・坪井亀藏
○坪井委員 協同民主黨を代表致しまして、茲に提案されました臨時通貨法の一部改正外一件に付きまして、贊成するものであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=48
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049・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 松永君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=49
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050・松永義雄
○松永(義)委員 日本社會黨を代表致しまして、本案に贊成の意を表します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=50
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051・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 伊藤君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=51
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052・伊藤恭一
○伊藤(恭)委員 新光倶樂部を代表して、原案に贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=52
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053・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 和崎君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=53
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054・和崎ハル
○和崎委員 無所屬倶樂部を代表致しまして、原案に贊成致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=54
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055・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 討論は全部終了致しました、仍て是より採決を致します、原案に賛成の諸君は御起立を願ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=55
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056・荒舩清十郎
○荒舩委員長代理 全員でございます、仍て本案は原案通り可決確定致しました
以上を以ちまして本委員會を終了致します、洵に御苦勞樣でした、是にて散會致します
午後一時五十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009013737X00319460703&spkNum=56
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