1. 会議録本文
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000・会議録情報
付託議案
○増加所得税法案
○有價證券の處分の調整等に關する法律案
○昭和二十一年度一般會計歳出の財源に充てるための公債發行に關する法律案
○昭和二十一年法律第五十五號帝國鐵道會計又は通信事業特別會計における昭和二十一年度の經費支辨のための借入金等に關する法律の一部を改正する法律案
○政府の契約の特例に關する法律案
○戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案
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委員氏名
委員長 男爵 倉富鈞君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
侯爵 黒田長禮君
侯爵 大炊御門經輝君
伯爵 金子武麿君
子爵 交野政邁君
子爵 入江爲常君
子爵 土井利章君
子爵 日野西資忠君
男爵 高崎弓彦君
長谷川赳夫君
男爵 内田敏雄君
男爵 村田保定君
男爵 中村徹雄君
黒田英雄君
板谷順助君
橋本辰二郎君
河西豊太郎君
竹中藤右衞門君
藍澤彌八君
片倉兼太郎君
丹羽彪吉君
河端作兵衞君
岸本彦衞君
杉山茂君
松尾嘉右ヱ門君
渡邊甚吉君
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昭和二十一年十二月二十三日(月曜日)午後一時十九分開會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=0
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001・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) それでは是から増加所得税法案外五件に付きましての特別委員會を開きますが、初めに御願ひなり御挨拶を一言申上げたいと存じます、御審議を願ふ法案の數は御覽の通り相當ございます所に持つて參りまして、時間が極めて制約されて居りまして、可なり窮屈な状態になつて居りますので、相當内容の重要な是等の法案を僅かの時間に御審議願ふと云ふことは、可なり困難な仕事だと思ひます上に、私極めて不慣れな者でございますので、どうぞ皆樣の絶大の御協力を得まして何とか此の審議をうまく完了したいと思つて居ります、どうぞ宜しく御願ひ致したいと存じます、早速御審議の方法に付て御相談申上げたいと存じますが、是等の法案は申上げる迄もなく何れも重要なる法案でございますが、配られて居りますものを見ますと、條文其のものは必ずしもそんなにむつかしい點もないやうだと思ひますので、先程本會議で大臣の御説明もございましたので、政府の方から、特に本會議で大臣の御説明以上に御附加へになつて何か御説明になるものがございますれば兎に角、それでなければ、皆さんの御考に依つては此の際重ねて説明を煩はすかどうか、其の點どうしたものでございませうか、政務次官は委員會のことだから皆さんに能く御了解を得る爲に、一應説明した方が宜いのぢやないか、二十分位で説明が大體濟むからと仰しやつて居りますが、其の點を一つ御諮り致します、伺ひませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=1
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002・板谷順助
○板谷順助君 政府委員から改めて説明を願つたら宜いかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=2
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003・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) それでは伺ふことに致します、尚此の際一番終ひの「戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案」、是は衆議院から提出されたものでございまして、衆議院の提案者の方に來て戴いて説明を煩はすと云ふやうなことになりますと、相當時間も掛るのぢやないかと思ふ點もございますが、此の點は如何致しませうか、條文は割合に簡單なもののやうに見受けられるのでありますが、今政務次官に伺ひますと、皆さんの方に御異議がなければ衆議院の改正の要旨竝にそれに付て政府がどう見て居るかと云ふやうなことは、政府が提案者たる衆議院に代つて一應説明をしても宜いのではないかと云ふやうに政務次官は言つて居られますが、此の點最初に決めて戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=3
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004・板谷順助
○板谷順助君 政府委員が詳細説明出來るのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=4
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005・上塚司
○政府委員(上塚司君) 大體の要旨に付きましては説明が出來ると思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=5
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006・板谷順助
○板谷順助君 皆さんに御異議がなければさうして貰ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=6
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007・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) ぢや一應其の點はさう云ふことで進行することに致します、それぢや是から政務次官から説明を御願ひすることに致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=7
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008・上塚司
○政府委員(上塚司君) 本委員會に付託となりました増加所得税法案外四件に付きまして其の提案の理由を説明申上げます、先づ増加所得税法案に付きましては、本會議に於きましても説明致した如く、商工業、農林水産業其の他の事業所得者等に對しましては、前年中の所得の實績に依つて其の年の所得税を課税して居るのであります、然るに此の制度に依りましては、國民經濟及び國民所得に著しい膨脹又は收縮を生じ、從うて擔税力ある所得者層に顯著な變化が見受けられる際には、時期的に課税上のヅレを生じ、國民負擔の公正を期し難く、又其の變化が膨脹的なる場合には、國庫收支の均衡を保し得ない難點があります、仍て、政府は其の年の所得税は、其の年の所得金額を豫算して其の税金を納めると云ふ、所謂豫算申告納税制度を實施致したく、目下税制の根本的改正に付て考究を進めて居る次第であります、而して本年度の實況は、前年に比し、正に此の國民經濟及び國民所得に著しき膨脹的變化を來して居る次第でありまして、同時に終戰處理、國民經濟再建等の爲、當面必要とする財政需要は巨額に上つて居るのであります、茲に於きまして、政府は今議會に提案して居る追加豫算の財源の一部を求めると共に、明年度から實施する所得税の根本的改正に對應して、國民負擔の公正と財政收支の均衡とを圖り、併せて此の際所謂新圓所得階級層等から出來るだけ速かに購買力を吸收する爲、商工業者、農林水産業者其の他の事業所得者及び不動産所得者等で、昭和二十一年中に於ける所得と前年の所得とを比較して、一定金額以上増加した者に對し、其の増加所得を對象として一年限りの増加所得税を課税することと致したのであります、茲に本案の内容に付て申上げます、増加所得税は、課税の便宜上之を第一種、第二種及び第三種に三分類致します、第一種所得に對する増加所得に對する増加所得税の納税義務者は、昭和二十一年中の所得税法に依る甲種及び乙種の事業所得、竝びに不動産所得の合計金額、が昭和二十一年分の是等の所得の決定金額の基礎となつた所得金額に比して増加した者とであります、若し其の決定金額の基礎となつた所得金額が三千圓未滿の者、又は是等の所得金額の決定を受けなかつた者に付ては、其の決定金額の基礎となつた所得金額に相當する金額を三千圓として、納税義務の有無を定めることに致しました、但し、一定金額以下の増加所得に付きましては、擔税力及び徴税技術其の他諸般の事情を考慮し、課税しないことを適當と認めまして、各納税義務者に付き七千圓の控除を行ふことと致しました、即ち増加所得金額から七千圓の控除額を差し引いた課税増加所得金額に對し、二萬圓以下の金額に對する百分の三十から、百萬圓を超える金額に對する百分の九十の超過累進税率に依り課税することと致したのであります、此の税率は現行の分類所得税及び綜合所得税の税率を見合ひとし、本税の課税所得の性質、最近の經濟事情及び課税の時期を併せ考慮し、適當と認められる負擔となるやうに之を定めたものであります、第二種所得に對する増加所得税の納税義務者は、昭和二十一年中に生じた所得税法に依る山林の所得を有する者であります、又第三種所得に對する増加所得税の納税義務者は、昭和二十一年三月三日以後同年中に生じた所得税法に依る讓渡所得を有する者であります、第一種所得の基本である事業所得及び不動産所得が、毎年繼續的に發生する性質の所得であるのに對し、山林の所得及び讓渡所得は、一時の所得として偶發的に發生する性質の所得でありますので、昭和二十一年中の所得の全額に對し課税することに致したのであります、但し一定金額以下の所得に付きましては、第一種所得に於けると同樣の趣旨に依り之に課税しないことを適當と認めまして、第二種所得にも、第三種所得にもそれぞれ一萬圓の控除を行ふことに致しました、税率に付きましても、第一種所得に對する税率を定めたのと同樣の趣旨に依り、現行の山林の所得又は讓渡所得に對する分類所得税の税率を見合ひとし、適當な負擔となるやうに、考慮して定めたものであります、即ち第二種所得に對しましては、二萬圓以下の金額に對する百分の二十から、五十萬圓を超える金額に對する百分の六十の超過累進税率に依り、第三種所得に對しましては、二十萬圓以下の金額に對する百分の二十五乃至五十萬圓を超える金額に對する百分の六十五の税率に依ることと致したのであります、本税は之を急速に徴收して其の大部分を昭和二十一年度の歳入に繰入れることとし、課税標準たる所得金額は、納税義務者の申告を基礎として税務署に於て調査を進め、今囘新たに税務署毎に設置する増加所得税調査委員會に諮問して、明年三月上旬に其の所得金額を決定し、納税者が一時に納付することを困難とする税額を除くの外は、明年三月中に本税を徴收することとし、所要の規定を設けて居る次第であります、本税の收入額は、第一種所得に對する税額四十三億五千九百餘萬圓、第二種所得に對する税額五千五百餘萬圓、第三種所得に對する税額一億二千餘萬圓、合計四十五億三千四百餘萬圓の見込みでありまして、一時納付を困難とするものの延納を認めまする爲、昭和二十一年度に於て四十億八千餘萬圓、昭和二十二年度に於て四億五千四百餘萬圓の國庫收になる見込みであります、次に「有價證券の處分の調整等に關する法律案」に付、其の提案の趣旨を御説明申上げます、今後財産税徴收の結果、國庫に納入致されました有價證券、所謂持株會社或は閉鎖機關等の所有致して居りました有價證券、其の他極めて厖大な額に上る有價證券が市場に於て處分せられることと相成るのでありますが、是等巨額の有價證券を處分するに當りましては、多額の有價證券を處分しようとする各機關が相互に連絡協議して、是等の有價證券の處分の順序、價額等に計畫的調整を加へ、有價證券市場の状況に應じて綜合的に、統一的に處理して參りませぬと、各機關に於て處分する有價證券が、時を同じくして、市場に競合致し、證券市場を不測の混亂に陷れ、其の結果、有價證券の價額も不當に低落を來すと云ふことに相成つて、到底圓滑に之が處分を實行することは不可能であらうと思はれるのであります、又是等の有價體券を處分致しまする場合には、特定の者の手に過度に多額の有價證券が集中することを避けて、之を國民の間に廣く分散せしめるやう、極めて公平に配分することが必要でありますが、此の爲には矢張り各機關が共同して賣買に關する事務を處理し、各種の機關を動員して組織的に、有價證券を處分して行くやうな仕組を採ると共に、特定の會社に付きましては、中央に於て常時株主の状況を明かならしめて置くことが適當であると考へられます、以上の理由から致しまして、政府は茲に有價證券の處分の調整等に關する法律案を提案致した次第であります、次に此の法律案の内容に付きまして御説明申上げます、第一は此の法律の適用を受ける有價證券の範圍に付てであります、此の法律の適用を受ける有價證券は、之を指定證券と稱し、其の範圍は國の所有する有價證券、持株會社整理委員會の所有する有價證券、閉鎖機關の所有する有價證券、所謂制限會社等が先般公布施行せられました會社の株式保有等制限に關する勅令に基いて處分する株式、及特別經理會社が整備計畫に從つて處分する第二會社の株式、舊勘定所屬の株式等であります、尚將來以上に準ずるものが生じた場合には、命令で規定して指定證券として同樣に扱ひ得る途が拓いてあるのであります、第二に證券處理調整協議會に付てであります、多額の有價證券を處分しなければならない機關即ち國、持株會社整理委員會、閉鎖機關保管人委員會及閉鎖機關の特殊整理人としての日本銀行の代表者、更に特別經理會社の利益を代表するものは、證券處理調整協議會を組織して、指定證券の處分に關する事項を協議することを要することに相成つて居ります、協議會の決議は、議長の選任及解任の場合の外は協議員全員の意見の一致に依ることを必要と致しますが、其の他協議會の運營に關して必要な事項は總て協議會が規約を以て之を定めるのであります、第三に指定證券の讓渡計畫の承認に付てであります、國、持株會社整理委員會、閉鎖機關保管人委員會、日本銀行、特別經理會社等が指定證券を處分する場合には原則として讓渡の時期、價額、數量等、讓渡の計畫に付き豫め協議會の承認を經なければならないのであります、此の計畫書が提出致されましたならば、協議會は市場の状況を勘案し指定證券の分散竝に其の處分を圓滑且公正ならしめると云ふ見地より、此の計畫書を檢討の上、適當と認めた場合には之を承認するのでありますが、若し計畫が不適當であると認めた場合には不承認とし或は又計畫に所要の變更を加へて承認することも出來るのであります、但し制限會社等が株式保有等の制限に關する勅令に基いて株式を處分する場合には、制限會社等は右の勅令に基いて持株會社整理委員會に株式處分計畫書を提出することになつて居るので、整理委員會に於ては是等の計畫を取纒め、綜合計畫を作成し、此の綜合計畫を協議會に提出して承認を求めることになつて居るのであります、第四は指定證券の讓渡に付てであります、協議會より指定證券の讓渡に關する計畫に付て承認を受けた場合には、特別經理會社の場合を除き、其の他の各機關は、其の計畫に從つて、指定證券の讓渡を協議會に委託しなければならないことに相成つて居ります、唯特別經理會社の場合には、指定證券を讓渡するには必ず協議會の承認した計畫に從はなければならないことは勿論でありますが、讓渡自體は自ら行つても、或は又之を協議會に委託しても差支ないのであります、尚以上述べました所に依つて協議會に對し指定證券の讓渡を委託した各機關は、協議會に對して一定の手數料を支拂ふことになつて居ります、第五は株主等に關する事項の報告に付てであります、政府の指定する一定の會社は、政府の指定する日現在の株主名簿に記載されて居る株主の住所、氏名、所有株式の種類及數を協議會に報告すると共に、其の後に於きましても、其の報告した事項に異動を生じた度毎に、其の旨を協議會に報告しなければならないのであります、而して是等の會社に付きましては、常に株主の状況を明かならしめて置くことを要する關係上、商法の規定に拘らず無記名式の株券を發行することが出來ないことに致しました、第六に協議會が其の職務を執行する上に必要と認めた時は、協議會關係各廳官吏、證券の取引に關し特別の知識經驗を有する者等に對し、協議會の會議に出席することを要求し、又是等の者から必要な資料、情報、又は報告の提出を求めることが出來るのであります、第七は協議員其の他協議會の職員に付てでありますが、是等の者は公務員と看做され、個人的に有價證券の賣買等に關する行爲は一切行ふことが出來ないと共に、職務上知り得た祕密を他へ漏らすことを禁じられ、之に違反する時は處罰せられることになつて居ります、第八に協議會の經費でありますが、先程申述べました指定證券の委託手數料を經費に充當する外、是は國、持株會社整理委員會、閉鎖機關、保管人委員會委員長、日本銀行等各機關が分擔するのであります、最後に特に附言して置きたいと存じますが、此の證券處理調整協議會は、有價證券の處分に關する調整を行ひ、又其の處分の實行に當つては共同して處分の斡旋をする爲の機關でありますから、之に依つて特殊會社整理委員會や閉鎖機關保管人委員會等の從來の性格には何等變更を來すものではなく、又各機關固有の任務に付ては制限を加へようとするものでないことは勿論であります、以上が此の法律の大體の内容であります、次に「昭和二十一年度一般會計歳出の財源に充てる爲の公債發行に關する法律案」提出の理由は、既に目下本院に於て御審議中の昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加改第一號乃至第三號の中、第一號及び第二號の經費に付きましては、増加所得税法の制定に依る租税の増加、煙草の値上げに依る專賣局益金の増加等に依る増收額を財源として收支の均衡を圖つたのでありまするが、改第三號に計上致しました經費の所要財源九十三億圓に付きましては、今日の場合之を擧げて公債に依るの外途がありませぬので、已むを得ず此の法律案を提出することと致した次第であります、次に昭和二十一年法律第五十五號の一部を改正する法律案提出の理由は、帝國鐵道會計收益勘定及び通信事業特別會計業務勘定に於ける昭和二十一年度の經費の財源に付きましては、曩に兩會計收支の状況に顧み、其の一部を借入金に求めることと致しまして、之に關する昭和二十一年法律第五十五號の制定を見たのでありますが、今囘帝國鐵道會計收益勘定に於て必要と致しまする追加經費の所要額十一億七千二百十餘萬圓及び運賃收入の減少に依る歳入不足の補填の爲の所要額十三億二千萬圓と、通信事業特別會計業務勘定に於て必要と致しまする追加經費の所要額五億八百十餘萬圓の中、四萬二千四百七十萬餘圓の財源に付きましては、兩會計收支の現状から致しまして、借入金に依るの外途なきものと存ぜられますので、已むを得ず此の法律案を提出致した次第であります、次に政府の契約の特例に關する法律案に付て其の提案の理由を御説明申上げます、聯合國軍の要求に應ずる爲に要しました經費及び今後此の爲に支出を要する見込の經費は厖大な額に達するのでありますが、其の中で所謂設營工事に屬するものが其の經費の大きな部分を占めて居り、又近く實施を豫定せられて居る賠償施設の撤去に付きましても相當巨大な額が豫想されるのであります、之が爲我が國財政經濟の運營に對し與ふる影響は極めて大きいのでありますが、我が國がポツダム宣言受諾に伴ひ此の種の經費を負擔すべきことは當然であり、ポツダム宣言の條項を誠實に履行する爲、國民を擧げて其の負擔に任ずべきであると考へます、併しながら此の種經費が増嵩致しますに付きましては、特に請負契約の價額等が動もすると其の適正を失ふことも其の重要なる一因とも認められますので、斯樣な原因に依つて經費が過當に膨脹致しますことは、我が國財政經濟の運營上、極力之を防止し、以て經費の支出の適正を期することが特に肝要であります、政府は此の爲に政府の契約の特例に關する事項を定める必要を認め、本法律案を提出することと致したのであります、次に此の法律案の内容に付きまして御説明致します、第一は此の法律の適用を受ける特定の契約に付て確定支拂金額を指定することに付てであります、聯合軍の要求に係る工事關係に付て政府と請負業者との間の契約に付ては種種の關係で契約金額の不確定の儘大きな工事が進行せられることが多いのでありますが、之が爲所要經費が不當に増嵩する傾向が強いのであります、此のやうな場合政府は之を防止することが必要でありますので、政府の適正と認める金額を適時決定し、相手方の請負業者に之を指定して支拂金額とし、經費の不當な膨脹を來さないやうにすることと致したのであります、第二は右の指定金額に不服のある相手方を救濟することに付てであります、只今申しました政府の指定支拂金額に付きましては、相手方としては滿足出來ない場合があるかも知れませぬ、政府の指定した支拂金額は政府の獨斷的なものであつてはなりませぬし、十分世間に納得出來るものでなければなりませぬが、此の意味に於て其の指定金額に不服のある相手方に對しては、政府に其の支拂金額の改定を申請させることとし、此の申請があつた場合政府は特定契約委員會に諮問して、支拂金額を決定することに致したのであります、尚此の委員會の答申に基く政府の決定に不服のある相手方に付ては裁判所に出訴させ、其の判決に俟つことと致したのであります、第三は特定契約に付て必要な調査をすることに付てであります、特定契約に付きましては契約履行の完了に依り適正な金額の支拂を要する譯でありますが、契約條項の履行が完全であるか否かなどに付きまして、適當な調査をすることが必要であります、其の爲に政府は當該官吏をして契約の相手方等に對し質問したり報告を徴したり、是等の者の營業所、作業場等に臨檢したり、帳簿書類等の檢査をしたりすることの出來るやうに致しました、第四は右に關する違反行爲者に對して必要な罰則を設けることとしたことであります、尚此の法律の施行に付きましては、其の準備等に付き色色違つた事情がありますので、各事項別に其の期日を定めることと致しました、以上が此の法律案の大體の内容であります、以上五件に付きまして何卒御審議の上速に御贊成あらむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=8
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009・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) それでは是から引續き質疑に入る譯でございますが、各法案を個々別々におやりになりますれば、纒まりは早いと思ひますが、其の爲には、若干時間が掛るかと思ひますけれども、矢張り一つ宛やつて行つた方が宜しうございませうか、どうでございませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=9
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010・板谷順助
○板谷順助君 私は委員長に御願ひがありますが、あなたは先程會期切迫して居ると仰しやつたが、勿論期日もないことでありますから、委員としても出來るだけ勉強して努力するのは當然でありまするけれども、御承知の通り、此の法案は國民經濟に重大な關係を持つて居ります、殊に又衆議院送附でありまするので、恐らくは委員各位は皆さんが質問をしたいと云ふ御考を持つて居られると思ふのみならず、矢張り段々追加質問と云ふものも出て來る譯でありますから、委員長としては甚だ御迷惑でありますけれども、どうか或程度迄意を盡させるやうに御配慮あらむことを希望致して置きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=10
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011・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) 申上げる迄もなく、時間はありませぬが、私は其の爲に特に皆さんの質疑を御抑へするとか、或は無理に片付けて戴きたいと云ふことを申上げた積りではないのであります、唯自から自然的に時間の制限があるものでありますから、成るべく短い時間を要領好く效率的に御使ひになつて十分御審議願ひたい、それで色色申上げて居る譯なのでありまして、御話のやうに、此の法案の内容は色々違つて居りますけれども、我々の日常の生活に關係して居る、大きく言へば日本の國民經濟に關聯した問題だと云ふことでありますと、一脈の關聯性がありますので、之を一括して御審議願つても宜いと思ふのでありますが、色色御話が飛びますと、今度纒めるのに困るのではないか、それで御相談なんですが、どつちが御都合好く圓滑に效果的に進行致しませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=11
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012・板谷順助
○板谷順助君 まあ私は一括して審議をなすつた方が便宜ではないかと考へて居りますが、併し他の委員諸君にも色々御考がありませうから……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=12
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013・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) 私斯う云ふ所で自分の考を申上げるのはどうかと思ひますけれども、私も全體一脈通じた所のある問題なのでありますから、全部を議題として御審議願つても、自から所得税は所得税、何は何と云ふやうに固まつて行くのではないかと云ふやうな氣もするのですが、其處は皆樣の御都合に依つてどつちでも宜いと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=13
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014・板谷順助
○板谷順助君 皆樣の御意見を聽いたら如何でせう発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=14
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015・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 私は此の増加所得税法だけを切り離して、後は一括して御審議願つたらどうかと考へます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=15
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016・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 私は寧ろ一つづつ個々に御進めになつた方が能率的だと思ひますね、どうも之を一括して進められると、問題がこんがらかりまして、關聯性はありますけれども、整理の面では斯う云ふやり方は拙いと思ひます、假に此の中にも隨分簡單に濟む問題もありますから、そんなものはもう早く濟みますから……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=16
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017・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) 色々御意見がありますが、それでは取敢へず増加所得税法からやつて行きまして、其の内には何とかまあ自から落著く所へ落著くかと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=17
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018・松尾嘉右ヱ門
○松尾嘉右ヱ門君 今日の此の特別委員會の是からの審議に當りまして、まあ澤山な委員の人達の中から色々良い意見が出ると思ひますが、其の良い意見が出て、此の委員會が成る程尤もなりと多數を以て決つた場合には、此の原案を政府としてはいじくることが出來るか出來ないかと云ふことを先にちよつと御尋ねして置きたいと思ふのですが、それを若し此の委員會が多數で良い意見だ、だから絶對多數を得た場合、此の政府の原案がいじれるのかどうか、一日や二日の審議でなかなか是だけのものが出來る譯はないと思ふのですけれども、精一杯之を勉強して、一生懸命審議して、其の結果が何もならぬのなら、私も好い加減なことで引下つた方が宜いのではないかと思ふので、實際之をいじつて呉れるのかどうか、それを第一に政府に先へ御尋ね致したい、それから第二としては、是だけの色々の税金を政府がどんどん取つて行くことを、まあ大藏省は非常に能く考へて取つて行くのだが、第三國人の税金をどうして取るか、私の一等心配して居るのは、第三國人の持つて居る所の財政の爲に我々貧乏人が一生抑へられるのではないかと云ふことを今日非常に心配して居るのです、さう云ふ所に付ても、政府は第三國人の税金は取るのだと云ふことを言つて居るけれども、何處迄取るのかと云ふことを伺ひたいのです、先づ第一に先に申上げたことを伺つて置きたい、さもなければ私は引下る積りです、直すか直さぬかと云ふことを聽いて置かなければ、直さないものなら幾らやつてももう駄目だと思ふ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=18
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019・上塚司
○政府委員(上塚司君) 増加所得税法案の成立迄には相當長い期間政府としても研究を致しまして、其の上に關係筋との間にも十分の連絡を取りまして、其の了解を得た上でのことであります、政府としては之を變更して戴くことを好みませぬが、併しながら議會政治の本來から申しますれば、兩院に於て之を變更すると云ふことを決定されたならば、それは如何ともすることは出來ませぬから、議院の方で決定されたことが本當の法律となつて參る次第であります、併し政府の意向は先程申した通りであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=19
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020・板谷順助
○板谷順助君 私は數字に付ての資料を要求致します、此の増加所得額に付て、先程政府委員が第一種、第二種、第三種の税額の内譯を御話になつたが、もつと其の内容の詳しい數字を一つ御示しを願ひたい、それから其の次に終戰連絡處理費の總額、總額に對する内譯及び今日迄幾ら金を拂つて居るか、概算に依つて拂つて居る額と、又殘つて居る額は幾らあるかと云ふこと、それから今後に於ける終戰處理費の見込、それから其の次には公債發行の總額及び今囘法案にもありまするやうに、一般追加豫算、或は特別會計に關する追加の公債發行額及び借入金、其の明細、それから現在日本銀行が幾ら公債を保有して居るか、現在日本銀行が引受けて居る其の額、之を一つ各委員に御配付を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=20
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021・上塚司
○政府委員(上塚司君) 只今の資料は出來るだけ早く整へまして、御手許の方に差上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=21
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022・竹中藤右衞門
○竹中藤右衞門君 尚衆議院の委員會に於ける質疑應答を先に承つた方が重複しないで宜いと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=22
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023・上塚司
○政府委員(上塚司君) それをやつて居ると時間がなくなつてしまひますが…発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=23
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024・藍澤彌八
○藍澤彌八君 終戰處理費とか數字のやかましい所だけは、資料を御配付願つて、極く簡單なものは口頭で御説明になつては如何でありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=24
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025・上塚司
○政府委員(上塚司君) 若し御希望でありましたら、左樣致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=25
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026・村田保定
○男爵村田保定君 増加所得税法案から始めると云ふことに、今の御話で決定したのぢやありませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=26
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027・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) 數字のなにが出ましたが、御差支なければ、増加所得税法案から御質疑願つて進行して行つて如何でありますか
〔「贊成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=27
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028・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) それでは取敢へず増加所得税法案から質疑を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=28
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029・藍澤彌八
○藍澤彌八君 増加所得税の税法を政府が御決定なさる御趣旨は、只今拜聽致したのでありますが、尚突込んで御伺ひ致したいと思ふのでありますが、御承知の如く、本年は取敢へず財産税が掛る、然るに特別に増加所得税を重ねて御掛けになるが、それは一體どう云ふ御趣旨に基くのでありますか、其の點を一つ明かにして戴きたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=29
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030・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 財産税は本年三月三日現在に於きます財産に對する課税であります、今囘の増加所得税は昭和二十一年分の決定所得に對しまして或程度以上増加した方に對しまして、増加部分に一定の税率を課税するのでありまして、全然別個の對象に相成るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=30
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031・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 只今の御説明は少しく了解に苦しむ所があります、何となれば、三月三日迄の所得と云ふものは、財産税にも加はつて居ると思ふのです、さうして之にも加はつて居る、さうすると、二重に相成るやうに思はれますが、此の點に付きましての一つ御説明を願ひたい、又普通の所得税も同時に屆けなければならぬが、それとの關係に付きましても、今少し詳しい御説明を願ひたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=31
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032・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 御説明のやうに三月三日迄に、即ち一月一日から三月三日迄の財産の増加に對しましては、財産税が掛つて居る、併しそれは又今度の増加所得税、一般の所得税の對象になるのではないか、二重課税の嫌ひを免れないと云ふ考へ方がありまするが、税の理論と致しましては、課税の對象が違ふのであります、從ひまして財産税を年の初めから三月三日迄の増加に對し課税し、又所得税を課税することは、税の理論から言つたら二重課税にならぬと存じて居ります、是は相續税に付きましてもさうでありますし、一般に財産税を施行致します場合には、所得税と財産税の間には常にさう云ふ關係が起るのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=32
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033・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 どうも我々素人に於きましては何とも了解が出來ぬやうに思ひます、財務當局に於きましては、十分御承知かも知れませぬが、只今の御説明では一般人民は少しく分り兼ねるやうに思ひまするが、今少し何とか分り易いやうな御説明を願へませぬか、どう致しました處が、三月三日を以て財産税のなには査定する、さうすると其の財産税の中には一月から三月二日迄に出た所の現金も何も、財産税の方にも掛る、又増加所得の方にも掛る、又普通の所得の方にも掛る、斯う三重に課税を受けるやうな感じが確かにするのであります、どうも技術的にさう云ふことは出來ぬと云ふ御話でありますけれども、我々素人ではどうも了解に苦しむやうに思ひますが、今少し分るやうに御説明出來ませぬか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=33
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034・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 財産税と所得税との二重課税の問題に付きましては、先程申上げた通りでございます、税の種類が違ひますので、斯かる場合には二重課税とは解釋致して居りませぬ、例へば例を以て申上げますれば、相續の場合、被相續人が營業致しまして、一月からずつと十二月の一日迄營業して居る、さうして相當の利益が上ります、さうすると、相續財産に其の所得は加算致します、併し相續人は、翌年被相續人の所得に對しまして所得税は依然として掛るのでございます、是は財産課税と所得課税との問題でございまして、二重課税と云ふ筋合のものではないと思ひます、第三段の御質問の、今年の一月から三月迄の分に付きましては、所得税を納めるではないか、それに増加所得税を課税すると云ふことは如何なるものか、斯う云ふ御質問でございますが、是は今年の決定所得は、前年の實績に依りまして一應決めて居る譯のものでございます、併し其の決定所得が經濟の膨脹の爲に實際の所得よりも非常に少い、實際の所得が非常に多いと云ふ場合に付きましては、決定所得を超過した部分に對しまして、七千圓或は一萬圓を控除して、所定の累進税率で徴收すると云ふのでございますから、決して二重課税にはなつて居ないのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=34
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035・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 只今の御説明に依りまして、普通所得税と此の増加所得税、財産税との區別が分りましたが、少くとも一月から三月二日迄に若し利益を得たとすれば、其の利益金が預金となつた場合に於きましては、是は財産税の對象に確になる、財産税を屆ける場合に、其の預金額を全部屆けなければならない、さうすると、此の税は確かに二重課税になつて居ると見て差支ないやうに私共は考へるのでありますが、あなた方はそんなやうに御考にはなりませぬでせうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=35
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036・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 私は二重課税とは考へて居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=36
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037・橋本辰二郎
○橋本辰二郎君 其の問題は委員諸君の一つ御判斷に御任せすると致しまして、此の法案を見ますると、個人の所得に關してのみと云ふやうなことに思はれまするが、私等の聽きます所に依りますれば、終戰後出來ました澤山な法人があります、資本金は二拾萬圓以下のそれ等の法人に於て、僅かな期間に於て莫大なる利益を獲得した者も多多あるやうに考へて居りますが、それ等の法人に對してはどう云ふ處置を御採りになるのでありませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=37
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038・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 其の法人の事業年度に於ける全部の所得に對しまして法人税を課税致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=38
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039・板谷順助
○板谷順助君 今政府委員の御説明であるが、新圓を現在持つて居る者は要するに闇の賣買に依つて取得した者が大體に於て多い、處が此の法案を御作りになるに付て申告税にしたのは私間違つて居ると思ふ、要するに闇の賣買に依つて利益を得たる者が眞面目に屆ける譯はない、恐らくは二重帳簿でも作つてやるでせう、だからして此の法案を完全に適用すると云ふやうなことになれば、結局新圓を幾ら持つて居るか、或は又其の新圓が物にどう變つて居るかと云ふ所迄探究しなければ、其の目的を達することが出來ないと私は思ふ、それで不動産所得はどう云ふ所に目安を置いてあるのか、其の數字を承りたい、其の内譯内容を打明けて貰ひたいと云ふことを申上げたのですが、是に付て御説明願ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=39
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040・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 勿論闇其の他の行爲に依りまして所得が激増致して居る者を狙ふのが、此の税法の狙ひ所になつて居るのであります、如何なる所得でも殖えた場合にはそれに對して増加所得税を徴收したらどうか、斯う云ふやうな考へ方がございます、併し今囘は不動産所得は甲乙の事業所得にのみ限りまして、勤勞所得或は配當利子所得には増加所得税は徴收しないことに致します、何故かと申しますと、勤勞所得は分類所得税として相當大きい部分を今年中に納めて居ります、配當利子所得の方は殆ど増加は全般的にないと云ふ考への下に狙ひは甲乙の事業所得、殊に甲種事業所得を狙つて居るのであります、而して御話の不動産所得を何故入れたかと申しますと、原則的には非常な増加はないのでございまするが、極く例外的に有り得るのでございます、例へば戰災地に於きまする市街地の中心地は、相當高い借地料を取りまして貸付けて居る場合が可なりあるのでございます、私は斯う云ふものに付きましては、其の貸付所得に對しまして此の際矢張り課税するのが適當と斯う考へまして、不動産所得を入れて居る譯であります、收入見積りと致しましては二千萬圓程度しか見込んで居りませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=40
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041・板谷順助
○板谷順助君 恐らく不動産所得と云ふのは、地代、家賃と云ふやうな方面に計上されることと思ふ、處が現在土地の價格に付きましては、建物と違つてそんなに高くなつて居りませぬ、又此の經理統制令に縛られて、地方に於ては官廳がなかなか地代、家賃の値上を許可しない、斯う云ふ實情である、そこへ一方御承知の通り地方の本税、附加税と云ふものが非常に高くなつて、經費が膨脹して居る、だから恐らくは地主の増加所得と云ふものは、私はそれは見ることが出來ぬ實情だと思ふ、又事實其の通りである、そこで問題は第一種の所得が要するに新圓獲得者……其の新圓獲得者なるものは、只今橋本君も御話の通り、地方に於ては或は株式とか或は有限會社と云ふやうな會社組織に依つて、闇の賣買をやつて居るものが多い、法人税で徴收すると云ふやよな御話でありますけれども、闇の賣買をやつて居る者は、闇の摘發を恐れて居るが爲に、決してそれを表面に現はすことはありはしない、之を一體貴方は今日新圓獲得者が増加所得と云ふものをどの程度に持つて居ると云ふことを、どう云ふ方法に依つて御調べになるのでありますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=41
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042・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 只今の御質問は、法人の所得に對して、どう云ふ風にして調べるか、斯う云ふ御話でございますが、それは後で御答へすることに致しまして、個人の所得をどう云ふ風にして捉へるか、斯う云ふことに付て御答へ申上げます、此の問題は衆議院に於きましても最も論議のあつた所でございます、我々と致しましては從來所得税、營業税の調査に對しましては、相當に經驗を持つて居ります、唯其の經驗も實はまだ遺憾な點があるのでありますが、主として收入の發生する場合を餘り強く見過ぎた嫌ひがございます、併し今囘は所謂闇所得等を捉へるのでございますから、所得の發生と云ふことはなかなか捉へにくい、從ひまして今度は發生した所得を消費する、此の消費の方面からも或程度見て行かなければならぬと思ふのであります、所得或は消費、此の兩方面からずつと尋ねて參りまして、さうして所謂大口取引者に付きましては實地調査を致します、又關係官公署、警察とか或は司法當局の關係、其の他の關係各省の協力を得まして、出來るだけ資料を取ります、又そればかりでなしに、業界の精通者或は實際商賣をして居る人、斯う云ふものを業種別に特に税務協力委員に御願ひ致しまして、色々な御智慧を借りる、其の智慧を借りる場合に於きましても、各方面の人を集めてやつて行きたい、でさう云ふ方の御智慧を借り、税務官吏が是で十分調査致しましたならば、從來のやうな調査よりも餘程徹底した調査が出來るのではないかと思つて居ります、で申告納税にしたのは失敗だと申しましても、我々は税の理想としては、どうしても申告をして戴く、併し其の申告に不正等の場合がありましたならば、我々の調査に依りまして政府で調査する、斯う云ふことになつて居るのであります、一應納税者から矢張り申告はして戴く、從來でも申告が税所署の調査と一致しない場合が相當あるのでございます、我々は申告は飽く迄尊重を致しまするが、何と申しましても、我々の手で一應調べる、さうして調べ上げましたものは財産増加所得税委員會に諮問致しまして、そこで又調査委員の方の御意見を聽く、此の増加所得税調査委員會と云ふのは所得税調査委員會の機構よりもうんと擴充致しまして、色色な方に委員になつて戴く考で居ります、斯く致しまして二萬近い税務官吏が之を調べたならば、從來の所得税、或は營業税の調査よりも餘程うまく行くのではないか、斯う云ふ考へで進んで居る次第でございます、どう云ふ風にして調査するか、斯う言はれましても、ここではなかなか斯う云ふ風にしてやるのだ、ああ云ふやうにやつて行くのだと云ふやうなことは言へませぬ、業態に依つて皆調査方法が違ふと思ふのであります、例へば其の邊に建つて居りますバラックの居住者、それが色々なものを賣つて居る、例へばお菓子屋さんだと云ふ場合に於きましては、其のバラックを誰に請負はして建てたのか、甲なら甲に請負はしたのであると云ふことであれば、その甲の所へ行く、其の建築業者は何處と何處から之を建てた、それでバラックを建てた契約金はどうか、其の資材は何處から持つて來たか、斯う云ふ所からずつと實地に行きまして之を一つ系統的な資料に致します、之をずつと纒めて行きますと大體の所が分ります、又今度は別に各町會長或は隣組長、斯う云ふ人に付きまして各町會に付て生活状況を聽きます、大體の資料と生活状況と違ふと云ふことになつたならば、さうして非常に大きく儲けたと云ふやうな人に付きましては實地に調査する、で、あの手此の手をやつて行けば相當、相當ぢやない殆ど掴まへ得る、斯う云ふ確信を得まして實は増加所得税法案を提案することに決心致したのであります、此の増加所得税と云ふものは昔から、もう十數年來議論されて居る所です、我が國に於ても主税當局では、度度斯う云ふことを考へたのでありますが、なかなか困難です、殊に斯う云ふ經濟界が非常に混亂して居る時にはなかなか困難でございまするが、併し何としてでも其の困難を克服して此の際新圓所得階層に對して應分の課税をしなければならない、斯う云ふ風に決心致しまして立案した次第でございます、又斯う云ふやうな經濟の變動があります時には、今迄のやうに實績課税ではやつて行けませぬ、前年の實績に依つて課税して行くことになると、先程提案理由で申しましたやうに事故が起つて參りますので、其の年の所得税は其の年の所得から納めて貰ふ、斯う云ふ建前が經濟膨脹、收縮の時には最も好い方法だと思ふのであります、板谷先生は昭和十五年の税制改正の時に十分御存じと思ふのでありまするが、ああ云ふ風に經濟が大體順調にずつと進んで行く時には宜いのでありまするが、現今のやうに非常な變動のある場合には、私は其の年の所得税は其の年の所得を基準とすると云ふことが、一番宜いと思ひます、衆議院で、政府は豫算課税、即ち其の年の所得税は其の年の所得からと云ふのは、來年經濟が膨脹し、所謂インフレになるからさう云ふ風にしたのか、斯う云ふ質問がありました、併しインフレになるからやつたのではございませぬ、デフレになつて非常に經濟の縮少した時に、前年の膨脹した時を基準とされたら納税者は困る、ですから、經濟の變動を豫測する場合に於きましては豫算課税が一番好いのだと、斯う云ふことで豫算課税にすることに致したのであります、又其の例は一千九百四十三年にアメリカが實績主義を豫算課税主義にしまして、所謂經濟の變動に即應するやうな税制の建て方に致して居るのでございます、我が國もさう云ふ趣旨から豫算課税にすべきだと云ふので豫算課税に致しまして、昭和二十二年の所得から昭和二十二年分の所得税を納めさせると云ふことになりますと、昭和二十一年の今年決定致しましたのは、經濟の膨脹致して居ない昭和二十年の實績でございます、併し二十一年の實績は決定所得よりも非常に殖えて居る、併し殖えて居るものは此の際取らなければ永久に取られないと云ふことになります、片一方新圓階級から税を取らなければならないと云ふことと、殖えた所得を流してはいけないと云ふので、斯う云ふ案を出したのでございます、從つて殖えた所得に對して課税されると云ふことでございますから、先程橋本委員から仰つしやいましたやうに、今年決定致しましたものはもう下積みになつて課税致しませぬから、二重課税にならない、斯う云ふ考で、本案は我我協贊を受けました後は、我々税務官吏は全力を擧げて此の三月迄徹夜してでも見付けると云ふ決心で居るのであります、どうぞ御了承を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=42
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043・板谷順助
○板谷順助君 私は新圓を獲得して居る者は大體に於て闇に依つて暴利を取つて居る、是から取るのは當然だ、どうしても取る必要がある、あるけれども、兎角政府の從來の經濟政策、例へば財産税の如きものも正直者が馬鹿を見ると云ふ結果になつて居るのです、事實其の通りであります、其の通りでありますから、成る程是は申告制にして一應調べ、更に間違つて居つたならば、法律の適用も出來るのでありませうけれども、要するに闇の賣買をしてやる者は必ず二重帳簿を作るだらうし、闇を摘發されると云ふ虞もあるだらうから、直面目なことをやりはしない、又あたな方が如何に町會長や警察の力に依つてやらうとしても出來はせぬ、出來はせぬから、若しさう云ふ御考であるならば、申告制でなく所謂認定でやる、認定でやつてそれに服さぬ場合には帳簿を出せ、帳簿を出して徹底的に調べたならば或程度迄摘發が出來るのではないかと思ふ、それは恐らくあなたが幾ら苦勞なすつても、其の豫定の増加所得を見付け出すなんと云ふことは出來はせぬ、殊に先刻橋本委員の言はれたやうに、有限會社だとか色々な幽靈會社を作つて闇行爲をやつて居る者が多いのです、さう云う連中が會社の名の下に闇行爲をやつて居るのが多いのです、是は法人税なんか取れはしませぬぞ、是はどうなさる積りです、新圓獲得で所謂増加所得と云ふものを所謂法人の名に隱れて取つて居る、是は若し取扱が不公平に亙るやうなことになつたら政治ぢやないのです、御答辯を願ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=43
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044・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 申告制を採用してもそれは效果がない、それは認定決定すべきではないか、斯う云ふ御話でございますが、認定決定をする必要のある場合には認定決定を出來るやうに、此の法案が出來て居るのであります、所得税に付きましても申告制を採つて居ります、併し税務署は、政府は其の調査に依つて決定する、斯うなつて居ります、今度も同じでございます、唯税の建前としては、飽く迄納税者が自分で誠實に申告して貰ふ、併し其の申告に誤りがあつた時には政府が認定決定する、是は所得税も是も同じやうに出來て居ります、我々は申告は一月三十一日迄に御願致しますが、併しもう既に税務當局の第一線は調査に掛つて居ります、闇は見付からぬだらう、なかなかむづかしいと仰つしやつても、闇を見付けなければいかぬのです、是は是非共見付けるやうに努力致します、闇を見付からぬと云つて放つて置いては、正直者は馬鹿を見るから、誠實に申告した人が馬鹿を見ると云ふことになりますから、我々は誠實な申告があつた場合には誠實な申告として取扱ひ、又不誠實な申告があつた場合には、徹底的に調査致します、さうして又第二段の御尋の法人でも會社でもないのが會社の看板を揚げて、會社らしくして居ると云ふのは、それはございます、もう最近澤山見付かつて居ります、併しそれは其の會社へ、先程申上げましたやうな個別に個人調査をして行きまして、會社と云ふ看板を張つて居るならば、何時登記したか、誰が責任者か斯う云ふやうなことは、もう調査することは、税務官吏は朝飯前でございまして、唯今迄手が足りないので、脱けた場合が全然ないとは申兼ねますが、今度は一齊にやつて、行きまして、さう云ふ不正な者に付きましては非常な罰則を出す、之には所得税に付きましては、懲役刑はありませぬ、又罰金に致しましても、千圓程度に致して居りますが、今度は懲役刑も加へて居ります、我々は此の際徹底的に、新圓所得者を調査し、之に相當の税を納めて貰ふ、斯う云ふ決心を致して居るのでございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=44
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045・板谷順助
○板谷順助君 此の問題は重大問題でございまして、私は、あなたがさう力説をなすつても、それで政府の掲げて居る豫定通りには恐らく行くまい、斯う思ふのでありますが、又他の委員諸君からの御意見もありませうし、私は此の問題は保留して置きます、それから次に移りますが、第二種の山林の問題ですが、山林の所得に付ては、「二十一年中の總收入金額から心要な經費を控除した金額」を査定することになつて居るのですが、大體山林を直接伐採する、山林を所有して居つて伐採すると云ふやうな人々は、多く會社の經營が多い、個人で山林を持つて居る者は、山元に於て之を立木の儘賣る、斯う云ふ方が多いのです、一體山林に對する其の場合に、原價をどう云ふ風に見積るか、此の原價を引くのか引かぬのか、唯此の法案から言へば、今申上げたやうに、總收入から經費を引いた其の殘額に對する課税、斯う云ふことになつて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=45
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046・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 山林の所得と云ふものは、立木代金から、其の立木の成長に要しました必要經費を引いたものが、所得になつて居ります、勿論植林等の費用は、必要經費と致して控除致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=46
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047・板谷順助
○板谷順助君 それは、或は植林した場合はさうでせう、併しながら天然の山林と云ふものは、全國に隨分多い、其の原價をどう見るか、それを御尋ねしたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=47
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048・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 經費がかかつて居らなければ、賣却代金は其の儘になりませう、併し或程度の經費はかかると思ひます、實際の經費を引くことに致して……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=48
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049・板谷順助
○板谷順助君 それはをかしいぢやないか、あなた、財産税を取る場合に於ては、山林と云ふものを相富の、つまり立木の見積り額を決めて評價をして、財産税を取るのでせう、然るに其の立木の原價を見ないと云ふのは、それは矛盾して居るぢやありませぬか、財産税には見て居つて、さうした木を賣つた場合に於ては、唯經費だけを引いて、あとは全部所得と看做すと云ふことは、是は不合理でせう発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=49
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050・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 山林の所得の計算に付きましては、先程申上げた通りでございます、財産税で、山林の財産に對しては課税致します、財産税を納めます爲に山林所得が生じたと云ふ場合には、是は輕減免除することに致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=50
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051・板谷順助
○板谷順助君 私が質問して居るのはさう云ふ意味ではないのです、詰り財産税を納める場合に於て、山林を持つて居つたならば、現在税務署の役人が山林の調査をして居り、此の山は幾らの價があるかと云ふことを評價して居る、宜うがすか、それで財産税を取るのでせう、處が今度増加所得を定める場合に於ては、山林に對する立木の原價を見ないと云ふのは不都合だと思ひます、それを全部増加所得として課税する、斯う云ふ建前になつて居るやうな御答辯ですが、それはどうなさるのか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=51
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052・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 板谷委員の仰しやるのは、其の財産税がかかつた税額は、必要經費に見なければならぬ、斯う云ふ……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=52
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053・板谷順助
○板谷順助君 いや、そうぢやないです、財産税に於ては立木と云ふものを見て居るでせう、價額と云ふものを見て居るでせう、原價幾らと……、處が増加所得を取る場合に於ては、山林の價額を見ない、見ないで詰り、賣上代金の中から總經費を引いた殘りを増加所得と見ると云ふから、立木の財産原價と云ふものをどうするのか、立木の原價と云ふものを見るのか、見ないのか……発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=53
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054・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 立木の原價を見ると云ふのか、見ないのかと云ふ御話でございますが、私質問の點が分らないのですが、事例を以て御話願ひませうか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=54
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055・板谷順助
○板谷順助君 事例は今申上げた通り、此の第二種の法案がですね、山林の所得に付ては、二十一年度の總收入の金額から必要な經費を控除する、宜しうございますか、經費を控除した其の金額に課税すると、斯う云ふ經費だけを控除する、所がですね、今御話する通り、山を持つて居つて、それを直營をして、伐採をすると云ふのは、大體に於て會社組織が多いのです、會社組織であるならば、勿論増加所得が、所得税は掛らない、宜うがすか、所が個人で立木を持つて居る者は、山の立木其の儘を賣買する者が多いのです、例へば山の立木を十萬圓に賣つた場合に於て、或は幾らか經費が掛るかも知れぬ、經費が掛るかも知れぬが、此の十萬圓の山の立木代金は、どう見るか、原價をどう見るかと、斯う云ふのです、見ないで唯全部所得に見るのか、あなたの言ふのは全部所得に見ると云ふのか、其の點を伺ひたい発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=55
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056・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 分りました、立木の代金は必要經費には見ませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=56
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057・板谷順助
○板谷順助君 それは甚だどうも不都合ぢやないか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=57
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058・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 轉賣の場合は是は違ひますよ、所がずつと前から山林を持ちまして、さうして之を賣つたと云ふ場合の山林の所得に付きましては、立木の價格は見ませぬ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=58
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059・板谷順助
○板谷順助君 然らば財産税に於て、何の爲に立木の代金を見るか、第二種の建物の賣買に於ては、御承知の通り、所謂三月三日現在に於ける所の原價を引くでせう、然るに立木も一種の財産、此の財産の立木の原價を見ない云ふことは、是はあなた、不合理ぢやありませぬか、それはあなたの御説は立たぬと思ふ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=59
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060・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 是は財産税と所得税との違ひでございます、而して、それならば讓渡所得では三月三日の分を引くではないか、斯う申されますが、是は讓渡所得の性質上、當然引かざるを得ませぬ、名前の示す如く、讓渡所得でございますから……、だから同じ所得でも計算の仕方が違ひますから、法文で書いて居る譯でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=60
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061・板谷順助
○板谷順助君 私はあなたの只今の御答辯に承服致しませぬ、次に伺ひますが、第三種の不動産、船舶等のですね、三月三日の現在の評價價額から賣買價額を差引いた、所謂増加所得に對して課税する、斯う云ふ法案になつて居ります、所がですね、三月三日の建物其の他の評價價額と云ふものの基準は、大體に於て出來て居るのですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=61
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062・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 土地、建物、船舶、鑛業權に付きましては、只今全國各地の財務局で評價に當つて居ります、で年末迄には大體公表し得る程度になると思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=62
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063・板谷順助
○板谷順助君 さうすると現在建物賣買と云ふことが登記價格と實際の賣買價格と相當の開きがある、是は從來の例であります、例でありますが、其の査定は一體どうなさる発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=63
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064・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 申告に依りまするが、其の實際の賣買價格は申告より違つた時に政府が調査致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=64
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065・板谷順助
○板谷順助君 例へば賣買價格に付て一萬圓と賣買證書を作つて居つても、登記所では之を認定して二萬圓にすると云ふ場合がある、だからして從來の建物の賣買に付ての標準は登記價格と云ふものに重きを置いて居る、斯う言つたんです、あなたの御話は實際の賣買と云ふことに付て調査をすると云ふやうなことでありまするが、從來の例が登記賣買の價格に依ると云ふことであるならば、是は登記所が相當に其の建物の價格其の他を認定して、さうして登記所で之を判斷して此の價格を決めべきものである、實際の價格と云ふものはなかなか分る譯ではない、だからして登記所を督勵をして登記賣買の價格に依ると云ふことが適當ぢやないかと私はさう考へて居ります、どうですか、なかなか實際の調べなんと云ふものは困難でありますよ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=65
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066・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 課税の上に於きましては、實際の賣買價格を調査して課税すべきものと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=66
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067・板谷順助
○板谷順助君 それは其の點で宜しうございます、處で新圓の所得者から増加税を取ると云ふことでありまするが、御承知の通り現在退藏通貨が非常に多い、新圓を持つて居る者が相當に多い、例へば闇の賣買に依つて今日相當に所得して居つても、退藏通貨、是は恐らくはまだ相當にあると思ひます、是はどう云ふ取扱をなさるのですか、從つて又現在此の自由預金、自由預金と云ふものは祕密主義である、さう云ふ建前で以て之を勸誘して居るのでありまするが、之には矢張り課税なさるのですか、所謂新圓獲得者に對する課税をすると云ふ建前から行つて、是はどう取扱ひなさるか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=67
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068・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 増加所得税は所得を狙ふのでございますから、其の所得の結果が新圓で退藏されて居りませうとも、或は自由預金になつて居りませうとも、是は問ひませぬ、所得があれば、それが物に交つて居りましてもやるのでございます、併し御質問はさう云ふ點ではございますまい、新圓所得があると云ふけれども、新圓を持つて居れば所得が直ぐ分る、なかなか其の新圓が分らないぞ、又自由預金を祕密主義にして居れば、どれだけ預金して居るか分らぬと斯う云ふ御質問であると思ひますが、只今の所三月三日以後の自由預金に付きましては、全般的に調査をすると云ふことを致さないことにすることに致しまして、例へば何々銀行に向つて税務署から二千圓以上の預金者の名前を知らせると、斯う云ふやうな全般的の調査は致しませぬ、併し固々の業者に付きまして預金通帳を見せて戴く、或は更に新圓預金に付きまして質問することは是は當然だと考へて居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=68
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069・板谷順助
○板谷順助君 要するに新圓獲得者から増加所得を取ると云ふことに付ては、新圓の獲得がどう云ふ風に分布されて居るか、或はそれが物にどう變つて居るか、そこ迄突止めなければ公平に課税は出來ないのである、公平な課税が出來ないと云ふことになれば、所謂國民の怨嗟の聲も起り、或場合に於ては苛斂誅求も行はれ、又家宅捜索も行はれなければならぬと云ふ重大な問題が出來る、出來るのでありますから、今新圓を再封鎖すると云ふことはなかなか財界の混亂を來す、容易ぢやない、容易ぢやないけれども、是はそこ迄徹底をしないと云ふと、今あなた方が其の目的として新圓の詰り獲得者から税を取ると云ふことは、私は徹底しないと思ふ、そこでもう一つの問題は所謂中國人、朝鮮人、是が現在御承知の通り、新圓の恐らく三分の一以上持つて居ると見て宜いでせう、勿論朝鮮人或は中國人は、隣國の關係に於て日本に對する非常な同情を持つて居て、今日日本が敗戰になつた、之に對して出來るだけ助力をしようと云ふ、所謂人格の人々も相當にある、相當にありまするけれども、現在に於ては殆ど中國の此の華僑が日本の商權を握つて居る、處で噂に依れば、新圓の殆ど三分の一持つて居ると、斯う云ふのであります、だからして如何に政府が經濟政策、或は物價對策を百も竝べて見た處が、是はもう早や空論に終る、此の取締が徹底せざる限り決して日本の財界と云ふものは安定しない、之に對する所謂新圓の課税の方法は、此の間からあなたの御意見を色々聽いて居りまするけれども、どうしても聯合國に懇請をして、日本に永住すると云ふ中國人、朝鮮人に對しては日本の法律を適用する、是でなければ徹底しませぬよ、從つて又日本の財界も私は安定せぬと思ふ、あなたに之を伺つても御返事はどうかと思ひまするけれども、此の解決を出來るだけ努力をなさらなければ目的を私は達することは出來ないと思ふ発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=69
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070・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 新圓所得階層の所得を捕捉致しまするのには、先程來申上げた通りでございまするが、本當に之を捕捉し損ねたならば非常に不公平が起るのでありますから、先程申上げましたやうに、色々中國人の方方や民間の方の御力を借りまして、國民全體に公平に行くやうに、我々に御協力、御鞭撻願ふより外にないと思ひます、新圓所得階層から取るのがむつかしい、之をどうするかと云ふよりも、國民全體が當局を鞭撻下さいまして、さうして漏れのないやうにしなければならぬと思ふのであります、從つて税務署が獨斷的に他の業者に付て調べると云ふことはいかぬと思ひます、矢張り消費面からも、實際からも行かなければならぬ、斯う云ふ關係で出來るだけあなた方初め國民の御協力を願ふ所得者で課税漏れのないやうに御協力願ひたいと思ふのであります、新圓を再封鎖したならば新圓の所得者は直ぐ捕まへられる、斯う云ふ風なことを衆議院の方も言つて居りましたが、是は大きな誤りでありまして、三月三日に基きまして、法人に對しましても百パーセント近い法人戰時利得税をかけますよ、それから公益團體に對しても財産税を課税するぞ、個人に對しても課税するぞと云ふ風にして、祕密の裡に急に二週間以内にさつと網を張つたから、或は中には他人名義にしたものもありませうけれども、さう他人名義のものも出來ないと思ふのであります、併し今後萬が一にさう云ふことをやりましても、法人には増加所得税を課さない、一般の財團法人には全然税から除かれると云ふことにしますと、八百億の中、法人、銀行、其の他の法人、或は公益團體の持つて居る以外の新圓が、國民の一世帶當り何ぼになるかと云ふと四千圓ばかりでございます、であるから數十萬圓、數百萬圓と云ふやうな新圓を隱して居る連中は、是は又分割するのも早うございますから、新圓封鎖をやり變へたつて新圓は何處にあるかと云ふことは、再封鎖で私は調べ得ないと思ひます、所得の調査として再封鎖して、さうしてどれが本當に所得者の持つて居る新圓であるかと云ふことを調べるのは殆ど效果がない、斯う云ふ課税上からも餘り再封鎖はものになりませぬ、それから經濟的問題から言つたら全然採るべきものでないのでございまするから、衆議院でも斯う云ふ意味で再封鎖と云ふことは考へない、致すべきでないと答へて置きました、最後の中國人に對してどうするか、朝鮮人に對してどうするかと云ふ問題でございまするが、是は財産税竝びに、戰時補償特別税に付きましては、聯合國加入の國の者には課税致しませぬ、併し財産税、戰時補償特別税以外の一般税に付きましては、アメリカ人でありませうとも、イギリス人でありませうとも、中國人でありませうとも、全部日本の課税權に服することは、是は關係方面でも屡屡公表して居る所でございまして、我々も當然課税すべきものと考へて努力致して居ります、唯問題は税務署の職員が參りましても、實力がない爲に殆ど調査が不如意でございます、是は何としても此方から第一線でどしどしやるよりも、一應中國關係の外交官と折衝致しまして、向うから中國人に課税に服すべきだと云ふきついあれを出して貰ふ、斯う云ふので、向うの關係者と屡屡析衝致しまして、只今本國へ請訓中でございます、其の請訓も年内に來るやうになつて居りまするが、年が明けましても私は來るものと考へて居ります、併しそればかりに任されませぬ、そればかりに頼る譯には行きませぬから、内務當局、司法當局と打合せ濟みでございまして、愈愈徴税に困難を來すやうな場合には、内務警察當局の應援を得ることになつて居ります、何時でも應援する、斯う云うことに相成つて居りまして、此の増加所得税法が通過致しましたら、さう云ふ關係方面の調査ばかりでなしに、實際の實行問題に付ても御協力を得てやる考であります、御話の通り、誠に眼に餘るものがあるのでございまして、屡屡我々税務職員を督勵致して居りますが、中には迫害を受けた者も居りますし、何遍行つても調査が出來なかつたと云ふので、口惜しがつて居る状態でございまするが、兎に角早い機會に何とか致すべく、各方面から努力致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=70
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071・板谷順助
○板谷順助君 私は何にも新圓を再封鎖しろとは言はない、言はないが新圓獲得者の、所謂増加所得を徹底的に調べると云ふことに付ては、新圓を幾ら持つて居るかと云ふことを明かにする、其の點に付て私はいつか大藏大臣とも論議したのであるが、兎に角銀行の窓口を一旦通させる必要がある、それに付てはスタンプでも押したらどうだ、封鎖でなく、一旦銀行其の他の金融機關の窓口を通させると、新圓を持つて居るものが明かになる、處が私は日本銀行でも色々其の點を話合つたのでありますが、御承知の通り證紙は非常に僞造が出來る、僞造があるから、スタンプか何か特殊のものであつて、僞造の出來ないやうなものがあれば、何とか一つ考へて見たいと云ふ話もある、だから私は要するに貴下が町會長であるとか、部落會長とか、隣近所で聞合はして調べると云ふやうなことを云つても、是は徹底をしないのでありますから、此の點に付ては私は更に一つ質問したいと思ひます、私ばかり申上げても、委員諸君に相濟みませぬから、一時私は保留致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=71
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072・村田保定
○男爵村田保定君 私素人で分りませぬが、ちよつと御伺ひしたいのであります、第一條第三項の讓渡所得の場合は、二十一年の一月一日から三月二日迄除くのは、どう云ふ理窟になつて居りますか、それから課税の對象になる個人は、今の御話を承つて居りますと、内地人以外に、第三國人も課税せられることになりますが、第二條は是は第三國人の爲の規定でありませうか、「この法律の施行地外に有する資産又は事業から生じた所得については、増加所得税は、これを課さない。」とありますが、一年以上の居所を有しない、或は住所を持つて居ない場合で、併し住所を持つて居り又は一年以上居つた場合には課税されるとすると、此の第二條の適用を受けるのはどう云ふ種類の人か、それを承りたいのであります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=72
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073・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 第一條は納税義務者を全面的に決めて居るのであります、日本の國籍を有する個人に付きましては、本法施行地の所得の増加に拘はらず、建前は施行地外の所得に付ても、増加に付ては課税になる、斯う云ふことが第一條であります、第二條は日本の國籍を有しない者、或は内地に居所を有しない者に付きましては、施行地外の所得の増加に對しては課税しない、斯う云ふことでありまして、第三國人も内地に於ける所得の増加、或は山林所得、或は讓渡所得に付きましては、課税になることになつて居るのであります、それから讓渡所得の問題、即ち第三種の所得に付て、三月三日の財産よりも高く賣つた場合に課税する、此の讓渡第三種所得は財産増加税のやうなものでありまして、所得の性質が違ふのであります、從ひまして、財産税の性質を帶びて居るものでありますから、三月三日で課税して居ります關係上、それを引くと、斯う云ふことに致して居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=73
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074・藍澤彌八
○藍澤彌八君 山林所得のことに付て伺ひますが、立木に對しての評價はどう云ふことになりますか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=74
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075・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 立木の評價に付ては、先般財産税委員會に諮問致しまして大體決めました、不日評價方法を發表することに相成つて居ります、大體樹種、樹齡即ち其の立木の種類とか、年齡を見ることは勿論でございまするが、地理的状況、所謂驛に近いとか、遠いとか、林道がどうなつて居るとか、或は地味的状況、良く育つ所に生えて居る木ならば、假令樹齡が低くても財産的には價値のあるものでございますから、其の地味の事情等を考へ、又一町歩當り何本生えて居るか、平均は一町歩當り九百本から千本でございますが、それが非常に生えが惡いとか何とか云ふ疎密の程度、斯う云ふものを參考に致しまして課税することに致して居ります、で中庸な所は、一町歩當り四十年の杉で、大體林道或は驛迄の距離が手頃であつて千本程度のものならば、一萬八千圓位が中庸な所でございます、檜ならば五十年のもので大體一町歩當り其の位になると考へて居ります、何れ別に出しまして發表致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=75
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076・藍澤彌八
○藍澤彌八君 能く分りました発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=76
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077・板谷順助
○板谷順助君 如何ですか、まだ資料も貰つてありませぬし、若し他の委員諸君が御同意であるならば今日は此の程度で散會して、明日やつて戴きたいと思ひます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=77
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078・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 先程板谷先生から資料と云ふお話でございましたが、印刷が間に合はぬかも分りませぬので、此の増加所得税に付きましては金額と税額と種類別の朗讀を致します、第一種の方では、不動産所得、所得金額が六千四百萬圓、徴收税額が二千萬圓、甲種事業所得、即ち營業所得でございますが、甲種事業所得、所得金額が九十九億八千萬圓、税額が三十九億六千二百萬圓、乙種事業所得、即ち農山漁村或は自由職業、辯護士、醫者と云ふもの、是は所得全額が十二億五千六百萬圓、徴收税額が三億七千七百萬圓、第一種の小計が所得金額で百十三億圓、税額が四十三億五千九百萬圓、第二種所得、即ち山林の増加所得は所得金額で二億六百萬圓、徴收税額が五千五百萬圓、第三種の所得が所得金額で四億三千萬圓、徴收税額で一億二千萬圓、合計所得金額が百十九億三千六百高圓、徴收税額が四十五億三千四百萬圓、昭和二十一年度の歳入になりますものが九十パーセントで四十億八千萬圓、斯う云ふことになつて居ります、此の増加所得税法は此の數字の示しますやうに甲種事業所得、所得營業所得の方に大體主力を注ぐ考へで居ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=78
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079・板谷順助
○板谷順助君 是はいつ現在の調査ですか発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=79
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080・池田勇人
○政府委員(池田勇人君) 最近の調査でございます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=80
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081・上塚司
○政府委員(上塚司君) 板谷委員の第二の御質問でありました終戰連絡處理費の總額、それから既に支拂つた額、殘額、今後に於ける見込額、之に對する數字が分りましたから御答へ致します、豫算總額は日本内地で百九十億圓、其の外に朝鮮に於ける費用として十二億圓ありましたのは御承知の通りであります、既に支出致しました額が百二十八億圓であります、豫算の殘額が六十二億圓あります、是は十二月十九日現在であります、勿論尚日々相當の額支出致して居りますから、其の額に付きましては通常議會に於て又要求することに相成ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=81
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082・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) ちよつと速記を止めて下さい
〔速記中止〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=82
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083・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) 速記を始めめて下さい、先程板谷さんから、皆さんの御同意があれば今日は此の邊で一應止めたらどうかと云ふ御發言がございましたが、如何でございませうか
〔「贊成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=83
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084・倉富鈞
○委員長(男爵倉富鈞君) それでは今日は是で止めまして、明日午前十時から開くことに致します
午後三時七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=84
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085・会議録情報2
出席者左ノ如シ
委員長 男爵 倉富鈞君
副委員長 子爵 錦小路頼孝君
委員
侯爵 黒田長禮君
候爵 大炊御門經輝君
伯爵 金子武麿君
子爵 交野政邁君
子爵 入江爲常君
子爵 土井利章君
子爵 日野西資忠君
長谷川赳夫君
男爵 内田敏雄君
男爵 村田保定君
男爵 中村徹雄君
黒田英雄君
板谷順助君
橋本辰二郎君
竹中藤右衞門君
藍澤彌八君
丹羽彪吉君
河端作兵衞君
岸本彦衞君
杉山茂君
松尾嘉右ヱ門君
渡邊甚吉君
政府委員
大藏政務次官 上塚司君
大藏事務官 池田勇人君
同 櫛田光男君
同 大槻義公君
同 長沼弘毅君
同 伊原隆君
内閣事務官 鹽原有君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009102116X00119461223&spkNum=85
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