1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十一年十二月二十一日(土曜日)
午前十時七分開議
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議事日程 第八號
昭和二十一年十二月二十一日
午前十時開議
一 皇室経済法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會
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001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=1
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002・会議録情報2
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〔參照〕
一昨十九日内閣法案特別委員會ニ於テ當選シタル正副委員長ノ氏名左ノ如シ
委員長 公爵 岩倉具榮君
副委員長 子爵 森俊成君
同日左ノ通第九十一囘帝國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
政府委員
内閣事務官 中田政美君
同 塩原有君
内務省所管事務政府委員
内務事務官 池田清志君
大藏省所管事務政府委員
大藏事務官 前尾繁三郎君
專賣局長官 杉山昌作君
農林省所管事務政府委員
農林事務官 笹山茂太郎君
昨二十日委員長ヨリ豫算委員坂田幹太君ヲ第四分科擔當委員ニ選定シタル旨ノ報告書を提出セリ
同日衆議院ヨリ左ノ政府提出案ヲ受領セリ
昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第一號)
昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算追加案(改特第一號)
昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第二號)
昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第三號)
皇室経済法案
同日内閣總理大臣ヨリ左ノ通第九十一囘帝國議會政府委員仰付ラレタル旨ノ通牒ヲ受領セリ
司法省所管事務政府委員
司法事務官 石田富平君
大藏省所管事務政府委員
大藏事務官 伊原隆君
同 酒井俊彦君
本日第九部ニ於テ資格審査委員桑木嚴翼君ノ補闕選擧ヲ行ヒシニ安倍能成君當選セリ
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=2
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003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、昨二十日豫算委員子爵保科正昭君、同子爵高橋是賢君孰れも病氣に付、委員辭任の申出がございました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=3
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004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、就きましては第七部に於て其の補闕選擧を行はれむことを望みます、又昨二十日内閣法案特別委員伯爵柳澤保承君都合に依り委員辭任の申出がございました、許可を致して御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=4
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005・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、就きましては其の補闕として伯爵宗武志君を指名致します
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=5
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006・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より日程に移ります、皇室経済法案、政府提出、衆議院送付、第一讀會、幣原國務大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=6
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007・会議録情報3
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皇室経済法案
右の政府提出案は本院において可決した、因つて議院法第五十四條により送付する
昭和二十一年十二月二十日
衆議院議長 山崎 猛
貴族院議長公爵徳川家正殿
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皇室経済法案
皇室経済法
第一條 皇室の公用に供し、又は供するものと決定した國有財産(以下皇室用財産という。)は、これを國有財産法の公用財産とし、これに関する事務は、宮内府で、これを掌る。
國有財産を皇室の公用に供し、又は供するものと決定しようとするときは、皇室経済会議の議を経ることを要する。皇室用財産の用途を廃止し、又は変更するときも同樣とする。
皇室用財産は、收益を目的とするものであつてはならない。
皇室経済会議は、五年を超えない期間ごとに皇室用財産に関し、必要な調査を行い、これを内閣に報告しなければならない。
前項の報告があつたときは、内閣は、その内容を國会に報告しなければならない。
第二條 相当の対價による賣買等通常の私的経済行爲に係る場合その他左の各号の一に該当する場合においては、その度ごとに國会の議決を経なくても、皇室に財産を讓り渡し、又は皇室が、財産を讓り受け、若しくは賜與することができる。
一 別に法律で定める一定價額を超えない財産の授受に係る場合
二 前号の一定價額を超え、別に法律で定める一定價額を超えない財産の授受で、皇室経済会議の議を経たものに係る場合
前項各号の規定は、同一の者の間において、一年以内に、二回以上財産の授受が行われる場合には、その價額を通計したものについて、これを適用する。
一年に滿たない期間内に、第一項第一号又は第二号の規定により皇室に属する同一の者のなす賜與又は授受に係る財産の價額が、別に法律で定める一定價額に達するに至つたときは、一年の期間が滿了するまでのその後の期間において、その者のなす財産の賜與又は讓受については、これらの規定を適用しない。
第三條 予算に計上する皇室の費用は、これを内廷費、宮廷費及び皇族費とする。
第四條 内廷費は、天皇並びに皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃及び内廷にあるその他の皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるものとし、別に法律で定める定額を、毎年支出するものとする。
内廷費として支出されたものは、御手元金となるものとし、宮内府の経理に属する公金としない。
皇室経済会議は、第一項の定額について、変更の必要があると認めるときは、これに関する意見を内閣に提出しなければならない。
前項の意見の提出があつたときは、内閣は、その内容をなるべく速かに國会に報告しなければならない。
第五條 宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷諸費に充てるものとし、宮内府で、これを経理する。
第六條 皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるために、年額により毎年支出するもの及び皇族であつた者としての品位保持の資に充てるために、一時金額により皇族の身分を離れる際に支出するものとする。その年額又は一時金額は、別に法律で定める定額に基いて、これを算出する。
年額による皇族費は、左の各号及び第三項から第五項までの規定により算出する額とし、第四條に規定する皇族以外の各皇族に対し、毎年これを支出するものとする。
一 親王に対しては、左の金額とする。
既婚者 定額相当額
成年未婚者 定額の二分の一に相当する額
未成年未婚者 定額の四分の一に相当する額
二 親王妃に対しては、定額の二分の一に相当する金額とする。
三 内親王に対しては、左の金額とする。
成年者 定額の二分の一に相当する額
未成年者 定額の四分の一に相当する額
四 王、王妃及び女王に対しては、夫夫親王、親王妃及び内親王に準じて算出した金額の十分の七に相当する金額とする。
既婚の親王及び王に対しては、婚姻が解消した後においても、從前と同額する。
攝政たる皇族に對しては、その在任中は、定額の五倍に相当する金額とする。
同一人が二以上の身分を有するときは、その年額中の多額のものによる。
一時金額による皇族費は、皇室典範の定めるところにより皇族の身分を離れる皇族に対し、一時にこれを支出するものとし、その皇族について第二項、第三項及び前項の規定により算出する年額の十五倍に相当する金額を超えない範囲内において、皇室経済会議の議を経て定める金額による。
前項の規定による一時金額の算出に関しては、未婚又は未成年の親王又は王は、既婚の親王又は王の例に、未成年の内親王又は女王は、成年の内親王又は女王の例によるものとする。
第四條第二項の規定は、皇族費として支出されたものに、これを準用する。
第四條第三項及び第四項の規定は、第一項の定額に、これを準用する。
第七條 皇位とともに傳わるべき由緒ある物は、皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。
第八條 皇室経済会議は、議員八人でこれを組織する。
議員は、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、大藏大臣、宮内府の長並びに会計檢査院の長を以て、これに充てる。
第九條 皇室経済会議に、予備議員八人を置く。
第十條 皇室経済会議は、五人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
皇室経済会議の議事は、過半数でこれを決する。可否同数のときは、議長の決するところによる。
第十一條 皇室典範第二十九條、第三十條第三項から第七項まで、第三十一條、第三十三條第一項、第三十六條及び第三十七條の規定は、皇室経済会議に、これを準用する。
大藏大臣たる議員の予備議員は、大藏次官を以て、これに充て、会計檢査院の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する会計檢査院の官吏を以て、これに充てる。
附 則
この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。
この法律施行の際、現に皇室の用に供せられている從前の皇室財産で、國有財産法の國有財産となつたものは、第一條第二項の規定にかかわらず、皇室経済会議の議を経ることなく、これを皇室用財産とする。
この法律施行の際、從前の皇室会計に所属する権利義務で國に引き継がるべきものの経過的処理に関し、必要な事項は、政令でこれを定める。
この法律施行の日の属する年度における内廷費及び皇族費の年額は、月割による。
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〔國務大臣男爵幣原喜重郎君登壇)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=7
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008・幣原喜重郎
○國務大臣(男爵幣原喜重郎君) 只今上程されました皇室經濟法案に付きまして、其の提案の理由を私より御説明申上げます、此の皇室經濟法案も、臨時法制調査會の答申を基礎として立案致したものでありまするが、其の内容と致しましては、主として日本國憲法第八條及び第八十八條の規定に基いて規定することを要する事項を中心とし、皇室の經濟關係に關する事項を取纏めて規定致したのであります、其の主要の點と致しましては、第一に、皇室の公用に供する國有財産を皇室用財産と致しまして、之に必要な事項を規定致したのであります、第二に、日本國憲法第八條に依りまして、皇室に關する財産の授受等は、國會の議決を要するのでありまするが、其の授受の性質、又は財産の價額如何等に依りましては、其の都度一々國會の議決を經ることを要しない旨を定めてあります、第三には、日本國憲法第八十八條に依りまして、豫算に計上する皇室經費を、内廷費、宮廷費、皇族費の三つと致しまして、其の各各に付きまして必要な規定を設けたのであります、第四に、皇位に、特に由緒の深いものは、一般の財産相續の原則に依ることなく、皇位と共に皇嗣が之を受けらるべき旨を規定致したのであります、第五に、此の法律を運營する爲に必要な事項の審議機關と致しまして皇室經濟會議を設けたこと等であります、斯樣な趣旨で出來たものでありまするが、何卒御審議の上、御協贊下さいまするやう希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=8
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009・戸澤正己
○子爵戸澤正己君 只今議題となりました皇室經濟法案は、其の特別委員の數を二十七名とし、其の委員の指名を議長に一任するの動議を提出致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=9
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010・秋田重季
○子爵秋田重季君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=10
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011・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 戸澤子爵の動議に御異議はございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=11
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012・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、特別委員の氏名を朗讀致させます
〔根本書記官朗讀〕
皇室経済法案特別委員
公爵 島津忠承君 侯爵 西郷吉之助君
伯爵 前山利男君 大谷正男君
子爵 加藤泰通君 子爵 六角英通君
子爵 北條雋八君 子爵 綾小路護君
子爵 齋藤齊君 白澤保美君
荒川文六君 霜山精一君
男爵 奧田剛郎君 男爵 佐竹義履君
男爵 中村貫之君 男爵 杉溪由言君
男爵 西酉乙君 種田虎雄君
名取和作君 高橋龍太郎君
徳田昂平君 竹中藤右衞門君
渡邊三郎君 中島徳太郎君
橋本萬右衞門君 飯塚知信君
重宗雄三君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=12
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013・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 此の際念の爲申上げますが、本日衆議院より議案が多分送付せられる筈でございます、從つて明日も多分本會議を開く必要が生ずるかと存じます、左樣御承知を願ひます、其の場合には午前十時より開會致します、議事日程は決定次第彙報を以て御通知に及びます、本日は是にて散會致します
午前十時十四分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X00819461221&spkNum=13
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