1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十一年十二月二十五日(水曜日)
午前十時二十三分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第十二號
昭和二十一年十二月二十五日
午前十時開議
第一 昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第一号) 會議(委員長報告)
第二 昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案(改特第一号) 會議(委員長報告)
第三 昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第二号) 會議(委員長報告)
第四 昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第三号) 會議(委員長報告)
第五 昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案(改特第二号) 會議(委員長報告)
第六 衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第七 開拓者資金融通法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第八 開拓者資金融通特別会計法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第九 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十 増加所得税法案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十一 有價証券の処分の調整等に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十二 昭和二十一年度一般会計歳出の財源に充てるための公債発行に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十三 昭和二十一年法律第五十五号帝國鉄道会計又は通信事業特別会計における昭和二十一年度の経費支弁のための借入金等に関する法律の一部を改正する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十四 政府の契約の特例に関する法律案(政府提出、衆議院送付) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十五 戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出) 第一讀會ノ續(委員長報告)
第十六 石炭増産決議案(子爵瀧脇宏光君外一名發議) 會議
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=0
-
001・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 諸般の報告は、御異議がなければ朗讀を省略致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=1
-
002・会議録情報2
━━━━━━━━━━━━━
〔參照〕
昨二十四日本院ニ於テ可決シタル左ノ政府提出案ハ即日裁可ヲ奏請シ又可決ノ旨ヲ衆議院ニ通知セリ
皇室典範案
皇室經濟法案
同日委員長ヨリ左ノ報告書ヲ提出セリ
昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第一號)、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算追加案(改特第一號)、昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第二號)、昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案(改第三號)、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算追加案(改特第二號)可決報告書
増加所得税法案可決報告書
有價證券の處分の調整等に關する法律案可決報告書
昭和二十一年度一般會計歳出の財源に充てるための公債發行に關する法律案可決報告書
食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案可決報告書
昭和二十一年法律第五十五號帝國鐵道會計又は通信事業特別會計における昭和二十一年度の經費支辨のため借入金等に關する法律の一部を改正する法律案可決報告書
政府の契約の特例に關する法律案可決報告書
戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案可決報告書
同日議員ヨリ左ノ議案ヲ提出セリ
石炭増産決議案(子爵瀧脇宏光君外一名發議)
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=2
-
003・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 是より本日の會議を開きます、議事日程變更に付御諮りを致します、日程第十六、石炭増産決議案を、此の際日程の順序を變更して會議を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=3
-
004・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、議事日程變更に付政府の同意を得ました、日程第十六、石炭増産決議案、子爵瀧脇宏光君外一名發議、會議、發議者に趣旨説明の發言を許します、村上義一君発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=4
-
005・会議録情報3
━━━━━━━━━━━━━
{左ノ決議案ハ朗讀ヲ經サルモ參照ノタメ茲ニ載録ス以下之ニ傚フ}
石炭増産決議案
右提出候也
昭和二十一年十二月二十四日
發議者 子爵 瀧脇宏光
村上義一
贊成者
公爵 桂廣太郎 侯爵 細川護立
侯爵 中山輔親 侯爵 池田宣政
侯爵 西郷吉之助 侯爵 久我通顯
侯爵 大炊御門經輝 伯爵 橋本實斐
伯爵 後藤一藏 伯爵 壬生基泰
子爵 織田信恒 子爵 梅園篤彦
子爵 三島通陽 子爵 六角英通
子爵 北條雋八 子爵 水野勝邦
山田三良 平塚廣義
河井彌八 出淵勝次
荒川文六 男爵 今園國貞
村上恭一 下條康麿
川村竹治 慶松勝左衞門
白根竹介 安倍能成
長谷川赳夫 男爵 伊藤一郎
男爵 松田正之 男爵 肝付兼英
男爵 加藤成之 男爵 坊城俊賢
男爵 倉富鈞 男爵 古市六三
男爵 紀俊忠 男爵 斯波正夫
男爵 宮原旭 三浦新七
黒田英雄 大木操
田所美治 澤田牛麿
坂田幹太 松本學
竹下豐次 木内四郎
古島一雄 結城安次
中島徳松 河西豊太郎
松本勝太郎 太田半六
小山完吾 片倉兼太郎
齋藤万壽雄 小汀利得
名古屋三吉 渡邉覺造
重宗雄三 秋田三一
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
石炭増産決議
我國の再建に當り基礎産業の生産を増強し國民生活の安定を圖るは刻下緊急の要務たり然るに其の原動力たる石炭生産の現状に至りては眞に憂慮すべきものあり其の不振の原因の如何を問はず之を放任するに於ては國民生活は破局に瀕すべく國家經濟の再建亦企及し能はずと言はざるべからず幸最近聯合軍司令部より重油、無煙炭等の輸入許可を見たることは感謝に堪へざる所なりと雖も吾等官民協力以て國民全般の福祉に對する努力なくんば何を以てか此の窮状を打開することを得んや
政府は速かに炭坑に對する食糧資材給與及び石炭の配給等に關し確固たる方策を樹立し全國民と共に石炭の増産に對し剴切なる方途の徹底を期すべし
右決議す
━━━━━━━━━━━━━
〔村上義一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=5
-
006・村上義一
○村上義一君 私は平和日本建設の基本的隘路でありまする石炭生産の増強に付きまして、院議を以て政府に確乎たる方策の樹立を促し、炭鑛關係者を初め全國民と共に石炭の増産を徹底せしめむことを切望致しまして、本案の御審議を願はむとする者であります、我が國の再建の爲には、一般産業を振興しまして、國民生活の安定を圖ることが必須要件でありますることは茲に多言を要しないと信じます、然るに敗戰後既に一年有半に垂んとして居りまするに拘らず、却て通貨の膨脹、賃金給料の昂騰、勤勞精神の萎靡消耗等の惡條件は益益錯綜しまして、生産は却て減退する、國家の再建、國民生活は急速に重大なる破局に突入するやの虞ありますることは、誠に深憂に堪へない所であります、惟ふに、國民生活を安定せしめて全産業を振興せしめます爲には、基礎産業たる食糧、鐵鋼、運輸の生産増強を圖ることが其の先決要件であると思ふのであります、而して是等基礎産業の原動力は、即ち石炭にあると云ふことは申上げる迄もないと信ずるのであります、然るに現下の情勢は恐るべき石炭飢饉に直面して、所謂三月危機の導火線となりつつあるやに觀察せらるる次第であります、重ね重ね憂慮に堪へない所であります、本年度に於ける石炭の生産過程を顧みて見まするに、二千三百萬トンと云ふ比較的僅少なる計畫に對しましても、遺憾ながら好調を辿つたとは認め得ないのであります、去る十一月の生産量は終戰後最高の記録を示したとは言へ、漸く二百萬トンを突破し得た程度であります、第四四半期たる來春一二三月には六百八十萬トン、二十二年度には三千萬トンを出炭する希望的計畫であるやに承つて居りまするが、一方當事者の豫想に依れば、此の第四四半期は六百三四十萬トン以上の出炭は、所詮期待出來ないと云ふ説も伺ふのであります、政府も現に一月の配炭計畫は二百十萬トンを基礎として審議中であるやに聞き及んで居ります、鐵鋼の生産の如きも石炭が隘路となつて、其の量甚だ貧弱でありますることは御承知の通りでありまするが、ストツクを使ひ果したと云ふ關係と相俟つて、各方面に亙つて恐るべき鐵不足に直面して居る次第であります、例へば國有鐵道が戰災や永年酷使を重ねて來た諸設備を復興します爲に、又更に國民の要請に應ずるだけの輸送力増強を圖る爲には、厖大なる數量を要するに拘らず、過去一年間に配給せられました鐵鋼の分量は、其の一割にも達して居らないのであります、又地方鐵道、軌道等の復舊の爲に、本年度に絶對必要なレールの數は二萬五千トンでありまするが、之に對して僅かに千百五十トンの配給をしたに過ぎないのであります、斯かる情勢を以てしましては、設備の補修は其の減耗、磨損に追附くことすら出來ないと云ふやうな實情でありまして、鐵道復興の見透しが全然著かない状態であるのみならず、近き將來保安上の危險を來して、或は運轉休止に陷ると云ふやうな公算も少くないと私は信ずるのであります、聞く所に依りますと、政府は、鐵鋼の生産増強を圖る爲に、又本格的な渇水期に際して肥料其の他缺くべからざる電力を確保する爲に、一月分二百十萬トンの配炭計畫を樹立せらるるに當りまして、是等の分野に對して相當増配を考慮せられつつあるやに承つて居るのであります、誠に機宜の處置であると思ふのでありますが、之が爲に一面に於きまして、其の基礎産業の一つである陸運、海運は犧牲となつて、旅客、貨物輸送上重大なる缺陷を來して、戰慄すべき事態を惹起する虞があることは否み得ないと思ふのであります、即ち此の嚴寒期一月に於ける鐵道の石炭需要量約七十萬トンに對しまして、約六十萬トンを配炭して、旅客列車は十五萬キロ、貨物列車は十五萬五千キロを運轉する計畫があるやに仄かに承るのであります、果して眞なりとしたならば、貨物は恐らく六百萬トン程度の輸送力に止まるのではないかと思ふのであります、即ち緊要な輸送用要請物資すら、其の半分は輸送することが出來ない状態に陷るのではないかと思ふのであります、旅客に於きましては進駐軍列車、歸還邦人輸送列車を除きましては、恐らく總ての急行列車、長距離列車を全廢致しまして、東京・大阪間、東京・仙臺間程度の中距離列車を僅かに運轉すると同時に、近距離列車を動かし得るに止まるのではないかと思ふのであります、此の近距離列車も輸送力は勿論不十分でありまして、生産職場への通勤者輸送に重點を置くとしまするならば、恐らくは各學校は一月中全部休業をして、學生輸送を廢止すると云ふことに假定致しましても、尚且、定期券通勤者の何分かは輸送し得ない状態に陷るのではないかと思ふのでありまして、若し斯かる状態に陷つたとしまするならば、直ちに國民生活を脅かし焦慮せしめ、又一般生産に甚大なる打撃を與へて、更に進んで斷ち難き惡循環を促進せしめて、所謂三月危機の破局に驀進する基因となるやを惧るる者であります、最近聯合軍司令部の厚意に依りまして相當量の重油、無煙炭等の輸入許可せられましたことは、國民生活及び一般生産の危機緩和の爲に、誠に感謝に堪へない所でありまするが、最近の石炭事情は基礎産業の最小限度の需要をすら充すことが出來ず、石炭不足の爲に基礎産業の孰れか一半を麻痺せしめて、延いて一般産業及び國民生活を極度に脅かしつつある實情であると思ふのであります、惟ふに、聯合軍占領目的達成に協力することは、我が國民の嚴肅なる責務であると信ずるのであります、此の責務を履行する爲にも、平和日本建設の爲にも、亦國民全般の福祉の爲にも、石炭生産の格段なる躍進を確保することは絶對に緊要事であると信ずる次第であります、之が爲には炭鑛勞務者の食糧を確保すると共に、必要なる住宅を供給して、其の生活安定を圖つて、體力、精神力の増強を齎して、仍て以て出炭能力の躍進を促すことも必要でありませう、又勞資協議會の運用に依りまして、勞資兩者の協力を圖つて、資本、經營、技術、勞働力、是等の有機的一體化を具現することも固より緊要事でありませう、又炭鑛用の機械、器具の整備充實、坑木其の他の資材の供給、資金の圓滑、適正なる流通を圖ることも亦固より必要であらうと思ふのであります、更に又生産された石炭を迅速に輸送すると同時に、其の配給の適正を圖ることも必要であると思ふのであります、要するに政府は、速かに確乎たる緊急増産施策を樹立、斷行すると共に、全國民各層に對して、之に協力する爲の具體的方策を明示することが急務中の急務であると信ずる次第であります、かるが故に本案を提出して御審議を願はむとする次第であります、決議案文を朗讀致します
石炭増産決議
我國の再建に當り基礎産業の生産を増強し國民生活の安定を圖るは刻下緊急の要務たり然るに其の原動力たる石炭生産の現状に至りては眞に憂慮すべきものあり其の不振の原因の如何を問はず之を放任するに於ては國民生活は破局に瀕すべく國家經濟の再建亦企及し能はずと言はざるべからず幸最近聯合軍司令部より重油、無煙炭等の輸入許可を見たることは感謝に堪へざる所なりと雖も吾等官民協力以て國民全般の福祉に對する努力なくんば何を以てか此の窮状を打開することを得んや
政府は速かに炭坑に對する食糧資材給與及び石炭の配給等に關し確固たる方策を樹立し全國民と共に石炭の増産に對し剴切なる方途の徹底を期すべし
右決議す
何卒御審議の上御決定あらむことを希望致します(拍手起る)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=6
-
007・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、本案の採決を致します、本決議案に贊成の諸君の起立を請ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=7
-
008・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 總員起立、仍て全會一致を以て本決議案は可決せられました、政府より發言を求められて居ります、膳國務大臣
〔國務大臣膳桂之助君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=8
-
009・膳桂之助
○國務大臣(膳桂之助君) 只今は瀧脇子爵の御發議に依りまして、全員御一致の熱誠な石炭増産に關しまする御決議がありました、政府も深く感激を致して居る所であります、此の際政府が現に採り、將に採らむとして居りまする石炭増産對策に付きまして聊か申上げて、皆樣の御熱意に御應へ申上げたいと存じます、御提案者の御説明の通り、石炭の缺乏が我が國の産業を麻痺せむとして居り、之が爲に經濟再建もなかなか思ふやうにならないのみか、所謂縮小再生産の過程を動もすれば辿らむとして居る、大いに杞憂すべき状態にあることは其の通りと存じます、此の情勢に鑑みまして、政府は本年夙に石炭増産には苦心を致して居りまして、本年度二千三百萬トンの豫定數量に、更に百萬トンを加へまして、此の逼塞せる石炭増産に應へようと致して居るのでありまするが、なかなか意の如く參らぬことは事實でありまして、此の儘で推移致しますれば、漸次石炭の缺乏を中心として、産業の萎縮を見ることは明かでありますので、政府は豫て經濟の安定本部を中心と致しまして、關係各省と之が對策を練つて居つたのでありまするが、漸く其の策も成りましたので、昨日の閣議で之を決定致しまして、新しい對策に乘り出さうと致して居る譯であります、其の目標は來年度四月より月産二百五十萬トン、年産三千萬トン以上をば必ず増産する、三千萬トン以上に増産をする、斯う云ふ目標を立てまして、有らゆる施策をば此處に集中しようと致して居るのであります、石炭増産を阻みます隘路は種々ございます、併しながら一番其の中です、先づ手を打たなければならぬことは、炭坑の修理、或は切羽の掘進の爲に要しまする機械器具、又種々の修繕材料と致しまして、鐵、鋼材をば先づ要するのでありまするが、是が思ふやうに供給出來なかつたのであります、先づ石炭の増産をやりまするのに、此處に力を注がうと決心致しまして、此の一月から鑛山用、單に是は鑛山用ばかりではありませぬ、鐵道其の他の所要にも應へるのでありまするが、先づ鐵鋼材の増産をば中心に致して、此處に先づ最も隘路となつて居りまする資材の供給をば十分に致しまして、來年度三千萬トンの増産に差支ない材料の供給をば確保したいと考へた次第であります、之が爲には從來のやうな資材の配給を致して居りましては、其の目的を達しませぬので、思ひ切つた此の本年の第四四半期、即ち一月乃至三月の間に於きましては、石炭其の他の資材の各産業部門への分配、是は思ひ切つた手を打つ積りなのであります、それが爲に第一番に石炭の使用に付きましても、先づ鐵鋼部門に中心を置きまして、併しながら先程御提案者の御説明にもありました通り、なかなか現時石炭の生産は、増産は致して居りまするが、此の一月乃至三月の間に於きましては、六百六十萬トンを期待し得るに過ぎませぬ、而も一月、二月は石炭の増産が何時も減るのでありまして、之が爲に、今でさへも十分でない石炭の供給が各産業部門に受入れられませぬので、鐵鋼の増産に先づ石炭の配給の中心を置きまして、之が爲に多くの産業に對してはです、多少の、或は相當の打撃もありまするが、犧牲をば一時忍んで戴かなければならぬやうなことに相成ります、最も大きい打撃と申しますか、一時ではありまするが、影響のありますのは、御提案者の御指摘にもありました通り、先づ鐵道であります、鐵道に付きましては、貨物の輸送に付ては、日本の經濟再建の爲の最小限度必要な物資の輸送は確保して戴きまするけれども、此の際旅客輸送に付きましては、相當のダイヤの削減を御願ひ致しまして、先づ國民が石炭増産の爲にです、耐乏の生活を致して戴くことをば御願ひしたいと思ふのであります、一月、二月、此の二箇月はです、三四月以降石炭の劃期的の増産を圖りまする爲に、先づ其の準備時代とでも申しますか、此の間に相當各方面に影響はありまするけれども、其の間を忍んで戴きまして、其の代りに四月からの二百五十萬トンへの増産は必ず確保する、斯樣に致したいのであります、之が爲には、單に鐵鋼材の供給を石炭部面にするばかりではありませぬ、政府は總ての施策をば此の石炭増産部面に集中する積りでありまして、尚鐵鋼材の供給の外、坑木の供給の如きも、國有林をば伐採致しまして、必ず其の必要に應ずる覺悟を致して居ります、坑夫其の他の從業員の待遇に付きましても、相當考へたいと存じて居ります、先づ食糧に付きましては、鑛山に對して必ず本人六合、家族三合の配給は確保致しまする爲に、配給をば政府と直結致します、尚出來ますれば、坑内坑外の從業員にお八つも供給したいと考へて居ります、尚相當成績を擧げまする場合に、酒、煙草等の慰勞品を相當に供給したいと考へて居ります、衣料に付きましても作業衣、地下足袋等、是も相當數量供給したいと考へて居ります、住宅に付きましては、なかなか困難の點があるのでありまするが、差當り本年は一月乃至三月迄に新しい住宅をば千五百戸、修繕三千九百戸、之をば必ず達したいと存じまして、是が爲に二億七千萬圓の資金をば炭鑛業者に供給致しまして、直き直き政府も之に助力して、住宅の完成を圖りたい、尚來年度に於きましては、二萬五千戸乃至三萬五千戸の坑夫住宅をも計畫致してあります、從業員の衣食住に對しまする配慮は左樣な所でありまするが、尚資金の供給、新しい切羽の掘進に對しまする助成、是等も出來るだけの力を盡したいと存じて居ります、政府は來年度三千萬トンへの石炭増産が日本經濟再建の第一條件であることを心得まして、今述べますやうな、暫くではありまするが、他の方面の辛抱を願ひまして、總ての力をば石炭増産の方面に集中致しまして、一月、二月、三月四月、五月と、段々と石炭が増産致しまして、まあ全部希望通りには參りませぬけれども、一通り日本の所謂擴張再生産への途が開けますだけの石炭を確保します爲に折角努力をしたいと、斯樣に考へて居ります次第であります、本院の御熱心なる決議に對しましては、政府は深く感謝する所であります、必ずや力を盡しまして御希望に副ひ、御期待に背かざるやう相努める考で居ります、政府の石炭増産に付て既に著手し、尚近く更に力強く著手せむと致しまする計畫に付きまして、聊か御報告申上げまして、皆樣の御熱意に御報ひ申上げたいと存ずる次第であります(拍手)
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=9
-
010・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第一、昭和二十一年度改定歳入歳出總予算追加案、改第一号、日程第二、昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案、改特第一号、日程第三、昭和二十一年度改定歳入歳出總予算追加案、改第二号、日程第四、昭和二十一年度改定歳入歳出總予算追加案、改第三号、日程第五、昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案、改特第二号、會議、委員長報告、是等の五案を一括して議題を爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=10
-
011・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、豫算委員長林伯爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=11
-
012・会議録情報4
━━━━━━━━━━━━━
一昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第一号)
一昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案(改特第一号)
一昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第二号)
一昭和二十一年度改定歳入歳出総予算追加案(改第三号)
一昭和二十一年度特別会計改定歳入歳出予算追加案(改特第二号)
右衆議院ヨリ受領シタル各案ヲ審査シ總テ衆議院議決案ノ通可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 伯爵林博太郎
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔伯爵林博太郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=12
-
013・林博太郎
○伯爵林博太郎君 只今議題となりました昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案、改第一號、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算追加案、改特第一號、昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案、改第二號、昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案、改第三號、昭和二十一年度特別會計改定歳入歳出豫算追加案、改特第二號、以上五案の委員會に付きましての御報告を致します、豫算委員會は去る十二月二十一日から昨日迄、愼重審議致しまして、討論に入りまして、全會一致を以て可決に相成りました、只今から其の經過を成るべく簡單に申上げたいと思ひます、改第一號は、此の豫算が五十二億一千八百餘萬圓、改第二號は二十六億九千八百萬圓、改第三號に九十三億圓で、計百七十二億一千六百萬圓と相成ります、先づ改第一號、是は一般會計からの繰入が四十三億一千二百萬圓、主要食糧價格の高くなつて來たのと、供出奬勵金交付に依りまして、本年度中に生ずる食糧管理特別會計の損失補填をする爲に、一般會計から四十三億を繰入れたと云ふことであります、引揚者及び困窮者へ越冬對策として、夜具購入費、住宅施設の補助費が十一億八千五百萬圓、引揚が遲くなつた爲などで經費が減じましたが、それが二億八千萬圓、次に改第二號の豫算であります、是が月給が増したので十一億四千七百萬圓、臨時議會開會の費用が六百萬圓、都道府縣の長、市町村長の選擧の費用が七千八百萬圓、都道府縣市町村の議員改選に關した費用が三千百萬圓、第二復員局關係の復員に要する費用が二億七千四百萬圓、國立病院等經營に要する經費の増加が五千三百萬圓、石炭價格調整補給金其の他石炭増産對策に必要な經費が増したのが八億四千八百萬圓、經濟安定本部、其の費用の増加が一億圓、それから後で問題になります私立學校の戰災復興の爲の國庫貸付金二千四百萬圓があります、改第三號は、終戰處理費の追加が九十三億圓であります、要するに改定本豫算は百九十億圓となります、各種の施設費の増加、進駐軍用勞務者の給與の高くなつたこと等の不足額を追加したのであります、之に對しまして歳入をどうするかと云ふことに付ては、増加所得税の増徴額が四十億八千萬圓と見込んで居ります、税の自然増收十四億四千萬圓、煙草の專賣局益金の増加、値上の爲に十一億五千百萬圓入ります、前年度剩餘金の繰入が十一億四千七百萬圓、雜收入二億八千萬圓、寄せて八十億千六百萬圓でありますが、其の中から日本銀行の納付金の減少する一億五千萬圓、之を差引くと計七十九億千六百萬圓となるのであります、それから少し大きい終戰處理費の九十三億圓と云ふ追加に對しましては、公債を發行して賄ふ、尚改第一號の財源の内、初め四十九億三千三百萬圓とありますのは、歳入補填公債で支辨することとしたのでありますが、改第二號で之を修正したと云ふことを言つて居ります、以上は一般會計ですが、特別會計をざつと申しますと、改特第一號、是は食糧管理特別會計の追加豫算であります、改特第二號の追加豫算は、帝國鐵道、通信事業、專賣局等十五特別會計と、開拓者へ營農資金をやる爲に、今度新たに作つた開拓者資金融通特別會計に關するものであります、特別會計の主なものは、帝國鐵道特別會計では、資本勘定の追加が六億九千二百萬圓、財源は公債でやると云ふことであります、收益勘定の追加は、騰貴に依る事業費の増加、特別給與十一億七千二百萬圓、此の財源は借入金、結局借入金は合計しまして二十四億九千二百萬圓となるのであります、通信事業に於きましては、騰貴に基く所の事業費の増加、特別給與支給費で二億圓、是は財源は公債であります、業務勘定の方では五億八千一百萬圓の追加であります、此の財源は四億二千四百萬圓の借入金でやると云ふことであります、專賣局の特別會計、所謂煙草ですが、葉煙草の増産の爲に、又騰貴の爲に作業費が増加した、それから月給、給與支給費を歳出に計上した、其の歳入には煙草の値上の増收でやると云ふことであります、開拓資金融通特別會計、今度新たに出來たのは、歳入歳出共に四億七千九百萬圓であります、此の法案は議會に出て居るのであります、右以外の特別會計は概ね特別給與支給であります、特別給與の經費を各特別會計を通計しますと、九億七千五百萬圓となるのであります、其の内譯は略します、之を一般會計分と合計しまして、學校特別會計の重複額を控除すれば、二十一億二千二百萬圓と相成るのであります、今の議會に提出の追加豫算に豫定してある所の公債、借入金に付て申しますと、公債は合計百七億六千九百萬圓となるのであります、それから借入金は合計三十億圓と相成ります、之を前議會迄に於て成立致しました豫定額に全部合計して、今年度の公債、借入金の豫定額を見ますと、實に公債は三百七十六億六千萬圓、借入金三十五億二千九百萬圓と相成りまして、之を合計しますと、四百十一億八千九百萬圓の多額に上つて居ると云ふ説明であります、以上を以ちまして大體一般會計豫算と特別會計豫算の方の説明を終ります、以上申上げましたのでありますが、尚質問は、先程申しました如く二十一日より昨日迄愼重に應答がありました、それから討論に入りまして採決した處が、是は全會一致を以て可決に相成りました次第であります、是より質問應答に付きまして、其の概略を申上げたいと思ひます、初めに財政經濟に付て申上げます、企業再建の見透しであります、是は政府は斯う云ふ風に言つて居ります、現在の生産力と云ふものは、戰前を百と見ると、生産力は三十一であつて、國民の消費力が八十と云ふ大きなものになつて居る、是が非常な根本的缺陷である、企業再建には、生産力の増強と消費の節約をする以外には、今日となつてはやり方がない、明年度の石炭の目標は三千萬トン、先程國務大臣から言はれた通りでありますが、此の石炭を以て基礎資材を確保して、他面勞働組合と協調して、此の春には國民の耐乏生活を實現して、之に依つて生産と消費の均衡を圖りたいと考へて居る、それから又質問としては、段々と財界が萎縮して、再生産の危機が來るのではないか、それをどうするか、來年三月の經濟危機と云ふ説が世間では大變傳つて居るが、之に付ては固より明言は出來ない、物の面から言へば、來年の末迄はジリ貧になると云ふやうな心配がある、併し是は何とかして突破しなければならない、それには耐乏生活をして生産増強に努めるより外に仕方はないのである、此處で先程膳國務大臣から言はれた如く、政府は詳しく石炭と鐵鋼の重大なることに付て述べて居りますが、其の點は省略致しますが、要するにさう云ふ状況で、今後は大企業を以てやつて行くと云ふことが出來ないのだ、斯う云ふ風な状態でありますから、輕工業で進んで行つて、何れ賠償を拂はなければならないから、其の賠償で殘つた工場を利用して、中小企業の形で以て切り拔ける以外にはない、要するに生産の基礎資材を殖やして危機を切り拔けたいと考へて居ると云ふ答辯であります、現在の經濟状況でブレトン・ウツヅ協定に參加が出來るか、現状で金本位制度を採ることは困難である、併し何か他の方法で通貨の安定を圖りまして、其の協定に參加したい、最高發行券の制度を設けるか、さうしたいと思つて居る、併し日銀總裁が通貨を一千億圓に止めたいと言つて居るさうであるが、それは政府が言つたのではなく、總裁個人の意見であります、それから財政に關聯して、地方の農政のことを述べた方があります、今迄は中央集權でやつて居つて、地方は萎靡して居つた、今度は民主時代になつて、地方の分權が盛になつて來る、さうなつて來ると、地方の財政が段々膨脹して來るのに、其の財源に乏しくなるが、之をどうしたらいいかと云ふと、自分は斯う思ふ、物納にしたら宜からう、農村は兎に角食物があるのだから、村民税、縣民税の物納化をやつて、米や何かで以て一つ税を納めるやうにしてやつたらどうか、役場の役員と國民學校教員、孰れも米と云ふやうな物で一つ拂ふやうにしたらどうであるか、是は昔は米で以て日本でもやつて居つたのであつて、實物經濟の時代が過ぎて貨幣經濟の時代になつたのに、もう一遍それを戻して行くと云ふことになるのであるか、併し大問題であるけれども、地方自治の上から、實物經濟が農村に入ると云ふことを阻止する理由は固よりありませぬ、是は併し、非常に研究しなければならない問題である、それに續きまして、又斯う云ふ質問が出ました、國民學校の教員等に於ては、矢張り其の方面も何とかして工夫したらどうであるか、青年學校には實習地と云ふものがある、それから方々の學校に農場と云ふものがありまして、今では隨分畑を作つて居る、元來食物がないから、忌はしき國民學校の教員の六百圓のゼネスト運動迄も起るのであつて、衣食が足ればそんなことはないんだ、此の農場を能く經營して行けば、一反歩の中から薩摩藷は一千貫も穫れる、麥は二石から四石も穫れるのである、それを教員や何かにやることにするならば、非常に其の生活は豐かになつて宜いではないか、文部省などは之に對しまして金と物とが一緒に混同すると云ふことになつて來ると、どうも給與體系と云ふものが亂れて來る、だから之を制度化することは出來ないけれども、環境の上の事實の問題として、又此の給與體系に觸れないで實行すると云ふことになれば、それは宜いだらうと思ふ、又さう云ふことをして居る所も確かにあると考へるのであると云ふことでありました、それから物價の問題に付て色々質問が詳しくあつたのであります、どうも段々物價が上るやうな氣分である、之をどう云ふ風に善後策を講ずるのであるか、先程是は、國務大臣の言はれた中にも含んで居ると思ひますが、何を言つても物價を上げると云ふことを止めなければならぬ、今日迄物價が上つて來たのは是はどうも總ての物が上つて居るのだから仕方がないが、今後是以上、上げないと云ふことにするのが宜からうと思ふ、それには何を標準にしたらさうなるかと云ふと、先づ主食中の主食の米、此の米穀と云ふものを一定の丸公で抑へる、又米も良く出來たから今年度は配給も良く出來るし、米の丸公と云ふものは、はつきりと決めてあるし、假令闇があつても、それは大體に於て供出其の他に於て實行されて居る、米をしつかり此處で抑へて行く、それから先づ先程御話のあつた石炭、石炭と云ふものの單價を立派に抑へて行く、石炭は即ち總ての工業發展の基礎でありますから、之を抑へて行けば、茲で以て石炭の値段に引き附けられて、總ての工業品と云ふものが是以上、上らないと云ふやうなことも起り得るのである、一方に於て米を抑へてあるのであるから、お米が丸公の爲に、外の物價も相當上つて居る物もあるけれども、結局今日之に引き附けられて、矢張り或程度影響を受けて、或程度上らぬと云ふことの標準だけは立つのであるから、其の方面に於てやるより外にない、それには物價廳と云ふものも大いに骨を折ることになるのであります、又物價が段々安定して行けば、之に依つて勞働賃金と云ふものも安定して來るのであつて、まあ其の意味に於て善處したいと思ふのであると云ふ意味でありました、それから次に石炭の問題、是は先程も既に十分に説かれたのであるから、其の反復は致しませぬ、要するに二百十萬トンと云ふものを段々切り拔けて、三月以降に於ては漸次三千萬トンに持つて行く、さうして商工大臣は再來年以後に於きましては、四千萬トン迄持つて行く目標を持つて居ると云ふのであります、それには是も先程御話がありましたやうに、一月、二月は十分に耐乏生活をして貰はなくちやならない、さうして燃料としては、宮城懸から亞炭を出來るだけ送つて貰つて、さうして國民の方面に便宜を圖りたいと思つて居る、四千八百カロリー位のものを薪炭代用にして送りたいと思つて居る、石炭省を設けたらどうかと云ふ質問がありましたが、どうも石炭省を設けても、輸送のことは運輸省に頼まなくちやならないし、坑木のことは農林省に依頼しなければならないと云ふので、結局矢張り分擔を考へなければならないから、末端迄一元化すると云ふことは事實上困難である、既に安定本部が出來て、綜合的に立案して居りますことでありますから、自然其の間に一元化は行はれて居るのであると云ふことであります、此の石炭の鑛山の中に於ける状況は、石炭廳長官から色々切羽のこと、住宅難のこと、又其の坑の中の生活の不如意なこと等に付て、色々述べて居られました、又機械、工具の足りないことも述べて居られたのであります、特に疊は引繰り返しになつて居るし、家は壞れて居るし、非常な悲慘な状態であるに拘らず、切羽は漸次進んで居つて、まあ一生懸命やつて居ると云ふやうなことが述べられたのでありますが、大體に於ては昨朝の新聞に孰れも此の話が出て居りますから、御覽になつたらうと思ひます、それから次はポーレー賠償に付ての問答がありました、特に輸送に付ての問答であります、ポーレーの賠償案に依ると云ふと、鐵道の機關車十五パーセントは取られてしまふやうであるし、電氣機關車が二十四パーセント、貨車が二十五パーセント、斯うなつて來ると、日本の交通政策は全く一變してしまつて、或は海に頼らなければならぬやうな状況になるだらうし、海に於ては又船を取られると云ふやうなことになると、又是も大きな問題になつて來る、國鐵にも影響があるが、地方鐵道にも甚大な影響がある、唯ポーレー案と云ふのは、米國政府への是は報告であつて、どれだけ取られるかと云ふことは、まだ具體的には規定して居らないが、併し是は非常に心配なことでもあるしする、ですから、目下交渉中であると云ふ答辯であります、それから勞働問題に付て最も重大な點は、女子の待遇改善に付ての問題であります、此の問題がありました、どうも兎角男子に比して女子の方は賃金が極めて低いので、まあ半分であります、五十パーセントから六十パーセント、輕工業、纖維工業の面で特に安いのである、で政府が申しますのには、次の議會には勞働基凖法と云ふものが出ますから、同じ仕事をした者には同じ賃金を支拂ふと云ふ男女同權の上に立ちまして、基準を立てる考であると云ふ答辯であります、それから内政に付ては闇の問題が相當詳しく應答されたのであります、犯罪が月を逐うて激増して行くし、而して經濟事犯は段段惡化の道を辿つて居る、是は實に社會の統制を亂すのである、併し何分にも數が多いので、政府は此の月を逐うて増加して行く所の經濟事犯の數と、檢事局へ送りました數とに付て詳しい説明がありましたが、是等はどうか速記録で御覽を願ひます、要するに餘り多いので、なかなか始末をするのに困難であつて、今は一罰百戒主義でやつて居るので、どうも重點的に取締る以外には仕方がないのである、又司法大臣からは、どうも闇は出來るだけ取締るが、特に惡質の者に對しては斷乎として取締ると云ふことに、二、三日前に檢事正の會がありましたが、其の時に詳しく其の旨を傳へたのである、現に司法部の成績は今日迄良好であると云ふことであります、併し之に付ての善後策、如何にして國民道徳を向上するか等に付きましては、そこ迄論及する暇がなかつたのであります、此の答辯は前の議會の時と同じことであります、それから次は戰災地の醫療問題、今御承知の如く、藥は高いし、病院の入院料は非常に高い、國民は段々生活に苦しんで來て居る、病氣になると云ふと、容易に囘復の見込がないやうな現状である、どうしたら宜いであらうか、色々實例を擧げて質問をした方があります、社會保險制度を改めて保健税といふものを取つたらどうであるか、此の次の議會で色々此の方面をやりたい、日本醫療團とか、赤十字社とか云ふものがあるけれども、今日としては其の財政も餘り豐かでないので金は不足して居る、戰災地醫療問題に付て何故之を早くやらないかと云ふ所の非難がありましたけれども、他方に於て引揚者の如きは蒲團もない、此の寒さに燃料も取れないと云ふ状況であるから、まあ其の方は急中の急であるからして、先にしたやうな次第であつて、決して此の戰災地醫療問題を輕く見た譯ではないのである、又保健税を取ると云ふやうなことの税制の問題は、非常に考慮を要する問題と思ふ、厚生年金保險の十五億圓の積立金があるが、之を使つたら宜いと云ふ御話であるが、是は保險の責任準備金でありますからして、直ちに之を救助の方に使用することは不可能である、まあどうしても是は國費でやらなければならないから、其の點で善處をすると云ふことであります、それから御料林が國有に今度移りますに付きまして、林業統制を此の際やつて、總てを農林省で以て一貫して貰ひたいが、其の點はどうであるかと云ふことであります。而も其の質問者は、御料林に於ては實に長い間模範的に經營をして居つた。且又、其の行政が一貫して居つたのであつて、例へば戰爭中に木材を澤山伐り出したけれども、其の後は直ぐに植林が行はれまして、非常に好成績を擧げて居るのである。國有林とは非常な違ひである。今日では學校は實習林に、幸に此の時の宮内省から出る所の御料林を貰ひたいとか、方々で取合の競爭をやつて居るやうな状況であるが、それ等は一切許さないで、どうか農林省で一貫した森林行政をやつて貰ひたい、而も特に此の人事に於て、御料林などに於て今迄非常に練達にして優秀な技師が多く、成績を擧げて居るのであるから、此の優秀な技師は、色色摩擦なんかの問題の起らないやうに準備して、國有林になつても、其の人達を使つてやつて、さうして經營を良くするやうにして貰いたいと思ふが、其の點はどうであるか、農林大臣は之に對しまして、全然同感である、之に一つのヂレンマがあつて、一方に於ては木を伐らなければならない、他方に於て木を植ゑなければならぬ、伐採することと保安することと、兩方を圖ると云ふことを國家がやるのであるからして、どうしても農林省で一元的に統制すると云ふことは必要なことであると思ふ、全然同感であると云ふでのあります、處が、北海道は又別問題でありまして、北海道には道有林と云ふもので、内務省が之を監督をして居る、それに付ての質問がありました、北海道も結局農林省の方に一貫するやうにして貰ひたいがどうだと云ふのであります、此の際北海道で八十八萬町歩と云ふ大きな御料林が出て來るのであるが、其の點を農林省でやることにして、内務省の方は打切りにして貰ひたいと云ふのであります、内務大臣はそれに對しまして、それは確かに今日の場合考究すべき重要な事項である、是には北海道開發調査會と云ふものが出來まして、其の委員は北海道ばかり贔屓しないやうに、一般から澤山の委員を採つて、公明正大に自主調査をさせて居る、其の答申に依りまして、大所高所から檢討をして、此の時勢に即した解決をしたいと思ふと、斯う云ふ答辯でありました、それから開拓者資金融通法と云ふのが今度出ましたが、追加豫算にも計上してあるが、是はどう云ふ方面に融通するか、有名な金原明善翁の疏水財團の話をして、此の三方ケ原に於ける疏水事業は非常に長く掛つて、此の頃漸く出來掛つて居るやうな状況で、此の開拓者の資金融通法と云ふものも、實行の上に於ては餘程うまくやらないと手間ばかり掛つて仕方がない、又方々へ轉々として農業の中に入つて見ても、うまく行かないで困つて居るやうな状況であるのだ、其の資金の融通をどう云ふ風にしたらば宜いのであるかと、斯う云ふのであります、此の資金の融通は、生活費の融通ではなくて、政府の意思では營農資金、所謂鍬だとか、鋤だとか云ふものを買ふやうな資金、又住宅資金と云ふやうになつて居りまして、生活資金ではない、今迄誠に悲慘な境遇に陷つた者もあつたが、それには二十圓、三十圓と云ふ賃金をやつて、それで生活には先づ困らないやうにして置いて、其の中に段々と營農資金が得られるやうにしてやるのだと云ふ答辯でありました、それから教育問題を申上げませう、社會教育の刷新、男女青年團の刷新、青年學校の教育の改善等の問題に付きまして、非常に詳しい問答がありました、兎に角教育問題に於きましては、今囘は私學の問題、殊に戰災に罹つて燒けました私立學校の復興問題が重大な問答になつて居りますから、其の點を申上げます、政府、殊に文部省は、官公立學校と私立學校とを餘りに差別待遇をして居るやうであるが、其の點はどうであるか、それに對して政府は、いやそれは全然區別はして居らない立場である、但し行政面には公私の區別はあるが、教育への國家の責務は同じものである、児童、青年と云ふものは、國家から見れば等しく同一に教育はすべきものであると思ふ、其の點に於ては全然差別をして居らない、それから大藏大臣に對しまして、豫算に計上した二千四百萬圓と、首相官邸の懇談で話が出た所の七億圓の戰災私學復興の貸付問題に付きまして問答がありましたが、大藏大臣は斯う言つて居ります、二千四百萬圓と云ふのは誠に少いやうだが、是は一月、二月、三月の差詰め必要の費用と思つたのである、私も少いと思つた、政府は兎角私學に不熱心であつて、官立學校のことばかり考へて居ると言ふけれども、決してさうではないのだ、私も私學出なんだと、今日私學の復興の重要なことは十分に認識して居る積りであるし、又同情もして居るのである、併し私學は一つ私學らしい元氣を持つて貰ひたい、溌剌たる元氣を以て、私學の復興に熱中して貰ひたいのである、私學のことを全部國がやると云ふことになると、是は官立になつてしまふ、官學になつてしまふ、經濟的に獨立のないものは私立學校の意義を成さない、どうして呉れると言つたつて、漫然とは答へられない、文部省が教育のことは研究して居るのであるから、文部省で十分是ならば結構だと云ふ査定が大藏省へ廻つた時分には、又是だけはどうしても私立學校にやらなくちやいけないと云ふことを了解の出來るやうに、大藏省の方に廻つて來た場合には、異論は言はない、何れ文部省から言つて來ると思ふから、三年に七億や十億圓位のことであるならば、大したことではないから承知した、斯う云ふ風に言つたのである、七億圓要ると云ふ意味がはつきりさへすれば宜いのであつて、何だか其の間に内容の上に割切れない點があるから、委員會でもやつて戴いて、さうして決めて貰つたらどうかと思ふ、査定の分らぬものに付ては、何だか氣が進まないから、其の點をはつきりさへすれば、其の位のものを貸すと云ふことは處置して行きたいと思つたのであると云ふのであります、それから最後に外交のことに付て重大なことがありましたから申上げて置きませう、大日本外交文書を世界竝に日本國民に公表して貰ひたい、政府の意見はどうであるか、イギリスでは政府のやることは全部國民に知らして居る、所謂ブルー・ブツクと言つて、青本が出來て居りまして、英國民は良い事、惡い事を外交のことは、實に常識に富んで居るのは此の爲であるのだ、フランスには黄表紙が出來て居るし、イタリアには赤紙が出來て居るのだ、幕末から明治十年迄は大體集つて編纂が出來て居る、我が外交は長い間、所謂屈辱外交であつて、其の爲であるのか政府は兎角人民に隱して居つた、不振、屈辱外交である、それは寧ろ隱すべきことでなくて、惡ければ惡いことを國民に知らせるのが必要なことであると思ふ、我が國は外交としては常に平和愛好の精神でやつて來たのである、何時でも外からの壓迫で以て戰爭が始つて居るのだ、千島、樺太交換の事實の如きは、實に能く調べて世界に知らせるのが宜いと思ふ、琉球、小笠原島が我が有となつた顛末も、明らかにすれば是が分るのだ、日本が餘りに壓迫された爲に、已むを得ず日露戰爭が起つた、其の起つた原因を世界に知らせる必要があるではないか、日本は自衞の爲に起つた、之が爲に英米も同情して呉れて來たのである、明治二十年から三十八年の、即ち三十八年の日露戰爭時代の外交文書の材料は全部あるので、百五十萬圓も掛ければ公表出來るから、早くやつたらどうか、是が出來れば、即ち今度の講和の話があつて平和會議でもあつた場合には、良い參考になつて、日本は今日迄平和愛好で來たのであつて、軍國主義ではなかつたと云ふことが明かに相成るのだから、此の位有利なことはないと思ふのだから、今日紙はないし、金もないとは思ふが、一つ百五十萬圓位出して奮發してやつて見たらどうだらうかと云ふのであります、之に對して政府は、慶應三年から明治九年迄の十二册は出來て居る、明治十年から十九年迄は編纂したが、殘念ながら燒けてしまつた、併し此の再編纂に掛つて居るが、是は時間が掛る、明治二十年から二十六年のものは出來上つて、唯印刷が殘つて居るのだ、豫算は昭和二十年七月全部削除されてしまつた、其の後は金がないからやり繰りでやつて居るので、明年の豫算には四十五萬圓計上をして、一年に六年分を作つて、早く出して行きたいと思つて居る、斯う云ふのであります、斯う云ふ工合にしまして、先程も既に申上げましたが、昨十二月二十四日午前質問を終つて、討論採決を致しまして、全會一致で可決に相成りました次第であります、此の段御報告申上げます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=13
-
014・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ五案の採決を致します、御異議がなければ全部を問題に供します、五案全部委員長の報告に同意の諸君の起立を請ひます
〔總員起立〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=14
-
015・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 總員起立仍て五案全部全會一致を以て可決せられました
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=15
-
016・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第六、衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、委員長黒田伯爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=16
-
017・会議録情報5
━━━━━━━━━━━━━
衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十三日
委員長 伯爵黒田清
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔伯爵黒田清君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=17
-
018・黒田清
○伯爵黒田清君 只今議題となりました衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案の特別委員會の、審議經過竝に其の結果を御報告申上げます、本委員會は十二月の二十二日より二十三日迄開きました、此の法案の提出理由は、過日内務大臣より本會議に於きまして、詳細に亙つて御説明がございましたが、其の要點は第一に、衆議院議員及び地方公共團體の長、又は其の議會の議員の選擧毎に、臨時に選擧名簿を作製して、選擧權を有するものを漏れなく之を登録すると云ふ、即ち選擧人名簿作製に關するものであります、第二には、海外引揚者の衆議院議員の選擧權の行使に付きまして、其の居住條件六箇月と云ふ條件を必要としない、其の條件を緩和すると云ふ點でございます、此の法案の審議に當りましては、餘り數多い質疑應答もなかつたのでございますが、一、二申上げまするならば、此の海外引揚者の取扱方がどうも公平でないやうに思ふ、それは衆議院議員の選擧權行使に付ては、十分考慮を拂はれて居るけれども、地方公共團體の長及び其の議會の議員の選擧に關しては、十分の考慮が拂はれて居らないやうに思ふが、どうであらうか、海外引揚者に氣の毒ではないかと云ふやうな御質問があつたのであります、之に付きまして政府側は、此の地方公共團體は、地域的に特殊の考慮を拂はなければならぬものである、其の地方的の團體と云ふ性質の爲に、人と人との間に信頼に依る繋りを大いに必要とするのである、又其の土地に一定の期間定住すると云ふことが、相當重要なる條件となつて居るのであるから、是は無暗に此の條件を緩和する譯に行かない、併し此の引揚者に對しては非常に政府としても考慮を拂つて、特に其の條件を緩和するやうな、特例を設けることは考へて居ると云ふ御答でございました、次に他の一委員から、來年になりますと、地方公共團體の選擧が、非常に色々の種類の選擧が多くなりますので、此の選擧が、餘りに種類の多い選擧が度々行はれ、又選擧場が遠隔の地にあります場合に、其の度毎に、遠隔の地に出て行かなければならないと云ふことは、却て選擧人の選擧と云ふことに付て、選擧を嫌がると云ふやうな傾向を持たせやしないか、却て此の民衆政治を施行する上に支障が起つて來るのではないかと云ふ御懸念のある御質問があつたのであります、之に付きまして、政府と致しましては、さう云ふ懸念もあるので、常常公民教育其の他の方法を以て、出來るだけ選擧と云ふことに關心を持つて貰ひ、又一人でも棄權しないやうに選擧をすると云ふことをまあ進めて居るのである、併しなかなかそれだけでは十分でないので、選擧に當つても數多い選擧は一つに纏めて選擧をすると云ふやうなことの方法も考へて居る、選擧場にしても、出來るだけ多くの選擧場を一つ作りたいと思つて居る、例へば地方に於ては部落、都會地に於ては町内會に選擧場を設けると云ふやうなことを考へて居る、其の經費も只今大藏省の方へ交渉して、何とか其の經費も支出して貰へることと思ふと云ふことでありました、例へば參議院の選擧なども、地方的のもの、全國的のものと云ふものを一つに纏めまして、出來るだけ手數の掛らないやうにすると云ふことを考へて居ると云ふ御話でありました、其の他引揚者の數とか、それから今日迄の選擧人名簿から脱落して居るものの數と云ふことに付ての御質問がございまして、政府から數字を擧げて御説明になりましたが、是は速記録に依つて御承知を願ひたいと思ひます、斯くして質疑を終りまして、討論に入りまして、採決致しました處、全員一致、異議なく此の法案を可決致すべきものと決定致した次第であります、御報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=18
-
019・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、本案の採決を致します、本案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=19
-
020・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=20
-
021・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=21
-
022・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=22
-
023・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=23
-
024・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=24
-
025・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、本案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=25
-
026・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=26
-
027・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに本案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=27
-
028・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=28
-
029・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=29
-
030・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=30
-
031・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、本案全部、第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=31
-
032・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=32
-
033・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 日程第七、開拓者資金融通法案、日程第八、開拓者資金融通特別會計法案、日程第九、食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案、政府提出、衆議院送付、第二讀會ノ續、委員長報告、是等の三案を一括して議題と爲すことに、御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=33
-
034・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長岩村男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=34
-
035・会議録情報6
━━━━━━━━━━━━━
開拓者資金融通法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十三日
委員長 男爵岩村 一木
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
開拓者資金融通特別会計法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十三日
委員長 男爵岩村 一木
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵岩村 一木
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔男爵岩村一木君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=35
-
036・岩村一木
○男爵岩村一木君 只今議題となりました開拓者資金融通法案竝に開拓者資金融通特別會計法案及び食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案、以上三案の特別委員會に於ける經過竝に結果を御報告致します、特別委員會は去る二十二日以來、三囘開會を致しました、本委員會に於きまして委員各位愼重審議の結果、三法案共政府提出原案通り可決致すべきものと決定を致しました、以下審議の概要を申上げます、先づ開拓者資金融通法案竝に開拓者資金融通特別會計法案の二法案より申上げます、本會議に於きまして、農林、大藏兩當局から兩法案提出の理由に付きまして、概略な御説明があり、更に特別委員會に於きまして兩法案の内容に付て詳細な説明がございましたが、之を要約致しますれば、政府は現今の食糧事情竝に開拓者の現状に鑑みまして、開拓者資金融通法案に於きましては、政府は開拓地に於て耕作の業務を營む者、又命令に依つて定められる耕作の業務を營む者、又は其の組織する法人に對しまして、農具、肥料、家畜、種苗等の如き開拓者が耕作に必要なる資材又は施設を取得し、又は設置するに必要である資金や、開拓者が住宅取得の爲又は住宅を建設するに必要な資金を、毎年度豫算の範圍内で之が資金を是等開拓者に貸付けることが出來るやうになつて居るのでありまして、此の貸付金の償還期間は二十年以内とし、年利三分六厘五毛の均等年賦償還の方法を採ることになつて居ります、若し貸付金の償還を爲すベき是等開拓者が、年賦金の支拂を怠つたり、貸付金を貸付の目的以外の目的に供したり、耕作の業務を怠つたり、廢止したりしたやうな場合には、政府は貸付金の全部又は一部に付きまして、一時償還を請求することが出來ることとなつて居ります、尚開拓者が自發的に償還をする申出がありました時は、政府は同樣の措置を講じ得られることとなつて居ります、又政府は開拓者の年賦金支拂時期に於きまして、米穀價格が、貸付をした時に於ける米穀價格に比較致しまして、下落或は騰貴を致しました年に於きましては、年賦金額の中元金に相當する部分を、米穀價格の變動に應ずるやう減額もし、又増額する、而して其の基準となるべき米穀の價格は、食糧管理法第三條の規定に定められて居る買入の價格に依ることとなつて居ります、尚又災害等に依りまして開拓者の收益が著しく減少をしたと云ふやうな場合には、年賦金の支拂を猶豫することも出來ることとなつて居ります、以上の事項を決定致します場合には、勅令で定められる所の開拓委員會の意見を聽く建前となつて居ります、次に開拓者資金融通特別會計法に於きましては、只今申上げました開拓者資金融通法に依る貸付に關しまして、之が歳入歳出を一般會計と區分致しまして、特別會計とし、此の會計の收入支出に關する規定は勅令で定めることになつて居ります、又本會計に於きまして、貸付金を支辨する爲、政府は必要な額を限度として此の會計の負擔で公債を發行し、又は借入金を爲すことが出來るやうになつて居り、尚又貸付金の償還金は公債及び借入金の償還金の財源にのみ之を充てるやうに限定されて居ります、此の他の條項は、本會計法運用に關する事項が種々定められて居ります、委員の質疑の重點は、從來の開拓、開墾計劃を繞つて、有らゆる角度から質疑が試みられました、皆重要な質疑でありましたが、其の主なるものを御報告を申上げます、一委員より、政府が昨年より實施して居る五箇年計畫百五十五萬町歩の豫定開拓は、其の實績から推察しても、到底政府の計劃通りに進行しないのではないかと思はれる、ぺーパー・プランに終るのではないか、又其の開拓實績の擧らない理由は、原因は種々あると思はれるが、其の一つとして、政府の開墾計畫が地方には十分徹底せず、中央からの割當指令に基いて、地方では無理な開墾をやつて居る向がある、從つて地方廳に於きましては、農地擔當官と開拓擔當官との間でさへも既に意見が違ふやうに思はれる節がある、而して具體的に其の地方廳の名前を擧げられまして質されましたが、政府は之は對して、開拓實績の擧らなかつたのに對しては、將來は善處するけれど、差當り來年度の開拓計劃に付きましては、中央開拓委員會に研究さす一方、政府と致しましても、出來るだけ實行出來る範圍の開拓計劃に依つて、さうして進んで行きたいと思つて居る、又開拓に關する從來の行政機構は必ずしも萬全とは認め難いので、今囘地方に農地事務局を設け、道府縣には農地部を新設致しまして、農地關係と開拓關係との連絡の統一を圖りまして、十分中央の趣旨方針を實情に合ふやうに開拓政策を進めて行くやうにする積りである、斯う云ふ答辯でありました、又一委員會から、今囘の貸付金の限度の問題として、現在の物價高の事情の下に於きまして、營農資金が一戸當り僅か一萬圓と政府は豫定して居るけれど、是では少な過ぎはしないか、之に對しては、初めは政府當局としてもさう云ふ風に考へて居るが、併しながら國家財政の現情から見まして、此の程度で辛抱をして戴くより外は致し方がない、尚家畜等は成るべく開拓者が共同して使用するやうに政府としても指導すると云ふ答辯がございました、又一委員から、是は貸金の貸付の對象に關するものでありましたが、之に對しまして政府は、貸付の對象は開拓者又は其の組織する法人となつて居るけれども、資金にも限度があるので、總ての開拓者に貸付ける譯には行かない、原則としては、政府の緊急開拓政策に基く新開墾地へ入植した者に融通したいと考くて居る、併しながら將來は自作農創設特別措置法に依りまして、開墾地に入つて自作農となる開拓者にも、之が適用をしたいと云ふことを考へて居ると云ふことでありました、又一委員から、開拓資金融通法案中、勅令で定められる開拓委員會の構想はどう云ふものであるかと云ふ此の問に對しまして政府は、現在ある中央及び地方の開拓委員會に金融部會と云ふやうなものを設けまして、其の委員には開拓者の代表、開發事業の主體及び農業團體の代表、又開拓及び財政關係の當局者及び學識經驗者等を以て之に充てる方針であると云ふ答辯でありました、又同法案の命令事項の内容はどうかと云ふ質疑に對する答としては、第一に、貸付金の最高限度として、一戸當り營農資金は一萬圓、住宅資金は七千圓とする積りである、第二には、米の値段の變動に依る年賦金の増減は、償還の時の米の値段が、貸付を受けた時の米の値段に比較して、大體二割以上騰貴或は下落した場合には之を適用したい、第三には年賦金の支拂猶豫の場合は、其の年の收穫が平年に比して二割以上減收した場合を考へて居ると云ふ答辯でございました、又一委員から、開拓者の現状に鑑みまして、開拓關係資金の第二封鎖を解除すべしと云ふ強い意見がございましたのに對しまして、政府は、當局としても開拓政策の重要性に鑑みて、目下極力此の解除方に付て努力中であると云ふ答辯がございました、尚本法案が成立實施の曉には、本資金は成るべく早く開拓者に渡せるやうに善處する、斯樣に答辯を致して居りました、尚一委員から、開拓訓練所、農民道場等に對します政府の指導理念に付きまして質疑がありましたが、之に對して政府は、戰時中は精神的方面に向つて重きを置いて指導したが、終戰後は、經營を主にした科學的知識の注入に向つて指導もして居るが、將來も亦、此の方針で進む積りである、斯樣な答がありました、此の外、各委員より將來の開拓事業の運營に付きまして、政府に對する希望意見や、政府當局を啓發、或は啓蒙する意見もありましたが、省略を致します、次に食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案でございますが、是も政府當局より縷縷提案理由の説明がありましたが、今度の改正の要點は、從來の交付證券である食糧證券の性格を變へまして、之を食糧買入資金調達の證券として、食糧の買入代金の支拂を現金に致しましたことと、本會計の負擔で食糧證券を發行し、又は借入金の出來る最高限度額を、現行の五十二億圓より百億圓に引上げました、此の二點であります、質疑と致しましては、食糧買入の品目はどう云ふものであるかと云ふことを質しましたのに對しまして、政府は、内地米、輸入食糧、薯類、乾藷、澱粉及び雜穀の六種を今の處目安に置いて居ると云ふことでございました、此の他供出米の現状のこと、供出割當米の公平化、又農家に對する報奬物資に關する意見、甘藷の自由販賣、郷土食の奬勵のこと、農林統計の整備及び證券發行方法等に關する重要なる意見、又は質疑がありまして、それぞれ政府當局と委員との間に應答がありました、尚又政府から、現下の食糧事情及び昭和二十二年食糧年度に於ける食糧の需給推算の數字を擧げての報告等も聽取を致しましたが、本法案に直接關係がございませぬので、此の際は省略を致します、斯くして三案共各各質疑を終りまして、討論に移りましたが、發言もなく、採決の結果、全會一致、政府提出原案通り、可決致すべきものと決定を致しました、以上を以て報告を終ります発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=36
-
037・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ三案の採決を致します、三案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=37
-
038・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=38
-
039・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=39
-
040・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=40
-
041・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=41
-
042・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=42
-
043・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 三案の第二讀會を開きます、御異議がなければ全部を問題に供します、三案全部委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=43
-
044・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=44
-
045・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=45
-
046・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=46
-
047・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=47
-
048・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=48
-
049・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 本案の第三讀會を開きます、三案全部第二讀會の決議通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=49
-
050・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、休憩を致します、午後は一時三十分より開會致します
午後零時二分休憩
――――◇―――――
午後二時六分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=50
-
051・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 休憩前に引續き會議を開きます、日程第十、増加所得税法案、日程第十一、有價証券の処分の調整等に関する法律案、日程第十二、昭和二十一年度一般会計歳出の財源に充てるための公債発行に関する法律案、日程第十三、昭和二十一年法律第五十五号帝國鉄道会計又は通信事業特別会計における昭和二十一年度の経費支弁のための借入金等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第十四、政府の契約の特例に関する法律案、政府提出、衆議院送付、第一讀會ノ續、委員長報告、日程第十五、戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案、衆議院提出、第一讀會ノ續、委員長報告、是等の六案を一括して議題と爲すことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=51
-
052・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、委員長倉富男爵発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=52
-
053・会議録情報7
━━━━━━━━━━━━━
増加所得税法案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
有價証券の処分の調整等に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
昭和二十一年度一般会計歳出の財源に充てるための公債発行に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
昭和二十一年法律第五十五号帝國鉄道会計又は通信事業特別会計における昭和二十一年度の経費支弁のための借入金等に関する法律の一部を改正する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
政府の契約の特例に関する法律案
右可決スヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案
右可決すヘキモノナリト議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十二月二十四日
委員長 男爵倉富 鈞
貴族院議長公爵徳川家正殿
━━━━━━━━━━━━━
〔男爵倉富鈞君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=53
-
054・倉富鈞
○男爵倉富鈞君 只今議題と相成りました増加所得税法案外六件の特別委員會の審議の經過竝に結果に付て御報告を申上げます、先づ初めに結果を申上げますと云ふと、増加所得税法案外四件の政府提出議案は全部政府提出原案通り、可決すべきものと決定を致しました、次に戰時補償特別措置法案の改正法律案は衆議院提出の原案通り、可決すべきものと委員會は決定致しました、是から審議の經過の大要を御報告申上げますが、便宜上政府提出の増加所得税法案外四件に付きまして、初めに御報告を申上げます、是等の諸案は、其の内容が御承知の通り相當重大なものでございますので、委員會に於きましては、各方面の角度から色々質疑が行はれたのでございますが、其の詳細を逐一申上げますことは、時間の關係上出來ませぬし、且又、此の法案の提案理由に付きましては、過日本會議の席上大藏大臣から詳細の御説明がございましたので、是等は省略致しまして、唯此處には、委員會の審議の模樣の大體を申上げます爲に、質疑の中の一二の點に觸れつつ話を進めて參りたいと存じます、第一に増加所得税法案に付きまして、第一に問題となりました點は、政府は今年の三月三日現在の財産に對して財産税を課する、同時に今度の此の法案に依りまして、今年の一月から今年中の増加した所得に對して、増加所得税を課すると云ふことになりますと云ふと、三月三日以後の増加所得に對して増加所得税を掛けるなら兎に角、一月から三月三日迄の間のものは、財産税と増加所得税と兩方が掛かるから、二重課税になるのではないかと云ふ質問があつたのであります、之に對しまして政府の説明は、財産税は財産に對して課税するのであり、増加所得税は増加所得に對して課税するのであつて、課税の對象が、一は財産であり、一は所得であるのであるから、税の理論上からは二重課税にはならないと云ふ説明でありましたが、質問者は之に對し承服し得ないやうな態度でありました、次に此の法律に付きまして最も議論の集中されました點は、増加所得税の狙ひの一つは、所謂新圓階級の闇の所得に對して、之を徹底的に捕捉追及して課税するのであると云ふ點にあるのであるが、如何にして此の闇所得を徹底的に捕捉追及することが出來るであらうか、是はなかなか言ふべくして困難な問題ではないかと云ふ質問に對しまして、政府は成る程増加の所得、殊に闇の増加所得を徹底的に捕捉すると云ふことは非常に困難な問題には違ひないけれども、併しむづかしいからと言つてやらない譯には行かない、有らゆる力を盡して、之を調査捕捉する積りである、又從來の經驗から見ましても、單に所得の方面からのみ、之を調査すると云ふことでは萬全を期し難いから、所得と消費の兩方面から色々手を盡して調べて見たならば、必ずしも捕捉が出來ないことはないと思ふ、尚それに付きましては、税務當局ばかりでなく、關係官廳は勿論、是等の方面の事情に通じて居る色々の人々を税務協力委員と云ふ委員に御頼みをして、さうして有らゆる、役所のみならず、國民全部が協力して此の調査に當るやうにしたならば、捕捉は出來ないことはないと云ふやうな答辯でありました、尚それに連れまして、所謂新圓の退藏を調べると云ふことになりますと、一方に於きまして、貯蓄増強の爲に、昨今言はれて居ります所の自由預金の祕密保持と云ふ問題との間に牴觸することはないか、或は又新圓の所在を突き止める爲に、所謂新圓再封鎖のみが唯一無二の方法とは思はないけれども、或は新圓に或時期を限つてスタンプを押すとか云ふことにして、新圓の所在を突き止めると云ふやうなことが考へられないかと云ふやうな、色々の問題が採り上げられたのでありまするけれども、詳細は速記録に讓りたいと存じます、尚是等の新圓の所在を如何にして突き止めるかと云ふ問題に關聯しまして、次に起りました問題は、新圓の三分の一以上を持つて居やしないかと言はれて居ります所の第三國人に對する課税を如何にするか、日本に永住する所の第三國人は、日本の法律に服すると云ふことに付きましては、關係方面でも認めて居るのであるけれども、實際なかなか是が行はれないのではないか、だから是等の點に付きまして關係方面により以上、何とか日本の命令に服するやうにと云ふことを指圖して貰ふやうに懇請する必要がありはしないかと云ふ質問も起つたのであります、之に對して政府當局は財産税とか、戰時補償特別税と云ふやうなものは、第三國人を含む聯合國人に對して課税は出來ないけれども、其の他の租税は第三國人は勿論、聯合國人全部に對して課税が出來る建前になつて居つて、是は關係方面とも了解濟であるが、今迄の處、税務當局の實力の問題で、それ等の調査がなかなか思ふやうに出來なかつたのは遺憾であるけれども、今度此の増加所得税を課税するに付きましては、税務當局は勿論、司法、内務兩方面とも協力して、斷乎として出來るだけ力を盡す積りである、結局此の問題は、税務關係の官吏二萬人が總動員して、又さつき申上げましたやうに、國民の有らゆる方面からの協力を得て、何とか是非やらなければならぬ問題であるからして、必ずやり遂げる積りであると云ふやうな答辯でありました、尚此の新圓の所在を突き止めると云ふ問題に關聯しまして、此の増加所得税は個人に對する課税であるが、法人の増加所得は如何にするか、政府の説明に依りますと云ふと、法人税は事業年度毎に之を課税することになつて居るから、それで十分に捕捉は出來ると云ふ説明であるが、中には法人に名を藉りて、敢て幽靈會社とは言へないかも知れませぬけれども、法人に名を藉りて闇行爲をやつて居るやうな如何はしき向もあるのであるから、是等に付きましては、十分取締をやつて貰はなければならぬと云ふやうな意見も出たのであります、増加所得税の問題に付きましては是位に致しまして、次に有價證券の處分の調整等に關する法律案に付きまして、色々の問題が採上げられたのでございますが、最も重要だと思ひます一つの問題は、政府の考へ方に依りますと云ふと、此の調整法に依つて處分さるべき建前になつて居ります所の、所謂指定證券と云ふものは、百八十萬圓以上に上つて、我が國の全國の會社の拂込濟資本金の約四十五パーセントに達すると云ふやうな巨額のものである、之を政府の考としましては、經濟民主化の建前に於きまして、從業員に三分の一、地方の縁故者に三分の一、殘りの三分の一を健全なる一般大衆に分布して、さうして有價證券を廣く分布すると云ふ建前は誠に結構であるけれども、今申上げましたやうに、今後新しく有價證券を持たせようと云ふやうな階級は、從來斯う云ふ有價證券などと云ふものには馴染の薄い階級であるからして、是等の新投資階層を如何にして育成して行くかと云ふことに付きましての具體的の方策がなければ、漫然さう云ふ風にやりたいと云ふだけでは、其の目的が達しられないのではないか、更に又我々が有價證券を持つ時の前提條件として最も大切なことは、有價證券の價値が安定して居ると云ふことである、さうして有價證券の價値の安定の前提條件としては、會社の資産内容が確立しなければならない、然るに會社の資産内容を確立するに最も重大な關係を持つて居る所の、企業再建整備法の資産評價の基準と云ふものが今日まだ決定されて居らぬし、又同時に、同法關係の未拂込株金の徴收と云ふ問題も決つて居ない、さう云ふ大事な所が決つて居ない限り、有價證券の處分と云ふことは言ふべくして行はれないではないかと云ふ質問がありました、之に對しまして政府は、誠に御尤もなことである、評價基準の決定は出來るだけ早くやりたいと思つて、目下關係方面とも極力折衝中であるから、出來るだけ早い機會に於て之を決定して、有價證券の此の處分の調整法で狙つて居る所の、證券を廣く大衆に分布して、さうして經濟民主化が實現するやうに努力する積りであると云ふやうな説明でありました、其の次には一般會計の歳出の財源に充てるための公債發行に關する件、竝に帝國鐵道又は通信事業の特別會計の經費の支辨のための借入金等に關する法律の一部改正竝に政府の契約の特例に關する法律案等に付きましても、色々重要な質疑があつたのでございますが、それは討論の場合に質疑の内容に觸れての討論がございましたので、便宜上、其の内容の一部分は討論の御説明を申上げます時に讓りまして、此處には質疑の御話は省略させて戴きます、以上のやうな經過を以ちまして質疑を終りまして、討論に入りました處が、一委員の方からは、増加所得税は專ら闇所得の利得者を徹底的に捕捉して、さうして之に課税せむとするのであるからして、此の税法の運用がうまく行つたならば、一方に於ては、今國民の道義心が廢れて居るのも、之を防止する一つの助けにもなるだらうし、又之に依つて闇所得を徹底的に追及することが出來るならば、善良なる多數の國民は、此の法を大いに歡迎するであらうと思はれるであらうけれども、所謂闇所得の追及、捕捉と云ふことは、單に此の法律だけでうまく行はれるものではないからして、政府は言明された通りに、如何にして此の闇の所得を捕捉するかと云ふことに付ては、出來るだけ力を盡して萬全を期して戴きたい、尚又、財産税法の六十四條にあります所の、所謂密告制度と云ふやうなものは、財産税法の規定としてはどうも相應しくない規定のやうに思はれるけれども、此の増加所得税のやうに、闇所得を追及すると云ふ法律には、密告制度があつてこそ然るべきものだと思ふのに、是がないのは何となく片手落のやうな感がする、それは兎に角として、先に申上げましたやうに、此の増加所得税に依りまして闇所得の追及を徹底的にやつて、さうして所期の目的を達するやうに、是非政府に十分の努力をして貰ひたいと云ふことを強調して、自分は此の法案以下四つの法案に對して贊成の意を表するものであると云ふ討論がございました、更に又他の委員からは、増加所得税法が所謂新圓階級の闇所得を課税の對象として居ると云ふことは、前の討論者の言はれた通りであつて、之を徹底的にやることは大いに贊成なのであるけれども、是は頗るむづかしい問題であつて、一歩を誤ると云ふと苛斂誅求に陷つて、結局正直者が馬鹿を見て、不正直者が得をする、さうして國民の怨嗟を捲き起すと云ふやうな結果になる虞が多分にあるからして、それ等の點に付ては十分注意をして貰ひたい、尚又財産税と増加所得税が二重課税になるのではないかと云ふ點に付て、質疑の際に色々議論が鬪はされたのであるけれども、政府は課税の對象が違ふから、税の理論上は二重課税にはならない、又所得税と財産税が同時に之を納めなければならぬやうな場合に於ては、極めて例外的には、一年間の收入以上に、兩方の税の合算額になると云ふことも、是は已むを得ないのであると云ふ説明もあつたのであるが、斯くの如きは餘りに徴税第一主義の言ひ方ではないか、殊に財産税の如きは非常な重税であつて、唯國民は我が國の現下の財政の現状に顧みて、堪へ難きを忍んで此の税を拂つて、國の爲に御奉公をしようと云ふ覺悟を決めて居るのであるからして、是等の財産税なり増加所得税の運用に付ては、當局も出來るだけ温い氣持を持つて、餘りに理窟一點張りにならぬやうに、適當な運營をやつて貰ひたいと云ふことを是非希望したい、それから有價證券の處分の調整に付きましては、先程もちよつと申上げましたやうに、資産の評價基準の決定を出來るだけ急がなければ、結局多額の有價證券の處分は出來ないからして、之を是非早くやる必要があると思ふ、更に又政府の契約の特例、所謂進駐軍關係の工事の問題に付きましては、我が國の現状に於きまして、進駐軍の占領目的の達成の爲には出來るだけのことをし、官民共出來るだけのことを忍ぶと云ふことは勿論のことであるけれども、進駐軍關係の工事の現状が、今迄のやうな有樣で進むならば、國の財政は破滅の局面に達しないとも限らないし、又極めて窮迫せる資材が此の方面に專ら用ひられると云ふことになれば、延いては産業の再建も出來ない虞もないとしない、是等の問題に對する政府當局の苦衷は十分諒察するけれども、我が國の財政の現状、資材の窮迫せる實情を能く關係方面に説明して、進駐軍關係の工事に付きましての、どうしてもなければならぬ資材のやうな物は、之を輸入する途を講ずる等、此の上十分なる努力なり善處を要望したい、又國債の發行に付きましても、是以上多額の國債が發行されて、之を一般市場に消化を求めると云ふことが果して可能であらうかどうか、大藏大臣の度々の御説明はあるけれども、インフレの昂進、物價の昂騰と云ふやうなことは現實の事實であるのであるから、是等の點に付きましても、一層の善處を要望しなければならない、以上申上げましたやうに、是等の諸法案に付きましては、政府の説明なり考なりに全部無條件に承服し得ない點は若干あるし、又今後の善處なり希望なりを強く要望しなければならぬ點もあると思ふけれども、我が國の財政の現状に鑑みまして、孰れも緊急已むを得ざる法案と思ふから、今申上げましたやうな點に付きまして政府の考慮を促して、此の法案に贊成すると云ふやうな討論もあつたのであります、更に又第三の委員の方は、有價證券の處分の調整に付きまして、此の方の極めて堪能なる所の業者の完全なる協力を求めて、それに依つて證券の處分は實行すると云ふことであるからして、此の意味に於て證券の處理の法案に自分は贊成すると云ふやうな發言もあつたのであります、以上のやうな討論がございました後に採決に入りまして、増加所得税法案以下四法案は政府提出の原案通りに可決すべきものと決定致しました、次に衆議院提出の戰時補償特別措置法に付きまして、御説明申上げます、此の法律の改正の要點は同法の十二條の第一項に、現行規定に依りますと云ふと、公益法人又は非營利法人又は團體が戰爭火災保險の契約に依りまして、戰爭保險の請求權を持つて居ります場合に、命令の定むる所に依りまして、其の戰時補償特別税の減免を受け得ることになつて居るのであります、併しながら戰爭保險に對する課税の減免だけでは、それ等の法人の負擔が餘りに重くなつて、將來立ち行かないと云ふ事例が澤山あるからして、更にそれに附加へまして、強制疎開に依る建物に對する補償金或は建物の賣却代金に對する請求權に對しても、戰爭火災保險契約の請求權に對してすると同じやうに、戰時補償特別税の減免をすることが出來ると云ふ規定を附加へたいと云ふのが十二條の政正の要點であります、それと共に是等の課税の減免は、今年の十二月十五日迄に申告しなければならぬことになつて居りますからして、今日、今申上げました改正をやりますと云ふと、既に強制疎開の建物に對する補償金の請求權に付きましては、今迄の規定に依りまして戰時補償特別税を既に納付濟になつて居るものがあるからして、此の改正法律が成立しましたならば、それを遡つて納税額に相當する所の金額を還付することを附則に於て規定をしたいと云ふのが衆議院提出の改正案の要點でありまして、さうして此の改正には政府も同意されると云ふことであります以上、此の改正は極めて簡單明白なものでございましたから、之に對しては別段の質疑も討論もなく、全會一致を以て衆議院の提案の通り改正すべきものなりと議決を致しました譯であります、甚だ簡單に申上げまして、説明を急ぎました爲に、御分りにくい點も多多あつたかと存じます、又各委員の個個の質疑を逐一申上げることを省略致しまして、數人の方の御意見を纏めて申上げたと云ふやうな點もないとも限りませぬので、それ等に付きましては、折角熱心に御討議になりました委員の方に對しては、相濟まぬやうに思ひますけれども、以上簡單に申上げまして、私の報告を終らせて戴きます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=54
-
055・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 別に御發言もなければ、六案の採決を致します、六案の第二讀會を開くことに御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=55
-
056・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=56
-
057・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第二讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=57
-
058・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=58
-
059・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=59
-
060・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=60
-
061・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 六案の第二讀會を開きます、御異議がなければ、全部を問題に供します、六案全部、委員長の報告通りで御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=61
-
062・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=62
-
063・西大路吉光
○子爵西大路吉光君 直ちに各案の第三讀會を開かれむことを希望致します発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=63
-
064・植村家治
○子爵植村家治君 贊成発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=64
-
065・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 西大路子爵の動議に御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=65
-
066・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます
――――◇―――――発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=66
-
067・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 六案の第三讀會を開きます、六案全部、第二讀會の決議通りて御異議ございませぬか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=67
-
068・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 御異議ないと認めます、是にて議事日程は全部終了致しましたが、國會法案の特別委員會が尚開會中でございますから、暫時休憩致します
午後二時三十二分休懇
――――◇―――――
午後五時四十五分開議発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=68
-
069・徳川家正
○議長(公爵徳川家正君) 休憩前に引續き會議を開きます、國會法案の審査が結了致しませぬ、從つて、審議すべき議案がございませぬから、是にて散會致します
午後五時四十六分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009103242X01219461225&spkNum=69
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。