1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十一年十二月十九日(木曜日)
午後一時四十八分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第十二號
昭和二十一年十二月十九日
午後一時開議
第一 議院法の特例に關する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第二 參議院議員選擧法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
第三 衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
〔朗讀を省略した報告〕
一、政府から提出された議案は次ぎの通りである。
(改第二號)昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案
(改第三號)昭和二十一年度改定歳入歳出總豫算追加案
衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案
(以上十二月十八日提出)
一、昨十八日吉田内閣總理大臣から次ぎの通り發令があつた旨の通牒を受領した。
復員事務官 山本丑之助
第九十一囘帝國議會政府委員
一、昨十八日議長において次ぎの通り常任委員辭任の許可があつた。
第五部選出豫算委員 田中たつ君
一、昨十八日議長において次の委員を選定した。
國會法案(大野伴睦君外十九名提出)委員
加藤一雄君 木島義夫君
木村公平君 庄司一郎君
高橋英吉君 竹内茂代君
坂東幸太郎君 平岡良藏君
廣川弘禪君 本田英作君
亘四郎君 井上知治君
荊木一久君 太田秋之助君
古賀喜太郎君 齋藤てい君
鈴木明良君 西山冨佐太君
日比野民平君 宮原庄助君
淺沼稻次郎君 大矢省三君
中村高一君 細田綱吉君
細野三千雄君 森本義夫君
山花秀雄君 宇田國榮君
大橋喜美君 松本瀧藏君
松本六太郎君 井出一太郎君
久保猛夫君 鈴木憲一君
中野四郎君 高倉輝君
増加所得税法案(政府提出)委員
井田友平君 稻田直道君
今井はつ君 大井直之助君
河原田巖君 川西清君
神田博君 田中重彌君
田中實司君 西村久之君
松浦薫君 森曉君
天野久君 小池新太郎君
白木一平君 圖司安正君
原捨思君 舟崎由之君
細川八十八君 松岡運君
山口光一郎君 井上良次君
加藤鐐造君 佐竹晴記君
澁谷昇次君 島田晋作君
町田三郎君 松永義雄君
松本淳造君 赤澤正道君
駒井藤平君 二階堂進君
的場金右衞門君 井出一太郎君
久芳庄二郎君 疋田敏男君
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=0
-
001・山崎猛
○議長(山崎猛君) これより會議を開きます。日程第一、議院法の特例に關する法律案の第一讀會を開きます。幣原國務大臣。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=1
-
002・会議録情報2
――――◇―――――
第一 議院法の特例に関する法律案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
議院法の特例に関する法律案
今期の帝國議会において両議院の議決を経た議案については、議院法第三十二條の規定は、これを適用しない。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
━━━━━━━━━━━━━
〔國務大臣男爵幣原喜重郎君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=2
-
003・幣原喜重郎
○國務大臣(男爵幣原喜重郎君) 只今上程に相なりました議院法の特例に關する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
御承知の通り兩議院の議決を經た議案で、裁可せられましたるものは、議院法第三十二條の規定によりまして、次ぎの會期までに公布せられなければならぬということになつております。しかるに今期の帝國議會閉會後、引き續いて通常議會が召集せられることになつているのであります。從つて閉會間際に兩院の議決を經ました議案等は、その公布の手續きを考えてみますると、次ぎの會期までに公布を了しまることは、事實上不可能に終る場合も豫想し得られるのでありますから、この特別法案を立案いたした次第であります。何とぞ御審議の上御協贊あらんことを希望いたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=3
-
004・山崎猛
○議長(山崎猛君) 本案の審査を付託すべき委員の選擧についておはかりいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=4
-
005・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は大野伴睦君外十九名提出國會委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=5
-
006・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=6
-
007・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
日程第二、参議院議員選挙法案の第一讀會を開きます。大村内務大臣。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=7
-
008・会議録情報3
――――◇―――――
第二 参議院議員選挙法案(政府提出、貴族院送付) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
参議院議員選挙法案
参議院議員選挙法目次
第一章 総則
第二章 選挙権及び被選挙権
第三章 選挙
第四章 投票
第五章 開票
第六章 選挙会及び選挙分会
第一節 地方選出議員の選挙会
第二節 全國選出議員の選挙分会及び選挙会
第一款 選挙分会
第二款 選挙会
第七章 議員候補者及び当選人
第一節 地方選出議員の議員候補者及び当選人
第二節 全國選出議員の議員候補者及び当選人
第八章 議員の任期及び補欠
第九章 訴訟
第十章 選挙運動
第十一章 罰則
第十二章 補則
附則
別表
参議院議員選挙法
第一章 総則
第一條 参議院議員の定数は、二百五十人とし、そのうち、百五十人を地方選出議員、百人を全國選出議員とする。
地方選出議員は、各選挙区において、これを選挙する。その選挙区及び各選拳区において選挙すべき議員の数は、別表でこれを定める。
全國選出議員は、全都道府縣の区域を通じて、これを選挙する。
第二條 投票区及び開票区は、衆議院議員の選挙の投票区及び開票区による。
第二章 選挙權及び被選挙權
第三條 衆議院議員の選挙權を有する者は、参議院議員の選挙權を有する。
第四條 日本國民で年齢三十年以上の者は、挙議院議員の被選挙權を有する。
第五條 禁治産者及び準禁治産者並びに懲役又は禁錮の刑に せられその執行を終り又は執行を受けることがなくなるまでの者は、被選挙權を有しない。
第六條 全國選出議員選挙管理委員、都議会議員選挙管理委員、道府縣会議員選挙管理委員及び市町村会議員選挙管理委員、全國選出議員選挙管理委員会、都議会議員選挙管理委員会、道府縣会議員選挙管理委員会及び市町村会議員選挙管理委員会の書記、投票管理者、開票管理者、選挙分会長及び選挙長並びに選挙事務に関係のある官吏及び吏員は、その関係区域内においては、被選挙權を有しない。
第七條 在職の裁判官、檢察官、会計檢査官、收税官吏及び警察官吏は、被選挙權を有しない。
第八條 衆議院議員と兼ねることのできない職にある者は、参議院議員とも兼ねることができない。
第三章 選挙
第九條 通常選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内にこれを行う。
前項の規定により通常選挙を行うべき期間が參議院開会中又は参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、通常選挙は、參議院閉会の日から三十一日以後三十五日以内にこれを行う。
通常選挙の期日は、少くとも三十日前にこれを公示しなければならない。
第十條 選挙は、投票によりこれを行う。
第十一條 参議院議員の選挙には、衆議院議員選挙人名簿を用いる。
第十二條 地方選出議員の選挙に関する事務は、都議会議員選挙管理委員会及び道府縣会議員選挙管理委員会が、これを管理する。
都議会議員選挙管理委員会及び道府縣会議員選挙管理委員会は、地方選出議員の選挙に関する事務については、市町村会議員選挙管理委員会を指揮監督する。
第十三條 全國選出議員の選挙に関する事務を管理させるため、全國選出議員選挙管理委員会を置く。
全国選出議員選挙管理委員会は、内務大臣の所轄とし、全國選出議員選挙管理委員十人を以てこれを組織する。
第十四條 全國選出議員選挙管理委員は、参議院においてその議員の中からこれを選挙する。
委員の任期は、三年とする。但し、補欠委員の任期は、その前任者の残任期間とする。
第十五條 全國選出議員選挙管理委員会は、全國選出議員の選挙に関する事務については、都議会議員選挙管理委員会及び道府縣会議員選挙管理委員会を指揮監督する。
都議会議員選挙管理委員会及び道府縣会議員選挙管理委員会は、全國選出議員の選挙に関する事務については、市町村会議員選挙管理委員会を指揮監督する。
第十六條 全國選出議員選挙管理委員会は、委員の中から委員長一人を選挙しなければならない。
委員長は、委員会に関する事務を総理し、委員会を代表する。
第十七條 全國選出議員選挙管理委員会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。
委員会の議事は、委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。
第十八條 全國選出議員選挙管理委員会に書記を置き、委員長の指揮を受け、委員会に関する事務に從事させる。
書記は、委員長がこれを任免する。
第十九條 この法律及びこれに基いて発する命令に規定するものの外、全國選出議員選挙管理委員会に関し必要な事項は、委員会がこれを定める。
第四章 投票
第二十條 投票は、地方選出議員及び全國選出議員ごとに一人一票に限る。
第二十一條 投票管理者は、参議院議員の選挙権を有する者の中から市町村会議員選挙管理委員会の選任した者を以て、これに充てる。
地方選出議員の選挙と全國選出議員の選挙を同時に行う場合においては、市町村会議員選挙管理委員は、地方選出議員の投票管理者を同時に全國選出議員の投票管理者とすることができる。
投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
第二十二條 市町村会議員選挙管理委員会は、各投票区における選挙人名簿に記載された者の中から、本人の承諾を得て、五人乃至九人の投票立会人を選任しなければならない。
前項の規定による投票立会人が三人に達しなくなつたとき、又は投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になつても三人に達しないとき若しくはその後三人に達しなくなつたときは、投票管理者は、その投票区における選挙人名簿に記載された者の中から三人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、投票に立ち会わしめなければならない。
地方選出議員の選挙と全國選出議員の選挙を同時に行う場合においては、市町村会議員選挙管理委員会又は投票管理者は、地方選出議員の投票立会人を同時に全國選出議員の投票立会人とすることができる。
投票立会人は、正当の理由がなければ、その職を辞することができない。
第二十三條 選挙人は、投票所において、投票用紙に、地方選出議員又は全國選出議員の選挙につき、自ら議員候補者一人の氏名を記載して投票箱に入れなければならない。
投票用紙には、選挙人の氏名を記載することができない。
第二十四條 投票の拒否は、投票立会人がこれを決定する。可否同数のときは、投票管理者がこれを決する。
前項の決定を受けた選挙人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。
前項の投票は、選挙人をして、これを封筒に入れて封をし表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。
投票管理者又は投票立会人において異議のある選挙人についてもまた前二項と同樣とする。
第二十五條 島その他交通不便の地について、投票の当日に選挙箱を送致することができない情況があると認めるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録及び選挙人名簿を送致させることができる。
第二十六條 天災その他避けることのできない事故に因り投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、投票管理者は、選挙長(全國選出議員の選挙については選挙分会長)を経て都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。この場合においては、委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。但し、その期日は、少くとも五日前にこれを告示しなければならない。
第二十七條 通常選挙、第六十二條若しくは第六十八條又は第七十一條の選挙を同時に行う場合においては、地方選出議員又は全國選出議員の選挙ごとに、一の選挙を以て合併してこれを行う。
第二十八條 この法律及びこれに基いて發する命令に規定するものの外、投票については、衆議院議員の選挙の投票の例による。
第五章 開票
第二十九條 開票管理者は、参議院議員の選挙権を有する者の中から市町村会議員選挙管理委員会が選任した者を以て、これに充てる。
地方選出議員の選挙と全國選出議員の選挙を同時に行う場合においては、市町村会議員選挙管理委員会は、地方選出議員の開票管理者を同時に全國選出議員の開票管理者とすることができる。
開票管理者は開票に関する事務を担任する。
第三十條 第二十二條の規定は、開票立会人にこれを準用する。
第三十一條 開票は、投票の当日又はその翌日(一開票区に数投票区があるときは、すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日)にこれを行う。
第三十二條 開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、先ず第二十四條第二項及び第四項の規定による投票を調査しなければならない。その投票を受理するかどうかは、開票立会人がこれを決定する。可否同数のときは、開票管理者がこれを決する。
開票管理者は、開票立会人とともに、市町村その他都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の定める区域ことに、投票を点檢しなければならない。
投票の点檢が終つたときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長(全國選出議員については選挙分会長)に報告しなければならない。
第三十三條 投票の効力は、開票立会人がこれを決定する。可否同数のときは、開票管理者がこれを決する。
第三十四條 左の投票は、これを無効とする。
一 成規の用紙を用いないもの
二 議員候補者でない者の氏名を記載したもの
三 一投票中に二人以上の議員候補者の氏名を記載したもの
四 被選挙権のない議員候補者の氏名を記載したもの
五 議員候補者の氏名の外、他事を記載したもの、但し、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
六 議員候補者の氏名を自書しないもの
七 議員候補者の何人を記載したかを確認し難いもの
八 参議院議員の職にある者の氏名を記載したもの
前項第八号の規定は、第六十二條若しくは第六十八條又は第七十一條の選挙の場合にこれを適用する。
第一項第八号の規定は、通常選挙の場合において、在任期間の長い地方選出議員又は全國選出議員たる参議院議員の職にある者の氏名を記載した投票にも、また、これを適用する。
第三十五條 開票管理者は、開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともに、これに署名しなければならない。
第三十六條 投票は、有効無効を区別し、投票録及び開票録と併せて、市町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第三十七條 第二十六條本文の規定は、開票にこれを準用する。
第三十八條 この法律及びこれに基いて発する命令に規定するものの外、開票については、衆議院議員の選挙の開票の例による。
第六章 選挙会及び選挙分会
第一節 地方選出議員の選挙会
第三十九條 選挙長は、参議院議員の選挙権を有する者の中から都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の選任した者を以て、これに充てる。
選挙長は、選挙会に関する事務を担任する。
第四十條 選挙会は、都道府縣廳又は選挙長の指定した場所でこれを開く。
第四十一條 第二十二條の規定は、選挙立会人にこれを準用する。
第四十二條 選挙長は、すべての開票管理者から第三十二條第三項の報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査しなければならない。
選挙の一部が無効となり更に選挙を行つた場合において、第三十二條第三項の報告を受けたときは、選挙長は、前項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
第四十三條 選挙長は、選挙録を作り、選挙会に関する次第を記載し、選挙立会人とともに、これに署名しなければならない。
選挙録は、第三十二條第三項の報告に関する書類と併せて、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第四十四條 第二十六條本文の規定は、選挙会にこれを準用する。
第四十五條 この法律及びこれに基いて発する命令に規定するものの外、選挙会については、衆議院議員の選挙の選挙会の例による。
第二節 全國選出議員の選挙分会及び選挙会
第一款 選挙分会
第四十六條 選挙分会は、都道府縣廳又は選挙分会長の指定した場所でこれを開く。
第四十七條 第四十八條において準用する第四十二條の規定による調査が終つたときは、選挙分会長は、選挙録の写を添えて、直ちにその結果を選挙長に報告しなければならない。
第四十八條 前二條に規定するものの外、選挙分会については、前節の規定を準用する。
第二款 選挙会
第四十九條 選挙長は、参議院議員の選挙権を有する者の中から全國選出議員選挙管理委員会の選任した者を以て、これに充てる。
選挙長は、選挙会に関する事務を担任する。
第五十條 選挙会は、選挙長の指定した場所でこれを開く。
第五十一條 選挙長は、すべての選挙分会長から第四十七條の報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査しなければならない。
選挙の一部が無効となり更に選挙を行つた場合において、第四十七條の報告を受けたときは、選挙長は、前項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
第五十二條 選挙長は、選挙録を作り、選挙会に関する次第を記載し、選挙立会人とともに、これに署名しなければならない。
選挙録は、第四十七條の報告に関する書類と併せて、全國選出議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第五十三條 第四十一條、第四十四條及び第四十五條の規定は、選挙会についてこれを準用する。
第七章 議員候補者及び当選人
第一節 地方選出議員の議員候補者及び当選人
第五十四條 議員候補者となろうとする者は、選挙の期日の公示又は告示のあつた日から選挙の期日前二十日までに、その旨を選挙長に届け出なければならない。
選挙人名簿に記載された者が他人を議員候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項の期間内に、その推薦の届出をすることができる。
前二項の期間内に届出のあつた議員候補者がその選挙における議員の定数を超える場合において、その期間を経過した後、議員候補者が死亡し又は議員候補者たることを辞したときは、前二項の例により、選挙の期日前十日まで、議員候補者の届出をなし又はその推薦届出をすることができる。
一の選挙区において議員候補者となつた者は、他の選挙区においては、議員候補者の届出をなし、又はその推薦届出を承諾することができない。
全國選出議員の議員候補者となつた者は、地方選出議員の議員候補者の届出をなし、又はその推薦届出を承諾することができない。
議員候補者は、選挙長に届出をしなければ、議員候補者たることを辞することができない。
第一項乃至第三項及び前項の届出があつたとき、又は議員候補者の死亡したことをしつたときは、選挙長は、直ちにその旨を告示しなければならない。
第五十五條 議員候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、議員候補者一人につき、五千圓又はこれに相当する額面の國債証書を供託しなければならない。
議員候補者の得票数が通常選挙における当該選挙区内の議員の定数を以て有効投票の総数を除して得た数の十分の一に達しないときは、前項の供託物は、國庫に帰属する。
前項の規定は、議員候補者が選挙の期日前十日以内に議員候補者たることを辞した場合にこれを準用する。但し、被選挙權を有しなくなつたため議員候補者たることを辞したときは、この限りでない。
第五十六條 有効投票の最多数を得た者を以て当選人とする。但し、通常選挙における当該選挙區内の議員の定数を以て有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票がなければならない。
在任期間を異にする議員の選挙を合併して行つた場合においては、前項但書の得票者の中で得票の最も多い者から、順次に在任期間の長い議員の当選人を定めなければならない。
当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじでこれを定める。
第七十三條の規定による訴訟結果、更に選挙を行わないで当選人を定めることができる場合においては、選挙会を開き、これを定めなければならない。
当選人が当選を辞したとき、死亡者であるとき、又は第五十七條の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会を開き、第一項但書の得票者で当選人とならなかつた者の中から当選人を定めなければならない。
第六十二條第一項第五号及び第六号の事由が第六十一條の期限前に生じた場合において第一項但書の得票者があるとき、又はその期限経過後に生じた場合において第三項の規定の適用を受けた得票者があるときは、選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。
第二項の規定は、在任期間を異にする議員の選挙を合併して行つた場合の当選人について前三項の事由が同時に又は引き続いて生じた場合にこれを準用する。
第四項乃至第六項の場合において、第二項但書の得票者で当選人とならなかつた者が選挙の期日後において被選挙權を有しなくなつたときは、これを当選人と定めることができない。
第五十七條 当選人は、選挙の期日後において被選挙權を有しなくなつたときは、当選を失う。
第五十八條 第五十四條第二項乃至第三項の規定による届出があつた議員候補者がその選挙における議員の定数を超えないときは、その選挙区においては、投票は、これを行わない。
前項の規定により投票を行わないこととなつたときは、選挙長は直ちにその旨を投票管理者に通知し、併せてこれを告示し、且つ、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に報告しなければならない。
投票管理者が前項の通知を受けたときは、直ちにその旨を告示しなければならない。
第一項の場合においては、選挙長は、選挙の期日から五日以内に選挙会を開き、議員候補者を以て当選人と定めなければならない。
在任期間を異にする議員の選挙を合併して行つた場合において、第一項の規定の適用があるときは、くじにより、いずれの議員候補者を以て在任期間の長い議員の選挙の当選人とするかを定めなければならない。
前二項の場合において、議員候補者の被選挙權の有無は、選挙立会人がこれを決定する。可否同数のときは、選挙長がこれを決する。
第五十九條 当選人が定まつたときは、選挙長は、直ちに当選人に当選の旨を告知し、同時に当選人の氏名を告示し、且つ、当選人の氏名及び得票数、その選挙における有効投票の総數その他選挙の次第を都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に報告しなければならない。
当選人がないとき、又は当選人がその選挙における議員の定数に達しないときは、選挙長は、直ちにその旨を告示し、且つ、これを都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に報告しなければならない。
第六十條 当選人は、当選の告知を受けたときは、その当選を承諾するかどうかを都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に届け出なければならない。
第六十一條 当選人が当選の告知を受けた日から十日以内に当選承諾の届出をしないときは、その当選を辞したものとみなす。
第六十二條 在任期間を同じくする議員の選挙について左に掲げる事由の一が生じた場合においては、更に選挙を行わないで当選人を定めることができるときを除く外、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、選挙の期日を定め、少くとも三十日前にこれを告示し、更に選挙を行わしめなければならない。但し、同一人に関し左に掲げるその他の事由により又は第七十一條の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
一 当選人がないとき、又は当選人がその選挙における議員の定数に達しないとき
二 当選人が当選を辞したとき、又は死亡者であるとき
三 当選人が第五十七條の規定により当選を失つたとき
四 第七十三條の規定による訴訟の結果、当選人がなくなり又は当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたとき
五 選挙運動を総括主宰した者が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選人の当選が無効となつたとき
六 当選人が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選が無効となつたとき
第七十三條の規定による訴訟の出訴期間は、前項の規定による選挙を行うことができない。その出訴があつた場合において訴訟が裁判所にかかつている間もまた同樣とする。
第一項の選挙の期日は、第七十三條の規定による訴訟の出訴期間満了の日、その出訴があつた場合においては都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会が第七十五條の規定による通知を受けた日から三十五日を超えることができない。
第一項各号の一に該当する事由が議員の任期が終る前六箇月以内に生じたときは、同項の選挙は、これを行わない。
第六十三條 当選人が、当選を承諾したときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、直ちにこれに当選証書を付與し、その氏名を告示し、且つ、都道府縣の長を経てこれを内務大臣に報告しなければならない。
第六十四條 第九章の規定による訴訟の結果選挙若しくは当選が無効となつたとき、又は当選人が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選が無效となつたときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
第二節 全國選出議員の議員候補者及び当選人
第六十五條 地方選出議員の議員候補者となつた者は、全國選出議員の議員候補者の届出をなし、又はその推薦届出を承諾することができない。
第六十六條 議員候補者の得票数が通常選挙における議員の定数を以て有効投票の総数を除して得た数の十分の一に達しないときは、第六十九條において準用する第五十五條の規定による供託物は、國庫に帰属する。
第六十七條 有効投票の最多数を得た者を以て当選人とする。但し、通常選挙における議員の定数を以て有効投票の総数を除して得た数の八分の一以上の得票がなければならない。
第六十八條 在任期間を同じくする議員の選挙について、第六十二條第一項各号に相当する事由の一が生じた場合において、更に選挙を行わないで当選人を定めることができず、又は更に選挙を行わないで当選人を定めてもなお、当選人の不足数が、第七十條第一項にいう議員の欠員の数を通じて通常選挙における議員の定数の四分の一を超えるに至つたときは、全國選出議員選挙管理委員会は、選挙の期日を定め、少くとも三十日前にこれを告示し、更に選挙を行わしめなければならない。但し、同一人に関し他の事由により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
在任期間を同じくする議員の選挙の当選人の不足数が第七十一條第一項にいう議員の欠員の数と通じて通常選挙における議員の定数の四分の一を超えなくても、在任期間を異にする議員の選挙が行われる場合においては、前項の規定にかかわらず、その選挙と同時に
更に選挙を行う。但し、在任期間を異にする議員の選挙の期日の告示があつた後前項の事由を生じたときは、この限りでない。
前項の選挙の期日は、在任期間を異にする議員の選挙の期日による。
第六十二條第二項乃至第四項の規定は、第一項及び第二項の場合にこれを準用する。
第六十九條 第五十四條第一項乃至第三項、第六項及び第七項、第五十五條第一項及び第三項、第五十六條第二項乃至第八項、第五十七條乃至第六十一條、第六十三條並びに第六十四條の規定は、全國選出議員の議員候補者及び当選人にこれを準用する。但し、第五十五條第三項中「前項」とあるのは「第六十六條」、第五十六條第五項、第六項及び第八項中「第一項但書」とあるのは「第六十七條但書」、同條第六項中「第六十二條第一項第五号及び第六号」とあるのは「第六十八條」、第五十八條第二項、第五十九條、第六十條、第六十三條及び第六十四條中「都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会」とあるのは「全國選出議員選挙管理委員会」と読み替えるものとする。
第八章 議員の任期及び補欠
第七十條 議員の任期は、前の通常選挙による議員の任期満了の日の翌日から、これを起算する。但し、通常選挙が前の通常選挙による議員の任期満了の日の翠日後に行われたときは、通常選挙の期日からこれを起算する。
第七十一條 在任期間を同じくする議員の欠員については、その欠員の数が(全國選出議員についてはその数が第六十八條第一項にいう当選人の不足数と通じて)通常選挙における当該選挙区内の議員の定数の四分の一(全國選出議員については通常選挙における議員の定数の四分の一)を超えるまでは、補欠選挙は、これを行わない。
議員に欠員を生じたときは、内務大臣は、参議院議長からその旨の通知を受けた日から五日以内に、都道府縣の長を経て都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)にその旨を通知しなければならない。
都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)は、前項の規定による通知を受けたときは、その欠員となつた議員が第六十一條の期限前において欠員となつた者である場合において第五十六條第一項但書(全國選出議員については第六十七條但書)の得票者で当選人とならなかつたものがあるとき、又はその期限経過後において欠員となつた者である場合において第五十六條第三項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがあるときは、直ちに議員が欠員となつた旨を選挙長に通知しなければならい。
選挙長は、前項の規定による通知を受けた日から二十日以内に、第五十六條第三項及び第五項乃至第八項の規定を準用して当選人を定めなければならない。
都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)は、第二項の規定による通知を受けた場合において第三項の規定の適用があるとき及び同一人に関し第六十二條(全國選出議員については第六十八條)の規定により更に選挙の期日を告示したときを除く外、在任期間を同じくする議員の欠員の数が(全國選出議員についてはその数が第六十八條第一項にいう当選人の不足数と通じて)通常選挙における当該選挙区内の議員の定数の四分の一(全國選出議員については通常選挙における議員の定数の四分の一)を超えるのを待ち、最後に第二項の規定による通知を受けた日から三十五日以内に、補欠選挙を行わしめなければならない。
在任期間を同じくする議員の欠員の数が(全國選出議員についてはその数が第六十八條第一項にいふ当選人の不足数と通じて)通常選挙における当該選挙区内の議員の安数の四分の一(全國選出議員については通常選挙における議員の定数の四分の一)を超えなくても、在任期間を異にする議員の選挙(地方選出議員については第六十二條の選挙を含む。以下これに同じ。)が行われる場合においては、第一項及び前項の規定にかかわらず、その選挙と同時に補欠選挙を行う。但し、在任期間を異にする議員の選挙の期日の告示があつた後、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)が第二項の規定による通知を受けたときは、この限りでない。
前項の補欠選挙の期日は、在任期間を異にする議員の選挙の期日による。
補欠選挙の期日は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については、全國選出議員選挙管理委員会)が少くとも三十日前に、これを告示しなければならない。
第六十二條第二項乃至第四項(全國選出議員については第六十八條第四項)の規定は、補欠選挙にこれを準用する。
第七十二條 補欠議員は、その前任者の残任期間在任する。
第九章 訴訟
第七十三條 選挙又は当選の効力に関しては、衆議院議員の選挙又は当選の効力に関する訴訟の例により、訴訟を提起することができる。但し、全國選出議員の選挙については、選挙の効力に関する訴訟及び当選の効力に関する訴訟の中で第六十七條但書に定めた得票に達したとの理由、第六十九條において準用する第五十六條第八項若しくは第五十七條の規定に該当しないとの理由又は第六十九條において準用する第五十八條第六項の決定が違法であるとの理由で出訴するものは、全國選出議員選挙管理委員会の委員長を被告としなければならない。
第七十四條 檢察官は、選挙運動を総括主宰した者が衆議院議員の選挙に関する罰則の準用により刑に処せられ関係当選人の当選を無効であると認めるときは、公訴に附帶し当選人を被告として訴訟を提起しなければならない。
第七十五條 前二條の規定による訴訟については、衆議院議員の選挙に関するこれらに相当する訴訟の例による。但し、これらの訴訟に関する通知は、全國選出議員については内務大臣及び全國選出議員選挙管理委員会にこれをしなければならない。
第十章 選挙運動
第七十六條 第六條に掲げる者は、その関係区域内における選挙運動をすることができない。
第七十七條 本章において選挙運動の費用とは、衆議院議員の選挙における選挙運動の費用で衆議院議員選挙法の規定による選挙運動の費用に相当するものをいう。
本章において選挙運動に関する收入とは、前項の費用に充てる目的で收受した金銭又は財産上の利益をいう。
前項の財産上の利益の評價については、衆議院議員選挙法に規定する選挙運動の費用に関する財産上の利益の評價の例による。
第七十八條 議員候補者又は推薦届出者は、衆議院議員の選挙における選挙運動の費用の支出に関する責任者の例により、選挙運動の費用の支出に関する責任者(以下支出責任者という。)を定めなければならない。
支出責任者の解任及び辞任、その職務の代行並びに支出責任者及びその職務を代行する者に関する届出については、衆議院議員の選挙におけるこれらの場合に関する例による。但し全國選出議員の議員候補者については、支出責任者及びその職務を代行する者に関する届出は、全國選出議員選挙管理委員会にこれをしなければならない。
第七十九條 支出責任者は、命令の定めるところにより、選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用を都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)に届け出なければならない。
第八十條 議員候補者を推薦し又は支持する政党その他の團体の主幹者は、命令の定めるところにより、選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用を、二以上の都道府縣の区域にわたり又は主たる事務所のある都道府縣以外の区域において議員候補者を推薦し又は支持する團体にあつては、その主たる事務所のある都道府縣の都議会議員選挙管理委臣員会又は道府縣会議員選挙管理委員会を経て内務大臣に、その他の團体にあつては、その主たる事務所のある都道府縣の都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に届け出なければならない。
前項の規定は、政党その他の團体の支部で議員候補者を推薦し又は支持するものにこれを準用する。
第八十一條 前二條の届出を受理したときは、内務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府縣会議員選挙管理委員会又は全國選出議員選挙管理委員会は、命令の定めるところにより、その届出の要旨を公表しなければならない。
第八十二條 第七十九條及び第八十條の規定による届出書類は、これを受理した内務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府縣会議員選挙管理委員会又は全國選出議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
前項の期間内においては、命令の定めるところにより、何人も、届出書類の閲覽を請求することができる。
第八十三條 内務大臣は、選挙運動のために掲示し又は頒布する文書図面の形式、数量、掲示の場所等に関して、命令で制限を設けることができる。
第十一章 罰則
第八十四條 第七十六條の規定に違反した者は、これを六箇月以下の禁錮又は三千圓以下の罰金に処する。
第八十五條 第七十八條第二項の規定による届出を怠つた者は、これを千圓以下の罰金に処する。
第八十三條の規定に基いて発する命令に違反した者も、また、前項と同樣とする。
第八十六條 第七十九條又は第八十條の規定による届出を怠り又は虚僞の届出をした者は、これを六箇月以下の禁錮又は三千圓以下の罰金に処する。
第八十七條 前三條に定めるものの外、参議院議員の選挙に関しては、衆議院議員の選挙に関する罰則を準用する。但し、全國選出議員の選挙における選挙分会長又は選挙分会場は、これを選挙長又は選挙会場とみなす。
第十二章 補則
第八十八條 全國選出議員選挙管理委員、投票管理者、開票管理者、選挙分会長又は選挙長は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第八十九條 選挙の施行に関する費用については、命令でこれを定める。
第九十條 学校その他命令で定める當造物の設備は、命令の定めるところにより、演説による選挙運動のためにその使用を許可しなければならない。
前項の當造物の管理者は、命令の定めるところにより、演説会開催のために必要な施設をしなければならない。
都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、命令の定めるところにより、議員候補者の氏名、経歴等を掲載した文書を発行しなければならない。
市町村会議員選挙管理委員会は、命令の定めるところにより、議員候補者の氏名等の掲示をしなければならない。
第九十一條 東京都の区の存する区域並びに市制第六條及び第八十二條第一項の市については、この法律中市会議員選挙管理委員会及び市会議員選挙管理委員に関する規定は区会議員選挙管理委員会及び区会議員選挙管理委員又は市会議員区選挙管理委員会及び市会議員区選挙管理委員に、市に関する規定は区にこれを適用する。
この法律の適用については、町村制第三十八條の町村の町村長選挙管理委員会及び町村長選挙管理委員は、これを町村会議員選挙管理委員会及び町村会議員選挙管理委員とみなす。
この法律の適用については、町村組合で町村の事務の全部又は役場事務の共同処理するものはこれを一町村、その組合会議員選挙管理委員会及び組合会議員選挙管理委員又は組合管理者選挙管理委員会及び組合管理者選挙管理委員はこれを町村会議員選挙管理委員会及び町村会議員選挙管理委員とみなす。
町村制を施行しない地においては、この法律中町村会議員選挙管理委員会に関する規定は、町村長に準ずべきものに、町村に関する規定は町村に準ずべきものにこれを適用する。
第九十二條 交通至難の島その他の地においてこの法律の規定を適用し難い事項については、命令で特別の規定を設けることができる。
第九十三條 この法律の施行に関し必要な規定は、命令でこれを定める。
附 則
第一條 この法律は、公布の日から、これを施行する。
第二條 破産者で復權を得ない者、貧困に困り生活のため公私の救助を受け又は扶助を受ける者、一定の住居を有しない者、又は刑の執行を終り若しくは執行を受けることがなくなつた者で衆議院議員の選挙權を有しない者(選挙に関する犯罪に因り刑に処せられた者を除く。)は當分の間、この法律の規定にかかわらず、參議院議員の選挙權を有する。
皇族及び華族の戸主は、當分の間、この法律の規定にかかわらず、選挙權を有する。
前二項の者について必要な選挙人名簿に関しては、命令でこれを定める。
第三條 在職の行政裁判所長官及び行政裁判所評定官は、日本國憲法施行までの間、この法律の規定にかかわらず、被選挙權を有しない。
第四條 第十四條中「参議院」とあるのほ、参議院が成立するに至るまでの間は、「衆議院」と読み替えるものとする。
第五條 第七十三條及び第七十四條の規定による訴訟に関する通知は、地方選出議員の選挙については、第七十五條の規定にかかわらず、当分の間、内務大臣及び関係都道府縣の長を経て都議会議員選挙管理委員会又は関係のある道府縣会議員選挙管理委員会に、これをしなければならない。
地方選出議員の選挙については、第七十三條の規定による選挙の効力に関する訴訟及び同條の規定による当選の効力に関する訴訟で第五十六條第一項但書の得票に達したとの理由、第五十六條第八項若しくは第五十七條の規定は該当しないとの理由又は第五十八條第六項の決定が違法であるとの理由で出訴するものは、当分の間、第七十三條の規定にかかわらず、都議会議員選挙管理委員会又は関係のある道府縣会議員選挙管理委員会の委員長を被告としなければならない。
第六條 第七十八條第二項の規定による支出責任者及びその職務を代行する者に関する届出は、地方選出議員の議員候補者については、当分の間、同項の規定にかかわらず、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に、これをしなければならない。
第七條 第八十七條の規定による当選人又は選挙運動を総括主宰した者が刑に処せられたときの通知は、当分の間、同條の規定にかかわらず、内務大臣及び関係都道府縣の長を経て都議会議員選挙管理委員会又は関係のある道府縣会議員選挙管理委員会に、これをしなければならない。
第八條 衆議院議員の選挙に関する罰則の準用については、第六條に掲げる者は、当分の間、これを吏員とみなす。
第九條 戸籍法の適用を受けない者の選挙權及び被選挙權は、当分の間、これを停止する。
第十條 この法律により初めて行う参議院議員の通常選挙は、詔書を以て定める日に、任期六年の議員の選挙と任期三年の議員の選挙を、一の選挙をもつて合併して、これを行う。
第十一條 この法律により初めて行う参議院議員の通常選挙については、第五十五條第二項及び第五十六條第一項但書中「通常選挙における当該選挙区内の議員の定数」とあるのは「当該選挙区内の議員の定数」、第六十六條及び第六十七條但書中「通常選挙における議員の定数」とあるのは「議員の定数」と読み替えるものとする。
第十二條 第一期の参議院議員については、その通常選挙が日本國憲法施行の日前に行われたときは、その選挙において選挙された者は、日本國憲法施行の日から議員となり、その任期は、その日からこれを起算するものとし、その通常選挙が日本國憲法施行の日以後に行われたときは、その任期は、通常選挙の日からこれを起算するものとする。
━━━━━━━━━━━━━
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=8
-
009・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今上程せられました參議院議員選擧法案につきまして、その提案の理由竝びに法案中主要な事柄の概略を御説明申し上げます。
日本國憲法におきましては、第一に、參議院議員は全國民を代表する選擧された議員であること、すなわち國民代表であること、第二に、議員及びその選擧人の資格は、人種、信條、性別、社會的身分、門地、教育、財産または收入によつて差別してはならないこと、すなわち平等選擧であること、第三に、參議院議員の任期は六年として、衆議院議員の任期よりも長期のものとし、かつ三年ごとに議員の半數を改選すること、第四に、參議院議員には解散のないこと等の基本的事項を明らかにしているのであります。
參議院議員選擧法において、參議院議員の組織及び選擧の方法を定むるに當りましては、新憲法のこれらの基本的事項に則りまして、新憲法の精神に最もよく合致する制度を採用しなければならないわけであります。しかして新憲法が、國權の最高機關であつて、國の唯一の立法機關である所の國會を構成するのに、衆議院及び參議院の兩院をもつてしておりますのは、けだし兩院制度を採用いたしまして、長短相補わしめるとともに、審議の愼重を期し、もつて國權の最高機關たる機能の發揮に遺憾なからしめようとしたものでありまして、この兩院制度の採用の趣旨に鑑み、參議院議員の選出方法には、衆議院議員とは異なつた方法をとりまして、兩院の構成をできるだけ異質的のものたらしめるべきであります。
參議院議員の組織につきましては、このような見地から、或は職能代表制を何らかの形において採用すべきものであるとし、或は兩院または一定の團體から推薦した一定數の候補者の中からこれを選擧する方法によるべきである等、各種の試案が各方面から提出されたのでありますが、これらの諸案を檢討いたしまして、これが採否を決するためには、新憲法の規定乃至新憲法の精神に何が最もよく適合するかを考慮する必要があることは、申すまでもない所であります。
職能代表制は、必ずしも新憲法の規定に違反するものではないと考えられますが、國民代表の制度といたしまして、職能代表制がはたして適當であるかどうかにつきましては、理論的に多少疑はしい點があるのみならず、職能代表制がよしんば國民代表制として適當なものであるといたしましても、現在のわが國におきましては、未だ職能組織の完備したものが存在しておりません。この不完全な職能組織の上に職能代表制を強行いたしますことは、不適當でありますとともに、はたして平等選擧の原則に適合するかどうか、なお疑問の餘地が存する次第であります。
次ぎに、兩院や一定の團體の推薦した候補者の中から選擧をいたします方法は、各部門、各職域の學識經驗ともに優れた人材を選擧し得る點におきまして、長所があるように思われるのでありますが、衆議院または政府推薦の方法をとりますならば、參議院の獨立性を害する恐れがありまして、適當でありません。また參議院の推薦の方法をとるといたしますれば、いわゆる自薦の弊に陷る危險があるのであります。その他に適當な推薦母體を發見することも困難であります。しかのみならず、かような候補者推薦の方法は、選擧人の候補者選擇の範圍を制限いたしますとともに、立候補を抑制することとも相なりますから、國民の自由に表明せられた意思をあくまで尊重しなければならない、いわゆる自由選擧の建前から見まして、はたして妥當であるかどうか疑わしいのであります。
このように考えて參りますと、參議院の組織をいかに定めるかの問題は、國民代表及び平等選擧竝びに自由選擧の原則と、參議院の獨立性確保の方針を堅持しながら、その範圍内におきまして、參議院の構成を衆議院とはできるだけ異質的なものたらしめるためには、いかにすればよいかということに歸着するのであります。結局主として被選擧人の年齡及び選擧區の構成につきまして、衆議院議員の選擧の場合と異ならしめることによりまして、その構成上の相違を實現して行くよりいたし方がないという結論に相なるわけであります。
以上の考え方に基づきまして、參議院議員選擧法におきましては、まず被選擧人の年齡を三十歳といたしまして、衆議院議員の被選擧年齡よりも五歳を高めることといたしたのであります。
次ぎに、參議院議員は地方選出議員と全國選出議員の二種類に區分いたしまして、地方選出議員は各都道府縣を一選擧區として選擧し、全國選出議員は全國を一選擧區として選擧することといたしたのであります。地方選出議員につきましては、原則として府縣の區域を一選擧區として選擧する衆議院議員との間に、選擧區構成上差異がないことになるのでありますが、第一に各選擧區において一時に選擧される議員の數が、衆議院の場合に比しまして參議院の方は遙かに少いことにいたしてありますから、同一選擧區から選出されましても、參議院議員と衆議院議員との間には、おのずから異なつた色彩を有することとなるものと期待されるのであります。第二に投票方法におきましても、衆議院議員の選擧における連記制に對しまして、參議院の場合には單記制を採用いたしておりますので、兩者おのずから異色を見せることになるものと考えられるのであります。全國選出議員は、全都道府縣を通じ、全國を一單位として選擧されるのでありますが、これは地域代表的な考え方を全然考慮に入れず、専ら學識經驗ともに勝れた、全國的な有爲有名な人材を簡拔することを主眼といたしますとともに、職能的知識經驗を有する者が選擧される可能性を生ぜしめることによりまして、職能代表制のもつております所の長所を取り入れんとする狙いをもつものであります。全國選出議員候補者は、候補者單獨で名乘りを上げる者もありましよう。また全國選出議員の候補者でありまして、一地方に地盤を求めて、地方選出議員候補者と同樣の地盤を根據として出馬する者もあり得るかと豫想せられます。しかし政黨や職能團體等の全國的團體から、事實上の推薦支持を受けて立候補する者が少くないでありませう。これによりまして、社會各部門、各職域の知識經驗ある全國的人物が選出されることを期待いたされます。勿論この全國單位で選擧を施行するということは、技術的に申しまして多くの困難と障碍が豫想せられるのでありますが、これらの難點あるに拘らず、あえてこの制度を採用することにいたしましたのは、ひとえに參議院の構成を衆議院と異なるものたらしめ、參議院にふさわしい性格を有せしめようとするにほかならないのであります。しかして地方の實情に精通した地方選出議員と相まちまして、全國選出議員は、參議院を特徴あらしめることに大なる效果があるものと思われるのであります。
以下參議院議員選擧法案の内容につき、逐次その大要を申し述べます。第一には參議院議員の定員についてであります。參議院の地位と職能に鑑みまして、議員の定數は、衆議院議員に比し相當減少することが適當であると考えられるのでありますが、他面議案審査その他議院の活動に支障なからしめることが必要でありまして、これらの事情を酌量いたし、議員定數はこれを二百五十人といたしたのであります。このうち百五十人を地方選出議員といたし、各選擧區において選擧すべき議員の數は、最近の人口調査の結果に基づきまして、各都道府縣の人口に比例して、最低二人、最高八人の間におきまして半數づつ交替することを可能ならしめるために、それぞれ偶數となるように定めることといたし、殘りの百人を全國選出議員と定めた次第であります。
第二には選擧權及び被選擧權についてであります。まず選擧權についてでありますが、新憲法第十五條には「公務員の選擧については、成年者による普通選擧を保障する。」と規定してありまして、衆議院議員竝びに地方議會の議員及び地方公共團體の長の選擧につきましては、既に年齡二十歳以上の日本國民は、一定の缺格條項に該當する者を除きまして、男女を問わずひとしく選挙權を有することとせられているのでありまして、參議院議員の選擧權につきましても、その範圍を衆議院議員の選擧の場合と同一にいたし、衆議院議員の選擧權を有する者に對して、すべてこれを附與することといたしまするとともに、さらに一歩を進めまして、現行衆議院議員選擧法には未だ選擧權を認めるに至つておりません破産者、被救護者及び刑餘者等にも、これを付與することといたしたのであります。次ぎに被選擧權は、前にも申し述べましたように、衆議院に對しまして參議院を異質的なものたらしめるとともに、參議院の性格に相應いたしました分別と經驗とを特に保持せしめるために、日本國民で年齡三十年以上の者に、ひとしくこれを附與することといたしたのであります。その他一定の選擧事務關係者及び在職の裁判官、檢察官等の被選擧權竝びに官吏、府縣會議員等の兼職禁止の取扱いは、概ね衆議院議員の選擧と同一といたしたのであります。
第三には、通常選擧の期日についてであります。參議院の通常選擧は、通常議員の任期が終る日の前三十日以内にこれを行いまして、任期滿了前に新議員を定めることといたし、もしこの期間が、參議院開會中、または參議院閉會の日から三十日以内にかかる場合におきましては、現任議員に選擧運動上の不利を來さしめないようにいたしまするため、參議院閉會の日から三十一日以後、三十五日以内にこれを行うことといたしまして、できるだけ參議院議員の缺けることなきを期しておるのであります。なお最初の參議院議員の通常選擧につきましては、特例を設けまして、詔書をもつて定める日にこれを行うことといたしておるのであります。
第四には、參議院議員の選擧の管理機關でありますが、地方選出議員の選擧に関する事務は、都道府縣の選擧管理委員會がこれを管理し、全國選出議員の選擧に關する事務につきましては、新たに參議院におきまして、その議員の中から選擧する全國選出議員選擧管理委員十人をもつて組織いたしまする所の、全國選出議員選擧管理委員會を設けまして、これが管理に當らしめることにしてあるのであります。
第五には、投票及び開票についてであります。地方選出議員と、全國選出議員の選擧は、別個に行う建前といたしておりますが、選擧事務手續きの便宜上、兩者の選擧を同時に合併して行うことも認めておるのであります。その他一般に投票及び開票につきましては、衆議院議員の選擧の投票及び開票の例によることといたしておるのであります。
第六には、選擧會及び選擧分會についてであります。地方選出議員は、都道府縣を選擧區として選擧されるものであり、當選者の最終決定を行う選擧會につきましても、衆議院議員の選擧の選擧會の例によることとするをもつて足るのでありまして、特段の措置を講ずる必要はないのでありますが、全國選出議員につきましては、當選者の最終決定を行う選擧會のほかに、都道府縣ごとに開票の結果の中間集計を行わせる必要がありますので、このために特に都道府縣には選擧分會を設けることとしておるのであります。
第七には、議員候補者及び當選人に關する事項でありまするが、議員候補者の屆け出及び推薦屆け出は、後に申述べますように、選擧公營をして行う所の、議員候補者の經歴等に關する文書の發行の準備その他との關係上、選擧期日前二十日までにこれをしなければならないことといたし、また地方選出議員につきましては、一つの選擧區で議員侯補者の屆け出をなし、または議員候補者の推薦屆け出の承諾をなしましたものは、他の選擧區では議員候補者の屆け出をなし、またその推薦屆け出を承諾することができないことといたしまして、重複して立候補することを認めないことにいたしますとともに、近時の物價状況に即しまして、供託金の額はこれを五千圓とることといたしたのであります。法定得票數は、地方選出議員については、他の各種選擧の場合と同樣に、議員の定數をもつて有效投票の總數を除して得た數の四分の一でありますが、全國選出議員につきましては、特にその數を引下げまして、八分の一といたしたのであります。次ぎに繰上げ補充は、同點者の場合を徐き、當選承諾期間内に限つてこれを認めることといたしました。また全國選出議員の補闕選擧及び再選擧は、特に缺員及び當選人の不足數が通じて同種の議員總數の四分の一を超えるに至つた時に初めてこれを行うものとして、煩鎖な手數と莫大なる經費勞力を要する全國選出議員の選擧は、これをできるだけ最小限度に止めしめる配意を加えておるのであります。
第八には、選擧運動及び選擧運動の費用についてでありますが、選擧運動及び選擧運動の費用に關して煩雜な取締制限を設けますことは、選擧をなんとなく近づきがたいものといたし、その明朗濶達性を失わしめるのみならず、かえつてこれに對抗する新たな脱法的措置を誘發するような結果となる場合もあります。特に全國選出議員についてこれを見まするに、かりに制限拘束を加えてみましても、その効果を得ることはきわめて困難であると申さなければなりません。よつてむしろこの際選擧運動につきましては、買收、選擧妨害等の惡質犯の處罰のみに止めまして、他はこれを自由に放任し、一般國民の健全なる批判に任せるのが最も適切な方策ではないかと考えられるのであります。故に參議院議員の選擧につきましては、選擧運動は原則としてこれを自由とすることといたし、從つて事前運動、選擧事務所及び休憩所の設置、戸別訪問等に關しましても、何らの制限を設けないことといたしたのであります。ただ選擧運動の費用につきましては、衆議院議員の選擧におけるような費用の最高制限の制を廢止いたしまして、これに代えて、政黨及び議員候補者の選擧運動に關する收入及び支出の公開を行わしめることといたした次第であります。
最後に、選擧の公營についてのことでありますが、參議院議員の選擧には、地方選出議員の選擧及び全國選出議員の選擧を通じまして、議員候補者の經歴等に關する文書の發行、議員候補者の氏名の掲示及び選擧演説會場の施設の公營を行うことといたしておるのであります。その他訴訟及び罰則につきましても、概ね衆議院議員の選擧の訴訟及び罰則に準じまして、規定を設けることといたしておるのであります。
本法律案に對しては、貴族院におきまして、各種立會人は議員候補者の利益代表の建前をとることが適當であるとの見地から、その選任の方法等に關しまして、若干の修正が加えられたのであります。何とぞ御審議の上御協贊あらんことを切望いたす次第であります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=9
-
010・山崎猛
○議長(山崎猛君) 質疑の通告があります。順次これを許します。鈴木義男君。
〔鈴木義男君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=10
-
011・鈴木義男
○鈴木義男君 私は日本社會黨を代表して、二、三の基本的問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
御承知の通り、新憲法の下においては國會は國家の最高機關であります。そうしてそれは衆議院と參議院とからなつておるのでありますから、參議院は衆議院と相まつて國家の最高機關であります。從つてよい參議院をつくることは、日本政治の將來を健全にする所以であり、憲法に生命を與えるという意味においても、まさに龍を畫いて晴を點ずる所以と信ずるのであります。故に參議院をどういう構成にするかということは、憲法そのものの審議と同じ重要性と愼重さとを要するものと考えるのであります。憲法審議の際に、大いにこの問題を論じようといたしたのでありますが、なぜか政府におきましては、深くこれを論ずることを避けられた感があつたのでありまして、すべては參議院議員選擧法を制定する時に讓るというようなお答えであつたのであります。今まさにその時が來たわけでありまするから、この際十分に論議を盡くしておきたいと思うのであります。
まず第一にお尋ねをいたしたいのは、政府はこの法案の立案に際しまして、參議院にどういう性格を與えようとされたのであるかということであります。なぜそのことをお伺いをするかと申しますれば、まずこのことを明らかにしなければ、技術的な選擧方法の是非ということは、これを判斷することができないからであります。憲法が明文で示しておりまするように、國會は唯一の立法機關であります。唯一ということは、同時に最高を意味するのであります。國民意思が統一的に、綜合的にここに代表されなければならないのであります。この見地からは、唯一の立法機關たる國會は、理論上は一院でなければならないことは、ほとんど疑いをいれない所であります。國民意思は最後に統一されて表現されなければならないからであります。理論上はそうであるに拘らず、憲法審議の際、われわれが二院制に贊成をいたしましたのは、主として實際上の便宜に讓歩したからであります。故に今さら一院か二院かの問題はここに取り上げるつもりはありません。しかしいやしくも二院を認めまする以上、併せて一本となる特殊の機能、性格を認めなければならないと存ずるのであります。衆議院を二つつくるくらいならば、初めから一院にしかずであります。衆議院のほかに參議院を置きまする以上は、參議院には衆議院とはおのずから異なつた國民代表が集まつて來て、衆議院の議した所をおのづから別の角度から再審議をするということで、同じことを二度議するという、覆審機關としての存在の理由を明らかにするわけであります。
第一院のほかに第二院を認めておりまする諸國の實例を見ますると、おのずから二つの傾向を看取することができるのであります。一つは、歴史的の傳統によつて、等族會議――イター・ゼネロー、貴族、僧侶、平民というような階級會議の遺物として、古い貴族院をそのまま存置せしめている所であります。イギリスはその代表的なものでありますが、民主政治の發達に伴つて、その重點は次第に第一院の下院の方に移りまして、上院は次第に盲腸的存在となりつつあることは、顯著な事實であります。これに反して、初めから民主國として出發した國々の第二院というものは、封建的色彩はない。ひとしく國民代表ではありまするが、その代表する人口の數、選ばれる人々の性格、年齡、任期等を異にせしめまして、解散ということがない特徴と相まちまして、愼重な覆審機關たる特徴を備えているのが通例であります。わが參議院も、新憲法の精神に鑑みまして、この後の例になろうものでなければならないことは、當然のことと存ずるのであります。
ここに特に強調したいことは、參議院は新憲法によつて初めて設置される国家機關であつて、現在の貴族院の延長でもなく、變形でもない風馬牛全く相關せざるものであるということであります。從つてどういう參議院をつくるかということは、新憲法も一應この正當な新憲法上の立法機關と認めておりまする、すなわち參議院が憲法施行の時までに成立しない場合には、衆議院だけが國會としての機能を營むということが、憲法に明記されているのでありまして、そういう國會たる機能をもつている現在の衆議院が、優先的に審議決定をする權限を有するものと信ずるのであります。從つて參議院の構成についての法律案は、他の憲法附屬の法律案とともに、衆議院に優先的に提案せらるべきものと豫想いたしておつたのであります。しかるに政府は參議院議員選擧法をば貴族院に先に提出したことは、われわれの意外とした所であります。貴族院においてはたいした修正も加えなかつたのでありますが、われわれは可なり根本的な修正をこれに加えなければならないと考えているのでありまして、その場合これが再び貴族院に囘付せられて、論議を繰返すというようなことは、無用に手續きを重ねることでありまして、政府のかかる態度に對しては、われわれは遺憾の意を表するものであります。(拍手)政府は暗默のうちに、參議院をもつて貴族院の相續人というふうにお考えになつておるのではないかを、念のためにお尋ねいたしておきたいのであります。
さて質問が脇道にそれましたが、本筋に戻しまして、衆議院は國民の一般的代表機關である。地域と人口とを土臺として、被選擧人に職業地位の差別なく、すべて國民の代表として出て來る議員からなつておるのであります。一應四年という任期はありまするけれども、隨時解散することによつて、ますます國民の代表者たる實を發揮するのであります。參議院は任期六年であるとともに、解散がないということによつて全く落ついてこの衆議院の議決を再審査して、誤りなきを期するという、一つの抑制機關たるの地位を占めるのであります。われわれの考える所では、こういう第二院の構成分子は、衆議院のように、ただ一般的に國民を代表するものということでは、意義をなさないと存ずるのであります。衆議院議員とはおのずから別の角度から問題を見るものでなければならないと思う。そのためには、特殊の職業經歴上の知識經驗者を集めることが、參議院が衆議院のほかに第二院として存在する意義を獲得すると思うのであります。そういう選擧方法をとることが大切であると信ずるのであります。政府にはそういう御用意があられるかということを御尋ねいたすのであります。
なるほど御提案によりますると、各府縣から二人乃至六人、例外として八人の所が一つ二つありまするが、だいたい二人乃至六人の府縣選出議員のほかに、全國を選擧區とする全國選出議員を百名出すことになつております。これは政府のお考えでは、これによつて特殊の學識經驗者を獲得するつもりかも知れない。只今大村内務大臣の御説明でもそのようであります。もしそうだとしますならば、選擧運動の方法にもよりまするが、これはよほど的が違つておりはせぬかと思う。全國を一選擧區として選擧運動をすることは、政黨を單位としてやるならばできましよう。殊に衆議院の選擧のような場合に、全國を一選擧區として、政黨を本位として比例代表で行くというならば、最も可能なる運動方法である。しかし個人を單位にしてやるというようなことは、言うべくして行うことはできない。數百萬圓を使つて、仁丹の廣告のようなことをやつて、ぜひとも當選したいというもの好きがあれば例外でありまするが、そうでなければ、ほとんど個人として全國的選擧に打つて出ることは不可能であります。結局運動をしないということにひとしいのである。初めから運動などせぬでも多數を得るという人々だけが壓倒的多數を得るのでありまして、あとはその居住地附近の票を得るだけであります。そうして學識經驗等があろうがなかろうが、全國的組織網をもつておるものは、命令一下で樂々當選できることに相なるのであります。たとえば運動をせぬでも樂々當選するのは、尾崎行雄先生のような人である。しかしこういう人は、實は衆議院でも樂に當選し、またぜひ衆議院の方に出るべき人でありまして、眞に國民代表の名にふさわしい人であると言わなければならぬのであります。これに反して、たとえば宗教團體、或る寺院の管長さん、商工業の全國的連合體、或は總同盟、産別等の全國的勞働組合連合體なども、特別の運動をしなくても代表者を出せるに相違ない。勿論こういう代表者はどちらに出ても結構でありますが、どちらかといえば、これまた衆議院の方に出るべきものであります。現に出てもおるのであります。こういう人々ばかりが出るというのであれば、衆議院に既に出ておるのでありますから、ただ重複するだけでありまして、全國選擧區の意義はきはめて影薄くなるのであります。また内務大臣が言うように、いわゆる大人物を招致するということが狙いでありますならば、二、三の例外を除きましては、實際の結果は非常に違うであらうということを恐れるのであります。
一體立案者は、全國民の代表というものを得まするのに、全國を一つの選擧區にしなければならないとお考えになつておるのでありましようか。もしそうだといたしますれば、これは非常な間違いであります。國民代表ということは、國民の意思、思想、感情を代表するということでありまして、それは一定の地域で、一定人口にその意思表示をさせますれば、全國でやつたと同じ結果がほぼ出て來るものなのであります。尾崎先生のような人は、小選擧區でも全國選擧區でも、必ず國民代表として出て來るのであります。全國一選擧區というようなものは、國家の重大事に關する國民投票のような場合にだけ行うべきものでありまして、投票を算えるだけに二十日間を要するというのであります。私は全國一選擧區という制度は、政黨を單位として比例代表式に行う場合を除いて、合理的根據はないものと考えまするが、政府の御所見はいかがでありますか、お伺いをいたす次第であります。
そこでわれわれの考えといたしましては、地域代表、一般代表の衆議院に對して、參議院は各職域の知識經驗を代表する、いわゆる職能代表者の集會とするのが理想的であると信ずるのでありますが、いかがでありましようか。知識經驗と申しましても、私の言う意味は、實際的知識經驗でありまして、いわゆる學識經驗者、すなわち學者、官公吏の古手だけを集めるというような意味ではないのであります。
近來立法、行政の各部面に、學識經驗者が數多く利用されておることは御承知の通りであります。何々調査會委員というのがそうである。將來立法も行政もますます複雜多岐になるのでありますから、專門的知識經驗者の助力を必要とすることは勿論であります。これは大いに利用しなければならない。といつて、從來のような、委員に囑託はするが、專門にほんとうにその人々に立案させるのではなく、だいたい官僚の諸君が用意をして、それに盲判をおすというとうな、きわめて形式的な、おざなりのものはあまり實益はない。あつてもなくても同じような存在であります。將來は專務職として、學者とか經驗者とかに正當の報酬を與えて、それぞれの委員となり、役員となつて活動をする制度を開かなければならないと存ずるのでありますが、學者なり特殊の經驗者は、そういう方面に使えばよろしい。必ずしも參議院に出す必要はないと思うのであります。
私どもの考えておるのは、廣く自由職業家とか、企業家とか、勞働者とか、農民とか、ジヤーナリストとか、おのおのそれぞれの職業において卓越したもの、ということであります。こういう國民の中の知識經驗者が、衆議院議員とはおのづから異なつた見識をもつて、違つた角度から國政を議し、立法の事業に當るということは、衆議院の足りない所を補うのに適當であると信ずるのであります。政府は、參議院をそういう方向にもつて行くことに御贊成であるかどうかということをまず承りたいのであります。
すなわちわが黨は、つとに職能代表の趣旨に則つて、參議院の構成を考えるということを主張しておるのであります。所がこれに對して、言葉が適當でないために若干の誤解があるようであります。他に適當の言葉がないから使つておりまするが、他に適當の言葉があれば、いつでも變更するにやぶさかではないのであります。世人は職能代表というと、直ちに從來社會學の上でいわれた職能代表と同じものと考えるのである。すなわち各職能を選擧母體として、そこからそれぞれの代表者を出す制度を連想するのでありまするが、それはわれわれの主張とは無關係であり、われわれはそういう制度には反對するのであります。最近フアツシズムがそういう制度を母體として發達したことは、申すまでもないのであります。ベルギーやフランスの社會學者によつて主張され、サンヂカリズムの理論にまで發展した職能主義というものは、すべて民主主義の批判として成長したものであります。故に最初から民主主義とは相いれないものであります。これら社會學、經濟學上の分權主義の職能主義を、極端に集權主義化したものがフアツシズムであります。元來職能代表の觀念は、職能の利益を代表するという立場に立つておるのでありまして、封建時代の階級主義、等族主義――貴族、僧侶、平民と族を等しくするという意味の等族主義でありますが、その等族主義と同じものであります。近來立憲民主主義は、この等族主義、利益主義を克服して、地域主義、意思主義の上に建設されたものでありますから、理論的にも兩者が相いれないことは當然のことであります。
われわれの主張する職能代表というのは、人を選ぶのに職域、職業に著眼するというだけであつて、毫も利益代表の意味をもつものではないのであります。甚だしきは、職能代表は憲法に違反するという論があります。すなわち憲法は、「兩議院は、全國民を代表する選擧された議員でこれを組織する。」、こう規定したのでありますから、全國民の代表たることを要する。しかるに職業人を選ぶということは、一部階級の代表たることになつて、新憲法の精神と矛盾するというような非難をされる方があるのでありますが、誤れるも甚だしきものであります。われわれはやはり普通平等の衆議院議員と同じ選擧において選擧させるのである。ただ選ばれる人について、特に標準を設けて、できるだけ職域上の經驗者を選ばせるように仕向けるというだけのことであるのでありまして、毫も全國民の代表たるに背くがごとき制度を考えておるのではないのであります。
またわれわれの主張する職能代表主義に對しましては、それは衆議院の常識性に對して、參議院をて智能化するものである。特別の知識經驗者を參議院に集めるということは、知識の貴族主義であつて、民主主義の原則に反するという批評を聞くのであります。これも誤解であります。政治はすべて常識に立脚しなければなりません。民主主義は常識の政治に相違ないのであります。たしかに民主主義は知識の低劣化を招くという傾向があります。これを防止しなければ、よい政治は行われないのであります。しかしそれは參議院に學者を送るというようなことで達せられるものではないのであります。またそういう方法で達すべきものでもない。國會は常に國民の知識水準を反映するものでありまして、國會の知識水準の向上は、ひとえに國民全體の知的水準を高めるということによつてのみ達せられ、また達すべきものと考えておるのであります。(拍手)われわれの主張は、貴族主義としての知能の導入ではなくして、比較的衆議院において代表されない分子が、參議院に代表される仕組によつて、兩々相まつて全國民の代表を全からしめたいというにほかならないのであります。學者專門家を利用する途は他に存することは、先にも申し上げた通りであります。
さらにここに一つの問題があるというのは、第二院の構成におきましては、世界を通じて共通の現象でありまするが、第一院と違う構成をとろうといたしますれば、どう構成しましても、第一院よりは保守的傾向をもつ院ができるということであります。われわれの主張を採用されましても、この傾向は否定できないのであります。これは第二院にとつて、一種宿命的なものでございます。簡明率直に民主政治をやるというならば、一院だけで必要にして十分なのであります。その一院制に若干の不安を感じて第二院を設けまするのは、第一院の議したるところを、いま一度愼重に審議するのにある以上は、第二院の方が第一院よりもラヂカルであるということは、意義をなさないわけであります。いつの時代でも、進歩性、急進性が國民の半面の意思でありますれば、保守性、愼重性もまた他の半面の國民の意思であることは事實であります。その兩方が代表されて、初めて國民意思の全き代表は表現されるのであります。われわれは決して目的として、第二院を保守主義の代表にしようとは思わぬのでありまするが、結果において保守守役割を務めることは否定しないのでありまして、それは非難すベきものではない。それによつて國民代表制が完全に發揮されればよろしいと信ずるのであります。
こういう見地からして、參議院の構成に對するわれわれの主張は、最初から國民代表制のより徹底化ということに存したのであります。そのためには、各方面の代表者が參加することが必要であり、望ましいのであります。いわゆるフアツシズム式の職能代表という意味でなしに、各職域の經驗と立場から政治的批判、判斷が下されますることは、國民各階層の意向を政治の上に反映せしめる上に、甚だ有益なことである。これわれわれが、各職域の人々が參議院議員の候補者となり、しかもそれが一般有權者によつて選出されるという組織を提唱した所以であります。この際政府も十分にわれわれの提案について、虚心坦懷御考慮を願いたいのであります。(拍手)
われわれの案の詳細は、委員會において御説明申し上げることにいたしまするが、ここにその輪廓だけを申し上げまするならば、日本國民は何人も參議院に立候補は自由であるが、候補者については、すべて各選擧區の選擧管理委員會において、學者、教育家、藝術家、著作家、ジヤーナリスト、法曹、醫師、宗教家、企業家、商人、勞働者、農民、漁民、公務員、會社員等々、約十二、三種類の範疇の職域別に分類配屬するのであります。あらかじめ印刷をしておくのである。選擧區は、全國一選擧區といふような、實情に即しないものはやめて、府縣單位とするのであります。選擧人は衆議院議員の選擧人と全く同一でありまして、複數投票制度によつて、各職域候補者について一人々々、この十二、三のグループの各グループについては一人だけしか選べない。そうしてその選擧區が、定員が五人であるならば、五人まで書くことができるといつたような式でありまして、これによつて各職域の代表者を萬遍なく選出することができるのでありまして、或る職域だけに偏るということを避けることができるのであります。でき上つた參議院についてみますれば、各職域の經驗者が萬遍なく代表されることを期待することができると信ずるのであります。
憲法審議の特別委員會において、問題がこれに觸れました時に、政府の御答辯は、職能代表は或る階層の利益代表に墮するから、採用できないというような御見解でありましたが、それはわれわれの主張の誤解であることは、只今申し上げる通りであります。
今一つ難點は、立法技術上困難であるということ、竝びに選擧方法が複雜で、わが國の民度に適しないという議論であります。立法技術上困難であることは認めまするが、ただいくらかむつかしいというだけで、決して不可能ではないのであります。また選擧方法が複雜だと申しますが、府縣と全國との併用よりは簡單であり、一、二囘やつて國民がこの方法に慣れまするならば、その後は誤りなく權利を行使することができるようになるに相違ないと信ずるのであります。政府はこの際思い切つて今一度お考え直し下さる雅量はありませんかということをお尋ね申し上げるのであります。(拍手)
この法案の立案者は、全國選擧區制を採用することによつて、われわれの言う職能も代表され――只今内務大臣のお言葉によると、職能も代表され、いわゆる大人物も出て來るというように誇つておられるようでありますが、われわれの見る所では、それはとんでもない見當違いである。よほど俊秀な麒麟兒が生まれるつもりでおられましようが、似ても似つかぬ鬼子が生れはせぬかということを恐れるのであります。(拍手)この點に對しましては、私は大村内務大臣、齋藤國務大臣等の御所見を伺いたいのであります。
なお今一つお尋ねをいたしますが、この法案の選擧運動に關する規定、選擧運動の費用に關する規定等は、實に容易ならざる缺點を包藏いたしておるに信ずるのであります。參議院の選擧も、衆議院の選擧も、國民代表を選ぶ選擧としては少しも本質的には變りはないのであります。(拍手)しかるに一方では事前運動も許す、戸別訪問も許す、第三者運動も許す、費用は公開させるだけで無制限であるというようなことは、實に驚くべきことであります。(拍手)われわれが長い年月を費してたびたび選擧法を改正して、金にものをいわせてやる運動、卑劣なる運動、買收等を芟除するのに努力し、選擧の明朗化に最近ようやく到達しようとしておる矢先に、一擧にしてこれを覆し、再び腐敗選擧に道を開く恐れあるものではないかと疑つております。(拍手)殊に選擧區を大部分共通にいたします關係上、參議院の選擧を、知事の選擧、衆議院、府縣會の選擧等々の豫備工作に利用する者が續出いたしまして、一層一般選擧界を腐敗せしむる危險があるのではないかと存ずるのであります。(拍手)
これを一般有權者の側から見ますならば、參議院の選擧とその他の選擧との區別は、しかく明瞭ではない。一般選擧の間に、事前運動をいくらやつてもよろしい、戸別訪問をいくらやつてもよろしい、費用もいくら使つてもよろしいという選擧が介在いたしますことは、他の選擧が甚だ迷惑千萬に感ずるのであります。(「ヒヤヒヤ」拍手)戸別訪問のごときは、常に買收のチヤンスになるものであります。そうでなくとも、敵は本能寺にあり、別の選擧を狙つて、參議院の際にやつておくということが考えられるのであります。(拍手)費用の公開ということで、若干の抑制を招來するという考えかも知れませんが、わが國民の現状では、遺憾ながら眞に良心的に公開する者がはたしてしかく多いかということを疑わざるを得ないのであります。(拍手)いわば嘘を言うことを、國民に公許するようなものであります。(拍手)政府としては、取締りの困難ということを理由とされるのであろうと存じますが、それは理由にならないと思う。ひとしく道徳的抑制に愬えるならば、ともかく最高限をきめておくことが無難であります。この最高限がきめてありますれば、確實な證據を握つた者は、告發することができる。そういう制度があるだけでも、それは大きい自制的役割をはたすものと信ずるのであります。(拍手)
一體こういうことをしなければ實行できないという所を見ましても、全國一選擧區という制度は、みだりに採用すべきものでないということが明らかに相なると思うのであります。(拍手)政府はどういう確信があつて、かかる方針をおとりになつたのであるか、お尋ねをいたしたいのであります。その他こまかいことは委員會に讓ることにいたします。(拍手)
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=11
-
012・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今鈴木議員より、だんだんと御意見を混えて御質問があつたのでございますが、私先に提案の理由を説明いたします際に、だいたいにおきまして、それらの諸點に觸れておつたと思うのであります。故に簡單に新しい點をお答え申し上げたいと思うのであります。
參議院の特性はどこにあるかというお尋ねでございますが、これは鈴木さんの申されましたごとく、參議院は覆審機關であり、抑制機關であるというように私どもも考えておるのであります。
次ぎに、貴族院にこの法案を先に出したのはどういう理由かというお尋ねでございますが、これは今囘の議會は短期でございましたので、議案を兩院に配分いたします上からこのように相なりましたので、そのほかに全然理由はございません。貴族院の相續人というような考え方は毛頭もつていない次第であります。
次ぎに、全國選出議員につきましてだんだんと御意見があり、お尋ねがあつたのでありまするが、參議院の組織をいかにするかという點につきましては、新憲法におきまして、基本的事項がだんだんと定められておるのでありまして、その範圍内において、いかにこれを衆議院の構成と異ならしめるかという點につきましては、臨時法制調査會、また民間におきましても、だんだんと意見があつたのでありまするが、政府はこれらの點を仔細に檢討いたしました結果、全國選出議員百人、地方選出議員百五十人という構成をもつてするのが適當であるという結論に達しました次第であります。
比例代表制を何故用いないかというお尋ねでありまするが、今日のわが國の政黨の發達の程度をもつていたしましては、とうてい比例代表制は採用することができないと考えておる次第であります。
次ぎに、職能代表制を法定すべしという趣旨のお話があつたのでありまするが、御説の通り參議院におきまして、實際上の知識經驗を結集いたす參議院の機能を十分に發揮せしめることを、政府も大いに期待をいたしておるのであります。しかしこれを法定いたしますことは、提案理由の説明の際縷々申し述べましたごとく、結局採用することは適當でないということに相なつたのであります。
〔「なぜ適當でないか、適当でない理由は……」「黙つて聽かぬか。」「聽いておるよ。」と呼ぶ者あり、笑聲〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=12
-
013・山崎猛
○議長(山崎猛君) 靜肅に。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=13
-
014・大村清一
○國務大臣(大村清一君)(續) ただ本法律案におきましては、全國選出議員百人を設けまして、事實上政黨、職域團體等におきまして、運用上の推薦が行われることに相なりまするならば、職能代表制のもつておりまする所の長所は、十分に反映し得られるものと信じておる次第であります。
最後に選擧運動の點につきましてお尋ねがありましたが、これまた提案理由の説明におきまして、政府の所信は十分に述べておいた通りであります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=14
-
015・山崎猛
○議長(山崎猛君) 鈴木君、御發言がありますか。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=15
-
016・鈴木義男
○鈴木義男君 質問はありますが、すべては委員會に讓ることにいたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=16
-
017・山崎猛
○議長(山崎猛君) 仲子隆君。
〔仲子隆君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=17
-
018・仲子隆
○仲子隆君 國民黨を代表いたしまして、若干の質問を申し上げたいのでありまするが、既に鈴木議員によつて質問せられた點と重複の點が多數ありますので、これは省略いたします。
この參議院の性格、特質について、いま少し承りたいことがあるのでありまするが、國會は衆參兩議院によつて一體となるのであるけれども、參議院そのものは第二院であり、第二次的性格のものであると考えられる。同じく二者一體といいながら、片一方には憲法上規定せられてある特權、或は權力、權限を有すべき點において相當はつきり現われておるのでありまするが、これがただ第二院としては、衆議院の活動――いわゆる國會全體としての問題であるかも知れませんが、これを抑制し、國民の聲を聽く時間を與える、行動を愼重ならしめ、感情過激にわたらないようにするというのであるならば、逆に衆議院を制壓する力のように考えられるのであります。これではたして參議院の本來の特質或は任務というものが明かであるかどうか、この點についてまずお伺いいたしたいのであります。
次ぎに、參議院を第二院としてふさわしいものにつくり上げますについては、これに選ばれるべき人物の問題であります。學識、識見、經驗ある者ということになりますと、これが選ばれるために、いかなる方法をもつて選ぶか。先ほどの質問或は御説明によつて、職域その他の問題もありまするが、もし今日の選擧をもつて考えまするならば、昨年の敗戰以來の世情は、若干落ちつきを失い、或は冷靜なるものを失つております。これはやがて教育が進み、或は國民の教養が高まつたならば、十分に正しく政治的にものを考えることになり得ると思うのでありますが、それは當分容易に來ないものであると思う。選擧もおのずから或る場合には感情に走り、或る場合はその時の氣まぐれというものになりはせぬかと思います。政黨によつて行われる場合、或は各勞働組合組織等によつて出る場合には、相當その道における人物が出得るかも知れないが、ただ人氣というものによつて動く今日の冷靜を缺いた場合には、或は今日大臣その他の地位にある方よりも、人氣のある女優というような人が出た場合に、世間はわつと浮いて、これに氣まぐれ半分な投票をするというような恐れがあるのではないか。全國的な投票の場合において、全國を地域とする場合において、この點は最も危險視せられるものであると思うのであります。國家の重要な仕事をするのであつて、いかなる者がここに出てもこれは差支へないのであるけれども、われわれは國家の重要なものに對して抑制的な立場で働くものとして選ぶ場合においては、この人物の選擇について、十分なる選擧上の用意を要するものであると思うのであります。この點について政府の御意向を伺います。
次ぎに、この人員を二百五十名とせられ、百名、百五十名と區劃せられたのでありますが、これは憲法四十三條による人口の割合と、全體という二つの立場によつておるものであります。しからばこの全國一體という問題は、先ほど主張があつたごとく、まず選擧運動なり投票なり非常に困難を感ずるものであるが、私はこれについて、いわゆる行政ブロツク、地區的なブロツク、近畿とか、關東とかいう地區的ブロツクで人を選ぶならば、比較的冷靜にその人を知り、その識見、學識を知りながら選ぶことができるものではないか。こう思うのであります。從つて全國一圓とせず、地區ブロツク等について、何かお考えがあつたのであるか承りたいのであります。
さらに地方選擧に關して、二、四、六、八という偶數が選ばれてあるのでありますが、或は鳥取縣と宮城縣と比較すると、その人口の差において非常に差異があるにも拘らず、これが二人である。同樣なものが各所に考えられます。強いて百五十人を半期交代という立場から選ばれますると、かくのごとくなるのであるけれども、これはこの地方選擧なるものを、さらにブロツク組織の中で考えるならば、人口を基礎にして三、五というような奇數になつてもいいのではないかと思うのであります。これを強いて百五十人に限定し、複數にしようとする所に無理が生じて、國民の代表という意味が、或は選擧という意味が、機械的に抑制せられておるのではないか。この點について何かお考えがあるか。或は御工夫なさつておつたのであるか。この點が承りたいのであります。
次ぎに、選擧の方法、或は運動、または費用に關する問題でありますが、先ほどの説明もあり、或は質問もあつたごとく、今日選擧ということは、非常に人間の勞力を要し、資材を要し、金錢を要するものであります。これについて無制限に費用を使うことを、公開することによつて許す、公開することによつてその實情を知らしめるということであるならば、或いは十分現われない部分をもつても費用は使われる。こういう諸點を考え併せ、今日まさに多數の地方選擧等が行われて來る場合に、さまざまな誤り、或は堕落を生ずる恐れがあるという立場から、一切將來の選擧は公營にするという御意思はないか。以上をお伺いいたします。(拍手)
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=18
-
019・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 新憲法におきまして、第二院として參議院を設けることに相なりましたのは、畢竟兩者の長短相補わしめるとともに、審議の愼重を期するためと存ずるのであります。しかして參議院が衆議院に對して抑制作用をいたすということは、當然の狙いでございまするが、もし程度を超えた抑制作用が起りました際におきましては、衆議院優先の憲法になつておりますので、これによつて問題は解決されるものと考えておる次第であります。
次ぎに全國選出議員について、不健全なる議員が出る恐れはないかということでありますが、民主主義政治は國民の健全なる判斷を前提といたすものでありまして、結局選擧人が參議院議員に最も適當なる人を、よい人を選ぶということを期待するほかはないのでありまして、この點につきましては、國民の政治教育、公民教育ということも必要でございまするが、また國民が民主主義政治に參與することにつきまして、十分の用意と努力とをいたされんことを切望するものであります。
次ぎにブロツク單位の選擧區を考えてみたことがあるかというお尋ねでございます。ブロツク單位の選擧區制は、現在の衆議院議員の選擧區と差異を設けるという點から申せば一つの案でございまするが、政府といたしましても、この點種々研究いたしてみたのであります。ブロツク單位は、中間的な區域でありますから、全國一選擧區制のもつております長所から申せば、十分でないということになります。また府縣選擧區を可なりとする見地から申しますれば、その長所がぼけて參るわけでありまして、結局中間的區域を確定いたしまして新たな選擧區を設けますことは、適當でないという結論に達した次第であります。
次ぎに定員の配當を奇數單位で推し進めている點についてのお尋ねでございますが、御承知のように憲法第四十六條におきましては、參議院議員は三年毎に半數づつ改選する原則を定めておるのでありますが、この半數改選の精神から申せば、三年毎に同樣な選擧によつて改選されることが、よりよくその精神に合致するものと考えられるのであります。しかるに奇數選擧區を認めるといたしますれば、必ずこれに對應いたしまして奇數選擧區をさらにつくらなければなりません。その結果、相當多數の選擧區が奇數ということに相なつて參るのでございますが、そのうちたとえて申しますれば、三人選擧區では三年毎に一人または二人を交互に選擧することになるのでありますから、どうもその結果はよくないと思うのであります。加うるに奇數選擧區を設けるといたしまして、議員定數を各選擧區に配當する上に、技術上の困難さもあるのであります。よつて結局人口四十八萬七千餘に對しまして、參議院議員一人を振り當てる建前をとりまして、各府縣の人口に比準して偶數定員を配當した次第であります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=19
-
020・仲子隆
○仲子隆君 公營に關する御答辯がありません。
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=20
-
021・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 選擧運動、その方法につきましては、從來のごとき制限拘束を撤廢いたしまして、費用の公開主義により、健全なる國民の批判に任せるという建前をとつたのであります。これに伴いまして、でき得る限り選擧の公營を擴充いたしたいという見地で案を練つたのでございますが、今日の現状といたしましては、經歴、議員候補者の氏名の掲示、演説會場の施設、この三者を公營といたすことにいたしたのであります。なおまた法律外の問題といたしましては、可能の限度におきましてラジオを用いることも考えてみる豫定であります。その他の公營方法につきましては、今日の状況といたしまして、物資、資材その他の關係からいたしまして、制度として公營を擴げることが困難でございますので、この程度に止めるのやむなきに至つた次第であります。今後の状況に應じまして、さらに選擧公營の擴充は、政府としても將來考えてみたいと存じておる次第であります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=21
-
022・仲子隆
○仲子隆君 詳細は委員會に讓りまして、以上で質問を打切ります。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=22
-
023・山崎猛
○議長(山崎猛君) 布利秋君
〔布利秋君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=23
-
024・布利秋
○布利秋君 上程されました法案の最後の質疑が私である。ここで考えますることは、貴族院の存在が、衆議院の行き過ぎを抑えて、公平無私な政治に向けるという點に、過去の貴族院があつたのであります。しかし貴族院が公平無私に出ることのできない場合もありました。その實證としては、この戰爭の場合に、むしろ軍部と合同をした形が見えた。場合によつては、有害無用の場合がありまして、再び參議院となつて有害無用の長物とならんことを私は考えて、その點から若干質疑を試みたいと思い、きわめて簡單にやります。
甚だこまかいことを言うようでありますが、選擧の技術面に現われるものが、若干片寄り過ぎておる感を懷きます。その結果有效投票に達しない場合がありまして、面倒な再選擧を行う煩わしい點がありはせぬか。その見透しをおもちになつてのことであらうと考えまするから、簡單に御説明を願いたい。
全國を一區としまして、その場合議員は百名であるときまつておる。これが質のよろしい議員を選定する最善の方法であるかを疑いますので、その百名という數字が、どこから割り出されて來たのであるかを、これまた簡單に承つておきたい。
次ぎに各府縣の有權者數に照らしまして、議員數には、それぞれその數の増加を見る場合があります。すなわちその場合の技術的立場において、やや困難なる點があらうと考えまするが、政府においては、それをお考えにならないでよいという豫測をおもちになつておるのであらうか。この點を一つ明確にしていただきたいと思う。
次ぎに、議員の任期が六箇年に對しまして、三年ごとに半數を限つて選擧を行う、この場合に處する選擧技術面の處理方法として、各府縣別に議員數を、先ほども御質疑がありましたが、その偶數によつて割り出されてある。この點は同じでありますが、私のはこまかい。宮城縣のごときは、百四十九萬人の有權者數に對して特に二名、また栃木縣のごときは、百五十萬人の有權者數に對しまして、前者と一萬違いで後者は四名、なるほど偶數の説明を受けましたが、一萬違いにおいてかくもへだたりの多いということは、正しい選擧の方法であるかどうか、この點を一つ――技術的には御困難ではありましようけれども、肚のある所を聽かしていただきたい。
法制調査會では定員を三百名の豫定をしておつた。今度は參議院の定員數が、衆議院の總數の半分以下に切り落されるということに決定をしておつたかのごとく思います。しかしこの法案では二百五十名と決定しておりますが、してみれば參議院の數というのは、衆議院の數のまだまだ半分以上になつております。この經緯を一つ承りたい。貴族院では數の多からんことをどうも運動しておるようでありました。これを數の問題について外國の例を見ますると、アメリカは二院制度であつて、百人たらず、それで國政を處理しておると聞き及んでおります。本法案には二百五十名と決定されておる。この二百五十名に限るというその數字は、これまたどこから割り出されたものでありますか、お尋ねをしたい。
次ぎに、全國一區という技術に對しまして、現政府における齋藤國務相は――私は齋藤國務相に通告をいたしませんでした。御老體甚だお氣の毒かと考えまして‥‥。それで國務相が反對をされておりまするが、それは個人としてでありませう。しかし閣内の一員として、齋藤國務相が折角その主張をおもちになつているのをむざむざ退けて、全國一區の精神を貫かなければならぬという、その裏に何かありましようから、そこを一つ掘り下げて御説明を願いたい。
次ぎに、參議院議員の資格年齡につきまして、三十歳以上と決定されてある。これはきわめて革新的に見えます。しかしこれは政府自體がこういうふうな信念をおもちになつた結果であるか、一つ御信念を聽きたい。
いよいよ選擧を行うという場合において、候補者の數は議員定數を超えること三倍、或は四倍以上になる場合がないとは言えません。その場合に各候補者の政見發表がどういうふうに技術的に取扱われるか。結局その技術面にきわめて困難なる、また煩わしいことが起りはせぬかと考えます。結局候補者としては政見發表を打切つて、お互いが申し合わせて靜かに選擧に臨む。その靜かなる選擧のかげに何が動くか。今まで説明がしばしばありましたから、これ以上は申し上げません。だが一方的に、また偏頗なる結果においての當選者を出す嫌いがないかという、この弊害についての御所見を承りたい。
最後に、參議院に政黨色の色彩を認めるとお考えになつた説明がありました。しからば參議院も衆議院も、ともに政黨政治に陷つてしまう。その本來の使命たる、すなわち衆議院の行き過ぎを抑える、公正無私な政治を行うべき參議院の性格というものが、麻痺状能に陷つて、政府の考えられる參議院の使命は、完全にはたされない場合がありはせぬかという心配について御解釋を願いたい。つまり結果において一院制に陷りやすいのである。形式的には二院制度を行つておつても、これがちぐはぐな形態を見せはせぬか。參議院はみずから罪をつくりはせぬか。世の恨みを得ることがありはせぬか。右は政府において確乎不動の確信があろうと思いまするから、その明確なる御答辯を承りたい。
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=24
-
025・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 布議員のお尋ねに對しまして、簡單にお答えいたします。選擧の際におきまする最小得票數につきましては、地方選出議員は、他の一般の例と同樣に四分の一ということにいたしたのでありまするが、全國選出議員につきましては、これを引下げまして八分の一といたし、所要の議員を得る便を考慮いたしている次第であります。これによりまして、再選擧のごときは先ず行われることがなからうという見込がある次第であります。
次ぎに、參議院の議員定數を二百五十人といたしましたのは、お話のごとく諸外國の例によりますと、第一院に對して第二院の定數は非常に少くなつている所が多いのでありますが、わが國におきましては、新憲法において、參議院の權能はだいたい衆議院の權能と同樣であります。議案の審査、その他の關係を考えますと、これをあまり少い數にいたすことはいかがかと考えまして、種々考慮いたしました結果、結局二百五十人ということに決定いたした次第であります。しかして地方選出議員に百五十人を振り向け、殘り百人を全國選出議員にいたしましたのは、全國的人物を選出する上におきまして、地方選出議員よりも何がしか少くした方が適當であらうという見透しで、これを百人といたしたのであります。定員を定めました理由は只今申し上げた通りでありまして、他に何も理由はない次第であります。
次ぎに地方選出議員の割當におきまして、偶數をとるという必要性については、さきにお答えを申し上げた通りであります。これを人口配分にいたしますと、宮城縣と栃木縣の間において、少數の人口差で二人と四人というような結果を招來いたすことは、配當技術上やむを得ざることと考えている次第であります。
次ぎに、年齡を三十年といたしましたことは、衆議院の被選擧年齡が二十五歳でありますので、これと對比いたしまして、五歳程度を高めることが適當であるという結論に達したのであります。しかして實際の選擧を見ますと、かりにこれを四十歳に高めておきましても、結果においてはほとんど相違がなかろうと思うのであります。もとよりこれを三十歳にすることによりまして、幾人かの少壯議員が當選することも豫想されますが、年齡を極端に高くいたしまして、少壯有爲の士を排斥することも考えものでありまして、それらの點をかれこれ考慮いたしまして、三十歳とするのが最も適當であろうという結論に達した次第であります。
次ぎに、選擧における弊害を恐れる所はないかということでありますが、民主主義の發展のために、健全なる選擧運動が展開せられまして、また有權者も健全なる判斷の下に、選擧における弊害を努めて除去することに協力せられんことを切望するのみであります。
最後に、參議院に政黨がはいることはよろしくないという趣旨のお話があつたのでありますが、立憲政治、殊に議會政治の發展の上におきましては、政黨の裏づけは絶對に必要でありまして、今後健全な政黨の發達と運營とによりまして、わが國の民主政治は大なる發展を遂げるものと私どもは確信いたしておる次第であります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=25
-
026・布利秋
○布利秋君 他の機會に讓りまして、この質疑はこれをもつて打切りといたします。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=26
-
027・山崎猛
○議長(山崎猛君) これにて質疑は終了いたしました。本案の審査を付託すべき委員の選擧についておはかりいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=27
-
028・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は議長指名四十五名の委員に付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=28
-
029・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=29
-
030・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
日程第三、衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案の第一讀會を開きます。大村内務大臣。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=30
-
031・会議録情報4
――――◇―――――
第三 衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律案
第一條 昭和二十一年法律第三十号(衆議院議員選挙人名簿等の臨時特例に関する件)第一條の規定による衆議院議員選挙人名簿を用いて選挙を行う場合において、衆議院議員選挙人名簿に登録されていない者で衆議院議員の選挙権を有するものがあるときは、市区町村会議員選挙管理委員会その他の名簿調製機関は、本人の申請により、臨時に、これらの者を登録する衆議院議員選挙人名簿を調製しなければならない。
海外引揚者は、市区町村(これに準ずるものを含む。以下これに同じ。)の区域内に住居を有すれば、引き続き六箇月以上その市区町村の区域内に住居を有しなくても、前項の選挙人名簿にこれを登録することができる。
第一項の選挙人名簿は、基本の選挙人名簿が効力を有する間、その効力を有する。
第一項の規定は、東京都制第九十三條ノ十三第一項、道府縣制第七十四條ノ十三第一項、市制第七十三條ノ九第一項、町村制第六十一條ノ八第一項及び第百三十六條並びに東京都制施行令第七十八條ノ十第一項の規定による選挙については、これを適用しない。
前三項に定めるものを除く外、第一項の場合において必要な事項は、命令でこれを定める。
第二條 前條第二項に掲げる者を登録した衆議院議員選挙人名簿を用いて地方公共團体の長又はその議会の議員の選挙を行う場合においては、東京都制第十六條ノ十一第一項、市制第二十條ノ二第一項及び町村制第十七條ノ二第一項の規定の適用については、その選挙人名簿中調製期日において地方公共團体の議会の議員の選挙権を有する者に関する部分(これを衆議院議員選挙人名簿中関係部分という。)は、これを衆議院議員選挙人名簿とみなす。
前項の衆議院議員選挙人名簿中関係部分に関し必要な規定は、命令でこれを定める。
第三條 昭和二十一年法律第三十号第三條の規定による補充選挙人名簿を用いて選挙を行う場合において、衆議院議員選挙人名簿中関係部分又は補充選挙人名簿に登録されていない者で地方公共團体の議会の議員の選挙権を有するものがあるときは、市区町村会議員選挙管理委員会その他の名簿調製機関は、本人の申請により、臨時に、これらの者を登録する補充選挙人名簿を調製しなければならない。
第一條第三項乃至第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
昭和十三年法律第八十四号は、これを廢止する。但し、同法の規定による衆議院議員選挙人名簿又は補充選挙人名簿で、この法律施行の際現に効力を有するもの及び調製中のもの並びに地方公共團体の議会の議員で、召集中のためその職を失いその残任期間中に召集を解除されたものについては、同法は、なお、その効力を有する。
昭和二十年法律第四十二号(衆議院議員選挙法の一部を改正する法律)の一部を次のように改正する。
附則第二項を削る。
━━━━━━━━━━━━━
〔國務大臣大村清一君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=31
-
032・大村清一
○國務大臣(大村清一君) 只今上程になりました、衆議院議員選擧法第十二條の特例等に關する法律案につきまして、その提案の理由竝びに法案中主要な事項につきまして御説明を申し上げます。
この法律案の趣旨といたします所は、今後およそ一年の間、衆議院議員を初め、地方公共團體の長またはその議會の議員の選擧を行う時は、選擧の都度臨時に選擧人名簿を調製いたしまして、選擧直前の一定の時期を押えて、選擧權を有する者を漏れなく名簿に登録して、國民參政の實を完ういたしまするとともに、海外引揚者につきましては、特に衆議院議員の選擧人名簿に登録されるために必要な所の、六箇月の居住期間を必要としないことといたしまして、特別の救濟的措置をさらに繼續して講じて行こうとするものであります。
以下本法律案におきまして規定いたしておりますおもな事項について説明をいたします。第一は、臨時名簿の調製であります。選擧人名簿の調製は、現在いわゆる定時名簿主義をとつておりまして、毎年一囘づつ調製することにいたしておるのであります。これは名簿の正確性を保つ上からは、確かに長所をもつておるやり方でありますが、他方その名簿が一年間据え置かれます關係からいたしまして、名簿調製期日後新たに選擧權を行使することができるようになつた者や、いわゆる脱漏者は、次ぎの年の名簿に登録せられるまでの間、參政權を行使することができない缺點を只今もつているのであります。よつて、この定時名簿制度のもつ缺陷を是正し、選擧權行使の機會をできるだけ廣範圍に與えまするために、カード式の永久名簿制度を考案中であるのでありますが、近く府縣知事、市町村長、その他の地方公共團體の長、竝びに府縣會議員、市區町村會議員、その他の地方公共團體の議會の議員の選擧が行われることになつておりますので、去る十月十日現在をもつて調製いたしました名簿調製後に、新たに二十歳に達した者、或は居住期間の要件を充すに至つた者、またはいわゆる脱漏者等を救濟するために、本人の申請によりまして、臨時にこれらの者を登録する衆議院議員選擧人名簿、または補充選擧人名簿を調製することといたしたのであります。尤も地方公共團體の長の、いわゆる決戰投票の際には、名簿調製の餘裕がありませんので、これに對しましては、この措置を講じないことにいたしておるのであります。
第二に、海外引揚者に對する居住期間の要件の撤廢であります。いわゆる海外引揚者につきましては、多くはその住居も安定しがたい状況にありますので、昨年衆議院議員の選擧權につき、一般的に六箇月の居住期間を撤廢した昭和二十年勅令第五百三十七號と同一の特例的措置を、右の衆議院議員の臨時選擧人名簿を調製する際に、海外引揚者に限つてさらに繼續することといたしたのであります。尤もこの特例的措置は、衆議院議員の選擧權に限つてこれを認め、地方公共團體の議員の選擧權につきましては、地方公共團體が地縁團體である特質に鑑みまして、これを認めないことといたしておるのであります。
第三に、居住期間の六箇月に達しない海外引揚者を登録いたしました衆議院議員選擧人名簿は、六箇月の居住期間を必要とする所の地方公共團體、またはその議會の議員の選擧にそのままこれを用いることができませんので、その名簿のうち、地方議會の議員の選擧權をもつている者に關する部分だけを、衆議院議員選擧人名簿とみなしまして、それらの選擧に使用することをいたしたのであります。
第四には、現役または召集中の者に對する選擧權及び被選擧權の缺格條項の整理であります。現在なお兵役法上、現役または召集中の取扱いを受けている者があるのでありますが、軍の解消いたしました今日、これらの者に選擧權及び被選擧權を認めない理由がありませんのみならず、先般の地方制度の改正によりまして、既に地方公共團體の議員の選擧權及び被選擧權が、これらに對して認められておるのでありますので、附則におきまして特に規定を設けて、衆議院議員の選擧權及び被選擧權もこの際認めることといたし、臨時名簿調製の際これに登録ができるようにいたしたのであります。
最後に、昭和十三年法律第八十四號は、現役または召集中の軍人等が歸還した場合の臨時名簿の調製及び議員の應召や歸還に伴う臨時措置を規定した戰時立法でございますが、この法律案が成立いたしますならば、その必要がなくなりますので、これを廢止することといたしたのであります。ただ同法によりまして調製いたしました名簿及び地方議會の議員で應召中の者が復歸した場合における特別措置についてだけ、その效力を存續させることといたしておるのであります。何とぞ御審議の上御協贊あらんことを切望申し上げます。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=32
-
033・山崎猛
○議長(山崎猛君) 本案の審査を付託すべき委員の選擧についておはかりいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=33
-
034・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は政府提出參議院議員選擧法案委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=34
-
035・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=35
-
036・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=36
-
037・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際政府提出、有價證券の處分の調整等に關する法律案を議題となし、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=37
-
038・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=38
-
039・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
有價証券の處分の調整等に關する法律案の第一讀會を開きます。石橋大藏大臣発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=39
-
040・会議録情報5
――――◇―――――
有價証券の處分の調整等に關する法律案(政府提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
有價証券の処分に関する法律案
第一條 この法律は、財産税法に基いて國庫に納付せられる有價証券、戰後経済の民主化を図るため処分せらるべき有價証券等多額の有價証券の処分を、円滑且つ公正ならしめるため、有價証券市場の状況に應じて、その処分に関する時期、價額、数量等に所要の調整を加えるとともに、廣く國民の間に有價証券の分散を図ることを目的とする。
第二條 この法律において指定証券とは、左に掲げるものをいう。
一 政府の所有する有價証券
二 持株会社整理委員会が、持株会社整理委員会令第一條の規定により指定を受けた会社又は個人から讓渡を受けて所有する有價証券
三 昭和二十年大藏外務内務司法省令第一号(外地銀行、外國銀行及び特別戰時機関の閉鎖に関する件)第一條に規定する指定機関の所有する有價証券
四 昭和二十一年大藏司法省令第四号(日本証券取引所の有價証券賣買取引事業特別会計に属する財産に関する件)第一條の規定により、閉鎖機関保管人委員会委員長の管理する有價証券
五 昭和二十一年勅令第五百六十七号(会社の証券保有制限等に関する件)の規定に基いて、同令第一條に規定する指定会社、從属会社若しくは関係会社又は同令第五條第一項(同令第十七條において準用する場合を含む。)の規定に該当する者が讓渡すべき株券及び出資証券(同令第六條第一項第一号に掲げる者に対し讓渡する株式を除く。)
六 企業再建整備法に規定する特別経理株式会社(以下特別経理株式会社という。)が同法に規定する決定整備計画の定めるところに從つて讓渡すべき有價証券及び同法第五十二條に規定する者が、同法の規定の準用の結果讓渡することとなる有價証券
七 前各号に掲げるものの外、命令で定める有價証券
前項において有價証券とは、國債証券、地方債証券、株券、出資証券、社債券その他命令で定めるもの(明治三十九年法律第三十四号國債に関する法律又は社債等登録法の規定により登録されたものを含む。)をいう。
第三條 指定証券の讓渡については、その讓渡の計畫に関し、予め証券処理調整協議会(以下協議会という。)の承認を経なければならない。
第四條 協議会に、協議員を以てこれを組識する。
協議員は、左の各号に掲げる者の代表者(第三号に掲げる者及び第五号の規定に基く命令により指定された個人については、その者)を以てこれに充てる。
一 國
二 持株会社整理委員会
三 閉鎖機関保管人委員会委員長
四 日本銀行
五 前各号に掲げるものの外、命令で指定する者があるときは、その者
第五條 協議会に議長を置く。
議長は、協議員の中一人を以てこれに充てる。
議長の選任及び解任は、協議員の過半數を以てこれを決する。
議長は、協議会の会務を総理し、協議会を代表する。
第六條 協議会の決議は、議長の選任及び解任の場合を除く外、協議員全員の意見の一致による。
前項に規定するものを除く外、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会の規約(以下規約という。)を以てこれを定める。
第七條 指定証券(第二條第一項第五号の指定証券を除く。)を讓渡しようとする者は、規約の定めるところにより、讓渡の時期、價額、数量その他讓渡に関し必要な事項を記載した計画書を作成し、これを協議会に提出しなければならない。但し、命令の定める場合はこ
の限りでない。
前項の規約を決定したときは、協議会は、命令の定めるところにより、これを公告しなければならない。これを改正したときも、また同樣とする。
第八條 前條第一項の規定による計画書の提出があつたときは、協議会は、これを檢討し、有價証券市場の状況を勘案し、指定証券の讓渡を円滑且つ公正に行い、その証券の分散を図るに適当であると認めたときは、これを承認する。
前項の場合において、計画書に記載された事項のうち、同項に掲げる趣旨に照し、協議会が不適当と認めるものがあるときは、協議会は、計画書の承認をなさず、又は所要の変更を加えて計画書を承認することができる。
前二項の規定による処分をしたときは、協議会は、計画書の提出者に対し、これを通知する。
前條第一項の規定による計画書の提出があつた場合において、その提出があつた日から三十日以内に第三項の規定による処分の通知又は特別の指示がなかつたときは、その期間満了の日において、その計画書は、協議会が、これを承認したものとみなす。
第九條 第二條第一項第五号の指定証券については、持株会社整理委員会において、命令の定めるところにより、昭和二十一年勅令第五百六十七号第四條又は第五條の規定により持株会社整理委員会に対し提出された株式処分計画書(同令第六條第一項第一号に掲げる者に讓渡すべき株式に関するものを除く。以下同じ。)に記載する計画を綜合し、その綜合計画について、協議会の承認を受けるものとする。
前條の規定は、前項の場合について、これを準用する。
持株会社整理委員会は、第一項の規定による承認を受けた綜合計画に基かなければ、昭和二十一年勅令第五百六十七号第八條の規定による株式処分計画書の承認をしてはならない。
第十條 第八條の規定により指定証券の讓渡に関する計画書の承認を受けた者又は第二條第一項第五号の指定証券について昭和二十一年勅令第五百六十七号第八條の規定により株式処分計画の承認を受けた者は、当該計画書の定めるところに從つて、指定証券の讓渡を協議会に委託しなければならない。但し、特別経理株式会社及び企業再建整備法第五十二條に規定する者(以下特別経理会社等という。)が第二條第一項第六号の指定証券を讓渡しようとする場合及び命令で定める場合はこの限りでない。
前項の規定による委託があつたときは、協議会は、委託者の代理人としてその承認した計画に從つて指定証券を讓渡しなければならない。
前項の場合において、市況の変化その他やむを得ない事情により、その承認した計画に從つて指定証券の讓認渡をすることができなかつたときは、協議会は、その計画を変更することができる。
第八條第三項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
第十一條 特別経理会社等は、第八條第三項(第二項において準用する場合を含む。)の規定による計画書の承認の通知を受けた場合において、市況の変化その他やむを得ない事情があるときは、命令の定める期間内に、協議会に対し承認のあつた計画書について、その承認の変更を申請することができる。この場合において、その承認は、その申請に対する協議会の処分のある日まで、その效力を停止される。
第八條の規定は、前項の申請のあつた場合に、これを準用する。
特別経理会社等は、協議会の承認を受けた計画に從つて指定証券を讓渡しなければならない。
特別経理会社等は、指定証券の讓渡を協議会に委託することができる。
特別経理会社等が、第八條(第二項において準用する場合を含む。)の規定による承認を受けた後、協議会の指示する期間内に指定証券を讓渡しなかつた場合には、その讓渡のなかつた範囲内において、承認は、その効力を失う。
第十二條 第十條第一項又は前條第四項の規定により、協議会に対し、指定証券の讓渡の委託をする者は、命令の定めるところにより、協議会に対し手数料を支拂はなければならない。
第十三條 協議会は、指定証券の円滑且つ公正な処分を図るため必要があると認めるときは、命令の定めるところにより、関係各廳官吏、指定証券を所有する者又は証券の取引に関し特別の知識経驗を有すると認められる者に対し、協議会の会議に出席して意見を述べるべき旨を要求し、又は有價証券市場の状況その他協議会の職務を執行するについて参考となるべき事項に関し、報告、情報又は資料の提出を求めることができる。
前項の規定により、会議に出席すべきことを要求された者に支給すべき旅費、報告、情報又は資料の提出を求められた者に対する費用の弁償その他前項の場合において必要な事項は、命令でこれを定める。
第十四條 政府の指定する会社その他の法人(以下指定法人という。)は、命令の定める日において株主名簿又は出資者名簿に記載された株主又は出資者の住所及び氏名又は名称並びに各株主の有する株式の種類及び数又は各出資者の有する出資の口数を、協議会に報告しなければならない。
前項の規定により報告をした後、その報告に係る事項に異動を生じたときは、指定法人は、命令の定めるところにより、異動に係る事項を協議会に報告しなければならない。
指定法人が解散したとき、又は指定法人でなくなつたときは、命令で定める者は、遲滯なくその旨を協議会に報告しなければならない。
第十五條 指定法人は、商法第二百二十七條第一項の規定にかかわらず、無記名式の株券を発行することができない。
指定法人の株主で無記名式の株券を有する者は、命令の定めるところにより、その株券を記名式とした後でなければ、その權利を行使することができない。
第十六條 協議会の経費は、規約の定めるところにより、第四條第二項各号に掲げる者において、これを負担しなければならない。
第十七篠 協議会の事務を処理させるため、協議会に事務局を附置しこれに所要の職員を置く。
協議会は、命令の定めるところにより、事務局の所在、議長の住所及び氏名その他必要な事項を公告しなければならない。
第十八條 協議員その他協議会の職員は、これを法令により公務に從事する職員とみなす。
前項に掲げる者は、株券、出資証券又は社債券若しくは特別の法令により設立された法人の発行する債券(社債等登録法の規定により登録されたものを含む。)を賣買し、又は他人の行うこれ等の証券の賣買に関與してはならない。但し、法令による職務の執行としてなす場合、又は協議会の承認を受けた場合は、この限りでない。
第十九條 この法律によりなすべき公告に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第二十條 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 第十條第一項の規定に違反し協議会に対する讓渡の委託をなさずして指定証券を讓渡した者
二 第十一條第三項の規定に違反し指定証券を讓渡した者
三 第十四條第一項又は第二項の規定に違反し報告を怠り、又は虚僞の報告をした者
第二十一條 協議員その他協議会の職員が、第十八條第二項の規定に違反し同項に掲げる行爲をしたときは、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十二條 協議員その他協議会の職員又は職員であつた者は、その職務に関し知り得た秘密を漏し又は窃用したときは、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第二十三條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第二十條の違反行爲をしたときは、行爲者を罰する外、その法人又は人に対しても、同條の罰金刑を科する。
第二十四條 左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の過料に処する。
一 第十三條の規定により協議会の会議に出席を要求された場合において、正当の理由なくして出席しない者
二 同條の規定による報告、情告又は資料の提出を求められた場合において、その提出を怠り、又は虚僞の報告、情報若しくは資料の堤出をした者
附 則
この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
この法律は、指定証券に関し、この法律施行の際、讓渡契約が成立してゐる場合又は讓渡の申込のあつた場合においては、当該讓渡行爲については、これを適用しない。
━━━━━━━━━━━━━
〔國務大臣石橋湛山君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=40
-
041・石橋湛山
○國務大臣(石橋湛山君) 只今議題となりました、有價證券の處分の調整等に關する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
財産税法に基づいて國庫に納付いたされます有價證券、またいわゆる持株會社或は閉鎖機關の整理に伴いまして處分を要する有價證券、その他今後證券市場において處分を要しまする有價證券は、きわめて厖大な額に上るものと豫想されるのであります。これらの巨額の有價證券の處分をそのままに放置いたしておきまする時は、各機關におきまして處分しようとするこれらの有價證券が、時を同じくして市場に殺到いたしまして、競合の結果、證券市場を著しく混亂せしめ、これがために證券價格も不當の低落を見るに至るというようなことに相なりまして、これら有價證券の處分は、とうてい圓滑に行われないのではないかと恐れられるのであります。從いまして、これ等の有價證券を圓滑に合理的な價格をもつて處分いたしますためには、多額の有價證券を處分いたそうとする各機關が相互に協調して、處分すべき有價證券の處分の時期、價額、數量等に所要の調整を加えて、一定の計畫の下に、順序よく處分して行くことが、必要であると考えます。なおこれらの機關が有價證券を處分いたします場合におきましては、特定のものに對して過當に多額の證券が渡るというようなことを避けまして、廣く國民の間に分散せしめるように、きわめて公平にこれを配分しなければならないと思うのであります。しかしてそのためには、處分に關する事務はこれを統一的に處理し、また株式の最終の所有者を明らかならしめておくことがきわめて大切であると存ずるのであります。以上の理由からいたしまして、政府はここに有價證券の處分の調整等に關する法律案を提案いたした次第であります。
次ぎに、この法律案の内容について少しく御説明申し上げます。まず第一は、證券處理調整協議會についてであります。今後多額の有價證券を處分しようといたすもの、すなわち國、持株會社整理委員會、閉鎖機關保管人委員會及び閉鎖機關の特殊整理人であります所の日本銀行、さらにまた特別經理會社の利益を代表するもの等の代表者をもつて、證券處理調整協議會を組織いたし、各機關が處分すべき有價證券につきまして、この協議會が市場の状況等を勘案して、處分の時期、價額、數量等に所要の調整を加えるのであります。すなわち各機關は、有價證券の處分計畫につき協議會の承認を受けなければ、有價證券の處分ができないということにいたすのであります。また協議會が有價證券の處分計畫書を承認する場合等には、協議會の決議は、議長の選任及び解任のほか、協議員全員の一致によることといたしております。
第二に有價證券の處分についてでありますが、國、持株會社整理委員會、閉鎖機關保管人委員會及び日本銀行は、協議會の承認を受けた計畫に從つて有價證券を處分する場合には、必ずこの協議會にその處分を委託しなければならないことに相なつております。なお特別經理會社が有價證券を處分する場合におきましては、特別經理會社はみずから處分しても差支えないのでありますが、また必要があれば、この協議會に委託して處分することもできるのであります。協議會が各機關から有價證券の處分の委託を受けました時は、協議會は必ずその承認した計畫に從い有價證券を處分しなければならないのでありまして、賣出しの公告をいたし、申込みを受け、割當を行う等、有價證券の賣買は、協議會が各機關に代つてその事務を處理することになるのであります。
第三は、株主等に關する事項の報告についてであります。以上申し上げました方法によりまして處分いたされました株式の最終の株主を明瞭にする手段といたしまして、一定の會社に對して、政府の指定する一定の日現在の株主名簿に記載された株主の住所、氏名、所有株數をこの協議會に報告せしめるのであります。またなおその後におきまして、株主の異動があつた都度、その旨を協議會に報告せしめることにいたしておるのであります。なお證券處理協議會は、有價證券の處分に關する調整及び斡旋を目的として組織するものでありますから、これがために持株會社整理委員會や閉鎖機關等の各機關の獨自の性格及び任務は、これによりましてなんら制限變更を受けるものでないことは勿論でございます。
以上がこの法律案のだいたいの内容であります。何とぞ速やかに御審議の上、御協贊あらんことを切望いたす次第であります。(拍手)発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=41
-
042・山崎猛
○議長(山崎猛君) 本案の審査を付託すべき委員の選擧についておはかりいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=42
-
043・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は政府提出増加所得税法案委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=43
-
044・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=44
-
045・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=45
-
046・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際佐藤義詮君外四名提出、戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案を議題となし、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=46
-
047・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり。〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=47
-
048・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案の第一讀會を開きます。提出者の趣旨辯明を許します。提出者左藤義詮君。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=48
-
049・会議録情報6
――――◇―――――
戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案(左藤義詮君外四名提出) 第一讀會
━━━━━━━━━━━━━
戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案
戰時補償特別措置法の一部を次のように改正する。
第十二條中「現に別表二第一號」の下に「及び第五號」を加える。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
改正後の戰時補償特別措置法第十二條第一項の規定により軽減又は免除される戰時補償特別税で、この法律施行の際既に納付されたものについては、命令の定めるところにより、當該税額に相当する金額を還付する。
━━━━━━━━━━━━━
〔左藤義詮君登壇〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=49
-
050・左藤義詮
○左藤義詮君 只今上程せられました、各派共同提案の戰時補償特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由竝びに内容を簡單に御説明申し上げます。
前議會において可決されました戰時補償特別措置法は、その第十二條において「民法第三十四條の規定により設立した法人その他の營利を目的としない法人又は團體で命令で定めるものが、この法律施行の際現に別表二第一號に掲げる請求權を有し、又はこの法律施行前に同號に掲げる請求權について決濟を受けた場合においては、政府は、命令の定めるところにより、戰時補償特別税審査委員會の諮問を經て、戰時補償特別税を輕減又は免除することができる。」、こういうふうに規定をしております。ここに別表二第一號とは、舊戰爭保險臨時措置法又は舊戰時特殊損害保險法に基く戰爭保險契約による戰爭保險金の請求權、すなわち、戰爭保險金につきましては、戰時補償特別税の減免を認めたのでありますが、別表二の五、舊防空法第五條の五第二項の規定により指定された地區内に存する建築物を除却する場合における補償金及び當該建築物の賣買代金の請求權、すなわち強制疎開のための補償金につきましては、全くこの恩典が認められていない。こういう片手落ちになつておるのであります。
元來防空法による疎開が、當時敗戰に血迷つた軍閥官僚の無理解きわまる專制抑壓によつて強行せられましたことは、御承知の通りであります。わが國文化と信仰の中心である京都府の一例を見ましても、わずかに旬日の期限をもつて、學校や寺院、教會等に、一律に建物の讓渡命令が發せられまして、建物の移轉や拂下げも絶對これは許さない。全部を買い上げて二足三文に處分してしまつたのであります。しかもその補償金たるや、當時の貨幣價値をもつてしても、なお甚だ安かつたのでありますが、豺狼のごとき軍閥獨裁下においては、涙を呑んでこれに服從したのであります。爆撃でひと思いに燒けた方がまだしも諦らめがつきやすい。しかもその方の戰爭保險金には法の情けがかけられておるのに、いわばなぶり殺しのような強制疎開の方には、なんらの考慮が施されていない。これはなんといつても不合理不公平と申さなければなりません。
復興につきましても、後から燒けてしまつたものより、先きに疎開せられたものの方が早く手をつけております。折角補償金を頼りに建築にかかつたものが、今さら全額課税せられたら、破産のほかはありません。これはひとり寺院、教會のみならず、教育團體、慈善團體、醫療團體、あらゆる公益法人共通の問題であります。金額にしますれば概算約二千萬圓程度と存ぜられますが、第一には文化日本の基盤たるべき公益事業の助成という上から、第二には法の公正という上から、ぜひとも別表二第五號、すなわち強制疎開による補償金につきましても、第一號と同樣の輕減または免除がなされますよう、各派協同一致の下にこの法案を出した次第であります(拍手)何卒御審議の上、速やかに御協贊あらんことをお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=50
-
051・山口喜久一郎
○山口喜久一郎君 本案は政府提出増加所得税法案委員に併せ付託せられんことを望みます。発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=51
-
052・山崎猛
○議長(山崎猛君) 山口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=52
-
053・山崎猛
○議長(山崎猛君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
これにて議事日程は議了いたしました。明二十日は午後一時より本會議を開きます。次會の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散會いたします。
午後四時七分散會発言のURL:https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/simple/detail?minId=009113242X01319461219&spkNum=53
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。